JP2002156350A - ガス検出装置 - Google Patents

ガス検出装置

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JP2002156350A
JP2002156350A JP2001272529A JP2001272529A JP2002156350A JP 2002156350 A JP2002156350 A JP 2002156350A JP 2001272529 A JP2001272529 A JP 2001272529A JP 2001272529 A JP2001272529 A JP 2001272529A JP 2002156350 A JP2002156350 A JP 2002156350A
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heater
power
gas
power supply
temperature
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JP2001272529A
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English (en)
Inventor
Yuji Kimoto
祐治 木元
Shingo Ito
慎悟 伊藤
Hiroko Iwasaki
裕子 岩崎
Kazuto Hirai
一人 平井
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動後可及的速やかに安定して早期に特定ガ
スを検知できるガス検出装置を提供する。 【解決手段】 自動車室内の外気導入制御システム10
0は、2つのガスセンサ素子2,3をヒータ4で加熱し
て、そのセンサ抵抗値Rg,Rdの変化から還元性ガス
及び酸化性ガスの濃度変化を検知するガス検出装置15
0及びフラップ174を開閉する電子制御アセンブリ1
60を含む。ヒータ制御回路130では、バッテリBT
のバッテリ電圧VBが、これを抵抗分割して入力するマ
イクロコンピュータ101の第3AD変換端子104に
よって検出され、PWM端子105からのパルス信号S
hによってヒータ4がパルス駆動される。通常の作動期
間中、検出したバッテリ電圧VBに基づいてヒータ4に
一定の作動時電力を供給するほか、始動後所定期間にわ
たり、作動時電力よりも大きい始動時電力を所定の経時
パターンで供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒータで加熱する
ことにより特定ガスを検知可能となるガスセンサ素子を
用いたガス検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、SnO2、WO3などの酸化物
半導体等を用いたガスセンサ素子では、特定ガスに反応
するように、ガスセンサ素子を約300〜400℃に加
熱する必要がある。このため、ガスセンサ素子の近傍に
ヒータを設け、あるいは同一の基板上にガスセンサ素子
とヒータとを設け、通電によりヒータを発熱させてガス
センサ素子を加熱し、ガスセンサ素子が特定ガスに十分
反応する状態となってから、センサ抵抗値を測定してガ
ス検出を行うガス検出装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかるガス検出装置に
おいては、安定して特定ガスを検出できるようになるた
めには、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値がある程度安定
するまで待つ必要があった。例えば、自動車室内への外
気導入制御に用いるガス検出装置においては、ヒータに
電力を投入し始めてから、数分〜数10分の時間を必要
とする場合があった。このため、自動車を始動した直後
には、適切にNOxやCO、HC(ハイドロカーボン)
などの排気ガス成分を検出することができず、外気導入
のためのフラップの適切な制御が困難であった。本発明
は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、始動
後可及的速やかに安定して早期に特定ガスを検知できる
ガス検出装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】その解決
手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変化す
るガスセンサ素子、及びこのガスセンサ素子を加熱する
ヒータを有するガス検出装置であって、ヒータに電力を
供給する電源の電源電圧を検出する電源電圧検出回路
と、上記ガス検出装置の作動期間中、検出した上記電源
電圧に基づいて電力を制御して、上記ヒータに一定の作
動時電力を供給する作動時電力供給手段と、上記ガス検
出装置の始動後所定期間にわたり、上記作動時電力供給
手段に代えて、上記ヒータに電力を供給する始動時電力
供給手段であって、検出した上記電源電圧に基づいて電
力を制御して、上記作動時電力よりも大きい始動時電力
を所定の経時パターンで供給する始動時電力供給手段
と、を備えるガス検出装置である。
【0005】例えば、自動車などでは、電源として搭載
しているバッテリーの電圧は、正常な場合には、例えば
9〜16V(12V定格バッテリーの場合)の範囲で経
時的に変化する。これに対し、本発明のガス検出装置で
は、電源電圧検出回路で電源の電源電圧を検出する。ま
た、作動時には、作動時電力供給手段によって、ヒータ
には一定の作動時電力が供給されるので、電源電圧が変
動したとしてもこれに拘わらず、一定条件でガスセンサ
素子を加熱することができる。さらに、始動時には、始
動時電力供給手段によって、ヒータには所定の経時パタ
ーンで始動時電力が供給されるので、電源電圧が変動し
たとしてもこれに拘わらず、始動時にも一定条件でガス
センサ素子を加熱することができる。
【0006】しかも、この始動時電力は、作動時電力よ
りも大きい。当初から一定の作動時電力を与え続けるよ
りも、始動時には作動時電力より大きな始動時電力を与
えると、早くガスセンサ素子のセンサ抵抗値が安定にな
ることが判っている。従って、このようにすることで、
早くガスセンサ素子のセンサ抵抗値を安定させ、より早
期に特定ガスの検知ができるようになる。
【0007】なお、電源としては、経時的に電源電圧の
変動が見込まれるものであっても良く、具体的には、バ
ッテリーが挙げられる。また、作動時電力供給手段や始
動時電力供給手段でヒータに一定の作動時電力や所定の
経時パターンの始動時電力を供給するのに際しては、公
知の電力制御手法を用いれば良く、例えばデューティ比
制御(PWM)やPAM制御するものが挙げられる。ま
た、始動時電力の経時パターンとしては、適宜選択する
ことができるが、例えば、所定期間、作動時電力よりも
大きな一定電力を維持する経時パターン(なお、その
後、作動時電力にステップ状に切り換える)が挙げられ
る。また、時間の経過とともに、当初の大きな電力を作
動時電力に近づけるように、徐々に供給する電力を低下
させる経時パターン(なお、その後、一定の作動時電力
に切り換える)も有る。この場合には、例えば2,3段
など複数段の階段状に電力を低下させる手法や、段数を
十分大きくするなどして滑らかに電力を低下させるもの
もなどが挙げられる。また、低下のさせ方も、直線状で
なく、時間の経過とともに低下の度合いが小さくなるよ
うにして作動時電力に漸近するようにして低下させるこ
ともできる。さらに、階段状の低下と滑らかな低下とを
組み合わせた経時パターンとしても良く、この場合に
は、特に、経時パターンの終期に滑らかに変化させるの
が好ましい。
【0008】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記所定
の経時パターンは、前記ヒータのヒータ温度が、前記作
動時電力の供給によって略一定の安定な温度となる安定
時ヒータ温度よりも、一時的に高くなる期間を生じさせ
る経時パターンであるガス検出装置とすると良い。
【0009】上記したように、当初から一定の作動時電
力を与え続けるよりも、始動時には作動時電力より大き
な始動時電力を与えると、早くガスセンサ素子のセンサ
抵抗値が安定になることが判っている。ガスセンサ素子
の温度が相対的に早く高くなるためであると考えられ
る。さらに、ガスセンサ素子の不使用時(ヒータ不使用
時)にガスセンサ素子に吸着・付着してしまった様々な
ガスや水分が、ヒータが昇温(従って、ガスセンサ素子
が昇温)すると、ガスや水分が徐々に解離や蒸発するこ
とも、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が安定するまでに
長時間を要する要因であることが判ってきた。
【0010】これに対し、本発明のガス検出装置では、
安定時ヒータ温度よりもヒータ温度が一時的に高くなる
期間が生じるように、始動時電力の経時パターンを調整
している。ヒータ温度の変化に対して、ガスセンサ素子
の素子温度は、ほぼ相似のパターンで変化するから、ヒ
ータ温度が安定ヒータ温度を一時的に超える挙動をする
ときは、ガスセンサ素子の素子温度も、作動時の安定時
素子温度を一時的に超える挙動を示す。ガスセンサ素子
に吸着・付着していたガスや水分は、ガスセンサ素子の
素子温度が高くなると共に加速度的に解離や蒸発が進行
する。従って、最終的には同じ安定時ヒータ温度及び安
定時素子温度となったとしても、それまでに一旦高いヒ
ータ温度及び素子温度を経由したガスセンサ素子は、そ
のような高い温度を経由していないガスセンサ素子に比
して、吸着・付着しているガスや水分の量を大きく減少
させることができる。このため、結果としてセンサ抵抗
値を早期に安定にすることができる。
【0011】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記所定
の経時パターンは、前記ガスセンサ素子の素子温度が、
前記作動時電力の供給によって略一定の安定な温度とな
る安定時素子温度よりも、一時的に高くなる期間を生じ
させる経時パターンであるガス検出装置とすると良い。
【0012】本発明のガス検出装置では、安定時素子温
度よりも素子温度が一時的に高くなる期間が生じるよう
に、始動時電力の経時パターンを調整している。ガスセ
ンサ素子に吸着・付着していたガスや水分は、ガスセン
サ素子の素子温度が高くなると共に加速度的に解離や蒸
発が進行する。従って、最終的には同じ安定時素子温度
となったとしても、それまでに一旦高い素子温度を経由
したガスセンサ素子は、そのような高い温度を経由して
いないガスセンサ素子に比して、吸着・付着しているガ
スや水分の量を大きく減少させることができる。このた
め、結果としてセンサ抵抗値を早期に安定にすることが
できる。
【0013】あるいは、前記ガス検出装置であって、前
記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記所
定の経時パターンは、前記ヒータのヒータ温度が前記作
動時電力の供給によって略一定の安定な温度となる安定
