JP2002139703A - 波長板及びそれを用いた半導体レーザ - Google Patents

波長板及びそれを用いた半導体レーザ

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JP2002139703A JP2000332684A JP2000332684A JP2002139703A JP 2002139703 A JP2002139703 A JP 2002139703A JP 2000332684 A JP2000332684 A JP 2000332684A JP 2000332684 A JP2000332684 A JP 2000332684A JP 2002139703 A JP2002139703 A JP 2002139703A
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Takayuki Yanagisawa
隆行 柳澤
Yoshihito Hirano
嘉仁 平野
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば大きな拡がり角を持つ半導体レーザの
出力光の偏光状態を変換するために用いられ、入射光の
入射角度依存性が小さく、波長依存性が小さく、厚さの
自由度が高い波長板を得ることを目的とする。 【解決手段】 常光屈折率no1と異常光屈折率ne1がn
o1>ne1の関係を有し、入射面に略平行に配置された第
1のc軸26を有する第1の複屈折結晶25と、上記第
1の複屈折結晶25に略平行に配置され、常光屈折率n
o2と異常光屈折率ne2がno2<ne2の関係を有し、入射
面に略平行に配置された第2のc軸28を有する第2の
複屈折結晶27とを備え、上記第1のc軸26と上記第
2のc軸28とを垂直に配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は波長板に関し、特
に、例えば大きな拡がり角を持つ半導体レーザの出力光
の偏光状態を変換するために用いられる波長板、並び
に、それを用いた半導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】波長板は、例えば、半導体レーザの出射
部に設けられて、大きな拡がり角を持つ半導体レーザの
出力光の偏光状態を変換するため等に用いられる。N
d:YLF、Nd:YVO4等の固体レーザ媒質では、
励起光の偏光方向により、レーザ媒質に吸収される励起
光の吸収量が異なるため、効率の良いレーザ光出力を得
るためには、レーザ媒質の吸収の大きい方向に励起光の
偏光方向を調整して高い吸収を得る必要がある。通常、
偏光方向を調整する方法として、複屈折結晶を用いた波
長板が用いられるが、一般の波長板では、入射光の入射
角度に依存して出射光の偏光状態が変化してしまう。固
体レーザの励起に用いられる半導体レーザの出力光は、
大きな拡がり角を有するため、波長板に直接出力光を入
射させると、出射角度により偏光状態が変化してしま
い、高い吸収を得ることが困難となる。従って、波長板
を用いて偏光状態を調整するには、半導体レーザの出力
光を、レンズなどの光学系を用いてほぼ平行な光線に変
換した後に波長板を透過させる必要があった。この場
合、装置の構成が複雑になってしまうという問題が生じ
る。
【0003】一軸性の複屈折結晶は、複屈折結晶のc軸
と光線を含む面内の偏光成分(異常光)と、複屈折結晶
のc軸と光線を含む面に垂直な方向の偏光成分(常光)
で異なった屈折率を持つ。一軸性の複屈折結晶では、常
光に対する屈折率noは光線の方向によらず一定であ
り、異常光に対する屈折率neは、光線とc軸とのなす
角度をδとすると、以下の式で表される。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、ne0は、光線がc軸に対して垂直
な時の、c軸と平行な方向の偏光成分に対する屈折率
で、ne0=ne(90゜)である。複屈折結晶の厚みを
dとすると、常光と異常光に生じる位相差αは、複屈折
結晶の厚さをd、入射光線の波長をλとすると、以下の
式で表される。
【0006】
【数2】
【0007】この位相差αが2π(n+1/2)(nは
整数)の時を1/2波長板、2π(n+1/4)(nは
整数)の時を1/4波長板という。1/2波長板は、偏
光状態を複屈折軸に線対称に変換する作用を持つ。すな
わち、例えば、1/2波長板に入射した直線偏光の光線
は、複屈折軸に線対称な方向の直線偏光に変換される。
1/4波長板は、例えば、直線偏光の光線の偏光状態を
楕円偏光に、楕円偏光の光線の偏光状態を直線偏光に変
換する作用を持つ。
【0008】図16は、例えば中国CASIX社カタロ
グ「Optics Guide’99」(1999年C
ASIX社発行)64ページに示された、従来のマルチ
オーダ波長板を示す構成図である。図において、1は複
屈折結晶、1aは複屈折結晶1の入射面、1bは複屈折
結晶1の出射面、2は複屈折結晶1のc軸、3は光軸、
4は複屈折結晶1に入射する入射光線、5は複屈折結晶
1から出射する出射光線である。c軸2はx軸と所定の
角度θをなすように配置されている。
【0009】例えば、1/2波長板を得るためには、常
光と異常光に生じる位相差αmが2π(n+1/2)を
持たすように、複屈折結晶の厚さdmは以下の式を満た
す厚さに設定される。ここで、マルチオーダ波長板で
は、nm≧1である。
【0010】
【数3】
【0011】次に、動作について図17を用いて説明す
る。図ではθ=45゜で、入射光線4がx軸方向の直線
偏光Pinとなる場合を示している。上記のようなマル
チオーダ波長板では、入射光線4が入射面1aより入射
し、複屈折結晶1によりc軸2に対称な直線偏光に変換
されて、y軸方向の直線偏光Poutに変換され、出射
面1bより出射光線5として出射される。
【0012】これに対し、入射する入射光線4が光軸に
平行な状態からずれた場合、c軸2と入射光線4のなす
角δが90゜からずれるため異常光の屈折率ne(δ)
が変化する。また、複屈折結晶1を斜めに通過するた
め、入射光線4が複屈折結晶1内を通過する距離がdm
にくらべて大きくなる。従って、常光と異常光に生じる
位相差が2π(n+1/2)からずれて、出射面1bよ
り出射された出射光線5の偏光状態が、楕円偏光になっ
たり、c軸に対称な直線偏光からずれてしまうという問
題がある。
【0013】複屈折結晶としてSiO2結晶を用いてマ
ルチオーダ波長板を構成し、厚さdm=493.5μm
(nm=5)、波長λ=800nm、c軸とx軸のなす
角度θ=45゜としたときの、入射光線4のx軸方向お
よびy軸方向の角度ずれ、すなわち、入射光4の拡がり
角と、出射面1bより出射された出射光線5のy軸方向
の成分の割合、すなわち、偏光度との関係を、図18に
示す。図18(a)は偏光度の角度依存性の空間分布を
示したもの、図18(b)は、図18(a)のx=0,
x=y,x=−yの断面を示したものである。図18
(b)より、x=0において偏光度0.99以上が得ら
れる拡がり角は±23゜、x=y,x=−yにおいては
±6゜となる。例えば、アレイ状に配置された固体レー
ザ励起用半導体レーザの出射光は、典型値として、x軸
方向10゜×y軸方向40゜(半値全幅)の拡がり角を
持つ。拡がり角としてx軸方向10゜×y軸方向40゜
(半値全幅)のガウス形状を持ち、x軸方向に偏光度1
で偏光した光線を入射し、上記マルチオーダ波長板を通
過させた時の偏光度は0.892となり、出射光5の偏
光度は大きく低下する。
【0014】また、図19に、光線4の拡がり角が0゜
の時の、上記マルチオーダ波長板の偏光度の波長特性を
示す。波長800nm付近で偏光度が0.99以上とな
る波長範囲は±4.3nmであり、大きな波長依存性が
生じる。
【0015】上記のように構成された従来のマルチオー
ダ波長板では、高い偏光度が得られる拡がり角の範囲が
狭いので、拡がり角の大きな光線が入射した場合に、高
い偏光度を得ることができない。また、大きな波長依存
性を有するので、光線の波長がわずかに変化した場合
に、高い偏光度を得ることができない。
【0016】このような問題を解決する手段として、上
記「Optics Guide’99」64ページに
は、図20に示すような0オーダ波長板も示されてい
る。図において、6は複屈折結晶、6aは複屈折結晶6
の入射面、6bは複屈折結晶6の出射面、7は複屈折結
晶6のc軸である。c軸7はx軸と角度θをなすように
配置されている。
【0017】例えば、1/2波長板を得るためには、常
光と異常光に生じる位相差α0がπを持たすように、複
屈折結晶の厚さd0は以下の式を満たす厚さに設定され
る。
【0018】
【数4】
【0019】これは、式3において、nm=0としたも
のに等しい。
【0020】複屈折結晶としてSiO2結晶を用いて0
オーダ波長板を構成し、厚さd0=44.9μm、波長
λ=800nm、c軸とx軸のなす角度θ=45゜とし
たときの、入射光線4のx軸方向およびy軸方向の角度
ずれ(拡がり角)と、出射面6bより出射された出射光
線5のy軸方向の成分(偏光度)の関係を、図21に示
す。図21(a)は偏光度の角度依存性の空間分布を示
したもの、図21(b)は、図21(a)のx=0,x
=y,x=−yの断面を示したものである。図21
(b)より、x=0において偏光度0.99以上が得ら
れる拡がり角は±25゜、x=y,x=−yにおいては
±19゜となる。拡がり角としてx軸方向10゜×y軸
方向40゜(半値全幅)のガウス形状を持ち、x軸方向
に偏光度1で偏光した光線を入射し、上記0オーダ波長
板を通過させた時の偏光度は0.992となり、上記マ
