JP2002137951A - セメント組成物 - Google Patents

セメント組成物

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JP2002137951A
JP2002137951A JP2000325029A JP2000325029A JP2002137951A JP 2002137951 A JP2002137951 A JP 2002137951A JP 2000325029 A JP2000325029 A JP 2000325029A JP 2000325029 A JP2000325029 A JP 2000325029A JP 2002137951 A JP2002137951 A JP 2002137951A
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starch
viscosity
temperature
cement
hydration
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JP2000325029A
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Yoko Kanehara
陽子 金原
Kazuo Sasaoka
一男 笹岡
Masashi Koyama
正師 小山
Tatsuya Kishida
達也 岸田
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Nippon Starch Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Starch Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート、モルタル、グラウト等の水和
熱による温度上昇を抑制し、かつ遅延性および流動性を
改良したセメント組成物を提供する。 【構成】 糊化開始温度が35〜60℃で、かつ、50
℃の糊液粘度が25%水溶液において20〜3000m
Pa・sで、かつ、含有カチオン性窒素量が乾燥澱粉量
に対し0.2〜1.2%である、低粘度化カチオン化澱
粉をセメントに対し0.1〜5重量%含有してなるセメ
ント組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート、モルタ
ル、グラウト等の水和熱による温度上昇を抑制し、かつ
遅延性および流動性を改良したセメント組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、土木建築構造物の大型化が進み、
いわゆるマスコンクリート工事が増加している。この様
な工事では、セメントの水和による発熱の総量が大きく
なってコンクリート温度が材令初期に急激に上昇し、そ
れが降下したときの応力が原因となって、コンクリート
にいわゆる熱ひび割れが発生することがあり、水和熱の
少ないセメントが求められている。また、工事における
作業性の観点からコンクリートやモルタルが流動性に優
れていることも求められている。水和熱を抑制するため
に、温度21℃での水可溶分が10〜65重量%である
デキストリンを添加する方法が提案されている(特公昭
57−261号公報)が、効果が不十分で、かつ、デキ
ストリンにはセメントの硬化を遅くする欠点(遅延性)
があった。その改善方法として本出願人が先に出願した
特開平6−305799号において、糊化開始温度が3
0〜60℃、かつ50℃の糊液粘度が25%水溶液にお
いて20〜5000センチポイズである化工澱粉を添加
する方法を提案したが、化工澱粉の種類と糊化開始温度
によってはコンクリートやモルタルの流動性が悪くなる
という欠点が認められた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑
み、本発明は、コンクリート構造物のひび割れの原因と
なるセメントの水和熱による温度上昇を抑制し、かつ遅
延性および流動性を改良することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、糊化開始温度が
35〜60℃で、かつ、50℃の糊液粘度が25%水溶
液において20〜3000mPa・sで、かつ、含有カ
チオン性窒素量が乾燥澱粉量に対し0.2〜1.2%で
ある低粘度化カチオン化澱粉を、セメントに対し0.1
〜5重量%含有してなるセメント組成物が、水和熱によ
る温度上昇を抑制し、かつ遅延性および流動性をも改良
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明のカチオン化澱粉は、冷水では溶解
しない澱粉粒子が水中で加熱されたときに膨潤糊化し始
める温度である糊化開始温度、および糊化された澱粉水
溶液の糊液粘度、および含有するカチオン性窒素量によ
り限定される。
【0006】糊化開始温度とは、澱粉の15%水懸濁液
450gをアミログラフ(ブラベンダー社2枚翼パドル
式、メジャーリングヘッド:700cmg、回転数:7
5rpm、温度上昇:1.5℃/分)に付した際に、ア
ミログラフの基線から立ち上がる処の温度をいう。本発
明の低粘度化カチオン化澱粉の糊化開始温度は35〜6
0℃、好ましくは40〜55℃であり、35℃未満の場
合は、流動性が低下する。また、60℃を超える場合