時ヒータ温度よりも高くなる時点よりも、後まで継続す
るガス検出装置とすると良い。
【0014】本発明のガス検出装置では、ヒータ温度が
安定時ヒータ温度よりも高くなる時点よりも後まで、作
動時電力よりも大きな始動時電力を供給する経時パター
ンが継続する。従って、ヒータ温度が安定時ヒータ温度
よりも高くなる期間が確実に生じる。このため、ヒータ
温度の挙動とほぼ相似の挙動を示すガスセンサ素子の素
子温度も、作動時の安定時素子温度を一時的に超える。
上述したように、ガスセンサ素子に吸着・付着していた
ガスや水分は、ガスセンサ素子の素子温度が高くなると
加速度的に解離や蒸発が進行するから、安定時ヒータ温
度及び安定時素子温度となるまでに、一旦高い温度を経
由したガスセンサ素子では、相対的に、吸着・付着して
いるガスや水分の量を大きく減少させることができる。
このため、結果として、センサ抵抗値を早期に安定にす
ることができる。
【0015】あるいは、前記ガス検出装置であって、前
記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記所
定の経時パターンは、前記ガスセンサ素子の素子温度が
前記作動時電力の供給によって略一定の安定な温度とな
る安定時素子温度よりも高くなる時点よりも、後まで継
続するガス検出装置とすると良い。
【0016】本発明のガス検出装置では、素子温度が安
定時素子温度よりも高くなる時点よりも後まで、作動時
電力よりも大きな始動時電力を供給する経時パターンが
継続する。従って、一時的にではあるが、素子温度が安
定時素子温度を超える期間が確実にできる。上述したよ
うに、ガスセンサ素子に吸着・付着していたガスや水分
は、ガスセンサ素子の温度が高くなると加速度的に解離
や蒸発が進行するから、安定時素子温度となるまでに、
一旦高い素子温度を経由したガスセンサ素子では、相対
的に、吸着・付着しているガスや水分の量を大きく減少
させることができる。このため、結果として、センサ抵
抗値を早期に安定にすることができる。
【0017】さらに、上記いずれかに記載のガス検出装
置であって、前記始動時電力供給手段における前記始動
時電力の前記所定の経時パターンは、この始動時電力供
給手段による前記始動時電力の供給、及びその後の前記
作動時電力供給手段による前記作動時電力の供給の期間
にわたり、上記特定ガスの濃度変化がないとしたとき
に、上記ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が、始動から6
0秒以内に略一定値となる変化を起こさせる経時パター
ンであるガス検出装置とすると良い。
【0018】本発明のガス検出装置では、ガスセンサ素
子のセンサ抵抗値が、始動から60秒以内に略一定値と
なる変化を起こさせる経時パターンで始動時電力を供給
するので、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が短時間の6
0秒以内で安定化し、それ以降には正しく特定ガスの濃
度変化を検出することができる。このため、このガス検
出装置を用いて自動車の外気導入制御や車室内の空気清
浄機制御などを行えば、自動車の始動からごく短い時間
で、制御を行うことができるようになる。
【0019】あるいは、前記いずれかに記載のガス検出
装置であって、前記ガスセンサ素子は、前記特定ガスの
濃度の上昇に応じて前記センサ抵抗値が低下する特性を
有し、前記始動時電力供給手段における前記始動時電力
の前記所定の経時パターンは、この始動時電力供給手段
による前記始動時電力の供給、及びその後の前記作動時
電力供給手段による前記作動時電力の供給の期間にわた
り、上記特定ガスの濃度変化がないとしたときに、上記
ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が、始動直後の極小点を
過ぎた後に、上昇しつつ一定値に近づく変化を起こさせ
る経時パターンであるガス検出装置とすると良い。
【0020】一般に、当初から一定電圧(一定電力)で
ガスセンサ素子の加熱を始めると、始動時には大きかっ
たセンサ抵抗値が一旦低下して極小値となり、その後徐
々に上昇して、ほぼ一定値となる。しかし、作動時電力
よりも大きい始動時電力を当初に与える場合には、始動
時電力の与え方、つまり始動時電力の経時パターンによ
っては、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値が、始動直後の
極小値を過ぎた後に、上昇して極大値を迎え、その後、
徐々に低下しながら一定値に近づくように変化すること
もある。しかし、ガスセンサ素子の中には、特定ガスの
濃度が上昇するとセンサ抵抗値が低下する特性を持つも
のがある。このような特性を持つガスセンサ素子につい
て、上述のように、センサ抵抗値が一旦極大値を迎え、
その後、徐々に低下しながら一定値に近づくような始動
時電力の経時パターンとすると、センサ抵抗値が徐々に
低下しているために、特定ガスの濃度が上昇していると
誤検知する危険性がある。
【0021】これに対し、本発明のガス検出装置では、
このような特定ガスの濃度の上昇に応じてセンサ抵抗値
が低下する特性のガスセンサ素子を用いる場合に、始動
時電力の所定の経時パターンを、センサ抵抗値が始動直
後の極小値を過ぎた後に、上昇しつつ一定値に近づく変
化を起こさせる経時パターンとする。これにより、この
ガスセンサ素子について、特定ガスの濃度が上昇してい
るという誤検知を起こすことが無くなる。
【0022】さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に
応じてセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子、及びこ
のガスセンサ素子を加熱するヒータを有するガス検出装
置であって、上記ヒータに電力を供給する電源の電源電
圧を検出する電源電圧検出回路と、上記ヒータと上記電
源との間に介在して、上記ヒータと電源との回路を開閉
するスイッチング手段と、上記ガス検出装置の作動期間
中、上記ヒータに一定の作動時電力を供給するように、
検出した上記電源電圧に基づいて上記スイッチング手段
の開閉の作動時デューティ比を制御する作動時デューテ
ィ比制御手段と、上記ガス検出装置の始動後所定期間に
わたり、上記作動時デューティ比制御手段に代えて、上
記ヒータに上記作動時電力よりも大きい始動時電力を所
定の経時パターンで供給するように、検出した上記電源
電圧に基づいて上記スイッチング手段の開閉の始動時デ
ューティ比を制御する始動時デューティ比制御手段と、
を備えるガス検出装置である。
【0023】本発明のガス検出装置では、電源電圧検出
回路で電源の電源電圧を検出する。また、ヒータと電源
との回路を開閉するスイッチング手段を有する。ここ
で、作動期間中は、作動時デューティ比制御によって、
ヒータには一定の作動時電力を供給するように作動時デ
ューティ比を制御するので、電源電圧が変動したとして
もこれに拘わらず、一定条件でガスセンサ素子を加熱す
ることができる。さらに、始動時には、始動時デューテ
ィ比制御手段によって、ヒータには所定の経時パターン
で始動時電力を供給するように始動時デューティ比を制
御するので、電源電圧が変動したとしてもこれに拘わら
ず、始動時にも所定の経時パターンでガスセンサ素子を
加熱することができる。
【0024】しかも、始動時には、作動時電力よりも大
きい始動時電力が供給される。当初から一定の作動時電
力を与え続けるよりも、始動時には作動時電力より大き
な始動時電力を与えると、早くガスセンサ素子のセンサ
抵抗値が安定になることが判っている。従って、このよ
うにすることで、早くガスセンサ素子のセンサ抵抗値を
安定させ、より早期に特定ガスの検知ができるようにな
る。
【0025】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
始動時デューティ比制御手段における前記始動時電力の
前記所定の経時パターンは、前記ヒータのヒータ温度
が、前記作動時電力の供給によって略一定の安定な温度
となる安定時ヒータ温度よりも、一時的に高くなる期間
を生じさせる経時パターンであるガス検出装置とするの
が好ましい。
【0026】このガス検出装置では、安定時ヒータ温度
よりもヒータ温度が一時的に高くなる期間が生じるよう
に、始動時電力の経時パターンを調整している。ガスセ
ンサ素子の素子温度は、ヒータ温度の挙動とほぼ相似の
挙動となるから、ガスセンサ素子の素子温度も、作動時
の安定時素子温度を一時的に超える。前記したように、
ガスセンサ素子に吸着・付着していたガスや水分は、ガ
スセンサ素子の素子温度が高くなると加速度的に解離や
蒸発が進行する。このため、安定時ヒータ温度及び安定
時素子温度となるまでに、一旦高いヒータ温度及び素子
温度を経由したガスセンサ素子は、そうでないガスセン
サ素子に比して、吸着・付着しているガスや水分の量を
大きく減少させることができる。従って、結果としてセ
ンサ抵抗値を早期に安定化させうる。
【0027】あるいは、前記ガス検出装置であって、前
記始動時デューティ比制御手段における前記始動時電力
の前記所定の経時パターンが、上記始動時電力の供給に
より、前記ヒータのヒータ温度が前記作動時電力の供給
によって略一定の安定な温度となる安定時ヒータ温度よ
りも高くなる時点よりも、後まで継続するガス検出装置
とするのが好ましい。
【0028】本発明のガス検出装置では、ヒータ温度が
安定時ヒータ温度よりも高くなる時点よりも後まで、作
動時電力よりも大きな始動時電力を供給する経時パター
ンが継続する。従って、ヒータ温度が安定時ヒータ温度
よりも高くなる期間が確実に生じる。このため、ヒータ
温度の挙動とほぼ相似の挙動となるガスセンサ素子の素
子温度も、作動時の安定時素子温度を一時的に超える。
上述したように、ガスセンサ素子に吸着・付着していた
ガスや水分は、ガスセンサ素子の素子温度が高くなると
加速度的に解離や蒸発が進行する。このため、安定時ヒ
ータ温度及び安定時素子温度となるまでに、一旦高い温
度を経由したガスセンサ素子では、相対的に、吸着・付
着しているガスや水分の量を大きく減少させることがで
きる。従って、結果として、センサ抵抗値を早期に安定
化しうる。
【0029】さらに、上記ガス検出装置であって、前記
始動時デューティ比制御手段における前記始動時電力の
前記所定の経時パターンは、前記ガスセンサ素子の素子
温度が、前記作動時電力の供給によって略一定の安定な
温度となる安定時素子温度よりも、一時的に高くなる期
間を生じさせる経時パターンであるガス検出装置とする
のが好ましい。
【0030】このガス検出装置では、安定時素子温度よ
りも素子温度が一時的に高くなる期間が生じるように、
始動時電力の経時パターンを調整している。前記したよ
うに、ガスセンサ素子に吸着・付着していたガスや水分
は、ガスセンサ素子の素子温度が高くなると加速度的に
解離や蒸発が進行する。このため、安定時素子温度とな
るまでに、一旦高い素子温度を経由したガスセンサ素子
は、そうでないガスセンサ素子に比して、吸着・付着し
ているガスや水分の量を大きく減少させることができ
