JP2002144594A - プリンタヘッドの検査方法 - Google Patents

プリンタヘッドの検査方法

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JP2002144594A
JP2002144594A JP2000340336A JP2000340336A JP2002144594A JP 2002144594 A JP2002144594 A JP 2002144594A JP 2000340336 A JP2000340336 A JP 2000340336A JP 2000340336 A JP2000340336 A JP 2000340336A JP 2002144594 A JP2002144594 A JP 2002144594A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタヘッドを構成する一連のインクノズ
ルの詰まりを1ノズル単位で短時間で検査可能としたプ
リンタヘッドの検査方法を提供すること。 【解決手段】 検査対象となるプリンタヘッドのインク
ノズル前方に感熱式インク滴検知器が配置された状態に
おいて、プリンタヘッドを構成する一群のインクノズル
を決められた順序で、各インクノズルから規定個数のイ
ンク滴が吐出されるように連続駆動しつつ、各インクノ
ズルの連続駆動中の感熱式インク滴検知器の出力変化率
を監視し、監視される出力変化率が予定された出力変化
率に満たないときに、その駆動中のインクノズルにイン
ク詰まりの虞れ有りと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種のインクジ
ェット式プリンタ装置におけるプリンタヘッドのインク
ノズル詰まり検査に好適なプリンタヘッドの検査方法に
係り、特に、プリンタヘッドを構成する一連のインクノ
ズルの詰まりを1ノズル単位で短時間に検査可能とした
プリンタヘッドの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式のプリンタヘッドは、
昨今、家庭用フルカラープリンタ装置等に広く採用され
ている。
【0003】フルカラープリンタ装置に採用されるイン
クジェット式のプリンタヘッドには、通常、シアン
(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック
(B)といった4種類のインクノズル群が内蔵されてお
り、これらのインクノズル群(含む、インク吐出機構)
を適宜選択して連続駆動し、該当するインクノズルから
インク滴を微細間隔で適宜個数だけ吐出させることで、
所望のフルカラープリントが実現される。
【0004】この種のフルカラープリンタ装置にあって
は、各色のインクノズルを個々に制御して微妙な色合い
を忠実に再現する必要から、各インクノズルからは吐出
指令に応答して正確に一定個数のインク滴が吐出されね
ばならない。前述の4種類のインクノズル群を構成する
インクノズルの1個乃至数個にインク詰まりが発生して
も、色合いは微妙に異なったものとなる。
【0005】フルカラープリンタ装置で、いずれかのイ
ンクノズルにおいて、インク詰まりが発生したか否か
は、プリンタヘッドに内蔵される一連のインクノズルを
1個ずつ順次に駆動した状態において、その都度、イン
クノズルの先端からインク滴が実際に吐出されたか否か
を検出することで判定することができる。
【0006】インクノズルを駆動した場合に、インクノ
ズルの先端から実際にインク滴が吐出されたか否かを判
断するために使用されるインク滴検知器としては、光学
式(例えば、米国特許第4,323,908号公報等に
記載)、振動式(例えば、特開昭63−280652号
公報、特開平02−239943号公報、特開平11−
104535号公報等に記載)、感熱式(例えば、特開
昭58−217365号公報、特開平05−31876
5号公報等に記載)等の様々な方式のものが従来より知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光学式のインク滴検知
器は、一連のインクノズル列の前方に、発光素子(レー
ザ投光素子若しくはLED等)と受光素子(フォトトラ
ンジスタ若しくはフォトダイオード)とをインク滴吐出
方向と交叉する方向へ相対峙して配置し、インクノズル
から吐出されるインク滴による投射光の影を介してイン
ク滴の吐出を検知するものである。
【0008】振動式のインク滴検知器は、一連のインク
ノズル列の前方にセンサ付振動板を対向配置し、インク
滴の衝突による振動板の振動を介してインク滴の吐出を
検知するものである。
【0009】感熱式のインク滴検知器は、一連のインク
ノズル列の前方に感温素子付きの受滴板を対向配置し、
インク滴の衝突による受滴板の温度変化を介してインク
滴の吐出を検知するものである。
【0010】光学式のインク滴検知器にあっては、投射
光の影を介してインク滴の吐出を検知すると言う検知原
理の故に、検知感度を向上させるために投射光を小径化
すると、検出域が狭まることから、気流や電界の影響で
飛行軌跡の一定しないインク滴を捉えることが困難とな
る。そのため、プリンタの高精細化を目指してインク滴
の微細化が進むにつれて、検知感度を向上させることが
困難となる。
【0011】振動式のインク滴検知器にあっては、イン
ク滴の衝突による振動板の振動を介してインク滴の吐出
を検知すると言う検知原理の故に、検知感度を向上させ
るために振動板を軽量化すると、音声や振動といった外
乱の影響を受け易くなる。そのため、光学式と同様に、
プリンタの高精細化を目指してインク滴の微細化が進む
につれて、検知感度を向上させることが困難となる。加
えて、インクノズルと振動板との距離が大きくなるに連
れて、衝突エネルギーが低下することから、検知感度が
低下する。そのため、振動板配置上の設計自由度に制約
を受ける。
【0012】一方、感熱式のインク滴検知器にあって
は、インク滴の衝突による受滴板の温度変化を介してイ
ンク滴の吐出を検知すると言う検出原理の故に、音声や
振動といった外乱の影響を受け難い。また、感温素子は
インクノズルと対向配置できるため、検知可能領域を比
較的に広く設定することができ、気流や電界の影響でイ
ンク滴の飛行軌跡が一定しない場合にも、検出ミスを生
じ難い。さらに、感温素子並びにその受滴板等の熱容量
を適宜に設定することで、連続的に衝突する複数の微細
なインク滴からの熱を累積して感温素子で検出すること
も可能となり、プリンタの高精細化を目指してインク滴
の微細化が進んだ場合にも、検出感度の低下を回避する
ことができる。
【0013】しかし、感熱式のインク滴検知器にあって
は、一般的に検知感度が他の方式に比べて低い。そのた
め、特定のインクノズルにインク詰まりの有無を確実に
判定するためには、そのインクノズルを十分な時間を掛
けて微細間隔で多数回試し駆動することにより、そのイ
ンクノズルから多数のインク滴を連続的に吐出させて、
蓄熱作用により受滴板の温度変化を検知閾値レベルにま
で上昇(又は低下)させることが必要となる。また、受
滴板の温度を受適前の温度にまで低下させるためにも、
十分な時間を掛けて受滴板を放熱せねばならない。その
結果、プリンタヘッドを構成する一連のインクノズルの
