JP2002166135A - 水酸基含有塩の製造方法 - Google Patents

水酸基含有塩の製造方法

Info

Publication number
JP2002166135A
JP2002166135A JP2000305650A JP2000305650A JP2002166135A JP 2002166135 A JP2002166135 A JP 2002166135A JP 2000305650 A JP2000305650 A JP 2000305650A JP 2000305650 A JP2000305650 A JP 2000305650A JP 2002166135 A JP2002166135 A JP 2002166135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
ion generation
electrodialysis
membrane
generation chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000305650A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4494612B2 (ja
Inventor
Ryuji Takeshita
竜二 竹下
Akihiko Nakahara
昭彦 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2000305650A priority Critical patent/JP4494612B2/ja
Publication of JP2002166135A publication Critical patent/JP2002166135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4494612B2 publication Critical patent/JP4494612B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 硫酸ヒドロキシルアミン水溶液等の原料塩水
溶液を電気透析して効率よくヒドロキシルアミン等の水
酸基含有塩を製造する方法を提供する。 【解決手段】 陽極と陰極との間に、バイポーラ膜、並
びに陰イオン交換膜又は陰イオン交換膜及び陽イオン交
換膜を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層からなる面
が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜が隣り合
わないように配列して仕切り、陽極室と陰極室との間に
陽極側がバイポーラ膜で仕切られて水素イオンを発生す
る1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で
仕切られて水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イ
オン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰
り返し単位を1以上有する中間領域を構成した透析槽を
用い、原料塩の水溶液の電気透析を行ない、水酸基を有
する塩を製造する方法において、前記水素イオン発生室
中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気透析によって
ヒドロキシルアミン等の水酸基含有塩を高効率にて製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシルアミンは、医薬・農薬の合
成における中間原料、半導体用のレジスト剥離液として
用いられている。
【0003】ヒドロキシルアミンの製造方法として、
硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシルア
ミン水溶液に苛性アルカリを添加して中和し、これを蒸
留してヒドロキシルアミンを得る方法(中和蒸留法とも
いう。)、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒ
ドロキシルアミン水溶液をイオン交換樹脂で処理するこ
とによりヒドロキシルアミンを得る方法(特開昭62−
216908号公報、イオン交換法ともいう。)、およ
び硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシ
ルアミン水溶液をイオン交換膜や両極性膜(バイポーラ
膜)を用いた電気透析槽を用いて電気透析することによ
りヒドロキシルアミンを得る方法(電気透析法ともい
う。)が知られている(特開平11−1788号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
及びの従来技術においては、それぞれ次のような問題
がある。
【0005】即ち、前記の中和蒸留法は、塩が大量に
副生するために、これを分離・除去する工程が必要とな
るばかりでなく、例えば蒸留により塩を分離する場合に
は、蒸留時に塩が蒸留釜に析出してしまい閉塞等のトラ
ブルが発生することがあり、操作を安定に行なうことが
困難となる。このような蒸留時の塩の析出は、蒸留に供
する中和後の水溶液を希薄することにより防止すること
ができるが、この場合は、留出液中のヒドロキシルアミ
ンの濃度が希薄となるので、これを濃縮する工程がさら
に必要となってしまう。
【0006】また、前記のイオン交換法は、イオン交
換樹脂の再生工程が必要であり、運転の連続化ができな
いうえに、陰イオン交換樹脂の再生に多くのアルカリが
必要となる等の問題がある。
【0007】これに対し、の電気透析法は、上記のよ
うな問題が無く、優れた方法であると言える。しかしな
がら、特開平11−1788号公報の実施例にも示され
ているように、該方法における電流効率は約50%程度
であり、必ずしも生産効率が高い製造方法とはいえない
のが現状である。
【0008】そこで、本発明は電気透析法における電流
効率を改善し、高い生産効率でヒドロキシルアミンを製
造することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った。その結果、電気透析法の
中でもバイポーラ膜を用い、水を水素イオンと水酸化物
イオンに解離させ、この時得られた水酸化物イオンを利
用してヒドロキシルアミンを製造する場合においては、
同時に水酸化物イオンと別の室で発生する水素イオンの
濃度を特定値以下に制御すると電流効率が著しく増大す
るという新たな知見を得た。そして、該知見に基づき更
に検討を行なった結果、このような効果はヒドロキシル
アミンの製造にかぎられず、他の水酸基含有塩を製造す
る場合にも得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】即ち、本発明は、陽極と陰極との間に、一
方の面が陽イオン交換体層からなり他方の面が陰イオン
交換体層からなるバイポーラ膜、並びに陰イオン交換膜
又は陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を、該バイポー
ラ膜の陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向くよう
にしながら、且つ同種の膜が隣り合わないように配列し
て仕切り、(1)その内部に、陽極が配置された陽極
室、(2)その内部に陰極が配置され陰極室、及び
(3)陽極側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に
水素イオンを発生する1つの水素イオン発生室と、陰極
側がバイポーラ膜で仕切られて電気透析時に水酸化物イ
オンを発生する1つの水酸化物イオン発生室とを少なく
とも有する連続した室からなる繰り返し単位を1以上有
する中間領域を構成した電気透析槽を用い、該中間領域
の水素イオン発生室以外の室に原料塩の水溶液を供給し
て電気透析を行ない、該原料塩に由来するカチオンを水
