JP2002149884A - 倫理審査支援システム、倫理審査支援方法およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

倫理審査支援システム、倫理審査支援方法およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2002149884A
JP2002149884A JP2001262185A JP2001262185A JP2002149884A JP 2002149884 A JP2002149884 A JP 2002149884A JP 2001262185 A JP2001262185 A JP 2001262185A JP 2001262185 A JP2001262185 A JP 2001262185A JP 2002149884 A JP2002149884 A JP 2002149884A
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憲一 大西
Yoshiaki Yamazaki
義顕 山崎
Takenao Sata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、映像表現が所定の倫理基準
を満たしているか否かの審査を、客観的に行うことがで
きる倫理審査支援システム及びその方法を提供すること
にある。 【解決手段】 本発明に係る倫理審査支援システムは、
映像表現が、所定の倫理基準を満たすか否かを審査する
ための審査支援手段を有するシステムであって、前記審
査支援手段は、予め記憶された過去の倫理審査結果デー
タを検索する検索手段と、予め設定された形式に従って
出力した質問に対して入力された回答に基づいて倫理審
査の結果を判定する対話型審査手段と、予め設定された
条件に従って映像データを分析し、この結果に基づいて
倫理審査の結果を判定する手段と、検索手段、前記対話
型審査手段、及び前記映像審査手段による審査結果のう
ち少なくともいずれか1つを出力する出力手段とを有す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像表現が所定の
倫理基準を満たしているか否かを判定する倫理審査を支
援する倫理審査支援システム及び倫理審査支援方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、映像処理技術の発達に伴い、多種
多様な映像が、テレビやゲーム等の媒体を通じて、ユー
ザに広く提供されている。映像処理技術の発達は、テレ
ビやゲーム等の映像に、現実感や迫力感をもたらす結
果、ユーザの興味をひきつけ、また彼らの好奇心を満た
している。
【0003】特に、ゲーム装置の分野では、従来、主に
子供を対象とした商品が、開発・販売されてきた。しか
し、近年では、かかる映像処理技術の発達に伴い、ゲー
ムの種類や内容も多様化し、幼少児から大人までを対象
とした商品が、開発・販売されるようになっている。
【0004】ゲームが、このように幅広いプレーヤを惹
きつける魅力の一つは、プレーヤに仮想現実の世界を提
供することによって、現実世界では体験できないことを
体験させることができる点にある。ゲームが持つリアル
感や迫力感は、プレーヤをゲームの世界に感情移入させ
るので、現実では経験することのできない「非日常世
界」をプレーヤに経験させることが可能になるのであ
る。
【0005】これは、ゲームの商品の価値を高めるうえ
で非常に大きなウェイトを占めているものでもある。よ
って、各ゲーム会社は、競って最先端の映像技術を使用
し、自由な想像力と表現力を駆使して多種多様な作品を
作り上げているが、その一方で、非現実世界における
「興奮」や「恐怖」を表現するあまり、その映像表現が
過激になりやすい傾向にある。
【0006】すなわち、このようなゲームが持つリアル
感や迫力感は、プレーヤをゲームに感情移入させる一方
で、プレーヤに精神的・感情的な影響を与える場合も多
い。特に、ゲームの内容によっては、過激な映像表現
が、青少年のプレーヤに好ましくない影響を与える場合
がある。
【0007】例えば、プレーヤが主人公となって敵を倒
していくストーリのアクションゲームでは、主人公の攻
撃により敵の体から血しぶきが飛び散ったり、敵の身体
の一部が分離・欠損したりする場面が展開されることが
ある。推理サスペンス物のアドベンチャーゲームでは、
プレーヤのモチベーションを高めるために、犯人の残酷
さや事件の異常性が表現されることがあり、残酷な殺人
シーンや著しく損壊した遺体の描写が行なわれる場合も
ある。
【0008】また、ゲームの中で、登場人物の裸体が表
現されたり、未成年者が飲酒・喫煙等の行為をする場面
が表現される場合がある。ストーリ上「男女の関係」を
描写する場合において、過激な性表現が用いられる場合
や、登場人物の年齢や個性を表現するために、飲酒、喫
煙、凶器の携帯等の行為が用いられる場合があるからで
ある。
【0009】さらにまた、「ゲームならでは」の非日常
性を表現するために、法的又は倫理的に問題がある表現
が用いられる場合(例えば、無免許運転、スピード違
反、公共物損壊、壁への落書き、暴行、窃盗等)もあ
る。
【0010】このような、暴力表現や性的表現等を含む
映像表現は、その映像がリアルであればあるほど、ま
た、迫力感があればあるほど、青少年に与える影響が大
きく、彼らの社会性や倫理性に悪影響を与えるおそれが
ある。
【0011】そこで、従来では、「あるゲームが、青少
年に悪影響を与えるような映像表現を含む」と判断され
る場合には、ゲームのパッケージに「暴力表記をす
る」、「年齢制限を表記する」等の措置が採られてい
た。そして、かかる判断は、所定の倫理審査機関により
行なわれていた。所定の倫理審査機関は、ゲームソフト
ウェアの倫理規定を設け、「あるゲームが、青少年に悪
影響を及ぼすような映像表現を含むか否か」について判
断していたのである。
【0012】図19は、このような倫理規定の一部を、
参考のために表したものである。図19によれば、問題
となる表現として、具体的に、「性的表現」や「暴力、
犯罪、及び反社会的表現」が規定されている。
【0013】例えば、新しいゲームを開発した開発会社
は、所定の倫理審査機関に、自分達の開発したゲームの
映像データを提供し、当該ゲームに対する倫理審査を依
頼する。そして、この依頼を受けて、倫理審査機関は、
当該ゲームの映像表現が所定の倫理規定に抵触するか否
かを、審査していた。
【0014】倫理審査は、具体的には、当該審査機関に
属する審査員によって行われていた。審査員は、ゲーム
の各シーンから問題となる映像表現(以下、「問題表
現」と呼ぶ。)を選ぶと、この問題表現が、倫理規定の
どの表現に抵触するのか否かを審査する。問題表現に
は、いわゆる暴力表現、性的表現、反社会的表現等の種
類があるので、どの規定に抵触するのかを明確にする必
要があるからである。
【0015】そして、審査員が、当該問題表現が倫理規
定に抵触すると判定した場合には、審査結果は「不合
格」であり、これに対し、当該映像表現が倫理規定に抵
触しないと判定した場合には、審査結果は「合格」であ
った。そして、審査結果が「不合格」の場合には、ゲー
ムのパッケージに「暴力表記」をするか、または「販売
不可」という対処方法が、審査の依頼者に対して提示さ
れるのである。
【0016】この審査結果は、倫理審査機関によって、
紙面で審査依頼者(ゲーム開発者)に送られる。よっ
て、ゲーム開発者は、ゲームの販売に際し、そのゲーム
が所定の倫理基準に抵触するのか否かを知ることによ
り、その結果に応じた適切な措置をとることが可能であ
った。例えば、当該問題表現を削除または修正したり、
パッケージに「暴力表記」を記載することである。
【0017】従来、かかる倫理審査が行われることによ
り、幼少児や未成年のプレーヤについては、保護者が、
ゲームのパッケージ表記を見て、そのゲームの購入や使
用の有無を判断することができるので、彼らに与える影
響を未然に防止することが期待されていた。
【0018】また、ゲームの開発者や販売者側について
は、当該ゲームが、青少年に悪影響を与える暴力表現や
性的表現等を含んでいるか否かについて、自ら検討する
ことにより、過激な表現を見直すきっかけとなることが
期待されていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の倫理審査方法では、その審査結果に関して、以下の
ような問題があった。
【0020】従来の倫理審査方法では、その映像表現が
所定の倫理基準を満たしているか否かの審査を、審査機
関の審査員が個別に行っていたため、その審査結果が、
審査員によって異なる場合があった。例えば、同じよう
な映像表現であっても、ある審査員によれば「不合格
(暴力表記)」となり、ある審査員によれば「合格(非
暴力表記)」となる場合があった。
【0021】倫理基準は、青少年に悪影響を及ぼす映像
表現を規制するために設けられたものである。しかし、
例えば、「殺人、傷害、暴力等の犯罪を刺激的に表現し
てはならない」という基準に対して、どのような映像表
現がこの基準を満たし、どのような映像表現がこの基準
を満たさないかを、実際に審査することは困難である。
【0022】例えば、殺人事件を解明していくゲームに
おいて、人間が予め殺されている映像と、敵地に乗り込
んで敵を倒していくゲームにおいて、敵の兵士を次々と
殺していく映像とでは、プレーヤに与える影響は異な
る。また、敵の兵士を次々と殺していく映像であって
も、敵の兵士が人間である場合とそうでない場合、ま
た、敵の兵士が殺される表現の方法によって、その印象
や影響は異なるからである。
【0023】さらにまた、例えば、幼少年向けのゲーム
において、妖精が裸体で表現されているが猥褻感等が感
じられない場合と、青少年向けのゲームにおいて、若い
少女が裸体ではないが裸体に近い状態で表現されている
場合とでは、その印象や影響は異なるからである。
【0024】このような映像表現に対して、審査結果が
合格になる表現と、不合格になる表現との、境界線を判
断することは困難であるから、その審査には、審査員の
主観や経験が反映されやすい。その結果、上述したよう
に、同じような映像表現であっても、審査員によって、
異なる審査結果となる場合があるのである。
【0025】しかし、審査員によって審査結果が異なる
のでは、ゲームを使用する側のみならず、ゲームの開発
者側にとっても問題である。ゲームの購入者は、パッケ
ージに表記がされていても、その表記自体に信頼性が持
てず、結局、そのゲームが倫理基準を満たしているか否
かを判断することができない。
【0026】また、ゲームの開発者は、審査結果に整合
性がなければ、ゲームにおける映像表現を自ら判断する
基準を失い、その結果、自由な表現力を駆使して多種多
様な作品を作り上げることが困難になる。
【0027】このように、客観性や信頼性に欠ける審査
結果を提供した場合には、ゲームの消費者や開発者を混
乱させ、その結果、ゲーム業界の健全な発達を阻害する
ことにもなるのである。
【0028】そこで、本発明の第1の目的は、映像表現
が所定の倫理基準を満たしているか否かの審査を、客観
的に行うことができる倫理審査支援システムおよびその
方法を提供することにある。
【0029】また、本発明の第2の目的は、映像表現に
関わる業界全体の健全な発達を促すことができる倫理審
査支援システムおよびその方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上述したように、従来の
倫理審査では、審査員が、所定の倫理基準と個人の主観
や経験とに基づいて審査を行うために、審査結果が審査
員によって異なる等の問題が生じ、審査結果の客観性が
確保されにくいという問題があった。
【0031】そこで、本発明は、審査員が、個人の主観
や経験に頼らないで審査をすることができるように、個
人の主観や経験に代わる新たな手段(審査支援手段)を
設けることとしたものである。
【0032】この「審査支援手段」は、以下に述べる3
つの審査支援手段を含んで構成されており、これらによ
って、審査員の倫理審査を支援する審査支援機能を発揮
するものである。
【0033】本発明に係る第1の審査支援手段は、過去
の審査結果をデータベースから検索する審査結果検索手
段である。当該検索手段は、過去の審査結果データをデ
ータベースに登録する登録機能と、当該データベースに
登録された審査結果データを検索する検索機能と、を有
するものである。
【0034】「審査結果データ」とは、倫理審査に関す
るデータを意味し、主に、審査対象である映像データ
と、この映像データに対する審査結果データ(審査経緯
データを含む)とが含まれる。また、当該検索機能に
は、「問題表現」を検索キーとして設定することができ
る機能が設けられている。これによれば、例えば、「暴
力表現」や「性的表現」を検索キーとすることができる
ので、この問題表現について審査された過去の審査結果
データを検索することができる。
【0035】例えば、審査対象である映像データが、
「敵のキャラクタがプレーヤによって殺され、流血シー
ンが表現されている」内容の映像データである場合につ
いて説明する。
【0036】審査員は、プレーヤによって敵のキャラク
タが殺されているので、この映像表現は、「暴力表現」
に該当するか否かが問題であると判断することができ
る。しかし、審査員は、その映像表現だけを見て、審査
結果は不合格か否か、「暴力表現」に該当するのか否か
を、判定することは難しい。
【0037】しかし、審査結果検索手段によれば、審査
員は、かかる審査中に、過去に「暴力表現」に該当する
(又は、該当しない)と判断された映像データと、現在
審査している映像データとを比較することができるの
で、個人の主観や経験によらず、適正な審査を行うこと
ができる。
【0038】また、審査員は、最初に自分で判断した審
査結果について、その場で過去のデータを確認すること
により、当初の判断を修正あるいは再確認することがで
きるので、精度の高い審査を行うことができる。
【0039】これにより、個々の審査員が、映像表現の
倫理審査を行う場合であっても、審査結果の整合性が図
られるとともに、審査結果の精度を全体的に向上するこ
とができる。従って、本発明に係る審査結果検索手段に
よれば、より客観的な審査結果を、プレーヤやゲーム開
発者に対して提供することが可能となるのである。
【0040】次に、本発明に係る第2の支援手段は、予
め設定された質問に対して審査員が回答を入力すること
により、審査結果が自動的に判定される対話型審査手段
である。当該対話型審査機能は、予め設定された質問事
項を出力する質問機能と、この質問に対する回答を入力
する回答機能と、この回答に基づいて審査結果を判定す
る判定機能と、を有するものである。
【0041】「対話型審査」とは、ある問題表現につい
て、予め設定された質問事項を審査員に質問し、審査員
が、予め用意された回答の中から該当する回答を選択す
ることにより行われる審査をいう。各質問項目は、問題
表現に対して個々に設定されており、また、審査員が客
観的に判断し返答することができる点を考慮して設けら