インク詰まりを1ノズル単位で確実に検査しようとする
と、各インクノズル毎に蓄熱と放熱とを繰り返すことか
ら、検査時間が非常に長大化すると言う問題点が指摘さ
れている。
【0014】加えて、従来、この種の感熱式のインク滴
検知器にあっては、感温素子としてサーミスタやポジス
タといった小粒状乃至小塊状の感温抵抗素子が採用され
ていたため、一連のインクノズルからの吐出インク滴を
一括して受け取れるように受滴板の面積を拡大すると、
インク滴の衝突位置と感温素子の取付位置との平均距離
が長くなってしまい、伝熱距離が増大して検知応答性が
低下する。加えて、サーミスタやポジスタと言った感温
抵抗素子の場合には、面積を増大するために薄板上乃至
薄膜上にすると、抵抗値が小さくなって検出感度が低下
する。その結果、このような感温素子それ自体の構造上
の原因によっても、プリンタヘッドを構成する一連のイ
ンクノズルのインク詰まりを1ノズル単位で確実に検査
しようとすると、検査時間が非常に長大化すると言う問
題点が指摘されている。
【0015】この発明は、上述の問題点に着目してなさ
れてものであり、その目的とするところは、プリンタヘ
ッドを構成する一連のインクノズルの詰まりを1ノズル
単位で短時間で検査可能としたプリンタヘッドの検査方
法、検査装置、並びに、同検査装置が組み込まれたプリ
ンタ装置を提供することにある。
【0016】この発明のさらに他の目的乃至作用効果に
ついては、以下の明細書の記載を参照することにより、
当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のプリンタヘッドの検査方法は、検査対象
となるプリンタヘッドのインクノズル前方に感熱式イン
ク滴検知器が配置された状態において、プリンタヘッド
を構成する一群のインクノズルを決められた順序で、各
インクノズルから規定個数のインク滴が吐出されるよう
に連続駆動しつつ、各インクノズルの連続駆動中の感熱
式インク滴検知器の出力変化率を監視し、監視される出
力変化率が予定された出力変化率に満たないときに、そ
の駆動中のインクノズルにインク詰まりの虞れ有りと判
定するものである。
【0018】このような構成によれば、あるインクノズ
ルからインク滴が吐出されているか否かは、そのインク
ノズルの駆動期間にインク滴検知器の出力が規定の値に
達したか否かではなくて、インク滴検知器の出力変化率
が基準となる出力変化率に達したか否かで判定されるた
め、多数のインクノズルの詰まりを順次に検査する場合
でも、相前後するインクノズル駆動期間の合間に検知器
出力を初期状態に復帰させるための放熱期間を設けるこ
とが不要となり、その分だけ検査時間が短縮されて、プ
リンタヘッドを構成する一連のインクノズルの詰まりを
1ノズル単位で短時間に検査可能となる。
【0019】好ましい実施の形態においては、相前後す
るインクノズル連続駆動期間の間には実質的に空き時間
は存在しないようになされる。この場合、インクノズル
駆動態様としては、2つの態様が考えられる。第1のイ
ンクノズル駆動態様では、相前後するインクノズル駆動
期間は互いに一部重複される。第2のインクノズル駆動
態様では、前のインクノズル駆動期間が終了するのを待
って、間をおくことなく、直ちに後のインクノズル駆動
期間が開始される。
【0020】第1のインクノズル駆動態様によれば、2
つのインクノズルから重複してインク滴が吐出される期
間が存在するため、インク詰まり判定基準となる出力変
化率の設定がやや複雑となるものの、全体としての検査
時間を、1ノズル当たりのノズル駆動期間の整数倍(全
ノズル数分)よりも短くすることができる。すなわち、
重複吐出期間にあっては、一方のインクノズルが詰まっ
ていても、他方のインクノズルが正常である限り、出力
変化率の増減傾向はそのまま維持されるから、このよう
な重複吐出期間にあってもインクノズル詰まりを判定す
るためには、出力変化率の増減程度までも判定しなけれ
ばならない。
【0021】第2のインクノズル駆動態様によれば、全
体としての検査時間は、1ノズル当たりのノズル駆動期
間の丁度整数倍となるが、各インクノズルは相互に重複
することなく1個ずつ交代に駆動されるため、出力変化
率は1ノズル駆動期間の全体に亘りほぼ一定となり、イ
ンク詰まり判定基準となる出力変化率の設定が容易とな
る。すなわち、重複吐出期間が存在しなければ、相前後
して連続駆動されるインクノズルの一方に詰まりが存在
すれば、その間で出力変化率の傾向は正から負へと或い
は負から正へと反転するから、インクノズルの詰まりを
判定するためには、出力変化率の極性反転を判定すれば
足りる。これは、具体的には、時間的に離隔された2点
の出力値の大小比較により実現できる。
【0022】本発明における『感熱式インク滴検知器』
とは、インク滴の有する熱を介してインク滴の存在を検
知する方式のインク滴検知器を広く総称するものであ
り、感温素子としてポジスタやサーミスタ等の感温抵抗
素子を使用する従前の感温式インク滴検知器も含んでい
る。
【0023】もっとも、好ましい実施の形態において
は、感熱式インク滴検知器として、面状焦電素子を使用
するものを採用することができる。このような構成によ
れば、素子自体の検知感度向上とも相まって、一層の検
査時間短縮効果を発揮させることができる。
【0024】また、好ましい実施の形態においては、イ
ンクノズルの駆動順序は、相前後して駆動されるインク
ノズル間の離隔距離が一定値以上に維持されるように決
められる。このような構成によれば、近接したインクノ
ズルから長期間インク滴が吐出され続けて、受滴板上に
インクの表面張力によりインク玉が過大成長して、検知
感度を低下させることが回避される。
【0025】なお、本発明において、隙間無く順次に駆
動されるインクノズルの個数は、使用される感温式イン
ク滴検出器の熱容量等により決定される設計的事項であ
り、必ずしもプリンタヘッドを構成する全インクノズル
を一括して一度に検査することを意味するものではな
い。すなわち、プリンタヘッドを構成するインクノズル
数(m)を(n)個の群に分け、群間に放熱期間を設け
つつ、(m/n)個づつ検査するようにしてもよい。本
発明において『プリンタヘッドを構成する一群のインク
ノズル』とは、このことを意味している。このように、
(m)個の群に分けたとしても、各インクノズル毎に放
熱期間を設ける場合よりは、確実に検査時間を短縮でき
ることは容易に理解されるであろう。
【0026】次に、本発明のプリンタヘッドの検査装置
は、検査対象となるプリンタヘッドのインクノズル前方
に感熱式インク滴検知器が位置する状態へとプリンタヘ
ッドと感熱式インク滴検知器とを相対的に移動させる検
査用位置決め手段と、プリンタヘッドを構成する一群の
インクノズルを決められた順序で、各インクノズルから
規定個数のインク滴が吐出されるように連続駆動するイ
ンクノズル試し駆動手段と、感熱式インク滴検知器の各
インクノズル駆動中における出力変化率を検出する変化
率検出手段と、変化率検出手段で検出される出力変化率
が予定の変化率に満たないときに、当該駆動中のインク
ノズルにインク詰まりの可能性有りと判定する判定手段
と、を具備するものである。
【0027】ここで、『変化率検出手段』並びに『判定
手段』としては、任意の微分演算処理技術並びにデータ
