JP2002145526A - 糸条束の製造装置および糸条束の製造方法 - Google Patents

糸条束の製造装置および糸条束の製造方法

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JP2002145526A
JP2002145526A JP2000341615A JP2000341615A JP2002145526A JP 2002145526 A JP2002145526 A JP 2002145526A JP 2000341615 A JP2000341615 A JP 2000341615A JP 2000341615 A JP2000341615 A JP 2000341615A JP 2002145526 A JP2002145526 A JP 2002145526A
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tension
roller
rollers
bundle
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JP2000341615A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Hirose
寛和 弘瀬
Yoshihiko Osawa
芳彦 大澤
Ichiro Kumo
雲  一郎
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】形成される糸条束の形崩れがなく、糸条に弛み
や蛇行がなく、糸条に損傷を与えることがなく、低張力
下で糸条束の形成が可能な糸条束の製造装置と製造方法
を提供すること。 【解決手段】走行糸条1a,〜1d,のフィードローラ
ー3a,3b、糸条の走行長さを変化させるアキューム
ローラー6、および走行糸条に懸垂させたダンサーロー
ラー9とを有する給糸部、間隔をおいて設置された複数
の糸条保持バー16a,16b、その外周を旋回運動す
るように配置された巻き付けガイド、その上流位置に設
けられた一対のローラー、ローラーの中一方のローラを
支持するとともに支持されているローラの巻き付けガイ
ドに対する相対位置を可変とするアクチュエーターBに
連結されたスライド板、および一対のローラーの少なく
とも一方のローラーの自由回転トルクを制御する手段と
を設けた集束部、とを有する糸条束の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸条を長尺状(カ
セ状)に集束する(カセ取りする)ことにより糸条束を
製造する糸条束の製造装置及び糸条束の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】糸条を長尺状に集束する技術、特に糸条
を長尺状に集束する装置としては、特開平6−1447
01号公報に記載されているように、糸条把持体の外周
方向を糸条ガイドが旋回運動することにより、糸条束を
巻取る糸条巻取装置がある。
【0003】この糸条巻取装置によると、簡便な装置構
成で長尺状の糸条束を連続で集束することができる。
【0004】また、糸条を集束する際の糸条の張力を制
御する技術としては、特開平5−68858号公報に記
載されているように、糸条道にウエイトローラーを設置
し、糸条道方向と直角方向に糸条を引っ張ることにより
張力を発生させる重力式ダンサーローラーがある。この
方式によると、糸条に一定張力を付与しながら、糸条の
供給量の過不足を調整することができる。
【0005】さらに、特開平9−263358公報に
は、ブレーキ機構を備えたローラーに糸条を巻きかける
ことにより、糸条の張力を調整する糸条張力調整装置が
開示されている。この方式は、糸条の張力の設定が容易
であり、糸条を一定張力で安定して供給するのに適して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成を有する糸条巻取装置において、糸条を糸乱
れ無く集束するには、多くの不具合な点がある。
【0007】例えば、上記糸条巻取装置においては、糸
条への張力付与手段がないため、糸条の巻き付け速度が
一定しない直線状集束装置では、集束時の張力が安定せ
ず、さらに糸条把持体に巻き付けた糸条の張力を保持す
る手段を有していないため、糸条把持体に糸条が巻きか
けられ、折り返す際に、巻きかけられた糸条が弛み、集
束糸条束の品位を安定させることが困難であるため、集
束後の糸条束において斜行糸や蛇行糸、糸折れ等が生
じ、後行程での手直し作業が必要となり能率が悪いとと
もに、最終製品段階での不良の原因となるという問題が
あった。
【0008】また、張力付与手段においては、前者の重
力式ダンサーローラー方式の場合、糸条の張力は、予め
設定したウエイトによってのみ決定されるため、集束中
において糸条の張力を任意に変化させることができず、
さらには、一定の幅を持って常に張力が変動する。この
ため、糸条を間隔をおいて設けられた2個の糸条保持バ
ーに巻き付けて長尺の糸条束を形成する場合、糸条保持
バーに糸条が捲回される毎に、糸条の張力にバラツキが
生じ、糸条保持バー間の糸弛み量が一定しない。そのた
め、これにより形成される糸条束の品位は、好ましいも
のではない。
【0009】後者のブレーキ機構を備えローラーのトル
クを制御する張力付与方式においては、集束張力(前記
2個の糸条保持バーに糸条を捲回しているときの捲回運
動に対し供給されつつある糸条の張力)が集束速度変化
(前記2本の糸条保持バーに糸条を捲回するときの捲回
