JP2002167386A - 3環式縮合複素環誘導体の製造法 - Google Patents

3環式縮合複素環誘導体の製造法

Info

Publication number
JP2002167386A
JP2002167386A JP2001287034A JP2001287034A JP2002167386A JP 2002167386 A JP2002167386 A JP 2002167386A JP 2001287034 A JP2001287034 A JP 2001287034A JP 2001287034 A JP2001287034 A JP 2001287034A JP 2002167386 A JP2002167386 A JP 2002167386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
substituent
ring
compound
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001287034A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Kawarasaki
忠雄 河原崎
Hideo Hashimoto
秀雄 橋本
Kiminori Tomimatsu
公典 冨松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001287034A priority Critical patent/JP2002167386A/ja
Publication of JP2002167386A publication Critical patent/JP2002167386A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有す
る3環式縮合複素環誘導体及びその中間体の簡便かつ工
業的に有利な製造法の提供。 【解決手段】 下記式で表される反応に従って目的化合
物を製造する。具体的な化合物としては8−[3−〔1
−〔(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジ
ニル〕−1−オキソプロピル〕−1,2,5,6−テト
ラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン
−4−オン等があげられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬として有用な
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する3環式縮
合複素環誘導体およびその中間体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アセチルコリンエステラーゼ阻害
作用を有する3環式縮合複素環誘導体およびその中間体
は、ハロゲン系の溶媒中で塩化アルミニウム存在下、3
環式縮合複素環に酸クロリドをフリーデル・クラフツ反
応させることにより合成する方法が報告されている(特
開平7−206854号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の製
造法では、反応溶媒として環境汚染物質であり使用が著
しく制限されている1,2−ジクロロエタンや塩化メチ
レンを用いることや工程数が多いことから、安価で簡便
な3環式縮合複素環誘導体およびその中間体の製造法が
望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3環式縮
合複素環誘導体の製造法を種々検討した結果、3環式縮
合複素環とピペリジンカルボン酸誘導体とをポリりん酸
の存在下で脱水縮合させると、3環式縮合複合環の目的
とする特定の位置にピペリジンカルボン酸誘導体が結合
し、目的の誘導体を収率良く、安価かつ簡便に得ること
ができ、この方法が工業的規模で十分満足できる製造法
であることを初めて見出し、これらの知見に基づいて鋭
意研究し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)式
【化16】 [式中、A環およびB環は一方が置換基を有していても
よい複素環で、他方が置換基を有していてもよく、ヘテ
ロ原子を含んでいてもよい5ないし8員環を示す。]で
表される化合物またはその塩と式
【化17】 [式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアル
キル基または置換基を有していてもよいアシル基を、n
は1ないし6の整数を示す。]で表される化合物または
その塩とをりん化合物存在下で反応させることを特徴と
する、式
【化18】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩の製造法、(2)りん化合物がポリりん
酸である前記(1)記載の製造法、(3)式
【化19】 が式
【化20】 [式中、A''環およびB''環はそれぞれ置換基を有して
いてもよい含窒素複素環を示す。]である前記(1)記
載の製造法、(4)Rが置換基を有していてもよいアシ
ル基である前記(1)記載の製造法、(5)Rがアセチ
ル基である前記(1)記載の製造法、(6),2,5,6
−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノ
リン−4−オンと1−アセチル−4−ピペリジンプロピ
オン酸とをりん化合物存在下で反応させることを特徴と
する8−[3−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−
1−オキソプロピル−1,2,5,6−テトラヒドロ−4
H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンの製
造法、(7)式
【化21】 [式中、A環およびB環は一方が置換基を有していても
よい複素環で、他方が置換基を有していてもよく、ヘテ
ロ原子を含んでいてもよい5ないし8員環を示す。]で
表される化合物またはその塩と式
【化22】 [式中、R'は置換基を有していてもよいアシル基を、
nは1ないし6の整数を示す。]で表される化合物また
はその塩とをりん化合物存在下で反応させ、得られた式
【化23】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩を、脱アシル化させることを特徴とす
る、式
【化24】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩の製造法、(8)約1〜約6規定塩酸で
脱アシル化させる前記(7)記載の製造法、(9)1,
2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−i
j]キノリン−4−オンと1−アセチル−4−ピペリジ
ンプロピオン酸とをりん化合物存在下で反応させ、得ら
れた8−[3−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−
1−オキソプロピル−1,2,5,6−テトラヒドロ−4
H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンを脱
アセチル化させることを特徴とする8−[3−(4−ピ
ペリジニル)−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−
テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリ
ン−4−オンの製造法、(10)式
【化25】 [式中、A環およびB環は一方が置換基を有していても
よい複素環で、他方が置換基を有していてもよく、ヘテ
ロ原子を含んでいてもよい5ないし8員環を示す。]で
表される化合物またはその塩と式
【化26】 [式中、R'は置換基を有していてもよいアシル基を、