酸化物イオン発生室内で水酸化物イオンと共存させて水
酸基を有する塩を製造する方法において、前記水素イオ
ン発生室中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析
を行なうことを特徴とする水酸基含有塩の製造方法であ
る。
【0011】上記本発明の製造方法における、具体的な
原料塩水溶液の供給態様としては、例えば、(i)陰イオ
ン交換膜とバイポーラ膜とを交互に配列することによ
り、互いに隣接した1つの水素イオン発生室と1つの水
酸化物イオン発生室との2室からなる繰り返し単位を有
する中間領域を構成した電気透析槽を用い、上記水酸化
物イオン発生室に原料塩水溶液を供給する態様、又は(i
i)陽極側から陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、及びバ
イポーラ膜とをこの順で1回以上繰り返して配列するこ
とにより、電気透析を行なったときにその内部に存在す
るイオンが外部に移動する1つの脱イオン室、1つの水
酸化物イオン発生室、及び1つの水素イオン発生室がこ
の順で隣接した3室からなる繰り返し単位を有する中間
領域を構成した電気透析槽を用い、上記脱イオン室に原
料塩水溶液を供給する態様が挙げられる。
【0012】また、水素イオン発生室中のpHを0.3
以上に制御する具体的な方法としては、(i)水素イオン
発生室に塩基性化合物を供給する方法、または(ii)水素
イオン発生室に中性塩の水溶液を供給する方法が挙げら
れる。
【0013】本発明の製造方法においては、高電流効率
で電気透析法により、硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸
ヒドロキシルアミン等の原料塩の水溶液からヒドロキシ
ルアミン等の水酸基含有塩を製造することができる。ま
た、該方法によれば、連続して安定に目的物を得ること
ができるばかりでなく、塩等の不純物が含まれないヒド
ロキシルアミン水溶液を得ることも可能であり、精製工
程を省略することもできる。
【0014】本発明は、理論に拘束されるものではない
が、本発明においては、水素イオン発生室内における水
素イオンの濃度が低く保たれているので、水素イオンが
濃度差や電気泳動による拡散により水酸イオン発生室に
移動して、水酸イオンを中和により消費することがなく
なるので高い電流効率が得られるものと思われる。な
お、従来の方法においては、電気透析を行なうと水素イ
オン発生室内で酸が生成するため、一般に生成物と同じ
酸の水溶液を供給して電気透析を行なうのが一般であ
り、水素イオン発生室内の水素イオン濃度を低く(pH
を高く)制御するという発想はなかった。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法では、陽極と陰
極の間に、陽イオン交換体層と陰イオン交換体層とが貼
合された構造を有するバイポーラ膜(以下、BP膜とも
いう。)、並びに陰イオン交換膜(以下、AE膜ともい
う。)、又はAE膜及び陽イオン交換膜(以下、CE膜
ともいう。)を、該バイポーラ膜の陰イオン交換体層か
らなる面が陽極側を向くようにしながら、且つ同種の膜
が隣り合わないように配列して仕切り、(1)その内部
に陽極が配置された陽極室、(2)その内部に陰極が配
置され陰極室、及び(3)陽極側がバイポーラ膜で仕切
られて電気透析時に水素イオンを発生する1つの水素イ
オン発生室と、陰極側がバイポーラ膜で仕切られて電気
透析時に水酸化物イオンを発生する1つの水酸化物イオ
ン発生室とを少なくとも有する連続した室からなる繰り
返し単位を1以上有する中間領域を構成した電気透析槽
を用いて、該中間領域の水素イオン発生室以外の室に原
料塩の水溶液を供給して電気透析を行なう。
【0016】ここで、上記電気透析槽で使用する陽極、
陰極、BP膜、AE膜、及びCE膜としては、通常の電
気透析で用いられるものが特に制限なく使用できる。
【0017】即ち、本発明で使用する陽極及び陰極とし
ては、水電解や食塩電解などの電気化学工業で採用され
ている電極が制限なく用いられる。例えば、陽極材料と
してはニッケル、鉄、鉛、チタン、白金、黒鉛などが、
また、陰極材料としてはニッケル、鉄、ステンレススチ
ール、白金、チタンなどが好適に用いられる。
【0018】本発明で使用するバイポーラ膜(BP膜)
としては、一方の面が陽イオン交換体層からなり他方の
面が陰イオン交換体層からなる公知のBP膜が使用でき
る。
【0019】ここで、BP膜を構成する陽イオン交換体
層および陰イオン交換体層とは、その表面にそれぞれ陽
イオン交換基および陰イオン交換基を有する層、より具
体的には各イオン交換基が結合した樹脂を構成要素とす
る層を意味する。陽イオン交換体層に存在する陽イオン
交換基は特に限定されず、スルホン酸基、カルボン酸基
等の公知の陽イオン交換基が使用できるが、本発明にお
けるBP膜の使用態様から酸性下にても交換基が解離し
ているスルホン酸基を使用するのが好ましい。
【0020】また、陰イオン交換体層に存在する陰イオ
ン交換基も特に限定されず、アンモニウム塩基、ピリジ
ニウム塩基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ
基等の陰イオン交換基が使用できる。なかでも、本発明
におけるBP膜の使用態様から塩基性下においても交換
基が解離しているアンモニウム塩基を使用するのが望ま
しい。
【0021】また、これらイオン交換基が結合する樹脂
としては、炭化水素系樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂が特
に制限なく使用される。
【0022】なお、BP膜の陽イオン交換体層と陰イオ
ン交換体層との厚みの比は、陰イオン交換体層/陽イオ
ン交換体層が、1/50〜50/1、好ましくは1/5
〜5/1となるように形成することが好ましい。
【0023】また、本発明で使用するBP膜は、補強材
で補強されているのが好ましい。該補強材は、接合する
陽イオン交換層および陰イオン交換層に応じて適宜決定
すればよいが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニルなどの多孔質フィルム、ネット、編物、織布、
不織布等が用いられる。
【0024】BP膜は、一方の面が陽イオン交換体層か
らなり他方の面が陰イオン交換体層からなり、いわば陽
イオン交換体層と陰イオン交換体層とが貼合されたよう
な構造を有しているために、導電性水溶液を入れた電解
槽の陽極と陰極との間をBP膜で該BP膜の陰イオン交
換体層が陽極側を向くようにして仕切って両電極間に電
圧を印加した場合に、陽極側に水酸イオンを、陰極側に
水素イオンを発生させることができ、このようにして発
生した水酸イオンを利用してヒドロキシルアミン等の水
酸基含有塩を製造することが可能となる。このため、本
発明で用いる電気透析槽においては、BP膜を使用する
際には、その陰イオン交換体層からなる面が陽極側を向
くようにして使用する必要がある。
【0025】BP膜のこれらイオンを発生させる能力
は、水酸イオンの発生効率(ηOH)、水素イオンの発生
効率(ηH)、及び水電解電圧で評価することができ
る。ここで、水酸イオンの発生効率(ηOH)とは、BP
膜に通じた全電気量のうち水酸イオン発生に消費された
電気量の割合を意味し、水素イオンの発生効率(ηH)
とは、BP膜に通じた全電気量のうち水素イオン発生に
消費された電気量の割合を意味し、水電解電圧とは、水
が電解により水酸イオンと水素イオンとを発生する電圧
を意味する。したがって、効率よくヒドロキシルアミン
を得るためにはηH及びηOHが高く、水電解電圧が低い
BP膜を使用するのが好適である。
【0026】本発明においては、製造効率を高くするこ
との理由から、スルホン酸基を有する陽イオン交換体層
上に四級アンモニウム塩基を有する陰イオン交換体層を
形成させてなる、水酸イオンの発生効率(ηOH)が80
%以上、水素イオンの発生効率(ηH)が80%以上、
水電解電圧が0.9〜3.0V、膜厚が0.05〜5.
