JP2002139989A - 参加型多人数会話システム - Google Patents

参加型多人数会話システム

Info

Publication number
JP2002139989A
JP2002139989A JP2000333073A JP2000333073A JP2002139989A JP 2002139989 A JP2002139989 A JP 2002139989A JP 2000333073 A JP2000333073 A JP 2000333073A JP 2000333073 A JP2000333073 A JP 2000333073A JP 2002139989 A JP2002139989 A JP 2002139989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
creature
utterance
creatures
person
conversation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000333073A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Okada
美智男 岡田
Shoji Sakamoto
彰司 坂本
Noriko Suzuki
紀子 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATR Media Integration and Communication Research Laboratories
Original Assignee
ATR Media Integration and Communication Research Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ATR Media Integration and Communication Research Laboratories filed Critical ATR Media Integration and Communication Research Laboratories
Priority to JP2000333073A priority Critical patent/JP2002139989A/ja
Publication of JP2002139989A publication Critical patent/JP2002139989A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrically Operated Instructional Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 2つのクリーチャ10aおよび10bと人間
1とが参加する参加型多人数会話システム100が構成
される。クリーチャ10aおよび10bは、人間1を含
む他者の発話に対してコミットするかどうか判断し、コ
ミットする場合には、その他者に対してアドレスを向
け、自分を聞き手として認識するとともに、他者を話し
手として確定する。その後、話し手と聞き手との間で発
話が繰り返される。そして、コミットを継続する場合に
は、さらに、発話が繰り返され、会話が連鎖する。 【効果】 人間が参与しなくても動作が進み、そのため
に人間は話し手や聞き手としてだけではなく、傍観者と
して振舞うことができ、たとえば外国語学習支援システ
ムに利用すると、学習者の持続的な学習が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、参加型多人数会話シ
ステムに関し、特にたとえば外国語学習を支援するもの
で、2以上の自律したクリーチャ(またはエージェン
ト)を利用して多人数会話の環境を生成し、学習者のそ
の会話への参加を可能にする、新規な参加型多人数会話
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】英会話などの外国語学習に対する支援環
境について考えてみると、ネイティブの人やその集団と
の会話を継続的に実行することが、最も望ましい環境で
あることは論を待たない。ネイテイブな言語使用者の発
話や発音あるいはリズムに直接触れることができるとい
う表面的な理由の他、実際の対人環境での学習者の意欲
や継続性を刺激するという社会的構造が大きな要因とし
て挙げられる。
【0003】しかしながら、このような環境は誰でもが
享受できるものではない。つまり、海外で生活すること
や英会話教室的に出席することは、一般的に、時間的お
よび/または地域的制約がある。
【0004】斯かる理想的環境の代替手段としては、こ
れまで、英会話教育用のテープを聞いたりビデオを見た
り、そのための放送番組を視聴するという方法が一般的
であた。しかしながら、このように一方的な音声や映像
を視聴するだけの学習環境では、外国語学習に最も重要
と考えられている、会話の場に参与するという側面が欠
如してしまい、十分な学習効果があがらないので実情で
ある。
【0005】また、一方的に聞き取ったものを自分で繰
り返して覚えるという方法は、パターンプラクティスと
呼ばれているものであるが、そうした繰り返し練習は、
