JP2002148249A - 乾燥型試料搬送容器 - Google Patents

乾燥型試料搬送容器

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JP2002148249A
JP2002148249A JP2000338100A JP2000338100A JP2002148249A JP 2002148249 A JP2002148249 A JP 2002148249A JP 2000338100 A JP2000338100 A JP 2000338100A JP 2000338100 A JP2000338100 A JP 2000338100A JP 2002148249 A JP2002148249 A JP 2002148249A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微少血液から効率よくかつ確実に血漿を分離
できると共に、多項目の分析成分を精度よく測定できる
搬送容器を提供する。 【解決手段】 クロマトグラフィーの原理に基づいて血
液から血漿を分離する分離材を内蔵する搬送容器であっ
て、濾紙片Fを敷設する大きさを有する板状の下部材L
と、下部材Lと重合して濾紙片Fの一部のみと係合する
上部材Uとによって、濾紙片Fの表面を被覆することな
く保持し、濾紙片Fには、塩、糖類、アミノ酸、又は蛋
白が単独又は組合せて添加されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量の体液から多
くの生体情報を分析するための輸送容器に関し、特に、
血液を血漿と血餅を効率的に分離し、汚れや汚染を防止
しつつ成分を安定的に輸送できる容器に関するものであ
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】分析対象となる微少体
液を搬送ないし保存する媒体として、従来、東洋濾紙
(株)製などの乾燥濾紙が用いられてきた。しかし、こ
のような乾燥濾紙では血液を搬送する場合、血球(血
餅)と血漿が混在し、成分分析時に相互の成分が影響し
て、正しい生体情報を得られない分析項目が多数存在す
るという問題点があった。例えば、臨床検査分野におけ
る基本的な分析項目である酵素類、糖類、窒素、脂質な
どは、血球中に存在するヘモグロビンが測定系に影響し
て正確な測定を阻害していた(臨床検査提要改訂第31
版、臨床化学検査・基本操作p459〜469:金井 泉著、
金原出版(株))。
【0003】かかる実情を踏まえ、最近では、上記の乾
燥濾紙に変わるものとして、血漿分離膜(ヘマセップ
L:ゲルマンサイエンス社製)が開発され、これを用い
た検体採取シートも提案されている(特願平9−254
129号)。
【0004】しかしながら、この血漿分離膜(ヘマセッ
プL)は、血漿分離能力が弱いために微量の血液から効
率よく血漿が分離されず、しかも単位面積当たりの体液
保持量も少ないので、多成分の分析を行うには多数のシ
ートを使用しなければならないという問題点があった。
しかも、上記の検体採取シートは、支持体と分離膜とが
一体化されているため、自動分析装置には使用しにくい
という欠点もあった。更にまた、上記の検体シートで
は、血漿部がポリマーで密着被覆されて湿潤保存の状態
となるので成分変性が起こりやすいという問題点もあっ
た。
【0005】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
のであって、微少血液から効率よくかつ確実に血漿を分
離できると共に、多項目の分析成分を精度よく測定でき
る搬送容器を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者は、種々の濾紙及び合成繊維膜につき研究