照合処理技術を採用できることは、当業者で有れば容易
に理解されるであろう。なお、検知器出力波形をメモリ
に記憶しておき、これを基準波形と照合することによっ
ても、それらの手段を実現することができる。
【0028】好ましい実施の形態においては、インクノ
ズル試し駆動手段における相前後するインクノズル連続
駆動期間の間には実質的に空き時間は存在しない。
【0029】好ましい実施の形態においては、インクノ
ズル試し駆動手段によるインクノズルの連続駆動は、間
隔を空けることなく1ノズル毎に交代に行われる。
【0030】好ましい実施の形態においては、インクノ
ズル試し駆動手段によるインクノズルの駆動順序は、相
前後して駆動されるインクノズル間の離隔距離が一定値
以上に維持されるように決められている。
【0031】好ましい実施の形態においては、感熱式イ
ンクノズル検知器が、一連のインクノズルから吐出され
るインク滴が衝突される受滴板と、受滴板の背後に接合
された面状焦電素子と、を含み、面状焦電素子が連続的
に衝突される個々のインク滴から受け取った熱の累積に
よる受滴板の温度変化に対応する電気信号を生成するよ
うに構成される。
【0032】さらに、本発明のプリンタ装置は以上説明
した検査装置を組み込んで構成されている。
【0033】なお、『焦電素子』とは、焦電材料に対し
て例えば一対の電極を付与した構造を有する感温素子を
意味している。この焦電素子は、検出対象となる温度の
変化分(温度の絶対値ではない)に対応する大きさの検
出信号を出力すると言う性質を有している。
【0034】焦電材料としては、有機物結晶、酸化
物単結晶、酸化物磁器、薄膜、高分子フィルム、
複合体などの様々な材料が知られており、それぞれ次の
ような性質を有する。
【0035】有機物結晶 三硫化グリシン(TGS)族に属する(NHCH
OOH)・HSO などの物質がこれに該当する。
このような物質は、キュリー温度が低いこと、水溶性・
潮解性であることから取り扱いが難しいといった性質を
有する。
【0036】酸化物単結晶 LiTaO,LiNbOなどの物質がこれに相当す
る。これらの物質は、キュリー温度が高く、かつ化学的
安定性並びに加工性に優れるといった性質を有する。
【0037】酸化物磁器 PbTiO,Pb(Zr,Ti)Oなどの物質がこ
れに相当する。PbTiOはキュリー温度が高く加工
性が良いといった性質を有する。Pb(Zr,Ti)O
は別名PZTなどと呼ばれ、キュリー温度、誘電率が
高く、添加物の量、種類により様々な特性が得られる。
【0038】薄膜 ZnO,PbTiOなどの物質がこれに相当する。Z
nOの焦電係数はTSGの1/37と小さい。PbTi
はスパッタで作成された薄膜であり、PbTiO
磁器よりも優れた特性を有する。
【0039】高分子複合体 PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの物質がこれに
相当する。このような物質は、焦電係数、比誘電率は小
さいが、シート状で加工性が良好であるという性質を有
する。
【0040】本発明において、感温素子として焦電素子
を使用する技術的な意味は次のように説明される。一般
に、この種の感熱式インク滴検出器において、検知面を
広く設ける場合には、センサの応答性を上げるために感
温素子の面積自体を広くすることが必要となる。換言す
れば、金属板などの受滴板のみを広くしても、感温素子
それ自体の面積が小さいままであれば、受熱部位から感
温素子までの熱伝導に時間がかかり、センサの応答性が
著しく低下する。
【0041】感温素子の受熱面積を広げるために、その
形状を薄板状乃至薄膜状にすると、サーミスタのような
温度によって抵抗値が変化するタイプの感温素子の場合
には、単独素子にてこれを実現しようとすると、素子抵
抗が大幅に低下し、測定回路の消費電流が著しく増加す
る。これを回避するためには、素子の形状を肉厚のもの
とすることが考えられるが、その場合には素子自体の熱
容量が増大して、応答性の低下が招来される。加えて、
素子抵抗が低下すると、温度に対する抵抗値変化の幅も
小さくなり、検知感度も低下してしまう。また、このよ
うな抵抗値変化型の感温素子の場合は、素子全体の平均
温度に対応する出力が得られるため、局所的温度変化に
対応する感度が低い。一方、複数の抵抗値変化型感温素
子をアレイ状に配置し、各感温素子の出力を独立に取り
出す(各感温素子に並列接続する)ことで、受熱面積を
増大することも考えられるが、その場合には電気的接続
部が複雑なものとなり、コストアップや信頼性の低下が
招来される。
【0042】これに対して、受熱面積の増大を、焦電素
子を使用して実現する場合には、焦電素子は電荷発生型
の素子であることから、素子面積を増加させても消費電
力は増大しない。又、焦電素子に発生する電荷は、素子
に発生する温度変化に比例する。つまり、素子の一部の
温度変化でも、これに比例した電荷が発生する。従っ
て、検出回路を電流検出(電荷検出に同じ)回路とする
ことで、素子の面積に無関係な検出信号を得ることがで
きる。
【0043】加えて、感温素子として焦電素子を採用す
れば、素子を薄くしても静電容量が増加するのみで、消
費電流が増加しないこと、焦電効果は非常に鋭敏である
ことから、広い素子を使用しても充分な検出感度が得ら
れること、検出回路を電流検出回路のみならず電圧検出
回路としても、充分な実用感度が得られること、検出回
路の簡略化乃至低価格化が可能となること、などの優れ
た作用効果が得られる。
【0044】そのため、このような面状焦電素子を利用
した感温式インク滴検知器を使用すれば、インク滴が衝
突される受熱面を広く確保した場合にも、検出感度並び
に検出応答性が良好に維持されるため、素子自体の構造
に起因する応答速度の向上とも相まって、この種の1ノ
ズル単位のインク詰まり検査を一層短時間で実施するこ
とが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施の
一形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0046】本発明に係るプリンタヘッドの検査方法
は、検査対象となるプリンタヘッドのインクノズル前方
に感熱式インク滴検知器が配置された状態において、プ
リンタヘッドを構成する一群のインクノズルを決められ
た順序で、各インクノズルから規定個数のインク滴が吐
出されるように連続駆動しつつ、各インクノズルの連続
駆動中の感熱式インク滴検知器の出力変化率を監視し、
監視される出力変化率が予定された出力変化率に満たな
いときに、その駆動中のインクノズルにインク詰まりの
虞れ有りと判定する、ものである。
【0047】このプリンタヘッドの検査方法に好適なイ
ンク滴検知器としては、感温素子として面状焦電素子を
使用するものを挙げることができる。ここで焦電素子と
は、焦電材料に対して一対の電極を取り付け、その温度
変化分に相当する電気信号を取り出す素子である。
【0048】焦電材料としては、有機物結晶、酸化
物単結晶、酸化物磁器、薄膜、高分子フィルム乃
至複合体などを挙げることができる。
【0049】有機物結晶からなる焦電材料としては、三
硫化グリシン(TGS)族に属する(NHCHCO
OH)・HSOなどが挙げられる。
【0050】酸化物単結晶からなる焦電材料としては、