一般に、退屈で苦痛なもので、それを継続し習慣化する
ことはなかなかできない。また、この方法では、その会
話の場面や状況を学習者が仮想的に構築する必要があ
り、これもまた困難なことである。
【0006】最近では、幾つかの対話型外国語学習支援
システムが提案され実現されている。たとえば、オンラ
インでの学習システム、あるいは対話型で決められた役
割に参与するもの、電子メールで質疑応答するものなど
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような対話型学習
支援システムでは、学習者からの応答(インタラクショ
ン)を常に要求する。つまり、学習者が何も関わらない
状況では、システムの動作が前に進まない。したがっ
て、従来の支援システムでは、結果的に学習者をシステ
ムに縛りつけるという状況を作り出してしまい、その結
果、システムひいては学習そのものに興味を失ってしま
う可能性がある。
【0008】それゆえに、この発明の主たる目的は、外
国語学習の支援システムなどとして利用可能な、新規
な、参加型多人数会話システムを提供することである。
【0009】この発明の他の目的は、学習者の学習意欲
や興味を持続させることができる、参加型多人数会話シ
ステムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に従った参加型
多人数会話システムは、複数のクリーチャと学習者とで
会話を連鎖できる参加型多人数会話システムであって、
各々のクリーチャは、他者の発話に対してコミットする
かどうかを判断する第1判断手段と、コミットしないと
判断したとき新たな発話を生成する生成手段と、コミッ
トすると判断したとその他者にアドレスを向ける手段と
を含む、システムである。
【0011】
【作用】クリーチャが人間を含む他者の発話に対してコ
ミットするかどうか判断し、コミットする場合には、そ
の他者に対してアドレスを向け、自分を聞き手として認
識するとともに、他者を話し手として確定する。その
後、話し手と聞き手との間で発話が繰り返される。そし
て、コミットの継続を第2判断手段によって判断し、継
続させる場合、さらに、発話が繰り返され、会話が連鎖
する。
【0012】ただし、コミットしないと判断した場合、
あるいはコミットを継続しないと判断したとき、アドレ
スを外し、新たな発話を生成して聞き手となるべき相手
を探す。
【0013】
【発明の効果】この発明によれば、他者の発話に対して
人間がコミットしてもしなくても動作が進み、人間がシ
ステムに拘束されることがない。したがって、外国語学
習支援システム等に利用すれば、学習者が興味を失うこ
となく、持続的に学習できる。
【0014】この発明のその他の目的,特徴および利点
は、添付図面に関連して行われる以下の実施例の詳細な
説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】図1を参照して、この実施例の参加型多人数
会話システム100は、学習者としての人間1と、複数
の(この実施例では2つの)仮想的な生命体(以下、単
に「クリーチャ」と称する。)10aおよび10bとで
構成される。なお、図1では、1つのクリーチャ10a
が正面を向き、他のクリーチャ10bが側面を向いて図
示される。そして、2つのクリーチャ10aおよび10
bは全く同一のものである。したがって、以下の説明で
は、特に区別する必要なければ、クリーチャ10aおよ
び10bを同じものとして、参照番号「10」で示すこ
とにする。
【0016】なお、クリーチャ10の形態は、この実施
例のようなものに限らず、一般的なパーソナルロボット
のような形態のものであってもよい。
【0017】この実施例では、学習者の興味を一層増す
ことができるように、実施例のようなクリーチャ10を
用いる。このクリーチャ10は、全体として、ティアド
ロップ(雨滴)形状である外被12を含む。この外被1
2は、柔軟で人が触って気持ちのいい材料、たとえば発
泡ウレタン等によって形成される。外被12は、後述の
球形の内殻に被せられる球形部14と、その球形部14
の頂部から延びかつ先細りの先端が丸みを持って形成さ
れる頭尾16とを含む。この頭尾16には、図1に示す
ように、たとえば金属やプラスチックあるいは合成ゴム
のような弾性体からなる棒状の芯材17が内蔵されてい
て、したがって、頭尾16は、前後左右に連続的に揺動
する。この頭尾16は、後述の透明球殻18とともに、
クリーチャ10がそのときに取る姿勢や方向を強調する
機能を果たす。すなわち、会話システムにおけるアドレ
ス機能を果たす。なお、この芯材17は、後に説明する
内部構造物24(図2)によって基端が支持される。
【0018】また、外被12の頭尾16の材質は、上述
のようにウレタン系やゴムなどの素材で作られており、
クリーチャ10の全体的な動きを弾性的な揺動に変換す
る機能を果たし、その揺動は、ユーザに対して、その頭
尾16に触って質感を確かめるなどの振る舞いを誘発す
る。
【0019】このように、この実施例のクリーチャ10
の外被12は、略球形の球形部14と頭尾16とを有
し、それを見る人間に解釈の多義性を与える。すなわ
ち、球形部14は、頭とも胴とも解釈でき、頭尾16
は、角ともしっぽとも解釈できる。つまり、実在する生
物とは異なる形状を持つため、ユーザは、このような形