・検討した結果、市販の血漿分離膜に工夫改善を加える
と共に、この改善された血漿分離膜を乾燥状態で輸送す
る搬送容器を用いることで上記の課題を解決するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、クロマトグラフィー
の原理に基づいて血液から血漿を分離する分離材を内蔵
する搬送容器であって、前記分離材を敷設する大きさを
有する板状のベース部材と、前記ベース部材と重合して
前記分離材の一部のみと係合する重合部材とによって、
前記分離材の表面を被覆することなく保持し、前記分離
材には、塩、糖類、アミノ酸、又は蛋白を、単独又は組
合せて添加している。なお、本発明で添加とは、含浸や
被覆などを含む概念である。
【0008】分離材は、特に限定されるものではなく、
典型的には濾紙又は合成繊維膜によって実現されるが、
ポリエステル系ポリマーを使用した血漿分離膜又は血漿
分離膜を応用した複合素材が好適である。そして、簡易
的には血漿分離膜とは別の用途で市販されているヘマセ
ップVが使用される。本発明の搬送容器はベース部材と
重合部材とからなるが、不透湿性固体材料であればその
素材は特に限定されない。重合部材は、1個又はそれ以
上の部材からなるが、何れにしても分離材の一部のみと
係合し分離材を被覆することがないので、血漿を乾燥状
態で保存することができ成分を変質させることがない。
【0009】重合部材の一部には、好ましくは、外部に
向けて傾斜状に広がる血液滴下口が設けられ、分離材の
上面には、分離後の各試料を乾燥させるに十分な開口が
形成されている。但し、開口を形成することに変えて血
液滴下口を大型化し、分離後の血漿成分を乾燥させるよ
うにしても良い。
【0010】また、本発明に係る分離材には、塩、糖
類、アミノ酸、又は蛋白を、単独又は組合せて添加して
いるので、確実に、血漿成分を分離させることができ
る。本発明の塩は、無機酸塩、有機酸塩又は塩化物であ
るが、無機酸塩としてはリン酸塩、硝酸塩などが好適で
あり、有機酸塩としてはクエン酸塩、シュウ酸塩などが
好適である。これらのうち三塩基酸塩であるリン酸塩や
クエン酸塩が特に好適である。これらの塩を単独で使用
する場合、三塩基酸塩0.25〜0.05mol/l程度、好ましく
は0.2〜0.1mol/l程度をpH6〜8(最適範囲はpH7〜
8程度)に調整して添加するのが最適である。塩化物と
しては、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが例示され
るが、このうち塩化ナトリウムが特に好適である。ま
た、塩化物の濃度は、0.25〜0.05mol/l程度が好まし
い。
【0011】本発明の糖類としては、ブドウ糖などの単
糖類、蔗糖などの二糖類、オリゴ糖などの複糖類が例示
されるが、単糖類又は二糖類が好適であり、単糖類とし
てはマンニトール、ブドウ糖などが好適であり、二糖類
としては蔗糖、トレハロースなどが好適である。これら
のうち、マンニトールと蔗糖が特に好適である。糖類の
濃度は、0.25〜0.05mol/l程度が好ましい。
【0012】本発明のアミノ酸としては、グリシン、ア
ラニンなどが好適であり、特にグリシンが好適である。
アミノ酸の好適な濃度は、0.25〜0.05mol/l程度であ
る。本発明の蛋白としては、血漿蛋白であるフィブリノ
ーゲンやγ−グロブリンが好適である。蛋白の好適な最
終濃度は、40〜100mg/dl程度である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明の
実施の形態を説明する。 [容器の形状]図1は、上部材Uと下部材Lとを重合さ
せて構成された搬送容器Hの一例を図示した斜視図であ
り、図2は、上部材Uの表裏面(a),(b)と下部材
Lの表裏面(c),(d)を示す正面図である。この搬