れている。また、質問事項に対する回答は、選択形式で
設けられている。
【0042】例えば、「暴力表現」に対する質問事項の
例としては、「攻撃の際に、当たりの表現(プレーヤの
攻撃が敵キャラクタに当たったことをプレーヤに伝える
表現手法)があるか?」、「当たりの表現は、血が流れ
たり飛び散ったように見えるか?」、及び「血の表現は
インタラクティブな場面(プレーヤが操作した瞬間に、
その効果が画面に反映される場面)で起きるのか?」等
がある。
【0043】これらの質問に対する回答は、例えば、審
査員が「YES/NO」で答えるように構成されてお
り、全ての回答が「YES」である場合には、暴力表現
に該当するものとして、審査結果は「不合格」と自動的
に判定されるのである。
【0044】このように、審査員が客観的に判断し返答
することができる点を考慮して、質問項目と回答とが予
め設けられているので、審査員の主観が審査に入る余地
が少なくなるとともに、審査過程が統一化される。従っ
て、審査員は、質問に順次回答していくので、問題表現
に対する漏れのない検討をすることができる。また、対
話型審査手段を利用することにより、審査員の個々人の
審査能力にかかわらず、整合性のとれた審査結果を全体
として得ることが可能になる。
【0045】なお、上述した本発明に係るDB検索機能
には、質問項目とこれに対する回答とを記憶する機能
と、かかる質問項目と回答とを検索する機能とが設けら
れている。よって、例えば、審査員が、類似する映像表
現について、過去の審査結果と異なる審査結果を得た場
合には、当該審査経緯を参照することにより、その原因
を確認することができる。このように、過去の審査結果
を有効に検討することで、倫理審査の精度を上げること
が可能になる。
【0046】次に、本発明に係る第3の審査支援手段
は、映像データを分析することにより、当該映像データ
が倫理規定に抵触するか否かを自動的に判定する映像審
査手段である。「映像審査」とは、審査対象である映像
データと、予め設定された審査基準とに基づいて、審査
結果を自動的に判定するものである。
【0047】例えば、ある映像データについて「暴力表
現」が問題となるのは、プレーヤに「暴力」を想起させ
る表現がなされているからである。具体的には、流血、
爆発、人間が倒れる表現、物が破壊される表現等は、プ
レーヤに「暴力」を感じさせる場合が多い。また、ある
映像データについて「性的表現」が問題となるのは、プ
レーヤの「性的感情」を刺激する表現がなされているか
らである。具体的には、裸体、下着姿、キス、抱擁等の
表現は、プレーヤの性的感情を刺激しやすいといえる。
【0048】しかし、例えば、ゲーム中に「流血」の表
現がなされていても、その頻度や量等によって、プレー
ヤに与える影響は様々である。よって、「流血」の表現
がなされているというだけでは、当該表現を即座に「暴
力表現」に該当すると判断することはできない。
【0049】従来、審査員は、ゲーム中に流血シーンが
含まれていれば、「暴力表現」について審査を行ってい
たが、どれくらいの流血表現であれば「暴力表現」とい
えるか否かについては、個人の主観や経験に頼って判断
していた。かかる映像データは、数値や言葉のようにプ
レーヤの視覚に映るものではないため、映像表現の「程
度」を客観的に判断することは特に困難だったのであ
る。
【0050】しかし、例えば、敵の身体から流れる血の
「色」が、緑色と赤色とでは、プレーヤに与える印象は
異なる。また、ゲームプレイ中における流血の「頻
度」、流血の「量」等によっても、プレーヤに与える影
響は異なる。よって、例えば、「流血表現」を、「色」
「頻度」及び「量」等の観点から分析し、この分析結果
を比較検討すれば、より客観的な審査結果を得ることが
可能になる。
【0051】そこで、本発明に係る映像審査手段は、問
題表現を主に構成する表現(以下、「表現対象」と呼
ぶ。)と、この表現対象を分析するためのパラメータと
を設定する設定機能と、各パラメータのレベルを算定す
る算定機能と、算定された各パラメータのレベルに基づ
いて審査結果を判定する判定機能と、を設けたものであ
る。
【0052】さらに、本発明に係る映像審査手段は、各
パラメータのレベルを算定するためのレベルテーブル
と、各パラメータのレベルに基づいて審査結果を判定す
るための判定テーブルとを、有するものである。
【0053】例えば、「暴力表現」を構成する表現対象
である「流血」のパラメータとしては、「血の色」、
「血の頻度」、「血の量」、及び「血の滞留時間」等が
ある。また、「血の量」のレベルは、「画面に占める流
血の割合」を基準に設定することができ、レベルが高い
ほどプレーヤに与える影響が大きいものとすることがで
きる。
【0054】また、レベルテーブルには、各パラメータ
のレベルとその内容とが対応づけて記憶され、判定テー
ブルには、各パラメータの組み合わせと審査結果とが対
応づけて記憶されている。
【0055】このように、人間が客観的に判断すること
が困難な映像表現について、システムがこれを分析し自
動的に判断することとしたので、人間の主観を排除する
ことが可能になり、より客観的な審査結果を得ることが
可能になる。
【0056】また、予め設定された審査方法やテーブル
に基づいて審査が行なわれるので、審査基準や審査経緯
が明確になるとともに、審査を効率的に行うことが可能
になる。
【0057】さらに、本発明では、審査結果をゲームプ
ログラムに設定する手段を新たに設けている。例えば、
暴力表現に抵触すると判定されるような映像表現につい
ては、プレーヤの年齢に応じて、ゲームプログラムが自
動的に当該映像表現の出力の有無を判定することができ
れば望ましい。よって、本発明では、審査結果に基づく
パラメータ(例えば、暴力表現であるか否か)と、ゲー
ムのプレイ状況を判定するための条件(例えば、プレー
ヤの年齢)とを、ゲームプログラム中に設定することと
している。
【0058】ゲームプログラムは、設定されたパラメー
タと上記の条件とに基づいて、映像表現の出力の有無を
決定することとすれば、例えば、プレーヤの年齢に応じ
て流血シーンを表現したり表現しなかったりすることが
できる。従って、客観的な審査結果をゲームプレイに反
映させることが可能となるのである。
【0059】具体的には、本発明に係る倫理審査支援シ
ステムは、映像表現が、所定の倫理基準を満たすか否か
を審査するための審査支援手段を有する倫理審査支援シ
ステムであって、前記審査支援手段は、予め記憶された
過去の倫理審査結果データを検索する審査結果検索手段
と、予め設定された形式に従って質問を出力し、この出
力された質問に対する回答を入力し、この入力された回
答に基づいて倫理審査の結果を判定する対話型審査手段
と、映像データを入力し、予め設定された条件に従って
前記映像データを分析し、この分析結果に基づいて倫理
審査の結果を判定する映像審査手段と、前記審査結果検
索手段による検索結果、前記対話型審査手段による審査
結果、及び前記映像審査手段による審査結果のうち少な
くともいずれか1つを出力する審査結果出力手段とを有
することを特徴とする。
【0060】また、本発明に係る倫理審査支援システム
は、映像データと、この映像データに対する倫理審査結
果データとを、記憶する記憶手段と、入力された検索条
件に基づいて、この記憶手段が記憶した前記映像データ
と前記倫理審査結果データとを検索する検索手段と、こ
の検索手段が検索した結果を出力する検索結果出力手段
とを備えることを特徴とする。
【0061】なお、前記検索手段は、倫理審査において
問題となる表現データを検索条件として入力し、この入
力された検索条件に基づいて、前記記憶手段が記憶した
前記映像データと前記倫理審査結果データとを検索する
ことを特徴とする。
【0062】また、本発明に係る倫理審査支援システム
は、映像表現が所定の倫理基準を満たすか否かを判定す
るための質問事項を出力する質問手段と、この質問手段
が出力する質問に対する回答を、所定の入力形式に従っ
て入力する回答手段と、この回答手段が回答した結果に
基づいて、前記映像表現に対する倫理審査の結果を判定
する対話型判定手段と、この対話型判定手段が判定した
結果を出力する対話型判定結果出力手段とを備えること
を特徴とする。
【0063】なお、前記質問手段が出力する質問事項
は、倫理審査において問題となる表現の内容に応じて予
め設定されており、前記回答手段は、前記設定された質
問事項の内容に応じてその入力形式を選択形式とするこ
とを特徴とする。
【0064】また、倫理審査が暴力表現に関する審査で
ある場合には、前記質問手段が出力する質問事項は、
「当たりの表現の有無」、「流血表現の有無」、「流血
表現は、インタラクティブな場面での表現か否か」、
「キャラクタの形状」、及び「キャラクタの質感」に関
する質問のうち、少なくともいずれか1つの質問を含む
ことを特徴とする。
【0065】また、問題となる表現を構成する表現対象
を特定する表現対象特定手段と、この表現対象を分析す
るためのパラメータを特定するパラメータ特定手段と、
前記パラメータのレベルを定義したレベルテーブルに基
づいて、前記パラメータ特定手段が特定したパラメータ
のレベルを算定する算定手段と、前記パラメータのレベ
ルに応じて審査結果を定義した判定テーブルと、前記算
定手段が算定したパラメータのレベルとに基づいて、映
像表現に対する倫理審査の結果を判定する映像判定手段
と、この映像判定手段が判定した結果を出力する映像判
定結果出力手段とを有することを特徴とする。
【0066】また、前記問題となる表現が「暴力表現」
である場合には、前記表現対象特定手段は、「血の領
域」を表現対象として特定し、前記パラメータ特定手段
は、「血の色」、「血の頻度」、「血の量」、及び「血
の滞留時間」のうちの少なくとも1つをパラメータとし
て特定することを特徴とする。
【0067】また、前記表現対象特定手段は、審査対象
である映像データの中から、ある形状が音声と同じタイ
ミングで変化する場合には、当該形状を「血の領域」と
判定することを特徴とする。
【0068】また、前記表現対象特定手段は、審査対象
である映像データの中から、ある形状が短時間で著しく
変化する場合には、当該形状を「血の領域」と判定する
ことを特徴とする。
【0069】また、前記倫理審査支援システムは、審査
対象である映像表現を出力するか否かをゲームプログラ
ムが判定するための条件をゲームプログラム中に設定す
るゲームプログラム設定手段を更に有することを特徴と
する。
【0070】また、前記ゲームプログラム設定手段は、
前記審査結果出力手段が出力する結果、前記検索結果出
力手段が出力する結果、前記対話型判定結果出力手段が
出力する結果、及び前記映像判定結果出力手段が出力す
る結果のうち、少なくともいずれか一つの結果をゲーム
プログラムに設定する第1の条件設定手段と、ゲームの
プレイ状況を判定するための条件をゲームプログラムに
設定する第2の条件設定手段とを有することを特徴とす
る。
【0071】また、前記第2の条件設定手段は、前記ゲ
ームのプレイ状況を判定するための条件として、プレー
ヤの年齢、ゲームのプレイ時間、及びゲームがプレイさ
れる時刻のうち少なくともいずれか一つを設定すること
を特徴とする。
【0072】また、本発明に係る倫理審査支援方法は、
映像表現が、所定の倫理基準を満たすか否かを審査する
倫理審査支援方法であって、予め記憶された過去の倫理
審査結果データを検索する審査結果検索ステップと、予
め設定された形式に従って質問を出力し、この出力され
た質問に対する回答を入力し、この入力された回答に基
づいて倫理審査の結果を判定する対話型審査ステップ
と、映像データを入力し、予め設定された条件に従って
前記映像データを分析し、この分析結果に基づいて倫理
審査の結果を判定する映像審査ステップと、前記審査結
果検索ステップによる検索結果、前記対話型審査ステッ
プによる審査結果、及び前記映像審査ステップによる審
査結果のうち少なくともいずれか1つを出力する審査結
果出力ステップとを有することを特徴とする。
【0073】また、本発明に係る倫理審査支援方法は、
映像データと、この映像データに対する倫理審査結果デ
ータとを、記憶する記憶ステップと、入力された検索条
件に基づいて、この記憶された前記映像データと前記倫
理審査結果データとを検索する検索ステップと、この検
索ステップにて検索された結果を出力する検索結果出力
ステップとを備えることを特徴とする。
【0074】また、本発明に係る倫理審査支援方法は、
映像表現が所定の倫理基準を満たすか否かを判定するた
めの質問事項を出力する質問ステップと、この質問に対
する回答を、所定の入力形式に従って入力する回答ステ
ップと、入力された回答の結果に基づいて、前記映像表
現に対する倫理審査の結果を判定する対話型判定ステッ
プと、この対話型判定ステップにて判定された結果を出
力する対話型判定結果出力ステップとを有することを特
徴とする。
【0075】また、本発明に係る倫理審査支援方法は、
問題となる表現を構成する表現対象を特定する表現対象
特定ステップと、この表現対象を分析するためのパラメ
ータを特定するパラメータ特定ステップと、前記パラメ
ータのレベルを定義したレベルテーブルに基づいて、特
定されたパラメータのレベルを算定する算定ステップ
と、前記パラメータのレベルに応じて審査結果を定義し
た判定テーブルと、算定されたパラメータのレベルとに
基づいて、映像表現に対する倫理審査の結果を判定する
映像判定ステップと、この映像判定ステップにて判定さ
れた結果を出力する映像判定結果出力ステップとを有す
ることを特徴とする。
【0076】なお、前記倫理審査支援方法は、審査対象
である映像表現を出力するか否かをゲームプログラムが
判定するための条件をゲームプログラム中に設定するゲ
ームプログラム設定ステップを更に有することを特徴と
する。
【0077】また、前記ゲームプログラム設定ステップ
は、前記審査結果出力ステップにて出力される結果、前
記検索結果出力ステップにて出力される結果、前記対話
型判定結果出力ステップにて出力される結果、及び前記
映像判定結果出力ステップにて出力される結果のうち、
少なくともいずれか一つの結果をゲームプログラムに設
定する第1の条件設定ステップと、ゲームのプレイ状況
を判定するための条件をゲームプログラムに設定する第
2の条件設定ステップとを有することを特徴とする。
【0078】また、本発明に係るゲーム装置は、ゲーム
プログラムの内容を読み出してゲームの進行を制御する
ゲーム装置であって、ゲームの映像表現が所定の倫理基
準を満たすか否かについての審査結果と、前記ゲームの
プレイ状況を判定するための条件と、が設定された前記
ゲームプログラムに基づいて、審査対象となった映像を
出力するか否かを決定することを特徴とする。
【0079】また、本発明に係るゲーム装置は、ゲーム
プログラムの内容を読み出してゲームの進行を制御する
ゲーム装置であって、前記第1の条件設定手段によって
前記ゲームプログラム内に設定された結果と、前記第2
の条件設定手段によって前記ゲームプログラム内に設定
された条件と、に基づいて、審査対象となった映像を出
力するか否かを決定することを特徴とする。
