JP2002159911A - 無機塗装品の製造方法 - Google Patents

無機塗装品の製造方法

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JP2002159911A
JP2002159911A JP2000356603A JP2000356603A JP2002159911A JP 2002159911 A JP2002159911 A JP 2002159911A JP 2000356603 A JP2000356603 A JP 2000356603A JP 2000356603 A JP2000356603 A JP 2000356603A JP 2002159911 A JP2002159911 A JP 2002159911A
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JP2000356603A
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Kazuyuki Hirano
和志 平野
Masahiro Fukiage
昌宏 吹擧
Kazuo Seto
和夫 瀬戸
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却工程を必要とせず、下地塗装や窯業
系基材の劣化を生じることなく、優れた耐候性や塗膜密
着性を有する無機塗装品を製造する安価で簡便な方法を
提供する。 【解決手段】 窯業系基材の最外層に、紫外線吸収剤を
含有する無機質コーティング剤を塗布し、紫外線を照射
して該無機質コーティング剤を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、無機塗装
品の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、こ
の出願の発明は、紫外線吸収剤を含有する無機質コーテ
ィング剤を窯業系基材の最外層に塗布し、紫外線を照射
して無機質コーティング剤を硬化させる無機塗装品の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、屋根瓦や外壁材等の外装材として
は、一般的に、窯業系基材の表面に有機系塗料を塗布し
た塗装品が用いられていた。
【0003】しかし、このような有機系塗料の塗膜は、
日光や雨水によって劣化されやすく、耐候性や耐腐食性
等の面で充分な性能が得られないという問題があった。
そのため、近年、無機質コーティング剤を用いることが
検討され始めている。
【0004】これまでに、各種の素材や組成物を用いた
無機質コーティング剤が提案されており、一部では実用
化もされ始めている。そして、これらの無機質コーティ
ング剤は、優れた耐候性や耐腐食性を有することが確認
されている。
【0005】無機質コーティング剤は、一般的には、金
属アルコキシドやその他の化合物を含む溶液からなる。
このような無機質コーティング剤は、室温で、加水分解
反応し、塗膜を形成する。このとき得られる塗膜はゲル
状の脆いものである。一方、無機質コーティング剤の塗
布後に加熱焼成を行えば、加水分解反応により形成され
る塗膜は、窯業系基材に焼き付けられた高強度の均一な
ものとなる。したがって、窯業系基材表面に無機質コー
ティング剤の塗膜を形成するためには、一般的に加熱工
程が必要不可欠なのである。
【0006】しかし、窯業系基材の表面に無機質コーテ
ィング剤の塗膜を形成するためには、無機質コーティン
グ剤のみを加熱することは困難であり、通常は、無機質
コーティング剤が塗布された窯業系基材全体を加熱して
いる。そのため、硬化後の検査工程や梱包工程前には、
得られた無機塗装品を冷却する必要がある。このような
加熱・冷却工程は、コスト高や製造時間の延長の要因と
なるだけでなく、窯業系基材の劣化を引き起こす場合が
あり、問題となっていたのが実情である。
【0007】そこで、加熱に代わる方法として、赤外線
照射による無機質コーティング剤の塗膜形成方法が提案
されているが、赤外線照射も、窯業系基材全体の温度上
昇を伴うため、加熱と同様に冷却工程を必要とする等の
