JP2002161942A - 免震装置、滑り支承また免震構造 - Google Patents

免震装置、滑り支承また免震構造

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JP2002161942A
JP2002161942A JP2001245085A JP2001245085A JP2002161942A JP 2002161942 A JP2002161942 A JP 2002161942A JP 2001245085 A JP2001245085 A JP 2001245085A JP 2001245085 A JP2001245085 A JP 2001245085A JP 2002161942 A JP2002161942 A JP 2002161942A
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seismic isolation
sliding
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seismic
fixing
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Jiro Kitamura
北村二郎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】積層ゴム免震より、安く、耐久性があり、高い
免震性能が得られる免震装置の開発を提供する。 【解決手段】滑り面部により構成される免震・滑り支承
と、重力復元またバネ、ゴム、磁石等により構成される
復元装置と、地震力及び風等による引抜き力を防止する
引抜き防止装置と、風揺れを防止する固定ピン装置とに
より、構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は免震装置、または滑り
支承(すべり支承、転がり支承)に関するものである。
滑り支承は、構造体とこの構造体を支持する構造体との
間に設けられるものであり、免震装置も、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設け
られるものである。ここで発明された免震装置は、当
然、滑り支承として使用または応用できる。 免震され
る構造体とは、土木、建築、設備、(免震)床、家具・
什器等であり、免震させたい全てのものである。以下、
免震装置と滑り支承とを「免震装置・滑り支承」とい
い、また滑り支承(すべり支承、転がり支承)を使用し
た免震装置を「滑り型免震装置」といい、また免震のた
めの滑り支承を「滑り型免震支承」または「免震滑り支
承」といい、そして滑り型免震装置また滑り型免震支承
による免震を「滑り型免震」という。さらにすべり支承
を使用した免震装置を「すべり型免震装置」、転がり支
承を使用した免震装置を「転がり型免震装置」という。
そしてすべり型免震装置による免震を「すべり型免
震」、転がり型免震装置による免震を「転がり型免震」
という。
【従来技術および解決しようとする問題点】本発明者兼
出願人は、特許 1844024号と特許 2575283号とで、免震
復元装置(重力復元型免震装置・滑り支承)・免震装置
(免震装置・滑り支承)・引抜防止装置(引抜防止装置
・滑り支承)・固定装置(風揺れ等を防止する固定ピン
装置等の固定装置)・外れ防止装置の発明を、また特許
2504945号で、免震装置の設置位置に関する発明をし、
さらに特許 1778741号で、引張材による垂直支持方式の
発明をしているが、本発明は、それらの改良発明および
新たな免震装置・滑り支承に関するものである。また、
特許 1844024号および特許 2575283号は、複数の装置が
合わさることによって十全な機能を発揮する形であっ
た。その場合、材料の無駄だけでなく、各種装置を個々
別々に設置することになるため場所を取り、設置に懸か
る人件費等もかさむ。そういったことからも、また、垂
直荷重の伝達位置という限定された位置での設置の多さ
を考えても、1個で全ての機能を果たす装置の発明が望
まれた。 A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 特許 1844024号および特許 2575283号において、全方向
の復元性能を備えた免震復元装置としては、すり鉢状
(円錐・角錐等を以下、すり鉢と言う)、球面状等の凹
型滑り面部をもつ免震皿からなる、重力により復元する
免震復元装置があるが、この装置の免震皿は、場所を取
り、また、構造体および基礎からはみ出している部分に
力が加わった場合の支持強度にも問題があった。はみ出
している部分の面積が小さくなるようにすることが求め
られる。また重力復元型に特有の問題として、振動時の
垂直変位に対応するために設けられた引抜防止装置等の
遊びにより、がたつきが生じるという問題、風力等によ
り免震される構造体に引抜き力が発生した時に衝撃が走
るという問題を解決することが求められた。また、滑り
支承の摩擦係数を下げること、引抜き防止装置を複合さ
せることが求められた。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.1.復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 特許 1844024号の引抜き防止装置に、復元機能または減
衰機能が装備されること、また、免震皿から滑り部等が
外れる事を抑制または防止することが求められた。 2.2.積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り
支承 特許 1844024号の引抜き防止装置と積層ゴム・ゴム・バ
ネ等との複合が求められた。さらに、積層ゴムの、引抜
き力に対する抵抗力の欠如と、積層ゴムの座屈の問題
(底辺に対して高さの高い積層ゴムに顕著である)とを
解決する必要がある。 2.3.引抜き防止機能の増強 また、特許 1844024号の引抜き防止装置について、その
引抜き防止機能をさらに増強することが望まれる。 2.4.新引抜き防止装置・滑り支承 また、特許 1844024号の引抜き防止装置について、形の
バリエーションが求められ、特に、コンパクトなものが
求められる。また、そのような引抜き防止装置に復元装
置が複合されることもが求められた。 2.5.重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 引抜き防止装置と免震復元装置との複合が求められた。 2.6.引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置・
滑り支承振動時垂直変位吸収装置 特許 1844024号の引抜き防止装置に併用される前述の重
力復元型免震復元装置の、振動時の垂直変位対応のため
の遊びにより、がたつきが生じるという問題、風力等に
より免震される構造体に引抜き力が発生した時に衝撃が
走るという問題を解決することが求められた。 2.7.引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承について、
上部スライド部材・下部スライド部材間の摩擦係数を下
げることが求められた。 2.8.引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承について、
上部スライド部材・下部スライド部材間の摩擦係数を下
げることが求められた。 2.9.引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承について、
水平寸法を小さくすること、また転がり支承との兼用が
求められた。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能の向上及
び初滑動向上 特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免
震復元装置等の滑り型免震装置・滑り支承に関しては、
初滑動を良くすること、また地震時の振幅を小さくする
ことが求められた。滑り型免震装置の問題として、摩擦
係数を大きくすると振幅は抑制されるが、初動加速度が
大きくなり、逆に、摩擦係数を小さくすると、初動加速
度は小さくなるが、振幅が大きくなるという問題があっ
た。そこで、このような問題を解決する減衰装置が求め
られる。つまり、初動加速度が小さく、すなわち免震感
度が高く、尚且つ一定以上の振幅を抑制するというよう
な減衰装置である。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免
震復元装置の免震皿を小さくすること、さらにその密閉
性も求められた。また、免震皿と滑り部との摩擦を小さ
くし、接触面積をできるだけ大きくし、且つ、振動時に
も、その接触面積が変化せず同じであるようにしたい。
また、復元装置、引抜き防止装置との一体化も求められ
た。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置および
免震復元装置について、免震皿と滑り部の接触面積をで
きるだけ大きくし、且つ、振動時にも、その接触面積が
変化せず同じであるようにしたい。また、滑り性能を上
げること、首ふり角度を急にすることが求められた。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 重力復元型免震装置・滑り支承について、振動時の垂直
変位が吸収されるようにする必要がある。 4.8. 新重力復元型免震装置 バネ・ゴム等によるものではない長寿命の復元装置が求
められた。また、特許1844024号および特許 2575283号
の重力復元型免震装置では垂直変位が生じてしまい、垂
直変位のない免震復元装置(重力復元型免震装置・滑り
支承)が求められた。また、バネによる復元装置よりも
免震性能がよく、且つ、地震後の残留変位を消去する能
力が大きい復元装置が求められた。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。共振のない免震装置の必要性
が求められている。 6.垂直免震装置 今回の阪神大震災から、地震の垂直動を吸収できる垂直
免震装置の必要性が求められている。 7.免震による地震発電装置 7.1. 免震による地震発電装置 地震エネルギーを電気等の役立つものに換えることが望
まれたが、ここで免震装置が活用できる。さらに、地震
エネルギーの三次元的動きを一次元的動きに換えるのが
困難であり、それを解決する方法も求められた。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 電気を使用しない、地震エネルギーを利用した地震発電
による地震センサーの発明が望まれた。さらに、後述の
固定装置の解除にまで使用できる量のエネルギーを発生
させうる大容量のものが望まれた。 8.固定装置・ダンパー また、特許 2575283号の固定装置(固定ピン装置)につ
いて、その詳細な仕様についても明確にすることが求め
られた。阪神大震災では、建物が無事でも杭が壊れて駄
目になったケースが多かった。その対処法も考えられる
べきである。また、風揺れ抑制から免震時の変位抑制に
もつながる装置(変位抑制装置)が求められた。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 予想を上回る地震変位振幅にも対処できるようにしてお
くことが必要である。また、滑り支承、特に転がり型支
承において耐圧性向上も必要である。 9.5./ 9.6.二段式免震 すべり・転がり型免震の場合において、地震時に免震皿
の許容変位を超えた場合の対処法が望まれた。 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと、風力時の回転を止められない。積層
ゴム等のバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比
例型の減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合
には、免震時に免震される構造体の捩れ振動が生じる。
これらの問題を解決することが望まれた。 11.免震装置の組合せと材料仕様 免震装置同士の組合せと、その材料・仕様も決める必要
がある。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 従来の積層ゴムは、鋼とゴムとの付着性の問題、鋼とゴ
ムとを付着させて積重ねてゆく製法の困難さの問題、ま
た、耐圧能力の問題、防火上の問題等があり、もっと簡
易な製法で、これらの問題が解決する方法が望まれた。 12.2. 復元バネ 縦にバネを設置すると水平のどの方向にも復元性能を持
つことができるが、僅かな水平変位に対する復元力に乏
しい。その問題を解決する方法が望まれた。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 以上の免震装置・免震構造を利用した建物等の構造体設
計の、具体的方法も求められた。 13.1. 超高層建物・構造体 特に、柔構造の超高層では、地震時にも大きく揺れる
が、風時にも大きく揺れる。この問題を免震装置によっ
て解決する方法が望まれた。 13.2. 高塔状比建物・構造体 引抜き力が働く建物・構造体には、従来の積層ゴムは使
用できないため、高塔状比建物・構造体には、免震装置
は使用されなかった。この問題を解決する方法が望まれ
た。 13.4. 軽量建物・構造体 従来の積層ゴムを用いた免震装置の場合、免震される構
造体の固有周期が延びず、免震されないため、軽量建物
・構造体には、免震装置は使用されなかった。この問題
を解決する方法が望まれた。 13.5. 在来木造戸建て住宅/ 軽量(木造・鉄骨系)戸
建て住宅 (1) 土台床構面の形成 免震装置を装備する場合の、土台床構面をどう形成する
かを示すことが求められた。 14.免震装置設計と免震装置配置 滑り型免震装置について、その配置に関する内容と、そ
の際の復元装置の復元能力の設計に関する内容が求めら
れた。滑り型免震装置の施工時および施工後の水平性維
持の問題も解決する必要がある。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 戸建て用の免震装置では、特に低廉な簡易型の免震装置
が求められている。免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とを分離する必要から、1階の梁
とそれに支えられる床が必要になり、それをいかに安く
するかも課題であった。また、プレハブ・在来・2×4
という上部構造(免震される構造体)の構法の違いを問
題としない免震構法を開発すること、また上部構造が剛
性に欠けるという問題を解決する必要があった。また、
戸建て用にかかわらず、免震装置の設置と基礎部分の施
工に関する合理的工法が求められた。 18.免震用設備 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間のフレキシビリティを保証する免震構造体用の
設備が求められた。
【問題点を解決するための手段】この発明は、以上のよ
うな問題・課題を解決するものである。 A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
型免震装置・滑り支承 特許 1844024号の免震装置(特許 1844024号の明細書の
第 8図〜第 9図)よりも材料が節約できるようにするた
めに、滑り面部(「滑り」とは、すべり・転がりであ
る。全明細書同じ)を重ね合せ十字型にした免震装置・
滑り支承である(以下「十字型免震装置・滑り支承」と
いう)。また、特許 1844024号の発明の、一方向性(往
復を含む、以下同じ)復元免震皿による免震復元装置
(特許 1844024号の明細書の第 1図〜第 4図)に、全方
向の復元性能を持たせるために、凹形状の一方向性免震
復元装置を上下に交差させて係合させるという構成を発
明した(以下「十字重力復元型免震装置・滑り支承」と
いう)。これは十字型免震装置・滑り支承と同様に、材
料を節約することにもなる。請求項1項は、その免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 1.2. 十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の中間滑り部 1.1.の十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の、上部スライド部材と下部スライド部
材との間の摩擦係数を下げ、また相互の滑り面の接触面
積を上げるために(なお「また」は、全文において「ま
たは」と「及び」の両方の意味をもつ)、両スライド部
材の間に、中間滑り部を設けることを発明した。請求項
2項は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震
構造体の発明である。さらに、その中間滑り部の、上部
スライド部材、下部スライド部材と接する位置に、ロー
ラー・ボール(ベアリング)を設ける場合もある。 1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承 また、請求項1項〜請求項2項記載の発明と、特許 184
4024号の引抜き防止装置(特許 1844024号の明細書の第
10図〜第11図)とを一体化させることにより、引抜きを
防止し、且つ復元もするという免震装置・滑り支承が可
能となる(以下、「十字重力復元型引抜き防止装置・滑
り支承」という)。請求項3項は、その免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。また、
重力復元型免震装置に特有の、振動時の垂直変位に対応
するために設けられた引抜防止装置等の遊びにより、が
たつきが生じるという問題、風力等により、免震される
構造体に引抜き力が発生した時に衝撃が走るという問題
は、上部スライド部材のスライド孔を挟む下部材の下部
を下向きの凹形状にし、下部スライド部材のスライド孔
を挟む上部材の上部を上向きの凹形状にし、上下部スラ
イド部材が互いに滑走するように構成することにより、
解決する。請求項4項は、その免震装置・滑り支承、ま
たそれによる免震構造体の発明である。上部スライド部
材と下部スライド部材との間の摩擦係数を下げ、また相
互の滑り面の接触面積を上げるために、中間滑り部また
はローラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部
を設ける場合が考えられる。請求項3項の、請求項2項
記載の免震装置・滑り支承においての、発明が、それで
ある。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.1. 復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 特許 1844024号の引抜き防止装置のスライド孔に、水平
方向に、バネ・空気バネ・ゴム等の弾性体または磁石
(磁石同士の反発力吸引力等を使う)等(すべての章で
「バネ等」と言う)を設けることにより、復元また減衰
機能をもたせることができる。請求項5項〜請求項7項
は、その免震装置・滑り支承(復元・減衰バネ等付き引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。なお、このバネ等が、係合されたもう一
方のスライド部材に接すること無く、その途中までに設
けられているという構成にすることにより、併用する免
震皿の滑り面から滑り部等が外れる可能性のある地震振
幅の場合にのみ抑制が働いて、免震皿の大きさ以内の地
震振幅に対しては抑制が働かず、免震性能を減じないと
いう効果が得られる。また、弾性力または磁力等が二段
階に変化する二段階バネ等を利用し、復元に適したもの
と外れ防止に適したものとの二段階の弾性力または磁力
等をもったバネ等を設け、併用する免震皿の大きさ以内
の地震振幅には、復元バネ等が主に働いて、元の位置に
復元する効果を発揮し、免震皿の滑り面から滑り部等が
外れる可能性のある地震振幅時には、外れ防止バネ等が
働き、強い抑制が加えられ、免震皿の外れを防止する。
また、変位に応じて弾性力または磁力等が無段階に変化
するバネ等を使用することにより、免震皿の滑り面から
滑り部等が外れる可能性のある地震振幅ほど、強い抑制
が働き、免震皿の外れを防止することができる。また、
弾性力または磁力等が、二段階と無段階との間の、三段
階、四段階、…多段階に変化するものを用いることもあ
り、請求項7項は、その免震装置・滑り支承(復元・減
衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承)、またそれに
よる免震構造体の発明である。 2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑
り支承 請求項8項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防止
装置に、バネ等を複合させるという免震装置・滑り支承
(積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。これ
は、積層ゴムの引抜き力に対する抵抗力の無さの解決策
となる。また同時に引抜き防止装置が垂直荷重をカバー
するので、積層ゴム自体の座屈の問題(底辺に対して高
さの高い積層ゴムほど座屈しやすい)も解決され、大き
な変位に対応させるためには積層ゴムの幅を大きくする
必要がなくなるため、積層ゴム自体のコンパクト化と低
コスト化が可能になる。 2.3. 引抜き防止機能の増強 特許 1844024号の発明の引抜き防止装置の引抜き防止機
能を増強するため、上部スライド部材・下部スライド部
材の中央部に、それらを貫く形で係合材を取り付けるこ
とを発明した。請求項9項〜請求項10項は、その免震
装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、またそ
れによる免震構造体の発明である。 2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承 (1) 新引抜き防止装置・滑り支承 請求項11項記載の発明は、特許 1844024号での発明の
引抜き防止装置の、スライド孔を有さない上部スライド
部材・下部スライド部材の中央部に、それらを貫く係合
材を取り付けることにより、引抜き力に対応できるよう
にした免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 新引抜き防止装置・滑り支承 請求項12項〜請求項13項記載の発明は、引抜き防止
装置・滑り支承の新しい形を提示したものであり、包み
込み合う関係のスライド部材からなるスライド装置とし
て構成される免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑
り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。請
求項12項の発明は、引抜き防止機構が一重の場合、つ
まり、一重の包み込み合う関係のスライド部材からでき
ており、内側のスライド部材が、水平方向にスライドで
きる余地をもって外側のスライド部材に包み込まれるこ
とにより構成される場合であり、内側のスライド部材と
外側のスライド部材のどちらか一方を免震される構造体
に、他方を免震される構造体を支持する構造体に設け
る。請求項13項の発明は、引抜き防止機構が二重以上
の場合、つまり、二重以上の複数の包み込み合う関係の
スライド部材からできており、一番内側のスライド部材
が、水平方向にスライドできる余地をもって、すぐ外側
のスライド部材に包み込まれ、この(二番目の)スライ
ド部材が、水平方向にスライドできる余地をもって、そ
の外側のスライド部材に包み込まれる、というふうに順
次包み込み合う関係を成して構成されている場合であ
り、一番内側のスライド部材と一番外側のスライド部材
のどちらか一方を免震される構造体に、他方を免震され
る構造体を支持する構造体に設ける。 (3) 新引抜き防止装置・滑り支承 請求項14項〜請求項15項記載の発明は、上記(2)の
新引抜き防止装置・滑り支承の装置を、上下に二組設
けることにより構成された免震装置・滑り支承(引抜き
防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発
明である。 (4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付き 請求項17項記載の発明は、上記の新引抜き防止装置・
滑り支承に、復元バネ等を付けるというものであ
り、請求項12項、請求項13項、請求項14項、請求
項15項記載の免震装置・滑り支承において、内側のス
ライド部材と外側のスライド部材との間のそれぞれに、
もしくは一番内側のスライド部材と一番外側のスライド
部材との間に、バネ等を設けることにより、復元力をも
たせた免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。 2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 請求項16項〜請求項18項は、引抜き防止装置と免震
復元装置を複合させた免震装置・滑り支承(重力復元置
型引抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構
造体の発明である。 (1) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 請求項18項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置に、特許 1844024号の免震復元装置を複合させた
免震装置・滑り支承(重力復元置型引抜き防止装置・滑
り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 前記の2.4.(2) 新引抜き防止装置・滑り支承を重力復
元置型にするという方法もある。請求項12項、請求項
13項、請求項14項、請求項15項記載の免震装置・
滑り支承において、包み込み合う関係のスライド部材の
うち、外側のスライド部材が、凹型滑り面部を持ち、内
側のスライド部材が、その凹型滑り面部を滑動できるよ
うに構成される。請求項16項は、その免震装置・滑り
支承(重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承)、また
それによる免震構造体の発明である。 (3) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承のバネ等
付き 請求項17項記載の発明は、上記の重力復元置型引抜き
防止装置・滑り支承に復元バネ等を付け、復元力を補
強する免震装置・滑り支承(重力復元置型引抜き防止装
置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項16項記載の免震装置・滑り支承において、
内側のスライド部材と外側のスライド部材との間のそれ
ぞれに、もしくは一番内側のスライド部材と一番外側の
スライド部材との間に、バネ等を設けたものである。ス
ライド部材同士間にバネ等を付けるという構成は、2.4.
(4)の新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付きの場
合とほぼ同じである。 2.6. 引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置
・滑り支承振動時垂直変位吸収装置 2.6.1. バネ等付き部材での押さえ込み 請求項19項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置の両方のスライド孔内に、他方のスライド部材を
バネ等で押さえ込むプレート等の部材を取付ける免震装
置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、またそれ
による免震構造体の発明である。それにより、併用する
重力復元型免震装置・滑り支承の、振動時の垂直変位に
対応するために設けられた遊びにより生じるがたつきの
問題が解決され、また風力等により引抜き力が発生した
際の衝撃も吸収される。 2.6.2. 重力復元型免震装置・滑り支承と同じ曲率付き 請求項20項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置・滑り支承の上部スライド部材・下部スライド部
材に、それと併用される重力復元型免震装置・滑り支承
の曲率と同じ(「同じ」は、ほぼ同じを含む、全明細書
同じ)勾配をもたせる免震装置・滑り支承(引抜き防止
装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明で
ある。それにより、併用する重力復元型免震装置・滑り
支承の、振動時の垂直変位に対応するために設けられた
遊びにより生じるがたつきの問題が解決され、また風力
等により引抜き力が発生した際の衝撃も吸収される。 2.7. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 請求項21項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置・滑り支承の、上部スライド部材と下部スライド
部材との間の摩擦係数を下げるために、上部スライド部
材と下部スライド部材との間に、中間滑り部(すべり
型)またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中
間滑り部(すべり型)を設ける免震装置・滑り支承(引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。 2.8. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 請求項22項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置・滑り支承の上部スライド部材と下部スライド部
材との間の摩擦係数を下げるために、上部スライド部材
・下部スライド部材間に、中間滑り部としてローラー・
ボールを設ける免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・
滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。 2.9. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項23項〜請求項28−2項記載の発明は、特許 1
844024号の引抜き防止装置・滑り支承の、水平寸法を小
さくするためのものである。請求項23項記載の発明
は、スライド部材を三重にすることで、水平寸法を小さ
くした免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。上部ス
ライド部材と下部スライド部材との間に、中間部スライ
ド部材が設けられ、また各スライド部材は、横に細長く
開口したスライド孔を有しており、上部スライド部材と
中間部スライド部材、中間部スライド部材と下部スライ
ド部材とが、互いに交差する方向に、双方のスライド孔
に係合し、スライドできるように構成したものである。 2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項24項、請求項24−2項記載の発明は、上部ス
ライド部材を構成する下部材と、下部スライド部材を構
成する上部材の、どちらか、または両方が、上部下部ス
ライド部材に対して上下方向は拘束されながら水平方向
にスライドするように構成する免震装置・滑り支承(引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。請求項25項記載の発明は、請求項24
項、請求項24−2項記載の発明の、上部スライド部材
(上側免震皿)と下部スライド部材(下側免震皿)との
間に、すべり型中間滑り部または転がり型中間滑り部を
設けることにより構成される免震装置・滑り支承(引抜
き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の
発明である。具体的には、下部材および上部材のそれぞ
れには、引掛け部(または引掛かり部)が設けられてお
り、この引掛け部(または引掛かり部)が、上部・下部
スライド部材、の対辺同士に設けられた引掛かり部(ま
たは引掛け部)に掛り合うように構成される。なお、引
掛け部、引掛かり部に関して、引掛け部が凹の場合も凸
の場合も有り、同様に引掛かり部が凹の場合も凸の場合
もあって、相互に引掛け合って掛り合うようになってお
り、引掛け部、引掛かり部のどちらかが能動に、他方が
受動になるが、引掛け部が能動になるとは限らない。同
様に引掛かり部が受動になるとは限らない。以下同じで
ある。さらに、請求項26項〜請求項27項記載の発明
は、請求項24項、請求項24−2項記載の発明に加え
て、上部スライド部材(上側免震皿)を構成する下部材
の上部、下部スライド部材(下側免震皿)を構成する上
部材の上部に、スライド方向の孔をもち、その上部下部
スライド部材の交差する孔中に、すべり型中間滑り部ま
たは転がり型中間滑り部(ローラーまたはボール)を設
け、転がり支承を兼用させる免震装置・滑り支承(引抜
き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の
発明である。 2.11. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項28項、請求項28−2項記載の発明は、上部ス
ライド部材と下部スライド部材との間に、横に細長く開
口したスライド孔を有する中間部スライド部材を設け、
上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
ド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向
に、双方のスライド孔に係合し、スライドできるように
し、かつ、上部スライド部材を構成する下部材と、下部
スライド部材を構成する上部材の、どちらか、または両
方が、上部下部スライド部材に対して上下方向は拘束さ
れながら水平方向にスライドするように構成した免震装
置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、またそれ
による免震構造体の発明である。具体的には、上部スラ
イド部材を構成する下部材 、下部スライド部材を構成
する上部材 のどちらか、また両方が、上部・下部スラ
イド部材、の平行(「平行」は、ほぼ平行を含む、全明
細書同じ)する対辺同士に設けられた引掛け部または引
掛かり部に掛り合うことによって、上部スライド部材・
下部スライド部材に対して上下方向は拘束されながら水
平方向にスライドするようになる。さらに、2.10.と同
様に、各スライド部材間にすべり型中間滑り部または転
がり型中間滑り部を設けることも可能である。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.10.(すり鉢・球面支承型除く)及び 2.11.では、上
部スライド部材を構成する下部材、下部スライド部材を
構成する上部材、または中間部スライド部材が自然に元
の位置に戻らない問題があった。また2.10.(すり鉢・
球面支承型除く)及び2.11.は、従来(特許 1844024
号)に比して小さいが、もっと小さくできないかという
要望があった。請求項29項〜請求項32−2項の発明
は、これらの問題を解決するものである。請求項29
項、請求項29−2項は、免震される構造体と免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられ、上側免震
皿に対して上下方向は拘束されながら水平方向にスライ
ドし、下側免震皿に対して上下方向は拘束されながら水
平方向にスライドするように構成された上下繋ぎスライ
ド部材により、上側免震皿と下側免震皿とは上下方向に
は繋がれ(拘束され)、水平方向にはスライド可能なよ
うに構成され、かつ、前記上側免震皿を免震される構造
体に、下側免震皿を免震される構造体を支持する構造体
に設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、また
それによる免震構造体の発明である。上下繋ぎスライド
部材と免震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行する対
辺同士(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面部(内
ガイド型)、またはその両方のいずれでも良い(外ガイ
ド型、内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガイド部を
上下繋ぎスライド部と考えれば同じ)。請求項29−3
項は引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎス
ライド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設
けられた引掛かり部(または引掛け部)に対し、内側か
ら掛かり合う(入り込む)ことによって構成される、内
型上下繋ぎスライド部材をもった免震装置・滑り支承
(引抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構
造体の発明である。請求項29−4項は引掛け部(また
は引掛かり部)を有する上下繋ぎスライド部材が上下の
免震皿(の平行する対辺同士)に設けられた引掛かり部
(または引掛け部)に対し、外側から掛かり合う(入り
込む)ことによって構成される、外型上下繋ぎスライド
部材をもった免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑
り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。請
求項30項は、請求項29項から請求項29−4項記載
の免震装置・滑り支承において、上側免震皿に対しての
スライド方向と、下側免震皿に対してのスライド方向と
は、直角(「直角」は、ほぼ直角を含む、全明細書同
じ)をなすように構成された上下繋ぎスライド部材であ
ることを特徴とする免震装置・滑り支承(引抜き防止装
置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項31項は、請求項29項から請求項30項記
載の免震装置・滑り支承において、上下繋ぎスライド部
材の中央部に、免震皿上を自由にボールもしくはローラ
ーが転がれるか、または中間すべり部がすべれる大きさ
の孔が開けられ、ボールまたはローラーまたは中間すべ
り部が入っていることにより構成されてなることを特徴
とする免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。請求項
32項は、請求項31項記載の免震装置・滑り支承にお
いて、上側免震皿、下側免震皿は、すり鉢状・球面状ま
たは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を有する
免震皿であることを特徴とする免震装置・滑り支承(引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。請求項32−2項は、請求項29項から
請求項32項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支
承において、上下繋ぎスライド部材と免震皿との接触部
分にボールもしくはローラー等の転動体または低摩擦材
を設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明で
ある。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化 地震の初滑動を良くするために、免震皿の滑り面部にお
いて、中心部の摩擦係数を小さくする。また、振幅を小
さくするために、免震皿の滑り面部において周辺部の摩
擦係数を大きくする。また、この両方を組合せ、免震皿
の滑り面部において、中心部の摩擦係数を小さくし、周
辺部の摩擦係数を大きくする。それにより、地震の初動
加速度を小さくでき、しかも、一定以上の振幅を抑制す
る効果をより高めることができる。また、免震皿の滑り
面部において、中心部から周辺部に向かって、徐々に摩
擦係数を大きくしてゆく方法、また段階的に大きくして
ゆく方法もある。請求項33項は、その免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。また、
この方法は、粘性ダンパー等またバネ等に比べて、摩擦
係数によって簡単に減衰効果を変えられるだけでなく、
地震後の減衰効果も大きい。というのは、減衰抵抗に関
して、摩擦では速度と無関係で一定という関係であり、
地震後の振動速度が弱まると減衰効果は大きくなり、速
やかに減衰するが、一方、粘性ダンパー等では速度に比
例し、またバネ等では振幅に比例するため、地震後でも
漸近線的なカーブになり、なかなか減衰しない。 3.2. 曲率の変化 凹型滑り面部を有する免震皿をもつ免震装置・滑り支承
において、免震皿の凹型滑り面部の中心部の曲率半径を
大きくし、周辺部の曲率半径を小さくすることにより、
ある一定以上の振幅の地震に対して、滑り部が免震皿か
ら外れないようにするための、抑制効果を持たせること
ができる。請求項34項の発明は、その免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。請求項
34−2項は、請求項34項記載の免震皿の滑り面部に
おいて、滑り面部の勾配が、以下の式を満たすように構
成されてなること特徴とするをダンパー、またそれによ
る免震構造体の発明である。 Z=p・X^n ただし X : 免震皿の中央部からの水平変位 Z : 免震皿が構成する曲面上で、水平変位Xに伴い生
じる鉛直変位 p、n : 曲面の方程式の係数 特に、n=0.7〜2の場合が効果がある。 3.3. 摩擦係数の変化と曲面率の変化 また、免震皿の、3.1.の摩擦係数の変化と、3.2.の曲面
率の変化とを、両方使って、滑り免震装置・滑り支承の
ダンパー機能向上および初滑動を向上させる方法もあ
る。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承 免震皿の大きさを小さくするために、免震される構造体
と、免震される構造体を支持する構造体との両方に、免
震皿を取付け、免震皿を上下二重(二重免震皿)にする
方法を発明した。この二重免震皿免震装置・滑り支承
は、平面で形成された滑り面部(平面型滑り面部と言
う)を持った免震皿同士で構成される場合と、平面型滑
り面部を持った免震皿と凹面で形成された滑り面部(凹
型滑り面部と言う)を持った免震皿とで構成される場
合、または凹型滑り面部を持った免震皿同士で構成され
る場合とがある。平面型滑り面部と凹型滑り面部を持っ
た免震皿同士で構成される場合、また凹型滑り面部を持
った免震皿同士で構成される場合は、上下の二重免震皿
の間に中間滑り部を必要とする。なお、平面型滑り面部
を有する免震皿を、平面型免震皿と言い、凹型滑り面部
を有する免震皿を、凹型免震皿と言う。この二重免震皿
免震装置・滑り支承は、特許 1844024号の滑り部と免震
皿を持った免震装置または免震復元装置に比べ、免震皿
一枚あたりの面積はほぼ 1/4にとなり、上下の免震皿を
合わせても必要な材料はほぼ 1/2で良くなる。また、上
下二つの免震皿を同じ大きさにできることにより、地震
時以外の常時における密閉性をも得ることができる。ま
た、当然、三重以上の免震皿による免震装置・滑り支承
も考えられる。三重以上の免震皿による免震装置・滑り
支承の場合は、上部免震皿と下部免震皿との間に中間免
震皿を挟み込むことにより構成される。請求項35項〜
請求項36項は、その免震装置・滑り支承、またそれに
よる免震構造体の発明である。 4.1.2. 引抜き防止付き三重(また三重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 上部免震皿、中間免震皿、下部免震皿による三重免震皿
免震装置・滑り支承において、上部免震皿と中間免震皿
とを上下繋ぎスライド部材・部分でつなぎ(x軸方向=
水平方向)、中間免震皿と下部免震皿とを上下繋ぎスラ
イド部材・部分でつなぐ(y軸方向=水平方向)ことに
より、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが相互に
連結して(z軸方向=鉛直方向)、引抜き力に対処する
ことができるようになる。また、四重以上免震皿免震装
置・滑り支承も同様に考えられる。この場合は、中間免
震皿を複数個設置し、三重免震皿の場合と同じ要領で、
中間免震皿同士を順次、繋いでいく。上下繋ぎスライド
部材・部分と免震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行
する対辺同士(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面
部(内ガイド型)、またはその両方のいずれでも良い
(外ガイド型、内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガ
イド部を上下繋ぎスライド部と考えれば同じ)。請求項
37項〜請求項38−3項は、その免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。ここで、
上側免震皿と上部免震皿、下側免震皿と下部免震皿との
用語の違いについて説明しておく。免震皿が3枚の時に
は、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とによって構
成される。また、3枚以上の時には、上部免震皿と複数
枚の中間免震皿と下部免震皿とによって構成される。中
間免震皿は下側免震皿と上側免震皿とを兼ねて、上部免
震皿もしくはその上の中間免震皿との関係では下側免震
皿となり(上部免震皿もしくはその上の中間免震皿は上
側免震皿となり)、下部免震皿もしくはその下の中間免
震皿との関係では上側免震皿となる。なお、上部(側)免
震皿とは、上部免震皿または上側免震皿を表す。下部
(側)免震皿も同様である。また、上側(部)免震皿とは、
上側免震皿または上部免震皿を表す。下側(部)免震皿も
同様である。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 4.2.1. 中間滑り部(一重) 4.2.1.1. 中間滑り部 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の
重なる免震皿間に、中間滑り部が挟み込まれることが考
えられ、その中間滑り部には、すべり型のもの(4.2.1.
2.)と転がり型のもの(4.2.1.3.)とその中間型のもの
(4.2.1.4.)とが、考えられる。下向きの平面型滑り面
部もしくは凹型滑り面部を有する上側免震皿と、上向き
の平面型滑り面部もしくは凹型滑り面部を有する下側免
震皿とで構成され、上側免震皿と下側免震皿との間に、
中間滑り部(すべり型または転がり型)、またはローラ
ー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部が挟み込
まれ、また、上側免震皿、下側免震皿と中間滑り部との
間にローラー・ボール(ベアリング)がはさまれる場合
もある。また、三重以上の免震皿の場合には、免震皿ご
とに挟み込む場合もある。請求項39項は、その免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 4.2.1.2. 中間滑り部(すべり型) 4.2.1.1.の、中間滑り部を持った二重(または二重以上
の)免震皿からなる免震装置の中間滑り部が、すべり型
のものである。4.2.1.1.の、中間滑り部を持った二重
(または二重以上の)免震皿からなる免震装置におい
て、上側免震皿の凹型と同曲率または接する曲率を持つ
凸型と、下側免震皿の凹型と同曲率または接する曲率を
持つ凸型とが合体した形の中間滑り部を、上側免震皿と
下側免震皿の間に挟み込むという構成により、中間滑り
部は1つの場合でも、中間滑り部と上側免震皿、中間滑
り部と下側免震皿との接触面積をともに、振動時でも一
定にできるか、またはそれに近付けるようにすることが
できる。請求項40項〜請求項45項は、その免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 4.2.1.3. 中間滑り部(転がり型) さらに、以下の4.2.1.3.1.〜 4.2.1.3.4.は、請求項4
6項〜請求項51項の、4.2.1.1.の中間滑り部を持った
二重(または二重以上の)免震皿からなる免震装置の中
間滑り部が、転がり型のものである。 4.2.1.3.1. 中間滑り部(平面状、凹型球面状免震皿) 4.2.1.3.2. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免震皿) 請求項46項〜請求項49項は、4.2.1.1.の、中間滑り
部を持った二重(または二重以上の)免震皿からなる免
震装置において、下向き平面状または凹型の球面または
すり鉢状の滑り面部を有する上側免震皿と、上向き平面
状または凹型の球面またはすり鉢状の滑り面部を有する
下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれたボールを持つ
ことにより構成される免震装置・滑り支承、またそれに
よる免震構造体の発明である。特に、すり鉢状の免震皿
の場合には、すり鉢の底を、ボールと同曲率の球面状に
し、すり鉢はそれに接する形で形成されるのがよい。請
求項48項は、その免震装置・滑り支承、またそれによ
る免震構造体の発明である。この事により、すり鉢状に
も拘らず、ボールと免震皿の接触面積を大きくすること
ができ、耐圧性能が高くなる。このことは、心配される
経年後のボールの免震皿への食込みを、最小限に抑える
ことができる。というのは、問題となる通常時(小変位
の小地震の時を含む)における食込みを、この形状を採
ってボールと免震皿の接触面積を大きくし、免震皿にか
かる単位面積あたりの荷重を小さくすることにより防ぐ
ことができるからである。 4.2.1.3.3. 中間滑り部(平面状、円柱谷面状免震皿) 4.2.1.3.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状免震皿) また、下向き平面状または円柱谷面状またはV字谷面状
等の滑り面部を有する上側免震皿と、上向き平面状また
は円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下
側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ、スライド方向と
直角に設けられたローラーによって構成される免震装置
・滑り支承の場合も同様である。請求項49項〜請求項
50項は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免
震構造体の発明である。特に、V字谷面状の滑り面部を
有する免震皿の場合には、V字谷面の底が、免震皿に挟
まれたローラーと同曲率の形状をなしており、V字谷面
はそれに接する形で形成されるのがよい。請求項51項
は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 4.2.1.4. 中間滑り部(転がりすべり中間型) 請求項52項〜請求項53項は、4.2.1.1.の、中間滑り
部を持った二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震
皿)からなる免震装置の中間滑り部が、すべりと転がり
との中間型のもので、転がりとすべりの中間の摩擦係数
が得られる免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
造体の発明である。摩擦係数は、転がり支承約1/100か
らすべり支承約1/10と隔たり、その中間値が得られなか
った。中間滑り部6の中にローラー5-f・ボール5-e
(ベアリング)をもたせて、転がりとすべりの複合型支
承でそれを可能にした。 (1) 回転抑制型 請求項52項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り
部はローラー・ボール(ベアリング)と、このローラー
・ボール(ベアリング)をもったすべり部分とによって
構成され、すべり部分が、ローラー・ボール(ベアリン
グ)の回転を抑制するように、すべり部分とローラー・
ボール(ベアリング)との接触面の摩擦が大きくなるよ
うに構成されていることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体である。 (2) 摩擦回転併用型 請求項53項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り
部はローラー・ボール(ベアリング)と、このローラー
・ボール(ベアリング)をもったすべり部分とによって
構成され、すべり部分とローラー・ボール(ベアリン
グ)の両方とが免震皿にほぼ均等に接するように構成さ
れていることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそ
れによる免震構造体である。 4.2.2. 二重中間滑り部 請求項54項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、中間滑り部を二重にするというものである。中
間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をもっ
た中間滑り部が、上下に、第一中間滑り部と第二中間滑
り部とに分かれ、互いに同一(「同一」は、ほぼ同一を
含む、全明細書同じ)球面率の球面同士で重なりあう形
で、上下の滑り面部を有する免震皿に挟み込まれる。具
体的には、4.2.1.において、中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部が第一中間
滑り部と第二中間滑り部とに分かれ、上側または下側免
震皿のどちらか一方の平面状または凹型滑り面部と同曲
率(または同一球面率)または接する曲率の凸型(また
は球面)滑り面部をもち、且つその凸型の反対部は凸
(または凹)型球面状滑り面部をもつ第一中間滑り部
と、その反対部の凸(または凹)型球面状滑り面部と同
一球面率の凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、且
つその凹(または凸)型の反対部は、上側または下側免
震皿のもう一方の平面状または凹型滑り面部と同曲率
(または同一球面率)または接する曲率の凸型(または
球面)滑り面部をもつ第二中間滑り部とからなり、この
第一中間滑り部及び第二中間滑り部とは、互いに同一球
面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形で、上側及び
下側免震皿に挟み込まれることにより構成されてなるこ
とを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免
震構造体である。 4.2.3. 三重中間滑り部 請求項55項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、中間滑り部を、三重にするというものである。
中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をも
った中間滑り部が、上下に、第一中間滑り部、第二中間
滑り部、第三中間滑り部に分かれ、それらはそれぞれ互
いに同一球面率の球面同士で重なりあう形で、上下の滑
り面部を有する免震皿に挟み込まれる。具体的には、4.
2.1.において、中間滑り部またはローラー・ボール(ベ
アリング)をもった中間滑り部は第一中間滑り部と第二
中間滑り部と第三中間滑り部とに分かれ、上側または下
側免震皿のどちらか一方の平面状または凹型滑り面部と
同曲率(または同一球面率)または接する曲率の凸型
(または球面)滑り面部をもち、且つその凸型の反対部
は凹(または凸)型球面状滑り面部をもつ第一中間滑り
部と、その反対部の凹(または凸)型球面状滑り面部と
同一球面率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもち、
且つその凸(または凹)型の反対部は凸(または凹)型
球面状滑り面部をもつ第二中間滑り部と、その反対部の
凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面率の凹(ま
たは凸)型球面状滑り面部をもち、且つその凹(または
凸)型の反対部は、上側または下側免震皿のもう一方の
平面状または凹型滑り面部と同曲率(または同一球面
率)または接する曲率の凸型(または球面)滑り面部を
もつ第三中間滑り部とからなり、この第一中間滑り部、
第二中間滑り部及び第三中間滑り部とは、それぞれ互い
に同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形で、
上側及び下側免震皿に挟み込まれることにより構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体である。 4.2.4. 復元バネ付き中間滑り部持ち二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承 請求項56項の発明は、以上の4.2.の中間滑り部持ち二
重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の各
装置において、中間滑り部または保持器と上側免震皿、
下側免震皿とをバネ等で繋ぐことによって復元力を持た
せ、復元装置の機能を合せ持たせてなることを特徴とす
る免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体であ
る。 4.2.5. ローラー・ボール(ベアリング)入り二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承 4.の二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承において、免震皿の間にローラー・ボール(ベアリ
ング)等5-e、5-fを入れることにより、摩擦係数の低
下が図られ、高い免震性能が得られる。請求項57項
は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 4.3. 平面状また円柱谷面状またV字谷面状重層免震皿
(上下繋ぎスライド部分持ち) 三重以上の免震皿免震装置・滑り支承において、4.1.2.
の上下繋ぎスライド部材では、中間免震皿が自然に元の
位置に戻らず(平面型・凹型共に)、地震時に中間免震
皿が外れる可能性があった。また上下繋ぎスライド部材
が自然に元の位置に戻らず(平面型・凹型共に)、地震
時に上下繋ぎスライド部材が外れる可能性があった。こ
の問題を解決するものである。請求項58項、請求項5
8−2項、請求項58−3項の発明は、4.の三重以上
の免震皿免震装置・滑り支承において、免震皿が複数個
あって、それらの免震皿が、(平行する対辺同士で)免
震皿自体に設けられた上下繋ぎスライド部分によって相
互に繋がれ、順次連結されてゆき、下向きの平面状また
は円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する上
側免震皿と、上向きの平面状または円柱谷面状またはV
字谷面状等の滑り面部を有する下側免震皿と、これらの
免震皿に挟まれたローラー等の転動体または中間滑り部
(すべり部材)とによって構成される一層が、一層単位
ごとにローラー等の転動体の進行方向が変わるように、
免震皿が3層の時は、互いに直交方向になるように、免
震皿が3層以上の時は、交差角度の総合計が180度に
なるように、免震皿が重ねられて(下の一層の上側免震
皿は、上の一層の下側免震皿をも兼ねる場合もあり)、
その重層によって、あらゆる方向からの水平力に免震し
復元するように構成されてなることを特徴とする免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体である。下向
きの平面状の滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの
平面状の滑り面部を有する下側免震皿と、これらの免震
皿に挟まれたローラー等の転動体または中間滑り部(す
べり部材)とによって構成される場合には、上下繋ぎス
ライド部分は、免震皿自体に設けられているため、上下
繋ぎスライド部材を使用した場合のように地震時に外れ
る心配がない。特に三重の免震皿構成の場合は上下繋ぎ
スライド部材が外れることがなくなるだけでなく、中間
免震皿が自然に元の位置に戻る効果を持つため、地震時
に中間免震皿が外れることもなくなる。さらに、上側免
震皿または下側免震皿の少なくともどちらか一方を円柱
谷面状またはV字谷面状等の滑り面部とし、これらの免
震皿にローラー等の転動体または中間滑り部(すべり部
材)を挟むことによって免震装置・滑り支承を構成する
場合には、上下繋ぎスライド部材を使用した場合のよう
に、地震時に外れる心配がなくなる。また、中間免震皿
が自然に元の位置に戻る効果も持ち、全方向の復元が可
能になり、さらにローラー型で全方向の復元が可能にな
ることにより耐圧性能を向上させることも可能になる。
特に、V字谷面状の凹型滑り面部を有する免震皿の場合
には、5.に示すように共振のない免震装置が可能にな
る。さらに、この三重の免震皿構成の場合は上下繋ぎス
ライド部材が外れることがなくなるだけでなく、中間皿
免震皿が自然に元の位置に戻る効果も持つため、中間免
震皿が外れることもなくなる。上下繋ぎスライド部分と
免震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行する対辺同士
(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面部(内ガイド
型)、またはその両方のいずれでも良い(外ガイド型、
内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガイド部を上下繋
ぎスライド部と考えれば同じ)。ローラー等の転動体ま
たは中間滑り部(すべり部材)を複数個にすることによ
り、より耐圧性能が上げられる。請求項59項〜請求項
60項は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免
震構造体の発明である。また、請求項35項から請求項
60項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承にお
いて、滑り面部のローラー転がり面にラックを、ローラ
ーの周囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けること
により、ローラーの免震時のスリップによるずれを防ぐ
ことが可能になる。請求項60−2項は、その免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。
また、請求項35項から請求項60−2項のいずれか1
項に記載の免震装置・滑り支承において、ローラーと滑
り面部のローラー転がり面とのどちらか一方に溝を、他
方にその溝に入る凸部を設けることにより、ローラーの
免震時のスリップによるずれを防ぐことが可能になる。
請求項60−3項は、その免震装置・滑り支承、またそ
れによる免震構造体の発明である。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承 免震復元装置の免震皿の密閉性を得るために、二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の、免震皿
の側面の周囲全周を、中小地震程度の揺れを許容するよ
うなシールまたは防塵カバーで密閉した二重(または二
重以上の)免震皿免震装置・滑り支承、またそれによる
免震構造体を発明した。請求項61項は、その発明であ
る。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 4.5.1. 中間滑り部 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の免震皿と滑
り部の接触面積が大きく、また地震時の免震振動時も一
定に保たれるようにするために、以下のような構成を発
明した。球面状またはすり鉢状または円柱谷面状または
V字谷面状等の凹型滑り面部を有する免震皿と、この免
震皿の凹型滑り面部と同一球面率または接する曲率の凸
型滑り面部をもち、且つその凸型の反対部に凹(または
凸)型球面状滑り面部をもつ中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部と、中間滑
り部のこの凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球面
率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもつ滑り部とか
らなり、この中間滑り部を、凹型滑り面部を有する免震
皿と滑り部との間に挟み込むことにより構成される免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体である。請
求項62項は、その発明である。 4.5.2. 二重中間滑り部 球面状またはすり鉢状または円柱谷面状またはV字谷面
状等の凹型滑り面部を有する免震皿と、この免震皿の凹
型滑り面部と同一球面率または接する曲率の凸型滑り面
部をもち、且つその凸型の反対部に凸(または凹)型球
面状滑り面部をもつ第二中間滑り部またはローラー・ボ
ール(ベアリング)をもった第二中間滑り部と、その反
対部の凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面率の
凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、且つその凹
(または凸)型の反対部に凸(または凹)型球面状滑り
面部をもつ第一中間滑り部またはローラー・ボール(ベ
アリング)をもった第一中間滑り部と、この第一中間滑
り部の前記凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面
率の凹(または凸)型球面状滑り面部をもつ滑り部とか
らなり、この第一中間滑り部及び第二中間滑り部とは、
互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形
で、凹型滑り面部を有する免震皿と滑り部との間に挟み
込まれることにより構成される免震装置・滑り支承、ま
たそれによる免震構造体も発明した。請求項63項は、
その発明である。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.6.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 請求項64項は、免震復元装置の、免震皿の移動により
生じる滑り部の垂直変位を吸収するために、滑り部の上
部に、垂直方向に弾性をもつバネ等を入れ、その上をネ
ジを切った押さえ材でそのバネ等を押さえ、そのバネ等
の働きで、滑り部の垂直変位を吸収し、この押さえ材を
ネジ方向に締めたり、緩めたりすることにより、復元力
・減衰力を変えることができ、押さえ材をネジ方向に締
める事により、地震後の残留変位を無くす事も可能に
し、またこのバネ等は、地震の垂直動に対する免震効果
をも持たせた滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免
震皿免震装置・滑り支承あり、またそれによる免震構造
体の発明である。 4.6.2. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震装置
・滑り支承に関する発明である。8.1.2.2.3.の自動復元
型固定装置の固定ピンを、滑り部またはローラー・ボー
ル(ベアリング)をもった滑り部にし、固定ピンの挿入
部を、凹型滑り面部を有する免震皿にしたもので、そう
することにより、滑り部自体が垂直変位を吸収し得る、
滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震装置
・滑り支承が可能になる。 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 垂直変位を吸収するようにするために、以下のような装
置も発明した。重力復元型免震装置・滑り支承の滑り部
に、免震される構造体と水平力は伝達するが、垂直力は
伝達しない部材で、その部材の重さが、免震される構造
体に比べて、この重力復元型免震装置・滑り支承の復元
性を得られるほど、重い部材をもった重力復元型免震装
置・滑り支承である。請求項65項は、その縁切り型垂
直変位吸収重力復元型免震装置・滑り支承の発明であ
り、またそれによる免震構造体の発明である。 4.8. 新重力復元型免震装置 免震される構造体にケーブル等で重りを接続し、免震さ
れる構造体を支持する構造体に、ケーブル等の入る大き
さの挿入口を免震される構造体の重りの支持位置の直下
となるように設け、その挿入口を通して免震される構造
体を支持する構造体の下にその重りを吊り下げる。地震
時には、免震される構造体の重りの支持位置とその孔と
がずれるが、重りによって、その位置のずれを矯正しよ
うとする力が働き、復元力が得られる。場合により、そ
の孔の周囲は、低摩擦材、潤滑材等でケーブルとその孔
の周囲の摩擦抵抗を最小限にすることもある。この重り
による重力復元型免震装置は、寿命が長く、しかも垂直
変位が生じない。バネ等による復元制御に比べて免震性
能がよく、地震後の残留変位を消去する能力も大きい。
請求項66項〜請求項68項は、その重力復元型免震装
置の発明であり、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項68−2項は、 請求項66項から請求項6
8項のいずれか1項に記載の免震構造体において、併用
する滑り支承としては、転がり支承、すべり支承(復元
性能を持たない平面状滑り面部をもつ滑り支承でよい)
であることを特徴とする免震構造体の発明である。以
下、この重りによる重力復元型免震装置(滑り支承を含
む場合もあり)を「重り復元型免震装置」と言う。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 5.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 5.1.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。共振のない免震装置の必要性
が求められている。請求項69項〜請求項76項は、そ
の発明であり、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 5.1.1.1. 共振のない滑り型免震装置と共振のある滑り
型免震装置 5.1.1.1.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 すり鉢(円錐・角錐等)状の滑り面部を有する免震皿か
らなる免震装置・滑り支承(一重免震皿免震装置・滑り
支承(転がり・すべり、4.5.参照)、二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承(転がり・すべり、
2.10./2.12./4.1.〜4.2.1.2.3./4.2.1.2.5./4.2.1.
3.2.〜4.3./(4.4.)/参照))、または、V字谷面状の
滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承
(一重免震皿免震装置・滑り支承(転がり・すべり、4.
5.参照)、二重(または二重以上の)免震皿免震装置・
滑り支承(転がり・すべり、4.2.1.2.4./4.2.1.2.5./
4.2.1.3.4./4.3./(4.4.)参照)、10.1.1.2. 回転・捩
れ防止装置2の(3)復元型滑り支承兼用型)による免震
構造体は、共振現象を持たない。以上の、すり鉢状の滑
り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、V
字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・
滑り支承、つまり、一定勾配型の滑り面部を有する免震
皿をすべるか(転動体等で)転がるかしてなる滑り支承
による免震構造体の場合は、共振現象を持たない。ま
た、このような一定勾配型の滑り面部を有する免震皿を
すべるか(転動体等で)転がるかしてなる滑り支承を直
線勾配型復元滑り支承と言う。 (2) 重り復元型免震装置 重り復元型免震装置(4.8.参照)による免震構造体は、
共振現象を持たない。併用する滑り支承としては、復元
性能を持たない平面状滑り面部をもつ滑り支承(転がり
支承、すべり支承)でよい(請求項68−2項記載の免
震構造体)。以下のように凹型球面・円柱谷面復元型免
震装置・滑り支承との併用は不可である。 5.1.1.1.2. 共振のある滑り型免震装置 参考として共振のある滑り型免震装置として、以下の2
つの型の免震装置をあげておく。 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 凹型球面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承(2.10./2.12./4.1.〜4.2.1.2.1./4.2.1.
3.1.〜4.5.参照)、または、円柱谷面状の滑り面部を有
する免震皿からなる免震装置・滑り支承(4.2.1.2.2./
4.2.1.3.3./4.3./(4.4.)/4.5.参照)による免震構造
体は、共振現象を持つ。以上の凹型球面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、または、円
柱谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・
滑り支承を凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支
承と言う。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 滑り支承+バネ型復元装置(4.2.4./14.2.2.(実施
例)参照)による免震構造体は、共振現象を持つ。 5.1.1.2. 共振のない滑り型免震装置と共振のある滑り
型免震装置との運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.
0.また 5.1.3.1.参照) 以下、5.1.1.1.の運動方程式である。 5.1.1.2.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法 直線勾配型復元滑り支承による免震構造体の直接法によ
る運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・d
x/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 2) 等価線形化法 直線勾配型復元滑り支承による免震構造体の等価線形化
法による運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒m
g・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法 重り復元型免震装置による免震構造体の直接法による運
動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/dt)=-d
(dz/dt)/dt d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/d
t)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dtというように減衰項を
加え、速度二乗比例型では、+C/m・dx/dt に代わり
に、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 2) 等価線形化法 重り復元型免震装置による免震構造体の等価線形化法に
よる運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+
Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x|Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 5.1.1.2.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承による免
震構造体の直接法による運動方程式は、以下のようにな
る。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 2) 等価線形化法 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承による免
震構造体の等価線形化法による運動方程式は、以下のよ
うになる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法 滑り支承+バネ型復元装置による免震構造体の直接法に
よる運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加える。 2) 等価線形化法 滑り支承+バネ型復元装置による免震構造体の等価線形
化法による運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/
dt=−d(dz/dt)/dtというように減衰項を加え、速度二
乗比例型では、+C/m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/
dt)^2 を加える。 5.1.1.3. 運動方程式から設計された共振のない滑り型
免震装置と共振のある滑 り型免震装置(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.
1.参照) (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法 請求項69項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・d
x/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなり、
残留変位のない復元を考えるとθ≧μ が満たされてな
ることを特徴とする、すり鉢状の滑り面部を有する免震
皿からなる免震装置・滑り支承、もしくは、V字谷面状
の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項70項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒m
g・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなり、
残留変位のない復元を考えるとθ≧μ が満たされてな
ることを特徴とする、すり鉢状の滑り面部を有する免震
皿からなる免震装置・滑り支承、もしくは、V字谷面状
の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法 請求項71項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/
m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなり、
残留変位のない復元を考えるとM/m≧μが満たされて
なることを特徴とする、重り復元型免震装置(4.8.参
照)、またそれによる免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項72項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x| Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなり、
残留変位のない復元を考えるとM/m≧μが満たされて
なることを特徴とする、重り復元型免震装置(4.8.参
照)、またそれによる免震構造体の発明である。 5.1.1.3.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法 請求項73項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなるこ
とを特徴とする、凹型球面状の滑り面部を有する免震皿
からなる免震装置・滑り支承、もしくは、円柱谷面状の
滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、
またそれによる免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項74項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなるこ
とを特徴とする、凹型球面状の滑り面部を有する免震皿
からなる免震装置・滑り支承、もしくは、円柱谷面状の
滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、
またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法 請求項75項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなるこ
とを特徴とする、滑り支承+バネ型復元装置による免震
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項76項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
等によって構造解析することによって設計されてなるこ
とを特徴とする、滑り支承+バネ型復元装置による免震
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 5.1.2. 共振のないことの証明 5.1.1.1.の(1)(2)に関して、5.1.1.2.の運動方程式(2)
においてM/m=θ(実際そのようなMにする必要があ
る)とすると(1)と同じ運動方程式になる。 運動方程式 d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt の解を整理すると以下のようになる(後述の実施例の
5.1.3.滑り免震(すり鉢状)の運動方程式の解、参
照)。 (1) 最大応答加速度の理論解 絶対加速度振幅|d(dy/dt)/dt|maxは |d(dy/dt)/dt|max=|(±θ+μ)g| ……( 15) 絶対加速度倍率γ2は γ2 =|(±θ+μ)/ε| ……( 16) となる。 (2) 最大応答変位の理論解 相対変位振幅x0は x0 =|±z0/(2ε)・{(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}^0.5 +(±θ+μ)・z0/ε| ……( 8-1) 相対変位倍率γ0は γ0 =|±1/(2ε)・{(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}^0.5+(±θ+μ)/ε| ……( 9-1) 絶対変位振幅y0は y0 =|(±θ+μ)z0・π^2/(8ε)| ……( 12) 絶対変位倍率γ1は γ1 =|(±θ+μ)π^2/(8ε)| ……( 13) となる。以上から、応答変位倍率は、入力(地震)周期
とは無関係であり、入力加速度によってきまり、入力加
速度とほぼ反比例関係であり、小さい入力加速度では増
幅はあるが、大きな入力加速度では応答変位の増幅はほ
とんど無い。応答絶対加速度も、入力(地震)周期とは
無関係であり、さらに入力変位・速度・加速度に依ら
ず、常に一定値の(±tanθ+μ)・gである。以上のこ
とは実験でも証明されている。共振が問題になるのは、
変位増幅よりも加速度増幅の場合である。それも大きな
加速度入力時に起る場合が特に問題である。本発明によ
り、共振の心配の全くない装置が可能となる。 5.2. 解析プログラムによる共振のない滑り型免震装置 請求項77項、請求項78項、請求項79項、請求項8
0項は、解析プログラムによる共振のない滑り型免震装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 5.2.1. Runge-Kutta法 請求項77項は、免震される構造体と、免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた、免震装置・滑
り支承、またそれによる免震構造体において、以下の解
析プログラムのフローチャートに従い、(1) 初期化を行
い、(2) 入力データ及び出力先ファイルを設定し、(3)
設定した入力データを読み込み、(4) 動作判別式を計算
して耐震状態か免震状態かを判別し、(5) 各質点の運動
方程式として、連立2階微分方程式を設定し(耐震状態
と免震状態とで運動方程式は異なる)、(6) (5)の連立
2階微分方程式をRunge-Kutta法で解き、(7) 加速度、
速度、変位応答値を計算し、(8) 必要に応じて誤差を処
理し、(9) 計算結果を出力することによって、構造解析
することにより設計されてなることを特徴とする免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項78項は、Runge-Kutta法による以下の解析
プログラムのフローチャート(記号については5.2.1.1.
変数/定数一覧参照)に従い、 (1) 初期化を行う。 (2) 入出力ファイルを設定する。 (3) 入力データ(地動加速度データ)を読み込む。 (4) 動作判別式 運動方程式には地動加速度に対して免震装置が機能する
条件が入っていないので、ここで判別式を計算して運動
方程式選択の分岐をおこなう。 1) 耐震(静止)状態の時 免震状態となると判別された場合は、免震状態の運動方
程式を処理する過程へ移行し、耐震状態のままと判別さ
れた場合は、耐震状態の運動方程式を処理する過程を再
び経由する。 2) 免震状態の時 耐震状態となると判別された場合は、耐震状態の運動方
程式を処理する過程へ移行し、免震状態のままと判別さ
れた場合は、免震状態の運動方程式を処理する過程を再
び経由する。 (5) 運動方程式設定 動作判別式により免震装置が機能しない場合と免震装置
が機能する場合の2つの場合に分かれ、運動方程式から
質点数ごとにそれぞれ次のような連立2階微分方程式を
設定する。 1) 1質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(dx/dt)/dt=0 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(dx/dt)/dt=-MM1*G*SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))/MM1-DDY 2) 2質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2−KK2*x2))/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 3) 3質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+MM3)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 4) n質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn")-KKn’*(xn’-xn") +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n"=n-2 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+・・+MMn)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn")-KKn’*(xn’-xn") +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n"=n-2 (6) Runge-Kutta解析 連立2階微分方程式をRunge-Kutta法で解く。 (7) 加速度/速度/変位応答の計算 速度と変位は連立2階微分方程式を解くことによって得
られ、加速度については運動方程式から直接得る。 (8) 誤差の丸め処理 必要に応じて、誤差を丸め処理する。 (9) 結果出力することによって、構造解析することによ
り設計されてなることを特徴とする、すり鉢状の滑り面
部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしく
は、V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震
装置・滑り支承、もしくは、重り復元型免震装置、また
それによる免震構造体の発明である。 5.2.2. Wilsonθ法 請求項79項は、免震される構造体と、免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた、免震装置・滑
り支承、またそれによる免震構造体において(記号につ
いて5.2.2.2. 変数/定数一覧参照)、以下の解析プロ
グラムのフローチャートに従い、(1) 初期化を行い、
(2) 入力データ及び出力先ファイルを設定し、(3) 時刻
歴のループを設定し、(4) 先読みのループを設定し、
(5) 等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)を計算し、
(6) (4)でのループ により1巡目の処理か2巡目の処理
かをチェックし、(7) Wilson-θ法により、t+θDT時の
変位を計算し、(8) Wilson-θ法により、加速度/速度
/変位応答を計算し、(9) 必要に応じ誤差を処理し、
(6)のループチェックにおいて1巡目の処理とされた場
合は (4)へ戻り、2巡目の処理とされた場合には(10)へ
進み、(10)計算結果を出力することによって、構造解析
することにより設計されてなることを特徴とする免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項80項は、Wilsonθ法による以下の解析プロ
グラムのフローチャート(記号について5.2.2.2. 変数
/定数一覧参照)に従い、 (1) 初期化を行う。 (2) データ入力と出力ファイルを設定する。 (3) 時刻反復 1) 時刻歴(M=2 TO NN)のループを設定する。 (4)先読み反復 1) 先読み(O=1 TO 2)のループを 1巡目のときO=1、2巡目のときO=2。〔5.2.2.6. 2)を
参照〕と設定する。 (5)等価バネ定数、等価減衰係数を以下の式により計算
する。 1) 等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)を、V0とX0
から求める。 1質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 2質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 (6) ループチェック (4)でのループにより1巡目の処理か2巡目の処理かをチ
ェックする。 (7) Wilson-θ法により、t+θDT時の変位計算 (8) Wilson-θ法により、加速度/速度/変位応答の計
算 (9) 誤差の丸め処理 (6)のループチェックにおいて、1巡目の処理とされた
場合は(4)へ戻り、2巡目の処理とされた場合には、(1
0)へ進み、 (10) 結果出力することによって、構造解析することに
より設計されてなることを特徴とする、状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしくは、
V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承、もしくは、重り復元型免震装置、またそれ
による免震構造体の発明である。 5.3. 直線勾配型復元滑り支承のすり鉢状とV字谷面状
の運動方程式比較 5.3.1. V字谷面状の運動方程式 請求項80−2項の発明は、免震される構造体と、免震
される構造体を支持する構造体との間に設けられ、滑り
面部の形状がすり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿
を持つ免震滑り支承において、連立運動方程式(記号説
明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(y)+μ・sign
(dy/dt)}=-d(dqy/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(d
qx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{θ・sign(y)+μ・sign(dy/dt)}=-d(d
qy/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造体
である。 5.3.2. すり鉢状の運動方程式 請求項80−3項の発明は、請求項80−2項の運動方
程式において、(x^2+y^2)^0.5≦ Rの時 d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・(-x)/(x^2+y^2)^0.5+μ・(-dx/dt)/(dx/dt^2+dy/d t^2)^0.5} =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・(-y)/(x^2+y^2)^0.5+μ・(-dy/dt)/(dx/dt^2+dy/d t^2)^0.5} =-d(dqy/dt)/dt (x^2+y^2)^0.5> Rの時 d(dx/dt)/dt+μ・g・(-dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt+μ・g・(-dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqy/dt)/dt とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震滑り支承、またそれによる
免震構造体である。 5.4. 簡易応答加速度式 5.4.1. 直線勾配型復元滑り支承をもった免震構造体の
簡易応答加速度式 請求項80−4項は、すり鉢状またV字谷面状の直線勾
配型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免震構造体の
簡易応答加速度式の発明である。すり鉢状またV字谷面
状の直線勾配型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免
震構造体の最大応答加速度式(概算)は以下のようにな
る。 A=α・{g・{θ+μ}+C・v/m} A :最大応答加速度値 cm/s^2 g :重力加速度 981cm/s^2 θ :すり鉢状免震皿の勾配 radian μ :免震皿の動摩擦係数 m :質点の質量 C :免震層のダンパーの粘性減衰係数 v :地震動最大加速度 α :免震される構造体の応答倍率 請求項80−4項の発明は、以上の最大応答加速度式に
よって構造解析することによって設計されてなることを
特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。この式により、簡易に構造計算できる。 6.垂直免震装置 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承 請求項81項は、免震装置・滑り支承、または重力復元
型免震装置・滑り支承の滑り部を挿入する筒内に垂直方
向にバネ等を入れて、滑り部先端を押出す機能をもた
せ、垂直変位を吸収するようにした滑り部垂直変位吸収
型の垂直免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 6.2. 垂直免震付き引抜き防止装置(復元付き含む) バネ等によって地震の垂直力に対して免震させる場合、
バネ等の座屈を防ぐために、水平力は逃がして、垂直力
だけを垂直バネ等に受け持たせなければならないので、
水平力を逃がせる機構となっている十字型免震装置、ま
た引抜き防止装置の上部スライド部材の上と下部スライ
ド部材の下の、どちらかまたは両方に垂直方向にバネ等
を入れることを発明した。2.1.の復元・減衰バネ付き引
抜き防止装置に、上述のように垂直方向にバネ等を入れ
る場合もある。請求項82項は、その免震装置・滑り支
承(垂直免震付き引抜き防止装置)、またそれによる免
震構造体の発明である。 6.3. 各層・各階ごとの垂直免震装置 特許 2504945号で、階・層単位ごとに免震装置を設ける
発明をしており、その応用にもなるが、水平力に対して
は、構造体の基礎部(また低層階)に設けた免震装置
(水平力免震装置)で構造体全体を免震させ、垂直力に
対しては、構造体全体を一括して免震するのは難しいの
で、何階単位かひとまとめにした層単位か、階単位で垂
直免震装置を設け免震させる。この垂直免震装置として
は、階単位での床免震が考えられるが、床・壁・天井を
一体にさせた箱を、層単位か、階単位で、地震の垂直力
から免震させる場合もある。請求項83項は、その免震
構造体の発明である。6.4. 引張材による垂直免震
装置 特許 1778741号で、引張材による垂直支持の方式の発明
をしているが、この引張材に弾性をもたせることによ
り、垂直力の免震性能をもたせることが可能になる。請
求項84項は、その免震装置(垂直免震装置)、またそ
れによる免震構造体の発明である。 7.免震による地震発電装置 請求項85項は、免震機構を使用しての地震発電装置、
またそれによる免震構造体の発明である。地震エネルギ
ーを電気等に換える方法として、免震を活用するもので
ある。 7.1. 免震による地震発電装置 地震エネルギーを電気等の役立つものに換える方法とし
て、免震が活用できるが、しかし、三次元的動きを一次
元の動きに換えるのが困難であった。以下の方法はこれ
を解決するものである。 1) ピン型 請求項86項は、凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入さ
れたピンを有し、挿入部とピンのうち、一方を免震され
る構造体または(免震される)重りに、もう一方を免震
される構造体を支持する構造体に設け、地震時に、この
ピンが、凹形状の挿入部に沿って上がり下がりし、それ
に従って回転子が回転して、発電を行うように構成され
る地震発電装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。凹形状の挿入部は、すり鉢状、球面状等の凹形状が
考えられる。この方法により、地震エネルギーを上下運
動に換えることで、二次元的動きを一次元の動きに、さ
らに回転運動に換え、発電等をおこなう。さらに、この
方法によると、地震の垂直動も電気エネルギー等に換え
ることができる。 2) ラックと歯車型 請求項87項は、ラックと、ラックにより回転する歯車
のうち、一方を免震される構造体または(免震される)
重りに、もう一方を免震される構造体を支持する構造体
に設け、地震時に、この歯車が、ラックによって回転
し、その回転により、発電を行うように構成される地震
発電装置、またそれによる免震構造体の発明である。こ
の方法により、地震エネルギーを水平運動に換えること
で、二次元的動きを一次元の動きに、さらに回転運動に
換えることができる。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 請求項88項は、地震発電装置による地震センサー(以
下、「地震発電装置型地震センサー」と言う)、またそ
れによる免震構造体の発明である。前記 7.1.の地震発
電装置を利用することにより、電気を使用しない地震エ
ネルギーのみを使用した地震センサーが可能になる。さ
らに、後述の固定装置の作動部の解除まで行える電気等
のエネルギーを発生させることも可能になる。 7.3. 地震(発電)センサーによる固定装置の解除 7.1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載
の地震発電装置型地震センサーを使用して、固定装置の
解除を行う。これには、自動制御装置が固定装置の作動
部のロックのみを解除する間接方式と、自動制御装置が
固定装置の作動部の解除を直接行う直接方式との二通り
がある。 8.固定装置・ダンパー 請求項89項〜請求項195項記載の発明は、免震され
る構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定
して、風揺れ等を防止するための固定装置、またそれに
よる免震構造体に関するものである。固定装置は、連結
形態から、固定ピン系と連結部材系との2つの型があ
る。連結部材系は、さらに不可撓部材型と可撓部材型と
に分かれる。固定ピン系は、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを繋ぐ形で取り付けられ
た固定ピン等の係合摩擦材(以下、総称して「固定ピ
ン」と言う。連結部材系のピン型も含む)により、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体とを
固定するものである。連結部材系は、免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体とを繋ぐ形で取り
付けられた連結部材としてのロッド材等の不可撓部材や
ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材による連結部
材により、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体とを連結するものである。具体的には、ピス
トン状部材、挿入筒、ユニバーサル回転接点、支持部
材、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材等が、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
の連結部材をなす。さらに、固定方法として、固定ピン
系は、直接方式と間接方式とに分かれ、間接方式はピン
型(ロックピン)と弁型(ロック弁)とに分かれる。連
結部材系もピン型(固定ピン)と弁型とに分かれる。そ
して、固定ピン系の直接方式と間接方式のピン型(ロッ
クピン)と弁型(ロック弁)そして連結部材系のピン型
(固定ピン)とを「固定ピン型固定装置」と称し、連結
部材系の弁型を「連結部材弁型固定装置」と称する。ま
た、作動形態から、以下の8.1.地震作動型固定装置と、
8.2.風作動型固定装置との2種類に分かれる。 8.0.1.3. 可撓部材型連結部材系固定装置 請求項89項記載の発明は、免震される構造体を支持す
る構造体または免震される構造体のいずれか一方の構造
体に設置された固定装置の作動部(ピストン状部材)と
もう一方の構造体とを、前記固定装置の設置された構造
体側に設けられた挿入口を介して、ワイヤー・ロープ・
ケーブル等の可撓部材で繋ぐことにより構成されてなる
ことを特徴とする固定装置(以下、可撓部材型連結部材
系固定装置と言う)、またそれによる免震構造体であ
る。 8.1. 地震作動型固定装置 請求項90項記載の発明は、通常時は免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体とを固定して、風
揺れ等を防止しており、地震の振動を感知すると、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体との
固定を解除して、免震装置を作動させるというタイプの
固定装置(以下、地震作動型固定装置と言う)であり、
またそれによる免震構造体である。地震作動型固定装置
は、地震力そのもので作動する剪断ピン型固定装置(8.
1.1.)、地震時の地震センサーの指令または地震センサ
ー振幅装置の振動する重りの力で作動する地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置(8.1.2.)に分かれる。 8.1.1. 剪断ピン型固定装置 請求項91項記載の発明は、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを固定し、両者を繋ぐ形
で固定ピンが取り付けられており、地震時以外は風揺れ
を防止し、地震時に地震力によって固定ピンが切断され
るか、折れるかすることによって、免震される構造体の
固定状態が解除され、免震装置が可動する固定装置(以
下、剪断ピン型固定装置と言う)であり、またそれによ
る免震構造体である。 8.1.2. 地震センサー(振幅)装置装備型固定装置 (1) 一般 請求項92項記載の発明は、地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置、またそれによる免震構造体である。こ
の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置は、免震さ
れる構造体の風揺れ等を防止する固定装置に、地震を感
知する地震センサーまたは地震センサー振幅装置(以
下、「地震センサー(振幅)装置」という)が装備され
たものである。地震時には、地震センサー(振幅)装置
の働きによって、固定装置が解除される。地震センサー
振幅装置には、重力復元型、バネ復元型、振り子型の3
つの形が考えられる。固定装置の固定の解除に関して、
地震力で、または地震センサーからの指令で、または地
震センサー振幅装置の地震時に振動する重り(不動点状
態は地面から見ると相対化して振動状態に見える。共振
域に近付くと本当に振動する)そのものの力で、固定装
置の作動部自体を解除する直接方式(8.1.2.3.)と、固
定装置の作動部のロックのみを解除する(固定装置の作
動部自体の解除はバネ等、重力または地震力を利用す
る)間接方式(8.1.2.2.、8.1.2.1.吊材切断型も機構上
は間接方式に入る)との二通りに分かれる。また、固定
装置が、解除後、再び固定される際の復帰形式により、
8.1.2.1.と8.1.2.2.1.の手動復元、8.1.2.2.2..と8.1.
2.2.3.の自動復元型、8.1.2.3.の自動制御型の3種類に
分かれる。請求項92−2項記載の発明は、請求項92
項記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置における
重り(滑り部)とそれを定位置に戻し且つそれが滑るす
り鉢型の免震皿からなる、地震力によってこの重りが振
動する地震センサー振幅装置において、すり鉢勾配を、
一定勾配のものとし、以下の式によって導き出されるθ
によって構成することを特徴とする地震センサー振幅装
置装備型固定装置、またそれによる免震構造体である。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 (2) 地震発電装置による地震センサー装備型 請求項93項記載の発明は、地震発電装置による地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免
震構造体である。この地震発電装置による地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置は、上記(1)(請求項92
項)記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
の、地震センサーが、7.2.(請求項88項)の地震発電
装置型地震センサーによる場合である。 8.1.2.1. 吊材切断型 請求項94項は、吊材切断型地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。8.1.2.の地震センサー振幅装置、または電気式振動
計等の地震センサーをもち、この地震センサー振幅装置
の、地震力によって振動する重りまたはその重りに連動
する部材、または地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材に、刃が付き、その先に、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定する固定ピンを支えている吊材があり、地震時
にその加速度がある一定以上の大きさになると、地震セ
ンサー振幅装置の重りの振幅が大きくなることによっ
て、または地震センサーの指令により作動するモーター
もしくは電磁石等の作動によって、その刃が吊材に当た
り、吊材を切断し、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを固定する固定ピンが解除される
ように構成されてなることを特徴とする吊材切断型地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体である。 8.1.2.2. 間接方式(ロック解除型) 間接方式とは、地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置の固定装置の作動部を直接解除せずに、固定装置の作
動部を間接的に解除する、つまり固定装置の作動部のロ
ックを解除する方式である。以下、説明をする。 8.1.2.2.1. 基本形 請求項95項は、地震センサー(振幅)装置の、固定装
置の作動部を解除するのに必要な力を小さくし、且つ固
定装置の作動感度を上げることを図った地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置において、固定装置の作動部自体の固定と
解除を直接に行わずに、固定装置の作動部をロックする
ロック部材によって固定装置の固定と解除を行うことに
より前記目的を達成するものである。請求項96項は、
固定装置の作動部が固定ピンの場合であり、またそれに
よる免震構造体の発明である。ロック部材が、ロックピ
ンとロック弁に分けられることから2つの方式に分かれ
る。請求項96−2項記載の発明は、請求項95項また
は請求項96項記載の地震センサー振幅装置装備型固定
装置における重り(滑り部)とそれを定位置に戻し且つ
それが滑るすり鉢型の免震皿からなる、地震力によって
この重りが振動する地震センサー振幅装置において、す
り鉢勾配を、一定勾配のものとし、以下の式によって導
き出されるθによって構成することを特徴とする地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構
造体である。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 1) ロックピン方式 請求項97項は、ロック部材がロックピン等である地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の発明である。8.1.2.2.の地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置において、通常は、固定装置の
作動部にロック部材が係合することにより、固定装置が
ロックされ、固定装置の固定が行われ、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との固定がなさ
れており、一定以上の地震力が働くと、地震センサー
(振幅)装置と連動して、そのロック部材の係合が解除
されることにより、固定装置のロックが解除され、固定
装置の固定の解除が行われ、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体との固定の解除がなされる
ように構成されてなることを特徴とする地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置である。 2) ロック弁方式 請求項98項は、ロック部材がロック弁等である地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免
震構造体の発明である。8.1.2.2.の地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置において、筒中を、液体・気体
等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材等の固
定装置の作動部を有し、この筒のピストン状部材を挟ん
だ反対側同士(端と端と)は管(また筒に付けられた
溝)かで繋がれているか、ピストン状部材に孔(また
溝)(孔また溝を、以下、孔という)が設けられている
か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等が
筒中から出る出口が設けられているかしており、そし
て、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(端と
端と)を繋ぐ管(また溝)か、ピストン状部材にあいて
いる孔か、ピストン状部材によって押出される液体・気
体等が筒中から出る出口かに、またはその幾つかにまた
は全てに、ロック弁が設けられており、通常は、そのロ
ック弁が閉まっていることにより、固定装置がロックさ
れ、固定装置の固定が行われ、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との固定がなされてお
り、一定以上の地震力が働くと、地震センサー(振幅)
装置と連動して、そのロック弁が開くことにより、固定
装置のロックが解除され、固定装置の固定の解除が行わ
れ、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定の解除がなされるように構成されてなるこ
とを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置である。 3) 地震発電による地震センサー装備型 請求項99項は、電源設備を必要としない、電気に頼ら
ない地震センサー装備型固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。請求項95項または請求項96項
記載の発明の、地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置に、7.2.の地震発電装置型地震センサーを装備させた
もので、地震時以外は、固定装置のロック部材が働いて
固定装置はロックされており、ロック部材は、前記地震
センサーと接続され、連動するようになっていて、地震
時に、地震センサーの発電量が一定値に達すると、モー
ターまた電磁石等により、固定装置のロック部材が解除
され、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体との固定が解除されることにより前記目的を達成
するものである。また、固定装置としては、後述の8.1.
2.2.3. 地震力による自動復元型を採用することによ
り、固定の解除から免震、復元までの一連の動作を地震
力のみによって行うことができ、電源設備を必要としな
いという効果を持つ。 8.1.2.2.2. 電気等による自動復元型 請求項100項は、固定装置が解除された場合に、地震
後に電気等により自動的に固定状態に復帰させる自動復
元型の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、また
それによる免震構造体の発明である。8.1.2.2.1.の地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置において、地震
後、地震センサー振幅装置の作動、または地震センサー
からの指令によって、固定装置の作動部を自動的に元の
位置に戻す固定装置自動復元装置を設けることにより前
記目的を達成するものである。8.1.2.2.1.の固定装置
に、固定装置自動復元装置を取り付けたものである。こ
れにより、地震後の固定装置の作動部の再セットが自動
になり、手動復元のもののように一々手を煩わせる必要
がなくなった。復元の容易な固定装置の発明により、大
地震に対応する一回限りのものだけでなく、中小地震に
対応する免震装置が可能となる。装置の構成としては、
8.1.2.2.1.の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
の、固定装置の作動部に、固定装置自動復元装置を設け
たものである。 8.1.2.2.3. 地震力による自動復元型 請求項101項は、固定ピン型固定装置の場合のもの
で、固定装置が解除された場合に、地震後に地震力によ
り自動的に固定状態に復帰させる自動復元型の固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。固定ピン
型固定装置において、固定ピンの挿入部を、すり鉢状・
球面状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹
形状にすることにより前記目的を達成するものである。
この装置は、8.1.2.2.1.と 8.1.2.2.4.(請求項96項
〜請求項99項、請求項103項〜請求項106項記
載)の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
て、特に意味がある。請求項102項は、その地震セン
サー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。また、この装置を使用する場合に
は、固定ピンとその挿入部間で持上がって固定装置が効
かなくなるのを防ぐために、引抜き防止装置を併用する
ことが(連結部材系と、重量物である免震される構造体
を除いて)大抵の場合必要である。ここで言う、引抜き
防止装置とは、2.の引抜き防止装置・滑り支承でも良
いし、それ以外の、免震される構造体が免震される構造
体を支持する構造体からの浮き上がりを防止する装置で
あればどのようなものでも良い。 8.1.2.2.4. 応用形 以下の発明は、8.1.2.以下の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置全般に使用可能なものである。 1)を除
けば、8.2.1.以下の風センサー装備型固定装置の間接方
式にも使用できる。 1) ロック部材が地震センサー振幅装置の重り型 請求項103項は、固定装置に地震センサー振幅装置を
内包してコンパクト化を図った地震センサー振幅装置装
備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。8.1.2.2.1.〜8.1.2.2.4.(請求項95項〜請求項1
01項、請求項104項〜請求項106項記載)の各地
震センサー振幅装置装備型固定装置において、地震セン
サー振幅装置の重りが、同時にロック部材の役割を果た
すことにより前記目的を達成するものである。 2) 二段以上ロック方式 請求項104項は、地震センサー(振幅)装置が、固定
装置の作動部を解除するのに必要な力、及びその際の引
張長さまたは圧縮長さを小さく抑えられることにより、
固定装置の作動感度を上げることを図った地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.2.4.(請求項95
項〜請求項103項、請求項105項〜請求項106項
記載)の各地震センサー(振幅)装置装備型固定装置に
おいて、固定装置の作動部をロックする第一のロック部
材、この第一のロック部材をロックする第二のロック部
材、・・・というようにロック部材を二段以上にし、最
後のロック部材を、地震センサー(振幅)装置と接続し
て、連動させることにより前記目的を達成するものであ
る。 3) 二重以上ロック方式 請求項105項は、固定装置のロックの安全性を確保す
ることと、固定装置の作動感度を上げることの両立を図
った地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.
2.4.(請求項95項〜請求項104項、請求項106項
記載)の各地震センサー(振幅)装置装備型固定装置に
おいて、固定装置の作動部をロックするロック部材を二
個以上設け、またそれぞれのロック部材について地震セ
ンサー(振幅)装置を設置し、それに連動させることに
より前記目的を達成するものである。 4) 遅延器付き 請求項106項は、地震時の免震効果を上げるために固
定装置の解除状態を持続させるために、固定装置の作動
部の固定位置への戻りを遅くすることを図った、遅延器
付き地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.
2.4.の各地震センサー(振幅)装置装備型固定装置にお
いて、後述の8.5.(請求項167項〜請求項173項)
記載のような遅延器が装備され、固定装置の作動部が解
除されるときは速やかに、固定状態に復するときは緩や
かに行われるようにすることにより前記目的を達成する
ものである。 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式(直接方式含む) 8.1.2.2.5.1. (ロック)弁方式 請求項125項から請求項130項は、ロック弁方式の
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。 (1) 全体構成 この固定装置は、地震センサー振幅装置部と固定装置部
とに分かれる。地震センサー振幅装置部と固定装置部と
が互いに別々の独立した装置となっている場合もある。
その場合は連結口で連結管によって連結される。ここで
は、固定装置部と地震センサー振幅装置部との一体型を
「地震センサー振幅装置付き固定装置」と、固定装置部
と地震センサー振幅装置部との分離型を「地震センサー
振幅装置分離型固定装置」と、そして固定装置部のみを
「固定装置部または独立型固定装置」と、地震センサー
振幅装置部のみを「地震センサー振幅装置部または独立
型地震センサー振幅装置」と、言う。請求項125項の
発明は、固定装置部は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏
らさずにスライドするピストン状部材をもった固定装置
の作動部を有し、地震センサーとなる重りに連動するス
ライド式ロック弁をもち、通常時は、このスライド式ロ
ック弁は閉じており、ピストン状部材によって押出され
る液体・気体等が筒中から液体貯槽または外部に出る出
口・出口経路を塞ぐ形となり、押出される液体・気体等
が押出されずに、ピストン状部材はロックされ、固定装
置の作動部は固定され、地震時には、地震センサーとな
る重りが、スライド式ロック弁に作用して、スライド式
ロック弁を開かせると、ピストン状部材によって押出さ
れた筒中の液体・気体等が液体貯槽または外部に出て、
ピストン状部材は動き始め、固定装置の作動部の固定が
解除されるように構成されてなることを特徴とする地震
センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体である。 (2) 固定装置部 1) 固定ピン型固定装置の場合 請求項126項は、固定ピン型固定装置の場合、または
それによる免震構造体の発明である。固定ピン型固定装
置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体等を
ほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材をもった
(ピストン状部材と連動した場合を含む)固定ピンの固
定装置の作動部を有する。 a. 固定ピン系 固定ピンの挿入部は、請求項101項のすり鉢状・球面
状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹形状
をなしており、地震時には、固定ピンとなるかまたは連
動したピストン状部材は、このすり鉢状・球面状等の凹
形状に従って往復(上下)運動をして、筒中に充填され
た液体・気体等を筒中から押出したり筒中に引入れたり
する。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 固定装置部は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずに
スライドするピストン状部材を有し、このピストン状部
材は、免震される構造体を支持する構造体または免震さ
れる構造体のいずれか一方の構造体に支持されて、その
挿入筒が、もう一方の構造体に支持されている。ピスト
ン状部材または挿入筒は、(それ自体が支持されている
構造体ではなく)もう一方の構造体と連結部材によって
連結されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓
部材とに分かれる。また、この装置は、間接方式と直接
方式とがある。すなわち、直接方式の場合は、ピストン
状部材には欠き込み・溝・窪みが設けられており、この
欠き込み・溝・窪みに固定ピンが係合することにより固
定がなされる。間接方式の場合は、固定ピンに固定ピン
をロックするロック部材(ロックピン・ロック弁等)を
設ける。 2) 連結部材弁型固定装置の場合(直接方式である) 請求項127項は、連結部材弁型固定装置の場合、また
はそれによる免震構造体の発明である。連結部材弁型固
定装置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体
等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材を有
し、このピストン状部材は、免震される構造体を支持す
る構造体または免震される構造体のいずれか一方の構造
体に支持されて、その挿入筒が、もう一方の構造体に支
持されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓部
材とに分かれる。そして、固定ピン型固定装置の場合、
連結部材弁型固定装置の場合共に、地震時に、このピス
トン状部材は、液体・気体等の弁(スライド式ロック
弁)が開くことにより移動可能となり、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との振動によっ
て往復運動をして、筒中に充填された液体・気体等を筒
中から押出したり筒中に引入れたりして免震を可能に
し、風時には、液体・気体等の弁(スライド式ロック
弁)が閉じており、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とが固定される。 (3) 地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部は、固定装置部(の接続部)か
ら地震センサーとなる重りに連動したスライド式ロック
弁のある出口・出口経路へと繋がる部分とこのスライド
式ロック弁を境にした液体貯槽(または外部)部分とに
分かれる。液体貯槽は、液体溜まりであり上部に空気抜
きがあり、液体の容量調整が自由である。 1) 地震センサーとなる重り 地震センサーとなる重りは、振り子またはバネ等または
球面状・すり鉢状若しくは円柱谷面状・V字谷面状等の
凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)によっ
て平衡を保たれており、地震時に(相対的に)振動し、
地震後元の位置(通常位置)に戻る。また、この地震セ
ンサーとして転がり方式の重りが可能になる。地震セン
サーとなる重りが、球であり、球面状・すり鉢状または
円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を球が転がる
方式である。感度を非常に良くできる。 2) スライド式ロック弁と地震センサーとなる重りと連
動 この地震センサーとなる重りに連動したスライド式ロッ
ク弁をもち、通常は閉じており、ピストン状部材によっ
て押出される液体・気体等が筒中から液体貯槽または外
部に出る出口・出口経路を塞ぐ形となり、液体・気体等
が押し出されずに、ピストン状部材はロックされ、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体とを
固定し、地震時に、地震センサーとなる重りが、スライ
ド式ロック弁に作用して、スライド式ロック弁を開かせ
ると、ピストン状部材によって押出された筒中の液体・
気体等が液体貯槽または外部に出て、ピストン状部材は
動き始め、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との固定は解除される。 3) 全方向対応複数弁による工夫 センサーの動きに、180度以上の角度にスライドする弁
を設ける。センサー自体は往復運動をするので 360度の
半分の180度以上でよい。 4) ロック弁に付いた抵抗板 また、スライド式ロック弁には抵抗板が付き、地震セン
サーとなる重りにより、少しでもスライド式ロック弁が
開くと、このロック弁に付いた抵抗板が、流れにより抵
抗を受けてロック弁をより開かせる役割をするように構
成される場合は、センサーの重りの僅かな動きで、ロッ
ク弁の全開を可能にする。さらに、ピストン状部材の作
動時であっても弁に開閉方向への圧力がかからないの
で、センサーの重りが小さくても感度のよいロック弁が
可能になる。 (4) 固定装置部と地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部と固定装置部とは、通路口によ
って繋がっている。この通路口は、地震センサー振幅装
置部の出口・出口経路の液体・気体等と、固定装置部の
ピストン状部材をもった筒中の液体・気体等の行き来を
可能にしている(固定装置部と地震センサー振幅装置部
とが互いに別々の装置となり独立している場合もある。
その場合は通路口が連結口となり、連結管によって相互
に連結される)。他の固定装置との連結口で連結しない
限り、液体貯槽または外部に出る出口・出口経路がスラ
イド式ロック弁が閉じて塞がれている時は、液体・気体
等の行き場が他に無いため、ピストン状部材は筒中をス
ライドできず、ロックされ、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを固定する。地震時に、
重りが地震力によりスライド式ロック弁に作用して、前
記出口・出口経路のスライド式ロック弁が開いて、筒中
の液体・気体等が液体貯槽または外部に流れ出して、ピ
ストン状部材は作動可能となり、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体との固定は解除され
る。 (5) 遅延器兼用型 または、ピストン状部材によって押出される液体・気体
等が筒中から出る出口・出口経路と、出口・出口経路か
らその押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路の戻
り経路とが設けられており、出口・出口経路と戻り経路
とには開口面積の差をもたせ、出口・出口経路が大き
く、戻り経路は小さくし、戻り経路は、開口面積が小さ
い場合は弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピスト
ン状部材が筒中から押出される時に開き、それ以外は閉
じている弁が付けられる。または、別経路の戻り経路を
設けずに、出口・出口経路のロック弁による塞ぎを甘く
することにより、ピストン状部材の戻りの遅延効果を持
たせることが可能である。 (6) ダンパー効果 出口・出口経路の開口面積を絞ることにより、地震時の
変位抑制効果を合せ持たせることが可能になる。 (7) 上下逆 以上の形の、上下逆の場合もある。固定ピン型固定装置
の場合には、凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入された
固定ピンとの関係が、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とに対して逆に取付けられる場合
もある。連結部材弁型固定装置の場合には、免震される
構造体及び免震される構造体を支持する構造体と、ピス
トン状部材及びその挿入筒等からなる固定装置との関係
が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型がある。 (8) 他の固定装置との連結口の位置 複数の固定装置同士の連動作動を考えた場合の、他の固
定装置との連結口は、地震センサー振幅装置部の出口・
出口経路と、固定装置部のピストン状部材のスライド部
以外の筒中のいずれに設けてもよい。固定装置部と地震
センサー振幅装置部とが互いに別々の装置となり独立し
ている場合もある。その場合は地震センサー振幅装置部
の設置位置は、出口・出口経路であり、固定装置部の設
置位置は、ピストン状部材のスライド部以外の筒中であ
る。 (9) 複数の固定装置の連動作動 地震センサー振幅装置付き固定装置または独立型固定装
置または独立型地震センサー振幅装置の連結口を相互に
連結管で繋げることにより、相互の固定装置の地震時の
固定解除の連動が可能になる。地震センサー振幅装置が
先に作動した所へ液体・気体等が送り込まれ、連結管に
よって連結している固定装置の同時解除が可能になる。
地震センサー振幅装置の感度の差があっても、連結して
いる固定装置の同時解除が可能になる。 (10) 気体式・液体式 装置に充填される液体・気体等が、液体か気体かに関し
ては、液体=油圧式の方が、弾性が無く、確実な固定装
置の機能が発揮できる。さらに、機構全体を液体に漬け
ることで防錆効果もある。気体=空圧式は、弾性に富む
が、油圧式に比べ固定装置としての固定機能は劣るが、
簡便な方式であり、防錆材料を使うことでメンテナンス
フリーも可能になる。油圧式も空圧式においてもである
が、(スライド式)ロック弁の密閉性を悪くすることに
より変位抑制ダンパーも兼ねられる。特に空圧式は、ロ
ック弁が閉まったままでも(さらに、地震センサー振幅
装置と連動機構のないロック弁無しの閉じたままの機構
でも)弾性に富むために変位抑制ダンパーとしても使用
可能である。また、液体式・気体式の他に、液状化可能
な固体(粒状固体等)の使用も可能である。 8.1.2.2.5.2. (ロック)弁方式 請求項131項から請求項139項は、ロック弁方式の
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。 (1) 全体構成 この固定装置は、固定装置部と地震センサー振幅装置部
とに分かれる。互いに別々の装置となり独立している場
合もある。その場合は連結口で連結管によって連結され
る。ここでは、固定装置部と地震センサー振幅装置部と
の一体型を「地震センサー振幅装置付き固定装置」と、
固定装置部と地震センサー振幅装置部との分離型を「地
震センサー振幅装置分離型固定装置」と、そして固定装
置部のみを「固定装置部または独立型固定装置」と、地
震センサー振幅装置部のみを「地震センサー振幅装置部
または独立型地震センサー振幅装置」と言う。請求項1
31項の発明は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさず
にスライドするピストン状部材をもった固定装置の作動
部を有し、通常時は、地震センサーとなる重りが、振り
子またはバネ等または球面状・すり鉢状または円柱谷面
状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり・転がり面
部、以下同じ)によって平衡を保たれるため、通常位置
にあり、ピストン状部材によって押出される液体・気体
等が筒中から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路
を、重り、または重りと一体になった弁、または重りと
連動した弁が塞ぐ形となり、液体・気体等は押出されず
に、ピストン状部材はロックされ、固定装置の作動部は
固定され、地震時には、重りが地震力により通常位置よ
り移動すると、この出口・出口経路を塞ぐ位置から、重
り、または重りと一体になった弁、または重りと連動し
た弁がずれて、液体・気体等が押出され、ピストン状部
材は動き始めて、固定装置の作動部の固定は解除される
ように構成されてなることを特徴とする地震センサー振
幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体であ
る。 (2) 固定装置部 1) 固定ピン型固定装置の場合 請求項132項は、固定ピン型固定装置の場合、または
それによる免震構造体の発明である。固定ピン型固定装
置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体等を
ほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材をもった
(ピストン状部材と連動した場合を含む)固定ピンの固
定装置の作動部を有する。 a. 固定ピン系 固定ピンの挿入部は、請求項101項のすり鉢状・球面
状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹形状
をなしており、地震時には、固定ピンとなるかまたは連
動したピストン状部材は、このすり鉢状・球面状等の凹
形状によって往復(上下)運動をして、筒中に充填され
た液体・気体等を筒中から押出したり筒中に引入れたり
する。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 固定装置部は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずに
スライドするピストン状部材を有し、このピストン状部
材は、免震される構造体を支持する構造体または免震さ
れる構造体のいずれか一方の構造体に支持されて、その
挿入筒が、もう一方の構造体に支持されている。ピスト
ン状部材または挿入筒は、(それ自体が支持されている
構造体ではなく)もう一方の構造体と連結部材によって
連結されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓
部材とに分かれる。また、この装置は、間接方式と直接
方式とがある。すなわち、直接方式の場合は、ピストン
状部材には欠き込み・溝・窪みが設けられており、この
欠き込み・溝・窪みに固定ピンが係合することにより固
定がなされる。間接方式の場合は、固定ピンに固定ピン
をロックするロック部材(ロックピン・ロック弁等)を
設ける。 2) 連結部材弁型固定装置の場合(直接方式である) 請求項133項は、連結部材弁型固定装置の場合、また
はそれによる免震構造体の発明である。連結部材弁型固
定装置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体
等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材を有
し、このピストン状部材は、免震される構造体を支持す
る構造体または免震される構造体のいずれか一方の構造
体に支持されて、その挿入筒が、もう一方の構造体に支
持されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓部
材とに分かれる。そして、固定ピン型固定装置の場合、
連結部材弁型固定装置の場合共に、地震時に、このピス
トン状部材は、液体・気体等の弁(重りと一体になった
弁、または重りと連動した弁)が開くことにより移動可
能となり、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との振動によって往復運動をして、筒中に充
填された液体・気体等を筒中から押出したり筒中に引入
れたりして免震を可能にし、風時には、液体・気体等の
弁が閉じており、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とが固定される。 (3) 地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部は、地震センサーとなる重りの
ある付属室と液体貯槽(または外部)とに分かれる。付
属室は出口・出口経路内にある場合もあり、出口・出口
経路内の弁には連動させてあるが地震センサーのある付
属室は独立している場合もある。液体貯槽は液体溜まり
であり、上部に空気抜きがあり、液体の容量調整が自由
である。地震センサーとなる重りまたは重りと一体にな
った(または重りと連動した)弁は、振り子またはバネ
等または球面状・すり鉢状または円柱谷面状・V字谷面
状等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)
よって平衡を保たれ、通常位置にあり、地震時に(相対
的に)振動し、地震後元の位置(通常位置)に戻る。ま
た、この地震センサーとして転がり方式の重りが可能に
なる。地震センサー振幅装置の重りが、球であり、球面
状・すり鉢状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑
り面部を球が転がる方式である。感度を非常に良くでき
る。この重りまたは重りと一体になった(または重りと
連動した)弁の通常位置は、付属室と液体貯槽または外
部とを液体・気体等の行き来する通路である出口・出口
経路を塞ぐ位置にある。この塞がれる出口・出口経路の
位置は、重りまたは重りと一体になった(または重りと
連動した)弁の、上部または下部または側面に、上部及
び下部に、上部及び側面に、下部及び側面に、または上
部及び下部及び側面にある場合の7通りの場合が考えら
れる。出口・出口経路は、重りまたは重りと一体になっ
た(または重りと連動した)弁の平面形状に合わせるの
がよい。重りがボールの場合は、円がよい。出口・出口
経路と地震センサー振幅装置の重りまたは重りと一体に
なった(または重りと連動した)弁との隙間にカバー材
を付ける場合も同様に、カバー材は、重りまたは重りと
一体になった(または重りと連動した)弁と接する平面
形状に合わせるのがよい。重りがボールの場合は、円筒
となる。このように、振り子またはバネまたは球面状・
すり鉢状若しくは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り
面部によって平衡を保たれている地震センサー振幅装置
の重りまたは重りと一体になった(または重りと連動し
た)弁によって塞ぐロック弁を考えると、全方向の地震
動に対応の地震センサーが可能になり、しかもスムーズ
な弁との連動が可能になる。さらに、ピストン状部材の
作動時であっても弁に圧力がかからないので(弁に圧力
がかかったとしても、地震力は圧力と直角方向、つまり
圧力の分力が0となるので)、センサーの重りが小さく
ても敏感な感度のロック弁が可能になる。 (4) 固定装置部と地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部の付属室の液体・気体等と固定
装置部のピストン状部材のスライド部以外の筒中の液体
・気体等とは、通路口によって繋がり、行き来を可能に
している(固定装置部と地震センサー振幅装置部とが互
いに別々の装置となり独立している場合もある。その場
合は通路口が連結口となり、連結管によって相互に連結
される)。他の固定装置との連結口で連結しない限り、
付属室から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路が
重り(または重りと一体になった弁)により塞がれてい
る時は、液体・気体等の行き場が他に無いため、ピスト
ン状部材は筒中をスライドできず、ロックされ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固
定する。地震時に、重り(または重りと一体になった
弁)が地震力によりこの出口・出口経路を塞ぐ位置から
ずれると、筒中の液体・気体等は付属室から液体貯槽ま
たは外部に流れ出して、ピストン状部材は作動可能とな
り、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定は解除される。 (5) 遅延器兼用型 または、ピストン状部材によって押出される液体・気体
等が液体貯槽・外部に出る出口・出口経路と、出口・出
口経路からその押出された液体・気体等が筒中に戻る別
経路の戻り経路とが設けられており、出口・出口経路と
戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口・出口経路
は大きく、戻り経路は小さくし、戻り経路は、開口面積
が小さい場合には弁は必要無いが、弁を設ける場合に
は、ピストン状部材が筒中から押出される時に開き、そ
れ以外は閉じている弁が付けられる。または、別経路の
戻り経路を設けずに、出口・出口経路の重り(または重
りと一体になった弁)による塞ぎを甘くすることによ
り、ピストン状部材の戻りの遅延効果を持たせることが
可能である。 (6) ダンパー効果 出口・出口経路の開口面積を絞ることにより、地震時の
変位抑制効果を合せ持たせることが可能になる。 (7) 上下逆 以上の形の、上下逆の場合もある。固定ピン型固定装置
の場合には、凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入された
固定ピンとの関係が、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とに対して逆に取付けられる場合
もある。連結部材弁型固定装置の場合には、免震される
構造体及び免震される構造体を支持する構造体と、ピス
トン状部材及びその挿入筒等からなる固定装置との関係
が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型がある。 (8) 他の固定装置との連結口の位置 複数の固定装置同士の連動作動を考えた場合の、他の固
定装置との連結口は、地震センサー振幅装置部の出口・
出口経路(出口・出口経路内の地震センサーとなる付属
室)と、固定装置部のピストン状部材のスライド部以外
の筒中のいずれに設けてもよい。固定装置部と地震セン
サー振幅装置部とが互いに別々の装置となり独立してい
る場合もある。その場合は地震センサー振幅装置部の設
置位置は、出口・出口経路(出口・出口経路内の地震セ
ンサーとなる付属室)であり、固定装置部の設置位置
は、ピストン状部材のスライド部以外の筒中である。 (9) 複数の固定装置の連動作動 地震センサー振幅装置付き固定装置または独立型固定装
置または独立型地震センサー振幅装置の連結口を相互に
連結管で繋げることにより、相互の固定装置の地震時の
固定解除の連動が可能になる。地震センサー振幅装置が
先に作動した所へ液体・気体等が送り込まれ、連結管に
よって連結している固定装置の同時解除が可能になる。
地震センサー振幅装置の感度の差があっても、連結して
いる固定装置の同時解除が可能になる。 (10) 気体式・液体式 装置に充填される液体・気体等が、液体か気体かに関し
ては、液体=油圧式の方が、弾性が無く、確実な固定装
置の機能が発揮できる。さらに、機構全体を液体に漬け
ることで防錆効果もある。気体=空圧式は、弾性に富む
が、油圧式に比べ固定装置の固定機能は劣るが、簡便な
方式であり、防錆材料を使うことでメンテナンスフリー
も可能になる。油圧式も空圧式においてもであるが、
(地震センサーとなる重りが兼用するかまたは重りと一
体になった弁)ロック弁の密閉性を悪くすることにより
変位抑制ダンパーも兼ねられる。特に空圧式は、ロック
弁が閉まったままでも(さらに、地震センサー振幅装置
と連動機構のないロック弁無しの閉じたままの機構で
も)弾性に富むために変位抑制ダンパーとしても使用可
能である。また、液体式・気体式の他に、液状化可能な
固体(粒状固体等)の使用も可能である。 (11) 隙間のカバー管 請求項136項は、以上の(1)〜(10)(請求項131項
から請求項135項のいずれか1項)に記載の地震セン
サー振幅装置装備型固定装置において、可動して重り
(地震センサー振幅装置の重り)の移動に順応する管が
出口・出口経路に挿入されることにより構成されてなる
ことを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装
置、またそれによる免震構造体である。 (12) 重りと間接弁方式 1 請求項137項は、以上の(1)〜(10)(請求項131項
から請求項135項のいずれか1項)に記載の地震セン
サー振幅装置装備型固定装置において、それ自体可動し
て地震センサー振幅装置の重りの移動に順応するロック
弁管またはロック弁と、固定装置本体に取付けられてそ
のロック弁管またはロック弁を受けて通常時の流れを遮
断する受け材とから構成されてなることを特徴とする地
震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免
震構造体である。 (13) 重りと間接弁方式 2 請求項138項〜請求項139項は、重り連動の間接弁
方式2の発明であり、請求項138項は、以上の(1)〜
(10)(請求項131項から請求項135項のいずれか1
項)に記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置にお
いて、出口・出口経路に挿入されてそれ自体可動するロ
ック弁管と、そのロック弁管からの液体(気体)等の流
れを遮断する、固定装置本体に取付けられた受け材とか
ら構成され、風圧力・地震力によってピストン状部材か
らの液体(気体)等の圧力を受けて重り(地震センサー
振幅装置の重り)がロック弁管に吸込まれて、そのロッ
ク弁管が可動して前記受け材に押付けられて液体(気
体)等の流れを遮断するように構成されてなることを特
徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体である。請求項139項は、前述の
請求項138項に記載の地震センサー振幅装置装備型固
定装置において、風圧力・地震力によってピストン状部
材からの液体(気体)等の圧力を受けて重り(地震セン
サー振幅装置の重り)がロック弁管に吸込まれて、その
ロック弁管が可動して前記受け材に押付けられて液体
(気体)等の流れを遮断し、遮断すると重りはロック弁
管から離れ、風時にはまた(重りがロック弁管(の吸込
み口20-cpi)の真近にあり)重りがロック弁管に吸込
まれることを繰返し、地震時には、重りがロック弁管か
ら離れると、地震力によりロック弁管(の吸込み口20
-cpi)からずれて、液体(気体)等の流れが始まり、免
震し始めるように構成されてなることを特徴とする地震
センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体である。 (14) 増幅器付 請求項139−2項の発明は、ロック弁(ロック弁管、
スライド式ロック弁(8.1.2.2.5.1.(ロック)弁方式
)等を含む)にピストン状部材からの圧力がかかり、
弁の動きが悪くなる問題を解決するものである。8.1.2.
2.5.1.(ロック)弁方式でも当然同様に考えられる。
請求項139−2項は、請求項125項から請求項13
9項のいずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備
型固定装置において、ロック弁(ロック弁管、スライド
式ロック弁等を含む)に、弁が出る方向(開く方向)に
開いた形になるように傾き(弁が出る方向(開く方向)
に広く、弁が入る方向(閉じる方向)に狭い傾斜)をも
たせるか(また弁の挿入口にも弁と同様に傾きをもたせ
るか)、弁が開く方向(出る方向)に幅広く、弁が閉じ
る方向に(弁が入る方向)狭くなるような段差をつける
かして、ピストン状部材からの圧力を受けると弁が出る
(開く)ようにして、その出る(開く)力を受けて、歯
車・滑車・梃子等で、力は弱くして、弁の先端部に伝え
て、ロックとして小さな(センサーの)重りで可能なよ
うに構成されてなることを特徴とする地震センサー振幅
装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明
である。 8.1.2.3. 直接方式(自動制御型固定装置) 直接方式は、地震センサー(振幅)装置からの力または
指令により、固定装置の作動部自体を直接制御する方式
である。請求項107項、請求項108項は、上述の8.
1.2.2.2.の電気等による自動復元よりも自動化を進めた
発明である。固定装置の地震時の解除も電気による地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の発明である。直接方式の地震センサー(振
幅)装置装備型に関して、固定ピン型固定装置の場合と
連結部材弁型固定装置の場合とがあげられる。 (1) 一般 請求項107項は、8.1.2.の請求項92項から請求項9
2−2項記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置において、固定装置の作動部に、自動制御装置が設け
られており、地震時、地震センサー振幅装置の作動、ま
たは地震センサーからの指令によって、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との固定を解除
し、地震後、再び自動的に固定を行うことにより前記目
的を達成する地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 地震発電装置型地震センサー装備型 請求項108項記載の発明は、上記(1)(請求項107
項)記載の発明の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置の、地震センサーが、7.2.(請求項88項)の地震
発電装置型地震センサーによる場合の地震センサー装置
装備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。つまり、請求項108項は、8.1.2.の請求項93項
の地震センサー装備型固定装置において、固定装置の作
動部に、自動制御装置を設け、地震時、その地震センサ
ーによって、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との固定を解除し、地震後、固定を行うも
のである。請求項109項は、請求項107項または請
求項108項記載の地震センサー(振幅)装置装備型固
定装置において、地震後、地震センサー振幅装置の作
動、または地震センサーの指令によって、固定装置の作
動部を自動的に元の位置に戻す装置が設けられているこ
とを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置、またそれによる免震構造体である。請求項110項
は、請求項107項または請求項108項記載の地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置において、固定ピン
の挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をなしている
ことを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置、またそれによる免震構造体である。 8.1.2.4. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.1. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.2. 地震センサー(振幅)装置の設置場所 8.1.2.4.3. 地震センサー(振幅)装置の設計 (1) 地震センサー(振幅)装置の周期 1) 地震センサー(振幅)装置の周期設計 請求項111項は、地震センサー(振幅)装置の地震に
対する感度を高めることを図った地震センサー(振幅)
装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明
である。8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置において、地震センサー(振幅)装置の重り等のセン
サー部の周期を、その構造体が建てられる敷地の地盤周
期にほぼ一致させることにより、前記目的を達成するも
のである。 2) 地震センサー振幅装置の重り共振装置 請求項112項記載の発明は、重りの共振装置をもった
地震センサー振幅装置、またそによる免震構造体に関す
る発明である。地震時に重りを共振させるためには、重
りに繋がる(固定装置へも繋がる)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等に余裕(たるみ)を与える必要があ
る。しかし、たるみを与えるとセンサー感度が落ちるの
で、たるみを与えない方法が望まれる。そこで、重りの
周りに重りの衝突を受け、重りともなる周囲材を設け、
その周囲材に固定装置に繋がるワイヤー・ロープ・ケー
ブル・ロッド等を取付ける。そうすることにより、 地
震時に重りを地震と共振させることができ、且つ固定装
置へ繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等に余
裕(たるみ)を与える必要もなくなる。 3) 地震センサー振幅装置の複数個重り共振装置 請求項113項記載の発明は、複数個の重りの共振装置
をもった地震センサー振幅装置、またそれによる免震構
造体に関する発明である。地盤周期の幅に対応可能なセ
ンサーを考える場合、複数個の重りを設けて、振動周期
をその重りごとに変えることにより、地盤周期への対応
に幅を持たせることが可能になる。地盤周期(特に初期
微動、P波)の(周期−頻度スペクトルをとり)頻度が
多い周期ごとに重りの周期を合わせる。 4) 地震センサー振幅装置の複数共振装置 請求項114項記載の発明は、複数の共振装置をもった
地震センサー振幅装置、またそれによる免震構造体に関
する発明である。地盤周期の幅に対応可能なセンサーを
考える場合、地震センサー振幅装置の振り子の支え自体
にもバネを設けて、振り子とバネとにより二つの周期が
得られるようにして、地盤周期の幅に対応させることが
可能になる。地盤周期(特に初期微動、P波)の(周期
−頻度スペクトルをとり)頻度が多い周期の上位2つに
振り子とバネの周期を合わせる。バネは短周期に、振り
子は中長周期に合わせるのがよい。 (2) 全方向感度 1) ラッパ形状の孔 請求項115項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度が、地震力の方向によらず一定となることを図っ
た地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。8.1.2.の地震センサー振幅
装置装備型固定装置において、地震センサー振幅装置の
重りの上または下に、固定装置と繋がるワイヤー・ロー
プ・ケーブル等を結合し、その重りの直上または直下の
地震センサー振幅装置本体に(もしくはその内部あるい
は外部に)、すり鉢状またはラッパ状等の孔を形成し、
重りにつながるワイヤー・ロープ・ケーブル等をそこに
通すことで、全方向に対して同等の引抜き力または圧縮
力の伝達が可能なように構成されてなることにより、前
記目的を達成するものである。 2) ローラー状ガイド部材 請求項116項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度が、地震力の方向によらず一定となることを図っ
た地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。8.1.2.の(請求項92項〜
請求項111項記載の)地震センサー振幅装置装備型固
定装置において、地震センサー振幅装置の重りの水平方
向に、固定装置と繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等
を結合し、重りの(振幅寸法の余裕を取った)すぐ脇に
ローラー等のガイド部材を(回転軸等を)を垂直方向に
二本設けて、このワイヤー・ロープ・ケーブル等を通す
ことで、全方向に対して同等の引抜き力または圧縮力の
伝達が可能なように構成されてなることにより、前記目
的を達成するものである。 (3) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その1) 請求項117項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度を高めることを図った地震センサー振幅装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。
8.1.2.の地震センサー振幅装置装備型固定装置におい
て、梃子・滑車・歯車等を採用して、固定装置のロック
部材に繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまた
はレリーズ等の、引張られる長さまたは圧縮される長さ
を増幅することにより前記目的を達成するものである。 (4) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その2) 請求項118項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度を高めることを図った地震センサー振幅装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。
8.1.2.の地震センサー振幅装置装備型固定装置におい
て、免震皿に乗せた地震センサー振幅装置の重り(重力
復元型)を、よく転がる形状のものにし、この重りの上
部に、球面またはすり鉢等の凹形状の挿入部を設け、そ
こに(変位増幅のための)梃子の力点を挿入する。この
梃子の支点は重りの直上の凹形状の挿入部内にあり、作
用点はさらにその延長線上にあって、ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等が連結されている。このことによ
り、地震時に、梃子の作用点には、重りの変位分と、重
りの回転が与える変位分とが、梃子により増幅されて伝
わり、その増幅された変位が、連結されるワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等に伝えられるため、地震セン
サー振幅装置の作動感度を高めることにより前記目的を
達成するものである。 8.1.3. 連動作動型固定装置 複数の固定装置が設置されている場合には、全部の固定
装置が同時に解除されないと、免震される構造体は、固
定されている箇所を中心に、捩れた動きをしてしまう。
この欠点を解消するために、全ての固定装置が同時に解
除されるようにすることが求められた。この連動作動型
固定装置はそれを実現するものである。請求項119項
は、複数の固定装置からなり、それぞれの固定装置の作
動部またはロック部材が相互に連動する仕組みをもつ固
定装置、またそれによる免震構造体の発明である。固定
装置の作動部またはロック部材同士を連動させることに
よって、複数の固定装置を同時に解除するように構成さ
れているものである。 8.1.3.1. 連動作動型固定装置 8.1.1.の剪断ピン型固定装置の欠点は、2個以上設置さ
れた場合に、地震力が働いて1個の固定装置の固定ピン
が折れても、他の固定ピンが折れる等の固定装置の解除
が同時におこなわれるとは限らないという点であった。
請求項120項は、その問題を解決し、剪断ピン型固定
装置を含む複数の固定装置が設置された場合の、全ての
固定装置の同時解除を実現する連動作動型固定装置、ま
たそれによる免震構造体に関する発明である。つまり、
剪断ピン型固定装置を含む複数の固定装置からなり、そ
れぞれの固定ピン等の固定装置の作動部またはロック部
材が相互に連動する仕組みをもつ固定装置である。固定
装置の作動部またはロック部材同士を連動させることに
よって、複数の固定装置を同時に解除させようとするも
のである。具体的には、一定以上の地震力により折れる
か切れるかする構造をもつ剪断ピン型固定装置(8.1.1.)
を含む2つ以上の固定装置において、剪断ピン型固定装
置の固定ピンと、他の固定装置の作動部をロックするロ
ック部材とが、相互にワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等で繋がれており、地震時に、地震力によって剪断
ピン型固定装置の固定ピンが折れるか切れるかすると、
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等で連動して、他
の固定装置の前記ロック部材が解除され、各固定装置が
同時に解除され、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体との固定を解除するように構成されて
なることにより前記目的を達成するものである。以下の
連動作動型固定装置〜は、上記の8.1.1.の剪断ピン
型固定装置だけでなく、8.1.2.の地震センサー(振幅)
装置装備型固定装置にも使用可能なものである。 8.1.3.2. 連動作動型固定装置 請求項121項は、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置または8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含
む、2つ以上の固定装置において、ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッドまたはレリーズ等で各固定装置のロッ
ク部材同士を連結し、2つ以上の固定装置の作動部の固
定と解除が同時に行われるようにした連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.1.3.3. 連動作動型固定装置 請求項122項は、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置または8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含
む、2つ以上の固定装置において、端部に各固定装置を
ロックする機能をもったロック部材(枝分かれしていな
い部材、三つ又、四つ又、またそれ以上に分かれたも
の)が、可動するように取付けられており、地震時に、
地震力によって重りが振動する地震センサー振幅装置、
地震センサー装置、または剪断ピン型固定装置がこのロ
ック部材を可動方向に作動させ、それにより、各端部の
ロック機能が、それぞれの固定装置を同時に解除して、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
との固定の解除が行われるようにした連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。つまり、
可動できるようにされた部材に、2つ以上の固定装置の
作動部をロックする機構があり(ロック孔をもち、その
ロック孔に固定装置の作動部がはめ込まれることでロッ
クされるようになっており)、地震センサー(振幅)装
置によるその部材の動きに連動して、各固定装置の固定
と解除が行われるという方法である。 8.1.3.4. 連動作動型固定装置 請求項123項は、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置または8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含
む、2つ以上の固定装置において、端部に各固定装置を
ロックする機能をもったロック部材(枝分かれしていな
い部材、三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれた)
が、中心を軸として回転できるように取付けられてお
り、地震時に、地震力によって重りが振動する地震セン
サー振幅装置、地震センサー装置、または剪断ピン型固
定装置が、このロック部材を回転させ、それにより、各
端部のロック機能が、それぞれの固定装置を同時に解除
して、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体との固定の解除が行われるようにした連動作動型
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。つ
まり、中心を軸として回転しうる部材の両端部に、固定
装置の作動部をロックする機構があり(ロック孔をも
ち、そのロック孔に固定装置の作動部がはめ込まれるこ
とでロックされるようになっており)、その部材の回転
に連動して、各固定装置の固定と解除が行われる方法で
ある。また、この部材は、一本のものだけでなく、三つ
又、四つ又、またそれ以上に分かれる場合がある。その
場合も、部材は中心を軸として回転しうるようになって
おり、その分岐した個々の端部に固定装置の作動部をロ
ックする部分があり、その部材の回転に連動し、固定装
置の固定と解除が行われる。 8.1.3.5. 連動作動型固定装置 地震時に、地震センサーからの電気信号により、固定装
置が解除される装置は、固定の解除のされ方によって、
以下の2種類に分かれる。(1) 電気で固定装置の作動部
自体が解除されるもの地震時に、地震センサーからの電
気信号により、固定装置の作動部自体が解除される。 (2) 電気で固定装置の作動部のロックのみが解除される
もの 地震時に、地震センサーからの電気信号により、固定装
置の作動部のロックが解除され、固定装置の作動部自体
の解除は、電気によらずバネ等及び地震力等で行うも
の。(1)の固定装置の作動部の解除は、速やかさを要求
され、多くの電力等が必要となるが、(2)の固定装置の
作動部自体のロック解除のみの場合は、小電力で簡易な
機構で済む。請求項124項は、(2)の電気で固定装置
の作動部のロックのみが解除される場合の発明である。
具体的には、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置を1個または複数個もった固定装置において、
それぞれの固定装置の作動部をロックするロック部材
が、地震センサーからの電気信号によって作動するよう
に構成されてなることを特徴とする固定装置、またそれ
による免震構造体の発明である。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置 請求項139−3項は、風センサーを持つ(地震センサ
ー付)地震作動型固定装置であり、風センサーにより一
定風圧になると固定装置をロックさせるように構成され
てなることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 8.2. 風作動型固定装置 この風作動型固定装置の発明は、8.1.地震作動型固定装
置のように地震力の大きさによることなく、全ての微細
な地震に対してまで免震を可能にするものである。その
ため、請求項140項記載の発明は、地震時および風の
ない通常時は免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との固定を解除しており、風力時に、風セ
ンサー等で風力を感知した時にのみ、免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体とを固定するとい
う型の固定装置(風作動型固定装置)、またそれによる
免震構造体の発明である。 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型) 請求項141項は、風センサーを装備した固定装置(風
センサー装備型固定装置)、またそれによる免震構造体
の発明である。具体的に言えば、請求項141項記載の
発明は、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固定装置に
おいて、風センサーによって、ある一定以上の風圧時に
のみ、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを固定し、風揺れ等を防止するように構成され
た風作動型固定装置である。 (1) 直接方式 直接方式は、風力・風センサーからの力で、固定装置の
作動部自体を直接制御する方式である。請求項142項
記載の発明は、免震される構造体と免震される構造体を
支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固定
装置において、風センサー等で一定以上の風圧を感知す
ると、固定装置の作動部(固定ピン・固定弁)自体を働
かせて、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成された風センサー装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 1) 固定ピン型固定装置 請求項143項記載の発明は、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等
を防止する固定装置において、風センサー等で一定以上
の風圧を感知すると、固定装置の作動部である固定ピン
を働かせて、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体とを固定するように構成された風センサー
装備型固定装置、またそれによる免震構造体である。 2) 連結部材弁型固定装置 請求項144項記載の発明は、請求項142項に記載の
風センサー装備型固定装置において、筒中を、液体・気
体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材等の
固定装置の作動部を有し、この筒のピストン状部材を挟
んだ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けら
れた溝)か、ピストン状部材にあいている孔か、ピスト
ン状部材によって押出される液体・気体等が筒中から出
る出口かに、またはその全てに、弁が設けられており、
風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、その弁が
閉じることにより、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを固定するように構成された風セ
ンサー装備型固定装置、またそれによる免震構造体であ
る。 (2) 間接方式 a) 一般 b) 固定ピン型の場合 請求項145項〜請求項146項は、風センサーの、固
定装置の作動部をセット(固定)するのに必要な力を小
さくし、且つ固定装置の作動感度を上げることを図っ
た、風センサー装備型固定装置、またそれによる免震構
造体の発明である。8.2.1.の風センサー装備型固定装置
において、固定装置の作動部自体の固定と解除を直接に
行わずに、固定装置の作動部をロックするロック部材を
作動させることによって、固定装置の固定と解除を行う
ようにすることにより前記目的を達成するものである。
c)地震力による自動復元型 請求項147項は、8.2.1.の風作動型の、固定ピン型固
定装置において、固定ピンの挿入部を、請求項101項
のすり鉢状・球面状等の、挿入部の中央部に対して凹形
状に傾斜させることにより、地震力による固定装置の作
動部の自動復元を可能にする風作動型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。また、この装置は、
固定装置の作動部をロックするロック部材がロック弁で
ある場合と、ロックピンである場合とがあり、それによ
り、次の2つの方式に分けられる。 1) ロック弁方式 請求項148項は、ロック部材がロック弁等のロック部
材である風作動型固定装置、またそれによる免震構造体
の発明である。8.2.1.の風センサー装備型固定装置にお
いて、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライド
するピストン状部材等の固定装置の作動部を有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(端と端と)は
管(また筒に付けられた溝)で繋がれているか、ピスト
ン状部材に孔が設けられているか、ピストン状部材によ
って押出される液体・気体等が筒中から出る出口が設け
られているかしており、そして、この筒のピストン状部
材を挟んだ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管(また溝)
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、通
常は、そのロック弁は開いており、固定装置のロックは
解除され、固定装置の固定の解除によって、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との固定の
解除がなされており、一定以上の風圧が働くと、風セン
サーと連動して、そのロック弁が閉じることにより、固
定装置がロックされ、固定装置の固定によって、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定がなされるように構成されてなることを特徴とする風
センサー装備型固定装置である。ここで、固定装置の作
動部について説明すると、固定装置の作動部が、ピスト
ン状部材をもった固定ピンの場合=固定ピン系と、ピス
トン状部材をもった連結部材(不可撓部材・可撓部材)
の場合=連結部材系とがある。 2) ロックピン方式 請求項149項は、ロック部材がロックピン等のロック
部材である風作動型固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。8.2.1.の風センサー装備型固定装置に
おいて、通常は、固定装置の作動部のロック部材の固定
が解除されており、固定装置のロックは解除され、固定
装置の固定の解除によって、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体との固定の解除がなされて
おり、一定以上の風圧が働くと、風センサーと連動し
て、そのロック部材が固定装置の作動部を固定すること
により、固定装置がロックされ、固定装置の固定によっ
て、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定がなされるように構成されてなることを特
徴とする風センサー装備型固定装置である。 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置 (1) 一般(直接方式含む) 請求項150項は、電源設備を必要としない、電気に頼
らない風力発電機型風センサー装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。8.2.1.(請求項14
1項記載)の風センサー装備型固定装置において、一定
以上の風圧になると、風力発電機の電圧が、固定装置を
作動させるのに必要な電圧以上となり、固定装置を作動
させて、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成されてなることにより
前記目的を達成するものである。 (2) 間接方式 請求項151項は、風力発電機型風センサーの、固定装
置の作動部を固定するのに必要な力を小さくし、且つ固
定装置の作動感度を上げることを図った風力発電機型風
センサー装備型固定装置、またそれによる免震構造体の
発明である。8.2.1.(2)の間接方式(請求項145項〜
請求項149項記載)の風センサー装備型固定装置にお
いて、一定以上の風圧になると、風力発電機の電圧が、
固定装置の作動部をロックするロック部材を作動させる
のに必要な電圧以上となり、ロック部材を作動させて固
定装置の作動部をロックし、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを固定するように構成さ
れてなることにより前記目的を達成するものである。 8.2.6. 連動作動風作動型固定装置 請求項152項の発明は、複数の固定装置からなり、そ
れぞれの固定装置の作動部またはロック部材が相互に連
動する仕組みをもつ固定装置であり、固定装置の作動部
またはロック部材同士を連動させることによって、複数
の固定装置を同時に固定するように構成されてなること
を特徴とする連動作動型固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。 8.2.6.1. 連動作動風作動型固定装置 請求項153項の発明は、2つ以上の固定装置におい
て、各固定装置をロックする機能をもったロック部材
が、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等またはレリ
ーズ等で相互に連結されており、風時に、風センサーが
ロック部材の一つを作動させると、各ロック部材が連動
して、それぞれの固定装置を同時に固定し、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定す
るように構成されてなることを特徴とする連動作動型固
定装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.2.6.2. 連動作動風作動型固定装置 請求項154項の発明は、2つ以上の固定装置におい
て、端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分
かれしていない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上に
わかれた)ロック部材が、可動するように取付けられて
おり、風時に、風センサーがこのロック部材を可動方向
に作動させ、それにより各端部のロック機能が、それぞ
れの固定装置を同時に固定して、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体とを固定するように構
成されてなることを特徴とする連動作動型固定装置、ま
たそれによる免震構造体の発明である。 8.2.6.3. 連動作動風作動型固定装置 請求項155項の発明は、2つ以上の固定装置におい
て、端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分
かれしていない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上に
わかれた)ロック部材が、中心を軸として回転できる様
に取付けられており、風時に、風センサーが、このロッ
ク部材を回転させ、それにより各端部のロック機能が、
それぞれの固定装置を同時に固定して、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体とを固定するよ
うに構成されてなることを特徴とする連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.2.6.4. 連動作動風作動型固定装置 請求項156項の発明は、8.2.から8.2.5.(請求項14
0項から請求項151項のいずれか1項)に記載の風作
動型固定装置を、1個または複数個もった固定装置にお
いて、それぞれの固定装置の固定が、またはロック部材
による固定装置の作動部のロックが、一個の風センサー
からの電気信号により、同時になされるように構成され
てなることを特徴とする固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。 8.2.7. 遅延器の設置 請求項157項は、請求項145項〜請求項156項の
いずれか一項に記載の風センサー装備型固定装置におい
て、請求項166項に記載の遅延器が装備され、風圧が
一定以下になったことを感知してから、一定の時間をお
いて固定装置を解除させるように構成されてなることを
特徴とする風センサー装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の発明である。 8.3. 固定装置の設置位置とリレー連動作動型固定装置 8.3.1. 一般 風揺れ等の対策を考えると、固定装置は、風により回転
の生じにくい、免震される構造体の重心( 重心及び免
震される構造体の各立面の図心からくる平面上の中心を
勘案したもの、以下「重心」と言う)位置またはその近
傍に、まず、設置されるのがよい。請求項158項は、
その固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 8.3.2. 2個以上の固定装置の設置 8.1.地震作動型固定装置および8.2.風作動型固定装置に
おいては、免震される構造体の重心位置またはその近傍
以外の周辺位置に、切断感度また地震センサー装置の感
度が敏感なタイプのものを設置し、免震される構造体の
重心位置またはその近傍には、前記周辺位置に比べて切
断感度また地震センサー装置の感度が鈍感なものを設置
することにより構成する。請求項159項は、その固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.3.3. リレー連動作動型固定装置 固定装置の同時作動に関しては、機械式、電気式にして
も実際に同時に作動するかに関しては、問題があった。
特に、地震作動型固定装置は、時間差を許されず、ま
た、一本でも解除されない場合の問題は大きかった。こ
の地震作動型固定装置は、固定装置の作動(解除/セッ
ト=ロック・固定)連動に関しては、同時に作動させる
ことは難しく、順次作動させていくことの方が確実性が
ある。また、順次作動のさせ方によっては、一本でも解
除されない場合の問題も解決する。つまり、重心または
その近傍に設置された固定装置を最後にリレーさせる方
法でその問題は解決する(以下、「リレー連動作動型固
定装置」と言う)。また、逆に、固定装置のセットに関
しては、重心の固定装置が最初にセットされるのがよ
い。 8.3.3.1. 地震作動型固定装置の場合 リレー連動作動型の地震作動型固定装置は、固定装置の
作動(解除/セット=ロック・固定)連動に関しては、
同時に作動させることは難しく、順次作動させていくこ
との方が確実性がある。また、順次作動のさせ方によっ
ては、一本でも解除されない場合の問題も解決する。つ
まり、重心またはその近傍に設置された固定装置を最後
にリレーさせる方法でその問題は解決する。請求項16
0項は、そのリレー連動作動型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。具体的には、連動作動型固
定装置の設置に関して、そのうち少なくとも一本の固定
装置(リレー末端固定装置)は、免震される構造体の重
心位置またはその近傍に、他の固定装置(リレー中間固
定装置)は、周辺位置に設置され、地震時にこれらの固
定装置が順次解除される際に、前記重心位置またはその
近傍に設置された固定装置が最後に解除されるように構
成される。また、地震後の、固定装置の固定に関して
は、重心の固定装置が最初に固定されるのがよい。請求
項161項は、そのリレー連動作動型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。具体的には、連動作
動型固定装置の設置に関して、そのうち少なくとも一本
の固定装置(リレー末端固定装置)は、免震される構造
体の重心位置またはその近傍に、他の固定装置(リレー
中間固定装置)は、周辺に設置され、地震時にこれらの
固定装置が順次解除された後、地震終了後に、前記重心
位置またはその近傍に設置された固定装置が最初に固定
されるように構成される。請求項162項は、請求項1
60項、請求項161項記載の記載の発明のいずれか、
または両方を組合せることによって構成されてなること
を特徴とするリレー連動作動型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。 8.3.3.1.1. リレー中間固定装置 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般) 請求項163項は、地震作動型のリレー中間固定装置、
またそれによる免震構造体の発明であり、この発明は、
請求項160項、請求項161項記載のリレー中間固定
装置において、地震センサー(振幅)装置と直接つなが
るリレー(第1)中間固定装置と、地震センサー(振
幅)装置とは直接つながらないリレー(第2番目以降
の)中間固定装置に分かれ、前者をリレー第1中間固定
装置、後者をリレー第2以降中間固定装置とし、リレー
第1中間固定装置には、請求項95項〜請求項106項
記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置が使用
され、地震センサー(振幅)装置と直接つながるリレー
中間固定装置をリレー第1中間固定装置、直接つながら
ないリレー中間固定装置をリレー第2以降中間固定装置
とし、各リレー中間固定装置は、ロック部材の装備に加
え、地震時に、固定装置の作動を次のリレー(中間、末
端)固定装置のロック部材に伝え、連動させてロック部
材により固定装置を解除させる連動機構を持っており、
リレー第1中間固定装置のロック部材は、地震センサー
(振幅)装置に、リレー第2以降中間固定装置のロック
部材は、直前のリレー中間固定装置の連動機構に、連動
するように構成されてなることを特徴とするリレー連動
作動型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。具体的に説明すると、この固定装置には、この固定
ピン等の固定装置の作動部をロックするロック部材(ピ
ストン状部材の固定装置の作動部場合は、固定装置の作
動部をロックするロック部材は、固定ピンとなる)が差
し込まれる欠き込み・溝・窪みがあり、このロック部材
は常時、重力・バネ・ゴム・磁石等で押され、この欠き
込み・溝・窪みに差し込まれ、リレー第1中間固定装置
の場合には、このロック部材と、地震センサー振幅装置
の地震時に振動する重り、または地震センサーにより作
動するモーターもしくは電磁石等の作動部材とが、直接
または(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等によって結ばれ、地震時に地震センサー振幅装
置の重りが振動し、または地震センサーにより作動する
モーターもしくは電磁石等の作動部材によって、このワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等により、前記欠き
込み・溝・窪みからロック部材が外されて、固定装置が
解除され、また、リレー第2以降中間固定装置の場合に
は、このロック部材と、直前のリレー中間固定装置の後
述の連動機構とが、(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等によって結ばれ、地震時に、他の
連動機構の作動により、このワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等によって、前記欠き込み・溝・窪みからロ
ック部材が外されて、固定装置が解除され、さらに、こ
のリレー(第1、第2以降)中間固定装置には、このロ
ック部材の装備に加えて、次のリレー中間・末端固定装
置への連動機構を持ち、連動機構は、地震時に固定装置
の作動に連動して、次のリレー(中間、末端)固定装置
のロック部材に連動し、前記欠き込み・溝・窪みからロ
ック部材を外すことにより構成される。 8.3.3.1.1.2. リレー中間固定装置(増幅器付) さらに、連動機構として、梃子また滑車また歯車等の増
幅器を加えることにより、固定装置の作動部の小さい変
位を、大きな変位に増幅させて、次の固定装置に連動さ
せることが可能となる。請求項164項は、その固定装
置、またそれによる免震構造体の発明であり、この発明
のリレー中間固定装置(増幅器付)は、請求項163項
記載の固定装置の連動機構において、梃子また滑車また
歯車等を採用して、次のリレー(中間、末端)固定装置
のロック部材への引張長さまたは圧縮長さを増幅してい
ることにより構成される。 8.3.3.1.2. リレー末端固定装置 請求項165項は、地震作動型のリレー末端固定装置、
またそれによる免震構造体の発明であり、この発明のリ
レー末端固定装置は、請求項160項、請求項161項
記載の固定装置のリレー末端固定装置において、固定装
置の作動部をロックするロック部材を複数個持ち、この
複数個のロック部材は、複数個の他のリレー中間固定装
置の連動機構(請求項163項、請求項164項記載の
連動機構)から、(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等で、個々に連結され、地震時に個々
に連動して引抜かれて、固定装置の作動部のロックが解
除されるが、この複数個のロック部材が、全て解除され
ない限り、リレー末端固定装置のロックは完全に解除さ
れないことにより構成される。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置 リレー連動作動型固定装置(リレー中間固定装置・リレ
ー末端固定装置)の固定装置の作動部またはロック部材
と、前記地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間、または直前のリレー中間固定
装置の連動機構との間に、8.5.のような遅延器を設け、
地震時の固定が解除された後の振動中に固定装置の作動
部またはロック部材の戻り(固定装置の作動部を固定す
る方向への)を遅延する必要がある。地震終了程度ま
で、時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、数秒程度時間を
稼ぐものでも問題はない。請求項175項は、その固定
装置、またそれによる免震構造体の発明であり、請求項
160項から請求項165項のいずれか1項に記載の固
定装置において、固定装置の作動部またはロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りとの
間、または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
には、地震時に固定装置の作動部またはロック部材が解
除された後の振動中に固定装置の作動部またはロック部
材の戻りを遅延する遅延器を設けていることにより構成
される固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る(詳細は8.5.に記載)。 8.3.3.1.4. 引張力限定伝達装置 固定装置の作動部またはロック部材と、前記地震センサ
ー振幅装置の地震時に振動する重りとの間、または直前
のリレー中間固定装置の連動機構との間には、引張力の
みを伝達し、圧縮力を伝達しない装置を必要とする。こ
の引張力限定伝達装置は、請求項160項から請求項1
75項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承にお
いて、固定装置の作動部またはロック部材と、地震セン
サー振幅装置の地震時に振動する重りとの間、または直
前のリレー中間固定装置の連動機構との間には、引張力
のみを伝達し、圧縮力を伝達しない装置であり、請求項
176項は、この引張力限定伝達装置をもっている固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.3.3.2. 風作動型固定装置の場合 リレー連動作動型の風作動型固定装置に関しても、固定
装置の作動(解除/セット(=ロック・固定))連動に
関しては、同時に作動させることは難しく、順次作動さ
せていくことの方が確実性がある。また、順次作動のさ
せ方によっては、一本でも固定されていない場合の問題
も解決する。つまり、重心の固定装置を最初に固定させ
る方法でその問題は解決する。請求項177項は、その
リレー連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体
の発明である。具体的には、連動作動型固定装置の設置
に関して、そのうち少なくとも一本は、免震される構造
体の重心位置またはその近傍に設置され、残りは周辺に
設置され、風時に、それらの固定装置が順次固定される
際に、前記重心位置またはその近傍に設置された固定装
置が最初に固定されるように構成される。また、風力が
一定以下になった後の、固定装置の(免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体との固定の)解除
に関しては、重心の固定装置が最後に解除されるのがよ
い。請求項178項は、そのリレー連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。具体的に
は、連動作動型固定装置の設置に関して、そのうち少な
くとも一本は、免震される構造体の重心位置またはその
近傍に設置され、残りは、周辺に設置され、風時に、そ
れらの固定装置が順次固定され、その後、それらの固定
装置が順次解除される際に、前記重心位置またはその近
傍に設置された固定装置が最後に解除されるように構成
される。請求項179項は、請求項177項、請求項1
78項のいずれか、または両方を組合せることによって
構成されてなることを特徴とするリレー連動作動型固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.3.3.2.1. リレー中間固定装置 請求項180項は、風作動型のリレー中間固定装置、ま
たそれによる免震構造体の発明であり、この発明は、請
求項177項、請求項178項記載のリレー中間固定装
置において、この固定装置は、風センサーと直接繋がる
リレー(第1)中間固定装置と、風センサーとは直接繋
がらないリレー(第2番目以降の)中間固定装置に分か
れ、前者をリレー第1中間固定装置、後者をリレー第2
以降中間固定装置とし、リレー第1中間固定装置には、
請求項145項〜請求項156項記載の風センサー装備
型固定装置が使用され、風センサーと直接繋がるリレー
中間固定装置をリレー第1中間固定装置、直接繋がらな
いリレー中間固定装置をリレー第2以降中間固定装置と
し、各リレー中間固定装置は、ロック部材の装備に加
え、風時に固定装置の作動を次のリレー(中間、末端)
固定装置のロック部材に伝え、連動させてロック部材に
より固定装置を固定させる連動機構を持っており、リレ
ー第1中間固定装置のロック部材は、風センサーに、リ
レー第2以降中間固定装置のロック部材は、直前のリレ
ー中間固定装置の連動機構に、連動するように構成され
てなることを特徴とするリレー連動作動型固定装置であ
り、またそれによる免震構造体の発明である。具体的に
述べれば、この固定装置には、この固定装置の作動部を
ロックするロック部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪
みがあり、このロック部材は常時、重力・バネ・ゴム・
磁石等で引張られ、この欠き込み・溝・窪みから外され
ており、リレー第1中間固定装置の場合には、このロッ
ク部材と、風センサーとが連動し、風時に、風センサー
により、この欠き込み・溝・窪みにロック部材が入り、
固定装置が固定され、また、リレー第2以降中間固定装
置の場合には、このロック部材と、直前のリレー中間固
定装置の後述の連動機構とが、(レリーズ中の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等によって結ばれ、風時
に、他の連動機構の作動により、このワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等によって、欠き込み・溝・窪み
に、ロック部材が入り、固定装置が固定され、このリレ
ー(第1、第2以降)中間固定装置には、このロック部
材の装備に加えて、次のリレー中間・末端固定装置への
連動機構を持ち、連動機構は、風時に固定装置の作動に
連動して、次のリレー(中間、末端)固定装置のロック
部材に連動し、このロック部材を固定することにより構
成される。 8.4. 風揺れ等抑制装置・変位抑制装置としての固定装
置またダンパー 8.4.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 8.4.1.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 (1) 風揺れ等抑制装置としての固定装置 挿入部に固定ピンを挿入することよって、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体との風揺れ時
等の動きを抑制する風揺れ等抑制装置において、固定ピ
ンを受ける方の挿入部と固定ピンを挿入するもう片方の
挿入部のうち、一方を免震される構造体に、もう一方を
免震される構造体を支持する構造体に設け、固定ピンを
受ける方の挿入部は、すり鉢状等の凹形状として、その
挿入部に固定ピンを挿入することにより風に抵抗させ、
かつ、固定ピンを挿入するもう片方の挿入部には、抵抗
器を採用して固定ピンの挿入部への挿入に対する抵抗を
調整可能とする(例えば、固定ピンの取付けられたピス
トン状部材が筒中で液体や空気等を漏らさずスライドす
るスライド機構とし、ピストン状部材に孔が設けられる
か、筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン
状部材がスライドする範囲の端と端と)が管(また筒に
付けられた溝)等の流路で繋がれているかして、ピスト
ン状部材がスライドする速度をこの筒内のピストン状部
材のスライドによって孔または管等の流路を行き来する
液体や空気等の粘性抵抗によって調整可能とする)こと
により構成されてなることを特徴とする風揺れ等抑制装
置または固定装置、またそれによる免震構造体である。
請求項181項は、その発明である。 (2) 風揺れ等抑制装置としての固定装置(遅延器付き) さらに、(1)の機能に加えて、抵抗器に 8.5.の遅延器を
使用して、地震時に固定ピンがスライド機構の中に収ま
っている時間を長くして免震効果を高める遅延器効果を
持った発明も考えられる。請求項182項は、その遅延
器付きの風揺れ等抑制装置または固定装置、またそれに
よる免震構造体の発明である。8.5.遅延器の一例で説明
すると、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免
震される構造体に、もう一方を免震される構造体を支持
する構造体に設け、すり鉢状・球面状等の凹形状挿入部
に固定ピンを挿入することよって、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体とを固定し、風揺れ
等を防止する固定装置において、風に抵抗できる勾配を
もったすり鉢状・球面状等の凹形状挿入部と、当該挿入
部と同等の勾配の先端部をもった固定ピンを有し、筒中
の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン
状部材をもった固定ピンが、その筒に挿入され、その外
に固定ピン先端が突き出ており、さらに、この筒のピス
トン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスラ
イドする範囲の端と端と)は管(また筒に付けられた
溝)等の流路で繋がれており、このピストン状部材には
この管(また溝)等の流路との開口面積の差をもたせた
孔が設けられ、この管(また溝)等の流路またはピスト
ン状部材の孔のうち開口面積の大きい方に、ピストン状
部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じて
いる弁が付けられており、さらに、重力、また場合によ
っては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、この
ピストン状部材をもった固定ピンを筒外に押出す役割を
する場合もあり、また、この筒と前記管(また溝)等の
流路とは、潤滑油等の液体で満たされている場合もあ
り、この弁の性格と、前記管(また溝)等の流路または
ピストン状部材の孔のうちの一方の開口面積を絞ること
により、前記固定ピン先端は、筒の中に入る方向では、
速やかであり、出る方向では、遅延され、それにより、
地震力が働くと、固定ピン先端は、速やかに筒の中に入
り、地震力が働いている間は、出にくくなるように構成
される。以上の(1)(2)に共通して言えることであるが、
引抜き防止装置の併用により、風揺れ等の抑制効果をよ
り発揮する。 8.4.1.2. 固定装置と中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
との併用 請求項181項もしくは請求項182項記載の風揺れ等
抑制装置(固定装置)と、(一般の)固定装置もしくは
8.7.(請求項204項記載)の免震皿の中央部窪み形
の風揺れ等抑制装置のどちらかとを、または両方とを併
用により風等の揺れに抵抗する。請求項183項は、そ
の免震構造体の発明である。 8.4.2. 固定装置型ダンパー 請求項184−0項記載の発明は、固定装置型ダンパ
ー、またそれによる免震構造体の発明である。当然、こ
の発明の固定装置型ダンパーは、変位抑制及び風揺れ等
抑制装置も兼ねる。免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との動きを抑制する装置において、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に筒が設置され、この筒内には液体・気
体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材(固
定装置の作動部=ダンパーの作動部)が設置され、前記
筒内の液体・気体等の経路が前記筒またピストン状部材
に最低2ヶ所設けられることによって構成される。この
液体・気体等の経路としては、前期筒のピストン状部材
を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスライドする範
囲の端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けられた溝)、ピ
ストン状部材にあいている孔(またピストン状部材に設
けられた溝)、筒と液体貯槽を結ぶ経路、筒と外部を結
ぶ経路、等が考えられる。これらの経路には開口面積の
差をもたせ、これらの経路のうち開口面積の大きい方
に、ピストン状部材が筒中から出る方向時に開き、それ
以外は閉じている弁が付けられており、開口面積が小さ
い場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピス
トン状部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は
閉じている弁が付けられ、さらに、重力、また場合によ
っては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、この
ピストン状部材を筒中から押出す役割をする場合もあ
り、また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満た
されている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開
口面積の差をつけることにより、前記ピストン状部材
は、筒中から出る方向の移動は速やかであり、筒中に入
る方向の移動は緩やかになるようにして風揺れ等の動き
を抑制するようにして構成されてなることを特徴とする
ダンパー、またそれによる免震構造体である。 8.4.2.1. 固定装置型ダンパー1 請求項184項記載の発明は、固定装置型ダンパー、ま
たそれによる免震構造体の発明である。当然、この発明
の固定装置型ダンパーは、変位抑制及び風揺れ等抑制装
置も兼ねる。免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との動きを抑制する装置において、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体のどち
らか一方に筒が設置され、他方にこの筒内をスライドす
るピストン状部材との接続部材が、またはピストン状部
材と連携するか一体になるか接続するかした固定ピンを
受ける受け部材(以下、固定ピンを挿入する凹形態の挿
入部材または固定ピンが当たる凸形態の部材等を固定ピ
ン受け部材と言う)が設置され、ダンパーの作動部を形
成する前記ピストン状部材とこのピストン状部材がその
内をスライドする前記筒とから構成され、筒中の液体・
気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材が
その筒に挿入され、さらに、前記筒の、ピストン状部材
を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・気体等の経路が最低2
ヶ所設けられており、前記経路には開口面積の差をもた
せ、これらの経路のうち開口面積の大きい方に、ピスト
ン状部材が筒中から出る方向時に開き、それ以外は閉じ
ている弁が付けられており、開口面積が小さい場合には
弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材
が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている
弁が付けられ、さらに、重力、また場合によっては筒の
中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、このピストン状
部材を筒外に押出す役割をする場合もあり、また、この
筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされている場合
もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面積の差をつ
けることにより、前記ピストン状部材は、出る方向で
は、速やかであり、筒の中に入る方向では、固定ピン受
け部材に対して抵抗して、緩やかに入るようにして風揺
れ等の動きおよび地震時の変位を抑制するようにして構
成される。引抜き防止装置の併用により、地震時の変位
及び風揺れ等の抑制効果をより発揮する。最低2ヶ所設
けられた経路について具体的に説明すると、この筒のピ
ストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がス
ライドする範囲の端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けら
れた溝)と、ピストン状部材にあいている孔とが設けら
れており、管(また溝)と孔とには開口面積の差をもた
せ、この管(また溝)またはピストン状部材の孔のうち
開口面積の大きい方に、ピストン状部材が筒中から出る
方向時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてお
り、開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設
ける場合には、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる時
に開き、それ以外は閉じている弁が付けられ、さらに、
重力、また場合によっては筒の中に入れられたバネ・ゴ
ム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押出す役割
をする場合もあり、また、この筒と前記管(また溝)と
は潤滑油等の液体で満たされている場合もあり、 この
弁の性格と、開口面積の差をつけることにより、前記ピ
ストン状部材は、出る方向では、速やかであり、筒の中
に入る方向では、固定ピン受け部材に対して抵抗して、
緩やかに入るようにして風揺れ等の動きおよび地震時の
変位を抑制するようにして構成される。 8.4.2.2. 固定装置型ダンパー2 請求項186項記載の発明は、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との動きを抑制する装置
において、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体のどちらか一方に前記筒が設置され、他方に
この筒内をスライドするピストン状部材との接続部材
が、またはピストン状部材と連携するか一体になるか接
続するかした固定ピンを受ける受け部材(固定ピン受け
部材)が設置され、ダンパーの作動部を形成する前記ピ
ストン状部材とこのピストン状部材がその内をスライド
する前記筒とから構成され、筒中の液体・気体等をほぼ
漏らさずにスライドするピストン状部材がその筒に挿入
され、ピストン状部材によって押出される液体・気体等
が筒の中から出る出口経路と、出口経路からその押出さ
れた液体・気体等が筒の中に戻る別経路の戻り経路とが
設けられており、出口経路と戻り経路とには開口面積の
差をもたせ、出口経路は小さく、戻り経路は大きくし、
戻り経路には、ピストン状部材が筒の中から出る方向時
に開き、それ以外は閉じている弁が付けられており、出
口経路は、開口面積が一定以下の場合には弁が必要無い
が、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒の中へ引
き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付けら
れていることにより構成されてなることを特徴とするダ
ンパーであり、またそれによる免震構造体の発明であ
る。この弁の性格と、開口面積の差をつけることによ
り、前記ピストン状部材は、出る方向では、速やかであ
り、筒の中に入る方向では、固定ピン受け部材に対して
抵抗して、緩やかに入るようにして風揺れ等の動きおよ
び地震時の変位を抑制する。引抜き防止装置の併用によ
り、地震時の変位及び風揺れ等の抑制効果をより発揮す
る。 8.4.3. 可撓部材型連結部材系ダンパー 請求項188項、請求項189項、請求項189−2項
記載の発明は、免震される構造体を支持する構造体また
は免震される構造体のいずれか一方の構造体に設置され
たダンパーの作動部(油圧ダンパー等のピストン状部材
等の作動部)ともう一方の構造体とを、前記ダンパーの
設置された構造体側に設けられた挿入口を介して、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材で繋ぐことにより
構成されてなることを特徴とするダンパーであり、また
それによる免震構造体の発明である。 8.4.4. ダンパー兼用の固定装置 8.4.4.1. ダンパー兼用の固定装置 (1) ロック弁方式 1 固定装置とダンパー兼用の固定装置の発明で、地震作動
型、風作動型固定装置両方の場合がある。請求項185
項は、その発明である。請求項184項記載の発明の、
ダンパーの弁(開口面積の大きい方に設けられた弁)
が、ロック弁(ロック部材)に代わった場合で、風セン
サーからの指令で、作動するロック弁とするか、地震セ
ンサー(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁と
するか等により構成されてなることを特徴とするダンパ
ーであり、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) ロック弁方式 2 固定装置とダンパー兼用の固定装置の発明で、地震作動
型、風作動型固定装置両方の場合がある。請求項187
項は、その発明である。請求項186項記載の発明の、
ダンパーの弁(出口経路に設けられた弁)が、ロック弁
(ロック部材)に代わった場合で、風センサーからの指
令で、作動するロック弁とするか、地震センサー(振
幅)装置からの指令で、作動するロック弁とするか等に
より構成されてなることを特徴とするダンパーであり、
またそれによる免震構造体の発明である。 (3) ロック弁方式 3 可撓部材型連結部材系の固定装置とダンパー兼用の発明
で、地震作動型、風作動型固定装置両方の場合がある。
請求項190項は、その発明である。請求項189項、
請求項189−2項記載の発明のダンパーにおいて、戻
り経路(請求項189項記載)または経路のうち開口面
積の小さい方(請求項189−2項記載)に設けられた
弁が、ロック弁(ロック部材)に代わった場合で、風セ
ンサーからの指令で、作動するロック弁とするか、地震
センサー(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁
とするか等により構成されてなることを特徴とするダン
パーであり、またそれによる免震構造体の発明である。 (4) ロック弁方式 4(8.1.2.2.5.(ロック)弁方式) 請求項191項記載の発明は、8.1.2.2.5.(ロック)弁
方式型の固定装置とダンパー兼用の固定装置であり、ま
たそれによる免震構造体の発明である。請求項191項
記載の発明は、8.1.2.2.5.(ロック)弁方式(請求項1
25項から請求項139項のいずれか1項)に記載の地
震センサー振幅装置装備型固定装置において、 ピスト
ン状部材の挿入筒または付属室からの液体貯槽または外
部への出口・出口経路につけられた弁以外に、液体貯槽
または外部から付属室またはピストン状部材の挿入筒へ
戻る戻り口を設けてそこに弁(逆流を防ぐ弁)を付け、
出口・出口経路の開口面積の大きさは小さくし、戻り口
の開口面積の大きさは大きくすることにより構成されて
なることを特徴とするダンパー兼用の固定装置であり、
またそれによる免震構造体の発明である。 8.4.4.2. 挿入部形状 請求項192項記載の発明は、8.4.4.1.ダンパー兼用の
固定装置(請求項191項)に記載の免震装置・滑り支
承において、固定ピンの挿入部の中心部だけ、曲率半径
を小さくするか、勾配を強くし、周辺は、曲率半径を大
きくするか、勾配を緩くすることにより構成されてなる
ことを特徴とする固定装置であり、またそれによる免震
構造体の発明である。 8.4.5. 固定ピン受け部材形状と変位対応変化型ダンパ
ー このダンパーは本免震装置としてだけでなく一般のダン
パーにも適用可能である。 8.4.5.1. 固定ピン受け部材変化型 固定ピンを挿入する挿入部または固定ピンが当たる凸形
態部材等の固定ピン受け部材の形状を変化させる形で、
ダンパー能力を変化させる変位対応変化型ダンパーに関
するものである。ここで、「挿入部」について、固定ピ
ンを挿入する凹形態だけでなく固定ピンが当たる凸形態
部材までも挿入部とする(すべての章で同じ)。請求項
192−5−0項は、この固定ピン受け部材のすり鉢状
・球面等の形状についての発明である。すなわち、請求
項192−5−0項は、下記の請求項192−1項から
請求項192−5項のいずれか1項に記載のダンパーの
固定ピン受け部材において、固定ピン受け部材形状の勾
配(凸型凹型ともに)が、以下の式を満たすように構成
されてなること特徴とするをダンパー、またそれによる
免震構造体である。 Z=p・X^n ただし X : 固定ピン受け部材の中央部からの水平変
位 Z : 固定ピン受け部材が構成する曲面上で、水平変位
Xに伴い生じる鉛直変位(凸型凹型時では+−が反転す
る) p、n : 曲面の方程式の係数 特にn=1.4〜1.5のとき、ダンパー装置として最も良い
結果が得られる。 8.4.5.1.1. 変位抑制用1 (1) 凹型(往路抑制型) 請求項192−1項は、請求項184項〜請求項187
項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参
照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固定装
置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか一方
に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部材が
設置され、固定ピン受け部材形状が凹形態の部材からな
っていることにより構成されてなることを特徴とするダ
ンパー、またそれによる免震構造体の発明である。固定
ピン受け部材形状の凹形態とは、例えば、すり鉢状・球
面状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹形態となって
いる。この固定ピン受け部材(挿入部)形状により、地
震時変位振幅の中心からの往路で変位抑制できるダンパ
ーになる。 (2) 凸型(復路抑制型) 請求項192−2項は、請求項184項〜請求項187
項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参
照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固定装
置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか一方
に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部材が
設置され、固定ピン受け部材形状が凸形態の部材からな
っていることにより構成されてなることを特徴とするダ
ンパー、またそれによる免震構造体の発明である。固定
ピン受け部材形状が凸形態とは、例えば、すり鉢状・球
面状または円柱山面状・V字山面状等となっている。こ
のダンパーは、地震時変位振幅の中心からの復路で変位
抑制できるダンパーの発明である。 (3) 凸凹(反復)型 請求項192−2−2項は、請求項184項〜請求項1
87項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.
2.参照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固
定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか
一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部
材が設置され、固定ピン受け部材形状が凸凹形態の部材
からなっていることにより構成されてなることを特徴と
するダンパー、またそれによる免震構造体の発明であ
る。このダンパーは、地震時変位振幅の中心からの往復
路で変位抑制できるダンパーの発明である。 (4) 凹型凸型併用(往復路抑制型) 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
との間に、上記(1)凹型のダンパーと(2)凸型のダンパー
とを両方設置することにより、地震時変位振幅の中心か
らの往路と復路で変位抑制できるものになる。請求項1
92−2−3項は、請求項192−1項記載のダンパー
と請求項192−2項記載のダンパーとが併用されるこ
とにより構成されてなることを特徴とするダンパー、ま
たそれによる免震構造体の発明である。請求項192−
2−4項は、請求項192−2−2項記載のダンパーの
うち、固定ピン受け部材の凸凹形状が互いに逆形状の2
つのダンパーを併用することにより構成されてなること
を特徴とする免震構造体の発明である。請求項192−
2−5項は、請求項192−2−2項記載のダンパーに
おいて、凸凹形状が互いに逆形状の固定ピン受け部材を
もち、その固定ピン受け部材のそれぞれに固定ピンをも
つことにより構成されてなることを特徴とするダンパ
ー。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2 請求項192−3項は、請求項184項〜請求項187
項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参
照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固定装
置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか一方
に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部材が
設置され、固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材から
なるか、凸形態の部材からなるか、凸凹形態複合型の部
材からなり、凹形態または凸形態を、変位に応じて傾斜
を変化させた形態とすることにより構成されるダンパ
ー、またそれによる免震構造体の発明である。このよう
に傾斜を任意に変化させることにより、応答加速度を抑
制しながら変位を抑制することを可能にする。このよう
に任意にダンパー性能を変えられるのは、この発明の特
徴である。特に凹形態または凸形態ともに、凹または凸
の中心から周辺部に行くに従い、勾配が強くなる形式
は、免震性能が良く、変位抑制効果をも持つ。つまり、
請求項192−4項の発明であり、請求項192−4項
の発明は、請求項192−3項記載のダンパーにおい
て、凹形態または凸形態の、変位に応じての傾斜の変化
させ方を、中心から周辺部に行くに従い、二段階、多段
階、無段階の勾配変化等により勾配が強くなるようにし
て構成するダンパーであり、またそれによる免震構造体
の発明である。また、請求項192−5項の発明は、過
大変位時ストッパー付ダンパーに関しての発明であり、
請求項192−3項または請求項192−4項記載のダ
ンパーにおいて、固定ピン受け部材の周辺部形状の、角
度を上げるか、または徐々に角度を上げるかして(必要
に応じて鉛直まで立ち上げて)なることを特徴とするダ
ンパー(以下、過大変位時ストッパー付ダンパーと言
う)、またそれによる免震構造体である。その結果、過
大変位時においても徐々にダンピングが大になり、固定
ピン受け部材7-vmの端部においては、ストップするよ
うになっている。 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) (1)厳密解 請求項192−5−1項の発明は、請求項184項〜請
求項187項に記載の固定装置型ダンパーまたは請求項
191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれかにお
いて、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこ
の固定ピン受け部材が設置され、固定ピン受け部材形状
が、凹形態の部材からなるか、凸形態の部材からなり、
凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような式の
勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態
とすることにより構成されるダンパー、またそれによる
免震構造体の発明である。 φ(x)=arccos[〔{−Q±(Q^2−4・P・R)^0.5}/(2・
P)〕^0.5] P=(1+μD^2)・(μP^2・C1^2+C0^2・|dx/dt|^2) Q={−(2・μD・μP+μP^2)・C1^2+2・C1・C0・|dx/dt|
−(2+μD^2)・C0^2・|dx/dt|^2} R=(C1−C0・|dx/dt|)^2 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 μP :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 (2)近似解 請求項192−5−2項の発明は、請求項184項〜請
求項187項に記載の固定装置型ダンパーまたは請求項
191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれかにお
いて、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこ
の固定ピン受け部材が設置され、固定ピン受け部材形状
が、凹形態の部材からなるか、凸形態の部材からなり、
凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような式の
勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態
とすることにより構成されるダンパー、またそれによる
免震構造体の発明である。 φ(x)≒arctan[−μD/2+〈μD^2/4+C1/〔C0・z0・ω・
{1-(x/z0)^2}^0.5〕〉^0.5] 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 x :ダンパーの応答相対変位 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 z0 :入力する正弦波の変位振幅 ω :入力する正弦波の円振動数 z :入力する正弦波の変位 dz/dt:入力する正弦波の速度 8.4.5.1.4. 変位抑制用4(捩れの生じないダンパー) 請求項192−5−3項の発明は、請求項184−0項
〜請求項187項記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.参
照)を採用し、その固定ピン(ピストン先端部)がすべ
る固定ピン受け部材のすり鉢勾配を以下の式を満たすよ
うに構成されてなること特徴とするダンパー、またそれ
による免震構造体である。 tanφ・(tanφ+μD)≒(cosθ)^2・(tanθ+μ) 簡易式にすると、 (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ) 但し、 θ :支承の免震皿のすり鉢勾配 μ :支承の免震皿の動摩擦係数 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材のすり鉢勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 8.4.5.2. 管変化型 請求項192−6項は、変位抑制型のシリンダーとその
中をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダンパ
ーにおいて、変位抑制ダンパー能力を緩和したいシリン
ダー上の区間の点(管口)とピストン状部材を挟んだ点
(管口)とを繋ぐ管を設けて、その区間のシリンダー内
の液体が相互に行き来するものであり、ピストン状部材
を挟んだ双方の管口が塞がらずに相互の液体が行き来す
るピストン状部材のスライド範囲がダンパー能力が緩和
される範囲であることを特徴とするダンパー、またそれ
による免震構造体の発明である。 8.4.5.3. ピストン穴・溝変化型 変位抑制型のシリンダーとその中をスライドするピスト
ン状部材からなる油圧系ダンパーにおいて、ピストン状
部材に穴また溝を設けて、ピストン状部材の両側のシリ
ンダー内の液体の相互の行き来を許すものである。その
穴また溝の大きさで抵抗を与えてダンピングするもので
ある。 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 請求項192−6−2項は、変位抑制型のシリンダーと
その中をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダ
ンパーにおいて、シリンダーに溝を掘り、ピストン状部
材の両側のシリンダー内の液体が相互に行き来するもの
であり、その溝の大きさで抵抗を与えてダンピングする
もので、その溝の大きさを変位位置に応じて変えて、ダ
ンパー能力の変化をさせるものであることを特徴とする
ダンパー、またそれによる免震構造体の発明である。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 請求項192−7項は、請求項184−0項から請求項
187項(8.4.2. 固定装置型ダンパー)、または請求
項191項から請求項192−6−2項(8.4.4. ダン
パー兼用の固定装置)のいずれか1項に記載のダンパ
ー、または固定ピン型固定装置(連結部材系のピン型
(固定ピン)を除く)を滑り支承兼用と構成されてなる
ことを特徴とするダンパーまたは固定ピン型固定装置、
またそれによる免震構造体である。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 請求項192−8項の発明は、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との動きを制御する油圧
型ダンパーにおいて、減衰力が速度に比例するダンパー
の特性を得るために、ダンパー弁の圧力流量特性を流量
と圧力が1次比例となるように設定する目的で、ノズル
型ダンパー弁の細長い形状の絞り部を以下の式(記号説
明は実施例の 8.4.7.参照) Q=(d^k1・ND)/(Cm・μ’・l)・p から求めた寸法と本数とを基準に設計し、この絞り部に
よって減衰をおこなうことを特徴とするノズル型ダンパ
ー弁、またそれによって構成されたダンパー、またそれ
による免震構造体の発明である。 8.5. 遅延器 1) 一般 地震作動型固定装置において、固定装置の作動部が解除
されるときは速やかに、固定状態に復するときは遅延す
る遅延器が必要である。また、リレー連動作動型固定装
置(リレー中間固定装置・リレー末端固定装置)の固定
装置の作動部またはロック部材と、前記地震センサー振
幅装置の地震時に振動する重りまたは地震センサーによ
り作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との
間、または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
には、地震時のロックが解除された後の振動中に固定装
置の作動部またはロック部材の戻り(固定装置の作動部
を固定する方向への)を遅延する遅延器を必要とする。
地震終了程度まで、時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、
数秒程度時間を稼ぐものでも問題はない。風作動型固定
装置において、風圧が一定以下になったことを感知して
から、固定装置の解除を遅延させる遅延器が必要であ
る。 請求項166項は、その発明であり、8.に記載
の、地震作動型固定装置において、解除された固定装置
の作動部またはロック部材の戻りを遅延する遅延器を設
けるか、固定装置の作動部またはロック部材と、地震セ
ンサー振幅装置の地震時に振動する重りとの間、または
直前のリレー中間固定装置の連動機構との間には、地震
時に固定装置の作動部またはロック部材が解除された後
の振動中に固定装置の作動部またはロック部材の戻りを
遅延する遅延器を設けるか、 風作動型固定装置におい
て、風圧が一定以下になったことを感知してから、固定
装置の解除を遅延させる遅延器を設けるか、等すること
により構成される固定装置、またそれによる免震構造体
の発明である。 2) 油空圧シリンダー式 請求項167項〜請求項167−2項は、油空圧シリン
ダー式遅延器、またそれによる固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。この油空圧シリンダー式遅
延器の発明は、筒とスライドするピストン状部材から構
成され、この筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材が、その筒に挿入され、その外
にピストン状部材の先端が突き出ており、さらに、前記
筒の、ピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・
気体等の経路が最低2本設けられており、前記経路には
開口面積の差をもたせ、この経路のうち開口面積の大き
い方に、ピストン状部材が筒中に引き込まれる方向時に
開き、それ以外は閉じている弁が付けられており、開口
面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合
には、ピストン状部材が筒中から押出される時に開き、
それ以外は閉じている弁が付けられていることにより構
成される。具体的には、この筒のピストン状部材を挟ん
だ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けられ
た溝)と、ピストン状部材にあいている孔とが設けられ
ており、管(また溝)と孔とには開口面積の差をもた
せ、この管(また溝)またはピストン状部材の孔のうち
開口面積の大きい方に、ピストン状部材が筒中へ引き込
まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられて
いるか、または、ピストン状部材によって押出される液
体・気体等が筒中から出る出口経路と、出口経路からそ
の押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路の戻り経
路とが設けられており、出口経路と戻り経路とには開口
面積の差をもたせ、出口経路は大きく戻り経路は小さく
し、出口経路には、ピストン状部材が筒中へ引き込まれ
る時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてお
り、戻り経路は、開口面積が小さい場合には弁が必要無
いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒中から
押出される時に開き、それ以外は閉じている弁が付けら
れており、さらに、重力、また場合によっては筒の中に
入れられたバネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材
を筒外に押出す役割をする場合もあり、また、この筒と
前記管(また溝)または経路とは潤滑油等の液体で満た
されている場合もあり、この弁の性格と、開口面積の差
をつけることにより、前記ピストン状部材は、筒の中に
入る方向では、速やかであり、出る方向では、遅延され
る。また、固定装置の場合には、この遅延器のピストン
状部材を、固定装置の作動部とするか固定装置の作動部
と連動させるかし、遅延器の筒の中へピストン状部材が
引き込まれる方向が、固定装置の解除の方向となるか、
または、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロ
ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
は電磁石等の作動部材との間で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅
延器の筒の中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向
が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となるかす
る。さらに、リレー連動作動型固定装置の場合には、こ
の遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とする
か固定装置の作動部と連動させるかし、遅延器の筒の中
へピストン状部材が引き込まれる方向が、固定装置の解
除の方向となるか、または、この遅延器のピストン状部
材を、リレー連動作動型固定装置のロック部材と、地震
センサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セ
ンサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動
部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅延器の筒の中へ、ピストン状
部材が引き込まれる方向が、ロック部材の外れる方向
(解除方向)となるか、するようにして構成される。請
求項168項は、空圧シリンダー式遅延器、またそれに
よる固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。この発明は、筒とスライドするピストン状部材から
構成され、この筒中を気体等をほぼ漏らさずにスライド
するピストン状部材が、その筒に挿入され、その外にピ
ストン状部材の先端が突き出ており、この筒には気体が
筒中から出る孔と筒中へ入る孔が設けられており、出る
孔には、筒中から気体が出る方向時には開き、それ以外
は閉じる弁が付けられており、 さらに、重力、また場
合によっては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等
が、このピストン状部材を筒外に押出す役割をする場合
もあり、この弁の性格と、気体が筒中へ入る孔の開口面
積を絞ることにより、前記ピストン状部材は、筒の中に
入る方向では速やかであり、出る方向では遅延される。
固定装置の場合には、この遅延器のピストン状部材を、
固定装置の作動部とするか固定装置の作動部と連動させ
るか、または、この遅延器のピストン状部材を、固定装
置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振
動する重りまたは地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。リレ
ー連動作動型固定装置の場合には、この遅延器のピスト
ン状部材を、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材との間、または直前のリレー中間固定装置
の連動機構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、かつ、繋
ぎ方は、遅延器の筒の中へピストン状部材を押込む方向
を、ロック部材の解除方向とすることにより構成され
る。 3)機械式 a) ガンギ車式 請求項169項は、機械式遅延器のうち、ガンギ車式遅
延器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構
造体の発明である。この発明は、1)にて述べられた、地
震時のロックが解除された後のロック部材の戻り(固定
装置の作動部をロックする方向への)を遅延することを
目的とした発明である。この発明はガンギ車とアンクル
及びラックとから構成され、ラックはその移動によりガ
ンギ車を回転させるようになっており、アンクルはガン
ギ車の回転に対しある方向については抵抗とならず、逆
の方向については抵抗となって回転の速度を調節するよ
うになっており、またこれらの機構は歯車等の連動機構
を介して間接に組み合わされている場合もあり、このガ
ンギ車とアンクル及びラックによる機構の性質により、
ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく移動
できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるように
なっている。固定装置の場合には、この遅延器のラック
を、固定装置の作動部に設けるか固定装置の作動部に連
動する部材に設けるか、または、この遅延器のラック
を、固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動す
るモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐか
する。リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅延
器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機
構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ラ
ックが抵抗なく移動できる方向が、ロック部材の外れる
方向(解除方向)となるように構成されてなることによ
り、前記目的を達するものである。 b)ラチェット式(重量式重量抵抗型、水車式・風車式粘
性抵抗型) 請求項170項は、機械式遅延器のうち、ラチェット式
遅延器、またそれによる固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。この発明は、1)にて述べられた、
地震時のロックが解除された後のロック部材の戻り(固
定装置の作動部をロックする方向への)を遅延すること
を目的とした発明である。この発明は歯車とラック(及
び水車(風車)等の装置)とから構成され、歯車とラッ
クとは、ラックの移動の方向により、ある方向に対して
は歯車とラックの歯が噛み合わずに歯車は回転せず、逆
の方向に対しては歯が噛みあって歯車が回転するような
機構になっており、また歯が噛みあって歯車が回転する
とき、重量式重量抵抗型においては、ラックの移動に対
して歯車の自重が抵抗となり、同様に水車式・風車式粘
性抵抗型においては 、ラックの移動に対して、歯車の
回転と連動して回転する、粘性のある液体(気体)に浸
された水車(風車)等の装置が、回転時に与える負荷が
抵抗となり、またこれらの機構は歯車等の連動機構を介
して間接に組み合わされている場合もあり、この歯車と
ラック(及び水車式・風車式粘性抵抗型においては水車
(風車)等の負荷を与える装置)による機構の性質によ
り、ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく
移動できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるよ
うになっている。固定装置の場合には、この遅延器のラ
ックを、固定装置の作動部に設けるか固定装置の作動部
に連動する部材に設けるか、または、この遅延器のラッ
クを、固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置
の地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動
するモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐ
かする。リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅
延器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロック部
材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りま
たは地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁
石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動
機構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、
ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロック部材の外れ
る方向(解除方向)となるように構成されてなることに
より、前記目的を達するものである。 c) 重力式 請求項171項は、機械式遅延器のうち、重力式遅延
器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。この発明は、1)にて述べられた、地震
時のロックが解除された後のロック部材の(固定装置の
作動部をロックする方向への)戻りを遅延することを目
的とした発明である。この発明は歯車とラック及び重り
とから構成され、ラックはその移動により歯車を回転さ
せるようになっており、重りは歯車の回転と連動してお
り、その自重がラックの移動方向に対し、ある方向に対
しては負荷となり、逆の方向に対しては抵抗とならない
(歯車の回転を助ける)ようになっており、またこれら
の機構は歯車等の連動機構を介して間接に組み合わされ
ている場合もあり、この歯車とラック及び重りによる機
構の性質により、ラックは、力を受けた場合、ある方向
には抵抗なく移動できるが、逆の方向には移動の速度が
遅延されるようになっている。固定装置の場合には、こ
の遅延器のラックを、固定装置の作動部に設けるか固定
装置の作動部に連動する部材に設けるか、または、この
遅延器のラックを、固定装置のロック部材と、地震セン
サー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震センサ
ーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材
との間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の場合
には、この遅延器のラックを、リレー連動作動型固定装
置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振
動する重りまたは地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固
定装置の連動機構との間をリレーする(レリーズ中の)
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、そ
の繋ぎ方が、ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロッ
ク部材の外れる方向(解除方向)となるようにすること
により構成されてなることにより、前記目的を達するも
のである。 4) 摩擦式 請求項172項は、摩擦式遅延器、またそれによる固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。この発
明は、1)にて述べられた、地震時のロックが解除された
後のロック部材の戻り(固定装置の作動部をロックする
方向への)を遅延することを目的とした発明である。こ
の発明は筒とスライドするピストン状部材から構成さ
れ、ピストン状部材は筒の中を移動できるように組み合
わされており、また筒の内表面とピストン状部材の表面
との両方あるいは一方は、スライドする方向によって異
なる摩擦抵抗を与えるようになっており、この筒とピス
トン状部材による機構の性質により、ピストン状部材
は、力を受けた場合、ある方向には抵抗をあまり受けず
に移動できるが、逆の方向には大きな抵抗を受けて、移
動の速度が遅延されるようになっている。固定装置の場
合には、この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作
動部とするか固定装置の作動部と連動させるか、また
は、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロック
部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動
型固定装置の場合には、この遅延器のピストン状部材
を、リレー連動作動型固定装置のロック部材と、地震セ
ンサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セン
サーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部
材または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間を
リレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ピストン状部
材があまり抵抗を受けずに移動できる方向が、ロック部
材の外れる方向(解除方向)となるようにすることによ
り構成されてなることにより、前記目的を達するもので
ある。 5) 経路迂回式 請求項173項は、経路迂回式遅延器、またそれによる
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。こ
の発明は、1)にて述べられた、地震時のロックが解除さ
れた後のロック部材の戻り(固定装置の作動部をロック
する方向への)を遅延することを目的とした発明であ
る。この発明は筒と筒中をスライドする円筒状の自由に
回転可能なピストン状部材とから構成され、ピストン状
部材は筒の中を移動できるように組み合わされており、
また、ピストン状部材の表面には、移動方向に平行な直
線部分と、曲線部分とがつながってループ状となってい
るガイドが、筒にはバネ等よってピストン状部材の方向
に押し出されているピンが、それぞれ設けられており、
このピンはガイドに嵌まっており、このピンとガイドと
の関係によりピストン状部材は筒中を回転して移動し、
かつピストン状部材はこのピンがガイドの直線部分に位
置するときは抵抗を受けずに移動でき、曲線部分に位置
するときは移動方向に対しガイドのなす角度により抵抗
を受けるようになっており、またピンはこのガイドを逆
に戻ることはなく、この筒とピストン状部材による機構
の性質により、ピストン状部材は、力を受けた場合、あ
る方向には抵抗を受けずに移動できるが、逆の方向には
ガイドのなす角度による抵抗を受け、それに加えてピン
の通過する直前部分と曲線部分との延長距離の差によっ
て、移動の速度が遅延されるようになっている。固定装
置の場合には、この遅延器のピストン状部材を、固定装
置の作動部とするか固定装置の作動部と連動させるか、
または、この遅延器のピストン状部材の先端部を、固定
装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に
振動する重りまたは地震センサーにより作動するモータ
ーもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。リ
レー連動作動型固定装置の場合には、この遅延器のピス
トン状部材を、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機
構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ピ
ストン状部材が抵抗を受けずに移動できる方向が、ロッ
ク部材の外れる方向(解除方向)となるように構成され
てなることにより、前記目的を達するものである。 6)粘性抵抗式 請求項174項は、粘性抵抗式遅延器、またそれによる
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。こ
の発明は、1)にて述べられた、地震時のロックが解除さ
れた後のロック部材の戻り(固定装置の作動部をロック
する方向への)を遅延することを目的とした発明であ
る。この発明は歯車とラック、及び水車(風車)等の装
置とから構成され、この水車(風車)等の装置は、粘性
のある液体(気体)に浸され、その液体(気体)から、
ラックの移動方向に対応する回転方向ごとに、異なる大
きさの粘性抵抗を受ける仕組みであり、またこれらの機
構は歯車等の連動機構を介して間接に組み合わされてい
る場合もあり、この歯車とラック及び水車(風車)等の
装置による機構の性質により、ラックは、力を受けた場
合、ある方向には小さな抵抗で移動できるが、逆の方向
には大きな抵抗を受けて移動の速度が遅延されるように
なっている。固定装置の場合には、この遅延器のラック
を、固定装置の作動部に設けるか固定装置の作動部と連
動する部材に設けるか、または、この遅延器のラック
を、固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動す
るモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐか
する。リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅延
器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機
構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ラ
ックが小さな抵抗で移動できる方向が、ロック部材の外
れる方向(解除方向)となるように構成されてなること
により、前記目的を達するものである。 7) センサー免震皿による遅延装置 請求項174−1項記載の発明は、地震センサー振幅装
置装備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅
装置装備型固定装置における、地震センサー振幅装置
の、重りが滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿
において、全体として凹形態のセンサー免震皿に、セン
サー免震皿の中心部に向けて戻り勾配を持ち、迂回した
戻りルート(迂回路)を設けることにより、地震センサ
ー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延し
てなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固
定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体である。請求項1
74−2項記載の発明は、地震センサー振幅装置装備型
固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備
型固定装置における、地震センサー振幅装置の、重りが
滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿において、
凹形態の中心部のセンサー免震皿(中心部センサー免震
皿)を越えて一旦水平レベルが下がった面をもち、その
面から中心部センサー免震皿の中心部に向けて戻り勾配
を持った戻りルート(路)があることにより、地震セン
サー振幅装置の重り(ボール)のセンサー免震皿の中心
部への戻りを遅延してなることを特徴とする地震センサ
ー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼用地震セン
サー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体である。請求項174−3項記載の発明は、地震セン
サー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼用地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置における、地震センサー
振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべり)するセンサ
ー免震皿において、中心部(通常位置)に向けて、全体
として凹形態を形成したセンサー免震皿の中心部(通常
位置)に向けて、螺旋形に山もしくは谷(溝)を設けて
螺旋山もしくは谷を形成し、その螺旋山、もしくは谷形
に沿って、中心部(通常位置)に向けての戻り勾配を持
った戻りルート(路)を設けることによって、地震セン
サー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延
してなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型
固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状 固定装置の固定ピンを固定する挿入部の形状として、停
止点を中心に、すり鉢状等の凹面を施し、また、停止点
よりも広い範囲で、凸凹の形状を施す。請求項195項
は、固定装置の固定ピンの挿入部の形状に関する発明で
あり、またそれによる固定装置の発明であり、またそれ
による免震構造体の発明である。さらに、請求項196
項〜請求項203項は、固定装置の固定ピンまた挿入部
の形状に関する発明であり、またそれによる固定装置の
発明であり、またそれによる免震構造体の発明である。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
み支承) 請求項204項から請求項210項記載の発明は、特許
1844024号と特許 2575283号との免震復元装置(重力復
元型免震装置・滑り支承)、免震装置(免震装置・滑り
支承)、さらに上記の4.二重(または二重以上の)免
震皿免震装置・滑り支承において、風揺れを抑制した
り、耐圧性能が得られるようにしたりするために、免震
皿の中央部が、滑り部、中間滑り部、ボール、またはロ
ーラーの入り込む形で、またそれらの形状で凹んだ形で
形成された免震皿をもつことにより構成する免震装置・
滑り支承(以下、「食込み支承」と言う)であり、風揺
れを抑制したり、耐圧性能が得られるようにしたりする
ものであり、または、それを使用した場合の免震構造体
である。 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置 請求項204項記載の発明は、平面型もしくは凹型の滑
り面部を有する免震皿とそれをすべるか転がるかする滑
り部とからなる免震装置・滑り支承において、または、
下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する上部免
震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する
下部免震皿とで構成された上部免震皿と下部免震皿との
間に中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)
をもった中間滑り部またはローラー・ボールがはさみこ
まれた免震装置・滑り支承において、または、前記上部
免震皿と前記下部免震皿の中間に上面下面ともに滑り面
部をもった1個若しくは複数個の中間免震皿も挟み込ま
れ、重なる免震皿同士の間に中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部またはロー
ラー・ボール(以上、「中間滑り部等」と言う)がはさ
みこまれた免震装置・滑り支承において、免震皿の滑り
面部の中央部(中間滑り部等が接する片面または両面の
免震皿の滑り面部の中央部)が、前記滑り部、中間滑り
部、ボール、またはローラーの入り込む形で窪んだ(凹
んだ)形で形成された免震皿をもつことにより構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体である。請求項205項記載の発明
は、請求項204項記載の免震装置・滑り支承におい
て、免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面
部を滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはロー
ラーに対して、風等の揺れに対抗できるように、当該滑
り部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状
で窪んだ(凹んだ)形で形成されることにより構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体である。請求項206項記載の発明
は、請求項204項記載の免震装置・滑り支承におい
て、免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面
部を滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはロー
ラーに対して、風等の揺れに対抗できるように、当該滑
り部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状
で窪んだ(凹んだ)形で形成された免震装置・滑り支承
の使用により、風等の揺れに対抗するように構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承 請求項207項記載の発明は、請求項204項記載の免
震装置・滑り支承において、免震皿の滑り面部の中央部
が、その免震皿の滑り面部を滑動する滑り部、中間滑り
部、ボール、またはローラーに対して、耐圧性能が得ら
れるように、当該滑り部、中間滑り部、ボール、または
ローラーの曲率形状で窪んだ(凹んだ)形で形成される
ことにより構成されてなることを特徴とする免震装置・
滑り支承、またそれによる免震構造体である。請求項2
08項記載の発明は、請求項204項記載の免震装置・
滑り支承において、免震皿の滑り面部の中央部が、その
免震皿の滑り面部を滑動する滑り部、中間滑り部、ボー
ル、またはローラーに対して、耐圧性能が得られ、かつ
風等の揺れにも対抗できるように、当該滑り部、中間滑
り部、ボール、またはローラーの曲率形状で窪んだ(凹
んだ)形で形成されることにより構成されてなることを
特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
造体である。請求項209項記載の発明は、請求項20
4項記載の免震装置・滑り支承において、免震皿の滑り
面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を滑動する滑り
部、中間滑り部、ボール、またはローラーに対して、耐
圧性能が得られるように、当該滑り部、中間滑り部、ボ
ール、またはローラーの曲率形状で窪んだ(凹んだ)形
で形成された免震装置・滑り支承の使用により、風等の
揺れに対抗するように構成されてなることを特徴とする
免震構造体である。 8.7.3. 固定装置との併用 請求項210項記載の発明は、請求項204項、請求項
205項、請求項207項、請求項208項のいずれか
1項に記載の免震装置・滑り支承と、固定装置とを併用
することにより、風等の揺れに対抗するよう構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
の免震皿 重力復元型(一重免震皿または二重(または二重以上
の)免震皿)免震装置・滑り支承の免震皿の凹型滑り面
部としては、地震後の残留変位が少なく、固有周期を持
たないゆえに共振現象を起こさないすり鉢状が望まし
い。しかし、風への抵抗を考えると、すり鉢状の勾配を
強くする必要があり、その場合には、小さい地震には、
免震しにくく、大きな地震時も、すり鉢の底の尖り分、
免震時の垂直動による振動衝撃が大きくスムーズな免震
が得にくい。そこで、すり鉢の底を球面にすることによ
り、小さい地震も免震可能となり、大きな地震時の免震
にも、すり鉢の底の尖りが無くなり、スムーズな免震に
よる快適さを与える。請求項211項は、その免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。
請求項212項は、前請求項の発明において、すり鉢の
底の球面半径は、地震周期に共振する半径近傍でもって
構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
またそれによる免震構造体の発明である。その意味する
ところは、すり鉢の底の球面半径が、地震周期に共振す
ることによって、免震がはじまる加速度を小さくするこ
とが可能となる。このように初滑動の加速度を小さくす
るとともに、共振をすり鉢によって押さえることが可能
になる。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用 しかし、すり鉢の底を、球面にすることにより、小さい
風で揺れる(しかし、底面の球面部以上の振幅は抑制さ
れる)。そこで、底面の球面部以内の微振動用の揺れ止
めのために、固定装置を、特に 8.2.の風作動型固定装
置(平常時は、ロックされ、地震時にロックが解除され
る固定装置)を、免震される構造体の重心またはその近
傍に併用する。請求項213項は、その免震構造体の発
明である。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承による風揺れ固定 (1) 凹型免震皿をもった二重免震皿免震装置・滑り支承 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承
(4.参照)の利用により、風揺れ固定効果をもたら
す。二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支
承と中間滑り部(転がり型中間滑り部またすべり型中間
滑り部)とにより構成され、二重(または二重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承のうち、どちらかがまた両方
が凹型免震皿をもつように構成された二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承において、中間滑り
部が、凹型免震皿の最も底の位置に納まった時(地震時
以外の常時位置)において、上下の二重免震皿の双方が
接して(中間滑り部のために双方が接しない場合には、
周辺部に縁を立てる等により)、摩擦を発生するように
し、風揺れ等に対処する。ある一定以上の地震力の地震
等が発生して、中間滑り部が、凹型免震皿の最も底部か
らずれると、上の免震皿が浮き上がり、上下の二重免震
皿が接しなくなり、摩擦が発生しなくなる。請求項21
4項、請求項215項は、その免震装置・滑り支承、ま
たそれによる免震構造体の発明である。 (2) 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重免震皿免
震装置・滑り支承 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承において、二重(ま
たは二重以上の)免震皿の片方が窪み、もう片方が出っ
張って、入り込む形を取ることにより構成される。請求
項216項は、その免震装置・滑り支承、またそれによ
る免震構造体の発明である。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用 免震装置において、免震性能を良くするためには固有周
期を長くしたいが、強風時に揺れる。このような場合
に、強風時用に、強風時に手動で免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体とを固定する固定装置
(以下、「手動型固定装置」と言う)を一本また複数本
併用することにより、高い免震性能を実現し、且つ強風
時の揺れを押さえられる。また、強風時の安全が保証さ
れている場合でも、免震装置の免震性能によって(積層
ゴム等のバネ定数、また免震滑り支承のすり鉢等の凹面
形状等の勾配および滑り支承面等の摩擦によって)、強
風時にある程度の揺れが生じる場合には、強風時に手動
で、固定装置の作動部を固定する、固定装置の作動部を
ロックするロック部材でロックする、等により免震され
る構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定
する固定装置を、一本また複数本を使用、または他の固
定装置と併用して、揺れ止めをする。請求項217項
は、その免震構造体の発明である。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用 上記手動型固定装置に関して、強風後に固定装置の固定
を解除し忘れた場合でも、地震時に免震装置を正常に作
動させるための発明である。強風時に手動で固定する
が、地震時には自動的に解除される固定装置を併用し
て、風等による揺れ止めをする。請求項218項は、そ
の免震構造体の発明である。請求項221項は、その具
体的な装置に関する発明であり、またそれによる免震構
造体の発明である。すなわち、請求項97項または請求
項98項記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置において、強風時に、手動で固定装置の作動部をロッ
ク部材により固定し、地震時に地震センサー振幅装置の
振動する重りの力でまたは地震センサーからの指令で、
そのロック部材による固定が解除されるように構成され
てなることを特徴とする自動解除固定手動型固定装置、
またそれによる免震構造体の発明である。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正 すべり型免震装置は、地震後の残留変位の矯正が困難で
あった。免震皿のすべり転がりの摩擦面に、液体潤滑剤
が潤滑する溝と、当該免震皿の外側に、その溝に液体潤
滑剤を流し込む孔を持ち、地震後に、揮発性の液体潤滑
剤を、前記孔から流し込み、地震後の残留変位の矯正を
容易にする。請求項194項は、その免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 8.1.2.2.2.と8.1.2.2.3.の自動復元型、8.1.2.3.の自動
制御型、8.2.風作動型固定装置の各場合においては、重
力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の凹型滑り面部と
しては、地震後の残留変位の少ないすり鉢状が望まし
い。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
び)食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置を
最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に、すべり
支承等の摩擦発生装置または(及び)請求項204項記
載の免震装置・滑り支承(食込み支承)とを配置する。
請求項222項は、その免震構造体の発明である。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
定装置との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、8.1.の地震
作動型固定装置(ある一定以上の地震力にのみ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定を解除する固定装置)を最低限一箇所と、免震される
構造体の周辺部に、8.2.の風作動型固定装置(ある一定
以上の風圧時にのみ、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とを固定する固定装置)を最低限
一箇所とを配置する。請求項223項は、その免震構造
体の発明である。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
固定装置とすべり支承または(及び)食込み支承との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に、8.1.の地震
作動型固定装置(ある一定以上の地震力にのみ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定を解除する固定装置)を最低限一箇所と、免震される
構造体の周辺部に、8.2.の風作動型固定装置(ある一定
以上の風圧時にのみ、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とを固定する固定装置)を最低限
一箇所とすべり支承等の摩擦発生装置または(及び)請
求項204項記載の免震装置・滑り支承(食込み支承)
とを配置する。請求項224項は、その免震構造体の発
明である。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置を
最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に、8.10.
の手動型固定装置(強風時に手動で免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体とを固定する固定装
置)を最低限一箇所とを配置する。請求項225項は、
その免震構造体の発明である。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
固定装置との併用 (4)に関して、8.10.(2) 自動解除固定手動型固定装置の
採用の場合、その自動解除固定手動型固定装置は、請求
項159項記載のように、免震される構造体の重心また
はその近傍に設置される固定装置(8.1.地震作動型固定
装置、8.2.風作動型固定装置)に比べて、固定装置の解
除の感度が地震に対して高く敏感な手動型固定装置、つ
まり地震時に解除されやすい手動型固定装置を設置する
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。そのことにより、地震時において、この周辺部
の手動型固定装置の固定解除が重心部設置の固定装置に
対し遅れた場合に生じる捩れた動きの問題が解消され
る。請求項226項は、その免震構造体の発明である。 (6) 固定装置と回転・捩れ防止装置との併用 固定装置と、10.1.の回転・捩れ防止装置とを、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との間
に設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震構造体である。請求項245項は、その免震構造体の
発明である。 (7) 連動型でない固定装置の複数個配置と回転・捩れ防
止装置との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と 10.1.の回転・捩れ
防止装置との併用により、地震時に固定装置が同時解除
しない地震作動型固定装置の場合の免震による不安定さ
を回転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ抑制
の安全さを増す。風時に固定装置が同時固定しない風作
動型固定装置の場合、また全個固定しない場合の風によ
る回転等の不安定さを回転・捩れ防止装置により解決す
る(10.3.1.(2)(3)参照)。請求項248項また請求項
248−2項は、その免震構造体の発明である。以上、
(1)〜(7)同士のいろいろな組合せの併用も当然考えられ
る。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−2項記載の発明は、請求項131項から
請求項136項のいずれか一項に記載の地震センサー振
幅装置装備型固定装置において、地震センサーとなる重
りが、出口・出口経路内(の付属室)にあって、強風時
にはピストン状部材からの圧力により、出口・出口経路
の狭まった所で吸込まれる位置にあって、出口・出口経
路を塞ぐ形となるように構成されてなることを特徴とす
る地震センサー振幅装置装備型固定装置(以下、重り吸
込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置と言
う)、またそれによる免震構造体の発明である。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−3項記載の発明は、請求項226−2項
記載の重り吸込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型
固定装置と食込み支承(ボール型、ローラー型、8.7.参
照)を併用することにより構成されてなることを特徴と
する免震構造体である。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−4項記載の発明は、請求項125項から
請求項135項または請求項137項のいずれか1項に
記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置において、
ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
ると弁が出る(開く)ようにして、強風時にはピストン
状部材からの圧力により、直接に間接に、地震センサー
となる重りを押す方向に働くようにしてなることを特徴
とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれ
による免震構造体である。 8.14. 杭折れ防止構法 上部構造(免震される構造体、地上構造物)と杭等の基
礎部との縁を切り、その両者間をある一定以上の地震力
によって折れるか切れるかするピンで繋ぐ。請求項19
3項は、その免震構造体の発明である。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承 ゴム等の弾性材また緩衝材を、免震皿等の免震装置・滑
り支承の周辺また縁に付け、予想を上回る地震変位振幅
に際して、滑り部・中間滑り部等をその支承周辺の弾性
材また緩衝材に衝突させて対処する。請求項227項
は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承 請求項228項は、免震皿とその免震皿面を滑動する滑
り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
されている免震装置・滑り支承において、その免震皿面
の滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラーに対する
耐圧性能の向上と、地震時の応答変位の抑制とを図った
免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明
である。免震皿とその免震皿面を滑動する滑り部、中間
滑り部、ボールまたはローラーとにより構成されている
免震装置・滑り支承において、その免震皿面に弾性材ま
た塑性材(弾塑性材を含む、以下同じ)を敷くか、付着
させることにより構成されてなることにより前記目的を
達成するものである。 (1) 耐圧性向上 a) 基本形 請求項229項は、免震皿とその免震皿面を滑動する滑
り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
されている免震装置・滑り支承において、その免震皿面
の滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラーに対する
耐圧性能の向上を図った免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。免震皿とその免震皿面
を滑動する滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラー
とにより構成されている免震装置・滑り支承において、
その免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させる
ことにより耐圧に対応するように構成されてなることに
より前記目的を達成するものである。 b) ボール食込み孔付き弾性材・塑性材敷き支承 請求項229項において、弾性材また塑性材上の滑り
部、中間滑り部、ボール、またはローラーの地震時以外
の通常位置(中央部)に、その食込む形状に従って弾性
材また塑性材に孔を開ける。これは特に弾性材へのへた
り(疲労)等の負荷を減らす構成方法である。 (2) 変位抑制 a) 基本形 請求項230項は、地震時の応答変位の抑制を図った免
震装置・滑り支承の発明であり、またそれによる免震構
造体の発明である。免震皿とその免震皿面を滑動する滑
り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
されている免震装置・滑り支承において、その免震皿面
に弾性材また塑性材を敷くか、付着させることによっ
て、地震時の応答変位の抑制に対応するように構成され
てなることにより前記目的を達成するものである。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承 請求項231項は、請求項230項において、免震皿面
に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材が、免震皿
の滑り面部の中央部から一定範囲を超えて敷かれてなる
ことにより、前記目的を達成する免震装置・滑り支承の
発明であり、またそれによる免震構造体の発明である。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1 請求項232項は、地震振幅の変位抑制を図った免震装
置・滑り支承の発明であり、またそれによる免震構造体
の発明である。請求項230項〜請求項231項におい
て、免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性
材が、すり鉢または球面等の凹形状をしてなることによ
り、前記目的を達成するものになる(請求項231項の
場合は、免震皿の滑り面部の中央部分が抜けて、その一
定範囲を超えてからすり鉢または球面等が始まる)。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 請求項232−2項は、請求項230項または請求項2
31項において、すり鉢または球面または円柱谷面状ま
たはV字谷面状等の凹形状の免震皿に対して、その凹形
状に充填させて平面をなすように弾性材・塑性材を敷く
か、付着してなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。 9.3. 変位抑制装置 請求項233項は、地震振幅の変位抑制装置、またそれ
による免震構造体の発明である。接触してスライドし合
う部材同士の摩擦によって地震の変位振幅を抑制し、ス
ライドし合う部材同士の一方が免震される構造体に、他
方が免震される構造体を支持する構造体に設けられるこ
とにより構成されてなることにより前記目的を達成する
ものである。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 請求項234項〜請求項238項は、免震時の衝突衝撃
吸収装置、またそれによる免震構造体の発明である。つ
まり、この衝突衝撃吸収装置は、予想を越える変位振幅
をもった地震によって、免震される構造体と免震される
構造体を支持する構造体とが、外れ止め等で衝突する場
合を想定した装置で、免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体とが衝突する外れ止め等の位置
に設けられ、その衝突を緩和する発明であり、そのこと
により免震皿の面積を小さくするも可能である。 (1) 低反発係数型 請求項234項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、低反発係数
の緩衝材また弾性材を設けることにより前記目的を達成
するものである。 (2) 座屈変形型 請求項235項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に弾
性材が座屈する細長比以上の弾性材を設けて、その弾性
材の座屈によって衝突時の衝撃を吸収するように構成さ
れることにより前記目的を達成するものである。 (3) 塑性変形型 請求項236項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に塑
性変形する緩衝材また塑性材を設けることにより前記目
的を達成するものである。 (4) 剛性部材挟み型 請求項237項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、まず、衝突
面積よりも大きな面積を持った剛性のある部材を設け
て、衝撃力を受け衝撃力を拡散させて、最低限その拡散
した面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材を設け、
衝撃力を吸収するようにして前記目的を達成するもので
ある。請求項238項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体とが衝突する位置に、ま
ず、衝突面積よりも大きな面積を持った剛性のある部材
を設けて、衝撃力を受け衝撃力を拡散させて、最低限そ
の拡散した面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材を
設け、衝撃力を吸収するように構成されてなる衝突衝撃
吸収装置において、免震される構造体の質量Mに対して
衝突衝撃吸収装置を1箇所設置した場合を想定し、衝突
速度を V kineとし、このとき接触時の運動エネルギー
と衝突衝撃吸収装置の弾性エネルギーを等しいものとお
き、衝突衝撃吸収装置の緩衝材また弾性材また塑性材の
バネ定数をK、たわみ長さをδとすると近似的に、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2 K=M・V^2/(δ^2) ……(1) そして、衝突衝撃吸収装置を n箇所設置した場合の免震
される構造体が受ける加速度A’は近似的に、 A’=V^2/δ/n となり、この加速度A’が所定の値になるように、衝突
衝撃吸収装置数 nとたわみ長さをδを決め、さらに(1)
式により衝突衝撃吸収装置の緩衝材また弾性材また塑性
材のバネ定数Kを決めることにより構成され、前記目的
を達成するものである。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
る免震・減衰・緩衝) すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。 9.5.1. 構成 請求項239項は、そのうち、すべり型免震または転が
り型免震における免震皿の許容変位を超えた場合の対処
法で、一定変位まですべり型免震または転がり型免震を
し、その変位を超えるとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝
材により免震・減衰させることを特徴とする免震装置、
またそれによる免震構造体の発明である。 9.5.2. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1.の記号一覧) 請求項240項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。「すべり・転がり型免震+ゴム等による免震・減
衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合で考え
ると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(KとCは、ゴム等のバネ定
数と粘性減衰係数) d(dx/dt)/dt+K/m・(x−XG・sign(x))+C/m・dx/dt
+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=
−d(dz/dt)/dt 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
勾配変化型免震・減衰) すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。 9.6.1. 構成 請求項241項は、そのうち、すべり型免震または転が
り型免震における免震皿の許容変位を超えた場合の対処
法で、一定変位まですべり型免震または転がり型免震を
し、その変位を超えると免震皿の滑り面部の摩擦を大き
くするか、勾配を大きくするか、または摩擦を大きくし
且つ勾配も大きくするかして免震・減衰させることを特
徴とする免震装置、またそれによる免震構造体の発明で
ある。 9.6.2. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1.の記号一覧) 請求項242項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。 1) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化型免震・減衰」
の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
と、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(μ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ’・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 2) 「すべり・転がり型免震+勾配変化型免震・減衰」
の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
と、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(θ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 3) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型
免震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場
合で考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’・s
ign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと、風時に、免震される構造体が固定装
置を中心として回転するのを止められない。積層ゴム等
のバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比例型の
減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合には、
免震時に免震される構造体の捩れ振動が生じる。その回
転及び捩れ振動が生じないようにするには、免震される
構造体及びその免震される構造体を支持する構造体の周
辺に配置される回転・捩れ防止装置でその運動を押さえ
込むことである。この回転・捩れ防止装置は、免震され
る構造体を、免震される構造体を支持する構造体に対し
て水平方向への並進運動のみを許容して、回転・捩れを
生じなくさせるものである。この装置は、当然、(免
震)滑り支承としても使用できる。「並進運動のみ」の
「のみ」について、ある程度の回転の幅は、スムーズに
並進運動するために許容される。許容される幅も、滑り
支承として使用する場合は大きくても良い。特に、中間
部スライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなる
だけでなく、中間部スライド部材(中間免震皿)が自然
に元の位置に戻る効果も持つ三重スライド部材(三重免
震皿)免震装置・滑り支承の場合で、それを支承として
のみ利用する場合には、中間部スライド部材(中間免震
皿)が外れることがなくなる目的の範囲で、ガイド部等
による回転の幅は許容される。 10.1. 回転・捩れ防止装置 請求項243項〜請求項244−5項は、この回転・捩
れ防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構
造体の発明である。この装置は、当然、(免震)滑り支
承としても使用できる。この回転・捩れ防止装置は、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
の間に設けられ、免震される構造体を、免震される構造
体を支持する構造体に対して水平方向への並進運動のみ
を可能とする回転・捩れ防止装置である。具体的には、
回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との間に設けら
れ、上部スライド部材を免震される構造体に、下部スラ
イド部材を免震される構造体を支持する構造体に設け、
その間に中間部スライド部材が入り、スライドし合うス
ライド部材同士は、少なくとも片方がもう片方のガイド
部(上下ガイドスライド部材・部分)に沿ってスライド
することにより、上部スライド部材は、中間部スライド
部材に対して平行移動のみを許容され、下部スライド部
材は、中間部スライド部材に対して平行移動のみを許容
されることにより、中間部スライド部材が複数層ある場
合には、中間部スライド部材同士が相互に平行移動のみ
を許容されることにより、さらに、これらのスライド部
材を一層毎に平行移動方向が変わるように、中間部スラ
イド部材が一層の時は、互いに直交方向になるように、
中間部スライド部材が複層の時は、交差角度の総合計が
180度になるように、積層させることによって、免震
される構造体を、免震される構造体を支持する構造体に
対して水平方向への並進運動のみを可能とする回転・捩
れ防止装置また滑り支承である。「平行移動のみ」また
「並進運動のみ」の「のみ」について、ある程度の回転
の幅は、スムーズに並進運動するために許容される。許
容される幅も、滑り支承として使用する場合は大きくて
も良い。特に、中間部スライド部材(中間免震皿)が外
れることがなくなるだけでなく、中間部スライド部材
(中間免震皿)が自然に元の位置に戻る効果も持つ三重
スライド部材(三重免震皿)免震装置・滑り支承の場合
で、それを支承としてのみ利用する場合には、中間部ス
ライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなる目的
の範囲で、ガイド部等による回転の幅は許容される。上
部スライド部材は、上部(側)免震皿の場合もあり、下部
スライド部材も、下部(側)免震皿の場合もあり、中間部
スライド部材も、上下ガイドスライド部材の場合、中間
免震皿と上下ガイドスライド部材の場合、上下ガイドス
ライド部分をもった中間免震皿の場合もある。また、上
部スライド部材、下部スライド部材のスライド部を、中
間部スライド部材より長くすることにより、回転・捩れ
防止抵抗を増加させた型もある。この型は特に3層構成
の場合に効果がある。 10.1.1. ガイド型 請求項244−1項記載の発明であるガイド型は、請求
項244項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承にお
いて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部ス
ライド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には
中間部スライド部材同士)の相互間にガイド部とそのガ
イド部に沿う部分を設ける型である。ガイド型は、外ガ
イド型と内ガイド型とに分かれ、それに対応してガイド
部も、外ガイド部と内ガイド部とに分かれる。請求項2
44−1項は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材と中間部ス
ライド部材との、また、中間部スライド部材と下部スラ
イド部材との、また、中間部スライド部材が複数層ある
場合には、中間部スライド部材同士との、どちらか一方
に、スライドする方向にガイド部を、他方にそのガイド
部に沿う部分を設けることにより構成されてなることを
特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。請求項244−1−2
項記載の発明であるガイド型は、請求項244−1項記
載のガイド型回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、ガイド部とそのガイド部に沿う部分との接触部分に
ボールもしくはローラー等の転動体を設ける(挟む)事
を特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれによる免震
構造体である。このことにより風時または捩れ発生時
(免震時)等の回転抑制による、ガイド部とそのガイド
部に沿う部分との接触部分に発生する摩擦抵抗を下げる
事が可能になり、免震性能を向上させる。 10.1.1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 請求項244−2項は、請求項244項記載の回転・捩
れ防止装置また滑り支承において、上部スライド部材と
中間部スライド部材との、また、中間部スライド部材と
下部スライド部材との、また、中間部スライド部材が複
数層ある場合には、中間部スライド部材同士との、どち
らか一方の平行する対辺(同士)に、スライドする方向
にガイド部を、他方の平行する対辺(同士)にそのガイ
ド部(外ガイド部)に沿う部分を設けることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑
り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) (1) 一般 請求項244−3項は、請求項244項から請求項24
4−2項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部ス
ライド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間
にどちらか一方にスライドする方向に溝を、他方にその
溝に入る凸部(内ガイド部)を設けることにより構成さ
れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。凸部の
長さとそれと溝との隙間とにより回転・捩れ防止能力が
決まる。10.1.1.1.外ガイド型、10.1.1.2.内ガイド型共
に、引抜き防止(上下繋ぎスライド部材・部分)付きの
重層免震皿の方がスライド部材同士の浮き上がりを防げ
るので回転・捩れ防止の効果が大きい。 (2) 中間滑り部持ち滑り支承兼用型 請求項244−3−2項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における中間滑り部持
ち滑り支承兼用型のもので、上部スライド部材と中間部
スライド部材、中間部スライド部材と下部スライド部材
(中間部スライド部材が複数層ある場合には、中間部ス
ライド部材同士)との間に、中間滑り部として、すべり
材またはローラー・ボール等の転動体を設けてなること
を特徴とする回転・捩れ防止装置また(中間滑り部持
ち)滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 (3) 復元型滑り支承兼用型 請求項244−3−3項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における復元型滑り支
承兼用型のもので、上部スライド部材と中間部スライド
部材、中間部スライド部材と下部スライド部材(中間部
スライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド部
材同士)との間に、中間滑り部として、すべり材または
ローラー・ボール等の転動体を入れるか、または、さら
に上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スラ
イド部材と下部スライド部材のどちらか片方の(中間滑
り部の)すべり・転がり面を、また両方のすべり・転が
り面を、V字谷面状または円柱谷面等の凹形状にしてな
ることを特徴とする回転・捩れ防止装置また(復元型)
滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 (4) 引抜き防止装置兼用 請求項244−3−4項は、請求項244−3項から請
求項244−3−3項記載の回転・捩れ防止装置また滑
り支承における引抜き防止装置兼用型のもので、溝に入
る凸部形態が、溝に嵌まりこみ上下方向に抜けなくなる
ような引掛け部(または引掛かり部)を有するような形
態であることを特徴とする回転・捩れ防止装置また(引
抜き防止装置・)滑り支承、またそれによる免震構造体
の発明である。 10.1.2. ローラー型 ローラー型は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材、下部スラ
イド部材、中間部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)のスラ
イド部材の相互間にローラーが挟まれた型の場合、ロー
ラーとスライド部材のローラー転がり面でのスリップに
よるずれ(角度)の生じない形として、溝型(抑制能力
弱い)、歯車型(抑制能力強い)がある。それが生じな
けれけば、捩れは抑制できる。 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型) 請求項244−4項は、請求項244項から請求項24
4−3−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承に
おいて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部
スライド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合に
は、中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間
にローラーが挟まれ、ローラーとスライド部材のローラ
ー転がり面とのどちらか一方に溝を、他方にその溝に入
る凸部を設けることにより構成されてなることを特徴と
する回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれによる
免震構造体の発明である。 10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 請求項244−5項は、請求項244項から請求項24
4−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、
中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間にロ
ーラーが挟まれ、ローラーとスライド部材のローラー転
がり面とのどちらか一方にラックを、他方にそのラック
と噛合う歯車を設けることにより構成されてなることを
特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。具体的には、スライド
部材のローラー転がり面にラックを、ローラーの周囲に
そのラックと噛合う歯(歯車)を設けることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑
り支承、またそれによる免震構造体の発明である。10.
1.2.1.溝型、10.1.2.2.歯車型共に、引抜き防止(上下
繋ぎスライド部材・部分)付きの重層免震皿の方がロー
ラーのスライド部材のローラー転がり面からの浮き上が
りを防げるので回転・捩れ防止の効果が大きい。 10.2. 回転抑制 10.2.1. 回転抑制 請求項245項は、以上(10.1.記載)の回転・捩れ防
止装置によって回転抑制された免震構造体に関する発明
である。固定装置と、 請求項243項から請求項24
4−5項に記載の回転・捩れ防止装置とを、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設
ける。そのことにより固定装置一個の場合でも、風時
に、免震される構造体がその固定装置を中心として回転
するのを防ぐことが可能になる。 10.2.2. 回転抑制能力計算式 請求項246項から請求項246−3項は、請求項24
5項記載の、固定装置と回転・捩れ防止装置となる免震
構造体において、以下の回転抑制能力計算に基づいた部
材断面による回転・捩れ防止装置に関する発明であり、
またそれによる免震構造体の発明である。請求項246
項の発明は、請求項243項から請求項244−3−4
項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置におい
て、回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部ス
ライド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライ
ド部材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免
震される構造体を支持する構造体側に設け、その間に中
間部スライド部材が入り、上部スライド部材は、中間部
スライド部材と下部スライド部材との関係で、長辺方向
または短辺方向の平行移動のみを許容し、下部スライド
部材は、中間部スライド部材と上部スライド部材との関
係で、長辺方向または短辺方向の平行移動のみを許容さ
れることから、免震される構造体は、免震される構造体
を支持する構造体に対し長辺方向及び短辺方向の平行移
動のみを許容され、このとき各部の寸法を、請求項24
4−2項記載の回転・捩れ防止装置1(外ガイド型、1
0.1.1.1.参照)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
から突き出したガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し、上部ガイドスライド部材また下部
ガイドスライド部材(中間部スライド部材)が回転し
て、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)の
ガイド部と接触する部分の幅であり、請求項244−3
項から請求項244−3−4項のいずれか1項に記載の
回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、10.1.1.2.参照)
では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
に設けられた内ガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し、上部ガイドスライド部材また下部
ガイドスライド部材(中間部スライド部材)が回転し
て、それぞれの溝が中間部スライド部材(上下ガイドス
ライド部材)の内ガイド部と接触する部分の幅であり、
このとき、風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏っ
て作用することにより固定装置を中心とする回転モーメ
ントMが生じる場合、このFとMとにより、免震される
構造体は許容回転角φだけ回転するが、回転角φに達し
た時点で回転・捩れ防止装置が作用してそれ以上の回転
を抑制し、このとき風圧力Fと回転モーメントMとによ
って各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じ
ており、この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁
とみなした部分が負担するものとして、曲げ、せん断、
たわみ角の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみ
なした部分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b
・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・f
s) t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/
(E・b・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、r:固定装置から回転・
捩れ防止装置までの距離 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって、装置の部材断面を決めることにより構成され
てなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれ
による免震構造体である。請求項246−2項の発明
は、請求項244−4項に記載の回転・捩れ防止装置3
(溝型、10.1.2.1.参照)において、回転・捩れ防止装
置は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部ス
ライド部材からなり、上部スライド部材を免震される構
造体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持
する構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l とし、上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部
材、中間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設け
られたガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみな
し、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、この
とき、風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作
用することにより固定装置を中心とする回転モーメント
Mが生じる場合、このFとMとにより、免震される構造
体は許容回転角φだけ回転するが、回転角φに達した時
点で回転・捩れ防止装置が作用してそれ以上の回転を抑
制し、このとき風圧力Fと回転モーメントMとによって
各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じてお
り、この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみ
なした部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわ
み角の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみなし
た部分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、β:長方形断面の2辺の
比により定まる、ねじりせん断応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって、装置の部材断面を決めることにより構成され
てなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれ
による免震構造体である。請求項246−3項の発明
は、請求項244−5項に記載の回転・捩れ防止装置4
(歯車型、10.1.2.2.参照)において、回転・捩れ防止
装置は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部
スライド部材からなり、上部スライド部材を免震される
構造体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支
持する構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が
入り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部
スライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平
行移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スラ
イド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向また
は短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震
される構造体は、免震される構造体を支持する構造体に
対し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、
このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
クの歯幅:b とし、このとき、風圧力Fが免震される構造体の受圧面
に偏って作用することにより固定装置を中心とする回転
モーメントMが生じる場合、このFとMとにより、各装
置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じており、
この水平力F’、回転モーメントM’を歯車とラックと
が負担するものとして、歯車の歯の曲げと歯面強さの検
討から部材断面の算定を行い、歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF:材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料の
ヘルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと
歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、これ
によって、装置の部材断面を決めることにより構成され
てなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれ
による免震構造体である。 10.3. 捩れ振動抑制 10.3.1. 捩れ振動抑制 (1) バネ型復元装置・オイルダンパー等の併用 請求項247項は、免震構造体に、10.1.(請求項24
3項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ防止
装置を設置して捩れ振動を抑制する免震構造体に関する
発明である。積層ゴム等のバネ型の復元装置・オイルダ
ンパー等の減衰装置を使用し、重心と剛心がずれている
免震構造体において、回転・捩れ防止装置を免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設
ける。そのことにより捩れ振動矯正が可能になる。 (2) 固定装置との併用 固定装置の設置の免震構造体において、10.1.(請求項
243項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ
防止装置を免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との間に設ける。そのことにより免震するま
で間の固定装置を中心とする捩れ、また免震直後の捩れ
を抑制できる。請求項248項は、その免震構造体の発
明である。特に、この発明は、固定装置の位置が免震さ
れる構造体の重心からずれている場合に必要であり、ま
た、固定装置の設置位置に関して、免震される構造体の
重心からずれていることを気にする必要がなくなり、固
定装置の配置設計が容易になる。 (3) 固定装置複数個との併用連動型でない(連動型でも
安定度が増すので併用は勿論可である)固定装置の複数
個配置と10.1.(請求項243項から請求項244−5
項に)記載の回転・捩れ防止装置との併用により、地震
時に固定装置が同時解除しない地震作動型固定装置の場
合の免震による不安定さを回転・捩れ防止装置により解
決し、風時の風揺れ抑制の安全さを増する。また、風時
に固定装置が同時固定しない風作動型固定装置の場合、
また全個固定しない場合の風による回転等の不安定さを
回転・捩れ防止装置により解決する(8.12.(7)参照)。
請求項248−2項は、その免震構造体の発明である。 10.3.2. 捩れ振動抑制能力計算式 請求項249項から請求項249−3項は、以下の捩れ
振動抑制能力計算に基づいた部材断面による回転・捩れ
防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構造
体の発明である。請求項249項の発明は、請求項24
3項から請求項244−3−4項のいずれか1項に記載
の回転・捩れ防止装置において、回転・捩れ防止装置
は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材からなり、上部スライド部材を免震される構造
体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持す
る構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、請求項244−2項記載の回転・
捩れ防止装置1(外ガイド型、10.1.1.1.参照)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
から突き出したガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し上部ガイドスライド部材また下部ガ
イドスライド部材(中間部スライド部材)が回転して、
中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)のガイ
ド部と接触する部分の幅であり、請求項244−3項か
ら請求項244−3−4項のいずれか1項に記載の回転
・捩れ防止装置2(内ガイド型、10.1.1.2.参照)で
は、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
に設けられた内ガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し上部ガイドスライド部材また下部ガ
イドスライド部材(中間部スライド部材)が回転して、
それぞれの溝が中間部スライド部材(上下ガイドスライ
ド部材)の内ガイド部と接触する部分の幅であり、この
とき、重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回
転モーメントMが生じるものとした場合、このFとMと
により、免震される構造体は許容回転角φだけ回転する
が、回転角φに達した時点で回転・捩れ防止装置が作用
してそれ以上の回転を抑制し、このとき重心に作用する
力Fと回転モーメントMとによって各装置に、水平力
F’、回転モーメントM’が生じており、この水平力
F’、回転モーメントM’を片持梁とみなした部分が負
担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角の検討から
部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部分の断面t
の大きさを、 t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b
・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・f
s) t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/
(E・b・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、r:固定装置から回転・
捩れ防止装置までの距離 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって装置の部材断面を決めることにより構成されて
なることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれに
よる免震構造体である。請求項249−2項の発明は、
請求項244−4項に記載の回転・捩れ防止装置3(溝
型、10.1.2.1.参照)において、回転・捩れ防止装置
は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材からなり、上部スライド部材を免震される構造
体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持す
る構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ (またはガ イド部がなす円をローラー転がり面がなす
直線が切り取る弦の長さ):l とし、上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部
材、中間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設け
られたガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみな
し、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、この
とき、重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回
転モーメントMが生じるものとした場合、このFとMと
により、免震される構造体は許容回転角φだけ回転する
が、回転角φに達した時点で回転・捩れ防止装置が作用
してそれ以上の回転を抑制し、このとき重心に作用する
力Fと回転モーメントMとによって各装置に、水平力
F’、回転モーメントM’が生じており、この水平力
F’、回転モーメントM’を片持梁とみなした部分が負
担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角の検討から
部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部分の断面t
の大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、β:長方形断面の2辺の
比により定まる、ねじりせん断応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって装置の部材断面を決めることにより構成されて
なることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれに
よる免震構造体である。請求項249−3項の発明は、
請求項244−5項に記載の回転・捩れ防止装置4(歯
車型、10.1.2.2.参照)において、回転・捩れ防止装置
は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材からなり、上部スライド部材を免震される構造
体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持す
る構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
クの歯幅:b とし、このとき、重心に作用する力Fにより、剛心を中
心とする回転モーメントMが生じるものとした場合、こ
のFとMとによって各装置に、水平力F’、回転モーメ
ントM’が生じており、この水平力F’、回転モーメン
トM’を歯車とラックとが負担するものとして、歯車の
歯の曲げと歯面強さの検討から部材断面の算定を行い、
歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF :材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料の
ヘルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと
歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、これ
によって装置の部材断面を決めることにより構成されて
なることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれに
よる免震構造体である。 10.4. 捩れ・回転振動方程式 1 免震滑り支承とダンパー・バネ等とによる組合せの場合
の運動方程式をあげる。これにより捩れ振動をシュミュ
レーションすることが可能である。請求項249−4項
は、免震される構造体と、免震される構造体を支持する
構造体との間に設けられ、免震滑り支承とダンパー・バ
ネ等との構成による免震構造体において、連立運動方程
式(記号説明は実施例の 10.4.1.記号一覧参照) d(dx1/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x1)+μ・sign
(dx1/dt)}+K3/m1・(x2−x1)+C3/m1・(dx2/dt−dx1
/dt)=-d(dz/dt)/dt d(dx2/dt)/dt+K2/m2・x2+C2/m2・dx2/dt+K3/m2・
(x1−x2)+C3/m2・(dx1/dt−dx2/dt)=-d(dz/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなり、残
留変位のない復元を考えるとθ≧μを満たす免震構造体
の発明である。 10.5. 捩れ・回転振動方程式 2 10.5.1. 捩れ・回転振動方程式 10.5.1.1. 1層の場合 以下、免震される構造体が1層の場合の説明を行う。 10.5.1.1.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 請求項249−5項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられたダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 請求項249−6項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(平面型免震皿滑り支承=復元力無し)、ダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{m1・μ1x・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μ1y・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μ1x・eμ1y・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・eμ2y・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・eμny・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)} −g{m1・μ1y・eμ1x・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・eμ2x・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・eμnx・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−7項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状
免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、
積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt-eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−8項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置
を含む)等の構成によって支持また免震される免震構造
体において、請求項249−7項の運動方程式における
θnx、θny(n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 請求項249−9項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で円柱谷面状免
震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積
層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって
支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−10項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−9項の運動方程式におけるRn
x、Rny(n=1・2・・・n)を、(x^2+y^2)^0.5≦ Lの
時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2. n層の場合 以下、免震される構造体がn層の場合の説明を行う。 10.5.1.2.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0、μ=μnx=μny=μθnx=μθny=0とした
場合である。 10.5.1.2.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0とした場合である。 10.5.1.2.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−11項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面
状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパ
ー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成に
よって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+・・+Cbnx/MM1・ ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn″)/dt)/dt +Cn"x/MMn’・(dxn"/dt-dxn"’/dt)+Cn"x/MMn’・ecn"y・(dψn"/dt-dψn"’ /dt) +Kn"x/MMn’・(xn"-xn"’)+Kn"x/MMn’・ekn"y・(ψn"-ψn"’) -Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn"/dt)-Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn "/dt) -Kn’x/MMn’・(xn’-xn")-Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn"/dt)+Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/ dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn")+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt- ・・-Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb-・・-Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn″)/dt)/dt +Cn"y/MMn’・(dyn"/dt-dyn"’/dt)+Cn"y/MMn’・ecn"x・(dψn"/dt-dψn"’ /dt) +Kn"y/MMn’・(yn"-yn"’)+Kn"y/MMn’・ekn"x・(ψn"-ψn"’) -Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn"/dt)-Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn "/dt) -Kn’y/MMn’・(yn’-yn")-Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn"/dt)−Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/ dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn")−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+・・+Cbnx・ecbny^2・ dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+・・+Cbny・ecbnx^2・ dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In″・d(dψn″/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn″x・ecn″y・(dxn″/dt-dxn″'/dt)-Cn″y・ecn″x・(dyn″/dt-dyn″'/d t) -Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt-dxn"/dt)+Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt-dyn"/dt) +Kn″x・ekn″y・(xn″-xn″')-Kn″y・ekn″x・(yn″-yn″') -Kn’x・ekn’y・(xn’-xn")+Kn’y・ekn’x・(yn’-yn") +Cn″x・ecn″y^2・(dψn″/dt-dψn″'/dt) +Cn″y・ecn″x^2・(dψn″/dt-dψn″'/dt) -Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt-dψn"/dt)-Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt-dψ n"/dt) +Kn″x・ekn″y^2・(ψn″-ψn″')+Kn″y・ekn″x^2・(ψn″-ψn″') −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn") −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt-dxn"/dt)-Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt-dyn"/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’-xn")-Kn’y・ekn’x・(yn’-yn") +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt-dψn"/dt)+Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt-dψ n"/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn")+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’-ψn") =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−12項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−11項の運動方程式におけるθ
nx、θny(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ L
の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 (1) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 請求項249−13項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(xy方向(直交方向)免震で、円柱谷面状免震
皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層
ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支
持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/MM1 +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn″)/dt)/dt +Cn"x/MMn’・(dxn"/dt-dxn"’/dt)+Cn"x/MMn’・ecn"y・(dψn"/dt-dψn"’ /dt) +Kn"x/MMn’・(xn"-xn"’)+Kn"x/MMn’・ekn"y・(ψn"-ψn"’) -Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn"/dt)-Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn "/dt) -Kn’x/MMn’・(xn’-xn")−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn"/dt)+Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/ dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn")+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/MM1 +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb-・・-Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn″)/dt)/dt +Cn"y/MMn’・(dyn"/dt-dyn"’/dt)+Cn"y/MMn’・ecn"x・(dψn"/dt-dψn"’ /dt) +Kn"y/MMn’・(yn"-yn"’)+Kn"y/MMn’・ekn"x・(ψn"-ψn"’) -Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn"/dt)-Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn "/dt) -Kn’y/MMn’・(yn’-yn")−Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn"/dt)-Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt ) +Kn’y/MMn・(yn’-yn")-Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In″・d(dψn″/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn″x・ecn″y・(dxn″/dt−dxn″'/dt)−Cn″y・ecn″x・(dyn″/dt−dyn ″'/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/ dt) +Kn″x・ekn″y・(xn″−xn″')−Kn″y・ekn″x・(yn″−yn″') −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn")+Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn″x・ecn″y^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) +Cn″y・ecn″x^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn″x・ekn″y^2・(ψn″-ψn″')+Kn″y・ekn″x^2・(ψn″-ψn″') −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn")−Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt)−Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/d t) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn")−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn")+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−14項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、
ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の
構成によって支持また免震される免震構造体において、
請求項249−13項の運動方程式におけるRnx、Rny
(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応) 11.1.1. 免震装置の組合せ 請求項250項または請求項250−1項は、免震され
る構造体の積載・固定荷重形態が多様であったとしても
(変形形態・変形平面・偏心荷重形態であっても)、免
震される構造体の各所において、同一性能の免震装置の
設置を可能にする免震構造体の発明である。免震時に捩
れを起こさない免震装置の組合せとしては、 1) 免震と復元の支承に関して 免震と復元の各支承としては、同一摩擦係数をもった滑
り支承(すべり支承、転がり支承)、または、同一摩擦
係数と同一勾配をもったすり鉢もしくは同一摩擦係数と
同一曲率をもった球面等の勾配による復元性能を持った
滑り支承(勾配型復元滑り支承という)を使用すること
(請求項250項記載)、 2) ダンパーの使用に関して 1)記載の支承を使用したとしても、ダンパーを使用する
場合は、ダンパーを免震される構造体の重心におかない
限り、回転・捩れ防止装置(10.参照)を併用するこ
と(請求項250−1項記載)、である。 11.1.2. 説明 (1) 滑り支承と摩擦型減衰・抑制装置と勾配型復元滑り
支承の使用 免震と復元と減衰・抑制に関しては、滑り支承(すべり
支承、転がり支承)と、すり鉢または球面等の勾配によ
る復元性能をもった滑り支承(勾配型復元滑り支承と言
う。曲線勾配型復元滑り支承と直線勾配型復元滑り支承
とを含む。)と、摩擦型減衰・抑制装置のみを使用する
ことにより構成されてなることにより前記目的を達成す
るものである。すなわち、同一性能(同一摩擦係数)を
もった滑り支承(すべり支承、転がり支承)の各所設置
(複数箇所)、同一性能(同一摩擦係数、同一勾配・同
一曲率の勾配)をもった勾配型復元滑り支承の各所設置
(複数箇所)、同一性能(同一摩擦係数)をもった摩擦
型減衰・抑制装置の各所設置(複数箇所)でも、免震さ
れる構造体の平面形(間取)変化による積載・固定荷重
の変化に対応でき、荷重偏心があっても免震時に大きな
捩れた動きは生じず、きれいな免震が可能になる。な
お、勾配型復元滑り支承について説明すると、勾配型復
元滑り支承は、曲線勾配型復元滑り支承と直線勾配型復
元滑り支承とを含む。曲線勾配型復元滑り支承とは、す
べり・転がり面が球面または円柱谷面状または曲凹形状
等の曲線勾配によって形成されて復元性能を持った滑り
支承、直線勾配型復元滑り支承とは、すべり・転がり面
がすり鉢(円錐・角錐等)またはV字谷面状等の直線勾
配によって形成されて復元性能を持った滑り支承であ
る。 (2) 固定ピン型固定装置の使用 風揺れ固定に関しては、固定ピン型固定装置(連結部材
系のピン型を除く)のみを使用することにより構成され
てなることにより前記目的を達成するものである。 (3) 回転・捩れ防止装置との併用 以上の装置以外の免震時に捩れが生じるもの(積層ゴ
ム、ダンパー等を使用したもの、偏芯率の大きいもの)
でも、10.の回転・捩れ防止装置との併用をするとそ
の問題は解消される(10.3.参照)。 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 請求項250−2項〜請求項250−9項は、免震時に
免震される構造体が共振せず、免震される構造体の捩れ
が防止される免震装置の組合せの発明である。ダンパー
の使用により変位抑制する場合(11.2.2.)、ダンパー
を使用せずに変位抑制しない場合(11.2.1.)の2つの場
合に分かれる。また、それぞれの場合は、免震される構
造体が、風時、地震時に、引抜き力が発生して浮き上が
る高塔状比構造体の場合と、浮き上がらない低塔状比構
造体の場合とに分かれる。また、そのそれぞれの場合
に、風で揺れない重量構造体の場合と、風で揺れる軽量
構造体の場合とに分かれる。 11.2.1. 変位抑制しない ダンパーを使用しないために変位抑制されない場合であ
るが、ダンパーを使用しないために捩れが生じ無いこと
が可能になる場合である。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承 請求項250−2項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合に
は、免震装置として、すべり・転がり面がすり鉢(円錐
・角錐等)状またはV字谷面状等の直線勾配によって形
成されて復元性能を持った滑り支承(以下、直線勾配型
復元滑り支承と言う)の同一性能のものを各設置場所に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
構造体である。直線勾配型復元滑り支承の同一性能のも
のとは、同一摩擦係数と同一勾配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置 請求項250−3項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、
免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能の
ものを各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ
防止装置とを設けることにより構成されてなることを特
徴とする免震構造体である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置請求項250−4項の発明は、風
等で浮上がる高塔状比構造体で、且つ風で揺れない重量
構造体の場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑
り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして引
抜き防止装置を設けることにより構成されてなることを
特徴とする免震構造体である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置 請求項250−5項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震
装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能のもの
を各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止
装置と引抜き防止装置とを設けることにより構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 11.2.2. 変位抑制する ダンパーの使用により変位抑制をすることにより、免震
皿の面積を小さくし、免震装置自体をコンパクトにする
ことが可能となる。基本的には、11.2.1.にダンパーを
設けて、捩れを起こさないために回転・捩れ防止装置を
設ける(すでに設けてある場合には除く、重複に設ける
必要は無い)。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−
6項の発明は、風等で浮上がらない低塔状比構造体で、
且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑制する
場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の
同一性能のものを各設置場所に設け、そしてダンパーと
回転・捩れ防止装置とを設けることにより構成されてな
ることを特徴とする免震構造体である。直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものとは、同一摩擦係数と同一勾
配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+ダンパー 請求項250−7項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変
位を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復
元滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そし
て固定装置と回転・捩れ防止装置とダンパーとを設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−8項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位
を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして
引抜き防止装置とダンパーと回転・捩れ防止装置とを設
けることにより構成されてなることを特徴とする免震構
造体である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置+
ダンパー 請求項250−9項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を
抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑
り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして固
定装置と回転・捩れ防止装置と引抜き防止装置とダンパ
ーとを設けることにより構成されてなることを特徴とす
る免震構造体である。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 滑り型免震支承の場合について、免震の過大変位時の安
全を考慮した免震装置の組合せとして、以下の様なもの
が考えられる。 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
1 (1) 第一種地盤 地盤種別として第一種地盤(建築基準法施行令第88条)
の場合には、すべり型また転がり型免震支承の場合に
は、ダンパーが不要の場合が多い。 (2) 第二種、第三種地盤 地盤種別として第二種、第三種地盤の場合には、すべり
型また転がり型免震支承の場合には、ダンパーが必須に
なる。その場合、ダンパーで完全に過大変位をストップ
させる方式(請求項192−5項記載の過大変位時スト
ッパー付ダンパーを参照)の採用、またはこの過大変位
時ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支
承、外れ防止装置)との併用という場合がある。請求項
250−10項は、その発明であり、請求項192−5
項記載の過大変位時ストッパー付ダンパーの使用、また
は過大変位時ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防
止付免震支承、外れ防止装置)との併用使用をすること
により構成されてなることを特徴とする免震構造体であ
る。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 上述の従来の積層ゴムの問題から、鋼とゴムとを一層ご
とに付着させず、鋼等の硬質板を何層か積層させ、その
硬質板の中心部を空洞とし、その中心部にバネ等を充填
させる構成をとる。請求項251項は、その免震装置、
またそれによる免震構造体の発明である。この発明にお
いて、弾性体としては、素材そのものの特性として弾性
を有している物質(ゴム等)、弾性を有していない素材
を弾性を有するように形成もしくは加工した部材(バネ
等)、および鉄を引きつける磁力を持つ物質もしくは装
置(磁石・電磁石等)、等を用いることが可能である。
弾性を有していない素材を弾性を有するように形成もし
くは加工した部材、または鉄を引きつける磁力を持つ物
質もしくは装置等を用いた場合は、経時劣化する可能性
が低く、そのためメンテナンス面で有利である。 12.2. 復元バネ 縦型にバネ等を設置することは水平のどの方向にも復元
性能を得られる反面、僅かな水平変位での復元力に乏し
いが、以下の形状を取ることで、この問題が解決され
る。免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との間に、バネ等を設け、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体のどちらか一方に、ラッ
パ形状等の裾広がりの挿入口またはコロを持った挿入口
を設け、その中にそのバネ等の端を係合し、このバネ等
の反対側の端が、他方の構造体に係合される。このこと
により、免震される構造体を支持する構造体が変位する
と、バネ等はこのラッパ形状等に従って水平方向に曲が
り、僅かな変位でも水平方向の復元力が得られ、さら
に、このバネ等による、免震される構造体に働く下方へ
の引張力も最低限にし、免震される構造体への負荷も小
さくすることができる。請求項252項は、その免震装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体 請求項253項は、免震構造体の発明であり、超高層建
物・構造体において、免震装置として、滑り型免震装置
・滑り支承を、特に転がり型滑り支承を採用し、免震さ
れる構造体は、風力ではゆれない剛性をもつ構造とする
ことにより前記目的を達成するものである。 13.2. 高塔状比建物・構造体 引抜き力が働く建物・構造体の問題は、引抜き防止装置
によって対処し、塔状比によれば、ロッキングを小さく
するために、免震装置・滑り支承の摩擦係数をできるだ
け小さくする。 13.4. 軽量建物・構造体 従来の積層ゴムでは固有周期が延びない軽量建物・構造
体には、免震装置・滑り支承等の免震装置で、免震が可
能になる。 13.5. 在来木造戸建て住宅/軽量(木造・鉄骨系)戸建
て住宅 (1) 土台床構面の形成 床構面の形成に関しては、固定装置周辺は筋交による補
強を行い、その他の部分を全面筋交補強で行う方式、土
台(基礎の上の横架材)の上全面に構造用合板等を敷き
込み、その上にまた土台(横架材)を置くか、直に柱を
立てる方式、あるいはダイヤフラム構面を用いる方式に
より、免震装置・滑り支承の支持構造面を作る。請求項
254項は、その免震構造体の発明である。土台(基礎
の上の横架材)の上全面に構造用合板等を敷き込み、そ
の上にまた土台(横架材)を置くか、直に柱を立てる。
このようにして、構造用合板勝ちにして 構面が形成さ
れる手法で、免震装置・滑り支承の支持構造面をつくる
方式は、特にメリットがある。具体的には、免震装置・
滑り支承の設置された土台等の基礎の上の横架材の上全
面に、構造用合板等を敷き込み、その上にまた土台(横
架材)を置くか、直に柱を立てる。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計 免震性能を上げるためには、滑り型免震装置の場合、復
元装置の復元力を抑えて復元が可能な最小限の復元力に
する方法が挙げられる。復元力を最小限にするために、
凹形状の重力復元型滑り支承においては、復元が得られ
る限り、曲率半径はできるだけ大きくし、また、バネ等
の復元型においては、復元が得られる限り、弾性力また
バネ定数はできるだけ小さくし、また双方ともに、免震
装置・滑り支承の摩擦係数を下げる事も必要である。そ
のことはまた、免震性能をよくする事につながる。請求
項256項は、その免震構造体の発明である。 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置 経済性をもたらすために、重心位置またその近傍にの
み、2箇所以上の復元装置を装備し、それ以外は、復元
力を持たない免震滑り支承とする。また必要に応じて、
固定装置を配する。これも復元装置と同様に、重心位置
またその近傍にのみ、一箇所以上、できれば2箇所以上
とするのがよい。請求項255項は、その免震構造体の
発明である。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 15.1. 免震装置設置と基礎部分の施工の合理化 この構法は、汎用戸建て免震に適しているが(それに限
定される事はないが)、特に、戸建て用免震装置として
の意味がある。今までの在来構法及びプレハブの住宅を
免震装置対応にする場合の問題は、まず、1階の梁とそ
れに支えられる床が必要になり、それをいかに安くする
かという課題、次に、プレハブ・在来・2×4という上
部構造(免震される構造体)の構法の違いを問題とせ
ず、汎用的方法があるかどうかという課題、さらに、上
部構造としてのフレームとしての剛性のない問題も解決
する必要がある。その解決方法として、ベタ基礎の上に
空隙を設けて、もう一つベタ基礎(スラブ)を打ち、そ
の間に免震装置を入れる方法である。具体的に施工法を
説明すると、ベタ基礎コンクリートの上に免震装置を配
備し、その間を有機溶剤で溶けるスタイロフォーム等の
プラスチックで埋めて間隙を作り、その上にコンクリー
トスラブを打ち、コンクリートが固まってからスタイロ
フォーム等のプラスチックの間隙を有機溶剤で溶かして
空間を作ると、ベタ基礎の上に、免震装置のみに支えら
れてコンクリートスラブが浮く形となり、免震装置の作
動が可能となる。そして、このコンクリートスラブを人
工土地的な扱いとすることにより、在来構法・プレハブ
構法・2×4構法等、構法の違いに影響されずに住宅を
自由に建てることができ、上部構造の自由がもたらされ
る。また上部構造としてのフレームとしての剛性のなさ
もスラブの剛性により解決される。また免震装置解析
も、上部構造を含めた免震される部分の重心が、このコ
ンクリートスラブの重さによって下がり、一質点系振動
の解析でほぼ近似でき、またこの部分の荷重が、上部構
造に比して大きく、木造・鉄骨等軽量戸建てが載る場合
は、解析の一様化が可能になり、上物ごとの個別認定で
なく、一般認定の可能性を開くものである。また、単に
二重にベタ基礎(スラブ)を打つのと同じであるので、
ローコストを可能にする。請求項257項は、その免震
構造体の発明である。 15.2. 免震装置設置の施工の合理化 留め具等により、上下の皿を一体にされた二重免震皿装
置を、基礎のアンカーボルト位置に据え付け、土台とま
ず固定する。その後、基礎との間にできた隙間等を無収
縮モルタルで埋める。そして、無収縮モルタルが固まっ
た後に、基礎と免震装置とのアンカーボルトを締める。
以上の方法により、土台に対する水平性(平行性)が得
られ、基礎上に設置される免震装置の水平性を出しにく
い問題が解決する。請求項258項は、その免震構造体
の発明である。 15.3. 滑り型免震装置の水平性維持 滑り型免震装置の施工時及び施工後の水平性維持の問題
は、建物の内側(また重心)に向かって転ぶ傾斜(外が
高く、内が低い傾斜)を持たせることにより、解決され
る。請求項259項は、その免震構造体の発明である。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合 請求項260項の発明は、ユニット住宅等の免震される
構造体に使用される立体フレームユニット(以下、ユニ
ットと言う)に免震装置(特に免震支承)を取付ける場
合の発明である。新たに免震される構造体全体に(補
強)土台を設置することは、ユニットの下部材(土台)
の剛性不足を補えて簡単な方法であるが、コストが高く
なる。そこで直接、免震装置をユニットに取付ける方法
が望まれるが、ユニット同士の接合がピンである場合が
多く、ユニット同士の接合がピンの場合は、両方のユニ
ットに跨がらせて免震装置を取付けると不安定になる。
その問題を解決したのが請求項260項の発明である。
すなわち、一つユニットに安定的に取付け、(隣接ユニ
ットを持つ場合は)隣接ユニットを支持できるように当
該ユニットからもはみ出して取付ける。なお、「一つユ
ニットに安定的に取付け」とは、ユニットと免震装置と
が剛接になるように、例えば、ユニットと免震装置とを
3点以上の接合数により接合するようなことを言う。 17.組合せ 請求項261項の発明は、1.〜15.3.記載の発明の組
合せに関するものである。1.〜15.3.記載の全ての発
明の組合せにより、様々な要求に応えた免震装置及び支
承、および免震構造が可能になる。なお以上のすべての
請求項(請求項1項〜請求項261項)の発明には、そ
れぞれの装置とそれによる免震構造体も含まれる。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 (1) 一般 請求項262項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体との間のフレキシビリティを保証
する排水設備において、免震される構造体を支持する構
造体に設けられた排水枡と、その中に突き出した免震さ
れる構造体側の排水管とから構成されてなることを特徴
とする免震構造体用設備、またはそれによる免震構造体
の発明である。排水枡の内法寸法は、予想される地震変
位振幅分と配管寸法と余裕分とを合せた寸法になる。排
水枡を覆う蓋が付けられる場合もある。 (2) 二重(以上)排水枡方式 請求項263項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体との間のフレキシビリティを保証
する排水設備において、免震される構造体を支持する構
造体に設けられた排水枡と、その中に突き出した排水管
を持つ中間排水枡と、中間排水枡の中に突き出した免震
される構造体側の排水管とから構成されてなることを特
徴とする免震構造体用設備、またはそれによる免震構造
体の発明である。排水枡と中間排水枡との内法寸法を合
せた寸法が、予想される地震変位振幅分と中間排水枡の
排水管寸法と免震される構造体側の排水管寸法と余裕分
とを合せた寸法以上になればよい。この発明により、一
重排水枡の方式に比べて、排水枡49の寸法を小さくで
きる。
〔Σ{mi・(cosθ)^2・g(tanθ+μ)・li}+C・dx/dt・lj〕
/〔Σ{mi・(cosθ)^2・g(tanθ+μ)}+C・dx/dt 〕 ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)+C・dx/dt・lj} /〔(m1+m2・・+mn)・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)+C・dx/dt〕 =〔(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)+C・dx/dt・lj/{(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)} 〕 /〔(m1+m2・・+mn)+C・dx/dt/{(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)}〕 θが小さい時(式を簡略にするために)、(cosθ)^2≒1 tanθ≒θより 〔Σ{mi・li・g・(θ+μ)}+C・dx/dt・lj〕/〔Σ{mi・g・(θ+μ)}+C・dx/dt〕 ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g・(θ+μ)+C・dx/dt・lj} /〔(m1+m2・・+mn)・g・(θ+μ)+C・dx/dt〕 =〔m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+C・dx/dt・lj/{g・(θ+μ)}〕 /〔m1+m2・・+mn+C・dx/dt/{g・(θ+μ)}〕 ところでCは、 C=C0・tanφ(tanφ+μD) φが小さい時(式を簡略にするために)、 tanφ≒φ C=C0・φ・(φ+μD) =C0・(φ^2+φ・μD) (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ)より C≒C0・(θ+μ) となり、 =〔m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+C0・(θ+μ)・dx/dt・lj/{g・(θ+μ)}〕 /〔m1+m2・・+mn+C0・(θ+μ)・dx/dt/{g・(θ+μ)}〕 =〔m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+(C0/g)・dx/dt・lj〕 /〔m1+m2・・+mn+(C0/g)・dx/dt〕 ○ 重心位置算出式 〔Σ{mi・g・li}+C0・(θ+μ)・dx/dt・lj/θ〕 /〔Σ{mi・g}+C0・(θ+μ)・dx/dt/θ〕 ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g+C0・(θ+μ)・dx/dt・lj/θ} /{(m1+m2・・+mn)・g+C0・(θ+μ)・dx/dt/θ} μが小さい時、(θ+μ)≒θ ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g+C0・dx/dt・lj} /{(m1+m2・・+mn)・g+C0・dx/dt} ={m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+(C0/g)・dx/dt・lj} /{m1+m2・・+mn+(C0/g)・dx/dt} 但し、 mi :支承ごとの支持質量 li :座標原点(任意点でよい)からの個々の支承まで
の距離 θ :すり鉢形状免震皿の勾配 μ :免震皿の動摩擦係数 lj :座標原点(任意点でよい)からのダンパーまでの
距離 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材7-vmの勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)7-wと固定
ピン受け部材7-vmとの摩擦係数 g :重力加速度(+地動鉛直加速度) 8.4.5.2. 管変化型 請求項192−6項の発明は、変位抑制型のシリンダー
7-aとその中をスライドするピストン状部材7-pからな
る油圧系ダンパーにおいて、シリンダー7-a上のピスト
ン状部材7-pのスライドする異なる2点を繋ぐ管7-js
を設けて、その位置のシリンダー内の液体の相互の行き
来を許すものである。その管7-jsの大きさで抵抗を与
えてダンピングするもので、その繋ぐ位置によりつまり
変位位置との関係でダンピング能力を変えることが可能
になる。図203(a)は、図202のダンパーを管変化
型にした場合の実施例である。変位抑制ダンパー能力を
緩和したいシリンダー7-a上の区間の点(管口)とピス
トン状部材を挟んだ点(管口)とを繋ぐ管7-jsを設け
て、その区間のシリンダー7-a内の液体の相互の行き来
を許すものであり、ピストン状部材7-pを挟んだ双方の
管口が塞がらずに相互の液体が行き来するピストン状部
材7-pのスライド範囲がダンパー能力が緩和される範囲
である。図203(a)において、前記管口は複数位置に
設けられており、塞がっている管口の数・種類(大き
さ)は変位位置に応じて設けられるようになっている。
この実施例では、ピストン状部材7-pの最大スライド時
には断面積の小さな管口が開いているようにする。 そ
のことにより、地震の(応答)変位の最大時に抵抗が大
きくなって変位抑制となるようになっている。ピストン
状部材7-pには戻り孔7-jrを設け、戻り孔7-jrの開口
面積を管7-jsに比べて大きくする。戻り孔7-jrには、
ピストン状部材7-pがシリンダー7-aの中へ引き込まれ
る時に開き、それ以外は閉じている弁7-fが付けられて
いる。さらに、本実施例においてはピストン7-pは可撓
部材8-fによって繋がれているため、シリンダー7-aの
中にバネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、このピストン状部
材7-pを復元させる必要がある(当然、ピストン状部材
7-pに対して前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・
ゴム・磁石等9-cでピストン状部材7-pを復元させても
良い)。また、前室7-aaを設置し、経年後及びダンパ
ー作動時の液体等の漏れ出しを防いでいる。8.4.5.3.ピ
ストン穴・溝変化型と併用する場合も、また、8.4.5.4.
シリンダー溝変化型と併用する場合もある。 8.4.5.3. ピストン穴型・溝変化型 変位抑制型のシリンダー7-aとその中をスライドするピ
ストン状部材7-pからなる油圧系ダンパーにおいて、ピ
ストン状部材7-pに穴また溝7-jsを設けて、ピストン
状部材7-pの両側のシリンダー7-a内の液体の相互の行
き来を許すものである。その穴また溝7-jsの大きさで
抵抗を与えてダンピングするものである。図202は、
ピストン穴型の場合の実施例である。図203(b)は、
図202のダンパーを溝変化型にした場合の実施例であ
る。図202では、ピストン状部材7-pに孔7-js、戻
り孔7-jrを設け、戻り孔7-jrの開口面積は管7-jsに
比べて大きくして、孔7-jsの開口面積を絞り込むこと
により、ダンピングする。孔7-jsの開口面積を絞り込
めば絞り込むだけ、変位抑制効果は増大する。戻り孔7
-jrには、ピストン状部材7-pがシリンダー7-aの中へ
引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付け
られている。孔7-jsは、開口面積が一定以下の場合に
は弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部
材7-pがシリンダー7-aの中から出る方向時に開き、そ
れ以外は閉じている弁が付けられている。さらに、本実
施例においてはピストン7-pは可撓部材8-fによって繋
がれているいるため、シリンダー7-aの中にバネ・ゴム
・磁石等9-tを入れ、このピストン状部材7-pを復元さ
せる必要がある(当然、ピストン状部材7-pに対して前
記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴム・磁石等9
-cでピストン状部材7-pを復元させても良い)。また、
前室7-aaを設置し、経年後及びダンパー作動時の液体
等の漏れ出しを防いでいる。図203(b)では、ピスト
ン状部材7-pに溝7-js、戻り孔・溝7-jrを設け、戻り
孔・溝7-jrの開口面積は管7-jsに比べて大きくして、
溝7-jsの大きさを小さくすることにより、ダンピング
する。溝7-jsの大きさを小さくすればするだけ、変位
抑制効果は増大する。戻り孔・溝7-jrには、ピストン
状部材7-pがシリンダー7-aの中へ引き込まれる時に開
き、それ以外は閉じている弁が付けられている。さら
に、本実施例においてはピストン7-pは可撓部材8-fに
よって繋がれているいるため、シリンダー7-aの中にバ
ネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、このピストン状部材7-p
を復元させる必要がある(当然、ピストン状部材7-pに
対して前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴム・
磁石等9-cでピストン状部材7-pを復元させても良
い)。また、前室7-aaを設置し、経年後及びダンパー
作動時の液体等の漏れ出しを防いでいる。 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 請求項192−6−2項の発明は、変位抑制型のシリン
ダー7-aとその中をスライドするピストン状部材7-pか
らなる油圧系ダンパーにおいて、シリンダー7-aに溝7
-jsを掘り、ピストン状部材7-pの両側のシリンダー7-
a内の液体の相互の行き来を許すものである。その溝7-
jsの大きさで抵抗を与えてダンピングするもので、その
溝7-jsの大きさを変位位置との関係で変えて、変位位
置ごとにダンパー能力の変化をさせるものである。図2
03(c)は、その実施例であり、シリンダー7-aには、
ピストン状部材7-pのスライドする範囲より広く溝7-j
sが掘られており、ピストン状部材7-pの最大スライド
範囲の溝7-jsの大きさは小さくされている。 そのこと
により、地震の(応答)変位の最大時に抵抗が大きくな
って変位抑制となるようになっている。ピストン状部材
7-pには戻り孔・溝7-jrを設け、戻り孔・溝7-jrの開
口面積は管7-jsに比べて大きくして、溝7-jsの大きさ
を小さくすることにより、ダンピングする。戻り孔・溝
7-jrには、ピストン状部材7-pがシリンダー7-aの中
へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付
けられている。さらに、本実施例においてはピストン7
-pは可撓部材8-fによって繋がれているいるため、シリ
ンダー7-aの中にバネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、この
ピストン状部材7-pを復元させる必要がある(当然、ピ
ストン状部材7-pに対して前記バネ等9-tとは逆位置に
付けたバネ・ゴム・磁石等9-cでピストン状部材7-pを
復元させても良い)。また、前室7-aaを設置し、経年
後及びダンパー作動時の液体等の漏れ出しを防いでい
る。なお、以上の 8.4.の発明においてダンパーには、
油だけではなく、他の液体、気体、および粒状固体等の
使用も可能である。また図202〜図203に記載のダ
ンパーは、水平置きの可撓部材型連結部材系ダンパーで
あるが、不可撓部材の採用、固定ピン型ダンパーへの適
用、また垂直置きダンパーとしての使用も可能である。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 請求項192−7項は、8.4.2. 固定装置型ダンパー
(8.4.4. ダンパー兼用の固定装置を含む)のダンパ
ー、または固定ピン型固定装置(連結部材系のピン型
(固定ピン)を除く)を滑り支承兼用と構成されてなる
ことを特徴とするダンパーまたは固定ピン型固定装置、
またそれによる免震構造体である。具体的には、図33
3(a)(b)のように、固定ピン7の廻りの挿入部7-v上部
を滑り面7-vsとし、すり鉢状・球面状等の凹形態の挿
入部(固定ピン受け部材)7-vmも滑り面7-vsとし、凹
形態の挿入部7-vmが滑り面7-vsを滑るという滑り支承
を形成する。これも前記4.の二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承である。そのため、滑り
面7-vs、凹形態の挿入部7-vmともに面積を小さくでき
る。というのも滑り面7-vsと凹形態の挿入部7-vmとに
よって、免震皿の二重構成を取るために、地震時に免震
皿同士が互いがずれたときに、その接触点(凹形態の挿
入部7-vmは凹形態の円環周辺部)で、免震される構造
体の垂直荷重が伝達できる最小限の面積が得られれば良
いからである。これは固定装置型ダンパーだけでなく固
定ピン型固定装置(連結部材系のピン型(固定ピン)を
除く)全般に使用可能な発明である。図333(a)は図
332(a)の、図333(b)は図332(b)のダンパー支
承である。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 請求項192−8項は、ノズル型ダンパー弁は、内径に
対しての長さの比が十分大きい孔を1本または複数本備
え,このような細長い形状の孔を流体が通過する際の圧
力流量特性が、一定流量までは近似的に1次比例となる
性質を利用して減衰の制御をおこなう装置である。この
ダンパー弁を備えた油圧ダンパーの減衰力特性も弁の特
性を反映し、圧力にピストン断面積を乗じた減衰力と、
流量をピストン断面積で除したピストンの移動速度が1
次比例となる特性を持つ。ここでノズル型ダンパー弁の
圧力流量特性は、 Q=α・p ・・・・・・(1) また、α=(d^k1・ND)/(Cm・μ’・l) ・・・・・・(2) ノズル型ダンパー弁を装備した油圧ダンパー本体の減衰
力は F 0=S^k2・Cm・μ’・l/(d^k1・ND)・V 0 ・・・・・・(3) という近似式で与えられる。ノズル型ダンパー弁の細長
い形状の絞り部の設計は、(1)式でのpの係数αが必要
な圧力流量特性を与えるように、(2)式から求めた寸法
と本数とを基準として行う。例えば図197で、免震さ
れる構造体として、重量20tf〜50tf程度の構造体を想定
するとき、50kine時の水平方向の減衰力を2tf、tanφ=
0.1、ピストン状部材7-pの径を12cmとすると、必要な
ダンパーの圧力流量特性はα≒0.014(kgf/cm2)/L程度に
なる。μ’≒0.05kg/m・s、d=1mm、k1=4とすると、 (0.001^4・ND)/(Cm・0.05・l)=0.014/(9.8・10^4・10^3) となり、l=3cmのときはCm≒100程度でND=23本程度、
l=6cmのときはCm≒60程度で32本程度となる。但し、 Q :ノズル型ダンパー弁の単位時間あたりの流量 p :流量Qのときにノズル型ダンパー弁が与える圧力 d :ノズル型ダンパー弁7-fnに設けたノズル状の孔7
-jnの内径 l :ノズル型ダンパー弁7-fnに設けたノズル状の孔7
-jnの長さ ND :ノズル型ダンパー弁7-fnに設けたノズル状の孔7
-jnの本数 μ':挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を満
たす液体等7-aoの粘度 標準的にはμ’=0.05(kg/m・s) 0.02≦μ’<0.2の値
をとりうる ν :挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を満た
す液体等7-aoの動粘度 標準的にはν=5×10^-5(m^2/s) 2×10^-5≦μ’<2×1
0^-4の値をとりうる k1 :ノズル状の孔7-jnの内径の指数 標準的にはk1=4 2≦k1<6の値をとりうる k2 :ピストン断面積Sの指数 標準的にはk2=2 1≦k2<3の値をとりうる Cm :修正係数 Cf :流量係数 σ :チョークナンバー σ=Q/(ν・l・ND) (CmとCfは装置形状等によって異なる。例としては以下
の様な場合がある) ノズル状の孔7-jnの、液体等7-aoの流入する入口形状
に丸みない場合の1例 Cm=128/π・σ/(16・π・Cf^2) σ≦1000のとき Cf=(1.16+6.25・σ^(-0.61))^(-1) σ>1000のとき Cf=0.815−0.00791・l/d ノズル状の孔7-jnの、液体等7-aoの流入する入口形状
に丸みある場合の1例 σ≦10のとき Cm=128/π・(1+2.28・σ/(16・π))σ
>10のとき Cm=128/π・(σ+10.6・σ^0.5+28.1)/
(16・π) F 0 :ノズル型ダンパー弁を装備した油圧ダンパーに
おいて、流量Qのときのピストンの受ける抵抗力 F 0
=p・S V 0 :ノズル型ダンパー弁を装備した油圧ダンパーに
おいて、流量Qのときのピストンの移動速度 V 0
=Q/S S :ノズル型ダンパー弁のピストン断面積(その他の
記号説明は実施例の5.1.3.1.と8.4.5.1.2.(1)参照) 図197にノズル型ダンパー弁を用いたダンパーの例を
示す。σが小さい値のとき(1)式〜(3)式はよりよい近似
式となる。σを小さい値とするためには、液体等7-ao
の動粘度νを上げるか、ノズル型ダンパー弁7-fnに設
けたノズル状の孔7-jnの本数NDを増やして1本の孔あ
たりの流量を減らすか、ノズル状の孔7-jnの全長を増
すか、またはこれらの組み合わせによって対応する。 8.5. 遅延器 1) 一般 地震作動型固定装置においては、固定装置の作動部が地
震時に解除されるときは速やかに、地震中は固定状態に
復しないかもしくは固定状態に復するのが遅延されるよ
うにする遅延器が必要である。つまり、固定装置(リレ
ー連動作動型固定装置を含む)には、固定ピン等の固定
装置の作動部が地震時に解除された後、固定ピン等の固
定装置の作動部もしくはロック部材が固定状態に復する
のを遅延させるための遅延器が必要である。地震終了程
度まで時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、数秒程度時間
を稼ぐものでも問題はない。風作動型固定装置において
は、風圧が一定以下になったことを感知してから、一定
の時間をおいて固定装置を解除させる遅延器が必要であ
る。遅延器は、固定装置自体に、(解除された固定ピン
等の固定装置の作動部またはロック部材の戻り(固定へ
の)を遅延するために、または、固定ピン等の固定装置
の作動部またはロック部材の解除を遅延するために)、
取付けられるか、固定装置・リレー中間固定装置・リレ
ー末端固定装置のロック部材11と、地震センサー(振
幅)装置の地震時に振動する重り20または地震センサ
ーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材
または直前のリレー中間固定装置の連動機構36との間
を、繋ぐ(リレーする)ワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等8(またはレリーズ内のワイヤー、ロープ、ケ
ーブル、ロッド等8)に取付けられる。請求項166項
は、その発明である。 2)油空圧シリンダー式 請求項167項は、遅延器のうち油空圧シリンダー式遅
延器の発明である。筒7-a中を液体・気体等をほぼ漏ら
さずにスライドするピストン状部材7-pが、その筒7-a
に挿入され、筒7-aの外にピストン状部材7-pの先端7
-wが突き出ており、さらに、この筒7-aのピストン状部
材7-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pがスラ
イドする範囲の端と端と)を繋ぐ管7-eまた溝(筒7-a
に付けられた)と、ピストン状部材7-pにあいている孔
7-jとが設けられており、管7-eまた溝と孔7-jとには
開口面積の差をもたせ、この管7-eまた溝、またはピス
トン状部材7-pの孔7-jのうち開口面積の大きい方に、
ピストン状部材7-pが筒中7-aへ引き込まれる時に開
き、それ以外は閉じている弁7-fが付けられているか、
または、ピストン状部材7-pによって押出される液体・
気体等が筒中から出る出口経路7-acjと、出口経路7-a
cjからその押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路
の戻り経路7-erとが設けられており、出口経路7-acj
と戻り経路7-erとには開口面積の差をもたせ、出口経
路7-acjは大きく、戻り経路7-erは小さくし、出口経
路7-acjには、ピストン状部材7-pが筒中へ引き込まれ
る時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてお
り、戻り経路7-erは、開口面積が小さい場合には弁が
必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材7-p
が筒中から押出される時に開き、それ以外は閉じている
弁が付けられており、さらに、この筒7-aの中にバネ等
(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cが入り、ま
た重力により、このピストン状部材7-pを筒外に押出す
役割をする場合もある。この弁7-fの性格と、開口面積
の差をつけることにより、ピストン状部材の先端7-wの
動きは、この筒7-aの中に入る方向では速やかであり、
出る方向では遅延される。固定装置の場合には、この遅
延器のピストン状部材7-pを、固定ピン等の固定装置の
作動部7とするか固定装置の作動部7と連動させるか
し、遅延器の筒の中へピストン状部材7-pが引き込まれ
る方向が、固定装置の作動部の解除の方向となるか、ま
たは、この遅延器のピストン状部材7-p(の支持点7-
z)を、固定装置のロック部材11と、地震センサー振
幅装置の地震時に振動する重り20または地震センサー
により作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材と
の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅延器の筒の中へ、ピスト
ン状部材7-pが引き込まれる方向が、ロック部材11の
外れる方向(解除方向)となるか、リレー連動作動型固
定装置の場合には、この遅延器のピストン状部材7-p
を、固定ピン等の固定装置の作動部7とするか固定装置
の作動部7と連動させるかし、遅延器の筒の中へピスト
ン状部材7-pが引き込まれる方向が、固定装置の作動部
の解除の方向となるか、または、この遅延器のピストン
状部材の先端部7-w(の支持点7-z)を、リレー連動作
動型固定装置のロック部材11と、地震センサー(振
幅)装置の地震時に振動する重り20または地震センサ
ーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材
または直前のリレー中間固定装置の連動機構36との間
を繋ぐ(リレーする)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8(またはレリーズ内のワイヤー、ロープ、ケー
ブル、ロッド等8)に接続させる。 その繋ぎ方が、遅
延器の筒の中へ、ピストン状部材7-pが引き込まれる方
向が、ロック部材11の外れる方向(解除方向)となる
ようにする。図244は、管7-eまた溝(筒7-aに付け
られた)より開口面積の大きいピストン状部材孔7-jに
弁7-fが取付けられ、ピストン状部材の先端部7-w(の
支持点7-z)がワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等
8(またはレリーズ内のワイヤー、ロープ、ケーブル、
ロッド等8)に接続された例である。また、遅延器を、
固定ピンの装置内に直接組込むことも考えられる。具体
的には、筒7-a中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材7-pをもった固定ピン7が、そ
の筒7-aに挿入され、その外に固定ピン先端7-wが突き
出ており、さらに、この筒7-aのピストン状部材7-pを
挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pがスライドする
範囲の端と端と)は管7-eまた溝で繋がれている。この
ピストン状部材7-pには、この管7-eまた溝の開口面積
より大きいかもしくは小さい孔7-jがあり、管7-eまた
溝、またはピストン状部材孔7-jのうち開口面積の大き
い孔の方に弁7-fがある。この弁7-fは、ピストン状部
材7-pが引き込まれる時に開くように付けられている。
図245の場合、この弁7-f、7-fbは、ボールの形を
とっている。具体的には、ピストン状部材7-pには、こ
の管7-e(また溝)の開口面積より大きい、孔7-jがあ
り、その孔に弁7-f、7-fbがある。この弁は、ピスト
ン状部材7-pが引き込まれる時に、孔7-jから出る液体
・気体等によって開くように付けられる。または、管7
-e(また溝)と孔7-jの開口面積の大きさがこの逆の場
合もある。つまり、この管7-e(また溝)の開口面積よ
り小さい、孔7-jがあり、この管7-e(また溝)の中に
弁7-f、7-fbがある。この弁は、ピストン状部材7-p
が引き込まれる時に、開くように付けられる。また、図
245のように、この筒7-aの中にバネ等(バネ・ゴム
等の弾性体または磁石等)9-cが入り、また重力によ
り、このピストン状部材7-pをもった固定ピン7を筒外
に押出す役割をする場合もある。この弁7-f、7-fbの
性格と上記筒7-aのピストン状部材7-pを挟んだ反対側
同士(ピストン状部材7-pがスライドする範囲の端と端
と)を繋ぐ管7-eまた溝により、前記固定ピン先端7-w
の動きは、この筒7-aの中に入る方向では速やかであ
り、出る方向では遅延される。それにより、固定ピン先
端7-wは、地震力が働くと速やかに筒7-aの中に入り、
地震力が働いている間は出にくくなっている。このピス
トン状部材7-pを伴った固定ピン7の上がり下がりの速
度は、この筒7-aのピストン状部材7-pを挟んだ反対側
同士(ピストン状部材7-pがスライドする範囲の端と端
と)を繋ぐ管7-eまた溝と、ピストン状部材7-pにあい
ている孔7-jとの断面積の比によって設定され、固定ピ
ン7が筒中に入るときは速やかに、筒7-aから出るとき
は緩やかにする事ができるほか、図196(a)のように
ロック弁と併用することで、装置をコンパクト化でき
る。なお、図244において、この遅延器の取り付け位
置が1/2となっているのは、免震される構造体1また
は免震される構造体を支持する構造体2に取り付けられ
るという意味である(図1からの全ての図面に共通する
ことであるが、「/」は「または」の意味である。)。
請求項168項は、空圧シリンダー式遅延器の発明であ
る。この発明は、筒7-aとスライドするピストン状部材
7-pから構成され、この筒中7-aを気体等をほぼ漏らさ
ずにスライドするピストン状部材7-pが、その筒7-aに
挿入され、その外にピストン状部材7-pの先端が突き出
ており、この筒7-aには気体が筒中7-aから出る孔7-j
oと筒中7-aへ入る孔7-jiが設けられており、出る孔に
は、筒中7-aから気体が出る方向時には開き、それ以外
は閉じる弁7-fが付けられており、さらに、重力、また
場合によっては筒7-aの中に入れられたバネ・ゴム・磁
石等9-cが、このピストン状部材7-pを筒7-a外に押出
す役割をする場合もあり、この弁7-fの性格と、気体が
筒中7-aへ入る孔の開口面積を絞ることにより、前記ピ
ストン状部材7-pは、筒7-aの中に入る方向では速やか
であり、出る方向では遅延される。固定装置の場合に
は、この遅延器のピストン状部材7-pを、固定装置の作
動部7とするか固定装置の作動部7と連動させるか(図
256参照)、または、この遅延器のピストン状部材7
-pを、固定装置のロック部材11と、地震センサー振幅
装置の地震時に振動する重り20または地震センサーに
より作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との
間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の場合に
は、この遅延器のピストン状部材7-pを、リレー連動作
動型固定装置のロック部材11と、地震センサー振幅装
置の地震時に振動する重り20または地震センサーによ
り作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との
間、または直前のリレー中間固定装置の連動機構36と
の間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等8の間で繋ぎ、 かつ、繋ぎ方は、
遅延器の筒7-aの中へ、ピストン状部材7-pを押込む方
向が、ロック部材11の解除方向とすることにより構成
される。 3)機械式 a) ガンギ車式 請求項169項の発明は、機械式遅延器のうち、ガンギ
車を使用するタイプを示している。この発明はガンギ車
36-nとアンクル36-o及びラック36-cとから構成さ
れ、ラック36-cはその移動によりガンギ車36-nを回
転させるようになっており、アンクル36-oはガンギ車
36-nの回転に対しある方向については抵抗とならず、
その逆の方向については、ガンギ車36-nにアンクル3
6-oが、(具体的にはこのガンギ車36-nの歯にアンク
ル36-oの2本のつめ36-p、36-qがそれぞれ交互に
かみ合い、アンクル36-oが支点36-rを中心に往復運
動できる形で組み合わされて)抵抗となって回転の速度
を調節するようになっており、またこれらの機構は歯車
等の連動機構を介して間接に組み合わされている場合も
あり、このガンギ車36-nとアンクル36-o及びラック
36-cによる機構の性質により、ラック36-cは、力を
受けた場合、ある方向には抵抗なく移動できるが、逆の
方向には移動の速度が遅延されるようになっている。固
定装置の場合には、この遅延器のラック36-cを、固定
装置の作動部7に設けるか固定装置の作動部7に連動す
る部材に設けるか、または、この遅延器のラックを、固
定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時
に振動する重りまたは地震センサーにより作動するモー
ターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。
リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅延器のラ
ック36-cを、リレー中間固定装置・リレー末端固定装
置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは地
震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の
作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構と
の間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等8の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ラッ
クが抵抗なく移動できる方向が、ロック部材の外れる方
向(解除方向)となるように構成される。図252で
は、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8に固定さ
れ、ラック滑り面36-cd上を自由に滑るラック36-c
が、ガンギ車36-nの回転軸36-iと同軸の歯車36-e
にかみ合う歯車36-dに組み合わされている。このラッ
ク36-cは直接歯車36-eに組み合わされてもよいが、
回転速度の調整等を考慮すると直接ではない方がよい場
合もある。ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8の
伝える引張力あるいは圧縮力により、ガンギ車36-nが
回転方向の力(図252では左回転方向)を常時受けて
いるとき、ガンギ車36-nが歯一個分回転すると、アン
クル36-oの1個目のつめ36-pがガンギ車36-nの回
転を一時押さえると同時にアンクル36-oがガンギ車3
6-nから力を受けて動き、次の瞬間2個目のつめ36-q
がガンギ車36-nを歯1個分回すと同時にアンクル36
-oは先程と逆の方向に動いてはじめの状態に戻り、再び
1個目のつめ36-pがガンギ車36-nの回転を歯1個分
に止めるような機構である。このような機構により、ガ
ンギ車36-nが常時回転方向に力を受けていても、それ
を一定の設定した時間に合わせて解放でき、かつこの機
構は逆回転(図252では右回転方向)は拘束しないた
め、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8は、固定
装置のロックを解除する方向(図252では右方向)の
力は小さい抵抗で伝え、一旦解除したロックを再び入れ
る方向(図252では左方向)の力の伝達には抵抗が加
わり、遅延させる効果がある。このガンギ車式遅延器
は、固定装置の中に組み込む場合と、ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等8の途中に設置する場合とがあ
る。図252は後者の場合である。なお、図252にお
いて、この遅延器の取り付け位置が1/2となっている
のは、免震される構造体1または免震される構造体を支
持する構造体2に取り付けられるという意味である。 b) ラチェット式(重量式重量抵抗型、水車式・風車式
粘性抵抗型) 図253は請求項170項の発明の機械式遅延器のう
ち、ラチェット式の重量式重量抵抗型の例を示してい
る。歯車36-daは、回転方向毎に異なる角度で傾斜し
た歯を持つ歯車である。この歯車36-daに対し、同様
に移動方向毎に異なる角度で傾斜した歯を持ち、ラック
滑り台36-cd上を自由に滑るラック36-caが組み合わ
されている。このとき双方の歯は、傾斜の大きい面と大
きい面、及び小さい面と小さい面とが合うように組合せ
られている。また歯車36-daは、その回転軸36-iが
自由にスライドできる形状の軸受36-ilによって支持
され、自重によってラック36-caと組合わさってい
る。このためラック36-caの移動方向が傾斜の小さい
面の方向であったときは、この回転軸36-iがスライド
して歯車36-daがラック36-caから外れる方向へ移動
し、ラックは抵抗なく移動することができる。これに対
しラック36-caの移動方向が傾斜の大きい面の方向で
あったときは、歯車36-daとラック36-caとは歯がか
み合い、歯車36-daはラック36-caから外れることな
く、ラックの移動には歯車36-daを回転させる抵抗が
伴うこととなる。 この抵抗を与える機構により、この
方式は重量式重量抵抗型と水車式・風車式粘性抵抗型と
に分かれる。前者は歯車36-daの自重により、または
バネ等により歯車36-daをラック36-caに押し当て
て、回転の抵抗を与えるタイプであり、後者は歯車36
-daと同軸上かあるいは歯車等の連動機構で結ばれるか
した、粘性のある液体(気体)に浸された水車(風車)
等の装置によって抵抗を与えるタイプである。またラッ
ク36-caは図253の場合のように直接歯車36-daに
組み合わされてもよいが、回転速度の調整等を考慮する
と、直接ではなく途中に別の歯車等の伝達機構を設けた
方がよい場合もある。固定装置の場合には、この遅延器
のラック36-caを、固定装置の作動部7に設けるか固
定装置の作動部7に連動する部材に設けるか、または、
この遅延器のラックを、固定装置のロック部材と、地震
センサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セ
ンサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動
部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の
場合には、このラック36-caに、リレー中間固定装置
・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサー振幅
装置の重りまたは地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固
定装置の連動機構との間を繋ぐ(レリーズ中の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が接続されている。
このワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が、それ
らの固定装置を解除するための引張力あるいは圧縮力を
伝える際、この遅延器の設置方向を、固定ピンのロック
を解除する方向を抵抗のない方向(図253では左方
向)に、一旦解除された固定ピンのロックを再びかける
方向を抵抗の大きい方向(図253では右方向)に、そ
れぞれなるように設置する。このことにより、ワイヤー
・ロープ・ケーブル・ロッド等8は、固定装置のロック
を解除する方向の力には抵抗をあまり受けず、一旦解除
したロックを再び入れる方向の力には大きな抵抗を受け
るため、この機構を遅延器として用いることができる。
このラチェット式遅延器は、固定装置の中に組み込む場
合と、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8の途中
に設置する場合とがある。図257は請求項170項の
発明の機械式遅延器のうち、ラチェット式の水車式・風
車式粘性抵抗型の遅延器が固定装置Gに組み込まれた場
合の実施例を示している。移動方向毎に異なる角度で傾
斜した歯を持つラック36-caを持ち、固定ピン7から
突出するアーム部材7-pmにその部材上の支点36-ccで
接続された可動部材36-cb、回転方向毎に異なる角度
で傾斜した歯を持つ歯車36-da、この歯車36-daと同
軸の歯車36-d、及びこの歯車36-dとかみ合う水車
(風車)36-wと同軸の歯車36-eとによって、固定ピ
ン7と水車(風車)36-wとが連動するように構成され
ている。このときラック36-caと歯車36-daとの歯
は、双方の傾斜の大きい面と大きい面、及び小さい面と
小さい面とが合うように組合せられている。また水車
(風車)36-wは粘性のある液体(気体)に浸されてお
り、回転する際にはその粘性によって抵抗を受ける。地
震時にロック部材11が解除されて固定ピン7がその挿
入筒7-a中に入りこむ場合は、アーム部材7-pmに連動
して可動部材36-cbも移動するが、このときラック3
6-caと歯車36-daとの歯の角度が合わないこと、及び
支点36-ccを軸に可動部材36-cbが歯車36-daの抵
抗を受けない方向に動くことによって、ラック36-ca
は歯車36-daを回転させない。従って連動する水車
(風車)36-wも回転しないので、固定ピン7の移動に
は抵抗は生じない。一旦筒7-a中に入り込んだ固定ピン
7は、バネ等9-cにより筒7-aの外に押し出される方向
に力を受けて動き出すが、この場合はラック36-caと
歯車36-daとの歯の角度が合うこと、及び可動部材3
6-cbがその自重により、あるいはバネ等を設けそのバ
ネ等の働きによって、歯車36-daにかみ合う方向に力
を受けることにより、ラック36-caは歯車36-daを回
転させ、これにより連動する水車(風車)36-wも周囲
の粘性のある液体(気体)の抵抗を受けながら回転する
ため、固定ピン7の移動には抵抗が生じる。このとき歯
車36-dの径と歯車36-eの径との比によって水車(風
車)36-wの回転数が決定され、これが固定ピン7が筒
7-aから押し出される際の抵抗となることから、この比
を設定することで遅延時間を調節することができる。ま
たこの固定ピン7の移動の際、装置内の粘性のある液体
(気体)7-aoは、固定ピン7が筒7-a中に入り込むと
きは、固定ピン7が移動する体積分だけ筒7-a内部から
通路7-eを通って水車(風車)36-wのある側へ移動
し、固定ピン7が筒7-a中から押し出されるときは、同
量が逆に水車(風車)36-wのある側から筒7-a内部へ
通路7-eを通って戻ってくる。このため固定ピン7は、
粘性のある液体(気体)7-aoから水車(風車)36-w
によって与えられる分以外には抵抗を受けることはな
い。以上の機構により、固定ピンが筒7-aに入り込むと
きは抵抗を受けないのに対し、筒7-aより押し出される
ときは抵抗を受けるため、固定ピンが移動に要する時間
は長くなり、この機構を遅延装置として用いることがで
きる。固定装置の場合には、この遅延器のアーム部材7
-pmを、固定装置の作動部7に設けるか固定装置の作動
部7に連動する部材に設けるか(図257)、または、
この遅延器のアーム部材7-pmを、固定装置のロック部
材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りま
たは地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁
石等の作動部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動型
固定装置の場合には、このアーム部材7-pmに、リレー
中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震
センサー振幅装置の重りまたは地震センサーにより作動
するモーターもしくは電磁石等の作動部材または直前の
リレー中間固定装置の連動機構との間を繋ぐ(レリーズ
中の)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が接続
される。さらに図257は固定装置Gに組み込まれた場
合である。 c) 重力式 図254は、機械式遅延器のうち、請求項171項の発
明の重力式の実施例を示している。歯車36-dに、ラッ
ク滑り台36-cd上を自由に滑るラック36-c、及びガ
イド36-cgにより支持されてラック滑り台36-cd上を
自由に滑る、表面にラックを持つスライド部材36-cs
が組み合わされている。重さを調節できる重り36-cw
はスライド部材36-csと接続され、この重り36-cw
は、ラック36-cに対し歯車36-dを介して、その自重
がある移動方向に対しては抵抗にならず(力を加える方
向になる)、その反対の移動方向に対しては抵抗となる
ような状態で設置されている。またラック36-c及びス
ライド部材36-csは図254の場合のように直接歯車
36-dに組み合わされてもよいが、回転速度の調整等を
考慮すると、直接ではなくその間に別の歯車等の伝達機
構を設けた方がよい場合もある。固定装置の場合には、
このラック36-cを、固定装置の作動部7に設けるか固
定装置の作動部7に連動する部材に設けるか、または、
この遅延器のラックを、固定装置のロック部材と、地震
センサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セ
ンサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動
部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の
場合には、このラック36-cに、リレー中間固定装置・
リレー末端固定装置のロック部材と地震センサー振幅装
置の重りまたは地震センサーにより作動するモーターも
しくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定
装置の連動機構との間を繋ぐ(レリーズ中の)ワイヤー
・ロープ・ケーブル・ロッド等8が接続されている。こ
のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が、それら
の固定装置を解除するための引張力あるいは圧縮力を伝
える際、この遅延器の設置方向は、固定ピンのロックを
解除する方向を抵抗のない方向(図254では右方向)
に、一旦解除された固定ピンのロックを再びかける方向
を抵抗の大きい方向(図254では左方向)に、それぞ
れなるように設置する。このことにより、ワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等8は、固定装置のロックを解
除する方向の力には抵抗を受けず、一旦解除したロック
を再び入れる方向の力には大きな抵抗を受けるため、こ
の機構を遅延器として用いることができる。この重力式
遅延器は、固定装置の中に組み込む場合と、ワイヤー・
ロープ・ケーブル・ロッド等8の途中に設置する場合と
がある。 4) 摩擦式 図247〜図251は請求項172項の発明の、摩擦式
遅延器を示している。筒7-aにピストン状部材7-pが挿
入されており、固定装置の場合には、このピストン状部
材7-pを、固定装置の作動部7とするか固定装置の作動
部7と連動させるか、または、この遅延器のピストン状
部材7-p(の支持点7-z)を、固定装置のロック部材1
1と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り2
0または地震センサーにより作動するモーターもしくは
電磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、リレー連動作動
型固定装置の場合には、リレー中間固定装置・リレー末
端固定装置のロック部材と地震センサー振幅装置の重り
または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間を繋
ぐワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が、ピスト
ン状部材7-pに対し、直接またはピストン状部材の先端
7-wに設けられたワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8の支持点7-zを介して接続されている。図247は
ピストン部材7-pに対し、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等8が直接接続する場合の、図248はピスト
ン部材7-pに対し、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8の支持点7-zを介して接続する場合の例である。
筒7-aの内表面もしくはピストン状部材7-pの表面ある
いはその両方に表面部材36-uが装備されており、ピス
トン状部材7-pはワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8からの引張力あるいは圧縮力を受けて筒7-a内を移
動する時、移動方向によって異なる摩擦抵抗を受ける。
図249はピストン状部材7-pの表面に表面部材36-u
が装備されている場合である。この表面部材36-uは、
それ自体の形状により移動方向によって異なる抵抗を与
える場合と、バネ・ゴム・磁石等25を利用した機構に
より移動方向によって異なる抵抗を与える場合とがあ
る。図250〜図251はその例で、図250では表面
部材36-uは緩斜面36-ueと急斜面36-usとを持ち、
ピストン状部材7-pがこの表面部材36-uと接触しつつ
変位するとき、緩斜面36-ue側からの変位に対する場
合の方が急斜面36-us側からの変位に対する場合より
も抵抗が小さくなる仕組みである。図251では、支点
36-hにより可動な面材36-umが、バネ・ゴム・磁石
等25によって押し出されており、力を受けるとバネ・
ゴム・磁石等25が圧縮されて面材36-umは押し下げ
られるため、この面材36-um側からの変位に対する場
合の方が逆方向よりも抵抗が小さくなる仕組みである。
このことにより、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8は、固定装置のロックを解除する方向の力には抵抗
をあまり受けず、一旦解除したロックを再び入れる方向
の力には大きな抵抗を受けるため、この機構を遅延器と
して用いることができる。この摩擦式遅延器は、固定装
置の中に組み込む場合と、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等8の途中に設置する場合とがある。 5) 経路迂回式 図255は請求項173項の発明の経路迂回式遅延器の
例を示している。筒7-aに、回転心棒7-xを軸として自
由に回転する円筒状のピストン状部材7-paが挿入され
ている。固定装置の場合には、このピストン状部材7-p
aを、固定装置の作動部7とするか固定装置の作動部7
と連動させるか、または、この遅延器のピストン状部材
7-pa(の支持点7-z)を、固定装置のロック部材11
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り20
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、リレー連動作動型
固定装置の場合には、図255の例では、ピストン状部
材7-paと回転心棒7-xにより連動する部材7-pbが、リ
レー中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と
地震センサー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固
定装置の連動機構との間を繋ぐワイヤー・ロープ・ケー
ブル・ロッド等8と、部材7-pbの先端部に設けられた
支持点7-zを介して接続されている。このワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等8は、ピストン状部材7-pa
あるいは回転心棒7-xに対し直接接続される場合もあ
る。ピストン状部材7-paの表面には、移動方向に平行
な直線部分7-pkと、その直線部分7-pkの両端を結ぶ曲
線部分7-plとからなるループ状のガイド7-pgが、筒7
-aにはバネ等9-cによってピストン状部材7-paの方向
に押し出されているピン7-phが挿入される筒7-pha
が、それぞれ設けられている。ピン7-phはピストン状
部材7-paの表面に刻まれたガイド7-pgに嵌まってお
り、図255の例では通常時(ピストン状部材7-paが
最も筒外に出た状態のとき)はガイド上の点7-piに位
置している。地震時にワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8が固定ピンを解除する方向の力を伝えるとき、
図255の例ではピストン状部材7-paは筒7-aの中へ
入り込む方向へ移動する。このときピン7-phはガイド
7-pgの直線部分7-pkを抵抗なく経由し、ピストン状部
材7-paが最も筒中に入った状態でガイド上の点7ーpjに
至る。この点7ーpjにおいて、ガイド7-pgの直線部分7
-pkは曲線部分7-plへと変わるが、このとき前者より後
者の溝の方がやや深くなっているため、バネ等9-cの働
きによりピン7-phは直線部分7-pkから曲線部分7-pl
へと移行し、かつ逆戻りすることはない。ピストン状部
材7-paは、筒中7-aに最も深く入った状態からバネ等
9-cにより筒7-aの外へ押し出されるが、ピン7-phが
ガイド7-pgの曲線部分7-plにはまっているために、ピ
ン7-phとガイド7-pgの案内に従って回転心棒7-xを中
心に回転しつつ、ガイド7-pgの曲線部分7-plを経由し
て直線部分7-pk上の最初の点7-piへと至る。ここでも
前者より後者の溝の方がやや深くなっているため、同様
にバネ等9-cの働きによりピン7-phは曲線部分7-plか
ら直線部分7-pkへと移行し、かつ逆戻りすることはな
い。このときピン7-phの経由するガイド7-pgの直線部
分7-pkと曲線部分7-plとの距離差と曲線部分7-plの
なす角度による抵抗とが、ピストン状部材7-paが筒7-
aから外へ出る運動に対して遅延効果を与える。このこ
とにより、固定装置のロックを解除する方向の力は抵抗
を受けず速やかに伝達し、一旦解除したロックを再び入
れる方向の力は大きな抵抗を受けるためその力の伝達は
遅延させることができるため、この機構を遅延器として
用いることができる。この経路迂回式遅延器は、固定装
置の中に組み込む場合と、図255のようにワイヤー・
ロープ・ケーブル・ロッド等8の途中に設置する場合と
がある。 6)粘性抵抗式 図258は請求項174項の発明の粘性抵抗式遅延器の
実施例を示している。固定装置の場合には、ラック36
-cを、固定装置の作動部7に設けるか固定装置の作動部
と連動する部材に設けるか、または、ラック36-cを、
固定装置のロック部材11と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重り20または地震センサーにより作
動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋
ぐかし、リレー連動作動型固定装置の場合には、このラ
ック36-cに、リレー中間固定装置・リレー末端固定装
置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは地
震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の
作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構と
の間を繋ぐ(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等8が接続される。図258は固定装置Gに
組み込まれた場合の例であり、固定ピン7から突出する
アーム部材7-pmに設けられたラック36-c、歯車36-
d、及びこれにかみ合う水車(風車)36-wと同軸の歯
車36-eとによって、固定ピン7と水車(風車)36-w
とが連動するように構成されている。また水車(風車)
36-wは粘性のある液体(気体)に浸されており、回転
する際にはその粘性によって抵抗を受ける。地震時にロ
ック部材11が解除されて固定ピン7がその挿入筒7-a
中に入りこむとき、及び一旦筒7-aに入り込んだ固定ピ
ン7がバネ等9-cによって筒7-aの外に押し出されると
き、固定ピン7の移動に伴ってアーム部材7-pmとラッ
ク36-cも移動し、歯車36-d及び36-eを介して水車
(風車)36-wが回転する。ここで水車(風車)36-w
の羽根36-waを、抵抗を受けると容易に撓む性質のも
のとし、また羽根36-waを支持する部材36-wbを、固
定ピン7の筒7-aから押し出される方向の移動に対応す
る水車(風車)36-wの回転方向については、羽根36
-waが抵抗を受けても、これを支持して撓まないような
位置に設置する。これにより水車(風車)36-wは、固
定ピン7が筒7-aの中に入り込む方向の移動に対応する
水車(風車)36-wの回転に対しては、羽根36-waが
抵抗を受けて撓むために抵抗が小さくなり、逆に固定ピ
ン7の筒7-aから押し出される方向の移動に対応する水
車(風車)36-wの回転に対しては、羽根36-waが支
持部材36-wbによって拘束されるために大きな抵抗を
うける。この抵抗の差により、固定ピンが筒7-aに入り
込むときに対し、筒7-aより押し出されるときの方が固
定ピンが移動に要する時間は長くなるので、この機構を
遅延装置として用いることができる。このとき歯車36
-dの径と歯車36-eの径との比によって水車(風車)3
6-wの回転数が決定され、この回転数によって抵抗が決
定されることから、この比を設定することで遅延時間を
調節することができる。またこの固定ピン7の移動の
際、装置内の粘性のある液体(気体)7-aoは、固定ピ
ン7が筒7-a中に入り込むときは、固定ピン7が移動す
る体積分だけ筒7-a内部から通路7-eを通って水車(風
車)36-wのある側へ移動し、固定ピン7が筒7-a中か
ら押し出されるときは、同量が逆に水車(風車)36-w
のある側から筒7-a内部へ通路7-eを通って戻ってく
る。このため固定ピン7は、粘性のある液体(気体)7
-aoから水車(風車)36-wによって与えられる分以外
には抵抗を受けることはない。 7) センサー免震皿による遅延装置 請求項174−1項記載の発明は、地震センサー振幅装
置装備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅
装置装備型固定装置における、地震センサー振幅装置
の、重りが滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿
において、全体として凹形態のセンサー免震皿に、セン
サー免震皿の中心部に向けて戻り勾配を持ち、迂回した
戻りルート(迂回路)を設けることにより、地震センサ
ー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延し
てなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固
定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体である。図216
〜図217は、その実施例の幾つかを示している。請求
項174−2項記載の発明は、地震センサー振幅装置装
備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置
装備型固定装置において、地震センサー振幅装置の、重
りが滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿におい
て、 凹形態の中心部のセンサー免震皿(中心部センサ
ー免震皿)の山部を越えて一旦水平レベルが下がった面
をもち、その面からセンサー免震皿の中心部に向けて戻
り勾配を持った戻りルート(路)があることにより、地
震センサー振幅装置の重り(ボール)の戻りを遅延させ
るものであるもので、 地震センサー振幅装置の重り
(ボール)のセンサー免震皿の中心部への戻りを遅延し
てなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固
定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体である。図21
6、図217(a)、図217(b)は、その実施例の幾つか
である。図216では、地震センサー振幅装置の重り2
0(球20-b)を滑動(すべり・転がり)させる球面・
すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部
をもったセンサー免震皿36-vmのうち、中央部センサ
ー免震皿36-vmcを越えて一旦水平レベルが下がった面
(以下、外周部センサー免震皿と言う)36-vmoをも
ち、その外周部センサー免震皿36-vmoから、センサー
免震皿36-vmの中心部(通常位置)に向けて、戻り勾
配を持った戻りルート(路)36-vmrがあることによ
り、地震センサー振幅装置の重り20(球20-b)の戻
りを遅延させる実施例である。特に、図216では、外
周部センサー免震皿36-vmoを幾重にも繰返して環状に
もって環状山を形成し、中心部(通常位置)に向けての
戻り勾配を持った戻りルート(路)36-vmr上の、環状
山を切った戻り口36-vmriの位置関係を、環状山ごと
に変えて、戻りルート(路)36-vmrを長くしたもので
ある。図217(a)、図217(b)は、その発明に、請求
項174−3項記載の発明を加えたものである。請求項
174−3項記載の発明は、地震センサー振幅装置装備
型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装
備型固定装置における、地震センサー振幅装置の、重り
が滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿におい
て、中心部(通常位置)に向けて、全体として凹形態を
形成したセンサー免震皿の中心部(通常位置)に向け
て、螺旋形に山もしくは谷(溝)を設けて螺旋山もしく
は谷を形成し、その螺旋山、もしくは谷形に沿って、中
心部(通常位置)に向けての戻り勾配を持った戻りルー
ト(路)を設けることによって、地震センサー振幅装置
の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延してなること
を特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置また
はダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定装置、
またそれによる免震構造体である。図217(a)、図2
17(b)は、その実施例の幾つかを示している。図21
7(a)では、中心部(通常位置)に向けて、全体として
凹形態を形成したセンサー免震皿36-vmにおいて、セ
ンサー免震皿36-vmの中心部(通常位置)に向けて、
螺旋形に溝36-vmrを設け、中心部(通常位置)に向け
ての戻り勾配を持った戻りルート(路)36-vmrとした
もので、戻りルート(路)36-vmrを長くしたものであ
る。図217(b)では、中心部(通常位置)に向けて、
全体として凹形態を形成したセンサー免震皿36-vmに
おいて、センサー免震皿36-vmの中心部(通常位置)
に向けて、螺旋形に山を設けて螺旋山を形成し、その螺
旋山形に沿って、中心部(通常位置)に向けての戻り勾
配を持った戻りルート(路)36-vmrを設け、戻りルー
ト(路)36-vmrを長くしたものである。また、螺旋山
の形状について、内側は緩く(例えば1/30〜1/50)、外
側はきつく(例えば1/1)して、また、図216の環状
山も同様に内側は緩く、外側はきつくして、重り20
(球20-b)が直に戻らないようにする工夫も有利な方
法である。この発明は、以上の 1)〜6)とは違い、地震
センサー振幅装置の重り自体の戻りを遅延させるもの
で、8.1.2.2.5.(ロック)弁方式にも、使用可能なもの
であり、ダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定
装置に特に有用なものである。というのは、ダンパー兼
用の地震センサー振幅装置装備型固定装置の場合は、固
定ピンまたは連結部材のピストン状部材の戻りを早くさ
せダンパー効果を与える必要からピストン状部材が通常
位置に速やかに戻る仕組みとなっており、その時にセン
サー重りが通常位置(中央部)に戻り弁が閉まる等のロ
ックがかかると免震に突然ブレーキが掛かるような状態
となるので、このような地震センサー振幅装置の重り自
体の戻りを遅延させるものが望まれていた発明である
(上記の 1)〜6)では難しい)。 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状 図220〜図221は、請求項195項記載の発明の、
図222〜図223、図225は、請求項196項記載
の発明の、図226、図227は、請求項197項記載
の発明の、図228、図229、図231は、請求項1
98項記載の発明の、図230は、請求項199項記載
の発明の、図232は、請求項200項記載の発明の、
図233〜図236は、請求項201項〜請求項202
項記載の発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの
形状の実施例を示している。請求項203項は、請求項
95項〜請求項100項、請求項103項〜請求項10
9項、請求項111項〜請求項124項、請求項140
項〜請求項146項、請求項148項〜請求項156項
のいずれか一項に記載の固定装置において、固定ピン挿
入部の形状及び固定ピンの形状が請求項195項〜請求
項202項のずれか一項に記載の形状をしていることを
特徴とする固定装置である。地震後、固定ピン等は、残
留変位のために必ずしも地震前の停止点に戻るとは限ら
ない。したがって固定ピンが他の位置で停止しても免震
される構造体1が固定されうるように、固定ピン挿入部
の形状には、地震前の停止点よりも広い範囲(残留変位
の生じる範囲)で固定ピンを受け止める(固定させる)
ことができ、さらにまた、固定ピンを自然に地震前の停
止点に戻すような工夫が必要になる。つまり、地震前の
停止点よりも広い範囲(残留変位の生じる範囲)に、摩
擦の加わる形状、凸凹の多い形状を施し、さらにまた、
すり鉢状等の凹面形状にして、固定ピンを地震前の停止
点に戻るように促す工夫が必要である。請求項195項
記載の発明の、固定ピン挿入部の形状としては、以下の
(1)(2)(3)(4)があげられる。その実施例はそれぞれ、図
220〜図221に示されている。 (1) 球面 図220(a)は、固定ピン7の挿入部7-vが球面状の場
合である。 (2) すり鉢 図220(b)は、固定ピン7の挿入部7-vがすり鉢状の
場合である。 (3) 凸凹形状 図221(a)は、固定ピン挿入部7-vが固定ピンの地震
前の停止位置よりも広い範囲で凸凹形状になっている場
合である。 (4) 斜め段々形状型すり鉢 図221(b)は、固定ピン7の挿入部7-vが、凸凹形状
で、全体としては円錐形すり鉢状となっている場合であ
る。以上の (1)〜(4) の構成は、固定ピン7が免震され
る構造体1に、その挿入部7-vが免震される構造体を支
持する構造体2に、取付けられるている場合の実施例で
あるが、その逆の関係の場合もある。また、 (1)の球面
型、(2)のすり鉢型の場合、固定装置と重力復元型免震
装置とを兼用させることが可能であり、8.1.2.2.3.の地
震センサー(振幅)装置装備型自動復元型固定装置を用
いることによって、固定ピンを地震前の停止位置に戻す
ようにすることができる。請求項196項記載の発明
の、固定ピン挿入部の形状としては、以下の(5)(6)があ
げられる。その実施例はそれぞれ、図222〜図22
3、図225に示されている。 (5) 凸凹形状が逆 図222(a)、図222(b)は、固定ピン7の挿入部7-v
が凸形状で、固定ピン7の先端が凹形状になっている場
合である。図222(a)は、凸形状が、尖っている場
合、図222(b)は、凸形状の角が取れて丸くなってい
る場合である。図223(a)、図223(b)は、図222
(a)、図222(b)の固定ピン形状の場合で、かつ固定ピ
ン挿入部が、固定ピンの地震前の停止位置よりも広い範
囲で凸凹形状になっている場合である。図223(a)
は、固定ピンの凸形状が尖っている場合、図223(b)
は、固定ピンの凸形状が尖り、挿入部7-vが、凸凹形状
で、全体としては円錐形すり鉢状となっている場合であ
る。 (6) 固定ピンがアーム型 図224、図225は、固定ピンが、曲がったアーム型
をしている場合である。固定ピン7は、挿入部7-v側と
は反対端で、回転軸挿入部7-xによって回転できるよ
うな形で取付けられ、固定ピン先端はこの回転軸7-x
を中心として回転し挿入部7-vに挿入される。固定ピン
7の挿入部7-vの反対端は、この挿入部7-vが設置され
ている構造体の反対側の構造体(免震される構造体1に
この挿入部が設けられている場合は、免震される構造体
を支持する構造体2に、免震される構造体を支持する構
造体2に設けられている場合は、免震される構造体1
に)の回転軸挿入部7-xに、回転できる形で挿入され
取り付けられている。図224は、この固定ピンの挿入
部7-vが凹形状、固定ピン7が凸形状となっている場
合、図225は、その逆の、固定ピンの挿入部7-vが凸
形状、固定ピン7が凹形状となっている場合である。請
求項197項記載の発明の、固定ピン挿入部の形状及び
固定ピンの形状としては、以下の(7)があげられる。そ
の実施例はそれぞれ、図226、図227に示されてい
る。 (7) 上下固定ピンロック型 図226、図227は、上下の固定ピンがあり、下の固
定ピンが上がり、上の固定ピンが下がり、噛み合うこと
により、免震される構造体1と免震される構造体を支持
する構造体2を固定する。また、下の固定ピンが下が
り、上の固定ピンが上がると固定が解除される。図22
6は、上下の固定ピンが上がり下がりし、噛み合いロッ
クする型である。図227は、図226とは凹凸が逆
で、上下の固定ピンが上がり下がりし、噛み合いロック
する型である。請求項198項〜請求項199項記載の
発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状とし
ては、以下の(8)があげられる。その実施例はそれぞ
れ、図228、図229、図230、図231に示され
ている。 (8) 上下固定ピン中間滑り部挟み型 図228、図229、図231は、請求項198項記載
の発明の実施例を、図230 は、請求項199項記載
の発明の実施例を示している。図228 〜図231
は、上下の固定ピンが上がり下がりし、中間滑り部等を
介して、免震装置をロックするものである。上下に固定
ピンがあり、ロック時は、下の固定ピンが上がり、上の
固定ピンが下がり、中間滑り部を挟みロックし、免震さ
れる構造体1と、免震される構造体を支持する構造体2
とを固定する。解除時は、下の固定ピンが下がり、上の
固定ピンが上がり、固定が解除される。 1) 図228は、上下の固定ピン7が上がり下がりし
て、ローラー・ボール5-e等の転がり型の中間滑り部を
上下で挟み、ロックするものである。具体的には、図4
9、図81、図83、図84、図86〜図87、図91
〜図96、図102等の上側免震皿3-a、下側免震皿3
-bの中央部の、ボール5-e等の中間滑り部を挟む位置に
固定ピン挿入部7-vを設け、固定ピン7を挿入し、上下
の固定ピン7でボール5-e等の中間滑り部を上下で挟む
ことで、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとを固定させ
ることが可能になる。 2) 図229は、上下の固定ピン7が上がり下がりし、
保持器をもったローラー・ボール等の中間滑り部の(保
持器に開けられた)中央部の挿入部で重なり合い、周囲
にある中間滑り部(保持器)の拘束で、上下の固定ピン7
の水平移動が拘束され、免震される構造体1と、免震さ
れる構造体を支持する構造体2とを固定する。具体的に
は、図79〜図80、図82、図85等の、上側免震皿
3-a、下側免震皿3-bの中央部に、固定ピン挿入部7-v
を設け、固定ピン7を挿入し、保持器5-gをもったロー
ラー・ボール5-e等の中間滑り部の(保持器に開けられ
た)中央部の挿入部位置で、この上下の固定ピン7が重
なり合い、周囲にある中間滑り部(保持器5-g)の拘束
で、上下の固定ピン7の水平移動が拘束され、上側免震
皿3-aと下側免震皿3-bとを固定させることが可能にな
る。 3) 図231は、上下の固定ピン7があり、下の固定ピ
ン7が上がり、上の固定ピン7が下がり、上下の固定ピ
ン7が中間滑り部6に挿入することにより、上下から中
間滑り部6をロックし、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2を固定するものである。解
除時は、下の固定ピン7が下がり、上の固定ピン7が上
がり、ロックを解除する型である。具体的には、図8
8、図102、図103〜図104、図105、図10
6〜図107、図108〜図109等の、上側免震皿3
-a、下側免震皿3-bの中央部に、固定ピン挿入部7-vを
設け、固定ピン7を挿入し、中間滑り部6の挿入部7-v
位置に上下の固定ピン7が挿入すると、上下の固定ピン
7の水平移動が拘束され、それにより上側免震皿3-aと
下側免震皿3-bとを固定させることが可能になる。ま
た、図89は、図230、図231の装置の併用で、ロ
ックが可能になる。 4) 図230は、請求項199項記載の発明の実施例を
示しており、請求項198項記載の、上の固定ピンと下
の固定ピンとの間に、中間滑り部をもつ固定装置におい
て、固定ピンと中間滑り部の間に、ローラー・ボールの
保持器を有し、この保持器の挿入部に、固定ピンが挿入
されてロックするように構成されている。図230で
は、上下の固定ピン7があり、下の固定ピン7が上が
り、上の保持器の挿入部に挿入し、同時に、上の固定ピ
ン7が下がり、下の保持器の挿入部に挿入し、この上下
の保持器をロックし、免震される構造体1と免震される
構造体を支持する構造体2を固定するものである。解除
時は、下の固定ピン7が下がり、上の固定ピン7が上が
り、ロックを解除する型である。当然、下また上だけ保
持器の場合もある。具体的には、図90等の、上側免震
皿3-a、下側免震皿3-bの中央部に、挿入部7-vを設
け、固定ピン7を挿入し、上下の保持器5-gをもったロ
ーラー・ボール5-eの中間滑り部の(保持器に開けられ
た)中央部の挿入部位置に、この上下の固定ピン7を挿
入して、この上下の保持器5-gの中間滑り部を固定する
ことで、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとを固定させ
ることが可能になる。図228〜図231の利点は、二
重免震皿免震装置・滑り支承に使えることで、免震皿を
二重にすることで、その大きさは一重の場合のほぼ半分
とすることが可能であり、地震後の残留変位に対処する
ためのすり鉢状等の凹面形状の大きさをほぼ半分にでき
ることである。さらに、固定ピンを上下から各々挿入す
る仕組みによって、各固定ピンの可動寸法が小さくてす
むようになり、例えば、電池等で作動させる場合でも、
その負担を小さくすることができ、また地震力のみで作
動させる場合でも、微小地震の際の作動を容易にするこ
とができる。また、(7)の上下固定ピンロック型、(8)の
上下固定ピン中間滑り部挟み型ともに、それぞれ地震作
動型、風作動型に分かれる。地震作動型とは、普段は固
定ピンがセット(=ロック・固定)されており、地震時
に上下固定ピンが同時に抜かれ、解除される型であり、
風作動型とは、風時にのみ、上下固定ピンが同時に挿入
され、固定ピンがセットされる型である。請求項200
項記載の発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの
形状としては、以下の(9)があげられ、その実施例は、
図232に示されている。 (9) 固定ピン滑り部ロック型 図232の装置と同様の機構で、固定ピン7が一本の場
合も当然考えられる。上または下の固定ピン7で、滑り
部5また中間滑り部6を固定し、免震される構造体1と
免震される構造体を支持する構造体2を固定するもので
ある。解除時は、固定ピン7が抜かれて、固定を解除す
る。具体的には、図110〜図115等の、免震皿3の
中央部に、固定ピン挿入部7-vを設け、固定ピン7を挿
入し、滑り部5また中間滑り部6の挿入部7-v位置に、
この固定ピン7が挿入されることにより、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2を固定す
るものである。請求項201項〜請求項202項記載の
発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状とし
ては、以下の(10)があげられる。その実施例はそれぞ
れ、図233〜図236に示されている。 (10) 固定ピン凹み型 図233〜図236は、固定ピン、またはボール5-e等
の中間滑り部に対して、固定ピン挿入部7-vが凹み、固
定ピン7または中間滑り部が嵌まり込むことによってロ
ックをおこなうものである。図235、図236は、請
求項201項記載の発明の実施例を示している。固定ピ
ン7自体は動かずに、その反対側の挿入部7-vが凹むこ
とにより、固定ピンがセット(=ロック・固定)される
ものである。また、この凹んだ挿入部7-vが元の位置に
戻り、固定ピン7が挿入部から押出されるとロックが解
除される。挿入部7-vと固定ピン7のうち、どちらか一
方が免震される構造体1に、もう一方が免震される構造
体を支持する構造体2に設けられることにより構成され
る。図235は挿入部7-vが凹む前の、固定ピン7が固
定される前の状態であり、図236は挿入部7-vが凹ん
で、固定ピンを固定することで、免震される構造体1と
免震される構造体を支持する構造体2を固定した状態で
ある。図233、図234は、請求項202項記載の発
明の実施例を示している。免震される構造体1と免震さ
れる構造体を支持する構造体2との間に、すべり型の中
間滑り部6、またはローラー・ボール5-e,5-f等の転
がり型中間滑り部、または保持器5-gをもったローラー
・ボール5-e,5-f等の中間滑り部を有し、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2の一方
または両方の、この中間滑り部に接する部分が挿入部7
-vをなしている。中間滑り部に対して、挿入部7-vが凹
んで、中間滑り部を固定することにより、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2とが固定
される。また、凹んだ挿入部7-vが元に戻り、中間滑り
部が押し出されると固定が解除される。図233、図2
34は、この発明を示し、免震される構造体1側と免震
される構造体を支持する構造体2側の両方に、挿入部を
もつ場合を示している。図233は、挿入部7-vが凹む
前の、ボール5-eが転がり可能な状態のもので、図23
4は挿入部7-vが凹んで、ボール5-eの転がりを阻止
し、免震装置をロックするものである。具体的には、図
91等の、上側免震皿3-a、下側免震皿3-bの両方の中
央部に、固定ピン挿入部7-vを設け、ボール5-e等の中
間滑り部に対して、挿入部7-vが凹んで、中間滑り部を
固定することにより、免震される構造体1と免震される
構造体を支持する構造体2とが固定される。また、凹ん
だ挿入部7-vが元に戻り、中間滑り部が挿入部から押し
出されると、固定が解除される。以上の(1) 〜(10) の
固定装置等は、引抜き力を押さえ込む引抜き防止装置と
の併用によってより効果を発揮する。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
み支承) 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置 請求項204項記載の発明は、特許 1844024号と特許 2
575283号とで記載の免震復元装置(重力復元型免震装置
・滑り支承)、免震装置(免震装置・滑り支承)、ま
た、上記の4.二重(または二重以上の)免震皿免震装
置・滑り支承において、免震皿の滑り面部の中央部が、
滑り部、中間滑り部、ボール・ローラーの形状で、また
入り込む形状で、窪んだ(凹んだ)形(食込み部)で形
成された免震皿をもつことにより構成される免震装置・
滑り支承である(以下、「食込み支承」という)。請求
項205項記載の発明は、風等の揺れに対抗できるよう
に、窪んだ(凹んだ)形状を形成したものであり、請求
項206項記載の発明は、それを使用した場合の免震構
造体である。その効果は、風揺れの防止である。一般に
転がり型免震においては、風揺れの防止が一番大きな課
題となるが、食込み支承は、免震皿の滑り面部の中央部
を、免震皿に挟まれた、ボールまたはローラーが入り込
む形で、さらにそのボールまたはローラーの曲率形状で
窪ませる(凹ませる)、という比較的簡単な方法で大き
な風揺れ抑制効果を持つものであり、傾斜角を大きくす
る(すり鉢状免震皿)、曲率半径を小さくする(球面状
免震皿)等の方法に比べて、地震時に免震装置が作動し
た際の免震性能を落とすことがない優れた方法である。
ここで、地震時の免震性能について述べれば、地震時
に、中央部窪み形に中間滑り部、ボールまたはローラー
等が入り込む心配があるが、 実際は、地震は全方向に動
くため、中央部を通過するケースはそれほど多くない。
とくに中央部窪み径が小さい場合は、その確率は小さ
く、免震性能が低下することは少ない。そのため地震時
に一旦動きだせば、高い免震性能を保てる。図95は、
この発明のすり鉢状二重免震皿型の場合の実施例(以
下、「食込みすり鉢状二重免震皿型支承」という)を示
し、図96は、平面状と球面状の二重免震皿型の場合の
実施例を示しており、ともに、上側免震皿3-aおよび下
側免震皿3-bに、ボール5-eの曲率形状で窪ませ(凹ま
せ)た窪み35のある場合の実施例である。以上は二重
免震皿の場合であるが、当然、特許 1844024号と特許 2
575283号とで記載の免震復元装置(重力復元型免震装置
・滑り支承)、免震装置(免震装置・滑り支承)におい
ても、つまり、図110〜図115等の、滑り部5また
中間滑り部6と免震皿3からなる免震装置型において
も、免震皿の滑り面部に、滑り部5また中間滑り部6と
ボール5-eまたローラー5-fの同曲率形状で窪ませる
(凹ませる)ことが考えられる。図97は、その実施例
であり、免震皿3の滑り面部に、滑り部5の曲率形状で
窪ませた窪み35のある場合の実施例である。また、免
震皿の滑り面部に窪ませる(凹ませる)形状の寸法は、
以下の式から与えることが可能である。球また円状に免
震皿の滑り面部の一部を窪ませるとして、K=M(免震
される構造体の質量)×G(重力加速度)/R(滑り部
また中間滑り部とボールまたはローラーの半径)として
表され、免震皿の滑り面部の窪ませられた寸法の半分を
Lとし、同装置の設置個数をN(同装置が、偏心しない
ようにバランス良く配置されたとして)とすると、K×
L×N+摩擦力(免震装置・滑り支承の摩擦)が、免震
される構造体にあたる最大風圧力よりも大きい場合は、
風圧力によって動く事はない。これが目安になり、免震
皿の滑り面部に窪ませる(凹ませる)形状の寸法が決定
される。若しくは、その窪みが免震皿の滑り面部へ切り
替わる勾配の差により生じる角度θによって、最大抵抗
値が決まる。最大抵抗値は、免震される構造体の質量×
sinθ・cosθ≒tanθ≒θ(radian)で求められる。こ
の式は、窪ませる(凹ませる)形状がすり鉢であっても
使用できる。また、当然、必ずしも免震皿に挟まれたボ
ールまたはローラーの曲率形状で窪ませる(凹ませる)
必要はなく、ボールまたはローラーが入り込む形状で窪
ませる(凹ませる)だけでもよい。 (1) 免震皿と滑り部とからなる免震装置・滑り支承にお
ける水平力の抵抗計算 請求項204項の発明の例として、ボールまたはローラ
ーの滑り部5と免震皿3からなり、かつこの免震皿3の
滑り面部にこの滑り部5の形状で窪ませられた窪み35
が設けられている免震装置・滑り支承を考える。滑り部
5に、水平力Q及び質量Mによる鉛直荷重M×G(重力
加速度)が加わっているとき、この滑り部5が窪み35
から免震皿3の滑り面部へ脱するための条件は、この窪
み35と滑り面部との境界での窪み35の曲面の勾配を
tanθとしたとき、Q×cosθ>M×G×sinθ+摩擦力
より、Q>M×G×tanθ+摩擦力となる。摩擦係数を
μとすればこの式は、Q>M×G×(tanθ+μ)と表
せる。以上は窪み35の形状(すり鉢状、球面状等)を
問わず適用できる。また、この滑り部5の形状で窪ませ
られた窪み35の形状が球また円状となる場合、その曲
率半径をR、窪み35と滑り面部との境界の描く円の半
径をLとしたとき、窪み35の滑り面部の勾配tanθが
ある程度小さければ、tanθ≒sinθ=L/Rであるか
ら、このときの条件は、上式よりQ>M×G×L/R+
摩擦力である。この式を前述のKを用いて書けば、Q>
K×L+摩擦力となり、免震装置の設置個数をN個(同
装置を偏心しないようにバランス良く配置したとして)
とすると、Q>K×L×N+摩擦力となり、前項と一致
する。以上のことから、免震される構造体にあたる最大
風圧力よりも水平力Qが大きくなるようにtanθあるい
はK及びLを定めることにより、この免震された構造体
が風圧力により動くことはないとすることができる。ま
た摩擦力については、不安定なため算定に加えない方が
よい場合もある。 (2) 二重(または二重以上の)免震皿型免震装置・滑り
支承における水平力の抵抗計算 1) 片面のみの窪みの場合 ボールまたはローラーの滑り部と上部及び下側免震皿と
からなり、かつこの上下免震皿の一方だけに、この滑り
部の形状で窪ませられた窪みが設けられている二重(ま
たは二重以上の)免震皿型免震装置・滑り支承を用いる
場合、食込み部をもたない方の免震皿をすべる中間滑り
部のすべりにより水平力抵抗値が規定される。 2) 両面の窪みの場合 請求項204項の発明の例として、ボールまたはローラ
ーの滑り部5と上側免震皿3-a及び下側免震皿3-bとか
らなり、かつこの免震皿3-aと3-bとにこの滑り部5の
形状で窪ませられた窪み35が設けられている 二重
(または二重以上の)免震皿型免震装置・滑り支承を考
える。この滑り部5は転がり部材として機能し、スリッ
プ等はしないものと考える。上側免震皿3-aに水平力Q
及び質量Mによる鉛直荷重M×G(重力加速度)が加わ
っている場合、この滑り部5が窪み35から免震皿3の
滑り面部へと脱するための条件は、滑り部5と上側免震
皿3-a及び下側免震皿3-bの窪み35の曲面との接点で
の、窪み35の曲面の勾配をtanθとしたとき、滑り面
部5がスリップ等をせずに転がるのであれば、この2つ
の接点における荷重の条件は、滑り面部5の中心につい
て点対称で共通であり、(1)の場合と同様の計算過程と
なるため、前述の関係式Q>M×G×tanθ+摩擦力を
用いることができる。摩擦係数をμとすればこの式は、
Q>M×G×(tanθ+μ)と表せる。以上は窪み35
の形状(すり鉢状、球面状等)を問わず適用できる。ま
たこの滑り部5の形状で窪ませられた窪み35の形状が
球また円状となる場合、その曲率半径をRとし、窪み3
5と滑り面部との境界の描く円の半径をLとしたとき、
Q>K×L×N+摩擦力となるのも前項と同じである。
以上のことから、免震される構造体にあたる最大風圧力
よりも水平力Qが大きくなるようにtanθあるいはK及
びLを定めることにより、この免震された構造体が風圧
力により動くことはないとすることができる。また摩擦
力については、不安定なために算定に加えない方がよい
場合もある。また、以上のいずれの場合も風揺れ防止に
不足する分は、下記のように 8.7.3.の固定装置との併
用することで補う方法もある。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承 また、免震皿の滑り面部の中央部を、その免震皿の滑り
面部を滑動するボールまたはローラーの曲率形状で窪ま
せる(凹ませる)ことは、重量構造体(免震皿面にボー
ルまたはローラーが食い込むような重量が大きい構造
体)の場合、免震皿の滑り面部の耐圧性能を上げる効果
も持つ。請求項207項は、免震皿側の滑り面部の耐圧
性能を上げる場合の発明である。接触面積がそのまま耐
圧面積となり、耐圧性能が計算できる。逆に、必要な耐
圧性能から必要耐圧面積つまり接触面積を計算して、食
込み面積(ほぼ接触面積と同じである)を出せばよい。
請求項208項は、耐圧性能を上げる効果と風揺れ防止
の効果とを合わせ持たせる場合の発明である。8.7.1.の
計算と上記の計算をすれば良く、耐圧性能だけを満たし
て、風揺れ防止に不足する分は、下記のように 8.7.3.
