JP2002143171A - 外科縫合糸融接器 - Google Patents

外科縫合糸融接器

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JP2002143171A
JP2002143171A JP2000340124A JP2000340124A JP2002143171A JP 2002143171 A JP2002143171 A JP 2002143171A JP 2000340124 A JP2000340124 A JP 2000340124A JP 2000340124 A JP2000340124 A JP 2000340124A JP 2002143171 A JP2002143171 A JP 2002143171A
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fusion
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Shigeyuki Shimaji
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融接接合する縫合糸の両端部を確実に保持で
き、生体組織と干渉することが最小限に抑制されるもの
でありながら、生体組織に近接した部位にて縫合糸の両
端部を融接接合することを可能にした外科縫合糸融接器
を提供することを目的とする。 【解決手段】 生体組織の開口部2を縫合した縫合糸3
の端部10、11同士を、対向する一対の挟持板30、
31におけるL形隅部14、15の近接動作により寄せ
集めて融接するように構成された外科縫合糸融接器にお
いて、前記一対の摺接するL形隅部14、15の表面形
状の一部が一般螺子面19から構成されたことを特徴と
するもので、縫合糸3の両端部10、11の収束の最終
段階において相対移動するL形隅部14、15の対向端
面同士が面接触挙動を示し、従来のものに比較して広い
面積にて縫合糸3の両端部10、11を確実に保持、確
保することが可能となり、熟練者でなくても縫合糸3の
融接を安定して確実かつ迅速に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科手術にて切開
した生体組織開口部を縫合する縫合糸の端部同士を寄せ
集めて融接する縫合糸融接法に使用される外科縫合糸融
接器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図8(A)に示すように、外科手
術にて切開した開口部2における生体組織開口端1、1
のそれぞれに針を使用して縫合糸3を通し、縫合糸3の
両端部を引き締めることで前記開口部2を閉じた後、縫
合糸3の両端部を結節4して、解けないようにする。こ
の縫合糸の結節作業は外科縫合作業で重要な部分を占
め、迅速で正確な作業を要するとともに、手術部位によ
っては緻密な作業となることから、解けにくい結び方に
て結ぶ必要がある結節作りにはかなりの熟練が要求され
た。このような観点から、結節を含めた縫合技術を特殊
技術から脱皮させて、誰にでも行える簡素化された一般
的な技術とすることで、迅速かつ正確な縫合糸の結節が
いつでも高品位にて行えて、施術者にとっても患者にと
っても負担を少なくする試みがなされてきた。
【0003】図8(B)に示すものは、ステープル方式
と称されるもので、切開した開口部2の両側の生体組織
開口端1、1を寄せて接触させた状態にて、コ字形針5
の両端部に返しを形成しつつ生体組織に刺し込んで開口
部2を閉じて固定するものである。このステープル方式
の登場によって、施術者は結節作業からは開放されるこ
とになったものの、組織治癒までの間、金属製等の針を
生体組織に刺し込んだままにするので、その針が体内に
残る虞れがあるという問題があった。
【0004】このような中で登場したのが、図9に示す
「融接法」と称される外科縫合糸結節法である。この融
接法は、本件発明者の提案になるもので、前述した図8
(A)のような縫合糸の両端部を結ぶ結節作業に代え
て、熱により溶融可能なナイロン等のような素材により
構成された糸を縫合糸3として用い、切開した開口部2
における生体組織開口端1、1のそれぞれに針を使用し
て通した縫合糸3の両端部を引き締め、縫合糸3の両端
部を加熱、融合させることで融接接合部6を形成させる
ものである。この融接法にあっては、融接接合部6を形
成する際に、縫合糸3の両端部を確実に引き締めて接触
する程度に寄せ集めることと、融接作業の間、寄せ集め