同様の問題が残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、加熱や赤外線
照射に代わる無機質コーティング剤の硬化方法として、
紫外線照射が検討された。無機質コーティング剤を紫外
線照射により硬化するためには、無機質コーティング剤
の主成分がラジカル重合が可能な不飽和二重結合を有
し、さらに、光によりラジカルを発生する重合開始剤を
含む必要がある。しかし、これまでの無機質コーティン
グ剤には、通常、そのような成分は含まれていない。ま
た、紫外線の照射は、下地塗装や窯業系基材の変質や劣
化を生じさせるため、無機塗装品としての耐候性や寿命
が損なわれるという問題があった。
【0009】したがって、窯業系基材の劣化を生じさせ
ずに無機質コーティング剤を硬化させ、耐候性や耐腐食
性の高い無機塗装品を製造する簡便な方法が望まれてい
たのが実情である。
【0010】この出願の発明は、以上のとおりの従来技
術を踏まえ、冷却工程を必要とせず、下地塗装や窯業系
基材の劣化を生じることなく、優れた耐候性や塗膜密着
性を有する無機塗装品を製造する安価で簡便な方法を提
供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、まず第1には、窯業系基
材の最外層に、紫外線吸収剤を含有する無機質コーティ
ング剤を塗布し、紫外線を照射して該無機質コーティン
グ剤を硬化する無機塗装品の製造方法を提供する。
【0012】第2には、この出願の発明は、紫外線吸収
剤が酸化亜鉛である前記の無機塗装品の製造方法を、第
3には、紫外線吸収剤の含有量が無機質コーティング剤
の固形分に対して1〜30重量%である前記のいずれか
の無機塗装品の製造方法を提供する。
【0013】そして、この出願の発明は、第4には、無
機質コーティング剤が、少なくとも(a)一般式(I) (R1nSiX4-n (I) (式中、R1は各々置換基を有していてもよい炭素数1
〜8の1価の炭化水素基、Xは加水分解性基を示し、n
は0〜3の整数である。)で表される加水分解性オルガ
ノシランを有機溶媒及び/又は水に分散されたコロイド
状シリカ中で部分加水分解してなるオルガノシランのシ
リカ分散オリゴマー溶液と、(b)一般式(II) (R2pSi(OH)q(4-p-q)/2 (II) (式中、R2は各々置換基を有していてもよい炭素数1
〜8の1価の炭化水素基を表し、pおよびqはそれぞれ
0.2≦p≦2.0、0.0001≦q≦3、p+q<
4の関係を満たす数である)で表される分子中にシラノ
ール基を有するポリオルガノシロキサンと、(c)硬化
触媒の3成分を必須成分として含有する無機質コーティ
ング剤である前記第1ないし第3のいずれかの発明の無
機塗装品の製造方法をも提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】この出願の発明の無機塗装品の製
造方法では、窯業系基材の最外層に、紫外線吸収剤を含
有する無機質コーティング剤を塗布し、紫外線を照射す
ることにより、無機質コーティング剤を硬化させる。
【0015】紫外線吸収剤は、一般的に自らが異性化等
の分子内反応や電荷移動を起こし、光エネルギーを熱エ
ネルギーに変換する化合物からなる。すなわち、この出
願の発明の無機質塗装品の製造方法では、無機質コーテ
ィング剤の硬化は、紫外線照射により紫外線吸収剤が発
する熱を利用して行われる。この出願の発明の無機塗装
品の製造方法では、窯業系基材の最外層に塗布される無
機質コーティング剤が、少なくとも紫外線吸収剤を含有
していることが必須である。
【0016】この出願の発明の無機塗装品の製造方法で
は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化
合物等の有機系紫外線吸収剤や、微粒子酸化亜鉛、微粒
子酸化チタンなどの無機系紫外線散乱剤を紫外線吸収剤
として用いることができる。好ましくは、無機質コーテ
ィング剤との相溶性のよい微粒子酸化亜鉛や微粒子酸化
チタン等の無機系紫外線散乱剤、より好ましくは、紫外
線吸収能が高く、可視域での透明性がよい微粒子酸化亜
鉛とする。このような微粒子酸化亜鉛の粒子径は、なる
べく微細なものとすることにより高い紫外線遮蔽効果が