LiTaO,LiNbOなどを挙げることができ
る。このような酸化物単結晶は、キュリー温度が高く、
化学的に安定であり、加工性に優れるといった性質を有
する。
【0051】酸化物磁器よりなる焦電材料としては、P
bTiO,Pb(Zr,Ti)O やPb(Zr,T
i)Oなどを挙げることができる。PbTiOはキ
ュリー温度が高くかつ加工性が良いといった性質を有す
る。Pb(Zr,Ti)OやPb(Zr,Ti)O
は別名PZTなどと称され、キュリー温度、誘電率が高
く、添加物の量、種類により様々な特性が得られるとい
った性質を有する。
【0052】薄膜である焦電材料としては、ZnO、P
bTiOなどを挙げることができる。ZnOは焦電係
数がTGSの1/37と小さい。PbTiOはスパッ
タで作成された薄膜であり、PbTiO磁器よりも優
れた特性を有する。
【0053】高分子複合体である焦電材料としては、ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)を挙げることができ
る。ポリフッ化ビニリデンは、焦電係数、比誘電率は小
さいが、シート状で加工性が良好である。
【0054】このように焦電材料としては、様々な物質
を採用することができるが、以下に説明するインク滴検
知器では、焦電材料として酸化物磁器であるPZTが使
用される。先に説明したように、このPZTは、キュリ
ー温度、誘電率が高く、添加物の量、種類により様々な
特性が得られると言う利点がある。
【0055】一般によく知られているように、インクジ
ェット式のプリンタヘッドは、昨今、普及型のファクシ
ミリ装置や家庭用フルカラープリンタのプリンタヘッド
等として広く普及している。この種のプリンタヘッドに
おいては、様々なインク吐出機構が採用されているが、
いずれにおいても、電気的なインク吐出指令に応答し
て、微細なインク滴をインクノズルの先端から吐出させ
るものである。
【0056】本発明方法に使用されるインク滴検出器の
具体的な一例が図1に概略的に示されている。同図にお
いて、インクジェット式のプリンタヘッド1の先端面に
は、多数のインクノズル2,2…が整列状態で設けられ
ている。これらのインクノズル2,2…には図示しない
インク吐出機構が内蔵されており、このインク吐出機構
が所定の電気信号で駆動されることによって、インクノ
ズル2,2…の先端からは微量のインク滴3が所定速度
で吐出される。
【0057】プリンタヘッド1は、図示しない走査機構
を用いて、用紙の幅方向へと往復移動可能に支持されて
おり、この移動ストロークの両端部若しくは適宜な位置
にはノズル動作検査ポジションが設けられている。
【0058】プリンタヘッド1がノズル動作検査ポジシ
ョンに位置する時、インクノズル2,2…の前方には、
これと対向するようにして、焦電素子を用いた感熱式イ
ンク滴検出器4が配置される。
【0059】このインク滴検出器4は、インクノズル2
から吐出されて衝突されるインク滴3からの熱を受け取
る受滴板(詳細は後述する)と、受滴板と熱結合される
焦電素子(詳細は後述する)とを含んでおり、インク滴
の衝突による受滴板の温度変化を焦電素子を介して電気
信号に変換するように構成されている。
【0060】この実施の形態においては、インク滴検知
器4の受滴板は、一面が開口された金属製キャップ5の
底板5aとして具現化されている。インク滴検出器4の
受滴板としても機能する金属製キャップ5の外観寸法の
一例が図2の説明図に示されている。
【0061】なお、図2(a)は平面図、図2(b)は
正面図、図2(c)は側面図である。それらの図におい
て、Aは長辺の内径、Bは長辺の外径、Cは短辺の内
径、Dは短辺の外径、Hは高さである。各部の寸法の具
体的な一例としては、A=18mm,B=20mm,C
=10mm,D=12.5mm、H=5.0mm,L=
100mm程度に設定される。そして、受滴板となる底
板5aの広さは、対象となるプリンタヘッドを構成する
一連のインクノズルからの吐出インク滴を一括して受け
止めることが可能なサイズを有する。
【0062】この金属製キャップ5の材質としては、一
般に42アロイ等と称される鉄(Fe)とニッケル(N
i)との合金が使用されている。42アロイは、伝熱特
性が良好な合金である。その他の材質としては、銅や鉄
を挙げることができる。
【0063】図1に戻って、金属製キャップ5はその底
板5aがプリンタヘッド1のインクノズル2,2,…と
対向するようにして、プリンタヘッド1のノズル前方に
固定される。そのため、プリンタヘッド1のインクノズ
ル2から吐出されるインク滴3は、金属製キャップ5の
底板5aの外表面に衝突し、インク滴3の有する熱は金
属製キャップ5の底板5aに伝達される。
【0064】一方、焦電素子6は面状をなしており、金
属製キャップ5の底板5aの内表面に例えば接着剤など
を使用して固定される。換言すれば、受滴板を構成する
金属製キャップ5の底板5aのインク滴3が付着する側
の面を受滴板の表面と仮定すると、焦電素子6は受滴板
の背面に熱結合されることとなる。そのため、焦電素子
6それ自体は底板5aによってインク滴3から遮られる
ため、電気的絶縁のための防水処理が容易となるという
利点がある。
【0065】焦電素子6は、薄板状乃至薄膜状の焦電材
料6aの両面に、薄膜状電極6b,6cを蒸着してなる
サンドイッチ構造を有する。焦電材料6aとしてはこの
例ではPZTが採用され、また薄膜状電極6b、6cの
材料としては、伝熱性並びに導電性の良好な金属(例え
ば、Ni−Cu合金であるモネル)が採用される。
【0066】図中下側に位置する蒸着電極6bにはリー
ド線7aがハンダ等の接合剤を用いて接続され、上側に
位置する蒸着電極6cは金属製キャップ5の底板5aの
内面に直接接触した状態とされる。上側の蒸着電極6c
に導通する金属製キャップ5の底板5aの内面にはリー
ド線7bがハンダ等の接合剤を用いて接続される。
【0067】インクノズル2から吐出されたインク滴3
が受滴板を構成する容器5の底板5aに衝突して、底板
5a上に局部的な温度変化が生ずると、その温度変化部
位に対向する焦電素子6で局部的に電荷が発生して、対
応する電流乃至電圧がリード線7a,7bを介して外部
へと取り出される。
【0068】尚、金属製キャップ5の内部における空の
領域には、この例ではシリコン8がその入口開口まで密
に充填され、焦電素子6の防水封止により特性の安定化
およびリード線7a,7bの脱落防止が図られている。
なお、充填剤としては、シリコン8に代えて、エポキシ
樹脂等を使用することもできる。
【0069】更に、受滴板を構成する金属製キャップ5
の底板5aの外表面には、インク滴3の付着を良好なも
のとするために、親水処理が施されている。この親水処
理としては、金属製キャップ5の底板5aの外表面に梨
地加工(ヘアライン加工)を施す方法、底板5aの外表
面に界面活性剤などを塗布する方法、底板5aの外表面
に親水性の高い材料(例えば紙)を貼り付ける方法など
を採用することができる。
【0070】尚、焦電素子6と金属製キャップ5の底板
5aの内表面との接着(熱結合)は導電性接着剤を用い
ることもできるが、この例では予め底板5aの内面に非
導電性接着剤であるエポキシ樹脂を薄く塗布しておき、
その上に焦電素子6の蒸着電極6cを強く押し付けるこ
