JP2002152745A - 画像情報変換装置及び方法 - Google Patents

画像情報変換装置及び方法

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JP2002152745A
JP2002152745A JP2000345725A JP2000345725A JP2002152745A JP 2002152745 A JP2002152745 A JP 2002152745A JP 2000345725 A JP2000345725 A JP 2000345725A JP 2000345725 A JP2000345725 A JP 2000345725A JP 2002152745 A JP2002152745 A JP 2002152745A
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JP2000345725A
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Kazufumi Sato
数史 佐藤
Kuniaki Takahashi
邦明 高橋
Teruhiko Suzuki
輝彦 鈴木
Yoichi Yagasaki
陽一 矢ケ崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 MPEG4画像符号化において、例えばQS
IF(176×112画素)の画枠の画像情報に対し
て、例えば56kbps以下の超低ビットレートの画像
圧縮を実現する一方で、MPEG4符号化に伴う歪を少
なくすることをも可能とする。 【解決手段】 MPEG2画像圧縮情報をMPEG4画
像圧縮情報へ変換する画像情報変換装置であり、MPE
G2画像圧縮情報の伸長復号化に4×8ダウンデコード
を行うMPEG2画像情報復号化部2を有し、当該4×
8ダウンデコーダに含まれる縮小逆離散コサイン変換部
において、離散コサイン変換係数の高域成分に帯域制限
を加えつつ縮小逆離散コサイン変換処理を行うことで、
画像の持つ高域情報を削減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MPEG(Moving
Picture image coding Experts Group)などのよう
に、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償によって
圧縮された画像情報(ビットストリーム)を、衛星放
送、ケーブルテレビジョン(TV)、インターネットな
どのネットワークメディアを介して受信する際、若しく
は光、磁気ディスクのような記憶メディア上で処理する
際に好適な画像情報変換装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報をディジタル情報として
取り扱い、その際に、効率の高い情報の伝送、蓄積を目
的とし、画像情報特有の冗長性を利用して、離散コサイ
ン変換等の直交変換と動き補償により当該画像情報を圧
縮するMPEG方式に準拠した装置が、放送局などの情
報配信、及び一般家庭における情報受信の双方において
普及しつつある。
【0003】特に、MPEG2(ISO/IEC 13
818−2)は、汎用画像符号化方式として定義されて
おり、飛び越し走査画像及び順次走査画像の双方、並び
に標準解像度画像及び高精細画像を網羅する標準とし
て、プロフェッショナル用途及びコンシューマー用途の
広範なアプリケーションに今後とも用いられるものと予
想される。このMPEG2圧縮方式を用いることによ
り、例えば720×480画素を持つ標準解像度の飛び
越し走査画像であれば4〜8Mbps、1920×10
88画素を持つ高解像度の飛び越し走査画像であれば1
8〜22Mbpsの符号量(ビットレート)を割り当て
ることで、高い圧縮率と良好な画質の実現が可能であ
る。
【0004】今後広く普及するであろうと思われるディ
ジタル放送においても、このような圧縮方式によって画
像情報が伝送されることになるが、その規格には、標準
解像度の画像及び高解像度の画像が存在し、このため受
信機においてはこれら両方を復号することの出来る機能
を持つことが望まれる。特に、標準解像度画像と高解像
度画像との共存を図りつつ、安価な受信機を構築するた
めには、高解像度画像情報について、画質劣化を最小限
に抑えながら何らかの形で情報を間引いくような処理が
必要となる。かかる問題は、ディジタル放送などの伝送
メディアにおいてのみならず、光ディスクやフラッシュ
メモリ等の蓄積メディアにおいても生じるものであると
考えられる。
【0005】このような問題を解決するために、本件出
願人は、先に、図5に示すような画像情報復号化装置を
提案している。この図5に示す装置の符号バッファ10
1、圧縮情報解析部102、可変長復号化部103、逆
量子化部104、動き補償部107,108、ビデオメ
モリ109、加算器106等の基本的な動作原理は、通
常のMPEG復号化装置のそれと同等である。
【0006】図5において、入力画像圧縮情報は、符号
バッファ101を介して圧縮情報解析部102に入力す
る。当該圧縮情報解析部102では、入力画像圧縮情報
から、伸長に必要な情報の解析を行い、その解析により
得られた情報と共に画像圧縮情報を可変長復号化部10
3に送る。可変長復号化部103では、符号化時の可変
長符号化処理に対応する可変長復号化処理を行う。但
し、この例の可変長復号化部103においては、後段の
縮小逆離散コサイン変換部(4×8)105において必
要な係数のみを復号化し、あとはEOB(End Of Bloc
k)が検出されるまで処理を行わないということも考え
られる。図6には、入力となるMPEG2画像圧縮情報
(ビットストリーム)がジグザグスキャン(図6の
(A))である場合、或いはオルタネートスキャン(図
6の(B))である場合の処理の例を示している。な
お、図6中の数字はスキャンの順番を表している。この
可変長復号化部103での可変長復号化処理により得ら
れたデータは、逆量子化部104で逆量子化処理された
後、縮小逆離散コサイン変換部(4×8)105に送ら
れる。
【0007】上記逆量子化部104での逆量子化処理に
より得られた垂直及び水平方向に8次の離散コサイン変
換係数は、縮小逆離散コサイン変換部(4×8)105
によって逆離散コサイン変換処理が施される。
【0008】ここで、マクロブロックがイントラマクロ
ブロックの場合、当該縮小逆離散コサイン変換部(4×
8)105での逆離散コサイン変換後のデータは、加算
器106を介してビデオメモリ109にそのまま格納さ
れる。一方、インターマクロブロックの場合は、動き補
償モードがフィールド予測モードであるかフレーム予測
モードであるかによって、動き補償部(フィールド予
測)107若しくは動き補償部(フレーム予測)108
がビデオメモリ109内の参照データを元にして水平方