【0080】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形態で
は、審査の一例として、「暴力表現」に関する審査につ
いて説明する。
【0081】(倫理審査支援システムの構成の概要)図
1は、本発明の実施の形態に係る倫理審査支援システム
の構成を機能的に表したものである。図1に示すよう
に、倫理審査支援システム100は、審査受付手段6、
審査支援手段7、審査終了手段8、入金管理手段9、管
理台帳データベース(以下、「管理台帳DB」と呼
ぶ。)20、審査結果データベース(以下、「審査結果
DB」と呼ぶ。)21、審査基準データベース(以下、
「審査基準DB」と呼ぶ。)22、とを含んで構成され
る。
【0082】審査受付手段6、審査支援手段7、審査終
了手段8及び入金管理手段9は、それぞれ管理台帳DB
20等の各DBにアクセス可能に構成されている。
【0083】審査受付手段6は、クライアント(ゲーム
の開発会社等)200からの倫理審査依頼要求を受け付
けるためのものであり、依頼情報を管理台帳DB20に
記憶する依頼データ登録機能10を主に有している。
【0084】審査支援手段7は、審査員の倫理審査作業
を支援するためのものであり、審査支援ツールとして、
DB検索機能12、対話型審査機能13、及び映像審査
機能14とを主に有している。
【0085】審査終了手段8は、倫理審査が終了した後
の処理を行うためのものであり、審査結果DB登録機能
15、審査結果出力機能16、及び請求書出力機能20
とを主に有している。
【0086】入金管理手段9は、請求書に対するユーザ
からの入金の有無を管理するためのものであり、入金報
告を受け付けて、これを管理台帳DB20に記憶する機
能を主に有している。
【0087】(倫理審査支援システムにおけるデータ構
造の概要)ここで、本システム100における各DBの
構造について説明する。
【0088】第1のDBである管理台帳DB20は、ユ
ーザより倫理審査依頼要求があった場合に、この審査依
頼に関するデータを管理するためのものである。
【0089】図2は、管理台帳DB20のデータ構造を
表した図である。管理台帳DB20には、例えば、「NO
(審査NO.)」、「依頼(審査依頼日)」、「終了(審
査終了日)」、「入金(入金日)」、「タイトル名」、
「会社名」、「結果(審査結果)」、「表記(パッケー
ジ表記)」、及び「請求書」などの項目が設けられてい
る。
【0090】「タイトル名」とは、問題表現を含むゲー
ムのタイトル名である。「結果」とは、倫理審査の結果
であり、具体的には、「合格」又は「不合格」が記憶さ
れる。「表記」とは、ゲーム商品のパッケージ表記のこ
とであり、例えば、審査結果が「合格」の場合は「非暴
力表記」、「不合格」の場合は「暴力表記」が記憶され
る。
【0091】第2のDBである審査結果DB21は、審
査員が倫理審査を行った場合に、この審査結果に関する
データを記憶するためのものであり、問題となった映像
データと、これに対する審査結果データ等が記憶され
る。
【0092】図3は、審査結果DB21のデータ構造を
表した図である。審査結果DB21には、例えば、「NO
(審査NO.)」、「依頼(審査依頼日)」、「終了(審
査終了日)」、「タイトル名」、「会社名」、「結果
(審査結果)」、「表記(パッケージ表記)」、「問題
表現1」、「映像データ1」、「対話型審査1」、「映
像審査1」、「問題表現2」、「映像データ2」、「対
話型審査2」、及び「映像審査2」などの項目が設けら
れている。
【0093】「問題表現」とは、審査対象となった映像
表現が抵触する可能性のある倫理基準の項目のことであ
る。本実施の形態では、倫理基準は予め幾つかの項目に
分類されており、例えば、「暴力表現」「性的表現」
「反社会的表現」の3つの項目に分類され、それぞれに
ついて、更に詳細に項目分けされている。
【0094】すなわち、「問題表現」には、どの種類の
問題表現に抵触したかというコード情報が記憶される。
例えば、「A02」は、「暴力表現−流血」に対するコー
ドであり、「C01」は、「性的表現−裸体」に対するコ
ードである。なお、問題表現とコードとの対応づけは、
図示しないテーブルに記憶されている。
【0095】また、本発明では、1つの審査対象につい
て複数の問題表現が問題となった場合には、各問題表現
に関する審査データを記憶することができる。例えば、
審査対象によっては、「暴力表現−流血」と「暴力表現
−分離・欠損」とが問題となったり、また、「暴力表現
−流血」と「性表現−裸体」とが問題となる場合がある
からである。
【0096】そこで、本実施の形態では、問題表現が2
つある場合を例に、「問題表現1」と「問題表現2」の
それぞれについて「映像データ」、「対話型審査」、及
び「映像審査」が設けられているが、審査結果DB21
に登録することができる問題表現の数は、任意にこれを
設定することができる。
【0097】次に、「映像データ」は、問題表現となっ
た映像データのファイル名である。例えば、「NO=10
0」の審査結果データが検索された場合には、ファイル
名「D001.avi」のデータが読み出されて出力される。な
お、「avi(Audio Video Interleave)」とは、動画と
音声とを記録したファイルである。
【0098】「対話型審査」と「映像審査」は、これら
の審査支援ツールを使用した場合の審査結果を記憶した
ものである。また、これらの審査の経緯は、別途記憶さ
れているものとする。
【0099】第3のDBである審査基準DB22は、倫
理審査の審査基準に関するデータを予め記憶するための
ものであり、例えば、要素レベルテーブルと、映像判定
テーブルとを有している。
【0100】図4は、要素レベルテーブルのデータ構造
を表した図である。要素レベルテーブルには、映像審査
機能14が、例えば、暴力表現を構成する「流血」の各
パラメータのレベルを判定するための情報が記憶されて
いる。例えば、パラメータ(パラメータ)としては、
「C:色」、「N:頻度」、「V:量」、及び「T:滞
留時間」などの項目が設けられ、レベルとしては「1」
から「3」までが設定されている。
【0101】具体的には、「色(C)」は、「赤色、赤
に近い色、(緑などのように)赤とは異なる色」の3段
階にレベル分けされている。「頻度(N)」は、任意の
1分間のゲームプレイの中で血が出た回数を3段階にレ
ベル分けされている。「量(V)」は、画面サイズにお
ける血の領域の占める割合を3段階にレベル分けされて
いる。「滞留時間(T)」は、血が出始めてから消滅す
るまでの時間を3段階にレベル分けされている。
【0102】図5は、映像判定テーブルのデータ構造を
表した図である。映像判定テーブルには、映像審査機能
14が、各パラメータの組み合わせに基づいて、審査結
果を判定するための情報が記憶されている。例えば、暴
力表現に関する各パラメータ「C、N、V、T」が
「1、1、1、1」である場合には、映像審査機能14
は、当該審査結果は「合格=非暴力」と判定する。
【0103】(倫理審査支援システムの機能や運用につ
いて)本実施の形態に係る倫理審査支援システム100
は、クライアント/サーバ・システムの構成を有してい
る。また、本システム100は、クライアント200か
らの要求に応じて、ファイルやデータを提供する、いわ
ゆるWebサーバとしての機能と、クライアント200
からのデータベース(以下、「DB」と呼ぶ。)に対す
る処理要求に応じて、データベースを操作し、その処理
結果をクライアントへ返す、いわゆるデータベースサー
バとしての機能も有している。なお、各DBのデータの
管理や検索には、リレーショナルデータベース等の従来
のデータベース技術を用いることができる。
【0104】ここで、本実施の形態における倫理審査支
援システム100は、制御手段と入力手段と記憶手段と
出力手段とを備えた一般的構成の処理装置において、上
記各手段の動作を規定したソフトウェアによって実現さ
れることを想定している。なお、本発明に係る倫理審査
支援システム100は、物理的に専用化したシステムに
よって実現することもできる。
【0105】また、倫理審査支援システム100は、単
一のコンピュータにより構成されるものであっても、ネ
ットワーク上に分散した複数のコンピュータにより構成
されるものであってもよい。例えば、いわゆるWebサ
ーバと、DBサーバとを含んで構成される場合である。
【0106】なお、審査受付手段6、審査支援手段7、
審査終了手段8及び入金管理手段9は、上述した制御手
段がこれらの動作を規定したプログラムを読み取って各
種処理を行うが、以下の記載においては、各プログラム
そのものが各種処理を行うものとする。
【0107】また、図1では、インターネット等の通信
ネットワークを介した場合の倫理審査支援システム10
0の概要を説明するために、倫理審査支援の処理を行う
当該システム100だけでなく、倫理審査の依頼要求を
送信する開発会社の端末(クライアント)200と、通
信網500(有線、無線の両方を含む)とを、参考のた
めに図示している。
【0108】各クライアントは、典型的には、汎用のパ
ーソナル・コンピュータが相当し、WWW(World Wide
Web)を取り扱うためのWebブラウザ等のアプリケー
ションソフトウェアを実装している。よって、開発会社
200は、Web経由で倫理審査支援システムにアクセ
スすることで、当該倫理審査支援機能を利用することが
できる。
【0109】(倫理審査支援システムの動作の概要−主
な動作の流れ)次に、本実施の形態に係る倫理審査支援
システム100の動作の概要を説明する。
【0110】図6は、本実施の形態に係る倫理審査支援
システム100の全体処理の、主な流れを示すフローチ
ャートである。最初に、倫理審査支援システム100
は、クライアント(開発会社)200から送信された倫
理審査依頼要求を受信すると、この依頼データを管理台
帳に登録する等の審査受付処理を行う(ステップS00
1)。
【0111】次に、本システム100は、審査員の要求
に応じて、審査員に審査支援機能を提供する(ステップ
S002)。具体的には、DB検索機能12、対話型審
査機能23、及び映像審査機能22を提供する。これら
の支援機能を利用して、審査員は倫理審査を行うことが
できる。
【0112】そして、本システム100は、審査員の審
査が終了すると、審査終了処理を行う。具体的には、審
査結果を審査結果DB21や管理台帳20に登録し、審
査結果と請求書とを出力する(ステップS003)。
【0113】さらに、本システム100は、当該請求書
に対する入金報告があった場合には、入金データを管理
台帳DB20に登録する等の入金管理処理を行う(ステ
ップ004)。
【0114】このように、本システム100は、倫理審
査の依頼から終了までの処理を行うとともに、審査員の
倫理審査に対する支援機能を有しているので、倫理審査
をトータルで支援し、また管理することができるのであ
る。
【0115】(倫理審査支援システムの動作の概要−詳
細な動作の流れ)次に、本実施の形態に係る倫理審査支
援システム100の動作の概要を、詳細に説明する。
【0116】図7は、本実施の形態に係る倫理審査支援
システム100の全体処理の、詳細な流れを示すフロー
チャートである。最初に、審査受付手段6は、クライア
ント200から、図示しないメニュー画面を介して、倫
理審査依頼要求を受信すると、クライアント200に対
して、倫理審査依頼画面を送信する。ここで、クライア
ント200側では、ユーザが、当該倫理審査依頼画面を
介して、所定の審査依頼データ(ゲームのタイトル名、
会社名等)を入力する。
【0117】次に、審査受付手段6は、クライアント2
00から送信された審査依頼データを受信すると(ステ
ップS101)、当該データを管理台帳DB20に登録
する(ステップS102)。
【0118】ここで、本システム100側では、管理台
帳DB20への登録が終了すると、審査員による倫理審
査が開始される。審査員は、ユーザより指定された映像
データが、所定の倫理基準に抵触するか否かを審査する
際に、本システム100の各種支援機能を利用すること
ができる。
【0119】審査支援手段7は、審査員よりDB検索要
求を受け付けると(ステップS103;YES)、DB
検索画面を表示する。審査員が、当該画面にて検索条件
を入力すると、審査支援手段7は、当該検索条件に基づ
いて審査結果DBを検索する(ステップS104)。そ
して、審査支援手段7は、検索した結果を画面に表示す
る。これにより、審査員は、過去の審査結果を参照しな
がら倫理審査を行うことができる。
【0120】次に、審査支援手段7は、審査員より対話
型審査要求を受け付けると(ステップS105;YE
S)、対話型審査処理を行う(ステップS106)。具
体的には、審査支援手段7が、問題表現に関する質問事
項をメッセージ形式で表示し、審査員が、これに対する
回答を入力する。
【0121】そして、審査支援手段7が、審査員の入力
した回答に応じて、審査結果を判定する。これにより、
審査員は、予め設定された質問項目に従って個々の要件
を判断することができるので、自己の主観や経験にとら
われない客観的な審査結果を得ることができる。
【0122】次に、審査支援手段7は、審査員より映像
審査要求を受け付けると(ステップS107;YE
S)、映像審査処理を行う(ステップS108)。具体
的には、審査支援手段7は、表現対象(例えば、「流
血」)を構成する要素毎に映像データを分析し、各要素
の内容に応じて審査結果を判定する。これにより、審査
員は、人間が判断しにくい問題表現の程度に関する、客
観的な審査結果を得ることができる。
【0123】ここで、審査員は、対象データに対する審
査を終了すると、図示しないメニュー画面を介して、審
査終了処理を行う。
【0124】審査終了手段8は、審査員より審査結果の
登録要求を受け付けると、当該審査結果の内容を審査結
果DB21に新たに登録する(ステップS109)。ま
た、審査終了手段8は、審査員より審査結果出力要求を
受け付けると、当該審査結果をクライアント200に送
信し、請求書出力要求を受け付けると、当該審査に対す
る請求書を作成して、同様に送信する(ステップS11
0)。
【0125】最後に、入金管理手段9は、入金報告を受
け付けると(ステップS111)、管理台帳DB20に
入金データを書き込む(ステップS112)。
【0126】(審査受付処理)図8は、倫理審査依頼画
面の一例を表す図である。当該画面は、ユーザが倫理審
査を依頼するための情報を入力するためのものである。
画面には、一例として、ゲームの「タイトル名」、審査
対象を記憶した「ビデオ内容」、「ユーザID」、「社
名」、及び「e-mail」等の入力項目が設けられている。
【0127】ユーザが、各項目にデータを入力し、「審
査を依頼する」ボタンを選択すると、これらのデータが
審査依頼データとして、本システム100に送信され
る。
【0128】なお、審査対象である映像データが、静止
画または動画データである場合には、倫理審査依頼画面
にて、当該静止画または動画データを送信することもで
きる。その場合には、ユーザが、「審査を依頼する」ボ
タンを選択すると、各項目に入力されたデータと、審査
対象である静止画または動画データとが、審査依頼デー