速度の変化)に依存するため、急激な集束速度の変化に
よる糸条の張力の変動に伴う糸条の挙動を安定させるこ
とが困難である。特に、集束速度が一定しない長尺巻き
においては、糸条への安定した張力付与が望めず、これ
により形成される糸条束の品位は、これまた、好ましい
ものではないという問題点があった。
【0010】そこで、本発明者等は、先に特開2000
−1264号公報に記載された糸条束の形成装置及び糸
条束の形成方法を提案した。
【0011】この方式は、該公報の図1にも示される通
り、間隔をおいて設けられた2本の糸条保持バーの外周
に、直動アクチュエーターを用い、張力付与板を伴う巻
取り部を旋回運動させることにより、糸条保持バーに糸
条を巻き付け、さらに糸条押さえ手段により、糸条保持
バーに巻きかけられた糸条を押さえ込むことにより集束
張力を創出する装置となっている。
【0012】ここで、張力付与板は、2枚1対の張力付
与板が糸条を挟み込むように向かい合わせに配置されて
なり、張力付与板の互いの内側には、フィルムが弾性体
を介して取り付けられており、張力付与板に取り付けら
れた直動機構により、張力付与板の間隔を変化させるこ
とが可能となっている。この変化により、フィルムと糸
条の接触圧を変化させ、糸条巻取りガイドを経て糸条保
持バーに巻きかけられる糸条の張力を変化させる機構と
なっている。
【0013】しかしながら、この方式は、糸条への張力
付与を、フィルムとの接触によって行うため、フィルム
が摩耗することによる糸条への張力付与の長期的安定化
が困難であることが判明した。
【0014】さらに、糸条巻取りガイドへと走行する糸
条を挟み込んでいるため、糸条が、膜厚の薄い中空糸条
の場合、中空糸条の表層部の損傷やつぶれを誘発するお
それがあった。膜厚の薄い中空糸は、主として、医療用
具、例えば、血液処理装置(ダイアライザー)の構成部
品として用いられるため、中空糸のこのような損傷やつ
ぶれの発生は、是非とも防止されなければならない。
【0015】また、集束部に送られてくる糸条の張力を
制御する手段を有していないため、集束部入り口の糸条
張力が安定せず、集束部の張力にもバラツキが生じるた
め、集束後の糸条束を糸条保持バーから外し張力から解
放した際、糸条束に斜行糸や蛇行糸が発生することが判
明した。
【0016】従って、集束張力を安定させ、整った品位
の糸条束を安定して連続的に作るためには、給糸張力も
安定させることが必須である。
【0017】本発明の目的は、以上の問題点に鑑み、長
尺状の糸条束の形成に当たり、成形中の糸条の張力の調
整をより長期間より確実になし、損傷やつぶれのない、
さらには、糸条の斜行や蛇行のない、すなわち、品位の
高い糸条束を製造することが可能な糸条束の製造装置及
び糸条束の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の糸条束の製造装置は、 A.走行糸条のフィードローラー、糸条の走行長さを変
化させるアキュームローラー、および走行糸条に懸垂さ
せたダンサーローラーとを有する給糸部、 B.前記給糸部の下流に間隔をおいて設置された複数の
糸条保持バー、前記複数の保持バーの外周を旋回運動す
るように配置された巻き付けガイド、前記巻き付けガイ
ドの上流位置に設けられた一対のローラー、該一対のロ
ーラーの少なくとも一方のローラを支持するとともに該
支持されているローラの前記巻き付けガイドに対する相
対位置を可変とするアクチュエーターBに連結されたス
ライド板、および前記一対のローラーの少なくとも一方
のローラーの自由回転トルクを制御する手段とを設けた
集束部、とを有することを特徴とする糸条束の製造装置
である。
【0019】上述のトルクを制御する機構は、張力付与
ローラーの回転の程度を無段階に制御できる形式のもの
が良く、応答性が良く精密な制御が可能な電磁式のもの
が好ましい。
【0020】一対の張力付与ローラーは、それぞれの張
力付与ローラーへの糸条の巻き付け角度が120度以上
になるように配設されているのが好ましい。
【0021】また、上述の巻き付けガイドとしては、中
を糸条が通過するラッパ状のガイドが好ましく用いられ
る。
【0022】この構成により、巻き付けガイドから導出
される糸条の張力は、設定値の範囲内に維持される。
【0023】かかる本発明の糸条束の製造装置におい
て、前記巻き付けガイドが取る巻き付け軌道によって
は、巻き付けガイドから糸条保持バーの間で糸条の過不
足が発生するため、瞬時に吸収・排出が可能なように前
記一対の張力付与ローラーの軸間距離を変動させる軸間
距離制御機構が、前記糸条旋回手段に設けられているこ
とが好ましい。
【0024】軸間距離制御機構は、一方あるいは双方の
張力付与ローラーを、これらの軸間距離が変化する方向
に移動可能なように糸条旋回手段に取り付け、この張力
付与ローラーを移動方向に移動させるアクチュエーター
Cにより形成される。アクチュエーターCとしては、エ
アシリンダー、モーターにより作動されるボールネジ、
ワイヤ、ベルトがあり、その駆動源には、ACサーボモ
ーターを用いることが好ましい。
【0025】糸条保持バーに糸条を巻きかけるために、
糸条旋回手段により、巻き付けガイドの糸条保持バーに
対する位置がたえず変動し、その間に生じる糸条の巻き
かけ速度(集束速度)の急激な変動により、糸条に弛み
や、大きな張力変動が生じるが、この構成により、巻き
付けガイドから導出される糸条の張力は、設定値の範囲
内に、より良く維持される。
【0026】さらに、本発明の糸条束の製造装置におい
て、前記巻き付けガイドから導出されて前記糸条保持バ