向に1/4画素精度、垂直方向に1/2画素精度の補間
処理を施し、これによって生成される予測画素データ
と、逆離散コサイン変換後の画素データとが、加算器1
06によって合成されてビデオメモリ109に送られ
る。
【0009】このビデオメモリ109に蓄積された画素
値は、画枠変換部110によって後段の図示しない表示
装置に適した画枠サイズに変換される。当該画枠変換部
110からの画像信号が、図5の画像情報復号化装置の
出力復号化画像信号となる。
【0010】ここで、以下に、縮小逆離散コサイン変換
部(4×8)105における動作原理について説明す
る。
【0011】縮小逆離散コサイン変換部(4×8)10
5は、垂直方向に関しては通常のMPEG2画像情報復
号化装置と同様に、8次の逆離散コサイン変換を行う。
一方、水平方向については、8次の離散コサイン変換係
数のうち、低域4係数を取り出し、これに4次の逆離散
コサイン変換を施す。この処理を表す式を図7に示す。
すなわち、この図7に示す式において、縮小逆離散コサ
イン変換部(4×8)105では、垂直(V)方向につ
いて8次の離散コサイン変換(DCT)を実行するため
の行列iDと、逆量子化部104にて逆量子化された
離散コサイン変換係数行列Cと、水平(H)方向につい
て低域4次の離散コサイン変換を実行するための行列i
/Oとの乗算により、出力画素値(差分値)X
を求める。なお、Oは4×4の零行列である。このよ
うな演算は、水平方向、垂直方向共に、例えば以下に述
べるような高速アルゴリズムによって実現が可能であ
る。
【0012】図8には、当該高速アルゴリズムの一例と
して、例えばWangのアルゴリズム(参考文献:Zhon
g de Wang., "Fast Algorithms fot the Discrete W Tr
ansform and for the Discrete Fourier Thransform",
IEEE Tr. ASSP-32, No.4, pp.803-816, Aug. 1984)に
基づいて4次の逆離散コサイン変換を実現する場合の構
成を示す。
【0013】この図8において、低域の4係数F(0)
〜F(3)のうち、加算器121では係数F(0)とF
(2)を加算し、また、加算器122では係数F(0)
に反転した係数F(2)を加算することによる減算が行
われる。加算器121の出力は乗算器123により係数
A(A=1/√2)が乗算された後、加算器133と1
34に送られる。また、加算器122の出力は乗算器1
24により係数Aが乗算された後、加算器131と13
2に送られる。
【0014】一方、加算器125では、係数F(3)に
反転した係数F(1)を加算することによる減算が行わ
れ、当該加算器125の出力は乗算器128にて係数D
(D=C3/8)が乗算された後、加算器130に送ら
れると共に、反転されて加算器129に送られる。
【0015】また、係数F(3)は、乗算器126によ
り係数B(B=−C1/8+C3/ )が乗算された
後、加算器129に送られ、係数F(1)は、乗算器1
27により係数C(C=C1/8+C3/8)が乗算さ
れた後、加算器130に送られる。
【0016】加算器129では、乗算器126の出力に
乗算器128の反転した出力を加算することによる減算
が行われ、加算器130では、乗算器127の出力と乗
算器128の出力とが加算される。加算器129の出力
は加算器131に送られると共に反転して加算器132
に送られる。また、加算器130の出力は、加算器13
3に送られると共に反転して加算器134に送られる。
【0017】加算器131では、乗算器124の出力と
加算器129の出力を加算し、加算器132では、乗算
器124の出力と加算器129の反転出力とが加算され
ることによる減算が行われる。また、加算器133で
は、乗算器123の出力と加算器130の出力を加算
し、加算器134では、乗算器123の出力と加算器1
30の反転出力とが加算されることによる減算が行われ
る。
【0018】加算器133の出力は4次の逆離散コサイ
ン変換後の係数f(0)となり、同様に、加算器131
の出力は係数f(1)、加算器132の出力は係数f
(2)、加算器134の出力は係数f(3)となる。
【0019】以上のように、図8に示した構成によれ
ば、加算器9個、乗算器5個によって4次の逆離散コサ
イン変換を実現している。なお、C3/8は下記式
(1)にて表される。 C3/8=cos(3π/8) (1) 次に、動き補償部(フィールド予測)107及び動き補
償部(フレーム予測)108における動作原理について
説明する。
【0020】これら動き補償部(フィールド予測)10
7及び動き補償部(フレーム予測)108の動作原理
は、垂直方向に関しては通常のMPEG2画像情報復号
化装置と同様である。但し、水平方向に関しては、縮小
逆離散コサイン変換部(4×8)105において解像度
が1/2に間引かれる分、補間処理を行う必要がある。
すなわち、先ず、1/2精度相当の画素を、例えばハー
フバンドフィルタのような2倍補間のフィルタによって
作り出し、その作り出された画素を元に1/4精度相当
の画素を線形補間によって作り出す。その際、ハーフバ
ンドフィルタを用いることで、ビデオメモリ109から
取り出された画素と同じ位相の画素値を予測画として出
力する場合、タップ数に応じた積和演算を行う必要がな
いために高速な演算が可能である。また、ハーフバンド
フィルタを用いる場合、タップ数に応じた積和演算を行
う必要がないために高速な演算が可能である。また、ハ
ーフバンドフィルタを用いる場合、その係数は、x/2
の形で表すことが可能であるため、フィルタリングに
必要な除算をシフト演算にて実現することで高速な実行
が可能となる。もしくは、4倍補間のフィルタリングに
よって、動き補償に必要な画素を直接作り出すことも考
えられる。
【0021】実際の処理としては、上記のような2倍補
間フィルタと線形補間によって実現される2段階の補間
が、一度で行われるような係数を予め用意しておき、1
段階の補問であるかのように処理が行われる。また、入
力となる画像圧縮情報(ビットストリーム)中の動きベ
クトルの値に応じて、必要な画素値のみが作り出され
る。
【0022】なお、2倍補間のフィルタリングを行う
際、動きベクトルの値によって、ビデオメモリ109に
おける画枠の外を参照する必要が生じる場合がある。こ
の場合は、図9の(A)に示すように、端点を中心にし
て必要なタップ数だけ対称に折り返すか(以下これをミ
ラー処理と呼ぶ)、図9の(B)に示すように、端点の
画素値と同じ値の画素が必要なタップ数の分だけ画枠の
外に存在するものとして取り扱う(以下これをホールド
処理と呼ぶ)。
【0023】次に、画枠変換部110における動作原理
について説明する。
【0024】例えば、入力となる画像圧縮情報(ビット
ストリーム)の画枠が1920×1080画素であった
場合、ビデオメモリ109から出力される画像は960
