JP2002143682A - オレフィンのメタセシス反応触媒 - Google Patents

オレフィンのメタセシス反応触媒

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JP2002143682A
JP2002143682A JP2000281385A JP2000281385A JP2002143682A JP 2002143682 A JP2002143682 A JP 2002143682A JP 2000281385 A JP2000281385 A JP 2000281385A JP 2000281385 A JP2000281385 A JP 2000281385A JP 2002143682 A JP2002143682 A JP 2002143682A
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metathesis reaction
olefin metathesis
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catalyst according
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JP2000281385A
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Tetsuo Nakajo
哲夫 中條
Atsushi Onaka
篤 尾中
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Showa Denko KK
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒分離・精製、再使用容易であり、高活性
で、オレフィンの異性化やオレフィン重合などの副反応
を抑制して高い選択性を示し、寿命の長いメタセシス触
媒を提供すること。 【解決手段】 メソポーラスアルミナを担体とするオレ
フィンのメタセシス反応触媒、とりわけ、細孔分布にお
ける最大ピークが1〜10nmの範囲にあるメソポーラ
スアルミナを担体とするオレフィンのメタセシス反応触
媒を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高活性、高選択性
のオレフィンのメタセシス反応触媒に関する。
【0002】詳しくは、メソポーラスアルミナを用いる
ことを特徴とするオレフィンのメタセシス反応触媒に関
する。該オレフィンのメタセシス反応触媒は、C2〜C4
オレフィンの選択合成などの石油化学分野や、長鎖オレ
フィンでのメタセシス合成、環状オレフィンの開環、ジ
オレフィンの閉環などのファインケミカルズの合成分野
などに応用できる。
【0003】
【従来技術】従来、メタセシスに使用される触媒は、ル
テニウム、モリブデン、レニウム、タングステン等を含
む触媒系が用いられる。均一系触媒としては、ルテニウ
ム系錯体触媒が用いられている(M.F.Schneider et a
l.,Tetrahedron,51(47)13003(1995);Aldrichimica Acta
32,(3),75,1999)。しかしながら、均一系触媒は触媒
分離・精製、再使用が容易でないという問題点がある。
【0004】一方、不均一系触媒は上記問題点を解決で
きる利点がある。特開平8−215565号には、平均
細孔直径が1〜10nmの結晶性酸化物の多孔体にモリ
ブデン、レニウム、タングステンを配置した触媒が提案
されている。明細書によれば、「多孔体が結晶性で均
一な細孔を有することは、X線回折のパターンにおける
2nm以上のd値に最強のピークを示すことにより確認
できる。
【0005】すなわち、X線回折のパターンで2nm以
上のd値に最大のピークを示すことは、細孔が2nm以
上の間隔で規則的に配列していることになる。」とあ
る。多孔体の組成に関してはシリカを例示し層状ケイ
酸塩からメソ多孔体を合成する方法が記載されている。
更に、特開平8−215565号では、平均細孔直径が
1〜10nmの範囲の多孔体が記載されているが、既に
特表平10−511302号(優先日1994年12月
21日)には、300℃から700℃で焼成された細孔
半径3nmアルミノケイ酸塩担体や水熱処理された細孔
半径4.5〜7.8nmアルミノケイ酸塩担体のレニウ
ム触媒がメタセシス反応に有効であることが開示されて
いる。
【0006】一方、担体と担持金属の間には特定の関係