ーに向かう糸条の張力が予め設定された値に達すると、
前記一対の張力付与ローラーの軸間距離を変動させ、設
定張力を維持する機能を持つ設定張力維持機構が、前記
糸条旋回手段に設けられていることことがより好まし
い。
【0027】設定張力維持機構は、前記軸間距離制御機
構とは別に、張力付与ローラーの軸間距離を変動させる
ようにダンパー機能を持ったアクチュエーターBをアク
チュエーターCに連結するのが好ましく、糸条張力に応
じて、このアクチュエーターBが自動的に作動するもの
が良い。糸条を糸条保持バーに巻き付ける際にこの機構
を用いることにより、糸状導出ガイドの旋回速度に関わ
らず、常に同じ巻き付け張力を得ることができる。
【0028】さらに、この構成は、糸条保持バーへの糸
条の巻きかけ異常や供給される糸条が複数本の場合に生
じがちである糸条間の絡まり等を原因とした糸条の張力
が設定値を越える場合の異常対策としても併用すること
ができる。この構成により、糸条束の製造装置の生産性
の一層の向上がもたらされる。
【0029】本発明の糸条束の製造装置において、前記
巻き付けガイドと前記糸条供給路の下流側に位置する前
記張力付与ローラーとの間の前記糸条供給路に、糸条の
張力を検出する糸条張力検出手段が設けられ、この糸条
張力検出手段が検出する糸条の張力に応じて出力する信
号が、前記トルク制御機構および/または前記軸間距離
制御機構の制御信号として用いられることが好ましい。
【0030】糸条張力検出手段としては、繊維分野で通
常使用されている糸条張力検出装置が用いられる。例え
ば、糸条を挟んで、片側に2個のピンが設けられ、その
反対側に1本のピンが設けられ、この1本のピンにより
張力を検出する3点接触方式の糸条張力検出装置があ
る。
【0031】この構成により、糸条の張力変動に関する
信号が的確に把握され、それに基づき、直接的に、トル
ク制御機構および/または軸間距離制御機構が制御され
るので、制御の精度の向上が図られる。
【0032】本発明の糸条束の製造装置において、機台
に支持され、前記糸条保持バーに対し、前記糸条保持バ
ーに捲回される糸条が、前記一方の糸条保持バーに捲回
され前記他方の糸条保持バーへと運動する間、前記一方
の糸条保持バーに捲回された糸条をこの糸条保持バーに
押さえ込む糸条押さえ手段が設けられていることが好ま
しい。
【0033】糸条押さえ手段は、糸条保持バーの軸方向
と直角の方向に向かって複数の糸条押さえ軸が配置され
ており、その糸条押さえ軸の各々は糸条押さえ軸の軸方
向にスライド可能なように把持され且つ、その片方の端
部に弾性体等を設けることにより常に押さえ力が働く仕
組みとなっている。なお、この糸条押さえ軸は、糸条押
さえ軸の軸方向に昇降運動可能なように直動アクチュエ
ーターに固定されており、さらに、糸条保持バーの軸方
向に対して一定ピッチで隙間無く配置されていることが
好ましい。
【0034】糸条保持バーは、糸条の巻きかけ開始側と
巻きかけ終了側とを有するが、糸条押さえ手段は、糸条
保持バーの巻きかけ開始側の位置に対向して設けられて
いることが好ましい。
【0035】次に、給糸部は、糸条道に沿って配置され
た、一定の速度で糸条を送る2個以上が一組となったフ
ィードローラーと、糸条の供給量を調整するためのバッ
ファの役割をするようように、糸条道長さが変化する方
向に往復動作するように設置されたアキュームローラー
と、自重によりこの糸条に張力を付与するダンサーロー
ラーとが集束部に向かって順に配置されており、この自
重式ダンサーローラーの位置を常に一定箇所に静止する
ようにアキュームローラーの動作を制御することによ
り、給糸部の張力を一定に保つことを特徴とする。
【0036】フィードローラーは、それぞれのフィード
ローラーへの糸条巻き付け角が150°以上で配置され
ているのが好ましく、ローラー糸条との接触面は摩擦力
が高く、滑りが発生しづらい鏡面であることがさらに好
ましい。その駆動源はステッピングモーター、サーボモ
ーター、速度制御モーター等があるが、集束速度や紡糸
速度に応じて速度を自在に変更・制御でき、かつ精度と
信頼性の高い速度制御モーターが好ましい。
【0037】アキュームローラーは、それぞれのアキュ
ームローラーへの巻き付け角が180±5°で配置され
ていることが好ましい。このアキュームローラーは糸条
道長さが変化する方向に移動可能なように直動アクチュ
エーターに取り付けられており、直動アクチュエーター
としてはモーターの回転を直線運動に変える機構のもの
が良く、ベルト方式、ボールネジ方式、ラック・ピニオ
ン方式等があるが、ボールネジ方式が用いられているこ
とが好ましい。
【0038】ダンサーローラーは、糸条道長さが変化す
る方向に滑らかに移動可能なように、直動ガイドに固定
されており、かつ、ウェイトを取り付けることにより自
重を自在に変更・設定可能となっている。さらに、ダン
サーローラーの位置を検出するための、エンコーダーを
備えている。直動ガイドは、スライドテーブル方式やボ
ールブッシュ方式等があるが、駆動時の抵抗が少ないボ
ールブッシュ方式が用いられていることが好ましい。ウ
ェイトの固定方法は、ローラー本体の自重よりも軽いウ
エイト設定ができるようにカウンターウエイトを用いる
ことがより好ましい。また、ダンサーローラーの位置を
検出するエンコーダーには、ロータリーエンコーダー、
リニアスケール等があるが、ダンサーローラーの動作に
影響が出ないように、抵抗がない非接触式のリニアスケ
ールが用いられていることが好ましい。
【0039】この構成により、糸条保持バーに捲回され
る糸条の張力の制御がより確実になされ、結果として、