×1080画素ということになる。これを例えば720
×480画素(アスペクト比16:9)の表示装置に出
力する場合、水平方向には3/4、垂直方向には4/9
の間引き処理が必要となる。画枠変換部110では、こ
のような間引き処理を行うことで画枠の変換を行う。な
お、入力となる画像圧縮情報が飛び越し走査によるもの
である場合、垂直方向に関しては、図10に示すよう
に、第一フィールドと第二フィールドに分けた間引き処
理を行う。
【0025】また、本件出願人は、前述の問題を解決す
るために、図11に示すような画像情報復号化装置をも
提案している。なお、この図11において、図5と対応
する構成要素には同じ指示符号を付している。
【0026】図11において、入力画像圧縮情報は、符
号バッファ101を介して圧縮情報解析部102に入力
する。当該圧縮情報解析部102では、入力画像圧縮情
報から、伸長に必要な情報の解析を行い、その解析によ
り得られた情報と共に画像圧縮情報を可変長復号化部1
03に送る。可変長復号化部103では、符号化時の可
変長符号化処理に対応する可変長復号化処理を行う。但
し、この図11の例の可変長復号化部103において
は、マクロブロックのDCTモードがフィールドDCT
モードであるか或いはフレームDCTモードであるかに
応じて、後段の縮小逆離散コサイン変換部(4×4)1
22若しくは縮小逆離散コサイン変換部(フィールド分
離)123において必要な係数のみを復号化し、あとは
EOB(End Of Block)が検出されるまで処理を行わな
いということも考えられる。図12には、入力となるM
PEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)がジグザグ
スキャンである場合の、フィールドDCTモード(図1
2の(A))と、フレームDCTモード(図12の
(B))に対する可変長復号化部103における動作原
理を表しており、図13には、入力となるMPEG2画
像圧縮情報(ビットストリーム)がオルタネートスキャ
ンである場合の、フィールドDCTモード(図13の
(A))と、フレームDCTモード(図13の(B))
に対する可変長復号化部103における動作原理を表し
ている。なお、図12、図13中の数字はスキャンの順
番を表している。この可変長復号化部103での可変長
復号化処理により得られたデータは、逆量子化部104
で逆量子化処理された後、縮小逆離散コサイン変換部
(4×4)122と縮小逆離散コサイン変換部(フィー
ルド分離)123に送られる。
【0027】上記逆量子化部104での逆量子化処理に
より得られた離散コサイン変換係数は、マクロブロック
のDCTモードがフィールドDCTモードであるか或い
はフレームDCTモードであるかに応じて、縮小逆離散
コサイン変換部(4×4)122若しくは縮小逆離散コ
サイン変換部(フィールド分離)123によって逆離散
コサイン変換処理が施される。
【0028】ここで、マクロブロックがイントラマクロ
ブロックの場合、縮小逆離散コサイン変換後のデータ
は、加算器106を介してビデオメモリ109にそのま
ま格納される。一方、インターマクロブロックの場合
は、動き補償モードがフィールド予測モードであるかフ
レーム予測モードであるかによって、動き補償部(フィ
ールド予測)107若しくは動き補償部(フレーム予
測)108がビデオメモリ109内の参照データを元に
して、水平方向,垂直方向ともに1/4画素精度の補間
処理を施し、これによって生成される予測画素データ
と、逆離散コサイン変換後の画素データとが、加算器1
06によって合成されてビデオメモリ109に送られ
る。このビデオメモリ109に格納された画素値は、上
位レイヤの画素に対応して、図14の(A)及び(B)
に示すように、第一,第二のフィールド間の位相ずれを
含んでいる。なお、図14中の丸印は画素を示す。
【0029】上記ビデオメモリ109に蓄積された画素
値は、画枠変換・位相ずれ補正部111によって後段の
図示しない表示装置に適した画枠サイズに変換される。
当該画枠変換・位相ずれ補正部111からの画像信号
が、図11の画像情報復号化装置の出力復号化画像信号
となる。
【0030】次に、縮小逆離散コサイン変換部(4×
4)122と縮小逆離散コサイン変換部(フィールド分
離)123における動作原理について説明する。
【0031】縮小逆離散コサイン変換部(4×4)12
2の動作原理に関しては、水平,垂直成分ともに、8次
の離散コサイン変換係数のうち、低域4次係数を取り出
し、これに4次の逆離散コサイン変換を施す。
【0032】これに対して、縮小逆離散コサイン変換部
(フィールド分離)123では、以下のような処理が行
われる。
【0033】図15には、縮小逆離散コサイン変換部
(フィールド分離)123における処理の流れを示す。
【0034】この図15において、縮小逆離散コサイン
変換部(フィールド分離)123では、入力となる画像
圧縮情報(ビットストリーム)中の離散コサイン変換係
数y 〜yに対して、先ず8×8の逆離散コサイン変
換(IDCT)処理を施し、x〜xの復号化された
データを得る。次に、縮小逆離散コサイン変換部(フィ
ールド分離)123は、これら復号化されたデータx
〜xを、x,x,x,xの第一フィールドの
データとx,x,x,xの第二フィールドのデ
ータに分離する。次に、縮小逆離散コサイン変換部(フ
ィールド分離)123は、当該分離されたそれぞれのデ
ータ列に4×4の離散コサイン変換(DCT)処理を施
し、離散コサイン変換係数z,z,z,z及び
,z ,z,zを得る。次に、縮小逆離散コサ
イン変換部(フィールド分離)123は、こうして得ら
れたそれぞれのフィールドに対する係数のうち、低域成
分のみに2×2の逆離散コサイン変換を施すことで、x'
,x'及びx',x'の、縮小された画素値を得
る。その後、これらの値を再びフレーム合成することに
よって出力値x',x',x'、x'を得る。な
お、実際の処理はこれら一連の処理と等価な行列演算
を、離散コサイン変換係数y〜yに対して施すこと
により、直接画素値x'〜x'を得る。加法定理を用
いて展開計算することにより得られるこの行列[F
]は下記式(2)の通りである。
【0035】
【数1】
【0036】但し、式(2)中のA〜Jは、下記式にて
表される。
【0037】
【数2】
【0038】縮小逆離散コサイン変換部(4×4)12
2及び縮小逆離散コサイン変換部(フィールド分離)1
23に関しては、例えば以下に説明するような高速アル
ゴリズムによる実現が可能である。縮小逆離散コサイン
変換部(4×4)105での縮小逆離散コサイン変換処
理については、図8で説明した高速アルゴリズムと同様
である。
【0039】また、縮小逆離散コサイン変換部(フィー
ルド分離)123におけるフィールド分離型縮小逆離散
コサイン変換を表す行列は、上記Wangのアルゴリズ
ムを用いて以下の式(3)のように分解される。なお、