られた両端部が確実に保持、確保される必要があった。
【0005】図10に示すものは、既に公表した本件発
明者の提案になる外科縫合糸融接器の例である。これ
は、図10(A)に示すように、円板の一部をL字形に
切り欠いてL形隅部14、15をそれぞれ形成した一対
の挟持板12、13を、縫合糸3の両端部10、11を
取り囲む形態にて矢印のように近接させることにより、
図10(B)に示すように、対向する一対のL形隅部1
4、15の絞り込み作用によって、縫合糸3の両端部1
0、11同士を寄せ集めて接触させ、これらをその位置
に保持するものである。その際、L形隅部14、15の
絞り込み作用を可能にするためには、平板からなる円板
状の一対の挟持板12、13は、図10(C)に明瞭に
示すように、側面視で所定の交差角をなしてX字状に互
い違いに食い込む形態にて近接動作がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、前記提案
の外科縫合糸融接器では、縫合糸3の両端部10、11
が、薄板からなる挟持板12、13における細長い断面
同士の交差部分で保持、確保されることになる。この交
差部分は互いのL形隅部14、15の板厚程度の長さの
線接触によって接触するため、縫合糸3の両端部10、
11の表面との接触面積も限られており、あまり大きく
できない。そのため、必ずしも充分な保持力が得られな
いばかりか、所定の交差角をなしてX字状にて互いに交
わる挟持板12、13の組合せでは、近接動作の円滑性
に欠ける上、生体組織と接触する可能性が高くなった。
仮に生体組織が硬い場合には挟持板12、13が組織表
面から浮き上がってしまい、縫合糸が寄せ集められる位
置が生体組織から離れ易くなり、開口部2の引締めに支
障を来す虞れが生じた。
【0007】そのようなことから、縫合糸の両端部を寄
せ集める挟持板12、13におけるL形隅部14、15
の端面同士が接触する部分の面積を広くすること、およ
び挟持板が生体組織に接触しにくいながらも融接接合部
は生体組織に最接近できるようにするため、鋭意研究を
重ねた結果、L形隅部14、15の端面同士の接触に関
しては、図11に示すように、一対の面が相対運動をす
るときに、面として接触をし続けることが可能であれ
ば、縫合糸3の両端部10、11をL形隅部14、15
の端面同士が面にて保持できて、大きな保持力を確保で
きることが知見された。図11に示すように、一対の面
が相対運動をするときに、面として接触をし続けること
が可能なのは、(A)の平面16、16同士の摺接、
(B)の回転面17同士の摺接、(C)の螺子面18と
の摺接の場合であり、これらのうち、平面16や回転面
17は螺子面18の特殊な場合と言えるので、これを一
般螺子面と称し、縫合糸3の両端部10、11を挟持す
る挟持板の薄板におけるL形隅部14、15の端面同士
の形状を一般螺子面とすればよいことが理解された。
【0008】そこで、本発明では、本件発明者による前
記提案の外科縫合糸融接器をさらに改良して、融接接合
する縫合糸の両端部を確実に保持でき、生体組織と干渉
することが最小限に抑制されるものでありながら、生体
組織に近接した部位にて縫合糸の両端部を融接接合する
ことを可能にした外科縫合糸融接器を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、生体
組織開口部を縫合した縫合糸端部同士を、対向する一対
の挟持板におけるL形隅部の近接動作により寄せ集めて
融接するように構成された外科縫合糸融接器において、
前記一対の摺接するL形隅部の表面形状の一部が一般螺
子面から構成されたことを特徴とする。また本発明は、
略直交する2枚の薄板を重合させて接合してL字形に形
成することによって、挟持板を構成したことを特徴とす
る。また本発明は、L形隅部を境として板厚分だけ互い
に板厚方向にずれた摺接面を形成することによって、挟
持板を構成したことを特徴とする。また本発明は、前記
一対の挟持板における少なくとも対向するL形隅部の端
面に面取り部を形成したことを特徴とする。また本発明
は、前記L形隅部の近接動作が、前記一対の挟持板の回
転動作によりなされるように構成されたことを特徴とす
る。また本発明は、前記一対の挟持板が、縫合糸収束点
である前記L形隅部を最下点とする球面に構成されたこ
とを特徴とする。また本発明は、前記一対の挟持板にお
ける組織縫合部と反対側の面に補強用リブを形成したこ
とを特徴とする。また本発明は、前記一対の挟持板を枢
軸により枢着するとともに、L形隅部の反対側を延設し
て一対の握りを形成し、これら握りの把握によって、縫