糸条保持バーに捲回されて形成された糸条束の巻き姿
は、良好なものとなり、より品位の高い糸条束の製造が
可能となる。
【0040】次に、上記目的を達成するための本発明の
糸条束の製造方法は、フィードローラによって供給され
る糸条を、糸条保持バーに巻き付けガイドで巻き付け、
カセ状の糸条束を集束部で製造する方法において、集束
部の速度変化をアキュームローラで吸収し、ダンサーロ
ーラの自重懸垂によって張力を付与する給糸部によって
糸条を集束部へ給糸し、間隔を置いて設置された、複数
の糸条保持バーに、前記複数の糸条保持バーの外側を旋
回する巻き付けガイドで巻き付け、カセ状の糸条束を集
束する際、糸条保持バーに糸条を巻き付ける直前に、前
記巻き付けガイドと共に旋回し、前記巻き付けガイドの
上流位置の一対のローラーの少なくとも一方のローラー
の回転を停止することにより、糸条保持バーと巻き付け
ガイドを経由し、前記制動したローラ間の糸条張力が、
スライド板に連結したアクチュエーターBの反力と合致
せしめ、糸条が糸条保持バーに接した直後に、糸条押さ
え手段により糸条を糸条保持バーに押さえ付けること
で、前記糸条保持バー間の糸条張力を前記アクチュエー
ターBの反力に、維持させることを特徴とする糸条束の
製造方法である。かかる方法においては、前記一方の糸
条保持バーに糸条が捲回した後、この糸条保持バーを離
れ前記他方の糸条保持バーへ前記巻き付けガイドの運動
により糸条が移動する間、糸条の張力が上昇し続けるこ
とを特徴とする。
【0041】なお、上述において、集束速度の変化とい
うのは、糸条導出ガイドが旋回軌道に沿って旋回運動す
る際、どうしてもターンする区間での速度が、直線部の
運動に比べて減速するものであり、また、直線部におい
ても完全な一定速度というのは物理的に不可能であり、
加速区間−等速区間−減速区間が存在することに基づく
速度変化のことであり、これに対して、糸条はフィード
ローラーからほぼ完全な一定速度で送られてくるもので
あってこの速度差分を吸収するためアキュームローラー
を設けるものである。
【0042】本発明の糸条束の製造方法において、前記
糸条が、中空糸条であることが好ましい。
【0043】また、前記一方の糸条保持バーに糸条が捲
回したところで、この糸条保持バーに対し捲回した糸条
が押さえ込まれ、その直後、前記他方の糸条保持バーへ
と向かう糸条の張力が、単糸当たり0.5から1.5g
に維持され、その後、この糸条の張力を上昇させ、他方
の糸条保持バーに捲回するに当たり、当該糸条の張力
が、単糸当たり2.0から10gに維持されることが好
ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の糸条束の製造装置の一実
施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0045】図1は、本発明の糸条束の製造装置の一実
施態様を正面から見た概略斜視図、図2は、図1に示し
た装置における、糸条分割ガイドの拡大図、図3は、図
1に示した装置における糸条張力調整手段部分の側面
図、図4は、図3におけるX−X矢視図、図5は、図3
におけるY−Y矢視図である。
【0046】これらの図において、まず給糸部は、図示
されていない紡糸部から連続して送られてきた糸条1が
糸条分割ガイド2aを通過し、糸条1が複数本の糸条1
a〜1dからなる場合は、この糸条分割ガイド2aでそ
れらの間に重なりが生じないように分割されながら、糸
条道に配置されたフィードローラー3a、3bに案内さ
れる。なお、このフィードローラー3bには回転速度を
自在に設定できるモーター4が取り付けられており、も
う一方のフィードローラー3aは、フィードローラー3
bと図示されていない駆動伝達手段により連結されてお
り、回転力が伝達される機構となっている。ここで、駆
動伝達手段は、ベルトやチェーン方式、歯車方式等があ
るが、滑りや長期使用による伸び変形が発生しない歯車
方式が好ましい。
【0047】フィードローラー3a、3bの下流側には
糸条道に沿って糸条道ローラー5a〜5dが同一高さに
一直線上に配置されており、この糸条道ローラー5a〜
5dの配置に対して平行に、1対のアキュームローラー
6が配置されている。このアキュームローラー6は同一
の固定板7に固定されており、さらに、この固定板7は
糸条道長さが変化する方向に直線運動が可能なように直
動アクチュエーター8が取り付けられている。これによ
り、この直動アクチュエーター8が昇降運動することに
より、糸条道ローラー5a〜5dとアキュームローラー
6の軸間距離が変化し、そこに巻きかけられている糸条
1a〜1dをアキュームする構成となっている。
【0048】このアキュームローラー6のさらに下流に
は、重力式ダンサーローラー9が配置されている。この
重力式ダンサーローラー9は、糸条道ローラー5a〜5
dの配列方向と直角方向に直線運動が可能なようにガイ
ドレールA10に取り付けられている。さらに、このガ
イドレールA10とは別のガイドレールB11がその駆
動方向が同一に設置されており、このガイドレールB1
1に積載量が変更可能なようにウェイト12が取り付け
られている。このウェイト12と重力式ダンサーローラ
ー9は、滑車13を通してベルト14で接続されてお
り、重力式ダンサーローラー9の相対的な重さを自在に
変更・設定できる機構となっている。また、ガイドレー
ルA10のスライド側面には、非接触式のリニアスケー
ル15が取り付けられており、重力式ダンサーローラー
9の位置を検出可能な仕組みとなっている。
【0049】なお、フィードローラー3a、3b、糸条
