JP2002151112A - 燃料電池およびその分解方法 - Google Patents

燃料電池およびその分解方法

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JP2002151112A
JP2002151112A JP2000343432A JP2000343432A JP2002151112A JP 2002151112 A JP2002151112 A JP 2002151112A JP 2000343432 A JP2000343432 A JP 2000343432A JP 2000343432 A JP2000343432 A JP 2000343432A JP 2002151112 A JP2002151112 A JP 2002151112A
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adhesive sealing
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Toshihiro Takegawa
寿弘 竹川
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性の向上や、組立工程の簡略化を図り
つつ、分解性も容易にする。 【解決手段】 固体高分子電解質膜1の両側に触媒反応
層を有する一対の電極3,5が配置され、さらに各電極
3,5の両側に、燃料ガス流路11および酸化性ガス流
路13をそれぞれ備えた一対のセパレータ7,9が配置
された固体電解質型燃料電池である。この燃料電池の外
周側の、各セパレータ7,9と固体高分子膜1との間に
は、接着性シール材23,25が介装され、接着性シー
ル材23,25とセパレータ7,9との間に、線状構造
物を設ける。線状構造物の端部は、燃料電池の外部へ引
き出されており、この引き出し端部を引っ張ることで、
接着性シール材23,25がセパレータ7,9から剥離
され、燃料電池の分解を容易にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体高分子電解
質膜と、この固体高分子電解質膜の両側に配置されて触
媒反応層を有する一対の電極と、この一対の電極の両側
に配置され、燃料ガスおよび酸化性ガスがそれぞれ供給
される流路を備えた一対のセパレータと、この一対のセ
パレータの外周縁部相互間に配置されるシール材とを備
えた燃料電池およびその分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気
など酸化性ガスを電気化学的に反応させて起電力を得る
装置であり、電解質膜の両側に二つの電極、すなわちカ
ソード電極とアノード電極が配置されて、MEA(Memb
rane Electrode Assembly)と呼ばれる電極電解質膜接
合体を構成している。一般には、このMEAを構成する
セルが多数積層されて燃料電池スタックを構成する。
【0003】上記した各電極の外側には、多数積層され
た電極電解質膜接合体相互を、機械的に接合するととも
に、隣接する電極電解質膜接合体相互を電気的に接続す
るセパレータが配置され、セパレータの電極が接触する
部分には電極面に反応ガスを供給するガス流路が形成さ
れている。
【0004】固体高分子膜型燃料電池は、電解質として
プロトン伝導性のある固体高分子電解質膜を用いる点に
特徴を有し、プロトン伝導によって生じる電気化学反応
場であるとともに、アノード側の燃料ガスと、カソード
側の酸化性ガスとの混合を防ぐ隔離膜としての役割も果
たしている。
【0005】そして、従来では、上記した燃料ガスと酸
化性ガスとの混合を各電極の外周部で防ぐために、各セ
パレータの外周縁部相互間に、シール材としてOリング
(特開平6−119930号公報参照)やガスケット
(特開平7−226220号公報、特開2000−15
6234参照)を配置するようにしている。
【0006】ところが、上記したようなOリングやガス
ケットを使用する方法では、これらのシール材が、シー
ルを行うための一部材を構成しており、したがって燃料
電池を組み立てる際には、別工程を必要とする。とりわ
け、自動車用の燃料電池では、大きな出力を必要とする
ことから数百枚のセパレータを積層するため、シール材
装着には膨大な組立時間が必要となる。特に、線径が数
mmのOリングでは、セパレータに正確に装着することが