タとして、本システム100に送信される。また、審査
対象である映像データが、ビデオデータである場合に
は、ユーザは、別途郵送等の手段により当該ビデオテー
プを送ることができる。
【0129】(審査支援処理)図9は、審査画面の一例
を表す図である。当該画面は、審査員が倫理審査を行う
際に使用する画面である。また、当該画面は、審査支援
機能を提供するための各種ボタン(「DB検索」、「対
話型」、「映像判定」)と、審査に関するデータ(「結
果」や「表記」等)を入力する欄と、「問題表現」を選
択する欄と、審査対象である映像データを表示する欄
と、によって構成されている。
【0130】最初に、審査員は、審査対象である映像デ
ータが、どの「問題表現」と抵触する可能性があるのか
を検討し、該当する問題表現のチェックボックスをチェ
ックする。図9では、「主人公が敵に対して銃を撃つ
と、敵が流血を伴って倒れる」という内容の映像データ
に対して、「暴力表現(インタラクティブ)」に属する
「流血」が、選択されている。なお、1つの審査対象に
ついて複数の問題表現をチェックすることもできる。例
えば、「暴力表現−流血」と「性表現−裸体」とをチェ
ックする場合である。
【0131】次に、審査員は、この映像データが「暴力
表現」に抵触するか否かを判定する。映像データでは、
主人公の発砲による流血シーンが映し出されているが、
「流血がある」というだけでは、「暴力表現」に抵触す
るとはいえない。そこで、審査員は、以下に説明する審
査支援ツールを利用することができる。
【0132】(第1の審査支援ツール−DB検索機能)
そこで、審査員は、本システム100のDB検索機能1
2を利用することにより、同じような映像についてなさ
れた過去の審査結果を参照することができる。審査員
は、図9の「DB検索」を選択する。
【0133】図10は、審査結果DBの検索処理の主な
流れを表すフローチャートである。最初に、審査支援手
段7は、審査員より図9の「DB検索」ボタンが選択さ
れると、DB検索画面を表示する(ステップS20
1)。
【0134】図11は、審査結果DBを検索する画面の
一例を表した図である。当該画面は、審査結果DB21
を検索するための条件を入力する画面である。審査結果
DB21を検索するための条件は、任意にこれを設定す
ることが可能であるが、本実施の形態では、「問題表
現」を検索条件として入力する場合について説明する。
【0135】当該画面には、検索条件である問題表現を
選択する欄が、図9の審査画面にて表示された問題表現
を選択する欄と、同じ構成で設けられている。そして、
図9の審査画面で選択された問題表現と同じ表現(「暴
力表現(インタラクティブ)」に属する「流血」)が、
審査員によって選択されている。
【0136】審査員が、このように検索条件を設定し、
「タイトル検索」ボタンを選択すると、審査支援手段7
は、当該検索条件を受け付け(ステップS202)、審
査結果DB21を検索する(ステップS203)。そし
て、審査支援手段7は、当該検索条件に合致する検索結
果のタイトルを、画面に表示する(ステップS20
4)。
【0137】図11の審査結果DB−検索画面には、検
索されたゲームの「タイトル名」と、パッケージの「表
記」、及び「会社名」とが出力されている。これによれ
ば、検索結果である6件のうち、4件が「暴力表記」と
なっていることがわかる。また、例えば、今回の審査依
頼者は「AAA会社」であるところ(図8及び図9参
照)、「AAA会社」のゲームが、検索結果に2件含ま
れていることがわかる。
【0138】審査員は、検索結果についての審査データ
を更に参照したい場合には、該当するタイトル名のチェ
ックボックスをチェックすることができる。図11で
は、「ゾンビの世界」についてのチェックボックスが、
審査員により選択されている。
【0139】審査員が、タイトル名のチェックボックス
を選択し、「審査データ検索」ボタンを選択すると(ス
テップS205;YES)、審査支援手段7は、審査結
果DB21より該当するタイトル名の審査データを検索
し、その結果を表示する(ステップS206)。
【0140】図12は、審査データ画面の一例を表す図
である。当該画面は、審査結果DB検索画面にて、選択
されたタイトル名の審査データを表示するための画面で
ある。当該画面は、例えば、審査データの主な内容
(「結果」、「表記」、「日程」、「対話型」、及び
「映像判定」等)と、審査対象である映像データとによ
って構成されている。
【0141】図12によれば、「主人公が銃でゾンビを
倒すところ」に関する映像データに対する審査結果は
「不合格」であり、パッケージ表記は「暴力表記」と判
定されたことがわかる。
【0142】また、当該映像データに対する対話型審査
の結果は、「不合格」であることがわかる。よって、審
査員が、対話型審査の経緯を確認したい場合には、例え
ば、「対話型」という表示を選択することにより、審査
経緯が表示されるようにしてもよい。
【0143】また、当該映像データに対しては、「映像
判定」の結果が表示されているので、審査員が、映像審
査の詳細を確認したい場合には、例えば、「映像判定」
という表示を選択することにより、映像審査の詳細(図
18を参照)が表示されるようにしてもよい。
【0144】また、審査員は、図11の審査結果DB−
検索画面にて、他のタイトル名の審査結果を参照するこ
ともできる。審査員は、今回の審査対象データと、多数
の過去の審査データとを比較対照しながら、今回の審査
対象データが、規定に抵触するか(不合格)抵触しない
か(合格)を判定する。
【0145】このように、審査員は、審査支援ツールと
してのDB検索機能12を利用することにより、過去の
類似する審査データを参照することができるので、自己
の経験や主観にとらわれず、客観的な審査を行うことが
可能になるのである。
【0146】なお、審査結果DB−検索画面にて、複数
の問題表現をチェックした場合には、各問題表現に該当
する検索結果が表示されることになる。
【0147】(第2の審査支援ツール−対話型審査機
能)また、審査員は、他の審査支援ツールとして、対話
型審査機能13を利用することもできる。
【0148】次に、図9の審査画面を参照して、対話型
審査機能13について具体的に説明する。審査員は、図
9の審査画面に表示されている「対話型」ボタンを選択
することにより、対話型審査機能13を利用することが
できる。
【0149】図13は、問題表現が「暴力表現(インタ
ラクティブ)−流血」である場合の、対話型審査の処理
の流れを表すフローチャートの一例である。最初に、審
査支援手段7は、第1の質問事項である「敵キャラクタ
を攻撃した際に当たりの表現があるか?」という質問を
審査員に対して行う(ステップS301)。「質問を審
査員に対して行う」とは、例えば、当該質問事項を表し
たメッセージ画面を表示する場合が該当する。
【0150】図14は、対話型審査画面の一例を表す図
である。当該画面は、対話型審査における質問事項を表
示し、審査員がこれに回答するためのものである。当該
画面は、例えば、質問事項と、質問事項に対する回答ボ
タンとによって構成されている。
【0151】図14では、「敵キャラクタを攻撃した際
に当たりの表現があるか?」という質問に対して、「は
い(Y)」又は「いいえ(N)」で答えるようになって
いる。なお、「当たりの表現」とは、プレーヤの攻撃が
敵キャラクタに当たったことを、プレーヤに伝えるため
の視覚的な表現手法をいう。
【0152】審査員が、第1の質問に対して「はい
(Y)」ボタンを選択すると(ステップS301;YE
S)、審査支援手段7は、第2の質問(「血が流れたり
飛び散ったように見えるか?」)を行う(ステップS3
02)。これに対し、第1の質問に対して、審査員が
「いいえ(NO)」ボタンを選択した場合には(ステッ
プS301;NO)、当該問題表現を構成する要件を満
たさないので、審査支援手段7は、対話型審査結果を
「合格」と判定する(ステップS307)。
【0153】審査支援手段7は、審査員の回答に応じ
て、第3の質問(「インタラクティブな場面か?」)、
第4の質問(「敵キャラクタの形状は人型か?」)、第
5の質問(「敵キャラクタの質感は写実的か?」)を、
行う(ステップS303、ステップS304、ステップ
S305)。
【0154】なお、「インタラクティブな場面」とは、
プレーヤが入力装置を操作した瞬間に、その結果が画面
に反映される場面をいう。また、「人型」とは、人間ま
たはゾンビ等のように、体の形状が人間に近いものをい
う。
【0155】全ての質問事項に対して、審査員が「はい
(Y)」を選択した場合には、当該問題表現を構成する
全ての要件を満たすので、審査支援手段7は、対話型審
査結果は「不合格」であると判定する(ステップS30
6)。
【0156】これに対し、いずれかの質問事項に対し
て、審査員が「いいえ(N)」を選択した場合には、審
査支援手段7は、対話型審査結果を「合格」と判定する
(ステップS307)。
【0157】このように、審査員は、審査支援ツールと
しての対話型審査機能13を利用することにより、各要
件を漏らさず検討することができるので、審査における
自己の主観を排除し、より客観的な審査結果を得ること
が可能になるのである。
【0158】なお、審査支援手段7が提示する各質問事
項の内容は、問題表現や社会状況に応じて任意に設定さ
れるものである。例えば、同じ「暴力表現」であって
も、「分離・欠損」が問題となる場合には、当該「分離
・欠損」に関する質問項目と対応する回答とが設定され
る。また、「性的表現」が問題となる場合には、当該表
現に関する質問項目と対応する回答とが設定される。
【0159】また、審査支援手段7の質問方法は、メッ
セージによる質問形式に限られず、例えば、質問項目の
リストと回答とが、映像データと一緒に画面に表示さ
れ、「YES/NO」をチェックボックスの形式で選択
されるように、構成されていてもよい。
【0160】さらにまた、本実施の形態では、対話型審
査の審査結果として、「合格」又は「不合格」という結
果を用いて説明している。しかし、審査員が、対話型審
査の審査結果に応じて、後述する映像審査に移行する場
合には、「合格」を「審査の終了」、「不合格」を「映
像審査に移行」という結果に変えることができる。対話
型審査に合格した場合には、当該映像データは問題表現
に抵触しないのであるから、映像審査を行う必要がな
く、これに対し、対話型審査に不合格の場合には、当該
映像データが問題表現に抵触する可能性があるため、次
の審査として映像審査を行う必要があるからである。
【0161】(第3の審査支援ツール−映像審査機能)
次に、審査員は、他の審査支援ツールとして、映像審査
機能14を利用することもできる。映像審査機能14
は、上述した対話型審査の結果が「不合格」である場合
に主に利用されるものであるが、対話型審査と独立して
利用することもできる。なお、本実施の形態では、「暴
力表現(インタラクティブ)−流血」に関する映像審査
の方法の一例として、以下の手順を定めている。
【0162】(映像審査の審査手順)前提として、「暴
力表現(インタラクティブ)−流血」を構成する表現対
象として、「血の領域」を、当該血の領域のパラメータ
として、「色(C)」、「頻度(N)」、「量
(V)」、及び「滞留時間(T)」とを定義している。
【0163】映像審査にあたっては、動画データ等の審
査データから審査対象となる1シーンを特定する必要が
ある。すなわち、ゲームの各場面の中から、プレーヤに
最も影響を与えやすい「流血場面」を、審査の対象とし
て自動的に選択するのである。なお、審査は、上述した
パラメータ毎に行われるため、審査対象となるシーン
も、各パラメータ毎に特定される。
【0164】具体的には、例えば、動画データの各シー
ンの中から、「血の領域」に該当する形状を判別する。
次に、この「血の領域」の形状を構成するパラメータの
値が最高値になるシーンを、パラメータ毎に選択する。
そして、各パラメータのレベルに基づいて、審査結果を
判定する。なお、審査対象となるシーンは、パラメータ
毎に異なる場合もあれば、一致する場合もある。
【0165】(表現対象の特定)上述したように、審査
対象となるシーンは、表現対象である「血の領域」を構
成するパラメータがピークになるシーンが、パラメータ
毎に選び出される。ここで選択されたシーンは、図18
の映像判定結果表の「該当個所」に表示されることにな
る。
【0166】ここで、「血の領域」の特定作業は、審査
支援手段7が、各シーンの画像データから「血の領域」
に該当する形状を判別することにより行う。ある形状が
「血の領域」であるか否かの判別については、「形状の
変化」で判定することができる。例えば、ある形状が、
以下に述べるいずれかの条件に合致する場合には、審査
支援手段7は、当該形状が「血の領域」であると判別す
ることができる。
【0167】第1の条件としては、銃声等の音声と同じ
タイミングで形状が変化する場合である。血が出るタイ
ミングは、大抵、プレーヤがボタンを押すのと同時に何
らかの音が出る場合が多いからである。
【0168】また、第2の条件としては、短時間で形状
が著しく変化する場合である。プレーヤの移動やゾンビ
の移動等に伴第1の条件第1の条件う画面の動きは、連
続的かつ直線的であるが、血の領域の動きは、「ある一
点を中心として広がって、また縮まる」といった幾つか
のパターンに分類することが可能だからである。
【0169】なお、前提として、「形状の特定」は、以
下の方法で特定することができる。第1のステップとし
て、審査支援手段7は、1フレームごとに画面上の全て
のドットの明るさ、色合いを、検知する。
【0170】第2のステップとして、審査支援手段7
は、隣あう2つのドットを比較して、明るさや色あいが
著しく違う部分には、仮想的に境界線かもしれないとい
う仮境界線フラグを立てる。
【0171】第3のステップとして、審査支援手段7
は、仮境界線フラグの立てられたドットが連続している
場合には、仮想的に境界線を引く。
【0172】以上のステップにより、キャラクタや背景
などの輪郭が抽出される。よって、審査支援手段7は、
その輪郭の形状が、上記第1の条件あるいは第2の条件
に合致する場合は、当該輪郭の形状を、血の領域と判断
する。
【0173】(映像審査の処理の流れ)図15は、問題
表現が「暴力表現(インタラクティブ)−流血」である
場合の、映像審査の処理の流れを表すフローチャートの
一例である。最初に、審査支援手段7は、審査対象デー
タを再生し(ステップS401)、審査の対象となる表
現対象(血の領域)を特定する(ステップS402)。
【0174】次に、審査支援手段7は、各パラメータの
レベルについて判定する。
【0175】第1のパラメータとして、審査支援手段7
は、特定された血の領域について、「色(C)のレベ
ル」を、審査基準DB22の要素レベルテーブルに基づ
いて算出する(ステップS403)。
【0176】具体的には、例えば、審査支援手段7は、
敵のキャラクタから出る液状、霧状、光などの割合によ
って、「色」を判断することができる。そして、審査支
援手段7が、当該表現対象の色が「赤」と判断した場合に
は、色のレベルは「3」であり、当該表現対象の色が