の固定装置との併用することで補う方法もある。また、
請求項209項記載の発明は、それを使用した場合の免
震構造体である。 8.7.3. 固定装置との併用 この免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置と、固定
装置(上述を含む風揺れ防止装置全般)との併用は、双
方の装置に風圧力を分担させ、従って固定装置の数を少
なくさせる。特に、固定装置1個(重心位置等)との併
用は、固定装置1個の場合にありうる、風による免震さ
れる構造体の(固定ピン廻りの)回転を防ぎ、かつ、固
定装置を使用せずにこの中央部窪み形の風揺れ等抑制装
置で全ての風揺れに対応する場合より免震性能を向上さ
せる。請求項210項は、その発明である。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
の免震皿 重力復元型(一重免震皿または二重(または二重以上
の)免震皿)免震装置・滑り支承の免震皿3の凹型滑り
面部としては、地震後の残留変位が少なく、固有周期を
持たないゆえに共振現象を起こさないすり鉢状が望まし
い。しかし、風への抵抗を考えると、すり鉢状の勾配を
大きくする必要があり、その場合には、小さい地震に
は、免震しにくく、大きな地震時も、すり鉢傾斜の大き
い分、免震時の(すり鉢の中心付近を通過し、勾配の下
りと上りとが急に変化するときの)振動衝撃が大きくな
り、スムーズな免震が得にくい。そこで、すり鉢の底を
球面にすることにより、小さい地震も免震可能となり、
大きな地震時にも、すり鉢の底での急激な勾配の変化が
無くなることで、快適な免震が行われる。請求項211
項は、その発明である。すり鉢状免震皿をボール5-eが
転がる構成の場合(図91)は、特にその効果は顕著で
あり、すり鉢状免震皿を球面型滑り面部を持つ滑り部、
中間滑り部(図98)がすべる構成の場合でも、効果は
ある。請求項212項は、前請求項の発明において、す
り鉢の底の球面半径は、地震周期に共振する半径近傍で
もって構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り
支承の発明であり、その意味するところは、すり鉢の底
の球面半径が、地震周期に共振することによって、初期
の小さい加速度から免震を開始することが可能となる。
このように初滑動の加速度を小さくするとともに、この
球面の範囲外では共振をすり鉢によって押さえることが
可能になる。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用 しかし、すり鉢の底を球面にすることより、免震される
構造体は小さい風でも球面部内を振動し、(底面の球面
部以上の振幅は抑制されるが)揺れてしまう。そこで、
底面の球面部内の微振動による揺れ止めのために、固定
装置を、特に 8.2.の風作動型固定装置(平常時はロッ
クされ、地震時にロックが解除される固定装置)を、免
震される構造体の重心またはその近傍に一本また複数本
併用する。請求項213項は、その発明である。すり鉢
状免震皿をボール5-eが転がる構成の場合(図91)
は、特にその効果は顕著であり、すり鉢状免震皿を球面
中間滑り部がすべる構成の場合(図98)でも、効果は
ある。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承による風揺れ固定 (1) 凹型免震皿をもった二重免震皿免震装置・滑り支承 地震時以外の通常時に上下の免震皿が接し、摩擦が発生
する形状の、二重(または二重以上の)免震皿免震装置
・滑り支承(4.参照)の利用により、風揺れ抑制効果
をもたらす。 請求項214項は、その発明である。二
重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承と中
間滑り部(転がり型中間滑り部またはすべり型中間滑り
部)とにより構成され、二重(または二重以上の)免震
皿免震装置・滑り支承のうち、どちらか、あるいは両方
が凹型滑り面部を有する免震皿(凹型免震皿)をもつ。
そのように構成された二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承において、中間滑り部が、凹型免震
皿の最も底の位置(地震時以外の通常時の停止位置)に
納まった時において、上下の二重免震皿の双方の凹型滑
り面部以外の周囲が接して(中間滑り部のために双方が
接しない場合には、周辺部に縁を立てる等により接し
て)、摩擦が発生するようにし、風揺れ等に対処する。
ある一定以上の大きさの地震等が発生して、中間滑り部
が、凹型免震皿の最も底の位置からずれると、上の免震
皿が浮き上がり、上下の二重免震皿が接しなくなり、免
震性能を下げる摩擦が発生しなくなる。図99は、その
発明の実施例のひとつを示している。凹型免震皿3-a、
3-bをもつ二重免震皿免震装置・滑り支承とボールの中
間滑り部5-eとにより構成され、中間滑り部5-eが、凹
型免震皿3-a、3-bの最も底の位置に納まった時(通常
時の停止位置)において、上下の二重免震皿3-a、3-b
の双方(の縁または双方の立ち上がった縁)が接して、
摩擦を発生するようにし、風揺れ等に対処する。ある一
定以上の大きさの地震等が発生して、中間滑り部が、凹
型免震皿の最も底の位置からずれると、上の免震皿が浮
き上がり、上下の二重免震皿が接しなくなり、摩擦が発
生しなくなる。また、接触面を噛合せて、摩擦をより大
きくする場合もある。さらに、この二重免震皿免震装置
・滑り支承に、食込み支承(8.7.)を使用することによ
り、上下の免震皿の接し方をより確実にし、摩擦をより
大きくすることも可能である。請求項215項は、その
発明の実施例のひとつを示している。なお、この食込み
支承(8.7.)の使用と、上下の二重免震皿の接触面を噛
合せることにより、摩擦をより大きくしても、地震時に
一旦動きだせば、上の免震皿が浮き上がり、上下の二重
免震皿が接しなくなり、摩擦が発生しなくなることは同
じである。つまり、なかなか動きにくく、地震時に一旦
動きだせば、非常に高い免震性能が得られる。これも固
定装置との併用によってより効果を持つ。また、接触面
が与える密閉性のため、食込み支承の中央部窪みに入り
込む塵埃等が最小限となる。 (2) 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重免震皿免
震装置・滑り支承 さらに、平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承において、
片方が窪み、もう片方が出っ張って、入り込む形状を取
り、摩擦を発生して風揺れ等に対する抵抗をなす。この
機構は、(1)の凹型滑り面部以外の接触面においても考
えられる。図76〜図77は、請求項216項記載の発
明の実施例を示している。平面型滑り面部同士の免震皿
3-a、3-bをもった二重(または二重以上の)免震皿免
震装置・滑り支承において、各免震皿のある部分(図で
は中央部)に、一方の免震皿は凹部3-v、もう片方は凸
部3-uを有し、互いに嵌まり合うように構成されてい
る。凸部3-uまた凹部3-vの形状は、図76では球面形
であり、図77では円錐形である。この支承は、すべり
支承の「食込み支承」ともいうべきものであるが(8.7.
は、転がり支承の「食込み支承」)、免震性能を別にす
ると、風揺れ抵抗は、8.7.の「食込み支承」と同様に、
窪み3-vの傾斜角度によって決まり、その窪みが、免震
皿の平面形状へ切り替わる勾配の差により生じる角度θ
によって、最大抵抗値が与えられる。 最大抵抗値は、
免震される構造体の質量×tanθとなる。この式は、窪
ませる(凹ませる)形状がすり鉢であっても使用可能で
ある。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用 免震性能を良くするために固有周期を長くした、積層ゴ
ム免震装置または免震滑り支承の球面・すり鉢等の凹面
形状の勾配等をもった免震装置・滑り支承の場合には、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを、強風時に手動で固定する固定装置(以下、「手動
型固定装置」と言う)を併用する。また、強風時の安全
が保証されている場合で、積層ゴム等のバネ定数、また
免震滑り支承のすり鉢等の凹面形状等の勾配、また滑り
支承面等の摩擦によっても、強風時にある程度の揺れが
生じる場合には、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とを、手動で固定する固定装置を一
本、また複数本併用して、揺れ止めを行う。請求項21
7項は、その発明である。具体的には(強風時の安全が
保証されている場合で、現実的にはそのようなことが要
求される)、免震性能を良くするためには固有周期を長
くした結果強風時の揺れが避けられない、積層ゴムの場
合、滑り支承とバネ等の併用の場合、球面またはすり鉢
等の凹面形状の免震皿支承の場合等の免震装置におい
て、強風時に手動で、固定ピン7を固定ピンの挿入部7
-vに挿入する、または固定装置の作動部をロックするロ
ック部材でロックする等によって、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体とを固定する固定装
置を、一本また複数本併用することにより、高い免震性
能を実現し、且つ強風時の揺れを抑制できる。また、8.
8.の「底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿」におけるように、強風時の抵抗を、底面の球面
部を除く周辺部のすり鉢だけでなす場合に、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを、強風
時用に手動で固定する固定装置を、一本また複数本併用
して(底面の球面部での微振動を含めて)揺れ止めを行
う。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用 強風時に手動で固定するが、地震時には自動的に解除さ
れる固定装置を併用して、風等による揺れ止めを行う。
請求項218項は、その発明である。請求項221項
は、その具体的な装置の発明である。請求項97項また
は請求項98項記載の地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置において、強風時に、手動で固定装置の作動部
をロック部材により固定し、地震時に地震センサー振幅
装置の振動する重りの力でまたは地震センサーからの指
令で、そのロック部材による固定を解除するように構成
されてなることを特徴とする自動解除固定手動型固定装
置である。図181の装置は、その固定ピン型固定装置
の実施例である。この装置について、8.1.2.2.4. 1)の
説明では、「またバネ等9-cは、すり鉢状等の凹形状挿
入部7-vm へ固定ピン7がゆっくりと挿入する程度のも
のとする」となっていたが、ここでは、バネ等9-cは、
固定ピン7を持ち上げるものでよい。当然、連結部材弁
型固定装置の場合の形も存在する。これらが、適宜配置
されて風揺れに対処する。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正 すべり型免震装置においては、特に、地震後の残留変位
の矯正が困難であった。請求項194項は、それを解決
する発明である。この発明は、当然、転がり型免震装置
においても使用可能なものである。免震皿の摩擦面に潤
滑剤が潤滑する溝があり、免震皿の外側に、その溝に潤
滑剤を流し込むための孔があって、地震後に、この孔か
ら潤滑剤を流し込み、摩擦面を潤滑させ、地震後の残留
変位の矯正を容易にするというものである。この潤滑剤
として、揮発性の液体潤滑剤は、摩擦を発生させて風揺
れに対処するようなすべり型免震装置においては特に有
効である。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 重力復元型免震装置・滑り支承における免震皿の凹型滑
り面部の形状は、地震後の残留変位が少ないすり鉢状が
望ましく、さらに、すべり型免震装置においては、凹型
滑り面部の底を平らにし、その平らな部分の大きさも滑
り部の大きさとほぼ同じにして、滑り部等が底に戻り易
くするという工夫も必要である。また、すべり型・転が
り型免震装置両者ともに摩擦係数を小さくする必要もあ
る。8.1.2.2.2.と8.1.2.2.3.の自動復元型、8.1.2.3.の
自動制御型、8.2.の風作動型固定装置の各場合において
は、このような免震装置の工夫は不可欠になる。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ 軽量建物・構造体、特に軽量(木造・鉄骨系)戸建て住
宅の免震における問題は、風揺れ対策である。この問題
に対して、いままで述べた風揺れ対策は、単独でも十分
な効果を発揮するが、それらを組合せることにより、単
独以上の効果をもつ。 (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
び)食込み支承との併用免震される構造体の重心または
その近傍に、固定装置(8.1.地震作動型固定装置、8.2.
風作動型固定装置)を最低限一箇所と、免震される構造
体の周辺部にすべり支承等の摩擦発生装置または(及
び)食込み支承(8.7.)を配置する。そのことにより、
風揺れに対処できる。請求項210項と請求項222項
とは、その発明である。これは3つに分かれる。 1) 摩擦発生装置(例、すべり支承) 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置を
最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に、すべり
支承等の摩擦発生装置とを配置する。 2)食込み支承 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に食込み支承
(8.7.)を配置する。 3) 摩擦発生装置及び食込み支承 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部にすべり支承
等の摩擦発生装置及び食込み支承(8.7.)を配置する。
そのことにより、風揺れに対処できる。以上の 1) 2)
3)について説明すると、すべり支承等の摩擦発生装置ま
たは(及び)食込み支承(特に、食込みすり鉢状二重免
震皿型支承)だけだと、免震性能が落ちる。逆に、固定
装置のみの場合は、重心軸での回転防止対策として、2
装置以上必要になり、リレー連動作動型固定装置(8.3.
3.参照)等を採用することになるが、この機構は簡易で
はなく、メンテナンスなどの面からも固定装置は、一装
置としたい。そこで、固定装置と周辺部にすべり支承等
の摩擦発生装置または(及び)食込み支承を併用し、双
方が風荷重を適当な割合で分担することにより、すべり
支承等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(特
に、食込みすり鉢状二重免震皿型支承)のみの場合より
も免震性能を上げることができる。なおこの場合固定装
置は一装置のみでよいので、メンテナンスも容易となっ
て簡易化も図れる。 ※ すべり支承等の摩擦発生装置または(及び)食込み
支承の配置について 風揺れ防止のためのすべり支承等の摩擦発生装置は、同
一直線上にない三カ所以上(同摩擦係数の三装置)に配
置し、重心(と考えられる位置:ある程度の誤差は許容
される)を三装置を結んでできる三角形の中に含めば任
意の配置としてよい。但し三カ所の摩擦発生装置の摩擦
係数が違っている場合のことを考えると、各装置をでき
るだけ重心より離して配置した方が地震時の捩れ運動を
生じない。 ※重心(と考えられる位置)の外側三カ所に任意に配置
してよいことの証明 すべり支承等の摩擦発生装置と重心位置との位置関係を
検討するため、梁を(支持台に対して移動可能な)支持
点で支持するモデルを想定する。(このとき摩擦発生装
置の摩擦係数はそれ以外の摩擦係数(例、転がり支承)
よりも十分に大きいものとする。) このモデルが梁の軸に対し直交方向の水平力を受けて運
動する場合を考えると、安定のためにまず支持点は2カ
所以上必要であり、かつ捩れ運動を生じないためには、
各支持点の摩擦係数はすべて同じでなければならない。
ついで2点で支持されている場合を考えたとき、この支
持点の間に重心が無い場合は、支持点のうち重心から遠
い方の点に引抜き力が発生してしまう。このためこの支
持点に引抜き防止装置が配置されている場合に限り、こ
の位置関係が許される。よって常に支持が安定で、かつ
捩れ運動が生じないための条件は、2点の支持点の間に
重心があり、支持点の摩擦係数が同じである場合とな
る。この関係を平面に対して適用した場合、摩擦発生装
置の配置の条件は、同一直線上にない3カ所以上であ
り、重心(と考えられる位置)を3装置を結んでできる
三角形の中に含めば任意の配置としてよいということと
なる。但し各摩擦発生装置の摩擦係数が一様でない場合
を考えると、重心(と考えられる位置)から各摩擦発生
装置への距離をできるだけ離した方が、水平力を受けた
場合の回転モーメントを小さくでき、地震時の捩れ振動
を抑えることができる。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
定装置との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に地震作動型固
定装置を最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に
風作動型固定装置を最低限一箇所とを配置する。地震作
動型固定装置(8.1.)のみの場合は、風時の重心軸での回
転対策が必要になるため、その回転対策として、周辺部
に風作動型固定装置(8.2.)を最低限一箇所併用する。請
求項223項は、その発明である。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
固定装置とすべり支承等の摩擦発生装置または(及び)
食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に地震作動型固
定装置を最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に
風作動型固定装置を最低限一箇所とすべり支承等の摩擦
発生装置または(及び)食込み支承とを配置する。地震
作動型固定装置(8.1.)のみの場合は、風時の重心軸での
回転対策が必要になるため、その回転対策として、周辺
部に風作動型固定装置(8.2.)を最低限一箇所とすべり支
承等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(8.7.1.)
を併用する。請求項224項は、その発明である。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に固定装置(8.
1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最低
限一箇所と、免震される構造体の周辺部に手動型固定装
置(8.10.)を最低限一箇所とを配置する。手動型固定
装置について、風が吹き始めたら(また揺れ始めた
ら)、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを、室内から電気等で固定する装置も考えられ
る。請求項225項は、その発明である。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
固定装置との併用 (4)に関して、8.10.(2) 自動解除固定手動型固定装置の
採用の場合、その自動解除固定手動型固定装置は、請求
項159項記載のように、免震される構造体の重心また
はその近傍に設置される固定装置(8.1.地震作動型固定
装置、8.2.風作動型固定装置)に比べて、固定装置の解
除の感度が地震に対して高く敏感な装置となる。つま
り、免震される構造体の重心またはその近傍に固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)が設
置され、それに比べて、地震時に解除されやすい自動解
除固定手動型固定装置(8.10.(2))が周辺位置に設置さ
れることにより構成されてなることを特徴とする免震構
造体である。そのことにより、この自動解除手動型固定
装置は重心部設置の固定装置よりも感度が高いため、地
震時の、重心部設置の固定装置の固定解除が遅れた場合
に生じる捩れた動きの問題も解消される。請求項226
項は、その発明である。 (6) 固定装置と回転・捩れ防止装置との併用 固定装置と、10.1.の回転・捩れ防止装置とを、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との間
に設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震構造体である。固定装置を最小個数に、できれば一個
にし、回転・捩れ防止装置も最小個数にするためには、
固定装置を免震される構造体の中央部に、回転・捩れ防
止装置を免震される構造体の周辺部に配置するのがよ
い。ここで言う「免震される構造体の中央部」とは、免
震される構造体の重心部のことではなく、単に中央部分
であり、場合によっては、回転・捩れ防止装置の配置さ
れる免震される構造体の周辺部の内側(免震される構造
体の中央部寄り)という意味でもよい。ここで言う「免
震される構造体の周辺部」とは、固定装置の配置される
免震される構造体よりも外側(免震される構造体の周辺
部寄り)という意味でもよい(10.2.参照)。請求項2
45項は、その発明である。 (7) 連動型でない固定装置の複数個配置と回転・捩れ防
止装置との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と 10.1.の回転・捩れ
防止装置との併用により、地震時に固定装置が同時解除
しない地震作動型固定装置の場合の免震による不安定さ
を回転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ抑制
の安全さを増大する。というのは連動型でない固定装置
を複数個配置して、地震時の固定装置の解除に時間差が
生じて、重心位置でない位置の固定装置が最後まで解除
されずに残り、それにより捩れが起きかけても、回転・
捩れ防止装置によって捩れ振動、回転運動が生じずに免
震される構造体は固定されており、その固定装置の解除
と共に免震がスムーズに始まるからである。また、風作
動型固定装置の場合で、風時に固定装置が同時に固定し
ない場合、また一個もしくは数個が固定し他が固定しな
い場合の風による回転等の不安定さを回転・捩れ防止装
置により解決する(10.3.1.(2)(3)参照)。請求項24
8項また請求項248−2項は、その発明である。以
上、(1)〜(7)同士のいろいろな組合せの併用も当然考え
られる。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−2項記載の発明は、請求項131項から
請求項136項のいずれか一項に記載の地震センサー振
幅装置装備型固定装置において、地震センサーとなる重
りが、出口・出口経路内(の付属室)にあって、強風時
にはピストン状部材からの圧力により、出口・出口経路
の狭まった所で吸込まれる位置にあって、出口・出口経
路を塞ぐ形となるように構成されてなることを特徴とす
る地震センサー振幅装置装備型固定装置(以下、重り吸
込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置と言
う)である。戸建て等の軽量構造体の場合には、強風時
に地震が起った時に免震状態となると、場合により免震
による地震被害からの救済よりも、免震機構の解除によ
って、風で大きく揺れる被害の方が大きくなることが多
い。請求項226−2項記載の発明の重り吸込み型弁方
式地震センサー振幅装置装備型固定装置は、このような
風時の免震問題を解決する。というのは、重り吸込み型
弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置には、地震
時に弁が開かないという問題が無いからである。また、
風時には、重りが吸込まれて地震により弁が開く可能性
がないからである。それは、地震の波と風の波の違いに
よる。地震の波(加速度)は、0を経由してプラスマイ
ナスの振幅を繰返すが、風の波(加速度)は、プラス領
域(またはマイナス領域のどちらか一方)での振幅を繰
返すからである。つまり、地震波では、圧力の無い瞬間
を持ち、その瞬間に重りの吸込みがなくなり地震センサ
ーとして働く。風波では、プラス領域(またはマイナス
領域のどちらか一方)で圧力が持続し、重りの吸込みが
解除されることがなく、そのため地震センサーとして働
かずに風時では免震機構はロックされるからである。し
かし、より地震時の(ロック)弁の解除の確実性を与え
たのが、8.13.2. 風時の免震ロック2の発明である。こ
の重り吸込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定
装置は、具体的には、図288、図289等の、地震セ
ンサーの重り20、20-b、20-e、20-dcが強風時
に出口・出口経路7-acjに吸込まれる型の弁方式地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置である。この重り吸込み
型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置の実施例
は、地震センサーの重り20-bがボール型の図288、
図289、図297、図298、図301、図302、
図303、図311〜図312、図326(ボールの
方)、図327(下ボールの方)、図328、図32
9、図330、図331、図332(a)、地震センサー
の重り20がすべり部材型の図296、地震センサーの
振り子重り20-e型の図307、図317(a)、図31
7(b)、図318(a)、図318(b)、図319、図32
0、図321、図323、図324、図325、図33
2(b)、地震センサーの重りが変形型の図299、図3
00、図322、等である。ただし、振り子重り20-e
型は、振り子の支点を受ける支持部20-iでガタ(遊
び)が無いと、重り20-eは吸込まれないので遊びを設
ける必要がある。また、液体の弁として密閉性から考え
ると、振り子よりボール型の方が優れている。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック) 8.13.1. 風時の免震ロック1の発明より、地震時の(ロ
ック)弁の解除の確実性を与えたのが、請求項226−
3項記載の発明の発明であり、前述の重り吸込み型弁方
式地震センサー振幅装置装備型固定装置と食込み支承
(8.7.参照、ボール型、ローラー型)とを併用使用する
ものである。前述の重り吸込み型弁方式地震センサー振
幅装置装備型固定装置と、食込み支承(ボール型、ロー
ラー型、8.7.参照)を組合せることにより、食込み支承
の食込み部を乗り越える風の場合にのみ、免震機構はロ
ックされる。食込み支承の食込み部を乗り越えない風の
場合には、免震機構は働く。という効果が得られる。こ
のことを説明すると、 1) 食込み支承の食込み部を乗り越えない風の場合に
は、免震機構は働く。食込み支承の食込み部を乗り越え
るような風が吹かない限り免震される構造体は動き出さ
ない。それまでは、地震センサーの重り(弁)を吸込む
ような液体等の圧力は発生しないため、地震時に地震セ
ンサーの重りが作動し、免震機構が働く。さらに、食込
み支承に加えて、より地震時の(ロック)弁の解除の確
実性を考えると、地震センサーの重り(弁)を吸込むよ
うな液体等の圧力を発生させないためには、固定装置の
作動部とそれを固定する側との間に(例えば、固定ピン
型固定装置の場合には固定ピンとその挿入部との間に)
遊びを設けて、食込み部を乗り越え無い限りピストン状
部材7-pからの圧力が地震センサーの重り(弁)にかか
らないようにする。 2) 食込み支承の食込み部を乗り越えるような風の場合
にのみ、免震機構はロックされる。食込み支承の食込み
部を乗り越えるような風の場合は、免震される構造体は
動き出そうとするため、地震センサーの重りを吸込むよ
うな液体等の圧力が発生し、重りが吸込まれている。そ
のため地震時でも(重りの重さによるが、大抵の場合
は)重りが作動せず弁が開かないため、免震機構は働か
ない。なお、食込み支承に関しては、8.7.に記載されて
いるが、ボール型、ローラー型がある。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−4項記載の発明は、請求項125項から
請求項135項または請求項137項のいずれか1項に
記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置において、
ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
ると弁が出る(開く)ようにして、強風時にはピストン
状部材からの圧力により、直接に(図293、図294
参照)、間接に(図313〜図314参照)、地震セン
サーとなる重りを押す方向に働くようにしてなることを
特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、また
それによる免震構造体である。具体的には、図293
(a)(b)、図294(a)(b)において、ロック弁管20-cp
またロック弁20-lが、錐形等をしており、強風時には
ピストン状部材7-pからの圧力により、地震センサーと
なる重り20、20-b、20-eを押す方向に働く(持ち
上(下)がる)ようにして構成される。錐形は弁が開く
方向に開いた形(弁が出る方向(開く方向)に広く、弁
が入る方向(閉じる方向)に狭い傾斜もった形)となっ
ている。錐形の開き角度(直角に比べて)は、僅かな角
度(5/1000〜5/100)で良い。ある一定以上
の強風時には重りを押し上げてロックするが、免震の始
まる地震初動時の圧力程度はロックしてはいけないから
である。図293(a)(c)、図294(a)(c)は、ロック弁
管20-cpまたロック弁20-lが、段差のついた形等を
しており、強風時にはピストン状部材7-pからの圧力に
より、地震センサーとなる重り20、20-b、20-eを
押す方向に働く(持ち上(下)がる)ようにして構成さ
れる。段差のついた形は、弁が出る方向(開く方向)に
幅広く、弁が入る方向(閉じる方向)に狭くなるような
段差をつける形となっている。このことにより、重り2
0、20-bが、センサー免震皿20-cpssと平行の曲面
の重り20、20-bの上部押え(固定装置本体に取付け
られている)20-cpssuに押しつけられ、地震センサー
としての重り20、20-bがロックされる。このことに
より強風時に免震が働かなくなる。この重り20、20
-bのかわりに振り子重り20-eに置き換えても、同様
で、振り子の軸または支持部20-iに押しつけられ、重
り20-eがロックされる。図313〜図314は、ロッ
ク弁20-lが、錐形等をしているが、地震センサーとな
る重り20、20-b、20-eを直接押さない方式で、歯
車・滑車・梃子等によって伝達して押す方式である。具
体的に言えば、ロック弁20-lの力を歯車・滑車・梃子
等によって伝達して重り20、20-b、20-eを押す方
式である。図313〜図314は、ロック弁20-lの力
を歯車・滑車・梃子等によって単純に(等価に)伝達す
るだけで無く増減する場合である。 8.14. 杭折れ防止構法 請求項193項記載の発明の杭折れ防止構法は、上部構
造(免震される構造体、地上構造物)と杭等の基礎部と
を構造的に縁を切り、その両者間をある一定以上の地震
力によって折れるか切れるかする固定ピンで繋ぐことに
より構成するものである。ある一定以上の地震力とは、
杭折れが起こる地震力以下の地震力である。上部構造の
柱等と、基礎部との詳細としては、まず、基礎部の柱受
けの詳細として、柱より大きな支持板を持ち、周辺は立
ちあげて、柱が支持板より外れるのを防ぐ必要もある。
その支持板は、杭折れを防ぐためだけならば、コンクリ
ートでもよい。また形状は、平面でも、すり鉢また球面
等の凹面でもよい。同様に、上部構造の柱等の基礎当た
り部の材料は杭折れを防ぐためだけならば、コンクリー
トでも良く、また形状は、平面でも、基礎部と対称の、
台円錐また球面等の曲凸面でもよい。また固定ピンも、
剪断ピン同様、地震時に切断を誘発する誘発切り込みの
入ったものでもよい。 9. 緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承 (1) 減衰ダンパーについて 積層ゴム免震は、(時間軸を横軸、変位を縦軸とする
と、)等比級数的な減衰曲線を持ち、減衰しにくいた
め、必ずと言ってよいほど減衰ダンパーが必要である
が、滑り型免震では(時間軸を横軸、変位を縦軸とする
と、)等差級数的な減衰曲線を持ち、すみやかに減衰す
るため、減衰ダンパーは必要ない。なお滑り型免震に減
衰ダンパーを設けた場合には、免震性能を下げる効果し
か持たない。また、全ての免震機構に言えることである
が、減衰ダンパーでは、11.1.に記載のように免震され
る構造体の形態の多様性に対応できない。 (2) 滑り型免震での減衰ダンパー= 緩衝材付支承 ゴム等の弾性材また緩衝材を、免震装置・滑り支承の免
震皿等の滑り面(すべり面・転がり面)の周辺また縁に
取り付けて、(設計時の)予想を上回る地震変位振幅が
入力した場合、その支承周辺の弾性材また緩衝材に滑り
部または中間滑り部等を衝突させて対処する。請求項2
27項は、その発明である。図480〜図481は、そ
の発明の実施例を示している。具体的には、ゴムまたス
ポンジ等の弾性材また緩衝材26を、免震皿3等の免震
滑り支承C、Dの周辺また縁に取り付けて、予想を上回
る地震変位振幅が入力した場合、その支承C、D周辺の
ゴム等の弾性材また緩衝材26に滑り部または中間滑り
部等を衝突させて対処する。緩衝材26の幅を大きく持
たせ、さらに柔らかいスポンジ等を用いるとより効果的
とも考えられる。また、緩衝材26の幅を同じにするた
めに、ドーナツ型円周形にする方法も考えられる。図4
81は、その発明の実施例を示している。また図480
は、免震皿が方形の場合である。図480は、凹型滑り
面部の免震皿Cの場合、また図481は、平面型滑り面
部の免震皿Dの場合であり、図480、図481共に、
滑り部と免震皿の一重免震皿免震装置・滑り支承、中間
滑り部を挟んだ二重免震皿免震装置・滑り支承の場合も
ある。また二重免震皿免震装置・滑り支承の場合、弾性
材また緩衝材26が上下の免震皿の両方に取り付けられ
る場合もあり、上免震皿また下免震皿のどちらかに取り
付けられる場合もある。しかし、二重免震皿免震装置・
滑り支承の場合は、上下の免震皿の両方に取り付けられ
る場合の方が、上と下の免震皿が衝突時の衝撃によりず
れないので望ましい。なお、図480の免震皿は、方形
であり、図481の免震皿は、円形であるが、図480
の免震皿が、円形であっても、図481の免震皿が、方
形であっても構わなく、これ以外の免震皿(本明細書全
体における)においても、当然両方の場合がある。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承 図482〜図484は、請求項228項〜請求項232
−2項の発明の弾性材・塑性材敷き支承の実施例を示し
ている。なお、弾性材とは天然ゴム、合成ゴム等の弾性
材であり、塑性材とは鉛・亜鉛メッキ・合成樹脂材・粘
土等の塑性材(弾塑性材を含む、以下同じ)である。こ
の発明は、以下のように(1)耐圧性向上、(2)変位抑制と
に分かれて発展できる。図482は、請求項228項の
発明の弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿とその免
震皿面を滑動するボールまたはローラーの場合の実施例
を示している(図482は、その内のボールの場合の実
施例である)。免震皿3とその免震皿面を滑動する滑り
部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f
とにより構成されている免震装置・滑り支承において、
滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー
5-fの滑動する免震皿3に弾性材・塑性材3-e(弾塑性
材を含む、以下同じ)を敷くか、付着させることによ
り、構成されている免震装置・滑り支承である。弾性材
また塑性材3-eの使用によって、滑り部5、中間滑り部
6、ボール5-e、またはローラー5-fが、弾性材また塑
性材3-eへ食込むことにより接触面積が増加し、且つ滑
動時の摩擦が増大して、免震皿面を滑動する滑り部5、
中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f等に対
する免震皿面の耐圧性能の向上と、地震時の応答変位の
抑制とを可能にする。変位抑制の意味は、予想以上の地
震振幅時の、免震皿から滑り部等の外れ及び免震皿の縁
等への滑り部等の衝突の防止である。 (1) 耐圧性向上 a) 基本形 図482は、請求項229項の発明の、耐圧性向上を図
った弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿とその免震
皿面を滑動するボールまたはローラーの場合の実施例を
示している(図482は、その内のボールの場合の実施
例である)。免震皿3とその免震皿面を滑動する滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-fと
により構成されている免震装置・滑り支承、特にボール
5-eまたはローラー5-fとによる転がり型滑り支承にお
いて、滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはロ
ーラー5-fの滑動する免震皿3に弾性材また塑性材3-e
を敷くか、付着させることにより、免震皿3への食込み
を防止して、免震皿3の耐圧性能の向上に対応するよう
に構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承
である。弾性材また塑性材3-eの使用によって、滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f
が、弾性材また塑性材3-eへ食込むことにより接触面積
が増加し、免震皿3の耐圧性能を向上させ、且つ食込み
を防止する。また当然、変位抑制効果も持つ。 b) ボール食込み孔付き弾性材・塑性材敷き支承 また、滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはロ
ーラー5-fの、地震時以外の通常位置(中央部)に、そ
の食込む形状に従って弾性材また塑性材3-eに孔を開け
るか凹みを付ける。これは特に弾性材3-eへのへたり
(疲労)等の負荷を減らす構成方法である。この方法に
より、通常時の弾性材への圧力を軽減し、長期にわたり
圧力を受けることによる弾性材の疲労を防ぐ。さらに、
耐圧性能を向上させ、食込み支承よりも免震時の免震性
能を落とさず、風揺れ防止する。この孔に滑り部等の大
きさよりも余裕を見た場合には、小さい加速度時での免
震性能も向上させる。以下の(2) b)のすり鉢状の弾性材
・塑性材敷き支承においても、同様の構成が採用可能で
ある。 (2) 変位抑制 a) 基本形 図482は、請求項230項の発明の、変位抑制を図っ
た弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿とその免震皿
面を滑動するボールまたはローラーの場合の実施例を示
している(図482は、その内のボールの場合の実施例
である)。免震皿3とその免震皿面を滑動する滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-fと
により構成されている免震装置・滑り支承において、滑
り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5
-fの滑動する免震皿3に弾性材また塑性材3-eを敷く
か、付着させることにより、変位抑制に対応するように
構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承で
ある。弾性材また塑性材3-eの使用によって、滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f
が、弾性材また塑性材3-eへ食込むことにより接触面積
が増加し、滑動時の摩擦が増大して、地震時の応答振幅
の変位が抑制される。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承 請求項231項は、免震皿の滑り面部の中央部から一定
範囲まではすべり型免震または転がり型免震をし、その
範囲を超えると免震皿の滑り面部の摩擦が大きくなるよ
うに、滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはロ
ーラー5-fの滑動する免震皿3に弾性材また塑性材3-e
を敷くか、付着させる発明である。そのことにより地震
動のある一定変位から変位抑制され、その範囲以内の変
位には免震性能は上げられる。この効果は、予想し得る
地震の変位の範囲までは免震性能を上げ、予想を超える
それ以上の変位の地震に対しては、変位抑制が働き、免
震皿の許容変位から滑り部等が超えなくすることができ
る。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1 さらに、この弾性材また塑性材について、厚みが周辺部
ほど増すようにすり鉢また球面等の凹型形状を取ること
により、変位抑制の効果はより期待できる。図483
は、この発明(請求項232項)の、すり鉢また球面等
の凹型形状の弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿と
その免震皿面を滑動するボールまたはローラーの場合の
実施例を示している(図483は、その内のボールの場
合の実施例である)。請求項230項〜請求項231項
において、免震皿3に敷かれるか、付着させる弾性材ま
た塑性材3-eがすり鉢等の凹形状をしてなることを特徴
とする免震装置・滑り支承である(請求項231項の場
合は、弾性材また塑性材3-eは、免震皿の滑り面部中
央部分に位置する所が抜けて、その一定範囲を超えてか
らすり鉢または球面等の形状で始まる)。図483の
(b)と(c)の断面図((b)は通常時、(c)は地震振幅時)に
示されているように、弾性材また塑性材3-eが、厚みが
周辺部ほど増すような形で、すり鉢また球面等の凹型の
形状を取ることにより、地震時の振幅が大きいほど、滑
り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5
-fによる弾性材また塑性材3-eへの食込み深さが増して
接触面積が大きくなり、滑動時の摩擦が増大して、地震
時の応答振幅の変位が抑制される。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 図484は、請求項232−2項の実施例であり、すり
鉢または球面または円柱谷面状またはV字谷面状等の凹
形状の免震皿に対して、その凹形状に充填させて平面を
なすように弾性材・塑性材3-eを敷くか、付着する。そ
のため凹面中央部ほど弾性材・塑性材が厚くなる実施例
である。このことにより通常時における、ボールまたは
ローラーに対しての免震皿の耐圧性能をさらに向上させ
ることができる。また当然、 上記 c)も免震皿3の耐圧
性能も向上する。 9.3. 変位抑制装置 変位抑制装置として、3.と 8.4. 以外の例である。図
485(c)は、請求項233項の発明の、変位抑制装置
の実施例を示している。スライドし合う部材同士1-a、
2-pの摩擦によって地震の変位振幅を抑制し、スライド
し合う部材同士の一方が免震される構造体1に、他方が
免震される構造体を支持する構造体2に設けられること
により構成されてなることを特徴とする免震変位抑制装
置である。スライドし合う部材同士1-a、2-pの接触部
の摩擦が大きくなるように、接触部の材料としてゴム等
の摩擦係数の大きい材料の選択をすること、また、ゴム
等の弾性材26-bをスライドし合う部材同士1-a、2-p
に設け、部材同士1-a、2-pを押し付け合うことも考え
られる。また、この装置は、図132〜図145、図1
47のように固定装置にも使用できる。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 請求項234項〜請求項238項の衝突衝撃吸収装置
は、予想を越える変位振幅をもった地震によって、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
が、外れ止め等で衝突する場合を想定した装置で、免震
される構造体と、免震される構造体を支持する構造体と
が衝突する外れ止め等の位置に設けられ、その衝突を緩
和する発明である。その衝突緩和の方法に関しては、弾
性的反発のある形ではなく、反発係数の低い弾性材(低
反発係数型)を用いる、座屈変形(座屈変形型)を利用
する、塑性変形(塑性変形型)または塑性材を利用する
等によって、反発を最小限に抑えるのが望ましい。とい
うのはそれによって衝突後の免震振動が乱されずに済
み、衝突を緩和することができるからである。 (1) 低反発係数型 請求項234項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、低反発係数
の緩衝材また弾性材を設けることにより構成されてなる
ことを特徴とする衝突衝撃吸収装置である。 (2) 座屈変形型 図485は、請求項235項の発明の、弾性材の座屈に
よる衝突衝撃吸収装置の実施例を示している。免震され
る構造体と、免震される構造体を支持する構造体とが衝
突する位置に、衝突時に弾性材が座屈する細長比以上の
弾性材を設けて、その弾性材の座屈によって衝突時の衝
撃を吸収するように構成されてなることを特徴とする衝
突衝撃吸収装置である。また、前記の9.3.の変位抑制装
置の端部にこの弾性材を付けることも可能であり、また
この装置は、図132〜図145、図147の固定装置
にも使用できる。 (3) 塑性変形型 請求項236項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に塑
性変形する緩衝材また塑性材を設けることにより構成さ
れてなることを特徴とする衝突衝撃吸収装置である。 (4) 剛性部材挟み型 請求項237項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する際の、例えば、ロー
ラー・ボール等が免震皿の縁に衝突する際の、衝撃を吸
収させるために、緩衝材・弾性材・塑性材への衝突吸収
面積を高める事が有利であるが、そのために、衝突面積
よりも大きな面積を持った剛性のある(鋼等の)部材で
衝突時の衝撃力を拡散させてから、最低限その拡散した
面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材で受けるとい
う発明である。その緩衝材・弾性材・塑性材は低反発係
数を持った材料のものがよいが、また、上記座屈変形
型、塑性変形型も考えられる。図486は、そのうち、
剛性のある(鋼等の)部材26-cが水平方向に長く、衝
撃力を水平方向に拡散させてから、その部材に接着させ
た緩衝材また弾性材また塑性材26により衝撃を吸収さ
せる場合の実施例である。この図486は、図411〜
図413(2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良)
の引抜き防止装置・滑り支承と同様の構成をもった装置
の断面図であり、免震皿の縁の、ローラー・ボール等が
衝突する位置に、水平方向に長い剛性のある(鋼等の)
部材26-cをもった緩衝材また弾性材また塑性材26が
取付けられているものである。以上の方法により、衝撃
を吸収させる能力が格段に向上して、極端に免震皿の面
積を小さくすることが可能である。さらに、請求項23
8項は、衝突時の免震される構造体の加速度が所定の値
になるように、緩衝材また弾性材また塑性材26のバネ
定数を決定する計算式に基づいて構成された衝突衝撃吸
収装置に関する発明である。緩衝材・弾性材・塑性材2
6の長さとたわみ長さから可能なバネ定数Kは、以下の
近似式から算出される。予想以上の地震変位により緩衝
部材との衝突が発生した場合に、免震される構造体が受
ける加速度から弾性材のバネ定数Kは、以下の式から算
出される。免震される構造体の質量Mに対して衝突衝撃
吸収装置を1箇所設置した場合を想定し、衝突速度を
V kineとする。このとき接触時の運動エネルギーと衝
突衝撃吸収装置の弾性エネルギーを等しいものとおき、
衝突衝撃吸収装置の(等価)バネ定数をK、たわみ長さ
をδとすると近似的に、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2 K=M・V^2/(δ^2) ……(1) となる。この式は、衝突衝撃吸収装置が完全な弾性材か
らなりK一定で弾性変形する場合だけでなく、Kが途中
で変化する場合や、粘性減衰や履歴減衰などの減衰を伴
う場合、あるいは弾性変形と塑性変形を同時に起こすよ
うな場合などにも、近似的に適用できる。また、衝突衝
撃吸収装置に減衰装置を設けて、吸収した衝突のエネル
ギーを減衰させるときや、あるいは緩衝部材自体にエネ
ルギーを減衰させる能力がある等のときは、(1)式にエ
ネルギー減衰の項を設ける場合もある。ここでこの式に
対し、衝突衝撃吸収装置がとりうるたわみ長さをδに代
入することで装置のバネ定数Kが与えられ、このKとδ
とから、免震される構造体全体での反力Fが与えられ
る。 F=K・δ ……(2) そして、免震される構造体が受ける加速度Aは、 A=F/M =K・δ/M ……(3) である。ここで衝突衝撃吸収装置を n箇所設置した場合
のバネ定数をKn、その場合のたわみ長さをδnとする
と、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2=n・(1/2・Kn・δn^2) である。ここでたわみ長さδ=δnとすると、Knは前記
Kに対してK/nとなり、よって A’=K・δ/M/n =M・V^2/(δ^2)・δ/M/n =V^2/δ/n ……(4) である。このA’が、想定した入力地震波の最大加速度
よりも小さくなるように、衝突衝撃吸収装置の個数、バ
ネ定数、たわみ長さを調整する。例として、衝突速度を
50kine、免震される構造体の重量 Mg=50tf、たわみ長
さδ=2cm、n箇所設置とした場合を検討する。(4)より
衝突時に免震される構造体の受ける加速度は、 A’=1250/n ここで衝突衝撃吸収装置の設置箇所数を 8としたとき A’=1250/8 =156gal 同様に衝突衝撃吸収装置の設置箇所数を10としたとき A’=1250/10=125gal 同様に衝突衝撃吸収装置の設置箇所数を12としたとき A’=1250/12=104gal である。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
る免震・減衰・緩衝) 9.5.1. 構成 すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。請求項239項
は、そのうち、すべり型免震または転がり型免震におい
て免震皿の許容変位を超えた場合の対処法で、一定変位
まではすべり型免震または転がり型免震をし、その変位
を超えるとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝材により免震
・減衰させることを特徴とするものである。これは以下
のように2つに分かれる。 1) すべり型免震+ゴム等による免震・減衰 すべり型免震で免震皿の許容変位を超えた場合の対処法
で、一定変位まではすべり型免震をし、その変位を超え
るとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝材により免震・減衰
させることを特徴とするものである。 2) 転がり型免震+ゴム等による免震・減衰 転がり型免震で免震皿の許容変位を超えた場合の対処法
で、一定変位までは転がり型免震をし、その変位を超え
るとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝材により免震・減衰
・緩衝させることを特徴とするものである。具体的に
は、滑り支承(すべり支承、転がり支承)による免震
で、地震時に免震皿の許容変位を超えた地震変位の場
合、その変位を超えるとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝
材により免震・減衰させるもので、そのゴム等の弾性材
・減衰材・緩衝材を免震支承に付けるか、また別装置と
して設けるものである。 9.5.2. 運動方程式(記号については、5.3.0.また 5.
1.3.1. 記号一覧) 請求項240項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれを使用した免震構造
体である。「すべり・転がり型免震+ゴム等による免震
・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合で
考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(KとCは、ゴム等のバネ定
数と粘性減衰係数) d(dx/dt)/dt+K/m・(x−XG・sign(x))+C/m・dx/dt
+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=
−d(dz/dt)/dt 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
勾配変化型免震・減衰) 9.6.1. 構成 すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。請求項241項
は、そのうち、すべり型免震または転がり型免震におい
て免震皿の許容変位を超えた場合の対処法で、一定変位
まではすべり型免震または転がり型免震をし、その変位
を超えると免震皿の滑り面部の摩擦を大きくするか、勾
配を大きくするか、または摩擦を大きくし且つ勾配も大
きくするかして免震・減衰させることを特徴とするもの
である。これは以下のように3つに分かれる。 1) すべり・転がり型免震+摩擦変化型免震・減衰 すべり型免震または転がり型免震における免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法で、一定変位まではすべり型
免震または転がり型免震をし、その変位を超えると免震
皿の滑り面部の摩擦を大きくして免震・減衰させること
を特徴とするものである。特に、転がり型免震における
免震皿の許容変位を超えた場合の対処法で、一定変位ま
では転がり型免震で、その変位を超えると免震皿の滑り
面部の摩擦を大きくしたすべり型免震・減衰させる場合
が多い。実施例は、3.1.参照。 2) すべり・転がり型免震+勾配変化型免震・減衰 すべり型免震または転がり型免震における免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法で、一定変位まではすべり型
免震または転がり型免震をし、その変位を超えると免震
皿の滑り面部の勾配を大きくして免震・減衰させること
を特徴とするものである。実施例は、3.2.参照。 3) すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型免
震・減衰 すべり型免震または転がり型免震における免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法で、一定変位まではすべり型
免震または転がり型免震をし、その変位を超えると免震
皿の滑り面部の摩擦を大きくし、且つ勾配を大きくして
免震・減衰させることを特徴とするものである。実施例
は、3.3.参照。 9.6.2. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1. 記号一覧) 請求項242項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれを使用した免震構造
体である。 1) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化型免震・減衰」
の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
と、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(μ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ’・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 2) 「すべり・転がり型免震+勾配変化型免震・減衰」
の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
と、一定変位(XG)までd(dx/dt)/dt+(cos
θ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=−d(dz/
dt)/dt その変位(XG)を超えると(θ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 3) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型
免震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場
合で考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’・s
ign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 9.6.3. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1. 記号一覧) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化・勾配変化型免震・
減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合で考
えると、一定変位まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位を超えると(θ’とμ’は、すべり型免震の勾
配と摩擦係数で、θ’とμ’ともに変化させる場合、ど
ちらかだけ変化させる場合に分かれる) d(dx/dt)/dt+(cosθ’)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’
・sign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt となるような運動方程式となる。この場合について、
θ’とμ’が一定型と変化型に分かれる。 1) 一定型 θ’=定数、μ’=定数 2) 変化型 θ’=θ’(x) μ’=μ’(x) 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと、風時に、免震される構造体が固定装
置を中心として回転するのを止められない。積層ゴム等
のバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比例型の
減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合には、
免震時に免震される構造体の捩れ振動が生じる。その回
転及び捩れ振動が生じないようにするには、免震される
構造体及びその免震される構造体を支持する構造体の周
辺に配置される回転・捩れ防止装置でその運動を押さえ
込むことである。この回転・捩れ防止装置は、免震され
る構造体を、免震される構造体を支持する構造体に対し
て水平方向への並進運動のみを許容して、回転・捩れを
生じなくさせるものである。この装置は、当然、(免
震)滑り支承としても使用できる。「並進運動のみ」の
「のみ」について、ある程度の回転の幅は、スムーズに
並進運動するために許容される。許容される幅も、滑り
支承として使用する場合は大きくても良い。特に、中間
部スライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなる
だけでなく、中間部スライド部材(中間免震皿)が自然
に元の位置に戻る効果も持つ三重スライド部材(三重免
震皿)免震装置・滑り支承の場合で、それを支承として
のみ利用する場合には、中間部スライド部材(中間免震
皿)が外れることがなくなる目的の範囲で、ガイド部等
による回転の幅は許容される。この装置により、積層ゴ
ム等のバネ型免震装置の使用またダンパー等の使用によ
り、重心と剛心がずれている場合にも、免震時の免震さ
れる構造体の捩れ振動を抑制することが可能になる。 10.1. 回転・捩れ防止装置 請求項243項〜請求項244−5項は、この回転・捩
れ防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構
造体の発明で、この回転・捩れ防止装置は、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設
けられ、免震される構造体を、免震される構造体を支持
する構造体に対して水平方向への並進運動のみを可能と
する回転・捩れ防止装置である。この装置は、当然、
(免震)支承としても使用できる。具体的には、回転・
捩れ防止装置Lは、上部スライド部材、下部スライド部
材、中間部スライド部材からなり、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられ、
上部スライド部材を免震される構造体に、下部スライド
部材を免震される構造体を支持する構造体に設け、その
間に中間部スライド部材が入り、スライドし合うスライ
ド部材同士は、少なくとも片方がもう片方のガイド部
(上下ガイドスライド部材・部分)3-gに沿ってスライ
ドすることにより、上部スライド部材は、中間部スライ
ド部材に対して相互に平行移動のみを許容され、下部ス
ライド部材は、中間部スライド部材に対して相互に平行
移動のみを許容されることにより、中間部スライド部材
が複数層ある場合には、中間部スライド部材同士が相互
に平行移動のみを許容されることにより、さらに、これ
らのスライド部材を一層毎に平行移動方向が変わるよう
に、中間部スライド部材が一層の時は、互いに直交方向
になるように、中間部スライド部材が複層の時は、交差
角度の総合計が180度になるように、積層させること
によって、免震される構造体を、免震される構造体を支
持する構造体に対して水平方向への並進運動のみを可能
とする回転・捩れ防止装置Lまた滑り支承である。な
お、中間部スライド部材が複層の場合の、それぞれの層
の交差角は、全体交差数の180度の等分割が望ましい
が、それよりずれていてもよい。「平行移動のみ」また
「並進運動のみ」の「のみ」について、ある程度の回転
の幅は、スムーズに並進運動するために許容される。許
容される幅も、滑り支承として使用する場合は大きくて
も良い。特に、中間部スライド部材(中間免震皿)が外
れることがなくなるだけでなく、中間部スライド部材
(中間免震皿)が自然に元の位置に戻る効果も持つ三重
スライド部材(三重免震皿)免震装置・滑り支承の場合
で、それを支承としてのみ利用する場合には、中間部ス
ライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなる目的
の範囲で、ガイド部等による回転の幅は許容される。中
間部スライド部材が単層で、上部スライド部材、下部ス
ライド部材、中間部スライド部材のみの3層構成の場合
には、上部スライド部材、下部スライド部材のスライド
部分の長さが、中間部スライド部材のスライド部分の長
さよりも長いほど回転・捩れの抑止効果が大きくなる。
また、上部スライド部材は、上側(部)免震皿の場合も
あり、下部スライド部材も、下側(部)免震皿の場合も
あり、中間部スライド部材も、上下ガイドスライド部材
3-gの場合、中間免震皿と上下ガイドスライド部材3-g
の場合、上下ガイドスライド部分3-gをもった中間免震
皿の場合もある。さらに、上下ガイドスライド部材・部
分3-gは、上下繋ぎスライド部材・部分3-sでもよい
が、上下繋ぎスライド部材・部分3-sの上下の部材との
引掛けを必要としなくても、本来の機能は果たせるもの
である(図382(b)〜図383(b)とを参照)。以下、
ガイド型、ローラー型に分けて説明を行う。 10.1.1. ガイド型 請求項244−1項記載の発明であるガイド型は、請求
項244項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承にお
いて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部ス
ライド部材のスライド部材の相互間にガイド部とそのガ
イド部に沿う部分を設ける型である。ガイド型は、外ガ
イド型と内ガイド型とに分かれ、それに対応してガイド
部も、外ガイド部と内ガイド部とに分かれる。請求項2
44−1項は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材と中間部ス
ライド部材との、また、中間部スライド部材と下部スラ
イド部材との、また、中間部スライド部材が複数層ある
場合には、中間部スライド部材同士との、どちらか一方
に、スライドする方向にガイド部を、他方にそのガイド
部に沿う部分を設けることにより構成されてなることを
特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。請求項244−1−2
項記載の発明であるガイド型は、ガイド部とそのガイド
部に沿う部分との接触部分に発生する摩擦抵抗を下げた
もので、請求項244−1項記載のガイド型回転・捩れ
防止装置また滑り支承において、ガイド部とそのガイド
部に沿う部分との接触部分にボールもしくはローラー等
の転動体を設ける(挟む)事を特徴とする回転・捩れ防
止装置、またそれによる免震構造体である。このことに
より風時または捩れ発生時(免震時)等の回転抑制によ
る、ガイド部とそのガイド部に沿う部分との接触部分に
発生する摩擦抵抗を下げる事が可能になり、免震性能を
向上させる(10.1.1.2.(1) 2)参照)。 10.1.1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 10.1.1.1.1. 構成 請求項244−2項は、請求項244項記載の回転・捩
れ防止装置また滑り支承において、上部スライド部材と
中間部スライド部材との、また、中間部スライド部材と
下部スライド部材との、また、中間部スライド部材が複
数層ある場合には、中間部スライド部材同士との、どち
らか一方の平行する対辺(同士)に、スライドする方向
にガイド部を、他方の平行する対辺(同士)にそのガイ
ド部(外ガイド部)に沿う部分を設けることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑
り支承、またそれによる免震構造体の発明である。この
回転・捩れ防止装置また滑り支承の実施例として、以下
のものがあげられる。特に、図340〜図380、図3
94〜図418は、引抜き防止機能を併せ持ち、そのう
ち図348〜図352、図359〜図363、図370
〜図380、図409〜図418は、免震復元機能を併
せ持ち、そのうち図348〜図350、図359〜図3
61、図370〜図372、図375〜図377、図3
78〜図380、図409〜図410、図411〜図4
13は、転がり型免震機能を併せ持つことが可能であ
る。 (1) 図394〜図418(2.12.引抜き防止装置・滑り
支承の改良)の実施例では、回転・捩れ防止装置L
が、上側(部)免震皿(上部スライド部材)3-a、下側
(部)免震皿(下部スライド部材)3-b、上下繋ぎスラ
イド部材(中間部スライド部材)3-sからなる場合であ
る。図430〜図435の実施例では、図430〜図4
32は図396〜図398の、図433〜図435は図
411〜図413の、上下繋ぎスライド部材3-sが、上
下の部材との引掛けをもたない上下ガイドスライド部材
3-gの場合である。 (2) 図340〜図380(4.1.2.引抜き防止付き三重
(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承)の実施
例では、回転・捩れ防止装置Lが、上側(部)免震皿
(上部スライド部材)3-a、下側(部)免震皿(下部ス
ライド部材)3-b、上下繋ぎスライド部材3-sまたは上
下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿(中間部ス
ライド部材)3-mからなる場合である。図419〜図4
29の実施例では、図419〜図422は図340〜図
343の、図423〜図426は、図344〜図347
の、図427〜図429は図348〜図350の、上下
繋ぎスライド部材・部分3-sが、上下の部材との引掛け
をもたない上下ガイドスライド部材・部分3-gの場合で
ある。 (3) 図344〜図352、図356〜図363、図36
7〜図374(4.3.平面状また円柱谷面状またV字谷面
状重層免震皿(上下繋ぎスライド部分持ち))の実施例
では、回転・捩れ防止装置Lが、上側(部)免震皿(上
部スライド部材)3-a、下側(部)免震皿(下部スライ
ド部材)3-b、上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間
免震皿(中間部スライド部材)3-mからなる場合であ
る。以上の(1)〜(3)の実施例のうち、ここで触れられて
いないものに関して、上下繋ぎスライド部分・部分3-s
が、上下の部材との引掛けをもたない上下ガイドスライ
ド部材・部分3-gとなる場合もある。また、以下の、1
0.2.回転抑制、10.3.捩れ振動抑制にも共通であるが、
回転・捩れ防止装置は、免震される構造体を支持する構
造体2に、剛接、つまり(アンカー)ボルト2本以上で
回転しないよう接合されなければならない。 (4) 上部スライド部材と中間部スライド部材との間に、
また中間部スライド部材と下部スライド部材との間に、
低摩擦材、またボール(ベアリング)5-e、ローラー
(ベアリング)5-fを挟むことで、摩擦係数を下げる方
法が考えられる。図383(b)は、その実施例である。
図383(a)は、ボール(ベアリング)5-e、ローラー
(ベアリング)5-fを挟まない場合の実施例である。図
382(b)(c)も、その実施例で、中間部スライド部材3
-mが上下繋ぎスライド部分3-sをもった場合である。図
384は、上下繋ぎスライド部材3-sに、L型の保持器
5-gをもったローラー5-fを設けて、転がりにより、側
面、上面の摩擦抵抗を少なくした場合である(また、側
面用、上面用と別々のローラー5-fを設けてもよい。ま
た当然、片方だけでも良い。回転・捩れ防止の摩擦抵抗
の低減だけでは、側面のローラー5-fだけを設けてもよ
い)。図385は、図411〜図413の上下繋ぎスラ
イド部材3-sに、L型の保持器5-gをもったローラー5
-fを設けて、転がりにより、側面、上面の摩擦抵抗を少
なくした場合である。図384、図385の支承とも
に、上面の摩擦抵抗の軽減は、地震時の支承への引抜発
生時にその摩擦抵抗を下げる効果をもつ。また、上面の
摩擦抵抗の軽減は、地震時の引抜発生によって生じる捩
れ(地震時の引抜発生によってその支承の摩擦により捩
れが生じる)を抑える効果を持つ。また、側面の摩擦抵
抗の軽減は、この支承による捩れ回転抑制時(10.回
転・捩れ防止装置参照)に働く摩擦抵抗を下げ、免震性
能を高める効果をもつ。請求項244−1−2項は、こ
の側面低摩擦材・ベアリング付きの発明である(10.1.
1.2. (1) 2)参照)。 10.1.1.1.2. 回転・捩れ防止装置の回転・捩れ抑制能力
計算式 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
スライド部材が入る。上部スライド部材は、中間部スラ
イド部材と下部スライド部材との関係で、長辺方向また
は短辺方向の平行移動のみを許容し、下部スライド部材
は、中間部スライド部材と上部スライド部材との関係
で、長辺方向または短辺方向の平行移動のみを許容され
る。以上の構造から、免震される構造体は、免震される
構造体を支持する構造体に対し長辺方向及び短辺方向の
平行移動のみを許容される。このとき各スライド部材の
(スライド部の互いに掛かり合う)長さをl、すきまを
dとすると、回転・捩れ防止装置の許す回転角φは、上
下合わせた全体で φ=4d/l ……(1) で表される。この値は、例えばl=250mm、d=0.5mmの場
合、φ=1/125rad程度の値であり、回転・捩れはほとん
ど完全に抑制できる。 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) (1) 一般 1) 一般 請求項244−3項は、請求項244項から請求項24
4−2項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部ス
ライド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間
にどちらか一方にスライドする方向に溝を、他方にその
溝に入る凸部(内ガイド部)を設けることにより構成さ
れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。凸部の長さとそれと
溝との隙間とにより回転・捩れ防止能力が決まる。図4
37〜図457は、その実施例である。 a) 外ガイド部、内ガイド部併用型 図437〜図439は、図427〜図429の三重(ま
た三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承(転がり支
承)の中間免震皿3-mに、上下に重なる免震皿のスライ
ドが許されている方向に凸部形状の内ガイド部(上下ガ
イドスライド部分)3-gが付けられ、上部(側)免震皿3
-aまたは下部(側)免震皿3-bに、上下に重なる免震皿の
スライドが許されている方向に溝3-giが掘られて、内
ガイド部3-gがその溝3-giに挿入してガイドとなる場
合である。また、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免
震皿3-bに内ガイド部(上下ガイドスライド部分)3-g
が付き、中間免震皿3-mに溝3-giが掘られて、内ガイ
ド部3-gがその溝3-giに挿入してガイドとなるような
逆の場合もある。 b) 内ガイド部のみ型 図440〜図457は、外ガイド部無しの、内ガイド部
(上下ガイドスライド部分)3-gのみの場合の実施例で
ある。図440〜図442は、三重(また三重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承(すべり支承)の中間免震皿
3-mに、上下に重なる免震皿のスライドが許されている
方向に凸部形状の内ガイド部(上下ガイドスライド部
分)3-gが付けられ、上部(側)免震皿3-aまたは下部
(側)免震皿3-bに、上下に重なる免震皿のスライドが許
されている方向に溝3-giが掘られて、内ガイド部3-g
がその溝3-giに挿入してガイドとなる場合である。ま
た、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免震皿3-bに内
ガイド部(上下ガイドスライド部分)3-gが付き、中間
免震皿3-mに溝3-giが掘られて、内ガイド部3-gがそ
の溝3-giに挿入してガイドとなるような逆の場合もあ
る。なお、内ガイド部(上下ガイドスライド部分)3-g
が付いた中間免震皿3-mは、その上下の内ガイド部3-g
に働く捩れに抵抗できるような剛性が得られるように、
上下の内ガイド部3-gの一体性を計ったトラス状、火打
ち梁状、面状、ハンチ状等の形態となっている。このト
ラス状、火打ち梁状、面状、ハンチ状等の形態により、
上部スライド部材と下部スライド部材との回転を拘束す
ることによって捩れを抑制する。また風時の固定装置を
中心とする回転を抑制する。10.1.1.2.に記載の発明に
おいては、上下ガイドスライド部材と同様に、免震皿を
もたない内ガイド部を用いた実施例も可能である。図4
46〜図447は、その実施例である。また、図446
〜図447の装置と図440〜図442の装置とは、ガ
イド部3-gとその溝3-giとの、(上部スライド部材、
中間部スライド部材、下部スライド部材への取付き)関
係が逆の形である。図446〜図447の装置は、図4
40〜図442の装置とほぼ同様であるが、上部スライ
ド部材3-aまた下部スライド部材3-bが、内ガイド部3
-gとなり、線材であり、中間部スライド部材3-mに、上
下のスライド部材3-a、3-bのスライドが許されている
方向に溝3-giが設けられ、上下のスライド部材3-a、
3-bの内ガイド部3-gがその溝3-giに挿入してガイド
となる場合である。中間部スライド部材3-mは、上下の
スライド部材3-a、3-bの内ガイド部3-gから働く捩れ
に抵抗できるような剛性が得られるように、上下の(内
ガイド部3-gの入る)溝3-giの一体性を計ったトラス
状、火打ち梁状、面状、ハンチ状等の形態となってい
る。このトラス状、火打ち梁状、面状、ハンチ状等の形
態により、上部スライド部材と下部スライド部材との回
転を拘束することによって捩れを抑制する。また風時の
固定装置を中心とする回転を抑制する。図440〜図4
42の装置の中間部スライド部材3-mは、面状のもので
あり、図446〜図447の装置の中間部スライド部材
3-mも、面状のものである。図458の装置は、中間部
スライド部材3-mがトラス状のものであり、(a)図は、
この図440〜図442の装置の中間部スライド部材3
-mがトラス状のものであり、(b)図は、この図446〜
図447の装置の中間部スライド部材3-mがトラス状の
ものである。図459の装置は、中間部スライド部材3
-mが火打ち梁状のものであり、(a)図は、図440〜図
442の装置の中間部スライド部材3-mが火打ち梁状の
ものであり、(b)図は、図446〜図447の装置の中
間部スライド部材3-mが火打ち梁状のものである。図4
60の装置は、中間部スライド部材3-mがハンチ状のも
のであり、(a)図は、図440〜図442の装置の中間
部スライド部材3-mがハンチ状のものであり、(b)図
は、図446〜図447の装置の中間部スライド部材3
-mがハンチ状のものである。10.1.1.1.外ガイド型、10.
1.1.2.内ガイド型共に、引抜き防止(上下繋ぎスライド
部材・部分)付きの重層免震皿の方がスライド部材同士
の浮き上がりを防げるので回転・捩れ防止の効果が大き
い。また、このガイド型(外ガイド型/内ガイド型共
に)は、上部スライド部材、下部スライド部材のスライ
ド部を、中間部スライド部材より長くすることにより、
回転・捩れ防止抵抗を増加させた型もある(以下、下上
スライド部材伸張型と言う)。この型は特に3層構成の
場合に効果がある。 2) 側面低摩擦材・ベアリング付き 図461の装置は、溝3-giまたガイド部3-gの側面部
に、低摩擦材またローラー・ボールベアリングを付ける
ことにより、溝3-gi内でのガイド部3-gのスライドす
る動きの摩擦抵抗を下げたものである。(a)(b)図は、図
440〜図442の(d)(e)図に対応し、同図の装置の溝
3-giまたガイド部3-gの側面部に、低摩擦材またロー
ラー・ボールベアリング5-f、5-eを設けたものであ
り、(c)(d)図は、図446〜図447の(b)(c)図の平行
位置の断面図に対応し、同図の装置の溝3-giまたガイ
ド部3-gの側面部に、低摩擦材またローラー・ボールベ
アリング5-f、5-eを設けたものであり、溝3-gi内で
のガイド部3-gのスライドの摩擦抵抗を下げたものであ
る。また、この側面低摩擦材・ベアリング付きは、10.
1.1.1.の外ガイド型のガイド部とそのガイド部(外ガイ
ド部)に沿う部分との間に、側面低摩擦材またベアリン
グを設ける場合も考えられる。図384〜図385は、
外ガイド型の発明である(10.1.1.1.1.(4)参照)。請求
項244−1−2項は、この側面低摩擦材・ベアリング
付きの発明である(10.1.1.参照)。 3) 十字型・T字型・L字型 上下の内ガイド部3-gの形状が、十字型状、T字型状、
L字型状のものがある。この形状により、免震される構
造体に配置される形状に合せることが可能になる。 a) 十字型 図440〜図460の装置は、上下の内ガイド部3-gの
形状が、十字交差の十字型状のものである。 b) T字型 図462〜図466の装置は、上下の内ガイド部3-gの
形状が、T字型状のものであり、図462〜図464の
装置は、図440〜図442の装置のT字型状のもので
あり、図465〜図466の装置は、図446〜図44
7の装置がT字型状のものである。図462〜図466
では、T字形状の内ガイド部3-gの形状の片方が短い
が、両方同じ長さでも良い。 c) L字型 図467〜図471の装置は、上下の内ガイド部3-gの
形状が、L字型状のものであり、図467〜図469の
装置は、図440〜図442の装置のL字型状のもので
あり、図470〜図471の装置は、図446〜図44
7の装置のL字型状のものである。 (2) 中間滑り部持ち滑り支承兼用型 請求項244−3−2項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における中間滑り部持
ち滑り支承兼用型のもので、上部スライド部材3-aと中
間部スライド部材3-m、中間部スライド部材3-mと下部
スライド部材3-b(中間部スライド部材が複数層ある場
合には、中間部スライド部材同士)との間に、中間滑り
部として、すべり材またはローラー・ボール5-f、5-e
等の転動体を設けてなることを特徴とする回転・捩れ防
止装置、また中間滑り部持ち滑り支承、またそれによる
免震構造体の発明である。 (3) 復元型滑り支承兼用型 請求項244−3−3項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における復元型滑り支
承兼用型のもので、上部スライド部材3-aと中間部スラ
イド部材3-m、中間部スライド部材3-mと下部スライド
部材3-b(中間部スライド部材が複数層ある場合には、
中間部スライド部材同士)との間に、中間滑り部とし
て、すべり材またはローラー・ボール5-f、5-e等の転
動体を入れるか、または、さらに上部スライド部材3-a
と中間部スライド部材3-m、中間部スライド部材3-mと
下部スライド部材3-bのどちらか片方の(中間滑り部
の)すべり・転がり面を、また両方のすべり・転がり面
を、V字谷面状または円柱谷面等の凹形状にしてなるこ
とを特徴とする回転・捩れ防止装置、また復元型滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。図443
〜図445は、図440〜図442の上部スライド部材
3-aと中間部スライド部材3-m、中間部スライド部材3
-mと下部スライド部材3-bとの間に、中間滑り部とし
て、すべり材またはローラー・ボール等の転動体を入れ
るか、または、さらに上部スライド部材3-aまた下部ス
ライド部材3-bの内ガイド部3-gまた溝3-giのすべり
・転がり面をV字谷面状または円柱谷面等の凹形状にし
て、復元性能を持った滑り支承にしたものである。図4
48〜図449も同様に、図446〜図447の上部ス
ライド部材3-aと中間部スライド部材3-m、中間部スラ
イド部材3-mと下部スライド部材3-bとの間に、中間滑
り部として、すべり材またはローラー・ボール5-f、5
-e等の転動体を入れるか、または、さらに上部スライド
部材3-aまた下部スライド部材3-bの内ガイド部3-gま
た溝3-giのすべり・転がり面をV字谷面状または円柱
谷面等の凹形状にして、復元性能を持った滑り支承にし
たものである。図455〜図457は、図446〜図4
47の上部スライド部材3-aと中間部スライド部材3-
m、中間部スライド部材3-mと下部スライド部材3-bと
の間に、中間滑り部として、すべり材またはローラー・
ボール5-f、5-e等の転動体を入れるか、または、さら
に中間部スライド部材3-mの内ガイド部3-gを挿入する
溝3-giのすべり・転がり面をV字谷面状または円柱谷
面等の凹形状にして、復元性能を持った滑り支承にした
ものである。また、(4)の引抜き防止装置兼用型でもあ
る。 (4) 引抜き防止装置兼用型 請求項244−3−4項は、請求項244−3項〜請求
項244−3−3項記載の回転・捩れ防止装置また滑り
支承における引抜き防止装置兼用型のもので、溝に入る
凸部形態が、溝に嵌まりこみ上下方向に抜けなくなるよ
うな引掛け部(または引掛かり部)を有するような形態
であることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また引抜
き防止装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発
明である。図450〜図454は、その実施例である。
図450〜図452は、図440〜図442の回転・捩
れ防止装置また滑り支承の引抜き防止装置兼用のもので
ある。図440〜図442の装置の中間免震皿3-mの内
ガイド部3-gが、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免
震皿3-bの溝3-giに対して、引掛け部(または引掛か
り部)を有することで嵌まりこみ上下方向に抜けなくな
っている場合である。内ガイド部3-gの形状として、上
部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免震皿3-bの溝3-gi
に対して、T字型、L字型、逆三角形型等の嵌まりこみ
上下方向に抜けなくなるような、引掛け部(または引掛
かり部)を有するような形であればよい。図450〜図
452の内ガイド部3-gの形状は、T字型となってい
る。図453〜図454は、図446〜図447の回転
・捩れ防止装置また滑り支承の引抜き防止装置兼用のも
のである。図446〜図447の装置の上部スライド部
材3-aまた下部スライド部材3-bの内ガイド部3-gが、
中間部スライド部材3-mの溝3-giに対して、引掛け部
(または引掛かり部)を有することで嵌まりこみ上下方
向に抜けなくなっている場合である。内ガイド部3-gの
形状として、中間部スライド部材3-mの溝3-giに対し
て、T字型、L字型、逆三角形型等の嵌まりこみ上下方
向に抜けなくなるような、引掛け部(または引掛かり
部)を有するような形であればよい。 図453〜図4
54の内ガイド部3-gの形状は、T字型となっている。
また、(3)の復元型滑り支承兼用型の、図443〜図4
45の装置も、図448〜図449の装置も、引抜き防
止装置兼用が考えられる。図443〜図445の装置の
中間免震皿3-mの内ガイド部3-gが、上部(側)免震皿3
-aまたは下部(側)免震皿3-bの溝3-giに対して、引掛
け部(または引掛かり部)有することで嵌まりこみ上下
方向に抜けなくなっている場合である。内ガイド部3-g
の形状として、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免震
皿3-bの溝3-giに対して、T字型、L字型、逆三角形
型等が嵌まりこみ上下方向に抜けなくなるような、引掛
け部(または引掛かり部)を有するような形であればよ
い。図448〜図449の装置の上部スライド部材3-a
また下部スライド部材3-bの内ガイド部3-gが、中間部
スライド部材3-mの溝3-giに対して、引掛け部(また
は引掛かり部)有することで嵌まりこみ上下方向に抜け
なくなっている場合である。内ガイド部3-gの形状とし
て、中間部スライド部材3-mの溝3-giに対して、T字
型、L字型、逆三角形型等が嵌まりこみ上下方向に抜け
なくなるような、引掛け部(または引掛かり部)を有す
るような形であればよい。図455〜図457は、図4
53〜図454の引抜き防止装置兼用型装置に加えて
(3)の復元型滑り支承兼用型にしたものである。図47
2〜図474は、図437〜図439の外ガイド部を持
たず、内ガイド部が、引抜き防止部材となり、上部(側)
免震皿3-aまた下部(側)免震皿3-bに対して引掛け部
(または引掛かり部)有する型のものであり、引抜き防
止装置兼用型装置に加えて(3)の復元型滑り支承兼用型
にしたものである。図475〜図477は、図437〜
図439の内ガイド部のみが、引抜き防止部材となり、
上部(側)免震皿3-aまた下部(側)免震皿3-bに対して引
掛け部(または引掛かり部)有する型のものであり、外
ガイド型と引抜き防止装置兼用型とに加えて、(3)の復
元型滑り支承兼用型装置にしたものである。 10.1.2. ローラー型 ローラー型は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材、下部スラ
イド部材、中間部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)のスラ
イド部材の相互間にローラーが挟まれた型の場合、ロー
ラーとスライド部材のローラー転がり面でのスリップに
よるずれ(角度)の生じない形として、溝型(抑制能力
弱い)、歯車型(抑制能力強い)がある。ずれが生じな
けれけば、捩れは抑制できる。 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型) 請求項244−4項は、請求項244項から請求項24
4−3−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承に
おいて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部
スライド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合に
は、中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間
にローラーが挟まれ、ローラーとスライド部材のローラ
ー転がり面とのどちらか一方に溝を、他方にその溝に入
る凸部(ガイド部)を設けることにより構成されてなる
ことを特徴とする回転・捩れ防止装置、また滑り支承、
またそれによる免震構造体の発明である。図478は、
その実施例であり、図427〜図429等の三重(また
三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震
皿3-a、下部(側)免震皿3-b、中間免震皿3-mのローラ
ー5-fの転がり面にレール状のガイド部(凸部)3-l
を、ローラー5-f側にそのガイド部(凸部)3-lが挿入
する溝5-flを設けた場合のものである。なお、図47
8は、上部(側)免震皿3-a、下部(側)免震皿3-bに
おける実施例を示している。中間免震皿3-mの場合は免
震皿の上面と下面のそれぞれにレール状のガイド部(凸
部)3-lが上面・下面で直交するように設けられる。ま
た、ローラー5-fの転がり面にガイド部(凸部)挿入溝
を、ローラー5-f側にそのガイド部(凸部)を設けるよ
うな逆の場合もある。さらに、ガイド部また溝が、ロー
ラーに対して、一個でなく複数個の場合、さらにガイド
部また溝同士の間隔が大きい場合ほど効果がある。な
お、ローラーに代えて、ガイド部また溝に跨がる形の長
いすべり部材(すべり型中間滑り部)でも可能である。こ
の発明は、回転・捩れ防止だけでなく、免震時のローラ
ーのずれをも防ぐことが可能である。ローラーのずれと
は、免震時のスリップによりローラーがスライド方向に
対して斜めになることであり、それを防ぐ(4.3.(9) 参
照)。 10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 請求項244−5項は、請求項244項から請求項24
4−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、
中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間にロ
ーラーが挟まれ、スライド部材のローラー転がり面にラ
ックを、ローラーの周囲にそのラックと噛合う歯(歯
車)を設けることにより構成されてなることを特徴とす
る回転・捩れ防止装置、また滑り支承、またそれによる
免震構造体の発明である。図479は、その実施例であ
り、図427〜図429等の三重(また三重以上の)免
震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a、下部
(側)免震皿3-b、中間免震皿3-mのローラー5-fの転が
り面にラック3-rを、ローラー5-f側にそのラック3-r
と噛合う歯車5-frを設けた場合のものである。この発
明は、回転・捩れ防止だけでなく、免震時のローラーの
ずれをも防ぐことが可能である。ローラーのずれとは、
免震時のスリップによる位置のずれであり、ローラーが
スライド方向に対して斜めになることをも防ぐ(4.3.
(8) 参照)。10.1.2.1.溝型、10.1.2.2.歯車型共に、引
抜き防止(上下繋ぎスライド部材・部分)付きの重層免
震皿の方がローラーのスライド部材のローラー転がり面
からの浮き上がりを防げるので回転・捩れ防止の効果が
大きくなる。 10.2. 回転抑制 10.2.1. 回転抑制 請求項245項は、以上(10.1.記載)の回転・捩れ防
止装置によって回転抑制された免震構造体に関する発明
である。固定装置(8.記載の固定装置または他の風揺
れ等を防止する固定装置を含む)と、10.1.記載の回転
・捩れ防止装置とを、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との間に設ける。そのことにより
固定装置一個で風揺れ防止が可能になる。固定装置を最
小個数に、できれば一個にし、回転・捩れ防止装置も最
小個数にするためには、固定装置を免震される構造体の
中央部に、回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周
辺部に配置するのがよい。一般的には、固定装置を免震
される構造体の中央部に最低一個と、回転・捩れ防止装
置を、免震される構造体の周辺部に(対角位置に)最低
2個とを、配置するのがよい。ここで言う「免震される
構造体の中央部」とは、免震される構造体の重心部のこ
とではなく、単に中央部分であり、場合によっては、回
転・捩れ防止装置の配置される免震される構造体の周辺
部の内側(免震される構造体の中央部寄り)という意味
でもよい。ここで言う「免震される構造体の周辺部」と
は、免震される構造体の、固定装置の配置される位置よ
りも外側(免震される構造体の周辺部寄り)という意味
でもよい(8.12.(6)参照)。10.2.2. 回転抑制能力計算
式請求項246項〜請求項246−3項は、請求項24
5項記載の、固定装置と回転・捩れ防止装置となる免震
構造体において、以下の回転抑制能力計算に基づいた部
材断面による回転・捩れ防止装置に関する発明であり、
またそれによる免震構造体の発明である。 (1) 回転抑制能力計算式 以上の10.1.記載の回転・捩れ防止装置において、回転
・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライド部
材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部材を
免震される構造体側に、下部スライド部材を免震される
構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部スラ
イド部材が入る。上部スライド部材は、中間部スライド
部材と下部スライド部材との関係で、長辺方向または短
辺方向の平行移動のみを許容し、下部スライド部材は、
中間部スライド部材と上部スライド部材との関係で、長
辺方向または短辺方向の平行移動のみを許容される。免
震される構造体の回転・捩れ防止装置が設けられる平面
を剛床と仮定すると、風圧力により回転が生じてから回
転抑制が働くまでに、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との間には、一様な許容回転角φ
による移動が生じ、この回転角φによる移動は長辺方向
および短辺方向の平行移動と、回転とに分解されるか
ら、回転・捩れ防止装置は回転抑制が働くときまでに平
行移動分のずれを生じ、各スライド部材の(スライド部
の互いに掛かり合う)長さlは、実際に回転抑制が働く
ときには、初期の状態lから回転角φによる平行移動分
を減じられて機能する。このとき各部の寸法を、10.1.
1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ)とし、10.1.1.2. 回転
・捩れ防止装置2(内ガイド型)では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角φ1、下部スライド部材と中間部スライド部
材との間の回転角φ2を、 φ1=2d/l1 ……(1) φ2=2d/l2 ……(2) φ1+φ2=φ ……(3) とかくことができる。固定装置から各装置までの距離を
r、回転・捩れ防止装置が設けられる平面の長辺または
短辺を基準とした固定装置から各回転・捩れ防止装置へ
の角度をγとすると、 l1=l−r・φ・|cosγ| ……(4) l2=l−r・φ・|sinγ| ……(5) という関係がある(|cosγ|はcosγの、|sinγ|はs
inγの絶対値を示す。基準線により、cosγとsinγは入
れ替わる場合もある)。このとき(1)〜(5)式より、 2・d・{1/(l−r・φ・|cosγ|)+1/(l−r・φ・|sinγ|)}=φ ……(6) から許容回転角φがもとめられ、φが十分小さい値なの
で、 φ≒4・d・l/(l^2+2・d・r) ……(7) と近似できる。ここで、例えば長辺10m、短辺7.5mの平
面に、l=300mmd=0.5mmの回転・捩れ防止装置を平面
隅部と4辺の中点とに配置する場合を想定すると、φは
7/1000から7.4/1000程度の範囲で収まる。これは実際に
は土台のたわみ等によって吸収される範囲の差であると
考えられる。回転・捩れ防止装置が設置される平面を剛
床と仮定すれば回転角φはすべての回転・捩れ防止装置
において等しいので、外周部の装置の方が、固定装置に
近い装置よりも回転角φによる移動量は大きく、許容回
転角に達したとき、上部スライド部材また下部スライド
部材と、中間部スライド部材との(スライド部の互いに
掛かり合う)長さは小さい。ここで外周部に配置する回
転・捩れ防止装置の上部スライド部材(上側免震皿)ま
た下部スライド部材(下側免震皿)の長さを、回転角φ
による移動量を見込んで大きく与えておけば(下上スラ
イド部材伸張型参照)、この装置において許容回転角に
達したとき上部スライド部材また下部スライド部材と、
中間部スライド部材との(スライド部の互いに掛かり合
う)長さは中間部スライド部材の上下ガイドスライド部
分の長さだけで決まり、常にlとすることも可能であ
る。あるいは外周部に近い部分に設置された回転・捩れ
防止装置を、それ以外の場所に設置される装置よりもl
を大きくとるか、dを小さくとるかして、中央部に近い
部分に設置された装置よりも先に回転角の許容限度に達
するようにした場合も、外周部の装置で回転抑制をさせ
ることができ、その分部材断面を小さくすることができ
る。10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型)では、 ローラー半径:R ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー転がり面(またはローラー表面)からガイド部
の先端までの高さ:h ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l ローラーに溝がある場合 :l=2×(R^2-(R-h)^2)
^0.5 ローラーにガイド部がある場合:l=2×((R+h)^2-R^2)
^0.5 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角、下部スライド部材と中間部スライド部材と
の間の回転角は、上下合わせたときの回転角φに対して
回転・捩れ防止装置の位置とは無関係にφ/2であり、 l・tan(φ/2)+t/cos(φ/2)=t+2d ……(8) の関係が成り立っている。このφは、φを微少に設定し
ている場合でt/lが過大にならなければ φ=4d/l ……(9) と近似できる。回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)、
回転・捩れ防止装置3(溝型)で、ガイド部と溝の組合
せが複数本ある場合については以下の通りである。それ
ぞれのガイド部と溝について、tとdとlとの関係が共
通の場合は、最端部に位置する2つのガイド部の外面か
ら外面までの距離:t’ 最端部の2つの溝の外面から外面までの距離:(t’+
2d) とし、t’を全体のtとみなして、全体の許容回転角
φ’を計算する。ただしこのとき形状によってはt’/
lが大きくなって、上記近似式では十分に近似できない
場合がある。それぞれのガイド部と溝について、tとd
とlとの関係が異なっているときは、それぞれのガイド
部と溝についての許容回転角(ガイド部と溝の組合せが
3組以上あるときは、その組合せによる許容回転角も含
む)のうち、もっとも小さいφが全体のφとなる。ま
た、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型)につい
ては、機構上スリップが起きないことから許容回転角φ
は0として考える。 (2) 部材断面算定 回転・捩れ防止装置を、長方形平面の免震される構造体
に配置し、固定装置を免震される構造体の中央部分に配
置した場合における、この構面の回転・捩れが抑制され
るための部材断面を算定する。風圧力Fが免震される構
造体の受圧面に偏って作用し、それにより固定装置を中
心とする回転モーメントMが生じるものとする。このF
とMとにより、免震される構造体は許容回転角φだけ回
転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防止装置
が作用してそれ以上の回転を抑制する。このとき風圧力
Fと回転モーメントMとによって各装置に、水平力
F’、回転モーメントM’が生じており、平面を剛床と
仮定する場合、固定装置を中心とする回転モーメントM
を回転・捩れ防止装置n基にて回転抑制するとMは各回
転・捩れ防止装置に位置に関係なく均等に分配されるか
ら、各回転・捩れ防止装置の負担するM’は全体の回転
モーメントMをn等分したものとなる。 固定装置から
回転・捩れ防止装置までの距離をrとすると、回転・捩
れ防止装置の負担するF’とM’は、 M’=M/n ……(10) F’=M’/r=M/(n・r) ……(11) となる。これらを負担する回転・捩れ防止装置の部材に
加わる荷重Pに対して、部材の断面算定を行う。 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 図436(a)は、請求項246項の発明のうちの、10.1.
1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型、請求項24
4−2項記載)に関する実施例であり、図433(a)〜
図434(d)及び図435(f)の上下ガイドスライド部材
3-gを示したものである。上下ガイドスライド部材・部
分のガイド部3-dに働く荷重Pから、曲げ応力、せん断
応力、たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間部
スライド部材(上下ガイドスライド部材)3-gから突き
出したガイド部3-d(長さh、幅b、厚さt)を片持梁
とみなす。ここでhはガイド部3-dの突き出した長さ、
tはガイド部3-dの厚さである。bは中間部スライド部
材(上下ガイドスライド部材のガイド部)3-dに対し、
上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スライド部
材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2だけ回
転して中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材の
ガイド部)3-dと接触する部分の幅である。この部分の
角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるように、そ
れぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触部を設
けておく場合もある。図436(b)、(c)は、上部スライ
ド部材(上側免震皿)3-aまた下部スライド部材(下側
免震皿)3-bと、中間部スライド部材(上下ガイドスラ
イド部材)3-gとの関係から、面取りを行った場合のb
を示したものである。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、上下ガイドスライド部材・部
分のガイド部3-dに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容曲げ応力
度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(13) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ……(13 ’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上下ガイドスライ
ド部材・部分のガイド部3-dの、片持梁のせん断応力度
τは、鋼材の短期許容せん断応力度 fsに対して τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(14) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) ……(14’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(15) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(15’) であることが必要である。ここで、例として長辺10m、
短辺7.5mの平面形状の構造体に対し、長辺を含む受圧面
の片側半分にF=10tfの風圧力が等分布荷重として加わる
場合を想定する。このとき固定装置を中心とする回転モ
ーメントMは25tf・mである。この平面に、回転・捩れ防
止装置を平面の隅部と4辺の中点とに計8基設けて回転
抑制するものとする場合、この例では回転の中心から回
転・捩れ防止装置までの最短距離は3.75mであるから、
(10)〜(11)式においてM=25tf・m、n=8、r=3.75mと
なり、回転・捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’
は、 M’=25/8 =3.125 tf・m=312.5tf・cm ……(16) F’=M’/3.75=0.83 tf ……(17) となる。l=50cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討する
と、 〈曲げ〉fb=2.4として、(13’)式、(16)〜(17)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3/(6・2.4) }^0.5 =2.92 ……(18) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(14’)式、(1
6)〜(17)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)/(6・1.39 ) =0.82 ……(19) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(15’)式、(16)〜(17)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(20) (18)〜(20)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 2) 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) 図437〜図457は、請求項246項の発明のうち
の、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、請
求項244−3項〜請求項244−3−4項のいずれか
1項に記載)に関する実施例であり、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材3-aと中間部スライド部材、
下部スライド部材3-bと中間部スライド部材3-mの間に
1組ずつで、中間部スライド部材3-mに内ガイド部3-g
が、上部スライド部材3-aと下部スライド部材3-bに溝
3-giが、それぞれある場合である。中間部スライド部
材の内ガイド部3-gに働く荷重Pから、曲げ応力、せん
断応力、たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間
部スライド部材の内ガイド部3-gを長さh、幅b、厚さ
tの片持梁とみなす。bは中間部スライド部材3-mに対
し、上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スライ
ド部材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2だ
け回転して、それぞれの溝3-giが中間部スライド部材
3-mの内ガイド部3-gと接触する部分の幅である。この
部分の角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるよう
に、それぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触
部を設けておく場合もある。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、中間部スライド部材の内ガイ
ド部3-gに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(21) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ……(21’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(22) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)/(b・fs) ……(22’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤ
ング率 E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許
容たわみ角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(23) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(23’) であることが必要である。例として10.2.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’= 0.83tf、M’= 312.5tf・m、n=8、r=3.
75m、l=50cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討する
と、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(21’)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3/(6・2.4) }^0.5 =2.92 ……(24) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(22’)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)/(6・1.39 ) =0.82 ……(25) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(22’)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(26) (24)〜(26)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 3) 回転・捩れ防止装置3(溝型) 図478は、請求項246−2項の発明の実施例であ
り、10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型、請求項2
44−4項記載)に関するもので、上部スライド部材、
下部スライド部材、中間部スライド部材のローラー5-f
の転がり面にレール状のガイド部3-lが、ローラー5-f
にそのガイド部3-lが挿入する溝5-flが、それぞれあ
る場合である。ローラー5-fのガイド部3-lが挿入する
溝5-flから、レール状のガイド部3-lの1本あたりに
働く荷重Pより、曲げ応力、せん断応力、たわみ角を検
討し部材断面の算定を行う。レール状のガイド部3-lを
長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなして検討する。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、レール状のガイド部3-lに働
く荷重Pは、最大で P =M’/(2・l)+F’/4 ……(12’) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=l・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(2・l)+F’/4)・h)/( l・t^2/6) =6・{((M’/(2・l)+F’/4)・h}/( l・t^2)≦ fb ……(27) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 ……(27’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦ fs ……(28) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) ……(28’) であることが必要である。 c. ねじりせん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・t、ねじりモーメントMT=
M’/4のとき上記片持梁の長方形断面(辺長l、t)に対
するねじりせん断応力度τ’は、長方形断面の2辺の比
により定まる係数をβとして、ねじりせん断応力がかか
る部分の平均のせん断応力τ’’との和として検討し、
鋼材の短期許容せん断応力度fsに対して、 τ’+τ’’=MT/(β・l・t^2)+Q/A =(M’/4)/(β・l・t^2)+(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦fs ……(29) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) ……(29’) であることが必要である。 d. たわみ角 上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=lt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(2・E・l・t^3/12) =6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・t^3)≦α ……(30) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) ……(30’) であることが必要である。例として10.2.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’=0.83tf、M’=312.5tf・cm、n=8、R=7cm、
h=3cmの場合を検討すると、l=2×(R^2-(R-h)^2)^0.
5=11.49cmであり、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(27’)式より t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 ={6((312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3/(11.49・2.4)}^0.5 =3.00 ……(31) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(28’)式より t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) =3/2・((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/(11.49・1.39) =1.30 ……(32) 〈ねじりせん断〉fs=1.39、β=0.25として、(16)〜
(17)式、(29’)式より t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) =〔(312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11.49+{((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11 .49)^2+312.5・1.39/(0.25・11.49)}^0.5〕/(2・1.39) =4.88 ……(33) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(30’)式より t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) ={6・(312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3^2/(2100・11.49・1/250)}^(1/3) =0.88 ……(34) (31)〜(34)式より、平面の隅部と4辺上とにR=7cm以
上、h=3cm以下の回転・捩れ防止装置を8個以上配置
し、t=4.9cm以上とすれば保つといえる。 4) 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 図479は、請求項246−3項の発明の実施例であ
り、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型、請求項
244−5項記載)に関するもので、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材と中間部スライド部材、下部
スライド部材と中間部スライド部材の間に2組ずつある
場合である。ローラー5-fの転がり面に設けたラック3
-rと、ローラー5-fに設けたそのラック3-rに噛合う歯
車5-frとの、1組あたりに働く荷重Pにより、ラック
3-rと歯車5-frの歯とを片持梁とみなしたときの曲げ
応力、ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面を接触
2円筒とみなしたときの歯面強さを検討し、部材断面の
算定を行う。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、ラック3-rと、そのラック3-
rに噛合う歯車5-frとに働く荷重Pは、最大で P =M’/(2・b)+F’/4 ……(12’’) である。ラック3-rと歯車5-frの歯元の曲げ応力度σF
は、かみ合いピッチ円上の接線荷重P、ラック3-rと歯
車5-frのモジュールm、歯幅bとしたとき、材料の許
容歯元曲げ応力度fFに対して σF= P・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα) =(M’/(2・b)+F’/4)・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα)≦ fF … …(35) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) ……(35 ’) であることが必要である。 但し α :かみあい圧力角 Y :歯形係数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 b. 歯面強さ ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面の接触応力
(ヘルツ応力)σHは、かみ合いピッチ円上の接線荷重
P、ラック3-rと歯車5-frのかみ合いピッチ円径d
ω、歯幅b、歯数比uとしたとき、材料のヘルツ応力の
許容限度値fHに対して σH=〔P・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5・ZH・ZE・〔KA・KV・Kβ〕^0.5・SH =〔(M’/(2・b)+F’/4)・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5・ZH・ZE・〔KA・KV・ Kβ〕^0.5・SH≦fH ……(36) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ……(36’ ) であることが必要である。 但し ZH=2/(sin(2・α))^0.5 ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 E1、E2:ラック3-rと歯車5-frの材料の縦弾性係数 KA:使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 SH :安全係数 例として10.2.2.(2) 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイ
ド型)の場合と同様の平面形状と荷重を想定し、回転・
捩れ防止装置を平面の隅部と4辺上とに計20基設けて
回転抑制するものとする。回転中心から回転・捩れ防止
装置までの最短距離を3.75mとすると、(10)〜(11)式に
おいてM=25tf・m、n=20、r=3.75mとなり、回転・
捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’は、 M’=25/20 =1.25 tf・m=125tf・cm ……(37) F’=M’/3.75=0.33 tf ……(38) となる。dω=9.6cm、m=0.5cmの場合を検討すると、 〈曲げ〉fF=3.3、α=20°、Y=2.6、Yε=1、Ks
=1、KA=1、KV=1.2、Kβ=1としたとき、(37)〜(3
8)式、(35’)式より FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) =(3.3・0.5・0.94)/(2.6・1・1・1・1.2・1) =0.50 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.5}^0.5/2〕/0.5 =11.26 ……(39) 〈歯面強さ〉fH=8.1、α=20°、E1=E2=2100、K
A=1、KV=1.2、Kβ=1、SH=1.2として、(37)〜(3
8)式、(36’)式より HG=(fH・7・1)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} =(8.1・9.6・1)/{2/(0.64)^0.5・(0.35・2100^2/(2100・2))^0.5・1.2・(1+1 )} =0.68 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.68}^0.5/2〕/0.68 =9.65 ……(40) (39)〜(40)式より、平面の隅部と4辺上とにR=9.6cm以
上、モジュール5mm以上の回転・捩れ防止装置を20個
以上配置し、b=11.3cm以上とすれば保つといえる。以
上のように、固定装置1個に対し、上記断面の回転・捩
れ防止装置を必要個数以上配置することで、風圧力によ
る回転も変位も発生せず、強風時の風揺れは起きない。 10.3. 捩れ振動抑制 10.3.1. 捩れ振動抑制 (1) バネ型復元装置・オイルダンパー等の併用 請求項247項は、免震構造体に、10.1.記載の回転・
捩れ防止装置を設置して捩れ振動を抑制する免震構造体
に関する発明である。積層ゴム等のバネ型の復元装置、
または粘性ダンパー・オイルダンパー等の減衰装置つま
り免震される構造体自重×摩擦係数=摩擦力による摩擦
型ダンパー(摩擦型減衰・抑制装置)によらない減衰装
置一般を使用する免震構造体において、回転・捩れ防止
装置を免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体との間に設ける。そのことにより捩れ振動矯正が
可能になる。さらに回転・捩れ防止装置による捩れ抑制
の効きを大きくしたければ、免震される構造体のできる
だけ周辺部に(対角位置に)配置する(下上スライド部
材伸張型使用の必要)。 さらに最小個数に抑えたけれ
ば、免震される構造体の周辺部に対角位置に最低2個配
置する。 (2) 固定装置との併用 固定装置の設置の免震構造体において、10.1.(請求項
243項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ
防止装置を免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との間に設ける。そのことにより免震するま
で間の固定装置を中心とする捩れ、また免震直後の捩れ
を抑制できる。請求項248項は、その免震構造体の発
明である。 (3) 固定装置複数個との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と10.1.記載の回転・
捩れ防止装置との併用により、地震時に固定装置が同時
解除しない地震作動型固定装置の場合の免震による不安
定さを回転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ
抑制の安全さを増す。というのは連動型でない固定装置
を複数個配置して、地震時の固定装置の解除に時間差が
生じて、重心位置でない位置の固定装置が最後まで解除
されずに残り、それにより捩れが起きかけても、回転・
捩れ防止装置によって捩れ振動、回転運動が生じずに免
震される構造体は固定されており、その固定装置の解除
と共に免震がスムーズに始まるからである。また、風時
に固定装置が同時固定しない風作動型固定装置の場合、
また全個固定しない場合の風による回転等の不安定さを
回転・捩れ防止装置により解決する(8.12.(7)参照)。
請求項248−2項は、その発明である。 10.3.2. 捩れ振動抑制能力計算式 請求項249項から請求項249−3項は、以下の捩れ
振動抑制能力計算に基づいた部材断面による回転・捩れ
防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構造
体の発明である。 (1) 捩れ抑制能力計算式 10.1.記載の回転・捩れ防止装置において、回転・捩れ
防止装置は、上部スライド部材、下部スライド部材、中
間部スライド部材からなり、上部スライド部材を免震さ
れる構造体側に、下部スライド部材を免震される構造体
を支持する構造体側に設け、その間に中間部スライド部
材が入る。上部スライド部材は、中間部スライド部材と
下部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向
の平行移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部
スライド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向
または短辺方向の平行移動のみを許容される。以上の構
造から、免震される構造体は、免震される構造体を支持
する構造体に対し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみ
を許容される。免震される構造体の回転・捩れ防止装置
が設けられる平面を剛床と仮定すると、免震される構造
体の重心に作用する力により、免震装置層の剛心を中心
とする回転モーメントにより捩れが生じてから、回転抑
制が働くまでに、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体との間には、一様な許容回転角φによ
る移動が生じ、この回転角φによる移動は長辺方向およ
び短辺方向の平行移動と、回転とに分解されるから、回
転・捩れ防止装置は回転抑制が働くときまでに平行移動
分のずれを生じ、各スライド部材の(スライド部の互い
に掛かり合う)長さlは、実際に回転抑制が働くときに
は、初期の状態lから回転角φによる平行移動分を減じ
られて機能する。このとき各部の寸法を、10.1.1.1. 回
転・捩れ防止装置1(外ガイド型)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)
では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角φ1、下部スライド部材と中間部スライド部
材との間の回転角φ2を、 φ1=2d/l1 ……(1) φ2=2d/l2 ……(2) φ1+φ2=φ ……(3) とかくことができる。免震装置層の剛心から各装置まで
の距離をr、回転・捩れ防止装置が設けられる平面の長
辺または短辺を基準とした剛心から各回転・捩れ防止装
置への角度をγとすると、 l1=l−r・φ・|cosγ| ……(4) l2=l−r・φ・|sinγ| ……(5) という関係がある(|cosγ|はcosγの、|sinγ|はs
inγの絶対値を示す。基準線により、cosγとsinγは入
れ替わる場合もある)。このとき(1)〜(5)式より、 2・d・{1/(l−r・φ・|cosγ|)+1/(l−r・φ・|sinγ|)}=φ ……(6) から許容回転角φがもとめられ、φが十分小さい値なの
で、 φ≒4・d・l/(l^2+2・d・r) ……(7) と近似できる。ここで、例えば長辺10m、短辺7.5mの平
面に、l=300mmd=0.5mmの回転・捩れ防止装置を平面
隅部と4辺の中点とに配置し、免震装置層の剛心が平面
の中心にある場合を想定すると、φは7/1000から7.4/10
00程度の範囲で収まる。これは実際には土台のたわみ等
によって吸収される範囲の差であると考えられる。回転
・捩れ防止装置が設置される平面を剛床と仮定すれば回
転角φはすべての回転・捩れ防止装置において等しいの
で、外周部の装置の方が、固定装置に近い装置よりも回
転角φによる移動量は大きく、許容回転角に達したと
き、上部スライド部材また下部スライド部材と、中間部
スライド部材との(スライド部の互いに掛かり合う)長
さは小さい。ここで外周部に配置する回転・捩れ防止装
置の上部スライド部材(上側免震皿)また下部スライド
部材(下側免震皿)の長さを、回転角φによる移動量を
見込んで大きく与えておけば(下上スライド部材伸張型
参照)、この装置において許容回転角に達したとき上部
スライド部材また下部スライド部材と、中間部スライド
部材との(スライド部の互いに掛かり合う)長さは、中
間部スライド部材の上下ガイドスライド部分の長さだけ
で決まり、常にlとすることも可能である。あるいは外
周部に近い部分に設置された回転・捩れ防止装置を、そ
れ以外の場所に設置される装置よりもlを大きくとる
か、dを小さくとるかして、中央部に近い部分に設置さ
れた装置よりも先に回転角の許容限度に達するようにし
た場合も、外周部の装置で捩れ抑制をさせることがで
き、その分部材断面を小さくすることができる。10.1.
2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型)では、 ローラー半径:R ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー転がり面(またはローラー表面)からガイド部
の先端までの高さ:h ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l ローラーに溝がある場合 :l=2×(R^2-(R-h)^2)
^0.5 ローラーにガイド部がある場合:l=2×((R+h)^2-R^2)
^0.5 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角、下部スライド部材と中間部スライド部材と
の間の回転角は、上下合わせたときの回転角φに対して
回転・捩れ防止装置の位置とは無関係にφ/2であり、 l・tan(φ/2)+t/cos(φ/2)=t+2d ……(8) の関係が成り立っている。このφは、φを微少に設定し
ている場合でt/lが過大にならなければ φ=4d/l ……(9) と近似できる。回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)、
回転・捩れ防止装置3(溝型)で、ガイド部と溝の組合
せが複数本ある場合については以下の通りである。それ
ぞれのガイド部と溝について、tとdとlとの関係が共
通の場合は、 最端部に位置する2つのガイド部の外面から外面までの
距離:t’ 最端部の2つの溝の外面から外面までの距離:(t’+
2d) とし、t’を全体のtとみなして、全体の許容回転角
φ’を計算する。ただしこのとき形状によってはt’/
lが大きくなって、上記近似式では十分に近似できない
場合がある。それぞれのガイド部と溝について、tとd
とlとの関係が異なっているときは、それぞれのガイド
部と溝についての許容回転角(ガイド部と溝の組合せが
3組以上あるときは、その組合せによる許容回転角も含
む)のうち、もっとも小さいφが全体のφとなる。ま
た、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型)につい
ては、機構上スリップが起きないことから許容回転角φ
は0として考える。 (2) 部材断面算定 回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周辺部に配置
することにより、重心と剛心がずれている免震構造体に
おいても免震時の捩れ振動は抑制できる。変位抑制のた
めにダンパーや滑り支承等の摩擦発生装置等を装備する
場合など、免震される構造体の重心と免震装置層の剛心
(抵抗力の中心)がずれている場合、免震時に一般の支
承と抵抗が異なることで捩れ振動が発生してしまう。こ
こで回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周辺部に
設けることにより、回転・捩れ防止装置の許す回転角φ
以上の回転は抑制され、長辺方向及び短辺方向へのみ変
位を許容されて捩れ振動矯正が可能になる。また捩れ振
動の原因となる滑り支承等の摩擦発生装置などの配置に
関しても、平面内のどこに配置しても問題はなくなる。
免震される構造体の重心と免震装置層の剛心とに対し、
回転・捩れ防止装置を長方形平面の免震される構造体に
配置した場合に、この構面の回転・捩れが抑制されるた
めの部材断面を算定する。重心に作用する力Fにより、
剛心を中心とする回転モーメントMが生じるものとす
る。このFとMとにより、免震される構造体は許容回転
角φだけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩
れ防止装置が作用してそれ以上の回転を抑制する。この
とき重心に作用する力Fと回転モーメントMとによって
各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じてお
り、平面を剛床と仮定する場合、免震装置層の剛心を中
心とする回転モーメントMを回転・捩れ防止装置n基に
て捩れ抑制するとMは各回転・捩れ防止装置に位置に関
係なく均等に分配されるから、各回転・捩れ防止装置の
負担するM’は全体の回転モーメントMをn等分したも
のとなる。免震装置層の剛心から回転・捩れ防止装置ま
での距離をrとすると、回転・捩れ防止装置の負担する
F’とM’は、 M’=M/n ……(10) F’=M’/r=M/(n・r) ……(11) となる。これらを負担する回転・捩れ防止装置の部材に
加わる荷重Pに対して、部材の断面算定を行う。 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 図436(a)は、請求項249項の発明のうちの、10.1.
1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型、請求項24
4−2項記載)に関する実施例であり、図433(a)〜
図434(d)及び図435(f)の上下ガイドスライド部材
3-gを示したものである。上下ガイドスライド部材のガ
イド部3-dに働く荷重Pから、曲げ応力、せん断応力、
たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間部スライ
ド部材(上下ガイドスライド部材3-g)から突き出した
ガイド部3-d(長さh、幅b、厚さt)を片持梁とみな
す。ここでhはガイド部3-dの突き出した長さ、tはガ
イド部3-dの厚さである。bは中間部スライド部材3-m
に対し上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スラ
イド部材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2
だけ回転して中間部スライド部材(上下ガイドスライド
部材のガイド部3-d)と接触する部分の幅である。この
部分の角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるよう
に、それぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触
部を設けておく場合もある。図436(b)、(c)は、上部
スライド部材(上側免震皿)3-aまた下部スライド部材
(下側免震皿)3-bと、中間部スライド部材(上下ガイ
ドスライド部材)3-gとの関係から、面取りを行った場
合のbを示したものである。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、上下ガイドスライド部材・部
分のガイド部3-dに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容曲げ応力
度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(13) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 …(13’ ) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上下ガイドスライ
ド部材・部分のガイド部3-dの、片持梁のせん断応力度
τは、鋼材の短期許容せん断応力度 fsに対して τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(14) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) ……(14’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(15) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(15’) であることが必要である。ここで 例として長辺10m、
短辺7.5mの平面形状の構造体に対し、長辺を含む受圧面
の片側半分にF=10tfの風圧力が等分布荷重として加わる
場合を想定する。このとき固定装置を中心とする回転モ
ーメントMは25tf・mである。この平面に、回転・捩れ防
止装置を平面の隅部と4辺の中点とに計8基設けて捩れ
抑制するものとする場合、この例では剛心から回転・捩
れ防止装置までの最短距離は3.75mであるから、(10)〜
(11)式においてM=25tf・m、n=8、r=3.75mとなり、
回転・捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’は、 M’=25/8 =3.125 tf・m=312.5tf・cm ……(16) F’=M’/3.75=0.83 tf ……(17) となる。l=50cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討する
と、 〈曲げ〉fb=2.4として、(13’)式、(16)〜(17)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)・3/(6・2.4)} ^0.5 =2.92 ……(18) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(14’)式、
(16)〜(17)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)/(6・1.39) =0.82 ……(19) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(15’)式、(16)〜(17)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(20) (18)〜(20)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 2) 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) 図437〜図457は、請求項249項の発明のうち
の、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、請
求項244−3項〜請求項244−3−4項のいずれか
1項に記載)に関する実施例であり、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材3-aと中間部スライド部材、
下部スライド部材3-bと中間部スライド部材3-mの間に
1組ずつで、中間部スライド部材3-mに内ガイド部3-g
が、上部スライド部材3-aと下部スライド部材3-bに溝
3-giが、それぞれある場合である。中間部スライド部
材の内ガイド部3-gに働く荷重Pから、曲げ応力、せん
断応力、たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間
部スライド部材の内ガイド部3-gを長さh、幅b、厚さ
tの片持梁とみなす。bは中間部スライド部材3-mに対
し、上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スライ
ド部材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2だ
け回転して、それぞれの溝3-giが中間部スライド部材
3-mの内ガイド部3-gと接触する部分の幅である。この
部分の角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるよう
に、それぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触
部を設けておく場合もある。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、中間部スライド部材3-mの内
ガイド部3-gに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(21) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 …(21 ’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(22) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)/(b・fs) ……(22’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤ
ング率 E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許
容たわみ角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(23) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(23’) であることが必要である。例として10.3.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’=0.83 tf、M’=312.5 tf・cm、n=8、l=5
0cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討すると、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(21’)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)・3/(6・2.4)} ^0.5 =2.92 ……(24) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(22’)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)/(6・1.39) =0.82 ……(25) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(22’)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(26) (24)〜(26)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 3) 回転・捩れ防止装置3(溝型) 図478は、請求項249−2項の発明の実施例であ
り、10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型、請求項2
44−4項記載)に関するもので、上部スライド部材、
下部スライド部材、中間部スライド部材のローラー5-f
の転がり面にレール状のガイド部3-lが、ローラー5-f
にそのガイド部3-lが挿入する溝5-flが、それぞれあ
る場合である。ローラー5-fのガイド部3-lが挿入する
溝5-flから、レール状のガイド部3-lの1本あたりに
働く荷重Pより、曲げ応力、せん断応力、たわみ角を検
討し部材断面の算定を行う。 レール状のガイド部3-l
を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなして検討する。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、レール状のガイド部3-lに働
く荷重Pは、最大で P =M’/(2・l)+F’/4 ……(12’) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=l・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(2・l)+F’/4)・h)/( l ・t^2/6) =6・{((M’/(2・l)+F’/4)・h}/( l ・t^2)≦ fb ……(27) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l ・fb)}^0.5 ……(27’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦ fs ……(28) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) ……(28’) であることが必要である。 c. ねじりせん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・t、ねじりモーメントMT=
M’/4のとき上記片持梁の長方形断面(辺長l、t)に対
するねじりせん断応力度τ’は、長方形断面の2辺の比
により定まる係数をβとして、ねじりせん断応力がかか
る部分の平均のせん断応力τ’’との和として検討し、
鋼材の短期許容せん断応力度fsに対して、 τ’+τ’’=MT/(β・l・t^2)+Q/A =(M’/4)/(β・l・t^2)+(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦fs …… (29) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) …… (29’) であることが必要である。 d. たわみ角 上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=lt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(2・E・ l ・t^3/12) =6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・ l ・t^3)≦α ……(30) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(30’) であることが必要である。例として10.3.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’=0.83 tf、M’=312.5 tf・cm、n=8、R=7c
m、h=3cmの場合を検討すると、l=2×(R^2-(R-h)^2)
^0.5=11.49cmであり、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(27’)式より t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 ={6((312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3/(11.49・2.4)}^0.5 =3.00 ……(31) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(28’)式より t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) =3/2・((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/(11.49・1.39) =1.30 ……(32) 〈ねじりせん断〉fs=1.39、β=0.25として、(16)〜
(17)式、(29’)式より t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) =〔(312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11.49+{((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11 .49)^2+312.5・1.39/(0.25・11.49)}^0.5〕/(2・1.39) =4.88 ……(33) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(30’)式より t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) ={6・(312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3^2/(2100・11.49・1/250)}^(1/3) =0.88 ……(34) (31)〜(34)式より、平面の隅部と4辺上とにR=7cm以
上、h=3cm以下の回転・捩れ防止装置を8個以上配置
し、t=4.9cm以上とすれば保つといえる。 4) 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 図479は、請求項249−3項の発明の実施例であ
り、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型、請求項
244−5項記載)に関するもので、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材と中間部スライド部材、下部
スライド部材と中間部スライド部材の間に2組ずつある
場合である。ローラー5-fの転がり面に設けたラック3
-rと、ローラー5-fに設けたそのラック3-rに噛合う歯
車5-frとの、1組あたりに働く荷重Pにより、ラック
3-rと歯車5-frの歯とを片持梁とみなしたときの曲げ
応力、ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面を接触
2円筒とみなしたときの歯面強さを検討し、部材断面の
算定を行う。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、ラック3-rと、そのラック3
-rに噛合う歯車5-frとに働く荷重Pは、歯幅bとする
と最大で P =M’/(2・b)+F’/4 ……(12’’) である。ラック3-rと歯車5-frの歯元の曲げ応力度σF
は、かみ合いピッチ円上の接線荷重P、ラック3-rと歯
車5-frのモジュールm、歯幅bとしたとき、材料の許
容歯元曲げ応力度fFに対して σF=P ・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα) =(M’/(2・b)+F’/4)・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα)≦ fF … …(35) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) ……( 35’) であることが必要である。 但し α :かみあい圧力角 Y :歯形係数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 b. 歯面強さ ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面の接触応力
(ヘルツ応力)σHは、かみ合いピッチ円上の接線荷重
P、ラック3-rと歯車5-frのかみ合いピッチ円径d
ω、歯幅b、歯数比uとしたとき、材料のヘルツ応力の
許容限度値fHに対して σH=〔P・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5・ZH・ZE・〔KA・KV・Kβ〕^0.5・SH =〔(M’/(2・b)+F’/4)・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5 ・ZH・ZE・〔KA・KV・Kβ〕^0.5・SH≦ fH ……(36) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ……(36’) であることが必要である。 但し ZH=2/(sin(2・α))^0.5 ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 E1、E2:ラック3-rと歯車5-frの材料の縦弾性係数 KA:使用係数係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 SH :安全係数 例として10.2.2.(2) 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイ
ド型)の場合と同様の平面形状と荷重を想定し、回転・
捩れ防止装置を平面の隅部と4辺上とに計20基設けて
捩れ抑制するものとする。回転中心から回転・捩れ防止
装置までの最短距離を3.75mとすると、(10)〜(11)式に
おいてM=25tf・m、n=20、r=3.75mとなり、回転・
捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’は、 M’=25/20 =1.25 tf・m=125tf・cm ……(37) F’=M’/3.75=0.33 tf ……(38) となる。dω=9.6cm、m=0.5cmの場合を検討すると、 〈曲げ〉fF=3.3、α=20°、Y=2.6、Yε=1、Ks
=1、KA=1、KV=1.2、Kβ=1としたとき、(37)〜(3
8)式、(35’)式より FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) =(3.3・0.5・0.94)/(2.6・1・1・1・1.2・1) =0.50 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.5}^0.5/2〕/0.5 =11.26 ……(39) 〈歯面強さ〉fH=8.1、α=20°、E1=E2=2100、K
A=1、KV=1.2、Kβ=1、SH=1.2として、(37)〜(3
8)式、(36’)式より HG=(fH・7・1)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} =(8.1・9.6・1)/{2/(0.64)^0.5・(0.35・2100^2/(2100・2))^0.5・1.2・(1+1 )} =0.68 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.68}^0.5/2〕/0.68 =9.65 ……(40) (39)〜(40)式より、平面の隅部と4辺上とにR=9.6cm以
上、モジュール5mm以上の回転・捩れ防止装置を20個
以上配置し、b=11.3cm以上とすれば保つといえる。以
上のことから、回転・捩れ防止装置を必要個数以上配置
することで、免震される構造体が水平力を受けても、免
震時の捩れ運動は起きない。 10.4. 捩れ・回転振動方程式 1 10.4.1. 記号一覧 z :不動=絶対点より見た地面の変位(絶対変位) x1 :質点m1の地面=免震皿から見た質点の応答変位
(相対変位) x2 :質点m2の地面=免震皿から見た質点の応答変位
(相対変位) d(dx1/dt)/dt:質点m1の応答加速度(地面に対する相
対加速度) d(dx2/dt)/dt:質点m2の応答加速度(地面に対する相
対加速度) d(dz/dt)/dt:地震加速度(絶対加速度) t :時間 m1 :質点m1の質量 m2 :質点m2の質量 g :重力加速度 θ :質点m1の支持の免震滑り支承のすり鉢状免震皿
の勾配 radian μ :質点m1の支持の免震滑り支承の免震皿の動摩擦
係数 C2 :質点m2にダンパー・復元機能を与えるダンパー
・バネ等の粘性減衰係数 K2 :質点m2にダンパー・復元機能を与えるダンパー
・バネ等のバネ定数 C3 :質点m1と質点m2とを繋ぐ部材の粘性減衰係数 K3 :質点m1と質点m2とを繋ぐ部材のバネ定数 10.4.2. 捩れ・回転振動方程式 免震滑り支承とダンパー・バネ等とによる組合せの場合
の運動方程式をあげる。これにより捩れ振動をシュミュ
レーションすることが可能である。請求項249−4項
は、免震される構造体と、免震される構造体を支持する
構造体との間に設けられ、免震滑り支承とダンパー・バ
ネ等との構成による免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx1/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x1)+μ・sign
(dx1/dt)}+K3/m1・(x2−x1)+C3/m1・(dx2/dt−dx1
/dt)=-d(dz/dt)/dt d(dx2/dt)/dt+K2/m2・x2+C2/m2・dx2/dt+K3/m2・
(x1−x2)+C3/m2・(dx1/dt−dx2/dt)=-d(dz/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなり、残
留変位のない復元を考えるとθ≧μを満たす免震構造体
の発明である。ダンパー・バネ等が、ダンパー機能のみ
の場合は、K3を0にすれば良い。 10.5. 捩れ・回転振動方程式 2 10.5.1. 捩れ・回転振動方程式 以下の連立方程式は、免震装置として、免震滑り支承、
ダンパー、固定装置をもった場合に適用可能であり、外
力として地震時、風時の場合にも適用可能である。復元
バネ等nのバネ定数Kn=∞とすると固定装置が固定時
の場合で、風時の場合を考える と、d(dqx/dt)/dtを
風の加速度と考えるとよい。この運動方程式により、捩
れ・回転振動の解析が可能になる。なお、以下の振動方
程式では、床は剛と仮定する。 10.5.1.1. 1層の場合 以下、免震される構造体が一層の場合の説明を行う。 10.5.1.1.0. 記号一覧(下記以外の記号説明は実施例の
5.3.0.また 5.1.3.1.参照) L :すり鉢状または球面状免震皿の中心から外周まで
の距離 x :重心のx方向の応答変位(地面に対する相対変
位) y :重心のy方向の応答変位(地面に対する相対変
位) ψ :重心まわりの捩れ回転角 (時計回り) dx/dt:重心のx方向の応答速度(地面に対する相対速
度) dy/dt:重心のy方向の応答速度(地面に対する相対速
度) d(dx/dt)/dt:重心のx方向の応答加速度(地面に対す
る相対加速度) d(dy/dt)/dt:重心のy方向の応答加速度(地面に対す
る相対加速度) d(dqx/dt)/dt:x方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) d(dqy/dt)/dt:y方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) μ1x :滑り支承1のx方向の摩擦係数 μ1y :滑り支承1のy方向の摩擦係数 μ2x :滑り支承2のx方向の摩擦係数 μ2y :滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μnx :滑り支承nのx方向の摩擦係数 μny :滑り支承nのy方向の摩擦係数 eμ1x:滑り支承1の重心からのx方向上の距離 eμ1y:滑り支承1の重心からのy方向上の距離 eμ2x:滑り支承2の重心からのx方向上の距離 eμ2y:滑り支承2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ eμnx:滑り支承nの重心からのx方向上の距離 eμny:滑り支承nの重心からのy方向上の距離 μθ1x:直線勾配型復元滑り支承1のx方向の摩擦係数 μθ1y:直線勾配型復元滑り支承1のy方向の摩擦係数 μθ2x:直線勾配型復元滑り支承2のx方向の摩擦係数 μθ2y:直線勾配型復元滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μθnx:直線勾配型復元滑り支承nのx方向の摩擦係数 μθny:直線勾配型復元滑り支承nのy方向の摩擦係数 θ1’:すり鉢状免震皿復元滑り支承1の勾配(中心か
らの勾配=円錐勾配) θ2’:すり鉢状免震皿復元滑り支承2の勾配(中心か
らの勾配=円錐勾配) ・ ・ θn’:すり鉢状免震皿復元滑り支承nの勾配(中心か
らの勾配=円錐勾配) θ1x :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)x方向の
勾配 θ1y :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)y方向の
勾配 θ2x :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)x方向の
勾配 θ2y :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)y方向の
勾配 ・ ・ θnx :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)x方向の
勾配 θny :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)y方向の
勾配 θn’、θnx、θny(以上θとして)について、但し二
重免震皿免震装置の時で上部下部免震皿の勾配が違う時
のθは、 θ=(sinθu+sinθd)/(cosθu+cosθd) θu、θdが小さい場合 cosθu≒cosθd≒1、またθd
≒θuの場合 θ≒(tanθu+tanθd)/2 ≒(θu+θd)/2 θu :上部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) 但し三重免震皿免震装置の時で 上部免震皿・中間免震皿・下部免震皿の勾配が違う時の
θは、 θ=(sinθu+sinθmu+sinθmd+sinθd)/(cosθu+co
sθmu+cosθmd+cosθd) θu、θdが小さい場合で、cosθu≒cosθmu≒cosθmd≒
cosθd≒1、 またθd≒θu≒θmu≒θmdの場合 θ≒(tanθu+tanθmu+tanθmd+tanθd)/4 ≒(θu+θmu+θmd+θd)/4 θu :上部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θmu:中間免震皿上部勾配(三重免震皿免震装置の時) θmd:中間免震皿下部勾配(三重免震皿免震装置の時) eθ1x:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのx方向
上の距離 eθ1y:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのy方向
上の距離 eθ2x:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのx方向
上の距離 eθ2y:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのy方向
上の距離 ・ ・ eθnx:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのx方向
上の距離 eθny:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのy方向
上の距離 μR1x:球面状免震皿復元滑り支承1のx方向の摩擦係
数 μR1y:球面状免震皿復元滑り支承1のy方向の摩擦係
数 μR2x:球面状免震皿復元滑り支承2のx方向の摩擦係
数 μR2y:球面状免震皿復元滑り支承2のy方向の摩擦係
数 ・ ・ μRnx:球面状免震皿復元滑り支承nのx方向の摩擦係
数 μRny:球面状免震皿復元滑り支承nのy方向の摩擦係
数 R1’:球面状免震皿復元滑り支承1の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R2’:球面状免震皿復元滑り支承2の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) ・ ・ Rn’:球面状免震皿復元滑り支承nの曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R1x :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R1y :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R2x :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 R2y :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 ・ ・ Rnx :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 Rny :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 eR1x :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのx方
向上の距離 eR1y :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのy方
向上の距離 eR2x :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのx方
向上の距離 eR2y :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのy方
向上の距離 ・ ・ eRnx :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのx方
向上の距離 eRny :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのy方
向上の距離 m1 :滑り支承1の支持質量(免震される構造体の質
量) m2 :滑り支承2の支持質量(免震される構造体の質
量) ・ ・ mn :滑り支承nの支持質量(免震される構造体の質
量) m :免震される構造体の全体の質量 Σmn=m C1x :ダンパー1のx方向の粘性減衰係数 C1y :ダンパー1のy方向の粘性減衰係数 C2x :ダンパー2のx方向の粘性減衰係数 C2y :ダンパー2のy方向の粘性減衰係数 ・ ・ Cnx :ダンパーnのx方向の粘性減衰係数 Cny :ダンパーnのy方向の粘性減衰係数 ec1x:ダンパー1の重心からのx方向上の距離 ec1y:ダンパー1の重心からのy方向上の距離 ec2x:ダンパー2の重心からのx方向上の距離 ec2y:ダンパー2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ ecnx:ダンパーnの重心からのx方向上の距離 ecny:ダンパーnの重心からのy方向上の距離 K1x :復元バネ等1のx方向のバネ定数 K1y :復元バネ等1のy方向のバネ定数 K2x :復元バネ等2のx方向のバネ定数 K2y :復元バネ等2のy方向のバネ定数 ・・ Knx :復元バネ等nのx方向のバネ定数 Kny :復元バネ等nのy方向のバネ定数 ek1x:復元バネ等1の重心からのx方向上の距離 ek1y:復元バネ等1の重心からのy方向上の距離 ek2x:復元バネ等2の重心からのx方向上の距離 ek2y:復元バネ等2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ eknx:復元バネ等nの重心からのx方向上の距離 ekny:復元バネ等nの重心からのy方向上の距離 I :回転慣性I=∫r^2 dm (rは質量ごとの重心
までの距離) 例、長さa、bの長方形の場合、 1/12・m・(a^2+b^2) t :時間 g :重力加速度 10.5.1.1.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 請求項249−5項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられたダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 請求項249−6項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(平面型免震皿滑り支承=復元力無し)、ダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +g{m1・μ1x・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μ1y・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μ1x・eμ1y・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・eμ2y・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・eμny・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)} −g{m1・μ1y・eμ1x・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・eμ2x・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・eμnx・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−7項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状
免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、
積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)より d(dx/dt)/dt +g{m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{m1・θ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +m2・θ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+mn・θnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{m1・θ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +m2・θ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+mn・θny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{m1・θ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +m2・θ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+mn・θnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{m1・θ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +m2・θ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+mn・θny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−8項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置
を含む)等の構成によって支持また免震される免震構造
体において、請求項249−7項の運動方程式における
θnx、θny(n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 請求項249−9項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で円柱谷面状免
震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積
層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって
支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ) +・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ) −・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−10項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−9項の運動方程式におけるRn
x、Rny(n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2. n層の場合 以下、免震される構造体がn層の場合の説明を行う。 10.5.1.2.0. 記号一覧(下記以外の記号説明は実施例の
5.3.0.また 5.1.3.1.参照) (1) 共通 L :すり鉢状または球面状免震皿の中心から外周ま
での距離 d(dqx/dt)/dt:x方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) d(dqy/dt)/dt:y方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) t :時間 MM1 :免震される構造体1層の質量 MM2 :免震される構造体2層の質量 MM3 :免震される構造体3層の質量 ・ : ・ : MMn :免震される構造体n層の質量 g :重力加速度 (2) 免震層(免震装置の設置層) xb :免震層の重心のx方向の応答変位(地面に対す
る相対変位) yb :免震層の重心のy方向の応答変位(地面に対す
る相対変位) dxb/dt:免震層の重心のx方向の応答速度(地面に対す
る相対速度) dyb/dt:免震層の重心のy方向の応答速度(地面に対す
る相対速度) d(dxb/dt)/dt:免震層の重心のx方向の応答加速度(地
面に対する相対加速度) d(dyb/dt)/dt:免震層の重心のy方向の応答加速度(地
面に対する相対加速度) ψb :免震層の重心まわりの捩れ回転角(時計回り) Ib :免震層の回転慣性I=∫r^2 dm (rは質量
ごとの重心までの距離) 例、長さa、bの長方形の場合、 1/12・m・(a^2+b^2) μ1x :滑り支承1のx方向の摩擦係数 μ1y :滑り支承1のy方向の摩擦係数 μ2x :滑り支承2のx方向の摩擦係数 μ2y :滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μnx :滑り支承nのx方向の摩擦係数 μny :滑り支承nのy方向の摩擦係数 eμ1x:滑り支承1の重心からのx方向上の距離 eμ1y:滑り支承1の重心からのy方向上の距離 eμ2x:滑り支承2の重心からのx方向上の距離 eμ2y:滑り支承2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ eμnx:滑り支承nの重心からのx方向上の距離 eμny:滑り支承nの重心からのy方向上の距離 μθ1x:直線勾配型復元滑り支承1のx方向の摩擦係数 μθ1y:直線勾配型復元滑り支承1のy方向の摩擦係数 μθ2x:直線勾配型復元滑り支承2のx方向の摩擦係数 μθ2y:直線勾配型復元滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μθnx:直線勾配型復元滑り支承nのx方向の摩擦係数 μθny:直線勾配型復元滑り支承nのy方向の摩擦係数 θ1’:すり鉢状免震皿の復元滑り支承1の勾配(中心
からの勾配=円錐勾配) θ2’:すり鉢状免震皿の復元滑り支承2の勾配(中心
からの勾配=円錐勾配) ・ ・ θn’:すり鉢状免震皿の復元滑り支承nの勾配(中心
からの勾配=円錐勾配) θ1x :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)x方向の
勾配 θ1y :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)y方向の
勾配 θ2x :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)x方向の
勾配 θ2y :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)y方向の
勾配 ・ ・ θnx :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)x方向の
勾配 θny :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)y方向の
勾配 θn’、θnx、θny(以上θとして)について、但し二
重免震皿免震装置の時で上部下部免震皿の勾配が違う時
のθは、 θ=(sinθu+sinθd)/(cosθu+cosθd) θu、θdが小さい場合 cosθu≒cosθd≒1、またθd
≒θuの場合 θ≒(tanθu+tanθd)/2≒(θu+θd)/2 θu :上部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) 但し三重免震皿免震装置の時で上部免震皿・中間免震皿
・下部免震皿の勾配が違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθmu+sinθmd+sinθd)/(cosθu+co
sθmu+cosθmd+cosθd) θu、θdが小さい場合で、cosθu≒cosθmu≒cosθmd≒
cosθd≒1、またθd≒θu≒θmu≒θmdの場合 θ≒(tanθu+tanθmu+tanθmd+tanθd)/4 ≒(θu+θmu+θmd+θd)/4 θu :上部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θmu:中間免震皿上部勾配(三重免震皿免震装置の時) θmd:中間免震皿下部勾配(三重免震皿免震装置の時) eθ1x:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのx方向
上の距離 eθ1y:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのy方向
上の距離 eθ2x:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのx方向
上の距離 eθ2y:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのy方向
上の距離 ・ ・ eθnx:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのx方向
上の距離 eθny:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのy方向
上の距離 μR1x:球面状免震皿復元滑り支承1のx方向の摩擦係
数 μR1y:球面状免震皿復元滑り支承1のy方向の摩擦係
数 μR2x:球面状免震皿復元滑り支承2のx方向の摩擦係
数 μR2y:球面状免震皿復元滑り支承2のy方向の摩擦係
数 ・ ・ μRnx:球面状免震皿復元滑り支承nのx方向の摩擦係
数 μRny:球面状免震皿復元滑り支承nのy方向の摩擦係
数 R1’:球面状免震皿復元滑り支承1の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R2’:球面状免震皿復元滑り支承2の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) ・ ・ Rn’:球面状免震皿復元滑り支承nの曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R1x :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R1y :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R2x :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 R2y :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 ・ ・ Rnx :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 Rny :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 eR1x :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのx方
向上の距離 eR1y :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのy方
向上の距離 eR2x :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのx方
向上の距離 eR2y :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのy方
向上の距離 ・ ・ eRnx :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのx方
向上の距離 eRny :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのy方
向上の距離 m1 :免震支承1の支持質量(免震される構造体の質
量) m2 :免震支承2の支持質量(免震される構造体の質
量) ・ ・ mn :免震支承nの支持質量(免震される構造体の質
量) Σmn=MM1+MM2+・・+MMn Cb1x :免震層のダンパー1のx方向の粘性減衰係数 Cb1y :免震層のダンパー1のy方向の粘性減衰係数 Cb2x :免震層のダンパー2のx方向の粘性減衰係数 Cb2y :免震層のダンパー2のy方向の粘性減衰係数 ・ ・ Cbnx :免震層のダンパーnのx方向の粘性減衰係数 Cbny :免震層のダンパーnのy方向の粘性減衰係数 ecb1x:免震層のダンパー1の重心からのx方向上の距
離 ecb1y:免震層のダンパー1の重心からのy方向上の距
離 ecb2x:免震層のダンパー2の重心からのx方向上の距
離 ecb2y:免震層のダンパー2の重心からのy方向上の距
離 ・ ・ ecbnx:免震層のダンパーnの重心からのx方向上の距
離 ecbny:免震層のダンパーnの重心からのy方向上の距
離 Kb1x :免震層の復元バネ等1のx方向のバネ定数 Kb1y :免震層の復元バネ等1のy方向のバネ定数 Kb2x :免震層の復元バネ等2のx方向のバネ定数 Kb2y :免震層の復元バネ等2のy方向のバネ定数 ・ ・ Kbnx :免震層の復元バネ等nのx方向のバネ定数 Kbny :免震層の復元バネ等nのy方向のバネ定数 ekb1x:免震層の復元バネ等1の重心からのx方向上の
距離 ekb1y:免震層の復元バネ等1の重心からのy方向上の
距離 ekb2x:免震層の復元バネ等2の重心からのx方向上の
距離 ekb2y:免震層の復元バネ等2の重心からのy方向上の
距離 ・ ・ ekbnx:免震層の復元バネ等nの重心からのx方向上の
距離 ekbny:免震層の復元バネ等nの重心からのy方向上の
距離 (3) n層 xn’ :n層の重心のx方向の応答変位(免震層=一
層床に対する相対変位) yn’ :n層の重心のy方向の応答変位(免震層に対
する相対変位) dxn’/dt:n層の重心のx方向の応答速度(免震層に対
する相対速度) dyn’/dt:n層の重心のy方向の応答速度(免震層に対
する相対速度) d(dxn’/dt)/dt:n層の重心のx方向の応答加速度(免
震層に対する相対加速度) d(dyn’/dt)/dt:n層の重心のy方向の応答加速度(免
震層に対する相対加速度) ψn’ :n層の重心まわりの捩れ回転角 Cn’x :n層のx方向の粘性減衰係数 Cn’y :n層のy方向の粘性減衰係数 ecn’x :n層の粘性=Cn’xの中心の重心からのx方
向上の距離 ecn’y :n層の粘性=Cn’yの中心の重心からのy方
向上の距離 Kn’x :n層のx方向の全剛性 Kn’y :n層のy方向の全剛性 ekn’x :n層の剛性の中心(剛心)の重心からのx方
向上の距離 ekn’y :n層の剛性の中心(剛心)の重心からのy方
向上の距離 In’ :n層の回転慣性I=∫r^2 dm (rは質量
ごとの重心までの距離) 例、長さa、bの長方形の場合、 1/12・m・(a^2+b^2) 但し、n’=n-1、 n"=n-2、 n″'=n-3 10.5.1.2.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0、μ=μnx=μny=μθnx=μθny=0とした
場合である。 10.5.1.2.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0とした場合である。 10.5.1.2.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−11項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面
状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパ
ー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成に
よって支持また免震される免震構造体において、以下の
連立運動方程式によって構造解析することによって設計
されてなることを特徴とする免震構造体である。 1) 2層の場合(免震層以外も偏芯有り) 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間に設けられた免震滑り支承(xy方向(直交方
向)免震で、V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装
置を含む)等の構成によって支持また免震される免震構
造体において、 連立運動方程式 d(dxb/dt)/dt +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb=0 −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 2) 3層の場合(免震層以外も偏芯有り) 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間に設けられた免震滑り支承(xy方向(直交方
向)免震で、V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装
置を含む)等の構成によって支持また免震される免震構
造体において、 連立運動方程式 d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1) +K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 3) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間に設けられた免震滑り支承(xy方向(直交方
向)免震で、V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装
置を含む)等の構成によって支持また免震される免震構
造体において、 連立運動方程式 d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn″)/dt)/dt +Cn"x/MMn’・(dxn"/dt-dxn"’/dt) +Cn"x/MMn’・ecn"y・(dψn"/dt-dψn"’/dt) +Kn"x/MMn’・(xn"-xn"’)+Kn"x/MMn’・ekn"y・(ψn"-ψn"’) −Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn"/dt) −Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Kn’x/MMn’・(xn’-xn")−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt−dxn”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn")+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1+K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1−K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1)+K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn″)/dt)/dt +Cn"y/MMn’・(dyn"/dt-dyn"’/dt) +Cn"y/MMn’・ecn"x・(dψn"/dt-dψn"’/dt) +Kn"y/MMn’・(yn"-yn"’)+Kn"y/MMn’・ekn"x・(ψn"-ψn"’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn"/dt) −Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn")−Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn"/dt) −Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn")−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In″・d(dψn″/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn″x・ecn″y・(dxn″/dt−dxn″'/dt) −Cn″y・ecn″x・(dyn″/dt−dyn″'/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/dt) +Kn″x・ekn″y・(xn″−xn″')−Kn″y・ekn″x・(yn″−yn″') −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn") +Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn″x・ecn″y^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) +Cn″y・ecn″x^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn″x・ekn″y^2・(ψn″-ψn″')+Kn″y・ekn″x^2・(ψn″-ψn″') −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn") −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) −Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn")−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn")+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−12項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−11項の運動方程式におけるθ
nx、θny(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ L
の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 (1) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 請求項249−13項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(xy方向(直交方向)免震で、円柱谷面状免震
皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層
ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支
持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/MM1 +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1)−K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn″)/dt)/dt +Cn"x/MMn’・(dxn"/dt-dxn"’/dt) +Cn"x/MMn’・ecn"y・(dψn"/dt-dψn"’/dt) +Kn"x/MMn’・(xn"-xn"’)+Kn"x/MMn’・ekn"y・(ψn"-ψn"’) −Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn"/dt) −Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Kn’x/MMn’・(xn’-xn")−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn"/dt) +Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn")+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/MM1 +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1−K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1)+K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1)−K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2)+K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn″)/dt)/dt +Cn"y/MMn’・(dyn"/dt-dyn"’/dt) +Cn"y/MMn’・ecn"x・(dψn"/dt-dψn"’/dt) +Kn"y/MMn’・(yn"-yn"’)+Kn"y/MMn’・ekn"x・(ψn"-ψn"’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn"/dt) −Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn")−Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn"/dt) −Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn")−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt+C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1+K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1−K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt−C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1−K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1+K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1)−K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2)+K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In″・d(dψn″/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn″x・ecn″y・(dxn″/dt−dxn″'/dt) −Cn″y・ecn″x・(dyn″/dt−dyn″'/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/dt) +Kn″x・ekn″y・(xn″−xn″')−Kn″y・ekn″x・(yn″−yn″') −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn") +Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn″x・ecn″y^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) +Cn″y・ecn″x^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn″x・ekn″y^2・(ψn″-ψn″')+Kn″y・ekn″x^2・(ψn″-ψn″') −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn") −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) −Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn")−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn")+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−14項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、
ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の
構成によって支持また免震される免震構造体において、
請求項249−13項の運動方程式におけるRnx、Rny
(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応) 11.1.1. 免震装置の組合せ 請求項250項または請求項250−1項は、免震され
る構造体の形態、固定荷重・積載荷重形態が変化に富む
場合(変形形態・変形平面・偏心荷重形態)であって
も、免震される構造体の各所に設置される免震装置を、
同一性能の装置、つまり単一の性能の装置とすることを
可能にする免震構造体の発明である。免震時に捩れを起
こさない免震装置の組合せとしては、 1) 免震と復元の支承に関して 免震と復元の各支承としては、同一摩擦係数をもった滑
り支承(すべり支承、転がり支承)、または、同一摩擦
係数と同一勾配をもったすり鉢もしくは同一摩擦係数と
同一曲率をもった球面等の勾配による復元性能を持った
滑り支承(勾配型復元滑り支承という)を使用すること
(請求項250項記載)、 2) ダンパーの使用に関して 1)記載の支承を使用したとしても、ダンパーを使用する
場合は、ダンパーを免震される構造体の重心におかない
限り、回転・捩れ防止装置(10.参照)を併用するこ
と(請求項250−1項記載)である。同一摩擦係数と
は、前述のように、ほぼ同一を含むが、同じ材質の免震
皿と、同じ材質の滑り部また中間滑り部(ボール・ロー
ラー等の転動体、滑り部材)によって得られる場合が多
い。 11.1.2. 説明 (1) 同摩擦係数と同勾配型の、(勾配型復元)滑り支承
と摩擦型減衰・抑制装置の使用 免震と復元と減衰・抑制に関しては、滑り支承(すべり
支承、転がり支承)と、すり鉢または球面等の勾配によ
る復元性能を持った滑り支承(勾配型復元滑り支承とい
う)と、摩擦型減衰・抑制装置のみを使用する。すなわ
ち、同一性能(同一摩擦係数)をもった滑り支承(すべ
り支承、転がり支承)の各所設置(複数箇所)、同一性
能(同一摩擦係数、同一勾配・同一曲率の勾配)をもっ
た勾配型復元滑り支承の各所設置(複数箇所)、同一性
能(同一摩擦係数)をもった摩擦型減衰・抑制装置の各
所設置(複数箇所)でも、免震される構造体の平面形
(間取)変化による積載・固定荷重の変化に対応でき、
荷重偏心があっても免震時に大きな捩れた動きは生じ
ず、きれいな免震が可能になる(なお、いずれの装置
(滑り支承、勾配型復元滑り支承、摩擦型減衰・抑制装
置)も、複数箇所であっても、少なくとも一つの装置
は、免震される構造体の重心を挟んでいる配置されてい
る必要がある)。というのは、同一性能の、滑り支承
(すべり支承、転がり支承)、復元装置、また減衰装置
を、免震される構造体を支持するのに必要な箇所に設置
する場合、バネ型復元装置または粘性減衰型装置では、
それぞれの設置位置において免震される構造体からの荷
重による応力が異なると、免震時にきれいな免震がなさ
れず捩れが生じるからである。なお、ここでの「きれい
な免震」とは、捩れ等のない、スムーズな免震のことで
ある。従来、このことは大きな問題であった。同一性能
の復元装置または減衰装置の設置に関しては、復元また
は減衰性能が支持する荷重の影響を受けるかどうかが問
題となる。このことは、以下の 11.1.3.の運動方程式の
比較に示される、バネ型復元装置+粘性減衰型装置によ
る免震の運動方程式と、摩擦型減衰・抑制装置+勾配型
復元滑り支承による免震の運動方程式との比較から明瞭
になる。つまり、バネ型復元装置または粘性減衰型装置
を使用する場合は、質量の影響を受ける。その結果、同
じ性能をもった復元装置の各所設置、同じ性能をもった
減衰装置の各所設置では、免震される構造体の平面形
(間取)変化による積載・固定荷重の変化に対応できず
に、荷重偏心によって免震時に捩れた動きが生じる。そ
の点、滑り支承(すべり支承、転がり支承)、摩擦型減
衰・抑制装置、またすり鉢または球面状等の勾配型復元
滑り支承を使用する場合は、質量の影響を受けない。そ
のため、同じ性能をもった滑り支承(すべり支承、転が
り支承)の各所設置、同じ性能をもった復元装置の各所
設置、同じ性能をもった減衰・抑制装置の各所設置で
も、免震される構造体の平面形(間取)変化による積載
・固定荷重の変化に対応でき、荷重偏心があっても免震
時に大きな捩れた動きは生じず、きれいな免震が可能に
なる。以上のことからわかるように、バネ型復元装置ま
たは粘性減衰型装置を使用して偏心荷重時に捩れた動き
を伴わずにきれいに免震させるためには、各位置に設置
された各バネのバネ定数の調整、各粘性ダンパーの調整
をする必要があり、極めて煩雑となる。その点、滑り支
承、摩擦型減衰・抑制装置、勾配型復元滑り支承を使用
する場合は、偏心荷重時であっても、各位置に設置され
る滑り支承、摩擦型減衰・抑制装置、勾配型復元滑り支
承は、単一の性能(同一摩擦係数、同一勾配・同一曲率
の勾配)の装置で良く、各支承の調整の煩しさもなく、
きれいな免震が可能になる。 1) 勾配型復元滑り支承 すり鉢または球面状等の勾配型復元滑り支承とは、滑り
支承(すべり支承、転がり支承)の滑り面に、すり鉢ま
たは球面等の形状の勾配を与えて、その面を滑動するも
のを重力により通常位置に復元させる装置である。図1
〜図8、図13〜図17、図60〜図62、図64、図
67、図68、図83、図85〜図115がその実施例
である。以上のことから、摩擦型減衰・抑制装置、勾配
型復元滑り支承の使用に際して、免震される構造体の積
載・固定荷重形態の多様性に対応するためには、免震さ
れる構造体の各所に設置される装置の摩擦係数と勾配
は、全て同じにする必要がある。 2) 摩擦型減衰・抑制装置 摩擦型減衰・抑制装置とは、摩擦型減衰装置、摩擦型抑
制装置に分かれ、摩擦型減衰装置とは、地震後の振幅を
摩擦によって減衰させる装置であり、摩擦型抑制装置と
は、風揺れ等を摩擦によって抑制、また地震時の変位振
幅を摩擦によって抑制させる装置である。なお、ここで
の「摩擦によって」とは、免震される構造体の自重によ
って生じる摩擦である。それ以外によって生じる摩擦は
別のもので、逆に生じさせないようにする必要がある。
図71、図482、図483が、この型の装置と考えら
れるが、図482に関しては弾性材3-eの厚みが弾性と
の関係で厚過ぎたりすると摩擦が自重によって変化した
り、さらに厚過ぎると粘性抵抗に近付くので、どの位置
に置いてもボール5-e等のボール先端部が免震皿3にほ
ぼ接するように、弾性との関係で厚さを決める必要があ
る。図483も同様であるが、弾性材3-eの厚みが厚過
ぎると粘性抵抗に近付くので弾性との関係での厚み調整
がより必要となる。図95〜図97等の食込み支承(8.
7.)も、風揺れ等を摩擦によって抑制するこの型の装置
の一つと考えられる。 (2) 固定ピン型固定装置(連結部材系のピン型を除く)
の使用 以上のことから、固定装置も、ダンパー型固定装置=免
震時にダンパーが働く固定装置の型(例、不可撓部材型
連結部材弁型固定装置)は使用できない。基本的には、
免震時に抵抗の無い(有っても、免震される構造体の自
重によって生じる摩擦であるので問題が無い)固定ピン
型固定装置(不可撓部材型連結部材系ピン型を除く)・
可撓部材型連結部材弁型固定装置に限られる。 (3) 座屈変形型・塑性変形型等衝突衝撃吸収装置の使用 9.4.の説明のように、予想を越える地震による応答変位
によって、外れ防止等の部材に最終的に衝突させる場合
は、弾性的反発のある形では無く、座屈変形型・塑性変
形型等の反発を最小限に抑える型が好ましいのは、プラ
ンの多様性に対応させることを考えても同様である。 (4) プランの多様性に対応できる免震装置の組合せ 以上のことから、同一性能の免震装置によって、免震さ
れる構造体の荷重形態・プラン(間取り)の多様性に対
応できる免震装置の組合せは、滑り支承(すべり支承、
転がり支承)+摩擦型減衰・抑制装置+勾配型復元滑り
支承+固定ピン型固定装置(不可撓部材型連結部材系ピ
ン型を除く)・可撓部材型連結部材弁型固定装置+低反
発係数型・座屈変形型・塑性変形型等衝突衝撃吸収装
置、の中での組合せとなる。 (5) 回転・捩れ防止装置との併用 以上の装置以外の免震時に捩れが生じるもの(積層ゴ
ム、ダンパー等を使用したもの、偏芯率の大きいもの)
でも、10.の回転・捩れ防止装置との併用をするとそ
の問題は解消される(10.3.参照)。 11.1.3. 運動方程式の比較 1) バネ型復元装置+粘性減衰型装置による免震の運動
方程式 d(dx/dt)/dt +K/m・x +C/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 復元加速度、減衰加速度ともに質点の質量に反比例。重
いほど効きが悪くなる。 2) 滑り支承+バネ型復元装置による免震の運動方程式 d(dx/dt)/dt +K/m・x +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 減衰加速度は、質点の質量に無関係。復元加速度は、質
点の質量に反比例。重いほど効きが悪くなる。 3) (滑り支承+)勾配型復元滑り支承による免震の運
動方程式 1.球面状の場合 曲率θ’が小さい場合、(cosθ’)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g/R・x +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 復元加速度、減衰加速度ともに質点の質量に無関係。 2.すり鉢状の場合(5.1.3.参照) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt +θg・sign(x) +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 復元加速度、減衰加速度ともに質点の質量に無関係。 4) 滑り支承のみ免震の運動方程式 d(dx/dt)/dt +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 減衰加速度 地震動加速度 減衰加速度は、質点の質量に無関係。 (符号) x :地面=免震皿から見た質点の応答変位(相対変
位) z :不動=絶対点より見た地面の変位(絶対変位) t :時間 m :質点の質量 g :重力加速度 d(dx/dt)/dt:質点の応答加速度(地面に対する相対加
速度) d(dz/dt)/dt:地震加速度(絶対加速度) R :免震皿球面の曲率半径 K :バネ定数 θ :すり鉢状免震皿の勾配 μ :免震皿の動摩擦係数 C :粘性減衰係数 ≒≒ 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 請求項250−2項〜請求項250−9項は、免震時に
免震される構造体が共振せず、免震される構造体の捩れ
が防止される免震装置の組合せの発明である。ダンパー
の使用により変位抑制する場合(11.2.2.)、ダンパー
を使用せずに変位抑制しない場合(11.2.1.)の2つの場
合に分かれる。また、それぞれの場合は、免震される構
造体が、風時、地震時に、引抜き力が発生して浮き上が
る高塔状比構造体の場合と、浮き上がらない低塔状比構
造体の場合とに分かれる。また、そのそれぞれの場合
に、風で揺れない重量構造体の場合と、風で揺れる軽量
構造体の場合とに分かれる。以下の、直線勾配型復元滑
り支承は、5.参照(他の直線勾配型復元滑り支承も当
然可である)、固定装置は、8.参照(他の固定装置も
当然可である)、回転・捩れ防止装置は、10.参照
(他の回転・捩れ防止装置も当然可である)、引抜き防
止装置は、2./4.参照(他の引抜き防止装置も当然
可である)、ダンパーは、8.(特に8.4.)参照(他の
ダンパーも当然可である)である。なお、本章におい
て、以上以下の「直線勾配型復元滑り支承」「固定装
置」「回転・捩れ防止装置」「引抜き防止装置」および
「ダンパー」という語は、当該装置のみならず、当該装
置と同様の構成、作用、もしくは効果を持つすべての装
置、方法等を含む。 11.2.1. 変位抑制しない場合 ダンパーを使用しないために変位抑制されない場合であ
るが、ダンパーを使用しないために捩れが生じ無いこと
が可能になる場合である。特に、転がり支承型では、ダ
ンパーを使用しないため免震皿が大きくなるが、すべり
支承型ではそれ自体で変位抑制効果を持っているので、
免震皿はそれ程大きくならずにすむ。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承 請求項250−2項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合に
は、免震装置として、すべり・転がり面がすり鉢(円錐
・角錐等)状またはV字谷面状等の直線勾配によって形
成されて復元性能を持った滑り支承(以下、直線勾配型
復元滑り支承と言う)の同一性能のものを各設置場所に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
構造体である。直線勾配型復元滑り支承の同一性能のも
のとは、同一摩擦係数と同一勾配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置 請求項250−3項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、
免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能の
ものを各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ
防止装置とを設けることにより構成されてなることを特
徴とする免震構造体である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置 請求項250−4項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合には、免
震装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能のも
のを各設置場所に設け、そして引抜き防止装置を設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置 請求項250−5項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震
装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能のもの
を各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止
装置と引抜き防止装置とを設けることにより構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 11.2.2. 変位抑制する場合 ダンパーの使用により変位抑制をすることにより、免震
皿の面積を小さくし、免震装置自体をコンパクトにする
ことが可能となる。基本的には、11.2.1.にダンパーを
設けて、捩れを起こさないために回転・捩れ防止装置を
設ける(すでに設けてある場合には除く、重複に設ける
必要は無い)。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−
6項の発明は、風等で浮上がらない低塔状比構造体で、
且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑制する
場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の
同一性能のものを各設置場所に設け、そしてダンパーと
回転・捩れ防止装置とを設けることにより構成されてな
ることを特徴とする免震構造体である。直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものとは、同一摩擦係数と同一勾
配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+ダンパー 請求項250−7項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変
位を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復
元滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そし
て固定装置と回転・捩れ防止装置とダンパーとを設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−8項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位
を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして
引抜き防止装置とダンパーと回転・捩れ防止装置とを設
けることにより構成されてなることを特徴とする免震構
造体である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置+
ダンパー 請求項250−9項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を
抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑
り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして固
定装置と回転・捩れ防止装置と引抜き防止装置とダンパ
ーとを設けることにより構成されてなることを特徴とす
る免震構造体である。なお、11.2.であげたのは、最低
限必要な装置等の組合せであり、さらに他の装置と組合
せることはもちろん可能である。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 滑り型免震支承の場合について、免震の過大変位時の安
全を考慮した免震装置の組合せとして、以下の様なもの
が考えられる。 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
1 (1) 第一種地盤 地盤種別として第一種地盤(建築基準法施行令第88条)
の場合には、すべり型また転がり型免震支承の場合に
は、ダンパーが不要の場合が多い。 (2) 第二種、第三種地盤 地盤種別として第二種、第三種地盤の場合には、すべり
型また転がり型免震支承の場合には、ダンパーが必須に
なる。その場合、ダンパーで完全に過大変位をストップ
させる方式(8.4.5.1.2.の過大変位時ストッパー付ダン
パーを参照)の採用、またはこの過大変位時ストッパー
付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支承、外れ防止
装置)との併用という場合がある。請求項250−10
項は、その発明であり、過大変位時ストッパー付ダンパ
ー(請求項192−5項記載)の使用、または過大変位
時ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支
承、外れ防止装置)との併用使用をすることにより構成
されてなることを特徴とする免震構造体である。 11.4. 滑り型免震装置・滑り支承の材料仕様 以上の滑り型免震装置・滑り支承の材料は、簡易型の場
合、錆びてもよい材料も考えられる。しかし、一般的に
は、滑り型免震装置・滑り支承の材料は、ステンレスま
た亜鉛溶融メッキ等の錆びない材料によって構成される
方がよい。しかし、それほど高い免震性能が要求されな
い場合、転がり型免震では錆びが生じても積層ゴム免震
またはすべり型免震に比べ、性能は格段によいので、錆
びは許容されるため、普通鋼材を用いてもよい。表面研
磨は、平面状免震皿の二重による二重免震の場合は、鏡
面仕上げでなく、一段階か二段階か何段階か荒くした方
がよい。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 図339は、請求項251項記載の発明の新積層ゴム免
震装置の実施例を示している。中央部に穴を有する鋼等
の硬質板28を積み重ねて積層させ、その中央部にゴム
またバネ(空気バネ含む)等29を挿入させることによ
り構成され、かつ、この硬質板28の最上部の板を免震
される構造体1に、最下部の板を免震される構造体を支
持する構造体2に設けることにより構成される。剪断変
形に関しては、ゴム自体の性能を期待できるが、耐圧性
能に関しては、ゴムの膨脹の問題があった。ゴムの圧縮
力によるこの膨脹の問題、また、ゴムまたバネ等の座屈
の問題は、この、中央部の穴を有する鋼等の硬質板28
で対応でき、さらに、現状の積層ゴムのようなに一枚一
枚ゴムと鋼等を接着する製法上の困難が解消され、生産
が容易になる。 12.2. 復元バネ 図386は、請求項252項記載の発明の復元バネ免震
装置の実施例を示している。図386では、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との間
に、バネ・ゴム等25が設けられ、免震される構造体を
支持する構造体2の挿入口34の中にそのバネ・ゴム等
25の端が係合され、このバネ・ゴム等25の反対の端
が免震される構造体1に係合されることにより構成され
ている。当然のごとく、免震される構造体1の挿入口3
4の中に、そのバネ・ゴム等25の端が係合され、この
バネ・ゴム等25の反対の端が、支持する構造体2に係
合される場合もある。挿入口34の形状に関しては、一
方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせる場合
は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介しての挿入
口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取った曲面
鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口(図386)、すり
鉢状等の形状の挿入口のように、バネ・ゴム等25とそ
の挿入口34とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子
を介する(その場合は、バネ・ゴム等25に対して直交
方向二軸(二軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそ
れに対応してコロ等の回転子を設ける必要がある)等に
より、摩擦を小さくした方がよい。また挿入口34の材
質は、低摩擦材がよく、強度も必要である。さらに、当
然のごとく、バネ・ゴム等25にワイヤー・ロープ・ケ
ーブル等の可撓部材8-fが接続されて、挿入口34の曲
面またはコロと接する形でも良い。図386(a)は、免
震される構造体1と、免震される構造体を支持する構造
体2との間に変位が無い時の、図386(b)は、地震等
により、免震される構造体1と、免震される構造体を支
持する構造体2との間に変位が生じ、バネ・ゴム等25
が伸びた時の図である。このように、地震により免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
が変位すると、この挿入口34に従い、バネ・ゴム等2
5は水平方向に曲げられ、水平方向復元力を持つことに
なり、僅かな変位でも水平方向の復元力を得られる。さ
らに、このバネ・ゴム等25により、免震される構造体
1に働く下方への引張力も最低限にし、免震される構造
体1への負荷も小さくしている。縦型にバネ・ゴム等を
設置することは、水平のどの方向にも復元性能を得られ
る反面、僅かな水平変位での復元力に乏しい。この発明
は、その問題を解決し、僅かな変位でも水平方向の復元
力を得られるようになっている。またその結果、このバ
ネ・ゴム等により、免震される構造体に働く下方への引
張力も、最低限になり、免震される構造体への負荷を小
さくしている。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体 請求項253項は、超高層建物・構造体において、免震
装置として、滑り型免震装置・滑り支承を、特に転がり
型滑り支承を採用し、免震される構造体としては、風力
では揺れない剛性をもつ構造とする発明である。積層ゴ
ム免震装置では対応しきれなかった長周期の超高層建物
・構造体でも、滑り型免震装置・滑り支承の使用によっ
て免震が可能となる。そのことにより、超高層建物・構
造体を、地震対策としての柔構造から風力では揺れない
程度の剛性をもつ構造(剛構造)にすることができ、風
揺れをも防ぐことが可能となる。そのことにより、免震
され、風揺れしない超高層建物が可能になる。 (1) 構造法 滑り型免震等の免震装置上の超高層建物・構造体は、従
来の柔構造によらず、風力ではゆれない程度の剛性をも
つ構造とする。建物の剛性を上げることは、免震性能を
上げることにもつながる。 (2) 免震装置 建物本体の固有周期の長い超高層建物・構造体に関して
は、それを上回るかなりの長周期を持つ免震装置でない
と免震が働かないため、積層ゴム免震装置では免震性能
が得られなかった。しかも、引抜き力が発生するため
に、積層ゴム免震装置では対応しきれなかった。特許 1
844024号と特許 2575283号との免震復元装置、免震装
置、及び本発明の滑り型免震装置・滑り支承を使用すれ
ば、長周期の超高層建物・構造体でも十分に免震する。
また、引抜き力に対しては、引抜き防止装置が、さら
に、風揺れに関しては、固定装置がそれぞれ対処する。
以上の(1)(2)により、地震時に免震され、風揺れしない
超高層建物が可能となり、風揺れ防止のための制振構造
を採用する必要もなくなる。 13.2. 高塔状比建物・構造体 (1) 構造法 (2) 免震装置 ある塔状比以上の構造体は、免震装置・滑り支承等の免
震装置に加えて引抜き防止装置を必要とする。また、ロ
ッキング等の問題を少なくするために、免震装置・滑り
支承の摩擦係数をできるだけ下げ、また、1階等の地上
に近い階の床等を重くする必要もある。また、自重に対
して、ある一定以上に風圧見つけ面積の大きい構造体
は、固定装置を必要とする場合もある。 13.3. 一般中高層建物(8.7.2.同じ) また、免震皿の中央部を、その免震皿面を滑動するボー
ルまたはローラーの曲率形状で窪ませる(凹ませる)こ
とは、一般中高層建物のように自重が大きい場合、免震
皿側の耐圧性能を上げる効果と風揺れ防止の効果とを合
わせ持つ。請求項207項は、その発明である。請求項
209項記載の発明は、それを使用した場合の免震構造
体である。 13.4. 軽量建物・構造体 (1) 構造法 (2) 免震装置 従来の積層ゴム免震装置では固有周期が長く設定でき
ず、免震性能が得られなかった軽量建物・構造体には、
固有周期とは無関係の免震装置・滑り支承等の免震装置
で、免震が可能になる。また、引抜き力が働く場合は、
引抜き防止装置によって対処し、風で揺れる場合には、
固定装置を必要とする。免震性能を上げるには、重心を
下げることが有効なため、1階等の地上に近い階の床等
を重くする必要もある。 13.5. 在来木造戸建て住宅/軽量(木造・鉄骨系)戸建
て住宅 (1) 構造法 1) 土台床構面の形成 床構面の形成に関しては、固定装置が負担する風圧荷重
をスムーズに土台から基礎に伝達するため、固定装置周
辺は筋交による土台補強を行う必要がある。それ以外の
部分は、在来工法の全面筋交補強で行う方式、在来工法
の改良で、土台(基礎の上の横架材)の上全面に構造用
合板等を敷き込み、その上にまた土台(横架材)を置く
か、直に柱を立てる方式、あるいは枠組み壁工法等で用
いられているダイヤフラム構面を用いる方式の内いずれ
かで形成することが考えられる。このようにして構面が
形成される手法で、免震装置・滑り支承の支持構造面を
つくる。請求項254項は、その発明である。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計 請求項256項記載の発明は、復元装置の復元能力の設
計に関するものである。滑り型免震装置のどのような場
合にも言える事であるが、復元装置の復元力の設計に関
しては、免震される構造体の復元が可能な範囲で最小限
の復元力が、免震性能上は一番よい。つまり、重力復元
型免震装置・滑り支承・十字重力復元型免震装置・滑り
支承等の凹型滑り面部による復元型の場合においては、
復元が得られる限り、曲率半径をできるだけ大きくし、
またすり鉢勾配をできるだけ小さくして平坦面に近付け
る。バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)の復
元型の場合においても、復元が得られる限り、バネ定数
をできるだけ小さくする。そして、双方ともに、復元力
を最小限にするためには、免震装置・滑り支承の摩擦係
数を下げる事も必要である。そのことは、また、免震性
能を上げる事につながる。復元装置の全体での復元力
は、免震される構造体Aの免震層の全体での摩擦力より
も大きくする必要があり、かつ、施工精度の許容値、特
に基礎の施工精度の許容値、また不同沈下の許容値から
考えられる免震される構造体の傾斜から発生する力より
も大きくする必要がある。免震される構造体Aの免震層
が、転がり型滑り支承の場合には、免震される構造体A
の全体の免震層の摩擦係数は1/100以下になるの
で、これら曲率半径、バネ定数、すり鉢勾配の最小の値
は、大抵の場合、施工精度、特に基礎の施工精度から
(また不同沈下の許容範囲から)決まる。戸建ての場合
には、不同沈下の許容傾斜範囲1/150(メーカー保
証範囲)以上から、すり鉢状の勾配は、安全率を見て1
/50以上という数字が選択される。 (2) 固定装置の設計 固定装置に関しては、箇所数が多いと、固定装置の解除
また差し込みのタイムラグの心配があり、箇所数が少な
い事に越したことはないが、一箇所だけでは、風力によ
る回転の心配がある。それゆえ、2箇所以上(連動作動
型固定装置(8.1.3.)、リレー連動作動型固定装置(8.
3.)、8.3.2.等の採用)か、固定装置(一箇所配置)と
食込み支承の併用(8.7.3.)か、または固定装置(一箇所
配置)と回転・捩れ防止装置の併用(10)がよい。特に、
固定装置と回転・捩れ防止装置の併用(10)の場合には、
風力による回転が起こらないため、固定装置は一箇所に
配置するだけでよい。したがって、この場合、固定装置
を多箇所に配置する際に生じる、固定装置の解除また差
し込みのタイムラグは問題とならない。一箇所配置の場
合には、免震される構造体Aの重心位置またその近傍が
よい。また、連動型でない固定装置の複数個配置でも、
10.1.の回転・捩れ防止装置との併用により、地震時に
固定装置が同時解除しない地震作動型固定装置の免震に
よる不安定さを回転・捩れ防止装置により解決し、同時
に風時の風揺れ抑制の安全さを増す。 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置 14.2.1. 概要 請求項255項記載の発明は、免震装置の配置に関する
ものである。 (1) 復元装置 免震される構造体Aの重心位置またその近傍にのみ、一
箇所以上、できれば2箇所以上の復元装置Cを装備し、
それ以外は、復元力を持たない免震装置・滑り支承Dと
する。特に、2箇所の場合には 免震される構造体Aの
長軸方向における重心位置をはさみ、ほぼ等距離の位置
の二箇所に設定するのが望ましい。当然、重心位置を挟
み対称位置に設置することもある。また等距離からずれ
てもよい。 (2) 固定装置 また必要に応じて、固定装置Gを配する。特に固定装置
Gに関しては、箇所数が多いと、固定装置の解除また差
し込み時のタイムラグの心配があり、箇所数が少ない事
に越したことはないが、一箇所では、風力による回転の
心配がある。それゆえ、2箇所に設置するのが望まし
い。ただし、固定装置と回転・捩れ防止装置(10)の併用
により、一箇所配置の場合においても、回転を防ぐこと
が可能である。一箇所の場合には、免震される構造体A
の重心位置またその近傍がよい。詳細は、8.3./10.に書
かれている。また、連動型でない固定装置の複数個配置
でも、10.1.の回転・捩れ防止装置との併用により、地
震時に固定装置が同時解除しない地震作動型固定装置の
免震による不安定さを回転・捩れ防止装置により解決
し、同時に風時の風揺れ抑制の安全さを増す。 14.2.2. 戸建て・軽量建物の場合 図334〜図337は、戸建ての実施例の場合を示して
おり、戸建ての標準的柱間隔のプランにおいて、各柱ご
との下に、4.1.の二重(または二重以上の)平面型滑り
面部をもった免震皿を有する免震装置・滑り支承D等を
装備し、免震される構造体Aの重心位置またその近傍
に、復元装置C、また固定装置Gを装備した実施例であ
る。図334(a)、図335(a) は、全体配置図であ
り、図334(b)、図335(b) は、その部分断面図で
ある。図336は、重心位置またその近傍に位置する2.
1.の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承C
の実施図であり、図337は、スラブを取った状態での
2.1.の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承
Cの実施図である。装置ごとの具体的な配置について説
明すると、 1) 免震装置・滑り支承の配置 免震装置・滑り支承Dの配置に関して、2.7m、3.
6m等の標準的柱間隔で、各柱ごとの下に(間柱等は飛
ばす場合あり)、4.1.の二重(または二重以上の)平面
型滑り面部をもった免震皿を有する免震装置・滑り支承
D等を装備する。免震装置Dを安価なものにできること
で、経済的な理由から免震装置設置間隔を大きくとると
いった必要がなくなり、各柱下ごとの免震装置の設置が
実現できるようになった。このために、戸建ての構造的
形態・仕様を変えずに免震が可能となった。 2) 復元装置の配置 復元装置Cの配置に関して、免震される構造体Aの重心
位置またその近傍に、1箇所、2箇所、また数箇所(特
に2箇所以上に)、復元装置Cを装備するが、当然、2.
1.の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承だ
けでなく、積層ゴム、4.7. の縁切り型垂直変位吸収重
力復元型免震装置・滑り支承、4.8.の新重力復元型免震
装置、また2.2.の積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防
止装置・滑り支承でもよい。特に、4.7. の縁切り型垂
直変位吸収重力復元型免震装置・滑り支承と、4.8.の新
重力復元型免震装置とは、免震される構造体Aの重心を
下げる効果により、安定した免震性能が得られる。 3) 固定装置の配置 また、固定装置Gに関しても同様であり、免震される構
造体Aの重心位置またその近傍に1箇所、2箇所、また
数箇所設置されるが、特に2箇所とするのがよい。ただ
し、他の装置と併用する場合は一箇所配置でよい。固定
装置Gの装置の種類に関して、8.1.1.の剪断ピン型固定
装置、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置、8.2.風作動型固定装置のいずれかが設置される。8.
1.1.の剪断ピン型固定装置の場合には、8.1.3.連動作動
型固定装置が必要になる。 14.2.3. 一般ビルの場合 一般ビルの場合も、そのビルの柱間隔に、その柱ごとの
下に(小スパン間隔の場合は飛ばす場合あり)、免震装
置・滑り支承D等を装備し、中心部に復元装置C、また
固定装置Gを装備する。以下、ほぼ同様である。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 15.1. 免震装置設置と基礎部分の施工の合理化 図334〜図337は、請求項257項記載の発明の実
施例を示している。特に、戸建て用免震装置としての意
味がある。ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上に
空隙を設けて、スラブ1-sを打ち、その間に免震装置・
滑り支承を入れる。具体的に施工法を説明すると、ベタ
基礎2、また布基礎2と地面33の上に免震装置・滑り
支承を配備し、その間を有機溶剤で溶けるスタイロフォ
ーム等のプラスチック30か、水で溶けるプラスチック
30で埋めて間隙を作り、それらの上にコンクリートス
ラブ1-sを打ち、コンクリートが固まるとこのプラスチ
ックを有機溶剤か水で溶かして空間を作る。ベタ基礎
2、また布基礎2と地面33の上に、免震装置・滑り支
承のみに支えられてコンクリートスラブ1-sが浮く形と
なり、免震装置・滑り支承の作動が可能となる。そして
このコンクリートスラブ1-sには、在来構法・プレハブ
構法・2×4構法等の住宅を自由に建てられるように、
一定荷重以上を想定した構造設計により、配筋設計をす
る。また上部構造(免震される構造体)としてのフレー
ムとしての剛性のなさを補うようなスラブの剛性設計も
する。その事により、上部構造の自由がもたらされ、上
部構造としてのフレームとしての剛性のなさの問題もス
ラブの剛性により解決される。図334は、ベタ基礎に
空隙を設けてスラブ1-sを打つ場合であり、図335
は、布基礎2と地面33の上に空隙を設けて、スラブ1
-sを打つ場合である。また、ベタ基礎2、また布基礎2
と地面33の上に、コンクリートスラブ1-sをつくるそ
の他の方法としては、 1) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、施工後にボル
トのネジ操作でジャッキアップできる機能を持ったボル
トを一定間隔に設ける。そののちベタ基礎、また布基礎
と地面の上に、コンクリートの剥離材また剥離を容易に
するシートを設けて、その上にコンクリートスラブを打
つ。コンクリートが固まってから、埋めてあったボルト
のネジ操作でジャッキアップし、空間を作って、免震装
置・滑り支承を配備すると、ベタ基礎、また布基礎と地
面の上に、免震装置・滑り支承のみに支えられてコンク
リートスラブが浮く形となり、免震装置・滑り支承の作
動が可能となる。 2) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、免震装置・滑
り支承を配備して、その上にPC版を並べる方法もあ
る。 3) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、免震装置・滑
り支承を配備して、その上に鉄骨を梁としてかけ渡し、
その鉄骨梁にPC版またALC版をかけ渡す方法もあ
る。この構法は、汎用戸建て免震に適しているが、それ
に限定される事はない。 15.2. 免震装置設置の施工の合理化 請求項258項記載の発明は、戸建て住宅等に設置され
る免震装置の設置の施工の手間を省くためのものであ
る。基礎上に設置される免震装置の水平性は出しにくい
ものであるが、本来欲しいのは、土台に対する水平性
(平行性)である。そのため、以下の方法が考えられ
る。留め具等により、上下の皿を一体にされた二重免震
皿装置を、基礎のアンカーボルト位置に据え付け、土台
とまず固定する。その後、基礎との間にできた隙間等を
無収縮モルタルで埋める。そして、無収縮モルタルが固
まった後に、基礎と免震装置とのアンカーボルトを締め
る。以上の方法により、土台に対する水平性(平行性)
が得られる。 15.3. 滑り型免震装置の水平性維持 請求項259項記載の発明は、滑り型免震装置・滑り支
承の水平性維持の施工に関するものである。免震装置・
滑り支承を、免震される構造体の内側(また重心)方向
に向かって低く、免震される構造体の外側に向かって高
い傾斜を持たせて設置する。そのことにより、滑り型免
震装置・滑り支承の施工時及び施工後の水平性維持の問
題が解決される。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合 請求項260項の発明は、ユニット構法住宅等の免震さ
れる構造体に使用される立体フレームユニット(以下、
ユニットと言う)51に免震装置(特に免震支承)を取
付ける場合の発明である。新たに免震される構造体全体
に(補強)土台を設置することは、ユニットの下部材
(土台)52の剛性不足を補えて簡単な方法であるが、
コストが高くなる。そこで直接、免震装置54をユニッ
トの下部材(土台)52に取付ける方法が望まれるが、
ユニット51同士の接合がピンである場合が多く、ユニ
ット51同士の接合がピンの場合は、両方のユニット5
1に跨がらせて免震装置54を取付けると不安定にな
る。その問題を解決したのが請求項260項の発明であ
る。すなわち、一つユニット51(52)に安定的に取
付け、(隣接ユニットを持つ場合は)隣接ユニット5
1’(52’)を支持できるように当該ユニット51
(52)からもはみ出して取付ける(以下、はみ出しを
はみ出し部55と言う)。この事により、ユニット51
の下部材(土台)52同士の接合を剛接にできる。つま
り免震装置54を下部材(土台)52同士の剛接のため
の補強材料として使うと言う事である。なお、「一つユ
ニットに安定的に取付け」とは、ユニット51(52)
と免震装置54とが剛接になるように、例えば、ユニッ
ト51(52)と免震装置54とを3点以上の接合数に
より接合するようなことを言う。図491〜図492
は、その実施例である。図491〜図492では、免震
装置54として中間滑り部(ボール)持ち二重免震皿滑
り支承となっているが、当然他の免震装置でもかまわな
い。また、免震装置の上部材(上部免震皿、上部フラン
ジ)は、はみ出し部55で、隣接ユニット51’(5
2’)を支持できる剛性をもっている。図493〜図5
07は、ユニット本体への免震装置取付けに関する発明
の実施例である。免震装置を取付けるためにユニット本
体に加工を加えることは、取付けが簡単になるが、ユニ
ット本体のコストが高くなるため、加工を加えることは
避けたい。そこで、ユニット本体との接合においては、
ユニット本体(ユニット下部梁とユニット柱下面)に既
存ボルト孔がある場合はそれを利用し、さらに必要な支
持部材等は、嵌込む、掴む、押え込む等の方法によりユ
ニット本体に加工を施す事なくユニット本体に取付ける
ことにより解決される。免震装置とユニット本体との接
合は、免震装置を取付ける板(免震装置取付け板58)
を用いて行う。免震装置取付け板58は、隣接するユニ
ット同士を足元で繋ぎとめる働きもある。免震装置の形
状とボルト孔位置をユニット本体に合わせれば、この取
付板58を省略する事も可能である。免震装置取付け板
と免震装置との接合は、ボルトにより固定される。ユニ
ット本体と免震装置取付け板との接合は、免震装置取付
け板58にボルトで固定される火打ち梁57を、ユニッ
ト下部材52(52’)に嵌込み、さらにユニット本体
のアンカーボルト孔等を利用してボルトで固定される。
ユニット本体に利用できる孔がない場合、または孔を充
分に利用できない場合には、免震装置取付け板58がX
Y方向にずれたり平面上の回転を起こしたり、また浮上
がりを生じたりする恐れがあるため、2方向のユニット
下部材52(52’)に固定する金物(拘束金物59、
59ー2、59ー3)で接合する(必要により複数個用い
る)。拘束金物は免震装置取付け板にボルト、または溶
接で固定される。図493は、全体の姿図であり、図4
94〜図499は隣接するユニットの無い建物角部の免
震装置取付け図、図500〜図505は隣接するユニッ
トがある部分の免震装置取付け図、図506、図507
は、免震装置取付け板と拘束金物の図である。図493
は、ユニット土台また基礎部分に免震装置を取付けた場
合の組立て斜視図である。免震装置の取付けボルト位置
が、ユニット本体にある孔の位置と合わないため、免震
装置取付け板58をもちいて接合する。免震装置取付け
板58と免震装置との接合はボルト60により固定され
る。免震装置取付け板とユニット本体との接合は、免震
装置取付け板58とボルト固定される免震装置取付け用
火打ち梁を、2方向のユニット下部材に嵌込むように取
付ける。さらに免震装置取付け板58はユニット下部梁
と既存ボルト孔を利用してボルト固定される。既存ボル
ト孔が利用できない場合は、拘束金物59、(59-2、
59-3)を用いて固定される。図494の(a)は隣接す
るユニットの無い建物角部において、ユニット下部梁に
アンカーボルト孔を有する場合の斜視図であり、(b)は
その断面図である。図495はその組立て及び取付け方
法を示す分解図(斜視図)である。免震装置取付け板5
8と免震装置とは、免震装置にあるボルト孔位置にあわ
せて、免震装置取付け板よりボルト60を差込む。ボル
ト頭がユニットと緩衝しない様に、座掘りをしてボルト
頭を埋込む。免震装置取付け用火打ち梁57は、2方向
のユニット下部材の上下フランジ間に嵌込む。免震装置
取付け板58とは、ボルト61で固定する。ユニット下
部材のアンカーボルト孔を利用してユニット本体に免震
装置取付け板58をボルト62で固定する。ユニット柱
53(53’)の下面の孔は、ユニットの位置決めに使
用する孔か、アンカーボルト用のものである。この部分
のボルトは締付けが困難であるため、水平方向の拘束に
は有効であるが、鉛直引抜き方向の拘束は期待できな
い。図496の(a)は隣接するユニットの無い建物角部
において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有する
場合であるが拘束金物を併用した場合の斜視図であり、
(b)はその断面図である。隣接するユニットの無い建物
角部において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有
する場合であるが拘束金物を併用した場合の姿図と断面
図である。図497はその組立て及び取付け方法を示す
分解図(斜視図)である。図498の(a)は隣接するユ
ニットの無い建物角部において、ユニット下部梁にアン
カーボルト孔が無い場合で、2方向のユニット下部梁に
拘束金物を用いた場合の斜視図であり、(b)はその断面
図である。隣接するユニットの無い建物角部において、
ユニット下部梁にアンカーボルト孔が無い場合で、2方
向のユニット下部梁に拘束金物を用いた場合の姿図と断
面図である。図499はその組立て及び取付け方法を示
す分解図(斜視図)である。図500の(a)は隣接する
ユニットがある部分の免震装置取付け部において、ユニ
ット下部梁にアンカーボルト孔を有する場合の斜視図で
あり、(b)はその断面図である。図501はその組立て
及び取付け方法を示す分解図(斜視図)である。図50
2の(a)は隣接するユニットがある部分の免震装置取付
け部において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有
する場合であるが、拘束金物を併用した場合の斜視図で
あり、(b)はその断面図である。図503はその組立て
及び取付け方法を示す分解図(斜視図)である。図50
4の(a)は隣接するユニットがある部分の免震装置取付
け部において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔が無
い場合で、2方向のユニット下部梁に拘束金物を用いた
場合の斜視図であり、(b)はその断面図である。図50
5はその組立て及び取付け方法を示す分解図(斜視図)
である。図506の(a)は拘束金物59による免震装置
取付け板と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断面図
である。拘束金物は、必要により複数設けるものとす
る。拘束金物はユニット下部梁52(52’)を掴み、
免震装置取付け板にボルト63で固定される。免震拘束
金物は、必要により複数設けるものとする。図507
(a)は拘束金物59-2、59-3による免震装置取付け板
と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断面図である。
拘束金物59-2、59-3とでユニット下部梁を挾み、拘
束金物59-2は免震装置取付け板にボルト63で固定
し、拘束金物59-3は免震装置取付け板に溶接または、
ボルトによりにより固定される。拘束金物は、必要によ
り複数設けるものとする。 17.組合せ 請求項261項の発明は、1.〜15.3.記載の発明の組
合せに関するものである。1.〜15.3.記載の全ての発
明の組合せにより、様々な要求に応えた免震装置及び支
承、および免震構造が可能になる。なお以上のすべての
請求項(請求項1項〜請求項261項)の発明には、そ
れぞれの装置とそれによる免震構造体も含まれる。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 (1) 一般 請求項262項は、免震される構造体1と、免震される
構造体を支持する構造体2との間のフレキシビリティを
保証する排水設備において、免震される構造体を支持す
る構造体2に設けられた排水枡49と、その中に突き出
した免震される構造体1側の排水管48とから構成され
てなることを特徴とする免震構造体用設備、またはそれ
による免震構造体の発明である。排水枡49の内法寸法
は、予想される地震変位振幅分と配管寸法と余裕分とを
合せた寸法になる。排水枡49を覆う蓋48-pが付けら
れる場合もある。地震変位を見込んで覆えるほど大きく
する場合もある。また、排水枡49と排水枡49を覆う
蓋48-pとの間を弾性シール48-psで充填することに
より隙間を塞ぐ方法もある。図489は、その実施例で
ある。 (2) 二重(以上)排水枡方式 請求項263項は、免震される構造体1と、免震される
構造体を支持する構造体2との間のフレキシビリティを
保証する排水設備において、免震される構造体を支持す
る構造体2に設けられた排水枡49と、その中に突き出
した排水管48-2を持つ中間排水枡50と、中間排水枡
50の中に突き出した免震される構造体1側の排水管4
8とから構成されてなることを特徴とする免震構造体用
設備、またはそれによる免震構造体の発明である。中間
排水枡50は複数個ある場合もある。排水枡49と中間
排水枡50(複数個ある場合は複数個分)との内法寸法
を合せた寸法が、予想される地震変位振幅分と中間排水
枡50の排水管48-2寸の法と免震される構造体1側の
排水管48の寸法と余裕分とを合せた寸法以上になれば
よい。また、免震される構造体側1または免震される構
造体を支持する構造体側2と中間排水枡50との間に、
復元バネ等の弾性体50-bを付けることにより中間排水
枡50を自動的に復元させることも可能である。排水枡
49を覆う蓋48-pが付けられる場合もある。また、中
間排水枡50と中間排水枡50を覆う蓋48-pとの間、
排水枡49と中間排水枡50との間を、弾性シール48
-psで充填することにより隙間を塞ぐ方法もある。図4
90は、その実施例である。この発明により、図489
の方法に比べて、排水枡49の寸法を小さくできる。
【発明の効果】A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
型免震装置・滑り支承 凹型滑り面部または平面型滑り面部を有するスライド部
材を上下に交差させて係合させることにより、免震性を
与え、また復元性を持たせるようにしたものである。こ
の発明は、同形の部材の上下の噛み合わせで、一方向
(行き帰りを含む、以下同じ)しかできなかった免震時
の復元が、全方向で得られる。またこのような単純な機
構により、耐久性も得られ、メンテナンス上の問題も軽
減する。また、十字型にすることにより材料を節約し
た。 1.2. 十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の中間滑り部 1.1.の発明の、下向きの凹型滑り面部または平面型滑り
面部を有する上部スライド部材と、上向きの凹型滑り面
部または平面型滑り面部を有する下部スライド部材との
間に、中間滑り部を設けた発明である。この中間滑り部
によって摩擦性能を上げられ、上部スライド部材と下部
スライド部材との接触面積も増加させることができる。
また地震振動時において、中間滑り部と、上部スライド
部材と下部スライド部材との接触面積の変化もない。ま
た、この中間滑り部の、上部スライド部材・下部スライ
ド部材と接する位置に、ローラー・ボール(ベアリン
グ)を設けても、同様に、地震振動時において、このロ
ーラー・ボール(ベアリング)と、上部スライド部材と
下部スライド部材との接触面積も変化しないので垂直荷
重伝達能力において有利である。 1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承 1.1.また1.2.の発明の、下向きの凹型滑り面部または平
面型滑り面部を有する上部材は、長辺側面に横に細長く
開口したスライド孔を有するスライド部材を形成し、上
向きの凹型滑り面部または平面型滑り面部を有する下部
材は、長辺側面に横に細長く開口したスライド孔を有す
るスライド部材を形成し、これらのスライド部材を互い
に交差する方向に、双方のスライド孔に係合してスライ
ドできるように構成し、かつ、これらのスライド部材の
うち、上になるスライド部材(上部スライド部材)を免
震される構造体に、下になるスライド部材(下部スライ
ド部材)を免震される構造体を支持する構造体に設け
て、引抜き防止の機能も合わせ持たせた復元付き免震装
置・滑り支承であり、1つの装置で、免震復元と引抜き
防止を合せ持った装置が可能になる。また重力復元型特
有の地震振動時の垂直変位のための遊びによるがたつき
の問題及び引抜き時の衝撃の問題をも解決できる。ま
た、1.2.と同様に、中間滑り部によって摩擦性能を上げ
られ、上部スライド部材と下部スライド部材との接触面
積も上げられる。また地震振動時において、中間滑り部
と、上部スライド部材と下部スライド部材との接触面積
の変化もない。また、この中間滑り部の、上部スライド
部材・下部スライド部材と接する位置に、ローラー・ボ
ール(ベアリング)を設けても、同様に、地震振動時に
おいて、このローラー・ボール(ベアリング)と、上部
スライド部材と下部スライド部材との接触面積も変化し
ないので垂直荷重伝達能力において有利である。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 免震される構造体の免震される構造体を支持する構造体
からの引抜きを防止する装置の改良に関する発明であ
る。 2.1. 復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 地震後に元の位置に復元し、また、免震皿の滑り面から
の滑り部等の外れを抑制、防止する復元・減衰バネ付き
の引抜き防止装置・滑り支承である。具体的には、特許
1844024号での引抜き防止装置・滑り支承、また1.3.の
十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承の、上部スラ
イド部材、下部スライド部材の片方または両者の、スラ
イド孔内の片側または両側に、バネ等を設置し、地震後
に、そのバネ等により係合された他方のスライド部材を
当該スライド孔の中央部(通常位置)に復元させ、また
他方のスライド部材を当該スライド孔の端に衝突させな
い機能を有するものである。また、バネ等が、通常の状
態では交差する他方のスライド部材に接しないように、
スライド孔の端から途中までに設けられている場合は、
スライド孔の両端部に他のスライド部材が衝突しないた
めの緩衝装置となり、併用する免震皿の滑り面から滑り
部等が外れる可能性のある地震振幅時のみに抑制が働
き、免震皿内の地震振幅時には、抑制は働かず免震装置
による免震性能を減じない効果が得られる。 2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑
り支承 積層ゴム免震における引抜き力対応の解決策となり、ま
た同時に、積層ゴムの座屈(底辺に対して高さの高い積
層ゴムの場合)の問題を解決するものである。これによ
り、積層ゴム自体のコンパクト化と低コスト化を可能に
した。 2.3. 引抜き防止機能の増強 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承、
1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承、2.1.
復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承、2.2.
積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り支
承との複合装置の各装置において、上及び横に細長く開
口したスライド孔を有する上部スライド部材と下部スラ
イド部材とを、互いに交差する方向に、双方の横のスラ
イド孔に係合してスライドできるようにし、双方の上の
スライド孔を貫く繋ぎ部材・係合材を取付けて、引抜き
防止機能をさらに増強する装置である。 2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承 新しい引抜き防止装置・滑り支承である。また、コンパ
クトな引抜き防止装置・滑り支承を可能にしている。 (1) 新引抜き防止装置・滑り支承 上に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
材と下部スライド部材とを互いに交差する方向に係合
し、双方の上のスライド孔を貫く係合材を取り付けてス
ライドできるように構成され、かつ、前記上部スライド
部材を免震される構造体に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体に設けることにより構成さ
れる新引抜き防止装置・滑り支承である。 (2) 新引抜き防止装置・滑り支承 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
との間に設けられ、一重または複数以上の包み込み合う
関係のスライド部材をもち、一番内側のスライド部材
が、水平方向にスライドできる余地をもって、すぐ外側
のスライド部材4-oi に包み込まれ、この二番目のスラ
イド部材が、水平方向にスライドできる余地をもって、
さらにその外側のスライド部材に包み込まれ、という方
法で順次構成されており、かつ、前記一番内側のスライ
ド部材と一番外側のスライド部材の一方を、免震される
構造体に、他方を免震される構造体を支持する構造体に
設けることにより構成される場合である。引抜き防止機
構が入れ子状の、二重以上の場合には、その多重性に応
じ、同じ地震振幅に対応できる装置の大きさを小さくす
ることができ、一重の場合に比べて、大きな引抜き力に
対応できる。 (3) 新引抜き防止装置・滑り支承 上記(2)の装置が、上下の二組設けられた場合である。 (4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付き 上記新引抜き防止装置・滑り支承に復元バネが付く
場合であり、上記(2)、(3)の免震装置・滑り支承におい
て、個々の内側のスライド部材と外側のスライド部材と
の間、もしくは、一番内側のスライド部材と一番外側の
スライド部材との間に、バネ等を設けることにより復元
力をもたせている。 2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 重力復元置型の免震復元が可能な引抜き防止装置・滑り
支承である。また、コンパクトな引抜き防止装置・滑り
支承を可能にしている。 2.6. 引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置
・滑り支承振動時垂直変位吸収装置 重力復元型免震装置・滑り支承の併用時の地震振動時の
垂直変位による特許 1844024号での発明の引抜き防止装
置・滑り支承の遊びによる、風等の引抜き力が働いたと
きの衝撃を吸収する装置である。 2.7. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に中間滑り部
(すべり型)を設けることにより、上部スライド部材・
下部スライド部材間の摩擦係数を下げることができる。 2.8. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に中間滑り部
(ローラー・ボール等の転がり型)を設けることによ
り、上部スライド部材・下部スライド部材間の摩擦係数
を下げることができる。 2.9. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に、中間部スラ
イド部材を設けることにより水平寸法を小さくすること
ができる。 2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材を構成する下部材、下部スライド部材
を構成する上部材、のどちらかが、また両方が、上部下
部スライド部材に対して上下方向は拘束されながら水平
方向にスライドすることにより水平寸法を小さくするこ
とができる。 2.11. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に、中間部スラ
イド部材を設けることにより水平寸法を小さくすること
ができる。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材(上側免震皿)・下部スライド部材
(下側免震皿)間に、上下繋ぎスライド部材を設けるこ
とにより水平寸法を小さくすることができる。なお、上
下繋ぎスライド部材を上側免震皿に対してのスライド方
向と、下側免震皿に対してのスライド方向とは、直角を
なすように構成することによって、あらゆる方向へ地震
力に対する免震が可能となる。また、免震皿間に、ボー
ル・ローラー等の転動体もしくは、中間すべり部を設置
することによって摩擦を減少させることができる。さら
に、上側免震皿、下側免震皿を、すり鉢状・球面状また
は円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を有する免
震皿とすることにより、復元も可能となる。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化 凹型もしくは平面型の滑り面部を有する免震皿と滑り部
からなる免震装置・滑り支承において、または、下向き
の平面型もしくは凹型の滑り面部を有する上部免震皿と
上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する下部免
震皿とで構成された上部免震皿と下部免震皿との間に中
間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をもっ
た中間滑り部またはローラー・ボールがはさみこまれた
免震装置・滑り支承において、または、前記上部免震皿
と前記下部免震皿の中間に上面下面ともに滑り面部をも
った1個若しくは複数個の中間免震皿も挟み込まれ、重
なる免震皿同士の間に中間滑り部またはローラー・ボー
ル(ベアリング)をもった中間滑り部またはローラー・
ボール(以上、「中間滑り部等」と言う)がはさみこま
れた免震装置・滑り支承において、免震皿中心部の摩擦
係数は小さく、免震皿周辺部の摩擦係数は大きい免震皿
をもつように構成される。免震皿の中心部の摩擦係数を
小さくすることは、滑り部が最初に滑動を開始する地震
力の大きさを小さくして免震装置感度を上げ、周辺部の
摩擦係数を大きくすることは、滑り部の振幅を抑制す
る。両方の使用により、初滑動を良くし、かつ地震時の
免震装置の振幅を小さくする。つまり、免震皿滑り面部
の全域にわたって摩擦係数を大きくすると、振幅は抑制
されるが、初動加速度が大きくなって免震感度が悪くな
る。逆に、免震皿滑り面部の全域にわたって摩擦係数を
小さくすると、初動加速度は小さくなるが、振幅が大き
くなるという滑り型の問題を解決する。 3.2. 曲率の変化 凹型滑り面部を有する免震皿をもつ免震装置・滑り支承
の、凹面の曲率半径を、中心部から周辺に向かって、小
さくして急勾配にすることにより、地震の振幅抑制をす
るものである。また曲率を変化させることにより、地震
の固有周期と共振を起こさないという効果をも合わせ持
つ。 3.3. 摩擦係数の変化と曲面率の変化 また、免震皿の、3.1.の摩擦係数の変化と、3.2.の曲率
の変化とを、両方用いて、滑り免震装置・滑り支承のダ
ンパー機能向上及び初滑動向上を行う方法もある。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 滑り部と免震皿の方式(特許 1844024号での免震復元装
置)に比べて、免震皿の面積で、ほぼ1/4になり、免
震皿を上下合わせても、ほぼ1/2になる。また、免震
皿同士が同面積のために密閉性が得られ、潤滑剤の蒸発
を防ぎ、防雨、防塵、また防錆により、摩擦が悪くなる
ことを防ぐ事が可能になる。 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承 4.1.2. 引抜き防止付き三重(また三重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 上部免震皿と複数個の中間免震皿と下部免震皿からなる
三重(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承にお
いて、上下繋ぎスライド部材・部分によって、(平行す
る対辺同士で)その中間免震皿を相互につなぎ、さら
に、それと交差方向に、(平行する対辺同士で)上下繋
ぎスライド部材・部分によって次の中間免震皿とを相互
につなぎ、順次、前の中間免震皿と交差方向に、(平行
する対辺同士で)上下繋ぎスライド部材・部分によって
次の中間免震皿とを連結させ、上部免震皿を免震される
構造体に取付け、下部免震皿を免震される構造体を支持
する構造体に取り付けることにより、免震される構造体
の免震される構造体を支持する構造体からの引抜きを防
止し、かつ、滑り免震を可能にする。また、交差平行数
(免震皿層数)を増やすことによって、免震皿に対して
斜め方向の地震力に対応しやすくなる。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 二重・三重・四重に滑り面(すべり面、転がり面)が得
られ、すべり性能が向上する。 4.2.1. 中間滑り部(すべり型または転がり型) 転がり型中間滑り部として、ローラーまたはボールが考
えられるが、すべり型中間滑り部として、下向き凹型滑
り面部を有する上側免震皿と同曲率または接する曲率を
持つ凸型と、上向き凹型滑り面部を有する下側免震皿と
同曲率または接する曲率を持つ凸型とが合体した中間滑
り部を挟み込むことにより、上側下側の免震皿と滑り部
との接触面積を大きくでき、摩擦性能を良くすることが
できる。また、免震皿と同曲率の中間滑り部の場合は、
地震振動時にも、この中間滑り部が免震皿の球面状に追
随して、接触面積を一定に保つことができ、さらに、こ
の中間滑り部の、上側下側の免震皿と接する位置に、ロ
ーラー・ボール(ベアリング)を設けた場合も同様に、
地震振動時において免震皿とこのローラー・ボール(ベ
アリング)との接触面積が変化しないので垂直荷重伝達
能力において有利である。さらに、すり鉢状、V字谷面
状等の滑り面部を有する免震皿の場合、免震皿の底をロ
ーラー・ボール(ベアリング)等の転がり型中間滑り部
と同曲率形状とすることにより、接触面積が大きくで
き、耐圧性能を向上させることができ、さらに、経年後
のローラー・ボール(ベアリング)の免震皿への食い込
みを防止することができる。 4.2.2. 二重中間滑り部 中間滑り部が第一中間滑り部と第二中間滑り部とに分か
れることで、上記の4.2.1.の効果に加えて、三重に滑り
面(すべり面、転がり面)が得られ、また、滑り面部が
受け皿形状になるので潤滑油を充填しやすい。 4.2.3. 三重中間滑り部 中間滑り部が第一中間滑り部と第二中間滑り部と第三中
間滑り部とに分かれることで、四重に滑り面(すべり
面、転がり面)が得られる。以上の二重以上中間滑り部
に関して、中間滑り部同士が接する位置に、ローラー・
ボール(ベアリング)を設けると、首振りが容易にな
り、有利である。 4.2.4. 復元バネ付き中間滑り部持ち二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承 以上の 4.2.中間滑り部持ち二重(または二重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承の各装置において、中間滑り
部と上側免震皿、下側免震皿とをバネ等で繋ぎ、定位置
への復元力を持たせ、復元装置の機能を合せ持たせる。
復元装置としても、従来のほぼ半分に近い寸法にするこ
とが可能になる。 4.2.5. ローラー・ボール(ベアリング)入り二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承 上記の4.1.1.〜4.1.2.の免震皿の間にローラー・ボール
(ベアリング)等を入れることにより、摩擦係数の低下
が図られ、高い免震性能が得られる。なお免震皿を掘り
下げるか周囲を立ち上げるかしてローラー・ボール(ベ
アリング)を挿入し、免震皿同士ががほぼ隙間なく密閉
状態になっているほうが、防塵等には適している。 4.3. 平面状また円柱谷面状またV字谷面状重層免震皿
(上下繋ぎスライド部分持ち) 耐圧性能を上げられると共に、復元性を与えることが可
能となる。また共振のない免震が得られる。また、三重
免震皿の場合は外れることもない。また、ローラー・中
間滑り部(すべり部材)を複数個にすることによって、
より耐圧性能が上げられる。また、滑り面部のローラー
転がり面にラックを、ローラーの周囲にそのラックと噛
合う歯(歯車)を設けることにより、ローラーの免震時
のスリップによるずれを防ぐことが可能になる。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承 4.1.〜4.3.の二重(または二重以上の)免震皿免震装置
・滑り支承の上部・下部(中間含む)免震皿をシールま
た防塵カバーで密閉することにより、潤滑剤の蒸発を防
ぎ、防雨、防塵、また防錆により免震皿・滑り部等の滑
り性能の低下を防ぐ事が可能になる。弾性シールの場合
には、中小地震では、シールの弾性範囲内で許容され、
シールが破れずにその密閉性が保持される。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 免震皿と滑り部の接触面積をできるだけ大きくし、且
つ、振動時にも、その接触面積を変化させず、一定に保
つことができる。二重・三重に滑り面(すべり面、転が
り面)が得られ、滑り性能が向上する。 4.5.1. 中間滑り部 中間滑り部を挟み込むことにより、摩擦性能を上げら
れ、地震振動時にも、この中間滑り部が、免震皿の球面
状に追随するため、免震皿と滑り部の接触面積を一定に
保つことができる。また、この中間滑り部の、免震皿と
接する位置に、ローラー・ボール(ベアリング)を設け
た場合も同様に、地震振動時において免震皿とこのロー
ラー・ボール(ベアリング)との接触面積が変化しない
ので垂直荷重伝達能力において有利である。共に、滑り
部を、受け皿状の中間滑り部が受ける形状であるため、
潤滑油を充填しやすい。また、二重に滑り面(すべり
面、転がり面)が得られ、滑り性能が向上する。 4.5.2. 二重中間滑り部 4.5.1. における中間滑り部またはローラー・ボール
(ベアリング)をもった中間滑り部を、第一中間滑り部
またはローラー・ボール(ベアリング)をもった第一中
間滑り部と第二中間滑り部またはローラー・ボール(ベ
アリング)をもった第二中間滑り部とにより構成するこ
とによって、上記 4.5.1.の効果に加えて、三重に滑り
面(すべり面、転がり面)が得られることで滑り性能が
さらに向上し、また、中間滑り部の首振り角度が大きく
なるので、凹型滑り面部を有する免震皿の減衰効果を上
げられる。また、中間滑り部同士が接する位置に、ロー
ラー・ボール(ベアリング)を設けると首振りが容易に
なり、有利である。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.6.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 重力復元型免震装置・滑り支承において、滑り部を筒と
筒中に挿入されるバネ等と、その下部に突き出る形で挿
入される滑り部先端とにより構成する事によって、重力
復元型免震装置・滑り支承の作動時の垂直変位を吸収す
るだけでなく、垂直免震の機能を持たせることができ
る。この筒の上部に、雄ネジが挿入されている場合に
は、復元力の調整だけでなく、地震後の残留変位の矯正
も可能になる。 4.6.2. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 8.1.2.2.3.の地震センサー(振幅)装置装備型自動復元
型固定装置の固定ピンを滑り部に、固定ピンの挿入部を
凹型滑り面部を有する免震皿にすると、滑り部垂直変位
吸収型の重力復元型免震装置・滑り支承が可能になる。 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 重力復元型免震装置・滑り支承を使用しても、他の免震
装置に、垂直変位動の影響を及ぼさない重力復元型免震
装置・滑り支承である。免震される構造体と、重力復元
型免震装置・滑り支承の滑り部または免震皿のどちらか
一方とを、垂直方向にスライドし水平方向の移動は拘束
されているスライド装置によって繋ぐことにより、重力
復元型免震装置・滑り支承の地震時の振動による水平変
位は、免震される構造体に伝達されるが、垂直変位は伝
達されない。その事により、併用される引抜き防止装置
・滑り支承の垂直変位の遊びを設ける必要がなくなり、
風時の引抜き力によるがたつきも解消される。また、免
震される構造体の重心位置に設ける事により、一質点系
に近い振動を可能にし、地震時の動きを単純化させる効
果をも持つ。また、免震される構造体の重心を下げる効
果により、安定した免震性能が得られる。 4.8. 新重力復元型免震装置 免震される構造体から吊材等で吊された重りを、免震さ
れる構造体を支持する構造体または基礎に設けられた挿
入口を経由して、その下にまで吊されるように構成され
る、垂直変位動のない重力復元型免震装置である。免震
される構造体の重心を下げて、ロッキング現象等の問題
も少なくし、安定した免震性能が得られる。また、重り
と免震される構造体を支持する構造体の間に、バネ等を
付加した場合、バネ等の強度分、重りを軽くする事が可
能となり、また最大振幅時の緩衝装置としても使うこと
ができる。この装置は、バネ等による復元制御に比べ、
免震装置自体が固有周期を持たず地震周期に共振しない
ので、変位に比例しない一定の復元力が得られ、免震性
能が向上し、地震後の残留変位を消去する能力も大き
い。また、固定装置との一体型も容易である。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。この装置及びこの運動方程式
・プログラムに従った装置・構造により共振のない構造
体が実現可能である。 6.垂直免震装置 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承の応用であり、水平免震装置の免震皿
上を滑る滑り部を、筒とその下部に突き出る形で挿入さ
れる滑り部先端からなる垂直免震装置とすることで、コ
ンパクト化が可能になる。筒中にバネ等を挿入すること
により、垂直変位の吸収に加え、復元力を高めたり、免
震される構造体の地震後の残留変位の矯正を可能にす
る。 6.2. 垂直免震付き引抜き防止装置(復元付き含む) 十字型免震装置・滑り支承(復元付き含む)、また引抜
き防止装置・滑り支承により地震の水平力を吸収し、上
記免震装置に垂直方向に弾性のあるバネ等を地震垂直動
のみを吸収できるように設置することにより、地震の水
平力と垂直力の免震を分担し、垂直免震を可能にする。
また、2.1.の復元・減衰バネ等付引抜き防止装置・滑り
支承に、このバネ等が設置される場合は、水平復元また
は減衰性能をも持つ。 6.3. 各層・各階ごとの垂直免震装置 免震される構造体を支持する構造体の基礎部(または低
層階)に設けた水平免震装置によって免震される構造体
全体を地震水平力から免震させ、地震垂直力に関しては
層単位または階単位で免震させる垂直免震装置を設置す
ることにより、地震の水平力と垂直力の免震を分担し、
建物等の構造体の垂直免震を現実的な形で可能にする。 6.4. 引張材による垂直免震装置 免震される構造体の柱、梁、基礎等の支持材を、三方向
以上に引張材を張ることで支持し、引張材の弾性もしく
は引張り材の途中に設けられたバネ等の弾性によって、
免震される構造体の地震の水平力に対する免震に加え垂
直力に対する免震が可能となる。また、バネ等を用い
ず、弾性力の高い高張力の綱また高張力のワイヤー・ロ
ープ・ケーブル材を利用することにより、重量の大きい
構造体の垂直免震にも対応できる。また、バネ等を用い
る場合と用いない場合のいずれも、水平力免震としての
機能をも合せ持つ。 7.免震による地震発電装置 7.1. 免震による地震発電装置 免震装置と固定装置の活用により、地震エネルギーの三
次元的動きを上下運動(ピン型)、水平運動(ラックと
歯車型)の一次元の動きに、さらに回転運動に変換して
発電を行い、地震エネルギーを電気等の有益なものに換
えることが可能になる。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 上記の 7.1.の地震発電装置を用いることで、地震エネ
ルギーを使用して他に電源を必要としない地震センサー
が可能になる。さらに、地震エネルギー発電により、固
定装置の解除までを行える電気等のエネルギーを発生さ
せることが可能になる。 8.固定装置・ダンパー 8.1. 地震作動型固定装置 通常時は免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定して風揺れを防止する固定装置におい
て、地震時に地震の振動を感じると固定装置の固定が解
除される装置である。通常時は免震される構造体は免震
される構造体を支持する構造体に固定されているので、
安全である。 8.1.1. 剪断ピン型固定装置 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定ピンによって固定し、地震時に一定以上の地震
力により固定ピン自体が切断されて固定解除を行う固定
装置である。この固定ピンの性質上、一回のみ作動型で
あり、簡易型に適している。また仕組みが単純なのでメ
ンテナンスも簡易である。 8.1.2. 地震センサー(振幅)装置装備型固定装置 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定して、風揺れ等を防止する固定装置において、
地震センサーまたは地震センサー(振幅)装置等によっ
て、一定以上の地震時に固定装置を解除する装置であ
る。8.1.1.の剪断ピン型固定装置に比べて地震に対して
感度のよい固定装置が可能になり、免震性能の向上を図
れる。 8.1.2.1. 吊材切断型 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、地震時に固定ピンを支えている吊材を切断すること
で、バネ等、または重力、または挿入部の形状(すり鉢
型等)などにより、挿入部から固定ピンが外れ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定が解除されるような機構であり、簡易な仕組みである
ため、メンテナンス等の負担を軽減できる。 (1)地震センサー振幅装置装備型 8.1.2.1.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、8.1.2.(1)に述べられているような、地震センサー
振幅装置により作動するタイプで、電源設備等を必要と
しない。地震センサー振幅装置の振幅が自由にされた重
り、またはその重りに連動された部材(押出し部・引張
り部等、必要によりレリーズを介したワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等)に刃が付き、地震時にその重り
の振幅が一定以上となると、その刃が固定ピンを支える
吊材を切断し、固定ピンがバネ等、重力、すり鉢等の固
定ピンの挿入部の勾配により、その挿入部から外れるよ
うに構成される。また、8.1.2.2.のロック解除型と同様
に、刃の出の調節、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等の長さ(弛みの有無)または振り子の吊り長さの調
節を可能とすることによって、地震感度を変更すること
ができる。 (2) 地震センサー装備型 1) 一般 8.1.2.1.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、8.1.2.(2) a)に述べられているような、地震センサ
ーとの連動により作動するタイプであり、地震センサー
装置から信号を伝える電線により連動するロック部材制
御装置に刃が付き、地震時に地震センサー装置が地震力
を感知すると、ロック部材制御装置が作動して固定ピン
を支える吊材を切断し、固定ピンの挿入部から固定ピン
が外れて免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体との固定が解除される。8.1.2.2.のロック解除
型の地震センサー装備型と同様に、作動する地震力につ
いて設定等が容易である。 2)地震発電による地震センサー装備型 8.1.2.1.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、8.1.2.(2) b)に述べられているような、地震発電装
置による地震センサーとの連動により作動するタイプで
あり、地震時に地震発電装置が作動し、その発電した電
力によりロック部材制御装置も作動して、このロック部
材制御装置に付けられた刃が固定ピンを支える吊材を切
断する。電気式でありながら、地震発電を利用するため
電源設備を必要とせず、作動する地震力について設定等
が容易である。 8.1.2.2. 間接方式(ロック解除型) 8.1.2.2.1. 基本形 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、地震時に固定装置の作動部のロック部材を外し、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
の固定が解除されるように構成されている機構である。
具体的には、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方
を免震される構造体に、もう一方を免震される構造体を
支持する構造体に設け、免震される構造体と免震される
構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを挿入
することよって固定し、地震時以外は、固定ピンに、固
定ピンをロックするロック部材が働いて風揺れ等を防止
する固定装置において、地震センサー振幅装置または電
気式振動計等の地震センサーをもち、前記ロック部材と
接続され、地震時にその加速度がある一定以上の大きさ
になると、地震センサー振幅装置の重りの振幅がある一
定以上の大きさになり、重りにより直接またはそれに連
動された部材によって、または地震センサーにより作動
するモーターもしくは電磁石等の作動部材によって、固
定ピンのロック部材を解除し、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との固定が解除されるよ
うに構成されてなることを特徴とする地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置である。ロック部材のみを操作
するため、直接固定ピンを操作する機構よりも、小さな
エネルギーで作動させることができる。またセンサーの
感度を敏感に設定することもできる。 1) ロックピン方式 8.1.2.2.1.の形式のうち、地震時にロック部材が解除さ
れると、この固定ピンが外れる方向に働くよう取付けら
れたバネ等、重力、また地震力によって挿入部等からこ
の固定ピンが外れ、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との固定が解除される仕組みであ
り、機構が簡易であるためメンテナンス等が容易であ
る。 2) ロック弁方式 8.1.2.2.1.の形式のうち、固定ピンを支持する筒中を液
体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部
材を伴った固定ピンを有し、この筒のピストン状部材を
挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスライドする範囲
の端と端と)は管また溝で繋がれているか、ピストン状
部材に孔が設けられているか、ピストン状部材によって
押出される液体・気体等が筒中から出る出口が設けられ
ているかしており、そして、この筒のピストン状部材を
挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝か、ピストン状部材に
あいている孔か、ピストン状部材によって押出される液
体・気体等が筒中から出る出口かに、またはその全て
に、ロック弁が設けられており、このロック弁を地震セ
ンサー振幅装置と連動して開閉することにより、固定ピ
ンのロックを行うもので、8.1.2.2.4.(1) 4)遅延器と併
用することで、装置をコンパクト化できる。また、以上
の機構は、それぞれ(1) 地震センサー振幅装置装備型と
(2)地震センサー装備型の場合に分かれる。 (2)地震センサー装備型の中で特に効果のあるのは、地
震センサー装備型自動復元型固定装置のうち、固定ピン
の復帰を地震力を用いた自動復元とする型であり、(1)
の地震センサー振幅装置の代わりに地震センサーを使っ
たもので、固定装置の解除時の感度の精度が上げられ、
固定ピンの復帰は、地震力だけを利用して行う。また、
(2)地震センサー装備型において、2)の地震発電による
地震センサー装備型は、1)の地震センサーの代わりに7.
1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載の
地震発電装置型地震センサーを用いる場合で、固定装置
の作動に当たって地震発電を利用するため電源設備を必
要としない型である。 8.1.2.2.2. 電気等による自動復元型 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、固定ピンが解除された場合に、地震後に電気等によ
り自動的に固定状態に復帰させるものである。具体的に
は、8.1.2.2.1.の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置(ロック解除型)の固定ピンに固定装置自動復元装
置が設けられ、地震後に、固定装置自動復元装置が、固
定ピンをロック部材のロック(係合)する位置に自動復
元するもので、その位置は、固定ピンが完全に解除され
たときに来る位置に設置される。以上の機構は、(1) 地
震センサー振幅装置装備型と(2)地震センサー装備型の
場合に分かれる。 (2)地震センサー装備型において、2)の地震発電による
地震センサー装備型は、1)の地震センサーの代わりに7.
1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載の
地震発電装置型地震センサーを用いる場合で、固定装置
の作動に当たって地震発電を利用するため電源設備を必
要としない型である。 8.1.2.2.3. 地震力による自動復元型 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型の固定ピン型固
定装置のうち、固定装置の固定ピンの挿入部をすり鉢状
・球面状等の凹形状にすることにより、固定装置解除後
の固定ピンの元の位置への、地震力による自動復帰を可
能にしたものであり、固定ピンの復元に当たって電源設
備等を必要としない。この方式は固定ピン型固定装置全
般(地震作動型固定装置、風作動型固定装置等)に採用
することが可能であり、特に、省力化方式である間接方
式(8.1.2.2.特に 8.1.2.2.1.と 8.1.2.2.4. または 8.
2.の風作動型固定装置)においての採用は不可欠とも言
えるほど極めて有利となる。すなわち、固定の解除から
免震、固定復帰までの一連のプロセスを地震力のみによ
って行うことができ、この一連のプロセスに電源設備を
必要としないという効果を持つのである。8.1.2.2.2.ま
た8.1.2.3.は電気制御式が一般的になるが、地震後の固
定装置の元の位置への復帰に関して、地震後の停電を考
えると、電気による自動復元装置は、中小ビル以下では
適用しにくい。この地震センサー(振幅)装置装備型自動
復元型固定装置は、電気に頼らないシステムにより、そ
の問題を解決するものである。 8.1.2.2.4. 応用形 以下の発明は、8.1.2.以下の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置全般に使用可能なものである。 1)を除
けば、8.2.1.以下の風センサー装備型固定装置の間接方
式にも使用できる。 1) ロック部材が地震センサー振幅装置の重り型 地震センサー振幅装置の重りがロック部材を兼ねるよう
にしたもので、地震センサー振幅装置と固定装置が一体
化できる。地震時にこのロック部材を兼ねる重りが振動
状態となり、固定ピンから外れることで固定ピンを解除
する。また、固定ピンの挿入部をすり鉢状・球面状等の
凹形状にすることにより、地震力による固定装置の復元
を可能にする。 2) 二段以上ロック方式 固定ピンをロックする第一のロック部材、このロック部
材をロックする第二のロック部材、・・・のようにロッ
ク部材を二段以上に設け、最後のロック部材(二段目以
降)を地震センサー振幅装置と連動するようにしたもの
で、地震センサー振幅装置が固定ピンを解除するのに必
要な力、及びその際の引張長さまたは圧縮長さを小さく
押さえることができ、固定装置の作動感度を上げられ
る。 3) 二重以上ロック方式 固定ピンをロックするロック部材を二個以上設け、また
それぞれのロック部材について地震センサー振幅装置を
設置し、連動させたものである。複数のロック部材があ
ることでより固定ピンのロックの安全性が増し、かつロ
ック部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪みを浅くで
き、固定装置の作動感度を上げられる。したがって、二
重以上ロック方式については、複数のロック部材それぞ
れに、それぞれに対応する地震センサー(振幅)装置が
接続された場合に特に意味をもつ。つまり、地震センサ
ー振幅装置を複数設置し、それぞれについてロック部材
を設け、連動させたもので、複数のロック部材があるこ
とでより固定ピンのロックの安全性が増し、かつロック
部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪みを浅くできる。 4) 遅延器付き 地震時の免震効果を上げるため固定ピンの解除状態を持
続させるために、固定ピンの固定位置への戻りを遅延さ
せるものである(詳細は8.5.に記載)。 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式 8.1.2.2.5.1. (ロック)弁方式スライド式ロック弁
とそれに連動する地震センサーの重りを使用し、このロ
ック弁に付いた抵抗板をつけることにより、地震センサ
ーの重りが小さくても敏感な感度のロック弁が可能にな
る。また、スライド式ロック弁を複数設置することによ
って、全方向の地震力に対応することが可能となる。 8.1.2.2.5.2. (ロック)弁方式 地震センサー振幅装置の重りが、(振り子またはバネま
たは球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹
型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)によって
平衡を保たれて)通常位置にあると、ピストン状部材に
よって押出される液体・気体等が筒中から出る出口・出
口経路を塞ぐ位置となることにより、地震感度として全
方向対応の地震センサーが可能になり、しかもスムーズ
な弁との連動が、ダイレクトな連動が可能になり、地震
センサーの重りが小さくても敏感な感度のロック弁が可
能になる。 8.1.2.3. 直接方式(自動制御型固定装置) 8.1.2.2.2.に対し、免震される構造体の固定の解除まで
自動で行うものである。 8.1.2.4. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.1. 地震センサー(振幅)装置 地震センサー(振幅)装置は、地震センサー及び地震セ
ンサー振幅装置とに分けられる。 8.1.2.4.2. 地震センサー(振幅)装置の設置場所 地震センサー(振幅)装置の設置場所は、(地震に関し
ては)免震される構造体Aと免震される構造体を支持す
る構造体Bのどちらでもよいが、免震される構造体を支
持する構造体Bの方に設置することで地震以外の振動を
感知させないようにすることができる。また地震センサ
ーからの指令を電気等で送る場合は、地下等の場所も可
能である。 8.1.2.4.3. 地震センサー(振幅)装置の設計 (1) 地震センサー(振幅)装置の周期 1) 地震センサー(振幅)装置の周期設計 地震センサー(振幅装置)の重りの周期を、それが設置
される構造体の建てられる敷地の地盤周期に合わせて設
定することにより、地震時初期の小さな揺れの段階か
ら、地震センサー(振幅)装置の重りが地盤周期と共振
し、大きく揺れて作動するため、地震センサー(振幅装
置)の感度を高めることができる。 2) 地震センサー振幅装置の重り共振装置 地震時に重りを共振させるためには、重りに繋がる(固
定装置へも繋がる)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等に余裕(たるみ)を与える必要がある。しかし、た
るみを与えるとセンサー感度が落ちる。そこで、重りの
周りに重りの衝突を受け、かつ重りともなる周囲材を設
け、その周囲材に固定装置に繋がるワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等を取付ける。そうすることにより、
地震時に重りを地震と共振させることができ、且つ固
定装置へ繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等
に余裕(たるみ)を与える必要もなくなる。 3) 地震センサー振幅装置の複数個重り共振装置 地盤周期の幅に対応可能な地震センサーを考える場合、
複数個の重りを設けて、振動周期をその重りごとに変え
ることにより、地盤周期への対応に幅を持たせることが
可能になる。 4) 地震センサー振幅装置の複数共振装置 地盤周期の幅に対応可能な地震センサーを考える場合、
地震センサー振幅装置の振り子の支え自体にもバネを設
けて、振り子とバネとにより二つの周期が得られるよう
にして、地盤周期の幅に対応させることが可能になる。 (2) 全方向感度 1) ラッパ形状の孔 地震センサー振幅装置の重りの直上あるいは直下に、重
りの揺れが引張力あるいは圧縮力として伝わるようにワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を設け、その延長
上の地震センサー振幅装置の筐体あるいは支持枠に(も
しくはその内部あるいは外部に)、すり鉢状またはラッ
パ形状の孔を持つ挿入部を設け、重りに接続されたワイ
ヤー・ロープ・ケーブル等をそこに通すことで、重りの
揺れの方位に関係なく、揺れの振幅によってのみ引抜き
長さあるいは圧縮長さが決まる。このことにより地震セ
ンサー振幅装置の感度を、地震力の方向によらず一定と
することができる。 2) ローラー状ガイド部材 8.1.2.の地震センサー振幅装置装備型固定装置におい
て、地震センサー振幅装置の重りの水平方向に、固定装
置と繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等を結合し、重
りの(振幅寸法の余裕を取った)すぐ脇にローラー等の
ガイド部材を(回転軸等を)を垂直方向に二本設けて、
このワイヤー・ロープ・ケーブル等を通すことで、全方
向に対して同等の引抜き力または圧縮力の伝達が可能に
なり、地震センサー振幅装置の感度を、地震力の方向に
よらず一定とすることができる。 (3) 増幅器付き地震センサー振幅装置 地震センサー振幅装置に梃子・滑車・歯車等からなる
(変位)増幅機構を組込むことによって、連結している
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等に伝えられる、
地震時の引張長さあるいは圧縮長さを増幅させ、地震初
期の小さな変位振幅にも対応できるようにすることで、
地震センサー振幅装置の感度を高めることができる。な
お、増幅器として梃子が使用された場合、梃子が全方向
からの地震力を伝達できるように構成されるものは、8.
1.2.4.3.の(2)と同様、地震力がどの方向から働いて
も、同等の感度(引抜き力または圧縮力の伝達)を可能
にする。 (4)増幅器付き地震センサー振幅装置(その2) 免震皿上に乗せた地震センサー振幅装置の重り(重力復
元型)を、よく転がることのできる形状とし、この重り
の上部に球面またはすり鉢等の凹形状の挿入部を設け、
(変位増幅のための)梃子の力点が挿入されている。こ
の梃子の支点は重りの直上にあり、作用点はさらにその
延長線上にあってワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等が連結されている。このことにより、地震時に梃子の
作用点には、重りの変位分と、重り(と凹形状挿入部)
の回転が与える変位分とを、梃子が増幅した変位が生
じ、連結されるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等
に伝えられるため、地震センサー振幅装置の作動感度を
高めることができる。また、梃の支点を全方向の回転可
能とし、梃の力点が入り込む重りの挿入部の球面または
すり鉢等の凹形状に、梃の先端部が追随することで、全
方向からの地震力を伝達することができる。この方式で
は、重り自体が自由に転がることができるため、重りの
下にボール(ベアリング)を設置する必要は無い。 8.1.3. 連動作動型固定装置 固定装置は、2か所以上に必要な場合が多いが、各装置
が同時にロック解除されない場合、構造体は固定されて
いる箇所に偏りが生じ、捩れた動きをしてしまう。連動
作動型固定装置はその問題を解決するものである。 8.1.3.1. 連動作動型固定装置 8.1.1.剪断ピン型固定装置を含む複数の固定装置からな
り、地震時に剪断ピン型固定ピンが折れるか切れるかす
ると、この剪断ピン型固定ピンと次の固定ピンのロック
部材とを繋いでいるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等が弛み、ロック部材がバネ・ゴム・磁石等により
(2個目の)固定ピンからはずれてロックが解除される
ことで、連動作動が行われるものである。このことによ
り、同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態による
捩れ振動を防ぐほか、剪断ピン型固定ピンの場合、複数
の固定ピンが必ずしも同時に切断されないという欠点を
解決する。 8.1.3.2. 連動作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それぞれの固定ピンのロック
部材が、固定ピンをロックまたはロック解除する方向に
スライドできるような状態で設置され、ロック部材同士
はワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまたレリーズ等
で連結されており、地震時にこのロック部材の一つが、
固定ピンを解除する方向で作動すると、その他の固定ピ
ンのロック部材も同時にそれぞれの固定装置を解除する
形で連動する。このことにより、同時ロック解除の失敗
による偏心ロック状態による捩れ振動を防ぐ。 (1)地震センサー(振幅)装置装備型 8.1.3.2. 連動作動型固定装置において、地震センサ
ー振幅装置の重りが、直接または伝達する部材を介し
て、ロック部材の一つに固定ピンを解除する方向で作用
し、連動によりその他の固定ピンのロックも解除するよ
うになっており、同時ロック解除の失敗による偏心ロッ
ク状態による捩れ振動を防ぐ。 (2)剪断ピン型 8.1.3.2. 連動作動型固定装置において、ロック部材
にロックされて固定されている剪断ピン型固定ピンが、
地震時に折れるか切れるかして、この剪断ピン型固定ピ
ンが重力またはバネ・ゴム・磁石等の力によってはずれ
ると、ロック部材のはまっている欠き込み・溝・窪みの
形状により、ロック部材が押し出される等してはずれ、
連動するその他の固定ピンのロックも解除するようにな
っており、同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態
による捩れ振動を防ぐ。 8.1.3.3. 連動作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それらの固定ピンをロックす
る複数のロック孔を持つロック部材が、各固定ピンをロ
ックまたはロック解除する方向にスライドできるような
状態で設置され、地震時にこのロック部材が、固定ピン
を解除する方向に作動すると、同時にすべての固定ピン
のロックが解除されるものである。このことにより、同
時ロック解除の失敗による偏心ロック状態による捩れ振
動を防ぐ。 (1)地震センサー(振幅)装置装備型 8.1.3.3. 連動作動型固定装置において、地震センサ
ー振幅装置の重りが、直接または伝達する部材を介し
て、ロック部材に固定ピンを解除する方向で作用し、連
動により同時にすべての固定ピンのロックが解除される
ようになっており、同時ロック解除の失敗による偏心ロ
ック状態による捩れ振動を防ぐ。 (2)剪断ピン型 8.1.3.3. 連動作動型固定装置において、ロック部材
にロックされて固定されている剪断ピン型固定ピンが、
地震時に折れるか切れるかして、この剪断ピン型固定ピ
ンが重力またはバネ・ゴム・磁石等の力によってはずれ
ると、ロック部材のはまっている欠き込み・溝・窪みの
形状により、ロック部材が押し出される等してはずれ、
同時にすべての固定ピンのロックが解除されるようにな
っており、同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態
による捩れ振動を防ぐ。 8.1.3.4. 連動作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それらの固定ピンをロックす
る複数のロック孔を持つロック部材が、各固定ピンをロ
ックまたはロック解除する方向に、一つの点を軸にして
回転できるような状態で設置され、地震時にこのロック
部材が、固定ピンを解除する方向で作動(回転)する
と、同時にすべての固定ピンのロックが解除されるもの
である。このことにより、同時ロック解除の失敗による
偏心ロック状態による捩れ振動を防ぐ。 (1)地震センサー(振幅)装置装備型 8.1.3.4. 連動作動型固定装置において、地震センサ
ー振幅装置の重りが、直接または伝達する部材を介し
て、ロック部材を、固定ピンを解除する方向で回転さ
せ、同時にすべての固定ピンのロックが解除されるよう
になっており、同時ロック解除の失敗による偏心ロック
状態による捩れ振動を防ぐ。 (2)剪断ピン型 8.1.3.4. 連動作動型固定装置において、ロック部材
にロックされて固定されている剪断ピン型固定ピンが、
地震時に折れるか切れるかして、この剪断ピン型固定ピ
ンが重力またはバネ・ゴム・磁石等の力によってはずれ
ると、ロック部材のはまっている欠き込み・溝・窪みの
形状により、ロック部材が押し出される等して、ロック
部材が回転してはずれ、同時にすべての固定ピンのロッ
クが解除されるようになっており、同時ロック解除の失
敗による偏心ロック状態による捩れ振動を防ぐ。 8.1.3.5. 連動作動型固定装置 1個もしくは複数個の固定装置からなり、地震時に地震
センサーからの電気信号により、同時にすべての固定ピ
ンのロックが解除されるものである。このことにより、
同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態による捩れ
振動を防ぐ。 (1)電気で固定ピン自体が解除されるもの 8.1.3.5. 連動作動型固定装置において、1個もしく
は複数個の固定ピン自体が解除されるもので、同時ロッ
ク解除の失敗による偏心ロック状態による捩れ振動を防
ぐ。 (2)電気で固定ピンのロックのみが解除されるもの 8.1.3.5. 連動作動型固定装置において、1個もしく
は複数個の固定ピンをロックしているロック部材が解除
され、固定ピン自体はバネ・ゴム・磁石等あるいは地震
力等により解除されるもので、同時ロック解除の失敗に
よる偏心ロック状態による捩れ振動を防いでいるほか、
速やかさを要求される8.1.3.5.(1)の固定ピン自体を解
除する方式に比べ、必要な電力は小さくてすみ、また簡
易な機構で実現可能である。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置 風センサーを持つ(地震センサー付)地震作動型固定装
置であり、風センサーにより一定風圧になると固定装置
をロックさせるように構成されてなることにより、強風
時に微小地震による免震状態に入ることによる危険を防
止するものである。 8.2. 風作動型固定装置 風センサーにより、風時にのみ固定装置の作動部が作動
して、免震される構造体が固定される。この型のメリッ
トは、8.1.地震作動型固定装置のように地震力の大きさ
によらず、全ての微細な地震まで免震可能だということ
である。 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型) 普段は、免震される構造体の固定は解除されていて、風
センサーの反応によって、一定以上の風力・風速・風圧
等になると、固定装置の作動部がロックされて免震され
る構造体を固定し、一定以下の風力・風速・風圧等にな
ると、固定装置の作動部のロックが解除される。このこ
とにより、風時以外ではすべての微細な地震まで免震が
可能となる。また、風センサーを回転可能な形状とし、
常に風上を向くような機構とすることで、すべての方位
の風に対応できる。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型)におい
て、風センサー等で一定以上の風力・風速・風圧等を感
知すると、固定装置の作動部が直接固定され、また一定
以下になると直接固定されていた固定装置の作動部が解
除される。このことにより、風時以外ではすべての微細
な地震まで免震が可能となる。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型)におい
て、風センサー等で一定以上の風力・風速・風圧等を感
知すると、固定装置の作動部のロック機構が作動し、ま
た一定以下になるとロック機構が解除となる。このこと
により、風時以外ではすべての微細な地震まで免震が可
能となるほか、8.2.1.(1)の直接方式よりも作動に必要
な力が小さく、機構を簡略にすることができる。 1)ロック弁方式 8.2.1.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行うもの
で、風センサーと連動して、モーターまた電磁石等を稼
動させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるもの
と、風センサーからの機械的力が、直接このロック弁
(ロック部材)を閉じさせるものとがあり、共に装置の
コンパクト化が期待できる。 2)ロックピン方式 8.2.1.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、風センサーと連動して、モーターまた電磁
石等を稼動させ、このロックピン(ロック部材)をロッ
クさせるものと、風センサーからの機械的力が、直接に
このロックピン(ロック部材)をロックさせるものとが
あり、共に8.2.1.(2) 1)ロック弁方式に比べてロックの
確実さが期待できる。 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型) 8.2.1.一般型に対し、風センサーに風圧力を受ける風圧
板を設け、連動する油圧ポンプにより、風圧力を油圧力
に変換し、固定装置への連動をこの油圧力で行うタイプ
である。風時以外ではすべての微細な地震まで免震が可
能となる。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型)におい
て、風センサーに設けられた風圧板が受ける風圧力が一
定以上になると、この風圧力が変換された油圧ポンプか
らの油圧力が、直接(ピストン状部材を伴った)固定ピ
ン等の固定装置の作動部を作動させ固定を行い、また風
圧が一定以下になると風圧板と連動している油圧ポンプ
により、固定されていた固定装置の作動部が直接解除さ
れる。このことにより、風時以外ではすべての微細な地
震まで免震が可能となる。また、風圧板と連動する油圧
ポンプと、固定装置を作動させる油圧ポンプとのシリン
ダーの大きさの比により、固定装置の風力に対する感度
の調節が可能である。つまり、風圧板と連動する油圧ポ
ンプのシリンダーを固定装置を作動させる油圧ポンプに
対して大きくするほど、風力に対して敏感となる。なお
風圧板を回転可能な形状とし、常に風上を向くような機
構とすることで、すべての方位の風に対応できる。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型)におい
て、風圧板が受ける風圧力が一定以上になると、固定装
置の作動部のロック機構が作動し、また一定以下になる
とロック機構が解除となる。このことにより、風時以外
ではすべての微細な地震まで免震が可能となるほか、8.
2.2.(1)の直接方式よりも必要な仕事は小さく、機構は
簡略にすることができる。 1)ロック弁方式 8.2.2.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、風セ
ンサーに設けられた風圧板が受ける風圧力を変換した油
圧力が信号として働いて、モーターまた電磁石等を稼動
させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるもの
と、油圧力が直接このロック弁(ロック部材)を閉じさ
せるものとがあり、共に装置のコンパクト化が期待でき
る。 2)ロックピン方式 8.2.2.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、風センサーと連動して(油圧ポンプからの
油圧力が信号として働いて)、モーターまた電磁石等を
稼動させ、このロックピン(ロック部材)をロックさせ
るものと、風センサーからの機械的力(油圧ポンプから
の油圧力)が、直接このロックピン(ロック部材)をロ
ックさせるものとがあり、共に8.2.2.(2) 1)ロック弁方
式に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型) 8.2.1.一般型に対し、風センサーから固定装置までの連
動を、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等により伝
達される機械的力(圧縮力または引張力)で行うタイプ
である。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応により、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等が機械的力(圧縮力または引張力)を受け、この機械
的力が信号として働いて固定装置を作動させ、固定装置
の作動部を直接ロックするものと、この機械的力が直接
固定装置の作動部に作用してロックを行うものとがあ
り、共に風時以外ではすべての微細な地震まで免震が可
能となる。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応に連動した機械的力により、固定装置の作動部
のロック機構が作動し、また一定以下になるとロック機
構が解除となる。このことにより、風時以外ではすべて
の微細な地震まで免震が可能となるほか、8.2.3.(1)の
直接方式よりも必要な仕事は小さく、機構は簡略にする
ことができる。 1)ロック弁方式 8.2.3.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、一定
以上の風力・風速・風圧等になると、風センサーの反応
に、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を介して連
動した機械的力が信号として働いて、モーターまた電磁
石等を稼動させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさ
せるものと、この機械的力が直接にこのロック弁(ロッ
ク部材)を閉じさせるものとがあり、共に装置のコンパ
クト化が期待できる。なお風センサーが風圧板を持つ場
合は、風圧板を回転可能な形状とし、常に風上を向くよ
うな機構とすることで、すべての方位の風に対応でき
る。 2)ロックピン方式 8.2.3.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、一定以上の風力・風速・風圧等になると、
風センサーの反応に連動した機械的力が信号として働い
て、モーターまた電磁石等を稼動させ、このロックピン
(ロック部材)をロックさせるものと、風センサーから
の機械的力が、直接にこのロックピン(ロック部材)を
ロックさせるものとがあり、共に8.2.3.(2) 1)ロック弁
方式に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型) 8.2.1.一般型に対し、風センサーから固定装置までの連
動を電気信号で行うタイプである。ほかの方式に比べ制
御(タイマー等)や伝達機構(配線等)の自由度が高い
利点がある。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応により電気的信号を送り、固定装置内のモータ
ーまた電磁石等によって固定装置の作動部を直接作動さ
せ固定を行うするものであり、風時以外ではすべての微
細な地震まで免震が可能となる。また、タイマー等によ
り、風力が一定以下になってから固定装置の作動部が解
除されるまでの時間設定等も可能である。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応により電気的信号を送り、固定装置の作動部の
ロック機構が作動し、また一定以下になるとロック機構
が解除となる。このことにより、風時以外ではすべての
微細な地震まで免震が可能となるほか、8.2.4.(1)の直
接方式よりも必要な仕事は小さく、機構は簡略にするこ
とができる。 1)ロック弁方式 8.2.4.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、一定
以上の風力・風速・風圧等になると、風センサーの反応
により電気的信号を送り、モーターまた電磁石等を稼動
させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるもので
あり、装置のコンパクト化が期待できる。 2)ロックピン方式 8.2.4.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、一定以上の風力・風速・風圧等になると、
風センサーの反応により電気的信号を送り、モーターま
た電磁石等を稼動させ、このロックピン(ロック部材)
をロックさせるものであり、8.2.4.(2) 1)ロック弁方式
に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型 )におい
て、風センサーに相当する部分が風力発電機であり、一
定以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電機の発
生させる電力・電圧・電流等が、固定装置を作動させる
以上の値になって固定装置を作動させ、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体とを固定するも
のである。このことにより、電気型の利点を持ちつつ、
電源設備を必要としない装置が可能となる。 (1)一般型(直接方式含む) 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電
機の発生させる電力・電圧・電流等が、固定装置を作動
させる以上の値になると固定装置内のモーターまた電磁
石等を稼働させ、固定装置の作動部を直接動かし固定を
行うものであり、風時以外ではすべての微細な地震まで
免震が可能となる。また、タイマー等により、風力が一
定以下になってから固定装置の作動部が解除されるまで
の時間設定等も可能である。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電
機の発生させる電力・電圧・電流等が、ロック機構を作
動させる以上の値になって固定装置の作動部のロック機
構が作動し、また一定以下になるとロック機構が解除と
なる。このことにより、風時以外ではすべての微細な地
震まで免震が可能となるほか、8.2.5.(1)の直接方式よ
りも必要な仕事は小さく、機構は簡略にすることができ
る。 1)ロック弁方式 8.2.5.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、一定
以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電機の発生
させる電力・電圧・電流等が、モーターまた電磁石等を
作動させる以上の値になって、モーターまた電磁石等を
稼動させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるも
のであり、装置のコンパクト化が期待できる。 2)ロックピン方式 8.2.5.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、一定以上の風力・風速・風圧等になると、
風力発電機の発生させる電力・電圧・電流等が、モータ
ーまた電磁石等を作動させる以上の値になって、モータ
ーまた電磁石等を稼動させ、このロックピン(ロック部
材)をロックさせるものであり、8.2.5.(2) 1)ロック弁
方式に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.6. 連動作動風作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それぞれの固定装置の作動部
またはロック部材が相互に連動する仕組みをもつ固定装
置であり、固定装置の作動部またはロック部材同士を連
動させることによって、複数の固定装置を同時に固定す
るように構成される。このことにより、風が吹き始める
と、同時に固定装置が固定されて安全性が図られる。 8.2.7. 遅延器の設置 風センサー装備型固定装置に遅延器が装備され、固定ピ
ン等の固定装置の作動部が固定されるときは速やかに、
解除するときは緩やかに行われる。このことにより、風
が吹き始めると、速やかに固定装置が固定されて安全性
が図られ、風力が治まりつつある時も、固定装置の解除
が緩やかに行われるようにして、慎重を期する形を取
り、安全性が図られる。 8.3. 固定装置の設置位置とリレー連動作動型固定装置 8.3.1. 一般 固定装置は、免震される構造体の重心位置またはその近
傍に、1カ所または複数箇所設置され、免震される構造
体に回転が生じない程度離れた、2カ所以上設置の場合
であれば、風揺れ等による回転に抑制し安定する。しか
し、2個以上設置された固定装置に関しては以下の問題
がある。地震作動型固定装置の場合、固定装置の固定の
解除が全て行われず、一か所だけが解除されなかった場
合、特に周辺位置の固定装置のうち一か所だけが解除さ
れなかった場合、この一か所の固定装置により地震動に
より偏心して捩れて振り回される可能性が生じる。その
問題を解決する必要がある。風作動型固定装置の場合、
固定装置の固定が全て行われず、一か所だけが固定され
た場合、特に重心位置の固定装置が固定されず、周辺位
置の固定装置のうち一か所だけが固定されている場合
は、風力によりこの固定された固定装置位置を中心にし
た回転が生じる。その問題を解決する必要がある。 8.3.2. 2個以上の固定装置の設置 地震作動型固定装置の場合、同時連動作動が望ましい
が、電気式連動でないと同時作動は難しく、また離れた
位置に設置された2個以上の固定装置の場合には、8.1.
3.連動作動型固定装置の採用も難しい。各固定装置の地
震感度に差を設ける事で、上述の問題を解決できる。 (1)重りをできるだけ重くした、増幅器付き地震センサ
ー振幅装置の採用 複数個の固定装置を同時に解除させるには、地震力の小
さい内に固定ピンが解除されている必要があるが、地震
センサー振幅装置の重りを大きくすること、地盤周期と
地震センサー振幅装置の重り等の周期を合わせること、
8.1.2.6.3.(3)増幅器付き地震センサー振幅装置を使用
することなどにより、地震センサー振幅装置の感度を上
げることで、問題を解決できる。特に増幅器を使用する
場合は、引抜き長さまたは圧縮長さの増幅率に応じ、引
抜き力または圧縮力が減じられるので、その分の重り重
量の増分を見込む必要がある。 (2)固定装置(敏感型・鈍感型)の設置による 地震時に複数個の固定装置を解除する場合、固定装置が
一個でも未解除による偏心ロック状態による捩れ振動
(偏心による回転)を防ぐため、重心またはその近傍に
位置する固定ピンが最後に解除される必要がある。重心
またはその近傍に位置する固定装置と、周辺に位置する
固定装置との間に、地震感度の差を設定し、前者を鈍感
型に、後者を敏感型にしておくことで、固定ピン解除の
時期をコントロールでき、重心またはその近傍に位置す
る固定ピンの解除が最後となるようにすることによっ
て、偏心による回転を防ぎ、複数個の固定装置の解除に
関する問題を解決できる。感度の設定に関しては、例え
ばロック部材の差込まれる固定ピンの欠き込み・溝・窪
みの奥行き、固定装置のロック弁の地震に対する感度、
地震センサー(振幅)装置の重りの重さ等を調節する、
または地震センサー(振幅)装置の周期を地震周期と合
わせる、合わせない等により設定が可能である。なお、
剪断ピン型固定装置の場合は、固定ピンの切断される感
度を調節する。また、8.2.の、風時に免震される構造体
を固定する、風作動型固定装置においては、免震される
構造体の重心位置(または重心近傍)以外の周辺位置
に、風センサー感度が低い、または固定ピン型固定装置
の場合は固定ピンがセット(=ロック・固定)されにく
い固定装置を設置し、免震される構造体の重心位置(ま
たは重心近傍)には、周辺位置に比べて、風センサー感
度が高いまたは固定ピンがセットされ易い固定装置を設
置することにより、風時に複数の固定装置が同時に固定
されない場合の問題、特に重心位置の固定装置が固定作
動されていず、周辺位置の固定装置が固定作動されてい
る場合は、風時に固定作動された位置を中心にした回転
が生じる問題を解決することが可能となる。 8.3.3. リレー連動作動型固定装置 複数の固定装置を設置し、それらの同時作動を考えた場
合、その確実性に関しては、機械式、電気式共に困難な
部分があった。特に地震作動型の固定装置の場合、同時
作動のときに各装置間の時間差があってはならず、また
(重心またはその近傍に位置する装置以外の)一つでも
解除されない場合の問題は大きかった。それに対し、こ
のリレー連動作動型固定装置は、複数の固定装置を、同
時作動させるのではなく、リレー式に順次に作動させ
て、一つの固定装置の作動が次の固定装置の作動の条件
とし、地震の初期のある時期までにすべての固定装置が
解除されているようにするもので、同時作動させる場合
よりも連動が確実になるだけでなく、リレーの最末端に
重心またはその近傍に位置する装置を配置し、これが最
後に解除されるようにすることで、偏心による回転を防
ぐことができる。 8.3.3.1. 地震作動型固定装置の場合 8.3.3. リレー連動作動型固定装置のうち、地震時に固
定装置が(地震力を利用して)解除されるタイプであ
り、地震センサー振幅装置、重心またはその近傍に配置
するリレー末端固定装置、その中間に1箇所または複数
箇所配置するリレー中間固定装置、及びそれらの装置を
連動させる部材(機械式の場合はワイヤー・ロープ・ケ
ーブル・ロッド等)からなる。この装置は、地震動があ
る加速度に達するより前に、リレー連動作動型固定装置
がすべて解除されるようにするものであるが、解除され
ない装置があったとしても、少なくとも重心またはその
近傍の固定装置もロック状態にあるため、耐震建築と同
等の状態が保証され、地震時の偏心による回転の問題は
解決されている。 8.3.3.1.1. リレー中間固定装置 8.3.3.1.地震作動型固定装置におけるリレー中間固定装
置は、地震センサー振幅装置と直接つながる、リレー第
1中間固定装置と、リレー第2以降中間固定装置とに分
かれる。 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般) 8.3.3.1.1. リレー中間型固定装置の場合、リレー第2
以降中間固定装置またリレー末端固定装置とには、ロッ
ク部材と固定ピンとの間または固定ピンとその挿入部と
の間に遊びがある。これは、リレー第1中間固定装置の
解除された後免震される構造体に水平移動を許し、この
リレー第1中間固定装置の作動によって、リレー第2以
降中間固定装置及びリレー末端固定装置のロック部材を
解除させ、地震力によりこれらの装置を作動させるため
のものである。地震時には、地震センサー振幅装置の重
りの揺れによって発生した引張力あるいは圧縮力が、ワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等によりリレー第1
中間固定装置の固定ピンのロックを解除する。そして地
震力により免震される構造体が、リレー第2以降中間固
定装置またリレー末端固定装置の、ロック部材と固定ピ
ンとの間の遊びまたは固定ピンとその挿入部との遊びに
より水平移動し、固定ピンが固定ピンの挿入されている
すり鉢等状の挿入部の勾配に従い動くことにより、固定
ピンが挿入部を脱して固定装置が作動する。このときの
地震力を受けた固定ピンの動きは、固定装置に組み込ま
れた連動機構により、引張力あるいは圧縮力へと変換さ
れて、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等により、
第2中間固定装置の固定ピンのロックを解除する。以降
順次リレー中間固定装置は解除されて、最後にリレー末
端固定装置を解除し、リレー連動作動型固定装置全体の
作動が終了する。このように、各固定装置の固定ピンの
ロック解除が、一つ前の固定装置(あるいは地震センサ
ー振幅装置)の作動によってなされるため、解除されな
い固定装置があったとしても、それ以降の装置は解除さ
れず、地震時の偏心による回転の問題は解決されてい
る。また、固定ピンのロック解除に要する力は、一つ前
の固定装置の固定ピンが受けた地震力を変換したもので
あるため、リレーが進んでも弱まることなく、常に同じ
力で固定装置を作動させていくことができる。 8.3.3.1.1.2. リレー中間固定装置(増幅器付) 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般)において、
固定装置に組み込まれた連動機構に梃子または滑車また
は歯車等の増幅器を加えることにより、固定ピンが固定
ピンの挿入されているすり鉢等状の挿入部の勾配に従い
動くことにより生じた小さい変位を、大きな変位に増幅
させて、次の固定ピンに連動させることが可能となる。 8.3.3.1.2. リレー末端固定装置 8.3.3.1. (リレー連動)地震作動型固定装置における
リレー末端固定装置は、リレーの末端に位置する装置と
して、重心またはその近傍に配置される。この構成によ
り、周辺の固定装置全てが解除されない限り、重心また
はその近傍に配置された固定装置(リレー末端固定装
置)は解除されない。したがって複数の固定装置が解除
されていくあいだに、固定未解除箇所に偏りがある場合
に起こる、免震される構造体の捩れた動きを、防ぐこと
ができる。またリレー末端固定装置は、複数の系統のリ
レー連動作動型固定装置にそれぞれ対応した複数のロッ
ク部材を持つ場合が考えられるが、この場合は各々のリ
レー連動作動型固定装置の連結延長を短くできるため作
動が確実になり、加えて複数のロック部材がすべて解除
されないと固定装置が解除されないため、ロックの安全
性がより期待できる。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置 リレー連動作動型固定装置において、リレー中間固定装
置及びリレー末端固定装置には、地震時に固定装置の作
動部の固定が解除された後、固定装置の作動部またはロ
ック部材の(固定装置の作動部を固定する方向への)戻
りを遅延させるための遅延器が必要である。この遅延器
は、リレー中間固定装置・リレー末端固定装置の固定装
置の作動部またはロック部材と地震センサー振幅装置の
重りまたは直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
を繋ぐワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等または各
固定装置内部に取付けられる。この装置により、地震時
に一旦解除された固定装置の作動部の固定が、地震が終
わらないうちに再び入ってしまうという事態を避けるこ
とができる。地震終了程度まで時間を稼ぐ遅延機構が望
ましいが、数秒程度時間を稼ぐものでも問題はない(詳
細は8.5.に記載)。 8.3.3.1.4. 引張力限定伝達装置 二つのL型の部材を相互に引掛かるように組むことによ
り、引張力のみを伝達し、圧縮力を伝達しないようにす
るものである。この機構により、固定装置の作動部また
はロック部材と地震センサー(振幅)装置の重りまたは
地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石等
の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構
との間で、装置の作動に必要な方向の力のみを伝達する
機能を実現できる。 8.3.3.1.5. リレー連動作動型固定装置の配置構成 リレー中間固定装置は、免震される構造体の周辺部に設
置され、リレー末端固定装置は、免震される構造体の重
心部(または重心近傍)に設置される。各固定装置同士
の連結・連動の仕方は、地震センサー(振幅)装置Jか
らまず周辺部にあるリレー第1中間固定装置に連結・連
動され、リレー第2以降中間固定装置(リレー2番目〜
n番目)に連結・連動された後、最後に、重心部に位置
するリレー末端固定装置G-eに連結・連動される。リレ
ー中間固定装置が一つしか無い場合は、リレー第1中間
固定装置G-m1が、直接にリレー末端固定装置G-eに連
結・連動される。最後に位置する、リレー末端固定装置
への連結・連動には、複数経路で伝達される場合があ
り、その場合、リレー末端固定装置には、その経路の個
数分のロック部材が設けられる。このことにより、免震
される構造体は、周辺部の固定が全て解除されてはじめ
て重心部の固定が解除され、偏心による回転運動を起こ
すことなく、すべての固定装置が解除されて免震状態に
至ることができる。また解除されない固定装置があって
も、同様に偏心による回転運動を起こす状態は避けるこ
とができる。 8.3.3.2. 風作動型固定装置の場合 風時には、免震される構造体をその重心において最初に
固定すればよく、そのために免震される構造体の重心位
置に設置された固定装置が一番最初に作動するようにす
る。また、風力が一定以下になった後、免震される構造
体の固定が解除される際には、免震される構造体の重心
位置において最後まで固定されているのがよく、重心位
置に設置された固定装置が一番最後に解除されるように
する。このことにより、同時には解除されない固定装置
があっても、偏心による回転運動を起こす状態はさける
ことができる。 8.3.3.2.1. リレー中間固定装置 リレー中間固定装置は風センサーと直接つながっている
ものと、直接はつながっていないものとがあり、前者を
リレー第1中間固定装置、後者をリレー第2以降中間固
定装置と呼ぶ。風センサーまたは直前のリレー中間固定
装置に連動している入力連動部と、次のリレー中間・末
端固定装置を連動させる出力連動部を持つ。入力連動部
は、一定以上の風力になると、風センサーまたは直前の
リレー中間固定装置の出力連動部からの指令で、固定装
置を固定し、免震機構を固定する役割をし、出力連動部
は、次のリレー中間・末端固定装置の入力連動部へと連
結・連動しており、一定以上の風力になると次のリレー
中間・末端固定装置の入力連動部を作動させてこの固定
装置を固定させ、免震機構を固定する役割をする。この
機構によって複数のリレー中間固定装置の作動を連動し
て行うことができる。 8.3.3.2.2. リレー末端固定装置の場合 リレー末端固定装置は直前のリレー中間固定装置と連動
する入力連動部のみあればよく、出力連動部38をもつ
必要は無いが、前記のリレー中間固定装置を、出力連動
部を使用しない形で使うという方法も可能となる。 8.3.3.2.3. リレー連動作動型固定装置の配置構成 風センサーに最初に連結・連動されるリレー第1中間固
定装置は、免震される構造体の重心部(または重心近
傍)に設置され、リレー第1中間固定装置から、周辺部
に設置されたリレー第2中間固定装置以降が、順に連結
・連動される。風力が一定以上になると、風センサーか
らリレー第1中間固定装置へ、リレー第1中間固定装置
からリレー第2中間固定装置へ(重心部から周辺部
へ)、というように順に指令が送られ、各固定装置が順
次作動していき、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体を固定する。逆に、風力が一定以下に
なると、周辺部のリレー第2以降中間固定装置から順に
重心部のリレー第1中間固定装置へ連動し、各固定装置
が順次解除していき、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との固定を解除する。このことに
より、免震される構造体は、重心部の固定がなされてか
ら周辺部の固定され、また周辺部の解除がなされてから
重心部が解除されるため、偏心による回転運動を起こす
状態は常に避けることができる。 8.4. 風揺れ等抑制装置・変位抑制装置としての固定装
置またダンパー 8.4.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 8.4.1.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 (1) 風揺れ等抑制装置としての固定装置 挿入部に固定ピンを挿入することよって、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体との風揺れ時
等の動きを抑制する風揺れ等抑制装置において、固定ピ
ン先端が挿入され固定ピンを受ける方の挿入部と固定ピ
ンを挿入するもう片方の挿入部のうち、一方を免震され
る構造体に、もう一方を免震される構造体を支持する構
造体に設け、固定ピンを受ける方の挿入部は、すり鉢状
等の凹形状として、その挿入部に固定ピンを挿入するこ
とにより風に抵抗させ、かつ、固定ピンを挿入するもう
片方の挿入部には、抵抗器を採用して固定ピンの挿入部
への挿入に対する抵抗を調整可能とする(例えば、固定
ピンの取付けられたピストン状部材が筒中で液体や空気
等を漏らさずスライドするスライド機構とし、ピストン
状部材に孔が設けられるか、筒のピストン状部材がスラ
イドする範囲の端と端とが管また溝で繋がれているかし
て、ピストン状部材がスライドする速度をこの筒内のピ
ストン状部材のスライドによって孔または管等を行き来
する液体や空気等の粘性抵抗によって調整可能とす
る)。それにより、固定ピンの挿入部の、すり鉢状等の
凹形状の勾配でまず風揺れに抵抗するが、固定ピンがそ
の勾配により持ち上がろうとすると、今度は、抵抗器に
より(この例では、ピストン状部材によるスライド機構
の粘性抵抗により)抵抗を受ける。以上のことから風揺
れ等の抑制装置となる。 (2) 風揺れ等抑制装置としての固定装置(遅延器付き) さらに、(1)の機能に加えて、抵抗器に8.5.の遅延器を
使用し、かつ地震時には免震に対する抵抗にはならない
という機能を実現できる。8.5.遅延器の一例で説明する
と、筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドする
ピストン状部材を伴った固定ピンが、この筒中を出入り
する時の速度を、この筒のピストン状部材がスライドす
る範囲の端と端とを繋ぐ管また溝と、ピストン状部材に
設けられた孔との開口面積の比によって設定するもの
で、固定ピンが筒中に入るときは速やかに、筒から出る
ときは遅延されるようにする事ができ、免震を妨げな
い。また、風揺れ抑制機能の調整としては、筒のピスト
ン状部材がスライドする範囲の端と端とを繋ぐ管また溝
と、ピストン状部材に設けられた孔との開口面積の比の
設定によっても可能となる。 8.4.1.2. 固定装置・中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
との併用 この8.4.1.の風揺れ等抑制装置としての固定装置と、固
定装置、後述の8.7.の免震皿の中央部窪み形の風揺れ等
抑制装置のどちらかと、または両方と併用することで、
風揺れを抑え、地震時の快適な免震を期待できる。特
に、重心位置等に設置された固定装置1個と併用するこ
とで、固定装置1個のみの場合に風によって生じる、設
置点を中心にした回転を防ぐことができ、且つ、当該装
置のみで全ての風揺れに対応する場合よりも免震性能を
向上させることができる。 8.4.2. 固定装置型ダンパー 当然、風揺れ等抑制装置も兼ねるが、地震時の変位振幅
を抑制する。さらに、以上の 8.4.全体に共通して言え
ることであるが、通常の風揺れ等抑制装置としての水平
ダンパーではXY方向に最低1本ずつ必要であるが、こ
の装置であれば1本でXY方向に対応できる。 8.4.3. 可撓部材型連結部材系ダンパー この構成によって、一個であらゆる方向のダンパーが可
能になる。ダンパーは水平置きまた垂直置きでもよい。
垂直置きの場合は、水平置きの問題を解決する。すな
わち水平に置かれることにより30〜50年というよう
な期間では油漏れの心配が生じることである。このよう
な縦置きで油が溜まり漏れ出ることのない形であればこ
のような問題はなくなる。 8.4.4. ダンパー兼用の固定装置 一つの装置で、固定装置とダンパーが兼用できる。固定
装置とダンパーも重心に置きたいために、装置を一つに
したかったが、その問題が解決する。また安価にでき
る。 8.4.5. 固定ピン受け部材形状と変位対応変化型ダンパ
ー このダンパーは免震装置としてだけでなく一般のダンパ
ーにも適用可能である。 8.4.5.1. 固定ピン受け部材変化型 8.4.5.1.1. 変位抑制用1 固定ピン受け部材形状を凹型とすることにより、地震時
変位振幅の中心からの往路で変位抑制が可能となる。ま
た、固定ピン受け部材形状を凸型とすることにより、地
震時変位振幅の中心からの復路で変位抑制が可能とな
る。さらに、固定ピン受け部材形状を凸凹(反復)型と
することにより、地震時変位振幅の中心からの往復路で
変位抑制が可能となる。固定ピン受け部材形状がV字面
状・円柱面状・凸凹(反復)平行状の場合は一方向(往
復含む)の地震変位に、すり鉢状・球面状・凸凹(反
復)環状の場合は全方向の地震変位に対応ができる。固
定ピン受け部材形状が凹型のダンパーと、凸型のダンパ
ーを併用することにより、地震時変位振幅の中心からの
往復路で変位抑制できるものになる。固定ピン受け部材
形状が凸凹(反復)型のダンパーで、通常時に固定ピン
が当たる形状が凸形状の固定ピン受け部材をもったダン
パーと、通常時に固定ピンが当たる形状が凹形状の固定
ピン受け部材をもったダンパーとが併用されることによ
り、地震時変位振幅の中心からの往復路で変位抑制でき
るものになる。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2 ダンパー兼用の固定装置、または固定装置型ダンパーに
おいて、固定ピン受け部材の凹形態または凸形態を、変
位に応じて傾斜を変化させた形態とすることにより、応
答加速度を抑制しながら変位を抑制することを可能にす
る。特に凹形態または凸形態ともに、凹または凸の中心
から周辺部に行くに従い、勾配が強くなる形式は、変位
抑制効果を持つだけでなく、高い免震性能が実現する。 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) 変位抑制の効果が高く、免震性能が良いダンパーの発明
である。 8.4.5.2. 管変化型 シリンダーに設けられた管により、変位に応じたダンパ
ー能力の調整が可能である。 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 シリンダーの溝の形状(大きさ)により、簡易にして変
位に応じたンパー能力の調整が可能である。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 ダンパーまたは固定ピン型固定装置を滑り支承兼用とす
ることにより、支持の問題の解消と経済性も得られる。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 ノズル型ダンパー弁によって、低コストで且つ長期に安
定的な性能の速度比例型ダンパー弁が得られる。 8.5. 遅延器 1)一般 地震作動型固定装置においては、固定装置の作動部が地
震時に解除されるときは速やかに、地震中は固定状態に
復しないかもしくは固定状態に復するのが遅延されるよ
うにする遅延器が必要である。つまり、固定装置(リレ
ー連動作動型固定装置を含む)には、固定装置の作動部
が地震時に解除された後、固定装置の作動部もしくはロ
ック部材が固定状態に復するのを遅延させるための遅延
器が必要である。地震終了程度まで時間を稼ぐ遅延機構
が望ましいが、数秒程度時間を稼ぐものでも問題はな
い。風作動型固定装置においては、風圧が一定以下にな
ったことを感知してから、一定の時間をおいて固定装置
を解除させる遅延器が必要である。この遅延器は、固定
装置の作動部自体に取付けられるか、固定装置・リレー
中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震
センサー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装
置の連動機構との間を繋ぐワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等または各固定装置内部に取付けられる。この
装置により、地震時に一旦解除された固定装置の作動部
もしくはロック部材が、地震が終わらないうちに再び固
定を行う位置に復帰してしまうという事態を避けること
ができる。 2)油空圧シリンダー式 筒と、その筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライ
ドするピストン状部材を伴った部材とからなる遅延器
を、固定装置の作動部に設けるか、 固定装置・リレー
中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震
センサー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装
置の連動機構との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケ
ーブル・ロッド等を介して設ける等により、このピスト
ン状部材に対し、引張力あるいは圧縮力を伝達するよう
接続されている。このピストン状部材がスライドする範
囲の筒の端と端とを繋ぐ管また溝と、ピストン状部材に
あいている孔とが設けられており、管また溝と孔とには
開口面積の差をもたせ、この管また溝、またはピストン
状部材の孔のうち開口面積の大きい方に、ピストン状部
材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じてい
る弁が付けられているか、または、ピストン状部材によ
って押出される液体・気体等が筒中から出る出口経路
と、出口経路からその押出された液体・気体等が筒中に
戻る別経路の戻り経路とが設けられており、出口経路と
戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口経路は大き
く、戻り経路は小さくし、出口経路には、ピストン状部
材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じてい
る弁が付けられており、戻り経路は、開口面積が小さい
場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピスト
ン状部材が筒中から押出される時に開き、それ以外は閉
じている弁が付けられており、さらに、重力、また場合
によっては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、
このピストン状部材を筒外に押出す役割をする場合もあ
り、また、この筒と前記管また溝、または経路とは潤滑
油等の液体で満たされている場合もあり、この弁の性格
と、開口面積の差をつけることにより、固定装置の作動
部が筒中に入るときは速やかに、筒から出るときは緩や
かに(あるいは設置方向によりその逆に)する事ができ
る。このことにより、固定装置の作動部、またはロック
部材は速やかに解除されるが、その戻り(固定)方向に
ついては遅延効果を与えることができる。 3)機械式 a) ガンギ車式 機械式遅延器のうち、ガンギ車式の発明である。ガンギ
車とアンクルを用いた機構で、このガンギ車にアンクル
の2本のつめがそれぞれ交互にかみ合い、アンクルがそ
の支点を中心に往復運動できる形で組み合わされてお
り、固定装置・リレー中間固定装置・リレー末端固定装
置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは直
前のリレー中間固定装置の連動機構との間の伝達力が、
または固定装置の作動部の作動力が、このガンギ車に対
し働きかけ、回転力となり、その回転力を受けてガンギ
車が歯一個分回転すると、1個目のつめがガンギ車の回
転を一時押さえると同時にアンクルがガンギ車から力を
受けて、支点を中心に動き、次の瞬間2個目のつめがガ
ンギ車を歯1個分回すと同時にアンクルは先程と逆の方
向に動いてはじめの状態に戻り、再び1個目のつめがガ
ンギ車の回転を歯1個分に止めるような機構である。こ
れにより、ガンギ車は常時回転力を受けていても、それ
を一定の設定した時間に合わせて解放でき、かつ逆回転
は拘束しないため、固定装置の固定またはロックを解除
する方向の力は拘束を受けずに伝えることができ、かつ
固定装置の固定またはロックする方向の力には遅延効果
を与えることができる。 b)ラチェット式 機械式遅延器のうち、ラチェット式の発明である。重量
式重量抵抗型と水車式・風車式粘性抵抗型とがあり、と
もに歯車とラックを用いた機構である。この遅延器を、
固定装置の作動部に設けるか、固定装置・リレー中間固
定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサ
ー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装置の連
動機構との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等を介して設ける等により、このラックに対
し、引張力あるいは圧縮力を伝達するよう接続されてい
る。このラックの移動の方向により、固定装置の固定ま
たはロックを解除する方向に対しては歯車とラックの歯
が噛み合わず、ラックは抵抗を受けずに自由に移動し、
逆の方向に対しては歯が噛み合って歯車が回転するよう
になっている。また歯が噛み合って歯車が回転すると
き、ラックの移動に対して、重量式重量抵抗型では歯車
の自重が、水車式・風車式粘性抵抗型では歯車の回転と
連動して回転する、粘性のある液体(気体)に浸された
水車(風車)等の装置が与える負荷が、それぞれ抵抗と
なるようになっている。この機構により、固定装置の固
定またはロックを解除する方向の力は拘束を受けずに伝
えることができ、かつ固定装置の固定またはロックする
方向の力には遅延効果を与えることができる。 c) 重力式 機械式遅延器のうち、重力式の発明である。歯車とラッ
ク及び重りとを用いた機構でる。この遅延器を、固定装
置の作動部に設けるか、固定装置・リレー中間固定装置
・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサー振幅
装置の重りまたは直前のリレー中間固定装置の連動機構
との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等を介して設ける等により、このラックに対し、引張
力あるいは圧縮力を伝達するよう接続されている。重り
は歯車を介してラックの移動と連動しており、その自重
がラックの移動方向に対して、固定装置の固定またはロ
ックを解除する方向に対しては抵抗とならず(歯車の回
転を助ける側)、固定装置の固定またはロックする方向
に対しては抵抗となるような仕組みとなっている。この
機構により、固定装置の固定またはロックを解除する方
向の力は拘束を受けずに伝えることができ、かつ固定装
置の固定またはロックする方向の力の伝達には遅延効果
を与えることができる。 4) 摩擦式 摩擦式遅延器の発明である。ピストン状部材とその挿入
筒とからなる遅延器を、固定装置の作動部に設けるか、
固定装置・リレー中間固定装置・リレー末端固定装置の
ロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは直前の
リレー中間固定装置の連動機構との間に設けるか、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を介して設ける等に
より、このピストン状部材に対し、引張力あるいは圧縮
力を伝達するよう接続されている。このピストン状部材
及び挿入筒の一方あるいは両方の内部には、ピストン状
部材の移動方向に対して異なった抵抗を与える表面部材
が貼られている。この表面部材はそれ自体の形状によっ
て、あるいはバネ等を利用した機構によって、ピストン
状部材の移動方向に対して異なる抵抗を与える。この機
構により、固定装置の固定またはロックを解除する方向
の力は小さい抵抗で伝えることができ、かつ固定装置の
固定またはロックする方向の力には大きい抵抗を与える
ことができるため、この機構を遅延器として用いること
ができる。 5) 経路迂回式 経路迂回式遅延器の発明である。回転心棒を軸として自
由に回転する、円筒状のピストン状部材と、それが挿入
される筒とからなる遅延器を、固定装置の作動部に設け
るか、固定装置・リレー中間固定装置・リレー末端固定
装置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは
直前のリレー中間固定装置の連動機構との間に設ける
か、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を介して設
ける等により、このピストン状部材に対し、引張力ある
いは圧縮力を伝達するよう接続されている。このピスト
ン状部材の表面には、移動方向に平行な直線部分と、そ
の直線部分の両端を結ぶ曲線部分とからなるループ状の
ガイドが、筒にはこのガイドの溝に嵌まるピンがそれぞ
れ設けられ、ピストン状部材が移動すると、このピンと
ガイドとによりピストン状部材が案内されて回転するよ
うな機構になっている。ピストン状部材の移動に伴いピ
ンがガイドに沿って進む方向は直線部分から曲線部分へ
の一方向で、逆戻りをしない仕組みのため、直線部分と
曲線部分との延長距離の差と、曲線部分が移動方向に対
してなす角度とにより、ピストン状部材の移動方向に対
し、異なった抵抗を与えることができる。この機構によ
り、固定装置の固定またはロックを解除する方向の力は
抵抗を受けず速やかに伝達し、かつ固定装置の固定また
はロックする方向の力には大きい抵抗を与えることがで
きるため、その力の伝達は遅延させることができるた
め、この機構を遅延器として用いることができる。 6)粘性抵抗式 粘性抵抗式遅延器の発明である。歯車とラック及び水車
(風車)等の装置を用いた機構である。この遅延器を、
固定装置の作動部に設けるか、固定装置・リレー中間固
定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサ
ー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装置の連
動機構との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等を介して設ける等により、このラックに対
し、引張力あるいは圧縮力を伝達するよう接続されてい
る。この水車(風車)等の装置は、粘性のある液体(気
体)から、ラックの移動方向に対応する回転方向ごと
に、異なる大きさの粘性抵抗を受ける仕組みである。そ
れによってラックは、固定装置の固定またはロックを解
除する方向に対しては、小さな抵抗しか受けずに移動
し、逆の方向に移動するのには大きな抵抗を受ける。こ
の機構により、固定装置の固定またはロックを解除する
方向の力は拘束を受けずに伝えることができ、かつ固定
装置の固定またはロックする方向の力には遅延効果を与
えることができる。 7) センサー免震皿による遅延装置 地震センサー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼
用地震センサー振幅装置装備型固定装置において、地震
センサー振幅装置の重りのセンサー免震皿の形状が、凹
形態の中心部センサー免震皿(の山部)を越えて一旦水
平レベルが下がった面をもち、その面からセンサー免震
皿の中心部に向けて戻り勾配を持った戻りルート(路)
を設けるか、もしくは、中心部(通常位置)に向けて、
全体として凹形態を形成したセンサー免震皿の中心部
(通常位置)に向けて、螺旋形に山もしくは谷(溝)を
設けて螺旋山もしくは谷を形成し、その螺旋山もしくは
谷形に沿って、中心部(通常位置)に向けての戻り勾配
を持った戻りルート(路)を設ける、等することによ
り、地震センサー振幅装置の重り(ボール)の戻りを遅
延させるものである。以上の 1)〜6)とは違い、地震セ
ンサー振幅装置の重り自体の戻りを遅延させるもので、
8.1.2.2.5.(ロック)弁方式にも、使用可能なものであ
り、ダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定装置
に特に有用なものである。というのは、ダンパー兼用の
地震センサー振幅装置装備型固定装置の場合は、固定ピ
ンまたは連結部材のピストン状部材の戻りを早くさせダ
ンパー効果を与える必要からピストン状部材が通常位置
に速やかに戻る仕組みとなっており、その時にセンサー
重りが通常位置(中央部)に戻り弁が閉まる等のロック
がかかると免震に突然ブレーキが掛かるような状態とな
るので、このような地震センサー振幅装置の重り自体の
戻りを遅延させるものが望まれていた発明である(上記
の 1)〜6)では難しい)。 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状 地震後の残留変位の生じる範囲内のどの位置にきても、
固定ピンによる免震される構造体の固定機能が働くよう
に、固定ピンによる固定ができる範囲を、地震後の予想
される残留変位と同じ範囲とすることにより、地震後の
残留変位に対処できる。さらにすり鉢状等の凹面形状
で、地震前の停止点に戻るように誘うことも可能であ
る。この固定ピンをロックできる範囲の形状として、球
面状、すり鉢状、凸凹の多い摩擦の加わる形状等があげ
られる。そして、すり鉢状等を選択する場合には、8.1.
