JP2002137021A - カップ状金属部品の成形方法及び成形装置 - Google Patents
カップ状金属部品の成形方法及び成形装置Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 小さな加工荷重により、カップ形状製品の底
面を薄く形成することができるカップ状金属部品の成形
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 形成装置1の加工部には、ダイ2とパン
チ5とカウンターパンチ6が備えられ、ダイ2の上部に
載置されたブランク4がパンチ5によりダイ2の穴に押
し込まれて深絞り加工及びしごき加工される。このと
き、ブランク4の下方からカウンターパンチ6が図示し
ないコントローラに制御されてブランク4の底面部4b
を所定圧力で部分圧縮加工を同時に行う。深絞り加工及
びしごき加工により底面部4bには引っ張り応力が生じ
ているため、比較的小さな力で底面部4bを薄く成形で
きる。
面を薄く形成することができるカップ状金属部品の成形
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 形成装置1の加工部には、ダイ2とパン
チ5とカウンターパンチ6が備えられ、ダイ2の上部に
載置されたブランク4がパンチ5によりダイ2の穴に押
し込まれて深絞り加工及びしごき加工される。このと
き、ブランク4の下方からカウンターパンチ6が図示し
ないコントローラに制御されてブランク4の底面部4b
を所定圧力で部分圧縮加工を同時に行う。深絞り加工及
びしごき加工により底面部4bには引っ張り応力が生じ
ているため、比較的小さな力で底面部4bを薄く成形で
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的小さな加工
荷重で底面を薄く形成できるカップ状金属部品の成形方
法及び成形装置に関する。
荷重で底面を薄く形成できるカップ状金属部品の成形方
法及び成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、直径に対し深さの大きな薄肉のカ
ップ状製品の成形は、一般的に深絞り、再絞り、しごき
などを何度も繰り返す多段階加工により成形されてい
た。一方、カップ形状製品の底面を薄くする方法とし
て、例えば、特開平8−141662号公報に記載され
たような、しごき加工最終段階の下死点付近で底面圧縮
加工を実施する有底筒状製品の成形方法や、特開平3−
264125号公報に記載されたような工程を変えて底
面圧縮加工を実施する円筒状ワークのプレス方法などが
提案された。いずれも、加工ストローク終了に近い下死
点付近で、底面コイニングにより材料の底面部を圧縮し
て材料を半径方向に流動させて底面の厚みを薄くする方
法である。この底面コイニングによる圧縮に伴って底面
より流出した材料は、製品アール外径部とダイ内径の間
の空間に充填される。
ップ状製品の成形は、一般的に深絞り、再絞り、しごき
などを何度も繰り返す多段階加工により成形されてい
た。一方、カップ形状製品の底面を薄くする方法とし
て、例えば、特開平8−141662号公報に記載され
たような、しごき加工最終段階の下死点付近で底面圧縮
加工を実施する有底筒状製品の成形方法や、特開平3−
264125号公報に記載されたような工程を変えて底
面圧縮加工を実施する円筒状ワークのプレス方法などが
提案された。いずれも、加工ストローク終了に近い下死
点付近で、底面コイニングにより材料の底面部を圧縮し
て材料を半径方向に流動させて底面の厚みを薄くする方
法である。この底面コイニングによる圧縮に伴って底面
より流出した材料は、製品アール外径部とダイ内径の間
の空間に充填される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多段階
にわたる加工では、工数が増加するとともに、何種類も
の金型を用意する必要があり、生産コストが上昇すると
いう問題があった。
にわたる加工では、工数が増加するとともに、何種類も
の金型を用意する必要があり、生産コストが上昇すると
いう問題があった。
【0004】一方、絞り・しごき加工の加工力は加工反
力を負担する部分の最小断面積×材料の降伏応力で決ま
るが、従来のコイニング加工では板厚が薄く面積が広く
なる程摩擦抵抗による加工圧力が大となり、加工面積×
加工面圧が大きくなるため、例えば冷間圧延鋼板のよう
に降伏力が9.8×103Pa、引っ張り強さ2.7×
104Pa程度の比較的軟質な材料でも、加工に必要な
圧縮応力は、寸法や形状によって異なるものの降伏応力
の10倍に当たる9.8×104Paを超える大きな力
が必要になる場合も多かった。従って、従来のコイニン
グ加工によれば加工荷重の増大を招き、絞り・しごき加
工に比べ、遙かに大きな容量のプレスが必要になり、生
産コストが上昇するという問題があった。また、加工荷
重を小さくするためには、特別な潤滑が必要になった
り、例えば底面の中央部に穴を開けて材料の流動性を向
上させる等の形状の制限を設けたりする必要があるとい
う問題があった。
力を負担する部分の最小断面積×材料の降伏応力で決ま
るが、従来のコイニング加工では板厚が薄く面積が広く
なる程摩擦抵抗による加工圧力が大となり、加工面積×
加工面圧が大きくなるため、例えば冷間圧延鋼板のよう
に降伏力が9.8×103Pa、引っ張り強さ2.7×
104Pa程度の比較的軟質な材料でも、加工に必要な
圧縮応力は、寸法や形状によって異なるものの降伏応力
の10倍に当たる9.8×104Paを超える大きな力
が必要になる場合も多かった。従って、従来のコイニン
グ加工によれば加工荷重の増大を招き、絞り・しごき加
工に比べ、遙かに大きな容量のプレスが必要になり、生
産コストが上昇するという問題があった。また、加工荷
重を小さくするためには、特別な潤滑が必要になった
り、例えば底面の中央部に穴を開けて材料の流動性を向
上させる等の形状の制限を設けたりする必要があるとい
う問題があった。
【0005】また、底面コイニングによる圧縮に伴って
底面より流出した材料は、製品アール外径部とダイ内径
の間の空間に充填されるため製品アールが小さくなった
り、角が付いた形状になったりするが、大きな製品アー
ルが必要な場合に、製品アールに沿った形状のカウンタ
ーパンチを用いて製品アールを大きくしようとすると、
製品アールに沿った部分のカウンターパンチの端部は肉
薄になり弾性変形をし易くなる。そのため、製品アール
の部分に材料が高圧で充填されると、カウンターパンチ
が弾性変形を生じてダイとカウンターパンチの間の隙間
がなくなり、相対運動時に摩擦による抵抗が発生した
り、最悪カジリ(フィレッティング)となりロックする
ことがあるという問題があった。また、カウンターパン
チの肉薄の部分が、加工の繰り返しによって破断し、製
品形状の維持ができなくなったり、スライド下面に破片
が入り込んで他の金型を破損してしまうという問題もあ
った。
底面より流出した材料は、製品アール外径部とダイ内径
の間の空間に充填されるため製品アールが小さくなった
り、角が付いた形状になったりするが、大きな製品アー
ルが必要な場合に、製品アールに沿った形状のカウンタ
ーパンチを用いて製品アールを大きくしようとすると、
製品アールに沿った部分のカウンターパンチの端部は肉
薄になり弾性変形をし易くなる。そのため、製品アール
の部分に材料が高圧で充填されると、カウンターパンチ
が弾性変形を生じてダイとカウンターパンチの間の隙間
がなくなり、相対運動時に摩擦による抵抗が発生した
り、最悪カジリ(フィレッティング)となりロックする
ことがあるという問題があった。また、カウンターパン
チの肉薄の部分が、加工の繰り返しによって破断し、製
品形状の維持ができなくなったり、スライド下面に破片
が入り込んで他の金型を破損してしまうという問題もあ
った。
【0006】この発明は、上記課題を解決するため、少
ない工程で直径に対して深さの大きなカップ状製品の成
形が可能で、かつ、従来のコイニング加工に比較して小
さな加工荷重により、カップ形状製品の底面を薄く形成
することができるとともに、底面周囲に大きなアールが
形成可能なカップ状金属部品の成形方法及び装置を提供
することを目的とする。
ない工程で直径に対して深さの大きなカップ状製品の成
形が可能で、かつ、従来のコイニング加工に比較して小
さな加工荷重により、カップ形状製品の底面を薄く形成
することができるとともに、底面周囲に大きなアールが
形成可能なカップ状金属部品の成形方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のカップ状金属部品の成形方法では、ダイと
パンチを用いて行うカップ状金属部品の成形方法におい
て、加工対象物であるブランクに対して、絞り加工と、
駆動手段により所定の圧力を付加可能なカウンターパン
チで、前記加工対象物の底面部に前記パンチに対向する
圧力を付加する部分圧縮加工とが併せて行われることを
特徴とする。
め、本発明のカップ状金属部品の成形方法では、ダイと
パンチを用いて行うカップ状金属部品の成形方法におい
て、加工対象物であるブランクに対して、絞り加工と、
駆動手段により所定の圧力を付加可能なカウンターパン
チで、前記加工対象物の底面部に前記パンチに対向する
圧力を付加する部分圧縮加工とが併せて行われることを
特徴とする。
【0008】このカップ状金属部品の成形方法では、ブ
ランクから絞り加工と併せて底面部に対する部分圧縮加
工を行うことで、底面部から部分圧縮加工により流出し
た材料が絞り加工により生じた引っ張り応力により側壁
部へ流動し易くなるため、材料の流動性が向上し、少な
い工程で直径に対して深さの大きなカップ状製品の成形
が可能になるとともに、従来のコイニング加工などに比
較して小さな加工荷重で底面部を薄く加工できるという
作用がある。そのため、比較的コストの低い容量の小さ
なプレス機が使用でき、生産コストを低減することがで
きる。また、別工程でコイニング加工をする必要もなく
製品の加工の工数を減らすことができる。
ランクから絞り加工と併せて底面部に対する部分圧縮加
工を行うことで、底面部から部分圧縮加工により流出し
た材料が絞り加工により生じた引っ張り応力により側壁
部へ流動し易くなるため、材料の流動性が向上し、少な
い工程で直径に対して深さの大きなカップ状製品の成形
が可能になるとともに、従来のコイニング加工などに比
較して小さな加工荷重で底面部を薄く加工できるという
作用がある。そのため、比較的コストの低い容量の小さ
なプレス機が使用でき、生産コストを低減することがで
きる。また、別工程でコイニング加工をする必要もなく
製品の加工の工数を減らすことができる。
【0009】また、本発明のカップ状金属部品の成形方
法では、前記絞り加工と併せて、しごき加工が行われる
ように構成することもできる。
法では、前記絞り加工と併せて、しごき加工が行われる
ように構成することもできる。
【0010】このように構成されたカップ状金属部品の
成形方法では、絞り加工と同時にしごき加工、底面部の
薄肉化ができることはいうまでもなく、しごき加工を併
せて行うことで底面部に対する二軸引っ張り応力を高め
て、さらに材料の流動性を高め、少ない工程で直径に対
して深さの大きなカップ状製品の成形が可能になるとと
もに、従来より小さな加工荷重で底面部の薄肉化を行う
ことができる。
成形方法では、絞り加工と同時にしごき加工、底面部の
薄肉化ができることはいうまでもなく、しごき加工を併
せて行うことで底面部に対する二軸引っ張り応力を高め
て、さらに材料の流動性を高め、少ない工程で直径に対
して深さの大きなカップ状製品の成形が可能になるとと
もに、従来より小さな加工荷重で底面部の薄肉化を行う
ことができる。
【0011】また、本発明のカップ状金属部品の成形方
法では、ダイとパンチを用いて行うカップ状金属部品の
成形方法において、側壁部と底面部を有したカップ状の
加工対象物に対して、しごき加工と、駆動手段により所
定の圧力を付加可能なカウンターパンチで前記加工対象
物の底面部に前記パンチに対向する圧力を付加する部分
圧縮加工とが、併せて行われるようにしてもよい。
法では、ダイとパンチを用いて行うカップ状金属部品の
成形方法において、側壁部と底面部を有したカップ状の
加工対象物に対して、しごき加工と、駆動手段により所
定の圧力を付加可能なカウンターパンチで前記加工対象
物の底面部に前記パンチに対向する圧力を付加する部分
圧縮加工とが、併せて行われるようにしてもよい。
【0012】このカップ状金属部品の成形方法では、既
に側壁部と底面部を有したカップ状の加工対象物に対し
ても、しごき加工と同時に底面部に対する部分圧縮加工
を行うことで、底面部から部分圧縮加工により流出した
材料が側壁部へ流動するため材料の流動性が向上し、少
ない工程で直径に対して深さの大きなカップ状製品の成
形が可能で、かつ従来のコイニング加工などに比較して
小さな加工荷重で底面部を薄く加工できるという作用が
ある。そのため、比較的コストの低い容量の小さなプレ
ス機が使用でき、生産コストを低減することができる。
また、別工程でコイニング加工をする必要もなく、製品
の加工の工数を減らすことができる。
に側壁部と底面部を有したカップ状の加工対象物に対し
ても、しごき加工と同時に底面部に対する部分圧縮加工
を行うことで、底面部から部分圧縮加工により流出した
材料が側壁部へ流動するため材料の流動性が向上し、少
ない工程で直径に対して深さの大きなカップ状製品の成
形が可能で、かつ従来のコイニング加工などに比較して
小さな加工荷重で底面部を薄く加工できるという作用が
ある。そのため、比較的コストの低い容量の小さなプレ
ス機が使用でき、生産コストを低減することができる。
また、別工程でコイニング加工をする必要もなく、製品
の加工の工数を減らすことができる。
【0013】そして、本発明のカップ状金属部品の形成
装置では、ダイと、前記ダイとともに加工対象物に対す
る絞り加工若しくはしごき加工の少なくともいずれかの
加工が可能なパンチと、当該パンチを駆動する第一の駆
動手段と、前記パンチの底面部と対向する位置に配置さ
れたカウンターパンチと、当該カウンターパンチを駆動
する第二の駆動手段と、前記パンチによる加工中に前記
パンチの底面部との間の加工対象物の底面に対して、前
記カウンターパンチにより所定の圧力を付加されるよう
に前記第二の駆動手段を制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴とする。
装置では、ダイと、前記ダイとともに加工対象物に対す
る絞り加工若しくはしごき加工の少なくともいずれかの
加工が可能なパンチと、当該パンチを駆動する第一の駆
動手段と、前記パンチの底面部と対向する位置に配置さ
れたカウンターパンチと、当該カウンターパンチを駆動
する第二の駆動手段と、前記パンチによる加工中に前記
パンチの底面部との間の加工対象物の底面に対して、前
記カウンターパンチにより所定の圧力を付加されるよう
に前記第二の駆動手段を制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0014】このようなカップ状金属部品の形成装置を
用いることで、絞り加工若しくはしごき加工の一方又は
双方の加工と同時にカウンターパンチで製品の底面部に
対して所定の圧力を付加することができ、底面部から部
分圧縮加工により流出した材料が絞り加工により生じた
引っ張り応力により側壁部へ流動し易くなるため、材料
の流動性が向上し、少ない工程で直径に対して深さの大
きなカップ状製品の成形が可能で、かつ従来の装置を用
いたコイニング加工などに比較して小さな加工荷重で底
面部を薄く加工できるという作用がある。そのため、プ
レス機の容量を小さくすることができるため、装置のコ
ストを低くすることができる。また、別工程でコイニン
グ加工をする必要もなく、製品の加工の工数を減らすこ
とができる。
用いることで、絞り加工若しくはしごき加工の一方又は
双方の加工と同時にカウンターパンチで製品の底面部に
対して所定の圧力を付加することができ、底面部から部
分圧縮加工により流出した材料が絞り加工により生じた
引っ張り応力により側壁部へ流動し易くなるため、材料
の流動性が向上し、少ない工程で直径に対して深さの大
きなカップ状製品の成形が可能で、かつ従来の装置を用
いたコイニング加工などに比較して小さな加工荷重で底
面部を薄く加工できるという作用がある。そのため、プ
レス機の容量を小さくすることができるため、装置のコ
ストを低くすることができる。また、別工程でコイニン
グ加工をする必要もなく、製品の加工の工数を減らすこ
とができる。
【0015】なお、本発明は、以下のような構成で実施
することもできる。本発明のカップ状金属部品の成形方
法の構成に加え、前記カウンターパンチによる部分圧縮
加工が、前記しごき加工若しくは絞り加工の開始と同時
に開始されるように構成してもよい。
することもできる。本発明のカップ状金属部品の成形方
法の構成に加え、前記カウンターパンチによる部分圧縮
加工が、前記しごき加工若しくは絞り加工の開始と同時
に開始されるように構成してもよい。
【0016】このような加工を行うことで、例えば、加
工によってパンチアール部で引き延ばされた部分の強度
が未加工部位より増す加工硬化指数が大きなものに対し
て、カウンターパンチによる部分圧縮加工をしごき加工
若しくは絞り加工の開始と同時に開始させることで効率
的に底面部を薄く形成できる。
工によってパンチアール部で引き延ばされた部分の強度
が未加工部位より増す加工硬化指数が大きなものに対し
て、カウンターパンチによる部分圧縮加工をしごき加工
若しくは絞り加工の開始と同時に開始させることで効率
的に底面部を薄く形成できる。
【0017】また、本発明のカップ状金属部品の成形方
法の構成に加え、前記カウンターパンチによる部分圧縮
加工が、前記しごき加工若しくは絞り加工の開始より所
定時間遅れて開始されるように構成してもよい。
法の構成に加え、前記カウンターパンチによる部分圧縮
加工が、前記しごき加工若しくは絞り加工の開始より所
定時間遅れて開始されるように構成してもよい。
【0018】このような加工を行うことで、例えば、加
工度の高い加工限界に近い加工、例えば絞り比(DR)
が大きい加工(ここで絞り比(DR)とは、パンチ直径
をDp(mm)、ブランク直径をDb(mm)としたと
き、絞り比DR=Db/Dpにより算出される値をい
う。)の初期の段階で、パンチアール部が張り出しによ
り伸ばされるためカップ底部の材料が伸ばされながら進
行する加工において、所定時間遅らせて部分圧縮加工を
行うことで、その加工の初期の段階からカウンターパン
チ力を付加した場合に製品アール部と底面部のつなぎ部
分が薄くなって破断し絞り加工限界を下げてしまうこと
を防止することができる。
工度の高い加工限界に近い加工、例えば絞り比(DR)
が大きい加工(ここで絞り比(DR)とは、パンチ直径
をDp(mm)、ブランク直径をDb(mm)としたと
き、絞り比DR=Db/Dpにより算出される値をい
う。)の初期の段階で、パンチアール部が張り出しによ
り伸ばされるためカップ底部の材料が伸ばされながら進
行する加工において、所定時間遅らせて部分圧縮加工を
行うことで、その加工の初期の段階からカウンターパン
チ力を付加した場合に製品アール部と底面部のつなぎ部
分が薄くなって破断し絞り加工限界を下げてしまうこと
を防止することができる。
【0019】さらに、本発明のカップ状金属部品の成形
方法の構成に加え、前記カウンターパンチによる部分圧
縮加工が、加工開始より漸次圧力を強めて行われるよう
に構成してもよい。
方法の構成に加え、前記カウンターパンチによる部分圧
縮加工が、加工開始より漸次圧力を強めて行われるよう
に構成してもよい。
【0020】このような加工を行うことで、製品アール
部と底面部のつなぎ目の部分の破断を防止しつつ、かつ
破断のおそれがないときには大きな圧力をかけることで
効率的に底面部を薄くすることができる。
部と底面部のつなぎ目の部分の破断を防止しつつ、かつ
破断のおそれがないときには大きな圧力をかけることで
効率的に底面部を薄くすることができる。
【0021】また、本発明のカップ状金属部品の成形方
法においては、前記パンチのパンチラジアス部の形状が
加工対象物の加工前の側壁厚の0.5倍以上の半径のア
ールが付けられた形状に形成されたものが好ましい。
法においては、前記パンチのパンチラジアス部の形状が
加工対象物の加工前の側壁厚の0.5倍以上の半径のア
ールが付けられた形状に形成されたものが好ましい。
【0022】このように形成されたパンチを用いた加工
を行うことで、製品材料の底面部から側壁部への材料の
流動性を高めることができるとともに、製品の底面周囲
に大きなアールが形成できる。
を行うことで、製品材料の底面部から側壁部への材料の
流動性を高めることができるとともに、製品の底面周囲
に大きなアールが形成できる。
【0023】また、本発明のカップ状金属部品の成形方
法の構成に加え、前記カウンターパンチが、インナーパ
ンチ及び、アウターパンチに分割されたカウンターパン
チであって、前記インナーパンチ及び、アウターパンチ
が所定の圧力を付加するように個別に制御されるもので
あってもよい。
法の構成に加え、前記カウンターパンチが、インナーパ
ンチ及び、アウターパンチに分割されたカウンターパン
チであって、前記インナーパンチ及び、アウターパンチ
が所定の圧力を付加するように個別に制御されるもので
あってもよい。
【0024】このように構成されたカウンターパンチを
用いた加工を行うことで、カウンターパンチが一体では
できない微妙な制御が可能になり、底面部を薄く成形し
つつ多様な形状の製品を製作することができる。
用いた加工を行うことで、カウンターパンチが一体では
できない微妙な制御が可能になり、底面部を薄く成形し
つつ多様な形状の製品を製作することができる。
【0025】さらに本発明のカップ状金属部品の形成装
置の構成においては、前記パンチのパンチラジアス部の
形状は加工対象物の加工前の側壁厚の0.5倍以上の半
径のアールが付けられて形成されたものが好ましい。
置の構成においては、前記パンチのパンチラジアス部の
形状は加工対象物の加工前の側壁厚の0.5倍以上の半
径のアールが付けられて形成されたものが好ましい。
【0026】このように形成されたパンチを用いること
で、製品材料の底面部から側壁部への材料の流動性を高
めることができるとともに、製品の底面周囲に大きなア
ールが形成できる。
で、製品材料の底面部から側壁部への材料の流動性を高
めることができるとともに、製品の底面周囲に大きなア
ールが形成できる。
【0027】また、本発明のカップ状金属部品の形成装
置の構成に加え、前記カウンターパンチは、インナーパ
ンチ及び、アウターパンチから構成され、前記制御手段
は、前記インナーパンチ及びアウターパンチに対し圧力
を付加するように個別に制御可能に構成されたものであ
ってもよい。
置の構成に加え、前記カウンターパンチは、インナーパ
ンチ及び、アウターパンチから構成され、前記制御手段
は、前記インナーパンチ及びアウターパンチに対し圧力
を付加するように個別に制御可能に構成されたものであ
ってもよい。
【0028】このように構成されたカウンターパンチを
用いた加工を行うことで、カウンターパンチが一体では
できない微妙な制御が可能になり、底面部の薄肉化がで
きるとともに多様な形状の製品を製作することができ
る。
用いた加工を行うことで、カウンターパンチが一体では
できない微妙な制御が可能になり、底面部の薄肉化がで
きるとともに多様な形状の製品を製作することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカップ状の金属部
品の成形方法及び成形装置を、発明の実施の形態により
説明する。まず図1にカップ状金属部品を成形するため
の金属プレス加工のパターンを示す。一般にダイとパン
チを用いて行う金属プレス加工では、カップ状の金属部
品を成形する場合は深絞り加工による。深絞り加工と
は、加工用に準備された板状の素材(ブランク)をパン
チによりダイ型に押し込むことで、カップ状の形状とす
るものである。単に絞り加工ともいう。この場合、深絞
り加工と同時にしごきを行ってもよい。しごき加工と
は、一般的に、ダイとパンチのクリアランスを絞り素材
の板厚よりも小さくし、側壁部の板厚を減少させる加工
法である。板厚の減少とともに製品の長さを伸ばすこと
もできる。従来よりA工程による絞り加工に続けて側壁
部のしごき加工を行って、側壁部を薄くする図1のB工
程のような加工も通常行われていた。ここで製品の底面
部を薄く加工したい場合には、従来の技術に述べたよう
にB工程に続いて、C工程のような底面部への部分圧縮
加工を行って底面部を薄く加工するコイニング加工とよ
ばれる加工を別工程で行っていた。なお、図示をしない
がA工程に続いてコイニング加工を行うこともできる。
品の成形方法及び成形装置を、発明の実施の形態により
説明する。まず図1にカップ状金属部品を成形するため
の金属プレス加工のパターンを示す。一般にダイとパン
チを用いて行う金属プレス加工では、カップ状の金属部
品を成形する場合は深絞り加工による。深絞り加工と
は、加工用に準備された板状の素材(ブランク)をパン
チによりダイ型に押し込むことで、カップ状の形状とす
るものである。単に絞り加工ともいう。この場合、深絞
り加工と同時にしごきを行ってもよい。しごき加工と
は、一般的に、ダイとパンチのクリアランスを絞り素材
の板厚よりも小さくし、側壁部の板厚を減少させる加工
法である。板厚の減少とともに製品の長さを伸ばすこと
もできる。従来よりA工程による絞り加工に続けて側壁
部のしごき加工を行って、側壁部を薄くする図1のB工
程のような加工も通常行われていた。ここで製品の底面
部を薄く加工したい場合には、従来の技術に述べたよう
にB工程に続いて、C工程のような底面部への部分圧縮
加工を行って底面部を薄く加工するコイニング加工とよ
ばれる加工を別工程で行っていた。なお、図示をしない
がA工程に続いてコイニング加工を行うこともできる。
【0030】これに対し、本実施形態のカップ状の金属
部品の成形方法では、ブランクから深絞り加工を行い、
若しくは深絞り加工としごき加工を併せて行ったあと
で、しごき加工と同時にカウンターパンチを用いた部分
圧縮加工を行う図1のD工程の加工を行う。また、別の
方法として、ブランクから深絞り加工と同時にカウンタ
ーパンチを用いた部分圧縮加工を行うか、さらに同時に
しごき加工を併せて行うE工程の加工を行う。なお、本
実施の形態の成形方法であれば、従来の部分圧縮を別工
程で行うものにくらべ、工程が1工程少なくできる。
部品の成形方法では、ブランクから深絞り加工を行い、
若しくは深絞り加工としごき加工を併せて行ったあと
で、しごき加工と同時にカウンターパンチを用いた部分
圧縮加工を行う図1のD工程の加工を行う。また、別の
方法として、ブランクから深絞り加工と同時にカウンタ
ーパンチを用いた部分圧縮加工を行うか、さらに同時に
しごき加工を併せて行うE工程の加工を行う。なお、本
実施の形態の成形方法であれば、従来の部分圧縮を別工
程で行うものにくらべ、工程が1工程少なくできる。
【0031】次に、本実施の形態の工程を、従来の加工
の説明も含め、工程A〜工程Eの各工程を示す図2〜図
6の模式図に沿って説明する。なお、説明の便宜上、各
図においては、しわ押さえ、パンチの駆動装置、カウン
ターパンチの駆動装置等については図示を省略してい
る。
の説明も含め、工程A〜工程Eの各工程を示す図2〜図
6の模式図に沿って説明する。なお、説明の便宜上、各
図においては、しわ押さえ、パンチの駆動装置、カウン
ターパンチの駆動装置等については図示を省略してい
る。
【0032】工程Aの深絞り加工は以下のように行われ
る。図2(a)はA工程の加工前の状態を示す模式図で
あり、図2(b)はA工程の加工完了後の状態を示す模
式図である。図2(a)に示すように形成装置1は、ダ
イ2の上部に、ブランクの状態の素材4が位置決め治具
3により位置が決められて載置され、図示しないしわ押
さえ板により押さえられて所定の圧力が付加される。パ
ンチ5は、図示しない駆動装置(図7参照)により下方
に向けて圧力を付加する。そして図2(b)に示すよう
に、パンチ5が下降すると素材4は、ダイ2の穴に引き
込まれ深絞り加工が行われる。このような深絞り加工を
行うことで、素材4の底面部4bには二軸引っ張り応力
が作用し底面部4bは薄くなるが、その板厚の減少は5
〜10%程度であり、本発明が目的とする底面部4bの
薄肉化としては十分なものではない。
る。図2(a)はA工程の加工前の状態を示す模式図で
あり、図2(b)はA工程の加工完了後の状態を示す模
式図である。図2(a)に示すように形成装置1は、ダ
イ2の上部に、ブランクの状態の素材4が位置決め治具
3により位置が決められて載置され、図示しないしわ押