る。従って、結果としてセンサ抵抗値を早期に安定化さ
せうる。
【0031】あるいは、前記ガス検出装置であって、前
記始動時デューティ比制御手段における前記始動時電力
の前記所定の経時パターンが、上記始動時電力の供給に
より、前記ガスセンサ素子の素子温度が前記作動時電力
の供給によって略一定の安定な温度となる安定時素子温
度よりも高くなる時点よりも、後まで継続するガス検出
装置とするのが好ましい。
【0032】本発明のガス検出装置では、素子温度が安
定時素子温度よりも高くなる時点よりも後まで、作動時
電力よりも大きな始動時電力を供給する経時パターンが
継続する。従って、ガスセンサ素子の素子温度が、作動
時の安定時素子温度を一時的に超える。上述したよう
に、ガスセンサ素子に吸着・付着していたガスや水分
は、ガスセンサ素子の素子温度が高くなると加速度的に
解離や蒸発が進行する。このため、安定時素子温度とな
るまでに、一旦高い温度を経由したガスセンサ素子で
は、相対的に、吸着・付着しているガスや水分の量を大
きく減少させることができる。従って、結果として、セ
ンサ抵抗値を早期に安定化しうる。
【0033】さらに、前記ガス検出装置であって、前記
電源電圧検出回路で検出した電源電圧をVB、前記電源
が取りうる最も低い電源電圧値をVBLとしたとき、前
記作動時デューティ比制御手段は、前記作動時デューテ
ィ比DDを、下記式(1)によって与え、 DD=M2/VB2 (1) 但し、Mは、M<VBLである定数、前記始動時デュー
ティ比制御手段は、前記始動時デューティ比DSを、下
記式(2)によって与える DS=L2/VB2 (2) 但し、Lは、M<L<VBLである定数 ガス検出装置とすると良い。
【0034】本発明のガス検出装置では、作動時デュー
ティ比DD及び始動時デューティ比DSを、上記式
(1)及び(2)で与えるので、現在の電源電圧VBが
電源が取りうる最も低い電源電圧値VBLより高い場合
には、デューティー比が1(=100%)以下になるか
ら確実に制御することが出来る。なお、電源電圧VBが
VBLを下回った場合には、正常な範囲を下回っている
のであるから、電源に何らかの異常が生じていると考え
られる。
【0035】あるいは、前記ガス検出装置であって、前
記電源電圧検出回路で検出した電源電圧をVB、前記電
源が取りうる最も低い電源電圧値をVBLとしたとき、
前記作動時デューティ比制御手段は、前記作動時デュー
ティ比DDを、下記式(1)によって与え、 DD=M2/VB2 (1) 但し、Mは、M<VBLである定数、 前記始動時デューティ比制御手段は、前記始動時デュー
ティ比のうち、始動時から第1所定時までの第1始動時
デューティ比DS1を、下記式(3)によって与え、 DS1=L2/VB2 (3) 但し、Lは、M<L<VBLである定数 第1所定時後、前記所定期間経過までの第2始動時デュ
ーティ比DS2を、上記第1始動時デューティ比DS1
から、作動時デューティ比DDに徐々に近づけるように
変化させて与えるガス検出装置とすると良い。
【0036】本発明のガス検出装置では、作動時デュー
ティ比DD及び第1始動時デューティ比DS1を、上記
式(1)及び(3)で与えるので、現在の電源電圧VB
が電源が取りうる最も低い電源電圧値VBLより高い場
合には、デューティー比DD、DS1,DS2のいずれ
もが1(=100%)以下になるから確実に制御するこ
とが出来る。しかも、第1所定時後、前記所定期間経過
までの第2始動時デューティ比DS2を、第1始動時デ
ューティ比DS1から、作動時デューティ比DDに徐々
に近づけるように変化させる。つまり、始動時デューテ
ィ比制御手段は、ガス検出装置の始動後所定期間のう
ち、少なくとも終期において、始動時デューティ比を、
作動時デューティ比に徐々に近づけるように変化させ
る。このため、デューティ比が、始動して所定時間経過
した前後で急変しないので、ヒータにヒートショックが
かかりにくく、ヒータの寿命の短縮化を防止できる。
【0037】さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に
応じてセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子、及びこ
のガスセンサ素子を加熱するヒータを有するガス検出装
置であって、ヒータに電力を供給する電源の電源電圧を
検出する電源電圧検出回路と、上記ガス検出装置の作動
期間中、検出した上記電源電圧に基づいて上記ヒータに
供給する電力を制御するヒータ加熱手段であって、上記
ガス検出装置の起動後、上記ヒータのヒータ温度を、一
時的に高いヒータ温度の期間を経由してから、これより
の低いヒータ温度に安定させるヒータ加熱手段と、を有
するガス検知装置である。
【0038】本発明のガス検出装置では、検出した電源
電圧に基づいてヒータに供給する電力を制御しつつ、ヒ
ータ温度を、一時的に高い期間を経由して、これより低
いヒータ温度に安定させるヒータ加熱手段を有する。ガ
スセンサ素子の素子温度は、ヒータ温度の挙動とほぼ相
似の挙動を示すから、このヒータ加熱手段によれば、素
子温度についても、一時的に高い素子温度の期間を経由
してから安定な素子温度となる。前記したように、ガス
センサ素子に吸着・付着していたガスや水分は、ガスセ
ンサ素子の素子温度が高くなると加速度的に解離や蒸発
が進行する。従って、最終的には同じヒータ温度及び素
子温度となったとしても、それまでに一旦高いヒータ温
度及び素子温度を経由したガスセンサ素子は、そのよう
な高い温度を経由していないガスセンサ素子に比して、
吸着・付着しているガスや水分の量を大きく減少させる
ことができる。このため、本発明のガス検知装置のよう
にヒータ温度を一時的に高い温度にしてから低い温度に
安定させることによって、結果としてセンサ抵抗値を早
期に安定にすることができる。
【0039】さらには、特定ガスの濃度に応じてセンサ
抵抗値が変化するガスセンサ素子、及びこのガスセンサ
素子を加熱するヒータを有するガス検出装置であって、
ヒータに電力を供給する電源の電源電圧を検出する電源
電圧検出回路と、上記ガス検出装置の作動期間中、検出
した上記電源電圧に基づいて上記ヒータに供給する電力
を制御するヒータ加熱手段であって、上記ガス検出装置
の起動後、上記ガスセンサ素子の素子温度を、一時的に
高い素子温度の期間を経由してから、これよりも低い素
子温度に安定させるヒータ加熱手段と、を有するガス検
知装置とするのが好ましい。
【0040】本発明のガス検出装置では、検出した電源
電圧に基づいてヒータに供給する電力を制御しつつ、素
子温度を、一時的に高い期間を経由して低い温度に安定
させるヒータ加熱手段を有する。前記したように、ガス
センサ素子に吸着・付着していたガスや水分は、ガスセ
ンサ素子の素子温度が高くなると加速度的に解離や蒸発
が進行する。従って、最終的には同じ素子温度となった
としても、それまでに一旦高い素子温度を経由したガス
センサ素子は、そのような高い温度を経由していないガ
スセンサ素子に比して、吸着・付着しているガスや水分
の量を大きく減少させることができる。このため、本発
明のガス検知装置のように素子温度を一時的に高い温度
にしてから低い温度に安定させることによって、結果と
してセンサ抵抗値を早期に安定にすることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本発明の第1の実
施形態にかかるガス検出装置及び車両用外気導入制御シ
ステムを、図1〜図11を参照して説明する。図1に示
すように、本実施形態のガス検出装置に使用するガスセ
ンサ素子2,3及びヒータ4は、単一のセラミック基板
1に形成されて一体型ガスセンサ素子10を構成してい
る。このうち、還元性ガス用ガスセンサ素子(以下、単
にG素子ともいう)2は、SnO2を主成分とする酸化
物半導体から成る抵抗体であり、主としてCO,HC
(ハイドロカーボン)などの還元性ガスに反応する性質
を有する。一方、酸化性ガス用ガスセンサ素子(以下、
単にD素子ともいう)3は、WO 3を主成分とする酸化
物半導体から成る抵抗体であり、主としてNOxなどの
酸化性ガスに反応する性質を有する。これらは、常温で
はガスに反応せず、ヒータ4で約200〜400℃程度
に加熱することで、それぞれ還元性ガスあるいは酸化性
ガスに反応できる活性状態となる。ヒータ4は、セラミ
ック基板1に形成された抵抗配線によって構成されてお
り、所定の電圧を印加することで、G素子およびD素子
が活性状態となる温度まで加熱されるように抵抗値など
の特性が選択されている。
【0042】G素子2は、活性状態において、還元性ガ
スの濃度が上昇すると、そのセンサ抵抗値Rgが低下す
る方向に変化する。このため、G素子2のセンサ抵抗値
Rgの変化によって、還元性ガスの濃度変化を検知する
ことができる。一方、D素子3は、活性状態において、
酸化性ガスの濃度が上昇すると、そのセンサ抵抗値Rd
が上昇する方向に変化する。このため、D素子3のセン
サ抵抗値Rdの変化によって、酸化性ガスの濃度変化を
検知することができる。
【0043】ところで、ヒータ4で加熱を開始してか
ら、G素子2及びD素子3が活性化し、そのセンサ抵抗
値Rg,Rdが安定して還元性や酸化性のガスの濃度に
応じた抵抗変化を示すことができるようになるまでに
は、時間が掛かる。この始動時の特性変化を測定するべ
く、以下のようにしてD素子2及びG素子3の特性を測
定した。即ち、図2(a)に示すように、G素子2と抵
抗値Raを有する抵抗11とでVs=5Vの電圧を抵抗
分割し、バッファ12を通してG素子2にかかる電圧
(以下、単にG素子電圧ともいう)Vgを測定する。同
じく、図2(b)に示すように、D素子3と抵抗値Rb
を有する抵抗13とでVs=5Vの電圧を抵抗分割し、
バッファ14を通してD素子3にかかる電圧(以下、単
にD素子電圧ともいう)Vdを測定する。さらに、図2
(c)に示すように、電圧可変の直流電源15をスイッ
チ16を介してヒータ4に接続する。
【0044】この状態で、直流電源15の電圧EをE=
5Vとして、スイッチ16を閉じ、ヒータ4に電圧を印
加する。すると、ヒータ4にはその抵抗値に応じた電力
が投入される。なお、以下では、ヒータに投入される電
力を比較可能とするため、ヒータに印加される電圧で電
力を表現することとし、ヒータ4にDC5Vを印加した
ときに投入される電力を5V電力と表現することにす
る。また、以下の測定はいずれも、還元性ガス及び酸化
性ガスの濃度変化のない状態、さらに言えば、CO,H
C,NOxなどの無い清浄環境下で、かつ環境温度20
℃、相対湿度35%RHの一定条件下で測定した。
【0045】時間=0以降ヒータ4に電圧が印加される
と、ヒータ4が加熱され、それと共にG素子2及びD素
子3が加熱され、G素子電圧Vg及びD素子電圧Vd
は、図3のグラフに示すように変化する。即ち、G素子
2,D素子3とも、冷えた状態(加熱当初)はほぼ絶縁
体に近い状態であり、従って、加熱当初は、G素子電圧
Vg、D素子電圧Vd共に、ほぼ5Vに近い高い値とな
る。なお、図3のグラフでは、加熱当初約3.8V一定
となっているのは、バッファ12,14の最大出力値が