合糸端部同士をL形隅部に寄せ集めるように構成したこ
とを特徴とする。また本発明は、前記L形隅部の近接位
置に臨設して溶融ヒータを進退自在に配設したことを特
徴とする。また本発明は、前記L形隅部に溶融ヒータを
臨設するとともに、前記一対の握りの把握動作に連動し
て溶融ヒータを作動させるように構成したことを特徴と
する。また本発明は、前記L形隅部における溶融ヒータ
より上部にカッタを配設したことを特徴とするもので、
これらを課題解決のための手段とする。
【0010】
【実施の形態】以下、本発明における外科縫合糸融接器
の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明
の外科縫合糸融接器の第1実施の形態を示すもので、図
1(A)は全体側面図、図1(B)は一対の挟持板の説
明図である。本発明は、図1(A)に示すように、生体
組織開口部2を縫合した縫合糸3の両端部10、11同
士を、対向する一対の挟持板30、31におけるL形隅
部14、15の近接動作により寄せ集めて融接するよう
に構成された外科縫合糸融接器において、前記一対の摺
接するL形隅部14、15の表面形状の一部が一般螺子
面19から構成されたことを特徴とする。詳述すると、
本実施の形態のものは、ペンチやハサミ形態の一対の握
り37のそれぞれの先端側に略L字形の挟持板30、3
1が形成され、これらは挟持板30、31の付け根部分
にて軸孔8、9に挿入された枢軸7によって枢軸心35
の回りに回動操作可能に構成される。
【0011】挟持板30、31は、縫合糸収束部を形成
するそれぞれのL形隅部14、15を境として板厚分だ
け互いに板厚方向にずれた構成とされており、前記枢軸
心35の回りの回動操作を通して挟持板30、31の対
向する平面部が互いに摺接する。これによって、L形隅
部14、15による縫合糸3の両端部10、11の収束
作用を安定して行えるとともに、挟持板30、31にお
ける螺子面19を構成するL形隅部14、15以外の部
分はほぼ生体組織と平行な板状体を呈していることか
ら、生体組織と略平行に移動してこれと干渉することが
ない。しかも、L形隅部14、15についても可能な限
り生体組織に近接させることが可能なので、融接接合部
も可及的に生体組織に近い位置に形成させることができ
て、生体組織開口端1、1を充分に引き締めて開口部2
が弛むことがない。
【0012】最も重要なことは、互いに近接するL形隅
部14、15の対向端面が一般螺子面19を構成するこ
とから、縫合糸3の両端部10、11の寄せ集めの最終
段階において相対移動するL形隅部14、15の対向端
面同士が面接触挙動を示し、従来のものに比較して広い
面積にて縫合糸3の両端部10、11を確実に保持、確
保することが可能となる。本実施の形態では、後述する
図2の第2実施の形態のものより端面同士の接触面積は
やや小さくなり、比較的太い縫合糸の収束の使用に適す
る。このような挟持板3による確実な縫合糸3の両端部
10、11の保持のもとで、寄せ集められた縫合糸3の
両端部10、11に対して、図1(A)に示すように、
握り37に設置された溶融ヒータ36を進行させて加熱
溶融させ、融接接合部6を形成させて縫合を終了する。
以下、これを開口部2の長さ方向に繰り返して多数箇所
の縫合を完了させる。
【0013】図2は本発明の外科縫合糸融接器の第2実
施の形態を示すもので、図2(A)は挟持板の分解平面
図、図2(B)は縫合糸保持時の斜視図、図2(C)は
挟持板の端面の断面図である。本実施の形態では、略直
交する2枚の薄板を重合させて接合してL字形に形成す
ることによって、挟持板を構成したものである。つま
り、左側の挟持板を略直交する2枚の薄板20と21と
を重合させて(薄板20を上側に配置)接合し、右側の
挟持板を略直交する2枚の薄板22と23とを重合させ
て(薄板23を上側に配置)接合して、それぞれ上下に
食い違い状に位置する端面24と25および26と27
から一般螺子面を形成するL形隅部14、15が構成さ
れる。
【0014】図2(B)はこれらの一般螺子面を形成す
るL形隅部14、15の近接動作の最終段階を裏面から
見た図である。これら左右の挟持板における端面24と
25および26と27が相対運動の結果として、2端面
同士24と27、25と26が面接触し合う。また、端
面の接触について、これらの端面は必ずしも平面である
必要はなく、端面同士の接触は線接触となるものの縫合
糸の挟持には充分であることから、両方の端面を共に平
面視で凸面とすることもできる。さらに、図2(B)
(C)に示すように、薄板の表面と端面の交線である角