さえ板により押さえられて所定の圧力が付加される。パ
ンチ5は、図示しない駆動装置(図7参照)により下方
に向けて圧力を付加する。そして図2(b)に示すよう
に、パンチ5が下降すると素材4は、ダイ2の穴に引き
込まれ深絞り加工が行われる。このような深絞り加工を
行うことで、素材4の底面部4bには二軸引っ張り応力
が作用し底面部4bは薄くなるが、その板厚の減少は5
〜10%程度であり、本発明が目的とする底面部4bの
薄肉化としては十分なものではない。
【0033】また、工程Bの第二工程は以下のように行
われる。図3(a)はB工程の第一工程の加工後であっ
て、第二工程の加工前の状態を示す模式図であり、図3
(b)はB工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。この工程は、しごき工程である。図3(a)では、
素材は、第一工程(図1参照)により既にカップ状に深
絞り加工されており、この状態から図3(b)のように
パンチ5によりダイ2に押し込まれる。このときダイ2
の内径は、素材4の外径より、小さい径となっており、
ダイ2により素材4の側壁4sは塑性変形して薄くな
る。しかしながら、この工程でも底面部4bに二軸引っ
張り応力が生じるが、底面部4bの板厚の減少は小さい
ものである。
われる。図3(a)はB工程の第一工程の加工後であっ
て、第二工程の加工前の状態を示す模式図であり、図3
(b)はB工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。この工程は、しごき工程である。図3(a)では、
素材は、第一工程(図1参照)により既にカップ状に深
絞り加工されており、この状態から図3(b)のように
パンチ5によりダイ2に押し込まれる。このときダイ2
の内径は、素材4の外径より、小さい径となっており、
ダイ2により素材4の側壁4sは塑性変形して薄くな
る。しかしながら、この工程でも底面部4bに二軸引っ
張り応力が生じるが、底面部4bの板厚の減少は小さい
ものである。
【0034】工程Cの第三工程は以下のように行われ
る。図4(a)はC工程の第二工程の加工中の状態を示
す模式図であり、図4(b)はC工程の加工完了後の状
態を示す模式図である。図4(a)に示す状態では、第
一工程の深絞り加工が終了し、第二工程によりしごき加
工が行われている途中であり、カウンターパンチ6は、
ダイ2の下方からダイ2に挿入されている。カウンター
パンチ6は、図示しない駆動装置により駆動されて上下
方向に変位可能に構成されている(図7参照)。図4
(a)に示す状態では、素材4の側壁部4sはダイ2に
接触してしごかれているが、底面部4bは、カウンター
パンチ6には当接していない。パンチ5が下死点に至る
直前に、つまりコイニング代の分だけ上で素材4の底面
部4bがカウンターパンチ6の上端に当接して、底面部
4bに圧力を付加する。なお、このカウンターパンチ6
は位置が固定されており上下に変位しない。そして図4
(b)に示すように固定されたカウンターパンチ6と素
材4の底面部が当接すると、さらにパンチ5はコイニン
グ代の分だけ下降して素材4の底面部4bは部分圧縮加
工される。なおこの場合は、比較のため本発明のカウン
ターパンチ6を備えた成形装置を用いているが、ダイ2
自体の形状によりコイニング加工できることは言うまで
もない。なお、底面部4bの部分圧縮加工により底面部
4bの板厚は減少するが、それに伴って流出した材料
は、アール部4rに移動してアール部4rの半径を小さ
くさせる。また、部分圧縮加工に必要な加工荷重は、本
発明の方法に比較して高いものとなるため、プレス機の
容量は大きなものが必要となる。
る。図4(a)はC工程の第二工程の加工中の状態を示
す模式図であり、図4(b)はC工程の加工完了後の状
態を示す模式図である。図4(a)に示す状態では、第
一工程の深絞り加工が終了し、第二工程によりしごき加
工が行われている途中であり、カウンターパンチ6は、
ダイ2の下方からダイ2に挿入されている。カウンター
パンチ6は、図示しない駆動装置により駆動されて上下
方向に変位可能に構成されている(図7参照)。図4
(a)に示す状態では、素材4の側壁部4sはダイ2に
接触してしごかれているが、底面部4bは、カウンター
パンチ6には当接していない。パンチ5が下死点に至る
直前に、つまりコイニング代の分だけ上で素材4の底面
部4bがカウンターパンチ6の上端に当接して、底面部
4bに圧力を付加する。なお、このカウンターパンチ6
は位置が固定されており上下に変位しない。そして図4
(b)に示すように固定されたカウンターパンチ6と素
材4の底面部が当接すると、さらにパンチ5はコイニン
グ代の分だけ下降して素材4の底面部4bは部分圧縮加
工される。なおこの場合は、比較のため本発明のカウン
ターパンチ6を備えた成形装置を用いているが、ダイ2
自体の形状によりコイニング加工できることは言うまで
もない。なお、底面部4bの部分圧縮加工により底面部
4bの板厚は減少するが、それに伴って流出した材料
は、アール部4rに移動してアール部4rの半径を小さ
くさせる。また、部分圧縮加工に必要な加工荷重は、本
発明の方法に比較して高いものとなるため、プレス機の
容量は大きなものが必要となる。
【0035】次に、本発明の形成方法に係る工程Dの第
二工程について概略を説明する。図5(a)はD工程の
第一工程の加工後であって、第二工程の加工前の加工前
の状態を示す模式図であり、図5(b)はD工程の加工
完了後の状態を示す模式図である。図5(a)に示すよ
うに、既にカップ状に形成された素材4は、パンチ5の
下端5bにセットされ、カウンターパンチ6は、図示し
ない駆動装置(図7参照)により上方に変位されてお
り、素材4のしごき加工の開始時には素材4の底面部4
bにカウンターパンチ6の上端部6tに当接する。カウ
ンターパンチ6の上端部6tの外径は、パンチ5の下端
部5bの外径より大きく、かつ素材4の外径即ちダイ2
の穴2hの内径より小さく形成されている。この状態か
ら、パンチ5は所定の速度で下方に変位し、それに伴っ
て素材4の側壁部4sがダイ2に当接し、しごき加工が
開始される。一方、素材4の底面部4bに当接したカウ
ンターパンチ6は、素材4の下端部に対して、所定の圧
力を付加する。そして、パンチ5の下降に同期して下降
しつつ所定の圧力を素材4の底面部4bに付加し続け
る。つまり、しごき加工をしつつ、素材4の底面部4b
に対して部分圧縮加工を行う。そして、図5(b)の状
態でD工程を完了する。
二工程について概略を説明する。図5(a)はD工程の
第一工程の加工後であって、第二工程の加工前の加工前
の状態を示す模式図であり、図5(b)はD工程の加工
完了後の状態を示す模式図である。図5(a)に示すよ
うに、既にカップ状に形成された素材4は、パンチ5の
下端5bにセットされ、カウンターパンチ6は、図示し
ない駆動装置(図7参照)により上方に変位されてお
り、素材4のしごき加工の開始時には素材4の底面部4
bにカウンターパンチ6の上端部6tに当接する。カウ
ンターパンチ6の上端部6tの外径は、パンチ5の下端
部5bの外径より大きく、かつ素材4の外径即ちダイ2
の穴2hの内径より小さく形成されている。この状態か
ら、パンチ5は所定の速度で下方に変位し、それに伴っ
て素材4の側壁部4sがダイ2に当接し、しごき加工が
開始される。一方、素材4の底面部4bに当接したカウ
ンターパンチ6は、素材4の下端部に対して、所定の圧
力を付加する。そして、パンチ5の下降に同期して下降
しつつ所定の圧力を素材4の底面部4bに付加し続け
る。つまり、しごき加工をしつつ、素材4の底面部4b
に対して部分圧縮加工を行う。そして、図5(b)の状
態でD工程を完了する。
【0036】続いて、本発明の形成方法に係る工程Eの
第一工程について概略を説明する。図6(a)はE工程
の加工前の状態を示す模式図であり、図6(b)はE工
程の加工完了後の状態を示す模式図である。E工程は、
第一工程で完結する工程であり、素材4がブランクの状
態でダイ2の上端に位置決め治具3により位置が決めら
れてセットされている。パンチ5は上方に離れた状態で
位置し、カウンターパンチ6は、その上端6tを素材4
の底面部4bとなる部分に当接している。次に、しわ押
さえ(図8参照)が素材4の周縁を押さえると、続いて
パンチ5が下降し、パンチ5の下端部5bが素材4の上
端部に当接する。すると、カウンターパンチ6は、図示
しないコントローラに制御されて駆動装置(図7参照)
でパンチ5と同期しながら下降しつつ所定の圧力を素材
4の底面部4bに付加し続ける。なお、詳細は後述する
が、ここでダイ2とパンチ5のクリアランスが、素材4
の板厚より大きければ深絞り加工のみが行われ、素材4
の板厚より小さければ深絞り加工としごき加工が同時に
行われる。そして図6(b)状態で工程Eを完了する。
第一工程について概略を説明する。図6(a)はE工程
の加工前の状態を示す模式図であり、図6(b)はE工
程の加工完了後の状態を示す模式図である。E工程は、
第一工程で完結する工程であり、素材4がブランクの状
態でダイ2の上端に位置決め治具3により位置が決めら
れてセットされている。パンチ5は上方に離れた状態で
位置し、カウンターパンチ6は、その上端6tを素材4
の底面部4bとなる部分に当接している。次に、しわ押
さえ(図8参照)が素材4の周縁を押さえると、続いて
パンチ5が下降し、パンチ5の下端部5bが素材4の上
端部に当接する。すると、カウンターパンチ6は、図示
しないコントローラに制御されて駆動装置(図7参照)
でパンチ5と同期しながら下降しつつ所定の圧力を素材
4の底面部4bに付加し続ける。なお、詳細は後述する
が、ここでダイ2とパンチ5のクリアランスが、素材4
の板厚より大きければ深絞り加工のみが行われ、素材4
の板厚より小さければ深絞り加工としごき加工が同時に
行われる。そして図6(b)状態で工程Eを完了する。
【0037】次に、形成装置1の構成を説明する。ここ
で、図7は、形成装置1の全体の構成の概略を示す模式
図である。形成装置1の構成は、全体としてはダイセッ
トを備えた周知のプレス機から構成される。通常のプレ
ス機やダイセットと大きく異なる点は、カウンターパン
チ6の存在と、これを制御する構成である。まず、形成
装置1には、フレーム1aが設けられ、その中段にボル
スタ44が設けられる。また、上部にはスライド43の
駆動装置が設けられ、下部にはカウンターパンチ6の駆
動装置が設けられ、フレーム1aによりそれぞれが支持
される。フレーム1aの下部には脚1b,1bが配設さ
れ、形成装置1の水平を調整するとともに、接地面への
振動を吸収する。ボルスタ44の上面端部には、スライ
ドガイド45,46が立設され、フレーム1aに固定さ
れた駆動装置により、スライド43がスライドガイド4
5,46にガイドされつつ上下に変位可能に支持され
る。スライド43とボルスタ44の間には、ダイセット
がセットされる。ボルスタ44の上面には、ダイセット
の下端に配置されたダイホルダ8がセットされ、ダイホ
ルダ8にはガイドポスト9,10が立設される。スライ
ド43の下面には、パンチホルダ11が、シャンク47
がスライド43に貫入されて固定される。パンチホルダ
11は、ダイホルダ8に立設されたガイドポスト9,1
0により水平位置が規制されつつ、ダイホルダ8に対し
て上下方向に変位可能に構成される。
で、図7は、形成装置1の全体の構成の概略を示す模式
図である。形成装置1の構成は、全体としてはダイセッ
トを備えた周知のプレス機から構成される。通常のプレ
ス機やダイセットと大きく異なる点は、カウンターパン
チ6の存在と、これを制御する構成である。まず、形成
装置1には、フレーム1aが設けられ、その中段にボル
スタ44が設けられる。また、上部にはスライド43の
駆動装置が設けられ、下部にはカウンターパンチ6の駆
動装置が設けられ、フレーム1aによりそれぞれが支持
される。フレーム1aの下部には脚1b,1bが配設さ
れ、形成装置1の水平を調整するとともに、接地面への
振動を吸収する。ボルスタ44の上面端部には、スライ
ドガイド45,46が立設され、フレーム1aに固定さ
れた駆動装置により、スライド43がスライドガイド4
5,46にガイドされつつ上下に変位可能に支持され
る。スライド43とボルスタ44の間には、ダイセット
がセットされる。ボルスタ44の上面には、ダイセット
の下端に配置されたダイホルダ8がセットされ、ダイホ
ルダ8にはガイドポスト9,10が立設される。スライ
ド43の下面には、パンチホルダ11が、シャンク47
がスライド43に貫入されて固定される。パンチホルダ
11は、ダイホルダ8に立設されたガイドポスト9,1
0により水平位置が規制されつつ、ダイホルダ8に対し
て上下方向に変位可能に構成される。
【0038】スライド43の下面にセットされたパンチ
ホルダ11の下面には、上型バッキングプレート21が
積層される。また、パンチプレート22には所定の穴が
穿設され、ここにパンチ5、サブガイド用ポスト23、
パイロット24が下方に突出するように挿入される。こ
れらが装着されたパンチプレート22はパンチホルダ1
1に装着された上型バッキングプレート21と積層され
る。パンチプレート22の下方には、積層されたストリ
ッパバッキングプレート25とストリッパプレート26
が配置される。これらには、サブガイド用ポスト23、
パイロット24、パンチ5を貫通させる孔が穿設され
る。ストリッパプレート26のパンチ5を貫通させる孔
の周囲にはしわ押さえ板7が配設されている。
ホルダ11の下面には、上型バッキングプレート21が
積層される。また、パンチプレート22には所定の穴が
穿設され、ここにパンチ5、サブガイド用ポスト23、
パイロット24が下方に突出するように挿入される。こ
れらが装着されたパンチプレート22はパンチホルダ1
1に装着された上型バッキングプレート21と積層され
る。パンチプレート22の下方には、積層されたストリ
ッパバッキングプレート25とストリッパプレート26
が配置される。これらには、サブガイド用ポスト23、
パイロット24、パンチ5を貫通させる孔が穿設され
る。ストリッパプレート26のパンチ5を貫通させる孔
の周囲にはしわ押さえ板7が配設されている。
【0039】また、パンチホルダ11に穿設された孔
に、径の大きい頭部を備えたストリッパボルト27が挿
入されて、その下端がストリッパプレート26に固定さ
れている。そして、パンチホルダ11とストリッパプレ
ート26との間のストリッパボルト27の周囲には圧縮