状から機能や性格を特定することが難しく、「触る」、
「声を掛ける」、「覗き込む」、「手を振る」、「音を
立てる」などの多様な関与を引き出すことができる。し
たがって、会話システム10に利用した場合、学習者の
興味を持続させることが期待できる。
【0020】外被12の適宜の位置に、たとえば透明プ
ラスチックからなる透明球殻18が露出する。その透明
球殻18は、外被12内に設けられたカラーカメラ20
のレンズ20a(図2)を覆う。したがって、カメラ2
0は、透明球殻18を通して、外部の人や風景を撮影す
ることができる。つまり、実施例のクリーチャ10は、
上述のように頭とも胴とも解釈できる球形部14のほぼ
中心に、透明球殻18を有する。多くの動物は通常2つ
の眼球を有するのに対し、実施例クリーチャ10は、1
つの透明球殻18をもつだけであるので、この球殻18
は、たとえば「動物の眼球」として、あるいは「口」と
して解釈される。したがって、この透明球殻18は非常
に強いポインティング機能を発揮し、そのために会話シ
ステムにおけるアドレス表示機能を担う。
【0021】なお、この透明球殻18の内部に外から見
えるようにアイリス(絞り)19を設け、後に説明する
手段によって、そのアイリスを、たとえば外界の光量の
変化に合わせて連続的に変化させるようにすれば、透明
球殻18はあたかも生物の「目」のような印象を与え
る。したがって、クリーチャ10が仮想的生命体である
ことをユーザに認識させることができる。ただし、アイ
リス19は、上述の連続的な変化だけでなく、離散的に
変化させることによって、会話システム100における
クリーチャ10の反応の程度や関心度を表現するために
利用してもよい。
【0022】また、外被12の下端から、移動用の車輪
22が露出する。したがって、この実施例のクリーチャ
10は、車輪22によって床面上を自在に移動し得る。
【0023】図1において点線で示すように、外被12
内の透明球殻18の近傍には、2つのマイク211およ
び212が設けられる。このマイク211および212
は、図2に示す内部構造物24に取り付けられてステレ
オマイクとして機能し、2つのマイク211および21
2に入力される音の位相差で音源方向を知ることができ
る。そして、後に説明するコンピュータ46は、その音
源方向にクリーチャ10をアドレスすることによって、
会話システム100において自分が聞き手であることを
表示したりする社会的表示を達成する。
【0024】さらに、外被12内の下部には、図2に示
す内部構造物24に取り付けられて、複数の赤外線近接
センサ25,25,…が設けられる。ただし、この近接
センサ25が設けられる外被12の位置には、赤外線を
透過するための赤外線透過部、たとえば開口ないし孔が
形成される。この近接センサ25は、クリーチャ10の
位置決めまたは位置制御のための情報、たとえばクリー
チャ10がユーザの近傍に位置するのか、あるいはユー
ザからはかなり離れて位置するのかなどの情報を検知す
る。したがって、上述の移動機構(車輪22)と共同し
て、会話システム100におけるアドレス機能を助長す
る。たとえば、自分が話しかけたいクリーチャや人間に
接近することによって、その意思表示することができ、
あるいは会話に参加したくないときには他のクリーチャ
や人間から離れることによってそのことを表現したりで
きる。
【0025】また、外被12内の適宜の位置には、図1
で示すように、スピーカ23が内蔵される。このスピー
カ23は、図2に示す内部構造物24に取り付けられて
いて、外部に対して発話を出力する。このようにスピー
カ23を設けかつ上述のマイク211および212を設
けることによって、このクリーチャ10を参加型多人数
会話システム100におけるクリーチャないしエージェ
ントとして利用できるのである。
【0026】図2に、外被12に覆われる内部構造物2
4が示される。図2は、図1と同様に、知能ロボット1
0を正面から見た図である。内部構造物24は、たとえ
ばプラスチックや金属板で断面「コ」字形に形成された
ベースフレーム26を含み、このベースフレーム26は
上面板とその両端から垂下する2つの側面板とを含み、
側面板を貫通して車軸27が適宜の軸受け手段によって
回転可能に支持される。側面板の外側でその車軸27の
両端に、図1を参照して説明した移動用車輪22が取り
付けられる。
【0027】ベースフレーム26の上面板上には、コイ
ルばね28を介して、たとえばプラスチックや軽量金属
等からなる支持台30が取り付けられる。支持台30上
には、収納部32が設けられる。この収納部32には、
後述のコンピュータ46や移動モータ50(図3)が収
納される。つまり、この実施例では、クリーチャ10の
本体が全体として、ばね28などの弾性体で支持され
る。支持台30上には、後述のように、パンやチルトな
どの少数の自由度を備えたアクチュエータが構成され
る。そして、このアクチュエータは、コンピュータ46
(図4)によってプログラムに従って制御される。プロ
グラムによってアクチュエータの動き任意の連続的な動
きとして制御するためには、一般に、精度の高いサーボ
モータなどを用いる必要があり、したがって、高価にな
ってしまう。これに対して、この実施例のクリーチャ1
0では、後に説明するような離散的に制御できるアクチ
ュエータを弾性体で支持することによって、より生物的