があり、例えば特表平7−501088号にはシリカ上
に担持された酸化モリブデンやアルミナに担持された酸
化レニウムが記載させており、当業者において酸化レニ
ウムをアルミナ担体に担持させることは公知である。し
かしながら、特開平8−215565号にはアルミナの
結晶性酸化物の多孔体に関して、全くふれられてない。
特開2000−157869号にはモリブデンとリンを
シリカ担体に担持したメタセシス触媒を提案している。
【0007】これらの触媒は活性、選択性、触媒寿命な
どが十分とは言えない課題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、触媒
分離・精製、再使用容易であり、高活性で、オレフィン
の異性化やオレフィン重合などの副反応を抑制して高い
選択性を示し、寿命の長いメタセシス触媒を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、鋭意検
討を重ねた結果、メソポーラスアルミナを含む触媒がオ
レフィンのメタセシス反応において高活性、高選択性か
つ長寿命であることを見い出し、本発明を提案するに至
った。
【0010】すなわち、本発明は、以下の事項からな
る。
【0011】[1] メソポーラスアルミナを担体とする
オレフィンのメタセシス反応触媒。 [2] 細孔分布における最大ピークが1〜10nmの範
囲にある[1]のオレフィンのメタセシス反応触媒。 [3] 狭い細孔分布である[2]のオレフィンのメタセシス
反応触媒。 [4] 表面積が300m2/g〜1000m2/gである[1]〜
[3]のオレフィンのメタセシス反応触媒。 [5] モリブデン、レニウムおよびタングステンからな
る群から選ばれる少なくとも1種類の金属の酸化物が担
持されている[1]〜[4]のオレフィンのメタセシス反応触
媒。 [6] 金属の酸化物の担持量が、メソポーラスアルミナ
の質量に対する金属酸化物の質量で0.1〜20質量%
である[5]のオレフィンのメタセシス反応触媒。
【0012】[7] 金属の酸化物の担持量が、メソポー
ラスアルミナの質量に対する金属酸化物の質量で0.5
〜10質量%である[5]または[6]のオレフィンのメタセ
シス反応触媒。 [8] 金属の酸化物がレニウムの酸化物である[5]〜[7]
のオレフィンのメタセシス反応触媒。 [9] 15族元素および/または16族元素を含む化合
物を含有する[5]〜[8]のオレフィンのメタセシス反応触
媒。 [10] 15族元素がリンであり、16族元素がイオウで
ある[9]のオレフィンのメタセシス反応触媒。
【0013】[11] 15族元素および/または16族元
素を含む化合物の担持量が担持金属に対して原子比で
0.05〜2.0である[9]または[10]のオレフィンの
メタセシス反応触媒。 [12] メソポーラスアルミナに、モリブデン、レニウム
およびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも
1種類の金属の塩を含む水溶液を含侵させることを特徴
とする[1]〜[11]の触媒の調製方法。 [13] [1]〜[11]の触媒を用いるメタセシス反応方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の担体として使用されるメソポーラスアル
ミナは、T.Pinnavaia et al.,Science 269,1242 (199
5):Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1996,35(10)1102やM.E.Da
vis et al.,Chem.Mater.8,1451(1996)において、紹介さ
れている。それらによれば、メソポーラスアルミナは、
類似構造体であるメソポーラスシリケート(MCM−4
1、HMS、MSU−X等)の粉末X線回折パターンと
類似のパターンを示すが、回折パターンが幅広いことか
ら結晶性や構造秩序性が劣ることがわかる。
【0015】すなわち、(100)面のピーク幅が広が
り、その他の(110)(200)(210)などがピ
ークであるかどうかの判別は難しい程度のピークパター
ンになる。もはや結晶性多孔質とは言えない。メソポー
ラスアルミナを染色し、透過型電子顕微鏡(TEM;Tr
ansmission electron microscopy)の観察すると、多少
は規則正しい細孔直径は見られるが、細孔の長さは短め
である。ガス吸脱着からは、狭いメソ細孔分布が見られ
る。このメソ細孔の直径は、BJH(Barrett-Joyner-Ha