送容器Hは、全体として長さ60mm×幅15mm×厚
さ5mm程度の大きさであり、上部材Uと下部材Lの間
に、長さ50mm×幅6mm程度の濾紙片Fに収納して
構成されている。
【0014】下部材Lの裏面側(図2(c))には、外
周部1の内側に矩形状の凹部2が形成され、凹部2の中
には4本の円柱突起3と、コ字状の係止突条4a,4b
とが形成されている。2つの係止突条4a,4bは、濾
紙片Fの両端部を係止する部分であり、濾紙片と同程度
の1mm程度の高さを有している。なお、下部材Lの外
周部1には、上下の部材U,Lを開閉操作するための操
作片5が形成されている。
【0015】上部材Uの表面側と裏面側を図示した図2
(a)、図2(b)から明らかなように、上部材Uに
は、外部に向けて傾斜状に広がる矩形状の血液滴下口6
と、長細い矩形状に形成された乾燥開口7とが形成され
ている。上部材Uの裏面側には、その外周部に隣接して
矩形状の突条8が形成され、突条8の四隅には係合孔9
が形成されている。また、上部材Uの外周部にも、上下
の部材U,Lを開閉操作するための操作片11が形成さ
れている。
【0016】上部材Uの突条8は、下部材Lの外周部1
のすぐ内側に対応する位置に形成され、且つ、上部材U
の係合孔9は、下部材Lの円柱突起3に対応した位置に
形成されている。そのため、上下の部材U,Lを重合さ
せると、下部材Lの外周部1の内側に上部材Uの突条8
が嵌合されると共に、上部材Uの係合孔9に下部材Lの
円柱突起3が挿入されて両者が一体化されることにな
る。
【0017】また、上部材Uの裏面側には、両端部に近
接して2つの突片10,10が形成されている。この突
片10,10は、下部材Lのコ字状の突条4,4の中に
納まる位置に形成されており、上下の部材U,Lを重合
させた場合に、コ字状の突条4a,4bで保持された濾
紙片Fを上から押圧することでより確実に濾紙片Fを保
持することになる(図1(b))。但し、突片10,1
0の部分以外では、上部材Uと濾紙Fとが接触すること
はなく、したがって、滴下口6に血液を滴下した場合に
も、滴下口6において血液が保持されず、血液は円滑に
濾紙Fの部分に移行する。
【0018】以上、本発明に係る搬送容器の一例を例示
したが、この形状に限定されるものではなく、図3に示
すように上部材を分離した2つの部材U1,U2で形成
しても良い。図2の容器では、第1の上部材U1が濾紙
片Fの上端を係止し、第2の上部材U2が濾紙片Fの下
端を係止しているが、第1の上部材U1には、滴下口6
が形成されている。
【0019】続いて、図1の容器を用いてした市販の濾
紙(ヘマセップL、ヘマセップV)についての性能実験
と本発明に係る濾紙について説明する。
【0020】1.[分離時間] 図1の容器を用いて、指先穿刺により漏出した3滴の血
液(約0.1mlと推測される)を滴下した。滴下した
血液は、約30秒で滴下口から分離膜(ヘマセップV)
に移行し、血餅と血漿分離は約2分で完了した。上記時
間では、血液凝固がなく、図1の容器の設計が良好であ
ることを示している。すなわち、血液滴下口は、外部に
向けて傾斜状に広がっているので、短時間で分離膜に移
行させることができる。
【0021】2.[水分保持量] 幅6mm、長さ50mmに切断したヘマセップL及びヘ
マセップVそれぞれに純水を含浸させ、質量変化の測定
により、水分保持量を測定した。この測定を5回繰り返
し行ったところ、ヘマセップLの平均含水量は 0.057m
l、ヘマセップVの平均含水量は 0.161mlであった。ヘ
マセップLは、血漿分離膜として販売されているもの
の、血液保持量が不充分であり、1枚のシートで多成分
の分析をするには不適であることが明らかとなった。
【0022】3.[血液分画] 幅6mm、長さ50mmに切断したヘマセップL及びヘ
マセップVそれぞれに血液0.05ml及び 0.1mlを含浸さ