式(3)中の各乗算器におけるA〜Jは前記式(2)と
同様である。
【0040】
【数3】
【0041】但し、式(3)中の行列[M],
[M]は、下記式にて表される。
【0042】
【数4】
【0043】
【数5】
【0044】また、図16には、上記縮小逆離散コサイ
ン変換部(フィールド分離)123におけるフィールド
分離型の逆離散コサイン変換を実現する場合の構成を示
す。
【0045】この図16において、8次係数F(0)〜
F(7)のうち、乗算器141では式(2)で説明した
係数Aを係数F(0)に乗算し、乗算器142では式
(2)で説明した係数Dを係数F(2)に乗算し、乗算
器143では式(2)で説明した係数Fを係数F(4)
に乗算し、乗算器144では式(2)で説明した係数H
を係数F(6)に乗算し、乗算器145では式(2)で
説明した係数Eを係数F(3)に乗算し、乗算器146
では式(2)で説明した係数Gを係数F(5)に乗算
し、乗算器147では式(2)で説明した係数Bを係数
F(1)に乗算し、乗算器148では式(2)で説明し
た係数Cを係数F(1)に乗算し、乗算器149では式
(2)で説明した係数Iを係数F(7)に乗算し、乗算
器150では式(2)で説明した係数Jを係数F(7)
に乗算する。
【0046】乗算器141の出力は加算器156及び1
57に入力し、乗算器142の出力は加算器151に入
力し、乗算器143の出力は加算器151に入力し、乗
算器144の出力は加算器152に入力し、乗算器14
5の出力は加算器153に入力し、乗算器146の出力
は反転して加算器153に入力し、乗算器147の出力
は加算器154に入力し、乗算器148の出力は加算器
155に入力し、乗算器149の出力は加算器154に
入力し、乗算器150の出力は加算器155に入力す
る。
【0047】加算器151は乗算器142の出力と14
3の出力とを加算し、加算器152は加算器151の出
力と乗算器144の出力とを加算し、加算器153は乗
算器145の出力と乗算器146の反転出力とを加算す
ることによる減算を行い、加算器154は乗算器147
の出力と乗算器149の出力とを加算し、加算器155
は乗算器148の出力と乗算器150の出力とを加算す
る。
【0048】加算器156は乗算器141の出力と加算
器152の出力とを加算し、加算器157は乗算器14
1の出力と加算器152の反転出力とを加算し、加算器
158は加算器153の出力と加算器154の出力とを
加算し、加算器159は加算器153の出力と加算器1
55の出力とを加算する。
【0049】加算器160は加算器156の出力と加算
器158の出力とを加算し、加算器161は加算器15
6の出力と加算器158の反転出力とを加算し、加算器
162は加算器157の出力と加算器159の出力とを
加算し、加算器S63は加算器157の出力と加算器1
59の反転出力とを加算する。
【0050】加算器160の出力はフィールド分離型の
逆離散コサイン変換後の係数f(0)となり、同様に、
加算器162の出力は係数f(2)、加算器161の出
力は係数f(3)、加算器163の出力は係数f(1)
となる。
【0051】以上のように、図16に示した構成によれ
ば、加算器13個、乗算器10個によってフィールド分
離型の逆離散コサイン変換を実現している。
【0052】次に、フィールド動き補償モード及びフレ
ーム動き補償モードに対応した動き補償装置107及び
108の動作は図5の例と同様であり、水平方向の補間
に関しては、フィールド動き補償モード、フレーム動き
補償モードの場合ともに、まず、1/2精度相当の画素
を、ハーフバンドフィルタの様な2倍補間のフィルター
によって作り出し、その作り出された画素を元に1/4
精度相当の画素を線形補間によって作り出す。この例で
もハーフバンドフィルタを用いることで、フレームメモ
リから取り出された画素と同じ位相の画素値を予測唐と
して出力する場合、タップ数に応じた積和演算を行う必
要がないために高速な演算が可能である。また、ハーフ
バンドフィルタを用いることにより、補間に伴う除算を
シフト演算で行うことが可能となり、更に高速な実行が
可能である。もしくは、4倍補間のフィルタリングによ
って、動き補償に必要な画素を直接作り出すことも考え
られる。
【0053】図17にはフィールド動き補償モード対応
の動き補償部107おける垂直方向の補間の様子を示
す。この図17において、動き補償部(フィールド予
測)107は、先ず、入力となる画像圧縮情報(ビット
ストリーム)中の動きベクトルの値に応じて、図17の
(A)のように、フィールド問の位相ずれを含む画素値
gaをビデオメモリ109から取り出し、次に、図17
の(B)のように、ハーフバンドフイルタ等の2倍補間
フィルタを用いて、フィールド内で1/2画素精度相当
の画素値gbを作り出す。そして、動き補償部(フィー
ルド予測)107は、図17の(C)のように、フィー
ルド内で線形補間を行うことによって1/4画素精度相
当の画素値gcを作り出す。その際、ハーフバンドフィ
ルタを用いることにより、ビデオメモリ109から取り
出された画素と同じ位相の画素値を予測画として出力す
る場合、タップ数に応じた積和演算を行う必要がないた
めに高速な演算が可能である。若しくは、図17の
(A)の画素値gaを元に、4倍補間のフィルタリング
によって図17の(C)の位相に相当する画素値gcを
作り出すことも考えられる。
【0054】図18にはフレーム動き補償モード対応の
動き補償部108における垂直方向の補間の様子を示
す。この図18において、動き補償部(フレーム予測)
108は、先ず、入力となる画像圧縮情報(ビットスト
リーム)中の動きベクトルの値に応じて、図18の
(A)のように、フィールド間の位相ずれを含む画素値
gaがビデオメモリ109から取り出され、次に、図1
8の(B)のように、ハーフバンドフィルタ等の2倍補
間フィルタを用いて、フィールド内で1/2画素精度相
当の画素値gbが作り出される。そして、動き補償部
(フレーム予測)108は、図18の(C)のように、
フィールド間で線形補間を行うことによって1/4画素
精度相当の画素値gcを作り出す。このような補問処理
を行うことにより、画質劣化の要因となる、フィールド
反転及びフィールドミックスを防ぐことが出来る。ま
た、ハーフバンドフィルタを用いることで、ビデオメモ
リ109から取り出された画素と同じ位相の画素値を予
測画として出力する場合、タップ数に応じた積和演算を
行う必要がないために高速な演算が可能である。
【0055】実際の処理としては、水平、垂直方向の場
合ともに、上記のような2倍補間フィルタと線形補間に
よって実現される2段階の補間が、一度で行われるよう
な係数を予め用意しておき、1段階の補間であるかのよ
うに処理が行われる。また、水平、垂直方向の場合とも
に、入力となる画像圧縮情報(ビットストリーム)中の
動きベクトルの値に応じて、必要な画素値のみが作り出
される。水平方向と垂直方向の動きベクトルの値に応じ