2.2.3.の地震センサー(振幅)装置装備型自動復元型固
定装置による方法を選ぶことによって、元の位置に戻す
ことも可能になる。また、上下に、つまり免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とに固定ピン
が設けられ、下の固定ピンが上がり、上の固定ピンが下
がり、中間滑り部を挟んでロックする上下固定ピン中間
滑り部挟み型を考えた場合、二重免震皿免震装置・滑り
支承に使えることで、地震後の残留変位への対処として
のすり鉢状等の凹面形状の大きさをほぼ半分にでき、し
かも、固定ピンが上下から各々出てくることで、固定ピ
ンの出を小さくでき、固定ピンの可動寸法を小さくで
き、電池等による作動を考えた場合でも、その電池等の
負担を小さくでき、地震力のみによる作動を考えた場合
でも、微小地震での作動を容易にする。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
み支承) 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置 免震皿の中央部が、滑り部、中間滑り部、ボール、また
はローラーの形状で、また入り込む形状で、凹んだ形で
形成された免震皿をもつことにより構成される免震装置
・滑り支承であり、風揺れを抑制するものであり、簡易
な風揺れ等抑制装置である。地震時の免震性能について
は、地震時に、中央部窪み形に滑り部、中間滑り部、ボ
ール、またはローラー等が入り込む心配があるが、 実際
は、地震は全方向に動くため中央部を通過するケースは
それほど多くない。とくに中央部窪み径が小さい場合
は、その確率は小さく、免震性能を落とさない優れた方
法である。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承 また、免震皿の中央部を、その免震皿面を滑動する滑り
部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状で
窪ませる(凹ませる)ことは、一般中高層建物のように
自重が大きい場合、免震皿側の耐圧性能を上げる効果と
風揺れ防止の効果とを合わせ持つ。 8.7.3. 固定装置との併用 この免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置とを併用
することにより、固定装置の設置個数を少なくすること
ができる。特に、固定装置1個(重心位置等)との併用
の場合は、固定装置を1個だけ使用した場合に起こりう
る風による免震される構造体の回転を、中央部窪み形の
風揺れ等抑制装置によって防ぎ、かつ、この固定装置が
風圧力の荷重を分担するために、この中央部窪み形の風
揺れ等抑制装置だけで全ての風揺れに対応する場合よ
り、免震性能を向上させることができる。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
の免震皿 重力復元型免震装置・滑り支承(すべり転がり支承)の
免震皿の凹型滑り面部としては、地震後の残留変位が少
なく、固有周期を持たないゆえに共振現象を起こさない
すり鉢状が望ましいが、風への抵抗を考えると、すり鉢
状の勾配を大きくする必要がある。その場合、小規模な
地震を免震しにくく、大きな地震時も、すり鉢の底のな
す角度が鋭角になるほど、滑り部等の垂直動による振動
衝撃が大きくなり、スムーズな免震が得にくい。そこ
で、すり鉢の中心部の底を球面にすることより、小さい
地震も免震可能となり、大きな地震時にも、すり鉢の鋭
角な底部を通過することによる衝撃が無くなり、快適な
免震が可能となる。すり鉢状滑り面をボールが転がる構
成の場合、特にその効果は顕著であり、すり鉢状滑り面
を球面中間滑り部がすべる構成の場合でも効果はある。
またこのすり鉢底部の球面の固有周期を地震周期と合わ
せておくことで、地震初期の小さな加速度の時点で共振
が発生し、その段階から免震状態へ移行することができ
る。滑り部等が球面の範囲を脱してすり鉢の部分へ至れ
ば、この共振現象は速やかに減衰する。このことにより
免震の初滑動加速度を低く押さえることができる。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用 しかし、8.8.1.で述べたようにすり鉢の底を球面にする
と、球面の範囲内では小さい風でも揺れが発生してしま
う(底面の球面部以上の振幅は抑制されるが)。そこ
で、底面の球面部以内の微振動による揺れ止めのため
に、固定装置を、特に 8.2.の風作動型固定装置(平常
時は、ロックされ、地震時にロックが解除される固定装
置)を、免震される構造体の重心またはその近傍に併用
することにより、小さい風では揺れなくなる。すり鉢状
滑り面をボールが転がる構成の場合は、特にその効果は
顕著であり、すり鉢状滑り面を球面中間滑り部がすべる
構成の場合でも、効果はある。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承による風揺れ固定 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承
(4.参照)の利用により、風揺れ固定効果をもたら
す。中間滑り部が、凹型免震皿の最も底の位置(地震時
以外の通常時の停止位置)に納まった時において、上下
の二重免震皿の双方が接して(中間滑り部のために双方
が接しない場合には、周辺部に縁を立てる等により接し
て)、摩擦を発生するようにし、風揺れ等に対処する。
ある一定以上の大きさの地震等が発生して、中間滑り部
が、凹型免震皿の最も底の位置からずれると、上の免震
皿が浮き上がり、上下の二重免震皿が接しなくなり、免
震性能を下げる摩擦が発生しなくなる。さらに、上下の
免震皿の全周が接した二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承の場合には、免震皿の内部が地震時
以外の常時密閉され、潤滑剤の蒸発また雨さらしになる
事、塵埃等がたまる事、また空気に暴露される事等によ
る、滑り面部等の摩擦性能の低下を防ぐ事が可能にな
る。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用 積層ゴム等の場合、滑り支承とバネ等を使った場合、球
面またすり鉢等の凹面形状等の緩い勾配をもった免震皿
を有する支承の場合等に、免震性能を良くするためには
固有周期を長くしたいが、強風時に揺れが生じてしま
う。このような場合に、強風時用の手動で免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定する
固定装置を一本また複数本併用することにより、高い免
震性能を実現し、且つ強風時の揺れを抑制できる。なお
このような場合でも、強風時用の手動の固定装置無しで
強風時の安全が保証されている必要がある。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用 上記手動型固定装置に関して、強風後において固定解除
を忘れても地震時に固定装置が自動的に解除される装置
の発明であり、それが採用された免震構造の発明であ
る。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正 地震後の残留変位の矯正が困難であったすべり型免震装
置に対し、免震皿のすべり・転がりの摩擦面に、液体潤
滑剤が潤滑する溝と、当該免震皿の外側にその溝に液体
潤滑剤を流し込む孔を設け、地震後に揮発性の液体潤滑
剤をこの孔から流し込み、短期的に摩擦抵抗を小さくす
ることで地震後の残留変位の矯正を容易にすることがで
きる。揮発性の液体潤滑剤は矯正後にできるだけ速やか
に揮発し、風揺れ等に対して元の抵抗が得られるような
ものを選択する。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状として
は、すり鉢状とすることによって、滑り部等が通常の位
置に戻り易くなり、地震後の残留変位を少なくできる。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ 軽量建物・構造体、特に軽量(木造・鉄骨系)戸建て住
宅に対し、いままで述べた風揺れ対策を組合せて使用す
ることで、単独以上の効果を発揮する。 (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
び)食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部にすべり支承
等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(8.7.)を
配置することで風揺れに対処できる。すべり支承等の摩
擦発生装置または(及び)食込み支承のみでは免震性能
が悪くなり、固定装置のみでは重心軸での回転対策とし
てリレー連動作動型固定装置(8.3.3.参照)等が必要に
なるが、この機構は簡易ではないため、固定装置と周辺
部にすべり支承等の摩擦発生装置または(及び)食込み
支承を併用し、双方が風荷重を適当な割合で分担するこ
とにより、すべり支承等の摩擦発生装置または(及び)
食込み支承のみの場合よりも免震性能を上げることがで
き、固定装置も一装置のみでよいので、メンテナンスも
容易となって簡易化も図れる。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
定装置との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に地震作動型固
定装置を最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に
風作動型固定装置を最低限一箇所とを配置することで、
風時の重心軸での回転を抑えることが可能になる。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
固定装置とすべり支承または(及び)食込み支承との併
用 8.12.(2)の場合に加え、すべり支承等の摩擦発生装置ま
たは(及び)食込み支承を同時に配置することで、風時
の重心軸での回転を抑えることが可能になる。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に固定装置(8.
1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最低
限一箇所と、免震される構造体の周辺部に手動型固定装
置(8.10.)を最低限一箇所とを配置することで、風時
の重心軸での回転を抑えることが可能になる。手動型固
定装置について、風が吹き始めたら(また揺れ始めた
ら)、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを、室内から電気等で固定する装置も考えられ
る。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
固定装置との併用 (4)に関して、8.10.(2) 自動解除固定手動型固定装置の
採用の場合、その自動解除固定手動型固定装置は、免震
される構造体の重心またはその近傍に設置される固定装
置(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)に
比べて、固定装置の解除の感度が地震に対して高く敏感
な手動型固定装置、つまり地震時に解除されやすい手動
型固定装置を設置することにより、地震時において、重
心部設置の固定装置に対し周辺部の手動型固定装置の固
定解除が遅れた場合に生じる捩れた動きの問題が解消さ
れる。 (6) 中央部に固定装置と周辺部に回転・捩れ防止装置と
の併用 固定装置一個だと、固定装置を中心として風力時の回転
を止められない。固定装置を免震される構造体の中央部
に、回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周辺部
に、配置する。そのことにより固定装置一個で風揺れ防
止が可能になる。 (7) 連動型でない固定装置の複数個配置と回転・捩れ防
止装置との併用 連動型でない固定装置の複数個配置と 10.1.の回転・捩
れ防止装置とを併用することにより、風時の風揺れ抑制
の安全さを増し、地震時に固定装置が同時解除しない場
合の免震による不安定さを回転・捩れ防止装置により解
決する。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
ック) 戸建て等の軽量構造体の場合には、強風時に地震が起っ
た時に免震状態となると、場合により免震による地震被
害からの救済よりも、風で大きく揺れる被害の方が大き
くなることが多い。重り吸込み型弁方式地震センサー振
幅装置装備型固定装置は、このような風時の免震問題を
解決する。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック) 重り吸込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装
置と食込み支承(8.7.参照、ボール型、ローラー型)と
を併用使用することは、8.13.1. 風時の免震ロック1の
発明より、地震時の(ロック)弁の解除の確実性を与え
る。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
ック) 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式の地震センサー振幅装置
装備型固定装置の、ロック弁(ロック弁管、スライド式
ロック弁等を含む)に、弁が出る方向(開く方向)に傾
きをもたせ、強風時にはピストン状部材からの圧力によ
り、直接に間接に、地震センサーとなる重りを押す方向
に働くようにして地震センサーをロックして、固定装置
をロックして、風時の免震ロックを可能にしている。 8.14. 杭折れ防止構法 上部構造(免震される構造体、地上構造物)と杭等の基
礎部とを構造的に縁を切り、その両者間を(杭折れが起
きない範囲の)ある一定以上の地震力によって折れるか
切れるかする固定ピンで繋ぐことにより構成するもので
ある。基礎部の柱受けとしては、柱が外れるのを防ぐた
めに周辺を立ちあげた柱より大きな支持板を設置する。
この支持板は、杭折れを防ぐためだけならばコンクリー
トでも良く、また形状は平面でもすり鉢また球面等の凹
面でもよい。同様に上部構造の柱等の基礎当たり部の材
料は、杭折れを防ぐためだけならばコンクリートでも良
く、また形状は平面でも基礎部と対称の台円錐また球面
等の曲凸面でもよい。また固定ピンも、剪断ピン同様、
誘発切り込みの入ったものでもよい。この構法により、
地震力による杭の破壊防止、及び上部構造に働く地震力
の緩和が期待できる。またこの構法は、杭のあるすべて
の構造体に使用できる。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承 ゴム等の弾性材また緩衝材を、免震皿等の免震装置・滑
り支承の周辺また縁に付けて、予想を上回る地震変位振
幅に対して、滑り部または中間滑り部等をその支承周辺
の弾性材また緩衝材に衝突させて対処する。この発明
は、油圧ダンパー等による場合に比べて安価であり、且
つ、メンテナンスの問題も少なく、調整の必要も無く、
偏心荷重の場合でも安定した免震性能が得られるもので
ある。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承 免震皿とその免震皿面を滑動する滑り部、中間滑り部、
ボールまたはローラーとにより構成されている免震装置
・滑り支承において、その免震皿面に弾性材また塑性材
を敷くか、付着させることにより、その免震皿面の滑り
部、中間滑り部、ボールまたはローラーに対する耐圧性
能の向上と、地震時の応答変位の抑制とを可能にする。 (1) 耐圧性向上 a) 基本形 その免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させる
ことにより、滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラ
ーがその弾性材また塑性材に食込むことで免震皿への食
込みを防止し、その免震皿面の滑り部、中間滑り部、ボ
ールまたはローラーに対する耐圧性能の向上を可能にす
る。また当然、変位抑制効果も持つ。 b) ボール食込み孔付き弾性材・塑性材敷き支承 滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラーの、地震
時以外の通常位置(中央部)に、その食込む形状に従っ
て弾性材また塑性材に孔を開ける。これは特に滑り部等
の圧力を常時受けることによる弾性材の疲労等の負荷を
低減するものである。この方法は、耐圧性能を向上さ
せ、食込み支承よりも免震時の免震性能を落とさず、風
揺れ防止する。この孔に滑り部等の大きさよりも余裕を
見た場合には、小さい加速度時での免震性能も向上させ
る。以下の(2) b)のすり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承
においても、同様の構成が採用可能である。 (2) 変位抑制 a) 基本形 免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させること
により、地震時の応答変位の抑制に対応を可能にする。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承 免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材
が、免震皿の滑り面部の中央部から一定範囲を超えて敷
かれてなることにより、地震時の応答変位の抑制に対応
を可能にする。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1 免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材
を、すり鉢または球面または円柱谷面状またはV字谷面
状等の凹形状にすることにより地震時の応答変位の抑制
を可能にする。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 すり鉢または球面または円柱谷面状またはV字谷面状等
の凹形状の免震皿に対して、その凹形状を充填させて平
面をなすように弾性材・塑性材を敷くか、付着させるこ
とにより地震時の応答変位の抑制を可能にする。また当
然、 a) c) d)共に、免震皿の耐圧性能も向上する。 9.3. 変位抑制装置 スライドし合う部材同士の摩擦を大きくすることによっ
て地震の変位振幅を抑制し、スライドし合う部材同士の
一方が免震される構造体に、他方が免震される構造体を
支持する構造体に設けられることにより地震時の応答変
位の抑制を可能にする。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが、予想を越える変位振幅をもった地震によって衝
突する、外れ止め等の位置に設けられて衝突時の衝撃を
緩和する発明である。その衝突緩和の方法に関しては、
弾性的反発のある形ではなく、反発係数の低い弾性材
(低反発係数型)を用いる、座屈変形(座屈変形型)を
利用する、塑性変形(塑性変形型)または塑性材を利用
する等によって、反発を最小限に抑えるのが望ましい。
というのはそれによって衝突後の免震振動が乱されずに
済み、衝突を緩和することができるからである。 (1) 低反発係数型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、低反発係数の緩衝材また弾性材
を設けることによって、衝突時の衝撃を吸収する。 (2) 座屈変形型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、衝突時に弾性材が座屈する細長
比以上の弾性材を設けて、その弾性材の座屈によって、
衝突時の衝撃を吸収する。 (3) 塑性変形型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、衝突時に塑性変形する緩衝材ま
た塑性材を設けることによって、衝突時の衝撃を吸収す
る。 (4) 剛性部材挟み型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、まず、衝突面積よりも大きな面
積を持った剛性のある部材を設けて、衝撃力を受け衝撃
力を拡散させて、最低限その拡散した面積をもった緩衝
材・弾性材・塑性材を設け、衝撃力を吸収する。この方
法により、衝撃を吸収する能力が格段に向上して、極端
に免震皿の面積を小さくすることが可能である。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
る免震・減衰・緩衝) 一定変位まではすべり型免震または転がり型免震をし、
その変位を超えるとゴム等の弾性・減衰・緩衝材により
免震・減衰させることにより、すべり・転がり型免震で
の地震時に免震皿の許容変位を超えた場合の問題を解決
するものである。 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
勾配変化型免震・減衰) 一定変位まではすべり型免震または転がり型免震をし、
その変位を超えると免震皿の滑り面部の摩擦を大きくす
るか、勾配を大きくするか、または摩擦を大きくし且つ
勾配も大きくするかして免震・減衰させることにより、
すべり・転がり型免震での地震時に免震皿の許容変位を
超えた場合の問題を解決するものである。 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと風力時の回転を止められない問題、積
層ゴムのバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比
例型の減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合
の免震時に免震される構造体の捩れ振動(固定装置一個
を中心とした回転)が生じる問題等は、回転・捩れ防止
装置の設置によって解決される。また、固定装置の設置
個数が一箇所で済むために、回転・捩れ防止装置を使用
しない場合、すなわち固定装置を多箇所に設置する場合
に生じる、固定装置の解除また差し込みのタイムラグの
心配が無くなる。さらに、設置する固定装置の個数が少
なくて済むため、多数設置する場合に比べて、経済的に
有利である。また、連動型でない固定装置の複数個配置
と回転・捩れ防止装置との併用することにより、風時の
風揺れ抑制の安全さを増し、地震時に固定装置が同時解
除しない場合の免震による不安定さを回転・捩れ防止装
置により解決する。なお、回転・捩れ防止装置は、一つ
の装置で、回転・捩れ防止機能の他に、免震復元機能お
よび引抜き防止機能を併せ持つことも可能であり、機構
も簡易であるため、経済面、メンテナンス面において有
利である。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応) 全ての建物、特に戸建て住宅に免震を普及させる上で、
同一性能の免震装置のみを各支持位置へ設置して、免震
される構造体の形態、固定荷重・積載荷重形態の多様性
に対応させることを可能にすることが課題であった。そ
れは、バネ型復元装置または粘性減衰型装置を使用する
場合、それぞれの設置位置において免震される構造体か
らの荷重による応力が異なると、同一性能の装置では、
きれいな免震がなされずに捩れが生じるからであり、そ
の調整は困難なものであった。さらに、固定荷重に比べ
て積載荷重の影響が大きい木造等の軽量型戸建て住宅で
は特に困難であった。以下の発明は、それを解決するも
のである。 (1) 滑り支承と摩擦型減衰・抑制装置と勾配型復元滑り
支承の使用 免震と復元と減衰・抑制に関しては、滑り支承(すべり
支承、転がり支承)と、すり鉢または球面等の勾配によ
る復元性能を持った滑り支承(勾配型復元滑り支承とい
う)と、摩擦型減衰・抑制装置のみを使用することによ
り構成されてなることによって、免震される構造体の形
態、固定荷重・積載荷重形態が変化に富む場合(変形形
態・変形平面・偏心荷重形態)であっても、免震される
構造体の各所に設置される復元・減衰装置を、同一性能
の装置、つまり単一の性能の装置とすることを可能にす
る。 (2) 固定ピン型固定装置の使用 風揺れ固定に関しては、免震時に抵抗のない、固定ピン
型固定装置(連結部材系のピン型(固定ピン)を除く)
のみを使用することにより構成されてなることにより、
免震される構造体の形態、固定荷重・積載荷重形態が変
化に富む場合(変形形態・変形平面・偏心荷重形態)で
あっても、免震される構造体の各所に設置される復元・
減衰装置を、同一性能の装置、つまり単一の性能の装置
とすることを可能にする。 (3) 回転・捩れ防止装置との併用 以上の装置以外の免震時に捩れが生じるもの(積層ゴ
ム、ダンパー等を使用したもの、偏芯率の大きいもの)
でも、10.の回転・捩れ防止装置との併用をするとそ
の問題は解消される。 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 11.2.1. 変位抑制しない (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない) 共振のないすり鉢・V字谷面状の免震皿(5章参照)に
よる直線勾配型復元滑り支承の採用により、共振・捩れ
のない安定した免震が可能である。 軽量構造体(風で揺れる) 風等で持ち上がることはないが、風揺れをする。同一性
能の直線勾配型復元滑り支承を各場所に設置に加え、固
定装置を配置することで、風揺れの問題は解決する。固
定装置の設置により、回転・捩れ運動の発生が問題とな
るが、回転・捩れ防止装置の設置によりこの問題も解決
する。以上の組合せにより共振・捩れのない安定した免
震が可能となる。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない) 風等で浮上がるという問題があるので、同一性能の直線
勾配型復元滑り支承を各場所に設置に加え、引抜き防止
装置の設置を必要とする。引抜き防止装置の採用によ
り、引抜き力発生の問題が解決し、共振・捩れのない安
定した免震が可能となる。 軽量構造体(風で揺れる) 風等で浮上がるという問題があるので、同一性能の直線
勾配型復元滑り支承を各場所に設置に加え、引抜き防止
装置の設置を必要とする。引抜き防止装置の採用によ
り、引抜き力発生の問題が解決する。さらに、風揺れの
問題に対しては、固定装置を配置することで解決する。
固定装置の設置により、回転・捩れ運動の発生が問題と
なるが、回転・捩れ防止装置の設置によりこの問題も解
決する。以上の組合せにより共振・捩れのない安定した
免震が可能となる。 11.2.2. 変位抑制する ダンパーの使用により変位抑制をすることにより、免震
皿の面積を小さくし、免震装置自体をコンパクトにする
ことが可能となる。ダンパーの設置により、捩れが発生
するが、回転・捩れ防止装置の設置によりこの問題も解
決する。11.2.1.記載の装置の組合せに、ダンパーと回
転・捩れ防止装置とを併用することにより、免震装置の
コンパクト化が実現し、且つ共振・捩れのない安定した
免震が可能となる。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 滑り型免震支承の場合について、免震の過大変位時の安
全を考慮した免震装置の組合せとして、以下の様なもの
が考えられる。 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
1 (1) 第一種地盤 地盤種別として第一種地盤の場合には、すべり型また転
がり型免震支承の場合には、ダンパーが不要の場合が多
い。 (2) 第二種、第三種地盤 地盤種別として第二種、第三種地盤の場合には、すべり
型また転がり型免震支承の場合には、ダンパーが必須に
なる。その場合、ダンパーで完全に過大変位をストップ
させる方式(8.4.5.1.2.の過大変位時ストッパー付ダン
パーを参照)の採用、またこの過大変位時ストッパー付
ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支承、外れ防止装
置)の併用という場合がある。過大変位時ストッパー付
ダンパーのみの方法は、ダンパーだけで過大変位をスト
ップさせる方式のために経済的である。過大変位時スト
ッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支承、外
れ防止装置)の併用は、過大変位時ストッパー付ダンパ
ーだけでは無理な場合に使用されるか、またより安全度
を高める場合の方式である。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 従来の積層ゴムにおける、鋼とゴムとの付着性の問題、
鋼とゴムとを付着して積重ねてゆく製法上の問題、耐圧
性の問題、防火上の問題等を解決するものである。鋼と
ゴムとを一層ごとに付着させずに鋼だけを積層させ、鋼
の中心部を欠き、その中心部にゴムまたコイルバネを充
填させる方法をとる事により、鋼と鋼とを積層させるの
で、鋼とゴムとの付着性の問題はなくなり、鋼とゴムと
を付着して積重ねてゆく製法上の困難も解消する。耐圧
性能に関しては、ゴムを挟まず鋼と鋼とが積層するので
鋼自体の耐圧性能が得られ、また、ゴムが内部に封じ込
められ、直接外部に露出しないため防火上の問題も解決
する。 12.2. 復元バネ 縦型にバネ等を設置することは水平のどの方向にも復元
性能を得られる反面、僅かな水平変位での復元力に乏し
い。この発明は、その問題を解決し、僅かな変位でも水
平方向向きの復元力を得られるようにし、その結果、こ
のバネ等により、免震される構造体に働く下方への引張
力も最低限にし、免震される構造体への負荷を小さくし
ている。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体 積層ゴム免震装置では対応しきれなかった長周期の超高
層建物・構造体でも、滑り型免震装置・滑り支承の使用
によって免震が可能となる。そのことにより、超高層建
物・構造体を、地震対策としての柔構造から風力では揺
れない程度の剛性をもつ構造(剛構造)にすることがで
き、風揺れをも防ぐことが可能となる。 13.2. 高塔状比建物・構造体 引抜き防止装置によって、従来の積層ゴム免震では不可
能だった引抜き力の働く高塔状比建物・構造体の免震を
可能にする。また、免震装置・滑り支承の摩擦係数をで
きるだけ下げ、1階等の地上に近い階の床等を重くする
ことにより、ロッキング等の問題も解消する。また、固
定装置によって、自重に対して、ある一定以上の風圧見
つけ面積のある構造体の風揺れ問題も解決する。 13.4. 軽量建物・構造体 免震装置・滑り支承等の免震装置によって、従来の積層
ゴム免震では固有周期が延びず、免震効果の得られない
軽量建物・構造体の免震を可能にする。また、摩擦係数
を下げることにより生じる風揺れ問題も、固定装置によ
って解決する。また、引抜き力が働く場合には、引抜き
防止装置によって対処もできる。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計 滑り型免震装置の場合、復元可能な最小限の復元力に押
さえることが、免震性能上一番よい。凹型滑り面部によ
る重力復元型においては、復元が得られる限り、曲率半
径はできるだけ大きくし、また、バネ等の復元型におい
ては、復元が得られる限り、バネ定数はできるだけ小さ
くし、双方ともに、復元力を最小限にするためには、免
震装置・滑り支承の摩擦係数を下げる事も必要である。
そのことは、また免震性能を上げる事につながる。 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置 重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上の復元装置を
装備し、それ以外は、復元力を持たない免震滑り支承と
する。復元装置の設置個数が少なくて済むため経済的に
有利である。また必要に応じて、固定装置を配する。こ
れも復元装置と同様に、重心位置またその近傍にのみ、
2箇所以上とするのがよい。箇所数が多いと固定装置の
解除また固定のタイムラグの心配があり、特に固定装置
に関しては、数が少ない事に越したことはないが、一箇
所では、風力による回転の心配がある。それゆえ、2箇
所以上設置するのが望ましい。ただし、固定装置と回転
・捩れ防止装置(10)の併用により、一箇所配置の場合に
おいても、回転を防ぐことが可能である。これも無駄な
固定装置を設置することがなくなるため経済的に有利で
ある。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 低廉な簡易型の免震装置が可能になり、免震装置の水平
性維持の問題も解決される。また、1階の梁とそれに支
えられて床のコスト上の問題も解決する。また、プレハ
ブ・在来・2×4という上部構造(免震される構造体)
の構法の違いを問題とせず、上部構造の剛性のない場合
の問題も解決する。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合 免震装置をユニットに取付ける方法が望まれるが、ユニ
ット同士の接合がピンである場合が多く、ユニット同士
の接合がピンの場合は、両方のユニットに跨がらせて免
震装置を取付けると不安定になる。そこで、一つユニッ
トに安定的に接合(剛接)して取付け、(隣接ユニット
を持つ場合は)隣接ユニットを支持できるように当該ユ
ニットからもはみ出して取付ける方法でその問題を解決
した。 17.組合せ 以上1.〜15.3.記載の全ての発明の組合せにより、様
々な要求に応えた免震装置及び支承、および免震構造が
可能になる。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間のフレキシビリティを保証する排水設備におい
て、排水枡と、その中に突き出した免震される構造体側
の排水管とから構成するという簡易な方法で、免震され
る構造体と、免震される構造体を支持する構造体との間
の排水用配管のフレキシビリティを可能にする。
【図面の簡単な説明】
図1〜図11は、十字型免震装置・滑り支承、また十字
重力復元型免震装置・滑り支承、また十字重力復元型引
抜き防止装置・滑り支承の発明の実施例である。
【図1】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図2】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図3】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図4】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図5】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図6】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図7】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものであり、重力
復元型免震装置・滑り支承振動時の垂直変位の吸収装置
の実施例も示している。
【図8】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図9】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図10】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図11】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
12〜図17は、十字型免震装置・滑り支承、十字重力
復元型免震装置・滑り支承の中間滑り部付きの実施例で
ある。
【図12】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図13〜図14】(a) は免震装置・滑り支承の斜視
図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のもの
であり、(d) は詳細斜視図、(e)(f)(g)(h)は、地震振幅
時の断面図であり、(g)(h)は最大時、(e)(f)は途中の時
で、(e)(g)は基礎方向から見たもの、(f)(h)は基礎方向
に対面する方向から見たものである。
【図15】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図16〜図17】(a) は免震装置・滑り支承の斜視
図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のもの
であり、(d) は詳細斜視図、(e)(f)(g)(h)は、地震振幅
時の断面図であり、(g)(h)は最大時、(e)(f)は途中の時
で、(e)(g)は基礎方向から見たもの、(f)(h)は基礎方向
に対面する方向から見たものである。図18〜図20
は、引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部及びローラ
ー・ボール(ベアリング)入り引抜き防止装置・滑り支
承の実施例である。
【図18】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図19】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図20】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
21〜図33は、積層ゴム/ゴム/バネ付き引抜き防止
装置・滑り支承の実施例を示している。
【図21】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図22】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図23】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図24】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図25】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図26】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図27】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図28】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図29】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図30】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図31】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図32】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図33】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
34〜図37は、復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・
滑り支承の実施例を示している。
【図34】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図35】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1)(a-2)(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図で
ある。(a-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセッ
トである。(a-1)(a-3)は、上部スライド部材4-aのスラ
イド止め金4-Pであり、(a-2)(a-4)は、下部スライド部
材4-bのスライド止め金4-Pである。
【図36】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1)(a-2)(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図で
ある。(a-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセッ
トである。(a-1)(a-3)は、上部スライド部材4-aのスラ
イド止め金4-Pであり、(a-2)(a-4)は、下部スライド部
材4-bのスライド止め金4-Pである。
【図37】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1)(a-2)は、スライド止め金4-Pの斜視図である。図3
8〜図41は、引抜き防止機能の増強の実施例を示して
いる。
【図38】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図39】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図40】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図41】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1) は係合材繋ぎ部材27の構成をあらわす斜視図であ
る。図42は、新引抜き防止装置・滑り支承の実施例を
示している。
【図42】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
43〜図56は、引抜き防止装置・滑り支承の改良の実
施例を示している。
【図43】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図44】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図45】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図46】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図47】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図48】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図49】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図50】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図51】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図52】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図53】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図54】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図55】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図56】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
57〜図59は、新引抜き防止装置・滑り支承の実施例
を示している。
【図57】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図58】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図59】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
60〜図62、また図64は、重力復元型引抜き防止装
置・滑り支承の実施例を示している。
【図60】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図61】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図62】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図64】(a)(b)は免震装置・滑り支承の断面図であ
り、互いに直交方向のものである。図63は、新引抜き
防止装置・滑り支承の実施例を示している。
【図63】(a)(b)は免震装置・滑り支承の断面図であ
り、互いに直交方向のものである。図65〜図66は、
バネ付き新引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示し
ている。
【図65】免震装置・滑り支承の断面図である。
【図66】免震装置・滑り支承の断面図である。図67
〜図68は、重力復元型引抜き防止装置・滑り支承の
実施例を示している。
【図67】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図68】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
69〜図70は、重力復元型免震装置・滑り支承振動時
の垂直変位の吸収装置の実施例を示している。
【図69】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図70】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
71〜図72は、滑り型免震装置・滑り支承のダンパー
機能向上及び初滑動向上の実施例を示している。
【図71】(a) は免震皿の斜視図、(b) はその断面図で
ある。
【図72】(a) は免震皿の斜視図、(b) はその断面図で
ある。図73〜図109は、二重(または二重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承の実施例を示している。
【図73】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b) は
その断面図である。また、(a)は、(b)の免震装置・滑り
支承の構成が分かるように、上部免震皿3-a(また中間
免震皿3-m)を持ち上げて見せた構成図で、実際は、上
部免震皿3-a(また中間免震皿3-m)と下部免震皿3-b
とは接している。(a)〜(d)は、二重免震皿(上部免震皿
3-a、下部免震皿3-b)の場合、(c)(d)は、特許 18440
24号での免震復元装置との大きさの比較断面図であり、
(c) は特許 1844024号での免震復元装置、(d)は、二重
免震皿の場合である。
【図74】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b) は
その断面図である。また、(a)は、(b)の免震装置・滑り
支承の構成が分かるように、上部免震皿3-a(また中間
免震皿3-m)を持ち上げて見せた構成図で、実際は、上
部免震皿3-a(また中間免震皿3-m)と下部免震皿3-b
とは接している。(a)〜(b)は、三重免震皿(上部免震皿
3-a、中間免震皿3-m、下部免震皿3-b)の場合であ
る。
【図75】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b) は
その断面図である。(a)〜(b)は、シールまた防塵カバー
付き二重(または二重以上の)免震皿免震・滑り支承の
場合である。
【図76】免震装置・滑り支承の断面図である。
【図77】免震装置・滑り支承の断面図である。
【図78】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図79】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図80】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図81】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図82】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図83】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図84】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図85】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図86〜図87】(a) は免震装置・滑り支承の斜視
図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のもの
であり、(d) は詳細斜視図、(e)(f)はその断面図であ
り、(e)(f)は、地震振幅時の断面図である。
【図88】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図89】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図90】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図91】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図92】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図93】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図94】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図95】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図96】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図97】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図98】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図99】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図100】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図101】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図102】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図103〜図104】(a) は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のであり、(d) は詳細斜視図、(e)(f)は、地震振幅時の
断面図である。
【図105】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図106〜図107】(a) は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のであり、(d) は詳細斜視図、(e)(f)は、地震振幅時の
断面図、(g) は、滑り部上部(上面)6-u、下部(下
面)6-lに、ローラー・ボール(ベアリング)5-f、5
-eを設けた場合の平面図である。
【図108〜図109】(a) は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のであり、(d) は詳細斜視図、(e)(f)は、地震振幅時の
断面図である。図110〜図113は、重力復元型免震
装置・滑り支承の滑り部の改良の実施例を示している。
【図110】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図111】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図112〜図113】(a) は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のであり、(d) はその詳細斜視図、(e)(f)は、地震振幅
時の断面図である。図114〜図115は、滑り部垂直
変位吸収型の免震復元装置の実施例を示している。
【図114〜図115】(a)は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のであり、(d)はその断面詳細図である。図116〜図
118は、新重力復元型免震装置の実施例を示してい
る。
【図116】免震装置の断面図である。
【図117】免震装置の断面図である。
【図118】免震装置の断面図である。図119〜図1
29は、垂直免震装置の実施例を示している。
【図119〜図120】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、(d)はその断面詳細図である。
【図121〜図122】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、(d)はその断面詳細図である。
【図123】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。
【図124】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。(a-1)(a-2)
(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図である。(a
-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセットであ
る。(a-1)(a--3) は、上部スライド部材4-aのスライド
止め金4-Pであり、(a-2)(a--4) は、下部スライド部材
4-bのスライド止め金4-Pである。
【図125】免震装置を装備した建物の構成図である。
【図126】(a) は免震装置を装備した建物の構成図で
あり、(b) はその垂直免震装置の断面図である。
【図127】(a) は免震装置の斜視図、(b) はその断面
図である。
【図128】(a) は免震装置の斜視図、(b) はその断面
図である。
【図129】(a) は免震装置の斜視図、(b) はその断面
図である。図130〜図333は、固定装置の実施例を
示している。
【図130】免震装置の断面図である。
【図131】免震装置の断面図である。
【図132】(a)(b)は免震装置の断面図である。
【図133】免震装置の断面図である。
【図134】免震装置の断面図である。
【図135】(a)(b)は免震装置の断面図である。
【図136】免震装置の断面図である。
【図137】免震装置の断面図である。
【図138】免震装置の断面図である。
【図139】免震装置の断面図である。
【図140】免震装置の断面図である。
【図141】免震装置の断面図である。
【図142】免震装置の断面図である。
【図143】免震装置の断面図である。
【図144】免震装置の断面図である。
【図145】(a)(b)は免震装置の断面図である。
【図146】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図147】免震装置の断面図である。
【図148】(a) は免震装置の断面図、(b) は固定ピン
のロック(止め金等)11の平面図である。
【図149】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図150】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図151】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図152】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図153】免震装置の断面図である。
【図154】免震装置の断面図である。
【図155】免震装置の断面図である。
【図156】免震装置の断面図である。
【図157】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図158】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図159】免震装置の断面図である。
【図160】免震装置の断面図である。
【図161】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図162】免震装置の断面図である。
【図163】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図164】免震装置の断面図である。
【図165】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図166】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図167】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図168】免震装置の断面図である。
【図169】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図170】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図171】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図172】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図173】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図174】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図175】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図176】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図177】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図178】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図179】免震装置の断面図である。
【図180】免震装置の断面図である。
【図181】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図182】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図183】免震装置の断面図である。
【図184】免震装置の断面図である。
【図185】免震装置の断面図である。
【図186】免震装置の断面図である。
【図187】免震装置の断面図である。
【図188】免震装置の断面図である。
【図189】免震装置の断面図である。
【図190】免震装置の断面図である。
【図191】免震装置の断面図である。
【図192】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図193】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図194】免震装置の断面図である。
【図195】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図196】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図197】免震装置の断面図である。
【図198】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図199】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図200】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図201】(a)(b)は、免震装置の断面図である。(a)
は通常時の場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合であ
る。
【図202】(a)(b)は、免震装置の断面図である。(a)
は通常時の場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合であ
る。
【図203】(a)(b)(c)は、免震装置の断面図である。
【図204】免震装置の断面図である。
【図205】免震装置の断面図である。
【図206】免震装置の断面図である。
【図207】(a)(b)(c) は免震装置の断面図である。
【図208】免震装置の断面図である。
【図209】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図210】免震装置の断面図である。
【図211】免震装置の断面図である。
【図212】免震装置の断面図である。
【図213】免震装置の断面図である。
【図214】(a)(b)(c)は免震装置の設置配置図であ
る。
【図215】(a)(b)(c)は免震装置の設置配置図であ
る。
【図216】センサー免震皿の平面図(上図)、断面図
(下図:断面ハッチング入り)である。
【図217】(a) はセンサー免震皿の平面図(上図)、
断面図(下図:断面ハッチング入り)である。(b) はセ
ンサー免震皿の平面図(上図)、断面図(下図:断面ハ
ッチング入り)である。
【図218】(a) は固定ピン受け部材の断面図(上図:
断面ハッチング入り)、平面図(下図)である。(b) は
固定ピン受け部材の断面図(上図:断面ハッチング入
り)、平面図(下図)である。
【図219】固定ピン受け部材の断面図(上図:断面ハ
ッチング入り)、平面図(下図)である。
【図220】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図221】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図222】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図223】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図224】免震装置の断面図である。
【図225】免震装置の断面図である。
【図226】免震装置の断面図である。
【図227】免震装置の断面図である。
【図228】免震装置の断面図である。
【図229】免震装置の断面図である。
【図230】免震装置の断面図である。
【図231】免震装置の断面図である。
【図232】免震装置の断面図である。
【図233】免震装置の断面図である。
【図234】免震装置の断面図である。
【図235】免震装置の断面図である。
【図236】免震装置の断面図である。
【図237】免震装置の断面図である。
【図238】免震装置の断面図である。
【図239】免震装置の断面図である。
【図240】免震装置の断面図である。
【図241】免震装置の断面図である。
【図242】免震装置の断面図である。
【図243】免震装置の断面図である。
【図244】免震装置の断面図である。
【図245】免震装置の断面図である。
【図246】免震装置の断面図である。
【図247】免震装置の断面図である。
【図248】免震装置の断面図である。
【図249】免震装置の断面図である。
【図250】免震装置の断面図である。
【図251】免震装置の断面図である。
【図252】免震装置の断面図である。
【図253】免震装置の断面図である。
【図254】免震装置の断面図である。
【図255】免震装置の断面図である。
【図256】免震装置の断面図である。
【図257】免震装置の断面図である。
【図258】免震装置の断面図である。
【図259】免震装置の断面図である。
【図260】免震装置の断面図である。
【図261】免震装置の断面図である。
【図262】免震装置の設置配置図である。
【図263】免震装置の設置配置図である。
【図264】免震装置の設置配置図である。
【図265】免震装置の設置配置図である。
【図266】免震装置の断面図である。
【図267】免震装置の断面図である。
【図268】免震装置の断面図である。
【図269】免震装置の断面図である。
【図270】免震装置の断面図である。
【図271】免震装置の断面図である。
【図272】免震装置の断面図である。
【図273】免震装置の断面図である。
【図274】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。
【図275】免震装置の断面図である。
【図276】(a)は免震装置の断面図、(b)(b’)(c)
(c’)は部分平面図である。(b)(b’)は重り20の吊材
20-sとワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等
のガイド部材19-a との関係の部分平面図、 (c)(c’)
はワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等のガイ
ド部材19-aとの関係の部分平面図である。(b’)は(b)
部分の、(c’)は(c)部分の地震変形時のものである。
【図277】(a)は免震装置の断面図、(b)(b’)(c)
(c’)は部分平面図である。(b)(b’)は重り20の吊材
20-sとワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等
のガイド部材19-a との関係の部分平面図、 (c)(c’)
はワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等のガイ
ド部材19-aとの関係の部分平面図である。(b’)は(b)
部分の、(c’)は(c)部分の地震変形時のものである。
【図278】免震装置の断面図である。
【図279】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図280】免震装置の断面図である。
【図281】免震装置の断面図である。
【図282】免震装置の断面図である。
【図283】免震装置の断面図である。
【図284】免震装置の断面図である。
【図285】免震装置の断面図である。
【図286】免震装置の断面図である。
【図287】免震装置の断面図である。
【図288】免震装置の断面図である。
【図289】免震装置の断面図である。
【図290】免震装置の断面図である。
【図291】免震装置の断面図である。
【図292】免震装置の断面図である。
【図293】(a)は、免震装置の断面図であり、(b)(c)
は、免震装置部分の断面図である。
【図294】(a)は、免震装置の断面図であり、(b)(c)
は、免震装置部分の断面図である。
【図295】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図296】免震装置の断面図である。
【図297】免震装置の断面図である。
【図298】免震装置の断面図である。
【図299】免震装置の断面図である。
【図300】免震装置の断面図である。
【図301】免震装置の断面図である。
【図302】免震装置の断面図である。
【図303】免震装置の断面図である。
【図304】免震装置の断面図である。
【図305】免震装置の断面図である。
【図306】免震装置の断面図である。
【図307】免震装置の断面図である。
【図308】免震装置の断面図である。
【図309】免震装置の断面図である。
【図310】免震装置の断面図である。
【図311】(a)は固定装置の液体貯槽(または外部)
7-acでのロック弁管20-cpまわりの平面図、(b)は液
体貯槽(または外部)7-acとピストン状部材7-pの挿
入筒・シリンダーの付属室(地震センサー振幅装置等
の)また通路7-abにおけるその断面図である。(c)は固
定装置の液体貯槽(または外部)7-acでのロック弁管
20-cpまわりの平面図、(d)は液体貯槽(または外部)
7-acとピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーの付
属室(地震センサー振幅装置等の)また通路7-abにお
けるその断面図である。
【図312】(a)は固定装置の液体貯槽(または外部)
7-acでのロック弁管20-cpまわりの平面図、(b)は液
体貯槽(または外部)7-acとピストン状部材7-pの挿
入筒・シリンダーの付属室(地震センサー振幅装置等
の)また通路7-abにおけるその断面図である。(c)は固
定装置の液体貯槽(または外部)7-acでのロック弁管
20-cpまわりの平面図、(d)は液体貯槽(または外部)
7-acとピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーの付
属室(地震センサー振幅装置等の)また通路7-abにお
けるその断面図である。
【図313】免震装置の断面図である。
【図314】図313の増幅器部分の、(a)は立面図、
(b)は断面図、(c)は平面図である。
【図315】免震装置の断面図である。
【図316】図315の増幅器部分の、(a)は立面図、
(b)は断面図、(c)は(b)の直交方向断面図、(d)は平面図
である。
【図317】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図318】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図319】免震装置の断面図である。
【図320】免震装置の断面図である。
【図321】免震装置の断面図である。
【図322】免震装置の断面図である。
【図323】免震装置の断面図である。
【図324】免震装置の断面図である。
【図325】免震装置の断面図である。
【図326】免震装置の断面図である。
【図327】免震装置の断面図である。
【図328】免震装置の断面図である。
【図329】免震装置の断面図である。
【図330】免震装置の断面図である。
【図331】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図332】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図333】(a)(b)は、免震装置の断面図である。図3
34〜図337は、免震装置設置と基礎部分の施工に関
する合理化と戸建て用免震装置配置の実施例を示してい
る。
【図334】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図335】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図336】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。
【図337】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。図338
は、縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り支
承の実施例を示している。
【図338】(b)(c)は免震装置・滑り支承の断面図であ
り、(a)はそれらの平面図である。図339は、新積層
ゴム・バネの実施例を示している。
【図339】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。図340〜図385は、引抜き防止付き三重
(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の実施例
を示している。
【図340】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図341】図340(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図342】図340(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図343】図340(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図344】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図345】図344(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図346】図344(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図347】図344(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図348〜350】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)
はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での
立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図である。
(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)は(a)
の分解斜視図であり、(f)は上部免震皿3-aの斜視図、
(g)は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-
mの斜視図、(h)は下部免震皿3-bの斜視図である。
【図351〜図352】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(a)の分解
斜視図は、図350の(f)(g)(h)(ローラー5-fを中間
滑り部(すべり部材)6と見做せば)と同様である。
【図353】免震装置の斜視図である。
【図354】図353の断面図である。
【図355】図353の断面図である。
【図356】免震装置の斜視図である。
【図357】図356の断面図である。
【図358】図356の断面図である。
【図359〜図361】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその断面図である。(b)(c)は、(a)に示した断面切
断方向に従った断面図である。(a)図中の※(b)また※
(c)は、断面図(b)(c)の断面切断方向を示している。(d)
(e)(f)(g)は(a)の分解斜視図であり、(d)は上部免震皿
3-aの斜視図、(e)は上下繋ぎスライド部分3-sをもっ
た中間免震皿3-m1の斜視図、(f)は上下繋ぎスライド部
分3-sをもった中間免震皿3-m2の斜視図、(g)は上下繋
ぎスライド部分3-sをもった下部免震皿3-bの斜視図で
ある。
【図362〜図363】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその断面図である。(b)(c)は、(a)に示した断面切
断方向に従った断面図である。(a)図中の※(b)また※
(c)は、断面図(b)(c)の断面切断方向を示している。(a)
の分解斜視図は、図361の(d)(e)(f)(g)(ローラー5
-fを中間滑り部(すべり部材)6と見做せば)と同様で
ある。
【図364】免震装置の斜視図である。
【図365】図364の断面図である。
【図366】図364の断面図である。
【図367】免震装置の斜視図である。
【図368】図367の断面図である。
【図369】図367の断面図である。
【図370〜図372】(a)は免震装置の斜視図、(b)は
その断面図である。(b)は、(a)に示した断面切断方向に
従った断面図である。(a)図中の※は、断面図(b)の断面
切断方向を示している。(c)(d)(e)(f)(g)は(a)の分解斜
視図であり、(c)は上部免震皿3-aの斜視図、(d)は上下
繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-m1の斜視
図、(e)は中間免震皿3-m2の斜視図、(f)は上下繋ぎス
ライド部分3-sをもった中間免震皿3-m3の斜視図、(g)
は下部免震皿3-bの斜視図である。
【図373〜図374】(a)は免震装置の斜視図、(b)は
その断面図である。(b)は、(a)に示した断面切断方向に
従った断面図である。(a)図中の※は、断面図(b)の断面
切断方向を示している。(a)の分解斜視図は、図372
の(c)(d)(e)(f)(g)(ローラー5-fを中間滑り部(すべ
り部材)6と見做せば)と同様である。
【図375〜図377】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間
免震皿3-mの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視
図である。
【図378〜図380】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間
免震皿3-mの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視
図である。
【図381】免震皿同士をつなぐ、上下繋ぎスライド部
材・部分3-sの断面図である。
【図382】(a)は、免震皿同士をつなぐ、上部スライ
ド部材4-aと上部スライド部材の下部材4-alとの断面
図である。(b)(c)は、免震皿同士をつなぐ、上下繋ぎス
ライド部材・部分3-s、の断面図である。
【図383】(a)は、免震皿同士をつなぐ上下ガイドス
ライド部材・部分3-gの断面図である。(b)は、免震皿
同士をつなぐ上下ガイドスライド部材・部分3-gの断面
図である。
【図384】(a)は、免震皿と上下繋ぎスライド部材・
部分3-sとの間にL型の保持器5-gをもったローラー5
-fを設けた場合の斜視図、(b)は、その断面図であり、
水平中心軸の上と下とは、90度回転した断面図同士で
ある。
【図385】(a)(b)(c)は、免震装置の分解斜視図であ
り、(a)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(b)は上下繋ぎ
スライド部材3-sの斜視図、(c)は下部(側)免震皿3-b
の斜視図である。図386は、復元バネ免震装置の実施
例を示している。
【図386】(a)(b)は免震装置の断面図である。図38
7〜図391は、地震発電装置の実施例を示している。
【図387】免震装置の断面図である。
【図388】免震装置の断面図である。
【図389】免震装置の断面図である。
【図390】免震装置の断面図である。
【図391】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。図39
2〜図393は、中間滑り部(転がりすべり中間型)の
実施例を示している。
【図392】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図393】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。図394〜図418は、引抜き防止装置・滑り支承
の改良の実施例を示している。
【図394〜図395】(a)は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のである。(d)は上下繋ぎスライド部材3-sの斜視図で
ある。
【図396〜図398】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下繋ぎスライド部材3-sの斜視図、(h)
は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図399〜図400】(a)は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のである。(d)は上下繋ぎスライド部材3-sとボール
(ベアリング)5-eの斜視図である。
【図401〜図403】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)(f)(g)は(a)の分解斜視図であり、(e)は上部
(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎスライド部材
3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-bの斜視図であ
る。
【図404〜図405】(a)は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のである。(d)は上下繋ぎスライド部材3-sと中間滑り
部6の斜視図である。
【図406〜図408】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)(f)(g)は(a)の分解斜視図であり、(e)は上部
(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎスライド部材
3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-bの斜視図であ
る。
【図409〜図410】(a)は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のである。(d)は上下繋ぎスライド部材3-sとボール
(ベアリング)5-eの斜視図である。
【図411〜413】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)
はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での
立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図である。
(e)(f)(g)は(a)の分解斜視図であり、(e)は上部(側)免
震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎスライド部材3-sの
斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図414〜図415】(a)は免震装置・滑り支承の斜
視図、(b)(c)はその断面図であり、互いに直交方向のも
のである。(d)は上下繋ぎスライド部材3-sと中間滑り
部6の斜視図である。
【図416〜図418】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)(f)(g)は(a)の分解斜視図であり、(e)は上部
(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎスライド部材
3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-bの斜視図であ
る。図419〜図479は、回転・捩れ防止装置の実施
例を示している。
【図419】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図420】図419(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図421】図419(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図422】図419(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図423】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図424】図423(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図425】図423(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図426】図423(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図427〜図429】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部分3-gをもった中
間免震皿3-mの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜
視図である。
【図430〜図432】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図433〜図435】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)(f)(g)は(a)の分解斜視図であり、(e)は上部
(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下ガイドスライド部
材3-gの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-bの斜視図で
ある。
【図436】(a)は、図433(a)〜図434(d)及び図
435(f)の上下ガイドスライド部材3-gを示した斜視
図である。(b)、(c)は上部(側)免震皿3-a(上部スライ
ド部材)または下部(側)免震皿3-b(下部スライド部
材)と上下ガイドスライド部材3-g(中間部スライド部
材)の関係からbを示した平面図である。
【図437〜図439】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部分3-gをもった中
間免震皿3-mの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜
視図である。
【図440〜図442】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図443〜図445】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図446〜図447】(a)は免震装置の斜視図であ
り、(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図であり、
(d)(e)(f)は(a)の分解斜視図であり、(d)は上部(側)免
震皿3-aの斜視図、(e)は上下ガイドスライド部材3-g
の斜視図、(f)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図448〜図449】(a)は免震装置の斜視図であ
り、(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図であり、
(d)(e)(f)は(a)の分解斜視図であり、(d)は上部(側)免
震皿3-aの斜視図、(e)は上下ガイドスライド部材3-g
の斜視図、(f)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図450〜図452】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図453〜図454】(a)は免震装置の斜視図であ
り、(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図であり、
(d)(e)(f)は(a)の分解斜視図であり、(d)は上部(側)免
震皿3-aの斜視図、(e)は上下ガイドスライド部材3-g
の斜視図、(f)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図455〜図457】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図458】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図459】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図460】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図461】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図462〜図464】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図465〜図466】(a)は免震装置の斜視図であ
り、(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図であり、
(d)(e)(f)は(a)の分解斜視図であり、(d)は上部(側)免
震皿3-aの斜視図、(e)は上下ガイドスライド部材3-g
の斜視図、(f)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図467〜図469】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図470〜図471】(a)は免震装置の斜視図であ
り、(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図であり、
(d)(e)(f)は(a)の分解斜視図であり、(d)は上部(側)免
震皿3-aの斜視図、(e)は上下ガイドスライド部材3-g
の斜視図、(f)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図472〜図474】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部分3-gをもった中
間免震皿3-mの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜
視図である。
【図475〜図477】(a)は免震装置の斜視図、(b)
(c)はその立面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向
での立面図である。(d)は(b)と平行位置での断面図であ
る。(e)は(c)と平行位置での断面図である。(f)(g)(h)
は(a)の分解斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの
斜視図、(g)は上下ガイドスライド部分3-gをもった中
間免震皿3-mの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜
視図である。
【図478】図427〜図429等の三重(また三重以
上の)免震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a
の斜視図、または下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図479】図427〜図429等の三重(また三重以
上の)免震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a
の斜視図、または下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
図480〜図481は、緩衝材付支承の実施例を示して
いる。
【図480】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。
【図481】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。図482〜図484は、弾性材・塑性材敷き支
承の実施例を示している。
【図482】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。
【図483】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、(b)は通常時の、(c)は地震振幅時の断面図
である。
【図484】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。図485〜図486は、変位抑制装置と衝突衝
撃吸収装置の実施例を示している。図485(c)のみ変
位抑制装置の実施例である。
【図485】(a)(b)は免震装置の断面図であり、(a)は
通常時の、(b)は地震振幅時の断面図である。(c)は、変
位抑制装置の断面図である。
【図486】(a)(b)は免震装置の断面図であり、(a)は
通常時の、(b)は地震振幅時の断面図である。図487
〜図488は、共振のない滑り型免震装置の解析プログ
ラムのフローチャートを示している。
【図487】Runge-Kutta法による解析プログラムのフ
ローチャート
【図488】Wilsonθ法による解析プログラムのフロー
チャート図489〜図490は、免震用設備の実施例を
示している。
【図489】免震用排水設備の断面図である。
【図490】免震用排水設備の断面図である。図491
〜図492は、ユニット構法の場合の上部構造土台また
基礎部分への免震装置設置方法の実施例を示している。
【図491】(a)はユニットに免震装置を取付けた場合
の立面図である。(b)はその一部詳細平面図である。
【図492】(a)はユニットに免震装置を取付けた場合
の組立て立面図である。(b)はその組立て後のユニット
の下部材(土台)52から下を見た平面図である。図4
93〜図507は、ユニット構法の場合の上部構造土台
また基礎部分への免震装置設置方法の実施例の詳細を示
している。図493は、全体の姿図であり、図494〜
図499は隣接するユニットの無い建物角部の免震装置
取付け図、図500〜図505は隣接するユニットがあ
る部分の免震装置取付け図、図506、図507は、免
震装置取付け板と拘束金物の図である。
【図493】ユニット土台また基礎部分に免震装置を取
付けた場合の組立て斜視図である。
【図494】(a)は隣接するユニットの無い建物角部に
おいて、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有する場
合の斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図495】図494の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図496】(a)は隣接するユニットの無い建物角部に
おいて、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有する場
合であるが拘束金物を併用した場合の斜視図であり、
(b)はその断面図である。
【図497】図496の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図498】(a)は隣接するユニットの無い建物角部に
おいて、ユニット下部梁にアンカーボルト孔が無い場合
で、2方向のユニット下部梁に拘束金物を用いた場合の
斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図499】図498の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図500】(a)は隣接するユニットがある部分の免震
装置取付け部において、ユニット下部梁にアンカーボル
ト孔を有する場合の斜視図であり、(b)はその断面図で
ある。
【図501】図500の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図502】(a)は隣接するユニットがある部分の免震
装置取付け部において、ユニット下部梁にアンカーボル
ト孔を有する場合であるが、拘束金物を併用した場合の
斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図503】図502の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図504】(a)は隣接するユニットがある部分の免震
装置取付け部において、ユニット下部梁にアンカーボル
ト孔が無い場合で、2方向のユニット下部梁に拘束金物
を用いた場合の斜視図であり、(b)はその断面図であ
る。
【図505】図504の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図506】(a)は拘束金物59による免震装置取付け
板と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断面図であ
る。拘束金物は、必要により複数設けるものとする。
【図507】(a)は拘束金物59-2、59-3による免震
装置取付け板と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断
面図である。
【符号の説明】
A…支持される構造体また免震される構造体、 B…支持される構造体また免震される構造体Aを支持す
る構造体、 C…復元装置(重力復元型免震装置・滑り支承、積層ゴ
ム型またバネ型を含む)、 D…免震装置・滑り支承、E…外れ防止装置、 F…引抜き防止装置・滑り支承、 G…固定装置、 G-d…地震感度の高い固定装置、 G-s…地震感度の低い固定装置、 G-wd …風力感度の高い固定装置、 G-ws …風力感度の低い固定装置、 G-m…リレー中間固定装置、 G-m1…リレー中間固定装置(リレー一番目)、 G-m2…リレー中間固定装置(リレー二番目)、 G-mn…リレー中間固定装置(リレーn番目)、 G-e…リレー末端固定装置、 H…水平免震装置、 I…垂直免震装置、 J…地震センサー(振幅)装置、 J-a…地震センサー振幅装置、 J-b…地震センサー(地震センサーからの信号により固
定装置の固定装置の作動部を作動させる電源付)、 J-k…地震発電装置型地震センサー、 K…地震発電装置、 L…回転・捩れ防止装置、 b…上部(側)免震皿3-a及び下部(側)免震皿3-bが角度φ
/2ずつ回転して、上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及
び上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-dと、接
触する部分の角を角度φ/2で面取りした斜辺の長さ、 d…上部(側)免震皿3-a及び下部(側)免震皿3-bと、上下
ガイドスライド部分のガイド部3-dとの隙間の間隔、 h…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイド
スライド部材・部分3-gのガイド部3-dの、張り出して
いる長さ、 l…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイド
スライド部材・部分のガイド部3-dの、移動方向の長
さ、 t…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイド
スライド部材・部分のガイド部3-dの肉厚、 φ…回転・捩れ防止装置が許容する回転角、 1…免震される構造体およびその部材、 1-s…免震される構造体のスラブ、 1-a…免震される構造体の部材からなるピストン状部材
2-pの挿入筒(連結部材)、 1-p…免震される構造体の部材からなるピストン状部材
(連結部材)、 1-g…免震される構造体の固定装置の支持部材(連結部
材)、 1-x…免震される構造体の固定装置の支持部材同士を繋
ぐユニバーサル回転接点(連結部材)、 2…支持される構造体また免震される構造体Aを支持す
る構造体およびその部材また基礎部分、 2-a…免震される構造体を支持する構造体の部材からな
るピストン状部材1-pの挿入筒(連結部材)、 2-p…免震される構造体を支持する構造体の部材からな
るピストン状部材(連結部材)、 2-g…免震される構造体を支持する構造体の部材からな
る支持部材(連結部材)、 2-x…免震される構造体の部材からなる支持部材同士を
繋ぐユニバーサル回転接点(連結部材)、 3…免震皿、 3-a…上部免震皿、または上側免震皿(二重以上の免震
皿免震装置・滑り支承の中間滑り部を挟む上側免震
皿)、または上部スライド部材、 3-b…下部免震皿、または下側免震皿(二重以上の免震
皿免震装置・滑り支承の中間滑り部を挟む下側免震
皿)、または下部スライド部材、 3-m…中間免震皿、または中間部スライド部材、 3-m1…中間免震皿(その1)、 3-m2…中間免震皿(その2)、 3-m3…中間免震皿(その3)、 3-m4…中間免震皿(その4)、 3-m5…中間免震皿(その5)、 3-m6…中間免震皿(その6)、 3-t…免震皿の摩擦係数の違う滑り部の区分け線(実際
は線などない)、 3-s…上下繋ぎスライド部材・部分(免震皿同士をつな
ぐスライド部材・部分)、 3-g…上下ガイドスライド部材・部分、外ガイド部、内
ガイド部、 3-gi…上下ガイドスライド部材・部分が挿入する溝、 3-c…免震皿の側面の周囲のシールまた防塵カバー、 3-d…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイ
ドスライド部材・部分3-gのガイド部、 3-u…免震皿上の出っ張り、 3-v…免震皿上の窪み(免震皿上の出っ張り3-uの入込
む)、 3-e…免震皿に敷かれるか、付着させた弾性材・塑性
材、 3-r…ラック、 3-l…ガイド、 4…スライド部材、 4-i…内側のスライド部材、 4-o…外側のスライド部材、 4-oi…二番目以降のスライド部材、 4-p…スライド止め金、 4-v…上のスライド孔、 4-a…上部スライド部材、 4-as …上部スライド部材の免震皿、 4-al …上部スライド部材の下部材、 4-al1…上部スライド部材の下部材、 4-al2 …上部スライド部材の下部材、 4-b…下部スライド部材、 4-bs …下部スライド部材の免震皿、 4-bu …下部スライド部材の上部材、 4-bu1 …下部スライド部材の上部材、 4-bu2 …下部スライド部材の上部材、 4-m…中間部スライド部材、 4-mm …中間部スライド部材の中間材、 4-av …上部スライド部材の上のスライド孔、 4-bv …下部スライド部材の上のスライド孔、 4-alv…上部スライド部材の下部材の上のスライド孔、 4-buv…下部スライド部材の上部材の上のスライド孔、 4-c…スライド部材の押さえ部材(プレート等の)、 4-s…スライド部材の押えバネ等(バネ・空気バネ・ゴ
ム・積層ゴム等の弾性体または磁石(磁石同士の反発力
吸引力等を使った)等の弾性体を「バネ等」と称す
る)、 4-fs …スライド部材の押え板バネ等、 4-t … スライド部材を支持する束材、 5…ローラー・ボール(ベアリング)部若しくは滑り部
(滑り部という)、 5-a…垂直免震装置また滑り部の筒、 5-b…垂直免震装置また滑り部の筒に挿入されるバネ
等、 5-c…垂直免震装置また滑り部の筒に挿入されるバネ等
の先に取付く滑り部先端、 5-d…垂直免震装置また滑り部の筒のバネ等の押さえ雄
ネジ、 5-e…ボール(ベアリング)、 5-f…ローラー(ベアリング)、 5-fr…ローラー(ベアリング)の歯車、 5-fl…ローラー(ベアリング)のガイド挿入溝、 5-er …ボールベアリング循環式転がり案内リターン穴
・リターンボール列、 5-fr …ローラーベアリング循環式転がり案内リターン
穴・リターンローラー列、 5-g…保持器(玉軸受・ころ軸受)、 5-u…滑り部上部(上面)、 5-l…滑り部下部(下面)、 6…中間滑り部またローラー・ボール(ベアリング)を
もった中間滑り部(中間滑り部という)、 6-u…滑り部上部(上面)、 6-l…滑り部下部(下面)、 6-a…第一中間滑り部、 6-b…第二中間滑り部、 6-c…第三中間滑り部、 6-d…ローラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑
り部のすべり部分、 7…固定ピン、固定係合摩擦材、ピン(以下の枝番に関
しては、遅延器・地震発電装置・ダンパーのピストン状
部材の頭部の説明番号にも使用)、 7-a…ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダー(固定
ピン取付け部)、 7-aa…ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーへの
前室、 7-ab…ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーの付
属室(地震センサー振幅装置等の)また通路、 7-abj…ピストン状部材7-pの挿入筒7-aから付属室7
-abへの通路口、 7-ac…液体貯槽または外部、 7-acj…ピストン状部材7-pの挿入筒または付属室7-a
bからの液体貯槽7-acまたは外部への出口・出口経路、 7-acjr…出口経路7-acjのロック弁20-lに周囲に円
環状部分、 7-ao…挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を
満たす液体等またはその液体等の高さレベル、 7-b…固定ピンの取付け取外しのためのねじ切り、 7-c…固定ピンのロックのための欠き込み・溝・窪み、 7-d…雄ネジ、 7-e…管、 7-ec…他の固定装置への連結管、 7-er…戻り管・戻り経路・戻り口(液体貯槽7-acまた
は外部からのピストン状部材7-pの挿入筒または付属室
7-abへの戻り口)、 7-f…弁、 7-fs…逆止弁、 7-fso…逆止弁(管状の弁)の開口、 7-fb…ボール型弁、 7-fn…ノズル型ダンパー弁、 7-sf…スライド式ロック弁、 7-sfo…スライド式ロック弁の開口孔、 7-sff…スライド式ロック弁の開口孔でない部分、 7-sfp…スライド式ロック弁の抵抗板、 7-ef…電動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧(液圧・空
圧)式弁、バルブ、 7-mf…手動弁(強風時手動固定用の)、 7-g…水平架台、 7-h…作用部(押出し部・引張り部等)、 7-i…弁7-fを常に閉じる状態にするバネ等、 7-j…孔(また溝)、 7-jo…気体が筒中7-aから出る孔、 7-ji…気体が筒中7-aへ入る孔、7-ja…空気抜き管、 7-jc…他の固定装置への連結口、 7-jcf…連結口7-jcの塞ぎ材(連結口を使用しない場
合の)、 7-jn…ダンパー弁7-fnのノズル状の孔、 7-jr…戻り孔・溝、 7-js…シリンダー・ピストン状部材に設けられた管・
溝、 7-k…第1のロック部材7-lが差し込まれる欠き込み・
溝・窪み、 7-l…第1のロック部材、 7-m…第2のロック部材7-nが差し込まれる欠き込み・
溝・窪み、 7-n…第2のロック部材、 7-o…バネ等、 7-p…ピストン状部材(固定装置の作動部・ダンパーの
作動部)、 7-pa…表面に溝7-prを持ち、回転心棒7-xにより自由
に回転できる円筒状のピストン状部材、 7-pb…ピストン状部材7-paと回転心棒7-xにより連動
し、ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8の支持点
7-zを持つ部材、 7-pc…挿入筒7-a開口部の防塵・防水カバー、 7-pd…防塵・防水カバー7-pcのシール部材、 7-pg…ピストン状部材7-paの表面に設けられたガイド
(ピン7-phがその中にはまった状態で、ピストン状部
材7-paが動く)、 7-ph…ガイド7-pgにはまり込んで、ピストン状部材7
-paの動きを規定するピン、 7-pha…ピン7-phの挿入筒、 7-pi…ガイド7-pg上で、ピストン状部材7-paが筒7-
aの外に最も出たときに、ピン7-phが位置する点、 7-pj…ガイド7-pg上で、ピストン状部材7-paが筒7-
aの中に最も入ったときに、ピン7-phが位置する点、 7-pk…ガイド7-pgの直線部分、 7-pl…ガイド7-pgの曲線部分、 7-pm…固定ピン7から突出するアーム部材、 7-pp…風センサーのピストン状部材からの液体を送る
管、 7-psa…(分離型固定ピンの)外部側固定ピン、 7-psb…外部側固定ピン7-psaの、内部側固定ピン7-psc
と接する端部、 7-psc…(分離型固定ピンの)内部側固定ピン、 7-psd…内部側固定ピン7-pscの、外部側固定ピン7-psa
と接する端部、 7-q…風センサー(風センサーからの信号により固定装
置の固定ピンを作動させる電源付)、 7-qd…風力発電機型風センサー、 7-ql…風センサー・地震センサーからの信号線(ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッド、電気コード、また
は、油等の液体または気体の流れる管)、 7-r…風圧を受ける板(風圧板)、 7-s…剪断ピン型固定ピン、 7-t…風圧板と連動する油圧ポンプ、 7-u…固定装置を作動させる油圧ポンプ、 7-v…固定ピン等の挿入部(支持側でない固定側の場合
は、固定ピン受け部材)、 7-vs…挿入部7-v上部の滑り面、 7-vsh…挿入部7-v上部の滑り面を支える支持材、 7-vm …固定ピンのすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入
部(固定ピン受け部材)、 7-vmc…固定ピンのすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入
部で中心部だけ、曲率半径を小さくするか、勾配を強く
したもの(固定ピン受け部材)、 7-vmr …固定ピン(あるいはその先端7-w)を受ける
凸凹形態部材(固定ピン受け部材)、 7-vmt …固定ピン(あるいはその先端7-w)を受ける
すり鉢状・球面状等の凸形態の部材(固定ピン受け部
材)、 7-vn …固定ピン(あるいはその先端7-w)を受ける平
板(固定ピン受け部材)、 7-w…固定ピン先端、 7-wm…摩擦抵抗の大きい摩擦材、 7-x…回転軸・回転心棒、回転軸挿入部、 7-y…尾翼、 7-z…ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド8の支持
点、 8…ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等、 8-f…ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材(連結
部材)、 8-fj…ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材また
はバネ等の支持点(フレキシブルジョイント)、 8-d…ロッド等、 8-e…ロッド等8-dの端部、 8-j…ロッド等8-dのフレキシブルジョイント、 8-u…上弦材、 8-l…下弦材、 8-r…レリーズ、 8-rf …レリーズの固定材、 8-y …吊材20-sに設けた、ワイヤー、ロープ、ケー
ブル、ロッド等8の、引張の調節ができ、回転による捩
れを許容する支持点、 8-z …ロッド等8-dの、垂直方向に拘束され、水平方
向には自由に回転できる継手、 9…バネ等、 9-c…圧縮用のバネ等、 9-t…引張用のバネ等、 9-u…水平振動用バネ等、 10…バネ等の止め部材(その直下の免震される構造体
(逆の場合は免震される構造体を支持する構造体)等に
取付けられている)、 11…固定ピンのロック部材(固定ピンをロックする部
材)、 11-a…固定ピンのロック部材のロック部材(固定ピン
のロック部材をロックする部材)、 11-o…固定ピン7とロック部材11との間の遊び、 11-s…固定ピンのロック部材11のスライドを可能と
してスライド方向以外を拘束する固定材、 11-v…固定ピンのロック部材11のロック孔、 11-x…固定ピンのロック部材11の回転心棒、 12…固定ピンの吊材、 12-f…固定ピンの吊材・バネ等の取付け部(取付け部
12-fのある方の免震される構造体か、支持される構造
体また免震される構造体を支持する構造体かに取付けら
れる)、 13…地震センサー振幅装置(振り子型)、 14…地震センサー振幅装置(重力復元型)、 15…地震センサー振幅装置(バネ復元型)、 15-s…地震センサー振幅装置15の感度調整ネジ、 16…切断刃、 17…地震センサー(振幅)装置の作用部(押出し部・
引張り部等)、 18…クッション材、また粘性材等の緩衝材、 19…ワイヤー、ロープまたケーブル用滑車、 19-a…ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8の変
位を引張(圧縮)方向のみに変換し、かつ抵抗にならな
いローラー等のガイド部材、 19-i…滑車19の回転軸及び取付け部、 20…重り、地震センサー(振幅)装置の地震時に振動
する重り(不動点状態は地面から見ると相対化して振動
状態に見える。重りの振動数が地震の振動数に近付く
と、つまり共振域に近付くと本当に振動する)、 20-a…(重りにもなる)周囲材、 20-b…ボール型重り、 20-bb…ボール型重りに組込まれた小球、 20-bs…ボール型重り20-bの上部押え(固定装置本
体に取付けられている)、 20-c…ピストン状部材7-pの挿入筒7-aまたは付属室
7-abからの液体貯槽7-acまたは外部への出口・出口経
路acjと重り20、20-bとの隙間のカバー材、 20-cc…ピストン状部材7-pの挿入筒7-aまたは付属
室7-abからの液体貯槽7-acまたは外部への出口・出口
経路acjと重り20、20-bとの隙間のカバーとなる
管、 20-cp…重り20、20-bの作動によって出口・出口
経路acjの弁となるロック弁管、 20-cpd…ロック弁管の段差、 20-cpk…ロック弁管の錐形部、 20-cpt…ロック弁管の重りと接する先端部、 20-cpo…ロック弁管の開口、 20-cpi…ロック弁管の吸込み口、 20-cps…ロック弁管の支え(固定装置本体に取付けら
れている)、 20-cpss…ロック弁管の支えと地震センサー振幅装置
の重り20、20-bを滑動(すべり・転がり)させる球
面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り
面部(すべり・転がり面部、以下同じ)センサー免震皿
兼用のもの(固定装置本体に取付けられている)、 20-cpssu…センサー免震皿20-cpssと平行の曲面の
重り20、20-bの上部押え(固定装置本体に取付けら
れている)、 20-cpso…ロック弁管の支えの開口、 20-cs…固定装置本体に取付けられて管20-cpを受け
て通常時の管20-cpからの流れを遮断するた受け材
(固定装置本体に取付けられている)、 20-d…起き上り小法師型重り、 20-da…起き上り小法師型重り20-dの重り部、 20-db…起き上り小法師型重り20-dの繋ぎ部、 20-dc…起き上り小法師型重り20-dの弁部、 20-e…重りによる弁、 20-f…重り20、20-aの吊材の取付け部(免震され
る構造体を支持する構造体に取付けられる)、 20-h…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支点、 20-i…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支点を受ける支持部、 20-j…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支持材、 20-k…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支持バネ等、 20-l…ロック弁、 20-ld…ロック弁の段差、 20-lk…ロック弁管の錐形部、 20-lt…ロック弁20-lの重りと接する先端部、 20-ls…固定装置本体に取付けられてロック弁20-l
を受けて通常時の流れを遮断するた受け部(固定装置本
体に取付けられている)、 20-s…重り20、20-aの吊材、 20-p…ロック弁20-lと連動して重り20、20-b、
20-eと接するピン、 20-pu…ピン20-pの上部部材、 20-pd…ピン20-pの下部部材、 20-pp…ピン20-pの上部部材と下部部材とを連結す
るピン、 20-pds…ピン20-pの下部部材を押すバネ等、 20-pr…ピン20-pに刻まれたラック、 21…固定装置自動復元装置、 22…固定装置自動制御装置、 22-a…固定装置自動制御装置(電磁石)、 22-b…固定装置自動制御装置(モーター)、 23…電線、 23-c…電気等の接点、 24…振幅調整のためのスライド装置、 25…バネ等、 25-a…復元用のバネ等、 25-b…外れ防止用のバネ等、 26…緩衝材・弾性材・塑性材、26-a…緩衝材、 26-b…弾性材、 26-c…緩衝材・弾性材をもった剛性部材、 27…係合材繋ぎ部材、 27-p…係合材繋ぎ部材の押さえワッシャーまたプレー
ト、 28…硬質板(積層ゴム)、 29…ゴムまたバネ(空気バネ含む)本体、 30…有機溶剤で溶けるプラスチックか水で溶けるプラ
スチック、 31…(新重力復元型免震装置の、地震センサー(振
幅)装置の、固定装置の、ダンパーの)ラッパ状・すり
鉢状等の挿入口またはコロを持った挿入口、 32…滑り部垂直変位吸収のスライド装置、 33…地面、 34…復元用のバネ等のラッパ状・すり鉢状等のまたは
コロを持った挿入口、 35…免震皿の、滑り部、中間滑り部、ボールまたロー
ラー等の窪み、 36…連動機構、 36-a…ピン、 36-b…梃子、 36-bf…梃子による弁部、 36-c…ラック、 36-cp…ラック板、 36-ca…移動方向毎に異なる角度で傾斜した歯を持つ
ラック、 36-cb…ラック36-caを持ち、固定ピン7から突出す
るアーム部材7-pmに支点36-ccで接続された可動部
材、 36-cc…アーム部材7-pmに可動部材36-cbが接続す
る可動な支点、 36-cd…ラック、重り等の滑り台、 36-cg…ガイド(スライド部材36-csを支持する)、 36-cs…スライド部材(表面にラック36-cを持
つ)、 36-cw…重量を自由に変更できる重り、 36-d…歯車、 36-di…歯車の回転軸及び取付け部、 36-dti…歯車への梃子の取付け部(梃子の作用点)、 36-da…回転方向毎に異なる角度で傾斜した歯を持つ
歯車、 36-e…歯車、 36-ea…歯車の回転軸について一体になった小歯車、 36-ei…歯車の回転軸及び取付け部、 36-f…動滑車、 36-g…定滑車、 36-h…梃子の支点、 36-hs…梃子の支点の支持部、 36-i…滑車・歯車の回転軸及び取付け部、 36-il…滑車・歯車の回転軸を自由にスライドできる
ように支持する軸受、 36-j…梃子の作用点で、梃子に取付いたワイヤー、ロ
ープ、ロッド等8の支持点、 36-ja…梃子の作用点で、ロック部材11の支持点、 36-k…歯車に取付いたワイヤー、ロープ、ロッド等8
の支持点、 36-l…梃子の力点で、重り20、20-b、またはロッ
ク弁20-lからの梃子への力の伝達点、 36-m…梃子の力点の挿入部、 36-n…ガンギ車、 36-o…アンクル、 36-p…アンクル36-oのつめ(1)、 36-q…アンクル36-oのつめ(2)、 36-r…アンクル36-oの支点、 36-s…フレキシブル材、 36-t…フレキシブル継手、 36-ta…フレキシブルな保護カバー、 36-u…表面部材、 36-ue…表面部材36-uの緩斜面、 36-us…表面部材36-uの急斜面、 36-um…表面部材36-uの面材、 36-vm…地震センサー振幅装置の重り20、20-bを
滑動(すべり・転がり)させる球面・すり鉢または円柱
谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり・転がり
面部、以下同じ)免震皿(センサー免震皿)、 36-vmc…中央部センサー免震皿、 36-vmo…外周部センサー免震皿、 36-vmr…センサー免震皿36-vmにおける中心部(通
常位置)への戻りルート(路)、 36-vmri…センサー免震皿36-vmにおける戻り口、 36-w…水車(風車)、 36-wa…水車(風車)の羽根(可撓性のある)、 36-wb…水車(風車)の羽根36-waを(撓まないよう
に)支持する部材、 36-z…横長な形状の穴(増幅器等で引張力のみ伝え、
圧縮力を伝えないための、あるいはその逆)、 37…入力連動部、 38…出力連動部、 39…ボルト等でのピン状態固定、 40…(引張力限定伝達装置の)L型の部材、 41…土台等の基礎の上の横架材、 42…構造用合板等、 43…柱、 44…発電機、 45…ロック部材制御装置(電磁石)、 46…ロック部材制御装置(モーター)、 47…ロック部材制御装置、 48…排水管、 48-2…中間排水枡の排水管、 48-p…排水管に設置された(中間)排水枡のふた、 48-ps…排水管に設置された排水枡のふたと排水枡と
の間の弾性シール、 49…排水枡、 50…中間排水枡、 50-b…中間排水枡の復元バネ等の弾性体、 51…ユニット本体、 51’…隣接ユニット本体、 52…ユニット下部材(土台)、 52’…隣接ユニット下部材(土台)、 53…ユニット柱、 53’…隣接ユニット柱、 54…免震装置(特に免震支承)、 55…免震装置のはみ出し部、 56…免震装置の基礎、 57…免震装置取付け用火打ち梁、 58…免震装置取付け板、 59…拘束金物(1)、 59-2…拘束金物(2)、 59-3…拘束金物(3)、 60…ボルト(免震装置を取付けるボルト)、 61…ボルト(火打ち梁を取付けるボルト)、 62…ボルト(ユニット下部材のアンカーボルト用孔等
に用いるボルト)、 62-2…ボルト(ユニット柱下面のアンカーボルト用孔
等に用いるボルト)、 63…ボルト(拘束金物の取付けボルト)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月8日(2002.3.8)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 免震装置、滑り支承また免震構造
【特許請求の範囲】 A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
型免震装置・滑り支承
【請求項24−2】免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
れ、 かつ、上部スライド部材を構成する下部材、下部スライ
ド部材を構成する上部材のどちらか、または両方が、そ
れぞれのスライド部材の対辺同士に設けられた引掛け部
または引掛かり部に掛り合うことにより、それぞれのス
ライド部材に対して上下方向は拘束されながら水平方向
にスライドするように構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
【請求項28−2】免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
材と中間部スライド部材と下部スライド部材とからな
り、 上部スライド部材と中間部スライド部材とを、中間部ス
ライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方
向に、双方のスライド孔に係合し、スライドできるよう
に構成され、 かつ、上部スライド部材を構成する下部
材、下部スライド部材を構成する上部材のどちらか、ま
たは両方が、それぞれのスライド部材の対辺同士に設け
られた引掛け部または引掛かり部に掛り合うことによ
り、上部スライド部材、下部スライド部材それぞれに対
して上下方向は拘束されながら、水平方向にスライドす
るように構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良
【請求項29−2】免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体において、 引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
ド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設けら
れた引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合うことに
より、 上側免震皿と下側免震皿とは上下方向には繋がれ、水平
方向にはスライド可能なように構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体。
【請求項29−3】免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体において、 引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
ド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設けら
れた引掛かり部(または引掛け部)に対し、内側から掛
かり合う(入り込む)ことによって、上側免震皿と下側
免震皿とは上下方向には繋がれ、水平方向にはスライド
可能なように構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体。
【請求項29−4】免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体において、 引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
ド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設けら
れた引掛かり部(または引掛け部)に対し、外側から掛
かり合う(入り込む)ことによって、上側免震皿と下側
免震皿とは上下方向には繋がれ、水平方向にはスライド
可能なように構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体。
【請求項32−2】請求項29項から請求項32項のい
ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 上下繋ぎスライド部材と免震皿との接触部分にボールも
しくはローラー等の転動体または低摩擦材を設けること
により構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化
【請求項34−2】請求項34項記載の免震皿の滑り面
部において、滑り面部の勾配が、以下の式を満たすよう
に構成されてなることを特徴とするダンパー、またそれ
による免震構造体。 Z=p・X^n ただし X : 免震皿の中央部からの水平変位 Z : 免震皿が構成する曲面上で、水平変位Xに伴い生
じる鉛直変位 p、n : 曲面の方程式の係数 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承
【請求項37−2】請求項35項または請求項36項記
載の上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿による三重免
震皿免震装置・滑り支承において、 上部免震皿と中間免震皿とが、(平行する対辺同士で)
引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
ド部材、または引掛け部(または引掛かり部)が免震皿
自体に設けられた上下繋ぎスライド部分が、免震皿に設
けられた引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合うこ
とによって繋がれ、それと交差する方向に、中間免震皿
と下部免震皿とが、(平行する対辺同士で)引掛け部
(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライド部材、
または引掛け部(または引掛かり部)が免震皿自体に設
けられた上下繋ぎスライド部分が、免震皿に設けられた
引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合うことによっ
て、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが相互に係
合連結されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体。
【請求項38−2】請求項35項または請求項36項記
載の免震装置・滑り支承において、中間免震皿が複数個
あって、それらの中間免震皿が、(平行する対辺同士
で)引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎス
ライド部材、または引掛け部(または引掛かり部)が免
震皿自体に設けられた上下繋ぎスライド部分が、免震皿
に設けられた引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合
うことによって相互に掛かり合い繋がれ、順次係合連結
されてゆくことにより構成されてなることを特徴とする
免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 (6) 上下繋ぎスライド部材・部分
【請求項38−3】請求項37項から請求項38−2項
のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 上下繋ぎスライド部材または上下繋ぎスライド部分と免
震皿との接触部分にボールもしくはローラー等の転動体
または低摩擦材を設けることにより構成されてなること
を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
構造体。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 4.2.1. 中間滑り部(一重) 4.2.1.1. 中間滑り部
【請求項58−2】請求項35項から請求項57項のい
ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 免震皿が複数個あって、それらの免震皿が、(平行する
対辺同士で)免震皿自体に設けられた引掛け部(または
引掛かり部)からなる上下繋ぎスライド部分が、上下に
重なり合う免震皿に設けられた引掛かり部(または引掛
け部)と掛かり合うことによって、相互に繋がれ、順次
連結されてゆき、 下向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面状等の
滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状または
円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下側
免震皿と、これらの免震皿に挟まれたローラー等の転動
体または中間滑り部(すべり部材)とによって構成され
る一層が、 一層単位ごとにローラー等の転動体または中間滑り部
(すべり部材)の進行方向が変わるように、免震皿が3
層の時は、互いに直交方向になるように、免震皿が3層
以上の時は、交差角度の総合計が180度になるよう
に、 免震皿が重ねられて(下の一層の上側免震皿は、上の一
層の下側免震皿をも兼ねる場合もあり)、 その重層によって、あらゆる方向からの地震等の水平力
に免震するように構成されてなることを特徴とする免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 (6) 上下繋ぎスライド部分
【請求項58−3】請求項58−2項記載の免震装置・
滑り支承において、 上下繋ぎスライド部分と免震皿との接触部分にボールも
しくはローラー等の転動体または低摩擦材を設けること
により構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体。 (7) ローラー複数型 1) V字谷面状
【請求項60−2】請求項35項から請求項60項のい
ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 滑り面部のローラー転がり面にラックを、ローラーの周
囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けることにより
構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
またそれによる免震構造体。 (9) ローラー溝持ち型
【請求項60−3】請求項35項から請求項60−2項
のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、
ローラーと滑り面部のローラー転がり面とのどちらか
一方に溝を、他方にその溝に入る凸部を設けることによ
り構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承
【請求項68−2】請求項66項から請求項68項のい
ずれか1項に記載の免震構造体において、併用する滑り
支承としては、転がり支承、すべり支承であることを特
徴とする免震構造体。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 5.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 5.1.1.3. 運動方程式から設計された共振のない滑り型
免震装置と共振のある滑り型免震装置(記号説明は 5.
3.0.また 5.1.3.1.参照) 5.1.1.3.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法
【請求項80−2】免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体との間に設けられ、滑り面部の形
状がすり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿を持つ免
震滑り支承において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.
3.1.の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(y)+μ・sign
(dy/dt)}=-d(dqy/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(d
qx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{θ・sign(y)+μ・sign(dy/dt)}=-d(d
qy/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造
体。 5.3.2. すり鉢状の運動方程式
【請求項80−3】請求項80−2項の運動方程式にお
いて、 (x^2+y^2)^0.5≦ Rの時 d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・x/(x^2+y^2)^0.5+μ・(dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2) ^0.5} =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・y/(x^2+y^2)^0.5+μ・(dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2) ^0.5} =-d(dqy/dt)/dt (x^2+y^2)^0.5> Rの時(すり鉢状部分を越えるとθ=0とする場合) d(dx/dt)/dt+μ・g・(dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt+μ・g・(dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5=-d(dqy/dt)/dt とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震滑り支承、またそれによる
免震構造体。 5.4. 簡易応答加速度式 5.4.1. 直線勾配型復元滑り支承をもった免震構造体の
簡易応答加速度式
【請求項80−4】すり鉢状またV字谷面状の直線勾配
型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免震構造体の最
大応答加速度式(概算)、 A=α・{g・{θ+μ}+C・v/m} A :最大応答加速度値 cm/s^2 g :重力加速度 981cm/s^2 θ :すり鉢状免震皿の勾配 radian μ :免震皿の動摩擦係数 m :質点の質量 C :免震層のダンパーの粘性減衰係数 v :地震動最大加速度 α :免震される構造体の応答倍率 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造
体。 6.垂直免震装置 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承
【請求項89−2】免震される構造体を支持する構造体
または免震される構造体のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部ともう一方の構造体とを、ロッ
ド材等の不可撓部材で繋ぐことにより構成されてなるこ
とを特徴とする固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1. 地震作動型固定装置
【請求項92−2】請求項92項記載の地震センサー振
幅装置装備型固定装置における重り(滑り部)とそれを
定位置に戻し且つそれが滑るすり鉢型の免震皿からな
る、地震力によってこの重りが振動する地震センサー振
幅装置において、すり鉢勾配を、一定勾配のものとし、
以下の式によって導き出されるθによって構成すること
を特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、ま
たそれによる免震構造体。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 (2) 地震発電装置による地震センサー装備型
【請求項96−2】請求項95項または請求項96項記
載の地震センサー振幅装置装備型固定装置における重り
(滑り部)とそれを定位置に戻し且つそれが滑るすり鉢
型の免震皿からなる、地震力によってこの重りが振動す
る地震センサー振幅装置において、すり鉢勾配を、一定
勾配のものとし、以下の式によって導き出されるθによ
って構成することを特徴とする地震センサー振幅装置装
備型固定装置、またそれによる免震構造体。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 1) ロック部材(ロックピン)方式
【請求項139−2】請求項125項から請求項139
項のいずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型
固定装置において、 ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
ると弁が出る(開く)ようにして、その出る(開く)力
を受けて、歯車・滑車・梃子等で、力は弱くして、弁の
先端部に伝えて、ロックとして小さな(センサーの)重
りで可能なように構成されてなることを特徴とする地震
センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置
【請求項139−3】風センサーを持つ(地震センサー
付)地震作動型固定装置であり、風センサーにより一定
風圧になると固定装置をロックさせるように構成されて
なることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体。 8.2. 風作動型固定装置
【請求項167−2】 請求項166項記載の遅延器に
おいて、 筒とスライドするピストン状部材から構成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
トン状部材がその筒に挿入され、その外にピストン状部
材の先端が突き出ており、 さらに、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士
(ピストン状部材がスライドする範囲の端と端と)を繋
ぐ管(また筒に付けられた溝)と、ピストン状部材にあ
いている孔とが設けられており、 管(また溝)と孔とには開口面積の差をもたせ、この管
(また溝)またはピストン状部材の孔のうち開口面積の
大きい方に、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる時に
開き、それ以外は閉じている弁が付けられているか、 または、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中
から出る出口経路と、出口経路からその押出された液体
・気体等が筒中に戻る別経路の戻り経路とが設けられて
おり、 出口経路と戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口
経路は大きく戻り経路は小さくし、出口経路には、ピス
トン状部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は
閉じている弁が付けられており、 戻り経路は、開口面積が小さい場合には弁が必要無い
が、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒中から押
出される時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられ
ており、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押
出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記管(また溝)または経路とは潤滑油
等の液体で満たされている場合もあり、 この弁の性格と、開口面積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、筒の中に入る方向では、速やか
であり、出る方向では、遅延されるようになっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
るか固定装置の作動部と連動させるかし、遅延器の筒の
中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向が、固定装置
の解除の方向となるか、 または、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロ
ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
は電磁石等の作動部材との間で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅
延器の筒の中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向
が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となるか、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
るか固定装置の作動部と連動させるかし、遅延器の筒の
中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向が、固定装置
の解除の方向となるか、 または、この遅延器のピストン状部材を、リレー連動作
動型固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動す
るモーターもしくは電磁石等の作動部材または直前のリ
レー中間固定装置の連動機構との間で繋ぎ、その繋ぎ方
が、遅延器の筒の中へ、ピストン状部材が引き込まれる
方向が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となる
か、してなるように構成されてなることを特徴とする遅
延器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構
造体。
【請求項174−1】地震センサー振幅装置装備型固定
装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固
定装置における、 地震センサー振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべ
り)するセンサー免震皿において、全体として凹形態の
センサー免震皿に、センサー免震皿の中心部に向けて戻
り勾配を持ち、迂回した戻りルート(迂回路)を設ける
ことにより、 地震センサー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻
りを遅延してなることを特徴とする地震センサー振幅装
置装備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅
装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。
【請求項174−2】地震センサー振幅装置装備型固定
装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固
定装置における、 地震センサー振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべ
り)するセンサー免震皿において、 凹形態の中心部のセンサー免震皿(中心部センサー免震
皿)を越えて一旦水平レベルが下がった面をもち、 その面から中心部センサー免震皿の中心部に向けて戻り
勾配を持った戻りルート(路)があることにより、 地震センサー振幅装置の重り(ボール)のセンサー免震
皿の中心部への戻りを遅延してなることを特徴とする地
震センサー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼用
地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体。
【請求項174−3】地震センサー振幅装置装備型固定
装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固
定装置における、 地震センサー振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべ
り)するセンサー免震皿において、 中心部(通常位置)に向けて、全体として凹形態を形成
したセンサー免震皿の中心部(通常位置)に向けて、螺
旋形に山もしくは谷(溝)を設けて螺旋山もしくは谷を
形成し、その螺旋山、もしくは谷形に沿って、中心部
(通常位置)に向けての戻り勾配を持った戻りルート
(路)を設けることによって、地震センサー振幅装置の
重り(ボール)の中心部への戻りを遅延してなることを
特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置または
ダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定装置、ま
たそれによる免震構造体。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置
【請求項184−0】免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との動きを抑制する装置におい
て、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に筒が設置され、この筒内には液体・気
体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材が設
置され、前記筒内の液体・気体等の経路が前記筒またピ
ストン状部材に最低2箇所設けられることによって構成
され、 前記経路には開口面積の差をもたせ、これらの経路のう
ち開口面積の大きい方に、ピストン状部材が筒中から出
る方向時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられて
おり、開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を
設ける場合には、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる
時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられ、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒中から
押出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされ
ている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面
積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、筒中から出る方向の移動は速や
かであり、筒中に入る方向の移動は緩やかになるように
して動きを抑制するようにして構成されてなることを特
徴とするダンパー、またそれによる免震構造体。 8.4.2.1. 固定装置型ダンパー1
【請求項189−2】請求項188項記載のダンパーに
おいて、 ダンパーの作動部を形成するピストン状部材とこのピス
トン状部材がその内をスライドする筒とから構成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
トン状部材がその筒に挿入され、 前記筒の、ピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ液
体・気体等の経路が最低2箇所設けられており、 前記経路には開口面積の差をもたせ、 この経路のうち開口面積の大きい方に、ピストン状部材
が筒中に引き込まれる方向時に開き、それ以外は閉じて
いる弁が付けられており、 開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設ける
場合には、ピストン状部材が筒中から押出される時に開
き、それ以外は閉じている弁が付けられ、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押
出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされ
ている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面
積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、出る方向では、緩やかであり、
筒の中に入る方向では、速やかに入るようにして動きを
抑制するようにして構成されてなることを特徴とするダ
ンパー、またそれによる免震構造体。
【請求項192−1】請求項184項から請求項187
項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材(以下、固定ピンを挿入する挿入部または
固定ピンが当たる凸形態部材等を固定ピン受け部材と言
う)が設置され、 固定ピン受け部材形状が凹形態の部材からなっているこ
とにより構成されてなることを特徴とするダンパー、ま
たそれによる免震構造体。 (2) 凸型(復路抑制型)
【請求項192−2】請求項184項から請求項187
項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が凸形態の部材からなっているこ
とにより構成されてなることを特徴とするダンパー、ま
たそれによる免震構造体。 (3) 凸凹(反復)型
【請求項192−2−2】請求項184項から請求項1
87項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまた
は請求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいず
れかにおいて、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が凸凹形態の部材からなっている
ことにより構成されてなることを特徴とするダンパー、
またそれによる免震構造体。 (4) 凹型凸型併用(往復路抑制型)
【請求項192−2−3】請求項192−1項記載のダ
ンパーと請求項192−2項記載のダンパーとが併用さ
れることにより構成されてなることを特徴とするダンパ
ー、またそれによる免震構造体。
【請求項192−2−4】請求項192−2−2項記載
のダンパーのうち、固定ピン受け部材の凸凹形状が互い
に逆形状の2つのダンパーを併用することにより構成さ
れてなることを特徴とする免震構造体。
【請求項192−2−5】請求項192−2−2項記載
のダンパーにおいて、凸凹形状が互いに逆形状の固定ピ
ン受け部材をもち、その固定ピン受け部材のそれぞれに
固定ピンをもつことにより構成されてなることを特徴と
するダンパー。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2
【請求項192−3】請求項184項から請求項187
項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸
形態の部材からなるか、凸凹形態複合型の部材からな
り、 凹形態または凸形態部材を、変位に応じて傾斜を変化さ
せた形態により構成されてなることを特徴とするダンパ
ー、またそれによる免震構造体。
【請求項192−4】請求項192−3項記載のダンパ
ーにおいて、固定ピン受け部材形状の、凹形態または凸
形態の、変位に応じての傾斜の変化させ方を、中心から
周辺部に行くに従い、二段階、多段階、無段階の勾配変
化等により勾配が強くなるようにして構成されてなるこ
とを特徴とするダンパー、またそれによる免震構造体。
【請求項192−5】請求項192−3項または請求項
192−4項記載のダンパーにおいて、固定ピン受け部
材の周辺部形状の、角度を上げるか、または徐々に角度
を上げるかして(必要に応じて鉛直まで立ち上げて)な
ることを特徴とするダンパー(以下、過大変位時ストッ
パー付ダンパーと言う)、またそれによる免震構造体。
【請求項192−5−0】請求項192−1項から請求
項192−5項のいずれか1項に記載のダンパーの固定
ピン受け部材において、固定ピン受け部材形状の勾配
(凸型凹型ともに)が、以下の式を満たすように構成さ
れてなることを特徴とするダンパー、またそれによる免
震構造体。 Z=p・X^n ただし X : 固定ピン受け部材の中央部からの水平変
位 Z : 固定ピン受け部材が構成する曲面上で、水平変位
Xに伴い生じる鉛直変位(凸型凹型時では+−が反転す
る) p、n : 曲面の方程式の係数 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) (1)厳密解
【請求項192−5−1】請求項184項〜請求項18
7項に記載の固定装置型ダンパーまたは請求項191項
記載のダンパー兼用の固定装置のいずれかにおいて、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸
形態の部材からなり、 凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような式の
勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態
とすることにより構成されるダンパー、またそれによる
免震構造体。 φ(x)=arccos[〔{−Q±(Q^2−4・P・R)^0.5}/(2・
P)〕^0.5] P=(1+μD^2)・(μP^2・C1^2+C0^2・|dx/dt|^2) Q={−(2・μD・μP+μP^2)・C1^2+2・C1・C0・|dx/dt|
−(2+μD^2)・C0^2・|dx/dt|^2} R=(C1−C0・|dx/dt|)^2 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 μP :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 (2)近似解
【請求項192−5−2】請求項184項〜請求項18
7項に記載の固定装置型ダンパーまたは請求項191項
記載のダンパー兼用の固定装置のいずれかにおいて、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸
形態の部材からなり、 凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような式の
勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態
とすることにより構成されるダンパー、またそれによる
免震構造体。 φ(x)≒arctan[−μD/2+〈μD^2/4+C1/〔C0・z0・ω・
{1-(x/z0)^2}^0.5〕〉^0.5] 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 x :ダンパーの応答相対変位 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 z0 :入力する正弦波の変位振幅 ω :入力する正弦波の円振動数 z :入力する正弦波の変位 dz/dt:入力する正弦波の速度 8.4.5.1.4. 変位抑制用4(捩れの生じないダンパー)
【請求項192−5−3】請求項184−0項〜請求項
187項記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.参照)を採
用し、その固定ピン(ピストン先端部)がすべる固定ピ
ン受け部材のすり鉢勾配を以下の式を満たすように構成
されてなることを特徴とするダンパー、またそれによる
免震構造体。 tanφ・(tanφ+μD)≒(cosθ)^2・(tanθ+μ) 簡易式にすると、 (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ) 但し、 θ :支承の免震皿のすり鉢勾配 μ :支承の免震皿の動摩擦係数 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材のすり鉢勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 8.4.5.2. 管変化型
【請求項192−6】変位抑制型のシリンダーとその中
をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダンパー
において、 変位抑制ダンパー能力を緩和したいシリンダー上の区間
の点(管口)とピストン状部材を挟んだ点(管口)とを
繋ぐ管を設けて、その区間のシリンダー内の液体が相互
に行き来するものであり、ピストン状部材を挟んだ双方
の管口が塞がらずに相互の液体が行き来するピストン状
部材のスライド範囲がダンパー能力が緩和される範囲で
あることを特徴とするダンパー、またそれによる免震構
造体。 8.4.5.3. ピストン穴・溝変化型 8.4.5.4. シリンダー溝変化型
【請求項192−6−2】変位抑制型のシリンダーとそ
の中をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダン
パーにおいて、 シリンダーに溝を掘り、ピストン状部材の両側のシリン
ダー内の液体が相互に行き来するものであり、その溝の
大きさで抵抗を与えてダンピングするもので、 その溝の大きさを変位位置に応じて変えて、ダンパー能
力の変化をさせるものであることを特徴とするダンパ
ー、またそれによる免震構造体。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承
【請求項192−7】請求項184−0項から請求項1
87項(8.4.2. 固定装置型ダンパー)、または請求項
191項から請求項192−6−2項(8.4.4. ダンパ
ー兼用の固定装置)のいずれか1項に記載のダンパー、
または固定ピン型固定装置を滑り支承兼用と構成されて
なることを特徴とするダンパーまたは固定装置、またそ
れによる免震構造体。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁
【請求項192−8】免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との動きを制御する油圧型ダンパ
ーにおいて、減衰力が速度に比例するダンパーの特性を
得るために、ダンパー弁の圧力流量特性を流量と圧力が
1次比例となるように設定する目的で、ノズル型ダンパ
ー弁の細長い形状の絞り部を以下の式(記号説明は実施
例の 8.4.7.参照) Q=(d^k1・ND)/(Cm・μ’・l)・p から求めた寸法と本数とを基準に設計し、この絞り部に
よって減衰をおこなうことを特徴とするノズル型ダンパ
ー弁、またそれによって構成されたダンパー、またそれ
による免震構造体。 8.14. 杭折れ防止構法
【請求項226−2】請求項131項から請求項136
項のいずれか一項に記載の地震センサー振幅装置装備型
固定装置において、 地震センサーとなる重りが、出口・出口経路内(の付属
室)にあって、強風時にはピストン状部材からの圧力に
より、出口・出口経路の狭まった所で吸込まれる位置に
あって、出口・出口経路を塞ぐ形となるように 構成されてなることを特徴とする地震センサー振幅装置
装備型固定装置(以下、重り吸込み型弁方式地震センサ
ー振幅装置装備型固定装置と言う)、またそれによる免
震構造体。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック)
【請求項226−3】請求項226−2項記載の重り吸
込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置と食
込み支承(ボール型、ローラー型、8.7.参照)を併用す
ることにより構成されてなることを特徴とする免震構造
体。8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免
震ロック)
【請求項226−4】請求項125項から請求項135
項または請求項137項のいずれか1項に記載の地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置において、 ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
ると弁が開く(出る)ようにして、強風時にはピストン
状部材からの圧力により、地震センサーとなる重りを押
す方向に働くようにしてなることを特徴とする地震セン
サー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承
【請求項232−2】請求項230項または請求項23
1項において、すり鉢または球面または円柱谷面状また
はV字谷面状等の凹形状の免震皿に対して、その凹形状
に充填させて平面をなすように弾性材・塑性材を敷く
か、付着してなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体。 9.3. 変位抑制装置
【請求項244−1】請求項244項記載の回転・捩れ
防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材との、また、中
間部スライド部材と下部スライド部材との、また、中間
部スライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド
部材同士との、どちらか一方に、スライドする方向にガ
イド部を、他方にそのガイド部に沿う部分を設けること
により構成されてなることを特徴とする回転・捩れ防止
装置また滑り支承、またそれによる免震構造体。
【請求項244−1−2】請求項244−1項記載のガ
イド型回転・捩れ防止装置また滑り支承において、 ガイド部とそのガイド部に沿う部分との接触部分にボー
ルもしくはローラー等の転動体または低摩擦材を設ける
事を特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、また
それによる免震構造体。 10.1.1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型)
【請求項244−2】請求項244項記載の回転・捩れ
防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材との、また、中
間部スライド部材と下部スライド部材との、また、中間
部スライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド
部材同士との、どちらか一方の平行する対辺に、スライ
ドする方向にガイド部を、他方の平行する対辺にそのガ
イド部に沿う部分を設けることにより構成されてなるこ
とを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、また
それによる免震構造体。 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) (1) 一般
【請求項244−3】請求項244項から請求項244
−2項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置また
滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
ド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が複数
層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間にど
ちらか一方にスライドする方向に溝を、他方にその溝に
入る凸部を設けることにより構成されてなることを特徴
とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれによ
る免震構造体。 (2) 中間滑り部持ち滑り支承兼用型
【請求項244−3−2】請求項244−3項記載の回
転・捩れ防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
ド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が複数
層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間に、
中間滑り部として、すべり材またはローラー・ボール等
の転動体を設けてなることを特徴とする回転・捩れ防止
装置また(中間滑り部持ち)滑り支承、またそれによる
免震構造体。 (3) 復元型滑り支承兼用型
【請求項244−3−3】請求項244−3項記載の回
転・捩れ防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
ド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が複数
層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間に、
中間滑り部として、すべり材またはローラー・ボール等
の転動体を入れるか、 または、さらに上部スライド部材と中間部スライド部
材、中間部スライド部材と下部スライド部材(中間部ス
ライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド部材
同士)のどちらか片方の(中間滑り部の)すべり・転が
り面を、また両方のすべり・転がり面を、V字谷面状ま
たは円柱谷面等の凹形状にしてなることを特徴とする回
転・捩れ防止装置また(復元型)滑り支承、またそれに
よる免震構造体。 (4) 引抜き防止装置兼用
【請求項244−3−4】請求項244−3項から請求
項244−3−3項のいずれか1項に記載の回転・捩れ
防止装置また滑り支承において、 溝に入る凸部形態が、溝に嵌まりこみ上下方向に抜けな
くなるような引掛け部(または引掛かり部)を有するよ
うな形態であることを特徴とする回転・捩れ防止装置ま
た(引抜き防止装置・)滑り支承、またそれによる免震
構造体。 10.1.2. ローラー型 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型)
【請求項244−4】請求項244項から請求項244
−3−4項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置
また滑り支承において、 上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スライド
部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、中間
部スライド部材同士)のスライド部材間にローラーが挟
まれ、 ローラーとスライド部材のローラー転がり面とのどちら
か一方に溝を、他方にその溝に入る凸部を設けることに
より構成されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装
置また滑り支承、またそれによる免震構造体。 10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型)
【請求項244−5】請求項244項から請求項244
−4項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置また
滑り支承において、 上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スライド
部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、中間
部スライド部材同士)のスライド部材間にローラーが挟
まれ、 スライド部材のローラー転がり面にラックを、ローラー
の周囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けることに
より構成されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装
置また滑り支承、またそれによる免震構造体。 10.2. 回転抑制 10.2.1. 回転抑制
【請求項246−2】請求項244−4項に記載の回転
・捩れ防止装置3(溝型、10.1.2.1.参照)において、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l とし、 上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部材、中
間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設けられた
ガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなし、こ
こでhはガイド部の突き出した長さであり、 このとき、 風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作用する
ことにより固定装置を中心とする回転モーメントMが生
じる場合、 このFとMとにより、免震される構造体は許容回転角φ
だけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防
止装置が作用してそれ以上の回転を抑制し、 このとき、風圧力F、回転モーメントMによって各装置
に、水平力F’、回転モーメントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみなし
た部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角
の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部
分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、 E:鋼材のヤング率 α:片持梁の許容た
わみ角、 β:長方形断面の2辺の比により定まる、ねじりせん断
応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、 これによって、装置の部材断面を決めることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また
それによる免震構造体。
【請求項246−3】請求項244−5項に記載の回転
・捩れ防止装置4(歯車型、10.1.2.2.参照)におい
て、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
クの歯幅:b とし、 このとき、 風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作用する
ことにより固定装置を中心とする回転モーメントMが生
じる場合、 このFとMとにより、各装置に、水平力F’、回転モー
メントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を歯車とラックと
が負担するものとして、歯車の歯の曲げと歯面強さの検
討から部材断面の算定を行い、歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5fF:材料の許容歯元曲げ応力
度 fH:材料のヘルツ応力の許容限度 値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと
歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、 これによって、装置の部材断面を決めることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また
それによる免震構造体。 10.3. 捩れ振動抑制 10.3.1. 捩れ振動抑制 (1) バネ型復元装置・オイルダンパー等の併用
【請求項248−2】固定装置の複数個と、請求項24
3項から請求項244−5項記載のいずれか1項に記載
の回転・捩れ防止装置とを、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けることにより
構成されてなることを特徴とする免震構造体。 10.3.2. 捩れ振動抑制能力計算式
【請求項249−2】請求項244−4項に記載の回転
・捩れ防止装置3(溝型、10.1.2.1.参照)において、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロー
ラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):lと
し、 上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部材、中
間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設けられた
ガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなし、こ
こでhはガイド部の突き出した長さであり、 このとき、 重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回転モー
メントMが生じるものとした場合、 このFとMとにより、免震される構造体は許容回転角φ
だけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防
止装置が作用してそれ以上の回転を抑制し、 このとき、重心に作用する力F、回転モーメントMによ
って各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じ
ており、 この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみなし
た部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角
の検討から部材断面の算定を行い、 片持梁とみなした部分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、 E:鋼材のヤング率 α:片持梁の許容た
わみ角、 β:長方形断面の2辺の比により定まる、ねじりせん断
応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、 これによって装置の部材断面を決めることにより構成さ
れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
れによる免震構造体。
【請求項249−3】請求項244−5項に記載の回転
・捩れ防止装置4(歯車型、10.1.2.2.参照)におい
て、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
クの歯幅:b とし、 このとき、 重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回転モー
メントMが生じるものとした場合、 このFとMとにより、各装置に、水平力F’、回転モー
メントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を歯車とラックと
が負担するものとして、歯車の歯の曲げと歯面強さの検
討から部材断面の算定を行い、歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF :材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料のヘルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、 これによって装置の部材断面を決めることにより構成さ
れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
れによる免震構造体。 10.4. 捩れ・回転振動方程式 1
【請求項249−4】免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体との間に設けられ、免震滑り支
承とダンパー・バネ等との構成による免震構造体におい
て、 連立運動方程式(記号説明は実施例の10.4.1.記号一覧
参照) d(dx1/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x1)+μ・sign
(dx1/dt)}+K3/m1・(x2−x1)+C3/m1・(dx2/dt−dx1
/dt)=-d(dz/dt)/dt d(dx2/dt)/dt+K2/m2・x2+C2/m2・dx2/dt+K3/m2・
(x1−x2)+C3/m2・(dx1/dt−dx2/dt)=-d(dz/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。 10.5. 捩れ・回転振動方程式 2 10.5.1. 捩れ・回転振動方程式 10.5.1.1. 1層の場合 10.5.1.1.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合
【請求項249−5】免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体との間に設けられたダンパー、
積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合
【請求項249−6】免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
承(平面型免震皿滑り支承=復元力無し)、ダンパー、
積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{m1・μ1x・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μ1y・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μ1x・eμ1y・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・eμ2y・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・eμny・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)} −g{m1・μ1y・eμ1x・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・eμ2x・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・eμnx・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合
【請求項249−7】免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状免震皿を
もった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴム
等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持ま
た免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合
【請求項249−8】免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、 請求項249−7項の運動方程式におけるθnx、θny
(n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。 (x^2+y^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合
【請求項249−9】免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
承(xy方向(直交方向)免震で円柱谷面状免震皿をも
った直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等
の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持また
免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ) +m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ) −m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合
【請求項249−10】免震される構造体と、免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、ダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 請求項249−9項の運動方程式におけるRnx、Rny
(n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。 (x^2+y^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体。 10.5.1.2. n層の場合 10.5.1.2.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 10.5.1.2.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 10.5.1.2.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合
【請求項249−11】免震される構造体と、免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状免震皿
をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴ
ム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持
また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn”)/dt)/dt +Cn”x/MMn’・(dxn”/dt-dxn”’/dt) +Cn”x/MMn’・ecn”y・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Kn”x/MMn’・(xn”-xn”’) +Kn”x/MMn’・ekn”y・(ψn”-ψn ”’) −Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn”/dt) −Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Kn’x/MMn’・(xn’-xn”)−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn”/dt) +Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn”) +Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn”)/dt)/dt +Cn”y/MMn’・(dyn”/dt-dyn”’/dt) −Cn”y/MMn’・ecn”x・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Kn”y/MMn’・(yn”-yn”’) −Kn”y/MMn’・ekn”x・(ψn”-ψn ”’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn”/dt) +Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn”) +Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn ”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn”/dt) −Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn”) −Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In”・d(dψn”/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn”x・ecn”y・(dxn”/dt−dxn”’/dt) −Cn”y・ecn”x・(dyn”/dt−dyn”’/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn”/dt) +Kn”x・ekn”y・(xn”−xn”’) −Kn”y・ekn”x・(yn”−yn”’) −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”) +Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn”x・ecn”y^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) +Cn”y・ecn”x^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn”x・ekn”y^2・(ψn”-ψn”’)+Kn”y・ekn”x^2・(ψn”-ψn”’) −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”) −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) = 0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) −Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn”/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”) −Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn”)+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。10.5.1.2.4. すり鉢状免震皿
をもった直線勾配型復元滑り支承の場合
【請求項249−12】免震される構造体と、免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、 請求項249−11項の運動方程式におけるθnx、θny
(n=1・2・・・n)を、 (xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。 (xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体。 10.5.1.2.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 (1) n層の場合(免震層以外も偏芯有り)
【請求項249−13】免震される構造体と、免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
支承(xy方向(直交方向)免震で、円柱谷面状免震皿
をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴ
ム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持
また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dxb/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dxb/dt+eR1y・dψb/dt) +m2・μR2x・sign(dxb/dt+eR2y・dψb/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dxb/dt+eRny・dψb/dt)}/MM1 +{m1・g/R1x・(xb+eR1y・ψb)+m2・g/R2x・(xb+eR2y・ψb)+ ・・+mn・g/Rnx・(xb+eRny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn”)/dt)/dt +Cn”x/MMn’・(dxn”/dt-dxn”’/dt)+Cn”x/MMn’・ecn”y・(dψn”/dt-d ψn”’/dt) +Kn”x/MMn’・(xn”-xn”’)+Kn”x/MMn’・ekn”y・(ψn”-ψn”’) -Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn”/dt)-Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψ n”/dt) -Kn’x/MMn’・(xn’-xn”)-Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn”/dt)+Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn ”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn”)+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dyb/dt−eR1x・dψb/dt) +m2・μR2y・sign(dyb/dt−eR2x・dψb/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dyb/dt−eRnx・dψb/dt)}/MM1 +{m1・g/R1y・(yb−eR1x・ψb)+m2・g/R2y・(yb−eR2x・ψb)+ ・・+mn・g/Rny・(yb−eRnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1+K1y/MM1・ek1x・ψ1=-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1−K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1)+K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1)−K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2)+K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn”)/dt)/dt +Cn”y/MMn’・(dyn”/dt-dyn”’/dt)−Cn”y/MMn’・ecn”x・(dψn”/dt -dψn”’/dt) +Kn”y/MMn’・(yn”-yn”’)−Kn”y/MMn’・ekn”x・(ψn”-ψn”’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn”/dt)+Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-d ψn”/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn”)+Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn”/dt)−Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn ”/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn”)−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dxb/dt+eR1y・dψb/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dxb/dt+eR2y・dψb/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dxb/dt+eRny・dψb/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dyb/dt−eR1x・dψb/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dyb/dt−eR2x・dψb/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dyb/dt−eRnx・dψb/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(xb+eR1y・ψb)+m2・g/R2x・eR2y・(xb+eR2y・ψ b)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(xb+eRny・ψb) −m1・g/R1y・eR1x・(yb−eR1x・ψb)−m2・g/R2y・eR2x・(yb−eR2x・ψ b)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(yb−eRnx・ψb) +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt+C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1+K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1−K1y・ek1x^2・ψ1=0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt−C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1−K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1)−K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2)+K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In”・d(dψn”/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn”x・ecn”y・(dxn”/dt-dxn”’/dt)−Cn”y・ecn”x・(dyn”/dt−dyn ”’/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt)+Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn” /dt) +Kn”x・ekn”y・(xn”-xn”’)−Kn”y・ekn”x・(yn”−yn”’) −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”)+Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn”x・ecn”y^2・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Cn”y・ecn”x^2・(dψn”/dt-dψn”’/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn”x・ekn”y^2・(ψn”-ψn”’)+Kn”y・ekn”x^2・(ψn”-ψn”’) −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”)−Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) = 0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt)−Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn” /dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”)−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn”)+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体。 10.5.1.2.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合
【請求項249−14】免震される構造体と、免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、ダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 請求項249−13項の運動方程式におけるRnx、Rny
(n=1・2・・・n)を、 (xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。 (xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応)
【請求項250−1】請求項250項に記載の免震構造
体において、 ダンパーの使用する場合は、ダンパーを免震される構造
体の重心におかない限り、回転・捩れ防止装置(10.
参照)を併用することにより構成されてなることを特徴
とする免震構造体。 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 11.2.1. 変位抑制しない (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない)
【請求項250−2】風等で浮上がらない低塔状比構造
体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合には、免震装
置として、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもっ
た直線勾配型復元滑り支承を各設置場所に配置すること
により構成されてなることを特徴とする免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる)
【請求項250−3】風等で浮上がらない低塔状比構造
体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震装置
として、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもった
直線勾配型復元滑り支承を各設置場所に設け、そして固
定装置と回転・捩れ防止装置とを配置することにより構
成されてなることを特徴とする免震構造体。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない)
【請求項250−4】風等で浮上がる高塔状比構造体
で、且つ風で揺れない重量構造体の場合には、免震装置
として、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもった
直線勾配型復元滑り支承を各設置場所に設け、そして引
抜き防止装置を配置することにより構成されてなること
を特徴とする免震構造体。 軽量構造体(風で揺れ
る)
【請求項250−5】風等で浮上がる高塔状比構造体
で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震装置と
して、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもった直
線勾配型復元滑り支承を各設置場所に設け、そして固定
装置と回転・捩れ防止装置と引抜き防止装置とを配置す
ることにより構成されてなることを特徴とする免震構造
体。 11.2.2. 変位抑制する (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない)
【請求項250−6】風等で浮上がらない低塔状比構造
体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑
制する場合には、免震装置として、各支承として同一摩
擦係数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各
設置場所に設け、そしてダンパーと回転・捩れ防止装置
とを配置することにより構成されてなることを特徴とす
る免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる)
【請求項250−7】風等で浮上がらない低塔状比構造
体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を抑制
する場合には、免震装置として、各支承として同一摩擦
係数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各設
置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止装置と
ダンパーとを配置することにより構成されてなることを
特徴とする免震構造体。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない)
【請求項250−8】風等で浮上がる高塔状比構造体
で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑制
する場合には、免震装置として、各支承として同一摩擦
係数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各設
置場所に設け、そして引抜き防止装置とダンパーと回転
・捩れ防止装置とを配置することにより構成されてなる
ことを特徴とする免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる)
【請求項250−9】風等で浮上がる高塔状比構造体
で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を抑制す
る場合には、免震装置として、各支承として同一摩擦係
数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各設置
場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止装置と引
抜き防止装置とダンパーとを配置することにより構成さ
れてなることを特徴とする免震構造体。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
【請求項250−10】請求項192−5項記載の過大
変位時ストッパー付ダンパーの使用、または過大変位時
ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支
承、外れ防止装置)との併用使用をすることにより構成
されてなることを特徴とする免震構造体。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は免震装置、または滑り
支承(すべり支承、転がり支承)に関するものである。
滑り支承は、構造体とこの構造体を支持する構造体との
間に設けられるものであり、免震装置も、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設け
られるものである。ここで発明された免震装置は、当
然、滑り支承として使用または応用できる。 免震され
る構造体とは、土木、建築、設備、(免震)床、家具・
什器等であり、免震させたい全てのものである。以下、
免震装置と滑り支承とを「免震装置・滑り支承」とい
い、また滑り支承(すべり支承、転がり支承)を使用し
た免震装置を「滑り型免震装置」といい、また免震のた
めの滑り支承を「滑り型免震支承」または「免震滑り支
承」といい、そして滑り型免震装置また滑り型免震支承
による免震を「滑り型免震」という。さらにすべり支承
を使用した免震装置を「すべり型免震装置」、転がり支
承を使用した免震装置を「転がり型免震装置」という。
そしてすべり型免震装置による免震を「すべり型免
震」、転がり型免震装置による免震を「転がり型免震」
という。
【従来技術および解決しようとする問題点】本発明者兼
出願人は、特許 1844024号と特許 2575283号とで、免震
復元装置(重力復元型免震装置・滑り支承)・免震装置
(免震装置・滑り支承)・引抜防止装置(引抜防止装置
・滑り支承)・固定装置(風揺れ等を防止する固定ピン
装置等の固定装置)・外れ防止装置の発明を、また特許
2504945号で、免震装置の設置位置に関する発明をし、
さらに特許 1778741号で、引張材による垂直支持方式の
発明をしているが、本発明は、それらの改良発明および
新たな免震装置・滑り支承に関するものである。また、
特許 1844024号および特許 2575283号は、複数の装置が
合わさることによって十全な機能を発揮する形であっ
た。その場合、材料の無駄だけでなく、各種装置を個々
別々に設置することになるため場所を取り、設置に懸か
る人件費等もかさむ。そういったことからも、また、垂
直荷重の伝達位置という限定された位置での設置の多さ
を考えても、1個で全ての機能を果たす装置の発明が望
まれた。 A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 特許 1844024号および特許 2575283号において、全方向
の復元性能を備えた免震復元装置としては、すり鉢状
(円錐・角錐等を以下、すり鉢と言う)、球面状等の凹
型滑り面部をもつ免震皿からなる、重力により復元する
免震復元装置があるが、この装置の免震皿は、場所を取
り、また、構造体および基礎からはみ出している部分に
力が加わった場合の支持強度にも問題があった。はみ出
している部分の面積が小さくなるようにすることが求め
られる。また重力復元型に特有の問題として、振動時の
垂直変位に対応するために設けられた引抜防止装置等の
遊びにより、がたつきが生じるという問題、風力等によ
り免震される構造体に引抜き力が発生した時に衝撃が走
るという問題を解決することが求められた。また、滑り
支承の摩擦係数を下げること、引抜き防止装置を複合さ
せることが求められた。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.1.復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 特許 1844024号の引抜き防止装置に、復元機能または減
衰機能が装備されること、また、免震皿から滑り部等が
外れる事を抑制または防止することが求められた。 2.2.積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り
支承 特許 1844024号の引抜き防止装置と積層ゴム・ゴム・バ
ネ等との複合が求められた。さらに、積層ゴムの、引抜
き力に対する抵抗力の欠如と、積層ゴムの座屈の問題
(底辺に対して高さの高い積層ゴムに顕著である)とを
解決する必要がある。 2.3.引抜き防止機能の増強 また、特許 1844024号の引抜き防止装置について、その
引抜き防止機能をさらに増強することが望まれる。 2.4.新引抜き防止装置・滑り支承 また、特許 1844024号の引抜き防止装置について、形の
バリエーションが求められ、特に、コンパクトなものが
求められる。また、そのような引抜き防止装置に復元装
置が複合されることもが求められた。 2.5.重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 引抜き防止装置と免震復元装置との複合が求められた。 2.6.引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置・
滑り支承振動時垂直変位吸収装置 特許 1844024号の引抜き防止装置に併用される前述の重
力復元型免震復元装置の、振動時の垂直変位対応のため
の遊びにより、がたつきが生じるという問題、風力等に
より免震される構造体に引抜き力が発生した時に衝撃が
走るという問題を解決することが求められた。 2.7.引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承について、
上部スライド部材・下部スライド部材間の摩擦係数を下
げることが求められた。 2.8.引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承について、
上部スライド部材・下部スライド部材間の摩擦係数を下
げることが求められた。 2.9.引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承について、
水平寸法を小さくすること、また転がり支承との兼用が
求められた。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能の向上及
び初滑動向上 特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免
震復元装置等の滑り型免震装置・滑り支承に関しては、
初滑動を良くすること、また地震時の振幅を小さくする
ことが求められた。滑り型免震装置の問題として、摩擦
係数を大きくすると振幅は抑制されるが、初動加速度が
大きくなり、逆に、摩擦係数を小さくすると、初動加速
度は小さくなるが、振幅が大きくなるという問題があっ
た。そこで、このような問題を解決する減衰装置が求め
られる。つまり、初動加速度が小さく、すなわち免震感
度が高く、尚且つ一定以上の振幅を抑制するというよう
な減衰装置である。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置また免
震復元装置の免震皿を小さくすること、さらにその密閉
性も求められた。また、免震皿と滑り部との摩擦を小さ
くし、接触面積をできるだけ大きくし、且つ、振動時に
も、その接触面積が変化せず同じであるようにしたい。
また、復元装置、引抜き防止装置との一体化も求められ
た。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 特許 1844024号および特許 2575283号の免震装置および
免震復元装置について、免震皿と滑り部の接触面積をで
きるだけ大きくし、且つ、振動時にも、その接触面積が
変化せず同じであるようにしたい。また、滑り性能を上
げること、首ふり角度を急にすることが求められた。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 重力復元型免震装置・滑り支承について、振動時の垂直
変位が吸収されるようにする必要がある。 4.8. 新重力復元型免震装置 バネ・ゴム等によるものではない長寿命の復元装置が求
められた。また、特許1844024号および特許 2575283号
の重力復元型免震装置では垂直変位が生じてしまい、垂
直変位のない免震復元装置(重力復元型免震装置・滑り
支承)が求められた。また、バネによる復元装置よりも
免震性能がよく、且つ、地震後の残留変位を消去する能
力が大きい復元装置が求められた。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。共振のない免震装置の必要性
が求められている。 6.垂直免震装置 今回の阪神大震災から、地震の垂直動を吸収できる垂直
免震装置の必要性が求められている。 7.免震による地震発電装置 7.1. 免震による地震発電装置 地震エネルギーを電気等の役立つものに換えることが望
まれたが、ここで免震装置が活用できる。さらに、地震
エネルギーの三次元的動きを一次元的動きに換えるのが
困難であり、それを解決する方法も求められた。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 電気を使用しない、地震エネルギーを利用した地震発電
による地震センサーの発明が望まれた。さらに、後述の
固定装置の解除にまで使用できる量のエネルギーを発生
させうる大容量のものが望まれた。 8.固定装置・ダンパー また、特許 2575283号の固定装置(固定ピン装置)につ
いて、その詳細な仕様についても明確にすることが求め
られた。阪神大震災では、建物が無事でも杭が壊れて駄
目になったケースが多かった。その対処法も考えられる
べきである。また、風揺れ抑制から免震時の変位抑制に
もつながる装置(変位抑制装置)が求められた。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 予想を上回る地震変位振幅にも対処できるようにしてお
くことが必要である。また、滑り支承、特に転がり型支
承において耐圧性向上も必要である。 9.5./ 9.6.二段式免震 すべり・転がり型免震の場合において、地震時に免震皿
の許容変位を超えた場合の対処法が望まれた。 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと、風力時の回転を止められない。積層
ゴム等のバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比
例型の減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合
には、免震時に免震される構造体の捩れ振動が生じる。
これらの問題を解決することが望まれた。 11.免震装置の組合せと材料仕様 免震装置同士の組合せと、その材料・仕様も決める必要
がある。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 従来の積層ゴムは、鋼とゴムとの付着性の問題、鋼とゴ
ムとを付着させて積重ねてゆく製法の困難さの問題、ま
た、耐圧能力の問題、防火上の問題等があり、もっと簡
易な製法で、これらの問題が解決する方法が望まれた。 12.2. 復元バネ 縦にバネを設置すると水平のどの方向にも復元性能を持
つことができるが、僅かな水平変位に対する復元力に乏
しい。その問題を解決する方法が望まれた。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 以上の免震装置・免震構造を利用した建物等の構造体設
計の、具体的方法も求められた。 13.1. 超高層建物・構造体 特に、柔構造の超高層では、地震時にも大きく揺れる
が、風時にも大きく揺れる。この問題を免震装置によっ
て解決する方法が望まれた。 13.2. 高塔状比建物・構造体 引抜き力が働く建物・構造体には、従来の積層ゴムは使
用できないため、高塔状比建物・構造体には、免震装置
は使用されなかった。この問題を解決する方法が望まれ
た。 13.4. 軽量建物・構造体 従来の積層ゴムを用いた免震装置の場合、免震される構
造体の固有周期が延びず、免震されないため、軽量建物
・構造体には、免震装置は使用されなかった。この問題
を解決する方法が望まれた。 13.5. 在来木造戸建て住宅/ 軽量(木造・鉄骨系)戸
建て住宅 (1) 土台床構面の形成 免震装置を装備する場合の、土台床構面をどう形成する
かを示すことが求められた。 14.免震装置設計と免震装置配置 滑り型免震装置について、その配置に関する内容と、そ
の際の復元装置の復元能力の設計に関する内容が求めら
れた。滑り型免震装置の施工時および施工後の水平性維
持の問題も解決する必要がある。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 戸建て用の免震装置では、特に低廉な簡易型の免震装置
が求められている。免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とを分離する必要から、1階の梁
とそれに支えられる床が必要になり、それをいかに安く
するかも課題であった。また、プレハブ・在来・2×4
という上部構造(免震される構造体)の構法の違いを問
題としない免震構法を開発すること、また上部構造が剛
性に欠けるという問題を解決する必要があった。また、
戸建て用にかかわらず、免震装置の設置と基礎部分の施
工に関する合理的工法が求められた。 18.免震用設備 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間のフレキシビリティを保証する免震構造体用の
設備が求められた。
【問題点を解決するための手段】この発明は、以上のよ
うな問題・課題を解決するものである。 A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
型免震装置・滑り支承 特許 1844024号の免震装置(特許 1844024号の明細書の
第 8図〜第 9図)よりも材料が節約できるようにするた
めに、滑り面部(「滑り」とは、すべり・転がりであ
る。全明細書同じ)を重ね合せ十字型にした免震装置・
滑り支承である(以下「十字型免震装置・滑り支承」と
いう)。また、特許 1844024号の発明の、一方向性(往
復を含む、以下同じ)復元免震皿による免震復元装置
(特許 1844024号の明細書の第 1図〜第 4図)に、全方
向の復元性能を持たせるために、凹形状の一方向性免震
復元装置を上下に交差させて係合させるという構成を発
明した(以下「十字重力復元型免震装置・滑り支承」と
いう)。これは十字型免震装置・滑り支承と同様に、材
料を節約することにもなる。請求項1項は、その免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 1.2. 十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の中間滑り部 1.1.の十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の、上部スライド部材と下部スライド部
材との間の摩擦係数を下げ、また相互の滑り面の接触面
積を上げるために(なお「また」は、全文において「ま
たは」と「及び」の両方の意味をもつ)、両スライド部
材の間に、中間滑り部を設けることを発明した。請求項
2項は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震
構造体の発明である。さらに、その中間滑り部の、上部
スライド部材、下部スライド部材と接する位置に、ロー
ラー・ボール(ベアリング)を設ける場合もある。 1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承 また、請求項1項〜請求項2項記載の発明と、特許 184
4024号の引抜き防止装置(特許 1844024号の明細書の第
10図〜第11図)とを一体化させることにより、引抜きを
防止し、且つ復元もするという免震装置・滑り支承が可
能となる(以下、「十字重力復元型引抜き防止装置・滑
り支承」という)。請求項3項は、その免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。また、
重力復元型免震装置に特有の、振動時の垂直変位に対応
するために設けられた引抜防止装置等の遊びにより、が
たつきが生じるという問題、風力等により、免震される
構造体に引抜き力が発生した時に衝撃が走るという問題
は、上部スライド部材のスライド孔を挟む下部材の下部
を下向きの凹形状にし、下部スライド部材のスライド孔
を挟む上部材の上部を上向きの凹形状にし、上下部スラ
イド部材が互いに滑走するように構成することにより、
解決する。請求項4項は、その免震装置・滑り支承、ま
たそれによる免震構造体の発明である。上部スライド部
材と下部スライド部材との間の摩擦係数を下げ、また相
互の滑り面の接触面積を上げるために、中間滑り部また
はローラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部
を設ける場合が考えられる。請求項3項の、請求項2項
記載の免震装置・滑り支承においての、発明が、それで
ある。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.1. 復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 特許 1844024号の引抜き防止装置のスライド孔に、水平
方向に、バネ・空気バネ・ゴム等の弾性体または磁石
(磁石同士の反発力吸引力等を使う)等(すべての章で
「バネ等」と言う)を設けることにより、復元また減衰
機能をもたせることができる。請求項5項〜請求項7項
は、その免震装置・滑り支承(復元・減衰バネ等付き引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。なお、このバネ等が、係合されたもう一
方のスライド部材に接すること無く、その途中までに設
けられているという構成にすることにより、併用する免
震皿の滑り面から滑り部等が外れる可能性のある地震振
幅の場合にのみ抑制が働いて、免震皿の大きさ以内の地
震振幅に対しては抑制が働かず、免震性能を減じないと
いう効果が得られる。また、弾性力または磁力等が二段
階に変化する二段階バネ等を利用し、復元に適したもの
と外れ防止に適したものとの二段階の弾性力または磁力
等をもったバネ等を設け、併用する免震皿の大きさ以内
の地震振幅には、復元バネ等が主に働いて、元の位置に
復元する効果を発揮し、免震皿の滑り面から滑り部等が
外れる可能性のある地震振幅時には、外れ防止バネ等が
働き、強い抑制が加えられ、免震皿の外れを防止する。
また、変位に応じて弾性力または磁力等が無段階に変化
するバネ等を使用することにより、免震皿の滑り面から
滑り部等が外れる可能性のある地震振幅ほど、強い抑制
が働き、免震皿の外れを防止することができる。また、
弾性力または磁力等が、二段階と無段階との間の、三段
階、四段階、…多段階に変化するものを用いることもあ
り、請求項7項は、その免震装置・滑り支承(復元・減
衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承)、またそれに
よる免震構造体の発明である。 2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑
り支承 請求項8項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防止
装置に、バネ等を複合させるという免震装置・滑り支承
(積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。これ
は、積層ゴムの引抜き力に対する抵抗力の無さの解決策
となる。また同時に引抜き防止装置が垂直荷重をカバー
するので、積層ゴム自体の座屈の問題(底辺に対して高
さの高い積層ゴムほど座屈しやすい)も解決され、大き
な変位に対応させるためには積層ゴムの幅を大きくする
必要がなくなるため、積層ゴム自体のコンパクト化と低
コスト化が可能になる。 2.3. 引抜き防止機能の増強 特許 1844024号の発明の引抜き防止装置の引抜き防止機
能を増強するため、上部スライド部材・下部スライド部
材の中央部に、それらを貫く形で係合材を取り付けるこ
とを発明した。請求項9項〜請求項10項は、その免震
装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、またそ
れによる免震構造体の発明である。 2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承 (1) 新引抜き防止装置・滑り支承 請求項11項記載の発明は、特許 1844024号での発明の
引抜き防止装置の、スライド孔を有さない上部スライド
部材・下部スライド部材の中央部に、それらを貫く係合
材を取り付けることにより、引抜き力に対応できるよう
にした免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 新引抜き防止装置・滑り支承 請求項12項〜請求項13項記載の発明は、引抜き防止
装置・滑り支承の新しい形を提示したものであり、包み
込み合う関係のスライド部材からなるスライド装置とし
て構成される免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑
り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。請
求項12項の発明は、引抜き防止機構が一重の場合、つ
まり、一重の包み込み合う関係のスライド部材からでき
ており、内側のスライド部材が、水平方向にスライドで
きる余地をもって外側のスライド部材に包み込まれるこ
とにより構成される場合であり、内側のスライド部材と
外側のスライド部材のどちらか一方を免震される構造体
に、他方を免震される構造体を支持する構造体に設け
る。請求項13項の発明は、引抜き防止機構が二重以上
の場合、つまり、二重以上の複数の包み込み合う関係の
スライド部材からできており、一番内側のスライド部材
が、水平方向にスライドできる余地をもって、すぐ外側
のスライド部材に包み込まれ、この(二番目の)スライ
ド部材が、水平方向にスライドできる余地をもって、そ
の外側のスライド部材に包み込まれる、というふうに順
次包み込み合う関係を成して構成されている場合であ
り、一番内側のスライド部材と一番外側のスライド部材
のどちらか一方を免震される構造体に、他方を免震され
る構造体を支持する構造体に設ける。 (3) 新引抜き防止装置・滑り支承 請求項14項〜請求項15項記載の発明は、上記(2)の
新引抜き防止装置・滑り支承の装置を、上下に二組設
けることにより構成された免震装置・滑り支承(引抜き
防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発
明である。 (4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付き 請求項17項記載の発明は、上記の新引抜き防止装置・
滑り支承に、復元バネ等を付けるというものであ
り、請求項12項、請求項13項、請求項14項、請求
項15項記載の免震装置・滑り支承において、内側のス
ライド部材と外側のスライド部材との間のそれぞれに、
もしくは一番内側のスライド部材と一番外側のスライド
部材との間に、バネ等を設けることにより、復元力をも
たせた免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。 2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 請求項16項〜請求項18項は、引抜き防止装置と免震
復元装置を複合させた免震装置・滑り支承(重力復元置
型引抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構
造体の発明である。 (1) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 請求項18項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置に、特許 1844024号の免震復元装置を複合させた
免震装置・滑り支承(重力復元置型引抜き防止装置・滑
り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 前記の2.4.(2) 新引抜き防止装置・滑り支承を重力復
元置型にするという方法もある。請求項12項、請求項
13項、請求項14項、請求項15項記載の免震装置・
滑り支承において、包み込み合う関係のスライド部材の
うち、外側のスライド部材が、凹型滑り面部を持ち、内
側のスライド部材が、その凹型滑り面部を滑動できるよ
うに構成される。請求項16項は、その免震装置・滑り
支承(重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承)、また
それによる免震構造体の発明である。 (3) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承のバネ等
付き 請求項17項記載の発明は、上記の重力復元置型引抜き
防止装置・滑り支承に復元バネ等を付け、復元力を補
強する免震装置・滑り支承(重力復元置型引抜き防止装
置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項16項記載の免震装置・滑り支承において、
内側のスライド部材と外側のスライド部材との間のそれ
ぞれに、もしくは一番内側のスライド部材と一番外側の
スライド部材との間に、バネ等を設けたものである。ス
ライド部材同士間にバネ等を付けるという構成は、2.4.
(4)の新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付きの場
合とほぼ同じである。 2.6. 引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置
・滑り支承振動時垂直変位吸収装置 2.6.1. バネ等付き部材での押さえ込み 請求項19項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置の両方のスライド孔内に、他方のスライド部材を
バネ等で押さえ込むプレート等の部材を取付ける免震装
置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、またそれ
による免震構造体の発明である。それにより、併用する
重力復元型免震装置・滑り支承の、振動時の垂直変位に
対応するために設けられた遊びにより生じるがたつきの
問題が解決され、また風力等により引抜き力が発生した
際の衝撃も吸収される。 2.6.2. 重力復元型免震装置・滑り支承と同じ曲率付き 請求項20項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置・滑り支承の上部スライド部材・下部スライド部
材に、それと併用される重力復元型免震装置・滑り支承
の曲率と同じ(「同じ」は、ほぼ同じを含む、全明細書
同じ)勾配をもたせる免震装置・滑り支承(引抜き防止
装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明で
ある。それにより、併用する重力復元型免震装置・滑り
支承の、振動時の垂直変位に対応するために設けられた
遊びにより生じるがたつきの問題が解決され、また風力
等により引抜き力が発生した際の衝撃も吸収される。 2.7. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 請求項21項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置・滑り支承の、上部スライド部材と下部スライド
部材との間の摩擦係数を下げるために、上部スライド部
材と下部スライド部材との間に、中間滑り部(すべり
型)またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中
間滑り部(すべり型)を設ける免震装置・滑り支承(引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。 2.8. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 請求項22項記載の発明は、特許 1844024号の引抜き防
止装置・滑り支承の上部スライド部材と下部スライド部
材との間の摩擦係数を下げるために、上部スライド部材
・下部スライド部材間に、中間滑り部としてローラー・
ボールを設ける免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・
滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。 2.9. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項23項〜請求項28−2項記載の発明は、特許 1
844024号の引抜き防止装置・滑り支承の、水平寸法を小
さくするためのものである。請求項23項記載の発明
は、スライド部材を三重にすることで、水平寸法を小さ
くした免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。上部ス
ライド部材と下部スライド部材との間に、中間部スライ
ド部材が設けられ、また各スライド部材は、横に細長く
開口したスライド孔を有しており、上部スライド部材と
中間部スライド部材、中間部スライド部材と下部スライ
ド部材とが、互いに交差する方向に、双方のスライド孔
に係合し、スライドできるように構成したものである。 2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項24項、請求項24−2項記載の発明は、上部ス
ライド部材を構成する下部材と、下部スライド部材を構
成する上部材の、どちらか、または両方が、上部下部ス
ライド部材に対して上下方向は拘束されながら水平方向
にスライドするように構成する免震装置・滑り支承(引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。請求項25項記載の発明は、請求項24
項、請求項24−2項記載の発明の、上部スライド部材
(上側免震皿)と下部スライド部材(下側免震皿)との
間に、すべり型中間滑り部または転がり型中間滑り部を
設けることにより構成される免震装置・滑り支承(引抜
き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の
発明である。具体的には、下部材および上部材のそれぞ
れには、引掛け部(または引掛かり部)が設けられてお
り、この引掛け部(または引掛かり部)が、上部・下部
スライド部材、の対辺同士に設けられた引掛かり部(ま
たは引掛け部)に掛り合うように構成される。なお、引
掛け部、引掛かり部に関して、引掛け部が凹の場合も凸
の場合も有り、同様に引掛かり部が凹の場合も凸の場合
もあって、相互に引掛け合って掛り合うようになってお
り、引掛け部、引掛かり部のどちらかが能動に、他方が
受動になるが、引掛け部が能動になるとは限らない。同
様に引掛かり部が受動になるとは限らない。以下同じで
ある。さらに、請求項26項〜請求項27項記載の発明
は、請求項24項、請求項24−2項記載の発明に加え
て、上部スライド部材(上側免震皿)を構成する下部材
の上部、下部スライド部材(下側免震皿)を構成する上
部材の上部に、スライド方向の孔をもち、その上部下部
スライド部材の交差する孔中に、すべり型中間滑り部ま
たは転がり型中間滑り部(ローラーまたはボール)を設
け、転がり支承を兼用させる免震装置・滑り支承(引抜
き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の
発明である。 2.11. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項28項、請求項28−2項記載の発明は、上部ス
ライド部材と下部スライド部材との間に、横に細長く開
口したスライド孔を有する中間部スライド部材を設け、
上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
ド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向
に、双方のスライド孔に係合し、スライドできるように
し、かつ、上部スライド部材を構成する下部材と、下部
スライド部材を構成する上部材の、どちらか、または両
方が、上部下部スライド部材に対して上下方向は拘束さ
れながら水平方向にスライドするように構成した免震装
置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、またそれ
による免震構造体の発明である。具体的には、上部スラ
イド部材を構成する下部材 、下部スライド部材を構成
する上部材 のどちらか、また両方が、上部・下部スラ
イド部材、の平行(「平行」は、ほぼ平行を含む、全明
細書同じ)する対辺同士に設けられた引掛け部または引
掛かり部に掛り合うことによって、上部スライド部材・
下部スライド部材に対して上下方向は拘束されながら水
平方向にスライドするようになる。さらに、2.10.と同
様に、各スライド部材間にすべり型中間滑り部または転
がり型中間滑り部を設けることも可能である。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.10.(すり鉢・球面支承型除く)及び 2.11.では、上
部スライド部材を構成する下部材、下部スライド部材を
構成する上部材、または中間部スライド部材が自然に元
の位置に戻らない問題があった。また2.10.(すり鉢・
球面支承型除く)及び2.11.は、従来(特許 1844024
号)に比して小さいが、もっと小さくできないかという
要望があった。請求項29項〜請求項32−2項の発明
は、これらの問題を解決するものである。請求項29
項、請求項29−2項は、免震される構造体と免震され
る構造体を支持する構造体との間に設けられ、上側免震
皿に対して上下方向は拘束されながら水平方向にスライ
ドし、下側免震皿に対して上下方向は拘束されながら水
平方向にスライドするように構成された上下繋ぎスライ
ド部材により、上側免震皿と下側免震皿とは上下方向に
は繋がれ(拘束され)、水平方向にはスライド可能なよ
うに構成され、かつ、前記上側免震皿を免震される構造
体に、下側免震皿を免震される構造体を支持する構造体
に設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支承)、また
それによる免震構造体の発明である。上下繋ぎスライド
部材と免震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行する対
辺同士(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面部(内
ガイド型)、またはその両方のいずれでも良い(外ガイ
ド型、内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガイド部を
上下繋ぎスライド部と考えれば同じ)。請求項29−3
項は引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎス
ライド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設
けられた引掛かり部(または引掛け部)に対し、内側か
ら掛かり合う(入り込む)ことによって構成される、内
型上下繋ぎスライド部材をもった免震装置・滑り支承
(引抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構
造体の発明である。請求項29−4項は引掛け部(また
は引掛かり部)を有する上下繋ぎスライド部材が上下の
免震皿(の平行する対辺同士)に設けられた引掛かり部
(または引掛け部)に対し、外側から掛かり合う(入り
込む)ことによって構成される、外型上下繋ぎスライド
部材をもった免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑
り支承)、またそれによる免震構造体の発明である。請
求項30項は、請求項29項から請求項29−4項記載
の免震装置・滑り支承において、上側免震皿に対しての
スライド方向と、下側免震皿に対してのスライド方向と
は、直角(「直角」は、ほぼ直角を含む、全明細書同
じ)をなすように構成された上下繋ぎスライド部材であ
ることを特徴とする免震装置・滑り支承(引抜き防止装
置・滑り支承)、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項31項は、請求項29項から請求項30項記
載の免震装置・滑り支承において、上下繋ぎスライド部
材の中央部に、免震皿上を自由にボールもしくはローラ
ーが転がれるか、または中間すべり部がすべれる大きさ
の孔が開けられ、ボールまたはローラーまたは中間すべ
り部が入っていることにより構成されてなることを特徴
とする免震装置・滑り支承(引抜き防止装置・滑り支
承)、またそれによる免震構造体の発明である。請求項
32項は、請求項31項記載の免震装置・滑り支承にお
いて、上側免震皿、下側免震皿は、すり鉢状・球面状ま
たは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を有する
免震皿であることを特徴とする免震装置・滑り支承(引
抜き防止装置・滑り支承)、またそれによる免震構造体
の発明である。請求項32−2項は、請求項29項から
請求項32項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支
承において、上下繋ぎスライド部材と免震皿との接触部
分にボールもしくはローラー等の転動体または低摩擦材
を設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明で
ある。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化 地震の初滑動を良くするために、免震皿の滑り面部にお
いて、中心部の摩擦係数を小さくする。また、振幅を小
さくするために、免震皿の滑り面部において周辺部の摩
擦係数を大きくする。また、この両方を組合せ、免震皿
の滑り面部において、中心部の摩擦係数を小さくし、周
辺部の摩擦係数を大きくする。それにより、地震の初動
加速度を小さくでき、しかも、一定以上の振幅を抑制す
る効果をより高めることができる。また、免震皿の滑り
面部において、中心部から周辺部に向かって、徐々に摩
擦係数を大きくしてゆく方法、また段階的に大きくして
ゆく方法もある。請求項33項は、その免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。また、
この方法は、粘性ダンパー等またバネ等に比べて、摩擦
係数によって簡単に減衰効果を変えられるだけでなく、
地震後の減衰効果も大きい。というのは、減衰抵抗に関
して、摩擦では速度と無関係で一定という関係であり、
地震後の振動速度が弱まると減衰効果は大きくなり、速
やかに減衰するが、一方、粘性ダンパー等では速度に比
例し、またバネ等では振幅に比例するため、地震後でも
漸近線的なカーブになり、なかなか減衰しない。 3.2. 曲率の変化 凹型滑り面部を有する免震皿をもつ免震装置・滑り支承
において、免震皿の凹型滑り面部の中心部の曲率半径を
大きくし、周辺部の曲率半径を小さくすることにより、
ある一定以上の振幅の地震に対して、滑り部が免震皿か
ら外れないようにするための、抑制効果を持たせること
ができる。請求項34項の発明は、その免震装置・滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。請求項
34−2項は、請求項34項記載の免震皿の滑り面部に
おいて、滑り面部の勾配が、以下の式を満たすように構
成されてなることを特徴とするダンパー、またそれによ
る免震構造体の発明である。 Z=p・X^n ただし X : 免震皿の中央部からの水平変位 Z : 免震皿が構成する曲面上で、水平変位Xに伴い生
じる鉛直変位 p、n : 曲面の方程式の係数 特に、n=0.7〜2の場合が効果がある。 3.3. 摩擦係数の変化と曲面率の変化 また、免震皿の、3.1.の摩擦係数の変化と、3.2.の曲面
率の変化とを、両方使って、滑り免震装置・滑り支承の
ダンパー機能向上および初滑動を向上させる方法もあ
る。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承 免震皿の大きさを小さくするために、免震される構造体
と、免震される構造体を支持する構造体との両方に、免
震皿を取付け、免震皿を上下二重(二重免震皿)にする
方法を発明した。この二重免震皿免震装置・滑り支承
は、平面で形成された滑り面部(平面型滑り面部と言
う)を持った免震皿同士で構成される場合と、平面型滑
り面部を持った免震皿と凹面で形成された滑り面部(凹
型滑り面部と言う)を持った免震皿とで構成される場
合、または凹型滑り面部を持った免震皿同士で構成され
る場合とがある。平面型滑り面部と凹型滑り面部を持っ
た免震皿同士で構成される場合、また凹型滑り面部を持
った免震皿同士で構成される場合は、上下の二重免震皿
の間に中間滑り部を必要とする。なお、平面型滑り面部
を有する免震皿を、平面型免震皿と言い、凹型滑り面部
を有する免震皿を、凹型免震皿と言う。この二重免震皿
免震装置・滑り支承は、特許 1844024号の滑り部と免震
皿を持った免震装置または免震復元装置に比べ、免震皿
一枚あたりの面積はほぼ 1/4にとなり、上下の免震皿を
合わせても必要な材料はほぼ 1/2で良くなる。また、上
下二つの免震皿を同じ大きさにできることにより、地震
時以外の常時における密閉性をも得ることができる。ま
た、当然、三重以上の免震皿による免震装置・滑り支承
も考えられる。三重以上の免震皿による免震装置・滑り
支承の場合は、上部免震皿と下部免震皿との間に中間免
震皿を挟み込むことにより構成される。請求項35項〜
請求項36項は、その免震装置・滑り支承、またそれに
よる免震構造体の発明である。 4.1.2. 引抜き防止付き三重(また三重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 上部免震皿、中間免震皿、下部免震皿による三重免震皿
免震装置・滑り支承において、上部免震皿と中間免震皿
とを上下繋ぎスライド部材・部分でつなぎ(x軸方向=
水平方向)、中間免震皿と下部免震皿とを上下繋ぎスラ
イド部材・部分でつなぐ(y軸方向=水平方向)ことに
より、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが相互に
連結して(z軸方向=鉛直方向)、引抜き力に対処する
ことができるようになる。また、四重以上免震皿免震装
置・滑り支承も同様に考えられる。この場合は、中間免
震皿を複数個設置し、三重免震皿の場合と同じ要領で、
中間免震皿同士を順次、繋いでいく。上下繋ぎスライド
部材・部分と免震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行
する対辺同士(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面
部(内ガイド型)、またはその両方のいずれでも良い
(外ガイド型、内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガ
イド部を上下繋ぎスライド部と考えれば同じ)。請求項
37項〜請求項38−3項は、その免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。ここで、
上側免震皿と上部免震皿、下側免震皿と下部免震皿との
用語の違いについて説明しておく。免震皿が3枚の時に
は、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とによって構
成される。また、3枚以上の時には、上部免震皿と複数
枚の中間免震皿と下部免震皿とによって構成される。中
間免震皿は下側免震皿と上側免震皿とを兼ねて、上部免
震皿もしくはその上の中間免震皿との関係では下側免震
皿となり(上部免震皿もしくはその上の中間免震皿は上
側免震皿となり)、下部免震皿もしくはその下の中間免
震皿との関係では上側免震皿となる。なお、上部(側)免
震皿とは、上部免震皿または上側免震皿を表す。下部
(側)免震皿も同様である。また、上側(部)免震皿とは、
上側免震皿または上部免震皿を表す。下側(部)免震皿も
同様である。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 4.2.1. 中間滑り部(一重) 4.2.1.1. 中間滑り部 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の
重なる免震皿間に、中間滑り部が挟み込まれることが考
えられ、その中間滑り部には、すべり型のもの(4.2.1.
2.)と転がり型のもの(4.2.1.3.)とその中間型のもの
(4.2.1.4.)とが、考えられる。下向きの平面型滑り面
部もしくは凹型滑り面部を有する上側免震皿と、上向き
の平面型滑り面部もしくは凹型滑り面部を有する下側免
震皿とで構成され、上側免震皿と下側免震皿との間に、
中間滑り部(すべり型または転がり型)、またはローラ
ー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部が挟み込
まれ、また、上側免震皿、下側免震皿と中間滑り部との
間にローラー・ボール(ベアリング)がはさまれる場合
もある。また、三重以上の免震皿の場合には、免震皿ご
とに挟み込む場合もある。請求項39項は、その免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 4.2.1.2. 中間滑り部(すべり型) 4.2.1.1.の、中間滑り部を持った二重(または二重以上
の)免震皿からなる免震装置の中間滑り部が、すべり型
のものである。4.2.1.1.の、中間滑り部を持った二重
(または二重以上の)免震皿からなる免震装置におい
て、上側免震皿の凹型と同曲率または接する曲率を持つ
凸型と、下側免震皿の凹型と同曲率または接する曲率を
持つ凸型とが合体した形の中間滑り部を、上側免震皿と
下側免震皿の間に挟み込むという構成により、中間滑り
部は1つの場合でも、中間滑り部と上側免震皿、中間滑
り部と下側免震皿との接触面積をともに、振動時でも一
定にできるか、またはそれに近付けるようにすることが
できる。請求項40項〜請求項45項は、その免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 4.2.1.3. 中間滑り部(転がり型) さらに、以下の4.2.1.3.1.〜 4.2.1.3.4.は、請求項4
6項〜請求項51項の、4.2.1.1.の中間滑り部を持った
二重(または二重以上の)免震皿からなる免震装置の中
間滑り部が、転がり型のものである。 4.2.1.3.1. 中間滑り部(平面状、凹型球面状免震皿) 4.2.1.3.2. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免震皿) 請求項46項〜請求項49項は、4.2.1.1.の、中間滑り
部を持った二重(または二重以上の)免震皿からなる免
震装置において、下向き平面状または凹型の球面または
すり鉢状の滑り面部を有する上側免震皿と、上向き平面
状または凹型の球面またはすり鉢状の滑り面部を有する
下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれたボールを持つ
ことにより構成される免震装置・滑り支承、またそれに
よる免震構造体の発明である。特に、すり鉢状の免震皿
の場合には、すり鉢の底を、ボールと同曲率の球面状に
し、すり鉢はそれに接する形で形成されるのがよい。請
求項48項は、その免震装置・滑り支承、またそれによ
る免震構造体の発明である。この事により、すり鉢状に
も拘らず、ボールと免震皿の接触面積を大きくすること
ができ、耐圧性能が高くなる。このことは、心配される
経年後のボールの免震皿への食込みを、最小限に抑える
ことができる。というのは、問題となる通常時(小変位
の小地震の時を含む)における食込みを、この形状を採
ってボールと免震皿の接触面積を大きくし、免震皿にか
かる単位面積あたりの荷重を小さくすることにより防ぐ
ことができるからである。 4.2.1.3.3. 中間滑り部(平面状、円柱谷面状免震皿) 4.2.1.3.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状免震皿) また、下向き平面状または円柱谷面状またはV字谷面状
等の滑り面部を有する上側免震皿と、上向き平面状また
は円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下
側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ、スライド方向と
直角に設けられたローラーによって構成される免震装置
・滑り支承の場合も同様である。請求項49項〜請求項
50項は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免
震構造体の発明である。特に、V字谷面状の滑り面部を
有する免震皿の場合には、V字谷面の底が、免震皿に挟
まれたローラーと同曲率の形状をなしており、V字谷面
はそれに接する形で形成されるのがよい。請求項51項
は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 4.2.1.4. 中間滑り部(転がりすべり中間型) 請求項52項〜請求項53項は、4.2.1.1.の、中間滑り
部を持った二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震
皿)からなる免震装置の中間滑り部が、すべりと転がり
との中間型のもので、転がりとすべりの中間の摩擦係数
が得られる免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
造体の発明である。摩擦係数は、転がり支承約1/100か
らすべり支承約1/10と隔たり、その中間値が得られなか
った。中間滑り部6の中にローラー5-f・ボール5-e
(ベアリング)をもたせて、転がりとすべりの複合型支
承でそれを可能にした。 (1) 回転抑制型 請求項52項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り
部はローラー・ボール(ベアリング)と、このローラー
・ボール(ベアリング)をもったすべり部分とによって
構成され、すべり部分が、ローラー・ボール(ベアリン
グ)の回転を抑制するように、すべり部分とローラー・
ボール(ベアリング)との接触面の摩擦が大きくなるよ
うに構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体である。 (2) 摩擦回転併用型 請求項53項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り
部はローラー・ボール(ベアリング)と、このローラー
・ボール(ベアリング)をもったすべり部分とによって
構成され、すべり部分とローラー・ボール(ベアリン
グ)の両方とが免震皿にほぼ均等に接するように構成さ
れてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそ
れによる免震構造体である。 4.2.2. 二重中間滑り部 請求項54項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、中間滑り部を二重にするというものである。中
間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をもっ
た中間滑り部が、上下に、第一中間滑り部と第二中間滑
り部とに分かれ、互いに同一(「同一」は、ほぼ同一を
含む、全明細書同じ)球面率の球面同士で重なりあう形
で、上下の滑り面部を有する免震皿に挟み込まれる。具
体的には、4.2.1.において、中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部が第一中間
滑り部と第二中間滑り部とに分かれ、上側または下側免
震皿のどちらか一方の平面状または凹型滑り面部と同曲
率(または同一球面率)または接する曲率の凸型(また
は球面)滑り面部をもち、且つその凸型の反対部は凸
(または凹)型球面状滑り面部をもつ第一中間滑り部
と、その反対部の凸(または凹)型球面状滑り面部と同
一球面率の凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、且
つその凹(または凸)型の反対部は、上側または下側免
震皿のもう一方の平面状または凹型滑り面部と同曲率
(または同一球面率)または接する曲率の凸型(または
球面)滑り面部をもつ第二中間滑り部とからなり、この
第一中間滑り部及び第二中間滑り部とは、互いに同一球
面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形で、上側及び
下側免震皿に挟み込まれることにより構成されてなるこ
とを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免
震構造体である。 4.2.3. 三重中間滑り部 請求項55項の発明は、4.2.1.の免震装置・滑り支承に
おいて、中間滑り部を、三重にするというものである。
中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をも
った中間滑り部が、上下に、第一中間滑り部、第二中間
滑り部、第三中間滑り部に分かれ、それらはそれぞれ互
いに同一球面率の球面同士で重なりあう形で、上下の滑
り面部を有する免震皿に挟み込まれる。具体的には、4.
2.1.において、中間滑り部またはローラー・ボール(ベ
アリング)をもった中間滑り部は第一中間滑り部と第二
中間滑り部と第三中間滑り部とに分かれ、上側または下
側免震皿のどちらか一方の平面状または凹型滑り面部と
同曲率(または同一球面率)または接する曲率の凸型
(または球面)滑り面部をもち、且つその凸型の反対部
は凹(または凸)型球面状滑り面部をもつ第一中間滑り
部と、その反対部の凹(または凸)型球面状滑り面部と
同一球面率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもち、
且つその凸(または凹)型の反対部は凸(または凹)型
球面状滑り面部をもつ第二中間滑り部と、その反対部の
凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面率の凹(ま
たは凸)型球面状滑り面部をもち、且つその凹(または
凸)型の反対部は、上側または下側免震皿のもう一方の
平面状または凹型滑り面部と同曲率(または同一球面
率)または接する曲率の凸型(または球面)滑り面部を
もつ第三中間滑り部とからなり、この第一中間滑り部、
第二中間滑り部及び第三中間滑り部とは、それぞれ互い
に同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形で、
上側及び下側免震皿に挟み込まれることにより構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体である。 4.2.4. 復元バネ付き中間滑り部持ち二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承 請求項56項の発明は、以上の4.2.の中間滑り部持ち二
重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の各
装置において、中間滑り部または保持器と上側免震皿、
下側免震皿とをバネ等で繋ぐことによって復元力を持た
せ、復元装置の機能を合せ持たせてなることを特徴とす
る免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体であ
る。 4.2.5. ローラー・ボール(ベアリング)入り二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承 4.の二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承において、免震皿の間にローラー・ボール(ベアリ
ング)等5-e、5-fを入れることにより、摩擦係数の低
下が図られ、高い免震性能が得られる。請求項57項
は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 4.3. 平面状また円柱谷面状またV字谷面状重層免震皿
(上下繋ぎスライド部分持ち) 三重以上の免震皿免震装置・滑り支承において、4.1.2.
の上下繋ぎスライド部材では、中間免震皿が自然に元の
位置に戻らず(平面型・凹型共に)、地震時に中間免震
皿が外れる可能性があった。また上下繋ぎスライド部材
が自然に元の位置に戻らず(平面型・凹型共に)、地震
時に上下繋ぎスライド部材が外れる可能性があった。こ
の問題を解決するものである。請求項58項、請求項5
8−2項、請求項58−3項の発明は、4.の三重以上
の免震皿免震装置・滑り支承において、免震皿が複数個
あって、それらの免震皿が、(平行する対辺同士で)免
震皿自体に設けられた上下繋ぎスライド部分によって相
互に繋がれ、順次連結されてゆき、下向きの平面状また
は円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する上
側免震皿と、上向きの平面状または円柱谷面状またはV
字谷面状等の滑り面部を有する下側免震皿と、これらの
免震皿に挟まれたローラー等の転動体または中間滑り部
(すべり部材)とによって構成される一層が、一層単位
ごとにローラー等の転動体の進行方向が変わるように、
免震皿が3層の時は、互いに直交方向になるように、免
震皿が3層以上の時は、交差角度の総合計が180度に
なるように、免震皿が重ねられて(下の一層の上側免震
皿は、上の一層の下側免震皿をも兼ねる場合もあり)、
その重層によって、あらゆる方向からの水平力に免震し
復元するように構成されてなることを特徴とする免震装
置・滑り支承、またそれによる免震構造体である。下向
きの平面状の滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの
平面状の滑り面部を有する下側免震皿と、これらの免震
皿に挟まれたローラー等の転動体または中間滑り部(す
べり部材)とによって構成される場合には、上下繋ぎス
ライド部分は、免震皿自体に設けられているため、上下
繋ぎスライド部材を使用した場合のように地震時に外れ
る心配がない。特に三重の免震皿構成の場合は上下繋ぎ
スライド部材が外れることがなくなるだけでなく、中間
免震皿が自然に元の位置に戻る効果を持つため、地震時
に中間免震皿が外れることもなくなる。さらに、上側免
震皿または下側免震皿の少なくともどちらか一方を円柱
谷面状またはV字谷面状等の滑り面部とし、これらの免
震皿にローラー等の転動体または中間滑り部(すべり部
材)を挟むことによって免震装置・滑り支承を構成する
場合には、上下繋ぎスライド部材を使用した場合のよう
に、地震時に外れる心配がなくなる。また、中間免震皿
が自然に元の位置に戻る効果も持ち、全方向の復元が可
能になり、さらにローラー型で全方向の復元が可能にな
ることにより耐圧性能を向上させることも可能になる。
特に、V字谷面状の凹型滑り面部を有する免震皿の場合
には、5.に示すように共振のない免震装置が可能にな
る。さらに、この三重の免震皿構成の場合は上下繋ぎス
ライド部材が外れることがなくなるだけでなく、中間皿
免震皿が自然に元の位置に戻る効果も持つため、中間免
震皿が外れることもなくなる。上下繋ぎスライド部分と
免震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行する対辺同士
(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面部(内ガイド
型)、またはその両方のいずれでも良い(外ガイド型、
内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガイド部を上下繋
ぎスライド部と考えれば同じ)。ローラー等の転動体ま
たは中間滑り部(すべり部材)を複数個にすることによ
り、より耐圧性能が上げられる。請求項59項〜請求項
60項は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免
震構造体の発明である。また、請求項35項から請求項
60項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承にお
いて、滑り面部のローラー転がり面にラックを、ローラ
ーの周囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けること
により、ローラーの免震時のスリップによるずれを防ぐ
ことが可能になる。請求項60−2項は、その免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。
また、請求項35項から請求項60−2項のいずれか1
項に記載の免震装置・滑り支承において、ローラーと滑
り面部のローラー転がり面とのどちらか一方に溝を、他
方にその溝に入る凸部を設けることにより、ローラーの
免震時のスリップによるずれを防ぐことが可能になる。
請求項60−3項は、その免震装置・滑り支承、またそ
れによる免震構造体の発明である。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承 免震復元装置の免震皿の密閉性を得るために、二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の、免震皿
の側面の周囲全周を、中小地震程度の揺れを許容するよ
うなシールまたは防塵カバーで密閉した二重(または二
重以上の)免震皿免震装置・滑り支承、またそれによる
免震構造体を発明した。請求項61項は、その発明であ
る。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 4.5.1. 中間滑り部 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の免震皿と滑
り部の接触面積が大きく、また地震時の免震振動時も一
定に保たれるようにするために、以下のような構成を発
明した。球面状またはすり鉢状または円柱谷面状または
V字谷面状等の凹型滑り面部を有する免震皿と、この免
震皿の凹型滑り面部と同一球面率または接する曲率の凸
型滑り面部をもち、且つその凸型の反対部に凹(または
凸)型球面状滑り面部をもつ中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部と、中間滑
り部のこの凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球面
率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもつ滑り部とか
らなり、この中間滑り部を、凹型滑り面部を有する免震
皿と滑り部との間に挟み込むことにより構成される免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体である。請
求項62項は、その発明である。 4.5.2. 二重中間滑り部 球面状またはすり鉢状または円柱谷面状またはV字谷面
状等の凹型滑り面部を有する免震皿と、この免震皿の凹
型滑り面部と同一球面率または接する曲率の凸型滑り面
部をもち、且つその凸型の反対部に凸(または凹)型球
面状滑り面部をもつ第二中間滑り部またはローラー・ボ
ール(ベアリング)をもった第二中間滑り部と、その反
対部の凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面率の
凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、且つその凹
(または凸)型の反対部に凸(または凹)型球面状滑り
面部をもつ第一中間滑り部またはローラー・ボール(ベ
アリング)をもった第一中間滑り部と、この第一中間滑
り部の前記凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面
率の凹(または凸)型球面状滑り面部をもつ滑り部とか
らなり、この第一中間滑り部及び第二中間滑り部とは、
互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形
で、凹型滑り面部を有する免震皿と滑り部との間に挟み
込まれることにより構成される免震装置・滑り支承、ま
たそれによる免震構造体も発明した。請求項63項は、
その発明である。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.6.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 請求項64項は、免震復元装置の、免震皿の移動により
生じる滑り部の垂直変位を吸収するために、滑り部の上
部に、垂直方向に弾性をもつバネ等を入れ、その上をネ
ジを切った押さえ材でそのバネ等を押さえ、そのバネ等
の働きで、滑り部の垂直変位を吸収し、この押さえ材を
ネジ方向に締めたり、緩めたりすることにより、復元力
・減衰力を変えることができ、押さえ材をネジ方向に締
める事により、地震後の残留変位を無くす事も可能に
し、またこのバネ等は、地震の垂直動に対する免震効果
をも持たせた滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免
震皿免震装置・滑り支承あり、またそれによる免震構造
体の発明である。 4.6.2. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震装置
・滑り支承に関する発明である。8.1.2.2.3.の自動復元
型固定装置の固定ピンを、滑り部またはローラー・ボー
ル(ベアリング)をもった滑り部にし、固定ピンの挿入
部を、凹型滑り面部を有する免震皿にしたもので、そう
することにより、滑り部自体が垂直変位を吸収し得る、
滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震装置
・滑り支承が可能になる。 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 垂直変位を吸収するようにするために、以下のような装
置も発明した。重力復元型免震装置・滑り支承の滑り部
に、免震される構造体と水平力は伝達するが、垂直力は
伝達しない部材で、その部材の重さが、免震される構造
体に比べて、この重力復元型免震装置・滑り支承の復元
性を得られるほど、重い部材をもった重力復元型免震装
置・滑り支承である。請求項65項は、その縁切り型垂
直変位吸収重力復元型免震装置・滑り支承の発明であ
り、またそれによる免震構造体の発明である。 4.8. 新重力復元型免震装置 免震される構造体にケーブル等で重りを接続し、免震さ
れる構造体を支持する構造体に、ケーブル等の入る大き
さの挿入口を免震される構造体の重りの支持位置の直下
となるように設け、その挿入口を通して免震される構造
体を支持する構造体の下にその重りを吊り下げる。地震
時には、免震される構造体の重りの支持位置とその孔と
がずれるが、重りによって、その位置のずれを矯正しよ
うとする力が働き、復元力が得られる。場合により、そ
の孔の周囲は、低摩擦材、潤滑材等でケーブルとその孔
の周囲の摩擦抵抗を最小限にすることもある。この重り
による重力復元型免震装置は、寿命が長く、しかも垂直
変位が生じない。バネ等による復元制御に比べて免震性
能がよく、地震後の残留変位を消去する能力も大きい。
請求項66項〜請求項68項は、その重力復元型免震装
置の発明であり、またそれによる免震構造体の発明であ
る。請求項68−2項は、 請求項66項から請求項6
8項のいずれか1項に記載の免震構造体において、併用
する滑り支承としては、転がり支承、すべり支承(復元
性能を持たない平面状滑り面部をもつ滑り支承でよい)
であることを特徴とする免震構造体の発明である。以
下、この重りによる重力復元型免震装置(滑り支承を含
む場合もあり)を「重り復元型免震装置」と言う。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 5.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 5.1.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。共振のない免震装置の必要性
が求められている。請求項69項〜請求項76項は、そ
の発明であり、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 5.1.1.1. 共振のない滑り型免震装置と共振のある滑り
型免震装置 5.1.1.1.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 すり鉢(円錐・角錐等)状の滑り面部を有する免震皿か
らなる免震装置・滑り支承(一重免震皿免震装置・滑り
支承(転がり・すべり、4.5.参照)、二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承(転がり・すべり、
2.10./2.12./4.1.〜4.2.1.2.3./4.2.1.2.5./4.2.1.
3.2.〜4.3./(4.4.)/参照))、または、V字谷面状の
滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承
(一重免震皿免震装置・滑り支承(転がり・すべり、4.
5.参照)、二重(または二重以上の)免震皿免震装置・
滑り支承(転がり・すべり、4.2.1.2.4./4.2.1.2.5./
4.2.1.3.4./4.3./(4.4.)参照)、10.1.1.2. 回転・捩
れ防止装置2の(3)復元型滑り支承兼用型)による免震
構造体は、共振現象を持たない。以上の、すり鉢状の滑
り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、V
字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・
滑り支承、つまり、一定勾配型の滑り面部を有する免震
皿をすべるか(転動体等で)転がるかしてなる滑り支承
による免震構造体の場合は、共振現象を持たない。ま
た、このような一定勾配型の滑り面部を有する免震皿を
すべるか(転動体等で)転がるかしてなる滑り支承を直
線勾配型復元滑り支承と言う。 (2) 重り復元型免震装置 重り復元型免震装置(4.8.参照)による免震構造体は、
共振現象を持たない。併用する滑り支承としては、復元
性能を持たない平面状滑り面部をもつ滑り支承(転がり
支承、すべり支承)でよい(請求項68−2項記載の免
震構造体)。以下のように凹型球面・円柱谷面復元型免
震装置・滑り支承との併用は不可である。 5.1.1.1.2. 共振のある滑り型免震装置 参考として共振のある滑り型免震装置として、以下の2
つの型の免震装置をあげておく。 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 凹型球面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承(2.10./2.12./4.1.〜4.2.1.2.1./4.2.1.
3.1.〜4.5.参照)、または、円柱谷面状の滑り面部を有
する免震皿からなる免震装置・滑り支承(4.2.1.2.2./
4.2.1.3.3./4.3./(4.4.)/4.5.参照)による免震構造
体は、共振現象を持つ。以上の凹型球面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、または、円
柱谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・
滑り支承を凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支
承と言う。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 滑り支承+バネ型復元装置(4.2.4./14.2.2.(実施
例)参照)による免震構造体は、共振現象を持つ。 5.1.1.2. 共振のない滑り型免震装置と共振のある滑り
型免震装置との運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.
0.また 5.1.3.1.参照) 以下、5.1.1.1.の運動方程式である。 5.1.1.2.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法 直線勾配型復元滑り支承による免震構造体の直接法によ
る運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・d
x/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 直線勾配型復元滑り支承による免震構造体の等価線形化
法による運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒m
g・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法 重り復元型免震装置による免震構造体の直接法による運
動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/dt)=-d
(dz/dt)/dt d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/
m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 重り復元型免震装置による免震構造体の等価線形化法に
よる運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+
Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x| Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 5.1.1.2.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承による免
震構造体の直接法による運動方程式は、以下のようにな
る。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承による免
震構造体の等価線形化法による運動方程式は、以下のよ
うになる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法 滑り支承+バネ型復元装置による免震構造体の直接法に
よる運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 滑り支承+バネ型復元装置による免震構造体の等価線形
化法による運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 5.1.1.3. 運動方程式から設計された共振のない滑り型
免震装置と共振のある滑り型免震装置(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照) (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法 請求項69項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・d
x/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、残留変位のない復元を考えるとθ≧μ が
満たされてなることを特徴とする、すり鉢状の滑り面部
を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしく
は、V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 2) 等価線形化法 請求項70項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒m
g・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、残留変位のない復元を考えるとθ≧μ が
満たされてなることを特徴とする、すり鉢状の滑り面部
を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしく
は、V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震
装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法 請求項71項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/
m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、残留変位のない復元を考えるとM/m≧μ
が満たされてなることを特徴とする、重り復元型免震装
置(4.8.参照)、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 2) 等価線形化法 請求項72項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x| Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、残留変位のない復元を考えるとM/m≧μ
が満たされてなることを特徴とする、重り復元型免震装
置(4.8.参照)、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 5.1.1.3.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法 請求項73項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなることを特徴とする、凹型球面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしくは、
円柱谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項74項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなることを特徴とする、凹型球面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしくは、
円柱谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法 請求項75項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなることを特徴とする、滑り支承+バネ型復元装
置による免震装置、またそれによる免震構造体の発明で
ある。 2) 等価線形化法 請求項76項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなることを特徴とする、滑り支承+バネ型復元装
置による免震装置、またそれによる免震構造体の発明で
ある。 5.1.2. 共振のないことの証明 5.1.1.1.の(1)(2)に関して、5.1.1.2.の運動方程式(2)
においてM/m=θ(実際そのようなMにする必要があ
る)とすると(1)と同じ運動方程式になる。運動方程式 d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt の解を整理すると以下のようになる(後述の実施例の
5.1.3.滑り免震(すり鉢状)の運動方程式の解、参
照)。 (1) 最大応答加速度の理論解 絶対加速度振幅|d(dy/dt)/dt|maxは |d(dy/dt)/dt|max=|(±θ+μ)g| ……( 15) 絶対加速度倍率γ2は γ2 =|(±θ+μ)/ε| ……( 16) となる。 (2) 最大応答変位の理論解 相対変位振幅x0は x0 =|±z0/(2ε)・{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}^0.5 +(±θ+μ)・z0/ε| ……( 8-1) 相対変位倍率γ0は γ0 =|±1/(2ε)・{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}^0.5+(±θ+μ)/ε| ……( 9-1) 絶対変位振幅y0は y0 =|(±θ+μ)z0・π^2/(8ε)| ……( 12) 絶対変位倍率γ1は γ1 =|(±θ+μ)π^2/(8ε)| ……( 13) となる。以上から、応答変位倍率は、入力(地震)周期
とは無関係であり、入力加速度によってきまり、入力加
速度とほぼ反比例関係であり、小さい入力加速度では増
幅はあるが、大きな入力加速度では応答変位の増幅はほ
とんど無い。応答絶対加速度も、入力(地震)周期とは
無関係であり、さらに入力変位・速度・加速度に依ら
ず、常に一定値の(±tanθ+μ)・gである。以上のこ
とは実験でも証明されている。共振が問題になるのは、
変位増幅よりも加速度増幅の場合である。それも大きな
加速度入力時に起る場合が特に問題である。本発明によ
り、共振の心配の全くない装置が可能となる。 5.2. 解析プログラムによる共振のない滑り型免震装置 請求項77項、請求項78項、請求項79項、請求項8
0項は、解析プログラムによる共振のない滑り型免震装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 5.2.1. Runge-Kutta法 請求項77項は、免震される構造体と、免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた、免震装置・滑
り支承、またそれによる免震構造体において、請求項6
9項から請求項76項のいずれか1項に記載の運動方程
式を使用し、以下の解析プログラムのフローチャートに
従い、(1) 初期化を行い、(2) 入力データ及び出力先フ
ァイルを設定し、(3) 設定した入力データを読み込み、
(4) 動作判別式を計算して耐震状態か免震状態かを判別
し、(5) 各質点の運動方程式として、連立2階微分方程
式を設定し(耐震状態と免震状態とで運動方程式は異な
る)、(6) (5)の連立2階微分方程式をRunge-Kutta法で
解き、(7) 加速度、速度、変位応答値を計算し、(8) 必
要に応じて誤差を処理し、(9) 計算結果を出力すること
によって、構造解析することにより設計されてなること
を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
構造体の発明である。請求項78項は、Runge-Kutta法
による以下の解析プログラムのフローチャート(記号に
ついては5.2.1.1.変数/定数一覧参照)に従い、 (1) 初期化を行う。 (2) 入出力ファイルを設定する。 (3) 入力データ(地動加速度データ等)を読み込む。 (4) 動作判別式 運動方程式には地動加速度に対して免震装置が機能する
条件が入っていないので、ここで判別式を計算して運動
方程式選択の分岐をおこなう。 1) 耐震(静止)状態の時 免震状態となると判別された場合は、免震状態の運動方
程式を処理する過程へ移行し、耐震状態のままと判別さ
れた場合は、耐震状態の運動方程式を処理する過程を再
び経由する。 2) 免震状態の時 耐震状態となると判別された場合は、耐震状態の運動方
程式を処理する過程へ移行し、免震状態のままと判別さ
れた場合は、免震状態の運動方程式を処理する過程を再
び経由する。 (5) 運動方程式設定 動作判別式により免震装置が機能しない場合と免震装置
が機能する場合の2つの場合に分かれ、運動方程式から
質点数ごとにそれぞれ次のような連立2階微分方程式を
設定する。 1) 1質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(dx/dt)/dt=0 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(dx/dt)/dt=-MM1*G*SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))/MM1-DDY 2) 2質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2−KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 3) 3質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+MM3)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 4) n質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn”)-KKn’*(xn’-xn”) +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n”=n-2 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+・・+MMn)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn”)-KKn’*(xn’-xn”) +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n”=n-2 (6) Runge-Kutta解析 連立2階微分方程式をRunge-Kutta法で解く。 (7) 加速度/速度/変位応答の計算 速度と変位は連立2階微分方程式を解くことによって得
られ、加速度については運動方程式から直接得る。 (8) 誤差の処理 必要に応じて、誤差を処理する。 (9) 結果出力することによって、構造解析することによ
り設計されてなることを特徴とする、すり鉢状の滑り面
部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしく
は、V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震
装置・滑り支承、もしくは、重り復元型免震装置、また
それによる免震構造体の発明である。 5.2.2. Wilsonθ法 請求項79項は、免震される構造体と、免震される構造
体を支持する構造体との間に設けられた、免震装置・滑
り支承、またそれによる免震構造体において(記号につ
いて5.2.2.2. 変数/定数一覧参照)、請求項70項、
請求項72項、請求項74項、請求項76項のいずれか
1項に記載の運動方程式を使用し、以下の解析プログラ
ムのフローチャートに従い、(1) 初期化を行い、(2) 入
力データ及び出力先ファイルを設定し、(3) 時刻歴のル
ープを設定し、(4) 先読みのループを設定し、(5) 等価
バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)を計算し、(6) (4)
でのループ により1巡目の処理か2巡目の処理かをチェ
ックし、(7) Wilson-θ法により、t+θDT時の変位を計
算し、(8) Wilson-θ法により、加速度/速度/変位応
答を計算し、(9) 必要に応じ誤差を処理し、(6)のルー
プチェックにおいて1巡目の処理とされた場合は (4)へ
戻り、2巡目の処理とされた場合には(10)へ進み、(10)
計算結果を出力することによって、構造解析することに
より設計されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。請求項8
0項は、Wilsonθ法による以下の解析プログラムのフロ
ーチャート(記号について5.2.2.2. 変数/定数一覧参
照)に従い、 (1) 初期化を行う。 (2) データ入力と出力ファイルを設定する。 (3) 時刻反復 1) 時刻歴(M=2 TO NN)のループを設定する。 (4)先読み反復 1) 先読み(O=1 TO 2)のループを1巡目のときO=1、2
巡目のときO=2。〔5.2.2.6. 2)を参照〕と設定する。 (5)等価バネ定数、等価減衰係数を以下の式により計算
する。 1) 等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)を、V0とX0
から求める。 1質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 2質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 (6) ループチェック (4)でのループにより1巡目の処理か2巡目の処理かをチ
ェックする。 (7) Wilson-θ法により、t+θDT時の変位計算 (8) Wilson-θ法により、加速度/速度/変位応答の計
算 (9) 誤差の処理 必要に応じ誤差を処理し、(6)のループチェックにおい
て、1巡目の処理とされた場合は(4)へ戻り、2巡目の
処理とされた場合には、(10)へ進み、 (10) 結果出力することによって、構造解析することに
より設計されてなることを特徴とする、状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、もしくは、
V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承、もしくは、重り復元型免震装置、またそれ
による免震構造体の発明である。 5.3. 直線勾配型復元滑り支承のすり鉢状とV字谷面状
の運動方程式比較 5.3.1. V字谷面状の運動方程式 請求項80−2項の発明は、免震される構造体と、免震
される構造体を支持する構造体との間に設けられ、滑り
面部の形状がすり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿
を持つ免震滑り支承において、連立運動方程式(記号説
明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(y)+μ・sign
(dy/dt)}=-d(dqy/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(d
qx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{θ・sign(y)+μ・sign(dy/dt)}=-d(d
qy/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造体
である。 5.3.2. すり鉢状の運動方程式 請求項80−3項の発明は、請求項80−2項の運動方
程式において、 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・x/(x^2+y^2)^0.5+
μ・(dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・y/(x^2+y^2)^0.5+
μ・(dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqy/dt)/dt とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震滑り支承、またそれによる
免震構造体である。 5.4. 簡易応答加速度式 5.4.1. 直線勾配型復元滑り支承をもった免震構造体の
簡易応答加速度式 請求項80−4項は、すり鉢状またV字谷面状の直線勾
配型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免震構造体の
簡易応答加速度式の発明である。すり鉢状またV字谷面
状の直線勾配型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免
震構造体の最大応答加速度式(概算)は以下のようにな
る。 A=α・{g・{θ+μ}+C・v/m} A :最大応答加速度値 cm/s^2 g :重力加速度 981cm/s^2 θ :すり鉢状免震皿の勾配 radian μ :免震皿の動摩擦係数 m :質点の質量 C :免震層のダンパーの粘性減衰係数 v :地震動最大加速度 α :免震される構造体の応答倍率 請求項80−4項の発明は、以上の最大応答加速度式に
よって構造解析することによって設計されてなることを
特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。この式により、簡易に構造計算できる。 6.垂直免震装置 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承 請求項81項は、免震装置・滑り支承、または重力復元
型免震装置・滑り支承の滑り部を挿入する筒内に垂直方
向にバネ等を入れて、滑り部先端を押出す機能をもた
せ、垂直変位を吸収するようにした滑り部垂直変位吸収
型の垂直免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 6.2. 垂直免震付き引抜き防止装置(復元付き含む) バネ等によって地震の垂直力に対して免震させる場合、
バネ等の座屈を防ぐために、水平力は逃がして、垂直力
だけを垂直バネ等に受け持たせなければならないので、
水平力を逃がせる機構となっている十字型免震装置、ま
た引抜き防止装置の上部スライド部材の上と下部スライ
ド部材の下の、どちらかまたは両方に垂直方向にバネ等
を入れることを発明した。2.1.の復元・減衰バネ付き引
抜き防止装置に、上述のように垂直方向にバネ等を入れ
る場合もある。請求項82項は、その免震装置・滑り支
承(垂直免震付き引抜き防止装置)、またそれによる免
震構造体の発明である。 6.3. 各層・各階ごとの垂直免震装置 特許 2504945号で、階・層単位ごとに免震装置を設ける
発明をしており、その応用にもなるが、水平力に対して
は、構造体の基礎部(また低層階)に設けた免震装置
(水平力免震装置)で構造体全体を免震させ、垂直力に
対しては、構造体全体を一括して免震するのは難しいの
で、何階単位かひとまとめにした層単位か、階単位で垂
直免震装置を設け免震させる。この垂直免震装置として
は、階単位での床免震が考えられるが、床・壁・天井を
一体にさせた箱を、層単位か、階単位で、地震の垂直力
から免震させる場合もある。請求項83項は、その免震
構造体の発明である。 6.4. 引張材による垂直免震装置 特許 1778741号で、引張材による垂直支持の方式の発明
をしているが、この引張材に弾性をもたせることによ
り、垂直力の免震性能をもたせることが可能になる。請
求項84項は、その免震装置(垂直免震装置)、またそ
れによる免震構造体の発明である。 7.免震による地震発電装置 請求項85項は、免震機構を使用しての地震発電装置、
またそれによる免震構造体の発明である。地震エネルギ
ーを電気等に換える方法として、免震を活用するもので
ある。 7.1. 免震による地震発電装置 地震エネルギーを電気等の役立つものに換える方法とし
て、免震が活用できるが、しかし、三次元的動きを一次
元の動きに換えるのが困難であった。以下の方法はこれ
を解決するものである。 1) ピン型 請求項86項は、凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入さ
れたピンを有し、挿入部とピンのうち、一方を免震され
る構造体または(免震される)重りに、もう一方を免震
される構造体を支持する構造体に設け、地震時に、この
ピンが、凹形状の挿入部に沿って上がり下がりし、それ
に従って回転子が回転して、発電を行うように構成され
る地震発電装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。凹形状の挿入部は、すり鉢状、球面状等の凹形状が
考えられる。この方法により、地震エネルギーを上下運
動に換えることで、二次元的動きを一次元の動きに、さ
らに回転運動に換え、発電等をおこなう。さらに、この
方法によると、地震の垂直動も電気エネルギー等に換え
ることができる。 2) ラックと歯車型 請求項87項は、ラックと、ラックにより回転する歯車
のうち、一方を免震される構造体または(免震される)
重りに、もう一方を免震される構造体を支持する構造体
に設け、地震時に、この歯車が、ラックによって回転
し、その回転により、発電を行うように構成される地震
発電装置、またそれによる免震構造体の発明である。こ
の方法により、地震エネルギーを水平運動に換えること
で、二次元的動きを一次元の動きに、さらに回転運動に
換えることができる。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 請求項88項は、地震発電装置による地震センサー(以
下、「地震発電装置型地震センサー」と言う)、またそ
れによる免震構造体の発明である。前記 7.1.の地震発
電装置を利用することにより、電気を使用しない地震エ
ネルギーのみを使用した地震センサーが可能になる。さ
らに、後述の固定装置の作動部の解除まで行える電気等
のエネルギーを発生させることも可能になる。 7.3. 地震(発電)センサーによる固定装置の解除 7.1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載
の地震発電装置型地震センサーを使用して、固定装置の
解除を行う。これには、自動制御装置が固定装置の作動
部のロックのみを解除する間接方式と、自動制御装置が
固定装置の作動部の解除を直接行う直接方式との二通り
がある。 8.固定装置・ダンパー 請求項89項〜請求項195項記載の発明は、免震され
る構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定
して、風揺れ等を防止するための固定装置、またそれに
よる免震構造体に関するものである。固定装置は、連結
形態から、固定ピン系と連結部材系との2つの型があ
る。連結部材系は、さらに不可撓部材型と可撓部材型と
に分かれる。固定ピン系は、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを繋ぐ形で取り付けられ
た固定ピン等の係合材・摩擦材(以下、総称して「固定
ピン」と言う。連結部材系のピン型も含む)により、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
を固定するものである。連結部材系は、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体とを繋ぐ形で取
り付けられた連結部材としてのロッド材等の不可撓部材
やワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材による連結
部材により、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体とを連結するものである。具体的には、ピ
ストン状部材、挿入筒、ユニバーサル回転接点、支持部
材、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材等が、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
の連結部材をなす。さらに、固定方法として、固定ピン
系は、直接方式と間接方式とに分かれ、間接方式はピン
型(ロックピン)と弁型(ロック弁)とに分かれる。連
結部材系もピン型(固定ピン)と弁型とに分かれる。そ
して、固定ピン系の直接方式と間接方式のピン型(ロッ
クピン)と弁型(ロック弁)そして連結部材系のピン型
(固定ピン)とを「固定ピン型固定装置」と称し、連結
部材系の弁型を「連結部材弁型固定装置」と称する。ま
た、作動形態から、以下の8.1.地震作動型固定装置と、
8.2.風作動型固定装置との2種類に分かれる。 8.0.1.3. 可撓部材型連結部材系固定装置 請求項89項記載の発明は、免震される構造体を支持す
る構造体または免震される構造体のいずれか一方の構造
体に設置された固定装置の作動部(ピストン状部材)と
もう一方の構造体とを、前記固定装置の設置された構造
体側に設けられた挿入口を介して、ワイヤー・ロープ・
ケーブル等の可撓部材で繋ぐことにより構成されてなる
ことを特徴とする固定装置(以下、可撓部材型連結部材
系固定装置と言う)、またそれによる免震構造体であ
る。 8.1. 地震作動型固定装置 請求項90項記載の発明は、通常時は免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体とを固定して、風
揺れ等を防止しており、地震の振動を感知すると、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体との
固定を解除して、免震装置を作動させるというタイプの
固定装置(以下、地震作動型固定装置と言う)であり、
またそれによる免震構造体である。地震作動型固定装置
は、地震力そのもので作動する剪断ピン型固定装置(8.
1.1.)、地震時の地震センサーの指令または地震センサ
ー振幅装置の振動する重りの力で作動する地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置(8.1.2.)に分かれる。 8.1.1. 剪断ピン型固定装置 請求項91項記載の発明は、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを固定し、両者を繋ぐ形
で固定ピンが取り付けられており、地震時以外は風揺れ
を防止し、地震時に地震力によって固定ピンが切断され
るか、折れるかすることによって、免震される構造体の
固定状態が解除され、免震装置が可動する固定装置(以
下、剪断ピン型固定装置と言う)であり、またそれによ
る免震構造体である。 8.1.2. 地震センサー(振幅)装置装備型固定装置 (1) 一般 請求項92項記載の発明は、地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置、またそれによる免震構造体である。こ
の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置は、免震さ
れる構造体の風揺れ等を防止する固定装置に、地震を感
知する地震センサーまたは地震センサー振幅装置(以
下、「地震センサー(振幅)装置」という)が装備され
たものである。地震時には、地震センサー(振幅)装置
の働きによって、固定装置が解除される。地震センサー
振幅装置には、重力復元型、バネ復元型、振り子型の3
つの形が考えられる。固定装置の固定の解除に関して、
地震力で、または地震センサーからの指令で、または地
震センサー振幅装置の地震時に振動する重り(不動点状
態は地面から見ると相対化して振動状態に見える。共振
域に近付くと本当に振動する)そのものの力で、固定装
置の作動部自体を解除する直接方式(8.1.2.3.)と、固
定装置の作動部のロックのみを解除する(固定装置の作
動部自体の解除はバネ等、重力または地震力を利用す
る)間接方式(8.1.2.2.、8.1.2.1.吊材切断型も機構上
は間接方式に入る)との二通りに分かれる。また、固定
装置が、解除後、再び固定される際の復帰形式により、
8.1.2.1.と8.1.2.2.1.の手動復元、8.1.2.2.2..と8.1.
2.2.3.の自動復元型、8.1.2.3.の自動制御型の3種類に
分かれる。請求項92−2項記載の発明は、請求項92
項記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置における
重り(滑り部)とそれを定位置に戻し且つそれが滑るす
り鉢型の免震皿からなる、地震力によってこの重りが振
動する地震センサー振幅装置において、すり鉢勾配を、
一定勾配のものとし、以下の式によって導き出されるθ
によって構成することを特徴とする地震センサー振幅装
置装備型固定装置、またそれによる免震構造体である。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 (2) 地震発電装置による地震センサー装備型 請求項93項記載の発明は、地震発電装置による地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免
震構造体である。この地震発電装置による地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置は、上記(1)(請求項92
項)記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
の、地震センサーが、7.2.(請求項88項)の地震発電
装置型地震センサーによる場合である。 8.1.2.1. 吊材切断型 請求項94項は、吊材切断型地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。8.1.2.の地震センサー振幅装置、または電気式振動
計等の地震センサーをもち、この地震センサー振幅装置
の、地震力によって振動する重りまたはその重りに連動
する部材、または地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材に、刃が付き、その先に、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定する固定ピンを支えている吊材があり、地震時
にその加速度がある一定以上の大きさになると、地震セ
ンサー振幅装置の重りの振幅が大きくなることによっ
て、または地震センサーの指令により作動するモーター
もしくは電磁石等の作動によって、その刃が吊材に当た
り、吊材を切断し、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを固定する固定ピンが解除される
ように構成されてなることを特徴とする吊材切断型地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体である。 8.1.2.2. 間接方式(ロック解除型) 間接方式とは、地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置の固定装置の作動部を直接解除せずに、固定装置の作
動部を間接的に解除する、つまり固定装置の作動部のロ
ックを解除する方式である。以下、説明をする。 8.1.2.2.1. 基本形 請求項95項は、地震センサー(振幅)装置の、固定装
置の作動部を解除するのに必要な力を小さくし、且つ固
定装置の作動感度を上げることを図った地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置において、固定装置の作動部自体の固定と
解除を直接に行わずに、固定装置の作動部をロックする
ロック部材によって固定装置の固定と解除を行うことに
より前記目的を達成するものである。請求項96項は、
固定装置の作動部が固定ピンの場合であり、またそれに
よる免震構造体の発明である。ロック部材が、ロックピ
ンとロック弁に分けられることから2つの方式に分かれ
る。請求項96−2項記載の発明は、請求項95項また
は請求項96項記載の地震センサー振幅装置装備型固定
装置における重り(滑り部)とそれを定位置に戻し且つ
それが滑るすり鉢型の免震皿からなる、地震力によって
この重りが振動する地震センサー振幅装置において、す
り鉢勾配を、一定勾配のものとし、以下の式によって導
き出されるθによって構成することを特徴とする地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構
造体である。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 1) ロックピン方式 請求項97項は、ロック部材がロックピン等である地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の発明である。8.1.2.2.の地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置において、通常は、固定装置の
作動部にロック部材が係合することにより、固定装置が
ロックされ、固定装置の固定が行われ、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との固定がなさ
れており、一定以上の地震力が働くと、地震センサー
(振幅)装置と連動して、そのロック部材の係合が解除
されることにより、固定装置のロックが解除され、固定
装置の固定の解除が行われ、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体との固定の解除がなされる
ように構成されてなることを特徴とする地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置である。 2) ロック弁方式 請求項98項は、ロック部材がロック弁等である地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免
震構造体の発明である。8.1.2.2.の地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置において、筒中を、液体・気体
等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材等の固
定装置の作動部を有し、この筒のピストン状部材を挟ん
だ反対側同士(端と端と)は管(また筒に付けられた
溝)かで繋がれているか、ピストン状部材に孔(また
溝)(孔また溝を、以下、孔という)が設けられている
か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等が
筒中から出る出口が設けられているかしており、そし
て、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(端と
端と)を繋ぐ管(また溝)か、ピストン状部材にあいて
いる孔か、ピストン状部材によって押出される液体・気
体等が筒中から出る出口かに、またはその幾つかにまた
は全てに、ロック弁が設けられており、通常は、そのロ
ック弁が閉まっていることにより、固定装置がロックさ
れ、固定装置の固定が行われ、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との固定がなされてお
り、一定以上の地震力が働くと、地震センサー(振幅)
装置と連動して、そのロック弁が開くことにより、固定
装置のロックが解除され、固定装置の固定の解除が行わ
れ、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定の解除がなされるように構成されてなるこ
とを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置である。 3) 地震発電による地震センサー装備型 請求項99項は、電源設備を必要としない、電気に頼ら
ない地震センサー装備型固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。請求項95項または請求項96項
記載の発明の、地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置に、7.2.の地震発電装置型地震センサーを装備させた
もので、地震時以外は、固定装置のロック部材が働いて
固定装置はロックされており、ロック部材は、前記地震
センサーと接続され、連動するようになっていて、地震
時に、地震センサーの発電量が一定値に達すると、モー
ターまた電磁石等により、固定装置のロック部材が解除
され、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体との固定が解除されることにより前記目的を達成
するものである。また、固定装置としては、後述の8.1.
2.2.3. 地震力による自動復元型を採用することによ
り、固定の解除から免震、復元までの一連の動作を地震
力のみによって行うことができ、電源設備を必要としな
いという効果を持つ。 8.1.2.2.2. 電気等による自動復元型 請求項100項は、固定装置が解除された場合に、地震
後に電気等により自動的に固定状態に復帰させる自動復
元型の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、また
それによる免震構造体の発明である。8.1.2.2.1.の地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置において、地震
後、地震センサー振幅装置の作動、または地震センサー
からの指令によって、固定装置の作動部を自動的に元の
位置に戻す固定装置自動復元装置を設けることにより前
記目的を達成するものである。8.1.2.2.1.の固定装置
に、固定装置自動復元装置を取り付けたものである。こ
れにより、地震後の固定装置の作動部の再セットが自動
になり、手動復元のもののように一々手を煩わせる必要
がなくなった。復元の容易な固定装置の発明により、大
地震に対応する一回限りのものだけでなく、中小地震に
対応する免震装置が可能となる。装置の構成としては、
8.1.2.2.1.の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
の、固定装置の作動部に、固定装置自動復元装置を設け
たものである。 8.1.2.2.3. 地震力による自動復元型 請求項101項は、固定ピン型固定装置の場合のもの
で、固定装置が解除された場合に、地震後に地震力によ
り自動的に固定状態に復帰させる自動復元型の固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。固定ピン
型固定装置において、固定ピンの挿入部を、すり鉢状・
球面状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹
形状にすることにより前記目的を達成するものである。
この装置は、8.1.2.2.1.と 8.1.2.2.4.(請求項96項
〜請求項99項、請求項103項〜請求項106項記
載)の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
て、特に意味がある。請求項102項は、その地震セン
サー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。また、この装置を使用する場合に
は、固定ピンとその挿入部間で持上がって固定装置が効
かなくなるのを防ぐために、引抜き防止装置を併用する
ことが(連結部材系と、重量物である免震される構造体
を除いて)大抵の場合必要である。ここで言う、引抜き
防止装置とは、2.の引抜き防止装置・滑り支承でも良
いし、それ以外の、免震される構造体が免震される構造
体を支持する構造体からの浮き上がりを防止する装置で
あればどのようなものでも良い。 8.1.2.2.4. 応用形 以下の発明は、8.1.2.以下の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置全般に使用可能なものである。 1)を除
けば、8.2.1.以下の風センサー装備型固定装置の間接方
式にも使用できる。 1) ロック部材が地震センサー振幅装置の重り型 請求項103項は、固定装置に地震センサー振幅装置を
内包してコンパクト化を図った地震センサー振幅装置装
備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。8.1.2.2.1.〜8.1.2.2.4.(請求項95項〜請求項1
01項、請求項104項〜請求項106項記載)の各地
震センサー振幅装置装備型固定装置において、地震セン
サー振幅装置の重りが、同時にロック部材の役割を果た
すことにより前記目的を達成するものである。 2) 二段以上ロック方式 請求項104項は、地震センサー(振幅)装置が、固定
装置の作動部を解除するのに必要な力、及びその際の引
張長さまたは圧縮長さを小さく抑えられることにより、
固定装置の作動感度を上げることを図った地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.2.4.(請求項95
項〜請求項103項、請求項105項〜請求項106項
記載)の各地震センサー(振幅)装置装備型固定装置に
おいて、固定装置の作動部をロックする第一のロック部
材、この第一のロック部材をロックする第二のロック部
材、・・・というようにロック部材を二段以上にし、最
後のロック部材を、地震センサー(振幅)装置と接続し
て、連動させることにより前記目的を達成するものであ
る。 3) 二重以上ロック方式 請求項105項は、固定装置のロックの安全性を確保す
ることと、固定装置の作動感度を上げることの両立を図
った地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.
2.4.(請求項95項〜請求項104項、請求項106項
記載)の各地震センサー(振幅)装置装備型固定装置に
おいて、固定装置の作動部をロックするロック部材を二
個以上設け、またそれぞれのロック部材について地震セ
ンサー(振幅)装置を設置し、それに連動させることに
より前記目的を達成するものである。 4) 遅延器付き 請求項106項は、地震時の免震効果を上げるために固
定装置の解除状態を持続させるために、固定装置の作動
部の固定位置への戻りを遅くすることを図った、遅延器
付き地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.
2.4.の各地震センサー(振幅)装置装備型固定装置にお
いて、後述の8.5.(請求項167項〜請求項173項)
記載のような遅延器が装備され、固定装置の作動部が解
除されるときは速やかに、固定状態に復するときは緩や
かに行われるようにすることにより前記目的を達成する
ものである。 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式(直接方式含む) 8.1.2.2.5.1. (ロック)弁方式 請求項125項から請求項130項は、ロック弁方式の
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。 (1) 全体構成 この固定装置は、地震センサー振幅装置部と固定装置部
とに分かれる。地震センサー振幅装置部と固定装置部と
が互いに別々の独立した装置となっている場合もある。
その場合は連結口で連結管によって連結される。ここで
は、固定装置部と地震センサー振幅装置部との一体型を
「地震センサー振幅装置付き固定装置」と、固定装置部
と地震センサー振幅装置部との分離型を「地震センサー
振幅装置分離型固定装置」と、そして固定装置部のみを
「固定装置部または独立型固定装置」と、地震センサー
振幅装置部のみを「地震センサー振幅装置部または独立
型地震センサー振幅装置」と、言う。請求項125項の
発明は、固定装置部は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏
らさずにスライドするピストン状部材をもった固定装置
の作動部を有し、地震センサーとなる重りに連動するス
ライド式ロック弁をもち、通常時は、このスライド式ロ
ック弁は閉じており、ピストン状部材によって押出され
る液体・気体等が筒中から液体貯槽または外部に出る出
口・出口経路を塞ぐ形となり、押出される液体・気体等
が押出されずに、ピストン状部材はロックされ、固定装
置の作動部は固定され、地震時には、地震センサーとな
る重りが、スライド式ロック弁に作用して、スライド式
ロック弁を開かせると、ピストン状部材によって押出さ
れた筒中の液体・気体等が液体貯槽または外部に出て、
ピストン状部材は動き始め、固定装置の作動部の固定が
解除されるように構成されてなることを特徴とする地震
センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体である。 (2) 固定装置部 1) 固定ピン型固定装置の場合 請求項126項は、固定ピン型固定装置の場合、または
それによる免震構造体の発明である。固定ピン型固定装
置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体等を
ほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材をもった
(ピストン状部材と連動した場合を含む)固定ピンの固
定装置の作動部を有する。 a. 固定ピン系 固定ピンの挿入部は、請求項101項のすり鉢状・球面
状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹形状
をなしており、地震時には、固定ピンとなるかまたは連
動したピストン状部材は、このすり鉢状・球面状等の凹
形状に従って往復(上下)運動をして、筒中に充填され
た液体・気体等を筒中から押出したり筒中に引入れたり
する。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 固定装置部は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずに
スライドするピストン状部材を有し、このピストン状部
材は、免震される構造体を支持する構造体または免震さ
れる構造体のいずれか一方の構造体に支持されて、その
挿入筒が、もう一方の構造体に支持されている。ピスト
ン状部材または挿入筒は、(それ自体が支持されている
構造体ではなく)もう一方の構造体と連結部材によって
連結されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓
部材とに分かれる。また、この装置は、間接方式と直接
方式とがある。すなわち、直接方式の場合は、ピストン
状部材には欠き込み・溝・窪みが設けられており、この
欠き込み・溝・窪みに固定ピンが係合することにより固
定がなされる。間接方式の場合は、固定ピンに固定ピン
をロックするロック部材(ロックピン・ロック弁等)を
設ける。 2) 連結部材弁型固定装置の場合(直接方式である) 請求項127項は、連結部材弁型固定装置の場合、また
はそれによる免震構造体の発明である。連結部材弁型固
定装置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体
等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材を有
し、このピストン状部材は、免震される構造体を支持す
る構造体または免震される構造体のいずれか一方の構造
体に支持されて、その挿入筒が、もう一方の構造体に支
持されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓部
材とに分かれる。そして、固定ピン型固定装置の場合、
連結部材弁型固定装置の場合共に、地震時に、このピス
トン状部材は、液体・気体等の弁(スライド式ロック
弁)が開くことにより移動可能となり、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との振動によっ
て往復運動をして、筒中に充填された液体・気体等を筒
中から押出したり筒中に引入れたりして免震を可能に
し、風時には、液体・気体等の弁(スライド式ロック
弁)が閉じており、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とが固定される。 (3) 地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部は、固定装置部(の接続部)か
ら地震センサーとなる重りに連動したスライド式ロック
弁のある出口・出口経路へと繋がる部分とこのスライド
式ロック弁を境にした液体貯槽(または外部)部分とに
分かれる。液体貯槽は、液体溜まりであり上部に空気抜
きがあり、液体の容量調整が自由である。 1) 地震センサーとなる重り 地震センサーとなる重りは、振り子またはバネ等または
球面状・すり鉢状若しくは円柱谷面状・V字谷面状等の
凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)によっ
て平衡を保たれており、地震時に(相対的に)振動し、
地震後元の位置(通常位置)に戻る。また、この地震セ
ンサーとして転がり方式の重りが可能になる。地震セン
サーとなる重りが、球であり、球面状・すり鉢状または
円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を球が転がる
方式である。感度を非常に良くできる。 2) スライド式ロック弁と地震センサーとなる重りと連
動 この地震センサーとなる重りに連動したスライド式ロッ
ク弁をもち、通常は閉じており、ピストン状部材によっ
て押出される液体・気体等が筒中から液体貯槽または外
部に出る出口・出口経路を塞ぐ形となり、液体・気体等
が押し出されずに、ピストン状部材はロックされ、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体とを
固定し、地震時に、地震センサーとなる重りが、スライ
ド式ロック弁に作用して、スライド式ロック弁を開かせ
ると、ピストン状部材によって押出された筒中の液体・
気体等が液体貯槽または外部に出て、ピストン状部材は
動き始め、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との固定は解除される。 3) 全方向対応複数弁による工夫 センサーの動きに、180度以上の角度にスライドする弁
を設ける。センサー自体は往復運動をするので 360度の
半分の180度以上でよい。 4) ロック弁に付いた抵抗板 また、スライド式ロック弁には抵抗板が付き、地震セン
サーとなる重りにより、少しでもスライド式ロック弁が
開くと、このロック弁に付いた抵抗板が、流れにより抵
抗を受けてロック弁をより開かせる役割をするように構
成される場合は、センサーの重りの僅かな動きで、ロッ
ク弁の全開を可能にする。さらに、ピストン状部材の作
動時であっても弁に開閉方向への圧力がかからないの
で、センサーの重りが小さくても感度のよいロック弁が
可能になる。 (4) 固定装置部と地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部と固定装置部とは、通路口によ
って繋がっている。この通路口は、地震センサー振幅装
置部の出口・出口経路の液体・気体等と、固定装置部の
ピストン状部材をもった筒中の液体・気体等の行き来を
可能にしている(固定装置部と地震センサー振幅装置部
とが互いに別々の装置となり独立している場合もある。
その場合は通路口が連結口となり、連結管によって相互
に連結される)。他の固定装置との連結口で連結しない
限り、液体貯槽または外部に出る出口・出口経路がスラ
イド式ロック弁が閉じて塞がれている時は、液体・気体
等の行き場が他に無いため、ピストン状部材は筒中をス
ライドできず、ロックされ、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを固定する。地震時に、
重りが地震力によりスライド式ロック弁に作用して、前
記出口・出口経路のスライド式ロック弁が開いて、筒中
の液体・気体等が液体貯槽または外部に流れ出して、ピ
ストン状部材は作動可能となり、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体との固定は解除され
る。 (5) 遅延器兼用型 または、ピストン状部材によって押出される液体・気体
等が筒中から出る出口・出口経路と、出口・出口経路か
らその押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路の戻
り経路とが設けられており、出口・出口経路と戻り経路
とには開口面積の差をもたせ、出口・出口経路が大き
く、戻り経路は小さくし、戻り経路は、開口面積が小さ
い場合は弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピスト
ン状部材が筒中から押出される時に開き、それ以外は閉
じている弁が付けられる。または、別経路の戻り経路を
設けずに、出口・出口経路のロック弁による塞ぎを甘く
することにより、ピストン状部材の戻りの遅延効果を持
たせることが可能である。 (6) ダンパー効果 出口・出口経路の開口面積を絞ることにより、地震時の
変位抑制効果を合せ持たせることが可能になる。 (7) 上下逆 以上の形の、上下逆の場合もある。固定ピン型固定装置
の場合には、凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入された
固定ピンとの関係が、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とに対して逆に取付けられる場合
もある。連結部材弁型固定装置の場合には、免震される
構造体及び免震される構造体を支持する構造体と、ピス
トン状部材及びその挿入筒等からなる固定装置との関係
が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型がある。 (8) 他の固定装置との連結口の位置 複数の固定装置同士の連動作動を考えた場合の、他の固
定装置との連結口は、地震センサー振幅装置部の出口・
出口経路と、固定装置部のピストン状部材のスライド部
以外の筒中のいずれに設けてもよい。固定装置部と地震
センサー振幅装置部とが互いに別々の装置となり独立し
ている場合もある。その場合は地震センサー振幅装置部
の設置位置は、出口・出口経路であり、固定装置部の設
置位置は、ピストン状部材のスライド部以外の筒中であ
る。 (9) 複数の固定装置の連動作動 地震センサー振幅装置付き固定装置または独立型固定装
置または独立型地震センサー振幅装置の連結口を相互に
連結管で繋げることにより、相互の固定装置の地震時の
固定解除の連動が可能になる。地震センサー振幅装置が
先に作動した所へ液体・気体等が送り込まれ、連結管に
よって連結している固定装置の同時解除が可能になる。
地震センサー振幅装置の感度の差があっても、連結して
いる固定装置の同時解除が可能になる。 (10) 気体式・液体式 装置に充填される液体・気体等が、液体か気体かに関し
ては、液体=油圧式の方が、弾性が無く、確実な固定装
置の機能が発揮できる。さらに、機構全体を液体に漬け
ることで防錆効果もある。気体=空圧式は、弾性に富む
が、油圧式に比べ固定装置としての固定機能は劣るが、
簡便な方式であり、防錆材料を使うことでメンテナンス
フリーも可能になる。油圧式も空圧式においてもである
が、(スライド式)ロック弁の密閉性を悪くすることに
より変位抑制ダンパーも兼ねられる。特に空圧式は、ロ
ック弁が閉まったままでも(さらに、地震センサー振幅
装置と連動機構のないロック弁無しの閉じたままの機構
でも)弾性に富むために変位抑制ダンパーとしても使用
可能である。また、液体式・気体式の他に、液状化可能
な固体(粒状固体等)の使用も可能である。 8.1.2.2.5.2. (ロック)弁方式 請求項131項から請求項139項は、ロック弁方式の
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。 (1) 全体構成 この固定装置は、固定装置部と地震センサー振幅装置部
とに分かれる。互いに別々の装置となり独立している場
合もある。その場合は連結口で連結管によって連結され
る。ここでは、固定装置部と地震センサー振幅装置部と
の一体型を「地震センサー振幅装置付き固定装置」と、
固定装置部と地震センサー振幅装置部との分離型を「地
震センサー振幅装置分離型固定装置」と、そして固定装
置部のみを「固定装置部または独立型固定装置」と、地
震センサー振幅装置部のみを「地震センサー振幅装置部
または独立型地震センサー振幅装置」と言う。請求項1
31項の発明は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさず
にスライドするピストン状部材をもった固定装置の作動
部を有し、通常時は、地震センサーとなる重りが、振り
子またはバネ等または球面状・すり鉢状または円柱谷面
状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり・転がり面
部、以下同じ)によって平衡を保たれるため、通常位置
にあり、ピストン状部材によって押出される液体・気体
等が筒中から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路
を、重り、または重りと一体になった弁、または重りと
連動した弁が塞ぐ形となり、液体・気体等は押出されず
に、ピストン状部材はロックされ、固定装置の作動部は
固定され、地震時には、重りが地震力により通常位置よ
り移動すると、この出口・出口経路を塞ぐ位置から、重
り、または重りと一体になった弁、または重りと連動し
た弁がずれて、液体・気体等が押出され、ピストン状部
材は動き始めて、固定装置の作動部の固定は解除される
ように構成されてなることを特徴とする地震センサー振
幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体であ
る。 (2) 固定装置部 1) 固定ピン型固定装置の場合 請求項132項は、固定ピン型固定装置の場合、または
それによる免震構造体の発明である。固定ピン型固定装
置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体等を
ほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材をもった
(ピストン状部材と連動した場合を含む)固定ピンの固
定装置の作動部を有する。 a. 固定ピン系 固定ピンの挿入部は、請求項101項のすり鉢状・球面
状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹形状
をなしており、地震時には、固定ピンとなるかまたは連
動したピストン状部材は、このすり鉢状・球面状等の凹
形状によって往復(上下)運動をして、筒中に充填され
た液体・気体等を筒中から押出したり筒中に引入れたり
する。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 固定装置部は、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずに
スライドするピストン状部材を有し、このピストン状部
材は、免震される構造体を支持する構造体または免震さ
れる構造体のいずれか一方の構造体に支持されて、その
挿入筒が、もう一方の構造体に支持されている。ピスト
ン状部材または挿入筒は、(それ自体が支持されている
構造体ではなく)もう一方の構造体と連結部材によって
連結されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓
部材とに分かれる。また、この装置は、間接方式と直接
方式とがある。すなわち、直接方式の場合は、ピストン
状部材には欠き込み・溝・窪みが設けられており、この
欠き込み・溝・窪みに固定ピンが係合することにより固
定がなされる。間接方式の場合は、固定ピンに固定ピン
をロックするロック部材(ロックピン・ロック弁等)を
設ける。 2) 連結部材弁型固定装置の場合(直接方式である) 請求項133項は、連結部材弁型固定装置の場合、また
はそれによる免震構造体の発明である。連結部材弁型固
定装置の場合には、固定装置部は、筒中を、液体・気体
等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材を有
し、このピストン状部材は、免震される構造体を支持す
る構造体または免震される構造体のいずれか一方の構造
体に支持されて、その挿入筒が、もう一方の構造体に支
持されている。連結部材は、さらに不可撓部材と可撓部
材とに分かれる。そして、固定ピン型固定装置の場合、
連結部材弁型固定装置の場合共に、地震時に、このピス
トン状部材は、液体・気体等の弁(重りと一体になった
弁、または重りと連動した弁)が開くことにより移動可
能となり、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との振動によって往復運動をして、筒中に充
填された液体・気体等を筒中から押出したり筒中に引入
れたりして免震を可能にし、風時には、液体・気体等の
弁が閉じており、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とが固定される。 (3) 地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部は、地震センサーとなる重りの
ある付属室と液体貯槽(または外部)とに分かれる。付
属室は出口・出口経路内にある場合もあり、出口・出口
経路内の弁には連動させてあるが地震センサーのある付
属室は独立している場合もある。液体貯槽は液体溜まり
であり、上部に空気抜きがあり、液体の容量調整が自由
である。地震センサーとなる重りまたは重りと一体にな
った(または重りと連動した)弁は、振り子またはバネ
等または球面状・すり鉢状または円柱谷面状・V字谷面
状等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)
よって平衡を保たれ、通常位置にあり、地震時に(相対
的に)振動し、地震後元の位置(通常位置)に戻る。ま
た、この地震センサーとして転がり方式の重りが可能に
なる。地震センサー振幅装置の重りが、球であり、球面
状・すり鉢状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑
り面部を球が転がる方式である。感度を非常に良くでき
る。この重りまたは重りと一体になった(または重りと
連動した)弁の通常位置は、付属室と液体貯槽または外
部とを液体・気体等の行き来する通路である出口・出口
経路を塞ぐ位置にある。この塞がれる出口・出口経路の
位置は、重りまたは重りと一体になった(または重りと
連動した)弁の、上部または下部または側面に、上部及
び下部に、上部及び側面に、下部及び側面に、または上
部及び下部及び側面にある場合の7通りの場合が考えら
れる。出口・出口経路は、重りまたは重りと一体になっ
た(または重りと連動した)弁の平面形状に合わせるの
がよい。重りがボールの場合は、円がよい。出口・出口
経路と地震センサー振幅装置の重りまたは重りと一体に
なった(または重りと連動した)弁との隙間にカバー材
を付ける場合も同様に、カバー材は、重りまたは重りと
一体になった(または重りと連動した)弁と接する平面
形状に合わせるのがよい。重りがボールの場合は、円筒
となる。このように、振り子またはバネまたは球面状・
すり鉢状若しくは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り
面部によって平衡を保たれている地震センサー振幅装置
の重りまたは重りと一体になった(または重りと連動し
た)弁によって塞ぐロック弁を考えると、全方向の地震
動に対応の地震センサーが可能になり、しかもスムーズ
な弁との連動が可能になる。さらに、ピストン状部材の
作動時であっても弁に圧力がかからないので(弁に圧力
がかかったとしても、地震力は圧力と直角方向、つまり
圧力の分力が0となるので)、センサーの重りが小さく
ても敏感な感度のロック弁が可能になる。 (4) 固定装置部と地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部の付属室の液体・気体等と固定
装置部のピストン状部材のスライド部以外の筒中の液体
・気体等とは、通路口によって繋がり、行き来を可能に
している(固定装置部と地震センサー振幅装置部とが互
いに別々の装置となり独立している場合もある。その場
合は通路口が連結口となり、連結管によって相互に連結
される)。他の固定装置との連結口で連結しない限り、
付属室から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路が
重り(または重りと一体になった弁)により塞がれてい
る時は、液体・気体等の行き場が他に無いため、ピスト
ン状部材は筒中をスライドできず、ロックされ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固
定する。地震時に、重り(または重りと一体になった
弁)が地震力によりこの出口・出口経路を塞ぐ位置から
ずれると、筒中の液体・気体等は付属室から液体貯槽ま
たは外部に流れ出して、ピストン状部材は作動可能とな
り、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定は解除される。 (5) 遅延器兼用型 または、ピストン状部材によって押出される液体・気体
等が液体貯槽・外部に出る出口・出口経路と、出口・出
口経路からその押出された液体・気体等が筒中に戻る別
経路の戻り経路とが設けられており、出口・出口経路と
戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口・出口経路
は大きく、戻り経路は小さくし、戻り経路は、開口面積
が小さい場合には弁は必要無いが、弁を設ける場合に
は、ピストン状部材が筒中から押出される時に開き、そ
れ以外は閉じている弁が付けられる。または、別経路の
戻り経路を設けずに、出口・出口経路の重り(または重
りと一体になった弁)による塞ぎを甘くすることによ
り、ピストン状部材の戻りの遅延効果を持たせることが
可能である。 (6) ダンパー効果 出口・出口経路の開口面積を絞ることにより、地震時の
変位抑制効果を合せ持たせることが可能になる。 (7) 上下逆 以上の形の、上下逆の場合もある。固定ピン型固定装置
の場合には、凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入された
固定ピンとの関係が、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とに対して逆に取付けられる場合
もある。連結部材弁型固定装置の場合には、免震される
構造体及び免震される構造体を支持する構造体と、ピス
トン状部材及びその挿入筒等からなる固定装置との関係
が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型がある。 (8) 他の固定装置との連結口の位置 複数の固定装置同士の連動作動を考えた場合の、他の固
定装置との連結口は、地震センサー振幅装置部の出口・
出口経路(出口・出口経路内の地震センサーとなる付属
室)と、固定装置部のピストン状部材のスライド部以外
の筒中のいずれに設けてもよい。固定装置部と地震セン
サー振幅装置部とが互いに別々の装置となり独立してい
る場合もある。その場合は地震センサー振幅装置部の設
置位置は、出口・出口経路(出口・出口経路内の地震セ
ンサーとなる付属室)であり、固定装置部の設置位置
は、ピストン状部材のスライド部以外の筒中である。 (9) 複数の固定装置の連動作動 地震センサー振幅装置付き固定装置または独立型固定装
置または独立型地震センサー振幅装置の連結口を相互に
連結管で繋げることにより、相互の固定装置の地震時の
固定解除の連動が可能になる。地震センサー振幅装置が
先に作動した所へ液体・気体等が送り込まれ、連結管に
よって連結している固定装置の同時解除が可能になる。
地震センサー振幅装置の感度の差があっても、連結して
いる固定装置の同時解除が可能になる。 (10) 気体式・液体式 装置に充填される液体・気体等が、液体か気体かに関し
ては、液体=油圧式の方が、弾性が無く、確実な固定装
置の機能が発揮できる。さらに、機構全体を液体に漬け
ることで防錆効果もある。気体=空圧式は、弾性に富む
が、油圧式に比べ固定装置の固定機能は劣るが、簡便な
方式であり、防錆材料を使うことでメンテナンスフリー
も可能になる。油圧式も空圧式においてもであるが、
(地震センサーとなる重りが兼用するかまたは重りと一
体になった弁)ロック弁の密閉性を悪くすることにより
変位抑制ダンパーも兼ねられる。特に空圧式は、ロック
弁が閉まったままでも(さらに、地震センサー振幅装置
と連動機構のないロック弁無しの閉じたままの機構で
も)弾性に富むために変位抑制ダンパーとしても使用可
能である。また、液体式・気体式の他に、液状化可能な
固体(粒状固体等)の使用も可能である。 (11) 隙間のカバー管 請求項136項は、以上の(1)〜(10)(請求項131項
から請求項135項のいずれか1項)に記載の地震セン
サー振幅装置装備型固定装置において、可動して重り
(地震センサー振幅装置の重り)の移動に順応する管が
出口・出口経路に挿入されることにより構成されてなる
ことを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装
置、またそれによる免震構造体である。 (12) 重りと間接弁方式 1 請求項137項は、以上の(1)〜(10)(請求項131項
から請求項135項のいずれか1項)に記載の地震セン
サー振幅装置装備型固定装置において、それ自体可動し
て地震センサー振幅装置の重りの移動に順応するロック
弁管またはロック弁と、固定装置本体に取付けられてそ
のロック弁管またはロック弁を受けて通常時の流れを遮
断する受け材とから構成されてなることを特徴とする地
震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免
震構造体である。 (13) 重りと間接弁方式 2 請求項138項〜請求項139項は、重り連動の間接弁
方式2の発明であり、請求項138項は、以上の(1)〜
(10)(請求項131項から請求項135項のいずれか1
項)に記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置にお
いて、出口・出口経路に挿入されてそれ自体可動するロ
ック弁管と、そのロック弁管からの液体(気体)等の流
れを遮断する、固定装置本体に取付けられた受け材とか
ら構成され、風圧力・地震力によってピストン状部材か
らの液体(気体)等の圧力を受けて重り(地震センサー
振幅装置の重り)がロック弁管に吸込まれて、そのロッ
ク弁管が可動して前記受け材に押付けられて液体(気
体)等の流れを遮断するように構成されてなることを特
徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体である。請求項139項は、前述の
請求項138項に記載の地震センサー振幅装置装備型固
定装置において、風圧力・地震力によってピストン状部
材からの液体(気体)等の圧力を受けて重り(地震セン
サー振幅装置の重り)がロック弁管に吸込まれて、その
ロック弁管が可動して前記受け材に押付けられて液体
(気体)等の流れを遮断し、遮断すると重りはロック弁
管から離れ、風時にはまた(重りがロック弁管(の吸込
み口20-cpi)の真近にあり)重りがロック弁管に吸込
まれることを繰返し、地震時には、重りがロック弁管か
ら離れると、地震力によりロック弁管(の吸込み口20
-cpi)からずれて、液体(気体)等の流れが始まり、免
震し始めるように構成されてなることを特徴とする地震
センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震
構造体である。 (14) 増幅器付 請求項139−2項の発明は、ロック弁(ロック弁管、
スライド式ロック弁(8.1.2.2.5.1.(ロック)弁方式
)等を含む)にピストン状部材からの圧力がかかり、
弁の動きが悪くなる問題を解決するものである。8.1.2.
2.5.1.(ロック)弁方式でも当然同様に考えられる。
請求項139−2項は、請求項125項から請求項13
9項のいずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備
型固定装置において、ロック弁(ロック弁管、スライド
式ロック弁等を含む)に、弁が出る方向(開く方向)に
開いた形になるように傾き(弁が出る方向(開く方向)
に広く、弁が入る方向(閉じる方向)に狭い傾斜)をも
たせるか(また弁の挿入口にも弁と同様に傾きをもたせ
るか)、弁が開く方向(出る方向)に幅広く、弁が閉じ
る方向に(弁が入る方向)狭くなるような段差をつける
かして、ピストン状部材からの圧力を受けると弁が出る
(開く)ようにして、その出る(開く)力を受けて、歯
車・滑車・梃子等で、力は弱くして、弁の先端部に伝え
て、ロックとして小さな(センサーの)重りで可能なよ
うに構成されてなることを特徴とする地震センサー振幅
装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明
である。 8.1.2.3. 直接方式(自動制御型固定装置) 直接方式は、地震センサー(振幅)装置からの力または
指令により、固定装置の作動部自体を直接制御する方式
である。請求項107項、請求項108項は、上述の8.
1.2.2.2.の電気等による自動復元よりも自動化を進めた
発明である。固定装置の地震時の解除も電気による地震
センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の発明である。直接方式の地震センサー(振
幅)装置装備型に関して、固定ピン型固定装置の場合と
連結部材弁型固定装置の場合とがあげられる。 (1) 一般 請求項107項は、8.1.2.の請求項92項から請求項9
2−2項記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置において、固定装置の作動部に、自動制御装置が設け
られており、地震時、地震センサー振幅装置の作動、ま
たは地震センサーからの指令によって、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との固定を解除
し、地震後、再び自動的に固定を行うことにより前記目
的を達成する地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) 地震発電装置型地震センサー装備型 請求項108項記載の発明は、上記(1)(請求項107
項)記載の発明の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置の、地震センサーが、7.2.(請求項88項)の地震
発電装置型地震センサーによる場合の地震センサー装置
装備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。つまり、請求項108項は、8.1.2.の請求項93項
の地震センサー装備型固定装置において、固定装置の作
動部に、自動制御装置を設け、地震時、その地震センサ
ーによって、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との固定を解除し、地震後、固定を行うも
のである。請求項109項は、請求項107項または請
求項108項記載の地震センサー(振幅)装置装備型固
定装置において、地震後、地震センサー振幅装置の作
動、または地震センサーの指令によって、固定装置の作
動部を自動的に元の位置に戻す装置が設けられてなるこ
とを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置、またそれによる免震構造体である。請求項110項
は、請求項107項または請求項108項記載の地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置において、固定ピン
の挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をなしている
ことを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置、またそれによる免震構造体である。 8.1.2.4. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.1. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.2. 地震センサー(振幅)装置の設置場所 8.1.2.4.3. 地震センサー(振幅)装置の設計 (1) 地震センサー(振幅)装置の周期 1) 地震センサー(振幅)装置の周期設計 請求項111項は、地震センサー(振幅)装置の地震に
対する感度を高めることを図った地震センサー(振幅)
装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体の発明
である。8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置において、地震センサー(振幅)装置の重り等のセン
サー部の周期を、その構造体が建てられる敷地の地盤周
期にほぼ一致させることにより、前記目的を達成するも
のである。 2) 地震センサー振幅装置の重り共振装置 請求項112項記載の発明は、重りの共振装置をもった
地震センサー振幅装置、またそによる免震構造体に関す
る発明である。地震時に重りを共振させるためには、重
りに繋がる(固定装置へも繋がる)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等に余裕(たるみ)を与える必要があ
る。しかし、たるみを与えるとセンサー感度が落ちるの
で、たるみを与えない方法が望まれる。そこで、重りの
周りに重りの衝突を受け、重りともなる周囲材を設け、
その周囲材に固定装置に繋がるワイヤー・ロープ・ケー
ブル・ロッド等を取付ける。そうすることにより、 地
震時に重りを地震と共振させることができ、且つ固定装
置へ繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等に余
裕(たるみ)を与える必要もなくなる。 3) 地震センサー振幅装置の複数個重り共振装置 請求項113項記載の発明は、複数個の重りの共振装置
をもった地震センサー振幅装置、またそれによる免震構
造体に関する発明である。地盤周期の幅に対応可能なセ
ンサーを考える場合、複数個の重りを設けて、振動周期
をその重りごとに変えることにより、地盤周期への対応
に幅を持たせることが可能になる。地盤周期(特に初期
微動、P波)の(周期−頻度スペクトルをとり)頻度が
多い周期ごとに重りの周期を合わせる。 4) 地震センサー振幅装置の複数共振装置 請求項114項記載の発明は、複数の共振装置をもった
地震センサー振幅装置、またそれによる免震構造体に関
する発明である。地盤周期の幅に対応可能なセンサーを
考える場合、地震センサー振幅装置の振り子の支え自体
にもバネを設けて、振り子とバネとにより二つの周期が
得られるようにして、地盤周期の幅に対応させることが
可能になる。地盤周期(特に初期微動、P波)の(周期
−頻度スペクトルをとり)頻度が多い周期の上位2つに
振り子とバネの周期を合わせる。バネは短周期に、振り
子は中長周期に合わせるのがよい。 (2) 全方向感度 1) ラッパ形状の孔 請求項115項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度が、地震力の方向によらず一定となることを図っ
た地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。8.1.2.の地震センサー振幅
装置装備型固定装置において、地震センサー振幅装置の
重りの上または下に、固定装置と繋がるワイヤー・ロー
プ・ケーブル等を結合し、その重りの直上または直下の
地震センサー振幅装置本体に(もしくはその内部あるい
は外部に)、すり鉢状またはラッパ状等の孔を形成し、
重りにつながるワイヤー・ロープ・ケーブル等をそこに
通すことで、全方向に対して同等の引抜き力または圧縮
力の伝達が可能なように構成されてなることにより、前
記目的を達成するものである。 2) ローラー状ガイド部材 請求項116項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度が、地震力の方向によらず一定となることを図っ
た地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。8.1.2.の(請求項92項〜
請求項111項記載の)地震センサー振幅装置装備型固
定装置において、地震センサー振幅装置の重りの水平方
向に、固定装置と繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等
を結合し、重りの(振幅寸法の余裕を取った)すぐ脇に
ローラー等のガイド部材を(回転軸等を)を垂直方向に
二本設けて、このワイヤー・ロープ・ケーブル等を通す
ことで、全方向に対して同等の引抜き力または圧縮力の
伝達が可能なように構成されてなることにより、前記目
的を達成するものである。 (3) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その1) 請求項117項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度を高めることを図った地震センサー振幅装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。
8.1.2.の地震センサー振幅装置装備型固定装置におい
て、梃子・滑車・歯車等を採用して、固定装置のロック
部材に繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまた
はレリーズ等の、引張られる長さまたは圧縮される長さ
を増幅することにより前記目的を達成するものである。 (4) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その2) 請求項118項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度を高めることを図った地震センサー振幅装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。
8.1.2.の地震センサー振幅装置装備型固定装置におい
て、免震皿に乗せた地震センサー振幅装置の重り(重力
復元型)を、よく転がる形状のものにし、この重りの上
部に、球面またはすり鉢等の凹形状の挿入部を設け、そ
こに(変位増幅のための)梃子の力点を挿入する。この
梃子の支点は重りの直上の凹形状の挿入部内にあり、作
用点はさらにその延長線上にあって、ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等が連結されている。このことによ
り、地震時に、梃子の作用点には、重りの変位分と、重
りの回転が与える変位分とが、梃子により増幅されて伝
わり、その増幅された変位が、連結されるワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等に伝えられるため、地震セン
サー振幅装置の作動感度を高めることにより前記目的を
達成するものである。 8.1.3. 連動作動型固定装置 複数の固定装置が設置されている場合には、全部の固定
装置が同時に解除されないと、免震される構造体は、固
定されている箇所を中心に、捩れた動きをしてしまう。
この欠点を解消するために、全ての固定装置が同時に解
除されるようにすることが求められた。この連動作動型
固定装置はそれを実現するものである。請求項119項
は、複数の固定装置からなり、それぞれの固定装置の作
動部またはロック部材が相互に連動する仕組みをもつ固
定装置、またそれによる免震構造体の発明である。固定
装置の作動部またはロック部材同士を連動させることに
よって、複数の固定装置を同時に解除するように構成さ
れているものである。 8.1.3.1. 連動作動型固定装置 8.1.1.の剪断ピン型固定装置の欠点は、2個以上設置さ
れた場合に、地震力が働いて1個の固定装置の固定ピン
が折れても、他の固定ピンが折れる等の固定装置の解除
が同時におこなわれるとは限らないという点であった。
請求項120項は、その問題を解決し、剪断ピン型固定
装置を含む複数の固定装置が設置された場合の、全ての
固定装置の同時解除を実現する連動作動型固定装置、ま
たそれによる免震構造体に関する発明である。つまり、
剪断ピン型固定装置を含む複数の固定装置からなり、そ
れぞれの固定ピン等の固定装置の作動部またはロック部
材が相互に連動する仕組みをもつ固定装置である。固定
装置の作動部またはロック部材同士を連動させることに
よって、複数の固定装置を同時に解除させようとするも
のである。具体的には、一定以上の地震力により折れる
か切れるかする構造をもつ剪断ピン型固定装置(8.1.1.)
を含む2つ以上の固定装置において、剪断ピン型固定装
置の固定ピンと、他の固定装置の作動部をロックするロ
ック部材とが、相互にワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等で繋がれており、地震時に、地震力によって剪断
ピン型固定装置の固定ピンが折れるか切れるかすると、
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等で連動して、他
の固定装置の前記ロック部材が解除され、各固定装置が
同時に解除され、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体との固定を解除するように構成されて
なることにより前記目的を達成するものである。以下の
連動作動型固定装置〜は、上記の8.1.1.の剪断ピン
型固定装置だけでなく、8.1.2.の地震センサー(振幅)
装置装備型固定装置にも使用可能なものである。 8.1.3.2. 連動作動型固定装置 請求項121項は、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置または8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含
む、2つ以上の固定装置において、ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッドまたはレリーズ等で各固定装置のロッ
ク部材同士を連結し、2つ以上の固定装置の作動部の固
定と解除が同時に行われるようにした連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.1.3.3. 連動作動型固定装置 請求項122項は、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置または8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含
む、2つ以上の固定装置において、端部に各固定装置を
ロックする機能をもったロック部材(枝分かれしていな
い部材、三つ又、四つ又、またそれ以上に分かれたも
の)が、可動するように取付けられており、地震時に、
地震力によって重りが振動する地震センサー振幅装置、
地震センサー装置、または剪断ピン型固定装置がこのロ
ック部材を可動方向に作動させ、それにより、各端部の
ロック機能が、それぞれの固定装置を同時に解除して、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
との固定の解除が行われるようにした連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。つまり、
可動できるようにされた部材に、2つ以上の固定装置の
作動部をロックする機構があり(ロック孔をもち、その
ロック孔に固定装置の作動部がはめ込まれることでロッ
クされるようになっており)、地震センサー(振幅)装
置によるその部材の動きに連動して、各固定装置の固定
と解除が行われるという方法である。 8.1.3.4. 連動作動型固定装置 請求項123項は、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置または8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含
む、2つ以上の固定装置において、端部に各固定装置を
ロックする機能をもったロック部材(枝分かれしていな
い部材、三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれた)
が、中心を軸として回転できるように取付けられてお
り、地震時に、地震力によって重りが振動する地震セン
サー振幅装置、地震センサー装置、または剪断ピン型固
定装置が、このロック部材を回転させ、それにより、各
端部のロック機能が、それぞれの固定装置を同時に解除
して、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体との固定の解除が行われるようにした連動作動型
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。つ
まり、中心を軸として回転しうる部材の両端部に、固定
装置の作動部をロックする機構があり(ロック孔をも
ち、そのロック孔に固定装置の作動部がはめ込まれるこ
とでロックされるようになっており)、その部材の回転
に連動して、各固定装置の固定と解除が行われる方法で
ある。また、この部材は、一本のものだけでなく、三つ
又、四つ又、またそれ以上に分かれる場合がある。その
場合も、部材は中心を軸として回転しうるようになって
おり、その分岐した個々の端部に固定装置の作動部をロ
ックする部分があり、その部材の回転に連動し、固定装
置の固定と解除が行われる。 8.1.3.5. 連動作動型固定装置 地震時に、地震センサーからの電気信号により、固定装
置が解除される装置は、固定の解除のされ方によって、
以下の2種類に分かれる。 (1) 電気で固定装置の作動部自体が解除されるもの 地震時に、地震センサーからの電気信号により、固定装
置の作動部自体が解除される。 (2) 電気で固定装置の作動部のロックのみが解除される
もの 地震時に、地震センサーからの電気信号により、固定装
置の作動部のロックが解除され、固定装置の作動部自体
の解除は、電気によらずバネ等及び地震力等で行うも
の。(1)の固定装置の作動部の解除は、速やかさを要求
され、多くの電力等が必要となるが、(2)の固定装置の
作動部自体のロック解除のみの場合は、小電力で簡易な
機構で済む。請求項124項は、(2)の電気で固定装置
の作動部のロックのみが解除される場合の発明である。
具体的には、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置を1個または複数個もった固定装置において、
それぞれの固定装置の作動部をロックするロック部材
が、地震センサーからの電気信号によって作動するよう
に構成されてなることを特徴とする固定装置、またそれ
による免震構造体の発明である。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置 請求項139−3項は、風センサーを持つ(地震センサ
ー付)地震作動型固定装置であり、風センサーにより一
定風圧になると固定装置をロックさせるように構成され
てなることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 8.2. 風作動型固定装置 この風作動型固定装置の発明は、8.1.地震作動型固定装
置のように地震力の大きさによることなく、全ての微細
な地震に対してまで免震を可能にするものである。その
ため、請求項140項記載の発明は、地震時および風の
ない通常時は免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との固定を解除しており、風力時に、風セ
ンサー等で風力を感知した時にのみ、免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体とを固定するとい
う型の固定装置(風作動型固定装置)、またそれによる
免震構造体の発明である。 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型) 請求項141項は、風センサーを装備した固定装置(風
センサー装備型固定装置)、またそれによる免震構造体
の発明である。具体的に言えば、請求項141項記載の
発明は、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固定装置に
おいて、風センサーによって、ある一定以上の風圧時に
のみ、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを固定し、風揺れ等を防止するように構成され
た風作動型固定装置である。 (1) 直接方式 直接方式は、風力・風センサーからの力で、固定装置の
作動部自体を直接制御する方式である。請求項142項
記載の発明は、免震される構造体と免震される構造体を
支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固定
装置において、風センサー等で一定以上の風圧を感知す
ると、固定装置の作動部(固定ピン・固定弁)自体を働
かせて、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成された風センサー装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 1) 固定ピン型固定装置 請求項143項記載の発明は、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等
を防止する固定装置において、風センサー等で一定以上
の風圧を感知すると、固定装置の作動部である固定ピン
を働かせて、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体とを固定するように構成された風センサー
装備型固定装置、またそれによる免震構造体である。 2) 連結部材弁型固定装置 請求項144項記載の発明は、請求項142項に記載の
風センサー装備型固定装置において、筒中を、液体・気
体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材等の
固定装置の作動部を有し、この筒のピストン状部材を挟
んだ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けら
れた溝)か、ピストン状部材にあいている孔か、ピスト
ン状部材によって押出される液体・気体等が筒中から出
る出口かに、またはその全てに、弁が設けられており、
風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、その弁が
閉じることにより、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを固定するように構成された風セ
ンサー装備型固定装置、またそれによる免震構造体であ
る。 (2) 間接方式 a) 一般 b) 固定ピン型の場合 請求項145項〜請求項146項は、風センサーの、固
定装置の作動部をセット(固定)するのに必要な力を小
さくし、且つ固定装置の作動感度を上げることを図っ
た、風センサー装備型固定装置、またそれによる免震構
造体の発明である。8.2.1.の風センサー装備型固定装置
において、固定装置の作動部自体の固定と解除を直接に
行わずに、固定装置の作動部をロックするロック部材を
作動させることによって、固定装置の固定と解除を行う
ようにすることにより前記目的を達成するものである。 c)地震力による自動復元型 請求項147項は、8.2.1.の風作動型の、固定ピン型固
定装置において、固定ピンの挿入部を、請求項101項
のすり鉢状・球面状等の、挿入部の中央部に対して凹形
状に傾斜させることにより、地震力による固定装置の作
動部の自動復元を可能にする風作動型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。また、この装置は、
固定装置の作動部をロックするロック部材がロック弁で
ある場合と、ロックピンである場合とがあり、それによ
り、次の2つの方式に分けられる。 1) ロック弁方式 請求項148項は、ロック部材がロック弁等のロック部
材である風作動型固定装置、またそれによる免震構造体
の発明である。8.2.1.の風センサー装備型固定装置にお
いて、筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライド
するピストン状部材等の固定装置の作動部を有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(端と端と)は
管(また筒に付けられた溝)で繋がれているか、ピスト
ン状部材に孔が設けられているか、ピストン状部材によ
って押出される液体・気体等が筒中から出る出口が設け
られているかしており、そして、この筒のピストン状部
材を挟んだ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管(また溝)
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、通
常は、そのロック弁は開いており、固定装置のロックは
解除され、固定装置の固定の解除によって、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との固定の
解除がなされており、一定以上の風圧が働くと、風セン
サーと連動して、そのロック弁が閉じることにより、固
定装置がロックされ、固定装置の固定によって、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定がなされるように構成されてなることを特徴とする風
センサー装備型固定装置である。ここで、固定装置の作
動部について説明すると、固定装置の作動部が、ピスト
ン状部材をもった固定ピンの場合=固定ピン系と、ピス
トン状部材をもった連結部材(不可撓部材・可撓部材)
の場合=連結部材系とがある。 2) ロックピン方式 請求項149項は、ロック部材がロックピン等のロック
部材である風作動型固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。8.2.1.の風センサー装備型固定装置に
おいて、通常は、固定装置の作動部のロック部材の固定
が解除されており、固定装置のロックは解除され、固定
装置の固定の解除によって、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体との固定の解除がなされて
おり、一定以上の風圧が働くと、風センサーと連動し
て、そのロック部材が固定装置の作動部を固定すること
により、固定装置がロックされ、固定装置の固定によっ
て、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定がなされるように構成されてなることを特
徴とする風センサー装備型固定装置である。 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置 (1) 一般(直接方式含む) 請求項150項は、電源設備を必要としない、電気に頼
らない風力発電機型風センサー装備型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。8.2.1.(請求項14
1項記載)の風センサー装備型固定装置において、一定
以上の風圧になると、風力発電機の電圧が、固定装置を
作動させるのに必要な電圧以上となり、固定装置を作動
させて、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成されてなることにより
前記目的を達成するものである。 (2) 間接方式 請求項151項は、風力発電機型風センサーの、固定装
置の作動部を固定するのに必要な力を小さくし、且つ固
定装置の作動感度を上げることを図った風力発電機型風
センサー装備型固定装置、またそれによる免震構造体の
発明である。8.2.1.(2)の間接方式(請求項145項〜
請求項149項記載)の風センサー装備型固定装置にお
いて、一定以上の風圧になると、風力発電機の電圧が、
固定装置の作動部をロックするロック部材を作動させる
のに必要な電圧以上となり、ロック部材を作動させて固
定装置の作動部をロックし、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを固定するように構成さ
れてなることにより前記目的を達成するものである。 8.2.6. 連動作動風作動型固定装置 請求項152項の発明は、複数の固定装置からなり、そ
れぞれの固定装置の作動部またはロック部材が相互に連
動する仕組みをもつ固定装置であり、固定装置の作動部
またはロック部材同士を連動させることによって、複数
の固定装置を同時に固定するように構成されてなること
を特徴とする連動作動型固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。 8.2.6.1. 連動作動風作動型固定装置 請求項153項の発明は、2つ以上の固定装置におい
て、各固定装置をロックする機能をもったロック部材
が、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等またはレリ
ーズ等で相互に連結されており、風時に、風センサーが
ロック部材の一つを作動させると、各ロック部材が連動
して、それぞれの固定装置を同時に固定し、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定す
るように構成されてなることを特徴とする連動作動型固
定装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.2.6.2. 連動作動風作動型固定装置 請求項154項の発明は、2つ以上の固定装置におい
て、端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分
かれしていない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上に
わかれた)ロック部材が、可動するように取付けられて
おり、風時に、風センサーがこのロック部材を可動方向
に作動させ、それにより各端部のロック機能が、それぞ
れの固定装置を同時に固定して、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体とを固定するように構
成されてなることを特徴とする連動作動型固定装置、ま
たそれによる免震構造体の発明である。 8.2.6.3. 連動作動風作動型固定装置 請求項155項の発明は、2つ以上の固定装置におい
て、端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分
かれしていない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上に
わかれた)ロック部材が、中心を軸として回転できる様
に取付けられており、風時に、風センサーが、このロッ
ク部材を回転させ、それにより各端部のロック機能が、
それぞれの固定装置を同時に固定して、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体とを固定するよ
うに構成されてなることを特徴とする連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.2.6.4. 連動作動風作動型固定装置 請求項156項の発明は、8.2.から8.2.5.(請求項14
0項から請求項151項のいずれか1項)に記載の風作
動型固定装置を、1個または複数個もった固定装置にお
いて、それぞれの固定装置の固定が、またはロック部材
による固定装置の作動部のロックが、一個の風センサー
からの電気信号により、同時になされるように構成され
てなることを特徴とする固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。 8.2.7. 遅延器の設置 請求項157項は、請求項145項〜請求項156項の
いずれか一項に記載の風センサー装備型固定装置におい
て、請求項166項に記載の遅延器が装備され、風圧が
一定以下になったことを感知してから、一定の時間をお
いて固定装置を解除させるように構成されてなることを
特徴とする風センサー装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の発明である。 8.3. 固定装置の設置位置とリレー連動作動型固定装置 8.3.1. 一般 風揺れ等の対策を考えると、固定装置は、風により回転
の生じにくい、免震される構造体の重心( 重心及び免
震される構造体の各立面の図心からくる平面上の中心を
勘案したもの、以下「重心」と言う)位置またはその近
傍に、まず、設置されるのがよい。請求項158項は、
その固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 8.3.2. 2個以上の固定装置の設置 8.1.地震作動型固定装置および8.2.風作動型固定装置に
おいては、免震される構造体の重心位置またはその近傍
以外の周辺位置に、切断感度また地震センサー装置の感
度が敏感なタイプのものを設置し、免震される構造体の
重心位置またはその近傍には、前記周辺位置に比べて切
断感度また地震センサー装置の感度が鈍感なものを設置
することにより構成する。請求項159項は、その固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.3.3. リレー連動作動型固定装置 固定装置の同時作動に関しては、機械式、電気式にして
も実際に同時に作動するかに関しては、問題があった。
特に、地震作動型固定装置は、時間差を許されず、ま
た、一本でも解除されない場合の問題は大きかった。こ
の地震作動型固定装置は、固定装置の作動(解除/セッ
ト=ロック・固定)連動に関しては、同時に作動させる
ことは難しく、順次作動させていくことの方が確実性が
ある。また、順次作動のさせ方によっては、一本でも解
除されない場合の問題も解決する。つまり、重心または
その近傍に設置された固定装置を最後にリレーさせる方
法でその問題は解決する(以下、「リレー連動作動型固
定装置」と言う)。また、逆に、固定装置のセットに関
しては、重心の固定装置が最初にセットされるのがよ
い。 8.3.3.1. 地震作動型固定装置の場合 リレー連動作動型の地震作動型固定装置は、固定装置の
作動(解除/セット=ロック・固定)連動に関しては、
同時に作動させることは難しく、順次作動させていくこ
との方が確実性がある。また、順次作動のさせ方によっ
ては、一本でも解除されない場合の問題も解決する。つ
まり、重心またはその近傍に設置された固定装置を最後
にリレーさせる方法でその問題は解決する。請求項16
0項は、そのリレー連動作動型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。具体的には、連動作動型固
定装置の設置に関して、そのうち少なくとも一本の固定
装置(リレー末端固定装置)は、免震される構造体の重
心位置またはその近傍に、他の固定装置(リレー中間固
定装置)は、周辺位置に設置され、地震時にこれらの固
定装置が順次解除される際に、前記重心位置またはその
近傍に設置された固定装置が最後に解除されるように構
成される。また、地震後の、固定装置の固定に関して
は、重心の固定装置が最初に固定されるのがよい。請求
項161項は、そのリレー連動作動型固定装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。具体的には、連動作
動型固定装置の設置に関して、そのうち少なくとも一本
の固定装置(リレー末端固定装置)は、免震される構造
体の重心位置またはその近傍に、他の固定装置(リレー
中間固定装置)は、周辺に設置され、地震時にこれらの
固定装置が順次解除された後、地震終了後に、前記重心
位置またはその近傍に設置された固定装置が最初に固定
されるように構成される。請求項162項は、請求項1
60項、請求項161項記載の記載の発明のいずれか、
または両方を組合せることによって構成されてなること
を特徴とするリレー連動作動型固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。 8.3.3.1.1. リレー中間固定装置 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般) 請求項163項は、地震作動型のリレー中間固定装置、
またそれによる免震構造体の発明であり、この発明は、
請求項160項、請求項161項記載のリレー中間固定
装置において、地震センサー(振幅)装置と直接つなが
るリレー(第1)中間固定装置と、地震センサー(振
幅)装置とは直接つながらないリレー(第2番目以降
の)中間固定装置に分かれ、前者をリレー第1中間固定
装置、後者をリレー第2以降中間固定装置とし、リレー
第1中間固定装置には、請求項95項〜請求項106項
記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置が使用
され、地震センサー(振幅)装置と直接つながるリレー
中間固定装置をリレー第1中間固定装置、直接つながら
ないリレー中間固定装置をリレー第2以降中間固定装置
とし、各リレー中間固定装置は、ロック部材の装備に加
え、地震時に、固定装置の作動を次のリレー(中間、末
端)固定装置のロック部材に伝え、連動させてロック部
材により固定装置を解除させる連動機構を持っており、
リレー第1中間固定装置のロック部材は、地震センサー
(振幅)装置に、リレー第2以降中間固定装置のロック
部材は、直前のリレー中間固定装置の連動機構に、連動
するように構成されてなることを特徴とするリレー連動
作動型固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。具体的に説明すると、この固定装置には、この固定
ピン等の固定装置の作動部をロックするロック部材(ピ
ストン状部材の固定装置の作動部場合は、固定装置の作
動部をロックするロック部材は、固定ピンとなる)が差
し込まれる欠き込み・溝・窪みがあり、このロック部材
は常時、重力・バネ・ゴム・磁石等で押され、この欠き
込み・溝・窪みに差し込まれ、リレー第1中間固定装置
の場合には、このロック部材と、地震センサー振幅装置
の地震時に振動する重り、または地震センサーにより作
動するモーターもしくは電磁石等の作動部材とが、直接
または(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等によって結ばれ、地震時に地震センサー振幅装
置の重りが振動し、または地震センサーにより作動する
モーターもしくは電磁石等の作動部材によって、このワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等により、前記欠き
込み・溝・窪みからロック部材が外されて、固定装置が
解除され、また、リレー第2以降中間固定装置の場合に
は、このロック部材と、直前のリレー中間固定装置の後
述の連動機構とが、(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等によって結ばれ、地震時に、他の
連動機構の作動により、このワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等によって、前記欠き込み・溝・窪みからロ
ック部材が外されて、固定装置が解除され、さらに、こ
のリレー(第1、第2以降)中間固定装置には、このロ
ック部材の装備に加えて、次のリレー中間・末端固定装
置への連動機構を持ち、連動機構は、地震時に固定装置
の作動に連動して、次のリレー(中間、末端)固定装置
のロック部材に連動し、前記欠き込み・溝・窪みからロ
ック部材を外すことにより構成される。 8.3.3.1.1.2. リレー中間固定装置(増幅器付) さらに、連動機構として、梃子また滑車また歯車等の増
幅器を加えることにより、固定装置の作動部の小さい変
位を、大きな変位に増幅させて、次の固定装置に連動さ
せることが可能となる。請求項164項は、その固定装
置、またそれによる免震構造体の発明であり、この発明
のリレー中間固定装置(増幅器付)は、請求項163項
記載の固定装置の連動機構において、梃子また滑車また
歯車等を採用して、次のリレー(中間、末端)固定装置
のロック部材への引張長さまたは圧縮長さを増幅してい
ることにより構成される。 8.3.3.1.2. リレー末端固定装置 請求項165項は、地震作動型のリレー末端固定装置、
またそれによる免震構造体の発明であり、この発明のリ
レー末端固定装置は、請求項160項、請求項161項
記載の固定装置のリレー末端固定装置において、固定装
置の作動部をロックするロック部材を複数個持ち、この
複数個のロック部材は、複数個の他のリレー中間固定装
置の連動機構(請求項163項、請求項164項記載の
連動機構)から、(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等で、個々に連結され、地震時に個々
に連動して引抜かれて、固定装置の作動部のロックが解
除されるが、この複数個のロック部材が、全て解除され
ない限り、リレー末端固定装置のロックは完全に解除さ
れないことにより構成される。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置 リレー連動作動型固定装置(リレー中間固定装置・リレ
ー末端固定装置)の固定装置の作動部またはロック部材
と、前記地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間、または直前のリレー中間固定
装置の連動機構との間に、8.5.のような遅延器を設け、
地震時の固定が解除された後の振動中に固定装置の作動
部またはロック部材の戻り(固定装置の作動部を固定す
る方向への)を遅延する必要がある。地震終了程度ま
で、時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、数秒程度時間を
稼ぐものでも問題はない。請求項175項は、その固定
装置、またそれによる免震構造体の発明であり、請求項
160項から請求項165項のいずれか1項に記載の固
定装置において、固定装置の作動部またはロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りとの
間、または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
には、地震時に固定装置の作動部またはロック部材が解
除された後の振動中に固定装置の作動部またはロック部
材の戻りを遅延する遅延器を設けていることにより構成
される固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る(詳細は8.5.に記載)。 8.3.3.1.4. 引張力限定伝達装置 固定装置の作動部またはロック部材と、前記地震センサ
ー振幅装置の地震時に振動する重りとの間、または直前
のリレー中間固定装置の連動機構との間には、引張力の
みを伝達し、圧縮力を伝達しない装置を必要とする。こ
の引張力限定伝達装置は、請求項160項から請求項1
75項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承にお
いて、固定装置の作動部またはロック部材と、地震セン
サー振幅装置の地震時に振動する重りとの間、または直
前のリレー中間固定装置の連動機構との間には、引張力
のみを伝達し、圧縮力を伝達しない装置であり、請求項
176項は、この引張力限定伝達装置をもっている固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.3.3.2. 風作動型固定装置の場合 リレー連動作動型の風作動型固定装置に関しても、固定
装置の作動(解除/セット(=ロック・固定))連動に
関しては、同時に作動させることは難しく、順次作動さ
せていくことの方が確実性がある。また、順次作動のさ
せ方によっては、一本でも固定されていない場合の問題
も解決する。つまり、重心の固定装置を最初に固定させ
る方法でその問題は解決する。請求項177項は、その
リレー連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体
の発明である。具体的には、連動作動型固定装置の設置
に関して、そのうち少なくとも一本は、免震される構造
体の重心位置またはその近傍に設置され、残りは周辺に
設置され、風時に、それらの固定装置が順次固定される
際に、前記重心位置またはその近傍に設置された固定装
置が最初に固定されるように構成される。また、風力が
一定以下になった後の、固定装置の(免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体との固定の)解除
に関しては、重心の固定装置が最後に解除されるのがよ
い。請求項178項は、そのリレー連動作動型固定装
置、またそれによる免震構造体の発明である。具体的に
は、連動作動型固定装置の設置に関して、そのうち少な
くとも一本は、免震される構造体の重心位置またはその
近傍に設置され、残りは、周辺に設置され、風時に、そ
れらの固定装置が順次固定され、その後、それらの固定
装置が順次解除される際に、前記重心位置またはその近
傍に設置された固定装置が最後に解除されるように構成
される。請求項179項は、請求項177項、請求項1
78項のいずれか、または両方を組合せることによって
構成されてなることを特徴とするリレー連動作動型固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。 8.3.3.2.1. リレー中間固定装置 請求項180項は、風作動型のリレー中間固定装置、ま
たそれによる免震構造体の発明であり、この発明は、請
求項177項、請求項178項記載のリレー中間固定装
置において、この固定装置は、風センサーと直接繋がる
リレー(第1)中間固定装置と、風センサーとは直接繋
がらないリレー(第2番目以降の)中間固定装置に分か
れ、前者をリレー第1中間固定装置、後者をリレー第2
以降中間固定装置とし、リレー第1中間固定装置には、
請求項145項〜請求項156項記載の風センサー装備
型固定装置が使用され、風センサーと直接繋がるリレー
中間固定装置をリレー第1中間固定装置、直接繋がらな
いリレー中間固定装置をリレー第2以降中間固定装置と
し、各リレー中間固定装置は、ロック部材の装備に加
え、風時に固定装置の作動を次のリレー(中間、末端)
固定装置のロック部材に伝え、連動させてロック部材に
より固定装置を固定させる連動機構を持っており、リレ
ー第1中間固定装置のロック部材は、風センサーに、リ
レー第2以降中間固定装置のロック部材は、直前のリレ
ー中間固定装置の連動機構に、連動するように構成され
てなることを特徴とするリレー連動作動型固定装置であ
り、またそれによる免震構造体の発明である。具体的に
述べれば、この固定装置には、この固定装置の作動部を
ロックするロック部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪
みがあり、このロック部材は常時、重力・バネ・ゴム・
磁石等で引張られ、この欠き込み・溝・窪みから外され
ており、リレー第1中間固定装置の場合には、このロッ
ク部材と、風センサーとが連動し、風時に、風センサー
により、この欠き込み・溝・窪みにロック部材が入り、
固定装置が固定され、また、リレー第2以降中間固定装
置の場合には、このロック部材と、直前のリレー中間固
定装置の後述の連動機構とが、(レリーズ中の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等によって結ばれ、風時
に、他の連動機構の作動により、このワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等によって、欠き込み・溝・窪み
に、ロック部材が入り、固定装置が固定され、このリレ
ー(第1、第2以降)中間固定装置には、このロック部
材の装備に加えて、次のリレー中間・末端固定装置への
連動機構を持ち、連動機構は、風時に固定装置の作動に
連動して、次のリレー(中間、末端)固定装置のロック
部材に連動し、このロック部材を固定することにより構
成される。 8.4. 風揺れ等抑制装置・変位抑制装置としての固定装
置またダンパー 8.4.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 8.4.1.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 (1) 風揺れ等抑制装置としての固定装置 挿入部に固定ピンを挿入することによって、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との風揺れ
時等の動きを抑制する風揺れ等抑制装置において、固定
ピンを受ける方の挿入部と固定ピンを挿入するもう片方
の挿入部のうち、一方を免震される構造体に、もう一方
を免震される構造体を支持する構造体に設け、固定ピン
を受ける方の挿入部は、すり鉢状等の凹形状として、そ
の挿入部に固定ピンを挿入することにより風に抵抗さ
せ、かつ、固定ピンを挿入するもう片方の挿入部には、
抵抗器を採用して固定ピンの挿入部への挿入に対する抵
抗を調整可能とする(例えば、固定ピンの取付けられた
ピストン状部材が筒中で液体や空気等を漏らさずスライ
ドするスライド機構とし、ピストン状部材に孔が設けら
れるか、筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピス
トン状部材がスライドする範囲の端と端と)が管(また
筒に付けられた溝)等の流路で繋がれているかして、ピ
ストン状部材がスライドする速度をこの筒内のピストン
状部材のスライドによって孔または管等の流路を行き来
する液体や空気等の粘性抵抗によって調整可能とする)
ことにより構成されてなることを特徴とする風揺れ等抑
制装置または固定装置、またそれによる免震構造体であ
る。請求項181項は、その発明である。 (2) 風揺れ等抑制装置としての固定装置(遅延器付き) さらに、(1)の機能に加えて、抵抗器に 8.5.の遅延器を
使用して、地震時に固定ピンがスライド機構の中に収ま
っている時間を長くして免震効果を高める遅延器効果を
持った発明も考えられる。請求項182項は、その遅延
器付きの風揺れ等抑制装置または固定装置、またそれに
よる免震構造体の発明である。8.5.遅延器の一例で説明
すると、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免
震される構造体に、もう一方を免震される構造体を支持
する構造体に設け、すり鉢状・球面状等の凹形状挿入部
に固定ピンを挿入することによって、免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体とを固定し、風揺
れ等を防止する固定装置において、風に抵抗できる勾配
をもったすり鉢状・球面状等の凹形状挿入部と、当該挿
入部と同等の勾配の先端部をもった固定ピンを有し、筒
中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピスト
ン状部材をもった固定ピンが、その筒に挿入され、その
外に固定ピン先端が突き出ており、さらに、この筒のピ
ストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がス
ライドする範囲の端と端と)は管(また筒に付けられた
溝)等の流路で繋がれており、このピストン状部材には
この管(また溝)等の流路との開口面積の差をもたせた
孔が設けられ、この管(また溝)等の流路またはピスト
ン状部材の孔のうち開口面積の大きい方に、ピストン状
部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じて
いる弁が付けられており、さらに、重力、また場合によ
っては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、この
ピストン状部材をもった固定ピンを筒外に押出す役割を
する場合もあり、また、この筒と前記管(また溝)等の
流路とは、潤滑油等の液体で満たされている場合もあ
り、この弁の性格と、前記管(また溝)等の流路または
ピストン状部材の孔のうちの一方の開口面積を絞ること
により、前記固定ピン先端は、筒の中に入る方向では、
速やかであり、出る方向では、遅延され、それにより、
地震力が働くと、固定ピン先端は、速やかに筒の中に入
り、地震力が働いている間は、出にくくなるように構成
される。以上の(1)(2)に共通して言えることであるが、
引抜き防止装置の併用により、風揺れ等の抑制効果をよ
り発揮する。 8.4.1.2. 固定装置と中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
との併用 請求項181項もしくは請求項182項記載の風揺れ等
抑制装置(固定装置)と、(一般の)固定装置もしくは
8.7.(請求項204項記載)の免震皿の中央部窪み形
の風揺れ等抑制装置のどちらかとを、または両方とを併
用により風等の揺れに抵抗する。請求項183項は、そ
の免震構造体の発明である。 8.4.2. 固定装置型ダンパー 請求項184−0項記載の発明は、固定装置型ダンパ
ー、またそれによる免震構造体の発明である。当然、こ
の発明の固定装置型ダンパーは、変位抑制及び風揺れ等
抑制装置も兼ねる。免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との動きを抑制する装置において、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に筒が設置され、この筒内には液体・気
体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材(固
定装置の作動部=ダンパーの作動部)が設置され、前記
筒内の液体・気体等の経路が前記筒またピストン状部材
に最低2ヶ所設けられることによって構成される。この
液体・気体等の経路としては、前期筒のピストン状部材
を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスライドする範
囲の端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けられた溝)、ピ
ストン状部材にあいている孔(またピストン状部材に設
けられた溝)、筒と液体貯槽を結ぶ経路、筒と外部を結
ぶ経路、等が考えられる。これらの経路には開口面積の
差をもたせ、これらの経路のうち開口面積の大きい方
に、ピストン状部材が筒中から出る方向時に開き、それ
以外は閉じている弁が付けられており、開口面積が小さ
い場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピス
トン状部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は
閉じている弁が付けられ、さらに、重力、また場合によ
っては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、この
ピストン状部材を筒中から押出す役割をする場合もあ
り、また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満た
されている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開
口面積の差をつけることにより、前記ピストン状部材
は、筒中から出る方向の移動は速やかであり、筒中に入
る方向の移動は緩やかになるようにして動きを抑制する
ようにして構成されてなることを特徴とするダンパー、
またそれによる免震構造体である。 8.4.2.1. 固定装置型ダンパー1 請求項184項記載の発明は、固定装置型ダンパー、ま
たそれによる免震構造体の発明である。当然、この発明
の固定装置型ダンパーは、変位抑制及び風揺れ等抑制装
置も兼ねる。免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との動きを抑制する装置において、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体のどち
らか一方に筒が設置され、他方にこの筒内をスライドす
るピストン状部材との接続部材が、またはピストン状部
材と連携するか一体になるか接続するかした固定ピンを
受ける受け部材(以下、固定ピンを挿入する凹形態の挿
入部材または固定ピンが当たる凸形態の部材等を固定ピ
ン受け部材と言う)が設置され、ダンパーの作動部を形
成する前記ピストン状部材とこのピストン状部材がその
内をスライドする前記筒とから構成され、筒中の液体・
気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材が
その筒に挿入され、さらに、前記筒の、ピストン状部材
を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・気体等の経路が最低2
ヶ所設けられており、前記経路には開口面積の差をもた
せ、これらの経路のうち開口面積の大きい方に、ピスト
ン状部材が筒中から出る方向時に開き、それ以外は閉じ
ている弁が付けられており、開口面積が小さい場合には
弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材
が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている
弁が付けられ、さらに、重力、また場合によっては筒の
中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、このピストン状
部材を筒外に押出す役割をする場合もあり、また、この
筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされている場合
もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面積の差をつ
けることにより、前記ピストン状部材は、出る方向で
は、速やかであり、筒の中に入る方向では、固定ピン受
け部材に対して抵抗して、緩やかに入るようにして風揺
れ等の動きおよび地震時の変位を抑制するようにして構
成される。引抜き防止装置の併用により、地震時の変位
及び風揺れ等の抑制効果をより発揮する。最低2ヶ所設
けられた経路について具体的に説明すると、この筒のピ
ストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がス
ライドする範囲の端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けら
れた溝)と、ピストン状部材にあいている孔とが設けら
れており、管(また溝)と孔とには開口面積の差をもた
せ、この管(また溝)またはピストン状部材の孔のうち
開口面積の大きい方に、ピストン状部材が筒中から出る
方向時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてお
り、開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設
ける場合には、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる時
に開き、それ以外は閉じている弁が付けられ、さらに、
重力、また場合によっては筒の中に入れられたバネ・ゴ
ム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押出す役割
をする場合もあり、また、この筒と前記管(また溝)と
は潤滑油等の液体で満たされている場合もあり、 この
弁の性格と、開口面積の差をつけることにより、前記ピ
ストン状部材は、出る方向では、速やかであり、筒の中
に入る方向では、固定ピン受け部材に対して抵抗して、
緩やかに入るようにして風揺れ等の動きおよび地震時の
変位を抑制するようにして構成される。 8.4.2.2. 固定装置型ダンパー2 請求項186項記載の発明は、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との動きを抑制する装置
において、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体のどちらか一方に前記筒が設置され、他方に
この筒内をスライドするピストン状部材との接続部材
が、またはピストン状部材と連携するか一体になるか接
続するかした固定ピンを受ける受け部材(固定ピン受け
部材)が設置され、ダンパーの作動部を形成する前記ピ
ストン状部材とこのピストン状部材がその内をスライド
する前記筒とから構成され、筒中の液体・気体等をほぼ
漏らさずにスライドするピストン状部材がその筒に挿入
され、ピストン状部材によって押出される液体・気体等
が筒の中から出る出口経路と、出口経路からその押出さ
れた液体・気体等が筒の中に戻る別経路の戻り経路とが
設けられており、出口経路と戻り経路とには開口面積の
差をもたせ、出口経路は小さく、戻り経路は大きくし、
戻り経路には、ピストン状部材が筒の中から出る方向時
に開き、それ以外は閉じている弁が付けられており、出
口経路は、開口面積が一定以下の場合には弁が必要無い
が、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒の中へ引
き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付けら
れていることにより構成されてなることを特徴とするダ
ンパーであり、またそれによる免震構造体の発明であ
る。この弁の性格と、開口面積の差をつけることによ
り、前記ピストン状部材は、出る方向では、速やかであ
り、筒の中に入る方向では、固定ピン受け部材に対して
抵抗して、緩やかに入るようにして風揺れ等の動きおよ
び地震時の変位を抑制する。引抜き防止装置の併用によ
り、地震時の変位及び風揺れ等の抑制効果をより発揮す
る。 8.4.3. 可撓部材型連結部材系ダンパー 請求項188項、請求項189項、請求項189−2項
記載の発明は、免震される構造体を支持する構造体また
は免震される構造体のいずれか一方の構造体に設置され
たダンパーの作動部(油圧ダンパー等のピストン状部材
等の作動部)ともう一方の構造体とを、前記ダンパーの
設置された構造体側に設けられた挿入口を介して、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材で繋ぐことにより
構成されてなることを特徴とするダンパーであり、また
それによる免震構造体の発明である。 8.4.4. ダンパー兼用の固定装置 8.4.4.1. ダンパー兼用の固定装置 (1) ロック弁方式 1 固定装置とダンパー兼用の固定装置の発明で、地震作動
型、風作動型固定装置両方の場合がある。請求項185
項は、その発明である。請求項184項記載の発明の、
ダンパーの弁(開口面積の大きい方に設けられた弁)
が、ロック弁(ロック部材)に代わった場合で、風セン
サーからの指令で、作動するロック弁とするか、地震セ
ンサー(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁と
するか等により構成されてなることを特徴とするダンパ
ーであり、またそれによる免震構造体の発明である。 (2) ロック弁方式 2 固定装置とダンパー兼用の固定装置の発明で、地震作動
型、風作動型固定装置両方の場合がある。請求項187
項は、その発明である。請求項186項記載の発明の、
ダンパーの弁(出口経路に設けられた弁)が、ロック弁
(ロック部材)に代わった場合で、風センサーからの指
令で、作動するロック弁とするか、地震センサー(振
幅)装置からの指令で、作動するロック弁とするか等に
より構成されてなることを特徴とするダンパーであり、
またそれによる免震構造体の発明である。 (3) ロック弁方式 3 可撓部材型連結部材系の固定装置とダンパー兼用の発明
で、地震作動型、風作動型固定装置両方の場合がある。
請求項190項は、その発明である。請求項189項、
請求項189−2項記載の発明のダンパーにおいて、戻
り経路(請求項189項記載)または経路のうち開口面
積の小さい方(請求項189−2項記載)に設けられた
弁が、ロック弁(ロック部材)に代わった場合で、風セ
ンサーからの指令で、作動するロック弁とするか、地震
センサー(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁
とするか等により構成されてなることを特徴とするダン
パーであり、またそれによる免震構造体の発明である。 (4) ロック弁方式 4(8.1.2.2.5.(ロック)弁方式) 請求項191項記載の発明は、8.1.2.2.5.(ロック)弁
方式型の固定装置とダンパー兼用の固定装置であり、ま
たそれによる免震構造体の発明である。請求項191項
記載の発明は、8.1.2.2.5.(ロック)弁方式(請求項1
25項から請求項139項のいずれか1項)に記載の地
震センサー振幅装置装備型固定装置において、 ピスト
ン状部材の挿入筒または付属室からの液体貯槽または外
部への出口・出口経路につけられた弁以外に、液体貯槽
または外部から付属室またはピストン状部材の挿入筒へ
戻る戻り口を設けてそこに弁(逆流を防ぐ弁)を付け、
出口・出口経路の開口面積の大きさは小さくし、戻り口
の開口面積の大きさは大きくすることにより構成されて
なることを特徴とするダンパー兼用の固定装置であり、
またそれによる免震構造体の発明である。 8.4.4.2. 挿入部形状 請求項192項記載の発明は、8.4.4.1.ダンパー兼用の
固定装置(請求項191項)に記載の免震装置・滑り支
承において、固定ピンの挿入部の中心部だけ、曲率半径
を小さくするか、勾配を強くし、周辺は、曲率半径を大
きくするか、勾配を緩くすることにより構成されてなる
ことを特徴とする固定装置であり、またそれによる免震
構造体の発明である。 8.4.5. 固定ピン受け部材形状と変位対応変化型ダンパ
ー このダンパーは本免震装置としてだけでなく一般のダン
パーにも適用可能である。 8.4.5.1. 固定ピン受け部材変化型 固定ピンを挿入する挿入部または固定ピンが当たる凸形
態部材等の固定ピン受け部材の形状を変化させる形で、
ダンパー能力を変化させる変位対応変化型ダンパーに関
するものである。ここで、「挿入部」について、固定ピ
ンを挿入する凹形態だけでなく固定ピンが当たる凸形態
部材までも挿入部とする(すべての章で同じ)。請求項
192−5−0項は、この固定ピン受け部材のすり鉢状
・球面等の形状についての発明である。すなわち、請求
項192−5−0項は、下記の請求項192−1項から
請求項192−5項のいずれか1項に記載のダンパーの
固定ピン受け部材において、固定ピン受け部材形状の勾
配(凸型凹型ともに)が、以下の式を満たすように構成
されてなることを特徴とするダンパー、またそれによる
免震構造体である。 Z=p・X^n ただし X : 固定ピン受け部材の中央部からの水平変
位 Z : 固定ピン受け部材が構成する曲面上で、水平変位
Xに伴い生じる鉛直変位(凸型凹型時では+−が反転す
る) p、n : 曲面の方程式の係数 特にn=1.4〜1.5のとき、ダンパー装置として最も良い
結果が得られる。 8.4.5.1.1. 変位抑制用1 (1) 凹型(往路抑制型) 請求項192−1項は、請求項184−0項〜請求項1
87項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.
2.参照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固
定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか
一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部
材が設置され、固定ピン受け部材形状が凹形態の部材か
らなっていることにより構成されてなることを特徴とす
るダンパー、またそれによる免震構造体の発明である。
固定ピン受け部材形状の凹形態とは、例えば、すり鉢状
・球面状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹形態とな
っている。この固定ピン受け部材(挿入部)形状によ
り、地震時変位振幅の中心からの往路で変位抑制できる
ダンパーになる。 (2) 凸型(復路抑制型) 請求項192−2項は、請求項184−0項〜請求項1
87項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.
2.参照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固
定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか
一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部
材が設置され、固定ピン受け部材形状が凸形態の部材か
らなっていることにより構成されてなることを特徴とす
るダンパー、またそれによる免震構造体の発明である。
固定ピン受け部材形状が凸形態とは、例えば、すり鉢状
・球面状または円柱山面状・V字山面状等となってい
る。このダンパーは、地震時変位振幅の中心からの復路
で変位抑制できるダンパーの発明である。 (3) 凸凹(反復)型 請求項192−2−2項は、請求項184−0項〜請求
項187項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.
4.2.2.参照)または請求項191項記載のダンパー兼用
の固定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体のどち
らか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受
け部材が設置され、固定ピン受け部材形状が凸凹形態の
部材からなっていることにより構成されてなることを特
徴とするダンパー、またそれによる免震構造体の発明で
ある。このダンパーは、地震時変位振幅の中心からの往
復路で変位抑制できるダンパーの発明である。 (4) 凹型凸型併用(往復路抑制型) 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
との間に、上記(1)凹型のダンパーと(2)凸型のダンパー
とを両方設置することにより、地震時変位振幅の中心か
らの往路と復路で変位抑制できるものになる。請求項1
92−2−3項は、請求項192−1項記載のダンパー
と請求項192−2項記載のダンパーとが併用されるこ
とにより構成されてなることを特徴とするダンパー、ま
たそれによる免震構造体の発明である。請求項192−
2−4項は、請求項192−2−2項記載のダンパーの
うち、固定ピン受け部材の凸凹形状が互いに逆形状の2
つのダンパーを併用することにより構成されてなること
を特徴とする免震構造体の発明である。請求項192−
2−5項は、請求項192−2−2項記載のダンパーに
おいて、凸凹形状が互いに逆形状の固定ピン受け部材を
もち、その固定ピン受け部材のそれぞれに固定ピンをも
つことにより構成されてなることを特徴とするダンパ
ー。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2 請求項192−3項は、請求項184−0項〜請求項1
87項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.