ルチオーダ波長板にくらべて高い偏光度が得られる。
【0021】また、図22に、光線4の拡がり角が0゜
の時の、上記0オーダ波長板の偏光度の波長特性を示
す。波長800nm付近で偏光度が0.99以上となる
波長範囲は±47nmであり、広い波長域で高い偏光度
が得られる。
【0022】ここで、図23に、拡がり角としてx軸方
向10゜×y軸方向40゜(半値全幅)のガウス形状を
持ち、x軸方向に偏光度1で偏光した光線を入射し、式
3のnmを0から11まで変化させたときの、複屈折結
晶の厚さdmと偏光度の関係を示す。偏光度が0.99
以上となる厚みは、nm=0、すなわち、0オーダ波長
板となる時のみであり、0.9以上の偏光度を得るため
には、厚さは0.5mm以下の低次マルチオーダ波長板
とする必要があることが分かる。
【0023】このように構成された0オーダ波長板、お
よび低次マルチオーダ波長板では、厚さが材料固有の常
光と異常光の屈折率差で与えられるため、厚さが薄くな
り、機械的な強度を得ることができない。
【0024】このような問題を解決する手段として、さ
らに、上記「Optics Guide’99」64ペ
ージには、図24に示すような組合せ0オーダ波長板も
示されている。図において、8は第1の複屈折結晶、9
は第1の複屈折結晶8の第1のc軸、10は第2の複屈
折結晶、11は第2の複屈折結晶10の第2のc軸であ
る。第1の複屈折結晶8の第1のc軸9はx軸と角度θ
をなすように配置され、第2の複屈折結晶10の第2の
c軸11はx軸と角度θ+π/2をなすように配置され
ている。また、第1の複屈折結晶8と第2の複屈折結晶
10は、例えば、SiO2結晶などの、同一の材料を用
いている。
【0025】例えば、1/2波長板を得るためには、第
1の複屈折結晶8の厚さdm1と第2の複屈折結晶10の
厚さdm2は、以下の式を満たす厚さに設定される。
【0026】
【数5】
【0027】すなわち、第1の複屈折結晶8および第2
の複屈折結晶10のそれぞれの常光と異常光に生じる位
相差をπ以上とし、第1の複屈折結晶8の位相差と、第
2の複屈折結晶10の位相差の差がπとなるように設定
されている。このように構成すれば、それぞれの複屈折
結晶の厚さを厚くすることができる。
【0028】複屈折結晶としてSiO2結晶を用いて組
合せ0オーダ波長板を構成し、厚さdm1=269.2、
m2=224.3μm、波長λ=800nm、第1のc
軸9とx軸のなす角度θ=45゜、第2のc軸11とx
軸のなす角度θ+π/2=135゜としたときの、入射
光線4のx軸方向およびy軸方向の角度ずれ(拡がり
角)と、出射面10bより出射された出射光線5のy軸
方向の成分(偏光度)の関係を、図25に示す。図25
(a)は偏光度の角度依存性の空間分布を示したもの、
図25(b)は、図25(a)のx=0,x=y,x=
−yの断面を示したものである。図25(b)より、x
=0において偏光度0.99以上が得られる拡がり角は
±25゜、x=y,x=−yにおいては±6゜となる。
拡がり角としてx軸方向10゜×y軸方向40゜(半値
全幅)のガウス形状を持ち、x軸方向に偏光度1で偏光
した光線を入射し、上記組合せ0オーダ波長板を通過さ
せた時の偏光度は0.90となり、出射光5の偏光度は
大きく低下する。
【0029】図26に、拡がり角としてx軸方向10゜
×y軸方向40゜(半値全幅)のガウス形状を持ち、x
軸方向に偏光度1で偏光した光線を入射し、式5を満た
すように、厚さdm1およびdm2を変化させたときの、複
屈折結晶の厚さdm1+dm2と出射光の偏光度の関係を示
す。偏光度が0.99以上となる厚さは、dm1+dm2
約140μm以下の時であり、0.9以上の偏光度を得
るためには、厚さは約0.5mm以下とする必要がある
ことが分かる。
【0030】また、図27に、光線4の拡がり角が0゜
の時の、上記組合せ0オーダ波長板の偏光度の波長特性
を示す。波長800nm付近で偏光度が0.99以上と
なる波長範囲は±47nmであり、上記0オーダ波長板
と同等の小さな波長依存性が得られる。
【0031】このように構成された組合せ0オーダ波長
板では、厚さを厚くすることができるため、機械的強度
を高めて波長依存性の小さな波長板を構成できるが、厚
さを厚くした場合、高い偏光度が得られる拡がり角の範
囲が狭いので、拡がり角の大きな光線が入射した場合
に、高い偏光度を得ることができない。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】図16に示した従来の
マルチオーダ波長板においては、入射光線4が光軸に平
行な状態からずれた場合、入射光線4の入射角度依存性
が大きく、拡がりの大きな光源からの出射光を入射する
と、高い偏光度を得ることができないという問題があ
り、特にアレイ上に配置された固体レーザ励起用半導体
レーザの出射光を入射した場合、出力光の拡がり角が大
きいため、偏光度が大きく低下してしまう。また、大き
な波長依存性を有するので、光線の波長がわずかに変化
した場合に、さらに偏光度が低下してしまうという問題
点があった。
【0033】また、図20に示した従来の0オーダ波長
板、および低次マルチオーダ波長板においては、厚さが
複屈折結晶固有の常光と異常光の屈折率差で与えられる
ため、厚さが薄くなり、機械的強度が得られないという
問題点があった。
【0034】さらにまた、図24に示した組合せ0オー
ダ波長板においては、入射光線4が光軸に平行な状態か
らずれた場合、入射光線4の入射角度依存性が大きく、
拡がりの大きな光源からの出射光を入射すると、高い偏
光度を得ることができないという問題があり、特にアレ
イ上に配置された固体レーザ励起用半導体レーザの出射
光を入射した場合、出力光の拡がり角が大きいため、偏
光度が大きく低下してしまうという問題点があった。
【0035】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、簡単な構成で、拡がりの大きな
光源からの出射光を入射したときに高い偏光度が得られ
るように、入射光の入射角度依存性が小さく、入射光線
の波長が変化した場合でも高い偏光度が得られるよう
に、波長依存性が小さく、さらに厚さを厚くして機械的
強度を強くすることが可能な波長板を得ることを目的と
する。
【0036】
【課題を解決するための手段】この発明は、常光屈折率
o1と異常光屈折率ne1とがno1>ne1の関係を有し、
入射光が入射される入射面に略々平行に配置された第1
の結晶軸を有する第1の複屈折結晶と、第1の複屈折結
晶に略々平行に配置され、常光屈折率no2と異常光屈折
率ne2がno2<ne2の関係を有し、光が入射される入射
面に略々平行に配置された第2の結晶軸を有する第2の
複屈折結晶とを備え、第1の結晶軸と第2の結晶軸とは
略々垂直に配置されている波長板である。
【0037】また、第1の複屈折結晶の厚さd1および
上記第2の複屈折結晶の厚さd2が、d1(no1−ne1
とd2(ne2−no2)の値がほぼ等しくなるように設定
されている。
【0038】また、入射光の波長λに対して、第1の複
屈折結晶の厚さd1および上記第2の複屈折結晶の厚さ
2が、0≦(2π/λ){d1(no1−ne1)+d
2(ne2−no2)}≦2πとなるように設定されてい
る。
【0039】また、第1の複屈折結晶と第2の複屈折結
晶とを互いに接着している。
【0040】また、常光屈折率no3と異常光屈折率ne3
とがno3>ne3の関係を有し、入射光が入射される入射
面に略々平行に配置された第3の結晶軸を有する第3の
複屈折結晶と、第3の複屈折結晶に略々平行に配置さ
れ、常光屈折率no4と異常光屈折率ne4がno4<ne4
関係を有し、光が入射される入射面に略々平行に配置さ
れた第4の結晶軸を有する第4の複屈折結晶とを備え、
第3の結晶軸と第4の結晶軸とは略々平行に配置されて
いる。
【0041】また、入射光の波長λに対して、第3の複
屈折結晶の厚さd3および上記第4の複屈折結晶の厚さ
4が、0≦(2π/λ)|d3(no3−ne3)−d
4(ne4−no4)|≦2πとなるように設定されてい
る。
【0042】また、第3の複屈折結晶と第4の複屈折結
晶とを互いに接着している。
【0043】また、常光屈折率no5と異常光屈折率ne5
とがno5>ne5の関係を有し、入射光が入射される入射
面に略々平行に配置された第5の結晶軸を有する第5の
複屈折結晶と、第5の複屈折結晶に略々平行に配置さ
れ、常光屈折率no6と異常光屈折率ne6がno6<ne6
関係を有し、光が入射される入射面に略々平行に配置さ
れた第6の結晶軸を有する第6の複屈折結晶と、第5の
複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折率no7と異
常光屈折率ne7とがno7>ne7の関係を有し、入射光が
入射される入射面に略々平行に配置された第7の結晶軸
を有する第7の複屈折結晶と、第5の複屈折結晶に略々
平行に配置され、常光屈折率no8と異常光屈折率ne8
o8<ne8の関係を有し、光が入射される入射面に略々
平行に配置された第8の結晶軸を有する第8の複屈折結
晶とを備え、第5の結晶軸と第6の結晶軸とは略々平行
に配置されており、第7の結晶軸と第8の結晶軸とは略
々平行に配置されており、第5の結晶軸と第7の結晶軸
とは略々垂直に配置されている。
【0044】また、入射光の波長λに対して、第5の複
屈折結晶の厚さd5、第6の複屈折結晶の厚さd6、第7
の複屈折結晶の厚さd7、および、第8の複屈折結晶の
厚さd8が、(2π/λ){d5(no5−ne5)−d
6(ne6−no6)}と(2π/λ){d8(ne8−no8
−d7(no7−ne7)}の値がほぼ等しくなるように設