たフィルタ係数を予め用意しておき、水平方向と垂直方
向の補間を一度に行うことも可能である。
【0056】なお、2倍補間のフィルタリングを行う
際、動きベクトルの値によって、ビデオメモリ109に
おける画枠の外を参照する必要が生じる場合がある。こ
の場合は、前記図9の(A)に示したように、端点を中
心にして必要なタップ数だけ対称に折り返すミラー処理
か、図9の(B)に示したように、端点の画素値と同じ
値の画素が必要なタップ数の分だけ画枠の外に存在する
ものとして取り扱うホールド処理を行う。垂直方向に対
しては、動き補償装置(フィールド予測)107におい
ても、動き補償装置(フレーム予測)108において
も、ミラー処理若しくはホールド処理はフィールド単位
で行う。
【0057】次に、画枠変換部111における動作原理
について説明する。
【0058】例えば、入力となる画像圧縮情報(ビット
ストリーム)の画枠が1920×1080画素であった
場合、ビデオメモリ109から出力される画像は960
×1080画素ということになる。これを例えば720
×480画素(アスペクト比16:9)の表示装置に出
力する場合、水平方向には3/4、垂直方向には4/9
の間引き処理が必要となる。画枠変換部111では、こ
のような間引き処理を行うことで画枠の変換を行う。
【0059】ところで、上述したMPEG2は、主とし
て放送用に適合する高画質符号化を対象としていたが、
MPEG1より低い符号量(ビットレート)、つまりよ
り高い圧縮率の符号化方式には対応していなかった。一
方、近年の携帯端末の普及により、今後そのような高い
圧縮率の符号化方式のニーズは高まると思われ、これに
対応してMPEG4符号化方式の標準化が行われた。M
PEG4の画像符号化方式に関しては、1998年12
月にISO/IEC 14496−2としてその規格が
国際標準に承認されている。
【0060】また、ディジタル放送用に一度符号化され
たMPEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)を、携
帯端末上などで処理するのにより適した、より低い符号
量(ビットレート)のMPEG4画像圧縮情報(ビット
ストリーム)に変換したいというニーズがある。
【0061】かかる目的を達成する画像情報変換装置
(トランスコーダ)として、“Field-to-Frame Transco
ding with Spatial and Temporal Downsampling”(Sus
ie J.Wee, John G. Apostolopoulos, and Nick Feamste
r, ICIP '99)では、前記図19に示したような装置が
提案されている。
【0062】この図19において、入力となる飛び越し
走査のMPEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)に
おける各フレームのデータは、先ず、ピクチャタイプ判
別部112に入力する。
【0063】当該ピクチャタイプ判別部112では、各
フレームの入力データがIピクチャ(画像内符号化画
像)/Pピクチャ(前方予測符号化画像)に関するもの
か、Bピクチャ(両方向予測符号化画像)に関するもの
であるかを判別し、前者のときのみ、そのI/Pピクチ
ャに関する情報を後続のMPEG2画像情報復号化部
(I/Pピクチャ)113に出力する。
【0064】MPEG2画像情報復号化部(I/Pピク
チャ)113における処理は通常のMPEG2画像情報
復号化装置と同様である。但し、Bピクチャに関するデ
ータはピクチャタイプ判別部112において廃棄される
ため、MPEG2画像情報復号化部(I/Pピクチャ)
113における機能としてはI / P ピクチャのみを
復号化出来ればよい。MPEG2画像情報復号化部(I
/Pピクチャ)112の出力となる画素値は、間引き部
114に入力される。
【0065】当該間引き部114は、水平方向について
は1/2の間引き処理を施し、垂直方向については第一
フィールド若しくは第二フィールドのどちらか一方のデ
ータのみを残し、もう一方を廃棄することにより、入力
となる画像情報の1/4の大きさを持つ順次走査画像を
生成する。間引き部114によって生成された順次走査
画像はMPEG4画像情報符号化部(I/P−VOP)
115に入力する。
【0066】当該MPEG4画像情報符号化部(I/P
−VOP)115では、入力した順次走査画像の信号を
符号化してMPEG4画像圧縮情報(ビットストリー
ム)を生成して出力する。
【0067】その際、入力となるMPEG2画像圧縮情
報(ビットストリーム)中の動きベクトル情報は、動き
ベクトル合成部116において間引き後の画像情報に対
する動きベクトルにマッピングされ、また、動きベクト
ル検出部117では、動きベクトル合成部116におい
て合成された動きベクトル値を元に高精度の動きベクト
ルを検出する。
【0068】なお、MPEG4において、VOP(Vide
o Object Plane)とは、オブジェクトを囲む1つまたは
複数のマクロブロックから構成される領域を表す。この
VOPの領域は、符号化される方式にしたがって、Iピ
クチャ、Pピクチャ、およびBピクチャのうちのいずれ
かに分類される。I−VOP(IピクチャのVOP)
は、動き補償を行うことなく、画像(領域)そのものが
符号化(イントラ符号化)されるものである。P−VO
P(PピクチャのVOP)は、基本的には、自身より時
間的に前に位置する画像(IまたはP−VOP)に基づ
いて、前方予測符号化される。B−VOP(Bピクチャ
のVOP)は、基本的には、自身より時間的に前と後ろ
に位置する2つの画像(IまたはP−VOP)に基づい
て両方向予測符号化されるものである。
【0069】この図19に示す画像情報変換装置におい
て、MPEG2画像情報復号部(I/Pピクチャ)11
3に代えて、前述の図5若しくは図11に示した画像情
報復号化装置を用いることで、MPEG2復号化処理に
伴う演算量とメモリ量を削減し、安価な装置構成を実現
することも可能である。
【0070】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近は、M
PEG4画像符号化において、例えばQSIF(176
×112画素)の画枠の画像情報に対して、例えば56
kbps以下の超低ビットレートの画像圧縮を実現する
ことが望まれている。
【0071】しかしながら、このような超低ビットレー
トを実現しようとすると、MPEG4符号化に伴う歪が
大きくなる。
【0072】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
てなされたものであり、MPEG4画像符号化におい
て、例えばQSIF(176×112画素)の画枠の画
像情報に対して、例えば56kbps以下の超低ビット
レートの画像圧縮を実現する一方で、MPEG4符号化
に伴う歪を少なくすることをも可能とする、画像情報変
