JP2002142758A - 培養基質及び培養器 - Google Patents
培養基質及び培養器Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M25/00—Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
- C12M25/14—Scaffolds; Matrices
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M41/00—Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
- C12M41/12—Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of temperature
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 細胞膜が凍結傷害により培養基質に対する細
胞接着性が低下した細胞を使用した場合でも、分離直後
の初代細胞と同等の接着率が得られ、かつ従来の培養法
と比較してより生体内に近い細胞の状態を維持できる培
養基質及び培養器を提供すること。 【解決手段】 ペプシン処理したコラーゲンを主成分と
し、テロペプチド鎖を有するコラーゲンがペプシン処理
したコラーゲンに対して1:100〜1:1の重量比で
含まれている接着性動物細胞の培養基質であって、さら
に容器内部に培養基質のゲルを形成していることを特徴
とする培養器。
胞接着性が低下した細胞を使用した場合でも、分離直後
の初代細胞と同等の接着率が得られ、かつ従来の培養法
と比較してより生体内に近い細胞の状態を維持できる培
養基質及び培養器を提供すること。 【解決手段】 ペプシン処理したコラーゲンを主成分と
し、テロペプチド鎖を有するコラーゲンがペプシン処理
したコラーゲンに対して1:100〜1:1の重量比で
含まれている接着性動物細胞の培養基質であって、さら
に容器内部に培養基質のゲルを形成していることを特徴
とする培養器。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組織培養、細胞培
養などの分野で利用される培養基質及び培養器に関する
ものである。
養などの分野で利用される培養基質及び培養器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】生体の組織および細胞を生体外にて培養
を行うことは、生物学、医学、薬学など生物を対象とす
る全ての研究領域において不可欠な技術である。最近の
創薬研究では、臨床試験前に動物あるいは動物由来の細
胞で人における薬物の効果、動態、安全性を評価するの
に十分な情報を得ることができないために、ヒトの正常
細胞の使用が望まれている。しかし血液細胞や表皮細胞
など一部を除いてヒトの細胞の入手は非常に困難であ
り、海外から輸入される凍結された初代細胞を用いざる
をえない。細胞を凍結する方法は、細胞を保存、輸送す
る方法として株化細胞、初代細胞を問わず広く用いられ
ており、凍結された細胞は37℃で速やかに解凍し培養
器に播種することで再び培養を開始することが可能であ
る。
を行うことは、生物学、医学、薬学など生物を対象とす
る全ての研究領域において不可欠な技術である。最近の
創薬研究では、臨床試験前に動物あるいは動物由来の細
胞で人における薬物の効果、動態、安全性を評価するの
に十分な情報を得ることができないために、ヒトの正常
細胞の使用が望まれている。しかし血液細胞や表皮細胞
など一部を除いてヒトの細胞の入手は非常に困難であ
り、海外から輸入される凍結された初代細胞を用いざる
をえない。細胞を凍結する方法は、細胞を保存、輸送す
る方法として株化細胞、初代細胞を問わず広く用いられ
ており、凍結された細胞は37℃で速やかに解凍し培養
器に播種することで再び培養を開始することが可能であ
る。
【0003】この時、凍結、解凍を行なうことによって
浸透圧の変化などが起こり、細胞の生存率が低下したり
機能が維持しなかったりするが、株化細胞、初代の繊維
芽細胞、上皮細胞、血管内皮細胞等は、凍結によって細
胞が傷害を受けても増殖力が旺盛であるため培養細胞数
を回復することが可能であり、上記の方法を適用するこ
とができる。
浸透圧の変化などが起こり、細胞の生存率が低下したり
機能が維持しなかったりするが、株化細胞、初代の繊維
芽細胞、上皮細胞、血管内皮細胞等は、凍結によって細
胞が傷害を受けても増殖力が旺盛であるため培養細胞数
を回復することが可能であり、上記の方法を適用するこ
とができる。
【0004】一方、細胞の培養技術として、培養器の培
養面上で単層ではなく生体内に近い凝集塊の形態で培養
を行ない細胞本来の機能を発現させる方法が種々開発さ