部がはさみの刃を構成しないように面取りがなされても
よい。本実施の形態のものも、図2(A)の矢印のよう
に並進して相対移動するように構成されてもよいが、前
記第1実施の形態のもののように、L形隅部14、15
の近接動作が、前記一対の挟持板の回転動作によりなさ
れるように構成されるのを好適とする。本実施の形態の
ものでは、L形隅部14、15における一般螺子面を構
成する2端面同士24と27、25と26が充分に面接
触し合うことにより、細い縫合糸であってもこれらを損
傷させる虞れなく対応が可能となる。
【0015】図3は本発明の外科縫合糸融接器の第3実
施の形態を示すもので、全体側面図である。本実施の形
態のものは、一対の挟持板20−21および22−23
が、縫合糸収束点である前記L形隅部14、15を最下
点とする球面に構成されたことを特徴とする。このよう
に構成したので、生体組織表面と挟持板20−21およ
び22−23とが接触するのは縫合糸収束点であるL形
隅部14、15近傍のみであり、挟持板20−21およ
び22−23が生体組織表面と干渉する虞れは殆どな
く、縫合する部位を選ぶことなく比較的多くの人体組織
を対象とした術後の縫合に使用することができる。
【0016】図4は本発明の外科縫合糸融接器の第4実
施の形態を示すもので、挟持板の断面図である。本実施
の形態のものは、一対の挟持板20−21および22−
23が、生体組織に対して斜めの枢軸線35の回りに回
動動作するように構成されたものである。言い換えるな
らば、一対の挟持板20−21および22−23が枢軸
線35を軸心とする円錐面上を相対運動するもので、開
口部2の上方が閉じられて立てたままでの縫合糸融接器
の挿入が不可能な部位の使用に供される。
【0017】図5は本発明の外科縫合糸融接器の第5実
施の形態を示すもので、一対の挟持板20−21および
22−23はS字形の対向面を有するもので、前記図2
の第2実施の形態のものと同様に、20と21、22と
23はそれぞれ上下に重合されて組み合わされている。
そして、本実施の形態では、一対の挟持板20−21お
よび22−23は上方に凸形状を呈しており、回転面の
内側面側を生体組織に接触させて使用するものであり、
生体組織表面が凸状部であり、周囲にあまりスペースが
ない縫合部位の縫合糸融接に使用される。本例では、縫
合糸の収束点は生体組織面から離れることになるが、薄
板の広がりを狭くすることで、収束点と生体組織面との
距離を小さくできる。
【0018】図6は本発明の外科縫合糸融接器の第6実
施の形態を示すもので、前記図2の第2実施の形態のも
のを基本構成とする。図6(A)のものは、前記一対の
挟持板20−21および22−23における組織縫合部
と反対側の面に補強用リブ20Aおよび23Aを形成し
たことを特徴とする。このような構成により、挟持板2
0、23を薄板としても、捩じれたり橈んだりすること
がなく、確実に縫合糸を収束することができる。また、
図6(B)のものは、挟持板の生体組織と接触しない側
の薄板20、23の一部を、21や22と接着されない
部分として一般螺子面から少しずらして、隅部同士が離
れるように構成した例である。このような構成により、
収束される縫合糸の両端部がL形隅部14、15に挟み
込まれることが防止できる。
【0019】図7は本発明の外科縫合糸融接器の第7実
施の形態を示すもので、全体側面図およびL形隅部近傍
の拡大斜視図である。本実施の形態のものは前記図3の
第3実施の形態のものを基本構成とし、挟持板における
L形隅部14、15に溶融ヒータ36を臨設するととも
に、前記一対の握り37の把握動作に連動して溶融ヒー
タ36を作動させるように構成したことを特徴とする。
溶融ヒータ36を設置するために挟持板は幾分厚めに形
成され、対向して形成されるL形隅部14、15の下位
が収束された縫合糸の保持部を形成し、中位が溶融ヒー
タを構成し、上位が後述するカッタ部を形成するように
構成される。一対の握り37あるいは挟持板の対向面に
配設されたスイッチ32が、L形隅部14、15の縫合
糸の収束の終了と同時に閉じて溶融ヒータ36を作動さ
せるように構成される。符号34は外部電源と接続され
て握り37および挟持板内に埋設された電極線を示す。
なお、図示は省略されるが、前記L形隅部における溶融
ヒータ36より上部にカッタを配設し、縫合糸の収束、
保持および融接接合の際に、融接接合部の余剰部を一挙
に切断することができる。
【0020】以上本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の趣旨の範囲内で、補強リブの形成形態を含
