JP2002160783A - エアゾール再充填装置 - Google Patents

エアゾール再充填装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】使用済みまたは使用途中のエアゾールに散布物
を再充填して繰り返し使用をすることができる、簡単な
構造で操作が簡単な再充填装置を提供すること。 【解決手段】噴射剤と散布物が別形態で収納されている
二重構造エアゾールに散布物のみを再充填する。二重構
造エアゾール容器は鉄、アルミなどの金属製耐圧容器本
体11に、噴出用バルブ21を備えた金属性のマウンテ
ンキャップ23が内装13を間に介在してクリンチされ
て密封構造を形成している。内袋13は金属箔、プラス
チックフィルム、ゴムなどからなる。クリンチ部は内袋
と用器本体とを密封している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用済みまたは使用
途中のエアゾールに散布物を再充填して繰り返し使用を
することができる再充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機械加工や組み立て作業において、切削
油や潤滑油が必要であり、また、それらが付着してはい
けない箇所にはそれら油汚れを洗浄するためのクリーナ
ーが必要である。これらは液状のものを塗布して塗り広
げるよりは、エアゾールから噴射した方が効率がよい場
合が多い。例えば、広範囲に塗布することができる、エ
アゾールの噴射の勢いで狭い奥部まで注入が可能であ
る、またはエアゾールの噴射の勢いで汚れを除去でき
る、などの利点がある。よって、これらのものはエアゾ
ールの中に収納され噴射により散布される。
【0003】エアゾールはすでに公知のものであり、円
筒状の缶に、散布させられる内容液(以下、散布物とい
う)と散布物を噴射する推進源となる噴射剤が入れられ
る。通常、噴射剤はLPガスやDME、代替フロンなど
の液化ガスを散布物と混合して缶内に封入させられる。
エアゾール缶の上部に取り付けられたアクチュエータを
指先で押下すると、噴射剤の気化圧力で散布物が勢いよ
く噴射されるという原理である。
【0004】通常、使用済みエアゾール缶は再利用する
ことなく廃棄する。使用頻度の少ない家庭用などではこ
の方法でも特に問題がないが、工場や工事現場など大量
に使用する箇所では空き缶の処分方法には問題が発生す
る。空き缶も廃品回収や廃棄までの間、新品と同様に保
管しなければならず、その場所の問題や缶についた散布
物が保管場所で流れ落ちて環境を劣化させるなどの問題
が生じる。そればかりでなく使用者は使い捨てるための
エアゾール缶の値段も含めて購入していることになり、
多量使用するユーザーにとっては無駄の多いものであっ
た。
【0005】この問題を解決するために、再利用できる
エアゾール缶、その充填装置が考えられ提供された。そ
れらは特開平10−287380号、特開平7−206
057号に記載されている。前者はスプレー缶上部のマ
ウンテンカップ部分が螺合などにより脱着可能になって
おり、この部分を取り外し、散布物を注入してマウンテ
ンカップを取り付けた後、スプレー缶本体に具備された
圧縮空気注入口から缶内に圧縮空気を注入して缶内の圧
を高めることによりエアゾールの再利用が可能となるも
のである。
【0006】また、後者はエアゾール缶の下底部に再充
填するための注入口を設け、この穴から散布物と圧縮空
気の混合物を同時に注入することにより内圧の高い状態
にすることができ、エアゾールの再利用を可能にするも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法には以下の問題が生じる。すなわち、前者は散布物
を缶内に注入するときにマウンテンカップを取り外す必
要がある。缶内の圧力が少しでも残っているとマウンテ
ンカップを取り外したときに内容物が突出する可能性が
あり、噴射剤を完全に排出した状態でないとマウンテン
カップを空けることができず、次の日に備えて複数のエ
アゾール缶を同時に補充する場合など、使用途中のもの
への補充するときには非常に作業効率が悪い。また、散
布物の注入量が多すぎると圧縮空気の注入可能量が減っ
てしまうため、適切な噴射圧で噴射することができな
い。逆に、圧縮空気を入れすぎてしまうと猛烈な勢いで
噴射してしまい、飛び散ったり、非噴射物がその圧で破
損する可能性もある。よって、この方法の再充填は熟練
が必要であり誰でも簡単にという訳にはいかなかった。
【0008】また、後者の方法はあらかじめ適切な混合
比(圧縮比)で混合された噴射物を1つの注入口から同
時に注入するので、理論上、未熟練により散布物と噴射
剤のバランスが崩れて噴射圧に支障を来すことはない。
しかし、液体と圧縮空気を同時に注入することは実際に
は難しく、それぞれの割合を常に一定量を注入すること
は困難である。よって、機械のメンテナンスは常に必要
であり、メンテナンスを怠ると機械自体の不調で注入量
のバランスが崩れる可能性が大きくなってくる。また、
噴射物を貯留しておくタンクも高い内圧に耐える構造が
必要であるため、装置が大がかりになり広い設置場所が