「赤ではない」と判断した場合には、色のレベルは「1」
となる。
【0177】第2のパラメータとして、審査支援手段7
は、特定された血の領域について、「頻度(N)のレベ
ル」を、審査基準DB22の要素レベルテーブルに基づ
いて算出する(ステップS404)。
【0178】具体的には、審査支援手段7は、「頻度
(N)」が最大になる1分間を選択し、そのレベルを算
出する。ここで、流血の頻度は、敵のキャラクタが画面
の中にたくさん登場するような場合が多いため、他のパ
ラメータのピークとは異なるシーンがピークとなる場合
がある。図18の映像判定審査結果表をみると、「頻度
(N)」のみが、他のパラメータと異なる時間帯をピー
クとして選択されている。
【0179】そして、審査支援手段7は、当該表現対象
の頻度が「1分間に3回以上」と判断した場合には、頻度
のレベルは「3」であり、当該表現対象の頻度が「1分
間に1回」と判断した場合には、頻度のレベルは「1」
となる。
【0180】第3のパラメータとして、審査支援手段7
は、特定された血の領域について、「量(V)のレベ
ル」を、審査基準DB22の要素レベルテーブルに基づ
いて算出する(ステップS405)。
【0181】具体的には、審査支援手段7は、画面サイ
ズにおける特定された血の領域の割合を算出することに
よって、当該表現対象の量を測定する。
【0182】そして、審査支援手段7は、当該表現対象
の量が「画面の5%以上」と判断した場合には、量のレ
ベルは「3」であり、当該表現対象の量が「画面の1%
未満」と判断した場合には、量のレベルは「1」とな
る。
【0183】第4のパラメータとして、審査支援手段7
は、特定された血の領域について、「滞留時間(T)の
レベル」を、審査基準DB22の要素レベルテーブルに
基づいて算出する(ステップS406)。
【0184】具体的には、例えば、審査支援手段7は、
血の領域についての表現が始まってから消滅するまでの
時間を計測することにより、滞留時間を測定する。
【0185】そして、当該表現対象の滞留時間が「0.5s
ec以上」と判断した場合には、滞留時間のレベルは
「3」であり、当該表現対象の滞留時間が「0.1sec未
満」と判断した場合には、滞留時間のレベルは「1」と
なる。
【0186】最後に、審査支援手段7は、審査基準DB
22の映像判定テーブルに基づいて、各パラメータのレ
ベルから審査結果を判定する(ステップS407)。図
5の映像判定テーブルには、各パラメータのレベルの組
み合わせと、これに対応する審査結果とが記憶されてい
る。
【0187】例えば、審査支援手段7が、当該審査対象
である映像データを解析した結果、各パラメータの各レ
ベルが、以下のように算出された場合について考える。
【0188】「色(C)、頻度(N)、量(V)、滞留
時間(T)」=「1、3、3、3」図5の映像判定テー
ブルを参照すると、当該算出結果に対応する審査結果は
「暴力」と定義されている。よって、審査支援手段7
は、当該審査結果は「暴力(暴力表記)」であると判定
する。
【0189】このように、審査員は、審査支援ツールと
しての映像審査機能15を利用することにより、人間が
客観的に判断することが困難な部分については、システ
ムによる審査結果を得ることができる。よって、審査員
が、当該映像審査による結果を踏まえて倫理審査を行う
こととすれば、より客観的な審査結果を得ることが可能
になる。
【0190】(審査終了処理)上述した審査支援ツール
を使用することにより倫理審査が終了すると、審査員
は、審査終了処理を行う。
【0191】審査終了処理とは、当該審査対象に対する
審査結果を審査結果DB21に登録し、また、審査依頼
者に対する審査結果の通知と請求書の送付を行うことを
いう。
【0192】図16は、審査終了画面の一例を表す図で
ある。当該画面は、審査終了についての処理を行うため
の画面であり、例えば、図示しないメニュー画面や図9
の審査画面における「審査終了」ボタンが選択される
と、当該画面に遷移するように構成されている。
【0193】当該画面には、審査終了に関する諸機能を
提供するための各種ボタン(「DB登録」、「結果通
知」、及び「請求書」)と、審査結果に関するデータ
(「審査結果」、「パッケージ表記」、「審査日程」、
及び「映像判定」等)を入力する欄とが設けられてい
る。また、「審査内容を確認」ボタンが設けられてお
り、審査員が、当該ボタンを選択すると、図9の審査画
面が表示され、審査内容を確認することができる。
【0194】すなわち、審査員が、図16の審査終了画
面における「DB登録」ボタンを選択すると、当該審査
対象に関する審査データが、審査終了手段8によって、
審査結果DB21に登録される。
【0195】「審査データ」には、当該審査に関するデ
ータが含まれ、図16に表示されているデータのみなら
ず、例えば、審査対象として特定された各パラメータ毎
の映像データや、DB検索機能12を利用して参照した
過去の審査結果データ、対話型審査における審査経緯の
データ等も含まれる。これにより、新たな審査結果がデ
ータベースに登録され、後の審査に有効に役立てられる
ことになる。
【0196】次に、審査員が、図16の審査終了画面に
おける「結果通知」ボタンを選択すると、審査終了手段
8が、当該審査結果を出力し、「請求書」ボタンを選択
すると、当該審査に対する請求書を作成する。そして、
審査終了手段8は、これらのデータを、例えばe−ma
ilによってクライアント200に送信する。
【0197】図17は、審査結果通知書の一例を表す図
である。当該通知書は、倫理審査の結果を依頼者に報告
するための書面である。具体的には、審査対象である
「タイトル名」、「ビデオ内容」、「審査結果」、及び
「パッケージ表示」等が記載されている。
【0198】図17の通知書によれば、開発会社等の審
査依頼者は、提供した映像データの「2:12:00〜2:12:0
2」の部分について、審査結果は「不合格」であり、パ
ッケージ表示は「暴力表記」であると、判定されたこと
がわかる。
【0199】図18は、映像審査結果表の一例を表す図
である。当該結果表は、映像審査の結果を表すためのも
のである。具体的には、パラメータ毎に、そのレベルと
映像データにおける該当箇所が記載されている。また、
これらのレベルに基づいた、判定結果が記載されてい
る。
【0200】図18の結果表によれば、審査依頼者は、
「血の領域」を構成するどのパラメータ具体的に暴力表
現を構成する要素となったかを知ることができる。よっ
て、これに基づいて、当該映像データを修正することに
より、審査結果が変わることも可能である。例えば、流
血の「頻度」や「量」を減らすことにより、暴力表現に
抵触しない表現とすることが可能である。
【0201】(入金管理処理)最後に、入金管理処理に
ついて説明する。図7を参照すると、入金管理手段9
は、入金報告を受け付けると(ステップS111)、管
理台帳DB20に入金データを書き込む(ステップS1
12)。例えば、図2の管理台帳DBをみると、審査N
O.100〜109については請求書が発行済であるところ、入
金日が入力されているのは審査NO.100〜106だけであ
る。これにより、入金があったか否かを確認することが
できる。
【0202】(ゲームソフトへの倫理審査結果の反映)
また、本発明に係る倫理審査支援システムに、その審査
結果をゲームソフトの内容に反映させる手段を、新たに
設けることもできる。「審査結果をゲームソフトの内容
に反映させる手段」とは、ゲームソフトの映像表現が審
査結果に基づいて選択あるいは決定されるように、ゲー
ムソフトのプログラムにパラメータや所定の条件を設定
することをいう。パラメータは、審査結果に基づいて設
定されるものであり、所定の条件は、ゲームのプレイ状
況を鑑みて設定されるものである。
【0203】なぜなら、映像表現についての倫理審査
は、様々な条件に基づいて判定されるものであるから、
例えば、ある映像表現に対する審査結果が「合格」ある
いは「不合格」であっても、ゲームのプレイ状況によっ
ては、当該映像表現をプレーヤに提供することができる
場合とできない場合とがあるからである。
【0204】例えば、あるゲームソフトの映像表現が暴
力表現(流血)に抵触する(不合格)と判定された場合
に、かかる流血シーンを出力する場合と出力しない場合
とについて考える。
【0205】パラメータとしては、審査結果に基づい
て、例えば、「流血フラグ」といったパラメータを設定
し、当該流血フラグがONの場合には、流血シーンを出
力し、当該流血フラグがOFFの場合には、流血シーン
を出力しないように設定する。倫理審査において流血シ
ーンは特定されているので、流血フラグは、流血シーン
を表現するゲームソフトのプログラム上の該当個所に設
定することができる。
【0206】また、ゲームのプレイ状況を判定するため
の所定の条件としては、プレーヤの年齢等を設定するこ
とができる。すなわち、プレーヤが18歳以上である場合
には、当該流血シーンをそのまま出力し、プレーヤが18
歳未満である場合には、当該シーンにおける流血表現が
出力されないようにする。
【0207】ゲームを実行すると、ゲームソフトが、ま
ずプレーヤに年齢を入力させる。次に、ゲームソフト
は、入力された年齢が18歳以上である場合には、流血フ
ラグをONにし、入力された年齢が18歳未満である場合
には、流血フラグをOFFにする。そして、ゲームソフ
トは、ゲームの進行に従って所定の映像表現をプレーヤ
に提供し、流血シーンの個所については、流血フラグの
ON/OFFを判定し、判定結果に基づいた映像を自動
的に提供する。
【0208】これによれば、プレーヤが18歳未満である
場合には、ゲーム内容のうち、暴力表現に抵触する部分
については、これを提供しない一方で、他の部分につい
てはそのまま提供することができる。すなわち、プレー
ヤの年齢によってゲームソフトの映像を変更することが
できるとともに、倫理審査の結果を自動的にゲームの内
容に反映することができるのである。
【0209】なお、上記パラメータや所定の条件は、任
意にこれを設定することができるものとする。例えば、
いわゆるアーケードゲームにおいては、「夕方6時以降
は15歳未満の入場禁止」といった規定が設けられている
場合がある。かかる場合には、アーケードゲームにて使
用されるゲームソフトについては、ゲームのプレイ時間
を所定の条件として設定してもよい。例えば、夕方6時
よりも前の時間帯では、流血シーンにおいて流血表現が
出力されないようにし、夕方6時以降の時間帯では、流
血シーンをそのまま出力するように設定する。
【0210】プレーヤがゲームを実行すると、ゲームソ
フトが、その時点での時間をタイマー等によって測定
し、夕方6時よりも前である場合には、流血フラグをO
FFにし、夕方6時以降である場合には、流血フラグを
ONにする。次に、ゲームソフトは、ゲームの進行に従
って所定の映像表現をプレーヤに提供し、流血シーンの
個所がきた場合には、流血フラグのON/OFFを判定
し、判定結果に基づいた映像を自動的に提供する。
【0211】以上のように、本発明では、その審査結果
をゲームソフトの内容に反映させる手段を設けることと
した。よって、ゲーム装置が当該ゲームソフトの内容に
基づいてゲームの進行を制御することにより、客観的な
審査結果に基づいた映像表現が選択され、出力されるこ
とになる。また、ゲームのプレイ状況に基づいて、問題
となる映像表現を任意に変更することができるので、青
少年に悪影響を及ぼすことなく、多種多様な映像表現を
プレーヤに提供することが可能となるのである。
【0212】(ゲームの種類)なお、上記実施の形態で
は、ゲームのジャンルとしてアクションゲームを例にと
りあげて説明したが、本発明はこれに限られない。すな
わち、本発明は、プレーヤに達成感や爽快感を与える
為、これらの過激な行為が「悪」であること逆説的に表
現する為、あるいは、ストーリ演出の為に、過激な映像
表現が用いられる可能性のあるゲーム全般に対して用い
ることができる。
【0213】(問題表現の種類)なお、上記実施の形態
では、問題表現の一例として「暴力表現」をとりあげて
説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、「性
的表現」、「犯罪・反社会的表現」、「教育に関する表
現」、または「環境に関する表現」等についても、本発
明は、同様に審査の対象とすることができる。
【0214】すなわち、DB検索機能12では、当該問
題表現の内容に応じた検索項目を設定し、審査員がこれ
に基づいて検索条件を入力するものとする。また、対話
型審査機能13では、当該問題表現の内容に応じて質問
項目と回答とを設定し、審査員がこれらに従って回答を
入力するものとする。さらに、映像審査機能14では、
当該問題表現の内容に応じて、表現対象やパラメータ等
を設定し、所定の審査手順に従って審査結果を判定する
ものとすればよい。
【0215】(審査対象となるデータについて)上記実
施の形態では、審査対象として映像データを対象に説明
したが、本発明はこれに限られない。例えば、ゲームソ
フトを構成する音声データ、音響データ、文字データ、
及びゲームの設定内容データ等についても、プレーヤに
影響を与えるものとして、映像データとあわせて審査を
することができる。
【0216】例えば、問題となる映像データのなかで、
主人公がセリフを喋っている場合には、当該セリフ(音
声データ・文字データ)を審査結果に反映させることと
してもよい。また、「流血」が問題となる映像データの
なかで、銃の音量(音響データ)を審査結果に反映させ
ることもできる。
【0217】また、上記実施の形態では、ゲームソフト
の映像データを対象に説明したが、本発明は、これに限
られない。例えば、映画やテレビ等の映像データに対す
る倫理審査を行う場合にも、本発明を適用することがで
きる。
【0218】(審査素材について)また、上記実施の形
態では、審査素材が、静止画又は動画データや、ビデオ
データである場合について説明した。審査員が使用する
審査素材は、この他に、企画書、設定資料、シナリオテ
キスト、絵コンテ、CG、販促物、取扱説明書、及び、
ゲームデータ(実際にゲームをプレイできるもの)等が
ある。
【0219】なお、ビデオ映像は、ゲームを実際にプレ
イしているテレビ映像をビデオに収録したものであり、
ビデオキャプチャーボード等により、AV映像をデジタ
ル映像に変換して使用することができる。
【0220】(要素レベルテーブルと映像判定テーブ
ル)なお、要素レベルテーブルと映像判定テーブルの内
容は、任意にこれを設定することができる。ある映像表
現が所定の倫理規定に抵触するか否かの判断は、社会的
な価値観の変化とともに変化するものであるから、過去
の審査結果や現在の社会状況等に対応して、柔軟にこれ
を設定することが望ましいからである。
【0221】(倫理審査方法−審査結果とパッケージ表
記等)なお、上記実施の形態では、審査ルールとして、
審査結果が「合格」の場合には、パッケージ表記は「非
暴力表記」であり、審査結果が「不合格」の場合には、
パッケージ表記は「暴力表記」とした。しかし、本発明
における審査ルールはこれに限られず、例えば、問題表