型のコイルスプリングからなるスプリング28が配置さ
れる。そのため、パンチプレート22とストリッパバッ
キングプレート25との間は、所定距離離れた状態で支
持され、ストリッパプレート26が下から押圧される
と、スプリング28が圧縮されてサブガイド用ポスト2
3に水平位置を規制されつつ、これと摺動してその距離
を縮まるように変位する。パンチ5の上部には、加工時
のパンチ5にかかる圧力を検知するための圧力センサ1
2が配設される。
に、径の大きい頭部を備えたストリッパボルト27が挿
入されて、その下端がストリッパプレート26に固定さ
れている。そして、パンチホルダ11とストリッパプレ
ート26との間のストリッパボルト27の周囲には圧縮
型のコイルスプリングからなるスプリング28が配置さ
れる。そのため、パンチプレート22とストリッパバッ
キングプレート25との間は、所定距離離れた状態で支
持され、ストリッパプレート26が下から押圧される
と、スプリング28が圧縮されてサブガイド用ポスト2
3に水平位置を規制されつつ、これと摺動してその距離
を縮まるように変位する。パンチ5の上部には、加工時
のパンチ5にかかる圧力を検知するための圧力センサ1
2が配設される。
【0040】スライド43の上端にはねじ機構13が備
えられる。ねじ機構13はボールねじを備え、駆動ねじ
の回転によりスライド43の昇降を行う機構である。ま
た、フレーム1a上部には、駆動装置が配置されてい
る。駆動装置は、駆動回路16、ACサーボモータ1
5、伝達機構14を備える。伝達機構14のギヤセット
を介してACサーボモータ15の回転が駆動ねじの回転
としてねじ機構13に伝達されると、ねじ機構13は、
スライド43を上下に変位させる。ACサーボモータ1
5は、駆動回路16を介し周知のコンピュータからなる
コントローラ17のインタフェイスに接続されている。
コントローラ17は、キーボードなどからなる入力手段
18から操作者により命令が入力可能に構成されるとと
もに、液晶ディスプレーなどからなる表示手段19によ
り制御状態を確認できる。コントローラ17の図示しな
い記憶装置には、CNC制御用プログラムと加工に必要
な数値などを含む所定のデータが予め記憶されている。
また、スライド43には、スライドガイド46との相対
位置を検知する位置センサ20が配置されており、加工
時のパンチ5の垂直位置の検出が可能になっている。コ
ントローラ17は位置センサ20及び圧力センサ12か
らの信号を受信して、CNC制御用プログラムにより解
析を行い、その結果に基づいて駆動回路16に制御信号
を送出し、駆動回路16はACサーボモータ15に駆動
信号を送出して駆動させる。つまり、ACサーボモータ
15は、クローズドループによる制御が行われている。
このACサーボモータ15の回転が、伝達機構14によ
り減速されかつトルクが大きくされて駆動力としてねじ
機構13に伝えられる。ねじ機構13は回転をボールね
じにより垂直方向の運動に変換しスライド43をスライ
ドガイド45,46にガイドさせながら上下に変位さ
せ、パンチホルダ11に装着されたパンチ5をダイ2に
対して相対的に移動させ加工を行う。
えられる。ねじ機構13はボールねじを備え、駆動ねじ
の回転によりスライド43の昇降を行う機構である。ま
た、フレーム1a上部には、駆動装置が配置されてい
る。駆動装置は、駆動回路16、ACサーボモータ1
5、伝達機構14を備える。伝達機構14のギヤセット
を介してACサーボモータ15の回転が駆動ねじの回転
としてねじ機構13に伝達されると、ねじ機構13は、
スライド43を上下に変位させる。ACサーボモータ1
5は、駆動回路16を介し周知のコンピュータからなる
コントローラ17のインタフェイスに接続されている。
コントローラ17は、キーボードなどからなる入力手段
18から操作者により命令が入力可能に構成されるとと
もに、液晶ディスプレーなどからなる表示手段19によ
り制御状態を確認できる。コントローラ17の図示しな
い記憶装置には、CNC制御用プログラムと加工に必要
な数値などを含む所定のデータが予め記憶されている。
また、スライド43には、スライドガイド46との相対
位置を検知する位置センサ20が配置されており、加工
時のパンチ5の垂直位置の検出が可能になっている。コ
ントローラ17は位置センサ20及び圧力センサ12か
らの信号を受信して、CNC制御用プログラムにより解
析を行い、その結果に基づいて駆動回路16に制御信号
を送出し、駆動回路16はACサーボモータ15に駆動
信号を送出して駆動させる。つまり、ACサーボモータ
15は、クローズドループによる制御が行われている。
このACサーボモータ15の回転が、伝達機構14によ
り減速されかつトルクが大きくされて駆動力としてねじ
機構13に伝えられる。ねじ機構13は回転をボールね
じにより垂直方向の運動に変換しスライド43をスライ
ドガイド45,46にガイドさせながら上下に変位さ
せ、パンチホルダ11に装着されたパンチ5をダイ2に
対して相対的に移動させ加工を行う。
【0041】ダイホルダ8には、上面にダイバッキング
プレート30が積層され、さらにこの上面にダイプレー
ト29が積層される。ダイプレート29には、所定位置
にダイ2が嵌入されている。また、パンチプレート22
に支持されたサブガイド用ポスト23の下方のダイプレ
ート29、ダイバッキングプレート30には、サブガイ
ド用ポスト23を進入させて案内するスリーブ(不図
示)を備えた孔が穿設されて、パンチプレート22とダ
イプレート29との相対位置がずれないように規制して
いる。
プレート30が積層され、さらにこの上面にダイプレー
ト29が積層される。ダイプレート29には、所定位置
にダイ2が嵌入されている。また、パンチプレート22
に支持されたサブガイド用ポスト23の下方のダイプレ
ート29、ダイバッキングプレート30には、サブガイ
ド用ポスト23を進入させて案内するスリーブ(不図
示)を備えた孔が穿設されて、パンチプレート22とダ
イプレート29との相対位置がずれないように規制して
いる。
【0042】一方、ダイホルダ8の下面には、垂直下方
にガイドポスト31,32が突設され、ここにカウンタ
ーパンチホルダ33が、上下に摺動可能に配設される。
カウンターパンチホルダ33の上面には、カウンターパ
ンチバッキングプレート34が配設され、その上にカウ
ンターパンチプレート35が積層される。カウンターパ
ンチプレート35に穿設された孔にカウンターパンチ6
の下端が挿入され、カウンターパンチバッキングプレー
ト34に固定される。カウンターパンチ6の下部には、
加工時のカウンターパンチ6にかかる圧力を検知するた
めの圧力センサ37が配設される。また、カウンターパ
ンチホルダ33には、ガイドポスト32との相対位置を
検知する位置センサ38が配置されており、加工時のカ
ウンターパンチ6の位置の検出が可能になっている。カ
ウンターパンチホルダ33の下端にはねじ機構39が備
えられる。また、フレーム1a下部には、伝達機構40
に備えられたギヤセットをを介してACサーボモータ4
1の回転がねじ機構39に伝達され、パンチホルダ33
を上下に駆動させる駆動装置が構成されている。ACサ
ーボモータ41は、駆動回路42を介しコントローラ1
7のインタフェイスに接続されている。コントローラ1
7は位置センサ38及び圧力センサ37からの信号を受
信して、CNC制御用プログラムにより解析を行い、パ
ンチ5の位置や加工荷重を参照して、その結果に基づい
て駆動回路42に制御信号を送出し、駆動回路42はA
Cサーボモータ41に駆動信号を送出して駆動させる。
つまり、ACサーボモータ41も、クローズドループに
よる制御が行われている。このように構成されたカウン
ターパンチ6の駆動装置によれば、パンチ5の動作に同
期させた制御が可能となる。この制御に基づきACサー
ボモータ41の回転が、伝達機構40により減速されか
つトルクが大きくされて駆動力としてねじ機構39に伝
えられる。ねじ機構39はこの回転によりカウンターパ
ンチホルダ33をガイドポスト31,32にガイドさせ
ながら上下に変位させ、カウンターパンチホルダ23に
配設されたカウンターパンチプレート35に装着された
カウンターパンチ6をパンチ5の動作に同期させながら
相対的に移動させるとともに図6に示すように素材4に
所定の圧力を付加しながら加工を行う。
にガイドポスト31,32が突設され、ここにカウンタ
ーパンチホルダ33が、上下に摺動可能に配設される。
カウンターパンチホルダ33の上面には、カウンターパ
ンチバッキングプレート34が配設され、その上にカウ
ンターパンチプレート35が積層される。カウンターパ
ンチプレート35に穿設された孔にカウンターパンチ6
の下端が挿入され、カウンターパンチバッキングプレー
ト34に固定される。カウンターパンチ6の下部には、
加工時のカウンターパンチ6にかかる圧力を検知するた
めの圧力センサ37が配設される。また、カウンターパ
ンチホルダ33には、ガイドポスト32との相対位置を
検知する位置センサ38が配置されており、加工時のカ
ウンターパンチ6の位置の検出が可能になっている。カ
ウンターパンチホルダ33の下端にはねじ機構39が備
えられる。また、フレーム1a下部には、伝達機構40
に備えられたギヤセットをを介してACサーボモータ4
1の回転がねじ機構39に伝達され、パンチホルダ33
を上下に駆動させる駆動装置が構成されている。ACサ
ーボモータ41は、駆動回路42を介しコントローラ1
7のインタフェイスに接続されている。コントローラ1
7は位置センサ38及び圧力センサ37からの信号を受
信して、CNC制御用プログラムにより解析を行い、パ
ンチ5の位置や加工荷重を参照して、その結果に基づい
て駆動回路42に制御信号を送出し、駆動回路42はA
Cサーボモータ41に駆動信号を送出して駆動させる。
つまり、ACサーボモータ41も、クローズドループに
よる制御が行われている。このように構成されたカウン
ターパンチ6の駆動装置によれば、パンチ5の動作に同
期させた制御が可能となる。この制御に基づきACサー
ボモータ41の回転が、伝達機構40により減速されか
つトルクが大きくされて駆動力としてねじ機構39に伝
えられる。ねじ機構39はこの回転によりカウンターパ
ンチホルダ33をガイドポスト31,32にガイドさせ
ながら上下に変位させ、カウンターパンチホルダ23に
配設されたカウンターパンチプレート35に装着された
カウンターパンチ6をパンチ5の動作に同期させながら
相対的に移動させるとともに図6に示すように素材4に
所定の圧力を付加しながら加工を行う。
【0043】なお、ここではACサーボモータを用いた
プレス機を例に説明したが、ACサーボモータに代えて
リニアサーボモータを用いたものや、コンピュータと精
密サーボでコントロールされた油圧プレスなどによって
も実施できる。また、リリーフバルブにより圧力を機械
的に調整する方法を妨げるものでもない。
プレス機を例に説明したが、ACサーボモータに代えて
リニアサーボモータを用いたものや、コンピュータと精
密サーボでコントロールされた油圧プレスなどによって
も実施できる。また、リリーフバルブにより圧力を機械
的に調整する方法を妨げるものでもない。
【0044】ここで、図8は、E工程の第一工程の待機
状態にある形成装置1の加工部の詳細を示す図である。
図8に示すように、パンチ5とダイ2とにより加工が行
われる部分(以下加工部)の上部には、円筒形のパンチ
5が配置される。パンチ5の側面部5sと下端部5bの
境目はアールが付けられたパンチラジアス部5rが形成
されている。以下このパンチラジアス部の半径を、パン
チラジアス部半径Rpとする。パンチ5の周囲には、ブ
ランク状態の素材4のフランジ部4fを押さえるための
環状のしわ押さえ板7が配置される。しわ押さえ板7
は、図7に示すようにスプリング28の弾性を利用し
た、しわ押さえ力の調整が可能な可動しわ押さえ板とし
て構成されている。
状態にある形成装置1の加工部の詳細を示す図である。
図8に示すように、パンチ5とダイ2とにより加工が行
われる部分(以下加工部)の上部には、円筒形のパンチ
5が配置される。パンチ5の側面部5sと下端部5bの
境目はアールが付けられたパンチラジアス部5rが形成
されている。以下このパンチラジアス部の半径を、パン
チラジアス部半径Rpとする。パンチ5の周囲には、ブ
ランク状態の素材4のフランジ部4fを押さえるための
環状のしわ押さえ板7が配置される。しわ押さえ板7
は、図7に示すようにスプリング28の弾性を利用し
た、しわ押さえ力の調整が可能な可動しわ押さえ板とし
て構成されている。
【0045】また、加工部の下部には、ダイプレート2
9に設けられた孔にダイ2が嵌入されて固定され、ダイ
プレート29はダイバッキングプレート30の上に装着
されている。ダイ2の上には位置決め治具3が装着され
る。位置決め治具3は、加工するブランク状態の素材4
の形状に合わせた開口部を備え、ダイ2に対してブラン
ク状態の素材4を所定の位置に規制するものである。こ
の位置決め治具3の開口部でダイ2の上にブランクであ
る素材4が載置される。以下、このブランクでの素材4
の厚みをtとする。
9に設けられた孔にダイ2が嵌入されて固定され、ダイ
プレート29はダイバッキングプレート30の上に装着
されている。ダイ2の上には位置決め治具3が装着され
る。位置決め治具3は、加工するブランク状態の素材4
の形状に合わせた開口部を備え、ダイ2に対してブラン
ク状態の素材4を所定の位置に規制するものである。こ
の位置決め治具3の開口部でダイ2の上にブランクであ
る素材4が載置される。以下、このブランクでの素材4
の厚みをtとする。
【0046】ダイ2は、円筒形の穴2hを備えた形状
で、ダイ2の上端部2tと穴2hの境目にはアールが付
けられたダイラジアス部2rが形成されている。以下こ
のダイラジアス部の半径を、ダイラジアス部半径Rdと
する。
で、ダイ2の上端部2tと穴2hの境目にはアールが付
けられたダイラジアス部2rが形成されている。以下こ
のダイラジアス部の半径を、ダイラジアス部半径Rdと
する。
【0047】図9は、E工程の第一工程の加工中の状態
にある形成装置1の加工部の詳細を示す図である。加工
中は、パンチ5が駆動装置(図7参照)により下降さ
れ、素材4を、その下端部5bによりダイ2の穴2hに
押し込むことで、深絞り加工が行われる。この場合、材
質や外径に対する板厚の比率にもよるが、パンチ5の側
面部5sとダイ2の穴2hとの間隔であるクリアランス
Cは、板厚tと比較して、C=1.04tからC=1.