道ローラー5a〜5d、アキュームローラー6、重力式
ダンサーローラー9は全て、外周両端部は、両端部の間
の周面よりも外径が大きくされ、鍔部とされていること
が、ローラーからの糸条の脱落を防止する上で好まし
い。
【0050】フィードローラー3a、3bは、それぞれ
が糸条1a〜1dの巻き付け角が150度以上となるよ
うに配置し、糸条1a〜1dとの接触面を鏡面にするこ
とがフィードローラー3の糸条1a〜1dへの把持力を
確実にし送糸量を確実に管理する上で好ましい。
【0051】また、アキュームローラー6は、糸条1a
〜1dの巻き付け角が180±5°となるようにし、ア
キュームローラー6の昇降ストローク量に対して最も効
率の高いアキューム量が得られる配置とすることが好ま
しい。
【0052】さらに、重力式ダンサーローラー9も、フ
ィードローラー3と同じく、糸条1a〜1dの巻き付け
角が180±5°となるようにし、ダンサーローラーの
昇降ストローク量に対して最も効率の高いアキューム量
が得られる配置とすることが好ましい。
【0053】この重力式ダンサーローラー9の下流に
は、給糸部の最後の糸条道ローラー5dが設置されてお
り、その直後に糸条分割ガイド2bが配置されている。
【0054】この給糸部において、糸条1a〜1dは、
糸条供給源(図示は省略されている)から連続して引き
出され、糸条分割ガイド2aを通過し、糸条1a〜1d
が複数本の糸条からなる場合は、この糸条分割ガイド2
aで、それらの間に重なりが生じないように分割されな
がら、糸条分割ガイド2aを通過し、フィードローラー
3a、3b、糸条道ローラー5a〜5d、アキュームロ
ーラー6、重力式ダンサーローラー9、糸条分割ガイド
2bを通過し、糸条間の重なりが発生していない状態で
糸条1a〜1dを集束部へ受け渡す構成となっている。
【0055】次に、集束部は、機台(図示は省略されて
いる)から、間隔をおいて、2本の糸条保持バー16
a、16bが、突出して並設されている。
【0056】糸条保持バー16a、16bの方向に対し
て実質的に直角な方向に延びる第1ガイドレール17a
が、機台(図示は省略されている)に取り付けられてい
る。第1ガイドレール17aには、この方向に移動自在
であり、これに対し実質的に直角な方向を向いた第2ガ
イドレール17bが、取り付けられている。第2ガイド
レール17bには、この方向に移動自在でこれに対し実
質的に直角な方向(図では、上下方向)を向いた第3ガ
イドレール17cが、取り付けられている。第3ガイド
レール17cには、この方向に移動自在な移動板18
が、取り付けられている。
【0057】第2ガイドレール17bを第1ガイドレー
ル17aの方向に移動させる第1のアクチュエーターA
19aを主体とした第1の移動機構、第3ガイドレール
17cを第2のガイドレール17bの方向に移動させる
第2のアクチュエーターA19bを主体とした第2の移
動機構、および、移動板18を第3ガイドレール17c
の方向に移動させる第3のアクチュエーターA19cを
主体とした第3の移動機構が、それぞれ設けられてい
る。移動板18には、ブラケット板20が固設されてい
る。
【0058】図3および図4にその詳細が示される通
り、ブラケット板20は、側板と天板とを有し、これら
に囲まれた空間に、糸条1a〜1dが送給される糸条供
給路が形成されている。
【0059】糸条供給路には、糸条1a〜1dが巻きか
けられる一対の張力付与ローラー21a、21bからな
る糸条張力調整装置が位置する。
【0060】張力付与ローラー21aの回転軸22a
は、ブラケット板20の側板に回転自在に取り付けられ
ている。回転軸22aと側板20との間には、回転軸2
2aの回転を調節するブレーキ機構23aが、設けられ
ている。このブレーキ機構23aは、張力付与ローラー
21aの回転トルクを制御するトルク制御機構を形成す
る。
【0061】張力付与ローラー21bの回転軸は、ブラ
ケット板20から独立して設けられた小ブラケット板2
4の側板に回転自在に取り付けられている。回転軸22
bと側板との間には、回転軸22bの回転を調節するブ
レーキ機構23bが、設けられている。このブレーキ機
構23bは、張力付与ローラー21bの回転トルクを制
御するトルク制御機構を形成する。
【0062】小ブラケット板24の天板には、2本の支
持脚25a、25bが突出して設けられ、これら支持脚
25a、25bは、ブラケット板20の天板に設けられ
た2本のスリット26a、26bを貫通し、天板の上面
を越え突出している。突出した支持脚25a、25b
は、それぞれ、スライド板27の下面に取り付けられて
いる。スライド板27の両端は、天板の上面に固設され
たスライドレール28上に、摺動自在に取り付けられて
いる。
【0063】天板には、取り付け板41を介してアクチ
ュエーターC31が取り付けられ、アクチュエーターC
31から出入自在に出入軸が延びている。出入軸の先端
には、係合板30が取り付けられ、係合板30に、ダン
パー作用を奏するアクチュエーターB29が取り付けら
れている。アクチュエーターB29から出入自在に出入
軸が延びて、その先端は、スライド板27に結合されて
いる。
【0064】糸条供給路には、その入口部において、供
給されてきた糸条1a〜1dを受ける入り口ローラー3
2が側板に設置されており、その入り口ローラー32の
下流側には、糸条1a〜1dの向きを変更する角度変更
ローラー33を設けている。なお、入り口ローラー32
と角度変更ローラー33の間には、糸条1a〜1dを分
割し、糸条同士の重なりを紡糸すると同時に、供給され
てきた糸条1a〜1dの配列を保つため、糸条分割ガイ
