JP2002145189A - 船舶における機器構造 - Google Patents
船舶における機器構造Info
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- JP2002145189A JP2002145189A JP2000342319A JP2000342319A JP2002145189A JP 2002145189 A JP2002145189 A JP 2002145189A JP 2000342319 A JP2000342319 A JP 2000342319A JP 2000342319 A JP2000342319 A JP 2000342319A JP 2002145189 A JP2002145189 A JP 2002145189A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 建造コストと運航コストを低減するととも
に、低公害で、かつ、快適な載り心地を可能にするトー
タルシッププランを提案する。 【解決手段】 内燃機関式定速回転型原動機とこの原動
機によって駆動される発電機とからなる駆動ユニット
と、該発電機で駆動される電動機とこの電動機で駆動さ
れるCPPを有する縦型推進器とからなる推進ユニット
とを有し、発電機と電動機を導電線で連結したことを特
徴とする船舶における機器構造。
に、低公害で、かつ、快適な載り心地を可能にするトー
タルシッププランを提案する。 【解決手段】 内燃機関式定速回転型原動機とこの原動
機によって駆動される発電機とからなる駆動ユニット
と、該発電機で駆動される電動機とこの電動機で駆動さ
れるCPPを有する縦型推進器とからなる推進ユニット
とを有し、発電機と電動機を導電線で連結したことを特
徴とする船舶における機器構造。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中小型のバラ積み
貨物船、コンテナー船、タンカー、LPG船等、各種の
船舶における機器構造に関するものである。
貨物船、コンテナー船、タンカー、LPG船等、各種の
船舶における機器構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に、定速回転型原動機と
推力を遠隔操作で変更できるCPPを有する推進器を組
み合わせることで、建造コストや運航コストの低減を始
めとして多くの利点が生ずるトータルシッププランを提
案している(特開平12−108992号)。又、船舶
に搭載する駆動機器と推進機器の種類や配置を考慮する
ことで、船倉、則ち、積荷スペースを拡張することにも
成功している(特開平12−108993号)。
推力を遠隔操作で変更できるCPPを有する推進器を組
み合わせることで、建造コストや運航コストの低減を始
めとして多くの利点が生ずるトータルシッププランを提
案している(特開平12−108992号)。又、船舶
に搭載する駆動機器と推進機器の種類や配置を考慮する
ことで、船倉、則ち、積荷スペースを拡張することにも
成功している(特開平12−108993号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この考えを
更に前進させたもので、本発明を実施することにより、
より徹底したコストダウンと積荷スペースの拡張が可能
になるし、CO2 の排出も抑制できて地球環境の改善に
もなるようにしたものである。則ち、本発明は、船舶の
航行機能を駆動ユニットと推進ユニットとが協働するも
のとして捉え、これらを分離する構成にするとともに、
これらの連結に面倒な機械的構成を必要としない方途を
採用することで、その配置に大幅な自由度が得られるよ
うにしたものである。
更に前進させたもので、本発明を実施することにより、
より徹底したコストダウンと積荷スペースの拡張が可能
になるし、CO2 の排出も抑制できて地球環境の改善に
もなるようにしたものである。則ち、本発明は、船舶の
航行機能を駆動ユニットと推進ユニットとが協働するも
のとして捉え、これらを分離する構成にするとともに、
これらの連結に面倒な機械的構成を必要としない方途を
採用することで、その配置に大幅な自由度が得られるよ
うにしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明
は、内燃機関式定速回転型原動機とこの原動機によって
駆動される発電機とからなる駆動ユニットと、該発電機
で駆動される電動機とこの電動機で駆動されるCPPを