20tに設定する。また、本発明では、深絞り加工とし
ごき加工を同時に行うこともできるが、このような場合
は、C=0.75t程度に設定することもできる。な
お、ここで、しごき率(I(%))=((t−C)/
t)×100とすると、この場合のしごき率(I)は
((t−0.75t)/t)×100=25(%)とな
る。クリアランスCを小さくすればしごき率(I)は大
きくなるが、加工荷重が大きくなるため、絞り限界は小
さくなる。なお、しごき率(I)は、材質加工条件で異
なるが、およそ50%前後が限界で、それ以上になると
側壁部4sから破断を起こす。
にある形成装置1の加工部の詳細を示す図である。加工
中は、パンチ5が駆動装置(図7参照)により下降さ
れ、素材4を、その下端部5bによりダイ2の穴2hに
押し込むことで、深絞り加工が行われる。この場合、材
質や外径に対する板厚の比率にもよるが、パンチ5の側
面部5sとダイ2の穴2hとの間隔であるクリアランス
Cは、板厚tと比較して、C=1.04tからC=1.
20tに設定する。また、本発明では、深絞り加工とし
ごき加工を同時に行うこともできるが、このような場合
は、C=0.75t程度に設定することもできる。な
お、ここで、しごき率(I(%))=((t−C)/
t)×100とすると、この場合のしごき率(I)は
((t−0.75t)/t)×100=25(%)とな
る。クリアランスCを小さくすればしごき率(I)は大
きくなるが、加工荷重が大きくなるため、絞り限界は小
さくなる。なお、しごき率(I)は、材質加工条件で異
なるが、およそ50%前後が限界で、それ以上になると
側壁部4sから破断を起こす。
【0048】また、図7に示した通り、パンチ5の下降
に伴って、素材4の下面に当接するカウンターパンチ6
は、圧力センサ24により加工荷重が検出され、これに
基づいてコントローラ17により制御されながら素材4
の底面部6bに所定の圧力を付加しつつ駆動装置により
下降して行く。
に伴って、素材4の下面に当接するカウンターパンチ6
は、圧力センサ24により加工荷重が検出され、これに
基づいてコントローラ17により制御されながら素材4
の底面部6bに所定の圧力を付加しつつ駆動装置により
下降して行く。
【0049】次に、本発明の加工原理について説明す
る。ここで、本発明のカップ状金属製品の成形方法に
は、図1のE工程に示すようなブランクの素材に対する
深絞り加工を含んだ加工を行う場合と、D工程の第二工
程に示すような既に絞り加工が行われた絞り品に対して
しごき加工のみを行う場合とがある。
る。ここで、本発明のカップ状金属製品の成形方法に
は、図1のE工程に示すようなブランクの素材に対する
深絞り加工を含んだ加工を行う場合と、D工程の第二工
程に示すような既に絞り加工が行われた絞り品に対して
しごき加工のみを行う場合とがある。
【0050】まず、しごき率(I(%))の変化に対す
るしごき加工力(W(kN))の変化を説明すると、素
材4の変形が大きいほど大きな加工力が必要である。例
えば、しごき率(I)が、15%、20%、25%のと
きのしごき加工力(W)を比較すると、しごき率(I)
が15%のときのしごき加工力(W)が最小で、しごき
率(I)が20%の場合は、次いでしごき加工力(W)
が小さく、しごき率(I)が25%のときしごき加工力
(W)が最大となった。つまり、しごき率(I)が大き
いほどしごき加工力(W)が大きくなる。
るしごき加工力(W(kN))の変化を説明すると、素
材4の変形が大きいほど大きな加工力が必要である。例
えば、しごき率(I)が、15%、20%、25%のと
きのしごき加工力(W)を比較すると、しごき率(I)
が15%のときのしごき加工力(W)が最小で、しごき
率(I)が20%の場合は、次いでしごき加工力(W)
が小さく、しごき率(I)が25%のときしごき加工力
(W)が最大となった。つまり、しごき率(I)が大き
いほどしごき加工力(W)が大きくなる。
【0051】ここで、図10、図11、図12は、底面
部の板厚(mm)とカウンターパンチ6による荷重(k
N)の関係を示すグラフである。このグラフは、既に絞
り加工が行われた絞り品に対するしごき加工を行ったと
きの結果で、条件は加工前の絞り比(DR)が2.0
で、加工前の底面部の板厚は2.0mmである。しごき
率(I(%))が、図10では15%、図11では20
%、図12では25%である。また、加工後の側壁部4
sの板厚は図10では1.7mm、図11では1.6m
m、図12では1.5mmであった。また、これらの測
定値をプロットして曲線近似式を求めたところ、図10
では、Y=−0.34832X2+0.035831X
+1.9961を得られた。図11では、Y=−0.0
17565X2−0.10718X+2.042を得ら
れた。図12では、Y=0.015296X2−0.2
5974X+2.0001を得られた。ここで、しごき
率(I)としごき後の側壁部4sの厚さと同一の底面部
4bの厚さに加工する場合のカウンターパンチ力(W
c)の関係を見ると、図10では、およそ3.6kN、
図11ではおよそ2.7kN、図12ではおよそ2.2
kNとなり、しごき率(I)の変化に伴ってカウンター
パンチ荷重(kN)は、しごき率(I)=15%のとき
が、カウンターパンチ力(Wc)が最も大きく、しごき
率(I)=20%のときが次いで大きく、しごき率
(I)=25%のときが最小となった。このことから、
しごき率(I)が大きいほど、カウンターパンチ力(W
c)が小さくて済むことがわかる。
部の板厚(mm)とカウンターパンチ6による荷重(k
N)の関係を示すグラフである。このグラフは、既に絞
り加工が行われた絞り品に対するしごき加工を行ったと
きの結果で、条件は加工前の絞り比(DR)が2.0
で、加工前の底面部の板厚は2.0mmである。しごき
率(I(%))が、図10では15%、図11では20
%、図12では25%である。また、加工後の側壁部4
sの板厚は図10では1.7mm、図11では1.6m
m、図12では1.5mmであった。また、これらの測
定値をプロットして曲線近似式を求めたところ、図10
では、Y=−0.34832X2+0.035831X
+1.9961を得られた。図11では、Y=−0.0
17565X2−0.10718X+2.042を得ら
れた。図12では、Y=0.015296X2−0.2
5974X+2.0001を得られた。ここで、しごき
率(I)としごき後の側壁部4sの厚さと同一の底面部
4bの厚さに加工する場合のカウンターパンチ力(W
c)の関係を見ると、図10では、およそ3.6kN、
図11ではおよそ2.7kN、図12ではおよそ2.2
kNとなり、しごき率(I)の変化に伴ってカウンター
パンチ荷重(kN)は、しごき率(I)=15%のとき
が、カウンターパンチ力(Wc)が最も大きく、しごき
率(I)=20%のときが次いで大きく、しごき率
(I)=25%のときが最小となった。このことから、
しごき率(I)が大きいほど、カウンターパンチ力(W
c)が小さくて済むことがわかる。
【0052】さらに、カウンターパンチ力(Wc(k
N))を一定にして加えた場合の、しごき率(I
(%))の違いによる底面部4bの厚さの関係は、図1
0〜図12において、例えば3(kN)のカウンターパ
ンチ力(Wc)のときの底部板厚(mm)を比較する
と、図10ではおよそ1.8mm、図11ではおよそ
1.6mm、図12ではおよそ1.3mmとなり、しご
き率(I)と、同じカウンターパンチ力(Wc)を加え
た場合の底面部4bの厚さは、しごき率(I)=15
%)のときが、底面部の厚さ=1.8(mm)と最大
で、しごき率(I)=20%)のときが、1.6(m
m)とそれに次ぎ、しごき率(I)=25%のときが、
1.3(mm)と最小となった。このことから、しごき
率(I)が大きいほど、底面部4bの厚さが薄くなるこ
とがわかる。
N))を一定にして加えた場合の、しごき率(I
(%))の違いによる底面部4bの厚さの関係は、図1
0〜図12において、例えば3(kN)のカウンターパ
ンチ力(Wc)のときの底部板厚(mm)を比較する
と、図10ではおよそ1.8mm、図11ではおよそ
1.6mm、図12ではおよそ1.3mmとなり、しご
き率(I)と、同じカウンターパンチ力(Wc)を加え
た場合の底面部4bの厚さは、しごき率(I)=15
%)のときが、底面部の厚さ=1.8(mm)と最大
で、しごき率(I)=20%)のときが、1.6(m
m)とそれに次ぎ、しごき率(I)=25%のときが、
1.3(mm)と最小となった。このことから、しごき
率(I)が大きいほど、底面部4bの厚さが薄くなるこ
とがわかる。
【0053】これは、しごき率(I)が大きくなると、
抵抗が大きくなるため、しごき加工力(W)が大きくな
り、それに従って、しごき加工反力も大きくなる。しご
き加工反力が大きくなると材料が引っ張られて引っ張り
応力も大きくなり、結果として底面部4bでの2軸引っ
張り応力の増大により板厚が薄くなるものである。その
ため、底面部4bのみを部分圧縮するコイニング加工と
比較して、カウンターパンチ6により底面部4bに加え
るカウンターパンチ力(Wc)が小さくても同程度に底
面を薄く加工することができることがわかる。
抵抗が大きくなるため、しごき加工力(W)が大きくな
り、それに従って、しごき加工反力も大きくなる。しご
き加工反力が大きくなると材料が引っ張られて引っ張り
応力も大きくなり、結果として底面部4bでの2軸引っ
張り応力の増大により板厚が薄くなるものである。その
ため、底面部4bのみを部分圧縮するコイニング加工と
比較して、カウンターパンチ6により底面部4bに加え
るカウンターパンチ力(Wc)が小さくても同程度に底
面を薄く加工することができることがわかる。
【0054】図13は、図1のD工程の第二工程におけ
る本発明の加工原理を説明する模式図である。上述の加
工原理を具体的に説明すれば、壁厚t0の側壁部4sが
クリアランスCの部分に引き込まれ、しごき加工を施さ
れた素材4の側壁部4sにおいて、しごき加工反力F1
が生じる。このしごき反力F1のため側壁部4sからア
ール部4r、底面部4bにそれぞれ引っ張り応力F2,
F3、F4が生じて材料の流動がおきる。そのため、底
面部4bでは大きな2軸引っ張り応力が生じて板厚が薄
くなる。さらに、パンチ5の下端部5bには、カウンタ
ーパンチ力(Wc)にしごき加工力(W)も加わったF
5の力が働く。そして、カウンターパンチ6からはカウ
ンターパンチ力(Wc)としてF8が働く。このF5,
F8が、圧縮応力F6,F7として働くため、底面部4
bの板厚は薄く成形される。この場合、大きなアールが
付けられたアール部4rにおいては底面部4bから押し
出された材料の移動に対する抵抗が小さく、押し出され
た材料がアール部4rに滞留することなく、容易に側壁
部4sに移動することができる。
る本発明の加工原理を説明する模式図である。上述の加
工原理を具体的に説明すれば、壁厚t0の側壁部4sが
クリアランスCの部分に引き込まれ、しごき加工を施さ
れた素材4の側壁部4sにおいて、しごき加工反力F1
が生じる。このしごき反力F1のため側壁部4sからア
ール部4r、底面部4bにそれぞれ引っ張り応力F2,
F3、F4が生じて材料の流動がおきる。そのため、底
面部4bでは大きな2軸引っ張り応力が生じて板厚が薄
くなる。さらに、パンチ5の下端部5bには、カウンタ
ーパンチ力(Wc)にしごき加工力(W)も加わったF
5の力が働く。そして、カウンターパンチ6からはカウ
ンターパンチ力(Wc)としてF8が働く。このF5,
F8が、圧縮応力F6,F7として働くため、底面部4
bの板厚は薄く成形される。この場合、大きなアールが
付けられたアール部4rにおいては底面部4bから押し
出された材料の移動に対する抵抗が小さく、押し出され
た材料がアール部4rに滞留することなく、容易に側壁
部4sに移動することができる。
【0055】ここで、図14は、図1のE工程におい