とにより、電極6cと底板5aとの電気的並びに機械的
接続を為すようにしている。
【0071】以上説明した感熱式インク滴検出器4から
温度変化分に対応する信号電圧を取り出すための検出回
路の一例が図3に示されている。同図に示されるよう
に、インク滴検出器4のリード線7a,7bから取り出
された信号は、ボルテージフォロア接続された演算増幅
器OP1で構成されるインピーダンス変換器9と、演算
増幅器OP2を帰還回路を介して非反転接続してなるア
ンプ10を介して電圧信号に変換され、出力端子OUT
から外部へと出力される。この出力端子OUTから出力
される信号に基づいて、後述するファクシミリ装置やプ
リンタ装置のCPUは、該当するインクノズルからイン
ク滴が吐出されたか否かを判定する。
【0072】次に、以上の構成よりなるインク滴検出器
4を用いて特定のインクノズルにインク詰まりの有無を
検査する検査原理をインクを加熱しない方式を例にとっ
て概略的に説明する。
【0073】インクノズル2,2,…の特定のひとつに
インク詰まりが存在するか否かを検査する場合、検査対
象となるインクノズルを微細間隔(例えば32μse
c)で一定時間(例えば100msec)だけ連続駆動
して、決められた数のインク滴を連続的に吐出させる。
【0074】これらのインク滴は受滴板を構成する底板
5aへの飛行の途中で、気化熱を奪われて冷却され、底
板5aの外表面温度よりも十分に低い温度となって、底
板5aの外表面に衝突する。すると、多数のインク滴
3,3が短時間に衝突することによって、当該衝突部位
の底板5aの温度は累積的に低下していき、この温度低
下が焦電素子6の該当部位に局部的に影響を与えること
によって、焦電素子6の内部において電荷が発生し、リ
ード線7a,7bから発生電荷に対応した微細な電流が
取り出される。こうして得られた信号電流は、図3に示
されるインピーダンス変換器9,アンプ10を介して電
圧信号に変換され、出力端子OUTから外部へと出力さ
れる。
【0075】このように、受滴板として機能する底板5
aの内表面に接着された焦電素子6からは、多数のイン
ク滴3,3が連続的に衝突したことによる累積的な温度
変化に対応した信号が取り出され、それに対応する信号
電圧が出力端子OUTから外部へと送出されるのであ
る。
【0076】従って、一般的に言えば、一連に配列され
たインクノズル2,2を順次に一定期間連続駆動しつ
つ、その前方に配置されたインク滴検出器4の出力を監
視することによって、いずれかのインクノズルにインク
詰まりが発生しているかどうかを確実に検出すること、
並びに、部位の特定ができることが理解されるであろ
う。
【0077】後に詳細に説明するように、本発明のプリ
ンタヘッドの検査方法にあっては、インクノズルの駆動
方式とインク滴検出器出力の監視方式に工夫(駆動ノズ
ル切換時の放熱期間削除、出力変化率監視)を加えるこ
とにより、一連のインクノズルの検査に要する時間を可
及的に短縮化している。
【0078】尚、焦電素子6から出力される検出信号の
極性は、インクジェット方式の種別、インクノズルと受
滴板との対向距離、外気温などによって様々な値をとる
ものと考えられる。
【0079】インクジェット方式としてバブルジェット
(登録商標)方式が採用された場合には、インクノズル
2から加熱された高い温度のインク滴が吐出されるた
め、インクノズル2と受滴板を構成する底板5aとの対
向距離が一定範囲内にあれば、受滴板が受ける温度変化
の極性は、受滴板の温度より高いインク滴が付着したこ
とを示す特性(ここではプラス)となるはずである。
【0080】これに対して、インク滴を加熱せずに吐出
するインクジェット方式が採用された場合、受滴板であ
る底板5aの表面に生ずる温度変化の極性は、受滴板の
温度より低いインク滴が付着したことを示す特性(ここ
ではマイナス)となるはずである。そのため、焦電素子
6から出力される信号の極性も、以上の相違によって、
区々なものとなると考えられる。
【0081】また、焦電素子を使用したインク滴検出器
においては、従前のサーミスタやポジスタなどの感温抵
抗素子を使用したインク滴検出器に比べ、様々な利点を
有する。すなわち、従前の感温抵抗素子を使用した場
合、これを受滴板の表面に広く接着すべく薄型化を意図
すると、抵抗値が減少することによって、消費電力の増
大と感度の低下が招来される。そのため、従前のサーミ
スタやポジスタを感温素子として使用する感熱式のイン
ク滴検出器にあっては、感温素子を受滴板の裏面に広範
囲に接着することが困難で、結局受滴板は広く設定して
も、感温素子はその一部に局部的に熱結合される形態と
なる。その結果、受滴板上の温度変化部位によっては、
感温素子までの伝熱距離が長くなって、感度並びに応答
性が著しく低下する。
【0082】これに対して、焦電素子を利用した感熱式
のインク滴検出器にあっては、その薄型化による抵抗値
減少の影響を受けない電荷発生型素子を採用しているこ
とから、これを薄板状乃至フィルム状として受滴板の裏
面に広く接着して熱結合させることができる。その結
果、受滴板上のあらゆる部位で生じた局部的温度変化を
迅速に感温素子に伝達させて、検出感度並びに検出応答
性を著しく向上させることができる。
【0083】次に、本発明のプリンタヘッド検査方法並
びに装置が適用されたフルカラープリンタ装置の一例を
示す外観図が図4に示されている。同図において、11
はプリンタ装置、11aは給紙トレイ、11bは操作
部、11cは用紙排出口である。
【0084】このプリンタ装置11の内部には、図1を
参照して説明した、インクジェット式のプリンタヘッド
1が内蔵されている。このプリンタヘッド1は、所定の
走査機構を介して、用紙の進行方向と直交する方向へと
往復移動可能に支持されている。この往復移動ストロー
クの両端又は一端あるいは所定位置には、プリンタヘッ
ドのインク吐出動作を検査するための検査ポジションが
設けられている。
【0085】プリンタヘッド1がこの検査ポジションに
位置するとき、インクノズル2の前方にはこれと対向し
て、先に説明した焦電素子を使用した感熱式インク滴検
出器4が位置される。
【0086】そして、後に詳細に説明するように、プリ
ンタヘッド1が検査ポジションにあるときに、プリンタ
ヘッドを構成する一群のインクノズルを決められた順序
で、各インクノズルから規定個数のインク滴が吐出され
るように連続駆動しつつ、各インクノズルの連続駆動中
の感熱式インク滴検知器の出力変化率を監視し、監視さ
れる出力変化率が予定された出力変化率に満たないとき
に、その駆動中のインクノズルにインク詰まりの虞れ有
りと判定するように構成することにより、プリンタヘッ
ド1を構成するイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シア
ン(C)、及びブラック(B)からなる一連のインクノ
ズルのいずれかにインク詰まりが発生していることを確
実に検査することができる。
【0087】本発明の検査方法並びに装置が適用された
プリンタ装置のハードウェア構成を示すブロック図が図
5に示されている。同図に示されるように、このプリン
タ装置のハードウェア構成は、制御部501と、給紙機
構駆動部502と、A/D変換器503と、インク滴検
出器504と、走査機構駆動部505と、ヘッド駆動部