得られ、好ましい。具体的には、0.01〜1μm程度
の粒子径とすることにより、無機質コーティング剤の透
明性が維持され、高い分散性や塗膜平滑性が得られ、好
ましい。
【0017】以上のとおりの紫外線吸収剤の添加量は、
無機質コーティング剤の透明性を損なわず、紫外線照射
による無機質コーティング剤や窯業系基材の劣化を防止
できる量であればとくに限定されない。例えば上記の微
粒子酸化亜鉛の場合には、無機質コーティング剤の固形
分に対して1〜30重量%とすることが好ましく、より
好ましくは5〜20重量%とする。1重量%未満では、
紫外線吸収能力が十分に得られず、30重量%よりも多
く添加した場合には、無機塗装品表面が着色したり、変
色したりするため、好ましくない。
【0018】この出願の発明の無機塗装品の製造方法で
は、無機質コーティング剤は、以上のとおりの紫外線吸
収剤を含有するもので、紫外線照射により該紫外線吸収
剤が発する熱によって乾燥・硬化されるものであればど
のようなものであってもよく、とくに限定されない。も
ちろん、紫外線によって著しく劣化するものは好ましく
ないが、前記の紫外線吸収剤の作用により安定化される
程度のものであれば適用できる。好ましくは、水ガラス
系、アルコキシド系などの無機質コーティング剤、具体
的には、熱により強度が高く均一な塗膜を形成するケイ
素アルコキシド系の無機質コーティング剤が挙げられ
る。このようなケイ素アルコキシド系無機質コーティン
グ剤は、含有される成分中のアルコキシド基とシラノー
ル基が熱により反応し、硬化するものである。例えば、
少なくともa成分として一般式(I) (R1nSiX4-n (I) (式中、R1は各々置換基を有していてもよい炭素数1
〜8の1価の炭化水素基、Xは加水分解性基を示し、n
は0〜3の整数である。)で表される加水分解性オルガ
ノシランを有機溶媒及び/又は水に分散されたコロイド
状シリカ中で部分加水分解してなるオルガノシランのシ
リカ分散オリゴマー溶液を、b成分として一般式(II) (R2pSi(OH)q(4-p-q)/2 (II) (式中、R2は各々置換基を有していてもよい炭素数1
〜8の1価の炭化水素基を表し、pおよびqはそれぞれ
0.2≦p≦2.0、0.0001≦q≦3、p+q<
4の関係を満たす数である)で表される分子中にシラノ
ール基を有するポリオルガノシロキサンを、そしてc成
分として硬化触媒を含有するものが例示される。
【0019】このようなa、b、cの3成分を必須成分
として含有する無機質コーティング剤では、一般式
(I)で表されるa成分の加水分解性オルガノシランが
アルコキシド基を提供する。このような加水分解性オル
ガノシランとしては、具体的には、メチルトリメトキシ
シランやテトラエトキシシランなどが例示される。ま
た、一般式(II)で表されるb成分のポリオルガノシロ
キサンがシラノール基を提供する。これらは、c成分の
硬化触媒によって反応、硬化し、強度が高く、均一な塗
膜を形成する。このとき、c成分の硬化触媒としては、
塩酸、リン酸、硫酸、蟻酸、酢酸、クロロ酢酸等の酸性
触媒や、トリエタノールアミン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、無機酸のアンモ
ニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩等
の塩基性触媒が例示される。さらに、c成分の硬化触媒
は1種類に限定されず、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0020】この出願の発明の無機塗装品の製造方法で
は、無機質コーティング剤は、少なくとも紫外線吸収剤
を含有していればよく、他にも任意にシリカ粉やアルミ
ナゾル等の充填材、希釈溶剤、増粘剤、界面活性剤等の
種々の添加剤を1種以上含有していてもよい。好ましく
は、無機質コーティング剤の透明性を損なわない透明ま
たは白色の充填材や添加剤とする。このような充填材や
添加剤を添加する場合には、無機質コーティング剤の固
形分に対して30重量%以下とする。30重量%よりも
多く添加した場合には、無機質コーティング剤の塗膜に
クラックが発生しやすくなったり、下地との密着性が低