れており、コラーゲンゲルに包埋して、またはそのゲル
上で培養する方法がある。コラーゲンゲル上で培養する
方法として、特開平3−4780号公報では、培養基質
の細胞接着性を低下することで細胞と培養基質との相互
作用を制御し、コラーゲンゲル上で三次元的な培養形態
を形成して細胞の特異機能を維持、発現する培養細胞を
得る技術が開示されている。
養面上で単層ではなく生体内に近い凝集塊の形態で培養
を行ない細胞本来の機能を発現させる方法が種々開発さ
れており、コラーゲンゲルに包埋して、またはそのゲル
上で培養する方法がある。コラーゲンゲル上で培養する
方法として、特開平3−4780号公報では、培養基質
の細胞接着性を低下することで細胞と培養基質との相互
作用を制御し、コラーゲンゲル上で三次元的な培養形態
を形成して細胞の特異機能を維持、発現する培養細胞を
得る技術が開示されている。
【0005】しかし、凍結された初代細胞が増殖をあま
り行なわない種類である場合、凍結障害によって生存率
は低下し培養細胞数を回復することは困難であり、接着
性細胞では細胞膜に凍結傷害があると培養基質に対する
細胞接着性が低下する。前述のコラーゲンゲルに包埋す
る培養方法では、傷害をもつ細胞が培養により回復する
ことを期待できるが、多数の死細胞を除去することが出
来ず適切な培養環境を得ることが出来なかった。前記の
特開平3−4780号公報に開示された培養方法で凍
結、解凍後の細胞の培養を行なうと、細胞と培養基質の
接着性の低下が過度になり、細胞の接着率が著しく低下
する問題があった。
り行なわない種類である場合、凍結障害によって生存率
は低下し培養細胞数を回復することは困難であり、接着
性細胞では細胞膜に凍結傷害があると培養基質に対する
細胞接着性が低下する。前述のコラーゲンゲルに包埋す
る培養方法では、傷害をもつ細胞が培養により回復する
ことを期待できるが、多数の死細胞を除去することが出
来ず適切な培養環境を得ることが出来なかった。前記の
特開平3−4780号公報に開示された培養方法で凍
結、解凍後の細胞の培養を行なうと、細胞と培養基質の
接着性の低下が過度になり、細胞の接着率が著しく低下
する問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コラーゲン
ゲル上で凍結、解凍等により接着性が低下した細胞の培
養を行なうときのこのような問題を解決しようとしたも
のであり、その目的とするところは細胞膜が凍結傷害に
より培養基質に対する細胞接着性が低下した細胞が存在
する時に、分離直後の初代細胞と同等の接着率が得ら
れ、かつ従来の培養法と比較してより生体内に近い細胞
の状態を維持できる培養基質と培養器を提供することで
ある。
ゲル上で凍結、解凍等により接着性が低下した細胞の培
養を行なうときのこのような問題を解決しようとしたも
のであり、その目的とするところは細胞膜が凍結傷害に
より培養基質に対する細胞接着性が低下した細胞が存在
する時に、分離直後の初代細胞と同等の接着率が得ら
れ、かつ従来の培養法と比較してより生体内に近い細胞
の状態を維持できる培養基質と培養器を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(1)ペ
プシン処理したコラーゲンとテロペプチド鎖を有するコ
ラーゲンが重量比で100:1〜1:1の割合で混合し
ていることを特徴とする培養基質、(2)培養基質を含
有する溶液のpHが6.5〜8である(1)記載の培養
基質、(3)容器内部に(1)又は(2)記載の培養基
質のゲルを形成していることを特徴とする培養器、
(4)培養器が凍結保存後に解凍した初代の接着性動物
細胞の培養に用いられる(3)記載の培養器、(5)初
代の接着性動物細胞が肝細胞である(4)記載の培養器
である。
プシン処理したコラーゲンとテロペプチド鎖を有するコ
ラーゲンが重量比で100:1〜1:1の割合で混合し
ていることを特徴とする培養基質、(2)培養基質を含
有する溶液のpHが6.5〜8である(1)記載の培養
基質、(3)容器内部に(1)又は(2)記載の培養基
質のゲルを形成していることを特徴とする培養器、
(4)培養器が凍結保存後に解凍した初代の接着性動物
細胞の培養に用いられる(3)記載の培養器、(5)初
代の接着性動物細胞が肝細胞である(4)記載の培養器
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いるテロペプチド鎖を
有するコラーゲンとしては、酸可溶性I型コラーゲンが
好ましい。酸可溶性I型コラーゲンは一般には酸性溶液
として入手することが可能であり、動物の真皮などから
酢酸などの酸により抽出して得られテロペプチド鎖を有
している。
有するコラーゲンとしては、酸可溶性I型コラーゲンが
好ましい。酸可溶性I型コラーゲンは一般には酸性溶液
として入手することが可能であり、動物の真皮などから