定されている。
【0045】また、入射光の波長λに対して、第5の複
屈折結晶の厚さd5、および、第6の複屈折結晶の厚さ
6が、0≦(2π/λ)|d5(no5−ne5)−d
6(ne6−no6)|≦πとなるように設定され、入射光
の波長λに対して、第7の複屈折結晶の厚さd7、およ
び、第8の複屈折結晶の厚さd8が、0≦(2π/λ)
|d 7(no7−ne7)−d8(ne8−no8)|≦πとなる
ように設定されている。
【0046】また、第5の複屈折結晶と、第6の複屈折
結晶と、第7の複屈折結晶と、第8の複屈折結晶とを互
いに接着している。
【0047】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてA
23結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結晶、
第6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてSiO
2結晶を用いている。
【0048】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてA
23結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結晶、
第6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてMgF
2結晶を用いている。
【0049】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてB
BO結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結晶、第
6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてYVO4
結晶を用いている。
【0050】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてC
aCO3結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結
晶、第6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてY
VO4結晶を用いている。
【0051】また、この発明は、上記の波長板を複数組
み合わせて構成した波長板である。
【0052】また、この発明は、上記の波長板をレーザ
光の出射部に備えた半導体レーザである。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による波
長板を示す構成図である。図において、25は第1の複
屈折結晶、25aは第1の複屈折結晶25の入射面、2
5bは第1の複屈折結晶25の出射面、26は第1の複
屈折結晶25の第1のc軸、27は、第1の複屈折結晶
25に略々平行に配置された第2の複屈折結晶、27a
は第2の複屈折結晶27の入射面、27bは第2の複屈
折結晶27の出射面、28は第2の複屈折結晶27の第
2のc軸、4は第1の複屈折結晶25に入射する入射光
線、5は第2の複屈折結晶27から出射する出射光線で
ある。第1の複屈折結晶25の第1のc軸26は、入射
面25aに含まれ(ないしは、入射面25aに略々平行
に配置され)、x軸と角度θをなすように配置されてい
る。第2の複屈折結晶27の第2のc軸28は、入射面
27aに含まれ(ないしは、入射面27aに略々平行に
配置され)、x軸と角度θ+π/2をなすように配置さ
れている。すなわち、c軸26とc軸28はお互い直交
するように配置されている。第1の複屈折結晶25の、
常光屈折率no1と、光線が第1のc軸26に対して垂直
な時の異常光屈折率ne10は、no1>ne10の関係を持
つ。また、第2の複屈折結晶27の、常光屈折率n
o2と、光線がc軸に対して垂直な時の異常光屈折率n
e20は、no2<ne20の関係を持つ。第1の複屈折結晶2
5の厚さはd1、第2の複屈折結晶27の厚さはd2であ
る。第1のc軸26の方向を第1の複屈折軸、xy平面
に含まれ第1の複屈折軸に垂直な軸を第2の複屈折軸と
する。
【0054】次に動作について説明する。第1の複屈折
結晶25の入射面25aより入射した光線4が、第1の
複屈折結晶25および第2の複屈折結晶27を透過し
て、出射光5として出射されたとき、第1の複屈折軸方
向の偏光成分と第2の複屈折軸方向の偏光方向に与える
位相差は、以下の式で表される。
【0055】
【数6】
【0056】ここで、厚さd1およびd2は、d1(no1
−ne10)とd2(ne20−no2)の値がほぼ等しくなる
ように設定されており、具体的には、0≦α12≦2π、
かつ、d1(no1−ne10)〜α12/2、d2(ne20−n
o2)〜α12/2となるように設定されている。すなわ
ち、上記波長板は0オーダ波長板として動作する。
【0057】さらに、本実施の形態においては、厚さd
1およびd2は、入射光4の波長λに対して、0≦(2π
/λ){d1(no1−ne10)+d2(ne20−no2)}≦
2πとなるように設定されている。
【0058】次に、入射光線4が光軸に平行な状態から
ずれた場合を考える。入射光線4と第1のc軸26のな
す角度をδ3、入射光線4と第2のc軸28とのなす角
度をδ4とすると、例えば、x=yの方向に角度がずれ
た場合、δ3が変化するため(no1−ne1(δ3))は小
さくなるが、δ4は90゜で一定となり(ne20−no2
は変化しない。同様に、例えば、x=−yの方向に角度
がずれた場合、δ4が変化するため(no2−n
e2(δ3))は小さくなるが、δ3は90゜で一定となり
(ne10−no1)は変化しない。これを式4と比較する
と、位相差の変化量は従来の0オーダ波長板の半分にな
る。
【0059】ここで、no1/ne10とne20/no2の値、
および、no1とno2が近い値を持つ2つの複屈折結晶を
選択することにより、光軸ずれの許容範囲をさらに大き
くすることができる。このような複屈折結晶の組合せで
入手性の高い材料の組合せとして、Al23結晶とSi
2結晶、Al23結晶とMgF2結晶、BBO結晶とY
VO4結晶、CaCO3結晶とYVO4結晶等が考えられ
る。これらの材料は、レーザ装置用の高品質な結晶を容
易に入手することができ、廉価で高精度な波長板を構成
することが可能である。第1の複屈折結晶25としてA
23結晶を、第2の複屈折結晶27としてSiO2
晶を用いて、α12=πとし、1/2波長板を構成したと
きを考える。厚さd3=25.2μm、d4=22.4μ
m、波長λ=800nm、第1のc軸26とx軸のなす
角度θ=45゜、第2のc軸28とx軸のなす角度を1
35゜としたときの、入射光線4のx軸方向およびy軸
方向の角度ずれ、すなわち、入射光4の拡がり角と、出
射面27bよりより出射された出射光線5のy軸方向の
成分の割合、すなわち、偏光度との関係を、図2に示
す。図2(a)は偏光度の角度依存性の空間分布を示し
たもの、図2(b)は、図2(a)のx=0,x=y,
x=−yの断面を示したものである。図2(b)より、
x=0において偏光度が0.99となる拡がり角は約±
59゜、x=y,x=−yにおいては約±26゜とな
る。拡がり角としてx軸方向10゜×y軸方向40゜
(半値全幅)のガウス形状を持ち、x軸方向に偏光度1
で偏光した光線を入射し、上記波長板を通過させた時の
偏光度は0.999となり、従来の0オーダ波長板に比
べてさらに高い偏光度が得られる。
【0060】また、図3に、光線4の拡がり角が0゜の
時の、上記波長板の偏光度の波長特性を示す。波長80
0nm付近で偏光度が0.99以上となる波長範囲は±
48nmであり、従来例の0オーダ波長板と同等の波長
特性が得られる。
【0061】さらに、厚さd1およびd2が、d1(no1
−ne10)〜α12/2、d2(ne20−no2)〜α12/2
からずれた場合を考える。d1(no1−ne10)〜t
α12、d2(ne20−no2)〜(1−t)α12として、α
12=πを満たすようにtの値を変化させたときの、tと
偏光度の関係を図4に示す。0≦t≦1の全範囲で約
0.99以上の偏光度が得られる。すなわち、本発明に
おける上記波長板では、d1(no1−ne10)〜α12
2、および、d2(ne20−no2)〜α12/2を満たさな
い場合においても、入射角度依存性の小さな波長板を構
成することができる。
【0062】このような波長板では、位相差の変化量が
従来の0オーダ波長板に比べて小さくなるため、入射光
線4の入射角度依存性が小さくなる。また、波長依存性
が小さく、広い波長域において位相特性の変化が小さい
ため、複数の波長に対して一つの波長板を用いることが
できる。
【0063】また、上記の例では、位相差α12=πとし
たが、0≦α12≦2πのいずれの値でも良い。このよう
に構成すれば、任意の位相差を与え、入射角度依存性、
波長依存性の小さな波長板を構成できる。
【0064】また、第1の複屈折結晶25と第2の複屈
折結晶27は、接着や光学ボンディング等により、お互
いに密着させても良い。このように構成すれば、一体で
アライメントずれに強い、入射角度依存性、波長依存性
の小さな波長板を構成できる。
【0065】さらにまた、上記の例では、入射光線4か
ら、第1の複屈折結晶25、第2の複屈折結晶27の順
に並んでいるとしたが、第2の複屈折結晶27、第1の
複屈折結晶25の順に並べても良い。
【0066】また、上記の波長板では、第1の複屈折結
晶25と第2の複屈折結晶27を組み合わせて構成した
が、同様の構成で同じ位相差、または、異なった位相差