難しく、一方ガスケットではセパレータ、ガスケット、
電解質膜といった構成要素部品間の寸法差が小さいた
め、正確な位置へ短時間で装着することが困難である。
さらに、軽量化のために薄型化したガスケットでは、燃
料電池内を流れるガスの高圧ならびに、高分子膜の吸水
による面方向での膨潤によって、セパレータの面方向に
ずれてしまい、長期的に見れば、シール性が損なわれる
ことになる。
【0007】そこで、Oリングやガスケットに代えて、
樹脂溶液を塗布・乾燥させることで、シール部を固着し
てシール性の向上や、組立工程の簡略化が図るものある
(例えば特開2000−67886号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようにシール材をセパレータに固着した構造である
と、そのシール性を高める強固な固着力のため、Oリン
グやガスケットを使用した燃料電池に比べ、局所的に発
生する燃料電池の劣化(高分子電解膜の劣化および破
損、セパレータの亀裂)が生じたときに問題となる燃料
電池の分解が困難となり、燃料電池の修繕性が損なわれ
ることになる。
【0009】また、分解性が困難であると、使用済みと
なった燃料電池の処分に際し、構成要素部品の回収・再
利用が困難となり、特に高価な触媒金属を含有する電極
や高価な固体電解質膜を回収処理せずに、埋め立てなど
の廃棄処分を行うと、環境負荷への影響も大きなものと
なる。固体電解質膜や触媒金属の回収例としては、特開
平8−171922号や特開平11−288732号公
報に記載されており、燃料電池の構成要素部品の回収・
再利用への要求が大きくなってきている。
【0010】そこで、この発明は、シール性の向上や、
組立工程の簡略化を図りつつ、分解性も容易にすること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、固体高分子電解質膜と、この固
体高分子電解質膜の両側に配置されて触媒反応層を有す
る一対の電極と、この一対の電極のさらに両側に配置さ
れ、燃料ガスおよび酸化性ガスがそれぞれ供給される流
路を備えた一対のセパレータと、この一対のセパレータ
の外周縁部相互間に配置されるシール材とを備えた燃料
電池において、前記シール材を接着性シール材とし、こ
の接着性シール材とセパレータとの間に、外方向へ引っ
張ることで前記接着性シール材を剥離させる剥離部材を
介装した構成としてある。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明の構成
において、剥離部材は、接着性シール材の内周側近傍に
配置される構成としてある。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明の構成において、剥離部材は、セパレータに形成した
凹部に埋設する構成としてある。
【0014】請求項4の発明は、請求項3の発明の構成
において、凹部は、接着性シール部材の内周面に対向す
る面に形成される構成としてある。
【0015】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの発明の構成において、剥離部材は、線状構造物
で構成してある。
【0016】請求項6の発明は、請求項5の発明の構成
において、線状構造物は、金属製である構成としてあ
る。
【0017】請求項7の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの発明の構成において、剥離部材は、フィルム状
構造物で構成してある。
【0018】請求項8の発明は、請求項7の発明の構成
において、フィルム状構造物は、接着性シール材のセパ
レータに対向する側面に配置されて多数の孔を備えてい
る構成としてある。
【0019】請求項9の発明は、請求項7または8の発
明の構成において、フィルム状構造物は、樹脂製で構成
してある。
【0020】請求項10の発明は、請求項1ないし9の
いずれかの発明の構成において、剥離部材は、その端部
が燃料電池の外部へ引き出されている構成としてある。
【0021】請求項11の発明は、固体高分子電解質膜
と、この固体高分子電解質膜の両側に配置されて触媒反
応層を有する一対の電極と、この一対の電極のさらに両
側に配置され、燃料ガスおよび酸化性ガスがそれぞれ供
給される流路を備えた一対のセパレータと、この一対の
セパレータの外周縁部相互間に配置されるシール材とを
備えた燃料電池の分解方法において、前記シール材を接