00mmのBP膜を使用するのが特に好適である。
【0027】本発明で使用するBP膜は、上記の好適な
膜を含めて、例えば以下に示すような方法により製造す
ることができる。即ち、陽イオン交換膜と陰イオン交換
膜をポリエチレンイミンーエビクロルヒドリンの混合物
で貼り合わせ硬化接着する方法(特公昭32−3962
号公報);陽イオン交換膜と陰イオン交換膜をイオン交
換性接着剤で接着させる方法(特公昭34−3961号
公報);陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを微粉のイ
オン交換樹脂、陰または陽イオン交換樹脂と熱可塑性物
質とのペースト状混合物を塗布し圧著させる方法(特公
昭35−14531号公報);陽イオン交換膜の表面に
ビニルピリジンとエポキシ化合物からなる糊状物質を塗
布し、これに放射線照射することによって製造する方法
(特公昭38−16633号公報)、陰イオン交換膜の
表面にスルホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付
着させた後、電離性放射線を照射架橋させる方法(特公
昭51−4113号公報);イオン交換膜の表面に反対
電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との
混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公
報);ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベン
ゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製の枠に挟
みつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取り
外して残りの部分にクロルメチル化次いでアミノ化処理
する方法(米国特許第3562139号明細書);又は
特定の金属イオンを、陰陽イオン交換膜の表面に塗り両
イオン交換膜を重ね合わせてプレスする方法{エレクト
ロケミカアクタ31巻1175−1176頁(1986
年)}などにより製造することができる。
【0028】本発明で使用する陰イオン交換膜(AE
膜)は、陰イオン交換基が結合した樹脂からなる陰イオ
ン選択透過性を有する膜であれば特に制限さず公知の陰
イオン交換膜が使用できる。
【0029】陰イオン交換基としては、水溶液中で正の
電荷となり得る官能基が特に制限なく採用できる。具体
的には、1〜3級アミノ基、ピリジル基、4級アンモニ
ウム塩基、4級ピリジニウム塩基、さらにこれらのイオ
ン交換基が混在したものなどが挙げられる。
【0030】AE膜としては、重合型、縮合型、均質
型、不均質型等の区別無く使用することができ、さら
に、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換
基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂または
フッ素系樹脂が使用されている)も特に制限されない。
【0031】本発明においては、製造効率を高くするこ
との理由から、0.5mol/L−NaCl中での電気
抵抗が0.1〜15.0Ω・cm2、イオン交換容量が
0.3〜6mmol/g−乾燥膜、含水率が0.1〜
1.0g−H2O/g−乾燥膜であり、膜厚が0.01
〜5.00mmのAE膜を使用するのが好適である。
【0032】なお、実質的に陰イオン交換膜として機能
する「両性イオン交換膜」と称されるイオン交換膜も、
0.5mol/L−NaCl中で、50mA/cm2
電流密度で電気透析した場合の電流効率が70%以上を
達成できるものであれば、本発明の陰イオン交換膜とし
て使用できるが、両性イオン交換膜は、一般的に酸を透
過させ易い傾向があるため、酸を透過させ難い、通常の
陰イオン交換膜を使用することがより好ましい。
【0033】本発明で使用する陽イオン交換膜(CE
膜)は、陽イオン交換基が結合した樹脂からなる陽イオ
ン選択透過性を有する膜であれば特に制限さず公知の陽
イオン交換膜が使用できる。
【0034】陽イオン交換基としては、水溶液中で負の
電荷となり得る官能基が特に制限なく採用できる。具体
的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、
硫酸エステル基、リン酸エステル基、さらにこれらのイ
オン交換基が混在したものなどが挙げられる。
【0035】CE膜としては、重合型、縮合型、均質
型、不均質型等の区別無く使用することができ、さら
に、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換
基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂または
フッ素系樹脂が使用されている)も特に制限されない。
【0036】本発明においては、製造効率を高くするこ
との理由から、0.5mol/L−NaCl中での電気
抵抗が0.1〜20.0Ω・cm2、イオン交換容量が
0.3〜6mmol/g−乾燥膜、含水率が0.1〜
1.0g−H2O/g−乾燥膜であり、膜厚が0.01
〜5.00mmのCE膜を使用するのが好適である。
【0037】なお、実質的に陽イオン交換膜として機能
する「両性イオン交換膜」と称されるイオン交換膜も、
0.5mol/L−NaCl中で、50mA/cm2
電流密度で電気透析した場合の電流効率が70%以上を
達成できるものであれば、本発明の陽イオン交換膜とし
て使用できるが、両性イオン交換膜は、一般的にアルカ
リを透過させ易い傾向があるため、アルカリを透過させ
難い、通常の陽イオン交換膜を使用することがより好ま
しい。
【0038】本発明で使用する電気透析槽においては、
容器内に互いに対向するように配置された陽極と陰極の
間に、BP膜、並びにAE膜又は、AE膜及びCE膜
を、BP膜の陰イオン交換体層が陽極側を向くように
し、且つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切
り、陽極室、陰極室、及び中間領域が構成されている。
【0039】各膜の配列の仕方は、上記中間領域に、陽
極側がBP膜で仕切られて電気透析時に水素イオンを発
生する1つの水素イオン発生室と、陰極側がBP膜で仕