せ、血餅と血漿の分画距離を測定した。ヘマセップVで
は血餅:血漿が平均22:17であったが、ヘマセップ
Lでは30:8であった。この結果からヘマセップVの
方が血漿分離に優れていることが明らかとなった。
【0023】4.[乾燥による成分の安定化] 搬送の一手段として、例えば、郵送を選んだ場合、特に
夏場ではポスト内温度がかなり高温となることが予測さ
れている。このような場合、保冷措置を施す必要性があ
るが、輸送媒体の性状でも熱抵抗性に大きな差が発生す
る。
【0024】そこで、ペパリン採血管(ベノジェクト
VP−H052:テルモ社製)を用いて、適量採血し、その
後直ちに幅6mm、長さ50mmに裁断した血漿分離膜
ヘマセップV2枚にそれぞれ0.1ml滴下した。そし
て、一方は十分乾燥させた後、他方は湿潤状態で60℃
3時間放置した後、アルブミン(ALB)、GOT、G
PT、総コレステロール、中性脂肪を測定し、両者の成
分熱安定性を確認した。
【0025】比較対照として、別途分離処理したヘパリ
ン血漿10%生食稀釈液を用い、測定はAU600自動
分析装置(オリンパス社製)を用いた。その結果は、図
4に示す通りであり、各測定成分とも膜を乾燥させた方
が湿潤状態で放置した場合より安定化され、特に酵素に
おいて乾燥による安定化は著しいことが明らかとなっ
た。
【0026】5.[濾紙改良について] ヘマセップVを使用した場合、ヘマセップLより血漿分
離能に優れていることは明らかとなったが、分離率は十
分ではないため更に検討した結果、種々の塩や糖類をヘ
マセップVに含浸させることで分離能が改善された。
【0027】特に脂質が多量に存在する血液検体では、
ヘマセップVにおいても分離能の低下が見られ、同様な
ヘマトクリット値(血液中の血餅含有量)を有する中性
脂肪約500mg/dlと約100mg/dlのそれぞれ5検体を分画し
た場合、血餅:血漿の平均値はそれぞれ26:13、2
3:19であった。また、高脂質検体では血球が血漿部
に一部浸潤し、血餅と血漿の分離境界の像が不明確とな
る場合が多く、血漿収量はさらに低下する。
【0028】実験例として、ヘマセップVをリン酸カリ
ウム、塩化ナトリウム、スクロース、マンニトロール、
クエン酸ナトリウムの0.1mol/l水溶液に浸し十分な乾燥
の後、ペパリン採血管(ベノジェクトVP−H052:テ
ルモ社製)を用いて採血した中性脂肪約500mg/dlと約10
0mg/dl検体それぞれを各々の分離膜に 0.1mlづつ滴下
し、血漿/(血餅+血漿)の比率を計測及び血漿部に存
在する総蛋白量を計測した。対照として純水を含浸させ
て乾燥し、同様の操作を行って比較した。また、この計
測は2回行った。
【0029】その結果を純水含浸分離膜の平均を100
として、図9、図10に示した。各塩及び糖類において
純水を含浸させた場合より血漿伸展及び蛋白量が増加
し、特にリン酸塩及びクエン酸塩の効果が大きく、中性
脂肪高値の検体では血漿伸展率で20〜30%、蛋白量
で40%以上の著しい改善が認められた。
【0030】また、血餅と血漿分離境界の像が中性脂肪
高値検体において、純水含浸の場合よりリン酸塩で改善
され、血球浸潤区間が3mmから1mm程度に改善され
た。
【0031】6.[濾紙改良:−塩のpH効果] 上記と同様の実験方法で、リン酸塩のpHを5.2〜
7.8まで5段階に変化させ、血漿伸展比率と総蛋白量
の変化を計測した。図11、図12に示すように、pH
が高くなるほど血漿伸展率も分離される蛋白量も増大す
る。ただし、上記以外にpH8.5についても同様の実
験を行ったが、血漿伸展率及び血漿部蛋白量もpH7.
2より低下し、血餅と血漿境界像も不明確さが増大し
た。この結果からpH7〜8が望ましい。
【0032】7.[濾紙改良:−塩の濃度効果] 上記と同様にpH7.2に調整したリン酸塩の濃度を0.