な動きを作りだす。
【0028】収納部32の上には、さらに、支持筒34
を介して、前述のカラーカメラ20が装着される。支持
筒34内には、カメラ20の俯仰角(チルト:Tilt)を
制御する俯仰モータ54(図4),カメラ20の旋回角
(パン:Pan)を制御する旋回モータ58(図4),お
よびそれらのモータの駆動力をカメラ20に伝達する動
力伝達手段(図示せず)が収納される。
【0029】なお、上述のコンピュータ,およびモータ
や動力伝達機構の収納場所はこの実施例に限られるもの
ではなく、他の任意の場所にこれらを収納しまたは取り
付ければよい。
【0030】カメラ20の上には、取り付け板36が固
着され、その取り付け板36によって、カメラ20と一
体的に支持板38が取り付けられる。支持板38は、た
とえばプラスチックや軽量金属からなる平面円形の板で
ある。支持板38の下面には、たとえばプラスチックか
らなる截頭半球状の第1内殻40が、たとえば固着部4
0aと支持板38の周縁とを接着または溶着することに
よって、固着される。支持板38の上面には、たとえば
プラスチックからなるかつ球の頭部を切り取った形状を
有する球頭形状の第2内殻42が、たとえば固着部42
aと支持板38の周縁とを接着または溶着することによ
って、固着される。
【0031】第1内殻40と第2内殻42とによって、
球形の内殻が形成される。この実施例では、先の支持台
30の外面が、第1内殻40の下方に連続する球形部を
形成するように、截頭半球状に形成されている。このよ
うな球形内殻上に、図1で示す外被12の球形部14が
被せられるのである。
【0032】球形内殻すなわち第1内殻40および第2
内殻42の表面には、それぞれがたとえばリミットスイ
ッチである複数の接触センサ44が、規則的に分布し
て、もしくは意図的に偏在して、取り付けられる。つま
り、複数の接触センサ44は、内殻表面上に一定の規則
的な配列で配置されるか、または人が触るであろう部位
または領域に集中的に配置される。なお、接触センサ4
4は、支持台30の外表面に設けてもよい。ここで、接
触センサとは、人が触ったことを検知できるセンサを意
味し、リミットスイッチのように一定の荷重がかかった
とき作動するセンサでもよく、また単に人の軽い接触を
検知できるセンサでもよい。
【0033】このような、接触センサ44は、図3に示
すように、適宜のインタフェースを介してコンピュータ
46に入力される。つまり、コンピュータ46は、セン
サ44の各々からの信号を受け、どのセンサが作動した
か検知できる。コンピュータ46には、さらに、カラー
カメラ20からの映像信号が適宜のインタフェースを介
して取り込まれる。したがって、会話システム100に
おいては、このような接触センサ44に人間が接触入力
することによって、人間からそのクリーチャ10に対す
る呼びかけている状況を作り出すことができる。
【0034】コンピュータ46はまた、移動モータ駆動
回路48,俯仰モータ駆動回路52および旋回モータ駆
動回路56に、必要なタイミングで、かつ必要な駆動量
で駆動信号を与える。応じて、移動モータ駆動回路4
8,俯仰モータ駆動回路52および旋回モータ駆動回路
56は、移動モータ50,俯仰モータ54および旋回モ
ータ58を、必要なタイミングで必要な駆動量(回転方
向および回転量を含む)で、駆動する。移動モータ50
が駆動されると、その駆動方向に応じて、車輪22(図
1)が回転され、クリーチャ10が前進または後退す
る。
【0035】俯仰モータ54および旋回モータ58の駆
動力が適宜の伝達手段を介して、カメラ20(の雲台)
に伝達され、したがって、俯仰モータ54が駆動される
とカメラ20の俯仰角が制御され、旋回モータ58が駆
動されると旋回角が制御される。したがって、2つのモ
ータ54および58を適宜制御することによって、カメ
ラ20のレンズ20a(図2)を一定角度範囲で任意の
方向に変位させることができる。
【0036】なお、先に説明したように、第1内殻40
および第2内殻42がカメラ20と一体的に動くように
取り付けられているので、カメラ20の俯仰角を連続的
に変化させることによって、内殻も縦向きに変位し、し
たがって、外被12(図1)に、見かけ上、縦首振り
(チルト動作)させることができる。また、カメラ20
の旋回角を連続的に変化させることによって、内殻も横
向きに変位し、したがって、外被12に、見かけ上、横
首振り(パン動作)が出現する。
【0037】実施例のクリーチャ10では、球状部14
に設けられた透明球殻20と頭尾16とによって、クリ
ーチャ10の向きや姿勢およびその変化をユーザに対し
て表示することができる。すなわち、、クリーチャ10
は、社会的な表示の機能を備える。
【0038】具体的には、うなずくなどの肯定的な意思
表示は、上述の俯仰モータ54による小さなチルトの動
きで表現することができる。また、否定的な意思表示
は、上述の旋回モータ58によるパン動作によって表現
できる。そのチルトやパンの動作の大きさを変えること
によって、強い肯定または否定あるいは弱い肯定または
否定を表現することができる。これらは、意思表示など
の問いかけが行われている文脈で明らかに機能する。
【0039】また、上述のチルト動作やパン動作を制御
することによって、クリーチャ10の会話中での姿勢を
表示することができる。すなわち、誰に向かって話しを