必要であるという欠点もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は以上の欠
点を克服するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明をする
にいたった。すなわち本発明は噴射剤が排出されること
がない噴射剤と散布物が隔離されて収納されている二重
構造エアゾールに散布物のみを再充填することを特徴と
するエアゾール再充填装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施例を図面にて説明す
る。まず、本発明はエアゾール容器は二重構造型のエア
ゾール容器を用いることが必要である。二重構造のエア
ゾール容器は容器内に内袋を設けて二重構造とし、内袋
内に散布物を、内袋と容器との間の空隙に噴射剤を封入
したものであり、噴射剤の圧力で内袋が圧迫され散布物
が噴射用バルブから噴射されるものである。
【0011】二重構造エアゾールの一例を図1を用いて
詳説すると、鉄、アルミなどの金属製耐圧容器本体11
に、噴出用バルブ21を備えた金属性のマウンテンキャ
ップ23が内袋13を間に介在してクリンチされて密封
構造を形成している。内袋13は金属箔、プラスチック
フィルム、ゴムなどからなる。クリンチ部は内袋と用器
本体とを密封している。
【0012】耐圧用器本体11と内袋13との間の空隙
部15には噴射剤が充填されており、噴射剤としては窒
素ガス、炭酸ガス、空気等の圧縮ガスや、LPG、ジメ
チルエーテル、フロン等の液化ガスを用いることができ
る。一方、内袋13には噴射される散布物17が充填さ
れる。アクチュエーターとしてのトップボタン25を押
し下げてバルブ21を開口すると、空隙部15内の圧縮
ガスの圧力により内袋13が押され、内容物17を外部
に取り出すことができる。クリンチ部の内側がシールさ
れているので空隙部15の圧縮ガスが経時により漏洩す
ることが防止される。そのため、内圧が下がらず、安定
して内容物17の噴射、取り出しを行うことができる。
【0013】二重構造エアゾールは上述のもののみでな
く、例えば、容器内に散布物を収納し、内袋に噴射剤を
収納しているもの、容器内がピストンで上下に分割され
散布物と噴射剤が分離して収納されて、噴射剤がピスト
ンを押して散布物が噴射されるもなど、噴射剤と散布物
が隔離されて収納され、通常の使用では噴射剤が排出さ
れないものであればよい。
【0014】二重構造エアゾールへの散布物の再充填は
アクチュエータを取り外し、ステムを押し、バルブを開
口させた状態でポンプなどにより圧入する。この時、圧
入の圧力はエアゾール内の噴射圧より高くなければなら
ない。
【0015】充填装置の一例を図2を使用して述べる。
充填装置は工場などに設置される圧縮空気を原動力とす
る。充填装置を大まかに説明すると、圧縮空気によりエ
ア用ピストン51を動かすことができる。エア用ピスト
ン51はポンプ用ピストン52を連動して、散布物とな
る液体をタンク63から汲み上げたり、エアゾール内に
圧入することができる。
【0016】詳細を説明すると、圧縮空気製造装置64
より供給される圧縮空気は圧力を一定にするためにレギ
ュレーター54を通ってマスターバルブ53の入力口6
8に接続される。また、圧縮空気はレギュレータ54と
マスターバルブ53の間で分岐され、圧縮空気を遮断す
るか流通させるかの選択が可能なトグルスイッチ55が
設置されマスターバルブ53の制御用入力口65に接続
される。マスターバルブ53は制御用入力口65に所定
の圧力以上の圧縮空気が入力された場合、入力口68と
出力口66と連通するように、また、制御用入力口65
に圧縮空気が入力されない場合、入力口68と出力口B
67と連通するように設定されている。
【0017】マスターバルブ53の出力口66はパイプ
56を通ってエア用ピストン室の上部69に接続され
る。出力口67はパイプ57を通ってエア用ピストン室
の下部70に接続される。すなわち、トグルスイッチ5
5の切り換えにより圧縮空気はポンプ用ピストン室の上
部69に流入し圧縮空気の圧力でエア用ピストン51を
押し下げたり、またはエア用ピストン室の下部70に流
入し圧縮空気の圧力でエア用ピストン51を押し上げた
りすることができる。
【0018】エア用ピストン51は連動ロッド73によ
りポンプ用ピストン52に連動される。ポンプ用ピスト
ン室71は逆止弁60を通ってパイプ58により散布物
72が貯留されているタンク63に挿通されている。逆
止弁60はタンク63からポンプ用ピストン室71の方
向のみに流すことができ、その逆には流さない。さら
に、ポンプ用ピストン室71には逆止弁61を通ってパ
イプ59により散布物を注入するエアゾール注入接続部
62に接続されている。逆止弁61はポンプ用ピストン
室71から注入接続部62の方向のみに流すことがで
き、その逆には流れない。
【0019】前記逆止弁60,61が設置されているた
めにポンプ用ピストン52の上下運動は以下の動作をす
る。まず、ポンプ用ピストン52がエア用ピストン51
に連動されて上方向に引き上げられた場合、ポンプ用ピ
ストン室71は負圧がかかり吸引力が生じる。逆止弁6
0,61の作用で貯留タンク63から散布物72が吸い