nは1ないし6の整数を示す。]で表される化合物また
はその塩とをりん化合物存在下で反応させ、得られた式
【化27】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩を、脱アシル化させ、得られた式
【化28】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩と式
【化29】 [式中、C環は置換基を有していてもよいベンゼン環
を、Wは脱離基を示す。]で表される化合物またはその
塩とを反応させることを特徴とする、式
【化30】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩の製造法、(11)C環がハロゲンで置
換されたベンゼン環である前記(10)記載の製造法、
(12)1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ
[3,2,1−ij]キノリン−4−オンと1−アセチル
−4−ピペリジンプロピオン酸とをりん化合物存在下で
反応させ、得られた8−[3−(1−アセチル−4−ピ
ペリジニル)−1−オキソプロピル−1,2,5,6−テ
トラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン
−4−オンを脱アセチル化させ、得られた8−[3−
(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピル]−1,2,
5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−i
j]キノリン−4−オンと3−フルオロベンジルクロラ
イドとを反応させることを特徴とする8−[3−[1−
[(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジニ
ル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒ
ドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−
オンの製造法などに関する。
【0005】前記式中、A環またはB環で表される「置
換基を有していてもよい複素環」における「複素環」と
しては、例えば、窒素原子、酸素原子または硫黄原子な
どから選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含有する5
ないし9員環などが用いられる。具体的には例えば、ピ
リジン,ピラジン,ピリミジン,イミダゾール,フラ
ン,チオフェン,ピロリジン,ピペリジン,ヘキサメチ
レンイミン,テトラヒドロフラン,ピペラジン,モルホ
リン,チオモルホリンなどが用いられる。特に、1個の
ヘテロ原子あるいは同一または異なる2個のヘテロ原子
を含有する5ないし9員環の非芳香性複素環(例えば、
ピロリジン,ピペリジン,ヘキサメチレンイミン,テト
ラヒドロフラン,ピペラジン,モルホリン,チオモルホ
リンなど)などが好ましい。特に、例えば窒素原子、酸
素原子および硫黄原子から選ばれる1個のヘテロ原子を
含有する非芳香性複素環や、1個の窒素原子と窒素原
子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1個のヘテロ
原子を含有する非芳香性複素環などが繁用される。
【0006】A環またはB環で表される「ヘテロ原子を
含んでいてもよい5ないし8員環」としては5ないし8
員複素環または炭素環が用いられ、置換基を有していて
もよい。該5ないし8員炭素環はベンゼン環であって
も、飽和または不飽和の環であってもよく、例えば、ベ
ンゼン,シクロペンタン,シクロペンテン,シクロヘキ
サン,シクロヘキセン,シクロヘキサジエン,シクロヘ
プタン,シクロヘプテン,シクロヘプタジエンなどが用
いられる。またA環またはB環がヘテロ原子を環内に有
している場合、すなわち複素環の場合、ヘテロ原子とし
ては、例えば窒素原子、酸素原子または硫黄原子などか
ら選ばれる1ないし3個が用いられ、該A環またはB環
は芳香性、非芳香性どちらでもよく、芳香性複素環とし
ては、ピリジン,フラン,チオフェンなどが用いられ
る。非芳香性複素環としては、A環またはB環で示した
非芳香性複素環などが好ましい。
【0007】すなわち、化合物(I)としては、例えば
1H,3H−ナフト〔1,8−cd〕〔1,2〕オキサジ
ン、ナフト〔1,8−de〕−1,3−オキサジン、ナフト
〔1,8−de〕−1,2−オキサジン、1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ〔cd〕インドール、2,3,
3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ〔de〕キ
ノリン、4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン、1,
2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−i
j〕キノリン、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,
1−ij〕キノリン、1H,5H−ベンゾ〔ij〕キノリジ
ン、アゼピノ〔3,2,1−hi〕インドール、1,2,4,
5,6,7−ヘキサヒドロアゼピノ〔3,2,1−hi〕イン
ドール、1H−ピリド〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズア
ゼピン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ピリド
〔3,2,1−jk〕〔1〕ベンズアゼピン、1,2,5,6,
7,8−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1−jk〕
〔1〕ベンズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−ベン
ズ〔de〕イソキノリン、1,2,3,4,4a,5,6,7−
オクタヒドロナフト〔1,8−bc〕アゼピン、2, 3,
5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔3,2,1
−jk〕〔1〕ベンズアゼピンなどが挙げられる。
【0008】化合物(I)としては、例えば、式
【化31】 [式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基または置換基を有していてもよいアシル基を、
その他の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩などが好ましい。
【0009】化合物(I)としては、式
【化32】 [式中、A'環は置換基を有していてもよい5または6
員含窒素複素環を、B'環は置換基を有していてもよい
5ないし7員含窒素複素環を示す。]で表される化合物
またはその塩、すなわち、式
【化33】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
物またはその塩がより好ましい。化合物(I)として
は、式
【化34】 [式中、A''環およびB''環はそれぞれ置換基を有して
いてもよい含窒素複素環を示す。]で表される化合物ま
たはその塩が最も好ましい。
【0010】A環およびB環は置換基を有していてもよ
く、その置換基はA環およびB環の任意の炭素原子上に
置換していてもよい。この置換基としては例えばハロゲ
ン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、
1−4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,
プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシな
ど)、C1−4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,
エチルチオ,プロピルチオなど)、アミノ基、モノまた
はジC1−4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミ
ノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチルアミノ,
ジエチルアミノなど)、例えば炭素原子と1個の窒素原
子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子などから選
ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい5な
いし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジ
ノ,モルホリノ,チオモルホリノなど)、C1−4アル
キル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ,
プロピオニルアミノ,ブチリルアミノなど)、C1−4
アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニ
ルアミノ,エチルスルホニルアミノなど)、C1−4
ルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニルな
ど)、カルボキシル基、C1−6アルキル−カルボニル
基(例えば、メチルカルボニル,エチルカルボニル,プ
ロピルカルボニルなど)、カルバモイル基、モノまたは
ジC1−4アルキル−カルバモイル基(例えば、メチル
カルバモイル,エチルカルバモイルなど)、C1−6
ルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチ
ルスルホニル,プロピルスルホニルなど)などから選ば
れた1ないし5個が用いられる。それらのうち、オキソ
基、メチルなどのC1−6アルキル基などが好ましく、
とりわけオキソ基が好ましい。
【0011】A環およびB環が環中に窒素原子を有する
時、その窒素原子上に置換基を有していてもよい。すな
わち、A環およびB環は環中に、 >N−R 〔Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素
基または置換基を有していてもよいアシル基を示す。〕
を有していてもよい。Rで表わされる「置換基を有し
ていてもよい炭化水素基」としては、例えばハロゲン原
子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、ニトロ基、C1−4アルコキシ基(例えば、メト
キシ,エトキシなど)、ヒドロキシ基などから選ばれる
1ないし3個の置換基で置換されていてもよい、C
1−6アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−プロ
ピル,イソプロピルなど)またはC7− 10アラルキル
基(例えば、フェニルメチル,フェニルエチルなど)な
どが好ましい。特に、無置換のベンジル基などが繁用さ
れる。Rで表される「置換基を有していてもよいアシ
ル基」としては、例えばハロゲン原子(例えば、フルオ
ロ,クロロ,ブロモ,ヨードなど)、ニトロ基、C
−6アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシな
ど)、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ,エチ
ルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)など
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていても
よい、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニル(例、
アセチル,プロピオニルなど)、ベンゾイル、C1−6
アルキルスルホニル(例、メタンスルホニル,エタンス
ルホニルなど)ベンゼンスルホニル、C −6アルコキ
シ−カルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカ
ルボニル、t−ブトキシカルボニルなど)またはベンジ
ルオキシカルボニルなどが好ましい。前記式中、A'
環、B'環、A''環およびB''環における置換基として
は、A環およびB環における置換基と同様のものが挙げ
られる。A'環およびB'環の置換基としてはオキソ基が
好ましく、A''環およびB''環は無置換が好ましい。
【0012】前記式中、Rで表される「置換基を有して
いてもよいアルキル基」としては、例えば(1)ハロゲ
ン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、(2)ニトロ基、(3)C1−6アルコキシ基
(例えば、メトキシ,エトキシなど)、(3)ヒドロキ
シ基および(4)C1−6アルキル(例えば、メチル,
エチルなど)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロ
ロ,ブロモ,ヨードなど)、ニトロ、シアノ、アミノ、
モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ(例えば、メ
チルアミノ,エチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチル
アミノなど)、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ(例え
ば、メトキシ,エトキシなど)、フェニル−C1−4
ルコキシ(例えば、ベンジルオキシなど)およびC
1−4アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ
など)などから選ばれる1ないし3個の置換基で置換さ
れていてもよいフェニル基などから選ばれる1ないし3
個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基
(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピ
ルなど)が挙げられる。RおよびR'で表される「置換
基を有していてもよいアシル基」としては、R で表さ
れる「置換基を有していてもよいアシル基」と同様のも
のが挙げられる。RおよびR'としては、置換基を有し
ていてもよいアシル基が好ましく、C −6アルキル−
カルボニル基(例、アセチル基)がより好ましい。前記
式中、nは1ないし6の整数を示すが、2または3が好
ましく、2がより好ましい。
【0013】前記式中、C環で表される「置換基を有し
ていてもよいベンゼン環」としては、例えば、C1−6
アルキル(例えば、メチル,エチルなど)、ハロゲン原
子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、ニトロ、シアノ、アミノ、モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ,エチル
アミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、ヒド
ロキシ、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ,エト
キシなど)、フェニル−C1−4アルコキシ(例えば、
ベンジルオキシなど)およびC1−4アルキレンジオキ
シ(例えば、メチレンジオキシなど)から選ばれる1な
いし3個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環が
挙げられる。C環は、フルオロなどのハロゲン原子、ア
ミノなどで置換されたベンゼン環が好ましく、ハロゲン
原子で置換されたベンゼン環がより好ましい。