換装置及び方法を提供することを目的とする。
【0073】
【課題を解決するための手段】本発明の画像情報変換装
置は、直交変換処理され、可変長符号化処理及び動き補
償処理を用いて圧縮符号化された飛び越し走査の第1の
画像圧縮情報を、上記第1の画像圧縮情報よりも高圧縮
率となる、順次走査の第2の画像圧縮情報に変換して出
力する画像情報変換装置であり、上記第1の画像圧縮情
報を伸長復号化して得られた直交変換係数の高域成分に
帯域制限を加えつつ縮小逆直交変換処理を行う縮小逆直
交変換手段を有することにより、上述した課題を解決す
る。
【0074】本発明の画像情報変換方法は、直交変換処
理され、可変長符号化処理及び動き補償処理を用いて圧
縮符号化された飛び越し走査の第1の画像圧縮情報を、
上記第1の画像圧縮情報よりも高圧縮率となる、順次走
査の第2の画像圧縮情報に変換して出力する画像情報変
換方法であり、上記第1の画像圧縮情報を伸長復号化し
て得られた直交変換係数の高域成分に帯域制限を加えつ
つ縮小逆直交変換処理を行うことにより、上述した課題
を解決する。
【0075】すなわち本発明によれば、例えばMPEG
4画像符号化において、例えばQSIF(176×11
2画素)の画枠の画像情報に対して例えば56kbps
以下の超低ビットレートの画像圧縮を実現するような場
合に、画像の持つ高域情報を削減し、MPEG4画像符
号化における符号化効率を向上させ、順次走査のMPE
G4画像圧縮情報(ビツトストリーム)に変換して出力
することを可能としている。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照しながら説明する。
【0077】図1には、本発明の第1の実施の形態の画
像情報変換装置の概略構成を示す。
【0078】この図1において、入力となる飛び越し走
査のMPEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)は、
先ずピクチャタイプ判別部1に入力する。
【0079】当該ピクチャタイプ判別部1は、I/Pピ
クチャに関する情報については出力してMPEG2画像
情報復号化部(I/Pピクチャ4×8ダウンデコーダ)
2へ送るが、Bピクチャに関する情報については破棄す
る。これにより、フレームレートの変換が行われる。
【0080】MPEG2画像情報復号化部(I/Pピク
チャ4×8ダウンデコーダ)2は、図2に示すような構
成からなる。この図2に示す構成は、基本的には図5に
示した構成と略々同様であるが、本実施の形態の場合は
縮小逆離散コサイン変換部(4×8)15での処理内容
が図5の例とは異なる。
【0081】この図2において、入力画像圧縮情報は、
符号バッファ11を介して圧縮情報解析部12に入力す
る。当該圧縮情報解析部12では、入力画像圧縮情報か
ら、伸長に必要な情報の解析を行い、その解析により得
られた情報と共に画像圧縮情報を可変長復号化部13に
送る。可変長復号化部13では、符号化時の可変長符号
化処理に対応する可変長復号化処理を行う。但し、この
例の可変長復号化部13においては、後段の縮小逆離散
コサイン変換部15において必要な係数のみを復号化
し、あとはEOB(End Of Block)が検出されるまで処
理を行わないということも考えられる。この可変長復号
化部13での可変長復号化処理により得られたデータ
は、逆量子化部14で逆量子化処理された後、縮小逆離
散コサイン変換部(4×8)15に送られる。
【0082】上記逆量子化部14での逆量子化処理によ
り得られた垂直及び水平方向に8次の離散コサイン変換
係数は、縮小逆離散コサイン変換部(4×8)15によ
って逆離散コサイン変換処理が施されるが、本実施の形
態の場合の縮小逆離散コサイン変換部(4×8)15で
は、前述した図5の縮小逆離散コサイン変換部(4×
8)105の場合とは水平方向成分に対する動作原理が
以下のように異なる。
【0083】すなわち、入力となるMPEG2画像圧縮
情報(ビットストリーム)における水平方向の8次の離
散コサイン係数を(C,C,…,C)とし、逆離
散コサイン変換を行う行列を[IDCT]とし、縮小逆
離散コサイン変換の結果得られる画素値を(x
,…,x)としたとき、図2の縮小逆離散コサイ
ン変換部(4×8)15では、次式(4)で表される処
理を行う。
【0084】
【数6】
【0085】この式(4)に示した処理は、前述の図5
の縮小逆離散コサイン変換部(4×8)105におけ
る、入力となるMPEG2画像圧縮情報(ビットストリ
ーム)に含まれる8次の離散コサイン変換係数のうち低
域4次係数を取り出し、これに4次の逆離散コサイン変
換を施すという処理に比べ、より大きく帯域制限を行う
ことになる。このため、図1において後段のMPEG4
画像情報符号化部(I/P−VOP)6で行われる符号
化処理の効率を向上させることができる。
【0086】但し、入力となるMPEG2画像圧縮情報
(ビットストリーム)は飛び越し走査であり、飛び越し
走査のMPEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)に
はフィールドDCTモードのマクロブロック、及びフレ
ームDCTモードのマクロブロックが混在するため、垂
直方向の高域成分を削減することは画質劣化に繋がる。
このため、本実施の形態の場合、式(4)を用いた高域
情報の削減は、水平方向にのみ施すことにする。なお、
式(4)は前述の高速アルゴリズムによる実行が可能で
ある。
【0087】上記縮小逆離散コサイン変換部(4×8)
15での逆離散コサイン変換後のデータは、マクロブロ
ックがイントラマクロブロックの場合、加算器16を介
してビデオメモリ19にそのまま格納される。一方、イ
ンターマクロブロックの場合は、動き補償モードがフィ
ールド予測モードであるかフレーム予測モードであるか
によって、動き補償部(フィールド予測)17若しくは
動き補償部(フレーム予測)18がビデオメモリ19内
の参照データを元にして水平方向に1/4画素精度、垂
直方向に1/2画素精度の補間処理を施し、これによっ
て生成される予測画素データと、逆離散コサイン変換後
の画素データとが、加算器16によって合成されてビデ
オメモリ19に送られる。
【0088】このビデオメモリ19に蓄積された画素値
は、画枠変換部20によって後段の図示しない表示装置
に適した画枠サイズに変換される。当該画枠変換部20
からの画像信号が、図2の画像情報復号化装置(図1の
MPEG2画像情報復号化部2)の出力復号化画像信号
となる。
【0089】図1に戻り、上記図2に示した画像情報復
号化部2からの復号化画像データは、走査変換部3に入
力する。ここで、上記MPEG2画像情報復号化部2の
出力として得られるのは、入力となる飛び越し走査のM
PEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)の1/2×
1/1の画枠を持つ飛び越し走査の画像データである。