lender)法で計算すると2.4nmの細孔径メソポーラス
アルミナもあるし、4.6nmの細孔径メソポーラスア
ルミナもあると例示されてあり、細孔径の制御が可能で
あることがわかる。これらを総合的に推察すると細孔の
壁厚が類似体のシリケートに比較し厚いことになる。
【0016】しかしながら通常の「アモルファスアルミ
ナや結晶性アルミナ」に比べれば、表面積や細孔容積は
大きいと言う特徴がある。具体的には420〜535m2
/gの表面積であり、0.68ml/gの細孔容積も例示
されている。Alの配位数に関しては、27NMR-MAS-NMR
より6配位、5配位、4配位が観測される。このメソポ
ーラスアルミナ担体は熱安定性に優れている。
【0017】本発明の触媒に用いるメソポーラスアルミ
ナの調製方法に関しては、公知の方法が用いられるが、
鋳型材として用いられる界面活性剤としてはポリエチレ
ンオキシド・ポリプロピレンオキシドのブロック共重合
体や長鎖アルキルカルボン酸が例示される。
【0018】本発明の触媒に用いるメソポーラスアルミ
ナの細孔分布は、細孔分布における最大値の細孔直径が
1〜10nmの範囲であるメソポーラスアルミナが好ま
しい。更に好ましくは細孔分布における最大値の細孔直
径が2〜3nmであり、実質的に全細孔の細孔径が10
nm以下であるメソポーラスアルミナが好ましい。また
分布の形状に関しては、狭い細孔分布であることが好ま
しい。狭い細孔分布とは、相対的に或る細孔直径に揃っ
ていることを意味するもので、その揃いの程度が比較的
良いことを示している。
【0019】本発明の触媒に用いるメソポーラスアルミ
ナの表面積は、300〜1000m2/gが好ましい。更
に好ましくは、300〜600m2/gが好ましい。
【0020】鋳型材として用いられる界面活性剤として
はポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシドのブ
ロック共重合体や長鎖アルキルカルボン酸が例示され
る。本発明の触媒はかかるメソポーラスアルミナ担体上
にモリブデン、レニウムおよび/またはタングステンの
酸化物が担持された触媒である。これらの金属の担持方
法は、特に限定されるものではなく、モリブデン、レニ
ウムおよび/またはタングステンの原料塩を用い、含
浸、イオン交換、気相からあるいは液相からの吸着、固
体混合などの方法により導入することができる。またメ
ソポーラスアルミナを調製する際、モリブデン、レニウ
ムおよび/またはタングステンの原料塩を共存させるこ
とにより導入することもできる。
【0021】また、本発明の触媒の性能を向上させるた
めに、前記のモリブデン、レニウムおよび/またはタン
グステンの酸化物にリン等の15族元素、イオウ等の1
6族元素を含む化合物を一緒に共存することもできる。
【0022】本発明に用いるモリブデンの原料塩として
は、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデンの酢酸
塩、モリブデンハライド(塩化物、臭化物など)モリブ
デン酸化塩化物(MoO2Cl2、MoOCl4)、モリブデンヘキ
サカルボニル、モリブデンのアセチルアセトナートの錯
体なども使用できる。
【0023】本発明に用いるレニウムの原料塩として
は、酸化レニウム、過レニウム酸アンモニウム、レニウ
ムハライド、レニウムカルボニル化合物なども使用でき
る。
【0024】タングステンの原料塩としては、タングス
テン酸アンモニウム、タングステンハライド(塩化物、
臭化物など)タングステン酸化塩化物(WO2Cl2、WOC
l4)、タングステンヘキサカルボニルなども使用でき
る。
【0025】本発明に用いるリン等の15族元素、イオ
ウ等の16族元素を含む化合物としては、窒素、リン、
砒素、アンチモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、
テレルを指し、特に好ましくはリン化合物である。
【0026】リンとしては、五酸化リン、リン酸、亜リ
ン酸、リン酸アンモニウム、リン酸エステル、亜リン酸
アンモニウム、亜リン酸エステルなども使用できる。
【0027】本発明に用いるモリブデン、レニウムおよ
び/またはタングステンの担持量は金属酸化物としてメ
ソポーラスアルミナに対して0.1〜20質量%であ
り、好ましくは0.5〜10質量%である。少なすぎて
も十分な活性が発現しないし、多すぎても経済的に問題
が生じる。
【0028】本発明に用いるリン等の15族元素、イオ
ウ等の16族元素を含む化合物の担持量は、担持金属に
対して原子比で0.05〜2.0である。好ましくは0.