【0014】前記式中、Wで表される「脱離基」として
は、例えばハロゲン原子(例えば、クロロ,ブロモ,ヨ
ードなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アル
キルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキ
シ,エタンスルホニルオキシ,トリフルオロメタンスル
ホニルオキシなど)、置換基を有していてもよいC
−10アリールスルホニルオキシなどが挙げられる。該
「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホ
ニルオキシ」の置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲ
ン化されていてもよいC1−6アルキルおよびハロゲン
化されていてもよいC1−6ハロゲン化アルコキシから
選ばれる1ないし3個の置換基が挙げられる。「置換基
を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキ
シ」の具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、p
−トルエンスルホニルオキシ、1−ナフタレンスルホニ
ルオキシ、2−ナフタレンスルホニルオキシなどが挙げ
られる。Wはクロロなどのハロゲン原子が好ましい。
【0015】式(I)、(II)、(II')、(III)、
(III')、(IV)および(V)で表される化合物の塩と
しては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水
素酸、硫酸、硝酸など)との塩、あるいは有機酸(例え
ば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フ
マル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酒、クエン酒、リ
ンゴ酒、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)との塩
が用いられる。さらに各化合物が−COOHなどの酸性
基を有している場合、無機塩基(例えば、ナトリウム、
カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金
属またはアルカリ土類金属など、アンモニア)または有
機塩基(例えばトリエチルアミン、トリエチルアミン、
ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなど)と塩を
形成してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】アセチルコリンエステラーゼ阻害
作用を有する3環式縮合複素環誘導体およびその中間体
として有用である化合物(III)、(IV)または(VI)
の製造法について、以下に述べる。本発明の製造法で
は、化合物(I)と化合物(II)とをりん化合物存在下
で脱水縮合させ、化合物(III)を得る。化合物(II)
の使用量は、化合物(I)1モルに対し、約1〜10モ
ル、好ましくは約1〜2モルである。本反応に用いられ
るりん化合物としては、ポリりん酸、ポリりん酸エステ
ル、五酸化りん、五酸化りん−りん酸、五酸化りん−メ
タンスルホン酸、オキシ塩化りん−塩化亜鉛(II)などか
ら選ばれる1種または2種以上が挙げられる。このう
ち、ポリりん酸が好ましい。りん化合物の使用量は、化
合物(II)1モルに対し、約1〜100モル、好ましく
は約1〜20モルである。反応温度は、通常約0〜16
0℃、好ましくは約20〜120℃である。反応時間は
通常約0.1〜30時間、好ましくは約1〜10時間で
ある。本反応は、りん化合物を溶媒としてそのまま使用
することが好ましい。反応に不活性な溶媒存在下で行っ
てもよい。該「不活性な溶媒」としては、芳香族炭化水
素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベン
ゼンなど)、エーテル類(例、ジグライム、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエ
ーテル、ジフェニルエーテル、ジオキサン、1,2−ジ
メトキシエタンなど)、脂肪族炭化水素類(例、ヘキサ
ン、ペンタン、シクロヘキサンなど)、アミド類(例、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホ
スホリックトリアミドなど)、ニトリル類(例、アセト
ニトリル、プロピオニトリルなど)、またはこれら二種
以上の混合物等が用いられる。このうち、トルエン、テ
トラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなど
が好ましい。化合物(I)および化合物(II)は、市販
されている場合には、市販品をそのまま用いてもよく、
また、自体公知の方法(特開平7−206854号)ま
たはこれに準じた方法等に従って製造してもよい。
【0017】次に、式(III)においてRが置換基を有
していてもよいアシル基である化合物、すなわち、化合
物(III')である場合はさらに脱アシル化させて、化合
物(IV)を得ることができる。本反応は、通常塩酸、臭
化水素酸、硫酸等の脱アシル化剤を用いる。このうち、
塩酸が好ましく、塩酸の濃度は好ましくは約1〜12規
定であり、より好ましくは約1〜6規定である。脱アシ
ル化剤の使用量は、化合物(IV)1モルに対し、約1〜
50モル、好ましくは約2〜5モルである。反応温度
は、通常約20〜120℃、好ましくは約60〜100
℃である。反応時間は通常約0.1〜30時間、好まし
くは約1〜15時間である。本反応は、1〜12規定塩
酸を溶媒としてそのまま使用することもあるが、反応に
不活性な溶媒存在下でも行う。該「不活性な溶媒」とし
ては、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼンなど)、エーテル類(例、ジグ
ライム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
t−ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジオ
キサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、脂肪族炭化
水素類(例、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンな
ど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、2-ブタノール、t−ブタノー
ル、2−メチル−2−ブタノールなど)、またはこれら
二種以上の混合物等が用いられる。このうち、トルエ
ン、テトラヒドロフラン、エタノールなどが好ましい。
【0018】次に、かくして得られた化合物(IV)また
は式(III)においてRが水素原子である化合物と化合
物(V)とを塩基の存在下または非存在下で反応させ、
化合物(VI)を得る。化合物(V)の使用量は、化合物
(IV)1モルに対し、約1〜10モル、好ましくは約1
〜3モルである。該「塩基」としては、例えばアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の水素化物(例、水素化リ
チウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カ
ルシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
のアミド類(例、リチウムアミド、ナトリウムアミド、
リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキ
シルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリ
ウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジ
シラジドなど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の低級アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウム tert-ブトキシドな
ど)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩
(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなど)、有機塩基(例、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチ
ルアミノピリジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデス−7−エン)、DBN(1,5
−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン)など
のアミン類;またはピリジン、イミダゾール、2,6−
ルチジンなどの塩基性複素環化合物などの有機塩基な
ど)、などが挙げられる。このうち、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩が好ましい。該「塩基」の
使用量は化合物(V)1モルに対し、約1〜10モル、
好ましくは約1〜3モルである。反応温度は、通常約−
10〜150℃、好ましくは約0〜80℃である。反応
時間は通常約0.1〜30時間、好ましくは約1〜15
時間である。本反応は、反応に不活性な溶媒存在下で行
う。該「不活性な溶媒」としては、例えば、芳香族炭化
水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベ
ンゼンなど)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジ
フェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
1,2−ジメトキシエタンなど)、脂肪族炭化水素類
(例、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンなど)、ア
ミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘ
キサメチルホスホリックトリアミドなど)、スルホキシ
ド類(例、ジメチルスルホキシドなど)、1級アルコー
ル類(例、メタノール、エタノールなど)、ニトリル類
(例、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、水ま
たはこれら二種以上の混合物等が用いられる。このう
ち、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、アセ
トニトリルなどが好ましい。本反応は、必要に応じ、無
機塩(例、ヨー化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨー化
カリウム、臭化カリウムなどのハロゲン化アルカリ金属
塩など)の存在下で行う。かくして得られる化合物(II
I)、(IV)または(VI)は、自体公知の分離手段
(例、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなど)により、反応混合物から
単離、精製することができる。
【0019】最終目的化合物〔化合物(III)(Rが水
素原子である場合を除く)および化合物(VI)〕は、ア
セチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する。したがっ
て、これらの化合物は老年期痴呆症の予防・治療剤とし
て有用である。また、膀胱排出力改善剤として用いるこ
とができる。例えば、以下の1)から6)等に起因する
排尿障害、特に排尿困難の予防・治療剤として用いるこ
とができる。1)前立腺肥大症、2)膀胱頸部閉鎖症、
3)神経因性膀胱、4)糖尿病、5)手術、および6)
膀胱筋緊張低下。さらに、頻尿、尿失禁等の排尿障害の
予防・治療剤としても有用である。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。 s:シングレット(singlet) d:ダブレット(doublet) t:トリプレット(triplet) m:マルチプレット(multiplet) J:カップリング定数(coupling const
ant) Hz:ヘルツ(Hertz) CDCl:重クロロホルム DMSO−d:重ジメチルスルホキシド H−NMR:プロトン核磁気共鳴 H−NMRスペクトルは、内部基準としてテトラメチ
ルシランを用いてブルッカDPX 300(300MH
z)型スペクトルメーターで測定し、全δ値をppmで
示す。
【0021】実施例1 8−[3−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−1−
オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4
H−ピロロ−[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
の合成 窒素下、1−アセチル−4−ピペリジンプロピオン酸
2.5kg、1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピ
ロロ−[3,2,1−ij]キノリン−4−オン2.1
7kg(1当量)、ポリリン酸26.0kgを約105
℃で8時間攪拌した。約70℃を維持しながら、約5℃
の冷水13Lをゆっくり滴加した。約55℃でトルエン
−アセトニトリル混合液(1:1)25Lを添加した。
約55℃を維持しながら、25%アンモニア水を滴加
(約50L)し、pHを約8.5に調整した。分液し、
水層にトルエン−アセトニトリル混合液(1:1)10
Lを添加し、分液した。有機層を合わせ、液量が約10
Lになるまで濃縮した。約20℃で残留物にイソプロピ
ルエーテル9Lを添加し晶出させた。約20℃で約1.
5時間、ついで約5℃で約1.5時間攪拌した。析出結
晶を分離し、約5℃に冷却したイソプロピルエーテル−
酢酸エチル混合液(1:1)約6L、ついで約5℃に冷
却したイソプロピルエーテル10Lで洗浄した。乾燥
し、目的物を結晶として3.78kg(収率85%)得
た。 元素分析 理論値: C: 71.16, H: 7.39, N: 7.90, O: 13.54 分析値: C: 71.20, H: 7.36, N: 7.801 H-NMR(CDCl3): 1.13-1.19 (2H, m), 1.64-1.79 (5
H, m), 2.09 (3H, s), 2.53 (1H, t), 2.72 (2H, t, J=
9.7Hz), 2.93-3.05 (5H, m), 3.23 (2H, t, J=8.4Hz),
3.80 (1H, d), 4.14 (2H, t, J=8.4Hz), 5.61 (1H, d),
7.67 (1H, s), 7.72 (1H, s)
【0022】実施例2 8−[3−(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピ
ル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ−
[3,2,1−ij]キノリン−4−オンの合成8−
[3−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−1−オキ
ソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−
ピロロ−[3,2,1−ij]キノリン−4−オン3.