しているのか、または誰の話を聞いているのかという姿
勢を表示する。
【0040】話し手の方向を探る、すなわち、音源探索
手段(コンピュータ46)と上述のアクチュエータの制
御とによって、「学習者の顔を追いかける」という動作
を実現できる。このような学習者の顔の追尾のために
は、カメラ20が利用される。すなわち、カメラ20か
らの映像から肌色領域を抽出し、その肌色領域を顔とし
て特定することによって、チルト機構52および54な
らびにパン機構56および58を制御して、顔を追尾
(アドレス)できる。
【0041】図1に示すアイリス19を制御するため
に、図3に示す光量センサ27が設けられる。この光量
センサ27はたとえばCdSからなり、外界の明るさ
(光量)に応じた大きさの信号をコンピュータ46に入
力する。コンピュータ46では、その光量信号に基づい
てアイリス駆動回路29を制御して、光量信号が大きい
ときすなわち外界が明るいときにアイリス19を閉じる
方向に変位させ、あるいは、光量信号が小さいときすな
わち外界が暗いときにアイリス19を閉じる方向に変位
させる。したがって、透明球殻18でアイリス19の開
口の大きさが変化するので、それがたとえば生物の
「目」として把握できる。ただし、このアイリス19は
上述のように離散的に制御して、他の意思表示の手段と
して利用することもできる。
【0042】図4および図5を参照して、図1実施例に
おける参加型多人数会話システム100における各クリ
ーチャ10aおよび10bの動作について説明する。ク
リーチャ10aおよびクリーチャ10bは、基本的に
は、ステップS1−S15およびステップS21−S3
5で表される実質的に同じプログラムを実行するように
設計されている。したがって、図4および図5におい
て、クリーチャ10aとクリーチャ10bとが入れ替わ
っても同じである。
【0043】クリーチャ10aは、まず、ステップS1
において、誰かにアドレスを向ける。このアドレスは、
典型的には、上述のアクチュエータを利用して、透明球
殻18をアドレスしたい相手に向けることによって、達
成できる。
【0044】そして、次のステップS2では、或る発話
をする。ただし、ここでの発話は、未だ発話として確定
されていない。なぜなら、アドレスすなわち相手が確定
していないからである。したがって、このステップS2
での発話は、自分が話し手であることを表示して、聞き
手を探すための発話である。ただし、自分が話し手にな
れるかどうかは、他のクリーチャ10bや人間1(図
1)の反応に依存する。したがって、この段階では、自
分(クリーチャ10a)が話し手であるという役割が確
定している訳ではない。
【0045】なお、発話(fragments)に対して、双方向
の談話タグを付与する。後ろ向きのタグは、先行する他
者の発話をグラウンドさせるためのものであり、前向き
のタグは、新たな方向にトピックを展開しつつ次の他者
の発話を予定するものである。つまり、会話への参与
は、或る会話を連鎖させていくための共同行為であると
とらえる。そして、このような談話タグによる会話連鎖
を最も容易に実現する方法は、それらの談話タグ刊行物
の関連性を対応表(関連マトリクス)として、コンピュ
ータ46(図3)のROM(図示せず)に予め組み込む
方法である。
【0046】この発話を特定する談話タグをB,F,A
の3つの要素で構成する。要素Bは、先行する発話に対
してグラウンドする役割を備える。より関連性の高い、
適切なタイミングでの発話によって、先行する発話に対
するグラウンディングが成立する。また、新しい方向付
けFを与えることによって、会話を展開していく。この
要素Fは、次の誰かの発話を予定している。ただし、こ
の要素Fが会話に貢献するかどうかは、次の発話や他者
の反応が与えられることで確定する。
【0047】要素Aは、発話のアドレス先である。具体
的には、透明球殻18(図1)を向けて発話するか、あ
るいは、相手の名前を指定して発話することによって、
談話タグAが付された発話が可能である。しかしなが
ら、このアドレス先が聞き手となるか否かは、そのアド
レス先が聞き手になってくれた時点で事後的に確定す
る。
【0048】このようにして、ステップS2でクリーチ
ャ10aがアドレス付きの発話をすると、図4のステッ
プS21に示すように、他のクリーチャ10bや人間
(学習者)1が、そのアドレス付き発話に対してコミッ
ト(参与)するかどうか判断する。このときの判断手法
としては、上述の談話タグテーブルを利用する方法や、
その発話に対する関心度を判定する方法などが考えられ
る。このとき、コミットするかどうかによって、会話シ
ステム100における役割が確定する。つまり、コミッ
トすることを決めたクリーチャまたは人間は、クリーチ
ャ10aを話し手とする発話の聞き手になるが、コミッ
トしなければ、そのクリーチャ10aの発話から連鎖す
る会話には参与しない傍観者としての役割が与えられる
にすぎない。
【0049】なお、クリーチャ10bがコミットするこ
とを決めたときには、ステップS22で、その意思表示
をクリーチャ10aに返してやる必要がある。具体的に
は、図1や図2に示す各種のアクチュエータを利用し
て、透明球殻18をクリーチャ10aに向ける方法や、
移動機構を利用してクリーチャ10aに接近する方法な
ど幾つかの方法が考えられる。人間(学習者)がコミッ