3.8Vであるためである。
【0046】その後、G素子2,D素子3とも、センサ
抵抗値Rg,Rdが急速に低下し、図3のグラフでは時
間10秒付近で極小値が得られる。その後、G素子2,
D素子3とも、センサ抵抗値Rg,Rdが徐々に増加
し、次第に一定値に近づく。この図3のグラフから判る
ように、当初から直流電圧E=5Vを印加して5V電力
を供給し続けると、G素子2及びD素子3とも、G素子
電圧VgやD素子電圧Vd(抵抗値RgやRd)が安定
するまでに、180秒以上の時間が掛かることが判る。
従って、このようにしてG素子やD素子を活性化させる
と、ヒータ4の加熱開始から数分程度の期間に還元性ガ
スや酸化性ガスの濃度変化が生じても精度の良い検知が
困難であることが判る。
【0047】そこで、早期にG素子やD素子の抵抗値R
g,Rdを安定化させるため、加熱当初に、通常の作動
時よりも大きな電力を投入するようにする。具体的に
は、図4のグラフに示すように、ヒータ4の加熱当初か
ら20秒間だけ、直流電源115の電圧をE=7Vにし
て、この期間だけ7V電力を投入するようにする。する
と、図4のグラフに示すように、G素子電圧VgやD素
子電圧Vd(抵抗値RgdやRd)が早く安定し、G素
子2は40秒程度、D素子3は60秒程度でほぼ安定さ
せ得ることが判る。
【0048】但し、G素子2については、図5に示すよ
うに、加熱当初に過剰な電力(例えば、9V電力×30
sec)を投入すると、その後(30秒経過後)に一定
電圧(例えばE=5V)で電力を投入しているにも拘わ
らず、G素子電圧Vg(抵抗値Rg)が、一旦極大値
(図5では40秒前後に現れる極大値)を取った後、徐
々に低下しながら安定する傾向がある。この場合にも、
比較的短時間(図5では120秒程度)で安定するの
で、図3に示す一定電圧(例えばE=5V)で電力を供
給し続ける場合に比較すると早い。しかし、G素子2
は、前述したように、還元性ガスの濃度が上昇すると抵
抗値Rgが低下する性質を有する。このため、十分安定
する以前にガス検知を行うと、抵抗値Rgの低下をCO
などの還元性ガスの増加と誤検知する危険性がある。
【0049】かかる知見に基づいて、G素子2、D素子
3、ヒータ4を用いたガス検出装置150、及びこれに
よって開閉制御される自動車車室内への外気導入用フラ
ップの駆動回路を構成して外気導入用フラップを制御す
る外気導入制御システム100を図6,図7に示す。即
ち、本制御システム100のうち、ガス検出装置150
は、マイクロコンピュータ101、及び、G素子2のセ
ンサ抵抗値Rgの変化に応じた電圧を出力するG素子回
路110、D素子3のセンサ抵抗値Rdの変化に応じた
電圧を出力するD素子回路120、G素子2,D素子3
を加熱するヒータ4を制御するヒータ制御回路130、
マイクロコンピュータ101、G素子回路110、及び
D素子回路120に駆動電圧Vcc(=5V)を供給す
るレギュレータ回路140を備える。
【0050】さらに、マイクロコンピュータ101の出
力端子(OUT)106は、電子制御アセンブリ160
と接続している。この電子制御アセンブリ160は、本
実施形態では、自動車室内につながるダクト171に二
股状に接続された、内気を取り入れ循環させる内気取り
入れ用ダクト172と外気を取り入れる外気取り入れ用
ダクト173とを切り替えるフラップ174を制御する
ものである。即ち、出力端子106からのアセンブリ制
御信号、具体的にはフラップ開閉信号Sfに従って、フ
ラップ制御回路161が駆動され、アクチュエータ16
2が動作して、フラップ174が回動して内気取り入れ
用ダクト172及び外気取り入れ用ダクト173のいず
れかをダクト171に接続する。ダクト171内には、
空気を室内に圧送するファン175が設置されている。
例えば、図7において実線で示すように、フラップ17
4が外気取り入れ用ダクト173を塞ぐことで、外気の
室内への進入が阻止され、ダクト171は内気取り入れ
用ダクト172と連通して内気循環状態となる。逆に、
破線で示すように、フラップ174が内気取り入れ用ダ
クト172を塞ぐと、ダクト171は外気取り入れ用ダ
クト173と連通して外気が室内へ取り入れられる。
【0051】マイクロコンピュータ101は、詳細は図
示しないが、公知の構成を有し、演算を行うマイクロプ
ロセッサ、プログラムやデータを一時記憶しておくRA
M、プログラムやデータを保持するROM、第1,第
2,第3AD変換入力端子(AD1,AD2,AD3)
102,103,104をそれぞれ有する3つの8bi
tA/D変換回路をも含む。またPWM端子105から
はPWM信号を出力することができる。また、レギュレ
ータ回路140は、レギュレータ141によって、バッ
テリ電圧VBの変動に拘わらず、常に電圧Vcc=5V
を発生し、供給する。マイクロコンピュータ101に
は、Vcc端子107を通じて電圧Vccが供給され
る。
【0052】また、G素子回路110は、G素子2と抵
抗値Raの抵抗111とでVcc(=5V)を抵抗分圧
する回路であり、センサ抵抗値Rgに応じてこの分圧点
である動作点PgのG素子電圧Vgが変化する。具体的
には、CO,HCなどの還元性ガスの濃度が上昇する
と、動作点PgのG素子電圧Vgが低下するように変化
する。このG素子電圧Vgは、マイクロコンピュータ1
01の第1AD変換入力端子(AD1)102に入力さ
れる。同様に、D素子回路120は、D素子3と抵抗値
Rbの抵抗121とでVcc(=5V)を抵抗分圧する
回路であり、センサ抵抗値Rdに応じてこの分圧点であ
る動作点PdのD素子電圧Vdが変化する。具体的に
は、NOxなどの酸化性ガスの濃度が上昇すると、動作
点PdのD素子電圧Vdが上昇するように変化する。こ
のD素子電圧Vdは、マイクロコンピュータ101の第
2AD変換入力端子(AD2)103に入力される。第
1,第2AD変換入力端子102,103に入力された
G素子電圧Vg及びD素子電圧Vdの変化に応じて、マ
イクロコンピュータ101で公知の手法により、還元性
ガスや酸化性ガスの濃度変化を検知する。その結果に基
づき、マイクロコンピュータ101の出力端子106を
通じて、フラップ制御回路161及びアクチュエータ1
62が駆動され、ダクト171内のフラップ174を開
閉する。
【0053】さらに、ヒータ4については、ヒータ制御
回路130で通電を制御する。自動車においてガスセン
サ素子を用いる場合には、ヒータ4に電力を供給するに
あたり、車載バッテリBTから電源を得る必要がある。
ところで、この車載バッテリ4は、上述した実験などで
使用した直流電源15などと異なり、そのバッテリ電圧
VBが時間とともに変動する。例えば、自動車の始動時
には、スタータ等を起動するため、大量の電流を消費す
るので、バッテリ電圧VBは低くなる。バッテリー容量
にもよるが、一般に12V定格の鉛蓄電池タイプのバッ
テリBTで、正常な変動範囲がVB=9〜16V程度と
見込まれる。
【0054】そこで、マイクロコンピュータ101など
を含め、レギュレータ回路140からヒータ4に常に一
定の電圧Vccを印加することも考えられる。しかし、
マイクロコンピュータ101などに加えて、大きな電力
を消費するヒータ4にレギュレータ回路140から電力
を供給することとした場合には、レギュレータ141を
大型のものとする必要があり、コストアップとなる。
【0055】これに対し本実施形態では、図6に示すヒ
ータ制御回路130を用いてヒータ4をPWM制御によ
り電力制御する。まず、バッテリ電圧VBをマイクロコ
ンピュータ101の第3AD変換入力端子(AD3)1
04に入力して検出する。具体的には、入力電圧レベル
を5V以下に調整するため、抵抗131,132でバッ
テリ電圧VBを1/4に分割した分割バッテリ電圧VE
を第3AD変換入力端子104に入力し、A/D変換し
て分割バッテリ電圧VEを計測する。一方、PWM端子
105からは、分割バッテリ電圧VE、及びヒータ4に
投入する電力パターンに応じたデューティ比(t1/T
=t1/(t1+t2):Tは周期)を有するヒータ制
御用のパルス信号Shが出力される。パルス信号Sh
は、抵抗134を通じてトランジスタ135のベースに
入力され、トランジスタ135をオンオフさせる。なお
抵抗136はバイアス抵抗である。これにより、抵抗1
37,138に接続するPチャンネルMOSFET13
3のゲート電位が変化し、MOSFET133も同様に
オンオフする。従って、ヒータ4には、スイッチとして
働くMOSFET133を介してデューティ比(t1/
T)のパルス電圧及びパルス電力が印加、供給される。
このようにすると、レギュレータ141に小型で安価な
ものを用いることができるから、全体としても安価にで
きる。
【0056】次いで、上記ヒータ4のヒータ制御回路1
30による制御について、図8,図9を参照して説明す
る。エンジンが駆動されると、マイクロコンピュータ1
01が起動し、必要なプログラムがROMから読み込ま
れて、以下のようにヒータ制御回路130が制御され
る。具体的には、PWM端子105からヒータ制御用の
パルス信号Shが出力される。上記したように、バッテ
リBTのバッテリ電圧VBは変動する。しかし、バッテ
リBTが正常である場合には、バッテリ電圧はVB=9
〜16Vの範囲内にあり、従って、最も低いバッテリ電
圧VBL=9Vを下回ることはないと考えられる。一
方、デューティ比は100%を越える値を取り得ない。
そこで、ヒータ4の加熱において、このVBL=9Vよ
りも低い直流電圧値、具体的にはL=DC7V、あるい
はM=DC5Vで通電し続けたのに相当する電力をヒー
タ4に供給するのであれば、デューティ比が100%以
下の範囲で制御できることになる。そこで、以下では、
始動後20秒間は7V電力を供給し、その後5V電力を
供給し続けるパターンでヒータ4を制御する。これは、
図4を参照して説明した電力パターンと同じものであ
る。
【0057】そこでまず、図8に示すように、ステップ
S1で初期値を設定する。タイマ変数を初期化し(TI
ME=0)、7V電力供給の際の始動時デューティ比D
Sを算出するための初期値LL=49(=L2=72)、
5V電力供給の際の作動時デューティ比DDを算出する
ための初期値MM=25(=M2=52)を設定する。電
圧に対し電力は電圧の2乗の関係を有するからである。
【0058】次いで、ステップS2で、第3AD変換入
力端子104を通じて、分割バッテリ電圧VE(=VB
/4)を取得する。ステップS3で分割バッテリ電圧V
Eが所定の範囲2.25V≦VE≦4.0V(つまり、
9V≦VB≦16V)の範囲にあるか否かを判断する。
この範囲外である場合(No)には、バッテリ電圧VB
が異常であるとしてステップS8に進み、故障であるこ
とを出力をし、再びステップS2に戻る。
【0059】一方、上記範囲内である場合(Yes)に
は、ステップS4に進み、始動時デューティ比DSを、
DS=LL/16VE2(=LL/VB2)によって求め
る。例えば、VB=12Vであった場合には、VE=1
2/4=3となり、DS=49/(16×32)=0.
34(=34%)が得られる。その後、ステップS5に
おいて、得られた始動時デューティ比DS(例えば0.