を与える複数の波長板を組み合わせてもよい。このよう
に構成すれば、異なった位相差を与える波長板を複数用
意し、容易に位相差を変更することができるので、レー
ザ装置の設計が容易になる。
【0067】さらにまた、上記の例では、第1の複屈折
結晶25としてAl23結晶を用いたが、LiNbO3
結晶、CaCO3結晶、BBO結晶等、no>ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0068】また、上記の例では、第2の複屈折結晶2
7としてSiO2結晶を用いたが、YLF結晶、YVO4
結晶、TiO2結晶、MgF2結晶等、no<ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0069】さらにまた、上記の波長板を半導体レーザ
の出力部に備えても良い。このように構成すれば、半導
体レーザの出力光の拡がり角が大きい場合でも、レーザ
光の偏光状態の出力角度依存性の小さな半導体レーザが
得られ、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏光
を調整することができる。
【0070】実施の形態2.本実施の形態においては、
上述の実施の形態1に示した波長板を、マルチオーダに
したときの構成を考える。式6において、α12=2n12
π+α12’とし、厚さd1およびd2は、d1(no1−n
e10)〜α12/2、d2(ne20−no2)〜α12/2とな
るように設定する。ここで、0≦α12’≦2π、n12
0または正の整数である。すなわち、本実施の形態にお
いても、d1(no1−ne10)とd2(ne 20−no2)の値
がほぼ等しくなるように設定されている。
【0071】第1の複屈折結晶25としてAl23結晶
を、第2の複屈折結晶27としてSiO2結晶を用い
て、α12’=πとし、1/2波長板を構成したときを考
える。図5に、10゜×40゜の半値全幅を持つガウス
形状の拡がりを持つ光線を入射し、α12’=πを満たす
ようにd1およびd2を変化させたときの、複屈折結晶の
厚さd1+d2と出射光の偏光度の関係を示す。d1+d2
が約0.24mm以下、すなわちn12=2以下の時の時
に偏光度が0.99以上が得られており、波長板の厚さ
を厚くして、高い偏光度を得ることが可能である。ま
た、偏光度を0.90程度まで許容すれば、約3.4m
m、すなわちn12=35の厚さをとることが可能であ
る。本発明における上記波長板ではマルチオーダにした
場合も、入射角度依存性の小さな波長板を構成すること
ができる。
【0072】さらに、厚さd1およびd2が、d1(no1
−ne10)〜α12/2、d2(ne20−no2)〜α12/2
からずれた場合を考える。d1+d2〜1mm、すなわ
ち、n12=10で一定とし、d1(no1−ne10)〜tα
12、d2(ne20−no2)〜(1−t)α12として、
α12’=πを満たすようにtの値を変化させたときの、
tと偏光度の関係を図6に示す。0.4≦t≦0.6の
範囲で約0.95の偏光度が、0≦t≦1の全範囲で約
0.77以上の偏光度が得られる。従来のマルチオーダ
波長板、および従来の組合せ0オーダ波長板で厚さ1m
mとした時の偏光度は約0.77である。すなわち、本
発明における上記波長板では、d1(no1−ne10)〜α
12/2、および、d2(ne20−no2)〜α12/2を満た
さない場合においても、入射角度依存性の小さな波長板
を構成することができる。
【0073】また、上記の例では、位相差α12’=πと
したが、0≦α12’≦2πのいずれの値でも良い。この
ように構成すれば、任意の位相差を与え、入射角度依存
性の小さな波長板を構成できる。
【0074】また、第1の複屈折結晶25と第2の複屈
折結晶27は、接着や光学ボンディング等により、お互
いに密着させても良い。このように構成すれば、一体で
アライメントずれに強い、入射角度依存性の小さな波長
板を構成できる。
【0075】さらにまた、上記の例では、入射光線4か
ら、第1の複屈折結晶25、第2の複屈折結晶27の順
に並んでいるとしたが、第2の複屈折結晶27、第1の
複屈折結晶25の順に並べても良い。
【0076】また、上記の波長板では、第1の複屈折結
晶25と第2の複屈折結晶27を組み合わせて構成した
が、同様の構成で同じ位相差、または、異なった位相差
を与える複数の波長板を組み合わせてもよい。このよう
に構成すれば、異なった位相差を与える波長板を複数用
意し、容易に位相差を変更することができるので、レー
ザ装置の設計が容易になる。
【0077】さらにまた、上記の例では、第1の複屈折
結晶25としてAl23結晶を用いたが、LiNbO3
結晶、CaCO3結晶、BBO結晶等、no>ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0078】また、上記の例では、第2の複屈折結晶2
7としてSiO2結晶を用いたが、YLF結晶、YVO4
結晶、TiO2結晶、MgF2結晶等、no<ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0079】さらにまた、上記の波長板を半導体レーザ
の出力部に備えても良い。このように構成すれば、半導
体レーザの出力光の拡がり角が大きい場合でも、レーザ
光の偏光状態の出力角度依存性の小さな半導体レーザが
得られ、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏光
を調整することができる。
【0080】実施の形態3.図7はこの発明の実施の形
態3による波長板を示す構成図である。図において、2
0は第3の複屈折結晶、20aは第3の複屈折結晶20
の入射面、20bは第3の複屈折結晶20の出射面、2
1は第3の複屈折結晶20の第3のc軸、22は第3の
複屈折結晶に略々平行に配置された第4の複屈折結晶、
22aは第4の複屈折結晶22の入射面、22bは第4
の複屈折結晶22の出射面、23は第4の複屈折結晶2
2の第4のc軸、4は第3の複屈折結晶20に入射する
入射光線、5は第4の複屈折結晶22から出射する出射
光線である。第3の複屈折結晶20の第3のc軸21
は、入射面20aに含まれ(ないしは、略々平行に配置
され)、x軸と角度θをなすように配置されている。第
4の複屈折結晶22の第4のc軸23は、入射面22a
に含まれ(ないしは、略々平行に配置され)、x軸と角
度θをなすように配置されている。すなわち、第3のc
軸21と第4のc軸23は略々平行になるように配置さ
れている。第3の複屈折結晶20の、常光屈折率n
o3と、光線がc軸に対して垂直な時の異常光屈折率n
e30は、no3>ne30の関係を持つ。また、第4の複屈折
結晶22の、常光屈折率no4と、光線がc軸に対して垂
直な時の異常光屈折率ne40は、no4<ne40の関係を持
つ。第3の複屈折結晶20の厚さはd3、第4の複屈折
結晶22の厚さはd4である。第3のc軸21の方向を
第1の複屈折軸、xy平面に含まれ第3の複屈折軸に垂
直な軸を第2の複屈折軸とする。
【0081】なお、本実施の形態においては、入射光4
の波長λに対して、第3の複屈折結晶20の厚さd3
よび第4の複屈折結晶22の厚さd4が、0≦(2π/
λ)|d3(no3−ne3)−d4(ne4−no4)|≦2π
となるように設定されている。
【0082】次に動作について説明する。第3の複屈折
結晶20の入射面20aより入射した光線4が、第3の
複屈折結晶20および第4の複屈折結晶22を透過し
て、出射光5として出射されたとき、第1の複屈折軸方
向の偏光成分と第2の複屈折軸方向の偏光方向に与える
位相差は、以下の式で表される。
【0083】
【数7】
【0084】ここで、厚さd3およびd4は、0≦α34
2πとなるように設定されている。すなわち、上記波長
板は0オーダ波長板として動作する。
【0085】次に、入射光線4が光軸に平行な状態から
ずれた場合を考える。入射光線4と第3のc軸21のな
す角度をδとすると、第3のc軸21と第4のc軸23
は平行に配置されているので、入射光線4と第4のc軸
23のなす角度もδとなる。δが増加すると、第3の複
屈折結晶20の異常光屈折率ne3(δ)は増加し、第4
の複屈折結晶22の異常光屈折率ne4(δ)は減少す
る。すなわち、式7において、δの変化により生じる異
常光屈折率の変化をお互いに相殺するよう変化する。
【0086】ここで、no3/ne30とne40/no4の値、
および、no3とno4が近い値を持つ2つの複屈折結晶を
選択することにより、光軸ずれの許容範囲をさらに大き
くすることができる。このような複屈折結晶の組合せで
入手性の高い材料の組合せとして、Al23結晶とSi
2結晶、Al23結晶とMgF2結晶、BBO結晶とY
VO4結晶、CaCO3結晶とYVO4結晶等が考えられ
る。これらの材料は、レーザ装置用の高品質な結晶を容
易に入手することができ、廉価で高精度な波長板を構成
することが可能である。第3の複屈折結晶20としてA
23結晶を、第4の複屈折結晶22としてSiO2
晶を用いて、α34=πとし、0オーダの1/2波長板を
構成したときを考える。厚さd3=302.5μm、d4
=224.3μm、波長λ=800nm、第3のc軸2
1とx軸のなす角度θ=45゜としたときの、入射光線
4のx軸方向およびy軸方向の角度ずれ、すなわち、入
射光4の拡がり角と、出射面22bよりより出射された
出射光線5のy軸方向の成分の割合、すなわち、偏光度
との関係を、図8に示す。図8(a)は偏光度の角度依
存性の空間分布を示したもの、図8(b)は、図8
(a)のx=0,x=y,x=−yの断面を示したもの
である。図8(b)より、x=0において偏光度が0.