1〜1.2である。
【0029】次に触媒調製方法に関しては、例えば、メ
ソポーラスアルミナを担体に所定量の過レニウム酸アン
モニウム水溶液を含浸させ、乾燥し、焼成して該触媒を
得ることもできる。乾燥法は種々あるが特に特殊な方法
を用いなくても熱風乾燥で十分性能が出る。乾燥温度と
しては、80℃以上150℃以下がよく、好ましくは9
0℃以上130℃である。メソポーラスアルミナの粉体
をそのまま利用する場合は、引き続いて焼成するが、成
形する場合は、バインダー等の添加物を入れるのが一般
的である。打錠成形または押し出し成形をしてもよい。
焼成方法は、マッフル炉等の静置法、回転させるロータ
リキルン、固定床型の焼成炉などを用いれば良い。焼成
時の雰囲気は、好ましくは酸素含有気体下、特に空気中
が経済性からも良く、流通させれば尚好ましい。焼成温
度は焼成方式、焼成炉本体のサイズ、メソポーラスアル
ミナのサイズにより、測定方法、測定箇所により変動す
るが、概略400℃〜800℃、好ましくは450℃〜
650℃である。
【0030】本発明の触媒は、メソポーラスアルミナ担
体上のモリブデン、レニウム、タングステンの形状は、
XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)で測定する
と、メソアルミナに担持したレニウムの触媒調製直後の
場合、Re27と思われるピークが検出させる。またT
EM(Transmission electron microscopy)によれば担持
量7質量%レニウム酸化物のメソポーラスアルミナ触媒
では、0.5〜3nmのレニウム酸化物と思われる微粒
子が観測される。これらが触媒活性に関係していると推
測される。
【0031】本発明の触媒はオレフィンのメタセシス反
応に利用できる。原料のオレフィンは、エチレン、プロ
ピレン、ブテン類、ペンテン類、ヘキセン類、ヘプテン
類、オクテン類、更にはC9〜C20の直鎖または分岐
のオレフィン類が挙げられる。これらのオレフィン類
は、αオレフィンでも内部オレフィンでもかまわない。
また環状オレフィンとしてシクロペンテン、シクロヘキ
セン類、シクロペンテン類、シクロオクテン類などを挙
げることができる。更には共役ジエン類、非共役ジエン
類、更にはスチレン誘導体、スチルベン類等の芳香環を
有するオレフィン類、エステル基を有する鎖状アルキル
エステル類(オレイン酸エステル)が挙げられる。これ
らは単独でも混合でも用いることができるが、高収率で
得るには、酸素、硫黄、窒素、リンなどの含有化合物は
含まない方が好ましい。不純物としては、極力低減する
ことが望ましい。
【0032】オレフィンのメタセシス反応を実施する場
合、本発明の触媒をそのまま使用しても良いが、活性化
して使用しても良い。公知の方法として、有機金属化合
物(例えばアルキルスズ)での処理、所定の温度におい
て真空排気処理や酸素以外の雰囲気ガス(還元性ガス、
不活性ガスなど)にさらすことによる処理が挙げられ
る。
【0033】オレフィンのメタセシス反応はバッチ反
応、連続反応のいずれでもよく、液相、気相どちらでも
良い。反応条件は原料に依存するが、一般には、反応温
度は−20℃から400℃であり好ましくは−5℃から
250℃である。反応圧力は大気圧から20Mpaまで
使用できる。希釈ガスの使用、溶媒の使用は何ら制限は
ない。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の触媒調製例、実施例を示す
が、何ら本発明を限定するものではない。
【0035】実施例1〜3(酸化レニウム担持メソポー
ラスアルミナ触媒調製と触媒及びメタセシス反応) メソポーラスアルミナ担体は、既報の文献(M.E.Dais e
t.al.,Chem.Mater.,8,1451(1996))を参考に調製した。
鋳型剤(界面活性剤)としてはラウリン酸を用いた。A
l原料としては、Al(OiBu)3を使用し24時間室温
攪拌した後、更にオートクレーブ中110℃で2日間熟
成した。その後、濾過、洗浄後、110℃で乾燥し60
0℃4時間焼成した。得られたメソポーラスアルミナ担
体の表面積は560m2/gを持ち、細孔分布(図1)か
ら2.8nmに鋭い細孔分布を有していた。窒素吸着等
温線(図3)に示す。また、XRD測定では、ブロード
なピークが1本あるだけであった(図5)。
【0036】この担体にRe27として7質量%となる
ように、NH4ReO4水溶液を含浸担持した。十分に風
乾して110℃で乾燥した。更に空気流通下、600℃
で4時間焼成し、反応する前に活性化処理として、減圧