て、しごき加工なしで、絞り加工と部分圧縮加工のみを
施した場合の本発明の加工原理を説明する模式図であ
る。絞り加工の場合は、パンチ5により素材4がダイ2
に引き込まれる際、ダイ2の上端部2tとしわ押さえ板
7に挟まれた部分の抵抗と、材料がダイ2のアール部2
rを通過するとき抵抗を生じ、反力F9が生じる。この
反力F9により、引っ張り応力F10,F11,F12
が生じる。そのため、底面部4bでは2軸引っ張り応力
が生じて板厚が薄くなる。さらに、パンチ5の下端部5
bには、カウンターパンチ力(Wc)に絞り加工力も加
わったF13の力が働く。そして、カウンターパンチ6
からはカウンターパンチ力(Wc)としてF16が働
く。このF13,F16が圧縮応力F14,F15とし
て働くため、絞り加工の場合でも、しごき加工のときと
同様な効果がある。
て、しごき加工なしで、絞り加工と部分圧縮加工のみを
施した場合の本発明の加工原理を説明する模式図であ
る。絞り加工の場合は、パンチ5により素材4がダイ2
に引き込まれる際、ダイ2の上端部2tとしわ押さえ板
7に挟まれた部分の抵抗と、材料がダイ2のアール部2
rを通過するとき抵抗を生じ、反力F9が生じる。この
反力F9により、引っ張り応力F10,F11,F12
が生じる。そのため、底面部4bでは2軸引っ張り応力
が生じて板厚が薄くなる。さらに、パンチ5の下端部5
bには、カウンターパンチ力(Wc)に絞り加工力も加
わったF13の力が働く。そして、カウンターパンチ6
からはカウンターパンチ力(Wc)としてF16が働
く。このF13,F16が圧縮応力F14,F15とし
て働くため、絞り加工の場合でも、しごき加工のときと
同様な効果がある。
【0056】また、図示は省略するが、E工程において
絞り加工としごき加工を同時に行った場合は、上記の絞
り加工力としごき加工力の両者が働くため、当然に底面
部4bをより薄くできる効果があることが容易に分か
る。また、底面部4bから、側壁部4sへの材料の流動
性が良くなることから、より絞り比(DR)が大きな成
形ができる。
絞り加工としごき加工を同時に行った場合は、上記の絞
り加工力としごき加工力の両者が働くため、当然に底面
部4bをより薄くできる効果があることが容易に分か
る。また、底面部4bから、側壁部4sへの材料の流動
性が良くなることから、より絞り比(DR)が大きな成
形ができる。
【0056】次に、このように構成された形成装置1に
よる加工について、まず、絞り加工を同時に行う図1の
E工程について説明する。カウンターパンチ力(Wc)
による圧力付加のタイミングについて説明する。絞り加
工において、その限界は加工力を受け持つ成形品の最弱
部位の強度で決まる。このことから、加工度の高い加工
限界に近い絞り加工(絞り比(DR)が大)の初期に
は、アール部4rが張り出しにより伸ばされるため、カ
ップ底面部4bの材料が伸ばされながら加工が進行す
る。この加工の初期段階からカウンターパンチ力(W
c)を付加すると、アール部4rと底面部4bのつなぎ
部分が薄くなって破断しやすくなり、絞り加工限界を下
げてしまう場合がある。従って、材料により性質が異な
るため一概には言えないが、アルミニウム等は絞り加工
の初期段階から必要な圧縮力をかけずに、加工進行と同
時に徐々に圧縮力を高くするパターンが適切である(図
15,図16参照)。
よる加工について、まず、絞り加工を同時に行う図1の
E工程について説明する。カウンターパンチ力(Wc)
による圧力付加のタイミングについて説明する。絞り加
工において、その限界は加工力を受け持つ成形品の最弱
部位の強度で決まる。このことから、加工度の高い加工
限界に近い絞り加工(絞り比(DR)が大)の初期に
は、アール部4rが張り出しにより伸ばされるため、カ
ップ底面部4bの材料が伸ばされながら加工が進行す
る。この加工の初期段階からカウンターパンチ力(W
c)を付加すると、アール部4rと底面部4bのつなぎ
部分が薄くなって破断しやすくなり、絞り加工限界を下
げてしまう場合がある。従って、材料により性質が異な
るため一概には言えないが、アルミニウム等は絞り加工
の初期段階から必要な圧縮力をかけずに、加工進行と同
時に徐々に圧縮力を高くするパターンが適切である(図
15,図16参照)。
【0057】一方、例えばSUS304のような加工硬
化指数の大きな材料では、加工によって伸ばされた部位
がすべりを起こして未加工部位よりも強度を増す加工硬
化が生じ易いため、絞り加工を行った場合、若しくは絞
り加工としごき加工を同時に行った場合に、これらの加
工と同時にカウンターパンチ力(Wc)をかけても加工
が可能である(図17,図18参照)。
化指数の大きな材料では、加工によって伸ばされた部位
がすべりを起こして未加工部位よりも強度を増す加工硬
化が生じ易いため、絞り加工を行った場合、若しくは絞
り加工としごき加工を同時に行った場合に、これらの加
工と同時にカウンターパンチ力(Wc)をかけても加工
が可能である(図17,図18参照)。
【0058】次に、部分圧縮加工とともにしごき加工の
みを行う図1のD工程の第二工程について説明する。し
ごき加工の場合は、以下のような加工を行う。しごき加
工は深絞り加工と異なり、加工初期の張り出し加工によ
る伸びはなく、冷間鍛造の前方押し出し加工に類似して
いるため、加工初期に底面部4bが前方押し出しにより
パンチ5の下端部5bから離れる現象が発生することが
ある。その際に局部的に肉厚の薄い部分が側壁部4sに
できると、その後しごき加工が始まることによって肉厚
の薄い部分から破断するおそれがある。従って、しごき
加工の場合には、材質・加工条件により異なる場合はあ
るが、図17,図18に示すように、概ね加工初期から
カウンターパンチ力(Wc)を付加してもよい。この場
合の型及び絞り前の素材4の条件としては、加工前の素
材4の板厚をtとした場合、パンチラジアス部5r及び
絞り前の素材4のアール部4rのパンチラジアス部半径
Rpが、Rp=0.5t以上である。このように素材の
厚さtに対して、パンチラジアス部の半径Rpを大きく
とることで、材料の流動性を良くして破断を効果的に防
止できる。ダイ2については、導入角θ=15°前後が
適当である(図26参照)。
みを行う図1のD工程の第二工程について説明する。し
ごき加工の場合は、以下のような加工を行う。しごき加
工は深絞り加工と異なり、加工初期の張り出し加工によ
る伸びはなく、冷間鍛造の前方押し出し加工に類似して
いるため、加工初期に底面部4bが前方押し出しにより
パンチ5の下端部5bから離れる現象が発生することが
ある。その際に局部的に肉厚の薄い部分が側壁部4sに
できると、その後しごき加工が始まることによって肉厚
の薄い部分から破断するおそれがある。従って、しごき
加工の場合には、材質・加工条件により異なる場合はあ
るが、図17,図18に示すように、概ね加工初期から
カウンターパンチ力(Wc)を付加してもよい。この場
合の型及び絞り前の素材4の条件としては、加工前の素
材4の板厚をtとした場合、パンチラジアス部5r及び
絞り前の素材4のアール部4rのパンチラジアス部半径
Rpが、Rp=0.5t以上である。このように素材の
厚さtに対して、パンチラジアス部の半径Rpを大きく
とることで、材料の流動性を良くして破断を効果的に防
止できる。ダイ2については、導入角θ=15°前後が
適当である(図26参照)。
【0059】また、材料によっては加工初期に薄くなる
部位が、加工硬化による強度上昇があるまで、カウンタ
ーパンチ力(Wc)を付加しない方が良い場合がある。
材質・成形条件により、カウンターパンチ力(Wc)を
付加する時期は異なる。ここで、図15,図16は、カ
ウンターパンチの荷重を徐々に大きくなるように変化さ
せたときのパンチ5及びカウンターパンチ6による荷重
(kN)とストローク(mm)の関係を示すグラフであ
る。このときの条件は、カウンターパンチ(Wc)が
5.88(kN)、しごき率(I)が20%で、図15
では、加工前の絞り比(DR)が2.0、図16におい
ては加工前の絞り比(DR)が2.2となっている。例
えば、この図15又は図16に示すようなタイミングで
実施ができる。図17,図18は、カウンターパンチの
荷重を加工と同時に付加し、一定にしたときのパンチ5
及びカウンターパンチ6による荷重(kN)とストロー
ク(mm)の関係を示すグラフである。このときの条件
は、カウンターパンチ力(Wc)が1.96(kN)、
しごき率(I)20%で、図17では加工前の絞り比
(DR)が2.0、図18においては加工前の絞り比
(DR)が2.2となっている。例えば、この図17又
は図18に示すようなタイミングでも実施ができる。即
ち、図17、図18に示すように、しごき加工が始まる
と同時にカウンターパンチ力(Wc)を付加する場合
と、図15、図16に示すようにしごき加工をある程度
進めてから、カウンターパンチ力(Wc)を付加するこ
とが好ましい場合がある。
部位が、加工硬化による強度上昇があるまで、カウンタ
ーパンチ力(Wc)を付加しない方が良い場合がある。
材質・成形条件により、カウンターパンチ力(Wc)を
付加する時期は異なる。ここで、図15,図16は、カ
ウンターパンチの荷重を徐々に大きくなるように変化さ
せたときのパンチ5及びカウンターパンチ6による荷重
(kN)とストローク(mm)の関係を示すグラフであ
る。このときの条件は、カウンターパンチ(Wc)が
5.88(kN)、しごき率(I)が20%で、図15
では、加工前の絞り比(DR)が2.0、図16におい
ては加工前の絞り比(DR)が2.2となっている。例
えば、この図15又は図16に示すようなタイミングで
実施ができる。図17,図18は、カウンターパンチの
荷重を加工と同時に付加し、一定にしたときのパンチ5
及びカウンターパンチ6による荷重(kN)とストロー
ク(mm)の関係を示すグラフである。このときの条件
は、カウンターパンチ力(Wc)が1.96(kN)、
しごき率(I)20%で、図17では加工前の絞り比
(DR)が2.0、図18においては加工前の絞り比
(DR)が2.2となっている。例えば、この図17又
は図18に示すようなタイミングでも実施ができる。即
ち、図17、図18に示すように、しごき加工が始まる
と同時にカウンターパンチ力(Wc)を付加する場合
と、図15、図16に示すようにしごき加工をある程度
進めてから、カウンターパンチ力(Wc)を付加するこ
とが好ましい場合がある。
【0060】図10、図11、図12に示すように、加
工前の同一の絞り比(DR)2.0で、しごき率(I)
を15%、20%、25%と変化させた場合、カウンタ
ーパンチ力(Wc)が0(kN)の場合に底面部4bの
板厚が2.0mmの素材4に対して、カウンターパンチ
力(Wc)を付加した場合の結果が示されている。ここ
では、カウンターパンチ力(Wc)が大になるほど底面
部4bの板厚を薄くできることが示されている。この方
法によれば、しごき加工後の側壁部4sの板厚よりも底
面部4bの板厚を薄くすることができる。
工前の同一の絞り比(DR)2.0で、しごき率(I)
を15%、20%、25%と変化させた場合、カウンタ
ーパンチ力(Wc)が0(kN)の場合に底面部4bの
板厚が2.0mmの素材4に対して、カウンターパンチ
力(Wc)を付加した場合の結果が示されている。ここ
では、カウンターパンチ力(Wc)が大になるほど底面
部4bの板厚を薄くできることが示されている。この方
法によれば、しごき加工後の側壁部4sの板厚よりも底
面部4bの板厚を薄くすることができる。
【0061】ここで、図19は、加工前の絞り比(D
R)2.0、しごき率(I)15%、カウンターパンチ
力(Wc)3.43kN、ストローク7mmで形成した
成形品の板厚(mm)の位置による分布状態を示すグラ
フである。図20は、図19の成形品の断面を示す図で
ある。また、図21は、加工前の絞り比(DR)2.