95kg、2N−HCl 19.8Lを約85℃で約1
0時間攪拌した。約35℃まで冷却後、反応液にトルエ
ン12Lを添加し、分液した。約30℃を維持しなが
ら、水層に30%NaOHを添加(約10L)し、pH
を約13に調整した。トルエン−アセトニトリル混合液
(1:1)20Lを添加し、分液した。水層にトルエン
−アセトニトリル混合液(1:1)12Lを添加し、分
液した。有機層を合わせ、30%食塩水12Lを添加
し、分液した。有機層に活性炭346g、シリカゲル3
46gを加え、約15分間撹拌後、不溶物をろ去し、ト
ルエン−アセトニトリル混合液(1:1)6Lで洗浄し
た。ろ液を液量が約7Lになるまで濃縮した。残留物に
トルエン3Lを加え、約40℃で撹拌した。窒素下、約
30℃で酢酸666gを約15分かけて添加した。約2
5℃で1.5時間、ついで、約5℃で1時間撹拌した。
析出結晶を分離し、約5℃に冷却したトルエン−アセト
ニトリル混合液(1:1)28Lで洗浄した。同湿結晶
をトルエン−アセトニトリル混合液(1:1)65Lに
懸濁させた。30%NaOHを添加し(約10L)、p
Hを13.5に調整し、分液した。水層にトルエン−ア
セトニトリル混合液(1:1)8L添加し、分液した。
有機層を合わせ、30%食塩水12Lで洗浄した。有機
層を30%食塩水12Lで再度洗浄した。有機層に活性
炭346g、シリカゲル346gを加え、約15分間撹
拌後、不溶物をろ去し、トルエン−アセトニトリル混合
液(1:1)6Lで洗浄した。同操作を二回繰り返し
た。有機層を濃縮した。残留物に水5Lを添加し、再濃
縮した。同操作を二回繰り返した。窒素下で、残留物に
水5Lを添加し、約20℃で30%食塩水5Lを約15
分間で添加した。種晶を加え、約20℃で1.5時間、
ついで約5℃で1時間撹拌した。窒素下で目的物を分離
し、約5℃に冷却した30%食塩水4Lで洗浄した。乾
燥し、目的物を結晶として1.78kg(収率51%)
得た。 元素分析 理論値: C: 73.05, H: 7.74, N: 8.97, O: 10.24 分析値: C: 72.90, H: 7.65, N: 9.061 H-NMR( CDCl3): 1.12-1.22 (2H, m), 1.40-1.50 (1
H, m), 1.64-1.74 (4H,m), 2.59 (2H, td, J=12, 2.4H
z), 2.72 (2H, t, J=7.5Hz), 2.93 (2H, t, J=7.5Hz),
3.00-3.10 (4H, m), 3.23 (2H, t, J=8.4Hz), 4.13 (2
H, t, J=8.4Hz), 7.67 (1H, s), 7.72 (1H, s)
【0023】実施例3 8−[3−[1−[(3−フルオロフェニル)メチル]
−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,
2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ−[3,2,
1−ij]キノリン−4−オンの合成 8−[3−(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピ
ル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ−
[3,2,1−ij]キノリン−4−オン600g、ア
セトニトリル6L、水0.3L、炭酸カリウム345g
(1.3当量)、3−フルオロベンジルクロリド278
g(1当量)を約55℃で攪拌した。約45℃を維持し
ながら、水12Lを約20分間で滴加した。約55℃で
1.5時間、約20℃で3時間攪拌した。析出結晶を分
離し、水15Lで洗浄した。同湿結晶を10%含水メタ
ノール変性エタノール8.0Lに懸濁させた。約70℃
で溶解させ、除塵フィルターを通した。約20℃でろ液
を1.5時間撹拌、ついで水6.9Lを加え、約20℃
で3時間撹拌した。結晶を分離し、50%含水メタノー
ル変性エタノール1.8Lで2回洗浄した。乾燥し、目
的物を結晶として0.71kg(収率88%)得た。 融点: 114℃ 元素分析 理論値: C: 74.26, H: 6.95, N: 6.66, F: 4.52, O:
7.61 分析値: C: 74.27, H: 6.97, N: 6.53, F: 4.521 H-NMR(DMSO-d6): 1.16 (2H, qd, J=11.9, 3.5Hz),
1.21-1.30 (1H, m), 1.53 (2H, m), 1.64-1.67 (2H, d,
J=11.9Hz), 1.89 (2H, t, J=11.9Hz), 2.59 (2H, t, J
=7.8Hz), 2.77 (2H, d, J=11.9Hz), 2.94 (2H, t, J=7.