506と、外部機器インタフェース507と、記憶部5
08と、操作部509と、表示部510とを含んでい
る。
【0088】制御部501は、マイクロプロセッサを主
体として構成されており、このプリンタ装置の動作を統
括制御するものである。
【0089】給紙機構駆動部502は、給紙トレイ11
aから用紙を繰り出す動作、繰り出された用紙をプリン
タヘッドの下に通過させる動作、さらには用紙排出口1
1cから外部へと排出する動作を実現するためのもので
ある。
【0090】インク滴検知器504は、先に図1〜図3
を参照して説明した焦電素子を有する新規な構成を有す
るものである。なお、ここで、図中のインク滴検知器5
04と記されたブロックには、図3で説明した検出回路
も含まれている。また、インク滴検知器504の検出回
路を介して得られた出力電圧は、A/D変換器503に
てデジタル信号に変換されて、制御部501に取り込ま
れるように構成されている。
【0091】走査機構駆動部505は、プリンタ装置に
内蔵されたプリンタヘッドを用紙の搬送方向と直交する
方向へと往復駆動させたり、インクノズル吐出検査のた
めに検査ポジションへ移行するための動作を実現するた
めのものである。
【0092】ヘッド駆動部506は、プリント処理を行
ったり、あるいはインクノズル吐出動作検査を行う場合
に、個々のインクノズルを駆動して、その先端からイン
ク滴を所定の態様で吐出させるためのものである。後に
詳細に説明するように、本発明の検査方法に際しては、
プリンタヘッドを構成する一群のインクノズルを決めら
れた順序で、各インクノズルから規定個数のインク滴が
吐出されるように連続駆動することとなる。
【0093】外部機器インターフェイス507は、当該
プリンタ装置をパソコン等の外部機器と接続して、印字
データのやりとりを行うためのものである。
【0094】記憶部508は、半導体RAMやROMで
構成されており、印字データの一時格納エリアや制御部
501で実行されるシステムプログラムの記憶エリアな
どとして機能するものである。
【0095】操作部509(11b)は、当該プリンタ
装置に対して各種の指令操作を行うためのテンキーやフ
ァンクションキーなどで構成されている。
【0096】表示部510は操作部509における操作
指令の表示あるいは各種の操作ガイドのために利用され
るもので、液晶表示器やLED表示器などで構成されて
いる。
【0097】次に、本発明の検査方法及び装置が適用さ
れたプリンタ装置の全体動作を示すフローチャートが図
6〜図8に示されている。
【0098】図6において処理が開始されると、電源が
オンされたか、規定時間が経過したか、規定ドット数を
印字したかの判定が行われ、それらのいずれかが肯定さ
れた場合にインクノズル吐出動作の検査へと移行される
(ステップ601)。
【0099】すなわち、検査動作が開始されると、まず
不具合レベルフラグを“0”にリセットした後(ステッ
プ602)、インクヘッド(プリンタヘッド)をセンサ
(インク滴検知器4)と対向する位置(検査ポジショ
ン)へと移動する処理を実行する(ステップ603)。
尚、このインクヘッド移動処理は、先に図5を参照して
説明した走査機構駆動部505を適宜に制御することに
より実現される。
【0100】インクヘッドがセンサと対向する位置へ移
動されたならば(ステップ603)、インクノズルの駆
動順序を制御するための制御フラグイニシャライズ処理
(ステップ604)を実行する。この制御フラグイニシ
ャライズ処理(ステップ604)では、制御フラグであ
る駆動順番(N)、駆動対番号(P)、対切換係数
(R)、インクノズル番号(Q)の初期設定が行われ、
それぞれの制御フラグの値は、N=1,P=1,R=
0,Q=0とされる。
【0101】なお、この実施形態におけるプリンタ装置
のプリンタヘッドにあっては、インクノズル総数は例え
ば96個、相隣接するインクノズルの離隔間隔は例えば
141μm、インク滴一粒の体積は例えば13pl、イ
ンクノズルとインク滴検知器との対向距離は例えば15
mm、連続駆動時のインク滴吐出周期は例えば32ms
ecとされている。
【0102】また、この実施の形態にあっては、インク
ノズルの駆動順序は、相前後して駆動されるインクノズ
ル間の離隔距離が一定値以上(この例では47ノズル数
以上)に維持されるように決められている。
【0103】斯かる吐出ノズル間隔維持制御は、出力測
定処理(ステップ606,609)において駆動される
べきインクノズル番号(Q)を決定する駆動順番演算処
理(ステップ605,608)に先立って、所定アルゴ
リズムに従った制御フラグ更新処理(ステップ607,
610)が実行されることにより実現される。
【0104】ノズル駆動順番制御アルゴリズムの説明図
が図9に示されている。同図に示されるように、駆動対
番号(P)の値が1→1→2→2・・・・48→48の
如くに、駆動順番の半分の速度で増加し、かつ対切換係
数(R)の値が0→1→0・・・0→1の如くに、交互
に1と0とを繰り返すことにより、駆動インクノズル番
号決定演算式(Q=P+48×R)に従って、インクノ
ズル番号(Q)の値は1→49→2→50・・・48→
96の如くに変化する。その結果、相前後して駆動され
るインクノズルの間隔は47ノズル以上に維持され、イ
ンク滴が受滴板上の局部的領域に集中的に間を置くこと
なく衝突して、過大なインク玉が表面張力で成長して感
度低下を来す虞が回避されることとなる。
【0105】なお、受滴板上には親水処理が施されてい
るから、1駆動期間以上の間隔を置いてから隣接ノズル
が駆動される場合には、インク滴は受滴板と親和して分
散するため、インク玉成長の問題はない。
【0106】次に、出力測定処理(ステップ606,6
09)の詳細を図8のフローチャート、並びに、図10
のグラフを参照しながら説明する。出力測定処理では、
プリンタヘッドを構成する一群のインクノズルを、イン
クノズル番号(Q)で指定される順序で、各インクノズ
ルを微細間隔(例えば32μsec間隔)で一定時間
(例えば100msec)だけ連続駆動しつつ、各イン
クノズルの連続駆動中の感熱式インク滴検知器の出力変
化率を測定(監視)する。
【0107】このとき、駆動されたインクノズル(N
o.1〜No.3)が全て正常で有れば、図10(a)
に示されるように、いずれのノズル駆動期間において
も、蓄熱作用に起因して、センサ出力(検知器出力)は
増加傾向を示す。これに対して、駆動されたインクノズ
ル(No.1〜No,3)のうちの一つ(No.2)に
インク詰まりが存在すれば、図10(b)に示されるよ
うに、No.2に対応するノズル駆動期間において、放
熱作用に起因して、センサ出力(検知器出力)は減少傾
向を示す。
【0108】出力変化率の測定は、この例では図10
(b)に示されるように、検査開始後(N)番目のイン
クノズル駆動において、駆動開始後(T1)秒経過時点
における出力値(DN1)と駆動開始後(T2)秒経過
時点における出力値(DN2)とを測定して保存する処
理により実現される。すなわち、この処理が実行される
結果、記憶部508の測定値保存領域には、(D11,
D12),(D21,D22),(D31,D32)・
・・(DN1,DN2)の如く、1駆動期間毎に一対の
測定値が順次に記憶されることとなる。
【0109】すなわち、図8のフローチャートにおい