む挟持板の平面および側面形状、材質ならびにその握り
との関連構成、握りの形状、L形隅部の形状およびその
螺子面の形成形態、一対の挟持板の相対運動形態(並
進、回転、螺子運動等)、縫合糸の種類および材質、挟
持板の枢着形態、溶融ヒータの形式およびその設置形態
ならびに設置部位、溶融ヒータの作動形態(一対の握り
の把握接触時に閉じるスイッチの他、縫合糸の収束完了
後の所定時間後に自動作動させてもよいし、任意スイッ
チを別途設置してもよい)、カッタの配設形態(握り部
に設置したレバーにより挟持板上面に配設したカッタを
動作させるようにしてもよい)等は、適宜選定できる。
【0021】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、生体組織開
口部を縫合した縫合糸端部同士を、対向する一対の挟持
板におけるL形隅部の近接動作により寄せ集めて融接す
るように構成された外科縫合糸融接器において、前記一
対の摺接するL形隅部の表面形状の一部が一般螺子面か
ら構成されたことにより、縫合糸の両端部の収束の最終
段階において相対移動するL形隅部の対向端面同士が面
接触挙動を示し、従来のものに比較して広い面積にて縫
合糸の両端部を確実に保持、確保することが可能とな
り、熟練者でなくても縫合糸の融接を安定して確実かつ
迅速に行える。
【0022】また、略直交する2枚の薄板を重合させて
接合してL字形に形成することによって、挟持板を構成
した場合は、挟持板が生体組織と略平行に移動してこれ
と干渉することがないので、縫合糸の収束および融接位
置を可能な限り生体組織に近接させて、生体組織開口端
を充分に引き締めて開口部が弛むことがない上に、L形
隅部における一般螺子面を構成する2端面同士が充分に
面接触し合うことにより、細い縫合糸であってもこれら
を損傷させる虞れなく対応が可能となる。さらに、L形
隅部を境として板厚分だけ互いに板厚方向にずれた摺接
面を形成することによって、挟持板を構成した場合は、
挟持板の構成および製作が簡素化される。さらにまた、
前記一対の挟持板における少なくとも対向するL形隅部
の端面に面取り部を形成した場合は、薄板の表面と端面
の交線である角部の刃により縫合糸が破損するようなこ
とはない。
【0023】また、前記L形隅部の近接動作が、前記一
対の挟持板の回転動作によりなされるように構成された
場合は、円滑な挟持板同士の相対摺動の下に確実で容易
に縫合糸の収束動作がなされる。さらに、前記一対の挟
持板が、縫合糸収束点である前記L形隅部を最下点とす
る球面に構成された場合は、生体組織表面と挟持板が接
触するのは縫合糸収束点近傍のみで、挟持板が生体組織
表面と干渉する虞れは殆どなく、縫合する部位を選ぶこ
となく比較的多くの人体組織を対象とした術後の縫合に
使用することができる。さらにまた、前記一対の挟持板
における組織縫合部と反対側の面に補強用リブを形成し
た場合は、挟持板を薄板としても、捩じれたり橈んだり
することがなく、確実に縫合糸を収束することができ
る。
【0024】また、前記一対の挟持板を枢軸により枢着
するとともに、L形隅部の反対側を延設して一対の握り
を形成し、これら握りの把握によって、縫合糸端部同士
をL形隅部に寄せ集めるように構成した場合は、はさみ
やペンチのように一対の握りの把持動作によって、簡便
に縫合糸の保持および融接作業を行える。さらに、前記
L形隅部の近接位置に臨設して溶融ヒータを進退自在に
配設した場合は、保持した縫合糸を確実に融接すること
ができる。さらにまた、前記L形隅部に溶融ヒータを臨
設するとともに、前記一対の握りの把握動作に連動して
溶融ヒータを作動させるように構成した場合は、握りの
把握動作のみにて縫合糸の収束、保持および融接の一連
の作業が一挙に行える。
【0025】また、前記L形隅部における溶融ヒータよ
り上部にカッタを配設した場合は、握りの把握動作のみ
にて縫合糸の収束、保持および融接に加えて縫合糸の余
剰部分の切断までも一挙に行えて作業の効率化が促進さ
れる。かくして、本発明によれば、融接接合する縫合糸
の両端部を確実に保持でき、生体組織と干渉することが
最小限に抑制されるものでありながら、生体組織に近接
した部位にて縫合糸の両端部を融接接合することを可能
にした外科縫合糸融接器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外科縫合糸融接器の第1実施の形態を
示すもので、図1(A)は全体側面図、図1(B)は一
対の挟持板の説明図である。
【図2】本発明の外科縫合糸融接器の第2実施の形態を
示すもので、図2(A)は挟持板の分解平面図、図2