2.参照)または請求項191項記載のダンパー兼用の固
定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか
一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部
材が設置され、固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材
からなるか、凸形態の部材からなるか、凸凹形態複合型
の部材からなり、凹形態または凸形態を、変位に応じて
傾斜を変化させた形態とすることにより構成されるダン
パー、またそれによる免震構造体の発明である。このよ
うに傾斜を任意に変化させることにより、応答加速度を
抑制しながら変位を抑制することを可能にする。このよ
うに任意にダンパー性能を変えられるのは、この発明の
特徴である。特に凹形態または凸形態ともに、凹または
凸の中心から周辺部に行くに従い、勾配が強くなる形式
は、免震性能が良く、変位抑制効果をも持つ。つまり、
請求項192−4項の発明であり、請求項192−4項
の発明は、請求項192−3項記載のダンパーにおい
て、凹形態または凸形態の、変位に応じての傾斜の変化
させ方を、中心から周辺部に行くに従い、二段階、多段
階、無段階の勾配変化等により勾配が強くなるようにし
て構成するダンパーであり、またそれによる免震構造体
の発明である。また、請求項192−5項の発明は、過
大変位時ストッパー付ダンパーに関しての発明であり、
請求項192−3項または請求項192−4項記載のダ
ンパーにおいて、固定ピン受け部材の周辺部形状の、角
度を上げるか、または徐々に角度を上げるかして(必要
に応じて鉛直まで立ち上げて)なることを特徴とするダ
ンパー(以下、過大変位時ストッパー付ダンパーと言
う)、またそれによる免震構造体である。その結果、過
大変位時においても徐々にダンピングが大になり、固定
ピン受け部材7-vmの端部においては、ストップするよ
うになっている。 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) (1)厳密解 請求項192−5−1項の発明は、請求項184−0項
〜請求項187項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
において、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方
にこの固定ピン受け部材が設置され、固定ピン受け部材
形状が、凹形態の部材からなるか、凸形態の部材からな
り、凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような
式の勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた
形態とすることにより構成されるダンパー、またそれに
よる免震構造体の発明である。 φ(x)=arccos[〔{−Q±(Q^2−4・P・R)^0.5}/(2・
P)〕^0.5] P=(1+μD^2)・(μP^2・C1^2+C0^2・|dx/dt|^2) Q={−(2・μD・μP+μP^2)・C1^2+2・C1・C0・|dx/dt|
−(2+μD^2)・C0^2・|dx/dt|^2} R=(C1−C0・|dx/dt|)^2 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 μP :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 (2)近似解 請求項192−5−2項の発明は、請求項184−0項
〜請求項187項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
において、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方
にこの固定ピン受け部材が設置され、固定ピン受け部材
形状が、凹形態の部材からなるか、凸形態の部材からな
り、凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような
式の勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた
形態とすることにより構成されるダンパー、またそれに
よる免震構造体の発明である。 φ(x)≒arctan[−μD/2+〈μD^2/4+C1/〔C0・z0・ω・
{1-(x/z0)^2}^0.5〕〉^0.5] 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 x :ダンパーの応答相対変位 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 z0 :入力する正弦波の変位振幅 ω :入力する正弦波の円振動数 z :入力する正弦波の変位 dz/dt:入力する正弦波の速度 8.4.5.1.4. 変位抑制用4(捩れの生じないダンパー) 請求項192−5−3項の発明は、請求項184−0項
〜請求項187項記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.参
照)を採用し、その固定ピン(ピストン先端部)がすべ
る固定ピン受け部材のすり鉢勾配を以下の式を満たすよ
うに構成されてなることを特徴とするダンパー、またそ
れによる免震構造体である。 tanφ・(tanφ+μD)≒(cosθ)^2・(tanθ+μ) 簡易式にすると、 (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ) 但し、 θ :支承の免震皿のすり鉢勾配 μ :支承の免震皿の動摩擦係数 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材のすり鉢勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 8.4.5.2. 管変化型 請求項192−6項は、変位抑制型のシリンダーとその
中をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダンパ
ーにおいて、変位抑制ダンパー能力を緩和したいシリン
ダー上の区間の点(管口)とピストン状部材を挟んだ点
(管口)とを繋ぐ管を設けて、その区間のシリンダー内
の液体が相互に行き来するものであり、ピストン状部材
を挟んだ双方の管口が塞がらずに相互の液体が行き来す
るピストン状部材のスライド範囲がダンパー能力が緩和
される範囲であることを特徴とするダンパー、またそれ
による免震構造体の発明である。 8.4.5.3. ピストン穴・溝変化型 変位抑制型のシリンダーとその中をスライドするピスト
ン状部材からなる油圧系ダンパーにおいて、ピストン状
部材に穴また溝を設けて、ピストン状部材の両側のシリ
ンダー内の液体の相互の行き来を許すものである。その
穴また溝の大きさで抵抗を与えてダンピングするもので
ある。 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 請求項192−6−2項は、変位抑制型のシリンダーと
その中をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダ
ンパーにおいて、シリンダーに溝を掘り、ピストン状部
材の両側のシリンダー内の液体が相互に行き来するもの
であり、その溝の大きさで抵抗を与えてダンピングする
もので、その溝の大きさを変位位置に応じて変えて、ダ
ンパー能力の変化をさせるものであることを特徴とする
ダンパー、またそれによる免震構造体の発明である。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 請求項192−7項は、請求項184−0項から請求項
187項(8.4.2. 固定装置型ダンパー)、または請求
項191項から請求項192−6−2項(8.4.4. ダン
パー兼用の固定装置)のいずれか1項に記載のダンパ
ー、または固定ピン型固定装置(連結部材系のピン型
(固定ピン)を除く)を滑り支承兼用と構成されてなる
ことを特徴とするダンパーまたは固定ピン型固定装置、
またそれによる免震構造体である。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 請求項192−8項の発明は、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との動きを制御する油圧
型ダンパーにおいて、減衰力が速度に比例するダンパー
の特性を得るために、ダンパー弁の圧力流量特性を流量
と圧力が1次比例となるように設定する目的で、ノズル
型ダンパー弁の細長い形状の絞り部を以下の式(記号説
明は実施例の 8.4.7.参照) Q=(d^k1・ND)/(Cm・μ’・l)・p から求めた寸法と本数とを基準に設計し、この絞り部に
よって減衰をおこなうことを特徴とするノズル型ダンパ
ー弁、またそれによって構成されたダンパー、またそれ
による免震構造体の発明である。 8.5. 遅延器 1) 一般 地震作動型固定装置において、固定装置の作動部が解除
されるときは速やかに、固定状態に復するときは遅延す
る遅延器が必要である。また、リレー連動作動型固定装
置(リレー中間固定装置・リレー末端固定装置)の固定
装置の作動部またはロック部材と、前記地震センサー振
幅装置の地震時に振動する重りまたは地震センサーによ
り作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との
間、または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
には、地震時のロックが解除された後の振動中に固定装
置の作動部またはロック部材の戻り(固定装置の作動部
を固定する方向への)を遅延する遅延器を必要とする。
地震終了程度まで、時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、
数秒程度時間を稼ぐものでも問題はない。風作動型固定
装置において、風圧が一定以下になったことを感知して
から、固定装置の解除を遅延させる遅延器が必要であ
る。 請求項166項は、その発明であり、8.に記載
の、地震作動型固定装置において、解除された固定装置
の作動部またはロック部材の戻りを遅延する遅延器を設
けるか、固定装置の作動部またはロック部材と、地震セ
ンサー振幅装置の地震時に振動する重りとの間、または
直前のリレー中間固定装置の連動機構との間には、地震
時に固定装置の作動部またはロック部材が解除された後
の振動中に固定装置の作動部またはロック部材の戻りを
遅延する遅延器を設けるか、 風作動型固定装置におい
て、風圧が一定以下になったことを感知してから、固定
装置の解除を遅延させる遅延器を設けるか、等すること
により構成される固定装置、またそれによる免震構造体
の発明である。 2) 油空圧シリンダー式 請求項167項〜請求項167−2項は、油空圧シリン
ダー式遅延器、またそれによる固定装置、またそれによ
る免震構造体の発明である。この油空圧シリンダー式遅
延器の発明は、筒とスライドするピストン状部材から構
成され、この筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材が、その筒に挿入され、その外
にピストン状部材の先端が突き出ており、さらに、前記
筒の、ピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・
気体等の経路が最低2本設けられており、前記経路には
開口面積の差をもたせ、この経路のうち開口面積の大き
い方に、ピストン状部材が筒中に引き込まれる方向時に
開き、それ以外は閉じている弁が付けられており、開口
面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合
には、ピストン状部材が筒中から押出される時に開き、
それ以外は閉じている弁が付けられていることにより構
成される。具体的には、この筒のピストン状部材を挟ん
だ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管(また筒に付けられ
た溝)と、ピストン状部材にあいている孔とが設けられ
ており、管(また溝)と孔とには開口面積の差をもた
せ、この管(また溝)またはピストン状部材の孔のうち
開口面積の大きい方に、ピストン状部材が筒中へ引き込
まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられて
いるか、または、ピストン状部材によって押出される液
体・気体等が筒中から出る出口経路と、出口経路からそ
の押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路の戻り経
路とが設けられており、出口経路と戻り経路とには開口
面積の差をもたせ、出口経路は大きく戻り経路は小さく
し、出口経路には、ピストン状部材が筒中へ引き込まれ
る時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてお
り、戻り経路は、開口面積が小さい場合には弁が必要無
いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒中から
押出される時に開き、それ以外は閉じている弁が付けら
れており、さらに、重力、また場合によっては筒の中に
入れられたバネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材
を筒外に押出す役割をする場合もあり、また、この筒と
前記管(また溝)または経路とは潤滑油等の液体で満た
されている場合もあり、この弁の性格と、開口面積の差
をつけることにより、前記ピストン状部材は、筒の中に
入る方向では、速やかであり、出る方向では、遅延され
る。また、固定装置の場合には、この遅延器のピストン
状部材を、固定装置の作動部とするか固定装置の作動部
と連動させるかし、遅延器の筒の中へピストン状部材が
引き込まれる方向が、固定装置の解除の方向となるか、
または、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロ
ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
は電磁石等の作動部材との間で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅
延器の筒の中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向
が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となるかす
る。さらに、リレー連動作動型固定装置の場合には、こ
の遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とする
か固定装置の作動部と連動させるかし、遅延器の筒の中
へピストン状部材が引き込まれる方向が、固定装置の解
除の方向となるか、または、この遅延器のピストン状部
材を、リレー連動作動型固定装置のロック部材と、地震
センサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セ
ンサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動
部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅延器の筒の中へ、ピストン状
部材が引き込まれる方向が、ロック部材の外れる方向
(解除方向)となるか、するようにして構成される。請
求項168項は、空圧シリンダー式遅延器、またそれに
よる固定装置、またそれによる免震構造体の発明であ
る。この発明は、筒とスライドするピストン状部材から
構成され、この筒中を気体等をほぼ漏らさずにスライド
するピストン状部材が、その筒に挿入され、その外にピ
ストン状部材の先端が突き出ており、この筒には気体が
筒中から出る孔と筒中へ入る孔が設けられており、出る
孔には、筒中から気体が出る方向時には開き、それ以外
は閉じる弁が付けられており、 さらに、重力、また場
合によっては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等
が、このピストン状部材を筒外に押出す役割をする場合
もあり、この弁の性格と、気体が筒中へ入る孔の開口面
積を絞ることにより、前記ピストン状部材は、筒の中に
入る方向では速やかであり、出る方向では遅延される。
固定装置の場合には、この遅延器のピストン状部材を、
固定装置の作動部とするか固定装置の作動部と連動させ
るか、または、この遅延器のピストン状部材を、固定装
置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振
動する重りまたは地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。リレ
ー連動作動型固定装置の場合には、この遅延器のピスト
ン状部材を、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材との間、または直前のリレー中間固定装置
の連動機構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、かつ、繋
ぎ方は、遅延器の筒の中へピストン状部材を押込む方向
を、ロック部材の解除方向とすることにより構成され
る。 3)機械式 a) ガンギ車式 請求項169項は、機械式遅延器のうち、ガンギ車式遅
延器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構
造体の発明である。この発明は、1)にて述べられた、地
震時のロックが解除された後のロック部材の戻り(固定
装置の作動部をロックする方向への)を遅延することを
目的とした発明である。この発明はガンギ車とアンクル
及びラックとから構成され、ラックはその移動によりガ
ンギ車を回転させるようになっており、アンクルはガン
ギ車の回転に対しある方向については抵抗とならず、逆
の方向については抵抗となって回転の速度を調節するよ
うになっており、またこれらの機構は歯車等の連動機構
を介して間接に組み合わされている場合もあり、このガ
ンギ車とアンクル及びラックによる機構の性質により、
ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく移動
できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるように
なっている。固定装置の場合には、この遅延器のラック
を、固定装置の作動部に設けるか固定装置の作動部に連
動する部材に設けるか、または、この遅延器のラック
を、固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動す
るモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐか
する。リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅延
器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機
構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ラ
ックが抵抗なく移動できる方向が、ロック部材の外れる
方向(解除方向)となるように構成されてなることによ
り、前記目的を達するものである。 b)ラチェット式(重量式重量抵抗型、水車式・風車式粘
性抵抗型) 請求項170項は、機械式遅延器のうち、ラチェット式
遅延器、またそれによる固定装置、またそれによる免震
構造体の発明である。この発明は、1)にて述べられた、
地震時のロックが解除された後のロック部材の戻り(固
定装置の作動部をロックする方向への)を遅延すること
を目的とした発明である。この発明は歯車とラック(及
び水車(風車)等の装置)とから構成され、歯車とラッ
クとは、ラックの移動の方向により、ある方向に対して
は歯車とラックの歯が噛み合わずに歯車は回転せず、逆
の方向に対しては歯が噛みあって歯車が回転するような
機構になっており、また歯が噛みあって歯車が回転する
とき、重量式重量抵抗型においては、ラックの移動に対
して歯車の自重が抵抗となり、同様に水車式・風車式粘
性抵抗型においては 、ラックの移動に対して、歯車の
回転と連動して回転する、粘性のある液体(気体)に浸
された水車(風車)等の装置が、回転時に与える負荷が
抵抗となり、またこれらの機構は歯車等の連動機構を介
して間接に組み合わされている場合もあり、この歯車と
ラック(及び水車式・風車式粘性抵抗型においては水車
(風車)等の負荷を与える装置)による機構の性質によ
り、ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく
移動できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるよ
うになっている。固定装置の場合には、この遅延器のラ
ックを、固定装置の作動部に設けるか固定装置の作動部
に連動する部材に設けるか、または、この遅延器のラッ
クを、固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置
の地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動
するモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐ
かする。リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅
延器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロック部
材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りま
たは地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁
石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動
機構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、
ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロック部材の外れ
る方向(解除方向)となるように構成されてなることに
より、前記目的を達するものである。 c) 重力式 請求項171項は、機械式遅延器のうち、重力式遅延
器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構造
体の発明である。この発明は、1)にて述べられた、地震
時のロックが解除された後のロック部材の(固定装置の
作動部をロックする方向への)戻りを遅延することを目
的とした発明である。この発明は歯車とラック及び重り
とから構成され、ラックはその移動により歯車を回転さ
せるようになっており、重りは歯車の回転と連動してお
り、その自重がラックの移動方向に対し、ある方向に対
しては負荷となり、逆の方向に対しては抵抗とならない
(歯車の回転を助ける)ようになっており、またこれら
の機構は歯車等の連動機構を介して間接に組み合わされ
ている場合もあり、この歯車とラック及び重りによる機
構の性質により、ラックは、力を受けた場合、ある方向
には抵抗なく移動できるが、逆の方向には移動の速度が
遅延されるようになっている。固定装置の場合には、こ
の遅延器のラックを、固定装置の作動部に設けるか固定
装置の作動部に連動する部材に設けるか、または、この
遅延器のラックを、固定装置のロック部材と、地震セン
サー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震センサ
ーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材
との間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の場合
には、この遅延器のラックを、リレー連動作動型固定装
置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振
動する重りまたは地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固
定装置の連動機構との間をリレーする(レリーズ中の)
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、そ
の繋ぎ方が、ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロッ
ク部材の外れる方向(解除方向)となるようにすること
により構成されてなることにより、前記目的を達するも
のである。 4) 摩擦式 請求項172項は、摩擦式遅延器、またそれによる固定
装置、またそれによる免震構造体の発明である。この発
明は、1)にて述べられた、地震時のロックが解除された
後のロック部材の戻り(固定装置の作動部をロックする
方向への)を遅延することを目的とした発明である。こ
の発明は筒とスライドするピストン状部材から構成さ
れ、ピストン状部材は筒の中を移動できるように組み合
わされており、また筒の内表面とピストン状部材の表面
との両方あるいは一方は、スライドする方向によって異
なる摩擦抵抗を与えるようになっており、この筒とピス
トン状部材による機構の性質により、ピストン状部材
は、力を受けた場合、ある方向には抵抗をあまり受けず
に移動できるが、逆の方向には大きな抵抗を受けて、移
動の速度が遅延されるようになっている。固定装置の場
合には、この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作
動部とするか固定装置の作動部と連動させるか、また
は、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロック
部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動
型固定装置の場合には、この遅延器のピストン状部材
を、リレー連動作動型固定装置のロック部材と、地震セ
ンサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セン
サーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部
材または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間を
リレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ピストン状部
材があまり抵抗を受けずに移動できる方向が、ロック部
材の外れる方向(解除方向)となるようにすることによ
り構成されてなることにより、前記目的を達するもので
ある。 5) 経路迂回式 請求項173項は、経路迂回式遅延器、またそれによる
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。こ
の発明は、1)にて述べられた、地震時のロックが解除さ
れた後のロック部材の戻り(固定装置の作動部をロック
する方向への)を遅延することを目的とした発明であ
る。この発明は筒と筒中をスライドする円筒状の自由に
回転可能なピストン状部材とから構成され、ピストン状
部材は筒の中を移動できるように組み合わされており、
また、ピストン状部材の表面には、移動方向に平行な直
線部分と、曲線部分とがつながってループ状となってい
るガイドが、筒にはバネ等よってピストン状部材の方向
に押し出されているピンが、それぞれ設けられており、
このピンはガイドに嵌まっており、このピンとガイドと
の関係によりピストン状部材は筒中を回転して移動し、
かつピストン状部材はこのピンがガイドの直線部分に位
置するときは抵抗を受けずに移動でき、曲線部分に位置
するときは移動方向に対しガイドのなす角度により抵抗
を受けるようになっており、またピンはこのガイドを逆
に戻ることはなく、この筒とピストン状部材による機構
の性質により、ピストン状部材は、力を受けた場合、あ
る方向には抵抗を受けずに移動できるが、逆の方向には
ガイドのなす角度による抵抗を受け、それに加えてピン
の通過する直前部分と曲線部分との延長距離の差によっ
て、移動の速度が遅延されるようになっている。固定装
置の場合には、この遅延器のピストン状部材を、固定装
置の作動部とするか固定装置の作動部と連動させるか、
または、この遅延器のピストン状部材の先端部を、固定
装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に
振動する重りまたは地震センサーにより作動するモータ
ーもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。リ
レー連動作動型固定装置の場合には、この遅延器のピス
トン状部材を、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機
構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ピ
ストン状部材が抵抗を受けずに移動できる方向が、ロッ
ク部材の外れる方向(解除方向)となるように構成され
てなることにより、前記目的を達するものである。 6)粘性抵抗式 請求項174項は、粘性抵抗式遅延器、またそれによる
固定装置、またそれによる免震構造体の発明である。こ
の発明は、1)にて述べられた、地震時のロックが解除さ
れた後のロック部材の戻り(固定装置の作動部をロック
する方向への)を遅延することを目的とした発明であ
る。この発明は歯車とラック、及び水車(風車)等の装
置とから構成され、この水車(風車)等の装置は、粘性
のある液体(気体)に浸され、その液体(気体)から、
ラックの移動方向に対応する回転方向ごとに、異なる大
きさの粘性抵抗を受ける仕組みであり、またこれらの機
構は歯車等の連動機構を介して間接に組み合わされてい
る場合もあり、この歯車とラック及び水車(風車)等の
装置による機構の性質により、ラックは、力を受けた場
合、ある方向には小さな抵抗で移動できるが、逆の方向
には大きな抵抗を受けて移動の速度が遅延されるように
なっている。固定装置の場合には、この遅延器のラック
を、固定装置の作動部に設けるか固定装置の作動部と連
動する部材に設けるか、または、この遅延器のラック
を、固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動す
るモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐか
する。リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅延
器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロック部材
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機
構との間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ラ
ックが小さな抵抗で移動できる方向が、ロック部材の外
れる方向(解除方向)となるように構成されてなること
により、前記目的を達するものである。 7) センサー免震皿による遅延装置 請求項174−1項記載の発明は、地震センサー振幅装
置装備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅
装置装備型固定装置における、地震センサー振幅装置
の、重りが滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿
において、全体として凹形態のセンサー免震皿に、セン
サー免震皿の中心部に向けて戻り勾配を持ち、迂回した
戻りルート(迂回路)を設けることにより、地震センサ
ー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延し
てなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固
定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体である。請求項1
74−2項記載の発明は、地震センサー振幅装置装備型
固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備
型固定装置における、地震センサー振幅装置の、重りが
滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿において、
凹形態の中心部のセンサー免震皿(中心部センサー免震
皿)を越えて一旦水平レベルが下がった面をもち、その
面から中心部センサー免震皿の中心部に向けて戻り勾配
を持った戻りルート(路)があることにより、地震セン
サー振幅装置の重り(ボール)のセンサー免震皿の中心
部への戻りを遅延してなることを特徴とする地震センサ
ー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼用地震セン
サー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
体である。請求項174−3項記載の発明は、地震セン
サー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼用地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置における、地震センサー
振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべり)するセンサ
ー免震皿において、中心部(通常位置)に向けて、全体
として凹形態を形成したセンサー免震皿の中心部(通常
位置)に向けて、螺旋形に山もしくは谷(溝)を設けて
螺旋山もしくは谷を形成し、その螺旋山、もしくは谷形
に沿って、中心部(通常位置)に向けての戻り勾配を持
った戻りルート(路)を設けることによって、地震セン
サー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延
してなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型
固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状 固定装置の固定ピンを固定する挿入部の形状として、停
止点を中心に、すり鉢状等の凹面を施し、また、停止点
よりも広い範囲で、凸凹の形状を施す。請求項195項
は、固定装置の固定ピンの挿入部の形状に関する発明で
あり、またそれによる固定装置の発明であり、またそれ
による免震構造体の発明である。さらに、請求項196
項〜請求項203項は、固定装置の固定ピンまた挿入部
の形状に関する発明であり、またそれによる固定装置の
発明であり、またそれによる免震構造体の発明である。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
み支承) 請求項204項から請求項210項記載の発明は、特許
1844024号と特許 2575283号との免震復元装置(重力復
元型免震装置・滑り支承)、免震装置(免震装置・滑り
支承)、さらに上記の4.二重(または二重以上の)免
震皿免震装置・滑り支承において、風揺れを抑制した
り、耐圧性能が得られるようにしたりするために、免震
皿の中央部が、滑り部、中間滑り部、ボール、またはロ
ーラーの入り込む形で、またそれらの形状で凹んだ形で
形成された免震皿をもつことにより構成する免震装置・
滑り支承(以下、「食込み支承」と言う)であり、風揺
れを抑制したり、耐圧性能が得られるようにしたりする
ものであり、または、それを使用した場合の免震構造体
である。 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置 請求項204項記載の発明は、平面型もしくは凹型の滑
り面部を有する免震皿とそれをすべるか転がるかする滑
り部とからなる免震装置・滑り支承において、または、
下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する上部免
震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する
下部免震皿とで構成された上部免震皿と下部免震皿との
間に中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)
をもった中間滑り部またはローラー・ボールがはさみこ
まれた免震装置・滑り支承において、または、前記上部
免震皿と前記下部免震皿の中間に上面下面ともに滑り面
部をもった1個若しくは複数個の中間免震皿も挟み込ま
れ、重なる免震皿同士の間に中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部またはロー
ラー・ボール(以上、「中間滑り部等」と言う)がはさ
みこまれた免震装置・滑り支承において、免震皿の滑り
面部の中央部(中間滑り部等が接する片面または両面の
免震皿の滑り面部の中央部)が、前記滑り部、中間滑り
部、ボール、またはローラーの入り込む形で窪んだ(凹
んだ)形で形成された免震皿をもつことにより構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体である。請求項205項記載の発明
は、請求項204項記載の免震装置・滑り支承におい
て、免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面
部を滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはロー
ラーに対して、風等の揺れに対抗できるように、当該滑
り部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状
で窪んだ(凹んだ)形で形成されることにより構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体である。請求項206項記載の発明
は、請求項204項記載の免震装置・滑り支承におい
て、免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面
部を滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはロー
ラーに対して、風等の揺れに対抗できるように、当該滑
り部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状
で窪んだ(凹んだ)形で形成された免震装置・滑り支承
の使用により、風等の揺れに対抗するように構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承 請求項207項記載の発明は、請求項204項記載の免
震装置・滑り支承において、免震皿の滑り面部の中央部
が、その免震皿の滑り面部を滑動する滑り部、中間滑り
部、ボール、またはローラーに対して、耐圧性能が得ら
れるように、当該滑り部、中間滑り部、ボール、または
ローラーの曲率形状で窪んだ(凹んだ)形で形成される
ことにより構成されてなることを特徴とする免震装置・
滑り支承、またそれによる免震構造体である。請求項2
08項記載の発明は、請求項204項記載の免震装置・
滑り支承において、免震皿の滑り面部の中央部が、その
免震皿の滑り面部を滑動する滑り部、中間滑り部、ボー
ル、またはローラーに対して、耐圧性能が得られ、かつ
風等の揺れにも対抗できるように、当該滑り部、中間滑
り部、ボール、またはローラーの曲率形状で窪んだ(凹
んだ)形で形成されることにより構成されてなることを
特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
造体である。請求項209項記載の発明は、請求項20
4項記載の免震装置・滑り支承において、免震皿の滑り
面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を滑動する滑り
部、中間滑り部、ボール、またはローラーに対して、耐
圧性能が得られるように、当該滑り部、中間滑り部、ボ
ール、またはローラーの曲率形状で窪んだ(凹んだ)形
で形成された免震装置・滑り支承の使用により、風等の
揺れに対抗するように構成されてなることを特徴とする
免震構造体である。 8.7.3. 固定装置との併用 請求項210項記載の発明は、請求項204項、請求項
205項、請求項207項、請求項208項のいずれか
1項に記載の免震装置・滑り支承と、固定装置とを併用
することにより、風等の揺れに対抗するよう構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
の免震皿 重力復元型(一重免震皿または二重(または二重以上
の)免震皿)免震装置・滑り支承の免震皿の凹型滑り面
部としては、地震後の残留変位が少なく、固有周期を持
たないゆえに共振現象を起こさないすり鉢状が望まし
い。しかし、風への抵抗を考えると、すり鉢状の勾配を
強くする必要があり、その場合には、小さい地震には、
免震しにくく、大きな地震時も、すり鉢の底の尖り分、
免震時の垂直動による振動衝撃が大きくスムーズな免震
が得にくい。そこで、すり鉢の底を球面にすることによ
り、小さい地震も免震可能となり、大きな地震時の免震
にも、すり鉢の底の尖りが無くなり、スムーズな免震に
よる快適さを与える。請求項211項は、その免震装置
・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。
請求項212項は、前請求項の発明において、すり鉢の
底の球面半径は、地震周期に共振する半径近傍でもって
構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
またそれによる免震構造体の発明である。その意味する
ところは、すり鉢の底の球面半径が、地震周期に共振す
ることによって、免震がはじまる加速度を小さくするこ
とが可能となる。このように初滑動の加速度を小さくす
るとともに、共振をすり鉢によって押さえることが可能
になる。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用 しかし、すり鉢の底を、球面にすることにより、小さい
風で揺れる(しかし、底面の球面部以上の振幅は抑制さ
れる)。そこで、底面の球面部以内の微振動用の揺れ止
めのために、固定装置を、特に 8.2.の風作動型固定装
置(平常時は、ロックされ、地震時にロックが解除され
る固定装置)を、免震される構造体の重心またはその近
傍に併用する。請求項213項は、その免震構造体の発
明である。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承による風揺れ固定 (1) 凹型免震皿をもった二重免震皿免震装置・滑り支承 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承
(4.参照)の利用により、風揺れ固定効果をもたら
す。二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支
承と中間滑り部(転がり型中間滑り部またすべり型中間
滑り部)とにより構成され、二重(または二重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承のうち、どちらかがまた両方
が凹型免震皿をもつように構成された二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承において、中間滑り
部が、凹型免震皿の最も底の位置に納まった時(地震時
以外の常時位置)において、上下の二重免震皿の双方が
接して(中間滑り部のために双方が接しない場合には、
周辺部に縁を立てる等により)、摩擦を発生するように
し、風揺れ等に対処する。ある一定以上の地震力の地震
等が発生して、中間滑り部が、凹型免震皿の最も底部か
らずれると、上の免震皿が浮き上がり、上下の二重免震
皿が接しなくなり、摩擦が発生しなくなる。請求項21
4項、請求項215項は、その免震装置・滑り支承、ま
たそれによる免震構造体の発明である。 (2) 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重免震皿免
震装置・滑り支承 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承において、二重(ま
たは二重以上の)免震皿の片方が窪み、もう片方が出っ
張って、入り込む形を取ることにより構成される。請求
項216項は、その免震装置・滑り支承、またそれによ
る免震構造体の発明である。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用 免震装置において、免震性能を良くするためには固有周
期を長くしたいが、強風時に揺れる。このような場合
に、強風時用に、強風時に手動で免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体とを固定する固定装置
(以下、「手動型固定装置」と言う)を一本また複数本
併用することにより、高い免震性能を実現し、且つ強風
時の揺れを押さえられる。また、強風時の安全が保証さ
れている場合でも、免震装置の免震性能によって(積層
ゴム等のバネ定数、また免震滑り支承のすり鉢等の凹面
形状等の勾配および滑り支承面等の摩擦によって)、強
風時にある程度の揺れが生じる場合には、強風時に手動
で、固定装置の作動部を固定する、固定装置の作動部を
ロックするロック部材でロックする、等により免震され
る構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定
する固定装置を、一本また複数本を使用、または他の固
定装置と併用して、揺れ止めをする。請求項217項
は、その免震構造体の発明である。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用 上記手動型固定装置に関して、強風後に固定装置の固定
を解除し忘れた場合でも、地震時に免震装置を正常に作
動させるための発明である。強風時に手動で固定する
が、地震時には自動的に解除される固定装置を併用し
て、風等による揺れ止めをする。請求項218項は、そ
の免震構造体の発明である。請求項221項は、その具
体的な装置に関する発明であり、またそれによる免震構
造体の発明である。すなわち、請求項97項または請求
項98項記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置において、強風時に、手動で固定装置の作動部をロッ
ク部材により固定し、地震時に地震センサー振幅装置の
振動する重りの力でまたは地震センサーからの指令で、
そのロック部材による固定が解除されるように構成され
てなることを特徴とする自動解除固定手動型固定装置、
またそれによる免震構造体の発明である。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正 すべり型免震装置は、地震後の残留変位の矯正が困難で
あった。免震皿のすべり転がりの摩擦面に、液体潤滑剤
が潤滑する溝と、当該免震皿の外側に、その溝に液体潤
滑剤を流し込む孔を持ち、地震後に、揮発性の液体潤滑
剤を、前記孔から流し込み、地震後の残留変位の矯正を
容易にする。請求項194項は、その免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 8.1.2.2.2.と8.1.2.2.3.の自動復元型、8.1.2.3.の自動
制御型、8.2.風作動型固定装置の各場合においては、重
力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の凹型滑り面部と
しては、地震後の残留変位の少ないすり鉢状が望まし
い。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
び)食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置を
最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に、すべり
支承等の摩擦発生装置または(及び)請求項204項記
載の免震装置・滑り支承(食込み支承)とを配置する。
請求項222項は、その免震構造体の発明である。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
定装置との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、8.1.の地震
作動型固定装置(ある一定以上の地震力にのみ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定を解除する固定装置)を最低限一箇所と、免震される
構造体の周辺部に、8.2.の風作動型固定装置(ある一定
以上の風圧時にのみ、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とを固定する固定装置)を最低限
一箇所とを配置する。請求項223項は、その免震構造
体の発明である。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
固定装置とすべり支承または(及び)食込み支承との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に、8.1.の地震
作動型固定装置(ある一定以上の地震力にのみ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定を解除する固定装置)を最低限一箇所と、免震される
構造体の周辺部に、8.2.の風作動型固定装置(ある一定
以上の風圧時にのみ、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とを固定する固定装置)を最低限
一箇所とすべり支承等の摩擦発生装置または(及び)請
求項204項記載の免震装置・滑り支承(食込み支承)
とを配置する。請求項224項は、その免震構造体の発
明である。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置を
最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に、8.10.
の手動型固定装置(強風時に手動で免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体とを固定する固定装
置)を最低限一箇所とを配置する。請求項225項は、
その免震構造体の発明である。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
固定装置との併用 (4)に関して、8.10.(2) 自動解除固定手動型固定装置の
採用の場合、その自動解除固定手動型固定装置は、請求
項159項記載のように、免震される構造体の重心また
はその近傍に設置される固定装置(8.1.地震作動型固定
装置、8.2.風作動型固定装置)に比べて、固定装置の解
除の感度が地震に対して高く敏感な手動型固定装置、つ
まり地震時に解除されやすい手動型固定装置を設置する
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。そのことにより、地震時において、この周辺部
の手動型固定装置の固定解除が重心部設置の固定装置に
対し遅れた場合に生じる捩れた動きの問題が解消され
る。請求項226項は、その免震構造体の発明である。 (6) 固定装置と回転・捩れ防止装置との併用 固定装置と、10.1.の回転・捩れ防止装置とを、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との間
に設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震構造体である。請求項245項は、その免震構造体の
発明である。 (7) 連動型でない固定装置の複数個配置と回転・捩れ防
止装置との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と 10.1.の回転・捩れ
防止装置との併用により、地震時に固定装置が同時解除
しない地震作動型固定装置の場合の免震による不安定さ
を回転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ抑制
の安全さを増す。風時に固定装置が同時固定しない風作
動型固定装置の場合、また全個固定しない場合の風によ
る回転等の不安定さを回転・捩れ防止装置により解決す
る(10.3.1.(2)(3)参照)。請求項248項また請求項
248−2項は、その免震構造体の発明である。以上、
(1)〜(7)同士のいろいろな組合せの併用も当然考えられ
る。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−2項記載の発明は、請求項131項から
請求項136項のいずれか一項に記載の地震センサー振
幅装置装備型固定装置において、地震センサーとなる重
りが、出口・出口経路内(の付属室)にあって、強風時
にはピストン状部材からの圧力により、出口・出口経路
の狭まった所で吸込まれる位置にあって、出口・出口経
路を塞ぐ形となるように構成されてなることを特徴とす
る地震センサー振幅装置装備型固定装置(以下、重り吸
込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置と言
う)、またそれによる免震構造体の発明である。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−3項記載の発明は、請求項226−2項
記載の重り吸込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型
固定装置と食込み支承(ボール型、ローラー型、8.7.参
照)を併用することにより構成されてなることを特徴と
する免震構造体である。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−4項記載の発明は、請求項125項から
請求項135項または請求項137項のいずれか1項に
記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置において、
ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
ると弁が出る(開く)ようにして、強風時にはピストン
状部材からの圧力により、直接に間接に、地震センサー
となる重りを押す方向に働くようにしてなることを特徴
とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれ
による免震構造体である。 8.14. 杭折れ防止構法 上部構造(免震される構造体、地上構造物)と杭等の基
礎部との縁を切り、また、その両者間をある一定以上の
地震力によって折れるか切れるかするピンで繋ぐ。請求
項193項は、その免震構造体の発明である。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承 ゴム等の弾性材また緩衝材を、免震皿等の免震装置・滑
り支承の周辺また縁に付け、予想を上回る地震変位振幅
に際して、滑り部・中間滑り部等をその支承周辺の弾性
材また緩衝材に衝突させて対処する。請求項227項
は、その免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
体の発明である。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承 請求項228項は、免震皿とその免震皿面を滑動する滑
り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
されている免震装置・滑り支承において、その免震皿面
の滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラーに対する
耐圧性能の向上と、地震時の応答変位の抑制とを図った
免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発明
である。免震皿とその免震皿面を滑動する滑り部、中間
滑り部、ボールまたはローラーとにより構成されている
免震装置・滑り支承において、その免震皿面に弾性材ま
た塑性材(弾塑性材を含む、以下同じ)を敷くか、付着
させることにより構成されてなることにより前記目的を
達成するものである。 (1) 耐圧性向上 a) 基本形 請求項229項は、免震皿とその免震皿面を滑動する滑
り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
されている免震装置・滑り支承において、その免震皿面
の滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラーに対する
耐圧性能の向上を図った免震装置・滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。免震皿とその免震皿面
を滑動する滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラー
とにより構成されている免震装置・滑り支承において、
その免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させる
ことにより耐圧に対応するように構成されてなることに
より前記目的を達成するものである。 b) ボール食込み孔付き弾性材・塑性材敷き支承 請求項229項において、弾性材また塑性材上の滑り
部、中間滑り部、ボール、またはローラーの地震時以外
の通常位置(中央部)に、その食込む形状に従って弾性
材また塑性材に孔を開ける。これは特に弾性材へのへた
り(疲労)等の負荷を減らす構成方法である。 (2) 変位抑制 a) 基本形 請求項230項は、地震時の応答変位の抑制を図った免
震装置・滑り支承の発明であり、またそれによる免震構
造体の発明である。免震皿とその免震皿面を滑動する滑
り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
されている免震装置・滑り支承において、その免震皿面
に弾性材また塑性材を敷くか、付着させることによっ
て、地震時の応答変位の抑制に対応するように構成され
てなることにより前記目的を達成するものである。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承 請求項231項は、請求項230項において、免震皿面
に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材が、免震皿
の滑り面部の中央部から一定範囲を超えて敷かれてなる
ことにより、前記目的を達成する免震装置・滑り支承の
発明であり、またそれによる免震構造体の発明である。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1 請求項232項は、地震振幅の変位抑制を図った免震装
置・滑り支承の発明であり、またそれによる免震構造体
の発明である。請求項230項〜請求項231項におい
て、免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性
材が、すり鉢または球面等の凹形状をしてなることによ
り、前記目的を達成するものになる(請求項231項の
場合は、免震皿の滑り面部の中央部分が抜けて、その一
定範囲を超えてからすり鉢または球面等が始まる)。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 請求項232−2項は、請求項230項または請求項2
31項において、すり鉢または球面または円柱谷面状ま
たはV字谷面状等の凹形状の免震皿に対して、その凹形
状に充填させて平面をなすように弾性材・塑性材を敷く
か、付着してなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。 9.3. 変位抑制装置 請求項233項は、地震振幅の変位抑制装置、またそれ
による免震構造体の発明である。接触してスライドし合
う部材同士の摩擦によって地震の変位振幅を抑制し、ス
ライドし合う部材同士の一方が免震される構造体に、他
方が免震される構造体を支持する構造体に設けられるこ
とにより構成されてなることにより前記目的を達成する
ものである。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 請求項234項〜請求項238項は、免震時の衝突衝撃
吸収装置、またそれによる免震構造体の発明である。つ
まり、この衝突衝撃吸収装置は、予想を越える変位振幅
をもった地震によって、免震される構造体と免震される
構造体を支持する構造体とが、外れ止め等で衝突する場
合を想定した装置で、免震される構造体と、免震される
構造体を支持する構造体とが衝突する外れ止め等の位置
に設けられ、その衝突を緩和する発明であり、そのこと
により免震皿の面積を小さくするも可能である。 (1) 低反発係数型 請求項234項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、低反発係数
の緩衝材また弾性材を設けることにより前記目的を達成
するものである。 (2) 座屈変形型 請求項235項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に弾
性材が座屈する細長比以上の弾性材を設けて、その弾性
材の座屈によって衝突時の衝撃を吸収するように構成さ
れることにより前記目的を達成するものである。 (3) 塑性変形型 請求項236項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に塑
性変形する緩衝材また塑性材を設けることにより前記目
的を達成するものである。 (4) 剛性部材挟み型 請求項237項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、まず、衝突
面積よりも大きな面積を持った剛性のある部材を設け
て、衝撃力を受け衝撃力を拡散させて、最低限その拡散
した面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材を設け、
衝撃力を吸収するようにして前記目的を達成するもので
ある。請求項238項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体とが衝突する位置に、ま
ず、衝突面積よりも大きな面積を持った剛性のある部材
を設けて、衝撃力を受け衝撃力を拡散させて、最低限そ
の拡散した面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材を
設け、衝撃力を吸収するように構成されてなる衝突衝撃
吸収装置において、免震される構造体の質量Mに対して
衝突衝撃吸収装置を1箇所設置した場合を想定し、衝突
速度を V kineとし、このとき接触時の運動エネルギー
と衝突衝撃吸収装置の弾性エネルギーを等しいものとお
き、衝突衝撃吸収装置の緩衝材また弾性材また塑性材の
バネ定数をK、たわみ長さをδとすると近似的に、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2 K=M・V^2/(δ^2) ……(1) そして、衝突衝撃吸収装置を n箇所設置した場合の免震
される構造体が受ける加速度A’は近似的に、 A’=V^2/δ/n となり、この加速度A’が所定の値になるように、衝突
衝撃吸収装置数 nとたわみ長さをδを決め、さらに(1)
式により衝突衝撃吸収装置の緩衝材また弾性材また塑性
材のバネ定数Kを決めることにより構成され、前記目的
を達成するものである。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
る免震・減衰・緩衝) すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。 9.5.1. 構成 請求項239項は、そのうち、すべり型免震または転が
り型免震における免震皿の許容変位を超えた場合の対処
法で、一定変位まですべり型免震または転がり型免震を
し、その変位を超えるとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝
材により免震・減衰させることを特徴とする免震装置、
またそれによる免震構造体の発明である。 9.5.2. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1.の記号一覧) 請求項240項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。「すべり・転がり型免震+ゴム等による免震・減
衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合で考え
ると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(KとCは、ゴム等のバネ定
数と粘性減衰係数) d(dx/dt)/dt+K/m・(x−XG・sign(x))+C/m・dx/dt
+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=
−d(dz/dt)/dt 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
勾配変化型免震・減衰) すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。 9.6.1. 構成 請求項241項は、そのうち、すべり型免震または転が
り型免震における免震皿の許容変位を超えた場合の対処
法で、一定変位まですべり型免震または転がり型免震を
し、その変位を超えると免震皿の滑り面部の摩擦を大き
くするか、勾配を大きくするか、または摩擦を大きくし
且つ勾配も大きくするかして免震・減衰させることを特
徴とする免震装置、またそれによる免震構造体の発明で
ある。 9.6.2. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1.の記号一覧) 請求項242項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。 1) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化型免震・減衰」
の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
と、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(μ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ’・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 2) 「すべり・転がり型免震+勾配変化型免震・減衰」
の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
と、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(θ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 3) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型
免震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場
合で考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’・s
ign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと、風時に、免震される構造体が固定装
置を中心として回転するのを止められない。積層ゴム等
のバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比例型の
減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合には、
免震時に免震される構造体の捩れ振動が生じる。その回
転及び捩れ振動が生じないようにするには、免震される
構造体及びその免震される構造体を支持する構造体の周
辺に配置される回転・捩れ防止装置でその運動を押さえ
込むことである。この回転・捩れ防止装置は、免震され
る構造体を、免震される構造体を支持する構造体に対し
て水平方向への並進運動のみを許容して、回転・捩れを
抑制させるものである。この装置は、当然、(免震)滑
り支承としても使用できる。「並進運動のみ」の「の
み」について、ある程度の回転の幅は、スムーズに並進
運動するために許容される。許容される幅も、滑り支承
として使用する場合は大きくても良い。特に、中間部ス
ライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなるだけ
でなく、中間部スライド部材(中間免震皿)が自然に元
の位置に戻る効果も持つ三重スライド部材(三重免震
皿)免震装置・滑り支承の場合で、それを支承としての
み利用する場合には、中間部スライド部材(中間免震
皿)が外れることがなくなる目的の範囲で、ガイド部等
による回転の幅は許容される。 10.1. 回転・捩れ防止装置 請求項243項〜請求項244−5項は、この回転・捩
れ防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構
造体の発明である。この装置は、当然、(免震)滑り支
承としても使用できる。この回転・捩れ防止装置は、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
の間に設けられ、免震される構造体を、免震される構造
体を支持する構造体に対して水平方向への並進運動のみ
を可能とする回転・捩れ防止装置である。具体的には、
回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体との間に設けら
れ、上部スライド部材を免震される構造体に、下部スラ
イド部材を免震される構造体を支持する構造体に設け、
その間に中間部スライド部材が入り、スライドし合うス
ライド部材同士は、少なくとも片方がもう片方のガイド
部(上下ガイドスライド部材・部分)に沿ってスライド
することにより、上部スライド部材は、中間部スライド
部材に対して平行移動のみを許容され、下部スライド部
材は、中間部スライド部材に対して平行移動のみを許容
されることにより、中間部スライド部材が複数層ある場
合には、中間部スライド部材同士が相互に平行移動のみ
を許容されることにより、さらに、これらのスライド部
材を一層毎に平行移動方向が変わるように、中間部スラ
イド部材が一層の時は、互いに直交方向になるように、
中間部スライド部材が複層の時は、交差角度の総合計が
180度になるように、積層させることによって、免震
される構造体を、免震される構造体を支持する構造体に
対して水平方向への並進運動のみを可能とする回転・捩
れ防止装置また滑り支承である。「平行移動のみ」また
「並進運動のみ」の「のみ」について、ある程度の回転
の幅は、スムーズに並進運動するために許容される。許
容される幅も、滑り支承として使用する場合は大きくて
も良い。特に、中間部スライド部材(中間免震皿)が外
れることがなくなるだけでなく、中間部スライド部材
(中間免震皿)が自然に元の位置に戻る効果も持つ三重
スライド部材(三重免震皿)免震装置・滑り支承の場合
で、それを支承としてのみ利用する場合には、中間部ス
ライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなる目的
の範囲で、ガイド部等による回転の幅は許容される。上
部スライド部材は、上部(側)免震皿の場合もあり、下部
スライド部材も、下部(側)免震皿の場合もあり、中間部
スライド部材も、上下ガイドスライド部材の場合、中間
免震皿と上下ガイドスライド部材の場合、上下ガイドス
ライド部分をもった中間免震皿の場合もある。また、上
部スライド部材、下部スライド部材のスライド部を、中
間部スライド部材より長くすることにより、回転・捩れ
防止抵抗を増加させた型もある。この型は特に3層構成
の場合に効果がある。 10.1.1. ガイド型 請求項244−1項記載の発明であるガイド型は、請求
項244項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承にお
いて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部ス
ライド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には
中間部スライド部材同士)の相互間にガイド部とそのガ
イド部に沿う部分を設ける型である。ガイド型は、外ガ
イド型と内ガイド型とに分かれ、それに対応してガイド
部も、外ガイド部と内ガイド部とに分かれる。請求項2
44−1項は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材と中間部ス
ライド部材との、また、中間部スライド部材と下部スラ
イド部材との、また、中間部スライド部材が複数層ある
場合には、中間部スライド部材同士との、どちらか一方
に、スライドする方向にガイド部を、他方にそのガイド
部に沿う部分を設けることにより構成されてなることを
特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。請求項244−1−2
項記載の発明であるガイド型は、請求項244−1項記
載のガイド型回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、ガイド部とそのガイド部に沿う部分との接触部分に
ボールもしくはローラー等の転動体を設ける(挟む)事
を特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれによる免震
構造体である。このことにより風時または捩れ発生時
(免震時)等の回転抑制による、ガイド部とそのガイド
部に沿う部分との接触部分に発生する摩擦抵抗を下げる
事が可能になり、免震性能を向上させる。 10.1.1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 請求項244−2項は、請求項244項記載の回転・捩
れ防止装置また滑り支承において、上部スライド部材と
中間部スライド部材との、また、中間部スライド部材と
下部スライド部材との、また、中間部スライド部材が複
数層ある場合には、中間部スライド部材同士との、どち
らか一方の平行する対辺(同士)に、スライドする方向
にガイド部を、他方の平行する対辺(同士)にそのガイ
ド部(外ガイド部)に沿う部分を設けることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑
り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) (1) 一般 請求項244−3項は、請求項244項から請求項24
4−2項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部ス
ライド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間
にどちらか一方にスライドする方向に溝を、他方にその
溝に入る凸部(内ガイド部)を設けることにより構成さ
れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り
支承、またそれによる免震構造体の発明である。凸部の
長さとそれと溝との隙間とにより回転・捩れ防止能力が
決まる。10.1.1.1.外ガイド型、10.1.1.2.内ガイド型共
に、引抜き防止(上下繋ぎスライド部材・部分)付きの
重層免震皿の方がスライド部材同士の浮き上がりを防げ
るので回転・捩れ防止の効果が大きい。 (2) 中間滑り部持ち滑り支承兼用型 請求項244−3−2項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における中間滑り部持
ち滑り支承兼用型のもので、上部スライド部材と中間部
スライド部材、中間部スライド部材と下部スライド部材
(中間部スライド部材が複数層ある場合には、中間部ス
ライド部材同士)との間に、中間滑り部として、すべり
材またはローラー・ボール等の転動体を設けてなること
を特徴とする回転・捩れ防止装置また(中間滑り部持
ち)滑り支承、またそれによる免震構造体の発明であ
る。 (3) 復元型滑り支承兼用型 請求項244−3−3項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における復元型滑り支
承兼用型のもので、上部スライド部材と中間部スライド
部材、中間部スライド部材と下部スライド部材(中間部
スライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド部
材同士)との間に、中間滑り部として、すべり材または
ローラー・ボール等の転動体を入れるか、または、さら
に上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スラ
イド部材と下部スライド部材のどちらか片方の(中間滑
り部の)すべり・転がり面を、また両方のすべり・転が
り面を、V字谷面状または円柱谷面等の凹形状にしてな
ることを特徴とする回転・捩れ防止装置また(復元型)
滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。 (4) 引抜き防止装置兼用 請求項244−3−4項は、請求項244−3項から請
求項244−3−3項記載の回転・捩れ防止装置また滑
り支承における引抜き防止装置兼用型のもので、溝に入
る凸部形態が、溝に嵌まりこみ上下方向に抜けなくなる
ような引掛け部(または引掛かり部)を有するような形
態であることを特徴とする回転・捩れ防止装置また(引
抜き防止装置・)滑り支承、またそれによる免震構造体
の発明である。 10.1.2. ローラー型 ローラー型は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材、下部スラ
イド部材、中間部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)のスラ
イド部材の相互間にローラーが挟まれた型の場合、ロー
ラーとスライド部材のローラー転がり面でのスリップに
よるずれ(角度)の生じない形として、溝型(抑制能力
弱い)、歯車型(抑制能力強い)がある。それが生じな
けれけば、捩れは抑制できる。 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型) 請求項244−4項は、請求項244項から請求項24
4−3−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承に
おいて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部
スライド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合に
は、中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間
にローラーが挟まれ、ローラーとスライド部材のローラ
ー転がり面とのどちらか一方に溝を、他方にその溝に入
る凸部を設けることにより構成されてなることを特徴と
する回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれによる
免震構造体の発明である。 10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 請求項244−5項は、請求項244項から請求項24
4−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、
中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間にロ
ーラーが挟まれ、ローラーとスライド部材のローラー転
がり面とのどちらか一方にラックを、他方にそのラック
と噛合う歯車を設けることにより構成されてなることを
特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。具体的には、スライド
部材のローラー転がり面にラックを、ローラーの周囲に
そのラックと噛合う歯(歯車)を設けることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑
り支承、またそれによる免震構造体の発明である。10.
1.2.1.溝型、10.1.2.2.歯車型共に、引抜き防止(上下
繋ぎスライド部材・部分)付きの重層免震皿の方がロー
ラーのスライド部材のローラー転がり面からの浮き上が
りを防げるので回転・捩れ防止の効果が大きい。 10.2. 回転抑制 10.2.1. 回転抑制 請求項245項は、以上(10.1.記載)の回転・捩れ防
止装置によって回転抑制された免震構造体に関する発明
である。固定装置と、 請求項243項から請求項24
4−5項に記載の回転・捩れ防止装置とを、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設
ける。そのことにより固定装置一個の場合でも、風時
に、免震される構造体がその固定装置を中心として回転
するのを防ぐことが可能になる。 10.2.2. 回転抑制能力計算式 請求項246項から請求項246−3項は、請求項24
5項記載の、固定装置と回転・捩れ防止装置となる免震
構造体において、以下の回転抑制能力計算に基づいた部
材断面による回転・捩れ防止装置に関する発明であり、
またそれによる免震構造体の発明である。請求項246
項の発明は、請求項243項から請求項244−3−4
項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置におい
て、回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部ス
ライド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライ
ド部材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免
震される構造体を支持する構造体側に設け、その間に中
間部スライド部材が入り、上部スライド部材は、中間部
スライド部材と下部スライド部材との関係で、長辺方向
または短辺方向の平行移動のみを許容し、下部スライド
部材は、中間部スライド部材と上部スライド部材との関
係で、長辺方向または短辺方向の平行移動のみを許容さ
れることから、免震される構造体は、免震される構造体
を支持する構造体に対し長辺方向及び短辺方向の平行移
動のみを許容され、このとき各部の寸法を、請求項24
4−2項記載の回転・捩れ防止装置1(外ガイド型、1
0.1.1.1.参照)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
から突き出したガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し、上部ガイドスライド部材また下部
ガイドスライド部材(中間部スライド部材)が回転し
て、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)の
ガイド部と接触する部分の幅であり、請求項244−3
項から請求項244−3−4項のいずれか1項に記載の
回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、10.1.1.2.参照)
では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
に設けられた内ガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し、上部ガイドスライド部材また下部
ガイドスライド部材(中間部スライド部材)が回転し
て、それぞれの溝が中間部スライド部材(上下ガイドス
ライド部材)の内ガイド部と接触する部分の幅であり、
このとき、風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏っ
て作用することにより固定装置を中心とする回転モーメ
ントMが生じる場合、このFとMとにより、免震される
構造体は許容回転角φだけ回転するが、回転角φに達し
た時点で回転・捩れ防止装置が作用してそれ以上の回転
を抑制し、このとき風圧力Fと回転モーメントMとによ
って各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じ
ており、この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁
とみなした部分が負担するものとして、曲げ、せん断、
たわみ角の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみ
なした部分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b
・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・f
s) t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/
(E・b・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、r:固定装置から回転・
捩れ防止装置までの距離 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって、装置の部材断面を決めることにより構成され
てなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれ
による免震構造体である。請求項246−2項の発明
は、請求項244−4項に記載の回転・捩れ防止装置3
(溝型、10.1.2.1.参照)において、回転・捩れ防止装
置は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部ス
ライド部材からなり、上部スライド部材を免震される構
造体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持
する構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l とし、上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部
材、中間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設け
られたガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみな
し、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、この
とき、風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作
用することにより固定装置を中心とする回転モーメント
Mが生じる場合、このFとMとにより、免震される構造
体は許容回転角φだけ回転するが、回転角φに達した時
点で回転・捩れ防止装置が作用してそれ以上の回転を抑
制し、このとき風圧力Fと回転モーメントMとによって
各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じてお
り、この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみ
なした部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわ
み角の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみなし
た部分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、β:長方形断面の2辺の
比により定まる、ねじりせん断応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって、装置の部材断面を決めることにより構成され
てなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれ
による免震構造体である。請求項246−3項の発明
は、請求項244−5項に記載の回転・捩れ防止装置4
(歯車型、10.1.2.2.参照)において、回転・捩れ防止
装置は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部
スライド部材からなり、上部スライド部材を免震される
構造体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支
持する構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が
入り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部
スライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平
行移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スラ
イド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向また
は短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震
される構造体は、免震される構造体を支持する構造体に
対し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、
このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
クの歯幅:b とし、このとき、風圧力Fが免震される構造体の受圧面
に偏って作用することにより固定装置を中心とする回転
モーメントMが生じる場合、このFとMとにより、各装
置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じており、
この水平力F’、回転モーメントM’を歯車とラックと
が負担するものとして、歯車の歯の曲げと歯面強さの検
討から部材断面の算定を行い、歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF:材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料の
ヘルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと
歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、これ
によって、装置の部材断面を決めることにより構成され
てなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれ
による免震構造体である。 10.3. 捩れ振動抑制 10.3.1. 捩れ振動抑制 (1) バネ型復元装置・オイルダンパー等の併用 請求項247項は、免震構造体に、10.1.(請求項24
3項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ防止
装置を設置して捩れ振動を抑制する免震構造体に関する
発明である。積層ゴム等のバネ型の復元装置・オイルダ
ンパー等の減衰装置を使用し、重心と剛心がずれている
免震構造体において、回転・捩れ防止装置を免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設
ける。そのことにより捩れ振動矯正が可能になる。 (2) 固定装置との併用 固定装置の設置の免震構造体において、10.1.(請求項
243項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ
防止装置を免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との間に設ける。そのことにより免震するま
で間の固定装置を中心とする捩れ、また免震直後の捩れ
を抑制できる。請求項248項は、その免震構造体の発
明である。特に、この発明は、固定装置の位置が免震さ
れる構造体の重心からずれている場合に必要であり、ま
た、固定装置の設置位置に関して、免震される構造体の
重心からずれていることを気にする必要がなくなり、固
定装置の配置設計が容易になる。 (3) 固定装置複数個との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と10.1.(請求項24
3項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ防止
装置との併用により、地震時に固定装置が同時解除しな
い地震作動型固定装置の場合の免震による不安定さを回
転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ抑制の安
全さを増する。また、風時に固定装置が同時固定しない
風作動型固定装置の場合、また全個固定しない場合の風
による回転等の不安定さを回転・捩れ防止装置により解
決する(8.12.(7)参照)。請求項248−2項は、その
免震構造体の発明である。 10.3.2. 捩れ振動抑制能力計算式 請求項249項から請求項249−3項は、以下の捩れ
振動抑制能力計算に基づいた部材断面による回転・捩れ
防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構造
体の発明である。請求項249項の発明は、請求項24
3項から請求項244−3−4項のいずれか1項に記載
の回転・捩れ防止装置において、回転・捩れ防止装置
は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材からなり、上部スライド部材を免震される構造
体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持す
る構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、請求項244−2項記載の回転・
捩れ防止装置1(外ガイド型、10.1.1.1.参照)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
から突き出したガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し上部ガイドスライド部材また下部ガ
イドスライド部材(中間部スライド部材)が回転して、
中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)のガイ
ド部と接触する部分の幅であり、請求項244−3項か
ら請求項244−3−4項のいずれか1項に記載の回転
・捩れ防止装置2(内ガイド型、10.1.1.2.参照)で
は、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とし、中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)
に設けられた内ガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持
梁とみなし、ここでhはガイド部の突き出した長さであ
り、bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材
のガイド部)に対し上部ガイドスライド部材また下部ガ
イドスライド部材(中間部スライド部材)が回転して、
それぞれの溝が中間部スライド部材(上下ガイドスライ
ド部材)の内ガイド部と接触する部分の幅であり、この
とき、重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回
転モーメントMが生じるものとした場合、このFとMと
により、免震される構造体は許容回転角φだけ回転する
が、回転角φに達した時点で回転・捩れ防止装置が作用
してそれ以上の回転を抑制し、このとき重心に作用する
力Fと回転モーメントMとによって各装置に、水平力
F’、回転モーメントM’が生じており、この水平力
F’、回転モーメントM’を片持梁とみなした部分が負
担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角の検討から
部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部分の断面t
の大きさを、 t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b
・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・f
s) t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/
(E・b・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、r:固定装置から回転・
捩れ防止装置までの距離 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって装置の部材断面を決めることにより構成されて
なることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれに
よる免震構造体である。請求項249−2項の発明は、
請求項244−4項に記載の回転・捩れ防止装置3(溝
型、10.1.2.1.参照)において、回転・捩れ防止装置
は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材からなり、上部スライド部材を免震される構造
体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持す
る構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロー
ラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l とし、上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部
材、中間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設け
られたガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみな
し、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、この
とき、重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回
転モーメントMが生じるものとした場合、このFとMと
により、免震される構造体は許容回転角φだけ回転する
が、回転角φに達した時点で回転・捩れ防止装置が作用
してそれ以上の回転を抑制し、このとき重心に作用する
力Fと回転モーメントMとによって各装置に、水平力
F’、回転モーメントM’が生じており、この水平力
F’、回転モーメントM’を片持梁とみなした部分が負
担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角の検討から
部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部分の断面t
の大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
期許容せん断応力度、E:鋼材のヤング率
α:片持梁の許容たわみ角、β:長方形断面の2辺の
比により定まる、ねじりせん断応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、これ
によって装置の部材断面を決めることにより構成されて
なることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれに
よる免震構造体である。請求項249−3項の発明は、
請求項244−5項に記載の回転・捩れ防止装置4(歯
車型、10.1.2.2.参照)において、回転・捩れ防止装置
は、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材からなり、上部スライド部材を免震される構造
体側に、下部スライド部材を免震される構造体を支持す
る構造体側に設け、その間に中間部スライド部材が入
り、上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部ス
ライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行
移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライ
ド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または
短辺方向の平行移動のみを許容されることから、免震さ
れる構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対
し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、こ
のとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
クの歯幅:b とし、このとき、重心に作用する力Fにより、剛心を中
心とする回転モーメントMが生じるものとした場合、こ
のFとMとによって各装置に、水平力F’、回転モーメ
ントM’が生じており、この水平力F’、回転モーメン
トM’を歯車とラックとが負担するものとして、歯車の
歯の曲げと歯面強さの検討から部材断面の算定を行い、
歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF :材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料の
ヘルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと
歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、これ
によって装置の部材断面を決めることにより構成されて
なることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそれに
よる免震構造体である。 10.4. 捩れ・回転振動方程式 1 免震滑り支承とダンパー・バネ等とによる組合せの場合
の運動方程式をあげる。これにより捩れ振動をシュミュ
レーションすることが可能である。請求項249−4項
は、免震される構造体と、免震される構造体を支持する
構造体との間に設けられ、免震滑り支承とダンパー・バ
ネ等との構成による免震構造体において、連立運動方程
式(記号説明は実施例の 10.4.1.記号一覧参照) d(dx1/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x1)+μ・sign
(dx1/dt)}+K3/m1・(x2−x1)+C3/m1・(dx2/dt−dx1
/dt)=-d(dz/dt)/dt d(dx2/dt)/dt+K2/m2・x2+C2/m2・dx2/dt+K3/m2・
(x1−x2)+C3/m2・(dx1/dt−dx2/dt)=-d(dz/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなり、残
留変位のない復元を考えるとθ≧μを満たす免震構造体
の発明である。 10.5. 捩れ・回転振動方程式 2 10.5.1. 捩れ・回転振動方程式 10.5.1.1. 1層の場合 以下、免震される構造体が1層の場合の説明を行う。 10.5.1.1.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 請求項249−5項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられたダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 請求項249−6項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(平面型免震皿滑り支承=復元力無し)、ダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{m1・μ1x・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μ1y・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μ1x・eμ1y・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・eμ2y・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・eμny・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)} −g{m1・μ1y・eμ1x・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・eμ2x・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・eμnx・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−7項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状
免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、
積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt-eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−8項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置
を含む)等の構成によって支持また免震される免震構造
体において、請求項249−7項の運動方程式における
θnx、θny(n=1・2・・・n)を、(x^2+y^2)^0.5≦ L
の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 請求項249−9項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で円柱谷面状免
震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積
層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって
支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt-・・-Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−10項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−9項の運動方程式におけるRn
x、Rny(n=1・2・・・n)を、(x^2+y^2)^0.5≦ Lの
時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2. n層の場合 以下、免震される構造体がn層の場合の説明を行う。 10.5.1.2.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0、μ=μnx=μny=μθnx=μθny=0とした
場合である。 10.5.1.2.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0とした場合である。 10.5.1.2.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−11項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面
状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパ
ー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成に
よって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+・・+Cbnx/MM1・ ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn”)/dt)/dt +Cn”x/MMn’・(dxn”/dt-dxn”’/dt)+Cn”x/MMn’・ecn”y・(dψn”/dt-d ψn”’/dt) +Kn”x/MMn’・(xn”-xn”’)+Kn”x/MMn’・ekn”y・(ψn”-ψn”’) -Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn”/dt)-Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψ n”/dt) -Kn’x/MMn’・(xn’-xn”)-Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn”/dt)+Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn ”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn”)+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt- ・・-Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb-・・-Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn”)/dt)/dt +Cn”y/MMn’・(dyn”/dt-dyn”’/dt) −Cn”y/MMn’・ecn”x・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Kn”y/MMn’・(yn”-yn”’) −Kn”y/MMn’・ekn”x・(ψn”-ψn”’ ) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn”/dt) +Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn”) +Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn”/dt)−Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn ”/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn”)−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+・・+Cbnx・ecbny^2・ dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+・・+Cbny・ecbnx^2・ dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In”・d(dψn”/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn”x・ecn”y・(dxn”/dt-dxn”’/dt)-Cn”y・ecn”x・(dyn”/dt-dyn”’ /dt) -Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt-dxn”/dt)+Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt-dyn”/dt) +Kn”x・ekn”y・(xn”-xn”’)-Kn”y・ekn”x・(yn”-yn”’) -Kn’x・ekn’y・(xn’-xn”)+Kn’y・ekn’x・(yn’-yn”) +Cn”x・ecn”y^2・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Cn”y・ecn”x^2・(dψn”/dt-dψn”’/dt) -Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt-dψn”/dt)-Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt-d ψn”/dt) +Kn”x・ekn”y^2・(ψn”-ψn”’)+Kn”y・ekn”x^2・(ψn”-ψn”’) −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”) −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt-dxn”/dt)-Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt-dyn”/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’-xn”)-Kn’y・ekn’x・(yn’-yn”) +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt-dψn”/dt)+Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt-d ψn”/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”)+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’-ψn”) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−12項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−11項の運動方程式におけるθ
nx、θny(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ L
の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 (1) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 請求項249−13項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(xy方向(直交方向)免震で、円柱谷面状免震
皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層
ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支
持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dxb/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dxb/dt+eR1y・dψb/dt) +m2・μR2x・sign(dxb/dt+eR2y・dψb/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dxb/dt+eRny・dψb/dt)}/MM1 +{m1・g/R1x・(xb+eR1y・ψb)+m2・g/R2x・(xb+eR2y・ψb)+ ・・+mn・g/Rnx・(xb+eRny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn”)/dt)/dt +Cn”x/MMn’・(dxn”/dt-dxn”’/dt)+Cn”x/MMn’・ecn”y・(dψn”/dt-d ψn”’/dt) +Kn”x/MMn’・(xn”-xn”’)+Kn”x/MMn’・ekn”y・(ψn”-ψn”’) -Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn”/dt)-Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψ n”/dt) -Kn’x/MMn’・(xn’-xn”)−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn”/dt)+Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn ”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn”)+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dyb/dt−eR1x・dψb/dt) +m2・μR2y・sign(dyb/dt−eR2x・dψb/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dyb/dt−eRnx・dψb/dt)}/MM1 +{m1・g/R1y・(yb−eR1x・ψb)+m2・g/R2y・(yb−eR2x・ψb)+ ・・+mn・g/Rny・(yb−eRnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb-・・-Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn”)/dt)/dt +Cn”y/MMn’・(dyn”/dt-dyn”’/dt)−Cn”y/MMn’・ecn”x・(dψn”/dt -dψn”’/dt) +Kn”y/MMn’・(yn”-yn”’)−Kn”y/MMn’・ekn”x・(ψn”-ψn”’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn”/dt)+Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-d ψn”/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn”)+Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn”/dt)-Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/ dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn”)-Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’-ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dxb/dt+eR1y・dψb/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dxb/dt+eR2y・dψb/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dxb/dt+eRny・dψb/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dyb/dt−eR1x・dψb/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dyb/dt−eR2x・dψb/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dyb/dt−eRnx・dψb/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(xb+eR1y・ψb)+m2・g/R2x・eR2y・(xb+eR2y・ψ b)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(xb+eRny・ψb) −m1・g/R1y・eR1x・(yb−eR1x・ψb)−m2・g/R2y・eR2x・(yb−eR2x・ψ b)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(yb−eRnx・ψb) +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In”・d(dψn”/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn”x・ecn”y・(dxn”/dt−dxn”’/dt)−Cn”y・ecn”x・(dyn”/dt−dyn ”’/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn ”/dt) +Kn”x・ekn”y・(xn”−xn”’)−Kn”y・ekn”x・(yn”−yn”’) −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”)+Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn”x・ecn”y^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) +Cn”y・ecn”x^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn”x・ekn”y^2・(ψn”-ψn”’)+Kn”y・ekn”x^2・(ψn”-ψn”’) −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”)−Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt)−Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn” /dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”)−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn”)+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−14項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、
ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の
構成によって支持また免震される免震構造体において、
請求項249−13項の運動方程式におけるRnx、Rny
(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応) 11.1.1. 免震装置の組合せ 請求項250項または請求項250−1項は、免震され
る構造体の積載・固定荷重形態が多様であったとしても
(変形形態・変形平面・偏心荷重形態であっても)、免
震される構造体の各所において、同一性能の免震装置の
設置を可能にする免震構造体の発明である。免震時に捩
れを起こさない免震装置の組合せとしては、 1) 免震と復元の支承に関して 免震と復元の各支承としては、同一摩擦係数をもった滑
り支承(すべり支承、転がり支承)、または、同一摩擦
係数と同一勾配をもったすり鉢もしくは同一摩擦係数と
同一曲率をもった球面等の勾配による復元性能を持った
滑り支承(勾配型復元滑り支承という)を使用すること
(請求項250項記載)、 2) ダンパーの使用に関して 1)記載の支承を使用したとしても、ダンパーを使用する
場合は、ダンパーを免震される構造体の重心におかない
限り、回転・捩れ防止装置(10.参照)を併用するこ
と(請求項250−1項記載)、である。 11.1.2. 説明 (1) 滑り支承と摩擦型減衰・抑制装置と勾配型復元滑り
支承の使用 免震と復元と減衰・抑制に関しては、滑り支承(すべり
支承、転がり支承)と、すり鉢または球面等の勾配によ
る復元性能をもった滑り支承(勾配型復元滑り支承と言
う。曲線勾配型復元滑り支承と直線勾配型復元滑り支承
とを含む。)と、摩擦型減衰・抑制装置のみを使用する
ことにより構成されてなることにより前記目的を達成す
るものである。すなわち、同一性能(同一摩擦係数)を
もった滑り支承(すべり支承、転がり支承)の各所設置
(複数箇所)、同一性能(同一摩擦係数、同一勾配・同
一曲率の勾配)をもった勾配型復元滑り支承の各所設置
(複数箇所)、同一性能(同一摩擦係数)をもった摩擦
型減衰・抑制装置の各所設置(複数箇所)でも、免震さ
れる構造体の平面形(間取)変化による積載・固定荷重
の変化に対応でき、荷重偏心があっても免震時に大きな
捩れた動きは生じず、きれいな免震が可能になる。な
お、勾配型復元滑り支承について説明すると、勾配型復
元滑り支承は、曲線勾配型復元滑り支承と直線勾配型復
元滑り支承とを含む。曲線勾配型復元滑り支承とは、す
べり・転がり面が球面または円柱谷面状または曲凹形状
等の曲線勾配によって形成されて復元性能を持った滑り
支承、直線勾配型復元滑り支承とは、すべり・転がり面
がすり鉢(円錐・角錐等)またはV字谷面状等の直線勾
配によって形成されて復元性能を持った滑り支承であ
る。 (2) 固定ピン型固定装置の使用 風揺れ固定に関しては、固定ピン型固定装置(連結部材
系のピン型を除く)のみを使用することにより構成され
てなることにより前記目的を達成するものである。 (3) 回転・捩れ防止装置との併用 以上の装置以外の免震時に捩れが生じるもの(積層ゴ
ム、ダンパー等を使用したもの、偏芯率の大きいもの)
でも、10.の回転・捩れ防止装置との併用をするとそ
の問題は解消される(10.3.参照)。 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 請求項250−2項〜請求項250−9項は、免震時に
免震される構造体が共振せず、免震される構造体の捩れ
が防止される免震装置の組合せの発明である。ダンパー
の使用により変位抑制する場合(11.2.2.)、ダンパー
を使用せずに変位抑制しない場合(11.2.1.)の2つの場
合に分かれる。また、それぞれの場合は、免震される構
造体が、風時、地震時に、引抜き力が発生して浮き上が
る高塔状比構造体の場合と、浮き上がらない低塔状比構
造体の場合とに分かれる。また、そのそれぞれの場合
に、風で揺れない重量構造体の場合と、風で揺れる軽量
構造体の場合とに分かれる。 11.2.1. 変位抑制しない ダンパーを使用しないために変位抑制されない場合であ
るが、ダンパーを使用しないために捩れが生じ無いこと
が可能になる場合である。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承 請求項250−2項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合に
は、免震装置として、すべり・転がり面がすり鉢(円錐
・角錐等)状またはV字谷面状等の直線勾配によって形
成されて復元性能を持った滑り支承(以下、直線勾配型
復元滑り支承と言う)の同一性能のものを各設置場所に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
構造体である。直線勾配型復元滑り支承の同一性能のも
のとは、同一摩擦係数と同一勾配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置 請求項250−3項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、
免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能の
ものを各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ
防止装置とを設けることにより構成されてなることを特
徴とする免震構造体である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置請求項250−4項の発明は、風
等で浮上がる高塔状比構造体で、且つ風で揺れない重量
構造体の場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑
り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして引
抜き防止装置を設けることにより構成されてなることを
特徴とする免震構造体である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置 請求項250−5項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震
装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能のもの
を各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止
装置と引抜き防止装置とを設けることにより構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 11.2.2. 変位抑制する ダンパーの使用により変位抑制をすることにより、免震
皿の面積を小さくし、免震装置自体をコンパクトにする
ことが可能となる。基本的には、11.2.1.にダンパーを
設けて、捩れを起こさないために回転・捩れ防止装置を
設ける(すでに設けてある場合には除く、重複に設ける
必要は無い)。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−
6項の発明は、風等で浮上がらない低塔状比構造体で、
且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑制する
場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の
同一性能のものを各設置場所に設け、そしてダンパーと
回転・捩れ防止装置とを設けることにより構成されてな
ることを特徴とする免震構造体である。直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものとは、同一摩擦係数と同一勾
配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+ダンパー 請求項250−7項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変
位を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復
元滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そし
て固定装置と回転・捩れ防止装置とダンパーとを設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−8項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位
を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして
引抜き防止装置とダンパーと回転・捩れ防止装置とを設
けることにより構成されてなることを特徴とする免震構
造体である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置+
ダンパー 請求項250−9項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を
抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑
り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして固
定装置と回転・捩れ防止装置と引抜き防止装置とダンパ
ーとを設けることにより構成されてなることを特徴とす
る免震構造体である。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 滑り型免震支承の場合について、免震の過大変位時の安
全を考慮した免震装置の組合せとして、以下の様なもの
が考えられる。 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
1 (1) 第一種地盤 地盤種別として第一種地盤(建築基準法施行令第88条)
の場合には、すべり型また転がり型免震支承の場合に
は、ダンパーが不要の場合が多い。 (2) 第二種、第三種地盤 地盤種別として第二種、第三種地盤の場合には、すべり
型また転がり型免震支承の場合には、ダンパーが必須に
なる。その場合、ダンパーで完全に過大変位をストップ
させる方式(請求項192−5項記載の過大変位時スト
ッパー付ダンパーを参照)の採用、またはこの過大変位
時ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支
承、外れ防止装置)との併用という場合がある。請求項
250−10項は、その発明であり、請求項192−5
項記載の過大変位時ストッパー付ダンパーの使用、また
は過大変位時ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防
止付免震支承、外れ防止装置)との併用使用をすること
により構成されてなることを特徴とする免震構造体であ
る。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 上述の従来の積層ゴムの問題から、鋼とゴムとを一層ご
とに付着させず、鋼等の硬質板を何層か積層させ、その
硬質板の中心部を空洞とし、その中心部にバネ等を充填
させる構成をとる。請求項251項は、その免震装置、
またそれによる免震構造体の発明である。この発明にお
いて、弾性体としては、素材そのものの特性として弾性
を有している物質(ゴム等)、弾性を有していない素材
を弾性を有するように形成もしくは加工した部材(バネ
等)、および鉄を引きつける磁力を持つ物質もしくは装
置(磁石・電磁石等)、等を用いることが可能である。
弾性を有していない素材を弾性を有するように形成もし
くは加工した部材、または鉄を引きつける磁力を持つ物
質もしくは装置等を用いた場合は、経時劣化する可能性
が低く、そのためメンテナンス面で有利である。 12.2. 復元バネ 縦型にバネ等を設置することは水平のどの方向にも復元
性能を得られる反面、僅かな水平変位での復元力に乏し
いが、以下の形状を取ることで、この問題が解決され
る。免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との間に、バネ等を設け、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体のどちらか一方に、ラッ
パ形状等の裾広がりの挿入口またはコロを持った挿入口
を設け、その中にそのバネ等の端を係合し、このバネ等
の反対側の端が、他方の構造体に係合される。このこと
により、免震される構造体を支持する構造体が変位する
と、バネ等はこのラッパ形状等に従って水平方向に曲が
り、僅かな変位でも水平方向の復元力が得られ、さら
に、このバネ等による、免震される構造体に働く下方へ
の引張力も最低限にし、免震される構造体への負荷も小
さくすることができる。請求項252項は、その免震装
置、またそれによる免震構造体の発明である。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体 請求項253項は、免震構造体の発明であり、超高層建
物・構造体において、免震装置として、滑り型免震装置
・滑り支承を、特に転がり型滑り支承を採用し、免震さ
れる構造体は、風力ではゆれない剛性をもつ構造とする
ことにより前記目的を達成するものである。 13.2. 高塔状比建物・構造体 引抜き力が働く建物・構造体の問題は、引抜き防止装置
によって対処し、塔状比によれば、ロッキングを小さく
するために、免震装置・滑り支承の摩擦係数をできるだ
け小さくする。 13.4. 軽量建物・構造体 従来の積層ゴムでは固有周期が延びない軽量建物・構造
体には、免震装置・滑り支承等の免震装置で、免震が可
能になる。 13.5. 在来木造戸建て住宅/軽量(木造・鉄骨系)戸建
て住宅 (1) 土台床構面の形成 床構面の形成に関しては、固定装置周辺は筋交による補
強を行い、その他の部分を全面筋交補強で行う方式、土
台(基礎の上の横架材)の上全面に構造用合板等を敷き
込み、その上にまた土台(横架材)を置くか、直に柱を
立てる方式、あるいはダイヤフラム構面を用いる方式に
より、免震装置・滑り支承の支持構造面を作る。請求項
254項は、その免震構造体の発明である。土台(基礎
の上の横架材)の上全面に構造用合板等を敷き込み、そ
の上にまた土台(横架材)を置くか、直に柱を立てる。
このようにして、構造用合板勝ちにして 構面が形成さ
れる手法で、免震装置・滑り支承の支持構造面をつくる
方式は、特にメリットがある。具体的には、免震装置・
滑り支承の設置された土台等の基礎の上の横架材の上全
面に、構造用合板等を敷き込み、その上にまた土台(横
架材)を置くか、直に柱を立てる。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計 免震性能を上げるためには、滑り型免震装置の場合、復
元装置の復元力を抑えて復元が可能な最小限の復元力に
する方法が挙げられる。復元力を最小限にするために、
凹形状の重力復元型滑り支承においては、復元が得られ
る限り、曲率半径はできるだけ大きくし、また、バネ等
の復元型においては、復元が得られる限り、弾性力また
バネ定数はできるだけ小さくし、また双方ともに、免震
装置・滑り支承の摩擦係数を下げる事も必要である。そ
のことはまた、免震性能をよくする事につながる。請求
項256項は、その免震構造体の発明である。 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置 経済性をもたらすために、重心位置またその近傍にの
み、2箇所以上の復元装置を装備し、それ以外は、復元
力を持たない免震滑り支承とする。また必要に応じて、
固定装置を配する。これも復元装置と同様に、重心位置
またその近傍にのみ、一箇所以上、できれば2箇所以上
とするのがよい。請求項255項は、その免震構造体の
発明である。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 15.1. 免震装置設置と基礎部分の施工の合理化 この構法は、汎用戸建て免震に適しているが(それに限
定される事はないが)、特に、戸建て用免震装置として
の意味がある。今までの在来構法及びプレハブの住宅を
免震装置対応にする場合の問題は、まず、1階の梁とそ
れに支えられる床が必要になり、それをいかに安くする
かという課題、次に、プレハブ・在来・2×4という上
部構造(免震される構造体)の構法の違いを問題とせ
ず、汎用的方法があるかどうかという課題、さらに、上
部構造としてのフレームとしての剛性のない問題も解決
する必要がある。その解決方法として、ベタ基礎の上に
空隙を設けて、もう一つベタ基礎(スラブ)を打ち、そ
の間に免震装置を入れる方法である。具体的に施工法を
説明すると、ベタ基礎コンクリートの上に免震装置を配
備し、その間を有機溶剤で溶けるスタイロフォーム等の
プラスチックで埋めて間隙を作り、その上にコンクリー
トスラブを打ち、コンクリートが固まってからスタイロ
フォーム等のプラスチックの間隙を有機溶剤で溶かして
空間を作ると、ベタ基礎の上に、免震装置のみに支えら
れてコンクリートスラブが浮く形となり、免震装置の作
動が可能となる。また、このコンクリートスラブを人工
土地的な扱いとすることにより、在来構法・プレハブ構
法・2×4構法等、構法の違いに影響されずに住宅を自
由に建てることができ、上部構造の自由がもたらされ
る。また上部構造としてのフレームとしての剛性のなさ
もスラブの剛性により解決される。また免震装置解析
も、上部構造を含めた免震される部分の重心が、このコ
ンクリートスラブの重さによって下がり、一質点系振動
の解析でほぼ近似でき、またこの部分の荷重が、上部構
造に比して大きく、木造・鉄骨等軽量戸建てが載る場合
は、解析の一様化が可能になり、上物ごとの個別認定で
なく、一般認定の可能性を開くものである。また、単に
二重にベタ基礎(スラブ)を打つのと同じであるので、
ローコストを可能にする。請求項257項は、その免震
構造体の発明である。 15.2. 免震装置設置の施工の合理化 留め具等により、上下の皿を一体にされた二重免震皿装
置を、基礎のアンカーボルト位置に据え付け、土台とま
ず固定する。その後、基礎との間にできた隙間等を無収
縮モルタルで埋める。そして、無収縮モルタルが固まっ
た後に、基礎と免震装置とのアンカーボルトを締める。
以上の方法により、土台に対する水平性(平行性)が得
られ、基礎上に設置される免震装置の水平性を出しにく
い問題が解決する。請求項258項は、その免震構造体
の発明である。 15.3. 滑り型免震装置の水平性維持 滑り型免震装置の施工時及び施工後の水平性維持の問題
は、建物の内側(また重心)に向かって転ぶ傾斜(外が
高く、内が低い傾斜)を持たせることにより、解決され
る。請求項259項は、その免震構造体の発明である。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合 請求項260項の発明は、ユニット住宅等の免震される
構造体に使用される立体フレームユニット(以下、ユニ
ットと言う)に免震装置(特に免震支承)を取付ける場
合の発明である。新たに免震される構造体全体に(補
強)土台を設置することは、ユニットの下部材(土台)
の剛性不足を補えて簡単な方法であるが、コストが高く
なる。そこで直接、免震装置をユニットに取付ける方法
が望まれるが、ユニット同士の接合がピンである場合が
多く、ユニット同士の接合がピンの場合は、両方のユニ
ットに跨がらせて免震装置を取付けると不安定になる。
その問題を解決したのが請求項260項の発明である。
すなわち、一つユニットに安定的に取付け、(隣接ユニ
ットを持つ場合は)隣接ユニットを支持できるように当
該ユニットからもはみ出して取付ける。なお、「一つユ
ニットに安定的に取付け」とは、ユニットと免震装置と
が剛接になるように、例えば、ユニットと免震装置とを
3点以上の接合数により接合するようなことを言う。 17.組合せ 請求項261項の発明は、1.〜15.3.記載の発明の組
合せに関するものである。1.〜15.3.記載の全ての発
明の組合せにより、様々な要求に応えた免震装置及び支
承、および免震構造が可能になる。なお以上のすべての
請求項(請求項1項〜請求項261項)の発明には、そ
れぞれの装置とそれによる免震構造体も含まれる。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 (1) 一般 請求項262項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体との間のフレキシビリティを保証
する排水設備において、免震される構造体を支持する構
造体に設けられた排水枡と、その中に突き出した免震さ
れる構造体側の排水管とから構成されてなることを特徴
とする免震構造体用設備、またはそれによる免震構造体
の発明である。排水枡の内法寸法は、予想される地震変
位振幅分と配管寸法と余裕分とを合せた寸法になる。排
水枡を覆う蓋が付けられる場合もある。 (2) 二重(以上)排水枡方式 請求項263項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体との間のフレキシビリティを保証
する排水設備において、免震される構造体を支持する構
造体に設けられた排水枡と、その中に突き出した排水管
を持つ中間排水枡と、中間排水枡の中に突き出した免震
される構造体側の排水管とから構成されてなることを特
徴とする免震構造体用設備、またはそれによる免震構造
体の発明である。排水枡と中間排水枡との内法寸法を合
せた寸法が、予想される地震変位振幅分と中間排水枡の
排水管寸法と免震される構造体側の排水管寸法と余裕分
とを合せた寸法以上になればよい。この発明により、一
重排水枡の方式に比べて、排水枡49の寸法を小さくで
きる。
【実施例】A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
型免震装置・滑り支承 図1〜図11は、請求項1項記載の免震装置・滑り支承
(以下「免震装置・滑り支承」という)または復元付き
免震装置・滑り支承の発明に関するもので、凹型滑り面
部(すべり・転がり面部、以下同じ)または平面型滑り
面部を有するスライド部材4を上下に交差させて係合さ
せることにより、免震性を、また一方向性(行き帰りを
含む、以下同じ、なお「また」は、全文において「また
は」と「及び」の両方の意味をもつ)もしくは全方向の
復元性を持たせるようにしたものである。上下に交差さ
せて係合させる上で、スライド部材4の交差方向の角の
面を取り、スムーズに交差できるようにした場合もあ
る。上部のスライド部材4-aは、下向きの凹型滑り面部
または平面型滑り面部を有するものであり、下部のスラ
イド部材4-bは、上向きの凹型滑り面部または平面型滑
り面部を有するものである。ともに滑り面部には低摩擦
材が使用されている場合がある。上部スライド部材4-a
・下部スライド部材4-bの組合せは、次の4通り考えら
れる。 (1) 下向きの凹型滑り面部を有する上部スライド部材4
-aと上向きの凹型滑り面部を有する下部スライド部材4
-bとの組合せ(図1、図2参照)。 (2) 下向きの平面型滑り面部を有する上部スライド部材
4-aと上向きの凹型滑り面部を有する下部スライド部材
4-bとの組合せ。 (3) 下向きの凹型滑り面部を有する上部スライド部材4
-aと上向きの平面型滑り面部を有する下部スライド部材
4-bとの組合せ。 (4) 下向きの平面型滑り面部を有する上部スライド部材
4-aと上向きの平面型滑り面部を有する下部スライド部
材4-bとの組合せ(図11参照)。以上の上部スライド
部材4-a・下部スライド部材4-bを、互いに交差する方
向に係合し、スライドできるように構成し、上部スライ
ド部材4-aを免震される構造体1に、下部スライド部材
4-bを免震される構造体を支持する構造体2に設ける。
図1〜図2は、下向きの凹型滑り面部を有する上部スラ
イド部材4-aと上向きの凹型滑り面部を有する下部スラ
イド部材4-bとの組合せである。図1は、上部スライド
部材・下部スライド部材(4-a、4-b)の長辺方向の凹
型滑り面部が台形の直線で構成されており、短辺方向は
平坦面の滑り面部で構成されて交差する場合である。図
2は、上部スライド部材・下部スライド部材(4-a、4
-b)の長辺方向の凹型滑り面部が円弧状で、また、その
凹型滑り面部にスライド部材の短辺方向に丸みを持たせ
た場合である。なお、凹型に関して、台形の直線で構成
される場合と、円弧、放物線、スプライン曲線等の曲線
で構成される場合がある。また上部スライド部材・下部
スライド部材共に、凹型滑り面部の底部に関して、互い
のスライド部材が嵌まり込むように少し掘り下げられ
て、風等では動きにくくしている場合もある。 1.2. 十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の中間滑り部 図12〜図17は、請求項2項記載の免震装置・滑り支
承または復元付き免震装置・滑り支承に関する発明であ
る。請求項2項は、請求項1項の発明の、下向きの凹型
滑り面部または平面型滑り面部を有する上部スライド部
材4-aと、上向きの凹型滑り面部または平面型滑り面部
を有する下部スライド部材4-bとの間に、中間滑り部6
を設けた発明であり、また、その中間滑り部6と、上部
スライド部材4-a、下部スライド部材4-bとが接する位
置に、ローラー・ボール(ベアリング)5-f、5-eを設
けた場合もある。図12は、十字型免震装置・滑り支
承、図13〜図17は、十字型復元付き免震装置・滑り
支承である。図12は、図11の構成の上部スライド部
材4-aと、下部スライド部材4-bとの間に、中間滑り部
6が挟まれた実施例である。この場合の中間滑り部6
は、円柱形をなしている。中間滑り部6と、上部スライ
ド部材4-a、下部スライド部材4-bとが接する上面、下
面、側面位置に、ローラー・ボール(ベアリング)5-
f、5-eを設けた場合もある。また、このローラー・ボ
ール(ベアリング)は、循環式転がり案内によって循環
する形を取るのが有利である。図13〜図14は、図1
および図2の構成の上部スライド部材4-aと、下部スラ
イド部材4-bとの間に、中間滑り部6が挟まれた実施例
である。上部スライド部材4-aの下向き凹型滑り面部
と、下部スライド部材4-bの上向き凹型滑り面部との間
に、中間滑り部6が挟み込まれ、この中間滑り部6の滑
り部上部(上面)6-uが、上部スライド部材4-aの下向
き滑り面部と同曲率を持ち、また滑り部下部(下面)6
-lが、下部スライド部材4-bの上向き滑り面部と同曲率
を持つように構成する。この場合、図14(e) 〜(h)の
ように、地震振幅により上部スライド部材4-aと下部ス
ライド部材4-bとがずれを起こしても、滑り部上部(上
面)6-uと上部スライド部材4-aの下向き滑り面部、及
び滑り部下部(下面)6-lと下部スライド部材4-bの上
向き滑り面部との接触面積が、同面積得られて、垂直荷
重伝達能力において有利になる。図13〜図14のう
ち、(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)はその
断面図、(d)は免震装置・滑り支承部の詳細斜視図、(e)
(f)(g)(h)は、振幅時の断面図であり、 (g)(h) は最大
振幅時、(e)(f)は振幅途中の時の図で、(e)(g)は基礎方
向から見たもの、(f)(h)は基礎方向に対面する方向から
見たものである。中間滑り部6と、上部スライド部材4
-a、下部スライド部材4-bとが接する上部6-u、下部6
-l位置に、ローラー・ボール(ベアリング)5-f、5-e
を設けた場合もある。この構成は、滑り面部の凹型球面
状に対して、常にローラーまたはボールが接し、振動時
においても同接触面積が得られて、垂直荷重伝達能力に
おいて有利である。また、このローラー・ボール(ベア
リング)は、循環式転がり案内によって循環する形を取
るのが有利である。図15は、図13〜図14の構成の
中間滑り部6が球の場合の実施例であり、上部スライド
部材4-aの下向き凹型滑り面部と、下部スライド部材4
-bの上向き凹型滑り面部との間に、球状の滑り面部を有
する中間滑り部6が挟み込まれ、この球状の中間滑り部
6と接する上部スライド部材4-aの下向き滑り面部、下
部スライド部材4-bの上向き滑り面部が、この球状の中
間滑り部6と同曲率を持つように構成する。この場合、
地震振幅により上部スライド部材4-aと下部スライド部
材4-bとがずれを起こしても、上部スライド部材4-aの
下向き滑り面部、及び下部スライド部材4-bの上向き滑
り面部と、球状の中間滑り部6との接触面積が、常に同
面積得られて、垂直荷重伝達能力において有利である。
この中間滑り部6と、上部スライド部材4-a、下部スラ
イド部材4-bとの接触面に、ローラーまたボール(ベア
リング)5-e、5-fを設けた場合もある。この構成は、
凹型球面状に対して、常にローラーまたボールが接し、
振動時においても同接触面積が得られて、垂直荷重伝達
能力において有利である。また、このローラーまたボー
ルベアリングは、循環式転がり案内によって循環する形
を取るのが有利である。図16〜図17は、図13〜図
14の中間滑り部6が、三重中間滑り部の場合の実施例
であり、 中間滑り部6が、第一中間滑り部6-aと第二
中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分かれる。第
一中間滑り部6-aは、上部スライド部材4-aの下向き凹
型滑り面部と同曲率である凸型滑り面部6-u(中間滑り
部上部(上面)6-u)をもち、その凸型の反対部には凹
型球面状滑り面部を有している。第二中間滑り部6-b
は、第一中間滑り部の前記反対部の凹型球面と同一球面
率である凸型滑り面部をもち、この凸型の反対部には凸
型球面状滑り面部を有している。第二中間滑り部6-bは
球形の場合もある。第三中間滑り部6-cは、第二中間滑
り部の前記反対部の凸型球面と同一球面率である凹型滑
り面部をもち、その凹型の反対部には、下部スライド部
材4-bの上向き凹型滑り面部と同一曲面率である凸型滑
り面部6-l(中間滑り部下部(下面)6-l)を有してい
る。そして、上部スライド部材4-aと下部スライド部材
4-bとの間に、この第一中間滑り部6-a、第二中間滑り
部6-b及び第三中間滑り部6-cを、挟み込むことにより
構成される。この場合、図17(e) 〜(h)のように、地
震振幅により上部スライド部材4-aと下部スライド部材
4-bとがずれを起こしても、中間滑り部上部(上面)6
-uと上部スライド部材4-aの下向き滑り面部、及び中間
滑り部下部(下面)6-lと下部スライド部材4-bの上向
き滑り面部の接触面積が、同面積得られて、垂直荷重伝
達能力において有利である。図16〜図17のうち、
(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)はその断面
図、(d) は免震装置・滑り支承部の詳細斜視図、(e)(f)
(g)(h)は、振幅時の断面図であり、(g)(h)は最大振幅
時、(e)(f)は振幅途中の時の図で、(e)(g)は基礎方向か
ら見たもの、(f)(h)は基礎方向に対面する方向から見た
ものである。この第一中間滑り部6-a、第三中間滑り部
6-cと、上部スライド部材4-a、下部スライド部材4-b
とが接する中間滑り部上部(上面)6-u、中間滑り部下
部(下面)6-l位置に、ローラー・ボール(ベアリン
グ)5-f、5-eを設ける場合もある。この構成は、凹型
球面状に対して、常にローラーまたはボールが接し、地
震振幅時においても同接触面積が得られて、垂直荷重伝
達能力において有利である。また、第二中間滑り部6-b
と、第一中間滑り部6-a、第三中間滑り部6-cとが接す
る位置に、ローラー・ボール(ベアリング)を設ける
と、首振りが容易になり、有利である。また、このロー
ラー・ボールベアリングは、循環式転がり案内によって
循環する形を取るのが有利である。 1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承 図1〜図11のうち、特に、図3〜図10は、請求項3
項〜請求項4項記載の発明に関するもので、特許 18440
24号での発明の引抜き防止装置に、請求項1項記載の発
明の復元付き免震装置の機能を持たせたものであり、重
力復元型引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示してい
る。具体的に説明すると、請求項1項また請求項2項記
載の発明の、下向きの凹型滑り面部または平面型滑り面
部を有する上部材は、長辺側面に横に細長く開口したス
ライド孔を有するスライド部材4-aを形成し、上向きの
凹型滑り面部または平面型滑り面部を有する下部材は、
長辺側面に横に細長く開口したスライド孔を有するスラ
イド部材4-bを形成し、これらのスライド部材を互いに
交差する方向に、双方のスライド孔に係合してスライド
できるように構成し、かつ、これらのスライド部材のう
ち、上になるスライド部材(上部スライド部材)4-aを
免震される構造体1に、下になるスライド部材(下部ス
ライド部材)4-bを免震される構造体を支持する構造体
2に設けて、引抜き防止の機能も合わせ持たせた復元付
き免震装置・滑り支承である。つまり、特許 1844024号
での引抜き防止装置の上部スライド部材4-aと下部スラ
イド部材4-bのうち、一方に凹型滑り面部を有し、もう
一方に当該凹型滑り面部を滑走しうる滑り部もしくは逆
向きの凹型滑り面部を有する構成である。凹型滑り面部
の箇所として (1) 上部スライド部材のスライド孔を挟む上部材に下向
き凹型滑り面部 (2) 上部スライド部材のスライド孔を挟む下部材に上向
き凹型滑り面部 (3) 上部スライド部材のスライド孔を挟む下部材に下向
き凹型滑り面部 (4) 下部スライド部材のスライド孔を挟む上部材に上向
き凹型滑り面部 (5) 下部スライド部材のスライド孔を挟む上部材に下向
き凹型滑り面部 (6) 下部スライド部材のスライド孔を挟む下部材に上向
き凹型滑り面部の6通りが考えられ、また平面型滑り面
部の箇所も同様に、 (1) 上部スライド部材のスライド孔を挟む上部材に下向
き平面型滑り面部 (2) 上部スライド部材のスライド孔を挟む下部材に上向
き平面型滑り面部 (3) 上部スライド部材のスライド孔を挟む下部材に下向
き平面型滑り面部 (4) 下部スライド部材のスライド孔を挟む上部材に上向
き平面型滑り面部 (5) 下部スライド部材のスライド孔を挟む上部材に下向
き平面型滑り面部 (6) 下部スライド部材のスライド孔を挟む下部材に上向
き平面型滑り面部 の6通りが考えられ、以上の12通りの組合せにより構
成される。なお凹面形状に関して、台形の直線で構成さ
れる場合と円弧、放物線、スプライン曲線等の曲線で構
成される場合がある。また上部スライド部材・下部スラ
イド部材共に凹型滑り面部を有する底部に関して、互い
のスライド部材が嵌まり込むように少し掘り下げられ
て、風等では動きにくくしている場合もある。なお、重
なり合う上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-b
とは、隙間がある場合もあり、また、接している場合に
は含油メタル、PTFE等の低摩擦材により低摩擦化さ
れている例もある。免震皿の凹型滑り面部及び当該部を
滑走するローラー・ボール若しくは滑り部も同様であ
る。以下の実施例でも同様である。図3は、下部スライ
ド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に上向き凹型滑り
面部を有し、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む
下部材に当該凹型滑り面部を滑走しうる滑り部を有する
実施例である。図4は、上部スライド部材4-aのスライ
ド孔を挟む上部材に下向き凹型滑り面部を有し、下部ス
ライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に当該凹型滑
り面部を滑走しうる滑り部を有する実施例である。図5
は、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に
上向き凹型滑り面部を有し、上部スライド部材4-aのス
ライド孔を挟む上部材に当該凹型滑り面部を滑走しうる
滑り部を有し、かつ、上部スライド部材4-aのスライド
孔を挟む上部材に下向き凹型滑り面部を有し、下部スラ
イド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に当該凹型滑り
面部を滑走しうる滑り部を有する実施例である。図6
は、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材に
上向き凹型滑り面部を有し、上部スライド部材4-aのス
ライド孔を挟む上部材に当該凹型滑り面部を滑走しうる
下向き凹型滑り面部を有し、かつ、下部スライド部材4
-bのスライド孔を挟む下部材に上向き凹型滑り面部を有
し、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材に
当該凹型滑り面部を滑走しうる滑り部を有する実施例で
ある。また、その上下逆もあり得る。つまり、上部スラ
イド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に下向き凹型滑
り面部を有し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟
む上部材に当該凹型滑り面部を滑走しうる滑り部を有
し、かつ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下
部材に下向き凹型滑り面部を有し、下部スライド部材4
-bのスライド孔を挟む下部材に当該凹型滑り面部を滑走
しうる上向き凹型滑り面部を有する場合である。図8
は、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材に
下向き凹型滑り面部を有し、下部スライド部材4-bのス
ライド孔を挟む上部材に当該凹型滑り面部を滑走しうる
上向き凹型滑り面部を有し、かつ、上部スライド部材4
-aのスライド孔を挟む下部材に下向き凹型滑り面部を有
し、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材に
当該凹型滑り面部を滑走しうる上向き凹型滑り面部を有
する実施例である。図9は、請求項4項記載の発明に関
するもので、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む
上部材の下部に、下向き凹型滑り面部を有し、下部スラ
イド部材4-bのスライド孔を挟む上部材の上部に、当該
下向き凹型滑り面部が滑走しうる上向き凹型滑り面部
を、下部に下向き凸型滑り面部を有し、かつ、上部スラ
イド部材4-aのスライド孔を挟む下部材の上部に、当該
下向き凸型滑り面部を滑走しうる上向き凸型滑り面部
を、下部に下向き凹型滑り面部を有し、下部スライド部
材4-bのスライド孔を挟む下部材の上部に、当該下向き
凹型滑り面部が滑走しうる上向き凹型滑り面部を有する
実施例である。この図9においては、重力復元型にもか
かわらず、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4
-bとの間に、上部スライド部材4-aの上下変位による隙
間を必要としない方式が可能となり、重力復元型特有の
地震振動時の垂直変位のための遊びによる、がたつきの
問題と引抜き時の衝撃の問題をも解決できる。図10
は、請求項3項記載の発明(請求項2項記載の免震装置
・滑り支承において、……)に関するもので、上部スラ
イド部材・下部スライド部材の摩擦係数を下げ、また相
互の滑り面の接触面積を上げるために、中間滑り部6を
設けた場合の実施例である。この場合、図14(e) 〜
(h)のように、地震振幅による上部スライド部材4-aと
下部スライド部材4-bとが、ずれを起こしても、滑り部
上部(上面)6-uとスライド部材(4-a、4-b)との接
触面積、及び滑り部下部(下面)6-lとスライド部材
(4-a、4-b)との接触面積が、ともに、常に同面積得
られて、垂直荷重伝達能力において有利である。請求項
3項記載の発明(請求項2項記載の免震装置・滑り支承
において、……)に関するもう一つのものは、図10の
中間滑り部6の、上部スライド部材4-a、下部スライド
部材4-bと接する上部6-u、下部6-l位置に、ローラー
またはボール(ベアリング)5-e、5-fを設けた場合の
ものである。この構成は、滑り面部の凹型球面状に対し
て、常にローラーまたはボールが接し、振動時において
も同接触面積が得られて、垂直荷重伝達能力において有
利である。また、このローラーまたボールベアリング
は、循環式転がり案内によって循環する形を取るのが有
利である。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.1. 復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 図34〜図37、図52〜図56は、請求項5項〜請求
項7項記載の発明の、復元・減衰バネ付き引抜き防止装
置・滑り支承Fの実施例を示している。特許 1844024号
での引抜き防止装置・滑り支承F、また1.3.の十字重力
復元型引抜き防止装置・滑り支承の、上部スライド部材
4-a、下部スライド部材4-bの片方または両者の、スラ
イド孔内の片側または両側に、バネ・空気バネ・ゴム・
積層ゴム等の弾性体または磁石(磁石同士の反発力吸引
力等を使った)等(すべての章で「バネ等」と称する)
25を設置し、そのバネ等25により、他方のスライド
部材を当該スライド孔の中央部に位置せしめる機能を与
え、地震後に免震される構造体1を元の位置に復元さ
せ、また他方のスライド部材を当該スライド孔の端に衝
突させない機能を有するものである。請求項5項記載の
発明は、特許 1844024号の引抜き防止装置・滑り支承F
に、請求項6項記載の発明は、請求項3項記載の発明の
復元付き引抜き防止装置・滑り支承に、復元または減衰
バネ等25を設けたものである。バネ等25の固定に関
して、図35のように、バネ等25の一方の端は、スラ
イド孔の端に固定され、もう一方の端は、スライド止め
金4-pを介して、交差する他方のスライド部材に押し当
てられる。そのスライド止め金4-pとバネ等25とは固
定されている。また、図34のように、スライド止め金
4-pを介さずに、交差する他方のスライド部材に、バネ
等25が直接固定される場合もある。また、このバネ等
25は、通常の状態では交差する他方のスライド部材に
接しないように、スライド孔の端から途中までに設けら
れている場合もあり、図36は、この場合の実施例であ
る。途中までの場合は、スライド孔の両端部に衝突しな
いための緩衝装置の役目が主である。この構成により、
併用する免震皿の滑り面から滑り部等が外れる可能性の
ある地震振幅時のみに抑制が働き、免震皿内の地震振幅
時には、抑制は働かず免震装置による免震性能を減じな
い効果が得られる。図35、図36のうち、(a-1)(a-2)
(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図である。(a
-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセットであ
り、(a-1)(a-2)と(a-3)(a-4)とは違うタイプのものであ
る。免震装置・滑り支承の斜視図(a)、また断面図(b)
(c)には、(a-1)(a-2)タイプが描かれている。(a-1)(a-
3)は、上部スライド部材4-aのスライド止め金4-pであ
り、(a-2)(a-4)は、下部スライド部材4-bのスライド止
め金4-pである。図52〜図56は、図43〜図47の
引抜き防止装置・滑り支承に、復元・減衰バネ等を設け
たものである。また、図37は、請求項7項記載の発明
の、復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承F
の実施例を示している。二段階に弾性力が変化する二段
階バネ等は、復元バネ等25-aと外れ防止バネ等25-b
との二段階の弾性力・磁力等をもったものが設けられ、
併用する免震皿の大きさ内の地震振幅時には、復元バネ
等25-aが主に働き、元の位置に復元する効果を持ち、
免震皿の滑り面から滑り部等が外れる可能性のある地震
振幅時には、外れ防止バネ等25-bが働き、強い抑制が
働き、免震皿の外れを防止する。また、円錐コイルバネ
・ゴム等の変位に応じて、弾性力・磁力等が無段階に変
化するバネ・ゴム等を使用することにより、免震皿の滑
り面から滑り部等が外れる可能性のある地震振幅時ほ
ど、強い抑制が働き、免震皿の外れを防止するものもあ
る。また、弾性力・磁力等が、二段階と無段階との間
の、三段階、四段階、…多段階に変化するものもある。
この場合、より特性にあった復元・減衰制御装置が可能
になる。 2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑
り支承 図21〜図33は、請求項8項記載の発明の、バネ等2
5と引抜き防止装置・滑り支承Fとの複合装置の実施例
を示している。特許 1844024号での引抜き防止装置・滑
り支承Fとバネ等25との位置関係は、(1) 上部スライ
ド部材4-aのスライド孔を挟む上部材または免震される
構造体1と下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上
部材との間、(2) 下部スライド部材4-bのスライド孔を
挟む上部材と上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む
下部材との間、(3) 上部スライド部材4-aのスライド孔
を挟む下部材と下部スライド部材4-bのスライド孔を挟
む下部材または支持する構造体2との間、の3通り考え
られる。また、バネ等25の箇所数は、上記 (1)、
(2)、(3)の一か所の場合、 (1)と(2)、(1)と(3)、(2)と
(3)の二か所の場合、(1)と(2)と(3)の三か所の場合があ
る。図21〜図22は、(3) の上部スライド部材4-aの
スライド孔を挟む下部材と、下部スライド部材4-bのス
ライド孔を挟む下部材との間に、バネ等25が設置さ
れ、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と
バネ等25の上部フランジとが接合され、下部スライド
部材4-bのスライド孔を挟む下部材とバネ等25の下部
フランジとが接合されている実施例である。図21〜図
22のうち図21は、バネ等25の高さが低い場合、図
22はバネ等25の高さが高い場合である。図24〜図
25は、(1) の免震される構造体1と下部スライド部材
4-bのスライド孔を挟む上部材との間に、バネ等25が
設置され、免震される構造体1とバネ等25の上部フラ
ンジとが接合され、下部スライド部材4-bのスライド孔
を挟む上部材とバネ等25の下部フランジとが接合され
ている実施例である。図24〜図25のうち図24は、
バネ等25の高さが低い場合、図25はバネ等25の高
さが高い場合である。図27は、 (2)と(3) の二か所に
バネ等25が設置される場合で、上部バネ等25につい
ては、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材
とバネ等25の上部フランジとが接合され、上部スライ
ド部材4-aのスライド孔を挟む下部材とバネ等25の下
部フランジとが接合され、下部バネ等25については、
上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材とバネ
等25の上部フランジとが接合され、下部スライド部材
4-bのスライド孔を挟む下部材とバネ等25の下部フラ
ンジとが接合されている実施例である。図29〜図30
は、 (1)と (2)と (3)の三か所に、バネ等25が設置さ
れる場合で、上部バネ等25については、免震される構
造体1とバネ等25の上部フランジとが接合され、下部
スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材とバネ等2
5の下部フランジとが接合され、中間部バネ等25につ
いては、下部スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部
材とバネ等25の上部フランジとが接合され、上部スラ
イド部材4-aのスライド孔を挟む下部材とバネ等25の
下部フランジとが接合され、下部バネ等25について
は、上部スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と
バネ等25の上部フランジとが接合され、下部スライド
部材4-bのスライド孔を挟む下部材とバネ等25の下部
フランジとが接合されている実施例である。図29〜図
30のうち図29は、バネ等25の高さが低い場合、図
30はバネ等25の高さが高い場合である。また、図2
9〜図30の免震装置は、垂直に弾性のあるバネ等25
を設置した場合には垂直免震性も獲得でき、また、圧縮
時にも引抜き時にも摩擦が発生しないものである。ま
た、垂直に弾性のあるバネ等25を使用しても、引抜き
防止装置・滑り支承Fによって、バネ等の座屈の問題は
軽減されている。図31〜図32は、引抜き防止装置・
滑り支承Fを2連装し、(3) の上部スライド部材4-aの
スライド孔を挟む下部材と免震される構造体を支持する
構造体2との間にバネ等25が設置される場合で、上部
スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材とバネ等2
5の上部フランジとが接合され、免震される構造体を支
持する構造体2とバネ等25の下部フランジとが接合さ
れている実施例である。図31〜図32のうち図31
は、バネ等25の高さが低い場合、 図32はバネ等2
5の高さが高い場合である。また、図23、図26、図
28、図33の、いずれの装置も、図29〜図30の免
震装置と同様に、垂直に弾性のあるバネ等25を設置し
た場合には、垂直免震性も獲得できる。垂直に弾性のあ
るバネ等25を使用しても、引抜き防止装置・滑り支承
Fによって、バネ等の座屈の問題は軽減されている。 2.3. 引抜き防止機能の増強 図38〜図41は、請求項9項〜請求項10項記載の発
明の引抜き防止装置・滑り支承の引抜き防止の増強の実
施例を示している。請求項9項記載の発明は、特許 184
4024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承Fにおい
て、上及び横に細長く開口したスライド孔を有する上部
スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを、互いに
交差する方向に、双方の横のスライド孔に係合してスラ
イドできるようにし、双方の上のスライド孔(4−av、
4−bv)を貫く繋ぎ部材・係合材27を取付けて、引抜
き防止機能を増強する装置である。図38は、双方の上
のスライド孔(4−av、4−bv)を貫く繋ぎ部材・係合
材27が1個のとき、図39は、3個のとき、図40
は、4個のときであり、図41は、ロ型の繋ぎ部材・係
合材27が2個のときで、上部スライド部材4-aと下部
スライド部材4-bとを係合して、引抜き防止機能を増強
している。請求項10項記載の発明は、1.3. 十字重力
復元型引抜き防止装置・滑り支承、2.1. 復元・減衰バ
ネ等付き引抜き防止装置・滑り支承、2.2. 積層ゴム/
ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承との複合装
置の各装置において、引抜き防止装置・滑り支承に、請
求項9項記載の発明と同様、上部スライド部材4-aと下
部スライド部材4-bとの上に細長く開口したスライド孔
をあけ、双方の上のスライド孔(4−av、4−bv)を貫
く繋ぎ部材・係合材27を取り付けて、引抜き防止機能
を増強する装置である。 2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承 (1) 新引抜き防止装置・滑り支承 図38〜図42は、請求項11項記載の発明の新引抜き
防止装置・滑り支承の実施例を示している。図38〜図
41は、上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-b
が、上下2枚のダブル材の場合、図42は、上部スライ
ド部材4-aと下部スライド部材4-bが、シングル材の場
合である。上に細長く開口したスライド孔4-vを有する
上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを互い
に交差する方向に係合し、双方の上のスライド孔(4−
av、4−bv)を貫く係合材27を取り付けてスライドで
きるように構成され、かつ、前記上部スライド部材4-a
を免震される構造体1に、下部スライド部材4-bを免震
される構造体を支持する構造体2に設けることにより構
成される新引抜き防止装置・滑り支承である。また、図
38〜図41の実施例と同様に、係合材27の複数か所
止めの場合もある。また、上部スライド部材4-aと下部
スライド部材4-bが、図42のようなシングル材で、図
41のようなロ型の繋ぎ部材・係合材27が2個で、上
部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bとを係合し
て、引抜き防止機能を増強する場合もある。 (2) 新引抜き防止装置・滑り支承 図57〜図59は、請求項12項〜請求項13項記載の
発明の新引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示してい
る。請求項12項の発明は、図57のように引抜き防止
機構が一重の場合であり、免震される構造体1と免震さ
れる構造体を支持する構造体2との間に設けられ、包み
込み合う関係のスライド部材をもち、内側のスライド部
材4-iが、水平方向にスライドできる余地をもって外側
のスライド部材4-oに包み込まれ、かつ、前記内側のス
ライド部材4-iと外側のスライド部材4-oの一方を、免
震される構造体1に、他方を免震される構造体を支持す
る構造体2に設けることにより構成される場合である。
請求項13項の発明は、図58のように引抜き防止機構
が二重以上の場合であり、免震される構造体1と免震さ
れる構造体を支持する構造体2との間に設けられ、複数
の包み込み合う関係のスライド部材をもち、一番内側の
スライド部材4-iが、水平方向にスライドできる余地を
もって、すぐ外側のスライド部材4-oiに包み込まれ、
この二番目のスライド部材4-oi が、水平方向にスライ
ドできる余地をもって、さらにその外側のスライド部材
4-oに包み込まれる、という方法で順次構成されてお
り、かつ、前記一番内側のスライド部材4-iと一番外側
のスライド部材4-oの一方を、免震される構造体1に、
他方を免震される構造体を支持する構造体2に設けるこ
とにより構成される場合である。この請求項13項(図
58)のような、引抜き機構が入れ子状の、二重以上の
場合には、その多重性に応じ、同じ地震振幅に対応でき
る装置の大きさを小さくすることができる。さらに、こ
の方法は、請求項12項のような引抜き機構が一重の場
合に比べて大きな引抜き力に対応できる。つまり、外側
のスライド部材4-oの包み込む持ち出しが大きいほど、
引抜き力に対応できない。その欠点を補うものである。
また、図58は、スライド方向が一方向性(往復を含
む、以下同じ)の場合であり、図57と図59は、全方
向の場合である。全方向の場合には、円形(図59)、
方形(図57)の場合がある。また、図57〜図59
は、包み込み合う関係のスライド部材同士の(内側のス
ライド部材4-iと、外側のスライド部材4-oの)間に、
中間滑り部6、またはローラー・ボール(ベアリング)
をもった中間滑り部6、またはローラー・ボール5-f、
5-eをもった保持器5-gが挿入されている場合である。 (3) 新引抜き防止装置・滑り支承 図63は、請求項14項〜請求項15項記載の発明の新
引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示している。上
記(2) 新引抜き防止装置・滑り支承の装置が、上下の
二組設けられた場合である。請求項14項の発明は、免
震される構造体1と免震される構造体を支持する構造体
2との間に設けられ、包み込み合う関係のスライド部材
からなるスライド装置が上下の二組あり、相互に繋がれ
ており、その上下それぞれのスライド装置において、内
側のスライド部材4-iが、水平方向にスライドできる余
地をもって外側のスライド部材4-oに包み込まれるよう
に構成され、かつ、前記上下二組のスライド装置のうち
の上の一組を、免震される構造体1に、下の一組を、免
震される構造体を支持する構造体2に設けることにより
構成される場合である。請求項15項の発明は、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
の間に設けられ、二重以上の包み込み合う関係のスライ
ド部材からなるスライド装置が、上下の二組あり、相互
に繋がれており、その上下それぞれのスライド装置にお
いて、一番内側のスライド部材4-iが、水平方向にスラ
イドできる余地をもって、すぐ外側のスライド部材4-o
i に包み込まれ、この二番目のスライド部材4-oi が、
水平方向にスライドできる余地をもって、さらにその外
側のスライド部材4-oに包み込まれる、という方法で順
次構成されており、かつ、前記上下二組のスライド装置
のうちの上の一組を、免震される構造体1に、下の一組
を、免震される構造体を支持する構造体に設けることに
より構成される場合である。また、図63は、包み込み
合う関係のスライド部材同士の(内側のスライド部材4
-iと、外側のスライド部材4-oの)間に、中間滑り部
6、またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中
間滑り部6、またはローラー・ボール5-f、5-eをもっ
た保持器5-gが挿入されている場合である。 (4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付き 図65〜図66は、請求項17項記載の発明の新引抜き
防止装置・滑り支承のバネ付きの実施例を示してい
る。上記新引抜き防止装置・滑り支承に復元バネが
付く場合であり、請求項12項、請求項13項、請求項
14項、請求項15項記載の免震装置・滑り支承におい
て、個々の内側のスライド部材4-iと外側のスライド部
材4-oとの間(図66)、もしくは、一番内側のスライ
ド部材4-iを支持する束材4-tと一番外側のスライド部
材4-oとの間(図65)に、コイルバネ(図65〜図6
6)、板バネ、螺旋板バネ、ゴム、磁石等25を設ける
ことにより復元力をもたせている。また、図65〜図6
6は、包み込み合う関係のスライド部材同士の(内側の
スライド部材4-iと、外側のスライド部材4-oの)間
に、中間滑り部6、またはローラー・ボール(ベアリン
グ)をもった中間滑り部6、またはローラー・ボール5
-f、5-eをもった保持器5-gが挿入されている場合であ
る。 2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 (1) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 図67〜図68は、請求項18項記載の発明の、引抜き
防止装置・滑り支承と重力復元型免震装置・滑り支承
(特許 1844024号では免震復元装置)との複合装置の実
施例を示しており、特許 1844024号の引抜き防止装置・
滑り支承と重力復元型免震装置・滑り支承との合体装置
である。つまり、長辺側面に横に細長く開口したスライ
ド孔を有する上部スライド部材4-aと下部スライド部材
4-bとが、互いに交差する方向に、双方のスライド孔に
係合してスライドできるように構成され、上部スライド
部材4-aと下部スライド部材4-bのうち一方に凹型滑り
面部をもつ免震皿3を有し、もう一方に当該免震皿3の
凹型滑り面部を滑走しうるローラー・ボール若しくは滑
り部5を有し、前記上部スライド部材4-aを免震される
構造体1に、下部スライド部材4-bを免震される構造体
を支持する構造体2に設けることにより構成される重力
復元型引抜き防止装置・滑り支承である。図67は、免
震皿3が下にある場合、図68は、免震皿3が上にある
場合である。 (2) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 図60〜図62、図64は、請求項16項記載の発明の
重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示
している。前記2.4.(2)新引抜き防止装置・滑り支承
の重力復元置型であり、請求項12項、請求項13項、
請求項14項、請求項15項記載の免震装置・滑り支承
において、包み込み合う関係のスライド部材4-i、4-o
のうち、外側のスライド部材4-oが、凹型滑り面部を持
ち、内側のスライド部材4-iが、その凹型滑り面部を滑
動できるように構成される場合である。図60は引抜き
及び重力復元機構が一重の場合、図61〜図62は二重
以上の場合である。図61〜図62のような、引抜き及
び重力復元機構が入れ子状の、二重以上の場合には、そ
の多重性に応じ、同じ地震振幅に対応できる装置の大き
さを小さくすることができる。図61は、凹型滑り面部
が円柱谷面等、一方向性(往復を含む、以下同じ)の凹
形状の場合であり、図60と図62は、凹型滑り面部
が、すり鉢、球面等、全方向性の凹形状の場合である。
全方向の場合には、円板(図62)、方形板(図60)
の場合がある。また、図60〜図62は、包み込み合う
関係のスライド部材同士の(内側のスライド部材4-i
と、外側のスライド部材4-oの)間に、中間滑り部6、
またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑
り部6、またはローラー・ボール5-f、5-eをもった保
持器5-gが挿入されている場合である。また、図64
は、請求項14項、また請求項15項記載の、新引抜き
防止装置・滑り支承の重力復元置型の、上下の二組設
けられた場合である。 (3) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承のバネ付
き 請求項17項記載の発明は、重力復元置型引抜き防止装
置・滑り支承のバネ付きの場合である。上記重力復元
置型引抜き防止装置・滑り支承に復元バネが付く場合
であり、請求項16項記載の免震装置・滑り支承におい
て、個々の内側のスライド部材4-iと外側のスライド部
材4-oとの間、もしくは、一番内側のスライド部材4-i
と一番外側のスライド部材4-oとの間に、コイルバネ、
板バネ、螺旋板バネ、ゴム、磁石等のバネ等25を設け
ることにより復元力をもたせている。バネ等の付く構成
は、前記2.4.(4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバ
ネ付きと同じである。 2.6. 引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置
・滑り支承振動時垂直変位吸収装置 2.6.1. バネ等付き部材での押さえ込み 図69〜図70は、請求項19項記載の発明の実施例を
示している。特許 1844024号での発明の引抜き防止装置
・滑り支承は、重力復元型免震装置・滑り支承と併用さ
れる場合に、重力復元型免震装置・滑り支承の振動時の
上下動を吸収するように、スライド孔の幅を他方のスラ
イド部材の厚みに上下動分の余裕を見たものにしている
が、風等により引抜き力が働いたときに、その余裕の空
隙のために、他方のスライド部材がスライド孔でぶつか
り衝撃が走る。そのため、請求項19項記載の発明は、
特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
スライド孔の両方または片方に、他方のスライド部材を
バネ等(バネ・ゴム・磁石等)で押さえ込むプレート等
の部材4-cを取付けることにより、その衝撃を防ぐよう
にしたものである。図69〜図70はともに、スライド
孔の片方に、他方のスライド部材をバネ等で押さえ込む
プレート等の部材4-cを取付けた場合である。図69
は、バネ等がコイルバネ4-sのとき、図70は、バネが
板バネ4-fs のときの場合である。 2.6.2. 重力復元型免震装置・滑り支承と同じ曲率付き 図7は、請求項20項記載の発明の実施例を示してい
る。特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支
承は、重力復元型免震装置・滑り支承と併用される場合
に、重力復元型免震装置・滑り支承の振動時の上下動を
吸収するように、スライド孔の幅を他方のスライド部材
の厚みに上下動分の余裕を見たものにしているが、風等
により引抜き力が働いたときに、その余裕の空隙のため
に、他方のスライド部材がスライド孔内でぶつかり衝撃
が走る。そのため、請求項20項記載の発明は、特許 1
844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の上部ス
ライド部材・下部スライド部材に、併用される重力復元
型免震装置・滑り支承の免震皿の曲率と同じ勾配をもた
せる構成により、重力復元型免震装置・滑り支承の水平
振動時の垂直変位を吸収するようにしたものである。つ
まり、免震装置によって免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2との間に設けられ、長辺側
面に横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライ
ド部材4-aと下部スライド部材4-bとが、互いに交差す
る方向に、双方のスライド孔に係合し、スライドできる
ようにされており、上部スライド部材・下部スライド部
材が、当該装置と併用される重力復元型免震装置・滑り
支承の免震皿の曲率と同じ勾配形状をもち、かつ、前記
上部スライド部材4-aが免震される構造体1に、下部ス
ライド部材4-bが免震される構造体を支持する構造体2
に設けられることにより構成される。 2.7. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 図18は、請求項21項記載の発明の実施例を示してお
り、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置の、上部
スライド部材4-aのスライド孔を挟む上部材と、下部ス
ライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材との間、下部
スライド部材4-bのスライド孔を挟む上部材と、上部ス
ライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材との間、上部
スライド部材4-aのスライド孔を挟む下部材と、下部ス
ライド部材4-bのスライド孔を挟む下部材との間に、中
間滑り部(すべり型)6が挟まれた実施例である。この
場合の個々の中間滑り部6は、円柱形をなしている。な
お、個々の中間滑り部6の滑り部上部(上面)6-uと滑
り部下部(下面)6-lとは、摩擦面として、摩擦抵抗が
小さくなるような処理がなされている。また、滑り面上
部6-u、滑り面下部6-lを円柱谷面状またはV字谷面状
等の凹型またその逆の凸型滑り面部とすることにより、
復元性能が得られる。 2.8. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 図19〜図20は、請求項22項記載の発明の実施例を
示しており、特許 1844024号での発明の引抜き防止装置
・滑り支承の、上部スライド部材・下部スライド部材間
に発生する摩擦係数を下げるために、上部スライド部材
・下部スライド部材間に、ローラーまたはボールからな
る転がり型中間滑り部を設けたものである。図19は、
上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bが接する
ように係合されており、各接触面について、上部または
下部どちらかのスライド部材にローラー(ベアリング)
5-fを設けたものである。また、同様に(上部スライド
部材4-aと下部スライド部材4-bの接する位置の、上部
または下部どちらかのスライド部材に)、ボール(ベア
リング)5-eを設けたものもある。なお、各接触面にお
いて、ローラー(ベアリング)5-f、ボール(ベアリン
グ)5-eの設置される位置(スライド部材)は、図とは
上下逆となる場合もある。図20は、上部スライド部材
4-aと下部スライド部材4-bとの接触面に、ローラー
(ベアリング)5-fを設けたものであり、上部スライド
部材4-a・下部スライド部材4-bの接触部分でローラー
5-f同士が接触する形を取っている。また、このローラ
ー(ベアリング)5-fは、(b)(c)断面図に表されている
ように、循環式転がり案内によって循環する形を取って
いる。特に、図20は、引抜き時にのみ摩擦を下げる機
構として、引抜き時に接触する下部スライド部材4-bの
上部材と上部スライド部材4-aの下部材の両方にローラ
ー(ベアリング)5-fを設けたものであり、相互のロー
ラー5-f同士が接触する形を取っている。また、圧縮時
において荷重を受けないように、上部スライド部材4-a
と下部スライド部材4-bが接触しないための隙間が設け
られている。そのため、この装置を使う免震機構では、
圧縮時の、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との摩擦は、他の免震装置(図78の二重免
震皿免震装置)で吸収される形をとる。また、当然、圧
縮時において荷重を受ける型、つまり、圧縮時において
上部スライド部材4-aと下部スライド部材4-bが接触
し、その摩擦を、上部スライド部材4-aと下部スライド
部材4-b相互のローラー(ベアリング)で受けるタイプ
のものもある。また、転がり型中間滑り部が転がる面を
円柱谷面状またはV字谷面状等の凹型またその逆の凸型
滑り面部とすることにより、復元性能が得られる。 2.9. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 図43〜図45、図52〜図54は、請求項23項記載
の発明の実施例を示している。特許 1844024号での発明
の引抜き防止装置・滑り支承の水平寸法を小さくするた
めに、上部スライド部材・下部スライド部材(4-a、4
-b)間に、長辺側面に横に開口したスライド孔を有する
中間部スライド部材4-mを設けたものである。そして、
上部スライド部材4-aと中間部スライド部材4-mとが、
中間部スライド部材4-mと下部スライド部材4-bとが、
互いに交差する方向に、双方のスライド孔に係合し、ス
ライドできるように構成されている。図43は、中間部
スライド部材4-mのスライド孔の仕切をなす中間材4-m
m があるものであり、図44は、中間材4-mm がないも
のである。図45は、図43の中間部スライド部材4-m
の中間材4-mm が、上部スライド部材・下部スライド部
材(4-a、4-b)の上下の免震皿(4-as、4-bs)と同
様の免震皿を形成するものである。図52〜図54は、
図43〜図45の引抜き防止装置・滑り支承に復元・減
衰バネ等25を設けて、復元・減衰バネ付き引抜き防止
装置・滑り支承としたものである。また同時に、この復
元・減衰バネ等25は、中間部スライド部材4-mを常に
定位置に戻すという効果をもつ。また、図43〜図4
5、図52〜図54において、上部スライド部材4-a、
中間部スライド部材4-m、下部スライド部材4-bの各ス
ライド部材が接する面に中間滑り部6、ローラー・ボー
ル(ベアリング)5-f、5-eを設置することが考えられ
る。さらに滑り面を円柱谷面状またはV字谷面状等の凹
型形状またその逆の凸型形状にすることにより、引抜き
防止装置付き復元すべり支承または転がり支承となる。
この装置は、後記4.二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承と同様に、スライド部材(4-a、4
-b、4-m)の水平寸法の大きさを、従来の引抜き防止装
置・滑り支承のほぼ半分に近い寸法にする。というの
は、中間部スライド部材4-mによって、上部スライド部
材・下部スライド部材(4-a、4-b)が地震時に互いに
ずれた際の寸法は、最大、上部スライド部材と下部スラ
イド部材(4-a、4-b)のスライド可能寸法分を足し合
わせた大きさまで可能となるためである。ただ、そのず
れる寸法は、挟み込まれる中間部スライド部材の幅の分
だけマイナスされる。その幅をQとし、地震の最大振幅
の半分をLとすると、上部スライド部材・下部スライド
部材の大きさは、それぞれL+Qでよくなる。一般的に
は、それに余裕をみた寸法か、それ以上の寸法とする。
一方、従来の引抜き防止装置・滑り支承で考えると、上
部スライド部材・下部スライド部材の大きさは、2×L
+Q’(Q’:上部スライド部材・下部スライド部材の
短辺方向の幅)となる。よって、一辺の大きさでほぼ半
分になり、従来の引抜き防止装置・滑り支承が大きく場
所を取るという問題が解決される。 2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 図46は、請求項24項〜請求項24−2項記載の発明
の実施例を示している。長辺側面に横に細長く開口した
スライド孔を有する上部スライド部材4-aと下部スライ
ド部材4-bとを、互いに交差する方向に、双方のスライ
ド孔に係合してスライドできるようにし、かつ上部スラ
イド部材4-aを構成する下部材4-al、下部スライド部
材4-bを構成する上部材4-bu のどちらかが、または両
方が、上部スライド部材・下部スライド部材(4-a、4
-b)に対して上下方向は拘束されながら水平方向だけに
スライドするように構成されたものである。そして、前
記上部スライド部材4-aを免震される構造体1に、下部
スライド部材4-bを免震される構造体を支持する構造体
2に設けることにより構成される。具体的には、下部材
4-alおよび上部材4-buのそれぞれには、引掛け部(ま
たは引掛かり部)が設けられており、この引掛け部(ま
たは引掛かり部)が、上部・下部スライド部材4-a、4
-bの対辺同士に設けられた引掛かり部(または引掛け
部)に掛り合うように構成される。なお、引掛け部、引
掛かり部に関して、引掛け部が凹の場合凸の場合も有
り、同様に引掛かり部が凹の場合凸の場合もあって、相
互に引掛け合って掛り合うようになっており、引掛け
部、引掛かり部のどちらかが能動に、他方が受け身にな
るが、引掛け部が能動になるとは限らない。同様に引掛
かり部が受け身になるとは限らない。以下同じである。
図46は、このうち、上部スライド部材4-aを構成する
下部材4-al 、下部スライド部材4-bを構成する上部材
4-bu の両方が、上部スライド部材4-a、下部スライド
部材4-bに対して上下方向は拘束されながら水平方向に
スライドするように構成したものである。具体的には、
上部スライド部材4-aを構成する下部材4-al、下部ス
ライド部材4-bを構成する上部材4-bu の両方が、それ
ぞれ上部スライド部材4-a、下部スライド部材4-bのス
ライド方向に掛かり合う形状によって、上下方向には繋
がって引抜き力に抵抗し、このスライド方向に掛かり合
う形状に沿って水平にのみスライドするように構成され
たものである。また、上部スライド部材4-aが上側免震
皿3-aを、下部スライド部材4-bが下側免震皿3-bを兼
ねている場合である。この発明の利点は、上側免震皿3
-aと下側免震皿3-bによって全体が覆われ、密閉性が得
られることであり、2.9.の引抜き防止装置・滑り支承の
改良と同様に、水平寸法を従来の引抜き防止装置・滑
り支承のほぼ半分に近くする。図55は、図46の引抜
き防止装置・滑り支承に、復元・減衰バネ等25を設け
て、復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承とす
るものである。また同時に、この復元・減衰バネ等25
は、スライドする部材を常に定位置に戻すという効果を
もつ。図51、図101は、請求項25項記載の発明の
実施例を示している。請求項24項、請求項24−2項
記載の発明の、上側免震皿3-a(上部スライド部材4-
a)と下側免震皿3-b(下部スライド部材4-b)との間
に、すべり型中間滑り部またはボール5-e等の転がり型
中間滑り部を設けることにより構成されている場合の実
施例である。また、4.2.1.3.1.中間滑り部(球面またす
り鉢状免震皿)の併用は、引抜き防止装置付き復元すべ
り支承または転がり支承となる。図101は、その場合
の実施例を示している。図49、図50、図93、図1
00は、請求項26項記載の発明の実施例を示してい
る。図49、図50は、図46の実施例の上部スライド
部材4-a下部材4-alと下部スライド部材4-bの上部材
4-bu の双方の上に、スライド孔4-alv、4-buvをあけ
て、すべり型中間滑り部6またはボール5-e等の転がり
型中間滑り部を入れたものである。また、上部スライド
部材4-aは上側免震皿3-aを、下部スライド部材4-bは
下側免震皿3-bを兼ねている。図49は、ボール5-e等
の転がり型中間滑り部が入る場合、図50は、すべり型
中間滑り部6が入る場合である。この場合、当該装置
は、すべり支承または転がり支承ともなり、引抜き防止
装置付きすべり支承または転がり支承ともなる。さら
に、スライド孔4-alvの孔形状として、ボール5-eの下
が出ながらこのボール5-eを下受けする形、スライド孔
4-buvの孔形状として、ボール5-eの頭が出ながらこの
ボール5-eを上受けする形をとり、上部スライド部材4
-aの下部材4-al、下部スライド部材4-bの上部材4-b
u が、引抜き時に互いに接することが無いようにするこ
とにより、引抜き力に抵抗しながら、下部材4-al、上
部材4-bu 双方の地震水平力による摩擦が軽減される。
また、上部スライド部材4-a(上側免震皿3-a)を構成
する下部材4-al 、下部スライド部材4-b(下部スライ
ド部材4-b)を構成する上部材4-bu の両方が、それぞ
れ上部スライド部材4-a・下部スライド部材4-bに対し
て上下方向は拘束されながら水平方向にスライドし、挟
まれたボール5-eにより、摩擦係数を下げている。ま
た、4.2.1.3.1.の、球面またすり鉢状免震皿の使用は、
引抜き防止装置付き復元すべり支承または転がり支承と
なる。図93、図100は、その発明の実施例を示して
おり、図93は、ボール等の転がり型中間滑り部が入る
転がり支承の場合、図100は、すべり型中間滑り部が
入るすべり支承の場合である。その場合、スライド孔4
-alv及びスライド孔4-buvの孔形状として、中間滑り部
が、球面またはすり鉢状免震皿の中央部から周辺部に移
動するに従って持ち上がる分、孔形状を大きくする必要
があるが、全体を大きくするとがたつきが発生するの
で、中間滑り部が持ち上がる分のみ、中央部から周辺部
にかけて孔形状の幅を大きくしていく必要がある。さら
に、請求項27項記載の発明の実施例を示す図94は、
上部スライド部材4-a(上側免震皿3-a)の下部材4-a
l (または下部スライド部材の上部材4-bu )の、スラ
イド孔4-alv(またはスライド孔4-buv)を挟んだ両側
を分離し、その分離された部材4-al1、4-al2、4-bu
1、4-bu2、の両端をボルト等39でピン状態に回転で
きるように固定し、力が働くと、両端がピン状態で回転
してたわみ、孔形状の幅が大きくなる工夫をしている。
下部スライド部材4-b(下側免震皿3-b)も同様に構成
される。このことにより、図93の装置に比べて、すべ
り型中間滑り部またはボール等の転がり型中間滑り部
が、周辺に行くに従い、スライド孔4-alv(またスライ
ド孔4-buv)の孔形状が、広がりやすくなることで対応
している。また、図46、図49、図93、図94の構
成において、図382(a)(b)のように上部スライド部材
4-aとその下部材4-al、また下部スライド部材4-bと
その上部材4-bu とが、スライドする接触点に、ボール
(ベアリング)5-e、ローラー(ベアリング)5-fを挟
み(図382(a)ではボール5-e)、摩擦係数を下げる
方法が考えられる((a)(b)共に図を上下逆にすると逆位
置の引掛かりの図となる)。 2.11. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 図47〜図48は、請求項28項〜請求項28−2項記
載の発明の実施例を示している。免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられ、長
辺側面に横に細長く開口したスライド孔を有する、上部
スライド部材と中間部スライド部材と下部スライド部材
とからなり、上部スライド部材4-aと中間部スライド部
材4-mとを、その中間部スライド部材4-mと下部スライ
ド部材4-bとを、それぞれ互いに交差する方向に、双方
のスライド孔に係合してスライドできるようにし、か
つ、上部スライド部材4-aを構成する下部材4-al 、下
部スライド部材4-bを構成する上部材4-bu のどちら
か、また両方が、上部スライド部材4-a・下部スライド
部材4-bに対して上下方向は拘束されながら水平方向に
スライドするように構成したものである。そして、前記
上部スライド部材4-aを免震される構造体1に、下部ス
ライド部材4-bを免震される構造体を支持する構造体2
に設けることにより構成される。具体的には、上部スラ
イド部材4-aを構成する下部材4-al 、下部スライド部
材4-bを構成する上部材4-bu のどちらか、また両方
が、上部・下部スライド部材4-a、4-bの対辺同士に設
けられた引掛け部または引掛かり部に掛り合うことによ
って、上部スライド部材4-a・下部スライド部材4-bに
対して上下方向は拘束されながら水平方向にスライドす
るようになる。図47〜図48は、このうち、上部スラ
イド部材4-aを構成する下部材4-al、下部スライド部
材4-bを構成する上部材4-buの両方が、上部スライド
部材4-a、下部スライド部材4-bに対して上下方向は拘
束されながら水平方向にスライドするように構成された
ものである。具体的には、上部スライド部材4-aを構成
する下部材4-al、下部スライド部材4-bを構成する上
部材4-bu の両方が、それぞれ上部スライド部材4-a、
下部スライド部材4-bのスライド方向に刻まれた溝によ
って、上下方向には繋がって引抜き力に抵抗し、このス
ライド方向に刻まれた溝に沿って水平にのみスライドす
るように構成されたものである。図47は、中間部スラ
イド部材4-mのスライド孔の仕切をなす中間材4-mm が
あるものであり、図48は、その中間材4-mm がないも
のである。この発明のメリットは、全体が覆われ、密閉
性が得られることであり、2.9.〜2.10. の引抜き防止装
置・滑り支承の改良と同様に、水平寸法を従来の引
抜き防止装置・滑り支承のほぼ半分に近くすることがで
きる。図56は、図47の引抜き防止装置・滑り支承
に、復元・減衰バネ等25を設けて、復元・減衰バネ付
き引抜き防止装置・滑り支承となるものである。当然、
図48にも、同様に、復元・減衰バネ等25を設けて、
復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・滑り支承とする事
が考えられる。また同時に、この復元・減衰バネ等25
は、スライドする部材を常に定位置に戻す効果をもつ。
また、図47、図48、図56において、上部スライド
部材4-a・中間部スライド部材4-m・下部スライド部材
4-bの各スライド部材が接する面に、中間滑り部6、ロ
ーラー・ボール(ベアリング)5-f、5-eを設置するこ
とが考えられる。さらに、円柱谷面状またはV字谷面状
等の凹型またその逆の凸型滑り面部の使用により、引抜
き防止装置付き復元すべり支承または転がり支承とな
る。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 請求項29項〜請求項32−2項は、免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体との間に設けら
れ、上側・下側の両免震皿(3-a、3-b)が、(平行す
る対辺同士で)上下繋ぎスライド部材3-sによって上下
方向に相互に繋がれ、よって上下方向の引抜き力に抵抗
する発明である。請求項29項、請求項29−2項は、
上側免震皿に対して上下方向は拘束されながら水平方向
にスライドし、下側免震皿に対して上下方向は拘束され
ながら水平方向にスライドするように構成された上下繋
ぎスライド部材により、上側免震皿と下側免震皿とは上
下方向には繋がれ、水平方向にはスライド可能なように
構成され、かつ、前記上側免震皿を免震される構造体
に、下側免震皿を免震される構造体を支持する構造体に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
装置・滑り支承の発明である。請求項29−2項は、引
掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライド
部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)のスライド
方向に設けられた引掛かり部(または引掛け部)と掛か
り合うことにより、上側免震皿と下側免震皿とは上下方
向には繋がれ、水平方向にはスライド可能なように構成
され、かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下
側免震皿を免震される構造体を支持する構造体に設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震装置・
滑り支承、またそれによる免震構造体の発明である。上
下繋ぎスライド部材と免震皿とが繋がれる位置は、免震
皿の平行する対辺同士(外ガイド型)、もしくは免震皿
の滑り面部(内ガイド型)、またはその両方のいずれで
も良い(外ガイド型、内ガイド型の説明は 10.1.1.参
照、ガイド部を上下繋ぎスライド部と考えれば同じ)。
請求項29−3項は内型上下繋ぎスライド部材の発明で
あり、引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎ
スライド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に
設けられた引掛かり部(または引掛け部)に対し、内側
から掛かり合う(入り込む)ことによって構成される。
請求項29−4項は外型上下繋ぎスライド部材の発明で
あり、引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎ
スライド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に
設けられた引掛かり部(または引掛け部)に対し、外側
から掛かり合う(入り込む)ことによって構成される。
請求項30項は、請求項29項から請求項29−4項記
載の免震装置・滑り支承において、上側免震皿に対して
のスライド方向と、下側免震皿に対してのスライド方向
とは、直角をなすように構成された上下繋ぎスライド部
材であることを特徴とする免震装置・滑り支承の発明で
ある。請求項31項は、請求項29項から請求項30項
記載の免震装置・滑り支承において、上下繋ぎスライド
部材の中央部に、免震皿上を自由にボール5-eもしくは
ローラー5-f等の転動体が転がるか、または中間すべり
部6がすべるかする大きさの孔が開けられ、ボール5-e
もしくはローラー5-f等の転動体または中間すべり部6
が入っていることにより構成されてなることを特徴とす
る免震装置・滑り支承の発明である。なお、上下繋ぎス
ライド部材の中央部に入れる物体は、ボール、ローラー
以外の転動体でもよい。請求項32項は、請求項31項
記載の免震装置・滑り支承において、上側免震皿、下側
免震皿は、すり鉢状・球面状または円柱谷面状・V字谷
面状等の凹型滑り面部を有する免震皿であることを特徴
とする免震装置・滑り支承の発明である。上側免震皿、
下側免震皿の少なくともどちらか一方(勿論両方でもよ
い)を凹型のすべり面部とすることで、復元機能が得ら
れる。滑り面部を凹型とするのは、免震装置に復元機能
を持たせるためである。従って本発明における凹型滑り
面部とは、免震装置に復元機能を持たせ得るものであれ
ばどのようなものでも良く、形状としては球状、すり鉢
状、円柱谷面状、V字谷面状、多角形状、球状とすり鉢
状を組合せたもの、若しくは、円柱谷面とV字谷面を組
合せたもの等の滑り面部を用いることができる。以上の
構成から分かるように、上下繋ぎスライド部材3-sの構
成は、2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良の下部
材4-al、上部材4-buを一体にしたようなものである。
上下繋ぎスライド部材3-sは、内型上下繋ぎスライド部
材3-s型と外型上下繋ぎスライド部材3-s型の2つに分
かれる。外型上下繋ぎスライド部材3-s型の方が寸法を
小さくすることができる。以上の構成により、2.10.
(すり鉢・球面支承型除く)及び 2.11.では、上部スラ
イド部材を構成する下部材、下部スライド部材を構成す
る上部材、または中間部スライド部材が自然に元の位置
に戻らない問題も、上下繋ぎスライド部材3-sが元の位
置に戻るに従って自然に元の位置に戻るので解決され
る。さらに、上側下側免震皿(3-a、3-b)にすり鉢、
球面等の凹型滑り面部を使用し、ボール5-e(ベアリン
グ)を挟み込めば、免震機能と復元機能と引抜き防止機
能を合せ持たせることが可能となる。また、2.10. 引抜
き防止装置・滑り支承の改良の図49のような下部材
4-al、上部材4-buによるボール5-e(ベアリング)の
拘束も無くなり、免震性能を上げられる。以下に実施例
を説明する。 (1) 内型上下繋ぎスライド部材3-s型 図394〜図395は、請求項29項〜請求項30項の
実施例であり、平面型の滑り面部を有する免震皿(3-
a、3-b)同士が上下繋ぎスライド部材3-sのすべりに
よってスライドする場合(平面すべり型)である。そし
て、免震皿(3-a、3-b)が、平行する対辺同士で、上
下繋ぎスライド部材3-sによって相互に繋がれ、上下方
向の引抜き力に抵抗する。実施図では、上下繋ぎスライ
ド部材3-sの中央部に孔が開いているが、孔はなくても
よい。図399〜図400は、請求項31項の実施例で
あり、平面型の滑り面部を有する免震皿(3-a、3-b)
同士がボール5-e(ベアリング)の転がりによってスラ
イドする場合(平面転がり型)である。免震皿(3-a、
3-b)が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材
3-sによって相互に繋がれ、上下方向の引抜き力に抵抗
し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中央部に孔が開い
ており、そこにボール5-e(ベアリング)が入り、この
ボール5-e(ベアリング)の転がりによって平面型の滑
り面部を有する免震皿(3-a、3-b)同士がスライドす
る。図404〜図405は、請求項31項の別の実施例
であり、平面型の滑り面部を有する免震皿(3-a、3-
b)同士が中間滑り部6のすべりによってスライドする
場合(中間滑り部持ち平面すべり型)である。免震皿
(3-a、3-b)が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスラ
イド部材3-sによって相互に繋がれ、上下方向の引抜き
力に抵抗し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中央部に
孔が開いており、そこに中間滑り部6が入り、この中間
滑り部6のすべりによって平面型の滑り面部を有する免
震皿(3-a、3-b)同士がスライドする。つまり図39
9〜図400におけるボール5−e(ベアリング)に代
えて中間滑り部6を使用したものである。図409〜図
410は、請求項32項の発明(上側免震皿、下側免震
皿が、すり鉢状・球面状または円柱谷面状・V字谷面状
等の凹型滑り面部である免震装置・滑り支承)のうち、
すり鉢、球面等の凹型滑り面部を有する免震皿(3-a、
3-b)同士がボール5-e(ベアリング)の転がりによっ
てスライドする場合(凹面転がり型)の実施例である。
免震皿(3-a、3-b)が、平行する対辺同士で、上下繋
ぎスライド部材3-sによって相互に繋がれ、上下方向の
引抜き力に抵抗し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中
央部に孔が開いており、そこにボール5-e(ベアリン
グ)が入り、このボール5-e(ベアリング)の転がりに
よってすり鉢または球面等の凹型滑り面部を有する免震
皿(3-a、3-b)同士がスライドする。図414〜図4
15は、請求項32項の発明(上側免震皿、下側免震皿
が、すり鉢状・球面状または円柱谷面状・V字谷面状等
の凹型滑り面部である免震装置・滑り支承)のうち、す
り鉢、球面等の凹型滑り面部を有する免震皿(3-a、3
-b)同士が中間滑り部6のすべりによってスライドする
場合(凹面すべり型)の実施例である。免震皿(3-a、
3-b)が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材
3-sによって相互に繋がれ、上下方向の引抜き力に抵抗
し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中央部に孔が開い
ており、そこに中間滑り部6が入り、この中間滑り部6
のすべりによってすり鉢または球面等の凹型滑り面部を
有する免震皿(3-a、3-b)同士がスライドする。つま
り図409〜図410におけるボール5−e(ベアリン
グ)にかえて、中間滑り部6を使用したものである。ま
た、ここに挙げたローラー、ボール以外の転動体を使用
した実施例、または他の凹型滑り面部を使用した実施例
も考えられる。 (2) 外型上下繋ぎスライド部材3-s型 図396〜図398は、請求項29項〜請求項30項の
実施例であり、平面型の滑り面部を有する免震皿(3-
a、3-b)同士がすべりによってスライドする場合(平
面すべり型)である。そして、免震皿(3-a、3-b)
が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材3-sに
よって相互に繋がれ、上下方向の引抜き力に抵抗する。
図401〜図403は、請求項31項の実施例であり、
平面型の滑り面部を有する免震皿(3-a、3-b)同士が
ボール5-e(ベアリング)の転がりによってスライドす
る場合(平面転がり型)である。免震皿(3-a、3-b)
が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材3-sに
よって相互に繋がれ、上下方向の引抜き力に抵抗し、こ
の上下繋ぎスライド部材3-sの中央部に孔が開いてお
り、そこにボール5-e(ベアリング)が入り、このボー
ル5-e(ベアリング)の転がりによって平面型の滑り面
部を有する免震皿(3-a、3-b)同士がスライドする。
図406〜図408は、請求項31項の実施例であり、
平面型の滑り面部を有する免震皿(3-a、3-b)同士が
中間滑り部6のすべりによってスライドする場合(中間
滑り部持ち平面すべり型)である。免震皿(3-a、3-
b)が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材3-
sによって相互に繋がれ、上下方向の引抜き力に抵抗
し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中央部に孔が開い
ており、そこに中間滑り部6が入り、この中間滑り部6
のすべりによって平面型の滑り面部を有する免震皿(3
-a、3-b)同士がスライドする。つまり図401〜図4
03におけるボール5−e(ベアリング)に代えて中間
滑り部6を使用したものである。図411〜図413
は、請求項32項の発明(上側免震皿、下側免震皿が、
すり鉢状・球面状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹
型滑り面部である免震装置・滑り支承)のうち、すり
鉢、球面等の凹型滑り面部を有する免震皿(3-a、3-
b)同士がボール5-e(ベアリング)の転がりによって
スライドする場合(凹面転がり型)の実施例である。免
震皿(3-a、3-b)が、平行する対辺同士で、上下繋ぎ
スライド部材3-sによって相互に繋がれ、上下方向の引
抜き力に抵抗し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中央
部に孔が開いており、そこにボール5-e(ベアリング)
が入り、このボール5-e(ベアリング)の転がりによっ
てすり鉢または球面等の凹型滑り面部を有する免震皿
(3-a、3-b)同士がスライドする。図416〜図41
8は、請求項32項の発明(上側免震皿、下側免震皿
が、すり鉢状・球面状または円柱谷面状・V字谷面状等
の凹型滑り面部である免震装置・滑り支承)のうち、す
り鉢、球面等の凹型滑り面部を有する免震皿(3-a、3
-b)同士が中間滑り部6のすべりによってスライドする
場合(凹面すべり型)の実施例である。免震皿(3-a、
3-b)が、平行する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材
3-sによって相互に繋がれ、上下方向の引抜き力に抵抗
し、この上下繋ぎスライド部材3-sの中央部に孔が開い
ており、そこに中間滑り部6が入り、この中間滑り部6
のすべりによってすり鉢または球面等の凹型滑り面部を
有する免震皿(3-a、3-b)同士がスライドする。つま
り図411〜図413におけるボール5-e(ベアリン
グ)にかえて、中間滑り部6を使用したものである。 (3) 内型・外型上下繋ぎ組合せスライド部材3-s型 また、内型上下繋ぎと外型上下繋ぎの組合せスライド部
材型もある。この型として具体的には、上側免震皿と上
下繋ぎスライド部材とは、(1)内型上下繋ぎスライド部
材3-s型であり、下側免震皿と上下繋ぎスライド部材と
は、(2)外型上下繋ぎスライド部材3-s型である場合、
上側免震皿と上下繋ぎスライド部材とは、(2)外型上下
繋ぎスライド部材3-s型であり、下側免震皿と上下繋ぎ
スライド部材とは、(1)内型上下繋ぎスライド部材3-s
型である場合等がある。以上、(1)(2)(3)の免震皿(3-
a、3-b)と上下繋ぎスライド部材3-sとの摩擦係数を
下げる方法として、図381のように、免震皿との間に
ボール(ベアリング)5-e、ローラー(ベアリング)5
-fを挟むことが考えられる。図382は、上下繋ぎスラ
イド部材3-sに、ローラー・ボール(ベアリング)5-
f、5-eを設けて(図382ではボール5-e)、転がり
により、側面の摩擦抵抗を少なくした場合である。共に
図を上下逆にすると逆位置での引掛かりの図となる。図
384は、上下繋ぎスライド部材3-sに、L型の保持器
5-gをもったローラー5-fを設けて、転がりにより、側
面、上面の摩擦抵抗を少なくした場合である。図385
は、図411〜図413の上下繋ぎスライド部材3-s
に、L型の保持器5-gをもったローラー5-fを設けて、
転がりにより、側面、上面の摩擦抵抗を少なくした場合
である。図384、図385の支承ともに、上面の摩擦
抵抗の軽減は、地震時の支承への引抜発生時にその摩擦
抵抗を下げる効果をもつ。また、上面の摩擦抵抗の軽減
は、地震時の引抜発生によって生じる捩れ発生を抑える
効果を持つ。また、側面の摩擦抵抗の軽減は、この支承
による捩れ回転抑制時(10.回転・捩れ防止装置参
照)に働く摩擦抵抗を下げ、免震性能を高める効果をも
つ。請求項32−2項は、この側面低摩擦材・ベアリン
グ付きの発明である。なお、ここに挙げたローラー、ボ
ール以外の転動体を使用した実施例、または他の凹型滑
り面部を使用した実施例も考えられる。さらに、4.1.2.
及び 4.3.と同様に、重層免震皿も可能になる。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化 図71〜図72は、請求項33項記載の発明の実施例を
示している。平面型もしくは凹型の滑り面部を有する免
震皿と滑り部からなる免震装置・滑り支承において、ま
たは、下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する
上部免震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を
有する下部免震皿とで構成された上部免震皿と下部免震
皿との間に中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリ
ング)をもった中間滑り部またはローラー・ボールがは
さみこまれた免震装置・滑り支承において、または、前
記上部免震皿と前記下部免震皿の中間に上面下面ともに
滑り面部をもった1個若しくは複数個の中間免震皿も挟
み込まれ、重なる免震皿同士の間に中間滑り部またはロ
ーラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部また
はローラー・ボール(以上、「中間滑り部等」と言う)
がはさみこまれた免震装置・滑り支承において、免震皿
中心部の摩擦係数は小さく、免震皿周辺部の摩擦係数は
大きい免震皿をもつことによって構成される。免震皿の
中心部の摩擦係数を小さくすることは、免震感度を上げ
ることになる。つまり滑り部等が最初に滑動を開始する
地震力の大きさを小さくすることにより、免震感度を上
げることができる。また、周辺部の摩擦係数を大きくす
ることは 地震による振幅の抑制につながる。よって実
施例は3つに分かれる 1) 免震皿の中心部の摩擦係数を小さくする。 2) 免震皿の周辺部の摩擦係数を大きくする。 3) 免震皿の中心部の摩擦係数を小さくし、かつ免震皿
の周辺部の摩擦係数を大きくする。 3) に関しては、免震皿3の中心部の摩擦係数を小さく
して、免震皿の周辺部に行くに従い、徐々に、または段
階的に、摩擦係数を大きくする方法もある。図71は、
平面型滑り面部を有する免震皿3の場合、図72は、凹
型滑り面部を有する免震皿3の場合で、同心円状に、摩
擦係数が中心部から周辺部に向かって大きくなっている
実施例である。摩擦係数を大きくしていく割合は、一定
の割合で増えていく比例的な場合、二乗またn乗に比例
的な場合、等差数列的な場合、等比数列的な場合、また
特殊な関数の場合もある。ここで、上側免震皿と上部免
震皿、下側免震皿と下部免震皿との用語の違いについて
説明しておく。免震皿が3枚の時には、上部免震皿と中
間免震皿と下部免震皿とによって構成される。中間免震
皿は下側免震皿と上側免震皿とを兼ね、上部免震皿との
関係では下側免震皿となり(上部免震皿は上側免震皿と
なり)、下部免震皿との関係では上側免震皿となる(下
部免震皿は下側免震皿となる)。なお、上部(側)免震皿
とは、上部免震皿、上側免震皿を表す。下部(側)免震皿
も同様である。また、上側(部)免震皿とは、上側免震
皿、上部免震皿を表す。下側(部)免震皿も同様である。 3.2. 曲率の変化 請求項34項記載の発明は、凹型の滑り面部を有する免
震皿と滑り部からなる免震装置・滑り支承において、ま
たは、下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する
上部免震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を
有する下部免震皿との間に中間滑り部またはローラー・
ボール(ベアリング)をもった中間滑り部またはローラ
ー・ボールがはさみこまれた免震装置・滑り支承におい
て、且つ上部免震皿、下部免震皿の一方にまたは両方に
凹型の滑り面部を有する場合において、または、前記上
部免震皿と前記下部免震皿の中間に上面下面ともに滑り
面部をもった1個若しくは複数個の中間免震皿も挟み込
まれ、重なる免震皿同士の間に中間滑り部またはローラ
ー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部またはロ
ーラー・ボール(以上、「中間滑り部等」と言う)がは
さみこまれた免震装置・滑り支承において、免震皿の中
心部の曲率半径を大きくし、また周辺部の曲率半径を小
さくするか、または、中心部から周辺に向かって、曲率
半径を小さくして急勾配にすることにより、地震時の滑
り部等の振幅を抑制するものである。また曲率を変化さ
せることにより、地震周期と共振を起こさないという効
果をも合わせ持つ。免震皿の形状は、全方向性の球面等
の凹面もあり、一方向性(往復を含む、以下同じ)の円
柱谷面等の凹面もある。曲率の変化の割合は、段階的に
変化させる場合、一定の割合で変化させる場合(単純比
例の場合、(免震皿の中心からの距離に対して高さが)
二乗またはn乗に比例する場合、等差数列の場合、等比
数列の場合、また特殊な関数の場合)もある。特に、n
乗に比例する場合、n=0.7〜2が効果がある。以下に
免震皿の滑り面部の勾配に関する式をあげる。 Z=p・X^n ただし X : 免震皿の中央部からの水平変位 Z : 免震皿が構成する曲面上で、水平変位Xに伴い生
じる鉛直変位 p、n : 曲面の方程式の係数 請求項34−2項は、その発明である。 3.3. 摩擦係数の変化と曲面率の変化 さらに、免震皿の、3.1.の摩擦係数の変化と、3.2.の曲
率の変化とを両方用いて、滑り免震装置・滑り支承のダ
ンパー機能の向上及び初滑動の向上を図る方法もある。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承 図73〜図109は、請求項35項〜請求項36項記載
の発明の二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承の実施例を示している。この二重(または二重以
上の)免震皿免震装置・滑り支承は、以下によって構成
される(今まで説明の、滑り部と免震皿の構成の免震装
置・滑り支承を「一重免震皿免震装置・滑り支承」と言
う)。下向きの平面または凹面で形成された滑り面部
(平面型滑り面部または凹型滑り面部)をもつ上部免震
皿3-aと、上向きの平面または凹面で形成された滑り面
部(平面型滑り面部または凹型滑り面部)をもつ下部免
震皿3-bとが、上下に重なる。また、この上部免震皿3
-aと下部免震皿3-bの中間に、上面下面ともに滑り面部
をもった、1個若しくは複数個の中間免震皿3-mも挟み
込まれる場合もあり、二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承を構成する。そして、上部免震皿3
-aを免震される構造体1に取付け、下部免震皿3-bを免
震される構造体1を支持する構造体2に取付ける。図7
3〜図77は、中間滑り部6を持たない場合であり、図
78〜図109は、中間滑り部6またはローラー・ボー
ル(ベアリング)をもった中間滑り部6(=保持器5-
g)を持つ場合である。図73(a)〜(d) は、二重免震皿
(上部免震皿3-a、下部免震皿3-b)の場合、図74
(a)〜(b) は、三重免震皿(上部免震皿3-a、中間免震
皿3-m、下部免震皿3-b)の場合であり、さらに四重以
上免震皿の場合も考えられる。層数を重ねるほうが、免
震性能は増すと考えられる。なお、図73(c)(d)は、特
許 1844024号における免震復元装置との大きさの比較図
であり、(c)は特許 1844024号での免震復元装置、(d)
は、二重免震皿による免震装置・滑り支承の場合であ
る。二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支
承の構成について説明する。まず、免震皿の大きさの一
辺は、地震による最大振幅(地震による免震皿上での最
大応答振幅)を免震皿枚数分で割った寸法(例えば、二
重免震皿の場合は地震の最大振幅の半分の寸法)でほぼ
よい。というのは、同じ大きさの免震皿の二重以上の構
成を取るために、地震時に免震皿同士が互いがずれたと
きに、その接触点で、免震される構造体1の垂直荷重が
伝達できる最小限の面積が得られれば良く、その最小限
の面積をQの二乗とすると、正方形の場合で考えると、
一辺はQでよくなる。地震の最大振幅を免震皿枚数分で
割った寸法をL/免震皿枚数とすると、二重以上免震皿
の場合、上下の免震皿が相互にずれるので、正方形の場
合で考えると、免震皿の一辺の大きさは、L/免震皿枚
数+Qでよいことになる。一般的には、それに余裕をみ
た寸法か、それ以上の寸法とする。二重免震皿の場合
は、図73(d)の通りである。一方、特許 1844024号で
の免震復元装置(重力復元型免震装置・滑り支承)で
は、正方形の場合で考えると、免震皿の一辺の長さは、
L+Qとなる(Qは滑り部5の幅)。図73(c)の通り
である。よって、特許 1844024号での免震復元装置に比
べ、二重(以上)免震皿による免震装置の免震皿の大き
さは、一辺の長さでほぼ、1/免震皿枚数分になり、面
積でほぼ1/免震皿枚数分の二乗になる。また免震皿に
使われる材料の効率の点からも、すべての免震皿を合わ
せた面積は、ほぼ1/免震皿枚数分になる(二重免震皿
の場合は、一辺の大きさで、ほぼ1/2になり、面積
で、ほぼ1/4になり、また免震皿を上下合わせても、
ほぼ1/2の面積になる)。次に、免震皿の形状を円形
で考えた場合も、地震時にお互いがずれた二重皿の接触
点の、免震される構造体の垂直荷重が伝達できる必要最
小限の面積からの寸法が変わるのみで、ほぼ同じであ
る。また、免震皿の形状に関しては、以上のように、正
方形、円形でも、四角形、多角形、また楕円等の曲線に
より形成された形でもよい。これは、免震皿の大きさが
大きくて場所を取るという問題を解決する。また、この
事により、同じ大きさの免震皿の重層で良くなる。同じ
大きさの免震皿の重層であることは、特許 1844024号で
の免震復元装置(重力復元型免震装置・滑り支承)の、
密閉性のないことによって、塵埃等がたまり、錆びて、
装置の滑り支承の摩擦が悪くなるという問題をも解決す
る。つまり、密閉、それも完全密閉が可能になるからで
ある。免震皿の大きさと密閉性に関しての長所は、平面
型滑り面部を有する免震皿であっても、凹型滑り面部を
有する免震皿であっても同じである。密閉性に関してさ
らに説明すると、免震皿が平面型滑り面部同士の場合に
は、問題がないことは言うまでもないが、凹型滑り面部
同士の場合でも同様である。つまり、後述の中間滑り部
6の高さ寸法を、同じ大きさの二重の凹型形状免震皿が
完全に重なった時に、隙間ができない大きさに設定する
事により密閉性が得られるわけである。さらに、免震皿
のほぼ中央部に潤滑油の出る孔を設けて、潤滑油がしみ
出すようにするという工夫も考えられる。また、免震皿
にグリース・固形の潤滑油をためるための窪みを設ける
ことも考えられる。これは下側免震皿3-bだけでも、上
部側免震皿3-aだけでも良く、上下側免震皿(3-a、3
-b)の両方でもよい。グリース・固形の潤滑油をためる
窪みは、一箇所でもまた数箇所でもよい。一箇所の場合
その位置は、ほぼ中央が良く、数箇所の場合は分散させ
て配置することも可能となる。また、その窪みに潤滑油
をしみださせるための管を設けて、その管に潤滑油を送
る装置を結合する場合もある。 4.1.2. 引抜き防止付き三重(また三重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 図340〜図381、図382、図384、図385
は、請求項37項〜請求項38−3項記載の発明の引抜
き防止付き三重(また三重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承の実施例である。請求項37項、請求項37−2
項は、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿からなる三
重免震皿免震装置・滑り支承において、上下繋ぎスライ
ド部材・部分によって(具体的には、上下繋ぎスライド
部材・部分の引掛け部(または引掛かり部)が免震皿の
引掛かり部(または引掛け部)に嵌まり込むことによっ
て、または、上下繋ぎスライド部材・部分の引掛かり部
(または引掛け部)が免震皿の引掛け部(または引掛か
り部)に嵌まり込むことによって、以下同様)上部免震
皿と中間免震皿とを(平行する対辺同士で)繋ぎ、それ
と交差方向に(平行する対辺同士で)上下繋ぎスライド
部材・部分によって中間免震皿と下部免震皿とを繋ぐこ
とにより、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とを相
互に連結させ、上部免震皿を免震される構造体1に取付
け、下部免震皿を免震される構造体1を支持する構造体
2に取付けることにより構成される場合である。中間免
震皿が複数個ある場合も同様であり、請求項38項、請
求項38−2項、請求項38−3項は、上下繋ぎスライ
ド部材・部分によって(平行する対辺同士で)その中間
免震皿を相互につなぎ、さらに、それと交差方向(の平
行する対辺同士)で上下繋ぎスライド部材・部分によっ
て次の中間免震皿とを相互につなぎ、順次、交差方向に
(平行する対辺同士で)上下繋ぎスライド部材・部分に
よって次の中間免震皿とを連結してゆくことによって構
成される場合である。上下繋ぎスライド部材・部分と免
震皿とが繋がれる位置は、免震皿の平行する対辺同士
(外ガイド型)、もしくは免震皿の滑り面部(内ガイド
型)、またはその両方のいずれでも良い(外ガイド型、
内ガイド型の説明は 10.1.1.参照、ガイド部を上下繋
ぎスライド部と考えれば同じ)。さらに、以上の構成に
加えて、各免震皿の間に、ローラー(ベアリング)、ボ
ール(ベアリング)を挟み込むことにより構成する場合
もある。交差方向の角度に関しては、それぞれがなす交
差角は全体交差数の180度の等分割がよいが、それよ
りずれてもよい。また、上下繋ぎスライド部材・部分自
体は、免震皿の一辺より大きい場合もある。その方が、
ずれに対応できるからである。なお、ここでの上下繋ぎ
スライド部材・部分は、スライド方向にのみ移動可能
で、垂直方向には抗する機能(垂直方向には繋ぎ留める
機能)をもった部材である。ここで、上下繋ぎスライド
部材と上下繋ぎスライド部分の違いについて説明してお
くと、 上下繋ぎスライド部材も上下繋ぎスライド部分
も共に、基本的に同じ機能(免震皿、スライド部材の上
下方向への移動を拘束し、水平方向へのスライドのみを
許容する)のものであるが、単独で成立している場合に
は、上下繋ぎスライド部材であり、他の部材(免震皿も
しくはスライド部材)に従属(他の部材と一体化)して
いる場合には上下繋ぎスライド部分となる。また、免震
皿の形状に関しては、以下説明されるような正方形、正
多角形、円形でもよいが、四角形、多角形、また楕円等
の曲線により形成された形でもよい。以下、具体的に説
明する。 (1) 交差2平行(直交2平行)上下繋ぎ 図340〜図343は、上部免震皿3-aと中間免震皿3
-mと下部免震皿3-bによる引抜き防止付き三重免震皿免
震装置・滑り支承の実施例である。この実施例では、免
震皿は正方形である。上部免震皿3-aと中間免震皿3-m
とを、上下繋ぎスライド部材・部分3-sによって平行す
る対辺同士で繋ぎ、それと交差(直交する)方向に、中
間免震皿3-mと下部免震皿3-bとを、上下繋ぎスライド
部材・部分3-sによって平行する対辺同士で繋ぐことに
より、上部免震皿3-aと中間免震皿3-mと下部免震皿3
-bとが相互に連結し、引抜き力に抗することができる。
なお、図340〜図343、図344〜図347のう
ち、図341、図345はすべり面同士で接触している
場合、図342、図346はローラー(ベアリング)5
-fが設けられている場合、図343、図347はボール
(ベアリング)5-eが設けられている場合の実施例であ
る。また、図340〜図343は上下繋ぎスライド部材
3-sによる場合、図344〜図347は上下繋ぎスライ
ド部分3-sによる場合である。図342、図346場合
は、スライド方向と直角にローラー(ベアリング)5-f
が設けられている。図343、図347のボール(ベア
リング)5-eの場合も同様であるが、ローラー5-f・ボ
ール5-eは、移動してもはみ出さないように、免震皿の
全面にではなく、中心位置に部分的に設けられる場合も
ある。また、その設置される範囲の大きさは、免震され
る構造体の荷重が支持できるものである。また、ローラ
ー・ボール(ベアリング)が免震皿の全面に設けられる
場合には、保持器5-gは、下の免震皿からせり出して
も、ローラー・ボールが落ちない形式のものである。ま
た、循環式転がり案内によって循環する形を取る事も考
えられる。また、以上の構成は、上下繋ぎスライド部材
・部分3-s無しで重ねられる場合もあり(スライド方向
にガイドだけが付いている場合もあり)、その場合でも
ローラー(ベアリング)、ボール(ベアリング)の構成
は同じである。 (2) 交差3平行上下繋ぎ 図353〜図355、図356〜図358は、上部免震
皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(そ
の2)3-m2 と下部免震皿3-bによる四重免震皿免震装
置・滑り支承の実施例である。この実施例では、免震皿
は正六角形である。また、図353〜図355は上下繋
ぎスライド部材3-sによる場合、図356〜図358は
上下繋ぎスライド部分3-sによる場合である。上部免震
皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 とを平行する対辺
同士で、上下繋ぎスライド部材・部分3-sによって繋
ぎ、それと交差方向(六角形の一つの角の角度、例えば
60度ずらした方向)に中間免震皿(その1)3-m1 と中
間免震皿(その2)3-m2 とを平行する対辺同士で上下
繋ぎスライド部材・部分3-sによって繋ぎ、さらに、そ
れと交差方向(六角形の一つの角の角度、例えば60度ず
らした方向)に中間免震皿(その2)3-m2 と下部免震
皿3-bとを、上下繋ぎスライド部材・部分3-sによって
平行する対辺同士で繋ぐことにより、上部免震皿3-aと
中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3
-m2 と下部免震皿3-bとが相互に連結して、引抜き力に
抗することができる。なお、この実施例は、上部免震皿
3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その
2)3-m2 と下部免震皿3-bとを相互に繋ぐ、上下の上
下繋ぎスライド部材・部分同士を順に60度ずらして連
結させた場合だが、上下繋ぎスライド部材・部分の方向
が重複しなければ、平行する対辺同士の連結順番は問わ
ない。その角度も、180度の3等分割が望ましいが、
単に3分割でもよい。なお、図353〜図355のう
ち、図354はすべり面同士で接触している場合の、図
355はローラー・ボール(ベアリング)5-e・5-fが
設けられている場合の実施例である。ここで、ローラー
(ベアリング)5-fの場合には、スライド方向と直角
に、ローラー(ベアリング)が設けられる。ボール(ベ
アリング)も同様であるが、ローラー(ベアリング)5
-fは、移動してもはみ出さないように、免震皿の全面に
ではなく、中心位置に部分的に設けられる場合もある。
また、その設置される範囲の大きさは、免震される構造
体の荷重が支持できるものである。また、ローラー・ボ
ール(ベアリング)が免震皿の全面に設けられる場合に
は、保持器5-gは、下の免震皿からせり出しても、ロー
ラー・ボールが落ちない形式のものである。また、循環
式転がり案内によって循環する形を取る事も考えられ
る。また、以上の構成は、上下繋ぎスライド部材・部分
3-s無しで重ねられる場合もあり(スライド方向にガイ
ドだけが付いている場合もあり)、その場合でもローラ
ー(ベアリング)、ボール(ベアリング)の構成は同じ
である。 (3) 交差4平行上下繋ぎ (2) の方法で、同様に、正八角形の上部免震皿3-aと中
間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m
2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿3-bによ
る五重免震皿免震装置・滑り支承が構成される。しか
し、正八角形では、一辺が短くなりすぎるので、図36
4〜図366の実施例では、正方形状の免震皿を45度
ずつずらして接合したものを5重積層させ、それらを相
互に上下繋ぎスライド部材・部分3-sによって繋いでい
る。つまり、5重積層とは、上部免震皿3-aと中間免震
皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その2)3-m2 と中
間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿3-bとによって
構成される。具体的に説明すると以下のようである。ま
ず、正方形状の免震皿2枚を45度ずらして接合した上
部免震皿3-aと、同形の中間免震皿(その1)3-m1 と
を平行する対辺同士で上下繋ぎスライド部材・部分3-s
によって繋ぐ。つまり、上部免震皿3-aの2枚のうちの
下の免震皿と、中間免震皿(その1)3-m1 の2枚のう
ちの上の免震皿とが上下繋ぎスライド部材・部分3-sに
よって繋がれることになる。その中間免震皿(その1)
3-m1 の2枚のうちの下の免震皿と、中間免震皿(その
2)3-m2 の2枚のうちの上の免震皿とを平行する対辺
同士で、上下繋ぎスライド部材・部分3-sによって繋
ぐ。この上下繋ぎスライド部材・部分の方向は、上部免
震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 とを接合する上
下繋ぎスライド部材・部分の方向とは45度ずれる。さ
らに、この中間免震皿(その2)3-m2 の2枚のうちの
下の免震皿と中間免震皿(その3)3-m3 の2枚のうち
の上の免震皿とを平行する対辺同士で、上下繋ぎスライ
ド部材・部分3-sによって繋ぐ。この上下繋ぎスライド
部材・部分の方向も、中間免震皿(その1)3-m1 と中
間免震皿(その2)3-m2 とを接合する上下繋ぎスライ
ド部材・部分の方向とは45度ずれる。また、さらにこ
の中間免震皿(その3)3-m3 の2枚のうちの下の免震
皿と下部免震皿3-bの2枚のうちの上の免震皿とを平行
する対辺同士で、上下繋ぎスライド部材・部分3-sによ
って繋ぐ。この上下繋ぎスライド部材・部分の方向も、
同様に中間免震皿(その2)3-m2 と中間免震皿(その
3)3-m3 とを接合する上下繋ぎスライド部材・部分の
方向とは45度ずれる。以上の構成により、上部免震皿
3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿(その
2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部免震皿
3-bとが相互に連結して、引抜き力に対処できる。な
お、上部免震皿3-aの2枚のうちの上の免震皿と、免震
される構造体1とが、さらに下部免震皿3-bの2枚のう
ちの下の免震皿と、免震される構造体を支持する構造体
2とがそれぞれ接合される。なお、この実施例は、上部
免震皿3-aと中間免震皿(その1)3-m1 と中間免震皿
(その2)3-m2 と中間免震皿(その3)3-m3 と下部
免震皿3-bの相互を繋ぐ上下の上下繋ぎスライド部材・
部分同士を、順に45度ずらして連結させた場合だが、
上下繋ぎスライド部材・部分の方向が重複しなければ、
平行する対辺同士の連結順番は問わない。その角度も、
180度の4等分割が望ましいが、単に4分割でもよ
い。なお、図364〜図366、図367〜図369の
うち、図365および図368はすべり面同士で接触し
ている場合の、図366および図369はローラー・ボ
ール(ベアリング)5-e・5-fが設けられている場合の
実施例である。また、図364〜図366は上下繋ぎス
ライド部材3-sによる場合、図367〜図369は上下
繋ぎスライド部分3-sによる場合である。ここで、ロー
ラー(ベアリング)5-fの場合には、スライド方向と直
角に、ローラー(ベアリング)が設けられる。ボール
(ベアリング)も同様であるが、ローラー(ベアリン
グ)5-fは、移動してもはみ出さないように、免震皿の
全面にではなく、中心位置に部分的に設けられる場合も
ある。また、その設置される範囲の大きさは、免震され
る構造体の荷重が支持できるものである。また、ローラ
ー・ボール(ベアリング)が免震皿の全面に設けられる
場合には、保持器5-gは、下の免震皿からせり出して
も、ローラー・ボールが落ちない形式のものである。ま
た、循環式転がり案内によって循環する形を取る事も考
えられる。また、以上の構成は、上下繋ぎスライド部材
・部分3-s無しで重ねられる場合もあり(スライド方向
にガイドだけが付いている場合もあり)、その場合でも
ローラー(ベアリング)、ボール(ベアリング)の構成
は同じである。 (4) 交差5平行以上上下繋ぎ 交差5平行以上の上下繋ぎスライド部材・部分3-sによ
る繋ぎ(正十角形以上)も同様に考えられる。交差平行
数が増えるほうが、免震皿に対して斜め方向の地震力に
対応しやすい。 (5) 免震皿の形状 いずれにしても、上下繋ぎスライド部材・部分3-sが平
行する対辺同士、また滑り面に設けられた引掛け・引掛
かりで取り付けられ、全方向に免震皿がスライドできる
ものであれば、免震皿の形態は問わない。つまり、(1)
では交差2方向(直交)の平行形状に、(2)では交差3
方向の平行形状に、(3)では交差4方向の平行形状に、
(4)では交差5方向の平行形状に、また、交差6方向の
平行形状に、それぞれ上下繋ぎスライド部材・部分3-s
が取り付けられる、というように繰り返していって、そ
れ以上の交差方向の場合にも対応できる。 (6) 上下繋ぎスライド部材・部分 以上の全ての上下繋ぎスライド部材・部分3-sに、図3
81、および図382のように、免震皿との間にボール
(ベアリング)5-e、ローラー(ベアリング)5-f、ま
た低摩擦材を挟むことで、摩擦係数を下げる方法が考え
られる。図382(b)は、上下繋ぎスライド部材・部分
3-sに、ローラー・ボール(ベアリング)5-f、5-eを
設けて、転がりにより、側面の摩擦抵抗を少なくした場
合である。下部引掛かりの図であるが、上下逆にすると
上部引掛かりの図となる。この図からわかるように側面
摩擦を小さくする場合は、上下繋ぎスライド部材・部分
の引掛かり部(または引掛け部)は、下側の免震皿に対
して設けた方が、ローラー・ボール(ベアリング)5-
f、5-eがずれなくてよい。図384、図385は、上
下繋ぎスライド部材・部分3-sに、L型の保持器5-gを
もったローラー5-fを設けて、転がりにより、側面、上
面の摩擦抵抗を少なくした場合である(また、側面用、
上面用と別々のローラー5-fを設けてもよい。また当
然、片方だけでも良い。引抜き防止の摩擦抵抗の低減だ
けでは、上面のローラー5-fだけを設けてもよい)。上
面の摩擦抵抗の軽減は、地震時の支承への引抜発生時に
その摩擦抵抗を下げる効果をもつ。また、上面の摩擦抵
抗の軽減は、地震時の引抜発生によって生じる捩れ発生
を抑える効果を持つ。また、側面の摩擦抵抗の軽減は、
この支承による捩れ回転抑制時(10.回転・捩れ防止
装置参照)に働く摩擦抵抗を下げ、免震性能を高める効
果をもつ。請求項38−3項は、この側面低摩擦材・ベ
アリング付きの発明である。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 平面型滑り面部を有する免震皿と凹型滑り面部を有する
免震皿との組合せと、凹型滑り面部を有する免震皿と凹
型滑り面部を有する免震皿との組合せとには、必ず、中
間滑り部(すべり型または転がり型)は必要であるが、
平面型滑り面部を有する免震皿と平面型滑り面部を有す
る免震皿との組合せにも、中間滑り部(すべり型または
転がり型)が設けられる場合もある。 4.2.1. 中間滑り部 4.2.1.1. 中間滑り部 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の
重なる免震皿間に、中間滑り部が挟み込まれることが考
えられ、その中間滑り部には、すべり型のもの(4.2.1.
2.)、ローラー・ボール等の転がり型のもの(4.2.1.
3.)、すべりと転がりとの中間型のもの(4.2.1.4.)と
が考えられる。図78〜図109は、請求項39項記載
の発明の実施例を示している。4.1.1. 二重(以上)免
震皿免震装置・滑り支承、及び 4.1.2. 引抜き防止付き
三重(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承にお
いて、下向きの平面型滑り面部または凹型滑り面部を有
する上側免震皿と、上向きの平面型滑り面部または凹型
滑り面部を有する下側免震皿とで構成され、上側免震皿
と下側免震皿との間に、中間滑り部、ローラー・ボール
(ベアリング)をもった中間滑り部、またはローラー・
ボール(ベアリング)(ローラー・ボールをもった保持
器を含む)が挟み込まれ、あるいは中間滑り部と上側免
震皿、下側免震皿との間にそれぞれローラー・ボール
(ベアリング)が挟み込まれることにより構成される免
震装置・滑り支承である。以下の(1)(2)(3)(4)の4つの
場合がある。 (1) 平面型免震皿同士 平面型滑り面部を有する上側免震皿3-a(平面型免震皿
と言う)と下側免震皿3-bとの間に、中間滑り部(すべ
り型)、またはローラー・ボール(ベアリング)をもっ
た中間滑り部(すべり型)、またはローラー・ボール
(ベアリング)5-f、5-e等の転がり型中間滑り部が挟
み込まれるものであり、図78は、ボール(ベアリン
グ)5-eが挟み込まれた場合の実施例である。図79
は、平面型滑り面部を有する上側免震皿3-aと下側免震
皿3-bとの間に、ローラー・ボール(ベアリング)5-
f、5-eが挟み込まれる場合であり、そのローラー・ボ
ール5-f、5-eは、振動時に移動して免震皿よりはみ出
さないように、免震皿の全面にではなく、中心位置に部
分的に設けられる。また、その設置される範囲の大きさ
は、免震される構造体の荷重が支持できるものである。
図80は、平面型滑り面部を有する上側免震皿3-aと下
側免震皿3-bとの間に、ローラー・ボール(ベアリン
グ)5-f、5-eが挟み込まれ、そのローラー・ボール
(ベアリング)5-f、5-eは、免震皿に全面に設けられ
た場合であり、保持器5-gは、ローラー・ボール5-f、
5-eが、下の免震皿からせり出しても落下しない形式の
ものである。図80の装置のメリットは、図79の装置
に比して耐圧性能が上がることである。この平面型免震
皿同士による支承の防食性、防塵性、また潤滑剤の蒸発
等を防ぐ気密性は、図75(a)(b)のように、二重(また
は二重以上の)免震皿に、シールまたは防塵カバーをす
ることによって守ることができる。このことは、図80
装置においても同様である。この場合、中小地震では、
ローラー・ボール5-f、5-eは下の免震皿からせり出さ
ず(逆に言えば、中小地震では、下の免震皿からはみ出
さないようにローラー・ボール5-f、5-eの大きさと個
数を決定する)、大地震時にはシールが破れるかまたは
防塵カバー3-cが開くかして、保持器5-gによって保持
されたローラー・ボール5-e・5-fは、下の免震皿から
せり出す事も可能にする。 (2) 平面型免震皿と凹型免震皿(復元免震皿) 図83は、平面型滑り面部を有する免震皿(3-a)と凹
型滑り面部を有する免震皿(3-b)(凹型免震皿と言
う)との間に、中間滑り部6が挟み込まれる場合であ
る。その中間滑り部6の、滑り部上部(上面)6-u、下
部(下面)6-lに、ローラーまたはボール(ベアリン
グ)5-e、5-fを設けた場合もある。また、このローラ
ーまたボール(ベアリング)は、循環式転がり案内によ
って循環する形を取るのが有利である。なお、図83で
は、平面型滑り面部を有する免震皿が上側免震皿、凹型
滑り面部を有する免震皿が下側免震皿となっているが、
その逆の場合もありうる。 (3) 凹型免震皿同士 図86〜図109は、下向きの凹型滑り面部を有する上
側免震皿3-aと上向きの凹型滑り面部を有する下側免震
皿3-bとの間に、中間滑り部6またはローラー・ボール
(ベアリング)5-e・5-fをもった中間滑り部6(=
保持器5-g)を挟み込む場合である。また、図86〜図
109のいずれの場合も、図106〜図107に見られ
るように、このローラー・ボール(ベアリング)5-e
・5-fは、循環式転がり案内によって循環する形を取
るのが有利である。また、三重以上の免震皿の場合に
は、各免震皿ごとに中間滑り部を挟み込む場合もある。
以上の(1)(2)(3) の中間滑り部6の滑り部上部(上面)
6-uおよび滑り部下部(下面)6-lは、低摩擦仕様とな
っており、PTFE等の低摩擦材が使用されている場合
もある。 (4) 凹型免震皿と凸型免震皿 下向きの凸型滑り面部を有する上側免震皿3-a(凸型免
震皿と言う)と上向きの凹型滑り面部を有する下側免震
皿3-bとの間に、中間滑り部6またはローラー・ボール
(ベアリング)をもった中間滑り部6(=保持器5-g)
が挟み込まれるもので、図85は、ボール(ベアリン
グ)5-eが挟み込まれた場合の実施例である。なお、
(1)〜(4)の以上に関して同様の構成で、上側免震皿と下
側免震皿が、上下逆に設置される場合もある。 4.2.1.2. 中間滑り部(すべり型) 以下の4.2.1.2.1.と 4.2.1.2.2.と4.2.1.2.3.は、請求
項40項〜請求項45項の、4.2.1.1.の中間滑り部を持
った二重(または二重以上の)免震皿からなる免震装置
の中間滑り部が、すべり型のものである。図86〜図9
0、図102は、この発明の実施例を示している。請求
項40項の発明は、4.2.1.1.の、中間滑り部を持った二
重(または二重以上の)免震皿からなる免震装置におい
て、上側免震皿の滑り面部と同曲率または接する曲率を
持つ凸型と、下側免震皿の滑り面部と同曲率または接す
る曲率を持つ凸型とが合体した形の中間滑り部が、上側
免震皿と下側免震皿の間に挟み込まれることにより構成
されるものである。これは、上側下側免震皿が共に平面
型免震皿の場合、上側下側免震皿が共に凹型免震皿の場
合、上側下側免震皿のどちらか一方が平面型免震皿でも
う一方が凹型免震皿の場合に分かれる。特に、上側下側
免震皿が共に、凹型免震皿の場合について説明すると、
下向き凹型(例;球面(図86〜図90)または円柱谷
面(図102)またはすり鉢)の滑り面部を有する上側
免震皿と、上向き凹型(例;球面(図86〜図90)ま
たは円柱谷面(図102)またはすり鉢)の滑り面部を
有する下側免震皿との間に、上側免震皿と同曲率または
接する曲率を持つ凸型滑り部と下側免震皿と同曲率また
は接する曲率を持つ凸型滑り部とが合体した中間滑り
部、またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中
間滑り部が挟み込まれ、あるいはまた、上側免震皿、下
側免震皿と中間滑り部との間にローラー・ボール(ベア
リング)が挟み込まれることによって構成される。これ
は、4.2.1.2.1.凹型球面状免震皿と同曲率または接する
曲率をもった中間滑り部(図86〜図90)、4.2.1.2.
2.円柱谷面免震皿と同曲率または接する曲率をもった中
間滑り部(図102)、4.2.1.2.3.すり鉢状免震皿と接
する曲率をもった中間滑り部、4.2.1.2.4.V字谷面状免
震皿と接する曲率をもった中間滑り部、の4つの場合に
分かれる。なお、この4通り以外の凹型形状(台形状
等)の使用も可能である。以下、具体的に説明する。 4.2.1.2.1. 中間滑り部(平面状、凹型球面状免震皿) 請求項41項の発明は、請求項39項記載の免震装置・
滑り支承において、一個もしくは複数(全部でもよい)
の中間滑り部は、下向きの平面状または凹型の球面状等
の滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状また
は凹型の球面状等の滑り面部を有する下側免震皿と、こ
れらの免震皿に挟まれ、上側免震皿の滑り面部と同曲率
または接する曲率の凸型と、この中間滑り部を挟む下側
免震皿の滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型とが
合体した形状の中間滑り部とからなり、また、場合によ
っては免震皿と中間滑り部との間にローラー・ボール
(ベアリング)が挟み込まれることによって、構成され
てなることを特徴とする免震装置・滑り支承である。な
お、復元を期待する場合には、上側下側免震皿の少なく
ともどちらか一方を凹型免震皿にする必要がある。その
うち、図86〜図90は、下向きの凹型球面状滑り面部
を有する上側免震皿3-aと上向きの凹型球面状滑り面部
を有する下側免震皿3-bとの間に、上側下側免震皿の滑
り面部と同曲率または接する曲率の凸型滑り面部を有す
る中間滑り部6が挟み込まれた場合の実施例である。図
86〜図87は、下向き凹型球面状滑り面部を有する上
側免震皿3-aと、上向き凹型球面状滑り面部を有する下
側免震皿3-bとの間に挟まれた中間滑り部6の、凸型滑
り部上部(上面)6-uが、上側免震皿3-aと同一球面率
を持ち、凸型滑り部下部(下面)6-lが、下側免震皿3
-bと同一球面率を持つ場合に有利さがあるという実施例
である。何故なら、図87(e) (f) のように、地震振動
により上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとがずれを起こ
しても、滑り部上部(上面)6-uと上側免震皿3-aとの
接触面、及び滑り部下部(下面)6-lと下側免震皿3-b
との接触面が、常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力
において有利だからである。図88の実施例は、中間滑
り部6が、図86〜図87の実施例の中間滑り部6に比
べて大きく、偏平である場合である。図89の実施例
は、中間滑り部6の滑り部下部(下面)6-lに、ボール
(ベアリング)5-eを設けた場合であり、図90の実施
例は、中間滑り部6の滑り部上部(上面)6-u、下部
(下面)6-lの両方に、ボール(ベアリング)5-eを設
けた場合である。この図89〜図90の構成は、凹型球
面状に対して常にボールが接し、接触面が振動時におい
ても常に同面積得られて、垂直荷重伝達能力において有
利である。なお、図89の実施例に対して、構成が上下
逆の場合、つまり、中間滑り部6の滑り部上部(上面)
6-uに、ボール(ベアリング)5-eが設けられる場合も
ある。さらに、以下の4.2.1.2.2.と 4.2.1.2.3.は、請
求項41項〜請求項45項の実施例を示している。 4.2.1.2.2. 中間滑り部(平面状、円柱谷面状免震皿) 請求項42項の発明は、請求項39項記載の免震装置・
滑り支承において、一個もしくは複数(全部でもよい)
の中間滑り部は、下向きの平面状または円柱谷面状等の
滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状または
円柱谷面状等の滑り面部を有する下側免震皿と、これら
の免震皿に挟まれ、上側免震皿の滑り面部と同曲率また
は接する曲率の凸型と、この中間滑り部を挟む下側免震
皿の滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型とが合体
した形状の中間滑り部とからなり、また、場合によって
は免震皿と中間滑り部との間にローラー・ボール(ベア
リング)が挟み込まれることによって、構成されてなる
ことを特徴とする免震装置・滑り支承である。なお、復
元を期待する場合には、上側下側免震皿の少なくともど
ちらか一方を凹型免震皿にする必要がある。そのうち、
図102は、下向き円柱谷面の滑り面部を有する上側免
震皿3-aと、上向き円柱谷面の滑り面部を有する下側免
震皿3-bとの間に、滑り部上部(上面)6-uが上側免震
皿3-aと同曲率で、滑り部下部(下面)6-lが下側免震
皿3-bと同曲率である中間滑り部6が挟み込まれた場合
の実施例である。図86〜図87の実施例が、全方向の
復元力をもつのに対して、図102の実施例は、一方向
(行き帰りを含む、以下同じ)の復元力しか持たない
が、それ以外の特徴・メリットは同じである。つまり、
地震振動によって上側免震皿3-aと下側免震皿3-bと
が、ずれを起こしても、滑り部上部(上面)6-uと上側
免震皿3-aとの接触面、及び滑り部下部(下面)6-lと
下側免震皿3-bとの接触面がともに、常に同面積得られ
て、垂直荷重伝達能力において有利である。中間滑り部
6の、滑り部上部(上面)6-u、下部(下面)6-lに、
ローラーまたはボール(ベアリング)5-e、5-fを設け
た場合もある。この構成は、円柱谷面形状に対して、常
にローラーまたはボールが接し、振動時においても同接
触面積が得られて、垂直荷重伝達能力において有利であ
る。さらに、すり鉢面またはV字谷面状等の滑り面部と
それらと接する曲率をもった凸型中間滑り部で構成され
る免震装置・滑り支承もある。具体的構成は以下のよう
になる。4.2.1.1.の、中間滑り部を持った二重(または
二重以上の)免震皿(凹型免震皿)からなる免震装置に
おいて、下向きの凹型すり鉢面またはV字谷面状等の滑
り面部を有する上側免震皿と、上向きの凹型すり鉢面ま
たはV字谷面状等の滑り面部を有する下側免震皿と、こ
れらの免震皿の間に挟み込まれ、上側免震皿の滑り面部
に接する曲率の凸型と下側免震皿の滑り面部に接する曲
率の凸型とが合体した形状の中間滑り部またはローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部とからな
り、また、上側免震皿、下側免震皿と中間滑り部との間
にローラー・ボール(ベアリング)が挟み込まれる場合
もある。4.2.1.2.3. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免
震皿)と 4.2.1.2.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状
免震皿)とに分かれる。 4.2.1.2.3. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免震皿) 請求項43項の発明は、請求項39項記載の免震装置・
滑り支承において、一個もしくは複数(全部でもよい)
の中間滑り部は、下向きの平面状またはすり鉢状等の滑
り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状またはす
り鉢状等の滑り面部を有する下側免震皿と、これらの免
震皿に挟まれ、上側免震皿の滑り面部と接する曲率の凸
型と、この中間滑り部を挟む下側免震皿の滑り面部と接
する曲率の凸型とが合体した形状の中間滑り部とからな
り、また、場合によっては免震皿と中間滑り部との間に
ローラー・ボール(ベアリング)が挟み込まれることに
よって、構成されてなることを特徴とする免震装置・滑
り支承である。なお、復元を期待する場合には、上側下
側免震皿の少なくともどちらか一方を凹型免震皿にする
必要がある。 4.2.1.2.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状免震皿) 請求項44項の発明は、請求項39項記載の免震装置・
滑り支承において、一個もしくは複数(全部でもよい)
の中間滑り部は、下向きの平面状またはV字谷面状等の
滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状または
V字谷面状等の滑り面部を有する下側免震皿と、これら
の免震皿に挟まれ、上側免震皿の滑り面部と接する曲率
の凸型と、この中間滑り部を挟む下側免震皿の滑り面部
と接する曲率の凸型とが合体した形状の中間滑り部とか
らなり、また、場合によっては免震皿と中間滑り部との
間にローラー・ボール(ベアリング)が挟み込まれるこ
とによって、構成されてなることを特徴とする免震装置
・滑り支承である。なお、復元を期待する場合には、上
側下側免震皿の少なくともどちらか一方を凹型免震皿に
する必要がある。 4.2.1.2.5. 中間滑り部(凹型免震皿と接する曲率をも
った中間滑り部) 請求項45項の発明は、請求項43項〜請求項44項記
載のV字谷面状の免震皿からなる免震装置・滑り支承に
おいて、すり鉢またはV字谷面の底が、免震皿に挟まれ
た中間滑り部と同曲率の形状をなしており、すり鉢また
はV字谷面はそれに接する形で形成されてなることを特
徴とする免震装置・滑り支承である。 4.2.1.3. 中間滑り部(転がり型) 請求項46項〜請求項51項は、4.2.1.1.の、中間滑り
部を持った二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震
皿)からなる免震装置の中間滑り部が、転がり型のもの
である。 4.2.1.3.1. 中間滑り部(平面状、凹型球面状免震皿) 図92は、請求項46項記載の球面状免震皿型の発明の
実施例を示している。4.2.1.1.の、中間滑り部を持った
二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震皿)からな
る免震装置において、下向きの平面状または凹型の球面
状の滑り面部を有する上側免震皿3-aと上向きの平面状
または凹型の球面状の滑り面部を有する下側免震皿3-b
と、これらの免震皿3-a、3-bに挟まれたボール5-eを
持つことにより構成される免震装置・滑り支承である。
なお、復元を期待する場合には、上側下側免震皿の少な
くともどちらか一方を凹型免震皿にする必要がある。 4.2.1.3.2. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免震皿) 図91は、請求項47項記載のすり鉢状免震皿型の発明
の実施例を示している。4.2.1.1.の、中間滑り部を持っ
た二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震皿)から
なる免震装置において、下向きの平面状またはすり鉢状
の滑り面部を有する上側免震皿3-aと上向きの平面状ま
たはすり鉢状の滑り面部を有する下側免震皿3-bと、こ
れらの免震皿3-a、3-bに挟まれたボール5-eを持つこ
とにより構成される免震装置・滑り支承である。なお、
復元を期待する場合には、上側下側免震皿の少なくとも
どちらか一方を凹型免震皿にする必要がある。特に、す
り鉢状の免震皿の場合には、すり鉢の底は、ボール5-e
と同曲率の球面状にし、すり鉢はそれに接する形で形成
するのがよい。それにより、免震皿がすり鉢状であって
も、ボールと免震皿の接触面積を大きくすることがで
き、耐圧性能を上げることができる。これによって、経
年後心配される、ボールの免震皿への食込みを最小限に
止どめることができる。というのは、問題となる平常時
(小変位の小地震の時を含めて)の食込みを、この方法
によりボールと免震皿の接触面積を大きくすることで、
防ぐことができるからである。請求項48項は、その発
明である。 4.2.1.3.3. 中間滑り部(平面状、円柱谷面状免震皿) 請求項49項記載の発明は、4.2.1.1.の、中間滑り部を
持った二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震皿)
からなる免震装置において、下向き平面状または円柱谷
面状の滑り面部を有する上側免震皿3-aと上向き平面状
または円柱谷面状の滑り面部を有する下側免震皿3-b
と、これらの免震皿3-a、3-bに挟まれ(スライド方向
と直角に設けられ)たローラー5-f(またはボール5-
e)を持つことにより構成される免震装置・滑り支承で
ある。なお、復元を期待する場合には、上側下側免震皿
の少なくともどちらか一方を凹型免震皿にする必要があ
る。 4.2.1.3.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状免震皿) 請求項50項記載の発明は、4.2.1.1.の、中間滑り部を
持った二重(または二重以上の)免震皿(凹型免震皿)
からなる免震装置において、下向き平面状または凹型の
V字谷面状の滑り面部を有する上側免震皿3-aと上向き
平面状または凹型のV字谷面状の滑り面部を有する下側
免震皿3-bと、これらの免震皿3-a、3-bに挟まれ(ス
ライド方向と直角に設けられ)たローラー5-f(または
ボール5-e)を持つことにより構成される免震装置・滑
り支承である。なお、復元を期待する場合には、上側下
側免震皿の少なくともどちらか一方を凹型免震皿にする
必要がある。特に、V字谷面状の滑り面部を有する免震
皿の場合には、V字谷面の底は、ローラー(またはボー
ル5-e)と同曲率の形状にし、V字谷面はそれに接する
形で形成するのがよい。それにより、V字谷面状にも拘
らず、ローラー5-f(またはボール5-e)と免震皿の
接触面積を大きくすることができ、耐圧性能を上げるこ
とができる。これによって、経年後心配される、ローラ
ー(またはボール5-e)の免震皿への食込みを最小限に
止どめることができる。というのは、問題となる平常時
(小変位の小地震の時を含めて)の食込みを、この方法
によりローラー(またはボール5-e)と免震皿の接触面
積を大きくすることで、防ぐことができるからである。
請求項51項は、その発明である。 4.2.1.4. 中間滑り部(転がりすべり中間型) 請求項52項〜請求項53項は、4.2.1.1.の、中間滑り
部を持った二重(または二重以上の)免震皿からなる免
震装置の中間滑り部が、すべりと転がりとの中間型のも
ので、転がりとすべりの中間の摩擦係数が得られる支承
の発明である。摩擦係数は、転がり支承約1/100からす
べり支承約1/10と隔たっており、その中間値が得られな
かったが、中間滑り部6の中にローラー5-f・ボール5
-e(ベアリング)をもたせて、転がりとすべりの複合型
支承を発明することでそれを可能にした。中間滑り部の
中にローラー5-f・ボール5-e(ベアリング)をもった
中間滑り部を上下免震皿の間に挟み込み構成される。こ
の中間滑り部はローラー5-f・ボール5-e(ベアリン
グ)と、このローラー・ボール(ベアリング)をもった
すべり部分6-dとによって構成される。図392は、そ
の実施例である。図393は、すべり部分6-dに複数個
のローラー5-f・ボール5-e(ベアリング)を持つ場合
の実施例である。 (1) 回転抑制型 請求項52項は、すべり部分6-dが、ローラー5-f・ボ
ール5-e(ベアリング)の回転を抑制するように、すべ
り部分6-dとローラー5-f・ボール5-e(ベアリング)
との接触面の摩擦が大きくなるように構成されている場
合の発明である。すべり部分6-dが、ローラー5-f・ボ
ール5-e(ベアリング)の回転を抑制するのが主構成の
ため、すべり部分6-dは免震皿に接していなくても良
く、上下の免震皿の荷重を伝達しなくてもよい。 (2) 摩擦回転併用型 請求項53項は、すべり部分6-dとローラー5-f・ボー
ル5-e(ベアリング)の両方とが免震皿に均等に接し、
両方の摩擦で摩擦係数が決まる場合の構成である。ボー
ル5-e(ベアリング)とすべり部分6-dとは、どちらか
が強く免震皿に接するということがないよう均等に接す
るのが一番よいが、このことは球面では比較的難しくな
い。しかし、免震皿がすり鉢の場合を考えると中間滑り
部6の免震皿との接触面は球面となるが、その場合は、
すべり部分6-dは弾性変形をする低摩擦のプラスチック
部材(商品名デルリン等)を使用するのがよい。という
のは、すべり部分6-dは弾性変形をすることによって接
しやすくなるからである。また、すべり部分6-dに低摩
擦のプラスチック部材(商品名デルリン等)を使用する
場合は、免震皿に納めて圧力が掛かるまでは、すべり部
分6-dはローラー5-f・ボール5-e(ベアリング)より
寸法的に大きく、免震皿に接触する面積がすべり部分6
-dの方が勝っていても、免震される構造体の荷重を受け
て免震皿から圧力が掛かると、プラスチック部材等は歪
むので、すべり部分6-dとローラー5-f・ボール5-e
(ベアリング)との両方が免震皿に接するように、すべ
り部分6-dとローラー5-f・ボール5-e(ベアリング)
との寸法を決める。 (3) (1)(2)の併用型 (1)(2)の併用もある。すべり部分6-dに低摩擦のプラス
チック部材(商品名デルリン等の)を使用する場合は、
(2)の摩擦回転併用型で説明したような構成を取ると自
動的に(1)の回転抑制型となる。というのは、免震皿か
らすべり部分6-dに圧力が掛かると、自動的にすべり部
分6-dが水平方向に膨張して、ローラー5-f・ボール5
-e(ベアリング)の回転を抑制するような圧力となり、
すべり部分6-dが、ローラー5-f・ボール5-e(ベアリ
ング)の回転を抑制するからである。 4.2.2. 二重中間滑り部 図103〜図105は、請求項54項記載の発明の実施
例を示している。請求項54項の発明は、4.2.1.の免震
装置・滑り支承において、中間滑り部を二重にするとい
うものである。4.2.1.の免震装置・滑り支承において、
一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、第
一中間滑り部と第二中間滑り部とに分かれ、上側または
下側免震皿のどちらか一方の凹型滑り面部と同曲率また
は接する曲率の凸型滑り面部をもち、且つその凸型の反
対部は凸(または凹)型球面状滑り面部をもつ第一中間
滑り部と、その反対部の凸(または凹)型球面状滑り面
部と同一球面率の凹(または凸)型球面状滑り面部をも
ち、且つその凹(または凸)型の反対部は、上側または
下側免震皿のもう一方の平面状または凹型滑り面部と同
曲率または接する曲率の凸型滑り面部をもつ第二中間滑
り部とからなり、この第一中間滑り部及び第二中間滑り
部とが、互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重な
りあう形で、上側及び下側免震皿に挟みこまれることに
より構成される。つまり、下向きの滑り面部を有する上
側免震皿3-aと上向きの滑り面部を有する下側免震皿3
-bと、両免震皿の間に挟みこまれた中間滑り部6からな
り、中間滑り部6が第一中間滑り部6-aと第二中間滑り
部6-bとに分かれて、二重になってなることを特徴とす
る発明である。4.2.1.における中間滑り部6が、第一中
間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bとに分かれることを
特徴とする。第一中間滑り部6-aは、上側免震皿3-aの
平面状または凹型滑り面部と同曲率または接する曲率の
凸型滑り面部をもち、且つこの凸型滑り面部の反対部に
凸(または凹)型球面状滑り面部を有し、第二中間滑り
部6-bは、第一中間滑り部6-aのこの反対部の凸(また
は凹)型球面状滑り面部と同一球面率の凹(または凸)
型滑り面部をもち、且つこの凹(または凸)型滑り面部
の反対部は、下側免震皿3-bの平面状または凹型滑り面
部と同曲率または接する曲率の凸型滑り面部を有する。
そして、この第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-b
とは、互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なり
あう形で、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとの間に挟
み込まれることにより構成される。なお、復元を期待す
る場合には、上側下側免震皿の少なくともどちらか一方
を凹型免震皿にする必要がある。特に、凹型免震皿にす
る場合は、凹型球面状滑り面部を有する免震皿とし、そ
の滑り面部を滑動する中間滑り部(第一中間滑り部6-
a、第二中間滑り部6-b)の滑り面部も、同一球面率の
凸型球面状滑り面部にするのが有利である。また、第一
中間滑り部6-aと第二中間滑り部6-bとの関係が、上下
逆の場合もあり、図105は、図103〜図104の上
下逆の場合の実施例である。図103〜図104、図1
05のいずれの場合も、図104(e) (f) のように、地
震振動によって上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとがず
れを起こしても、滑り部上部(上面)6-uと上側免震皿
3-aとの接触面、及び滑り部下部(下面)6-lと下側免
震皿3-bとの接触面がともに、常に同面積得られて、垂
直荷重伝達能力において有利である。滑り部上部(上
面)6-u、下部(下面)6-lに、ローラー・ボール(ベ
アリング)5-f、5-eを設けた場合もある。この構成
は、凹型球面状に対して、常にローラーまたはボールが
接し、振動時においても同接触面積が得られて、垂直荷
重伝達能力において有利である。また、第一中間滑り部
6-aと第二中間滑り部6-bとの接する位置に、ローラー
・ボール(ベアリング)を設けると、首振りが容易にな
り、有利である。 4.2.3. 三重中間滑り部 図106〜図109は、請求項55項記載の発明の実施
例を示している。請求項55項の発明は、4.2.1.の免震
装置・滑り支承において、中間滑り部を、三重にすると
いうものである。4.2.1.の免震装置・滑り支承におい
て、一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部
は、第一中間滑り部と第二中間滑り部と第三中間滑り部
とに分かれ、上側または下側免震皿のどちらか一方の平
面状または凹型滑り面部と同曲率または接する曲率の凸
型滑り面部をもち、且つその凸型の反対部は凹(または
凸)型球面状滑り面部をもつ第一中間滑り部と、その反
対部の凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球面率の
凸(または凹)型球面状滑り面部をもち、且つその凸
(または凹)型の反対部は凸(または凹)型球面状滑り
面部をもつ第二中間滑り部と、その反対部の凸(または
凹)型球面状滑り面部と同一球面率の凹(または凸)型
球面状滑り面部をもち、且つその凹(または凸)型の反
対部は、上側または下側免震皿のもう一方の平面状また
は凹型滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型滑り面
部をもつ第三中間滑り部とからなり、この第一中間滑り
部、第二中間滑り部及び第三中間滑り部とが、それぞれ
互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形
で、上側及び下側免震皿に挟みこまれることにより構成
される。下向きの平面状または凹型滑り面部を有する上
側免震皿3-aと上向きの平面状または凹型滑り面部を有
する下側免震皿3-bと、両免震皿の間に挟み込まれた中
間滑り部6からなり、中間滑り部6が第一中間滑り部6
-aと第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分か
れて、三重になっていることを特徴とする発明である。
つまり、4.2.1.における中間滑り部6が、第一中間滑り
部6-aと第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに
分かれることを特徴とする。第一中間滑り部6-aは、下
向き平面状または凹型滑り面部を有する上側免震皿3-a
と同曲率または接する曲率の凸型滑り面部をもち、且つ
この凸型の反対部は凹(または凸)型球面状滑り面部を
有する。第二中間滑り部6-bは、第一中間滑り部6-aの
この反対部の凹(または凸)型球面と同一球面率を持つ
凸(または凹)型滑り面部をもち、且つこの凸(または
凹)型の反対部は、凸(または凹)型球面状滑り面部を
有する。第三中間滑り部6-cは、第二中間滑り部6-bの
この反対部の凸(または凹)型球面と同一球面率を持つ
凹(または凸)型滑り面部をもち、且つこの凹(または
凸)型の反対部は、上向き平面状または凹型滑り面部を
有する下側免震皿3-bと同曲率または接する曲率の凸型
滑り面部を有する。そして、この第一中間滑り部6-a、
第二中間滑り部6-b及び第三中間滑り部6-cとは、それ
ぞれ互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあ
う形で、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bの間に挟み込
まれることにより構成される。なお、復元を期待する場
合には、上側下側免震皿の少なくともどちらか一方を凹
型免震皿にする必要がある。特に、凹型免震皿にする場
合は、凹型球面状滑り面部を有する免震皿とし、その滑
り面部を滑動する中間滑り部(第一中間滑り部6-a、第
三中間滑り部6-c)の滑り面部を、各免震皿と(第一中
間滑り部6-aを上側免震皿と、第三中間滑り部6-cを下側
免震皿と)同一球面率の凸型球面状滑り面部にするのが
有利である。この場合、図107(e) (f) のように、地
震振動によって上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとがず
れを起こしても、滑り部上部(上面)6-uと上側免震皿
3-aとの接触面、及び滑り部下部(下面)6-lと下側免
震皿3-bとの接触面が共に、常に同面積得られ、垂直荷
重伝達能力において有利である。また、滑り部が、免震
皿の凹型球面状に対して、広がりの形状になることも、
垂直荷重伝達能力において有利である。第二中間滑り部
6-bは球形の場合もあり、図106〜図107は、その
場合の実施例である。図107(g)は、滑り部上部(上
面)6-u、下部(下面)6-lに、ローラー・ボール(ベ
アリング)5-f、5-eを設けた場合の実施例である。こ
の構成は、凹型球面状に対して、常にローラーまたはボ
ールが接し、振動時においても同接触面積が得られて、
垂直荷重伝達能力において有利である。また、このロー
ラー・ボール(ベアリング)5-f、5-eは循環式転がり
案内(断面方向内側に潜り込む形式を取っている)によ
って循環する形を取っている。また、第二中間滑り部6
-bと、第一中間滑り部6-a、第三中間滑り部6-cとが接
する位置にローラー・ボール(ベアリング)を設ける
と、首振りが容易になり、有利である。図108〜図1
09は、請求項55項記載の発明のもう一つの場合の実
施例を示している。下向きの凹型球面状滑り面部を有す
る上側免震皿3-aと上向きの凹型球面状滑り面部を有す
る下側免震皿3-bと、両免震皿の間に挟み込まれた中間
滑り部6からなり、中間滑り部6が第一中間滑り部6-a
と第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分かれ
て、三重になっていることを特徴とする発明である。つ
まり、4.2.1.における中間滑り部6が、第一中間滑り部
6-aと第二中間滑り部6-bと第三中間滑り部6-cとに分
かれることを特徴とする。第一中間滑り部6-aは、下向
き凹型球面状滑り面部を有する上側免震皿3-aの凹型と
同一球面率を持つ凸型滑り面部をもち、且つこの凸型の
反対部は凸型球面状滑り面部を有する。第二中間滑り部
6-bは、第一中間滑り部6-aのこの反対部の凸型球面と
同一球面率を持つ凹型滑り面部をもち、且つこの凹型の
反対部は、凹型球面状滑り面部を有する。第三中間滑り
部6-cは、第二中間滑り部6-bのこの反対部の凹型球面
と同一球面率を持つ凸型滑り面部をもち、且つこの凸型
の反対部は、下部の上向き凹型球面状滑り面部を有する
免震皿3-bの凹型と同一球面率を持つ凸型球面状滑り面
部を有する。そして、この第一中間滑り部6-a、第二中
間滑り部6-b及び第三中間滑り部6-cとは、それぞれ互
いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形
で、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bの間に挟み込まれ
ることにより構成される。この場合、図109(e)(f)の
ように、地震振動によって、上側免震皿3-aと下側免震
皿3-bとがずれを起こしても、滑り部上部(上面)6-u
と上側免震皿3-aとの接触面、及び滑り部下部(下面)
6-lと下側免震皿3-bとの接触面が、ともに、常に同面
積得られて、垂直荷重伝達能力において有利である。滑
り部上部(上面)6-u、下部(下面)6-lに、ローラー
・ボール(ベアリング)5-f、5-eを設けた場合もあ
る。この構成は、凹型球面状に対して、常にローラーま
たボールが接し、振動時においても同接触面積が得られ
て、垂直荷重伝達能力において有利である。また、第二
中間滑り部6-bと、第一中間滑り部6-a、第三中間滑り
部6-cとが接する位置に、ローラー・ボール(ベアリン
グ)を設けると、首振りが容易になり有利である。 4.2.4. 復元バネ付き中間滑り部持ち二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承 請求項56項の発明の実施例は、図81、図82、図8
4に示されており、以上の 4.2.の中間滑り部持ち二重
(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の各装
置において、中間滑り部6と上側免震皿3-a、下側免震
皿3-bとをバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石
等)25で繋ぎ、復元力を持たせ、復元装置の機能を合
せ持たせていることを特徴とする免震装置・滑り支承の
発明である。図81は、中間滑り部6と上側免震皿3-
a、中間滑り部6と下側免震皿3-bとをそれぞれバネ等
25で繋いだ場合である。図84は、中間滑り部6と、
上側免震皿3-aまたは上側免震皿3-bのどちらかとをバ
ネ等25で繋いだ場合であり、バネ等25で繋がれてい
ない方の免震皿が凹面等の勾配を持ち、中間滑り部6を
復元させる構成となっている。また、上側免震皿3-a
と下側免震皿3-bの関係が上下逆の場合もある。つま
り、中間滑り部6と下側免震皿3-bがバネ等25で繋
がれており、バネ等25で繋がれていない上側免震皿3
-aが凹面等の勾配を持ち、中間滑り部6を復元させる
構成となっているものである。また、図82のように、
図79のボール5-eの保持器5-gと下側免震皿3-bと
を、バネ等25で繋ぐ場合、さらにこの保持器5-gと上
側免震皿3-aとをバネ等25で繋ぐ場合もある。この場
合には、バネ等25により、免震される構造体の復元だ
けでなく、保持器5-gの免震皿の中央部への復帰、上側
免震皿の下側免震皿の定位置への復帰も可能になる。以
上の装置のメリットは、前記4.1.1.の説明のように、復
元装置としても、免震皿と同様、大きさが従来のほぼ半
分近くですむことである。というのは、中間滑り部6に
よって、地震時に上側免震皿3-aと下側免震皿3-bが相
互にずれた際の寸法が、上側免震皿3-a・下側免震皿3
-b各々のスライド可能寸法分を足し合わせた大きさまで
可能となるためである。ただ、そのずれる寸法は、挟み
込まれている中間滑り部6の幅と、収縮したバネ等分だ
け小さくなる。その小さくなる分の幅をQとし、地震の
最大振幅の半分をLとすると、上側免震皿・下側免震皿
が相互にずれるので、上側免震皿・下側免震皿の一辺の
大きさは(正方形の場合で考えると)、L+Qでよいこ
とになる。一般的には、それに余裕をみた寸法か、それ
以上の寸法とする。一方、従来の免震装置・滑り支承で
は、免震皿の一辺の大きさ(前述同様、正方形の場合で
考えると)は、2×L+Q’(Q’:滑り部5の幅と収
縮したバネ等分)となる。よって、この発明による復元
機能付免震装置・滑り支承は、従来のものと比べ、一辺
の大きさでほぼ半分になり、復元装置が大きくて場所を
取るという問題を解決する。以上の4.2.1.〜4.2.4.の中
間滑り部は、二重(以上)免震皿免震装置・滑り支承の
全てに使用可能である。 4.2.5. ローラー・ボール(ベアリング)入り二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承 図78、図340(a)、図342、図343 、図35
3、図355、図364、図366は、請求項57項記
載の発明の実施例を示している。この発明は、4.の二
重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承にお
いて、免震皿の間にローラー・ボール(ベアリング)等
5-e、5-fを入れることにより、摩擦係数の低下が図ら
れ、高い免震性能が得られるというものである。図78
は、4.1.1.二重(または二重以上の)免震皿免震装置・
滑り支承にボール(ベアリング)を入れた場合である。
下側免震皿3-bを掘り下げて、そこにボール(ベアリン
グ)5-eを入れている。上側免震皿3-aと下側免震皿3
-bとがほぼ隙間なく密閉状態になっているほうが、塵埃
等が入らないようにするには適している。図340
(a)、図343、図353、図355、図364、図3
66は、4.1.2.の引抜き防止付き三重 (また三重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承にボール(ベアリング)
を入れた場合である(図355、図366はローラーま
たはボール(ベアリング)を入れた両方の場合が示され
ている)。中間免震皿(3-m1 、3-m2 、3-m3 )およ
び下部免震皿3-bを掘り下げて、そこにボール(ベアリ
ング)5-eを入れている。また、図340(a) 、図35
3、図364の場合は、図342、図355、図366
のように、一方向性(往復を含む、以下同じ)なので
ローラー(ベアリング)5-fをいれてもよい。いずれの
場合も、保持器(玉軸受・ころ軸受)5-gによりボール
等5-e、5-fが場所を変えないようにする場合もある。
また、ローラー・ボール(ベアリング)等5-e、5-fに
潤滑剤を入れて潤滑させる方法もある。また、このロー
ラー・ボール(ベアリング)は、循環式転がり案内によ
って循環する形を取るのが有利な場合もある。 4.3. 平面状また円柱谷面状またV字谷面状重層免震皿
(上下繋ぎスライド部分持ち) 図344〜図352、図356〜図363、図367〜
図374、図375〜図380、図382、図384
は、請求項58項、請求項58−2項の実施例である。
三重以上の免震皿免震装置・滑り支承において、4.1.2.
の上下繋ぎスライド部材では、中間免震皿が自然に元の
位置に戻らず(平面型・凹型共に)、地震時に中間免震
皿が外れる可能性があった。また上下繋ぎスライド部材
が自然に元の位置に戻らず(平面型・凹型共に)、地震
時に上下繋ぎスライド部材が外れる可能性があった。こ
れらの問題を解決するものである。請求項58項、請求
項58−2項の発明は、4.の三重以上の免震皿免震装
置・滑り支承において、免震皿が複数個あって、それら
の免震皿が、(平行する対辺同士で)免震皿自体に設け
られた上下繋ぎスライド部分によって相互に繋がれ、順
次連結されてゆき、下向きの平面状または円柱谷面状ま
たはV字谷面状等の滑り面部を有する上側免震皿と、上
向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面状等の滑
り面部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ
たローラー等の転動体または中間滑り部(すべり部材)
とによって構成される一層が、一層単位ごとにローラー
等の転動体の進行方向が変わるように、免震皿が3層の
時は、互いに直交方向になるように、免震皿が3層以上
の時は、交差角度の総合計が180度になるように、重
ねられ(下の一層の上側免震皿は、上の一層の下側免震
皿をも兼ねる場合もあり)、その重層によって、あらゆ
る方向からの水平力に免震し復元するように構成されて
なることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれに
よる免震構造体である。上下繋ぎスライド部分とは、免
震皿もしくはスライド部材(の平行する対辺同士)から
突き出した引掛かり部(または引掛け部)のことであ
る。この上下繋ぎスライド部分の引掛かり部(または引
掛け部)が、上下の部材(免震皿・スライド部材)(の
平行する対辺)に設けられた凹部(または凸)に嵌まり
込むことにより、引抜き力に抵抗する。また、上下繋ぎ
スライド部分は、ガイド部を有することができる。その
場合は、回転・捩れ防止機能(10章参照)も併せ持
つ。というのは、免震皿、スライド部材が、当該ガイド
部に沿って移動するため、スライド方向以外への移動が
規制されるからである。上下繋ぎスライド部材も、基本
的に同じ構成であるが、単独で成立している場合には、
上下繋ぎスライド部材であり、他の部材(免震皿もしく
はスライド部材)に従属(他の部材と一体化)している
場合には上下繋ぎスライド部分となる(4.1.2.の上下繋
ぎスライド部材参照)。上下繋ぎスライド部分と免震皿
とが繋がれる位置は、免震皿の平行する対辺同士(外ガ
イド型)、もしくは免震皿の滑り面部(内ガイド型)、
またはその両方のいずれでも良い(外ガイド型、内ガイ
ド型の説明は 10.1.1.参照、ガイド部を上下繋ぎスラ
イド部と考えれば同じ)。下向きの平面状の滑り面部
(平面型滑り面部)を有する上側免震皿と、上向きの平
面状の滑り面部(平面型滑り面部)を有する下側免震皿
と、これらの免震皿に挟まれたローラー等の転動体また
は中間滑り部(すべり部材)とによって構成される場合
には、上下繋ぎスライド部分は、免震皿自体に設けられ
ているため、上下繋ぎスライド部材を使用した場合のよ
うに地震時に外れる心配がない。特に免震皿の三重構成
の場合は上下繋ぎスライド部材また中間免震皿が外れる
ことがなくなるだけでなく、中間免震皿が自然に元の位
置に戻る効果も持つ。さらに、上側免震皿または下側免
震皿の少なくともどちらか一方を円柱谷面状またはV字
谷面状等の凹型滑り面部とし、これらの免震皿にローラ
ー等の転動体または中間滑り部(すべり部材)を挟むこ
とによって免震装置・滑り支承を構成する場合には、上
下繋ぎスライド部材が外れることがなくなるだけでな
く、全方向の復元が可能になり、さらにローラー型で全
方向の復元が可能になることにより耐圧性能を向上させ
ることも可能になる。さらに、V字谷面状の凹型滑り面
部を有する免震皿の場合には、5.に示すように共振の
ない免震装置が可能になる。4.1.2.の分類に従って実施
例の説明をすると、 (1) 交差2平行(直交2平行)上下繋ぎ 図344〜図347は、平面型の滑り面部を有する上部
免震皿3-a、下部免震皿3-bとが、平行する対辺同士
で、平面型滑り面部を有する中間免震皿3-mに設けられ
た上下繋ぎスライド部分3-sによって相互に繋がれ、す
べりによってスライドする場合(平面すべり型)の実施
例(図345)、平面型の滑り面部を有する上部免震皿
3-a、下部免震皿3-bとが、平行する対辺同士で、平面
型滑り面部を有する中間免震皿3-mに設けられた上下繋
ぎスライド部分3-sによって相互に繋がれ、ローラー5
-f、ボール5-e(ベアリング)の転がりによってスライ
ドする場合(平面転がり型)のローラー5-fによる場合
の実施例(図346)、ボール5-e(ベアリング)によ
る場合の実施例(図347)である。図348〜図35
0は、V字谷面・円柱谷面等の凹型滑り面部を有する上
部免震皿3-a、下部免震皿3-bとが、平行する対辺同士
で、V字谷面・円柱谷面等の凹型滑り面部を有する中間
免震皿3-mに設けられた上下繋ぎスライド部分3-sによ
って相互に繋がれ、ローラー5-f(ベアリング)の転が
りによってスライドする場合(凹面転がり型)の実施例
である。図351〜図352は、V字谷面・円柱谷面等
の凹型滑り面部を有する上部免震皿3-a、下部免震皿3
-bとが、平行する対辺同士で、V字谷面・円柱谷面等の
凹型滑り面部を有する中間免震皿3-mに設けられた上下
繋ぎスライド部分3-sによって相互に繋がれ、中間滑り
部(すべり部材)6のすべりによってスライドする場合
(中間滑り部持ち平面すべり型)の実施例である。中間
滑り部(すべり部材)6はローラー5-fと同様にすべり
方向の直交方向に長いものでも良い。特に、この三重の
免震皿構成の場合は、上下繋ぎスライド部材が外れるこ
とがなくなるだけでなく、中間免震皿3-mが自然に元の
位置に戻るため外れることがなくなる、という効果も持
つ。 (2) 交差3平行上下繋ぎ 図356〜図358は、平面型の滑り面部を有する上部
免震皿3-a、下部免震皿3-bとが、平行する対辺同士
で、平面型の滑り面部を有する中間免震皿(その1)3
ーm1、および中間免震皿(その2)3-m2に設けられた上
下繋ぎスライド部分3-sによって相互につながれ、スラ
イドする場合(平面すべり型)の実施例(図357)、
またこれらの免震皿が、免震皿間に設置されたローラー
5-f、ボール5-e(ベアリング)の転がりによってスラ
イドする場合(平面転がり型)の実施例(図358)で
ある。図359〜図361は、V字谷面・円柱谷面等の
凹型滑り面部を有する上部免震皿3-a、下部免震皿3-b
とが、平行する対辺同士で、V字谷面・円柱谷面等の凹
型滑り面部を有する中間免震皿(その1)3ーm1、およ
び中間免震皿(その2)3-m2に設けられた上下繋ぎス
ライド部分3-sによって相互に繋がれ、ローラー5-f
(ベアリング)の転がりによってスライドする場合(凹
面転がり型)の実施例である。図362〜図363は、
V字谷面・円柱谷面等の凹型滑り面部を有する上部免震
皿3-a、下部免震皿3-bとが、平行する対辺同士で、V
字谷面・円柱谷面等の凹型滑り面部を有する中間免震皿
(その1)3ーm1、および中間免震皿(その2)3-m2に
設けられた上下繋ぎスライド部分3-sによって相互に繋
がれ、中間滑り部(すべり部材)6のすべりによってス
ライドする場合(中間滑り部持ち平面すべり型)の実施
例である。中間滑り部(すべり部材)6はローラー5-f
と同様にすべり方向の直交方向に長いものでも良い。 (3) 交差4平行上下繋ぎ 図367〜図369は、平面型の滑り面部を有する上部
免震皿3-a、下部免震皿3-bとが、平行する対辺同士
で、平面型の滑り面部を有する中間免震皿(その1)3
ーm1、中間免震皿(その2)3-m2、および中間免震皿
(その3)3-m3に設けられた上下繋ぎスライド部分3-
sによって相互につながれ、すべりによってスライドす
る場合(平面すべり型)の実施例(図368)、平面型
の滑り面部を有する上部免震皿3-a、下部免震皿3-bと
が、平行する対辺同士で、平面型の滑り面部を有する中
間免震皿(その1)3ーm1、中間免震皿(その2)3-m
2、および中間免震皿(その3)3-m3に設けられた上下
繋ぎスライド部分3-sによって相互につながれ、ローラ
ー5-f、ボール5-e(ベアリング)の転がりによってス
ライドする場合(平面転がり型)の実施例(図369)
である。図370〜図372は、V字谷面・円柱谷面等
の凹型滑り面部を有する上部免震皿3-a、下部免震皿3
-bとが、平行する対辺同士で、V字谷面・円柱谷面等の
凹型滑り面部を有する中間免震皿(その1)3ーm1、中
間免震皿(その2)3-m2、および中間免震皿(その
3)3-m3に設けられた上下繋ぎスライド部分3-sによ
って相互につながれ、ローラー5-f(ベアリング)の転
がりによってスライドする場合(凹面転がり型)の実施
例である。図373〜図374は、V字谷面・円柱谷面
等の凹型滑り面部を有する上部免震皿3-a、下部免震皿
3-bとが、平行する対辺同士で、V字谷面・円柱谷面等
の凹型滑り面部を有する中間免震皿(その1)3ーm1、
中間免震皿(その2)3-m2、および中間免震皿(その
3)3-m3に設けられた上下繋ぎスライド部分3-sによ
って相互につながれ、中間滑り部(すべり部材)6のす
べりによってスライドする場合(中間滑り部持ち平面す
べり型)の実施例である。中間滑り部(すべり部材)6
はローラー5-fと同様にすべり方向の直交方向に長いも
のでも良い。 (4) 交差5平行以上上下繋ぎ 交差5平行以上の上下繋ぎスライド部分3-sによる繋ぎ
(正十角形以上)も同様に考えられる。交差平行数が増
えるほうが、免震皿に対して斜め方向の地震力に対応し
やすい。 (5) 免震皿の形状 いずれにしても、上下繋ぎスライド部分3-sが平行する
対辺同士、また免震皿の滑り面部に設けられた引掛け・
引掛かりで取り付けられ、全方向に免震皿がスライドで
きるものであれば、免震皿自身の形態は問わない。つま
り、(1)では交差2方向(直交)の平行形状に、(2)では
交差3方向の平行形状に、(3)では交差4方向の平行形
状に、(4)では交差5方向の平行形状に、また、交差6
方向の平行形状に、それぞれ上下繋ぎスライド部分3-s
が取り付けられる、というように繰り返していって、そ
れ以上の交差方向の場合にも対応できる。 (6) 上下繋ぎスライド部分 以上のいずれの場合も、上下繋ぎスライド部分の引掛か
り部(または引掛け部)は、重なり合う上側、下側免震
皿のいずれに対してでもよい。また、以上の全ての上下
繋ぎスライド部分3-sとして、図382のように、免震
皿との間にボール(ベアリング)5-e、ローラー(ベア
リング)5-f、また低摩擦材を挟み、摩擦係数を下げる
方法が考えられる。図382(b)は、上下繋ぎスライド
部分3-sに、ボール・ローラー(ベアリング)5-f、5
-eを設けて、そのボール等の転がりにより、側面の摩擦
抵抗を少なくした場合である(図382(b)はボール5-
eの場合である)。下部引掛かりの図であるが、上下逆
にすると上部引掛かりの図となる。この図からわかるよ
うに側面摩擦を小さくする場合は、上下繋ぎスライド部
分の引掛かり部(または引掛け部)は、下の免震皿に対
して設けた方が、ローラー・ボール(ベアリング)5-
f、5-eがずれなくてよい。図384は、上下繋ぎスラ
イド部分3-sに、L型の保持器5-gをもったローラー5
-fを設けて、転がりにより、免震皿との、側面、上面の
摩擦抵抗を少なくした場合である(また、側面用、上面
用と別々のローラー5-fを設けてもよい。また当然、片
方だけでも良い。引抜き防止の摩擦抵抗の低減だけで
は、上面のローラー5-fだけを設けてもよい)。上面の
摩擦抵抗の軽減は、地震時の支承への引抜発生時にその
摩擦抵抗を下げる効果をもつ。また、上面の摩擦抵抗の
軽減は、地震時の引抜発生によって生じる捩れ発生を抑
える効果を持つ。また、側面の摩擦抵抗の軽減は、この
支承による捩れ回転抑制時(10.回転・捩れ防止装置
参照)に働く摩擦抵抗を下げ、免震性能を高める効果を
もつ。 請求項58−3項は、この側面低摩擦材・ベア
リング付きの発明である。なお、ここに挙げたローラー
・ボール以外の転動体を使用した実施例、または他の凹
型滑り面部を使用した実施例も考えられる。 (7) ローラー複数型 ローラーが単数であると、耐圧性能が悪いので、複数個
にして耐圧性能を上げる必要があった。 以下、1)V字
谷面状、2)平面状または円柱谷面状の場合について説明
する。 1) V字谷面状 請求項59項の発明は、請求項58項、請求項58−2
項、請求項58−3項記載の免震装置・滑り支承におい
て、下向きのV字谷面状等の滑り面部を有する上側免震
皿と、上向きのV字谷面状等の滑り面部を有する下側免
震皿とが、複数個のV字谷面状等の滑り面部を持ち、こ
の滑り面部(ごと)にローラー等の転動体または中間滑
り部(すべり部材)を挟むことにより構成される。免震
皿が3枚の時には、上部免震皿と中間免震皿と下部免震
皿とによって構成される(上側免震皿と上部免震皿、下
側免震皿と下部免震皿との用語の違いについては、3.1.
参照)。具体的には、下向きのV字谷面状等の滑り面部
を有する上部免震皿3-aと、上向きおよび下向きのV字
谷面状等の滑り面部を有する中間免震皿3-mと、上向き
のV字谷面状等の滑り面部を有する下部免震皿3-bと
が、複数個のV字谷面状等の滑り面部を持ち、この滑り
面部(ごと)にローラー等の転動体または中間滑り部
(すべり部材)を挟むことにより構成される。図375
〜図377は、この請求項59項の発明の内、上記(1)
交差2平行上下繋ぎの場合の実施例であり、下向きのV
字谷面状の滑り面部を有する上部免震皿3-aと、上向き
および下向きのV字谷面状等の滑り面部を有する中間免
震皿3-mと、上向きのV字谷面状の滑り面部を有する下
部免震皿3-bとが、それぞれ2個のV字谷面状等の滑り
面部を持ち、下向きのV字谷面状の滑り面部を有する上
部免震皿3-aと、上部免震皿3-aの下向きのV字谷面状
の滑り面部の上下対称位置に上向きのV字谷面状等の滑
り面部を有する中間免震皿3-mとの間に、ローラー等の
転動体5-fが挟まれ、下向きのV字谷面状の滑り面部を
有する中間免震皿3-mと、中間免震皿3-mの下向きのV
字谷面状の滑り面部の上下対称位置に上向きのV字谷面
状の滑り面部を有する下部免震皿3-bとの間に、ローラ
ー等の転動体5-fが挟まれ、上部免震皿3-aの下向きの
V字谷面状の滑り面部とそれと上下対称位置に設置され
た上向きのV字谷面状等の滑り面部と、中間免震皿3-m
の下向きのV字谷面状の滑り面部とそれと上下対称位置
に設置された上向きのV字谷面状の滑り面部とは、相互
に直交する方向になっている場合の実施例である。 2) 平面状または円柱谷面状またはV字谷面状 請求項60項の発明は、請求項58項、請求項58−2
項、請求項58−3項記載の免震装置・滑り支承におい
て、下向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面状
等の滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状ま
たは円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する
下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれた複数個のロー
ラー等の転動体または中間滑り部(すべり部材)とによ
って構成される。免震皿が3枚の時には、上部免震皿と
中間免震皿と下部免震皿とによって構成される。具体的
には、下向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面
状等の滑り面部を有する上部免震皿3-aと、上向きおよ
び下向きの円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を
有する中間免震皿3-mと、上向きの平面状または円柱谷
面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下部免震皿
3-bと、これらの免震皿に挟まれた複数個のローラー等
の転動体または中間滑り部(すべり部材)とによって構
成される。図378〜図380は、この請求項60項の
発明の内、上記(1)交差2平行上下繋ぎの場合の実施例
であり、下向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部
を有する上部免震皿3-aと、上向きおよび下向きの円柱
谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有する中間免震皿3
-mと、上向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を
有する下部免震皿3-bとにおいて、それぞれの円柱谷面
状(V字谷面状)の滑り面部の間に2個のローラー等の
転動体が挟まれることによって構成されている場合の実
施例である。具体的には、下向きの円柱谷面状(V字谷
面状)の滑り面部を有する上部免震皿3-aと、上向きお
よび下向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有
する中間免震皿3-mと、上向きの円柱谷面状(V字谷面
状)の滑り面部を有する下部免震皿3-bとからなり、下
向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有する上
部免震皿3-aと、上部免震皿3-aの下向きの円柱谷面状
(V字谷面状)の滑り面部の上下対称位置に上向きの円
柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有する中間免震皿
3-mとの間に、2個のローラー等の転動体5-fが挟ま
れ、下向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有
する中間免震皿3-mと、中間免震皿3-mの下向きの円柱
谷面状(V字谷面状)の滑り面部の上下対称位置に上向
きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有する下部
免震皿3-bとの間に、2個のローラー等の転動体5-fが
挟まれ、上部免震皿3-aの下向きの円柱谷面状(V字谷
面状)の滑り面部とそれと上下対称位置に設置された中
間免震皿3-mの上向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑
り面部と、中間免震皿3-mの下向きの円柱谷面状(V字
谷面状)の滑り面部とそれと上下対称位置に設置された
下部免震皿3-bの上向きの円柱谷面状(V字谷面状)の
滑り面部とは、相互に直交する方向になっている場合の
実施例である。下向きの平面状の滑り面部を有する上側
免震皿と、上向きの平面状の滑り面部を有する下側免震
皿とによって挟まれるローラーは、3個以上でも可能で
あるが(図344〜図347参照)、下向きの円柱谷面
状(V字谷面状)の滑り面部を有する上側免震皿と、上
向きの円柱谷面状(V字谷面状)の滑り面部を有する下
側免震皿とによって挟まれるローラーは、2個でないと
上下の免震皿に接触しないローラーが生じる。よって2
個の場合が有利である。ただし3個(または奇数個)の
ローラーを挟む合理性は存在する。というのは、両端の
2個は上下の免震皿と接触し、真中のローラーは接触し
ない。このことにより、2個の場合の、ローラーが互い
に接触することで生じる接触面での逆回転による摩擦抵
抗の増大を、この上下の免震皿と接触しない真中のロー
ラーが、この両端2個のローラー間に入り込むことによ
り緩衝して、摩擦抵抗の低減をする効果を持つ。 (8) ローラー歯車持ち型 請求項60−2項の発明は、請求項35項から請求項6
0項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承におい
て、滑り面部のローラー転がり面にラックを、ローラー
の周囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けることに
より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
承、またそれによる免震構造体である。このことによ
り、ローラーの免震時のスリップによるずれを防ぐこと
が可能になる(また、ローラーの周囲の噛合う歯(歯
車)をローラー自体から回転自由にし、スリップを許容
する方法もある)。この発明は、ローラー型免震皿全般
に適用可能である。また、この発明は、回転・捩れ防止
も可能である(10.1.2.2.参照)。図479はその発明
の実施例であり、三重(また三重以上の)免震皿免震装
置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a、下部(側)免震皿3
-b、中間免震皿3-mのローラー5-fの転がり面にラック
3-rを、ローラー5-f側にそのラック3-rと噛合う歯車
5-frを設けた場合のものである。 (9) ローラー溝持ち型 請求項60−3項の発明は、請求項35項から請求項6
0−2項のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承に
おいて、ローラーと滑り面部のローラー転がり面とのど
ちらか一方に溝を、他方にその溝に入る凸部を設けるこ
とにより構成されてなることを特徴とする滑り支承、ま
たそれによる免震構造体の発明である。この発明によ
り、免震時のローラーのずれをも防ぐことが可能であ
る。ローラーのずれとは、免震時のスリップによりロー
ラーがスライド方向に対して斜めになることであり、こ
の溝によりそれを防ぐ。この発明は、ローラー型免震皿
全般に適用可能である。また、この発明は、回転・捩れ
防止も可能である(10.1.2.1.参照)。図478は、そ
の実施例であり、上部(側)免震皿3-a、下部(側)免
震皿3-bにおける実施例を示している。中間免震皿3-m
の場合は免震皿の上面と下面のそれぞれにレール状のガ
イド部(凸部)3-lが上面・下面で直交するように設置
される。また、ローラー5-fの転がり面にガイド部(凸
部)挿入溝を、ローラー5-f側にそのガイド部(凸部)
を設けるような逆の場合もある。さらに、ガイド部また
溝が、ローラーに対して、一個で無く複数個の場合、さ
らにその間隔が大きい場合ほど効果がある。なお、ロー
ラーに代えて、ガイド部また溝に跨がる形の長いすべり
部材でも可能である。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承 また、図75(a)(b)は、請求項61項記載の二重(また
は二重以上の)免震皿のシールまたは防塵カバーに関す
る発明の実施例であり、4.1.〜4.3.のいずれにも適用可
能である。4.の二重(または二重以上の)免震皿免震
装置・滑り支承の上部免震皿・下部免震皿・中間免震皿
の側面の周囲を、防塵カバー3-cまたは中小地震程度の
揺れを許容するシール3-cで密閉することで、潤滑剤の
蒸発、雨ざらしになる事、塵埃等がたまる事、空気に暴
露される事等により、滑りが悪くなることを防ぐ事が可
能になる。また、大地震時にはシール3-cが破れ、また
は防塵カバー3-cが開いて、振動を許容する。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 図110〜図113は、請求項62項、請求項63項記
載の重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り部
5の改良発明の実施例を示している。 4.5.1. 中間滑り部 図110は、請求項62項記載の発明の中間滑り部を有
する重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の実施例
を示している。球面状またはすり鉢状または円柱谷面状
またはV字谷面状等の凹型滑り面部(この図では凹型球
面状の滑り面部)を有する免震皿3と、その面を滑走す
る中間滑り部6をもった滑り部5とからなる。中間滑り
部6の、滑り部5と接する面は滑り部5と同曲率の凹
(または凸)型の(球面)滑り面部を有し、免震皿3と
接する面は免震皿3と同曲率または接する曲率の凸型滑
り面部(この図では同曲率球面の滑り面部)を有する。
つまり、球面状またはすり鉢状または円柱谷面状または
V字谷面状等の凹型滑り面部を有する免震皿3と、免震
皿3の凹型と同一球面率または接する曲率の凸型滑り面
部をもち、この凸型滑り面部の反対部に凹(または凸)
型球面状滑り面部を有する中間滑り部6と、この中間滑
り部6の凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球面率
の凸(または凹)型滑り面部をもつ滑り部5とからな
り、中間滑り部6を、免震皿3と滑り部5との間に挟み
込むことにより構成される。中間滑り部6は、ローラー
・ボール(ベアリング)をもった中間滑り部6の場合も
あり、ローラー・ボールをもった保持器の場合もある。
滑り部5は、免震される構造体1に取付けられ、免震皿
3は、免震される構造体1を支持する構造体2に取付け
られる。また、免震皿3と滑り部5が、免震される構造
体1、免震される構造体1を支持する構造体2に対して
逆の関係で取付けられる場合もある。この場合(図11
0の凹型球面状の滑り面部を例にとると)、地震振動に
よって、滑り部5と免震皿3とがずれを起こしても、中
間滑り部6が、免震皿3の球面状に追随するように中間
滑り部6が滑り部5の凸(または凹)型の(球面)滑り
面部に対して回転し、滑り部5と中間滑り部6及び中間
滑り部6と免震皿3との接触面が、常に同面積得られ
て、垂直荷重伝達能力において有利である。また、滑り
部・中間滑り部が免震皿の凹型球面状に対して、裾広が
りの形状になることも、垂直荷重伝達能力において有利
である。滑り部下部(下面)6-lに、ローラー・ボール
(ベアリング)5-f、5-eを設けた場合もある。この場
合は、凹型球面状に対して、常にローラーまたはボール
が接し、振動時においても同接触面積が得られて、垂直
荷重伝達能力において有利である。また、中間滑り部6
と滑り部5との接する位置に、ローラー・ボール(ベア
リング)を設けると、首振りが容易になり有利である。
また、図106〜図107のように、このローラー・ボ
ール(ベアリング)は、循環式転がり案内によって循環
する形を取るのが望ましい。 4.5.2. 二重中間滑り部 請求項63項記載の発明は、4.5.1.における中間滑り部
6またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間
滑り部が、第一中間滑り部6-aまたはローラー・ボール
(ベアリング)をもった第一中間滑り部6-aと、第二中
間滑り部6-bまたはローラー・ボール(ベアリング)を
もった第二中間滑り部6-bとに、分かれてなることを特
徴とする発明である。図111は、請求項63項記載の
発明の二重中間滑り部を有する重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承の実施例を示している。球面状または
すり鉢状または円柱谷面状またはV字谷面状等の凹型滑
り面部(この図では凹型球面状の滑り面部)を有する免
震皿3と、その面を滑走する中間滑り部をもった滑り部
5とからなり、中間滑り部は、第二中間滑り部6-bと第
一中間滑り部6-aとに分かれる。第一中間滑り部6-aの
滑り部5と接する面は、滑り部5と同曲率の凹(または
凸)型の(球面)滑り面部を有し、第二中間滑り部6-b
の免震皿3と接する面は、免震皿3と同曲率または接す
る曲率の凸型滑り面部(この図では同曲率球面の滑り面
部)を有する。第一中間滑り部6-aと第二中間滑り部6
-bとの、互いに接する面は、同曲率の嵌まり合う関係の
凸型凹型の(球面)滑り面部を有している。つまり、球
面状またはすり鉢状または円柱谷面状またはV字谷面状
等の凹型滑り面部を有する免震皿3と、免震皿3の凹型
と同一球面率または接する曲率の凸型滑り面部をもち、
この凸型滑り面部の反対部に凹(または凸)型球面状滑
り面部を有する第二中間滑り部6-bと、この反対部の凹
(または凸)型球面状滑り面部と同一球面率の凸(また
は凹)型球面状滑り面部をもち、この凸(または凹)型
球面状滑り面部の反対部は凹(または凸)型球面状滑り
面部をもつ第一中間滑り部6-aと、この第一中間滑り部
6-aのこの凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球面
率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもつ滑り部5と
からなり、この第一中間滑り部6-a及び第二中間滑り部
6-bとは、互いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重
なりあう形で、免震皿3と滑り部5との間に、挟みこま
れることにより構成される。第二中間滑り部6-bと第一
中間滑り部6-aとは、ローラー・ボール(ベアリング)
をもった場合もある。滑り部5は、免震される構造体1
に取付けられ、免震皿3は、免震される構造体1を支持
する構造体2に取付けられる。また、免震皿3と滑り部
5の関係が、上下逆の場合もある。図112〜図113
は、請求項63項記載の発明の二重中間滑り部を有する
重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の実施例を示
しており、図111とは、滑り部5、第二中間滑り部6
-b、第一中間滑り部6-aの相互の滑り面部の凹凸が逆の
場合である。つまり、球面またはすり鉢状または円柱谷
面状またはV字谷面状等の凹型滑り面部(この図では凹
型球面状の滑り面部)を有する免震皿3と、免震皿3の
凹型と同一球面率または接する曲率の凸型滑り面部をも
ち、この凸型滑り面部の反対部に凸(または凹)型球面
状滑り面部を有する第二中間滑り部6-bと、この反対部
の凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球面率を持つ
凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、この凹(また
は凸)型球面状滑り面部の反対部は凸(または凹)型球
面状滑り面部をもつ第一中間滑り部6-aと、この第一中
間滑り部6-aのこの凸(または凹)型球面状滑り面部と
同一球面率を持つ凹(または凸)型球面状滑り面部をも
つ滑り部5とからなり、この第一中間滑り部6-a及び第
二中間滑り部6-bを、免震皿3と滑り部5との間に、挟
みこむことにより構成される。第二中間滑り部6-bと第
一中間滑り部6-aとは、ローラー・ボール(ベアリン
グ)をもった場合もある。また、第二中間滑り部が、複
層になり、第三(またはそれ以上の)中間滑り部をもつ
場合も有る。滑り部5は、免震される構造体1に取付け
られ、免震皿3は、免震される構造体1を支持する構造
体2に取付けられる。また、免震皿3と滑り部5の関係
が、上下逆の場合もある。図111、図112〜図11
3のいずれの場合も、図113(e) (f) のように、地震
振動によって滑り部5と免震皿3とが、ずれを起こして
も、中間滑り部6-bが免震皿3の球面状に追随するよう
に、中間滑り部6-bが中間滑り部6-aに対して回転し、
さらに中間滑り部6-aが滑り部5に対して回転し、滑り
部5と中間滑り部6-a及び中間滑り部6-aと中間滑り部
6-b及び中間滑り部6-bと免震皿3との接触面積が常に
同面積得られて、垂直荷重伝達能力において有利であ
る。また、滑り部・中間滑り部が免震皿の凹型球面状に
対して、裾広がりの形状になることも、垂直荷重伝達能
力において有利である。また、滑り部6-bの滑り部下部
(下面)6-lに、ローラー・ボール(ベアリング)5-
f、5-eを設けた場合もある。この構成は、免震皿の凹
型球面状に対して、常にローラーまたボールが接し、振
動時においても同接触面積が得られて、垂直荷重伝達能
力において有利である。また、第一中間滑り部6-aと、
滑り部5、第二中間滑り部6-bとの接する位置に、ロー
ラー・ボール(ベアリング)を設けると、首振りが容易
になり、有利である。また、図107(g)に見られるよ
うに、このローラー・ボール(ベアリング)は、循環式
転がり案内によって循環する形を取るのが有利である。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.6.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 図114〜図115は、請求項64項記載の発明の滑り
部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震装置・滑
り支承の実施例を示している。この発明は、重力復元型
一重免震皿免震装置・滑り支承Cにおいて、免震皿の凹
面上を滑り部がすべり、振動することにより生じる垂直
変位を吸収することを特徴としており、滑り部5は、筒
5-aと、筒5-aの中に挿入されるバネ等(バネ・ゴム等
の弾性体または磁石等)5-bと、その下部に突き出る形
で挿入されている滑り部先端5-cからなっている。この
バネ等5-bは、重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支
承Cの作動時の垂直変位を吸収するが、2.6.重力復元型
免震装置・滑り支承の振動時の垂直変位の吸収装置の併
用によってもより効果がでる。筒5-aの上部は、単に止
め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られて
いて、雄ネジ5-dが挿入されている場合もある。この雄
ネジ5-dは、入り込み方向に回転させて締めることによ
り、バネ等5-bを圧縮して反発力を強め、滑り部先端5
-cの押し出す力を強めるという機能をもち、復元力を高
めたり、地震後の免震される構造体1の残留変位の矯正
を可能にしたりする。また、このバネ等5-bは、重力復
元型一重免震皿免震装置・滑り支承Cの作動時の垂直変
位を吸収するだけでなく、垂直免震の機能も持ち合わせ
ている。滑り部下面5-lに、ローラー・ボール(ベアリ
ング)5-f、5-eを設けた場合もある。 また、このロ
ーラー・ボール(ベアリング)は、循環式転がり案内に
よって循環する形を取るのが有利である。 4.6.2. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震装置
・滑り支承に関する発明である。これは、後述の8.1.2.
2.3.の自動復元型固定装置の固定ピン7を、滑り部5ま
たはローラー・ボール(ベアリング)をもった滑り部5
にし、固定ピン7の挿入部7-v,7-vm を、凹型滑り面
部を有する免震皿3にしたもので、そうすることによ
り、滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震
装置・滑り支承が可能になる。また、このローラー・ボ
ール(ベアリング)は、循環式転がり案内によって循環
する形を取るのが有利である。 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 図338は、請求項65項記載の発明の、縁切り型の滑
り部垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り支承の実施
例を示している。凹型滑り面部を有する免震皿3と、免
震皿3の凹型滑り面部を滑走しうるローラー・ボール
(ベアリング)若しくは滑り部5とからなり、前記免震
皿3およびローラー・ボール(ベアリング)若しくは滑
り部5のうち、一方を垂直方向にスライドし水平方向は
拘束されているスライド装置32によって、免震される
構造体1に繋ぎ、もう一方を免震される構造体を支持す
る構造体2に設けることにより構成されるものである。
図338(a) はその平面図であり、(b)(c)は断面図であ
る。このうち、図338(a)と(b)は、ローラー・ボール
(ベアリング)若しくは滑り部5を、垂直方向にスライ
ドし、水平方向の移動を拘束するスライド装置32によ
って、免震される構造体1に繋ぎ、免震皿3を免震され
る構造体を支持する構造体2に設けた場合、図338
(a) と(c) は、免震皿3を、垂直方向にスライドし水平
方向の移動を拘束するスライド装置32によって、免震
される構造体1に繋ぎ、ローラー・ボール(ベアリン
グ)若しくは滑り部5を免震される構造体を支持する構
造体2に設けた場合である。図338(a)と(b)、(a) と
(c)ともに、凹型滑り面部を有する免震皿3の復元能力
は一方向性(特許 1844024号の1〜4図、また本願の図
102の実施例の上また下の免震皿参照)でもよいし、
球面、すり鉢状等の全方向性でもよい。機能を説明する
と、免震される構造体1と、重力復元型免震装置・滑り
支承Cの滑り部5または免震皿3のどちらか一方とを、
垂直方向にスライドし水平方向は拘束されているスライ
ド装置32によって繋ぐことにより、重力復元型免震装
置・滑り支承Cの地震時の振動による水平変位は、免震
される構造体1に伝達されるが、垂直変位は伝達されな
い。その事により、併用される引抜き防止装置・滑り支
承の垂直変位に対する遊び等を設ける必要がなくなり、
風時の引抜き力によるがたつきがなくなる。なお、重力
復元型免震装置・滑り支承Cの復元性能を考えると、重
力復元型免震装置・滑り支承Cの滑り部5に取り付く部
材20は、免震される構造体1と同等の重さが必要であ
る。また、併用される他の重力復元型免震装置・滑り支
承Cの個数により、その重さは軽減される。また免震さ
れる構造体1の平面位置に応じて、部材20の重さを変
えることによっても、免震される構造体1の偏心等の重
心調整も可能である。また、滑り部5の、凹型滑り面部
を有する免震皿3の接する滑り部下面5-lまた上面5-u
に、ローラー・ボール(ベアリング)5-f、5-eを設け
た場合もある。このローラー・ボール(ベアリング)
は、循環式転がり案内によって循環する形を取るのが有
利である。 4.8. 新重力復元型免震装置 図116〜図118は、請求項66項〜請求項68項記
載の発明の、垂直変位のない新重力復元型免震装置Cの
実施例を示している。図116は、請求項66項記載の
発明の実施例であり、免震される構造体Aから吊材等8
で吊された重り20を、免震される構造体を支持する構
造体または基礎2に設けられた挿入口31を経由して、
その下にまで吊されるように設置する。挿入口31の形
状に関しては、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性
能を持たせる場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コ
ロを介しての挿入口、全方向復元性能を持たせる場合
は、角を取った曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口
(図118)、すり鉢状等の形状の挿入口(図116)
のように、吊材8とその挿入口31とが接する角を丸め
るか、コロ等の回転子を介する(その場合は、重り20
の吊材8に対して直交方向二軸(二軸とは互いに直交方
向をなす)に分けてそれに対応してコロ等の回転子を設
ける必要がある)等により、摩擦を小さくした方がよ
い。また挿入口31の材質は、低摩擦材がよく、強度も
必要である。また、吊材8も、強度があり、曲げられる
材料のケーブル、ワイヤー、ロープ等の可撓部材が選択
される。また、復元力をもたせるために、重り20の重
さは、この装置を単独で使用する場合には、免震される
構造体Aの重さと、併用される免震装置・滑り支承の摩
擦係数とを掛合わせた数値以上、この装置を複数個使用
する場合には、上記の値(免震される構造体Aの重さ×
摩擦係数)をその個数で割った数値以上にする必要があ
る。図118は、請求項67項記載の発明の実施例であ
り、図116の実施例の重り20と免震される構造体を
支持する構造体2の間に、バネ等(バネ・ゴム等の弾性
体または磁石等)25を付加したものである。バネ等2
5の強度分、重り20を軽くする事が可能となり、また
最大振幅時の緩衝装置としても使うことができる。特
に、バネ等25と基礎2の間に隙間を設けて、ある地震
振幅以上にならないとバネ等が働かない機構にすると、
最大振幅時のみに機能する緩衝装置となり、併用する免
震皿から滑り部などが外れるのを防止する、外れ防止装
置としても機能する。また、図117は、請求項68項
記載の発明の実施例であり、重り20または吊材8また
はこれらの延長物に、固定装置のロック機能を設けるこ
とにより構成されるものである。具体的には、重り2
0、吊材8に、またこれらの延長物に、固定装置Gの挿
入部7-vを設け、そこに固定ピン7が差込まれる。こ
の固定装置Gは、以下の「8.固定装置・ダンパー」に
示されるような各種型があり、固定ピン7は、地震セン
サーまたは風センサーに接続される。また、特許 18440
24号と特許 2575283号での免震復元装置(重力復元型免
震装置・滑り支承)では地震振動時に垂直変位が生じる
が、この新重力復元型免震装置においては、重力復元型
免震装置であるにもかかわらず、垂直変位が生じない。
このことは、引抜き防止装置・固定装置等を垂直変位に
対処するようにした場合に生じるがたつき等の問題を解
決する(前記2.6.等参照)。また、この新重力復元型免
震装置は、バネ等による復元制御に比べて、免震性能が
高い。バネ等による復元制御は変位に比例して復元力が
増加するため、変位の大きい強い地震ほど反発力が大き
く、そのために免震性能を低下させる。この新重力復元
型はその点、変位に比例しない一定の復元力を得られる
ため、強い地震に対しても免震性能が低下することはな
い。また、変位に比例しない一定の復元力をもつという
性能は、地震終了後の残留変位の抑制に対して大きな効
果を持つ。つまり、変位に比例して復元力が増加するバ
ネ型のものは、変位が小さい場合には復元力を持たず、
そのため残留変位が残り易い。一方、変位に比例しない
一定の復元力をもつこの新重力復元型は、変位が小さく
ても一定の復元力が得られるため、残留変位を消去する
能力は大きいのである。さらに、変位に比例しない一定
の復元力をもつという性能は、免震装置自体が固有周期
を持たないという重要な効果を持つ。つまり地震周期に
対しては共振域を持たないという大きな効果が得られ
る。また、重り20により、免震される構造体の重心が
押し下げられて、ロッキング現象等の問題も少なくな
り、安定した免震性能が得られることに役立つ。また、
請求項68−2項は、 請求項66項から請求項68項
のいずれか1項に記載の免震構造体において、併用する
滑り支承としては、転がり支承、すべり支承(復元性能
を持たない平面状滑り面部をもつ滑り支承でよい)であ
ることを特徴とする免震構造体の発明である。以下、こ
の重りによる重力復元型免震装置(滑り支承を含む場合
もあり)を「重り復元型免震装置」と言う。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 5.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 5.1.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。そこで、共振のない免震装置
が求められている。請求項69項〜請求項76項は、そ
の発明である。 5.1.1.1. 共振のない滑り型免震装置と共振のある滑り
型免震装置 5.1.1.1.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 すべり・転がり面がすり鉢(円錐・角錐等)状である滑
り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承(一
重免震皿免震装置・滑り支承(転がり・すべり、4.5.参
照)、二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承(転がり・すべり、2.10./2.12./4.1.〜4.2.1.2.
3./4.2.1.2.5./4.2.1.3.2.〜4.3./(4.4.)参照))、
または、すべり・転がり面がV字谷面状である滑り面部
を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承(一重免震
皿免震装置・滑り支承(転がり・すべり、4.5.参照)、
二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承
(転がり・すべり、4.2.1.2.4./4.2.1.2.5./4.2.1.3.
4./4.3./(4.4.)参照)、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装
置2の(3) 復元型滑り支承兼用型)による免震構造体
は、共振現象を持たない。以上の、すべり・転がり面が
すり鉢状またはV字谷面状等の直線勾配によって形成さ
れて復元性能を持った滑り支承(以下、直線勾配型復元
滑り支承と言う)による免震構造体は、共振現象を持た
ない。 (2) 重り復元型免震装置 重り復元型免震装置(4.8.参照)による免震構造体は、
共振現象を持たない。併用する滑り支承としては、復元
性能を持たない平面状滑り面部をもつ滑り支承(転がり
支承、すべり支承)でよい(請求項68−2項記載の免
震構造体)。以下のように凹型球面・円柱谷面復元型免
震装置・滑り支承との併用は不可である。 5.1.1.1.2. 共振のある滑り型免震装置 参考として共振のある滑り型免震装置として、以下の2
つの型の免震装置をあげておく。 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 凹型球面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
・滑り支承(2.10./2.12./4.1.〜4.2.1.2.1./4.2.1.
3.1.〜4.5.参照)、または、円柱谷面状の滑り面部を有
する免震皿からなる免震装置・滑り支承(4.2.1.2.2./
4.2.1.3.3./4.3./(4.4.)/4.5.参照)による免震構造
体は、共振現象を持つ。以上の凹型球面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承と、円柱谷面
状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支
承とを、凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承
と言う。ここで、共振のない滑り型免震装置にするに
は、滑り支承の滑り面部を非球面、非円柱谷面にすれば
良いということである。それも球面・円柱谷面から形状
をずらせばずらす程効果が大きい。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置もう一つの型として、滑
り支承+バネ型復元装置(4.2.4./14.2.2.参照)によ
る免震構造体は、共振現象を持つ。 5.1.1.2. 共振のない滑り型免震装置と共振のある滑り
型免震装置との運動方程式(記号説明は 5.3.0.また
5.1.3.1.参照) 以下、5.1.1.1.の免震装置による運動方程式である。 5.1.1.2.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法 直線勾配型復元滑り支承による免震構造体の直接法によ
る運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・d
x/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 直線勾配型復元滑り支承による免震構造体の等価線形化
法による運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒m
g・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。なお、上記のKe、Ceについて説明をする
と、等価固有周期による場合は、 Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| 運動方程式から等価法による場合は、 Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x| エネルギー消費等価法による場合は、 Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| 運動方程式から等価法による場合は、 Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt| である。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法 重り復元型免震装置による免震構造体の直接法による運
動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/dt)=-d
(dz/dt)/dt d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/
m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 重り復元型免震装置による免震構造体の等価線形化法に
よる運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x| Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。なお、上記のKe、Ceについて説明をする
と、等価固有周期による場合は、 Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| 運動方程式から等価法による場合は、 Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x| エネルギー消費等価法による場合は、 Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| 運動方程式から等価法による場合は、 Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt| である。 5.1.1.2.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承による免
震構造体の直接法による運動方程式は、以下のようにな
る。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承による免
震構造体の等価線形化法による運動方程式は、以下のよ
うになる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。なお、上記のCeについて説明をすると、エ
ネルギー消費等価法による場合は、 Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| 運動方程式から等価法による場合は、 Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt| である。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法 滑り支承+バネ型復元装置による免震構造体の直接法に
よる運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。 2) 等価線形化法 滑り支承+バネ型復元装置による免震構造体の等価線形
化法による運動方程式は、以下のようになる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合は、以下のように
なる。 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加える。なお、上記のCeについて説明をすると、エ
ネルギー消費等価法による場合は、 Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| 運動方程式から等価法による場合は、 Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt| である。 5.1.1.3. 運動方程式から設計された共振のない滑り型
免震装置と共振のある滑り型免震装置(記号説明は 5.
3.0.また 5.1.3.1.参照) 5.1.1.3.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法 請求項69項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx
/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・d
x/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、また残留変位のない復元を考えるとθ≧μ
を満たす、すり鉢状の滑り面部を有する免震皿からな
る免震装置・滑り支承、またはV字谷面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、またはそれ
を使用した免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項70項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒m
g・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、また残留変位のない復元を考えるとθ≧μ
を満たす、すり鉢状の滑り面部を有する免震皿からな
る免震装置・滑り支承、またはV字谷面状の滑り面部を
有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、またはそれ
を使用した免震構造体の発明である。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法 請求項71項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+g{M/m・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/
m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、また残留変位のない復元を考えるとM/m
≧μ を満たす、重り復元型免震装置(4.8.参照)、ま
たはそれを使用した免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項72項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x| Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなり、また残留変位のない復元を考えるとM/m
≧μ を満たす、重り復元型免震装置(4.8.参照)、ま
たはそれを使用した免震構造体の発明である。 5.1.1.3.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法 請求項73項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなる、凹型球面状の滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、または、円柱谷面状の滑り面
部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、また
は、それを使用した免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項74項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなる、凹型球面状の滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、または、円柱谷面状の滑り面
部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、また
は、それを使用した免震構造体の発明である。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法 請求項75項は、運動方程式 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなる、滑り支承+バネ型復元装置による免震装
置、またはそれを使用した免震構造体の発明である。 2) 等価線形化法 請求項76項は、等価線形化法による運動方程式 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2・sign(dx/dt)
を加えること等によって構造解析することによって設計
されてなる、滑り支承+バネ型復元装置による免震装
置、またはそれを使用した免震構造体の発明である。 5.1.2. 共振のないことの証明 5.1.1.1.の(1)(2)に関して、5.1.1.2.の運動方程式(2)
においてM/m=θとすると(1)と同じ運動方程式にな
る。 運動方程式 d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz/
dt)/dt の解を整理すると以下のようになる(後述の 5.1.3.滑
り免震(すり鉢状)の運動方程式の解、参照)。 (1) 最大応答加速度の理論解 絶対加速度振幅|d(dy/dt)/dt|maxは |d(dy/dt)/dt|max=|(±θ+μ)g| ……( 15) 絶対加速度倍率γ2は γ2 =|(±θ+μ)/ε| ……( 16) となる。 (2) 最大応答変位の理論解 相対変位振幅x0は x0 =|±z0/(2ε)・{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}^0.5 +(±θ+μ)・z0/ε| ……( 8-1) 相対変位倍率γ0は γ0 =|±1/(2ε)・{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}^0.5+(±θ+μ)/ε| ……( 9-1) 絶対変位振幅y0は y0 =|(±θ+μ)z0・π^2/(8ε)| ……( 12) 絶対変位倍率γ1は γ1 =|(±θ+μ)π^2/(8ε)| ……( 13) となる。以上から、応答変位倍率は、入力(地震)周期
とは無関係であり、入力加速度によってきまり、入力加
速度とほぼ反比例関係であり、小さい入力加速度では増
幅はあるが、大きな入力加速度では応答変位の増幅はほ
とんど無い。応答絶対加速度も、入力(地震)周期とは
無関係であり、さらに入力変位・速度・加速度に依ら
ず、常に一定値の(±tanθ+μ)・gである。以上のこ
とは実験でも証明されている。共振が問題になるのは、
変位増幅よりも加速度増幅の場合である。それも大きな
加速度入力時に起る場合が特に問題である。本発明によ
り、そういう心配の全くない装置が可能となる。この発
明の効果は、この免震構造では、共振防止ダンパーが要
らないことである。ダンパーの役割は、地震終息時の減
衰効果、共振抑制、変位抑制である。地震終息時の減衰
効果に関して、摩擦型で球面でない場合は速やかに減衰
するので、ダンパーは必要ない。変位抑制に関しても、
低速度時では油圧ダンパーは摩擦ほどではないので、μ
とθを調整すると油圧ダンパーは必要ない(h=16/π
^3・μ/tanθ≒0.5・μ/θ)。共振抑制に関しても以
上のように共振しないので、ダンパーは必要ない。 5.1.3. 滑り免震の運動方程式の解 5.1.3.1. 記号一覧 x :地面から見た質点=免震される構造体の応答変位
(相対変位) z :不動=絶対点より見た地面の変位(絶対変位) y=x+z:不動=絶対点より見た質点の応答変位(絶
対変位) x0 :質点の変位振幅(地面から見た=対地面、相対変
位) y0 :質点の変位振幅(不動=絶対点より見た、絶対変
位) z0 :地震波の変位振幅(不動=絶対点より見た、絶対
変位) dx/dt:質点の応答速度(対地面、相対速度) dz/dt:地震速度(絶対速度) dy/dt:質点の応答絶対速度(絶対速度) d(dx/dt)/dt:質点の応答加速度(対地面、相対加速度) d(dz/dt)/dt:地震加速度(絶対加速度) d(dy/dt)/dt:質点の応答絶対加速度(絶対加速度) t :時間 m :質点の質量 M :復元重りの質量 g :重力加速度 θ :V字谷面状免震皿勾配、すり鉢状免震皿の実質
(水平に対する)勾配(radian) 但し二重免震皿免震装置の時で上部下部免震皿の勾配が
違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθd)/(cosθu+cosθd) θu、θdが小さい場合 cosθu≒cosθd≒1、またθd
≒θuの場合 θ≒(tanθu+tanθd)/2 ≒(θu+θd)/2 θu :上部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) 但し三重免震皿免震装置の時で上部免震皿・中間免震皿
・下部免震皿の勾配が違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθmu+sinθmd+sinθd)/(cosθu+co
sθmu+cosθmd+cosθd) θu、θdが小さい場合で、cosθu≒cosθmu≒cosθmd≒
cosθd≒1、またθd≒θu≒θmu≒θmdの場合 θ≒(tanθu+tanθmu+tanθmd+tanθd)/4 ≒(θu+θmu+θmd+θd)/4 θu :上部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θmu:中間免震皿上部勾配(三重免震皿免震装置の時) θmd:中間免震皿下部勾配(三重免震皿免震装置の時) μ :免震皿の動摩擦係数 h :減衰定数 C :粘性減衰係数 K :バネ定数 ω :地震力の円振動数(不動(絶対)点より見た) radian/sec ω0 :質点の固有円振動数 radian/sec z0・ω^2 :地震波の加速度振幅 ε=z0・ω^2/g :震度 γ0 =x0/z0 :振幅率(相対変位倍率) γ1 =y0/z0 :絶対変位倍率 γ2 =|d(dy/dt)/dt|max/|d(dz/dt)/dt|max :絶
対加速度倍率 A^n:Aのn乗( ^ は以上以下の全ての章で使用) sign(x):xの符号を示す。プラスの時+1、マイナス
の時−1、0の時0 5.1.3.2. 運動方程式を解く (1) すり鉢復元型の場合 d(dy/dt)/dt+sinθ・cosθ・g・sign(x)+(cosθ)^2・μ
g・sign(dx/dt)=0 d(dy/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=0 θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dy/dt)/dt +θg・sign(x)+μg・sign(dx/dt)=0 d(dy/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=0 y=x+zより d(dx/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d
(dz/dt)/dt (2) 重り復元型(4.8.参照)の場合 d(dy/dt)/dt +M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/d
t)=0 d(dx/dt)/dt +M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/d
t)=-d(dz/dt)/dt (1)(2)に関して、(2)においてM/m=θ(実際そのよ
うなMにする必要がある)とすると(1)と同じ方程式に
なる。以下、(1)の方程式に従い解く。 1) dx/dt≧0 x≧0の時 d(dy/dt)/dt +θg+μg=0 d(dy/dt)/dt +(θ+μ)g=0 2) dx/dt≧0 x<0の時 d(dy/dt)/dt −θg +μg=0 d(dy/dt)/dt −(θ−μ)g=0 3) dx/dt<0 x≧0の時 d(dy/dt)/dt +θg−μg=0 d(dy/dt)/dt +(θ−μ)g=0 4) dx/dt<0 x<0の時 d(dy/dt)/dt −θg−μg=0 d(dy/dt)/dt −(θ+μ)g=0 1)、4)の時、つまり、sign(x)・sign(dx/dt)≧0 の
時は d(dy/dt)/dt +(θ+μ)g・sign(dx/dt)=0 2)、3)の時、つまり、sign(x)・sign(dx/dt)≦0 の
時は d(dy/dt)/dt +(−θ+μ)g・sign(dx/dt)=0 以上より、 d(dy/dt)/dt +(±θ+μ)g・sign(dx/dt)=0 ……( 1) y=x+zより d(dx/dt)/dt + d(dz/dt)/dt +(±θ+μ)g・sign(dx/dt)=0 d(dx/dt)/dt +(±θ+μ)g・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt ……( 2) 地震力を単純化して振幅一定の正弦波とし、z=z0・c
osωtとして dz/dt=−z0・ω・sinωt d(dz/dt)/dt=−z0・ω^2・cosωt よって、 d(dx/dt)/dt +(±θ+μ)g・sign(dx/dt)=z0・ω^2・cosωt ……( 2-1) ( 2-1)式をフーリエ級数展開すると、μが小さい場合
〔(μ+θ)<π/4・ε)、xはωの振動数をもった調和
振動と考えられ((μ+θ)≧π/4・εの時とは、 4/π・
(μ+θ)g≧地震波の加速度振幅 の時で、地震波の加
速度振幅≧(μ+θ)gの時でないと免震が始まらないの
で、 4/π・(μ+θ)g〜 (μ+θ)gの間のみが免震時
の理論解として解けていないが、転がり型の免震装置を
考えると (μ+θ)g及び 4/π・(μ+θ)gは極めて小
さい値であり、実質的な問題はない〕、 dx/dt=0の時とは、(2n+1)π/2=ωt−η dx/dt≧0の時とは、(4n-1)π/2≦ωt−η≦(4n+
1)π/2 :nは整数 dx/dt≦0の時とは、(4n+1)π/2≦ωt−η≦(4n+
3)π/2 :nは整数 とすると、よって、( 2-1) 式をフーリエ級数展開する
と d(dx/dt)/dt +4(±θ+μ)g/π・{cos(ωt−η) −1/3・cos3(ωt−η)+1/5・cos5(ωt−η)……} =z0・ω^2・cosωt ……( 3) d(dx/dt)/dt=z0・ω^2・cosωt −4(±θ+μ)g/π・{cos(ωt−η) −1/3・cos3(ωt−η) +1/5・cos5(ωt−η)……} ……( 4) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 ∴d(dx/dt)/dt=z0・ω^2・cosωt−(±θ+μ)g ……( 4-1) dx/dt=z0・ω・sinωt −4(±θ+μ)g/(ωπ)・{sin(ωt−η) −1/9・sin3(ωt−η) +1/25・sin5(ωt−η)……} ……( 5) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 =z0・ω・sinωt −4(±θ+μ)g/(ωπ)・π(ωt−η)/4 ∴ dx/dt=z0・ω・sinωt−(±θ+μ)g/ω・(ωt−η) ……( 5-1) x=−z0・cosωt +4(±θ+μ)g/(ω^2 π)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} =−z0・cosωt +4(±θ+μ)z0/(πε)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 6) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 =−z0・cosωt +4(±θ+μ)g/(πω^2)・π/8・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} ∴ x=−z0・cosωt +(±θ+μ)g/(2ω^2)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} =−z0・cosωt +(±θ+μ)z0/(2ε)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} ……( 6-1) ※ ηの決定 与条件のωt−η=(2n+1)π/2の時、dx/dt=0より ( 5) 式に、ωt−η=π/2を代入 0=z0・ω・sin(π/2+η) −4(±θ+μ)g/(ωπ)・{1+1/9+1/25+…} =z0・ω・cosη −4(±θ+μ)g/(ωπ)・π^2/8 0=z0・ω・cosη −(±θ+μ)πg/(2ω) cosη=(±θ+μ)πg/(2z0・ω^2) ∴ cosη=(±θ+μ)π/(2ε) ……( 7) ※ ζの決定 d(dx/dt)/dt=0の時、x=0より ( 2-1)式より cosωt=(±θ+μ)g・sign(dx/dt)/(z0・ω^2) ( 6)式に x=0より、 0=−z0・cosωt +4(±θ+μ)g/(ω^2・π)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} =−(±θ+μ)g・sign(dx/dt)/ω^2 +4(±θ+μ)g/(ω^2・π)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} =(±θ+μ)g/ω^2 ・〔−sign(dx/dt)+4/π・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……}〕 0=−sign(dx/dt)+4/π・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 7-1) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 dx/dt≧0より 0=−1+4/π・π/8・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} =−1+1/2{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} =−2+π^2/4−(ωt−η-ζ)^2 (ωt−η-ζ)^2=−2+π^2/4 ∴ ωt−η-ζ=±√(π^2/4−2) ……( 7-2) 5.1.3.3. 応答相対変位・振幅・倍率 (1) 相対変位 以上から x=−z0・cosωt +4(±θ+μ)g/(πω^2)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} =−z0・cosωt +4(±θ+μ)z0/(πε)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 6) =−z +4(±θ+μ)g/(πω^2)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} =−z +4(±θ+μ)z0/(πε)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 6’) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 x=−z0・cosωt +(±θ+μ)g/(2ω^2)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} =−z0・cosωt +(±θ+μ)z0/(2ε)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} ……( 6-1) x=−z +(±θ+μ)g/(2ω^2)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} =−z +(±θ+μ)z0/(2ε)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} ……( 6-1’) ( 7-2)式を代入 =−z +(±θ+μ)g/(2ω^2)・{π^2/4+2-π^2/4} =−z +(±θ+μ)g/(2ω^2)・2 =−z0・cosωt+(±θ+μ)g/ω^2 ∴ x=−z0・cosωt+(±θ+μ)z0/ε ……( 6-2) =−z+(±θ+μ)g/ω^2 =−z+(±θ+μ)z0/ε ……( 6-2’) μ=0の時、 x=−z ±4 θ・g/(πω^2)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} =−z ±4 θ・z0/(πε)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 6-3) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 ∴ x=−z±θ・g/ω^2 =−z±θ・z0/ε ……( 6-4) (2) 相対変位振幅 dy/dt=0の時、|x|は最大 つまり、ωt−η=(2n+1)π/2の時、 よって、( 6) 式にωt−η=π/2を代入は、−π/2≦ωt−η≦π/2の時な ので、( 6-2) 式にωt−η=π/2を代入、 x0 =|x|max =|−z0・cos(π/2+η)+(±θ+μ)g/ω^2| =|z0・sin η+(±θ+μ)g/ω^2| ∴x0 =|z0・sin η+(±θ+μ)z0/ε| ……( 8) ( 7) 式より cosη=(±θ+μ)・π/(2ε) (cosη)^2=(±θ+μ)^2・π^2/(4ε^2) 1−(sinη)^2=(±θ+μ)^2・π^2/(4ε^2) sinη=±√{-(±θ+μ)^2・π^2/(4ε^2)+1} ∴x0 =|±z0√{-(±θ+μ)^2・π^2/(4ε^2)+1} +(±θ+μ)g/ω^2| =|±z0/(2ε)・√{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2} +(±θ+μ)g/ω^2| =|±z0/(2ε)・√{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2} +(±θ+μ)・z0/ε| ……( 8-1) μ=0の時、 x0 =|±z0√{-θ^2・π^2/(4ε^2)+1}±θ・g/ω^2| =|±z0/(2ε)・√{-θ^2・π^2+4ε^2}±θ・g/ω^2| ∴x0 =|±z0/(2ε)・√{-θ^2・π^2+4ε^2}±θ・z0/ε| ……( 8-2) (3) 相対変位倍率 γ0 =x0/z0 ( 8) 式より =|sinη+(±θ+μ)g/(ω^2・z0)| ∴γ0 =|sinη+(±θ+μ)g/(z0・ω^2)| ……( 9) ( 8-1) 式より =|±1/(2ε)√{-(±θ+μ)^2・π^2+4ε^2}+(±θ+μ)/ε| ……( 9-1) μ=0の時、 ∴γ0 =|±1/(2ε)√{-θ^2・π^2+4ε^2} ±θ/ε| ……( 9-2) 5.1.3.4. 応答絶対変位・振幅・倍率 (1) 絶対変位 y=x+z ( 6) 式より ∴y=4(±θ+μ)g/(πω^2)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 11) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 ( 6-1) 式より y=(±θ+μ)g/(2ω^2)・{π^2/4−(ωt−η-ζ)^2} ( 7-2)式を代入 =(±θ+μ)g/(2ω^2)・{π^2/4+2−π^2/4} =(±θ+μ)g/ω^2 ∴y=(±θ+μ)z0/ε ……( 11-1) μ=0の時、 ∴y=±4 θg/(πω^2)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……} ……( 11-2) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 =±θg/ω^2 ∴y=±θz0/ε ……( 11-3) (2) 絶対変位振幅 |y|max =y0 として、 y0 =|4(±θ+μ)g/(πω^2)・{cos(ωt−η-ζ) −1/27・cos3(ωt−η-ζ) +1/125・cos5(ωt−η-ζ)……}|max ωt−η-ζ=0の時にmax =|4(±θ+μ)g/(πω^2)・{1−1/27+1/125−…}| ∴y0 =|(±θ+μ)gπ^2/(8ω^2)| ……( 12) =|(±θ+μ)z0・π^2/(8ε)| ……( 12) ≒|1.23(±θ+μ)z0/ε| ……( 12-1) μ=0の時、 =|(±θ+μ)z0・π^2/(8ε)| ……( 12-2) ∴y0 ≒|±1.23 θ・z0/ε| ……( 12-3) (3) 絶対変位倍率 γ1 =y0/z0 ( 12-1)式より =|(±θ+μ)gπ^2/(8z0・ω^2)| =|(±θ+μ)π^2/(8ε)| ……( 13) ∴γ1 ≒|1.23(±θ+μ)/ε| ……( 13-1) μ=0の時、 =|θ・π^2/(8ε)| ……( 13-2) ∴γ1 ≒|1.23 θ/ε| ……( 13-3) 5.1.3.5. 応答相対速度、応答絶対速度 (1) 相対速度 dx/dt=z0・ω・sinωt −4(±θ+μ)g/(ωπ)・{sin(ωt−η) −1/9・sin3(ωt−η) +1/25・sin5(ωt−η)……} ……( 5) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 ∴dx/dt=z0・ω・sinωt−(±θ+μ)g/ω・(ωt−η) ……( 5-1) (2) 絶対速度 dy/dt=dx/dt+dz/dt =dx/dt−z 0ω・sinωt =−4(±θ+μ)g/(ωπ)・{sin(ωt−η) −1/9・sin3(ωt−η) +1/25・sin5(ωt−η)……} ……( 5-2) −π/2≦ωt−η≦π/2の時 ∴dy/dt=−(±θ+μ)g/ω・(ωt−η) ……( 5-3) 5.1.3.6. 応答相対加速度、応答絶対加速度・振幅・倍率 (1) 相対加速度 ( 2) ( 2-1) 式より、 d(dx/dt)/dt =−d(dz/dt)/dt−(±θ+μ)g・sign(dx/dt) ……( 2’) d(dx/dt)/dt =z0・ω^2・cosωt−(±θ+μ)g・sign(dx/dt) ……( 2-1’) (2) 絶対加速度 ( 11)式をtで二階微分して、 d(dy/dt)/dt =−4(±θ+μ)g/π・{cos(ωt−η) −1/3・cos3(ωt−η) +1/5・cos5(ωt−η)……} フーリエ級数なので(また( 1)式より同じ) ∴d(dy/dt)/dt=−(±θ+μ)g・sign(dx/dt) ……( 14) また、(2’)式 に +d(dz/dt)/dt からも同じ d(dy/dt)/dt=d(dx/dt)/dt +d(dz/dt)/dt =−(±θ+μ)g・sign(dx/dt) μ=0の時、 ∴d(dy/dt)/dt=−±θg・sign(dx/dt) ……( 14-1) (3) 絶対加速度振幅 ∴|d(dy/dt)/dt|max=|(±θ+μ)g| ……( 15) μ=0の時、 ∴|d(dy/dt)/dt|max=|θg| ……( 15-1) (4) 絶対加速度倍率 地震加速度z0・ω^2=εgとして、 γ2 =|d(dy/dt)/dt|max/|d(dz/dt)/dt|max ∴γ2 =|(±θ+μ)/ε| ……( 16) μ=0の時、 ∴γ2 =|θ/ε| ……( 16-1) 5.2. 解析プログラムによる共振のない滑り型免震装置 請求項77項〜請求項78項は、Runge-Kutta法による
解析プログラムによる共振のない滑り型免震装置、また
それによる免震構造体の発明である。以下、そのフロー
チャート(記号については5.2.1.1.変数/定数一覧参
照)を示す(5.2.1.5.参照)。 (1) 初期化 1) 定数のセット(上部構造(免震される構造体と同じ
意味である。以下同じ)の質点の質量と質点間のバネ定
数、減衰係数はのぞく) 2) 上部構造の質点の質量の入力 3) 上部構造の質点間のバネ定数と減衰係数の入力(2
質点以上の場合) 4) 出力値(上部構造各質点の相対変位応答値、相対速
度応答値)の初期条件のセット: (2) 入出力ファイルの設定 1) 入力データのファイル名を設定 2) INPUT命令で入力された出力ファイル名(F$)をファイ
ル番号#2のoutput用ファイルとして開く。 (3) 入力データ(地動加速度データ等)を読み込む。 (4) 動作判別式 運動方程式には地動加速度に対して免震装置が機能する
条件が入っていないので、ここで判別式として運動方程
式選択の分岐をおこなう。 1) 耐震(静止)状態の時 a. |AC|>=(MU+SS)*G*SSC^2 a.が成り立つ場合は免震状態になるので、免震状態の
運動方程式を処理するサブルーチン(*SUB_A)へ移行す
る。a.が成り立たない場合は耐震状態のままなので、
耐震状態の運動方程式を処理するサブルーチン(*SUB_A
0)へ移行する。 2) 免震状態の時 b. x=0 かつ V=0 かつ |AC|<(MU+SS)*G*SSC^2 ※但しプログラム上はxとVの絶対値が 0に近い一定値以
下の場合、x=0、V=0とみなしている。 b.が成り立つ場合は耐震状態になるので、耐震状態の
運動方程式を処理するサブルーチン(*SUB_A0)へ移行す
る。b.が成り立たない場合は免震状態のままなので、
免震状態の運動方程式を処理するサブルーチン(*SUB_A)
を再び経由する。 (5) 運動方程式設定 動作判別式により免震装置が機能しない場合(*SUB_A
0)と免震装置が機能する場合(*SUB_A)の2つの場合
に分かれ、運動方程式から質点数ごとにそれぞれ次のよ
うな連立2階微分方程式を設定する。 1) 1質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(dx/dt)/dt=0 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(dx/dt)/dt=-MM1*G*SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))/MM1-DDY 2) 2質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2−KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 3) 3質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+MM3)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 4) n質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn”)-KKn’*(xn’-xn”) +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n”=n-2 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+・・+MMn)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn”)-KKn’*(xn’-xn”) +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n”=n-2 (6) Runge-Kutta解析 (5)の連立2階微分方程式をRunge-Kutta法で解く。 (7) 加速度/速度/変位応答の計算 速度と変位は連立2階微分方程式を解くことによって得
られ、加速度については運動方程式から直接得る。 (8) 誤差の処理 (9) 結果出力 請求項79項〜請求項80項は、Wilsonθ法による解析
プログラムによる共振のない滑り型免震装置、またそれ
による免震構造体の発明である。以下、そのフローチャ
ート(記号について5.2.2.2. 変数/定数一覧参照)を
示す(5.2.2.5.参照)。 (1) 初期化 1) N,ND1,ND2設定 NとND1は質点数を入力、ND2は地動加速度データ数を入
力。 2) 配列の宣言 3) 定数のセット(質量、減衰、剛性マトリックスはの
ぞく) 4) 質量マトリックスの入力 5) 減衰マトリックスの入力 (2質点以上の場合) 6) 剛性マトリックスの入力 (2質点以上の場合) 7) 出力値(上部構造各質点の相対変位応答値、相対速
度応答値)の初期条件のセット (2) データ入力と出力ファイルの設定 1) 入力データ用のファイル名をINPUT命令でセットし、
ファイルナンバー#1として開く。 2) 出力データ用のファイル名をINPUT命令でセットし、
ファイルナンバー#2として開く。 (3) 時刻反復 1) 時刻歴(M=2 TO NN)のループ。 (4)先読み反復 1) 等価バネ定数、等価減衰係数の精度を上げるため、
時刻歴を1つ分先読みする、O=1 TO 2のループ。1巡目
のときO=1、2巡目のときO=2。5.2.2.6. 2)を参照。 (5)等価バネ定数、等価減衰係数の計算 1) 等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)を、V0とX0
から求める。 1質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 2質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 ※なお、V0、X0の絶対値が非常に小さい値だとKEQ、CEQ
が発散してしまうため、V0、X0の絶対値が 0に近い一定
値以下の場合はそれぞれ十分小さいが発散しない適切な
値を代わりに使用する。 2) 連立方程式に使用するVW1の計算。 (6) ループチェック (4)で1巡目の処理か2巡目の処理かをチェックする。1
巡目の場合は、そのまま(7)の処理に進み、2巡目の場
合は、先読み前の時間に戻した後に、(7)の処理に進
む。 (7) Wilsonθ法による、t+θDT時の変位計算 (8) Wilsonθ法による、加速度/速度/変位応答の計算 (9) 誤差の処理 必要に応じ誤差を処理し、(6)のループチェックにおい
て1巡目の処理とされた場合は(4)の処理へ戻り、2巡
目の処理とされた場合は(10)の処理へ進む。 (10) 結果出力 5.2.1. Runge-Kutta法 Runge-Kutta法のフローチャートは、図487に記載さ
れている。 5.2.1.1. 変数/定数一覧 (1) 入力値 上部構造は1質点、2質点、3質点、n質点せん断形弾
性モデルとする。1階の質点質量とは、1階床の質量に
1階床上から2階床までの構造材質量を、n階の質点質
量とは、n階床の質量にn-1階床上からn階床までの
構造材質量を、それぞれ適当に配分して和したものとす
る。それ以外の各階の質点質量とは、各階の床の質量に
その上下階間の構造材質量を適当に配分して和したもの
とする。 MM 上部構造の質点質量(単位t) MM1 上部構造1階の質点質量(単位t) MM2 上部構造2階の質点質量(単位t) MM3 上部構造3階の質点質量(単位t) ・ ・ MMn 上部構造n階の質点質量(単位t) SS すり鉢勾配の角度θによるタンジェント tanθ 重り復元型免震装置(5.1.1.1.1.(2))の場合は、 M/m=θとする SSC すり鉢勾配の角度θによるコサイン cosθ 重り復元型免震装置の場合は、M/m=θとする MU すり鉢支承の摩擦係数 μ 重り復元型免震装置の場合は滑り支承の摩擦係数を入力 DDY 地動加速度時刻歴のデータ(単位gal) H 地動加速度時刻歴データの時間間隔(単位sec) T2 上部構造1階床上から2階床までの固有周期(単位sec) T3 上部構造2階床上から3階床までの固有周期(単位sec) ・ ・ Tn 上部構造n-1階床上からn階床までの固有周期(単位sec) KK2 上部構造1階床上から2階床までのバネ定数 KK3 上部構造2階床上から3階床までのバネ定数 ・ ・ KKn 上部構造n-1階床上からn階床までのバネ定数 C2 上部構造1階床上から2階床までの減衰係数 C3 上部構造2階床上から3階床までの減衰係数 ・ ・ Cn 上部構造n-1階床上からn階床までの減衰係数 (2) 出力値 AC 1階床絶対加速度応答値(単位gal) A2 2階床絶対加速度応答値(単位gal) A3 3階床絶対加速度応答値(単位gal) ・ ・ An n階床絶対加速度応答値(単位gal) V 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(単位kine) V2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(単位kine) V3 3階床(1階床と3階床との)相対速度応答値(単位kine) ・ ・ Vn n階床(1階床とn階床との)相対速度応答値(単位kine) x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(単位cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(単位cm) x3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(単位cm) ・ ・ xn n階床(1階床とn階床との)相対変位応答値(単位cm) xx 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(単位mm) xx2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(単位mm) xx3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(単位mm) ・ ・ xxn n階床(1階床とn階床との)相対変位応答値(単位mm) OPA1,OPA2 1階床・2階床絶対加速度応答平均値(単位gal) OPV1,OPV2 1階床・2階床相対速度応答平均値(単位gal) OPx1,OPx2 1階床・2階床相対変位応答平均値(単位mm) (3) その他の定数・記号 PI 円周率 3.14159 G 重力加速度 981 sgn(x) sign(x)に同じ、 xの符号を示し、+の時+1、−の時−1、0の時0 [x] マトリックス A^n Aのn乗 5.2.1.2. 運動方程式 数値解析の対象となる免震時の運動方程式は、 (1) 1質点の場合 d(dx/dt)/dt+G*SSC^2*(MU*sgn(dx/dt)+SS*sgn(x))+DDY=0 (2) 2質点の場合 d(dx/dt)/dt+SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2)/MM1 -(C2*V2+KK2*x2)/MM1+DDY=0 d(d(x2)/dt)/dt+(C2*V2+KK2*x2)/MM2+d(dx/dt)/dt+DDY=0 という2階の連立常微分方程式である。これを1階の連立常微分方程式に変形し て用いている。以下の多質点においても同様である。 (3) 3質点の場合 d(dx/dt)/dt+SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+MM3)/MM1 -(C2*V2+KK2*x2)/MM1+DDY=0 d(d(x2)/dt)/dt+(C2*V2+KK2*x2-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM2 +d(dx/dt)/dt+DDY=0 d(d(x3)/dt)/dt+(C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM3+d(dx/dt)/dt+DDY=0 (4) n質点の場合 d(dx/dt)/dt+SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+・・・+MMn)/MM1 -(C2*V2+KK2*x2)/MM1+DDY=0 d(d(x2)/dt)/dt+(C2*V2+KK2*x2-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM2 +d(dx/dt)/dt+DDY=0 d(d(x3)/dt)/dt+(C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2)-C4*(V4-V3)-KK4*(x4-x3))/MM3 +d(dx/dt)/dt+DDY=0 ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt+(Cn’*(Vn’-Vn”)+KKn’*(xn’-xn”) -Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn’+d(dx/dt)/dt+DDY=0 d(d(xn)/dt)/dt+(Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn+d(dx/dt)/dt+DDY=0 但し、n’=n-1、 n”=n-2 5.2.1.3. 免震状態/耐震状態の判別について 本免震装置は、地震時にある一定以上の地震力が入力し
たとき免震機構が作動して免震状態となり、地震力が一
定以下に弱まれば元の状態へ戻るものである。5.2.1.2.