6Hz), 2.97 (2H,t, J=7.8Hz), 3.17 (2H, t, J=8.5Hz),
3.44 (2H, s), 3.98 (2H, t, J=8.5Hz),7.05 (1H, m),
7.10 (1H, d), 7.12 (1H, d, J=7.9Hz), 7.35 (1H, t
d, J=7.9,6.1Hz), 7.72 (1H, m), 7.73 (1H, m) IR(KBr, νcm-1): 2020, 1660, 1597, 1491, 1387,
1336, 1128, 802 UVmax(CH3CN): 310 nm
【0024】実施例4 8−[3−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−1−
オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4
H−ピロロ−[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
の合成 窒素下、1−アセチル−4−ピペリジンプロピオン酸
(1.99g,9.99mmol)、1,2,5,6−
テトラヒドロ−4H−ピロロ−[3,2,1−ij]キ
ノリン−4−オン(1.73g,9.99mmol)、
ポリリン酸(24g)を約105℃で7時間攪拌した。
40〜70℃で約5℃の冷水(16mL)をゆっくり滴
加した。40〜50℃で25%アンモニア水を滴加し、
pHを8.5に調整した。トルエン−アセトニトリル
(1:1)混合液(20mL)を添加した。分液し、水
層にトルエン−アセトニトリル(1:1)混合液(10
mL)を添加し、分液した。有機層を合わせ、液量が約
1/5になるまで濃縮した。残留物にジイソプロピルエ
ーテル(7mL)を添加し晶出させた。約25℃で約1
時間、ついで0〜5℃で約1時間攪拌した。析出結晶を
分離し、ジイソプロピルエーテル(3mL)で洗浄し
た。乾燥し、目的物を結晶として3.47g(収率9
8.6%)得た。
【0025】実施例5 8−[3−(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピ
ル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ−
[3,2,1−ij]キノリン−4−オンの合成 8−[3−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−1−
オキソプロピル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4
H−ピロロ−[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(10g,28.2mmol)、2N塩酸(50mL)
を約90℃で8時間攪拌した。約25℃まで冷却後、反
応液にトルエン(30mL)を添加し、分液した。約3
0℃を維持しながら、水層に30%水酸化ナトリウム水
溶液を添加(16mL)し、pHを13.8に調整し
た。トルエン−アセトニトリル(1:1)混合液(50
mL)を添加し、分液した。水層にトルエン−アセトニ
トリル(1:1)混合液(50mL)を添加し、分液し
た。有機層を合わせ、30%食塩水(30mL)を添加
し、分液した。有機層を減圧下濃縮し、目的物を固体と
して8.55g(収率92.5%)得た。
【0026】実施例6 8−[3−[1−[(3−フルオロフェニル)メチル]
−4−ピペリジニル]−1−オキソプロピル]−1,
2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ−[3,2,
1−ij]キノリン−4−オンの合成 8−[3−(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピ
ル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ−
[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(4g,1
2.8mmol)、アセトニトリル(26mL)、水
(1.4mL)、炭酸カリウム(2.3g,16.6m
mol)、3−フルオロベンジルクロリド(1.55m
L,12.8mmol)を50〜55℃で攪拌した。冷
却後、水(84mL)を滴加した。室温下、約1時間攪
拌した。析出結晶を分離し、水(80mL)で洗浄し
た。乾燥し、目的物を結晶として5.09g(収率95
%)得た。
【0027】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、医薬として有
用なアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する3環
式縮合複素環誘導体およびその中間体を、収率良く、安
価かつ簡便な方法で、効率よく工業的大量規模で製造す
ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C065 AA07 AA18 BB04 CC09 DD01 EE02 HH01 JJ01 KK01 LL04 PP03 PP13 QQ04 QQ05 4C086 AA01 AA04 CB05 MA01 MA04 NA14 ZC20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [式中、A環およびB環は一方が置換基を有していても
    よい複素環で、他方が置換基を有していてもよく、ヘテ
    ロ原子を含んでいてもよい5ないし8員環を示す。]で
    表される化合物またはその塩と式 【化2】 [式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアル
    キル基または置換基を有していてもよいアシル基を、n
    は1ないし6の整数を示す。]で表される化合物または
    その塩とをりん化合物存在下で反応させることを特徴と
    する、式 【化3】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
    物またはその塩の製造法。
  2. 【請求項2】 りん化合物がポリりん酸である請求項1
    記載の製造法。
  3. 【請求項3】 式 【化4】 が式 【化5】 [式中、A''環およびB''環はそれぞれ置換基を有して
    いてもよい含窒素複素環を示す。]である請求項1記載
    の製造法。
  4. 【請求項4】 Rが置換基を有していてもよいアシル基
    である請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 Rがアセチル基である請求項1記載の製
    造法。
  6. 【請求項6】 1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピ
    ロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンと1−アセ
    チル−4−ピペリジンプロピオン酸とをりん化合物存在
    下で反応させることを特徴とする8−[3−(1−アセ
    チル−4−ピペリジニル)−1−オキソプロピル−1,
    2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−i
    j]キノリン−4−オンの製造法。
  7. 【請求項7】 式 【化6】 [式中、A環およびB環は一方が置換基を有していても
    よい複素環で、他方が置換基を有していてもよく、ヘテ
    ロ原子を含んでいてもよい5ないし8員環を示す。]で
    表される化合物またはその塩と式 【化7】 [式中、R'は置換基を有していてもよいアシル基を、
    nは1ないし6の整数を示す。]で表される化合物また
    はその塩とをりん化合物存在下で反応させ、得られた式 【化8】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
    物またはその塩を、脱アシル化させることを特徴とす
    る、式 【化9】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
    物またはその塩の製造法。
  8. 【請求項8】 約1〜約6規定塩酸で脱アシル化させる
    請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピ
    ロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンと1−アセ
    チル−4−ピペリジンプロピオン酸とをりん化合物存在
    下で反応させ、得られた8−[3−(1−アセチル−4