現の内容に応じてパッケージ表記を変更することもでき
る。
【0222】具体的には、例えば、「性的表現」に関す
る審査結果が「合格」の場合には、パッケージ表記は
「全年齢推奨表記」であり、審査結果が「不合格」の場
合には、パッケージ表記は「18歳以上推奨表記」とし
てもよい。性的表現に対する規制として、映画やビデオ
等の映像分野では、一般に年齢制限が用いられているた
め、表記をこれに合わせたものである。
【0223】このように、パッケージ表記は、そのゲー
ムのプレーヤやゲームの購入者(保護者等)に、倫理基
準の観点からみた審査結果を通知するものであるから、
問題表現の内容や、問題表現が倫理規定に抵触する程度
に応じて決定されるのが望ましい。
【0224】また、「暴力表現」、「性的表現」、及び
「犯罪・反社会的表現」等に関する審査において、その
問題表現の青少年に与える影響が、著しく大きいような
場合には、審査結果が「不合格」のものについて「販売
不可」という警告をすることとしてもよい。「販売不
可」となるような映像表現としては、例えば、残虐な行
為を楽しませるような表現が該当し、例えば、プレーヤ
が罪のない一般市民を殺していくような映像表現を有す
るゲームが該当する。
【0225】(開発会社等による審査支援機能の利用)
なお、上記実施の形態では、開発会社からの依頼に基づ
いて、倫理審査機構の審査員が審査を行うものとして説
明したが、本発明はこれに限られない。例えば、本シス
テム100は、開発会社が、各審査支援機能7を利用す
ることができるように構成してもよい。すなわち、クラ
イアント200からのDB検索要求や、対話型審査要
求、または映像審査要求が送信された場合には、審査支
援手段7は、これらの機能をクライアント200に対し
て提供する。
【0226】これにより、開発会社等のユーザが、自分
で審査を行うことができるので、開発会社等が自ら倫理
審査に触れることにより、倫理審査に対する業界の意識
を向上させることが可能となる。
【0227】また、審査対象が販売前のゲームの映像で
ある場合や、開発者の意図と異なるかたちで第三者に公
開することがのぞましくない場合には、DB検索機能の
利用等に対して、一定の条件を設けることもできる。
【0228】さらに、本システム100が、クライアン
ト200からも各審査支援機能を利用することができる
ように構成されている場合には、各クライアント200
に配置された審査員によって、倫理審査を行うことが可
能となる。これにより、審査データを多くの審査員や関
係者が参照することにより、審査基準や審査結果に対す
る精度がより向上する。
【0229】(審査履歴の利用)また、本発明では、審
査結果(対話型審査や映像審査による審査結果を含む)
をデータベースに記憶しておくだけでなく、審査基準の
履歴もデータベースに記憶しておくことができる。
【0230】例えば、ある映像表現が倫理基準に反する
か否かは、社会の価値観や時代の変遷によって異なるも
のである。よって、審査基準も、社会や時代に対応して
その都度見直されるものであるため、過去の審査結果を
適切に参照するためには、当該審査結果が利用した審査
基準も保存しておく必要があるからである。
【0231】さらに、審査基準の履歴をデータベースに
記憶しておくことにより、映像表現に関する倫理基準の
変化を把握することもできるので、時代に応じた適切な
審査を行うことが可能になるのである。
【0232】(審査員の育成)また、本倫理審査支援シ
ステム100は、倫理審査を行う審査員の認定または育
成のために利用することができる。例えば、倫理審査機
関は、審査員の採用や認定に際し、審査員候補が自分で
行った審査と、過去の審査結果とを比較することによ
り、当該審査員の審査能力を判断することができる。
【0233】また、審査経験の浅い審査員は、例えば、
テスト用の映像データに対して、対話型審査を行い、そ
の審査結果を、予め用意された審査結果と比較すること
により、自己の判断の精度を上げることができる。
【0234】上記実施形態は、本発明を説明するための
例示であり、本発明を上記実施形態にのみ限定する趣旨
ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さま
ざまな形態で実施することができる。
【0235】[その他の実施形態]以下、その他の実施
形態として(以下、「本実施形態」という。)、本発明
をWebページ等から構成されるコンテンツに対して適
用する場合について説明する。
【0236】インターネット等のネットワーク上では、
多種多様なコンテンツが作成され提供されているが、こ
れらのコンテンツの中には、性表現や暴力表現等を含む
ものがあり、年少者がこれらのコンテンツに偶然にアク
セスした場合は、年少者に悪影響を与えるおそれがあ
る。従って、コンテンツ制作における表現の自由を守り
つつ、年少者に悪影響を与えるおそれのあるコンテンツ
から年少者を保護する必要がある。
【0237】また、サイトの制作側も、このようなコン
テンツを世界に向けて発信する際には、年少者の健全な
育成を阻害しないように、また、国やその他の団体など
から公序良俗に反するものとしてサイトの運営を中止さ
せられないための自衛手段として、最小限の自主規制を
行うことが望ましい。
【0238】そこで、本発明では、コンテンツを対象に
倫理審査を行い、その審査結果をコンテンツに反映させ
るとともに、閲覧者が当該コンテンツにアクセスした場
合に、閲覧者の状況とコンテンツの審査結果に応じてコ
ンテンツの閲覧を制御することとしている。これによ
り、本発明は、多種多様なコンテンツの中から、年少者
に悪影響を及ぼす有害なコンテンツをフィルタリングす
る機能を有する。
【0239】具体的には、本発明に係るコンテンツ閲覧
制御システムは、コンテンツ制作側に対する対策とし
て、コンテンツを制作した際に、所定の規定に基づきコ
ンテンツに対して審査を行い、その審査結果に基づいて
コンテンツの倫理情報を生成し当該コンテンツに記述す
る手段を設けた。また、コンテンツの閲覧側に対する対
策として、コンテンツを閲覧するブラウザプログラム
に、コンテンツの閲覧条件を設定する手段を設けること
とした。
【0240】これにより、コンテンツ閲覧者が年少者の
場合は、性表現や暴力表現等を含むコンテンツの閲覧を
禁止する条件をブラウザプログラムに設定することによ
り、年少者が偶然、これらの表現を含むコンテンツにア
クセスしたような場合であっても、ブラウザプログラム
が当該コンテンツを表示しないように制御することがで
きる。よって、コンテンツ制作側の表現の自由を担保し
つつ、年少者がこれらのコンテンツを閲覧してしまうと
いう事態を回避することが可能になる。
【0241】以下、本実施形態に係るコンテンツ閲覧制
御システムおける、コンテンツ制作側と、コンテンツ閲
覧側との処理について具体的に説明する。なお、本実施
形態に係るコンテンツ閲覧制御システムは、典型的に
は、インターネット上のWWWシステムを利用したクラ
イアント/サーバ・システムとして実現される。
【0242】また、コンテンツの表現が所定の倫理規定
に抵触するか否かは、コンテンツの表現における倫理基
準について定義した所定の規程(以下、「ネットコンテ
ンツ規程」という。)に基づいて判断される。ネットコ
ンテンツ規程には、例えば、問題となる表現を「性表
現」、「暴力表現」、及び「反社会的な表現」の3つの
表現に分けて定義されている。また、「性表現」につい
て、「裸体の画像」、「性的な話題についての記述」及
び「性的な刺激のある画像や動画」等の表現をしてはな
らない旨等が具体的に定義されている。さらに、ネット
コンテンツ規程には、年齢の観点からみた制限(例え
ば、「18歳以上に対しては許容」等)も定義されてい
る。なお、このネットコンテンツ規程は、倫理基準の統
一化を図るべく所定の管理団体によって一元的に管理さ
れていることが望ましい。
【0243】また、本実施形態に係るコンテンツは、い
わゆるHTMLを用いて設計されるWebページから構
成されており、当該コンテンツに対する倫理審査の結果
は、HTMLソースのヘッダ部分に、倫理情報を指定す
る所定のタグ(以下、「倫理タグ(<rinri></rinri
>)」という。)及び「倫理情報」として記述される。
なお、コンテンツの表現がネットコンテンツ規程に抵触
する場合に、HTMLソースの倫理タグ内に記述する倫
理情報の形式は、ネットコンテンツ規程を格納したテー
ブル(以下、「ネットコンテンツ規程テーブル」とい
う。)に定義されているものとする。例えば、ネットコ
ンテンツ規程テーブルには、「性表現−裸体の画像の表
現をしてはならない」に対応する倫理情報として「Nudi
ty」が定義されている。従って、コンテンツの表現が裸
体の画像を含む場合は、HTMLソースには、「<rinri
>Nudity</rinri>」が記述される。
【0244】(コンテンツ制作側の処理)まず、コンテ
ンツ制作側の処理について説明する。コンテンツ制作側
の処理は、制作されたコンテンツに対して審査を行う処
理と、その審査結果をコンテンツに記述する処理とから
なり、具体的にはこれらの処理を記述したプログラム
(以下、「自動審査プログラム」という。)によって実
現される。この自動審査プログラムは、自動審査プログ
ラム単独で起動することもできるが、コンテンツを制作
する所定のソフトウェアにツールとして組み込むことが
できるように構成されている。なお、本実施形態では、
コンテンツ制作用ソフトウェアにツールとして組み込ま
れているものとして説明する。
【0245】図20は、コンテンツ制作側が、コンテン
ツを審査し、その審査結果を当該コンテンツに書き込む
場合の処理の流れを示すフローチャートである。前提と
して、コンテンツが制作されている必要があるが、ここ
では、性表現及び暴力表現を含むコンテンツが制作され
たものとする。
【0246】図22は、性表現及び暴力表現を含むコン
テンツの一例を示す図である。同図によれば、所定のコ
ンテンツ制作用ソフトウェアを利用して、「エロ・グロ
サイト」というサイトが制作され、「死体画像の館
『本日の裸体画像』」という表題が設けられていること
がわかる。当該サイトは、死体の画像や女性の裸体など
のコンテンツを含む大人向けのサイトである。
【0247】このようなコンテンツを制作すると、コン
テンツ制作者は、自動審査プログラムを利用して、当該
コンテンツの表現が、「ネットコンテンツ規程」に抵触
するか否かについて審査を行う。具体的には、コンテン
ツ制作者は、図22のツールメニュー22aを選択す
る。
【0248】図23は、コンテンツ制作者によってツー
ルメニュー22aが選択された場合の画面の一例であ
る。同図によれば、ツールメニュー22aの一部とし
て、自動審査プログラムを起動するための「レイティン
グ設定」23aが表示されていることがわかる。ここ
で、コンテンツ制作者が、「レイティング設定」23a
を選択すると(S501)、レイティング設定画面が表
示される(S502)。
【0249】図24は、レイティング設定画面の一例を
示す図である。レイティング設定画面24aは、コンテ
ンツに対する審査情報(レイティングのレベル)を入力
するための画面である。同図によれば、「性表現」「暴
力表現」及び「反社会的な表現」について、該当する表
現がコンテンツに含まれるか否かをチェックする欄が設
けられている。これらの項目は、ネットコンテンツ規程
の内容に対応して設けられることが望ましい。
【0250】コンテンツ制作者は、制作したコンテンツ
の内容が、これらの項目に該当する場合は、該当する項
目についてチェックを行うことにより、審査情報(レイ
ティングのレベル)を入力することができる(S50
3)。同図によれば、「エロ・グロ サイト」につい
て、「性表現」の「裸体の画像がある」及び「性的な刺
激のある画像、動画などがある」がチェックされてお
り、また、「暴力表現」の「流血、血のりの画像があ
る」及び「死体の画像がある」がチェックされている。
【0251】コンテンツ制作者が、該当項目をチェック
した後、「このレイティングをページに適用する」ボタ
ン24bを選択すると、自動審査プログラムによる審査
処理が開始される。具体的には、自動審査プログラム
は、「このレイティングをページに適用する」ボタン2
4bが選択されると、ネットコンテンツ規程テーブルを
参照し(S504)、チェックされた項目に基づいて、
当該コンテンツがネットコンテンツ規程に抵触するか否
かについて判断する(S505)。なお、ここでは、項
目が1つでもチェックされている場合は、ネットコンテ
ンツ規程に抵触するものとする。
【0252】自動審査プログラムは、当該コンテンツが
ネットコンテンツ規程に抵触すると判断した場合は(S
505;YES)、チェックされた項目とネットコンテ
ンツ規程テーブルの内容に従って「倫理情報」を生成
し、当該コンテンツのHTMLソースのヘッダ部分に、
「倫理タグ」及び生成された「倫理情報」を書き込む
(S506)。
【0253】本実施形態では、ネットコンテンツ規程に
定義された「性表現」と「暴力表現」に関する項目がチ
ェックされているので、自動審査プログラムは、当該コ
ンテンツがネットコンテンツ規程に抵触すると判断し、
ネットコンテンツ規程テーブルを参照して「倫理情報」
を生成すると、これを「倫理タグ」内に書き込む。
【0254】図25は、コンテンツのHTMLソースの
ヘッダ部分に書き込まれた「倫理タグ」及び「倫理情
報」の一例を示す図である。同図によれば、「倫理タ
グ」を示す<rinri></rinri>25aの間に、「倫理
情報」として「Realistic Blood and Gore, Strong Sex
ual Contents, Nudity」25bが記述されている。すな
わち、「裸体の画像」に対応して「Nudity」が、「性的
な刺激のある画像、動画」に対応して「Strong Sexual
Contents」が、「流血、血のりの画像」に対応して「Re
alistic Blood」が、「死体の画像」に対応して「Gor
e」が、それぞれ倫理情報として記述されている。
【0255】なお、自動審査プログラムは、当該コンテ
ンツがネットコンテンツ規程に抵触しないと判断した場
合は、「倫理タグ」及び「倫理情報」を書き込まない
(S505;NO)。
【0256】以上によれば、コンテンツ制作者が、倫理
審査画面にて該当する項目をチェックすることにより、
ネットコンテンツ規程に従ってコンテンツに対する審査
が行なわれ、当該コンテンツが暴力表現等を含むと判断
された場合は、そのHTMLソースに倫理タグ及び倫理
情報が自動的に記述されることになる。これにより、コ
ンテンツ制作者に過度な負担を要することなく、客観的
な審査結果が得られるとともに、その審査結果をコンテ
ンツに反映させることができるようになる。
【0257】なお、図24のレイティング設定画面24
aにおいて、コンテンツの制作側がチェックする項目
は、図24にて示した項目に限られず、ネットコンテン
ツ規程に基づいて任意に構成することができる。例え
ば、「飲酒・禁煙・麻薬・薬物」等の表現に関する項目
を設けることもできる。
【0258】また、図24にてコンテンツの制作側がチ
ェックした項目は、ページ単位に限られず、例えば、子