有する縦型推進器とからなる推進ユニットとを有し、発
電機と電動機を導電線で連結したことを特徴とする船舶
における機器構造を提供する。
は、内燃機関式定速回転型原動機とこの原動機によって
駆動される発電機とからなる駆動ユニットと、該発電機
で駆動される電動機とこの電動機で駆動されるCPPを
有する縦型推進器とからなる推進ユニットとを有し、発
電機と電動機を導電線で連結したことを特徴とする船舶
における機器構造を提供する。
【0005】本発明は、要するに、船舶の航行に必要な
機器を駆動ユニットと推進ユニットとに分け、その連結
にプロペラシャフト等、機械的構成を必要としないもの
にしたのであるから、駆動ユニットをどこにでも設置で
きる。則ち、推進ユニットの設置場所は船尾に限定され
るものの、駆動ユニットはこれとは無関係に、例えば、
推進ユニットと大きくオフセットした個所で、しかも、
ずっと離れた個所にでも設置できる。その結果、据付け
や保守を容易にしてコストを下げることができるし、船
倉を拡大して積荷スペースを拡張できるのである。
機器を駆動ユニットと推進ユニットとに分け、その連結
にプロペラシャフト等、機械的構成を必要としないもの
にしたのであるから、駆動ユニットをどこにでも設置で
きる。則ち、推進ユニットの設置場所は船尾に限定され
るものの、駆動ユニットはこれとは無関係に、例えば、
推進ユニットと大きくオフセットした個所で、しかも、
ずっと離れた個所にでも設置できる。その結果、据付け
や保守を容易にしてコストを下げることができるし、船
倉を拡大して積荷スペースを拡張できるのである。
【0006】この場合、縦型推進器とは、プロペラ(C
PP)を駆動する軸を縦に設けた構造のものであるが、
これには、旋回式もあれば非旋回式のものもある。前者
であれば、操舵機能を持つことになるから、舵装置は不
用であるし、後者であれば、別に舵装置等を必要とする
が、推進器自体の構造は簡単になる利点がある。又、以
上の原動機と発電機及び発電機と縦型推進器がそれぞれ
直結されるものにすれば、構造も簡単になってコストが
安くなるし、占有スペースも小さくなる。更に、これら
駆動ユニットと推進ユニットの組合せが二又は三以上設
けられる多軸タイプのものも考えられるから、船舶の目
的や求められる船速や機能に応じて適宜に設定できる。
PP)を駆動する軸を縦に設けた構造のものであるが、
これには、旋回式もあれば非旋回式のものもある。前者
であれば、操舵機能を持つことになるから、舵装置は不
用であるし、後者であれば、別に舵装置等を必要とする
が、推進器自体の構造は簡単になる利点がある。又、以
上の原動機と発電機及び発電機と縦型推進器がそれぞれ
直結されるものにすれば、構造も簡単になってコストが
安くなるし、占有スペースも小さくなる。更に、これら
駆動ユニットと推進ユニットの組合せが二又は三以上設
けられる多軸タイプのものも考えられるから、船舶の目
的や求められる船速や機能に応じて適宜に設定できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す船尾部
分の側面図、図2は図1のAーA相当断面図であるが、
本発明は、内燃機関式定速回転型原動機(以下、原動
機)10とこの原動機10によって駆動される発電機1
2とからなる駆動ユニットAと、この発電機12によっ
て起こされた電気で駆動される電動機14とこの電動機
14で駆動される縦型推進器16とからなる推進ユニッ
トBとを有する。
を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す船尾部
分の側面図、図2は図1のAーA相当断面図であるが、
本発明は、内燃機関式定速回転型原動機(以下、原動
機)10とこの原動機10によって駆動される発電機1
2とからなる駆動ユニットAと、この発電機12によっ
て起こされた電気で駆動される電動機14とこの電動機
14で駆動される縦型推進器16とからなる推進ユニッ
トBとを有する。
【0008】この場合、発電機12は一般的な交流発電
機でよく、電動機14も一般的な誘導電動機でよい。勿
論、両者は導電線18で連結されており、発電機12で
起こされた電気で電動機14が駆動できるようにしてあ
る。この場合、原動機10や発電機12及び電動機14
の作動は操舵室内における遠隔操作で制御できるように
なっている。尚、本例では、推進ユニットBを船尾に配
置し、駆動ユニットAをその近くの前方に配している。
機でよく、電動機14も一般的な誘導電動機でよい。勿
論、両者は導電線18で連結されており、発電機12で