トの意思表示をする場合、たとえば、顔をクリーチャ1
0aの透明球殻18すなわちカメラ20の方向に向けた
り、クリーチャ10aの接触センサ44(図2)に対し
て作用したりすることが考えられる。ただし、クリーチ
ャ10bの場合も、学習者1の場合も、直接発話をクリ
ーチャ10aに返すことによって、コミットするという
意思表示をしてもよい。
【0050】このように、実施例の会話システム100
は、学習者(人間)1が会話に参加するのもしないのも
自由に決めることができる。つまり、会話の内容を観察
者として聞いたり、聞き流すという枠組みは、学習者の
学習意欲を削がないために重要である。常にインタラク
ションを要求する従来の対話型システムでの学習者に与
える拘束を緩和することによって、学習意欲に柔軟に対
応できる。すなわち、学習者の姿勢によって、学習意欲
があるときには会話に参加したり、学習意欲がないとき
には聞き流したり(傍観者)できるので、学習者の学習
意欲を継続的に維持するのに役立つ。
【0051】ステップS2で聞き手探しの発話をしたク
リーチャ10aは、その発話に対して上述のような意思
表示をしたクリーチャ10bまたは学習者1のうち、最
も適切な相手、クリーチャ10bまたは学習者1を聞き
手として選択する。選択の基準としては、自分の発話に
対する応答のタイミングが適切であった相手を選択す
る、あるいは自分がステップS1でアドレスした相手を
選択するなどが考えられる。ただし、人間(学習者)に
対して優先的に応答するようにプログラムしてもよく、
あるいは応答の強さもしくは発話の関連性によって選択
するようにしてもよい。この時点で、クリーチャ10a
は、ステップS4で、その選択した相手に対して、アド
レスを確定し、その相手を新たな聞き手として確定する
だけでなく、自分を話し手であると了解する(参与フレ
ームの確定)。このとき、新たな聞き手がクリーチャ1
0bであった場合、クリーチャ10bは、ステップS2
3で、クリーチャ10aのアドレスに対して自分を聞き
手として認識し、クリーチャ10aに対してアドレスを
確定する。
【0052】その後、ステップS5における発話に進
む。ここでの発話では、先に説明した談話タグに従って
会話が連鎖する。
【0053】この連鎖的な会話の中で、聞き手であるク
リーチャ10bは、ステップS24において、その会話
に継続してコミットするかどうか判断する。この判断で
は、クリーチャ10aすなわち話し手から会話を連鎖さ
せるに適切な発話があったかどうか、あるいは適切なタ
イミングでの発話があったかどうかなどを基準にするこ
とが考えられる。
【0054】クリーチャ10bがコミットを継続すると
判断したなら、ステップS25で、クリーチャ10b
は、クリーチャ10aに対するアドレスを継続するとと
もに、ステップS26で、先行する発話の意味を確定
(グラウンド)して、発話する。ただし、クリーチャ1
0aの発話をグラウンドさせるために何らかの発話を返
すようにしてもよい。あるいは、たとえばチルト動作に
よるあいづちを返すことによって、クリーチャ10aに
発話の継続を促すようにしてもよい。
【0055】そして、ステップS27で、クリーチャ1
0bはクリーチャ10a(すなわち、話し手)に応答す
るかどうか判断し、“YES”なら、次のステップS2
8で話し手の発話に対して応答する発話を生成する。
【0056】なお、ステップS24で“NO”を判断す
るとき、つまり、コミットの継続を拒否する場合には、
ステップS29で、ステップS23で確定した相手への
アドレスを外す。この場合にも、上述のチルト機構やパ
ン機構のようなアクチュエータを作動させる。そして、
ステップS30で自分が話し手となるべく、新たな発話
を生成する。ステップS27で“NO”を判断したとき
にも、同様に、ステップS30で、新たな発話を計算し
て、ステップS31に進む。
【0057】クリーチャ10bのステップS31は、ク
リーチャ10aのステップS1と同じであり、以後、ク
リーチャ10aのステップS1,S2,S3,S4およ
びS5と同じステップS32,S33,S34およびS
35が、実行される。
【0058】したがって、クリーチャ10bのステップ
S32での発話に対して、クリーチャ10aまたは学習
者1が、ステップS6でコミットするかどうか判断す
る。クリーチャ10aのステップS6,S7,S8,S
9,S10,S11,S12,S13,S14およびS
15は、先に説明したクリーチャ10bのステップS2
1,S22,S23,S24,S25,S26,S2
7,S28,S29およびS30と同じである。
【0059】このようにして、話し手の発話に対してコ
ミットするかどうか、あるいはコミットを継続するかど
うか判断しながら会話を継続する。
【0060】簡単にいうと、クリーチャ10aや10b
あるいは学習者1が、聞き手を選択するために、或る相
手をアドレスしながら、或る発話をする。ただし、これ
は未だ発話として確定されていない。この発話に対し
て、複数の相手が聞き手であることを表示する。ここ
で、聞き手として参与するために、適切なタイミングで
聞き手としての意思表示をする必要がある。この話し手
となるべきクリーチャの発話に対する応答のタイミング
を会話の学習評価の対象とするようにしてもよい。つま
り、たとえばクリーチャが或る発話をたとえば英語でし