酢酸などの酸により抽出して得られテロペプチド鎖を有
している。
【0009】本発明に用いるペプシン処理したコラーゲ
ンとしては酸可溶性I型コラーゲンからペプシン酵素に
よってテロペプチド鎖を取り除いたもの、あるいは動物
の真皮などからペプシン酵素を用いて得られたものが好
ましい。酸可溶性I型コラーゲンと同様に酸性溶液とし
て入手することが可能である。
ンとしては酸可溶性I型コラーゲンからペプシン酵素に
よってテロペプチド鎖を取り除いたもの、あるいは動物
の真皮などからペプシン酵素を用いて得られたものが好
ましい。酸可溶性I型コラーゲンと同様に酸性溶液とし
て入手することが可能である。
【0010】本発明の培養基質はペプシン処理したコラ
ーゲンの酸性溶液と酸可溶性I型コラーゲンの酸性溶液
を混合し、溶液中に含まれるペプシン処理したコラーゲ
ンと酸可溶性I型コラーゲンの重量比で100:1〜
1:1の割合に調整することで作製可能である。
ーゲンの酸性溶液と酸可溶性I型コラーゲンの酸性溶液
を混合し、溶液中に含まれるペプシン処理したコラーゲ
ンと酸可溶性I型コラーゲンの重量比で100:1〜
1:1の割合に調整することで作製可能である。
【0011】特開平3−4780号公報に開示されてい
るような培養器を作製したときに、溶解しているペプシ
ン処理したコラーゲンの重量100に対して酸可溶性I
型コラーゲンの重量が1未満では細胞接着率が改善され
ず、酸可溶性I型コラーゲンがペプシン処理したコラー
ゲンよりも多くなると、細胞と培養基質との接着性が強
くなりすぎて細胞は平面あるいは針状の形態となり、ほ
とんどの場合は3次元的な培養形態を形成できないた
め、細胞の機能維持、発現が困難になる。
るような培養器を作製したときに、溶解しているペプシ
ン処理したコラーゲンの重量100に対して酸可溶性I
型コラーゲンの重量が1未満では細胞接着率が改善され
ず、酸可溶性I型コラーゲンがペプシン処理したコラー
ゲンよりも多くなると、細胞と培養基質との接着性が強
くなりすぎて細胞は平面あるいは針状の形態となり、ほ
とんどの場合は3次元的な培養形態を形成できないた
め、細胞の機能維持、発現が困難になる。
【0012】しかし、本発明の培養基質の調整方法は上
記記載の方法に限定されたものではなく、たとえば、ペ
プシン処理したコラーゲンを調製する為に、酸可溶性I
型コラーゲンからペプシン酵素によってテロペプチド鎖
の切断を行なう工程で、反応終了に必要な時間より短縮
するなどの手段により、テロペプチド鎖が切断されてい
ない未反応のコラーゲンを含ませることでも可能であ
る。
記記載の方法に限定されたものではなく、たとえば、ペ
プシン処理したコラーゲンを調製する為に、酸可溶性I
型コラーゲンからペプシン酵素によってテロペプチド鎖
の切断を行なう工程で、反応終了に必要な時間より短縮
するなどの手段により、テロペプチド鎖が切断されてい
ない未反応のコラーゲンを含ませることでも可能であ
る。
【0013】本発明では培養基質を、特開平3−478
0号公報に開示の培養器のように、氷冷下で緩衝液を加
え、 pH6.5〜8に中和化してシャーレ底面に分注
し、37℃での加温によりゲル化することで、好適な培
養器を得ることが可能である。また培養基質を10倍量
のPBSで希釈した後、培養器に分注して塗布、乾燥す
ることによりコートすることも可能であるが、シャーレ
にコートする場合では培養環境が生体内の環境と異な
り、3次元的な培養形態を形成できないため、細胞の機
能維持、発現が困難になる。
0号公報に開示の培養器のように、氷冷下で緩衝液を加
え、 pH6.5〜8に中和化してシャーレ底面に分注
し、37℃での加温によりゲル化することで、好適な培
養器を得ることが可能である。また培養基質を10倍量
のPBSで希釈した後、培養器に分注して塗布、乾燥す
ることによりコートすることも可能であるが、シャーレ
にコートする場合では培養環境が生体内の環境と異な
り、3次元的な培養形態を形成できないため、細胞の機
能維持、発現が困難になる。
【0014】本発明で用いる培養器の種類には特に限定
はなく、前述したシャーレを始めとして、マルチウエル
プレート、培養フラスコ、微細孔を有するスポンジ状の
培養用担体でも利用できる。本発明の培養基質上で培養
される細胞は、接着性の動物細胞であれば特に限定しな
い。接着性の動物細胞であっても、初代の肝細胞、膵細
胞など増殖力が旺盛でない培養細胞に好適であり、特に
凍結保存による傷害をうけ接着率が低下した細胞に対し
て好適である。
はなく、前述したシャーレを始めとして、マルチウエル
プレート、培養フラスコ、微細孔を有するスポンジ状の
培養用担体でも利用できる。本発明の培養基質上で培養
される細胞は、接着性の動物細胞であれば特に限定しな
い。接着性の動物細胞であっても、初代の肝細胞、膵細
胞など増殖力が旺盛でない培養細胞に好適であり、特に