起こされた電気で電動機14が駆動できるようにしてあ
る。この場合、原動機10や発電機12及び電動機14
の作動は操舵室内における遠隔操作で制御できるように
なっている。尚、本例では、推進ユニットBを船尾に配
置し、駆動ユニットAをその近くの前方に配している。
【0009】駆動ユニットAを構成する原動機10は、
内燃機関型のエンジンでよいが、発電機12を駆動する
ためのものであるから、定速で作動させられる定速型の
ものが効率的である。この種のエンジンとしては、従来
補機駆動用に使用されていたようなものが該当し、これ
によると、専門の機関員は不要で、操舵室等で遠隔制御
できるものがある。本例における原動機10と発電機1
2とは、直結された状態でベース20に設けられてお
り、このベース20は適当な中甲板22等に防振マウン
ト24を介して設置されている。直結したのはスペース
を節約するためであり、防振マウント24を使用したの
は居住性や積荷に悪影響を及ぼす振動を防ぎ、同時に防
振構造を省略して船殻構造を軽量化するためである。
内燃機関型のエンジンでよいが、発電機12を駆動する
ためのものであるから、定速で作動させられる定速型の
ものが効率的である。この種のエンジンとしては、従来
補機駆動用に使用されていたようなものが該当し、これ
によると、専門の機関員は不要で、操舵室等で遠隔制御
できるものがある。本例における原動機10と発電機1
2とは、直結された状態でベース20に設けられてお
り、このベース20は適当な中甲板22等に防振マウン
ト24を介して設置されている。直結したのはスペース
を節約するためであり、防振マウント24を使用したの
は居住性や積荷に悪影響を及ぼす振動を防ぎ、同時に防
振構造を省略して船殻構造を軽量化するためである。
【0010】推進ユニットBは縦型推進器16に電動機
14を組み合わせたものであるが、これも本例では両者
を直結して省スペース化と構造簡略化を図っている。縦
型推進器16は、前記したように駆動軸を縦に設けたも
のであり、縦コラム26とその下部に設けられる出力部
28及びその後方に突出させられて設けられるCPP3
0(これをプッシュ型(プッシャー型)という)とから
なるものである。尚、縦コラム26の断面形状は、前後
に細長い紡錘形にして水の抵抗を抑え、流力的性能を向
上させるものにするのは言うまでもないし、CPP30
は縦コラム26の前方に突出させるプル型(トラクター
型)と称せられるものもある。そして、本例では、縦コ
ラム26の上部に電動機14を直接取り付けている。
14を組み合わせたものであるが、これも本例では両者
を直結して省スペース化と構造簡略化を図っている。縦
型推進器16は、前記したように駆動軸を縦に設けたも
のであり、縦コラム26とその下部に設けられる出力部
28及びその後方に突出させられて設けられるCPP3
0(これをプッシュ型(プッシャー型)という)とから
なるものである。尚、縦コラム26の断面形状は、前後
に細長い紡錘形にして水の抵抗を抑え、流力的性能を向
上させるものにするのは言うまでもないし、CPP30
は縦コラム26の前方に突出させるプル型(トラクター
型)と称せられるものもある。そして、本例では、縦コ
ラム26の上部に電動機14を直接取り付けている。
【0011】ところで、本例における推進ユニットB
は、船尾の船体32の底に孔33をあけ、ここから挿入
して中甲板22に設けられた架台34にボルト等で止め
るようにしている。こうすると、この上方の上甲板36
を据付けや保守のためにあけておく必要はなくなり、船
橋38をこの上まで後方移動でき、上甲板36の前方ス
ペースを広くとれ、結果的に積荷スペースを拡張する。
加えて、本例では、駆動ユニットAを船橋38の下方の
中甲板22上に設置しているが、この他に図示は省略す
るが、船橋38の内部或いは船橋38の傍の上甲板36
上に設置することも可能である。むしろ、船橋38に付
設して上甲板36上に開閉可能な屋根等で覆って設けて
おけば、修理等に際しては屋根を開けて吊り上げるよう
なこともできるから、作業が簡単で修理費が安くなる。
は、船尾の船体32の底に孔33をあけ、ここから挿入
して中甲板22に設けられた架台34にボルト等で止め
るようにしている。こうすると、この上方の上甲板36
を据付けや保守のためにあけておく必要はなくなり、船
橋38をこの上まで後方移動でき、上甲板36の前方ス
ペースを広くとれ、結果的に積荷スペースを拡張する。
加えて、本例では、駆動ユニットAを船橋38の下方の
中甲板22上に設置しているが、この他に図示は省略す
るが、船橋38の内部或いは船橋38の傍の上甲板36