34)に従うパルス信号ShをPWM端子105から出
力し、ヒータ制御回路130を用いてヒータ4を始動時
デューティ比DSでパルス駆動する。なお、パルス信号
Shの周波数fshは、15Hz(周期T=0.067
sec)とした。このようにしてバッテリ電圧VBに応
じた始動時デューティ比DSでヒータ4をパルス駆動す
るので、ヒータ4には、DC7Vを印加したのと同様の
電力(7V電力)が投入される。
【0060】その後、ステップS6でサイクルタイムで
ある0.4秒の経過を待ち、ステップS7でタイマ変数
TIME≧20秒であるか否か、つまり始動時から20
秒経過したか否かを判断し、経過前の場合(No)に
は、ステップS2に戻る。一方、20秒経過した場合
(Yes)には、ステップS9に進む(図9参照)。2
0秒経過により始動時の7V電力の投入が終了する。
【0061】ステップS9では、ステップS2と同様に
第3AD変換入力端子104を通じて、分割バッテリ電
圧VE(=VB/4)を取得する。次いで、ステップS
10で、ステップS3と同じく、分割バッテリ電圧VE
が所定の範囲2.25V≦VE≦4.0V(つまり、9
V≦VB≦16V)の範囲にあるか否かを判断する。こ
の範囲外である場合(No)には、バッテリ電圧VBの
異常としてステップS14に進み、故障であることを出
力をし、再びステップS9に戻る。
【0062】一方、上記範囲内である場合(Yes)に
は、ステップS11に進み、作動時デューティ比DD
を、DD=MM/16VE2(=MM/VB2)によって
求める。例えば、VB=12Vであった場合には、VE
=12/4=3となり、DD=25/(16×32)=
0.17(=17%)が得られる。その後、ステップS
12において、得られた作動時デューティ比DD(例え
ば0.17)に従うパルス信号ShをPWM端子105
から出力し、ヒータ制御回路130を用いてヒータ4を
作動時デューティ比DDでパルス駆動する。このように
してバッテリ電圧VBに応じた作動時デューティ比DD
でヒータ4をパルス駆動するので、ヒータ4には、DC
5Vを印加したのと同様の電力(5V電力)が投入され
る。その後、ステップS13でサイクルタイムである
0.4秒の経過を待ちステップS10に戻る。従って、
これ以降、ヒータ4は自動車(エンジン)の運転を停止
し、マイクロコンピュータ101の駆動が停止するま
で、DC5Vを印加したのと同様の電力(5V電力)が
投入され続ける。
【0063】このようにヒータ4を制御したので、ヒー
タ4によって加熱されたG素子2及びD素子3は、図4
に示したDC7Vを20秒印加後、DC5Vを印加した
場合と同様の挙動を示し、40〜60秒程度の早い時間
でG素子電圧Vg、D素子電圧Vd、あるいは抵抗値R
g,Rdが安定する。従って、自動車を始動させてから
60秒程度の早い時期から、このガス検出装置150を
用いれば、還元性ガスや酸化性ガスの濃度変化を確実に
検知することができるようになり、適切にフラップ17
4を開閉できるようになる。しかも、このような経時パ
ターンでヒータ4に電力を投入することで、G素子2の
センサ抵抗値Rg(G素子電圧Vg)は、始動直後の極
小点を過ぎた後に、上昇しつつ一定値に近づくように変
化するので、ガス検知開始後に、センサ抵抗値Rgの変
化を還元性ガスの濃度が上昇しているためと誤検知をす
る危険性がない。
【0064】さらに、ヒータ4に電力を供給した場合
の、ヒータ4の温度変化について、図10,図11を参
照して説明する。まず、始動から一定の5V電力をヒー
タ4に投入した場合について説明する。この場合、ガス
センサ素子2,3のG素子電圧Vg、D素子電圧Vd
(センサ抵抗値Rg,Rd)は、図3に示すように変化
し、安定化までに時間を要する。一方、ヒータ4の表面
温度(ヒータ温度)は、図10,図11中に破線で示す
ように、時間=0で速やかに立ち上がり、時間=約15
秒程度で飽和し、それ以降は約285℃で安定するよう
に変化する。
【0065】これに対し、本実施系形態1のように、当
初は7V電力を20秒投入し、その後、一定の5V電力
を投入すると、ガスセンサ素子2,3のセンサ抵抗値R
g,Rdは、図4に示すように変化し、早期に安定化す
る。また、ヒータ4の表面温度は、温度が安定した以降
は、上述の5V電力一定(破線)の場合と同様な約28
5℃(安定時ヒータ温度)で安定するが、それに至るま
での経路が異なる。具体的には、図10,図11中に実
線で示すように、5V電力一定(破線)の場合に比し
て、温度の立ち上がりが急峻になり、時間=約15秒程
度で、約360℃の温度で一旦飽和する。その後、投入
電力が5V電力に減少するので、時間=20秒以降、温
度が低下し、時間=約25秒で約285℃に安定する。
従って、20秒間だけ5V電力に代えて、7V電力を投
入したことにより、ヒータ4の表面温度の温度パターン
が、破線より図中上側にずれて実線で示すヒータ温度パ
ターンとなったと考えられる。また、実線と破線との間
に囲まれた部分を生じさせる熱量によって、図3に示す
G素子電圧VgやD素子電圧Vd(センサ抵抗値Rg,
Rd)の挙動に対し、図4に示すG素子電圧Vg等の挙
動に違いが生じ、ガスセンサ素子2,3の早期安定化が
可能となったと考えられる。
【0066】なお、ヒータ4はガスセンサ素子2,3を
加熱するためのものであり、ガスセンサ素子2,3に近
接して配置されることから、ガスセンサ素子2,3の素
子温度は、ヒータ4のヒータ温度に比してその値が若干
低くなるものの、システム起動後の素子温度の挙動は、
ヒータ温度の挙動とほぼ相似のパターンとなる。特に、
本実施形態ではヒータ4とガスセンサ素子3,4とが1
つのセラミック基板1に形成されているので、素子温度
とヒータ温度の挙動が特に良く似たパターンとなる。例
えば、一定の5V電力を投入した場合、図10,図11
に破線で示したのと同じく、図12に破線で示すよう
に、ヒータ温度は、時間=0で立ち上がり、時間=約1
5秒で飽和し、それ以降は約285℃で安定する。これ
に対し、G素子2の表面温度(素子温度)は、図12に
細い実線で示すように、ヒータ温度とほぼ相似の挙動を
示す。即ち、同じく時間=0で立ち上がり、時間=約1
5秒で飽和し、以降は約270℃で安定する。また、D
素子3の表面温度(素子温度)も、図12に太い実線で
示すように、ヒータ温度とほぼ相似の挙動を示す。即
ち、同じく時間=0で立ち上がり、時間=約15秒で飽
和し、以降は約260℃で安定する。
【0067】なお、図10には、ヒータ4のヒータ温度
(具体的には表面温度)のみを示し、ガスセンサ素子
2,3の素子温度は示さなかった。しかし、上述の7V
電力一定×20秒、その後5V電力一定というパターン
で電力を供給すると、ガスセンサ素子(G素子)2の素
子温度は、図10に実線で示すヒータ温度の挙動とほぼ
相似のパターンの挙動を示し、最高温度約345℃とな
った後に約270℃で安定した。また、ガスセンサ素子
(D素子)3の素子温度も、図10に実線で示すヒータ
温度の挙動とほぼ相似のパターンの挙動を示し、最高温
度約335℃となった後に約260℃で安定した。そこ
で、本実施形態及び後記する他の実施形態において、温
度変化のパターンについては、ガスセンサ素子2,3の
素子温度も含めて、ヒータ4の表面温度(ヒータ温度)
で代表させて示すこととする。ヒータ4の表面温度は、
サーモグラフィ(AVIO社製、コンパクトサーモTV
S−2000MKII)を用いて測定した。
【0068】さらに、ヒータ温度とセンサ抵抗値の安定
化までの時間との関係について、考察する。図11にお
いて、破線と実線とで囲まれた部分のうち、安定時ヒー
タ温度(約285℃)よりも下方に位置する部分(領域
1)に相当する熱量ついては、ヒータ4さらにはガスセ
ンサ素子2,3の温度をより速やかに高めるのに用いら
れたものと理解できる。従って、この部分に相当する熱
量によって、センサ抵抗値の安定化が早められたと考え
られる。
【0069】一方、図11において、破線と実線とで囲
まれた部分のうち、安定時ヒータ温度(約285℃)よ
りも上方に位置する部分(領域2)に相当する熱量つい
ては、ヒータ4やガスセンサ素子2,3の温度をより速
やかに高めるのに用いられたのみならず、下記の作用を
生じさせたものと考えられる。即ち、ガスセンサ素子
2,3には、不使用時つまりヒータ4で加熱されていな
いとき、様々なガスや水分がその表面に吸着・付着して
しまうことがある。特に、長期間にわたって、ガス検出
装置10を使用しない場合などには、置かれた環境によ
っては多くのガスや水分が吸着・付着する。このような
状態で、ヒータ4に通電して昇温させガスセンサ素子
2,3をも昇温させると、ガスや水分が徐々に解離や蒸
発するのである。しかるに、この解離等が緩慢に生じる
ことが、ガスセンサ素子2,3のセンサ抵抗値Rg,R
dの安定までに長時間を要する要因の1つであると考え
られる。
【0070】これに対し、ガスセンサ素子2,3の温度
を高くすると、吸着・付着していたガスや水分の解離や
蒸発が加速度的に進行する。つまり、図11における領
域2のように、一時的にではあるが、安定時ヒータ温度
を超えて、これよりも高いヒータ温度とするヒータ温度
パターンを採用することにより、さらに言えば、一時的
にではあるが、安定時素子温度を超えて、これよりも高
い素子温度とする素子温度パターンを採用することによ
り、この期間(具体的には、時間=約5〜約25秒の期
間)に、ガスセンサ素子2,3に吸着・付着していたガ
スや水分の多くを集中的に解離・蒸発させることができ
るため、その後に早期にセンサ抵抗値Rg,Rdが安定
化すると考えられる。このように、本実施形態1では、
ヒータ4のヒータ温度が安定時ヒータ温度(本実施形態
1では約285℃)よりも高くなる時点(時間=約5
秒)よりも後まで継続して、具体的には時間=20秒ま
で継続して、ヒータ4に7V電力を投入する。これによ
り、ヒータ4のヒータ温度は、安定時ヒータ温度を一時
的に超える。このようにすることで、ガスセンサ素子に
吸着等していたガスや水分の多くを速やかに放散するこ
とができたため、センサ抵抗値Rg,Rdのより早期安
定化を達成しえたと考えられる。
【0071】また、素子温度について言えば、本実施形
態1では、G素子2やD素子3の素子温度が安定時素子
温度(本実施形態1ではG素子2で約270℃、D素子
3で約260℃)よりも高くなる時点(時間=約5秒)
よりも後まで継続して、具体的には時間=20秒まで継
続して、ヒータ4に7V電力を投入する。これにより、
ガスセンサ素子2,3の素子温度は、それぞれ安定時素
子温度を一時的に超える。このようにすることで、ガス
センサ素子に吸着等していたガスや水分の多くを速やか
に放散することができたため、センサ抵抗値Rg,Rd
のより早期安定化を達成し得たと考えられる。
【0072】なお、本実施形態1と異なり、7V電力を
投入する期間を、ヒータ4の温度が約285℃に達する
よりも短く、具体的には5秒以下とした場合には、ヒー
タ4の温度が約285℃の安定時ヒータ温度を超えるこ
とはなくなる。つまり、領域2は無くなると考えられ
る。但し、5V電力一定とした場合(図3参照)に比べ
れば、領域1が存在する分、安定化までの時間を短くす
ることができる。
【0073】(実施形態2)次いで、本発明の第2の実
施形態にかかるガス検出装置及び車両用外気導入制御シ
ステムについて、図13〜図16を参照して説明する。
上記実施形態1では、ヒータ4の制御にあたり、始動時
デューティ比DSから作動時デューティ比DDに切り替
える際、ステップ状に切り替えたため、ヒータ4に供給
される電力が、始動から20秒経過の前後で7V電力か
ら5V電力に急変する。これに対し本実施形態2では、