で述べた運動方程式は、上部構造物が免震状態にあると
きの運動を記述したものであるから、これに加えて上部
構造物が免震状態にあるときの運動方程式と、地震力に
対して免震装置が作動する条件(免震状態/耐震状態の
判別条件)とを定義し、条件に応じて運動方程式を切り
替えることにより、通常時の耐震状態から地震時の免震
状態を経て、地震終了後に元の状態へと戻るまでの運動
を表すことができる。耐震状態と免震状態とを判別する
条件は以下の通りである。 1) 耐震状態から免震状態への判別 第1質点の絶対加速度≧免震が作動する加速度:|AC|>=
(MU+SS)*G*SSC^2 2) 免震状態から耐震状態への判別 第1質点の相対変位=0 : x=0 かつ第1質点の相対速度=0 : V=0 かつ第1質点の絶対加速度<免震が作動する加速度:|A
C|<((MU+SS)*G*SSC^2 5.2.1.4. 数値解析アルゴリズム 1階の常微分方程式 dx/dt=f(t,x) の解を4次のRunge-Kutta法により求めるアルゴリズム
の例として以下のようなものがある。 a. 独立変数tの範囲をt0≦t≦tf、tの刻み幅をhとす
る。 b. xの初期値をx0とする。 c. t0とx0により、 K1=h・f(t,x) K2=h・f(t+h/2,x+K1/2) K3=h・f(t+h/2,x+K2/2) K4=h・f(t+h,x+K3) K=(K1+K2+K3+K4)/6 をもとめる。 d. c.で求めたKにより、t=t1(=t0+h)のときのx(=x
1)を x1=x0+K とさだめる。 e. 以下この過程を繰り返して逐次tにおけるxを求
め、t=tfまで継続する。ここで説明したのは4次のRung
e-Kutta法についてであるが、4次以外の次数のRunge-K
utta法を用いる場合もある。またRunge-Kutta-Gill法や
その他のRunge-Kutta法の改良型のアルゴリズムを用い
てもよい。 5.2.1.5. フローチャートの説明(プログラム詳細説
明) Runge-Kutta法のフローチャートは、図487に記載さ
れているが、具体的に説明する。 (1) 初期化 1) 定数のセット(上部構造の質点の質量と質点間のバネ定数、減衰係数は下記 ) a.円周率、物理定数:PI=3.14159、G=981 b.入力値:SS すり鉢勾配の角度θによるtanθを入力 重り復元型免震装置の場合は、M/m=θとする SSC すり鉢勾配の角度θによるcosθを入力 重り復元型免震装置の場合は、M/m=θとする MU すり鉢支承の摩擦係数を入力 重り復元型免震装置の場合は滑り支承の摩擦係数を 入力 H 入力する地動加速度時刻歴の時間刻みを入力 2) 上部構造の質点の質量の入力 1質点の場合 MM 上部構造の質点質量(t) 2質点の場合 MM1 上部構造1階の質点質量(t) MM2 上部構造2階の質点質量(t) 3質点の場合 MM1 上部構造1階の質点質量(t) MM2 上部構造2階の質点質量(t) MM3 上部構造3階の質点質量(t) n質点の場合 MM1 上部構造1階の質点質量(t) MM2 上部構造2階の質点質量(t) MM3 上部構造3階の質点質量(t) ・ ・ MMn 上部構造n階の質点質量(t) 3) 上部構造の質点間のバネ定数と減衰係数の入力(2質点以上の場合) 2質点の場合 KK2 上部構造1階床上から2階床までのバネ定数 C2 上部構造1階床上から2階床までの減衰係数 3質点の場合 KK2 上部構造1階床上から2階床までのバネ定数 KK3 上部構造2階床上から3階床までのバネ定数 C2 上部構造1階床上から2階床までの減衰係数 C3 上部構造2階床上から3階床までの減衰係数 n質点の場合 KK2 上部構造1階床上から2階床までのバネ定数 KK3 上部構造2階床上から3階床までのバネ定数 ・ ・ KKn 上部構造n-1階床上からn階床までのバネ定数 C2 上部構造1階床上から2階床までの減衰係数 C3 上部構造2階床上から3階床までの減衰係数 ・ ・ Cn 上部構造n-1階床上からn階床までの減衰係数 4) 出力値(上部構造各質点の相対変位応答値、相対速度応答値)の初期条件の セット: 1質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) V 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) 2質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(cm) V 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) V2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(kine) 3質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(cm) x3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(cm) V 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) V2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(kine) V3 3階床(1階床と3階床との)相対速度応答値(kine) n質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(cm) x3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(cm) ・ ・ xn n階床(1階床とn階床との)相対変位応答値(cm) V 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) V2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(kine) V3 3階床(1階床と3階床との)相対速度応答値(kine) ・ ・ Vn n階床(1階床とn階床との)相対速度応答値(kine) に対し、開始時刻におけるそれぞれの値を初期条件として与える。 (2) 入出力ファイルの設定 1) 入力用のファイル名を設定 2) INPUT命令で入力されたファイル名(F$)をファイル番
号#2のoutput用ファイルとして開く。 (3) 入力データ(地動加速度データ)の読み込み 1データの処理が済むごとにinput命令で地動加速度デ
ータを読み込む。データがなくなった時点でプログラム
が終了する。 (4) 動作判別式 運動方程式には地動加速度に対して免震装置が機能する
条件が入っていないので、ここで判別式として運動方程
式選択の分岐をおこなう。 1) 耐震(静止)状態の時 a. |AC|>=(MU+SS)*G*SSC^2 a.が成り立つ場合は免震状態になるので、免震状態の
運動方程式を処理するサブルーチン(*SUB_A)へ移行す
る。a.が成り立たない場合は耐震状態のままなので、
耐震状態の運動方程式を処理するサブルーチン(*SUB_A
0)を再び経由する。 2) 免震状態の時 b. x=0 かつ V=0 かつ |AC|<(MU+SS)*G*SSC^2 ※但しプログラム上はxとVの絶対値が 0に近い一定値以
下の場合、x=0、V=0とみなしている。b.が成り立つ場
合は耐震状態になるので、耐震状態の運動方程式を処理
するサブルーチン(*SUB_A0)へ移行する。b.が成り立た
ない場合は免震状態のままなので、免震状態の運動方程
式を処理するサブルーチン(*SUB_A)を再び経由する。 (5) 運動方程式設定 動作判別式により免震装置が機能しない場合(*SUB_A
0)と免震装置が機能する場合(*SUB_A)の2つの場合
に分かれ、運動方程式から質点数ごとにそれぞれ次のよ
うな連立2階微分方程式を設定する。 1) 1質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(dx/dt)/dt=0 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(dx/dt)/dt=-MM1*G*SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))/MM1-DDY 2) 2質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2−KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 3) 3質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+MM3)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 4) n質点の場合 免震装置が機能しない状態(*SUB_A0) dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn”)-KKn’*(xn’-xn”) +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n”=n-2 免震装置が機能する状態(*SUB_A) dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+・・+MMn)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn”)-KKn’*(xn’-xn”) +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n”=n-2 (6) Runge-Kutta解析 連立2階微分方程式を4次のRunge-Kutta法で解く。 (7) 加速度/速度/変位応答の計算 速度と変位は連立2階微分方程式を解くことによって得
られ、加速度については運動方程式から直接得る。 (8) 誤差の処理 加速度/速度/変位応答値それぞれを適当な精度で処理
する。 (9) 結果出力 hが小さい場合、誤差の処理のために(7)で得た値を一定
時間区分ごとに平均し、出力の値とする処理を行う場合
もある。 5.2.1.6. 処理 以下では特別の処理を行っている箇所について説明して
いるものである。 1) hの選択と出力データの平均化による誤差処理 時間刻みが大きいことにより生じる誤差をなくすため、
入力データにはhの小さなものを用いて計算精度を維持
し、その計算結果を一定時間区分ごとに平均化する処理
をする場合もある。このことにより時間差による数値解
析処理上の誤差を減少させている。 2) 誤差の処理 加速度、速度、変位ともに計算過程で誤差が累積してく
るので、必要に応じ各応答値計算後に適切な精度で処理
している。 5.2.2. Wilsonθ法 Wilsonθのフローチャートは、図488に記載されてい
る。 5.2.2.1. 等価線形化法による運動方程式について(記
号説明は 5.3.0.また 5.1.3.1.参照) (1) 等価周期Te及び等価バネ定数Ke(=KEQ)の算出 滑り免震(すり鉢状:勾配tanθ)について変位xを与
えたときの等価線形化法による等価周期Te、等価バネ
定数Keは、 Te=4・{2|x|/(g・tanθ)}^0.5 Ke=(π^2/8)・mg・tanθ/|x| ≒mg・tanθ/|x| ≒mg・θ/|x| となる。重り復元型免震装置について変位xを与えたと
きの等価線形化法による等価周期Te、等価バネ定数Ke
は、 Te=4・{2|x|/(g・tan(M/m))}^0.5 Ke=(π^2/8)・mg・tan(M/m)/|x| ≒mg・tan(M/m)/|x| ≒mg・(M/m)/|x| (2) 等価減衰係数Ce(=CEQ)の算出 滑り免震(すり鉢状:勾配tanθ)について等価線形化
法による等価減衰係数Ceは、 Ce=(4/π)・μmg/|dx/dt| ≒μmg/|dx/dt| となる。重り復元型免震装置について等価線形化法によ
る等価減衰係数Ceは、 Ce=(4/π)・μmg/|dx/dt| ≒μmg/|dx/dt| (3) 等価線形化法による運動方程式 等価線形化法による滑り免震(すり鉢状)の運動方程式
は、 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt Ke=(π^2/8)・mg・tanθ/|x| ≒mg・tanθ/|x| ≒mg・θ/|x| Ce=(4/π)・μmg/|dx/dt| ≒μmg/|dx/dt| となる。等価線形化法による重り復元型免震装置による
免震の運動方程式は、 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt Ke=(π^2/8)・mg・tan(M/m)/|x| ≒mg・tan(M/m)/|x| ≒mg・(M/m)/|x| Ce=(4/π)・μmg/|dx/dt| ≒μmg/|dx/dt| となる。 5.2.2.2. 変数/定数一覧 (1) 入力値 上部構造は1質点、2質点、3質点、n質点せん断形弾性モデルとする。 N 自由度 SS すり鉢勾配の角度θによるタンジェント tanθ 重り復元型免震装置(5.1.1.1.1.(2))の場合は、 M/m=θとする SSC すり鉢勾配の角度θによるコサイン cosθ 重り復元型免震装置の場合は、M/m=θとする MU すり鉢支承の摩擦係数 重り復元型免震装置の場合は滑り支承の摩擦係数を入力 THETA Wilsonθ法の精度と安定性を決定するパラメータ−θ EM(ND1,ND1) 質量マトリックス(単位tf/gal) EC(ND1,ND1) 減衰マトリックス(単位tf/kine) EK(ND1,ND1) 剛性マトリックス(単位tf/cm) NN 地動加速度時刻歴のデータ数 DT 地動加速度時刻歴データの時間間隔(単位sec) DDY(ND2) 地動加速度時刻歴データ(単位gal) ND1 質点番号 EM,EC,EK,ACC,VEL,DIS,VW1,VW2,VW3のディメンション ND2 時刻歴番号 DDY,ACC,VEL,DISのディメンション T2 上部構造1階床上から2階床までの固有周期(単位sec) T3 上部構造2階床上から3階床までの固有周期(単位sec) ・ ・ Tn 上部構造n-1階床上からn階床までの固有周期(単位sec) H2 上部構造1階床上から2階床までの減衰定数 H3 上部構造2階床上から3階床までの減衰定数 ・ ・ Hn 上部構造n-1階床上からn階床までの減衰定数 K2 上部構造1階床上から2階床までのバネ定数 K3 上部構造2階床上から3階床までのバネ定数 ・ ・ Kn 上部構造n-1階床上からn階床までのバネ定数 H2 上部構造1階床上から2階床までの減衰定数 H3 上部構造2階床上から3階床までの減衰定数 ・ ・ Hn 上部構造n-1階床上からn階床までの減衰定数 C2 上部構造1階床上から2階床までの減衰係数 C3 上部構造2階床上から3階床までの減衰係数 ・ ・ Cn 上部構造n-1階床上からn階床までの減衰係数 (2) 出力値 ACC(ND1,ND2) 絶対加速度応答マトリックス(単位gal) VEL(ND1,ND2) 相対速度応答マトリックス(単位kine) DIS(ND1,ND2) マトリックス(単位cm) AA1 1階床絶対加速度応答値(単位gal) AA2 2階床絶対加速度応答値(単位gal) AA3 3階床絶対加速度応答値(単位gal) ・ ・ An n階床絶対加速度応答値(単位gal) VV1 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(単位kine) VV2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(単位kine) VV3 3階床(1階床と3階床との)相対速度応答値(単位kine) ・ ・ VVn n階床(1階床とn階床との)相対速度応答値(単位kine) x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(単位cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(単位cm) x3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(単位cm) ・ ・ xn n階床(1階床とn階床との)相対変位応答値(単位cm) xx1 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(単位mm) xx2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(単位mm) xx3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(単位mm) ・ ・ xxn n階床(1階床とn階床との)相対変位応答値(単位mm) (3) その他の変数 O ループ用カウンタ変数 M 配列(時刻歴)用カウンタ変数 T 時間 X0 t-DT時点での相対変位 V0 t-DT時点での相対速度 (4) その他の定数・記号 PI 円周率 3.14159 G 重力加速度 981 sgn(x) sign(x)に同じ、 xの符号を示し、+の時+1、−の時−1、0の時0 [x] xのマトリックス A^n Aのn乗 5.2.2.3. 運動方程式 数値解析の対象となる運動方程式は、 (1) 1質点の場合 d(dx/dt)/dt+CEQ/(EM(1,1)・(dx/dt)+KEQ/(EM(1,1)・x+DDY=0 但し KEQ≒(PI^2/8)*EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 (2) 2質点の場合 d(dx/dt)/dt+(CEQ・(dx/dt)+KEQ・x)/EM(2,2) -(C2*V2+K2*x2)/EM(2,2)+DDY=0 d(d(x2)/dt)/dt+(C2*V2+K2*x2)/EM(1,1)+d(dx/dt)/dt+DDY=0 但し KEQ≒(PI^2/8)*(EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=(EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*(EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=(EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 という2階の連立常微分方程式である。これを1階の連
立常微分方程式に変形して用いている。以下の多質点に
おいても同様である。 (3) 3質点の場合 d(dx/dt)/dt+(CEQ・(dx/dt)+KEQ・x)/EM(3,3) -(C2*V2+K2*x2)/EM(3,3)+DDY=0 d(d(x2)/dt)/dt+(C2*V2+K2*x2-C3*(V3-V2)-K3*(x3-x2))/EM(2,2) +d(dx/dt)/dt+DDY=0 d(d(x3)/dt)/dt+(C3*(V3-V2)+K3*(x3-x2))/EM(1,1)+d(dx/dt)/dt+DDY=0 但し KEQ≒(PI^2/8)*(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 (4) n質点の場合 d(dx/dt)/dt+(CEQ・(dx/dt)+KEQ・x)/EM(n,n) -(C2*V2+K2*x2)/EM(n,n)+DDY=0 d(d(x2)/dt)/dt+(C2*V2+K2*x2-C3*(V3-V2)-K3*(x3-x2))/EM(n’,n’) +d(dx/dt)/dt+DDY=0 d(d(x3)/dt)/dt+(C3*(V3-V2)+K3*(x3-x2) -C4*(V4-V3)-K4*(x4-x3))/EM(n”,n”)+d(dx/dt)/dt+DDY=0 ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt+(Cn’*(Vn’-Vn”)+Kn’*(xn’-xn”) -Cn*(Vn-Vn’)-Kn*(xn-xn’))/EM(2,2)+d(dx/dt)/dt+DDY=0 d(d(xn)/dt)/dt+(Cn*(Vn-Vn’)+Kn*(xn-xn’))/EM(1,1)+d(dx/dt)/dt+DDY=0 但し n’=n-1 n”=n-2 KEQ≒(PI^2/8)*(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 5.2.2.4. 数値解析アルゴリズム 2階の常微分方程式 [EM]・[d(dx/dt)/dt]+[EC]・[dx/dt]+[EK]・[x]=DDY・[EM]・[1] の解をWilsonθ法により求めるアルゴリズムの例として
以下を用いる。上記方程式における質点系の質量マトリ
ックス[EM]は対角マトリックス、減衰マトリックス[EC]
及び剛性マトリックス[EK]は各々対称マトリックスであ
る。解析の対象とする運動方程式の係数がなす各マトリ
ックスが、この条件を満たすように、相対変位、相対速
度及び相対加速度の基準座標を、必要に応じ適切に変更
する。 1) 多質点系における全ての質点の応答加速度と地動加
速度とが、時刻tからt+ DTをこえて時刻t+θDT
(θ>1)まで線形であると仮定し、時刻t+θDTにお
いても運動方程式が成り立つとする。 2) このときτを、tを原点とする区間0≦τ≦θDT内の
時間とすると、時刻t+τにおける応答加速度は [d(dx/dt)/dt]τ=[d(dx/dt)/dt]+{[d(dx/dt)/dt]θDT
-[d(dx/dt)/dt]}・τ/(θDT) と表される。またこの式を積分して、時刻t+τにおけ
る応答速度、応答変位は [dx/dt]τ=[dx/dt]+[d(dx/dt)/dt]・τ+{[d(dx/dt)/d
t]θDT-[d(dx/dt)/dt]}・τ^2/(2θDT) [x]τ=[x]+[dx/dt]・τ+[d(dx/dt)/dt]・τ^2/2+{[d(dx
/dt)/dt]θDT-[d(dx/dt)/dt]}・τ^3/(6θDT) と表される。 3) このτをDTおよびθDTとし、運動方程式へ代入して
整理すると、時刻t+θDTでの質点の応答変位は [x]θDT={6/(θDT)^2・[EM]+3/(θDT)・[EC]+[EK]}^(-1) ・〔 (2・[EM]+(θDT)/2・[EC])・[d(dx/dt)/dt] +(6/(θDT)・[EM]+2・[EC])・[dx/dt] +(6/(θDT)^2・[EM]+3/(θDT)・[EC])・[x] -{(1-θ)・DDY+DDYY}・[EM]・[1] 〕 となり、これにより時刻t+θDTでの質点の応答加速度は [d(dx/dt)/dt]θDT=6/(θDT)^2・{[x]θDT-[x]}-6/
(θDT)・[dx/dt]-2・[d(dx/dt)/dt] と表すことができる。 4)これを用いて、時刻t+DTでの応答加速度、速度、変位
は [d(dx/dt)/dt]DT=((θ-1)/θ)・[d(dx/dt)/dt]+(1/θ)・
[d(dx/dt)/dt]θDT [dx/dt]DT=[dx/dt]+[d(dx/dt)/dt]・(DT)+{[d(dx/dt)/
dt]θDT-[d(dx/dt)/dt]}・DT/(2θ) [x]DT=[x]+[dx/dt]・(DT)^2/2+{[d(dx/dt)/dt]θDT-[d
(dx/dt)/dt]}・(DT)^2/(6θ) と表すことができる。但し [x] :時刻tでの相対変位ベクトル [x]DT :時刻t+DTでの相対変位ベクトル [x]θDT :時刻t+θDTでの相対変位ベクトル [x]τ :時刻t+τでの相対変位ベクトル [dx/dt] :時刻tでの相対速度ベクトル [dx/dt]DT :時刻t+DTでの相対速度ベクトル [dx/dt]θDT :時刻t+θDTでの相対速度ベクトル [dx/dt]τ :時刻t+τでの相対速度ベクトル [d(dx/dt)/dt] :時刻tでの相対加速度ベクトル [d(dx/dt)/dt]DT :時刻t+DTでの相対加速度ベクトル [d(dx/dt)/dt]θDT:時刻t+θDTでの相対加速度ベクトル [d(dx/dt)/dt]τ :時刻t+τでの相対加速度ベクトル [1] :全ての要素が1のベクトル DDY :時刻tでの地動加速度 DDYY :時刻t+DTでの地動加速度 [EM] :質点系の質量マトリックス [EC] :質点系の減衰マトリックス [EK] :質点系の剛性マトリックス θ :Wilsonθ法の精度と安定性を定めるパラメータ− 5) この漸化式によって時刻tにおける質点系の応答を
逐次求める。 5.2.2.5. フローチャートの説明(プログラム詳細説
明) Wilsonθのフローチャートは、図488に記載されてい
るが、具体的に説明する。 (1) 初期化 1) N,ND1,ND2設定 NとND1は質点数を入力、ND2は地動加速度データ数を入
力。 2) 配列の宣言 3) 定数のセット(質量、減衰、剛性マトリックスは下記) a.円周率、物理定数:PI=3.14159、G=981、 b.入力値:SS すり鉢勾配の角度θによるタンジェント tanθ 重り復元型免震装置の場合は、M/m=θとする SSC すり鉢勾配の角度θによるコサイン cosθ 重り復元型免震装置の場合は、M/m=θとする MU すり鉢支承の摩擦係数を入力 重り復元型免震装置の場合は滑り支承の摩擦係数を 入力 THETA wilsonθ法の精度と安定性を決めるパラメーターθ を入力、 DT 入力する地動加速度時刻歴の時間刻みを入力 4) 質量マトリックスの入力 1質点の場合 EM(1,1) 上部構造の質点の質量を入力 2質点の場合 EM(1,1) 上部構造の第2質点の質量を入力 EM(1,2) 0を入力 EM(2,1) 0を入力 EM(2,2) 上部構造の第1質点の質量を入力 3質点の場合 EM(1,1) 上部構造の第3質点の質量を入力 EM(1,2) 0を入力 EM(1,3) 0を入力 EM(2,1) 0を入力 EM(2,2) 上部構造の第2質点の質量を入力 EM(2,3) 0を入力 EM(3,1) 0を入力 EM(3,2) 0を入力 EM(3,3) 上部構造の第1質点の質量を入力 n質点の場合 (ここでは1行目、2行目、任意の中間行(一般行)であるn−k 行目、および最終行であるn行目のみを示している。) EM(1,1) 上部構造の第n質点の質量を入力 EM(1,2) 0を入力 EM(1,3) 0を入力 ・ 0を入力 ・ 0を入力 EM(1,n-1) 0を入力 EM(1,n) 0を入力 EM(2,1) 0を入力 EM(2,2) 上部構造の第n−1質点の質量を入力 EM(2,3) 0を入力 ・ 0を入力 ・ 0を入力 EM(2,n-1) 0を入力 EM(2,n) 0を入力 (以下k=n−3より繰り返し) ・ ・ EM(n-k,1) 0を入力 EM(n-k,2) 0を入力 EM(n-k,3) 0を入力 ・ 0を入力 ・ 0を入力 EM(n-k,n-k-1) 0を入力 EM(n-k,n-k) 上部構造の第k+1質点の質量を入力 ・ 0を入力 ・ 0を入力 EM(n-k,n-1) 0を入力 EM(n-k,n) 0を入力 ・ ・ (以上k=1まで繰り返し) EM(n,1) 0を入力 EM(n,2) 0を入力 EM(n,3) 0を入力 ・ 0を入力 ・ 0を入力 EM(n,n-1) 0を入力 EM(n,n) 上部構造の第1質点の質量を入力 但し、(以下k=n−3より繰り返し)の後に続く中略部、及び(以上k=1 まで繰り返し)の前に続く中略部は、n行n列の行列の、第(n−k)行の要素 を、3行目から(n−1)行目までkについて繰り返して表現することを示す。 また同じ行内の中略部は、各行の第1列から第n列の要素を順に配列すること を示す。 以下同様。 5) 減衰マトリックスの入力 (2質点以上の場合) 2質点の場合 EC(1,1) C2 を入力 EC(1,2) -C2 を入力 EC(2,1) -C2 を入力 EC(2,2) CEQ+C2 を入力 3質点の場合 EC(1,1) C3 を入力 EC(1,2) -C3 を入力 EC(1,3) 0 を入力 EC(2,1) -C3 を入力 EC(2,2) C3+C2 を入力 EC(2,3) -C2 を入力 EC(3,1) 0 を入力 EC(3,2) -C2 を入力 EC(3,3) CEQ+C2 を入力 n質点の場合 EC(1,1) C(n) を入力 EC(1,2) -C(n) を入力 EC(1,3) 0 を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EC(1,n-1) 0 を入力 EC(1,n) 0 を入力 EC(2,1) -C(n) を入力 EC(2,2) C(n-1)+C(n) を入力 EC(2,3) -C(n-1) を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EC(2,n-1) 0 を入力 EC(2,n) 0 を入力 (以下k=n−3より繰り返し) ・ ・ EC(n-k,1) 0 を入力 EC(n-k,2) 0 を入力 EC(n-k,3) 0 を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EC(n-k,n-k-2) 0 を入力 EC(n-k,n-k-1) -C(k+2) を入力 EC(n-k,n-k) C(k+1)+C(k+2) を入力 EC(n-k,n-k+1) -C(k+1) を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EC(n-k,n-1) 0 を入力 EC(n-k,n) 0 を入力 ・ ・ (以上k=1まで繰り返し) EC(n,1) 0 を入力 EC(n,2) 0 を入力 EC(n,3) 0 を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EC(n,n-2) 0 を入力 EC(n,n-1) -C2 を入力 EC(n,n) CEQ+C2 を入力 但し、 C(k+1)は上部構造k階床上からk+1階床までの減衰定数 C(n)は上部構造n-1階床上からn階床までの減衰定数 6) 剛性マトリックスの入力 (2質点以上の場合) 2質点の場合 EK(1,1) K2 を入力 EK(1,2) -K2 を入力 EK(2,1) -K2 を入力 EK(2,2) KEQ+K2 を入力 3質点の場合 EK(1,1) K3 を入力 EK(1,2) -K3 を入力 EK(1,3) 0 を入力 EK(2,1) -K3 を入力 EK(2,2) K2+K3 を入力 EK(2,3) -K2 を入力 EK(3,1) 0 を入力 EK(3,2) -K2 を入力 EK(3,3) KEQ+K2 を入力 n質点の場合 EK(1,1) K(n) を入力 EK(1,2) -K(n) を入力 EK(1,3) 0 を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EK(1,n-1) 0 を入力 EK(1,n) 0 を入力 EK(2,1) -K(n) を入力 EK(2,2) K(n-1)+K(n) を入力 EK(2,3) -K(n-1) を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EK(2,n-1) 0 を入力 EK(2,n) 0 を入力 (以下k=n−3より繰り返し) ・ ・ EK(n-k,1) 0 を入力 EK(n-k,2) 0 を入力 EK(n-k,3) 0 を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EK(n-k,n-k-2) 0 を入力 EK(n-k,n-k-1) -K(k+2) を入力 EK(n-k,n-k) K(k+1)+K(k+2) を入力 EK(n-k,n-k+1) -K(k+1) を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EK(n-k,n-1) 0 を入力 EK(n-k,n) 0 を入力 ・ ・ (以上k=1まで繰り返し) EK(n,1) 0 を入力 EK(n,2) 0 を入力 EK(n,3) 0 を入力 ・ 0 を入力 ・ 0 を入力 EK(n,n-2) 0 を入力 EK(n,n-1) -K2 を入力 EK(n,n) KEQ+K2 を入力 但し、 K(K+1)は上部構造 k階床上から k+1階床までのバネ定数 K(n)は上部構造 n-1階床上から n階床までのバネ定数 7) 出力値(上部構造各質点の相対変位応答値、相対速度応答値)の初期条件の セット 1質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) VV1 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) 2質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(cm) VV1 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) VV2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(kine) 3質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(cm) x3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(cm) VV1 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) VV2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(kine) VV3 3階床(1階床と3階床との)相対速度応答値(kine) n質点の場合 x 1階床(地面と1階床との)相対変位応答値(cm) x2 2階床(1階床と2階床との)相対変位応答値(cm) x3 3階床(1階床と3階床との)相対変位応答値(cm) ・ ・ xn n階床(1階床とn階床との)相対変位応答値(cm) VV1 1階床(地面と1階床との)相対速度応答値(kine) VV2 2階床(1階床と2階床との)相対速度応答値(kine) VV3 3階床(1階床と3階床との)相対速度応答値(kine) ・ ・ VVn n階床(1階床とn階床との)相対速度応答値(kine) に対し、開始時刻におけるそれぞれの値を初期条件として与える。 (2) データ入力と出力ファイルの設定 1) 入力データ用のファイル名をINPUT命令でセットし、
ファイルナンバー#1として開く。 2) 出力データ用のファイル名をINPUT命令でセットし、
ファイルナンバー#2として開く。 (3) 時刻反復 1) 時刻歴(M=2 TO NN)のループ。 (4) 先読み反復 1) 等価バネ定数、等価減衰係数の精度を上げるため、
時刻歴を1つ分先読みする、O=1 TO 2のループ。1巡目
のときO=1、2巡目のときO=2。 5.2.2.6. 2)を参照。 (5) 等価バネ定数、等価減衰係数の計算 1) 等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)を、V0とX0
から求める。 1質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 2質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 3質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS
*sgn(X0)/X0 KEQ=(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/
X0 CEQ≒(4/PI)*(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*s
gn(V0)/V0 CEQ=(EM(3,3)+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/
V0 n質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2
*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*SS*sgn(X
0)/X0 CEQ≒(4/PI)*(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*M
U*sgn(V0)/V0 CEQ=(EM(n,n)+・・+EM(2,2)+EM(1,1))*G*SSC^2*MU*sgn(V
0)/V0 ※なお、V0、X0の絶対値が非常に小さい値だとKEQ、CEQ
が発散してしまうため、V0、X0の絶対値が 0に近い一定
値以下の場合は、それぞれ十分小さいが発散しない適切
な値を代わりに使用する。 (6) ループチェック (4)での処理に基づき1巡目の処理か2巡目の処理かをチ
ェックする。1巡目の場合は、そのまま(7)の処理に進
み、2巡目の場合は、先読み前の時間に戻した後に、
(7)の処理に進む。 (7) Wilsonθ法による、t+θDT時の変位計算 (8) Wilsonθ法による、加速度/速度/変位応答の計算 (9) 誤差の処理 加速度/速度/変位応答値それぞれを、必要に応じ適当
な精度で処理し、(6)のループチェックにおいて、1巡
目の処理とされた場合は(4)へ戻り、2巡目の処理とさ
れた場合には、(10)へ進む。 (10) 結果出力 DTが小さい場合、誤差の処理のために(8)で得た値を一
定時間区分ごとに平均し、出力の値とする処理を行う場
合もある。 5.2.2.6. 処理 このプログラムではt+θDT時点の変位に関する多元連立
一次方程式にして解いている。t+θDT時点の加速度に関
する多元連立一次方程式を解くようにする場合もある
が、基本的には全く同じ結果になる。 1) DTの選択と出力データの平均化による誤差処理 時間刻みが大きいことにより生じる誤差をなくすため、
入力データにはDTの小さなものを用いて計算精度を維持
し、その計算結果を一定時間区分ごとに平均化する処理
をする場合もある。このことにより時間差による数値解
析処理上の誤差を減少させている。 2) ループによる先読み反復のアルゴリズム 等価バネ定数(KEQ)、及び等価減衰係数(CEQ)を算出する
際、 t-DT時点の速度(V0),変位(X0) →t-DT時点のKEQ,CEQの計算 →t時点の速度,変位の計算 の過程をたどると、1つ前の時点での速度と変位からKE
QとCEQを求めているので、正確な応答値が得られるとは
言えない。そのためできるだけKEQとCEQの精度を上げる
ために t-DT時点の速度(V0),変位(X0) →t-DT時点のKEQ,CEQの計算 →t時点の速度,変位の計算 →t時点のKEQ,CEQの計算 →t時点のKEQ,CEQを用いてt時点の速度,変位の計算 以上の過程でKEQとCEQを求め、より高い精度で応答値を
求めている。 3) 等価線形化 等価線形に置き換えるにあたり、注意する点として、X0
が非常に小さい値の場合、KEQは無限値になってしま
う。同様にV0が非常に小さい値の場合にはCEQが無限値
になる。よってV0、X0ともに最小値を定めておき、V0、
X0がそれ以下の値をとるときは、計算上は十分小さく適
切な値を代わりに使用する。 4) 誤差の処理 加速度、速度、変位ともに計算過程で誤差が累積してく
るので、各応答値計算後に適切な精度で処理している。 5.3. 直線勾配型復元滑り支承のすり鉢状とV字谷面状
の運動方程式比較 5.3.0. 記号一覧(下記以外の記号説明は実施例の 5.1.
3.1.の記号一覧参照) θ :V字谷面状免震皿勾配、すり鉢状免震皿の実質
(水平に対する)勾配(任意点からの移動方向への:単
位radian) 但し二重免震皿免震装置の時で上部下部免震皿の勾配が
違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθd)/(cosθu+cosθd) θu、θdが小さい場合 cosθu≒cosθd≒1、またθd
≒θuの場合 θ≒(tanθu+tanθd)/2 ≒(θu+θd)/2 θu :上部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) 但し三重免震皿免震装置の時で上部免震皿・中間免震皿
・下部免震皿の勾配が違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθmu+sinθmd+sinθd)/(cosθu+co
sθmu+cosθmd+cosθd) θu、θdが小さい場合で、cosθu≒cosθmu≒cosθmd≒
cosθd≒1、またθd≒θu≒θmu≒θmdの場合 θ≒(tanθu+tanθmu+tanθmd+tanθd)/4 ≒(θu+θmu+θmd+θd)/4 θu :上部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θmu:中間免震皿上部勾配(三重免震皿免震装置の時) θmd:中間免震皿下部勾配(三重免震皿免震装置の時) θ’ :すり鉢状免震皿の中心からの勾配(円錐勾配:
単位radian) R :すり鉢状部分の外周までのすり鉢中心からの距離 x :質点のx方向の応答変位(地面に対する相対変
位) y :質点のy方向の応答変位(地面に対する相対変
位) dx/dt:質点のx方向の応答速度(相対速度) dy/dt:質点のy方向の応答速度(相対速度) d(dx/dt)/dt:質点のx方向の応答加速度(相対加速度) d(dy/dt)/dt:質点のy方向の応答加速度(相対加速度) d(dqx/dt)/dt:x方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) d(dqy/dt)/dt:y方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) 5.3.1. V字谷面状の運動方程式 請求項80−2項の発明は、免震される構造体と、免震
される構造体を支持する構造体との間に設けられ、滑り
面部の形状がすり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿
を持つ免震滑り支承において、連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(y)+μ・sign
(dy/dt)}=-d(dqy/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(d
qx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{θ・sign(y)+μ・sign(dy/dt)}=-d(d
qy/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造体
である。 5.3.2. すり鉢状の運動方程式 請求項80−3項の発明は、請求項80−2項の運動方
程式において、 (x^2+y^2)^0.5≦ Rの時 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・x/(x^2+y^2)^0.5+
μ・(dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・y/(x^2+y^2)^0.5+
μ・(dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqy/dt)/dt (x^2+y^2)^0.5> Rの時(すり鉢状部分を越えるとθ
=0とする場合) d(dx/dt)/dt+μ・g・(dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5=-
d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt+μ・g・(dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5=-
d(dqy/dt)/dt とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震滑り支承、またそれによる
免震構造体である。 5.4. 簡易応答加速度式 5.4.1. 直線勾配型復元滑り支承をもった免震構造体の
簡易応答加速度式 請求項80−4項は、すり鉢状またV字谷面状の直線勾
配型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免震構造体の
簡易応答加速度式の発明である。すり鉢状またV字谷面
状の直線勾配型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免
震構造体の最大応答加速度式(概算)は以下のようにな
る。 A≒α・{g・{θ+μ}+C・v/m} A :最大応答加速度値 cm/s^2 g :重力加速度 981cm/s^2 θ :すり鉢状免震皿の勾配 radian μ :免震皿の動摩擦係数 m :質点の質量 C :免震層のダンパーの粘性減衰係数 v :地震動最大加速度 α :免震される構造体の応答倍率 例として ローパスフィルター無し時 α≒2〜3(免震
される構造体の応答倍率) ローパスフィルター5Hz時 α≒1 請求項80−4項の発明は、以上の最大応答加速度式に
よって構造解析することによって設計されてなることを
特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造体で
ある。この式により、簡易に構造計算できる。 6.垂直免震装置 図119〜図129は、地震の垂直力から免震させる垂
直免震装置の実施例を示している。 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承 図119〜図122は、請求項81項記載の発明の垂直
免震装置・滑り支承Iの実施例を示している。これは、
4.6.滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免震
装置・滑り支承の応用であり、凹型滑り面部または平面
型滑り面部を有する免震皿3と、免震皿3の滑り面部を
滑走しうるローラー・ボール(ベアリング)部若しくは
滑り部5(以下、全て含めて「滑り部」という)とから
なり、また滑り部5は、筒5-aと、その中に挿入される
バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)5-bと、
下部に突き出る形で挿入されている滑り部先端5-cから
なっており、免震皿3と滑り部5のうち、一方を免震さ
れる構造体1に、もう一方を免震される構造体を支持す
る構造体2に設けることにより構成されている免震装置
・滑り支承である。筒5-aの上部は、4.6.と同様に単に
止め金が固定されている場合もあるが、図のように雌ネ
ジが切られていて、雄ネジ5-dが挿入されている場合も
ある。この雄ネジ5-dは、入り込み方向に回転させて締
めることにより、バネ等5-bを圧縮して反発力を強め、
滑り部先端5-cの押し出す力を強めるという機能をも
ち、復元力を高めたり、免震される構造体1の地震後の
残留変位の矯正を可能にしたりする。また、滑り部下面
5-lに、ローラー・ボール(ベアリング)5-f、5-eを
設けた場合もある。このローラー・ボール(ベアリン
グ)は、循環式転がり案内によって循環する形を取るの
が有利である。 6.2. 垂直免震付き引抜き防止装置(復元付き含む) 請求項82項記載の発明は、上述の十字型免震装置・滑
り支承、十字型復元付き免震装置・滑り支承、また特許
1844024号の引抜き防止装置・滑り支承の、上部スライ
ド部材4-aと免震される構造体1の間、また、下部スラ
イド部材4-bと免震される構造体を支持する構造体2と
の間の、どちらか一方または両方に、垂直方向に弾性の
あるバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)25
を設置するものである。この装置の特徴は、十字型免震
装置・滑り支承(復元付き含む)、また引抜き防止装置
・滑り支承により水平力が吸収されるため、地震水平力
の影響を受けずに、地震垂直動のみを前記バネ等25で
吸収することができ、垂直免震が可能になることであ
る。図123〜図124は、請求項82項記載の発明の
垂直免震装置・滑り支承Iの実施例を示している。図1
23は、特許 1844024号での引抜き防止装置・滑り支承
Fの、上部スライド部材4-aと免震される構造体1の
間、および下部スライド部材4-bと免震される構造体を
支持する構造体2との間の両方に、垂直方向に弾性のあ
るバネ等25を設置した実施例である。図124は、2.
1.の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承
の、上部スライド部材4-aと免震される構造体1の間、
および下部スライド部材4-bと免震される構造体を支持
する構造体2との間の両方に、垂直方向に弾性のあるバ
ネ等25を設置した実施例である。これは、水平復元ま
たは減衰性能をも持つ。 6.3. 各層・各階ごとの垂直免震装置 図125〜図126は、請求項83項記載の発明の垂直
免震装置の実施例を示している。地震垂直力を免震させ
る垂直免震装置Iは、建物全体に機能させるのは難し
い。そこで、地震水平力に関しては、免震される構造体
を支持する構造体Bの基礎部(または低層階)に設けた
水平方向にのみ免震する水平免震装置Hによって、免震
される構造体A全体を免震させ、且つ、地震垂直力に関
しては、複数階を一まとめにした層単位または階単位
で、垂直方向にのみ免震する垂直免震装置I(垂直方向
及び水平方向に免震する免震装置でもよい)を設置する
ことによって免震させるという方法が考えられる。この
垂直免震装置Iとしては、階単位での床免震も考えられ
るが、床・壁・天井を一体にさせた箱を、層単位、階単
位で、垂直免震させる場合もある。地震垂直力から免震
させるためにバネ等を用いる場合、建物等の構造体全体
を一括して免震させるとなると、垂直力から免震させる
ためのバネ等を巨大にせざるを得なくなり、実用上不可
能になるのを、この発明は、各階、または各層に免震装
置を分散させる事によって可能にするものである。ま
た、地震力の水平力と垂直力を明確に分けて免震できる
という利点もある。図125の1、2階(層)では、壁
・床・天井を一体にさせた箱全体を、3階(層)では壁
・床を、4階(層)では床を、また5階(層)では1層
内に3階分の床が組まれており、それらの壁・床・天井
を一体にした箱全体を、屋上層では屋上に構築された何
階分かの構造体全体を、それぞれ垂直免震させる実施例
を表したものである。垂直免震装置Iの位置は、図12
5の2階(層)以上に示されているように、一般的に
は、壁・床・天井を一体にさせた箱全体の下部である
が、1階(層)のように、その上下に入れる場合もあ
る。図126(a)は、構造体の基礎部(また低層階)に
設けた水平免震装置Hで地震水平力を免震させ、各層
(階)に、水平方向には拘束され垂直方向のみに免震す
る垂直免震装置Iを装備した実施例を表したものであ
る。この、水平方向には拘束され、垂直方向のみに免震
する垂直免震装置Iを装備する事により、地震振動が単
純化されて、構造解析の単純化が可能になる。また、垂
直方向及び水平方向にも免震する免震装置を、各層
(階)に設置する方法もある。図126(b)は、上記の
水平方向には拘束され、垂直方向のみに免震する垂直免
震装置Iの実施例を表しており、その具体的構成は、垂
直免震装置Iの部材5-cが、筒状の部材5-aの中に挿入
され、筒状の部材5-aの中には部材5-cを押出し垂直方
向に伸縮するバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石
等)5-bが入り、相互に垂直方向にスライドするもので
ある。この相互にスライドする部材(5-a、5-c)の長
さは、一方の部材と他方の部材とが重なる部分をもち、
バネ等5-bが伸びきった状態でも互いに外れないもので
あり、さらに、部材5-cが部材5-aに完全に納まり最も
縮んだ時、バネ等5-bが最も圧縮された状態で、余らな
いほどであることが必要である。 6.4. 引張材による垂直免震装置 図127〜図129は、請求項84項記載の発明の、引
張材による垂直免震装置Iの実施例を示している。免震
される構造体の柱、梁、基礎等の支持材1を支持するた
めに三方向以上に引張材8を張り、その他端を、免震さ
れる構造体を支持する構造体または基礎の圧縮材等2に
より構成された3角形以上の多角形の頂点で支え、引張
材8の弾性もしくは引張材8の途中に設けられたバネ等
(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)25の弾性によ
って、免震される構造体の地震等の垂直力の免震を可能
にする。また、引張材8は、上弦材8-uと下弦材8-lに
より構成される場合もあり、下弦材8-lのみでも成立す
るが、上弦材8-uを加えることにより、免震される構造
体の柱等1は自立する。図127は、引張材8が、下弦
材のみで構成される場合、図128は、引張材8が、上
弦材8-uと下弦材8-lとにより構成される場合の実施例
である。図129は、引張材8が上弦材8-uと下弦材8
-lとにより構成され、さらに途中にバネ等25が設けら
れている場合の実施例である。また、バネ等を用いない
場合、引張材における弾性は、高張力の綱また高張力の
ワイヤー・ロープ・ケーブル材を利用することで得られ
る。これらの材料が弾性材として使用できる理由は、こ
れらの材料は高張力分、高い弾性率を有するからであ
る。さらに高張力材料の故に、(バネ等25を用いない
場合には)バネを使わないことによって、相当な重量物
の垂直免震性を可能にする。また、バネ等を用いる場合
と用いない場合のいずれも、水平免震としての機能をも
合せ持つ。以上がこの装置の大きな利点である。 7.免震による地震発電装置 免震装置の機構は、地震のエネルギーを電気等の活用可
能なエネルギーに変換するものとして、応用することが
できる。請求項85項は、その免震機構を利用した地震
発電装置の発明である。 7.1. 免震による地震発電装置 地震エネルギーを電気等の役立つものに換えるために、
免震装置を活用することが考えられるが、地震による三
次元的な動きを一次元の動きに換えるのが困難であっ
た。以下の方法はこれを解決するものである。 1) ピン型 図387〜図388は、請求項86項記載の発明の、免
震による地震発電装置の実施例を示している。地震発電
装置Kは、免震装置によって免震される構造体1または
免震される重り20とそれを免震される構造体を支持す
る構造体2との間に設けられ、凹形状の挿入部7-vmと
当該挿入部にその先端7-wが挿入されたピン7とを有し
ている。ピン7は、地震時に地震力を受けて免震される
構造体1に設けられた挿入部7-v、または免震される重
り20に設けられた挿入部7-vに挿入され、地震時には
ピン7が、凹形状の挿入部7-vmに沿って上がり下がり
し、ピン7に接続したラック36-cと連動して、回転子
36-dが回転して、発電機44を回し、発電を行う。凹
形状の挿入部は、すり鉢状、球面等の凹形状が考えられ
る。図387は、免震装置によって免震される構造体1
と免震される構造体を支持する構造体2との間に設けら
れる場合の実施例であり、図388は、低摩擦材等によ
ってできた免震皿の上を地震力によって滑って免震され
る重り20と免震される構造体を支持する構造体2との
間に設けられる場合であり、下記の7.2. 地震発電装置
型地震センサーに使用される場合の実施例である。図3
87〜図388での、凹形状の挿入部7-vmと当該挿入
部に挿入されたピン7との関係が、免震される構造体1
と免震される構造体を支持する構造体2とに対して逆に
取付けられる場合もある。以上の構成により、地震エネ
ルギーを上下運動に換えることで、垂直一次元及び水平
二次元的動きを垂直一次元の動きに換え、さらに回転運
動に換えて発電等をおこなう。さらに、この方法による
と、地震の垂直動も電気エネルギー等に換えることがで
きる。 2) ラックと歯車型(連結部材系の地震発電装置) 図389〜図391は、請求項87項記載の発明の、免
震による地震発電装置の実施例を示している。地震発電
装置Kは、免震装置によって免震される構造体1または
免震される重り20と免震される構造体を支持する構造
体2との間に設けられ、挿入部2-aと当該挿入部に挿入
された部材(挿入部材)1-pとを有し、地震時に、挿入
部材1-pが、挿入部2-aに沿って出入りし、挿入部材1
-pに設けられたラック36-cとの連動により、挿入部2
-a側に設けられた歯車36-dが回転して、発電機44を
回し、発電を行う。ラック36-cと、ラックにより回転
する歯車36-dのうち、一方を免震される構造体1また
は地震時に地震力を受けて自由に運動できる重り20
に、もう一方を免震される構造体を支持する構造体2に
設ける。この方法により、地震エネルギーを水平運動に
換えることで、二次元的動きを一次元の動きに、さらに
回転運動に換えられる。図389は、地震発電装置K
が、免震される構造体1に設けられる場合の実施例であ
り、また、図389が不可撓部材型連結部材系の地震発
電装置であるなら、図391は、可撓部材型連結部材系
の地震発電装置である。図の(a)は通常時の場合、(b)は
免震時の変位振幅時の場合である。図390は、地震発
電装置Kが、低摩擦材等によってできた免震皿の上を滑
って免震される重り20に設けられる場合であり、この
機構は、下記の7.2. 地震発電装置型地震センサーとし
て使用される場合である。なお、凹形状の挿入部2-aと
挿入部材1-pとの関係が、免震される構造体1または免
震される重り20と、免震される構造体を支持する構造
体2とに対して、図389〜図391に示したものと
は、逆になる場合もある。凹形状の挿入部1-aが免震さ
れる構造体1または免震される重り20に、挿入部材2
-pが免震される構造体を支持する構造体2に取り付くと
いうことである。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 請求項88項は、上記の 7.1.の地震発電装置を用い
た、地震センサー(以下、「地震発電装置型地震センサ
ー」と言う)の発明である。これは、請求項87項記載
の免震による地震発電装置を使用して、地震による発電
量を計測すること等により、地震センサーの役割を果た
すものである。地震発電装置を用いることにより、地震
エネルギーを使用し、それ以外の電源を必要としない地
震センサーが可能になる。さらに、8.の固定装置の解
除(8.1.2.3.直接方式)まで賄える電気等のエネルギー
を発生させることも可能になる。 7.3. 地震(発電)センサーによる固定装置の解除 7.1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載
の地震発電装置型地震センサーを使用して、固定装置の
解除が行われるようにすることができる。これには、固
定装置自動制御装置22が固定ピン等の固定装置の作動
部のロックのみを解除する間接方式(8.1.2.2.1.(2))
と、固定装置自動制御装置22が固定ピン等の固定装置
の作動部の解除を直接行う直接方式(8.1.2.3.2.)との
二通りがある。図189〜図191は間接方式、図19
2(a)〜図192(b)は直接方式の機構を示しており、ま
た、図189〜図192(a)は、図388のピン型地震
発電装置を使用する場合であり、図192(b)は、図3
90のラックと歯車型地震発電装置を使用する場合を示
している。図189〜図191に示される間接方式は、
ピン型地震発電装置を使用したものとなっているが、ラ
ックと歯車型地震発電装置、またそれ以外の構成の地震
発電装置を使用したものも当然考えられる。 8.固定装置・ダンパー 固定装置とは、免震装置の設置に起因する、風揺れまた
は車などによる免震される構造体の振動等を防止するた
めに、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを固定するものである。 8.0. 固定装置の分類 8.0.1. 固定装置の分類1(固定ピン型と連結部材弁
型) 8.0.1.1. 説明 固定装置は、連結形態から、固定ピン系と連結部材系と
の2つの型がある。連結部材系は、さらに不可撓部材型
と可撓部材型とに分かれる。固定ピン系は、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを繋ぐ形
で取り付けられた固定ピン等の係合・摩擦材(以下、総
称して「固定ピン」と言う。連結部材系のピン型も含
む)により、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体とを固定するものである。連結部材系は、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを繋ぐ形で取り付けられた連結部材としてのロッド材
等の不可撓部材やワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓
部材による連結部材により、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体とを連結するものである。
具体的には、ピストン状部材1-p、2-p、7-p、挿入筒1-
a、2-a、7-a、ユニバーサル回転接点1-x、2-x、フレキシ
ブルジョイント8-fj、支持部材1-g、2-g、ワイヤー・
ロープ・ケーブル等の可撓部材8-f等が、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2との連結
部材をなす。さらに、固定方法として、固定ピン系は、
直接方式と間接方式とに分かれ、間接方式はピン型(ロ
ックピン)と弁型(ロック弁)とに分かれる。連結部材
系もピン型(固定ピン)と弁型とに分かれる。また、固
定ピン系の直接方式と間接方式のピン型(ロックピン)
と弁型(ロック弁)そして連結部材系のピン型(固定ピ
ン)とを「固定ピン型固定装置」と称し、連結部材系の
弁型を「連結部材弁型固定装置」と称する。また、間接
方式は、 1)固定ピン系の間接方式のピン型(ロックピン) 2)固定ピン系の間接方式の弁型(ロック弁) 3)連結部材系ピン型(固定ピン)の間接方式(固定ピン
とロック部材(ロックピン、ロック弁)) 4)連結部材系弁型の間接方式((直接・固定)弁とロッ
ク部材(ロックピン、ロック弁)) に分かれる。また、直接方式は、 1)固定ピン系の直接方式 2)連結部材系(ピン型・弁型)の直接方式 に分かれる。 8.0.1.2. 具体例 以下、「固定ピン型固定装置」と「連結部材弁型固定装
置」の具体例を挙げる。固定ピン型固定装置は、1)固定
ピン系の直接方式、2)固定ピン系の間接方式のピン型
(ロックピン)、3)固定ピン系の間接方式の弁型(ロッ
ク弁)、4)連結部材系のピン型(固定ピン)、に分か
れ、連結部材弁型固定装置は、1)連結部材系の弁型、で
ある。 (1) 固定ピン型固定装置 1) 固定ピン系の直接方式 詳細は、8.1.2.3./8.2.1.〜8.2.5.のそれぞれの(1)を参
照。 2) 固定ピン系の間接方式のピン型(ロックピン) 詳細は、8.1.2.2./8.2.1.〜8.2.5.のそれぞれの(2)を参
照。 3) 固定ピン系の間接方式の弁型(ロック弁) 詳細は、8.1.2.2.のうち特に8.1.2.2.5.を参照。 4) 連結部材系のピン型(固定ピン) a. 不可撓部材型連結部材 連結部材が、ロッド材等の不可撓部材で出来ている。詳
細は、8.0.1.3./8.1.2.2.2./8.1.2.3./8.2.1.(1)(2)を
参照。実施例は、図132〜図144、図147であ
る。 b. 可撓部材型連結部材 連結部材が、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材
で出来ている。詳細は、8.0.1.3.を参照。実施例は図1
82である。 (2) 連結部材弁型固定装置 1) 連結部材系の弁型 a. 不可撓部材型連結部材 連結部材が、ロッド材等の不可撓部材で出来ている。詳
細は、8.1.2.2.5./8.1.2.3./8.2.1.(1)を参照。実施例
は、図145、図287、図330である。 b. 可撓部材型連結部材 連結部材が、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材
で出来ている。詳細は、8.0.1.3.を参照。実施例は、図
146、図201、図202、図331である(図20
1、図202はダンパー)。 8.0.1.3. 可撓部材型連結部材系固定装置 この方式は、既成の固定装置またはダンパーのすべてに
適用可能である。図182、図331、図201、図2
02は、この実施例(図201、図202はダンパー、
8.4.3.参照)である。それぞれ(a)は通常時の場合、(b)
は免震時の変位振幅時の場合である。請求項89項は、
このうち、可撓部材型連結部材系固定装置に関する発明
である。免震される構造体を支持する構造体2または免
震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置された
固定装置の作動部(ピストン状部材)またはダンパーの
作動部(油圧ダンパー等のピストン状部材等の作動部)
7-pともう一方の構造体とを、前記固定装置の設置され
た構造体側に設けられた挿入口31を介して、ワイヤー
・ロープ・ケーブル等の可撓部材8-fで繋ぐ。前記もう
一方の構造体と可撓部材8-fとの支持点は360度回転
可能なフレキシブルジョイント8-fjとなる。具体的に
は、固定装置の場合は、固定装置の作動部7-pと免震さ
れる構造体1とを免震される構造体を支持する構造体2
側に設置された挿入口31を介して、ワイヤー・ロープ
・ケーブル等の可撓部材8-fで繋ぐ(図331)。ダン
パーの場合は、ダンパーの作動部7-pと免震される構造
体1とを免震される構造体を支持する構造体2側に設置
された挿入口31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル等の可撓部材8-fで繋ぐ(図201参照)。ここで当
然、上下が逆の、免震される構造体1に設置された固定
装置の作動部またはダンパーの作動部7-pと免震される
構造体を支持する構造体2とを免震される構造体1側に
設置された挿入口31を介して、ワイヤー・ロープ・ケ
ーブル等の可撓部材8-fで繋ぐ場合もある(図182参
照)。挿入口31の形状に関しては、一方向(往復を含
む、以下同じ)復元性能を持たせる場合は、角を取った
曲面形状の挿入口、コロを介しての挿入口、全方向復元
性能を持たせる場合は、角を取った曲面鉢状の挿入口、
ラッパ形状の挿入口(図386)、すり鉢状等の形状の
挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口31とが接
する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する(その場合
は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二軸とは互い
に直交方向をなす)に分けてそれに対応してコロ等の回
転子を設ける必要がある)等により、摩擦を小さくした
方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦材がよく、
強度も必要である。この構成によって、固定装置の場合
は、一個であらゆる方向対応の固定装置が可能になる。
ダンパーの場合は、一個であらゆる方向対応のダンパー
が可能になる。ダンパーは水平置きまた垂直置きでもよ
い。 垂直置きの場合は、水平置きの問題を解決する。
すなわち水平に置かれることにより30〜50年という
ような期間では油等の液体漏れの心配が生じることであ
る。このような縦置きで油等の液体が溜まり漏れ出るこ
とのない形であれば、このような問題はなくなる。 8.0.1.3.1. 可撓部材型連結部材系固定装置のピン型 図182は、可撓部材型連結部材系固定装置のピン型の
実施例である。固定装置の作動部7-pと免震される構造
体を支持する構造体2との関係(挿入口31を介して、
ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材8-fで繋ぐ)
を除けば、図179と同じである(ただしロックピン1
1は固定ピン7となっている)が、図の(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合であるように、
風時、免震時の変位する時の、ピストン状部材7-pの動
きが逆になる。この場合、ピストン状部材7-pを固定す
るピンは固定ピン7となる。というのは、ピストン状部
材7-pや筒7-aという部材はあるにせよ、あくまで免震
される構造体1の部材と免震される構造体を支持する構
造体2の部材とが、互いに挿入し合う関係となっている
だけで、固定ピンの定義から「免震される構造体および
その部材と免震される構造体を支持する構造体およびそ
の部材との両者と係合し、両者を固定する部材」が固定
ピンであり、この固定装置(可撓部材型連結部材系固定
装置のピン型)において免震される構造体1の部材と免
震される構造体を支持する構造体2の部材とを係合し、
両者を固定する機能をもつのは、部材7だけだからであ
る(なお、ピストン状部材7-pは、免震される構造体1
に設置された部材であるが、フレキシブルジョイント8
-fj、可撓部材8ーfを通じて免震される構造体を支持す
る構造体2と繋がっているため、免震される構造体を支
持する構造体2の一部(部材)とも言える)。したがっ
て、この固定装置(可撓部材型連結部材系固定装置のピ
ン型)は、連結部材を使用しているが、免震される構造
体1と免震される構造体を支持する構造体2との固定
は、固定ピン7によって行われるため、固定ピン型固定
装置に分類される。また、この図182の固定装置は、
図194のように、固定ピン7には、ロック部材11が
係合される欠き込み・溝・窪み7-kがあり、固定ピン7
と地震センサー(振幅)装置とは接続されず、ロック部
材11と地震センサー(振幅)装置とが接続される場合
もある。さらに、固定ピン7には、第1のロック部材7
-lが係合される欠き込み・溝・窪み7-kがあり、この第
1のロック部材7-lには、さらに第2のロック部材7-n
が係合される欠き込み・溝・窪み7-mがあり、というよ
うに、第1のロック部材に第2のロック部材7-nが、第
2のロック部材7-nに第3のロック部材が係合されると
いうように、順次、次のロック部材が係合されるように
構成されて、最後の(第2ロック部材までの場合には第
2の)ロック部材と地震センサー(振幅)装置とが接続
される場合もある。 8.0.1.3.2. 可撓部材型連結部材系固定装置の弁型 図331は、可撓部材型連結部材系固定装置の弁型の実
施例である。固定装置の作動部7-pと免震される構造体
1との関係(挿入口31を介して、ワイヤー・ロープ・
ケーブル等の可撓部材8-fで繋ぐ)を除けば、図288
と基本的に同じであるが、図の(a)は通常時の場合、(b)
は免震時の変位振幅時の場合であるように、風時、免震
時の変位する時の、ピストン状部材7-pの動き、液体・
気体等の流れが逆になるため弁(重り20、20-b(ま
たは重りと一体になった、または重りと連動した弁20
-e))への圧力のかかり方が逆になるため出口・出口経
路7-acjと重り20、20-b、20-eとの位置関係は逆
の方が良い(重りが付属室7-ab側にある時は液体貯槽
7-ac側に、液体貯槽7-ac側にある時は付属室7-ab側
に)。 8.0.1.4. 固定ピン型固定装置と連結部材弁型固定装置
との比較 図132〜図138と図145との装置の比較を行え
ば、図132〜図138は、固定ピン型固定装置(連結
部材系のピン型(固定ピン))であり、図145は、連
結部材弁型固定装置である。図132(a)は、免震され
る構造体を支持する構造体2の部材からなるピストン状
部材2-pが、ユニバーサル回転接点2-xを介して、免震
される構造体を支持する構造体2に設置された支持部材
2-gに接続されており、免震される構造体1の部材から
なるその挿入筒1-aが、支持部材1-g及びユニバーサル
回転接点1-xを介して、免震される構造体1に設置され
た支持部材1-gに接続されている。図145(a)は、筒
中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドする、免震
される構造体を支持する構造体2の部材からなるピスト
ン状部材2-pが、ユニバーサル回転接点2-xを介して、
免震される構造体を支持する構造体2に設置された支持
部材2-gに接続されており、免震される構造体1の部材
からなるその挿入筒1-aが、支持部材1-g及びユニバー
サル回転接点1-xを介して、免震される構造体1に設置
された支持部材1-gに接続されている。さらに、この挿
入筒1-aの、ピストン状部材2-pを挟んだ反対側同士
(ピストン状部材がスライドする端と端と)は、管7-e
(また筒1-aに付けられた溝)で繋がれており、この途
中にこの固定装置Gを固定する弁(固定弁)として、電
動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁7
-efが設置される。この弁7-efは地震センサー(振幅)
装置・風センサー等からの指令により、電線23、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8、もしくは信号線
7-qlを介して連動し、その指令によって開閉するもの
である(シリンダー型また後述の遅延器に共通するが、
ピストン状部材が筒中をスライドする場合の筒中の液量
差の問題は、付属のアキュムレーターによるかまたは筒
中に空気層を設けてその空気層の弾性によるかして解消
する)。これらには免震される構造体1及び免震される
構造体を支持する構造体2と、ピストン状部材1-p、2
-p及びその挿入筒2-a、1-a等からなる固定装置との関
係が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型があり、
図132(b)、図145(b)などがそれである。図132
〜図138及び図145両方の場合とも、ピストン状部
材2-p、1-pや筒1-a、2-aという部材はあるにせよ、
図132〜図138では、あくまで免震される構造体1
の一部と免震される構造体を支持する構造体2の一部と
が、互いに挿入し合う関係となっているだけでこの両者
と係合し、両者を固定する機能をもつのは、部材7だけ
である。だからその部材7が固定ピンとなる。なぜな
ら、固定ピンの定義から「免震される構造体およびその
部材と免震される構造体を支持する構造体およびその部
材との両者と係合し、両者を固定する部材」が固定ピン
だからである。また、図145(a)の免震される構造体
1と免震される構造体を支持する構造体2との固定は、
ピストン状部材2-pが液体・気体等をほぼ漏らさずにス
ライドする筒1-aの、ピストン状部材2-pのスライドす
る範囲の端と端とを繋ぐ管7-e(また筒に設けられた
溝)もしくはピストン状部材2-pにあいている孔(また
ピストン状部材2-pに設けられた溝)(孔また溝を、以
下、孔という)に設けた、または両方に設けた(逆流を
許さない)弁7-efを、閉めることにより行われる。こ
の機構は当然図145(b)についても同様である。図1
33、図134は、図132(a)(b)のピンとその挿入部
の変化形である。固定装置の機構としては、図133と
図139とが、図134と図140とが、それぞれ対応
している。図133、図139は固定ピン7の先端7-
w、及びピストン状部材2-p、1-pの固定ピン7の先端
7-wが突き当たる部分が摩擦抵抗の大きくなるような形
状であり、相互にかみ合ってロックされる摩擦型固定装
置の場合の例である。図134、図140は固定ピン7
がピストン状部材2-p、1-pに設けられたすり鉢状・球
面状等の凹形態の挿入部7-vmに挿入され、地震後の残
留変位に対処した場合(8.6.(1)(2)参照)の例である。
図132〜図134は、固定ピンの直接(解除)方式で
あるが、図138は、固定ピンの間接(解除)方式で、
地震センサー振幅装置の重り20の振幅によりロック部
材11を解除する方式である。ここで図132〜図13
4、図138は後述の地震センサー振幅装置装備型の場
合であり、図139、図140は後述の地震センサー装
備型の場合である。どちらも通常時は、固定ピン7はバ
ネ等9-cによりピストン状部材2-p、1-pをロックする
方向に力を受けている。地震時には、図132〜図13
4、図138の場合は地震センサー振幅装置と連動する
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8によって固定
ピン7が解除されることで、固定装置が解除される。図
139、図140の場合は地震センサーからの信号によ
り、図139では固定装置自動制御装置(電磁石)22
-aが作動して固定ピン7が解除されることで、図140
ではロック部材制御装置(モーター)46が作動してロ
ック部材11を解除し、固定ピン7が解除されること
で、固定装置が解除される。また、図144は、図13
9〜図140の固定機構と同じ仕組みを持ち(図144
は図139と同じ機構の場合であり、図140と同じ場
合もある)、ピストン状部材1-p、2-pに設けたラック
36-cに固定ピン(の機能を持つ歯車)7を組合せ、こ
れをロック部材11により固定できるようにしたもの
で、通常時はロック部材11はバネ等9-cにより固定ピ
ン7をロックする方向に力を受けている。地震時には地
震センサーからの信号により、ロック部材制御装置(電
磁石)45、あるいはロック部材制御装置(モーター)
46が作動してロック部材11が解除され、固定ピン7
の回転の拘束が解かれることで固定装置が解除され、免
震される構造体1と免震される構造体を支持する構造体
2との固定を解除する機構である。 8.0.2. 固定装置の分類2(地震作動型と風作動型) 固定装置は、作動形態から、次の2つの型がある。固定
装置には、通常時は常に固定されており、地震時にのみ
固定が解除される形の、地震力に反応して作動する地震
作動型(8.1.参照)と、風時にのみ固定される形の、風
力に反応して作動する風作動型(8.2.参照)とがある。 8.0.3. 固定装置の作動部 固定ピン等の固定装置の作動部(以下、固定装置の作動
部の総称として「固定装置の作動部」または「固定ピン
等」を使う)は、固定装置の、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体とを固定するために作動
する部分である。固定する方法は係合抵抗であるが、係
合固体抵抗型と係合液体抵抗型との二つに分かれる。 1) 固定ピン型固定装置(固定ピン系及び連結部材系の
ピン型)の場合 これらの型の固定装置の作動部は、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体との両者とを係合し
固体抵抗(固体摩擦・剪断)により、両者を固定するも
のである。具体的には、両者間を固定ピンにより係合し
て、固体抵抗(固体摩擦・剪断)により両者を固定する
ものである。この場合、固定装置の作動部はピストン状
部材また固定ピンになる。 2) 連結部材弁型固定装置(係合液体抵抗型固定装置)
の場合 これらの型の固定装置の作動部は、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体との両者と係合し、
液体・気体等抵抗(流体摩擦・遮断)により、両者を固
定するものである。具体的には、両者間をシリンダーと
その中をスライドするピストン状部材により係合して、
シリンダーの中をスライドするピストン状部材による液
体・気体等の流動する孔・管等を絞り(流れの摩擦)さ
らに弁を閉める(流れの遮断)ことによる液体・気体等
抵抗(流体摩擦・遮断)により、両者を固定するもので
ある。この場合、固定装置の作動部はピストン状部材ま
た弁になる(「固定ピン等」にはピストン状部材また弁
まで含まれる)。 8.0.4. 固定装置の解除/固定/作動 ここで用語の説明もしておく。固定装置の解除とは、固
定装置により免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体との固定を解除することを意味し、固定装
置の固定(固定装置のセット、固定装置のロックとも言
う)とは、固定装置により免震される構造体と免震され
る構造体を支持する構造体とを固定することを意味し、
固定装置の作動とは、固定装置による免震される構造体
と免震される構造体を支持する構造体との固定および解
除の両方を意味する。 8.1. 地震作動型固定装置 請求項90項記載の発明の地震作動型固定装置は、通常
時は免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定して、風揺れ等を防止しており、地震の振
動を感知すると、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体との固定を解除して、免震装置を作動
させるというタイプの固定装置である。地震作動型固定
装置は、地震力そのものの力で作動する剪断ピン型固定
装置(8.1.1.)、地震時の地震センサーの指令または地震
センサー振幅装置にある重りの振動によって作動する地
震センサー(振幅)装置装備型固定装置(8.1.2.)に分か
れる。地震感度について、地震センサー装備型は、地震
加速度と地震変位の両方に対応でき、地震センサー振幅
装置装備型は、主に地震変位対応型である。 8.1.1. 剪断ピン型固定装置 請求項91項記載の発明の剪断ピン型固定装置は以下の
ようなものである。免震装置によって免震される構造体
1と免震される構造体を支持する構造体2とを固定し、
両者を繋ぐ形で固定ピン7が取り付けられており、地震
時に、一定以上の地震力によって固定ピン7が折れるか
切れるかして、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2との固定を解除する。このような、
固定ピン自体が折れたり切れたりすることにより固定を
解除する固定ピンのことを、以下、「剪断ピン」または
「剪断ピン型固定ピン」と呼び、剪断ピン型固定ピンに
よる固定装置のことを、「剪断ピン型固定装置」と呼
ぶ。なお、この剪断ピン型固定装置は一回のみ作動型で
あり、そのため、大地震対応型となる。 8.1.1.1. 刃付き切断型固定装置 図130、図131は、請求項91項記載の剪断ピン型
固定装置の実施例の一つを示している。固定ピン7を切
断するための刃16をもつことを特徴とする。固定ピン
7と、固定ピン7を切断するための刃16のうち一方
が、免震される構造体1に、もう一方が免震される構造
体を支持する構造体2に取付けられる。図130、図1
31ともに、固定ピン7が免震される構造体1に、刃1
6が免震される構造体を支持する構造体2に取付けられ
ている場合である。免震される構造体1と免震される構
造体を支持する構造体2に対し、逆に取付けられる場合
もある。また、固定ピン7を、片側から切断する片刃タ
イプと、固定ピン7の両側から切断する両刃タイプとが
あり、図130は片刃タイプを、図131は両刃タイプ
を示している。 8.1.1.2. 遊び空間設置型刃付き切断型固定装置 また、8.1.1.1.の固定装置において、刃16と固定ピン
7との間に、ある程度の遊びを設け、刃16を加速させ
て固定ピン7を切断するという仕組みが考えられる。さ
らに、刃16と固定ピン7とが、中小程度の地震では接
触しないように、刃16と固定ピン7との間の空隙に、
緩衝材26を挿入することも考えられる。緩衝材26に
は、グラスウール等のクッション材、また、粘性摩擦を
与えるような材料を用いることが考えられる。 8.1.2. 地震センサー(振幅)装置装備型固定装置 請求項92項記載の発明の地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置は、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固
定装置に、地震を感知する地震センサーまたは地震セン
サー振幅装置が装備されたものである。地震時には、地
震センサー(振幅)装置の働きによって、固定装置が解
除される。なお、地震センサー振幅装置および地震セン
サーを、以下、「地震センサー(振幅)装置」と呼ぶこ
とにする。 (1) 地震センサー(振幅)装置 地震センサー(振幅)装置は、地震センサーまたは地震
センサー振幅装置に分かれ、それぞれ以下のようなもの
である。 1) 地震センサー振幅装置 地震センサー振幅装置には、重力復元型、バネ復元型、
振り子型の3種類がある。地震センサー振幅装置の重り
が、地震力で振動し(不動点状態は地面から見ると相対
化して振動状態に見える。共振域に近付くと本当に振動
する)、重力またはバネ等により元の位置に戻る。 a) 重力復元型地震センサー振幅装置 図149〜図150は、地震センサー振幅装置が、重力
復元型の場合である。地震センサー振幅装置14の免震
皿3、36-vm、20-cpssは、球面、またはすり鉢等の
凹型滑り面部を有しており、地震時に振動する重り2
0、20-b(滑り部=すべり・転がり部)は、その面を
滑り、免震皿の形状により重力で元の位置に戻る。この
うち、請求項92−2項の発明である、請求項92項記
載の地震センサー振幅装置装備型固定装置における重り
(滑り部)とそれを定位置に戻し且つそれが滑るすり鉢
型の免震皿からなる、地震力によってこの重りが振動す
る地震センサー振幅装置において、すり鉢勾配を、一定
勾配のものとし、以下の式によって導き出されるθによ
って構成することを特徴とする地震センサー振幅装置装
備型固定装置、またそれによる免震構造体の場合は、地
震による固定解除感度を設定可能なものになる。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 図149〜図150、図163〜図164、図172〜
図173、図207(b)、図267、図271、図27
3、図278〜図280、図283、図285〜図30
4、図311〜図313、図315、図320、図32
2、図326〜図333は、その実施例である。 b) バネ復元型地震センサー振幅装置 図151〜図152は、地震センサー振幅装置が、バネ
復元型の場合である。地震センサー振幅装置15の免震
皿3は、平面型滑り面部を有しており、地震時に振動す
る重り20(滑り部=すべり・転がり)は、その面を滑
り、免震皿の周囲と重り20に繋げられたバネ・ゴム・
磁石等により元の位置に戻る。なお、図149〜図15
0および図151〜図152においては、重りは半球形
もしくは立方体の重り20であるが、球形の重り20-b
の使用も可能である。当然のごとくそれ以外の形でも構
わない。 c) 振り子型地震センサー振幅装置 図157〜図158は、地震センサー振幅装置が振り子
型の場合である。地震センサー振幅装置13の、地震時
に振動する振り子の重り20は、重力で元の位置に戻
る。地震センサー振幅装置の重りの振幅方向は、全方向
性を持ったものが望ましいが、一方向性(往復を含む、
以下同じ)のものでもよい。 2) 地震センサー 地震センサー装置には、以下ようなものが考えられる。 a) 電気式振動計等の地震センサー 動電型、圧電型、可変抵抗型(しゅう動抵抗式、ひずみ
ゲージ式等)、可変インダクタンス型(空隙変化型変換
素子、差動トランス等)、サーボ加速度型等の、あるい
はその他地震計等に使用されている形式の電気式振動計
を、地震センサーとして使用する。 b) 地震発電装置による地震センサー 上記の7.2. 地震発電装置型地震センサーによる場合で
ある。請求項93項記載の発明の地震センサー(振幅)
装置装備型固定装置は、上記請求項92項記載の地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置において、地震セン
サーが、7.2.(請求項88項記載)の地震発電装置型地
震センサーの場合である。地震センサーも、全方向性を
持ったもの、あるいは一方向性(往復を含む、以下同
じ)のものを2個以上を異なる方向で設置することが望
ましいが、一方向性(往復を含む、以下同じ)のものを
1個でもよい。また、いずれの地震センサー(振幅)装
置も、免震される構造体を支持する構造体2に固定され
ている方がよい。 (2) 固定装置の固定の解除形式 固定装置の解除に関して、地震力で、または地震センサ
ーからの指令で、または地震センサー振幅装置の地震時
に振動する重り(不動点状態は地面から見ると相対化し
て振動状態に見える。共振域に近付くと本当に振動す
る)そのものの力で、固定装置の作動部自体を解除する
直接方式と、固定装置の作動部のロックのみを解除する
(固定装置の作動部自体の解除はバネ等、重力または地
震力を利用する)間接方式との二通りに分かれる。前記
固定ピン型固定装置に関して言えば、間接方式は、固定
ピンをロックするロック部材を解除する方式であり、直
接方式は、固定ピン自体を可動させ解除する方式であ
る。 1) 間接方式(8.1.2.2./8.1.2.1.) 地震センサー振幅装置の場合には、地震センサー振幅装
置の重りの地震時の振動により、固定装置の作動部のロ
ックのみを解除する。電気式振動計等の地震センサーの
場合には、地震センサーからの電気等の指令を受け、固
定装置内のモーターまた電磁石等により固定装置の作動
部のロックのみを解除する。地震発電による地震センサ
ーの場合には、地震センサーからの電気で固定装置内の
モーターまた電磁石等を作動させ、固定装置の作動部の
ロックのみを解除する。後記 8.1.2.2.はその具体的説
明であり、 8.1.2.1.の吊材切断型も機構上は間接方式
に入るが、別の章として分けて説明する。 2) 直接方式(8.1.2.3.) 地震センサー振幅装置の場合には、地震センサー振幅装
置の、重りの地震時の振動により固定装置の作動部自体
を解除する。電気式振動計等の地震センサーの場合に
は、地震センサーからの電気等の指令を受け、固定装置
内のモーターまた電磁石等により固定装置の作動部自体
を解除する。地震発電による地震センサーの場合には、
a)地震センサーからの電気等の指令を受け、固定装置内
のモーターまた電磁石等により固定装置の作動部自体を
解除するか、b)地震センサーからの電気で固定装置内の
モーターまた電磁石等を作動し、固定装置の作動部自体
を解除する。 (3) 固定装置の復元型 この地震センサー(振幅)装置装備型固定装置は、固定
装置の復元による分類から、以下の3つに分かれる。 1) 手動復元型(8.1.2.1./8.1.2.2.1.) 地震終了後、手動により、固定装置を再びセット(=ロ
ック・固定)する必要がある地震センサー振幅装置装備
型固定装置である。吊材切断型(8.1.2.1.)とロック解除
型(8.1.2.2.1.)との2種類に分かれる。固定装置が解除
された後、再び固定させるための機構を特に装備してい
ない簡易型である。完全に再使用可能な固定装置はロッ
ク解除型であり、吊材切断型は吊材を張り代える必要が
ある。 2) 自動復元型(8.1.2.2.2.電気等による、8.1.2.2.3.
地震力による) 地震終了後、固定装置の固定が自動的にされる地震セン
サー振幅装置装備型固定装置である。電気等による場合
(8.1.2.2.2.)と、地震力による場合(8.1.2.2.3.)との2
種類に分かれる。 3) 自動制御型(8.1.2.3.) 固定装置の、地震時の解除も、地震終了後の固定も、自
動的にされる地震センサー振幅装置装備型固定装置であ
る。 8.1.2.1. 吊材切断型 請求項94項は、吊材切断型地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置の発明である。8.1.2.の地震センサー振幅
装置、または電気式振動計等の地震センサーをもち、こ
の地震センサー振幅装置の地震力によって振動する重り
またはその重りに連動する部材、または地震センサーに
より作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材に刃
が付き、その先に、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを固定する固定ピンを支えている
吊材があり、地震時にその加速度がある一定以上の大き
さになると、地震センサー振幅装置の重りの振幅が大き
くなることによって、または地震センサーの指令を受け
たモーターもしくは電磁石等の作動によって、その刃が
吊材に当たり、吊材を切断し、さらに固定ピンに設けら
れたバネ等、または重力、または挿入部の形状(すり鉢
型等)などにより、固定ピンの挿入部から固定ピンが外
れ、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体との固定が解除されるように構成されてなることを
特徴とする吊材切断型地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置である。 (1) 地震センサー振幅装置装備型 図153〜図156、図159、図160は、この請求
項94項記載の発明の、吊材切断型地震センサー(振幅)
装置装備型固定装置の地震センサー振幅装置装備型の実
施例を示している。地震センサー振幅装置(振り子型1
3、重力復元型14、バネ復元型15)の、振幅が自由
にされた重り20(滑り部)、またはその重り20(滑
り部)に連動された部材(例えば、図153のように作
用部(押出し部・引張り部等)17、または図154、
図156、図160のように(必要によりレリーズ8-r
を介して)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8)
に刃16が付いており、その先に、固定ピン7を支えて
いる吊材12があって、地震時に、地震センサー振幅装
置の重り20(滑り部)の振幅が大きくなり、ある一定
以上になると、刃16が吊材12に当たり、吊材12が
切断される。そうすると、固定ピンが外れる方向に働く
よう取付けられたバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または
磁石等)9-cによって、また重力によって、また地震振
幅に応じ、すり鉢等の固定ピン挿入部の勾配に従って持
ち上がることによって、固定ピンの挿入部7-vから固定
ピン7が外れ、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2との固定が解除される。8.1.2.2.の
ロック解除型と同様に、地震センサー振幅装置(振り子
型13、重力復元型14、バネ復元型15)側の刃16
の出を調整可能にするか、または、地震センサー振幅装
置と刃16とを繋いでいる(レリーズ8-r内の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等8の長さ(弛みの有
無)を調整可能にするかなどして、刃16と吊材12と
の間隔を自由に変えられるようにし、地震センサー振幅
装置の地震感度を自由に変えられるようにすること、ま
た、振り子の吊り長さを調整可能とすることにより、固
定ピン7解除の地震力の大きさを自由に変更できるもの
である。地震センサー振幅装置が、図153〜図154
は重力復元型、図155〜図156はバネ復元型、図1
59〜図160は振り子型の、吊材切断型の地震センサ
ー(振幅)装置装備型固定装置の実施例を示している。
図153および図155は、地震センサー振幅装置(重
力復元型14、バネ復元型15)の免震皿3により、振
幅が自由にされた重り20に直接刃16が付くか、また
は重り20の作用部(押出し部・引張り部等)17に刃
16が付いた場合であり、図154および図156は、
地震センサー振幅装置(重力復元型14、バネ復元型1
5)の免震皿3により、振幅が自由にされた重り20
(滑り部)と刃16とが、(必要によりレリーズ8-rを
介して)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8と繋
がれている場合である。図159は、地震センサー振幅
装置13の振り子に刃16が付いた場合であり、図16
0は、振り子と刃16とが、(必要によりレリーズ8-r
を介して)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8と
繋がれている場合である。なお、固定ピン7の吊材12
が免震される構造体1の側に出ている場合は、吊材12
の取付け部12-fは免震される構造体1に固定されてい
る。逆に、固定ピン7の吊材12が免震される構造体を
支持する構造体2の側に出ている場合は、吊材12の取
付け部12-fは、免震される構造体を支持する構造体2
に固定されている。なお、図の固定装置Gが、免震され
る構造体1、免震される構造体を支持する構造体2に対
して、逆に取り付けられる場合もある。また、地震セン
サー(振幅)装置は免震される構造体を支持する構造体
2に固定されている方がよい。 (2) 地震センサー装備型 1) 一般 図162は、請求項94項記載の発明の、吊材切断型地
震センサー(振幅)装置装備型固定装置のうち、地震セン
サー装備型固定装置の実施例を示している。地震センサ
ー装置J-bから信号を伝える電線23により連動するロ
ック部材制御装置47に刃16が付き、その先に固定ピ
ン7を支えている吊材12があって、地震の加速度、速
度、または変位がある一定以上になると、地震センサー
装置J-bがそれを感知し、ロック部材制御装置47が作
動して刃16が吊材12に当たり、吊材12が切断され
る。そうすると、固定ピン7が外れる方向に働くよう取
付けられたバネ・ゴム・磁石等9-cにより固定ピンの挿
入部7-vから固定ピン7が外れ、免震される構造体1と
免震される構造体を支持する構造体2との固定が解除さ
れる。なお、固定ピン7の吊材12が免震される構造体
1の側に出ている場合は、吊材12の取付け部12-fは
免震される構造体1に固定されている。逆に、固定ピン
7の吊材12が免震される構造体を支持する構造体2の
側に出ている場合は、吊材12の取付け部12-fは、免
震される構造体を支持する構造体2に固定されている。
8.1.2.2.のロック解除型と同様に、地震センサー装置J
-bの地震感度を自由に変えられるようにすることによ
り、固定ピン7解除の地震力の大きさは自由に変更でき
るものである。なお、図の固定装置Gが、免震される構
造体1、免震される構造体を支持する構造体2に対し
て、逆に取り付けられる場合もある。また、地震センサ
ー装置J-bは免震される構造体を支持する構造体2に固
定されている方がよい。 2)地震発電による地震センサー装備型 請求項94項記載の発明の、吊材切断型地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置のうち、7.1.記載の免震によ
る地震発電装置、または 7.2.記載の地震発電装置型地
震センサーによって作動する固定装置の実施例を示して
いる。図190はその一例で、7.1.1)のピン型の地震発
電装置を使用したものである。ロック部材制御装置47
は、7.1. 1)、2)で説明されている地震発電装置型地震
センサーJ-kと、信号を伝える電線23により連絡され
ている。このロック部材制御装置47に刃16が付き、
その先に固定ピン7を支えている吊材12がある。地震
時に地震発電装置型地震センサーJ-kが作動し、その発
電した電力によりロック部材制御装置47も作動して刃
16が吊材12に当たり、吊材12が切断される。そう
すると、固定ピン7が外れる方向に働くよう取付けられ
たバネ・ゴム・磁石等9-cにより固定ピンの挿入部7-v
から固定ピン7が外れ、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2との固定が解除される。な
お、固定ピン7の吊材12が免震される構造体1の側に
出ている場合は、吊材12の取付け部12-fは免震され
る構造体1に固定されている。逆に、固定ピン7の吊材
12が免震される構造体を支持する構造体2の側に出て
いる場合は、吊材12の取付け部12-fは、免震される
構造体を支持する構造体2に固定されている。地震発電
装置型地震センサーJ-kの、地震力に対する出力の設定
を調整できるようにすることにより、固定ピン7解除の
地震力の大きさは自由に変更できるものである。なお、
図の固定装置Gが、免震される構造体1、免震される構
造体を支持する構造体2に対して、逆に取り付けられる
場合もある。また、地震発電による地震センサー装置は
免震される構造体を支持する構造体2に固定されている
方がよい。 8.1.2.2. 間接方式(ロック解除型) 間接方式とは、地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置の固定装置の作動部を直接解除せずに、固定装置の作
動部を間接的に解除する、つまり固定装置の作動部のロ
ックを解除する方式である。この発明の間接方式は、 1)固定ピン系の間接方式のピン型(ロックピン) 2)固定ピン系の間接方式の弁型(ロック弁) 3)連結部材系ピン型の間接方式(固定ピンとロック部材
(ロックピン、ロック弁)) 4)連結部材系弁型の間接方式(弁とロック部材(ロック
ピン、ロック弁))に分かれる(8.0.1.固定装置の分類
1)。 さらに、ロック形式について、分類すると次のようにな
る。 1) ロック形式 上記の間接方式について、固定装置の作動部をロックす
る機能をもった部材(以下、「ロック部材」と呼ぶ)の
ロック形式から、次の2つに分けることができる。 a) ロックピン方式(8.1.2.1. 1)参照) 図149〜図150、図151〜図152、図157〜
図158、図163〜図181、図206、図237〜
図261、図194参照。 b) ロック弁方式(8.1.2.1. 2)参照) 図196(a)(b)、図207参照。 2) ロック方式 以上のそれぞれは、ロック方式から、次の2つに分けら
れる。 a) 一段ロック方式 図149〜図150、図151〜図152、図157〜
図158、図163〜図181、図206、図237〜
図261参照。 b) 二段以上ロック方式( 8.1.2.2.4. 2)参照) 図194参照。 3) ロック個数 さらに、以上のそれぞれは、ロックの個数から、次の2
つに分けられる。 a) 一重ロック方式 図149〜図150、図151〜図152、図157〜
図158、図163〜図181、図194〜図207、
図237〜図261参照。 b) 二重以上ロック方式( 8.1.2.2.4. 3)参照) 図204、図205参照。 8.1.2.2.1. 基本形 請求項95項〜請求項96−2項は、ロック解除型の地
震センサー(振幅)装置装備型固定装置の発明である。
地震時以外は、固定装置の作動部をロックするロック部
材が働くことで、固定装置はロックされることにより、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とが固定される風揺れ等を防止する固定装置において、
重りとそれを定位置に戻すバネ・ゴム・磁石等からなる
装置、重り(滑り部)とそれを定位置に戻し且つそれが
滑る球面・すり鉢型等の免震皿からなる装置、重りとそ
れを振り子として支持する部材とからなる装置等の、地
震力によってこの重りが振動する地震センサー振幅装
置、または電気式振動計等の地震センサー(地震センサ
ー振幅装置および地震センサーを地震センサー(振幅)
装置という)をもち、前記ロック部材と接続され、連動
し、地震時にその加速度がある一定以上の大きさになる
と、地震センサー振幅装置の重りの振幅がある一定以上
の大きさになり、重りにより直接もしくはそれに連動さ
れた部材によって、または地震センサーにより作動する
モーターもしくは電磁石等の作動部材によって、固定装
置のロック部材が解除され、免震される構造体と免震さ
れる構造体を支持する構造体との固定が解除されるよう
に構成されてなることを特徴とする地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置である(請求項95項)。ま
た、固定装置の作動部が固定ピンの場合は以下のように
なる(請求項96項)。固定ピンの挿入部と固定ピンの
うち、一方を免震される構造体に、もう一方を免震され
る構造体を支持する構造体に設け、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体とを、一方に設けら
れた挿入部にもう一方に設けられた固定ピンを挿入する
ことによって固定し、地震時以外は、固定ピンに、固定
ピンをロックするロック部材が働いて風揺れ等を防止す
る固定装置において、地震センサー振幅装置または電気
式振動計等の地震センサーをもち、前記ロック部材と接
続され、地震時にその加速度がある一定以上の大きさに
なると、地震センサー振幅装置の重りの振幅がある一定
以上の大きさになり、重りにより直接もしくはそれに連
動された部材によって、または地震センサーにより作動
するモーターもしくは電磁石等の作動部材によって、固
定ピンのロック部材を解除し、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体との固定が解除されるよ
うに構成されてなることを特徴とする地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置である。以上のロック解除型の
地震センサー(振幅)装置装備型固定装置は、ロック部
材が、ロックピンとロック弁に分けられることからロッ
クピン方式とロック弁方式との2つの方式に分かれる。
請求項95項または請求項96項記載の発明のうち、請
求項96−2項の発明である、請求項95項または請求
項96項記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置に
おける重り20、20-b(滑り部=すべり・転がり部)
と、それを定位置に戻し且つそれが滑るすり鉢型の免震
皿3、36-vm、20-cpssとからなる、地震力によって
この重りが振動する地震センサー振幅装置14におい
て、すり鉢勾配を、一定勾配のものとし、以下の式によ
って導き出されるθによって構成することを特徴とする
地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる
免震構造体の場合は、地震による固定解除感度を設定可
能なものになる。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 図149〜図150、図163〜図164、図172〜
図173、図207(b)、図267、図271、図27
3、図278〜図280、図283、図285〜図30
4、図311〜図313、図315、図320、図32
2、図326〜図333は、その実施例である。 1) ロックピン方式 請求項97項は、8.1.2.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置のロック部材が、ロックピン等である方
式(ロックピン方式)の、固定装置の発明である。図1
79は、その地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
の地震センサー振幅装置装備型の実施例である。この地
震センサー振幅装置装備型固定装置には、固定ピン7を
ロックする機能をもった部材11(ロックピン・ロック
弁等、以下、「ロック部材」と呼ぶ)があり、通常時は
固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに差し込まれてい
る。前述の地震センサー、または地震センサー振幅装置
が、地震時に振幅がある一定以上になると、固定ピンの
ロックを解除する。この固定ピンが外れる方向に働くよ
う取付けられたバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁
石等)により、また重力により、また地震振幅に応じす
り鉢等の固定ピン挿入部の勾配に従って持ち上がる(図
179)ことによって、この固定ピンの挿入部等からこ
の固定ピンが外れ、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との固定が解除されるように構成さ
れる。なお、図179において、固定ピンの挿入部が、
7-vm/vとなっているのは、7-v(固定ピンの挿入部)
または7-vm(固定ピンのすり鉢状・球面状等の凹形態
の挿入部)という意味である(図1からの全ての図面に
共通することであるが、「/」は「または」の意味であ
る。なお「また」は、「または」と「及び」の両方の意
味をもつ)。図161は、その地震センサー(振幅)装
備型固定装置の地震センサー装置装備型の実施例であ
る。 2) ロック弁方式 請求項98項は、8.1.2.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置のロック部材が、ロック弁等である方式
(ロック弁方式)の、固定装置の発明である。8.1.2.2.
の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置において、
筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピ
ストン状部材等の固定装置の作動部を有し、この筒のピ
ストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がス
ライドする範囲の端と端と)は管(また筒7-aに付けら
れた溝)で繋がれているか、ピストン状部材に孔が設け
られているか、ピストン状部材によって押出される液体
・気体等が筒中から出る出口が設けられているかしてお
り、そして、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同
士を繋ぐ管(また溝)か、ピストン状部材にあいている
孔か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等
が筒中から出る出口かに、またはその全てに、固定装置
の作動部をロックするロック弁(ロック部材)が設けら
れており、このロック弁を地震センサー(振幅)装置と
連動して開閉することにより、固定装置の作動部のロッ
クを行うことを特徴とする地震センサー(振幅)装置装
備型固定装置である。図207は、8.1.2.2.3.の請求項
101項の発明の、地震力による自動復元型が組み合わ
さった場合の、ロック弁方式の地震センサー(振幅)装
置装備型固定装置の地震センサー振幅装置装備型の場合
の実施例である。固定装置の作動部が、固定ピンとなる
かまたは連動したピストン状部材の場合である。固定ピ
ンの支持部は、筒部とその中に入るピストン状部材から
なり、筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドす
るピストン状部材をもった固定ピンが、その筒に挿入さ
れ、その外に固定ピン先端が突き出ており、さらに、こ
の筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状
部材がスライドする範囲の端と端と)は管(また筒7-a
に付けられた溝)で繋がれているか、ピストン状部材に
孔が設けられているか、ピストン状部材によって押出さ
れる液体・気体等が筒中から出る出口が設けられている
かしており、そして、この筒のピストン状部材を挟んだ
反対側同士を繋ぐ管(また溝)か、ピストン状部材にあ
いている孔か、ピストン状部材によって押出される液体
・気体等が筒中から出る出口かに、またはその幾つかに
または全てに、固定ピンをロックするロック弁(ロック
部材)が設けられている。地震時に、地震センサー振幅
装置の重りまたは振り子の振幅がある一定以上の大きさ
になると、その重りまたは振り子により、このロック弁
が開かれ、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との固定が解除されるように構成される。具
体的に、図に基づいて説明すると、筒中の液体や空気等
を漏らさずスライドするピストン状部材7-pをもった固
定ピン7が、その筒(固定ピン取付け部)7-aに挿入さ
れ、筒7-aの外に固定ピン先端7-wが突き出ており、さ
らに、筒7-aのピストン状部材7-pを挟んだ反対側同士
(ピストン状部材7-pがスライドする範囲の端と端と)
は管7-e(また筒7-aに付けられた溝)で繋がれてい
る。管7-e(また溝)には、ロック弁(ロック部材)7
-fが取付けられており、ピストン状部材7-pが押出され
る時に開くようになっている。さらに、上述の地震セン
サー振幅装置(振り子型13、重力復元型14、バネ復
元型15)をもち、 地震センサー振幅装置またはそれ
に連動した部材(ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等)の先に、管7-e(また溝)のロック弁(ロック部
材)7-fを開く作用部(押出し部・引張り部等)7-hを
持つ。(a)図は地震センサー振幅装置のすべり型重り2
0によるバネ復元型15の場合、(b)図の下図は地震セ
ンサー振幅装置のすり鉢・球面等の凹面皿上すべり型重
り20による重力復元型14の場合、(b)図の上図は地
震センサー振幅装置のすり鉢・球面等の凹面皿上の転が
り型重り(ボール型)20-bによる重力復元型14の場
合である。なお、作用部7-hは、重力またバネ等(バネ
・ゴム等の弾性体または磁石等)7-iによって、ロック
弁(ロック部材)7-fを常に閉じる状態にしておく。地
震時には、地震センサー振幅装置(振り子型13、重力
復元型14、バネ復元型15)の重りが振動し、作用部
7-hに作用して(押出して)ロック弁(ロック部材)7
-fを開く。請求項101項の発明の、すり鉢状・球面状
等の凹形状の固定ピンの挿入部7-vm を有していること
から、地震力により固定ピン先端7-wが、すり鉢状の挿
入部勾配により、持ち上がり、免震装置全体が可動し始
める。逆に、地震終了時には、バネ等7-oまた重力(固
定ピン7が免震される構造体1に取付けられる場合)の
働きにより、固定ピン先端7-wが、すり鉢状の挿入部勾
配に従いながら突き出る方向に働き、かつ、ロック弁
(ロック部材)7-fも突き出る方向にしか開かないの
で、すり鉢状の挿入部勾配に従いながら最も底で止まっ
て、免震される構造体1が固定される。ロック弁(ロッ
ク部材)7-fの性格により、(地震時以外の)通常時
は、固定ピン先端7-wは下に突き出す方向性のみを持
ち、引き込むことは、地震時以外には起こらない。筒7
-aの中にバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
7-oが入り、また重力により、ピストン状部材7-pをも
った固定ピン7をセット(=ロック・固定)する方向に
筒外に押出す役割をする場合もある。また、筒7-a、及
び管7-e(また溝)とは、潤滑油等の液体で満たされて
いる場合もある。図207では、固定ピン7が免震され
る構造体1に、固定ピンの挿入部7-vが免震される構造
体を支持する構造体2に、取付けられているが、逆の関
係の場合もある。固定ピンの挿入部7-vおよび固定ピン
7のうち、どちらか一方が免震される構造体1に、もう
一方が免震される構造体を支持する構造体2に設けられ
る。また、筒7-aの上部に関して、4.6.と同様に、単に
止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られ
て、雄ネジ7-dが挿入されている場合もある。この雄ネ
ジ7-dは、入り込み方向に回転して締めることにより、
バネ等7-oを圧縮して、バネ・ゴム・磁石等7-oの反発
力を強め、固定ピン先端7-wの押し出す力を強めるとい
う機能をもち、復元力を高めたり、地震後の免震される
構造体1の残留変位の矯正を可能にしたりする。以下、
さらに、地震センサー振幅装置装備型と地震センサー装
備型の場合の実施例をそれぞれ説明する。 (1) 地震センサー振幅装置装備型 図149〜図152、図157〜図158は、重力復元
型・バネ復元型・振り子型の地震センサー振幅装置装備
型固定装置の実施例を示している。これらの固定装置に
は、固定ピン7をロックするロック部材11があり、こ
の固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに差し込まれて
いる。地震によって、振幅が自由にされた重り20(滑
り部)の振幅が大きくなり、ある一定以上になると、こ
の重り20(滑り部)またはそれに連動された部材が、
ロック部材11のロックを解除する方向に作用し、この
固定ピンの欠き込み・溝・窪み7-cから、固定ピン7の
ロック部材11が外れる。そうすると、固定ピンが外れ
る方向に働くよう取付けられたバネ等(バネ・ゴム等の
弾性体または磁石等)9-cにより、また重力により、ま
た地震振幅に応じ、すり鉢等の固定ピン挿入部の勾配に
従って持ち上がることによって、固定ピンの挿入部7-v
から固定ピン7が外れ、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2との固定が解除される。ま
た、ロック部材11は、バネ等9-cにより、ロック解除
の方向とは逆方向に、常時押出されているか(図149
〜図152、図157〜図158)、バネ等9-tによ
り、ロック解除の方向とは逆方向に引張られている形に
なっている。さらに、ロック部材11は垂直方向には拘
束され、持ち上がらないようになっており、水平方向に
のみスライドするように取付けられている。重り20
(滑り部)に連動する部材としては、図149、図15
1のように作用部(押出し部・引張り部等)17、また
は、図150、図152のようにレリーズ8-r内のワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8がある。また、振
り子13に連動する部材としても、同様に、図157の
ように作用部(押出し部・引張り部等)17、または、
図158のようにレリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等8がある。なお、図163、図16
5、図167のスライド装置24のように、固定ピン側
のロック部材11の出を調整可能にするか、または、地
震センサー振幅装置13、14、15のロック部材11
とレリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8との接合長さ(弛みの有無)を調整可能にするか
などして、地震センサー振幅装置13、14、15のロ
ック部材11に対する感度を自由に変えることができる
ようにすることにより、また、振り子の吊り長さを調整
可能とすることにより、固定ピン7が解除される地震力
の大きさを自由に変更できるものである。また、地震セ
ンサー振幅装置とロック部材11との間隔調整の方法と
しては、上記の方法以外にも、地震センサー振幅装置の
作用部(押出し部・引張り部等)17の先端の出を調整
可能とする方法もある。地震センサー振幅装置が、図1
49〜図150は重力復元型、図151〜図152はバ
ネ復元型、図157〜図158は振り子型の、ロック解
除型の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置の実施
例である。図149、図151は、重力復元型・バネ復
元型地震センサー振幅装置14・15の免震皿3により
振幅が自由にされた重り20(滑り部)またはその連動
された部材の先に(振幅時の重り20またはその連動さ
れた部材がぶつかる範囲内に)、固定ピン7をロックす
るロック部材11がある場合である。図150、図15
2は、重力復元型・バネ復元型地震センサー振幅装置1
4・15の免震皿3により振幅が自由にされた重り20
(滑り部)の連動された部材の先に、固定ピン7をロッ
クするロック部材11がある場合である。つまり、重り
20(滑り部)またはその連動された部材と、固定ピン
7をロックするロック部材11とが、(必要によりレリ
ーズ8-rを介して)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8によって繋がれている場合である。図157は、
振り子型地震センサー振幅装置13により振幅が自由に
された重り20またはその連動された部材の先に(振幅
時の重り20またはその連動された部材がぶつかる範囲
内に)、固定ピン7をロックするロック部材11がある
場合である。図158は、振り子型地震センサー振幅装
置13により振幅が自由にされた重り20の連動された
部材の先に、固定ピン7をロックするロック部材11が
ある場合である。つまり、重り20またはその連動され
た部材と、固定ピン7をロックするロック部材11と
が、(必要によりレリーズ8-rを介して)ワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等8によって繋がれている場合
である。また、図181は、前述の地震センサー振幅装
置15の中に固定ピン7が入り、地震センサー振幅装置
15の重り20が同時にロック部材11の役割を果たす
場合である。地震センサー振幅装置15のロック部材1
1が地震時に振動状態となり、固定ピン7の欠き込み・
溝・窪み7-cからロック部材11が外れると、バネ・ゴ
ム・磁石等9-cにより固定ピン7が持ち上がり、固定装
置が解除される。なお、図の固定装置Gが、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2に対し
て、逆に取り付けられる場合もある。また、地震センサ
ー(振幅)装置は免震される構造体を支持する構造体2
に固定されている方がよい。 (2) 地震センサー装備型 1) 一般 地震センサー装備型自動復元型固定装置のうちで、固定
ピンの復帰を、地震力を用いた自動復元とする型であ
る。(1)の地震センサー振幅装置の代わりに地震センサ
ーを使ったもので、固定装置の解除時の感度の精度が上
げられる。しかし、固定ピンの復帰は、地震力だけを利
用して行う型である。また、動電型、圧電型、可変抵抗
型(しゅう動抵抗式、ひずみゲージ式等)、可変インダ
クタンス型(空隙変化型変換素子、差動トランス等)、
サーボ加速度型等の、あるいはその他地震計等に使用さ
れている形式の電気式振動計を、地震センサーとして装
備した固定装置も考えられる。図161は、請求項95
項記載の発明の固定装置の実施例を示している。地震時
以外、特に風時に、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する
固定装置に、上記形式の電気式振動計を利用した地震セ
ンサー装置が装備されたものである。これらの固定装置
には固定ピン7をロックするロック部材11があり、通
常時は固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに差し込ま
れている。地震時には、地震センサー装置J-bに、信号
を伝える電線23により連動するロック部材制御装置4
7が、この固定装置のロックを解除する。つまり、地震
時以外、特に風時に、免震される構造体1と免震される
構造体を支持する構造体2とを固定して、風揺れ等を防
止する固定装置Gにおいて、地震時に加速度あるいは振
幅がある一定以上になると、地震センサー装置J-bがそ
れを感知し、連動するロック部材制御装置47により、
この固定ピンの挿入部等7-vからこの固定ピン7を外
し、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2との固定を解除することにより構成される。具
体的に述べると、図161のように、地震を感知する地
震センサー装置J-b、ロック部材制御装置47がある。
地震の加速度、速度、または変位がある一定以上になる
と、地震センサー装置J-bがそれを感知し、電線23を
伝って信号をロック部材制御装置47へ送り、ロック部
材制御装置47がロック部材11のロックを解除する方
向に作用し、この固定ピンの欠き込み・溝・窪み7-cか
ら、固定ピン7のロック部材11が解除される。そうす
ると、固定ピン7が外れる方向に働くよう取付けられた
バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cによ
り固定ピンの挿入部7-vから固定ピン7が外れ、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
の固定が解除される。また、ロック部材11は、バネ等
9-cにより、ロック解除の方向とは逆方向に、常時押出
されているか、バネ等9-tにより、ロック解除の方向と
は逆方向に、常時引張られている形になっている。さら
に、ロック部材11は垂直方向には拘束され、持ち上が
らないようになっており、水平方向にのみスライドする
ように取付けられている。地震センサー装置J-bのロッ
ク部材11に対する感度を自由に変えられることによ
り、固定ピン7解除の地震力の大きさは自由に変更でき
るものである。なお、図の固定装置Gが、免震される構
造体1、免震される構造体を支持する構造体2に対し
て、逆に取り付けられる場合もある。また、地震センサ
ー(振幅)装置は免震される構造体を支持する構造体に
固定されている方がよい。図212〜図213は、請求
項96項の発明による地震センサー装置装備型固定装置
のうち、固定ピン型固定装置の実施例で、地震センサー
J-bからの信号により作動する電気型の場合である。こ
の例はすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vmに挿
入された固定ピン7に、この固定ピン7をロックする方
向でロック部材11を差し込み、固定装置Gをロックす
るタイプである。この固定装置Gを作動させる機構に
は、ロック部材制御装置(電磁石)を使用する方法と、
ロック部材制御装置(モーター)を使用する方法とがあ
り、図212は前者の例、図213は後者の例である。
免震される構造体1に設置された固定装置Gの固定ピ
ン7が、免震される構造体を支持する構造体2に設けら
れたすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vmに挿入
されており、通常時このロック部材11は、バネ等9-c
により、固定ピン7に設けられた欠き込み・溝・窪み7
-cに挿入され、固定ピン7をロックしている機構になっ
ている。地震センサーJ-bが一定以上の地震力を感知す
ると、電線23を伝って信号をロック部材制御装置(電
磁石)45あるいはロック部材制御装置(モーター)4
6へ送り、ロック部材制御装置(電磁石)45あるいは
ロック部材制御装置(モーター)46が作動して、ロッ
ク部材11を、固定ピン7のロックを解除する方向に動
かし、欠き込み・溝・窪み7-cからロック部材11を外
すことで固定ピン7のロックを解除し、固定装置Gを解
除して免震される構造体1と免震される構造体を支持す
る構造体2との固定を解除し、地震センサーJ-bが地震
の終了を感知すると、ロック部材制御装置(電磁石)4
5あるいはロック部材制御装置(モーター)46が作動
を止め、ロック部材11が元に戻り固定ピン7がロック
されることで固定装置Gが作動し、免震される構造体1
と免震される構造体を支持する構造体2とを固定して、
通常の状態へ戻す機構である。このとき地震センサーJ
-bが地震の終了を感知してから、一定の時間をおいて固
定装置を作動させるための、タイマーまたは遅延器を設
ける場合もある。 2)地震発電による地震センサー装備型 地震発電装置による地震センサーにより、固定装置を解
除する固定装置の発明である。これは7.記載の地震発
電の電気により電動モーターまた電磁石等を使用して、
固定装置の作動部のロックを解除する(固定装置の作動
部自体の解除はバネ等または地震力を利用する)間接方
式と、固定装置の作動部自体を解除する直接方式(8.1.
2.3.2.(2))との二通りに分かれる。 間接方式(固定装置の作動部のロックを解除するタ
イプ) 固定装置の作動部をロックする部材(ロック部材)が、
ロックピンとロック弁とに分けられることから、以下の
ようにロックピン方式とロック弁方式との2つに分かれ
る。 a) ロックピン方式 図189、図191に見られるような固定ピンの引抜き
また挿入運動をロックするロックピン(ロック部材)1
1(一段ロック)の解除による。図194に見られるよ
うな第1のロックピン(ロック部材)7-l、第2のロッ
クピン(ロック部材)7-n(二段ロック)の解除によ
る。 b) ロック弁方式 図207に見られるような固定ピンの引抜きまた挿入運
動をロックするロック弁(ロック部材)7-fの解除によ
る。図196(a)(b)に見られるような固定ピンの引抜き
また挿入運動をロックするロック弁(ロック部材)7-e
fの解除による。なお、信号線7-qlは、地震センサーか
らの信号線である。以上に見られるような固定ピンのロ
ック部材(ロックピン、ロック弁)の解除による場合で
ある。 なお、図189〜図191、図194、図19
6(a)(b)、図207においては、固定ピン系固定装置が
用いられているが、代わりに連結部材系固定装置を使用
することも可能である。 直接方式(固定装置の作動部の解除を直接行うタイ
プ、 8.1.2.3.2.(2) 参照) 図192(a)〜図192(b)に見られるような固定ピン自
体の引抜きまた挿入を行う場合(8.1.2.3.2.(2)参照)
の二通りに分かれる。ここでは、 間接方式(固定ピ
ンのロックを解除するタイプ)の場合である。図189
は、請求項99項記載の発明の固定装置の実施例を示し
ている。これは前記(2) 1)の地震センサーの代わりに7.
1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載の
地震発電装置型地震センサーを用いる場合で、固定装置
の作動に当たって電源設備を必要としない。固定装置G
には固定ピン7をロックするロック部材11があり、通
常時は固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに差し込ま
れている。地震時には、地震発電装置型地震センサーJ
-kと連動するロック部材制御装置47が、この固定装置
Gのロックを解除する。地震時に地震発電装置型地震セ
ンサーJ-kが作動し、ロック部材制御装置47も連動し
てこの固定ピンの挿入部等7-vからこの固定ピン7を外
し、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2との固定を解除することにより構成される。具
体的に述べると、図189のように、地震を感知し、地
震力により作動し発電する地震発電装置型地震センサー
J-k、および電線23によりこれと連絡されているロッ
ク部材制御装置47がある。地震力が一定以上になっ
て、地震発電装置型地震センサーJ-kの発電する電圧が
装置を作動させるのに必要な電圧以上になると、ロック
部材制御装置47も作動してロック部材11のロックを
解除する方向に作用し、この固定ピンの欠き込み・溝・
窪み7-cから、固定ピン7のロック部材11が解除され
る。そうすると、固定ピン7が外れる方向に働くよう取
付けられたバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石
等)9-cにより、また重力により、また地震振幅に応
じ、すり鉢等の固定ピン挿入部の勾配に従って持ち上が
ることによって、固定ピンの挿入部7-vから固定ピン7
が外れ、免震される構造体1と免震される構造体を支持
する構造体2との固定が解除される。また、ロック部材
11は、バネ等9-cにより、ロック解除の方向とは逆方
向に、常時押出されているか(図189)、バネ等9-t
により、ロック解除の方向とは逆方向に、常時引張られ
ている形になっている。さらに、ロック部材11は垂直
方向には拘束され、持ち上がらないようになっており、
水平方向にのみスライドするように取付けられている。
地震発電装置型地震センサーJ-kの、地震力に対する出
力の設定を調整できるようにすることにより、固定ピン
7解除の地震力の大きさは自由に変更できるものであ
る。なお、図の固定装置Gを、免震される構造体1、免
震される構造体を支持する構造体2に対して、逆に取り
付ける場合もある。また、地震センサー装置は免震され
る構造体を支持する構造体2に固定されている方がよ
い。図212〜図213は、請求項99項の発明による
地震発電装置型地震センサーを装備した地震センサー装
置装備型固定装置のうち、固定ピン型固定装置の実施例
である。この例はすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部
7-vmに挿入された固定ピン7に、この固定ピン7をロ
ックする方向でロック部材11を差し込み、固定装置G
をロックするタイプである。この固定装置Gを作動させ
る機構には、ロック部材制御装置(電磁石)を使用する
方法と、ロック部材制御装置(モーター)を使用する方
法とがあり、図212は前者の例、図213は後者の例
である。 免震される構造体1に設置された固定装置G
の固定ピン7が、免震される構造体を支持する構造体2
に設けられたすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-v
mに挿入されており、通常時このロック部材11は、バ
ネ等9-cにより、固定ピン7に設けられた欠き込み・溝
・窪み7-cに挿入され、固定ピン7をロックしている機
構になっている。地震力が一定以上になって、地震発電
装置型地震センサーJ-kの発電する電圧が装置を作動さ
せるのに必要な電圧以上になると、その発電した電力に
よりロック部材制御装置(電磁石)45あるいはロック
部材制御装置(モーター)46が作動して、ロック部材
11を、固定ピン7のロックを解除する方向に動かし、
欠き込み・溝・窪み7-cからロック部材11を外すこと
で固定ピン7のロックを解除し、固定装置Gを解除して
免震される構造体1と免震される構造体を支持する構造
体2との固定を解除し、地震力が一定以下になって、地
震発電装置型地震センサーJ-kの発電する電圧が装置を
作動させるのに必要な電圧以下になると、ロック部材制
御装置(電磁石)45あるいはロック部材制御装置(モ
ーター)46が作動を止め、ロック部材11が元に戻り
固定ピン7がロックされることで固定装置Gが作動し、
免震される構造体1と免震される構造体を支持する構造
体2とを固定して、通常の状態へ戻す機構である。この
とき地震発電装置型地震センサーJ-kの発電する電圧が
一定以下になってから、一定の時間をおいて固定装置を
作動させるための、タイマーを設ける場合もある。な
お、以上の図189、図212〜図213においては、
固定ピン型固定装置(ピン型)が使用されているが、そ
の代わりに、固定ピン型固定装置(弁型)、連結部材系
固定装置を使用することも可能である。 8.1.2.2.2. 電気等による自動復元型 請求項100項は、固定装置が解除された場合に、地震
後に電気等により自動的に固定状態に復帰させる地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置(ロック解除型)の
発明である。この発明は、8.1.2.2.1.の地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置(ロック解除型)に、固定
装置自動復元装置を取り付ける事により、固定装置解除
後の固定装置の作動部の元の位置への自動復帰を可能に
したものである。つまり、8.1.2.2.1.の地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置に、地震後、地震センサー
振幅装置の作動、または地震センサーからの指令によっ
て、固定ピン等の固定装置の作動部を自動的に元の位置
に戻す固定装置自動復元装置を設けるものである。これ
により、地震後の固定ピン等の固定装置の作動部の再セ
ットが自動になり、手動復元のもののように一々手を煩
わせる必要がなくなった。復元の容易な固定装置の発明
により、大地震に対応する一回限りのものだけでなく、
中小地震に対応する免震装置が可能となる。装置の構成
としては、8.1.2.2.1.の地震センサー(振幅)装置装備
型固定装置の、固定ピン等の固定装置の作動部に、固定
装置自動復元装置を設けたものである。具体的には、固
定装置の作動部が固定ピンの場合は、固定ピン7に固定
装置自動復元装置21が設けられ、地震後に、固定装置
自動復元装置21が、固定ピン7をロック部材11がロ
ック(係合)する位置に自動復元するもので、その位置
は、固定ピン7が完全に解除されたときに来る位置に設
置される。以下、構成を説明する。 (1) 地震センサー振幅装置装備型 1) 重力復元型・バネ復元型地震センサー振幅装置装備
型 図163〜図166は、重力復元型・バネ復元型地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置の実施例を示している。 a) 中心接点型 前述の重力復元型、バネ復元型地震センサー振幅装置の
場合であり、地震センサー振幅装置14、15の免震皿
上の重り20(滑り部)と、その(地震前また地震後
の)停止位置との双方に、電気等の接点23-cが取付け
られている。地震後において、重り20(滑り部)がこ
の停止位置に継続的にとどまり、免震皿上・重り20
(滑り部)双方の電気等の接点23-cが重なり続け、電
気等の場合には、通電状態が継続すると、固定装置自動
復元装置21が作動して、固定装置自動復元装置の固定
装置への作用部(押出し部・引張り部等)17が、固定
ピン等の固定装置の作動部7を、(固定ピンの挿入部が
上にある場合には)押し上げ、また(固定ピンの挿入部
が下にある場合には)押し下げて、ロック部材11がロ
ック(係合)する位置に自動復元させ、その後、固定装
置自動復元装置21自体は、元の位置に戻るものである
(そして再度地震等により双方の電気等の接点23-cが
重なり、スイッチが入るまで、節電停止状態に入る)。 b) 周辺接点型 上述の重力復元型、バネ復元型地震センサー振幅装置1
4、15の免震皿上の重り20(滑り部)と、その(地
震前また地震後の)停止位置以外の周辺部との双方に、
電気等の接点23-cが取付けられている。通常時は、こ
の停止位置に、重り20(滑り部)がとどまり、接点2
3-cが接せずに通電せず、固定装置自動復元装置21は
作動せず、よって固定ピン等の固定装置の作動部には作
用しない。地震時に、この停止位置より移動すると、双
方の電気等の接点23-cが重なり合い通電し、地震後、
この停止位置に重り20(滑り部)が再びとどまり、通
電しなくなると、この固定装置自動復元装置21内のモ
ーター、バネ等、または重力により、固定装置自動復元
装置21の固定装置への作用部(押出し部・引張り部
等)17が、固定ピン等の固定装置の作動部7を、(固
定ピンの挿入部が上にある場合には)押し上げ、または
(固定ピンの挿入部が下にある場合には)押し下げ、ロ
ック部材11がロック(係合)する位置に復帰させ、そ
の後、作用部自体は元の位置に戻るというものである。
図163〜図164は、重力復元型の地震センサー振幅
装置の場合、図165〜図166は、バネ復元型の地震
センサー振幅装置の場合の実施例である。重力復元型地
震センサー振幅装置14の免震皿3は、全方向性を持っ
た球面またすり鉢状等の凹型滑り面部をもったものが望
ましいが、一方向性(往復を含む、以下同じ)でもよ
い。また凹面でない平面型滑り面部を有する免震皿3の
場合は、バネ復元型の、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体
または磁石等)9で元の位置に復元させる場合もある。
図163、図165は、地震センサー振幅装置(重力復
元型、バネ復元型)14、15の免震皿3により、振幅
が自由にされた重り20(滑り部)の先に、ロック部材
11がある場合、図164、図166は、地震センサー
振幅装置(重力復元型、バネ復元型)14、15の免震
皿3により、振幅が自由にされた重り20(滑り部)も
しくは重り20(滑り部)に連動された部材と、ロック
部材11とが、レリーズ8-rを介して、ワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等8と繋がれている場合である。
なお、図163〜図166は、中心接点型のものであ
る。周辺接点型の地震センサー振幅装置の詳細について
は、図184、図186の地震センサー振幅装置14、
15に表されており、そのうち図183〜図184は重
力復元型の場合、図185〜図186はバネ復元型の場
合の実施例を示している。 2) 振り子型地震センサー振幅装置装備型 図167〜図168は、振り子型地震センサー振幅装置
装備型固定装置発明の実施例を示している。前述の振り
子型の地震センサー振幅装置13による固定装置に、電
気等による固定装置自動復元装置21が取付けられたも
のである。 a) 中心接点型 前述の振り子型地震センサー振幅装置の場合の実施例で
あり、地震センサー振幅装置13の振り子と、その停止
位置との双方に、電気等の接点23-cが取付けられてい
る。地震後において、振り子がこの停止位置に継続的に
とどまり、双方の電気等の接点23-cが重なり続け、電
気等の場合には、通電状態が継続すると、固定装置自動
復元装置21が作動して、固定装置自動復元装置の固定
装置への作用部(押出し部・引張り部等)17が、固定
ピン等の固定装置の作動部7を、(固定ピンの挿入部が
上にある場合には)押し上げて、また(固定ピンの挿入
部が下にある場合には)押し下げて、ロック部材11が
ロック(係合)する位置に自動復元させ、その後、固定
装置自動復元装置21自体は、元の位置に戻るものであ
る(そして再度地震等により双方の電気等の接点23-c
が重なり、スイッチが入るまで、節電停止状態に入
る)。 b) 周辺接点型 地震センサー振幅装置13の振り子と、その停止位置以
外の周辺部との双方に、電気等の接点23-cが取付けら
れている。通常時は、この停止位置に、振り子(重り2
0)がとどまり、接点23-cが接せずに通電せず、固定
装置自動復元装置21は作動せず、よって固定ピン等の
固定装置の作動部7には作用しない。地震時に、振り子
がこの停止位置より移動すると、双方の電気等の接点2
3-cが重なり合い通電し、地震後、この停止位置に振り
子(重り20)が再びとどまり、通電しなくなると、こ
の固定装置自動復元装置21内のモーター、バネ等、ま
た重力により、固定装置自動復元装置21の固定装置へ
の作用部(押出し部・引張り部等)17が、固定ピン等
の固定装置の作動部7を、(固定ピンの挿入部が上にあ
る場合には)押し上げ、または(固定ピンの挿入部が下
にある場合には)押し下げ、ロック部材11がロック
(係合)する位置に復帰させ、その後、作用部自体は元
の位置に戻るというものである。振り子も、全方向性を
持ったものが望ましいが、一方向性(往復を含む、以下
同じ)でもよい。なお、図167は、地震センサー振幅
装置13の振り子の先に、ロック部材11がある場合、
図168は、振り子もしくは振り子に連動された部材と
ロック部材11とが、レリーズ8-rを介して、ワイヤー
・ロープ・ケーブル・ロッド等8で繋がれている場合で
ある。図167〜図168は、中心接点型のものである
が、周辺接点型の地震センサー振幅装置の詳細について
は、図188の地震センサー振幅装置13に表されてい
る。図163〜図168について、以上に述べた他は、
8.1.2.2.1.と同じである。なお、固定装置Gが、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2に
対して、図163〜図168に示されているのとは逆に
取り付けられる場合もある。前述のとおり、ロック部材
11は、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
9-cまた重力によって、地震センサー振幅装置側へ常時
押出されているか、バネ等9-tによって地震センサー振
幅装置とは反対側に引張られている形になっている。ま
た、ロック部材11は、垂直には拘束されていて持ち上
がらないようになっており、地震センサー振幅装置側方
向へのみ、水平方向にスライドするように取付けられ、
固定ピン等の固定装置の作動部7が押し上ってくると、
自動的に固定ピン等の固定装置の作動部7をロックする
ための欠き込み・溝・窪み7-cに嵌り込む。また、8.1.
2.3.の地震センサー振幅装置装備型自動制御型固定装置
においても同様であるが、この自動復元装置21と反対
側の固定ピンの挿入部7-v側の先端部は、錐状等の先端
が尖った形であるのが望ましい。これは、固定ピン等の
固定装置の作動部7をロック部材11がロック(係合)
する位置に戻すためにも必要である。挿入部7-vも、固
定ピン等の固定装置の作動部7が挿入しやすいように、
すり鉢状等の凹形状7-vm であるのが望ましい。また、
固定ピン等の固定装置の作動部の挿入部7-v側の先端部
が、錐状等の尖った形であれば、固定ピン等の固定装置
の作動部7が、地震後、残留変位のために、免震される
構造体1の挿入部7-vに入らない場合でも、免震される
構造体の床版等1に突き刺すようにして当たり、免震さ
れる構造体1を固定する機能を持つ。そのためには、固
定装置自動復元装置21、また固定装置自動制御装置2
2にも、固定ピン等の固定装置の作動部7が、完全に挿
入部7-vに貫入しなくても途中停止できる遊び(途中停
止による遊び)が必要である。また、8.1.2.3.の地震セ
ンサー振幅装置装備型自動制御型固定装置においても、
堀込みのある挿入部7-v、すり鉢状・球面状等の凹形状
挿入部7-vmに固定ピンが挿入する形のほかに、挿入部
7-vが、免震される構造体の床版等1の側には貫通穴を
持たず、単に、固定ピン7が免震される構造体の床版等
1に押し当たり、その摩擦で固定される形のものも考え
られ、その場合の方が地震後の残留変位があっても固定
が可能になる。図183〜図188はその実施例を示し
ており、固定ピンの先端部は、摩擦面積が最大になるよ
う平らにされており、さらに、摩擦係数の大きいザラザ
ラの仕上になっている。なお、固定装置Gが、免震され
る構造体1と免震される構造体を支持する構造体2に対
して逆に取り付けられる場合もあり、その場合、以上の
ことは逆の関係になる。図163〜図168において、
固定装置として固定ピン型固定装置が使用されている
が、代わりに連結部材系固定装置を使用することも可能
である。 (2) 地震センサー装備型 1) 一般 動電型、圧電型、可変抵抗型(しゅう動抵抗式、ひずみ
ゲージ式等)、可変インダクタンス型(空隙変化型変換
素子、差動トランス等)、サーボ加速度型等の、あるい
はその他地震計等に使用されている形式の電気式振動計
を、地震センサーとして装備した固定装置も考えられ
る。図169は請求項100項記載の発明の固定装置の
実施例を示している。地震センサーJ-bが一定以上の地
震を感知すると、信号を伝える電線23により連絡され
ているロック部材制御装置47が作動し、固定ピンをロ
ックするための欠き込み・溝・窪み7-cから、常時はバ
ネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-c、9-t
により、固定ピン7をロックする方向へ押されている
か、引張られているロック部材11を外す方向で作用す
る(引き抜く)。そうすると、固定ピン7が外れる方向
に働くよう取付けられたバネ・ゴム・磁石等9-cにより
固定ピンの挿入部7-vから固定ピン7が外れ、免震され
る構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との
固定が解除される。地震終了後は、地震センサー装置J
-bが地震の終了を感知して一定時間後、信号を伝える電
線23により連絡されている固定装置自動復元装置21
が作動して、固定装置自動復元装置の固定装置への作用
部(押出し部・引張り部等)17が、固定ピン7に作用
し(固定ピンの挿入部が上にある場合には押し上げて、
また固定ピンの挿入部が下にある場合には押し下げ
て)、ロック部材11がロック(係合)する位置に自動
復元させる。ロック部材11は、垂直方向の変位を拘束
されており、地震センサー装置J-b側方向へのみ水平方
向にスライドするように取付けられ、固定ピン7が元の
位置に戻ると、自動的に固定ピンをロックするための欠
き込み・溝・窪み7-cに嵌り込む。その後、固定装置自
動復元装置21自体は、元の位置に戻る(そして再度地
震センサー装置が地震の開始とその終了を感知し、スイ
ッチが入るまで、節電停止状態に入る)。なお、固定装
置Gが、免震される構造体1と免震される構造体を支持
する構造体2に対して、図163〜図169に示されて
いるのとは逆に取り付けられる場合もある。また、8.1.
2.3.の地震センサー(振幅)装置装備型自動制御型固定
装置においても同様であるが、この自動復元装置21と
反対側の固定ピンの挿入部7-v側の先端部は、錐状等の
先端が尖った形であるのが望ましい。これは、固定ピン
7をロック部材11がロック(係合)する位置に戻すた
めにも必要である。挿入部7-vも、固定ピン7が挿入し
やすいように、すり鉢状等の凹形状7-vmであるのが望
ましい。また、固定ピンの挿入部7-v側の先端部が、錐
状等の尖った形であれば、固定ピン7が、地震後、残留
変位のために、免震される構造体1の挿入部7-vに入ら
ない場合でも、免震される構造体の床版等1に突き刺す
ようにして当たり、免震される構造体1を固定する機能
を持つ。そのためには、固定装置自動復元装置21、ま
たロック部材制御装置47にも、固定ピン7が、完全に
挿入部7-vに貫入しなくても途中停止できる遊び(途中
停止による遊び)が必要である。また、8.1.2.3.の地震
センサー(振幅)装置装備型自動制御型固定装置におい
ても、堀込みのある挿入部7-v、すり鉢状・球面状等の
凹形状挿入部7-vmに固定ピンが挿入する形のほかに、
挿入部7-vが、免震される構造体の床版等1の側には貫
通穴を持たず、単に、固定ピン7が免震される構造体の
床版等1に押し当たり、その摩擦抵抗で固定される形の
ものも考えられ、その場合の方が地震後の残留変位があ
っても固定が可能になる。その場合、固定ピン7の先端
部7-wは、摩擦面積が最大になるよう平らにされ、さら
に固定ピンの先端部7-w、免震される構造体の床版等1
で固定ピン先端部7-wが突き当たる部分、あるいはその
部分に設置される固定ピンを受ける部材7-vnは、摩擦
抵抗が大となるような形状とする。図220〜図223
はその実施例である。また同じ部分に摩擦抵抗の大きい
摩擦部材7-wmを設置する場合もある。なお、固定装置
Gが、免震される構造体1と免震される構造体を支持す
る構造体2に対して逆に取り付けられる場合もあり、そ
の場合、以上のことは逆の関係になる。図140では、
固定ピン7が、ピストン状部材1-p(2-p)に設けた、す
り鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vmに挿入され、こ
の固定ピン7をロック部材11により固定できるように
したもので、通常時はロック部材11はバネ等9-cによ
り固定ピン7をロックする方向に力を受けている。ロッ
ク部材11にはラック36-cが刻まれ、そこに歯車36
-dを組合せて、地震時には地震センサーからの信号によ
り、ロック部材制御装置(モーター)46が作動して、
歯車36-dを回転させてロック部材11を解除し、固定
ピン7が解除されることで、固定装置が解除され、免震
される構造体1と免震される構造体を支持する構造体2
との固定を解除する機構である。また、図144は、ピ
ストン状部材1-p(2-p)に設けたラック36-cに固定ピ
ン(の機能を持つ歯車)7を組合せ、これをロック部材
11により固定できるようにしたもので、通常時はロッ
ク部材11はバネ等9-cにより固定ピン7をロックする
方向に力を受けている。地震時には地震センサーからの
信号により、ロック部材制御装置(電磁石)45が作動
してロック部材11が解除され、固定ピン7の回転の拘
束が解かれることで固定装置が解除され、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固定
を解除する機構である。なお、図138は、間接方式の
地震センサー振幅装置装備型で、固定ピン7をロックす
るロック部材11を解除する方式である。地震センサー
振幅装置の重り20の振幅と連動するワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等8によってロック部材11を解除
する方式である。図169においては、固定装置として
固定ピン系固定装置が使用されているが、代わりに連結
部材系固定装置を使用することも可能である。 2)地震発電による地震センサー装備型 8.1.2.2.2.(2) 1)の地震センサー装備型の代わりに7.1.
記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載の地
震発電装置型地震センサーを用いる場合がある。この場
合は固定装置の作動に当たって自身の発電した電気を用
いるため、電源設備を必要としない。図169は、請求
項100項記載の発明の固定装置の実施例を示してい
る。地震の加速度、速度、または変位がある一定以上に
なると、地震発電装置型地震センサーJ-kが作動し、そ
の発電した電力により連動するロック部材制御装置47
が作動し、固定ピン7をロックするための欠き込み・溝
・窪み7-cから、常時はバネ等(バネ・ゴム等の弾性体
または磁石等)9-c、9-tにより、固定ピン7をロック
する方向へ押されているか引張られているロック部材1
1を外す方向で作用する(引き抜く)。そうすると、固
定ピン7が外れる方向に働くよう取付けられたバネ・ゴ
ム・磁石等9-cにより、固定ピンの挿入部7-vから固定
ピン7が外れ、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2との固定が解除される。地震終了後
は、地震発電装置型地震センサーJ-kが作動を停止して
一定時間後、信号を伝える電線23により連絡されてい
る固定装置自動復元装置21が作動して、固定装置自動
復元装置の固定装置への作用部(押出し部・引張り部
等)17が、固定ピン7を作動させて、(固定ピンの挿
入部が上にある場合には押し上げて、また固定ピンの挿
入部が下にある場合には押し下げて)、ロック部材11
がロック(係合)する位置に自動復元させる。ロック部
材11は、垂直方向の変位を拘束されており、地震セン
サー装置J-b側方向へのみ水平方向にスライドするよう
に取付けられ、固定ピン7が元の位置に戻ると、自動的
に固定ピン7をロックするための欠き込み・溝・窪み7
-cに嵌り込む。その後、固定装置自動復元装置21自体
は、元の位置に戻る(そして再度地震発電装置から信号
が入力し、スイッチが入るまで、節電停止状態に入
る)。なお、固定装置Gが、免震される構造体1と免震
される構造体を支持する構造体2に対して、図163〜
図169に示されているのとは逆に取り付けられる場合
もある。また、8.1.2.3.の地震センサー(振幅)装置装
備型自動制御型固定装置においても同様であるが、この
自動復元装置21と反対側の固定ピンの挿入部7-v側の
先端部は、錐状等の先端が尖った形であるのが望まし
い。これは、固定ピン7をロック部材11がロック(係
合)する位置に戻すためにも必要である。挿入部7-v
も、固定ピン7が挿入しやすいように、すり鉢状等の凹
形状7-vmであるのが望ましい。また、固定ピンの挿入
部7-v側の先端部が、錐状等の尖った形であれば、固定
ピン7が、地震後、残留変位のために、免震される構造
体1の挿入部7-vに入らない場合でも、免震される構造
体の床版等1に突き刺すようにして当たり、免震される
構造体1を固定する機能を持つ。そのためには、固定装
置自動復元装置21、またロック部材制御装置47に
も、固定ピン7が、完全に挿入部7-vに貫入しなくても
途中停止できる遊び(途中停止による遊び)が必要であ
る。また、8.1.2.3.の地震センサー(振幅)装置装備型
自動制御型固定装置においても、堀込みのある挿入部7
-v、すり鉢状・球面状等の凹形状挿入部7-vmに固定ピ
ンが挿入する形のほかに、挿入部7-vが、免震される構
造体の床版等1の側には貫通穴を持たず、単に、固定ピ
ン7が免震される構造体の床版等1に押し当たり、その
摩擦抵抗で固定される形のものも考えられ、その場合の
方が地震後の残留変位があっても固定が可能になる。そ
の場合、固定ピン7の先端部7-wは、摩擦面積が最大に
なるよう平らにされ、さらに固定ピンの先端部7-w、免
震される構造体の床版等1で固定ピン先端部7-wが突き
当たる部分、あるいはその部分に設置される固定ピンを
受ける部材7-vnは、摩擦抵抗が大となるような形状と
する。図220〜図223はその実施例である。また同
じ部分に摩擦抵抗の大きい摩擦部材7-wmを設置する場
合もある。なお、固定装置Gが、免震される構造体1と
免震される構造体を支持する構造体2に対して逆に取り
付けられる場合もあり、その場合、以上のことは逆の関
係になる。図169においては、固定装置として固定ピ
ン系固定装置が使用されているが、代わりに連結部材系
固定装置を使用することも可能である。 8.1.2.2.3. 地震力による自動復元型 請求項101項〜請求項102項は、固定ピン型固定装
置の場合のもので、固定装置が解除された場合に、地震
後に地震力により自動的に固定状態に復帰させる自動復
元型の固定装置の発明である。これは、直接方式にも使
用可能である。この発明は、固定ピン型固定装置の固定
ピンの挿入部を、すり鉢状・球面状等の挿入部の中央部
に対して凹形状に傾斜した凹形状7-vmにすることによ
り、固定装置解除後の固定ピンの元の位置への自動復帰
を可能にしたものである。この方式を、固定ピン型固定
装置全般(地震作動型固定装置、風作動型固定装置等)
に採用することは有利であるが、省力化方式である間接
方式(8.1.2.2.特に 8.1.2.2.1.と 8.1.2.2.4. または
8.2.の風作動型固定装置)の場合においては、不可欠と
も言えるほど極めて有利となる。請求項102項は、8.
1.2.2.1.と 8.1.2.2.4.(請求項96項〜請求項99
項、請求項103項〜請求項106項記載)の地震セン
サー(振幅)装置装備型固定装置において使用した場合
のものである。また、この装置は、連結部材系を除く
と、いずれも、引抜き防止装置を併用することが(重量
物である免震される構造体を除いて)大抵の場合必要で
ある。というのは、地震振幅によって、すり鉢状等の凹
形状挿入部7-vmの形状に従い、固定装置全体が持ち上
がってしまうと、固定装置の機能を果たさないからであ
る。それを防止するためには、引抜き防止装置との併用
が不可欠になる。ここで言う、引抜き防止装置とは、
2.の引抜き防止装置・滑り支承でも良いし、それ以外
の、免震される構造体が免震される構造体を支持する構
造体からの浮き上がりを防止する装置であればどのよう
なものでも良い。この発明は、固定ピン型固定装置の場
合ものであるが、以下のように分かれる。 a. 固定ピン系 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 の2つに分かれる。共に、間接方式と直接方式とがあ
る。つまり、 1)固定ピン系の直接方式 2)固定ピン系の間接方式のピン型(ロックピン) 3)固定ピン系の間接方式の弁型(ロック弁) 4)連結部材系の直接方式・間接方式のピン型 の4種類に分かれる(8.0.1.固定装置の分類1)。以下、
実施例に基づき説明をする。 1)固定ピン系の直接方式 図134は、この発明のうち、固定ピン系の直接方式で
ある。 2)固定ピン系の間接方式のピン型(ロックピン) 図179は、この発明のうち、固定ピン系の間接方式の
ピン型(ロックピン)で、 8.1.2.2.1.の地震センサー
振幅装置装備型固定装置の固定ピン7の挿入部7-vm
が、すり鉢状・球面状等の挿入部の中央部に対して凹形
状に傾斜した凹形状をなす場合の実施例を示している。
なお、固定ピンの挿入部を凹型とするのは、上述のよう
に、地震後、地震力により元の位置に自動的に戻る復元
機能を固定ピンに持たせるためである。従って、この凹
型形状は、前記機能を固定ピンに持たせ得る、中心点か
ら外側へむけて斜面を形成する形状であればどのような
ものでも良く、すり鉢状・球面状・ラッパ口形状・多角
形状等の、固定ピン7が地震時に凹形状の傾斜に従い持
ち上がって挿入部から脱し、地震後に挿入部の元の位置
に戻るような凹形状であれば、どのような形でもよい。
風揺れ等を防止する固定ピン7には、この固定ピン7を
固定するロック部材11が差し込まれる欠き込み・溝・
窪み7-cがあり、このロック部材11は常時、バネ等
(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cまた重力で
押されて一定位置を保っている。固定ピン7は自然に重
力またはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
7-oにより挿入部7-vmに挿入される(またバネ等7-o
は、すり鉢状等の凹形状挿入部7-vm へ固定ピン7がゆ
っくりと挿入する程度のものとする)。これらの事によ
り、地震センサー振幅装置の重りが地震時に振動状態と
なり、この重りとワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8(またはレリーズ8-rを介して)によって接続され
たロック部材11が固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7
-cから外れ、固定ピン7が、地震力により、すり鉢等の
凹形状挿入部7-vmの勾配に従って解除方向に動き(図
では持ち上がり)、固定装置が解除される。地震最中に
は、挿入部7-vmのすり鉢状等の凹形状と地震振幅とに
よって、固定ピン7が引込んだ(図では持ち上がった)
状態が維持される。また、バネ等7-oのバネ定数の選択
により、固定ピン7の下りる速度を落とすことは、固定
ピン7の引込んだ状態を維持するのに、より効果を発揮
する。地震終了段階には、地震力の低下に従い、固定ピ
ン7は重力またはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または
磁石等)7-oにより挿入部7-vmに挿入され始める。そ
して、すり鉢状の挿入部勾配に従いながら、すり鉢の最
も底部に達したときに、この固定ピンの(ロック部材が
差し込まれる)欠き込み・溝・窪み7-cに、ロック部材
11が嵌まり、固定ピン7がロックされ、免震される構
造体1が免震される構造体を支持する構造体2に固定さ
れる。そして、地震力が働かない限り、地震センサー振
幅装置に連動したロック部材11によって、固定ピン先
端7-wがロックされ続け、風等では免震される構造体1
は動かない。 3)固定ピン系の間接方式の弁型(ロック弁) 図278〜図286、図288〜図329、図332
(a)、図332(b)は、この発明のうち、固定ピン系の間
接方式の弁型(ロック弁)である(8.1.2.2.5.参照)。 4)連結部材系の直接方式・間接方式ピン型(固定ピン) 図134は、この発明のうち、不可撓部材型連結部材系
の直接方式(8.0.1.4.参照)、図138は、この発明の
うち、不可撓部材型連結部材系の間接方式である(8.1.
2.2.2.参照)。図182は、この発明のうち、可撓部材
型連結部材系の直接方式である(8.0.1.3.1.参照)。こ
れらの図のように、連結部材系では、固定ピン7の挿入
部は、ピストン状部材2-p、1-p、7-pに設けられる。
そして、その挿入部7-vmが、すり鉢状・球面状等の凹
形態をなしている。 8.1.2.2.4. 応用形 以下の発明は、8.1.2.2.以下の間接方式(ロック解除
型)地震センサー振装置装備型固定装置全般に使用可能
なものである。 1)を除けば、8.2.1.以下の風センサー
装備型固定装置の間接方式(ロック解除型)にも使用可
能である。 1) ロック部材が地震センサー振幅装置の重り型 請求項103項は、8.1.2.2.以下の地震センサー振幅装
置装備型固定装置のロック部材が、地震センサー振幅装
置の重りを兼用する固定装置の発明である。図181
は、8.1.2.2.3.の請求項101項の発明の地震力による
自動復元型が組み合わさった場合の、請求項103項の
地震センサー振幅装置装備型固定装置の実施例である。
地震センサー振幅装置の中に固定ピン7が入り、地震セ
ンサー振幅装置の重り20が同時にロック部材11の役
割を果たすものである。風揺れ等を防止する固定ピン7
には、この固定ピン7を固定するロック部材11が差し
込まれる欠き込み・溝・窪み7-cがあり、このロック部
材11は常時、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁
石等)9また重力で押されて一定位置を保っている(図
181では、バネ等9のみで押されている)。さらに、
このロック部材11自体が、地震センサー振幅装置の地
震時に振動する重り20となる。固定ピン7は自然に重
力またはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
9-cにより挿入部7-vmに挿入される(またバネ等9-c
は、すり鉢状等の凹形状挿入部7-vm へ固定ピン7がゆ
っくりと挿入する程度のものとする)。これらの事によ
り、地震センサー振幅装置15のロック部材11が地震
時に振動状態となり、固定ピン7の欠き込み・溝・窪み
7-cからロック部材11が外れる。さらに、請求項10
1項の発明の、固定ピンの挿入部を、すり鉢状・球面状
等の凹形状にすることにより、固定ピン7が、地震力に
より、すり鉢等の凹形状挿入部7-vmの勾配に従って解
除方向に動き(図では持ち上がり)、固定装置が解除さ
れる。地震最中には、挿入部7-vmのすり鉢状等の凹形
状と地震振幅とによって、固定ピン7が引込んだ(図で
は持ち上がった)状態が維持される。また、バネ等9-c
のバネ定数の選択により、固定ピン7の下りる速度を落
とすことは、固定ピン7の引込んだ状態を維持するの
に、より効果を発揮する。地震終了段階には、地震力の
低下に従い、固定ピン7は重力またはバネ等(バネ・ゴ
ム等の弾性体または磁石等)9-cにより挿入部7-vmに
挿入され始める。そして、すり鉢状の挿入部勾配に従い
ながら、すり鉢の最も底部に達したときに、この固定ピ
ンの(ロック部材が差し込まれる)欠き込み・溝・窪み
7-cに、ロック部材11が嵌まり、固定ピン7がロック
され、免震される構造体1が免震される構造体を支持す
る構造体2に固定される。そして、地震力が働かない限
り、ロック部材11によって、固定ピン7がロックされ
続け、風等では免震される構造体1は動かない。これ
も、請求項101項の発明の採用により、引抜き防止装
置・滑り支承Fを併用することが必要である。なぜな
ら、地震振幅によって、すり鉢状等の凹形状挿入部7-v
m により、固定装置全体が持ち上がってしまうと、固定
装置の機能を果たさないからである。それを防止するた
めには、引抜き防止装置との併用が不可欠になる。 2) 二段以上ロック方式 請求項104項は、8.1.2.2.1.〜 8.1.2.2.4.の地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置のロック部材が、二
段以上ロック方式である固定装置の発明である。8.1.2.
2.1.〜8.1.2.2.4.の各地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置において、固定装置の作動部をロックする第一
のロック部材、このロック部材をロックする第二のロッ
ク部材、・・・のようにロック部材を二段以上に設け、
最後のロック部材を地震センサー(振幅)装置と接続
し、連動させることにより前記目的を達成するものであ
る。図194は、8.1.2.2.3.の請求項101項の発明
の、地震力による自動復元型が組み合わさった場合の、
請求項104項の発明の地震センサー(振幅)装置装備
型固定装置の実施例である。この場合は、固定装置の作
動部は固定ピンである。固定ピンには、第1のロック部
材7-lが係合される欠き込み・溝・窪み7-kがあり、こ
の第1のロック部材7-lには、さらに第2のロック部材
7-nが係合される欠き込み・溝・窪み7-mがあり、とい
うように、第1のロック部材に第2のロック部材7-n
が、第2のロック部材7-nに第3のロック部材が係合さ
れるというように、順次、次のロック部材が係合される
ように構成されて、最後の(第2ロック部材までの場合
には第2の)ロック部材と地震センサー(振幅)装置と
が接続され、連動することを特徴とする地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置である。なお、図194に
おいてはバネ復元型地震センサー(振幅)装置15を記
載しているが、その代わりに重力復元型14もしくは振
り子型13を使用することもできる。具体的に説明する
と、固定ピン7には、第1のロック部材7-lが差し込ま
れる欠き込み・溝・窪み7-kがあり、この第1のロック
部材7-lは、常時、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体また
は磁石等)9-cまた重力で押されている(図194で
は、バネ等9-cのみで押されている)。この第1のロッ
ク部材7-lにも欠き込み・溝・窪み7-mがあり、そこに
第2のロック部材7-nが差し込まれ、第2のロック部材
7-nも常時、バネ等9-cまた重力で押されている。そし
てこの第2のロック部材7-nは、直接に、またはワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等8で、上述の地震セン
サー振幅装置と繋がれている。地震時には、地震センサ
ー振幅装置の重りが振動し、接続されたワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等8により、第2のロック部材7
-nが引っ張られて第1のロック部材7-lのロックが外
れ、それにより第1のロック部材7-lが固定ピン7の欠
き込み・溝・窪み7-kから外れる。さらに、請求項10
1項の発明の、固定ピンの挿入部を、すり鉢状・球面状
等の凹形状にすることにより、固定ピン7が、地震力に
より、すり鉢等の凹形状挿入部7-vmの勾配に従って解
除方向に動き(図では持ち上がり)、固定装置が解除さ
れる。地震最中には、挿入部7-vmのすり鉢状等の凹形
状と地震振幅とによって、固定ピン7が引込んだ(図で
は持ち上がった)状態が維持される。また、バネ等7-o
のバネ定数の選択により、固定ピン7の下りる速度を落
とすことは、固定ピン7の引込んだ状態を維持するの
に、より効果を発揮する。地震終了段階には、地震力の
低下に従い、固定ピン7は重力またはバネ等(バネ・ゴ
ム等の弾性体または磁石等)7-oにより挿入部7-vmに
挿入され始める。そして、すり鉢状の挿入部の勾配に従
いながら、挿入部7-vmの底部に達したときに、第1の
ロック部材7-lにより、固定ピン7がロックされ、免震
される構造体1も固定される。なお、地震力が働かない
限り、第1のロック部材7-lにより、固定ピン7がロッ
クされ続けており、風等では免震される構造体1は動か
ない。さらに、図194は、請求項106項の発明の、
遅延器が組み合わさっている。筒中で液体や空気等を漏
らさずスライドするピストン状部材7-pをもった固定ピ
ン7が、その筒(固定ピン取付け部)7-aに挿入され、
筒7-aの外に固定ピン先端7-wが突き出ており、さら
に、筒7-aのピストン状部材7-pを挟んだ反対側同士
(ピストン状部材7-pがスライドする範囲の端と端と)
は管7-e(また筒7-aに付けられた溝)で繋がれてい
る。ピストン状部材7-p上部と下部との液体や空気等が
この管7-e(また溝)を通って行き来する。そして、
ピストン状部材7-pには、この管7-e(また溝)の開口
面積より大きいかもしくは小さい孔7-jがあり、管7-e
(また溝)かピストン状部材孔7-jかの大きい孔の方に
弁7-fがある。この弁7-fは、ピストン状部材7-pが引
き込まれる時に、開くように付けられ、この弁7-fは逆
流を許さない。(具体的には、ピストン状部材7-pに
は、この管7-e(また溝)の開口面積より大きい、孔7
-jがあり、その孔に弁7-fがある。この弁7-fは、ピス
トン状部材7-pが引き込まれる時に、開くように付けら
れる。または、管7-e(また溝)と孔7-jの開口面積の
大きさがこの逆の場合もある。つまり、この管7-e(ま
た溝)の開口面積より小さい、孔7-jがあり、この管7
-e(また溝)の中に弁7-fがある。この弁7-fは、ピス
トン状部材7-pが引き込まれる時に、開くように付けら
れる。) 弁7-fの性格により、固定ピン先端7-wの動きは、筒7
-a中に入る方向では速やかであり、出る方向では遅延さ
れる。それにより、固定ピン先端7-wは、地震力が働く
と速やかに筒7-a中に入り、入ってしまって後しばらく
(例えば地震力が働いている程度の時間)は出てきにく
くなる。筒7-aの中にバネ等(バネ・ゴム等の弾性体ま
たは磁石等)7-oが入り、また重力により、ピストン状
部材7-pをもった固定ピン7をセット(=ロック・固
定)する方向に力が働く場合もある(当然、図194に
おいて、ピストン状部材7-pに対して前記バネ等7-oと
は逆位置に付けたバネ・ゴム・磁石等(引張バネ)でピ
ストン状部材7-pをセット(=ロック・固定)する方向
に力が働かせても良い)。また、筒7-a、及び管7-e
(また溝)は、潤滑油等の液体で満たされている場合も
ある。図194では、固定ピン7が免震される構造体1
に、固定ピンの挿入部7-vmが免震される構造体を支持
する構造体2に、取付けられているが、逆の関係の場合
もある。つまり固定ピンの挿入部7-vmおよび固定ピン
7のうち、どちらか一方が免震される構造体1に、もう
一方が免震される構造体を支持する構造体2に設けられ
る。また、筒7-aの上部に関して、4.6.と同様に、単に
止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切られ
て、雄ネジ7-dが挿入されている場合もある。この雄ネ
ジ7-dは、入り込み方向に回転して締めることにより、
バネ等7-oを圧縮して、バネ等7-oの反発力を強め、固
定ピン先端7-wの押し出す力を強める機能をもち、復元
力を高めたり、地震後の免震される構造体1の残留変位
の矯正を可能にしたりする。また、管7-e(また溝)と
孔7-jとに、バルブを付ける事により、強風時の、手動
による強制的固定も可能になる。図194においては、
固定装置として、固定ピン系固定装置(ロックピン型)
を使用し、固定ピンの二段以上ロック方式を示している
が、これに代えて固定ピン系固定装置(ロック弁型)、
連結部材系固定装置(ピン型、弁型)を使用し、その固
定装置の作動部に二段以上のロック部材を設けることも
可能である。 3) 二重以上ロック方式 請求項105項は、8.1.2.2.1.〜 8.1.2.2.4.の地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置において、地震セン
サー(振幅)装置を複数個装備し、それに連動した複数
個(または同数の)ロック部材をもった固定装置の発明
である。8.1.2.2.1.〜8.1.2.2.4.の各地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置において、固定装置の作動部を
ロックするロック部材を二個以上設け、またそれぞれの
ロック部材について地震センサー(振幅)装置と接続
し、連動させることにより前記目的を達成するものであ
る。図204は、8.1.2.2.3.の請求項101項の発明
の、地震力による自動復元型が組み合わさった場合の、
請求項105項の発明の地震センサー(振幅)装置装備
型固定装置の場合の実施例である。この場合は、固定装
置の作動部は固定ピンである。具体的には、固定ピン7
には、この固定ピン7を固定するロック部材11が差し
込まれる欠き込み・溝・窪み7-cが複数箇所あり、これ
に対応するロック部材11も同数設置されている。連動
してこのロック部材11を引き抜く地震センサー振幅装
置も、複数個設置される。地震時にはこれらの地震セン
サー振幅装置が作動し、連動するロック部材11が欠き
込み・溝・窪み7-cからはずれるが、ここで複数のロッ
ク部材11がすべて同時にはずれたときに限り、固定ピ
ン先端7-wは、筒7-a中に入り、免震装置全体が可動状
態になる。この二重以上ロック方式のおかげで、ロック
部材が一重の場合よりも、固定ピンのロックの安全性が
高まり、同時に各々のロック部材を敏感に設定できるた
め、固定ピン7のロック部材11が差し込まれる欠き込
み・溝・窪み7-cを浅くでき、地震時の固定装置の作動
感度を上げられる。さらに、固定ピンには、固定ピンを
ロックする複数のロック部材が係合され、このロック部
材それぞれが、地震センサー(振幅)装置と接続され、
連動する場合について、以下の二通りに分かれる。 a) 複数のロック部材が、共通の一個の地震センサー
(振幅)装置と接続され、連動する場合、 b) 複数のロック部材が、それぞれ対応する地震センサ
ー(振幅)装置と接続され、連動する場合とである。こ
の複数のロック部材が、それぞれ対応する地震センサー
(振幅)装置と接続され、連動する場合について、具体
的には、地震センサー振幅装置、及びこれに連動するロ
ック部材11が複数個設置されており、また固定ピン7
には、この固定ピン7を固定するロック部材11が差し
込まれる欠き込み・溝・窪み7-cが同様に複数箇所あ
る。地震時にはこれらの複数の地震センサー振幅装置が
独立して作動し、それぞれの地震センサー振幅装置に連
動するロック部材11が、対応する欠き込み・溝・窪み
7-cからはずれる。ここでこの複数のロック部材11が
すべて同時にはずれたときに限り、固定ピン先端7-wは
筒7-a中に入り、免震装置全体が可動状態になる。この
ことから、二重以上ロック方式については、複数のロッ
ク部材に、それぞれ対応する地震センサー(振幅)装置
が接続された場合に意味をもつ。というのは、固定ピン
のロックの安全性が高まり、同時に各々のロック部材の
感度を敏感に設定できるため、固定ピン7のロック部材
11が差し込まれる欠き込み・溝・窪み7-cを浅くで
き、地震時の固定装置の作動感度を上げられるからであ
る。図205は、上記と同じ(8.1.2.2.3.の請求項10
1項の発明の、地震力による自動復元型が組み合わさっ
た場合の)請求項105項の発明の地震センサー(振
幅)装置装備型固定装置において、請求項106項の発
明の遅延器付き、および請求項117項記載の増幅器付
きの場合の実施例である。この固定装置Gは、固定ピン
7を固定するロック部材11、ロック部材11が差し込
まれる固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-c、及びロッ
ク部材11に連動する地震センサー振幅装置J-aをそれ
ぞれ2セット装備し、それらを一体型としたものであ
る。なお、図204、図205においては振り子型地震
センサー(振幅)装置13を記載しているが、その代わ
りに重力復元型14もしくはバネ復元型15を使用する
こともできる。地震センサー振幅装置J-aの重り20は
吊材20-sで吊られ、(球面等の形状の)支点20-hに
おいて支持され、抵抗無く振動できる振り子となってお
り、この支点20-hは(すり鉢、球面等の凹形状の)支
持部20-iにより支持されている。重り20の重さと最
大振幅とは、この後述べる増幅器の増幅倍率を考慮して
決定され、吊材20-sの長さは、8.1.2.4.3.(1)にて後
述している地盤の固有周期との関係により設定される。
またこの重り20の最大振幅は緩衝材26により調整で
きる。地震センサー振幅装置J-aの吊材20-sには、ロ
ック部材へ引張力を伝達するためのロッド等8-dが接続
されており、その接続部は、垂直方向へは拘束されてい
るが、吊材20-s周りの回転は自由である継手8-zによ
る。このロッド等8-dには途中にフレキシブルジョイン
ト8-jを設け、地震時に重り20の振動がどの方向のも
のであっても、一方向の引張力(及び圧縮力)として伝
えられるようにしている。また、地震センサー振幅装置
J-aとロック部材11との間には増幅器が設置され、地
震センサー振幅装置J-aからのロッド8-dはこの増幅器
の梃子36-bの力点36-lへ接続されている。この接続
箇所は、引張力のみを伝え、圧縮力を逃がすことができ
る形状である。この例では、横長な形状の穴36-zに、
ロッド等8-dの端部8-eが、引張力を伝えられる形状
で、かつ横長な形状の穴36-zの範囲で自由に動けるよ
うに係り合い、地震センサー振幅装置J-aの重り20が
静止状態の時に、端部8-eが横長な形状の穴36-zの、
地震センサー振幅装置J-aに近い側の端に位置するよう
になっている。このとき横長な形状の穴36-zの水平方
向の大きさは、重り20の最大振幅より大でなければな
らない。このような機構により、これ以降ロック部材へ
は引張力のみが伝達されることになる。この増幅器の梃
子36-bは、力点36-lでの変位を、(支点36-hから
作用点36-j迄の距離)/(支点36-hから力点36-l
迄の距離)倍に増幅して作用点36-jでの変位とするか
ら、吊材20-s上の継手8-zでの変位にこの倍率を乗じ
た変位が、ロック部材11に伝えられる変位となる。た
だ重り20による引張力はこの倍率にて除された値がロ
ック部材に伝えられるため、前述のように、その分重り
20の重量を大とする必要がある。固定ピン7をロック
するロック部材11はバネ等(バネ・ゴム等の弾性体ま
たは磁石等)9-cにより、固定ピン7をロックする方向
に押されており、固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-c
に差し込まれている。地震時に、増幅器の梃子36-bの
作用点 36-lからロック部材11へ接続されたロッド等8-dに
より伝えられた引張力は、ロック部材11を固定ピン7
の欠き込み・溝・窪み7-cから引き抜く。このとき2個
あるロック部材11が同時に引き抜かれている場合が、
ロックが解除された状態である。地震時に固定ピン7の
先端7-wは、すり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-v
mの斜面から、固定ピン取付部の筒7-aの中に押し下げ
られる方向に力を受ける。このとき固定ピン7のロック
が解除された状態であれば、固定ピン7の先端7-wは筒
7-aの中に押し下げられ、免震装置全体が可動状態とな
る。またこの固定装置Gは、8.1.2.2.4. 4)で述べる遅
延器を装備している。固定ピン7は、筒中で液体や空気
等をほぼ漏らさずスライドするピストン状部材7-pを固
定ピン取付部の筒7-a中に持ち、さらに、筒7-aのピス
トン状部材7-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材7
-pがスライドする範囲の端と端と)は管7-e(また筒7
-aに付けられた溝)で繋がれている。ピストン状部材7
-p上部と下部との液体や空気等が この管7-e(また
溝)を通って行き来する。(筒7-a、及び管7-e(また
溝)とは、潤滑油等の液体で満たされている場合もあ
る。)ピストン状部材7-pには、この管7-e(また溝)
の開口面積より大きい孔7-jとそれに取付けられた弁7
-f、7-fbがある。この弁7-f、7-fbは、ピストン状部
材7-pが引き込まれる時に、開くように付けられ、また
逆流を許さない。この弁7-f、7-fbの機能により、固
定ピン先端7-wの動きは、筒7-a中に入る方向では速や
かであり、出る方向では遅延される。それにより、固定
ピン先端7-wは、地震力が働くと速やかに筒7-a中に入
り、入ってしまって後しばらく(例えば地震力が働いて
いる程度の時間)は出てきにくくなる。地震終了後は、
固定ピン取付部の筒7-a中のバネ等(バネ・ゴム等の弾
性体または磁石等)9-cにより、固定ピン7及びピスト
ン状部材7-pは筒7-aを脱する方向へ押し出され、固定
ピン7の先端7-wがすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入
部7-vmへ挿入された状態で、2個のロック部材11が
それぞれの固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに差し
込まれ、固定装置Gがセットされて免震される構造体1
と免震される構造体を支持する構造体2とが係合され
る。図205では、固定ピンの挿入部7-vmが免震され
る構造体1に、固定ピン7が免震される構造体を支持す
る構造体2に、それぞれ取付けられているが、逆の関係
の場合もある。固定ピンの挿入部7-vmおよび固定ピン
7のうち、どちらか一方が免震される構造体1に、もう
一方が免震される構造体を支持する構造体2に設けられ
る。また、遅延器の管7-e(また溝)に手動弁7-mfが
設置されており、これを手動操作で閉鎖することにより
固定ピン7及びピストン状部材7-pの移動が拘束され、
強風時の手動による強制的固定が可能である。本実施例
では、固定ピンの二重以上ロック方式を示しているが、
連結部材弁型固定装置の作動部のピストン状部材に二重
以上のロック部材を設けることも可能である。また、ロ
ック弁による二重以上ロック、ロックピンとロック弁に
よる二重以上ロックも可能である。 4) 遅延器付き 請求項106項は、8.1.2.2.〜 8.1.2.2.4.の(特に8.
1.2.2.3.の)地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
において、地震時の免震効果を上げるために固定装置の
解除状態を持続させるために、固定装置の作動部の固定
位置への戻りを遅くする遅延器を設け、固定装置の作動
部が解除されるときは速やかに、固定状態に復するとき
は緩やかに行われるようにするものである。8.1.2.2.1.
〜8.1.2.2.4.の各地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置において、8.5.の遅延器(油空圧シリンダー式、機
械式、摩擦式、経路迂回式等)を設けることが可能であ
る。油空圧シリンダー式を例にとると以下のようにな
る。筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドする
ピストン状部材等の固定装置の作動部において、前記筒
の、ピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・気
体等の経路が最低2本設けられており、前記経路には開
口面積の差をもたせ、この経路のうち開口面積の大きい
方に、ピストン状部材が筒中に引き込まれる方向時に開
き、それ以外は閉じている弁が付けられており、開口面
積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合に
は、ピストン状部材が筒中から押出される時に開き、そ
れ以外は閉じている弁が付けられている。具体的には、
この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン
状部材がスライドする範囲の端と端と)を繋ぐ管また溝
(筒に付けられた)と、ピストン状部材にあいている孔
(またピストン状部材2-pに設けられた溝)とが設けら
れており、管また溝と孔とには開口面積の差をもたせ、
この管また溝、またはピストン状部材の孔のうち開口面
積の大きい方に、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる
時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられている
か、または、ピストン状部材によって押出される液体・
気体等が筒中から出る出口経路7-acjと、出口経路7-a
cjからその押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路
の戻り経路7-erとが設けられており、出口経路7-acj
と戻り経路7-erとには開口面積の差をもたせ、出口経
路7-acjは大きく戻り経路7-erは小さくして、固定ピ
ン型固定装置の場合は、固定ピンが筒中に入るときは速
やかに、筒から出るときは遅延されるように構成されて
なることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置である。可撓部材型連結部材系固定装置の場合
は、ピストン状部材が筒から出るときは速やかに、筒中
に入るときは遅延されるように構成されてなることを特
徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定装置であ
る。不可撓部材型連結部材系固定装置の場合は、遅延器
は設けにくい。図180、図195は、固定ピン型固定
装置の場合のもので、8.1.2.2.3.の請求項101項の発
明の、地震力による自動復元型が組み合わさった場合
の、請求項106項の発明の遅延器付きの、地震センサ
ー(振幅)装置装備型固定装置の実施例である。図18
0は、図179に遅延器を設けたものである。図195
は、図181に遅延器を設けたものである。遅延器自体
の構成は、以下の通りである。筒中を液体・気体等をほ
ぼ漏らさずにスライドするピストン状部材をもった固定
ピンが、その筒に挿入され、その外に固定ピン先端が突
き出ており、さらに、この筒のピストン状部材を挟んだ
反対側同士(ピストン状部材がスライドする範囲の端と
端と)は管また溝(筒に付けられた)で繋がれており、
このピストン状部材には、この管また溝の開口面積より
大きいかもしくは小さい孔があり、この管また溝または
ピストン状部材の孔の開口面積が大きい方に弁があり、
この弁は、ピストン状部材が引き込まれる時に、開くよ
うに付けられており、さらに、この筒の中に、バネ・ゴ
ム・磁石等が入り、また重力により、このピストン状部
材をもった固定ピンを筒外に押出す役割をする場合もあ
る。この弁の性格により、前記固定ピン先端は、この筒
の中に入る方向では速やかであり、出る方向では遅延さ
れ、それにより、この固定ピン先端は、地震力が働くと
速やかにこの筒の中に入り、地震力が働いている間は出
にくくなるように構成されている。また、この筒と前記
管また溝とは、潤滑油等の液体で満たされている場合も
ある。具体的に、図180、図195の場合について説
明すると、筒中で液体や空気等を漏らさずスライドする
ピストン状部材7-pをもった固定ピン7が、その筒(固
定ピン取付け部)7-aに挿入され、筒7-aの外に固定ピ
ン先端7-wが突き出ている。さらに、ピストン状部材7
-pによって仕切られた筒7-aのピストン状部材7-pがス
ライドする範囲の端と端とは管7-e(また筒に付けられ
た溝)で繋がれており、ピストン状部材7-p上部と下部
との液体や空気等がこの管7-e(また溝)を通って行き
来する。そして、ピストン状部材7-pには、この管7-e
(また溝)の開口面積より大きいかもしくは小さい孔7
-jがあり、管7-e(また溝)またはピストン状部材孔7
-jの開口面積の大きい方に弁7-fがある。この弁7-f
は、ピストン状部材7-pが引き込まれる時に、開くよう
に付けられ、この弁7-fは逆流を許さない。(具体的に
は、ピストン状部材7-pには、この管7-e(また溝)の
開口面積より大きい孔7-jがあり、その孔に弁7-fがあ
る。この弁7-fは、ピストン状部材7-pが引き込まれる
時に、開くように付けられる。または、管7-e(また
溝)と孔7-jの開口面積の大きさがこの逆の場合もあ
る。つまり、この管7-e(また溝)の開口面積より小さ
い孔7-jがあり、この管7-e(また溝)の孔の中に弁7
-fがある。この弁7-fは、ピストン状部材7-pが引き込
まれる時に開くように付けられる。) 弁7-fの性格により、固定ピン先端7-wの動きは、筒7
-a中に入る方向では速やかであり、出る方向では遅延さ
れる。それにより、固定ピン先端7-wは、地震力が働く
と速やかに筒7-a中に入り、入ってしまって後しばらく
(例えば地震力が働いている程度の時間)は出てきにく
くなる。以上が遅延器の構成である。また、図180、
図195は、地震センサー(振幅)装置装備型固定装置
の実施例であり、固定ピンには、この固定ピンを固定す
るロック部材11が差し込まれる欠き込み・溝・窪み7
-cがあり、ロック部材11は常時、水平位置において、
バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-c,9
また重力で押されて一定位置を保っている(図180で
は、バネ等9-cのみで、図195では、バネ等9のみで
押されている)。また、上下位置においても、水平架台
7-gに押されて持ち上がらない構成となっている(図1
95)。図195では、このロック部材11自体が上述
の地震センサー振幅装置15の重りとなっており、地震
時にはロック部材11が振動状態となって、固定ピン7
の欠き込み・溝・窪み7-cからロック部材11が外れ
る。図180では、ロック部材11がワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等8により、地震センサー振幅装置
の重りと連動するように接続され、地震時に重りが振動
すると、連動したロック部材11が固定ピン7の欠き込
み・溝・窪み7-cから外れる。さらに、図180、図1
95は、8.1.2.2.3.の請求項101項の発明の、地震力
による自動復元型が組み合わさった場合であり、ロック
部材11が解除されると、すり鉢状等の凹形状挿入部7
-vmの勾配に従って、固定ピン先端7-wが持ち上がり、
固定装置が解除される。地震最中は、挿入部7-vmのす
り鉢状等の凹形状と地震振幅によって、固定ピン先端7
-wは持ち上がった状態が維持される。また、上述のピス
トン状部材7-pの機構によって固定ピン先端7-wの下り
る速度を落とすことが、固定ピン先端7-wの持ち上がっ
た状態を維持するのに、より効果を発する。地震終了段
階には、地震力の低下に従い、重力またはバネ等7-oの
働きによって、固定ピン先端7-wが下がり始める。そし
て、すり鉢状の挿入部の勾配に従いながら、すり鉢状等
の挿入部7-vm の底部に達したときに、ロック部材11
により固定ピン7がロックされ、免震される構造体1も
固定される。なお、地震力が働かない限り、ロック部材
11により、固定ピン7がロックされ続けており、風等
では免震される構造体1は動かない。筒7-aの中にバネ
等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)7-oが入り、
また重力により、ピストン状部材7-pをもった固定ピン
7をセット(=ロック・固定)する方向に力が働く場合
もある(当然、ピストン状部材7-pに対して前記バネ等
7-oとは逆位置に付けたバネ・ゴム・磁石等(引張バ
ネ)でピストン状部材7-pをセット(=ロック・固定)
する方向に力が働かせても良い)。また、筒7-a、及び
管7-e(また溝)は、潤滑油等の液体で満たされている
場合もある。図195では、固定ピン7が免震される構
造体1に、固定ピンの挿入部7-vmが免震される構造体
を支持する構造体2に、取付けられているが、逆の関係
の場合もある。つまり固定ピンの挿入部7-vおよび固定
ピン7のうち、どちらか一方が免震される構造体1に、
もう一方が免震される構造体を支持する構造体2に設け
られる。また、筒7-aの上部に関して、4.6.と同様に、
単に止め金が固定されている場合もあるが、雌ネジが切
られて、雄ネジ7-dが挿入されている場合もある。この
雄ネジ7-dは、入り込み方向に回転して締めることによ
り、バネ等7-oを圧縮して、バネ等7-oの反発力を強
め、固定ピン先端7-wの押し出す力を強めるという機能
をもち、復元力を高めたり、地震後の免震される構造体
1の残留変位の矯正を可能にしたりする。また、管7-e
(また溝)と孔7-jとに、バルブを付ける事により、強
風時の、手動による固定ピンの強制的固定も可能にな
る。なお、図180、図181、図194〜図209に
おいて、固定ピンの挿入部が、7-vm/vとなっているの
は、7-v(固定ピンの挿入部)または7-vm(固定ピン
のすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部)という意味で
ある。 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式(直接方式含む) 8.1.2.2.5.1. (ロック)弁方式 図278〜図287は、請求項125項から請求項13
0項記載のロック弁方式の固定装置の実施例である。 (1) 全体構成 この固定装置は、地震センサー振幅装置部と固定装置部
とに分かれる。地震センサー振幅装置部と固定装置部と
が互いに別々の独立した装置となっている場合もある。
その場合は連結口7-jcで連結管7-ecによって連結され
る。ここでは、固定装置部と地震センサー振幅装置部と
の一体型を「地震センサー振幅装置付き固定装置」と、
固定装置部と地震センサー振幅装置部との分離型を「地
震センサー振幅装置分離型固定装置」と、そして固定装
置部のみを「固定装置部または独立型固定装置」と、地
震センサー振幅装置部のみを「地震センサー振幅装置部
または独立型地震センサー振幅装置」と、言う。請求項
125項の発明は、固定装置部は、筒中7-aを、液体・
気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材7
-pをもった固定装置の作動部を有し、地震センサーとな
る重りに連動するスライド式ロック弁をもち、通常時
は、このスライド式ロック弁は閉じており、ピストン状
部材によって押出される液体・気体等が筒中から液体貯
槽または外部に出る出口・出口経路を塞ぐ形となり、押
出される液体・気体等が押出されずに、ピストン状部材
はロックされ、固定装置の作動部は固定され、地震時に
は、地震センサーとなる重りが、スライド式ロック弁に
作用して、スライド式ロック弁を開かせると、ピストン
状部材によって押出された筒中の液体・気体等が液体貯
槽または外部に出て、ピストン状部材は動き始め、固定
装置の作動部の固定が解除されるように構成される。 (2) 固定装置部 1) 固定ピン型固定装置の場合 請求項126項は、固定ピン型固定装置の場合の発明で
ある。固定ピン型固定装置の場合には、固定装置部は、
筒中7-aを、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドす
るピストン状部材7-pをもった(ピストン状部材7-pと
連動した場合を含む)固定ピンの固定装置の作動部を有
する。 a. 固定ピン系 固定ピンの挿入部は、請求項101項のすり鉢状・球面
状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹形状
7-vmをなしており、地震時には、固定ピンとなるかま
たは連動したピストン状部材7-pは、このすり鉢状・球
面状等の凹形状7-vmによって往復(上下)運動をし
て、筒中7-aに充填された液体・気体等を筒中7-aから
押出したり筒中7-aに引入れたりする。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 固定装置部は、筒中7-aを、液体・気体等をほぼ漏らさ
ずにスライドするピストン状部材7-pを有し、このピス
トン状部材7-pは、免震される構造体を支持する構造体
2または免震される構造体1のいずれか一方の構造体に
支持されて、その挿入筒7-aが、もう一方の構造体に支
持されている。ピストン状部材7-pまたは挿入筒7-a
は、(それ自体が支持されている構造体ではなく)もう
一方の構造体と連結部材によって連結されている。連結
部材は、さらに不可撓部材と可撓部材とに分かれる。ま
た、この装置は、間接方式と直接方式とがある。すなわ
ち、直接方式の場合は、ピストン状部材7-pには欠き込
み・溝・窪み7-cが設けられており、この欠き込み・溝
・窪み7-cに固定ピン7が係合することにより固定がな
される。間接方式の場合は、固定ピン7に固定ピンをロ
ックするロック部材11(ロックピン・ロック弁等)を
設ける。 2) 連結部材弁型固定装置の場合(直接方式である) 請求項127項は、連結部材弁型固定装置の場合の発明
である。連結部材弁型固定装置の場合には、固定装置部
は、筒中7-aを、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライ
ドするピストン状部材7-pを有し、このピストン状部材
7-pは、免震される構造体を支持する構造体2または免
震される構造体1のいずれか一方の構造体に支持され
て、その挿入筒7-aが、もう一方の構造体に支持されて
いる。 連結部材は、さらに不可撓部材(図287)と
可撓部材(図279)とに分かれる。これは、両方とも
直接方式である。そして、固定ピン型固定装置の場合、
連結部材弁型固定装置の場合共に、地震時に、このピス
トン状部材7-pは、液体・気体等の弁(スライド式ロッ
ク弁)7-sfが開くことにより移動可能となり、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
の振動によって往復運動をして、筒中7-aに充填された
液体・気体等を筒中7-aから押出したり筒中7-aに引入
れたりして免震を可能にし、風時には、液体・気体等の
弁(スライド式ロック弁)7-sfが閉じており、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
が固定される。 (3) 地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部は、固定装置部(の接続部)か
ら地震センサーとなる重り20、20-bに連動したスラ
イド式ロック弁7-sfのある出口・出口経路7-acjへと
繋がる部分と、このスライド式ロック弁7-sfを境にし
た液体貯槽7-ac(または外部)部分とに分かれる。液
体貯槽7-acは、液体・気体等が溜まる部分であり、上
部に空気抜き7-jaがあり、液体・気体等の容量調整が
自由である。 1) 地震センサーとなる重り 重り20、20-bは、振り子またはバネ等または球面・
すり鉢若しくは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面
部(すべり・転がり面部、以下同じ)をもったセンサー
の免震皿(センサーの免震皿を以下、「センサー免震
皿」または略して「免震皿」とも言う)36-vmによっ
て平衡を保たれており、地震時に(相対的に)振動し、
地震後元の位置(通常位置)に戻る。また、この地震セ
ンサーとして、転がり方式による重り20-bが可能にな
る。地震センサーとなる重りが、球20-bであり、この
球20-bが球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状
等の凹型滑り面部をもったセンサー免震皿36-vmを転
がる方式となっている。そのため、感度を非常に良くで
きる。 2) スライド式ロック弁と地震センサーとなる重りと連
動 この装置には、この地震センサーとなる重り20、20
-bに連動したスライド式ロック弁7-sf持つ。このスラ
イド式ロック弁7-sfは、実施例では、開いている部分
(開口孔7-sfo)と閉じている部分(開口孔でない部分
7-sff)に分かれている。このスライド式ロック弁7-s
fは、通常時は、閉じて(開口孔でない部分7-sffが出
て)いるため、ピストン状部材7-pによって押出される
液体・気体等が筒中7-aから液体貯槽7-acまたは外部
に出る出口・出口経路7-acjを塞ぐ形となり、液体・気
体等が押し出されずに、ピストン状部材7-pはロックさ
れ、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2とを固定し、地震時に、地震センサーとなる重
り20、20-bが、スライド式ロック弁7-sfに作用し
て、スライド式ロック弁7-sfを開かせると(前記出口
・出口経路7-acjに開口孔7-sfoが出て)、ピストン状
部材7-pによって押出された筒中7-aの液体・気体等が
液体貯槽7-acまたは外部に出て、ピストン状部材7-p
は動き始め、免震される構造体1と免震される構造体を
支持する構造体2との固定は解除される。 3) 全方向対応複数弁による工夫 センサーの動きに対応して、180度以上の角度にスライ
ドする弁を設ける。センサー自体は往復運動をするので
360度の半分の180度以上でよい。具体的には、全方向
に動くセンサーの重り20、20-bの動く方向に対応す
るため、180度以上の角度方向に、(場合により)角度
を分担するために角度の違う複数のスライドする弁7-s
fを設ける。(センサー自体は往復運動をするので360度
の半分の180度以上に対応する複数の弁を設けることで
よい。)これにより、地震のあらゆる方向の揺れに対し
て装置を作用させることができる。 4) ロック弁に付いた抵抗板 また、ロック弁には抵抗板7-sfpが付いており、地震セ
ンサーとなる重り20、20-bにより、少しでもスライ
ド式ロック弁7-sfが開く(出口・出口経路7-acjに少
しでも開口孔7-sfoが張り出る)と、ロック弁7-sfに
付いた抵抗板7-sfpが、液体(気体)等の流れにより抵
抗を受けてロック弁をより開かせる(ロック弁の開口孔
7-sfoがより張り出て開口が広がる方向に動かす)役割
をするように構成される場合は、センサーの重り20、
20-bの僅かな動きでも、ロック弁の全開を可能にす
る。さらに、ピストン状部材7-pの作動時であっても弁
に開閉方向への圧力がかからないので、センサーの重り
20、20-bが小さくても、敏感な感度のロック弁が可
能になる。 (4) 固定装置部と地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部と固定装置部とは、通路口7-a
bjによって繋がっている。この通路口7-abjは、地震セ
ンサー振幅装置部の出口・出口経路7-acjの液体・気体
等と、固定装置部のピストン状部材7-pをもった筒中7
-aの液体・気体等の行き来を可能にしている(固定装置
部と地震センサー振幅装置部とが互いに別々の装置とな
り独立している場合もある。その場合は通路口7-abjが
連結口7-jcとなり、連結管7-ecによって相互に連結さ
れる)。他の固定装置との連結口7-jcで連結しない限
り、液体貯槽7-acまたは外部に出る出口・出口経路7-
acjが、スライド式ロック弁7-sfが閉じて、塞がれてい
る時は、液体・気体等の行き場が他に無いため、ピスト
ン状部材7-pは筒中7-aをスライドできず、ロックさ
れ、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2とを固定する。地震時に、重り20、20-bが
地震力によりスライド式ロック弁7-sfに作用して、前
記出口・出口経路7-acjのスライド式ロック弁7-sfが
開いて(開口孔7-sfoが出て)、筒中7-aの液体・気体
等が液体貯槽7-acまたは外部に流れ出して、ピストン
状部材7-pは作動可能となり、免震される構造体1と免
震される構造体を支持する構造体2との固定は解除され
る。 (5) 遅延器兼用型 または、ピストン状部材7-pによって押出される液体・
気体等が筒中7-aから出る出口・出口経路7-acjと、出
口・出口経路7-acjからその押出された液体・気体等が
筒中7-aに戻る別経路の戻り経路7-erとが設けられて
おり、出口・出口経路7-acjと戻り経路7-erとの開口
面積に差をもたせ、出口・出口経路7-acjは大きく、戻
り経路7-erは小さくし、戻り経路7-erは、開口面積が
一定以下の場合は弁は不要だが、弁を設ける場合には、
ピストン状部材7-pが筒中7-aから押出される時に開
き、それ以外の時は閉じている弁が付けられる。また別
の方法として、別経路の戻り経路7-erを設けずに、出
口・出口経路7-acjのロック弁7-sfによる塞ぎを緩く
する。以上の方法により、ピストン状部材7-pの戻りに
遅延効果を持たせることが可能である。 (6) ダンパー効果 出口・出口経路7-acjの開口面積を絞ることにより、地
震時の変位抑制効果を合せ持たせることが可能になる。 (7) 上下逆 以上の形の、上下逆の場合もある。固定ピン型固定装置
の場合には、図286のように凹形状の挿入部7-vmと
当該挿入部に挿入された固定ピン7との関係が、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
に対して逆に取付けられる場合もある。連結部材弁型固
定装置の場合には、免震される構造体1及び免震される
構造体を支持する構造体2と、ピストン状部材7-p及び
その挿入筒7-a等からなる固定装置との関係が、左右あ
るいは上下に入れ替わった対称型がある。 (8) 他の固定装置との連結口7-jcの位置 複数の固定装置同士の連動作動を考えた場合の、他の固
定装置との連結口7-jcは、地震センサー振幅装置部の
出口・出口経路7-acjと、固定装置部のピストン状部材
7-pのスライド部以外の筒中7-aのいずれに設けてもよ
い。固定装置部と地震センサー振幅装置部とが互いに別
々の装置となり独立している場合もある。その場合は地
震センサー振幅装置部の設置位置は、出口・出口経路7
-acjであり、固定装置部の設置位置は、ピストン状部材
7-pのスライド部以外の筒中7-aである。 (9) 複数の固定装置の連動作動 地震センサー振幅装置付き固定装置または独立型固定装
置または独立型地震センサー振幅装置の連結口7-jcを
相互に連結管7-ecで繋げることにより、相互の固定装
置の地震時の同時解除が可能になる。地震センサー振幅
装置が先に作動した所へ液体・気体等が送り込まれ、連
結管7-ecによって連結している固定装置の同時解除が
可能になる。地震センサー振幅装置の感度に差があって
も、連結している固定装置の同時解除が可能になる。 (10) 気体式・液体式 装置に充填される液体・気体等が、液体か気体かに関し
ては、液体=油圧式の方が、弾性が無く、確実な固定装
置の機能が発揮できる。さらに、機構全体を液体に漬け
ることで防錆効果もある。気体=空圧式は、弾性に富む
ため、油圧式に比べ固定装置としての固定機能は劣る
が、簡便な方式であり、防錆材料を使うことでメンテナ
ンスフリーも可能になる。油圧式と空圧式のいずれも、
(スライド式)ロック弁の密閉性を悪くすることにより
変位抑制ダンパーも兼ねることができる。特に空圧式
は、ロック弁が閉まったままでも(さらに、地震センサ
ー振幅装置と連動機構のないロック弁無しの閉じたまま
の機構でも)弾性に富むために変位抑制ダンパーとして
も使用可能である。また、液体式・気体式の他に、液状
化可能な固体(粒状固体等)の使用も可能である。 (11) 実施例 図278は、請求項125項、請求項128項記載の固
定装置の実施例であり、地震センサーとなる重りが、球
であり、球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等
の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)をも
ったセンサー免震皿36-vm上を、この球20-bが転が
る方式の地震センサー振幅装置14の場合である。図2
80は、請求項125項、請求項128項記載の固定装
置の実施例であり、地震センサーとなる重り20が、す
べり部材であり、球面・すり鉢または円柱谷面状・V字
谷面状等の凹型滑り面部をもったセンサー免震皿36-v
mを重り20がすべる方式の地震センサー振幅装置14
の場合である。図281は、請求項125項、請求項1
28項記載の固定装置の実施例であり、地震センサーと
なる重り20、20-bが、平面型滑り面部3を滑動(す
べり・転がり)し、バネ等9で復元する方式の地震セン
サー振幅装置15の場合である。図282は、請求項1
25項、請求項128項記載の固定装置の実施例であ
り、地震センサーとなる重り20が、振り子の支点20
-h(支点20-hは地震センサー振幅装置の本体(筐体
等)に支持されて)により支持された振り子の重り20
の場合であり、地震時の振動の後、振り子により元の位
置に復元する方式の地震センサー振幅装置13の場合で
ある。図283は、請求項129項記載の地震センサー
振幅装置部と固定装置部とが分離された場合の実施例で
あり、図284の固定装置部と地震センサー振幅装置部
とが連結管7-ecによって連結される場合である。地震
センサー振幅装置部は、前記スライド式ロック弁のある
出口・出口経路7-acjから固定装置へと繋がる連結口7
-jcにかけての部分とこのスライド式ロック弁を境にし
た液体貯槽7-ac(または外部)部分とに分かれる。地
震センサー振幅装置の重りによりこのスライド式ロック
弁が連動して、固定装置の固定ピンの固定と解除を制御
するものである。この地震センサー振幅装置部と固定装
置部とが連結管7-ecによって連結された場合の作動機
構は、図278と全く同じである。この地震センサー振
幅装置部は、図280と同様に、地震センサー振幅装置
の重り20が、すべり部材であり、球面・すり鉢または
円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部をもったセン
サー免震皿36-vmを重り20がすべる方式の地震セン
サー振幅装置14の場合もある。また、図281と同様
に、地震センサー振幅装置の重り20、20-bが、平面
型滑り面部3を滑動(すべり・転がり)し、バネ等9で
復元する方式の地震センサー振幅装置15の場合、ま
た、図282と同様に地震センサーとなる重り20が、
振り子の支点20-hにより支持された振り子の重り20
であり、地震時の振動の後、振り子により元の位置に復
元する方式の地震センサー振幅装置13の場合も考えら
れる。また、この地震センサー振幅装置部は、遅延効果
を確実にするため、ピストン状部材7-pによって押出さ
れる液体7-ao・気体等が液体貯槽・外部に出る出口・
出口経路7-acjと、出口・出口経路7-acjからその押出
された液体7-ao・気体等が筒中7-aに戻る別経路の戻
り経路7-erとが設けられ、出口・出口経路7-acjと戻
り経路7-erとには開口面積の差をもたせ、出口・出口
経路7-acjは大きく、戻り経路7-erは小さくし、戻り
経路7-erは、開口面積が一定以下の場合には弁は不要
だが、弁を設ける場合には、ピストン状部材7-pが筒中
7-aから押出される時に開き、それ以外は閉じている弁
が付けられている場合であるが、また別の方法として、
別経路の戻り経路7-erを設けずに、出口・出口経路7-
acjのロック弁7-sfによる塞ぎを甘くすることにより、
固定装置の固定ピン=ピストン状部材7-pの戻りの遅延
効果を持たせる場合もある(図286参照)。図284
は、請求項129項記載の固定装置部の実施例である。
必ず地震センサー振幅装置付き固定装置または地震セン
サー振幅装置部(独立型地震センサー振幅装置)との併
用を必要とする。図285は、請求項130項記載の連
動作動の場合の固定装置の実施例であり、固定装置部
(1装置)と地震センサー振幅装置付き固定装置(2装
置)との連結管7-ecによる連結の場合である。また、
図286のように、以上の形の上下逆の場合もある。つ
まり、凹形状の挿入部7-vmと当該挿入部に挿入された
固定ピン7とが、免震される構造体1と免震される構造
体を支持する構造体2とに対して逆に取付けられる場合
もある。凹形状の挿入部7-vmと当該挿入部に挿入され
た固定ピン7との関係を除けば、その他の部分は、図2
78〜図285とほぼ同様である。また、遅延効果につ
いては、図278の実施例とは違い、別経路の戻り経路
7-erを設けずに、出口・出口経路7-acjのロック弁7-
sfによる塞ぎを甘くすることにより、ピストン状部材7
-pの戻りの遅延効果を持たせる場合もある。さらに、図
287は、請求項127項記載の連結部材弁型固定装置
のうちの不可撓連結部材による実施例である。筒中を液
体・気体等をほぼ漏らさずにスライドする、免震される
構造体を支持する構造体2の部材からなるピストン状部
材7-pが、ユニバーサル回転接点2-xを介して、免震さ
れる構造体を支持する構造体2に設置された支持部材2
-gに接続されており、免震される構造体1の部材からな
るその挿入筒7-aが、支持部材1-g及びユニバーサル回
転接点1-xを介して、免震される構造体1に設置された
支持部材1-gに接続されている。さらに、この挿入筒7
-aの、地震時にピストン状部材7-pによって押出された
液体・気体等は、地震センサーとなる重り20、20-b
に連動したスライド式ロック弁7-sfのある出口・出口
経路7-acjへ、そして地震時にはスライド式ロック弁7
-sfは開いて、液体貯槽7-ac(または外部)部分へ流れ
込む。そして、戻り経路7-erから筒中7-aに戻る。そ
の場合の実施例である。地震センサー振幅装置部の機構
は図278と同じである。なお、図285から図287
において、地震センサー振幅装置部の機構については、
地震力により重りが振動し、スライド式ロック弁に作用
することにより弁の開閉を行うものであればよく、当該
図に記載のもの以外の地震センサー振幅装置(例えば図
278〜図282に記載のもの)の使用も考えられる。
また、図279は、請求項127項記載の連結部材弁型
固定装置のうちの可撓部材による実施例である。図の
(a)は通常時、(b)は免震時を表わしている。筒中7-aを
液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状
部材7-pがバネ等9-tによって免震される構造体を支持
する構造体2と繋がれており、さらに免震される構造体
1とは挿入口31、及びフレキシブルジョイント8-fj
を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材8
-fで繋がれている。可撓部材による連結部材弁型固定装
置は、ピストン状部材7-pのスムーズな往復運動が要求
されるため、固定ピン型固定装置とは異なり、スライド
式ロック弁7-sfに抵抗板7-sfpが必要なく、また、戻
り口7-erの開口面積についても、液体・気体等の流れ
がピストン状部材7-pの戻り動きに抵抗とならない程度
の広さが必要である。図の(a)は通常時の場合、(b)は免
震時の変位振幅時の場合であるように、風時、免震時の
変位する時の、ピストン状部材7-pの動き、液体・気体
等の流れが固定ピン型固定装置とは逆になる。これらに
は免震される構造体1及び免震される構造体を支持する
構造体2と、ピストン状部材及びその挿入筒等からなる
固定装置との関係が、左右あるいは上下に入れ替わった
対称型がある。 8.1.2.2.5.2. (ロック)弁方式 図288〜図331は、請求項131項から請求項13
9項記載のロック弁方式の固定装置の実施例である。 (1) 全体構成 この固定装置は、固定装置部と地震センサー振幅装置部
とに分かれる。互いに別々の装置となり独立している場
合もある。その場合は連結口7-jcで連結管7-ecによっ
て連結される。ここでは、固定装置部と地震センサー振
幅装置部との一体型を「地震センサー振幅装置付き固定
装置」と、固定装置部と地震センサー振幅装置部との分
離型を「地震センサー振幅装置分離型固定装置」と、そ
して固定装置部のみを「固定装置部または独立型固定装
置」と、地震センサー振幅装置部のみを「地震センサー
振幅装置部または独立型地震センサー振幅装置」と、言
う。請求項131項の発明は、筒中を、液体・気体等を
ほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材をもった固
定装置の作動部を有し、通常時は、地震センサーとなる
重りが、振り子またはバネ等または球面・すり鉢または
円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり・転
がり面部、以下同じ)によって平衡を保たれるため、通
常位置にあり、ピストン状部材によって押出される液体
・気体等が筒中から液体貯槽または外部に出る出口・出
口経路を、重り、または重りと一体になった弁、または
重りと連動した弁が塞ぐ形となり、液体・気体等は押出
されずに、ピストン状部材はロックされ、固定装置の作
動部は固定され、地震時には、重りが地震力により通常
位置より移動すると、この出口・出口経路を塞ぐ位置か
ら、重り、または重りと一体になった弁、または重りと
連動した弁がずれて、液体・気体等が押出され、ピスト
ン状部材は動き始めて、固定装置の作動部の固定は解除
されるように構成される。 (2) 固定装置部 1) 固定ピン型固定装置の場合 請求項132項は、固定ピン型固定装置の場合の発明で
ある。固定ピン型固定装置の場合には、固定装置部は、
筒中7-aを、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドす
るピストン状部材7-pをもった(ピストン状部材7-pと
連動した場合を含む)固定ピンの固定装置の作動部を有
する。 a. 固定ピン系 固定ピンの挿入部は、請求項101項のすり鉢状・球面
状等の挿入部の中央部に対して凹形状に傾斜した凹形状
7-vmをなしており、地震時には、固定ピンとなるかま
たは連動したピストン状部材7-pは、このすり鉢状・球
面状等の凹形状7-vmによって往復(上下)運動をし
て、筒中7-aに充填された液体・気体等を筒中7-aから
押出したり筒中7-aに引入れたりする。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 固定装置部は、筒中7-aを、液体・気体等をほぼ漏らさ
ずにスライドするピストン状部材7-pを有し、このピス
トン状部材7-pは、免震される構造体を支持する構造体
2または免震される構造体1のいずれか一方の構造体に
支持されて、その挿入筒7-aが、もう一方の構造体に支
持されている。ピストン状部材7-pまたは挿入筒7-a
は、(それ自体が支持されている構造体ではなく)もう
一方の構造体と連結部材によって連結されている。連結
部材は、さらに不可撓部材と可撓部材とに分かれる。ま
た、この装置は、間接方式と直接方式とがある。すなわ
ち、直接方式の場合は、ピストン状部材7-pには欠き込
み・溝・窪み7-cが設けられており、この欠き込み・溝
・窪み7-cに固定ピン7が係合することにより固定がな
される。間接方式の場合は、固定ピン7に固定ピンをロ
ックするロック部材11(ロックピン・ロック弁等)を
設ける。 2) 連結部材弁型固定装置の場合(直接方式である) 請求項133項は、連結部材弁型固定装置の場合の発明
である。連結部材弁型固定装置の場合には、固定装置部
は、筒中7-aを、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライ
ドするピストン状部材7-pを有し、このピストン状部材
7-pは、免震される構造体を支持する構造体2または免
震される構造体1のいずれか一方の構造体に支持され
て、その挿入筒7-aが、もう一方の構造体に支持されて
いる。連結部材は、さらに不可撓部材(図330)と可
撓部材(図331)とに分かれる。これは、両方とも直
接方式である。そして、固定ピン型固定装置の場合、連
結部材弁型固定装置の場合共に、地震時に、このピスト
ン状部材7-pは、液体・気体等の弁(重りと一体になっ
た弁、または重りと連動した弁)が開くことにより移動
可能となり、免震される構造体1と免震される構造体を
支持する構造体2との振動によって往復運動をして、筒
中7-aに充填された液体・気体等を筒中7-aから押出し
たり筒中7-aに引入れたりして免震を可能にし、風時に
は、液体・気体等の弁が閉じており、免震される構造体
1と免震される構造体を支持する構造体2とが固定され
る。 (3) 地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部は、地震センサーとなる重りの
ある付属室7-abと液体貯槽7-ac(または外部)とに分
かれる。 付属室7-abは出口・出口経路7-acj内にある
場合もあり、出口・出口経路7-acj内の弁には連動させ
てあるが地震センサーのある付属室7-abは独立してい
る場合もある。液体貯槽7-acは、液体・気体等が溜ま
る部分であり、上部に空気抜き7-jaがあり、液体・気
体等の容量調整が自由である。地震センサーとなる重り
または重りと一体になった(または重りと連動した)弁
は、振り子またはバネ等または球面・すり鉢または円柱
谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり面部・転
がり面部、以下同じ)をもったセンサー免震皿36-vm
によって平衡を保たれ、通常位置にあり、地震時に(相
対的に)振動して通常位置からずれ、地震後元の位置
(通常位置)に戻る。また、この地震センサーとして、
転がり方式による重り20-bが可能になる。地震センサ
ー振幅装置の重りが、球20-bであり、球面・すり鉢ま
たは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部をもった
センサー免震皿36-vmを球20-bが転がる方式であ
る。これによって感度を非常に良くすることができる。
この重りまたは重りと一体になった(または重りと連動
した)弁の通常位置は、ピストン状部材によって押出さ
れる液体・気体等が筒中から液体貯槽または外部に出る
通路である出口・出口経路7-acjを塞ぐ位置にある。ま
た、付属室7-abが出口・出口経路7-acj内にある場合
は、つまり、筒中7-aと液体貯槽7-ac・外部との間に
付属室7-abが設けられている場合は、付属室7-abと液
体貯槽7-acまたは外部とを液体・気体等が行き来する
通路である出口・出口経路7-acjを塞ぐ位置にある。こ
の塞がれる出口・出口経路7-acjの位置は、重りまたは
重りと一体になった(または重りと連動した)弁の、上
部または下部または側面に、上部及び下部に、上部及び
側面に、下部及び側面に、または上部及び下部及び側面
にある場合の7通りの場合が考えられる。出口・出口経
路7-acjの開口部の形は、重りまたは重りと一体になっ
た(または重りと連動した)弁の平面形状に合わせるの
がよい。重りがボール20-bの場合は、円がよい。出口
・出口経路7-acjと地震センサー振幅装置の重りまたは
重りと一体になった(または重りと連動した)弁との隙
間にカバー材20-cを付ける場合も同様に、カバー材2
0-cは、重りまたは重りと一体になった(または重りと
連動した)弁と接する平面形状に合わせるのがよい。重
りがボール20-bの場合は、円筒となる。このように、
振り子またはバネ等または球面・すり鉢若しくは円柱谷
面状・V字谷面状等の凹型滑り面部をもったセンサー免
震皿36-vmによって平衡を保たれている地震センサー
振幅装置の重りまたは重りと一体になった(または重り
と連動した)弁によって塞ぐロック弁を考えると、地震
感度として全方向対応の地震センサーが可能になり、し
かもスムーズな弁との連動(地震センサー重り=弁なの
で)が可能になる。さらに、ピストン状部材7-pの作動
時であっても弁に圧力がかからない場合が可能で(図2
88参照、また、図298のように弁に圧力がかかった
としても、地震力は圧力と直角方向、つまり圧力の分力
が0となるので)、センサーの重りが小さくても感度の
よいロック弁が可能になる。 (4) 固定装置部と地震センサー振幅装置部 地震センサー振幅装置部の付属室7-abの液体・気体等
と固定装置部のピストン状部材7-pのスライド部以外の
筒中7-aの液体・気体等とは、通路口7-abjによって繋
がり、行き来を可能にしている(固定装置部と地震セン
サー振幅装置部とが互いに別々の装置となり独立してい
る場合もある。その場合は通路口7-abjが連結口7-jc
となり、連結管7-ecによって相互に連結される)。他
の固定装置との連結口7-jcで連結しない限り、付属室
7-abから液体貯槽7-acまたは外部に出る出口・出口経
路7-acjが重り(または重りと一体になった弁)により
塞がれている時は、液体・気体等の行き場が他に無いた
め、ピストン状部材7-pは筒中7-aをスライドできない
ためロックされ、免震される構造体1と免震される構造
体を支持する構造体2とを固定する。地震時に、地震セ
ンサーの重り20、20-b(または重りと一体になっ
た、または重りと連動した弁20-e)が地震力によりこ
の出口・出口経路7-acjを塞ぐ位置からずれると、筒中
7-aの液体・気体等は付属室7-abから液体貯槽7-acま
たは外部に流れ出して、ピストン状部材7-pは作動可能
となり、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体との固定は解除される。 (5) 遅延器兼用型 または、ピストン状部材7-pによって押出される液体7
-ao・気体等が液体貯槽・外部に出る出口・出口経路7-
acjと、出口・出口経路7-acjからその押出された液体
7-ao・気体等が筒中7-aに戻る別経路の戻り経路7-er
とが設けられており、出口・出口経路7-acjと戻り経路
7-erとには開口面積の差をもたせ、出口・出口経路7-
acjは大きく、戻り経路7-erは小さくし、戻り経路7-e
rは、開口面積が一定以下の場合には弁は必要無いが、
弁を設ける場合には、ピストン状部材7-pが筒中7-aか
ら押出される時に開き、それ以外は閉じている弁が付け
られる。また別の方法として、別経路の戻り経路7-er
を設けずに、出口・出口経路7-acjの重り(または重り
と一体になった、または重りと連動した弁)による塞ぎ
を甘くすることにより、ピストン状部材7-pの戻りに遅
延効果を持たせることが可能である。 (6) ダンパー効果 出口・出口経路7-acj、またピストン状部材7-pの挿入
筒7-aから付属室7-abへの通路口7-abjの開口面積を
絞ることにより、地震時の変位抑制効果を合せ持たせる
ことが可能になる。 (7) 上下逆 以上の形の、上下逆の場合もある。固定ピン型固定装置
の場合には、図303のように凹形状の挿入部7-vmと
当該挿入部に挿入された固定ピン7とが、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2とに対し
て逆に取付けられる場合もある。連結部材弁型固定装置
の場合には、免震される構造体1及び免震される構造体
を支持する構造体2と、ピストン状部材7-p及びその挿
入筒7-a等からなる固定装置との関係が、左右あるいは
上下に入れ替わった対称型がある。 (8) 他の固定装置との連結口7-jcの位置 複数の固定装置同士の連動作動を考えた場合の、他の固
定装置との連結口7-jcは、地震センサー振幅装置部の
出口・出口経路7-acj(出口・出口経路7-acj内の地震
センサーとなる付属室7-ab)と、固定装置部のピスト
ン状部材7-pのスライド部以外の筒中7-aのいずれに設
けてもよい。固定装置部と地震センサー振幅装置部とが
互いに別々の装置となり独立している場合もある。その
場合は地震センサー振幅装置部の設置位置は、出口・出
口経路7-acj(出口・出口経路7-acj内の地震センサー
となる付属室7-ab)であり、固定装置部の設置位置
は、ピストン状部材7-pのスライド部以外の筒中7-aで
ある。 (9) 複数の固定装置の連動作動 地震センサー振幅装置付き固定装置または独立型固定装
置または独立型地震センサー振幅装置の連結口7-jcを
相互に連結管7-ecで繋げることにより、相互の固定装
置の地震時の固定解除の連動が可能になる。地震センサ
ー振幅装置が先に作動した所へ液体・気体等が送り込ま
れ、連結管7-ecによって連結している固定装置の同時
解除が可能になる。地震センサー振幅装置の感度に差が
あっても、連結している固定装置の同時解除が可能にな
る。 (10) 気体式・液体式 装置に充填される液体・気体等の選択に関しては、液体
=油圧式の方が、弾性が無く、確実な固定装置の機能が
発揮できる。さらに、機構全体を液体に漬けることで防
錆効果もある。気体=空圧式は、弾性に富むため、油圧
式に比べ固定装置の固定機能は劣るが、簡便な方式であ
り、防錆材料を使うことでメンテナンスフリーも可能に
なる。油圧式と空圧式のいずれも、(地震センサーとな
る重りが兼用するかまたは重りと一体になった)ロック
弁の密閉性を悪くすることにより変位抑制ダンパーも兼
ねることができる。特に空圧式は、ロック弁が閉まった
ままでも(さらに、地震センサー振幅装置と連動機構の
ないロック弁無しの閉じたままの機構でも)弾性に富む
ために変位抑制ダンパーとしても使用可能である。ま
た、液体式・気体式の他に、液状化可能な固体(粒状固
体等)の使用も可能である。 (11) 隙間のカバー管 請求項136項は、出口・出口経路と重りとの隙間のカ
バー材の発明である。 1) 滑動重り 出口・出口経路7-acjと重り20(ボール型重り20-
b)との隙間を無くし、密閉性を高めることを目的とす
る。図289は、この発明の実施例である。管20-cc
は出口・出口経路7-acjに挿入され、地震時は、管20
-cc自体が可動(上下)して重り20(ボール型重り2
0-b)の移動に順応し(センサー免震皿36-vm中央部
への重り20-bの動きにより押し上げられるように、管
20-cc自体の重さにするかまたは管20-ccにバネ等を
仕込むことにより)、移動の拘束にならない。通常時は
出口・出口経路7-acjと重り20(ボール型重り20-
b)との隙間を無くして、弁は閉じられた状態となる。 2) 振り子重り 出口・出口経路7-acjと重り20-eとの隙間を無くし、
密閉性を高めることを目的とする。図308、図309
は、この発明の実施例である。図305の実施例 にお
いて、管20-ccが出口・出口経路7-acjに挿入され、
地震時は、管20-cc自体が、バネ等9-c(振り子の重
り20-eの中央部への動きによりロック弁管20-cpが
押し下げられる程度の反発力を持った)によって、可動
(上下)して重り20-eの移動に順応し、移動の拘束に
ならない。通常時は出口・出口経路7-acjと重り20-e
との隙間を(バネ等9-cによって押されて)無くして、
弁は閉じられた状態となる。重り20-eの管20-ccを
受ける部分の形状は、平型・凹型・凸型に分かれる。図
308は、凹型球面であり、図309は、凸型球面であ
る。管20-cc自体も凹型凸型球面に合せた凸型凹型の
筒先形状の接触面を持っている。 (12) 重りと間接弁方式 1 請求項137項は、重り連動の間接弁方式の発明であ
る。出口・出口経路7-acjと重り20(ボール型重り2
0-b、振り子重り20-e)との隙間を無くし、密閉性を
高めるための発明であり、さらに、風時または免震まで
の地震時のピストン状部材7-pによる液体(気体)等へ
の圧力を地震センサー振幅装置の重り20、20-b、2
0-eに加えないための発明である。 1) 滑動重り 図290〜図294は、この発明のうち滑り型重り20
(ボール型重り20-b)による実施例である。図290
に基づいて説明をすると、出口・出口経路に挿入されて
それ自体が可動(上下)して重りの移動に順応する(セ
ンサー免震皿36-vm中央部への重り20-bの動きによ
り押し上げ可能な重さをもつか、または押し上げ可能な
ようにバネ等により重さを軽減された)ロック弁管20
-cpと、固定装置本体に取付けられてそのロック弁管2
0-cpを受けて通常時の液体(気体)等の流れを遮断す
る受け材20-csとから構成される。ロック弁管20-cp
は、地震時に重り20、20-bの作動によって出口・出
口経路7-acjの弁となる。重り20、20-bは、地震
時、球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹
型滑り面部をもったセンサー免震皿36-vm(図293
〜図294では、20-cpss)上を滑動(すべり・転が
り)するが、通常時は、凹型滑り面部をもったセンサー
免震皿36-vm、20-cpssの中心にとどまり、ロック弁
管20-cpは、この重り20、20-bの支え・押えによ
って受け材20-cs(受け材20-csは固定装置本体に取
り付けられている。以上以下同じ。)に押し付けられる
か受け部20-csの凹部に嵌まるかして、液体(気体)
等の流れを遮断する。地震時は、センサー免震皿36-v
m、20-cpss面の重り20、20-bが振幅運動して動
き、ロック弁管20-cpは、重り20、20-bの支え・押
えを失って受け材20-csから離れて、ロック弁管20-
cpの開口20-cpoから液体(気体)等が入り、ロック弁
管20-cpから液体(気体)等が流れ出し、ピストン状
部材7-pの固定が解除される。地震後、重り20、20
-bの振幅運動が止まり、センサー免震皿36-vmの中心
に重り20、20-bが戻ると、ロック弁管20-cpを押
上(下)げて受け材20-csに押し付けられるか受け部
20-csの凹部に嵌まるかして、液体(気体)等の流れ
を遮断すると、バネ等9-cによって元の位置に戻ってい
るピストン状部材7-pが固定される。そして固定装置と
して機能する。なお、ロック弁管20-cpとは、筒のよ
うに筒の内部で液体(気体)等の流れを許すもの、また
はコ形材・L形材・H形材・T形材のようにロック弁管
20-cpと受け材20-csとで仕切られて管をなすもの等
があげられる。図311〜図312はその実施例で、こ
れらのうち、図311(a)(b)はコ形材、図311(c)(d)
はL形材、図312(a)(b)はH形材、図312(c)(d)は
T形材の場合である。図291は、ロック弁管20-cp
の支え20-cps(固定装置本体に取付けられた)を持っ
たものである。ロック弁管20-cpの中心を、地震セン
サー振幅装置の重り20、20-bを滑動(すべり・転が
り)させる球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状
等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)を
もったセンサー免震皿36-vmの中心と合せるのではな
く、中心からずらすと地震センサー振幅装置としての地
震感度が良くなる。図292は、この例であり、さらに
2つのロック弁管20-cpがあるタイプであり、センサ
ー免震皿36-vmの中心からずらされて設置され、地震
センサー振幅装置としての地震感度が良くなっている。
このように2個以上のロック弁管20-cpがあるタイプ
が考えられる。ロック弁管20-cp一つ一つの径を小さ
くできて、ロック弁管を軽くでき、重り20、20-bの
作動時の抵抗を小さくでき、地震センサー振幅装置とし
ての地震感度を良くすることができる。 8.4.4.固定装
置とダンパー兼用の固定装置において、免震時に弁が開
かれた状態にするためにも、ロック弁管20-cpをセン
サー免震皿36-vmの中心に設置するよりも中心からず
れた位置に設置する方が地震時に重り20、20-bが接
触する回数が少なくなり、また2個以上設置によってど
ちらかが開いている回数が多くなり、免震時に弁が開か
れた状態を保つという点において、有効な方法である。
図293は、図290と、重り20、20-bとロック弁
管20-cpとが位置関係が逆で、通常時は、重り20、
20-bの押えによって、ロック弁管20-cpは受け材2
0-csに押し付けられるか受け部20-csの凹部に嵌まる
かして、出口・出口経路7-acjから液体貯槽7-acまた
は外部への液体(気体)等の流れを遮断する。地震時に
重り20、20-bが振幅運動して動き、重り20、20
-bの押えを失って、ロック弁管20-cpはバネ等9-c
(センサー免震皿20-cpss中央部への重り20、20-
bの動きによりロック弁管20-cpと一体の先端部20-c
ptが押し下げられる程度の反発力を持った)によって受
け材20-csから離れて、ロック弁管20-cpの開口20
-cpoから液体(気体)等が入り、ロック弁管20-cpか
ら液体貯槽7-acまたは外部へ液体(気体)等が流れ出
し、ピストン状部材7-pの固定が解除される。地震後、
重り20、20-bの振幅運動が止まり、センサー免震皿
20-cpssの中心に重り20、20-bが戻ると、ロック
弁管20-cpを押下げて受け材20-csに押し付けられる
か受け部20-csの凹部に嵌まるかして、液体(気体)
等の流れを遮断すると、バネ等9-cによって元の位置に
戻っているピストン状部材7-pが固定される。そして固
定装置として機能する。ロック弁管の重りと接する先端
部20-cptは、ロック弁管20-cpの内面に接合して液
体(気体)等が通ることを妨げずにロック弁管20-cp
の管中から突き出している。このことにより先端部20
-cptが細くできることにより、重り20、20-bが先端
部20-cptの出ている穴に落ち込んで、地震センサーと
しての感度が悪くなることを防いでいる。なお、以上以
下の全ての案の先端部20-cptは、重り20、20-b、
20-eによって押されて元に戻るように先端は円錐等の
傾斜が付けられている。以上以下の全ての案のロック弁
管20-cpと受け材20-csでの液体(気体)等の流れの
遮断について、風時または免震までの地震時のピストン
状部材7-pによる液体(気体)等の弁(ロック弁管20
-cp)に加わる圧力は、ロック弁管の管の外周にのみ働
き(また、図294の受け部20-lsのように受け材2
0-csを掘下げることによりそこにロック弁管20-cpが
嵌まることによってロック弁管20-cpの底部に圧力を
受けず)、重り20、20-b、20-eを持ち上げたり押
し下げたりする力としては働かない。そのため地震セン
サー振幅装置としての重り20、20-b、20-eによる
地震センサー感度に影響を与えない。さらに、ロック弁
管の支えと兼用の(重り20、20-bを滑動させる球面
・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面
部をもった)センサー免震皿20-cpssは固定装置本体
に取付けられているが、その上に滑動時の重り20、2
0-bと接触しない形状で、このセンサー免震皿20-cps
sと平行曲面(免震皿がすり鉢状であれば円錐状の、ま
た免震皿が球面であれば球面状の)の重り20、20-b
の上部押え20-cpssuがあり、風時の先端部20-cptに
よる重り20、20-bの持上がりを防いでいる。また、
重り20、20-bが液体中(液体等またはその液体等の
高さレベル7-ao参照)になく、液体抵抗を受ける事が
なく地震センサー感度を良くすることが可能である。図
294は、通常時は、重り20、20-bの押えによっ
て、ロック弁20-lは受け部20-lsに押し付けられる
か受け部20-lsの凹部に嵌まるかして、出口・出口経
路7-acjから液体貯槽7-acまたは外部への液体(気
体)等の流れを遮断する。地震時に重り20、20-bが
振幅運動して動き、重り20、20-bの押えを失って、
ロック弁20-lはバネ等9-c(センサー免震皿20-cps
s中央部への重り20、20-bの動きによりロック弁2
0-lと一体の先端部20-ltが押し下げられる程度の反
発力を持った)によって受け部20-lsから離れて、ロ
ック弁20-lが持ち上がり、出口・出口経路7-acjから
液体貯槽7-acまたは外部へ液体(気体)等が流れ出
し、ピストン状部材7-pの固定が解除される。地震後、
重り20、20-bの振幅運動が止まり、センサー免震皿
20-cpssの中心に重り20、20-bが戻ると、ロック
弁20-lを押下げて受け部20-lsに押し付けられるか
受け部20-lsの凹部に嵌まるかして、液体(気体)等
の流れを遮断すると、バネ等9-cによって元の位置に戻
っているピストン状部材7-pが固定される。そして固定
装置として機能する。ロック弁の重りと接する先端部2
0-ltは、ロック弁20-lから突き出している。このこ
とにより、先端部20-ltが細くでき、これによって重
り20、20-bが先端部20-ltの出ている穴に落ち込
んで、地震センサーとしての感度が悪くなることを防い
でいる。なお、先端部20-ltは、重り20、20-bに
よって押されて元に戻るように先端は円錐等の傾斜が付
けられている。ロック弁20-lと受け部20-lsでの液
体(気体)等の流れの遮断について、風時または免震ま
での地震時のピストン状部材7-pによる液体(気体)等
の弁(ロック弁20-l)に加わる圧力は、ロック弁の外
周にのみ働き(受け部20-lsを掘下げることによりそ
こにロック弁20-lが嵌まることによってロック弁20
-lの底部に圧力を受けず)、重り20、20-bを持ち上
げたり押し下げたりする力としては働かない。そのため
地震センサー振幅装置としての重り20、20-bによる
地震センサー感度に影響を与えない。さらに、ロック弁
の支えと兼用の(重り20、20-bを滑動させる球面・
すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部
をもった)センサー免震皿20-cpssは固定装置本体に
取付けられているが、その上に滑動時の重り20、20
-bと接触しない形状で、このセンサー免震皿20-cpss
と平行曲面(免震皿がすり鉢状であれば円錐状の、また
免震皿が球面であれば球面状の)の重り20、20-bの
上部押え20-cpssuがあり、風時の先端部20-ltの突
き上げによる重り20、20-bの持上がりを防いでい
る。また、重り20、20-bが液体中(液体等またはそ
の液体等の高さレベル7-ao参照)になく、液体抵抗を
受ける事がなく地震センサー感度を良くすることが可能
である。この重り20、20-bのかわりに振り子重り2
0-eに置き換えても可能である。この場合、センサー免
震皿20-cpss及び上部押え20-cpssuは不要である。
この図294は、ロック弁20-lをスライド式ロック弁
7-sfと考えると、8.1.2.2.5.1.(ロック)弁方式と
も言えるものである。図293(a)、図294(a)のロッ
ク弁管20-cpまたロック弁20-lを押上げるバネ等9-
cの代わりに、ピストン状部材7-pからの圧力を利用す
る方法がある。図293(b)(c)、図294(b)(c)は、そ
の方法を示している。なお、図(b)(c)は、図293
(a)、図294(a)のロック弁管20-cpまたロック弁2
0-lのまわりを示している部分図である。(b)は、ピス
トン状部材7-pからの圧力の働く、ロック弁管20-cp
またロック弁20-lの位置を錐形等20-cpk、20-lk
にして、地震時のピストン状部材7-pからの圧力によ
り、ロック弁管20-cpまたロック弁20-lを持ち上げ
ようとするものである。(c)は、ロック弁管20-cpまた
ロック弁20-lに段差20-cpd、20-ldを付けてその
差に働く、地震時のピストン状部材7-pからの圧力によ
り、ロック弁管20-cpまたロック弁20-lを持ち上げ
ようとするものである。この場合の錐形20-cpk、20
-lkは弁が開く方向に開いた形(弁が出る方向(開く方
向)に広く、弁が入る方向(閉じる方向)に狭い傾斜も
った形)となっている。また段差20-cpd、20-ldも
同じで、弁が開く方向に(弁が出る方向)に幅広く、弁
が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるように段差を
つける形となっている。また、このロック弁管20-cp
またロック弁20-lの錐形等20-cpk、20-lkが、ま
た段差20-cpd、20-ldが一定以上大きい場合は、強
風時にはピストン状部材7-pからの圧力により、直接に
間接に、地震センサーとなる重り20、20-b、20-e
を押す方向に働く(持ち上(下)がる)。このことによ
り、重り20、20-bが、センサー免震皿20-cpssと
平行状態の曲面の重り20、20-bの上部押え(固定装
置本体に取付けられている)20-cpssuに押し付けら
れ、地震センサーとしての重り20、20-bがロックさ
れる。このことにより強風時に免震が働かなくなる。こ
の重り20、20-bのかわりに振り子重り20-eに置き
換えても、同様で、振り子の軸または支持部20-iに押
し付けられ、重り20-eがロックされる。これは請求項
226−4項の発明である(8.13.3. 風時の免震ロック
3参照)。 2) 振り子重り 図310は、この発明のうち振り子型重り20-eによる
実施例である。図305の実施例 において、ロック弁
管20-cpが出口・出口経路7-acjに挿入されもので、
それ自体が可動(上下)するロック弁管20-cpと、固
定装置本体に取付けられてそのロック弁管20-cpを受
けて通常時の液体(気体)等の流れを遮断する受け材2
0-csとから構成される。ロック弁管20-cpは、地震時
に重り20-eの作動によって出口・出口経路7-acjの弁
となる。通常時は、重り20-eの押え・支えによって、
ロック弁管20-cpは受け材20-csに押し付けられて液
体(気体)等の流れを遮断する。地震時に重り20-eが
振幅運動して動き、重り20-eの押え・支えを失って、
バネ等9-c(振り子の重り20-eの中央部への動きによ
りロック弁管20-cpが押し下げられる程度の反発力を
持った)によって、ロック弁管20-cpは(バネ等9-c
によって押されて)受け材20-csから離れてロック弁
管20-cpに液体(気体)等が入り、ロック弁管20-cp
の開口20-cpoから液体(気体)等が流れ出し、ピスト
ン状部材7-pの固定が解除される。地震後、重り20-e
の振幅運動が止まり、重り20-eが振り子の中心に戻る
と、ロック弁管20-cpを押下(上)げて受け材20-cs
に押し付けて液体(気体)等の流れを遮断すると、バネ
等9-cによって元の位置に戻っているピストン状部材7
-pが固定される。そして固定装置として機能する。ロッ
ク弁管20-cpの中心を、地震センサー振幅装置の重り
20-eを滑動(すべり・転がり)させる球面・すり鉢ま
たは円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり
・転がり面部、以下同じ)をもったセンサー免震皿36
-vmの中心と合せるのではなく、中心からずらすと地震
センサー振幅装置としての地震感度が良くなる。なお、
ロック弁管20-cpとは、筒のように筒の内部で液体
(気体)等の流れを許すもの、またはコ形材・L形材・
H形材・T形材のように受け材20-csで仕切られて管
をなすもの等があげられる。図311〜図312はその
実施例で、これらのうち、図311(a)(b)はコ形材、図
311(c)(d)は形材、図312(a)(b)はH形材、図31
2(c)(d)はT形材の場合である(図311〜図312の
実施例は滑動重り20-bの場合のものであるが、重り2
0-bと重り20-eとし、上下を逆にして受け材20-cs
とロック弁管20-cpとの間にロック弁管20-cpを持上
げるようなバネ等を仕組むと振り子重りの場合の実施例
に該当する)。 (13) 重りと間接弁方式 2 請求項138項〜請求項139項は、重り連動の間接弁
方式2の発明である。出口・出口経路7-acjと重り20
(ボール型重り20-b、振り子重り20-e)との隙間を
無くし、風時の密閉性を高め、且つ風時の固定装置とし
ての弁機能としての安定性を高め、さらに、地震時の地
震センサーとしての感度を上げるための発明である。図
295(a)〜図295(b)は、この発明のうち滑り型重り
20(ボール型重り20-b)による発明である。 1) 風時 風圧力によってピストン状部材7-pにより圧力が液体
(気体)等にかかる(液体(気体)等が僅かに流れ始め
る)。その圧力により重り20、20-bがロック弁管2
0-cpに吸込まれ(液体(気体)等の流れは止まり)、
ロック弁管20-cpがスライドし、受け材(固定装置本
体に取付けられている)20-csに押し付けられて液体
(気体)等の流れは止まる。流れが止まると今度は、ロ
ック弁管20-cpからの重り20、20-bの吸込みが止
まり、重り20、20-bが外れる。重り20、20-bが
外れると今度は、ロック弁管20-cpの受け材(固定装
置本体に取付けられている)20-csへの押し付けが無
くなり、また(重りがロック弁管(の吸込み口20-cp
i)の真近にあるため)重り20、20-bがロック弁管
20-cpに吸込まれる。それを繰返して、液体(気体)
等の流れを止め、ピストン状部材7-pの動きを止める。 2) 地震時 地震力によってピストン状部材7-pにより圧力が液体
(気体)等にかかる(液体(気体)等が僅かに流れ始め
る)。重り20、20-bがロック弁管20-cpに吸込ま
れると(液体(気体)等の流れは止まり)、ロック弁管
20-cpがスライドし、受け材(固定装置本体に取付け
られている)20-csに押し付けられて液体(気体)等
の流れは止まる。流れが止まると今度は、ロック弁管2
0-cpからの重り20、20-bの吸込みが止まり、重り
20、20-bが外れる。重り20、20-bが外れると地
震力が働いているので、地震力により重り20、20-b
がロック弁管20-cp(の吸込み口20-cpi)よりずれ
て、ロック弁管20-cpに吸込まれなくなり、液体(気
体)等の流れが始まり、免震し始める。地震後、重り2
0、20-bは、球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷
面状等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同
じ)をもったセンサー免震皿36-vmのために、元の位
置(ロック弁管(の吸込み口20-cpi)の真近)に戻
る。(ロック弁管(の吸込み口20-cpi)の真近に戻
る)戻り方は、センサー免震皿36-vmによらずにバネ
復元型(バネ復元型地震センサー振幅装置15)、振り
子型(振り子型地震センサー振幅装置13)でも良い。
このことにより、地震センサーとしての地震感度がよ
く、風時の固定装置としての安定性も高い。というの
は、図298では、風時の固定装置としての弁機能とし
ての安定性は良いが、地震時、重り20、20-bが出口
・出口経路7-acjに吸込まれて地震感度が悪い。図30
4では、地震感度が良いが、風時にはピストン状部材の
動きにより液体・気体等の圧力を受けるため重り20、
20-bの弁機能としての安定性に関して不安定になる要
素もあった。このように、地震センサーとしての地震感
度を良くすれば、風時の固定装置としての安定性に欠
け、風時の固定装置としての安定性を良くすれば、地震
センサーとしての地震感度が悪くなる問題を、この発明
は解決している。ロック弁管の支えの開口20-cpsoの
意味は、ロック弁管の支え20-cpsとその開口20-cps
oが無い場合は、重り20、20-bがロック弁管20-cp
に吸込まれた後、受け材20-csに押し付けられて液体
(気体)等の流れが止まってもロック弁管20-cpと固
定装置本体との隙間での流れが存在して重り20、20
-bが吸込まれたままで重り20、20-bが外れないとい
う問題を解消するためで、ロック弁管20-cpと固定装
置本体との隙間での流れは、この開口20-cpsoを通る
ので重り20、20-bを吸込むということは無くなるか
らである。図295(b)は、ダンパー兼用の固定装置
(8.4.4.1.参照)である。図295(a)の構成に加え
て、液体貯槽7-acまたは外部から付属室7-abまたはピ
ストン状部材7-pの挿入筒へ戻る戻り口7-erを設けて
そこに弁(逆流を防ぐ弁)7-fsを付ける。出口・出口
経路7-acjの開口面積の大きさは小さくし、戻り口7-e
rの開口面積の大きさは大きくし、戻り口7-erには、ピ
ストン状部材7-pが筒7-aから出る方向時に開き、それ
以外は閉じている弁が付けられている。出口・出口経路
7-acjの開口面積の大きさを小さくしたことと戻り口7
-erに設けられた弁の性格とにより、地震時の固定ピン
7の、すり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vm、7-
vmcでの中心から周辺への移動に抵抗を与え、加えて、
戻り口7-erの開口面積の大きさを大きくしたことと戻
り口7-erに設けられた弁の性格とにより、地震時に固
定ピン7の元の位置への戻りに抵抗を与えず速やかに
し、そして再度、中心から周辺への移動に抵抗を与えら
れる。このようにして固定装置と兼用の変位抑制効果等
を持ったダンパーとなる。また、免震時に固定機構が働
かないように、出口・出口経路7-acjに設けられた弁は
地震時に開かれた状態にする必要があるが、地震時に開
かれた状態を維持するために、図295(b)は、図29
5(a)に対して、通路口7-abjが重り20、20-bの下
にあり、免震時に通路口7-abjから液体(気体)等が吹
出して重り20、20-bの元の位置(通常位置)への戻
りを遅くしている。そのため、出口・出口経路7-acjに
設けられた弁(重り20、20-b)は開かれた状態にな
り、免震時に固定機構が働かないようにしている。な
お、図295(a)〜図295(b)はボール型重り20-bを
用いた実施例を示しているが、ボール型重り20-bの代
わりに、(滑り型)重り20、もしくは、振り子重り2
0-eを用いた実施例も可能である。 (14) 増幅器付 請求項139−2項の発明は、弁(ロック弁管20-c
p、ロック弁20-l、スライド式ロック弁7-sf)にピス
トン状部材7-pからの圧力がかかり、弁の動きが悪くな
る問題を解決するものである。8.1.2.2.5.1.(ロック)
弁方式でも当然同様に考えられる。請求項125項か
ら請求項139項のいずれか1項に記載の地震センサー
振幅装置装備型固定装置において、弁(ロック弁管20
-cp、ロック弁20-l、スライド式ロック弁7-sf)に、
弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように傾き
をもたせ(例えば錐形等をしており)、また弁の挿入口
にも弁と同様に傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る
方向)に幅広く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭
くなるような段差をつけるかして、ピストン状部材7-p
からの圧力を受けると弁が出る(開く)ようにして、そ
の出る(開く)力を受けて、歯車・滑車・梃子等で、力
は弱くして、弁の先端部20-cpt、20-ltに伝えて、
ロックとして小さな(センサーの)重り20、20-b、
20-eで可能なようにするものである。図313〜図3
14は、その実施例であり、梃子と歯車での実施例であ
る。円筒形のロック弁20-l、円筒形の外形は弁が出る
方向(開く方向)に開いた形になるように傾斜(弁が出
る方向(開く方向)に広く、弁が入る方向(閉じる方
向)に狭い傾斜)の付いた円錐形となっている。そのた
めピストン状部材7-pからの圧力を受けると弁が出る
(開く)ようになっている。また、ロック弁20-lの周
囲全体に等圧に圧力を掛けるためにピストン状部材7-p
の挿入筒7-aからの出口経路7-acjは、ロック弁20-l
の周囲を円環状7-acjrに取り囲んでいる。円筒形のロ
ック弁20-lには、梃子の力点36-lとなる梃子36-b
へ力を伝達するための部材が取付いている。この梃子3
6-bにより、歯車(大)36-dの作用点36-dtiに力が
伝達される。この作用点には作用変位はその比率(支点
36-hから作用点36-dti/支点36-hから力点36-
l)に従い大きく増幅されるが、力はその比率に従い縮
小される。そして歯車(大)36-dから歯車(小)36
-eの回転軸について一体になった小歯車36-eaに力が
伝達され、歯車(小)36-eを回転させる。ピン20-p
はピン20-ppにより接合された上部部材20-puと下部
部材20-pdとからなり、下部部材20-pdにはラック2
0-prが刻まれており、下部部材20-pdのラック20-p
rは、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)2
0-pdsにより歯車(小)36-eに押し付けられている。
そのためピン20-pの上がる方向では、歯車(小)36
-eはピン20-pのラック20-prに引っ掛かり、ピン2
0-pの下がる方向では、歯車(小)36-eはピン20-p
のラック20-prに引っ掛からずに歯車(小)36-eは
回転できる。歯車(小)36-eは、この効果が得られる
ピン20-pの下がる方向では空転するフリーホイールま
たは一方向クラッチ利用の歯車でもよい。その場合はピ
ン20-pは上下部材に分かれている必要は無く、下部部
材20-pdを押しつけるバネ等(バネ・ゴム等の弾性体
または磁石等)20-pdsも必要なく、直接、ピン20-p
のラック20-prと歯車(小)36-eが噛合っている。
また、歯車(小)36-eまたラック20-prは、ラチェ
ット歯車(つめ歯車)となっている方が(同様にラック
20ーprはピン20ーpの上がる方向でのみ歯車(小)3
6ーeと噛み合うように刻まれている方が)、引っ掛かり
が大きくロック効果が大である。以上の梃子36-bの比
率(支点から作用点/支点から力点)また歯車同士のギ
ア比を調整することにより、重り20-bの重さを軽くし
て免震初動時の圧力に抵抗できる。そのため、免震初動
時までは、ピストン状部材7-pからの圧力によるピン2
0-pの持ち上がりを、重り20-bの重さで押さえられる
ようにでき、地震センサーを機能させられ、それ以上の
力が働く強風時は、重り20-bがピン20-pにより持ち
上がって上部押え20-cpssuに押さえつけられて地震セ
ンサー機能がロックされ同時に弁も開かず免震がロック
するようにできる。これは、8.13. 風時の免震ロック
(特に、8.13.3. 風時の免震ロック3)につながる方法
である。この構成は梃子36-bを使わない歯車だけでギ
ア比の調整によっても可能である。図315〜316
は、梃子と歯車での、もう一つの実施例である。円筒形
のロック弁20-l、円筒形の外形は弁が出る方向(開く
方向)に開いた形になるように傾斜(弁が出る方向(開
く方向)に広く、弁が入る方向(閉じる方向)に狭い傾
斜)の付いた円錐形となっている。そのためピストン状
部材7-pからの圧力を受けると弁が出る(開く)ように
なっている。また、ロック弁20-lの周囲全体に等圧に
圧力を掛けるためにピストン状部材7-pの挿入筒7-aか
らの出口経路7-acjは、ロック弁20-lの周囲を円環状
7-acjrに取り囲んでいる。円筒形のロック弁20-lに
は、梃子の力点36-lとなる梃子36-bへ力を伝達する
ための部材が取付いている。この梃子36-bにより、ラ
ック板36-cpの作用点36-dtiに力が伝達される。こ
の作用点には作用変位はその比率(支点36-hから作用
点36-dti/支点36-hから力点36-l)に従い大きく
増幅されるが、力はその比率に従い縮小される。そして
作用点36-dtiへの力の伝達によるラック板36-cpの
上下移動により、双方のギアにより歯車(小)36-dへ
力が伝達され、さらに、歯車(小)36-dから回転軸が
一体になった歯車(大)36-eに力が伝達され、歯車
(大)36-eを回転させる。ピン20-pにはラック20
-prが刻まれており、歯車(大)36-eの回転によりそ
のラック20-prによってピン20-pが上下する。歯車
(大)36-eは、ピン20-pの下がる方向では空転する
フリーホイールまたは一方向クラッチ利用の歯車となっ
ているため、ピン20-pの下がり切ったところで空転す
る。また、ピン20-pのラック20-prも部分的に刻ま
れ、ピン20-pの上がり切ったところで空転する。ま
た、歯車(大)36-eまたラック20-prは、ラチェッ
ト歯車(つめ歯車)となっている方が(同様にラック2
0ーprはピン20ーpの上がる方向でのみ歯車(大)36ー
eと噛み合うように刻まれている方が)、引っ掛かりが
大きくロック効果が大である。以上の梃子36-bの比率
(支点から作用点/支点から力点)また歯車同士のギア
比を調整することにより、重り20-bの重さを軽くして
免震初動時の圧力に抵抗できる。そのため、免震初動時
までは、ピストン状部材7-pからの圧力によるピン20
-pの持ち上がりを、重り20-bの重さで押さえられるよ
うにでき、地震センサーを機能させられ、それ以上の力
が働く強風時は、重り20-bがピン20-pにより持ち上
がって上部押え20-cpssuに押さえつけられて地震セン
サー機能がロックされ同時に弁も開かず免震がロックす
るようにできる。これは、8.13. 風時の免震ロック(特
に、8.13.3. 風時の免震ロック3)につながる方法であ
る。この構成は梃子36-bを使わない歯車だけでギア比
の調整によっても可能である。図313〜図314、図
315〜316ともに、ロック弁20-lが、錐形等をし
ているが、図293(c)のように、ロック弁(図293
(c)では20-cp)が開く方向(出る方向)に幅広く、弁
が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような段差を
つけるかして、ピストン状部材7-pからの圧力により、
ロック弁が開くようにする構成もある。以上の構成によ
って、 1) 通常時 a) 免震作動時(ピストン状部材7-pからの重り20-b
を持ち上げる力)クラスまで 重り20-bがピン20-p上にあると、梃子36-bと歯車
36-d、36-eによって重り20-bの重さは増幅され
て、その増幅された重さまでは、ピストン状部材7ーpか
らの弁を開く圧力成分に対抗でき、歯車(小)36-e
は、ピン20-pが重り20-bを押し上げる(弁の開く)
方向には回転できずに、ロック弁20-lの開きを許さな
い。 b) 強風時 強風時のピストン状部材7-pから重り20-bを持ち上げ
る以上の圧力を受けても、上部押え20-cpssuによって
押さえられて重り20-bがピン20-pからはずれること
はない。この、上部押え20-cpssuによって重り20-b
が押さえられる場合は、地震センサー機能がロックされ
る形になる。このことにより、免震初動時までは上部押
え20-cpssuによって押さえられず地震センサーが機能
し、強風時には上部押え20-cpssuによって押さえら
れ、地震センサー機能がロックされ、免震ロックするよ
うにすることが可能になる。ここで、免震作動時は約1
00gal以下、強風時は地震力加速度換算(軽量住宅の
場合)で約100gal相当以上と考えても良い。つまり
強風約100gal相当までは免震し、それ以上は地震セ
ンサー機能をロックし、免震ロックするという形が考え
られる。また免震ロック水準を強風100〜200gal
相当まであげても良い。 2) 地震時 地震時、重り20-bがピン20-pからはずれると、歯車
(小)36-eはピン20-pの上がる方向に回転でき、ロ
ック弁20-lの開きを許して弁が開く(ロック弁20-l
の円錐形のためにピストン状部材7-pからの圧力を受け
ると弁が開く)。 3) 地震後 地震後、ピストン状部材7-pからの圧力がなくなると、
ロック弁20-lの自重、ロック弁20-lにつけたバネ
等、また歯車(大)への梃子の取付け部36-dti(付
近)につけた重りまたバネ等で、ロック弁20-lが(下
がり)閉まるようになる。そしてピン20ーpの上を重り
20ーbが再び押え付け、ロック弁20ーlの開きを許さな
くする。ここで、強風時の免震ロックの設計について説
明すると、重り20、20-b、20-eの重さをWとし、
その重さの歯車・滑車・梃子等での増幅倍数をnとし、
免震作動させたい地震時におけるロック弁20-lに働く
ピストン状部材7-pからの弁を開く圧力成分をPとし、
免震ロックしたい強風時におけるロック弁20-lに働く
ピストン状部材7-pからの弁を開く圧力成分をP’とす
ると、 W×n>P W×n<P’ を満たすように重り重さWと歯車・滑車・梃子等の増幅
倍数nを設定すれば良い。 (15)実施例 図288は、請求項131項記載の固定装置の実施例で
あり、地震センサー振幅装置の重りが、球であり、球面
・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面
部(すべり・転がり面部、以下同じ)をもったセンサー
免震皿36-vmを球20-bが転がる方式の地震センサー
振幅装置14の場合である。遅延効果については、図2
97の実施例とは違い、別経路の戻り経路7-erを設け
ずに、出口・出口経路7-acjの重り20、20-bによる
塞ぎを甘くすることにより、ピストン状部材7-pの戻り
に遅延効果を持たせる場合である。図296は、請求項
131項記載の固定装置の実施例であり、地震センサー
振幅装置の重り20が、すべり部材であり、球面・すり
鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部をも
ったセンサー免震皿36-vmを重り20がすべる方式の
地震センサー振幅装置14の場合である。また、図28
1と同様に、地震センサー振幅装置の重り20、20-b
が、平面型滑り面部3を滑動(すべり・転がり)し、バ
ネ等9で復元する方式の地震センサー振幅装置15の場
合も考えられる。図297は、図288の実施例より遅
延効果を確実にするために、ピストン状部材7-pによっ
て押出される液体7-ao・気体等が液体貯槽・外部に出
る出口・出口経路7-acjと、出口・出口経路7-acjから
その押出された液体7-ao・気体等が筒中7-aに戻る別
経路の戻り経路7-erとが設けられており、出口・出口
経路7-acjと戻り経路7-erとには開口面積の差をもた
せ、出口・出口経路7-acjは大きく、戻り経路7-erは
小さく、戻り経路7-erは、開口面積が一定以下の場合
には弁は必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状
部材7-pが筒中7-aから押出される時に開き、それ以外
は閉じている弁が付けられている場合である。図297
においては、ボール型重り20-bが記載されているが、
その代わりにすべり部材20を使用することも可能であ
る。図298は、図288の実施例と同様に地震センサ
ー振幅装置の重りが、球であり、球面・すり鉢または円
柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部をもったセンサ
ー免震皿36-vmを球20-bが転がる方式の地震センサ
ー振幅装置14の場合であるが、地震センサー振幅装置
の重り20、20-bの下部にピストン状部材7-pによっ
て押出される液体・気体等が筒中7-aから出る出口・出
口経路7-acjがある場合である。遅延効果については、
別経路の戻り経路7-erを設け、弁7-f、7-fbを取り付
けることで戻り方向への液体(気体)等の流れ以外の逆
流を防いでいる。図298においては、ボール型重り2
0-bが記載されているが、その代わりにすべり部材20
を使用することも可能である。図299は、図298の
地震センサー振幅装置の重り20-bが、出口・出口経路
7-acjに嵌まり込み、摩擦が大きくなり、地震センサー
振幅装置の感度が落ちる問題を解決する発明である。地
震センサー振幅装置の重りが、転がり部材5-e、5-f上
の部材20であり、球面・すり鉢または円柱谷面状・V
字谷面状等の凹型滑り面部をもったセンサー免震皿36
-vmをこの部材20が転がり部材5-e、5-fによって可
動する方式の地震センサー振幅装置14の場合である
が、この部材20に球20-bが組込まれおり、球20-b
は部材20の内で上下に移動できる空隙を持つ。この球
20-bが、出口・出口経路7-acjに嵌まり込むが、球2
0-bは部材20に比べて軽いため、その嵌まり込むこと
による地震時の可動時(前記空隙へ上移動)の摩擦は、
地震センサー振幅装置の重り全体にとって小さく、その
ため地震センサーとしての感度を落とさず、逆に球20
-bが出口・出口経路7-acjに嵌まり込むことにより風時
の弁の密閉度を高め、風揺れ固定の効果を高めることに
なる。図300も、図299と同様に、図298の地震
センサー振幅装置の重り20-bが、出口・出口経路7-a
cjに嵌まり込み、摩擦が大きくなり、地震センサー振幅
装置の感度が落ちる問題を解決するもう一つの発明であ
る。地震センサー振幅装置の重りが、球20-bであり、
球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑
り面部をもったセンサー免震皿36-vmを球20-bが転
がる方式の地震センサー振幅装置14の場合であるが、
この球20-bにさらに小球20-bbが組込まれており、
小球20-bbは球20-bの内で上下に移動できる空隙を
持つ。この小球20-bbが、出口・出口経路7-acjに嵌
まり込むが、小球20-bbは球20-bに比べて軽いた
め、その嵌まり込むことによる地震時の可動時(前記空
隙へ上移動)の摩擦は、地震センサー振幅装置の重り全
体にとって小さく、そのため地震センサーとしての感度
を落とさず、逆に小球20-bbが出口・出口経路7-acj
に嵌まり込むことにより風時の弁の密閉度を高め、風揺
れ固定の効果を高めることになる。図301は、図28
8の実施例と同様に地震センサー振幅装置の重りが、球
であり、球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等
の凹型滑り面部をもったセンサー免震皿36-vmを球2
0-bが転がる方式の地震センサー振幅装置14の場合で
あるが、地震センサー振幅装置の重り20、20-bの側
面にピストン状部材7-pによって押出される液体・気体
等が筒中7-aから出る出口・出口経路7-acjがある場合
である。図301においては、ボール型重り20-bが記
載されているが、その代わりにすべり部材20を使用す
ることも可能である。図302は、図288の実施例と
同様に地震センサー振幅装置の重りが、球であり、球面
・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面
部をもったセンサー免震皿36-vmを球20-bが転がる
方式の地震センサー振幅装置14の場合であるが、地震
センサー振幅装置の重り20、20-bの上部及び下部に
もピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒
中7-aから出る出口・出口経路7-acjがある場合であ
る。さらに、上部及び側面に、または下部及び側面に、
または上部及び下部及び側面に、ピストン状部材によっ
て押出される液体・気体等が筒中7-aから出る出口・出
口経路7-acjがある場合も考えられる。図302におい
ては、ボール型重り20-bが記載されているが、その代
わりにすべり部材20を使用することも可能である。図
304は、図288の実施例と同様に地震センサー振幅
装置の重りが、球であり、球面・すり鉢または円柱谷面
状・V字谷面状等の凹型滑り面部をもったセンサー免震
皿36-vmを球20-bが転がる方式の地震センサー振幅
装置14の場合であり(重り20が、図280のように
すべり方式の場合も考えられる)、地震センサー振幅装
置の重り20、20-bの下部にピストン状部材7-pによ
って押出される液体・気体等が筒中7-aから出る出口・
出口経路7-acjがある場合であるが、図298と違うの
は、重り20、20-bがピストン状部材7-pによって液
体・気体等の押出される方向に位置していることであ
り、押し上げる圧力を受ける点である。そのためにその
圧力によって押し上がるのを防ぐ上部押え20-bs(地
震センサー振幅装置の本体(筐体等)に支持された)が
設けられている。図305は、請求項131項記載の固
定装置の実施例であり、地震センサー振幅装置の重り
が、振り子の重り20-eであり、振り子により地震セン
サーとなる方式の地震センサー振幅装置13の場合であ
る。地震センサー振幅装置の重り=弁20-eの下部にピ
ストン状部材7-pによって押出される液体・気体等が筒
中7-aから出る出口・出口経路7-acjがある場合である
が、図317(a)と違うのは、重り=弁20-eがピスト
ン状部材7-pによって液体・気体等の押出される方向に
位置していることであり、押し上げる圧力を受ける点で
ある。しかし、吊材20-sは剛体(図317(a)では引
張力のみに対応すればよいが)で圧縮力を受けて(図3
17(a)では引張力を受けて)、振り子の支点20-h
(支点20-hは地震センサー振幅装置の本体(筐体等)
に支持されて)で、その力に対応できるようになってい
る。振り子の重り20-eの形状について言えば、出口・
出口経路7-acjの当たる以外の側面は、地震時の可動時
の噴出する液体・気体等の圧力によって速やかにより開
く方向に力が働くように(図305の重り20-eの形の
ように)傾斜にするのが有利である。また、この傾斜に
より感度(敏感/鈍感)を決定できる。このことは、複
数個の固定装置の配置のときに利用できる。つまり重心
付近の固定装置の地震センサーは鈍感に、周辺のものは
敏感にという配置に対応できる(8.3.2.参照)。遅延効
果については、図297の実施例とは違い、別経路の戻
り経路7-erを設けずに、出口・出口経路7-acjの重り
=弁20-eによる塞ぎを甘くすることにより、ピストン
状部材7-pの戻りの遅延効果を持たせる場合である。当
然、図297の実施例のように別経路の戻り経路7-er
を設けることも考えられる。図306は、図305の実
施例の出口・出口経路7-acjに、付属室を設けてそこに
ボール型弁7-fbを設けて、その付属室の底面を、ピス
トン状部材7-pの挿入筒7-a方向に向けて下り勾配にし
て、通常は弁7-fbが閉まるようにしてあり、地震時に
ピストン状部材7-pが押し下がると、弁7-fbが開くよ
うになっている場合である。それにより遅延効果(弁7
-fbが閉まっても完全には密閉されておらずにその隙間
から液体・気体等は挿入筒7-a内に戻る)は増す方法で
ある。図304、図305、図306は共に、弁20-
e、20-bに地震時に圧力を受けていても、地震力が働
ければ、地震力は圧力と直角方向なので(圧力の分力が
0となり)、容易に弁20-e、20-bが開くことができ
るものである。さらに、図307は、図305及び図3
06の実施例において、ピストン状部材7-pによって押
出される液体・気体等の高圧力によって、重り=弁20
-eによる出口・出口経路7-acjの塞ぎが不安定になると
いう問題を解消する実施例である。つまり、液体・気体
等の圧力がかなり高い場合には、弁20-eの底面の(振
り子の支点20-h対する)傾きが少しでもあると、その
圧力によって弁が開いてしまう。その問題を解決するの
に、出口・出口経路7-acjを経由して付属室まで、振り
子を延ばし、出口・出口経路7-acjを付属室の位置から
弁20-eで塞ぐようにしたものである。これにより高圧
力を受け、 弁20-eの底面の(振り子の支点20-h対
する)傾きがあったとしても、弁20-eの不安定さを解
消することが可能となる。図317(a)は、請求項13
1項記載の固定装置の実施例であり、地震センサー振幅
装置の重りが、振り子の重り20-eであり、振り子によ
り地震センサーが構成される方式の地震センサー振幅装
置13の場合である。地震センサー振幅装置の重り=弁
20-eの下部にピストン状部材7-pによって押出される
液体・気体等が筒中7-aから出る出口・出口経路7-acj
がある場合であるが、図305と違うのは、重り=弁2
0-eがピストン状部材7-pによって押出される液体・気
体等の押出す方向に位置していることであり、押し下げ
る圧力を受ける点である。しかし振り子の支点20-hに
よりその圧力に対応できており、液体・気体等の吸引力
のために、重り=弁20-eの地震時の開きが悪くなるこ
とはない。遅延効果については、別経路の戻り経路7-e
rを設け、さらに弁7-f、7-fbを設けて戻りへの液体
(気体)等の流れ以外の逆流を防いでいる。図317
(b)は、図317(a)の風時の弁の密閉度を高め、風揺れ
固定の効果を高める発明である。図317(a)と同様
に、地震センサー振幅装置の重りが、振り子の重り20
-eであり、振り子により地震センサーが構成される方式
の地震センサー振幅装置13の場合であるが、この重り
20-eに球20-bが組込まれており、球20-bは重り2
0-eの内で上下に移動できる空隙を持つ。この球20-b
が、出口・出口経路7-acjに嵌まり込むが、球20-bは
振り子の重り20-eに比べて軽いため、その嵌まり込む
ことによる地震時の可動時(前記空隙へ上移動)の摩擦
は、地震センサー振幅装置の重り全体にとって小さく、
そのため地震センサーとしての感度を落とさず、逆に球
20-bは、出口・出口経路7-acjに嵌まり込むことによ
り風時の弁の密閉度を高め、風揺れ固定の効果を高める
ことになる。図318(a)〜図322は、図288〜図
317(a)のものより地震センサー振幅装置部の地震セ
ンサー感度を上げた場合の実施例である。図318(a)
は、地震センサー振幅装置の重りが、振り子の重り20
であり、振り子により地震センサーが構成される方式の
地震センサー振幅装置13の場合で、重り20と弁20
-eとは一体になっており、梃子の原理を利用し、支点2
0-hを介して梃子36-bの働きにより、重り20とこの
重りと一体になった弁20-eとの支点間距離を変えて弁
の距離の方を長くして、重り20の動きに比して弁20
-eが敏感に働くものであり、地震に対する感度を上げら
れるものである。地震センサー振幅装置の重り20と一
体になった弁20-eの上部にピストン状部材7-pによっ
て押出される液体・気体等が筒中7-aから出る出口・出
口経路7-acjがある場合であるが、弁20-eがピストン
状部材7-pによって押出される液体・気体等の押出す方
向に位置しており、押し上げる圧力を受ける。しかし振
り子の支点20-hによりその力に対応できており、液体
・気体等の吸引力のために、弁20-eの地震時の開きが
悪くなることはない。以上の、図305〜図318(a)
においての、地震センサー振幅装置の本体(筐体等)に
支持されている支点20-hを、水平方向に 360度回転可
能なユニバーサルなジョイントにすると、全方向の地震
動に対応の地震センサーが可能になり、かつスムーズに
弁と連動する。図305〜図317(a)では、地震セン
サーの重り=弁20-eとなっており、図318(a)で
は、弁20-eが重り20と一体になっているので、ダイ
レクトな連動が可能になる。図318(b)は、地震セン
サー振幅装置の重りが、起き上り小法師の重り20-dで
あり、起き上り小法師の起き上り運動により地震センサ
ーとなる起き上り小法師型による地震センサー振幅装置
の場合で、地震センサー振幅装置の重り20-dが、実質
の重り部20-daと弁部20-dcに分かれ(その間に繋ぎ
部20-db)、弁部20-dcの上部にピストン状部材7-p
によって押出される液体・気体等が筒中7-aから出る出
口・出口経路7-acjがある場合で、梃子の原理を利用し
たもので、支点(=重り部20-da)を介して梃子(=
繋ぎ部20-db)の働きにより、重り部20-daの動きに
比して弁部20-dcが敏感に働くものであり、地震に対
する感度を上げられるものである。図319は、逆立ち
振り子13の場合で、振り子13の重り20-eが上にな
りそれを支える(地震センサー振幅装置の本体(筐体
等)に支持されている)支点20-hにバネ等20-kを設
けて自立させ(もしくは振り子の根元をユニバーサル回
転接点等にし、振り子が自立できるように振り子支持材
20-jにバネ等を掛渡して自立させ)、地震時にはその
弾性で振動して振り子になるものである。図320は、
この図319の逆立ち振り子13の根元に地震センサー
となる重り20を設置し、地震センサー感度を上げた場
合のものである。逆立ち振り子13の根元の支点20-h
に近い振り子支持材20-j(また振り子支持バネ等20
-k)に地震センサーとなる重り20を設置することによ
り、地震時にこの重り20が支持材20-j(また振り子
支持バネ等20-k)に押し当たり、押し当たる位置が支
持材20-j(また振り子支持バネ等20-k)の根元ゆえ
に、増幅して振り子の重りによる弁部20-eが敏感に反
応するものである。図321は、この図319の逆立ち
振り子13の根元に弁36-bfを設置することにより、
その上の振り子の重りは油等の液体から外に出て、油等
の粘性の影響を受けることがなくなる。そのため、地震
時に振り子の重り20は敏感に反応することが可能にな
る。具体的には、逆立ち振り子13の根元の支点20-h
に近い振り子支持材20-j(また振り子支持バネ等20
-k)に弁部36-bfを設置し、そこが出口・出口経路7-
acj位置になる。そしてその上に振り子の重り20が設
けられることにより、油等の液体の上に出ることが可能
となる。それによりこの振り子の重り20は油等の粘性
の影響を受けなくなるため地震時に敏感に反応するもの
である。図322は、図273と同様に、地震センサー
の重り20-bに梃子36-bの力点が入り込み、地震時に
梃子の原理で増幅して梃子による弁部36-bfが敏感に
反応するものである。下部が球状で自由に転がることの
できる形状の重り20-bを免震皿上に乗せ、その上部に
梃子36-bの力点が入り込む挿入部36-mを設ける。地
震力を受けて重り20-bが転がると、力点36-lも連動
して動き、これによって梃子36-bの作用点として弁部
36-bfが動くことになる。このとき力点36-lの動き
の振幅は、地震変位振幅に加え、重り20-b(及び挿入
部36-m)の回転が力点36-bに与える変位分とからな
る。この力点36-lの振幅が、力点36-lから支点36
-hの距離と支点36-hから作用点=弁部36-bfの距離
との比に応じて増幅され、作用点の動きの振幅となる。
この2重に増幅された作用点=弁部36-bfの動きによ
って、弁部36-bfの動きが増大することになる。な
お、梃子の支点36-hは、全方向に回転する梃子の支点
である。また梃子36-bの力点が入り込む重り20-bの
挿入部36-mも、球面またはすり鉢等の凹形状になって
おり、梃子36-bの先端部が追随でき、全方向からの地
震力を伝達できるようなものとなっている。またこの方
式では、重り20-b自体が自由に転がることができるた
め、図271等で使用されている重り20下のボール
(ベアリング)5-eを無しにできる。図323〜図32
5は、地震センサー振幅装置部の地震センサーが地震垂
直動にも地震センサーとして機能するようしたもので、
図319の振り子13と同様に、振り子13の重り20
-eを支える部分にバネ等20-kを設けて自立させ、地震
時にはその弾性で振動して振り子になるものである。そ
の振り子の重りが弁部20-eとなり、地震時に弁が開
き、出口・出口経路7-acjから筒中7-aの液体・気体等
は液体貯槽7-acまたは外部に流れ出して、ピストン状
部材7-pは作動可能となり、固定ピン等は解除される。
図323は、この振り子を横(水平)に寝かせて、地震
垂直動に特に振動するが、地震水平動の一方向にも弾性
により振動して振り子になり、地震動を感知するように
したものである。図324は、振り子を垂直方向斜めに
立ちあげて、地震垂直動及び水平動にも弾性により振動
して振り子になり、地震動を感知するようにしたもので
ある。図325は、振り子を垂直に立ちあげて、振り子
13の重り20-eを支える部分のバネ等20-kの弾性に
より、地震垂直動に伸縮し振動し、しかも水平動にも振
動して振り子になり、地震動を感知するようにしたもの
である。図326は、複数設けられた出口・出口経路7
-acjのそれぞれに、地震センサーとなる重り20(図3
26ではボール型重り20-b)または重りと一体になっ
た(または重りと連動した)弁20-eを設けることによ
り、且つ、この重りの周期を個々に変えることにより、
地震センサーとしての重りの地盤周期との共振感度に幅
を持たせられ、地盤周期への対応に幅を持たせることが
可能になる。図326においては、ボール型重り20-b
および振り子13の重り20-eとなっているが、その代
わりに、両方ともボール型重り20-b、振り子13の重
り20-eを、また片方また両方ともすべり部材20を使
用することも可能である。図327も、図326と同様
に出口・出口経路7-acjに、複数個の地震センサーとな
る重り20(図327ではボール型重り20-b)すなわ
ち弁で塞ぐ型のもう一つの実施例で、弁の密閉性を上げ
るもので、風揺れ固定の性能を高める効果を持つもので
ある。図327では、出口・出口経路7-acjの上下を、
2個の地震センサーとなる重り20すなわち弁で塞ぐ型
の実施例である。また、図301のように重り20、2
0-bの側面に出口・出口経路7-acjがある場合は、出口
・出口経路7-acjの左右に重り20を設置することにな
る。図327においては、ボール型重り20-bが記載さ
れているが、その代わりにすべり部材20もしくは振り
子13の重り20-eを使用することも可能である。図3
28は、請求項134項記載の地震センサー振幅装置部
と固定装置部とが分離された場合の実施例であり、図2
84の固定装置部と地震センサー振幅装置部とが連結管
7-ecによって連結される場合である。地震センサー振
幅装置部は、前記地震センサー振幅装置等の付属室7-a
bと液体貯槽7-acまたは外部とからできており、出口・
出口経路7-acjにより結ばれている。付属室7-abの地
震センサー振幅装置の重り20、20-bが、バネ等また
は球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型
滑り面部をもったセンサー免震皿36-vmによって平衡
を保たれて、通常では出口・出口経路7-acjを塞ぐ位置
にある(地震時に、重り20、20-bが地震力により移
動すると、この出口・出口経路7-acjを塞ぐ位置からず
れるようになっている)。さらに付属室7-abに固定装
置部との連結口7-jcを持っている。この地震センサー
振幅装置部と固定装置部とが連結管7-ecによって連結
された場合の作動機構は、図288と全く同じである。
この地震センサー振幅装置部は、図296と同様に、地
震センサー振幅装置の重り20が、すべり部材であり、
球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑
り面部をもったセンサー免震皿36-vmを重り20がす
べる方式の地震センサー振幅装置14の場合もある。ま
た、図281と同様に、地震センサー振幅装置の重り2
0、20-bが、平面型滑り面部3を滑動(すべり・転が
り)し、バネ等9で復元する方式の地震センサー振幅装
置15の場合も考えられる。また、この地震センサー振
幅装置部は、図297と同様に、図328の実施例より
遅延効果を確実にするために、ピストン状部材7-pによ
って押出される液体7-ao・気体等が液体貯槽・外部に
出る出口・出口経路7-acjと、出口・出口経路7-acjか
らその押出された液体7-ao・気体等が筒中7-aに戻る
別経路の戻り経路7-erとが設けられ、出口・出口経路
7-acjと戻り経路7-erとには開口面積の差をもたせ、
出口・出口経路7-acjは大きく、戻り経路7-erは小さ
くし、戻り経路7-erは、開口面積が一定以下の場合に
は弁は必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部
材7-pが筒中7-aから押出される時に開き、それ以外は
閉じている弁が付けられている場合もある。また、この
地震センサー振幅装置部は、図298と同様に、地震セ
ンサー振幅装置の重り20、20-bの下部に出口・出口
経路7-acjがある場合もある。図301と同様に、地震
センサー振幅装置の重り20、20-bの側面に出口・出
口経路7-acjがある場合もある。図302と同様に、地
震センサー振幅装置の重り20、20-bの上部及び下部
に出口・出口経路7-acjがある場合もある。さらに、上
部及び側面に、または下部及び側面に、または上部及び
下部及び側面に、出口・出口経路7-acjがある場合も考
えられる。図329は、請求項135項記載の連動作動
の場合の固定装置の実施例である。以上の地震センサー
振幅装置付き固定装置と地震センサー振幅装置分離型固
定装置(固定装置部と地震センサー振幅装置部)と独立
型固定装置(図284参照)との連結管7-ecによる連
結の場合である。また、図303のように、以上の形の
上下逆の場合もある。つまり、凹形状の挿入部7-vmと
当該挿入部に挿入された固定ピン7との関係が、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
に対して逆に取付けられる場合もある。凹形状の挿入部
7-vmと当該挿入部に挿入された固定ピン7との関係を
除けば、その他の部分は、図288〜図329とほぼ同
様である。さらに、図330は、請求項133項記載の
連結部材弁型固定装置のうちの不可撓連結部材による実
施例である。筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドし、免震される構造体を支持する構造体2の部材か
らなるピストン状部材7-pが、ユニバーサル回転接点2
-xを介して、免震される構造体を支持する構造体2に設
置された支持部材2-gに接続されており、免震される構
造体1の部材からなるその挿入筒7-aが、支持部材1-g
及びユニバーサル回転接点1-xを介して、免震される構
造体1に設置された支持部材1-gに接続されている。さ
らに、この挿入筒7-aの、地震時にピストン状部材7-p
によって押出された液体・気体等は、地震センサーとな
る重りのある付属室7-abへ、そして、重り20-bが通
常時は弁として塞いでいる通常位置から地震力によりず
れることにより、出口・出口経路7-acjは開き、液体貯
槽7-ac(または外部)部分へ流れ込む。その場合の実
施例である。地震センサー振幅装置部の機構は図288
と同じである。また、図331は、請求項133項記載
の連結部材弁型固定装置のうちの可撓連結部材による実
施例である。図の(a)は通常時、(b)は免震時を表わして
いる。筒中7-aを液体・気体等をほぼ漏らさずにスライ
ドするピストン状部材7-pがバネ等9-tによって免震さ
れる構造体を支持する構造体2と繋がれており、さらに
免震される構造体1とは挿入口31、及びフレキシブル
ジョイント8-fjを介して、ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル等の可撓部材8-fで繋がれている。地震センサー振幅
装置部の機構は図288と基本的に同じであるが、図の
(a)は通常時の場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合で
あるように、風時、免震時の変位する時の、ピストン状
部材7-pの動き、液体・気体等の流れが固定ピン型固定
装置とは逆になるため弁(重り20、20-b(または重
りと一体になった、または重りと連動した弁20-e))
への圧力のかかり型が逆になるため出口・出口経路7-a
cjと重り20、20-b、20-eとの位置関係は逆の方が
良い(重りが付属室7-ab側にある時は液体貯槽7-ac側
に、液体貯槽7-ac側にある時は付属室7-ab側に)。さ
らに、本実施例においてはピストン7-pは可撓部材8-f
によって繋がれているいるため、シリンダー7-aの中に
バネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、このピストン状部材7
-pを復元させる必要がある(当然、ピストン状部材7-p
に対して前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴム
・磁石等9-cでピストン状部材7-pを復元させても良
い)。なお、図328〜図331において、地震センサ
ー振幅装置部の機構については、地震力により通常位置
から弁(重り)が移動することにより弁の開閉を行うも
のであればよく、当該図に記載のもの以外の地震センサ
ー振幅装置(例えば図288〜図327に記載のもの)
の使用も考えられる。これらには免震される構造体1及
び免震される構造体を支持する構造体2と、ピストン状
部材及びその挿入筒等からなる固定装置との関係が、左
右あるいは上下に入れ替わった対称型がある。 8.1.2.3. 直接方式(自動制御型固定装置) 直接方式は、地震センサー(振幅)装置からの力または
指令により、固定装置の作動部自体を直接制御する方式
である。 8.1.2.3.1. 地震センサー振幅装置装備型 請求項107項記載の発明は、直接方式の地震センサー
振幅装置装備型の自動制御型固定装置に関するもので、
固定装置の作動部に、自動制御装置を設け、地震時、地
震センサー振幅装置の作動、または地震センサーの指令
によって、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との固定を解除し、地震後、固定を行う装置
である。直接方式の地震センサー振幅装置装備型に関し
て、固定ピン型固定装置の場合と連結部材弁型固定装置
の場合とが挙げられる。 (1) 固定ピン型固定装置 固定装置の作動部が固定ピンの場合である。直接方式の
地震センサー振幅装置装備型の固定ピン型固定装置(自
動制御型固定装置)は、地震センサー(振幅)装置によ
り地震の初期微動を感知し、固定ピン7をその挿入部7
-vから引抜くなどして係脱して、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体との固定を解除し、地
震後にその固定を自動的に復帰する装置である。直接方
式の固定ピン型固定装置は、 a. 固定ピン系 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 の2つに分かれる。 a. 固定ピン系 図183〜図188は、固定ピン系の、地震センサー振
幅装置装備型自動制御型固定装置の実施例を示してい
る。図183〜図184は、地震センサー振幅装置が重
力復元型の場合、図185〜図186は、地震センサー
振幅装置がバネ復元型の場合、図187〜図188は、
地震センサー振幅装置が振り子型の場合であり、また、
図183、図185、図187は中心接点型、図18
4、図186、図188は周辺接点型の場合を示してい
る。固定ピン7の上部または下部に(図では固定ピン7
も一体となる形で)、固定装置自動制御装置22が設け
られる。 b. 連結部材系(不可撓部材と可撓部材)のピン型 図132〜図134、図139は、不可撓部材型連結部
材系のピン型で、地震センサー振幅装置により地震の初
期微動を感知し、地震センサー振幅装置の重り20の振
動により直接、またはワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8を介して、固定ピン7をその挿入部7-vから引
抜きまた挿入を行う場合の、地震センサー振幅装置装備
型自動制御型の実施例を示している。図139は、以下
の1)〜2)の地震センサー振幅装置の機構による電気的信
号によって、電磁石で固定ピン7をその挿入部7-vから
引抜きまた挿入を行う場合の固定装置部分の実施例を示
している。固定ピン7の先端7-w、及びピストン状部材
2-p、1-pの固定ピン7の先端7-wが突き当たる部分が
摩擦抵抗の大きくなるような形状であり、相互にかみ合
って、通常時はロックされる。地震時には地震センサー
からの信号により、固定装置自動制御装置(電磁石)2
2-aが作動して固定ピン7が解除され、免震される構造
体1と免震される構造体を支持する構造体2との固定を
解除する機構である。また、図182は、この発明のう
ち、可撓部材型連結部材系のピン型である(8.0.1.3.1.
参照)。さらに、地震センサー振幅装置型別に整理する
と、 1) 重力復元型・バネ復元型地震センサー振幅装置装備
型 a) 中心接点型 図183は、地震センサー振幅装置が重力復元型の場合
の実施例を、図185は、バネ復元型の場合の実施例を
示している。重力復元型、バネ復元型(免震皿型)地震
センサー振幅装置の場合、地震センサー振幅装置14、
15の免震皿上の重り(滑り部)20と、その(地震前
また地震後の)停止位置との双方に、電気等の接点23
-cが取付けられている。通常時は、 重り20(滑り
部)が停止位置にとどまり、電気等の接点23-cが重な
り続けることで、固定装置自動制御装置22が作動し、
固定ピンが、セット(=ロック・固定)されている状態
が保たれている(そして一定時間が経つと節電状態に入
る)。地震時に、重り(滑り部)20が動いて、通電状
態の継続が破られると、固定装置自動制御装置22が作
動しなくなり、(バネまたは重力等により)固定ピン7
が解除されて、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2との固定が解除される。地震後、重
り20(滑り部)が、この停止位置に再び継続的にとど
まり、通電状態が継続すると、固定装置自動制御装置2
2が作動して、固定ピン7を免震される構造体1を固定
する位置に自動復元させる(そして一定時間が経つと節
電状態に入る)。中心接点型の装置の場合、電気等の接
点23-cの大きさが、免震装置の免震感度を決定する。
接点が大きければ感度は低くなり、小さければ感度が高
くなる。ただし、地震後の残留変位を考慮し、余裕をみ
た大きさにする必要がある。また、接点の大きさを調整
可能にしておく事により、免震装置の感度を調整できる
ようにすることが可能となる。 b) 周辺接点型 さらに、上記の中心接点型以外の方法も考えられる。図
184、図186は、その実施例を示しており、図18
4は、地震センサー振幅装置が重力復元型の場合、図1
86は、バネ復元型の場合である。重力復元型、バネ復
元型(免震皿型)地震センサー振幅装置14、15の免
震皿上の重り20(滑り部)と、その(地震前または地
震後の)停止位置以外の周辺部との双方に、電気等の接
点23-cが取付けられている。通常時は、重り20(滑
り部)が停止位置にとどまり、接点23-cが接しないた
め通電せず、固定装置自動制御装置22は作動しない。
地震時に、重り(滑り部)20が停止位置より移動し
て、双方の電気等の接点23-cが重なり合い通電する
と、固定装置自動制御装置22が作動し、固定ピン7が
引き抜かれて、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2との固定が解除される。そして地震
後、重り20(滑り部)が再び停止位置にとどまり、通
電しなくなると、固定装置自動制御装置22が作動しな
くなり、(バネまたは重力等により)固定ピン7が免震
される構造体1を固定する元の位置に復帰する。また、
a)中心接点型、b)周辺接点型ともに、免震皿3は、重力
復元型の、全方向性を持った球面またはすり鉢状等の凹
型滑り面部をもったものが望ましいが、一方向性(往復
を含む、以下同じ)でもよい。また凹面でない平面型滑
り面部を有する免震皿3の場合は、バネ復元型となり、
バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9で重り
20(滑り部)を元の位置に復元させる場合である。ま
た、免震皿3の重り20(滑り部)は、単に球形状の場
合もある。 2) 振り子型地震センサー振幅装置装備型 a) 中心接点型 図187は、地震センサー振幅装置が振り子型である場
合の実施例を示している。振り子型の地震センサー振幅
装置の場合、地震センサー振幅装置13の振り子と、そ
の停止位置との双方に、電気等の接点23-cが取付けら
れている。通常時は、 振り子が停止位置にとどまり、
電気等の接点23-cが重なり続けることで、固定装置自
動制御装置22が作動し、固定ピンが、セット(=ロッ
ク・固定)されている状態が保たれている(そして一定
時間が経つと節電状態に入る)。地震時に、振り子が移
動して、通電状態の継続が破られると、固定装置自動制
御装置22が作動しなくなり、(バネまたは重力等によ
り)固定ピン7が解除されて、免震される構造体1と免
震される構造体を支持する構造体2との固定が解除され
る。地震後、振り子がこの停止位置に再び継続的にとど
まり、通電状態が継続すると、固定装置自動制御装置2
2が作動して、固定ピン7を免震される構造体1を固定
する位置に自動復元させるものである(そして一定時間
が経つと節電状態に入る)。 b) 周辺接点型 さらに、上記の中心接点型以外の方法も考えられる。図
188は、この実施例を示している。地震センサー振幅
装置13の振り子と、その停止位置以外の周辺部との双
方に、電気等の接点23-cが取付けられている。通常時
は、この停止位置に、振り子がとどまり、接点23-cが
接しないため通電せず、固定装置自動制御装置22は作
動せず、よって固定ピンには作用しない。地震時に、振
り子がこの停止位置より移動して、双方の電気等の接点
23-cが重なり合い通電すると、固定装置自動制御装置
22が作動し、固定ピン7が引き抜かれて、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固
定が解除される。地震後、この停止位置に、再び振り子
がとどまり、通電しなくなると、固定装置自動制御装置
22が作動しなくなり、(バネまたは重力等により)固
定ピン7は免震される構造体1を固定する元の位置に復
帰する。なお、a)中心接点型、b)周辺接点型ともに、振
り子も、全方向性を持ったものが望ましいが、一方向性
(往復を含む、以下同じ)でもよい。図183〜図18
4は、地震センサー振幅装置14が重力復元型の場合、
図185〜図186は、地震センサー振幅装置15がバ
ネ復元型の場合、図187〜図188は、地震センサー
振幅装置13が振り子型の場合である。また、重力復元
型、バネ復元型、振り子型のいずれも、固定装置Gが、
免震される構造体1と免震される構造体を支持する構造
体2とに対して、図183〜図188に示されているの
とは逆に取り付けられる場合もある。 (2) 連結部材弁型固定装置 連結部材系は、不可撓部材(図145、図287、図3
30)と可撓部材(図146、図279、図331)と
に分かれる。なお、連結部材弁型固定装置において、弁
(固定弁)をロックするロック部材を設けることも可能
であり、その場合、連結部材弁型固定装置は、間接方式
となる。 a. 不可撓部材の場合 図145は、連結部材系のうちの不可撓部材型の実施例
である。この固定装置Gは、免震される構造体1と、免
震される構造体を支持する構造体2との間に設置され、
図145(a)では、筒中を液体・気体等をほぼ漏らさず
にスライドする、免震される構造体を支持する構造体2
の部材からなるピストン状部材2-pが、ユニバーサル回
転接点2-xを介して、免震される構造体を支持する構造
体2に設置された支持部材2-gに接続されており、免震
される構造体1の部材からなるその挿入筒1-aが、支持
部材1-g及びユニバーサル回転接点1-xを介して、免震
される構造体1に設置された支持部材1-gに接続されて
いる。図145(b)では、筒中を液体・気体等をほぼ漏
らさずにスライドする、免震される構造体1の部材から
なるピストン状部材1-pが、ユニバーサル回転接点1-x
を介して、免震される構造体1に設置された支持部材1
-gに接続されており、免震される構造体を支持する構造
体2の部材からなるその挿入筒2-aが、支持部材2-g及
びユニバーサル回転接点2-xを介して、免震される構造
体を支持する構造体2に設置された支持部材2-gに接続
されている。これらは免震される構造体1及び免震され
る構造体を支持する構造体2と、固定装置Gとの関係
が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型である。さ
らに、この挿入筒1-a、2-aの、ピストン状部材2-p、
1-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスライドす
る範囲の端と端と)を繋ぐ液体・気体等の経路(管)7
-eが設けられており、この経路(管)7-eの途中にこの
固定装置Gを固定する弁(固定弁)として、電動弁、電
磁弁、機械式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁等7-efが
設置される。この弁(固定弁)7-efが、電動弁、電磁
弁等の電気式の場合は、地震センサー振幅装置と電線2
3によって連動し、機械式弁の場合は、地震センサー振
幅装置とワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8によ
って連動し、その指令・動き(重り20の振動)によっ
て開閉するものである。通常この電動弁、電磁弁、機械
式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁等7-efは閉じてお
り、挿入筒1-a、2-a内の液体・気体等は、自由に経路
(管)7-e内を移動できない。電気式の場合には地震セ
ンサー振幅装置が一定以上の地震力を感知すると(1)の
ような機構から電気信号を送り、機械式の場合には地震
センサー振幅装置の重り20が振動して、連動するこの
電動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁
等7-efが開いて固定装置Gの固定を解除し、免震され
る構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との
固定を解除し、地震センサー(振幅)装置が地震力が一
定以下になったことを感知すると(重り20が振動しな
くなると)、連動するこの電動弁、電磁弁、機械式弁、
油空圧式(液圧・空圧)弁等7-efが再び閉じて固定装
置Gを固定し、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2とを固定して、通常の状態へ戻す機
構である。このとき地震センサー振幅装置が地震力が一
定以下になったことを感知してから(重り20が振動し
なくなってから)、一定の時間をおいて固定装置を固定
させるための、タイマーまたは遅延器(8.5.参照)を設
ける場合もある。 b. 可撓部材の場合 可撓部材の場合には、 連結部材が可撓部材であること
を除けば、不可撓部材の場合と基本的に同じ構成であ
る。免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、前記固定装
置の設置された構造体側に設けられた挿入口31を介し
て、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材8-fの連
結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓部材8-fと
の支持点は360度回転可能なフレキシブルジョイント
8-fjとなる。挿入口31の形状に関しては、一方向
(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせる場合は、
角を取った曲面形状の挿入口、コロを介しての挿入口、
全方向復元性能を持たせる場合は、角を取った曲面鉢状
の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等の形状の挿
入口のように、可撓部材8-fとその挿入口31とが接す
る角を丸めるか、コロ等の回転子を介する(その場合
は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二軸とは互い
に直交方向をなす)に分けてそれに対応してコロ等の回
転子を設ける必要がある)等により、摩擦を小さくした
方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦材がよく、
強度も必要である。図146は、この可撓部材の連結部
材弁型固定装置の実施例である。なお、不可撓部材の図
287、図330と可撓部材の図279、図331は、
8.1.2.2.5.で説明済みである。 8.1.2.3.2. 地震センサー装備型(電気等による自動制
御型) (1) 一般 また、動電型、圧電型、可変抵抗型(しゅう動抵抗式、
ひずみゲージ式等)、可変インダクタンス型(空隙変化
型変換素子、差動トランス等)、サーボ加速度型等の、
あるいはその他地震計等に使用されている形式の振動計
を、地震センサーとして装備した自動制御型固定装置も
考えられる。請求項107項記載の発明の内容は、それ
であり、図192(a)、図192(b)(地震センサーがJ
-bの時)はその実施例を示している。地震センサーJ-
b、及びこれと信号を伝える電線23により連動する固
定装置自動制御装置22が設置され、ある一定以上の地
震力(加速度、速度、変位等)になると、地震センサー
J-bがそれを感知し、固定装置自動制御装置22が固定
ピン等の固定装置の作動部7を解除するように作動し
て、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2との固定が解除される。終了時については、地
震力がある一定以下となり、地震センサーJ-bが地震の
終了を感知してから一定時間後、固定装置自動制御装置
22が固定ピン等の固定装置の作動部7を、免震される
構造体1を固定する位置に復帰させる。なお、この固定
装置Gが、免震される構造体1と免震される構造体を支
持する構造体2に対して、図192(a)、図192(b)と
は逆に取り付けられる場合もある。「ある一定以上の地
震力」、また「ある一定以下の地震力」(固定装置自動
制御装置がどのくらいの地震になると固定ピン等の固定
装置の作動部を解除させ、またどれくらいまで治まると
固定ピン等の固定装置の作動部をセット(=ロック・固
定)させるか)に関しては、調整可能にしておき、敷地
ごとの状況に応じて設定できるようにする。 (2) 地震発電による地震センサー装備型(8.1.2.2.1.
(2)2)参照) 請求項108項記載の発明は、上記(1)(請求項107
項)記載の発明の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置の、地震センサーが、7.2.(請求項88項)の地震
発電装置型地震センサーによる場合である。8.1.2.3.2.
(1) の地震センサー装備型の代わりに、7.1.記載の免震
による地震発電装置、または 7.2.記載の地震発電装置
型地震センサーを使用して、固定装置の解除を行う場合
である。これは、自動制御装置が直接固定装置の作動部
の解除を行うタイプである。この場合は固定装置の作動
に当たって自身の発電した電気を用いるため、電源設備
を必要としない。図192(a)、図192(b)(地震セン
サーがJ-kの時)は、この請求項108項記載の発明の
固定装置の実施例を示している。地震の加速度、速度、
または変位がある一定以上になると、地震発電装置型地
震センサーJ-kが作動し、その発電した電力により、連
動する固定装置自動制御装置22も固定ピン等の固定装
置の作動部7を解除するように作動して、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固定
が解除される。地震終了時については、地震力がある一
定以下となり、地震発電装置型地震センサーJ-kが作動
を停止してから一定時間後、固定装置自動制御装置22
が固定ピン等の固定装置の作動部7を、免震される構造
体1を固定する位置に復帰させる。なお、この固定装置
Gが、免震される構造体1と免震される構造体を支持す
る構造体2に対して、図192(a)、図192(b)とは逆
に取り付けられる場合もある。請求項109項は、請求
項107項または請求項108項記載の地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置において、地震後、地震セ
ンサー振幅装置の作動、または地震センサーの指令によ
って、固定ピン等の固定装置の作動部を自動的に元の位
置に戻す装置が設けられてなることを特徴とする地震セ
ンサー(振幅)装置装備型固定装置である。請求項11
0項は、請求項107項または請求項108項記載の地
震センサー(振幅)装置装備型固定装置において、固定
ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をなして
いることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置である。 (3) 固定ピン型/連結部材弁型固定装置 以上の(1)(2)に関して、固定ピン型固定装置の場合と連
結部材弁型固定装置の場合とがあげられる。 1) 固定ピン型固定装置 図139は、固定ピン型固定装置(不可撓部材型連結部
材系)の場合で、地震センサーからの電気等の指令によ
って、電磁石で固定ピン7をその挿入部7-vから引抜き
また挿入を行う場合の地震センサー装備型自動制御型固
定装置の実施例を示している。固定ピン7の先端7-w、
及びピストン状部材2-p、1-pの固定ピン7の先端7-w
が突き当たる部分が摩擦抵抗の大きくなるような形状で
あり、相互にかみ合って、通常時はロックされる。地震
時には地震センサーからの信号により、固定装置自動制
御装置(電磁石)22-aが作動して固定ピン7が解除さ
れ、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2との固定を解除する機構である。またこの他
に、可撓部材型連結部材系の、また固定ピン系直接方式
の固定ピン型固定装置(図192(a)、図192(b))が
あげられる。 2) 連結部材弁型固定装置 図145は、連結部材弁型固定装置の場合で、地震セン
サーからの電気等の指令で、固定装置の作動部の固定を
解除する場合の地震センサー装備型自動制御型固定装置
の実施例である。この固定装置Gは、免震される構造体
1と、免震される構造体を支持する構造体2との間に設
置され、図145(a)では、筒中を液体・気体等をほぼ
漏らさずにスライドする、免震される構造体を支持する
構造体2の部材からなるピストン状部材2-pが、ユニバ
ーサル回転接点2-xを介して、免震される構造体を支持
する構造体2に設置された支持部材2-gに接続されてお
り、免震される構造体1の部材からなるその挿入筒1-a
が、支持部材1-g及びユニバーサル回転接点1-xを介し
て、免震される構造体1に設置された支持部材1-gに接
続されている。図145(b)では、筒中を液体・気体等
をほぼ漏らさずにスライドする、免震される構造体1の
部材からなるピストン状部材1-pが、ユニバーサル回転
接点1-xを介して、免震される構造体1に設置された支
持部材1-gに接続されており、免震される構造体を支持
する構造体2の部材からなるその挿入筒2-aが、支持部
材2-g及びユニバーサル回転接点2-xを介して、免震さ
れる構造体を支持する構造体2に設置された支持部材2
-gに接続されている。これらは免震される構造体1及び
免震される構造体を支持する構造体2と、固定装置Gと
の関係が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型であ
る。さらに、この挿入筒1-a、2-aの、ピストン状部材
2-p、1-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスラ
イドする範囲の端と端と)を繋ぐ液体・気体等の経路
(管)7-eが設けられており、この経路7-eの途中に、
この固定装置Gを固定する弁(固定弁)として、電動
弁、電磁弁、機械式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁等7
-efが設置される。この弁(固定弁)7-efは地震センサ
ーと電線23によって連動し、その指令によって開閉す
るものである。通常時はこの電動弁、電磁弁、機械式
弁、油空圧式(液圧・空圧)弁等7-efは閉じており、
挿入筒1-a、2-a内の液体・気体等は、自由に経路
(管)7-e内を移動できない。地震センサーが一定以上
の地震力を感知すると、連動するこの電動弁、電磁弁、
機械式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁等7-efが開いて
固定装置Gの固定を解除し、免震される構造体1と免震
される構造体を支持する構造体2との固定を解除し、地
震センサーが地震力が一定以下になったことを感知する
と、連動するこの電動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧式
(液圧・空圧)弁等7-efが再び閉じて固定装置Gを固
定し、免震される構造体1と免震される構造体を支持す
る構造体2とを固定して、通常時の状態へ戻す機構であ
る。このとき地震センサーが地震力が一定以下になった
ことを感知してから、一定の時間をおいて固定装置を固
定させるための、タイマーまたは遅延器(8.5.参照)を
設ける場合もある。 8.1.2.4. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.1. 地震センサー(振幅)装置 地震センサー(振幅)装置は、地震センサーと地震セン
サー振幅装置とに分けられる。 1) 地震センサー振幅装置 地震センサー振幅装置には、重力復元型、バネ復元型、
振り子型の3種類がある。地震センサー振幅装置の重り
が、地震力で振動し、重力またはバネ等により元の位置
に戻る。図149〜図150は、地震センサー振幅装置
が、重力復元型の場合である。地震センサー振幅装置1
4の免震皿3は、球面、またはすり鉢等の凹型滑り面部
を有しており、地震時等の振動により振幅が自由にされ
た重り20(滑り部)は、その面を滑り、免震皿の形状
により重力で元の位置に戻る。図151〜図152は、
地震センサー振幅装置が、バネ復元型の場合である。地
震センサー振幅装置15の免震皿3は、平面型滑り面部
を有しており、地震時等の振動により振幅が自由にされ
た重り20(滑り部)は、その面を滑り、重り20(滑
り部)に繋げられたバネ・ゴム・磁石等により元の位置
に戻る。図157〜図158は、地震センサー振幅装置
が振り子型の場合である。地震センサー振幅装置13で
は、地震時等の振動により振幅が自由にされた振り子の
重り20は、重力で元の位置に戻る。 2) 地震センサー装備型固定装置 動電型、圧電型、可変抵抗型(しゅう動抵抗式、ひずみ
ゲージ式等)、可変インダクタンス型(空隙変化型変換
素子、差動トランス等)、サーボ加速度型等の、あるい
はその他地震計等に使用されている形式の電気式振動計
を、地震センサーとして使用する。 8.1.2.4.2. 地震センサー(振幅)装置の設置場所 8.1.2.の各装置において、地震センサーまたは地震セン
サー振幅装置(振り子型13、重力復元型14、バネ復
元型15)の設置場所は、免震される構造体と免震され
る構造体を支持する構造体のどちらでもよいが、地震力
以外の振動が働かない場所、つまり、免震される構造体
を支持する構造体のほうがよい。また地震センサーから
の指令を電気等で送る場合は、地震力以外の振動が働か
ない、地下等の場所も可能である。 8.1.2.4.3. 地震センサー(振幅)装置の設計 (1) 地震センサー(振幅)装置の周期 1) 地震センサー(振幅)装置の周期設計 請求項111項記載の発明は、地震センサー(振幅)装
置の周期に関する発明である。8.1.2.の 地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置の各装置において、地震セ
ンサー(振幅)装置の重り等のセンサー部の周期を(地
震センサー振幅装置の場合は、重りの周期を)、それが
設置される構造体の建てられる敷地の地盤の固有周期に
合わせたものである。地盤周期に同調して共振するよう
な地震センサー(振幅)装置の方が感度が高い。具体的
には、建てられる敷地の地盤種別(1種、2種、3種と
いうような区分)に従い、地震センサー(振幅)装置の
重り20の周期を合わせる。敷地の地盤周期が長周期の
場合は、振り子型の場合には振り子の長さを長く取るこ
とが必要になり、振り子型よりも免震皿による重力復元
型(球面型)・バネ復元型の地震センサー(振幅)装置
が適している。なお、実際には、重り20の周期を地盤
周期に完全に合せることは困難であり、大まかなもので
あっても実用上の問題はない。 2) 地震センサー振幅装置の重り共振装置 請求項112項記載の発明は、地震センサー振幅装置の
重りの共振装置に関する発明である。地震時に重りを共
振させるためには、重り20に繋がる(固定装置へも繋
がる)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8に余裕
(たるみ)を与える必要がある。しかし、たるみを与え
るとセンサー感度が落ちるので、たるみを与えない方法
が望まれる。そこで、重り20の周りに、重りの衝突を
受け、重りにもなる周囲材20-aを設け、その周囲材2
0-aに固定装置に繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等8を取付ける。そうすることにより、 地震時
に重り20を地震と共振させることができ、且つ固定装
置へ繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8に
余裕(たるみ)を与える必要もなくなる。図274は、
その実施例である。重り20は、地震時共振により弾み
をつけて衝突し、周囲材20-aを振動させることにな
る。重り20と周囲材20-aの重さの比を変えることに
より、周囲材20-a自体の振れと重り20の共振のバラ
ンスを考慮して感度に対応できる。重り20と周囲材2
0-aの間隔は、重り20の共振できる幅を持たせるのが
望ましい。 3) 地震センサー振幅装置の複数個重り共振装置 請求項113項記載の発明は、地震センサー振幅装置の
複数個の重りの共振装置に関する発明である。地盤周期
の幅に対応可能なセンサーを考える場合、複数個の重り
20を設けて、その重り20ごとに振動周期を変えるこ
とにより、地盤周期への対応に幅を持たせることが可能
になる。地震(特に初期微動、P波)の(周期−頻度ス
ペクトルをとり)頻度が多い周期ごとに重り20の周期
を合わせる。図275は、その実施例である。 4) 地震センサー振幅装置の複数共振装置 請求項114項記載の発明は、地震センサー振幅装置の
複数共振装置に関する発明である。地盤周期の幅に対応
可能なセンサーを考える場合、地震センサー振幅装置の
振り子の支え自体にもバネを設けて、振り子とバネとに
より二つの周期が得られるようにして、地盤周期の幅に
対応させることが可能になる。地盤周期(特に初期微
動、P波)の(周期−頻度スペクトルをとり)頻度が多
い周期の上位2つに振り子とバネ等(バネ・ゴム等の弾
性体または磁石等)の周期を合わせる。バネは短周期
に、振り子は中長周期に合わせるのがよい。図276、
図277は、その実施例である。地震センサー振幅装置
J-aはバネ等9-uによって支えられており、固定装置G
とは分離して設置されていて、バネ等9-uにより水平方
向に振動できるようになっている。このバネ等9-uは短
周期を、地震センサー振幅装置J-aの重り20及び吊材
20-sからなる振り子はそれより長い周期を、それぞれ
共振域として持ち、装置全体としては両方の周期で共振
が得られるような機構となっている。そして、この振り
子とバネの周期を、地盤周期(特に初期微動、P波)の
(周期−頻度スペクトルをとり)頻度が多い周期の上位
2つにそれぞれ合わせる。この機構によって地震時に地
震センサー振幅装置J-a全体あるいは重り20が振動す
ると、その振幅が重り20の吊材20-sに支持点8-yに
て接続されたワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8
に伝えられ、ついで増幅器の梃子36-bの力点36-lへ
と伝えられる。ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等
8が地震センサー振幅装置J-aと固定装置Gとの間を渡
る部分は、地震センサー振幅装置J-aの振動を吸収でき
るフレキシブルな保護カバー36-ta中を通す場合もあ
る。このワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8に
は、支持点8-yの付近及び梃子36-bの力点36-lの手
前にローラー等のガイド部材19-aが設けられ、地震セ
ンサー振幅装置J-aあるいは重り20の振動の方向が、
ロック部材11を引き抜く方向の力でない場合でも、増
幅器の梃子36-bの力点36-lへは、ロック部材11を
引き抜く方向の力として変換されて伝わるようになって
いる。またワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8と
梃子36-bの力点36-lとの接続箇所は、横長な形状の
穴36-zに、ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8
の端部8-eが、引張力を伝えられる形状で、かつ横長な
形状の穴36-zの範囲で自由に動けるように係り合い、
地震センサー振幅装置J-a及び重り20が静止状態の時
に、端部8-eが横長な形状の穴36-zの、地震センサー
振幅装置J-aに近い側の端に位置するようになってい
る。このとき横長な形状の穴36-zの水平方向の大きさ
は、地震センサー振幅装置J-a及び重り20の最大振幅
より大である。この機構により地震センサー振幅装置J
-a及び重り20の振動による力は、この増幅器以降には
固定ピン7のロック部材11を解除する方向の力しか伝
達されないことになる。この増幅器の梃子36-bによる
と、力点36-lでの変位は、(支点36-hから作用点3
6-ja迄の距離)/(支点36-hから力点36-l迄の距
離)倍されて作用点36-jaでの変位となり、作用点3
6-jaに接続されたロック部材11へ伝えられる変位は
その分増幅される。但し作用点36-jaでの力は、この
倍率にて力点36-lでの力が除された値であるため、そ
の分重り20の重量を大とする必要がある。図276で
は、固定装置Gに設けた遅延器は8.5.2)の油空圧シリン
ダー式と同様の機構となっている。固定装置Gの内部は
粘性のある液体(気体)に浸されており、(挿入筒7-a
から弁7-f、7-fbまでの部分)第1の部分と(弁7-
f、7-fbより以降の部分)第2の部分とに区分されてい
て、固定ピン7が引き込まれる時に開くように付けられ
ている弁7-f、7-fbと、この弁より径の小さい管7-e
(及びロック部材11の部分)とでつながっている。地
震時にロック部材11が解除されて固定ピン7のピスト
ン状部材7-pが挿入筒7-aに引き込まれると、弁7-f、
7-fbを押し開き、液体(気体)は固定ピンの移動した
分だけ、この弁7-f、7-fbを通って第1の部分から第
2の部分へと移動する。一旦引き込まれた固定ピン7は
バネ等9-cにより押し出される方向に力を受けるが、弁
7-f、7-fbが逆流を許さないのでを液体(気体)は弁
7-f、7-fbより径の小さい管7-eを通って第2の部分
から第1の部分に移動することになる。この弁7-f、7
-fbと管7-eとの性格により、ピストン状部材の先端7-
wの動きは、この筒7-aの中に入る方向では速やかであ
り、出る方向では遅延される。固定装置Gの内部にゴミ
や塵埃あるいは水分等が進入するのを阻み、また固定装
置Gの内部から液体(気体)が外部へ漏れ出すことを防
ぐために、挿入筒7-aの開口部にシール部材7-pdを持
った防塵・防水カバー7-pcを設けることも考えられ
る。これは図276の場合のように固定装置Gの外部に
設置しても、また挿入筒7-aの開口部に直接組み込んで
もよい。図277は、図276の実施例の固定ピン7が
二つに分かれている分離型の場合で、風揺れ等の水平力
は外部側固定ピン7-psaだけが受けて、内部側固定ピン
7-pscには水平力が伝達されずにスムーズに上下運動が
可能になる場合である。このとき外部側固定ピン7-psa
の(内部側固定ピン7-pscと接する)端部7-psbと、内部
側固定ピン7-pscの(外部側固定ピン7-psaと接する)端
部7-psdとを、一方が曲率の小さい凹曲面、もう一方が
それよりやや曲率の大きい凸曲面とし、シリンダーに対
して、ピストンとなる外部側固定ピン7-psaの径は小さ
く、内部側固定ピン7-pscの径はぎりぎり大きくして、
つまり、シリンダーに対しての、外部側固定ピン7-psa
の径は隙間が大きく、シリンダーに対して内部側固定ピ
ン7-pscの径は隙間を小さくして、そのことにより内部
側固定ピン7-pscの油圧ピストンとしての密閉性を高め
られ、かつ、外部側固定ピン7-psaが受けた水平力を内
部側固定ピン7-pscに伝えずに、軸方向の力だけをつた
えられ、内部側固定ピン7-pscのシリンダーへのかじり
(かみ込み)を防ぐような仕組みとすることも考えられ
る。この方法は、固定ピン型の全ての固定装置に使用で
きるものである。特にピストン型の固定ピンの場合にな
お有利な方法である。 (2) 全方向感度 1) ラッパ形状の孔 図150、図152、図158に示されている地震セン
サー振幅装置(振り子型13、バネ復元型14、重力復
元型15)のいずれの型も、重り20と固定装置に繋が
るワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8とが結合さ
れる方向と、重り20の地震振幅方向とが合えば、この
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8に伝達される
引抜き力または圧縮力の感度がよく、その他の角度の地
震振幅、特に直角方向ではその感度は悪くなる。請求項
115項記載の発明は、その問題を解決するもので、図
266〜図268は、その実施例を示している。地震振
幅の全方向に対して、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8への、同等の引抜き力または圧縮力伝達を可能
にするものである。地震センサー振幅装置(振り子型1
3、重力復元型14、バネ復元型15)本体の中に、重
り20が、全方向に振動しうる形で設置され、重り20
の上または下にワイヤー・ロープ・ケーブル等8が接合
されて固定装置へと繋がっており、重り20の直上また
は直下の、地震センサー振幅装置の本体(筐体あるいは
支持枠)に(もしくはその内部あるいは外部に)、重り
20に接続されたワイヤー・ロープ・ケーブル等8を通
すすり鉢状またはラッパ形状の孔31を持つ挿入部を設
け、それにより、あらゆる地震力の方向に対して、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル等8への、同等の引張力または
圧縮力の伝達を可能にする。図266は、地震センサー
振幅装置が振り子型の場合、図267は、重力復元型の
場合、図268は、バネ復元型の場合である。図26
7、図268では、重り20が免震皿上を滑る(すべ
る、転がる)場合である。図では、高い感度を考えてロ
ーラーまたはボールべアリング等によって転がる場合で
あるが、すべる場合も当然考えられる。図267は、重
力復元型であり、免震皿は、すり鉢型のものと球面型の
ものとが考えられるが、建てられる敷地の地盤種別1
種、2種、3種の地盤周期に合わせることを考えると、
免震皿は固有周期を合わせられる球面型のものが適して
いる。 2) ローラー状ガイド部材 請求項116項は、地震センサー振幅装置の地震に対す
る感度が、地震力の方向によらず一定となることをはか
った地震センサー振幅装置装備型固定装置の発明であ
る。8.1.2.の(請求項92項〜請求項111項記載の)
地震センサー振幅装置装備型固定装置において、地震セ
ンサー振幅装置の重り20の水平方向に、固定装置Gと
繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等8を結合し、重り
20の(振幅寸法の余裕を取った)すぐ脇にローラー等
のガイド部材19-aを(回転軸等を)垂直方向に二本設
けて、このワイヤー・ロープ・ケーブル等8を通すこと
で、全方向に対して同等の引抜き力または圧縮力の伝達
が可能なように構成されてなることにより、前記目的を
達成するものである。図276、図277は、その実施
例であり、8.1.2.4.3.の(1) 4)において詳述した。 (3) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その1) 請求項117項記載の発明は、増幅器付の地震センサー
振幅装置の発明であり、図269〜図272、図205
は、その実施例である。地震センサー振幅装置に、梃子
・滑車・歯車等を組込むことによって、地震センサー振
幅装置に連結しているワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等の、地震時の引張長さまたは圧縮長さを増幅させ
て、固定装置の、地震に対する感度を高めるという発明
である。図269〜図271は増幅器として梃子が用い
られた場合、図272は、増幅器として歯車が用いられ
た場合の実施例を示している。図269は、地震センサ
ー振幅装置が振り子型の場合である。地震時に振り子の
重り20が振動すると、その重り20が梃子36-bの力
点となり、その振幅が、梃子36-bの支点36-hを経由
して、それが梃子36-bのもう一方の端(梃子の作用
点)36-jに伝わる際に、力点から支点36-hの距離
と、支点36-hから作用点36-jの距離との比に応じて
増幅され、続くワイヤー・ロープ・ケーブル等8の引張
られる長さが増大する。なお、梃子の支点36-hは、全
方向に回転する梃子の支点である。図270は、地震セ
ンサー振幅装置がバネ復元型の場合である。地震時に重
り20が振動すると、重り20の挿入部36-mに挿入さ
れた梃子36-bの力点36-lが連動して振動し、その振
幅が、梃子の支点36-hを経由して、それが梃子36-b
のもう一方の端(梃子の作用点)36-jに伝わる際に、
力点36-lから支点36-hの距離と、支点36-hから作
用点36-jの距離との比に応じて増幅され、続くワイヤ
ー・ロープ・ケーブル等8の引張られる長さが増大す
る。なお、梃子の支点36-hは、全方向に回転する梃子
の支点である。図271は、地震センサー振幅装置が重
力復元型の場合である。地震時に重り20が振動する
と、重り20の挿入部36-mに挿入された梃子36-bの
力点36-lが連動して振動し、その振幅が、梃子の支点
36-hを経由して、それが梃子36-bのもう一方の端
(梃子の作用点)36-jに伝えられる際に、力点36-l
から支点36-hの距離と、支点36-hから作用点36-j
の距離との比に応じて増幅され、続くワイヤー・ロープ
・ケーブル等8の引張られる長さが増大する。なお、梃
子の支点36-hは、全方向に回転する梃子の支点であ
る。また、免震皿は、すり鉢型のものと球面型のものと
が考えられるが、重りの周期を建てられる敷地の地盤種
別1種、2種、3種の地盤周期に合わせることを考える
と、免震皿は球面型のものが適している。図272は、
増幅器として歯車が用いられた場合の実施例であり、地
震センサー振幅装置がバネ復元型の場合を示している。
地震時に重り20が振動すると、その振幅が重り20に
付けられたラック36−cから歯車36−dに伝わり、
歯車36−dが回転する。場合により、歯車がもう一つ
付けられていることもあるが、その場合には歯車36−
dの回転が二つめの歯車36−eに伝わる。そして、歯
車36−dまたは歯車36−eに連結されたワイヤー・
ロープ・ケーブル・ロッド等8が引張られる。このと
き、ラック36−cに対する歯車36−dの大きさ、ま
たは歯車36−dに対する歯車36−eの大きさの比に
応じて、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8の引
張られる長さが増大する。なお、図270〜図272の
実施例においては、重り20の下部に、ボール(ベアリ
ング)5-eを設置しているが、ボール(ベアリング)5-
eに代えてローラー(ベアリング)5-fを使用することも
可能である。図205は、請求項117項の発明の、増
幅器付き地震センサー振幅装置の実施例である。地震時
に重り20が振動すると、その振幅が重り20に接続さ
れたロッド等8-dに伝えられ、ついで増幅器の梃子36
-bの力点36-lへと伝えられる。このロッド等8-dには
フレキシブルジョイント8-jを設け、重り20の振動の
方向に関わらず、増幅器の梃子36-bの力点36-lへは
一方向の力しか伝達されないようになっている。またロ
ッド等8と梃子36-bの力点36-lとの接続箇所は、横
長な形状の穴36-zに、ロッド等8-dの端部8-eが、引
張力を伝えられる形状で、かつ横長な形状の穴36-zの
範囲で自由に動けるように係り合い、重り20が静止状
態の時に、端部8-eが横長な形状の穴36-zの、重り2
0に近い側の端に位置するようになっている。このとき
横長な形状の穴36-zの水平方向の大きさは、重り20
の最大振幅より大である。この機構により重り20の振
動による力は、この増幅器以降には固定ピン7のロック
部材11を解除する方向の力しか伝達されないことにな
る。この増幅器の梃子36-bによると、力点36-lでの
変位は、(支点36-hから作用点36-j迄の距離)/
(支点36-hから力点36-l迄の距離)倍されて作用点
36-jでの変位となり、作用点36-jに接続されたロッ
ド等8-dへ伝えられる変位はその分増幅される。但し作
用点36-jでの力は、この倍率にて力点36-lでの力が
除された値であるため、その分重り20の重量を大とす
る必要がある。なお、図272を除き、図269〜図2
71の梃子の支点36-hは、梃子36-bが全方向に回転
できるようなものとなっている。図270〜図271の
梃子36-bの力点が入り込む重り20の挿入部36-m
も、球面またはすり鉢等の凹形状になっており、梃子3
6-bの先端部が追随でき、どの方向からの地震力を伝達
できるようなものとなっている。そのため、これらの装
置は、8.1.2.4.3.の(2)と同様、地震力がどの方向から
働いても、同等の感度(引抜き力または圧縮力の伝達)
を可能にするものである。 (4) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その2) 請求項118項記載の発明は、増幅器付の地震センサー
振幅装置の発明であり、図273は、その実施例であ
る。下部が球状で自由に転がることのできる形状の重り
20-bを免震皿上に乗せ、その上部に梃子36-bの力点
が入り込む挿入部36-mを設ける。地震力を受けて重り
20-bが転がると、力点36-lも連動して動き、これに
よって梃子36-bの作用点36-jも動くことになる。こ
のとき力点36-lの動きの振幅は、地震変位振幅に加
え、重り20-b(及び挿入部36-m)の回転が力点36
-lに与える変位分とからなる。この力点36-lの振幅
が、力点36-lから支点36-hの距離と、支点36-hか
ら作用点36-jの距離との比に応じて増幅され、作用点
36-jの動きの振幅となる。この2重に増幅された作用
点36-jの動きによって、接続されているワイヤー・ロ
ープ・ケーブル等8の引っ張られる長さが増大する。な
お、梃子の支点36-hは、全方向に回転する梃子の支点
である。また梃子36-bの力点が入り込む重り20-bの
挿入部36-mも、球面またはすり鉢等の凹形状になって
おり、梃子36-bの先端部が追随でき、全方向からの地
震力を伝達できるようなものとなっている。またこの方
式では、重り20-b自体が自由に転がることができるた
め、図271等で使用されている重り20下のボール
(ベアリング)5-eを無しにできる。 8.1.3. 連動作動型固定装置 図148、図170〜図178は、連動作動型固定装置
の実施例を示している。連動作動型固定装置は、複数個
の固定装置からなり、各固定装置同士が、相互に連動し
て作動することを特徴とするものである。複数の固定装
置を、相互に連動させずに一つの構造体に設置した場
合、地震力が働いたときに、各固定装置が同時に解除さ
れるとは限らず、その場合、構造体は固定されている箇
所を中心に、捩れた動きをしてしまう。連動作動型固定
装置の開発は、その問題を解消するために、各固定装置
が同時に解除するようにする方法を考えたものである。
請求項119項は、複数の固定装置からなり、それぞれ
の固定装置の作動部またはロック部材が相互に連動する
仕組みをもつ固定装置であり、固定装置の作動部または
ロック部材同士を連動させることによって、複数の固定
装置を同時に解除するように構成されているものであ
る。 8.1.3.1. 連動作動型固定装置 この連動作動型固定装置は、上記の8.1.1.の剪断ピン
型固定装置だけに使用可能なものである。図148は、
請求項120項記載の発明の実施例を示している。剪断
ピン型固定装置を含む複数の固定装置からなり、それぞ
れの固定ピン等の固定装置の作動部またはロック部材が
相互に連動する仕組みをもつ固定装置である。固定装置
の作動部またはロック部材同士を連動させることによっ
て、複数の固定装置を同時に解除させようとするもので
ある。具体例の一つとしては、一定以上の地震力により
折れるか切れるかする構造をもつ剪断ピン型固定装置
(8.1.1.)を含む2つ以上の固定装置において、剪断ピン
型固定装置の固定ピン7と、他の固定装置の作動部をロ
ックするロック部材11とが、相互にワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等8で繋がれており、地震時に、地
震力によって剪断ピン型固定装置の固定ピン7が折れる
か切れるかすると、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8で連動して、他の固定装置の前記ロック部材11
が解除され、各固定装置が同時に解除され、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固
定を解除するように構成されるものがあげられる。具体
的には、剪断ピン型固定装置の固定ピン7-sと、それ以
外の固定装置の、固定ピン7をロックする部材11(以
下、「ロック部材」と言う)とが相互にワイヤー・ロー
プ・ケーブル・ロッド等8で繋がり、引張用のバネ等
(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-tによって引
っ張られている。ロック部材11には、固定ピン7が貫
通できる大きさのロック孔11-vが開けられており、ロ
ック孔11-vの縁(へり)と、固定ピン7に設けられた
欠き込み・溝・窪み7-cとが嵌まり込むことにより、固
定ピン7がロックされている。また、ロック部材11
は、固定ピンのロックまたは解除する方向にスライドで
きるようにされている。地震時に、地震力によって前記
剪断ピン型固定ピン7-sが折れるか切れるかすると、重
力またはバネ等9-tの力によりこの剪断ピン7-sは挿入
部7-vから引抜かれ、前記ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等8が緩み、このワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等8で連動している他の固定ピン7のロック部
材11が、引張用のバネ等9-tにより引張られて固定ピ
ン7の欠き込み・溝・窪み7-cから外れ、固定ピン7の
ロックが解除される。そして、この固定ピン7に付けら
れた圧縮用のバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石
等)9-c(引張用のバネ等9-tの場合も当然考えられ
る)により、固定ピン7が外れて、免震される構造体1
の固定が解除される。また、固定装置Gが免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2に対して
図とは逆向きに取り付けられ、ワイヤー・ロープ・ケー
ブル・ロッド等8も逆になる場合もある。この発明は、
8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、8.2.