ディレクトリの全てのファイルに一度に適用することと
してもよい。子ディレクトリの全てのファイルに、共通
する性表現や暴力表現が含まれるような場合は、これに
より、一度に倫理タグ及び倫理情報が書き込まれるの
で、重複作業を回避することができる。
【0259】さらに、HTMLソースにおいて記述する
倫理情報は、図25に示すものに限られない。例えば、
図24にてチェックされた項目に基づいて、自動審査プ
ログラムが、コンテンツの対象年齢を判断し(全年
齢、12歳以上、18歳以上など)、この判断され
た対象年齢をさらに記述するように構成してもよい。
【0260】また、コンテンツに対する審査の際には、
倫理審査支援システムが有する審査支援ツールを利用す
ることもできる。例えば、上述した審査結果検索手段、
対話型審査手段、及び映像審査手段を利用してもよい。
【0261】(コンテンツ制作側の処理−審査を手動で
行う場合)また、コンテンツに対する審査をコンテンツ
制作側が手動で行うこともできる。すなわち、本実施形
態に係るコンテンツ閲覧制御システムは、コンテンツ制
作者が、自らコンテンツの中に問題となる表現があるか
否かを審査してその結果をレイティング設定画面にて入
力する手段と、自動審査プログラムが、入力された審査
結果とネットコンテンツ規程テーブルから倫理情報を生
成してHTMLソースに自動的に書き込む手段と、を備
える。
【0262】なお、レイティング設定画面24aには、
コンテンツ制作側が選択すべき審査結果が予め提示され
ていることが望ましい。コンテンツ制作側が選択すべき
審査結果の構成は、ネットコンテンツ規程に基づいて任
意に構成することが可能である。例えば、コンテンツの
表現がネットコンテンツ規程に抵触する旨(当該コンテ
ンツが有害である旨)を意味する項目、コンテンツの内
容に応じた対象年齢を指定する項目、また、コンテンツ
に含まれる具体的な表現を指定させる項目などを、レイ
ティング設定画面24aに設けることができる。
【0263】コンテンツ制作側は、当該コンテンツがい
ずれの審査結果に該当するか否かを審査し、該当する項
目を審査結果としてチェックすると、自動審査プログラ
ムにより、チェックされた項目に対応する倫理情報がH
TMLソースに自動的に書き込まれる。
【0264】これにより、コンテンツ制作者の審査結果
に基づき倫理情報がコンテンツに書き込まれるので、コ
ンテンツ制作者の自主審査を促すとともに、コンテンツ
制作側の意図を当該コンテンツに反映させることができ
るようになる。
【0265】(コンテンツ閲覧側の処理)次に、年少者
等のコンテンツ閲覧側の処理について説明する。コンテ
ンツ閲覧側の処理は、コンテンツの閲覧条件を設定する
処理と、コンテンツを読み込んだ際に、設定された閲覧
条件とコンテンツに記述された審査結果に基づいて、当
該コンテンツの閲覧の有無を判断する処理とからなり、
具体的にはこれらの処理を記述したプログラム(以下、
「閲覧制御プログラム」という。)によって実現され
る。この閲覧制御プログラムは、閲覧制御プログラム単
独で起動することもできるが、コンテンツを閲覧するブ
ラウザプログラムにツールとして予め組み込まれことも
できるように構成されている。本実施形態では、閲覧制
御プログラムは、ブラウザプログラムに予め組み込まれ
ているものとする。
【0266】図21は、コンテンツ閲覧側が、コンテン
ツの閲覧条件を設定し、暴力表現等を含むコンテンツの
閲覧を制限する場合の処理の流れを示すフローチャート
である。ここでは、コンテンツ閲覧者が、年少者(例え
ば小学生)である場合について説明する。
【0267】まず、前提として、コンテンツ閲覧側は、
ブラウザ上からツールメニューを選択する。図26は、
ブラウザ上からツールメニュー26aが選択された場合
の画面の一例を示す図である。コンテンツ閲覧側は、ツ
ールメニュー26aから「オプション」26bを選択す
ることができる。コンテンツ閲覧側が、「オプション」
26bを選択すると、コンテンツの閲覧条件を設定する
ためのレイティング設定画面が表示される。
【0268】図27は、ブラウザ上に表示されたレイテ
ィング設定画面の一例を示す図である。レイティング設
定画面27aは、コンテンツの閲覧条件を設定するため
の画面である。同図によれば、「制限付きサイト」のレ
ベルとして、「最高」「高」「中」「低」の4段階のレ
ベルが設けられていることがわかる。
【0269】コンテンツ閲覧者は、コンテンツを閲覧す
る年少者に応じてレベルを設定する(S601)。ここ
では、コンテンツ閲覧側は小学生なので、「最高」レベ
ルが設定されている。次に、「OK」ボタンが選択され
ると、閲覧制御プログラムは、コンテンツの閲覧レベル
として「最高」の値を所定の記憶領域に格納する。
【0270】なお、コンテンツの閲覧レベルの設定は、
具体的な表現に応じて更に詳細に設定することも可能で
ある。図27のレイティング設定画面27aには、レベ
ルの詳細な設定を行うための「レベルのカスタマイズ」
ボタン27bが設けられている。コンテンツ閲覧者が、
「レベルのカスタマイズ」ボタン27bを選択すると、
レベルの詳細な設定を行うための詳細設定画面に遷移す
る。
【0271】図28は、ブラウザ上に表示された詳細設
定画面の一例を示す図である。同図によれば、詳細設定
画面28aは、「暴力表現」「性表現」及び「反社会的
な表現」について、具体的な表現ごとに、コンテンツの
閲覧の有無を設定することができるように構成されてい
る。コンテンツ閲覧側は、例えば、「暴力表現」につい
て、「流血、血のりの表現されている画像」は許可する
が、「人間や動物などの肢体が分離・欠損した画像」は
許可しないというように、画像の具体的な内容に応じた
設定をすることができる。
【0272】このようにコンテンツの閲覧レベルの設定
が行われた後、年少者が所定のコンテンツにアクセスす
る(S602)と、閲覧制御プログラムは、当該コンテ
ンツの倫理タグを検出し、倫理タグ内に書き込まれた倫
理情報を読みこむ(S603)。
【0273】そして、閲覧制御プログラムは、S601
にて設定されたコンテンツの閲覧レベルを所定の記憶領
域から参照し(S604)、倫理タグ内に書き込まれた
倫理情報が、コンテンツの閲覧レベルとを満たすか否か
について判断する(S605)。 なお、倫理タグ内に
書き込まれた倫理情報が、コンテンツの閲覧レベルを満
たすか否かについては、閲覧レベルテーブル(図示せ
ず)に記述されている。すなわち、閲覧レベルテーブル
には、閲覧レベルと倫理情報が、対応付けて格納されて
いる。例えば、「レベル=最高」には「倫理情報=”な
し”」が、「レベル=高」には、「倫理情報=Nudity」
が、「レベル=中」には「倫理情報=Nudity、Gore」が
対応付けて格納されている。
【0274】閲覧制御プログラムは、当該コンテンツが
閲覧レベルを満たすと判断する場合は(S605;YE
S)、当該コンテンツの閲覧を許可してコンテンツをブ
ラウザ上に表示する(S606)。これに対し、閲覧制
御プログラムは、当該コンテンツが閲覧レベルを満たさ
ないと判断する場合は(S605;NO)、当該コンテ
ンツの閲覧を禁止してコンテンツを表示しない(S60
7)。なお、この場合は、当該コンテンツを表示する事
ができない旨をブラウザ上に表示する。
【0275】本実施形態では、図27のレイティング設
定画面27aにて、コンテンツの閲覧レベルが「最高」
に設定されているところ、図22のコンテンツは大人向
けサイトであり、当該コンテンツのHTMLソースに記
述された倫理タグ内には、Nudity及びGore等の倫理情報
が記述されている。従って、閲覧制御プログラムは、当
該コンテンツが閲覧レベル(最高)を満たさないと判断
する。
【0276】図29は、コンテンツが閲覧レベルを満た
さない場合に表示される画面の一例である。この画面
は、コンテンツが閲覧レベルを満たさない旨をコンテン
ツ閲覧者に通知するためのものである。
【0277】以上によれば、ブラウザプログラムが、閲
覧者の入力に従って所定のコンテンツを読み込んだ際
に、予め設定されたコンテンツの閲覧レベルを満たさな
い場合は、これを表示しない。よって、年少者のような
コンテンツ閲覧者が、偶然にも暴力表現等を含むコンテ
ンツにアクセスしてしまった場合でも、ブラウザプログ
ラムが当該コンテンツを表示しないので、年少者が有害
なコンテンツを閲覧してしまうといった事態を回避する
ことができるようになる。
【0278】なお、コンテンツの閲覧レベルの設定は、
図27及び図28に示した構成に限られず、任意にこれ
を構成することができる。例えば、コンテンツの閲覧側
がインターネットを使用する時間帯、例えば昼間と深夜
とでは異なるような場合には、閲覧レベルと時間帯を組
み合わせて設定してもよい。また、時代や社会の変化に
伴い、制限する表現の項目等を適宜追加したり削除した
りすることもできる。
【0279】このように、コンテンツの閲覧側の状況に
応じたコンテンツの閲覧レベルの設定が可能になるの
で、コンテンツの閲覧を一律に制限することなく、有害
なコンテンツから年少者を保護することができるように
なる。
【0280】(管理団体の処理)ネットコンテンツ規程
の管理団体は、コンテンツが年少者に悪影響を及ぼす可
能性のある表現を含む場合に、コンテンツの倫理タグ内
に記述すべき倫理情報を定義している。また、管理団体
は、本実施形態に係るコンテンツ閲覧制御システムによ
り、コンテンツが「ネットコンテンツ規程」に従って適
切な倫理情報を記述しているか否かについて、検査を行
うことが望ましい。従って、本実施形態では、自動審査
プログラムに、コンテンツの倫理タグ内に記述された倫
理情報が適切か否かを判断し、その判断結果を通知する
機能を新たに設けることとした。
【0281】管理団体の職員が、所定のコンテンツをイ
ンターネット上から選択すると、自動審査プログラムを
起動して、図24のレイティング設定画面24aから当
該コンテンツに対する審査情報(または審査結果)を入
力する。自動審査プログラムは、入力された審査情報
(または審査結果)とネットコンテンツ規程とに基づい
て、当該コンテンツの倫理タグ内に記述すべき倫理情報
を決定する。
【0282】ここで、自動審査プログラムは、当該コン
テンツの倫理タグ内に既に倫理情報が記述されている場
合は、当該倫理情報を読み取り、決定した倫理情報と既
に記述されている倫理情報が一致するか否かを判断す
る。そして、自動審査プログラムは、その判断結果(一
致する、一致しない)を通知する。
【0283】これによれば、管理団体の職員は、インタ
ーネット上から任意のコンテンツを選択し、当該コンテ
ンツに対する審査情報を入力するだけで、当該コンテン
ツに適切な倫理情報が記述されているか否かを知ること
ができる。よって、当該コンテンツに適切な倫理情報が
記述されていない場合は、当該コンテンツの制作者に注
意等を喚起することにより、インターネット全体の健全
な発達を促すことができるようになる。
【0284】また、上記コンテンツは、HTMLにて設
計されたWebページから構成されるものに限られず、
例えば、インターネット等のネットワークに接続可能な
携帯端末にて閲覧可能なコンテンツも含まれる。
【0285】
【発明の効果】本発明は、映像表現に対する倫理審査に
おいて、個人の主観や経験に代わる審査支援手段を設け
たので、客観的な審査結果を提供することができる。こ
れにより、映像商品を提供される青少年と、映像商品を
提供する会社に対して、適正な注意を喚起することがで
きるので、映像表現に関わる業界全体の健全な発達が可
能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 倫理審査支援システムの構成を機能的に表し
たものである。
【図2】 管理台帳DB20のデータ構造を表した図で
ある。
【図3】 審査結果DB21のデータ構造を表した図で
ある。
【図4】 要素レベルテーブルのデータ構造を表した図
である。
【図5】 映像判定テーブルのデータ構造を表した図で
ある。
【図6】 倫理審査支援システム100の全体処理の主
な流れを示すフローチャートである。
【図7】 倫理審査支援システム100の全体処理の詳
細な流れを示すフローチャートである。
【図8】 倫理審査依頼画面の一例を表す図である。
【図9】 審査画面の一例を表す図である。
【図10】 審査結果DBの検索処理の主な流れを表す
フローチャートである。
【図11】 審査結果DBを検索する画面の一例を表し
た図である。
【図12】 審査データ画面の一例を表す図である。
【図13】 対話型審査の処理の流れを表すフローチャ
ートの一例である。
【図14】 対話型審査画面の一例を表す図である。
【図15】 映像審査の処理の流れを表すフローチャー
トの一例である。
【図16】 審査終了画面の一例を表す図である。
【図17】 審査結果通知書の一例を表す図である。
【図18】 映像審査結果表の一例を表す図である。
【図19】 倫理基準の一例を表す図である。
【図20】 コンテンツ制作側の処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図21】 コンテンツ閲覧側の処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図22】 制作されたコンテンツの一例を表す図であ
る。
【図23】 ツールメニューが選択された場合の画面の
一例を表す図である。
【図24】 レイティング設定画面の一例を表す図であ
る。
【図25】 コンテンツのHTMLソースの一例を表す
図である。
【図26】 ブラウザ上のツールメニューが選択された
場合の画面の一例を表す図である。
【図27】 コンテンツの閲覧条件を設定する画面の一
例を表す図である。
【図28】 コンテンツの閲覧条件を設定する画面の他
の例を表す図である。
【図29】 コンテンツが表示されない場合に表示され
る画面の一例を表す図である。
【符号の説明】
100…倫理審査支援システム(サーバ) 200…開発会社(クライアント) 300…通信網 6…審査受付手段 7…審査支援手段 8…審査終了手段 9…入金管理手段 10…依頼データ 12…DB検索 13…対話型審査 14…映像審査 15…審査結果DB登録 16…審査結果出力 17…請求書出力 20…管理台帳DB 21…審査結果DB 22…審査基準DB
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐多 剛直 東京都大田区羽田1丁目2番12号 株式会 社セガ内 Fターム(参考) 5B075 ND04 ND12 NK44 PP02 PQ02 PQ46 UU40

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像表現が、所定の倫理基準を満たすか
    否かを審査するための審査支援手段を有する倫理審査支
    援システムであって、 前記審査支援手段は、 予め記憶された過去の倫理審査結果データを検索する審
    査結果検索手段と、 予め設定された形式に従って質問を出力し、この出力さ
    れた質問に対する回答を入力し、この入力された回答に