上に設置することも可能である。むしろ、船橋38に付
設して上甲板36上に開閉可能な屋根等で覆って設けて
おけば、修理等に際しては屋根を開けて吊り上げるよう
なこともできるから、作業が簡単で修理費が安くなる。
【0012】蓋し、本発明は、駆動ユニットAと推進ユ
ニットBとの連結にプロペラシャフト等の機械的構成が
不必要で、単に導電線18で連結するだけでよいのであ
るから、このようなことができるのである。このよう
に、駆動ユニットAはどこに設置してもよいのであるか
ら、例えば、使い勝手の悪い船首やその他の個所の上甲
板36等に小屋を設けて設けてもよいし、上甲板36に
ハッチを形成してその下の中甲板22に設けてもよい。
こうすると、スペースを有効利用でき、積荷スペースを
拡張する。
ニットBとの連結にプロペラシャフト等の機械的構成が
不必要で、単に導電線18で連結するだけでよいのであ
るから、このようなことができるのである。このよう
に、駆動ユニットAはどこに設置してもよいのであるか
ら、例えば、使い勝手の悪い船首やその他の個所の上甲
板36等に小屋を設けて設けてもよいし、上甲板36に
ハッチを形成してその下の中甲板22に設けてもよい。
こうすると、スペースを有効利用でき、積荷スペースを
拡張する。
【0013】図3は縦型推進器16の断面構造を示す説
明図であるが、縦コラム26の中には電動機14の出力
軸に連結される縦駆動軸40が下方の出力部26の中ま
で延び、この中でCPP30に連結されるプロペラ軸4
2とベベルギア機構44で連結されている。CPP30
は、プロペラ羽根46とプロペラボス48を有してお
り、プロペラ羽根46の基端には、プロペラボス48に
埋入されるクランクリング50が取り付けられている。
このクランクリング50は、プロペラ軸42の軸芯に対
して直角な軸芯の回りに回動可能に構成されている。
明図であるが、縦コラム26の中には電動機14の出力
軸に連結される縦駆動軸40が下方の出力部26の中ま
で延び、この中でCPP30に連結されるプロペラ軸4
2とベベルギア機構44で連結されている。CPP30
は、プロペラ羽根46とプロペラボス48を有してお
り、プロペラ羽根46の基端には、プロペラボス48に
埋入されるクランクリング50が取り付けられている。
このクランクリング50は、プロペラ軸42の軸芯に対
して直角な軸芯の回りに回動可能に構成されている。
【0014】プロペラ軸42の中心には、外周に突設さ
れたピン52がクランクリング50の底面に形成された
溝54に嵌入する状態のクロスヘッド56がその軸芯方
向にスライド可能に設けられている。この場合、ピン5
2は、クランクリング50の軸芯から偏心した位置に嵌
入しており、クロスヘッド56がスライドすると、クラ
ンクリング50、則ち、プロペラ羽根46の向き(ピッ
チ)が変わるようにしてある。
れたピン52がクランクリング50の底面に形成された
溝54に嵌入する状態のクロスヘッド56がその軸芯方
向にスライド可能に設けられている。この場合、ピン5
2は、クランクリング50の軸芯から偏心した位置に嵌
入しており、クロスヘッド56がスライドすると、クラ
ンクリング50、則ち、プロペラ羽根46の向き(ピッ
チ)が変わるようにしてある。
【0015】このクロスヘッド56のハブ58は、プロ
ペラ軸42に対して所定の隙間60を保って貫通する送
油パイプ62に結合されている。送油パイプ62は、プ
ロペラ軸42の前部にも突出しており、ここに固定的に
設けられる圧油給排器64に回転可能に突入している。
圧油給排器64には、二つの圧油ポート66、68が形
成されており、各圧油ポート66、68は、送油パイプ
62の中と、送油パイプ62とプロペラ軸42との隙間
60にそれぞれ連通している。
ペラ軸42に対して所定の隙間60を保って貫通する送
油パイプ62に結合されている。送油パイプ62は、プ
ロペラ軸42の前部にも突出しており、ここに固定的に
設けられる圧油給排器64に回転可能に突入している。
圧油給排器64には、二つの圧油ポート66、68が形
成されており、各圧油ポート66、68は、送油パイプ
62の中と、送油パイプ62とプロペラ軸42との隙間
60にそれぞれ連通している。
【0016】このような構成をとることにより、クロス
ヘッド56はピストンとなり、ハブ58を境とする二つ
の密閉空間はそれぞれが正圧室70と背圧室72となる
シリンダ構造を構成する。従って、圧油ポート66、6
8から圧油を給排すると、クロスヘッド56は前後し、
これに伴ってそのピン52がクランクリング50を軸芯
回りに回転させてプロペラ羽根46のピッチを変更する