切られて電気透析時に水酸化物イオンを発生する1つの
水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する連続した室
からなる繰り返し単位が1以上含まれるようになる配列
であれば特に限定されないが、製造効率の観点から、そ
れぞれ図1又は図2に示すような下記(I)又は(II)
に示すような配列をするのが好適である。
【0040】(I) 図1に示すように、陽極15と陰
極16の間に、陽極側から順に陰イオン交換膜Aとバイ
ポーラ膜BPとを交互に配列して、陽極室13、陰極室
14、及び1つの水酸化物発生室11と、1つの水素イ
オン発生室12との組み合わせからなるユニット(繰り
返し単位)を1以上含む中間領域(電気透析槽内の陽極
室13と陰極室14とに挟まれた領域)を構成するよう
な配列。
【0041】(II) 図2に示すように、陽極15と陰
極16の間に、陽極側から陰イオン交換膜Aと陽イオン
交換膜Cとバイポーラ膜BPとをこの順で1回以上繰り
返して配列し、陽極室13、陰極室14、及び電気透析
を行なったときにその内部に存在するイオンが外部に移
動する1つの脱イオン室21、1つの水酸化物イオン発
生室11、及び1つの水素イオン発生室12がこの順で
隣接した3室からなるユニット(繰り返し単位)を1以
上含む中間領域(電気透析槽内の陽極室13と陰極室1
4とに挟まれた領域)を構成するような配列。
【0042】なお、ここで、水素イオン発生室とは、電
気透析時に水素イオンを発生する室を意味し、その陽極
側がBP膜で仕切られ、その陰極側がAE膜{例えば上
記(I)及び(II)の態様}で仕切られている室であ
る。また、水酸化物イオン発生室とは、電気透析時に水
酸化物イオンを発生する室を意味し、その陰極側がBP
膜で仕切られ、その陽極側がAE膜{例えば上記(I)
の態様}又はCE換膜{例えば上記(II)の態様}で仕切
られている室である。また、脱イオン室とは、電気透析
を行なったときにその内部に存在するイオンが外部に移
動する室であり、その陰極側がCE膜で仕切られ、その
陽極側がAE膜で仕切られた室である。
【0043】図1及び2には、中間領域に含まれる上記
各ユニットの数が複数のものを示したが、該ユニット数
は1であってもよい。但し、工業的な規模での実施をす
る場合には、製造効率の観点から、各図に示したような
ユニット数が複数である態様を採用するのが好適であ
る。例えば、図1に示される電気透析槽における膜の配
列は、陽極−(AE膜−BP膜)n−AE膜−陰極(但
し、nはバイポーラ膜と陰イオン交換膜の配列の繰り返
し数である。)で表され、図2に示される電気透析槽に
おける膜の配列は、陽極−(AE膜−CE膜−BP膜)
n−AE膜−陰極(但し、nはバイポーラ膜と陰イオン
交換膜の配列の繰り返し数である。)で表されるが、n
は一般に、5〜200であるのが好適である。特に、各
室を形成するための切欠部を中央に有する室枠を介して
前記した好適なnの範囲となるように各膜を配列し、両
端より締め付ける、いわゆるフィルタープレス型の構造
とするのが好適である。
【0044】本発明の製造方法においては、前記のよう
な中間領域の水素イオン発生室以外の室に原料塩の水溶
液を供給して電気透析を行なう。
【0045】この時、原料として使用する塩(原料塩)
は、水溶性で該塩のカチオンが水酸化物イオンと反応し
て目的物である水酸基含有塩を与える塩であれば特に限
定されず、目的物に応じたカチオンを有する公知の塩が
使用できる。例えば、目的物としてヒドロキシルアミン
を製造する場合には、硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸
ヒドロキシルアミンが好適に用いられる。これら原料塩
は、水溶液の形で電気透析槽に供給される(以下、原料
塩の水溶液を単に原料溶液ともいう。)。原料水溶液
は、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン
等の原料塩が水に溶解した溶液であれば特に限定されな
いが、製造効率の観点から、原料塩の濃度が0.1g/
L以上、特に1g/L以上のものを使用するのが好適で
ある。なお、原料塩が不安定なものである場合には、こ
れら水溶液には、安定剤を添加するのが好適である。例
えば、原料塩として硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒ
ドロキシルアミンを用いる場合には、安定剤として、キ
ノリン誘導体、チオサルフェート、チオカルボン酸、ヒ
ドロキシアントラキノン等を溶解させるのが好適であ
る。
【0046】原料水溶液を供給する室は、前記中間領域
の水素イオン発生室以外の室であって、原料塩に由来す
るカチオンが水酸化物イオン発生室内の水酸化物イオン
と共存するようになる室であれば限定されず、用いる電
気透析槽の態様に応じて適宜決定すればよい。例えば、
図1に示される電気透析槽を用いて電気透析を行なう場
合には、水酸化物イオン発生室11に直接原料水溶液を
供給すればよい。また、図2に示される電気透析槽を用
いて電気透析を行なう場合には、水酸化物イオン発生室
11又は脱イオン室21に原料水溶液を供給すればよ
い。なお、図2に示す態様の電気透析槽においては、原
料塩が含まれない目的物が得られるという観点から、脱
イオン室21に原料水溶液を供給するのが好適である。
【0047】電気透析の方法は、一般的な電気透析法と
同様に、陽極室および陰極室にそれぞれ陽極液および陰
極液を供給するとともに中間領域に導電性水溶液(電解
液)を張り込み、連続的に又はバッチで原料溶液を供給
して両電極間に電流を印加すればよい。
【0048】電気透析の際に陽極室に供給される陽極液
の種類は、陽極材料の種類に応じて適宜選択することが
できる。これらの組み合わせとして好ましいものを電極
材料−陽極液の形式で例示すると、ニッケル−水酸化ナ
トリウム水溶液、鉄−水酸化ナトリウム水溶液、鉛−硫
酸水溶液、白金−硫酸水溶液、白金−硫酸ナトリウム水
溶液などが挙げられる。
【0049】また、陰極室に供給される陰極液の種類
は、陰極材料の種類に応じて適宜選択することができ
る。これらの組み合わせとして好ましいものを電極材料
−陰極液の形式で例示すると、ニッケル−水酸化ナトリ
ウム水溶液、鉄−水酸化ナトリウム水溶液、ステンレス