着性シール材とし、この接着性シール材とセパレータと
の間に介装した剥離部材の燃料電池外部へ引き出された
端部を、外方向へ引っ張ることで前記接着性シール材を
剥離させる燃料電池の分解方法としてある。
【0022】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、セパレータ相
互間に設けた接着性シール材は、この接着性シール材と
セパレータとの間に介装した剥離部材を外方向へ引っ張
ることで、セパレータから剥離され、セパレータ相互が
分離されて燃料電池の分解が容易となる。
【0023】請求項2の発明によれば、接着性シール材
が、内周側から剥離されるので、接着性シール材の剥離
作業が確実なものとなる。
【0024】請求項3の発明によれば、接着性シール材
を設ける前に、剥離部材を凹部に埋設することで、燃料
電池の組立作業が容易となる。
【0025】請求項4の発明によれば、剥離部材を外方
向へ引っ張る際に、剥離部材が凹部から容易に引き出さ
れ、剥離作業を容易に行うことができる。
【0026】請求項5の発明によれば、セパレータ相互
間に設けた接着性シール材は、この接着性シール材とセ
パレータとの間に介装した線状構造物を外方向へ引っ張
ることで、セパレータから剥離され、セパレータ相互が
分離されて燃料電池の分解が容易となる。
【0027】請求項6の発明によれば、線状構造物は金
属製であるため、高い張力が得られるとともに、高い耐
久性も得ることができ、剥離作業を確実に行うことがで
きる。
【0028】請求項7の発明によれば、セパレータ相互
間に設けた接着性シール材は、この接着性シール材とセ
パレータとの間に介装したフィルム状構造物を外方向へ
引っ張ることで、セパレータから剥離され、セパレータ
相互が分離されて燃料電池の分解が容易となる。
【0029】請求項8の発明によれば、セパレータと接
着性シール材との接触面積が、剥離部材に設けた多数の
孔によって充分確保され、セパレータと接着性シール材
との間に剥離部材としてフィルム状構造物を介装して
も、シール性は確保される。
【0030】請求項9の発明によれば、フィルム状構造
物を樹脂製とすることで、フィルム状構造物の製造が容
易であり、汎用性も高くコストも低く抑えることができ
る。
【0031】請求項10の発明によれば、接着性シール
材の外部へ引き出されている剥離部材の端部を掴み、外
方向へ引っ張ることで、接着性シール材の剥離作業を容
易に行うことができる。
【0032】請求項11の発明によれば、セパレータ相
互間に設けた接着性シール材は、この接着性シール材と
セパレータとの間に介装した剥離部材を外方向へ引っ張
ることで、セパレータから剥離され、セパレータ相互が
分離されて燃料電池の分解を容易に行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
【0034】図1は、この発明の第1の実施形態に係わ
る固体高分子膜型燃料電池の一部を示す断面図、図2
は、燃料電池全体を示す、図1のA−A断面図である。
この燃料電池は、固体高分子膜からなる電解質膜1と、
この電解質膜1の両側に配置される二つの電極3,5
(燃料極と酸素極)と、この二つの電極3,5のさらに
両側に設けられた二つのセパレータ7,9とを備えてい
る。実際の燃料電池は、電解質膜1と電極3,5とから
なる電極電解質膜接合体がセパレータ7,9を間に挟ん
で多数積層されて燃料電池スタックを構成するが、ここ
では、図1に示すような単電池を例にして説明する。
【0035】電解質膜1は、フッ素系樹脂などの高分子
材料によりプロトン伝導性のイオン交換膜として形成さ
れている。また、二つの電極3,5には、白金または白
金とその他の金属からなる触媒を含有するカーボンクロ
スからなり、触媒の存在する面が電解質膜1と接触する
ように形成されている。
【0036】なお、ここでは、触媒層が電極面に存在し
ているもので説明しているが、膜の両面に触媒層が塗布
または接合されていてもかまわない。
【0037】セパレータ7,9は、ガス不透過である緻
密性カーボン材で構成されており、電極3および電極5
にそれぞれ対応する面には、燃料ガス流路11および酸
化性ガス流路13を確保するための多数のリブ15およ
びリブ17と、各ガス流路11,13の周囲を囲むよう
に環状リブ19,21とがそれぞれ形成されるととも
に、ガス流路11,13が形成された面と反対側の面に
は、図示していないが、冷却水流路が形成されている。