ド2cが設置されている。
【0065】糸条供給路には、その出口部において、ラ
ッパ状でその中空部を糸条1a〜1dが通過する巻き付
けガイド34が、側板に取り付けられて設けられ、巻き
付けガイド34と張力付与ローラー21bとの間の糸条
供給路には、糸条1a〜1dの張力を検出する糸条張力
検出手段35(3点式張力計)と櫛状の複数本の突起3
9a〜39eを有する糸条分割ガイド2dとが、糸条1
a〜1dの走行方向に沿ってこの順で、側板に取り付け
られて設けられている。
【0066】この集束部において、糸条1a〜1dは、
給糸部から連続的に送られてきて、糸条分割ガイド2c
を通過し、糸条1a〜1dが複数本の糸条からなる場合
は、この糸条分割ガイド2cで、それらの間に重なりが
生じないように分割されながら、糸条分割ガイド2cを
通過し、角度変更ローラー33上で走行位置決めされ、
張力付与ローラー21a、張力付与ローラー21b、張
力計35、糸条分割ガイド2dを順次通過し、巻き付け
ガイド34から導出される。
【0067】巻き付けガイド34から導出される糸条1
a〜1dは、各アクチュエーターA19a〜19cの作
動により旋回運動する巻き付けガイド34により、糸条
保持バー16a、16bに、カセ状に巻き付けられ、こ
こに、糸条束36が形成される。なお、巻き付けガイド
34は、図1においては、右廻りに旋回されており、そ
の軌道は、2点鎖線で旋回軌道40として示される。
【0068】複数本の糸条1a〜1dが糸条保持バー1
6a、16bに一度に捲回される場合、すなわち、巻き
付けガイド34から、複数本の糸条1a〜1dが導出さ
れる場合は、糸条保持バー16a、16bに捲回される
糸条1a〜1dが規則的に配列されるように、巻き付け
ガイド34の中心軸は、旋回軌道が形成する軌道面に実
質的に直角な面(通常、水平面)に対し、2度から10
度程度傾けられていることが好ましい。
【0069】図1において、糸条1a〜1dが糸条保持
バー16aに下側から上側へと巻きかけられたとき、糸
条保持バー16aの下側から、別途装備された糸条押さ
え装置37aが作動し、巻きかけが終わった糸条1a〜
1d(巻きかけ開始側の糸条)を糸条保持バー16aに
押さえ込み、巻き付けられた張力を維持し、次に糸条保
持バー16bへ巻き付けられる際に発生する張力に影響
されないようにテンションカットする作用がなされる。
【0070】また、糸条1a〜1dが糸条保持バー16
bの上側から下側へと巻きかけられたとき、糸条保持バ
ー16bの上側から、別途装備された糸条押さえ装置3
7bが作動し、巻きかけが終わった糸条1a〜1d(巻
きかけ開始側の糸条)を糸条保持バー16bに押さえ込
み、巻き付けられた張力を維持し、次に糸条保持バー1
6aへ巻き付けられる際に発生する張力に影響されない
ようにテンションカットする作用がなされる。
【0071】なお、これら糸条押さえ装置37の構造、
作用の一例は、前出の特開2000−1264号公報に
詳しく説明されている通りである。
【0072】さらに、糸条保持バー16a、16bへの
糸条1a〜1dの巻きかけが進むにつれ、糸条束36の
巻き幅が増加してくるが、この巻き幅を調整するため、
糸条保持バー16a、16bには、板状体からなる糸条
束幅規制ガイド38a〜38dが設けられている。これ
らの糸条束幅規制ガイド38の構造、作用の一例につい
ても、前出の特開2000−1264号公報に詳しく説
明がされている通りである。
【0073】なお、糸条保持バー16a、16bの横断
面は、円形、楕円形、多角形などどのような形状でもよ
い。
【0074】なお、また、張力付与ローラー21a、2
1bの外周両端部は、両端部の間の周面よりも外径が大
きくされ、鍔部とされていることが、張力付与ローラー
21からの糸条1a〜1dの脱落を防止する上で好まし
い。張力付与ローラー21a、21bは、それぞれへの
糸条1a〜1dの巻き付け角度が120度以上となるよ
うに、配置されることが、張力付与ローラー21a、2
1bの糸条1a〜1dの把持力を確実にし、それとの力
の伝達を確実になす上で、好ましい。
【0075】また、なお、ブレーキ機構は、ブレーキ力
を無段階にコントロールできるものであることが好まし
く、この駆動源は、応答性が良く精密な制御の可能な電
磁式のものが好ましい。
【0076】さらに、糸条分割ガイド2の櫛状の突起3
9a〜39eは、間隔をおいて配列された複数本の板状
体、柱状体などから形成される。また、糸条分割ガイド
2が、間隔をおいて穿設された複数個の糸条通過孔を有
する板状体から形成されても良い。なお、糸条1a〜1
dが薄膜の中空糸条である場合は、その損傷を極力防止
するため、柱状体で、糸条1a〜1dの走行接触によ
り、回転自在なものが最も好ましい。
【0077】さらに、また、第1、2、3のアクチュエ
ーターA19a〜19cは、直動アクチュエーターであ
り、エアシリンダー方式や、モーターの回転をボールネ
ジ、ワイヤ、ベルトで直線運動に変換する方式などのも
のが用いられる。位置決め精度が高く、繰り返し走行時
の速度が安定しているモーターの回転をボールネジもし
くはベルトで直線運動に変換する方式が特に好ましい。
このときの駆動源に、ACサーボモーターを用い、エン
コーダやリニアスケールを併用すると、繰り返し位置精
度が向上し、周回毎の実質的に同一の糸条1a〜1dの
捲回状態の再現性を高めることが可能となり、巻き付け
速度(集束速度)も任意に制御できる。
【0078】次に、以上に述べた糸条束の製造装置にお
いて糸条束を製造する場合の糸条束の製造方法を説明す
る。
【0079】複数本(4本)の糸条1a〜1dが、同時