たとして、学習者1が適切なタイミングで英語で応答で
きれば、学習者1が聞き手として選択され得る。この場
合、評価を高くする。逆に、学習者1ではなくクリーチ
ャ10bが応答した場合には、学習者1の英語会話にお
ける習熟度が低いとして評価する。
【0061】なお、聞き手探しの発話に対して誰も聞き
手の可能性を表示しない場合には、話し手となることを
断念し、あるいはもう一度発話しなおすことでリトライ
できる。
【0062】適切に応答した相手を聞き手とし、自分を
話し手として確定すると、お互いにアドレスし合うこと
になる。この状態で、発話を繰り返す。確定した聞き手
は、その確定した話し手の発話をグラウンドさせること
ができる。ただし、他のクリーチャまたは人間がグラウ
ンドすることを妨げるものではない。
【0063】話し手は、複数のグラウンディングがあっ
たとき、そのなかで、最も適切な相手の発話をグラウン
ドとみなし、自分の先行する発話の意味を確定し、その
相手を今度は話し手とみなして、アドレスをその相手に
向ける。そして、自分の発話が終了したらアドレスを外
し、この状態で、次の新規動作に移る。
【0064】このように、実施例の参加型多人数会話シ
ステム100では、トピックの難易度や文法の正確さを
競うものではなく、表面的な会話連鎖を維持することに
焦点を向けるもので、トピクレベルの調整は、他の方法
に依ればよい。なお、会話を連鎖させるためには、その
会話の流れを失速させない方法が必要である。そのため
には、先行する発話をグラウンドできるつまり関連性の
ある、次の発話と次の話し手を予定した発話が、適切な
タイミングでできるように、発話を繰り出す必要があ
る。外国語学習の場合には、当然その学習目的である英
語などで発話がなされなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の参加型多人数会話システ
ムを示す図解図である。
【図2】図1実施例におけるクリーチャの内部構造物を
示す図解図である。
【図3】クリーチャの制御系を示すブロック図である。
【図4】図1実施例の動作を示すフロー図である。
【図5】図4に後続する図1実施例の動作を示すフロー
図である。
【符号の説明】
10a,10b …クリーチャ 16 …頭尾 18 …透明球殻 20 …カメラ 211,212 …マイク 23 …スピーカ 24 …内部構造物 31 …パソコン 46 …コンピュータ 54 …俯仰モータ 58 …旋回モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 彰司 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信 研究所内 (72)発明者 鈴木 紀子 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信 研究所内 Fターム(参考) 2C028 AA03 BA01 BA03 BA05 BB01 BB06 BC02 BD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のクリーチャと学習者とで会話を連鎖
    できる参加型多人数会話システムであって、 各々のクリーチャは、他者の発話に対してコミットする
    かどうかを判断する第1判断手段と、コミットしないと
    判断したとき新たな発話を生成する生成手段と、コミッ
    トすると判断したとき前記他者にアドレスを向ける手段
    とを含む、システム。
  2. 【請求項2】前記各々のクリーチャは、聞き手として確
    定しているときにコミットを継続するかどうか判断する
    第2判断手段をさらに有し、コミットを継続すると判断
    したとき前記他者へのアドレスを継続する手段を含む、
    請求項1記載のシステム。
  3. 【請求項3】前記各々のクリーチャは、前記第2判断手
    段によってコミットを継続しないと判断したとき、前記
    他者へのアドレスを外す手段を有し、そして前記生成手
    段によって新たな発話を生成する、請求項1または2記
    載のシステム。
JP2000333073A 2000-10-31 2000-10-31 参加型多人数会話システム Pending JP2002139989A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000333073A JP2002139989A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 参加型多人数会話システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000333073A JP2002139989A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 参加型多人数会話システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002139989A true JP2002139989A (ja) 2002-05-17

Family

ID=18809203