スチール−水酸化ナトリウム水溶液、ニッケル−硫酸ナ
トリウム水溶液、ステンレススチール−硫酸ナトリウム
水溶液などが挙げられる。
【0050】このようにして電気透析を行なうことによ
り、例えば図1に示す電気透析槽に硫酸ヒドロキシルア
ミン水溶液を供給して電気透析を行なった場合には、水
酸化物イオン発生室に供給された原料溶液中に存在する
硫酸ヒドロキシルアミン起原のNH3OH+イオンがBP
膜によって発生したOH-イオンと共存することにより
該塩室内にヒドロキシルアミンが生成すると同時に、同
じく硫酸ヒドロキシルアミン起原のSO4 2-イオンがA
E膜を透過して隣の水素イオン発生室に移動し、BP膜
によって発生したH+イオンと共存することにより該室
内で硫酸が生成する。但し、後述するように水素イオン
発生室に塩基を供給した場合には、中和され塩が生成す
る。
【0051】また、図2に示す電気透析槽を用いて脱イ
オン室に原料水溶液を供給して同様の電気透析を行なっ
た場合には、脱イオン室に供給された原料溶液中に存在
する硫酸ヒドロキシルアミン起原のSO4 2-イオン及び
NH3OH+イオンがそれぞれAE膜及びCA膜を透過し
て、それぞれ水素イオン発生室及び水酸化物イオン発生
室に移動し、水酸化物イオン発生室においてはNH3
+イオンがBP膜によって発生したOH-と共存するこ
とによりヒドロキシルアミンが生成し、水素イオン発生
室においてはSO4 2-イオンがBP膜によって発生した
+イオンと共存することによりに硫酸が生成する。但
し、水素イオン発生室に塩基を供給した場合には、中和
され無機塩が生成する。
【0052】本発明の製造方法においては、電気透析を
行なう際に、水素イオン発生室中のpHを0.3以上に
制御しながら電気透析を行なうことを必須とする。水素
イオン発生室中のpHを0.3以上に制御しない場合に
は、電流効率を高くすることが困難である。電流効率の
観点から、水素イオン発生室中のpHを1以上、特に
1.5以上とするのがより好適である。
【0053】水素イオン発生室中の水素イオン濃度を制
御する方法は特に限定されないが、簡便さの観点から、
水素イオン発生室に塩基性化合物を供給して中和により
水素イオン濃度を低くする方法、又は水素イオン発生室
に中性塩の水溶液を供給して、希釈効果により水素イオ
ン濃度を低くする方法が好適に採用できる。
【0054】このとき塩基性化合物としては、公知の化
合物が制限なく用いられるが、製造効率及び運転管理の
観点から、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムを用
いるのが好適である。これら塩基性化合物は、操作性の
観点から、水溶液とし、塩基性水溶液の形で水素イオン
発生室に供給するのが好適である。また、中性塩として
は、その水溶液が中性を示す塩であれば特に限定されな
いが、製造効率及び運転管理の観点から、塩化ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等を
用いるのが好適である。なお、希釈という観点からは、
中性塩水溶液に代えて純水を供給することも考えられる
が、純水を供給した場合には電気抵抗が高くなり製造効
率が低下するので、中性塩の水溶液を用いるのが好適で
ある。
【0055】塩基性水溶液、及び中性塩水溶液の濃度
は、用いる装置や運転条件に応じて適宜設定すればよい
が、通常、それぞれ0.1〜20wt%、及び0.1〜
15wt%である。
【0056】塩基性水溶液、又は中性塩水溶液の供給方
法は、特に限定されないが、操作の簡便性から、電気透
析槽の外部にこれら水溶液用の貯槽(タンク)を設け、
該貯槽から水素イオン発生室にポンプ等を用いてこれら
水溶液を連続的、又は断続的に供給すると同時に、水素
イオン発生室の上流(但し、液が供給される側を下流と
する)側からから供給量に見合った量の液を抜き出すこ
とにより好適に行なうことができる。このとき、貯槽に
十分な量の調整液を入れておけば貯槽内の液を循環させ
てもよい。
【0057】このときの供給量は、例えば水素イオン発
生室液排出路から排出される液のpHをモニターする等
して、水素イオン発生室内の水素イオン濃度が所期の範
囲になるように適宜調節すればよい。中性塩水溶液を供
給する場合には、希釈効果で水素イオン濃度を低減する
ため、所期の濃度にするための希釈倍率から供給量(若
しくは供給速度)を決定すればよい。一方、塩基性水溶
液を供給する場合には中和反応により水素イオンを消費
し、その量(濃度)を低減するので、供給量は発生する
水素イオン量及び用いる塩基性水溶液の濃度に応じて供
給量を決定すればよい。
【0058】以下に、図1に示す電気透析槽を用いてヒ
ドロキシルアミンを連続的に製造する場合を例に、電気
透析条件等を含めてその手順を詳しく説明する。
【0059】図1に示す電気透析槽には、前記したよう
に、陽極15と陰極16の間に、陰イオン交換膜Aとバ
イポーラ膜BPとが配列されて、陽極室13、陰極室1
4、並びに一つの水酸化物イオン発生室11と該室と隣
接する一つの水素イオン発生室12との組み合わせから
なるユニットが複数含まれる中間領域が構成されてい
る。また、各室枠には液供給口および液排出口が設けら
れ、各液供給口、液排出口は必要に応じて枝管を経由し
て主管に接続されている。更に、室枠内には、室枠の厚
みを均一に維持すると共に、供給された液の流れを均一
にするための配流作用を有するスペーサーを設けるのが
一般的である。
【0060】上記水素イオン発生室12には、塩基性水
溶液又は中性塩水溶液(以下、これらを総称して調整液
ともいう。)を供給するための調整液供給路17が接続
されており、これを調整液が連続的(ここで連続的と
は、原料水溶液を循環させることも含む。以下、同じ)
或いは断続的に供給できるようになっている。また、水
酸化物イオン発生室11には原料水溶液供給路18を通
して原料水溶液が連続的に供給できるようになってい
る。また、水酸化物イオン発生室11には生成したヒド
ロキシルアミンを連続的又は断続的に抜き出すための生
成液抜出し路20が接続されている。さらに、水素イオ
ン発生室12には液(該室内では無機酸又は中和によっ
て生成する無機塩が生成するため、該液には無機酸又は
無機塩が含まれている。)を連続的又は断続的に排出す
るための水素イオン発生室液排出路19が接続されてい
る。