に糸条供給源から供給され、糸条分割ガイド2aにて、
各糸条毎にその通路が分割され、この状態で、フィード
ローラー3a、3bの周面に接触して通過し、糸条道ロ
ーラー5を介して、アキュームローラー6、重力式ダン
サーローラー9の順に通過する。ここで、重力式ダンサ
ーローラーの位置をリニアスケールで常時検出し、重力
式ダンサーローラー9のポジションを常に同一であるよ
うにアキュームローラー6の動作にフィードバック制御
をかける。これにより、糸条1a〜1dの張力が一定に
保たれる。こうして給糸部より送られてきた糸条を、集
束部では、入り口ローラー32を通過後、糸条分割ガイ
ド2cにて糸条間の通路を規制した状態で、角度変更ロ
ーラー33を通過することにより、張力付与ローラーへ
と糸条を案内する。この後、糸条は、張力付与ローラー
21a次いで張力付与ローラー21bに巻きかけられ、
これらを通過し、張力検出手段を通り、再度、糸条分割
ガイド2dにて、それぞれの糸条1a〜1dの通路が規
制され、そこを通過し、巻き付けガイド34から導出さ
れる。導出された糸条1a〜1dの先端部は、糸条保持
バー16a、もしくは糸条保持バー16bに止着され
る。その後、第1、2、3のアクチュエーターA19a
〜19cの作動により、ブラケット板20が3次元的に
移動し、これに取り付けられている巻き付けガイド34
は、そこから糸条1a〜1dを導出しつつ、旋回軌道に
沿って、旋回運動をし、その結果、糸条1a〜1dは、
糸条保持バー16a、16bにわたり捲回され、これら
を内包しこれらの間に、糸条束36を形成しはじめる。
【0080】糸条1a〜1dは、糸条保持バー16aの
捲回開始側において、糸条押さえ装置37aにより、糸
条保持バー16aに押さえられるとともに、巻き付けガ
イド34の旋回運動により、糸条保持バー16bへと運
ばれる。この間、糸条保持バー16aに押さえられた
後、糸条1a〜1dの張力は、0.5から1.5g/単
糸の範囲で設定された値に、降下させ、次いで、糸条1
a〜1dの張力を、徐々に上昇させ、糸条1a〜1d
が、糸条保持バー16bに巻きかけられる直前におい
て、2から10g/単糸の範囲で設定された値まで上昇
させる。これにより、巻き付けガイド34の旋回運動中
において、糸条1a〜1dの張力は、ほとんど降下する
ことがなく、糸条1a〜1dは緊張状態にあり、振動し
難い状態が維持される。その結果、形成される糸条束3
6は、糸条1a〜1dの弛みや蛇行のない整ったものと
なる。この間の糸条1a〜1dの張力の制御は、まず、
張力を徐々に上昇させる区間はブレーキ機構21aなら
びにブレーキ機構21bを作動し、張力付与ローラー2
2a、22bの回転抵抗を増加させることにより張力を
増幅させる。次に、糸条1a〜1dを糸条保持バー16
bに巻きかける直前においては、まず、ブレーキ機構2
1aを作動させ張力付与ローラー22aの動きを強制的
に停止させる。これにより、張力付与ローラー22aか
ら糸条保持バー16までの糸量を不足させ、アクチュエ
ーターB29のダンパー機構を作動させることにより、
糸条1a〜1dに常に同じ張力を付与する。
【0081】
【実施例】実施例1 膜厚の薄い、中空糸濾過膜分離器(ダイアライザー)用
中空糸条を4糸条用い、フィードローラーによる糸条送
り速度55m/min、重力式ダンサー部の重量を11
00g、糸条保持バー16a、16bの間隔を2816
mm、糸条保持バー上における糸条集束幅を40mm、
集束(糸条捲回)時の幅方向送りピッチを5mm、糸条
保持バー16a、16bへの巻き付け回数を25回、巻
き付けガイドの旋回速度を0〜2,500mm/sec
とし、図1に示した装置を用いて糸条束36を製造し
た。
【0082】ここで、集束時の糸条1a〜1dを糸条保
持バー16a、16bに巻きかける張力は、3.0±
0.3g/単糸とした。この巻きかけ張力を実現するた
めのアクチュエーターB29はエアシリンダーとし、こ
のエア圧力0.2Mpaとした。
【0083】張力付与ローラー21a、21bの周面の
材質は、ポリアセタール、巻き付けガイド34の表面の
材質は、テフロン(登録商標)とした。また、糸条保持
バー16a、16bに巻き付けた糸条は、糸条押さえ装
置37a、37bで500gの力で押しつけた。
【0084】その結果、端部幅42mm、高さ51m
m、中央部幅55mm、高さ85mm、糸条束全長28
50mmの整った糸条束36を形成することができた。
さらに、集束した中空糸条を検査したが、単糸の扁平に
よるつぶれや表層キズはなく、糸質は良好であった。
【0085】ここで、給糸部の張力を制御しなかった場
合においては、糸条束を糸条保持バーから外し、集束張
力から解除した際、1束につき2〜4糸条程度の斜行糸
の発生が確認された。
【0086】一方、給糸部の張力を1.5±0.3g/
単糸に制御した際は、糸条束を糸条保持バーから解除し
た後も、斜行糸の発生は確認されなかった。
【0087】
【発明の効果】本発明の糸条束の製造装置あるいは製造
方法では、集束張力を、従来よりも一層確実に制御で
き、糸条の捲回毎の再現性、長期安定性が高い。製造さ
れた糸条束においては、糸条保持バーから糸条束を外し
た後であっても、糸条の蛇行や斜行のない整った高品位
の糸条束を得ることができる。また、低張力下での糸条
の捲回が可能で、張力発生部が、ローラー構成とされて
いるため、医療用具に用いられる膜厚の薄い中空糸であ
っても、損傷することなく、その糸条束を形成すること
が可能となり、このような損傷を受けやすい糸条からの