風作動型固定装置にも適用できるものである。これら、
8.1.2.、8.2.、8.3.の固定装置が複数個用いられる場合
には、電気指令、メカニカル指令等によって各固定装置
を同時に作動させる方法を採ることもある。この装置の
開発により、剪断ピン型の固定装置の欠陥である剪断ピ
ン2個以上設置の場合の問題を解決する。つまり、複数
の固定ピンが同時に切断されない場合、切断されなかっ
た(ロックが解除されなかった)固定ピンによって、地
震力が働くと、固定されている箇所を中心に、捩れた動
きをする。その欠点を解消するためには、同時に固定ピ
ンを解除する形が求められた。この装置は、この問題を
解決する。以下に説明する連動作動型固定装置〜
は、上記の8.1.1.の剪断ピン型固定装置だけでなく、8.
1.2.以下に説明される地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置においても使用可能なものである。 8.1.3.2. 連動作動型固定装置 図170〜図171は、請求項121項記載の発明の、
連動作動型固定装置の実施例を示している。風揺れ等
を防止する固定装置が2個以上用いられ、各固定ピンに
は、それをロックする機能をもった部材(ロックピン・
ロック弁等、以下、「ロック部材」と呼ぶ)が、固定ピ
ンのロックまたは解除する方向にスライドできるような
状態で、組み合わされている。ロック部材同士は、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまたレリーズ等で連結
されている。地震時に、(地震力によって重りが振動す
る)地震センサー振幅装置、地震センサー装置、または
剪断ピン型固定装置が、このロック部材の一つに、固定
ピンのロックを解除する方向(押出し方向、または引抜
き方向)に作用すると、ワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッドまたレリーズ等の連結により、それぞれの固定ピ
ンのロック部材が、同時に、それぞれの各固定装置を解
除する仕組みである。この装置は、 8.1.2.の地震セン
サー(振幅)装置装備型(固定装置用)と、8.1.1.の剪
断ピン型(固定装置用)とに分かれ、以下に説明する。 (1) 地震センサー(振幅)装置装備型 図170は、地震センサー(振幅)装置(8.1.2.)を装備
した連動作動型固定装置の実施例を示している。図17
0は、ロック部材が、ロックピンである場合のものであ
る。ロック部材11には、固定ピン7をロックするため
の、固定ピン7が貫通できる大きさのロック孔11-vが
開けられており、固定ピン7に設けられた欠き込み・溝
・窪み7-cにロック孔11-vの縁が嵌まり込むことによ
り、固定ピン7がロックされている。ロック部材11同
士は、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8で連結
されており、ロックが解除される方向に連動し、その逆
方向にはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
9で戻り(図170では9-c)、地震時に、地震センサ
ー振幅装置(振り子型13、重力復元型14、バネ復元
型15)(8.1.2.4.参照)の振動する重り20が、直接
またそれに連動した部材を介して(例えば、図165の
ように作用部(押出し部・引張り部等)17を介して、
また、図173のようにレリーズ8-r内のワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等8と繋がれて)、または、地
震センサー装置が ロック部材制御装置47等を介し
て、ロック部材11の一つに、ロック部材11を解除す
る方向に(図170中の白抜き矢印の押出し、また引抜
き方向に)作用し、そのロック部材11にあけられたロ
ック孔11-vに、嵌め込まれてロックされている各固定
ピン7が同時に解除される。また、各ロック部材11
が、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8のかわり
にレリーズ等8-rで連結される場合は、そのレリーズ等
8-rにより押出し方向と引張り方向の両方向に連動可能
である。なお、ロック部材11のロック解除の方向の逆
方向には、いずれかのロック部材11の一つにバネ等9
(図では9−c)を付けて復元させる必要はある。図2
06は、8.1.2.2.4. 2)の固定装置が二個以上設置さ
れ、連動作動する場合の実施例を示している。2つ以上
の、この固定装置において、固定ピン7をロックしてい
る第1のロック部材7-l同士をワイヤー・ロープ・ケー
ブル・ロッドまたはレリーズ等8-rで繋ぎ、片方が動く
と他方も動くように構成する。 (2) 剪断ピン型 図171は、8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含む複数の
固定装置からなる連動作動型固定装置の実施例を示して
いる。欠き込み・溝・窪み7-cにロック部材のロック孔
11-vの縁に嵌め込まれてロックされている剪断ピン型
固定ピン7-sが、地震時に、折れるか切れるかして、重
力またはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
9-tの力により挿入部7-vから引抜かれると、ロック孔
11-vの縁に嵌まっていた固定ピン7-sの欠き込み・溝
・窪み7-cの形状により、ロック部材11が押し出され
る等して、その動きが、ワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等8またはレリーズ等8-rによって、他の固定装
置のロック部材11を、固定ピンのロックを解除する方
向に連動させ、それにより、各固定ピン7が同時に解除
される。 8.1.3.3. 連動作動型固定装置 図172〜図174は、請求項122項記載の発明の、
連動作動型固定装置の実施例を示している。風揺れ等
を防止する複数個の固定装置において、各固定ピンをロ
ックする機能の複数個のロック孔11-vを持ったロック
部材が、固定ピンをロックまたは解除する方向に可動
(スライド)できるようになっており、地震時にロック
部材が押し出されるか引き戻されるかすると、ロックす
る機能をもつロック孔11-vから、それぞれの固定ピン
が外れて、同時に解除されるというものである。ロック
部材の形態としては、固定装置の数に応じ、枝分かれの
ないもの、三つ又、四つ又、またそれ以上に枝分かれし
たものなどが考えられる。この装置は、 8.1.2.の地震
センサー(振幅)装置装備型(固定装置用)と、8.1.1.
の剪断ピン型(固定装置用)とに分かれ、以下に説明す
る。 (1) 地震センサー(振幅)装置装備型 図172〜図173は、地震センサー(振幅)装置(8.
1.2.)を装備した連動作動型固定装置の実施例を示して
いる。地震時に、地震センサー振幅装置(振り子型1
3、重力復元型14、バネ復元型15)の振動する重り
20が、直接またはそれに連動した部材を介して(例え
ば、図165のように作用部(押出し部・引張り部等)
17を介して、また、図173のようにレリーズ8-r内
のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8と繋がれ
て)、または、地震センサー装置が ロック部材制御装
置47等を介して、ロック部材11の端部の一つに、ロ
ック部材11を解除する方向に(図172中の白抜き矢
印の押出し、また引抜き方向に)作用し、そのロック部
材11にあけられた複数個のロック孔11-vの縁に固定
ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに嵌まり込むことによ
りロックされている各固定ピン7が同時に解除される。
なお、ロック部材11のロック解除の方向とは逆方向に
働くバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9
(図172〜図173では9-cだが、9-tによって復元
させる方法もある)を付けて復元させる必要はある。 (2) 剪断ピン型 図174は、8.1.1.の剪断ピン型固定装置を含む複数の
固定装置からなる連動作動型固定装置の実施例を示して
いる。欠き込み・溝・窪み7-cにロック部材のロック孔
11-vの縁が嵌め込まれてロックされている剪断ピン型
固定ピン7-sが、地震時に、折れるか切れるかして、重
力またはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
9-tの力により外れると、ロック孔11-vの縁に嵌まっ
ていた固定ピン7-sの欠き込み・溝・窪み7-cの形状に
より、ロック部材11が押し出される等して、固定ピン
の解除方向に動き、このロック部材11の他のロック孔
11-vの縁に嵌まっていた各固定ピン7が同時に解除さ
れる。なお、図174は、分岐のないロック部材に、2
つのロック孔11-vが開けられている場合であり、図1
72は、三つ又、四つ又、またそれ以上にわかれている
ロック部材に個々にロック孔11-vをもち、地震時に同
時に解除される場合である。当然のように、図174に
おいても、図172と同様に、三つ又、四つ又、またそ
れ以上にわかれているロック部材が考えられる。 8.1.3.4. 連動作動型固定装置 図175〜図178は、請求項123項記載の発明の連
動作動型固定装置の実施例を示している。風揺れ等を
防止する複数個の固定装置において、各固定ピンをロッ
クする機能の複数個のロック孔11-vを持ったロック部
材が、ロック部材の一つの点を軸にして回転できるよう
に取付けられており、地震時に、ロック部材を回転方向
へ押出すか引戻すかすることにより、それぞれの固定装
置が同時に解除されるものである。ロック部材の形態と
しては、固定装置の数に応じ、 枝分かれのないもの、
三つ又、四つ又、またそれ以上に枝分かれしたものなど
が考えられる。図175、図176は、ロック部材が枝
分かれしていない場合であり、図177は、ロック部材
が三つ又に、図178は、四つ又に分かれている場合で
ある。この装置は、 8.1.2.の地震センサー(振幅)装
置装備型(固定装置用)と、8.1.1.の剪断ピン型(固定
装置用)とに分かれ、以下に説明する。 (1) 地震センサー(振幅)装置装備型 図175、図177は、地震センサー(振幅)装置(8.
1.2.)を装備した連動作動型固定装置の実施例を示して
いる。図175は、ロック部材が枝分かれしていない場
合のものである。回転できるロック部材の両端に固定ピ
ン7をロックするためのロック孔11-vがあり、地震時
に、地震センサー振幅装置の、地震時に自由に振動する
重り20が、直接またはそれに連動する部材を介して
(例えば、図165のように作用部(押出し部・引張り
部等)17を介して、また、図173のようにレリーズ
8-r内のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド8と繋が
れて)、または、地震センサー装置が ロック部材制御
装置47等を介して、ロック部材11の一端を、固定ピ
ンからロックが外れる回転方向(図175中の白抜き矢
印の押出し方向、または引抜き方向)に作動させること
により、そのロック部材11にあけられた複数個のロッ
ク孔11-vの縁に固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-c
に嵌まり込むことによりロックされている各固定ピン7
が同時に解除される。なおロック部材に、ロック解除と
は逆の回転方向に働くバネ等(バネ・ゴム等の弾性体ま
たは磁石等)9(図175では9-c)を付けて、復元力
をもたせる必要がある。図177は、ロック部材が枝分
かれしている場合のものである。三つ又、四つ又、また
それ以上に枝分かれし、その分岐した個々の端部に固定
ピン7をロックするためのロック孔11-vをもったロッ
ク部材が、ロック部材の一つの点11-xを軸として回転
できるように取付けられており、地震時に、地震センサ
ー振幅装置(振り子型13、重力復元型14、バネ復元
型15)の振動する重り20が、直接またそれに連動し
た部材を介して(例えば、図165のように作用部(押
出し部・引張り部等)17を介して、また、図173の
ようにレリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等8と繋がれて)、または、地震センサー装置が
ロック部材制御装置47等を介して、このロック部材
11の枝分かれした一つに、固定ピン7のロックを解除
する回転方向(図177中の白抜き矢印の押出し、また
引抜き方向)へ作用し、そのロック部材11にあけられ
た複数個のロック孔11-vの縁に固定ピン7の欠き込み
・溝・窪み7-cに嵌まり込むことによりロックされてい
る各固定ピン7が同時に解除される。なお、ロック部材
11にロック解除と逆回転方向に働くバネ等9(図17
7では9-c)を付けて、復元力を持たせる必要がある。 (2) 剪断ピン型 図176、図178は、8.1.1.の剪断ピン型固定装置を
含む複数の固定装置からなる連動作動型固定装置の実施
例を示している。図176は、ロック部材が枝分かれし
ていない場合のものである。欠き込み・溝・窪み7-cに
ロック部材のロック孔11-vの縁が嵌め込まれてロック
されている剪断ピン型固定ピン7-sが、地震時に、折れ
るか切れるかして、重力またはバネ等(バネ・ゴム等の
弾性体または磁石等)9-tの力により挿入部7-vから引
抜かれると、ロック孔11-vの縁に嵌まっていた固定ピ
ン7-sの欠き込み・溝・窪み7-cの形状により、ロック
部材11が押し出される等して、固定ピンの解除方向に
回転し、このロック部材11の他のロック孔11-vの縁
に嵌まっていた各固定ピン7が同時に解除される。図1
78は、ロック部材が枝分かれしている場合のものであ
る。欠き込み・溝・窪み7-cにロック部材のロック孔1
1-vの縁が嵌め込まれてロックされている剪断ピン型固
定ピン7-sが、地震時に、折れるか切れるかして、重力
またはバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9
-tの力により挿入部7-vから引抜かれると、ロック孔1
1-vの縁に嵌まっていた固定ピン7-sの欠き込み・溝・
窪み7-cの形状により、ロック部材11が押し出される
等して、固定ピンの解除方向に回転し、このロック部材
11の他のロック孔11-vの縁に嵌まっていた各固定ピ
ン7が同時に解除される。なお、図175〜図178の
平面図中の※印の付いた鉤矢印は、その下の断面図の切
断方向を表しているものである。以上の8.1.3.2.連動作
動型固定装置〜8.1.3.4.連動作動型固定装置の地震
センサー振幅装置(振り子型13、重力復元型14、バ
ネ復元型15)において、そのロック部材11の解除に
対する感度を自由に変えられるように、作用部(押出し
部・引張り部等)17とロック部材11との距離を、ス
ライド装置24等を設けて調整可能にしておくか、地震
センサー振幅装置の重り20とロック部材とを繋いでい
るレリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド8の長さ(弛みの有無)を調整可能にしておくかによ
り、または、振り子型等の地震センサー振幅装置を用い
る場合には、振り子の吊り長さを調整可能にしておく等
の方法により、固定装置の感度(どれだけの地震力にな
ると固定が解除されるか)を自由に設定できるようにす
ることが可能である。 8.1.3.5. 連動作動型固定装置 請求項124項記載の発明は、地震時に、地震センサー
からの電気信号により、同時に1個もしくは複数個の固
定ピンが解除される方式の連動作動型固定装置である。
固定の解除の仕方に関して、次の2種類に分かれる。 (1) 電気で固定ピン自体が解除されるもの 地震時に、地震センサーからの電気信号により、1個も
しくは複数個の固定ピン自体が解除されるもの。 (2) 電気で固定ピンのロックのみが解除されるもの 地震時に、地震センサーからの電気信号により、1個も
しくは複数個の固定ピンのロックが解除され、固定ピン
自体は、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)
及び地震力等により解除されるもの。(1) の固定ピンの
解除は、速やかさを要求され、大きな電力等を要求され
るが、(2) の固定ピンのロック解除のみの場合には、
(1)の固定ピンの解除の場合に比べて少ない電力で済
み、また簡易な機構で済む。請求項124項は、(2)の
電気で固定ピンのロックのみが解除される場合の発明で
ある。具体的には、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置を1個または複数個もった固定装置にお
いて、それぞれの固定装置の固定が、またはロック部材
による固定装置の作動部のロックが、地震センサーから
の電気信号によってなされるように構成される。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置 請求項139−3項は、風センサーを持つ(地震センサ
ー付)地震作動型固定装置であり、風センサーにより一
定風圧になると固定装置をロックさせるように構成され
てなることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備
型固定装置、またそれによる免震構造体である。 8.2. 風作動型固定装置 請求項140項記載の風作動型固定装置は、地震時およ
び風のない通常時は免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との固定を解除しており、一定以上
の風圧時にのみ、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とを固定するという型の固定装置であ
る。風作動型固定装置は、以下のように分けられる。 (1) 固定装置の固定作動方式 風作動型固定装置も、風そのものの力で反応(作動)す
る 1)風力反応型と、風センサーからの電気等の指令で
作動する 2)風センサー型と、風そのものの力で発電し
て作動する 3)風力発電型に分かれる。 1) 風力反応型(8.2.2.油圧型、8.2.3.機械型) 2) 風センサー装備型(8.2.1.風センサー装備型固定装
置、8.2.4.電気型) 3) 風力発電機型(8.2.5. 風力発電機型風センサー装備
型) (2) 固定装置の作動部制御方式(直接方式・間接方式) 以上のそれぞれは、固定装置の作動部の固定に関して、
風力・風センサーからの力で、固定装置の作動部自体を
直接制御する直接方式と、固定装置の作動部のロックを
制御する間接方式とに分かれる。 1) 間接方式:固定装置の作動部のロックのみを制御す
るタイプ 2) 直接方式:固定装置の作動部を直接制御するタイプ (3) 間接方式のロック形式について 上記の間接方式について、固定装置の作動部のロック部
材は、ロック形状から、8.1.の地震作動型固定装置と同
様に、次の2つに分けられる。 1) ロックピン方式 2) ロック弁方式 以上のそれぞれは、固定装置の作動部のロック方式か
ら、8.1.と同様に、次の2つに分けられる。 1) 一段ロック方式 2) 二段以上ロック方式 さらに、以上のそれぞれは、ロックの個数から、8.1.と
同様に、次の2つに分けられる。 1) 一重ロック方式 2) 二重以上ロック方式 また、以上のすべての方式に遅延器付き((1)の2)、ま
たは8.5.参照)が考えられる。 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型) 請求項141項は、風センサーを装備した固定装置(風
センサー装備型固定装置)の発明である。具体的に言え
ば、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定して、風揺れ等を防止する固定装置におい
て、風センサーによって、ある一定以上の風圧時にの
み、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定し、風揺れ等を防止するように構成されて
なることを特徴とする風作動型固定装置である。 1) 固定ピン型固定装置の場合 固定ピン型固定装置( 8.0.1.参照)の場合には、風セ
ンサーの反応によって、一定以上の風力また風圧になる
と、固定ピン7が挿入部7-vに挿入され、免震される構
造体を固定し、一定以下の風力また風圧になると、固定
ピン7がまた解除されるものである。 2) 連結部材弁型固定装置の場合 連結部材弁型固定装置( 8.0.1.参照)の場合には、風
センサーの反応によって、一定以上の風力また風圧にな
ると、連結部材弁型固定装置の弁が閉じられ、免震され
る構造体を固定し、一定以下の風力また風圧になると、
弁がまた解除されるものである。「ある一定以上の風力
また風圧」、また「ある一定以下の風力また風圧」(風
センサーがどのくらいの風力また風圧になると固定装置
をセット(=ロック・固定)させ、またどれくらいまで
治まると固定装置を解除させるか)に関しては、調整可
能にしておき、敷地ごとの状況に応じて設定できるよう
にする。 (1) 直接方式 請求項142項は、風センサー装備型固定装置の直接方
式の発明である。直接方式は、風力・風センサーからの
力または指令により、固定装置の作動部自体を直接制御
する方式である。直接方式は、連結形態から、1)固定ピ
ン型固定装置と2)連結部材弁型固定装置の2つの型に分
けることができる。 1) 固定ピン型固定装置 請求項143項は、風センサー装備型固定装置の直接方
式の固定ピン型固定装置の発明である。図135〜図1
37は、風作動型固定装置のうち、固定ピン型固定装置
(不可撓部材型連結部材系)の実施例である。この図1
35〜図137の例では、ピストン状部材2-p、1-pを
固定ピン7が直接ロックし、免震される構造体1と免震
される構造体を支持する構造体2とを固定する。図13
5(a)(b)は固定ピン7がピストン状部材2-p、1-pに設
けられた固定ピン挿入部7-vに挿入され、ロックされる
場合の例、図136は固定ピン7の先端7-w、及びピス
トン状部材2-p、1-pの固定ピン7の先端7-wが突き当
たる部分が摩擦抵抗の大きくなるような形状であり、相
互にかみ合ってロックされる摩擦型固定装置の場合の
例、図137は固定ピン7がピストン状部材2-p、1-p
に設けられたすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-v
mに挿入され、地震後の残留変位に対処した場合(8.6.
(1)(2)参照)の例である。この固定装置Gは、免震され
る構造体1と、免震される構造体を支持する構造体2と
の間に設置され、図135(a)、図136では、免震さ
れる構造体を支持する構造体2の部材からなるピストン
状部材2-pが、ユニバーサル回転接点2-xを介して、免
震される構造体を支持する構造体2に設置された支持部
材2-gに接続されており、免震される構造体1の部材か
らなるその挿入筒1-aが、支持部材1-g及びユニバーサ
ル回転接点1-xを介して、免震される構造体1に設置さ
れた支持部材1-gに接続されている。図135(b)、図
137では、免震される構造体1の部材からなるピスト
ン状部材1-pが、ユニバーサル回転接点1-xを介して、
免震される構造体1に設置された支持部材1-gに接続さ
れており、免震される構造体を支持する構造体2の部材
からなるその挿入筒2-aが、支持部材2-g及びユニバー
サル回転接点2-xを介して、免震される構造体を支持す
る構造体2に設置された支持部材2-gに接続されてい
る。これらは免震される構造体1及び免震される構造体
を支持する構造体2と、固定装置Gとの関係が、左右あ
るいは上下に入れ替わった対称型である。この固定ピン
7は風センサー7-qとワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8によって連動し、通常はバネ等9-tによりピス
トン状部材2-p、1-pをロックしない機構になってい
る。風センサー7-qが一定以上の風圧を感知すると、固
定ピン7がワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8か
ら、ピストン状部材2-p、1-pをロックする方向の力を
受け、固定装置Gをロックし、免震される構造体1と免
震される構造体を支持する構造体2とを固定し、風セン
サー7-qが風圧が一定以下になったことを感知すると、
固定ピン7がワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8
から、ピストン状部材2-p、1-pをロックする方向の力
を受けなくなり、固定装置Gのロックを解除し、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
の固定を解除して、通常の状態へ戻す機構である。この
とき風センサー7-qが風圧が一定以下になったことを感
知してから、一定の時間をおいて固定装置を解除させる
ための、タイマーまたは遅延器(8.5.参照)を設ける場
合もある。図141〜図142(図141は直接方式、
図142は間接方式であるが合わせて説明すると)は、
固定ピン型固定装置(不可撓部材型連結部材系)の実施
例で、共に風センサー7-qからの信号により作動する電
気型である。この図141〜図142の例では、ピスト
ン状部材2-p、1-pを固定ピン7が直接ロックし、免震
される構造体1と免震される構造体を支持する構造体2
とを固定するが、図141は固定ピン7の先端7-w、及
びピストン状部材2-p、1-pの固定ピン7の先端7-wが
突き当たる部分が摩擦抵抗の大きくなるような形状であ
り、相互にかみ合ってロックされる摩擦型固定装置の場
合の例、図142は固定ピン7がピストン状部材2-p、
1-pに設けられたすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部
7-vmに挿入され、地震後の残留変位に対処した場合
(8.6.(1)(2)参照)の例である(なお、図142は間接
方式である)。図141では、免震される構造体を支持
する構造体2の部材からなるピストン状部材2-pが、ユ
ニバーサル回転接点2-xを介して、免震される構造体を
支持する構造体2に設置された支持部材2-gに接続され
ており、免震される構造体1の部材からなるその挿入筒
1-aが、支持部材1-g及びユニバーサル回転接点1-xを
介して、免震される構造体1に設置された支持部材1-g
に接続されている。このタイプにも図135〜図137
の場合と同様に、免震される構造体1及び免震される構
造体を支持する構造体2と、固定装置Gとの関係が、左
右あるいは上下に入れ替わった対称型がある。図142
についても、図141と同様に対称型がある。通常時こ
の固定ピン7は、バネ等9-t、9-cにより、ピストン状
部材2-p、1-pをロックしない機構になっている。風セ
ンサー7-qが一定以上の風圧を感知すると、図141で
は固定装置自動制御装置(電磁石)22-aが作動し、固
定ピン7にピストン状部材2-p、1-pをロックする方向
の力を加えることで固定装置Gをロックし、図142で
はロック部材制御装置(モーター)46が作動し、固定
ピン7がすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vmか
ら脱しないよう、ロック部材11を動かして固定ピン7
をロックすることで固定装置Gをロックし、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2とを固
定し、風センサー7-qが風圧が一定以下になったことを
感知すると、図141では固定装置自動制御装置(電磁
石)22-aが作動を止め、固定ピン7は固定装置Gを解
除し、図142ではロック部材制御装置(モーター)4
6が作動を止め、ロック部材11を動かして固定ピン7
のロックを解除して固定装置Gを解除し、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固定
を解除して、通常の状態へ戻す機構である。このとき風
センサー7-qが風圧が一定以下になったことを感知して
から、一定の時間をおいて固定装置を解除させるため
の、タイマーまたは遅延器(8.5.参照)を設ける場合も
ある。また、この他に、可撓部材型連結部材系の、また
固定ピン系直接方式の固定ピン型固定装置(図209、
8.2.2.(1)参照)があげられる。 2) 連結部材弁型固定装置 請求項144項は、風センサー装備型固定装置の直接方
式の連結部材弁型固定装置の発明である。連結部材弁型
固定装置は、不可撓部材の場合、可撓部材の場合に分か
れる。 a. 不可撓部材の場合 不可撓部材の場合には、免震される構造体を支持する構
造体2または免震される構造体1のいずれか一方の構造
体に設置された固定装置の作動部ともう一方の構造体と
を、不可撓部材の連結部材で繋ぐ。図145は、この不
可撓部材の連結部材弁型固定装置の実施例である。この
固定装置Gは、免震される構造体1と、免震される構造
体を支持する構造体2との間に設置され、図145(a)
では、筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドす
る、免震される構造体を支持する構造体2の部材からな
るピストン状部材2-pが、ユニバーサル回転接点2-xを
介して、免震される構造体を支持する構造体2に設置さ
れた支持部材2-gに接続されており、免震される構造体
1の部材からなるその挿入筒1-aが、支持部材1-g及び
ユニバーサル回転接点1-xを介して、免震される構造体
1に設置された支持部材1-gに接続されている。図14
5(b)では、筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドする、免震される構造体1の部材からなるピストン
状部材1-pが、ユニバーサル回転接点1-xを介して、免
震される構造体1に設置された支持部材1-gに接続され
ており、免震される構造体を支持する構造体2の部材か
らなるその挿入筒2-aが、支持部材2-g及びユニバーサ
ル回転接点2-xを介して、免震される構造体を支持する
構造体2に設置された支持部材2-gに接続されている。
これらは免震される構造体1及び免震される構造体を支
持する構造体2と、固定装置Gとの関係が、左右あるい
は上下に入れ替わった対称型である。さらに、この挿入
筒1-a、2-aの、ピストン状部材2-p、1-pにより仕切
られた反対側同士(ピストン状部材がスライドする範囲
の端と端と)を繋ぐ液体・気体等の経路(管)7-eが設
けられており、この経路7-eの途中にこの固定装置Gの
固定弁である、電動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧式
(液圧・空圧)弁等7-efが設置される。この弁(固定
弁)7-efは、風センサー7-qと信号線7-qlによって連
動し(電動弁・電磁弁等の電気式の場合は、風センサー
7-qと電線等によって連動し、機械式弁・油空圧式(液
圧・空圧)弁の場合は、風センサー7-qとワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等または液体・気体等の通る管
によって連動し)、その指令・動きによって開閉するも
のである。通常この電動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧
式(液圧・空圧)弁等7-efは開いており、挿入筒1-
a、2-a内の液体・気体等は、自由に経路(管)7-e内
を移動できる。風センサー7-qが一定以上の風圧を感知
すると、連動するこの電動弁、電磁弁、機械式弁、油空
圧式(液圧・空圧)弁等7-efが閉じて固定装置Gをロ
ックし、免震される構造体1と免震される構造体を支持
する構造体2とを固定し、風センサー7-qが風圧が一定
以下になったことを感知すると、連動するこの電動弁、
電磁弁、機械式弁、油空圧式(液圧・空圧)弁等7-ef
が再び開いて固定装置Gのロックを解除し、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固
定を解除して、通常の状態へ戻す機構である。このとき
風センサー7-qが風圧が一定以下になったことを感知し
てから、一定の時間をおいて固定装置を解除させるため
の、タイマーまたは遅延器(8.5.参照)を設ける場合も
ある。 b. 可撓部材の場合 可撓部材の場合には、 連結部材が可撓部材であること
を除けば、不可撓部材の場合と基本的に同じ構成であ
る。免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、前記固定装
置の設置された構造体側に設けられた挿入口31を介し
て、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材8-fの連
結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓部材8-fと
の支持点は360度回転可能なフレキシブルジョイント
8-fjとなる。挿入口31の形状に関しては、一方向
(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせる場合は、
角を取った曲面形状の挿入口、コロを介しての挿入口、
全方向復元性能を持たせる場合は、角を取った曲面鉢状
の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等の形状の挿
入口のように、可撓部材8-fとその挿入口31とが接す
る角を丸めるか、コロ等の回転子を介する(その場合
は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二軸とは互い
に直交方向をなす)に分けてそれに対応してコロ等の回
転子を設ける必要がある)等により、摩擦を小さくした
方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦材がよく、
強度も必要である。図146は、この可撓部材の連結部
材弁型固定装置の実施例で、風センサー7-qからの信号
により作動する電気型である。 (2) 間接方式 間接方式は、風力・風センサーからの力または指令によ
り、固定装置の作動部のロックを制御する方式である。 a) 一般 請求項145項は、固定装置とロック部材の組合せの場
合である。免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固定装置
において、風センサー等で一定以上の風圧を感知する
と、固定装置の作動部をロックするロック部材を働かせ
て固定装置をロックし、免震される構造体と免震される
構造体を支持する構造体とを固定するように構成されて
なることを特徴とする風センサー装備型固定装置であ
る。 b) 固定ピン型の場合 請求項146項は、固定ピンとロック部材の組合せの場
合である。これは、 a. 固定ピン系の間接方式のピン型(ロックピン) b. 固定ピン系の間接方式の弁型(ロック弁) c. 連結部材系の間接方式ピン型(固定ピンとロック部
材(ロックピン、ロック弁)) の3種類に分かれる(8.0.1.固定装置の分類1)。具体的
には、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免震
される構造体に、もう一方を免震される構造体を支持す
る構造体に設け、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを挿入するこ
とによって固定して、風揺れ等を防止する固定装置にお
いて、風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、固
定ピンをロックするロック部材を働かせて固定ピンをロ
ックし、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成されてなることを特徴
とする風センサー装備型固定装置である。 c) 地震力による自動復元型 特に、この間接方式の発明は、風作動型の固定ピン型固
定装置において、固定ピンの挿入部が、請求項101項
のすり鉢状・球面状等の、挿入部の中央部に対して凹形
状に傾斜させて地震力によって固定ピンの自動復元を可
能にする発明(8.1.2.2.3.地震力による自動復元型参
照)と組合せることにより、より省電力となり効果的で
ある。これが、請求項147項記載の発明である。つま
り、請求項146項記載の風作動型固定ピン型固定装置
において、固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の
凹形状をなすことを特徴とする風センサー装備型固定装
置である。上記 b)のように、固定装置をロックするロ
ック部材が、ロック弁、ロックピンとに分かれることか
ら、以下のようにロック弁方式、ロックピン方式との2
つに分かれる。 1) ロック弁方式 請求項148項は、8.2.1.の風センサー装備型固定装置
(請求項145項〜請求項147項記載の風作動型の固
定ピン型固定装置)において、筒中を、液体・気体等を
ほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材等の固定装
置の作動部を有し、この筒のピストン状部材を挟んだ反
対側同士(ピストン状部材がスライドする範囲の端と端
と)は管また溝(筒に付けられた)で繋がれているか、
ピストン状部材に孔が設けられているか、ピストン状部
材によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口
が設けられているかしており、そして、この筒のピスト
ン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝か、ピスト
ン状部材にあいている孔(またピストン状部材に設けら
れた溝)か、ピストン状部材によって押出される液体・
気体等が筒中から出る出口かに、またはその全てに、ロ
ック弁が設けられており、通常は、そのロック弁は開い
ており、固定装置のロックは解除され、固定装置の固定
の解除によって、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体との固定の解除がなされており、一定
以上の風圧が働くと、風センサーと連動して、そのロッ
ク弁が閉じることにより、固定装置がロックされ、固定
装置の固定によって、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との固定がなされるように構成さ
れてなることを特徴とする風センサー装備型固定装置で
ある。ここで、固定装置の作動部について説明すると、
固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、固定ピンを支持
する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドする
ピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この筒のピス
トン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスラ
イドする範囲の端と端と)は管また溝(筒に付けられ
た)で繋がれているか、ピストン状部材に孔が設けられ
ているか、ピストン状部材によって押出される液体・気
体等が筒中から出る出口が設けられているかしており、
そして、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を
繋ぐ管また溝か、ピストン状部材にあいている孔(また
ピストン状部材に設けられた溝)か、ピストン状部材に
よって押出される液体・気体等が筒中から出る出口かに
設けた、または全てに設けたロック弁を風センサー等と
連動して閉じることにより、固定ピンのロックを行うこ
とにより構成されてなることを特徴とする風作動型固定
装置である。具体的に、地震力による自動復元型の場合
で説明すると、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一
方を免震される構造体に、もう一方を免震される構造体
を支持する構造体に設け、免震される構造体と免震され
る構造体を支持する構造体とを、すり鉢状・球面状等の
凹形状挿入部に固定ピンを挿入することによって固定し
て風揺れ等を防止する固定装置において、固定ピンの支
持部は、筒部とその中に入るピストン状部材からなり、
筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
トン状部材をもった固定ピンが、その筒に挿入され、そ
の外に固定ピン先端が突き出ており、さらに、この筒の
ピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部材が
スライドする範囲の端と端と)は管また溝(筒に付けら
れた)かで繋がれているか、ピストン状部材に孔が設け
られているか、ピストン状部材によって押出される液体
・気体等が筒中から出る出口が設けられているかしてお
り、そして、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同
士を繋ぐ管また溝か、ピストン状部材にあいている孔
(またピストン状部材に設けられた溝)か、ピストン状
部材によって押出される液体・気体等が筒中から出る出
口かに、または全てに、固定ピンをロックするロック弁
(ロック部材)が、付いており、この固定ピン等は、水
平力が働くと水平移動して、すり鉢状・球面状等の凹形
状挿入部によって、自由に上がり下がりするが、風セン
サー等で一定以上の風圧を感知すると、このロック弁
(ロック部材)が閉じて固定ピンをロックし、免震され
る構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定
し、風センサー等が風圧が一定以下になったことを感知
すると、ロック弁(ロック部材)が開いて固定ピンのロ
ックを解除し、免震される構造体と免震される構造体を
支持する構造体との固定を解除して、通常の状態へ戻す
よう構成されている。このとき風センサー等が風圧が一
定以下になったことを感知してから、一定の時間をおい
て固定装置を解除させるための、タイマーまたは遅延器
(8.5.参照)を設ける場合もある。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系の弁型と基本的に同じ構成である。 2) ロックピン方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。固定ピンの場合について、説明すると、一定
以上の風圧になると、風センサーが指令を出して、ロッ
クピンを作動させて固定ピンをロックし、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定する
ように構成されている。また、請求項147項の、地震
力による自動復元型の場合には、固定ピンの挿入部と固
定ピンのうち、一方を免震される構造体に、もう一方を
免震される構造体を支持する構造体に設け、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを、すり
鉢状・球面状等の凹形状挿入部に固定ピンを挿入するこ
とによって固定して風揺れ等を防止する固定装置におい
て、すり鉢状・球面状等の凹形状挿入部によって、地震
時に自由に上がり下がりする固定ピンに、この固定ピン
をロックするロックピン(ロック部材)が付いており、
風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、このロッ
クピンを作動させて固定ピンをロックし、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定する
ように構成されている。請求項149項は、この発明で
ある。図141、図142(図141は直接方式、図1
42、図143は間接方式であるが合わせて説明する
と)は、請求項149項の発明による風作動型固定装置
のうち、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定装置
の実施例で、共に風センサー7-qからの信号により作動
する電気型である。この図141、図142の例では、
ピストン状部材2-p、1-pを固定ピン7が直接ロック
し、免震される構造体1と免震される構造体を支持する
構造体2とを固定するが、図141は固定ピン7の先端
7-w、及びピストン状部材2-p、1-pの固定ピン7の先
端7-wが突き当たる部分が摩擦抵抗の大きくなるような
形状であり、相互にかみ合ってロックされる摩擦型固定
装置の場合の例、図142は固定ピン7がピストン状部
材2-p、1-pに設けられたすり鉢状・球面状等の凹形態
の挿入部7-vmに挿入され、地震後の残留変位に対処し
た場合(8.6.(1)(2)参照)の例である。図141では、
免震される構造体を支持する構造体2の部材からなるピ
ストン状部材2-pが、ユニバーサル回転接点2-xを介し
て、免震される構造体を支持する構造体2に設置された
支持部材2-gに接続されており、免震される構造体1の
部材からなるその挿入筒1-aが、支持部材1-g及びユニ
バーサル回転接点1-xを介して、免震される構造体1に
設置された支持部材1-gに接続されている。このタイプ
にも図135〜図137の場合と同様に、免震される構
造体1及び免震される構造体を支持する構造体2と、固
定装置Gとの関係が、左右あるいは上下に入れ替わった
対称型がある。図142についても、図141と同様に
対称型がある。通常時この固定ピン7は、バネ等9-t、
9-cにより、ピストン状部材2-p、1-pをロックしない
機構になっている。風センサー7-qが一定以上の風圧を
感知すると、図141では固定装置自動制御装置(電磁
石)22-aが作動し、固定ピン7にピストン状部材2-
p、1-pをロックする方向の力を加えることで固定装置
Gをロックし、図142ではロック部材制御装置(モー
ター)46が作動し、固定ピン7がすり鉢状・球面状等
の凹形態の挿入部7-vmから脱しないよう、ロック部材
11を動かして固定ピン7をロックすることで固定装置
Gをロックし、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2とを固定し、風センサー7-qが風圧
が一定以下になったことを感知すると、図141では固
定装置自動制御装置(電磁石)22-aが作動を止め、固
定ピン7は固定装置Gを解除し、図142ではロック部
材制御装置(モーター)46が作動を止め、ロック部材
11を動かして固定ピン7のロックを解除して固定装置
Gを解除し、免震される構造体1と免震される構造体を
支持する構造体2との固定を解除して、通常の状態へ戻
す機構である。このとき風センサー7-qが風圧が一定以
下になったことを感知してから、一定の時間をおいて固
定装置を解除させるための、タイマー(または遅延器
(8.5.参照))を設ける場合もある。図141〜図14
2は、風センサーから電気式のロックであるが、図14
3は、風センサーから機械式によりロック部材11を作
動して固定ピン7をロックする方式である。図147
は、請求項149項の発明による風作動型固定装置のう
ち、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定装置の実
施例で、風センサー7-qからの信号により作動する電気
型のものである。図141〜図142の場合に対して、
図147の例は、ピストン状部材1-p、2-pに設けられ
たラック36-cに組合せられた固定ピン(の機能を持つ
歯車)7に、ロック部材11をかみ合わせてロックする
ことで、ピストン状部材1-p、2-pをロックする機構で
ある。このロック部材11を作動させる機構には、ロッ
ク部材制御装置(電磁石)を使用する方法と、ロック部
材制御装置(モーター)を使用する方法とがあり、この
図147は後者の例である。前者の例は図144と同様
の機構である。固定ピン(の機能を持つ歯車)7の歯車
の回転軸7-xは、免震される構造体1と固定ピン7が係
合する(免震される構造体1のラック36-cと噛み合
う)ときは、免震される構造体を支持する構造体2に挿
入され、免震される構造体を支持する構造体2と係合す
るときは、免震される構造体1に挿入される。免震され
る構造体1の部材からなるピストン状部材1-pが、ユニ
バーサル回転接点1-xを介して、免震される構造体1に
設置された支持部材1-gに接続されており、免震される
構造体を支持する構造体2の部材からなるその挿入筒2
-aが、支持部材2-g及びユニバーサル回転接点2-xを介
して、免震される構造体を支持する構造体2に設置され
た支持部材2-gに接続されている。このタイプにも図1
35〜図137の場合と同様に、免震される構造体1及
び免震される構造体を支持する構造体2と、固定装置G
との関係が、左右あるいは上下に入れ替わった対称型が
ある。通常時このロック部材11は、バネ等9-tによ
り、固定ピン7をロックしない機構になっている。風セ
ンサー7-qが一定以上の風圧を感知すると、ロック部材
制御装置(電磁石)45あるいはロック部材制御装置
(モーター)46が作動し、ロック部材11を固定ピン
7をロックする方向に動かし、この固定ピン7がラック
36-cをロックすることで固定装置Gをロックし、免震
される構造体1と免震される構造体を支持する構造体2
とを固定し、風センサー7-qが風圧が一定以下になった
ことを感知すると、ロック部材制御装置(電磁石)45
あるいはロック部材制御装置(モーター)46が作動を
止め、固定ピン7のロック及びラック36-cのロックが
解除されて固定装置Gが解除され、免震される構造体1
と免震される構造体を支持する構造体2との固定を解除
して、通常の状態へ戻す機構である。このとき風センサ
ー7-qが風圧が一定以下になったことを感知してから、
一定の時間をおいて固定装置を解除させるための、タイ
マー(または遅延器(8.5.参照))を設ける場合もあ
る。図210〜図211は、請求項149項の発明によ
る風作動型固定装置のうち、固定ピン系の固定ピン型固
定装置の実施例で、風センサー7-qからの信号により作
動する電気型である。この例はすり鉢状・球面状等の凹
形態の挿入部7-vmに挿入された固定ピン7に、この固
定ピンをロックする方向でロック部材11を差し込み、
固定装置Gをロックするタイプである。この固定ピンを
作動させる機構には、ロック部材制御装置(電磁石)を
使用する方法と、ロック部材制御装置(モーター)を使
用する方法とがあり、図210は前者の例、図211は
後者の例である。免震される構造体1に設置された固定
装置Gの固定ピン7が、免震される構造体を支持する構
造体2に設けられたすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入
部7-vmに挿入されており、通常時このロック部材11
は、バネ等9-tにより、固定ピン11をロックしない機
構になっている。風センサー7-qが一定以上の風圧を感
知すると、ロック部材制御装置(電磁石)45あるいは
ロック部材制御装置(モーター)46が作動してロック
部材11を固定ピン7をロックする方向に動かし、固定
ピン7に設けられた欠き込み・溝・窪み7-cへ差し込む
ことで固定ピン7をロックし、固定装置Gを作動させて
免震される構造体1と免震される構造体を支持する構造
体2とを固定し、風センサー7-qが風圧が一定以下にな
ったことを感知すると、ロック部材制御装置(電磁石)
45あるいはロック部材制御装置(モーター)46が作
動を止め、ロック部材11が元に戻って固定ピン7のロ
ックが解除されることで固定装置Gが解除され、免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
の固定を解除して、通常の状態へ戻す機構である。この
とき風センサー7-qが風圧が一定以下になったことを感
知してから、一定の時間をおいて固定装置を解除させる
ための、タイマーまたは遅延器(8.5.参照)を設ける場
合もある。 (3) 風センサーからの連絡方式(油圧型、機械型、電気
型) 風センサーからの反応の送られかたには、8.2.2.のよう
な油圧によるもの(油圧型)、8.2.3.のようなワイヤー
等によるもの(機械型)、8.2.4.のような電気信号によ
るもの(電気型)等があり、1個もしくは複数個の固定
ピンが、同時に作動可能なほうがよい。また、電気型の
場合には、固定ピンがセット(=ロック・固定)された
後、風圧が一定以下になるまでは解除されないだけでな
く、風圧が一定以下になっても、一定時間が経過するま
では解除されないというものも考えられる。直接方式、
間接方式ともに、固定ピンへの風センサーからの反応
(力)の送りかたによって、油圧型、機械型、電気型の
3つの種類に分けられる。また、間接方式も、ロックピ
ン(ロック部材)が固定ピンに差込まれるかたちの固定
装置の、ロック部材を制御するものと、固定ピンがピス
トン状部材として作動する形の固定装置の、ロック弁
(ロック部材)を制御するもの等が考えられる。この間
接方式のメリットは、風センサーが直接固定ピンを作動
させる仕事をしないため、風センサーの出力が小さなも
ので済むことである。さらに、固定ピンがピストン状部
材として作動する固定装置の場合のメリットとしては、
管(また溝)と弁による遅延効果を利用して、風力が一
定以下になってから固定ピンが解除されるまでの時間を
長くする方法にもなるということである。また、変位振
幅を抑制するダンパーとして使用して、ダンパー効果を
与える場合には、水平ダンパーに比べて本数が少なくて
済む。水平ダンパーを使用する場合は、水平方向二方向
(直交する二方向)に効かせようとすると、最低二本必
要であるが、この方式の場合では、一本で済み、少ない
設置本数でよいという利点もある。 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型) 風センサーの反応の伝達手段として、風センサーからの
管(油等の液体または気体の流れる管)を使用するもの
である。 (1) 直接方式 直接方式は、連結形態から、1)固定ピン型固定装置と2)
連結部材弁型固定装置の2つの型に分けることができ
る。 1) 固定ピン型固定装置 図209は、風センサー装備型固定装置(油圧型)の直
接方式の、固定ピン型固定装置の実施例を示している。
風センサーに風圧を受ける板(風圧版)が設けられてお
り、一定以上の風圧になると、風圧板と連動している油
圧ポンプからの油圧力により、固定装置が作動し、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体とを
固定するように構成されている。具体的に述べると、風
センサー7-qが免震される構造体1の屋上等に設置さ
れ、風センサー7-qの機構として、風圧を受ける板(風
圧板)7-rを設け、風圧板7-rが一定以上の風圧を受け
ると、風圧板と連動する油圧ポンプ7-tのピストン状部
材7-pが押され、それにより、ポンプ内を満たしていた
液体が押出され、パイプ等7-ppを通って固定装置Gを
作動させる油圧ポンプ7-uに流れだし、油圧ポンプのピ
ストン状部材7-pが押され、固定ピン先端7-wが免震さ
れる構造体を支持する構造体2に設けられた固定ピンの
挿入部7-vm/vに挿入されて免震される構造体1が固定
される。風圧が一定以下になると、風圧板7-rは、バネ
等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cまたは重
力の働きにより、元の位置に戻り、それにより風圧板7
-rと連動する油圧ポンプ7-tのピストン状部材7-pも元
の位置に戻る。それによって液体も引き戻され、固定装
置Gの油圧ポンプ7-u内のピストン状部材7-pを戻し、
免震される構造体1の固定が解除される。この固定装置
Gの感度は、風圧板7-rと連動する油圧ポンプ7-tと、
固定装置Gを作動させる油圧ポンプ7-uとの、シリンダ
ーの大きさの関係で決まる。つまり、固定装置Gを作動
させる油圧ポンプ7-uに比べて、風圧板と連動する油圧
ポンプ7-tのシリンダーを大きくすればするほど、固定
装置Gは風力に対して敏感になる。また、固定装置が一
定以上の風圧にのみ作用するようにするためには、風圧
板7-rと油圧ポンプ7-tの間に遊びを設け、一定以上の
風圧時にのみ油圧ポンプに作用する形をとればよい。な
お、風圧板7-rとそれに連動する油圧ポンプ7-tは、尾
翼7-yを付け、回転心棒7-xの上に乗せることにより、
風見鶏のように回転して、常に風上に風圧板7-rを向け
る形をとることができ、それにより、この装置は、あら
ゆる方向の風に対応しうるものとなる。なお、油圧型と
呼んではいるものの、ポンプ内を満たす液体等は、油以
外の液体でもよく、さらに気体でもよい。また、液体・
気体の他に、液状化可能な固体(粒状固体等)の使用も
可能である。また、風センサーの中、または風センサー
と固定装置の間、または固定装置の中に、8.5.等で後述
する遅延器またはタイマーを付けておいて、風力が一定
以下になってから固定ピンが解除されるまでの時間を長
くする方法もある。 2) 連結部材弁型固定装置 連結部材弁型固定装置は、不可撓部材の場合、可撓部材
の場合に分かれる。a. 不可撓部材の場合図145は、
この不可撓部材の連結部材弁型固定装置の実施例であ
る。以上は、8.2.1.(1)で説明済であるが、風センサー
7-qと弁(固定弁)7-efとは、風センサーからの管7-
qlによって連動する。 b. 可撓部材の場合 図146は、この可撓部材の連結部材弁型固定装置の実
施例である。以上は、8.2.1.(1)で説明済であるが、風
センサー7-qと弁(固定弁)7-efとは、風センサーか
らの管7-qlによって連動する。 (2) 間接方式 固定ピン等の固定装置の作動部をロックする機構の主要
部材であるロック部材が、ロック弁、ロックピンとに分
かれることから、以下のようにロック弁方式、ロックピ
ン方式との2つに分かれる。 1) ロック弁方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、風センサーに風
圧を受ける板(風圧版)が設けられており、一定以上の
風圧になると、風圧板と連動している油圧ポンプからの
油圧力により、固定装置の固定のロックとなっているロ
ック弁を作動させて固定ピンをロックし、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定する
ように構成されている。図196(a)(b)は、そのロック
弁方式の実施例を示している。また、図196(a)(b)
は、請求項147項の、地震力による自動復元型の場合
の実施例である。固定ピンの挿入部7-vmと固定ピン7
のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方を免震
される構造体を支持する構造体2に設け、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2とを、す
り鉢状・球面状等の凹形状挿入部7-vmに固定ピン(こ
の固定ピン等は、水平力が働くと水平移動して、すり鉢
状・球面状等の凹形状挿入部によって、自由に上がり下
がりする)7を挿入することによって固定して、風揺れ
等を防止する固定装置において、固定ピン7の支持部
は、筒部とその中に入るピストン状部材7-pからなり、
筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
トン状部材7-pをもった固定ピン7が、その筒に挿入さ
れ、その外に固定ピン先端7-wが突き出ており、さら
に、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピス
トン状部材がスライドする範囲の端と端と)は管7-eま
た溝で繋がれているか、ピストン状部材7-pに孔が設け
られているか、ピストン状部材によって押出される液体
・気体等が筒中から出る出口が設けられているかしてお
り、そして、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同
士を繋ぐ管7-e(図196(a)参照)また溝か、ピスト
ン状部材7-pにあいている孔(またピストン状部材に設
けられた溝)か、ピストン状部材7-pによって押出され
る液体・気体等が筒中から出る出口(図196(b)参
照)かに、または全てに、固定ピン7をロックするロッ
ク弁(ロック部材)7-ef が、付いており、また、風セ
ンサーに風圧を受ける板(風圧板)が設けられており、
一定以上の風圧になると、風圧板と連動している油圧ポ
ンプからの油圧力により、このロック弁(ロック部材)
を閉じて固定ピンをロックし、免震される構造体と免震
される構造体を支持する構造体とを固定するように構成
されている。この装置には、以下の二種類がある。一つ
は、風センサーの油圧ポンプからの油圧力が信号として
働いて、モーターまた電磁石等を稼動させ、このロック
弁(ロック部材)7-efを閉じさせるもの、もう一つ
は、風センサーの油圧ポンプからの油圧力が、直接にこ
のロック弁(ロック部材)7-efを閉じさせるものであ
る。また、風センサーの中、または風センサーと固定装
置の間、または固定装置の中に、8.5.等で後述する遅延
器またはタイマーを付けておいて、風力が一定以下にな
ってから固定ピンが解除されるまでの時間を長くする方
法もある。固定装置に関して、他は、8.2.4.電気型の
(2)と同様である。また、風センサー7-qに関しては、
上記(1)と同じである。なお、油圧型と呼んではいるも
のの、ポンプ内を満たす液体等は、油以外の液体でもよ
く、さらに気体でもよい。また、液体・気体の他に、液
状化可能な固体(粒状固体等)の使用も可能である。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。 2) ロックピン方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、風センサーから
の油圧的指令で、このロックピンが作動して固定ピンを
ロックし、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体とを固定するように構成されるものである。
また、請求項147項の、地震力による自動復元型の場
合には、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免
震される構造体に、もう一方を免震される構造体を支持
する構造体に設け、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを、すり鉢状・球面状等の凹形状
挿入部に固定ピンを挿入することによって固定して、風
揺れ等を防止する固定装置において、すり鉢状・球面状
等の凹形状挿入部によって、地震時に自由に上がり下が
りする固定ピンに、この固定ピンをロックするロックピ
ン(ロック部材)が付いており、風センサーに風圧を受
ける板(風圧板)が設けられており、一定以上の風圧に
なると、風圧板と連動している油圧ポンプからの油圧力
により、このロックピンを作動させて固定ピンをロック
し、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定するように構成されている。この装置に
は、以下の二種類がある。一つは、風センサーの油圧ポ
ンプからの油圧力が信号として働いて、モーターまた電
磁石等を稼動させ、このロックピン(ロック部材)を作
動させるもの、もう一つは、風センサーの油圧ポンプか
らの油圧力が、直接にこのロックピン(ロック部材)を
作動させるものである。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型) 風センサーの反応の伝達手段として、ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等を使用するものである。 (1) 直接方式 風センサー装備型固定装置(機械型)の、直接方式につ
いての実施例を示す。この装置には、以下の二種類があ
る。一つは、一定以上の風圧になると、風センサーの反
応により、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等が圧
縮されまたは引張られ、その機械的力(圧縮力または引
張力)が、機械的信号として伝達され、固定装置を作動
させ(例えば、固定装置内のモーター等の機構が稼動し
て、固定装置がセット(=ロック・固定)され)、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体とが
固定されるものであり、もう一つは、機械的力(圧縮力
または引張力)が直接固定装置の作動部に働きかけセッ
トされるものである。また、風センサーの中、または風
センサーと固定装置の間、または固定装置の中に、8.5.
で後述する遅延器またはタイマーを付けておいて、風力
が一定以下になってから固定装置が解除されるまでの時
間を長くする方法もある。また、直接方式は、連結形態
から、1)固定ピン型固定装置と2)連結部材弁型固定装置
の2つの型に分けることができる。 1) 固定ピン型固定装置 実施例は、図135〜図137である。図135〜図1
37は、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定装置
の場合である。以上は、8.2.1.(1)で説明済である。 2) 連結部材弁型固定装置 連結部材弁型固定装置は、不可撓部材の場合、可撓部材
の場合に分かれる。 a. 不可撓部材の場合 図145は、この不可撓部材の連結部材弁型固定装置の
実施例である。以上は、8.2.1.(1)で説明済であるが、
風センサー7-qと弁(固定弁)7-efとは、ワイヤー、
ロープ、ケーブル、ロッド等8によって連動する。 b. 可撓部材の場合 図146は、この可撓部材の連結部材弁型固定装置の実
施例である。以上は、8.2.1.(1)で説明済であるが、風
センサー7-qと弁(固定弁)7-efとは、ワイヤー、ロ
ープ、ケーブル、ロッド等8によって連動する。 (2) 間接方式 固定ピン等の固定装置の作動部をロックする機構の主要
部材であるロック部材が、ロック弁、ロックピンとに分
かれることから、以下のようにロック弁方式、ロックピ
ン方式との2つに分かれる。 1) ロック弁方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、風センサーに風
圧を受ける板(風圧版)が設けられており、一定以上の
風圧になると、風圧板と連動している油圧ポンプからの
油圧力により、固定装置の固定のロックとなっているロ
ック弁を作動させて固定ピンをロックし、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定する
ように構成されている。図196(a)(b)は、そのロック
弁方式の実施例を示している。また、図196(a)(b)
は、請求項147項の、地震力による自動復元型の場合
の実施例である。固定ピンの挿入部7-vmと固定ピン7
のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方を免震
される構造体を支持する構造体2に設け、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2とを、す
り鉢状・球面状等の凹形状挿入部7-vmに固定ピン(こ
の固定ピン等は、水平力が働くと水平移動して、すり鉢
状・球面状等の凹形状挿入部によって、自由に上がり下
がりする)7を挿入することによって固定して、風揺れ
等を防止する固定装置において、固定ピン7の支持部
は、筒部とその中に入るピストン状部材7-pからなり、
筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
トン状部材7-pをもった固定ピン7が、その筒に挿入さ
れ、その外に固定ピン先端7-wが突き出ており、さら
に、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピス
トン状部材がスライドする範囲の端と端と)は管7-eま
た溝(筒7-aに付けられた)で繋がれているか、ピスト
ン状部材7-pに孔が設けられているか、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口が
設けられているかしており、そして、この筒のピストン
状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管7-e(図196(a)
参照)かまた溝か、ピストン状部材7-pにあいている孔
(またピズトン状部材に設けられた溝)か、ピストン状
部材7-pによって押出される液体・気体等が筒中から出
る出口(図196(b)参照)かに、または全てに、固定
ピン7をロックするロック弁(ロック部材)7-efが、
付いており、また、一定以上の風圧になると、風センサ
ーからの機械的力(圧縮力または引張力)により、この
ロック弁(ロック部材)を閉じさせて固定ピンをロック
し、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定するように構成されている。この装置に
は、以下の二種類がある。一つは、風センサーからの機
械的力が信号として働いて、モーターまた電磁石等を稼
動させ、このロック弁(ロック部材)7-efを閉じさせ
るもの、もう一つは、風センサーからの機械的力が、直
接にこのロック弁(ロック部材)7-efを閉じさせるも
のである。また、風センサーが、風圧を受ける板(風圧
板)をもったものである場合には、その風センサー7-q
は屋上等におかれ、風圧板7-rが風圧を受けると、それ
と連動するピストン状部材7-pが押される。そのことに
より、ロック弁(ロック部材)7-efに連結しているワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等7-qlが引張られ
るか押出されるかして、ロック弁7-efを閉める。そし
て風が一定以下になると、前記風圧板7-rは、バネ等
(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cの力または
重力によって元の位置にもどり、それにより、この風圧
板7-rと連動する前記ピストン状部材7-pも元の位置に
戻る。そうすると、ワイヤー・ロープ・ケーブル等7-q
lが押出されるか引張られるかして、固定装置のピスト
ン状部材7-pを戻し、免震される構造体1の固定が解除
される。なお、風圧板7-rとそれに連動する油圧ポンプ
7-tは、尾翼7-yを付け、回転心棒7-xの上に乗せるこ
とにより、風見鶏のように回転して、常に風上に風圧板
7-rを向ける形をとることができ、それにより、この装
置は、あらゆる方向の風に対応しうるものとなる。ま
た、風センサーの中、または風センサーと固定装置の
間、または固定装置の中に、8.5.で後述する遅延器また
はタイマーを付けておいて、一定風力後の固定ピンの解
除までの時間を長くする方法もある。固定装置に関して
は、他は、8.2.4.電気型と同様である。また、一定以上
の風圧にのみ作用するようにするには、風圧板とピスト
ン状部材7-pの間に、遊びを設ければよい。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。 2) ロックピン方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、風センサーから
の機械的指令で、このロックピンが作動して固定ピンを
ロックし、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体とを固定するように構成されるものである。
また、請求項147項の、地震力による自動復元型の場
合には、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免
震される構造体に、もう一方を免震される構造体を支持
する構造体に設け、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを、すり鉢状・球面状等の凹形状
挿入部に固定ピンを挿入することによって固定して、風
揺れ等を防止する固定装置において、すり鉢状・球面状
等の凹形状挿入部によって、地震時に自由に上がり下が
りする固定ピンに、この固定ピンをロックするロックピ
ン(ロック部材)が付いており、一定以上の風圧になる
と、風センサーからの機械的力(圧縮力または引張力)
により、このロックピンを作動させて固定ピンをロック
し、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定するように構成されている。この装置に
は、以下の二種類がある。一つは、風センサーからの機
械的力が信号として働いて、モーターまた電磁石等を稼
動させ、このロックピン(ロック部材)を作動させるも
の、もう一つは、風センサーからの機械的力が、直接に
このロックピン(ロック部材)を作動させるものであ
る。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。実施例は、図143であ
る。図143は、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型
固定装置のロックピン方式の実施例である。 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型) 風センサーの反応の伝達手段として、電気を使用するも
のである。 (1) 直接方式 風センサー装備型固定装置(電気型)の、直接方式につ
いての実施例を示す。一定以上の風圧になると、風セン
サーの反応が、電気信号となって伝達され、その信号が
固定装置を作動させ、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体とを固定する。具体的には、電気
信号が、固定装置内のモーター等を稼動させ、そのモー
ターまた電磁石等が、固定ピン等の固定装置の作動部を
動かすようになっている。風力が一定以下になると、バ
ネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cまたは
重力の働きにより、固定装置の固定ピン等の固定装置の
作動部の固定する部分は元の位置に戻り、免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体との固定を解
除する方式が便利である。また、風力が一定以下になっ
てから固定装置の作動部が解除されるまでの時間を長く
するためのタイマー(または遅延器(8.5.参照))等を
設ける方法もある。直接方式は、連結形態から、1)固定
ピン型固定装置と2)連結部材弁型固定装置の2つの型に
分けることができる。実施例は、図141、図145、
図146である。 1) 固定ピン型固定装置の場合 図141は、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定
装置の場合である。 8.2.1.(1)で説明済である。 2) 連結部材弁型固定装置の場合 連結部材弁型固定装置は、不可撓部材の場合、可撓部材
の場合に分かれる。図145は、不可撓部材型の連結部
材弁型固定装置の場合である。図146は、可撓部材型
の連結部材弁型固定装置の場合である。以上は、8.2.1.
(1)で説明済である。 (2) 間接方式 固定装置の作動部をロックする機構の主要部材であるロ
ック部材が、ロック弁、ロックピンとに分かれることか
ら、以下のようにロック弁方式、ロックピン方式との2
つに分かれる。 1) ロック弁方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、一定以上の風圧
になると、風力発電機の電圧が、固定装置の固定のロッ
クとなっている機構を作動させる以上の電圧となり、ロ
ック弁を作動(電動器、電磁石等)させて固定ピンをロ
ックし、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成されている。また、請
求項147項の、地震力による自動復元型の場合を例に
取って説明すると、図196(a)(b)は、その実施例で、
固定ピンの挿入部7-vmと固定ピン7のうち、一方を免
震される構造体1に、もう一方を免震される構造体を支
持する構造体2に設け、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2とを、すり鉢状・球面状等
の凹形状挿入部7-vmに固定ピン(この固定ピン等は、
水平力が働くと水平移動して、すり鉢状・球面状等の凹
形状挿入部によって、自由に上がり下がりする)7を挿
入することによって固定して、風揺れ等を防止する固定
装置において、固定ピン7の支持部は、筒部とその中に
入るピストン状部材7-pからなり、筒中を液体・気体等
をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材7-pをも
った固定ピン7が、その筒に挿入され、その外に固定ピ
ン先端7-wが突き出ており、さらに、この筒のピストン
状部材7-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pが
スライドする範囲の端と端と)は管7-eまた溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材7-pに孔が設けられている
か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等が
筒中から出る出口が設けられているかしており、そし
て、この筒のピストン状部材7-pを挟んだ反対側同士を
繋ぐ管7-e(図196(a)参照)また溝か、ピストン状
部材7-pにあいている孔(またピストン状部材に設けら
れた溝)か、ピストン状部材7-pによって押出される液
体・気体等が筒中から出る出口(図196(b)参照)か
に、または全てに、固定ピンをロックするロック弁(ロ
ック部材)7-efが、付いており、また、一定以上の風
圧になると、このロック弁7-efが、風センサーからの
指令で閉じて固定ピン7をロックし、免震される構造体
1と免震される構造体を支持する構造体2とを固定する
ように構成されている。具体的に述べると、風センサー
からの電気信号により、固定装置の管7-e(また溝)の
ロック部材であるロック弁(電動弁、電磁弁等)7-ef
を閉める。挿入部7-v(すり鉢型等を含む)と当該挿入
部7-vによって固定される固定ピン7を有し、筒中の液
体や空気等を漏らさずスライドするピストン状部材7-p
をもった固定ピン7が、その筒(固定ピン取付け部)7
-aに挿入され、その外に固定ピン先端7-wが突き出てお
り、さらに、筒7-aのピストン状部材7-pがスライドす
る範囲の端と端とは管7-e(また溝)で繋がれている。
そして、ピストン状部材7-pには、この管7-e(また
溝)とそれより開口面積が大きいかもしくは小さい孔7
-jがあり、管7-e(また溝)またはピストン状部材孔7
-jの開口面積の大きい方にロック弁(ロック部材)7-e
fがある。このロック弁7-efは、ピストン状部材7-pが
引き込まれる時に、開くように付けられる。さらに、開
口面積の小さい方に弁7-fがある。この弁7-fは、ピス
トン状部材7-pが引き込まれる時に、閉じるように付け
られる。また、その筒7-aの中にバネ等(バネ・ゴム等
の弾性体または磁石等)7-oが入り、また重力により、
ピストン状部材7-pをもった固定ピン7を押出す役割を
する場合もある(図196(a)においては、当然、ピス
トン状部材7-pに対して前記バネ等7-oとは逆位置に付
けたバネ・ゴム・磁石等(引張バネ)でピストン状部材
7-pをもった固定ピン7を押出させても良い)。管7-e
(また溝)の開口面積がピストン状部材の孔7-jよりも
大きく、ロック弁7-efが筒の管7-e(また溝)の中に
付いている場合について説明すると、ある一定以上の風
が吹くと、風センサーからの電気信号により、電動弁
式、電磁弁式等の方法で、固定装置の管7-e(また溝)
のロック弁7-efが閉まる。このロック弁7-efを閉める
事により、ピストン状部材7-pを押し出すことは可能で
あっても引き込まれることはなくなり、固定ピン等はロ
ックされる。また、タイマーを付け、ロック弁7-efが
閉じている時間を制御する方法もある。また、管7-e
(また溝)と孔7-jと弁7-fとロック弁7-efの性格に
より、固定ピン先端7-wは、筒7-a中に入る方向では、
速やかであり、出る方向では、遅延される。それによ
り、地震時には、固定ピン先端7-wは速やかに筒7-a中
に入り、免震が始まり、地震力が働いている間は出にく
くなる。また、筒7-a、及び管7-e(また溝)とは、潤
滑油等の液体で満たされている場合もある。以上は、固
定ピン7が免震される構造体1に、固定ピンの挿入部7
-vが免震される構造体を支持する構造体2に、取付けら
れている場合を述べたものであるが、逆の関係の場合も
ある。つまり、前記固定ピンの挿入部7-vおよび固定ピ
ン7のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方を
免震される構造体を支持する構造体2に設けることにな
る。また、筒7-aの上部に関して、4.6.と同様に、単に
止め金が固定されている場合もあるが、筒7-aの上部内
側が雌ネジになっていて、そこに雄ネジ7-dが挿入され
ている場合もある。この雄ネジ7-dは、入り込み方向に
回転して締めることにより、バネ等7-oを圧縮して、バ
ネ等7-oの反発力を強め、固定ピン先端7-wの押し出す
力を強める機能をもち、復元力を高めたり、地震後の免
震される構造体1の残留変位の矯正を可能にしたりす
る。また、管7-e(また溝)と孔7-jとに、バルブを付
ける事により、強風時の、手動による強制的固定も可能
になる。また、風力が一定以下になってから固定ピンが
解除されるまでの時間を長くするためのタイマー(また
は遅延器(8.5.参照))等を設ける方法もある。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。 2) ロックピン方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、風センサーから
の電気的指令で、このロックピンが作動して固定ピンを
ロックし、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体とを固定するように構成されるものである。
また、請求項147項の、地震力による自動復元型の場
合には、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免
震される構造体に、もう一方を免震される構造体を支持
する構造体に設け、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体とを、すり鉢状・球面状等の凹形状
挿入部に固定ピンを挿入することによって固定して、風
揺れ等を防止する固定装置において、すり鉢状・球面状
等の凹形状挿入部によって、地震時に自由に上がり下が
りする固定ピンに、この固定ピンをロックするロックピ
ン(ロック部材)が付いている。このことにより地震後
の固定ピンの復元機能を必要としない。図210〜図2
11は、風センサーを装備した風作動型固定装置のう
ち、ロックピン方式の固定ピン型固定装置の実施例であ
る。この例では、さらに、請求項147項の、地震力に
よる自動復元型の場合のもので、すり鉢状・球面状等の
凹形態の挿入部7-vmに挿入された固定ピン7に、この
固定ピンをロックする方向でロック部材11を差し込
み、固定装置Gをロックするタイプである。この固定ピ
ンを作動させる機構には、電磁石からなるロック部材制
御装置を用いる方式と、モーターからなるロック部材制
御装置を用いる方式とがあり、図210は前者の例、図
211は後者の例である。免震される構造体1に設置さ
れた固定装置Gの固定ピン7が、免震される構造体を支
持する構造体2に設けられたすり鉢状・球面状等の凹形
態の挿入部7-vmに挿入されており、通常時このロック
部材11は、バネ等9-tにより、固定ピン11をロック
しない機構になっている。一定以上の風圧になると、風
センサー7-qよりの指令で、ロック部材制御装置(電磁
石)45あるいはロック部材制御装置(モーター)46
が作動してロック部材11を固定ピン7をロックする方
向に動かし、固定ピン7に設けられた欠き込み・溝・窪
み7-cへ差し込むことで固定ピン7をロックし、固定装
置Gを作動させて免震される構造体1と免震される構造
体を支持する構造体2とを固定し、一定以下の風圧にな
ると、風センサー7-qよりの指令で、ロック部材制御装
置(電磁石)45あるいはロック部材制御装置(モータ
ー)46が作動を止め、ロック部材11が元に戻って固
定ピン7のロックが解除されることで固定装置Gが解除
され、免震される構造体1と免震される構造体を支持す
る構造体2との固定を解除して、通常の状態へ戻す機構
である。このとき風圧が一定以下になったことを風セン
サー7-qが感知してから、一定の時間をおいて固定装置
を解除させるための、タイマー(または遅延器(8.
5.参照))を設ける場合もある。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。実施例は、図142、図
147である。図142は、不可撓部材型連結部材系の
固定ピン型固定装置のロックピン方式の場合である。図
147は、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定装
置のロックピン方式の場合である。以上は、8.2.1.(2)
で説明済である。 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置 風センサーが風力発電機型風センサーであり、風センサ
ーの反応の伝達手段として、風力発電機型風センサーの
電気を使用するものである。 (1) 直接方式 請求項150項記載の発明は、風力発電機型風センサー
装備型固定装置の、直接方式ついての実施例を示してい
る。一定以上の風圧になると、風力発電機の電圧が、固
定装置を作動させる以上の電圧となり、固定装置を作動
させ、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを固定する。具体的には、風力発電機による電
気が、固定装置内のモーターまた電磁石等を稼動させ、
そのモーター等が、固定装置の作動部を動かすようにな
っている。風力が一定以下になると、バネ等(バネ・ゴ
ム等の弾性体または磁石等)9-c、9-tまたは重力の働
きにより、固定装置の作動部は元の位置に戻り、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定を解除する。また、風力が一定以下になってから固定
装置が解除されるまでの時間を長くするためのタイマー
(または遅延器(8.5.参照))等を設ける方法もあ
る。直接方式は、連結形態から、1)固定ピン型固定装置
と2)連結部材弁型固定装置の2つの型に分けることがで
きる。実施例は、図141、図145、図146であ
る。 1) 固定ピン型固定装置の場合 図141は、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定
装置の場合である。 8.2.1.(1)で説明済である。 2) 連結部材弁型固定装置の場合 連結部材弁型固定装置は、不可撓部材の場合、可撓部材
の場合に分かれる。図145は、不可撓部材型の連結部
材弁型固定装置の場合である。図146は、可撓部材型
の連結部材弁型固定装置の場合である。以上は、8.2.1.
(1)で説明済である。 (2) 間接方式 請求項151項記載の発明は、風力発電機による電気型
固定装置の、間接方式ついての実施例を示している。8.
2.1.(2)の間接方式(請求項145項〜請求項149項
記載)の風センサー装備型固定装置において、一定以上
の風圧になると、風力発電機の電圧が、固定装置の作動
部をロックするロック部材を作動させる上で必要な電圧
以上となり、ロック部材を作動させて固定装置の作動部
をロックし、免震される構造体と免震される構造体を支
持する構造体とを固定するように構成されるものであ
る。特に、この発明は、請求項147項の、固定ピン型
固定装置で、固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等
の凹形状をなす、地震力によって固定ピンの自動復元を
可能にする風作動型固定装置の発明と組合せることによ
り、より省電力となり効果的である。固定装置の作動部
をロックする機構の主要部材であるロック部材が、ロッ
ク弁、ロックピンとに分かれることから、以下のように
ロック弁方式、ロックピン方式との2つに分かれる。 1) ロック弁方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、一定以上の風圧
になると、風力発電機の電圧が、固定装置の固定のロッ
クとなっている機構を作動させる以上の電圧となり、ロ
ック弁を作動(電動器、電磁石等)させて固定ピンをロ
ックし、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成されている。また、請
求項147項の、地震力による自動復元型の場合を例に
取って説明すると、図196(a)(b)は、その実施例で、
固定ピンの挿入部7-vmと固定ピン7のうち、一方を免
震される構造体1に、もう一方を免震される構造体を支
持する構造体2に設け、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2とを、すり鉢状・球面状等
の凹形状挿入部7-vmに固定ピン(この固定ピン等は、
水平力が働くと水平移動して、すり鉢状・球面状等の凹
形状挿入部によって、自由に上がり下がりする)7を挿
入することによって固定して、風揺れ等を防止する固定
装置において、固定ピン7の支持部は、筒部とその中に
入るピストン状部材7-pからなり、筒中を液体・気体等
をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材7-pをも
った固定ピン7が、その筒に挿入され、その外に固定ピ
ン先端7-wが突き出ており、さらに、この筒のピストン
状部材7-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pが
スライドする範囲の端と端と)は管7-eまた溝(筒7-a
に付けられた)かで繋がれているか、ピストン状部材7
-pに孔が設けられているか、ピストン状部材7-pによっ
て押出される液体・気体等が筒中から出る出口が設けら
れているかしており、そして、この筒のピストン状部材
7-pを挟んだ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管7-e(図
196(a)参照)また溝か、ピストン状部材7-pにあい
ている孔(またピストン状部材に設けられた溝)か、ピ
ストン状部材7-pによって押出される液体・気体等が筒
中から出る出口(図196(b)参照)かに、または全て
に、固定ピン7をロックするロック弁(ロック部材)7
-ef が、付いており、また、一定以上の風圧になると、
風力発電機の電圧が、このロック弁7-efを閉じさせる
以上の電圧となり、このロック弁(電動弁、電磁弁等)
7-efを閉じて固定ピン7をロックし、免震される構造
体1と免震される構造体を支持する構造体2とを固定す
るように構成されている。固定装置に遅延機構を備える
場合、8.2.4. (2) 間接方式(ロック弁方式)と同様の構
成を取る。さらに、ブレーカー(過剰電流遮断機)を設
け、予想以上の強風時において電流または電圧が一定以
上になるとブレーカーが下りて、固定装置のロック弁
(電動弁、電磁弁等)7-efが閉められたままにする方
法もある。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。 2) ロックピン方式 固定装置の作動部が、固定ピンの場合=固定ピン系と、
連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合=連結部材系
とがある。 a. 固定ピン系 固定ピンの場合について、説明すると、一定以上の風圧
になると、風力発電機の電圧が、固定装置の固定のロッ
クとなっている機構を作動させる以上の電圧となり、ロ
ックピンを作動(電動器、電磁石等)させて固定ピンを
ロックし、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体とを固定するように構成されている。また、
請求項147項の、地震力による自動復元型の場合に
は、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方を免震さ
れる構造体に、もう一方を免震される構造体を支持する
構造体に設け、免震される構造体と免震される構造体を
支持する構造体とを、すり鉢状・球面状等の凹形状挿入
部に固定ピンを挿入することによって固定して、風揺れ
等を防止する固定装置において、すり鉢状・球面状等の
凹形状挿入部によって、地震時に自由に上がり下がりす
る固定ピンに、この固定ピンをロックするロックピン
(ロック部材)が付いている。このことにより地震後の
固定ピンの復元機能を必要としない。図210〜図21
1は、請求項151項の発明による風力発電機型風セン
サーを装備した風作動型固定装置のうち、ロックピン方
式の固定ピン型固定装置の実施例である。この例では、
さらに、請求項147項の、地震力による自動復元型の
場合のもので、すり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7
-vmに挿入された固定ピン7に、この固定ピンをロック
する方向でロック部材11を差し込み、固定装置Gをロ
ックするタイプである。この固定ピンを作動させる機構
には、電磁石からなるロック部材制御装置を用いる方式
と、モーターからなるロック部材制御装置を用いる方式
とがあり、図210は前者の例、図211は後者の例で
ある。免震される構造体1に設置された固定装置Gの固
定ピン7が、免震される構造体を支持する構造体2に設
けられたすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vmに
挿入されており、通常時このロック部材11は、バネ等
9-tにより、固定ピン11をロックしない機構になって
いる。一定以上の風圧になると、風力発電機型風センサ
ー7-qdの発電する電圧が装置の作動に必要な電圧以上
となり、ロック部材制御装置(電磁石)45あるいはロ
ック部材制御装置(モーター)46が作動してロック部
材11を固定ピン7をロックする方向に動かし、固定ピ
ン7に設けられた欠き込み・溝・窪み7-cへ差し込むこ
とで固定ピン7をロックし、固定装置Gを作動させて免
震される構造体1と免震される構造体を支持する構造体
2とを固定し、一定以下の風圧になると、風力発電機型
風センサー7-qdの発電する電圧が装置の作動に必要な
電圧以下となり、ロック部材制御装置(電磁石)45あ
るいはロック部材制御装置(モーター)46が作動を止
め、ロック部材11が元に戻って固定ピン7のロックが
解除されることで固定装置Gが解除され、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2との固定
を解除して、通常の状態へ戻す機構である。このとき風
力発電機型風センサー7-qdが風圧が一定以下になった
ことを感知してから、一定の時間をおいて固定装置を解
除させるための、タイマー(または遅延器(8.5.参
照))を設ける場合もある。 b. 連結部材系 連結部材(不可撓部材・可撓部材)の場合についても、
ピストン状部材と固定ピンとの関係を除けば、a.固定ピ
ン系と基本的に同じ構成である。不可撓部材の場合に
は、免震される構造体を支持する構造体2または免震さ
れる構造体1のいずれか一方の構造体に設置された固定
装置の作動部ともう一方の構造体とを、不可撓部材の連
結部材で繋ぐ。可撓部材の場合には、連結部材が可撓部
材であることを除けば、不可撓部材の場合と基本的に同
じ構成である。免震される構造体を支持する構造体2ま
たは免震される構造体1のいずれか一方の構造体に設置
された固定装置の作動部7-pともう一方の構造体とを、
前記固定装置の設置された構造体側に設けられた挿入口
31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部
材8-fの連結部材で繋ぐ。前記もう一方の構造体と可撓
部材8-fとの支持点は360度回転可能なフレキシブル
ジョイント8-fjとなる。挿入口31の形状に関して
は、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせ
る場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介して
の挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取っ
た曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口、すり鉢状等
の形状の挿入口のように、可撓部材8-fとその挿入口3
1とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子を介する
(その場合は、可撓部材8-fに対して直交方向二軸(二
軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそれに対応して
コロ等の回転子を設ける必要がある)等により、摩擦を
小さくした方がよい。また挿入口31の材質は、低摩擦
材がよく、強度も必要である。実施例は、図142、図
147である。図142は、不可撓部材型連結部材系の
固定ピン型固定装置のロックピン方式の場合である。図
147は、不可撓部材型連結部材系の固定ピン型固定装
置のロックピン方式の場合である。以上は、8.2.1.(2)
で説明済である。 8.2.6. 連動作動風作動型固定装置 請求項152項の発明は、複数の固定装置からなり、そ
れぞれの固定装置の作動部またはロック部材が相互に連
動する仕組みをもつ固定装置であり、固定装置の作動部
またはロック部材同士を連動させることによって、複数
の固定装置を同時に固定するように構成されてなること
を特徴とする連動作動型固定装置である。 8.2.6.1. 連動作動風作動型固定装置 請求項153項記載の発明の、連動作動風作動型固定装
置の実施例を示す(参考に図170=連動作動(地震
作動)型固定装置参照)。2つ以上の固定装置におい
て、各固定装置をロックする機能をもったロック部材
が、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等またはレリ
ーズ等で相互に連結されており、風時に、風センサーが
ロック部材の一つを作動させると、各ロック部材が連動
して、それぞれの固定装置を同時に固定し、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定す
るように構成されてなることを特徴とする連動作動型固
定装置である。具体的には、風揺れ等を防止する固定装
置が2個以上用いられ、各固定ピンには、それをロック
する機能をもった部材(ロックピン・ロック弁等、以
下、「ロック部材」と呼ぶ)が、固定ピンのロックまた
は固定する方向にスライドできるような状態で、組み合
わされている。ロック部材同士は、ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッドまたレリーズ等で連結されている。風
時に、このロック部材の一つに、固定ピンのロックする
方向(押出し方向、または引抜き方向)に作用すると、
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまたレリーズ等の
連結により、それぞれの固定ピンのロック部材が、同時
に、それぞれの各固定装置を固定する仕組みである。風
センサーを装備した連動作動型固定装置の実施例で、ロ
ック部材が、ロックピンである場合のものを示す。ロッ
ク部材11には、固定ピン7をロックするための、固定
ピン7が貫通できる大きさのロック孔11-vが開けられ
ており、固定ピン7に設けられた欠き込み・溝・窪み7
-cにロック孔11-vの縁が嵌まり込むことにより、固定
ピン7がロックされる。ロック部材11同士は、ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等8で連結されており、
ロックする方向に連動し、その逆方向にはバネ等(バネ
・ゴム等の弾性体または磁石等)9で戻り、風時に、風
センサーが、直接またそれに連動した部材を介して(例
えば、図165のように作用部(押出し部・引張り部
等)17を介して、また、図173のようにレリーズ8
-r内のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8と繋が
れて)、または、風センサーが、ロック部材制御装置4
7等を介して、ロック部材11の一つに、ロック部材1
1を固定する方向に作用し、そのロック部材11にあけ
られたロック孔11-vの縁に固定ピン7の欠き込み・溝
・窪み7-cに嵌まり込むことによりロックされる形で各
固定ピン7が同時に固定される。また、各ロック部材1
1が、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8のかわ
りにレリーズ等8-rで連結される場合は、そのレリーズ
等8-rにより押出し方向と引張り方向の両方向に連動可
能である。なお、ロック部材11のロック固定の方向の
逆方向には、いずれかのロック部材11の一つにバネ等
9を付けて復元させる必要はある。なお、2つ以上の、
この固定装置において、固定ピン7をロックしている第
1のロック部材7-l同士をワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッドまたはレリーズ等8-rで繋ぎ、片方が動くと他
方も動くように構成する。 8.2.6.2. 連動作動風作動型固定装置 請求項154項記載の発明の、連動作動風作動型固定装
置の実施例を示す(参考に図172〜図173=連動
作動(地震作動)型固定装置参照)。2つ以上の固定装
置において、端部に各固定装置をロックする機能をもっ
た(枝分かれしていない部材、三つ又、四つ又、またそ
れ以上にわかれた)ロック部材が、可動するように取付
けられており、風時に、風センサーがこのロック部材を
可動方向に作動させ、それにより各端部のロック機能
が、それぞれの固定装置を同時に固定して、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定す
るように構成されてなることを特徴とする連動作動型固
定装置である。具体的には、風揺れ等を防止する複数個
の固定装置において、各固定ピンをロックする機能の複
数個のロック孔11-vを持ったロック部材が、固定ピン
をロックまたは解除する方向に可動(スライド)できる
ようになっており、風時にロック部材が押し出されるか
引き戻されるかすると、ロックする機能をもつロック孔
11-vにより、それぞれの固定ピンが嵌まって、同時に
固定されるというものである。ロック部材の形態として
は、固定装置の数に応じ、枝分かれのないもの、三つ
又、四つ又、またそれ以上に枝分かれしたものなどが考
えられる。風センサーを装備した連動作動型固定装置の
実施例を示す。風時に、風センサーが、直接またはそれ
に連動した部材を介して(例えば、図165のように作
用部(押出し部・引張り部等)17を介して、また、図
173のようにレリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・ケ
ーブル・ロッド等8と繋がれて)、または、風センサー
が ロック部材制御装置47等を介して、ロック部材1
1の端部の一つに、ロック部材11を固定する方向に作
用し、そのロック部材11にあけられた複数個のロック
孔11-vの縁に固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに
嵌まり込むことによりロックされる形で各固定ピン7が
同時に固定される。なお、ロック部材11のロック固定
の方向とは逆方向に働くバネ等(バネ・ゴム等の弾性体
または磁石等)9を付けて復元させる必要はある。 8.2.6.3. 連動作動風作動型固定装置 請求項155項記載の発明の、連動作動風作動型固定装
置の実施例を示す(参考に図175、図177=連動
作動(地震作動)型固定装置参照)。2つ以上の固定装
置において、端部に各固定装置をロックする機能をもっ
た(枝分かれしていない部材、三つ又、四つ又、またそ
れ以上にわかれた)ロック部材が、中心を軸として回転
できる様に取付けられており、風時に、風センサーが、
このロック部材を回転させ、それにより各端部のロック
機能が、それぞれの固定装置を同時に固定して、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固
定するように構成されてなることを特徴とする連動作動
型固定装置である。具体的には、風揺れ等を防止する複
数個の固定装置において、各固定ピンをロックする機能
の複数個のロック孔11-vを持ったロック部材が、ロッ
ク部材の一つの点を軸にして回転できるように取付けら
れており、風時に、ロック部材を回転方向へ押出すか引
戻すかすることにより、それぞれの固定装置が同時に固
定されるものである。ロック部材の形態としては、固定
装置の数に応じ、 枝分かれのないもの、三つ又、四つ
又、またそれ以上に枝分かれしたものなどが考えられ
る。図175、図176は、ロック部材が枝分かれして
いない場合であり、図177は、ロック部材が三つ又
に、図178は、四つ又に分かれている場合である。風
センサーを装備した連動作動型固定装置の実施例を示
す。参考図の図175は、ロック部材が枝分かれしてい
ない場合のものである。回転できるロック部材の両端に
固定ピン7をロックするためのロック孔11-vがあり、
風時に、風センサーが、直接またはそれに連動する部材
を介して(例えば、図165のように作用部(押出し部
・引張り部等)17を介して、また、図173のように
レリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
8と繋がれて)、または、風センサーが ロック部材制
御装置47等を介して、ロック部材11の一端を、固定
ピンをロックする回転方向に作動させることにより、そ
のロック部材11にあけられた複数個のロック孔11-v
の縁に固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-cに嵌まり込
むことによりロックされる形で各固定ピン7が同時に固
定される。なおロック部材に、ロック固定とは逆の回転
方向に働くバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石
等)9を付けて、復元力をもたせる必要がある。参考図
の図177は、ロック部材が枝分かれしている場合のも
のである。三つ又、四つ又、またそれ以上に枝分かれ
し、その分岐した個々の端部に固定ピン7をロックする
ためのロック孔11-vをもったロック部材が、ロック部
材の一つの点11-xを軸として回転できるように取付け
られており、風時に、風センサーが、直接またそれに連
動した部材を介して(例えば、図165のように作用部
(押出し部・引張り部等)17を介して、また、図17
3のようにレリーズ8-r内のワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等8と繋がれて)、または、風センサーが
ロック部材制御装置47等を介して、このロック部材1
1の枝分かれした一つに、固定ピン7のロックを固定す
る回転方向へ作用し、そのロック部材11にあけられた
複数個のロック孔11-vの縁に固定ピン7の欠き込み・
溝・窪み7-cに嵌まり込むことによりロックされる形で
各固定ピン7が同時に固定される。なお、ロック部材1
1にロック固定と逆回転方向に働くバネ等9を付けて、
復元力を持たせる必要がある。 8.2.6.4. 連動作動風作動型固定装置 請求項156項の発明は、8.2.から8.2.5.(請求項14
0項から請求項151項のいずれか1項)に記載の風作
動型固定装置を、1個または複数個もった固定装置にお
いて、それぞれの固定装置の固定が、またはロック部材
による固定装置の作動部のロックが、一個の風センサー
からの電気信号により、同時に作動するように構成され
てなることを特徴とする固定装置である。固定の仕方に
関して、次の2種類に分かれる。 (1) 電気で固定装置の作動部自体が固定されるもの 風時に、風センサーからの電気信号により、1個もしく
は複数個の固定装置の作動部自体が固定されるもの。 (2) 電気で固定装置の作動部のロックのみが固定される
もの 風時に、風センサーからの電気信号により、1個もしく
は複数個の固定装置の作動部のロックが固定され、固定
装置の作動部自体は、バネ等(バネ・ゴム等の弾性体ま
たは磁石等)及び風力等により固定されるもの。(1) の
固定装置の作動部の固定は、速やかさを要求され、大き
な電力等を要求されるが、(2) の固定装置の作動部のロ
ック固定のみの場合には、(1)の固定装置の作動部の固
定の場合に比べて少ない電力で済み、また簡易な機構で
済む。請求項156項は、(2)の電気で固定装置の作動
部のロックのみが固定される場合の発明である。具体的
には、8.2.から8.2.5.に記載の風作動型固定装置を、1
個または複数個もった固定装置において、それぞれの固
定装置の固定が、またはロック部材による固定装置の作
動部のロックが、一個の風センサーからの電気信号によ
り、同時になされるように構成されてなることを特徴と
する固定装置である。 8.2.7. 遅延器の設置 請求項157項は、請求項145項から請求項156項
のいずれか一項に記載の風センサー装備型固定装置にお
いて、請求項166項に記載の遅延器が装備され、風圧
が一定以下になったことを感知してから、一定の時間を
おいて固定装置を解除させるように構成されてなること
を特徴とする風センサー装備型固定装置である。 8.3. 固定装置の設置位置とリレー連動作動型固定装置 8.3.1. 一般 請求項158項記載の発明は、風揺れ等の対策を考えた
固定装置の設置位置に関するもので、特許 2575283号の
固定装置(固定ピン装置)、および、8.1.〜8.2 記載の
固定装置は、風により回転の生じにくい、免震される構
造体の重心(重心及び免震される構造体の各立面の図心
からくる平面上の中心を勘案したもの、以下「重心」と
言う)位置またはその近傍の一か所または複数箇所に設
置されるというものである。具体的には、重心近傍に、
(その固定装置を中心に)回転が生じない程度離して2
箇所設置する方法が、多くの場合に採用されると考えら
れる。その場合、複数個の固定装置が、8.1.の地震作動
型固定装置である場合には、8.1.3.の連動作動型固定装
置で説明されている方法により同時解除され、8.2.風作
動型固定装置の場合には、油圧型(8.2.2.)また機械型
(8.2.3.)また電気型(8.2.4.)で同時に解除される。
また、8.1.の地震作動型固定装置の、8.1.3.の連動作動
型固定装置では困難な、複数個の固定装置の距離の離れ
た場合には、以下のような方法がある。この方法は、8.
2.の風作動型固定装置の場合で、複数個が同時に解除さ
れない場合にも利用できる。 8.3.2. 2個以上の固定装置の設置 (1) 重りをできるだけ重くした、増幅器付き地震センサ
ー振幅装置の採用 複数個の固定装置を同時に解除させることを考えると、
地震が大きな振幅になる前に(固定装置が幾つか解除さ
れないことによる捩れが大きく生じる程度の振幅になる
前に、食込み支承(8.7.)の場合には食込み支承から離
脱する地震力になる前に)固定装置を解除できるよう
に、地震センサー(振幅)装置の感度を上げることであ
る。それは、地盤周期に地震センサー(振幅)装置の重
り等のセンサーの周期を合わせることであり(8.1.2.4.
3.(1))、地震センサー振幅装置の場合には、振動する
重りをできるだけ重くすることであり、そして、地震セ
ンサー振幅装置に引抜き長さ(圧縮長さ)を増幅させる
増幅器を付けた8.1.2.4.3.の(3) 増幅器付き地震センサ
ー振幅装置を採用することである。特に、増幅器を付け
る場合には、引抜き長さまたは圧縮長さに応じて、引抜
き力または圧縮力がその増幅倍数分の一に減じられるの
で、より増幅倍数分重さを大きくする必要がある。 (2) 固定装置(敏感型・鈍感型)の設置による 図214〜図215は、請求項159項記載の発明の、
固定装置の設置位置の実施例を示している。この発明
は、複数個設置された固定装置が解除されていく際に、
重心位置または重心に近い箇所が一番最後まで固定され
ているようにすることによって、免震される構造体の、
固定されている箇所の偏りにより生じる捩れた動きを、
防ぐものである。固定装置の設置に関しては、免震され
る構造体の重心位置(または重心近傍)以外の周辺位置
に、固定装置の解除の感度が地震に対して高く敏感な固
定装置G-sを設置し、免震される構造体の重心位置(ま
たは重心近傍)には、周辺位置の固定装置に比べて、固
定装置の解除の感度が地震に対して低く鈍感な固定装置
G-dを設置する。地震感度の高い固定装置G-sとは、地
震感度の低い固定装置G-dに比べ、より小さい地震力で
固定装置が解除され、免震を作動させ易い固定装置であ
り、例えば、8.1.2.2.のロック部材11が差込む固定ピ
ン7の欠き込み・溝・窪み7-c奥行が小さいもの、固定
装置のロック弁7-fの開きが地震力に敏感なもの(8.1.
2.2.1. 2)のロック弁方式)、地震の周期と合わせるこ
と等により地震センサー(振幅)装置の感度が敏感なも
の、地震センサー(振幅)装置の地震時に振動する重り
20が重いもの等である。地震感度の低い固定装置G-d
とは、地震感度の高い固定装置G-sに比べ、より大きな
地震力で固定装置が解除され、免震を作動させ難い固定
装置であり、例えば、8.1.2.2.のロック部材11が差込
まれる固定ピン7の欠き込み・溝・窪み7-c奥行が大き
いもの、固定装置のロック弁7-fの開きが地震力に鈍感
なもの(8.1.2.2.1. 2)のロック弁方式)、地震の周期
と合わせないことにより地震センサー(振幅)装置の感
度が鈍感なもの、地震センサー(振幅)装置の地震時に
振動する重り20が軽いもの等である。平常時は、免震
される構造体の重心位置(または重心近傍)と、それ以
外の周辺位置との2ヶ所以上で、固定装置によって、免
震される構造体が、免震される構造体を支持する構造体
に固定されており、地震時には、周辺位置に設置された
地震感度の高い固定装置G-sがまず解除され、その後、
重心位置(または重心近傍)の地震感度の低い固定装置
G-dが解除されて、免震される構造体の固定が解除され
免震状態に入る。図214(a)(b)(c)は、以上に述べた
固定装置設置位置の実施例を示しており、(a) は、免震
される構造体の重心位置(または重心近傍)以外の周辺
位置に1箇所、免震される構造体の重心位置(または重
心近傍)に1箇所の場合、(b) は、免震される構造体の
重心位置(または重心近傍)以外の周辺位置に2箇所、
免震される構造体の重心位置(または重心近傍)に1箇
所の場合、(c) は、免震される構造体の重心位置(また
は重心近傍)以外の周辺位置に4箇所、免震される構造
体の重心位置(または重心近傍)に1箇所の場合であ
る。この方法は、全ての固定装置において、可能な方法
である。8.1.1.の剪断ピン型固定装置の場合は、地震セ
ンサー(振幅)装置の感度の代わりに、固定ピンの切断
される感度を調整する。つまり、免震される構造体の重
心位置(または重心近傍)以外の周辺位置に、固定ピン
の切断感度が高い(固定ピンが切断されやすい)固定装
置G-sを設置し、免震される構造体の重心位置(または
重心近傍)には、周辺位置に比べて、固定ピンの切断感
度が低い(固定ピンが切断されにくい)固定装置G-dを
設置する。また、8.2.の、風時に免震される構造体を固
定する風作動型固定装置Gにおいては、免震される構造
体の重心位置(または重心近傍)以外の周辺位置に、風
センサー感度が低いかまたは固定ピン等の固定装置の作
動部がセット(=ロック・固定)されにくい固定装置G
-wdを設置し、免震される構造体の重心位置(または重
心近傍)には、周辺位置に比べて、風センサー感度が高
いかまたは固定ピン等の固定装置の作動部がセットされ
易い固定装置G-wsを設置する。それにより、風時に
は、免震される構造体の重心位置(または重心近傍)の
風力感度の高い固定装置G-ws の固定ピン等の固定装置
の作動部がセット(ロック)され、そして周辺位置の風
力感度の低い固定装置G-wd の固定ピン等の固定装置の
作動部が、それに続いてセット(ロック)される。つま
り免震される構造体が、その重心位置(または重心近
傍)においてまず固定され、その後、周辺位置でも固定
されることになる。しかし、風作動型固定装置は、電動
型を使用できるので、各固定装置が同時に作動するよう
にすることも可能である。図215(a)(b)(c)は、この
風作動型固定装置Gの設置位置の実施例を示しており、
(a) は、免震される構造体の重心位置(または重心近
傍)以外の周辺位置に1箇所、免震される構造体の重心
位置(または重心近傍)に1箇所の場合、(b) は、免震
される構造体の重心位置(または重心近傍)以外の周辺
位置に2箇所、免震される構造体の重心位置(または重
心近傍)に1箇所の場合、(c) は、免震される構造体の
重心位置(または重心近傍)以外の周辺位置に4箇所、
免震される構造体の重心位置(または重心近傍)に1箇
所の場合である。この風作動型固定装置に比べて、8.1.
の地震作動型固定装置は、地震時に停電する可能性もあ
り、(自家発電設備を全てに設けるのは困難であるし、
電池方式にもメンテナンスフリーを考えると問題もあ
り)、それゆえ電動型を使用しにくいので、以上の方法
が必要になる。 8.3.3. リレー連動作動型固定装置 請求項160項〜請求項178項記載の発明は、リレー
連動作動型固定装置に関するものである。複数個の固定
装置の同時解除の方法に関して、機械式、電気式にして
も、実際に確実に同時に行われるかどうかという点で問
題があった。特に、地震作動型の固定装置においては時
間差を許されず、また、一本でも解除されない場合の問
題は大きかった。この地震作動型の複数個の固定装置を
同時に作動(解除/セット=ロック・固定)させること
は難しく、順次作動させていくことの方が確実性が高
い。また、順次作動のさせ方によっては、固定装置が一
個でも解除されない場合の問題も解決する。つまり、固
定装置がリレー式に解除され、免震される構造体の重心
に位置する固定装置が最後に作動する方法を採ることに
よってである。また、地震後、固定装置が再びセットさ
れる時には、逆に、重心に位置する固定装置が最初にセ
ットされるのがよい。リレーの伝達方式は、ワイヤー・
ロープ・ケーブル・ロッド等の機械式伝達以外に、当
然、電気式または油圧式伝達も考えられる。 8.3.3.1. 地震作動型固定装置の場合 複数個の地震作動型固定装置に関して、固定装置の作動
(解除/セット=ロック・固定)連動に関しては、同時
に作動させることは難しく、順次作動させていくことの
方が確実性がある。また、順次作動のさせ方によって
は、一本でも解除されない場合の問題も解決する。つま
り、重心の固定装置を最後にリレーさせる方法でその問
題は解決する。請求項160項は、複数の固定装置の各
固定ピン等の固定装置の作動部がリレー式に解除され、
免震される構造体の重心に位置する固定装置の固定ピン
等の固定装置の作動部が最後に解除される仕組みの、リ
レー連動作動型固定装置の発明である。具体的には、連
動作動型固定装置の設置に関して、そのうち少なくとも
一本の固定装置(リレー末端固定装置)が、免震される
構造体の重心位置またはその近傍に、他の固定装置(リ
レー中間固定装置)が、周辺位置に設置され、地震時
に、それらの固定装置が順次解除される際に、前記重心
位置またはその近傍に設置された固定装置が最後に解除
されるように構成される。請求項161項は、地震後に
固定ピン等の固定装置の作動部が再びセットされる際
に、免震される構造体の重心に位置する固定装置の固定
ピン等の固定装置の作動部が最初にセットされる仕組み
のリレー連動作動型固定装置の発明ある。具体的には、
連動作動型固定装置の設置に関して、そのうち少なくと
も一本の固定装置(リレー末端固定装置)が、免震され
る構造体の重心位置またはその近傍に設置され、他の固
定装置(リレー中間固定装置)が、周辺位置に設置さ
れ、地震時にこれらの固定装置が順次解除された後、地
震終了後に、前記重心位置またはその近傍に設置された
固定装置が最初に固定されるように構成される。請求項
162項は、請求項160項、請求項161項記載の記
載の発明のいずれか、または両方を組合せることによっ
て構成されてなることを特徴とするリレー連動作動型固
定装置である。図237〜図265は、その実施例であ
る。 8.3.3.1.1. リレー中間固定装置 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般) そのうち、図237〜図241は、リレー連動作動型固
定装置の一部をなす、リレー中間固定装置の実施例であ
る。リレー中間固定装置には、地震センサー(振幅)装
置と直接繋がっているものと、直接は繋がっていないも
のとがあり、前者をリレー第1中間固定装置、後者をリ
レー第2以降中間固定装置(リレー二番目をリレー第2
中間固定装置、リレーn番目をリレー第n中間固定装
置)と呼ぶ。各リレー中間固定装置の固定ピン7には、
そこに固定ピン7を固定するロック部材11が差し込ま
れる欠き込み・溝・窪み7-cがあり、このロック部材1
1は常時、重力により、またバネ等(バネ・ゴム等の弾
性体または磁石等)9-cの力で、固定ピン7の欠き込み
・溝・窪み7-cに差し込まれている。リレー第1中間固
定装置の場合においては、このロック部材11と、地震
センサー(振幅)装置の地震時に振動する重り20また
は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
等の作動部材とが、図194の地震センサー(振幅)装
置のように(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等8によって結ばれ、地震時にこの重り20
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材が振動して、このワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等8によって、固定ピン7の欠き込み
・溝・窪み7-cから、ロック部材11が外され(引抜か
れ)、固定ピンの固定が解除される。この固定ピンの固
定の解除の方法としては、例えば、地震力によって、固
定ピン7が、挿入部のすり鉢等7-vmの勾配に従いなが
ら、解除方向に動く(図237の実施例では下がる、図
238の実施例では上の固定ピンが上がり、下の固定ピ
ンが下がる、図239の実施例では上がる)ことによ
る。また、リレー中間固定装置は、ロック部材11の装
備に加えて、固定ピンの作動を次のリレー中間・末端固
定装置に連動させる連動機構36を持っている。リレー
第2以降中間固定装置の場合においては、その固定ピン
をロックするロック部材11が、直前のリレー中間固定
装置が持つ連動機構36(後述)と、(レリーズ中の)
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8によって結ば
れており、地震時に、直前のリレー中間固定装置の連動
機構36によって、このワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等8を介して、固定ピン7の欠き込み・溝・窪み
7-cから、ロック部材11が外され(引抜かれ)、固定
ピンが解除される。この固定ピンの固定の解除の方法と
しては、例えば、固定ピンが、地震力により、挿入部の
すり鉢等7-vmの勾配に従って、解除方向に動くことに
よる。連動機構36は、図237〜図238の実施例に
おいては、ピンというかたちを取っており、地震時に、
固定ピン7の作動により力を受け、次のリレー中間固定
ピンまたはリレー末端固定ピンのロック部材11に連動
し、そのロック部材11を解除する役割を果たす。図2
39〜図241の実施例において、連動機構36は、梃
子または滑車または歯車というかたちを取っており、地
震時に、固定ピン7の作動により、梃子または滑車また
は歯車が作動して、次のリレー中間固定ピンまたはリレ
ー末端固定ピンのロック部材11に連動し、そのロック
部材11を解除する役割を果たす。具体的には、連動機
構36は、地震時に、地震力によって、挿入部のすり鉢
等7-vmの勾配に従い、上がったり下がったりする(図
240では上がる)固定ピン7により、ピン36-aが押
出され、また梃子36-bが働き、また滑車36-fまた歯
車36-dが回転し、梃子36-bまた滑車36-fまた歯車
36-dに取り付いたワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8(場合によりレリーズ8-r等で連結された)を引
張り、次のリレー(中間、末端)固定ピンのロック部材
11を引抜き、このロック部材11を解除する。このリ
レー中間固定装置のもうひとつのメリットは、次のリレ
ー中間固定ピンまたはリレー末端固定ピンのロック部材
11に対する引抜き力を、増幅する機能を持つことであ
る。というのは、大抵の場合、リレーが進むごとに伝達
される力は弱まるが、この装置の場合は、地震力によっ
て挿入部のすり鉢等7-vmの勾配に従い動く固定ピン7
の力により、連動機構36が作動するので、伝達される
力は、地震力によって増幅される。このことにより、リ
レー中間固定装置においては、リレーによって伝達され
る力が弱まることなく、その都度、再生され、また増幅
される。請求項163項は、その発明である。図237
は、図220(a)(b)の、固定ピン挿入部の形状及び固定
ピンの形状の場合の固定装置である。図238は、図2
28の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状の場
合の固定装置である。リレー第1中間固定装置と、リレ
ー第2以降中間固定装置またリレー末端固定装置との違
いは、ロック部材11と固定ピン7との間の遊び11-o
の有無、または固定ピンとその挿入部との遊びの有無で
ある。リレー第1中間固定装置には、地震力によってリ
レー式に作動させるためには、この遊び11-oは必要な
いが(図242参照)、リレー第2以降中間固定装置及
びリレー末端固定装置には、地震力によってリレー式に
作動させるために、遊び11-oが必要となる(図243
参照)。図242はリレー第1中間固定装置を示したも
のである。図243は、リレー末端固定装置を示してい
るが、第2以降中間固定装置の場合も、このリレー末端
固定装置と同じように、ロック部材11と固定ピン7と
の間の遊び11-oが必要である。この遊びの大きさは、
地震センサー(振幅)装置によりリレー第1中間固定装
置の固定ピンが解除された後、免震される構造体がその
遊びにより水平移動して、このリレー第1中間固定装置
の連動機構36によって、リレー第2以降中間固定装置
及びリレー末端固定装置のロック部材11が解除される
ために必要な寸法である。また、この寸法が大きすぎる
と、風によるがたつきの原因になるので、必要最小限の
寸法とする。具体的には、リレー第2以降中間固定装置
及びリレー末端固定装置のロック部材11と固定ピン7
との間の遊び11-oとして、その遊び11-oによりリレ
ー第1中間固定装置の固定ピン7が挿入部のすり鉢等7
-vmの勾配に従って動いて連動機構36が作動し、次の
リレー中間固定ピンもしくはリレー末端固定ピンのロッ
ク部材11に連動し、このロック部材11の解除が可能
であるために必要な寸法を取る。以上の固定ピンは、固
定ピン以外のピストン状部材の固定装置の作動部であっ
ても良い。その場合は、固定装置の作動部をロックする
ロック部材は、固定ピンとなる。 8.3.3.1.1.2. リレー中間固定装置(増幅器付) さらに、連動機構36に、梃子または滑車または歯車等
の増幅器を加えることにより、固定ピン等の固定装置の
作動部7の小さい変位を、大きな変位に増幅させて、次
の固定装置に連動させることが可能となる。請求項16
4項は、その発明である。この発明のリレー中間固定装
置(増幅器付)は、請求項163項記載の固定装置の連
動機構において、梃子また滑車また歯車等を採用して、
次のリレー(中間、末端)固定装置のロック部材への引
張長さまたは圧縮長さを増幅していることにより構成さ
れる。図239は、そのうちの梃子を使った場合の実施
例である。図240は、そのうちの歯車を使った場合の
実施例である。図241は、そのうちの滑車を使った場
合の実施例である。具体的に説明すると、図239の梃
子を使った実施例の場合、地震時に、ロック部材11が
引抜かれると、地震力により、固定ピン7が挿入部のす
り鉢等7-vmの勾配に従い動き、それにより連動機構3
6が作動する。固定ピンの上がる力は、連動機構36を
構成している梃子36-bの一端(梃子の力点)36-lに
伝わり、梃子の支点36-hを経由して、それが梃子のも
う一方の端(梃子の作用点)36-jに伝えられる際に、
力点36-lと支点36-hの距離と、支点36-hと作用点
36-jとの距離との比に応じて、続くワイヤー・ロープ
・ケーブル等8の引張られる長さが増大する。図240
の歯車を使った場合も同様である。地震力により、固定
ピン7が振動して挿入部のすり鉢等7-vmの勾配に従っ
て上がったり下がったりする(図240では上がる)
と、それにより連動機構36が作動する。固定ピンの上
がる力は、ラック36−cから、連動機構36を構成し
ている歯車36−dに伝わり、歯車36−dが回転す
る。場合により、歯車がもう一つ付けられていることも
あり、その場合には歯車36−dの回転が二つめの歯車
36−eに伝わる。そして、歯車36−dまたは歯車3
6−eに連結されたワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8が引張られる。このとき、ラック36−cに対す
る歯車36−dの大きさ、または歯車36−dに対する
歯車36−eの大きさの比に応じて、ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等8の引張られる長さが増大する。
図241の滑車を使った場合も同様である。地震力によ
り、挿入部のすり鉢等7-vmの勾配に従い、上がったり
下がったりする(図241では下がる)固定ピン7によ
り、連動機構36のピン36−aが力を受ける(押出さ
れる)。ピン36−aの受けた力(押される力)は、連
動機構36を構成している動滑車36−fの中心軸に伝
わる。動滑車36−fにはワイヤー・ロープ・ケーブル
等8がかけられており、そのワイヤー・ロープ・ケーブ
ル等8の一端はバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁
石等)9-tを介して固定され、もう一方の端は、定滑車
36-gを介して、次のリレー中間固定装置またはリレー
末端固定装置に連結している。動滑車を一つ使用するこ
とで、ワイヤー・ロープ・ケーブル等8の引張られる長
さを二倍に増大させることができる。場合により、動滑
車が複数使用されることもあり、動滑車の数に応じて、
ワイヤー・ロープ・ケーブル等8の引張られる長さは二
倍ずつ増大する。なお、図237〜図260において、
固定ピンの挿入部が、7-vm/vとなっているのは、7-v
(固定ピンの挿入部)または7-vm(固定ピンのすり鉢
状・球面状等の凹形態の挿入部)という意味である。以
上の固定ピンは、固定ピン以外のピストン状部材の固定
装置の作動部であっても良い。 8.3.3.1.2. リレー末端固定装置 請求項165項は、地震作動型のリレー末端固定装置の
発明であり、この発明は、請求項160項、請求項16
1項記載の固定装置のリレー末端固定装置において、固
定ピン等の固定装置の作動部をロックするロック部材を
複数個持ち、この複数個のロック部材は、複数個の他の
リレー中間固定装置の連動機構(請求項163項、請求
項164項記載の連動機構)から、(レリーズ中の)ワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等で、個々に連結さ
れ、地震時に個々に連動して引抜かれて、固定ピン等の
固定装置の作動部のロックが解除されるが、この複数個
のロック部材が、全て解除されない限り、リレー末端固
定装置のロックは完全に解除されないことにより構成さ
れる。図243、図259〜図261は、この請求項1
65項記載の、リレー末端固定装置の実施例を示してい
る。この発明におけるリレー末端固定装置の特徴は、固
定装置をロックするロック部材11を複数個もつという
ことである(図260のようにロック部材11およびロ
ック部材11をロックするロック部材11-aの2つ(も
しくは2つ以上)のロック部材からなる場合もある)。
複数個のロック部材11は、それぞれ、ワイヤー、ロー
プ、ケーブル、ロッド等8(またはレリーズ8-r内のワ
イヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8)で、複数個設
置された他のリレー中間固定装置の連動機構36と個々
に連結されており、地震時に、各ロック部材はそれぞ
れ、ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8によって
引抜かれるようになっているが、複数個のロック部材1
1の全てが引抜かれない限り、リレー末端固定装置のロ
ックは解除されない。また、このリレー末端固定装置
は、免震される構造体の重心部(または重心部近傍)に
設置されることによって、効果を発揮する。つまり、周
辺の固定装置全てが解除されない限り、重心部の固定装
置は解除されないということであり、複数の固定装置が
解除されていく間の、固定未解除箇所に偏りが生じるこ
とにより起こる免震される構造体の捩れた動きを、防ぐ
ことができる。図243、図259、図260は、8.6.
(1)(2)のうち、図220(a)(b)の、固定ピン挿入部の形
状及び固定ピンの形状の場合の固定装置である。図26
1は、8.6.(8)上下固定ピン中間滑り部挟み型のうち、
図228の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状
の場合の固定装置である。図260は、固定ピンのロッ
ク部材11と固定ピンのロック部材11をロックするロ
ック部材11-aとで固定ピンがロックされ、ロック部材
11とロック部材11-aが共に引抜かれない限り、リレ
ー末端固定装置のロックは解除されない場合の実施例で
ある。なお、図237〜図261において、固定ピン7
の取付けられる位置は、図に示されているものと上下の
関係が逆の場合もある。つまり、固定ピン7が、免震さ
れる構造体1に取付けられる場合、免震される構造体を
支持する構造体2に取付けられる場合の両方が考えられ
る。以上の固定ピンは、固定ピン以外のピストン状部材
の固定装置の作動部であっても良い。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置 リレー連動作動型固定装置(リレー中間固定装置・リレ
ー末端固定装置)の固定装置の作動部またはロック部材
と、前記地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間、または直前のリレー中間固定
装置の連動機構との間に、8.5.のような遅延器を設け、
地震時の固定が解除された後の地震振動中の固定装置の
作動部またはロック部材の戻り(固定装置の作動部を固
定する方向への)を遅延する必要がある。地震終了程度
まで、時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、数秒程度時間
を稼ぐものでも問題はない。請求項175項は、その発
明であり、請求項160項から請求項165項のいずれ
か1項に記載の固定装置において、固定装置の作動部ま
たはロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振
動する重りとの間、または直前のリレー中間固定装置の
連動機構との間には、地震時に固定装置の作動部または
ロック部材が解除された後の地震振動中の固定装置の作
動部またはロック部材の戻りを遅延する遅延器を設けて
いることにより構成される(詳細は8.5.に記載)。 8.3.3.1.4. 引張力限定伝達装置 また、固定装置の作動部またはロック部材11と、前記
地震センサー(振幅)装置の地震時に振動する重り20
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連
動機構36との間には、引張力のみを伝達し、圧縮力を
伝達しないようにする装置が必要である。請求項176
項は、この引張力限定伝達装置をもっている固定装置に
関する発明である。図246は、その引張力限定伝達装
置の実施例を示している。これは、二つのL型の部材4
0を相互に引掛かるように組むことにより、引張力のみ
を伝達し、圧縮力を伝達しないようにするものである。
なお、図において、この引張力限定伝達装置の取り付け
位置が1/2となっているのは、免震される構造体1ま
たは免震される構造体を支持する構造体2に取り付けら
れるという意味である。 8.3.3.1.5. リレー連動作動型固定装置の配置構成 図262〜図265は、リレー連動作動型固定装置の配
置の仕方の実施例を示している。リレー中間固定装置
は、免震される構造体の周辺部に設置され、リレー末端
固定装置は、免震される構造体の重心部(または重心近
傍)に設置される。前述のとおり、リレー末端固定装置
は、重心部におかれることによって、効果を発揮する。
免震される構造体の周辺部の固定が全て解除されてはじ
めて、重心部の固定が解除され、免震が始まるからであ
る。各固定装置同士の連結・連動の仕方は、地震センサ
ー(振幅)装置Jから、まず、周辺部にあるリレー第1
中間固定装置G-m1に連結・連動され、そして、幾つか
のリレー第2以降中間固定装置G-m2(リレー二番目)
〜G-mn(リレーn番目)に連結・連動された後、最後
に、重心部に位置するリレー末端固定装置G-eに連結・
連動されるという仕方である。(リレー中間固定装置が
一つしか無い場合は、リレー第1中間固定装置G-m1
が、直接にリレー末端固定装置G-eに連結・連動され
る。)図262、図264は、地震センサー(振幅)装
置Jからリレー末端固定装置G-eまでに、リレー中間固
定装置G-mが、1個介在する場合、図263、図265
は、リレー中間固定装置G-mが、2個介在する場合の実
施例である。最後に位置する、リレー末端固定装置G-e
への連結・連動には、図264、図265のようにリレ
ー中間固定装置G-mn(リレーn番目)による複数経路
で伝達される場合があり、その場合、リレー末端固定装
置には、その経路の個数分のロック部材11が設けられ
る。 8.3.3.2. 風作動型固定装置の場合 風作動型固定装置に関しても、複数の固定装置を同時に
作動させることは難しく、順次作動させていくことの方
が確実性がある。また、順次作動させる方法によって
は、1本でも固定されなかった場合の問題を解決するこ
とができる。つまり、風時には、免震される構造体をそ
の重心において真っ先に固定すればよい。そのために免
震される構造体の重心位置に設置された固定装置が一番
最初に作動するようにする。これが、請求項177項の
発明の内容である。また、風力が一定以下になった後、
免震される構造体の固定が解除される際には、免震され
る構造体の重心位置において最後まで固定されているの
がよい。そのために重心位置に設置された固定装置が一
番最後に解除されるようにする。これが、請求項178
項の発明の内容である。この二つの方法によって、固定
装置が1個でも固定されなかった場合の風揺れの問題は
解消される。請求項179項は、請求項177項、請求
項178項記載の発明のいずれか、または両方を組合せ
ることによって構成されてなることを特徴とするリレー
連動作動型固定装置である。 8.3.3.2.1. リレー中間固定装置 リレー中間固定装置は、風センサー7-qまたは直前のリ
レー中間固定装置に連動している入力連動部37と、次
のリレー中間・末端固定装置を連動させる出力連動部3
8を持つ。リレー中間固定装置には、風センサーと直接
繋がっているものと、直接は繋がっていないものとがあ
り、前者をリレー第1中間固定装置、後者をリレー第2
以降中間固定装置(リレー二番目をリレー第2中間固定
装置、リレーn番目をリレー第n中間固定装置)と呼
ぶ。入力連動部37は、一定以上の風力になると、風セ
ンサー7-qまたは直前のリレー中間固定装置の出力連動
部38からの指令で、固定装置を固定させ、免震機構を
固定する役割をする。出力連動部38は、次のリレー中
間・末端固定装置の入力連動部37へと連結・連動して
おり、一定以上の風力になると、(当該固定装置の固定
ピン7の可動等の力により)、次のリレー中間・末端固
定装置の入力連動部37を作動させてこの固定装置を固
定させ、免震機構を固定する役割をする。請求項180
項は、この風作動型のリレー中間固定装置の発明であ
り、この発明は、請求項177項、請求項178項記載
のリレー中間固定装置において、この固定装置は、風セ
ンサーと直接繋がるリレー(第1)中間固定装置と、風
センサーとは直接繋がらないリレー(第2番目以降の)
中間固定装置に分かれ、前者をリレー第1中間固定装
置、後者をリレー第2以降中間固定装置とし、(リレー
n番目をリレー第n中間固定装置とし)、この固定装置
には、この固定ピン等の固定装置の作動部をロックする
ロック部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪みがあり、
このロック部材は常時、重力・バネ・ゴム・磁石等で引
張られ、この欠き込み・溝・窪みから外されており、リ
レー第1中間固定装置の場合には、このロック部材と、
風センサーとが連動し、風時に、風センサーにより、こ
の欠き込み・溝・窪みにロック部材が入り、固定装置が
固定され、また、リレー第2以降中間固定装置の場合に
は、このロック部材と、直前のリレー中間固定装置の後
述の連動機構とが、(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等によって繋がれており、風時に、
直前の連動機構が作動すると、このワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等によって、欠き込み・溝・窪みに、
ロック部材が入り、固定装置が固定され、このリレー
(第1、第2以降)中間固定装置は、このロック部材の
装備に加えて、次のリレー中間・末端固定装置への連動
機構を持ち、連動機構は、風時に、固定装置の作動に連
動して、次のリレー(中間、末端)固定装置のロック部
材に作用し、このロック部材を固定することにより構成
される。 8.3.3.2.2. リレー末端固定装置の場合 リレー末端固定装置は、直前のリレー中間固定装置と連
動する、入力連動部37を持つ。入力連動部37のみあ
ればよく、出力連動部38をもつ必要は無いが、前記の
リレー中間固定装置を、出力連動部38を使用しない形
で使うという方法もある。 8.3.3.2.3. リレー連動作動型固定装置の配置構成 風センサー7-qに第一に連結・連動されるリレー中間固
定装置(リレー第1中間固定装置)は、免震される構造
体の重心部(または重心近傍)に設置され、リレー第1
中間固定装置から、周辺部に設置されたリレー第2中間
固定装置以降が、順に連結・連動される。風力が一定以
上になると、風センサー7-qからリレー第1中間固定装
置へ、リレー第1中間固定装置からリレー第2中間固定
装置へ(重心部から周辺部へ)、というように順に指令
が送られ、各固定装置が順次作動(セット(=ロック・
固定))していき、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体を固定する。逆に、風力が一定以下
になると、周辺部のリレー第2以降中間固定装置から順
に重心部のリレー第1中間固定装置へ連動し、各固定装
置が順次作動(解除)していき、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体との固定を解除する。
また、以上の説明の各固定装置において、固定ピン7等
の固定装置の作動部は、免震される構造体1に取り付け
られる場合と、免震される構造体を支持する構造体2に
取り付けられる場合の、どちらの場合もある。 8.4. 風揺れ等抑制装置・変位抑制装置としての固定装
置またダンパー 8.4.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 8.4.1.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 図193(a)、図193(b)は、請求項181項〜請求項
182項記載の発明の、風揺れ等抑制装置としての固定
装置(遅延器付き、遅延器の詳細は8.5.に記載)の実施
例を示している。 (1) 風揺れ等抑制装置としての固定装置 請求項181項の発明において、風揺れ等の抑制を以下
の構成で可能にしている。固定ピン先端7-wが挿入され
る方の、挿入部7-vm(固定ピン受け部材)は、すり鉢
状等の凹形状として、その挿入部7-vmに固定ピン先端
7-wを挿入することにより風等に抵抗させ、かつ、固定
ピン7を挿入するもう片方の挿入部7-vは、抵抗器を採
用して(例えば、固定ピン7の取り付けられたピストン
状部材7-pが筒中7-aで液体や空気等を漏らさずスライ
ドするスライド機構とし、ピストン状部材7-pがスライ
ドする早さと抵抗を液体や空気等の粘性抵抗によって)
固定ピン7の挿入部7-vmへの挿入方向に対する抵抗を
調整可能とする。それにより、固定ピン7の挿入部7-v
m(固定ピン受け部材)の、すり鉢状等の凹形状の勾配
でまず風揺れ等に抵抗するが、固定ピン7がその勾配に
より持ち上がろうとすると、今度は、抵抗器により(こ
の例では、ピストン状部材7-pによるスライド機構の粘
性抵抗により)抵抗を受ける。以上のことから風揺れの
抑制装置となる。具体的に説明すると、風揺れ等を抑制
できる勾配をもった、すり鉢状・球面状等の凹形状挿入
部7-vmと、先端部が当該挿入部7-vmに入り込む角度を
もち、挿入部7-vmに挿入されて固定を行う固定ピン7
を有し、筒中7-aで液体や空気等を漏らさずスライドす
るピストン状部材7-pをもった固定ピン7が、その筒
(固定ピン取付け部)7-aに挿入され、筒7-aの外に固
定ピン先端7-wが突き出ており、さらに、筒7-aのピス
トン状部材7-pがスライドする範囲の端と端とが管7-e
また溝(筒7-aに付けられた溝)で繋がれているか、ピ
ストン状部材に孔7-jが設けられるか、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口が
設けられているかしている。この筒の端と端とを繋ぐ管
7-e(図196(a)参照)また溝か、ピストン状部材7-
pにあいている孔(またピストン状部材に設けられた
溝)か、ピストン状部材7-pによって押出される液体・
気体等が筒中から出る出口(図196(b)参照)等の流
路に、バルブを持つ場合は、そのバルブを絞り、流路の
液体・気体等の流量を調整することによって、スライド
機構の流量を変化させることが可能となり、風揺れの抑
制の調整も可能となる。図196(a)(b)において、信号
線7-qlが無く、7-efがバルブに置きかわると、その実
施例になる(なお、孔7-jまたは戻り経路7-erとその
逆止弁7-fとによって固定ピン先端7-wが風によって押
込まれても速やかに復帰して風に抵抗するようにするこ
とが可能である)。また、風揺れ抑制機能の調整は、ピ
ストン状部材7-pに開けられた孔7-jの開口面積または
管7-eの開口面積の調整によって可能となる。 (2) 風揺れ等抑制装置としての固定装置(遅延器付き) さらに、(1)の機能に加えて、抵抗器に8.5.の遅延器を
使用して、地震時に固定ピンがスライド機構の中に収ま
っている時間を延長し、免震効果を高める発明も考えら
れる。請求項182項は、その発明である。8.5.遅延器
の一例で説明すると、ピストン状部材7-pには、この管
7-e(また筒7-aに付けられた溝)の開口面積より大き
いかもしくは小さい孔7-jが設けられる場合があり、管
7-e(また溝)かピストン状部材孔7-jのうち開口面積
の大きい方に弁7-fがある。この弁7-fは、ピストン状
部材7-pが引き込まれる時に開くように取付けられる。
この場合は、弁の設置位置に関し、二つのパターンが挙
げられる。一つは、ピストン状部材7-pに、管7-e(ま
た溝)よりも開口面積が大きい孔7-jがあり、その孔に
弁7-fがある。この弁7-fが、ピストン状部材7-pが引
き込まれる時に開くように付けられる場合である。図1
93(a)は、その実施例である。もう一つは、管7-e
(また溝)と孔7-jの開口面積の大きさが逆の場合、つ
まり、ピストン状部材に、管7-e(また溝)より開口面
積が小さい孔7-jがあって、この管7-e(また溝)の中
に弁7-fがある。この弁7-fが、ピストン状部材7-pが
引き込まれる時に開くように付けられる場合である。図
193(b)は、その実施例である。また、その筒7-aの
中にバネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)7-o
が入り、また重力により、ピストン状部材7-pをもった
固定ピン7を筒外に押出す役割をする場合もある。この
弁7-fの性格により、固定ピン先端7-wの動きは、筒7
-a中に入る方向では速やかであり、出る方向では遅延さ
れる。この装置を遅延器という。それにより、固定ピン
先端7-wは、地震力が働くと速やかに筒7-a中に入り、
地震力が働いている間は出にくくなる。筒7-a、及び管
7-e(また溝)とは、潤滑油等の液体で満たされている
場合もある。図193(a)、図193(b)では、固定ピン
7が免震される構造体1に、固定ピンの挿入部7-vmが
免震される構造体を支持する構造体2に取付けられてい
るが、逆の関係の場合もある。つまり、固定ピンの挿入
部7-vmおよび固定ピン7のうち、どちらか一方が免震
される構造体1に、もう一方が免震される構造体を支持
する構造体2に設けられるということである。バネ等7
-oの設置に関して、4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力
復元型免震装置・滑り支承と同様に、筒7-aの内側の材
とバネ等7-oの上部とが、単に止め金で固定されている
場合もあるが、筒7-aの上部内側が雌ネジになってい
て、そこに雄ネジ7-dが挿入され、雌ネジとバネ等7-o
が接続されている場合もある。雄ネジ7-dは、入り込み
方向に回転して締めることにより、バネ等7-oを圧縮し
て反発力を強め、固定ピン先端7-wを押し出す力を強め
る機能をもち、復元力を高めたり、地震後の免震される
構造体1の残留変位の矯正を可能にしたりする。なお、
図193(a)、図193(b)においては、当然、ピストン
状部材7-pに対して前記バネ等7-oとは逆位置に付けた
バネ・ゴム・磁石等(引張バネ)でピストン状部材7-p
をもった固定ピン7を押し出させても良い。また、管7
-e(また溝)と孔7-jとに、バルブ7-efを設ける事に
より、強風時の手動による強制的固定も可能になる。ま
た、風センサーを設けた場合、風時に風センサーからの
電気信号で、固定装置の管7-e(また溝)、孔7-jの電
動弁、電磁弁、バルブ等7-efを閉めることが考えられ
る。これは、8.2.4.電気型による風作動型固定装置の場
合である。以上の構成から、風等の水平力に対する抵抗
力を期待できる。つまり、すり鉢状・球面状等の凹形状
挿入部7-vmの勾配を調整すること、また、管7-e(ま
た溝)と孔7-jの開口面積の大きさを調整することによ
り、風等の水平力に対して、勾配に応じた抵抗力を発揮
することが期待できる。また、風等の水平力に対して抵
抗できるすり鉢状・球面状等の凹形状挿入部7-vmの勾
配とは、木造住宅では、ピストン状部材7-pが上下しな
い場合には2/10程度(木造住宅の全荷重がここにか
かる場合)の勾配であるが、実際にはピストン状部材7
-pが上下するので、それ以上の勾配が必要となり、管7
-e(また溝)と孔7-jの開口面積の大きさの比率に応じ
て、計算する必要がある。この管7-e(また溝)と孔7
-jの開口面積の調整によっては、これは、ダンパーとし
ても考えられる(水平ダンパーを使用する場合は、水平
方向二方向(直交する二方向)に効かせようとすると、
最低二本必要であるが、この方式の場合では一本で済
む)。これは、8.7.の免震皿の中央部窪み形の風揺れ等
抑制装置と、風等の水平力の抵抗に関して同様の考え方
であるが、地震時には、8.7.に比べて、免震性能を上げ
られる。というのは、8.7.の免震皿の中央部窪み形の風
揺れ等抑制装置では、地震時に、中間滑り部・ボール・
ローラー等が中央部窪み形に入り込んでしまうことがあ
るが、この発明では、遅延器によって、地震時に、固定
ピン7がすり鉢状・球面状等の凹形状挿入部7-vmに入
り込んでしまうことが少なくなるからである。以上の
(1)(2)に共通して言えることであるが、引抜き防止装置
の併用により、風揺れ等の抑制効果をより発揮する。 8.4.1.2. 固定装置・中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
との併用 また、この8.4.1.の風揺れ等抑制装置としての固定装置
と、固定装置もしくは8.7.の免震皿の中央部窪み形の風
揺れ等抑制装置のどちらかとを、または両方とを併用す
ることによって、風揺れを抑え、地震時の快適な免震を
期待できる。特に、重心位置等に設置された固定装置1
個と併用することで、固定装置1個のみの場合に風によ
って起こる、設置点を中心にした回転を防ぐことがで
き、且つ、当該装置のみで全ての風揺れに対応する場合
よりも免震性能を向上させることができる。請求項18
3項は、その発明である。 8.4.2. 固定装置型ダンパー 図197〜図200は、請求項184−0項記載の固定
装置型ダンパーの実施例を示している。この装置は、固
定ピン系固定装置、および可撓部材型連結部材系固定装
置において、複数設けられた液体・気体等の経路の開口
面積に差を設け、且つ、この経路に弁を設けて、固定装
置の作動部であるピストン状部材の動きを抑制すること
により、地震時の免震される構造体の変位を抑制するも
のである。なお、以下、固定装置型ダンパーに関して、
固定ピンは、固定するものではなく、固定ピン受け部材
と接触してその摩擦と勾配によって抵抗する抵抗ピンで
あるが、固定装置型ダンパーということで同じ固定ピン
という名称を使用している。 8.4.2.1. 固定装置型ダンパー1 請求項184項は、ダンパーの発明であり、特に変位抑
制装置、及び風揺れ等抑制装置をも兼ねる。図198
(a)(b)は、請求項184項記載の発明の、ダンパーの実
施例を示している。免震される構造体1と免震される構
造体を支持する構造体2との風揺れ時等の動きおよび地
震時の変位を抑制する装置において、固定ピン7を受け
る方の挿入部7-vm(以下、固定ピンを挿入する凹形態
の挿入部材または固定ピンが当たる凸形態の部材等を固
定ピン受け部材と言う)と固定ピン7を挿入するもう片
方の挿入部7-vのうち、一方を免震される構造体1に、
もう一方を免震される構造体を支持する構造体2に設
け、固定ピン7を受ける方の挿入部7-vm(固定ピン受
け部材)は、すり鉢状等の凹形状として、その挿入部7
-vm(固定ピン受け部材)に固定ピン7を挿入すること
により地震時の変位及び風揺れ等に抵抗させ、かつ、固
定ピン7を挿入するもう片方の挿入部は、固定ピン7を
形成するかまたは接続するピストン状部材7-pと、この
ピストン状部材7-pがその内をスライドする筒7-aとか
ら構成され、筒7-a中の液体・気体等をほぼ漏らさずに
スライドするピストン状部材7-pがその筒7-aに挿入さ
れ、その外にピストン状部材7-pの先端つまり固定ピン
7が突き出ている。さらに、前記筒の、ピストン状部材
を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・気体等の経路が最低2
本設けられており、具体的には、この筒7-aのピストン
状部材7-pがスライドする範囲の端と端とを繋ぐ管7-e
(また筒7-aに付けられた溝)と、ピストン状部材7-p
に孔7-jとが設けられており、管7-e(また溝)と孔7
-jとには開口面積の差をもたせ、この管7-e(また
溝)、またはピストン状部材7-pの孔7-jのうち開口面
積の大きい方に、ピストン状部材7-pが筒7-a中から出
る方向時に開き、それ以外は閉じている弁7-fが付けら
れており(図198(a)(b))、開口面積が小さい方に
は、開口面積が一定以下の場合には弁が必要無いが、弁
を設ける場合には、ピストン状部材7-pが筒7-a中へ引
き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付けら
れている。さらに、重力、また場合によっては筒7-aの
中に入れられたバネ・ゴム・磁石等7-oが、このピスト
ン状部材7-pを筒7-aの外に押出す役割をする場合もあ
る。なお、図198(a)、図198(b)においては、当
然、ピストン状部材7-pに対して前記バネ等7-oとは逆
位置に付けたバネ・ゴム・磁石等(引張バネ)でピスト
ン状部材7-pをもった固定ピン7を押出させても良い。
また、この筒7-aと前記管7-e(また溝)とは潤滑油等
の液体で満たされている場合もある。この弁の性格と、
開口面積の差とをつけることにより、前記ピストン状部
材7-pは、出る方向では、速やかであり、筒7-aの中に
入る方向では、受ける方の挿入部7-vm(固定ピン受け
部材)に対して抵抗して、緩やかに入るようにして風揺
れ等の動きおよび地震時の変位を抑制するようにして構
成される。以上により、地震及び風により変位(つま
り、ピストン状部材7-pが筒7-aの中に入る方向)が生
じると、受ける方の挿入部7-vm(固定ピン受け部材)
に対して固定ピン7が抵抗して変位抑制として働く。そ
して通常位置(すり鉢状等の凹形状の挿入部7-vmの
底)に戻る方向(つまり、ピストン状部材7-pが筒7-a
の中から出る方向)では、固定ピン7が速やかに復帰し
て、次の地震変位に備えることが可能になり、変位抑制
装置として働くことが可能になる。管7-e(また溝)と
孔7-jのうち、開口面積が小さい方を絞り込めば絞り込
むだけ、変位抑制は強く働く。この装置の効果は、以上
の 8.4.全体に共通して言えることであるが、固定ピン
7を受ける方の挿入部7-vm(固定ピン受け部材)を、
すり鉢状等にしていることにより、水平ダンパーではX
Y方向に最低1本ずつ必要であるが、この装置であれば
1本でXY方向に対応できる。また、引抜き防止装置の
併用により、地震時の変位及び風揺れ等の抑制効果をよ
り発揮する。なお、本実施例において液体・気体等の経
路は、筒7-aのピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋
ぐ管7-e(また溝)と、ピストン状部材7-pに開けられ
た孔7-jであるが、管7-eを2ヶ所設けてそれぞれの開
口面積に差をつけるか、孔7-jを2ヶ所設けてそれぞれ
の開口面積に差をつけるか、もしくは3ヶ所以上の経路
を設けることも可能である。また、管、孔に代えて、筒
7-aもしくはピストン状部材7-pに溝を設けても良い。 8.4.2.2. 固定装置型ダンパー2 請求項186項も請求項184項記載の発明と同様に、
固定装置型ダンパーまた縦置き式ダンパーと言えるダン
パーの発明である。図197、図199(a)(b)〜図20
0(a)(b)は、この実施例である。固定ピン7の受け部材
(固定ピン受け部材、例えば、固定ピン7を受ける方の
挿入部7-vm)と固定ピン7を挿入するもう片方の挿入
部のうち、一方を免震される構造体1に、もう一方を免
震される構造体を支持する構造体2に設け、固定ピン受
け部材は、例えば、すり鉢状等の凹形状として、その挿
入部7-vmに固定ピン7を挿入することにより地震時の
変位及び風揺れ等に抵抗させ、かつ、固定ピン7を挿入
するもう片方の挿入部は、固定ピン7を形成するかまた
は接続するピストン状部材7-pとこのピストン状部材7
-pがその内をスライドする筒7-aとから構成され、筒7
-a中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
トン状部材7-pがその筒7-aに挿入され、その外にピス
トン状部材7-pの先端つまり固定ピン7が突き出てい
る。ピストン状部材7-pによって押出される液体・気体
等が筒7-aの中から出る出口経路7-acjと、出口経路7
-acjからその押出された液体・気体等が筒7-aの中に戻
る別経路の戻り経路7-erとが設けられており、出口経
路7-acjと戻り経路7-erとには開口面積の差をもた
せ、出口経路7-acjは小さく、戻り経路7-erは大きく
し、戻り経路7-erには、ピストン状部材7-pが筒7-a
の中から出る方向時に開き、それ以外は閉じている弁が
付けられており、出口経路7-acjは、開口面積が一定以
下の場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピ
ストン状部材7-pが筒7-aの中へ引き込まれる時に開
き、それ以外は閉じている弁が付けられている。さら
に、重力、また場合によっては筒7-aの中に入れられた
バネ・ゴム・磁石等9-cが、このピストン状部材7-pを
筒7-aの外に押出す役割をする場合もある。また、この
筒7-aまたは経路7-acj、7-erとは潤滑油等の液体で
満たされている場合もある。この弁の性格と、出口経路
と戻り経路とに開口面積の差とをつけることにより、前
記ピストン状部材7-pは、出る方向では、速やかであ
り、筒7-aの中に入る方向では、固定ピン受け部材(例
えば、受ける方の挿入部7-vm)に対して抵抗して、緩
やかに入るようにして風揺れ等の動きおよび地震時の変
位を抑制するようにして構成される。以上により、地震
及び風により変位(つまり、ピストン状部材7-pが筒7
-aの中に入る方向)が生じると、固定ピン受け部材(例
えば、受ける方の挿入部7-vm)に対して固定ピン7が
抵抗して変位抑制として働く。図197、図199(a)
(b)〜図200(a)では、通常位置(すり鉢状等の凹形状
の挿入部7-vmの底)に戻る方向(つまり、ピストン状
部材7-pが筒7-aの中から出る方向)では、固定ピン7
が速やかに復帰して、次の地震変位に備えることが可能
になり、変位抑制装置として働くことが可能になり、図
200(b)では、変位増加方向(凸形態部材7-vmtの周
辺部に向かう方向、つまり、ピストン状部材7-pが筒7
-aの中から出る方向)では、固定ピン7が速やかに出
て、通常位置に戻る方向では変位抑制装置として働くこ
とが可能になる。図197、図199(a)(b)〜図200
(a)と、図200(b)とでは、このように逆方向で抑制が
働く。出口経路7-acjを絞り込めば絞り込むだけ、変位
抑制は強く働く。この縦置き式ダンパーの場合は、オイ
ルダンパー等の水平に置かれる場合の問題を解決する。
すなわち水平に置かれることにより30〜50年という
ような期間では油漏れの心配が生じることである。この
ような縦置きで油が溜まり漏れ出ることのない形であれ
ばこのような問題はなくなる。また、8.4.全体に共通し
て言えることであるが、固定ピン受け部材を、すり鉢状
・球面状等の凹形態凸形態にしていることにより、水平
ダンパーではXY方向に最低1本ずつ必要であるが、こ
の装置であれば1本でXY方向に対応できる。また、引
抜き防止装置の併用により、地震時の変位及び風揺れ等
の抑制効果をより発揮する。また、8.1.2.2.5.に記載の
ように、8.1.2.2.5.1.の図278〜図287、8.1.2.2.
5.2.の図288〜図330においても、出口・出口経路
7-acjを絞り込むこと(重り20、20-bによって塞が
れているが、重りと出口の隙間調整によって絞り込むこ
と)によって、同様のことが可能である。 8.4.3. 可撓部材型連結部材系ダンパー 請求項188項、請求項189項、請求項189−2項
は、可撓部材型連結部材系ダンパーの発明である。この
方式は、油圧ダンパー等の既成のダンパーのすべてに適
用可能である。図201〜図202は、この実施例であ
る。免震される構造体を支持する構造体2に設置された
ダンパーの作動部(油圧ダンパー等のピストン状部材等
の作動部)7-pと免震される構造体1とを免震される構
造体を支持する構造体2に設置された挿入口31を介し
て、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材8-fで繋
ぐ。免震される構造体1と可撓部材8-fとの支持点は3
60度変形可能なフレキシブルジョイント8-fjとな
る。ここで当然、上下が逆の、免震される構造体1に設
置されたダンパーの作動部7-pと免震される構造体を支
持する構造体2とを免震される構造体1に設置された挿
入口31を介して、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可
撓部材8-fで繋ぐ場合もある。挿入口31の形状に関し
ては、一方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持た
せる場合は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介し
ての挿入口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取
った曲面鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口(図38
6)、すり鉢状等の形状の挿入口のように、可撓部材8
-fとその挿入口31とが接する角を丸めるか、コロ等の
回転子を介する(その場合は、可撓部材8-fに対して直
交方向二軸(二軸とは互いに直交方向をなす)に分けて
それに対応してコロ等の回転子を設ける必要がある)等
により、摩擦を小さくした方がよい。また挿入口31の
材質は、低摩擦材がよく、強度も必要である。この構成
によって、一個であらゆる方向のダンパーが可能にな
る。ダンパーは水平置きまた垂直置きでもよい。 垂直
置きの場合は、水平置きの問題を解決する。すなわち水
平に置かれることにより30〜50年というような期間
では油漏れの心配が生じることである。このような縦置
きで油が溜まり漏れ出ることのない形であればこのよう
な問題はなくなる。図201では、ピストン状部材7-p
によって押出される液体・気体等が筒7-aの中から液体
貯槽7-acまたは外部へ出る出口経路7-acjと、出口経
路7-acjからその押出された液体・気体等が筒7-aの中
に戻る別経路の戻り経路7-erとが設けられており、出
口経路7-acjと戻り経路7-erとには開口面積の差をも
たせ、出口経路7-acjが大きく、戻り経路7-erは小さ
く、出口経路7-acjには、ピストン状部材7-pが筒7-a
の中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁
が付けられている。戻り経路7-erは、開口面積が一定
以下の場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、
ピストン状部材7-pが筒7-aの中から出る方向時に開
き、それ以外は閉じている弁が付けられており、この弁
の性格と、開口面積の差をつけることにより、前記ピス
トン状部材は、筒の中に入る方向では、速やかに入り、
筒の中から出る方向では、緩やかに出るようにして風揺
れ等の動きおよび地震時の変位を抑制する。さらに、重
力、また場合によっては筒7-aの中に入れられたバネ・
ゴム・磁石等9-tにより、このピストン状部材7-pを復
元させる必要がある(当然、ピストン状部材7-pに対し
て前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴム・磁石
等9-cでピストン状部材7-pを復元させても良い)。図
202では、筒の、ピストン状部材7-pを挟んだ反対側
同士を繋ぐ液体・気体等の経路を最低2ヶ所設け、具体
的には、ピストン状部材7-pに孔7-js、戻り孔7-jrを
設け、戻り孔7-jrの開口面積は大きくして、孔7-jsの
開口面積を絞り込むことにより、風揺れ等の動きおよび
地震時の変位を抑制する。孔7-jsの開口面積を絞り込
めば絞り込むだけ、変位抑制効果は増大する。戻り孔7
-jrには、ピストン状部材7-pが筒7-aの中へ引き込ま
れる時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてい
る。孔7-jsは、開口面積が一定以下の場合には弁が必
要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材7-pが
筒7-aの中から出る方向時に開き、それ以外は閉じてい
る弁が付けられている。さらに、筒7-aの中に入れられ
たバネ・ゴム・磁石等9-tにより、このピストン状部材
7-pを復元させる必要がある(当然、ピストン状部材7
-pに対して前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴ
ム・磁石等9-cでピストン状部材7-pを復元させても良
い)。なお、図201は、ダンパーの作動部7-pが垂直
置きの場合、図202は、水平置きの場合である。それ
ぞれ(a)は通常時の場合、(b)は免震時の変位振幅時の場
合である。この図202の水平置きダンパーの場合は、
ラッパ状・すり鉢状等の挿入口31よって閉じられた
(ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーへの)前室
7-aaによって、油漏れに関して垂直置きの場合と同様
に油を溜め置く形となり、水平置きに拘らず、油漏れの
心配が生じる問題は無い。且つ垂直高さが得られない場
合に適している。なお、図202において、ピストン状
部材7-pを挟んだ筒7-aの反対側同士を繋ぐ2ヵ所経路
は、ピストン状部材7-pに設けられているが、この形態
に限られるものではなく、筒7-aのピストン状部材を挟
んだ反対側同士を繋ぐ管と、ピストン状部材7-pに開け
られた孔をつけてそれぞれの開口面積に差をつけるか、
筒7-aのピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管を
2ヶ所設けてそれぞれの開口面積に差をつけるか、孔を
2ヶ所設けてそれぞれの開口面積に差をつけるか、もし
くは3ヶ所以上の経路を設けることも可能である。ま
た、管、孔に代えて溝を用いても良い。 8.4.4. ダンパー兼用の固定装置 8.4.4.1. ダンパー兼用の固定装置 (1) ロック弁方式 1 固定装置とダンパー兼用の固定装置の発明で、地震作動
型、風作動型固定装置両方の場合がある。請求項185
項は、その発明である。請求項184項記載の発明の、
ダンパーの弁(開口面積の大きい方に設けられた弁)
が、ロック弁(ロック部材)7-efに代わった場合で、
風センサーからの指令で、作動するロック弁とするか、
地震センサー(振幅)装置からの指令で、作動するロッ
ク弁とするか等により構成される。図196(a)は、そ
の実施例である。図198(b)の弁7-fが、ロック弁
(ロック部材)7-efに代わった場合で、図196(a)に
おいて、管7-qlを地震センサー(振幅)装置からの管
と考えると、地震作動型の場合であり、管7-qlを風セ
ンサーからの管と考えると、風作動型の場合である。ま
た、図196(a)は、請求項101項、請求項147項
の、地震力による自動復元型の場合の実施例でもある。
固定ピンの挿入部7-vmと固定ピン7のうち、一方を免
震される構造体1に、もう一方を免震される構造体を支
持する構造体2に設け、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2とを、すり鉢状・球面状等
の凹形状挿入部7-vmに固定ピン(この固定ピン等は、
水平力が働くと水平移動して、すり鉢状・球面状等の凹
形状挿入部によって、自由に上がり下がりする)7を挿
入することによって固定して、風揺れ等を防止する固定
装置において、固定ピン7の支持部は、筒部とその中に
入るピストン状部材7-pからなり、筒中を液体・気体等
をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材7-pをも
った固定ピン7が、その筒に挿入され、その外に固定ピ
ン先端7-wが突き出ており、さらに、この筒のピストン
状部材7-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pが
スライドする範囲の端と端と)は管7-eまた溝(筒7-a
に付けられた)かで繋がれているか、ピストン状部材7
-pに孔が設けられているか、ピストン状部材によって押
出される液体・気体等が筒中から出る出口が設けられて
いるかしており、そして、この筒のピストン状部材7-p
を挟んだ反対側同士(端と端と)を繋ぐ管7-eまた溝
か、ピストン状部材7-pにあいている孔か、ピストン状
部材7-pによって押出される液体・気体等が筒中から出
る出口かに、または全てに、固定ピン7をロックするロ
ック弁(ロック部材)7-ef が、付いており、ピストン
状部材によって、液体・気体等が、押出される方向の管
また溝か孔かは、開口面積を小さく、戻る方向の管また
溝か孔かは、開口面積を大きくする。そして、 開口面
積の大きい方に設けられた弁は、風センサーからの指令
で、作動するロック弁とするか、地震センサー(振幅)
装置からの指令で、作動するロック弁とするか等により
構成される。この弁の性格と、このような開口面積の差
とをつけることにより、前記ピストン状部材7-pは、出
る方向では、速やかであり、筒7-aの中に入る方向で
は、固定ピン受け部材7-vmに対して抵抗して、緩やか
に入るようにして風揺れ等の動きおよび地震時の変位を
抑制する。風作動型の場合は、風センサーからの指令
で、このロック弁(ロック部材)を閉じて固定ピンをロ
ックし、免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定するように構成されている。地震作動
型の場合は、地震センサー(振幅)装置からの指令で、
このロック弁(ロック部材)を開いて固定ピンのロック
を解除し、免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との固定を解除するように構成されている。 (2) ロック弁方式 2 固定装置とダンパー兼用の固定装置の発明で、地震作動
型、風作動型固定装置両方の場合がある。請求項187
項は、その発明である。請求項186項記載の発明の、
ダンパーの弁(出口経路に設けられた弁)が、ロック弁
(ロック部材)7-efに代わった場合で、風センサーか
らの指令で、作動するロック弁とするか、地震センサー
(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁とするか
等により構成される。図196(b)は、図199(a)(b)
〜図200(a)の出口経路7-acjに設けられた弁7-f
が、ロック弁(ロック部材)7-efに代わった場合で、
風センサーからの指令で、作動するロック弁とすると風
作動型の場合で、地震センサー(振幅)装置からの指令
で、作動するロック弁とすると地震作動型の場合であ
る。風作動型の場合は、風センサーからの指令で、この
ロック弁(ロック部材)を閉じて固定ピンをロックし、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定するように構成されている。地震作動型の場合
は、地震センサー(振幅)装置からの指令で、このロッ
ク弁(ロック部材)を開いて固定ピンのロックを解除
し、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定を解除するように構成されている。 (3) ロック弁方式 3 可撓部材型連結部材系の固定装置とダンパー兼用の発明
で、地震作動型、風作動型固定装置両方の場合がある。
請求項190項は、その発明である。請求項189項、
請求項189−2項記載の発明のダンパーにおいて、戻
り経路(請求項189項)または経路のうち開口面積の
小さい方(請求項189−2項)に設けられた弁が、ロ
ック弁(ロック部材)7-efに代わった場合で、風セン
サーからの指令で、作動するロック弁とするか、地震セ
ンサー(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁と
するか等により構成される。図201の戻り経路の戻り
口7-erに設けられた弁7-fが、ロック弁(ロック部
材)7-efに代わった場合、また、図202、図203
では、ピストン状部材7-pの経路のうち開口面積の小さ
い方すなわち管7-jsに、ロック弁(ロック部材)7-ef
が設けられた場合で、風センサーからの指令で、作動す
る(閉じる)ロック弁7-efとすると風作動型の場合
で、地震センサー(振幅)装置からの指令で、作動する
(開く)ロック弁7-efとすると地震作動型の場合であ
る。風作動型の場合は、風センサーからの指令で、この
ロック弁(ロック部材)を閉じて固定ピンをロックし、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定するように構成されている。地震作動型の場合
は、地震センサー(振幅)装置からの指令で、このロッ
ク弁(ロック部材)を開いて固定ピンのロックを解除
し、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
造体とを固定を解除するように構成されている。 (4) ロック弁方式 4(8.1.2.2.5.(ロック)弁方式
型) 8.1.2.2.5.(ロック)弁方式型の固定装置とダンパー兼
用の固定装置の発明である。請求項191項は、この発
明である。図332(a)は、この発明のうち滑り型重り
20(ボール型重り20-b)による実施例である。図2
93も、滑り型重り20(ボール型重り20-b)による
実施例であるが、図332(a)と、重り20、20-bと
出口・出口経路7-acjとが位置関係が逆である(8.1.2.
2.5.2.(ロック)弁方式 (12)参照)。図295(b)
も、滑り型重り20(ボール型重り20-b)による実施
例である(8.1.2.2.5.2.(ロック)弁方式(13)参
照)。図332(b)は、この発明のうち振り子型重り2
0-eによる実施例である。図288、図296、図30
1、図303〜図305、図318(a)〜図330の固
定装置において、ピストン状部材7-pの挿入筒7-aまた
は付属室7-abからの液体貯槽7-acまたは外部への出口
・出口経路7-acjにつけられた弁(重り20、20-b、
20-e)以外に、液体貯槽7-acまたは外部から付属室
7-abまたはピストン状部材7-pの挿入筒へ戻る戻り口
7-erを設けてそこに弁(逆流を防ぐ弁)7-fsを付ける
(図332(a)記載の弁7-fsの構成について説明してお
くと、通常はバネ9-cによって、風時にはピストン状部
材7-pによって、弁が閉じる方向に力を受けているが、
免震時の、固定ピン7-wが挿入部7-vmの中心方向に戻
る時には、ピストン状部材7-pの作動により、液体貯槽
7-acまたは外部から挿入筒7-aまたは付属室7-abへ入
る液体等の流れが発生し、この流れによって、弁7-fs
が開く方向に押されることにより、戻り口7-erが開放
されるのである)。出口・出口経路7-acjの開口面積の
大きさは小さくし、戻り口7-erの開口面積の大きさは
大きくする。出口・出口経路7-acjの開口面積の大きさ
を小さくしたことにより、地震時の固定ピン7の、すり
鉢状・球面状等の凹形態の挿入部7-vm、7-vmcでの中
心から周辺への移動に抵抗を与え、加えて、戻り口7-e
rの開口面積の大きさを大きくしたことにより、地震時
に固定ピン7の元の位置への戻りに抵抗を与えず速やか
にし、そして再度、中心から周辺への移動に抵抗を与え
られる。このようにして固定装置と兼用の変位抑制効果
等を持ったダンパーとなる。また、免震時に固定機構が
働かないように、出口・出口経路7-acjに設けられた弁
は地震時に開かれた状態にする必要があるが、地震時に
開かれた状態を維持するには、以下のような方法が考え
られる。 1) 免震時の、重り20、20-b、20-eとロック弁管
20-cpとの接触回数を減らす。その方法として、まず
ロック弁管20-cpの重りと接する先端部20-cpt等を
できるだけ小さくする(図293)ことが考えられる。
また、ロック弁管20-cpをセンサー免震皿36-vmの中
心からずらす方法もある。ロック弁管20-cpがセンサ
ー免震皿36-vmの中心にあるよりも中心からずれた設
置の方がその位置を地震時に重り20、20-bが通る回
数が少なくなる(図292)。さらに、ロック弁管20
-cpを2個以上設置する(図292)方法も考えられ
る。ロック弁管20-cpを2個以上設置することによ
り、免震時にいずれかに重り20、20-b、20-e、2
0-eが接触したとしても、いずれかのロック弁管20-c
pが開いている状態になる。 2) 免震時の、重り20、20-b、20-eの元の位置
(通常位置)への戻りを遅くする。その方法として、振
り子重り20-eの場合には、ある一定以上の地震変位振
幅時には振り子支点部で摩擦が働くようにして振れが緩
慢になるようにすることが考えられる。重り20、20
-bでは、この重り20、20-bを滑動させる球面・すり
鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部免震
皿の勾配を緩くする。またこの免震皿の周辺勾配を緩く
する。それにより、ある一定以上の変位振幅時には重り
20、20-bの戻りがより遅くなる。また、図295
(b)のように、通路口7-abjが重り20、20-bの下に
あり、免震時に通路口7-abjから液体・気体等が吹出し
て重り20、20-b、20-eの元の位置(通常位置)へ
の戻りを遅くする方法もある。 3) その他 8.5. 7) センサー免震皿による遅延装置を参照。 8.4.4.2. 挿入部形状 請求項192項は、固定装置とダンパー兼用の固定装置
の固定ピンの挿入部形状の発明である。固定装置とダン
パー兼用の場合の、固定ピンのすり鉢状・球面状等の凹
形態の挿入部7-vmの形状は、風揺れ対策を考えると、
挿入部7-vmcの中心部だけ、曲率半径を小さくするか、
勾配を強くする。そして周辺は、曲率半径を大きくする
か、勾配を緩くする。図332(a)〜図332(b)は、こ
の実施例である。また、この8.4.4. ダンパー兼用の固
定装置の挿入部(固定ピンが当たる部材含む)形状とし
て、前記 8.4.5.1.記載の発明も適用できるものであ
る。 8.4.5. 固定ピン受け部材形状と変位対応変化型ダンパ
ー この発明は、地震の(応答)変位に対応してダンパー性
能が変化する変位対応変化型ダンパーに関するものであ
る。このダンパーは本免震装置としてだけでなく一般の
ダンパーにも適用可能である。ダンパー性能を変位に応
じて変化させるには、固定ピン受け部材変化型、管変化
型、ピストン穴・溝変化型、シリンダー溝変化型があ
る。 8.4.5.1. 固定ピン受け部材変化型 固定ピンを挿入する挿入部または固定ピンが当たる凸形
態部材等の固定ピン受け部材の形状を変化させる形で、
ダンパー能力を変化させる変位対応変化型ダンパーに関
するものである。ここで、「挿入部」について、凹形態
だけでなく固定ピンが当たる凸形態部材までも挿入部と
する(すべての章で同じ)。すり鉢状・球面状等の凹形
態凸形態の固定ピン受け部材の形状について、形状は、
全方向性のすり鉢状・球面状等の凹面もあり、一方向性
(往復を含む、以下同じ)の円柱面状等の凹面、凸面も
ある。曲率の変化の割合は、段階的に変化させる場合、
一定の割合で変化させる場合(単純比例の場合、(固定
ピン受け部材の中心からの距離に対して高さが)二乗ま
たはn乗に比例する場合、等差数列の場合、等比数列の
場合、また特殊な関数の場合)もある。n乗に比例する
場合は、n=1〜2.5が効果がある。以下にその式をあ
げる。 Z=p・X^n ただし X : 固定ピン受け部材の中央部からの水平変
位 Z : 固定ピン受け部材が構成する曲面上で、水平変位
Xに伴い生じる鉛直変位 (凸型凹型時では+−が反転する) p、n : 曲面の方程式の係数 一般にはn=1.4〜1.5のとき、ダンパー装置として最も
良い結果が得られる。請求項192−5−0項は、その
発明である。このダンパーを導入した場合の運動方程式
は、このダンパーにより与えられる免震層での減衰係数
をCD とすると以下のとおりとなる。(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 8.4.5.1.2.(1)また 10.
5.1.1.0.の記号一覧参照) (x^2+y^2)^0.5≦ Rの時 d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・x/(x^2+y^2)^0.5+μ・(dx/dt)/((dx/dt)^2+(dy/dt )^2)^0.5} +C/m・x・(x・dx/dt+y・dy/dt)/(x^2+y^2) =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・y/(x^2+y^2)^0.5+μ・(dy/dt)/((dx/dt)^2+(dy/dt )^2)^0.5} +C/m・y・(x・dx/dt+y・dy/dt)/(x^2+y^2) =-d(dqy/dt)/dt 但し π/2≦arccos〔(x・dx/dt+y・dy/dt)/{(x^2+y^2)・((dx/dt)^2+(dy/dt)^2)}^0. 5〕<π [rad] のとき C=CD 0<arccos〔(x・dx/dt+y・dy/dt)/{(x^2+y^2)・((dx/dt)^2+(dy/dt)^2)}^0. 5〕≦π/2 [rad]のとき C=0 (x^2+y^2)^0.5> Rの時(すり鉢状部分を越えるとθ=0とする場合) d(dx/dt)/dt +μ・g・(dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5 +C/m・x・(x・dx/dt+y・dy/dt)/(x^2+y^2) =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +μ・g・(dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5 +C/m・y・(x・dx/dt+y・dy/dt)/(x^2+y^2) =-d(dqy/dt)/dt 但し π/2≦arccos〔(x・dx/dt+y・dy/dt)/{(x^2+y^2)・((dx/dt)^2+(dy/dt)^2)}^0. 5〕<π [rad] のとき C=CD 0<arccos〔(x・dx/dt+y・dy/dt)/{(x^2+y^2)・((dx/dt)^2+(dy/dt)^2)}^0. 5〕≦π/2 [rad]のとき C=0 8.4.5.1.1. 変位抑制用1 (1) 凹型(往路抑制型) 請求項192−1項は、地震時変位振幅の中心からの往
路で変位抑制できるダンパーの発明である。固定装置型
ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参照)またはダンパー兼
用の固定装置(8.4.4.参照)において、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか一方
に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部材が
設置され、固定ピン受け部材形状が凹形態の部材からな
り、固定ピン受け部材の凹形態とは、例えば、すり鉢状
・球面状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹形態とな
っている。この固定ピン受け部材形状により、地震時変
位振幅の中心からの往路で変位抑制できるダンパーにな
る。図199〜図200(a)は、この実施例である。通
常時には、固定ピンの先端7-wは、固定ピンのすり鉢状
・球面状または円柱谷面状・V字谷面状等の凹形態の固
定ピン受け部材(挿入部)7-vmに挿入されてその中心
部に位置している。地震時には、固定ピンの先端7-wの
移動は、固定ピンを受ける固定ピン受け部材(挿入部)
7-vmのすり鉢状・球面状等の凹形態の中心から周辺へ
向かう往路をとる場合と、周辺から中心へと向かう復路
をとる場合とに分かれる。往路においては、すり鉢状・
球面状等の凹形態の固定ピン受け部材(挿入部)7-vm
の斜面から固定ピンの先端7-wが力を受けてダンパーと
して機能する。復路においては、変位に従って固定ピン
の先端7-wが速やかにすり鉢状・球面状等の凹形態の固
定ピン受け部材(挿入部)7-vmに挿入され、その中心
部に向かって復元していくが、ダンパーとしては働かな
い機構となっている。往路のみに効き、復路に効かな
い、片効きダンパーである。固定ピン受け部材(挿入
部)が、すり鉢状・球面状等の凹形態の場合は、全方向
にダンパーとして機能する。固定ピン受け部材(挿入
部)が、円柱谷面状・V字谷面状の凹形態の場合は、谷
面の上り下り方向にしかダンパーとして機能しない。 (2) 凸型(復路抑制型) 請求項192−2項は、地震時変位振幅の中心からの復
路で変位抑制できるダンパーの発明である。固定装置型
ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参照)またはダンパー兼
用の固定装置(8.4.4.参照)において、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体のどちらか一方
に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け部材が
設置され、固定ピン受け部材形状が凸形態の部材からな
り、固定ピン受け部材形状が凸形態とは、例えば、すり
鉢状・球面状または円柱山面状・V字山面状等となって
いる。上記(1) 凹型(往路抑制型)とは逆の形状のもの
である。図200(b)は、この実施例である。通常時に
は、固定ピンの先端7-wは、固定ピンを受ける固定ピン
受け部材のすり鉢状・球面状または円柱山面状・V字山
面状等の凸形態の部材7-vmtの中心部に位置している。
地震時には、固定ピンの先端7-wの移動は、固定ピンを
受ける固定ピン受け部材のすり鉢状・球面状等の凸形態
の部材7-vmtの中心から周辺へ向かう往路をとる場合
と、周辺から中心へと向かう復路をとる場合とに分かれ
る。往路においては、変位に従って固定ピンを受ける固
定ピン受け部材のすり鉢状・球面状等の凸形態の部材7
-vmtの斜面にそって復元していくが、ダンパーとしては
働かない。復路においては、固定ピン受け部材のすり鉢
状・球面状等の凸形態の部材7-vmtの斜面から固定ピン
の先端7-wが力を受けてダンパーとして機能する。復路
のみに効き、往路に効かない、片効きダンパーである。
固定ピンが当たる固定ピン受け部材の凸形態部材7-vmt
が、すり鉢状・球面状等の凸形態の場合は、全方向にダ
ンパーとして機能する。固定ピンが当たる固定ピン受け
部材の凸形態部材7-vmtが、円柱山面状・V字山面状の
凸形態の場合は、山面の上り下り方向にしかダンパーと
して機能しない。 (3) 凸凹(反復)型 請求項192−2−2項は、地震時変位振幅の中心から
の往復路で変位抑制できるダンパーの発明である。固定
装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参照)またはダン
パー兼用の固定装置(8.4.4.参照)において、免震され
る構造体と免震される構造体を支持する構造体のどちら
か一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定ピン受け
部材が設置され、固定ピン受け部材形状が凸凹形態部材
7-vmrからなり、固定ピン受け部材形状が凸凹形態と
は、例えば、凸凹(反復)平行状、凸凹(反復)環状、
凸凹升目反復状等となっている。凸凹(反復)が平行状
になっている凸凹(反復)平行状は、一方向のみダンパ
ー性能が得られる。凸凹(反復)が環状になっている凸
凹(反復)環状は、全方向にダンパー性能が得られる。
また、当然、凸凹ランダムに繰返す型もある。いずれ
も、固定ピン受け部材の深さが低く押さえられ、軽量化
が可能になる。図218(a)は、固定ピン受け部材形状
が凸凹形態部材7-vmrからなり、凸凹が平行状に繰返し
ている場合の実施例で、山型が、谷型が、平行状になっ
て繰返して凸凹(反復)型となっている。図218(b)
は、固定ピン受け部材形状が凸凹形態部材7-vmrからな
り、凸凹7-vmrが升目状に繰返している場合の実施例
で、山型(円錐・角錐)が、碁盤目状になって繰返して
凸凹(反復)型となっている。図219は、固定ピン受
け部材形状が凸凹形態部材7-vmrからなり、凸凹が環状
に繰返している場合の実施例で、山型が環状に、谷型が
環状になって繰返して凸凹(反復)型となっている。ま
た、他の実施例として、凸凹がランダムに繰返している
場合もあり、山型(円錐・角錐)が、ランダム状になっ
て繰返して凸凹(反復)型も可能である。 (4) 凹型凸型併用(往復路抑制型) 請求項192−2−3項、請求項192−2−4項は、
地震時変位振幅の中心からの往復路で変位抑制できるダ
ンパーの発明である。請求項192−2−3項は、免震
される構造体1と免震される構造体を支持する構造体2
との間に、上記(1)凹型のダンパーと(2)凸型のダンパー
の両方を設置する発明である。このことにより、地震時
変位振幅の中心からの往路と復路で変位抑制できるもの
になる。また、(3)の凸凹(反復)型も同様に考えら
れ、請求項192−2−4項は、(3)の凸凹(反復)型
の、固定ピン受け部材の凸凹形状が互いに逆形状のダン
パーを設置する発明である。さらに、請求項192−2
−5項は、(3)の凸凹(反復)型のダンパーにおいて、
凸凹形状が互いに逆形状の固定ピン受け部材をもち、そ
の固定ピン受け部材のそれぞれに固定ピンをもつことに
より構成されるダンパーの発明である。このことによ
り、地震時変位振幅の中心からの往路と復路で変位抑制
できるものになる。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2 請求項192−3項は、ダンパー兼用の固定装置(8.4.
4.参照)または固定装置型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.
2.参照)において、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体のどちらか一方に固定ピンが設置さ
れ、他方にこの固定ピン受け部材が設置され、固定ピン
受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸形態の部
材からなるか、凸凹形態複合型の部材からなり(言い換
えれば、固定ピンとこの固定ピンを挿入する凹形態の挿
入部からなるか、または固定ピンとこの固定ピンが当た
る凸形態の部材からなるか、それらの凸凹形態複合型の
部材からなり)、凹形態または凸形態を、変位に応じて
傾斜を変化させた形態とすることにより構成されてなる
ことを特徴とするダンパーの発明である。このように傾
斜を任意に変化させることにより、応答加速度を抑制し
ながら変位を抑制することを可能にする。このように任
意にダンパー性能を変えられるのは、この発明の特徴で
ある。特に凹形態または凸形態ともに、凹または凸の中
心から周辺部に行くに従い、勾配が強くなる形式は、免
震性能が良く、変位抑制効果をも持つ。つまり、請求項
192−4項の発明のダンパーは、請求項192−3項
記載のダンパーにおいて、凹形態または凸形態の、変位
に応じての傾斜の変化させ方を、中心から周辺部に行く
に従い、二段階、多段階、無段階の勾配変化等により勾
配が強くなるようにして構成するダンパーである。特に
固定ピン受け部材の端部の勾配変化について、角度を上
げて鉛直まで立ち上げれば免震時の過大変位時のストッ
パーにもなる。つまり、免震時の許容変位越え位置に相
当する固定ピン受け部材の端部の勾配変化について、角
度を上げて鉛直まで立ち上げれば、過大変位時のストッ
パーにもなる。特に徐々に角度を上げて鉛直まで立ち上
げれば、過大変位のストップ時の衝撃を防ぐことが可能
になる。これは請求項192−5項の過大変位時ストッ
パー付ダンパーの発明である。図200(a)は、この実
施例である。請求項192−3項または請求項192−
4項記載のダンパーにおいて、固定ピン受け部材7-vm
の端部を徐々に角度を上げて(必要に応じて鉛直まで立
ち上げ)、その結果、過大変位時においても徐々にダン
ピングが大になり、固定ピン受け部材7-vmの端部にお
いては、ストップするようになっている。この発明は、
当然、8.4.5.1.1. 変位抑制用1の(1)凹型(往路行程抑
制型)(2)凸型(復路行程抑制型)(3)凸凹(反復)型
(4)凹型凸型併用(往復路抑制型)にも適用可能なもの
である。図199(b)、図200(a)〜(b)は、この実施
例である。図199(b)は、二段階にすり鉢勾配が変化
する形態のすり鉢勾配変化型であり、図200(a)は、
中心部はすり鉢形態で、周辺部は曲面(球面)形態にな
るもので、変化点ではお互いが接して中折れしない勾配
変化型であり、図200(b)は、図200(a)と同様の勾
配変化型の凸型の場合のダンパーの実施例である。図1
99(b)または図200(a)のように、中心から周辺部に
行くに従い、勾配が強くなる形式(二段階、多段階、無
段階の勾配変化型等がある)は、免震性能が良く、変位
抑制効果をも持つ。というのは、中心部では地震の速度
が大きくなり、これにダンパーによる制動を加えると、
応答加速度は大きくなり、周辺部に行くに従い地震の速
度が小さくなるので、これにダンパーによる制動を加え
ても、応答加速度は大きくならないからである。運動方
程式は、5.1.1.2.のうちの速度比例型ダンパーのある場
合であるが、当然、以下に示す運動方程式の積層ゴム、
バネ等にも使用できる(記号説明は実施例の 5.3.0.ま
た 5.1.3.1.参照) d(dx/dt)/dt+K/m・x+C/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt ここで、減衰係数Cを求める計算式を示す。 (1) 減衰係数C ダンパー兼用の固定装置(8.4.4.参照)または固定装置
型ダンパー(8.4.2.1.〜8.4.2.2.参照)(以下、ダンパ
ーと言う)を、免震される構造体1と免震される構造体
を支持する構造体2との間に設けるものとし、免震時の
免震される構造体1の免震される構造体を支持する構造
体2に対する相対速度をV、免震時に固定ピンの先端7
-wの動く速度をV0とする。このとき、このダンパーの
減衰機構から定まる、ダンパーのV0に対する減衰係数
C0によって、ピストン状部材7-pが速度V0で動くとき
に受ける力F0は、 F0=C0×V0^k ……(1) と表される。(kはダンパーの減衰機構により異なる値
をとる)ここで免震される構造体1が、免震時にこのダ
ンパーより受ける力をFとすると、V0とF0は、固定ピ
ン受け部材7-vmの傾斜tanφによって V0=V×tanφ ……(2) F0=F/tanφ ……(3) の関係があるから、(1)〜(3)式よりFは、 F=F0×tanφ =(C0×V^k)×(tanφ)^(k+1) ……(4) と表される。よって、(4)式よりダンパーのVに対する
減衰係数をCとすると、F及びCは、 F=C×V^k ……(5) C=C0×(tanφ)^(k+1) ……(6) と表される。また、ピストン状部材7-pと、固定ピン受
け部材7-vmとの間の摩擦抵抗を考慮する場合は以下の
とおりである。(摩擦抵抗を含まない)水平方向の粘性
減衰係数がCであるダンパーにより、水平速度Vの時に
抵抗力Fが生じているとき、固定ピン受け部材7-vmの
勾配tanφの面に対してピストン状部材7-pが与える力
Fnは、 Fn=F0/cosφ ・・・・・・(7) である。このFnと、摩擦係数μDとから、固定ピン受け
部材7-vmの面に沿って作用する摩擦抵抗力Ffは、 Ff=Fn・μD ・・・・・・(8) となる。このFfの水平方向の分力 が、ピストン状部材7-pと、固定ピン受け部材7-vmと
の間の摩擦抵抗の水平抵抗成分である。(5)式と(6)式と
(9)式より、摩擦抵抗を考慮した、ダンパー装置全体の
水平方向の抵抗力FDと減衰係数CDは、 FD=CD×V^k ……(10) CD=C・(1+μD/tanφ) ……(11) =C0×(tanφ)^(k+1)・(1+μD/tanφ) ……(12) となる。但し F :(摩擦抵抗を含まない)ダンパーの水平方向の抵
抗力 F0 :Fによりピストン状部材7-pにはたらく鉛直方向
の力 Fn :Fにより勾配φの面に対してピストン状部材7-p
が与える法線方向の力 Ff :FnとμDとにより、勾配φの面に沿って作用する
摩擦抵抗力 Ff’:Ffの水平方向分力 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C :ダンパー(ダンパー本体と固定ピン受け部材7-vm
との)の粘性減衰係数 CD :摩擦抵抗を考慮したダンパー(ダンパー本体と固
定ピン受け部材7-vmとの)の粘性減衰係数 k :ダンパーの減衰力特性が速度に比例の時はk=
1、速度の2乗に比例の時はk=2、速度のn乗に比例
する時はk=n φ :ダンパーの固定ピン受け部材7-vmの勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)7-wと固定
ピン受け部材7-vmとの摩擦係数 ここでC0は定数であるからCは傾斜tanφの(k+1)乗に
比例し、tanφが大きければFは大きく、tanφが小さけ
ればFは小さくなるから、ダンパーの挿入部を変位に応
じて傾斜φが変化する形状とすることにより、応答加速
度を抑制させながら変位を抑制できる。すなわち固定ピ
ン受け部材7-vmの中心部の曲率半径を大きくするか傾
斜をゆるくし、周辺部の曲率半径を小さくするか勾配を
強くすることで、免震時の変位が小さい場合はFも小さ
いため応答加速度は抑制され、大きな変位が生じた場合
は傾斜tanφの(k+1)乗に比例してFが大きくなり変位
の抑制がなされる。このことから、変位と傾斜tanφの
関係、及びダンパーの減衰機構から定まるダンパーのV
0に対する減衰係数C0を調整するだけで、変位とダンパ
ーによる減衰力の関係を任意に設定することができるた
め、固定ピン受け部材7-vmの形状を変更するだけで、
1種類の装置により広い範囲のダンパー性能を実現する
ことができる。(5)式、(6)式、(12)式におけるC0及び
kは、ダンパーの減衰機構により異なる値をとるのであ
るが、以下にその例をいくつかあげておく。 1) k=1の時(ダンパーの減衰力特性が速度比例の
時) 以下の場合は、k=1であり、C0は以下のとおりであ
る。図199(b)、図200(a)〜(b)のダンパーにおい
て、ピストン状部材7-pの挿入筒7-aからの出口・出口
経路7-acjまたはそこに設置された弁7-fが円筒型絞り
を利用した形状である場合は、 C0=(8×π×μ’×l×A^2)/(A’^2) の式を用いることが考えられる。ピストン状部材7-pの
挿入筒7-aからの出口・出口経路7-acjまたはそこに設
置された弁7-fが平行な2面間の隙間を利用した形状で
ある場合は、 C0=(12×μ’×l’×A^2)/(Cb×b×h^
3) の式を用いることが考えられる。 2) k=2の時(ダンパーの減衰力特性が速度2乗比例
の時) 以下の場合は、k=2であり、C0は以下のとおりであ
る。図199(b)、図200(a)〜(b)のダンパーにおい
て、ピストン状部材7-pの挿入筒7-aからの出口・出口
経路7-acjまたはそこに設置された弁7-fがオリフィス
を利用した形状である場合は、 C0=(ρ×A^3)/(2×Cd^2×A’^2) の式を用いることが考えられる。 但しρ :挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等
を満たす液体等7-aoの密度 Cd :流量係数 A :ピストン状部材7-pの断面積 A’:出口・出口経路7-acjまたはそこに設置された弁
7-fのオリフィス開口面積 μ’:挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を満
たす液体等7-aoの粘度 l :円筒型絞り部の全長 l’:平行な2面間の隙間の全長 b :平行な2面間の隙間の幅 h :平行な2面間の隙間の間隔 Cb :bとhとの比による補正係数 (その他の記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参
照) ここに例としてあげたほかにも多くの式があるが、これ
らはピストン状部材7-pの挿入筒7-aからの出口・出口
経路7-acjまたはそこに設置された弁7-fの形状、及び
挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を満たす液
体等7-aoの性質等に応じて、単独であるいは組合せて
使うことが考えられる。以下、この減衰係数Cを使用し
た場合の運動方程式を示す。 (2) 運動方程式また(6)式において、ダンパーのVに対
する減衰係数Cは、ダンパーの減衰機構から定まる定数
C0と、固定ピン受け部材7-vmの傾斜tanφの(k+1)乗
との積として表されているが、tanφは変位xの関数で
あるから、Cもxの関数として表現することができる。
よって、運動方程式の中にダンパーの減衰係数Cを導入
する場合はCをxの関数C(x)として用いる。例えば減
衰係数C(x)のダンパーを5.1.3.2.すり鉢復元型の運動
方程式に導入した式は以下の通りとなる。 d(dy/dt)/dt+sinθ・cosθ・g・sign(x)+(cosθ)^2・μ
g・sign(dx/dt)+C(x)/m・dx/dt=0 d(dy/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}+C(x)/m・dx/dt=0 また上式は、ピストン状部材7-pと、固定ピンのすり鉢
状・球面状または円柱面状・V字面状等の凹形態挿入部
7-vmまたは凸形態部材7-vmtとの間の摩擦抵抗を考慮
する場合は以下のとおりとなる。 d(dy/dt)/dt+sinθ・cosθ・g・sign(x)+(cosθ)^2・μ
g・sign(dx/dt)+CD(x)/m・dx/dt=0 d(dy/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}+CD(x)/m・dx/dt=0 CD(x)=C(x)・(1+μD/tanφ) C(x)の例をいくつか示しておく。 1) 二段階変化 a. すり鉢勾配変化型 図199(b)は、二段階にすり鉢勾配が変化するすり鉢
勾配変化型の場合で、ダンパーの減衰機構から定まる定
数をC0、固定ピン受け部材7-vmがx=0(中心)から
x=x1まで傾斜tanφ1のすり鉢状、x=x1から周辺部
までをtanφ2のすり鉢状とすると、往路抑制型の場合は
sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつ 0≦|x|≦
x1のとき、 C(x)=C0×(tanφ1)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつx1≦|x|の
とき、 C(x)=C0×(tanφ2)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)のとき、 C(x)=0 復路抑制型の場合はsign(x)×sign(dx/dt)<0(復
路)かつ 0≦|x|≦x1のとき、 C(x)=C0×(tanφ1)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)かつx1≦|x|の
とき、 C(x)=C0×(tanφ2)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)のとき、 C(x)=0 となる。 b. 中心部すり鉢形態+周辺部曲面(球面)形態 図200(a)は、中心部はすり鉢形態で、周辺部は曲面
(球面)形態になるもので、変化点ではお互いが接して
中折れしない勾配変化型の場合である。すり鉢の斜面上
の中心から等距離な3点を含む平面の法線で、すり鉢の
中心を通る直線を、すり鉢の中心軸とし、ダンパーの減
衰機構から定まる定数をC0、固定ピン受け部材7-vmが
x=0(中心)からx=x1まではtanφ1のすり鉢状で
あり、x=x1から周辺部までを、すり鉢の中心軸を含む
断面上で、x=x1においてすり鉢の斜面と接し、周辺
部へ延びる半径Rの円弧が、すり鉢の中心軸に対して回
転してできる曲面とすると、往路抑制型の場合はsign
(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつ 0≦|x|≦x1の
とき、 C(x)=C0×(tanφ1)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつx1≦|x|の
とき、 C(x)=C0×((|x|-(x1-R・sinφ1))/(-(|x|-(x1-R・sin
φ1))^2+R^2)^0.5)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)のとき、 C(x)=0 復路抑制型の場合はsign(x)×sign(dx/dt)<0(復
路)かつ 0≦|x|≦x1のとき、 C(x)=C0×(tanφ1)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)かつx1≦|x|の
とき、 C(x)=C0×((|x|-(x1-R・sinφ1))/(-(|x|-(x1-R・sin
φ1))^2+R^2)^0.5)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)のとき、 C(x)=0 となる。 2) 三段階以上変化 8.4.2.3.2.(2) 1)にあげたのは、固定ピン受け部材7-v
mの形状が途中で二段階に変化する場合の例であった
が、これは二段階だけではなく、三段階またはそれ以上
に変化する形状も考えられる。8.4.2.3.2.(2) 1)の二段
階変化ダンパーを、形状が途中でn段階に変化するn段
階変化型とした場合、固定ピン受け部材7-vmが、x=
0(中心)からx=x1までを傾斜tanφ1、x1からx2
までを傾斜tanφ2、・・・x(j-1)からxjまでを傾斜ta
nφj、・・・x(n-1)から周辺部までを傾斜tanφnの、
それぞれすり鉢状とすると、往路抑制型の場合は sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつ 0≦|x|≦
x1のとき、 C(x)=C0×(tanφ1)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつx1≦|x|≦
x2のとき、 C(x)=C0×(tanφ2)^(k+1) ・ ・ sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつx(j-1)≦|x
|≦xjのとき、 C(x)=C0×(tanφj^(k+1) ・ ・ sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)かつx(n-1)≦|x
|のとき、 C(x)=C0×(tanφn)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)のとき、 C(x)=0 復路抑制型の場合は sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)かつ 0≦|x|≦
x1のとき、 C(x)=C0×(tanφ1)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)かつx1≦|x|≦
x2のとき、 C(x)=C0×(tanφ2)^(k+1) ・ ・ sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)かつx(j-1)≦|x
|≦xjのとき、 C(x)=C0×(tanφj)^(k+1) ・ ・ sign(x)×sign(dx/dt)<0(復路)かつx(n-1)≦|x
|のとき、 C(x)=C0×(tanφn)^(k+1) sign(x)×sign(dx/dt)≧0(往路)のとき、 C(x)=0 となる。x=xiにおける傾斜tanφiがすり鉢状ではな
く、8.4.2.3.2.(2) 1)bの曲面形態のようにxの関数tan
φi(x)として与えられる場合は、上記のC(x)においてt
anφiをtanφi(x)と読み替えれば十分である。但しxの
添字i、j、n等は、固定ピン受け部材7-vmが、i、j、
n番目の状態から(i+1)、(j+1)、(n+1)番
目の状態へと、形状が途中で変化する境界の位置を示
す。 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) 請求項192−5−1項〜192−5−2項の発明は、
変位抑制の効果が高く、免震性能が良いダンパーの発明
である。このダンパーの減衰履歴曲線(縦軸は減衰によ
る抵抗力、横軸は変位)は、ほぼ矩形の履歴を描く。ま
た片効きダンパーのため、第1象限と第3象限のみに矩
形の履歴を持つ。 (1)厳密解 請求項192−5−1項の発明は、請求項184−0項
〜請求項187項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.
1.〜8.4.2.2.参照)または請求項191項記載のダンパ
ー兼用の固定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、固定ピン受け部材形状が、凹
形態の部材からなるか、凸形態の部材からなり、凹形態
または凸形態を、変位に応じて以下のような(10)式の勾
配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態と
することにより構成されるダンパー、またそれによる免
震構造体の発明である。地震力を単純化して振幅一定の
正弦波とする。このダンパーの履歴は正弦波入力時には
矩形となるため、変位によらず減衰力一定で、 C1=C・|dx/dt| ……(1) またダンパー装置の粘性減衰係数Cは、ダンパー本体の
粘性減衰係数C0、固定ピン受け部材の変位x時の勾配
φ(x)、ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定
ピン受け部材との摩擦係数μD、ダンパーの固定ピン
(ピストン先端部)とシリンダーとの摩擦係数μPとに
より C=C0・tanφ(x)・cosφ(x)^2・(tanφ(x)+μD)/{1−μP・cosφ(x)^2・(tan φ(x)+μD)} ……(2) (1)と(2)式から C1=C0・tanφ(x)・cosφ(x)^2・(tanφ(x)+μD)/{1−μP・cosφ(x)^2・(tan φ(x)+μD)}・|dx/dt| ……(3) (3)式を整理して C1・{1−μP・cosφ(x)^2・(tanφ(x)+μD)}=C0・tanφ(x)・cosφ(x)^2・(tan φ(x)+μD)・|dx/dt| ……(4) (4)式のtanφ(x)をsinφ(x)/cosφ(x)に置き換えて移項すると C1・{1−μP・cosφ(x)^2・(sinφ(x)/cosφ(x)+μD)} −C0・sinφ(x)・cosφ(x)・(sinφ(x)/cosφ(x)+μD)・|dx/dt |=0 ……(5) また、sinφ(x)>0、cosφ(x)>0なので sinφ(x)^2=1−cosφ(x)^2 ……(6) cosφ(x)・sinφ(x)={cosφ(x)^2・(1−cosφ(x)^2)}^0.5 ……(7) (5)式に(6)式及び(7)式を代入してsinφ(x)をcosφ(x)で表現すると C1・(1−μP・cosφ(x)・sinφ(x)−μD・μP・cosφ(x)^2) −C0・(sinφ(x)^2+sinφ(x)・cosφ(x)・μD)・|dx/dt| =C1・(1−μP・{cosφ(x)^2・(1−cosφ(x)^2)}^0.5−μD・μP・cosφ(x)^2) −C0・〔(1−cosφ(x)^2)+{cosφ(x)^2・(1−cosφ(x)^2)} ^0.5・μD〕・|dx/dt|=0 ……(8) (8)式をcosφについて整理すると (1+μD^2)・(μP^2・C1^2+C0^2・|dx/dt|^2)・cosφ(x)^4 +{−(2・μD・μP+μP^2)・C1^2+2・C1・C0・|dx/dt| −(2+μD^2)・C0^2・|dx/dt|^2}・cosφ(x) ^2 +(C1−C0・|dx/dt|)^2=0 ……(9) φ(x)はこのcosφ(x)についての4次方程式の解より φ(x)=arccos[〔{−Q±(Q^2−4・P・R)^0.5}/(2・P)〕^0.5] ……(10) ここで P=(1+μD^2)・(μP^2・C1^2+C0^2・|dx/dt|^2) Q={−(2・μD・μP+μP^2)・C1^2+2・C1・C0・|dx/dt|−(2+μD^2)・C 0^2・|dx/dt|^2} R=(C1−C0・|dx/dt|)^2 である。 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 μP :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 (2)近似解 請求項192−5−2項の発明は、請求項184−0項
〜請求項187項に記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.
1.〜8.4.2.2.参照)または請求項191項記載のダンパ
ー兼用の固定装置(8.4.4.参照)のいずれかにおいて、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
ピン受け部材が設置され、固定ピン受け部材形状が、凹
形態の部材からなるか、凸形態の部材からなり、凹形態
または凸形態を、変位に応じて以下のような(10)式の勾
配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態と
することにより構成されるダンパー、またそれによる免
震構造体の発明である。地震力を単純化して振幅一定の
正弦波とする。このダンパーの履歴は正弦波入力時には
矩形となるため、変位によらず減衰力一定で、 C1=C・|dx/dt| ……(1) 8.4.5.1.3 (2)式においてμP≒0とみなすと、ダンパー
装置の粘性減衰係数Cは、 C≒C0・cosφ(x)^2・tanφ(x)・(tanφ(x)+μD) ……(2) また入力する正弦波の変位振幅z0と円振動数ωとによ
り、 z=z0・cosωt……(3) dz/dt=−z0・ω・sinωt……(4) x≒zとして、(3)式より cosωt≒x/z0……(5) sinωt≒±{1−(x/z0)^2}^0.5……(6) dx/dt≒dz/dtとして、(4)式と(6)式より dx/dt≒−±z0・ω・{1−(x/z0)^2 }^0.5……(7) (1)式に(2)式と(7)式を代入し C1=C・|dx/dt| ≒C0・cosφ(x)^2・tanφ(x)・(tanφ(x)+μD)・〔z0・ω・{1−(x/z0)^ 2}^0.5〕 ……(8) (8)式をtanφ(x)について整理すると C0・cosφ(x)^2・tanφ(x)^2+C0・μD・cosφ(x)^2・tanφ(x) −C1/〔z0・ω・{1−(x/z0)^2}^0.5〕 ≒0 ……(9) cosφ(x)^2≒1とみなすと、φ(x)はこのtanφ(x)についての2次方程式の解よ り φ(x)≒arctan[−μD/2+〈μD^2/4+C1/〔C0・z0・ω・{1-(x/z0)^2}^0.5 〕〉^0.5] ……(10) 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
ン受け部材との摩擦係数 x :ダンパーの応答相対変位 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 z0 :入力する正弦波の変位振幅 ω :入力する正弦波の円振動数 z :入力する正弦波の変位 dz/dt:入力する正弦波の速度 8.4.5.1.4. 変位抑制用4(捩れの生じないダンパー) 請求項192−5−3項の発明は、図197〜図200
のような、請求項184−0項〜請求項187項記載の
固定装置型ダンパー(8.4.2.参照)を採用し、その固定
ピン(ピストン先端部)7-wがすべる固定ピン受け部材
7-vmのすり鉢勾配を以下の式を満たすように構成され
てなることを特徴とするダンパー、またそれによる免震
構造体である。 tanφ・(tanφ+μD)≒(cosθ)^2・(tanθ+μ) 簡易式にすると、 (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ) 但し、 θ :支承の免震皿のすり鉢勾配 μ :支承の免震皿の動摩擦係数 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材7-vmのすり鉢勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)7-wと固定
ピン受け部材7-vmとの摩擦係数 この式を満す場合には、免震時に捩れの生じないダンパ
ーになるのは、以下のように証明できる。 (1) 支承のみ(各支承が同摩擦係数・同勾配の場合) 以下の式から、支承(同摩擦係数・同勾配)のみの場合
は、支承ごとの支持荷重また距離(間隔)がそれぞれ違
っても剛心と重心とは一致する。以上から、捩れは起き
ない。 ○ 剛心位置算出式 Σ{mi・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)・li}/Σ{mi・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)} ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)} /{(m1+m2・・+mn)・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)} =(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)/(m1+m2・・+mn) ○ 重心位置算出式 Σ{mi・g・li}/Σ{mi・g} ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g}/{(m1+m2・・+mn)・g} =(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・/(m1+m2・・+mn)・ 但し、 mi :支承ごとの支持質量 li :座標原点(任意点でよい)からの個々の支承まで
の距離 θ :すり鉢形状免震皿の勾配 μ :免震皿の動摩擦係数 g :重力加速度(+地動鉛直加速度) (2) 支承+ダンパー付 (1)から、支承(同摩擦係数・同勾配)のみの場合は、
支承ごとの支持荷重また距離(間隔)がそれぞれ違って
も剛心と重心とは一致する。また、以下の式から、ダン
パー付の場合も、 (φ^2+φ・μ D)≒(θ+μ) が成立するように支承の勾配・摩擦係数と、ダンパーの
固定ピン受け部材7-vmの勾配・摩擦係数を決定すれ
ば、ダンパーの支持荷重また距離(間隔)が違っても剛
心と重心とは一致する(剛心と重心との一致は、C 0
によらず、支承の勾配・摩擦係数と、ダンパーの固定ピ
ン受け部材の勾配・摩擦係数のみによっている)。以上
から、捩れは起きない。 ○ 剛心位置算出式(ダンパー一個の時)※ 〔Σ{mi・(cosθ)^2・g(tanθ+μ)・li}+C・dx/dt・lj〕 /〔Σ{mi・(cosθ)^2・g(tanθ+μ)}+C・dx/dt 〕 ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)+C・dx/dt・lj} /〔(m1+m2・・+mn)・(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)+C・dx/dt〕 =〔(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)+C・dx/dt・lj/{(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)} 〕 /〔(m1+m2・・+mn)+C・dx/dt/{(cosθ)^2・g・(tanθ+μ)}〕 θが小さい時(式を簡略にするために)、(cosθ)^2≒1 tanθ≒θより 〔Σ{mi・li・g・(θ+μ)}+C・dx/dt・lj〕/〔Σ{mi・g・(θ+μ)}+C・dx/dt〕 ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g・(θ+μ)+C・dx/dt・lj} /〔(m1+m2・・+mn)・g・(θ+μ)+C・dx/dt〕 =〔m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+C・dx/dt・lj/{g・(θ+μ)}〕 /〔m1+m2・・+mn+C・dx/dt/{g・(θ+μ)}〕 ところでCは、 C=C0・tanφ(tanφ+μD) φが小さい時(式を簡略にするために)、 tanφ≒φ C=C0・φ・(φ+μD) =C0・(φ^2+φ・μD) (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ)より C≒C0・(θ+μ) となり、 =〔m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+C0・(θ+μ)・dx/dt・lj/{g・(θ+μ)}〕 /〔m1+m2・・+mn+C0・(θ+μ)・dx/dt/{g・(θ+μ)}〕 =〔m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+(C0/g)・dx/dt・lj〕 /〔m1+m2・・+mn+(C0/g)・dx/dt〕 ○ 重心位置算出式 〔Σ{mi・g・li}+C0・(θ+μ)・dx/dt・lj/θ〕 /〔Σ{mi・g}+C0・(θ+μ)・dx/dt/θ〕 ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g+C0・(θ+μ)・dx/dt・lj/θ} /{(m1+m2・・+mn)・g+C0・(θ+μ)・dx/dt/θ} μが小さい時、(θ+μ)≒θ ={(m1・l1+m2・l2・・+mn・ln)・g+C0・dx/dt・lj} /{(m1+m2・・+mn)・g+C0・dx/dt} ={m1・l1+m2・l2・・+mn・ln+(C0/g)・dx/dt・lj} /{m1+m2・・+mn+(C0/g)・dx/dt} 但し、 mi :支承ごとの支持質量 li :座標原点(任意点でよい)からの個々の支承まで
の距離 θ :すり鉢形状免震皿の勾配 μ :免震皿の動摩擦係数 lj :座標原点(任意点でよい)からのダンパーまでの
距離 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材7-vmの勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)7-wと固定
ピン受け部材7-vmとの摩擦係数 g :重力加速度(+地動鉛直加速度) 8.4.5.2. 管変化型 請求項192−6項の発明は、変位抑制型のシリンダー
7-aとその中をスライドするピストン状部材7-pからな
る油圧系ダンパーにおいて、シリンダー7-a上のピスト
ン状部材7-pのスライドする異なる2点を繋ぐ管7-js
を設けて、その位置のシリンダー内の液体の相互の行き
来を許すものである。その管7-jsの大きさで抵抗を与
えてダンピングするもので、その繋ぐ位置によりつまり
変位位置との関係でダンピング能力を変えることが可能
になる。図203(a)は、図202のダンパーを管変化
型にした場合の実施例である。変位抑制ダンパー能力を
緩和したいシリンダー7-a上の区間の点(管口)とピス
トン状部材を挟んだ点(管口)とを繋ぐ管7-jsを設け
て、その区間のシリンダー7-a内の液体の相互の行き来
を許すものであり、ピストン状部材7-pを挟んだ双方の
管口が塞がらずに相互の液体が行き来するピストン状部
材7-pのスライド範囲がダンパー能力が緩和される範囲
である。図203(a)において、前記管口は複数位置に
設けられており、塞がっている管口の数・種類(大き
さ)は変位位置に応じて設けられるようになっている。
この実施例では、ピストン状部材7-pの最大スライド時
には断面積の小さな管口が開いているようにする。 そ
のことにより、地震の(応答)変位の最大時に抵抗が大
きくなって変位抑制となるようになっている。ピストン
状部材7-pには戻り孔7-jrを設け、戻り孔7-jrの開口
面積を管7-jsに比べて大きくする。戻り孔7-jrには、
ピストン状部材7-pがシリンダー7-aの中へ引き込まれ
る時に開き、それ以外は閉じている弁7-fが付けられて
いる。さらに、本実施例においてはピストン7-pは可撓
部材8-fによって繋がれているため、シリンダー7-aの
中にバネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、このピストン状部
材7-pを復元させる必要がある(当然、ピストン状部材
7-pに対して前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・
ゴム・磁石等9-cでピストン状部材7-pを復元させても
良い)。また、前室7-aaを設置し、経年後及びダンパ
ー作動時の液体等の漏れ出しを防いでいる。8.4.5.3.ピ
ストン穴・溝変化型と併用する場合も、また、8.4.5.4.
シリンダー溝変化型と併用する場合もある。 8.4.5.3. ピストン穴型・溝変化型 変位抑制型のシリンダー7-aとその中をスライドするピ
ストン状部材7-pからなる油圧系ダンパーにおいて、ピ
ストン状部材7-pに穴また溝7-jsを設けて、ピストン
状部材7-pの両側のシリンダー7-a内の液体の相互の行
き来を許すものである。その穴また溝7-jsの大きさで
抵抗を与えてダンピングするものである。図202は、
ピストン穴型の場合の実施例である。図203(b)は、
図202のダンパーを溝変化型にした場合の実施例であ
る。図202では、ピストン状部材7-pに孔7-js、戻
り孔7-jrを設け、戻り孔7-jrの開口面積は管7-jsに
比べて大きくして、孔7-jsの開口面積を絞り込むこと
により、ダンピングする。孔7-jsの開口面積を絞り込
めば絞り込むだけ、変位抑制効果は増大する。戻り孔7
-jrには、ピストン状部材7-pがシリンダー7-aの中へ
引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付け
られている。孔7-jsは、開口面積が一定以下の場合に
は弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部
材7-pがシリンダー7-aの中から出る方向時に開き、そ
れ以外は閉じている弁が付けられている。さらに、本実
施例においてはピストン7-pは可撓部材8-fによって繋
がれているいるため、シリンダー7-aの中にバネ・ゴム
・磁石等9-tを入れ、このピストン状部材7-pを復元さ
せる必要がある(当然、ピストン状部材7-pに対して前
記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴム・磁石等9
-cでピストン状部材7-pを復元させても良い)。また、
前室7-aaを設置し、経年後及びダンパー作動時の液体
等の漏れ出しを防いでいる。図203(b)では、ピスト
ン状部材7-pに溝7-js、戻り孔・溝7-jrを設け、戻り
孔・溝7-jrの開口面積は管7-jsに比べて大きくして、
溝7-jsの大きさを小さくすることにより、ダンピング
する。溝7-jsの大きさを小さくすればするだけ、変位
抑制効果は増大する。戻り孔・溝7-jrには、ピストン
状部材7-pがシリンダー7-aの中へ引き込まれる時に開
き、それ以外は閉じている弁が付けられている。さら
に、本実施例においてはピストン7-pは可撓部材8-fに
よって繋がれているいるため、シリンダー7-aの中にバ
ネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、このピストン状部材7-p
を復元させる必要がある(当然、ピストン状部材7-pに
対して前記バネ等9-tとは逆位置に付けたバネ・ゴム・
磁石等9-cでピストン状部材7-pを復元させても良
い)。また、前室7-aaを設置し、経年後及びダンパー
作動時の液体等の漏れ出しを防いでいる。 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 請求項192−6−2項の発明は、変位抑制型のシリン
ダー7-aとその中をスライドするピストン状部材7-pか
らなる油圧系ダンパーにおいて、シリンダー7-aに溝7
-jsを掘り、ピストン状部材7-pの両側のシリンダー7-
a内の液体の相互の行き来を許すものである。その溝7-
jsの大きさで抵抗を与えてダンピングするもので、その
溝7-jsの大きさを変位位置との関係で変えて、変位位
置ごとにダンパー能力の変化をさせるものである。図2
03(c)は、その実施例であり、シリンダー7-aには、
ピストン状部材7-pのスライドする範囲より広く溝7-j
sが掘られており、ピストン状部材7-pの最大スライド
範囲の溝7-jsの大きさは小さくされている。 そのこと
により、地震の(応答)変位の最大時に抵抗が大きくな
って変位抑制となるようになっている。ピストン状部材
7-pには戻り孔・溝7-jrを設け、戻り孔・溝7-jrの開
口面積は管7-jsに比べて大きくして、溝7-jsの大きさ
を小さくすることにより、ダンピングする。戻り孔・溝
7-jrには、ピストン状部材7-pがシリンダー7-aの中
へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付
けられている。さらに、本実施例においてはピストン7
-pは可撓部材8-fによって繋がれているいるため、シリ
ンダー7-aの中にバネ・ゴム・磁石等9-tを入れ、この
ピストン状部材7-pを復元させる必要がある(当然、ピ
ストン状部材7-pに対して前記バネ等9-tとは逆位置に
付けたバネ・ゴム・磁石等9-cでピストン状部材7-pを
復元させても良い)。また、前室7-aaを設置し、経年
後及びダンパー作動時の液体等の漏れ出しを防いでい
る。なお、以上の 8.4.の発明においてダンパーには、
油だけではなく、他の液体、気体、および粒状固体等の
使用も可能である。また図202〜図203に記載のダ
ンパーは、水平置きの可撓部材型連結部材系ダンパーで
あるが、不可撓部材の採用、固定ピン型ダンパーへの適
用、また垂直置きダンパーとしての使用も可能である。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 請求項192−7項は、8.4.2. 固定装置型ダンパー
(8.4.4. ダンパー兼用の固定装置を含む)のダンパ
ー、または固定ピン型固定装置(連結部材系のピン型
(固定ピン)を除く)を滑り支承兼用と構成されてなる
ことを特徴とするダンパーまたは固定ピン型固定装置、
またそれによる免震構造体である。具体的には、図33
3(a)(b)のように、固定ピン7の廻りの挿入部7-v上部
を滑り面7-vsとし、すり鉢状・球面状等の凹形態の挿
入部(固定ピン受け部材)7-vmも滑り面7-vsとし、凹
形態の挿入部7-vmが滑り面7-vsを滑るという滑り支承
を形成する。これも前記4.の二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承である。そのため、滑り
面7-vs、凹形態の挿入部7-vmともに面積を小さくでき
る。というのも滑り面7-vsと凹形態の挿入部7-vmとに
よって、免震皿の二重構成を取るために、地震時に免震
皿同士が互いがずれたときに、その接触点(凹形態の挿
入部7-vmは凹形態の円環周辺部)で、免震される構造
体の垂直荷重が伝達できる最小限の面積が得られれば良
いからである。これは固定装置型ダンパーだけでなく固
定ピン型固定装置(連結部材系のピン型(固定ピン)を
除く)全般に使用可能な発明である。図333(a)は図
332(a)の、図333(b)は図332(b)のダンパー支
承である。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 請求項192−8項は、ノズル型ダンパー弁は、内径に
対しての長さの比が十分大きい孔を1本または複数本備
え,このような細長い形状の孔を流体が通過する際の圧
力流量特性が、一定流量までは近似的に1次比例となる
性質を利用して減衰の制御をおこなう装置である。この
ダンパー弁を備えた油圧ダンパーの減衰力特性も弁の特
性を反映し、圧力にピストン断面積を乗じた減衰力と、
流量をピストン断面積で除したピストンの移動速度が1
次比例となる特性を持つ。ここでノズル型ダンパー弁の
圧力流量特性は、 Q=α・p ・・・・・・(1) また、α=(d^k1・ND)/(Cm・μ’・l) ・・・・・・(2) ノズル型ダンパー弁を装備した油圧ダンパー本体の減衰
力は F 0=S^k2・Cm・μ’・l/(d^k1・ND)・V 0 ・・・・・・(3) という近似式で与えられる。ノズル型ダンパー弁の細長
い形状の絞り部の設計は、(1)式でのpの係数αが必要
な圧力流量特性を与えるように、(2)式から求めた寸法
と本数とを基準として行う。例えば図197で、免震さ
れる構造体として、重量20tf〜50tf程度の構造体を想定
するとき、50kine時の水平方向の減衰力を2tf、tanφ=
0.1、ピストン状部材7-pの径を12cmとすると、必要な
ダンパーの圧力流量特性はα≒0.014(kgf/cm2)/L程度に
なる。μ’≒0.05kg/m・s、d=1mm、k1=4とすると、 (0.001^4・ND)/(Cm・0.05・l)=0.014/(9.8・10^4・10^3) となり、l=3cmのときはCm≒100程度でND=23本程度、
l=6cmのときはCm≒60程度で32本程度となる。但し、 Q :ノズル型ダンパー弁の単位時間あたりの流量 p :流量Qのときにノズル型ダンパー弁が与える圧力 d :ノズル型ダンパー弁7-fnに設けたノズル状の孔7
-jnの内径 l :ノズル型ダンパー弁7-fnに設けたノズル状の孔7
-jnの長さ ND :ノズル型ダンパー弁7-fnに設けたノズル状の孔7
-jnの本数 μ’:挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を満
たす液体等7-aoの粘度標準的にはμ’=0.05(kg/m・s)
0.02≦μ’<0.2の値をとりうる ν :挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を満た
す液体等7-aoの動粘度 標準的にはν=5×10^-5(m^2/s) 2×10^-5≦μ’<2×1
0^-4の値をとりうる k1 :ノズル状の孔7-jnの内径の指数 標準的にはk1=4 2≦k1<6の値をとりうる k2 :ピストン断面積Sの指数 標準的にはk2=2 1≦k2<3の値をとりうる Cm :修正係数 Cf :流量係数 σ :チョークナンバー σ=Q/(ν・l・ND)(CmとCfは
装置形状等によって異なる。例としては以下の様な場合
がある)ノズル状の孔7-jnの、液体等7-aoの流入する
入口形状に丸みない場合の1例 Cm=128/π・σ/(16・π・Cf^2) σ≦1000のとき Cf=(1.16+6.25・σ^(-0.61))^(-1) σ>1000のとき Cf=0.815−0.00791・l/d ノズル状の孔7-jnの、液体等7-aoの流入する入口形状
に丸みある場合の1例 σ≦10のとき Cm=128/π・(1+2.28・σ/(16・π)) σ>10のとき Cm=128/π・(σ+10.6・σ^0.5+28.1)
/(16・π) F 0 :ノズル型ダンパー弁を装備した油圧ダンパーに
おいて、流量Qのときのピストンの受ける抵抗力 F 0
=p・S V 0 :ノズル型ダンパー弁を装備した油圧ダンパーに
おいて、流量Qのときのピストンの移動速度 V 0
=Q/S S :ノズル型ダンパー弁のピストン断面積 (その他の記号説明は実施例の5.1.3.1.と8.4.5.1.2.
(1)参照) 図197にノズル型ダンパー弁を用いたダンパーの例を
示す。σが小さい値のとき(1)式〜(3)式はよりよい近似
式となる。σを小さい値とするためには、液体等7-ao
の動粘度νを上げるか、ノズル型ダンパー弁7-fnに設
けたノズル状の孔7-jnの本数NDを増やして1本の孔あ
たりの流量を減らすか、ノズル状の孔7-jnの全長を増
すか、またはこれらの組み合わせによって対応する。 8.5. 遅延器 1) 一般 地震作動型固定装置においては、固定装置の作動部が地
震時に解除されるときは速やかに、地震中は固定状態に
復しないかもしくは固定状態に復するのが遅延されるよ
うにする遅延器が必要である。つまり、固定装置(リレ
ー連動作動型固定装置を含む)には、固定ピン等の固定
装置の作動部が地震時に解除された後、固定ピン等の固
定装置の作動部もしくはロック部材が固定状態に復する
のを遅延させるための遅延器が必要である。地震終了程
度まで時間を稼ぐ遅延機構が望ましいが、数秒程度時間
を稼ぐものでも問題はない。風作動型固定装置において
は、風圧が一定以下になったことを感知してから、一定
の時間をおいて固定装置を解除させる遅延器が必要であ
る。遅延器は、固定装置自体に、(解除された固定ピン
等の固定装置の作動部またはロック部材の戻り(固定へ
の)を遅延するために、または、固定ピン等の固定装置
の作動部またはロック部材の解除を遅延するために)、
取付けられるか、固定装置・リレー中間固定装置・リレ
ー末端固定装置のロック部材11と、地震センサー(振
幅)装置の地震時に振動する重り20または地震センサ
ーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材
または直前のリレー中間固定装置の連動機構36との間
を、繋ぐ(リレーする)ワイヤー・ロープ・ケーブル・
ロッド等8(またはレリーズ内のワイヤー、ロープ、ケ
ーブル、ロッド等8)に取付けられる。請求項166項
は、その発明である。 2)油空圧シリンダー式 請求項167項は、遅延器のうち油空圧シリンダー式遅
延器の発明である。筒7-a中を液体・気体等をほぼ漏ら
さずにスライドするピストン状部材7-pが、その筒7-a
に挿入され、筒7-aの外にピストン状部材7-pの先端7
-wが突き出ており、さらに、この筒7-aのピストン状部
材7-pを挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pがスラ
イドする範囲の端と端と)を繋ぐ管7-eまた溝(筒7-a
に付けられた)と、ピストン状部材7-pにあいている孔
7-jとが設けられており、管7-eまた溝と孔7-jとには
開口面積の差をもたせ、この管7-eまた溝、またはピス
トン状部材7-pの孔7-jのうち開口面積の大きい方に、
ピストン状部材7-pが筒中7-aへ引き込まれる時に開
き、それ以外は閉じている弁7-fが付けられているか、
または、ピストン状部材7-pによって押出される液体・
気体等が筒中から出る出口経路7-acjと、出口経路7-a
cjからその押出された液体・気体等が筒中に戻る別経路
の戻り経路7-erとが設けられており、出口経路7-acj
と戻り経路7-erとには開口面積の差をもたせ、出口経
路7-acjは大きく、戻り経路7-erは小さくし、出口経
路7-acjには、ピストン状部材7-pが筒中へ引き込まれ
る時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられてお
り、戻り経路7-erは、開口面積が小さい場合には弁が
必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材7-p
が筒中から押出される時に開き、それ以外は閉じている
弁が付けられており、さらに、この筒7-aの中にバネ等
(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)9-cが入り、ま
た重力により、このピストン状部材7-pを筒外に押出す
役割をする場合もある。この弁7-fの性格と、開口面積
の差をつけることにより、ピストン状部材の先端7-wの
動きは、この筒7-aの中に入る方向では速やかであり、
出る方向では遅延される。固定装置の場合には、この遅
延器のピストン状部材7-pを、固定ピン等の固定装置の
作動部7とするか固定装置の作動部7と連動させるか
し、遅延器の筒の中へピストン状部材7-pが引き込まれ
る方向が、固定装置の作動部の解除の方向となるか、ま
たは、この遅延器のピストン状部材7-p(の支持点7-
z)を、固定装置のロック部材11と、地震センサー振
幅装置の地震時に振動する重り20または地震センサー
により作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材と
の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅延器の筒の中へ、ピスト
ン状部材7-pが引き込まれる方向が、ロック部材11の
外れる方向(解除方向)となるか、リレー連動作動型固
定装置の場合には、この遅延器のピストン状部材7-p
を、固定ピン等の固定装置の作動部7とするか固定装置
の作動部7と連動させるかし、遅延器の筒の中へピスト
ン状部材7-pが引き込まれる方向が、固定装置の作動部
の解除の方向となるか、または、この遅延器のピストン
状部材の先端部7-w(の支持点7-z)を、リレー連動作
動型固定装置のロック部材11と、地震センサー(振
幅)装置の地震時に振動する重り20または地震センサ
ーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材
または直前のリレー中間固定装置の連動機構36との間
を繋ぐ(リレーする)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8(またはレリーズ内のワイヤー、ロープ、ケー
ブル、ロッド等8)に接続させる。 その繋ぎ方が、遅
延器の筒の中へ、ピストン状部材7-pが引き込まれる方
向が、ロック部材11の外れる方向(解除方向)となる
ようにする。図244は、管7-eまた溝(筒7-aに付け
られた)より開口面積の大きいピストン状部材孔7-jに
弁7-fが取付けられ、ピストン状部材の先端部7-w(の
支持点7-z)がワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等
8(またはレリーズ内のワイヤー、ロープ、ケーブル、
ロッド等8)に接続された例である。また、遅延器を、
固定ピンの装置内に直接組込むことも考えられる。具体
的には、筒7-a中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材7-pをもった固定ピン7が、そ
の筒7-aに挿入され、その外に固定ピン先端7-wが突き
出ており、さらに、この筒7-aのピストン状部材7-pを
挟んだ反対側同士(ピストン状部材7-pがスライドする
範囲の端と端と)は管7-eまた溝で繋がれている。この
ピストン状部材7-pには、この管7-eまた溝の開口面積
より大きいかもしくは小さい孔7-jがあり、管7-eまた
溝、またはピストン状部材孔7-jのうち開口面積の大き
い孔の方に弁7-fがある。この弁7-fは、ピストン状部
材7-pが引き込まれる時に開くように付けられている。
図245の場合、この弁7-f、7-fbは、ボールの形を
とっている。具体的には、ピストン状部材7-pには、こ
の管7-e(また溝)の開口面積より大きい、孔7-jがあ
り、その孔に弁7-f、7-fbがある。この弁は、ピスト
ン状部材7-pが引き込まれる時に、孔7-jから出る液体
・気体等によって開くように付けられる。または、管7
-e(また溝)と孔7-jの開口面積の大きさがこの逆の場
合もある。つまり、この管7-e(また溝)の開口面積よ
り小さい、孔7-jがあり、この管7-e(また溝)の中に
弁7-f、7-fbがある。この弁は、ピストン状部材7-p
が引き込まれる時に、開くように付けられる。また、図
245のように、この筒7-aの中にバネ等(バネ・ゴム
等の弾性体または磁石等)9-cが入り、また重力によ
り、このピストン状部材7-pをもった固定ピン7を筒外
に押出す役割をする場合もある。この弁7-f、7-fbの
性格と上記筒7-aのピストン状部材7-pを挟んだ反対側
同士(ピストン状部材7-pがスライドする範囲の端と端
と)を繋ぐ管7-eまた溝により、前記固定ピン先端7-w
の動きは、この筒7-aの中に入る方向では速やかであ
り、出る方向では遅延される。それにより、固定ピン先
端7-wは、地震力が働くと速やかに筒7-aの中に入り、
地震力が働いている間は出にくくなっている。このピス
トン状部材7-pを伴った固定ピン7の上がり下がりの速
度は、この筒7-aのピストン状部材7-pを挟んだ反対側
同士(ピストン状部材7-pがスライドする範囲の端と端
と)を繋ぐ管7-eまた溝と、ピストン状部材7-pにあい
ている孔7-jとの断面積の比によって設定され、固定ピ
ン7が筒中に入るときは速やかに、筒7-aから出るとき
は緩やかにする事ができるほか、図196(a)のように
ロック弁と併用することで、装置をコンパクト化でき
る。なお、図244において、この遅延器の取り付け位
置が1/2となっているのは、免震される構造体1また
は免震される構造体を支持する構造体2に取り付けられ
るという意味である(図1からの全ての図面に共通する
ことであるが、「/」は「または」の意味である。)。
請求項168項は、空圧シリンダー式遅延器の発明であ
る。この発明は、筒7-aとスライドするピストン状部材
7-pから構成され、この筒中7-aを気体等をほぼ漏らさ
ずにスライドするピストン状部材7-pが、その筒7-aに
挿入され、その外にピストン状部材7-pの先端が突き出
ており、この筒7-aには気体が筒中7-aから出る孔7-j
oと筒中7-aへ入る孔7-jiが設けられており、出る孔に
は、筒中7-aから気体が出る方向時には開き、それ以外
は閉じる弁7-fが付けられており、さらに、重力、また
場合によっては筒7-aの中に入れられたバネ・ゴム・磁
石等9-cが、このピストン状部材7-pを筒7-a外に押出
す役割をする場合もあり、この弁7-fの性格と、気体が
筒中7-aへ入る孔の開口面積を絞ることにより、前記ピ
ストン状部材7-pは、筒7-aの中に入る方向では速やか
であり、出る方向では遅延される。固定装置の場合に
は、この遅延器のピストン状部材7-pを、固定装置の作
動部7とするか固定装置の作動部7と連動させるか(図
256参照)、または、この遅延器のピストン状部材7
-pを、固定装置のロック部材11と、地震センサー振幅
装置の地震時に振動する重り20または地震センサーに
より作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との
間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の場合に
は、この遅延器のピストン状部材7-pを、リレー連動作
動型固定装置のロック部材11と、地震センサー振幅装
置の地震時に振動する重り20または地震センサーによ
り作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との
間、または直前のリレー中間固定装置の連動機構36と
の間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等8の間で繋ぎ、 かつ、繋ぎ方は、
遅延器の筒7-aの中へ、ピストン状部材7-pを押込む方
向が、ロック部材11の解除方向とすることにより構成
される。 3)機械式 a) ガンギ車式 請求項169項の発明は、機械式遅延器のうち、ガンギ
車を使用するタイプを示している。この発明はガンギ車
36-nとアンクル36-o及びラック36-cとから構成さ
れ、ラック36-cはその移動によりガンギ車36-nを回
転させるようになっており、アンクル36-oはガンギ車
36-nの回転に対しある方向については抵抗とならず、
その逆の方向については、ガンギ車36-nにアンクル3
6-oが、(具体的にはこのガンギ車36-nの歯にアンク
ル36-oの2本のつめ36-p、36-qがそれぞれ交互に
かみ合い、アンクル36-oが支点36-rを中心に往復運
動できる形で組み合わされて)抵抗となって回転の速度
を調節するようになっており、またこれらの機構は歯車
等の連動機構を介して間接に組み合わされている場合も
あり、このガンギ車36-nとアンクル36-o及びラック
36-cによる機構の性質により、ラック36-cは、力を
受けた場合、ある方向には抵抗なく移動できるが、逆の
方向には移動の速度が遅延されるようになっている。固
定装置の場合には、この遅延器のラック36-cを、固定
装置の作動部7に設けるか固定装置の作動部7に連動す
る部材に設けるか、または、この遅延器のラックを、固
定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時
に振動する重りまたは地震センサーにより作動するモー
ターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかする。
リレー連動作動型固定装置の場合には、この遅延器のラ
ック36-cを、リレー中間固定装置・リレー末端固定装
置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは地
震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の
作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構と
の間をリレーする(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等8の間で繋ぎ、その繋ぎ方が、ラッ
クが抵抗なく移動できる方向が、ロック部材の外れる方
向(解除方向)となるように構成される。図252で
は、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8に固定さ
れ、ラック滑り面36-cd上を自由に滑るラック36-c
が、ガンギ車36-nの回転軸36-iと同軸の歯車36-e
にかみ合う歯車36-dに組み合わされている。このラッ
ク36-cは直接歯車36-eに組み合わされてもよいが、
回転速度の調整等を考慮すると直接ではない方がよい場
合もある。ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8の
伝える引張力あるいは圧縮力により、ガンギ車36-nが
回転方向の力(図252では左回転方向)を常時受けて
いるとき、ガンギ車36-nが歯一個分回転すると、アン
クル36-oの1個目のつめ36-pがガンギ車36-nの回
転を一時押さえると同時にアンクル36-oがガンギ車3
6-nから力を受けて動き、次の瞬間2個目のつめ36-q
がガンギ車36-nを歯1個分回すと同時にアンクル36
-oは先程と逆の方向に動いてはじめの状態に戻り、再び
1個目のつめ36-pがガンギ車36-nの回転を歯1個分
に止めるような機構である。このような機構により、ガ
ンギ車36-nが常時回転方向に力を受けていても、それ
を一定の設定した時間に合わせて解放でき、かつこの機
構は逆回転(図252では右回転方向)は拘束しないた
め、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8は、固定
装置のロックを解除する方向(図252では右方向)の
力は小さい抵抗で伝え、一旦解除したロックを再び入れ
る方向(図252では左方向)の力の伝達には抵抗が加
わり、遅延させる効果がある。このガンギ車式遅延器
は、固定装置の中に組み込む場合と、ワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等8の途中に設置する場合とがあ
る。図252は後者の場合である。なお、図252にお
いて、この遅延器の取り付け位置が1/2となっている
のは、免震される構造体1または免震される構造体を支
持する構造体2に取り付けられるという意味である。 b) ラチェット式(重量式重量抵抗型、水車式・風車式
粘性抵抗型) 図253は請求項170項の発明の機械式遅延器のう
ち、ラチェット式の重量式重量抵抗型の例を示してい
る。歯車36-daは、回転方向毎に異なる角度で傾斜し
た歯を持つ歯車である。この歯車36-daに対し、同様
に移動方向毎に異なる角度で傾斜した歯を持ち、ラック
滑り台36-cd上を自由に滑るラック36-caが組み合わ
されている。このとき双方の歯は、傾斜の大きい面と大
きい面、及び小さい面と小さい面とが合うように組合せ
られている。また歯車36-daは、その回転軸36-iが
自由にスライドできる形状の軸受36-ilによって支持
され、自重によってラック36-caと組合わさってい
る。このためラック36-caの移動方向が傾斜の小さい
面の方向であったときは、この回転軸36-iがスライド
して歯車36-daがラック36-caから外れる方向へ移動
し、ラックは抵抗なく移動することができる。これに対
しラック36-caの移動方向が傾斜の大きい面の方向で
あったときは、歯車36-daとラック36-caとは歯がか
み合い、歯車36-daはラック36-caから外れることな
く、ラックの移動には歯車36-daを回転させる抵抗が
伴うこととなる。 この抵抗を与える機構により、この
方式は重量式重量抵抗型と水車式・風車式粘性抵抗型と
に分かれる。前者は歯車36-daの自重により、または
バネ等により歯車36-daをラック36-caに押し当て
て、回転の抵抗を与えるタイプであり、後者は歯車36
-daと同軸上かあるいは歯車等の連動機構で結ばれるか
した、粘性のある液体(気体)に浸された水車(風車)
等の装置によって抵抗を与えるタイプである。またラッ
ク36-caは図253の場合のように直接歯車36-daに
組み合わされてもよいが、回転速度の調整等を考慮する
と、直接ではなく途中に別の歯車等の伝達機構を設けた
方がよい場合もある。固定装置の場合には、この遅延器
のラック36-caを、固定装置の作動部7に設けるか固
定装置の作動部7に連動する部材に設けるか、または、
この遅延器のラックを、固定装置のロック部材と、地震
センサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セ
ンサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動
部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の
場合には、このラック36-caに、リレー中間固定装置
・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサー振幅
装置の重りまたは地震センサーにより作動するモーター
もしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固
定装置の連動機構との間を繋ぐ(レリーズ中の)ワイヤ
ー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が接続されている。
このワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が、それ
らの固定装置を解除するための引張力あるいは圧縮力を
伝える際、この遅延器の設置方向を、固定ピンのロック
を解除する方向を抵抗のない方向(図253では左方
向)に、一旦解除された固定ピンのロックを再びかける
方向を抵抗の大きい方向(図253では右方向)に、そ
れぞれなるように設置する。このことにより、ワイヤー
・ロープ・ケーブル・ロッド等8は、固定装置のロック
を解除する方向の力には抵抗をあまり受けず、一旦解除
したロックを再び入れる方向の力には大きな抵抗を受け
るため、この機構を遅延器として用いることができる。
このラチェット式遅延器は、固定装置の中に組み込む場
合と、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8の途中
に設置する場合とがある。図257は請求項170項の
発明の機械式遅延器のうち、ラチェット式の水車式・風
車式粘性抵抗型の遅延器が固定装置Gに組み込まれた場
合の実施例を示している。移動方向毎に異なる角度で傾
斜した歯を持つラック36-caを持ち、固定ピン7から
突出するアーム部材7-pmにその部材上の支点36-ccで
接続された可動部材36-cb、回転方向毎に異なる角度
で傾斜した歯を持つ歯車36-da、この歯車36-daと同
軸の歯車36-d、及びこの歯車36-dとかみ合う水車
(風車)36-wと同軸の歯車36-eとによって、固定ピ
ン7と水車(風車)36-wとが連動するように構成され
ている。このときラック36-caと歯車36-daとの歯
は、双方の傾斜の大きい面と大きい面、及び小さい面と
小さい面とが合うように組合せられている。また水車
(風車)36-wは粘性のある液体(気体)に浸されてお
り、回転する際にはその粘性によって抵抗を受ける。地
震時にロック部材11が解除されて固定ピン7がその挿
入筒7-a中に入りこむ場合は、アーム部材7-pmに連動
して可動部材36-cbも移動するが、このときラック3
6-caと歯車36-daとの歯の角度が合わないこと、及び
支点36-ccを軸に可動部材36-cbが歯車36-daの抵
抗を受けない方向に動くことによって、ラック36-ca
は歯車36-daを回転させない。従って連動する水車
(風車)36-wも回転しないので、固定ピン7の移動に
は抵抗は生じない。一旦筒7-a中に入り込んだ固定ピン
7は、バネ等9-cにより筒7-aの外に押し出される方向
に力を受けて動き出すが、この場合はラック36-caと
歯車36-daとの歯の角度が合うこと、及び可動部材3
6-cbがその自重により、あるいはバネ等を設けそのバ
ネ等の働きによって、歯車36-daにかみ合う方向に力
を受けることにより、ラック36-caは歯車36-daを回
転させ、これにより連動する水車(風車)36-wも周囲
の粘性のある液体(気体)の抵抗を受けながら回転する
ため、固定ピン7の移動には抵抗が生じる。このとき歯
車36-dの径と歯車36-eの径との比によって水車(風
車)36-wの回転数が決定され、これが固定ピン7が筒
7-aから押し出される際の抵抗となることから、この比
を設定することで遅延時間を調節することができる。ま
たこの固定ピン7の移動の際、装置内の粘性のある液体
(気体)7-aoは、固定ピン7が筒7-a中に入り込むと
きは、固定ピン7が移動する体積分だけ筒7-a内部から
通路7-eを通って水車(風車)36-wのある側へ移動
し、固定ピン7が筒7-a中から押し出されるときは、同
量が逆に水車(風車)36-wのある側から筒7-a内部へ
通路7-eを通って戻ってくる。このため固定ピン7は、
粘性のある液体(気体)7-aoから水車(風車)36-w
によって与えられる分以外には抵抗を受けることはな
い。以上の機構により、固定ピンが筒7-aに入り込むと
きは抵抗を受けないのに対し、筒7-aより押し出される
ときは抵抗を受けるため、固定ピンが移動に要する時間
は長くなり、この機構を遅延装置として用いることがで
きる。固定装置の場合には、この遅延器のアーム部材7
-pmを、固定装置の作動部7に設けるか固定装置の作動
部7に連動する部材に設けるか(図257)、または、
この遅延器のアーム部材7-pmを、固定装置のロック部
材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りま
たは地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁
石等の作動部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動型
固定装置の場合には、このアーム部材7-pmに、リレー
中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震
センサー振幅装置の重りまたは地震センサーにより作動
するモーターもしくは電磁石等の作動部材または直前の
リレー中間固定装置の連動機構との間を繋ぐ(レリーズ
中の)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が接続
される。さらに図257は固定装置Gに組み込まれた場
合である。 c) 重力式 図254は、機械式遅延器のうち、請求項171項の発
明の重力式の実施例を示している。歯車36-dに、ラッ
ク滑り台36-cd上を自由に滑るラック36-c、及びガ
イド36-cgにより支持されてラック滑り台36-cd上を
自由に滑る、表面にラックを持つスライド部材36-cs
が組み合わされている。重さを調節できる重り36-cw
はスライド部材36-csと接続され、この重り36-cw
は、ラック36-cに対し歯車36-dを介して、その自重
がある移動方向に対しては抵抗にならず(力を加える方
向になる)、その反対の移動方向に対しては抵抗となる
ような状態で設置されている。またラック36-c及びス
ライド部材36-csは図254の場合のように直接歯車
36-dに組み合わされてもよいが、回転速度の調整等を
考慮すると、直接ではなくその間に別の歯車等の伝達機
構を設けた方がよい場合もある。固定装置の場合には、
このラック36-cを、固定装置の作動部7に設けるか固
定装置の作動部7に連動する部材に設けるか、または、
この遅延器のラックを、固定装置のロック部材と、地震
センサー振幅装置の地震時に振動する重りまたは地震セ
ンサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の作動
部材との間で繋ぐかする。リレー連動作動型固定装置の
場合には、このラック36-cに、リレー中間固定装置・
リレー末端固定装置のロック部材と地震センサー振幅装
置の重りまたは地震センサーにより作動するモーターも
しくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定
装置の連動機構との間を繋ぐ(レリーズ中の)ワイヤー
・ロープ・ケーブル・ロッド等8が接続されている。こ
のワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が、それら
の固定装置を解除するための引張力あるいは圧縮力を伝
える際、この遅延器の設置方向は、固定ピンのロックを
解除する方向を抵抗のない方向(図254では右方向)
に、一旦解除された固定ピンのロックを再びかける方向
を抵抗の大きい方向(図254では左方向)に、それぞ
れなるように設置する。このことにより、ワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等8は、固定装置のロックを解
除する方向の力には抵抗を受けず、一旦解除したロック
を再び入れる方向の力には大きな抵抗を受けるため、こ
の機構を遅延器として用いることができる。この重力式
遅延器は、固定装置の中に組み込む場合と、ワイヤー・
ロープ・ケーブル・ロッド等8の途中に設置する場合と
がある。 4) 摩擦式 図247〜図251は請求項172項の発明の、摩擦式
遅延器を示している。筒7-aにピストン状部材7-pが挿
入されており、固定装置の場合には、このピストン状部
材7-pを、固定装置の作動部7とするか固定装置の作動
部7と連動させるか、または、この遅延器のピストン状
部材7-p(の支持点7-z)を、固定装置のロック部材1
1と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り2
0または地震センサーにより作動するモーターもしくは
電磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、リレー連動作動
型固定装置の場合には、リレー中間固定装置・リレー末
端固定装置のロック部材と地震センサー振幅装置の重り
または直前のリレー中間固定装置の連動機構との間を繋
ぐワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等8が、ピスト
ン状部材7-pに対し、直接またはピストン状部材の先端
7-wに設けられたワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8の支持点7-zを介して接続されている。図247は
ピストン部材7-pに対し、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等8が直接接続する場合の、図248はピスト
ン部材7-pに対し、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等8の支持点7-zを介して接続する場合の例である。
筒7-aの内表面もしくはピストン状部材7-pの表面ある
いはその両方に表面部材36-uが装備されており、ピス
トン状部材7-pはワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8からの引張力あるいは圧縮力を受けて筒7-a内を移
動する時、移動方向によって異なる摩擦抵抗を受ける。
図249はピストン状部材7-pの表面に表面部材36-u
が装備されている場合である。この表面部材36-uは、
それ自体の形状により移動方向によって異なる抵抗を与
える場合と、バネ・ゴム・磁石等25を利用した機構に
より移動方向によって異なる抵抗を与える場合とがあ
る。図250〜図251はその例で、図250では表面
部材36-uは緩斜面36-ueと急斜面36-usとを持ち、
ピストン状部材7-pがこの表面部材36-uと接触しつつ
変位するとき、緩斜面36-ue側からの変位に対する場
合の方が急斜面36-us側からの変位に対する場合より
も抵抗が小さくなる仕組みである。図251では、支点
36-hにより可動な面材36-umが、バネ・ゴム・磁石
等25によって押し出されており、力を受けるとバネ・
ゴム・磁石等25が圧縮されて面材36-umは押し下げ
られるため、この面材36-um側からの変位に対する場
合の方が逆方向よりも抵抗が小さくなる仕組みである。
このことにより、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等8は、固定装置のロックを解除する方向の力には抵抗
をあまり受けず、一旦解除したロックを再び入れる方向
の力には大きな抵抗を受けるため、この機構を遅延器と
して用いることができる。この摩擦式遅延器は、固定装
置の中に組み込む場合と、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等8の途中に設置する場合とがある。 5) 経路迂回式 図255は請求項173項の発明の経路迂回式遅延器の
例を示している。筒7-aに、回転心棒7-xを軸として自
由に回転する円筒状のピストン状部材7-paが挿入され
ている。固定装置の場合には、このピストン状部材7-p
aを、固定装置の作動部7とするか固定装置の作動部7
と連動させるか、または、この遅延器のピストン状部材
7-pa(の支持点7-z)を、固定装置のロック部材11
と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重り20
または地震センサーにより作動するモーターもしくは電
磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、リレー連動作動型
固定装置の場合には、図255の例では、ピストン状部
材7-paと回転心棒7-xにより連動する部材7-pbが、リ
レー中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と
地震センサー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固
定装置の連動機構との間を繋ぐワイヤー・ロープ・ケー
ブル・ロッド等8と、部材7-pbの先端部に設けられた
支持点7-zを介して接続されている。このワイヤー・ロ
ープ・ケーブル・ロッド等8は、ピストン状部材7-pa
あるいは回転心棒7-xに対し直接接続される場合もあ
る。ピストン状部材7-paの表面には、移動方向に平行
な直線部分7-pkと、その直線部分7-pkの両端を結ぶ曲
線部分7-plとからなるループ状のガイド7-pgが、筒7
-aにはバネ等9-cによってピストン状部材7-paの方向
に押し出されているピン7-phが挿入される筒7-pha
が、それぞれ設けられている。ピン7-phはピストン状
部材7-paの表面に刻まれたガイド7-pgに嵌まってお
り、図255の例では通常時(ピストン状部材7-paが
最も筒外に出た状態のとき)はガイド上の点7-piに位
置している。地震時にワイヤー・ロープ・ケーブル・ロ
ッド等8が固定ピンを解除する方向の力を伝えるとき、
図255の例ではピストン状部材7-paは筒7-aの中へ
入り込む方向へ移動する。このときピン7-phはガイド
7-pgの直線部分7-pkを抵抗なく経由し、ピストン状部
材7-paが最も筒中に入った状態でガイド上の点7ーpjに
至る。この点7ーpjにおいて、ガイド7-pgの直線部分7
-pkは曲線部分7-plへと変わるが、このとき前者より後
者の溝の方がやや深くなっているため、バネ等9-cの働
きによりピン7-phは直線部分7-pkから曲線部分7-pl
へと移行し、かつ逆戻りすることはない。ピストン状部
材7-paは、筒中7-aに最も深く入った状態からバネ等
9-cにより筒7-aの外へ押し出されるが、ピン7-phが
ガイド7-pgの曲線部分7-plにはまっているために、ピ
ン7-phとガイド7-pgの案内に従って回転心棒7-xを中
心に回転しつつ、ガイド7-pgの曲線部分7-plを経由し
て直線部分7-pk上の最初の点7-piへと至る。ここでも
前者より後者の溝の方がやや深くなっているため、同様
にバネ等9-cの働きによりピン7-phは曲線部分7-plか
ら直線部分7-pkへと移行し、かつ逆戻りすることはな
い。このときピン7-phの経由するガイド7-pgの直線部
分7-pkと曲線部分7-plとの距離差と曲線部分7-plの
なす角度による抵抗とが、ピストン状部材7-paが筒7-
aから外へ出る運動に対して遅延効果を与える。このこ
とにより、固定装置のロックを解除する方向の力は抵抗
を受けず速やかに伝達し、一旦解除したロックを再び入
れる方向の力は大きな抵抗を受けるためその力の伝達は
遅延させることができるため、この機構を遅延器として
用いることができる。この経路迂回式遅延器は、固定装
置の中に組み込む場合と、図255のようにワイヤー・
ロープ・ケーブル・ロッド等8の途中に設置する場合と
がある。 6)粘性抵抗式 図258は請求項174項の発明の粘性抵抗式遅延器の
実施例を示している。固定装置の場合には、ラック36
-cを、固定装置の作動部7に設けるか固定装置の作動部
と連動する部材に設けるか、または、ラック36-cを、
固定装置のロック部材11と、地震センサー振幅装置の
地震時に振動する重り20または地震センサーにより作
動するモーターもしくは電磁石等の作動部材との間で繋
ぐかし、リレー連動作動型固定装置の場合には、このラ
ック36-cに、リレー中間固定装置・リレー末端固定装
置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは地
震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石等の
作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構と
の間を繋ぐ(レリーズ中の)ワイヤー・ロープ・ケーブ
ル・ロッド等8が接続される。図258は固定装置Gに
組み込まれた場合の例であり、固定ピン7から突出する
アーム部材7-pmに設けられたラック36-c、歯車36-
d、及びこれにかみ合う水車(風車)36-wと同軸の歯
車36-eとによって、固定ピン7と水車(風車)36-w
とが連動するように構成されている。また水車(風車)
36-wは粘性のある液体(気体)に浸されており、回転
する際にはその粘性によって抵抗を受ける。地震時にロ
ック部材11が解除されて固定ピン7がその挿入筒7-a
中に入りこむとき、及び一旦筒7-aに入り込んだ固定ピ
ン7がバネ等9-cによって筒7-aの外に押し出されると
き、固定ピン7の移動に伴ってアーム部材7-pmとラッ
ク36-cも移動し、歯車36-d及び36-eを介して水車
(風車)36-wが回転する。ここで水車(風車)36-w
の羽根36-waを、抵抗を受けると容易に撓む性質のも
のとし、また羽根36-waを支持する部材36-wbを、固
定ピン7の筒7-aから押し出される方向の移動に対応す
る水車(風車)36-wの回転方向については、羽根36
-waが抵抗を受けても、これを支持して撓まないような
位置に設置する。これにより水車(風車)36-wは、固
定ピン7が筒7-aの中に入り込む方向の移動に対応する
水車(風車)36-wの回転に対しては、羽根36-waが
抵抗を受けて撓むために抵抗が小さくなり、逆に固定ピ
ン7の筒7-aから押し出される方向の移動に対応する水
車(風車)36-wの回転に対しては、羽根36-waが支
持部材36-wbによって拘束されるために大きな抵抗を
うける。この抵抗の差により、固定ピンが筒7-aに入り
込むときに対し、筒7-aより押し出されるときの方が固
定ピンが移動に要する時間は長くなるので、この機構を
遅延装置として用いることができる。このとき歯車36
-dの径と歯車36-eの径との比によって水車(風車)3
6-wの回転数が決定され、この回転数によって抵抗が決
定されることから、この比を設定することで遅延時間を
調節することができる。またこの固定ピン7の移動の
際、装置内の粘性のある液体(気体)7-aoは、固定ピ
ン7が筒7-a中に入り込むときは、固定ピン7が移動す
る体積分だけ筒7-a内部から通路7-eを通って水車(風
車)36-wのある側へ移動し、固定ピン7が筒7-a中か
ら押し出されるときは、同量が逆に水車(風車)36-w
のある側から筒7-a内部へ通路7-eを通って戻ってく
る。このため固定ピン7は、粘性のある液体(気体)7
-aoから水車(風車)36-wによって与えられる分以外
には抵抗を受けることはない。 7) センサー免震皿による遅延装置 請求項174−1項記載の発明は、地震センサー振幅装
置装備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅
装置装備型固定装置における、地震センサー振幅装置
の、重りが滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿
において、全体として凹形態のセンサー免震皿に、セン
サー免震皿の中心部に向けて戻り勾配を持ち、迂回した
戻りルート(迂回路)を設けることにより、地震センサ
ー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延し
てなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固
定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体である。図216
〜図217は、その実施例の幾つかを示している。請求
項174−2項記載の発明は、地震センサー振幅装置装
備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置
装備型固定装置において、地震センサー振幅装置の、重
りが滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿におい
て、 凹形態の中心部のセンサー免震皿(中心部センサ
ー免震皿)の山部を越えて一旦水平レベルが下がった面
をもち、その面からセンサー免震皿の中心部に向けて戻
り勾配を持った戻りルート(路)があることにより、地
震センサー振幅装置の重り(ボール)の戻りを遅延させ
るものであるもので、 地震センサー振幅装置の重り
(ボール)のセンサー免震皿の中心部への戻りを遅延し
てなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固
定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型
固定装置、またそれによる免震構造体である。図21
6、図217(a)、図217(b)は、その実施例の幾つか
である。図216では、地震センサー振幅装置の重り2
0(球20-b)を滑動(すべり・転がり)させる球面・
すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部
をもったセンサー免震皿36-vmのうち、中央部センサ
ー免震皿36-vmcを越えて一旦水平レベルが下がった面
(以下、外周部センサー免震皿と言う)36-vmoをも
ち、その外周部センサー免震皿36-vmoから、センサー
免震皿36-vmの中心部(通常位置)に向けて、戻り勾
配を持った戻りルート(路)36-vmrがあることによ
り、地震センサー振幅装置の重り20(球20-b)の戻
りを遅延させる実施例である。特に、図216では、外
周部センサー免震皿36-vmoを幾重にも繰返して環状に
もって環状山を形成し、中心部(通常位置)に向けての
戻り勾配を持った戻りルート(路)36-vmr上の、環状
山を切った戻り口36-vmriの位置関係を、環状山ごと
に変えて、戻りルート(路)36-vmrを長くしたもので
ある。図217(a)、図217(b)は、その発明に、請求
項174−3項記載の発明を加えたものである。請求項
174−3項記載の発明は、地震センサー振幅装置装備
型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装
備型固定装置における、地震センサー振幅装置の、重り
が滑動(転がり・すべり)するセンサー免震皿におい
て、中心部(通常位置)に向けて、全体として凹形態を
形成したセンサー免震皿の中心部(通常位置)に向け
て、螺旋形に山もしくは谷(溝)を設けて螺旋山もしく
は谷を形成し、その螺旋山、もしくは谷形に沿って、中
心部(通常位置)に向けての戻り勾配を持った戻りルー
ト(路)を設けることによって、地震センサー振幅装置
の重り(ボール)の中心部への戻りを遅延してなること
を特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置また
はダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定装置、
またそれによる免震構造体である。図217(a)、図2
17(b)は、その実施例の幾つかを示している。図21
7(a)では、中心部(通常位置)に向けて、全体として
凹形態を形成したセンサー免震皿36-vmにおいて、セ
ンサー免震皿36-vmの中心部(通常位置)に向けて、
螺旋形に溝36-vmrを設け、中心部(通常位置)に向け
ての戻り勾配を持った戻りルート(路)36-vmrとした
もので、戻りルート(路)36-vmrを長くしたものであ
る。図217(b)では、中心部(通常位置)に向けて、
全体として凹形態を形成したセンサー免震皿36-vmに
おいて、センサー免震皿36-vmの中心部(通常位置)
に向けて、螺旋形に山を設けて螺旋山を形成し、その螺
旋山形に沿って、中心部(通常位置)に向けての戻り勾
配を持った戻りルート(路)36-vmrを設け、戻りルー
ト(路)36-vmrを長くしたものである。また、螺旋山
の形状について、内側は緩く(例えば1/30〜1/50)、外
側はきつく(例えば1/1)して、また、図216の環状
山も同様に内側は緩く、外側はきつくして、重り20
(球20-b)が直に戻らないようにする工夫も有利な方
法である。この発明は、以上の 1)〜6)とは違い、地震
センサー振幅装置の重り自体の戻りを遅延させるもの
で、8.1.2.2.5.(ロック)弁方式にも、使用可能なもの
であり、ダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定
装置に特に有用なものである。というのは、ダンパー兼
用の地震センサー振幅装置装備型固定装置の場合は、固
定ピンまたは連結部材のピストン状部材の戻りを早くさ
せダンパー効果を与える必要からピストン状部材が通常
位置に速やかに戻る仕組みとなっており、その時にセン
サー重りが通常位置(中央部)に戻り弁が閉まる等のロ
ックがかかると免震に突然ブレーキが掛かるような状態
となるので、このような地震センサー振幅装置の重り自
体の戻りを遅延させるものが望まれていた発明である
(上記の 1)〜6)では難しい)。 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状 図220〜図221は、請求項195項記載の発明の、
図222〜図223、図225は、請求項196項記載
の発明の、図226、図227は、請求項197項記載
の発明の、図228、図229、図231は、請求項1
98項記載の発明の、図230は、請求項199項記載
の発明の、図232は、請求項200項記載の発明の、
図233〜図236は、請求項201項〜請求項202
項記載の発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの
形状の実施例を示している。請求項203項は、請求項
95項〜請求項100項、請求項103項〜請求項10
9項、請求項111項〜請求項124項、請求項140
項〜請求項146項、請求項148項〜請求項156項
のいずれか一項に記載の固定装置において、固定ピン挿
入部の形状及び固定ピンの形状が請求項195項〜請求
項202項のずれか一項に記載の形状をしてなることを
特徴とする固定装置である。地震後、固定ピン等は、残
留変位のために必ずしも地震前の停止点に戻るとは限ら
ない。したがって固定ピンが他の位置で停止しても免震
される構造体1が固定されうるように、固定ピン挿入部
の形状には、地震前の停止点よりも広い範囲(残留変位
の生じる範囲)で固定ピンを受け止める(固定させる)
ことができ、さらにまた、固定ピンを自然に地震前の停
止点に戻すような工夫が必要になる。つまり、地震前の
停止点よりも広い範囲(残留変位の生じる範囲)に、摩
擦の加わる形状、凸凹の多い形状を施し、さらにまた、
すり鉢状等の凹面形状にして、固定ピンを地震前の停止
点に戻るように促す工夫が必要である。請求項195項
記載の発明の、固定ピン挿入部の形状としては、以下の
(1)(2)(3)(4)があげられる。その実施例はそれぞれ、図
220〜図221に示されている。 (1) 球面 図220(a)は、固定ピン7の挿入部7-vが球面状の場
合である。 (2) すり鉢 図220(b)は、固定ピン7の挿入部7-vがすり鉢状の
場合である。 (3) 凸凹形状 図221(a)は、固定ピン挿入部7-vが固定ピンの地震
前の停止位置よりも広い範囲で凸凹形状になっている場
合である。 (4) 斜め段々形状型すり鉢 図221(b)は、固定ピン7の挿入部7-vが、凸凹形状
で、全体としては円錐形すり鉢状となっている場合であ
る。以上の (1)〜(4) の構成は、固定ピン7が免震され
る構造体1に、その挿入部7-vが免震される構造体を支
持する構造体2に、取付けられるている場合の実施例で
あるが、その逆の関係の場合もある。また、 (1)の球面
型、(2)のすり鉢型の場合、固定装置と重力復元型免震
装置とを兼用させることが可能であり、8.1.2.2.3.の地
震センサー(振幅)装置装備型自動復元型固定装置を用
いることによって、固定ピンを地震前の停止位置に戻す
ようにすることができる。請求項196項記載の発明
の、固定ピン挿入部の形状としては、以下の(5)(6)があ
げられる。その実施例はそれぞれ、図222〜図22
3、図225に示されている。 (5) 凸凹形状が逆 図222(a)、図222(b)は、固定ピン7の挿入部7-v
が凸形状で、固定ピン7の先端が凹形状になっている場
合である。図222(a)は、凸形状が、尖っている場
合、図222(b)は、凸形状の角が取れて丸くなってい
る場合である。図223(a)、図223(b)は、図222
(a)、図222(b)の固定ピン形状の場合で、かつ固定ピ
ン挿入部が、固定ピンの地震前の停止位置よりも広い範
囲で凸凹形状になっている場合である。図223(a)
は、固定ピンの凸形状が尖っている場合、図223(b)
は、固定ピンの凸形状が尖り、挿入部7-vが、凸凹形状
で、全体としては円錐形すり鉢状となっている場合であ
る。 (6) 固定ピンがアーム型 図224、図225は、固定ピンが、曲がったアーム型
をしている場合である。固定ピン7は、挿入部7-v側と
は反対端で、回転軸挿入部7-xによって回転できるよ
うな形で取付けられ、固定ピン先端はこの回転軸7-x
を中心として回転し挿入部7-vに挿入される。固定ピン
7の挿入部7-vの反対端は、この挿入部7-vが設置され
ている構造体の反対側の構造体(免震される構造体1に
この挿入部が設けられている場合は、免震される構造体
を支持する構造体2に、免震される構造体を支持する構
造体2に設けられている場合は、免震される構造体1
に)の回転軸挿入部7-xに、回転できる形で挿入され
取り付けられている。図224は、この固定ピンの挿入
部7-vが凹形状、固定ピン7が凸形状となっている場
合、図225は、その逆の、固定ピンの挿入部7-vが凸
形状、固定ピン7が凹形状となっている場合である。請
求項197項記載の発明の、固定ピン挿入部の形状及び
固定ピンの形状としては、以下の(7)があげられる。そ
の実施例はそれぞれ、図226、図227に示されてい
る。 (7) 上下固定ピンロック型 図226、図227は、上下の固定ピンがあり、下の固
定ピンが上がり、上の固定ピンが下がり、噛み合うこと
により、免震される構造体1と免震される構造体を支持
する構造体2を固定する。また、下の固定ピンが下が
り、上の固定ピンが上がると固定が解除される。図22
6は、上下の固定ピンが上がり下がりし、噛み合いロッ
クする型である。図227は、図226とは凹凸が逆
で、上下の固定ピンが上がり下がりし、噛み合いロック
する型である。請求項198項〜請求項199項記載の
発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状とし
ては、以下の(8)があげられる。その実施例はそれぞ
れ、図228、図229、図230、図231に示され
ている。 (8) 上下固定ピン中間滑り部挟み型 図228、図229、図231は、請求項198項記載
の発明の実施例を、図230 は、請求項199項記載
の発明の実施例を示している。図228 〜図231
は、上下の固定ピンが上がり下がりし、中間滑り部等を
介して、免震装置をロックするものである。上下に固定
ピンがあり、ロック時は、下の固定ピンが上がり、上の
固定ピンが下がり、中間滑り部を挟みロックし、免震さ
れる構造体1と、免震される構造体を支持する構造体2
とを固定する。解除時は、下の固定ピンが下がり、上の
固定ピンが上がり、固定が解除される。 1) 図228は、上下の固定ピン7が上がり下がりし
て、ローラー・ボール5-e等の転がり型の中間滑り部を
上下で挟み、ロックするものである。具体的には、図4
9、図81、図83、図84、図86〜図87、図91
〜図96、図102等の上側免震皿3-a、下側免震皿3
-bの中央部の、ボール5-e等の中間滑り部を挟む位置に
固定ピン挿入部7-vを設け、固定ピン7を挿入し、上下
の固定ピン7でボール5-e等の中間滑り部を上下で挟む
ことで、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとを固定させ
ることが可能になる。 2) 図229は、上下の固定ピン7が上がり下がりし、
保持器をもったローラー・ボール等の中間滑り部の(保
持器に開けられた)中央部の挿入部で重なり合い、周囲
にある中間滑り部(保持器)の拘束で、上下の固定ピン7
の水平移動が拘束され、免震される構造体1と、免震さ
れる構造体を支持する構造体2とを固定する。具体的に
は、図79〜図80、図82、図85等の、上側免震皿
3-a、下側免震皿3-bの中央部に、固定ピン挿入部7-v
を設け、固定ピン7を挿入し、保持器5-gをもったロー
ラー・ボール5-e等の中間滑り部の(保持器に開けられ
た)中央部の挿入部位置で、この上下の固定ピン7が重
なり合い、周囲にある中間滑り部(保持器5-g)の拘束
で、上下の固定ピン7の水平移動が拘束され、上側免震
皿3-aと下側免震皿3-bとを固定させることが可能にな
る。 3) 図231は、上下の固定ピン7があり、下の固定ピ
ン7が上がり、上の固定ピン7が下がり、上下の固定ピ
ン7が中間滑り部6に挿入することにより、上下から中
間滑り部6をロックし、免震される構造体1と免震され
る構造体を支持する構造体2を固定するものである。解
除時は、下の固定ピン7が下がり、上の固定ピン7が上
がり、ロックを解除する型である。具体的には、図8
8、図102、図103〜図104、図105、図10
6〜図107、図108〜図109等の、上側免震皿3
-a、下側免震皿3-bの中央部に、固定ピン挿入部7-vを
設け、固定ピン7を挿入し、中間滑り部6の挿入部7-v
位置に上下の固定ピン7が挿入すると、上下の固定ピン
7の水平移動が拘束され、それにより上側免震皿3-aと
下側免震皿3-bとを固定させることが可能になる。ま
た、図89は、図230、図231の装置の併用で、ロ
ックが可能になる。 4) 図230は、請求項199項記載の発明の実施例を
示しており、請求項198項記載の、上の固定ピンと下
の固定ピンとの間に、中間滑り部をもつ固定装置におい
て、固定ピンと中間滑り部の間に、ローラー・ボールの
保持器を有し、この保持器の挿入部に、固定ピンが挿入
されてロックするように構成されている。図230で
は、上下の固定ピン7があり、下の固定ピン7が上が
り、上の保持器の挿入部に挿入し、同時に、上の固定ピ
ン7が下がり、下の保持器の挿入部に挿入し、この上下
の保持器をロックし、免震される構造体1と免震される
構造体を支持する構造体2を固定するものである。解除
時は、下の固定ピン7が下がり、上の固定ピン7が上が
り、ロックを解除する型である。当然、下また上だけ保
持器の場合もある。具体的には、図90等の、上側免震
皿3-a、下側免震皿3-bの中央部に、挿入部7-vを設
け、固定ピン7を挿入し、上下の保持器5-gをもったロ
ーラー・ボール5-eの中間滑り部の(保持器に開けられ
た)中央部の挿入部位置に、この上下の固定ピン7を挿
入して、この上下の保持器5-gの中間滑り部を固定する
ことで、上側免震皿3-aと下側免震皿3-bとを固定させ
ることが可能になる。図228〜図231の利点は、二
重免震皿免震装置・滑り支承に使えることで、免震皿を
二重にすることで、その大きさは一重の場合のほぼ半分
とすることが可能であり、地震後の残留変位に対処する
ためのすり鉢状等の凹面形状の大きさをほぼ半分にでき
ることである。さらに、固定ピンを上下から各々挿入す
る仕組みによって、各固定ピンの可動寸法が小さくてす
むようになり、例えば、電池等で作動させる場合でも、
その負担を小さくすることができ、また地震力のみで作
動させる場合でも、微小地震の際の作動を容易にするこ
とができる。また、(7)の上下固定ピンロック型、(8)の
上下固定ピン中間滑り部挟み型ともに、それぞれ地震作
動型、風作動型に分かれる。地震作動型とは、普段は固
定ピンがセット(=ロック・固定)されており、地震時
に上下固定ピンが同時に抜かれ、解除される型であり、
風作動型とは、風時にのみ、上下固定ピンが同時に挿入
され、固定ピンがセットされる型である。請求項200
項記載の発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの
形状としては、以下の(9)があげられ、その実施例は、
図232に示されている。 (9) 固定ピン滑り部ロック型 図232の装置と同様の機構で、固定ピン7が一本の場
合も当然考えられる。上または下の固定ピン7で、滑り
部5また中間滑り部6を固定し、免震される構造体1と
免震される構造体を支持する構造体2を固定するもので
ある。解除時は、固定ピン7が抜かれて、固定を解除す
る。具体的には、図110〜図115等の、免震皿3の
中央部に、固定ピン挿入部7-vを設け、固定ピン7を挿
入し、滑り部5また中間滑り部6の挿入部7-v位置に、
この固定ピン7が挿入されることにより、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2を固定す
るものである。請求項201項〜請求項202項記載の
発明の、固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状とし
ては、以下の(10)があげられる。その実施例はそれぞ
れ、図233〜図236に示されている。 (10) 固定ピン凹み型 図233〜図236は、固定ピン、またはボール5-e等
の中間滑り部に対して、固定ピン挿入部7-vが凹み、固
定ピン7または中間滑り部が嵌まり込むことによってロ
ックをおこなうものである。図235、図236は、請
求項201項記載の発明の実施例を示している。固定ピ
ン7自体は動かずに、その反対側の挿入部7-vが凹むこ
とにより、固定ピンがセット(=ロック・固定)される
ものである。また、この凹んだ挿入部7-vが元の位置に
戻り、固定ピン7が挿入部から押出されるとロックが解
除される。挿入部7-vと固定ピン7のうち、どちらか一
方が免震される構造体1に、もう一方が免震される構造
体を支持する構造体2に設けられることにより構成され
る。図235は挿入部7-vが凹む前の、固定ピン7が固
定される前の状態であり、図236は挿入部7-vが凹ん
で、固定ピンを固定することで、免震される構造体1と
免震される構造体を支持する構造体2を固定した状態で
ある。図233、図234は、請求項202項記載の発
明の実施例を示している。免震される構造体1と免震さ
れる構造体を支持する構造体2との間に、すべり型の中
間滑り部6、またはローラー・ボール5-e,5-f等の転
がり型中間滑り部、または保持器5-gをもったローラー
・ボール5-e,5-f等の中間滑り部を有し、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2の一方
または両方の、この中間滑り部に接する部分が挿入部7
-vをなしている。中間滑り部に対して、挿入部7-vが凹
んで、中間滑り部を固定することにより、免震される構
造体1と免震される構造体を支持する構造体2とが固定
される。また、凹んだ挿入部7-vが元に戻り、中間滑り
部が押し出されると固定が解除される。図233、図2
34は、この発明を示し、免震される構造体1側と免震
される構造体を支持する構造体2側の両方に、挿入部を
もつ場合を示している。図233は、挿入部7-vが凹む
前の、ボール5-eが転がり可能な状態のもので、図23
4は挿入部7-vが凹んで、ボール5-eの転がりを阻止
し、免震装置をロックするものである。具体的には、図
91等の、上側免震皿3-a、下側免震皿3-bの両方の中
央部に、固定ピン挿入部7-vを設け、ボール5-e等の中
間滑り部に対して、挿入部7-vが凹んで、中間滑り部を
固定することにより、免震される構造体1と免震される
構造体を支持する構造体2とが固定される。また、凹ん
だ挿入部7-vが元に戻り、中間滑り部が挿入部から押し
出されると、固定が解除される。以上の(1) 〜(10) の
固定装置等は、引抜き力を押さえ込む引抜き防止装置と
の併用によってより効果を発揮する。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
み支承) 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置 請求項204項記載の発明は、特許 1844024号と特許 2
575283号とで記載の免震復元装置(重力復元型免震装置
・滑り支承)、免震装置(免震装置・滑り支承)、ま
た、上記の4.二重(または二重以上の)免震皿免震装
置・滑り支承において、免震皿の滑り面部の中央部が、
滑り部、中間滑り部、ボール・ローラーの形状で、また
入り込む形状で、窪んだ(凹んだ)形(食込み部)で形
成された免震皿をもつことにより構成される免震装置・
滑り支承である(以下、「食込み支承」という)。請求
項205項記載の発明は、風等の揺れに対抗できるよう
に、窪んだ(凹んだ)形状を形成したものであり、請求
項206項記載の発明は、それを使用した場合の免震構
造体である。その効果は、風揺れの防止である。一般に
転がり型免震においては、風揺れの防止が一番大きな課
題となるが、食込み支承は、免震皿の滑り面部の中央部
を、免震皿に挟まれた、ボールまたはローラーが入り込
む形で、さらにそのボールまたはローラーの曲率形状で
窪ませる(凹ませる)、という比較的簡単な方法で大き
な風揺れ抑制効果を持つものであり、傾斜角を大きくす
る(すり鉢状免震皿)、曲率半径を小さくする(球面状
免震皿)等の方法に比べて、地震時に免震装置が作動し
た際の免震性能を落とすことがない優れた方法である。
ここで、地震時の免震性能について述べれば、地震時
に、中央部窪み形に中間滑り部、ボールまたはローラー
等が入り込む心配があるが、 実際は、地震は全方向に動
くため、中央部を通過するケースはそれほど多くない。
とくに中央部窪み径が小さい場合は、その確率は小さ
く、免震性能が低下することは少ない。そのため地震時
に一旦動きだせば、高い免震性能を保てる。図95は、
この発明のすり鉢状二重免震皿型の場合の実施例(以
下、「食込みすり鉢状二重免震皿型支承」という)を示
し、図96は、平面状と球面状の二重免震皿型の場合の
実施例を示しており、ともに、上側免震皿3-aおよび下
側免震皿3-bに、ボール5-eの曲率形状で窪ませ(凹ま
せ)た窪み35のある場合の実施例である。以上は二重
免震皿の場合であるが、当然、特許 1844024号と特許 2
575283号とで記載の免震復元装置(重力復元型免震装置
・滑り支承)、免震装置(免震装置・滑り支承)におい
ても、つまり、図110〜図115等の、滑り部5また
中間滑り部6と免震皿3からなる免震装置型において
も、免震皿の滑り面部に、滑り部5また中間滑り部6と
ボール5-eまたローラー5-fの同曲率形状で窪ませる
(凹ませる)ことが考えられる。図97は、その実施例
であり、免震皿3の滑り面部に、滑り部5の曲率形状で
窪ませた窪み35のある場合の実施例である。また、免
震皿の滑り面部に窪ませる(凹ませる)形状の寸法は、
以下の式から与えることが可能である。球また円状に免
震皿の滑り面部の一部を窪ませるとして、K=M(免震
される構造体の質量)×G(重力加速度)/R(滑り部
また中間滑り部とボールまたはローラーの半径)として
表され、免震皿の滑り面部の窪ませられた寸法の半分を
Lとし、同装置の設置個数をN(同装置が、偏心しない
ようにバランス良く配置されたとして)とすると、K×
L×N+摩擦力(免震装置・滑り支承の摩擦)が、免震
される構造体にあたる最大風圧力よりも大きい場合は、
風圧力によって動く事はない。これが目安になり、免震
皿の滑り面部に窪ませる(凹ませる)形状の寸法が決定
される。若しくは、その窪みが免震皿の滑り面部へ切り
替わる勾配の差により生じる角度θによって、最大抵抗
値が決まる。最大抵抗値は、免震される構造体の質量×
sinθ・cosθ≒tanθ≒θ(radian)で求められる。こ
の式は、窪ませる(凹ませる)形状がすり鉢であっても
使用できる。また、当然、必ずしも免震皿に挟まれたボ
ールまたはローラーの曲率形状で窪ませる(凹ませる)
必要はなく、ボールまたはローラーが入り込む形状で窪
ませる(凹ませる)だけでもよい。 (1) 免震皿と滑り部とからなる免震装置・滑り支承にお
ける水平力の抵抗計算 請求項204項の発明の例として、ボールまたはローラ
ーの滑り部5と免震皿3からなり、かつこの免震皿3の
滑り面部にこの滑り部5の形状で窪ませられた窪み35
が設けられている免震装置・滑り支承を考える。滑り部
5に、水平力Q及び質量Mによる鉛直荷重M×G(重力
加速度)が加わっているとき、この滑り部5が窪み35
から免震皿3の滑り面部へ脱するための条件は、この窪
み35と滑り面部との境界での窪み35の曲面の勾配を
tanθとしたとき、Q×cosθ>M×G×sinθ+摩擦力
より、Q>M×G×tanθ+摩擦力となる。摩擦係数を
μとすればこの式は、Q>M×G×(tanθ+μ)と表
せる。以上は窪み35の形状(すり鉢状、球面状等)を
問わず適用できる。また、この滑り部5の形状で窪ませ
られた窪み35の形状が球また円状となる場合、その曲
率半径をR、窪み35と滑り面部との境界の描く円の半
径をLとしたとき、窪み35の滑り面部の勾配tanθが
ある程度小さければ、tanθ≒sinθ=L/Rであるか
ら、このときの条件は、上式よりQ>M×G×L/R+
摩擦力である。この式を前述のKを用いて書けば、Q>
K×L+摩擦力となり、免震装置の設置個数をN個(同
装置を偏心しないようにバランス良く配置したとして)
とすると、Q>K×L×N+摩擦力となり、前項と一致
する。以上のことから、免震される構造体にあたる最大
風圧力よりも水平力Qが大きくなるようにtanθあるい
はK及びLを定めることにより、この免震された構造体
が風圧力により動くことはないとすることができる。ま
た摩擦力については、不安定なため算定に加えない方が
よい場合もある。 (2) 二重(または二重以上の)免震皿型免震装置・滑り
支承における水平力の抵抗計算 1) 片面のみの窪みの場合 ボールまたはローラーの滑り部と上部及び下側免震皿と
からなり、かつこの上下免震皿の一方だけに、この滑り
部の形状で窪ませられた窪みが設けられている二重(ま
たは二重以上の)免震皿型免震装置・滑り支承を用いる
場合、食込み部をもたない方の免震皿をすべる中間滑り
部のすべりにより水平力抵抗値が規定される。 2) 両面の窪みの場合 請求項204項の発明の例として、ボールまたはローラ
ーの滑り部5と上側免震皿3-a及び下側免震皿3-bとか
らなり、かつこの免震皿3-aと3-bとにこの滑り部5の
形状で窪ませられた窪み35が設けられている 二重
(または二重以上の)免震皿型免震装置・滑り支承を考
える。この滑り部5は転がり部材として機能し、スリッ
プ等はしないものと考える。上側免震皿3-aに水平力Q
及び質量Mによる鉛直荷重M×G(重力加速度)が加わ
っている場合、この滑り部5が窪み35から免震皿3の
滑り面部へと脱するための条件は、滑り部5と上側免震
皿3-a及び下側免震皿3-bの窪み35の曲面との接点で
の、窪み35の曲面の勾配をtanθとしたとき、滑り面
部5がスリップ等をせずに転がるのであれば、この2つ
の接点における荷重の条件は、滑り面部5の中心につい
て点対称で共通であり、(1)の場合と同様の計算過程と
なるため、前述の関係式Q>M×G×tanθ+摩擦力を
用いることができる。摩擦係数をμとすればこの式は、
Q>M×G×(tanθ+μ)と表せる。以上は窪み35
の形状(すり鉢状、球面状等)を問わず適用できる。ま
たこの滑り部5の形状で窪ませられた窪み35の形状が
球また円状となる場合、その曲率半径をRとし、窪み3
5と滑り面部との境界の描く円の半径をLとしたとき、
Q>K×L×N+摩擦力となるのも前項と同じである。
以上のことから、免震される構造体にあたる最大風圧力
よりも水平力Qが大きくなるようにtanθあるいはK及
びLを定めることにより、この免震された構造体が風圧
力により動くことはないとすることができる。また摩擦
力については、不安定なために算定に加えない方がよい
場合もある。また、以上のいずれの場合も風揺れ防止に
不足する分は、下記のように 8.7.3.の固定装置との併
用することで補う方法もある。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承 また、免震皿の滑り面部の中央部を、その免震皿の滑り
面部を滑動するボールまたはローラーの曲率形状で窪ま
せる(凹ませる)ことは、重量構造体(免震皿面にボー
ルまたはローラーが食い込むような重量が大きい構造
体)の場合、免震皿の滑り面部の耐圧性能を上げる効果
も持つ。請求項207項は、免震皿側の滑り面部の耐圧
性能を上げる場合の発明である。接触面積がそのまま耐
圧面積となり、耐圧性能が計算できる。逆に、必要な耐
圧性能から必要耐圧面積つまり接触面積を計算して、食
込み面積(ほぼ接触面積と同じである)を出せばよい。
請求項208項は、耐圧性能を上げる効果と風揺れ防止
の効果とを合わせ持たせる場合の発明である。8.7.1.の
計算と上記の計算をすれば良く、耐圧性能だけを満たし
て、風揺れ防止に不足する分は、下記のように 8.7.3.
の固定装置との併用することで補う方法もある。また、
請求項209項記載の発明は、それを使用した場合の免
震構造体である。 8.7.3. 固定装置との併用 この免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置と、固定
装置(上述を含む風揺れ防止装置全般)との併用は、双
方の装置に風圧力を分担させ、従って固定装置の数を少
なくさせる。特に、固定装置1個(重心位置等)との併
用は、固定装置1個の場合にありうる、風による免震さ
れる構造体の(固定ピン廻りの)回転を防ぎ、かつ、固
定装置を使用せずにこの中央部窪み形の風揺れ等抑制装
置で全ての風揺れに対応する場合より免震性能を向上さ
せる。請求項210項は、その発明である。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
の免震皿 重力復元型(一重免震皿または二重(または二重以上
の)免震皿)免震装置・滑り支承の免震皿3の凹型滑り
面部としては、地震後の残留変位が少なく、固有周期を
持たないゆえに共振現象を起こさないすり鉢状が望まし
い。しかし、風への抵抗を考えると、すり鉢状の勾配を
大きくする必要があり、その場合には、小さい地震に
は、免震しにくく、大きな地震時も、すり鉢傾斜の大き
い分、免震時の(すり鉢の中心付近を通過し、勾配の下
りと上りとが急に変化するときの)振動衝撃が大きくな
り、スムーズな免震が得にくい。そこで、すり鉢の底を
球面にすることにより、小さい地震も免震可能となり、
大きな地震時にも、すり鉢の底での急激な勾配の変化が
無くなることで、快適な免震が行われる。請求項211
項は、その発明である。すり鉢状免震皿をボール5-eが
転がる構成の場合(図91)は、特にその効果は顕著で
あり、すり鉢状免震皿を球面型滑り面部を持つ滑り部、
中間滑り部(図98)がすべる構成の場合でも、効果は
ある。請求項212項は、前請求項の発明において、す
り鉢の底の球面半径は、地震周期に共振する半径近傍で
もって構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り
支承の発明であり、その意味するところは、すり鉢の底
の球面半径が、地震周期に共振することによって、初期
の小さい加速度から免震を開始することが可能となる。
このように初滑動の加速度を小さくするとともに、この
球面の範囲外では共振をすり鉢によって押さえることが
可能になる。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用 しかし、すり鉢の底を球面にすることにより、免震され
る構造体は小さい風でも球面部内を振動し、(底面の球
面部以上の振幅は抑制されるが)揺れてしまう。そこ
で、底面の球面部内の微振動による揺れ止めのために、
固定装置を、特に8.2.の風作動型固定装置(平常時はロ
ックされ、地震時にロックが解除される固定装置)を、
免震される構造体の重心またはその近傍に一本また複数
本併用する。請求項213項は、その発明である。すり
鉢状免震皿をボール5-eが転がる構成の場合(図91)
は、特にその効果は顕著であり、すり鉢状免震皿を球面
中間滑り部がすべる構成の場合(図98)でも、効果は
ある。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承による風揺れ固定 (1) 凹型免震皿をもった二重免震皿免震装置・滑り支承 地震時以外の通常時に上下の免震皿が接し、摩擦が発生
する形状の、二重(または二重以上の)免震皿免震装置
・滑り支承(4.参照)の利用により、風揺れ抑制効果
をもたらす。 請求項214項は、その発明である。二
重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承と中
間滑り部(転がり型中間滑り部またはすべり型中間滑り
部)とにより構成され、二重(または二重以上の)免震
皿免震装置・滑り支承のうち、どちらか、あるいは両方
が凹型滑り面部を有する免震皿(凹型免震皿)をもつ。
そのように構成された二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承において、中間滑り部が、凹型免震
皿の最も底の位置(地震時以外の通常時の停止位置)に
納まった時において、上下の二重免震皿の双方の凹型滑
り面部以外の周囲が接して(中間滑り部のために双方が
接しない場合には、周辺部に縁を立てる等により接し
て)、摩擦が発生するようにし、風揺れ等に対処する。
ある一定以上の大きさの地震等が発生して、中間滑り部
が、凹型免震皿の最も底の位置からずれると、上の免震
皿が浮き上がり、上下の二重免震皿が接しなくなり、免
震性能を下げる摩擦が発生しなくなる。図99は、その
発明の実施例のひとつを示している。凹型免震皿3-a、
3-bをもつ二重免震皿免震装置・滑り支承とボールの中
間滑り部5-eとにより構成され、中間滑り部5-eが、凹
型免震皿3-a、3-bの最も底の位置に納まった時(通常
時の停止位置)において、上下の二重免震皿3-a、3-b
の双方(の縁または双方の立ち上がった縁)が接して、
摩擦を発生するようにし、風揺れ等に対処する。ある一
定以上の大きさの地震等が発生して、中間滑り部が、凹
型免震皿の最も底の位置からずれると、上の免震皿が浮
き上がり、上下の二重免震皿が接しなくなり、摩擦が発
生しなくなる。また、接触面を噛合せて、摩擦をより大
きくする場合もある。さらに、この二重免震皿免震装置
・滑り支承に、食込み支承(8.7.)を使用することによ
り、上下の免震皿の接し方をより確実にし、摩擦をより
大きくすることも可能である。請求項215項は、その
発明の実施例のひとつを示している。なお、この食込み
支承(8.7.)の使用と、上下の二重免震皿の接触面を噛
合せることにより、摩擦をより大きくしても、地震時に
一旦動きだせば、上の免震皿が浮き上がり、上下の二重
免震皿が接しなくなり、摩擦が発生しなくなることは同
じである。つまり、なかなか動きにくく、地震時に一旦
動きだせば、非常に高い免震性能が得られる。これも固
定装置との併用によってより効果を持つ。また、接触面
が与える密閉性のため、食込み支承の中央部窪みに入り
込む塵埃等が最小限となる。 (2) 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重免震皿免
震装置・滑り支承 さらに、平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承において、
片方が窪み、もう片方が出っ張って、入り込む形状を取
り、摩擦を発生して風揺れ等に対する抵抗をなす。この
機構は、(1)の凹型滑り面部以外の接触面においても考
えられる。図76〜図77は、請求項216項記載の発
明の実施例を示している。平面型滑り面部同士の免震皿
3-a、3-bをもった二重(または二重以上の)免震皿免
震装置・滑り支承において、各免震皿のある部分(図で
は中央部)に、一方の免震皿は凹部3-v、もう片方は凸
部3-uを有し、互いに嵌まり合うように構成されてい
る。凸部3-uまた凹部3-vの形状は、図76では球面形
であり、図77では円錐形である。この支承は、すべり
支承の「食込み支承」ともいうべきものであるが(8.7.
は、転がり支承の「食込み支承」)、免震性能を別にす
ると、風揺れ抵抗は、8.7.の「食込み支承」と同様に、
窪み3-vの傾斜角度によって決まり、その窪みが、免震
皿の平面形状へ切り替わる勾配の差により生じる角度θ
によって、最大抵抗値が与えられる。 最大抵抗値は、
免震される構造体の質量×tanθとなる。この式は、窪
ませる(凹ませる)形状がすり鉢であっても使用可能で
ある。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用 免震性能を良くするために固有周期を長くした、積層ゴ
ム免震装置または免震滑り支承の球面・すり鉢等の凹面
形状の勾配等をもった免震装置・滑り支承の場合には、
免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを、強風時に手動で固定する固定装置(以下、「手動
型固定装置」と言う)を併用する。また、強風時の安全
が保証されている場合で、積層ゴム等のバネ定数、また
免震滑り支承のすり鉢等の凹面形状等の勾配、また滑り
支承面等の摩擦によっても、強風時にある程度の揺れが
生じる場合には、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体とを、手動で固定する固定装置を一
本、また複数本併用して、揺れ止めを行う。請求項21
7項は、その発明である。具体的には(強風時の安全が
保証されている場合で、現実的にはそのようなことが要
求される)、免震性能を良くするためには固有周期を長
くした結果強風時の揺れが避けられない、積層ゴムの場
合、滑り支承とバネ等の併用の場合、球面またはすり鉢
等の凹面形状の免震皿支承の場合等の免震装置におい
て、強風時に手動で、固定ピン7を固定ピンの挿入部7
-vに挿入する、または固定装置の作動部をロックするロ
ック部材でロックする等によって、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体とを固定する固定装
置を、一本また複数本併用することにより、高い免震性
能を実現し、且つ強風時の揺れを抑制できる。また、8.
8.の「底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿」におけるように、強風時の抵抗を、底面の球面
部を除く周辺部のすり鉢だけでなす場合に、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体とを、強風
時用に手動で固定する固定装置を、一本また複数本併用
して(底面の球面部での微振動を含めて)揺れ止めを行
う。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用 強風時に手動で固定するが、地震時には自動的に解除さ
れる固定装置を併用して、風等による揺れ止めを行う。
請求項218項は、その発明である。請求項221項
は、その具体的な装置の発明である。請求項97項また
は請求項98項記載の地震センサー(振幅)装置装備型
固定装置において、強風時に、手動で固定装置の作動部
をロック部材により固定し、地震時に地震センサー振幅
装置の振動する重りの力でまたは地震センサーからの指
令で、そのロック部材による固定を解除するように構成
されてなることを特徴とする自動解除固定手動型固定装
置である。図181の装置は、その固定ピン型固定装置
の実施例である。この装置について、8.1.2.2.4. 1)の
説明では、「またバネ等9-cは、すり鉢状等の凹形状挿
入部7-vm へ固定ピン7がゆっくりと挿入する程度のも
のとする」となっていたが、ここでは、バネ等9-cは、
固定ピン7を持ち上げるものでよい。当然、連結部材弁
型固定装置の場合の形も存在する。これらが、適宜配置
されて風揺れに対処する。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正 すべり型免震装置においては、特に、地震後の残留変位
の矯正が困難であった。請求項194項は、それを解決
する発明である。この発明は、当然、転がり型免震装置
においても使用可能なものである。免震皿の摩擦面に潤
滑剤が潤滑する溝があり、免震皿の外側に、その溝に潤
滑剤を流し込むための孔があって、地震後に、この孔か
ら潤滑剤を流し込み、摩擦面を潤滑させ、地震後の残留
変位の矯正を容易にするというものである。この潤滑剤
として、揮発性の液体潤滑剤は、摩擦を発生させて風揺
れに対処するようなすべり型免震装置においては特に有
効である。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 重力復元型免震装置・滑り支承における免震皿の凹型滑
り面部の形状は、地震後の残留変位が少ないすり鉢状が
望ましく、さらに、すべり型免震装置においては、凹型
滑り面部の底を平らにし、その平らな部分の大きさも滑
り部の大きさとほぼ同じにして、滑り部等が底に戻り易
くするという工夫も必要である。また、すべり型・転が
り型免震装置両者ともに摩擦係数を小さくする必要もあ
る。8.1.2.2.2.と8.1.2.2.3.の自動復元型、8.1.2.3.の
自動制御型、8.2.の風作動型固定装置の各場合において
は、このような免震装置の工夫は不可欠になる。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ 軽量建物・構造体、特に軽量(木造・鉄骨系)戸建て住
宅の免震における問題は、風揺れ対策である。この問題
に対して、いままで述べた風揺れ対策は、単独でも十分
な効果を発揮するが、それらを組合せることにより、単
独以上の効果をもつ。 (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
び)食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部にすべり支承
等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(8.7.)を
配置する。そのことにより、風揺れに対処できる。請求
項210項と請求項222項とは、その発明である。こ
れは3つに分かれる。 1) 摩擦発生装置(例、すべり支承) 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置を
最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に、すべり
支承等の摩擦発生装置とを配置する。 2)食込み支承 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に食込み支承
(8.7.)を配置する。 3) 摩擦発生装置及び食込み支承 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部にすべり支承
等の摩擦発生装置及び食込み支承(8.7.)を配置する。
そのことにより、風揺れに対処できる。以上の 1) 2)
3)について説明すると、すべり支承等の摩擦発生装置ま
たは(及び)食込み支承(特に、食込みすり鉢状二重免
震皿型支承)だけだと、免震性能が落ちる。逆に、固定
装置のみの場合は、重心軸での回転防止対策として、2
装置以上必要になり、リレー連動作動型固定装置(8.3.