は、水和熱抑制効果が低下する。
【0007】糊液粘度とは、澱粉の25%水溶液の粘度
をB型回転粘度計にて50℃において測定した値をい
う。本発明の低粘度化カチオン化澱粉の糊液粘度は20
〜3000mPa・s、好ましくは50〜1000mP
a・sであり、20mPa・s未満の場合は、遅延性が
出、3000mPa・sを超える場合は、水和熱抑制効
果が低下する。
【0008】本発明の低粘度化カチオン化澱粉の原料は
特に制限はなく、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ
澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉等の澱粉を用いることが
できる。これらの中では、反応の容易な馬鈴薯澱粉が好
ましい。
【0009】本発明の低粘度化カチオン化澱粉の低粘度
化反応は、酸化および/または酸処理、酵素変性、酸焙
焼等により行うことができるが、次亜塩素酸塩を用いた
酸化による低粘度化が最も好ましい。
【0010】本発明の低粘度化カチオン化澱粉のカチオ
ン化は、3級カチオン化反応および4級カチオン化反応
を用いることができる。3級カチオン化反応には、2−
クロロ−エチルジエチルアンモニウムクロライド等を用
いることができる。4級カチオン化反応には、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシ−プロピルトリメチルアンモニウム
クロライドや2、3エポキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド等を用いることができる。これらの中
では、反応効率等より2、3エポキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライドが好ましい。カチオン化澱粉
のカチオン化度は、カチオン化澱粉中のカチオン性窒素
量(乾燥澱粉量に対する重量%)を用いて表示すること
が慣用となっている。本発明の低粘度化カチオン化澱粉
のカチオン化度は窒素量0.2〜1.2%、好ましくは
0.5〜0.9%であり、0.2%未満の場合は、水和
熱抑制効果が低下し、1.2%を越える場合は、効果が
さらに向上することなく製造コストが高くなり経済的で
ない。また、さらに、必要に応じて、低粘度化、カチオ
ン化以外の、エステル化、エーテル化、架橋化、合成高
分子の共重合化によるグラフト化、等の化工を行っても
よい。
【0011】本発明の低粘度化カチオン化澱粉のセメン
トに対する添加量は0.1〜5%(重量%)で、好まし
くは0.2〜2%である。添加量が0.1%未満の場合
は、水和熱抑制効果が小さく、5重量%を越える場合
は、効果がさらに向上することなく、逆に、強度に悪影
響を与える場合がある。
【0012】本発明におけるセメントとは、各種のポル
トランドセメントならびにシリカ、フライアッシュ等を
配合した混合セメントのようなポルトランドセメントで
あり、グラウト用モルタルとは、ブリージングと沈下を
示さず適正な強度を発現するものであって、例えば石
灰、カルシウムアルミネート、カルシウムサルフォアル
ミネートに必要に応じて石膏などを添加して水和による
膨張力を利用するもの、鉄粉の酸化を利用するもの、ま
たはこれらの混合物を主成分とし、これに例えばポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース等の増粘剤、アルミニウムなどの発泡剤、各
種のセメント分散剤を必要量添加したものなどを使用し
たモルタルである。膨張セメントとは、水和によって膨
張を示すものであればよく、具体的には、カルシウムサ
ルフォアルミネート系鉱物、カルシウムアルミネートと
石膏、高炉スラグ、石灰、マグネシアなどの膨張成分を
セメントに添加するか、またはセメントクリンカー中に
これらの物質が存在するように焼成し粉砕したものであ
る。
【0013】流動性とは、JIS R 5201に規定
されているモルタルのフロー試験の方法に基づいて測定
した値である。以下、実施例を挙げて更に説明する。
【0014】
【実施例】以下に本発明について、実施例をもって具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。以下の例に於ける部および%は、それぞれ重量部お
よび重量%を意味する。実施例における本発明の低粘度
化カチオン化澱粉および比較用の澱粉を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】実施例1〜9、比較例1〜9 普通ポルトランドセメント、川砂、表1に記載の澱粉、
減水剤(商品名レオビルド SP8S X2、株式会社
ポゾリス物産)、水を温度20℃に調整した後、ステン
レスビーカーに表2に記載の処方の通り配合し、ハンド
ミキサーを用いて90秒間練り上げ、モルタルを作製し
た。練り上げ後直ちに流動性を測定した。同時に、残り
のモルタルを円筒形デュワーびん(内径85mm、容量
1リットル)に1750g充填し、ふたをして気温20
℃の恒温室中で養生した。その間、モルタルの中心温度
を熱電対にて測定した。養生開始後の最高温度、および
その時間を記録した。結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2について、糊化開始温度についての比
較を抜粋して表3に示す。澱粉番号9(比較用)は特開