025〜 0.2mol/lの区間で変化させ、血漿伸展率と血漿部
蛋白量を計測した。図13、図14に示すように、塩濃
度に従って血漿伸展率も血漿部蛋白量も増大した。ま
た、塩濃度が上昇するにつれて血漿分離率及び血漿蛋白
量とも再現性が向上した。ただし、0.2mol/lでほぼ平衡
に達し、0.3mol/l以上では場合によって血球が破壊され
る現象が生じることから、塩濃度としては0.1mol/l 〜
0.2mol/lが最適であることが明らかとなった。
【0033】この場合、中性脂肪約500mg/dlと約100mg/
dl検体両者はほぼ同様に血漿分離が行われ、ヘマセップ
Vをそのまま用いた場合に見られた中性脂肪による障害
や再現性の悪さが改善された。
【0034】8.[理論的考察] 続いて、本発明に至るまでの理論的な考察について説明
する。クロマトグラフィーを原理とする血漿分離膜で
は、その素材による差や分子修飾の状態による差を議論
しない場合、一般的に血球と血漿の拡散力の差を利用し
ている。血液の拡散を取り扱う場合、コロイド粒子を含
む溶液中の拡散を取り扱ったFickの拡散法則に近似
できると考えられ、界面の断面積、濃度勾配及びコロイ
ド分子の持つ固有の拡散係数に支配されて、分子拡散が
行われると考えられる。
【0035】すなわち、血液が巨大コロイドである赤血
球を含む溶液であり、この溶液が比較的微少な断面積を
有する空間を流れる粘性流と仮定すれば、拡散係数の小
さな溶質である赤血球は大きく拡散せず分離膜内で徐々
に濃度減少する。そして、血球の抵抗がなくなった状態
で溶媒である血漿が内在する成分の濃度勾配によって膜
内を拡散していくという過程が想定される。実際に血漿
分離膜に血液を滴下し、平面展開させた場合、血球成分
の伸展停止後に血漿のみの伸展が観測される(バーロー
の物理化学第3版(下)、P712.G.M.Barrow著、東京化
学同人、1976)。
【0036】しかしながら、血漿は物理化学の理論で取
り扱われるような一様な溶媒ではなく、個体差の存在に
よって血球及び血漿の拡散流に変動が発生し、前記した
アルブミン及びリポ蛋白の存在差(=血漿性状の差)に
よる血漿分離率の差が結果として現れる。この分離率の
差の要因は、血漿の拡散力の不足が原因で分離率が低
下する、血液全体の性状(血漿と血球の相互作用)と
して分離率が低下するの2つが考えられるが、本発明者
による研究によって後者であることが明らかとなった。
【0037】すなわち、図5、図6に示したように、血
漿を分離膜に直接塗布してもアルブミン及びリポ蛋白
(中性脂肪)の存在量差による血漿流動幅の変動(減
少)は見られず、血液全体が持つ粘性流の性状=血漿成
分と血球の相互作用により発生する現象であることが理
解される。血漿蛋白と血球、特に赤血球との相互作用
は、古くから研究されており、臨床検査の分野では、血
液凝集反応や赤血球沈降反応に大きく関与していると言
われている。特にアルブミンは、赤血球沈降速度を遅延
させる働きがあり、理論的にこの遅延はアルブミンと赤
血球の表面電荷がともに負であるため、電気的反発に起
因するといわれている。
【0038】この電気的な反発による沈降の遅延は、物
理化学での沈降と拡散が負の相関関係があること考慮す
れば、赤血球の拡散を意味し、見かけ上拡散係数の上昇
を意味する。すなわち、血球の拡散係数が小さいことを
主眼とした血漿分離膜において血球の拡散係数増大は、
分離能の低下を意味する。
【0039】また、血球の拡散は、血漿分離膜中の血漿
流を中心として見た場合、比較的微細な断面積を有する
空間では血漿流に対して抵抗性(摩擦)の増大として働
くことが考えられ、血漿が膜内を展開する力を減少させ
ると考えられる。
【0040】この考察を裏付けるために、本発明者は、
ヘマセップLを用いて血漿アルブミン濃度差による「血
漿:血球」の伸展距離比較を行った。検体は、中性脂肪
正常で血漿アルブミン量3.8g/dl以下、3.9〜4.2g/dl、
4.3g/dl以上3群に分けてそれぞれ10例、ミリメート