ヒータ4に供給する電力の急変を避け、徐々に変化させ
る点で異なるのみであり、ガス検出装置150及びこれ
を含む外気導入制御システム100の構成は同様である
ので、異なる部分を中心に説明する。
【0074】本実施形態2では、第1始動時を経過した
後、所定期間経過までの間に、第2始動時デューティ比
DS2が徐々に変化して、ヒータ4に投入される電力が
急変するのが防止される。まず、始動から第1所定時ま
での期間(本実施形態2では20秒間)、実施形態1と
同様に、ヒータ4に7V電力を供給する。そこでまず、
図13に示すように、ステップS21で初期値を設定す
る。タイマ変数を初期化し(TIME=0)、7V電力
供給の際の第1始動時デューティ比DS1を算出するた
めの初期値LL=49(=L2=72)、5V電力供給の
際の作動時デューティ比DDを算出するための初期値M
M=25(=M2=52)を設定する。
【0075】次いで、ステップS22で、第3AD変換
入力端子104を通じて、分割バッテリ電圧VEを取得
する。ステップS23で分割バッテリ電圧VEが所定の
範囲2.25V≦VE≦4.0V(つまり、9V≦VB
≦16V)の範囲にあるか否かを判断する。この範囲外
のとき(No)は、バッテリ電圧VBの異常としてステ
ップS28に進み、故障であることを出力をし、再びス
テップS22に戻る。
【0076】一方、上記範囲内のとき(Yes)は、ス
テップS24に進み、第1始動時デューティ比DS1
を、DS1=LL/16VE2(=LL/VB2)によっ
て求める。例えば、VB=12Vであった場合には、V
E=12/4=3となり、DS1=49/(16×
2)=0.34が得られる。その後、ステップS25
において、得られた第1始動時デューティ比DS1(例
えば0.34)に従うパルス信号ShをPWM端子10
5から出力し、ヒータ制御回路130を用いてヒータ4
を第1始動時デューティ比DS1でパルス駆動する。こ
のようにしてバッテリ電圧VBに応じた第1始動時デュ
ーティ比DS1でヒータ4をパルス駆動するので、ヒー
タ4には、DC7Vを印加したのと同様の電力(7V電
力)が投入される。
【0077】その後、ステップS26でサイクルタイム
である0.4秒の経過を待ち、ステップS27でタイマ
変数TIME≧20秒であるか否か、つまり始動時から
20秒経過したか否かを判断し、経過前の場合(No)
には、ステップS22に戻る。一方、20秒経過する
(Yes)と、ステップS29に進む(図14参照)。
以上は実施形態1とほぼ同様である。
【0078】その後、ステップS29では、ステップS
22と同様に第3AD変換入力端子104を通じて、分
割バッテリ電圧VE(=VB/4)を取得する。次い
で、ステップS30で、分割バッテリ電圧VEが所定の
範囲2.25V≦VE≦4.0Vの範囲にあるか否かを
判断する。この範囲外である場合(No)には、ステッ
プS35に進み、故障であることを出力をし、再びステ
ップS29に戻る。
【0079】一方、上記範囲内である場合(Yes)に
は、ステップS31に進み、第2始動時デューティ比D
S2を、DS2=LL/16VE2によって求める。但
し、後述するように、ステップS36でこのステップS
36を通る度に初期値LLを漸減させているので、ステ
ップS31で算出される第2始動時デューティ比DS2
は、たとえバッテリ電圧VBが一定の場合でも、ステッ
プS23で算出した第1始動時デューティ比DS1より
も次第に小さくなる。その後、ステップS32におい
て、得られた第2始動時デューティ比DS2に従うパル
ス信号ShをPWM端子105から出力し、ヒータ制御
回路130を用いてヒータ4を第2始動時デューティ比
DS2でパルス駆動する。このようにして第2始動時デ
ューティ比DS2でヒータ4をパルス駆動するので、ヒ
ータ4には、DC7Vを印加したのと同様の電力(7V
電力)から徐々に投入される電力が小さくなる。
【0080】その後、ステップS33で0.4秒の経過
を待ち、ステップS34に進む。ステップS34では、
漸減した初期値LLが初期値MMと比較され、LL>M
M(No)のときには、ステップS36に進む。ステッ
プS36では、初期値LLが、LL=LL−Δの式によ
って漸減処理される。本実施形態では、Δ=2.0とし
た。従って、ステップS36を12回通過すると、つま
り4.8秒(=12×0.4)経過すると、ステップS
34でLL≦MMとなりYesと判断され、ステップS
37に進む(図15参照)。この時点で、第2始動時デ
ューティ比DS2によってヒータ4に与えられる電力
は、後述するステップS39で算出された作動時デュー
ティ比DDによってヒータ4に与えられる電力(5V電
力)と同じあるいはそれ以下となる。
【0081】以降のステップS37以下では、実施形態
1と同様の処理がなされる。即ち、ステップS37で
は、第3AD変換入力端子104を通じて、分割バッテ
リ電圧VEを取得し、ステップS38で、分割バッテリ
電圧VEが2.25V≦VE≦4.0Vの範囲にあるか
否かを判断する。この範囲外のとき(No)は、ステッ
プS42に進み、故障であることを出力をし、再びステ
ップS37に戻る。一方、上記範囲内のとき(Yes)
には、ステップS39に進み、作動時デューティ比DD
を、DD=MM/16VE2によって求める。その後、
ステップS40において、得られた作動時デューティ比
DDに従うパルス信号ShをPWM端子105から出力
し、ヒータ制御回路130を用いてヒータ4を作動時デ
ューティ比DDでパルス駆動する。このようにしてバッ
テリ電圧VBに応じた作動時デューティ比DDでヒータ
4をパルス駆動するので、ヒータ4には、DC5Vを印
加したのと同様の電力(5V電力)が投入される。
【0082】その後、ステップS41で0.4秒の経過
を待ちステップS37に戻る。従って、これ以降、ヒー
タ4は自動車(エンジン)の運転を停止し、マイクロコ
ンピュータ101の駆動が停止するまで、DC5Vを印
加したのと同様の電力(5V電力)が投入され続ける。
【0083】この実施形態2によるヒータ制御では、始
動から20秒経過するまでは、ヒータ4に7V電力を投
入するが、その後約4.8秒間で投入する電力を階段状
に徐々に低下させ、始動から約25秒経過後は、ヒータ
4に5V電力を供給する。図16に上記のようにしてヒ
ータを加熱した場合の、G素子2及びD素子3につい
て、G素子電圧Vg、D素子電圧Vdの変化を示す。こ
のようにしても、G素子電圧Vg、D素子電圧Vdは、
ヒータ4の加熱開始(時刻0)から40〜60秒の早い
時期にほぼ安定することが判る。しかも、ヒータ4に投
入される電力が途中で急変しないので、ヒータ4やセラ
ミック基板1にかかるヒートショックが軽減でき、ヒー
タ4やセラミック基板1を含む一体型ガスセンサ素子1
0の寿命をより延ばすことができる。
【0084】なお、本実施形態2においても、デューテ
ィ比を制御してヒータ4をパルス駆動し、始動時電力を
上述の経時パターンで投入することにより、図17に実
線で示すように、ヒータ4の表面温度は、時間=約5〜
約30秒の期間において、安定時ヒータ温度(本実施形
態では約285℃)を超え、最高で約360℃に達する
ため、この期間に、ガスセンサ素子2,3に吸着等して
いたガスや水分を大きく減らすことができ、センサ抵抗
値Rg,Rdを早期に安定化し得ていることが判る(図
3及び図16参照)。
【0085】また、図示しないが、本実施形態2でも、
ガスセンサ素子2,3の素子温度は、図17に実線で示
すヒータ温度と相似の素子温度パターンとなり、時間=
約5〜約30秒の期間において、素子2,3の素子温度
がそれぞれ安定時素子温度を超える。このため、ガスセ
ンサ素子に吸着等していたガスや水分の多くを速やかに
放散することができたため、センサ抵抗値Rg,Rdの
より早期安定化を達成し得たと考えられる。
【0086】(実施形態3)次いで、本発明の第3の実
施形態にかかるガス検出装置及び車両用外気導入制御シ
ステムについて、図18〜図21を参照して説明する。
前記した実施形態1では、ヒータ4の制御にあたり、始
動時デューティ比DSから作動時デューティ比DDに切
り替える際、1段のステップ状に一挙に切り替えたた
め、ヒータ4に投入される電力が、始動から20秒経過
の前後で7V電力から5V電力に急変する。これに対し
本実施形態3では、ヒータ4に投入する電力の急変を避
け、2段の階段状に変化させる点で異なるのみであり、
ガス検出装置150及びこれを含む外気導入制御システ
ム100の構成は同様であるので、異なる部分を中心に
説明する。
【0087】本実施形態3では、第1始動時デューティ
比DS1を用いる第1始動時を経過した後、第2始動時
デューティ比DS2を用い、その後始動期間が経過した
ら、作動時デューティ比DDを用いる。これにより、ヒ
ータ4に投入される電力が急変するのを防止する。ま
ず、始動から第1所定時までの期間(本実施形態3では
10秒間)、実施形態1と同様に、ヒータ4に7V電力
を供給する。そこでまず、図18に示すように、ステッ
プS51で初期値を設定する。具体的には、タイマ変数
を初期化し(TIME=0)、7V電力供給の際の第1
始動時デューティ比DS1を算出するための初期値LL
=49(=L2=72)、6.3V電力供給の際の第2始
動時デューティ比DS2を算出するための初期値PP=
40(=P2=6.32)、5V電力供給の際の作動時デ
ューティ比DDを算出するための初期値MM=25(=
2=52)を設定する。
【0088】次いで、ステップS52で、分割バッテリ
電圧VEを取得する。ステップS53で分割バッテリ電
圧VEが所定の範囲2.25V≦VE≦4.0V(つま
り、9V≦VB≦16V)の範囲にあるか否かを判断す
る。この範囲外のとき(No)は、バッテリ電圧VBの
異常としてステップS58に進み、故障であることを出
力をし、再びステップS52に戻る。
【0089】一方、上記範囲内のとき(Yes)は、ス
テップS54に進み、第1始動時デューティ比DS1
を、DS1=LL/16VE2(=LL/VB2)によっ
て求める。その後、ステップS55において、得られた
第1始動時デューティ比DS1(例えば0.34)に従
うパルス信号ShをPWM端子105から出力し、ヒー
タ制御回路130を用いてヒータ4を第1始動時デュー
ティ比DS1でパルス駆動する。このようにして、ヒー
タ4には、DC7Vを印加したのと同様の電力(7V電
力)が投入される。
【0090】その後、ステップS56で0.4秒の経過
を待ち、ステップS57でタイマ変数TIME≧10秒
であるか否かを判断し、10秒経過前の場合(No)に
は、ステップS52に戻る。一方、10秒経過する(Y
es)と、ステップS59に進み、タイマ変数を初期化
する(TIME=0)。
【0091】その後、図19に示すように、ステップS
60では、ステップS52と同様に分割バッテリ電圧V
E(=VB/4)を取得する。次いで、ステップS61
で、分割バッテリ電圧VEが所定の範囲(2.25V≦
VE≦4.0V)にあるか否かを判断する。この範囲外
である場合(No)には、ステップS66に進み、故障
であることを出力をし、再びステップS60に戻る。
【0092】一方、上記範囲内である場合(Yes)に
は、ステップS62に進み、第2始動時デューティ比D
S2を、DS2=PP/16VE2によって求める。そ
の後、ステップS63において、得られた第2始動時デ
ューティ比DS2(例えば0.28)に従うパルス信号
ShをPWM端子105から出力し、ヒータ制御回路1
30を用いてヒータ4を第2始動時デューティ比DS2
でパルス駆動する。このようにして第2始動時デューテ
ィ比DS2でヒータ4をパルス駆動するので、ヒータ4