【0061】電気透析を行なうに際しては、先ず陽極室
13、陰極室14、水素イオン発生室12、及び水酸化
物イオン発生室11にそれぞれ陽極液、陰極液、調整
液、及び原料水溶液を供給する。次いで、陽極と陰極の
間に電圧を印加し、電気透析を開始する。このとき、電
気透析時の各種液の温度は、通常5〜60℃、好ましく
は20〜40℃の範囲に制御される。また、電気透析に
おける電流密度は、特に制限を受けないが、一般には1
〜30A/dm2、好ましくは、3〜20A/dm2が好
適である。電気透析中においては、前記した各流路を利
用して、原料水溶液や調整液を連続的又は断続的に供給
すると共に水酸化物イオン発生室11から生成物を含む
溶液を、また水素イオン発生室12から無機酸、無機塩
又は無機塩基を含む溶液を抜き出せばよい。
【0062】このとき、BP膜の電気抵抗の上昇を防止
するために、水酸化物イオン発生室11内に存在する原
料水溶液を撹拌しながら電気透析を行うことが好適であ
る。これは、生成したヒドロキシルアミンは導電性に乏
しいために、BP膜の陰イオン交換体層近傍にヒドロキ
シルアミンが滞留すると電気抵抗が上昇するが、攪拌に
より生成したヒドロキシルアミンを速やかにBP膜近傍
から除去することにより、低電気抵抗での継続的な電気
透析が可能となる。
【0063】上記撹拌の手段としては、膜表面の流速を
一定以上に保つ手段が有効であり、BP膜を構成する陰
イオン交換体層の表面において、原料水溶液の線速度を
1cm/s以上、特に2cm/s以上とすることにより
有効な攪拌効果を得ることができる。このような攪拌を
行なうためには、水素イオン発生室12、水酸化物イオ
ン発生室11の各室に供給する液のタンクを外部に設け
て、各々の室と外部タンクとの間で液を循環させるのが
好適である。また、他の態様としてジェットノズル或い
はインジェクションノズル等によって室内の液を撹拌す
ることもできる。このような攪拌を行なう場合には、溶
液抵抗を少なくする目的で、BP膜とAE膜との間隔
は、0.1〜40mm、特に0.2〜20mmとするの
が好適である。
【0064】このようにして得られた(水酸化物イオン
発生室11から抜き出された)生成液には、透析条件に
よっては、目的物であるヒドロキシルアミンの他に原料
の硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミン
や苛性アルカリ等が含まれている。このような生成液か
ら高純度のヒドロキシルアミンを得るためには、蒸留法
又はイオン交換樹脂法にて精製すればよい。
【0065】以上、連続的又は断続的に電気透析を行う
態様を示したが、電気透析はバッチで行うことも可能で
ある。
【0066】また、図2に示す電気透析槽を用いる場合
も、脱イオン室21に接続された脱イオン液排出路23
から脱イオン(脱塩)された原料水溶液を連続的、又は
断続的に排出し、更に水酸化物イオン発生室11に電解
液を電解液供給路22を通して連続的又は断続的に供給
する(勿論循環させてもよい)と共に水酸化物イオン発
生室11に接続された生成液生成液抜出し路20から目
的生成物を含む生成液を抜き出すようにする他は図1の
電気透析槽を用いた場合と同様に行なうことができる。
【0067】図2に示す電気透析槽を用いた場合には、
目的物であるヒドロキシルアミンは未反応の硫酸ヒドロ
キシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンと分離されて
得られるので、精製工程を簡略化することも可能であ
る。また、未反応の硫酸ヒドロキシルアミン又は塩酸ヒ
ドロキシルアミンは、脱イオン液排出路23を通じて回
収できるので、濃縮操作等を行なって再使用することも
できる。
【0068】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明するため実施
例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0069】実施例1 市販の陰イオン交換膜{ネオセプタ AHA、(株)トク
ヤマ製、0.5mol/L−NaCl中での電気抵抗:
3.0Ω・cm2、イオン交換容量:1.4mmol/g
−乾燥膜、含水率:0.43g−H2O/g−乾燥膜、
膜厚:0.18mm}と市販のバイポーラ膜{ネオセプタ
BP−1、(株)トクヤマ製、ηOH:99.7%、η
H:99.6%、水分解電圧が1.2V、膜厚:0.2
5mm}とを、該バイポーラ膜の陰イオン交換層が陽極
側を向くように、陰極と陽極の間に交互に10対直列に
配置し(有効通電面積:2[dm2/枚])、水酸化物
イオン発生室と水素イオン発生室とを交互に構成した。
なお、バイポーラ膜と陰イオン交換膜との間隔は、0.
75mmとし、開孔度80%で厚みが0.75mmのポ
リエチレン製のスペーサーをそれぞれの室に配置した。
【0070】上記電気透析槽を用いて、水酸化物イオン
発生室に膜表面における線速度6cm/sで3リットル
の硫酸ヒドロキシルアミン水溶液(300g/L)を循
環供給すると共に水素イオン発生室に膜表面における線
速度6cm/sで6リットルの水酸化ナトリウム水溶液
(80g/L)を循環供給して電気透析を行ない、ヒド
ロキシルアミンの製造を行った。
【0071】なお、電気透析は、陰極室と陽極室には3
0g/Lの芒硝水溶液を循環しながら、陰極と陽極の間
に30Vの電圧を加え、直流電流を2時間流したて行な
った。
【0072】この間、水素イオン発生室液排出路から排
出される液のpHを定期的にモニターしたところ、pH
は12.5以上であった。
【0073】このような条件下で電気透析を行なったと
ころ、水酸化物イオン発生室から硫酸ヒドロキシルアミ
ン濃度が1.1g/Lで、ヒドロキシルアミン濃度が1
46g/Lである生成液2.46リットルを得ることが
できた。この結果から求めた硫酸ヒドロキシルアミンか
らヒドロキシルアミンへの転換率は、99.0%であ
り、また、この時の電流効率は、92%であった。
【0074】実施例2 水素イオン発生室に供給する調整液を50g/Lの硫酸
ナトリウム水溶液に変え、液を循環させずに膜表面にお
ける線速度が2cm/sとなるように供給しする他は上
記実施例1と同様の条件で電気透析を行い、水酸化物生
成室から硫酸ヒドロキシルアミン濃度2.3g/Lでヒ
ドロキシルアミン濃度が144g/Lである生成液2.