糸条束の生産性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる糸条束の製造装置の一実施態様
を背面から見た概略斜視図である。
【図2】図1に示した本発明にかかる糸条束の製造装置
における糸条分割ガイドの拡大図である。
【図3】図1に示した本発明にかかる糸条束の製造装置
における糸条張力調整手段部分の側面図である。
【図4】図3におけるX−X矢視図である。
【図5】図3におけるY−Y矢視図である。
【符号の説明】
1:糸条 2:糸条分割ガイド 3:フィードローラー 4:モーター 5:糸条道ローラー 6:アキュームローラー 7:固定板 8:直動アクチュエーター 9:重力式ダンサーローラー 10:ガイドレールA 11:ガイドレールB 12:ウェイト 13:滑車 14:ベルト 15:リニアスケール 16:糸条保持バー 17:ガイドレール 18:移動板 19:アクチュエーターA 20:ブラケット板 21:張力付与ローラー 22:回転軸 23:ブレーキ機構 24:小ブラケット板 25:支持脚 26:スリット 27:スライド板 28:スライドレール 29:アクチュエーターB 30:係合板 31:アクチュエーターC 32:入り口ローラー 33:角度変更ローラー 34:巻き付けガイド 35:糸条張力検出手段 36:糸条束 37:糸条押さえ装置 38:糸条束幅規制ガイド 39:突起 40:旋回軌道 41:取り付け板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.走行糸条のフィードローラー、糸条の
    走行長さを変化させるアキュームローラー、および走行
    糸条に懸垂させたダンサーローラーとを有する給糸部、 B.前記給糸部の下流に間隔をおいて設置された複数の
    糸条保持バー、前記複数の保持バーの外周を旋回運動す
    るように配置された巻き付けガイド、前記巻き付けガイ
    ドの上流位置に設けられた一対のローラー、該一対のロ
    ーラーの少なくとも一方のローラを支持するとともに該
    支持されているローラの前記巻き付けガイドに対する相
    対位置を可変とするアクチュエーターBに連結されたス
    ライド板、および前記一対のローラーの少なくとも一方
    のローラーの自由回転トルクを制御する手段とを設けた
    集束部、とを有することを特徴とする糸条束の製造装
    置。
  2. 【請求項2】前記アクチュエーターBは、前記張力付与
    ローラーを軸間距離が変化する方向に移動させ且つ、位
    置を制御するアクチュエーターCに連結されたことを特
    徴とする請求項1記載の糸条束の製造装置。
  3. 【請求項3】巻き付けガイドが旋回する軌道の外側に、
    所定のタイミングで、糸条保持バーに接触をする糸条押
    さえ手段を有することを特徴とする請求項1〜2のいず
    れかに記載の糸条束の製造装置。
  4. 【請求項4】前記糸条押さえ手段の先端部には、スライ
    ドする複数のピンが配設され、前記ピンの各々は弾性体
    でスライド方向に支持されていることを特徴とする請求
    項3に記載の糸条束の製造装置。
  5. 【請求項5】フィードローラによって供給される糸条
    を、糸条保持バーに巻き付けガイドで巻き付け、カセ状
    の糸条束を集束部で製造する方法において、集束部の速
    度変化をアキュームローラで吸収し、ダンサーローラの
    自重懸垂によって張力を付与する給糸部によって糸条を
    集束部へ給糸し、間隔を置いて設置された、複数の糸条
    保持バーに、前記複数の糸条保持バーの外側を旋回する
    巻き付けガイドで巻き付け、カセ状の糸条束を集束する
    際、糸条保持バーに糸条を巻き付ける直前に、前記巻き
    付けガイドと共に旋回し、前記巻き付けガイドの上流位
    置の一対のローラーの少なくとも一方のローラーの回転
    を停止することにより、糸条保持バーと巻き付けガイド
    を経由し、前記制動したローラ間の糸条張力が、スライ
    ド板に連結したアクチュエーターBの反力と合致せし
    め、糸条が糸条保持バーに接した直後に、糸条押さえ手
    段により糸条を糸条保持バーに押さえ付けることで、前
    記糸条保持バー間の糸条張力を前記アクチュエーターB
    の反力に、維持させることを特徴とする糸条束の製造方
    法。
  6. 【請求項6】糸条保持バーを巻き付けガイドが旋回し逆
    方向に移動する際に、糸条保持バーと巻き付けガイド間
    の距離の変化に対応させて、前記一対のローラ間の距離
    および巻き付けガイドまでの距離をアクチュエーターC
    により制御することを特徴とする糸条束の製造方法。
  7. 【請求項7】前記糸条が、中空糸であることを特徴とす
    る請求項5または6に記載の糸条束の製造方法。
  8. 【請求項8】巻き付けガイドが、一方の糸条保持バーか
    ら他方の保持バーに移動する間、前記一対のローラを自
    由回転せしめ、糸条の張力が、単糸当たり0.5g以上
    1.5g以下の範囲に維持し、その後、他方の糸条保持
    バーへ接近するに従い徐々に前記ローラの制動力を上昇
    せしめ、糸条保持バーに糸条が接触する時点で糸条の張
    力が、単糸当たり2.0から10gの間となるよう、ア
    クチュエーターBの反力に設定された所望の値に維持さ
    れることを特徴とする請求項7に記載の糸条束の製造方
    法。
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