下したりするため、好ましくない。
【0021】また、この出願の発明の無機塗装品の製造
方法では、上記の無機質コーティング剤を塗布する窯業
系基材としては、例えばセメント系無機質基材等が用い
られる。具体的には、スラグ系セメント板、繊維入りス
ラグ石膏系セメント板、木片セメント板、繊維入りスラ
グ石膏系セメント板、木毛セメント板、軽量気泡コンク
リート板、スレート板、珪酸カルシウム板、コンクリー
ト押出し成形板等が挙げられる。もちろん、これら以外
の窯業系基材であってもよい。また、これらの窯業系基
材は、紫外線により劣化されやすいものであっても、無
機質コーティング剤に含まれる紫外線吸収剤が紫外線に
よる影響を除去するため、適用される。
【0022】この出願の発明の無機塗装品の製造方法で
は、以上のとおりの窯業系基材の最外層に無機質コーテ
ィング剤が塗布されればよく、他に窯業系基材表面にシ
ーラー塗装や下地塗装が施されてもよい。このようなシ
ーラー塗装や下地塗装としては、アクリル系、アクリル
シリコン系、ポリエステル系、エポキシ系等の種々の塗
料が例示されるが、これらの塗料の組成、色調等はとく
に限定されない。さらに、この出願の発明の無機塗装品
の製造方法では、意匠性を高めるために、これらのシー
ラー塗装や下地塗装に加えて、印刷等により柄を施して
もよい。以上のとおりの下地塗装や柄は、紫外線によっ
て劣化しやすいものであっても、最外層に塗布される無
機質コーティング剤が含有する紫外線吸収剤が紫外線に
よる影響を除去するため、適用できる。
【0023】この出願の発明の無機塗装品の製造方法で
は、紫外線照射により無機質コーティング剤中の紫外線
吸収剤が発熱し、その熱によって無機質コーティング剤
が硬化する。つまり、無機質コーティング剤を塗布した
最外層表面に紫外線を照射するだけで高強度で均一な塗
膜が得られるため、窯業系基材や下地塗装が加熱され
ず、検査工程や梱包工程前に無機塗装品を冷却する必要
がない。また、窯業系基材や下地塗装が加熱されないた
めに、これらの劣化が起こり難いだけでなく、無機質コ
ーティング剤中の紫外線吸収剤の働きにより、窯業系基
材や下地塗装の紫外線による劣化も防止される。したが
って、この出願の発明の無機塗装品の製造方法によって
製造される無機塗装品では、無機質コーティング剤と下
地塗装や窯業系基材との高い密着性や意匠性が長期にわ
たり保持される。
【0024】以下、実施例を示し、この発明の実施の形
態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明
は以下の例に限定されるものではなく、細部については
様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0025】
【実施例】<準備1> 無機質コーティング剤の調製 以下の方法で、各種無機質コーティング剤を調製した。 (A)メチルトリメトキシシラン100重量部、テトラ
エトキシシラン20重量部、イソプロピルアルコールオ
ルガノシリカゾル(触媒化学化成工業株式会社製「OS
CAL1432」、SiO2含有量30重量%)150
重量部、ジメチルメトキシシラン40重量部、およびイ
ソプロピルアルコール100重量部を混合した後、さら
に水200重量部を添加して60℃で攪拌し、分子量
(Mw)1200の無機質コーティング剤(A)を得
た。 (B)以下の方法でa〜c成分を調製した。
【0026】a成分:イソプロピルアルコール分散コロ
イダルシリカゾル(日産化学工業株式会社製「IPA−
ST」、粒子径10〜20μm、固形分30重量%、水
0.5重量%)100重量部、メチルトリメトキシシラ
ン68重量部、ジメチルジメトキシシラン18重量部、
水2.7重量部、無水酢酸0.1重量部を混合、攪拌し
ながら80℃で約3時間反応し、部分加水分解を行っ
た。冷却してa成分を得た。得られたa成分は、室温で
48時間放置した際の固形分が36重量%のものであっ
た。また、a成分は、以下の組成を有するものであっ
た。
【0027】 水/加水分解性基X(mol/mol) 0.1 シリカ分含有量 40.2重量% n=1の加水分解性基含有オルガノシラン量 77モル%b成分 :メチルトリクロロシラン59.7重量部(0.