下(63Pa)にて500℃で2時間排気処理し、その
後乾燥窒素ガスを導入した。
【0037】活性化した触媒300mgと、市販のアル
ミナで精製した原料の1−オクテン(7.93mmol)、溶媒と
してヘプタン5mlを、乾燥窒素ガス下、反応温度−1
℃で所定時間、攪拌した。反応後、触媒を濾過し、内部
標準としてn−デカンを添加し、GCで定量分析した。
目的生成物である7−テトラデセンが得られた。結果を
表1に示す。
【0038】転化率(mol%)=[(仕込んだ原料−未反応
原料)/仕込んだ原料]X100
【0039】選択性(mol%)=[2X(メタセシス反応での
目的生成物)/(仕込んだ原料−未反応原料)]X100
【0040】反応前の触媒と反応後の触媒に関して、T
EM写真で観察すると、どちらも0.5〜1.5nmの均
一粒子が存在し、TEM−EDXでReの存在が確認さ
れたので、レニウム酸化物粒子と推定され、反応前後で
の粒子成長は見られなかった。XPSでは、Re4f5/
2と7/2が観察された。測定条件下ではRe27に近い状
態でメソポーラスアルミナに担持されていると推定され
る。
【0041】比較例1〜2(通常のアルミナ担体を用い
た例) 表面積が166m2/gで細孔分布(図2)および窒素
吸着等温線(図4)に示されるような通常のアルミナで
ある参照アルミナ(JRC−ALO−7)を担体として
用いた。この担体の粒子サイズを75〜250μmに揃
え、実施例1〜3同様にレニウムを担持し同じ調製方法
で触媒とした。活性化と反応も同様に実施した。結果を
表1に示した。
【0042】
【表1】 この結果から、メソポーラスアルミナ担体酸化レニウム
触媒は、活性、選択性とも高いことがわかる。
【0043】実施例4〜6(酸化レニウム担持メソポー
ラスアルミナ触媒での反応) 実施例1〜3と同様に触媒を調製し、反応温度は50℃
で行った以外は、実施例1〜3と同様に行った。反応結
果を表2に示す。
【0044】
【表2】 反応時間とともに平衡に近づくため、転化率が向上しな
いが、高温反応でも選択性が高いことがわかる。
【0045】実施例7〜8(リンを添加した系) 実施例1〜3で調製したメソポーラスアルミナを担体と
して、この担体にRe 27として7質量%となるよう
に、NH4ReO4と(NH4)3HPO4(P/Re=0.5m
ol比)水溶液を含浸担持した。以下実施例4〜6同様に
調製し触媒評価した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】 この結果から、メソポーラスアルミナ担体酸化レニウム
にリンを添加した触媒は、特に活性が向上することがわ
かる。
【0047】実施例9〜10(界面活性剤としてポリエ
チレンオキシド・ポリプロピレンオキシドのブロック共
重合体を使用した例) T.Pinnavaia et al.,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1996,35
(10)1102に準じてポリエチレンオキシド・ポリプロピレ
ンオキシドのブロック共重合体を使用し調製した。但
し、500℃4時間焼成しても着色がみられたので、6
00℃に昇温し着色が消えるまで焼成した。以下実施例
1〜3と同様にレニウムを担持し触媒評価した。結果を
表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】実施例11〜12(内部オレフィンを原料
とする例) 実施例1〜3で調製した触媒を用いて、7−ヘキサデセ
ン(5mmol)、n−ヘプタン5ml、窒素流通下、浴温
50℃に設定した以外は、実施例1〜3と同様に実施し
た。結果を表5に示す。
【0050】この結果からメソポーラスアルミナを担体
にする触媒は、GC検出の範囲内でオレフィンの移動を
伴う異性化反応を伴わずに高収率で、生成物を得ること
ができる。実施例12は8時間の反応であるが、16時
間反応させても収率は変化しなかったことから、平衡に
達しているものと推測される。
【0051】比較例3〜4(実施例11〜12に対応し
た比較例;通常のアルミナ担体を用いた例) 実施例11〜12で用いたメソポーラスアルミナ担体の
代わりに通常のアルミナ(参照アルミナ(JRC−AL
O−7))を用いた以外は実施例11〜12と同様に、
調製し触媒を評価した。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、メソポーラスアルミナ
担体を用いて調製したメタセシス触媒は、目的生成物を