ル単位で計測した。それぞれの群の「血漿:血球」の伸
展距離は、5.8:19.0、4.0:19.3、3.0:20.7となり、アル
ブミン量が少ないほど血球の伸展が抑制され(血球拡
散)、しかも総流動距離(血球抵抗)も延長される結果
を得た。
【0041】また、本発明者らが確認した現象では高ア
ルブミン及び高リポ蛋白血漿を有する血液では、血漿分
離膜上の血球と血漿の分離境界が不明確な像を示すもの
が多く、これらの事実は、上記2点の考察を満足する。
【0042】リポ蛋白についても同様な結果を得てお
り、電気泳動による分画位置から推測して、アルブミン
よりも弱い負帯電ではあるが、アルブミン同様な作用を
有していると考えられる。以上の通り、市販されている
ポリエステルを主材料とする血漿分離膜において、個体
差を最小にするためには血漿中のアルブミン等成分と血
球の相互作用を何らかの方法によって解消する必要性が
ある。
【0043】この課題を解決するためには、Fickの
法則から明らかなように、血漿成分と血球の相互作用分
断する方法を講ずる、もしくは、血球の摩擦抵抗に負け
ない濃度勾配を付与する2つの方法が考えられるが、本
発明者によって、血漿分離膜に種々の塩、糖類、アミノ
酸を含浸させると、血漿量の個体差を抑制し、また分離
する血漿量を増大できることが明らかにされた。
【0044】すなわち、本発明では、ポリエステル系ポ
リマーを使用した血漿分離膜又は血漿分離膜を応用した
複合素材などの分離材に、塩、糖類、アミノ酸、又は蛋
白を、単独又は組み合わせて添加するのである。
【0045】9.[ヘマセップLでの血漿伸展率改善
(図7)] 実施例として、ポリエステル系ポリマーを使用した血漿
分離膜ヘマセップL(米国ニューヨーク:ゲルマンサイ
エンス社製)を長さ60mm、幅5mmに切りそろえ、リン酸
アンモニウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、グリシン各0.1mol/l水溶
液を含浸させ、十分乾燥させた修飾膜と無修飾膜を用い
て血漿分離能の比較を行った。
【0046】ペパリン採血管(ヘ゛ノシ゛ェクトIIVP−H052:テ
ルモ社製)を用いて採血したアルブミン濃度4.8g/dl・
中性脂肪103mg/dl(高アルブミン検体)、アルブミン4.
1g/dl・中性脂肪432mg/dl(高中性脂肪検体)、アルブ
ミン4.0g/dl・中性脂肪110mg/dl(正常検体)それぞれ
を各々の修飾、無修飾分離膜に0.25mlづつ滴下し、血漿
/(血餅+血漿)の比率を計測した。
【0047】図7に示したとおり、無修飾膜を100とし
た場合、各リン酸塩、塩化物及びアミノ酸で修飾した膜
は高アルブミン検体、高中性脂肪検体とも2倍以上の血
漿伸展を示した。正常検体でも血漿伸展が見られたの
は、アルブミンの作用が正常範囲でも惹起されることを
示している。
【0048】なお、これと同様な実験をポリエステル繊
維膜にセルロース繊維等を接着した複合素材であるヘマ
セップV(米国ニューヨーク:ゲルマンサイエンス社
製)についても行い同様の結果が得られた。
【0049】10.[フィブリノーゲンの効果(図
8)] 9.と同様、ヘマセップLを用いて、血漿蛋白であるフ
ィブリノーゲンについても血漿伸展効果を計測した。具
体的には、エチレンジアミン四酢酸カリウム塩入り採血
管(自社製)を用いて、採血を行い、生理食塩水に溶解
したフィブリノーゲンを最終濃度0、50、100mg/dlにな
るよう調整し、5検体に添加実験を行った。図8に示し
たように各検体ともフィブリノーゲン添加量増加ととも
に血漿伸展率が増加し、最小で20%、最大で110%
の血漿伸展が観測された。
【0050】11.[血漿アルブミン量及びリポ蛋白の
差による個体差の是正例(図15〜図18)] 血漿アルブミン量の差による個体差是正をリン酸カリウ
ムを用いた膜修飾で観測した。長さ50mm、幅6mmに切り
そろえたヘマセップLにリン酸カリウム0.1mol/l、pH7.