99となる拡がり角は約25゜、x=y,x=−yにお
いては約19゜となる。拡がり角としてx軸方向10゜
×y軸方向40゜(半値全幅)のガウス形状を持ち、x
軸方向に偏光度1で偏光した光線を入射し、上記波長板
を通過させた時の偏光度は0.992となり、従来の0
オーダ波長板と同等の高い偏光度が得られる。
【0087】図9に、10゜×40゜の半値全幅を持つ
ガウス形状の拡がりを持つ光線を入射し、α34=πを満
たすように、厚さd3およびd4を変化させたときの、複
屈折結晶の厚さd3+d4と出射光の偏光度の関係を示
す。偏光度が0.99以上となる厚さは、d3+d4が約
2mm以下の時であり、波長板の厚さを厚くして、高い
偏光度を得ることが可能である。また、偏光度を0.9
5程度まで許容すれば、10mm以上の厚さをとること
が可能である。すなわち、厚さに自由度を持った波長板
を構成することができる。
【0088】また、図10に、光線4の拡がり角が0゜
の時の、上記波長板の偏光度の波長特性を示す。波長8
00nm付近で偏光度が0.99以上となる波長範囲は
±57nmであり、従来例の0オーダ波長板より優れた
波長特性が得られる。
【0089】このような波長板では、光線4の入射角度
に対して、第3の複屈折結晶20の異常光屈折率n
e3(δ)と第4の複屈折結晶22の異常光屈折率n
e4(δ)がお互いに相殺するよう変化するため、波長板
の厚みを増やしても、入射光線4の入射角度依存性が小
さくなる。また、波長依存性が小さく、広い波長域にお
いて位相特性の変化が小さいため、複数の波長に対して
一つの波長板を用いることができる。
【0090】また、上記の例では、位相差α34=πとし
たが、0≦α34≦2πのいずれの値でも良い。このよう
に構成すれば、厚さの自由度の高い、任意の位相差の、
入射角度依存性、波長依存性の小さな波長板を構成でき
る。
【0091】また、第3の複屈折結晶20と第4の複屈
折結晶22は、接着や光学ボンディング等により、お互
いに密着させても良い。このように構成すれば、一体で
アライメントずれに強い、厚さの自由度の高い、任意の
位相差の、入射角度依存性、波長依存性の小さな波長板
を構成できる。
【0092】さらにまた、上記の例では、入射光線4か
ら、第3の複屈折結晶20、第4の複屈折結晶22の順
に並んでいるとしたが、第4の複屈折結晶22、第3の
複屈折結晶20の順に並べても良い。
【0093】また、上記の波長板では、第3の複屈折結
晶20と第4の複屈折結晶22を組み合わせて構成した
が、同様の構成で同じ位相差、または、異なった位相差
を与える複数の波長板を組み合わせてもよい。このよう
に構成すれば、異なった位相差を与える波長板を複数用
意し、容易に位相差を変更することができるので、レー
ザ装置の設計が容易になる。
【0094】さらにまた、上記の例では、第3の複屈折
結晶20としてAl23結晶を用いたが、LiNbO3
結晶、CaCO3結晶、BBO結晶等、no>ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0095】また、上記の例では、第4の複屈折結晶2
2としてSiO2結晶を用いたが、YLF結晶、YVO4
結晶、TiO2結晶、MgF2結晶等、no<ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0096】さらにまた、上記の波長板を半導体レーザ
の出力部に備えても良い。このように構成すれば、半導
体レーザの出力光の拡がり角が大きい場合でも、レーザ
光の偏光状態の出力角度依存性の小さな半導体レーザが
得られ、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏光
を調整することができる。
【0097】実施の形態4.実施の形態3に示した波長
板をマルチオーダにしたときの構成として、式7におい
て、α34=2n34π+α34’とし、厚さd3+d4がほぼ
一定となるように変化させたときを考える。n34は0ま
たは正の整数である。
【0098】第3の複屈折結晶20としてAl23結晶
を、第4の複屈折結晶22としてSiO2結晶を用い
て、α34’=πとし、1/2波長板を構成したときを考
える。図11に、10゜×40゜の半値全幅を持つガウ
ス形状の拡がりを持つ光線を入射し、α34’=πでd3
+d4〜1mmを満たすようにd3およびd4を変化させ
たときの、n34と偏光度の関係を示す。ここで、Al2
3結晶を薄くしたときのn 34を負の値で表している。
34=3以下で約0.95の偏光度が、n34=10以下
で約0.80の偏光度が得られる。従来のマルチオーダ
波長板、および従来の組合せ0オーダ波長板で厚さ1m
mとした時の偏光度は約0.77である。すなわち、本
発明における上記波長板ではマルチオーダにした場合
も、入射角度依存性の小さな波長板を構成することがで
きる。
【0099】また、上記の例では、位相差α34’=πと
したが、0≦α34’≦2πのいずれの値でも良い。この
ように構成すれば、厚さの自由度の高い、任意の位相差
の、入射角度依存性の小さな波長板を構成できる。
【0100】また、第3の複屈折結晶20と第4の複屈
折結晶22は、接着や光学ボンディング等により、お互
いに密着させても良い。このように構成すれば、一体で
アライメントずれに強い、厚さの自由度の高い、任意の
位相差の、入射角度依存性の小さな波長板を構成でき
る。
【0101】さらにまた、上記の例では、入射光線4か
ら、第3の複屈折結晶20、第4の複屈折結晶22の順
に並んでいるとしたが、第4の複屈折結晶22、第3の
複屈折結晶20の順に並べても良い。
【0102】また、上記の波長板では、第3の複屈折結
晶20と第4の複屈折結晶22を組み合わせて構成した
が、同様の構成で同じ位相差、または、異なった位相差
を与える複数の波長板を組み合わせてもよい。このよう
に構成すれば、異なった位相差を与える波長板を複数用
意し、容易に位相差を変更することができるので、レー
ザ装置の設計が容易になる。
【0103】さらにまた、上記の例では、第3の複屈折
結晶20としてAl23結晶を用いたが、LiNbO3
結晶、CaCO3結晶、BBO結晶等、no>ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0104】また、上記の例では、第4の複屈折結晶2
2としてSiO2結晶を用いたが、YLF結晶、YVO4
結晶、TiO2結晶、MgF2結晶等、no<ne0の関係
を持つ複屈折結晶を用いても良い。
【0105】さらにまた、上記の波長板を半導体レーザ
の出力部に備えても良い。このように構成すれば、半導
体レーザの出力光の拡がり角が大きい場合でも、レーザ
光の偏光状態の出力角度依存性の小さな半導体レーザが
得られ、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏光
を調整することができる。
【0106】実施の形態5.図12はこの発明の実施の
形態5による波長板を示す構成図である。図において、
30は第5の複屈折結晶、30aは第5の複屈折結晶3
0の入射面、30bは第5の複屈折結晶30の出射面、
31は第5の複屈折結晶30の第5のc軸、32は第5
の複屈折結晶30に略々平行に配置された第6の複屈折
結晶、32aは第6の複屈折結晶32の入射面、32b
は第6の複屈折結晶32の出射面、33は第6の複屈折
結晶32の第6のc軸、34は第5の複屈折結晶30に
略々平行に配置された第7の複屈折結晶、34aは第7
の複屈折結晶34の入射面、34bは第7の複屈折結晶
34の出射面、35は第7の複屈折結晶30の第7のc
軸、36は第5の複屈折結晶30に略々平行に配置され
た第8の複屈折結晶、36aは第8の複屈折結晶36の
入射面、36bは第8の複屈折結晶36の出射面、37
は第8の複屈折結晶36の第8のc軸である。
【0107】第5の複屈折軸30の第5のc軸31は、
入射面30aに含まれ(ないしは、略々平行に配置さ
れ)、x軸と角度θをなすように配置されている。第6
の複屈折結晶32の第6のc軸33は、入射面32aに
含まれ(ないしは、略々平行に配置され)、x軸と角度
θをなすように配置されている。すなわち、第5のc軸
31と第6のc軸33は平行になるように配置されてい
る。
【0108】第7の複屈折軸34の第7のc軸35は、
入射面34aに含まれ(ないしは略々平行に配置さ
れ)、x軸と角度θ+π/2をなすように配置されてい
る。第8の複屈折結晶36の第8のc軸37は、入射面
36aに含まれ(ないしは略々平行に配置され)、x軸
と角度θ+π/2をなすように配置されている。すなわ
ち、第7のc軸35と第8のc軸37は平行になるよう
に配置されている。従って、第5のc軸31と第7のc
軸35は直交するように配置されている。
【0109】第5の複屈折結晶30の、常光屈折率no5
と、光線がc軸に対して垂直な時の異常光屈折率ne50
は、no5>ne50の関係を持つ。また、第6の複屈折結
晶32の、常光屈折率no6と、光線がc軸に対して垂直
な時の異常光屈折率ne60は、no6<ne60の関係を持
つ。さらにまた、第7の複屈折結晶34の、常光屈折率
o7と、光線がc軸に対して垂直な時の異常光屈折率n
e70は、no7>ne70の関係を持つ。また、第8の複屈折
結晶36の、常光屈折率no8と、光線がc軸に対して垂
直な時の異常光屈折率ne80は、no8<ne80の関係を持
つ。第5の複屈折結晶30の厚さはd5、第6の複屈折
結晶32の厚さはd6、第7の複屈折結晶34の厚さは
7、第8の複屈折結晶36の厚さはd8である。第5の
c軸31の方向を第1の複屈折軸、xy平面に含まれ第
1の複屈折軸に垂直な軸を第2の複屈折軸とする。
【0110】次に動作について説明する。第5の複屈折
結晶30の入射面30aより入射した光線4が、第5の
複屈折結晶30、第6の複屈折結晶32、第7の複屈折
結晶34、第8の複屈折結晶36を透過して、出射光5
として出射されたとき、第1の複屈折軸方向の偏光成分
と第2の複屈折軸方向の偏光方向に与える位相差は、以
下の式で表される。
【0111】
【数8】
【0112】ここで、厚さd5,d6,d7,d8は、0≦
α5678≦2πとなるように設定され、d5(no5
e50)−d6(ne60−no6)と−d7(no7−ne70
+d8(ne 80−no8)がほぼ等しくとなるように設定さ
れている。すなわち、上記波長板は0オーダ波長板とし
て動作する。