ことになる。この場合、ピッチの変更は正角から負角に
亘り、これによって速度の変更及び前後進の切換えが可
能になる。
ヘッド56はピストンとなり、ハブ58を境とする二つ
の密閉空間はそれぞれが正圧室70と背圧室72となる
シリンダ構造を構成する。従って、圧油ポート66、6
8から圧油を給排すると、クロスヘッド56は前後し、
これに伴ってそのピン52がクランクリング50を軸芯
回りに回転させてプロペラ羽根46のピッチを変更する
ことになる。この場合、ピッチの変更は正角から負角に
亘り、これによって速度の変更及び前後進の切換えが可
能になる。
【0017】加えて、本例では、縦型推進器16の後方
に舵装置80を設けたものを示している。縦型推進器1
6によると、縦コラム26を旋回させることでプロペラ
軸42の向きが変えられることになって操舵ができるこ
とになる。しかし、そうすると、構造が複雑になるか
ら、本例では、この旋回機能を廃して構造を簡単にし、
その代わりに、CPP30の後方に舵装置80を設けて
いる。尚、本例の舵装置80は、下方に舵板82を取り
付ける舵軸84が船体32内に突入する単葉舵を示して
おり、この舵軸84を油圧シリンダ等の操舵アクチュエ
ータ(図示省略)で作動させるものである。この他、舵
板の後部に副舵板が付いた複葉舵であってもよい。
に舵装置80を設けたものを示している。縦型推進器1
6によると、縦コラム26を旋回させることでプロペラ
軸42の向きが変えられることになって操舵ができるこ
とになる。しかし、そうすると、構造が複雑になるか
ら、本例では、この旋回機能を廃して構造を簡単にし、
その代わりに、CPP30の後方に舵装置80を設けて
いる。尚、本例の舵装置80は、下方に舵板82を取り
付ける舵軸84が船体32内に突入する単葉舵を示して
おり、この舵軸84を油圧シリンダ等の操舵アクチュエ
ータ(図示省略)で作動させるものである。この他、舵
板の後部に副舵板が付いた複葉舵であってもよい。
【0018】この他、船尾の船底32aには船体32を
安定させるためのセンタースケグ90が設けられてい
る。更に、縦コラム26は、船底32aに沿う流れに合
わせて傾けてある。CPP30に入る流れを最適にする
ためである。図7は二軸タイプの船尾形状を示す斜視
図、図8は三軸タイプの船尾形状を示す斜視図である
が、このような多軸タイプになると、船尾形状はバドッ
ク形状が好ましい。バドック形状とは、後方に行くほど
船底32aが切れ上がる形状を言うのであるが、それだ
けではなく、この部分はほぼ二次元平面で、しかも、船
腹が狭くなっていない形状を言うのである。こうする
と、製造も容易であるし、何よりも船体抵抗の増大をも
たらせない利点がある。
安定させるためのセンタースケグ90が設けられてい
る。更に、縦コラム26は、船底32aに沿う流れに合
わせて傾けてある。CPP30に入る流れを最適にする
ためである。図7は二軸タイプの船尾形状を示す斜視
図、図8は三軸タイプの船尾形状を示す斜視図である
が、このような多軸タイプになると、船尾形状はバドッ
ク形状が好ましい。バドック形状とは、後方に行くほど
船底32aが切れ上がる形状を言うのであるが、それだ
けではなく、この部分はほぼ二次元平面で、しかも、船
腹が狭くなっていない形状を言うのである。こうする
と、製造も容易であるし、何よりも船体抵抗の増大をも
たらせない利点がある。
【0019】図4、図5は駆動ユニットAと推進ユニッ
トBの配置状態を示す説明図であるが、前記の例は、両
ユニットA、B共に船尾部分に配置し、船橋38もでき
るだけ後方に移行させたものである(図4)。こうして
も、船橋38を後方に移動でき、しかも、駆動ユニット
Aの設置に制約を受けないことによって中甲板22や上
甲板36のスペース、則ち、積荷スペースを増大させる
ことができる。しかし、もっとも効果的なのは、図5に
示すように、船橋38と駆動ユニットAをできるだけ前
方に移した場合である(これらは、船首側の船身が細く
なっているような個所にも設置できる)。こうすると、
船尾の後端までが積荷スペースとして利用できるから、
積荷スペースが大幅に増大することになる。尚、これら
のことは積荷の種類を問わないから、バラ積み船、コン
テナー船、タンカー等すべての船舶に言えることであ
る。
トBの配置状態を示す説明図であるが、前記の例は、両
ユニットA、B共に船尾部分に配置し、船橋38もでき
るだけ後方に移行させたものである(図4)。こうして
も、船橋38を後方に移動でき、しかも、駆動ユニット
Aの設置に制約を受けないことによって中甲板22や上