上げられ、ポンプ用ピストン室は散布物72が満たされ
る。
【0020】次に、ポンプ用ピストン52がエア用ピス
トン51に連動されて下方向に押し下げられると、ポン
プ用ピストン室71は正圧がかかりポンプ室の内容物つ
まり散布物72は排出される。逆止弁60,61の作用
で貯留タンク63への流出はなく、すべて注入接続部6
2から流出される。
【0021】注入接続部62はエアゾール容器のステム
と密着係合できる形状に設定されており、エアゾール容
器のステムを注入接続部に押しつけることにより密着し
かつエアゾールのバルブ21を開くことができる。この
状態を維持することによりエアゾール内部と、パイプ5
9とが連通された状態となる。
【0022】レギュレーター54で圧縮空気の圧力を調
節することによりエアゾール内に充填する散布物の量を
調整することができる。エアゾール内に注入・充填する
ためにはエアゾール内の内袋にかかる圧力以上の圧力で
注入する必要がある。エアゾール内の内圧と注入する圧
力が平衡となったとき、それ以上注入されることはな
い。レギュレーター54の調整によりエア用ピストン5
1を押し下げる圧力を調整することができるので、エア
ゾール内への注入量を調整することができる。
【0023】以上の装置を用いて、二重構造エアゾール
へ充填をする操作としては以下のようにすればよい。ま
ず、トグルスイッチをオフにすると、上記の仕組みでポ
ンプ用ピストン室71に散布物72が貯留される。これ
がスタンバイ状態であり、この状態で放置しておくこと
が好ましい。
【0024】二重構造エアゾールのアクチュエータをは
ずしステムを注入接続部に係合し押しつけ、この状態で
トグルスイッチをオンにするとエアゾール内に散布物が
注入・充填される。押しつけを開放してやりトグルスイ
ッチをオフにすることによりスタンバイ状態にすること
ができる。アクチュエータをステムに取付ると、充填さ
れたエアゾールが再使用可能となる。
【0025】上記の説明では充填開始のスイッチを手動
のトグルスイッチにしたが、このスイッチを注入接続部
62に隣接して設置することにより、ステムを押しつけ
たときに連動してオンオフできるものにすることもでき
る。この場合、二重構造エアゾールを注入接続部62に
押しつけると自動的に充填が開始して、押しつけを開放
すると自動的にスタンバイ状態に復帰することができ
る。
【0026】以上のように、本実施例では動力源が圧縮
空気のみで電気的制御を使用しないため耐久性に優れ
る。また、使用中にメンテナンスや調整などを頻繁にす
る必要がない。
【0027】本発明の再充填装置により再充填できもの
は通常エアゾールとして使用している散布物であれば特
に限定されない。例えば、脱脂洗浄剤などのクリーナー
類、防錆、潤滑などの油脂類、ペンキ、ニスなどの塗料
類、殺虫剤、殺菌剤などの薬品、整髪料などの化粧品な
ど繰り返し使用する必要のあるものであればすべて使用
できる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば簡単な構造の装置を用い
簡単な操作でエアゾール内に再充填することができる。
メンテナンスをすることなく再充填したエアゾールは常
に一定を充填することができる。また、完全に使い切っ
ていない使用途中の状態でも再充填することができ、熟
練のいらない簡単な作業で、最適に充填することができ
る。
【0029】また、過度の注入によりエアゾールが破裂
したり、散布時に猛烈な勢いで噴射することがない。特
に、最後まで使用しきらないで残存しているエアゾール
にも規定量再充填することができる。
【0030】よって、再充填することにより缶を繰り返
し使用することができるため、経済的であり、環境汚染
が少なく、地球資源の無駄がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重構造エアゾール容器の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明の充填装置の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
11・・耐圧製容器、13・・内袋、15・・空隙部、
21・・バルブ、23・マウンテンカップ、25・・ア
クチュエーター、51・・エア用ピストン、52・・ポ
ンプ用ピストン、53・・マスターバルブ、54・・レ
ギュレーター、55・・トグルスイッチ、56、57、
58、59・・パイプ、60、61・・逆止弁、62・
・エアゾール注入接続部、63・・タンク、64・・圧
縮空気製造装置、65・・制御用入力口、66、67・
・出力口、68・・入力口、69・・エア用ピストン室
上部、70・・エア用ピストン室下部、71・・ポンプ
用ピストン室、72・・散布物、73・・連動ロッド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴射剤と散布物が隔離されて収納されてい
    る二重構造エアゾールに散布物のみを再充填することを
    特徴とするエアゾール再充填装置
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