高活性高選択的に合成することができる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】 メソポーラスアルミナ担体の細孔分布。
【図2】 参照アルミナ(JRC−ALO−7)の細孔
分布。
【図3】 メソポーラスアルミナ担体の窒素吸着等温
線。
【図4】 参照アルミナ(JRC−ALO−7)の窒素
吸着等温線。
【図5】 メソポーラスアルミナ担体のXRD測定結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 6/04 C07C 6/04 11/02 11/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA01 AA03 AA08 AA12 BA01A BA01B BB04A BB04B BC59A BC60A BC64A BC64B BD07A BD07B BD08A CB44 EC03X EC04X EC13X EC14X EC19 4H006 AA02 AC29 BA14 BA16 BA30 BA35 BA56 BC32 4H039 CA29 CJ30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソポーラスアルミナを担体とするオレ
    フィンのメタセシス反応触媒。
  2. 【請求項2】 細孔分布における最大ピークが1〜10
    nmの範囲にある請求項1に記載のオレフィンのメタセ
    シス反応触媒。
  3. 【請求項3】 狭い細孔分布である請求項2に記載のオ
    レフィンのメタセシス反応触媒。
  4. 【請求項4】 表面積が300m2/g〜1000m2/gであ
    る請求項1乃至3のいずれかに記載のオレフィンのメタ
    セシス反応触媒。
  5. 【請求項5】 モリブデン、レニウムおよびタングステ
    ンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属の酸
    化物が担持されている請求項1乃至4のいずれかに記載
    のオレフィンのメタセシス反応触媒。
  6. 【請求項6】 金属の酸化物の担持量が、メソポーラス
    アルミナの質量に対する金属酸化物の質量で0.1〜2
    0質量%である請求項5に記載のオレフィンのメタセシ
    ス反応触媒。
  7. 【請求項7】 金属の酸化物の担持量が、メソポーラス
    アルミナの質量に対する金属の質量で0.5〜10質量
    %である請求項5または6に記載のオレフィンのメタセ
    シス反応触媒。
  8. 【請求項8】 金属の酸化物がレニウムの酸化物である
    請求項5乃至7のいずれかに記載のオレフィンのメタセ
    シス反応触媒。
  9. 【請求項9】 15族元素および/または16族元素を
    含む化合物を含有する請求項5乃至8のいずれかに記載
    のオレフィンのメタセシス反応触媒。
  10. 【請求項10】 15族元素がリンであり、16族元素
    がイオウである請求項9に記載のオレフィンのメタセシ
    ス反応触媒。
  11. 【請求項11】 15族元素および/または16族元素
    を含む化合物の担持量が担持金属に対して原子比で0.
    05〜2.0である請求項9または10に記載のオレフ
    ィンのメタセシス反応触媒。
  12. 【請求項12】 メソポーラスアルミナに、モリブデ
    ン、レニウムおよびタングステンからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種類の金属の塩を含む水溶液を含侵させ
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    の触媒の調製方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    触媒を用いるメタセシス反応方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006167499A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Univ Of Tokyo メソポーラスアルミナを有する固体塩基触媒
JP2018509284A (ja) * 2015-03-20 2018-04-05 エスエムエイチ カンパニー,リミテッド オレフィンメタセシスのための触媒系

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