(B)は縫合糸保持時の斜視図、図2(C)は挟持板の
端面の断面図である。
【図3】本発明の外科縫合糸融接器の第3実施の形態を
示す全体側面図である。
【図4】本発明の外科縫合糸融接器の第4実施の形態を
示す挟持板の断面図である。
【図5】本発明の外科縫合糸融接器の第5実施の形態を
示す説明図である。
【図6】本発明の外科縫合糸融接器の第6実施の形態を
示す挟持板の斜視図である。
【図7】本発明の外科縫合糸融接器の第7実施の形態を
示すもので、全体側面図およびL形隅部近傍の拡大斜視
図である。
【図8】従来の外科縫合の説明図である。
【図9】融接による外科縫合の説明図である。
【図10】本発明の背景となった外科縫合糸融接器の説
明図である。
【図11】面接触相対運動の説明図である。
【符号の説明】
1 生体組織開口端 2 開口部 3 縫合糸 6 融接接合部 7 枢軸 8、9 軸孔 10、11 糸端部 14、15 L形隅部 19 螺子面 20、21 第1挟持板(薄板) 22、23 第2挟持板(薄板) 24〜27 端面 30 第1挟持板 31 第2挟持板 32 ヒータスイッチ 34 電極線 35 枢軸心 36 溶融ヒータ 37 握り

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体組織開口部を縫合した縫合糸端部同
    士を、対向する一対の挟持板におけるL形隅部の近接動
    作により寄せ集めて融接するように構成された外科縫合
    糸融接器において、前記一対の摺接するL形隅部の表面
    形状の一部が一般螺子面から構成されたことを特徴とす
    る外科縫合糸融接器。
  2. 【請求項2】 略直交する2枚の薄板を重合させて接合
    してL字形に形成することによって、挟持板を構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の外科縫合糸融接器。
  3. 【請求項3】 L形隅部を境として板厚分だけ互いに板
    厚方向にずれた摺接面を形成することによって、挟持板
    を構成したことを特徴とする請求項1に記載の外科縫合
    糸融接器。
  4. 【請求項4】 前記一対の挟持板における少なくとも対
    向するL形隅部の端面に面取り部を形成したことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の外科縫合糸
    融接器。
  5. 【請求項5】 前記L形隅部の近接動作が、前記一対の
    挟持板の回転動作によりなされるように構成されたこと
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の外科
    縫合糸融接器。
  6. 【請求項6】 前記一対の挟持板が、縫合糸収束点であ
    る前記L形隅部を最下点とする球面に構成されたことを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の外科縫
    合糸融接器。
  7. 【請求項7】 前記一対の挟持板における組織縫合部と
    反対側の面に補強用リブを形成したことを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれかに記載の外科縫合糸融接器。
  8. 【請求項8】 前記一対の挟持板を枢軸により枢着する
    とともに、L形隅部の反対側を延設して一対の握りを形
    成し、これら握りの把握によって、縫合糸端部同士をL
    形隅部に寄せ集めるように構成したことを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の外科縫合糸融接器。
  9. 【請求項9】 前記L形隅部の近接位置に臨設して溶融
    ヒータを進退自在に配設したことを特徴とする請求項1
    ないし8のいずれかに記載の外科縫合糸融接器。
  10. 【請求項10】 前記L形隅部に溶融ヒータを臨設する
    とともに、前記一対の握りの把握動作に連動して溶融ヒ
    ータを作動させるように構成したことを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれかに記載の外科縫合糸融接器。
  11. 【請求項11】 前記L形隅部における溶融ヒータより
    上部にカッタを配設したことを特徴とする請求項10に
    記載の外科縫合糸融接器。
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