    −ピペリジニル)−1−オキソプロピル−1,2,5,6
    −テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノ
    リン−4−オンを脱アセチル化させることを特徴とする
    8−[3−(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピ
    ル]−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,
    2,1−ij]キノリン−4−オンの製造法。
  10. 【請求項10】 式 【化10】 [式中、A環およびB環は一方が置換基を有していても
    よい複素環で、他方が置換基を有していてもよく、ヘテ
    ロ原子を含んでいてもよい5ないし8員環を示す。]で
    表される化合物またはその塩と式 【化11】 [式中、R'は置換基を有していてもよいアシル基を、
    nは1ないし6の整数を示す。]で表される化合物また
    はその塩とをりん化合物存在下で反応させ、得られた式 【化12】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
    物またはその塩を、脱アシル化させ、得られた式 【化13】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
    物またはその塩と式 【化14】 [式中、C環は置換基を有していてもよいベンゼン環
    を、Wは脱離基を示す。]で表される化合物またはその
    塩とを反応させることを特徴とする、式 【化15】 [式中の記号は前記と同意義を示す。]で表される化合
    物またはその塩の製造法。
  11. 【請求項11】 C環がハロゲンで置換されたベンゼン
    環である請求項10記載の製造法。
  12. 【請求項12】 1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−
    ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンと1−ア
    セチル−4−ピペリジンプロピオン酸とをりん化合物存
    在下で反応させ、得られた8−[3−(1−アセチル−
    4−ピペリジニル)−1−オキソプロピル−1,2,5,
    6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キ
    ノリン−4−オンを脱アセチル化させ、得られた8−
    [3−(4−ピペリジニル)−1−オキソプロピル]−
    1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1
    −ij]キノリン−4−オンと3−フルオロベンジルク
    ロライドとを反応させることを特徴とする8−[3−
    [1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペ
    リジニル]−1−オキソプロピル]−1,2,5,6−テ
    トラヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン
    −4−オンの製造法。
JP2001287034A 2000-09-21 2001-09-20 3環式縮合複素環誘導体の製造法 Withdrawn JP2002167386A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001287034A JP2002167386A (ja) 2000-09-21 2001-09-20 3環式縮合複素環誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000286574 2000-09-21
JP2000-286574 2000-09-21
JP2001287034A JP2002167386A (ja) 2000-09-21 2001-09-20 3環式縮合複素環誘導体の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002167386A true JP2002167386A (ja) 2002-06-11

Family

ID=26600396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001287034A Withdrawn JP2002167386A (ja) 2000-09-21 2001-09-20 3環式縮合複素環誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002167386A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6987187B2 (en) Process for preparation of amidine derivatives
JP2003026574A (ja) 抗バクテリア剤
HU224497B1 (hu) Új eljárás szildenafil előállítására és a felhasznált új köztitermékek
US3300499A (en) 4-alkyl (or alkenyl)-1, 4-dihydro-1-oxobenzo [f] [1, 7] naphthyridine 2-carboxylic acid derivatives
JPH03193780A (ja) キノロン化合物およびその製法
RU2528340C2 (ru) ПОЛУЧЕНИЕ ДИГИДРОТИЕНО[3,2-d]ПИРИМИДИНОВ И ПРОМЕЖУТОЧНЫХ ПРОДУКТОВ, ПРИМЕНЯЮЩИХСЯ ДЛЯ ИХ СИНТЕЗА
WO1993013101A1 (en) Pyridonecarboxylate compound, pharmaceutical use thereof, and spiro compound
JPH0144717B2 (ja)
CA2730071A1 (fr) Derives anticancereux, leur preparation et leur application en therapeutique
NO140012B (no) Analogifremgangsmaate for fremstilling av nye terapeutisk aktive derivater av naftyridin
JP2002167386A (ja) 3環式縮合複素環誘導体の製造法
EP1319661B1 (en) Process for producing a tricyclic fused heterocyclic derivative
US3225055A (en) 1,5 and -1,6-napthyridine-3-carboxylic acid-1,4-dihydro 4-oxo and esters thereof
US3313817A (en) 4-alkyl (and alkenyl)-1-oxo-1, 4-dihydro-4, 7-phenanthroline-2-carboxylic acid derivatives
CN115611901B (zh) 一种氮杂䓬类化合物或其药学上可接受的盐及其制备方法和应用
JPH09508098A (ja) 新規キノロン誘導体及びその製造方法
KR940002954B1 (ko) 퀴놀린 카르복실산 유도체와 그 제조방법
AU2003212585B2 (en) Methods of preparation of the 2-(7-chloro-1,8-naphthyridine-2YL)-3-(5-methyl-2-oxo-hexyl)-1-isoindolinone
JPH0358340B2 (ja)
JPH10259184A (ja) 三環性複素環化合物の製造法
JP3523874B2 (ja) 中間体としてのキノロン二硫化物
KR940002955B1 (ko) 신규 퀴놀론 화합물
JP2552101B2 (ja) 新規ピリドンカルボン酸誘導体及びその調製方法
JPH0348682A (ja) ピリドンカルボン酸化合物
US4624955A (en) 6H-isoxazolo[3,4-d]pyrazolo[3,4-b]pyridines, method for their preparation and use as anxiolytic agents

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20061225

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202