【0113】さらに、本実施の形態においては、入射光
4の波長λに対して、第5の複屈折結晶30の厚さ
5、および、第6の複屈折結晶32の厚さd6が、0≦
(2π/λ)|d5(no5−ne5)−d6(ne6−no6
|≦πとなるように設定され、また、入射光4の波長λ
に対して、第7の複屈折結晶34の厚さd7、および、
第8の複屈折結晶36の厚さd8が、0≦(2π/λ)
|d7(no7−ne7)−d8(ne8−no8)|≦πとなる
ように設定されているとともに、(2π/λ){d
5(no5−ne5)−d6(ne6−no6)}と(2π/λ)
{d8(ne8−no8)−d7(no7−ne7)}の値がほぼ
等しくなるように設定されている。
【0114】次に、入射光線4が光軸に平行な状態から
ずれた場合を考える。入射光線4と第5のc軸31のな
す角度をδ5とすると、第5のc軸31と第6のc軸3
3は平行に配置されているので、入射光線4と第6のc
軸33のなす角度もδ5となる。δ5が増加すると、第5
の複屈折結晶30の異常光屈折率ne5(δ5)は増加
し、第6の複屈折結晶32の異常光屈折率ne6(δ5
は減少する。すなわち、式8において、δの変化により
生じるne5(δ5)およびne6(δ5)の変化は、お互い
に相殺される。
【0115】また、入射光線4と第7のc軸35のなす
角度をδ7とすると、第7のc軸35と第8のc軸37
は平行に配置されているので、入射光線4と第8のc軸
37のなす角度もδ7となる。δ7が増加すると、第7の
複屈折結晶34の異常光屈折率ne7(δ7)は増加し、
第8の複屈折結晶36の異常光屈折率ne8(δ7)は減
少する。すなわち、式8において、δの変化により生じ
るne7(δ7)およびne 8(δ7)の変化は、お互いに相
殺される。
【0116】ここで、第5の複屈折結晶30と第6の複
屈折結晶32として、no5/ne50とne60/no6の値、
および、no5とno6が近い値を持つ2つの複屈折結晶を
選択し、第7の複屈折結晶36と第8の複屈折結晶38
として、no7/ne70とne 80/no8の値、および、no7
とno8が近い値を持つ2つの複屈折結晶を選択しするこ
とにより、光軸ずれの許容範囲をさらに大きくすること
ができる。このような複屈折結晶の組合せで入手性の高
い材料の組合せとして、Al23結晶とSiO2結晶、
Al23結晶とMgF2結晶、BBO結晶とYVO4
晶、CaCO3結晶とYVO4結晶等が考えられる。これ
らの材料は、レーザ装置用の高品質な結晶を容易に入手
することができ、廉価で高精度な波長板を構成すること
が可能である。第5の複屈折結晶30および第7の複屈
折結晶34としてAl23結晶を、第6の複屈折結晶3
2および第8の複屈折結晶36としてSiO2結晶を用
いて、α5678=πとし、0オーダの1/2波長板を構成
した時を考える。厚さd5=277.3μm、d6=22
4.3μm、d7=252.1μm、d8=246.8μ
m、波長λ=800nm、第5のc軸31とx軸のなす
角度θ=45゜としたときの、入射光線4のx軸方向お
よびy軸方向の角度ずれ、すなわち、入射光4の拡がり
角と、出射面36bより出射された出射光線5のy軸方
向の成分の割合、すなわち、偏光度との関係を、図13
に示す。図13(a)は偏光度の角度依存性の空間分布
を示したもの、図13(b)は、図13(a)のx=
0,x=y,x=−yの断面を示したものである。図1
3(b)より、x=0において偏光度が0.99となる
拡がり角は約±56度、x=y,x=−yにおいては約
±25゜となる。拡がり角としてx軸方向10゜×y軸
方向40゜(半値全幅)のガウス形状を持ち、x軸方向
に偏光度1で偏光した光線を入射し、上記波長板を通過
させた時の偏光度は0.999となり、従来の0オーダ
波長板に比べてさらに高い偏光度が得られる。
【0117】図14に、10゜×40゜の半値全幅を持
つガウス形状の拡がりを持つ光線を入射し、α5678=π
を満たすように、厚さd5,d6,d7およびd8を変化さ
せたときの、複屈折結晶の厚さd5+d6+d7+d8と出
射光の偏光度の関係を示す。偏光度が0.99以上とな
る厚さは、d5+d6+d7+d8が約9mm以下の時であ
り、波長板の厚さを厚くして、高い偏光度を得ることが
可能である。また、偏光度を0.95程度まで許容すれ
ば、20mm以上の厚さをとることが可能である。すな
わち、厚さに自由度を持った波長板を構成することがで
きる。
【0118】また、図15に、光線4の拡がり角が0゜
の時の、上記波長板の偏光度の波長特性を示す。波長8
00nm付近で偏光度が0.99以上となる波長範囲は
±48nmであり、従来例の0オーダ波長板と同等の波
長特性が得られる。
【0119】このような波長板では、光線4の入射角度
に対して、第5の複屈折結晶30の異常光屈折率n
e5(δ5)と第6の複屈折結晶32の異常光屈折率ne6
(δ5)がお互いに相殺するよう変化し、第7の複屈折
結晶34の異常光屈折率ne7(δ7)と第8の複屈折結
晶36の異常光屈折率ne8(δ7)がお互いに相殺する
よう変化するため、波長板の厚みを増やしても、入射光
線4の入射角度依存性が小さくなる。また、波長依存性
が小さく、広い波長域において位相特性の変化が小さい
ため、複数の波長に対して一つの波長板を用いることが
できる。
【0120】また、上記の例では、位相差α5678=πと
したが、0≦α5678≦2πのいずれの値でも良い。この
ように構成すれば、厚さの自由度の高い、任意の位相差
の、入射角度依存性、波長依存性の小さな波長板を構成
できる。
【0121】また、上記の例では、0≦α5678≦2πと
し、d5(no5−ne50)−d6(ne 60−no6)が−d7
(no7−ne70)+d8(ne80−no8)とほぼ等しくな
るように設定したが、本構成は、実施の形態3で示した
波長板2個を、実施の形態1で示した様に複屈折軸方向
を直交させて配置した構成であり、実施の形態4で示し
たように、第5の複屈折材料30と第6の複屈折材料3
2の組合せによる波長板、および、第7の複屈折材料3
4と第8の複屈折材料36の組合せによる波長板を、そ
れぞれ、マルチオーダ波長板としても良い。さらに、実
施の形態2で示したように、α5678=2πn5678+α
5678’として、マルチオーダ波長板を構成しても良い。
【0122】また、第5の複屈折結晶30、第6の複屈
折結晶32、第7の複屈折結晶34、および第8の複屈
折結晶36は、接着や光学ボンディング等により、お互
いに密着させても良い。このように構成すれば、一体で
アライメントずれに強い、厚さの自由度の高い、任意の
位相差の、入射角度依存性、波長依存性の小さな波長板
を構成できる。
【0123】さらにまた、上記の例では、入射光線4か
ら、第5の複屈折結晶30、第6の複屈折結晶32、第
7の複屈折結晶34、第8の複屈折結晶36の順に並ん
でいるとしたが、任意の順番で配置しても良い。
【0124】また、上記の波長板では、入射光線4か
ら、第5の複屈折結晶30、第6の複屈折結晶32、第
7の複屈折結晶34、第8の複屈折結晶36を組み合わ
せて構成したが、同様の構成で同じ位相差、または、異
なった位相差を与える複数の波長板を組み合わせてもよ
い。このように構成すれば、異なった位相差を与える波
長板を複数用意し、容易に位相差を変更することができ
るので、レーザ装置の設計が容易になる。
【0125】さらにまた、上記の例では、第5の複屈折
結晶30および第7の複屈折結晶34としてAl23
晶を用いたが、それぞれ、LiNbO3結晶、CaCO3
結晶、BBO結晶等、no>ne0の関係を持つ複屈折結
晶を用いても良い。
【0126】また、上記の例では、第6の複屈折結晶3
2および第8の複屈折結晶36としてSiO2結晶を用
いたが、それぞれ、YLF結晶、YVO4結晶、TiO2
結晶、MgF2結晶等、no<ne0の関係を持つ複屈折結
晶を用いても良い。
【0127】さらにまた、上記の波長板を半導体レーザ
の出力部に備えても良い。このように構成すれば、半導
体レーザの出力光の拡がり角が大きい場合でも、レーザ
光の偏光状態の出力角度依存性の小さな半導体レーザが
得られ、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏光
を調整することができる。
【0128】
【発明の効果】この発明は、常光屈折率no1と異常光屈
折率ne1とがno1>ne1の関係を有し、入射光が入射さ
れる入射面に略々平行に配置された第1の結晶軸を有す
る第1の複屈折結晶と、第1の複屈折結晶に略々平行に
配置され、常光屈折率no2と異常光屈折率ne2がno2
e2の関係を有し、光が入射される入射面に略々平行に
配置された第2の結晶軸を有する第2の複屈折結晶とを
備え、第1の結晶軸と第2の結晶軸とは略々垂直に配置
されている波長板であるので、厚さの自由度の高い、す
なわち、機械的強度の強い、入射光の入射角依存性の小
さな波長板が得られ、拡がり角の大きな励起用半導体レ
ーザの出射光を入射した場合でも、固体レーザ媒質の吸
収の大きい偏光方向に偏光状態を調整することができ、
レーザ光出力の効率を高くすることができる。
【0129】また、第1の複屈折結晶の厚さd1および
上記第2の複屈折結晶の厚さd2が、d1(no1−ne1
とd2(ne2−no2)の値がほぼ等しくなるように設定
されているので、厚さの自由度の高い、すなわち、機械
的強度の強い、入射光の入射角依存性の小さな波長板が
得られ、拡がり角の大きな励起用半導体レーザの出射光
を入射した場合でも、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏
光方向に偏光状態を調整することができ、レーザ光出力
の効率を高くすることができる。
【0130】また、入射光の波長λに対して、第1の複
屈折結晶の厚さd1および上記第2の複屈折結晶の厚さ
2が、0≦(2π/λ){d1(no1−ne1)+d
2(ne2−no2)}≦2πとなるように設定されている
ので、入射光の入射角依存性の小さな波長板が得られ、
拡がり角の大きな励起用半導体レーザの出射光を入射し
た場合でも、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に
偏光状態を調整することができ、レーザ光出力の効率を
高くすることができる。また、波長依存性が小さく、広
い波長域において偏光状態がほとんど変化しないため、