3.参照)等を採用することになるが、この機構は簡易で
はなく、メンテナンスなどの面からも固定装置は、一装
置としたい。そこで、固定装置と周辺部にすべり支承等
の摩擦発生装置または(及び)食込み支承を併用し、双
方が風荷重を適当な割合で分担することにより、すべり
支承等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(特
に、食込みすり鉢状二重免震皿型支承)のみの場合より
も免震性能を上げることができる。なおこの場合固定装
置は一装置のみでよいので、メンテナンスも容易となっ
て簡易化も図れる。 ※ すべり支承等の摩擦発生装置または(及び)食込み
支承の配置について 風揺れ防止のためのすべり支承等の摩擦発生装置は、同
一直線上にない三カ所以上(同摩擦係数の三装置)に配
置し、重心(と考えられる位置:ある程度の誤差は許容
される)を三装置を結んでできる三角形の中に含めば任
意の配置としてよい。但し三カ所の摩擦発生装置の摩擦
係数が違っている場合のことを考えると、各装置をでき
るだけ重心より離して配置した方が地震時の捩れ運動を
生じない。 ※重心(と考えられる位置)の外側三カ所に任意に配置
してよいことの証明 すべり支承等の摩擦発生装置と重心位置との位置関係を
検討するため、梁を(支持台に対して移動可能な)支持
点で支持するモデルを想定する。(このとき摩擦発生装
置の摩擦係数はそれ以外の摩擦係数(例、転がり支承)
よりも十分に大きいものとする。) このモデルが梁の軸に対し直交方向の水平力を受けて運
動する場合を考えると、安定のためにまず支持点は2カ
所以上必要であり、かつ捩れ運動を生じないためには、
各支持点の摩擦係数はすべて同じでなければならない。
ついで2点で支持されている場合を考えたとき、この支
持点の間に重心が無い場合は、支持点のうち重心から遠
い方の点に引抜き力が発生してしまう。このためこの支
持点に引抜き防止装置が配置されている場合に限り、こ
の位置関係が許される。よって常に支持が安定で、かつ
捩れ運動が生じないための条件は、2点の支持点の間に
重心があり、支持点の摩擦係数が同じである場合とな
る。この関係を平面に対して適用した場合、摩擦発生装
置の配置の条件は、同一直線上にない3カ所以上であ
り、重心(と考えられる位置)を3装置を結んでできる
三角形の中に含めば任意の配置としてよいということと
なる。但し各摩擦発生装置の摩擦係数が一様でない場合
を考えると、重心(と考えられる位置)から各摩擦発生
装置への距離をできるだけ離した方が、水平力を受けた
場合の回転モーメントを小さくでき、地震時の捩れ振動
を抑えることができる。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
定装置との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に地震作動型固
定装置を最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に
風作動型固定装置を最低限一箇所とを配置する。地震作
動型固定装置(8.1.)のみの場合は、風時の重心軸での回
転対策が必要になるため、その回転対策として、周辺部
に風作動型固定装置(8.2.)を最低限一箇所併用する。請
求項223項は、その発明である。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
固定装置とすべり支承等の摩擦発生装置または(及び)
食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に地震作動型固
定装置を最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に
風作動型固定装置を最低限一箇所とすべり支承等の摩擦
発生装置または(及び)食込み支承とを配置する。地震
作動型固定装置(8.1.)のみの場合は、風時の重心軸での
回転対策が必要になるため、その回転対策として、周辺
部に風作動型固定装置(8.2.)を最低限一箇所とすべり支
承等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(8.7.1.)
を併用する。請求項224項は、その発明である。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に固定装置(8.
1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最低
限一箇所と、免震される構造体の周辺部に手動型固定装
置(8.10.)を最低限一箇所とを配置する。手動型固定
装置について、風が吹き始めたら(また揺れ始めた
ら)、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを、室内から電気等で固定する装置も考えられ
る。請求項225項は、その発明である。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
固定装置との併用 (4)に関して、8.10.(2) 自動解除固定手動型固定装置の
採用の場合、その自動解除固定手動型固定装置は、請求
項159項記載のように、免震される構造体の重心また
はその近傍に設置される固定装置(8.1.地震作動型固定
装置、8.2.風作動型固定装置)に比べて、固定装置の解
除の感度が地震に対して高く敏感な装置となる。つま
り、免震される構造体の重心またはその近傍に固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)が設
置され、それに比べて、地震時に解除されやすい自動解
除固定手動型固定装置(8.10.(2))が周辺位置に設置さ
れることにより構成されてなることを特徴とする免震構
造体である。そのことにより、この自動解除手動型固定
装置は重心部設置の固定装置よりも感度が高いため、地
震時の、重心部設置の固定装置の固定解除が遅れた場合
に生じる捩れた動きの問題も解消される。請求項226
項は、その発明である。 (6) 固定装置と回転・捩れ防止装置との併用 固定装置と、10.1.の回転・捩れ防止装置とを、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との間
に設けることにより構成されてなることを特徴とする免
震構造体である。固定装置を最小個数に、できれば一個
にし、回転・捩れ防止装置も最小個数にするためには、
固定装置を免震される構造体の中央部に、回転・捩れ防
止装置を免震される構造体の周辺部に配置するのがよ
い。ここで言う「免震される構造体の中央部」とは、免
震される構造体の重心部のことではなく、単に中央部分
であり、場合によっては、回転・捩れ防止装置の配置さ
れる免震される構造体の周辺部の内側(免震される構造
体の中央部寄り)という意味でもよい。ここで言う「免
震される構造体の周辺部」とは、固定装置の配置される
免震される構造体よりも外側(免震される構造体の周辺
部寄り)という意味でもよい(10.2.参照)。請求項2
45項は、その発明である。 (7) 連動型でない固定装置の複数個配置と回転・捩れ防
止装置との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と 10.1.の回転・捩れ
防止装置との併用により、地震時に固定装置が同時解除
しない地震作動型固定装置の場合の免震による不安定さ
を回転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ抑制
の安全さを増大する。というのは連動型でない固定装置
を複数個配置して、地震時の固定装置の解除に時間差が
生じて、重心位置でない位置の固定装置が最後まで解除
されずに残り、それにより捩れが起きかけても、回転・
捩れ防止装置によって捩れ振動、回転運動が生じずに免
震される構造体は固定されており、その固定装置の解除
と共に免震がスムーズに始まるからである。また、風作
動型固定装置の場合で、風時に固定装置が同時に固定し
ない場合、また一個もしくは数個が固定し他が固定しな
い場合の風による回転等の不安定さを回転・捩れ防止装
置により解決する(10.3.1.(2)(3)参照)。請求項24
8項また請求項248−2項は、その発明である。以
上、(1)〜(7)同士のいろいろな組合せの併用も当然考え
られる。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−2項記載の発明は、請求項131項から
請求項136項のいずれか一項に記載の地震センサー振
幅装置装備型固定装置において、地震センサーとなる重
りが、出口・出口経路内(の付属室)にあって、強風時
にはピストン状部材からの圧力により、出口・出口経路
の狭まった所で吸込まれる位置にあって、出口・出口経
路を塞ぐ形となるように構成されてなることを特徴とす
る地震センサー振幅装置装備型固定装置(以下、重り吸
込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置と言
う)である。戸建て等の軽量構造体の場合には、強風時
に地震が起った時に免震状態となると、場合により免震
による地震被害からの救済よりも、免震機構の解除によ
って、風で大きく揺れる被害の方が大きくなることが多
い。請求項226−2項記載の発明の重り吸込み型弁方
式地震センサー振幅装置装備型固定装置は、このような
風時の免震問題を解決する。というのは、重り吸込み型
弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置には、地震
時に弁が開かないという問題が無いからである。また、
風時には、重りが吸込まれて地震により弁が開く可能性
がないからである。それは、地震の波と風の波の違いに
よる。地震の波(加速度)は、0を経由してプラスマイ
ナスの振幅を繰返すが、風の波(加速度)は、プラス領
域(またはマイナス領域のどちらか一方)での振幅を繰
返すからである。つまり、地震波では、圧力の無い瞬間
を持ち、その瞬間に重りの吸込みがなくなり地震センサ
ーとして働く。風波では、プラス領域(またはマイナス
領域のどちらか一方)で圧力が持続し、重りの吸込みが
解除されることがなく、そのため地震センサーとして働
かずに風時では免震機構はロックされるからである。し
かし、より地震時の(ロック)弁の解除の確実性を与え
たのが、8.13.2. 風時の免震ロック2の発明である。こ
の重り吸込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定
装置は、具体的には、図288、図289等の、地震セ
ンサーの重り20、20-b、20-e、20-dcが強風時
に出口・出口経路7-acjに吸込まれる型の弁方式地震セ
ンサー振幅装置装備型固定装置である。この重り吸込み
型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置の実施例
は、地震センサーの重り20-bがボール型の図288、
図289、図297、図298、図301、図302、
図303、図311〜図312、図326(ボールの
方)、図327(下ボールの方)、図328、図32
9、図330、図331、図332(a)、地震センサー
の重り20がすべり部材型の図296、地震センサーの
振り子重り20-e型の図307、図317(a)、図31
7(b)、図318(a)、図318(b)、図319、図32
0、図321、図323、図324、図325、図33
2(b)、地震センサーの重りが変形型の図299、図3
00、図322、等である。ただし、振り子重り20-e
型は、振り子の支点を受ける支持部20-iでガタ(遊
び)が無いと、重り20-eは吸込まれないので遊びを設
ける必要がある。また、液体の弁として密閉性から考え
ると、振り子よりボール型の方が優れている。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック) 8.13.1. 風時の免震ロック1の発明より、地震時の(ロ
ック)弁の解除の確実性を与えたのが、請求項226−
3項記載の発明の発明であり、前述の重り吸込み型弁方
式地震センサー振幅装置装備型固定装置と食込み支承
(8.7.参照、ボール型、ローラー型)とを併用使用する
ものである。前述の重り吸込み型弁方式地震センサー振
幅装置装備型固定装置と、食込み支承(ボール型、ロー
ラー型、8.7.参照)を組合せることにより、食込み支承
の食込み部を乗り越える風の場合にのみ、免震機構はロ
ックされる。食込み支承の食込み部を乗り越えない風の
場合には、免震機構は働く。という効果が得られる。こ
のことを説明すると、 1) 食込み支承の食込み部を乗り越えない風の場合に
は、免震機構は働く。食込み支承の食込み部を乗り越え
るような風が吹かない限り免震される構造体は動き出さ
ない。それまでは、地震センサーの重り(弁)を吸込む
ような液体等の圧力は発生しないため、地震時に地震セ
ンサーの重りが作動し、免震機構が働く。さらに、食込
み支承に加えて、より地震時の(ロック)弁の解除の確
実性を考えると、地震センサーの重り(弁)を吸込むよ
うな液体等の圧力を発生させないためには、固定装置の
作動部とそれを固定する側との間に(例えば、固定ピン
型固定装置の場合には固定ピンとその挿入部との間に)
遊びを設けて、食込み部を乗り越え無い限りピストン状
部材7-pからの圧力が地震センサーの重り(弁)にかか
らないようにする。 2) 食込み支承の食込み部を乗り越えるような風の場合
にのみ、免震機構はロックされる。食込み支承の食込み
部を乗り越えるような風の場合は、免震される構造体は
動き出そうとするため、地震センサーの重りを吸込むよ
うな液体等の圧力が発生し、重りが吸込まれている。そ
のため地震時でも(重りの重さによるが、大抵の場合
は)重りが作動せず弁が開かないため、免震機構は働か
ない。なお、食込み支承に関しては、8.7.に記載されて
いるが、ボール型、ローラー型がある。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
ック) 請求項226−4項記載の発明は、請求項125項から
請求項135項または請求項137項のいずれか1項に
記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置において、
ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
ると弁が出る(開く)ようにして、強風時にはピストン
状部材からの圧力により、直接に(図293、図294
参照)、間接に(図313〜図314参照)、地震セン
サーとなる重りを押す方向に働くようにしてなることを
特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、また
それによる免震構造体である。具体的には、図293
(a)(b)、図294(a)(b)において、ロック弁管20-cp
またロック弁20-lが、錐形等をしており、強風時には
ピストン状部材7-pからの圧力により、地震センサーと
なる重り20、20-b、20-eを押す方向に働く(持ち
上(下)がる)ようにして構成される。錐形は弁が開く
方向に開いた形(弁が出る方向(開く方向)に広く、弁
が入る方向(閉じる方向)に狭い傾斜もった形)となっ
ている。錐形の開き角度(直角に比べて)は、僅かな角
度(5/1000〜5/100)で良い。ある一定以上
の強風時には重りを押し上げてロックするが、免震の始
まる地震初動時の圧力程度はロックしてはいけないから
である。図293(a)(c)、図294(a)(c)は、ロック弁
管20-cpまたロック弁20-lが、段差のついた形等を
しており、強風時にはピストン状部材7-pからの圧力に
より、地震センサーとなる重り20、20-b、20-eを
押す方向に働く(持ち上(下)がる)ようにして構成さ
れる。段差のついた形は、弁が出る方向(開く方向)に
幅広く、弁が入る方向(閉じる方向)に狭くなるような
段差をつける形となっている。このことにより、重り2
0、20-bが、センサー免震皿20-cpssと平行の曲面
の重り20、20-bの上部押え(固定装置本体に取付け
られている)20-cpssuに押しつけられ、地震センサー
としての重り20、20-bがロックされる。このことに
より強風時に免震が働かなくなる。この重り20、20
-bのかわりに振り子重り20-eに置き換えても、同様
で、振り子の軸または支持部20-iに押しつけられ、重
り20-eがロックされる。図313〜図314は、ロッ
ク弁20-lが、錐形等をしているが、地震センサーとな
る重り20、20-b、20-eを直接押さない方式で、歯
車・滑車・梃子等によって伝達して押す方式である。具
体的に言えば、ロック弁20-lの力を歯車・滑車・梃子
等によって伝達して重り20、20-b、20-eを押す方
式である。図313〜図314は、ロック弁20-lの力
を歯車・滑車・梃子等によって単純に(等価に)伝達す
るだけで無く増減する場合である。 8.14. 杭折れ防止構法 請求項193項記載の発明の杭折れ防止構法は、上部構
造(免震される構造体、地上構造物)と杭等とを構造的
に縁を切り、また、その両者間をある一定以上の地震力
によって折れるか切れるかする固定ピンで繋ぐことによ
り構成するものである。ある一定以上の地震力とは、杭
折れが起こる地震力以下の地震力である。上部構造の基
礎部と、杭等との詳細としては、まず、基礎部の杭等の
受けの詳細として、杭等より大きな支持板を持ち、周辺
は立ち下ろして、杭等が支持板より外れるのを防ぐ必要
もある。その支持板は、杭折れを防ぐためだけならば、
コンクリートでもよい。また形状は、平面でも、すり鉢
また球面等の凹面でもよい。同様に、杭等の基礎当たり
部の材料は杭折れを防ぐためだけならば、コンクリート
でも良く、また形状は、平面でも、基礎部と対称の、円
錐また球面等の凸面でもよい。また固定ピンも、剪断ピ
ン同様、地震時に切断を誘発する誘発切り込みの入った
ものでもよい。 9. 緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承 (1) 減衰ダンパーについて 積層ゴム免震は、(時間軸を横軸、変位を縦軸とする
と、)等比級数的な減衰曲線を持ち、減衰しにくいた
め、必ずと言ってよいほど減衰ダンパーが必要である
が、滑り型免震では(時間軸を横軸、変位を縦軸とする
と、)等差級数的な減衰曲線を持ち、すみやかに減衰す
るため、減衰ダンパーは必要ない。なお滑り型免震に減
衰ダンパーを設けた場合には、免震性能を下げる効果し
か持たない。また、全ての免震機構に言えることである
が、減衰ダンパーでは、11.1.に記載のように免震され
る構造体の形態の多様性に対応できない。 (2) 滑り型免震での減衰ダンパー= 緩衝材付支承 ゴム等の弾性材また緩衝材を、免震装置・滑り支承の免
震皿等の滑り面(すべり面・転がり面)の周辺また縁に
取り付けて、(設計時の)予想を上回る地震変位振幅が
入力した場合、その支承周辺の弾性材また緩衝材に滑り
部または中間滑り部等を衝突させて対処する。請求項2
27項は、その発明である。図480〜図481は、そ
の発明の実施例を示している。具体的には、ゴムまたス
ポンジ等の弾性材また緩衝材26を、免震皿3等の免震
滑り支承C、Dの周辺また縁に取り付けて、予想を上回
る地震変位振幅が入力した場合、その支承C、D周辺の
ゴム等の弾性材また緩衝材26に滑り部または中間滑り
部等を衝突させて対処する。緩衝材26の幅を大きく持
たせ、さらに柔らかいスポンジ等を用いるとより効果的
とも考えられる。また、緩衝材26の幅を同じにするた
めに、ドーナツ型円周形にする方法も考えられる。図4
81は、その発明の実施例を示している。また図480
は、免震皿が方形の場合である。図480は、凹型滑り
面部の免震皿Cの場合、また図481は、平面型滑り面
部の免震皿Dの場合であり、図480、図481共に、
滑り部と免震皿の一重免震皿免震装置・滑り支承、中間
滑り部を挟んだ二重免震皿免震装置・滑り支承の場合も
ある。また二重免震皿免震装置・滑り支承の場合、弾性
材また緩衝材26が上下の免震皿の両方に取り付けられ
る場合もあり、上免震皿また下免震皿のどちらかに取り
付けられる場合もある。しかし、二重免震皿免震装置・
滑り支承の場合は、上下の免震皿の両方に取り付けられ
る場合の方が、上と下の免震皿が衝突時の衝撃によりず
れないので望ましい。なお、図480の免震皿は、方形
であり、図481の免震皿は、円形であるが、図480
の免震皿が、円形であっても、図481の免震皿が、方
形であっても構わなく、これ以外の免震皿(本明細書全
体における)においても、当然両方の場合がある。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承 図482〜図484は、請求項228項〜請求項232
−2項の発明の弾性材・塑性材敷き支承の実施例を示し
ている。なお、弾性材とは天然ゴム、合成ゴム等の弾性
材であり、塑性材とは鉛・亜鉛メッキ・合成樹脂材・粘
土等の塑性材(弾塑性材を含む、以下同じ)である。こ
の発明は、以下のように(1)耐圧性向上、(2)変位抑制と
に分かれて発展できる。図482は、請求項228項の
発明の弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿とその免
震皿面を滑動するボールまたはローラーの場合の実施例
を示している(図482は、その内のボールの場合の実
施例である)。免震皿3とその免震皿面を滑動する滑り
部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f
とにより構成されている免震装置・滑り支承において、
滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー
5-fの滑動する免震皿3に弾性材・塑性材3-e(弾塑性
材を含む、以下同じ)を敷くか、付着させることによ
り、構成されている免震装置・滑り支承である。弾性材
また塑性材3-eの使用によって、滑り部5、中間滑り部
6、ボール5-e、またはローラー5-fが、弾性材また塑
性材3-eへ食込むことにより接触面積が増加し、且つ滑
動時の摩擦が増大して、免震皿面を滑動する滑り部5、
中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f等に対
する免震皿面の耐圧性能の向上と、地震時の応答変位の
抑制とを可能にする。変位抑制の意味は、予想以上の地
震振幅時の、免震皿から滑り部等の外れ及び免震皿の縁
等への滑り部等の衝突の防止である。 (1) 耐圧性向上 a) 基本形 図482は、請求項229項の発明の、耐圧性向上を図
った弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿とその免震
皿面を滑動するボールまたはローラーの場合の実施例を
示している(図482は、その内のボールの場合の実施
例である)。免震皿3とその免震皿面を滑動する滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-fと
により構成されている免震装置・滑り支承、特にボール
5-eまたはローラー5-fとによる転がり型滑り支承にお
いて、滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはロ
ーラー5-fの滑動する免震皿3に弾性材また塑性材3-e
を敷くか、付着させることにより、免震皿3への食込み
を防止して、免震皿3の耐圧性能の向上に対応するよう
に構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承
である。弾性材また塑性材3-eの使用によって、滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f
が、弾性材また塑性材3-eへ食込むことにより接触面積
が増加し、免震皿3の耐圧性能を向上させ、且つ食込み
を防止する。また当然、変位抑制効果も持つ。 b) ボール食込み孔付き弾性材・塑性材敷き支承 また、滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはロ
ーラー5-fの、地震時以外の通常位置(中央部)に、そ
の食込む形状に従って弾性材また塑性材3-eに孔を開け
るか凹みを付ける。これは特に弾性材3-eへのへたり
(疲労)等の負荷を減らす構成方法である。この方法に
より、通常時の弾性材への圧力を軽減し、長期にわたり
圧力を受けることによる弾性材の疲労を防ぐ。さらに、
耐圧性能を向上させ、食込み支承よりも免震時の免震性
能を落とさず、風揺れ防止する。この孔に滑り部等の大
きさよりも余裕を見た場合には、小さい加速度時での免
震性能も向上させる。以下の(2) b)のすり鉢状の弾性材
・塑性材敷き支承においても、同様の構成が採用可能で
ある。 (2) 変位抑制 a) 基本形 図482は、請求項230項の発明の、変位抑制を図っ
た弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿とその免震皿
面を滑動するボールまたはローラーの場合の実施例を示
している(図482は、その内のボールの場合の実施例
である)。免震皿3とその免震皿面を滑動する滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-fと
により構成されている免震装置・滑り支承において、滑
り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5
-fの滑動する免震皿3に弾性材また塑性材3-eを敷く
か、付着させることにより、変位抑制に対応するように
構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承で
ある。弾性材また塑性材3-eの使用によって、滑り部
5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5-f
が、弾性材また塑性材3-eへ食込むことにより接触面積
が増加し、滑動時の摩擦が増大して、地震時の応答振幅
の変位が抑制される。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承 請求項231項は、免震皿の滑り面部の中央部から一定
範囲まではすべり型免震または転がり型免震をし、その
範囲を超えると免震皿の滑り面部の摩擦が大きくなるよ
うに、滑り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはロ
ーラー5-fの滑動する免震皿3に弾性材また塑性材3-e
を敷くか、付着させる発明である。そのことにより地震
動のある一定変位から変位抑制され、その範囲以内の変
位には免震性能は上げられる。この効果は、予想し得る
地震の変位の範囲までは免震性能を上げ、予想を超える
それ以上の変位の地震に対しては、変位抑制が働き、免
震皿の許容変位から滑り部等が超えなくすることができ
る。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1 さらに、この弾性材また塑性材について、厚みが周辺部
ほど増すようにすり鉢また球面等の凹型形状を取ること
により、変位抑制の効果はより期待できる。図483
は、この発明(請求項232項)の、すり鉢また球面等
の凹型形状の弾性材・塑性材敷き支承のうち、免震皿と
その免震皿面を滑動するボールまたはローラーの場合の
実施例を示している(図483は、その内のボールの場
合の実施例である)。請求項230項〜請求項231項
において、免震皿3に敷かれるか、付着させる弾性材ま
た塑性材3-eがすり鉢等の凹形状をしてなることを特徴
とする免震装置・滑り支承である(請求項231項の場
合は、弾性材また塑性材3-eは、免震皿の滑り面部中
央部分に位置する所が抜けて、その一定範囲を超えてか
らすり鉢または球面等の形状で始まる)。図483の
(b)と(c)の断面図((b)は通常時、(c)は地震振幅時)に
示されているように、弾性材また塑性材3-eが、厚みが
周辺部ほど増すような形で、すり鉢また球面等の凹型の
形状を取ることにより、地震時の振幅が大きいほど、滑
り部5、中間滑り部6、ボール5-e、またはローラー5
-fによる弾性材また塑性材3-eへの食込み深さが増して
接触面積が大きくなり、滑動時の摩擦が増大して、地震
時の応答振幅の変位が抑制される。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 図484は、請求項232−2項の実施例であり、すり
鉢または球面または円柱谷面状またはV字谷面状等の凹
形状の免震皿に対して、その凹形状に充填させて平面を
なすように弾性材・塑性材3-eを敷くか、付着する。そ
のため凹面中央部ほど弾性材・塑性材が厚くなる実施例
である。このことにより通常時における、ボールまたは
ローラーに対しての免震皿の耐圧性能をさらに向上させ
ることができる。また当然、 上記 c)も免震皿3の耐圧
性能も向上する。 9.3. 変位抑制装置 変位抑制装置として、3.と 8.4. 以外の例である。図
485(c)は、請求項233項の発明の、変位抑制装置
の実施例を示している。スライドし合う部材同士1-a、
2-pの摩擦によって地震の変位振幅を抑制し、スライド
し合う部材同士の一方が免震される構造体1に、他方が
免震される構造体を支持する構造体2に設けられること
により構成されてなることを特徴とする応答変位抑制装
置である。スライドし合う部材同士1-a、2-pの接触部
の摩擦が大きくなるように、接触部の材料としてゴム等
の摩擦係数の大きい材料の選択をすること、また、ゴム
等の弾性材26-bをスライドし合う部材同士1-a、2-p
に設け、部材同士1-a、2-pを押し付け合うことも考え
られる。また、この装置は、図132〜図145、図1
47のように固定装置にも使用できる。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 請求項234項〜請求項238項の衝突衝撃吸収装置
は、予想を越える変位振幅をもった地震によって、免震
される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
が、外れ止め等で衝突する場合を想定した装置で、免震
される構造体と、免震される構造体を支持する構造体と
が衝突する外れ止め等の位置に設けられ、その衝突を緩
和する発明である。その衝突緩和の方法に関しては、弾
性的反発のある形ではなく、反発係数の低い弾性材(低
反発係数型)を用いる、座屈変形(座屈変形型)を利用
する、塑性変形(塑性変形型)または塑性材を利用する
等によって、反発を最小限に抑えるのが望ましい。とい
うのはそれによって衝突後の免震振動が乱されずに済
み、衝突を緩和することができるからである。 (1) 低反発係数型 請求項234項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、低反発係数
の緩衝材また弾性材を設けることにより構成されてなる
ことを特徴とする衝突衝撃吸収装置である。 (2) 座屈変形型 図485は、請求項235項の発明の、弾性材の座屈に
よる衝突衝撃吸収装置の実施例を示している。免震され
る構造体と、免震される構造体を支持する構造体とが衝
突する位置に、衝突時に弾性材が座屈する細長比以上の
弾性材を設けて、その弾性材の座屈によって衝突時の衝
撃を吸収するように構成されてなることを特徴とする衝
突衝撃吸収装置である。また、前記の9.3.の変位抑制装
置の端部にこの弾性材を付けることも可能であり、また
この装置は、図132〜図145、図147の固定装置
にも使用できる。 (3) 塑性変形型 請求項236項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に塑
性変形する緩衝材また塑性材を設けることにより構成さ
れてなることを特徴とする衝突衝撃吸収装置である。 (4) 剛性部材挟み型 請求項237項は、免震される構造体と、免震される構
造体を支持する構造体とが衝突する際の、例えば、ロー
ラー・ボール等が免震皿の縁に衝突する際の、衝撃を吸
収させるために、緩衝材・弾性材・塑性材への衝突吸収
面積を高める事が有利であるが、そのために、衝突面積
よりも大きな面積を持った剛性のある(鋼等の)部材で
衝突時の衝撃力を拡散させてから、最低限その拡散した
面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材で受けるとい
う発明である。その緩衝材・弾性材・塑性材は低反発係
数を持った材料のものがよいが、また、上記座屈変形
型、塑性変形型も考えられる。図486は、そのうち、
剛性のある(鋼等の)部材26-cが水平方向に長く、衝
撃力を水平方向に拡散させてから、その部材に接着させ
た緩衝材また弾性材また塑性材26により衝撃を吸収さ
せる場合の実施例である。この図486は、図411〜
図413(2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良)
の引抜き防止装置・滑り支承と同様の構成をもった装置
の断面図であり、免震皿の縁の、ローラー・ボール等が
衝突する位置に、水平方向に長い剛性のある(鋼等の)
部材26-cをもった緩衝材また弾性材また塑性材26が
取付けられているものである。以上の方法により、衝撃
を吸収させる能力が格段に向上して、極端に免震皿の面
積を小さくすることが可能である。さらに、請求項23
8項は、衝突時の免震される構造体の加速度が所定の値
になるように、緩衝材また弾性材また塑性材26のバネ
定数を決定する計算式に基づいて構成された衝突衝撃吸
収装置に関する発明である。緩衝材・弾性材・塑性材2
6の長さとたわみ長さから可能なバネ定数Kは、以下の
近似式から算出される。予想以上の地震変位により緩衝
部材との衝突が発生した場合に、免震される構造体が受
ける加速度から弾性材のバネ定数Kは、以下の式から算
出される。免震される構造体の質量Mに対して衝突衝撃
吸収装置を1箇所設置した場合を想定し、衝突速度を
V kineとする。このとき接触時の運動エネルギーと衝
突衝撃吸収装置の弾性エネルギーを等しいものとおき、
衝突衝撃吸収装置の(等価)バネ定数をK、たわみ長さ
をδとすると近似的に、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2 K=M・V^2/(δ^2) ……(1) となる。この式は、衝突衝撃吸収装置が完全な弾性材か
らなりK一定で弾性変形する場合だけでなく、Kが途中
で変化する場合や、粘性減衰や履歴減衰などの減衰を伴
う場合、あるいは弾性変形と塑性変形を同時に起こすよ
うな場合などにも、近似的に適用できる。また、衝突衝
撃吸収装置に減衰装置を設けて、吸収した衝突のエネル
ギーを減衰させるときや、あるいは緩衝部材自体にエネ
ルギーを減衰させる能力がある等のときは、(1)式にエ
ネルギー減衰の項を設ける場合もある。ここでこの式に
対し、衝突衝撃吸収装置がとりうるたわみ長さをδに代
入することで装置のバネ定数Kが与えられ、このKとδ
とから、免震される構造体全体での反力Fが与えられ
る。 F=K・δ ……(2) そして、免震される構造体が受ける加速度Aは、 A=F/M =K・δ/M ……(3) である。ここで衝突衝撃吸収装置を n箇所設置した場合
のバネ定数をKn、その場合のたわみ長さをδnとする
と、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2=n・(1/2・Kn・δn^2) である。ここでたわみ長さδ=δnとすると、Knは前記
Kに対してK/nとなり、よって A’=K・δ/M/n =M・V^2/(δ^2)・δ/M/n =V^2/δ/n ……(4) である。このA’が、想定した入力地震波の最大加速度
よりも小さくなるように、衝突衝撃吸収装置の個数、バ
ネ定数、たわみ長さを調整する。例として、衝突速度を
50kine、免震される構造体の重量 Mg=50tf、たわみ長
さδ=2cm、n箇所設置とした場合を検討する。(4)より
衝突時に免震される構造体の受ける加速度は、 A’=1250/n ここで衝突衝撃吸収装置の設置箇所数を 8としたとき A’=1250/8 =156gal 同様に衝突衝撃吸収装置の設置箇所数を10としたとき A’=1250/10=125gal 同様に衝突衝撃吸収装置の設置箇所数を12としたとき A’=1250/12=104gal である。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
る免震・減衰・緩衝) 9.5.1. 構成 すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。請求項239項
は、そのうち、すべり型免震または転がり型免震におい
て免震皿の許容変位を超えた場合の対処法で、一定変位
まではすべり型免震または転がり型免震をし、その変位
を超えるとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝材により免震
・減衰させることを特徴とするものである。これは以下
のように2つに分かれる。 1) すべり型免震+ゴム等による免震・減衰 すべり型免震で免震皿の許容変位を超えた場合の対処法
で、一定変位まではすべり型免震をし、その変位を超え
るとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝材により免震・減衰
させることを特徴とするものである。 2) 転がり型免震+ゴム等による免震・減衰 転がり型免震で免震皿の許容変位を超えた場合の対処法
で、一定変位までは転がり型免震をし、その変位を超え
るとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝材により免震・減衰
・緩衝させることを特徴とするものである。具体的に
は、滑り支承(すべり支承、転がり支承)による免震
で、地震時に免震皿の許容変位を超えた地震変位の場
合、その変位を超えるとゴム等の弾性材・減衰材・緩衝
材により免震・減衰させるもので、そのゴム等の弾性材
・減衰材・緩衝材を免震支承に付けるか、また別装置と
して設けるものである。 9.5.2. 運動方程式(記号については、5.3.0.また 5.
1.3.1. 記号一覧) 請求項240項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれを使用した免震構造
体である。「すべり・転がり型免震+ゴム等による免震
・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合で
考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(KとCは、ゴム等のバネ定
数と粘性減衰係数) d(dx/dt)/dt+K/m・(x−XG・sign(x))+C/m・dx/dt
+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=
−d(dz/dt)/dt 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
勾配変化型免震・減衰) 9.6.1. 構成 すべり・転がり型免震において、地震時に免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法が望まれた。請求項241項
は、そのうち、すべり型免震または転がり型免震におい
て免震皿の許容変位を超えた場合の対処法で、一定変位
まではすべり型免震または転がり型免震をし、その変位
を超えると免震皿の滑り面部の摩擦を大きくするか、勾
配を大きくするか、または摩擦を大きくし且つ勾配も大
きくするかして免震・減衰させることを特徴とするもの
である。これは以下のように3つに分かれる。 1) すべり・転がり型免震+摩擦変化型免震・減衰 すべり型免震または転がり型免震における免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法で、一定変位まではすべり型
免震または転がり型免震をし、その変位を超えると免震
皿の滑り面部の摩擦を大きくして免震・減衰させること
を特徴とするものである。特に、転がり型免震における
免震皿の許容変位を超えた場合の対処法で、一定変位ま
では転がり型免震で、その変位を超えると免震皿の滑り
面部の摩擦を大きくしたすべり型免震・減衰させる場合
が多い。実施例は、3.1.参照。 2) すべり・転がり型免震+勾配変化型免震・減衰 すべり型免震または転がり型免震における免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法で、一定変位まではすべり型
免震または転がり型免震をし、その変位を超えると免震
皿の滑り面部の勾配を大きくして免震・減衰させること
を特徴とするものである。実施例は、3.2.参照。 3) すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型免
震・減衰 すべり型免震または転がり型免震における免震皿の許容
変位を超えた場合の対処法で、一定変位まではすべり型
免震または転がり型免震をし、その変位を超えると免震
皿の滑り面部の摩擦を大きくし、且つ勾配を大きくして
免震・減衰させることを特徴とするものである。実施例
は、3.3.参照。 9.6.2. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1. 記号一覧) 請求項242項は、以下の運動方程式(記号説明は実施
例の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析するこ
とによって設計されてなる滑り面部を有する免震皿から
なる免震装置・滑り支承、またそれを使用した免震構造
体である。1) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化型免
震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合
で考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(μ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ’・sig
n(dx/dt)} =−d(dz/dt)/dt2) 「すべり・転がり型免震+勾配変化
型免震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の
場合で考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(θ’は、変位(XG)を超え
た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ・sig
n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 3) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型
免震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場
合で考えると、一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’・s
ign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 9.6.3. 運動方程式(記号については、 5.3.0.また 5.
1.3.1. 記号一覧) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化・勾配変化型免震・
減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場合で考
えると、一定変位まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位を超えると(θ’とμ’は、すべり型免震の勾
配と摩擦係数で、θ’とμ’ともに変化させる場合、ど
ちらかだけ変化させる場合に分かれる) d(dx/dt)/dt+(cosθ’)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’
・sign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt となるような運動方程式となる。この場合について、
θ’とμ’が一定型と変化型に分かれる。 1) 一定型 θ’=定数、μ’=定数 2) 変化型 θ’=θ’(x) μ’=μ’(x) 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと、風時に、免震される構造体が固定装
置を中心として回転するのを止められない。積層ゴム等
のバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比例型の
減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合には、
免震時に免震される構造体の捩れ振動が生じる。その回
転及び捩れ振動が生じないようにするには、免震される
構造体及びその免震される構造体を支持する構造体の周
辺に配置される回転・捩れ防止装置でその運動を押さえ
込むことである。この回転・捩れ防止装置は、免震され
る構造体を、免震される構造体を支持する構造体に対し
て水平方向への並進運動のみを許容して、回転・捩れを
抑制させるものである。この装置は、当然、(免震)滑
り支承としても使用できる。「並進運動のみ」の「の
み」について、ある程度の回転の幅は、スムーズに並進
運動するために許容される。許容される幅も、滑り支承
として使用する場合は大きくても良い。特に、中間部ス
ライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなるだけ
でなく、中間部スライド部材(中間免震皿)が自然に元
の位置に戻る効果も持つ三重スライド部材(三重免震
皿)免震装置・滑り支承の場合で、それを支承としての
み利用する場合には、中間部スライド部材(中間免震
皿)が外れることがなくなる目的の範囲で、ガイド部等
による回転の幅は許容される。この装置により、積層ゴ
ム等のバネ型免震装置の使用またダンパー等の使用によ
り、重心と剛心がずれている場合にも、免震時の免震さ
れる構造体の捩れ振動を抑制することが可能になる。 10.1. 回転・捩れ防止装置 請求項243項〜請求項244−5項は、この回転・捩
れ防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構
造体の発明で、この回転・捩れ防止装置は、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との間に設
けられ、免震される構造体を、免震される構造体を支持
する構造体に対して水平方向への並進運動のみを可能と
する回転・捩れ防止装置である。この装置は、当然、
(免震)支承としても使用できる。具体的には、回転・
捩れ防止装置Lは、上部スライド部材、下部スライド部
材、中間部スライド部材からなり、免震される構造体と
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられ、
上部スライド部材を免震される構造体に、下部スライド
部材を免震される構造体を支持する構造体に設け、その
間に中間部スライド部材が入り、スライドし合うスライ
ド部材同士は、少なくとも片方がもう片方のガイド部
(上下ガイドスライド部材・部分)3-gに沿ってスライ
ドすることにより、上部スライド部材は、中間部スライ
ド部材に対して相互に平行移動のみを許容され、下部ス
ライド部材は、中間部スライド部材に対して相互に平行
移動のみを許容されることにより、中間部スライド部材
が複数層ある場合には、中間部スライド部材同士が相互
に平行移動のみを許容されることにより、さらに、これ
らのスライド部材を一層毎に平行移動方向が変わるよう
に、中間部スライド部材が一層の時は、互いに直交方向
になるように、中間部スライド部材が複層の時は、交差
角度の総合計が180度になるように、積層させること
によって、免震される構造体を、免震される構造体を支
持する構造体に対して水平方向への並進運動のみを可能
とする回転・捩れ防止装置Lまた滑り支承である。な
お、中間部スライド部材が複層の場合の、それぞれの層
の交差角は、全体交差数の180度の等分割が望ましい
が、それよりずれていてもよい。「平行移動のみ」また
「並進運動のみ」の「のみ」について、ある程度の回転
の幅は、スムーズに並進運動するために許容される。許
容される幅も、滑り支承として使用する場合は大きくて
も良い。特に、中間部スライド部材(中間免震皿)が外
れることがなくなるだけでなく、中間部スライド部材
(中間免震皿)が自然に元の位置に戻る効果も持つ三重
スライド部材(三重免震皿)免震装置・滑り支承の場合
で、それを支承としてのみ利用する場合には、中間部ス
ライド部材(中間免震皿)が外れることがなくなる目的
の範囲で、ガイド部等による回転の幅は許容される。中
間部スライド部材が単層で、上部スライド部材、下部ス
ライド部材、中間部スライド部材のみの3層構成の場合
には、上部スライド部材、下部スライド部材のスライド
部分の長さが、中間部スライド部材のスライド部分の長
さよりも長いほど回転・捩れの抑止効果が大きくなる。
また、上部スライド部材は、上側(部)免震皿の場合も
あり、下部スライド部材も、下側(部)免震皿の場合も
あり、中間部スライド部材も、上下ガイドスライド部材
3-gの場合、中間免震皿と上下ガイドスライド部材3-g
の場合、上下ガイドスライド部分3-gをもった中間免震
皿の場合もある。さらに、上下ガイドスライド部材・部
分3-gは、上下繋ぎスライド部材・部分3-sでもよい
が、上下繋ぎスライド部材・部分3-sの上下の部材との
引掛けを必要としなくても、本来の機能は果たせるもの
である(図382(b)〜図383(b)とを参照)。以下、
ガイド型、ローラー型に分けて説明を行う。 10.1.1. ガイド型 請求項244−1項記載の発明であるガイド型は、請求
項244項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承にお
いて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部ス
ライド部材のスライド部材の相互間にガイド部とそのガ
イド部に沿う部分を設ける型である。ガイド型は、外ガ
イド型と内ガイド型とに分かれ、それに対応してガイド
部も、外ガイド部と内ガイド部とに分かれる。請求項2
44−1項は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材と中間部ス
ライド部材との、また、中間部スライド部材と下部スラ
イド部材との、また、中間部スライド部材が複数層ある
場合には、中間部スライド部材同士との、どちらか一方
に、スライドする方向にガイド部を、他方にそのガイド
部に沿う部分を設けることにより構成されてなることを
特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれ
による免震構造体の発明である。請求項244−1−2
項記載の発明であるガイド型は、ガイド部とそのガイド
部に沿う部分との接触部分に発生する摩擦抵抗を下げた
もので、請求項244−1項記載のガイド型回転・捩れ
防止装置また滑り支承において、ガイド部とそのガイド
部に沿う部分との接触部分にボールもしくはローラー等
の転動体を設ける(挟む)事を特徴とする回転・捩れ防
止装置、またそれによる免震構造体である。このことに
より風時または捩れ発生時(免震時)等の回転抑制によ
る、ガイド部とそのガイド部に沿う部分との接触部分に
発生する摩擦抵抗を下げる事が可能になり、免震性能を
向上させる(10.1.1.2.(1) 2)参照)。 10.1.1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 10.1.1.1.1. 構成 請求項244−2項は、請求項244項記載の回転・捩
れ防止装置また滑り支承において、上部スライド部材と
中間部スライド部材との、また、中間部スライド部材と
下部スライド部材との、また、中間部スライド部材が複
数層ある場合には、中間部スライド部材同士との、どち
らか一方の平行する対辺(同士)に、スライドする方向
にガイド部を、他方の平行する対辺(同士)にそのガイ
ド部(外ガイド部)に沿う部分を設けることにより構成
されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑
り支承、またそれによる免震構造体の発明である。この
回転・捩れ防止装置また滑り支承の実施例として、以下
のものがあげられる。特に、図340〜図380、図3
94〜図418は、引抜き防止機能を併せ持ち、そのう
ち図348〜図352、図359〜図363、図370
〜図380、図409〜図418は、免震復元機能を併
せ持ち、そのうち図348〜図350、図359〜図3
61、図370〜図372、図375〜図377、図3
78〜図380、図409〜図410、図411〜図4
13は、転がり型免震機能を併せ持つことが可能であ
る。 (1) 図394〜図418(2.12.引抜き防止装置・滑り
支承の改良参照)の実施例では、回転・捩れ防止装置
Lが、上側(部)免震皿(上部スライド部材)3-a、下
側(部)免震皿(下部スライド部材)3-b、上下繋ぎス
ライド部材(中間部スライド部材)3-sからなる場合で
ある。図430〜図435の実施例では、図430〜図
432は図396〜図398の、図433〜図435は
図411〜図413の、上下繋ぎスライド部材3-sが、
上下の部材との引掛けをもたない上下ガイドスライド部
材3-gの場合である。 (2) 図340〜図380(4.1.2.引抜き防止付き三重
(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承参照)の
実施例では、回転・捩れ防止装置Lが、上側(部)免震
皿(上部スライド部材)3-a、下側(部)免震皿(下部
スライド部材)3-b、上下繋ぎスライド部材3-sまたは
上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿(中間部
スライド部材)3-mからなる場合である。図419〜図
429の実施例では、図419〜図422は図340〜
図343の、図423〜図426は、図344〜図34
7の、図427〜図429は図348〜図350の、上
下繋ぎスライド部材・部分3-sが、上下の部材との引掛
けをもたない上下ガイドスライド部材・部分3-gの場合
である。 (3) 図344〜図352、図356〜図363、図36
7〜図374(4.3.平面状また円柱谷面状またV字谷面
状重層免震皿(上下繋ぎスライド部分持ち)参照)の実
施例では、回転・捩れ防止装置Lが、上側(部)免震皿
(上部スライド部材)3-a、下側(部)免震皿(下部ス
ライド部材)3-b、上下繋ぎスライド部分3-sをもった
中間免震皿(中間部スライド部材)3-mからなる場合で
ある。以上の(1)〜(3)の実施例のうち、ここで触れられ
ていないものに関して、上下繋ぎスライド部分・部分3
-sが、上下の部材との引掛けをもたない上下ガイドスラ
イド部材・部分3-gとなる場合もある。また、以下の、
10.2.回転抑制、10.3.捩れ振動抑制にも共通であるが、
回転・捩れ防止装置は、免震される構造体を支持する
構造体2に、剛接、つまり(アンカー)ボルト2本以上
で回転しないよう接合されなければならない。 (4) 上部スライド部材と中間部スライド部材との間に、
また中間部スライド部材と下部スライド部材との間に、
低摩擦材、またボール(ベアリング)5-e、ローラー
(ベアリング)5-fを挟むことで、摩擦係数を下げる方
法が考えられる。図383(b)は、その実施例である。
図383(a)は、ボール(ベアリング)5-e、ローラー
(ベアリング)5-fを挟まない場合の実施例である。図
382(b)(c)も、その実施例で、中間部スライド部材3
-mが上下繋ぎスライド部分3-sをもった場合である。図
384は、上下繋ぎスライド部材3-sに、L型の保持器
5-gをもったローラー5-fを設けて、転がりにより、側
面、上面の摩擦抵抗を少なくした場合である(また、側
面用、上面用と別々のローラー5-fを設けてもよい。ま
た当然、片方だけでも良い。回転・捩れ防止の摩擦抵抗
の低減だけでは、側面のローラー5-fだけを設けてもよ
い)。図385は、図411〜図413の上下繋ぎスラ
イド部材3-sに、L型の保持器5-gをもったローラー5
-fを設けて、転がりにより、側面、上面の摩擦抵抗を少
なくした場合である。図384、図385の支承とも
に、上面の摩擦抵抗の軽減は、地震時の支承への引抜発
生時にその摩擦抵抗を下げる効果をもつ。また、上面の
摩擦抵抗の軽減は、地震時の引抜発生によって生じる捩
れ(地震時の引抜発生によってその支承の摩擦により捩
れが生じる)を抑える効果を持つ。また、側面の摩擦抵
抗の軽減は、この支承による捩れ回転抑制時(10.回
転・捩れ防止装置参照)に働く摩擦抵抗を下げ、免震性
能を高める効果をもつ。請求項244−1−2項は、こ
の側面低摩擦材・ベアリング付きの発明である(10.1.
1.2. (1) 2)参照)。 10.1.1.1.2. 回転・捩れ防止装置の回転・捩れ抑制能力
計算式 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
スライド部材が入る。上部スライド部材は、中間部スラ
イド部材と下部スライド部材との関係で、長辺方向また
は短辺方向の平行移動のみを許容し、下部スライド部材
は、中間部スライド部材と上部スライド部材との関係
で、長辺方向または短辺方向の平行移動のみを許容され
る。以上の構造から、免震される構造体は、免震される
構造体を支持する構造体に対し長辺方向及び短辺方向の
平行移動のみを許容される。このとき各スライド部材の
(スライド部の互いに掛かり合う)長さをl、すきまを
dとすると、回転・捩れ防止装置の許す回転角φは、上
下合わせた全体で φ=4d/l ……(1) で表される。この値は、例えばl=250mm、d=0.5mmの場
合、φ=1/125rad程度の値であり、回転・捩れはほとん
ど完全に抑制できる。 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) (1) 一般 1) 一般 請求項244−3項は、請求項244項から請求項24
4−2項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部ス
ライド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間
にどちらか一方にスライドする方向に溝を、他方にその
溝に入る凸部(内ガイド部)を設けることにより構成さ
れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
れによる免震構造体の発明である。凸部の長さとそれと
溝との隙間とにより回転・捩れ防止能力が決まる。図4
37〜図457は、その実施例である。 a) 外ガイド部、内ガイド部併用型 図437〜図439は、図427〜図429の三重(ま
た三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承(転がり支
承)の中間免震皿3-mに、上下に重なる免震皿のスライ
ドが許されている方向に凸部形状の内ガイド部(上下ガ
イドスライド部分)3-gが付けられ、上部(側)免震皿3
-aまたは下部(側)免震皿3-bに、上下に重なる免震皿の
スライドが許されている方向に溝3-giが掘られて、内
ガイド部3-gがその溝3-giに挿入してガイドとなる場
合である。また、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免
震皿3-bに内ガイド部(上下ガイドスライド部分)3-g
が付き、中間免震皿3-mに溝3-giが掘られて、内ガイ
ド部3-gがその溝3-giに挿入してガイドとなるような
逆の場合もある。 b) 内ガイド部のみ型 図440〜図457は、外ガイド部無しの、内ガイド部
(上下ガイドスライド部分)3-gのみの場合の実施例で
ある。図440〜図442は、三重(また三重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承(すべり支承)の中間免震皿
3-mに、上下に重なる免震皿のスライドが許されている
方向に凸部形状の内ガイド部(上下ガイドスライド部
分)3-gが付けられ、上部(側)免震皿3-aまたは下部
(側)免震皿3-bに、上下に重なる免震皿のスライドが許
されている方向に溝3-giが掘られて、内ガイド部3-g
がその溝3-giに挿入してガイドとなる場合である。ま
た、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免震皿3-bに内
ガイド部(上下ガイドスライド部分)3-gが付き、中間
免震皿3-mに溝3-giが掘られて、内ガイド部3-gがそ
の溝3-giに挿入してガイドとなるような逆の場合もあ
る。なお、内ガイド部(上下ガイドスライド部分)3-g
が付いた中間免震皿3-mは、その上下の内ガイド部3-g
に働く捩れに抵抗できるような剛性が得られるように、
上下の内ガイド部3-gの一体性を計ったトラス状、火打
ち梁状、面状、ハンチ状等の形態となっている。このト
ラス状、火打ち梁状、面状、ハンチ状等の形態により、
上部スライド部材と下部スライド部材との回転を拘束す
ることによって捩れを抑制する。また風時の固定装置を
中心とする回転を抑制する。10.1.1.2.に記載の発明に
おいては、上下ガイドスライド部材と同様に、免震皿を
もたない内ガイド部を用いた実施例も可能である。図4
46〜図447は、その実施例である。また、図446
〜図447の装置と図440〜図442の装置とは、ガ
イド部3-gとその溝3-giとの、(上部スライド部材、
中間部スライド部材、下部スライド部材への取付き)関
係が逆の形である。図446〜図447の装置は、図4
40〜図442の装置とほぼ同様であるが、上部スライ
ド部材3-aまた下部スライド部材3-bが、内ガイド部3
-gとなり、線材であり、中間部スライド部材3-mに、上
下のスライド部材3-a、3-bのスライドが許されている
方向に溝3-giが設けられ、上下のスライド部材3-a、
3-bの内ガイド部3-gがその溝3-giに挿入してガイド
となる場合である。中間部スライド部材3-mは、上下の
スライド部材3-a、3-bの内ガイド部3-gから働く捩れ
に抵抗できるような剛性が得られるように、上下の(内
ガイド部3-gの入る)溝3-giの一体性を計ったトラス
状、火打ち梁状、面状、ハンチ状等の形態となってい
る。このトラス状、火打ち梁状、面状、ハンチ状等の形
態により、上部スライド部材と下部スライド部材との回
転を拘束することによって捩れを抑制する。また風時の
固定装置を中心とする回転を抑制する。図440〜図4
42の装置の中間部スライド部材3-mは、面状のもので
あり、図446〜図447の装置の中間部スライド部材
3-mも、面状のものである。図458の装置は、中間部
スライド部材3-mがトラス状のものであり、(a)図は、
この図440〜図442の装置の中間部スライド部材3
-mがトラス状のものであり、(b)図は、この図446〜
図447の装置の中間部スライド部材3-mがトラス状の
ものである。図459の装置は、中間部スライド部材3
-mが火打ち梁状のものであり、(a)図は、図440〜図
442の装置の中間部スライド部材3-mが火打ち梁状の
ものであり、(b)図は、図446〜図447の装置の中
間部スライド部材3-mが火打ち梁状のものである。図4
60の装置は、中間部スライド部材3-mがハンチ状のも
のであり、(a)図は、図440〜図442の装置の中間
部スライド部材3-mがハンチ状のものであり、(b)図
は、図446〜図447の装置の中間部スライド部材3
-mがハンチ状のものである。10.1.1.1.外ガイド型、10.
1.1.2.内ガイド型共に、引抜き防止(上下繋ぎスライド
部材・部分)付きの重層免震皿の方がスライド部材同士
の浮き上がりを防げるので回転・捩れ防止の効果が大き
い。また、このガイド型(外ガイド型/内ガイド型共
に)は、上部スライド部材、下部スライド部材のスライ
ド部を、中間部スライド部材より長くすることにより、
回転・捩れ防止抵抗を増加させた型もある(以下、下上
スライド部材伸張型と言う)。この型は特に3層構成の
場合に効果がある。 2) 側面低摩擦材・ベアリング付き 図461の装置は、溝3-giまたガイド部3-gの側面部
に、低摩擦材またローラー・ボールベアリングを付ける
ことにより、溝3-gi内でのガイド部3-gのスライドす
る動きの摩擦抵抗を下げたものである。(a)(b)図は、図
440〜図442の(d)(e)図に対応し、同図の装置の溝
3-giまたガイド部3-gの側面部に、低摩擦材またロー
ラー・ボールベアリング5-f、5-eを設けたものであ
り、(c)(d)図は、図446〜図447の(c)(b)図に対応
し、同図の装置の溝3-giまたガイド部3-gの側面部
に、低摩擦材またローラー・ボールベアリング5-f、5
-eを設けたものであり、溝3-gi内でのガイド部3-gの
スライドの摩擦抵抗を下げたものである。また、この側
面低摩擦材・ベアリング付きは、10.1.1.1.の外ガイド
型のガイド部とそのガイド部(外ガイド部)に沿う部分
との間に、側面低摩擦材またベアリングを設ける場合も
考えられる。図384〜図385は、外ガイド型の発明
である(10.1.1.1.1.(4)参照)。請求項244−1−2
項は、この側面低摩擦材・ベアリング付きの発明である
(10.1.1.参照)。 3) 十字型・T字型・L字型 上下の内ガイド部3-gの形状が、十字型状、T字型状、
L字型状のものがある。この形状により、免震される構
造体に配置される形状に合せることが可能になる。 a) 十字型 図440〜図460の装置は、上下の内ガイド部3-gの
形状が、十字交差の十字型状のものである。 b) T字型 図462〜図466の装置は、上下の内ガイド部3-gの
形状が、T字型状のものであり、図462〜図464の
装置は、図440〜図442の装置のT字型状のもので
あり、図465〜図466の装置は、図446〜図44
7の装置がT字型状のものである。図462〜図466
では、T字形状の内ガイド部3-gの形状の片方が短い
が、両方同じ長さでも良い。 c) L字型 図467〜図471の装置は、上下の内ガイド部3-gの
形状が、L字型状のものであり、図467〜図469の
装置は、図440〜図442の装置のL字型状のもので
あり、図470〜図471の装置は、図446〜図44
7の装置のL字型状のものである。 (2) 中間滑り部持ち滑り支承兼用型 請求項244−3−2項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における中間滑り部持
ち滑り支承兼用型のもので、上部スライド部材3-aと中
間部スライド部材3-m、中間部スライド部材3-mと下部
スライド部材3-b(中間部スライド部材が複数層ある場
合には、中間部スライド部材同士)との間に、中間滑り
部として、すべり材またはローラー・ボール5-f、5-e
等の転動体を設けてなることを特徴とする回転・捩れ防
止装置、また中間滑り部持ち滑り支承、またそれによる
免震構造体の発明である。 (3) 復元型滑り支承兼用型 請求項244−3−3項は、請求項244−3項記載の
回転・捩れ防止装置また滑り支承における復元型滑り支
承兼用型のもので、上部スライド部材3-aと中間部スラ
イド部材3-m、中間部スライド部材3-mと下部スライド
部材3-b(中間部スライド部材が複数層ある場合には、
中間部スライド部材同士)との間に、中間滑り部とし
て、すべり材またはローラー・ボール5-f、5-e等の転
動体を入れるか、または、さらに上部スライド部材3-a
と中間部スライド部材3-m、中間部スライド部材3-mと
下部スライド部材3-bのどちらか片方の(中間滑り部
の)すべり・転がり面を、また両方のすべり・転がり面
を、V字谷面状または円柱谷面等の凹形状にしてなるこ
とを特徴とする回転・捩れ防止装置、また復元型滑り支
承、またそれによる免震構造体の発明である。図443
〜図445は、図440〜図442の上部スライド部材
3-aと中間部スライド部材3-m、中間部スライド部材3
-mと下部スライド部材3-bとの間に、中間滑り部とし
て、すべり材またはローラー・ボール等の転動体を入れ
るか、または、さらに上部スライド部材3-aまた下部ス
ライド部材3-bの内ガイド部3-gまた溝3-giのすべり
・転がり面をV字谷面状または円柱谷面等の凹形状にし
て、復元性能を持った滑り支承にしたものである。図4
48〜図449も同様に、図446〜図447の上部ス
ライド部材3-aと中間部スライド部材3-m、中間部スラ
イド部材3-mと下部スライド部材3-bとの間に、中間滑
り部として、すべり材またはローラー・ボール5-f、5
-e等の転動体を入れるか、または、さらに上部スライド
部材3-aまた下部スライド部材3-bの内ガイド部3-gま
た溝3-giのすべり・転がり面をV字谷面状または円柱
谷面等の凹形状にして、復元性能を持った滑り支承にし
たものである。図455〜図457は、図446〜図4
47の上部スライド部材3-aと中間部スライド部材3-
m、中間部スライド部材3-mと下部スライド部材3-bと
の間に、中間滑り部として、すべり材またはローラー・
ボール5-f、5-e等の転動体を入れるか、または、さら
に中間部スライド部材3-mの内ガイド部3-gを挿入する
溝3-giのすべり・転がり面をV字谷面状または円柱谷
面等の凹形状にして、復元性能を持った滑り支承にした
ものである。また、(4)の引抜き防止装置兼用型でもあ
る。 (4) 引抜き防止装置兼用型 請求項244−3−4項は、請求項244−3項〜請求
項244−3−3項記載の回転・捩れ防止装置また滑り
支承における引抜き防止装置兼用型のもので、溝に入る
凸部形態が、溝に嵌まりこみ上下方向に抜けなくなるよ
うな引掛け部(または引掛かり部)を有するような形態
であることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また引抜
き防止装置・滑り支承、またそれによる免震構造体の発
明である。図450〜図454は、その実施例である。
図450〜図452は、図440〜図442の回転・捩
れ防止装置また滑り支承の引抜き防止装置兼用のもので
ある。図440〜図442の装置の中間免震皿3-mの内
ガイド部3-gが、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免
震皿3-bの溝3-giに対して、引掛け部(または引掛か
り部)を有することで嵌まりこみ上下方向に抜けなくな
っている場合である。内ガイド部3-gの形状として、上
部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免震皿3-bの溝3-gi
に対して、T字型、L字型、逆三角形型等の嵌まりこみ
上下方向に抜けなくなるような、引掛け部(または引掛
かり部)を有するような形であればよい。図450〜図
452の内ガイド部3-gの形状は、T字型となってい
る。図453〜図454は、図446〜図447の回転
・捩れ防止装置また滑り支承の引抜き防止装置兼用のも
のである。図446〜図447の装置の上部スライド部
材3-aまた下部スライド部材3-bの内ガイド部3-gが、
中間部スライド部材3-mの溝3-giに対して、引掛け部
(または引掛かり部)を有することで嵌まりこみ上下方
向に抜けなくなっている場合である。内ガイド部3-gの
形状として、中間部スライド部材3-mの溝3-giに対し
て、T字型、L字型、逆三角形型等の嵌まりこみ上下方
向に抜けなくなるような、引掛け部(または引掛かり
部)を有するような形であればよい。 図453〜図4
54の内ガイド部3-gの形状は、T字型となっている。
また、(3)の復元型滑り支承兼用型の、図443〜図4
45の装置も、図448〜図449の装置も、引抜き防
止装置兼用が考えられる。図443〜図445の装置の
中間免震皿3-mの内ガイド部3-gが、上部(側)免震皿3
-aまたは下部(側)免震皿3-bの溝3-giに対して、引掛
け部(または引掛かり部)有することで嵌まりこみ上下
方向に抜けなくなっている場合である。内ガイド部3-g
の形状として、上部(側)免震皿3-aまたは下部(側)免震
皿3-bの溝3-giに対して、T字型、L字型、逆三角形
型等が嵌まりこみ上下方向に抜けなくなるような、引掛
け部(または引掛かり部)を有するような形であればよ
い。図448〜図449の装置の上部スライド部材3-a
また下部スライド部材3-bの内ガイド部3-gが、中間部
スライド部材3-mの溝3-giに対して、引掛け部(また
は引掛かり部)有することで嵌まりこみ上下方向に抜け
なくなっている場合である。内ガイド部3-gの形状とし
て、中間部スライド部材3-mの溝3-giに対して、T字
型、L字型、逆三角形型等が嵌まりこみ上下方向に抜け
なくなるような、引掛け部(または引掛かり部)を有す
るような形であればよい。図455〜図457は、図4
53〜図454の引抜き防止装置兼用型装置に加えて
(3)の復元型滑り支承兼用型にしたものである。図47
2〜図474は、図437〜図439の外ガイド部を持
たず、内ガイド部が、引抜き防止部材となり、上部(側)
免震皿3-aまた下部(側)免震皿3-bに対して引掛け部
(または引掛かり部)有する型のものであり、引抜き防
止装置兼用型装置に加えて(3)の復元型滑り支承兼用型
にしたものである。図475〜図477は、図437〜
図439の内ガイド部のみが、引抜き防止部材となり、
上部(側)免震皿3-aまた下部(側)免震皿3-bに対して引
掛け部(または引掛かり部)有する型のものであり、外
ガイド型と引抜き防止装置兼用型とに加えて、(3)の復
元型滑り支承兼用型装置にしたものである。 10.1.2. ローラー型 ローラー型は、請求項244項記載の回転・捩れ防止装
置また滑り支承において、上部スライド部材、下部スラ
イド部材、中間部スライド部材(中間部スライド部材が
複数層ある場合には、中間部スライド部材同士)のスラ
イド部材の相互間にローラーが挟まれた型の場合、ロー
ラーとスライド部材のローラー転がり面でのスリップに
よるずれ(角度)の生じない形として、溝型(抑制能力
弱い)、歯車型(抑制能力強い)がある。ずれが生じな
けれけば、捩れは抑制できる。 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型) 請求項244−4項は、請求項244項から請求項24
4−3−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承に
おいて、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部
スライド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合に
は、中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間
にローラーが挟まれ、ローラーとスライド部材のローラ
ー転がり面とのどちらか一方に溝を、他方にその溝に入
る凸部(ガイド部)を設けることにより構成されてなる
ことを特徴とする回転・捩れ防止装置、また滑り支承、
またそれによる免震構造体の発明である。図478は、
その実施例であり、図427〜図429等の三重(また
三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震
皿3-a、下部(側)免震皿3-b、中間免震皿3-mのローラ
ー5-fの転がり面にレール状のガイド部(凸部)3-l
を、ローラー5-f側にそのガイド部(凸部)3-lが挿入
する溝5-flを設けた場合のものである。なお、図47
8は、上部(側)免震皿3-a、下部(側)免震皿3-bに
おける実施例を示している。中間免震皿3-mの場合は免
震皿の上面と下面のそれぞれにレール状のガイド部(凸
部)3-lが上面・下面で直交するように設けられる。ま
た、ローラー5-fの転がり面にガイド部(凸部)挿入溝
を、ローラー5-f側にそのガイド部(凸部)を設けるよ
うな逆の場合もある。さらに、ガイド部また溝が、ロー
ラーに対して、一個でなく複数個の場合、さらにガイド
部また溝同士の間隔が大きい場合ほど効果がある。な
お、ローラーに代えて、ガイド部また溝に跨がる形の長
いすべり部材(すべり型中間滑り部)でも可能である。こ
の発明は、回転・捩れ防止だけでなく、免震時のローラ
ーのずれをも防ぐことが可能である。ローラーのずれと
は、免震時のスリップによりローラーがスライド方向に
対して斜めになることであり、それを防ぐ(4.3.(9) 参
照)。 10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 請求項244−5項は、請求項244項から請求項24
4−4項記載の回転・捩れ防止装置また滑り支承におい
て、上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スラ
イド部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、
中間部スライド部材同士)のスライド部材の相互間にロ
ーラーが挟まれ、スライド部材のローラー転がり面にラ
ックを、ローラーの周囲にそのラックと噛合う歯(歯
車)を設けることにより構成されてなることを特徴とす
る回転・捩れ防止装置、また滑り支承、またそれによる
免震構造体の発明である。図479は、その実施例であ
り、図427〜図429等の三重(また三重以上の)免
震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a、下部
(側)免震皿3-b、中間免震皿3-mのローラー5-fの転が
り面にラック3-rを、ローラー5-f側にそのラック3-r
と噛合う歯車5-frを設けた場合のものである。この発
明は、回転・捩れ防止だけでなく、免震時のローラーの
ずれをも防ぐことが可能である。ローラーのずれとは、
免震時のスリップによる位置のずれであり、ローラーが
スライド方向に対して斜めになることをも防ぐ(4.3.
(8) 参照)。 10.1.2.1.溝型、10.1.2.2.歯車型共に、引抜き防止(上
下繋ぎスライド部材・部分)付きの重層免震皿の方がロ
ーラーのスライド部材のローラー転がり面からの浮き上
がりを防げるので回転・捩れ防止の効果が大きくなる。 10.2. 回転抑制 10.2.1. 回転抑制 請求項245項は、以上(10.1.記載)の回転・捩れ防
止装置によって回転抑制された免震構造体に関する発明
である。固定装置(8.記載の固定装置または他の風揺
れ等を防止する固定装置を含む)と、10.1.記載の回転
・捩れ防止装置とを、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との間に設ける。そのことにより
固定装置一個で風揺れ防止が可能になる。固定装置を最
小個数に、できれば一個にし、回転・捩れ防止装置も最
小個数にするためには、固定装置を免震される構造体の
中央部に、回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周
辺部に配置するのがよい。一般的には、固定装置を免震
される構造体の中央部に最低一個と、回転・捩れ防止装
置を、免震される構造体の周辺部に(対角位置に)最低
2個とを、配置するのがよい。ここで言う「免震される
構造体の中央部」とは、免震される構造体の重心部のこ
とだけではなく、単に中央部分であり、場合によって
は、回転・捩れ防止装置の配置される免震される構造体
の周辺部の内側(免震される構造体の中央部寄り)とい
う意味でもよい。ここで言う「免震される構造体の周辺
部」とは、免震される構造体の、固定装置の配置される
位置よりも外側(免震される構造体の周辺部寄り)とい
う意味でもよい(8.12.(6)参照)。 10.2.2. 回転抑制能力計算式 請求項246項〜請求項246−3項は、請求項245
項記載の、固定装置と回転・捩れ防止装置となる免震構
造体において、以下の回転抑制能力計算に基づいた部材
断面による回転・捩れ防止装置に関する発明であり、ま
たそれによる免震構造体の発明である。 (1) 回転抑制能力計算式 以上の10.1.記載の回転・捩れ防止装置において、回転
・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライド部
材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部材を
免震される構造体側に、下部スライド部材を免震される
構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部スラ
イド部材が入る。上部スライド部材は、中間部スライド
部材と下部スライド部材との関係で、長辺方向または短
辺方向の平行移動のみを許容し、下部スライド部材は、
中間部スライド部材と上部スライド部材との関係で、長
辺方向または短辺方向の平行移動のみを許容される。免
震される構造体の回転・捩れ防止装置が設けられる平面
を剛床と仮定すると、風圧力により回転が生じてから回
転抑制が働くまでに、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との間には、一様な許容回転角φ
による移動が生じ、この回転角φによる移動は長辺方向
および短辺方向の平行移動と、回転とに分解されるか
ら、回転・捩れ防止装置は回転抑制が働くときまでに平
行移動分のずれを生じ、各スライド部材の(スライド部
の互いに掛かり合う)長さlは、実際に回転抑制が働く
ときには、初期の状態lから回転角φによる平行移動分
を減じられて機能する。このとき各部の寸法を、10.1.
1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角φ1、下部スライド部材と中間部スライド部
材との間の回転角φ2を、 φ1=2d/l1 ……(1) φ2=2d/l2 ……(2) φ1+φ2=φ ……(3) とかくことができる。固定装置から各装置までの距離を
r、回転・捩れ防止装置が設けられる平面の長辺または
短辺を基準とした固定装置から各回転・捩れ防止装置へ
の角度をγとすると、 l1=l−r・φ・|cosγ| ……(4) l2=l−r・φ・|sinγ| ……(5) という関係がある(|cosγ|はcosγの、|sinγ|はs
inγの絶対値を示す。基準線により、cosγとsinγは入
れ替わる場合もある)。このとき(1)〜(5)式より、 2・d・{1/(l−r・φ・|cosγ|)+1/(l−r・φ・|sinγ|)}=φ ……(6) から許容回転角φがもとめられ、φが十分小さい値なの
で、 φ≒4・d・l/(l^2+2・d・r) ……(7) と近似できる。ここで、例えば長辺10m、短辺7.5mの平
面に、l=300mmd=0.5mmの回転・捩れ防止装置を平面
隅部と4辺の中点とに配置する場合を想定すると、φは
7/1000から7.4/1000程度の範囲で収まる。これは実際に
は土台のたわみ等によって吸収される範囲の差であると
考えられる。回転・捩れ防止装置が設置される平面を剛
床と仮定すれば回転角φはすべての回転・捩れ防止装置
において等しいので、外周部の装置の方が、固定装置に
近い装置よりも回転角φによる移動量は大きく、許容回
転角に達したとき、上部スライド部材また下部スライド
部材と、中間部スライド部材との(スライド部の互いに
掛かり合う)長さは小さい。ここで外周部に配置する回
転・捩れ防止装置の上部スライド部材(上側免震皿)ま
た下部スライド部材(下側免震皿)の長さを、回転角φ
による移動量を見込んで大きく与えておけば(下上スラ
イド部材伸張型参照)、この装置において許容回転角に
達したとき上部スライド部材また下部スライド部材と、
中間部スライド部材との(スライド部の互いに掛かり合
う)長さは中間部スライド部材の上下ガイドスライド部
分の長さだけで決まり、常にlとすることも可能であ
る。あるいは外周部に近い部分に設置された回転・捩れ
防止装置を、それ以外の場所に設置される装置よりもl
を大きくとるか、dを小さくとるかして、中央部に近い
部分に設置された装置よりも先に回転角の許容限度に達
するようにした場合も、外周部の装置で回転抑制をさせ
ることができ、その分部材断面を小さくすることができ
る。 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型)では、 ローラー半径:R ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー転がり面(またはローラー表面)からガイド部
の先端までの高さ:h ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l ローラーに溝がある場合 :l=2×(R^2-(R-h)^2)
^0.5 ローラーにガイド部がある場合:l=2×((R+h)^2-R^2)
^0.5 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角、下部スライド部材と中間部スライド部材と
の間の回転角は、上下合わせたときの回転角φに対して
回転・捩れ防止装置の位置とは無関係にφ/2であり、 l・tan(φ/2)+t/cos(φ/2)=t+2d ……(8) の関係が成り立っている。このφは、φを微少に設定し
ている場合でt/lが過大にならなければ φ=4d/l ……(9) と近似できる。回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)、
回転・捩れ防止装置3(溝型)で、ガイド部と溝の組合
せが複数本ある場合については以下の通りである。それ
ぞれのガイド部と溝について、tとdとlとの関係が共
通の場合は、 最端部に位置する2つのガイド部の外面から外面までの
距離:t’ 最端部の2つの溝の外面から外面までの距離:(t’+
2d) とし、t’を全体のtとみなして、全体の許容回転角
φ’を計算する。ただしこのとき形状によってはt’/
lが大きくなって、上記近似式では十分に近似できない
場合がある。それぞれのガイド部と溝について、tとd
とlとの関係が異なっているときは、それぞれのガイド
部と溝についての許容回転角(ガイド部と溝の組合せが
3組以上あるときは、その組合せによる許容回転角も含
む)のうち、もっとも小さいφが全体のφとなる。ま
た、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型)につい
ては、機構上スリップが起きないことから許容回転角φ
は0として考える。 (2) 部材断面算定 回転・捩れ防止装置を、長方形平面の免震される構造体
に配置し、固定装置を免震される構造体の中央部分に配
置した場合における、この構面の回転・捩れが抑制され
るための部材断面を算定する。風圧力Fが免震される構
造体の受圧面に偏って作用し、それにより固定装置を中
心とする回転モーメントMが生じるものとする。このF
とMとにより、免震される構造体は許容回転角φだけ回
転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防止装置
が作用してそれ以上の回転を抑制する。このとき風圧力
Fと回転モーメントMとによって各装置に、水平力
F’、回転モーメントM’が生じており、平面を剛床と
仮定する場合、固定装置を中心とする回転モーメントM
を回転・捩れ防止装置n基にて回転抑制するとMは各回
転・捩れ防止装置に位置に関係なく均等に分配されるか
ら、各回転・捩れ防止装置の負担するM’は全体の回転
モーメントMをn等分したものとなる。 固定装置から
回転・捩れ防止装置までの距離をrとすると、回転・捩
れ防止装置の負担するF’とM’は、 M’=M/n ……(10) F’=M’/r=M/(n・r) ……(11) となる。これらを負担する回転・捩れ防止装置の部材に
加わる荷重Pに対して、部材の断面算定を行う。 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 図436(a)は、請求項246項の発明のうちの、10.1.
1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型、請求項24
4−2項記載)に関する実施例であり、図433(a)〜
図434(d)及び図435(f)の上下ガイドスライド部材
3-gを示したものである。上下ガイドスライド部材・部
分のガイド部3-dに働く荷重Pから、曲げ応力、せん断
応力、たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間部
スライド部材(上下ガイドスライド部材)3-gから突き
出したガイド部3-d(長さh、幅b、厚さt)を片持梁
とみなす。ここでhはガイド部3-dの突き出した長さ、
tはガイド部3-dの厚さである。bは中間部スライド部
材(上下ガイドスライド部材のガイド部)3-dに対し、
上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スライド部
材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2だけ回
転して中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材の
ガイド部)3-dと接触する部分の幅である。この部分の
角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるように、そ
れぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触部を設
けておく場合もある。図436(b)、(c)は、上部スライ
ド部材(上側免震皿)3-aまた下部スライド部材(下側
免震皿)3-bと、中間部スライド部材(上下ガイドスラ
イド部材)3-gとの関係から、面取りを行った場合のb
を示したものである。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、上下ガイドスライド部材・部
分のガイド部3-dに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容曲げ応力
度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(13) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ……(13 ’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上下ガイドスライ
ド部材・部分のガイド部3-dの、片持梁のせん断応力度
τは、鋼材の短期許容せん断応力度 fsに対して τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(14) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) ……(14’) であることが必要である。c. たわみ角Pによる上下ガ
イドスライド部材・部分のガイド部3-dの、片持梁のた
わみ角の最大値δは、鋼材のヤング率 E、断面二次モー
メントI=bt^3/12のとき、許容たわみ角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(15) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(15’) であることが必要である。ここで、例として長辺10m、
短辺7.5mの平面形状の構造体に対し、長辺を含む受圧面
の片側半分にF=10tfの風圧力が等分布荷重として加わる
場合を想定する。このとき固定装置を中心とする回転モ
ーメントMは25tf・mである。この平面に、回転・捩れ防
止装置を平面の隅部と4辺の中点とに計8基設けて回転
抑制するものとする場合、この例では回転の中心から回
転・捩れ防止装置までの最短距離は3.75mであるから、
(10)〜(11)式においてM=25tf・m、n=8、r=3.75mと
なり、回転・捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’
は、 M’=25/8 =3.125 tf・m=312.5tf・cm ……(16) F’=M’/3.75=0.83 tf ……(17) となる。l=50cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討する
と、 〈曲げ〉fb=2.4として、(13’)式、(16)〜(17)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3/(6・2.4) }^0.5 =2.92 ……(18) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(14’)式、(1
6)〜(17)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)/(6・1.39 ) =0.82 ……(19) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(15’)式、(16)〜(17)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(20) (18)〜(20)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 2) 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) 図437〜図457は、請求項246項の発明のうち
の、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、請
求項244−3項〜請求項244−3−4項のいずれか
1項に記載)に関する実施例であり、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材3-aと中間部スライド部材、
下部スライド部材3-bと中間部スライド部材3-mの間に
1組ずつで、中間部スライド部材3-mに内ガイド部3-g
が、上部スライド部材3-aと下部スライド部材3-bに溝
3-giが、それぞれある場合である。中間部スライド部
材の内ガイド部3-gに働く荷重Pから、曲げ応力、せん
断応力、たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間
部スライド部材の内ガイド部3-gを長さh、幅b、厚さ
tの片持梁とみなす。bは中間部スライド部材3-mに対
し、上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スライ
ド部材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2だ
け回転して、それぞれの溝3-giが中間部スライド部材
3-mの内ガイド部3-gと接触する部分の幅である。この
部分の角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるよう
に、それぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触
部を設けておく場合もある。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、中間部スライド部材の内ガイ
ド部3-gに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(21) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ……(21’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(22) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)/(b・fs) ……(22’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤ
ング率 E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許
容たわみ角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(23) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(23’) であることが必要である。例として10.2.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’= 0.83tf、M’= 312.5tf・m、n=8、r=3.
75m、l=50cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討する
と、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(21’)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3/(6・2.4) }^0.5 =2.92 ……(24) 〈せん断〉 fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)式、(22’)式
より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)/(6・1.39 ) =0.82 ……(25) 〈たわみ角〉 E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250として、(16)〜(17)
式、(22’)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(26) (24)〜(26)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 3) 回転・捩れ防止装置3(溝型) 図478は、請求項246−2項の発明の実施例であ
り、10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型、請求項2
44−4項記載)に関するもので、上部スライド部材、
下部スライド部材、中間部スライド部材のローラー5-f
の転がり面にレール状のガイド部3-lが、ローラー5-f
にそのガイド部3-lが挿入する溝5-flが、それぞれあ
る場合である。ローラー5-fのガイド部3-lが挿入する
溝5-flから、レール状のガイド部3-lの1本あたりに
働く荷重Pより、曲げ応力、せん断応力、たわみ角を検
討し部材断面の算定を行う。レール状のガイド部3-lを
長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなして検討する。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、レール状のガイド部3-lに働
く荷重Pは、最大で P =M’/(2・l)+F’/4 ……(12’) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=l・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(2・l)+F’/4)・h)/( l・t^2/6) =6・{((M’/(2・l)+F’/4)・h}/( l・t^2)≦ fb ……(27) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 ……(27’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦ fs ……(28) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) ……(28’) であることが必要である。 c. ねじりせん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・t、ねじりモーメントMT=
M’/4のとき上記片持梁の長方形断面(辺長l、t)に対
するねじりせん断応力度τ’は、長方形断面の2辺の比
により定まる係数をβとして、ねじりせん断応力がかか
る部分の平均のせん断応力τ’’との和として検討し、
鋼材の短期許容せん断応力度fsに対して、 τ’+τ’’=MT/(β・l・t^2)+Q/A =(M’/4)/(β・l・t^2)+(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦fs ……(29) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) ……(29’) であることが必要である。 d. たわみ角 上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=lt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(2・E・l・t^3/12) =6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・t^3)≦α ……(30) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) ……(30’) であることが必要である。例として10.2.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’=0.83tf、M’=312.5tf・cm、n=8、R=7cm、
h=3cmの場合を検討すると、l=2×(R^2-(R-h)^2)^0.
5=11.49cmであり、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(27’)式より t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 ={6((312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3/(11.49・2.4)}^0.5 =3.00 ……(31) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(28’)式より t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) =3/2・((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/(11.49・1.39) =1.30 ……(32) 〈ねじりせん断〉fs=1.39、β=0.25として、(16)〜
(17)式、(29’)式より t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) =〔(312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11.49+{((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11 .49)^2+312.5・1.39/(0.25・11.49)}^0.5〕/(2・1.39) =4.88 ……(33) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(30’)式より t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) ={6・(312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3^2/(2100・11.49・1/250)}^(1/3) =0.88 ……(34) (31)〜(34)式より、平面の隅部と4辺上とにR=7cm以
上、h=3cm以下の回転・捩れ防止装置を8個以上配置
し、t=4.9cm以上とすれば保つといえる。 4) 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 図479は、請求項246−3項の発明の実施例であ
り、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型、請求項
244−5項記載)に関するもので、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材と中間部スライド部材、下部
スライド部材と中間部スライド部材の間に2組ずつある
場合である。ローラー5-fの転がり面に設けたラック3
-rと、ローラー5-fに設けたそのラック3-rに噛合う歯
車5-frとの、1組あたりに働く荷重Pにより、ラック
3-rと歯車5-frの歯とを片持梁とみなしたときの曲げ
応力、ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面を接触
2円筒とみなしたときの歯面強さを検討し、部材断面の
算定を行う。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、ラック3-rと、そのラック3-
rに噛合う歯車5-frとに働く荷重Pは、最大で P =M’/(2・b)+F’/4 ……(12’’) である。ラック3-rと歯車5-frの歯元の曲げ応力度σF
は、かみ合いピッチ円上の接線荷重P、ラック3-rと歯
車5-frのモジュールm、歯幅bとしたとき、材料の許
容歯元曲げ応力度fFに対して σF= P・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα) =(M’/(2・b)+F’/4)・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα)≦ fF … …(35) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) ……(35 ’) であることが必要である。 但し α :かみあい圧力角 Y :歯形係数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 b. 歯面強さ ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面の接触応力
(ヘルツ応力)σHは、かみ合いピッチ円上の接線荷重
P、ラック3-rと歯車5-frのかみ合いピッチ円径d
ω、歯幅b、歯数比uとしたとき、材料のヘルツ応力の
許容限度値fHに対して σH=〔P・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5・ZH・ZE・〔KA・KV・Kβ〕^0.5・SH =〔(M’/(2・b)+F’/4)・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5・ZH・ZE・〔KA・KV・ Kβ〕^0.5・SH≦fH ……(36) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ……(36’ ) であることが必要である。 但し ZH=2/(sin(2・α))^0.5 ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 E1、E2:ラック3-rと歯車5-frの材料の縦弾性係数 KA:使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 SH :安全係数 例として10.2.2.(2) 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイ
ド型)の場合と同様の平面形状と荷重を想定し、回転・
捩れ防止装置を平面の隅部と4辺上とに計20基設けて
回転抑制するものとする。回転中心から回転・捩れ防止
装置までの最短距離を3.75mとすると、(10)〜(11)式に
おいてM=25tf・m、n=20、r=3.75mとなり、回転・
捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’は、 M’=25/20 =1.25 tf・m=125tf・cm ……(37) F’=M’/3.75=0.33 tf ……(38) となる。dω=9.6cm、m=0.5cmの場合を検討すると、 〈曲げ〉fF=3.3、α=20°、Y=2.6、Yε=1、Ks
=1、KA=1、KV=1.2、Kβ=1としたとき、(37)〜(3
8)式、(35’)式より FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) =(3.3・0.5・0.94)/(2.6・1・1・1・1.2・1) =0.50 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.5}^0.5/2〕/0.5 =11.26 ……(39) 〈歯面強さ〉fH=8.1、α=20°、E1=E2=2100、K
A=1、KV=1.2、Kβ=1、SH=1.2として、(37)〜(3
8)式、(36’)式より HG=(fH・7・1)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} =(8.1・9.6・1)/{2/(0.64)^0.5・(0.35・2100^2/(2100・2))^0.5・1.2・(1+1 )} =0.68 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.68}^0.5/2〕/0.68 =9.65 ……(40) (39)〜(40)式より、平面の隅部と4辺上とにR=9.6cm以
上、モジュール5mm以上の回転・捩れ防止装置を20個
以上配置し、b=11.3cm以上とすれば保つといえる。以
上のように、固定装置1個に対し、上記断面の回転・捩
れ防止装置を必要個数以上配置することで、風圧力によ
る回転も変位も発生せず、強風時の風揺れは起きない。 10.3. 捩れ振動抑制 10.3.1. 捩れ振動抑制 (1) バネ型復元装置・オイルダンパー等の併用 請求項247項は、免震構造体に、10.1.記載の回転・
捩れ防止装置を設置して捩れ振動を抑制する免震構造体
に関する発明である。積層ゴム等のバネ型の復元装置、
または粘性ダンパー・オイルダンパー等の減衰装置つま
り免震される構造体自重×摩擦係数=摩擦力による摩擦
型ダンパー(摩擦型減衰・抑制装置)によらない減衰装
置一般を使用する免震構造体において、回転・捩れ防止
装置を免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体との間に設ける。そのことにより捩れ振動矯正が
可能になる。さらに回転・捩れ防止装置による捩れ抑制
の効きを大きくしたければ、免震される構造体のできる
だけ周辺部に(対角位置に)配置する(下上スライド部
材伸張型使用の必要)。 さらに最小個数に抑えたけれ
ば、免震される構造体の周辺部に対角位置に最低2個配
置する。 (2) 固定装置との併用 固定装置の設置の免震構造体において、10.1.(請求項
243項から請求項244−5項に)記載の回転・捩れ
防止装置を免震される構造体と免震される構造体を支持
する構造体との間に設ける。そのことにより免震するま
で間の固定装置を中心とする捩れ、また免震直後の捩れ
を抑制できる。請求項248項は、その免震構造体の発
明である。 (3) 固定装置複数個との併用 連動型でない(連動型でも安定度が増すので併用は勿論
可である)固定装置の複数個配置と10.1.記載の回転・
捩れ防止装置との併用により、地震時に固定装置が同時
解除しない地震作動型固定装置の場合の免震による不安
定さを回転・捩れ防止装置により解決し、風時の風揺れ
抑制の安全さを増す。というのは連動型でない固定装置
を複数個配置して、地震時の固定装置の解除に時間差が
生じて、重心位置でない位置の固定装置が最後まで解除
されずに残り、それにより捩れが起きかけても、回転・
捩れ防止装置によって捩れ振動、回転運動が生じずに免
震される構造体は固定されており、その固定装置の解除
と共に免震がスムーズに始まるからである。また、風時
に固定装置が同時固定しない風作動型固定装置の場合、
また全個固定しない場合の風による回転等の不安定さを
回転・捩れ防止装置により解決する(8.12.(7)参照)。
請求項248−2項は、その発明である。 10.3.2. 捩れ振動抑制能力計算式 請求項249項から請求項249−3項は、以下の捩れ
振動抑制能力計算に基づいた部材断面による回転・捩れ
防止装置に関する発明であり、またそれによる免震構造
体の発明である。 (1) 捩れ抑制能力計算式 10.1.記載の回転・捩れ防止装置において、回転・捩れ
防止装置は、上部スライド部材、下部スライド部材、中
間部スライド部材からなり、上部スライド部材を免震さ
れる構造体側に、下部スライド部材を免震される構造体
を支持する構造体側に設け、その間に中間部スライド部
材が入る。上部スライド部材は、中間部スライド部材と
下部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺方向
の平行移動のみを許容し、下部スライド部材は、中間部
スライド部材と上部スライド部材との関係で、長辺方向
または短辺方向の平行移動のみを許容される。以上の構
造から、免震される構造体は、免震される構造体を支持
する構造体に対し長辺方向及び短辺方向の平行移動のみ
を許容される。免震される構造体の回転・捩れ防止装置
が設けられる平面を剛床と仮定すると、免震される構造
体の重心に作用する力により、免震装置層の剛心を中心
とする回転モーメントにより捩れが生じてから、回転抑
制が働くまでに、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体との間には、一様な許容回転角φによ
る移動が生じ、この回転角φによる移動は長辺方向およ
び短辺方向の平行移動と、回転とに分解されるから、回
転・捩れ防止装置は回転抑制が働くときまでに平行移動
分のずれを生じ、各スライド部材の(スライド部の互い
に掛かり合う)長さlは、実際に回転抑制が働くときに
は、初期の状態lから回転角φによる平行移動分を減じ
られて機能する。このとき各部の寸法を、10.1.1.1. 回
転・捩れ防止装置1(外ガイド型)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)
では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
2 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角φ1、下部スライド部材と中間部スライド部
材との間の回転角φ2を、 φ1=2d/l1 ……(1) φ2=2d/l2 ……(2) φ1+φ2=φ ……(3) とかくことができる。免震装置層の剛心から各装置まで
の距離をr、回転・捩れ防止装置が設けられる平面の長
辺または短辺を基準とした剛心から各回転・捩れ防止装
置への角度をγとすると、 l1=l−r・φ・|cosγ| ……(4) l2=l−r・φ・|sinγ| ……(5) という関係がある(|cosγ|はcosγの、|sinγ|はs
inγの絶対値を示す。基準線により、cosγとsinγは入
れ替わる場合もある)。このとき(1)〜(5)式より、 2・d・{1/(l−r・φ・|cosγ|)+1/(l−r・φ・|sinγ|)}=φ ……(6) から許容回転角φがもとめられ、φが十分小さい値なの
で、 φ≒4・d・l/(l^2+2・d・r) ……(7) と近似できる。ここで、例えば長辺10m、短辺7.5mの平
面に、l=300mmd=0.5mmの回転・捩れ防止装置を平面
隅部と4辺の中点とに配置し、免震装置層の剛心が平面
の中心にある場合を想定すると、φは7/1000から7.4/10
00程度の範囲で収まる。これは実際には土台のたわみ等
によって吸収される範囲の差であると考えられる。回転
・捩れ防止装置が設置される平面を剛床と仮定すれば回
転角φはすべての回転・捩れ防止装置において等しいの
で、外周部の装置の方が、固定装置に近い装置よりも回
転角φによる移動量は大きく、許容回転角に達したと
き、上部スライド部材また下部スライド部材と、中間部
スライド部材との(スライド部の互いに掛かり合う)長
さは小さい。ここで外周部に配置する回転・捩れ防止装
置の上部スライド部材(上側免震皿)また下部スライド
部材(下側免震皿)の長さを、回転角φによる移動量を
見込んで大きく与えておけば(下上スライド部材伸張型
参照)、この装置において許容回転角に達したとき上部
スライド部材また下部スライド部材と、中間部スライド
部材との(スライド部の互いに掛かり合う)長さは、中
間部スライド部材の上下ガイドスライド部分の長さだけ
で決まり、常にlとすることも可能である。あるいは外
周部に近い部分に設置された回転・捩れ防止装置を、そ
れ以外の場所に設置される装置よりもlを大きくとる
か、dを小さくとるかして、中央部に近い部分に設置さ
れた装置よりも先に回転角の許容限度に達するようにし
た場合も、外周部の装置で捩れ抑制をさせることがで
き、その分部材断面を小さくすることができる。 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型)では、 ローラー半径:R ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
部の幅:t ローラー転がり面(またはローラー表面)からガイド部
の先端までの高さ:h ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l ローラーに溝がある場合 :l=2×(R^2-(R-h)^2)
^0.5 ローラーにガイド部がある場合:l=2×((R+h)^2-R^2)
^0.5 とすると、上部スライド部材と中間部スライド部材との
間の回転角、下部スライド部材と中間部スライド部材と
の間の回転角は、上下合わせたときの回転角φに対して
回転・捩れ防止装置の位置とは無関係にφ/2であり、 l・tan(φ/2)+t/cos(φ/2)=t+2d ……(8) の関係が成り立っている。このφは、φを微少に設定し
ている場合でt/lが過大にならなければ φ=4d/l ……(9) と近似できる。回転・捩れ防止装置2(内ガイド型)、
回転・捩れ防止装置3(溝型)で、ガイド部と溝の組合
せが複数本ある場合については以下の通りである。それ
ぞれのガイド部と溝について、tとdとlとの関係が共
通の場合は、 最端部に位置する2つのガイド部の外面から外面までの
距離:t’ 最端部の2つの溝の外面から外面までの距離:(t’+
2d) とし、t’を全体のtとみなして、全体の許容回転角
φ’を計算する。ただしこのとき形状によってはt’/
lが大きくなって、上記近似式では十分に近似できない
場合がある。それぞれのガイド部と溝について、tとd
とlとの関係が異なっているときは、それぞれのガイド
部と溝についての許容回転角(ガイド部と溝の組合せが
3組以上あるときは、その組合せによる許容回転角も含
む)のうち、もっとも小さいφが全体のφとなる。ま
た、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型)につい
ては、機構上スリップが起きないことから許容回転角φ
は0として考える。 (2) 部材断面算定 回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周辺部に配置
することにより、重心と剛心がずれている免震構造体に
おいても免震時の捩れ振動は抑制できる。変位抑制のた
めにダンパーや滑り支承等の摩擦発生装置等を装備する
場合など、免震される構造体の重心と免震装置層の剛心
(抵抗力の中心)がずれている場合、免震時に一般の支
承と抵抗が異なることで捩れ振動が発生してしまう。こ
こで回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周辺部に
設けることにより、回転・捩れ防止装置の許す回転角φ
以上の回転は抑制され、長辺方向及び短辺方向へのみ変
位を許容されて捩れ振動矯正が可能になる。また捩れ振
動の原因となる滑り支承等の摩擦発生装置などの配置に
関しても、平面内のどこに配置しても問題はなくなる。
免震される構造体の重心と免震装置層の剛心とに対し、
回転・捩れ防止装置を長方形平面の免震される構造体に
配置した場合に、この構面の回転・捩れが抑制されるた
めの部材断面を算定する。重心に作用する力Fにより、
剛心を中心とする回転モーメントMが生じるものとす
る。このFとMとにより、免震される構造体は許容回転
角φだけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩
れ防止装置が作用してそれ以上の回転を抑制する。この
とき重心に作用する力Fと回転モーメントMとによって
各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じてお
り、平面を剛床と仮定する場合、免震装置層の剛心を中
心とする回転モーメントMを回転・捩れ防止装置n基に
て捩れ抑制するとMは各回転・捩れ防止装置に位置に関
係なく均等に分配されるから、各回転・捩れ防止装置の
負担するM’は全体の回転モーメントMをn等分したも
のとなる。免震装置層の剛心から回転・捩れ防止装置ま
での距離をrとすると、回転・捩れ防止装置の負担する
F’とM’は、 M’=M/n ……(10) F’=M’/r=M/(n・r) ……(11) となる。これらを負担する回転・捩れ防止装置の部材に
加わる荷重Pに対して、部材の断面算定を行う。 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 図436(a)は、請求項249項の発明のうちの、10.1.
1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型、請求項24
4−2項記載)に関する実施例であり、図433(a)〜
図434(d)及び図435(f)の上下ガイドスライド部材
3-gを示したものである。上下ガイドスライド部材のガ
イド部3-dに働く荷重Pから、曲げ応力、せん断応力、
たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間部スライ
ド部材(上下ガイドスライド部材3-g)から突き出した
ガイド部3-d(長さh、幅b、厚さt)を片持梁とみな
す。ここでhはガイド部3-dの突き出した長さ、tはガ
イド部3-dの厚さである。bは中間部スライド部材3-m
に対し上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スラ
イド部材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2
だけ回転して中間部スライド部材(上下ガイドスライド
部材のガイド部3-d)と接触する部分の幅である。この
部分の角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるよう
に、それぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触
部を設けておく場合もある。図436(b)、(c)は、上部
スライド部材(上側免震皿)3-aまた下部スライド部材
(下側免震皿)3-bと、中間部スライド部材(上下ガイ
ドスライド部材)3-gとの関係から、面取りを行った場
合のbを示したものである。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、上下ガイドスライド部材・部
分のガイド部3-dに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容曲げ応力
度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(13) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 …(13’ ) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上下ガイドスライ
ド部材・部分のガイド部3-dの、片持梁のせん断応力度
τは、鋼材の短期許容せん断応力度 fsに対して τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(14) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) ……(14’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-d
の、片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(15) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(15’) であることが必要である。ここで 例として長辺10m、
短辺7.5mの平面形状の構造体に対し、長辺を含む受圧面
の片側半分にF=10tfの風圧力が等分布荷重として加わる
場合を想定する。このとき固定装置を中心とする回転モ
ーメントMは25tf・mである。この平面に、回転・捩れ防
止装置を平面の隅部と4辺の中点とに計8基設けて捩れ
抑制するものとする場合、この例では剛心から回転・捩
れ防止装置までの最短距離は3.75mであるから、(10)〜
(11)式においてM=25tf・m、n=8、r=3.75mとなり、
回転・捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’は、 M’=25/8 =3.125 tf・m=312.5tf・cm ……(16) F’=M’/3.75=0.83 tf ……(17) となる。l=50cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討する
と、 〈曲げ〉fb=2.4として、(13’)式、(16)〜(17)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)・3/(6・2.4)} ^0.5 =2.92 ……(18) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(14’)式、
(16)〜(17)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)/(6・1.39) =0.82 ……(19) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(15’)式、(16)〜(17)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(20) (18)〜(20)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 2) 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) 図437〜図457は、請求項249項の発明のうち
の、10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、請
求項244−3項〜請求項244−3−4項のいずれか
1項に記載)に関する実施例であり、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材3-aと中間部スライド部材、
下部スライド部材3-bと中間部スライド部材3-mの間に
1組ずつで、中間部スライド部材3-mに内ガイド部3-g
が、上部スライド部材3-aと下部スライド部材3-bに溝
3-giが、それぞれある場合である。中間部スライド部
材の内ガイド部3-gに働く荷重Pから、曲げ応力、せん
断応力、たわみ角を検討し部材断面の算定を行う。中間
部スライド部材の内ガイド部3-gを長さh、幅b、厚さ
tの片持梁とみなす。bは中間部スライド部材3-mに対
し、上部スライド部材(上側免震皿)3-a、下部スライ
ド部材(下側免震皿)3-bが、それぞれ角度φ1、φ2だ
け回転して、それぞれの溝3-giが中間部スライド部材
3-mの内ガイド部3-gと接触する部分の幅である。この
部分の角を、斜辺に相当する部分の長さがbとなるよう
に、それぞれ角度φ1、φ2であらかじめ面取りし、接触
部を設けておく場合もある。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、中間部スライド部材3-mの内
ガイド部3-gに働く荷重Pは、最大で P =M’/(l−r・φ)+F’/2 ……(12) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=b・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h)/(b・t^2/6) =6・{((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h}/(b・t^2)≦ fb ……(21) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧{6((M’/(l−r・φ)+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 …(21 ’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=b・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・t)≦ fs ……(22) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは、(7)
式を用いて t≧3/2・(M’/(l−r・φ)+F’/2)/(b・fs) =3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)/(b・fs) ……(22’) であることが必要である。 c. たわみ角 Pによる上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤ
ング率 E、断面二次モーメントI=bt^3/12のとき、許
容たわみ角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(2・E・b・t^3/12) =6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・t^3)≦α ……(23) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(l−r・φ)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(23’) であることが必要である。例として10.3.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’=0.83 tf、M’=312.5 tf・cm、n=8、l=5
0cm、h=3cm、b=6cmの場合を検討すると、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(21’)式より t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b・fb)}^0.5 ={6((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)・3/(6・2.4)} ^0.5 =2.92 ……(24) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(22’)式より t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・fs) =3/2・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375)) +0.83/2)/(6・1.39) =0.82 ……(25) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(22’)式より t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ={6・((312.5/(50-4・0.05・375・50/(50^2+2・0.05・375))+0.83/2)・3^2 /(2100・6・1/250)}^(1/3) =1.86 ……(26) (24)〜(26)式より、平面の隅部と4辺上とにl=50cm以
上、h=3cm以下、b=6cm以上の回転・捩れ防止装置を
8個以上配置し、t=3cm以上とすれば保つといえる。 3) 回転・捩れ防止装置3(溝型) 図478は、請求項249−2項の発明の実施例であ
り、10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型、請求項2
44−4項記載)に関するもので、上部スライド部材、
下部スライド部材、中間部スライド部材のローラー5-f
の転がり面にレール状のガイド部3-lが、ローラー5-f
にそのガイド部3-lが挿入する溝5-flが、それぞれあ
る場合である。ローラー5-fのガイド部3-lが挿入する
溝5-flから、レール状のガイド部3-lの1本あたりに
働く荷重Pより、曲げ応力、せん断応力、たわみ角を検
討し部材断面の算定を行う。 レール状のガイド部3-l
を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなして検討する。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、レール状のガイド部3-lに働
く荷重Pは、最大で P =M’/(2・l)+F’/4 ……(12’) である。曲げモーメント Mb=P・h、断面係数 Z=l・t^2/
6のとき上記片持梁の曲げ応力度σは、鋼材の短期許容
曲げ応力度 fbに対して σ=Mb/Z =((M’/(2・l)+F’/4)・h)/( l ・t^2/6) =6・{((M’/(2・l)+F’/4)・h}/( l ・t^2)≦ fb ……(27) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l ・fb)}^0.5 ……(27’) であることが必要である。 b. せん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・tのとき上記片持梁のせん
断応力度τは、鋼材の短期許容せん断応力度fsに対し
て τ=3/2・Q/A =3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦ fs ……(28) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) ……(28’) であることが必要である。 c. ねじりせん断 せん断力 Q=P、断面積 A=l・t、ねじりモーメントMT=
M’/4のとき上記片持梁の長方形断面(辺長l、t)に対
するねじりせん断応力度τ’は、長方形断面の2辺の比
により定まる係数をβとして、ねじりせん断応力がかか
る部分の平均のせん断応力τ’’との和として検討し、
鋼材の短期許容せん断応力度fsに対して、 τ’+τ’’=MT/(β・l・t^2)+Q/A =(M’/4)/(β・l・t^2)+(M’/(2・l)+F’/4)/(l・t)≦fs …… (29) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) …… (29’) であることが必要である。 d. たわみ角 上記片持梁のたわみ角の最大値δは、鋼材のヤング率
E、断面二次モーメントI=lt^3/12のとき、許容たわみ
角αとすると、 δ=P・h^2/(2EI) =(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(2・E・ l ・t^3/12) =6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・ l ・t^3)≦α ……(30) の関係を満足させる。これにより断面の厚さtは t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・b・α)}^(1/3) ……(30’) であることが必要である。例として10.3.2.(2) 1) 回転
・捩れ防止装置1(外ガイド型)の場合と同様の想定を
行い、F’=0.83 tf、M’=312.5 tf・cm、n=8、R=7c
m、h=3cmの場合を検討すると、l=2×(R^2-(R-h)^2)
^0.5=11.49cmであり、 〈曲げ〉fb=2.4として、(16)〜(17)式、(27’)式より t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 ={6((312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3/(11.49・2.4)}^0.5 =3.00 ……(31) 〈せん断〉fs=fb/3^0.5=1.39として、(16)〜(17)
式、(28’)式より t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) =3/2・((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/(11.49・1.39) =1.30 ……(32) 〈ねじりせん断〉fs=1.39、β=0.25として、(16)〜
(17)式、(29’)式より t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)^2+M’・fs/(β・l)} ^0.5〕/(2・fs) =〔(312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11.49+{((312.5/(2・11.49)+0.83/4)/11 .49)^2+312.5・1.39/(0.25・11.49)}^0.5〕/(2・1.39) =4.88 ……(33) 〈たわみ角〉E=2.1×10^3 tf/cm^2、α=1/250とし
て、(16)〜(17)式、(30’)式より t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) ={6・(312.5/(2・11.49)+0.83/4)・3^2/(2100・11.49・1/250)}^(1/3) =0.88 ……(34) (31)〜(34)式より、平面の隅部と4辺上とにR=7cm以
上、h=3cm以下の回転・捩れ防止装置を8個以上配置
し、t=4.9cm以上とすれば保つといえる。 4) 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 図479は、請求項249−3項の発明の実施例であ
り、10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型、請求項
244−5項記載)に関するもので、ガイド部と溝の組
合せが、上部スライド部材と中間部スライド部材、下部
スライド部材と中間部スライド部材の間に2組ずつある
場合である。ローラー5-fの転がり面に設けたラック3
-rと、ローラー5-fに設けたそのラック3-rに噛合う歯
車5-frとの、1組あたりに働く荷重Pにより、ラック
3-rと歯車5-frの歯とを片持梁とみなしたときの曲げ
応力、ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面を接触
2円筒とみなしたときの歯面強さを検討し、部材断面の
算定を行う。 a. 曲げ 回転・捩れ防止装置が、水平力F’、回転モーメント
M’を負担している場合、ラック3-rと、そのラック3
-rに噛合う歯車5-frとに働く荷重Pは、歯幅bとする
と最大で P =M’/(2・b)+F’/4 ……(12’’) である。ラック3-rと歯車5-frの歯元の曲げ応力度σF
は、かみ合いピッチ円上の接線荷重P、ラック3-rと歯
車5-frのモジュールm、歯幅bとしたとき、材料の許
容歯元曲げ応力度fFに対して σF=P ・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα) =(M’/(2・b)+F’/4)・Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ/(m・b・cosα)≦ fF … …(35) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) ……( 35’) であることが必要である。 但し α :かみあい圧力角 Y :歯形係数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 b. 歯面強さ ラック3-rと歯車5-frの接触する2歯面の接触応力
(ヘルツ応力)σHは、かみ合いピッチ円上の接線荷重
P、ラック3-rと歯車5-frのかみ合いピッチ円径d
ω、歯幅b、歯数比uとしたとき、材料のヘルツ応力の
許容限度値fHに対して σH=〔P・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5・ZH・ZE・〔KA・KV・Kβ〕^0.5・SH =〔(M’/(2・b)+F’/4)・(u+1)/(dω・b・u)〕^0.5 ・ZH・ZE・〔KA・KV・Kβ〕^0.5・SH≦ fH ……(36) の関係を満足させる。これにより歯幅bは b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ……(36’) であることが必要である。 但し ZH=2/(sin(2・α))^0.5 ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 E1、E2:ラック3-rと歯車5-frの材料の縦弾性係数 KA:使用係数係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 SH :安全係数 例として10.2.2.(2) 1) 回転・捩れ防止装置1(外ガイ
ド型)の場合と同様の平面形状と荷重を想定し、回転・
捩れ防止装置を平面の隅部と4辺上とに計20基設けて
捩れ抑制するものとする。回転中心から回転・捩れ防止
装置までの最短距離を3.75mとすると、(10)〜(11)式に
おいてM=25tf・m、n=20、r=3.75mとなり、回転・
捩れ防止装置の負担するF’の最大値とM’は、 M’=25/20 =1.25 tf・m=125tf・cm ……(37) F’=M’/3.75=0.33 tf ……(38) となる。dω=9.6cm、m=0.5cmの場合を検討すると、 〈曲げ〉fF=3.3、α=20°、Y=2.6、Yε=1、Ks
=1、KA=1、KV=1.2、Kβ=1としたとき、(37)〜(3
8)式、(35’)式より FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) =(3.3・0.5・0.94)/(2.6・1・1・1・1.2・1) =0.50 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.5}^0.5/2〕/0.5 =11.26 ……(39) 〈歯面強さ〉fH=8.1、α=20°、E1=E2=2100、K
A=1、KV=1.2、Kβ=1、SH=1.2として、(37)〜(3
8)式、(36’)式より HG=(fH・7・1)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} =(8.1・9.6・1)/{2/(0.64)^0.5・(0.35・2100^2/(2100・2))^0.5・1.2・(1+1 )} =0.68 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG =〔0.33/8+{(0.33/4)^2+2・125・0.68}^0.5/2〕/0.68 =9.65 ……(40) (39)〜(40)式より、平面の隅部と4辺上とにR=9.6cm以
上、モジュール5mm以上の回転・捩れ防止装置を20個
以上配置し、b=11.3cm以上とすれば保つといえる。以
上のことから、回転・捩れ防止装置を必要個数以上配置
することで、免震される構造体が水平力を受けても、免
震時の捩れ運動は起きない。 10.4. 捩れ・回転振動方程式 1 10.4.1. 記号一覧 z :不動=絶対点より見た地面の変位(絶対変位) x1 :質点m1の地面=免震皿から見た質点の応答変位
(相対変位) x2 :質点m2の地面=免震皿から見た質点の応答変位
(相対変位) d(dx1/dt)/dt:質点m1の応答加速度(地面に対する相
対加速度) d(dx2/dt)/dt:質点m2の応答加速度(地面に対する相
対加速度) d(dz/dt)/dt:地震加速度(絶対加速度) t :時間 m1 :質点m1の質量 m2 :質点m2の質量 g :重力加速度 θ :質点m1の支持の免震滑り支承のすり鉢状免震皿
の勾配 radian μ :質点m1の支持の免震滑り支承の免震皿の動摩擦
係数 C2 :質点m2にダンパー・復元機能を与えるダンパー
・バネ等の粘性減衰係数 K2 :質点m2にダンパー・復元機能を与えるダンパー
・バネ等のバネ定数 C3 :質点m1と質点m2とを繋ぐ部材の粘性減衰係数 K3 :質点m1と質点m2とを繋ぐ部材のバネ定数 10.4.2. 捩れ・回転振動方程式 免震滑り支承とダンパー・バネ等とによる組合せの場合
の運動方程式をあげる。これにより捩れ振動をシュミュ
レーションすることが可能である。請求項249−4項
は、免震される構造体と、免震される構造体を支持する
構造体との間に設けられ、免震滑り支承とダンパー・バ
ネ等との構成による免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx1/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x1)+μ・sign
(dx1/dt)}+K3/m1・(x2−x1)+C3/m1・(dx2/dt−dx1
/dt)=-d(dz/dt)/dt d(dx2/dt)/dt+K2/m2・x2+C2/m2・dx2/dt+K3/m2・
(x1−x2)+C3/m2・(dx1/dt−dx2/dt)=-d(dz/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなり、ま
た残留変位のない復元を考えるとθ≧μを満たす免震構
造体の発明である。ダンパー・バネ等が、ダンパー機能
のみの場合は、K3を0にすれば良い。 10.5. 捩れ・回転振動方程式 2 10.5.1. 捩れ・回転振動方程式 以下の連立方程式は、免震装置として、免震滑り支承、
ダンパー、固定装置をもった場合に適用可能であり、外
力として地震時、風時の場合にも適用可能である。復元
バネ等nのバネ定数Kn=∞とすると固定装置が固定時
の場合で、風時の場合を考える と、d(dqx/dt)/dtを
風の加速度と考えるとよい。この運動方程式により、捩
れ・回転振動の解析が可能になる。なお、以下の振動方
程式では、床は剛と仮定する。 10.5.1.1. 1層の場合 以下、免震される構造体が一層の場合の説明を行う。 10.5.1.1.0. 記号一覧(下記以外の記号説明は実施例の
5.3.0.また 5.1.3.1.参照) L :すり鉢状または球面状免震皿の中心から外周まで
の距離 x :重心のx方向の応答変位(地面に対する相対変
位) y :重心のy方向の応答変位(地面に対する相対変
位) ψ :重心まわりの捩れ回転角 (時計回り) dx/dt:重心のx方向の応答速度(地面に対する相対速
度) dy/dt:重心のy方向の応答速度(地面に対する相対速
度) d(dx/dt)/dt:重心のx方向の応答加速度(地面に対す
る相対加速度) d(dy/dt)/dt:重心のy方向の応答加速度(地面に対す
る相対加速度) d(dqx/dt)/dt:x方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) d(dqy/dt)/dt:y方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) μ1x :滑り支承1のx方向の摩擦係数 μ1y :滑り支承1のy方向の摩擦係数 μ2x :滑り支承2のx方向の摩擦係数 μ2y :滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μnx :滑り支承nのx方向の摩擦係数 μny :滑り支承nのy方向の摩擦係数 eμ1x:滑り支承1の重心からのx方向上の距離 eμ1y:滑り支承1の重心からのy方向上の距離 eμ2x:滑り支承2の重心からのx方向上の距離 eμ2y:滑り支承2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ eμnx:滑り支承nの重心からのx方向上の距離 eμny:滑り支承nの重心からのy方向上の距離 μθ1x:直線勾配型復元滑り支承1のx方向の摩擦係数 μθ1y:直線勾配型復元滑り支承1のy方向の摩擦係数 μθ2x:直線勾配型復元滑り支承2のx方向の摩擦係数 μθ2y:直線勾配型復元滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μθnx:直線勾配型復元滑り支承nのx方向の摩擦係数 μθny:直線勾配型復元滑り支承nのy方向の摩擦係数 θ1’:すり鉢状免震皿復元滑り支承1の勾配(中心か
らの勾配=円錐勾配) θ2’:すり鉢状免震皿復元滑り支承2の勾配(中心か
らの勾配=円錐勾配) ・ ・ θn’:すり鉢状免震皿復元滑り支承nの勾配(中心か
らの勾配=円錐勾配) θ1x :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)x方向の
勾配 θ1y :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)y方向の
勾配 θ2x :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)x方向の
勾配 θ2y :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)y方向の
勾配 ・ ・ θnx :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)x方向の
勾配 θny :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)y方向の
勾配 θn’、θnx、θny(以上θとして)について、 但し二重免震皿免震装置の時で上部下部免震皿の勾配が
違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθd)/(cosθu+cosθd) θu、θdが小さい場合 cosθu≒cosθd≒1、またθd
≒θuの場合 θ≒(tanθu+tanθd)/2 ≒(θu+θd)/2 θu :上部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) 但し三重免震皿免震装置の時で上部免震皿・中間免震皿
・下部免震皿の勾配が違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθmu+sinθmd+sinθd)/(cosθu+co
sθmu+cosθmd+cosθd) θu、θdが小さい場合で、cosθu≒cosθmu≒cosθmd≒
cosθd≒1、またθd≒θu≒θmu≒θmdの場合 θ≒(tanθu+tanθmu+tanθmd+tanθd)/4 ≒(θu+θmu+θmd+θd)/4 θu :上部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θmu:中間免震皿上部勾配(三重免震皿免震装置の時) θmd:中間免震皿下部勾配(三重免震皿免震装置の時) eθ1x:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのx方向
上の距離 eθ1y:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのy方向
上の距離 eθ2x:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのx方向
上の距離 eθ2y:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのy方向
上の距離 ・ ・ eθnx:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのx方向
上の距離 eθny:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのy方向
上の距離 μR1x:球面状免震皿復元滑り支承1のx方向の摩擦係
数 μR1y:球面状免震皿復元滑り支承1のy方向の摩擦係
数 μR2x:球面状免震皿復元滑り支承2のx方向の摩擦係
数 μR2y:球面状免震皿復元滑り支承2のy方向の摩擦係
数 ・ ・ μRnx:球面状免震皿復元滑り支承nのx方向の摩擦係
数 μRny:球面状免震皿復元滑り支承nのy方向の摩擦係
数 R1’:球面状免震皿復元滑り支承1の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R2’:球面状免震皿復元滑り支承2の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) ・ ・ Rn’:球面状免震皿復元滑り支承nの曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R1x :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R1y :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R2x :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 R2y :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 ・ ・ Rnx :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 Rny :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 eR1x :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのx方
向上の距離 eR1y :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのy方
向上の距離 eR2x :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのx方
向上の距離 eR2y :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのy方
向上の距離 ・ ・ eRnx :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのx方
向上の距離 eRny :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのy方
向上の距離 m1 :滑り支承1の支持質量(免震される構造体の質
量) m2 :滑り支承2の支持質量(免震される構造体の質
量) ・ ・ mn :滑り支承nの支持質量(免震される構造体の質
量) m :免震される構造体の全体の質量 Σmn=m C1x :ダンパー1のx方向の粘性減衰係数 C1y :ダンパー1のy方向の粘性減衰係数 C2x :ダンパー2のx方向の粘性減衰係数 C2y :ダンパー2のy方向の粘性減衰係数 ・ ・ Cnx :ダンパーnのx方向の粘性減衰係数 Cny :ダンパーnのy方向の粘性減衰係数 ec1x:ダンパー1の重心からのx方向上の距離 ec1y:ダンパー1の重心からのy方向上の距離 ec2x:ダンパー2の重心からのx方向上の距離 ec2y:ダンパー2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ ecnx:ダンパーnの重心からのx方向上の距離 ecny:ダンパーnの重心からのy方向上の距離 K1x :復元バネ等1のx方向のバネ定数 K1y :復元バネ等1のy方向のバネ定数 K2x :復元バネ等2のx方向のバネ定数 K2y :復元バネ等2のy方向のバネ定数 ・ ・ Knx :復元バネ等nのx方向のバネ定数 Kny :復元バネ等nのy方向のバネ定数 ek1x:復元バネ等1の重心からのx方向上の距離 ek1y:復元バネ等1の重心からのy方向上の距離 ek2x:復元バネ等2の重心からのx方向上の距離 ek2y:復元バネ等2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ eknx:復元バネ等nの重心からのx方向上の距離 ekny:復元バネ等nの重心からのy方向上の距離 I :回転慣性I=∫r^2 dm (rは質量ごとの重心
までの距離) 例、長さa、bの長方形の場合、 1/12・m・(a^2+b^2) t :時間 g :重力加速度 10.5.1.1.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 請求項249−5項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられたダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 請求項249−6項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(平面型免震皿滑り支承=復元力無し)、ダ
ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
成によって支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +g{m1・μ1x・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μ1y・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μ1x・eμ1y・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・eμ2y・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・eμny・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)} −g{m1・μ1y・eμ1x・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・eμ2x・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・eμnx・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−7項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状
免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、
積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 d(dx/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)より d(dx/dt)/dt +g{m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{m1・θ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +m2・θ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+mn・θnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{m1・θ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +m2・θ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+mn・θny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{m1・θ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +m2・θ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+mn・θnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{m1・θ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +m2・θ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+mn・θny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−8項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置
を含む)等の構成によって支持また免震される免震構造
体において、請求項249−7項の運動方程式における
θnx、θny(n=1・2・・・n)を、(x^2+y^2)^0.5≦ L
の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 請求項249−9項の発明は、免震される構造体と、免
震される構造体を支持する構造体との間に設けられた免
震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で円柱谷面状免
震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積
層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって
支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+ ・・+Knx/m・ekny・ψ=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ− ・・−Kny/m・eknx・ψ=-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ) +・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ) −・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.1.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−10項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−9項の運動方程式におけるRn
x、Rny(n=1・2・・・n)を、(x^2+y^2)^0.5≦ Lの
時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(x^2+y^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2. n層の場合 以下、免震される構造体がn層の場合の説明を行う。 10.5.1.2.0. 記号一覧(下記以外の記号説明は実施例の
5.3.0.また 5.1.3.1.参照)(1) 共通 L :すり鉢状または球面状免震皿の中心から外周ま
での距離 d(dqx/dt)/dt:x方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) d(dqy/dt)/dt:y方向の外力(地震・風)加速度(絶対
加速度) t :時間 MM1 :免震される構造体1層の質量 MM2 :免震される構造体2層の質量 MM3 :免震される構造体3層の質量 ・ : ・ : MMn :免震される構造体n層の質量 g :重力加速度 (2) 免震層(免震装置の設置層) xb :免震層の重心のx方向の応答変位(地面に対す
る相対変位) yb :免震層の重心のy方向の応答変位(地面に対す
る相対変位) dxb/dt:免震層の重心のx方向の応答速度(地面に対す
る相対速度) dyb/dt:免震層の重心のy方向の応答速度(地面に対す
る相対速度) d(dxb/dt)/dt:免震層の重心のx方向の応答加速度(地
面に対する相対加速度) d(dyb/dt)/dt:免震層の重心のy方向の応答加速度(地
面に対する相対加速度) ψb :免震層の重心まわりの捩れ回転角(時計回り) Ib :免震層の回転慣性I=∫r^2 dm (rは質量
ごとの重心までの距離) 例、長さa、bの長方形の場合、 1/12・m・(a^2+b^2) μ1x :滑り支承1のx方向の摩擦係数 μ1y :滑り支承1のy方向の摩擦係数 μ2x :滑り支承2のx方向の摩擦係数 μ2y :滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μnx :滑り支承nのx方向の摩擦係数 μny :滑り支承nのy方向の摩擦係数 eμ1x:滑り支承1の重心からのx方向上の距離 eμ1y:滑り支承1の重心からのy方向上の距離 eμ2x:滑り支承2の重心からのx方向上の距離 eμ2y:滑り支承2の重心からのy方向上の距離 ・ ・ eμnx:滑り支承nの重心からのx方向上の距離 eμny:滑り支承nの重心からのy方向上の距離 μθ1x:直線勾配型復元滑り支承1のx方向の摩擦係数 μθ1y:直線勾配型復元滑り支承1のy方向の摩擦係数 μθ2x:直線勾配型復元滑り支承2のx方向の摩擦係数 μθ2y:直線勾配型復元滑り支承2のy方向の摩擦係数 ・ ・ μθnx:直線勾配型復元滑り支承nのx方向の摩擦係数 μθny:直線勾配型復元滑り支承nのy方向の摩擦係数 θ1’:すり鉢状免震皿の復元滑り支承1の勾配(中心
からの勾配=円錐勾配) θ2’:すり鉢状免震皿の復元滑り支承2の勾配(中心
からの勾配=円錐勾配) ・ ・ θn’:すり鉢状免震皿の復元滑り支承nの勾配(中心
からの勾配=円錐勾配) θ1x :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)x方向の
勾配 θ1y :直線勾配型復元滑り支承1の(実質)y方向の
勾配 θ2x :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)x方向の
勾配 θ2y :直線勾配型復元滑り支承2の(実質)y方向の
勾配 ・ ・ θnx :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)x方向の
勾配 θny :直線勾配型復元滑り支承nの(実質)y方向の
勾配 θn’、θnx、θny(以上θとして)について、 但し二重免震皿免震装置の時で上部下部免震皿の勾配が
違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθd)/(cosθu+cosθd) θu、θdが小さい場合 cosθu≒cosθd≒1、またθd
≒θuの場合 θ≒(tanθu+tanθd)/2 ≒(θu+θd)/2 θu :上部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(二重免震皿免震装置の時) 但し三重免震皿免震装置の時で上部免震皿・中間免震皿
・下部免震皿の勾配が違う時のθは、 θ=(sinθu+sinθmu+sinθmd+sinθd)/(cosθu+co
sθmu+cosθmd+cosθd) θu、θdが小さい場合で、cosθu≒cosθmu≒cosθmd≒
cosθd≒1、 またθd≒θu≒θmu≒θmdの場合 θ≒(tanθu+tanθmu+tanθmd+tanθd)/4 ≒(θu+θmu+θmd+θd)/4 θu :上部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θd :下部免震皿勾配(三重免震皿免震装置の時) θmu:中間免震皿上部勾配(三重免震皿免震装置の時) θmd:中間免震皿下部勾配(三重免震皿免震装置の時) eθ1x:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのx方向
上の距離 eθ1y:直線勾配型復元滑り支承1の重心からのy方向
上の距離 eθ2x:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのx方向
上の距離 eθ2y:直線勾配型復元滑り支承2の重心からのy方向
上の距離 ・ ・ eθnx:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのx方向
上の距離 eθny:直線勾配型復元滑り支承nの重心からのy方向
上の距離 μR1x:球面状免震皿復元滑り支承1のx方向の摩擦係
数 μR1y:球面状免震皿復元滑り支承1のy方向の摩擦係
数 μR2x:球面状免震皿復元滑り支承2のx方向の摩擦係
数 μR2y:球面状免震皿復元滑り支承2のy方向の摩擦係
数 ・ ・ μRnx:球面状免震皿復元滑り支承nのx方向の摩擦係
数 μRny:球面状免震皿復元滑り支承nのy方向の摩擦係
数 R1’:球面状免震皿復元滑り支承1の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R2’:球面状免震皿復元滑り支承2の曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) ・ ・ Rn’:球面状免震皿復元滑り支承nの曲率半径(中心
からの勾配=円錐勾配) R1x :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R1y :球面状免震皿復元滑り支承1の(実質)曲率半
径 R2x :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 R2y :球面状免震皿復元滑り支承2の(実質)曲率半
径 ・ ・ Rnx :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 Rny :球面状免震皿復元滑り支承nの(実質)曲率半
径 eR1x :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのx方
向上の距離 eR1y :球面状免震皿復元滑り支承1の重心からのy方
向上の距離 eR2x :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのx方
向上の距離 eR2y :球面状免震皿復元滑り支承2の重心からのy方
向上の距離 ・ ・ eRnx :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのx方
向上の距離 eRny :球面状免震皿復元滑り支承nの重心からのy方
向上の距離 m1 :免震支承1の支持質量(免震される構造体の質
量) m2 :免震支承2の支持質量(免震される構造体の質
量) ・ ・ mn :免震支承nの支持質量(免震される構造体の質
量) Σmn=MM1+MM2+・・+MMn Cb1x :免震層のダンパー1のx方向の粘性減衰係数 Cb1y :免震層のダンパー1のy方向の粘性減衰係数 Cb2x :免震層のダンパー2のx方向の粘性減衰係数 Cb2y :免震層のダンパー2のy方向の粘性減衰係数 ・ ・ Cbnx :免震層のダンパーnのx方向の粘性減衰係数 Cbny :免震層のダンパーnのy方向の粘性減衰係数 ecb1x:免震層のダンパー1の重心からのx方向上の距
離 ecb1y:免震層のダンパー1の重心からのy方向上の距
離 ecb2x:免震層のダンパー2の重心からのx方向上の距
離 ecb2y:免震層のダンパー2の重心からのy方向上の距
離 ・ ・ ecbnx:免震層のダンパーnの重心からのx方向上の距
離 ecbny:免震層のダンパーnの重心からのy方向上の距
離 Kb1x :免震層の復元バネ等1のx方向のバネ定数 Kb1y :免震層の復元バネ等1のy方向のバネ定数 Kb2x :免震層の復元バネ等2のx方向のバネ定数 Kb2y :免震層の復元バネ等2のy方向のバネ定数 ・ ・ Kbnx :免震層の復元バネ等nのx方向のバネ定数 Kbny :免震層の復元バネ等nのy方向のバネ定数 ekb1x:免震層の復元バネ等1の重心からのx方向上の
距離 ekb1y:免震層の復元バネ等1の重心からのy方向上の
距離 ekb2x:免震層の復元バネ等2の重心からのx方向上の
距離 ekb2y:免震層の復元バネ等2の重心からのy方向上の
距離 ・ ・ ekbnx:免震層の復元バネ等nの重心からのx方向上の
距離 ekbny:免震層の復元バネ等nの重心からのy方向上の
距離 (3) n層 xn’ :n層の重心のx方向の応答変位(免震層=一
層床に対する相対変位) yn’ :n層の重心のy方向の応答変位(免震層に対
する相対変位) dxn’/dt:n層の重心のx方向の応答速度(免震層に対
する相対速度) dyn’/dt:n層の重心のy方向の応答速度(免震層に対
する相対速度) d(dxn’/dt)/dt:n層の重心のx方向の応答加速度(免
震層に対する相対加速度) d(dyn’/dt)/dt:n層の重心のy方向の応答加速度(免
震層に対する相対加速度) ψn’ :n層の重心まわりの捩れ回転角 Cn’x :n層のx方向の粘性減衰係数 Cn’y :n層のy方向の粘性減衰係数 ecn’x :n層の粘性=Cn’xの中心の重心からのx方
向上の距離 ecn’y :n層の粘性=Cn’yの中心の重心からのy方
向上の距離 Kn’x :n層のx方向の全剛性 Kn’y :n層のy方向の全剛性 ekn’x :n層の剛性の中心(剛心)の重心からのx方
向上の距離 ekn’y :n層の剛性の中心(剛心)の重心からのy方
向上の距離 In’ :n層の回転慣性I=∫r^2 dm (rは質量
ごとの重心までの距離) 例、長さa、bの長方形の場合、 1/12・m・(a^2+b^2) 但し、n’=n-1、 n”=n-2、 n”’=n-3 10.5.1.2.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0、μ=μnx=μny=μθnx=μθny=0とした
場合である。 10.5.1.2.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
置の場合 以下の 10.5.1.2.3.の運動方程式においてθ=θnx=θ
ny=0とした場合である。 10.5.1.2.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承の場合 請求項249−11項の発明は、免震される構造体と、
免震される構造体を支持する構造体との間に設けられた
免震滑り支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面
状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパ
ー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成に
よって支持また免震される免震構造体において、以下の
連立運動方程式によって構造解析することによって設計
されてなることを特徴とする免震構造体である。 1) 2層の場合(免震層以外も偏芯有り) 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間に設けられた免震滑り支承(xy方向(直交方
向)免震で、V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装
置を含む)等の構成によって支持また免震される免震構
造体において、 連立運動方程式 d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb=0 −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 2) 3層の場合(免震層以外も偏芯有り) 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間に設けられた免震滑り支承(xy方向(直交方
向)免震で、V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装
置を含む)等の構成によって支持また免震される免震構
造体において、 連立運動方程式 d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1) +K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 3) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間に設けられた免震滑り支承(xy方向(直交方
向)免震で、V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装
置を含む)等の構成によって支持また免震される免震構
造体において、 連立運動方程式 d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn”)/dt)/dt +Cn”x/MMn’・(dxn”/dt-dxn”’/dt) +Cn”x/MMn’・ecn”y・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Kn”x/MMn’・(xn”-xn”’)+Kn”x/MMn’・ekn”y・(ψn”-ψn”’) −Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn”/dt) −Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Kn’x/MMn’・(xn’-xn”)−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn”/dt) +Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn”)+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1+K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1−K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1)+K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn”)/dt)/dt +Cn”y/MMn’・(dyn”/dt-dyn”’/dt) −Cn”y/MMn’・ecn”x・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Kn”y/MMn’・(yn”-yn”’) −Kn”y/MMn’・ekn”x・(ψn”-ψn”’ ) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn”/dt) +Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn”) +Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn”/dt) −Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn”)−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In”・d(dψn”/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn”x・ecn”y・(dxn”/dt−dxn”’/dt) −Cn”y・ecn”x・(dyn”/dt−dyn”’/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn”/dt) +Kn”x・ekn”y・(xn”−xn”’)−Kn”y・ekn”x・(yn”−yn”’) −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”) +Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn”x・ecn”y^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) +Cn”y・ecn”x^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn”x・ekn”y^2・(ψn”-ψn”’)+Kn”y・ekn”x^2・(ψn”-ψn”’) −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”) −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) = 0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) −Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn”/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”)−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn”)+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) =0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
り支承の場合 請求項249−12項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
おいて、請求項249−11項の運動方程式におけるθ
nx、θny(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ L
の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
支承の場合 (1) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 請求項249−13項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(xy方向(直交方向)免震で、円柱谷面状免震
皿をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層
ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支
持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dxb/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dxb/dt+eR1y・dψb/dt) +m2・μR2x・sign(dxb/dt+eR2y・dψb/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dxb/dt+eRny・dψb/dt)}/MM1 +{m1・g/R1x・(xb+eR1y・ψb)+m2・g/R2x・(xb+eR2y・ψb)+ ・・+mn・g/Rnx・(xb+eRny・ψb)}/M M1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1)−K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn”)/dt)/dt +Cn”x/MMn’・(dxn”/dt-dxn”’/dt) +Cn”x/MMn’・ecn”y・(dψn”/dt-dψn”’/dt) +Kn”x/MMn’・(xn”-xn”’)+Kn”x/MMn’・ekn”y・(ψn”-ψn”’) −Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn”/dt) −Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn”/dt) −Kn’x/MMn’・(xn’-xn”)−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn”/dt) +Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn”/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn”)+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn”) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dyb/dt−eR1x・dψb/dt) +m2・μR2y・sign(dyb/dt−eR2x・dψb/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dyb/dt−eRnx・dψb/dt)}/MM1 +{m1・g/R1y・(yb−eR1x・ψb)+m2・g/R2y・(yb−eR2x・ψb)+ ・・+mn・g/Rny・(yb−eRnx・ψb)}/M M1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1−K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1)+K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1)−K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2)+K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn”)/dt)/dt +Cn”y/MMn’・(dyn”/dt-dyn”’/dt)−Cn”y/MMn’・ecn”x・(dψn”/dt -dψn”’/dt) +Kn”y/MMn’・(yn”-yn”’)−Kn”y/MMn’・ekn”x・(ψn”-ψn”’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn”/dt)+Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-d ψn”/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn”)+Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn”/dt) −Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn”/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn”)−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn”) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dxb/dt+eR1y・dψb/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dxb/dt+eR2y・dψb/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dxb/dt+eRny・dψb/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dyb/dt−eR1x・dψb/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dyb/dt−eR2x・dψb/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dyb/dt−eRnx・dψb/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(xb+eR1y・ψb)+m2・g/R2x・eR2y・(xb+eR2y・ψ b)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(xb+eRny・ψ b) −m1・g/R1y・eR1x・(yb−eR1x・ψb)−m2・g/R2y・eR2x・(yb−eR2x・ψ b)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(yb−eRnx・ψ b) +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt+C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1+K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1−K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt−C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1−K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1+K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1)−K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2)+K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In”・d(dψn”/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn”x・ecn”y・(dxn”/dt−dxn”’/dt) −Cn”y・ecn”x・(dyn”/dt−dyn”’/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn”/dt) +Kn”x・ekn”y・(xn”−xn”’)−Kn”y・ekn”x・(yn”−yn”’) −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”) +Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn”x・ecn”y^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) +Cn”y・ecn”x^2・(dψn”/dt−dψn”’/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn”x・ekn”y^2・(ψn”-ψn”’)+Kn”y・ekn”x^2・(ψn”-ψn”’) −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn”) −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) = 0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn”/dt) −Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn”/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn”)−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn”) +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn”/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn”)+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn”) = 0 によって構造解析することによって設計されてなること
を特徴とする免震構造体である。 10.5.1.2.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
の場合 請求項249−14項は、免震される構造体と、免震さ
れる構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑
り支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、
ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の
構成によって支持また免震される免震構造体において、
請求項249−13項の運動方程式におけるRnx、Rny
(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
(x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
る。(xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
てなることを特徴とする免震構造体である。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応) 11.1.1. 免震装置の組合せ 請求項250項または請求項250−1項は、免震され
る構造体の形態、固定荷重・積載荷重形態が変化に富む
場合(変形形態・変形平面・偏心荷重形態)であって
も、免震される構造体の各所に設置される免震装置を、
同一性能の装置、つまり単一の性能の装置とすることを
可能にする免震構造体の発明である。免震時に捩れを起
こさない免震装置の組合せとしては、 1) 免震と復元の支承に関して 免震と復元の各支承としては、同一摩擦係数をもった滑
り支承(すべり支承、転がり支承)、または、同一摩擦
係数と同一勾配をもったすり鉢もしくは同一摩擦係数と
同一曲率をもった球面等の勾配による復元性能を持った
滑り支承(勾配型復元滑り支承という)を使用すること
(請求項250項記載)、 2) ダンパーの使用に関して 1)記載の支承を使用したとしても、ダンパーを使用する
場合は、ダンパーを免震される構造体の重心におかない
限り、回転・捩れ防止装置(10.参照)を併用するこ
と(請求項250−1項記載)である。同一摩擦係数と
は、前述のように、ほぼ同一を含むが、同じ材質の免震
皿と、同じ材質の滑り部また中間滑り部(ボール・ロー
ラー等の転動体、滑り部材)によって得られる場合が多
い。 11.1.2. 説明 (1) 同摩擦係数と同勾配型の、(勾配型復元)滑り支承
と摩擦型減衰・抑制装置の使用 免震と復元と減衰・抑制に関しては、滑り支承(すべり
支承、転がり支承)と、すり鉢または球面等の勾配によ
る復元性能を持った滑り支承(勾配型復元滑り支承とい
う)と、摩擦型減衰・抑制装置のみを使用する。すなわ
ち、同一性能(同一摩擦係数)をもった滑り支承(すべ
り支承、転がり支承)の各所設置(複数箇所)、同一性
能(同一摩擦係数、同一勾配・同一曲率の勾配)をもっ
た勾配型復元滑り支承の各所設置(複数箇所)、同一性
能(同一摩擦係数)をもった摩擦型減衰・抑制装置の各
所設置(複数箇所)でも、免震される構造体の平面形
(間取)変化による積載・固定荷重の変化に対応でき、
荷重偏心があっても免震時に大きな捩れた動きは生じ
ず、きれいな免震が可能になる(なお、いずれの装置
(滑り支承、勾配型復元滑り支承、摩擦型減衰・抑制装
置)も、複数箇所であっても、少なくとも一つの装置
は、免震される構造体の重心を挟んでいる配置されてい
る必要がある)。というのは、同一性能の、滑り支承
(すべり支承、転がり支承)、復元装置、また減衰装置
を、免震される構造体を支持するのに必要な箇所に設置
する場合、バネ型復元装置または粘性減衰型装置では、
それぞれの設置位置において免震される構造体からの荷
重による応力が異なると、免震時にきれいな免震がなさ
れず捩れが生じるからである。なお、ここでの「きれい
な免震」とは、捩れ等のない、スムーズな免震のことで
ある。従来、このことは大きな問題であった。同一性能
の復元装置または減衰装置の設置に関しては、復元また
は減衰性能が支持する荷重の影響を受けるかどうかが問
題となる。このことは、以下の 11.1.3.の運動方程式の
比較に示される、バネ型復元装置+粘性減衰型装置によ
る免震の運動方程式と、摩擦型減衰・抑制装置+勾配型
復元滑り支承による免震の運動方程式との比較から明瞭
になる。つまり、バネ型復元装置または粘性減衰型装置
を使用する場合は、質量の影響を受ける。その結果、同
じ性能をもった復元装置の各所設置、同じ性能をもった
減衰装置の各所設置では、免震される構造体の平面形
(間取)変化による積載・固定荷重の変化に対応できず
に、荷重偏心によって免震時に捩れた動きが生じる。そ
の点、滑り支承(すべり支承、転がり支承)、摩擦型減
衰・抑制装置、またすり鉢または球面状等の勾配型復元
滑り支承を使用する場合は、質量の影響を受けない。そ
のため、同じ性能をもった滑り支承(すべり支承、転が
り支承)の各所設置、同じ性能をもった復元装置の各所
設置、同じ性能をもった減衰・抑制装置の各所設置で
も、免震される構造体の平面形(間取)変化による積載
・固定荷重の変化に対応でき、荷重偏心があっても免震
時に大きな捩れた動きは生じず、きれいな免震が可能に
なる。以上のことからわかるように、バネ型復元装置ま
たは粘性減衰型装置を使用して偏心荷重時に捩れた動き
を伴わずにきれいに免震させるためには、各位置に設置
された各バネのバネ定数の調整、各粘性ダンパーの調整
をする必要があり、極めて煩雑となる。その点、滑り支
承、摩擦型減衰・抑制装置、勾配型復元滑り支承を使用
する場合は、偏心荷重時であっても、各位置に設置され
る滑り支承、摩擦型減衰・抑制装置、勾配型復元滑り支
承は、単一の性能(同一摩擦係数、同一勾配・同一曲率
の勾配)の装置で良く、各支承の調整の煩しさもなく、
きれいな免震が可能になる。 1) 勾配型復元滑り支承 すり鉢または球面状等の勾配型復元滑り支承とは、滑り
支承(すべり支承、転がり支承)の滑り面に、すり鉢ま
たは球面等の形状の勾配を与えて、その面を滑動するも
のを重力により通常位置に復元させる装置である。図1
〜図8、図13〜図17、図60〜図62、図64、図
67、図68、図83、図85〜図115がその実施例
である。以上のことから、摩擦型減衰・抑制装置、勾配
型復元滑り支承の使用に際して、免震される構造体の積
載・固定荷重形態の多様性に対応するためには、免震さ
れる構造体の各所に設置される装置の摩擦係数と勾配
は、全て同じにする必要がある。 2) 摩擦型減衰・抑制装置 摩擦型減衰・抑制装置とは、摩擦型減衰装置、摩擦型抑
制装置に分かれ、摩擦型減衰装置とは、地震後の振幅を
摩擦によって減衰させる装置であり、摩擦型抑制装置と
は、風揺れ等を摩擦によって抑制、また地震時の変位振
幅を摩擦によって抑制させる装置である。なお、ここで
の「摩擦によって」とは、免震される構造体の自重によ
って生じる摩擦である。それ以外によって生じる摩擦は
別のもので、逆に生じさせないようにする必要がある。
図71、図482、図483が、この型の装置と考えら
れるが、図482に関しては弾性材3-eの厚みが弾性と
の関係で厚過ぎたりすると摩擦が自重によって変化した
り、さらに厚過ぎると粘性抵抗に近付くので、どの位置
に置いてもボール5-e等のボール先端部が免震皿3にほ
ぼ接するように、弾性との関係で厚さを決める必要があ
る。図483も同様であるが、弾性材3-eの厚みが厚過
ぎると粘性抵抗に近付くので弾性との関係での厚み調整
がより必要となる。図95〜図97等の食込み支承(8.
7.)も、風揺れ等を摩擦によって抑制するこの型の装置
の一つと考えられる。 (2) 固定ピン型固定装置(連結部材系のピン型を除く)
の使用 以上のことから、固定装置も、ダンパー型固定装置=免
震時にダンパーが働く固定装置の型(例、不可撓部材型
連結部材弁型固定装置)は使用できない。基本的には、
免震時に抵抗の無い(有っても、免震される構造体の自
重によって生じる摩擦であるので問題が無い)固定ピン
型固定装置(不可撓部材型連結部材系ピン型を除く)・
可撓部材型連結部材弁型固定装置に限られる。 (3) 座屈変形型・塑性変形型等衝突衝撃吸収装置の使用 9.4.の説明のように、予想を越える地震による応答変位
によって、外れ防止等の部材に最終的に衝突させる場合
は、弾性的反発のある形では無く、座屈変形型・塑性変
形型等の反発を最小限に抑える型が好ましいのは、プラ
ンの多様性に対応させることを考えても同様である。 (4) プランの多様性に対応できる免震装置の組合せ 以上のことから、同一性能の免震装置によって、免震さ
れる構造体の荷重形態・プラン(間取り)の多様性に対
応できる免震装置の組合せは、滑り支承(すべり支承、
転がり支承)+摩擦型減衰・抑制装置+勾配型復元滑り
支承+固定ピン型固定装置(不可撓部材型連結部材系ピ
ン型を除く)・可撓部材型連結部材弁型固定装置+低反
発係数型・座屈変形型・塑性変形型等衝突衝撃吸収装
置、の中での組合せとなる。 (5) 回転・捩れ防止装置との併用 以上の装置以外の免震時に捩れが生じるもの(積層ゴ
ム、ダンパー等を使用したもの、偏芯率の大きいもの)
でも、10.の回転・捩れ防止装置との併用をするとそ
の問題は解消される(10.3.参照)。 11.1.3. 運動方程式の比較 1) バネ型復元装置+粘性減衰型装置による免震の運動
方程式 d(dx/dt)/dt +K/m・x +C/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 復元加速度、減衰加速度ともに質点の質量に反比例。重
いほど効きが悪くなる。 2) 滑り支承+バネ型復元装置による免震の運動方程式 d(dx/dt)/dt +K/m・x +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 減衰加速度は、質点の質量に無関係。復元加速度は、質
点の質量に反比例。重いほど効きが悪くなる。 3) (滑り支承+)勾配型復元滑り支承による免震の運
動方程式 1.球面状の場合 曲率θ’が小さい場合、(cosθ’)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g/R・x +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 復元加速度、減衰加速度ともに質点の質量に無関係。 2.すり鉢状の場合(5.1.3.参照) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
より d(dx/dt)/dt +θg・sign(x) +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 復元加速度 減衰加速度 地震動加速度 復元加速度、減衰加速度ともに質点の質量に無関係。 4) 滑り支承のみ免震の運動方程式 d(dx/dt)/dt +μg・sign(dx/dt)=−d(dz/dt)/dt 質点応答加速度 減衰加速度 地震動加速度 減衰加速度は、質点の質量に無関係。 (符号) x :地面=免震皿から見た質点の応答変位(相対変
位) z :不動=絶対点より見た地面の変位(絶対変位) t :時間 m :質点の質量 g :重力加速度 d(dx/dt)/dt:質点の応答加速度(地面に対する相対加
速度) d(dz/dt)/dt:地震加速度(絶対加速度) R :免震皿球面の曲率半径 K :バネ定数 θ :すり鉢状免震皿の勾配 μ :免震皿の動摩擦係数 C :粘性減衰係数 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 請求項250−2項〜請求項250−9項は、免震時に
免震される構造体が共振せず、免震される構造体の捩れ
が防止される免震装置の組合せの発明である。ダンパー
の使用により変位抑制する場合(11.2.2.)、ダンパー
を使用せずに変位抑制しない場合(11.2.1.)の2つの場
合に分かれる。また、それぞれの場合は、免震される構
造体が、風時、地震時に、引抜き力が発生して浮き上が
る高塔状比構造体の場合と、浮き上がらない低塔状比構
造体の場合とに分かれる。また、そのそれぞれの場合
に、風で揺れない重量構造体の場合と、風で揺れる軽量
構造体の場合とに分かれる。以下の、直線勾配型復元滑
り支承は、5.参照(他の直線勾配型復元滑り支承も当
然可である)、固定装置は、8.参照(他の固定装置も
当然可である)、回転・捩れ防止装置は、10.参照
(他の回転・捩れ防止装置も当然可である)、引抜き防
止装置は、2./4.参照(他の引抜き防止装置も当然
可である)、ダンパーは、8.(特に8.4.)参照(他の
ダンパーも当然可である)である。なお、本章におい
て、以上以下の「直線勾配型復元滑り支承」「固定装
置」「回転・捩れ防止装置」「引抜き防止装置」および
「ダンパー」という語は、当該装置のみならず、当該装
置と同様の構成、作用、もしくは効果を持つすべての装
置、方法等を含む。 11.2.1. 変位抑制しない場合 ダンパーを使用しないために変位抑制されない場合であ
るが、ダンパーを使用しないために捩れが生じ無いこと
が可能になる場合である。特に、転がり支承型では、ダ
ンパーを使用しないため免震皿が大きくなるが、すべり
支承型ではそれ自体で変位抑制効果を持っているので、
免震皿はそれ程大きくならずにすむ。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承 請求項250−2項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合に
は、免震装置として、すべり・転がり面がすり鉢(円錐
・角錐等)状またはV字谷面状等の直線勾配によって形
成されて復元性能を持った滑り支承(以下、直線勾配型
復元滑り支承と言う)の同一性能のものを各設置場所に
設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
構造体である。直線勾配型復元滑り支承の同一性能のも
のとは、同一摩擦係数と同一勾配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置 請求項250−3項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、
免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能の
ものを各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ
防止装置とを設けることにより構成されてなることを特
徴とする免震構造体である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置 請求項250−4項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合には、免
震装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能のも
のを各設置場所に設け、そして引抜き防止装置を設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置 請求項250−5項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震
装置として、直線勾配型復元滑り支承の同一性能のもの
を各設置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止
装置と引抜き防止装置とを設けることにより構成されて
なることを特徴とする免震構造体である。 11.2.2. 変位抑制する場合 ダンパーの使用により変位抑制をすることにより、免震
皿の面積を小さくし、免震装置自体をコンパクトにする
ことが可能となる。基本的には、11.2.1.にダンパーを
設けて、捩れを起こさないために回転・捩れ防止装置を
設ける(すでに設けてある場合には除く、重複に設ける
必要は無い)。 (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−
6項の発明は、風等で浮上がらない低塔状比構造体で、
且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑制する
場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑り支承の
同一性能のものを各設置場所に設け、そしてダンパーと
回転・捩れ防止装置とを設けることにより構成されてな
ることを特徴とする免震構造体である。直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものとは、同一摩擦係数と同一勾
配をもったものを言う。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+ダンパー 請求項250−7項の発明は、風等で浮上がらない低塔
状比構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変
位を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復
元滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そし
て固定装置と回転・捩れ防止装置とダンパーとを設ける
ことにより構成されてなることを特徴とする免震構造体
である。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない):直線勾配型復元滑り
支承+引抜き防止装置+ダンパー+回転・捩れ防止装置 請求項250−8項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位
を抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元
滑り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして
引抜き防止装置とダンパーと回転・捩れ防止装置とを設
けることにより構成されてなることを特徴とする免震構
造体である。 軽量構造体(風で揺れる):直線勾配型復元滑り支
承+固定装置+回転・捩れ防止装置+引抜き防止装置+
ダンパー 請求項250−9項の発明は、風等で浮上がる高塔状比
構造体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を
抑制する場合には、免震装置として、直線勾配型復元滑
り支承の同一性能のものを各設置場所に設け、そして固
定装置と回転・捩れ防止装置と引抜き防止装置とダンパ
ーとを設けることにより構成されてなることを特徴とす
る免震構造体である。なお、11.2.であげたのは、最低
限必要な装置等の組合せであり、さらに他の装置と組合
せることはもちろん可能である。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 滑り型免震支承の場合について、免震の過大変位時の安
全を考慮した免震装置の組合せとして、以下の様なもの
が考えられる。 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
1 (1) 第一種地盤 地盤種別として第一種地盤(建築基準法施行令第88条)
の場合には、すべり型また転がり型免震支承の場合に
は、ダンパーが不要の場合が多い。 (2) 第二種、第三種地盤 地盤種別として第二種、第三種地盤の場合には、すべり
型また転がり型免震支承の場合には、ダンパーが必須に
なる。その場合、ダンパーで完全に過大変位をストップ
させる方式(8.4.5.1.2.の過大変位時ストッパー付ダン
パーを参照)の採用、またはこの過大変位時ストッパー
付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支承、外れ防止
装置)との併用という場合がある。請求項250−10
項は、その発明であり、過大変位時ストッパー付ダンパ
ー(請求項192−5項記載)の使用、または過大変位
時ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支
承、外れ防止装置)との併用使用をすることにより構成
されてなることを特徴とする免震構造体である。 11.4. 滑り型免震装置・滑り支承の材料仕様 以上の滑り型免震装置・滑り支承の材料は、簡易型の場
合、錆びてもよい材料も考えられる。しかし、一般的に
は、滑り型免震装置・滑り支承の材料は、ステンレスま
た亜鉛溶融メッキ等の錆びない材料によって構成される
方がよい。しかし、それほど高い免震性能が要求されな
い場合、転がり型免震では錆びが生じても積層ゴム免震
またはすべり型免震に比べ、性能は格段によいので、錆
びは許容されるため、普通鋼材を用いてもよい。表面研
磨は、平面状免震皿の二重による二重免震の場合は、鏡
面仕上げでなく、一段階か二段階か何段階か荒くした方
がよい。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 図339は、請求項251項記載の発明の新積層ゴム免
震装置の実施例を示している。中央部に穴を有する鋼等
の硬質板28を積み重ねて積層させ、その中央部にゴム
またバネ(空気バネ含む)等29を挿入させることによ
り構成され、かつ、この硬質板28の最上部の板を免震
される構造体1に、最下部の板を免震される構造体を支
持する構造体2に設けることにより構成される。剪断変
形に関しては、ゴム自体の性能を期待できるが、耐圧性
能に関しては、ゴムの膨脹の問題があった。ゴムの圧縮
力によるこの膨脹の問題、また、ゴムまたバネ等の座屈
の問題は、この、中央部の穴を有する鋼等の硬質板28
で対応でき、さらに、現状の積層ゴムのようなに一枚一
枚ゴムと鋼等を接着する製法上の困難が解消され、生産
が容易になる。 12.2. 復元バネ 図386は、請求項252項記載の発明の復元バネ免震
装置の実施例を示している。図386では、免震される
構造体1と免震される構造体を支持する構造体2との間
に、バネ・ゴム等25が設けられ、免震される構造体を
支持する構造体2の挿入口34の中にそのバネ・ゴム等
25の端が係合され、このバネ・ゴム等25の反対の端
が免震される構造体1に係合されることにより構成され
ている。当然のごとく、免震される構造体1の挿入口3
4の中に、そのバネ・ゴム等25の端が係合され、この
バネ・ゴム等25の反対の端が、支持する構造体2に係
合される場合もある。挿入口34の形状に関しては、一
方向(往復を含む、以下同じ)復元性能を持たせる場合
は、角を取った曲面形状の挿入口、コロを介しての挿入
口、全方向復元性能を持たせる場合は、角を取った曲面
鉢状の挿入口、ラッパ形状の挿入口(図386)、すり
鉢状等の形状の挿入口のように、バネ・ゴム等25とそ
の挿入口34とが接する角を丸めるか、コロ等の回転子
を介する(その場合は、バネ・ゴム等25に対して直交
方向二軸(二軸とは互いに直交方向をなす)に分けてそ
れに対応してコロ等の回転子を設ける必要がある)等に
より、摩擦を小さくした方がよい。また挿入口34の材
質は、低摩擦材がよく、強度も必要である。さらに、当
然のごとく、バネ・ゴム等25にワイヤー・ロープ・ケ
ーブル等の可撓部材8-fが接続されて、挿入口34の曲
面またはコロと接する形でも良い。図386(a)は、免
震される構造体1と、免震される構造体を支持する構造
体2との間に変位が無い時の、図386(b)は、地震等
により、免震される構造体1と、免震される構造体を支
持する構造体2との間に変位が生じ、バネ・ゴム等25
が伸びた時の図である。このように、地震により免震さ
れる構造体1と免震される構造体を支持する構造体2と
が変位すると、この挿入口34に従い、バネ・ゴム等2
5は水平方向に曲げられ、水平方向復元力を持つことに
なり、僅かな変位でも水平方向の復元力を得られる。さ
らに、このバネ・ゴム等25により、免震される構造体
1に働く下方への引張力も最低限にし、免震される構造
体1への負荷も小さくしている。縦型にバネ・ゴム等を
設置することは、水平のどの方向にも復元性能を得られ
る反面、僅かな水平変位での復元力に乏しい。この発明
は、その問題を解決し、僅かな変位でも水平方向の復元
力を得られるようになっている。またその結果、このバ
ネ・ゴム等により、免震される構造体に働く下方への引
張力も、最低限になり、免震される構造体への負荷を小
さくしている。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体 請求項253項は、超高層建物・構造体において、免震
装置として、滑り型免震装置・滑り支承を、特に転がり
型滑り支承を採用し、免震される構造体としては、風力
では揺れない剛性をもつ構造とする発明である。積層ゴ
ム免震装置では対応しきれなかった長周期の超高層建物
・構造体でも、滑り型免震装置・滑り支承の使用によっ
て免震が可能となる。そのことにより、超高層建物・構
造体を、地震対策としての柔構造から風力では揺れない
程度の剛性をもつ構造(剛構造)にすることができ、風
揺れをも防ぐことが可能となる。そのことにより、免震
され、風揺れしない超高層建物が可能になる。 (1) 構造法 滑り型免震等の免震装置上の超高層建物・構造体は、従
来の柔構造によらず、風力ではゆれない程度の剛性をも
つ構造とする。建物の剛性を上げることは、免震性能を
上げることにもつながる。 (2) 免震装置 建物本体の固有周期の長い超高層建物・構造体に関して
は、それを上回るかなりの長周期を持つ免震装置でない
と免震が働かないため、積層ゴム免震装置では免震性能
が得られなかった。しかも、引抜き力が発生するため
に、積層ゴム免震装置では対応しきれなかった。特許 1
844024号と特許 2575283号との免震復元装置、免震装
置、及び本発明の滑り型免震装置・滑り支承を使用すれ
ば、長周期の超高層建物・構造体でも十分に免震する。
また、引抜き力に対しては、引抜き防止装置が、さら
に、風揺れに関しては、固定装置がそれぞれ対処する。
以上の(1)(2)により、地震時に免震され、風揺れしない
超高層建物が可能となり、風揺れ防止のための制振構造
を採用する必要もなくなる。 13.2. 高塔状比建物・構造体 (1) 構造法 (2) 免震装置 ある塔状比以上の構造体は、免震装置・滑り支承等の免
震装置に加えて引抜き防止装置を必要とする。また、ロ
ッキング等の問題を少なくするために、免震装置・滑り
支承の摩擦係数をできるだけ下げ、また、1階等の地上
に近い階の床等を重くする必要もある。また、自重に対
して、ある一定以上に風圧見つけ面積の大きい構造体
は、固定装置を必要とする場合もある。 13.3. 一般中高層建物(8.7.2.同じ) また、免震皿の中央部を、その免震皿面を滑動するボー
ルまたはローラーの曲率形状で窪ませる(凹ませる)こ
とは、一般中高層建物のように自重が大きい場合、免震
皿側の耐圧性能を上げる効果と風揺れ防止の効果とを合
わせ持つ。請求項207項は、その発明である。請求項
209項記載の発明は、それを使用した場合の免震構造
体である。 13.4. 軽量建物・構造体 (1) 構造法 (2) 免震装置 従来の積層ゴム免震装置では固有周期が長く設定でき
ず、免震性能が得られなかった軽量建物・構造体には、
固有周期とは無関係の免震装置・滑り支承等の免震装置
で、免震が可能になる。また、引抜き力が働く場合は、
引抜き防止装置によって対処し、風で揺れる場合には、
固定装置を必要とする。免震性能を上げるには、重心を
下げることが有効なため、1階等の地上に近い階の床等
を重くする必要もある。 13.5. 在来木造戸建て住宅/軽量(木造・鉄骨系)戸建
て住宅 (1) 構造法 1) 土台床構面の形成 床構面の形成に関しては、固定装置が負担する風圧荷重
をスムーズに土台から基礎に伝達するため、固定装置周
辺は筋交による土台補強を行う必要がある。それ以外の
部分は、在来工法の全面筋交補強で行う方式、在来工法
の改良で、土台(基礎の上の横架材)の上全面に構造用
合板等を敷き込み、その上にまた土台(横架材)を置く
か、直に柱を立てる方式、あるいは枠組み壁工法等で用
いられているダイヤフラム構面を用いる方式の内いずれ
かで形成することが考えられる。このようにして構面が
形成される手法で、免震装置・滑り支承の支持構造面を
つくる。請求項254項は、その発明である。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計 請求項256項記載の発明は、復元装置の復元能力の設
計に関するものである。滑り型免震装置のどのような場
合にも言える事であるが、復元装置の復元力の設計に関
しては、免震される構造体の復元が可能な範囲で最小限
の復元力が、免震性能上は一番よい。つまり、重力復元
型免震装置・滑り支承・十字重力復元型免震装置・滑り
支承等の凹型滑り面部による復元型の場合においては、
復元が得られる限り、曲率半径をできるだけ大きくし、
またすり鉢勾配をできるだけ小さくして平坦面に近付け
る。バネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)の復
元型の場合においても、復元が得られる限り、バネ定数
をできるだけ小さくする。そして、双方ともに、復元力
を最小限にするためには、免震装置・滑り支承の摩擦係
数を下げる事も必要である。そのことは、また、免震性
能を上げる事につながる。復元装置の全体での復元力
は、免震される構造体の免震層の全体での摩擦力よりも
大きくする必要があり、かつ、施工精度の許容値、特に
基礎の施工精度の許容値、また不同沈下の許容値から考
えられる免震される構造体の傾斜から発生する力よりも
大きくする必要がある。免震される構造体の免震層が、
転がり型滑り支承の場合には、免震される構造体の全体
の免震層の摩擦係数は1/100以下になるので、これ
ら曲率半径、バネ定数、すり鉢勾配の最小の値は、大抵
の場合、施工精度、特に基礎の施工精度から(また不同
沈下の許容範囲から)決まる。戸建ての場合には、不同
沈下の許容傾斜範囲1/150(メーカー保証範囲)以
上から、すり鉢状の勾配は、安全率を見て1/50以上
という数字が選択される。 (2) 固定装置の設計 固定装置に関しては、箇所数が多いと、固定装置の解除
また差し込みのタイムラグの心配があり、箇所数が少な
い事に越したことはないが、一箇所だけでは、風力によ
る回転の心配がある。それゆえ、2箇所以上(連動作動
型固定装置(8.1.3.)、リレー連動作動型固定装置(8.
3.)、8.3.2.等の採用)か、固定装置(一箇所配置)と
食込み支承の併用(8.7.3.)か、または固定装置(一箇所
配置)と回転・捩れ防止装置の併用(10)がよい。特に、
固定装置と回転・捩れ防止装置の併用(10)の場合には、
風力による回転が起こらないため、固定装置は一箇所に
配置するだけでよい。したがって、この場合、固定装置
を多箇所に配置する際に生じる、固定装置の解除また差
し込みのタイムラグは問題とならない。一箇所配置の場
合には、免震される構造体の重心位置またその近傍がよ
い。また、連動型でない固定装置の複数個配置でも、1
0.1.の回転・捩れ防止装置との併用により、地震時に固
定装置が同時解除しない地震作動型固定装置の免震によ
る不安定さを回転・捩れ防止装置により解決し、同時に
風時の風揺れ抑制の安全さを増す。 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置 14.2.1. 概要 請求項255項記載の発明は、免震装置の配置に関する
ものである。 (1) 復元装置 免震される構造体の重心位置またその近傍にのみ、一箇
所以上、できれば2箇所以上の復元装置Cを装備し、そ
れ以外は、復元力を持たない免震装置・滑り支承Dとす
る。特に、2箇所の場合には 免震される構造体の長軸
方向における重心位置をはさみ、ほぼ等距離の位置の二
箇所に設定するのが望ましい。当然、重心位置を挟み対
称位置に設置することもある。また等距離からずれても
よい。 (2) 固定装置 また必要に応じて、固定装置Gを配する。特に固定装置
Gに関しては、箇所数が多いと、固定装置の解除また差
し込み時のタイムラグの心配があり、箇所数が少ない事
に越したことはないが、一箇所では、風力による回転の
心配がある。それゆえ、2箇所に設置するのが望まし
い。ただし、固定装置と回転・捩れ防止装置(10)の併用
により、一箇所配置の場合においても、回転を防ぐこと
が可能である。一箇所の場合には、免震される構造体の
重心位置またその近傍がよい。詳細は、8.3./10.に書か
れている。また、連動型でない固定装置の複数個配置で
も、10.1.の回転・捩れ防止装置との併用により、地震
時に固定装置が同時解除しない地震作動型固定装置の免
震による不安定さを回転・捩れ防止装置により解決し、
同時に風時の風揺れ抑制の安全さを増す。 14.2.2. 戸建て・軽量建物の場合 図334〜図337は、戸建ての実施例の場合を示して
おり、戸建ての標準的柱間隔のプランにおいて、各柱ご
との下に、4.1.の二重(または二重以上の)平面型滑り
面部をもった免震皿を有する免震装置・滑り支承D等を
装備し、免震される構造体1の重心位置またその近傍
に、復元装置C、また固定装置Gを装備した実施例であ
る。図334(a)、図335(a) は、全体配置図であ
り、図334(b)、図335(b) は、その部分断面図で
ある。図336は、重心位置またその近傍に位置する2.
1.の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承C
の実施図であり、図337は、スラブを取った状態での
2.1.の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承
Cの実施図である。装置ごとの具体的な配置について説
明すると、 1) 免震装置・滑り支承の配置 免震装置・滑り支承Dの配置に関して、2.7m、3.
6m等の標準的柱間隔で、各柱ごとの下に(間柱等は飛
ばす場合あり)、4.1.の二重(または二重以上の)平面
型滑り面部をもった免震皿を有する免震装置・滑り支承
D等を装備する。免震装置Dを安価なものにできること
で、経済的な理由から免震装置設置間隔を大きくとると
いった必要がなくなり、各柱下ごとの免震装置の設置が
実現できるようになった。このために、戸建ての構造的
形態・仕様を変えずに免震が可能となった。 2) 復元装置の配置 復元装置Cの配置に関して、免震される構造体の重心位
置またその近傍に、1箇所、2箇所、また数箇所(特に
2箇所以上に)、復元装置Cを装備するが、当然、2.1.
の復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承だけ
でなく、積層ゴム、4.7. の縁切り型垂直変位吸収重力
復元型免震装置・滑り支承、4.8.の新重力復元型免震装
置、また2.2.の積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止
装置・滑り支承でもよい。特に、4.7. の縁切り型垂直
変位吸収重力復元型免震装置・滑り支承と、4.8.の新重
力復元型免震装置とは、免震される構造体の重心を下げ
る効果により、安定した免震性能が得られる。 3) 固定装置の配置 また、固定装置Gに関しても同様であり、免震される構
造体の重心位置またその近傍に1箇所、2箇所、また数
箇所設置されるが、特に2箇所とするのがよい。ただ
し、他の装置と併用する場合は一箇所配置でよい。固定
装置Gの装置の種類に関して、8.1.1.の剪断ピン型固定
装置、8.1.2.の地震センサー(振幅)装置装備型固定装
置、8.2.風作動型固定装置のいずれかが設置される。8.
1.1.の剪断ピン型固定装置の場合には、8.1.3.連動作動
型固定装置が必要になる。 14.2.3. 一般ビルの場合 一般ビルの場合も、そのビルの柱間隔に、その柱ごとの
下に(小スパン間隔の場合は飛ばす場合あり)、免震装
置・滑り支承D等を装備し、中心部に復元装置C、また
固定装置Gを装備する。以下、ほぼ同様である。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 15.1. 免震装置設置と基礎部分の施工の合理化 図334〜図337は、請求項257項記載の発明の実
施例を示している。特に、戸建て用免震装置としての意
味がある。ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上に
空隙を設けて、スラブ1-sを打ち、その間に免震装置・
滑り支承を入れる。具体的に施工法を説明すると、ベタ
基礎2、また布基礎2の上に免震装置・滑り支承を配備
し、その間を有機溶剤で溶けるスタイロフォーム等のプ
ラスチック30か、水で溶けるプラスチック30で埋め
て間隙を作り、それらの上にコンクリートスラブ1-sを
打ち、コンクリートが固まるとこのプラスチックを有機
溶剤か水で溶かして空間を作る。ベタ基礎2、また布基
礎2と地面33の上に、免震装置・滑り支承のみに支え
られてコンクリートスラブ1-sが浮く形となり、免震装
置・滑り支承の作動が可能となる。また、このコンクリ
ートスラブ1-sには、在来構法・プレハブ構法・2×4
構法等の住宅を自由に建てられるように、一定荷重以上
を想定した構造設計により、配筋設計をする。また上部
構造(免震される構造体)としてのフレームとしての剛
性のなさを補うようなスラブの剛性設計もする。その事
により、上部構造の自由がもたらされ、上部構造として
のフレームとしての剛性のなさの問題もスラブの剛性に
より解決される。図334は、ベタ基礎に空隙を設けて
スラブ1-sを打つ場合であり、図335は、布基礎2と
地面33の上に空隙を設けて、スラブ1-sを打つ場合で
ある。また、ベタ基礎2、また布基礎2と地面33の上
に、コンクリートスラブ1-sをつくるその他の方法とし
ては、 1) ベタ基礎、また布基礎と地面の上に、施工後にボル
トのネジ操作でジャッキアップできる機能を持ったボル
トを一定間隔に設ける。そののちベタ基礎、また布基礎
と地面の上に、コンクリートの剥離材また剥離を容易に
するシートを設けて、その上にコンクリートスラブを打
つ。コンクリートが固まってから、埋めてあったボルト
のネジ操作でジャッキアップし、空間を作って、免震装
置・滑り支承を配備すると、ベタ基礎、また布基礎と地
面の上に、免震装置・滑り支承のみに支えられてコンク
リートスラブが浮く形となり、免震装置・滑り支承の作
動が可能となる。 2) ベタ基礎、また布基礎の上に、免震装置・滑り支承
を配備して、その上にPC版を並べる方法もある。 3) ベタ基礎、また布基礎の上に、免震装置・滑り支承
を配備して、その上に鉄骨を梁としてかけ渡し、その鉄
骨梁にPC版またALC版をかけ渡す方法もある。この
構法は、汎用戸建て免震に適しているが、それに限定さ
れる事はない。 15.2. 免震装置設置の施工の合理化 請求項258項記載の発明は、戸建て住宅等に設置され
る免震装置の設置の施工の手間を省くためのものであ
る。基礎上に設置される免震装置の水平性は出しにくい
ものであるが、本来欲しいのは、土台に対する水平性
(平行性)である。そのため、以下の方法が考えられ
る。留め具等により、上下の皿を一体にされた二重免震
皿装置を、基礎のアンカーボルト位置に据え付け、土台
とまず固定する。その後、基礎との間にできた隙間等を
無収縮モルタルで埋める。そして、無収縮モルタルが固
まった後に、基礎と免震装置とのアンカーボルトを締め
る。以上の方法により、土台に対する水平性(平行性)
が得られる。 15.3. 滑り型免震装置の水平性維持 請求項259項記載の発明は、滑り型免震装置・滑り支
承の水平性維持の施工に関するものである。免震装置・
滑り支承を、免震される構造体の内側(また重心)方向
に向かって低く、免震される構造体の外側に向かって高
い傾斜を持たせて設置する。そのことにより、滑り型免
震装置・滑り支承の施工時及び施工後の水平性維持の問
題が解決される。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合 請求項260項の発明は、ユニット構法住宅等の免震さ
れる構造体に使用される立体フレームユニット(以下、
ユニットと言う)51に免震装置(特に免震支承)を取
付ける場合の発明である。新たに免震される構造体全体
に(補強)土台を設置することは、ユニットの下部材
(土台)52の剛性不足を補えて簡単な方法であるが、
コストが高くなる。そこで直接、免震装置54をユニッ
トの下部材(土台)52に取付ける方法が望まれるが、
ユニット51同士の接合がピンである場合が多く、ユニ
ット51同士の接合がピンの場合は、両方のユニット5
1に跨がらせて免震装置54を取付けると不安定にな
る。その問題を解決したのが請求項260項の発明であ
る。すなわち、一つユニット51(52)に安定的に取
付け、(隣接ユニットを持つ場合は)隣接ユニット5
1’(52’)を支持できるように当該ユニット51
(52)からもはみ出して取付ける(以下、はみ出しを
はみ出し部55と言う)。この事により、ユニット51
の下部材(土台)52同士の接合を剛接にできる。つま
り免震装置54を下部材(土台)52同士の剛接のため
の補強材料として使うと言う事である。なお、「一つユ
ニットに安定的に取付け」とは、ユニット51(52)
と免震装置54とが剛接になるように、例えば、ユニッ
ト51(52)と免震装置54とを3点以上の接合数に
より接合するようなことを言う。図491〜図492
は、その実施例である。図491〜図492では、免震
装置54として中間滑り部(ボール)持ち二重免震皿滑
り支承となっているが、当然他の免震装置でもかまわな
い。また、免震装置の上部材(上部免震皿、上部フラン
ジ)は、はみ出し部55で、隣接ユニット51’(5
2’)を支持できる剛性をもっている。図493〜図5
07は、ユニット本体への免震装置取付けに関する発明
の実施例である。免震装置を取付けるためにユニット本
体に加工を加えることは、取付けが簡単になるが、ユニ
ット本体のコストが高くなるため、加工を加えることは
避けたい。そこで、ユニット本体との接合においては、
ユニット本体(ユニット下部梁とユニット柱下面)に既
存ボルト孔がある場合はそれを利用し、さらに必要な支
持部材等は、嵌込む、掴む、押え込む等の方法によりユ
ニット本体に加工を施す事なくユニット本体に取付ける
ことにより解決される。免震装置とユニット本体との接
合は、免震装置を取付ける板(免震装置取付け板58)
を用いて行う。免震装置取付け板58は、隣接するユニ
ット同士を足元で繋ぎとめる働きもある。免震装置の形
状とボルト孔位置をユニット本体に合わせれば、この取
付板58を省略する事も可能である。免震装置取付け板
と免震装置との接合は、ボルトにより固定される。ユニ
ット本体と免震装置取付け板との接合は、免震装置取付
け板58にボルトで固定される火打ち梁57を、ユニッ
ト下部材52(52’)に嵌込み、さらにユニット本体
のアンカーボルト孔等を利用してボルトで固定される。
ユニット本体に利用できる孔がない場合、または孔を充
分に利用できない場合には、免震装置取付け板58がX
Y方向にずれたり平面上の回転を起こしたり、また浮上
がりを生じたりする恐れがあるため、2方向のユニット
下部材52(52’)に固定する金物(拘束金物59、
59ー2、59ー3)で接合する(必要により複数個用い
る)。拘束金物は免震装置取付け板にボルト、または溶
接で固定される。図493は、全体の姿図であり、図4
94〜図499は隣接するユニットの無い建物角部の免
震装置取付け図、図500〜図505は隣接するユニッ
トがある部分の免震装置取付け図、図506、図507
は、免震装置取付け板と拘束金物の図である。図493
は、ユニット土台また基礎部分に免震装置を取付けた場
合の組立て斜視図である。免震装置の取付けボルト位置
が、ユニット本体にある孔の位置と合わないため、免震
装置取付け板58をもちいて接合する。免震装置取付け
板58と免震装置との接合はボルト60により固定され
る。免震装置取付け板とユニット本体との接合は、免震
装置取付け板58とボルト固定される免震装置取付け用
火打ち梁を、2方向のユニット下部材に嵌込むように取
付ける。さらに免震装置取付け板58はユニット下部梁
と既存ボルト孔を利用してボルト固定される。既存ボル
ト孔が利用できない場合は、拘束金物59、(59-2、
59-3)を用いて固定される。図494の(a)は隣接す
るユニットの無い建物角部において、ユニット下部梁に
アンカーボルト孔を有する場合の斜視図であり、(b)は
その断面図である。図495はその組立て及び取付け方
法を示す分解図(斜視図)である。免震装置取付け板5
8と免震装置とは、免震装置にあるボルト孔位置にあわ
せて、免震装置取付け板よりボルト60を差込む。ボル
ト頭がユニットと緩衝しない様に、座掘りをしてボルト
頭を埋込む。免震装置取付け用火打ち梁57は、2方向
のユニット下部材の上下フランジ間に嵌込む。免震装置
取付け板58とは、ボルト61で固定する。ユニット下
部材のアンカーボルト孔を利用してユニット本体に免震
装置取付け板58をボルト62で固定する。ユニット柱
53(53’)の下面の孔は、ユニットの位置決めに使
用する孔か、アンカーボルト用のものである。この部分
のボルトは締付けが困難であるため、水平方向の拘束に
は有効であるが、鉛直引抜き方向の拘束は期待できな
い。図496の(a)は隣接するユニットの無い建物角部
において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有する
場合であるが拘束金物を併用した場合の斜視図であり、
(b)はその断面図である。隣接するユニットの無い建物
角部において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有
する場合であるが拘束金物を併用した場合の姿図と断面
図である。図497はその組立て及び取付け方法を示す
分解図(斜視図)である。図498の(a)は隣接するユ
ニットの無い建物角部において、ユニット下部梁にアン
カーボルト孔が無い場合で、2方向のユニット下部梁に
拘束金物を用いた場合の斜視図であり、(b)はその断面
図である。隣接するユニットの無い建物角部において、
ユニット下部梁にアンカーボルト孔が無い場合で、2方
向のユニット下部梁に拘束金物を用いた場合の姿図と断
面図である。図499はその組立て及び取付け方法を示
す分解図(斜視図)である。図500の(a)は隣接する
ユニットがある部分の免震装置取付け部において、ユニ
ット下部梁にアンカーボルト孔を有する場合の斜視図で
あり、(b)はその断面図である。図501はその組立て
及び取付け方法を示す分解図(斜視図)である。図50
2の(a)は隣接するユニットがある部分の免震装置取付
け部において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有
する場合であるが、拘束金物を併用した場合の斜視図で
あり、(b)はその断面図である。図503はその組立て
及び取付け方法を示す分解図(斜視図)である。図50
4の(a)は隣接するユニットがある部分の免震装置取付
け部において、ユニット下部梁にアンカーボルト孔が無
い場合で、2方向のユニット下部梁に拘束金物を用いた
場合の斜視図であり、(b)はその断面図である。図50
5はその組立て及び取付け方法を示す分解図(斜視図)
である。図506の(a)は拘束金物59による免震装置
取付け板と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断面図
である。拘束金物は、必要により複数設けるものとす
る。拘束金物はユニット下部梁52(52’)を掴み、
免震装置取付け板にボルト63で固定される。免震拘束
金物は、必要により複数設けるものとする。図507
(a)は拘束金物59-2、59-3による免震装置取付け板
と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断面図である。
拘束金物59-2、59-3とでユニット下部梁を挾み、拘
束金物59-2は免震装置取付け板にボルト63で固定
し、拘束金物59-3は免震装置取付け板に溶接または、
ボルトによりにより固定される。拘束金物は、必要によ
り複数設けるものとする。 17.組合せ 請求項261項の発明は、1.〜15.3.記載の発明の組
合せに関するものである。1.〜15.3.記載の全ての発
明の組合せにより、様々な要求に応えた免震装置及び支
承、および免震構造が可能になる。なお以上のすべての
請求項(請求項1項〜請求項261項)の発明には、そ
れぞれの装置とそれによる免震構造体も含まれる。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 (1) 一般 請求項262項は、免震される構造体1と、免震される
構造体を支持する構造体2との間のフレキシビリティを
保証する排水設備において、免震される構造体を支持す
る構造体2に設けられた排水枡49と、その中に突き出
した免震される構造体1側の排水管48とから構成され
てなることを特徴とする免震構造体用設備、またはそれ
による免震構造体の発明である。排水枡49の内法寸法
は、予想される地震変位振幅分と配管寸法と余裕分とを
合せた寸法になる。排水枡49を覆う蓋48-pが付けら
れる場合もある。地震変位を見込んで覆えるほど大きく
する場合もある。また、排水枡49と排水枡49を覆う
蓋48-pとの間を弾性シール48-psで充填することに
より隙間を塞ぐ方法もある。図489は、その実施例で
ある。 (2) 二重(以上)排水枡方式 請求項263項は、免震される構造体1と、免震される
構造体を支持する構造体2との間のフレキシビリティを
保証する排水設備において、免震される構造体を支持す
る構造体2に設けられた排水枡49と、その中に突き出
した排水管48-2を持つ中間排水枡50と、中間排水枡
50の中に突き出した免震される構造体1側の排水管4
8とから構成されてなることを特徴とする免震構造体用
設備、またはそれによる免震構造体の発明である。中間
排水枡50は複数個ある場合もある。排水枡49と中間
排水枡50(複数個ある場合は複数個分)との内法寸法
を合せた寸法が、予想される地震変位振幅分と中間排水
枡50の排水管48-2寸の法と免震される構造体1側の
排水管48の寸法と余裕分とを合せた寸法以上になれば
よい。また、免震される構造体側1または免震される構
造体を支持する構造体側2と中間排水枡50との間に、
復元バネ等の弾性体50-bを付けることにより中間排水
枡50を自動的に復元させることも可能である。排水枡
49を覆う蓋48-pが付けられる場合もある。また、中
間排水枡50と中間排水枡50を覆う蓋48-pとの間、
排水枡49と中間排水枡50との間を、弾性シール48
-psで充填することにより隙間を塞ぐ方法もある。図4
90は、その実施例である。この発明により、図489
の方法に比べて、排水枡49の寸法を小さくできる。
【発明の効果】A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
型免震装置・滑り支承 凹型滑り面部または平面型滑り面部を有するスライド部
材を上下に交差させて係合させることにより、免震性を
与え、また復元性を持たせるようにしたものである。こ
の発明は、同形の部材の上下の噛み合わせで、一方向
(行き帰りを含む、以下同じ)しかできなかった免震時
の復元が、全方向で得られる。またこのような単純な機
構により、耐久性も得られ、メンテナンス上の問題も軽
減する。また、十字型にすることにより材料を節約し
た。 1.2. 十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
装置・滑り支承の中間滑り部 1.1.の発明の、下向きの凹型滑り面部または平面型滑り
面部を有する上部スライド部材と、上向きの凹型滑り面
部または平面型滑り面部を有する下部スライド部材との
間に、中間滑り部を設けた発明である。この中間滑り部
によって摩擦性能を上げられ、上部スライド部材と下部
スライド部材との接触面積も増加させることができる。
また地震振動時において、中間滑り部と、上部スライド
部材と下部スライド部材との接触面積の変化もない。ま
た、この中間滑り部の、上部スライド部材・下部スライ
ド部材と接する位置に、ローラー・ボール(ベアリン
グ)を設けても、同様に、地震振動時において、このロ
ーラー・ボール(ベアリング)と、上部スライド部材と
下部スライド部材との接触面積も変化しないので垂直荷
重伝達能力において有利である。 1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承 1.1.また1.2.の発明の、下向きの凹型滑り面部または平
面型滑り面部を有する上部材は、長辺側面に横に細長く
開口したスライド孔を有するスライド部材を形成し、上
向きの凹型滑り面部または平面型滑り面部を有する下部
材は、長辺側面に横に細長く開口したスライド孔を有す
るスライド部材を形成し、これらのスライド部材を互い
に交差する方向に、双方のスライド孔に係合してスライ
ドできるように構成し、かつ、これらのスライド部材の
うち、上になるスライド部材(上部スライド部材)を免
震される構造体に、下になるスライド部材(下部スライ
ド部材)を免震される構造体を支持する構造体に設け
て、引抜き防止の機能も合わせ持たせた復元付き免震装
置・滑り支承であり、1つの装置で、免震復元と引抜き
防止を合せ持った装置が可能になる。また重力復元型特
有の地震振動時の垂直変位のための遊びによるがたつき
の問題及び引抜き時の衝撃の問題をも解決できる。ま
た、1.2.と同様に、中間滑り部によって摩擦性能を上げ
られ、上部スライド部材と下部スライド部材との接触面
積も上げられる。また地震振動時において、中間滑り部
と、上部スライド部材と下部スライド部材との接触面積
の変化もない。また、この中間滑り部の、上部スライド
部材・下部スライド部材と接する位置に、ローラー・ボ
ール(ベアリング)を設けても、同様に、地震振動時に
おいて、このローラー・ボール(ベアリング)と、上部
スライド部材と下部スライド部材との接触面積も変化し
ないので垂直荷重伝達能力において有利である。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 免震される構造体の免震される構造体を支持する構造体
からの引抜きを防止する装置の改良に関する発明であ
る。 2.1. 復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承 地震後に元の位置に復元し、また、免震皿の滑り面から
の滑り部等の外れを抑制、防止する復元・減衰バネ付き
の引抜き防止装置・滑り支承である。具体的には、特許
1844024号での引抜き防止装置・滑り支承、また1.3.の
十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承の、上部スラ
イド部材、下部スライド部材の片方または両者の、スラ
イド孔内の片側または両側に、バネ等を設置し、地震後
に、そのバネ等により係合された他方のスライド部材を
当該スライド孔の中央部(通常位置)に復元させ、また
他方のスライド部材を当該スライド孔の端に衝突させな
い機能を有するものである。また、バネ等が、通常の状
態では交差する他方のスライド部材に接しないように、
スライド孔の端から途中までに設けられている場合は、
スライド孔の両端部に他のスライド部材が衝突しないた
めの緩衝装置となり、併用する免震皿の滑り面から滑り
部等が外れる可能性のある地震振幅時のみに抑制が働
き、免震皿内の地震振幅時には、抑制は働かず免震装置
による免震性能を減じない効果が得られる。 2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑
り支承 積層ゴム免震における引抜き力対応の解決策となり、ま
た同時に、積層ゴムの座屈(底辺に対して高さの高い積
層ゴムの場合)の問題を解決するものである。これによ
り、積層ゴム自体のコンパクト化と低コスト化を可能に
した。 2.3. 引抜き防止機能の増強 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承、
1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承、2.1.
復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承、2.2.
積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑り支
承との複合装置の各装置において、上及び横に細長く開
口したスライド孔を有する上部スライド部材と下部スラ
イド部材とを、互いに交差する方向に、双方の横のスラ
イド孔に係合してスライドできるようにし、双方の上の
スライド孔を貫く繋ぎ部材・係合材を取付けて、引抜き
防止機能をさらに増強する装置である。 2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承 新しい引抜き防止装置・滑り支承である。また、コンパ
クトな引抜き防止装置・滑り支承を可能にしている。 (1) 新引抜き防止装置・滑り支承 上に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
材と下部スライド部材とを互いに交差する方向に係合
し、双方の上のスライド孔を貫く係合材を取り付けてス
ライドできるように構成され、かつ、前記上部スライド
部材を免震される構造体に、下部スライド部材を免震さ
れる構造体を支持する構造体に設けることにより構成さ
れる新引抜き防止装置・滑り支承である。 (2) 新引抜き防止装置・滑り支承 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
との間に設けられ、一重または複数以上の包み込み合う
関係のスライド部材をもち、一番内側のスライド部材
が、水平方向にスライドできる余地をもって、すぐ外側
のスライド部材4-oi に包み込まれ、この二番目のスラ
イド部材が、水平方向にスライドできる余地をもって、
さらにその外側のスライド部材に包み込まれ、という方
法で順次構成されており、かつ、前記一番内側のスライ
ド部材と一番外側のスライド部材の一方を、免震される
構造体に、他方を免震される構造体を支持する構造体に
設けることにより構成される場合である。引抜き防止機
構が入れ子状の、二重以上の場合には、その多重性に応
じ、同じ地震振幅に対応できる装置の大きさを小さくす
ることができ、一重の場合に比べて、大きな引抜き力に
対応できる。 (3) 新引抜き防止装置・滑り支承 上記(2)の装置が、上下の二組設けられた場合である。 (4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付き 上記新引抜き防止装置・滑り支承に復元バネが付く
場合であり、上記(2)、(3)の免震装置・滑り支承におい
て、個々の内側のスライド部材と外側のスライド部材と
の間、もしくは、一番内側のスライド部材と一番外側の
スライド部材との間に、バネ等を設けることにより復元
力をもたせている。 2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 重力復元置型の免震復元が可能な引抜き防止装置・滑り
支承である。また、コンパクトな引抜き防止装置・滑り
支承を可能にしている。 2.6. 引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置
・滑り支承振動時垂直変位吸収装置 重力復元型免震装置・滑り支承の併用時の地震振動時の
垂直変位による特許 1844024号での発明の引抜き防止装
置・滑り支承の遊びによる、風等の引抜き力が働いたと
きの衝撃を吸収する装置である。 2.7. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
型) 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に中間滑り部
(すべり型)を設けることにより、上部スライド部材・
下部スライド部材間の摩擦係数を下げることができる。 2.8. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
型) 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に中間滑り部
(ローラー・ボール等の転がり型)を設けることによ
り、上部スライド部材・下部スライド部材間の摩擦係数
を下げることができる。 2.9. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に、中間部スラ
イド部材を設けることにより水平寸法を小さくすること
ができる。 2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材を構成する下部材、下部スライド部材
を構成する上部材、のどちらかが、また両方が、上部下
部スライド部材に対して上下方向は拘束されながら水平
方向にスライドすることにより水平寸法を小さくするこ
とができる。 2.11. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材・下部スライド部材間に、中間部スラ
イド部材を設けることにより水平寸法を小さくすること
ができる。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良 特許 1844024号での発明の引抜き防止装置・滑り支承の
上部スライド部材(上側免震皿)・下部スライド部材
(下側免震皿)間に、上下繋ぎスライド部材を設けるこ
とにより水平寸法を小さくすることができる。なお、上
下繋ぎスライド部材を上側免震皿に対してのスライド方
向と、下側免震皿に対してのスライド方向とは、直角を
なすように構成することによって、あらゆる方向へ地震
力に対する免震が可能となる。また、免震皿間に、ボー
ル・ローラー等の転動体もしくは、中間すべり部を設置
することによって摩擦を減少させることができる。さら
に、上側免震皿、下側免震皿を、すり鉢状・球面状また
は円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を有する免
震皿とすることにより、復元も可能となる。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化 凹型もしくは平面型の滑り面部を有する免震皿と滑り部
からなる免震装置・滑り支承において、または、下向き
の平面型もしくは凹型の滑り面部を有する上部免震皿と
上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有する下部免
震皿とで構成された上部免震皿と下部免震皿との間に中
間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をもっ
た中間滑り部またはローラー・ボールがはさみこまれた
免震装置・滑り支承において、または、前記上部免震皿
と前記下部免震皿の中間に上面下面ともに滑り面部をも
った1個若しくは複数個の中間免震皿も挟み込まれ、重
なる免震皿同士の間に中間滑り部またはローラー・ボー
ル(ベアリング)をもった中間滑り部またはローラー・
ボール(以上、「中間滑り部等」と言う)がはさみこま
れた免震装置・滑り支承において、免震皿中心部の摩擦
係数は小さく、免震皿周辺部の摩擦係数は大きい免震皿
をもつように構成される。免震皿の中心部の摩擦係数を
小さくすることは、滑り部が最初に滑動を開始する地震
力の大きさを小さくして免震装置感度を上げ、周辺部の
摩擦係数を大きくすることは、滑り部の振幅を抑制す
る。両方の使用により、初滑動を良くし、かつ地震時の
免震装置の振幅を小さくする。つまり、免震皿滑り面部
の全域にわたって摩擦係数を大きくすると、振幅は抑制
されるが、初動加速度が大きくなって免震感度が悪くな
る。逆に、免震皿滑り面部の全域にわたって摩擦係数を
小さくすると、初動加速度は小さくなるが、振幅が大き
くなるという滑り型の問題を解決する。 3.2. 曲率の変化 凹型滑り面部を有する免震皿をもつ免震装置・滑り支承
の、凹面の曲率半径を、中心部から周辺に向かって、小
さくして急勾配にすることにより、地震の振幅抑制をす
るものである。また曲率を変化させることにより、地震
の固有周期と共振を起こさないという効果をも合わせ持
つ。 3.3. 摩擦係数の変化と曲面率の変化 また、免震皿の、3.1.の摩擦係数の変化と、3.2.の曲率
の変化とを、両方用いて、滑り免震装置・滑り支承のダ
ンパー機能向上及び初滑動向上を行う方法もある。 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
元型免震装置 滑り部と免震皿の方式(特許 1844024号での免震復元装
置)に比べて、免震皿の面積で、ほぼ1/4になり、免
震皿を上下合わせても、ほぼ1/2になる。また、免震
皿同士が同面積のために密閉性が得られ、潤滑剤の蒸発
を防ぎ、防雨、防塵、また防錆により、摩擦が悪くなる
ことを防ぐ事が可能になる。 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
り支承 4.1.2. 引抜き防止付き三重(また三重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 上部免震皿と複数個の中間免震皿と下部免震皿からなる
三重(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承にお
いて、上下繋ぎスライド部材・部分によって、(平行す
る対辺同士で)その中間免震皿を相互につなぎ、さら
に、それと交差方向に、(平行する対辺同士で)上下繋
ぎスライド部材・部分によって次の中間免震皿とを相互
につなぎ、順次、前の中間免震皿と交差方向に、(平行
する対辺同士で)上下繋ぎスライド部材・部分によって
次の中間免震皿とを連結させ、上部免震皿を免震される
構造体に取付け、下部免震皿を免震される構造体を支持
する構造体に取り付けることにより、免震される構造体
の免震される構造体を支持する構造体からの引抜きを防
止し、かつ、滑り免震を可能にする。また、交差平行数
(免震皿層数)を増やすことによって、免震皿に対して
斜め方向の地震力に対応しやすくなる。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承 二重・三重・四重に滑り面(すべり面、転がり面)が得
られ、すべり性能が向上する。 4.2.1. 中間滑り部(すべり型または転がり型) 転がり型中間滑り部として、ローラーまたはボールが考
えられるが、すべり型中間滑り部として、下向き凹型滑
り面部を有する上側免震皿と同曲率または接する曲率を
持つ凸型と、上向き凹型滑り面部を有する下側免震皿と
同曲率または接する曲率を持つ凸型とが合体した中間滑
り部を挟み込むことにより、上側下側の免震皿と滑り部
との接触面積を大きくでき、摩擦性能を良くすることが
できる。また、免震皿と同曲率の中間滑り部の場合は、
地震振動時にも、この中間滑り部が免震皿の球面状に追
随して、接触面積を一定に保つことができ、さらに、こ
の中間滑り部の、上側下側の免震皿と接する位置に、ロ
ーラー・ボール(ベアリング)を設けた場合も同様に、
地震振動時において免震皿とこのローラー・ボール(ベ
アリング)との接触面積が変化しないので垂直荷重伝達
能力において有利である。さらに、すり鉢状、V字谷面
状等の滑り面部を有する免震皿の場合、免震皿の底をロ
ーラー・ボール(ベアリング)等の転がり型中間滑り部
と同曲率形状とすることにより、接触面積が大きくで
き、耐圧性能を向上させることができ、さらに、経年後
のローラー・ボール(ベアリング)の免震皿への食い込
みを防止することができる。 4.2.2. 二重中間滑り部 中間滑り部が第一中間滑り部と第二中間滑り部とに分か
れることで、上記の4.2.1.の効果に加えて、三重に滑り
面(すべり面、転がり面)が得られ、また、滑り面部が
受け皿形状になるので潤滑油を充填しやすい。 4.2.3. 三重中間滑り部 中間滑り部が第一中間滑り部と第二中間滑り部と第三中
間滑り部とに分かれることで、四重に滑り面(すべり
面、転がり面)が得られる。以上の二重以上中間滑り部
に関して、中間滑り部同士が接する位置に、ローラー・
ボール(ベアリング)を設けると、首振りが容易にな
り、有利である。 4.2.4. 復元バネ付き中間滑り部持ち二重(または二重
以上の)免震皿免震装置・滑り支承 以上の 4.2.中間滑り部持ち二重(または二重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承の各装置において、中間滑り
部と上側免震皿、下側免震皿とをバネ等で繋ぎ、定位置
への復元力を持たせ、復元装置の機能を合せ持たせる。
復元装置としても、従来のほぼ半分に近い寸法にするこ
とが可能になる。 4.2.5. ローラー・ボール(ベアリング)入り二重(ま
たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承 上記の4.1.1.〜4.1.2.の免震皿の間にローラー・ボール
(ベアリング)等を入れることにより、摩擦係数の低下
が図られ、高い免震性能が得られる。なお免震皿を掘り
下げるか周囲を立ち上げるかしてローラー・ボール(ベ
アリング)を挿入し、免震皿同士ががほぼ隙間なく密閉
状態になっているほうが、防塵等には適している。 4.3. 平面状また円柱谷面状またV字谷面状重層免震皿
(上下繋ぎスライド部分持ち) 耐圧性能を上げられると共に、復元性を与えることが可
能となる。また共振のない免震が得られる。また、三重
免震皿の場合は外れることもない。また、ローラー・中
間滑り部(すべり部材)を複数個にすることによって、
より耐圧性能が上げられる。また、滑り面部のローラー
転がり面にラックを、ローラーの周囲にそのラックと噛
合う歯(歯車)を設けることにより、ローラーの免震時
のスリップによるずれを防ぐことが可能になる。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
の)免震皿免震装置・滑り支承 4.1.〜4.3.の二重(または二重以上の)免震皿免震装置
・滑り支承の上部・下部(中間含む)免震皿をシールま
た防塵カバーで密閉することにより、潤滑剤の蒸発を防
ぎ、防雨、防塵、また防錆により免震皿・滑り部等の滑
り性能の低下を防ぐ事が可能になる。弾性シールの場合
には、中小地震では、シールの弾性範囲内で許容され、
シールが破れずにその密閉性が保持される。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
部の改良 免震皿と滑り部の接触面積をできるだけ大きくし、且
つ、振動時にも、その接触面積を変化させず、一定に保
つことができる。二重・三重に滑り面(すべり面、転が
り面)が得られ、滑り性能が向上する。 4.5.1. 中間滑り部 中間滑り部を挟み込むことにより、摩擦性能を上げら
れ、地震振動時にも、この中間滑り部が、免震皿の球面
状に追随するため、免震皿と滑り部の接触面積を一定に
保つことができる。また、この中間滑り部の、免震皿と
接する位置に、ローラー・ボール(ベアリング)を設け
た場合も同様に、地震振動時において免震皿とこのロー
ラー・ボール(ベアリング)との接触面積が変化しない
ので垂直荷重伝達能力において有利である。共に、滑り
部を、受け皿状の中間滑り部が受ける形状であるため、
潤滑油を充填しやすい。また、二重に滑り面(すべり
面、転がり面)が得られ、滑り性能が向上する。 4.5.2. 二重中間滑り部 4.5.1. における中間滑り部またはローラー・ボール
(ベアリング)をもった中間滑り部を、第一中間滑り部
またはローラー・ボール(ベアリング)をもった第一中
間滑り部と第二中間滑り部またはローラー・ボール(ベ
アリング)をもった第二中間滑り部とにより構成するこ
とによって、上記 4.5.1.の効果に加えて、三重に滑り
面(すべり面、転がり面)が得られることで滑り性能が
さらに向上し、また、中間滑り部の首振り角度が大きく
なるので、凹型滑り面部を有する免震皿の減衰効果を上
げられる。また、中間滑り部同士が接する位置に、ロー
ラー・ボール(ベアリング)を設けると首振りが容易に
なり、有利である。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承 4.6.1. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 重力復元型免震装置・滑り支承において、滑り部を筒と
筒中に挿入されるバネ等と、その下部に突き出る形で挿
入される滑り部先端とにより構成する事によって、重力
復元型免震装置・滑り支承の作動時の垂直変位を吸収す
るだけでなく、垂直免震の機能を持たせることができ
る。この筒の上部に、雄ネジが挿入されている場合に
は、復元力の調整だけでなく、地震後の残留変位の矯正
も可能になる。 4.6.2. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿
免震装置・滑り支承 8.1.2.2.3.の地震センサー(振幅)装置装備型自動復元
型固定装置の固定ピンを滑り部に、固定ピンの挿入部を
凹型滑り面部を有する免震皿にすると、滑り部垂直変位
吸収型の重力復元型免震装置・滑り支承が可能になる。 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
支承 重力復元型免震装置・滑り支承を使用しても、他の免震
装置に、垂直変位動の影響を及ぼさない重力復元型免震
装置・滑り支承である。免震される構造体と、重力復元
型免震装置・滑り支承の滑り部または免震皿のどちらか
一方とを、垂直方向にスライドし水平方向の移動は拘束
されているスライド装置によって繋ぐことにより、重力
復元型免震装置・滑り支承の地震時の振動による水平変
位は、免震される構造体に伝達されるが、垂直変位は伝
達されない。その事により、併用される引抜き防止装置
・滑り支承の垂直変位の遊びを設ける必要がなくなり、
風時の引抜き力によるがたつきも解消される。また、免
震される構造体の重心位置に設ける事により、一質点系
に近い振動を可能にし、地震時の動きを単純化させる効
果をも持つ。また、免震される構造体の重心を下げる効
果により、安定した免震性能が得られる。 4.8. 新重力復元型免震装置 免震される構造体から吊材等で吊された重りを、免震さ
れる構造体を支持する構造体または基礎に設けられた挿
入口を経由して、その下にまで吊されるように構成され
る、垂直変位動のない重力復元型免震装置である。免震
される構造体の重心を下げて、ロッキング現象等の問題
も少なくし、安定した免震性能が得られる。また、重り
と免震される構造体を支持する構造体の間に、バネ等を
付加した場合、バネ等の強度分、重りを軽くする事が可
能となり、また最大振幅時の緩衝装置としても使うこと
ができる。この装置は、バネ等による復元制御に比べ、
免震装置自体が固有周期を持たず地震周期に共振しない
ので、変位に比例しない一定の復元力が得られ、免震性
能が向上し、地震後の残留変位を消去する能力も大き
い。また、固定装置との一体型も容易である。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 耐震でも免震でも、共振は避けられない現象で最も危険
なものと考えられていた。この装置及びこの運動方程式
・プログラムに従った装置・構造により共振のない構造
体が実現可能である。 6.垂直免震装置 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
震装置・滑り支承の応用であり、水平免震装置の免震皿
上を滑る滑り部を、筒とその下部に突き出る形で挿入さ
れる滑り部先端からなる垂直免震装置とすることで、コ
ンパクト化が可能になる。筒中にバネ等を挿入すること
により、垂直変位の吸収に加え、復元力を高めたり、免
震される構造体の地震後の残留変位の矯正を可能にす
る。 6.2. 垂直免震付き引抜き防止装置(復元付き含む) 十字型免震装置・滑り支承(復元付き含む)、また引抜
き防止装置・滑り支承により地震の水平力を吸収し、上
記免震装置に垂直方向に弾性のあるバネ等を地震垂直動
のみを吸収できるように設置することにより、地震の水
平力と垂直力の免震を分担し、垂直免震を可能にする。
また、2.1.の復元・減衰バネ等付引抜き防止装置・滑り
支承に、このバネ等が設置される場合は、水平復元また
は減衰性能をも持つ。 6.3. 各層・各階ごとの垂直免震装置 免震される構造体を支持する構造体の基礎部(または低
層階)に設けた水平免震装置によって免震される構造体
全体を地震水平力から免震させ、地震垂直力に関しては
層単位または階単位で免震させる垂直免震装置を設置す
ることにより、地震の水平力と垂直力の免震を分担し、
建物等の構造体の垂直免震を現実的な形で可能にする。 6.4. 引張材による垂直免震装置 免震される構造体の柱、梁、基礎等の支持材を、三方向
以上に引張材を張ることで支持し、引張材の弾性もしく
は引張り材の途中に設けられたバネ等の弾性によって、
免震される構造体の地震の水平力に対する免震に加え垂
直力に対する免震が可能となる。また、バネ等を用い
ず、弾性力の高い高張力の綱また高張力のワイヤー・ロ
ープ・ケーブル材を利用することにより、重量の大きい
構造体の垂直免震にも対応できる。また、バネ等を用い
る場合と用いない場合のいずれも、水平力免震としての
機能をも合せ持つ。 7.免震による地震発電装置 7.1. 免震による地震発電装置 免震装置と固定装置の活用により、地震エネルギーの三
次元的動きを上下運動(ピン型)、水平運動(ラックと
歯車型)の一次元の動きに、さらに回転運動に変換して
発電を行い、地震エネルギーを電気等の有益なものに換
えることが可能になる。 7.2. 地震発電装置型地震センサー 上記の 7.1.の地震発電装置を用いることで、地震エネ
ルギーを使用して他に電源を必要としない地震センサー
が可能になる。さらに、地震エネルギー発電により、固
定装置の解除までを行える電気等のエネルギーを発生さ
せることが可能になる。 8.固定装置・ダンパー 8.1. 地震作動型固定装置 通常時は免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体とを固定して風揺れを防止する固定装置におい
て、地震時に地震の振動を感じると固定装置の固定が解
除される装置である。通常時は免震される構造体は免震
される構造体を支持する構造体に固定されているので、
安全である。 8.1.1. 剪断ピン型固定装置 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定ピンによって固定し、地震時に一定以上の地震
力により固定ピン自体が切断されて固定解除を行う固定
装置である。この固定ピンの性質上、一回のみ作動型で
あり、簡易型に適している。また仕組みが単純なのでメ
ンテナンスも簡易である。 8.1.2. 地震センサー(振幅)装置装備型固定装置 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
とを固定して、風揺れ等を防止する固定装置において、
地震センサーまたは地震センサー(振幅)装置等によっ
て、一定以上の地震時に固定装置を解除する装置であ
る。8.1.1.の剪断ピン型固定装置に比べて地震に対して
感度のよい固定装置が可能になり、免震性能の向上を図
れる。 8.1.2.1. 吊材切断型 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、地震時に固定ピンを支えている吊材を切断すること
で、バネ等、または重力、または挿入部の形状(すり鉢
型等)などにより、挿入部から固定ピンが外れ、免震さ
れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
定が解除されるような機構であり、簡易な仕組みである
ため、メンテナンス等の負担を軽減できる。 (1)地震センサー振幅装置装備型 8.1.2.1.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、8.1.2.(1)に述べられているような、地震センサー
振幅装置により作動するタイプで、電源設備等を必要と
しない。地震センサー振幅装置の振幅が自由にされた重
り、またはその重りに連動された部材(押出し部・引張
り部等、必要によりレリーズを介したワイヤー・ロープ
・ケーブル・ロッド等)に刃が付き、地震時にその重り
の振幅が一定以上となると、その刃が固定ピンを支える
吊材を切断し、固定ピンがバネ等、重力、すり鉢等の固
定ピンの挿入部の勾配により、その挿入部から外れるよ
うに構成される。また、8.1.2.2.のロック解除型と同様
に、刃の出の調節、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等の長さ(弛みの有無)または振り子の吊り長さの調
節を可能とすることによって、地震感度を変更すること
ができる。 (2) 地震センサー装備型 1) 一般 8.1.2.1.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、8.1.2.(2) a)に述べられているような、地震センサ
ーとの連動により作動するタイプであり、地震センサー
装置から信号を伝える電線により連動するロック部材制
御装置に刃が付き、地震時に地震センサー装置が地震力
を感知すると、ロック部材制御装置が作動して固定ピン
を支える吊材を切断し、固定ピンの挿入部から固定ピン
が外れて免震される構造体と免震される構造体を支持す
る構造体との固定が解除される。8.1.2.2.のロック解除
型の地震センサー装備型と同様に、作動する地震力につ
いて設定等が容易である。 2)地震発電による地震センサー装備型 8.1.2.1.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、8.1.2.(2) b)に述べられているような、地震発電装
置による地震センサーとの連動により作動するタイプで
あり、地震時に地震発電装置が作動し、その発電した電
力によりロック部材制御装置も作動して、このロック部
材制御装置に付けられた刃が固定ピンを支える吊材を切
断する。電気式でありながら、地震発電を利用するため
電源設備を必要とせず、作動する地震力について設定等
が容易である。 8.1.2.2. 間接方式(ロック解除型) 8.1.2.2.1. 基本形 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、地震時に固定装置の作動部のロック部材を外し、免
震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
の固定が解除されるように構成されている機構である。
具体的には、固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一方
を免震される構造体に、もう一方を免震される構造体を
支持する構造体に設け、免震される構造体と免震される
構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを挿入
することによって固定し、地震時以外は、固定ピンに、
固定ピンをロックするロック部材が働いて風揺れ等を防
止する固定装置において、地震センサー振幅装置または
電気式振動計等の地震センサーをもち、前記ロック部材
と接続され、地震時にその加速度がある一定以上の大き
さになると、地震センサー振幅装置の重りの振幅がある
一定以上の大きさになり、重りにより直接またはそれに
連動された部材によって、または地震センサーにより作
動するモーターもしくは電磁石等の作動部材によって、
固定ピンのロック部材を解除し、免震される構造体と免
震される構造体を支持する構造体との固定が解除される
ように構成されてなることを特徴とする地震センサー
(振幅)装置装備型固定装置である。ロック部材のみを
操作するため、直接固定ピンを操作する機構よりも、小
さなエネルギーで作動させることができる。またセンサ
ーの感度を敏感に設定することもできる。 1) ロックピン方式 8.1.2.2.1.の形式のうち、地震時にロック部材が解除さ
れると、この固定ピンが外れる方向に働くよう取付けら
れたバネ等、重力、また地震力によって挿入部等からこ
の固定ピンが外れ、免震される構造体と免震される構造
体を支持する構造体との固定が解除される仕組みであ
り、機構が簡易であるためメンテナンス等が容易であ
る。 2) ロック弁方式 8.1.2.2.1.の形式のうち、固定ピンを支持する筒中を液
体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部
材を伴った固定ピンを有し、この筒のピストン状部材を
挟んだ反対側同士(ピストン状部材がスライドする範囲
の端と端と)は管また溝で繋がれているか、ピストン状
部材に孔が設けられているか、ピストン状部材によって
押出される液体・気体等が筒中から出る出口が設けられ
ているかしており、そして、この筒のピストン状部材を
挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝か、ピストン状部材に
あいている孔か、ピストン状部材によって押出される液
体・気体等が筒中から出る出口かに、またはその全て
に、ロック弁が設けられており、このロック弁を地震セ
ンサー振幅装置と連動して開閉することにより、固定ピ
ンのロックを行うもので、8.1.2.2.4.(1) 4)遅延器と併
用することで、装置をコンパクト化できる。また、以上
の機構は、それぞれ(1) 地震センサー振幅装置装備型と
(2)地震センサー装備型の場合に分かれる。 (2)地震センサー装備型の中で特に効果のあるのは、地
震センサー装備型自動復元型固定装置のうち、固定ピン
の復帰を地震力を用いた自動復元とする型であり、(1)
の地震センサー振幅装置の代わりに地震センサーを使っ
たもので、固定装置の解除時の感度の精度が上げられ、
固定ピンの復帰は、地震力だけを利用して行う。また、
(2)地震センサー装備型において、2)の地震発電による
地震センサー装備型は、1)の地震センサーの代わりに7.
1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載の
地震発電装置型地震センサーを用いる場合で、固定装置
の作動に当たって地震発電を利用するため電源設備を必
要としない型である。 8.1.2.2.2. 電気等による自動復元型 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型固定装置のう
ち、固定ピンが解除された場合に、地震後に電気等によ
り自動的に固定状態に復帰させるものである。具体的に
は、8.1.2.2.1.の地震センサー(振幅)装置装備型固定
装置(ロック解除型)の固定ピンに固定装置自動復元装
置が設けられ、地震後に、固定装置自動復元装置が、固
定ピンをロック部材のロック(係合)する位置に自動復
元するもので、その位置は、固定ピンが完全に解除され
たときに来る位置に設置される。以上の機構は、(1) 地
震センサー振幅装置装備型と(2)地震センサー装備型の
場合に分かれる。 (2)地震センサー装備型において、2)の地震発電による
地震センサー装備型は、1)の地震センサーの代わりに7.
1.記載の免震による地震発電装置、または 7.2.記載の
地震発電装置型地震センサーを用いる場合で、固定装置
の作動に当たって地震発電を利用するため電源設備を必
要としない型である。 8.1.2.2.3. 地震力による自動復元型 8.1.2.地震センサー(振幅)装置装備型の固定ピン型固
定装置のうち、固定装置の固定ピンの挿入部をすり鉢状
・球面状等の凹形状にすることにより、固定装置解除後
の固定ピンの元の位置への、地震力による自動復帰を可
能にしたものであり、固定ピンの復元に当たって電源設
備等を必要としない。この方式は固定ピン型固定装置全
般(地震作動型固定装置、風作動型固定装置等)に採用
することが可能であり、特に、省力化方式である間接方
式(8.1.2.2.特に 8.1.2.2.1.と 8.1.2.2.4. または 8.
2.の風作動型固定装置)においての採用は不可欠とも言
えるほど極めて有利となる。すなわち、固定の解除から
免震、固定復帰までの一連のプロセスを地震力のみによ
って行うことができ、この一連のプロセスに電源設備を
必要としないという効果を持つのである。8.1.2.2.2.ま
た8.1.2.3.は電気制御式が一般的になるが、地震後の固
定装置の元の位置への復帰に関して、地震後の停電を考
えると、電気による自動復元装置は、中小ビル以下では
適用しにくい。この地震センサー(振幅)装置装備型自動
復元型固定装置は、電気に頼らないシステムにより、そ
の問題を解決するものである。 8.1.2.2.4. 応用形 以下の発明は、8.1.2.以下の地震センサー(振幅)装置
装備型固定装置全般に使用可能なものである。 1)を除
けば、8.2.1.以下の風センサー装備型固定装置の間接方
式にも使用できる。 1) ロック部材が地震センサー振幅装置の重り型 地震センサー振幅装置の重りがロック部材を兼ねるよう
にしたもので、地震センサー振幅装置と固定装置が一体
化できる。地震時にこのロック部材を兼ねる重りが振動
状態となり、固定ピンから外れることで固定ピンを解除
する。また、固定ピンの挿入部をすり鉢状・球面状等の
凹形状にすることにより、地震力による固定装置の復元
を可能にする。 2) 二段以上ロック方式 固定ピンをロックする第一のロック部材、このロック部
材をロックする第二のロック部材、・・・のようにロッ
ク部材を二段以上に設け、最後のロック部材(二段目以
降)を地震センサー振幅装置と連動するようにしたもの
で、地震センサー振幅装置が固定ピンを解除するのに必
要な力、及びその際の引張長さまたは圧縮長さを小さく
押さえることができ、固定装置の作動感度を上げられ
る。 3) 二重以上ロック方式 固定ピンをロックするロック部材を二個以上設け、また
それぞれのロック部材について地震センサー振幅装置を
設置し、連動させたものである。複数のロック部材があ
ることでより固定ピンのロックの安全性が増し、かつロ
ック部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪みを浅くで
き、固定装置の作動感度を上げられる。したがって、二
重以上ロック方式については、複数のロック部材それぞ
れに、それぞれに対応する地震センサー(振幅)装置が
接続された場合に特に意味をもつ。つまり、地震センサ
ー振幅装置を複数設置し、それぞれについてロック部材
を設け、連動させたもので、複数のロック部材があるこ
とでより固定ピンのロックの安全性が増し、かつロック
部材が差し込まれる欠き込み・溝・窪みを浅くできる。 4) 遅延器付き 地震時の免震効果を上げるため固定ピンの解除状態を持
続させるために、固定ピンの固定位置への戻りを遅延さ
せるものである(詳細は8.5.に記載)。 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式 8.1.2.2.5.1. (ロック)弁方式 スライド式ロック弁とそれに連動する地震センサーの重
りを使用し、このロック弁に付いた抵抗板をつけること
により、地震センサーの重りが小さくても敏感な感度の
ロック弁が可能になる。また、スライド式ロック弁を複
数設置することによって、全方向の地震力に対応するこ
とが可能となる。 8.1.2.2.5.2. (ロック)弁方式 地震センサー振幅装置の重りが、(振り子またはバネま
たは球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹
型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)によって
平衡を保たれて)通常位置にあると、ピストン状部材に
よって押出される液体・気体等が筒中から出る出口・出
口経路を塞ぐ位置となることにより、地震感度として全
方向対応の地震センサーが可能になり、しかもスムーズ
な弁との連動が、ダイレクトな連動が可能になり、地震
センサーの重りが小さくても敏感な感度のロック弁が可
能になる。 8.1.2.3. 直接方式(自動制御型固定装置) 8.1.2.2.2.に対し、免震される構造体の固定の解除まで
自動で行うものである。 8.1.2.4. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.1. 地震センサー(振幅)装置 地震センサー(振幅)装置は、地震センサー及び地震セ
ンサー振幅装置とに分けられる。 8.1.2.4.2. 地震センサー(振幅)装置の設置場所 地震センサー(振幅)装置の設置場所は、(地震に関し
ては)免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体のどちらでもよいが、免震される構造体を支持す
る構造体の方に設置することで地震以外の振動を感知さ
せないようにすることができる。また地震センサーから
の指令を電気等で送る場合は、地下等の場所も可能であ
る。 8.1.2.4.3. 地震センサー(振幅)装置の設計 (1) 地震センサー(振幅)装置の周期 1) 地震センサー(振幅)装置の周期設計 地震センサー(振幅装置)の重りの周期を、それが設置
される構造体の建てられる敷地の地盤周期に合わせて設
定することにより、地震時初期の小さな揺れの段階か
ら、地震センサー(振幅)装置の重りが地盤周期と共振
し、大きく揺れて作動するため、地震センサー(振幅装
置)の感度を高めることができる。 2) 地震センサー振幅装置の重り共振装置 地震時に重りを共振させるためには、重りに繋がる(固
定装置へも繋がる)ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等に余裕(たるみ)を与える必要がある。しかし、た
るみを与えるとセンサー感度が落ちる。そこで、重りの
周りに重りの衝突を受け、かつ重りともなる周囲材を設
け、その周囲材に固定装置に繋がるワイヤー・ロープ・
ケーブル・ロッド等を取付ける。そうすることにより、
地震時に重りを地震と共振させることができ、且つ固
定装置へ繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等
に余裕(たるみ)を与える必要もなくなる。 3) 地震センサー振幅装置の複数個重り共振装置 地盤周期の幅に対応可能な地震センサーを考える場合、
複数個の重りを設けて、振動周期をその重りごとに変え
ることにより、地盤周期への対応に幅を持たせることが
可能になる。 4) 地震センサー振幅装置の複数共振装置 地盤周期の幅に対応可能な地震センサーを考える場合、
地震センサー振幅装置の振り子の支え自体にもバネを設
けて、振り子とバネとにより二つの周期が得られるよう
にして、地盤周期の幅に対応させることが可能になる。 (2) 全方向感度 1) ラッパ形状の孔 地震センサー振幅装置の重りの直上あるいは直下に、重
りの揺れが引張力あるいは圧縮力として伝わるようにワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を設け、その延長
上の地震センサー振幅装置の筐体あるいは支持枠に(も
しくはその内部あるいは外部に)、すり鉢状またはラッ
パ形状の孔を持つ挿入部を設け、重りに接続されたワイ
ヤー・ロープ・ケーブル等をそこに通すことで、重りの
揺れの方位に関係なく、揺れの振幅によってのみ引抜き
長さあるいは圧縮長さが決まる。このことにより地震セ
ンサー振幅装置の感度を、地震力の方向によらず一定と
することができる。 2) ローラー状ガイド部材 8.1.2.の地震センサー振幅装置装備型固定装置におい
て、地震センサー振幅装置の重りの水平方向に、固定装
置と繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等を結合し、重
りの(振幅寸法の余裕を取った)すぐ脇にローラー等の
ガイド部材を(回転軸等を)を垂直方向に二本設けて、
このワイヤー・ロープ・ケーブル等を通すことで、全方
向に対して同等の引抜き力または圧縮力の伝達が可能に
なり、地震センサー振幅装置の感度を、地震力の方向に
よらず一定とすることができる。 (3) 増幅器付き地震センサー振幅装置 地震センサー振幅装置に梃子・滑車・歯車等からなる
(変位)増幅機構を組込むことによって、連結している
ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等に伝えられる、
地震時の引張長さあるいは圧縮長さを増幅させ、地震初
期の小さな変位振幅にも対応できるようにすることで、
地震センサー振幅装置の感度を高めることができる。な
お、増幅器として梃子が使用された場合、梃子が全方向
からの地震力を伝達できるように構成されるものは、8.
1.2.4.3.の(2)と同様、地震力がどの方向から働いて
も、同等の感度(引抜き力または圧縮力の伝達)を可能
にする。 (4)増幅器付き地震センサー振幅装置(その2) 免震皿上に乗せた地震センサー振幅装置の重り(重力復
元型)を、よく転がることのできる形状とし、この重り
の上部に球面またはすり鉢等の凹形状の挿入部を設け、
(変位増幅のための)梃子の力点が挿入されている。こ
の梃子の支点は重りの直上にあり、作用点はさらにその
延長線上にあってワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等が連結されている。このことにより、地震時に梃子の
作用点には、重りの変位分と、重り(と凹形状挿入部)
の回転が与える変位分とを、梃子が増幅した変位が生
じ、連結されるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等
に伝えられるため、地震センサー振幅装置の作動感度を
高めることができる。また、梃の支点を全方向の回転可
能とし、梃の力点が入り込む重りの挿入部の球面または
すり鉢等の凹形状に、梃の先端部が追随することで、全
方向からの地震力を伝達することができる。この方式で
は、重り自体が自由に転がることができるため、重りの
下にボール(ベアリング)を設置する必要は無い。 8.1.3. 連動作動型固定装置 固定装置は、2か所以上に必要な場合が多いが、各装置
が同時にロック解除されない場合、構造体は固定されて
いる箇所に偏りが生じ、捩れた動きをしてしまう。連動
作動型固定装置はその問題を解決するものである。 8.1.3.1. 連動作動型固定装置 8.1.1.剪断ピン型固定装置を含む複数の固定装置からな
り、地震時に剪断ピン型固定ピンが折れるか切れるかす
ると、この剪断ピン型固定ピンと次の固定ピンのロック
部材とを繋いでいるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等が弛み、ロック部材がバネ・ゴム・磁石等により
(2個目の)固定ピンからはずれてロックが解除される
ことで、連動作動が行われるものである。このことによ
り、同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態による
捩れ振動を防ぐほか、剪断ピン型固定ピンの場合、複数
の固定ピンが必ずしも同時に切断されないという欠点を
解決する。 8.1.3.2. 連動作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それぞれの固定ピンのロック
部材が、固定ピンをロックまたはロック解除する方向に
スライドできるような状態で設置され、ロック部材同士
はワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまたレリーズ等
で連結されており、地震時にこのロック部材の一つが、
固定ピンを解除する方向で作動すると、その他の固定ピ
ンのロック部材も同時にそれぞれの固定装置を解除する
形で連動する。このことにより、同時ロック解除の失敗
による偏心ロック状態による捩れ振動を防ぐ。 (1)地震センサー(振幅)装置装備型 8.1.3.2. 連動作動型固定装置において、地震センサ
ー振幅装置の重りが、直接または伝達する部材を介し
て、ロック部材の一つに固定ピンを解除する方向で作用
し、連動によりその他の固定ピンのロックも解除するよ
うになっており、同時ロック解除の失敗による偏心ロッ
ク状態による捩れ振動を防ぐ。 (2)剪断ピン型 8.1.3.2. 連動作動型固定装置において、ロック部材
にロックされて固定されている剪断ピン型固定ピンが、
地震時に折れるか切れるかして、この剪断ピン型固定ピ
ンが重力またはバネ・ゴム・磁石等の力によってはずれ
ると、ロック部材のはまっている欠き込み・溝・窪みの
形状により、ロック部材が押し出される等してはずれ、
連動するその他の固定ピンのロックも解除するようにな
っており、同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態
による捩れ振動を防ぐ。 8.1.3.3. 連動作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それらの固定ピンをロックす
る複数のロック孔を持つロック部材が、各固定ピンをロ
ックまたはロック解除する方向にスライドできるような
状態で設置され、地震時にこのロック部材が、固定ピン
を解除する方向に作動すると、同時にすべての固定ピン
のロックが解除されるものである。このことにより、同
時ロック解除の失敗による偏心ロック状態による捩れ振
動を防ぐ。 (1)地震センサー(振幅)装置装備型 8.1.3.3. 連動作動型固定装置において、地震センサ
ー振幅装置の重りが、直接または伝達する部材を介し
て、ロック部材に固定ピンを解除する方向で作用し、連
動により同時にすべての固定ピンのロックが解除される
ようになっており、同時ロック解除の失敗による偏心ロ
ック状態による捩れ振動を防ぐ。 (2)剪断ピン型 8.1.3.3. 連動作動型固定装置において、ロック部材
にロックされて固定されている剪断ピン型固定ピンが、
地震時に折れるか切れるかして、この剪断ピン型固定ピ
ンが重力またはバネ・ゴム・磁石等の力によってはずれ
ると、ロック部材のはまっている欠き込み・溝・窪みの
形状により、ロック部材が押し出される等してはずれ、
同時にすべての固定ピンのロックが解除されるようにな
っており、同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態
による捩れ振動を防ぐ。 8.1.3.4. 連動作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それらの固定ピンをロックす
る複数のロック孔を持つロック部材が、各固定ピンをロ
ックまたはロック解除する方向に、一つの点を軸にして
回転できるような状態で設置され、地震時にこのロック
部材が、固定ピンを解除する方向で作動(回転)する
と、同時にすべての固定ピンのロックが解除されるもの
である。このことにより、同時ロック解除の失敗による
偏心ロック状態による捩れ振動を防ぐ。 (1)地震センサー(振幅)装置装備型 8.1.3.4. 連動作動型固定装置において、地震センサ
ー振幅装置の重りが、直接または伝達する部材を介し
て、ロック部材を、固定ピンを解除する方向で回転さ
せ、同時にすべての固定ピンのロックが解除されるよう
になっており、同時ロック解除の失敗による偏心ロック
状態による捩れ振動を防ぐ。 (2)剪断ピン型 8.1.3.4. 連動作動型固定装置において、ロック部材
にロックされて固定されている剪断ピン型固定ピンが、
地震時に折れるか切れるかして、この剪断ピン型固定ピ
ンが重力またはバネ・ゴム・磁石等の力によってはずれ
ると、ロック部材のはまっている欠き込み・溝・窪みの
形状により、ロック部材が押し出される等して、ロック
部材が回転してはずれ、同時にすべての固定ピンのロッ
クが解除されるようになっており、同時ロック解除の失
敗による偏心ロック状態による捩れ振動を防ぐ。 8.1.3.5. 連動作動型固定装置 1個もしくは複数個の固定装置からなり、地震時に地震
センサーからの電気信号により、同時にすべての固定ピ
ンのロックが解除されるものである。このことにより、
同時ロック解除の失敗による偏心ロック状態による捩れ
振動を防ぐ。 (1)電気で固定ピン自体が解除されるもの 8.1.3.5. 連動作動型固定装置において、1個もしく
は複数個の固定ピン自体が解除されるもので、同時ロッ
ク解除の失敗による偏心ロック状態による捩れ振動を防
ぐ。 (2)電気で固定ピンのロックのみが解除されるもの 8.1.3.5. 連動作動型固定装置において、1個もしく
は複数個の固定ピンをロックしているロック部材が解除
され、固定ピン自体はバネ・ゴム・磁石等あるいは地震
力等により解除されるもので、同時ロック解除の失敗に
よる偏心ロック状態による捩れ振動を防いでいるほか、
速やかさを要求される8.1.3.5.(1)の固定ピン自体を解
除する方式に比べ、必要な電力は小さくてすみ、また簡
易な機構で実現可能である。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置 風センサーを持つ(地震センサー付)地震作動型固定装
置であり、風センサーにより一定風圧になると固定装置
をロックさせるように構成されてなることにより、強風
時に微小地震による免震状態に入ることによる危険を防
止するものである。 8.2. 風作動型固定装置 風センサーにより、風時にのみ固定装置の作動部が作動
して、免震される構造体が固定される。この型のメリッ
トは、8.1.地震作動型固定装置のように地震力の大きさ
によらず、全ての微細な地震まで免震可能だということ
である。 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型) 普段は、免震される構造体の固定は解除されていて、風
センサーの反応によって、一定以上の風力・風速・風圧
等になると、固定装置の作動部がロックされて免震され
る構造体を固定し、一定以下の風力・風速・風圧等にな
ると、固定装置の作動部のロックが解除される。このこ
とにより、風時以外ではすべての微細な地震まで免震が
可能となる。また、風センサーを回転可能な形状とし、
常に風上を向くような機構とすることで、すべての方位
の風に対応できる。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型)におい
て、風センサー等で一定以上の風力・風速・風圧等を感
知すると、固定装置の作動部が直接固定され、また一定
以下になると直接固定されていた固定装置の作動部が解
除される。このことにより、風時以外ではすべての微細
な地震まで免震が可能となる。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型)におい
て、風センサー等で一定以上の風力・風速・風圧等を感
知すると、固定装置の作動部のロック機構が作動し、ま
た一定以下になるとロック機構が解除となる。このこと
により、風時以外ではすべての微細な地震まで免震が可
能となるほか、8.2.1.(1)の直接方式よりも作動に必要
な力が小さく、機構を簡略にすることができる。 1)ロック弁方式 8.2.1.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行うもの
で、風センサーと連動して、モーターまた電磁石等を稼
動させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるもの
と、風センサーからの機械的力が、直接このロック弁
(ロック部材)を閉じさせるものとがあり、共に装置の
コンパクト化が期待できる。 2)ロックピン方式 8.2.1.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、風センサーと連動して、モーターまた電磁
石等を稼動させ、このロックピン(ロック部材)をロッ
クさせるものと、風センサーからの機械的力が、直接に
このロックピン(ロック部材)をロックさせるものとが
あり、共に8.2.1.(2) 1)ロック弁方式に比べてロックの
確実さが期待できる。 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型) 8.2.1.一般型に対し、風センサーに風圧力を受ける風圧
板を設け、連動する油圧ポンプにより、風圧力を油圧力
に変換し、固定装置への連動をこの油圧力で行うタイプ
である。風時以外ではすべての微細な地震まで免震が可
能となる。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型)におい
て、風センサーに設けられた風圧板が受ける風圧力が一
定以上になると、この風圧力が変換された油圧ポンプか
らの油圧力が、直接(ピストン状部材を伴った)固定ピ
ン等の固定装置の作動部を作動させ固定を行い、また風
圧が一定以下になると風圧板と連動している油圧ポンプ
により、固定されていた固定装置の作動部が直接解除さ
れる。このことにより、風時以外ではすべての微細な地
震まで免震が可能となる。また、風圧板と連動する油圧
ポンプと、固定装置を作動させる油圧ポンプとのシリン
ダーの大きさの比により、固定装置の風力に対する感度
の調節が可能である。つまり、風圧板と連動する油圧ポ
ンプのシリンダーを固定装置を作動させる油圧ポンプに
対して大きくするほど、風力に対して敏感となる。なお
風圧板を回転可能な形状とし、常に風上を向くような機
構とすることで、すべての方位の風に対応できる。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.2. 風センサー装備型固定装置(油圧型)におい
て、風圧板が受ける風圧力が一定以上になると、固定装
置の作動部のロック機構が作動し、また一定以下になる
とロック機構が解除となる。このことにより、風時以外
ではすべての微細な地震まで免震が可能となるほか、8.
2.2.(1)の直接方式よりも必要な仕事は小さく、機構は
簡略にすることができる。 1)ロック弁方式 8.2.2.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、風セ
ンサーに設けられた風圧板が受ける風圧力を変換した油
圧力が信号として働いて、モーターまた電磁石等を稼動
させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるもの
と、油圧力が直接このロック弁(ロック部材)を閉じさ
せるものとがあり、共に装置のコンパクト化が期待でき
る。 2)ロックピン方式 8.2.2.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、風センサーと連動して(油圧ポンプからの
油圧力が信号として働いて)、モーターまた電磁石等を
稼動させ、このロックピン(ロック部材)をロックさせ
るものと、風センサーからの機械的力(油圧ポンプから
の油圧力)が、直接このロックピン(ロック部材)をロ
ックさせるものとがあり、共に8.2.2.(2) 1)ロック弁方
式に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型) 8.2.1.一般型に対し、風センサーから固定装置までの連
動を、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等により伝
達される機械的力(圧縮力または引張力)で行うタイプ
である。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応により、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド
等が機械的力(圧縮力または引張力)を受け、この機械
的力が信号として働いて固定装置を作動させ、固定装置
の作動部を直接ロックするものと、この機械的力が直接
固定装置の作動部に作用してロックを行うものとがあ
り、共に風時以外ではすべての微細な地震まで免震が可
能となる。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.3. 風センサー装備型固定装置(機械型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応に連動した機械的力により、固定装置の作動部
のロック機構が作動し、また一定以下になるとロック機
構が解除となる。このことにより、風時以外ではすべて
の微細な地震まで免震が可能となるほか、8.2.3.(1)の
直接方式よりも必要な仕事は小さく、機構は簡略にする
ことができる。 1)ロック弁方式 8.2.3.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、一定
以上の風力・風速・風圧等になると、風センサーの反応
に、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を介して連
動した機械的力が信号として働いて、モーターまた電磁
石等を稼動させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさ
せるものと、この機械的力が直接にこのロック弁(ロッ
ク部材)を閉じさせるものとがあり、共に装置のコンパ
クト化が期待できる。なお風センサーが風圧板を持つ場
合は、風圧板を回転可能な形状とし、常に風上を向くよ
うな機構とすることで、すべての方位の風に対応でき
る。 2)ロックピン方式 8.2.3.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、一定以上の風力・風速・風圧等になると、
風センサーの反応に連動した機械的力が信号として働い
て、モーターまた電磁石等を稼動させ、このロックピン
(ロック部材)をロックさせるものと、風センサーから
の機械的力が、直接にこのロックピン(ロック部材)を
ロックさせるものとがあり、共に8.2.3.(2) 1)ロック弁
方式に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型) 8.2.1.一般型に対し、風センサーから固定装置までの連
動を電気信号で行うタイプである。ほかの方式に比べ制
御(タイマー等)や伝達機構(配線等)の自由度が高い
利点がある。 (1)直接方式 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応により電気的信号を送り、固定装置内のモータ
ーまた電磁石等によって固定装置の作動部を直接作動さ
せ固定を行うするものであり、風時以外ではすべての微
細な地震まで免震が可能となる。また、タイマー等によ
り、風力が一定以下になってから固定装置の作動部が解
除されるまでの時間設定等も可能である。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型)におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風センサ
ーの反応により電気的信号を送り、固定装置の作動部の
ロック機構が作動し、また一定以下になるとロック機構
が解除となる。このことにより、風時以外ではすべての
微細な地震まで免震が可能となるほか、8.2.4.(1)の直
接方式よりも必要な仕事は小さく、機構は簡略にするこ
とができる。 1)ロック弁方式 8.2.4.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、一定
以上の風力・風速・風圧等になると、風センサーの反応
により電気的信号を送り、モーターまた電磁石等を稼動
させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるもので
あり、装置のコンパクト化が期待できる。 2)ロックピン方式 8.2.4.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、一定以上の風力・風速・風圧等になると、
風センサーの反応により電気的信号を送り、モーターま
た電磁石等を稼動させ、このロックピン(ロック部材)
をロックさせるものであり、8.2.4.(2) 1)ロック弁方式
に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置 8.2.4. 風センサー装備型固定装置(電気型 )におい
て、風センサーに相当する部分が風力発電機であり、一
定以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電機の発
生させる電力・電圧・電流等が、固定装置を作動させる
以上の値になって固定装置を作動させ、免震される構造
体と免震される構造体を支持する構造体とを固定するも
のである。このことにより、電気型の利点を持ちつつ、
電源設備を必要としない装置が可能となる。 (1)一般型(直接方式含む) 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電
機の発生させる電力・電圧・電流等が、固定装置を作動
させる以上の値になると固定装置内のモーターまた電磁
石等を稼働させ、固定装置の作動部を直接動かし固定を
行うものであり、風時以外ではすべての微細な地震まで
免震が可能となる。また、タイマー等により、風力が一
定以下になってから固定装置の作動部が解除されるまで
の時間設定等も可能である。 (2)間接方式(ロック解除型) 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置におい
て、一定以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電
機の発生させる電力・電圧・電流等が、ロック機構を作
動させる以上の値になって固定装置の作動部のロック機
構が作動し、また一定以下になるとロック機構が解除と
なる。このことにより、風時以外ではすべての微細な地
震まで免震が可能となるほか、8.2.5.(1)の直接方式よ
りも必要な仕事は小さく、機構は簡略にすることができ
る。 1)ロック弁方式 8.2.5.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定ピ
ンを支持する筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスラ
イドするピストン状部材を伴った固定ピンを有し、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
材がスライドする範囲の端と端と)は管また溝で繋がれ
ているか、ピストン状部材に孔が設けられているか、ピ
ストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中か
ら出る出口が設けられているかしており、そして、この
筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ管また溝
か、ピストン状部材にあいている孔か、ピストン状部材
によって押出される液体・気体等が筒中から出る出口か
に、またはその全てに、ロック弁が設けられており、こ
のロック弁の開閉により固定ピンのロックを行い、一定
以上の風力・風速・風圧等になると、風力発電機の発生
させる電力・電圧・電流等が、モーターまた電磁石等を
作動させる以上の値になって、モーターまた電磁石等を
稼動させ、このロック弁(ロック部材)を閉じさせるも
のであり、装置のコンパクト化が期待できる。 2)ロックピン方式 8.2.5.(2)間接方式(ロック解除型)において、固定装
置の作動部のロックを、固定装置の作動部の欠き込み・
溝・窪みに挿入されるロックピン(ロック部材)により
行うもので、一定以上の風力・風速・風圧等になると、
風力発電機の発生させる電力・電圧・電流等が、モータ
ーまた電磁石等を作動させる以上の値になって、モータ
ーまた電磁石等を稼動させ、このロックピン(ロック部
材)をロックさせるものであり、8.2.5.(2) 1)ロック弁
方式に比べてロックの確実さが期待できる。 8.2.6. 連動作動風作動型固定装置 複数の固定装置からなり、それぞれの固定装置の作動部
またはロック部材が相互に連動する仕組みをもつ固定装
置であり、固定装置の作動部またはロック部材同士を連
動させることによって、複数の固定装置を同時に固定す
るように構成される。このことにより、風が吹き始める
と、同時に固定装置が固定されて安全性が図られる。 8.2.7. 遅延器の設置 風センサー装備型固定装置に遅延器が装備され、固定ピ
ン等の固定装置の作動部が固定されるときは速やかに、
解除するときは緩やかに行われる。このことにより、風
が吹き始めると、速やかに固定装置が固定されて安全性
が図られ、風力が治まりつつある時も、固定装置の解除
が緩やかに行われるようにして、慎重を期する形を取
り、安全性が図られる。 8.3. 固定装置の設置位置とリレー連動作動型固定装置 8.3.1. 一般 固定装置は、免震される構造体の重心位置またはその近
傍に、1カ所または複数箇所設置され、免震される構造
体に回転が生じない程度離れた、2カ所以上設置の場合
であれば、風揺れ等による回転に抑制し安定する。しか
し、2個以上設置された固定装置に関しては以下の問題
がある。地震作動型固定装置の場合、固定装置の固定の
解除が全て行われず、一か所だけが解除されなかった場
合、特に周辺位置の固定装置のうち一か所だけが解除さ
れなかった場合、この一か所の固定装置により地震動に
より偏心して捩れて振り回される可能性が生じる。その
問題を解決する必要がある。風作動型固定装置の場合、
固定装置の固定が全て行われず、一か所だけが固定され
た場合、特に重心位置の固定装置が固定されず、周辺位
置の固定装置のうち一か所だけが固定されている場合
は、風力によりこの固定された固定装置位置を中心にし
た回転が生じる。その問題を解決する必要がある。 8.3.2. 2個以上の固定装置の設置 地震作動型固定装置の場合、同時連動作動が望ましい
が、電気式連動でないと同時作動は難しく、また離れた
位置に設置された2個以上の固定装置の場合には、8.1.
3.連動作動型固定装置の採用も難しい。各固定装置の地
震感度に差を設ける事で、上述の問題を解決できる。 (1)重りをできるだけ重くした、増幅器付き地震センサ
ー振幅装置の採用 複数個の固定装置を同時に解除させるには、地震力の小
さい内に固定ピンが解除されている必要があるが、地震
センサー振幅装置の重りを大きくすること、地盤周期と
地震センサー振幅装置の重り等の周期を合わせること、
8.1.2.6.3.(3)増幅器付き地震センサー振幅装置を使用
することなどにより、地震センサー振幅装置の感度を上
げることで、問題を解決できる。特に増幅器を使用する
場合は、引抜き長さまたは圧縮長さの増幅率に応じ、引
抜き力または圧縮力が減じられるので、その分の重り重
量の増分を見込む必要がある。 (2)固定装置(敏感型・鈍感型)の設置による 地震時に複数個の固定装置を解除する場合、固定装置が
一個でも未解除による偏心ロック状態による捩れ振動
(偏心による回転)を防ぐため、重心またはその近傍に
位置する固定ピンが最後に解除される必要がある。重心
またはその近傍に位置する固定装置と、周辺に位置する
固定装置との間に、地震感度の差を設定し、前者を鈍感
型に、後者を敏感型にしておくことで、固定ピン解除の
時期をコントロールでき、重心またはその近傍に位置す
る固定ピンの解除が最後となるようにすることによっ
て、偏心による回転を防ぎ、複数個の固定装置の解除に
関する問題を解決できる。感度の設定に関しては、例え
ばロック部材の差込まれる固定ピンの欠き込み・溝・窪
みの奥行き、固定装置のロック弁の地震に対する感度、
地震センサー(振幅)装置の重りの重さ等を調節する、
または地震センサー(振幅)装置の周期を地震周期と合
わせる、合わせない等により設定が可能である。なお、
剪断ピン型固定装置の場合は、固定ピンの切断される感
度を調節する。また、8.2.の、風時に免震される構造体
を固定する、風作動型固定装置においては、免震される
構造体の重心位置(または重心近傍)以外の周辺位置
に、風センサー感度が低い、または固定ピン型固定装置
の場合は固定ピンがセット(=ロック・固定)されにく
い固定装置を設置し、免震される構造体の重心位置(ま
たは重心近傍)には、周辺位置に比べて、風センサー感
度が高いまたは固定ピンがセットされ易い固定装置を設
置することにより、風時に複数の固定装置が同時に固定
されない場合の問題、特に重心位置の固定装置が固定作
動されていず、周辺位置の固定装置が固定作動されてい
る場合は、風時に固定作動された位置を中心にした回転
が生じる問題を解決することが可能となる。 8.3.3. リレー連動作動型固定装置 複数の固定装置を設置し、それらの同時作動を考えた場
合、その確実性に関しては、機械式、電気式共に困難な
部分があった。特に地震作動型の固定装置の場合、同時
作動のときに各装置間の時間差があってはならず、また
(重心またはその近傍に位置する装置以外の)一つでも
解除されない場合の問題は大きかった。それに対し、こ
のリレー連動作動型固定装置は、複数の固定装置を、同
時作動させるのではなく、リレー式に順次に作動させ
て、一つの固定装置の作動が次の固定装置の作動の条件
とし、地震の初期のある時期までにすべての固定装置が
解除されているようにするもので、同時作動させる場合
よりも連動が確実になるだけでなく、リレーの最末端に
重心またはその近傍に位置する装置を配置し、これが最
後に解除されるようにすることで、偏心による回転を防
ぐことができる。 8.3.3.1. 地震作動型固定装置の場合 8.3.3. リレー連動作動型固定装置のうち、地震時に固
定装置が(地震力を利用して)解除されるタイプであ
り、地震センサー振幅装置、重心またはその近傍に配置
するリレー末端固定装置、その中間に1箇所または複数
箇所配置するリレー中間固定装置、及びそれらの装置を
連動させる部材(機械式の場合はワイヤー・ロープ・ケ
ーブル・ロッド等)からなる。この装置は、地震動があ
る加速度に達するより前に、リレー連動作動型固定装置
がすべて解除されるようにするものであるが、解除され
ない装置があったとしても、少なくとも重心またはその
近傍の固定装置もロック状態にあるため、耐震建築と同
等の状態が保証され、地震時の偏心による回転の問題は
解決されている。 8.3.3.1.1. リレー中間固定装置 8.3.3.1.地震作動型固定装置におけるリレー中間固定装
置は、地震センサー振幅装置と直接つながる、リレー第
1中間固定装置と、リレー第2以降中間固定装置とに分
かれる。 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般) 8.3.3.1.1. リレー中間型固定装置の場合、リレー第2
以降中間固定装置またリレー末端固定装置とには、ロッ
ク部材と固定ピンとの間または固定ピンとその挿入部と
の間に遊びがある。これは、リレー第1中間固定装置の
解除された後免震される構造体に水平移動を許し、この
リレー第1中間固定装置の作動によって、リレー第2以
降中間固定装置及びリレー末端固定装置のロック部材を
解除させ、地震力によりこれらの装置を作動させるため
のものである。地震時には、地震センサー振幅装置の重
りの揺れによって発生した引張力あるいは圧縮力が、ワ
イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等によりリレー第1
中間固定装置の固定ピンのロックを解除する。そして地
震力により免震される構造体が、リレー第2以降中間固
定装置またリレー末端固定装置の、ロック部材と固定ピ
ンとの間の遊びまたは固定ピンとその挿入部との遊びに
より水平移動し、固定ピンが固定ピンの挿入されている
すり鉢等状の挿入部の勾配に従い動くことにより、固定
ピンが挿入部を脱して固定装置が作動する。このときの
地震力を受けた固定ピンの動きは、固定装置に組み込ま
れた連動機構により、引張力あるいは圧縮力へと変換さ
れて、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等により、
第2中間固定装置の固定ピンのロックを解除する。以降
順次リレー中間固定装置は解除されて、最後にリレー末
端固定装置を解除し、リレー連動作動型固定装置全体の
作動が終了する。このように、各固定装置の固定ピンの
ロック解除が、一つ前の固定装置(あるいは地震センサ
ー振幅装置)の作動によってなされるため、解除されな
い固定装置があったとしても、それ以降の装置は解除さ
れず、地震時の偏心による回転の問題は解決されてい
る。また、固定ピンのロック解除に要する力は、一つ前
の固定装置の固定ピンが受けた地震力を変換したもので
あるため、リレーが進んでも弱まることなく、常に同じ
力で固定装置を作動させていくことができる。 8.3.3.1.1.2. リレー中間固定装置(増幅器付) 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般)において、
固定装置に組み込まれた連動機構に梃子または滑車また
は歯車等の増幅器を加えることにより、固定ピンが固定
ピンの挿入されているすり鉢等状の挿入部の勾配に従い
動くことにより生じた小さい変位を、大きな変位に増幅
させて、次の固定ピンに連動させることが可能となる。 8.3.3.1.2. リレー末端固定装置 8.3.3.1. (リレー連動)地震作動型固定装置における
リレー末端固定装置は、リレーの末端に位置する装置と
して、重心またはその近傍に配置される。この構成によ
り、周辺の固定装置全てが解除されない限り、重心また
はその近傍に配置された固定装置(リレー末端固定装
置)は解除されない。したがって複数の固定装置が解除
されていくあいだに、固定未解除箇所に偏りがある場合
に起こる、免震される構造体の捩れた動きを、防ぐこと
ができる。またリレー末端固定装置は、複数の系統のリ
レー連動作動型固定装置にそれぞれ対応した複数のロッ
ク部材を持つ場合が考えられるが、この場合は各々のリ
レー連動作動型固定装置の連結延長を短くできるため作
動が確実になり、加えて複数のロック部材がすべて解除
されないと固定装置が解除されないため、ロックの安全
性がより期待できる。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置 リレー連動作動型固定装置において、リレー中間固定装
置及びリレー末端固定装置には、地震時に固定装置の作
動部の固定が解除された後、固定装置の作動部またはロ
ック部材の(固定装置の作動部を固定する方向への)戻
りを遅延させるための遅延器が必要である。この遅延器
は、リレー中間固定装置・リレー末端固定装置の固定装
置の作動部またはロック部材と地震センサー振幅装置の
重りまたは直前のリレー中間固定装置の連動機構との間
を繋ぐワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等または各
固定装置内部に取付けられる。この装置により、地震時
に一旦解除された固定装置の作動部の固定が、地震が終
わらないうちに再び入ってしまうという事態を避けるこ
とができる。地震終了程度まで時間を稼ぐ遅延機構が望
ましいが、数秒程度時間を稼ぐものでも問題はない(詳
細は8.5.に記載)。 8.3.3.1.4. 引張力限定伝達装置 二つのL型の部材を相互に引掛かるように組むことによ
り、引張力のみを伝達し、圧縮力を伝達しないようにす
るものである。この機構により、固定装置の作動部また
はロック部材と地震センサー(振幅)装置の重りまたは
地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石等
の作動部材または直前のリレー中間固定装置の連動機構
との間で、装置の作動に必要な方向の力のみを伝達する
機能を実現できる。 8.3.3.1.5. リレー連動作動型固定装置の配置構成 リレー中間固定装置は、免震される構造体の周辺部に設
置され、リレー末端固定装置は、免震される構造体の重
心部(または重心近傍)に設置される。各固定装置同士
の連結・連動の仕方は、地震センサー(振幅)装置Jか
らまず周辺部にあるリレー第1中間固定装置に連結・連
動され、リレー第2以降中間固定装置(リレー2番目〜
n番目)に連結・連動された後、最後に、重心部に位置
するリレー末端固定装置G-eに連結・連動される。リレ
ー中間固定装置が一つしか無い場合は、リレー第1中間
固定装置G-m1が、直接にリレー末端固定装置G-eに連
結・連動される。最後に位置する、リレー末端固定装置
への連結・連動には、複数経路で伝達される場合があ
り、その場合、リレー末端固定装置には、その経路の個
数分のロック部材が設けられる。このことにより、免震
される構造体は、周辺部の固定が全て解除されてはじめ
て重心部の固定が解除され、偏心による回転運動を起こ
すことなく、すべての固定装置が解除されて免震状態に
至ることができる。また解除されない固定装置があって
も、同様に偏心による回転運動を起こす状態は避けるこ
とができる。 8.3.3.2. 風作動型固定装置の場合 風時には、免震される構造体をその重心において最初に
固定すればよく、そのために免震される構造体の重心位
置に設置された固定装置が一番最初に作動するようにす
る。また、風力が一定以下になった後、免震される構造
体の固定が解除される際には、免震される構造体の重心
位置において最後まで固定されているのがよく、重心位
置に設置された固定装置が一番最後に解除されるように
する。このことにより、同時には解除されない固定装置
があっても、偏心による回転運動を起こす状態はさける
ことができる。 8.3.3.2.1. リレー中間固定装置 リレー中間固定装置は風センサーと直接つながっている
ものと、直接はつながっていないものとがあり、前者を
リレー第1中間固定装置、後者をリレー第2以降中間固
定装置と呼ぶ。風センサーまたは直前のリレー中間固定
装置に連動している入力連動部と、次のリレー中間・末
端固定装置を連動させる出力連動部を持つ。入力連動部
は、一定以上の風力になると、風センサーまたは直前の
リレー中間固定装置の出力連動部からの指令で、固定装
置を固定し、免震機構を固定する役割をし、出力連動部
は、次のリレー中間・末端固定装置の入力連動部へと連
結・連動しており、一定以上の風力になると次のリレー
中間・末端固定装置の入力連動部を作動させてこの固定
装置を固定させ、免震機構を固定する役割をする。この
機構によって複数のリレー中間固定装置の作動を連動し
て行うことができる。 8.3.3.2.2. リレー末端固定装置の場合 リレー末端固定装置は直前のリレー中間固定装置と連動
する入力連動部のみあればよく、出力連動部38をもつ
必要は無いが、前記のリレー中間固定装置を、出力連動
部を使用しない形で使うという方法も可能となる。 8.3.3.2.3. リレー連動作動型固定装置の配置構成 風センサーに最初に連結・連動されるリレー第1中間固
定装置は、免震される構造体の重心部(または重心近
傍)に設置され、リレー第1中間固定装置から、周辺部
に設置されたリレー第2中間固定装置以降が、順に連結
・連動される。風力が一定以上になると、風センサーか
らリレー第1中間固定装置へ、リレー第1中間固定装置
からリレー第2中間固定装置へ(重心部から周辺部
へ)、というように順に指令が送られ、各固定装置が順
次作動していき、免震される構造体と免震される構造体
を支持する構造体を固定する。逆に、風力が一定以下に
なると、周辺部のリレー第2以降中間固定装置から順に
重心部のリレー第1中間固定装置へ連動し、各固定装置
が順次解除していき、免震される構造体と免震される構
造体を支持する構造体との固定を解除する。このことに
より、免震される構造体は、重心部の固定がなされてか
ら周辺部の固定され、また周辺部の解除がなされてから
重心部が解除されるため、偏心による回転運動を起こす
状態は常に避けることができる。 8.4. 風揺れ等抑制装置・変位抑制装置としての固定装
置またダンパー 8.4.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 8.4.1.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 (1) 風揺れ等抑制装置としての固定装置 挿入部に固定ピンを挿入することによって、免震される
構造体と免震される構造体を支持する構造体との風揺れ
時等の動きを抑制する風揺れ等抑制装置において、固定
ピン先端が挿入され固定ピンを受ける方の挿入部と固定
ピンを挿入するもう片方の挿入部のうち、一方を免震さ
れる構造体に、もう一方を免震される構造体を支持する
構造体に設け、固定ピンを受ける方の挿入部は、すり鉢
状等の凹形状として、その挿入部に固定ピンを挿入する
ことにより風に抵抗させ、かつ、固定ピンを挿入するも
う片方の挿入部には、抵抗器を採用して固定ピンの挿入
部への挿入に対する抵抗を調整可能とする(例えば、固
定ピンの取付けられたピストン状部材が筒中で液体や空
気等を漏らさずスライドするスライド機構とし、ピスト
ン状部材に孔が設けられるか、筒のピストン状部材がス
ライドする範囲の端と端とが管また溝で繋がれているか
して、ピストン状部材がスライドする速度をこの筒内の
ピストン状部材のスライドによって孔または管等を行き
来する液体や空気等の粘性抵抗によって調整可能とす
る)。それにより、固定ピンの挿入部の、すり鉢状等の
凹形状の勾配でまず風揺れに抵抗するが、固定ピンがそ
の勾配により持ち上がろうとすると、今度は、抵抗器に
より(この例では、ピストン状部材によるスライド機構
の粘性抵抗により)抵抗を受ける。以上のことから風揺
れ等の抑制装置となる。 (2) 風揺れ等抑制装置としての固定装置(遅延器付き) さらに、(1)の機能に加えて、抵抗器に8.5.の遅延器を
使用し、かつ地震時には免震に対する抵抗にはならない
という機能を実現できる。8.5.遅延器の一例で説明する
と、筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドする
ピストン状部材を伴った固定ピンが、この筒中を出入り
する時の速度を、この筒のピストン状部材がスライドす
る範囲の端と端とを繋ぐ管また溝と、ピストン状部材に
設けられた孔との開口面積の比によって設定するもの
で、固定ピンが筒中に入るときは速やかに、筒から出る
ときは遅延されるようにする事ができ、免震を妨げな
い。また、風揺れ抑制機能の調整としては、筒のピスト
ン状部材がスライドする範囲の端と端とを繋ぐ管また溝
と、ピストン状部材に設けられた孔との開口面積の比の
設定によっても可能となる。 8.4.1.2. 固定装置・中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
との併用 この8.4.1.の風揺れ等抑制装置としての固定装置と、固
定装置、後述の8.7.の免震皿の中央部窪み形の風揺れ等
抑制装置のどちらかと、または両方と併用することで、
風揺れを抑え、地震時の快適な免震を期待できる。特
に、重心位置等に設置された固定装置1個と併用するこ
とで、固定装置1個のみの場合に風によって生じる、設
置点を中心にした回転を防ぐことができ、且つ、当該装
置のみで全ての風揺れに対応する場合よりも免震性能を
向上させることができる。 8.4.2. 固定装置型ダンパー 当然、風揺れ等抑制装置も兼ねるが、地震時の変位振幅
を抑制する。さらに、以上の 8.4.全体に共通して言え
ることであるが、通常の水平ダンパーではXY方向に最
低1本ずつ必要であるが、この装置であれば1本でXY
方向に対応できる。 8.4.3. 可撓部材型連結部材系ダンパー この構成によって、一個であらゆる方向のダンパーが可
能になる。ダンパーは水平置きまた垂直置きでもよい。
垂直置きの場合は、水平置きの問題を解決する。すな
わち水平に置かれることにより30〜50年というよう
な期間では油漏れの心配が生じることである。このよう
な縦置きで油が溜まり漏れ出ることのない形であればこ
のような問題はなくなる。 8.4.4. ダンパー兼用の固定装置 一つの装置で、固定装置とダンパーが兼用できる。固定
装置とダンパーも重心に置きたいために、装置を一つに
したかったが、その問題が解決する。また安価にでき
る。 8.4.5. 固定ピン受け部材形状と変位対応変化型ダンパ
ー このダンパーは免震装置としてだけでなく一般のダンパ
ーにも適用可能である。 8.4.5.1. 固定ピン受け部材変化型 8.4.5.1.1. 変位抑制用1 固定ピン受け部材形状を凹型とすることにより、地震時
変位振幅の中心からの往路で変位抑制が可能となる。ま
た、固定ピン受け部材形状を凸型とすることにより、地
震時変位振幅の中心からの復路で変位抑制が可能とな
る。さらに、固定ピン受け部材形状を凸凹(反復)型と
することにより、地震時変位振幅の中心からの往復路で
変位抑制が可能となる。固定ピン受け部材形状がV字面
状・円柱面状・凸凹(反復)平行状の場合は一方向(往
復含む)の地震変位に、すり鉢状・球面状・凸凹(反
復)環状の場合は全方向の地震変位に対応ができる。固
定ピン受け部材形状が凹型のダンパーと、凸型のダンパ
ーを併用することにより、地震時変位振幅の中心からの
往復路で変位抑制できるものになる。固定ピン受け部材
形状が凸凹(反復)型のダンパーで、通常時に固定ピン
が当たる形状が凸形状の固定ピン受け部材をもったダン
パーと、通常時に固定ピンが当たる形状が凹形状の固定
ピン受け部材をもったダンパーとが併用されることによ
り、地震時変位振幅の中心からの往復路で変位抑制でき
るものになる。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2 ダンパー兼用の固定装置、または固定装置型ダンパーに
おいて、固定ピン受け部材の凹形態または凸形態を、変
位に応じて傾斜を変化させた形態とすることにより、応
答加速度を抑制しながら変位を抑制することを可能にす
る。特に凹形態または凸形態ともに、凹または凸の中心
から周辺部に行くに従い、勾配が強くなる形式は、変位
抑制効果を持つだけでなく、高い免震性能が実現する。 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) 変位抑制の効果が高く、免震性能が良いダンパーの発明
である。 8.4.5.2. 管変化型 シリンダーに設けられた管により、変位に応じたダンパ
ー能力の調整が可能である。 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 シリンダーの溝の形状(大きさ)により、簡易にして変
位に応じたンパー能力の調整が可能である。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 ダンパーまたは固定ピン型固定装置を滑り支承兼用とす
ることにより、支持の問題の解消と経済性も得られる。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 ノズル型ダンパー弁によって、低コストで且つ長期に安
定的な性能の速度比例型ダンパー弁が得られる。 8.5. 遅延器 1)一般 地震作動型固定装置においては、固定装置の作動部が地
震時に解除されるときは速やかに、地震中は固定状態に
復しないかもしくは固定状態に復するのが遅延されるよ
うにする遅延器が必要である。つまり、固定装置(リレ
ー連動作動型固定装置を含む)には、固定装置の作動部
が地震時に解除された後、固定装置の作動部もしくはロ
ック部材が固定状態に復するのを遅延させるための遅延
器が必要である。地震終了程度まで時間を稼ぐ遅延機構
が望ましいが、数秒程度時間を稼ぐものでも問題はな
い。風作動型固定装置においては、風圧が一定以下にな
ったことを感知してから、一定の時間をおいて固定装置
を解除させる遅延器が必要である。この遅延器は、固定
装置の作動部自体に取付けられるか、固定装置・リレー
中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震
センサー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装
置の連動機構との間を繋ぐワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等または各固定装置内部に取付けられる。この
装置により、地震時に一旦解除された固定装置の作動部
もしくはロック部材が、地震が終わらないうちに再び固
定を行う位置に復帰してしまうという事態を避けること
ができる。 2)油空圧シリンダー式 筒と、その筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライ
ドするピストン状部材を伴った部材とからなる遅延器
を、固定装置の作動部に設けるか、 固定装置・リレー
中間固定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震
センサー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装
置の連動機構との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケ
ーブル・ロッド等を介して設ける等により、このピスト
ン状部材に対し、引張力あるいは圧縮力を伝達するよう
接続されている。このピストン状部材がスライドする範
囲の筒の端と端とを繋ぐ管また溝と、ピストン状部材に
あいている孔とが設けられており、管また溝と孔とには
開口面積の差をもたせ、この管また溝、またはピストン
状部材の孔のうち開口面積の大きい方に、ピストン状部
材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じてい
る弁が付けられているか、または、ピストン状部材によ
って押出される液体・気体等が筒中から出る出口経路
と、出口経路からその押出された液体・気体等が筒中に
戻る別経路の戻り経路とが設けられており、出口経路と
戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口経路は大き
く、戻り経路は小さくし、出口経路には、ピストン状部
材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じてい
る弁が付けられており、戻り経路は、開口面積が小さい
場合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピスト
ン状部材が筒中から押出される時に開き、それ以外は閉
じている弁が付けられており、さらに、重力、また場合
によっては筒の中に入れられたバネ・ゴム・磁石等が、
このピストン状部材を筒外に押出す役割をする場合もあ
り、また、この筒と前記管また溝、または経路とは潤滑
油等の液体で満たされている場合もあり、この弁の性格
と、開口面積の差をつけることにより、固定装置の作動
部が筒中に入るときは速やかに、筒から出るときは緩や
かに(あるいは設置方向によりその逆に)する事ができ
る。このことにより、固定装置の作動部、またはロック
部材は速やかに解除されるが、その戻り(固定)方向に
ついては遅延効果を与えることができる。 3)機械式 a) ガンギ車式 機械式遅延器のうち、ガンギ車式の発明である。ガンギ
車とアンクルを用いた機構で、このガンギ車にアンクル
の2本のつめがそれぞれ交互にかみ合い、アンクルがそ
の支点を中心に往復運動できる形で組み合わされてお
り、固定装置・リレー中間固定装置・リレー末端固定装
置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは直
前のリレー中間固定装置の連動機構との間の伝達力が、
または固定装置の作動部の作動力が、このガンギ車に対
し働きかけ、回転力となり、その回転力を受けてガンギ
車が歯一個分回転すると、1個目のつめがガンギ車の回
転を一時押さえると同時にアンクルがガンギ車から力を
受けて、支点を中心に動き、次の瞬間2個目のつめがガ
ンギ車を歯1個分回すと同時にアンクルは先程と逆の方
向に動いてはじめの状態に戻り、再び1個目のつめがガ
ンギ車の回転を歯1個分に止めるような機構である。こ
れにより、ガンギ車は常時回転力を受けていても、それ
を一定の設定した時間に合わせて解放でき、かつ逆回転
は拘束しないため、固定装置の固定またはロックを解除
する方向の力は拘束を受けずに伝えることができ、かつ
固定装置の固定またはロックする方向の力には遅延効果
を与えることができる。 b)ラチェット式 機械式遅延器のうち、ラチェット式の発明である。重量
式重量抵抗型と水車式・風車式粘性抵抗型とがあり、と
もに歯車とラックを用いた機構である。この遅延器を、
固定装置の作動部に設けるか、固定装置・リレー中間固
定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサ
ー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装置の連
動機構との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等を介して設ける等により、このラックに対
し、引張力あるいは圧縮力を伝達するよう接続されてい
る。このラックの移動の方向により、固定装置の固定ま
たはロックを解除する方向に対しては歯車とラックの歯
が噛み合わず、ラックは抵抗を受けずに自由に移動し、
逆の方向に対しては歯が噛み合って歯車が回転するよう
になっている。また歯が噛み合って歯車が回転すると
き、ラックの移動に対して、重量式重量抵抗型では歯車
の自重が、水車式・風車式粘性抵抗型では歯車の回転と
連動して回転する、粘性のある液体(気体)に浸された
水車(風車)等の装置が与える負荷が、それぞれ抵抗と
なるようになっている。この機構により、固定装置の固
定またはロックを解除する方向の力は拘束を受けずに伝
えることができ、かつ固定装置の固定またはロックする
方向の力には遅延効果を与えることができる。 c) 重力式 機械式遅延器のうち、重力式の発明である。歯車とラッ
ク及び重りとを用いた機構でる。この遅延器を、固定装
置の作動部に設けるか、固定装置・リレー中間固定装置
・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサー振幅
装置の重りまたは直前のリレー中間固定装置の連動機構
との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッ
ド等を介して設ける等により、このラックに対し、引張
力あるいは圧縮力を伝達するよう接続されている。重り
は歯車を介してラックの移動と連動しており、その自重
がラックの移動方向に対して、固定装置の固定またはロ
ックを解除する方向に対しては抵抗とならず(歯車の回
転を助ける側)、固定装置の固定またはロックする方向
に対しては抵抗となるような仕組みとなっている。この
機構により、固定装置の固定またはロックを解除する方
向の力は拘束を受けずに伝えることができ、かつ固定装
置の固定またはロックする方向の力の伝達には遅延効果
を与えることができる。 4) 摩擦式 摩擦式遅延器の発明である。ピストン状部材とその挿入
筒とからなる遅延器を、固定装置の作動部に設けるか、
固定装置・リレー中間固定装置・リレー末端固定装置の
ロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは直前の
リレー中間固定装置の連動機構との間に設けるか、ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を介して設ける等に
より、このピストン状部材に対し、引張力あるいは圧縮
力を伝達するよう接続されている。このピストン状部材
及び挿入筒の一方あるいは両方の内部には、ピストン状
部材の移動方向に対して異なった抵抗を与える表面部材
が貼られている。この表面部材はそれ自体の形状によっ
て、あるいはバネ等を利用した機構によって、ピストン
状部材の移動方向に対して異なる抵抗を与える。この機
構により、固定装置の固定またはロックを解除する方向
の力は小さい抵抗で伝えることができ、かつ固定装置の
固定またはロックする方向の力には大きい抵抗を与える
ことができるため、この機構を遅延器として用いること
ができる。 5) 経路迂回式 経路迂回式遅延器の発明である。回転心棒を軸として自
由に回転する、円筒状のピストン状部材と、それが挿入
される筒とからなる遅延器を、固定装置の作動部に設け
るか、固定装置・リレー中間固定装置・リレー末端固定
装置のロック部材と地震センサー振幅装置の重りまたは
直前のリレー中間固定装置の連動機構との間に設ける
か、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を介して設
ける等により、このピストン状部材に対し、引張力ある
いは圧縮力を伝達するよう接続されている。このピスト
ン状部材の表面には、移動方向に平行な直線部分と、そ
の直線部分の両端を結ぶ曲線部分とからなるループ状の
ガイドが、筒にはこのガイドの溝に嵌まるピンがそれぞ
れ設けられ、ピストン状部材が移動すると、このピンと
ガイドとによりピストン状部材が案内されて回転するよ
うな機構になっている。ピストン状部材の移動に伴いピ
ンがガイドに沿って進む方向は直線部分から曲線部分へ
の一方向で、逆戻りをしない仕組みのため、直線部分と
曲線部分との延長距離の差と、曲線部分が移動方向に対
してなす角度とにより、ピストン状部材の移動方向に対
し、異なった抵抗を与えることができる。この機構によ
り、固定装置の固定またはロックを解除する方向の力は
抵抗を受けず速やかに伝達し、かつ固定装置の固定また
はロックする方向の力には大きい抵抗を与えることがで
きるため、その力の伝達は遅延させることができるた
め、この機構を遅延器として用いることができる。 6)粘性抵抗式 粘性抵抗式遅延器の発明である。歯車とラック及び水車
(風車)等の装置を用いた機構である。この遅延器を、
固定装置の作動部に設けるか、固定装置・リレー中間固
定装置・リレー末端固定装置のロック部材と地震センサ
ー振幅装置の重りまたは直前のリレー中間固定装置の連
動機構との間に設けるか、ワイヤー・ロープ・ケーブル
・ロッド等を介して設ける等により、このラックに対
し、引張力あるいは圧縮力を伝達するよう接続されてい
る。この水車(風車)等の装置は、粘性のある液体(気
体)から、ラックの移動方向に対応する回転方向ごと
に、異なる大きさの粘性抵抗を受ける仕組みである。そ
れによってラックは、固定装置の固定またはロックを解
除する方向に対しては、小さな抵抗しか受けずに移動
し、逆の方向に移動するのには大きな抵抗を受ける。こ
の機構により、固定装置の固定またはロックを解除する
方向の力は拘束を受けずに伝えることができ、かつ固定
装置の固定またはロックする方向の力には遅延効果を与
えることができる。 7) センサー免震皿による遅延装置 地震センサー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼
用地震センサー振幅装置装備型固定装置において、地震
センサー振幅装置の重りのセンサー免震皿の形状が、凹
形態の中心部センサー免震皿(の山部)を越えて一旦水
平レベルが下がった面をもち、その面からセンサー免震
皿の中心部に向けて戻り勾配を持った戻りルート(路)
を設けるか、もしくは、中心部(通常位置)に向けて、
全体として凹形態を形成したセンサー免震皿の中心部
(通常位置)に向けて、螺旋形に山もしくは谷(溝)を
設けて螺旋山もしくは谷を形成し、その螺旋山もしくは
谷形に沿って、中心部(通常位置)に向けての戻り勾配
を持った戻りルート(路)を設ける、等することによ
り、地震センサー振幅装置の重り(ボール)の戻りを遅
延させるものである。以上の 1)〜6)とは違い、地震セ
ンサー振幅装置の重り自体の戻りを遅延させるもので、
8.1.2.2.5.(ロック)弁方式にも、使用可能なものであ
り、ダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定装置
に特に有用なものである。というのは、ダンパー兼用の
地震センサー振幅装置装備型固定装置の場合は、固定ピ
ンまたは連結部材のピストン状部材の戻りを早くさせダ
ンパー効果を与える必要からピストン状部材が通常位置
に速やかに戻る仕組みとなっており、その時にセンサー
重りが通常位置(中央部)に戻り弁が閉まる等のロック
がかかると免震に突然ブレーキが掛かるような状態とな
るので、このような地震センサー振幅装置の重り自体の
戻りを遅延させるものが望まれていた発明である(上記
の 1)〜6)では難しい)。 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状 地震後の残留変位の生じる範囲内のどの位置にきても、
固定ピンによる免震される構造体の固定機能が働くよう
に、固定ピンによる固定ができる範囲を、地震後の予想
される残留変位と同じ範囲とすることにより、地震後の
残留変位に対処できる。さらにすり鉢状等の凹面形状
で、地震前の停止点に戻るように誘うことも可能であ
る。この固定ピンをロックできる範囲の形状として、球
面状、すり鉢状、凸凹の多い摩擦の加わる形状等があげ
られる。そして、すり鉢状等を選択する場合には、8.1.
2.2.3.の地震センサー(振幅)装置装備型自動復元型固
定装置による方法を選ぶことによって、元の位置に戻す
ことも可能になる。また、上下に、つまり免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とに固定ピン
が設けられ、下の固定ピンが上がり、上の固定ピンが下
がり、中間滑り部を挟んでロックする上下固定ピン中間
滑り部挟み型を考えた場合、二重免震皿免震装置・滑り
支承に使えることで、地震後の残留変位への対処として
のすり鉢状等の凹面形状の大きさをほぼ半分にでき、し
かも、固定ピンが上下から各々出てくることで、固定ピ
ンの出を小さくでき、固定ピンの可動寸法を小さくで
き、電池等による作動を考えた場合でも、その電池等の
負担を小さくでき、地震力のみによる作動を考えた場合
でも、微小地震での作動を容易にする。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
み支承) 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置 免震皿の中央部が、滑り部、中間滑り部、ボール、また
はローラーの形状で、また入り込む形状で、凹んだ形で
形成された免震皿をもつことにより構成される免震装置
・滑り支承であり、風揺れを抑制するものであり、簡易
な風揺れ等抑制装置である。地震時の免震性能について
は、地震時に、中央部窪み形に滑り部、中間滑り部、ボ
ール、またはローラー等が入り込む心配があるが、 実際
は、地震は全方向に動くため中央部を通過するケースは
それほど多くない。とくに中央部窪み径が小さい場合
は、その確率は小さく、免震性能を落とさない優れた方
法である。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承 また、免震皿の中央部を、その免震皿面を滑動する滑り
部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状で
窪ませる(凹ませる)ことは、一般中高層建物のように
自重が大きい場合、免震皿側の耐圧性能を上げる効果と
風揺れ防止の効果とを合わせ持つ。 8.7.3. 固定装置との併用 この免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置とを併用
することにより、固定装置の設置個数を少なくすること
ができる。特に、固定装置1個(重心位置等)との併用
の場合は、固定装置を1個だけ使用した場合に起こりう
る風による免震される構造体の回転を、中央部窪み形の
風揺れ等抑制装置によって防ぎ、かつ、この固定装置が
風圧力の荷重を分担するために、この中央部窪み形の風
揺れ等抑制装置だけで全ての風揺れに対応する場合よ
り、免震性能を向上させることができる。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
の免震皿 重力復元型免震装置・滑り支承(すべり転がり支承)の
免震皿の凹型滑り面部としては、地震後の残留変位が少
なく、固有周期を持たないゆえに共振現象を起こさない
すり鉢状が望ましいが、風への抵抗を考えると、すり鉢
状の勾配を大きくする必要がある。その場合、小規模な
地震を免震しにくく、大きな地震時も、すり鉢の底のな
す角度が鋭角になるほど、滑り部等の垂直動による振動
衝撃が大きくなり、スムーズな免震が得にくい。そこ
で、すり鉢の中心部の底を球面にすることにより、小さ
い地震も免震可能となり、大きな地震時にも、すり鉢の
鋭角な底部を通過することによる衝撃が無くなり、快適
な免震が可能となる。すり鉢状滑り面をボールが転がる
構成の場合、特にその効果は顕著であり、すり鉢状滑り
面を球面中間滑り部がすべる構成の場合でも効果はあ
る。またこのすり鉢底部の球面の固有周期を地震周期と
合わせておくことで、地震初期の小さな加速度の時点で
共振が発生し、その段階から免震状態へ移行することが
できる。滑り部等が球面の範囲を脱してすり鉢の部分へ
至れば、この共振現象は速やかに減衰する。このことに
より免震の初滑動加速度を低く押さえることができる。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用 しかし、8.8.1.で述べたようにすり鉢の底を球面にする
と、球面の範囲内では小さい風でも揺れが発生してしま
う(底面の球面部以上の振幅は抑制されるが)。そこ
で、底面の球面部以内の微振動による揺れ止めのため
に、固定装置を、特に 8.2.の風作動型固定装置(平常
時は、ロックされ、地震時にロックが解除される固定装
置)を、免震される構造体の重心またはその近傍に併用
することにより、小さい風では揺れなくなる。すり鉢状
滑り面をボールが転がる構成の場合は、特にその効果は
顕著であり、すり鉢状滑り面を球面中間滑り部がすべる
構成の場合でも、効果はある。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
支承による風揺れ固定 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承
(4.参照)の利用により、風揺れ固定効果をもたら
す。中間滑り部が、凹型免震皿の最も底の位置(地震時
以外の通常時の停止位置)に納まった時において、上下
の二重免震皿の双方が接して(中間滑り部のために双方
が接しない場合には、周辺部に縁を立てる等により接し
て)、摩擦を発生するようにし、風揺れ等に対処する。
ある一定以上の大きさの地震等が発生して、中間滑り部
が、凹型免震皿の最も底の位置からずれると、上の免震
皿が浮き上がり、上下の二重免震皿が接しなくなり、免
震性能を下げる摩擦が発生しなくなる。さらに、上下の
免震皿の全周が接した二重(または二重以上の)免震皿
免震装置・滑り支承の場合には、免震皿の内部が地震時
以外の常時密閉され、潤滑剤の蒸発また雨さらしになる
事、塵埃等がたまる事、また空気に暴露される事等によ
る、滑り面部等の摩擦性能の低下を防ぐ事が可能にな
る。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用 積層ゴム等の場合、滑り支承とバネ等を使った場合、球
面またすり鉢等の凹面形状等の緩い勾配をもった免震皿
を有する支承の場合等に、免震性能を良くするためには
固有周期を長くしたいが、強風時に揺れが生じてしま
う。このような場合に、強風時用の手動で免震される構
造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定する
固定装置を一本また複数本併用することにより、高い免
震性能を実現し、且つ強風時の揺れを抑制できる。なお
このような場合でも、強風時用の手動の固定装置無しで
強風時の安全が保証されている必要がある。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用 上記手動型固定装置に関して、強風後において固定解除
を忘れても地震時に固定装置が自動的に解除される装置
の発明であり、それが採用された免震構造の発明であ
る。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正 地震後の残留変位の矯正が困難であったすべり型免震装
置に対し、免震皿のすべり・転がりの摩擦面に、液体潤
滑剤が潤滑する溝と、当該免震皿の外側にその溝に液体
潤滑剤を流し込む孔を設け、地震後に揮発性の液体潤滑
剤をこの孔から流し込み、短期的に摩擦抵抗を小さくす
ることで地震後の残留変位の矯正を容易にすることがで
きる。揮発性の液体潤滑剤は矯正後にできるだけ速やか
に揮発し、風揺れ等に対して元の抵抗が得られるような
ものを選択する。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状として
は、すり鉢状とすることによって、滑り部等が通常の位
置に戻り易くなり、地震後の残留変位を少なくできる。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ 軽量建物・構造体、特に軽量(木造・鉄骨系)戸建て住
宅に対し、いままで述べた風揺れ対策を組合せて使用す
ることで、単独以上の効果を発揮する。 (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
び)食込み支承との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に、固定装置
(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最
低限一箇所と、免震される構造体の周辺部にすべり支承
等の摩擦発生装置または(及び)食込み支承(8.7.)を
配置することで風揺れに対処できる。すべり支承等の摩
擦発生装置または(及び)食込み支承のみでは免震性能
が悪くなり、固定装置のみでは重心軸での回転対策とし
てリレー連動作動型固定装置(8.3.3.参照)等が必要に
なるが、この機構は簡易ではないため、固定装置と周辺
部にすべり支承等の摩擦発生装置または(及び)食込み
支承を併用し、双方が風荷重を適当な割合で分担するこ
とにより、すべり支承等の摩擦発生装置または(及び)
食込み支承のみの場合よりも免震性能を上げることがで
き、固定装置も一装置のみでよいので、メンテナンスも
容易となって簡易化も図れる。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
定装置との併用 免震される構造体の重心またはその近傍に地震作動型固
定装置を最低限一箇所と、免震される構造体の周辺部に
風作動型固定装置を最低限一箇所とを配置することで、
風時の重心軸での回転を抑えることが可能になる。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
固定装置とすべり支承または(及び)食込み支承との併
用 8.12.(2)の場合に加え、すべり支承等の摩擦発生装置ま
たは(及び)食込み支承を同時に配置することで、風時
の重心軸での回転を抑えることが可能になる。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
用 免震される構造体の重心またはその近傍に固定装置(8.