44リットルを得た。
【0075】この時の硫酸ヒドロキシルアミンからヒド
ロキシルアミンへの転換率は、96.9%であり、ま
た、電流効率は、90%であった。
【0076】なお、この時の水素イオン発生室液排出路
から排出される液のpHをモニターしたところ、pHは
1.6であった。
【0077】比較例1 水素イオン発生室に供給する調整液を50g/Lの硫酸
水溶液6リットルにて循環供給すること以外は、上記実
施例1と同様の条件で電気透析を行った。
【0078】その結果、水酸化物生成室から硫酸ヒドロ
キシルアミンが156g/L、ヒドロキシルアミンが8
9g/Lの濃度の液2.38リットルを得た。
【0079】硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシル
アミンへの転換率は、58.4%であった。また、この
時の電流効率は、48%であった。
【0080】なお、電気透析終了後、水素イオン発生室
内の溶液を分析したところ、その硫酸濃度は、97g/
L(pHは0.01以下)であった。
【0081】実施例3 市販の陰イオン交換膜{ネオセプタ AHA、(株)トク
ヤマ製}と陽イオン交換膜{ネオセプタ CMB、(株)
トクヤマ製、0.5mol/L−NaCl中での電気抵
抗:3.4Ω・cm2、イオン交換容量:2.6mmol
/g−乾燥膜、含水率:0.66g−H2O/g−乾燥
膜、膜厚:0.21mm}と市販のバイポーラ膜{ネオセ
プタ BP−1、(株)トクヤマ製}とを、該バイポー
ラ膜の陰イオン交換層が陽極側を向くように、陰極と陽
極の間に交互に10対直列に配置し(有効通電面積:2
[dm2/枚])、脱イオン室と水酸化物イオン発生室
と水素イオン発生室とを交互に構成した。なお、それぞ
れの膜との間隔は、0.75mmとし、開孔度80%で
厚みが0.75mmのポリエチレン製のスペーサーをそ
れぞれの室に配置した。
【0082】上記電気透析槽を用いて、脱イオン室に膜
表面における線速度6cm/sで2リットルの硫酸ヒド
ロキシルアミン水溶液(150g/L)を循環供給する
と共に、水酸化物イオン発生室に1.4リットルのヒド
ロキシルアミン水溶液(30g/L)を、又水素イオン
発生室に2リットルの苛性ソーダ水溶液(80g/L)
をそれぞれ膜表面における線速度6cm/sで循環供給
して電気透析を行ない、ヒドロキシルアミンの製造を行
った。
【0083】なお、電気透析は、陰極室と陽極室には3
0g/Lの芒硝水溶液を循環しながら、陰極と陽極の間
に33Vの電圧を加え、直流電流を3時間流して行なっ
た。
【0084】この間、水素イオン発生室液排出路から排
出される液のpHを定期的にモニターしたところ、pH
は13以上であった。
【0085】このような条件下で電気透析を行なったと
ころ、水酸化物イオン発生室からヒドロキシルアミン濃
度が106g/Lである生成液1.51リットルを得る
ことができた。この結果から求めた硫酸ヒドロキシルア
ミンからヒドロキシルアミンへの転換率は、97.6%
であり、また、この時の電流効率は、88%であった。
【0086】比較例2 水素イオン発生室に供給する調整液を60g/Lの硫酸
水溶液1.5リットルにて循環供給すること以外は、上
記実施例2と同様の条件で電気透析を行った。
【0087】その結果、水酸化物生成室からヒドロキシ
ルアミン濃度が68g/Lである生成物1.53リット
ルを得た。
【0088】硫酸ヒドロキシルアミンからヒドロキシル
アミンへの転換率は、52.2%であった。また、この
時の電流効率は、45%であった。
【0089】なお、電気透析終了後、水素イオン発生室
内の溶液を分析したところ、その硫酸濃度は、112g
/L(pHは0.01以下)であった。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、ヒドロキシルアミン
を、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液又は塩酸ヒドロキシ
ルアミン水溶液を、電気透析という工業的に有利な方法
で製造することができる。しかも、この時の電気透析に
おいては、製造効率を高く維持すると共に、長時間、低
電気抵抗で連続した運転をおこなうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する代表的な電気透析槽の模式
図である。
【図2】 本発明で使用する他の代表的な電気透析槽の
模式図である。
【符号の説明】
A 陰イオン交換膜 C 陽イオン交換膜 B バイポーラ膜 10 電気透析槽 11 水酸化物イオン発生室 12 水素イオン発生室 13 陽極室 14 陰極室 15 陽極 16 陰極 17 調整液供給路 18 原料水溶液供給路 19 水素イオン発生室液排出路 20 生成液抜出し路 21 脱イオン室 22 電解液供給路 23 脱イオン液排出路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA18 JA42C KA03 KD11 KD17 KD30 KE15Q KE15R MA13 MA14 MA15 MC71 MC74 MC78 PB12 PB27 4D061 DA10 DB18 EA09 EB01 EB04 EB13 EB28 EB29 EB30 EB31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極との間に、一方の面が陽イオ
    ン交換体層からなり他方の面が陰イオン交換体層からな
    るバイポーラ膜、並びに陰イオン交換膜又は陰イオン交
    換膜及び陽イオン交換膜を、該バイポーラ膜の陰イオン
    交換体層からなる面が陽極側を向くようにしながら、且
    つ同種の膜が隣り合わないように配列して仕切り、
    (1)その内部に、陽極が配置された陽極室、(2)そ
    の内部に陰極が配置され陰極室、及び(3)陽極側がバ
    イポーラ膜で仕切られて電気透析時に水素イオンを発生
    する1つの水素イオン発生室と、陰極側がバイポーラ膜
    で仕切られて電気透析時に水酸化物イオンを発生する1
    つの水酸化物イオン発生室とを少なくとも有する2以上
    の連続した室からなる繰り返し単位を1以上有する中間
    領域を構成した電気透析槽を用い、該中間領域の水素イ
    オン発生室以外の室に原料塩の水溶液を供給して電気透
    析を行ない、該原料塩に由来するカチオンを水酸化物イ
    オン発生室内で水酸化物イオンと共存させて水酸基を有
    する塩を製造する方法において、前記水素イオン発生室
    中のpHを0.3以上に制御しながら電気透析を行なう
    ことを特徴とする水酸基含有塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 陰イオン交換膜とバイポーラ膜とを交互
    に配列することにより、互いに隣接した1つの水素イオ
    ン発生室と1つの水酸化物イオン発生室との2室からな
    る繰り返し単位を有する中間領域を構成した電気透析槽
    を用い、上記水酸化物イオン発生室に原料塩水溶液を供
    給することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 陽極側から陰イオン交換膜、陽イオン交
    換膜、及びバイポーラ膜とをこの順で1回以上繰り返し
    て配列することにより、電気透析を行なったときにその
    内部に存在するイオンが外部に拡散する1つの脱イオン
    室、1つの水酸化物イオン発生室、及び1つの水素イオ
    ン発生室がこの順で隣接した3室からなる繰り返し単位
    を有する中間領域を構成した電気透析槽を用い、上記脱
    イオン室に原料塩水溶液を供給することを特徴とする請
    求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水素イオン発生室に塩基性化合物を供給
    して、該水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制御
    しながら電気透析を行なうことを特徴とする請求項1乃