2水溶液を含浸させ、十分乾燥させた後にペパリン採血
管(ヘ゛ノシ゛ェクトIIVP−H052:テルモ社製)を用いて採血し
た種々のアルブミン及び中性脂肪濃度を有するヘパリン
血0.25mlを展開させ、リン酸カリウムによる修飾を行わ
なかった分離膜と血漿分離率=(血漿/(血漿+血餅)
×100)/(100−ヘマトクリット値)の比較を行
った。図示の通りリン酸カリウムの分離膜修飾により、
個体差はほぼ解消されている。
【0051】12.[血漿成分の実測例(図19〜図2
2)] 本発明によれば、得られた血漿及び血餅部分それぞれに
存在する各種生体成分を測定できるが、リン酸カリウム
の0.1mol/lで修飾したヘマセップVの血漿部より抽出し
た成分測定値と血清測定値の比較を行った。
【0052】実測例としてグルタミン酸ピルビン酸トラ
ンスアミナーゼ(GPT)と中性脂肪の相関図(図1
9、図21)を示した。比較のため無修飾と血清の相関
関係も例示した(図20、図22)。方法としてヘマセ
ップVは長さ60mm、幅5mmに切りそろえ、修飾、無修飾
それぞれに、ペパリン採血管(ヘ゛ノシ゛ェクトIIVP−H052:テ
ルモ社製)を用いて採血した30例の血液を各々の分離
膜に0.1mlづつ滴下し、一昼夜乾燥して得られた血漿部
分すべてを界面活性剤入りのリン酸緩衝液0.4mlを用い
て抽出し自動分析測定した。
【0053】抽出成分の測定にはオリンパス社製AU6
00自動分析装置、血清はオリンパス社製AU5242
自動分析装置を用いた。GPTの測定法は、JSCC準
拠法を用い、中性脂肪の測定には遊離グリセロール消去
・酵素比色法を用いて行った。血漿分離膜からの抽出物
測定は、稀釈相当量を勘案上で改変(原法との相関性は
確認済み)した方法にて測定した。
【0054】中性脂肪測定例では、リン酸カリウム修飾
ヘマセップVの血漿部と血清との相関は相関係数0.979
と良好であった。無修飾のものと比較して改善度合を見
ると個体差を表現するバラツキ=相関係数が改善され、
得られる血漿量を表現する回帰式の傾きも改善されてい
ることが理解される。この結果は、GPTの測定でも同
様であり、リン酸カリウムでの血漿分離膜修飾によっ
て、個体差及び血漿回収量の増加が確認された。
【0055】13.[理論的背景の考察] 解決すべき課題にて本発明者らは、血漿分離膜内を流れ
る血液は血液自身が持つ性状差(アルブミン等の存在量
差)により、血液流の物理化学的変化=血球拡散係数の
低下と血球摩擦抵抗増大を生じ、血漿分離率が著しく低
下すること異なることを述べた。また、この現象が種々
の塩、アミノ酸、糖類、蛋白を膜に付加することによっ
て解決されることも述べた。これら付加による分離率改
善の理論的背景は、まだ不明な部分はあるが、下記の予
測が成り立つ。
【0056】一つは、血漿濃度勾配の増大である。本発
明において、リン酸やクエン酸のような三塩基酸と塩化
ナトリウムのような一単純塩を比較した場合、実施例
1.又は実施例3に示した様に三塩基酸塩の方が血漿分
離量を増大させる効果があった。この事実は、イオン強
度の差がこの系に有効に働いたためと考えられる。
【0057】もう一つは、血漿成分と血球の相互作用分
断である。これには、2つの考え方が存在し、一つは相
互作用蛋白の変性、もう一つは負電荷に対抗する正電荷
の付与である。
【0058】1)液性変化によるアルブミン等の性状変
性 アルブミンの表面荷電は、電気泳動法等の観測から負で
あることが知られている。しかし、液性の条件変化で蛋
白質の持つ両荷電性の出現や疎水的性状の増大も知られ
ている。筏らの研究では、高分子表面との吸着実験にお
いて、アルブミンはポリスチレン表面への吸着時、高イ
オン強度になれば等電点より高いpHでアルブミン自身
の変性すなわち疎水性増大による吸着量の増大を認めて
いる(筏義人:高分子表面の基礎と応用(上)、p247〜
270、化学同人、1986)。
【0059】リン酸カリウム等三塩基酸塩の血漿分離膜
修飾で、血液に付加されるイオン強度は3倍強となり、
アルブミン等の表面性状が変化している可能性も存在す
る。いずれにしても、イオン強度増大によって、血球と
血漿蛋白の相互作用が断絶されていることは間違いない
と考えられる。
【0060】しかし、闇雲なイオン強度増大は、赤血球
の損傷や血漿成分を測定する際の妨げの原因となり、0.