当該走査変換部3では、上記1/2×1/1の画枠を持
つ飛び越し走査の画像データを1/2×1/2の画枠を
持つ順次走査の画素データへ変換して出力する。
【0090】この順次走査の画素データは、間引き部4
へ入力する。間引き部4は、走査変換部3からの1/2
×1/2の画枠を持つ順次走査の画素データに対して、
水平方向に1/2の間引き処理を施し、垂直方向につい
ては1ラインおきのデータのみ残すことにより、1/4
×1/4の画枠を持つ順次走査の画素データを出力す
る。この間引き部4から出力された画素データは、ビデ
オメモリ5に一旦蓄えられた後に読み出され、MPEG
4画像情報符号化部(I/P−VOP)6へ送られる。
なお、間引き部4における間引き処理の際に、画像の持
つ高域情報を削減することで、後段のMPEG4画像情
報符号化部(I/P−VOP)6における符号化効率を
向上させることも可能である。
【0091】MPEG4画像情報符号化部(I/P−V
OP)6では、入力した順次走査画像の信号を符号化し
てMPEG4画像圧縮情報(ビットストリーム)を生成
して出力する。すなわち、当該MPEG4画像情報符号
化部6からは、入力となるMPEG2画像圧縮情報の1
/4×1/4の画枠を持つ順次走査のMPEG4画像圧
縮情報(ビットストリーム)が出力されることになる。
【0092】また、MPEG2画像情報復号化部2にお
いて検出される、入力となるMPEG2画像圧縮情報
(ビットストリーム)中の動きベクトル情報は、動きベ
クトル合成部7に入力され、ここで走査変換後の順次走
査画像における動きベクトル値にマッピングされる。さ
らに、動きベクトル検出部8においては、動きベクトル
合成部7の出力となる走査変換後の順次走査画像におけ
る動きベクトル値を元に高精度の動き検出を行い、その
動きベクトルがMPEG4画像情報符号化部(I/P−
VOP)6での符号化の際に使用される。
【0093】次に、図3には、本発明の第2の実施の形
態の構成例を示す。なお、この図3において、上記図1
と同じ構成要素には同一の指示符号を付してそれらの説
明を省略し、図1とは異なる部分のみ説明する。
【0094】この図3に示す第2の実施の形態におい
て、MPEG2画像情報復号化部(I/Pピクチャ4×
4ダウンデコーダ)30は、図4に示すような構成から
なる。なお、この図4において、上記図2と同じ構成要
素には同一の指示符号を付してそれらの説明を省略し、
図2とは異なる部分のみ説明する。
【0095】この図4に示す構成は、基本的には図11
に示した構成と略々同様であるが、本実施の形態の場合
は縮小逆離散コサイン変換部での処理内容が図11の例
とは異なる。
【0096】この図4において、上記逆量子化部14で
の逆量子化処理により得られた垂直及び水平方向に8次
の離散コサイン変換係数は、縮小逆離散コサイン変換部
(4×4)22及び縮小逆離散コサイン変換部(フィー
ルド分離)23に送られる。
【0097】ここで、当該縮小逆離散コサイン変換部
(4×4)22及び縮小逆離散コサイン変換部(フィー
ルド分離)23は、前述した図11の縮小逆離散コサイ
ン変換部(4×4)122及び縮小逆離散コサイン変換
部(フィールド分離)123の場合とでは、水平方向成
分に対する動作原理が異なり、上記式(4)に示した動
作を行う。
【0098】したがって、この第2の実施の形態におい
ても上記第1の実施の形態の場合と同様に、式(4)に
示した処理を行うことで、より大きく帯域制限を行うこ
とができ、後段のMPEG4画像情報符号化部(I/P
−VOP)6で行われる符号化処理の効率を向上させる
ことができる。但し、この第2の実施の形態の場合も第
1の実施の形態の例と同様に、入力となるMPEG2画
像圧縮情報(ビットストリーム)は飛び越し走査であ
り、飛び越し走査のMPEG2画像圧縮情報(ビットス
トリーム)にはフィールドDCTモードのマクロブロッ
ク、及びフレームDCTモードのマクロブロックが混在
するため、垂直方向の高域成分を削減することは画質劣
化に繋がる。このため、当該第2の実施の形態の場合で
も、式(4)を用いた高域情報の削減は、水平方向にの
み施すことにする。
【0099】上記縮小逆離散コサイン変換部(4×4)
22及び縮小逆離散コサイン変換部(フィールド分離)
23での逆離散コサイン変換後のデータは、マクロブロ
ックがイントラマクロブロックの場合、加算器16を介
してビデオメモリ19にそのまま格納される。一方、イ
ンターマクロブロックの場合は、動き補償モードがフィ
ールド予測モードであるかフレーム予測モードであるか
によって、動き補償部(フィールド予測)17若しくは
動き補償部(フレーム予測)18がビデオメモリ19内
の参照データを元にして、水平方向,垂直方向ともに1
/4画素精度の補間処理を施し、これによって生成され
る予測画素データと、逆離散コサイン変換後の画素デー
タとが、加算器16によって合成されてビデオメモリ1
9に送られる。
【0100】上記ビデオメモリ19に蓄積された画素値
は、画枠変換・位相ずれ補正部21によって後段の図示
しない表示装置に適した画枠サイズに変換される。当該
画枠変換・位相ずれ補正部21からの画像信号が、図4
の画像情報復号化装置(図3のMPEG2画像情報復号
化部30)の出力復号化画像信号となる。
【0101】図3に戻り、上記図4に示した画像情報復
号化部30からの復号化画像データは、走査変換部3に
入力する。ここで、上記MPEG2画像情報復号化部3
0の出力として得られるのは、入力となる飛び越し走査
のMPEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)の1/
2×1/2の画枠を持つ飛び越し走査の画像データであ
る。したがって、当該走査変換部3の出力として得られ
るのは、入力となる飛び越し走査のMPEG2画像圧縮
情報(ビットストリーム)の1/2×1/4の画枠を持
つ順次走査の画素データとなる。
【0102】この順次走査の画素データは、画枠変換部
31へ入力する。ここで、例えば入力となる飛び越し走
査のMPEG2画像圧縮情報の1/4×1/4の画枠を
持つ順次走査のMPEG4画像圧縮情報(ビットストリ
ーム)を最終的に得たい場合、当該画枠変換部31で
は、上記走査変換部3からの1/2×1/4の画枠を持
つ順次走査の画素データに対して1/4×1/4の画枠
調整を行う。この画枠変換部31から出力された画素デ
ータは、ビデオメモリ5に一旦蓄えられた後に読み出さ
れ、MPEG4画像情報符号化部(I/P−VOP)6
へ送られる。なお、画枠変換部31における画枠調整処
理の際に、画像の持つ高域情報を削減することで、後段
のMPEG4画像情報符号化部6における符号化効率を
向上させることも可能である。
【0103】以上、入力としてMPEG2画像圧縮情報
(ビットストリーム)を、出力としてMPEG4画像圧
縮情報(ビットストリーム)を対象としてきたが、入
力、出力ともこれに限らず、例えばMPEG−1やH.