凍結保存による傷害をうけ接着率が低下した細胞に対し
て好適である。
【0015】
【実施例】本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明す
る。 (実施例)酸可溶性I型コラーゲンの0.3(重量/体
積)%酸性溶液の溶液量1に対し、ペプシン処理したI
型コラーゲン0.3(重量/体積)%酸性溶液を1、
2、3、9、19、または100の溶液量で混合し、こ
れらを培養基質として用いた。これらの培養基質に10
倍濃度PBS(−)およびpH調整用にNaOH+Na
HC03溶液を8:1:1の割合で混合し、0.24%
コラーゲン中性溶液を調製した。この溶液を直径35m
mのポリスチレン製培養用シャーレに1ml分注し、3
7℃で加温してゲルを形成した。
る。 (実施例)酸可溶性I型コラーゲンの0.3(重量/体
積)%酸性溶液の溶液量1に対し、ペプシン処理したI
型コラーゲン0.3(重量/体積)%酸性溶液を1、
2、3、9、19、または100の溶液量で混合し、こ
れらを培養基質として用いた。これらの培養基質に10
倍濃度PBS(−)およびpH調整用にNaOH+Na
HC03溶液を8:1:1の割合で混合し、0.24%
コラーゲン中性溶液を調製した。この溶液を直径35m
mのポリスチレン製培養用シャーレに1ml分注し、3
7℃で加温してゲルを形成した。
【0016】培養液には、10-7Mインシュリン、10
-7Mデキサメサゾン、EGF10ng/ml、DMSO
2%、亜セレン酸ナトリウム10-7Mを含有するL15
培地を用いた。培養細胞は予めコラゲナーゼ灌流法によ
りウィスターラット(オス、6週令)より肝実質細胞を
採取して、既知の手法により凍結をおこない液体窒素中
で保存した。液体窒素より細胞を取りだし37℃の水槽
にて急速に解凍し、遠心分離操作で精製した後、培養液
に分散して生存率64%の肝細胞の懸濁液を得た。この
細胞を前述の培養基質のゲルを形成したシャーレ当たり
5×105個の細胞を播種して、培養2時間後の細胞接
着率を計測した。
-7Mデキサメサゾン、EGF10ng/ml、DMSO
2%、亜セレン酸ナトリウム10-7Mを含有するL15
培地を用いた。培養細胞は予めコラゲナーゼ灌流法によ
りウィスターラット(オス、6週令)より肝実質細胞を
採取して、既知の手法により凍結をおこない液体窒素中
で保存した。液体窒素より細胞を取りだし37℃の水槽
にて急速に解凍し、遠心分離操作で精製した後、培養液
に分散して生存率64%の肝細胞の懸濁液を得た。この
細胞を前述の培養基質のゲルを形成したシャーレ当たり
5×105個の細胞を播種して、培養2時間後の細胞接
着率を計測した。
【0017】(比較例1)ペプシン処理したI型コラー
ゲン酸性溶液に、10倍濃度PBS(−)およびpH調
整用にNaOH+NaHCO3溶液を8:1:1の割合
で混合し、0.24%コラーゲン中性溶液を調製した。
この溶液を直径35mmのポリスチレン製培養用シャー
レに1ml分注し、37℃で加温してコラーゲンゲルを
形成した。これに実施例に記載した懸濁液の細胞を播種
して、同様に接着率を計測した。
ゲン酸性溶液に、10倍濃度PBS(−)およびpH調
整用にNaOH+NaHCO3溶液を8:1:1の割合
で混合し、0.24%コラーゲン中性溶液を調製した。
この溶液を直径35mmのポリスチレン製培養用シャー
レに1ml分注し、37℃で加温してコラーゲンゲルを
形成した。これに実施例に記載した懸濁液の細胞を播種
して、同様に接着率を計測した。
【0018】(比較例2)ペプシン処理したI型コラー
ゲンの0.3重量%酸性溶液をPBSで100倍に希釈
した溶液を、直径35mmのポリスチレン製培養用シャ
ーレに1ml分注し、37℃で加温してコラーゲンコー
ト層を形成した。これに実施例に記載した懸濁液の細胞
を播種して、同様に接着率を計測した。
ゲンの0.3重量%酸性溶液をPBSで100倍に希釈
した溶液を、直径35mmのポリスチレン製培養用シャ
ーレに1ml分注し、37℃で加温してコラーゲンコー
ト層を形成した。これに実施例に記載した懸濁液の細胞
を播種して、同様に接着率を計測した。
【0019】(比較例3)比較例3では凍結障害を持た
ない細胞の培養例を記す。ペプシン処理したI型コラー
ゲン酸性溶液に、10倍濃度PBS(−)およびpH調
整用にNaOH+NaHCO3溶液を8:1:1の割合
で混合し、0.24%コラーゲン中性溶液を調製した。
この溶液を直径35mmのポリスチレン製培養用シャー
レに1ml分注し、37℃で加温してコラーゲンゲルを
形成した。これに実施例に記載したラットより採取した
直後の細胞(生存率86%)を播種して、同様に接着率
を計測した。
ない細胞の培養例を記す。ペプシン処理したI型コラー
ゲン酸性溶液に、10倍濃度PBS(−)およびpH調
整用にNaOH+NaHCO3溶液を8:1:1の割合