2mol/lまでが最適であると考えられる。 2)陽性荷電性の付加 血液沈降反応において、免疫グロブリンやフィブリノー
ゲンはアルブミンと逆に沈降促進に働くといわれてい
る。これは、両蛋白がもつ陽性荷電又は疎水性によるも
のと言われている。この事実は、実施例2で示したよう
に、陽性荷電性のフィブリノーゲンにより血漿分離率の
増大が可能である。また、グロブリンも血漿伸展を即す
効果があり、図23に示したとおり、相関係数0.3程
度の弱い作用であるが、血漿分離率を増大方向にする。
【0061】実用面において、これら蛋白の付与は、多
成分特に血漿中総蛋白質測定は行えないこと及び免疫反
応に影響を及ぼす可能性があるが、塩の付与で測定不可
能であった血中ミネラル分の測定は可能となる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微少血液から効率よくかつ確実に血漿を分離できると共
に、多項目の分析成分を精度よく測定できる搬送容器を
実現せきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送容器を例示した斜視図であ
る。
【図2】図1の搬送容器の上部材と下部材とを図示した
ものである。
【図3】本発明に係る搬送容器を別に例示した図面であ
る。
【図4】乾燥保存による成分の安定化を示す図面であ
る。
【図5】血清伸展とTGの関係を図示したものである。
【図6】血清伸展とアルブミンの関係を図示したもので
ある。
【図7】実施例1の結果であり、塩及びアミノ酸による
血漿分離率の改善性能を図示したものである。
【図8】実施例2の結果であり、血漿伸展に及ぼすフィ
ブリノーゲンの効果を図示したものである。
【図9】実施例3の結果であり、塩及び糖類による血漿
分離率の改善性能を図示したものである。
【図10】実施例3の結果であり、塩及び糖類による血
漿分離率の改善性能を図示したものである。
【図11】実施例4の結果であり、血漿伸展に対するp
Hの効果を図示したものである。
【図12】実施例4の結果であり、血漿伸展に対するp
Hの効果を図示したものである。
【図13】実施例5の結果であり、塩濃度による血漿伸
展効果を図示したものである。
【図14】実施例5の結果であり、塩濃度による血漿伸
展効果を図示したものである。
【図15】アルブミン量に応じて分離性能が低下するこ
とを図示したものである。
【図16】実施例6の結果であり、図15と比較して分
離性能が改善されたことを示す図面である。
【図17】中性脂肪量に応じて分離性能が低下すること
を図示したものである。
【図18】実施例6の結果であり、図17と比較して分
離性能が改善されたことを示す図面である。
【図19】実施例7の結果を図示したものである。
【図20】実施例7の結果を図示したものである。
【図21】実施例7の結果を図示したものである。
【図22】実施例7の結果を図示したものである。
【図23】GLBと血漿回収率の関係を図示したもので
ある。
【符号の説明】
F 濾紙片 L 板状の下部材 U 上部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月7日(2002.2.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/48 G01N 33/48 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロマトグラフィーの原理に基づいて血
    液から血漿を分離する分離材を内蔵する搬送容器であっ
    て、 前記分離材を敷設する大きさを有する板状のベース部材
    と、前記ベース部材と重合して前記分離材の一部のみと
    係合する重合部材とによって、前記分離材の表面を被覆
    することなく保持し、 前記分離材には、塩、糖類、アミノ酸、又は蛋白を、単
    独又は組合せて添加していることを特徴とする搬送容器
  2. 【請求項2】 前記重合部材は1個又は2個の部材から
    なり、前記重合部材の一部には外部に向けて傾斜状に広
    がる血液滴下口が設けられ、前記分離材の上面には、分
    離後の各試料を乾燥させるに十分な開口が形成されてい
    る請求項1に記載の搬送容器。
  3. 【請求項3】 三塩基酸0.25〜0.05mol/lをpH6〜8
    に調整して使用する請求項1又は2に記載の搬送容器。
  4. 【請求項4】 前記分離材として、ヘマセップV(ゲル
    マンサイエンス社製)を使用する請求項1〜3の何れか
    に記載の搬送容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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