には、DC6.3Vを印加したのと同様の電力(6.3
V電力)が投入される。
【0093】その後、ステップS64で0.4秒の経過
を待ち、ステップS65に進み、タイマ変数TIME≧
29秒であるか否かを判断し、29秒経過前(No)の
ときには、ステップS60に戻る。一方、29秒経過す
る(Yes)と、ステップS67に進む。その後は、ス
テップS67〜72において、前記した実施形態1のス
テップ9以降と同様の処理(図9参照)がなされる。こ
れにより、バッテリ電圧VBに応じた作動時デューティ
比DDでヒータ4をパルス駆動するので、ヒータ4に
は、DC5Vを印加したのと同様の電力(5V電力)
が、自動車(エンジン)の運転を停止し、マイクロコン
ピュータ101の駆動が停止するまで、投入され続け
る。
【0094】この実施形態3によるヒータ制御では、始
動から10秒経過するまでは、ヒータ4に7V電力を投
入するが、その後29秒間、6.3V電力に低下させて
投入し、さらにその後に(つまり始動から39秒経過以
降)5V電力を供給する。図20に上記のようにしてヒ
ータを加熱した場合の、G素子2及びD素子3につい
て、G素子電圧Vg、D素子電圧Vdの変化を示す。こ
のようにしても、G素子電圧Vg、D素子電圧Vdは、
ヒータ4の加熱開始(時刻0)から50〜60秒の早い
時期にほぼ安定することが判る。しかも、ヒータ4に投
入される電力が2段の階段状に変化するため、急変が緩
和され、ヒータ4やセラミック基板1にかかるヒートシ
ョックが軽減でき、ヒータ4やセラミック基板1を含む
一体型ガスセンサ素子10の寿命をより延ばすことがで
きる。
【0095】なお、本実施形態3においても、デューテ
ィ比を制御してヒータ4をパルス駆動し、始動時電力を
上述の経時パターンで投入することにより、図21に実
線で示すように、ヒータ4の表面温度は、時間=約5〜
約43秒の期間において、安定時ヒータ温度(本実施形
態では約285℃)を超えるため、ガスセンサ素子2,
3に吸着等していたガスや水分を大きく減らすことがで
きているため、センサ抵抗値Rg,Rdを早期に安定化
し得ていることが判る(図3及び図20参照)。
【0096】また、図示しないが、本実施形態3でも、
ガスセンサ素子2,3の素子温度は、図21に実線で示
すヒータ温度と相似の素子温度パターンとなり、時間=
約5〜約43秒の期間において、素子2,3の素子温度
がそれぞれ安定時素子温度を超える。このため、ガスセ
ンサ素子に吸着等していたガスや水分の多くを速やかに
放散することができたため、センサ抵抗値Rg,Rdの
より早期安定化を達成し得たと考えられる。
【0097】(変形形態1)上記実施形態1,2,3で
は、図6に示したように、G素子回路110において、
G素子2と抵抗111とで電源電圧Vccを分圧し、そ
の動作点PgのG素子電位Vgを用いて還元性ガスの濃
度変化を検出した。また、D素子回路121において、
D素子3と抵抗121とで電源電圧Vccを分圧し、そ
の動作点PdのD素子電位Vdを用いて酸化性ガスの濃
度変化を検出した。しかし、他の回路構成によってG素
子2やD素子3の出力信号を得ることもできる。例え
ば、図22,図23に示すG素子回路310及びD素子
回路320を有するガス検出装置350、及びこれによ
って外気導入用フラップを制御する外気導入制御システ
ム300を構成することもできる。
【0098】G素子回路310は、G素子2のセンサ抵
抗値Rgに応じて変化する動作点PgのG素子電圧Vg
(出力信号)を得るための回路であり、マイクロコンピ
ュータ301の第1PWM端子305から出力されるパ
ルス信号Sgを入力されると、第1AD変換端子302
に対してG素子電圧Vgを出力する。第1PWM端子3
05には、抵抗値Rcの固定抵抗器311とダイオード
312が直列に接続され、静電容量Cgで一端313A
が接地されたコンデンサ313の他端313Bと接続し
ている。さらに、G素子2は、コンデンサ313と並列
に配置され、一端2Aが接地され、他端2Bがコンデン
サ313の他端313Bと接続している。なお、この接
続点が動作点Pgである。第1AD変換端子302には
この動作点PgのG素子電圧Vgが導かれている。ま
た、ダイオード312は、コンデンサ313側をカソー
ドとした向きで接続されている。
【0099】G素子電圧Vgはマイクロコンピュータ3
01内でA/D変換されて処理され、この電圧変化によ
り還元性ガスの濃度変化を検出する。このマイクロコン
ピュータ301には、実施形態1,2と同様に、電子制
御アセンブリ160(具体的にはフラップ制御回路16
1やアクチュエータ162)が接続されている。さら
に、マイクロコンピュータ301は、G素子電圧Vgな
どに応じて、PWM端子305からパルス信号Sgを出
力する。このパルス信号SgによってG素子回路310
が駆動される。このパルス信号Sgは、図22の楕円内
に示すように、0Vと+5Vとの2つの電位が交互に現
れる周期Tg(=t3+t4)のパルス信号であり、こ
のパルス信号Sgのデューティ比Dgは、Dg=t3/
Tg=t3/(t3+t4)で与えられる。
【0100】このG素子回路310に入力されるパルス
信号Sgがハイレベル(+5V)になると、固定抵抗器
311とダイオード312を通じてコンデンサ313
に、時定数τ1=C・Rc・Rg/(Rc+Rg)で充
電される。一方、パルス信号Sgがローレベル(0V)
になると、コンデンサ313の電荷はG素子2を通じ
て、時定数τ2=CRgで放電される。パルス信号Sg
を繰り返し入力すると、充電と放電とが均衡した定常状
態となり、図22上方の楕円内に示すように、動作点P
gのG素子電圧Vgは、若干のリップルを有するもの
の、ほぼ一定値となる。このG素子電圧Vgは、センサ
抵抗値Rgに応じて変化するから、G素子電圧Vgをマ
イクロコンピュータ301内でA/D変換することで、
還元性ガス濃度の変化を検出することができる。
【0101】しかも、パルス信号Sgのデューティ比D
gに応じて、コンデンサ313の充電電圧(つまりG素
子電圧Vg)を変化させることができる。実施形態1,
2で示した、G素子2と抵抗111とで電圧Vccを分
圧してG素子電圧Vgを得るG素子回路110(図6参
照)では、温度や湿度などの環境によって、G素子2の
センサ抵抗値Rgが大きく変動した場合に、G素子電圧
Vgが電源電位Vcc近くあるいは接地電位近くに偏っ
てしまうことがある。すると、ガス濃度変化によってセ
ンサ抵抗値Rgがさらに変化しても、それによるG素子
電圧Vgの変化が小さくなり、ガス濃度変化を正確に検
出することができなくなることがある。これに対して、
本変形形態にかかるG素子回路310を含むガス検知装
置350及び制御システム300では、このような場合
でも、パルス信号Sgのデューティ比Dg適宜選択する
ことで、G素子電圧Vgを、例えば、1〜3.5Vなど
の所望の範囲に保ち、その電圧範囲内で還元性ガス濃度
の変化によるG素子電圧Vgの変動を精度良く計測でき
る利点がある。
【0102】このことはD素子3及びこれを用いるD素
子回路320についても同様である。これらの動作は、
上記したG素子回路310と同様であるので詳述は省略
するが、D素子電圧VdをA/D変換してその変化を検
出することにより、酸化性ガス濃度の変化を検出するこ
とができる。また、温度や湿度の変化によってセンサ抵
抗値Rdが大きく変化した場合でも、第2PWM端子3
06から出力するパルス信号Sdのデューティ比Dd適
宜選択することで、D素子電圧Vdを所望の範囲に保
ち、その電圧範囲内で酸化性ガス濃度の変化によるD素
子電圧Vdの変動を精度良く計測できるのも同様であ
る。
【0103】以上において、本発明を実施形態1,2,
3及び変形形態1に即して説明したが、本発明は上記実
施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでも
ない。例えば、上記実施形態では、還元性ガスに反応す
るG素子2と酸化性ガスに反応するD素子3の2つのガ
スセンサ素子が、単一のセラミック基板1に形成された
一体型ガスセンサ素子10を用いた例を示したが、単一
のガスセンサ素子を有するガス検出装置に適用しても良
い。また、ヒータとガスセンサ素子とが別体となったガ
ス検出装置に適用しても良い。
【0104】また、上記実施形態1では、ヒータ4の加
熱開始から20秒間7V電力を投入したので、この実施
形態1において、始動時に所定期間にわたりヒータに投
入する電力の経時パターンは、20秒間変化しないパタ
ーンとなっている。しかし、実施形態2のように、始動
時の終期に、つまり所定期間の終期に作動時の電力に徐
々に近づける経時パターンとすると良い。この点は、実
施形態3のような複数段の階段状に変化させた場合にも
当てはまる。即ち、始動後の所定期間の終期、つまり最
終段(実施形態3では2段目、6.3V電力)から、作
動時電力(5V電力)に、徐々に近づける経時パターン
とすると良い。また、その近づけ方は、実施形態2のよ
うに、階段状にかつ一定割合で減らすようにして近づけ
ても良いが、作動時の電力に漸近するように変化させる
等適宜選択することができる。また、実施形態2では、
約5秒間という比較的短い時間で作動時電力に近づける
経時パターンとしたが、センサ抵抗値Rg,Rd(G素
子電圧Vg,D素子電圧Vd)の安定までに許容できる
時間(待ちうる時間)などを考慮しつつ、できるだけ長
い時間をかけてゆっくりと作動時電力に近づけるように
するのが好ましい。
【0105】さらに、上記実施形態等では、車両用外気
導入制御システム100等にガス検出装置150等を用
いたが、自動車室内などの空気清浄機制御システムなど
にも適用することができる。特に、バッテリなど電源電
圧が変動する電源を用いるものに本発明のガス検出装置
を適用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかり、2つのガスセンサ素子と
ヒータを備える一体型ガスセンサ素子の説明図である。
【図2】ヒータと2つのガスセンサ素子の特性を調査す
るための測定回路を示す回路図であり、(a)はG素子
の特性を測定する回路、(b)はD素子の特性を測定す
る回路、(c)はヒータへの電力印加回路である。
【図3】ヒータに、始動から一定の5V電力を供給しつ
づけた場合のG素子及びD素子の出力電圧の変化を示す
グラフである。
【図4】ヒータに、始動から20秒間7V電力を供給
し、その後5V電力を供給した場合のG素子及びD素子
の出力電圧の変化を示すグラフである。
【図5】ヒータに、始動から30秒間9V電力を供給
し、その後5V電力を供給した場合のG素子の出力電圧
の変化を示すグラフである。
【図6】実施形態1にかかる2つのガスセンサ素子、ヒ
ータを備えるガス検出装置、及び自動車外気導入用フラ
ップの制御回路の回路図のうち、主にガス検出装置を示
す回路図である。
【図7】実施形態1にかかる2つのガスセンサ素子、ヒ
ータを備えるガス検出装置、及び自動車外気導入用フラ
ップの制御回路の回路図のうち、主に自動車外気導入用
フラップの制御回路を示す回路図である。
【図8】実施形態1にかかりヒータを駆動制御を示すフ
ローチャートのうち、始動時の制御を示す前半部であ
る。
【図9】実施形態1にかかりヒータを駆動制御を示すフ
ローチャートのうち、始動から時間が経過した通常作動
時の制御を示す後半部である。
【図10】実施形態1にかかり、始動から20秒間7V
電力を供給し、その後5V電力を供給した場合のヒータ
の表面温度の変化を、始動から一定の5V電力を供給し
た場合と対比して示すグラフである。
【図11】図10のグラフについて説明する説明図であ
る。