で混合し、0.24%コラーゲン中性溶液を調製した。
この溶液を直径35mmのポリスチレン製培養用シャー
レに1ml分注し、37℃で加温してコラーゲンゲルを
形成した。これに実施例に記載したラットより採取した
直後の細胞(生存率86%)を播種して、同様に接着率
を計測した。
【0020】試験例 実施例、比較例1、2、3の細胞を播種した2時間後に
培養上清を採取して、上清中の細胞数を計測した。接着
率は播種細胞数、生存率と上清中の細胞数より算出し
た。測定の結果は表1に示した通りである。この表1の
結果からも明らかのように、この発明の方法によって培
養された細胞の接着性の向上に有効であり、通常の細胞
と同様に接着できることが確認された。
培養上清を採取して、上清中の細胞数を計測した。接着
率は播種細胞数、生存率と上清中の細胞数より算出し
た。測定の結果は表1に示した通りである。この表1の
結果からも明らかのように、この発明の方法によって培
養された細胞の接着性の向上に有効であり、通常の細胞
と同様に接着できることが確認された。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明によって、細胞膜が凍結傷害によ
り培養基質に対する細胞接着性が低下した細胞を使用し
た場合でも、分離直後の初代細胞と同等の接着率が得ら
れ、かつ従来の培養法と比較してより生体内に近い細胞
の状態で維持することが可能となる。
り培養基質に対する細胞接着性が低下した細胞を使用し
た場合でも、分離直後の初代細胞と同等の接着率が得ら
れ、かつ従来の培養法と比較してより生体内に近い細胞
の状態で維持することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12M 1/00 (C12M 1/00 C C12R 1:91) C12R 1:91)
Claims (5)
- 【請求項1】 ペプシン処理したコラーゲンとテロペプ
チド鎖を有するコラーゲンが重量比で100:1〜1:
1の割合で混合していることを特徴とする培養基質。 - 【請求項2】 培養基質を含有する溶液のpHが6.5
〜8である請求項1記載の培養基質。 - 【請求項3】 容器内部に請求項1又は2記載の培養基
質のゲルを形成していることを特徴とする培養器。 - 【請求項4】 培養器が凍結保存後に解凍した初代の接
着性動物細胞の培養に用いられる請求項3記載の培養
器。 - 【請求項5】 初代の接着性動物細胞が肝細胞である請
求項4記載の培養器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000342022A JP2002142758A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | 培養基質及び培養器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000342022A JP2002142758A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | 培養基質及び培養器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002142758A true JP2002142758A (ja) | 2002-05-21 |
Family
ID=18816655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000342022A Pending JP2002142758A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | 培養基質及び培養器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002142758A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015211858A (ja) * | 2006-10-06 | 2015-11-26 | アントフロゲネシス コーポレーション | ヒト胎盤コラーゲン組成物、並びにそれらの製造方法及び使用方法 |
-
2000
- 2000-11-09 JP JP2000342022A patent/JP2002142758A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015211858A (ja) * | 2006-10-06 | 2015-11-26 | アントフロゲネシス コーポレーション | ヒト胎盤コラーゲン組成物、並びにそれらの製造方法及び使用方法 |
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