複数の波長に対して一つの波長板を用いることができる
ので、装置を簡略化することができる。
【0131】また、第1の複屈折結晶と第2の複屈折結
晶とを互いに接着しているので、一体でアライメントず
れに強い波長板が得られ、レーザ装置のメンテナンスの
簡略化や信頼性の向上を図ることができる。
【0132】また、常光屈折率no3と異常光屈折率ne3
とがno3>ne3の関係を有し、入射光が入射される入射
面に略々平行に配置された第3の結晶軸を有する第3の
複屈折結晶と、第3の複屈折結晶に略々平行に配置さ
れ、常光屈折率no4と異常光屈折率ne4がno4<ne4
関係を有し、光が入射される入射面に略々平行に配置さ
れた第4の結晶軸を有する第4の複屈折結晶とを備え、
第3の結晶軸と第4の結晶軸とは略々平行に配置されて
いるので、厚さの自由度の高い、すなわち、機械的強度
の強い、入射光の入射角依存性の小さな波長板が得ら
れ、拡がり角の大きな励起用半導体レーザの出射光を入
射した場合でも、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方
向に偏光状態を調整することができ、レーザ光出力の効
率を高くすることができる。
【0133】また、入射光の波長λに対して、第3の複
屈折結晶の厚さd3および上記第4の複屈折結晶の厚さ
4が、0≦(2π/λ)|d3(no3−ne3)−d
4(ne4−no4)|≦2πとなるように設定されている
ので、厚さの自由度の高い、すなわち、機械的強度の強
い、入射光の入射角依存性の小さな波長板が得られ、拡
がり角の大きな励起用半導体レーザの出射光を入射した
場合でも、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏
光状態を調整することができ、レーザ光出力の効率を高
くすることができる。また、波長依存性が小さく、広い
波長域において偏光状態がほとんど変化しないため、複
数の波長に対して一つの波長板を用いることができるの
で、装置を簡略化することができる。
【0134】また、第3の複屈折結晶と第4の複屈折結
晶とを互いに接着しているので、一体でアライメントず
れに強い波長板が得られ、レーザ装置のメンテナンスの
簡略化や信頼性の向上を図ることができる。
【0135】また、常光屈折率no5と異常光屈折率ne5
とがno5>ne5の関係を有し、入射光が入射される入射
面に略々平行に配置された第5の結晶軸を有する第5の
複屈折結晶と、第5の複屈折結晶に略々平行に配置さ
れ、常光屈折率no6と異常光屈折率ne6がno6<ne6
関係を有し、光が入射される入射面に略々平行に配置さ
れた第6の結晶軸を有する第6の複屈折結晶と、第5の
複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折率no7と異
常光屈折率ne7とがno7>ne7の関係を有し、入射光が
入射される入射面に略々平行に配置された第7の結晶軸
を有する第7の複屈折結晶と、第5の複屈折結晶に略々
平行に配置され、常光屈折率no8と異常光屈折率ne8
o8<ne8の関係を有し、光が入射される入射面に略々
平行に配置された第8の結晶軸を有する第8の複屈折結
晶とを備え、第5の結晶軸と第6の結晶軸とは略々平行
に配置されており、第7の結晶軸と第8の結晶軸とは略
々平行に配置されており、第5の結晶軸と第7の結晶軸
とは略々垂直に配置されているので、厚さの自由度の高
い、すなわち、機械的強度の強い、入射光の入射角依存
性の小さな波長板が得られ、拡がり角の大きな励起用半
導体レーザの出射光を入射した場合でも、固体レーザ媒
質の吸収の大きい偏光方向に偏光状態を調整することが
でき、レーザ光出力の効率を高くすることができる。
【0136】また、入射光の波長λに対して、第5の複
屈折結晶の厚さd5、第6の複屈折結晶の厚さd6、第7
の複屈折結晶の厚さd7、および、第8の複屈折結晶の
厚さd8が、(2π/λ){d5(no5−ne5)−d
6(ne6−no6)}と(2π/λ){d8(ne8−no8
−d7(no7−ne7)}の値がほぼ等しくなるように設
定されているので、厚さの自由度の高い、すなわち、機
械的強度の強い、入射光の入射角依存性の小さな波長板
が得られ、拡がり角の大きな励起用半導体レーザの出射
光を入射した場合でも、固体レーザ媒質の吸収の大きい
偏光方向に偏光状態を調整することができ、レーザ光出
力の効率を高くすることができる。また、波長依存性が
小さく、広い波長域において偏光状態がほとんど変化し
ないため、複数の波長に対して一つの波長板を用いるこ
とができるので、装置を簡略化することができる。
【0137】また、入射光の波長λに対して、第5の複
屈折結晶の厚さd5、および、第6の複屈折結晶の厚さ
6が、0≦(2π/λ)|d5(no5−ne5)−d
6(ne6−no6)|≦πとなるように設定され、入射光
の波長λに対して、第7の複屈折結晶の厚さd7、およ
び、第8の複屈折結晶の厚さd8が、0≦(2π/λ)
|d 7(no7−ne7)−d8(ne8−no8)|≦πとなる
ように設定されているので、厚さの自由度の高い、すな
わち、機械的強度の強い、入射光の入射角依存性の小さ
な波長板が得られ、拡がり角の大きな励起用半導体レー
ザの出射光を入射した場合でも、固体レーザ媒質の吸収
の大きい偏光方向に偏光状態を調整することができ、レ
ーザ光出力の効率を高くすることができる。また、波長
依存性が小さく、広い波長域において偏光状態がほとん
ど変化しないため、複数の波長に対して一つの波長板を
用いることができるので、装置を簡略化することができ
る。
【0138】また、第5の複屈折結晶と、第6の複屈折
結晶と、第7の複屈折結晶と、第8の複屈折結晶とを互
いに接着しているので、一体でアライメントずれに強い
波長板が得られ、レーザ装置のメンテナンスの簡略化や
信頼性の向上を図ることができる。
【0139】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてA
23結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結晶、
第6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてSiO
2結晶を用いているので、レーザ装置用の高品質な結晶
を容易に入手することができ、廉価で高精度な波長板が
得られる。
【0140】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてA
23結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結晶、
第6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてMgF
2結晶を用いているので、レーザ装置用の高品質な結晶
を容易に入手することができ、廉価で高精度な波長板が
得られる。
【0141】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてB
BO結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結晶、第
6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてYVO4
結晶を用いているので、レーザ装置用の高品質な結晶を
容易に入手することができ、廉価で高精度な波長板が得
られる。
【0142】また、第1の複屈折結晶、第3の複屈折結
晶、第5の複屈折結晶および第7の複屈折結晶としてC
aCO3結晶を、第2の複屈折結晶、第4の複屈折結
晶、第6の複屈折結晶および第8の複屈折結晶としてY
VO4結晶を用いているので、レーザ装置用の高品質な
結晶を容易に入手することができ、廉価で高精度な波長
板が得られる。
【0143】また、この発明は、上記の波長板を複数組
み合わせて構成した波長板であるので、組み合わせによ
りレーザ光に与える位相差を任意に変更することがで
き、レーザ装置の設計が容易になる。
【0144】また、この発明は、上記の波長板をレーザ
光の出射部に備えた半導体レーザであるので、レーザ光
の偏光状態の出力角度依存性が小さな半導体レーザが得
られ、固体レーザ媒質の吸収の大きい偏光方向に偏光を
調整することができ、レーザ光出力の効率を高くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による波長板を示す
構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による波長板を透過
した光線の拡がり角と偏光度の関係を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による波長板を透過
した光線の波長と偏光度の関係を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による波長板の割合
tと偏光度の関係を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による波長板の厚さ
と偏光度の関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による波長板の割合
tと偏光度の関係を示す図であ
【図7】 この発明の実施の形態3による波長板を示す
構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による波長板を透過
した光線の拡がり角と偏光度の関係を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による波長板の厚さ
と偏光度の関係を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による波長板を透
過した光線の波長と偏光度の関係を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態4によるマルチオー
ダ波長板のn34と偏光度の関係を示す図であ
【図12】 この発明の実施の形態5による波長板を示
す構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態5による波長板を透
過した光線の拡がり角と偏光度の関係を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態5による波長板の厚