【0038】電解質膜1は、外側端部がセパレータ7,
9の外側端部とほぼ同位置まで延長されており、その外
側端部の電解質膜1と各セパレータ7,9との間には、
接着性シール材(例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム、
スチレンブタジエンゴム、ブチルウレタンゴム、エピク
ロロヒドリンゴム、アクリルゴム等の合成ゴム、及びそ
れらの共重合体)23,25が設けられている。そし
て、この接着性シール材23,25の内周側(図1中で
左側)端部の電解質膜1に対向する面には、凹部として
の環状の溝27,29が形成され、この溝27,29内
には、剥離部材としての金属製からなる線状構造物3
1,33が埋設されている。溝27,29の幅寸法は、
線状構造物31,33の外径寸法とほぼ同程度とする。
これにより、線状構造物31,33を溝27,29に埋
設することで、相互間の摩擦力により、溝27,29内
に線状構造物31,33が保持されることになる。
【0039】線状構造物31,33は、環状リブ19,
21の周囲を覆うように配置されており、その両端部3
1a,33aは燃料電池の外部に引き出されている。こ
の各端部31a,33aの先端側を除く部位に対応する
部位のセパレータ7,9にも、前記した溝27,29に
連続する溝が形成され、この溝に端部31a,33aの
先端側を除く部位が埋設されているものとする。
【0040】次に、上記した構成の燃料電池の組立につ
いて説明する。まず、セパレータ7,9の溝27,29
に線状構造物31,33をそれぞれ埋設する。このと
き、単に埋設するだけでもよいが、接着剤を用いて点付
けにより仮固定することで、線状構造物31,33をよ
り確実にセパレータ7,9に保持させることができる。
線状構造物31,33を保持させたセパレータ7,9相
互を、あらかじめ固体電解質膜1の両側に電極3,5を
保持させてある電極電解質接合体を間に挟んで重ね合わ
せる際に、あるいは重ね合わせた後に、環状リブ19,
21の外側における電解質膜1とセパレータ7,9との
間に、接着性シール材23,25を介装する。
【0041】電解質膜1とセパレータ7,9との間に、
接着性シール材23,25を介装することで、接着性シ
ール材23,25が、セパレータ7,9の接着面7aお
よび7b,9aおよび9bに密着するとともに、電解質
膜1の接着面1a,1bにもそれぞれ密着し、確実なシ
ールがなされ、燃料ガスと酸化性ガスとの混合を確実に
防止することができる。
【0042】次に、このようにして組み立てられた燃料
電池の分解作業を説明する。燃料電池の破損部の修繕
や、使用済み燃料電池を処理して電解質膜1および電極
3,5における触媒金属を再利用する際の分解時には、
必要に応じて、目的とするセパレータ部位に設けられる
線状構造物31,33を、その両端部31aを図2中で
矢印Bで示す、セパレータ7,9の面方向に沿って引っ
張ることで、セパレータ7,9と接着性シール材23,
25との間の接着面7aおよび7b,9aおよび9bに
剪断応力が作用し、接着性シール材23,25をセパレ
ータ7,9から容易に剥離させることができ、分解作業
が容易なものとなる。このとき、線状構造物31,33
は、溝27,29に埋設されているので、電解質膜1側
に多少寄せるようにして引っ張ることで、接着性シール
材23,25の剥離作業がより容易となる。
【0043】図3は、この発明の第2の実施形態に係わ
る固体高分子膜型燃料電池の一部を示す断面図で、図1
における線状構造物31,33が埋設される溝27,2
9を、セパレータ7,9の接着面7b,9bの接着面7
a,9a側端部に形成したものである。その他の構成は
前記図1のものと同様である。
【0044】この場合には、線状構造物31,33が埋
設される溝27,29が、セパレータ7,9の面方向外
側に開口しているので、線状構造物31,33を外側に
引っ張る動作が容易にでき、剥離作業がより容易なもの
となる。
【0045】なお、上記図1および図3に示してある線
状構造物31,33は、断面形状が円形となっている
が、楕円形状であっても構わない。さらに、セパレータ
7,9と接着性シール材23,25との間の接着面7a
および7b,9aおよび9bに対する剪断性を良好とす
るために、断面の一部が鋭角状としてもよい。さらにま
た、線状構造物31,33の外部への引き出し端部31
a,33aに、セパレータ7,9同士の短絡を防止する
ために、通電防止用の被覆材を被せてもよく、またセパ