平6−305799号公報による発明品であるが、糊化
開始温度が35℃未満の場合は、流動性が極端に低くな
っていることがわかる。また60℃より高い場合は、最
高温度が比較例1と比べて低くならず、水和熱抑制効果
がないことがわかる。
【0019】
【表3】
【0020】表2について、糊液粘度についての比較を
抜粋して表4に示す。澱粉番号11(比較用)は特公昭
57−261号公報による発明品であるが、粘度が20
mPa・s未満の場合は、最高温度になるまでの時間が
長くなり、遅延性が発現していることがわかる。また澱
粉番号8(比較用)は特開平6−305799号公報に
よる発明品であるが、粘度が3000mPa・sより高
い場合は、最高温度が比較例1と比べてあまり低くなっ
ておらず、水和熱抑制効果が小さいことがわかる。
【0021】
【表4】
【0022】表2について、カチオン化度についての比
較を抜粋して表5に示す。カチオン化度が0.2%未満
の場合は、最高温度が比較例1と比べてあまり低くなっ
ておらず、水和熱抑制効果が小さいことがわかる。
【0023】
【表5】
【0024】表2について、添加量についての比較を抜
粋して表6に示す。添加量が0.1%未満の場合は、最
高温度が比較例1と比べてあまり低くなっておらず、水
和熱抑制効果が小さいことがわかる。また、本発明のカ
チオン澱粉でも添加量を多くすると若干の遅延性が発現
するが、その程度は澱粉番号11(比較品)に比べると
小さいことがわかる。
【0025】
【表6】
【0026】表2の実施例2、実施例5、比較例1、お
よび比較例6について、同一モルタルにて4×4×16
cmの供試体を作製した。この供試体を20℃で湿式養
生し、材令28日の圧縮強度を測定した。結果を表7に
示す。本発明のカチオン澱粉を用いた場合、材令28日
では良好な強度を示すことがわかる。
【0027】
【表7】
【0028】実施例10〜11、比較例10〜11 普通ポルトランドセメント、膨張剤、川砂、表8の澱
粉、減水剤(商品名レオビルド SP8S X2、株式
会社ポゾリス物産)、水を温度20℃に調整した後、ス
テンレスビーカーに表8に記載の処方の通り配合し、ハ
ンドミキサーを用いて90秒間練り上げ、モルタルを作
製した。練り上げ後直ちに流動性を測定した。同時に、
残りのモルタルを円筒形デュワーびん(内径85mm、
容量1リットル)に1750g充填し、ふたをして気温
20℃の恒温室中で養生した。その間、モルタルの中心
温度を熱電対にて測定した。養生開始後の最高温度、お
よびその時間を記録した。結果を表8に示す。本発明の
カチオン澱粉を用いた場合、膨張剤を併用しても水和熱
抑制効果が大きいことがわかる。
【0029】
【表8】
【0030】
【発明の効果】本発明の低粘度化カチオン澱粉をセメン
トに添加することにより、コンクリート、モルタル、グ
ラウト等の水和熱による温度上昇を抑制し、かつ遅延性
および流動性を改良することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸田 達也 大阪府大阪市淀川区三津屋北3丁目3番29 号 日澱化学株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA04 PB40 PC03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糊化開始温度が35〜60℃で、かつ、5
    0℃の糊液粘度が25%水溶液において20〜3000
    mPa・sで、かつ、含有カチオン性窒素量が乾燥澱粉
    量に対し0.2〜1.2%である、低粘度化カチオン化
    澱粉をセメントに対し0.1〜5重量%含有してなるセ
    メント組成物。
JP2000325029A 2000-10-25 2000-10-25 セメント組成物 Pending JP2002137951A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005273837A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 制振性機械部品の製造方法
US20150119490A1 (en) * 2013-10-31 2015-04-30 Hercules Incorporated Dry mortar and emulsion/dispersion based compositions
WO2018088405A1 (ja) 2016-11-11 2018-05-17 デンカ株式会社 セメント混和材、それを用いたセメント組成物、及びコンクリート構造物の塩害抑制加工方法

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US20150119490A1 (en) * 2013-10-31 2015-04-30 Hercules Incorporated Dry mortar and emulsion/dispersion based compositions
WO2018088405A1 (ja) 2016-11-11 2018-05-17 デンカ株式会社 セメント混和材、それを用いたセメント組成物、及びコンクリート構造物の塩害抑制加工方法

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