て、処理が開始されると、先ず、Q番目のノズルから規
定個数のインク滴を吐出するように駆動指令が発せられ
る。この指令を受けて、ヘッド駆動部506の作用によ
り、当該インクノズルからは規定個数に達するまでイン
ク滴が連続的に吐出される。
【0110】インクノズル駆動開始後、T1秒が経過す
ると(ステップ802,t>T1)、検知器4の出力は
A/D変換器503を介して読み取られ(ステップ80
3)、得られた測定データはデータNo.(N1)とし
て記憶部に保存される(ステップ804)。
【0111】インクノズル駆動開始後、T2秒が経過す
ると(ステップ805,t>T2)、検知器4の出力は
A/D変換器503を介して読み取られ(ステップ80
6)、得られた測定データはデータNo.(N2)とし
て記憶部に保存される(ステップ807)。
【0112】図6のフローチャートに戻って、ノズル駆
動順番(N)の値がノズル総数である96を越えると
(ステップ611YES)、続いて図7のフローチャー
トへ移行して、インクノズル詰まりの虞れを判定するた
めの判定処理(ステップ701〜705)が実行され
る。
【0113】この判定処理では、駆動順番(N)の値を
初期値(1)から、プラス1ずつ増加させながら、駆動
順番(N)にて指定される一対の測定値(DN1,DN
2)に関する大小比較処理(ステップ702)が実行さ
れる。
【0114】ここで、大小比較処理(ステップ702)
を行うのは、インクノズルの駆動によりインク滴が正常
に連続的に吐出されていれば、図10(a)に示される
ように、インク滴検知器4の出力は一定の増加傾向を示
すのに対して、インクノズルの駆動によってもインク滴
が正常に吐出しなければ、図10(b)に示されるよう
に、インク滴検知器4の出力は減少傾向を示すから、一
対の測定値(DN1,DN2)の大小比較により、DN
1>DN2を介して減少傾向が確認されれば、これに基
づいてインク詰まりの虞ありと判定できるからである。
【0115】1ノズルからの吐出回数を異ならせた場合
におけるインク滴検知器4の出力電圧波形を比較して示
すグラフが図11に示されている。同図から明らかなよ
うに、本発明者等の実験によれば、特定の1ノズルから
のインク滴吐出数を様々に異ならせた場合、その出力値
はインク滴吐出数に応じて増加することが確認された。
ここで、焦電素子を使用した感熱式インク滴検知器の場
合、受滴板上の局部的温度変化に対応して電荷を発生す
ると言う検知原理から、受滴板上のインク滴の受滴部位
と出力電圧との間には殆ど相関がないことが確認されて
いる。このことからすると、インクノズルを切り替えつ
つ、殆ど途切れることなく、インク滴を吐出させ続けた
場合にも、図11のグラフと同様な出力値増加傾向が得
られるものと推定される。
【0116】大小比較処理で検知器出力波形の増加傾向
が判定された場合には(ステップ702YES)、何も
行うことなく、駆動順番(N)をブラス1更新して(ス
テップ704)、次の測定値に関する大小比較処理へと
移行するのに対して(ステップ705NO,702)、
検知器出力波形の減少傾向が判定された場合には(ステ
ップ702NO)、その時の駆動順番(N)で指定のノ
ズルにインク詰まりの虞れありと判定して、その駆動順
番(N)を不良として記憶する(ステップ703)。以
上の判定処理(701〜705)が全ての測定値データ
について実行され、駆動順番(N)が既定値(96)を
越えるのを待って、不具合判定処理は終了する(ステッ
プ705YES)。
【0117】不具合判定処理が完了すると(ステップ7
05YES)、不具合結果に応じた各種のサービス処理
が実行される(ステップ706〜710)。すなわち、
先ず、不具合ノズル数の有無が判定され(ステップ70
6)、不具合のノズル数が存在しない場合には(ステッ
プ706YES)、そのプリンタヘッドはインク詰まり
が全く存在しない正常なものとして、処理は終了する。
【0118】これに対して、不具合ノズルが存在すると
判定されると(ステップ706NO)、不具合レベルフ
ラグの状態を参照し(ステップ707)、これが『0』
にセットされていれば(ステップ707NO)、公知の
ヘッドクリーニング処理を実行して(ステップ70
8)、インク詰まりの解消に努めた後、不具合レベルフ
ラグを『1』にセットし(ステップ709)、図6のフ
ローチャートに戻って測定処理を再開する。他方、不具
合レベルフラグの内容が『1』にセットされていれば
(ステップ707YES)、前回ヘッドクリーニングを
行ったにも拘わらず不具合が解消していないこになるの
で、外部機器インタフェースを通じてその旨をオペレー
タに連絡通知し(ステップ710)、オペレータに対し
て適切な処理を促すこととなる。
【0119】以上説明した本発明のプリンタ装置によれ
ば、あるインクノズルからインク滴が吐出されているか
否かは、そのインクノズルの駆動期間にインク滴検知器
の出力が規定の値に達したか否かではなくて、インク滴
検知器の出力変化率(DN2−DN1)が正(増加傾
向)か負(減少傾向)かで判定されるため、多数のイン
クノズルの詰まりを順次に検査する場合でも、相前後す
るインクノズル駆動期間の合間に検知器出力を初期状態
に復帰させるための放熱期間を設けることが不要とな
り、その分だけ検査時間が短縮されて、プリンタヘッド
を構成する一連のインクノズルの詰まりを1ノズル単位
で短時間に検査可能となる。
【0120】上述の検査時間短縮効果については、イン
クノズルの駆動期間にインク滴検知器の出力が規定の値
(絶対値)に達したか否かに基づいてインクノズルの詰
まりを判定するようにした比較例を参照すれば、より明
確となるであろう。すなわち、図12に示されるよう
に、検知器出力を所定の閾値VHと比較して、インク詰
まりを検知しようとすると、蓄熱作用に寄与する駆動期
間TAの終了毎に放熱作用に寄与する放熱期間TBが必
要となるため、検査時間が長大化することは否めない。
【0121】なお、以上の実施の形態では、図10
(c)に示されるように、隣接する駆動期間の間に殆ど
隙間を設けないようにして、検査時間の短縮(この場
合、検査時間は1駆動期間のほぼ整数倍となる)を図っ
たが、本発明方法におけるインクノズル駆動態様はこれ
に限定されるものではない。他のインクノズル駆動態様
としては、相前後して駆動されるべきインクノズルの駆
動期間が相互に1/2ずつ重なるようにしたものを挙げ
ることができる。すなわち、各インクノズルはそれぞれ
一定時間駆動されるのであるが、それらの駆動期間は相
互に半分ずつ重複しているのである。この場合、検査時
間を上記の実施形態のさらに半分に短縮することができ
る。
【0122】一方、インク滴検知器に到達するインク滴
個数は、全てのインクノズルにインク詰まりが存在しな
ければ、全ノズル駆動期間に亘り、前後して駆動される
2個のインクノズルからの吐出インク滴の総和となる。
これに対して、いずれかのインクノズルにインク詰まり
が存在する場合には、そのインクノズル駆動期間に関す
る限り、インク滴検知器に到達するインク滴個数は正常
時の半分となる。このことから、インク滴検知器の出力
変化率は正常状態とインク詰まり状態とでは半分の関係
(増加傾向を示す傾きが半分)となり、これに基づいて
インク詰まりの判定を行うことができる。