0、しごき率20%、カウンターパンチ力(Wc)2.
94kN、ストローク7mmで形成した成形品の板厚
(mm)の位置による分布状態を示すグラフである。図
22は、図21の成形品の断面を示す図である。また、
図23は、加工前の絞り比(DR)2.0、しごき率2
5%、カウンターパンチ力(Wc)1.96kN、スト
ローク7mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置に
よる分布状態を示すグラフである。図24は、図23の
成形品の断面を示す図である。
R)2.0、しごき率(I)15%、カウンターパンチ
力(Wc)3.43kN、ストローク7mmで形成した
成形品の板厚(mm)の位置による分布状態を示すグラ
フである。図20は、図19の成形品の断面を示す図で
ある。また、図21は、加工前の絞り比(DR)2.
0、しごき率20%、カウンターパンチ力(Wc)2.
94kN、ストローク7mmで形成した成形品の板厚
(mm)の位置による分布状態を示すグラフである。図
22は、図21の成形品の断面を示す図である。また、
図23は、加工前の絞り比(DR)2.0、しごき率2
5%、カウンターパンチ力(Wc)1.96kN、スト
ローク7mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置に
よる分布状態を示すグラフである。図24は、図23の
成形品の断面を示す図である。
【0062】本発明の形成方法では、上述のようにしご
き加工後の側壁部4sの板厚よりも底面部4bの板厚を
薄くすることができるが、さらに従来より行われていた
コイニング加工のように、コイニングにより底面部4b
から排除された材料が形成された素材4のアール部4r
とダイ2の穴2hの隙間を埋めてしまうことがない。つ
まり、図20、図22、図24に示す断面を示す図から
わかるように、成形されたアール部4rは均一の厚みを
保っており、従来のコイニング加工のように製品アール
が小さくなったり、角が付いたりすることがない。ま
た、このことは図19、図21、図23に示す各条件で
の成形品の板厚(mm)の位置による分布状態を示すグ
ラフからも明らかである。
き加工後の側壁部4sの板厚よりも底面部4bの板厚を
薄くすることができるが、さらに従来より行われていた
コイニング加工のように、コイニングにより底面部4b
から排除された材料が形成された素材4のアール部4r
とダイ2の穴2hの隙間を埋めてしまうことがない。つ
まり、図20、図22、図24に示す断面を示す図から
わかるように、成形されたアール部4rは均一の厚みを
保っており、従来のコイニング加工のように製品アール
が小さくなったり、角が付いたりすることがない。ま
た、このことは図19、図21、図23に示す各条件で
の成形品の板厚(mm)の位置による分布状態を示すグ
ラフからも明らかである。
【0063】以上、一の実施の形態で本発明を説明した
が、本発明は円筒形のカップ状金属部品に限定されず以
下のような実施もできる。以下、実施例について説明す
る。例えば、図25は、フランジ部4fを残した形状の
成形品4pを示す図である。このようなフランジ部4f
を残して成形できるのはもちろんである。また、図26
はフランジ部なしの絞り加工を施した材料を、しごき加
工した成形品4pを示す図である。
が、本発明は円筒形のカップ状金属部品に限定されず以
下のような実施もできる。以下、実施例について説明す
る。例えば、図25は、フランジ部4fを残した形状の
成形品4pを示す図である。このようなフランジ部4f
を残して成形できるのはもちろんである。また、図26
はフランジ部なしの絞り加工を施した材料を、しごき加
工した成形品4pを示す図である。
【0064】図27は、側壁部4sの下部にテーパ角度
αを有する成形品4pを示す図である。テーパ角αが4
5°以下の場合は、成形品4pの底面部4bに引っ張り
応力が働きやすいため、一般的には図27に示すよう
に、底面部4bのみをカウンターパンチ力(Wc)によ
り圧力を付加することで十分であるため、カウンターパ
ンチ6の上端部6tは平坦な形状でよい。一方、図28
に示すように、テーパ角αが45°以上の場合は、カウ
ンターパンチ6の上端部6tを、できるだけ外径に近い
部分を圧縮できるような形状にして、引っ張り応力の低
下を補うことが好ましい場合もある。
αを有する成形品4pを示す図である。テーパ角αが4
5°以下の場合は、成形品4pの底面部4bに引っ張り
応力が働きやすいため、一般的には図27に示すよう
に、底面部4bのみをカウンターパンチ力(Wc)によ
り圧力を付加することで十分であるため、カウンターパ
ンチ6の上端部6tは平坦な形状でよい。一方、図28
に示すように、テーパ角αが45°以上の場合は、カウ
ンターパンチ6の上端部6tを、できるだけ外径に近い
部分を圧縮できるような形状にして、引っ張り応力の低
下を補うことが好ましい場合もある。
【0065】また、図29は、底面部4bが球面の場合
の成形品4pを示す図である。この場合は、カウンター
パンチ6の上端部6tを引っ張り応力の働きにくい45
°付近まで圧縮可能な形状にした例である。また、図3
0は、底面部4bが球面の場合の成形品4pを示す図で
ある。成形品4pの形状は図29の場合と同じ形状であ
るが、材質・素材の加工条件によっては、カウンターパ
ンチ6の上端部6tをできるだけ外径に近い部分まで圧
縮できるような形状にした例である。この場合でも、外
径に近い部分は十分な引っ張り応力が働くため、従来の
ようにカウンターパンチ6の上端を肉薄にする必要はな
い。そのため、従来のように、製品アールに沿った形状
のカウンターパンチを用いた場合に製品アールに沿った
部分のカウンターパンチ6の端部が肉薄になって弾性変
形をし易くなり、製品アールの部分に材料が高圧で充填
された場合に、カウンターパンチが弾性変形を生じてダ
イとカウンターパンチの間の隙間がなくなり、相対運動
時に摩擦による抵抗が発生したり、最悪カジリ(フィレ
ッティング)となりロックすることもない。また、カウ
ンターパンチの肉薄の部分が、加工の繰り返しによって
破断し、製品形状の維持ができなくなったり、スライド
下面に破片が入り込んで他の金型を破損してしまうとい
うこともない。
の成形品4pを示す図である。この場合は、カウンター
パンチ6の上端部6tを引っ張り応力の働きにくい45
°付近まで圧縮可能な形状にした例である。また、図3
0は、底面部4bが球面の場合の成形品4pを示す図で
ある。成形品4pの形状は図29の場合と同じ形状であ
るが、材質・素材の加工条件によっては、カウンターパ
ンチ6の上端部6tをできるだけ外径に近い部分まで圧
縮できるような形状にした例である。この場合でも、外
径に近い部分は十分な引っ張り応力が働くため、従来の
ようにカウンターパンチ6の上端を肉薄にする必要はな
い。そのため、従来のように、製品アールに沿った形状
のカウンターパンチを用いた場合に製品アールに沿った
部分のカウンターパンチ6の端部が肉薄になって弾性変
形をし易くなり、製品アールの部分に材料が高圧で充填
された場合に、カウンターパンチが弾性変形を生じてダ
イとカウンターパンチの間の隙間がなくなり、相対運動
時に摩擦による抵抗が発生したり、最悪カジリ(フィレ
ッティング)となりロックすることもない。また、カウ
ンターパンチの肉薄の部分が、加工の繰り返しによって
破断し、製品形状の維持ができなくなったり、スライド
下面に破片が入り込んで他の金型を破損してしまうとい
うこともない。
【0066】図31は、成形品4pの底面部4bに内側
方向に凸形状を有する場合を示す図である。この場合、
カウンターパンチ6の上端部6tの中央が凸状に形成さ
れており、加工の初期にはこのカウンターパンチ6の上
端部6tの凸形状により素材4の底面部4bを張り出し
により引き伸ばし、その後しごき加工とともにさらに底
面部4bを伸ばす加工を行う。また、さらに複雑な形状
の成形品4pを成形する場合には、図32に示すよう
に、カウンターパンチをインナーカウンターパンチ6i
とアウターカウンターパンチ6oに分けて構成すること
もできる。このように構成されたインナーカウンターパ
ンチ6iとアウターカウンターパンチ6oは、例えばそ
れぞれがコントローラ17(図7参照)に別々にCNC
制御されて駆動される。このように構成することで、例
えばインナーカウンターパンチ6iにより底面部4bの
中央部を張り出しにより引き伸ばし、さらにその後アウ
ターカウンターパンチ6oにより、周辺部を圧縮するよ
うな加工も可能になる。
方向に凸形状を有する場合を示す図である。この場合、
カウンターパンチ6の上端部6tの中央が凸状に形成さ
れており、加工の初期にはこのカウンターパンチ6の上
端部6tの凸形状により素材4の底面部4bを張り出し
により引き伸ばし、その後しごき加工とともにさらに底
面部4bを伸ばす加工を行う。また、さらに複雑な形状
の成形品4pを成形する場合には、図32に示すよう
に、カウンターパンチをインナーカウンターパンチ6i
とアウターカウンターパンチ6oに分けて構成すること
もできる。このように構成されたインナーカウンターパ
ンチ6iとアウターカウンターパンチ6oは、例えばそ
れぞれがコントローラ17(図7参照)に別々にCNC
制御されて駆動される。このように構成することで、例
えばインナーカウンターパンチ6iにより底面部4bの
中央部を張り出しにより引き伸ばし、さらにその後アウ
ターカウンターパンチ6oにより、周辺部を圧縮するよ
うな加工も可能になる。
【0067】図33は、さらにパンチ5もインナーパン
チ5iとアウターパンチ5oに分けて構成された例を示
す図である。この場合も、インナーパンチ5iとアウタ
ーパンチ5oは別々に制御されて駆動される。このよう
に構成することで、インナーカウンターパンチ6iとア
ウターカウンターパンチ6oの作用と相俟ってさらに複
雑な形状の成形品を生産することができる。
チ5iとアウターパンチ5oに分けて構成された例を示
す図である。この場合も、インナーパンチ5iとアウタ
ーパンチ5oは別々に制御されて駆動される。このよう
に構成することで、インナーカウンターパンチ6iとア
ウターカウンターパンチ6oの作用と相俟ってさらに複
雑な形状の成形品を生産することができる。
【0068】さらに、成形品の形状は、これまでに述べ
た横断面が円形のものに限らず、図34の(a)〜
(h)に示すように、角部にアールが付けられた各種の
形、例えば円形(a)、三角形(b)、長方形(c)、
トラック型(d)、円形が3つ(e)、或いは4つ結合
したような形(f)、2辺がアールをもった長方形
(g)、楕円(h)等各種の形状が成形可能である。
た横断面が円形のものに限らず、図34の(a)〜
(h)に示すように、角部にアールが付けられた各種の
形、例えば円形(a)、三角形(b)、長方形(c)、
トラック型(d)、円形が3つ(e)、或いは4つ結合
したような形(f)、2辺がアールをもった長方形
(g)、楕円(h)等各種の形状が成形可能である。
【0069】以上説明したように、本実施の形態のカッ
プ状の金属部品の成形装置1及び成形方法は、以下のよ
うな効果がある。即ち、従来、ダイ2、パンチ5以外に
も多数の金型を用いて深絞り、再絞り、しごきを繰り返
す多段階加工により成形していた、直径に対し深さの大
きな薄肉のカップ状製品の成形であっても、より少ない
工数で、かつより少ない金型により、低い生産コストで
生産することができるという効果がある。
プ状の金属部品の成形装置1及び成形方法は、以下のよ
うな効果がある。即ち、従来、ダイ2、パンチ5以外に
も多数の金型を用いて深絞り、再絞り、しごきを繰り返
す多段階加工により成形していた、直径に対し深さの大
きな薄肉のカップ状製品の成形であっても、より少ない
工数で、かつより少ない金型により、低い生産コストで
生産することができるという効果がある。
【0070】また、パンチ5による深絞り加工或いはさ
らにしごき加工するのと同時に、カウンターパンチ6に
より部分圧縮加工を行うことで、従来のコイニング加工
に比較して小さな加工荷重により、カップ状金属部品の
底面を薄くすることができるという効果がある。そのた
め、従来のコイニング加工のように大きな圧力で部分圧
縮加工せずに、比較的小さな圧力で底面部4bを薄くす
ることができ、高価な容量の大きなプレス機を使用する
必要が少なくなるため、生産コストを低くすることがで
きるという効果がある。
らにしごき加工するのと同時に、カウンターパンチ6に
より部分圧縮加工を行うことで、従来のコイニング加工
に比較して小さな加工荷重により、カップ状金属部品の
底面を薄くすることができるという効果がある。そのた
め、従来のコイニング加工のように大きな圧力で部分圧
縮加工せずに、比較的小さな圧力で底面部4bを薄くす
ることができ、高価な容量の大きなプレス機を使用する
必要が少なくなるため、生産コストを低くすることがで
きるという効果がある。
【0071】特に、図19から図24に示すように、従
来のコイニング加工のように底面周囲のアール部に流動
した材料が流れ込んで、アール半径が小さくなったり、
角が付いたりせず、半径の比較的大きなアール形状とす
ることができるという効果がある。そのため、例えば成
形品4pの側壁部4sからアール部4r、底面部4bま
でを均一な板厚にすることができるという効果がある。
来のコイニング加工のように底面周囲のアール部に流動
した材料が流れ込んで、アール半径が小さくなったり、
角が付いたりせず、半径の比較的大きなアール形状とす
ることができるという効果がある。そのため、例えば成
形品4pの側壁部4sからアール部4r、底面部4bま
でを均一な板厚にすることができるという効果がある。
【0072】また、深絞り加工、しごき加工と同時に底
面部4bを部分圧縮して、底面部4bを薄く加工するた
め、従来のように底面部のコイニング加工を別工程で行
う方法に比較して工程数が減り、生産コストを下げるこ
とができるという効果がある。
面部4bを部分圧縮して、底面部4bを薄く加工するた
め、従来のように底面部のコイニング加工を別工程で行
う方法に比較して工程数が減り、生産コストを下げるこ
とができるという効果がある。
【0073】また、深絞り加工、しごき加工とともに、
底面部を薄肉化した分だけアール部に材料が供給され、
成形品の深さを増すことができるという効果もある。特
に成形性の悪い材料(高力アルミニウム等)で、深く絞
る場合には多くの工程を必要としたり、絞り加工の途中
工程で焼鈍を施してから再加工するなど、加工効率が低
く、コストも多くかかっていたが、絞り加工後、しごき
加工と合わせて部分圧縮加工を行うことで50%前後も
肉厚を薄くでき、絞り品の2倍前後深い成形品が加工で
きるという効果がある。
底面部を薄肉化した分だけアール部に材料が供給され、
成形品の深さを増すことができるという効果もある。特
に成形性の悪い材料(高力アルミニウム等)で、深く絞
る場合には多くの工程を必要としたり、絞り加工の途中
工程で焼鈍を施してから再加工するなど、加工効率が低
く、コストも多くかかっていたが、絞り加工後、しごき
加工と合わせて部分圧縮加工を行うことで50%前後も