レータ7,9と接着性シール材23,25との剪断作業
を容易とするために、端部31a,33aに取っ手とし
て機能する構造を付加してもよい。
【0046】図4は、この発明の第3の実施形態に係わ
る固体高分子膜型燃料電池の一部を示す断面図で、図1
および図2の燃料電池に対し、セパレータ7,9に形成
してある溝27,29に代えて、幅広の凹部35,37
を形成するとともに、剥離部材として線状構造物31,
33に代えてフィルム状構造物39,41を使用したも
のである。
【0047】凹部35,37は、セパレータ7,9の接
着面7a,9aにおける接着面7b,9b側の端部に形
成され、この凹部35,37にフィルム状構造物39,
41を埋設して保持させてある。フィルム状構造物3
9,41の各端部39a,41aの先端側を除く部位に
対応する部位のセパレータ7,9にも、上記した凹部3
5,37に連続する凹部が形成され、この凹部に端部3
9a,41aの先端側を除く部位が埋設されているもの
とする。この場合のフィルム状構造物39,41は、凹
部35,37に対し埋設するだけでも保持させることが
できるが、接着剤を用いて点付けにより仮固定すること
で、より確実に保持させることができる。
【0048】フィルム状構造物39,41は、燃料電池
全体を示す、図4のC−C断面図である図5に示すよう
に、燃料電池周囲の四辺に、それぞれ直線状に配置され
ている。すなわち、フィルム状構造物39,41は、セ
パレータ7,9にそれぞれ4本ずつ設けられており、そ
れぞれの両端部39a,41aが、燃料電池の外部に引
き出されている。
【0049】上記した構成の燃料電池においても、フィ
ルム状構造物39,41を、図5中で矢印Dで示すセパ
レータ7,9の面方向に沿って引っ張ることで、セパレ
ータ7,9と接着性シール材23,25との間の接着面
7aおよび7b,9aおよび9bに剪断応力が作用し、
接着性シール材23,25をセパレータ7,9から容易
に剥離させることができ、燃料電池の分解作業が容易な
ものとなる。
【0050】なお、上記図4の構成においては、フィル
ム状構造物39,41のフィルム厚や表面特性に応じて
凹部35,37を省略することも可能である。
【0051】また、前記図1および図3における、溝2
7,29の加工方法ならびに図4における凹部35,3
7の加工方法としては、セパレータ7,9の製造方法や
加工方法、燃料電池の組立方法などに応じて適宜最適な
ものを選択する。
【0052】さらに、フィルム状構造物39,41は、
表面がフラットとなっているが、セパレータ7,9と接
着性シール材23,25との接着面積を確保するため
に、フィルム状構造物39,41を貫通する大口径の貫
通孔を複数設ける構成としてもよい。また、セパレータ
7,9と接着性シール材23,25との接着面に対する
剪断性を良好とするために、フィルム状構造物39,4
1の一部を金属製としてもよい。
【0053】図6は、この発明の第4の実施形態に係わ
る固体高分子膜型燃料電池の一部を示す断面図で、図4
の燃料電池に対し、セパレータ7,9に形成してある凹
部35,37を廃止し、フィルム状構造物39,41を
セパレータ7,9の接着面7a,9a全域に及ぶ幅寸法
にするとともに、燃料電池全体を示す、図6のE−E断
面図である図7に示すように、フィルム状構造物39、
41のフィルム面を貫通する大口径の孔39b,41b
を多数形成したものである。フィルム状構造物39,4
1に多数の孔39b,41bを形成することで、セパレ
ータ7,9と接着性シール材23,25との接触がこの
孔39b,41bを介して確実になされる。
【0054】この場合のフィルム状構造物39,41
も、セパレータ7,9の接着面7a,9aに対し単に貼
り付けるだけでも保持可能であるが、接着剤を用いて点
付けにより仮固定することで、より確実に保持させるこ
とができる。
【0055】上記した構成の燃料電池においても、図4
のものと同様に、フィルム状構造物39,41を、図7
中で矢印Fに示すセパレータ7,9の面方向に沿って引
っ張ることで、セパレータ7,9と接着性シール材2
3,25との間の接着面7aおよび7b,9aおよび9
bに剪断応力が作用し、接着性シール材23,25をセ
パレータ7,9から容易に剥離させることができ、燃料
電池の分解作業が容易なものとなる。
【0056】そして、この例においては、フィルム状構
造物39,41がセパレータ7,9の接着面7a,9a
全域に及ぶ幅寸法となっているので、図4のものに比べ