さと偏光度の関係を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態5による波長板を透
過した光線の波長と偏光度の関係を示す図である。
【図16】 従来のマルチオーダ波長板を示す構成図で
ある。
【図17】 従来のマルチオーダ波長板の偏光状態の変
化を示す説明図である。
【図18】 従来のマルチオーダ波長板を透過した光線
の拡がり角と偏光度の関係を示す図である。
【図19】 従来のマルチオーダ波長板を透過した光線
の波長と偏光度の関係を示す図である。
【図20】 従来の0オーダ波長板を示す構成図であ
る。
【図21】 従来の0オーダ波長板を透過した光線の拡
がり角と偏光度の関係を示す図である。
【図22】 従来の0オーダ波長板を透過した光線の波
長と偏光度の関係を示す図である。
【図23】 従来のマルチオーダ波長板の厚さと偏光度
の関係を示す図である。
【図24】 従来の組合せ0オーダ波長板を示す構成図
である。
【図25】 従来の組合せ0オーダ波長板を透過した光
線の拡がり角と偏光度の関係を示す図である。
【図26】 従来の組合せ0オーダ波長板の厚さと偏光
度の関係を示す図である。
【図27】 従来の組合せ0オーダ波長板を透過した光
線の波長と偏光度の関係を示す図である。
【符号の説明】
3 光軸、4 入射光線、5 出射光線、20 第3の
複屈折結晶、20a第3の入射面、20b 第3の出射
面、21 第3のc軸、22 第4の複屈折結晶、22
a 第4の入射面、22b 第4の出射面、23 第4
のc軸、25第1の複屈折結晶、25a 第1の入射
面、25b 第1の出射面、26 第1のc軸、27
第2の複屈折結晶、27a 第2の入射面、27b 第
2の出射面、28 第2のc軸、30 第5の複屈折結
晶、30a 第5の入射面、30b 第5の出射面、3
1 第5のc軸、32 第6の複屈折結晶、32a 第
6の入射面、32b 第6の出射面、33 第6のc
軸、34 第7の複屈折結晶、34a 第7の入射面、
34b 第7の出射面、35 第7のc軸、36第8の
複屈折結晶、36a 第8の入射面、36b 第8の出
射面、37 第8のc軸。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常光屈折率no1と異常光屈折率ne1とが
    o1>ne1の関係を有し、入射光が入射される入射面に
    略々平行に配置された第1の結晶軸を有する第1の複屈
    折結晶と、 上記第1の複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折
    率no2と異常光屈折率ne2がno2<ne2の関係を有し、
    光が入射される入射面に略々平行に配置された第2の結
    晶軸を有する第2の複屈折結晶とを備え、 上記第1の結晶軸と上記第2の結晶軸とは略々垂直に配
    置されていることを特徴とする波長板。
  2. 【請求項2】 上記第1の複屈折結晶の厚さd1および
    上記第2の複屈折結晶の厚さd2が、d1(no1−ne1
    とd2(ne2−no2)の値がほぼ等しくなるように設定
    されていることを特徴とする請求項1記載の波長板。
  3. 【請求項3】 上記入射光の波長λに対して、上記第1
    の複屈折結晶の厚さd1および上記第2の複屈折結晶の
    厚さd2が、0≦(2π/λ){d1(no1−ne1)+d
    2(ne2−no2)}≦2πとなるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の波長板。
  4. 【請求項4】 上記第1の複屈折結晶と上記第2の複屈
    折結晶とを互いに接着したことを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の波長板。
  5. 【請求項5】 常光屈折率no3と異常光屈折率ne3とが
    o3>ne3の関係を有し、入射光が入射される入射面に
    略々平行に配置された第3の結晶軸を有する第3の複屈
    折結晶と、 上記第3の複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折
    率no4と異常光屈折率ne4がno4<ne4の関係を有し、
    光が入射される入射面に略々平行に配置された第4の結
    晶軸を有する第4の複屈折結晶とを備え、 上記第3の結晶軸と上記第4の結晶軸とは略々平行に配
    置されていることを特徴とする波長板。
  6. 【請求項6】 上記入射光の波長λに対して、上記第3
    の複屈折結晶の厚さd3および上記第4の複屈折結晶の
    厚さd4が、0≦(2π/λ)|d3(no3−ne3)−d
    4(ne4−no4)|≦2πとなるように設定されている
    ことを特徴とする請求項5記載の波長板。
  7. 【請求項7】 上記第3の複屈折結晶と上記第4の複屈
    折結晶とを互いに接着したことを特徴とする請求項5な
    いし6のいずれかに記載の波長板。
  8. 【請求項8】 常光屈折率no5と異常光屈折率ne5とが
    o5>ne5の関係を有し、入射光が入射される入射面に
    略々平行に配置された第5の結晶軸を有する第5の複屈
    折結晶と、 上記第5の複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折
    率no6と異常光屈折率ne6がno6<ne6の関係を有し、
    光が入射される入射面に略々平行に配置された第6の結
    晶軸を有する第6の複屈折結晶と、 上記第5の複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折
    率no7と異常光屈折率ne7とがno7>ne7の関係を有
    し、入射光が入射される入射面に略々平行に配置された
    第7の結晶軸を有する第7の複屈折結晶と、 上記第5の複屈折結晶に略々平行に配置され、常光屈折
    率no8と異常光屈折率ne8がno8<ne8の関係を有し、
    光が入射される入射面に略々平行に配置された第8の結
    晶軸を有する第8の複屈折結晶とを備え、 上記第5の結晶軸と上記第6の結晶軸とは略々平行に配
    置されており、 上記第7の結晶軸と上記第8の結晶軸とは略々平行に配
    置されており、 上記第5の結晶軸と上記第7の結晶軸とは略々垂直に配
    置されていることを特徴とする波長板。
  9. 【請求項9】 上記入射光の波長λに対して、上記第5
    の複屈折結晶の厚さd5、上記第6の複屈折結晶の厚さ
    6、上記第7の複屈折結晶の厚さd7、および、上記第
    8の複屈折結晶の厚さd8が、(2π/λ){d5(no5
    −ne5)−d 6(ne6−no6)}と(2π/λ){d
    8(ne8−no8)−d7(no7−ne7)}の値がほぼ等し
    くなるように設定されていること特徴とする請求項8記
    載の波長板。
  10. 【請求項10】 上記入射光の波長λに対して、上記第
    5の複屈折結晶の厚さd5、および、上記第6の複屈折
    結晶の厚さd6が、0≦(2π/λ)|d5(no5
    e5)−d6(ne6−no6)|≦πとなるように設定さ
    れ、 上記入射光の波長λに対して、上記第7の複屈折結晶の
    厚さd7、および、上記第8の複屈折結晶の厚さd8が、
    0≦(2π/λ)|d7(no7−ne7)−d8(ne8−n
    o8)|≦πとなるように設定されていること特徴とする
    請求項8または9記載の波長板。
  11. 【請求項11】 上記第5の複屈折結晶と、上記第6の
    複屈折結晶と、上記第7の複屈折結晶と、上記第8の複
    屈折結晶とを互いに接着したことを特徴とする請求項8
    ないし10のいずれかに記載の波長板。
  12. 【請求項12】 上記第1の複屈折結晶、上記第3の複
    屈折結晶、上記第5の複屈折結晶および上記第7の複屈
    折結晶としてAl23結晶を、 上記第2の複屈折結晶、上記第4の複屈折結晶、上記第
    6の複屈折結晶および上記第8の複屈折結晶としてSi
    2結晶を用いたことを特徴とする請求項1ないし11
    のいずれかに記載の波長板。
  13. 【請求項13】 上記第1の複屈折結晶、上記第3の複
    屈折結晶、上記第5の複屈折結晶および上記第7の複屈
    折結晶としてAl23結晶を、 上記第2の複屈折結晶、上記第4の複屈折結晶、上記第
    6の複屈折結晶および上記第8の複屈折結晶としてMg
    2結晶を用いたことを特徴とする請求項1ないし11
    のいずれかに記載の波長板。
  14. 【請求項14】 上記第1の複屈折結晶、上記第3の複
    屈折結晶、上記第5の複屈折結晶および上記第7の複屈
    折結晶としてBBO結晶を、上記第2の複屈折結晶、上
    記第4の複屈折結晶、上記第6の複屈折結晶および上記
    第8の複屈折結晶としてYVO4結晶を用いたことを特
    徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の波長
    板。
  15. 【請求項15】 上記第1の複屈折結晶、上記第3の複
    屈折結晶、上記第5の複屈折結晶および上記第7の複屈
    折結晶としてCaCO3結晶を、 上記第2の複屈折結晶、上記第4の複屈折結晶、上記第
    6の複屈折結晶および上記第8の複屈折結晶としてYV
    4結晶を用いたことを特徴とする請求項1ないし11
    のいずれかに記載の波長板。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれかに記載
    の波長板を複数組み合わせたことを特徴とする波長板。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかに記載
    の波長板をレーザ光の出射部に備えたことを特徴とする
    半導体レーザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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