肉厚を薄くでき、絞り品の2倍前後深い成形品が加工で
きるという効果がある。
【0074】なお、本実施の形態では、通常深絞りに用
いる素材を例に説明したが、加工原理としては、カップ
状で底面部にアール形状があり、塑性変形能のある材料
ならば金属の鍛造素材や鋳造素材・焼結素材やそれらを
機械加工した素材、或いはプラスチック材料でできた素
材なども加工可能である。各種材料や製品形状により最
適な加工条件は異なると思われるが、加工技術的には本
発明の実施が可能である。例えばチタンなど特に高価な
金属材料では、後方押し出し加工など材料歩留まりのよ
い鍛造加工で素材を造り、本発明を適用することで深い
カップ状の成形品とすれば、加工工数を低減させること
ができるとともに、使用するプレス容量の低減ができる
ものである。
いる素材を例に説明したが、加工原理としては、カップ
状で底面部にアール形状があり、塑性変形能のある材料
ならば金属の鍛造素材や鋳造素材・焼結素材やそれらを
機械加工した素材、或いはプラスチック材料でできた素
材なども加工可能である。各種材料や製品形状により最
適な加工条件は異なると思われるが、加工技術的には本
発明の実施が可能である。例えばチタンなど特に高価な
金属材料では、後方押し出し加工など材料歩留まりのよ
い鍛造加工で素材を造り、本発明を適用することで深い
カップ状の成形品とすれば、加工工数を低減させること
ができるとともに、使用するプレス容量の低減ができる
ものである。
【0075】さらに、本発明は、加工温度の制約を受け
ない方法であるため、セラミックスのような耐熱性の高
い材料で型を製作することで、加工雰囲気が熱間加工領
域の場合や、加工品が熱間加工温度又は、型が熱間加工
温度に加熱されている場合など、すべての場合について
加工が可能である。従って、例えばアルミニウム鋳物な
ど伸びの小さい材料を加工する場合、加工製品を熱間加
工領域まで温度を上げ、図30に示すようなカウンター
パンチ6をできるだけ素材4に密着するような形状と
し、温度上昇によって伸び易くなった素材4を広範囲に
加圧することでより加工度を高めることができる。
ない方法であるため、セラミックスのような耐熱性の高
い材料で型を製作することで、加工雰囲気が熱間加工領
域の場合や、加工品が熱間加工温度又は、型が熱間加工
温度に加熱されている場合など、すべての場合について
加工が可能である。従って、例えばアルミニウム鋳物な
ど伸びの小さい材料を加工する場合、加工製品を熱間加
工領域まで温度を上げ、図30に示すようなカウンター
パンチ6をできるだけ素材4に密着するような形状と
し、温度上昇によって伸び易くなった素材4を広範囲に
加圧することでより加工度を高めることができる。
【0076】以上、本発明を、実施の形態と実施例によ
り説明したが、本発明はこれらに限定されないことはい
うまでもなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で当業
者により変更され改良されて実施することができるもの
である。
り説明したが、本発明はこれらに限定されないことはい
うまでもなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で当業
者により変更され改良されて実施することができるもの
である。
【0077】
【発明の効果】上記説明より明らかなように、本発明の
カップ状金属部品の成形方法及び成形装置は、少ない工
程で直径に対して深さの大きなカップ状の金属製品の成
形が可能になるという効果がある。さらに、従来のコイ
ニング加工に比較して小さな加工荷重により、カップ形
状製品の底面を薄くすることができるという効果がある
とともに、底面周囲に大きなアールが形成可能という効
果がある。
カップ状金属部品の成形方法及び成形装置は、少ない工
程で直径に対して深さの大きなカップ状の金属製品の成
形が可能になるという効果がある。さらに、従来のコイ
ニング加工に比較して小さな加工荷重により、カップ形
状製品の底面を薄くすることができるという効果がある
とともに、底面周囲に大きなアールが形成可能という効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属プレス加工のパターンを示す図である。
【図2】(a) A工程の加工前の状態を示す模式図で
ある。 (b) A工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
ある。 (b) A工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
【図3】(a) B工程の第一工程の加工後であって、
第二工程の加工前の状態を示す模式図である。 (b) B工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
第二工程の加工前の状態を示す模式図である。 (b) B工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
【図4】(a) C工程の第二工程の加工中の状態を示
す模式図である。 (b) C工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
す模式図である。 (b) C工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
【図5】(a) D工程の第一工程の加工後であって、
第二工程の加工前の加工前の状態を示す模式図である。 (b) D工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
第二工程の加工前の加工前の状態を示す模式図である。 (b) D工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
【図6】(a) E工程の加工前の状態を示す模式図で
ある。 (b) E工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
ある。 (b) E工程の加工完了後の状態を示す模式図であ
る。
【図7】形成装置1の全体の構成の概略を示す模式図で
ある。
ある。
【図8】E工程の第一工程の待機状態にある形成装置1
の加工部の詳細を示す図である。
の加工部の詳細を示す図である。
【図9】E工程の第一工程の加工中の状態にある形成装
置1の加工部の詳細を示す図である。
置1の加工部の詳細を示す図である。
【図10】しごき率15%のときの底面部の板厚(m
m)とカウンターパンチ6による荷重(kN)の関係を
示すグラフである。
m)とカウンターパンチ6による荷重(kN)の関係を
示すグラフである。
【図11】しごき率20%のときの底面部の板厚(m
m)とカウンターパンチ6による荷重(kN)の関係を
示すグラフである。
m)とカウンターパンチ6による荷重(kN)の関係を
示すグラフである。
【図12】しごき率25%のときの底面部の板厚(m
m)とカウンターパンチ6による荷重(kN)の関係を
示すグラフである。
m)とカウンターパンチ6による荷重(kN)の関係を
示すグラフである。
【図13】図1のD工程の第二工程における本発明の加
工原理を説明する模式図である。
工原理を説明する模式図である。
【図14】図1のE工程において、しごき加工なしで、
絞り加工と部分圧縮加工のみを施した場合の本発明の加
工原理を説明する模式図である。
絞り加工と部分圧縮加工のみを施した場合の本発明の加
工原理を説明する模式図である。
【図15】カウンターパンチの荷重を変化させたときの
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
【図16】カウンターパンチの荷重を変化させたときの
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
【図17】カウンターパンチの荷重を一定にしたときの
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
【図18】カウンターパンチの荷重を一定にしたときの
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
パンチ5及びカウンターパンチ6による荷重(kN)と
ストローク(mm)の関係を示すグラフである。
【図19】加工前絞り比(DR)2.0、しごき率15
%、カウンターパンチ荷重3.43kN、ストローク7
mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置による分布
状態を示すグラフである。
%、カウンターパンチ荷重3.43kN、ストローク7
mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置による分布
状態を示すグラフである。
【図20】図19の成形品の断面を示す図である。
【図21】加工前絞り比(DR)2.0、しごき率20
%、カウンターパンチ荷重2.94kN、ストローク7
mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置による分布
状態を示すグラフである。
%、カウンターパンチ荷重2.94kN、ストローク7
mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置による分布
状態を示すグラフである。
【図22】図21の成形品の断面を示す図である。
【図23】加工前絞り比(DR)2.0、しごき率25
%、カウンターパンチ荷重1.96kN、ストローク7
mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置による分布
状態を示すグラフである。
%、カウンターパンチ荷重1.96kN、ストローク7
mmで形成した成形品の板厚(mm)の位置による分布
状態を示すグラフである。
【図24】図23の成形品の断面を示す図である。
【図25】フランジ部4fを残した形状の成形品4pを
示す図である。
示す図である。
【図26】フランジ部なしの絞り加工を施した材料を、
しごき加工した成形品4pを示す図である。
しごき加工した成形品4pを示す図である。
【図27】側壁部4sの下部が45°以下のテーパ角度
αを有する成形品4pを示す図である。
αを有する成形品4pを示す図である。
【図28】側壁部4sの下部が45°以上のテーパ角度
αを有する成形品4pを示す図である。
αを有する成形品4pを示す図である。
【図29】底面部4bが球面の場合の成形品4pを示す
図である。
図である。
【図30】底面部4bが球面の場合の成形品4pを示す
図である。
図である。
【図31】成形品4pの底面部4bに内側方向に凸形状
を有する場合を示す図である。
を有する場合を示す図である。
【図32】カウンターパンチをインナーカウンターパン
チ6iとアウターカウンターパンチ6oに分けて構成し
た例を示す図である。
チ6iとアウターカウンターパンチ6oに分けて構成し
た例を示す図である。
【図33】さらにパンチがインナーパンチ5iとアウタ
ーパンチ5oに分けて構成された例を示す図である。
ーパンチ5oに分けて構成された例を示す図である。
【図34】(a)〜(h)成形品の横断面の形状の例を
示す図である。
示す図である。
1 形成装置 2 ダイ 3 位置決め治具 4 素材 4s 側壁部 4b 底面部 4r アール部 5 パンチ 6 カウンターパンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 誠 名古屋市中区正木三丁目6番6号 株式会 社高木製作所内 (72)発明者 岩瀬 泰史 名古屋市中区正木三丁目6番6号 株式会 社高木製作所内 (72)発明者 後藤 善弘 福井県福井市八重巻中町28の4番地
Claims (4)
- 【請求項1】 ダイとパンチを用いて行うカップ状金属
部品の成形方法において、 加工対象物であるブランクに対して、 絞り加工と、 駆動手段により所定の圧力を付加可能なカウンターパン
チで、前記加工対象物の底面部に前記パンチに対向する
圧力を付加する部分圧縮加工とが併せて行われることを
特徴とするカップ状金属部品の成形方法。 - 【請求項2】 前記絞り加工と併せて、しごき加工が行
われることを特徴とする請求項1に記載のカップ状金属
部品の成形方法。 - 【請求項3】 ダイとパンチを用いて行うカップ状金属
部品の成形方法において、 側壁部と底面部を有したカップ状の加工対象物に対し
て、 しごき加工と、 駆動手段により所定の圧力を付加可能なカウンターパン
チで、前記加工対象物の底面部に前記パンチに対向する
圧力を付加する部分圧縮加工とが併せて行われることを
特徴とするカップ状金属部品の成形方法。 - 【請求項4】 ダイと、 前記ダイとともに加工対象物に対する絞り加工若しくは
しごき加工の少なくともいずれかの加工が可能なパンチ
と、 当該パンチを駆動する第一の駆動手段と、 前記パンチの底面部と対向する位置に配置されたカウン
ターパンチと、 当該カウンターパンチを駆動する第二の駆動手段と、 前記パンチによる加工中に前記パンチの底面部との間の
加工対象物の底面に対して、前記カウンターパンチによ
り所定の圧力を付加されるように前記第二の駆動手段を
制御する制御手段とを備えたことを特徴とするカップ状
金属部品の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000331514A JP2002137021A (ja) | 2000-10-30 | 2000-10-30 | カップ状金属部品の成形方法及び成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000331514A JP2002137021A (ja) | 2000-10-30 | 2000-10-30 | カップ状金属部品の成形方法及び成形装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002137021A true JP2002137021A (ja) | 2002-05-14 |
Family
ID=18807846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000331514A Pending JP2002137021A (ja) | 2000-10-30 | 2000-10-30 | カップ状金属部品の成形方法及び成形装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002137021A (ja) |
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- 2000-10-30 JP JP2000331514A patent/JP2002137021A/ja active Pending
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