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000333073A Pending JP2002139989A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 参加型多人数会話システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002139989A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017173548A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 カシオ計算機株式会社 学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、ロボット及びプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017173548A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 カシオ計算機株式会社 学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、ロボット及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220020360A1 (en) System and method for dialogue management
US20190206402A1 (en) System and Method for Artificial Intelligence Driven Automated Companion
US11455986B2 (en) System and method for conversational agent via adaptive caching of dialogue tree
US11003860B2 (en) System and method for learning preferences in dialogue personalization
US20190371318A1 (en) System and method for adaptive detection of spoken language via multiple speech models
EP3752957A1 (en) System and method for speech understanding via integrated audio and visual based speech recognition
CN112262024B (zh) 用于增强数字体验的动态机器人配置的系统和方法
US11017551B2 (en) System and method for identifying a point of interest based on intersecting visual trajectories
US20220101856A1 (en) System and method for disambiguating a source of sound based on detected lip movement
US20190251966A1 (en) System and method for prediction based preemptive generation of dialogue content
US20190251716A1 (en) System and method for visual scene construction based on user communication
WO2021003471A1 (en) System and method for adaptive dialogue management across real and augmented reality
WO2019161237A1 (en) System and method for inferring scenes based on visual context-free grammar model
WO2019161229A1 (en) System and method for reconstructing unoccupied 3d space
JP4247149B2 (ja) ロボット
WO2021030449A1 (en) System and method for adaptive dialogue via scene modeling using combinational neural networks
JP2002139989A (ja) 参加型多人数会話システム
JP3494408B2 (ja) 電子ペット
JP7075168B2 (ja) 装置、方法、プログラム、及びロボット
JP2005084789A (ja) パーソナルコンピュータ
JP2023001299A (ja) 対話システムおよびプログラム
Bennewitz et al. Intuitive multimodal interaction with communication robot Fritz
JP2005279897A (ja) ロボットシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061219