    至請求項3の何れかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水素イオン発生室に中性塩の水溶液を供
    給して、該水素イオン発生室中のpHを0.3以上に制
    御しながら電気透析を行なうことを特徴とする請求項1
    乃至請求項3の何れかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料塩として硫酸ヒドロキシルアミン又
    は塩酸ヒドロキシルアミンを用いてヒドロキシルアミン
    を得ることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか
    に記載の製造方法。
JP2000305650A 2000-09-22 2000-10-05 水酸基含有塩の製造方法 Expired - Lifetime JP4494612B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000305650A JP4494612B2 (ja) 2000-09-22 2000-10-05 水酸基含有塩の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-288848 2000-09-22
JP2000288848 2000-09-22
JP2000305650A JP4494612B2 (ja) 2000-09-22 2000-10-05 水酸基含有塩の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002166135A true JP2002166135A (ja) 2002-06-11
JP4494612B2 JP4494612B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=26600544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000305650A Expired - Lifetime JP4494612B2 (ja) 2000-09-22 2000-10-05 水酸基含有塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4494612B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100441276C (zh) * 2005-01-22 2008-12-10 中国科学技术大学 双极膜电渗析再生有机胺类脱硫剂的方法
JP2012130879A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Kurita Water Ind Ltd アミン液の再生方法および装置
WO2014077373A1 (ja) * 2012-11-16 2014-05-22 旭化成株式会社 バイポーラ電気透析装置及びそれを用いたアミン液の精製方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH111788A (ja) * 1997-04-10 1999-01-06 Sachem Inc ヒドロキシルアミン溶液を精製し、ヒドロキシルアミン塩をヒドロキシルアミンに転化する方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH111788A (ja) * 1997-04-10 1999-01-06 Sachem Inc ヒドロキシルアミン溶液を精製し、ヒドロキシルアミン塩をヒドロキシルアミンに転化する方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100441276C (zh) * 2005-01-22 2008-12-10 中国科学技术大学 双极膜电渗析再生有机胺类脱硫剂的方法
JP2012130879A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Kurita Water Ind Ltd アミン液の再生方法および装置
WO2014077373A1 (ja) * 2012-11-16 2014-05-22 旭化成株式会社 バイポーラ電気透析装置及びそれを用いたアミン液の精製方法
JPWO2014077373A1 (ja) * 2012-11-16 2017-01-05 旭化成株式会社 バイポーラ電気透析装置及びそれを用いたアミン液の精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4494612B2 (ja) 2010-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4805455B2 (ja) 電気脱イオンユニットにおけるスケール発生を防ぐ方法および装置
US5200046A (en) Apparatus and method for electrodialytic treatment of salts to produce acid and/or base of improved purity
KR102099714B1 (ko) 리튬 하이드록사이드 제조 공정 및 시스템
US5198086A (en) Electrodialysis of salts of weak acids and/or weak bases
EP1121970B1 (de) Verfahren und Vorrichtung zum gleichzeitigen Herstellen von Säure und Base hoher Reinheit
US6627061B2 (en) Apparatus and process for electrodialysis of salts
JP5138822B1 (ja) 高純度水酸化リチウムの製造方法
CN107960062A (zh) 双极电渗析方法和系统
CN104557621B (zh) 一种利用双极膜电渗析技术制备甲基磺酸的方法
EP3765174B1 (en) Multi-stage bipolar electrodialysis system for high concentration acid or base production
EP0149917B1 (en) Electrodialytic conversion of multivalent metal salts
JP5188454B2 (ja) 有機酸の製造方法
JP3644759B2 (ja) 電気再生式純水製造方法及び純水製造装置
WO2005123984A1 (en) Bipolar chamber and electrochemical liquid treatment apparatus having such bipolar chamber
JP2775992B2 (ja) ヒドロキシルアミンの製造法
JP4831765B2 (ja) ヨウ素イオンの分離方法
JPH07171353A (ja) 電気透析方法
JP2824537B2 (ja) ヒドロキシルアミンの製造方法
JP2002166135A (ja) 水酸基含有塩の製造方法
US5391268A (en) Electrochemical process for the removal of residual nitric acid from aqueous hydroxylammonium nitrate
CN1155544A (zh) 抗坏血酸的制造方法
JPH05285347A (ja) 酸及びアルカリの製造方法
JP2002309391A (ja) システイン及びシステイン鉱酸塩の製造方法
US4599156A (en) Electrodialysis process for preparing hydrogen fluoride
CN113877432B (zh) 一种双极膜电渗析装置及利用该装置处理硫酸钠废水的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4494612

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160416

Year of fee payment: 6