4モル)、ジメチルジクロロシラン51.6重量部
(0.4モル)、およびフェニルトリクロロシラン4
2.3重量部(0.2モル)をトルエン200重量部に
溶解し、水1000重量部とアセトン50重量部の混合
溶液に攪拌しながら滴下して加水分解反応を行った。滴
下40分後に攪拌を停止し、水層を減圧ストリッピング
し、塩酸および過剰のトルエンを留去して平均分子量3
000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのト
ルエン溶液(60重量%)を得た。このb成分におい
て、R2であるフェニル基の含量は14重量%であっ
た。
【0028】c成分:市販のN−β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシランを用いた。上
記a成分65重量部、b成分50重量部、およびc成分
1重量部を混合、攪拌し、無機質コーティング剤(B)
を得た。 <準備2> 紫外線吸収剤含有無機質コーティング剤の
調製 以下の方法で、紫外線吸収剤成分(Z)を調製し、上記
(A)または(B)に混合して紫外線吸収剤含有無機質
コーティング剤(C)〜(L)を調製した。紫外線吸収剤成分 :(Z)メチルトリメトキシシラン5
0重量部に微粒子酸化亜鉛(平均粒径0.04μm)4
0重量部、カルボン酸系分散剤5重量部、希釈溶液5重
量部を添加し、30分攪拌した。さらに分散機(シンマ
ルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」、流量25
kg/hr、容量1.5リットル)に5回通し、分散し
て微粒子酸化亜鉛ミルベース(Z)を調製した。 (Y)市販の酸化亜鉛溶液分散品(住友大阪セメント株
式会社製「ZS−303」、酸化亜鉛濃度30重量%)紫外線吸収剤含有無機質コーティング剤 (C)上記無機質コーティング剤(A)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が5重量%となるように(Z)を添
加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング剤
(C)を得た。 (D)上記無機質コーティング剤(A)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が15重量%となるように(Z)を
添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング
剤(D)を得た。 (E)上記無機質コーティング剤(A)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が25重量%となるように(Z)を
添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング
剤(E)を得た。 (F)上記無機質コーティング剤(B)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が5重量%となるように(Z)を添
加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング剤
(F)を得た。 (G)上記無機質コーティング剤(B)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が15重量%となるように(Z)を
添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング
剤(G)を得た。 (H)上記無機質コーティング剤(B)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が25重量%となるように(Z)を
添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング
剤(H)を得た。 (I)上記無機質コーティング剤(B)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が0.9重量%となるように(Z)
を添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティン
グ剤(I)を得た。 (J)上記無機質コーティング剤(B)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が0.9重量%となるように(Y)
を添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティン
グ剤(J)を得た。 (K)上記無機質コーティング剤(A)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が31重量%となるように(Z)を
添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング
剤(K)を得た。 (L)上記無機質コーティング剤(A)の固形分に対し
て微粒子酸化亜鉛量が31重量%となるように(Y)を
添加し、攪拌して紫外線吸収剤含有無機質コーティング
剤(L)を得た。 <準備3> 窯業系基材の調製窯業系基材 :松下電工株式会社製ネオロック無塗装板
(厚さ:15mm)を用いた。下地塗装 :(1)イサム塗料株式会社製ネオシリカ(#
1000)、または(2)関西ペイント株式会社製アク
リルシリコン系塗料(#5313)のいずれかを用い
た。 <実施例1〜6>上記の窯業系基材表面に、下地塗装
(1)、(2)および無機質コーティング剤(C)〜
(H)を表1に示した組み合せで塗布した。
【0029】下地塗装は、エアスプレーを用いて塗布
し、150℃で5分間乾燥させて、膜厚20〜30μm
の塗膜とした。無機質コーティング剤は、下地塗装を施
した窯業系基材の温度を50〜60℃とし、エアスプレ
ーを用いて塗布した。2分間常温で放置した後、紫外線
照射装置(フュージョンジャパン社製「2−F600V
−10」)によって5分間紫外線を照射し、膜厚5〜1
0μmの無機質コーティング層を得た。
【0030】これらの試験片について、紫外線照射後の
塗膜の状態を観察した(塗膜状態)。また、各試験片を
40℃の温水に20時間浸漬した後、碁盤目試験法によ
りセロハン粘着テープ密着試験を行い、剥離箇所を確認