【図12】投入電力を5V電力一定としたときの、ヒー
タ温度とG素子及びD素子の素子温度の挙動を示すグラ
フである。
【図13】実施形態2にかかりヒータを駆動制御を示す
フローチャートのうち、始動時の制御を示す前半部であ
る。
【図14】実施形態2にかかりヒータを駆動制御を示す
フローチャートのうち、始動から通常作動に移行する期
間の制御を示す中間部である。
【図15】実施形態2にかかりヒータを駆動制御を示す
フローチャートのうち、通常作動に移行した後の制御を
示す後半部である。
【図16】実施形態2にかかり、始動から20秒間7V
電力を供給し、ついで徐々に電力を5V電力まで低下さ
せ、その後一定の5V電力を供給した場合のG素子及び
D素子の出力電圧の変化を示すグラフである。
【図17】実施形態2にかかり、始動から20秒間7V
電力を供給し、7V電力から5V電力まで5秒で低下さ
せ、その後5V電力を供給した場合のヒータの表面温度
の変化を、始動から一定の5V電力を供給した場合と対
比して示すグラフである。
【図18】実施形態3にかかりヒータを駆動制御を示す
フローチャートのうち、前半部である。
【図19】実施形態3にかかりヒータを駆動制御を示す
フローチャートのうち、後半部である。
【図20】実施形態3にかかり、始動から10秒間7V
電力を供給し、ついで29秒間6.3V電力を供給し、
その後一定の5V電力を供給した場合のG素子及びD素
子の出力電圧の変化を示すグラフである。
【図21】実施形態3にかかり、始動から10秒間7V
電力を供給し、ついで29秒間6.3V電力を供給し、
その後5V電力を供給した場合のヒータの表面温度の変
化を、始動から一定の5V電力を供給した場合と対比し
て示すグラフである。
【図22】変形形態1にかかる2つのガスセンサ素子、
ヒータを備えるガス検出装置、及び自動車外気導入用フ
ラップの制御回路の回路図のうち、主にガス検出装置を
示す回路図である。
【図23】変形形態1にかかる2つのガスセンサ素子、
ヒータを備えるガス検出装置、及び自動車外気導入用フ
ラップの制御回路の回路図のうち、主に自動車外気導入
用フラップの制御回路を示す回路図である。
【符号の説明】
2,3 ガスセンサ素子 Rg,Rd センサ抵抗値 4 ヒータ 100 外気導入制御システム 101 マイクロコンピュータ 110 G素子回路 120 D素子回路 130 ヒータ制御回路 140 レギュレータ回路 150 ガス検出装置 160 電子制御アセンブリ 171 ダクト 174 フラップ BT バッテリ(電源) VB バッテリ電圧(電源電圧) 133 MOSFET(スイッチング手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 裕子 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 平井 一人 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G046 AA03 AA11 AA13 AA18 BA09 DB05 DC05 DD01 EB01 FB02 FE39 FE46

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変
    化するガスセンサ素子、及びこのガスセンサ素子を加熱
    するヒータを有するガス検出装置であって、 ヒータに電力を供給する電源の電源電圧を検出する電源
    電圧検出回路と、 上記ガス検出装置の作動期間中、検出した上記電源電圧
    に基づいて電力を制御して、上記ヒータに一定の作動時
    電力を供給する作動時電力供給手段と、 上記ガス検出装置の始動後所定期間にわたり、上記作動
    時電力供給手段に代えて、上記ヒータに電力を供給する
    始動時電力供給手段であって、検出した上記電源電圧に
    基づいて電力を制御して、上記作動時電力よりも大きい
    始動時電力を所定の経時パターンで供給する始動時電力
    供給手段と、を備えるガス検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のガス検出装置であって、 前記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記
    所定の経時パターンは、 前記ヒータのヒータ温度が、前記作動時電力の供給によ
    って略一定の安定な温度となる安定時ヒータ温度より
    も、一時的に高くなる期間を生じさせる経時パターンで
    あるガス検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のガス検出装置であって、 前記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記
    所定の経時パターンは、 前記ガスセンサ素子の素子温度が、前記作動時電力の供
    給によって略一定の安定な温度となる安定時素子温度よ
    りも、一時的に高くなる期間を生じさせる経時パターン
    であるガス検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のガス検出装置であって、 前記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記
    所定の経時パターンは、 前記ヒータのヒータ温度が前記作動時電力の供給によっ
    て略一定の安定な温度となる安定時ヒータ温度よりも高
    くなる時点よりも、後まで継続するガス検出装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のガス検出装置であって、 前記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記
    所定の経時パターンは、 前記ガスセンサ素子の素子温度が前記作動時電力の供給
    によって略一定の安定な温度となる安定時素子温度より
    も高くなる時点よりも、後まで継続するガス検出装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載
    のガス検出装置であって、 前記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記
    所定の経時パターンは、 この始動時電力供給手段による前記始動時電力の供給、
    及びその後の前記作動時電力供給手段による前記作動時
    電力の供給の期間にわたり、上記特定ガスの濃度変化が
    ないとしたときに、上記ガスセンサ素子のセンサ抵抗値
    が、始動から60秒以内に略一定値となる変化を起こさ
    せる経時パターンであるガス検出装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載
    のガス検出装置であって、 前記ガスセンサ素子は、前記特定ガスの濃度の上昇に応
    じて前記センサ抵抗値が低下する特性を有し、 前記始動時電力供給手段における前記始動時電力の前記
    所定の経時パターンは、 この始動時電力供給手段による前記始動時電力の供給、
    及びその後の前記作動時電力供給手段による前記作動時
    電力の供給の期間にわたり、上記特定ガスの濃度変化が
    ないとしたときに、上記ガスセンサ素子のセンサ抵抗値
    が、始動直後の極小値を過ぎた後に、上昇しつつ一定値
    に近づく変化を起こさせる経時パターンであるガス検出
    装置。
  8. 【請求項8】特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が変
    化するガスセンサ素子、及びこのガスセンサ素子を加熱
    するヒータを有するガス検出装置であって、 上記ヒータに電力を供給する電源の電源電圧を検出する
    電源電圧検出回路と、上記ヒータと上記電源との間に介
    在して、上記ヒータと電源との回路を開閉するスイッチ
    ング手段と、 上記ガス検出装置の作動期間中、上記ヒータに一定の作
    動時電力を供給するように、検出した上記電源電圧に基
    づいて上記スイッチング手段の開閉の作動時デューティ
    比を制御する作動時デューティ比制御手段と、 上記ガス検出装置の始動後所定期間にわたり、上記作動
    時デューティ比制御手段に代えて、上記ヒータに上記作
    動時電力よりも大きい始動時電力を所定の経時パターン
    で供給するように、検出した上記電源電圧に基づいて上
    記スイッチング手段の開閉の始動時デューティ比を制御
    する始動時デューティ比制御手段と、を備えるガス検出
    装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のガス検出装置であって、 前記電源電圧検出回路で検出した電源電圧をVB、前記
    電源が取りうる最も低い電源電圧値をVBLとしたと
    き、 前記作動時デューティ比制御手段は、 前記作動時デューティ比DDを、下記式(1)によって
    与え、 DD=M2/VB2 (1) 但し、Mは、M<VBLである定数、 前記始動時デューティ比制御手段は、 前記始動時デューティ比DSを、下記式(2)によって
    与える DS=L2/VB2 (2) 但し、Lは、M<L<VBLである定数 ガス検出装置。
  10. 【請求項10】請求項8に記載のガス検出装置であっ
    て、 前記電源電圧検出回路で検出した電源電圧をVB、前記
    電源が取りうる最も低い電源電圧値をVBLとしたと
    き、 前記作動時デューティ比制御手段は、 前記作動時デューティ比DDを、下記式(1)によって
    与え、 DD=M2/VB2 (1) 但し、Mは、M<VBLである定数、 前記始動時デューティ比制御手段は、 前記始動時デューティ比のうち、 始動時から第1所定時までの第1始動時デューティ比D
    S1を、下記式(3)によって与え、 DS1=L2/VB2 (3) 但し、Lは、M<L<VBLである定数 第1所定時後、前記所定期間経過までの第2始動時デュ
    ーティ比DS2を、上記第1始動時デューティ比DS1
    から、作動時デューティ比DDに徐々に近づけるように
    変化させて与えるガス検出装置。
  11. 【請求項11】特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗値が
    変化するガスセンサ素子、及びこのガスセンサ素子を加
    熱するヒータを有するガス検出装置であって、 ヒータに電力を供給する電源の電源電圧を検出する電源
    電圧検出回路と、 上記ガス検出装置の作動期間中、検出した上記電源電圧
    に基づいて上記ヒータに供給する電力を制御するヒータ
    加熱手段であって、 上記ガス検出装置の起動後、上記ヒータのヒータ温度
    を、一時的に高いヒータ温度の期間を経由してから、こ
    れよりも低いヒータ温度に安定させるヒータ加熱手段
    と、を有するガス検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007309751A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス検出装置
JP2021034892A (ja) * 2019-08-26 2021-03-01 株式会社デンソー 制御装置
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