て接着性シール材23,25に対する剥離作業をより確
実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる固体高分子
膜型燃料電池の一部を示す断面図である。
【図2】燃料電池全体を示す、図1のA−A断面図であ
る。
【図3】この発明の第2の実施形態に係わる固体高分子
膜型燃料電池の一部を示す断面図である。
【図4】この発明の第3の実施形態に係わる固体高分子
膜型燃料電池の一部を示す断面図である。
【図5】燃料電池全体を示す、図4のC−C断面図であ
る。
【図6】この発明の第4の実施形態に係わる固体高分子
膜型燃料電池の一部を示す断面図である。
【図7】燃料電池全体を示す、図6のE−E断面図であ
る。
【符号の説明】
1 電解質膜 3,5 電極 7,9 セパレータ 11 燃料ガス流路 13 酸化性ガス流路 23,25 接着性シール材 27,29 溝(凹部) 31,33 線状構造物(剥離部材) 31a,33a 端部 35,37 凹部 39,41 フィルム状構造物(剥離部材) 39a,41a 端部 39b,41b 貫通孔

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜と、この固体高分子
    電解質膜の両側に配置されて触媒反応層を有する一対の
    電極と、この一対の電極のさらに両側に配置され、燃料
    ガスおよび酸化性ガスがそれぞれ供給される流路を備え
    た一対のセパレータと、この一対のセパレータの外周縁
    部相互間に配置されるシール材とを備えた燃料電池にお
    いて、前記シール材を接着性シール材とし、この接着性
    シール材とセパレータとの間に、外方向へ引っ張ること
    で前記接着性シール材を剥離させる剥離部材を介装した
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 剥離部材は、接着性シール材の内周側近
    傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃
    料電池。
  3. 【請求項3】 剥離部材は、セパレータに形成した凹部
    に埋設してあることを特徴とする請求項1または2記載
    の燃料電池。
  4. 【請求項4】 凹部は、接着性シール部材の内周面に対
    向する面に形成されていることを特徴とする請求項3記
    載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 剥離部材は、線状構造物で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の燃料電池。
  6. 【請求項6】 線状構造物は、金属製であることを特徴
    とする請求項5記載の燃料電池。
  7. 【請求項7】 剥離部材は、フィルム状構造物で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の燃料電池。
  8. 【請求項8】 フィルム状構造物は、接着性シール材の
    セパレータに対向する側面に配置されて多数の孔を備え
    ていることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
  9. 【請求項9】 フィルム状構造物は、樹脂製であること
    を特徴とする請求項7または8記載の燃料電池。
  10. 【請求項10】 剥離部材は、その端部が燃料電池の外
    部へ引き出されていることを特徴とする請求項1ないし
    9のいずれかに記載の燃料電池。
  11. 【請求項11】 固体高分子電解質膜と、この固体高分
    子電解質膜の両側に配置されて触媒反応層を有する一対
    の電極と、この一対の電極のさらに両側に配置され、燃
    料ガスおよび酸化性ガスがそれぞれ供給される流路を備
    えた一対のセパレータと、この一対のセパレータの外周
    縁部相互間に配置されるシール材とを備えた燃料電池の
    分解方法において、前記シール材を接着性シール材と
    し、この接着性シール材とセパレータとの間に介装した
    剥離部材の燃料電池外部へ引き出された端部を、外方向
    へ引っ張ることで前記接着性シール材を剥離させること
    を特徴とする燃料電池の分解方法。
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