甲板36のスペース、則ち、積荷スペースを増大させる
ことができる。しかし、もっとも効果的なのは、図5に
示すように、船橋38と駆動ユニットAをできるだけ前
方に移した場合である(これらは、船首側の船身が細く
なっているような個所にも設置できる)。こうすると、
船尾の後端までが積荷スペースとして利用できるから、
積荷スペースが大幅に増大することになる。尚、これら
のことは積荷の種類を問わないから、バラ積み船、コン
テナー船、タンカー等すべての船舶に言えることであ
る。
【0020】図6は本発明の他の実施例を示す船舶の背
面図であるが、本例のものは、駆動ユニットAと推進ユ
ニットBの組を左右に二つずつ設ける二軸タイプのもの
である(但し、それぞれの発電機12で起こされた電気
は共に他の電動機14に供給できるように配線してお
く)。この場合、船尾のバドック形状が有効に作用する
が、こうすると、推進ユニットBをより高い位置に設置
でき、推進効率の良いものになるし、これに加えて、一
つのユニットが故障等しても、他のユニットで航行でき
るから、安全性が高い。又、定格一杯の作動を必要とし
ないときには、一つの発電機12のみを作動させてこれ
を両方の推進ユニットBに配電することで、省エネ効果
が図られるといった利点がある。
面図であるが、本例のものは、駆動ユニットAと推進ユ
ニットBの組を左右に二つずつ設ける二軸タイプのもの
である(但し、それぞれの発電機12で起こされた電気
は共に他の電動機14に供給できるように配線してお
く)。この場合、船尾のバドック形状が有効に作用する
が、こうすると、推進ユニットBをより高い位置に設置
でき、推進効率の良いものになるし、これに加えて、一
つのユニットが故障等しても、他のユニットで航行でき
るから、安全性が高い。又、定格一杯の作動を必要とし
ないときには、一つの発電機12のみを作動させてこれ
を両方の推進ユニットBに配電することで、省エネ効果
が図られるといった利点がある。
【0021】
【発明の効果】以上、本発明は、船舶の航行に必要な機
器を駆動ユニットと推進ユニットとに分け、その連結
(作動)にプロペラシャフト等の機械的構成を必要とせ
ず、単に導電線を配線するだけでよいものにしたのであ
るから、駆動ユニットをどこにでも設置できる。従っ
て、設計の自由度が増して航行性能の高い船舶を設計で
きる。又、構造的にシンプルになって部材コストが安く
なるとともに、据付けや保守も容易になって建造及び維
持コストも下がる。更に、このことは、結果的に船倉を
拡大して積荷スペースを拡張する。積荷スペースが拡張
すれば、積荷量が増えて運航コストを引き下げるし、従
来、船首側に船倉をエラ状に張り出して積荷スペースを
拡張していたような構造を不要にして船形の細身化を可
能にし、船速の高速化、燃費の節約化を可能にしてCO
2 の排出を抑制する効果もある。
器を駆動ユニットと推進ユニットとに分け、その連結
(作動)にプロペラシャフト等の機械的構成を必要とせ
ず、単に導電線を配線するだけでよいものにしたのであ
るから、駆動ユニットをどこにでも設置できる。従っ
て、設計の自由度が増して航行性能の高い船舶を設計で
きる。又、構造的にシンプルになって部材コストが安く
なるとともに、据付けや保守も容易になって建造及び維
持コストも下がる。更に、このことは、結果的に船倉を
拡大して積荷スペースを拡張する。積荷スペースが拡張
すれば、積荷量が増えて運航コストを引き下げるし、従
来、船首側に船倉をエラ状に張り出して積荷スペースを
拡張していたような構造を不要にして船形の細身化を可
能にし、船速の高速化、燃費の節約化を可能にしてCO
2 の排出を抑制する効果もある。
【図1】本発明の一例を示す船尾部分の側面図である。
【図2】本発明の一例を示す図1のA−A相当断面図で
ある。
ある。
【図3】本発明の一例を示す縦型推進器の断面図であ
る。
る。
【図4】本発明の一例を示す船体の側面図である。
【図5】本発明の他の一例を示す船体の側面図である。
【図6】本発明の他の一例を示す船舶の背面図である。
【図7】本発明の他の一例を示す二軸タイプの船尾形状
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の一例を示す三軸タイプの船尾形状
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
A 駆動ユニット B 推進ユニット 10 内燃機関式定速型原動機 12 発電機 14 電動機 16 縦型推進器 30 CPP