    基づいて倫理審査の結果を判定する対話型審査手段と、 映像データを入力し、予め設定された条件に従って前記
    映像データを分析し、この分析結果に基づいて倫理審査
    の結果を判定する映像審査手段と、 前記審査結果検索手段による検索結果、前記対話型審査
    手段による審査結果、及び前記映像審査手段による審査
    結果のうち少なくともいずれか1つを出力する審査結果
    出力手段とを有することを特徴とする倫理審査支援シス
    テム。
  2. 【請求項2】 映像データと、この映像データに対する
    倫理審査結果データとを、記憶する記憶手段と、 入力された検索条件に基づいて、この記憶手段が記憶し
    た前記映像データと前記倫理審査結果データとを検索す
    る検索手段と、 この検索手段が検索した結果を出力する検索結果出力手
    段とを備えることを特徴とする倫理審査支援システム。
  3. 【請求項3】 前記検索手段は、倫理審査において問題
    となる表現データを検索条件として入力し、この入力さ
    れた検索条件に基づいて、前記記憶手段が記憶した前記
    映像データと前記倫理審査結果データとを検索すること
    を特徴とする請求項2記載の倫理審査支援システム。
  4. 【請求項4】 映像表現が所定の倫理基準を満たすか否
    かを判定するための質問事項を出力する質問手段と、 この質問手段が出力する質問に対する回答を、所定の入
    力形式に従って入力する回答手段と、 この回答手段が回答した結果に基づいて、前記映像表現
    に対する倫理審査の結果を判定する対話型判定手段と、 この対話型判定手段が判定した結果を出力する対話型判
    定結果出力手段とを備えることを特徴とする倫理審査支
    援システム。
  5. 【請求項5】 前記質問手段が出力する質問事項は、倫
    理審査において問題となる表現の内容に応じて予め設定
    されており、 前記回答手段は、前記設定された質問事項の内容に応じ
    てその入力形式を選択形式とすることを特徴とする請求
    項4記載の倫理審査支援システム。
  6. 【請求項6】 倫理審査が暴力表現に関する審査である
    場合には、前記質問手段が出力する質問事項は、「当た
    りの表現の有無」、「流血表現の有無」、「流血表現
    は、インタラクティブな場面での表現か否か」、「キャ
    ラクタの形状」、及び「キャラクタの質感」に関する質
    問のうち、少なくともいずれか1つの質問を含むことを
    特徴とする請求項4または5記載の倫理審査支援システ
    ム。
  7. 【請求項7】 問題となる表現を構成する表現対象を特
    定する表現対象特定手段と、 この表現対象を分析するためのパラメータを特定するパ
    ラメータ特定手段と、 前記パラメータのレベルを定義したレベルテーブルに基
    づいて、前記パラメータ特定手段が特定したパラメータ
    のレベルを算定する算定手段と、 前記パラメータのレベルに応じて審査結果を定義した判
    定テーブルと、前記算定手段が算定したパラメータのレ
    ベルとに基づいて、映像表現に対する倫理審査の結果を
    判定する映像判定手段と、 この映像判定手段が判定した結果を出力する映像判定結
    果出力手段とを有することを特徴とする倫理審査支援シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記問題となる表現が「暴力表現」であ
    る場合には、 前記表現対象特定手段は、「血の領域」を表現対象とし
    て特定し、 前記パラメータ特定手段は、「血の色」、「血の頻
    度」、「血の量」、及び「血の滞留時間」のうちの少な
    くとも1つをパラメータとして特定することを特徴とす
    る請求項7記載の倫理審査支援システム。
  9. 【請求項9】 前記表現対象特定手段は、 審査対象である映像データの中から、ある形状が音声と
    同じタイミングで変化する場合には、当該形状を「血の
    領域」と判定することを特徴とする請求項7または8記
    載の倫理審査支援システム。
  10. 【請求項10】 前記表現対象特定手段は、 審査対象である映像データの中から、ある形状が短時間
    で著しく変化する場合には、当該形状を「血の領域」と
    判定することを特徴とする請求項7または8記載の倫理
    審査支援システム。
  11. 【請求項11】 前記倫理審査支援システムは、 審査対象である映像表現を出力するか否かをゲームプロ
    グラムが判定するための条件をゲームプログラム中に設
    定するゲームプログラム設定手段を更に有することを特
    徴とする請求項1から10いずれか記載の倫理審査支援
    システム。
  12. 【請求項12】 前記ゲームプログラム設定手段は、 前記審査結果出力手段が出力する結果、前記検索結果出
    力手段が出力する結果、前記対話型判定結果出力手段が
    出力する結果、及び前記映像判定結果出力手段が出力す
    る結果のうち、少なくともいずれか一つの結果をゲーム
    プログラムに設定する第1の条件設定手段と、 ゲームのプレイ状況を判定するための条件をゲームプロ
    グラムに設定する第2の条件設定手段とを有することを
    特徴とする請求項11記載の倫理審査支援システム。
  13. 【請求項13】前記第2の条件設定手段は、前記ゲーム
    のプレイ状況を判定するための条件として、プレーヤの
    年齢、ゲームのプレイ時間、及びゲームがプレイされる
    時刻のうち少なくともいずれか一つを設定することを特
    徴とする請求項12記載の倫理審査支援システム。
  14. 【請求項14】 映像表現が、所定の倫理基準を満たす
    か否かを審査する倫理審査支援方法であって、 予め記憶された過去の倫理審査結果データを検索する審
    査結果検索ステップと、 予め設定された形式に従って質問を出力し、この出力さ
    れた質問に対する回答を入力し、この入力された回答に
    基づいて倫理審査の結果を判定する対話型審査ステップ
    と、 映像データを入力し、予め設定された条件に従って前記
    映像データを分析し、この分析結果に基づいて倫理審査
    の結果を判定する映像審査ステップと、 前記審査結果検索ステップによる検索結果、前記対話型
    審査ステップによる審査結果、及び前記映像審査ステッ
    プによる審査結果のうち少なくともいずれか1つを出力
    する審査結果出力ステップとを有することを特徴とする
    倫理審査支援方法。
  15. 【請求項15】 映像データと、この映像データに対す
    る倫理審査結果データとを、記憶する記憶ステップと、 入力された検索条件に基づいて、この記憶された前記映
    像データと前記倫理審査結果データとを検索する検索ス
    テップと、 この検索ステップにて検索された結果を出力する検索結
    果出力ステップとを備えることを特徴とする倫理審査支
    援方法。
  16. 【請求項16】 映像表現が所定の倫理基準を満たすか
    否かを判定するための質問事項を出力する質問ステップ
    と、 この質問に対する回答を、所定の入力形式に従って入力
    する回答ステップと、入力された回答の結果に基づい
    て、前記映像表現に対する倫理審査の結果を判定する対
    話型判定ステップと、 この対話型判定ステップにて判定された結果を出力する
    対話型判定結果出力ステップとを有することを特徴とす
    る倫理審査支援方法。
  17. 【請求項17】 問題となる表現を構成する表現対象を
    特定する表現対象特定ステップと、 この表現対象を分析するためのパラメータを特定するパ
    ラメータ特定ステップと、 前記パラメータのレベルを定義したレベルテーブルに基
    づいて、特定されたパラメータのレベルを算定する算定
    ステップと、 前記パラメータのレベルに応じて審査結果を定義した判
    定テーブルと、算定されたパラメータのレベルとに基づ
    いて、映像表現に対する倫理審査の結果を判定する映像
    判定ステップと、この映像判定ステップにて判定された
    結果を出力する映像判定結果出力ステップとを有するこ
    とを特徴とする倫理審査支援方法。
  18. 【請求項18】 前記倫理審査支援方法は、 審査対象である映像表現を出力するか否かをゲームプロ
    グラムが判定するための条件をゲームプログラム中に設
    定するゲームプログラム設定ステップを更に有すること
    を特徴とする請求項14記載の倫理審査支援方法。
  19. 【請求項19】 前記ゲームプログラム設定ステップ
    は、 前記審査結果出力ステップにて出力される結果、前記検
    索結果出力ステップにて出力される結果、前記対話型判
    定結果出力ステップにて出力される結果、及び前記映像
    判定結果出力ステップにて出力される結果のうち、少な
    くともいずれか一つの結果をゲームプログラムに設定す
    る第1の条件設定ステップと、 ゲームのプレイ状況を判定するための条件をゲームプロ
    グラムに設定する第2の条件設定ステップとを有するこ
    とを特徴とする請求項18記載の倫理審査支援方法。
  20. 【請求項20】 請求項14から19記載の倫理審査支
    援方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを
    格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  21. 【請求項21】 ゲームの映像表現が所定の倫理基準を
    満たすか否かについての審査結果と、前記ゲームのプレ
    イ状況を判定するための条件と、がそれぞれ設定された
    ゲームプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。
  22. 【請求項22】 ゲームプログラムの内容を読み出して
    ゲームの進行を制御するゲーム装置であって、 ゲームの映像表現が所定の倫理基準を満たすか否かにつ
    いての審査結果と、前記ゲームのプレイ状況を判定する
    ための条件と、が設定された前記ゲームプログラムに基
    づいて、審査対象となった映像を出力するか否かを決定
    するゲーム装置。
  23. 【請求項23】 前記第1の条件設定手段により設定さ
    れる結果と、前記第2の条件設定手段により設定される
    条件とが、それぞれ設定されたゲームプログラムを格納
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  24. 【請求項24】 ゲームプログラムの内容を読み出して
    ゲームの進行を制御するゲーム装置であって、 前記第1の条件設定手段によって前記ゲームプログラム
    内に設定された結果と、前記第2の条件設定手段によっ
    て前記ゲームプログラム内に設定された条件と、に基づ
    いて、審査対象となった映像を出力するか否かを決定す
    るゲーム装置。
  25. 【請求項25】 コンテンツに含まれる表現が所定の倫
    理基準を満たすか否かを審査した審査結果に基づいて前
    記コンテンツの閲覧を制御するための情報を生成し、こ
    の生成した情報を前記コンテンツに書き込む書込機能を
    コンピュータに実現させるためのプログラム。
  26. 【請求項26】 前記書込機能は、 コンテンツの表現が所定の倫理基準を満たすか否かを審
    査するための審査情報を入力する機能と、 入力された審査情報と所定の倫理基準を格納したテーブ
    ルとに基づいて前記審査を行う審査機能と、 審査の結果が、前記コンテンツに含まれる表現が所定の
    倫理基準を満たさないものである場合に、前記コンテン
    ツの閲覧を制御するための情報を生成することを特徴と
    する請求項25記載のプログラム。
  27. 【請求項27】 前記書込機能は、 コンテンツの表現が所定の倫理基準を満たすか否かを審
    査した審査結果を入力する機能と、 入力された審査結果が、前記コンテンツに含まれる表現
    が所定の倫理基準を満たさないものである場合に、前記
    コンテンツの閲覧を制御するための情報を生成すること
    を特徴とする請求項25記載のプログラム。
  28. 【請求項28】 前記書込機能は、 前記生成した情報を、コンテンツを構成する1又は複数
    のページのソースに書き込むことを特徴とする請求項2
    5から27いずれか記載のプログラム。
  29. 【請求項29】 コンテンツを閲覧する際に、予め設定
    されたコンテンツの閲覧条件と、コンテンツに書き込ま
    れた前記コンテンツの閲覧を制御するための情報とに基
    づいて、前記コンテンツの閲覧を制御する機能、をコン
    ピュータに実現させるためのプログラム。
  30. 【請求項30】 前記コンテンツの閲覧を制御する機能
    は、予め設定されたコンテンツの閲覧条件と前記コンテ
    ンツに書き込まれた情報とに基づいて、前記コンテンツ
    が前記コンテンツの閲覧条件を満たすか否かを判断する
    機能を有し、 前記コンテンツが前記コンテンツの閲覧条件を満たさな
    いと判断した場合に、前記コンテンツを表示しないこと
    を特徴とする請求項29記載のプログラム。
  31. 【請求項31】 前記コンテンツの閲覧条件は、複数の
    レベルの中から閲覧条件を選択可能に構成されているこ
    とを特徴とする請求項29または30記載のプログラ
    ム。
  32. 【請求項32】 前記コンテンツの閲覧条件は、前記コ
    ンテンツに含まれる表現に応じて閲覧条件を選択可能に
    構成されていることを特徴とする請求項29または30
    記載のプログラム。
  33. 【請求項33】 コンテンツに含まれる表現が所定の倫
    理基準を満たすか否かを審査した審査結果に基づいて前
    記コンテンツの閲覧を制御するための情報を生成し、こ
    の生成した情報を前記コンテンツに書き込む方法。
  34. 【請求項34】 コンテンツを閲覧する際に、予め設定
    されたコンテンツの閲覧条件と、コンテンツに書き込ま
    れた前記コンテンツの閲覧を制御するための情報とに基
    づいて、前記コンテンツの閲覧を制御する方法。
  35. 【請求項35】 コンテンツに含まれる表現が所定の倫
    理基準を満たすか否かを審査した審査結果に基づいて前
    記コンテンツの閲覧を制御するための情報を生成し、こ
    の生成した情報を前記コンテンツに書き込む書込手段
    と、 前記コンテンツを閲覧する際に、予め設定されたコンテ
    ンツの閲覧条件と前記コンテンツに書き込まれた情報と
    に基づいて、前記コンテンツの閲覧を制御する手段と、
    を備えることを特徴とするコンテンツ閲覧制御システ
    ム。
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