【0123】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、検査対象となるプリンタヘッドのインクノズル
前方に感熱式インク滴検知器が配置された状態におい
て、プリンタヘッドを構成する一群のインクノズルを決
められた順序で、各インクノズルから規定個数のインク
滴が吐出されるように連続駆動しつつ、各インクノズル
の連続駆動中の感熱式インク滴検知器の出力変化率を監
視し、監視される出力変化率が予定された出力変化率に
満たないときに、その駆動中のインクノズルにインク詰
まりの虞れ有りと判定するようにしたため、プリンタヘ
ッドを構成する一連のインクノズルの詰まりを1ノズル
単位で短時間で検査可能となると言った効果を有する。
【0124】さらに、本発明にあっては、感温素子とし
て面状焦電素子を使用した新規な構成の感熱式インク滴
検知器を使用したため、素子自体の有する高感度とも相
まって、一層の検査時間短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に適用される感熱式インク滴検知器
の一例を示す断面図である。
【図2】感熱式インク滴検知器の外形寸法の一例を示す
説明図である。
【図3】インク滴検知器の検出回路の一例を示す図であ
る。
【図4】本発明の検査方法並びに装置が適用されたプリ
ンタ装置の一例を示す外観図である。
【図5】本発明方法並びに装置が適用されたプリンタ装
置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】本発明方法並びに装置が適用されたプリンタ装
置の全体動作(その1)を示すフローチャートである。
【図7】本発明方法並びに装置が適用されたプリンタ装
置の全体動作(その2)を示すフローチャートである。
【図8】出力測定処理の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図9】ノズル駆動順番制御アルゴリズムの説明図であ
る。
【図10】本発明方法実施時におけるインクノズル状態
とインク滴検知器(センサ)出力との関係を示す図であ
る。
【図11】1ノズルからの吐出回数を異ならせた場合に
おける出力電圧波形を比較して示す図である。
【図12】インク滴検知器(センサ)の出力チャート閾
値と比較してインク詰まりを判定する場合のインクノズ
ル駆動態様の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタヘッド 2 インクノズル 3 インク滴 4 インク滴検知器 5 金属製容器 5a 底板 5b 側板 6 焦電素子 6a 焦電材料 6b 蒸着電極 6c 蒸着電極 7a リード線 7b リード線 8 シリコン充填物 9 インピーダンス変換器 10 アンプ 11 プリンタ装置 11a 給紙トレイ 11b 操作部 11c 用紙排出口 501 制御部 502 給紙機構駆動部 503 検出回路 504 インク滴検出器 505 走査機構駆動部 506 ヘッド駆動部 507 外部機器インタフェース 508 記憶部 509 操作部 510 表示部 OP1 演算増幅器 OP2 演算増幅器 OUT 出力端子 TA 蓄熱期間 TB 放熱期間

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象となるプリンタヘッドのインク
    ノズル前方に感熱式インク滴検知器が配置された状態に
    おいて、プリンタヘッドを構成する一群のインクノズル
    を決められた順序で、各インクノズルから規定個数のイ
    ンク滴が吐出されるように連続駆動しつつ、各インクノ
    ズルの連続駆動中の感熱式インク滴検知器の出力変化率
    を監視し、監視される出力変化率が予定された出力変化
    率に満たないときに、その駆動中のインクノズルにイン
    ク詰まりの虞れ有りと判定するプリンタヘッドの検査方
    法。
  2. 【請求項2】 相前後するインクノズル連続駆動期間の
    間には実質的に空き時間は存在しない請求項1に記載の
    プリンタヘッドの検査方法。
  3. 【請求項3】 各インクノズルは間隔を空けることなく
    1個ずつ交代に連続駆動される請求項1に記載のプリン
    タヘッドの検査方法。
  4. 【請求項4】 インクノズルの駆動順序は、相前後して
    駆動されるインクノズル間の離隔距離が一定値以上に維
    持されるように決められている請求項1に記載のプリン
    タヘッドの検査方法。
  5. 【請求項5】 感熱式インク滴検知器を構成する感温素
    子としては面状焦電素子が使用されている請求項1に記
    載のプリンタヘッドの検査方法。
  6. 【請求項6】 検査対象となるプリンタヘッドのインク
    ノズル前方に感熱式インク滴検知器が位置する状態へと
    プリンタヘッドと感熱式インク滴検知器とを相対的に移
    動させる検査用位置決め手段と、 プリンタヘッドを構成する一群のインクノズルを決めら
    れた順序で、各インクノズルから規定個数のインク滴が
    吐出されるように連続駆動するインクノズル試し駆動手
    段と、 感熱式インク滴検知器の各インクノズル駆動中における
    出力変化率を検出する変化率検出手段と、 変化率検出手段で検出される出力変化率が予定の変化率
    に満たないときに、当該駆動中のインクノズルにインク
    詰まりの可能性有りと判定する判定手段と、を具備する
    プリンタヘッドの検査装置。
  7. 【請求項7】 インクノズル試し駆動手段における相前
    後するインクノズル連続駆動期間の間には実質的に空き
    時間は存在しない請求項6に記載のプリンタヘッドの検
    査装置。
  8. 【請求項8】 インクノズル試し駆動手段によるインク
    ノズルの連続駆動は、間隔を空けることなく1ノズル毎
    に交代に行われる請求項6に記載のプリンタヘッドの検
    査装置。
  9. 【請求項9】 インクノズル試し駆動手段によるインク
    ノズルの駆動順序は、相前後して駆動されるインクノズ
    ル間の離隔距離が一定値以上に維持されるように決めら
    れている請求項6に記載のプリンタヘッドの検査装置。
  10. 【請求項10】 感熱式インクノズル検知器が、一連の
    インクノズルから吐出されるインク滴が衝突される受滴
    板と、受滴板の背後に接合された面状焦電素子と、を含
    み、面状焦電素子が連続的に衝突される個々のインク滴
    から受け取った熱の累積による受滴板の温度変化に対応
    する電気信号を生成する請求項6に記載のプリンタヘッ
    ドの検査装置。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれかに記載のプ
    リンタヘッドの検査装置が組み込まれたプリンタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1297405C (zh) * 2002-12-25 2007-01-31 精工爱普生株式会社 喷嘴堵塞检测装置、液滴喷出装置、电光装置及制造方法

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