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 稔 岡山県岡山市上道北方688−1 ナカシマ プロペラ 株式会社内 (72)発明者 石原 泰明 岡山県岡山市上道北方688−1 ナカシマ プロペラ 株式会社内 (72)発明者 竹田 敦 岡山県岡山市上道北方688−1 ナカシマ プロペラ 株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 内燃機関式定速回転型原動機とこの原動
機によって駆動される発電機とからなる駆動ユニット
と、該発電機で駆動される電動機とこの電動機で駆動さ
れるCPPを有する縦型推進器とからなる推進ユニット
とを有し、発電機と電動機を導電線で連結したことを特
徴とする船舶における機器構造。 - 【請求項2】 縦型推進器が旋回式で操舵機能を有する
ものである請求項1の船舶における機器構造。 - 【請求項3】 縦型推進器が操舵機能を有せず、別に設
けられる舵装置によって操舵されるものである請求項1
の船舶における機器構造。 - 【請求項4】 原動機と発電機及び発電機と縦型推進器
がそれぞれ直結されるものである請求項1〜3いずれか
の船舶における機器構造。 - 【請求項5】 駆動ユニットと推進ユニットの組合せが
二又は三以上設けられる多軸タイプである請求項1〜4
いずれかの船舶における機器構造。 - 【請求項6】 船尾がバドック形状をしている請求項1
〜5いずれかの船舶における機器構造。 - 【請求項7】 推進ユニットが船尾に取り付けられ、駆
動ユニットが船尾又は船首に取り付けられる請求項1〜
5いずれかの船舶における機器構造。 - 【請求項8】 駆動ユニットが船橋の内部又は船橋に付
設されて設けられる請求項7の船舶における機器構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000342319A JP2002145189A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | 船舶における機器構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000342319A JP2002145189A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | 船舶における機器構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002145189A true JP2002145189A (ja) | 2002-05-22 |
Family
ID=18816903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000342319A Pending JP2002145189A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | 船舶における機器構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002145189A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005178721A (ja) * | 2003-12-18 | 2005-07-07 | Asakawa Zosen Kk | 船尾上がりのプロペラ軸を持つ船尾形状 |
WO2014060994A1 (en) * | 2012-10-18 | 2014-04-24 | Scana Volda As | Propulsion system for vessels |
CN106143795A (zh) * | 2015-04-08 | 2016-11-23 | 江南造船(集团)有限责任公司 | 一种船舶发电机组的拆除及进出舱工艺 |
LU500706A1 (de) * | 2021-09-30 | 2022-04-08 | Zhoushan Changhong Int Shipyard Co Ltd | Verfahren zum Ziehen eines Drahtes vor dem Schweißen an einer Heckschubbasis |
-
2000
- 2000-11-09 JP JP2000342319A patent/JP2002145189A/ja active Pending
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