した(密着性試験)。さらに、サンシャインウェザーメ
ーターを用いて、3000時間照射後の塗膜の状態から
耐候性を評価した(耐候性試験)。
【0031】
【表1】
【0032】<比較例1〜6>実施例1〜6と同様に、
窯業系基材表面に表1に示した組み合せで下地塗装
(1)、(2)と無機質コーティング剤(A)、
(B)、および(I)〜(L)を塗布し、紫外線を照射
して試験片を得た。
【0033】各試験片について、実施例1〜6と同様に
塗膜状態を観察し、密着性試験、および耐候性試験を行
った。 <比較例7>実施例6と同様に下地塗装を施し、無機質
コーティング剤を塗布した。無機質コーティング剤の硬
化は、200℃のバッチ炉で5分間の焼き付けにより行
った。
【0034】以上実施例1〜6および比較例1〜7の結
果を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】表2より、紫外線吸収剤を含有する無機質
コーティング剤を塗布し、紫外線照射した試験片(実施
例1〜6)では、塗膜状態、密着性、耐候性のいずれも
良好な無機塗装品が得られることが示された。
【0037】一方、紫外線吸収剤を含有しない無機質コ
ーティング剤を塗布して紫外線照射した試験片(比較例
1、2)では、硬化が進まず、均一な塗膜が得られなか
った。そのため、密着性試験、耐候性評価を実施できな
かった。
【0038】また、紫外線吸収剤を1重量%未満添加し
た無機質コーティング剤を塗布した場合(比較例3、
4)には、得られた塗膜は一見均一で良好であったが、
紫外線照射により基材に変色が見られ、塗膜密着性が悪
かった。また、耐候性試験により塗膜の白化が見られ
た。
【0039】紫外線吸収剤を30重量%よりも多く添加
した無機質コーティング剤を用いた無機塗装品(比較例
5、6)では、一見均一で良好な塗膜が得られたが、塗
膜密着性が低く、耐候性試験により塗膜に剥離が見られ
た。
【0040】さらに、無機質コーティング剤の硬化を紫
外線照射ではなく、従来のバッチ炉での加熱により行っ
た場合(比較例7)には、一見良好な塗膜が得られたも
のの、基材でのクラックの発生が見られた。したがっ
て、密着性試験および耐候性試験は実施できなかった。
【0041】以上より、紫外線吸収剤を1〜30重量%
含有する無機質コーティング剤を最外層に塗布し、紫外
線照射により硬化させることにより、均一な無機質コー
ティング層を有し、高い密着性と耐候性を示す無機塗装
品が得られることが確認された。
【0042】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、下地塗装や窯業系基材の劣化を生じることな
く、無機質コーティング剤を硬化する無機塗装品の製造
方法が提供される。また、この発明の方法は、冷却工程
を必要としないため、安価で簡便であり、製造される無
機塗装品は、耐候性に優れ、塗膜密着性や意匠性が長期
にわたり保持されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/00 C09D 183/00 (72)発明者 瀬戸 和夫 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB46Z CA32 DA06 DB12 DC02 DC05 EA02 EA05 EB42 EB45 EC02 EC03 EC54 4J038 DL021 DL031 HA216 KA04 PA17 PC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯業系基材の最外層に、紫外線吸収剤を
    含有する無機質コーティング剤を塗布し、紫外線を照射
    して該無機質コーティング剤を硬化させることを特徴と
    する無機塗装品の製造方法。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が酸化亜鉛である請求項1
    の無機塗装品の製造方法。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤の含有量が、無機質コーテ
    ィング剤の固形分に対して1〜30重量%である請求項
    1または2のいずれかの無機塗装品の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機質コーティング剤が、少なくとも
    (a)一般式(I) (R1nSiX4-n (I) (式中、R1は各々置換基を有していてもよい炭素数1
    〜8の1価の炭化水素基、Xは加水分解性基を示し、n
    は0〜3の整数である。)で表される加水分解性オルガ
    ノシランを有機溶媒及び/又は水に分散されたコロイド
    状シリカ中で部分加水分解してなるオルガノシランのシ
    リカ分散オリゴマー溶液と、(b)一般式(II) (R2pSi(OH)q(4-p-q)/2 (II) (式中、R2は各々置換基を有していてもよい炭素数1
    〜8の1価の炭化水素基を表し、pおよびqはそれぞれ
    0.2≦p≦2.0、0.0001≦q≦3、p+q<
    4の関係を満たす数である)で表される分子中にシラノ
    ール基を有するポリオルガノシロキサンと、(c)硬化
    触媒の3成分を必須成分として含有する無機質コーティ
    ング剤である請求項1ないし3のいずれかの無機塗装品
    の製造方法。
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JP2016002681A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 ニチハ株式会社 建材とその製作方法

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JP5289708B2 (ja) * 2004-08-26 2013-09-11 出光興産株式会社 コーティング組成物及び樹脂積層体
JP2016002681A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 ニチハ株式会社 建材とその製作方法

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