263などの画像圧縮情報(ビットストリーム)であっ
ても本発明は適用可能である。
【0104】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、直交変換処理され、可変長符号化処理及
び動き補償処理を用いて圧縮符号化された飛び越し走査
の第1の画像圧縮情報を、第1の画像圧縮情報よりも高
圧縮率となる、順次走査の第2の画像圧縮情報に変換し
て出力する画像情報変換装置において、第1の画像圧縮
情報を伸長復号化して得られた直交変換係数の高域成分
に帯域制限を加えつつ縮小逆直交変換処理を行うことに
より、例えば、超低ビットレートの画像圧縮を実現する
一方で、第2の画像圧縮情報への符号化に伴う歪を少な
くすることをも可能としている。したがって、例えばM
PEG2画像圧縮情報をMPEG4画像圧縮情報へ変換
するような場合に、MPEG4画像符号化において、例
えばQSIF(176×112画素)の画枠の画像情報
に対して、例えば56kbps以下の超低ビットレート
の画像圧縮を実現する一方で、MPEG4符号化に伴う
歪を少なくすることをも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の画像情報変換装置
の概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】第1の実施の形態のMPEG2画像情報復号化
部の概略構成を示すブロック回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の画像情報変換装置
の概略構成を示すブロック回路図である。
【図4】第2の実施の形態のMPEG2画像情報復号化
部の概略構成を示すブロック回路図である。
【図5】従来のMPEG2画像情報復号化装置の概略構
成の一例を示すブロック回路図である。
【図6】図5に示した装置の可変長復号化部における動
作原理の説明に用いる図である。
【図7】図5に示した装置の縮小逆離散コサイン変換部
(4×8)における動作原理の説明に用いる図である。
【図8】図5の装置の縮小逆離散コサイン変換部(4×
8)における動作を高速アルゴリズムを用いて実現する
場合の構成例を示す図である。
【図9】図5の装置の動き補償部(フィールド予測)及
び動き補償部(フレーム予測)におけるミラー処理とホ
ールド処理の説明に用いる図である。
【図10】図5に示した装置の画枠変換部における垂直
方向の処理の説明に用いる図である。
【図11】従来のMPEG2画像情報復号化装置の概略
構成の他の例を示すブロック回路図である。
【図12】図11に示した装置において、入力となるM
PEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)がジグザグ
スキャンである場合の可変長復号化部における動作原理
の説明に用いる図である。
【図13】図11に示した装置において、入力となるM
PEG2画像圧縮情報(ビットストリーム)がオルタネ
ートスキャンである場合の可変長復号化部における動作
原理の説明に用いる図である。
【図14】図11の装置のビデオメモリ内における画素
の位相の説明に用いる図である。
【図15】図11の装置の縮小逆離散コサイン変換部
(フィールド分離)における動作原理の説明に用いる図
である。
【図16】図11の装置の縮小逆離散コサイン変換部
(フィールド分離)における動作を高速アルゴリズムを
用いて実現する場合の構成例を示す図である。
【図17】図11の装置の動き補償部(フィールド予
測)における動作原理の説明に用いる図である。
【図18】図11の装置の動き補償部(フレーム予測)
における動作原理の説明に用いる図である。
【図19】図5又は図11のMPEG2画像圧縮復号化
装置が適用される従来の画像情報変換装置(トランスコ
ーダ)の構成例を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 ピクチャタイプ判別部、 2 MPEG2画像情報
復号化部(I/Pピクチャ4×8ダウンデコーダ)、
3 走査変換部、 4 間引き部、 5 ビデオメモ
リ、 6 MPEG4画像情報符号化部(I/P−VO
P)、 7 動きベクトル合成部、 8 動きベクトル
検出部、 11 符号バッファ、 12圧縮情報解析
部、 13 可変長復号化部、 14 逆量子化部、
15 縮小逆離散コサイン変換部(4×8)、 16
加算器、 17 動き補償部(フィールド予測)、 1
8 動き補償部(フレーム予測)、 19 ビデオメモ
リ、20 画枠変換部、 21 画枠変換・位相ずれ補
正部、 22 縮小逆離散コサイン変換部(4×4)、
23 縮小逆離散コサイン変換部(フィールド分離)
30 MPEG2画像情報復号化部(I/Pピクチャ
4×4ダウンデコーダ)、 31 画枠変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 輝彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 矢ケ崎 陽一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C059 KK01 KK08 MA00 MA05 MA23 MC22 MC24 MC32 MC36 MC38 ME01 NN01 NN21 PP05 PP06 RB01 SS06 SS11 UA02 UA05 UA33 5J064 AA02 BA09 BA16 BB13 BB14 BC01 BC08 BD02 BD03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交変換処理され、可変長符号化処理及
    び動き補償処理を用いて圧縮符号化された飛び越し走査
    の第1の画像圧縮情報を、上記第1の画像圧縮情報より
    も高圧縮率となる、順次走査の第2の画像圧縮情報に変
    換して出力する画像情報変換装置において、 上記第1の画像圧縮情報を伸長復号化して得られた直交
    変換係数の高域成分に帯域制限を加えつつ縮小逆直交変
    換処理を行う縮小逆直交変換手段を有することを特徴と
    する画像情報変換装置。
  2. 【請求項2】 上記縮小逆直交変換手段は、上記直交変
    換係数のうち水平方向成分にのみ高域制限を行うことを
    特徴とする請求項1記載の画像情報変換装置。
  3. 【請求項3】 上記縮小逆直交変換手段は、上記直交変
    換係数に逆直交変換処理を施して得られた水平方向の隣
    接画素の平均値を当該水平方向の画素値として出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報変換装置。
  4. 【請求項4】 上記縮小逆直交変換手段は、上記水平方
    向成分に対し、所定の高速アルゴリズムに基づく手法に
    より逆離散コサイン変換を実行することを特徴とする請
    求項3記載の画像情報変換装置。
  5. 【請求項5】 上記縮小逆直交変換手段は、上記第1の
    画像圧縮情報が持つ画枠を1/2×1/1、若しくは、
    1/2×1/2に縮小することを特徴とする請求項1記
    載の画像情報変換装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の画像圧縮情報を伸長復号した
    画像情報を、上記第2の画像圧縮情報の画枠に変換する
    際に、画像の持つ高域情報を削減する画枠変換手段を備
    えることを特徴とする請求項1記載の画像情報変換装
    置。
  7. 【請求項7】 直交変換処理され、可変長符号化処理及
    び動き補償処理を用いて圧縮符号化された飛び越し走査
    の第1の画像圧縮情報を、上記第1の画像圧縮情報より
    も高圧縮率となる、順次走査の第2の画像圧縮情報に変
    換して出力する画像情報変換方法において、 上記第1の画像圧縮情報を伸長復号化して得られた直交
    変換係数の高域成分に帯域制限を加えつつ縮小逆直交変
    換処理を行うことを特徴とする画像情報変換方法。
  8. 【請求項8】 上記直交変換係数のうち水平方向成分に
    のみ高域制限を行うことを特徴とする請求項7記載の画
    像情報変換方法。
  9. 【請求項9】 上記直交変換係数に逆直交変換処理を施
    して得られた水平方向の隣接画素の平均値を当該水平方
    向の画素値として出力することを特徴とする請求項7記
    載の画像情報変換方法。
  10. 【請求項10】 上記水平方向成分に対し、所定の高速
    アルゴリズムに基づく手法により逆離散コサイン変換を
    実行することを特徴とする請求項9記載の画像情報変換
    方法。
  11. 【請求項11】 上記第1の画像圧縮情報が持つ画枠を
    1/2×1/1、若しくは、1/2×1/2に縮小する
    ことを特徴とする請求項7記載の画像情報変換方法。
  12. 【請求項12】 上記第1の画像圧縮情報を伸長復号し
    た画像情報を、上記第2の画像圧縮情報の画枠に変換す
    る際に、画像の持つ高域情報を削減することを特徴とす
    る請求項7記載の画像情報変換方法。
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