1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)を最低
限一箇所と、免震される構造体の周辺部に手動型固定装
置(8.10.)を最低限一箇所とを配置することで、風時
の重心軸での回転を抑えることが可能になる。手動型固
定装置について、風が吹き始めたら(また揺れ始めた
ら)、免震される構造体と免震される構造体を支持する
構造体とを、室内から電気等で固定する装置も考えられ
る。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
固定装置との併用 (4)に関して、8.10.(2) 自動解除固定手動型固定装置の
採用の場合、その自動解除固定手動型固定装置は、免震
される構造体の重心またはその近傍に設置される固定装
置(8.1.地震作動型固定装置、8.2.風作動型固定装置)に
比べて、固定装置の解除の感度が地震に対して高く敏感
な手動型固定装置、つまり地震時に解除されやすい手動
型固定装置を設置することにより、地震時において、重
心部設置の固定装置に対し周辺部の手動型固定装置の固
定解除が遅れた場合に生じる捩れた動きの問題が解消さ
れる。 (6) 中央部に固定装置と周辺部に回転・捩れ防止装置と
の併用 固定装置一個だと、固定装置を中心として風力時の回転
を止められない。固定装置を免震される構造体の中央部
に、回転・捩れ防止装置を免震される構造体の周辺部
に、配置する。そのことにより固定装置一個で風揺れ防
止が可能になる。 (7) 連動型でない固定装置の複数個配置と回転・捩れ防
止装置との併用 連動型でない固定装置の複数個配置と 10.1.の回転・捩
れ防止装置とを併用することにより、風時の風揺れ抑制
の安全さを増し、地震時に固定装置が同時解除しない場
合の免震による不安定さを回転・捩れ防止装置により解
決する。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
ック) 戸建て等の軽量構造体の場合には、強風時に地震が起っ
た時に免震状態となると、場合により免震による地震被
害からの救済よりも、風で大きく揺れる被害の方が大き
くなることが多い。重り吸込み型弁方式地震センサー振
幅装置装備型固定装置は、このような風時の免震問題を
解決する。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
ック) 重り吸込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装
置と食込み支承(8.7.参照、ボール型、ローラー型)と
を併用使用することは、8.13.1. 風時の免震ロック1の
発明より、地震時の(ロック)弁の解除の確実性を与え
る。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
ック) 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式の地震センサー振幅装置
装備型固定装置の、ロック弁(ロック弁管、スライド式
ロック弁等を含む)に、弁が出る方向(開く方向)に傾
きをもたせ、強風時にはピストン状部材からの圧力によ
り、直接に間接に、地震センサーとなる重りを押す方向
に働くようにして地震センサーをロックして、固定装置
をロックして、風時の免震ロックを可能にしている。 8.14. 杭折れ防止構法 上部構造(免震される構造体、地上構造物)と杭等の基
礎部とを構造的に縁を切り、その両者間を(杭折れが起
きない範囲の)ある一定以上の地震力によって折れるか
切れるかする固定ピンで繋ぐことにより構成するもので
ある。基礎部の杭受けとしては、杭が外れるのを防ぐた
めに周辺を立ち下ろし、杭より大きな支持板を設置す
る。この支持板は、杭折れを防ぐためだけならばコンク
リートでも良く、また形状は平面でもすり鉢また球面等
の凹面でもよい。同様に杭等の基礎当たり部の材料は、
杭折れを防ぐためだけならばコンクリートでも良く、ま
た形状は平面でも基礎部と対称の円錐また球面等の凸面
でもよい。また固定ピンも、剪断ピン同様、誘発切り込
みの入ったものでもよい。この構法により、地震力によ
る杭の破壊防止、及び上部構造に働く地震力の緩和が期
待できる。またこの構法は、杭のあるすべての構造体に
使用できる。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承 ゴム等の弾性材また緩衝材を、免震皿等の免震装置・滑
り支承の周辺また縁に付けて、予想を上回る地震変位振
幅に対して、滑り部または中間滑り部等をその支承周辺
の弾性材また緩衝材に衝突させて対処する。この発明
は、油圧ダンパー等による場合に比べて安価であり、且
つ、メンテナンスの問題も少なく、調整の必要も無く、
偏心荷重の場合でも安定した免震性能が得られるもので
ある。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承 免震皿とその免震皿面を滑動する滑り部、中間滑り部、
ボールまたはローラーとにより構成されている免震装置
・滑り支承において、その免震皿面に弾性材また塑性材
を敷くか、付着させることにより、その免震皿面の滑り
部、中間滑り部、ボールまたはローラーに対する耐圧性
能の向上と、地震時の応答変位の抑制とを可能にする。 (1) 耐圧性向上 a) 基本形 その免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させる
ことにより、滑り部、中間滑り部、ボールまたはローラ
ーがその弾性材また塑性材に食込むことで免震皿への食
込みを防止し、その免震皿面の滑り部、中間滑り部、ボ
ールまたはローラーに対する耐圧性能の向上を可能にす
る。また当然、変位抑制効果も持つ。 b) ボール食込み孔付き弾性材・塑性材敷き支承 滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラーの、地震
時以外の通常位置(中央部)に、その食込む形状に従っ
て弾性材また塑性材に孔を開ける。これは特に滑り部等
の圧力を常時受けることによる弾性材の疲労等の負荷を
低減するものである。この方法は、耐圧性能を向上さ
せ、食込み支承よりも免震時の免震性能を落とさず、風
揺れ防止する。この孔に滑り部等の大きさよりも余裕を
見た場合には、小さい加速度時での免震性能も向上させ
る。以下の(2) b)のすり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承
においても、同様の構成が採用可能である。 (2) 変位抑制 a) 基本形 免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させること
により、地震時の応答変位の抑制に対応を可能にする。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承 免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材
が、免震皿の滑り面部の中央部から一定範囲を超えて敷
かれてなることにより、地震時の応答変位の抑制に対応
を可能にする。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1 免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材
を、すり鉢または球面または円柱谷面状またはV字谷面
状等の凹形状にすることにより地震時の応答変位の抑制
を可能にする。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 すり鉢または球面または円柱谷面状またはV字谷面状等
の凹形状の免震皿に対して、その凹形状を充填させて平
面をなすように弾性材・塑性材を敷くか、付着させるこ
とにより地震時の応答変位の抑制を可能にする。また当
然、 a) c) d)共に、免震皿の耐圧性能も向上する。 9.3. 変位抑制装置 スライドし合う部材同士の摩擦を大きくすることによっ
て地震の変位振幅を抑制し、スライドし合う部材同士の
一方が免震される構造体に、他方が免震される構造体を
支持する構造体に設けられることにより地震時の応答変
位の抑制を可能にする。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが、予想を越える変位振幅をもった地震によって衝
突する、外れ止め等の位置に設けられて衝突時の衝撃を
緩和する発明である。その衝突緩和の方法に関しては、
弾性的反発のある形ではなく、反発係数の低い弾性材
(低反発係数型)を用いる、座屈変形(座屈変形型)を
利用する、塑性変形(塑性変形型)または塑性材を利用
する等によって、反発を最小限に抑えるのが望ましい。
というのはそれによって衝突後の免震振動が乱されずに
済み、衝突を緩和することができるからである。 (1) 低反発係数型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、低反発係数の緩衝材また弾性材
を設けることによって、衝突時の衝撃を吸収する。 (2) 座屈変形型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、衝突時に弾性材が座屈する細長
比以上の弾性材を設けて、その弾性材の座屈によって、
衝突時の衝撃を吸収する。 (3) 塑性変形型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、衝突時に塑性変形する緩衝材ま
た塑性材を設けることによって、衝突時の衝撃を吸収す
る。 (4) 剛性部材挟み型 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体とが衝突する位置に、まず、衝突面積よりも大きな面
積を持った剛性のある部材を設けて、衝撃力を受け衝撃
力を拡散させて、最低限その拡散した面積をもった緩衝
材・弾性材・塑性材を設け、衝撃力を吸収する。この方
法により、衝撃を吸収する能力が格段に向上して、極端
に免震皿の面積を小さくすることが可能である。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
る免震・減衰・緩衝) 一定変位まではすべり型免震または転がり型免震をし、
その変位を超えるとゴム等の弾性・減衰・緩衝材により
免震・減衰させることにより、すべり・転がり型免震で
の地震時に免震皿の許容変位を超えた場合の問題を解決
するものである。 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
勾配変化型免震・減衰) 一定変位まではすべり型免震または転がり型免震をし、
その変位を超えると免震皿の滑り面部の摩擦を大きくす
るか、勾配を大きくするか、または摩擦を大きくし且つ
勾配も大きくするかして免震・減衰させることにより、
すべり・転がり型免震での地震時に免震皿の許容変位を
超えた場合の問題を解決するものである。 10.回転・捩れ防止装置 固定装置一個だと風力時の回転を止められない問題、積
層ゴムのバネ型の復元装置・オイルダンパー等の速度比
例型の減衰装置を採用して重心と剛心がずれている場合
の免震時に免震される構造体の捩れ振動(固定装置一個
を中心とした回転)が生じる問題等は、回転・捩れ防止
装置の設置によって解決される。また、固定装置の設置
個数が一箇所で済むために、回転・捩れ防止装置を使用
しない場合、すなわち固定装置を多箇所に設置する場合
に生じる、固定装置の解除また差し込みのタイムラグの
心配が無くなる。さらに、設置する固定装置の個数が少
なくて済むため、多数設置する場合に比べて、経済的に
有利である。また、連動型でない固定装置の複数個配置
と回転・捩れ防止装置との併用することにより、風時の
風揺れ抑制の安全さを増し、地震時に固定装置が同時解
除しない場合の免震による不安定さを回転・捩れ防止装
置により解決する。なお、回転・捩れ防止装置は、一つ
の装置で、回転・捩れ防止機能の他に、免震復元機能お
よび引抜き防止機能を併せ持つことも可能であり、機構
も簡易であるため、経済面、メンテナンス面において有
利である。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
性に対応) 全ての建物、特に戸建て住宅に免震を普及させる上で、
同一性能の免震装置を各支持位置へ設置して、免震され
る構造体の形態、固定荷重・積載荷重形態の多様性に対
応させることを可能にすることが課題であった。それ
は、バネ型復元装置または粘性減衰型装置を使用する場
合、それぞれの設置位置において免震される構造体から
の荷重による応力が異なると、同一性能の装置では、き
れいな免震がなされずに捩れが生じるからであり、その
調整は困難なものであった。さらに、固定荷重に比べて
積載荷重の影響が大きい木造等の軽量型戸建て住宅では
特に困難であった。以下の発明は、それを解決するもの
である。 (1) 滑り支承と摩擦型減衰・抑制装置と勾配型復元滑り
支承の使用 免震と復元と減衰・抑制に関しては、滑り支承(すべり
支承、転がり支承)と、すり鉢または球面等の勾配によ
る復元性能を持った滑り支承(勾配型復元滑り支承とい
う)と、摩擦型減衰・抑制装置のみを使用することによ
り構成されてなることによって、免震される構造体の形
態、固定荷重・積載荷重形態が変化に富む場合(変形形
態・変形平面・偏心荷重形態)であっても、免震される
構造体の各所に設置される復元・減衰装置を、同一性能
の装置、つまり単一の性能の装置とすることを可能にす
る。 (2) 固定ピン型固定装置の使用 風揺れ固定に関しては、免震時に抵抗のない、固定ピン
型固定装置(連結部材系のピン型(固定ピン)を除く)
のみを使用することにより構成されてなることにより、
免震される構造体の形態、固定荷重・積載荷重形態が変
化に富む場合(変形形態・変形平面・偏心荷重形態)で
あっても、免震される構造体の各所に設置される復元・
減衰装置を、同一性能の装置、つまり単一の性能の装置
とすることを可能にする。 (3) 回転・捩れ防止装置との併用 以上の装置以外の免震時に捩れが生じるもの(積層ゴ
ム、ダンパー等を使用したもの、偏芯率の大きいもの)
でも、10.の回転・捩れ防止装置との併用をするとそ
の問題は解消される。 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 11.2.1. 変位抑制しない (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない) 共振のないすり鉢・V字谷面状の免震皿(5章参照)に
よる直線勾配型復元滑り支承の採用により、共振・捩れ
のない安定した免震が可能である。 軽量構造体(風で揺れる) 風等で持ち上がることはないが、風揺れをする。同一性
能の直線勾配型復元滑り支承を各場所に設置に加え、固
定装置を配置することで、風揺れの問題は解決する。固
定装置の設置により、回転・捩れ運動の発生が問題とな
るが、回転・捩れ防止装置の設置によりこの問題も解決
する。以上の組合せにより共振・捩れのない安定した免
震が可能となる。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない) 風等で浮上がるという問題があるので、同一性能の直線
勾配型復元滑り支承を各場所に設置に加え、引抜き防止
装置の設置を必要とする。引抜き防止装置の採用によ
り、引抜き力発生の問題が解決し、共振・捩れのない安
定した免震が可能となる。 軽量構造体(風で揺れる) 風等で浮上がるという問題があるので、同一性能の直線
勾配型復元滑り支承を各場所に設置に加え、引抜き防止
装置の設置を必要とする。引抜き防止装置の採用によ
り、引抜き力発生の問題が解決する。さらに、風揺れの
問題に対しては、固定装置を配置することで解決する。
固定装置の設置により、回転・捩れ運動の発生が問題と
なるが、回転・捩れ防止装置の設置によりこの問題も解
決する。以上の組合せにより共振・捩れのない安定した
免震が可能となる。 11.2.2. 変位抑制する ダンパーの使用により変位抑制をすることにより、免震
皿の面積を小さくし、免震装置自体をコンパクトにする
ことが可能となる。ダンパーの設置により、捩れが発生
するが、回転・捩れ防止装置の設置によりこの問題も解
決する。11.2.1.記載の装置の組合せに、ダンパーと回
転・捩れ防止装置とを併用することにより、免震装置の
コンパクト化が実現し、且つ共振・捩れのない安定した
免震が可能となる。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 滑り型免震支承の場合について、免震の過大変位時の安
全を考慮した免震装置の組合せとして、以下の様なもの
が考えられる。 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
1 (1) 第一種地盤 地盤種別として第一種地盤の場合には、すべり型また転
がり型免震支承の場合には、ダンパーが不要の場合が多
い。 (2) 第二種、第三種地盤 地盤種別として第二種、第三種地盤の場合には、すべり
型また転がり型免震支承の場合には、ダンパーが必須に
なる。その場合、ダンパーで完全に過大変位をストップ
させる方式(8.4.5.1.2.の過大変位時ストッパー付ダン
パーを参照)の採用、またこの過大変位時ストッパー付
ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支承、外れ防止装
置)の併用という場合がある。過大変位時ストッパー付
ダンパーのみの方法は、ダンパーだけで過大変位をスト
ップさせる方式のために経済的である。過大変位時スト
ッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支承、外
れ防止装置)の併用は、過大変位時ストッパー付ダンパ
ーだけでは無理な場合に使用されるか、またより安全度
を高める場合の方式である。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ 従来の積層ゴムにおける、鋼とゴムとの付着性の問題、
鋼とゴムとを付着して積重ねてゆく製法上の問題、耐圧
性の問題、防火上の問題等を解決するものである。鋼と
ゴムとを一層ごとに付着させずに鋼だけを積層させ、鋼
の中心部を欠き、その中心部にゴムまたコイルバネを充
填させる方法をとる事により、鋼と鋼とを積層させるの
で、鋼とゴムとの付着性の問題はなくなり、鋼とゴムと
を付着して積重ねてゆく製法上の困難も解消する。耐圧
性能に関しては、ゴムを挟まず鋼と鋼とが積層するので
鋼自体の耐圧性能が得られ、また、ゴムが内部に封じ込
められ、直接外部に露出しないため防火上の問題も解決
する。 12.2. 復元バネ 縦型にバネ等を設置することは水平のどの方向にも復元
性能を得られる反面、僅かな水平変位での復元力に乏し
い。この発明は、その問題を解決し、僅かな変位でも水
平方向向きの復元力を得られるようにし、その結果、こ
のバネ等により、免震される構造体に働く下方への引張
力も最低限にし、免震される構造体への負荷を小さくし
ている。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体 積層ゴム免震装置では対応しきれなかった長周期の超高
層建物・構造体でも、滑り型免震装置・滑り支承の使用
によって免震が可能となる。そのことにより、超高層建
物・構造体を、地震対策としての柔構造から風力では揺
れない程度の剛性をもつ構造(剛構造)にすることがで
き、風揺れをも防ぐことが可能となる。 13.2. 高塔状比建物・構造体 引抜き防止装置によって、従来の積層ゴム免震では不可
能だった引抜き力の働く高塔状比建物・構造体の免震を
可能にする。また、免震装置・滑り支承の摩擦係数をで
きるだけ下げ、1階等の地上に近い階の床等を重くする
ことにより、ロッキング等の問題も解消する。また、固
定装置によって、自重に対して、ある一定以上の風圧見
つけ面積のある構造体の風揺れ問題も解決する。 13.4. 軽量建物・構造体 免震装置・滑り支承等の免震装置によって、従来の積層
ゴム免震では固有周期が延びず、免震効果の得られない
軽量建物・構造体の免震を可能にする。また、摩擦係数
を下げることにより生じる風揺れ問題も、固定装置によ
って解決する。また、引抜き力が働く場合には、引抜き
防止装置によって対処もできる。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計 滑り型免震装置の場合、復元可能な最小限の復元力に押
さえることが、免震性能上一番よい。凹型滑り面部によ
る重力復元型においては、復元が得られる限り、曲率半
径はできるだけ大きくし、また、バネ等の復元型におい
ては、復元が得られる限り、バネ定数はできるだけ小さ
くし、双方ともに、復元力を最小限にするためには、免
震装置・滑り支承の摩擦係数を下げる事も必要である。
そのことは、また免震性能を上げる事につながる。 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置 重心位置またその近傍にのみ、2箇所以上の復元装置を
装備し、それ以外は、復元力を持たない免震滑り支承と
する。復元装置の設置個数が少なくて済むため経済的に
有利である。また必要に応じて、固定装置を配する。こ
れも復元装置と同様に、重心位置またその近傍にのみ、
2箇所以上とするのがよい。箇所数が多いと固定装置の
解除また固定のタイムラグの心配があり、特に固定装置
に関しては、数が少ない事に越したことはないが、一箇
所では、風力による回転の心配がある。それゆえ、2箇
所以上設置するのが望ましい。ただし、固定装置と回転
・捩れ防止装置(10)の併用により、一箇所配置の場合に
おいても、回転を防ぐことが可能である。これも無駄な
固定装置を設置することがなくなるため経済的に有利で
ある。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 低廉な簡易型の免震装置が可能になり、免震装置の水平
性維持の問題も解決される。また、1階の梁とそれに支
えられて床のコスト上の問題も解決する。また、プレハ
ブ・在来・2×4という上部構造(免震される構造体)
の構法の違いを問題とせず、上部構造の剛性のない場合
の問題も解決する。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合 免震装置をユニットに取付ける方法が望まれるが、ユニ
ット同士の接合がピンである場合が多く、ユニット同士
の接合がピンの場合は、両方のユニットに跨がらせて免
震装置を取付けると不安定になる。そこで、一つユニッ
トに安定的に接合(剛接)して取付け、(隣接ユニット
を持つ場合は)隣接ユニットを支持できるように当該ユ
ニットからもはみ出して取付ける方法でその問題を解決
した。 17.組合せ 以上1.〜15.3.記載の全ての発明の組合せにより、様
々な要求に応えた免震装置及び支承、および免震構造が
可能になる。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 免震される構造体と、免震される構造体を支持する構造
体との間のフレキシビリティを保証する排水設備におい
て、排水枡と、その中に突き出した免震される構造体側
の排水管とから構成するという簡易な方法で、免震され
る構造体と、免震される構造体を支持する構造体との間
の排水用配管のフレキシビリティを可能にする。
【図面の簡単な説明】 図1〜図11は、十字型免震装置・滑り支承、また十字
重力復元型免震装置・滑り支承、また十字重力復元型引
抜き防止装置・滑り支承の発明の実施例である。
【図1】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図2】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図3】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図4】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図5】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図6】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図7】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものであり、重力
復元型免震装置・滑り支承振動時の垂直変位の吸収装置
の実施例も示している。
【図8】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図9】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)は
その断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図10】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図11】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
12〜図17は、十字型免震装置・滑り支承、十字重力
復元型免震装置・滑り支承の中間滑り部付きの実施例で
ある。
【図12】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
13〜図14は、一綴りで、免震装置・滑り支承の一つ
の発明の実施例を表している。
【図13】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものであり、
【図14】(d) は図13の免震装置・滑り支承の詳細斜
視図、(e)(f)(g)(h)は、図13の免震装置・滑り支承の
地震振幅時の断面図であり、(g)(h)は最大時、(e)(f)は
途中の時で、(e)(g)は基礎方向から見たもの、(f)(h)は
基礎方向に対面する方向から見たものである。
【図15】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
16〜図17は、一綴りで、免震装置・滑り支承の一つ
の発明の実施例を表している。
【図16】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものであり、
【図17】(d) は図16の免震装置・滑り支承の詳細斜
視図、(e)(f)(g)(h)は、図16の免震装置・滑り支承の
地震振幅時の断面図であり、(g)(h)は最大時、(e)(f)は
途中の時で、(e)(g)は基礎方向から見たもの、(f)(h)は
基礎方向に対面する方向から見たものである。図18〜
図20は、引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部及び
ローラー・ボール(ベアリング)入り引抜き防止装置・
滑り支承の実施例である。
【図18】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図19】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図20】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
21〜図33は、積層ゴム/ゴム/バネ付き引抜き防止
装置・滑り支承の実施例を示している。
【図21】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図22】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図23】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図24】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図25】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図26】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図27】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図28】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図29】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図30】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図31】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図32】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図33】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
34〜図37は、復元・減衰バネ付き引抜き防止装置・
滑り支承の実施例を示している。
【図34】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図35】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1)(a-2)(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図で
ある。(a-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセッ
トである。(a-1)(a-3)は、上部スライド部材4-aのスラ
イド止め金4-Pであり、(a-2)(a-4)は、下部スライド部
材4-bのスライド止め金4-Pである。
【図36】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1)(a-2)(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図で
ある。(a-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセッ
トである。(a-1)(a-3)は、上部スライド部材4-aのスラ
イド止め金4-Pであり、(a-2)(a-4)は、下部スライド部
材4-bのスライド止め金4-Pである。
【図37】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1)(a-2)は、スライド止め金4-Pの斜視図である。図3
8〜図41は、引抜き防止機能の増強の実施例を示して
いる。
【図38】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図39】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図40】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図41】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。(a
-1) は係合材繋ぎ部材27の構成をあらわす斜視図であ
る。図42は、新引抜き防止装置・滑り支承の実施例を
示している。
【図42】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
43〜図56は、引抜き防止装置・滑り支承の改良の実
施例を示している。
【図43】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図44】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図45】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図46】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図47】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図48】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図49】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図50】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図51】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図52】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図53】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図54】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図55】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図56】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
57〜図59は、新引抜き防止装置・滑り支承の実施例
を示している。
【図57】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図58】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図59】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
60〜図62、また図64は、重力復元型引抜き防止装
置・滑り支承の実施例を示している。
【図60】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図61】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図62】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図64】(a)(b)は免震装置・滑り支承の断面図であ
り、互いに直交方向のものである。図63は、新引抜き
防止装置・滑り支承の実施例を示している。
【図63】(a)(b)は免震装置・滑り支承の断面図であ
り、互いに直交方向のものである。図65〜図66は、
バネ付き新引抜き防止装置・滑り支承の実施例を示し
ている。
【図65】免震装置・滑り支承の断面図である。
【図66】免震装置・滑り支承の断面図である。図67
〜図68は、重力復元型引抜き防止装置・滑り支承の
実施例を示している。
【図67】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図68】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
69〜図70は、重力復元型免震装置・滑り支承振動時
の垂直変位の吸収装置の実施例を示している。
【図69】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図70】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
71〜図72は、滑り型免震装置・滑り支承のダンパー
機能向上及び初滑動向上の実施例を示している。
【図71】(a) は免震皿の斜視図、(b) はその断面図で
ある。
【図72】(a) は免震皿の斜視図、(b) はその断面図で
ある。図73〜図109は、二重(または二重以上の)
免震皿免震装置・滑り支承の実施例を示している。
【図73】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b) は
その断面図である。また、(a)は、(b)の免震装置・滑り
支承の構成が分かるように、上部免震皿3-a(また中間
免震皿3-m)を持ち上げて見せた構成図で、実際は、上
部免震皿3-a(また中間免震皿3-m)と下部免震皿3-b
とは接している。(a)〜(d)は、二重免震皿(上部免震皿
3-a、下部免震皿3-b)の場合、(c)(d)は、特許 18440
24号での免震復元装置との大きさの比較断面図であり、
(c) は特許 1844024号での免震復元装置、(d)は、二重
免震皿の場合である。
【図74】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b) は
その断面図である。また、(a)は、(b)の免震装置・滑り
支承の構成が分かるように、上部免震皿3-a(また中間
免震皿3-m)を持ち上げて見せた構成図で、実際は、上
部免震皿3-a(また中間免震皿3-m)と下部免震皿3-b
とは接している。(a)〜(b)は、三重免震皿(上部免震皿
3-a、中間免震皿3-m、下部免震皿3-b)の場合であ
る。
【図75】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b) は
その断面図である。(a)〜(b)は、シールまた防塵カバー
付き二重(または二重以上の)免震皿免震・滑り支承の
場合である。
【図76】免震装置・滑り支承の断面図である。
【図77】免震装置・滑り支承の断面図である。
【図78】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図79】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図80】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図81】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図82】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図83】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図84】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図85】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。図
86〜図87は、一綴りで、免震装置・滑り支承の一つ
の発明の実施例を表している。
【図86】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものであり、
【図87】(d) は図86の免震装置・滑り支承の詳細斜
視図、(e)(f)はその断面図であり、(e)(f)は、地震振幅
時の断面図である。
【図88】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図89】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図90】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図91】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図92】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図93】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図94】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図95】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図96】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図97】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図98】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図99】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)(c)
はその断面図であり、互いに直交方向のものである。
【図100】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図101】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図102】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。図103〜図104は、一綴りで、免震装置・滑り
支承の一つの発明の実施例を表している。
【図103】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、
【図104】(d) は図103の免震装置・滑り支承の詳
細斜視図、(e)(f)は、図103の免震装置・滑り支承の
地震振幅時の断面図である。
【図105】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。図106〜図107は、一綴りで、免震装置・滑り
支承の一つの発明の実施例を表している。
【図106】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、
【図107】(d) は図106の免震装置・滑り支承の詳
細斜視図、(e)(f)は、図106の免震装置・滑り支承の
地震振幅時の断面図、(g) は、図106図107の免震
装置・滑り支承の滑り部上部(上面)6-u、下部(下
面)6-lに、ローラー・ボール(ベアリング)5-e、5
-fを設けた場合の平面図である。図108〜図109
は、一綴りで、免震装置・滑り支承の一つの発明の実施
例を表している。
【図108】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、
【図109】(d) は図108の免震装置・滑り支承の詳
細斜視図、(e)(f)は、図108の免震装置・滑り支承の
地震振幅時の断面図である。図110〜図113は、重
力復元型免震装置・滑り支承の滑り部の改良の実施例を
示している。
【図110】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図111】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。図112〜図113は、一綴りで、免震装置・滑り
支承の一つの発明の実施例を表している。
【図112】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、
【図113】(d) は図112の免震装置・滑り支承の詳
細斜視図、(e)(f)は、図112の免震装置・滑り支承の
地震振幅時の断面図である。図114〜図115は、滑
り部垂直変位吸収型の免震復元装置の実施例を示してい
る。図114〜図115は、一綴りで、免震装置・滑り
支承の一つの発明の実施例を表している。
【図114】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
り、
【図115】(d)は図114の免震装置・滑り支承の断
面詳細図である。図116〜図118は、新重力復元型
免震装置の実施例を示している。
【図116】免震装置の断面図である。
【図117】免震装置の断面図である。
【図118】免震装置の断面図である。図119〜図1
29は、垂直免震装置の実施例を示している。図119
〜図120は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施
例を表している。
【図119】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものであり、
【図120】(d)は図119の免震装置の断面詳細図で
ある。図121〜図122は、一綴りで、免震装置の一
つの発明の実施例を表している。
【図121】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものであり、
【図122】(d)は図121の免震装置の断面詳細図で
ある。
【図123】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。
【図124】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。(a-1)(a-2)
(a-3)(a-4)は、スライド止め金4-Pの斜視図である。(a
-1)(a-2)でワンセット、(a-3)(a-4)でワンセットであ
る。(a-1)(a-3) は、上部スライド部材4-aのスライド
止め金4-Pであり、(a-2)(a-4) は、下部スライド部材
4-bのスライド止め金4-Pである。
【図125】免震装置を装備した建物の構成図である。
【図126】(a) は免震装置を装備した建物の構成図で
あり、(b) はその垂直免震装置の断面図である。
【図127】(a) は免震装置の斜視図、(b) はその断面
図である。
【図128】(a) は免震装置の斜視図、(b) はその断面
図である。
【図129】(a) は免震装置の斜視図、(b) はその断面
図である。図130〜図333は、固定装置の実施例を
示している。
【図130】免震装置の断面図である。
【図131】免震装置の断面図である。
【図132】(a)(b)は免震装置の断面図である。
【図133】免震装置の断面図である。
【図134】免震装置の断面図である。
【図135】(a)(b)は免震装置の断面図である。
【図136】免震装置の断面図である。
【図137】免震装置の断面図である。
【図138】免震装置の断面図である。
【図139】免震装置の断面図である。
【図140】免震装置の断面図である。
【図141】免震装置の断面図である。
【図142】免震装置の断面図である。
【図143】免震装置の断面図である。
【図144】免震装置の断面図である。
【図145】(a)(b)は免震装置の断面図である。
【図146】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図147】免震装置の断面図である。
【図148】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図149】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図150】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図151】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図152】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図153】免震装置の断面図である。
【図154】免震装置の断面図である。
【図155】免震装置の断面図である。
【図156】免震装置の断面図である。
【図157】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図158】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図159】免震装置の断面図である。
【図160】免震装置の断面図である。
【図161】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図162】免震装置の断面図である。
【図163】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図164】免震装置の断面図である。
【図165】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図166】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図167】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図168】免震装置の断面図である。
【図169】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図170】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図171】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図172】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の固定
ピンのロック(止め金等)11の平面図である。
【図173】(a)は免震装置の断面図、(b)は(a)の平面
図である。
【図174】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図175】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図176】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図177】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図178】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図179】免震装置の断面図である。
【図180】免震装置の断面図である。
【図181】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図182】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図183】免震装置の断面図である。
【図184】免震装置の断面図である。
【図185】免震装置の断面図である。
【図186】免震装置の断面図である。
【図187】免震装置の断面図である。
【図188】免震装置の断面図である。
【図189】免震装置の断面図である。
【図190】免震装置の断面図である。
【図191】免震装置の断面図である。
【図192】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図193】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図194】免震装置の断面図である。
【図195】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図196】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図197】免震装置の断面図である。
【図198】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図199】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図200】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図201】(a)(b)は、免震装置の断面図である。(a)
は通常時の場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合であ
る。
【図202】(a)(b)は、免震装置の断面図である。(a)
は通常時の場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合であ
る。
【図203】(a)(b)(c)は、免震装置の断面図である。
【図204】免震装置の断面図である。
【図205】免震装置の断面図である。
【図206】免震装置の断面図である。
【図207】(a)(b)(c) は免震装置の断面図である。
【図208】免震装置の断面図である。
【図209】(a) は免震装置の平面図、(b) はその断面
図である。
【図210】免震装置の断面図である。
【図211】免震装置の断面図である。
【図212】免震装置の断面図である。
【図213】免震装置の断面図である。
【図214】(a)(b)(c)は免震装置の設置配置図であ
る。
【図215】(a)(b)(c)は免震装置の設置配置図であ
る。
【図216】センサー免震皿の平面図(上図)、断面図
(下図:断面ハッチング入り)である。
【図217】(a) はセンサー免震皿の平面図(上図)、
断面図(下図:断面ハッチング入り)である。(b) はセ
ンサー免震皿の平面図(上図)、断面図(下図:断面ハ
ッチング入り)である。
【図218】(a) は固定ピン受け部材の断面図(上図:
断面ハッチング入り)、平面図(下図)である。(b) は
固定ピン受け部材の断面図(上図:断面ハッチング入
り)、平面図(下図)である。
【図219】固定ピン受け部材の断面図(上図:断面ハ
ッチング入り)、平面図(下図)である。
【図220】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図221】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図222】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図223】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図224】免震装置の断面図である。
【図225】免震装置の断面図である。
【図226】免震装置の断面図である。
【図227】免震装置の断面図である。
【図228】免震装置の断面図である。
【図229】免震装置の断面図である。
【図230】免震装置の断面図である。
【図231】免震装置の断面図である。
【図232】免震装置の断面図である。
【図233】免震装置の断面図である。
【図234】免震装置の断面図である。
【図235】免震装置の断面図である。
【図236】免震装置の断面図である。
【図237】免震装置の断面図である。
【図238】免震装置の断面図である。
【図239】免震装置の断面図である。
【図240】免震装置の断面図である。
【図241】免震装置の断面図である。
【図242】免震装置の断面図である。
【図243】免震装置の断面図である。
【図244】免震装置の断面図である。
【図245】免震装置の断面図である。
【図246】免震装置の断面図である。
【図247】免震装置の断面図である。
【図248】免震装置の断面図である。
【図249】免震装置の断面図である。
【図250】免震装置の断面図である。
【図251】免震装置の断面図である。
【図252】免震装置の断面図である。
【図253】免震装置の断面図である。
【図254】免震装置の断面図である。
【図255】免震装置の断面図である。
【図256】免震装置の断面図である。
【図257】免震装置の断面図である。
【図258】免震装置の断面図である。
【図259】免震装置の断面図である。
【図260】免震装置の断面図である。
【図261】免震装置の断面図である。
【図262】免震装置の設置配置図である。
【図263】免震装置の設置配置図である。
【図264】免震装置の設置配置図である。
【図265】免震装置の設置配置図である。
【図266】免震装置の断面図である。
【図267】免震装置の断面図である。
【図268】免震装置の断面図である。
【図269】免震装置の断面図である。
【図270】免震装置の断面図である。
【図271】免震装置の断面図である。
【図272】免震装置の断面図である。
【図273】免震装置の断面図である。
【図274】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。
【図275】免震装置の断面図である。
【図276】(a)は免震装置の断面図、(b)(b’)(c)
(c’)は部分平面図である。(b)(b’)は重り20の吊材
20-sとワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等
のガイド部材19-a との関係の部分平面図、 (c)(c’)
はワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等のガイ
ド部材19-aとの関係の部分平面図である。(b’)は(b)
部分の、(c’)は(c)部分の地震変形時のものである。
【図277】(a)は免震装置の断面図、(b)(b’)(c)
(c’)は部分平面図である。(b)(b’)は重り20の吊材
20-sとワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等
のガイド部材19-a との関係の部分平面図、 (c)(c’)
はワイヤー、ロープ、ケーブル等8とローラー等のガイ
ド部材19-aとの関係の部分平面図である。(b’)は(b)
部分の、(c’)は(c)部分の地震変形時のものである。
【図278】免震装置の断面図である。
【図279】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図280】免震装置の断面図である。
【図281】免震装置の断面図である。
【図282】免震装置の断面図である。
【図283】免震装置の断面図である。
【図284】免震装置の断面図である。
【図285】免震装置の断面図である。
【図286】免震装置の断面図である。
【図287】免震装置の断面図である。
【図288】免震装置の断面図である。
【図289】免震装置の断面図である。
【図290】免震装置の断面図である。
【図291】免震装置の断面図である。
【図292】免震装置の断面図である。
【図293】(a)は、免震装置の断面図であり、(b)(c)
は、免震装置部分の断面図である。
【図294】(a)は、免震装置の断面図であり、(b)(c)
は、免震装置部分の断面図である。
【図295】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図296】免震装置の断面図である。
【図297】免震装置の断面図である。
【図298】免震装置の断面図である。
【図299】免震装置の断面図である。
【図300】免震装置の断面図である。
【図301】免震装置の断面図である。
【図302】免震装置の断面図である。
【図303】免震装置の断面図である。
【図304】免震装置の断面図である。
【図305】免震装置の断面図である。
【図306】免震装置の断面図である。
【図307】免震装置の断面図である。
【図308】免震装置の断面図である。
【図309】免震装置の断面図である。
【図310】免震装置の断面図である。
【図311】(a)は固定装置の液体貯槽(または外部)
7-acでのロック弁管20-cpまわりの平面図、(b)は液
体貯槽(または外部)7-acとピストン状部材7-pの挿
入筒・シリンダーの付属室(地震センサー振幅装置等
の)また通路7-abにおけるその断面図である。(c)は固
定装置の液体貯槽(または外部)7-acでのロック弁管
20-cpまわりの平面図、(d)は液体貯槽(または外部)
7-acとピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーの付
属室(地震センサー振幅装置等の)また通路7-abにお
けるその断面図である。
【図312】(a)は固定装置の液体貯槽(または外部)
7-acでのロック弁管20-cpまわりの平面図、(b)は液
体貯槽(または外部)7-acとピストン状部材7-pの挿
入筒・シリンダーの付属室(地震センサー振幅装置等
の)また通路7-abにおけるその断面図である。(c)は固
定装置の液体貯槽(または外部)7-acでのロック弁管
20-cpまわりの平面図、(d)は液体貯槽(または外部)
7-acとピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーの付
属室(地震センサー振幅装置等の)また通路7-abにお
けるその断面図である。
【図313】免震装置の断面図である。
【図314】図313の増幅器部分の、(a)は立面図、
(b)は断面図、(c)は平面図である。
【図315】免震装置の断面図である。
【図316】図315の増幅器部分の、(a)は立面図、
(b)は断面図、(c)は(b)の直交方向断面図、(d)は平面図
である。
【図317】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図318】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図319】免震装置の断面図である。
【図320】免震装置の断面図である。
【図321】免震装置の断面図である。
【図322】免震装置の断面図である。
【図323】免震装置の断面図である。
【図324】免震装置の断面図である。
【図325】免震装置の断面図である。
【図326】免震装置の断面図である。
【図327】免震装置の断面図である。
【図328】免震装置の断面図である。
【図329】免震装置の断面図である。
【図330】免震装置の断面図である。
【図331】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。
【図332】(a)(b)は、免震装置の断面図である。
【図333】(a)(b)は、免震装置の断面図である。図3
34〜図337は、免震装置設置と基礎部分の施工に関
する合理化と戸建て用免震装置配置の実施例を示してい
る。
【図334】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図335】(a)は免震装置の平面図、(b)はその断面図
である。
【図336】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。
【図337】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、互いに直交方向のものである。図338
は、縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り支
承の実施例を示している。
【図338】(b)(c)は免震装置・滑り支承の断面図であ
り、(a)はそれらの平面図である。図339は、新積層
ゴム・バネの実施例を示している。
【図339】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。図340〜図385は、引抜き防止付き三重
(また三重以上の)免震皿免震装置・滑り支承の実施例
を示している。図340〜図343は、一綴りで、免震
装置の一つの発明の実施例を表している。
【図340】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図341】図340(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図342】図340(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図343】図340(b)と平行位置での断面図であ
る。図344〜図347は、一綴りで、免震装置の一つ
の発明の実施例を表している。
【図344】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図345】図344(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図346】図344(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図347】図344(b)と平行位置での断面図であ
る。図348〜図350は、一綴りで、免震装置の一つ
の発明の実施例を表している。
【図348】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図349】(d)は図348(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図348(c)と平行位置での断面図である。
【図350】(f)(g)(h)は図348(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部免震皿3-aの斜視図、(g)は上
下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-mの斜視
図、(h)は下部免震皿3-bの斜視図である。図351〜
図352は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例
を表している。
【図351】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図352】(d)は図351(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図351(c)と平行位置での断面図である。
図351(a)の分解斜視図は、図350の(f)(g)(h)(ロ
ーラー5-fを中間滑り部(すべり部材)6と見做せば)
と同様である。図353〜図355は、一綴りで、免震
装置の一つの発明の実施例を表している。
【図353】免震装置の斜視図である。
【図354】図353の断面図である。
【図355】図353の断面図である。図356〜図3
58は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表
している。
【図356】免震装置の斜視図である。
【図357】図356の断面図である。
【図358】図356の断面図である。図359〜図3
61は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表
している。
【図359】(a)は免震装置の斜視図、
【図360】(b)(c)は図359の免震装置の断面図であ
る。(b)(c)は、図359(a)に示した断面切断方向に従
った断面図である。(a)図中の※(b)また※(c)は、断面
図(b)(c)の断面切断方向を示している。
【図361】(d)(e)(f)(g)は図359(a)の免震装置の
分解斜視図であり、(d)は上部免震皿3-aの斜視図、(e)
は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-m1
の斜視図、(f)は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中
間免震皿3-m2の斜視図、(g)は上下繋ぎスライド部分3
-sをもった下部免震皿3-bの斜視図である。図362〜
図363は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例
を表している。
【図362】(a)は免震装置の斜視図、
【図363】(b)(c)は図362の免震装置の断面図であ
る。(b)(c)は、図362(a)に示した断面切断方向に従
った断面図である。(a)図中の※(b)また※(c)は、断面
図(b)(c)の断面切断方向を示している。図362(a)の
分解斜視図は、図361の(d)(e)(f)(g)(ローラー5-f
を中間滑り部(すべり部材)6と見做せば)と同様であ
る。図364〜図366は、一綴りで、免震装置の一つ
の発明の実施例を表している。
【図364】免震装置の斜視図である。
【図365】図364の断面図である。
【図366】図364の断面図である。図367〜図3
69は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表
している。
【図367】免震装置の斜視図である。
【図368】図367の断面図である。
【図369】図367の断面図である。図370〜図3
72は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表
している。
【図370】(a)は免震装置の斜視図、
【図371】(b)は図370の免震装置の断面図であ
る。(b)は、図370(a)に示した断面切断方向に従った
断面図である。(a)図中の※は、断面図(b)の断面切断方
向を示している。
【図372】(c)(d)(e)(f)(g)は図370(a)の免震装置
の分解斜視図であり、(c)は上部免震皿3-aの斜視図、
(d)は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-
m1の斜視図、(e)は中間免震皿3-m2の斜視図、(f)は上
下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-m3の斜
視図、(g)は下部免震皿3-bの斜視図である。図373
〜図374は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施
例を表している。
【図373】(a)は免震装置の斜視図、
【図374】(b)は図373の免震装置の断面図であ
る。(b)は、図373(a)に示した断面切断方向に従った
断面図である。(a)図中の※は、断面図(b)の断面切断方
向を示している。図373(a)の分解斜視図は、図37
2の(c)(d)(e)(f)(g)(ローラー5-fを中間滑り部(す
べり部材)6と見做せば)と同様である。図375〜図
377は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を
表している。
【図375】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図376】(d)は図375(b)と平行位置での図375
の免震装置の断面図である。(e)は図375(c)と平行位
置での図375の免震装置の断面図である。
【図377】(f)(g)(h)は図375(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-mの
斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。図
378〜図380は、一綴りで、免震装置の一つの発明
の実施例を表している。
【図378】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図379】(d)は図378(b)と平行位置での図378
の免震装置の断面図である。(e)は図378(c)と平行位
置での図378の免震装置の断面図である。
【図380】(f)(g)(h)は図378(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下繋ぎスライド部分3-sをもった中間免震皿3-mの
斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図381】免震皿同士をつなぐ、免震皿と上下繋ぎス
ライド部材・部分3-sとの断面図である。
【図382】(a)は、スライド部材(免震皿)とスライ
ド部材の下部材4-al(上下繋ぎスライド部材・部分3-
s)との断面図である。(b)(c)は、免震皿(スライド部
材)と上下繋ぎスライド部材・部分3-s(スライド部材
の上部材4-bu)との断面図である。
【図383】(a)は、免震皿同士をつなぐ上下ガイドス
ライド部材・部分3-gの断面図である。(b)は、免震皿
同士をつなぐ上下ガイドスライド部材・部分3-gの断面
図である。
【図384】(a)は、免震皿と上下繋ぎスライド部材・
部分3-sとの間にL型の保持器5-gをもったローラー5
-fを設けた場合の斜視図、(b)は、その断面図であり、
水平中心軸の上と下とは、90度回転した断面図同士で
ある。
【図385】(a)(b)(c)は、免震装置の分解斜視図であ
り、(a)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(b)は上下繋ぎ
スライド部材3-sの斜視図、(c)は下部(側)免震皿3-b
の斜視図である。図386は、復元バネ免震装置の実施
例を示している。
【図386】(a)(b)は免震装置の断面図である。図38
7〜図391は、地震発電装置の実施例を示している。
【図387】免震装置の断面図である。
【図388】免震装置の断面図である。
【図389】免震装置の断面図である。
【図390】免震装置の断面図である。
【図391】免震装置の断面図である。(a)は通常時の
場合、(b)は免震時の変位振幅時の場合である。図39
2〜図393は、中間滑り部(転がりすべり中間型)の
実施例を示している。
【図392】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図393】(a) は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。図394〜図418は、引抜き防止装置・滑り支承
の改良の実施例を示している。図394〜図395
は、一綴りで、免震装置・滑り支承の一つの発明の実施
例を表している。
【図394】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図395】(d)は図394の免震装置・滑り支承の上
下繋ぎスライド部材3-sの斜視図である。図396〜図
398は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を
表している。
【図396】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図397】(d)は図396(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図396(c)と平行位置での断面図である。
【図398】(f)(g)(h)は図396(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下繋ぎスライド部材3-sの斜視図、(h)は下部(側)
免震皿3-bの斜視図である。図399〜図400は、一
綴りで、免震装置・滑り支承の一つの発明の実施例を表
している。
【図399】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図400】(d)は図399の免震装置・滑り支承の上
下繋ぎスライド部材3-sとボール(ベアリング)5-eの
斜視図である。図401〜図403は、一綴りで、免震
装置の一つの発明の実施例を表している。
【図401】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図402】(d)は図401(b)と平行位置での図401
の免震装置の断面図である。
【図403】(e)(f)(g)は図401(a)の分解斜視図であ
り、(e)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎ
スライド部材3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-b
の斜視図である。図404〜図405は、一綴りで、免
震装置・滑り支承の一つの発明の実施例を表している。
【図404】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図405】(d)は図404の免震装置・滑り支承の上
下繋ぎスライド部材3-sと中間滑り部6の斜視図であ
る。 図406〜図408は、一綴りで、免震装置の一
つの発明の実施例を表している。
【図406】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図407】(d)は図406(b)と平行位置での図406
の免震装置の断面図である。
【図408】(e)(f)(g)は図406(a)の分解斜視図であ
り、(e)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎ
スライド部材3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-b
の斜視図である。図409〜図410は、一綴りで、免
震装置・滑り支承の一つの発明の実施例を表している。
【図409】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図410】(d)は図409の免震装置・滑り支承の上
下繋ぎスライド部材3-sとボール(ベアリング)5-eの
斜視図である。図411〜図413は、一綴りで、免震
装置の一つの発明の実施例を表している。
【図411】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図412】(d)は図411(b)と平行位置での図411
の免震装置の断面図である。
【図413】(e)(f)(g)は図411(a)の分解斜視図であ
り、(e)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎ
スライド部材3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-b
の斜視図である。図414〜図415は、一綴りで、免
震装置・滑り支承の一つの発明の実施例を表している。
【図414】(a)は免震装置・滑り支承の斜視図、(b)
(c)はその断面図であり、互いに直交方向のものであ
る。
【図415】(d)は図414の免震装置・滑り支承の上
下繋ぎスライド部材3-sと中間滑り部6の斜視図であ
る。 図416〜図418は、一綴りで、免震装置の一
つの発明の実施例を表している。
【図416】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図417】(d)は図416(b)と平行位置での図416
の免震装置の断面図である。
【図418】(e)(f)(g)は図416(a)の分解斜視図であ
り、(e)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下繋ぎ
スライド部材3-sの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-b
の斜視図である。図419〜図479は、回転・捩れ防
止装置の実施例を示している。図419〜図422は、
一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表してい
る。
【図419】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図420】図419(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図421】図419(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図422】図419(b)と平行位置での断面図であ
る。図423〜図426は、一綴りで、免震装置の一つ
の発明の実施例を表している。
【図423】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図424】図423(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図425】図423(b)と平行位置での断面図であ
る。
【図426】図423(b)と平行位置での断面図であ
る。図427〜図429は、一綴りで、免震装置の一つ
の発明の実施例を表している。
【図427】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図428】(d)は図427(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図427(c)と平行位置での断面図である。
【図429】(f)(g)(h)は図427(a)の分解斜視図であ
り、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)は上下ガイ
ドスライド部分3-gをもった中間免震皿3-mの斜視図、
(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。図430〜
図432は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例
を表している。
【図430】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図431】(d)は図430(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図430(c)と平行位置での断面図である。
【図432】(f)(g)(h)は図430(a)の分解斜視図であ
り、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)は上下ガイ
ドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-
bの斜視図である。図433〜図435は、一綴りで、
免震装置の一つの発明の実施例を表している。
【図433】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図434】(d)は図433(b)と平行位置での断面図で
ある。
【図435】(e)(f)(g)は図433(a)の分解斜視図であ
り、(e)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(f)は上下ガイ
ドスライド部材3-gの斜視図、(g)は下部(側)免震皿3-
bの斜視図である。
【図436】(a)は、図433(a)〜図434(d)及び図
435(f)の上下ガイドスライド部材3-gを示した斜視
図である。(b)、(c)は上部(側)免震皿3-a(上部スライ
ド部材)または下部(側)免震皿3-b(下部スライド部
材)と上下ガイドスライド部材3-g(中間部スライド部
材)の関係からbを示した平面図である。図437〜図
439は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を
表している。
【図437】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図438】(d)は図437(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図437(c)と平行位置での断面図である。
【図439】(f)(g)(h)は図437(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部分3-gをもった中間免震皿3-m
の斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
図440〜図442は、一綴りで、免震装置の一つの発
明の実施例を表している。
【図440】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図441】(d)は図440(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図440(c)と平行位置での断面図である。
【図442】(f)(g)(h)は図440(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図443〜図445
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図443】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図444】(d)は図443(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図443(c)と平行位置での断面図である。
【図445】(f)(g)(h)は図443(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図446〜図447
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図446】(a)は免震装置の斜視図であり、(b)と(c)
とは互いに直交方向での立面図であり、
【図447】(d)(e)(f)は図446(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(d)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(e)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(f)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図448〜図449
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図448】(a)は免震装置の斜視図であり、(b)と(c)
とは互いに直交方向での立面図であり、
【図449】(d)(e)(f)は図448(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(d)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(e)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(f)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図450〜図452
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図450】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図451】(d)は図450(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図450(c)と平行位置での断面図である。
【図452】(f)(g)(h)は図450(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図453〜図454
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図453】(a)は免震装置の斜視図であり、(b)と(c)
とは互いに直交方向での立面図であり、
【図454】(d)(e)(f)は図453(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(d)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(e)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(f)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図455〜図457
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図455】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図456】(d)は図455(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図455(c)と平行位置での断面図である。
【図457】(f)(g)(h)は図455(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図458】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図459】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図460】(a)(b)は免震装置の斜視図である。
【図461】(a)(b)は免震装置の断面図である。(c)(d)
は免震装置の立面図である。図462〜図464は、一
綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表している。
【図462】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図463】(d)は図462(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図462(c)と平行位置での断面図である。
【図464】(f)(g)(h)は図462(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図465〜図466
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図465】(a)は免震装置の斜視図であり、(b)と(c)
とは互いに直交方向での立面図であり、
【図466】(d)(e)(f)は図465(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(d)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(e)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(f)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図467〜図469
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図467】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図468】(d)は図467(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図467(c)と平行位置での断面図である。
【図469】(f)(g)(h)は図467(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(h)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図470〜図471
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図470】(a)は免震装置の斜視図であり、(b)と(c)
とは互いに直交方向での立面図であり、
【図471】(d)(e)(f)は図470(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(d)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(e)
は上下ガイドスライド部材3-gの斜視図、(f)は下部
(側)免震皿3-bの斜視図である。図472〜図474
は、一綴りで、免震装置の一つの発明の実施例を表して
いる。
【図472】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図473】(d)は図472(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図472(c)と平行位置での断面図である。
【図474】(f)(g)(h)は図472(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部分3-gをもった中間免震皿3-m
の斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
図475〜図477は、一綴りで、免震装置の一つの発
明の実施例を表している。
【図475】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその立
面図である。(b)と(c)とは互いに直交方向での立面図で
ある。
【図476】(d)は図475(b)と平行位置での断面図で
ある。(e)は図475(c)と平行位置での断面図である。
【図477】(f)(g)(h)は図475(a)の免震装置の分解
斜視図であり、(f)は上部(側)免震皿3-aの斜視図、(g)
は上下ガイドスライド部分3-gをもった中間免震皿3-m
の斜視図、(h)は下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図478】図427〜図429等の三重(また三重以
上の)免震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a
の斜視図、または下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
【図479】図427〜図429等の三重(また三重以
上の)免震皿免震装置・滑り支承の上部(側)免震皿3-a
の斜視図、または下部(側)免震皿3-bの斜視図である。
図480〜図481は、緩衝材付支承の実施例を示して
いる。
【図480】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。
【図481】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。図482〜図484は、弾性材・塑性材敷き支
承の実施例を示している。
【図482】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。
【図483】(a)は免震装置の斜視図、(b)(c)はその断
面図であり、(b)は通常時の、(c)は地震振幅時の断面図
である。
【図484】(a)は免震装置の斜視図、(b)はその断面図
である。図485〜図486は、変位抑制装置と衝突衝
撃吸収装置の実施例を示している。図485(c)のみ変
位抑制装置の実施例である。
【図485】(a)(b)は免震装置の断面図であり、(a)は
衝突衝撃吸収前の、(b)は衝突衝撃吸収時の断面図であ
る。(c)は、変位抑制装置の断面図である。
【図486】(a)(b)は免震装置の断面図であり、(a)は
通常時の、(b)は地震振幅時の断面図である。図487
〜図488は、共振のない滑り型免震装置の解析プログ
ラムのフローチャートを示している。
【図487】Runge-Kutta法による解析プログラムのフ
ローチャート
【図488】Wilsonθ法による解析プログラムのフロー
チャート図489〜図490は、免震用設備の実施例を
示している。
【図489】免震用排水設備の断面図である。
【図490】免震用排水設備の断面図である。図491
〜図492は、ユニット構法の場合の上部構造土台また
基礎部分への免震装置設置方法の実施例を示している。
【図491】(a)はユニットに免震装置を取付けた場合
の立面図である。(b)はその一部詳細平面図である。
【図492】(a)はユニットに免震装置を取付けた場合
の組立て立面図である。(b)はその組立て後のユニット
の下部材(土台)52から下を見た平面図である。図4
93〜図507は、ユニット構法の場合の上部構造土台
また基礎部分への免震装置設置方法の実施例の詳細を示
している。図493は、全体の姿図であり、図494〜
図499は隣接するユニットの無い建物角部の免震装置
取付け図、図500〜図505は隣接するユニットがあ
る部分の免震装置取付け図、図506、図507は、免
震装置取付け板と拘束金物の図である。
【図493】ユニット土台また基礎部分に免震装置を取
付けた場合の組立て斜視図である。
【図494】(a)は隣接するユニットの無い建物角部に
おいて、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有する場
合の斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図495】図494の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図496】(a)は隣接するユニットの無い建物角部に
おいて、ユニット下部梁にアンカーボルト孔を有する場
合であるが拘束金物を併用した場合の斜視図であり、
(b)はその断面図である。
【図497】図496の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図498】(a)は隣接するユニットの無い建物角部に
おいて、ユニット下部梁にアンカーボルト孔が無い場合
で、2方向のユニット下部梁に拘束金物を用いた場合の
斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図499】図498の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図500】(a)は隣接するユニットがある部分の免震
装置取付け部において、ユニット下部梁にアンカーボル
ト孔を有する場合の斜視図であり、(b)はその断面図で
ある。
【図501】図500の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図502】(a)は隣接するユニットがある部分の免震
装置取付け部において、ユニット下部梁にアンカーボル
ト孔を有する場合であるが、拘束金物を併用した場合の
斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図503】図502の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図504】(a)は隣接するユニットがある部分の免震
装置取付け部において、ユニット下部梁にアンカーボル
ト孔が無い場合で、2方向のユニット下部梁に拘束金物
を用いた場合の斜視図であり、(b)はその断面図であ
る。
【図505】図504の組立て及び取付け方法を示す分
解図(斜視図)である。
【図506】(a)は拘束金物59による免震装置取付け
板と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断面図であ
る。拘束金物は、必要により複数設けるものとする。
【図507】(a)は拘束金物59-2、59-3による免震
装置取付け板と拘束金物の斜視図であり、(b)はその断
面図である。
【符号の説明】 A…支持される構造体また免震される構造体、 B…支持される構造体また免震される構造体Aを支持す
る構造体、 C…復元装置(重力復元型免震装置・滑り支承、積層ゴ
ム型またバネ型を含む)、 D…免震装置・滑り支承、E…外れ防止装置、 F…引抜き防止装置・滑り支承、 G…固定装置、 G-d…地震感度の高い固定装置、 G-s…地震感度の低い固定装置、 G-wd …風力感度の高い固定装置、 G-ws …風力感度の低い固定装置、 G-m…リレー中間固定装置、 G-m1…リレー中間固定装置(リレー一番目)、 G-m2…リレー中間固定装置(リレー二番目)、 G-mn…リレー中間固定装置(リレーn番目)、 G-e…リレー末端固定装置、 H…水平免震装置、 I…垂直免震装置、 J…地震センサー(振幅)装置、 J-a…地震センサー振幅装置、 J-b…地震センサー(地震センサーからの信号により固
定装置の固定装置の作動部を作動させる電源付)、 J-k…地震発電装置型地震センサー、 K…地震発電装置、 L…回転・捩れ防止装置、 b…上部(側)免震皿3-a及び下部(側)免震皿3-bが角度φ
/2ずつ回転して、上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及
び上下ガイドスライド部材・部分のガイド部3-dと、接
触する部分の角を角度φ/2で面取りした斜辺の長さ、 d…上部(側)免震皿3-a及び下部(側)免震皿3-bと、上下
ガイドスライド部分のガイド部3-dとの隙間の間隔、 h…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイド
スライド部材・部分3-gのガイド部3-dの、張り出して
いる長さ、 l…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイド
スライド部材・部分のガイド部3-dの、移動方向の長
さ、 t…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイド
スライド部材・部分のガイド部3-dの肉厚、 φ…回転・捩れ防止装置が許容する回転角、 1…免震される構造体およびその部材、 1-s…免震される構造体のスラブ、 1-a…免震される構造体の部材からなるピストン状部材
2-pの挿入筒(連結部材)、 1-p…免震される構造体の部材からなるピストン状部材
(連結部材)、 1-g…免震される構造体の固定装置の支持部材(連結部
材)、 1-x…免震される構造体の固定装置の支持部材同士を繋
ぐユニバーサル回転接点(連結部材)、 2…支持される構造体また免震される構造体を支持する
構造体およびその部材また基礎部分、 2-a…免震される構造体を支持する構造体の部材からな
るピストン状部材1-pの挿入筒(連結部材)、 2-p…免震される構造体を支持する構造体の部材からな
るピストン状部材(連結部材)、 2-g…免震される構造体を支持する構造体の部材からな
る支持部材(連結部材)、 2-x…免震される構造体の部材からなる支持部材同士を
繋ぐユニバーサル回転接点(連結部材)、 3…免震皿、 3-a…上部免震皿、または上側免震皿(二重以上の免震
皿免震装置・滑り支承の中間滑り部を挟む上側免震
皿)、または上部スライド部材、 3-b…下部免震皿、または下側免震皿(二重以上の免震
皿免震装置・滑り支承の中間滑り部を挟む下側免震
皿)、または下部スライド部材、 3-m…中間免震皿、または中間部スライド部材、 3-m1…中間免震皿(その1)、 3-m2…中間免震皿(その2)、 3-m3…中間免震皿(その3)、 3-m4…中間免震皿(その4)、 3-m5…中間免震皿(その5)、 3-m6…中間免震皿(その6)、 3-t…免震皿の摩擦係数の違う滑り部の区分け線(実際
は線などない)、 3-s…上下繋ぎスライド部材・部分(免震皿同士をつな
ぐスライド部材・部分)、 3-g…上下ガイドスライド部材・部分、外ガイド部、内
ガイド部、 3-gi…上下ガイドスライド部材・部分が挿入する溝、 3-c…免震皿の側面の周囲のシールまた防塵カバー、 3-d…上下繋ぎスライド部材・部分3-s、及び上下ガイ
ドスライド部材・部分3-gのガイド部、 3-u…免震皿上の出っ張り、 3-v…免震皿上の窪み(免震皿上の出っ張り3-uの入込
む)、 3-e…免震皿に敷かれるか、付着させた弾性材・塑性
材、 3-r…ラック、 3-l…ガイド、 4…スライド部材、 4-i…内側のスライド部材、 4-o…外側のスライド部材、 4-oi…二番目以降のスライド部材、 4-p…スライド止め金、 4-v…上のスライド孔、 4-a…上部スライド部材、 4-as …上部スライド部材の免震皿、 4-al …上部スライド部材の下部材、 4-al1…上部スライド部材の下部材、 4-al2 …上部スライド部材の下部材、 4-b…下部スライド部材、 4-bs …下部スライド部材の免震皿、 4-bu …下部スライド部材の上部材、 4-bu1 …下部スライド部材の上部材、 4-bu2 …下部スライド部材の上部材、 4-m…中間部スライド部材、 4-mm …中間部スライド部材の中間材、 4-av …上部スライド部材の上のスライド孔、 4-bv …下部スライド部材の上のスライド孔、 4-alv…上部スライド部材の下部材の上のスライド孔、 4-buv…下部スライド部材の上部材の上のスライド孔、 4-c…スライド部材の押さえ部材(プレート等の)、 4-s…スライド部材の押えバネ等(バネ・空気バネ・ゴ
ム・積層ゴム等の弾性体または磁石(磁石同士の反発力
吸引力等を使った)等の弾性体を「バネ等」と称す
る)、 4-fs …スライド部材の押え板バネ等、 4-t … スライド部材を支持する束材、 5…ローラー・ボール(ベアリング)部若しくは滑り部
(滑り部という)、 5-a…垂直免震装置また滑り部の筒、 5-b…垂直免震装置また滑り部の筒に挿入されるバネ
等、 5-c…垂直免震装置また滑り部の筒に挿入されるバネ等
の先に取付く滑り部先端、 5-d…垂直免震装置また滑り部の筒のバネ等の押さえ雄
ネジ、 5-e…ボール(ベアリング)、 5-f…ローラー(ベアリング)、 5-fr…ローラー(ベアリング)の歯車、 5-fl…ローラー(ベアリング)のガイド挿入溝、 5-er …ボールベアリング循環式転がり案内リターン穴
・リターンボール列、 5-fr …ローラーベアリング循環式転がり案内リターン
穴・リターンローラー列、 5-g…保持器(玉軸受・ころ軸受)、 5-u…滑り部上部(上面)、 5-l…滑り部下部(下面)、 6…中間滑り部またローラー・ボール(ベアリング)を
もった中間滑り部(中間滑り部という)、 6-u…滑り部上部(上面)、 6-l…滑り部下部(下面)、 6-a…第一中間滑り部、 6-b…第二中間滑り部、 6-c…第三中間滑り部、 6-d…ローラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑
り部のすべり部分、 7…固定ピン(係合・摩擦材)、ピン(以下の枝番に関
しては、遅延器・地震発電装置・ダンパーのピストン状
部材の頭部の説明番号にも使用)、 7-a…ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダー(固定
ピン取付け部)、 7-aa…ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーへの
前室、 7-ab…ピストン状部材7-pの挿入筒・シリンダーの付
属室(地震センサー振幅装置等の)また通路、 7-abj…ピストン状部材7-pの挿入筒7-aから付属室7
-abへの通路口、 7-ac…液体貯槽または外部、 7-acj…ピストン状部材7-pの挿入筒または付属室7-a
bからの液体貯槽7-acまたは外部への出口・出口経路、 7-acjr…出口経路7-acjのロック弁20-lに周囲に円
環状部分、 7-ao…挿入筒7-a・付属室7-ab・液体貯槽7-ac等を
満たす液体等またはその液体等の高さレベル、 7-b…固定ピンの取付け取外しのためのねじ切り、 7-c…固定ピンのロックのための欠き込み・溝・窪み、 7-d…雄ネジ、 7-e…管、 7-ec…他の固定装置への連結管、 7-er…戻り管・戻り経路・戻り口(液体貯槽7-acまた
は外部からのピストン状部材7-pの挿入筒または付属室
7-abへの戻り口)、 7-f…弁、 7-fs…逆止弁、 7-fso…逆止弁(管状の弁)の開口、 7-fb…ボール型弁、 7-fn…ノズル型ダンパー弁、 7-sf…スライド式ロック弁、 7-sfo…スライド式ロック弁の開口孔、 7-sff…スライド式ロック弁の開口孔でない部分、 7-sfp…スライド式ロック弁の抵抗板、 7-ef…電動弁、電磁弁、機械式弁、油空圧(液圧・空
圧)式弁、バルブ、 7-mf…手動弁(強風時手動固定用の)、 7-g…水平架台、 7-h…作用部(押出し部・引張り部等)、 7-i…弁7-fを常に閉じる状態にするバネ等、 7-j…孔(また溝)、 7-jo…気体が筒中7-aから出る孔、 7-ji…気体が筒中7-aへ入る孔、 7-ja…空気抜き管、 7-jc…他の固定装置への連結口、 7-jcf…連結口7-jcの塞ぎ材(連結口を使用しない場
合の)、 7-jn…ダンパー弁7-fnのノズル状の孔、 7-jr…戻り孔・溝、 7-js…シリンダー・ピストン状部材に設けられた管・
溝、 7-k…第1のロック部材7-lが差し込まれる欠き込み・
溝・窪み、 7-l…第1のロック部材、 7-m…第2のロック部材7-nが差し込まれる欠き込み・
溝・窪み、 7-n…第2のロック部材、 7-o…バネ等、 7-p…ピストン状部材(固定装置の作動部・ダンパーの
作動部)、 7-pa…表面に溝7-prを持ち、回転心棒7-xにより自由
に回転できる円筒状のピストン状部材、 7-pb…ピストン状部材7-paと回転心棒7-xにより連動
し、ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8の支持点
7-zを持つ部材、 7-pc…挿入筒7-a開口部の防塵・防水カバー、 7-pd…防塵・防水カバー7-pcのシール部材、 7-pg…ピストン状部材7-paの表面に設けられたガイド
(ピン7-phがその中にはまった状態で、ピストン状部
材7-paが動く)、 7-ph…ガイド7-pgにはまり込んで、ピストン状部材7
-paの動きを規定するピン、 7-pha…ピン7-phの挿入筒、 7-pi…ガイド7-pg上で、ピストン状部材7-paが筒7-
aの外に最も出たときに、ピン7-phが位置する点、 7-pj…ガイド7-pg上で、ピストン状部材7-paが筒7-
aの中に最も入ったときに、ピン7-phが位置する点、 7-pk…ガイド7-pgの直線部分、 7-pl…ガイド7-pgの曲線部分、 7-pm…固定ピン7から突出するアーム部材、 7-pp…風センサーのピストン状部材からの液体を送る
管、 7-psa…(分離型固定ピンの)外部側固定ピン、 7-psb…外部側固定ピン7-psaの、内部側固定ピン7-psc
と接する端部、 7-psc…(分離型固定ピンの)内部側固定ピン、 7-psd…内部側固定ピン7-pscの、外部側固定ピン7-psa
と接する端部、 7-q…風センサー(風センサーからの信号により固定装
置の固定ピンを作動させる電源付)、 7-qd…風力発電機型風センサー、 7-ql…風センサー・地震センサーからの信号線(ワイ
ヤー・ロープ・ケーブル・ロッド、電気コード、また
は、油等の液体または気体の流れる管)、 7-r…風圧を受ける板(風圧板)、 7-s…剪断ピン型固定ピン、 7-t…風圧板と連動する油圧ポンプ、 7-u…固定装置を作動させる油圧ポンプ、 7-v…固定ピン等の挿入部(支持側でない固定側の場合
は、固定ピン受け部材)、 7-vs…挿入部7-v上部の滑り面、 7-vsh…挿入部7-v上部の滑り面を支える支持材、 7-vm …固定ピンのすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入
部(固定ピン受け部材)、 7-vmc…固定ピンのすり鉢状・球面状等の凹形態の挿入
部で中心部だけ、曲率半径を小さくするか、勾配を強く
したもの(固定ピン受け部材)、 7-vmr …固定ピン(あるいはその先端7-w)を受ける
凸凹形態部材(固定ピン受け部材)、 7-vmt …固定ピン(あるいはその先端7-w)を受ける
すり鉢状・球面状等の凸形態の部材(固定ピン受け部
材)、 7-vn …固定ピン(あるいはその先端7-w)を受ける平
板(固定ピン受け部材)、 7-w…固定ピン先端、 7-wm…摩擦抵抗の大きい摩擦材、 7-x…回転軸・回転心棒、回転軸挿入部、 7-y…尾翼、 7-z…ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド8の支持
点、 8…ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等、 8-f…ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材(連結
部材)、 8-fj…ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材また
はバネ等の支持点(フレキシブルジョイント)、 8-d…ロッド等、 8-e…ロッド等8-dの端部、 8-j…ロッド等8-dのフレキシブルジョイント、 8-u…上弦材、 8-l…下弦材、 8-r…レリーズ、 8-rf …レリーズの固定材、 8-y …吊材20-sに設けた、ワイヤー、ロープ、ケー
ブル、ロッド等8の、引張の調節ができ、回転による捩
れを許容する支持点、 8-z …ロッド等8-dの、垂直方向に拘束され、水平方
向には自由に回転できる継手、 9…バネ等、 9-c…圧縮用のバネ等、 9-t…引張用のバネ等、 9-u…水平振動用バネ等、 10…バネ等の止め部材(その直下の免震される構造体
(逆の場合は免震される構造体を支持する構造体)等に
取付けられている)、 11…固定ピンのロック部材(固定ピンをロックする部
材)、 11-a…固定ピンのロック部材のロック部材(固定ピン
のロック部材をロックする部材)、 11-o…固定ピン7とロック部材11との間の遊び、 11-s…固定ピンのロック部材11のスライドを可能と
してスライド方向以外を拘束する固定材、 11-v…固定ピンのロック部材11のロック孔、 11-x…固定ピンのロック部材11の回転心棒、 12…固定ピンの吊材、 12-f…固定ピンの吊材・バネ等の取付け部(取付け部
12-fのある方の免震される構造体か、支持される構造
体また免震される構造体を支持する構造体かに取付けら
れる)、 13…地震センサー振幅装置(振り子型)、 14…地震センサー振幅装置(重力復元型)、 15…地震センサー振幅装置(バネ復元型)、 15-s…地震センサー振幅装置15の感度調整ネジ、 16…切断刃、 17…地震センサー(振幅)装置の作用部(押出し部・
引張り部等)、 18…クッション材、また粘性材等の緩衝材、 19…ワイヤー、ロープまたケーブル用滑車、 19-a…ワイヤー、ロープ、ケーブル、ロッド等8の変
位を引張(圧縮)方向のみに変換し、かつ抵抗にならな
いローラー等のガイド部材、 19-i…滑車19の回転軸及び取付け部、 20…重り、地震センサー(振幅)装置の地震時に振動
する重り(不動点状態は地面から見ると相対化して振動
状態に見える。重りの振動数が地震の振動数に近付く
と、つまり共振域に近付くと本当に振動する)、 20-a…(重りにもなる)周囲材、 20-b…ボール型重り、 20-bb…ボール型重りに組込まれた小球、 20-bs…ボール型重り20-bの上部押え(固定装置本
体に取付けられている)、 20-c…ピストン状部材7-pの挿入筒7-aまたは付属室
7-abからの液体貯槽7-acまたは外部への出口・出口経
路acjと重り20、20-bとの隙間のカバー材、 20-cc…ピストン状部材7-pの挿入筒7-aまたは付属
室7-abからの液体貯槽7-acまたは外部への出口・出口
経路acjと重り20、20-bとの隙間のカバーとなる
管、 20-cp…重り20、20-bの作動によって出口・出口
経路acjの弁となるロック弁管、 20-cpd…ロック弁管の段差、 20-cpk…ロック弁管の錐形部、 20-cpt…ロック弁管の重りと接する先端部、 20-cpo…ロック弁管の開口、 20-cpi…ロック弁管の吸込み口、 20-cps…ロック弁管の支え(固定装置本体に取付けら
れている)、 20-cpss…ロック弁管の支えと地震センサー振幅装置
の重り20、20-bを滑動(すべり・転がり)させる球
面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り
面部(すべり・転がり面部、以下同じ)センサー免震皿
兼用のもの(固定装置本体に取付けられている)、 20-cpssu…センサー免震皿20-cpssと平行の曲面の
重り20、20-bの上部押え(固定装置本体に取付けら
れている)、 20-cpso…ロック弁管の支えの開口、 20-cs…固定装置本体に取付けられて管20-cpを受け
て通常時の管20-cpからの流れを遮断するた受け材
(固定装置本体に取付けられている)、 20-d…起き上り小法師型重り、 20-da…起き上り小法師型重り20-dの重り部、 20-db…起き上り小法師型重り20-dの繋ぎ部、 20-dc…起き上り小法師型重り20-dの弁部、 20-e…重りによる弁、 20-f…重り20、20-aの吊材の取付け部(免震され
る構造体を支持する構造体に取付けられる)、 20-h…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支点、 20-i…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支点を受ける支持部、 20-j…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支持材、 20-k…重り20、20-a、20-eの(吊材等20-s
の)振り子の支持バネ等、 20-l…ロック弁、 20-ld…ロック弁の段差、 20-lk…ロック弁管の錐形部、 20-lt…ロック弁20-lの重りと接する先端部、 20-ls…固定装置本体に取付けられてロック弁20-l
を受けて通常時の流れを遮断するた受け部(固定装置本
体に取付けられている)、 20-s…重り20、20-aの吊材、 20-p…ロック弁20-lと連動して重り20、20-b、
20-eと接するピン、 20-pu…ピン20-pの上部部材、 20-pd…ピン20-pの下部部材、 20-pp…ピン20-pの上部部材と下部部材とを連結す
るピン、 20-pds…ピン20-pの下部部材を押すバネ等、 20-pr…ピン20-pに刻まれたラック、 21…固定装置自動復元装置、 22…固定装置自動制御装置、 22-a…固定装置自動制御装置(電磁石)、 22-b…固定装置自動制御装置(モーター)、 23…電線、 23-c…電気等の接点、 24…振幅調整のためのスライド装置、 25…バネ等、 25-a…復元用のバネ等、 25-b…外れ防止用のバネ等、 26…緩衝材・弾性材・塑性材、 26-a…緩衝材、 26-b…弾性材、 26-c…緩衝材・弾性材をもった剛性部材、 27…係合材繋ぎ部材、 27-p…係合材繋ぎ部材の押さえワッシャーまたプレー
ト、 28…硬質板(積層ゴム)、 29…ゴムまたバネ(空気バネ含む)本体、 30…有機溶剤で溶けるプラスチックか水で溶けるプラ
スチック、 31…(新重力復元型免震装置の、地震センサー(振
幅)装置の、固定装置の、ダンパーの)ラッパ状・すり
鉢状等の挿入口またはコロを持った挿入口、 32…滑り部垂直変位吸収のスライド装置、 33…地面、 34…復元用のバネ等のラッパ状・すり鉢状等のまたは
コロを持った挿入口、 35…免震皿の、滑り部、中間滑り部、ボールまたロー
ラー等の窪み、 36…連動機構、 36-a…ピン、 36-b…梃子、 36-bf…梃子による弁部、 36-c…ラック、 36-cp…ラック板、 36-ca…移動方向毎に異なる角度で傾斜した歯を持つ
ラック、 36-cb…ラック36-caを持ち、固定ピン7から突出す
るアーム部材7-pmに支点36-ccで接続された可動部
材、 36-cc…アーム部材7-pmに可動部材36-cbが接続す
る可動な支点、 36-cd…ラック、重り等の滑り台、 36-cg…ガイド(スライド部材36-csを支持する)、 36-cs…スライド部材(表面にラック36-cを持
つ)、 36-cw…重量を自由に変更できる重り、 36-d…歯車、 36-di…歯車の回転軸及び取付け部、 36-dti…歯車への梃子の取付け部(梃子の作用点)、 36-da…回転方向毎に異なる角度で傾斜した歯を持つ
歯車、 36-e…歯車、 36-ea…歯車の回転軸について一体になった小歯車、 36-ei…歯車の回転軸及び取付け部、 36-f…動滑車、 36-g…定滑車、 36-h…梃子の支点、 36-hs…梃子の支点の支持部、 36-i…滑車・歯車の回転軸及び取付け部、 36-il…滑車・歯車の回転軸を自由にスライドできる
ように支持する軸受、 36-j…梃子の作用点で、梃子に取付いたワイヤー、ロ
ープ、ロッド等8の支持点、 36-ja…梃子の作用点で、ロック部材11の支持点、 36-k…歯車に取付いたワイヤー、ロープ、ロッド等8
の支持点、 36-l…梃子の力点で、重り20、20-b、またはロッ
ク弁20-lからの梃子への力の伝達点、 36-m…梃子の力点の挿入部、 36-n…ガンギ車、 36-o…アンクル、 36-p…アンクル36-oのつめ(1)、 36-q…アンクル36-oのつめ(2)、 36-r…アンクル36-oの支点、 36-s…フレキシブル材、 36-t…フレキシブル継手、 36-ta…フレキシブルな保護カバー、 36-u…表面部材、 36-ue…表面部材36-uの緩斜面、 36-us…表面部材36-uの急斜面、 36-um…表面部材36-uの面材、 36-vm…地震センサー振幅装置の重り20、20-bを
滑動(すべり・転がり)させる球面・すり鉢または円柱
谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部(すべり・転がり
面部、以下同じ)免震皿(センサー免震皿)、 36-vmc…中央部センサー免震皿、 36-vmo…外周部センサー免震皿、 36-vmr…センサー免震皿36-vmにおける中心部(通
常位置)への戻りルート(路)、 36-vmri…センサー免震皿36-vmにおける戻り口、 36-w…水車(風車)、 36-wa…水車(風車)の羽根(可撓性のある)、 36-wb…水車(風車)の羽根36-waを(撓まないよう
に)支持する部材、 36-z…横長な形状の穴(増幅器等で引張力のみ伝え、
圧縮力を伝えないための、あるいはその逆)、 37…入力連動部、 38…出力連動部、 39…ボルト等でのピン状態固定、 40…(引張力限定伝達装置の)L型の部材、 41…土台等の基礎の上の横架材、 42…構造用合板等、 43…柱、 44…発電機、 45…ロック部材制御装置(電磁石)、 46…ロック部材制御装置(モーター)、 47…ロック部材制御装置、 48…排水管、 48-2…中間排水枡の排水管、 48-p…排水管に設置された(中間)排水枡のふた、 48-ps…排水管に設置された排水枡のふたと排水枡と
の間の弾性シール、 49…排水枡、 50…中間排水枡、 50-b…中間排水枡の復元バネ等の弾性体、 51…ユニット本体、 51’…隣接ユニット本体、 52…ユニット下部材(土台)、 52’…隣接ユニット下部材(土台)、 53…ユニット柱、 53’…隣接ユニット柱、 54…免震装置(特に免震支承)、 55…免震装置のはみ出し部、 56…免震装置の基礎、 57…免震装置取付け用火打ち梁、 58…免震装置取付け板、 59…拘束金物(1)、 59-2…拘束金物(2)、 59-3…拘束金物(3)、 60…ボルト(免震装置を取付けるボルト)、 61…ボルト(火打ち梁を取付けるボルト)、 62…ボルト(ユニット下部材のアンカーボルト用孔等
に用いるボルト)、 62-2…ボルト(ユニット柱下面のアンカーボルト用孔
等に用いるボルト)、 63…ボルト(拘束金物の取付けボルト)
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】
【図14】
【図16】
【図17】
【図15】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図66】
【図64】
【図65】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【図101】
【図102】
【図103】
【図104】
【図105】
【図106】
【図107】
【図108】
【図109】
【図110】
【図111】
【図112】
【図113】
【図114】
【図115】
【図116】
【図117】
【図118】
【図119】
【図120】
【図121】
【図122】
【図123】
【図124】
【図125】
【図126】
【図127】
【図128】
【図129】
【図130】
【図131】
【図132】
【図133】
【図134】
【図136】
【図135】
【図137】
【図142】
【図138】
【図139】
【図182】
【図140】
【図141】
【図197】
【図143】
【図144】
【図145】
【図146】
【図147】
【図148】
【図151】
【図149】
【図150】
【図153】
【図152】
【図154】
【図156】
【図155】
【図157】
【図159】
【図158】
【図160】
【図204】
【図161】
【図162】
【図205】
【図163】
【図164】
【図167】
【図165】
【図166】
【図206】
【図168】
【図169】
【図255】
【図170】
【図171】
【図172】
【図173】
【図174】
【図257】
【図175】
【図176】
【図258】
【図177】
【図178】
【図180】
【図181】
【図179】
【図183】
【図276】
【図184】
【図185】
【図189】
【図186】
【図187】
【図277】
【図188】
【図190】
【図193】
【図191】
【図192】
【図313】
【図194】
【図195】
【図315】
【図196】
【図198】
【図203】
【図199】
【図200】
【図328】
【図201】
【図202】
【図486】
【図207】
【図208】
【図210】
【図209】
【図211】
【図212】
【図213】
【図214】
【図216】
【図215】
【図217】
【図223】
【図218】
【図219】
【図220】
【図221】
【図222】
【図224】
【図225】
【図226】
【図229】
【図227】
【図228】
【図230】
【図231】
【図232】
【図233】
【図234】
【図235】
【図236】
【図249】
【図237】
【図238】
【図239】
【図240】
【図241】
【図242】
【図243】
【図244】
【図245】
【図246】
【図247】
【図248】
【図250】
【図251】
【図252】
【図253】
【図259】
【図254】
【図256】
【図260】
【図261】
【図266】
【図262】
【図263】
【図264】
【図265】
【図267】
【図268】
【図269】
【図272】
【図270】
【図271】
【図273】
【図274】
【図275】
【図278】
【図279】
【図280】
【図281】
【図282】
【図283】
【図284】
【図285】
【図286】
【図287】
【図288】
【図289】
【図290】
【図294】
【図295】
【図291】
【図292】
【図293】
【図296】
【図297】
【図298】
【図302】
【図303】
【図299】
【図300】
【図301】
【図304】
【図305】
【図306】
【図307】
【図308】
【図309】
【図310】
【図311】
【図312】
【図332】
【図314】
【図316】
【図336】
【図317】
【図318】
【図319】
【図320】
【図321】
【図322】
【図337】
【図323】
【図324】
【図325】
【図326】
【図327】
【図330】
【図329】
【図331】
【図333】
【図334】
【図335】
【図338】
【図339】
【図340】
【図341】
【図342】
【図343】
【図346】
【図344】
【図345】
【図347】
【図348】
【図355】
【図356】
【図349】
【図350】
【図351】
【図352】
【図353】
【図354】
【図357】
【図358】
【図359】
【図360】
【図361】
【図362】
【図363】
【図364】
【図366】
【図365】
【図367】
【図368】
【図369】
【図377】
【図380】
【図370】
【図371】
【図372】
【図373】
【図374】
【図375】
【図376】
【図378】
【図379】
【図381】
【図384】
【図382】
【図383】
【図385】
【図386】
【図397】
【図387】
【図388】
【図416】
【図389】
【図390】
【図391】
【図392】
【図393】
【図394】
【図395】
【図396】
【図398】
【図399】
【図400】
【図401】
【図402】
【図403】
【図404】
【図405】
【図406】
【図407】
【図408】
【図409】
【図410】
【図411】
【図412】
【図413】
【図414】
【図415】
【図417】
【図418】
【図419】
【図420】
【図424】
【図421】
【図422】
【図423】
【図425】
【図428】
【図426】
【図427】
【図429】
【図430】
【図434】
【図431】
【図432】
【図433】
【図435】
【図436】
【図437】
【図438】
【図439】
【図440】
【図441】
【図443】
【図445】
【図442】
【図444】
【図446】
【図447】
【図448】
【図449】
【図450】
【図451】
【図452】
【図453】
【図456】
【図454】
【図455】
【図457】
【図458】
【図459】
【図460】
【図461】
【図463】
【図464】
【図462】
【図465】
【図466】
【図467】
【図468】
【図469】
【図471】
【図470】
【図472】
【図475】
【図473】
【図474】
【図476】
【図477】
【図478】
【図479】
【図481】
【図480】
【図482】
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【図484】
【図485】
【図487】
【図488】
【図489】
【図490】
【図491】
【図492】
【図493】
【図494】
【図495】
【図496】
【図497】
【図498】
【図499】
【図500】
【図501】
【図502】
【図503】
【図504】
【図505】
【図506】
【図507】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/36 E04B 1/36 M E04H 9/02 331 E04H 9/02 331B 331D 331E 331Z F16F 15/04 F16F 15/04 E

Claims (263)

    【特許請求の範囲】 A.免震装置 1.十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元型
    免震装置・滑り支承 1.1. 十字型免震装置・滑り支承、または十字重力復元
    型免震装置・滑り支承
  1. 【請求項1】 免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 下向きの凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同
    じ)または平面型滑り面部を有する上部材(上部スライ
    ド部材)と上向きの凹型滑り面部または平面型滑り面部
    を有する下部材(下部スライド部材)とが、互いに交差
    する方向に係合し、スライドできるように構成され、 かつ、前記上部材を免震される構造体に、前記下部材を
    免震される構造体を支持する構造体に設けることにより
    構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。 1.2. 十字型免震装置・滑り支承、十字重力復元型免震
    装置・滑り支承の中間滑り部
  2. 【請求項2】 前請求項記載の免震装置・滑り支承にお
    いて、 上部スライド部材と下部スライド部材の間に、中間滑り
    部またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間
    滑り部を設けることにより構成されてなることを特徴と
    する免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 1.3. 十字重力復元型引抜き防止装置・滑り支承
  3. 【請求項3】 請求項1項または請求項2項記載の免震
    装置・滑り支承において、 上部スライド部材と下部スライド部材とに、横に細長く
    開口したスライド孔があり、 これらのスライド部材同士が、互いに交差する方向に、
    双方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成
    されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、また
    それによる免震構造体。
  4. 【請求項4】 前請求項記載の免震装置・滑り支承にお
    いて、 上部スライド部材のスライド孔を挟む上部材の下部面
    に、下向き凹型滑り面部を有し、 下部スライド部材の、スライド孔を挟む上部材の上部面
    に、上部スライド部材の上部材の下部面の下向き凹型滑
    り面部が滑走しうる上向き凹型滑り面部を、また下部面
    に下向き凸型滑り面部を有し、 かつ、 上部スライド部材の、スライド孔を挟む下部材の上部面
    に、下部スライド部材の上部材の下部面の下向き凸型滑
    り面部が滑走しうる上向き凸型滑り面部を、また下部面
    に下向き凹型滑り面部を有し、 下部スライド部材の、
    スライド孔を挟む下部材の上部面に、上部スライド部材
    の下部材の下部面の下向き凹型滑り面部が滑走しうる上
    向き凹型滑り面部を有することにより、構成されてなる
    ことを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる
    免震構造体。 2.引抜き防止装置・滑り支承の改良 2.1. 復元・減衰バネ等付き引抜き防止装置・滑り支承
  5. 【請求項5】 免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とが、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 前記スライド孔の両側に、バネ・ゴム・磁石等の緩衝材
    ・弾性体を設けることにより構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより、 構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。
  6. 【請求項6】 請求項3項、請求項4項、請求項8項、
    請求項9項、請求項10項、請求項11項、請求項18
    項、請求項19項、請求項21項、請求項22項、請求
    項23項、請求項24項、請求項26項、請求項27
    項、請求項28項、請求項28−2項のいずれか1項に
    記載の免震装置・滑り支承において、係合されたスライ
    ド孔の両側にバネ・ゴム・磁石等の緩衝材・弾性体を設
    けることにより構成されてなることを特徴とする免震装
    置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  7. 【請求項7】 前請求項記載の免震装置・滑り支承にお
    いて、 係合されたスライド孔の両側に設けられるバネ・ゴム・
    磁石等の弾性体・緩衝材が、二段階、多段階、または無
    段階に変化する弾性力・緩衝力を持ったものであること
    を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 2.2. 積層ゴム/ゴム/バネ等付き引抜き防止装置・滑
    り支承
  8. 【請求項8】 免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 かつ、上部スライド部材または免震される構造体と下部
    スライド部材または免震される構造体を支持する構造体
    との間に積層ゴム・ゴム・バネ・磁石等の弾性体・緩衝
    材が設けられ、 前記上部スライド部材を免震される構造体に、下部スラ
    イド部材を免震される構造体を支持する構造体に設ける
    ことにより構成されてなることを特徴とする免震装置・
    滑り支承、またそれによる免震構造体。2.3. 引抜き防
    止機能の増強
  9. 【請求項9】 免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 上及び横に細長く開口したスライド孔を有する上部スラ
    イド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向
    に、双方の横のスライド孔に係合し、双方の上のスライ
    ド孔を貫く係合材を取り付け、スライドできるように構
    成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  10. 【請求項10】 請求項3項から請求項8項のいずれか
    1項に記載の免震装置・滑り支承において、 上部及び下部スライド部材の上にスライド孔を設け、そ
    れらのスライド孔を貫く係合材を取り付けることにより
    構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。 2.4. 新引抜き防止装置・滑り支承 (1) 新引抜き防止装置・滑り支承
  11. 【請求項11】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 細長く開口したスライド孔を上に有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とが、互いに交差する方向に係合
    され、双方の上のスライド孔を貫く係合材を取り付けら
    れて、スライドできるように構成され、 かつ、前記上部スライド部材が免震される構造体に、下
    部スライド部材が免震される構造体を支持する構造体に
    設けられることにより構成されてなることを特徴とする
    免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 (2) 新引抜き防止装置・滑り支承
  12. 【請求項12】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 内側のスライド部材が水平方向にスライドできる余地を
    もって外側のスライド部材に包み込まれる、というよう
    に構成された、包み込み合う関係のスライド部材からな
    り、 かつ、前記内側のスライド部材と外側のスライド部材の
    一方が免震される構造体に、他方が免震される構造体を
    支持する構造体に設けられることにより構成されてなる
    ことを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる
    免震構造体。
  13. 【請求項13】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 一番内側のスライド部材が、水平方向にスライドできる
    余地をもって、すぐ外側のスライド部材に包み込まれ、
    この二番目のスライド部材が、水平方向にスライドでき
    る余地をもって、その外側のスライド部材に包み込まれ
    る、というように順次構成された、一重以上の包み込み
    合う関係のスライド部材からなり、 かつ、前記一番内側のスライド部材と一番外側のスライ
    ド部材の一方が、免震される構造体に、他方が免震され
    る構造体を支持する構造体に設けられることにより構成
    されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、また
    それによる免震構造体。 (3) 新引抜き防止装置・滑り支承
  14. 【請求項14】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 内側のスライド部材が水平方向にスライドできる余地を
    もって外側のスライド部材に包み込まれる、というよう
    に構成された、包み込み合う関係のスライド部材からな
    るスライド装置が、上下に二組あり、相互に繋がれてお
    り、 かつ、前記上下二組のスライド装置のうちの上の一組
    が、免震される構造体に、下の一組が、免震される構造
    体を支持する構造体に設けられることにより構成されて
    なることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれに
    よる免震構造体。
  15. 【請求項15】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 一番内側のスライド部材が、水平方向にスライドできる
    余地をもってすぐ外側のスライド部材に包み込まれ、こ
    の二番目のスライド部材が、水平方向にスライドできる
    余地をもってさらにその外側のスライド部材に包み込ま
    れる、というように順次構成された、一重以上の包み込
    み合う関係のスライド部材からなるスライド装置が、上
    下に二組あり、相互に繋がれており、 かつ、前記上下二組のスライド装置のうちの上の一組
    が、免震される構造体に、下の一組が、免震される構造
    体を支持する構造体に設けられることにより構成されて
    なることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれに
    よる免震構造体。 2.5. 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承 (2) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承
  16. 【請求項16】 請求項12項から請求項15項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 包み込み合う関係の内側外側のスライド部材のうち、外
    側のスライド部材が、凹型滑り面部を持ち、内側のスラ
    イド部材がその凹型滑り面部を滑動できるように構成さ
    れてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそ
    れによる免震構造体。 2.4.(4) 新引抜き防止装置・滑り支承のバネ付き (3) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承のバネ付
  17. 【請求項17】 請求項12項から請求項16項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 内側のスライド部材と外側のスライド部材との間に、復
    元力をもたせるためのコイルバネ、板バネ、螺旋板バ
    ネ、ゴム、磁石等の弾性体・緩衝材を設けることにより
    構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。 (1) 重力復元置型引抜き防止装置・滑り支承
  18. 【請求項18】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とが、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 上部スライド部材と下部スライド部材のうち、どちらか
    一方が凹型滑り面部をもつ免震皿を有し、もう一方が当
    該免震皿の凹型滑り面部を滑走しうるローラー・ボール
    (ベアリング)若しくは滑り部を有し、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.6. 引抜き防止装置・滑り支承の重力復元型免震装置
    ・滑り支承振動時垂直変位吸収装置 2.6.1. バネ等付き部材での押さえ込み
  19. 【請求項19】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、 この上部スライド部材と下部スライド部材両方の、横に
    細長く開口したスライド孔内に、他方のスライド部材を
    バネ・ゴム・磁石等の弾性体・緩衝材で押さえ込むプレ
    ート等の部材を取付け、スライドできるように構成さ
    れ、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.6.2. 重力復元型免震装置・滑り支承と同じ曲率付き
  20. 【請求項20】免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるようにし、 上部スライド部材・下部スライド部材に、当該装置と併
    用される重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の曲率
    と同じ勾配形状をもたせ、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.7. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(すべり
    型)
  21. 【請求項21】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 かつ、上部スライド部材と下部スライド部材との間に、
    中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をも
    った中間滑り部を設け、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.8. 引抜き防止装置・滑り支承の中間滑り部(転がり
    型)
  22. 【請求項22】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 かつ、上部スライド部材と下部スライド部材との間に、
    ローラー・ボール(ベアリング)を設け、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.9. 引抜き防止装置・滑り支承の改良
  23. 【請求項23】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と中間部スライド部材と下部スライド部材とからな
    り、 上部スライド部材と中間部スライド部材とを、中間部ス
    ライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方
    向に、双方のスライド孔に係合し、スライドできるよう
    に構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.10. 引抜き防止装置・滑り支承の改良
  24. 【請求項24】免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 かつ、上部スライド部材を構成する下部材、下部スライ
    ド部材を構成する上部材のどちらか、または両方が、そ
    れぞれのスライド部材に対して上下方向は拘束されなが
    ら水平方向にスライドするように構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 【請求項24−2】免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と下部スライド部材とを、互いに交差する方向に、双
    方のスライド孔に係合し、スライドできるように構成さ
    れ、 かつ、上部スライド部材を構成する下部材、下部スライ
    ド部材を構成する上部材のどちらか、または両方が、そ
    れぞれのスライド部材の対辺同士に設けられた引掛け部
    または引掛かり部に掛り合うことにより、それぞれのス
    ライド部材に対して上下方向は拘束されながら水平方向
    にスライドするように構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  25. 【請求項25】 請求項24項または請求項24−2項
    記載の免震装置・滑り支承において、 すべり型中間滑り部または転がり型中間滑り部を設ける
    ことにより構成されてなることを特徴とする免震装置・
    滑り支承、またそれによる免震構造体。
  26. 【請求項26】 前請求項記載の免震装置・滑り支承に
    おいて、 上部スライド部材を構成する下部材、下部スライド部材
    を構成する上部材に、それぞれスライド方向に開口した
    孔をもち、 両スライド部材の交差する孔中に、すべり型中間滑り部
    または転がり型中間滑り部を設けることにより構成され
    てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
    による免震構造体。
  27. 【請求項27】 請求項24項または請求項24−2項
    記載の免震装置・滑り支承において、上部スライド部材
    を構成する下部材および下部スライド部材を構成する上
    部材が、それぞれ二つの部材に分かれて孔を形成してお
    り、 両スライド部材の、この二つに分かれた部材からなる交
    差する孔中に、すべり型中間滑り部または転がり型中間
    滑り部を設けることにより構成されてなることを特徴と
    する免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.11. 引抜き防止装置・滑り支承の改良
  28. 【請求項28】免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と中間部スライド部材と下部スライド部材とからな
    り、 上部スライド部材と中間部スライド部材とを、中間部ス
    ライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方
    向に、双方のスライド孔に係合し、スライドできるよう
    に構成され、 かつ、上部スライド部材を構成する下部
    材、下部スライド部材を構成する上部材のどちらか、ま
    たは両方が、上部スライド部材、下部スライド部材それ
    ぞれに対して上下方向は拘束されながら、水平方向にス
    ライドするように構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 【請求項28−2】免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けられ、 横に細長く開口したスライド孔を有する上部スライド部
    材と中間部スライド部材と下部スライド部材とからな
    り、 上部スライド部材と中間部スライド部材とを、中間部ス
    ライド部材と下部スライド部材とを、互いに交差する方
    向に、双方のスライド孔に係合し、スライドできるよう
    に構成され、 かつ、上部スライド部材を構成する下部
    材、下部スライド部材を構成する上部材のどちらか、ま
    たは両方が、それぞれのスライド部材の対辺同士に設け
    られた引掛け部または引掛かり部に掛り合うことによ
    り、上部スライド部材、下部スライド部材それぞれに対
    して上下方向は拘束されながら、水平方向にスライドす
    るように構成され、 かつ、前記上部スライド部材を免震される構造体に、下
    部スライド部材を免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2.12. 引抜き防止装置・滑り支承の改良
  29. 【請求項29】免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 上側免震皿に対して上下方向は拘束されながら水平方向
    にスライドし、下側免震皿に対して上下方向は拘束され
    ながら水平方向にスライドするように構成された上下繋
    ぎスライド部材により、上側免震皿と下側免震皿とは上
    下方向には繋がれ、水平方向にはスライド可能なように
    構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
    皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
    より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 【請求項29−2】免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体において、 引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
    ド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設けら
    れた引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合うことに
    より、 上側免震皿と下側免震皿とは上下方向には繋がれ、水平
    方向にはスライド可能なように構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
    皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
    より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 【請求項29−3】免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体において、 引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
    ド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設けら
    れた引掛かり部(または引掛け部)に対し、内側から掛
    かり合う(入り込む)ことによって、上側免震皿と下側
    免震皿とは上下方向には繋がれ、水平方向にはスライド
    可能なように構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
    皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
    より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 【請求項29−4】免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体において、 引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
    ド部材が上下の免震皿(の平行する対辺同士)に設けら
    れた引掛かり部(または引掛け部)に対し、外側から掛
    かり合う(入り込む)ことによって、上側免震皿と下側
    免震皿とは上下方向には繋がれ、水平方向にはスライド
    可能なように構成され、 かつ、前記上側免震皿を免震される構造体に、下側免震
    皿を免震される構造体を支持する構造体に設けることに
    より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。
  30. 【請求項30】請求項29項から請求項29−4項のい
    ずれか一項に記載の免震装置・滑り支承において、 上側免震皿に対してのスライド方向と、下側免震皿に対
    してのスライド方向とは、直角をなすように構成された
    上下繋ぎスライド部材であることを特徴とする免震装置
    ・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  31. 【請求項31】請求項29項から請求項30項のいずれ
    か一項に記載の免震装置・滑り支承において、 上下繋ぎスライド部材の中央部に、免震皿上を自由にボ
    ールもしくはローラー等の転動体が転がるかまたは中間
    すべり部がすべるかする大きさの孔が開けられ、ボール
    もしくはローラー等の転動体または中間すべり部が入っ
    ていることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  32. 【請求項32】 請求項31項記載の免震装置・滑り支
    承において、 上側免震皿、下側免震皿は、すり鉢状・球面状または円
    柱谷面状・V字谷面状等の凹型滑り面部を有する免震皿
    であることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
    による免震構造体。 【請求項32−2】請求項29項から請求項32項のい
    ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 上下繋ぎスライド部材と免震皿との接触部分にボールも
    しくはローラー等の転動体または低摩擦材を設けること
    により構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体。 3.滑り型免震装置・滑り支承のダンパー機能向上及び
    初滑動向上 3.1. 摩擦係数の変化
  33. 【請求項33】免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 凹型もしくは平面型の滑り面部を有する免震皿と、それ
    をすべるか転がるかする滑り部とを持つ免震装置・滑り
    支承において、 または、下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有す
    る上部免震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部
    を有する下部免震皿とで構成された上部免震皿と下部免
    震皿との間に中間滑り部またはローラー・ボール(ベア
    リング)をもった中間滑り部またはローラー・ボールが
    はさみこまれた免震装置・滑り支承において、 または、前記上部免震皿と前記下部免震皿の中間に上面
    下面ともに滑り面部をもった1個若しくは複数個の中間
    免震皿も挟み込まれ、重なる免震皿同士の間に中間滑り
    部またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間
    滑り部またはローラー・ボール(以上、「中間滑り部
    等」と言う)がはさみこまれた免震装置・滑り支承にお
    いて、 免震皿の滑り面部の中心部の摩擦係数を小さくするか、
    周辺部の摩擦係数を大きくするか、または両方を組合せ
    ることによって構成されてなることを特徴とする免震装
    置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 3.2. 曲率の変化
  34. 【請求項34】免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けられ、 凹型の滑り面部を有する免震皿と、それをすべるか転が
    るかする滑り部とを持つ免震装置・滑り支承において、 または、下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有す
    る上部免震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部
    を有する下部免震皿とで構成された上部免震皿と下部免
    震皿との間に中間滑り部またはローラー・ボール(ベア
    リング)をもった中間滑り部またはローラー・ボールが
    はさみこまれた免震装置・滑り支承において、且つ上部
    免震皿、下部免震皿の一方にまたは両方に凹型の滑り面
    部を有する場合において、 または、前記上部免震皿と前記下部免震皿の中間に上面
    下面ともに滑り面部をもった1個若しくは複数個の中間
    免震皿も挟み込まれ、重なる免震皿同士の間に中間滑り
    部またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間
    滑り部またはローラー・ボール(以上、「中間滑り部
    等」と言う)がはさみこまれた免震装置・滑り支承にお
    いて、 免震皿の滑り面部の中心部の曲率半径を大きくするか、
    周辺部の曲率半径を小さくするか、または両方を組合せ
    ることにより構成されてなることを特徴とする免震装置
    ・滑り支承、またそれによる免震構造体。 【請求項34−2】請求項34項記載の免震皿の滑り面
    部において、滑り面部の勾配が、以下の式を満たすよう
    に構成されてなること特徴とするをダンパー、またそれ
    による免震構造体。 Z=p・X^n ただし X : 免震皿の中央部からの水平変位 Z : 免震皿が構成する曲面上で、水平変位Xに伴い生
    じる鉛直変位 p、n : 曲面の方程式の係数 4.二重(または二重以上の)免震皿免震装置、重力復
    元型免震装置 4.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
    支承 4.1.1. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑
    り支承
  35. 【請求項35】下向きの平面または凹面で形成された滑
    り面部をもった上部免震皿と、上向きの平面または凹面
    で形成された滑り面部をもった下部免震皿とで構成さ
    れ、この上部免震皿と下部免震皿とが上下に重なり、 上部免震皿と下部免震皿の中間に、上面下面ともに滑り
    面部をもち、上面は下向きの平面または凹面で形成さ
    れ、下面は上向きの平面または凹面で形成された1個若
    しくは複数個の中間免震皿が挟み込まれる場合もあり、 上部免震皿を免震される構造体に、下部免震皿を免震さ
    れる構造体を支持する構造体に取付けることにより構成
    されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、また
    それによる免震構造体。
  36. 【請求項36】前請求項記載の免震装置・滑り支承にお
    いて、 免震皿の寸法が、地震による(免震皿上での)最大応答
    振幅を免震皿の枚数で割った寸法と、免震される構造体
    の荷重を免震皿同士で伝達できる最小限の面積が得られ
    る寸法とを、足し合わせた寸法、またはそれに余裕をみ
    た寸法にしてなる免震皿により構成されてなることを特
    徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 4.1.2. 引抜き防止付き三重(また三重以上の)免震皿
    免震装置・滑り支承
  37. 【請求項37】請求項35項または請求項36項記載の
    上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿による三重免震皿
    免震装置・滑り支承において、 上部免震皿と中間免震皿とが、(平行する対辺同士で)
    上下繋ぎスライド部材または免震皿自体に設けられた上
    下繋ぎスライド部分によって掛かり合い繋がれ、それと
    交差する方向に、中間免震皿と下部免震皿とが、(平行
    する対辺同士で)上下繋ぎスライド部材・部分によって
    掛かり合う繋がれることによって、上部免震皿と中間免
    震皿と下部免震皿とが相互に係合(掛かり合う)連結さ
    れることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれに
    よる免震構造体。 【請求項37−2】請求項35項または請求項36項記
    載の上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿による三重免
    震皿免震装置・滑り支承において、 上部免震皿と中間免震皿とが、(平行する対辺同士で)
    引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライ
    ド部材、または引掛け部(または引掛かり部)が免震皿
    自体に設けられた上下繋ぎスライド部分が、免震皿に設
    けられた引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合うこ
    とによって繋がれ、それと交差する方向に、中間免震皿
    と下部免震皿とが、(平行する対辺同士で)引掛け部
    (または引掛かり部)を有する上下繋ぎスライド部材、
    または引掛け部(または引掛かり部)が免震皿自体に設
    けられた上下繋ぎスライド部分が、免震皿に設けられた
    引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合うことによっ
    て、上部免震皿と中間免震皿と下部免震皿とが相互に係
    合連結されることを特徴とする免震装置・滑り支承、ま
    たそれによる免震構造体。
  38. 【請求項38】請求項35項または請求項36項記載の
    免震装置・滑り支承において、 中間免震皿が複数個あって、それらの中間免震皿が、
    (平行する対辺同士で)上下繋ぎスライド部材または免
    震皿自体に設けられた上下繋ぎスライド部分によって相
    互に掛かり合い繋がれ、順次係合連結されてゆくことに
    より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 【請求項38−2】請求項35項または請求項36項記
    載の免震装置・滑り支承において、中間免震皿が複数個
    あって、それらの中間免震皿が、(平行する対辺同士
    で)引掛け部(または引掛かり部)を有する上下繋ぎス
    ライド部材、または引掛け部(または引掛かり部)が免
    震皿自体に設けられた上下繋ぎスライド部分が、免震皿
    に設けられた引掛かり部(または引掛け部)と掛かり合
    うことによって相互に掛かり合い繋がれ、順次係合連結
    されてゆくことにより構成されてなることを特徴とする
    免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 (6) 上下繋ぎスライド部材・部分 【請求項38−3】請求項37項から請求項38−2項
    のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 上下繋ぎスライド部材または上下繋ぎスライド部分と免
    震皿との接触部分にボールもしくはローラー等の転動体
    または低摩擦材を設けることにより構成されてなること
    を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 4.2. 中間滑り部持ち二重(または二重以上の)免震皿
    免震装置・滑り支承 4.2.1. 中間滑り部(一重) 4.2.1.1. 中間滑り部
  39. 【請求項39】請求項35項から請求項38−3項のい
    ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 重なる免震皿間に、中間滑り部またはローラー・ボール
    (ベアリング)をもった中間滑り部またはローラー・ボ
    ール(ベアリング)が挟み込まれ、 また、免震皿と中間滑り部との間にローラー・ボール
    (ベアリング)が挟み込まれる場合もあって、構成され
    てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
    による免震構造体。 4.2.1.2. 中間滑り部(すべり型)
  40. 【請求項40】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、こ
    の中間滑り部を挟む上側免震皿の滑り面部と同曲率また
    は接する曲率の凸型と、この中間滑り部を挟む下側免震
    皿の滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型とが合体
    した形状の中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリ
    ング)をもった中間滑り部とからなり、 また、免震皿と中間滑り部との間にローラー・ボール
    (ベアリング)が挟み込まれる場合もあって、構成され
    てなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれ
    による免震構造体。 4.2.1.2.1. 中間滑り部(平面状、凹型球面状免震皿)
  41. 【請求項41】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、下
    向きの平面状または凹型の球面状等の滑り面部を有する
    上側免震皿と、上向きの平面状または凹型の球面状等の
    滑り面部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟ま
    れ、上側免震皿の滑り面部と同曲率または接する曲率の
    凸型と、この中間滑り部を挟む下側免震皿の滑り面部と
    同曲率または接する曲率の凸型とが合体した形状の中間
    滑り部とからなり、また、免震皿と中間滑り部との間に
    ローラー・ボール(ベアリング)が挟み込まれる場合も
    あって、構成されてなることを特徴とする免震装置・滑
    り支承、またそれによる免震構造体。 4.2.1.2.2. 中間滑り部(平面状、円柱谷面状免震皿)
  42. 【請求項42】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、下
    向きの平面状または円柱谷面状等の滑り面部を有する上
    側免震皿と、上向きの平面状または円柱谷面状等の滑り
    面部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ、
    上側免震皿の滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型
    と、この中間滑り部を挟む下側免震皿の滑り面部と同曲
    率または接する曲率の凸型とが合体した形状の中間滑り
    部とからなり、また、免震皿と中間滑り部との間にロー
    ラー・ボール(ベアリング)が挟み込まれる場合もあっ
    て、構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 4.2.1.2.3. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免震皿)
  43. 【請求項43】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、下
    向きの平面状またはすり鉢状等の滑り面部を有する上側
    免震皿と、上向きの平面状またはすり鉢状等の滑り面部
    を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ、上側
    免震皿の滑り面部と接する曲率の凸型と、この中間滑り
    部を挟む下側免震皿の滑り面部と接する曲率の凸型とが
    合体した形状の中間滑り部とからなり、また、免震皿と
    中間滑り部との間にローラー・ボール(ベアリング)が
    挟み込まれる場合もあって、構成されてなることを特徴
    とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 4.2.1.2.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状免震皿)
  44. 【請求項44】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、下
    向きの平面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する上
    側免震皿と、上向きの平面状またはV字谷面状等の滑り
    面部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ、
    上側免震皿の滑り面部と接する曲率の凸型と、この中間
    滑り部を挟む下側免震皿の滑り面部と接する曲率の凸型
    とが合体した形状の中間滑り部とからなり、また、免震
    皿と中間滑り部との間にローラー・ボール(ベアリン
    グ)が挟み込まれる場合もあって、構成されてなること
    を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 4.2.1.2.5. 中間滑り部(凹型免震皿と接する曲率をも
    った中間滑り部)
  45. 【請求項45】請求項43項または請求項44項に記載
    のすり鉢またはV字谷面状等の免震皿からなる免震装置
    ・滑り支承において、 すり鉢またはV字谷面状等の底が、免震皿に挟まれた中
    間滑り部と同曲率の形状をなしており、すり鉢またはV
    字谷面状等はそれに接する形で形成されてなることを特
    徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 4.2.1.3. 中間滑り部(転がり型) 4.2.1.3.1. 中間滑り部(平面状、凹型球面状免震皿)
  46. 【請求項46】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 下向きの平面状または凹型の球面状の滑り面部を有する
    上側免震皿と、上向きの平面状または凹型の球面状の滑
    り面部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれ
    たボールとからなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 4.2.1.3.2. 中間滑り部(平面状、すり鉢状免震皿)
  47. 【請求項47】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 下向きの平面状またはすり鉢状等の滑り面部を有する上
    側免震皿と、上向きの平面状またはすり鉢状等の滑り面
    部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれたボ
    ールとからなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。
  48. 【請求項48】 前請求項記載のすり鉢状の免震皿から
    なる免震装置・滑り支承において、 すり鉢等の底が、ボールと同曲率の球面状であり、すり
    鉢はそれに接する形で形成されてなることを特徴とする
    免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 4.2.1.3.3. 中間滑り部(平面状、円柱谷面状免震皿)
  49. 【請求項49】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 下向きの平面状または円柱谷面状の滑り面部を有する上
    側免震皿と、上向きの平面状または円柱谷面状の滑り面
    部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれたロ
    ーラー(またはボール)とからなることを特徴とする免
    震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 4.2.1.3.4. 中間滑り部(平面状、V字谷面状免震皿)
  50. 【請求項50】 請求項39項記載の免震装置・滑り支
    承において、 下向きの平面状またはV字谷面状の滑り面部を有する上
    側免震皿と、上向きの平面状またはV字谷面状の滑り面
    部を有する下側免震皿と、これらの免震皿に挟まれたロ
    ーラー(またはボール)とからなることを特徴とする免
    震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  51. 【請求項51】 前請求項記載のV字谷面状の免震皿か
    らなる免震装置・滑り支承において、 V字谷面の底が、免震皿に挟まれたローラー(またはボ
    ール)と同曲率の形状をなしており、V字谷面はそれに
    接する形で形成されてなることを特徴とする免震装置・
    滑り支承、またそれによる免震構造体。 4.2.1.4. 中間滑り部(転がりすべり中間型) (1) 回転抑制型
  52. 【請求項52】 請求項39項から請求項51項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部はロー
    ラー・ボール(ベアリング)と、このローラー・ボール
    (ベアリング)をもったすべり部分とによって構成さ
    れ、 すべり部分が、ローラー・ボール(ベアリング)の回転
    を抑制するように、すべり部分とローラー・ボール(ベ
    アリング)との接触面の摩擦が大きくなるように構成さ
    れてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそ
    れによる免震構造体。 (2) 摩擦回転併用型
  53. 【請求項53】 請求項39項から請求項52項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部はロー
    ラー・ボール(ベアリング)と、このローラー・ボール
    (ベアリング)をもったすべり部分とによって構成さ
    れ、 すべり部分とローラー・ボール(ベアリング)の両方と
    が免震皿にほぼ均等に接するように構成されてなること
    を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 4.2.2. 二重中間滑り部
  54. 【請求項54】 請求項39項から請求項53項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、第
    一中間滑り部と第二中間滑り部とに分かれ、 上側または下側免震皿のどちらか一方の平面状または凹
    型滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型滑り面部を
    もち、且つその凸型の反対部は凸(または凹)型球面状
    滑り面部をもつ第一中間滑り部と、 その反対部の凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球
    面率の凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、且つそ
    の凹(または凸)型の反対部は、上側または下側免震皿
    のもう一方の平面状または凹型滑り面部と同曲率または
    接する曲率の凸型滑り面部をもつ第二中間滑り部とから
    なり、この第一中間滑り部及び第二中間滑り部とが、互
    いに同一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形
    で、上側及び下側免震皿に挟みこまれることにより構成
    されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、また
    それによる免震構造体。 4.2.3. 三重中間滑り部
  55. 【請求項55】 請求項39項から請求項53項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 一個もしくは複数(全部でもよい)の中間滑り部は、第
    一中間滑り部と第二中間滑り部と第三中間滑り部とに分
    かれ、 上側または下側免震皿のどちらか一方の平面状または凹
    型滑り面部と同曲率または接する曲率の凸型滑り面部を
    もち、且つその凸型の反対部は凹(または凸)型球面状
    滑り面部をもつ第一中間滑り部と、 その反対部の凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球
    面率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもち、且つそ
    の凸(または凹)型の反対部は凸(または凹)型球面状
    滑り面部をもつ第二中間滑り部と、 その反対部の凸(または凹)型球面状滑り面部と同一球
    面率の凹(または凸)型球面状滑り面部をもち、且つそ
    の凹(または凸)型の反対部は、上側または下側免震皿
    のもう一方の平面状または凹型滑り面部と同曲率または
    接する曲率の凸型滑り面部をもつ第三中間滑り部とから
    なり、 この第一中間滑り部、第二中間滑り部及び第三中間滑り
    部とが、それぞれ互いに同一球面率の球面状滑り面部同
    士で重なりあう形で、上側及び下側免震皿に挟みこまれ
    ることにより構成されてなることを特徴とする免震装置
    ・滑り支承、またそれによる免震構造体。 4.2.4. 復元バネ付き中間滑り部持ち二重(または二重
    以上の)免震皿免震装置・滑り支承
  56. 【請求項56】 請求項39項から請求項55項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)をも
    った中間滑り部または保持器と、上側免震皿、下側免震
    皿とが、バネ・ゴム・磁石等で繋がれることにより構成
    されてなること特徴とする免震装置・滑り支承、またそ
    れによる免震構造体。 4.2.5. ローラー・ボール(ベアリング)入り二重(ま
    たは二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承
  57. 【請求項57】 請求項35項から請求項56項のいず
    れか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 上部免震皿と、単数または複数の中間免震皿と、下部免
    震皿とが重なり合う各層の間に、ローラー・ボール(ベ
    アリング)が挟まれることにより構成されてなることを
    特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
    造体。 4.3. 平面状また円柱谷面状またV字谷面状重層免震皿
    (上下繋ぎスライド部分持ち)
  58. 【請求項58】請求項35項から請求項57項のいずれ
    か1項に記載の免震装置・滑り支承において、 免震皿が複数個あって、それらの免震皿が、(平行する
    対辺同士で)免震皿自体に設けられた上下繋ぎスライド
    部分によって相互に繋がれ、順次連結されてゆき、 下向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面状等の
    滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状または
    円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下側
    免震皿と、これらの免震皿に挟まれたローラー等の転動
    体または中間滑り部(すべり部材)とによって構成され
    る一層が、 一層単位ごとにローラー等の転動体または中間滑り部
    (すべり部材)の進行方向が変わるように、免震皿が3
    層の時は、互いに直交方向になるように、免震皿が3層
    以上の時は、交差角度の総合計が180度になるよう
    に、 免震皿が重ねられて(下の一層の上側免震皿は、上の一
    層の下側免震皿をも兼ねる場合もあり)、 その重層によって、あらゆる方向からの地震等の水平力
    に免震するように構成されてなること特徴とする免震装
    置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 【請求項58−2】請求項35項から請求項57項のい
    ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 免震皿が複数個あって、それらの免震皿が、(平行する
    対辺同士で)免震皿自体に設けられた引掛け部(または
    引掛かり部)からなる上下繋ぎスライド部分が、上下に
    重なり合う免震皿に設けられた引掛かり部(または引掛
    け部)と掛かり合うことによって、相互に繋がれ、順次
    連結されてゆき、 下向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面状等の
    滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状または
    円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下側
    免震皿と、これらの免震皿に挟まれたローラー等の転動
    体または中間滑り部(すべり部材)とによって構成され
    る一層が、 一層単位ごとにローラー等の転動体または中間滑り部
    (すべり部材)の進行方向が変わるように、免震皿が3
    層の時は、互いに直交方向になるように、免震皿が3層
    以上の時は、交差角度の総合計が180度になるよう
    に、 免震皿が重ねられて(下の一層の上側免震皿は、上の一
    層の下側免震皿をも兼ねる場合もあり)、 その重層によって、あらゆる方向からの地震等の水平力
    に免震するように構成されてなること特徴とする免震装
    置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 (6) 上下繋ぎスライド部分 【請求項58−3】請求項58−2項記載の免震装置・
    滑り支承において、 上下繋ぎスライド部分と免震皿との接触部分にボールも
    しくはローラー等の転動体または低摩擦材を設けること
    により構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体。 (7) ローラー複数型 1) V字谷面状
  59. 【請求項59】請求項58項または請求項58−3項の
    いずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 下向きのV字谷面状等の滑り面部を有する上側免震皿
    と、上向きのV字谷面状等の滑り面部を有する下側免震
    皿とが、複数個のV字谷面状等の滑り面部を持ち、この
    滑り面部にローラー等の転動体または中間滑り部(すべ
    り部材)を挟むことにより構成されてなることを特徴と
    する免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 2) 平面状または円柱谷面状またはV字谷面状
  60. 【請求項60】請求項58項または請求項58−3項の
    いずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 下向きの平面状または円柱谷面状またはV字谷面状等の
    滑り面部を有する上側免震皿と、上向きの平面状または
    円柱谷面状またはV字谷面状等の滑り面部を有する下側
    免震皿と、これらの免震皿に挟まれた複数個のローラー
    等の転動体または中間滑り部(すべり部材)とによって
    構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。 (8) ローラー歯車持ち型 【請求項60−2】請求項35項から請求項60項のい
    ずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、 滑り面部のローラー転がり面にラックを、ローラーの周
    囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けることにより
    構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、
    またそれによる免震構造体。 (9) ローラー溝持ち型 【請求項60−3】請求項35項から請求項60−2項
    のいずれか1項に記載の免震装置・滑り支承において、
    ローラーと滑り面部のローラー転がり面とのどちらか
    一方に溝を、他方にその溝に入る凸部を設けることによ
    り構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 4.4. シールまた防塵カバー付き二重(または二重以上
    の)免震皿免震装置・滑り支承
  61. 【請求項61】請求項35項から請求項60項のいずれ
    か1項に記載の免震装置・滑り支承において、 二重(または二重以上の)免震皿の側面の周囲が、防塵
    カバーまたは中小地震程度の揺れを許容するシールで密
    閉されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、ま
    たそれによる免震構造体。 4.5. 重力復元型一重免震皿免震装置・滑り支承の滑り
    部の改良 4.5.1. 中間滑り部
  62. 【請求項62】球面またはすり鉢状または円柱谷面状ま
    たはV字谷面状等の凹型滑り面部を有する免震皿と、 この免震皿の凹型滑り面部と同一球面率または接する曲
    率の凸型滑り面部をもち、この凸型滑り面部の反対部に
    凹(または凸)型球面状滑り面部を有する中間滑り部ま
    たはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間滑り
    部または保持器と、 この中間滑り部またはローラー・ボール(ベアリング)
    をもった中間滑り部または保持器の凹(または凸)型球
    面状滑り面部と同一球面率の凸(または凹)型球面状滑
    り面部をもつ滑り部とからなり、 中間滑り部が、免震皿と滑り部との間に挟み込まれ、 かつ、免震皿と滑り部のうち、一方を免震される構造体
    に、もう一方を、免震される構造体を支持する構造体に
    設けることにより構成されてなることを特徴とする免震
    装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 4.5.2. 二重中間滑り部
  63. 【請求項63】球面またはすり鉢状または円柱谷面状ま
    たはV字谷面状等の凹型滑り面部を有する免震皿と、 この免震皿の凹型滑り面部と同一球面率または接する曲
    率の凸型滑り面部をもち、この凸型滑り面部の反対部に
    凹(または凸)型球面状滑り面部を有する第二中間滑り
    部またはローラー・ボール(ベアリング)をもった第二
    中間滑り部と、 この反対部の凹(または凸)型球面状滑り面部と同一球
    面率の凸(または凹)型球面状滑り面部をもち、この凸
    (または凹)型球面状滑り面部の反対部は凹(または
    凸)型球面状滑り面部をもつ第一中間滑り部またはロー
    ラー・ボール(ベアリング)をもった第一中間滑り部
    と、 この第一中間滑り部のこの凹(または凸)型球面状滑り
    面部と同一球面率の凸(または凹)型球面状滑り面部を
    もつ滑り部とからなり、 この第一中間滑り部及び第二中間滑り部とが、互いに同
    一球面率の球面状滑り面部同士で重なりあう形で、免震
    皿と滑り部との間に挟み込まれ、 かつ、免震皿と滑り部のうち、一方を免震される構造体
    に、もう一方を免震される構造体を支持する構造体に設
    けることにより構成されてなることを特徴とする免震装
    置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 4.6. 滑り部垂直変位吸収型の重力復元型一重免震皿免
    震装置・滑り支承
  64. 【請求項64】凹型滑り面部を有する免震皿と、その凹
    型滑り面部を滑走しうる滑り部とを有し、 滑り部を挿入する筒の中に、バネ・ゴム・磁石等が挿入
    され、筒外に滑り部が突き出る形で構成され、 かつ、前記免震皿と滑り部を挿入する筒のうち、どちら
    か一方を免震される構造体に、もう一方を免震される構
    造体を支持する構造体に設けることにより構成されてな
    ることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによ
    る免震構造体。 4.7. 縁切り型垂直変位吸収重力復元型免震装置・滑り
    支承
  65. 【請求項65】凹型滑り面部を有する免震皿と、その凹
    型滑り面部を滑走しうるローラー・ボール(ベアリン
    グ)または滑り部とからなり、 前記免震皿とローラー・ボール(ベアリング)または滑
    り部のどちらか一方が、 垂直方向はスライドし、水平方向は拘束されているスラ
    イド装置によって、 免震される構造体に繋がれ、もう一方が免震される構造
    体を支持する構造体に、 設けられることにより構成されてなることを特徴とする
    免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。4.8.
    新重力復元型免震装置
  66. 【請求項66】免震される構造体から吊材等で吊された
    重りが、免震される構造体を支持する構造体または基礎
    に設けられた挿入口を経由して、その下に設置されるこ
    とにより構成されてなることを特徴とする免震復元装
    置、またそれによる免震構造体。
  67. 【請求項67】前請求項記載の免震装置において、 重りと挿入口との間に、バネ(空気バネ含む)・ゴム・
    磁石等を付加してなることを特徴とする免震復元装置、
    またそれによる免震構造体。
  68. 【請求項68】請求項66項または請求項67項記載の
    免震復元装置において、重りまたは吊材またはこれらの
    延長物に、それを固定する装置が設置されることによ
    り、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
    造体とが固定されるように構成されてなることを特徴と
    する免震装置、またそれによる免震構造体。 【請求項68−2】請求項66項から請求項68項のい
    ずれか1項に記載の免震構造体において、併用する滑り
    支承としては、転がり支承、すべり支承であることを特
    徴とする免震構造体。 5.共振のない免震装置と運動方程式とプログラム 5.1. 共振のない免震装置とその運動方程式 5.1.1.3. 運動方程式から設計された共振のない滑り型
    免震装置と共振のある滑り型免震装置(記号説明は 5.
    3.0.また 5.1.3.1.参照) 5.1.1.3.1. 共振のない滑り型免震装置 (1) 直線勾配型復元滑り支承 1) 直接法
  69. 【請求項69】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、滑り面部の形状が
    すり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿を持つことを
    特徴とする免震装置・滑り支承において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(d
    x/dt)}=-d(dz/dt)/dtθが小さい場合、(cosθ)^2≒
    1、tanθ≒θ(radian)より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(dz
    /dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(d
    x/dt)}+C/m・dx/dt=-d(dz/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
    より d(dx/dt)/dt+g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}+C/m・
    dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなり、
    残留変位のない復元を考えるとθ≧μが満たされてなる
    ことを特徴とする、 すり鉢状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・
    滑り支承、もしくは、V字谷面状の滑り面部を有する免
    震皿からなる免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 2) 等価線形化法
  70. 【請求項70】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、滑り面部の形状が
    すり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿を持つことを
    特徴とする免震装置・滑り支承において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・tanθ/|x| Ke=(cosθ)^2・mg・tanθ/|x|≒mg・tanθ/|x|≒
    mg・θ/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=(cosθ)^2・mg・μ/|dx/dt|≒mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
    d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなり、
    残留変位のない復元を考えるとθ≧μが満たされてなる
    ことを特徴とする、 すり鉢状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・
    滑り支承、もしくは、V字谷面状の滑り面部を有する免
    震皿からなる免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 (2) 重り復元型免震装置 1) 直接法
  71. 【請求項71】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、復元手段が、免震
    される構造体から吊材等で吊された重りであることを特
    徴とする免震装置において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/dt)=-d
    (dz/dt)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+M/m・g・sign(x)+μg・sign(dx/dt)+C/m
    ・dx/dt=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなり、
    残留変位のない復元を考えるとM/m≧μが満たされて
    なることを特徴とする、重り復元型免震装置(4.8.参
    照)、またそれによる免震構造体。 2) 等価線形化法
  72. 【請求項72】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、復元手段が、免震
    される構造体から吊材等で吊された重りであることを特
    徴とする免震装置において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ke≒(π^2/8)・mg・M/m/|x| Ke=mg・M/m/|x| Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+Ke/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
    d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなり、
    残留変位のない復元を考えるとM/m≧μが満たされて
    なることを特徴とする、重り復元型免震装置(4.8.参
    照)、またそれによる免震構造体。 5.1.1.3.2. 共振のある滑り型免震装置 (1) 凹型球面・円柱谷面復元型免震装置・滑り支承 1) 直接法
  73. 【請求項73】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、滑り面部の形状が
    凹型球面状もしくは円柱谷面状である免震皿を持つこと
    を特徴とする免震装置・滑り支承において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)=-d(dz/dt)
    /dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+g/R・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
    t=-d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなるこ
    とを特徴とする、 凹型球面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
    ・滑り支承、もしくは、円柱谷面状の滑り面部を有する
    免震皿からなる免震装置・滑り支承、またそれによる免
    震構造体。 2) 等価線形化法
  74. 【請求項74】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、滑り面部の形状が
    凹型球面状もしくは円柱谷面状である免震皿を持つこと
    を特徴とする免震装置・滑り支承において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+g/R・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
    d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなるこ
    とを特徴とする、 凹型球面状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置
    ・滑り支承、もしくは、円柱谷面状の滑り面部を有する
    免震皿からなる免震装置・滑り支承、またそれによる免
    震構造体。 (2) 滑り支承+バネ型復元装置 1) 直接法
  75. 【請求項75】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられた滑り支承と復元手
    段がバネであることを特徴とする免震装置において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)=−d(dz/d
    t)/dt また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+K/m・x+μg・sign(dx/dt)+C/m・dx/d
    t=−d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなるこ
    とを特徴とする、滑り支承とバネ型復元装置とからなる
    免震装置、またそれによる免震構造体。 2) 等価線形化法
  76. 【請求項76】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられた滑り支承と復元手
    段がバネであることを特徴とする免震装置において、 運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.
    参照) d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt=−d(dz/dt)/dt Ce≒(4/π)・mg・μ/|dx/dt| Ce=mg・μ/|dx/dt| また、速度比例型ダンパーのある場合 d(dx/dt)/dt+K/m・x+Ce/m・dx/dt+C/m・dx/dt=−
    d(dz/dt)/dt というように減衰項を加え、速度二乗比例型では、+C/
    m・dx/dt に代わりに、+C/m・(dx/dt)^2 を加えること
    等によって構造解析することによって設計されてなるこ
    とを特徴とする、滑り支承とバネ型復元装置とからなる
    免震装置、またそれによる免震構造体。 5.2. 解析プログラムによる共振のない滑り型免震装置 5.2.1. Runge-Kutta法
  77. 【請求項77】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられた、免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体において、 以下の解析プログラムのフローチャートに従い、(1) 初
    期化を行い、(2) 入力データ及び出力先ファイルを設定
    し、(3) 設定した入力データを読み込み、(4) 動作判別
    式を計算して耐震状態か免震状態かを判別し、(5) 各質
    点の運動方程式として、連立2階微分方程式を設定し
    (耐震状態と免震状態とで運動方程式は異なる)、(6)
    (5)の連立2階微分方程式をRunge-Kutta法で解き、(7)
    加速度、速度、変位応答値を計算し、(8) 必要に応じて
    誤差を処理し、(9) 計算結果を出力することによって、
    構造解析することにより設計されてなることを特徴とす
    る免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  78. 【請求項78】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体において、 以下の解析プログラムのフローチャート(記号について
    は5.2.1.1.変数/定数一覧参照)に従い、(1) 初期化を
    行い、(2) 入出力ファイルを設定し、(3) 入力データ
    (地動加速度データ)を読み込み、(4) 次のような動作
    判別式を計算して運動方程式選択の分岐をおこない、 1) 耐震(静止)状態の時 免震状態となると判別された場合は、免震状態の運動方
    程式を処理する過程へ移行し、耐震状態のままと判別さ
    れた場合は、耐震状態の運動方程式を処理する過程を再
    び経由し、 2) 免震状態の時 耐震状態となると判別された場合は、耐震状態の運動方
    程式を処理する過程へ移行し、免震状態のままと判別さ
    れた場合は、免震状態の運動方程式を処理する過程を再
    び経由し、 (5) 動作判別式により免震装置が機能しない場合と免震
    装置が機能する場合の2つの場合に分かれ、運動方程式
    から質点数ごとにそれぞれ次のような連立2階微分方程
    式を設定し、 1) 1質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(dx/dt)/dt=0 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(dx/dt)/dt=-MM1*G*SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))/MM1-DDY 2) 2質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2)/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2−KK2*x2))/MM2-d(dx/dt)/dt-DDY 3) 3質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+MM3)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY 4) n質点の場合 免震装置が機能しない状態 dx/dt=0 d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt=0 d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn")-KKn’*(xn’-xn") +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DD Y d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n"=n-2 免震装置が機能する状態 dx/dt=V d(x2)/dt=V2 d(x3)/dt=V3 ・ ・ d(xn)/dt=Vn d(dx/dt)/dt =-SSC^2*(MU*sgn(V)+SS*sgn(x))*G*(MM1+MM2+・・+MMn)/MM1 +(C2*V2+KK2*x2)/MM1-DDY d(d(x2)/dt)/dt=(-C2*V2-KK2*x2+C3*(V3-V2)+KK3*(x3-x2))/MM2 -d(dx/dt)/dt-DDY d(d(x3)/dt)/dt=(-C3*(V3-V2)-KK3*(x3-x2) +C4*(V4-V3)+KK4*(x4-x3))/MM3-d(dx/dt)/dt-DDY ・ ・ d(d(xn’)/dt)/dt=(-Cn’*(Vn’-Vn")-KKn’*(xn’-xn") +Cn*(Vn-Vn’)+KKn*(xn-xn’))/MMn’-d(dx/dt)/dt-DDY d(d(xn)/dt)/dt=(-Cn*(Vn-Vn’)-KKn*(xn-xn’))/MMn-d(dx/dt)/dt-DDY 但し、n’=n-1、 n"=n-2 (6) 連立2階微分方程式をRunge-Kutta法で解き、(7)
    加速度/速度/変位応答を計算し、(8) 誤差を丸め処理
    し、(9) 結果出力することによって、構造解析すること
    により設計されてなることを特徴とする、すり鉢状の滑
    り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り支承、も
    しくは、V字谷面状の滑り面部を有する免震皿からなる
    免震装置・滑り支承、もしくは、重り復元型免震装置、
    またそれによる免震構造体。 5.2.2. Wilsonθ法
  79. 【請求項79】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられた、免震装置・滑り
    支承、またそれによる免震構造体において(記号につい
    て5.2.2.2. 変数/定数一覧参照)、 以下の解析プログラムのフローチャートに従い、(1) 初
    期化を行い、(2) 入力データ及び出力先ファイルを設定
    し、(3) 時刻歴のループを設定し、(4) 先読みのループ
    を設定し、(5) 等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)
    を計算し、(6) (4)で設定されたループ により1巡目の
    処理か2巡目の処理かをチェックし、(7) Wilson-θ法
    により、t+θDT時の変位を計算し、(8) Wilson-θ法に
    より、加速度/速度/変位応答を計算し、(9) 必要に応
    じ誤差を処理し、(6)のループチェックにおいて1巡目
    の処理とされた場合は (4)へ戻り、2巡目の処理とされ
    た場合には(10)へ進み、(10)計算結果を出力することに
    よって、構造解析することにより設計されてなることを
    特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
    造体。
  80. 【請求項80】免震される構造体と、免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられた免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体において、 以下の解析プログラムのフローチャート(記号について
    5.2.2.2. 変数/定数一覧参照)に従い、(1) 初期化を
    行い、(2) 入力データと出力ファイルを設定し、(3) 時
    刻歴(M=2 TO NN)のループを設定し、(4) 先読み(O=1
    TO 2)のループを設定し、(5) 1質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(1,1)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 2質点の場合 KEQ≒(PI^2/8)*EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 KEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*SS*sgn(X0)/X0 CEQ≒(4/PI)*EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 CEQ=EM(2,2)*G*SSC^2*MU*sgn(V0)/V0 を計算して、等価バネ定数(KEQ)、等価減衰係数(CEQ)
    を、V0とX0から求め、(6) (4)で設定されたループによ
    り1巡目の処理か2巡目の処理かをチェックし、(7) Wil
    son-θ法により、t+θDT時の変位計算し、(8) Wilson-
    θ法により、加速度/速度/変位応答の計算し、(9) 誤
    差を丸め処理し、 (6)のループチェックにおいて、1巡目の処理とされた
    場合は(4)へ戻り、2巡目の処理とされた場合には、(1
    0)へ進み、(10) 結果出力することによって、構造解析
    することにより設計されてなることを特徴とする、すり
    鉢状の滑り面部を有する免震皿からなる免震装置・滑り
    支承、もしくは、V字谷面状の滑り面部を有する免震皿
    からなる免震装置・滑り支承、もしくは、重り復元型免
    震装置、またそれによる免震構造体。 5.3. 直線勾配型復元滑り支承のすり鉢状とV字谷面状
    の運動方程式比較 5.3.1. V字谷面状の運動方程式 【請求項80−2】免震される構造体と、免震される構
    造体を支持する構造体との間に設けられ、滑り面部の形
    状がすり鉢状もしくはV字谷面状である免震皿を持つ免
    震滑り支承において、連立運動方程式(記号説明は実施
    例の 5.3.0.また 5.1.3.1.の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
    (dx/dt)}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(y)+μ・sign
    (dy/dt)}=-d(dqy/dt)/dt θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(radian)
    より d(dx/dt)/dt +g{θ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=-d(d
    qx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{θ・sign(y)+μ・sign(dy/dt)}=-d(d
    qy/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 5.3.2. すり鉢状の運動方程式 【請求項80−3】請求項80−2項の運動方程式にお
    いて、 (x^2+y^2)^0.5≦ Rの時 d(dx/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・(-x)/(x^2+y^2)^0.5+μ・(-dx/dt)/(dx/dt^2+dy/d t^2)^0.5} =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +(cosθ)^2・g{tanθ・(-y)/(x^2+y^2)^0.5+μ・(-dy/dt)/(dx/dt^2+dy/d t^2)^0.5} =-d(dqy/dt)/dt (x^2+y^2)^0.5> Rの時 d(dx/dt)/dt+μ・g・(-dx/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt+μ・g・(-dy/dt)/(dx/dt^2+dy/dt^2)^0.5}=-d(dqy/dt)/dt とすることによって構造解析することによって設計され
    てなることを特徴とする免震滑り支承、またそれによる
    免震構造体。 5.4. 簡易応答加速度式 5.4.1. 直線勾配型復元滑り支承をもった免震構造体の
    簡易応答加速度式 【請求項80−4】すり鉢状またV字谷面状の直線勾配
    型復元滑り支承と粘性ダンパーをもった免震構造体の最
    大応答加速度式(概算)、 A=α・{g・{θ+μ}+C・v/m} A :最大応答加速度値 cm/s^2 g :重力加速度 981cm/s^2 θ :すり鉢状免震皿の勾配 radian μ :免震皿の動摩擦係数 m :質点の質量 C :免震層のダンパーの粘性減衰係数 v :地震動最大加速度 α :免震される構造体の応答倍率 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 6.垂直免震装置 6.1. 滑り部垂直変位吸収型の垂直免震装置・滑り支承
  81. 【請求項81】凹型滑り面部または平面型滑り面部を有
    する免震皿と当該免震皿の滑り面部を滑走しうる滑り部
    からなる免震装置・滑り支承において、 滑り部を挿入する筒の中に、バネ・ゴム・磁石等が挿入
    され、滑り部が下部に突き出る形で構成され、 かつ、前記免震皿と滑り部を挿入する筒のどちらか一方
    を免震される構造体に、もう一方を免震される構造体を
    支持する構造体に設けることにより構成されてなること
    を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 6.2. 垂直免震付き引抜き防止装置(復元付き含む)
  82. 【請求項82】上部スライド部材と下部スライド部材と
    が、互いに交差する方向に係合し、スライドできるよう
    に構成され、 かつ、上部スライド部材と免震される構造体の間、ま
    た、下部スライド部材と免震される構造体を支持する構
    造体との間の、片方または両方に、垂直方向に弾性のあ
    るバネ(空気バネを含む)・ゴム・磁石等を設置し、 かつ、前記上部スライド部材を、免震される構造体に、
    下部スライド部材を、免震される構造体を支持する構造
    体に設けることにより構成されてなることを特徴とする
    免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 6.3. 各層・各階ごとの垂直免震装置
  83. 【請求項83】免震される構造体の基部に水平免震装置
    ・滑り支承が装備され、 免震される構造体に、何階単位かの層単位、または階単
    位で、垂直免震装置が装備されることによりなることを
    特徴とする免震構造体。 6.4. 引張材による垂直免震装置
  84. 【請求項84】免震される構造体の柱または梁または基
    礎等の支持材から、三方向以上に、途中にバネ・ゴム・
    磁石等が設けられた引張材、またはバネ・ゴム・磁石等
    を使わない引張材を張り、 その引張材の他端を、免震される構造体を支持する構造
    体または基礎の、圧縮部材等により構成された多角形の
    各頂点で支えることにより構成されてなることを特徴と
    する免震装置、またそれによる免震構造体。 7.免震による地震発電装置
  85. 【請求項85】免震機構を使用して、地震により発電を
    行うことを特徴とする地震発電装置、またそれによる免
    震構造体。 7.1. 免震による地震発電装置 1) ピン型
  86. 【請求項86】凹形状の挿入部と当該挿入部に挿入され
    たピンとを有し、挿入部とピンのうち、一方を免震され
    る構造体または免震される重りに、もう一方を、免震さ
    れる構造体を支持する構造体に設け、 地震時に、このピンが、凹形状の挿入部に沿って上がり
    下がりし、それに従って回転子が回転することにより、
    発電を行うように構成されてなることを特徴とする免震
    による地震発電装置、またそれによる免震構造体。 2) ラックと歯車型
  87. 【請求項87】ラックと、ラックにより回転する歯車の
    うち、一方を免震される構造体または免震される重り
    に、もう一方を、免震される構造体を支持する構造体に
    設け、 地震時に、この歯車が、ラックによって回転し、その回
    転により、発電を行うように構成されてなることを特徴
    とする免震による地震発電装置、またそれによる免震構
    造体。 7.2. 地震発電装置型地震センサー
  88. 【請求項88】請求項85項から請求項87項のいずれ
    か1項に記載の免震による地震発電装置を使用して、セ
    ンサーを構成してなることを特徴とする地震センサー、
    またそれによる免震構造体。 8.固定装置・ダンパー 8.0.1.3. 可撓部材型連結部材系固定装置 (1) 可撓部材型連結部材系固定装置
  89. 【請求項89】免震される構造体を支持する構造体また
    は免震される構造体のいずれか一方の構造体に設置され
    た固定装置の作動部ともう一方の構造体とを、前記固定
    装置の設置された構造体側に設けられた挿入口を介し
    て、ワイヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材で繋ぐこ
    とにより構成されてなることを特徴とする固定装置、ま
    たそれによる免震構造体。 (2) 不可撓部材型連結部材系固定装置 【請求項89−2】免震される構造体を支持する構造体
    または免震される構造体のいずれか一方の構造体に設置
    された固定装置の作動部ともう一方の構造体とを、ロッ
    ド材等の不可撓部材で繋ぐことにより構成されてなるこ
    とを特徴とする固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1. 地震作動型固定装置
  90. 【請求項90】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固
    定装置において、 地震加速度がある一定以上の大きさになると、免震され
    る構造体と免震される構造体を支持する構造体との固定
    を解除するように構成されてなることを特徴とする地震
    作動型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.1. 剪断ピン型固定装置
  91. 【請求項91】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを繋ぐ形で固定ピン等の係合部材が
    設置され、免震される構造体と免震される構造体を支持
    する構造体とを固定して風揺れ等を防止する固定装置に
    おいて、 地震時に、一定以上の地震力により固定ピン等の係合部
    材が折れるか切れるかすることにより、免震される構造
    体と免震される構造体を支持する構造体との固定を解除
    するように構成されてなることを特徴とする剪断ピン型
    固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.2. 地震センサー(振幅)装置装備型固定装置 (1) 一般
  92. 【請求項92】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固
    定装置において、 重りとそれを定位置に戻すバネ・ゴム・磁石等からなる
    装置、もしくは、重り(滑り部)とそれを定位置に戻し
    且つそれが滑る球面・すり鉢型等の免震皿からなる装
    置、もしくは、重りとそれを振り子として支持する部材
    とからなる装置等の、地震力によってこの重りが振動す
    る地震センサー振幅装置、 または電気式振動計等の地震センサー(地震センサー振
    幅装置および地震センサーを地震センサー(振幅)装置
    という)によって、 地震加速度がある一定以上の大きさになると、免震され
    る構造体と免震される構造体を支持する構造体との固定
    を解除するように構成されてなることを特徴とする地震
    センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。 【請求項92−2】請求項92項記載の地震センサー振
    幅装置装備型固定装置における重り(滑り部)とそれを
    定位置に戻し且つそれが滑るすり鉢型の免震皿からな
    る、地震力によってこの重りが振動する地震センサー振
    幅装置において、すり鉢勾配を、一定勾配のものとし、
    以下の式によって導き出されるθによって構成すること
    を特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、ま
    たそれによる免震構造体。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
    ian) A≒g・(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
    鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
    数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 (2) 地震発電装置による地震センサー装備型
  93. 【請求項93】 免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固
    定装置において、 地震加速度がある一定以上の大きさになると、請求項8
    8項記載の地震センサーによって、免震される構造体と
    免震される構造体を支持する構造体との固定を解除する
    ように構成されてなることを特徴とする地震センサー装
    備型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.2.1. 吊材切断型
  94. 【請求項94】 重りとそれを定位置に戻すバネ・ゴム
    ・磁石等とからなる装置、もしくは、 重り(滑り部)とそれが滑ることにより定位置に戻る球
    面・すり鉢型等の免震皿とからなる装置、もしくは、 重りとそれを振り子として支持する部材とからなる装置
    等の、地震力によってこの重りが振動する地震センサー
    振幅装置、または電気式振動計等の地震センサー(地震
    センサー振幅装置および地震センサーを地震センサー
    (振幅)装置という)をもち、 この地震センサー振幅装置の重りまたはそれに連動され
    た部材、または地震センサーにより作動するモーターも
    しくは電磁石等の作動部材に、刃が付き、その先に、免
    震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
    を固定する固定ピンを支えている吊材があり、 地震時にその加速度がある一定以上の大きさになると、 地震センサー振幅装置の重りの振幅が大きくなることに
    よって、または地震センサーの指令からのモーターもし
    くは電磁石等の作動によって、その刃が、吊材に当た
    り、吊材を切断し、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    とを固定する固定ピンを解除するように構成されてなる
    ことを特徴とする吊材切断型地震センサー(振幅)装置
    装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.2.2. 間接方式(ロック解除型) 8.1.2.2.1. 基本形
  95. 【請求項95】地震時以外は、固定装置の作動部をロッ
    クするロック部材が働いて固定装置がロックされること
    により、免震される構造体と免震される構造体を支持す
    る構造体とが固定される風揺れ等を防止する固定装置に
    おいて、 重りとそれを定位置に戻すバネ・ゴム等の弾性部材・磁
    石等からなる装置、 若しくは、重り(滑り部)とそれを定位置に戻し且つそ
    れが滑る球面・すり鉢型等の凹型免震皿からなる装置、
    若しくは、重りとそれを振り子として支持する部材とか
    らなる装置等の、地震力によってこの重りが振動する地
    震センサー振幅装置、または電気式振動計等の地震セン
    サー(地震センサー振幅装置および地震センサーを地震
    センサー(振幅)装置という)をもち、前記ロック部材
    と接続され、連動し、 地震時にその加速度がある一定以上の大きさになると、 地震センサー振幅装置の重りの振幅がある一定以上の大
    きさになり、重りにより直接、または重りに連動された
    部材によって、または地震センサーにより作動するモー
    ター若しくは電磁石等の作動部材によって、 固定装置のロック部材が解除され、免震される構造体と
    免震される構造体を支持する構造体との固定が解除され
    るように構成されてなることを特徴とする地震センサー
    (振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
    体。
  96. 【請求項96】固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、一
    方を免震される構造体に、もう一方を免震される構造体
    を支持する構造体に設け、免震される構造体と免震され
    る構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを挿
    入することによって固定し、地震時以外は、固定ピン
    に、固定ピンをロックするロック部材が働いて風揺れ等
    を防止する固定装置において、 重りとそれを定位置に戻すバネ・ゴム等の弾性部材、磁
    石等からなる装置、若しくは、重り(滑り部)及びそれ
    を定位置に戻し且つそれが滑る球面・すり鉢型等の凹型
    免震皿からなる装置、若しくは、重りとそれを振り子と
    して支持する部材とからなる装置等の、地震力によって
    この重りが振動する地震センサー振幅装置、または電気
    式振動計等の地震センサー(地震センサー振幅装置およ
    び地震センサーを地震センサー(振幅)装置という)
    と、前記ロック部材とが接続され、連動し、 地震時にその加速度がある一定以上の大きさになると、 地震センサー振幅装置の重りの振幅がある一定以上の大
    きさになり、重りにより直接、または重りに連動された
    部材によって、または地震センサーにより作動するモー
    ター若しくは電磁石等の作動部材によって、 固定ピンのロック部材を外し、免震される構造体と免震
    される構造体を支持する構造体との固定が解除されるよ
    うに構成されてなることを特徴とする地震センサー(振
    幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 【請求項96−2】請求項95項または請求項96項記
    載の地震センサー振幅装置装備型固定装置における重り
    (滑り部)とそれを定位置に戻し且つそれが滑るすり鉢
    型の免震皿からなる、地震力によってこの重りが振動す
    る地震センサー振幅装置において、すり鉢勾配を、一定
    勾配のものとし、以下の式によって導き出されるθによ
    って構成することを特徴とする地震センサー振幅装置装
    備型固定装置、またそれによる免震構造体。 A≒(cosθ)^2・g・(tanθ+μ) θが小さい場合、(cosθ)^2≒1、tanθ≒θ(単位 rad
    ian) A≒g(θ+μ) ∴ θ≒A/g−μ 但し、 θ :地震センサー振幅装置のすり鉢型の免震皿のすり
    鉢勾配 μ :摩擦係数(すり鉢型の免震皿と重りとの摩擦係
    数) A :解除時地震動加速度 g :重力加速度 1) ロック部材(ロックピン)方式
  97. 【請求項97】 請求項95項から請求項96−2項記
    載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
    て、 固定装置の作動部にロック部材を係合させ、 固定装置の作動部のロックをなすように構成されてなる
    ことを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定
    装置、またそれによる免震構造体。 2) ロック弁方式
  98. 【請求項98】請求項95項から請求項96−2項記載
    の、地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
    て、 筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピ
    ストン状部材をもった固定装置の作動部を有し、 この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン
    状部材がスライドする範囲の端と端と)を繋ぐ管(また
    筒に付けられた溝)か、ピストン状部材にあいている孔
    か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等が
    筒中から出る出口かに、または幾つかに、またはその全
    てにロック弁が設けられており、 通常は、そのロック弁が閉まっていることにより、固定
    装置がロックされ、固定装置の固定が行われ、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    との固定がなされており、 一定以上の地震力が働くと、地震センサー(振幅)装置
    と連動して、そのロック弁が開くことにより、固定装置
    のロックが解除され、固定装置の固定の解除が行われ、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    との固定の解除がなされるように構成されてなることを
    特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固定装置、
    またそれによる免震構造体。 3)地震発電装置型地震センサー装備型
  99. 【請求項99】 請求項88項記載の地震センサーを装
    備した、請求項95項から請求項98項のいずれか一項
    に記載の地震センサー装置装備型固定装置において、 地震時以外は、固定装置のロック部材が働いて固定装置
    はロックされ、風揺れ等を防止する固定装置において、 ロック部材は、前記地震センサーと接続され、連動し、 地震時に、地震センサーの発電量が一定値に達すると、
    モーターまた電磁石等により、固定装置のロック部材が
    解除され、免震される構造体と免震される構造体を支持
    する構造体との固定が解除されるように構成されてなる
    ことを特徴とする地震センサー装備型固定装置、またそ
    れによる免震構造体。 8.1.2.2.2. 電気等による自動復元型
  100. 【請求項100】 請求項95項から請求項99項のい
    ずれか1項に記載の地震センサー(振幅)装置装備型固
    定装置において、 地震後、地震センサー振幅装置の作動、または地震セン
    サーの指令によって、固定装置の作動部を自動的に元の
    位置に戻す装置が設けられてなることを特徴とする地震
    センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。 8.1.2.2.3. 地震力による自動復元型
  101. 【請求項101】固定ピンの挿入部と固定ピンのうち、
    一方を免震される構造体に、もう一方を免震される構造
    体を支持する構造体に設け、免震される構造体と免震さ
    れる構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを
    挿入することによって固定し、地震時以外は、固定ピン
    に、固定ピンをロックするロック部材が働いて風揺れ等
    を防止する固定装置において、 固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をな
    していることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装
    備型固定装置、またそれによる免震構造体。
  102. 【請求項102】請求項96項から請求項99項、請求
    項103項から請求項106項のいずれか一項に記載の
    地震センサー(振幅)装置装備型固定装置において、 固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をな
    していることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装
    備型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.2.2.4. 応用形 1) ロック部材が地震センサー振幅装置の重り型
  103. 【請求項103】 請求項95項から請求項102項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 固定装置をロックするロック部材が、地震センサー振幅
    装置の重りを兼ねていることを特徴とする地震センサー
    振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 2) 二段以上ロック方式
  104. 【請求項104】 請求項95項から請求項103項の
    いずれか1項に記載の地震センサー(振幅)装置装備型
    固定装置において、 固定装置の作動部をロックする第一のロック部材、この
    第一のロック部材をロックする第二のロック部材、・・
    ・のようにロック部材を二段以上にし、最後のロック部
    材を地震センサー(振幅)装置に接続し、連動するよう
    に構成されてなることを特徴とする地震センサー(振
    幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 3) 二重以上ロック方式
  105. 【請求項105】 請求項95項から請求項104項の
    いずれか1項に記載の地震センサー(振幅)装置装備型
    固定装置において、 固定装置の作動部をロックするロック部材を二個以上設
    け、またそれぞれのロック部材について地震センサー
    (振幅)装置と接続し、連動させることを特徴とする地
    震センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによ
    る免震構造体。 4) 遅延器付き
  106. 【請求項106】請求項101項から請求項105項の
    いずれか1項に記載の地震センサー(振幅)装置装備型
    固定装置において、 請求項167項から請求項174項のいずれか1項に記
    載のような遅延器が装備され、 固定装置の作動部が解除されるときは速やかに、固定状
    態に復するときは緩やかに行われるように構成されてな
    ることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型固
    定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.2.3. 直接方式(自動制御型固定装置) (1) 一般 1) 連結部材弁型固定装置 2) 固定ピン型固定装置(電気等による自動制御型)
  107. 【請求項107】 請求項92項から請求項92−2項
    記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
    て、 固定装置の作動部に、自動制御装置を設けたもので、 地震時、地震センサー振幅装置の作動、または地震セン
    サーの指令によって、免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体との固定を解除し、地震後、固定
    を行うことを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備
    型固定装置、またそれによる免震構造体。 (2) 地震発電装置による地震センサー装備型 1) 連結部材弁型固定装置 2) 固定ピン型固定装置
  108. 【請求項108】 請求項93項記載の地震センサー装
    置装備型固定装置において、 固定装置の作動部に、自動制御装置を設けたもので、 地震時、請求項88項記載の地震センサーによって、免
    震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
    の固定を解除し、地震後、固定を行うことを特徴とする
    地震センサー装置装備型固定装置、またそれによる免震
    構造体。
  109. 【請求項109】請求項107項または請求項108項
    記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
    て、 地震後、地震センサー振幅装置の作動、または地震セン
    サーの指令によって、固定装置の作動部を自動的に元の
    位置に戻す装置が設けられてなることを特徴とする地震
    センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。
  110. 【請求項110】請求項107項または請求項108項
    記載の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置におい
    て、固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状
    をなしていることを特徴とする地震センサー(振幅)装
    置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.2.4. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.1. 地震センサー(振幅)装置 8.1.2.4.2. 地震センサー(振幅)装置の設置場所 8.1.2.4.3. 地震センサー(振幅)装置の設計 (1) 地震センサー(振幅)装置の周期 1) 地震センサー(振幅)装置の周期設計
  111. 【請求項111】 請求項92項から請求項110項の
    いずれか1項に記載の地震センサー(振幅)装置装備型
    固定装置において、地震センサー(振幅)装置の重り等
    のセンサー部の周期を、それが設置される構造体の建て
    られる敷地の地盤周期に、ほぼ合わせることにより構成
    されてなることを特徴とする地震センサー(振幅)装置
    装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 2) 地震センサー振幅装置の重り共振装置
  112. 【請求項112】 請求項111項記載の地震センサー
    振幅装置装備型固定装置の重りにおいて、その重りの周
    りに重りの衝突を受ける周囲材を設け、周囲材に固定装
    置に繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等を繋
    げることにより構成されてなることを特徴とする地震セ
    ンサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構
    造体。 3) 地震センサー振幅装置の複数個重り共振装置
  113. 【請求項113】 請求項111項記載の地震センサー
    振幅装置装備型固定装置の重りにおいて、その重りを複
    数個設け、それぞれの固有周期を変えて、地盤周期の幅
    に対応させるように構成されてなることを特徴とする地
    震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免
    震構造体。 4) 地震センサー振幅装置の複数共振装置
  114. 【請求項114】 請求項111項記載の地震センサー
    振幅装置装備型固定装置において、地震センサー振幅装
    置の振り子の支え自体にもバネを設けて、振り子とバネ
    とにより二つの周期が得られるようにして、地盤周期の
    幅に対応させるように構成されてなることを特徴とする
    地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。 (2) 全方向感度 1) ラッパ形状の孔
  115. 【請求項115】 請求項92項から請求項114項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 地震センサー振幅装置の重りの上または下に、固定装置
    と繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等を結合し、 その重りの直上または直下の地震センサー振幅装置本体
    に(もしくはその内部あるいは外部に)、すり鉢状また
    はラッパ形状の孔を形成し、重りにつながるワイヤー・
    ロープ・ケーブル等をそこに通すことで、全方向に対し
    て同等の引抜力または圧縮力の伝達を可能にすることに
    より構成されてなることを特徴とする地震センサー(振
    幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 2) ローラー状ガイド部材
  116. 【請求項116】 請求項92項から請求項114項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 地震センサー振幅装置の重りの水平方
    向に、固定装置と繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル等
    を結合し、重りの(振幅寸法の余裕を取った)すぐ脇に
    ローラー等のガイド部材を(回転軸等を)垂直方向に二
    本設けて、このワイヤー・ロープ・ケーブル等を通すこ
    とで、全方向に対して同等の引抜き力または圧縮力の伝
    達が可能なように構成されてなることを特徴とする地震
    センサー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。 (3) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その1)
  117. 【請求項117】 請求項92項から請求項116項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 梃子・滑車・歯車等を採用して、固定装置のロック部材
    に繋がるワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッドまたはレ
    リーズ等の引張られる長さまたは圧縮される長さを増幅
    するように構成されてなることを特徴とする地震センサ
    ー(振幅)装置装備型固定装置、またそれによる免震構
    造体。 (4) 増幅器付き地震センサー振幅装置(その2)
  118. 【請求項118】 請求項92項から請求項117項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 免震皿上に乗せた地震センサー振幅装置の重り(重力復
    元型)を、よく転がることのできる形状とし、この重り
    の上部に球面またはすり鉢等の凹形状の挿入部を設け、
    (変位増幅のための)梃子の力点が挿入され、この梃子
    の支点は重りの直上にあり、作用点はさらにその延長線
    上にあってワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等が連
    結され、このことにより、地震時に梃子の作用点には、
    重りの変位分と、重り(と凹形状挿入部)の回転が与え
    る変位分とを、梃子が増幅した変位が生じ、連結される
    ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等に伝えられるた
    め、地震センサー振幅装置の作動感度を高めるように構
    成されてなることを特徴とする地震センサー(振幅)装
    置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.3. 連動作動型固定装置
  119. 【請求項119】複数の固定装置からなり、それぞれの
    固定装置の作動部またはロック部材が相互に連動する仕
    組みをもつ固定装置であり、固定装置の作動部またはロ
    ック部材同士を連動させることによって、複数の固定装
    置を同時に解除するように構成されてなることを特徴と
    する連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.3.1. 連動作動型固定装置
  120. 【請求項120】 請求項91項記載の一定以上の地震
    力により固定ピンが折れるか切れるかする剪断ピン型固
    定装置を含む、2つ以上の固定装置において、 剪断ピン型固定装置の固定ピンと、他の固定装置をロッ
    クするロック部材とが、相互にワイヤー・ロープ・ケー
    ブル・ロッド等で繋がれており、地震時に、地震力によ
    って剪断ピン型固定装置の固定ピンが折れるか切れるか
    すると、ワイヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等で連動
    して、他の固定装置の前記ロック部材が解除され、各固
    定装置が同時に解除され、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    との固定を解除するように構成されてなることを特徴と
    する連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.3.2. 連動作動型固定装置
  121. 【請求項121】2つ以上の固定装置において、 各固定装置をロックする機能をもったロック部材が、ワ
    イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等またはレリーズ等
    で相互に連結されており、 地震時に、(地震力によって重りが振動する)地震セン
    サー振幅装置、地震センサー装置、または剪断ピン型固
    定装置がロック部材の一つを作動させると、各ロック部
    材が連動して、それぞれの固定装置を同時に解除し、免
    震される構造体と免震される構造体を支持する構造体と
    の固定を解除するように構成されてなることを特徴とす
    る連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.3.3. 連動作動型固定装置
  122. 【請求項122】2つ以上の固定装置において、 端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分かれ
    していない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上にわか
    れた)ロック部材が、可動するように取付けられてお
    り、 地震時に、地震力によって重りが振動する地震センサー
    振幅装置、地震センサー装置、または剪断ピン型固定装
    置がこのロック部材を可動方向に作動させ、それにより
    各端部のロック機能が、それぞれの固定装置を同時に解
    除して、免震される構造体と免震される構造体を支持す
    る構造体との固定を解除するように構成されてなること
    を特徴とする連動作動型固定装置、またそれによる免震
    構造体。 8.1.3.4. 連動作動型固定装置
  123. 【請求項123】2つ以上の固定装置において、 端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分かれ
    していない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上にわか
    れた)ロック部材が、中心を軸として回転できる様に取
    付けられており、 地震時に、地震力によって重りが振動する地震センサー
    振幅装置、地震センサー装置、または剪断ピン型固定装
    置が、このロック部材を回転させ、それにより各端部の
    ロック機能が、それぞれの固定装置を同時に解除して、
    免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    との固定を解除するように構成されてなることを特徴と
    する連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.1.3.5. 連動作動型固定装置 (2) 電気で固定装置のロックのみが解除されるもの
  124. 【請求項124】地震センサー(振幅)装置装備型固定
    装置を、1個または複数個もった固定装置において、 それぞれの固定装置をロックするロック部材が、一個の
    地震センサーからの電気信号により、同時に作動するよ
    うに構成されてなることを特徴とする固定装置、またそ
    れによる免震構造体。 8.1.2.2.5. (ロック)弁方式 8.1.2.2.5.1. (ロック)弁方式
  125. 【請求項125】筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさず
    にスライドするピストン状部材をもった固定装置の作動
    部を有し、 地震センサーとなる重りに連動するスライド式ロック弁
    をもち、 通常時は、このスライド式ロック弁は閉じており、ピス
    トン状部材によって押出される液体・気体等が筒中から
    液体貯槽または外部に出る出口・出口経路を塞ぐ形とな
    り、押出される液体・気体等が押出されずに、ピストン
    状部材はロックされ、固定装置の作動部は固定され、 地震時には、地震センサーとなる重りが、スライド式ロ
    ック弁に作用して、スライド式ロック弁を開かせると、
    ピストン状部材によって押出された筒中の液体・気体等
    が液体貯槽または外部に出て、ピストン状部材は動き始
    め、固定装置の作動部の固定が解除されるように構成さ
    れてなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型
    固定装置、またそれによる免震構造体。
  126. 【請求項126】筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさず
    にスライドするピストン状部材をもった固定ピンの固定
    装置の作動部を有し、固定ピンの挿入部が、すり鉢状・
    球面状等の凹形状をなし、 地震センサーとなる重りに連動するスライド式ロック弁
    をもち、 通常時は、このスライド式ロック弁は閉じており、ピス
    トン状部材によって押出される液体・気体等が筒中から
    液体貯槽または外部に出る出口・出口経路を塞ぐ形とな
    り、押出される液体・気体等が押出されずに、ピストン
    状部材はロックされ、固定装置の作動部は固定され、 地震時には、地震センサーとなる重りが、スライド式ロ
    ック弁に作用して、スライド式ロック弁を開かせると、
    ピストン状部材によって押出された筒中の液体・気体等
    が液体貯槽または外部に出て、ピストン状部材は動き始
    め、固定装置の作動部の固定が解除されるように構成さ
    れてなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型
    固定装置、またそれによる免震構造体。
  127. 【請求項127】筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずに
    スライドするピストン状部材が、 免震される構造体を支持する構造体または免震される構
    造体のいずれか一方の構造体に不可撓部材また可撓部材
    によって支持されて、その挿入筒が、もう一方の構造体
    に支持されて風揺れ等を防止する固定装置において、 地震センサーとなる重りに連動するスライド式ロック弁
    をもち、 通常時は、このスライド式ロック弁は閉じており、ピス
    トン状部材によって押出される液体・気体等が筒中から
    液体貯槽または外部に出る出口・出口経路を塞ぐ形とな
    り、押出される液体・気体等が押出されずに、ピストン
    状部材はロックされ、免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体とを固定し、 地震時には、地震センサーとなる重りが、スライド式ロ
    ック弁に作用して、スライド式ロック弁を開かせると、
    ピストン状部材によって押出された筒中の液体・気体等
    が液体貯槽または外部に出て、ピストン状部材は動き始
    め、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    との固定が解除されるように構成されてなることを特徴
    とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれ
    による免震構造体。
  128. 【請求項128】請求項125項または請求項127項
    記載の地震センサー振幅装置装備型固定装置において、 スライド式ロック弁には抵抗板が付き、地震センサーと
    なる重りにより少しでもスライド式ロック弁が開くと、
    ロック弁に付いた抵抗板が、流れにより抵抗を受けてロ
    ック弁をより開かせる役割をするように構成されてなる
    ことを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装
    置、またそれによる免震構造体。
  129. 【請求項129】請求項125項から請求項128項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 固定装置部(の接続部)から地震センサーとなる重りに
    連動したスライド式ロック弁のある出口・出口経路へと
    繋がる部分とこのスライド式ロック弁を境にした液体貯
    槽(または外部)部分とからなる地震センサー振幅装置
    部と、筒とその筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにス
    ライドするピストン状部材とからなる固定装置部とが分
    離し、互いに独立した装置を構成してなることを特徴と
    する地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれに
    よる免震構造体。
  130. 【請求項130】請求項125項から請求項129項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、出口・出口経路またはピストン状部材の
    スライド部以外の筒中に、他の固定装置との連結口を設
    けて、相互に連結管で繋げることにより相互の装置の連
    動を可能とするように構成されてなることを特徴とする
    地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。 8.1.2.2.5.2. (ロック)弁方式
  131. 【請求項131】筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさず
    にスライドするピストン状部材をもった固定装置の作動
    部を有し、 通常時は、地震センサーとなる重りが、振り子またはバ
    ネ等または球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状
    等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)に
    よって平衡を保たれるため、通常位置にあり、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中
    から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路を、重
    り、または重りと一体になった弁、または重りと連動し
    た弁が塞ぐ形となり、液体・気体等は押出されずに、ピ
    ストン状部材はロックされ、固定装置の作動部は固定さ
    れ、 地震時には、重りが地震力により通常位置より移動する
    と、この出口・出口経路を塞ぐ位置から、重り、または
    重りと一体になった弁、または重りと連動した弁がずれ
    て、 液体・気体等が押出され、ピストン状部材は動き始め
    て、固定装置の作動部の固定は解除されるように構成さ
    れてなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型
    固定装置、またそれによる免震構造体。
  132. 【請求項132】筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさず
    にスライドするピストン状部材をもった固定ピンの固定
    装置の作動部を有し、 固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をな
    し、 通常時は、地震センサーとなる重りが、振り子またはバ
    ネ等または球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状
    等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)に
    よって平衡を保たれるため、通常位置にあり、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中
    から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路を、重
    り、または重りと一体になった弁、または重りと連動し
    た弁が塞ぐ形となり、液体・気体等は押出されずに、ピ
    ストン状部材はロックされ、固定装置の作動部は固定さ
    れ、 地震時には、重りが地震力により通常位置より移動する
    と、この出口・出口経路を塞ぐ位置から、重り、または
    重りと一体になった弁、または重りと連動した弁がずれ
    て、 液体・気体等が押出され、ピストン状部材は動き始め
    て、固定装置の作動部の固定は解除されるように構成さ
    れてなることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型
    固定装置、またそれによる免震構造体。
  133. 【請求項133】筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずに
    スライドするピストン状部材が、 免震される構造体を支持する構造体または免震される構
    造体のいずれか一方の構造体に不可撓部材また可撓部材
    によって支持されて、その挿入筒が、もう一方の構造体
    に支持されて風揺れ等を防止する固定装置において、 通常時は、地震センサーとなる重りが、振り子またはバ
    ネ等または球面・すり鉢または円柱谷面状・V字谷面状
    等の凹型滑り面部(すべり・転がり面部、以下同じ)に
    よって平衡を保たれるため、通常位置にあり、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中
    から液体貯槽または外部に出る出口・出口経路を、重
    り、または重りと一体になった弁、または重りと連動し
    た弁が塞ぐ形となり、液体・気体等は押出されず、ピス
    トン状部材はロックされ、免震される構造体と免震され
    る構造体を支持する構造体とを固定し、 地震時には、重りが地震力により通常位置より移動する
    と、この出口・出口経路を塞ぐ位置から、重り、または
    重りと一体になった弁、または重りと連動した弁がずれ
    て、 液体・気体等が押出され、ピストン状部材は動き始め
    て、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
    造体との固定は解除されるように構成されてなることを
    特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、また
    それによる免震構造体。
  134. 【請求項134】請求項131項から請求項133項の
    いずれか一項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 固定装置部(の接続部)から出口・出口経路へと繋がる
    部分とこの出口・出口経路から先の液体貯槽(または外
    部)部分とからなる地震センサー振幅装置部と、筒とそ
    の筒中を液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピ
    ストン状部材とからなる固定装置部とが分離し、互いに
    独立した装置を構成してなることを特徴とする地震セン
    サー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
    体。
  135. 【請求項135】請求項131項から請求項134項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 出口・出口経路またはピストン状部材のスライド部以外
    の筒中に、他の固定装置との連結口を設けて、相互に連
    結管で繋げることにより相互の装置の連動を可能とする
    ように構成されてなることを特徴とする地震センサー振
    幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 (11) 隙間のカバー管
  136. 【請求項136】請求項131項から請求項135項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 可動して重り(地震センサー振幅装置の重り)の移動に
    順応する管が出口・出口経路に挿入されることにより構
    成されてなることを特徴とする地震センサー振幅装置装
    備型固定装置、またそれによる免震構造体。 (12) 重りと間接弁方式 1
  137. 【請求項137】請求項131項から請求項135項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 それ自体可動して地震センサー振幅装置の重りの移動に
    順応するロック弁管またはロック弁と、固定装置本体に
    取付けられてそのロック弁管またはロック弁を受けて通
    常時の流れを遮断する受け材とから構成されてなること
    を特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置、ま
    たそれによる免震構造体。 (13) 重りと間接弁方式 2
  138. 【請求項138】請求項131項から請求項135項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 出口・出口経路に挿入されてそれ自体可動するロック弁
    管と、そのロック弁管からの液体(気体)等の流れを遮
    断する、固定装置本体に取付けられた受け材とから構成
    され、 風圧力・地震力によってピストン状部材からの液体(気
    体)等の圧力を受けて重り(地震センサー振幅装置の重
    り)がロック弁管に吸込まれて、そのロック弁管が可動
    して前記受け材に押付けられて液体(気体)等の流れを
    遮断するように構成されてなることを特徴とする地震セ
    ンサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構
    造体。
  139. 【請求項139】請求項138項に記載の地震センサー
    振幅装置装備型固定装置において、 風圧力・地震力によってピストン状部材からの液体(気
    体)等の圧力を受けて重り(地震センサー振幅装置の重
    り)がロック弁管に吸込まれて、そのロック弁管が可動
    して前記受け材に押付けられて液体(気体)等の流れを
    遮断し、遮断すると重りはロック弁管から離れ、風時に
    はまた(重りがロック弁管(の吸込み口)の真近にあ
    り)重りがロック弁管に吸込まれることを繰返し、 地震時には、重りがロック弁管から離れると、地震力に
    よりロック弁管(の吸込み口)からずれて、液体(気
    体)等の流れが始まり、免震し始めるように構成されて
    なることを特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定
    装置、またそれによる免震構造体。 (14) 増幅器付 【請求項139−2】請求項125項から請求項139
    項のいずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型
    固定装置において、 ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
    に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
    傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
    く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
    段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
    ると弁が出る(開く)ようにして、その出る(開く)力
    を受けて、歯車・滑車・梃子等で、力は弱くして、弁の
    先端部に伝えて、ロックとして小さな(センサーの)重
    りで可能なように構成されてなることを特徴とする地震
    センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震
    構造体。 8.1.4. 地震センサー付風作動型固定装置 【請求項139−3】風センサーを持つ(地震センサー
    付)地震作動型固定装置であり、風センサーにより一定
    風圧になると固定装置をロックさせるように構成されて
    なることを特徴とする地震センサー(振幅)装置装備型
    固定装置、またそれによる免震構造体。 8.2. 風作動型固定装置
  140. 【請求項140】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 ある一定以上の風圧時にのみ、免震される構造体と免震
    される構造体を支持する構造体とを固定し、風揺れ等を
    防止するように構成されてなることを特徴とする風作動
    型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.2.1. 風センサー装備型固定装置(一般型(直接方式
    含む))
  141. 【請求項141】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 風センサーにより作動する固定装置によって、ある一定
    以上の風圧時にのみ、免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体とを固定し、風揺れ等を防止する
    ように構成されてなることを特徴とする風センサー装備
    型固定装置、またそれによる免震構造体。 (1) 直接方式
  142. 【請求項142】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固
    定装置において、 風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、固定装置
    の作動部(固定ピン・固定弁)自体を働かせて、免震さ
    れる構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固
    定するように構成されてなることを特徴とする風センサ
    ー装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 1) 固定ピン型固定装置
  143. 【請求項143】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する固
    定装置において、 風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、固定装置
    の作動部を固定する固定ピンを働かせて固定装置をロッ
    クし、免震される構造体と免震される構造体を支持する
    構造体とを固定するように構成されてなることを特徴と
    する風センサー装備型固定装置、またそれによる免震構
    造体。 2) 連結部材弁型固定装置
  144. 【請求項144】請求項142項に記載の風センサー装
    備型固定装置において、 筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピ
    ストン状部材等の固定装置の作動部を有し、 その筒中とピストン状部材のうち、一方を免震される構
    造体に、もう一方を免震される構造体を支持する構造体
    に設け、 この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン
    状部材がスライドする範囲の端と端と)を繋ぐ管(また
    筒に付けられた溝)か、ピストン状部材にあいている孔
    か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等が
    筒中から出る出口かに、またはその全てに、弁が設けら
    れており、 風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、その弁が
    閉じることにより、 固定装置の固定を行って、免震される構造体と免震され
    る構造体を支持する構造体とを固定するように構成され
    てなることを特徴とする風センサー装備型固定装置、ま
    たそれによる免震構造体。 (2) 間接方式 a) 一般
  145. 【請求項145】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、固定装置
    の作動部をロックするロック部材を働かせて固定装置を
    ロックし、免震される構造体と免震される構造体を支持
    する構造体とを固定するように構成されてなることを特
    徴とする風センサー装備型固定装置、またそれによる免
    震構造体。 b) 固定ピン型の場合
  146. 【請求項146】 固定ピンの挿入部と固定ピンの、ど
    ちらか一方を免震される構造体に、もう一方を免震され
    る構造体を支持する構造体に設け、挿入部に固定ピンを
    挿入することよって、免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体とを、固定して、風揺れ等を防止
    する固定装置において、 風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、固定ピン
    をロックするロック部材を働かせて固定ピンをロック
    し、免震される構造体と免震される構造体を支持する構
    造体とを固定するように構成されてなることを特徴とす
    る風センサー装備型固定ピン型固定装置、またそれによ
    る免震構造体。 c) 地震力による自動復元型
  147. 【請求項147】 請求項146項記載の風作動型固定
    ピン型固定装置において、 固定ピンの挿入部が、すり鉢状・球面状等の凹形状をな
    していることを特徴とする風センサー装備型固定ピン型
    固定装置、またそれによる免震構造体。 1) ロック弁方式
  148. 【請求項148】請求項145項から請求項147項の
    いずれか1項に記載の、ロック部材がロック弁をなす風
    センサー装備型固定装置において、 筒中を、液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピ
    ストン状部材等の固定装置の作動部を有し、 この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン
    状部材がスライドする範囲の端と端と)を繋ぐ管(また
    筒に付けられた溝)か、ピストン状部材にあいている孔
    か、ピストン状部材によって押出される液体・気体等が
    筒中から出る出口かに、またはその全てに、ロック弁が
    設けられており、 風センサー等で一定以上の風圧を感知すると、そのロッ
    ク弁が閉じることにより、 固定装置のロックを行って、免震される構造体と免震さ
    れる構造体を支持する構造体とを固定するように構成さ
    れてなることを特徴とする風センサー装備型固定装置、
    またそれによる免震構造体。 2) ロックピン方式
  149. 【請求項149】 請求項145項から請求項147項
    のいずれか1項に記載の風作動型固定装置において、 固定装置の作動部にロック部材が係合することにより、
    固定装置の作動部のロックがされるように構成されてな
    ることを特徴とする風センサー装備型固定装置、またそ
    れによる免震構造体。 8.2.5. 風力発電機型風センサー装備型固定装置 (1) 一般型(直接方式含む) 1) 固定ピン型固定装置 2) 連結部材弁型固定装置
  150. 【請求項150】 請求項141項記載の風作動型固定
    装置において、 一定以上の風圧になると、風力発電機
    の発電電圧が、固定装置を作動させるのに必要な電圧以
    上となり、固定装置を作動させて、免震される構造体と
    免震される構造体を支持する構造体とを固定するように
    構成されてなることを特徴とする風センサー装備型固定
    装置、またそれによる免震構造体。 (2) 間接方式
  151. 【請求項151】 請求項145項から請求項149項
    のいずれか1項に記載の風作動型固定装置において、 一定以上の風圧になると、風力発電機の発電電圧が、固
    定装置の作動部をロックするロック部材を作動させるの
    に必要な電圧以上となり、ロック部材を作動させて、固
    定装置の作動部をロックし、免震される構造体と免震さ
    れる構造体を支持する構造体とを固定するように構成さ
    れてなることを特徴とする風センサー装備型固定装置、
    またそれによる免震構造体。 8.2.6. 連動作動風作動型固定装置
  152. 【請求項152】複数の固定装置からなり、それぞれの
    固定装置の作動部またはロック部材が相互に連動する仕
    組みをもつ固定装置であり、固定装置の作動部またはロ
    ック部材同士を連動させることによって、複数の固定装
    置を同時に固定するように構成されてなることを特徴と
    する連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。 8.2.6.1. 連動作動風作動型固定装置
  153. 【請求項153】2つ以上の固定装置において、 各固定装置をロックする機能をもったロック部材が、ワ
    イヤー・ロープ・ケーブル・ロッド等またはレリーズ等
    で相互に連結されており、 風時に、風センサーがロック部材の一つを作動させる
    と、各ロック部材が連動して、それぞれの固定装置を同
    時に固定し、免震される構造体と免震される構造体を支
    持する構造体とを固定するように構成されてなることを
    特徴とする連動作動型固定装置、またそれによる免震構
    造体。 8.2.6.2. 連動作動風作動型固定装置
  154. 【請求項154】2つ以上の固定装置において、 端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分かれ
    していない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上にわか
    れた)ロック部材が、可動するように取付けられてお
    り、 風時に、風センサーがこのロック部材を可動方向に作動
    させ、それにより各端部のロック機能が、それぞれの固
    定装置を同時に固定して、免震される構造体と免震され
    る構造体を支持する構造体とを固定するように構成され
    てなることを特徴とする連動作動型固定装置、またそれ
    による免震構造体。 8.2.6.3. 連動作動風作動型固定装置
  155. 【請求項155】2つ以上の固定装置において、 端部に各固定装置をロックする機能をもった(枝分かれ
    していない部材、三つ又、四つ又、またそれ以上にわか
    れた)ロック部材が、中心を軸として回転できる様に取
    付けられており、 風時に、風センサーが、このロック部材を回転させ、そ
    れにより各端部のロック機能が、それぞれの固定装置を
    同時に固定して、免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定するように構成されてなるこ
    とを特徴とする連動作動型固定装置、またそれによる免
    震構造体。 8.2.6.4. 連動作動風作動型固定装置
  156. 【請求項156】請求項140項から請求項151項の
    いずれか1項に記載の風作動型固定装置を、1個または
    複数個もった固定装置において、 それぞれの固定装置の固定が、またはロック部材による
    固定装置の作動部のロックが、一個の風センサーからの
    電気信号により、同時になされるように構成されてなる
    ことを特徴とする固定装置、またそれによる免震構造
    体。 8.2.7. 遅延器の設置
  157. 【請求項157】請求項145項から請求項156項の
    いずれか一項に記載の風センサー装備型固定装置におい
    て、 請求項166項に記載の遅延器が装備され、 風圧が一定以下になったことを感知してから、一定の時
    間をおいて固定装置を解除させるように構成されてなる
    ことを特徴とする風センサー装備型固定装置、またそれ
    による免震構造体。 8.3. 固定装置の設置位置とリレー連動作動型固定装置 8.3.1. 一般
  158. 【請求項158】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 免震される構造体の重心(重心及び免震される構造体の
    各立面の図心からくる平面上の中心を勘案したもの、以
    下「重心」と言う)位置またはその近傍に設置されてな
    ることを特徴とする固定装置、またそれによる免震構造
    体。 8.3.2. 2個以上の固定装置の設置 (1) 重りをできるだけ重くした、増幅器付き地震センサ
    ー(振幅)装置の採用 (2) 固定装置(敏感型・鈍感型)の設置による
  159. 【請求項159】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを固定して、風揺れ等を防止する
    複数設置の固定装置において、 免震される構造体の重心位置またはその近傍以外の周辺
    位置に、重心位置またはその近傍に比べて地震時に解除
    されやすい固定装置を、 免震される構造体の重心位置またはその近傍に、周辺位
    置のものに比べて地震時に解除されにくい固定装置を設
    置されてなることを特徴とする固定装置、またそれによ
    る免震構造体。 8.3.3. リレー連動作動型固定装置 8.3.3.1. 地震作動型固定装置の場合
  160. 【請求項160】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して風揺れ等を防止し、地震
    時に固定が解除される連動作動型固定装置において、 そのうち少なくとも一本の固定装置(リレー末端固定装
    置)は、免震される構造体の重心位置またはその近傍
    に、他の固定装置(リレー中間固定装置)は、周辺位置
    に設置され、 地震時にこれらの固定装置が順次解除される際に、前記
    重心位置またはその近傍に設置された固定装置が最後に
    解除されるように構成されてなることを特徴とするリレ
    ー連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。
  161. 【請求項161】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して風揺れ等を防止し、地震
    時に固定が解除され、地震後に、再び固定される連動作
    動型固定装置において、 そのうち少なくとも一本の固定装置(リレー末端固定装
    置)は、免震される構造体の重心位置またはその近傍
    に、他の固定装置(リレー中間固定装置)は、周辺に設
    置され、 地震時にこれらの固定装置が順次解除され、地震終了後
    にこれらの固定装置が順次固定される際に、前記重心位
    置またはその近傍に設置された固定装置が最初に固定さ
    れるように構成されてなることを特徴とするリレー連動
    作動型固定装置、またそれによる免震構造体。
  162. 【請求項162】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを固定して風揺れ等を防止し、地震
    時に固定が解除される連動作動型固定装置において、 そのうち少なくとも一本の固定装置(リレー末端固定装
    置)は、免震される構造体の重心位置またはその近傍
    に、他の固定装置(リレー中間固定装置)は、周辺位置
    に設置され、 地震時にこれらの固定装置が順次解除される際に、前記
    重心位置またはその近傍に設置された固定装置が最後に
    解除されるか、 地震終了後にこれらの固定装置が順次固定される際に、
    前記重心位置またはその近傍に設置された固定装置が最
    初に固定されるか、 または、両方を組合せることによって構成されてなるこ
    とを特徴とするリレー連動作動型固定装置、またそれに
    よる免震構造体。 8.3.3.1.1. リレー中間固定装置 8.3.3.1.1.1. リレー中間固定装置(一般)
  163. 【請求項163】 請求項160項または請求項161
    項記載のリレー中間固定装置において、 地震センサー(振幅)装置と直接繋がるリレー中間固定
    装置をリレー第1中間固定装置、直接繋がらないリレー
    中間固定装置をリレー第2以降中間固定装置とし、 リレー第1中間固定装置には、請求項95項から請求項
    106項のいずれか1項に記載の地震センサー(振幅)
    装置装備型固定装置が使用され、 各リレー中間固定装置は、ロック部材の装備に加え、 地震時に固定装置の作動を次のリレー(中間、末端)固
    定装置のロック部材に伝え、連動させてロック部材によ
    り固定装置を解除させる連動機構を持っており、 リレー第1中間固定装置のロック部材は、地震センサー
    (振幅)装置に、 リレー第2以降中間固定装置のロック部材は、直前のリ
    レー中間固定装置の連動機構に、連動するように構成さ
    れてなることを特徴とするリレー連動作動型固定装置、
    またそれによる免震構造体。 8.3.3.1.1.2. リレー中間固定装置(増幅器付)
  164. 【請求項164】 請求項163項記載のリレー中間固
    定装置の連動機構において、 梃子・滑車・歯車等を採用し、次のリレー(中間、末
    端)固定装置のロック部材へ繋がるワイヤー・ロープ・
    ケーブル・ロッドまたはレリーズ等の引張長さまたは圧
    縮長さが、増幅されるように構成されてなることを特徴
    とする固定装置、またそれによる免震構造体。 8.3.3.1.2. リレー末端固定装置
  165. 【請求項165】 請求項160項または請求項161
    項記載のリレー末端固定装置において、 リレー末端固定装置をロックするロック部材が複数個あ
    り、 この複数個のロック部材は、直前のリレー中間固定装置
    の連動機構(請求項163項または請求項164項記載
    の連動機構)と、それぞれ個々に連結されており、 地震時に、各ロック部材がそれぞれ解除されるが、これ
    らのロック部材が全て解除されない限り、当該リレー末
    端固定装置のロックは解除されないように構成されてな
    ることを特徴とする固定装置、またそれによる免震構造
    体。 8.5. 遅延器 1) 一般
  166. 【請求項166】地震作動型固定装置において、 解除された固定装置の作動部またはロック部材の戻りを
    遅延する遅延器を設けるか、 固定装置の作動部またはロック部材と、地震センサー振
    幅装置の地震時に振動する重りとの間、または直前のリ
    レー中間固定装置の連動機構との間には、地震時に固定
    装置の作動部またはロック部材が解除された後の振動中
    に固定装置の作動部またはロック部材の戻りを遅延する
    遅延器を設けるか、 風作動型固定装置において、 風圧が一定以下になったことを感知してから、一定の時
    間をおいて固定装置を解除させる遅延器を設けるか、 等することにより構成される固定装置、またそれによる
    免震構造体。 2)油空圧シリンダー式
  167. 【請求項167】前請求項記載の遅延器において、 筒とスライドするピストン状部材から構成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
    トン状部材がその筒に挿入され、その外にピストン状部
    材の先端が突き出ており、 さらに、前記筒の、ピストン状部材を挟んだ反対側同士
    を繋ぐ液体・気体等の経路が最低2本設けられており、 前記経路には開口面積の差をもたせ、 この経路のうち開口面積の大きい方に、ピストン状部材
    が筒中に引き込まれる方向時に開き、それ以外は閉じて
    いる弁が付けられており、 開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設ける
    場合には、ピストン状部材が筒中から押出される時に開
    き、それ以外は閉じている弁が付けられてなることを特
    徴とする遅延器、またそれによる固定装置、またそれに
    よる免震構造体。 【請求項167−2】 請求項166項記載の遅延器に
    おいて、 筒とスライドするピストン状部材から構成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
    トン状部材がその筒に挿入され、その外にピストン状部
    材の先端が突き出ており、 さらに、この筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士
    (ピストン状部材がスライドする範囲の端と端と)を繋
    ぐ管(また筒に付けられた溝)と、ピストン状部材にあ
    いている孔とが設けられており、 管(また溝)と孔とには開口面積の差をもたせ、この管
    (また溝)またはピストン状部材の孔のうち開口面積の
    大きい方に、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる時に
    開き、それ以外は閉じている弁が付けられているか、 または、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒中
    から出る出口経路と、出口経路からその押出された液体
    ・気体等が筒中に戻る別経路の戻り経路とが設けられて
    おり、 出口経路と戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口
    経路は大きく戻り経路は小さくし、出口経路には、ピス
    トン状部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は
    閉じている弁が付けられており、 戻り経路は、開口面積が小さい場合には弁が必要無い
    が、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒中から押
    出される時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられ
    ており、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
    バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押
    出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記管(また溝)または経路とは潤滑油
    等の液体で満たされている場合もあり、 この弁の性格と、開口面積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、筒の中に入る方向では、速やか
    であり、出る方向では、遅延されるようになっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
    るか固定装置の作動部と連動させるかし、遅延器の筒の
    中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向が、固定装置
    の解除の方向となるか、 または、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材との間で繋ぎ、その繋ぎ方が、遅
    延器の筒の中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向
    が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となるか、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
    るか固定装置の作動部と連動させるかし、遅延器の筒の
    中へ、ピストン状部材が引き込まれる方向が、固定装置
    の解除の方向となるか、 または、この遅延器のピストン状部材を、リレー連動作
    動型固定装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の
    地震時に振動する重りまたは地震センサーにより作動す
    るモーターもしくは電磁石等の作動部材または直前のリ
    レー中間固定装置の連動機構との間で繋ぎ、その繋ぎ方
    が、遅延器の筒の中へ、ピストン状部材が引き込まれる
    方向が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となる
    か、してなるように構成されてなることを特徴とする遅
    延器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構
    造体。
  168. 【請求項168】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 筒とスライドするピストン状部材から構成され、 筒中の気体をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部
    材が、その筒に挿入され、その外にピストン状部材の先
    端が突き出ており、 この筒には気体が筒中から出る孔と筒中へ入る孔が設け
    られており、 出る孔には、筒中から気体が出る方向時には開き、それ
    以外は閉じる弁が付けられており、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
    バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押
    出す役割をする場合もあり、 この弁の性格と、気体が筒中へ入る孔の開口面積を絞る
    ことにより、 前記ピストン状部材は、筒の中に入る方向では、速やか
    であり、出る方向では、遅延されるようになっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
    るか固定装置の作動部と連動させるか、 または、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、リレー連動作動型固定
    装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に
    振動する重りまたは地震センサーにより作動するモータ
    ーもしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間
    固定装置の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、遅延器の筒の中へ、ピストン状部材が入
    り込む方向が、ロック部材の外れる方向(解除方向)と
    なるようにすることにより構成されてなることを特徴と
    する遅延器、またそれによる固定装置、またそれによる
    免震構造体。 3)機械式 a) ガンギ車式
  169. 【請求項169】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 ガンギ車とアンクル及びラックとから構成され、 ラックはその移動によりガンギ車を回転させるようにな
    っており、 アンクルはガンギ車の回転に対しある方向については抵
    抗とならず、逆の方向については抵抗となって回転の速
    度を調節するようになっており、 またこれらの機構は歯車等の連動機構を介して間接に組
    み合わされている場合もあり、 このガンギ車とアンクル及びラックによる機構の性質に
    より、 ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく移動
    できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるように
    なっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、固定装置の作動部に設けるか固
    定装置の作動部に連動する部材に設けるか、 または、この遅延器のラックを、固定装置のロック部材
    と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
    は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
    等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置
    の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロ
    ック部材の外れる方向(解除方向)となるようにするこ
    とにより構成されてなることを特徴とする遅延器、また
    それによる固定装置、またそれによる免震構造体。 b) ラチェット式(重量式重量抵抗型、水車式・風車式
    粘性抵抗型)
  170. 【請求項170】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 歯車とラック(及び水車(風車)等の装置)とから構成
    され、 歯車とラックとは、ラックの移動の方向により、ある方
    向に対しては歯車とラックの歯が噛み合わず、ラックは
    自由に移動でき、逆の方向に対しては歯が噛み合って、
    ラックの移動により歯車が回転するような機構になって
    おり、 また歯が噛み合って歯車が回転するとき、重量式重量抵
    抗型においては、ラックの移動に対して歯車の自重が抵
    抗となり、 水車式・風車式粘性抵抗型においては 、ラックの移動
    に対して、歯車の回転と連動して回転する、粘性のある
    液体(気体)に浸された水車(風車)等の装置が、回転
    時に与える負荷が抵抗となり、 またこれらの機構は歯車等の連動機構を介して間接に組
    み合わされている場合もあり、 この歯車とラック(及び水車式・風車式粘性抵抗型にお
    いては水車(風車)等の負荷を与える装置)による機構
    の性質により、 ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく移動
    できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるように
    なっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、固定装置の作動部に設けるか固
    定装置の作動部に連動する部材に設けるか、 または、この遅延器のラックを、固定装置のロック部材
    と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
    は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
    等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置
    の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロ
    ック部材の外れる方向(解除方向)となるようにするこ
    とにより構成されてなることを特徴とする遅延器、また
    それによる固定装置、またそれによる免震構造体。 c) 重力式
  171. 【請求項171】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 歯車とラック及び重りとから構成され、 ラックはその移動により歯車を回転させるようになって
    おり、 重りは歯車の回転と連動しており、その自重がラックの
    移動方向に対し、ある方向に対しては負荷となり、逆の
    方向に対しては抵抗とならない(歯車の回転を妨げな
    い)ようになっており、 またこれらの機構は歯車等の連動機構を介して間接に組
    み合わされている場合もあり、 この歯車とラック及び重りによる機構の性質により、 ラックは、力を受けた場合、ある方向には抵抗なく移動
    できるが、逆の方向には移動の速度が遅延されるように
    なっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、固定装置の作動部に設けるか固
    定装置の作動部に連動する部材に設けるか、 または、この遅延器のラックを、固定装置のロック部材
    と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
    は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
    等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置
    の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、ラックが抵抗なく移動できる方向が、ロ
    ック部材の外れる方向(解除方向)となるようにするこ
    とにより構成されてなることを特徴とする遅延器、また
    それによる固定装置、またそれによる免震構造体。 4) 摩擦式
  172. 【請求項172】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 筒とスライドするピストン状部材から構成され、 ピストン状部材は筒の中を移動できるように組み合わさ
    れており、 また筒の内表面とピストン状部材の表面との両方あるい
    は一方は、 スライドする方向によって異なる摩擦抵抗を与えるよう
    になっており、 この筒とピストン状部材による機構の性質により、 ピストン状部材は、力を受けた場合、ある方向には抵抗
    をあまり受けずに移動できるが、逆の方向には大きな抵
    抗を受けて、移動の速度が遅延されるようになってお
    り、 固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
    るか固定装置の作動部と連動させるか、 または、この遅延器のピストン状部材を、固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、リレー連動作動型固定
    装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に
    振動する重りまたは地震センサーにより作動するモータ
    ーもしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間
    固定装置の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、ピストン状部材があまり抵抗を受けずに
    移動できる方向が、ロック部材の外れる方向(解除方
    向)となるようにすることにより構成されてなることを
    特徴とする遅延器、またそれによる固定装置、またそれ
    による免震構造体。 5) 経路迂回式
  173. 【請求項173】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 筒と筒中をスライドして自由に回転可能な円筒状のピス
    トン状部材とから構成され、 ピストン状部材は筒の中を移動できるように組み合わさ
    れており、 また、ピストン状部材の表面には、移動方向に平行な直
    線部分と、曲線部分とがつながってループ状となってい
    るガイドが、筒にはバネ等よってピストン状部材の方向
    に押し出されているピンが、それぞれ設けられており、 このピンはガイドに嵌まっており、このピンとガイドと
    の関係によりピストン状部材は筒中を回転して移動し、
    かつピストン状部材はこのピンがガイドの直線部分に位
    置するときは抵抗を受けずに移動でき、曲線部分に位置
    するときは移動方向に対しガイドのなす角度により抵抗
    を受けるようになっており、 またピンはこのガイドを逆に戻ることはなく、 この筒とピストン状部材による機構の性質により、 ピストン状部材は、力を受けた場合、ある方向には抵抗
    を受けずに移動できるが、逆の方向にはガイドのなす角
    度による抵抗を受け、それに加えてピンの通過する直前
    部分と曲線部分との延長距離の差によって、移動の速度
    が遅延されるようになっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、固定装置の作動部とす
    るか固定装置の作動部と連動させるか、 または、この遅延器のピストン状部材の先端部を、固定
    装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に
    振動する重りまたは地震センサーにより作動するモータ
    ーもしくは電磁石等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のピストン状部材を、リレー連動作動型固定
    装置のロック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に
    振動する重りまたは地震センサーにより作動するモータ
    ーもしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間
    固定装置の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、ピストン状部材が抵抗を受けずに移動で
    きる方向が、ロック部材の外れる方向(解除方向)とな
    るようにすることにより構成されてなることを特徴とす
    る遅延器、またそれによる固定装置、またそれによる免
    震構造体。 6)粘性抵抗式
  174. 【請求項174】 請求項166項記載の遅延器におい
    て、 歯車とラック、及び水車(風車)等の装置から構成さ
    れ、 この水車(風車)等の装置は、粘性のある液体(気体)
    に浸され、その液体(気体)から、ラックの移動方向に
    対応する回転方向ごとに、異なる大きさの粘性抵抗を受
    ける仕組みであり、 またこれらは歯車等の連動機構を介して間接に組み合わ
    されている場合もあり、 この歯車とラック及び水車(風車)等の装置による機構
    の性質により、 ラックは力を受けた場合、ある方向には小さな抵抗で移
    動できるが、逆の方向には大きな抵抗を受けて移動の速
    度が遅延されるようになっており、 固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、固定装置の作動部に設けるか固
    定装置の作動部と連動する部材に設けるか、 または、この遅延器のラックを、固定装置のロック部材
    と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する重りまた
    は地震センサーにより作動するモーターもしくは電磁石
    等の作動部材との間で繋ぐかし、 リレー連動作動型固定装置の場合には、 この遅延器のラックを、リレー連動作動型固定装置のロ
    ック部材と、地震センサー振幅装置の地震時に振動する
    重りまたは地震センサーにより作動するモーターもしく
    は電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固定装置
    の連動機構との間で繋ぎ、 その繋ぎ方が、ラックが小さな抵抗で移動できる方向
    が、ロック部材の外れる方向(解除方向)となるように
    することにより構成されてなることを特徴とする遅延
    器、またそれによる固定装置、またそれによる免震構造
    体。 7) センサー免震皿による遅延装置 【請求項174−1】地震センサー振幅装置装備型固定
    装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固
    定装置における、 地震センサー振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべ
    り)するセンサー免震皿において、全体として凹形態の
    センサー免震皿に、センサー免震皿の中心部に向けて戻
    り勾配を持ち、迂回した戻りルート(迂回路)を設ける
    ことにより、 地震センサー振幅装置の重り(ボール)の中心部への戻
    りを遅延してなることを特徴とする地震センサー振幅装
    置装備型固定装置またはダンパー兼用地震センサー振幅
    装置装備型固定装置、またそれによる免震構造体。 【請求項174−2】地震センサー振幅装置装備型固定
    装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固
    定装置における、 地震センサー振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべ
    り)するセンサー免震皿において、 凹形態の中心部のセンサー免震皿(中心部センサー免震
    皿)を越えて一旦水平レベルが下がった面をもち、 その面から中心部センサー免震皿の中心部に向けて戻り
    勾配を持った戻りルート(路)があることにより、 地震センサー振幅装置の重り(ボール)のセンサー免震
    皿の中心部への戻りを遅延してなることを特徴とする地
    震センサー振幅装置装備型固定装置またはダンパー兼用
    地震センサー振幅装置装備型固定装置、またそれによる
    免震構造体。 【請求項174−3】地震センサー振幅装置装備型固定
    装置またはダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固
    定装置における、 地震センサー振幅装置の、重りが滑動(転がり・すべ
    り)するセンサー免震皿において、 中心部(通常位置)に向けて、全体として凹形態を形成
    したセンサー免震皿の中心部(通常位置)に向けて、螺
    旋形に山もしくは谷(溝)を設けて螺旋山もしくは谷を
    形成し、その螺旋山、もしくは谷形に沿って、中心部
    (通常位置)に向けての戻り勾配を持った戻りルート
    (路)を設けることによって、地震センサー振幅装置の
    重り(ボール)の中心部への戻りを遅延してなることを
    特徴とする地震センサー振幅装置装備型固定装置または
    ダンパー兼用地震センサー振幅装置装備型固定装置、ま
    たそれによる免震構造体。 8.3.3.1.3. 遅延器の設置
  175. 【請求項175】 固定装置または請求項160項から
    請求項165項のいずれか1項に記載の固定装置におい
    て、 解除された固定装置の作動部またはロック部材の戻りを
    遅延する遅延器を、 固定装置自体に設けるか、 固定装置の作動部またはロック部材と地震センサー振幅
    装置の重りまたは地震センサーにより作動するモーター
    もしくは電磁石等の作動部材または直前のリレー中間固
    定装置の連動機構との間に設けるか、等することにより
    構成されてなることを特徴とする固定装置、またそれに
    よる免震構造体。 8.3.3.1.4. 引張力限定伝達装置
  176. 【請求項176】 請求項160項から請求項175項
    のいずれか1項に記載の固定装置において、 固定装置の作動部またはロック部材と、地震センサー振
    幅装置の地震時に振動する重りまたは地震センサーによ
    り作動するモーターもしくは電磁石等の作動部材または
    直前のリレー中間固定装置の連動機構との間に、 引張力のみを伝達し、圧縮力を伝達しない引張力限定伝
    達装置が設けられてなることにより構成されてなること
    を特徴とする固定装置、またそれによる免震構造体。 8.3.3.2. 風作動型固定装置の場合
  177. 【請求項177】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを風時に固定して風揺れ等を防止
    する風作動型固定装置が、複数本設置され、 そのうち少なくとも一本の固定装置(リレー末端固定装
    置)が、免震される構造体の重心位置またはその近傍に
    設置され、他の固定装置(リレー中間固定装置)が、周
    辺位置に設置され、 風時に、それらの固定装置が順次固定される際に、前記
    重心位置またはその近傍に設置された固定装置が最初に
    固定されるように構成されてなることを特徴とするリレ
    ー連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。
  178. 【請求項178】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを風時に固定して風揺れ等を防止
    する風作動型固定装置が、複数本設置され、 そのうち少なくとも一本の固定装置(リレー末端固定装
    置)が、免震される構造体の重心位置またはその近傍に
    設置され、他の固定装置(リレー中間固定装置)が、周
    辺位置に設置され、 風時に、それらの固定装置が順次固定され、風がおさま
    った後、それらの固定装置が順次解除される際に、前記
    重心位置またはその近傍に設置された固定装置が最後に
    解除されるように構成されてなることを特徴とするリレ
    ー連動作動型固定装置、またそれによる免震構造体。
  179. 【請求項179】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体とを風時に固定して風揺れ等を防止す
    る風作動型固定装置が、複数本設置され、 そのうち少なくとも一本の固定装置(リレー末端固定装
    置)が、免震される構造体の重心位置またはその近傍に
    設置され、他の固定装置(リレー中間固定装置)が、周
    辺位置に設置され、 風時に、それらの固定装置が順次固定される際に、前記
    重心位置またはその近傍に設置された固定装置が最初に
    固定されるか、 風がおさまった後、それらの固定装置が順次解除される
    際に、前記重心位置またはその近傍に設置された固定装
    置が最後に解除されるか、 または、両方を組合せることによって構成されてなるこ
    とを特徴とするリレー連動作動型固定装置、またそれに
    よる免震構造体。 8.3.3.2.1. リレー中間固定装置
  180. 【請求項180】 請求項177項または請求項178
    項に記載のリレー中間固定装置において、 リレー第1中間固定装置には、請求項145項から請求
    項156項のいずれか1項に記載の風センサー装備型固
    定装置が使用され、 風センサーと直接繋がるリレー中間固定装置をリレー第
    1中間固定装置、直接繋がらないリレー中間固定装置を
    リレー第2以降中間固定装置とし、 各リレー中間固定装置は、ロック部材の装備に加え、 風時に、固定装置の作動を次のリレー(中間、末端)固
    定装置のロック部材に伝え、連動させてロック部材によ
    り固定装置を固定させる連動機構を持っており 、 リレー第1中間固定装置のロック部材は、風センサー
    に、 リレー第2以降中間固定装置のロック部材は、直前のリ
    レー中間固定装置の連動機構に、連動するように構成さ
    れてなることを特徴とするリレー連動作動型固定装置、
    またそれによる免震構造体。 8.4. 風揺れ等抑制装置・変位抑制装置としての固定装
    置またダンパー 8.4.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 8.4.1.1. 風揺れ等抑制装置としての固定装置 (1) 風揺れ等抑制装置としての固定装置
  181. 【請求項181】 挿入部に固定ピンを挿入することよ
    って、免震される構造体と免震される構造体を支持する
    構造体との風揺れ時等の動きを抑制する風揺れ等抑制装
    置において、 固定ピンを受ける方の挿入部と固定ピンを挿入するもう
    片方の挿入部のうち、一方を免震される構造体に、もう
    一方を免震される構造体を支持する構造体に設け、 固定ピンを受ける方の挿入部は、すり鉢状等の凹形状と
    して、その挿入部に固定ピンを挿入することにより風に
    抵抗させ、 かつ、固定ピンを挿入するもう片方の挿入部には、抵抗
    器を採用して固定ピンの挿入部への挿入に対する抵抗を
    調整可能とする(例えば、固定ピンの取り付けられたピ
    ストン状部材が筒中で液体や空気等を漏らさずスライド
    するスライド機構とし、 ピストン状部材に孔が設けられるか、 筒のピストン状部材を挟んだ反対側同士(ピストン状部
    材がスライドする範囲の端と端と)が管(また筒に付け
    られた溝)等の流路で繋がれているかして、 ピストン状部材がスライドする速度をこの筒内のピスト
    ン状部材のスライドによって孔または管等の流路を行き
    来する液体や空気等の粘性抵抗によって調整可能とす
    る)ことにより構成されてなることを特徴とする風揺れ
    等抑制装置または固定装置、またそれによる免震構造
    体。 (2) 風揺れ等抑制装置としての固定装置(遅延器付き)
  182. 【請求項182】 請求項181項記載の風揺れ等抑制
    装置または固定装置において、抵抗器として請求項16
    7項から請求項174項のいずれか1項に記載の遅延器
    を使用して地震時には免震効果を高めるように構成され
    てなることを特徴とする風揺れ等抑制装置または固定装
    置、またそれによる免震構造体。 8.4.1.2. 固定装置と中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
    との併用
  183. 【請求項183】請求項181項もしくは請求項182
    項記載の固定装置と、固定装置もしくは請求項204項
    記載の免震装置・滑り支承のどちらかとを、または両方
    とを併用することにより、風等の揺れに対抗するように
    構成されてなることを特徴とする免震構造体。 8.4.2. 固定装置型ダンパー 【請求項184−0】免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体との動きを抑制する装置におい
    て、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に筒が設置され、この筒内には液体・気
    体等をほぼ漏らさずにスライドするピストン状部材が設
    置され、前記筒内の液体・気体等の経路が前記筒またピ
    ストン状部材に最低2箇所設けられることによって構成
    され、 前記経路には開口面積の差をもたせ、これらの経路のう
    ち開口面積の大きい方に、ピストン状部材が筒中から出
    る方向時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられて
    おり、開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を
    設ける場合には、ピストン状部材が筒中へ引き込まれる
    時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられ、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
    バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒中から
    押出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされ
    ている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面
    積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、筒中から出る方向の移動は速や
    かであり、筒中に入る方向の移動は緩やかになるように
    して風揺れ等の動きを抑制するようにして構成されてな
    ることを特徴とするダンパー、またそれによる免震構造
    体。 8.4.2.1. 固定装置型ダンパー1
  184. 【請求項184】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との動きを抑制する装置において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に筒が設置され、 他方にこの筒内をスライドするピストン状部材との接続
    部材が、またはピストン状部材と連携するか一体になる
    か接続するかした固定ピンを受ける受け部材(以下、固
    定ピンを挿入する凹形態の挿入部材または固定ピンが当
    たる凸形態の部材等を固定ピン受け部材と言う)が設置
    され、 ダンパーの作動部を形成する前記ピストン状部材とこの
    ピストン状部材がその内をスライドする前記筒とから構
    成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
    トン状部材がその筒に挿入され、 さらに、前記筒の、ピストン状部材を挟んだ反対側同士
    を繋ぐ液体・気体等の経路が最低2ヶ所設けられてお
    り、 前記経路には開口面積の差をもたせ、これらの経路のう
    ち開口面積の大きい方に、 ピストン状部材が筒中から出る方向時に開き、それ以外
    は閉じている弁が付けられており、開口面積が小さい場
    合には弁が必要無いが、弁を設ける場合には、ピストン
    状部材が筒中へ引き込まれる時に開き、それ以外は閉じ
    ている弁が付けられ、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
    バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押
    出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされ
    ている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面
    積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、出る方向では、速やかであり、
    筒の中に入る方向では、固定ピン受け部材に対して抵抗
    して、緩やかに入るようにして風揺れ等の動きおよび地
    震時の変位を抑制するようにして構成されてなることを
    特徴とするダンパー、またそれによる免震構造体。
  185. 【請求項185】請求項184項記載のダンパーにおい
    て、 経路のうち開口面積の大きい方に設けられた弁は、風セ
    ンサーからの指令で、作動するロック弁とするか、地震
    センサー(振幅)装置からの指令で、作動するロック弁
    とするか等により構成されてなることを特徴とするダン
    パー、またそれによる免震構造体。 8.4.2.2. 固定装置型ダンパー2
  186. 【請求項186】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との動きを抑制する装置において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に前記筒が設置され、 他方にこの筒内をスライドするピストン状部材との接続
    部材が、またはピストン状部材と連携するか一体になる
    か接続するかした固定ピンを受ける受け部材(固定ピン
    受け部材)が設置され、 ダンパーの作動部を形成する前記ピストン状部材とこの
    ピストン状部材がその内をスライドする前記筒とから構
    成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
    トン状部材がその筒に挿入され、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒の
    中から出る出口経路と、出口経路からその押出された液
    体・気体等が筒の中に戻る別経路の戻り経路とが設けら
    れており、 出口経路と戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口
    経路は小さく、戻り経路は大きくし、戻り経路には、ピ
    ストン状部材が筒の中から出る方向時に開き、それ以外
    は閉じている弁が付けられており、 出口経路は、開口面積が一定以下の場合には弁が必要無
    いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒の中へ
    引き込まれる時に開き、それ以外は閉じている弁が付け
    られていることにより構成されてなることを特徴とする
    ダンパー、またそれによる免震構造体。
  187. 【請求項187】請求項186項記載のダンパーにおい
    て、 出口経路に設けられた弁は、風センサーからの指令で、
    作動するロック弁とするか、地震センサー(振幅)装置
    からの指令で、作動するロック弁とするか等により構成
    されてなることを特徴とするダンパー、またそれによる
    免震構造体。 8.4.3. 可撓部材型連結部材系ダンパー 8.4.3.1. 基本構成
  188. 【請求項188】免震される構造体を支持する構造体ま
    たは免震される構造体のいずれか一方の構造体に設置さ
    れたダンパーの作動部(油圧ダンパー等のピストン状部
    材等の作動部)ともう一方の構造体とを、前記ダンパー
    の設置された構造体側に設けられた挿入口を介して、ワ
    イヤー・ロープ・ケーブル等の可撓部材で繋ぐことによ
    り構成されてなることを特徴とするダンパー、またそれ
    による免震構造体。
  189. 【請求項189】請求項188項記載のダンパーにおい
    て、 ダンパーの作動部を形成するピストン状部材と、このピ
    ストン状部材がその内をスライドする筒とから構成さ
    れ、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
    トン状部材がその筒に挿入され、 ピストン状部材によって押出される液体・気体等が筒の
    中から出る出口経路と、出口経路からその押出された液
    体・気体等が筒の中に戻る別経路の戻り経路とが設けら
    れており、 出口経路と戻り経路とには開口面積の差をもたせ、出口
    経路は大きく、戻り経路は小さくし、 出口経路には、ピストン状部材が筒の中に入る方向時に
    開き、それ以外は閉じている弁が付けられており、 戻り経路は、開口面積が一定以下の場合には弁が必要無
    いが、弁を設ける場合には、ピストン状部材が筒の中か
    ら出る時に開き、それ以外は閉じている弁が付けられて
    いることにより構成されてなることを特徴とするダンパ
    ー、またそれによる免震構造体。 【請求項189−2】請求項188項記載のダンパーに
    おいて、 ダンパーの作動部を形成するピストン状部材とこのピス
    トン状部材がその内をスライドする筒とから構成され、 筒中の液体・気体等をほぼ漏らさずにスライドするピス
    トン状部材がその筒に挿入され、 前記筒の、ピスト
    ン状部材を挟んだ反対側同士を繋ぐ液体・気体等の経路
    が最低2箇所設けられており、 前記経路には開口面積の差をもたせ、 この経路のうち開口面積の大きい方に、ピストン状部材
    が筒中に引き込まれる方向時に開き、それ以外は閉じて
    いる弁が付けられており、 開口面積が小さい場合には弁が必要無いが、弁を設ける
    場合には、ピストン状部材が筒中から押出される時に開
    き、それ以外は閉じている弁が付けられ、 さらに、重力、また場合によっては筒の中に入れられた
    バネ・ゴム・磁石等が、このピストン状部材を筒外に押
    出す役割をする場合もあり、 また、この筒と前記経路とは潤滑油等の液体で満たされ
    ている場合もあり、この弁の性格と、経路同士に開口面
    積の差をつけることにより、 前記ピストン状部材は、出る方向では、緩やかであり、
    筒の中に入る方向では、速やかに入るようにして風揺れ
    等の動きを抑制するようにして構成されてなることを特
    徴とするダンパー、またそれによる免震構造体。
  190. 【請求項190】請求項189項から請求項189−2
    項のいずれか1項に記載のダンパーにおいて、 戻り経路(請求項189項記載)または経路のうち開口
    面積の小さい方(請求項189−2項記載)に設けられ
    た弁は、風センサーからの指令で、作動するロック弁と
    するか、地震センサー(振幅)装置からの指令で、作動
    するロック弁とするか等により構成されてなることを特
    徴とするダンパー、またそれによる免震構造体。 8.4.4. ダンパー兼用の固定装置 8.4.4.1. ダンパー兼用の固定装置 (1) ロック弁方式 1 (2) ロック弁方式 2 (3) ロック弁方式 3 (4) ロック弁方式 4(8.1.2.2.5.(ロック)弁方式)
  191. 【請求項191】請求項125項から請求項139項の
    いずれか1項に記載の地震センサー振幅装置装備型固定
    装置において、 ピストン状部材の挿入筒(または付属室)からの液体貯
    槽または外部への出口・出口経路につけられた弁以外
    に、液体貯槽または外部から(付属室または)ピストン
    状部材の挿入筒へ戻る戻り口を設けてそこに弁(逆流を
    防ぐ弁)を付け、 出口・出口経路の開口面積の大きさは小さくし、戻り口
    の開口面積の大きさは大きくすることにより構成されて
    なることを特徴とするダンパー兼用の固定装置、またそ
    れによる免震構造体。 8.4.4.2. 挿入部形状
  192. 【請求項192】請求項191項記載の免震装置・滑り
    支承において、 固定ピンの挿入部の中心部だけ、曲率半径を小さくする
    か、勾配を強くし、周辺は、曲率半径を大きくするか、
    勾配を緩くすることにより構成されてなることを特徴と
    する固定装置、またそれによる免震構造体。 8.4.5. 固定ピン受け部材形状と変位対応変化型ダンパ
    ー 8.4.5.1. 固定ピン受け部材変化型 8.4.5.1.1. 変位抑制用1 (1) 凹型(往路抑制型) 【請求項192−1】請求項184項から請求項187
    項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
    求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
    において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
    ピン受け部材(以下、固定ピンを挿入する挿入部または
    固定ピンが当たる凸形態部材等を固定ピン受け部材と言
    う)が設置され、 固定ピン受け部材形状が凹形態の部材からなっているこ
    とにより構成されてなることを特徴とするダンパー、ま
    たそれによる免震構造体。 (2) 凸型(復路抑制型) 【請求項192−2】請求項184項から請求項187
    項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
    求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
    において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
    ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が凸形態の部材からなっているこ
    とにより構成されてなることを特徴とするダンパー、ま
    たそれによる免震構造体。 (3) 凸凹(反復)型 【請求項192−2−2】請求項184項から請求項1
    87項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまた
    は請求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいず
    れかにおいて、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
    ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が凸凹形態の部材からなっている
    ことにより構成されてなることを特徴とするダンパー、
    またそれによる免震構造体。 (4) 凹型凸型併用(往復路抑制型) 【請求項192−2−3】請求項192−1項記載のダ
    ンパーと請求項192−2項記載のダンパーとが併用さ
    れることにより構成されてなることを特徴とするダンパ
    ー、またそれによる免震構造体。 【請求項192−2−4】請求項192−2−2項記載
    のダンパーのうち、固定ピン受け部材の凸凹形状が互い
    に逆形状の2つのダンパーを併用することにより構成さ
    れてなることを特徴とする免震構造体。 【請求項192−2−5】請求項192−2−2項記載
    のダンパーにおいて、凸凹形状が互いに逆形状の固定ピ
    ン受け部材をもち、その固定ピン受け部材のそれぞれに
    固定ピンをもつことにより構成されてなることを特徴と
    するダンパー。 8.4.5.1.2. 変位抑制用2 【請求項192−3】請求項184項から請求項187
    項のいずれか1項に記載の固定装置型ダンパーまたは請
    求項191項記載のダンパー兼用の固定装置のいずれか
    において、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
    ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸
    形態の部材からなるか、凸凹形態複合型の部材からな
    り、 凹形態または凸形態部材を、変位に応じて傾斜を変化さ
    せた形態により構成されてなることを特徴とするダンパ
    ー、またそれによる免震構造体。 【請求項192−4】請求項192−3項記載のダンパ
    ーにおいて、固定ピン受け部材形状の、凹形態または凸
    形態の、変位に応じての傾斜の変化させ方を、中心から
    周辺部に行くに従い、二段階、多段階、無段階の勾配変
    化等により勾配が強くなるようにして構成されてなるこ
    とを特徴とするダンパー、またそれによる免震構造体。 【請求項192−5】請求項192−3項または請求項
    192−4項記載のダンパーにおいて、固定ピン受け部
    材の周辺部形状の、角度を上げるか、または徐々に角度
    を上げるかして(必要に応じて鉛直まで立ち上げて)な
    ることを特徴とするダンパー(以下、過大変位時ストッ
    パー付ダンパーと言う)、またそれによる免震構造体。 【請求項192−5−0】請求項192−1項から請求
    項192−5項のいずれか1項に記載のダンパーの固定
    ピン受け部材において、固定ピン受け部材形状の勾配
    (凸型凹型ともに)が、以下の式を満たすように構成さ
    れてなること特徴とするをダンパー、またそれによる免
    震構造体。 Z=p・X^n ただし X : 固定ピン受け部材の中央部からの水平変
    位 Z : 固定ピン受け部材が構成する曲面上で、水平変位
    Xに伴い生じる鉛直変位(凸型凹型時では+−が反転す
    る) p、n : 曲面の方程式の係数 8.4.5.1.3. 変位抑制用3(矩形履歴ダンパー) (1)厳密解 【請求項192−5−1】請求項184項〜請求項18
    7項に記載の固定装置型ダンパーまたは請求項191項
    記載のダンパー兼用の固定装置のいずれかにおいて、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
    ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸
    形態の部材からなり、 凹形態または凸形態を、変位に応じて以下のような式の
    勾配φ(±符号:凹形態−、凸形態+)で変化させた形態
    とすることにより構成されるダンパー、またそれによる
    免震構造体。 φ(x)=arccos[〔{−Q±(Q^2−4・P・R)^0.5}/(2・
    P)〕^0.5] P=(1+μD^2)・(μP^2・C1^2+C0^2・|dx/dt|^2) Q={−(2・μD・μP+μP^2)・C1^2+2・C1・C0・|dx/dt|
    −(2+μD^2)・C0^2・|dx/dt|^2} R=(C1−C0・|dx/dt|)^2 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
    との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
    勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
    ン受け部材との摩擦係数 μP :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
    ン受け部材との摩擦係数 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 (2)近似解 【請求項192−5−2】請求項184項〜請求項18
    7項に記載の固定装置型ダンパーまたは請求項191項
    記載のダンパー兼用の固定装置のいずれかにおいて、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    のどちらか一方に固定ピンが設置され、他方にこの固定
    ピン受け部材が設置され、 固定ピン受け部材形状が、凹形態の部材からなるか、凸
    形態の部材からなり、凹形態または凸形態を、変位に応
    じて以下のような式の勾配φ(±符号:凹形態−、凸形
    態+)で変化させた形態とすることにより構成されるダ
    ンパー、またそれによる免震構造体。 φ(x)≒arctan[−μD/2+〈μD^2/4+C1/〔C0・z0・ω・
    {1-(x/z0)^2}^0.5〕〉^0.5] 但し、 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
    との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の粘性減衰係数 C1 :ダンパー装置の減衰力 φ(x):変位xにおけるダンパーの固定ピン受け部材の
    勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
    ン受け部材との摩擦係数 x :ダンパーの応答相対変位 dx/dt:ダンパーの応答相対速度 z0 :入力する正弦波の変位振幅 ω :入力する正弦波の円振動数 z :入力する正弦波の変位 dz/dt:入力する正弦波の速度 8.4.5.1.4. 変位抑制用4(捩れの生じないダンパー) 【請求項192−5−3】請求項184−0項〜請求項
    187項記載の固定装置型ダンパー(8.4.2.参照)を採
    用し、その固定ピン(ピストン先端部)がすべる固定ピ
    ン受け部材のすり鉢勾配を以下の式を満たすように構成
    されてなること特徴とするダンパー、またそれによる免
    震構造体。 tanφ・(tanφ+μD)≒(cosθ)^2・(tanθ+μ) 簡易式にすると、 (φ^2+φ・μD)≒(θ+μ) 但し、 θ :支承の免震皿のすり鉢勾配 μ :支承の免震皿の動摩擦係数 C :ダンパー装置(ダンパー本体と固定ピン受け部材
    との)の粘性減衰係数 C0 :ダンパー本体の減衰係数 φ :ダンパーの固定ピン受け部材のすり鉢勾配 μD :ダンパーの固定ピン(ピストン先端部)と固定ピ
    ン受け部材との摩擦係数 8.4.5.2. 管変化型 【請求項192−6】変位抑制型のシリンダーとその中
    をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダンパー
    において、 変位抑制ダンパー能力を緩和したいシリンダー上の区間
    の点(管口)とピストン状部材を挟んだ点(管口)とを
    繋ぐ管を設けて、その区間のシリンダー内の液体が相互
    に行き来するものであり、ピストン状部材を挟んだ双方
    の管口が塞がらずに相互の液体が行き来するピストン状
    部材のスライド範囲がダンパー能力が緩和される範囲で
    あることを特徴とするダンパー、またそれによる免震構
    造体。 8.4.5.3. ピストン穴・溝変化型 8.4.5.4. シリンダー溝変化型 【請求項192−6−2】変位抑制型のシリンダーとそ
    の中をスライドするピストン状部材からなる油圧系ダン
    パーにおいて、 シリンダーに溝を掘り、ピストン状部材の両側のシリン
    ダー内の液体が相互に行き来するものであり、その溝の
    大きさで抵抗を与えてダンピングするもので、 その溝の大きさを変位位置に応じて変えて、ダンパー能
    力の変化をさせるものであることを特徴とするダンパ
    ー、またそれによる免震構造体。 8.4.6. ダンパー支承または固定装置支承 【請求項192−7】請求項184−0項から請求項1
    87項(8.4.2. 固定装置型ダンパー)、または請求項
    191項から請求項192−6−2項(8.4.4. ダンパ
    ー兼用の固定装置)のいずれか1項に記載のダンパー、
    または固定ピン型固定装置を滑り支承兼用と構成されて
    なることを特徴とするダンパーまたは固定装置、またそ
    れによる免震構造体。 8.4.7. ノズル型ダンパー弁 【請求項192−8】免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体との動きを制御する油圧型ダンパ
    ーにおいて、減衰力が速度に比例するダンパーの特性を
    得るために、ダンパー弁の圧力流量特性を流量と圧力が
    1次比例となるように設定する目的で、ノズル型ダンパ
    ー弁の細長い形状の絞り部を以下の式(記号説明は実施
    例の 8.4.7.参照) Q=(d^k1・ND)/(Cm・μ’・l)・p から求めた寸法と本数とを基準に設計し、この絞り部に
    よって減衰をおこなうことを特徴とするノズル型ダンパ
    ー弁、またそれによって構成されたダンパー、またそれ
    による免震構造体。 8.14. 杭折れ防止構法
  193. 【請求項193】 上部構造(免震される構造体)を、
    杭等の基礎部から構造的に縁を切り、その両者間を、あ
    る一定以上の地震力によって折れるか切れるかするピン
    で繋ぐことにより構成されてなることを特徴とする免震
    構造体。 8.11. 地震後の残留変位への対処 8.11.1. すべり型免震装置の残留変位矯正
  194. 【請求項194】 免震皿のすべりの摩擦面に、液体潤
    滑剤が 潤滑する溝と、当該免震皿の外側に、その溝に
    潤滑剤を流し込む孔とを持ち、 地震後に、前記孔から潤滑剤を流し込み、地震後の残留
    変位の矯正が容易になるように構成されてなることを特
    徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 8.11.2. 重力復元型免震装置・滑り支承の免震皿の形状 8.6. 固定ピン挿入部の形状及び固定ピンの形状
  195. 【請求項195】 固定ピンの挿入部と固定ピンのう
    ち、一方を免震される構造体に、もう一方を免震される
    構造体を支持する構造体に設け、免震される構造体と免
    震される構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピ
    ンを挿入することよって固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 当該固定ピンの挿入部の形状が、当初の停止点を中心に
    凹面形状をなしているか、または、この停止点よりも広
    い範囲の凸凹の形状であることにより構成されてなるこ
    とを特徴とする固定装置、またそれによる免震構造体。
  196. 【請求項196】 固定ピンの挿入部と固定ピンのう
    ち、一方を免震される構造体に、もう一方を免震される
    構造体を支持する構造体に設け、免震される構造体と免
    震される構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピ
    ンを挿入することよって固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 当該固定ピンの挿入部が凸形状、固定ピン先端が凹形状
    であることにより構成されてなることを特徴とする固定
    装置、またそれによる免震構造体。
  197. 【請求項197】 上下の固定ピンの挿入部と固定ピン
    を、免震される構造体に、免震される構造体を支持する
    構造体に、それぞれ設け、免震される構造体と免震され
    る構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを挿
    入することよって固定して、風揺れ等を防止する固定装
    置において、 上の固定ピンと下の固定ピンとを有し、 通常時は下の固定ピンが上がり、上の固定ピンが下が
    り、噛み合いロックしていたものが、地震時には、下の
    固定ピンが下がり、上の固定ピンが上がって固定が解除
    されるか、 または通常時は下の固定ピンが下がり、上の固定ピンが
    上がって固定が解除されており、風時にのみ、下の固定
    ピンが上がり、上の固定ピンが下がって、噛み合いロッ
    クするかするように構成されてなることを特徴とする固
    定装置、またそれによる免震構造体。
  198. 【請求項198】 前請求項記載の固定装置において、 上の固定ピンと下の固定ピンとの間に、すべり型の中間
    滑り部、または転がり型の中間滑り部、または保持器を
    もったローラー・ボール等の中間滑り部を有し、 上下の固定ピンがこの中間滑り部を挟んでロックする
    か、または、この中間滑り部の挿入部に上と下の固定ピ
    ンが挿入されてロックするか、または、この保持器をも
    ったローラー・ボール等の中間滑り部(保持器に開けら
    れた孔)の中に、上と下の固定ピンが挿入されてロック
    するか、などするように構成されてなることを特徴とす
    る固定装置、またそれによる免震構造体。
  199. 【請求項199】 前請求項記載の、上の固定ピンと下
    の固定ピンとの間に、中間滑り部をもつ固定装置におい
    て、 固定ピンと中間滑り部の間に、ローラー・ボールをもっ
    た保持器を有し、この保持器の挿入部に、固定ピンが挿
    入されてロックするように構成されてなることを特徴と
    する固定装置、またそれによる免震構造体。
  200. 【請求項200】 免震皿と免震皿を滑動する滑り部ま
    たは中間滑り部とに固定ピンの挿入部があり、免震皿
    と、滑り部または中間滑り部とのうち、どちらか一方を
    免震される構造体に、もう一方を免震される構造体を支
    持する構造体に設け、免震される構造体と免震される構
    造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピンを挿入す
    ることよって固定して、風揺れ等を防止する固定装置に
    おいて、 通常時にはそれぞれの挿入部に固定ピンが挿入され、ロ
    ックされていたものが、 地震時には、固定ピンがこの挿入部から引抜かれ、ロッ
    クが解除されるか、 または、通常時はロックが解除されており、風時にの
    み、この固定ピンが各挿入部に挿入され、ロックされる
    かなどするように構成されてなることを特徴とする固定
    装置、またそれによる免震構造体。
  201. 【請求項201】 固定ピンの挿入部と固定ピンのう
    ち、一方を免震される構造体に、もう一方を免震される
    構造体を支持する構造体に設け、免震される構造体と免
    震される構造体を支持する構造体とを、挿入部に固定ピ
    ンを挿入することよって固定して、風揺れ等を防止する
    固定装置において、 固定ピンの挿入部が凹んで、その凹みに固定ピンが挿入
    することによりロックされ、また、この凹んだ挿入部が
    元の位置に戻り、固定ピンが挿入部から押出されると、
    ロックが解除されるように構成されてなることを特徴と
    する固定装置、またそれによる免震構造体。
  202. 【請求項202】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体とを固定し、風揺れ等を防止する固
    定装置において、 上部下部の免震皿に挟まれ滑動する中間滑り部(すべり
    型の中間滑り部または転がり型の中間滑り部、または保
    持器をもったローラー・ボール等の中間滑り部)からな
    り、 上部免震皿が免震される構造体に、下部免震皿が構造体
    を支持する構造体に取付けられ、 上部免震皿と下部免震皿のどちらか一方または両方の一
    部が挿入部をなしており、 その挿入部自体が凹むことによって中間滑り部が挿入
    し、同時にロックされ、免震される構造体と免震される
    構造体を支持する構造体とが固定され、 また、この凹んだ挿入部が元の位置に戻り、中間滑り部
    が押出されることによってロックが解除され、免震され
    る構造体と免震される構造体を支持する構造体との固定
    が解除されるように構成されてなることを特徴とする固
    定装置、またそれによる免震構造体。
  203. 【請求項203】請求項95項から請求項100項、請
    求項103項から請求項109項、請求項111項から
    請求項124項、請求項140項から請求項146項、
    請求項148項から請求項156項のいずれか一項に記
    載の固定装置において、固定ピン挿入部の形状及び固定
    ピンの形状が請求項195項から請求項202項のずれ
    か一項に記載の形状をなしてなることを特徴とする固定
    装置、またそれによる免震構造体。 8.7. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置(食込
    み支承) 8.7.1. 免震皿の中央部窪み形の風揺れ等抑制装置
  204. 【請求項204】 平面型もしくは凹型の滑り面部を有
    する免震皿と、それをすべるか転がるかする滑り部とか
    らなる免震装置・滑り支承において、 または、下向きの平面型もしくは凹型の滑り面部を有す
    る上部免震皿と上向きの平面型もしくは凹型の滑り面部
    を有する下部免震皿とで構成された上部免震皿と下部免
    震皿との間に中間滑り部またはローラー・ボール(ベア
    リング)をもった中間滑り部またはローラー・ボールが
    はさみこまれた免震装置・滑り支承において、 または、前記上部免震皿と前記下部免震皿の中間に上面
    下面ともに滑り面部をもった1個若しくは複数個の中間
    免震皿も挟み込まれ、重なる免震皿同士の間に中間滑り
    部またはローラー・ボール(ベアリング)をもった中間
    滑り部またはローラー・ボール(以上、「中間滑り部
    等」と言う)がはさみこまれた免震装置・滑り支承にお
    いて、 免震皿の滑り面部の中央部(中間滑り部等が接する片面
    または両面の免震皿の滑り面部の中央部)が、前記滑り
    部、中間滑り部、ボール、またはローラーの入り込む形
    で窪んだ(凹んだ)形で形成された免震皿をもつことに
    より構成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。
  205. 【請求項205】 請求項204項記載の免震装置・滑
    り支承において、 免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を
    滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラー
    に対して、風等の揺れに対抗できるように、当該滑り
    部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状で
    窪んだ(凹んだ)形で形成されることにより構成されて
    なることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれに
    よる免震構造体。
  206. 【請求項206】 請求項204項記載の免震装置・滑
    り支承において、 免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を
    滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラー
    に対して、風等の揺れに対抗できるように、当該滑り
    部、中間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状で
    窪んだ(凹んだ)形で形成された免震装置・滑り支承の
    使用により、風等の揺れに対抗するように構成されてな
    ることを特徴とする免震構造体。 8.7.2. 耐圧性能を加味した転がり滑り支承
  207. 【請求項207】 請求項204項記載の免震装置・滑
    り支承において、 免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を
    滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラー
    に対して、耐圧性能が得られるように、当該滑り部、中
    間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状で窪んだ
    (凹んだ)形で形成されることにより構成されてなるこ
    とを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免
    震構造体。
  208. 【請求項208】 請求項204項記載の免震装置・滑
    り支承において、 免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を
    滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラー
    に対して、耐圧性能が得られ、かつ風等の揺れにも対抗
    できるように、当該滑り部、中間滑り部、ボール、また
    はローラーの曲率形状で窪んだ(凹んだ)形で形成され
    ることにより構成されてなることを特徴とする免震装置
    ・滑り支承、またそれによる免震構造体。
  209. 【請求項209】 請求項204項記載の免震装置・滑
    り支承において、 免震皿の滑り面部の中央部が、その免震皿の滑り面部を
    滑動する滑り部、中間滑り部、ボール、またはローラー
    に対して、耐圧性能が得られるように、当該滑り部、中
    間滑り部、ボール、またはローラーの曲率形状で窪んだ
    (凹んだ)形で形成された免震装置・滑り支承の使用に
    より、風等の揺れに対抗するように構成されてなること
    を特徴とする免震構造体。 8.7.3. 固定装置との併用
  210. 【請求項210】 請求項204項、請求項205項、
    請求項207項、請求項208項のいずれか1項に記載
    の免震装置・滑り支承と、固定装置とを併用することに
    より、風等の揺れに対抗するよう構成されてなることを
    特徴とする免震構造体。 8.8. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用の
    免震皿 8.8.1. 底面の球面部とそれ以外の周辺部のすり鉢併用
    の免震皿
  211. 【請求項211】 すり鉢状の免震皿をもつ免震装置・
    滑り支承において、 すり鉢の底を、球面にすることより構成されてなること
    を特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震
    構造体。
  212. 【請求項212】 前請求項記載の免震装置・滑り支承
    において、 すり鉢の底の球面半径が、地震周期に共振する半径近傍
    でもって構成されてなることを特徴とする免震装置・滑
    り支承、またそれによる免震構造体。 8.8.2. 微振動用の固定装置を重心に併用
  213. 【請求項213】 請求項211項記載の、すり鉢の底
    を球面としたすり鉢状の免震すべり転がり支承を用いた
    免震構造体において、 固定装置を、その免震される構造体の重心またはその近
    傍に設置して、併用するように構成されてなることを特
    徴とする免震構造体。 8.9. 二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り
    支承による風揺れ固定 (1) 凹型免震皿をもった二重免震皿免震装置・滑り支承
  214. 【請求項214】 二重(または二重以上の)免震皿免
    震装置・滑り支承と中間滑り部(転がり型中間滑り部ま
    たすべり型中間滑り部)とにより構成され、二重(また
    は二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承のうち、どち
    らかがまた両方が凹型滑り面部を有する免震皿(凹型免
    震皿)をもつように構成された二重(または二重以上
    の)免震皿免震装置・滑り支承において、 中間滑り部が凹型免震皿の最も底の位置(地震時以外の
    常時位置)に納まった時に、上下の二重免震皿の双方の
    凹型滑り面部以外の周囲が接して(中間滑り部のために
    双方が接しない場合には、周辺部に縁を立てるなどして
    接するようにして)、摩擦が発生するように構成されて
    なることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれに
    よる免震構造体。
  215. 【請求項215】 前請求項記載の二重免震皿免震装置
    ・滑り支承において、 請求項204項記載の免震装置・滑り支承を使用するこ
    とにより構成されてなることを特徴とする免震装置・滑
    り支承、またそれによる免震構造体。 (2) 平面型滑り面部同士の免震皿をもった二重免震皿免
    震装置・滑り支承
  216. 【請求項216】平面型滑り面部同士の免震皿をもった
    二重(または二重以上の)免震皿免震装置・滑り支承に
    おいて、 二重(または二重以上の)免震皿の片方が窪み、もう片
    方が出っ張って、両者が入り込みあう形を取るように構
    成されてなることを特徴とする免震装置・滑り支承、ま
    たそれによる免震構造体。 8.10. 手動型固定装置の併用 (1) 手動型固定装置の併用
  217. 【請求項217】 強風時に、免震される構造体と免震
    される構造体を支持する構造体とを、手動で固定する手
    動型固定装置を使用することより構成されてなることを
    特徴とする免震構造体。 (2) 自動解除固定手動型固定装置の併用
  218. 【請求項218】 強風時に、免震される構造体と免震
    される構造体を支持する構造体とを、手動で固定する
    が、地震時には自動的に解除される手動型固定装置を使
    用することより構成されてなることを特徴とする免震構
    造体。
  219. 【請求項219】請求項97項または請求項98項記載
    の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置において、 強風時に、手動で固定装置の作動部を固定し、 地震時に地震センサー(振幅)装置で、その固定が解除
    するように構成されてなることを特徴とする自動解除固
    定手動型固定装置、またそれによる免震構造体。
  220. 【請求項220】請求項97項または請求項98項記載
    の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置において、 強風時に、手動で固定装置の作動部をロック部材により
    固定し、 地震時に地震センサー(振幅)装置で、そのロック部材
    による固定が解除するように構成されてなることを特徴
    とする自動解除固定手動型固定装置、またそれによる免
    震構造体。
  221. 【請求項221】請求項97項または請求項98項記載
    の地震センサー(振幅)装置装備型固定装置において、 強風時に、手動で固定装置の作動部をロック部材により
    固定し、 地震時に地震センサー振幅装置の振動する重りの力で、
    そのロック部材による固定が解除されるように構成され
    てなることを特徴とする自動解除固定手動型固定装置、
    またそれによる免震構造体。 8.12. 風揺れ対策のための固定装置等の組合せ (1) 重心部に固定装置と周辺部にすべり支承または(及
    び)食込み支承との併用
  222. 【請求項222】 免震される構造体の重心またはその
    近傍に、固定装置を最低限一箇所と、免震される構造体
    の周辺部に、すべり支承等の摩擦発生装置または(及
    び)請求項204項記載の免震装置・滑り支承とを配置
    することにより構成されてなることを特徴とする免震構
    造体。 (2) 重心部に地震作動型固定装置と周辺部に風作動型固
    定装置との併用
  223. 【請求項223】 免震される構造体の重心またはその
    近傍に、 ある一定以上の地震加速度の時にのみ、免震される構造
    体と免震される構造体を支持する構造体との固定を解除
    する地震作動型固定装置を最低限一箇所と、 免震される構造体の周辺部に、ある一定以上の風圧時に
    のみ、免震される構造体と免震される構造体を支持する
    構造体とを固定する風作動型固定装置を最低限一箇所と
    を配置することにより構成されてなることを特徴とする
    免震構造体。 (3) 重心部に地震作動型固定装置と、周辺部に風作動型
    固定装置とすべり支承または(及び)食込み支承との併
  224. 【請求項224】 免震される構造体の重心またはその
    近傍に、ある一定以上の地震加速度の時にのみ、免震さ
    れる構造体と免震される構造体を支持する構造体との固
    定を解除する地震作動型固定装置を最低限一箇所と、 免震される構造体の周辺部に、ある一定以上の風圧時に
    のみ、免震される構造体と免震される構造体を支持する
    構造体とを固定する風作動型固定装置を最低限一箇所と
    すべり支承等の摩擦発生装置または(及び)請求項20
    4項記載の免震装置・滑り支承とを配置することにより
    構成されてなることを特徴とする免震構造体。 (4) 重心部に固定装置と周辺部に手動型固定装置との併
  225. 【請求項225】 免震される構造体の重心またはその
    近傍に、固定装置を最低限一箇所と、 免震される構造体の周辺部に、強風時に手動で免震され
    る構造体と免震される構造体を支持する構造体とを固定
    する請求項217項または請求項218項記載の手動型
    固定装置を最低限一箇所とを配置することにより構成さ
    れてなることを特徴とする免震構造体。 (5) 自動解除固定手動型固定装置と自動解除自動復元型
    固定装置との併用
  226. 【請求項226】 請求項225項記載の免震構造の、
    免震される構造体の周辺部に設置される固定装置が、請
    求項218項記載の手動型固定装置の場合において、 免震される構造体の重心またはその近傍に設置される固
    定装置に比べて地震時に解除されやすい手動型固定装置
    を設置することにより構成されてなることを特徴とする
    免震構造体。 8.13. 風時の免震ロック(定常強風地域用の免震ロッ
    ク) 8.13.1. 風時の免震ロック1(定常強風地域用の免震ロ
    ック) 【請求項226−2】請求項131項から請求項136
    項のいずれか一項に記載の地震センサー振幅装置装備型
    固定装置において、 地震センサーとなる重りが、出口・出口経路内(の付属
    室)にあって、強風時にはピストン状部材からの圧力に
    より、出口・出口経路の狭まった所で吸込まれる位置に
    あって、出口・出口経路を塞ぐ形となるように 構成されてなることを特徴とする地震センサー振幅装置
    装備型固定装置(以下、重り吸込み型弁方式地震センサ
    ー振幅装置装備型固定装置と言う)、またそれによる免
    震構造体。 8.13.2. 風時の免震ロック2(定常強風地域用の免震ロ
    ック) 【請求項226−3】請求項226−2項記載の重り吸
    込み型弁方式地震センサー振幅装置装備型固定装置と食
    込み支承(ボール型、ローラー型、8.7.参照)を併用す
    ることにより構成されてなることを特徴とする免震構造
    体。 8.13.3. 風時の免震ロック3(定常強風地域用の免震ロ
    ック) 【請求項226−4】請求項125項から請求項135
    項または請求項137項のいずれか1項に記載の地震セ
    ンサー振幅装置装備型固定装置において、 ロック弁(ロック弁管、スライド式ロック弁等を含む)
    に、弁が出る方向(開く方向)に開いた形になるように
    傾きをもたせるか、弁が開く方向(出る方向)に幅広
    く、弁が閉じる方向に(弁が入る方向)狭くなるような
    段差をつけるかして、ピストン状部材からの圧力を受け
    ると弁が開く(出る)ようにして、強風時にはピストン
    状部材からの圧力により、地震センサーとなる重りを押
    す方向に働くようにしてなることを特徴とする地震セン
    サー振幅装置装備型固定装置、またそれによる免震構造
    体。 9.緩衝・変位抑制、耐圧性向上支承 9.1. 緩衝材付支承
  227. 【請求項227】 ゴムまたはスポンジ等の弾性材また
    は緩衝材を、免震装置・滑り支承の免震皿等の滑り面の
    周辺または縁に付けることより構成されてなることを特
    徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造
    体。 9.2. 弾性材・塑性材敷き支承
  228. 【請求項228】 免震皿とその免震皿面を滑動する滑
    り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
    されている免震装置・滑り支承において、 その免震皿面に弾性材また塑性材(弾塑性材を含む、以
    下同じ)を敷くか、付着させることにより構成されてな
    ることを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによ
    る免震構造体。 (1) 耐圧性向上
  229. 【請求項229】 免震皿とその免震皿面を滑動する滑
    り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
    されている免震装置・滑り支承において、 その免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させる
    ことにより耐圧に対応するように構成されてなることを
    特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免震構
    造体。 (2) 変位抑制 a) 基本形
  230. 【請求項230】 免震皿とその免震皿面を滑動する滑
    り部、中間滑り部、ボールまたはローラーとにより構成
    されている免震装置・滑り支承において、 その免震皿面に弾性材また塑性材を敷くか、付着させる
    ことにより変位抑制に対応するように構成されてなるこ
    とを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免
    震構造体。 b) 一定変位を超えて敷かれた弾性材・塑性材敷き支承
  231. 【請求項231】請求項230項において、免震皿面に
    敷かれるか、付着させる弾性材また塑性材が、免震皿の
    滑り面部の中央部から一定範囲を超えて敷かれてなるこ
    とを特徴とする免震装置・滑り支承、またそれによる免
    震構造体。 c) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承1
  232. 【請求項232】 請求項230項または請求項231
    項において、免震皿面に敷かれるか、付着させる弾性材
    また塑性材が、すり鉢または球面または円柱谷面状また
    はV字谷面状等の凹形状をしてなることを特徴とする免
    震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。 d) すり鉢状の弾性材・塑性材敷き支承2 【請求項232−2】請求項230項または請求項23
    1項において、すり鉢または球面または円柱谷面状また
    はV字谷面状等の凹形状の免震皿に対して、その凹形状
    に充填させて平面をなすように弾性材・塑性材を敷く
    か、付着してなることを特徴とする免震装置・滑り支
    承、またそれによる免震構造体。 9.3. 変位抑制装置
  233. 【請求項233】 スライドし合う部材同士の摩擦によ
    って地震の変位振幅を抑制し、スライドし合う部材同士
    の一方が免震される構造体に、他方が免震される構造体
    を支持する構造体に設けられることにより構成されてな
    ることを特徴とする免震変位抑制装置、またそれによる
    免震構造体。 9.4. 衝突衝撃吸収装置 (1) 低反発係数型
  234. 【請求項234】 免震される構造体と、免震される構
    造体を支持する構造体とが衝突する位置に、(低反発係
    数をもった)緩衝材また弾性材を設けることにより構成
    されてなることを特徴とする衝突衝撃吸収装置、またそ
    れによる免震構造体。 (2) 座屈変形型
  235. 【請求項235】 免震される構造体と、免震される構
    造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に弾
    性材が座屈する細長比以上の弾性材を設けて、その弾性
    材の座屈によって衝突時の衝撃を吸収するように構成さ
    れてなることを特徴とする衝突衝撃吸収装置、またそれ
    による免震構造体。 (3) 塑性変形型
  236. 【請求項236】 免震される構造体と、免震される構
    造体を支持する構造体とが衝突する位置に、衝突時に塑
    性変形する緩衝材また塑性材を設けることにより構成さ
    れてなることを特徴とする衝突衝撃吸収装置、またそれ
    による免震構造体。 (4) 剛性部材挟み型
  237. 【請求項237】免震される構造体と、免震される構造
    体を支持する構造体とが衝突する位置に、まず、衝突面
    積よりも大きな面積を持った剛性のある部材を設けて、
    衝撃力を受け衝撃力を拡散させて、最低限その拡散した
    面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材を設け、衝撃
    力を吸収するように構成されてなることを特徴とする衝
    突衝撃吸収装置、またそれによる免震構造体。
  238. 【請求項238】免震される構造体と、免震される構造
    体を支持する構造体とが衝突する位置に、まず、衝突面
    積よりも大きな面積を持った剛性のある部材を設けて、
    衝撃力を受け衝撃力を拡散させて、最低限その拡散した
    面積をもった緩衝材また弾性材また塑性材を設け、衝撃
    力を吸収するように構成されてなる衝突衝撃吸収装置に
    おいて、 免震される構造体の質量Mに対して衝突衝撃吸収装置を
    1箇所設置した場合を想定し、衝突速度を V kineと
    し、このとき接触時の運動エネルギーと衝突衝撃吸収装
    置の弾性エネルギーを等しいものとおき、衝突衝撃吸収
    装置の緩衝材また弾性材また塑性材の(等価)バネ定数
    をK、たわみ長さをδとすると近似的に、 1/2・M・V^2=1/2・K・δ^2 K=M・V^2/(δ^2) ……(1) そして、衝突衝撃吸収装置を n箇所設置した場合の免震
    される構造体が受ける加速度A’は近似的に、 A’=V^2/δ/n となり、この加速度A’が所定の値になるように、衝突
    衝撃吸収装置数 nとたわみ長さをδを決め、さらに(1)
    式により衝突衝撃吸収装置の緩衝材また弾性材また塑性
    材のバネ定数Kを決めることにより構成されてなること
    を特徴とする衝突衝撃吸収装置、またそれによる免震構
    造体。 9.5. 二段式免震(すべり・転がり型免震+ゴム等によ
    る免震・減衰・緩衝)
  239. 【請求項239】一定変位まではすべり型免震または転
    がり型免震をし、その変位を超えるとゴム等の弾性・減
    衰・緩衝材により免震・減衰させることを特徴とする免
    震装置、またそれによる免震構造体。
  240. 【請求項240】以下の運動方程式(記号説明は実施例
    の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析すること
    によって設計されてなる滑り面部を有する免震皿からな
    る免震装置・滑り支承、またそれによる免震構造体。
    「すべり・転がり型免震+ゴム等による免震・減衰」の
    場合の運動方程式について、1質点の場合で考えると、 一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
    (dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(KとCは、ゴム等のバネ定
    数と粘性減衰係数) d(dx/dt)/dt+K/m・(x−XG・sign(x))+C/m・dx/dt
    +(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign(dx/dt)}=
    −d(dz/dt)/dt 9.6. 二段式免震(すべり・転がり型免震+摩擦変化・
    勾配変化型免震・減衰)
  241. 【請求項241】一定変位まではすべり型免震または転
    がり型免震をし、その変位を超えると免震皿の滑り面部
    の摩擦を大きくするか、勾配を大きくするか、または摩
    擦を大きくし且つ勾配も大きくするかして免震・減衰さ
    せてなることを特徴とする免震装置、またそれによる免
    震構造体。
  242. 【請求項242】以下の運動方程式(記号説明は実施例
    の 5.3.0.また 5.1.3.1.参照)により構造解析すること
    によって設計されてなることを特徴とする滑り面部を有
    する免震皿からなる免震装置・滑り支承、またそれによ
    る免震構造体。 1) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化型免震・減衰」
    の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
    と、 一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
    (dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(μ’は、変位(XG)を超え
    た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ’・sig
    n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 2) 「すべり・転がり型免震+勾配変化型免震・減衰」
    の場合の運動方程式について、1質点の場合で考える
    と、 一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
    (dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると(θ’は、変位(XG)を超え
    た領域での摩擦係数) d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ・sig
    n(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 3) 「すべり・転がり型免震+摩擦変化且つ勾配変化型
    免震・減衰」の場合の運動方程式について、1質点の場
    合で考えると、 一定変位(XG)まで d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x)+μ・sign
    (dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt その変位(XG)を超えると d(dx/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ’・sign(x)+μ’・s
    ign(dx/dt)}=−d(dz/dt)/dt 10.回転・捩れ防止装置 10.1. 回転・捩れ防止装置
  243. 【請求項243】免震される構造体と免震される構造体
    を支持する構造体との間に設けられ、免震される構造体
    を、免震される構造体を支持する構造体に対して水平方
    向への並進運動のみを可能としてなることを特徴とする
    回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれによる免震
    構造体。
  244. 【請求項244】回転・捩れ防止装置は、上部スライド
    部材、下部スライド部材、中間部スライド部材からな
    り、 免震される構造体と免震される構造体を支持する構造体
    との間に設けられ、 上部スライド部材を免震される構造体に、下部スライド
    部材を免震される構造体を支持する構造体に設け、その
    間に中間部スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材に対して平行
    移動のみを許容され、 下部スライド部材は、中間部スライド部材に対して平行
    移動のみを許容されることにより、中間部スライド部材
    が複数層ある場合には、中間部スライド部材同士が相互
    に平行移動のみを許容されることにより、 さらに、これらのスライド部材を一層毎に平行移動方向
    が変わるように、中間部スライド部材が一層の時は、互
    いに直交方向になるように、中間部スライド部材が複層
    の時は、交差角度の総合計が180度になるように、積
    層させることによって、 免震される構造体を、免震される構造体を支持する構造
    体に対して水平方向への並進運動のみを可能としてなる
    ことを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、ま
    たそれによる免震構造体。 10.1.1. ガイド型 【請求項244−1】請求項244項記載の回転・捩れ
    防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材との、また、中
    間部スライド部材と下部スライド部材との、また、中間
    部スライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド
    部材同士との、どちらか一方に、スライドする方向にガ
    イド部を、他方にそのガイド部に沿う部分を設けること
    により構成されてなることを特徴とする回転・捩れ防止
    装置また滑り支承、またそれによる免震構造体。 【請求項244−1−2】請求項244−1項記載のガ
    イド型回転・捩れ防止装置また滑り支承において、 ガイド部とそのガイド部に沿う部分との接触部分にボー
    ルもしくはローラー等の転動体または低摩擦材を設ける
    事を特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、また
    それによる免震構造体。 10.1.1.1. 回転・捩れ防止装置1(外ガイド型) 【請求項244−2】請求項244項記載の回転・捩れ
    防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材との、また、中
    間部スライド部材と下部スライド部材との、また、中間
    部スライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド
    部材同士との、どちらか一方の平行する対辺に、スライ
    ドする方向にガイド部を、他方の平行する対辺にそのガ
    イド部に沿う部分を設けることにより構成されてなるこ
    とを特徴とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、また
    それによる免震構造体。 10.1.1.2. 回転・捩れ防止装置2(内ガイド型) (1) 一般 【請求項244−3】請求項244項から請求項244
    −2項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置また
    滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
    ド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が複数
    層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間にど
    ちらか一方にスライドする方向に溝を、他方にその溝に
    入る凸部を設けることにより構成されてなることを特徴
    とする回転・捩れ防止装置また滑り支承、またそれによ
    る免震構造体。 (2) 中間滑り部持ち滑り支承兼用型 【請求項244−3−2】請求項244−3項記載の回
    転・捩れ防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
    ド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が複数
    層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間に、
    中間滑り部として、すべり材またはローラー・ボール等
    の転動体を設けてなることを特徴とする回転・捩れ防止
    装置また(中間滑り部持ち)滑り支承、またそれによる
    免震構造体。 (3) 復元型滑り支承兼用型 【請求項244−3−3】請求項244−3項記載の回
    転・捩れ防止装置また滑り支承において、 上部スライド部材と中間部スライド部材、中間部スライ
    ド部材と下部スライド部材(中間部スライド部材が複数
    層ある場合には、中間部スライド部材同士)との間に、
    中間滑り部として、すべり材またはローラー・ボール等
    の転動体を入れるか、 または、さらに上部スライド部材と中間部スライド部
    材、中間部スライド部材と下部スライド部材(中間部ス
    ライド部材が複数層ある場合には、中間部スライド部材
    同士)のどちらか片方の(中間滑り部の)すべり・転が
    り面を、また両方のすべり・転がり面を、V字谷面状ま
    たは円柱谷面等の凹形状にしてなることを特徴とする回
    転・捩れ防止装置また(復元型)滑り支承、またそれに
    よる免震構造体。 (4) 引抜き防止装置兼用 【請求項244−3−4】請求項244−3項から請求
    項244−3−3項のいずれか1項に記載の回転・捩れ
    防止装置また滑り支承において、 溝に入る凸部形態が、溝に嵌まりこみ上下方向に抜けな
    くなるような引掛け部(または引掛かり部)を有するよ
    うな形態であることを特徴とする回転・捩れ防止装置ま
    た(引抜き防止装置・)滑り支承、またそれによる免震
    構造体。 10.1.2. ローラー型 10.1.2.1. 回転・捩れ防止装置3(溝型) 【請求項244−4】請求項244項から請求項244
    −3−4項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置
    また滑り支承において、 上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スライド
    部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、中間
    部スライド部材同士)のスライド部材間にローラーが挟
    まれ、 ローラーとスライド部材のローラー転がり面とのどちら
    か一方に溝を、他方にその溝に入る凸部を設けることに
    より構成されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装
    置また滑り支承、またそれによる免震構造体。 10.1.2.2. 回転・捩れ防止装置4(歯車型) 【請求項244−5】請求項244項から請求項244
    −4項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置また
    滑り支承において、 上部スライド部材、下部スライド部材、中間部スライド
    部材(中間部スライド部材が複数層ある場合には、中間
    部スライド部材同士)のスライド部材間にローラーが挟
    まれ、 スライド部材のローラー転がり面にラックを、ローラー
    の周囲にそのラックと噛合う歯(歯車)を設けることに
    より構成されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装
    置また滑り支承、またそれによる免震構造体。 10.2. 回転抑制 10.2.1. 回転抑制
  245. 【請求項245】固定装置と、請求項243項から請求
    項244−5項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止
    装置とを、免震される構造体と免震される構造体を支持
    する構造体との間に設けることにより構成されてなるこ
    とを特徴とする免震構造体。 10.2.2. 回転抑制能力計算式
  246. 【請求項246】請求項243項から請求項244−3
    −4項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置にお
    いて、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
    ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
    材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
    れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
    スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
    ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
    のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
    材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
    方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
    構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
    辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 請求項244−2項記載の回転・捩れ防止装置1(外ガ
    イド型、10.1.1.1.参照)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
    さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    2 すきま(片側):d(以下同じ)とし、 中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)から突
    き出したガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持梁とみ
    なし、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、 bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材のガ
    イド部)に対し上部ガイドスライド部材また下部ガイド
    スライド部材(中間部スライド部材)が回転して中間部
    スライド部材(上下ガイドスライド部材)のガイド部と
    接触する部分の幅であり、 請求項244−3項から請求項244−3−4項のいず
    れか1項に記載の回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、
    10.1.1.2.参照)では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
    さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    2 とし、 中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)に設け
    られた内ガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持梁とみ
    なし、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、 bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材のガ
    イド部)に対し、上部ガイドスライド部材また下部ガイ
    ドスライド部材(中間部スライド部材)が回転して、そ
    れぞれの溝が中間部スライド部材(上下ガイドスライド
    部材)の内ガイド部と接触する部分の幅であり、 このとき、 風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作用する
    ことにより固定装置を中心とする回転モーメントMが生
    じる場合、 このFとMとにより、免震される構造体は許容回転角φ
    だけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防
    止装置が作用してそれ以上の回転を抑制し、 このとき、風圧力F、回転モーメントMによって各装置
    に、水平力F’、回転モーメントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみなし
    た部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角
    の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部
    分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b
    ・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・f
    s) t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/
    (E・b・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
    期許容せん断応力度、 E:鋼材のヤング率 α:片持梁の許容た
    わみ角、 r:固定装置から回転・捩れ防止装置までの距離 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、 これによって、装置の部材断面を決めることにより構成
    されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また
    それによる免震構造体。 【請求項246−2】請求項244−4項に記載の回転
    ・捩れ防止装置3(溝型、10.1.2.1.参照)において、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
    ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
    材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
    れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
    スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
    ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
    のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
    材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
    方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
    構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
    辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
    部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
    幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
    が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロ
    ーラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):lと
    し、 上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部材、中
    間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設けられた
    ガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなし、こ
    こでhはガイド部の突き出した長さであり、 このとき、 風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作用する
    ことにより固定装置を中心とする回転モーメントMが生
    じる場合、 このFとMとにより、免震される構造体は許容回転角φ
    だけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防
    止装置が作用してそれ以上の回転を抑制し、 このとき、風圧力F、回転モーメントMによって各装置
    に、水平力F’、回転モーメントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみなし
    た部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角
    の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部
    分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
    ^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
    期許容せん断応力度、 E:鋼材のヤング率 α:片持梁の許容た
    わみ角、 β:長方形断面の2辺の比により定まる、ねじりせん断
    応力度を与える係数の各式により与えられるtの値の最
    大値以上とし、 これによって、装置の部材断面を決めることにより構成
    されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また
    それによる免震構造体。 【請求項246−3】請求項244−5項に記載の回転
    ・捩れ防止装置4(歯車型、10.1.2.2.参照)におい
    て、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
    ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
    材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
    れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
    スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
    ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
    のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
    材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
    方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
    構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
    辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
    歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
    クの歯幅:b とし、 このとき、 風圧力Fが免震される構造体の受圧面に偏って作用する
    ことにより固定装置を中心とする回転モーメントMが生
    じる場合、 このFとMとにより、各装置に、水平力F’、回転モー
    メントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を歯車とラックと
    が負担するものとして、歯車の歯の曲げと歯面強さの検
    討から部材断面の算定を行い、歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF:材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料のヘ
    ルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと
    歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
    数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
    数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
    料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、 これによって、装置の部材断面を決めることにより構成
    されてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、また
    それによる免震構造体。 10.3. 捩れ振動抑制 10.3.1. 捩れ振動抑制 (1) バネ型復元装置・オイルダンパー等の併用
  247. 【請求項247】免震構造体において、請求項243項
    から請求項244−5項記載のいずれか1項に記載の回
    転・捩れ防止装置を免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けることにより構成され
    てなることを特徴とする免震構造体。 (2) 固定装置との併用
  248. 【請求項248】固定装置と、請求項243項から請求
    項244−5項記載のいずれか1項に記載の回転・捩れ
    防止装置とを、免震される構造体と免震される構造体を
    支持する構造体との間に設けることにより構成されてな
    ることを特徴とする免震構造体。 (3) 固定装置複数個との併用 【請求項248−2】固定装置の複数個と、請求項24
    3項から請求項244−5項記載のいずれか1項に記載
    の回転・捩れ防止装置とを、免震される構造体と免震さ
    れる構造体を支持する構造体との間に設けることにより
    構成されてなることを特徴とする免震構造体。 10.3.2. 捩れ振動抑制能力計算式
  249. 【請求項249】請求項243項から請求項244−3
    −4項のいずれか1項に記載の回転・捩れ防止装置にお
    いて、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
    ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
    材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
    れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
    スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
    ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
    のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
    材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
    方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
    構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
    辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 請求項244−2項記載の回転・捩れ防止装置1(外ガ
    イド型、10.1.1.1.参照)では、 スライド部材のうち内側に挿入される方の部材幅:t 各スライド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長
    さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    2 すきま(片側):d(以下同じ) とし、 中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)から突
    き出したガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持梁とみ
    なし、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、b
    は中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材のガイ
    ド部)に対し上部ガ イドスライド部材また下部ガイドスライド部材(中間部
    スライド部材)が回転して中間部スライド部材(上下ガ
    イドスライド部材)のガイド部と接触する部分の幅であ
    り、 請求項244−3項から請求項244−3−4項のいず
    れか1項に記載の回転・捩れ防止装置2(内ガイド型、
    10.1.1.2.参照)では、 内ガイド部の幅:t 内ガイド部の挿入される溝の幅:(t+2d) 内ガイド部と内ガイド部の挿入される溝の掛かり合う長
    さ:l 許容回転角に達したとき上部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    1 許容回転角に達したとき下部スライド部材と中間部スラ
    イド部材の(スライド部の互いに掛かり合う)長さ:l
    2 とし、 中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材)に設け
    られた内ガイド部を長さh、幅b、厚さtの片持梁とみ
    なし、ここでhはガイド部の突き出した長さであり、 bは中間部スライド部材(上下ガイドスライド部材のガ
    イド部)に対し、上部ガイドスライド部材また下部ガイ
    ドスライド部材(中間部スライド部材)が回転して、そ
    れぞれの溝が中間部スライド部材(上下ガイドスライド
    部材)の内ガイド部と接触する部分の幅であり、 このとき、 重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回転モー
    メントMが生じるものとした場合、 このFとMとにより、免震される構造体は許容回転角φ
    だけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防
    止装置が作用してそれ以上の回転を抑制し、 このとき、重心に作用する力F、回転モーメントMによ
    って各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じ
    ており、 この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみなし
    た部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角
    の検討から部材断面の算定を行い、片持梁とみなした部
    分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r))+F’/2)・h/(b
    ・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)/(b・f
    s) t≧{6・(M’/(l−4・d・r・l/(l^2+2・d・r)+F’/2)・h^2/
    (E・b・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
    期許容せん断応力度、 E:鋼材のヤング率 α:片持梁の許容た
    わみ角、 r:固定装置から回転・捩れ防止装置までの距離 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、 これによって装置の部材断面を決めることにより構成さ
    れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
    れによる免震構造体。 【請求項249−2】請求項244−4項に記載の回転
    ・捩れ防止装置3(溝型、10.1.2.1.参照)において、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
    ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
    材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
    れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
    スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
    ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
    のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
    材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
    方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
    構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
    辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にあるガイド
    部の幅:t ローラー(またはローラー転がり面)に設けられた溝の
    幅:(t+2d) ローラー断面がなす円をガイド部の先端位置がなす直線
    が切り取る弦の長さ(またはガ イド部がなす円をロー
    ラー転がり面がなす直線が切り取る弦の長さ):l とし、 上部ガイドスライド部材、下部ガイドスライド部材、中
    間部スライド部材(ローラー)のそれぞれに設けられた
    ガイド部を長さh、幅l、厚さtの片持梁とみなし、こ
    こでhはガイド部の突き出した長さであり、 このとき、 重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回転モー
    メントMが生じるものとした場合、 このFとMとにより、免震される構造体は許容回転角φ
    だけ回転するが、回転角φに達した時点で回転・捩れ防
    止装置が作用してそれ以上の回転を抑制し、 このとき、重心に作用する力F、回転モーメントMによ
    って各装置に、水平力F’、回転モーメントM’が生じ
    ており、 この水平力F’、回転モーメントM’を片持梁とみなし
    た部分が負担するものとして、曲げ、せん断、たわみ角
    の検討から部材断面の算定を行い、 片持梁とみなした部分の断面tの大きさを、 t≧{6((M’/(2・l)+F’/4)・h/( l・fb)}^0.5 t≧3/2・(M’/(2・l)+F’/4)/(l・fs) t≧〔(M’/(2・l)+F’/4)/l+{((M’/(2・l)+F’/4)/l)
    ^2+M’・fs/(β・l)}^0.5〕/(2・fs) t≧{6・(M’/(2・l)+F’/4)・h^2/(E・l・α)}^(1/3) 但し fb:鋼材の短期許容曲げ応力度、 fs:鋼材の短
    期許容せん断応力度、 E:鋼材のヤング率 α:片持梁の許容た
    わみ角、 β:長方形断面の2辺の比により定まる、ねじりせん断
    応力度を与える係数 の各式により与えられるtの値の最大値以上とし、 これによって装置の部材断面を決めることにより構成さ
    れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
    れによる免震構造体。 【請求項249−3】請求項244−5項に記載の回転
    ・捩れ防止装置4(歯車型、10.1.2.2.参照)におい
    て、 回転・捩れ防止装置は、上部スライド部材、下部スライ
    ド部材、中間部スライド部材からなり、上部スライド部
    材を免震される構造体側に、下部スライド部材を免震さ
    れる構造体を支持する構造体側に設け、その間に中間部
    スライド部材が入り、 上部スライド部材は、中間部スライド部材と下部スライ
    ド部材との関係で、長辺方向または短辺方向の平行移動
    のみを許容し、下部スライド部材は、中間部スライド部
    材と上部スライド部材との関係で、長辺方向または短辺
    方向の平行移動のみを許容されることから、免震される
    構造体は、免震される構造体を支持する構造体に対し長
    辺方向及び短辺方向の平行移動のみを許容され、 このとき各部の寸法を、 ローラー転がり面(またはローラー表面)にある歯車の
    歯幅:b ローラー(またはローラー転がり面)に設けられたラッ
    クの歯幅:b とし、 このとき、 重心に作用する力Fにより、剛心を中心とする回転モー
    メントMが生じるものとした場合、 このFとMとにより、各装置に、水平力F’、回転モー
    メントM’が生じており、 この水平力F’、回転モーメントM’を歯車とラックと
    が負担するものとして、歯車の歯の曲げと歯面強さの検
    討から部材断面の算定を行い、歯車とラックの歯幅を、 b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・FG}^0.5/2〕/FG b≧〔F’/8+{(F’/4)^2+2・M’・HG}^0.5/2〕/HG 但し FG=(fF・m・cosα)/(Y・Yε・Ks・KA・Kv・Kβ) HG=(fH・dω・u)/{ZH・ZE・SH・(u+1)} ZE=(0.35・E1・E2/(E1+E2))^0.5 ZH=2/(sin(2・α))^0.5 fF :材料の許容歯元曲げ応力度 fH:材料のヘルツ応力の許容限度値 m:ラックと歯車のモジュール dω:ラックと歯車のかみあいピッチ円径 u:歯数比 α:かみあい圧力角 Y:歯形係
    数 Yε:かみあい率係数 Ks :切り欠き係
    数 KA :使用係数 KV :動荷重係数 Kβ:歯当たり係数 E1、E2:ラックと歯車の材
    料の縦弾性係数 SH :安全係数 の各式により与えられるbの値の最大値以上とし、 これによって装置の部材断面を決めることにより構成さ
    れてなることを特徴とする回転・捩れ防止装置、またそ
    れによる免震構造体。 10.4. 捩れ・回転振動方程式 1 【請求項249−4】免震される構造体と、免震される
    構造体を支持する構造体との間に設けられ、免震滑り支
    承とダンパー・バネ等との構成による免震構造体におい
    て、 連立運動方程式(記号説明は実施例の10.4.1.記号一覧
    参照) d(dx1/dt)/dt+(cosθ)^2・g{tanθ・sign(x1)+μ・sign
    (dx1/dt)}+K3/m1・(x2−x1)+C3/m1・(dx2/dt−dx1
    /dt)=-d(dz/dt)/dt d(dx2/dt)/dt+K2/m2・x2+C2/m2・dx2/dt+K3/m2・
    (x1−x2)+C3/m2・(dx1/dt−dx2/dt)=-d(dz/dt)/dt によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。 10.5. 捩れ・回転振動方程式 2 10.5.1. 捩れ・回転振動方程式 10.5.1.1. 1層の場合 10.5.1.1.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 【請求項249−5】免震される構造体と、免震される
    構造体を支持する構造体との間に設けられたダンパー、
    積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
    て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
    置の場合 【請求項249−6】免震される構造体と、免震される
    構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
    承(平面型免震皿滑り支承=復元力無し)、ダンパー、
    積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によっ
    て支持また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{m1・μ1x・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μ1y・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μ1x・eμ1y・sign(dx/dt+eμ1y・dψ/dt) +m2・μ2x・eμ2y・sign(dx/dt+eμ2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μnx・eμny・sign(dx/dt+eμny・dψ/dt)} −g{m1・μ1y・eμ1x・sign(dy/dt−eμ1x・dψ/dt) +m2・μ2y・eμ2x・sign(dy/dt−eμ2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μny・eμnx・sign(dy/dt−eμnx・dψ/dt)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
    滑り支承の場合 【請求項249−7】免震される構造体と、免震される
    構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
    承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状免震皿を
    もった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴム
    等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持ま
    た免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) d(dx/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(x+eθny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)}/m +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(y−eθnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ =-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dx/dt+eθ1y・dψ/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dx/dt+eθ2y・dψ/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dx/dt+eθny・dψ/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dy/dt−eθ1x・dψ/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dy/dt−eθ2x・dψ/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dy/dt−eθnx・dψ/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(x+eθ1y・ψ) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(x+eθ2y・ψ)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(x+eθny・ψ)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(y−eθ1x・ψ) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(y−eθ2x・ψ)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(y−eθnx・ψ)} +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
    り支承の場合 【請求項249−8】免震される構造体と、免震される
    構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
    承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
    承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
    む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
    おいて、 請求項249−7項の運動方程式におけるθnx、θny
    (n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
    0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
    0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
    (x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
    る。 (x^2+y^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
    てなることを特徴とする免震構造体。 10.5.1.1.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
    支承の場合 【請求項249−9】免震される構造体と、免震される
    構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り支
    承(xy方向(直交方向)免震で円柱谷面状免震皿をも
    った直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等
    の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持また
    免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.1.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/m +C1x/m・dx/dt+C2x/m・dx/dt+・・+Cnx/m・dx/dt +C1x/m・ec1y・dψ/dt+C2x/m・ec2y・dψ/dt+ ・・+Cnx/m・ecny・dψ/dt +K1x/m・x+K2x/m・x+・・+Knx/m・x +K1x/m・ek1y・ψ+K2x/m・ek2y・ψ+・・+Knx/m・ekny・ψ =-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/m +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/m +C1y/m・dy/dt+C2y/m・dy/dt+・・+Cny/m・dy/dt −C1y/m・ec1x・dψ/dt−C2y/m・ec2x・dψ/dt− ・・−Cny/m・ecnx・dψ/dt +K1y/m・y+K2y/m・y+・・+Kny/m・y −K1y/m・ek1x・ψ−K2y/m・ek2x・ψ−・・−Kny/m・eknx・ψ I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ) +m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ) −m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +C1x・ec1y・dx/dt+C2x・ec2y・dx/dt+・・+Cnx・ecny・dx/dt −C1y・ec1x・dy/dt−C2y・ec2x・dy/dt−・・−Cny・ecnx・dy/dt +K1x・ek1y・x+K2x・ek2y・x+・・+Knx・ekny・x −K1y・ek1x・y−K2y・ek2x・y−・・−Kny・eknx・y +C1x・ec1y^2・dψ/dt+C2x・ec2y^2・dψ/dt+・・+Cnx・ecny^2・dψ/dt +C1y・ec1x^2・dψ/dt+C2y・ec2x^2・dψ/dt+・・+Cny・ecnx^2・dψ/dt +K1x・ek1y^2・ψ+K2x・ek2y^2・ψ+・・+Knx・ekny^2・ψ +K1y・ek1x^2・ψ+K2y・ek2x^2・ψ+・・+Kny・eknx^2・ψ=0 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。10.5.1.1.6. 球面状免震皿を
    もった勾配型復元滑り支承の場合 【請求項249−10】免震される構造体と、免震され
    る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
    支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、ダ
    ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
    成によって支持また免震される免震構造体において、 請求項249−9項の運動方程式におけるRnx、Rny
    (n=1・2・・・n)を、 (x^2+y^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
    1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
    1^2)^0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
    (x2,y2)とする。 なお0時刻の座標は(0,0)である。 (x^2+y^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
    てなることを特徴とする免震構造体。 10.5.1.2. n層の場合 10.5.1.2.1. バネ型復元装置+粘性減衰型装置の場合 10.5.1.2.2. 滑り支承+バネ型復元装置+粘性減衰型装
    置の場合 10.5.1.2.3. V字谷面状免震皿をもった直線勾配型復元
    滑り支承の場合 【請求項249−11】免震される構造体と、免震され
    る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
    支承(xy方向(直交方向)免震で、V字谷面状免震皿
    をもった直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴ
    ム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持
    また免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) d(dxb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・sign(xb+eθny・ψb)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ d(d(xn″)/dt)/dt +Cn"x/MMn’・(dxn"/dt-dxn"’/dt) +Cn"x/MMn’・ecn"y・(dψn"/dt-dψn"’/dt) +Kn"x/MMn’・(xn"-xn"’) +Kn"x/MMn’・ekn"y・(ψn"-ψn"’) −Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn"/dt) −Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Kn’x/MMn’・(xn’-xn")−Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn"/dt) +Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn") +Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dyb/dt)/dt +g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)}/MM1 +g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・sign(yb−eθnx・ψb)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1 +K1y/MM1・ek1x・ψ1 =-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1 −K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1) +K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1) −K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2) +K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn″)/dt)/dt +Cn"y/MMn’・(dyn"/dt-dyn"’/dt) +Cn"y/MMn’・ecn"x・(dψn"/dt-dψn"’/dt) +Kn"y/MMn’・(yn"-yn"’) +Kn"y/MMn’・ekn"x・(ψn"-ψn"’) −Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn"/dt) −Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Kn’y/MMn’・(yn’-yn") −Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn"/dt) −Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn") −Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt Ib・d(dψb/dt)/dt +g{(cosθ1x)^2・m1・μθ1x・eθ1y・sign(dxb/dt+eθ1y・dψb/dt) +(cosθ2x)^2・m2・μθ2x・eθ2y・sign(dxb/dt+eθ2y・dψb/dt)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・μθnx・eθny・sign(dxb/dt+eθny・dψb/dt)} −g{(cosθ1y)^2・m1・μθ1y・eθ1x・sign(dyb/dt−eθ1x・dψb/dt) +(cosθ2y)^2・m2・μθ2y・eθ2x・sign(dyb/dt−eθ2x・dψb/dt)+ ・・+(cosθny)^2・mn・μθny・eθnx・sign(dyb/dt−eθnx・dψb/dt)} +g{(cosθ1x)^2・m1・tanθ1x・eθ1y・sign(xb+eθ1y・ψb) +(cosθ2x)^2・m2・tanθ2x・eθ2y・sign(xb+eθ2y・ψb)+ ・・+(cosθnx)^2・mn・tanθnx・eθny・sign(xb+eθny・ψb)} −g{(cosθ1y)^2・m1・tanθ1y・eθ1x・sign(yb−eθ1x・ψb) +(cosθ2y)^2・m2・tanθ2y・eθ2x・sign(yb−eθ2x・ψb)+ ・・+(cosθny)^2・mn・tanθny・eθnx・sign(yb−eθnx・ψb)} +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt +C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1 +K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1 −K1y・ek1x^2・ψ1 =0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt −C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1 −K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1) −K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2) +K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In″・d(dψn″/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn″x・ecn″y・(dxn″/dt−dxn″'/dt) −Cn″y・ecn″x・(dyn″/dt−dyn″'/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) +Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/dt) +Kn″x・ekn″y・(xn″−xn″') −Kn″y・ekn″x・(yn″−yn″') −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn") +Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn″x・ecn″y^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) +Cn″y・ecn″x^2・(dψn″/dt−dψn″'/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn″x・ekn″y^2・(ψn″-ψn″')+Kn″y・ekn″x^2・(ψn″-ψn″') −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn") −Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt) −Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/dt) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn") −Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn")+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。 10.5.1.2.4. すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑
    り支承の場合 【請求項249−12】免震される構造体と、免震され
    る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
    支承(すり鉢状免震皿をもった直線勾配型復元滑り支
    承)、ダンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含
    む)等の構成によって支持また免震される免震構造体に
    おいて、請求項249−11項の運動方程式におけるθ
    nx、θny(n=1・2・・・n)を、(xb^2+yb^2)^0.5≦ L
    の時 θnx={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
    0.5}/(x2−x1) θny={θn’・(x2^2+y2^2)^0.5−θn’・(x1^2+y1^2)^
    0.5}/(y2−y1) 但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
    (x2,y2)とする。なお0時刻の座標は(0,0)であ
    る。 (xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 θnx=0 θny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
    てなることを特徴とする免震構造体。 10.5.1.2.5. 円柱谷面状免震皿をもった勾配型復元滑り
    支承の場合 (1) n層の場合(免震層以外も偏芯有り) 【請求項249−13】免震される構造体と、免震され
    る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
    支承 (xy方向(直交方向)免震で、円柱谷面状免震皿をも
    った直線勾配型復元滑り支承)、ダンパー、積層ゴム等
    の復元バネ(固定装置を含む)等の構成によって支持また
    免震される免震構造体において、 連立運動方程式(記号説明は実施例の 5.3.0.また 5.1.3.1.また 10.5.1.2.0. の記号一覧参照) 曲率θが小さい場合、(cosθ)^2≒1より d(dx/dt)/dt +g{m1・μR1x・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)}/MM1 +{m1・g/R1x・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・(x+eRny・ψ)}/MM1 +Cb1x/MM1・dxb/dt+Cb2x/MM1・dxb/dt+・・+Cbnx/MM1・dxb/dt +Cb1x/MM1・ecb1y・dψb/dt+Cb2x/MM1・ecb2y・dψb/dt+ ・・+Cbnx/MM1・ecbny・dψb/dt +Kb1x/MM1・xb+Kb2x/MM1・xb+・・+Kbnx/MM1・xb +Kb1x/MM1・ekb1y・ψb+Kb2x/MM1・ekb2y・ψb+ ・・+Kbnx/MM1・ekbny・ψb −C1x/MM1・dx1/dt−C1x/MM1・ec1y・dψ1/dt −K1x/MM1・x1 −K1x/MM1・ek1y・ψ1 =-d(dqx/dt)/dt d(d(x1)/dt)/dt +C1x/MM2・dx1/dt+C1x/MM2・ec1y・dψ1/dt +K1x/MM2・x1 +K1x/MM2・ek1y・ψ1 −C2x/MM2・(dx2/dt-dx1/dt)−C2x/MM2・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) −K2x/MM2・(x2-x1) −K2x/MM2・ek2y・(ψ2-ψ1) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(x2)/dt)/dt +C2x/MM3・(dx2/dt-dx1/dt)+C2x/MM3・ec2y・(dψ2/dt-dψ1/dt) +K2x/MM3・(x2-x1) +K2x/MM3・ek2y・(ψ2-ψ1) −C3x/MM3・(dx3/dt-dx2/dt)−C3x/MM3・ec3y・(dψ3/dt-dψ2/dt) −K3x/MM3・(x3-x2) −K3x/MM3・ek3y・(ψ3-ψ2) =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(xn″)/dt)/dt +Cn"x/MMn’・(dxn"/dt-dxn"’/dt)+Cn"x/MMn’・ecn"y・(dψn"/dt-dψn"’ /dt) +Kn"x/MMn’・(xn"-xn"’)+Kn"x/MMn’・ekn"y・(ψn"-ψn"’) -Cn’x/MMn’・(dxn’/dt-dxn"/dt)-Cn’x/MMn’・ecn’y・(dψn’/dt-dψn "/dt) -Kn’x/MMn’・(xn’-xn")-Kn’x/MMn’・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(d(xn’)/dt)/dt +Cn’x/MMn・(dxn’/dt-dxn"/dt)+Cn’x/MMn・ecn’y・(dψn’/dt-dψn"/ dt) +Kn’x/MMn・(xn’-xn")+Kn’x/MMn・ekn’y・(ψn’-ψn") =-d(dxb/dt)/dt-d(dqx/dt)/dt d(dy/dt)/dt +g{m1・μR1y・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)}/MM1 +{m1・g/R1y・(y−eR1x・ψ)+m2・g/R2y・(y−eR2x・ψ)+ ・・+mn・g/Rny・(y−eRnx・ψ)}/MM1 +Cb1y/MM1・dyb/dt+Cb2y/MM1・dyb/dt+・・+Cbny/MM1・dyb/dt −Cb1y/MM1・ecb1x・dψb/dt−Cb2y/MM1・ecb2x・dψb/dt− ・・−Cbny/MM1・ecnx・dψb/dt +Kb1y/MM1・yb+Kb2y/MM1・yb+・・+Kbny/MM1・yb −Kb1y/MM1・ekb1x・ψb−Kb2y/MM1・ekb2x・ψb− ・・−Kbny/MM1・ekbnx・ψb −C1y/MM1・dy1/dt+C1y/MM1・ec1x・dψ1/dt −K1y/MM1・y1+K1y/MM1・ek1x・ψ1=-d(dqy/dt)/dt d(d(y1)/dt)/dt +C1y/MM2・dy1/dt−C1y/MM2・ec1x・dψ1/dt +K1y/MM2・y1−K1y/MM2・ek1x・ψ1 −C2y/MM2・(dy2/dt-dy1/dt)+C2y/MM2・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2y/MM2・(y2-y1)+K2y/MM2・ek2x・(ψ2−ψ1) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(y2)/dt)/dt +C2y/MM3・(dy2/dt-dy1/dt)−C2y/MM3・ec2x・(dψ2/dt−dψ1/dt) +K2y/MM3・(y2-y1)−K2y/MM3・ek2x・(ψ2−ψ1) −C3y/MM3・(dy3/dt-dy2/dt)+C3y/MM3・ec3x・(dψ3/dt−dψ2/dt) −K3y/MM3・(y3-y2)+K3y/MM3・ek3x・(ψ3−ψ2) =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt ・ ・ ・ d(d(yn″)/dt)/dt +Cn"y/MMn’・(dyn"/dt-dyn"’/dt)+Cn"y/MMn’・ecn"x・(dψn"/dt-dψn"’ /dt) +Kn"y/MMn’・(yn"-yn"’)+Kn"y/MMn’・ekn"x・(ψn"-ψn"’) -Cn’y/MMn’・(dyn’/dt-dyn"/dt)−Cn’y/MMn’・ecn’x・(dψn’/dt-dψ n"/dt) -Kn’y/MMn’・(yn’-yn")−Kn’y/MMn’・ekn’x・(ψn’-ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt d(d(yn’)/dt)/dt +Cn’y/MMn・(dyn’/dt-dyn"/dt)−Cn’y/MMn・ecn’x・(dψn’/dt-dψn"/ dt) +Kn’y/MMn・(yn’-yn")−Kn’y/MMn・ekn’x・(ψn’−ψn") =-d(dyb/dt)/dt-d(dqy/dt)/dt I・d(dψ/dt)/dt +g{m1・μR1x・eR1y・sign(dx/dt+eR1y・dψ/dt) +m2・μR2x・eR2y・sign(dx/dt+eR2y・dψ/dt)+ ・・+mn・μRnx・eRny・sign(dx/dt+eRny・dψ/dt)} −g{m1・μR1y・eR1x・sign(dy/dt−eR1x・dψ/dt) +m2・μR2y・eR2x・sign(dy/dt−eR2x・dψ/dt)+ ・・+mn・μRny・eRnx・sign(dy/dt−eRnx・dψ/dt)} +m1・g/R1x・eR1y・(x+eR1y・ψ)+m2・g/R2x・eR2y・(x+eR2y・ψ)+ ・・+mn・g/Rnx・eRny・(x+eRny・ψ) −m1・g/R1y・eR1x・(y−eR1x・ψ)−m2・g/R2y・eR2x・(y−eR2x・ψ)− ・・−mn・g/Rny・eRnx・(y−eRnx・ψ) +Cb1x・ecb1y・dxb/dt+Cb2x・ecb2y・dxb/dt+・・+Cbnx・ecbny・dxb/dt −Cb1y・ecb1x・dyb/dt−Cb2y・ecb2x・dyb/dt−・・−Cbny・ecbnx・dyb/dt +Cb1x・ecb1y^2・dψb/dt+Cb2x・ecb2y^2・dψb/dt+ ・・+Cbnx・ecbny^2・dψb/dt +Cb1y・ecb1x^2・dψb/dt+Cb2y・ecb2x^2・dψb/dt+ ・・+Cbny・ecbnx^2・dψb/dt +Kb1x・ekb1y・xb+Kb2x・ekb2y・xb+・・+Kbnx・ekbny・xb −Kb1y・ekb1x・yb−Kb2y・ekb2x・yb−・・−Kbny・ekbnx・yb +Kb1x・ekb1y^2・ψb+Kb2x・ekb2y^2・ψb+・・+Kbnx・ekbny^2・ψb +Kb1y・ekb1x^2・ψb+Kb2y・ekb2x^2・ψb+・・+Kbny・ekbnx^2・ψb −C1x・ec1y・dx1/dt+C1y・ec1x・dy1/dt −K1x・ek1y・x1+K1y・ek1x・y1 −C1x・ec1y^2・dψ1/dt−C1y・ec1x^2・dψ1/dt −K1x・ek1y^2・ψ1−K1y・ek1x^2・ψ1=0 I1・d(dψ1/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C1x・ec1y・dx1/dt−C1y・ec1x・dy1/dt +K1x・ek1y・x1−K1y・ek1x・y1 +C1x・ec1y^2・dψ1/dt+C1y・ec1x^2・dψ1/dt +K1x・ek1y^2・ψ1 +K1y・ek1x^2・ψ1 −C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)+C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −K2x・ek2y・(x2−x1)+K2y・ek2x・(y2−y1) −C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)−C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)−K2y・ek2x^2・(ψ2−ψ1) =0 I2・d(dψ2/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +C2x・ec2y・(dx2/dt-dx1/dt)−C2y・ec2x・(dy2/dt-dy1/dt) −C3x・ec3y・(dx3/dt-dx2/dt)+C3y・ec3x・(dy3/dt-dy2/dt) +K2x・ek2y・(x2-x1)−K2y・ek2x・(y2-y1) −K3x・ek3y・(x3-x2)+K3y・ek3x・(y3-y2) +C2x・ec2y^2・(dψ2/dt−dψ1/dt)+C2y・ec2x^2・(dψ2/dt−dψ1/dt) −C3x・ec3y^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) −C3y・ec3x^2・(dψ3/dt−dψ2/dt) +K2x・ek2y^2・(ψ2-ψ1)+K2y・ek2x^2・(ψ2-ψ1) −K3x・ek3y^2・(ψ3-ψ2) −K3y・ek3x^2・(ψ3−ψ2) =0 ・ ・ ・ In″・d(dψn″/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn″x・ecn″y・(dxn″/dt-dxn″'/dt)−Cn″y・ecn″x・(dyn″/dt−dyn″ '/dt) −Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt)+Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/d t) +Kn″x・ekn″y・(xn″-xn″')−Kn″y・ekn″x・(yn″−yn″') −Kn’x・ekn’y・(xn’−xn")+Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn″x・ecn″y^2・(dψn″/dt-dψn″'/dt) +Cn″y・ecn″x^2・(dψn″/dt-dψn″'/dt) −Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt-dψn"/dt) −Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn″x・ekn″y^2・(ψn″-ψn″')+Kn″y・ekn″x^2・(ψn″-ψn″') −Kn’x・ekn’y^2・(ψn’-ψn")−Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 In’・d(dψn’/dt)/dt+Ib・d(dψb/dt)/dt +Cn’x・ecn’y・(dxn’/dt−dxn"/dt)−Cn’y・ecn’x・(dyn’/dt−dyn"/d t) +Kn’x・ekn’y・(xn’−xn")−Kn’y・ekn’x・(yn’−yn") +Cn’x・ecn’y^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Cn’y・ecn’x^2・(dψn’/dt−dψn"/dt) +Kn’x・ekn’y^2・(ψn’−ψn")+Kn’y・ekn’x^2・(ψn’−ψn") =0 によって構造解析することによって設計されてなること
    を特徴とする免震構造体。 10.5.1.2.6. 球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承
    の場合 【請求項249−14】免震される構造体と、免震され
    る構造体を支持する構造体との間に設けられた免震滑り
    支承(球面状免震皿をもった勾配型復元滑り支承)、ダ
    ンパー、積層ゴム等の復元バネ(固定装置を含む)等の構
    成によって支持また免震される免震構造体において、 請求項249−13項の運動方程式におけるRnx、Rny
    (n=1・2・・・n)を、 (xb^2+yb^2)^0.5≦ Lの時 1/Rnx={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
    1^2)^0.5}/(x2−x1) 1/Rny={1/Rn’・(x2^2+y2^2)^0.5−1/Rn’・(x1^2+y
    1^2)^0.5}/(y2−y1 )但し、t時刻の座標(x1,y1)、t+Δt時刻の座標
    (x2,y2)とする。 なお0時刻の座標は(0,0)である。 (xb^2+yb^2)^0.5> Lの時 1/Rnx=0 1/Rny=0 とすることによって構造解析することによって設計され
    てなることを特徴とする免震構造体。 11.免震装置の組合せと材料仕様 11.1. 免震時捩れ防止の免震装置の組合せ(形態の多様
    性に対応)
  250. 【請求項250】免震と復元の各支承としては、同一摩
    擦係数をもった滑り支承(すべり支承、転がり支承)、
    または、同一摩擦係数と同一勾配をもったすり鉢もしく
    は同一摩擦係数と同一曲率をもった球面等の勾配による
    復元性能を持った滑り支承(勾配型復元滑り支承とい
    う)を使用することにより構成されてなることを特徴と
    する免震構造体。 【請求項250−1】請求項250項に記載の免震構造
    体において、 ダンパーの使用する場合は、ダンパーを免震される構造
    体の重心におかない限り、回転・捩れ防止装置(10.
    参照)を併用することにより構成されてなることを特徴
    とする免震構造体。 11.2. 共振・捩れ防止の免震装置の組合せ 11.2.1. 変位抑制しない (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない) 【請求項250−2】風等で浮上がらない低塔状比構造
    体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合には、免震装
    置として、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもっ
    た直線勾配型復元滑り支承を各設置場所に配置すること
    により構成されてなることを特徴とする免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる) 【請求項250−3】風等で浮上がらない低塔状比構造
    体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震装置
    として、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもった
    直線勾配型復元滑り支承を各設置場所に設け、そして固
    定装置と回転・捩れ防止装置とを配置することにより構
    成されてなることを特徴とする免震構造体。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない) 【請求項250−4】風等で浮上がる高塔状比構造体
    で、且つ風で揺れない重量構造体の場合には、免震装置
    として、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもった
    直線勾配型復元滑り支承を各設置場所に設け、そして引
    抜き防止装置を配置することにより構成されてなること
    を特徴とする免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる) 【請求項250−5】風等で浮上がる高塔状比構造体
    で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合には、免震装置と
    して、各支承として同一摩擦係数と同一勾配をもった直
    線勾配型復元滑り支承を各設置場所に設け、そして固定
    装置と回転・捩れ防止装置と引抜き防止装置とを配置す
    ることにより構成されてなることを特徴とする免震構造
    体。 11.2.2. 変位抑制する (1) 低塔状比構造体(風等で浮上がらない) 重量構造体(風で揺れない) 【請求項250−6】風等で浮上がらない低塔状比構造
    体で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑
    制する場合には、免震装置として、各支承として同一摩
    擦係数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各
    設置場所に設け、そしてダンパーと回転・捩れ防止装置
    とを配置することにより構成されてなることを特徴とす
    る免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる) 【請求項250−7】風等で浮上がらない低塔状比構造
    体で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を抑制
    する場合には、免震装置として、各支承として同一摩擦
    係数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各設
    置場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止装置と
    ダンパーとを配置することにより構成されてなることを
    特徴とする免震構造体。 (2) 高塔状比構造体(風等で浮上がる) 重量構造体(風で揺れない) 【請求項250−8】風等で浮上がる高塔状比構造体
    で、且つ風で揺れない重量構造体の場合で、変位を抑制
    する場合には、免震装置として、各支承として同一摩擦
    係数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各設
    置場所に設け、そして引抜き防止装置とダンパーと回転
    ・捩れ防止装置とを配置することにより構成されてなる
    ことを特徴とする免震構造体。 軽量構造体(風で揺れる) 【請求項250−9】風等で浮上がる高塔状比構造体
    で、且つ風で揺れる軽量構造体の場合で、変位を抑制す
    る場合には、免震装置として、各支承として同一摩擦係
    数と同一勾配をもった直線勾配型復元滑り支承を各設置
    場所に設け、そして固定装置と回転・捩れ防止装置と引
    抜き防止装置とダンパーとを配置することにより構成さ
    れてなることを特徴とする免震構造体。 11.3. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ 11.3.1. 過大変位時の安全を考慮した免震装置の組合せ
    1 【請求項250−10】請求項192−5項記載の過大
    変位時ストッパー付ダンパーの使用、または過大変位時
    ストッパー付ダンパーと外れ防止(外れ防止付免震支
    承、外れ防止装置)との併用使用をすることにより構成
    されてなることを特徴とする免震構造体。 12.新積層ゴム・バネ、復元バネ 12.1. 新積層ゴム・バネ
  251. 【請求項251】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に設けられ、 中央部に穴を有する硬質板を積層させ、その中央部にバ
    ネ等(バネ・ゴム等の弾性体または磁石等)を挿入する
    ことにより構成され、 かつ、前記最上部硬質板を免震される構造体に、最下部
    硬質板を免震される構造体を支持する構造体に設けるこ
    とにより構成されてなることを特徴とする免震装置、ま
    たそれによる免震構造体。 12.2. 復元バネ
  252. 【請求項252】 免震される構造体と免震される構造
    体を支持する構造体との間に、バネ・ゴム等が設けら
    れ、 免震される構造体または免震される構造体を支持する構
    造体のどちらか一方に、すり鉢状またはラッパ形状等の
    裾広がりの挿入口またはコロを持った挿入口が設けら
    れ、 その挿入口中にそのバネ・ゴム等の端が係合され、この
    バネ・ゴム等の反対の端が、免震される構造体または免
    震される構造体を支持する構造体の他方に、係合される
    ことにより構成されてなることを特徴とする免震装置、
    またそれによる免震構造体。 B.免震装置と構造法 13.免震構造による構造体設計法 13.1. 超高層建物・構造体
  253. 【請求項253】 超高層建物・構造体において、免震
    装置として、滑り型免震装置・滑り支承を、特に転がり
    型滑り支承を採用し、免震される構造体は、風力では揺
    れない剛性をもつ構造とすることにより構成されてなる
    ことを特徴とする免震構造体。13.5. 在来戸建て住宅
  254. 【請求項254】 固定装置周辺の土台補強を筋交にて
    行い、それ以外の部分の補強を、土台(基礎の上の横架
    材)の上全面に構造用合板等を敷き込み、その上にまた
    土台(横架材)を置くか、直に柱を立てる形で、免震装
    置・滑り支承の支持構造面をつくることにより構成され
    てなることを特徴とする免震構造体。 14.免震装置設計と免震装置配置 14.2. 復元装置限定配置による免震装置配置
  255. 【請求項255】免震される構造体の重心位置またはそ
    の近傍一箇所以上に、復元装置また固定装置を装備する
    ことによって構成されてなることを特徴とする免震構造
    体。 14.1. 免震装置設計 (1) 復元装置の復元能力の設計
  256. 【請求項256】免震される構造体が地震後元の位置に
    戻りうる、最小限の復元力を持った復元装置が装備され
    てなることを特徴とする免震構造体。 15.免震装置設置と基礎部分の施工に関する合理化 15.1. 免震装置設置と基礎部分の施工の合理化
  257. 【請求項257】 ベタ基礎または布基礎と地面の上に
    免震装置・滑り支承を配備し、 その間を、有機溶剤で溶けるスタイロフォーム等のプラ
    スチックまたは水で溶けるプラスチックで埋めて間隙を
    作り、その上にコンクリートスラブを打ち、コンクリー
    トが固まったらプラスチックの間隙を有機溶剤または水
    等で溶かして空間を作ることにより構成されてなること
    を特徴とする免震構造体。 15.2. 免震装置設置の施工の合理化
  258. 【請求項258】 留め具等によって上下の皿が一体に
    なった二重免震皿装置を、基礎のアンカーボルト位置に
    据え付け、土台とまず固定し、 その後、基礎との間にできた隙間等を無収縮モルタルで
    埋め、無収縮モルタルが固まった後に、基礎と免震装置
    とのアンカーボルトを締めることにより構成されてなる
    ことを特徴とする免震構造体。 15.3. 滑り型免震装置の水平性維持
  259. 【請求項259】 免震装置・滑り支承が、免震される
    構造体の内側または重心に向かって低く、外側に向かっ
    て高くなるよう傾斜させて設置されてなることを特徴と
    する免震構造体。 16.上部構造土台また基礎部分への免震装置設置方法 16.1. ユニット構法の場合
  260. 【請求項260】免震装置または免震支承を、一つユニ
    ット(立体フレームユニット)に安定的に(剛接して)
    取付け、(隣接ユニットを持つ場合は)隣接ユニットを
    支持できるように当該ユニットからもはみ出して取付け
    てなることを特徴とする免震構造体。 17.組合せ
  261. 【請求項261】請求項1項から請求項260項の免震
    装置を組合せることによって構成されてなることを特徴
    とする免震装置、またはそれによる免震構造体。 18.免震用設備 18.1. 免震用排水設備 (1) 一般
  262. 【請求項262】免震される構造体と、免震される構造
    体を支持する構造体との間のフレキシビリティを保証す
    る排水設備において、免震される構造体を支持する構造
    体に設けられた排水枡と、その中に突き出した免震され
    る構造体側の排水管とから構成されてなることを特徴と
    する免震構造体用設備、またはそれによる免震構造体。 (2) 二重(以上)排水枡方式
  263. 【請求項263】免震される構造体と、免震される構造
    体を支持する構造体との間のフレキシビリティを保証す
    る排水設備において、免震される構造体を支持する構造
    体に設けられた排水枡と、その中に突き出した排水管を
    持つ中間排水枡と、中間排水枡の中に突き出した免震さ
    れる構造体側の排水管とから構成されてなることを特徴
    とする免震構造体用設備、またはそれによる免震構造
    体。
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