JP2002136849A - 複合膜の製造方法 - Google Patents

複合膜の製造方法

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JP2002136849A
JP2002136849A JP2000332780A JP2000332780A JP2002136849A JP 2002136849 A JP2002136849 A JP 2002136849A JP 2000332780 A JP2000332780 A JP 2000332780A JP 2000332780 A JP2000332780 A JP 2000332780A JP 2002136849 A JP2002136849 A JP 2002136849A
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coated
aqueous solution
membrane
coating
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Shunsuke Yamane
俊介 山根
Sadajiro Hatano
貞次郎 秦野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムフロー法を用いた複合膜の製造方法
において、水溶液の供給量を増加することなく、膜面の
擦れ傷あるいは擦れ傷状の塗布むらを防止する。 【解決手段】 走行する被塗布膜上にフィルムを配置
し、被塗布膜とフィルムとの間に、被塗布膜の表面に吸
着される物質を含む水溶液を供給して被塗布膜の表面に
塗布するに際し、前記フィルムに、被塗布膜側表面に凹
凸加工を施したフィルムを用いることを特徴とする、複
合膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合膜の製造方法
に関し、とくに複合膜を高速で製造するのに好適な方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】被塗布膜の表面に、特定の吸着物質を含
む水溶液を塗布し、該物質を吸着せしめることにより複
合膜を製造する技術が知られている。たとえば、各種気
体や液体の分離膜を製造する場合、編織物、不織布など
の通気性を有するシート状物の表面にポリスルホンやポ
リエーテルスルホンなどからなる多孔質の支持体層を形
成して被塗布膜とし、この被塗布膜表面に多官能アミン
などの吸着物質を含む水溶液を塗布して該物質を吸着せ
しめる、複合分離膜の製造方法が知られている。
【0003】このような複合膜の製造方法において、上
記吸着物質を含む水溶液をより均一な厚さで塗布するた
めのコーティング装置が、先に本出願人により提案され
ている(実開平1−92271号公報)。このコーティ
ング装置では、走行させる被塗布膜上に、水溶液の塗布
厚みを規定するドクター部材とともに、該ドクター部材
から被塗布膜走行方向下流側に向けて延在するフィルム
(可撓性シート)を設け、被塗布膜とフィルムの間に水
溶液を供給して被塗布膜の表面に塗布するようになって
おり、水溶液を被塗布膜とフィルムとの間に展延させる
ことにより、水溶液を効率よく均一に塗布することがで
きる。以下、本明細書では、このようなフィルムを用い
て所定の水溶液を塗布する方法をフィルムフロー法と呼
ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
ーティング装置においては、吸着物質を含む水溶液を塗
布した膜面に擦れ傷あるいは擦れ傷状の塗布むらが発生
することがある。
【0005】この擦れ傷あるいは擦れ傷状の塗布むら
は、フィルムが部分的に、対向する被塗布膜の表面に接
触するかそれに近い状態となり、大半のものは帯状に生
じる。この発生原因は定かではないが、たとえばポンプ
の脈動により水溶液の供給量が変動すると、被塗布膜と
フィルムとの間に存在する水溶液の量も変動する。そし
て、とくに平坦な表面を有するフィルム表面側での界面
張力が局部的に不均一になりやすい状態となり、その部
位でフィルムが走行中の被塗布膜の表面に部分的に接触
するか異常近接し、その部分で帯状の塗布むらや擦れ傷
が生じるものと考えられる。そしてこれら塗布むらや擦
れ傷が生じると膜としての脱塩率が低下する。塗布むら
や擦れ傷による膜の脱塩率低下は、上記水溶液の供給量
を増加することである程度防ぐことができると考えられ
るが、水溶液の供給量増加に伴いコスト高となる。
【0006】そこで本発明の課題は、とくにフィルムフ
ロー法を用いた複合膜の製造方法において、水溶液の供
給量を増加することなく、膜面の擦れ傷あるいは擦れ傷
状の塗布むらを防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る複合膜の製造方法は、走行する被塗布
膜上にフィルムを配置し、被塗布膜とフィルムとの間
に、被塗布膜の表面に吸着される物質を含む水溶液を供
給して被塗布膜の表面に塗布するに際し、前記フィルム
に、被塗布膜側表面に凹凸加工を施したフィルムを用い
ることを特徴とする方法からなる。
【0008】この方法は、とくに、被塗布膜の表面に多
孔質支持体が形成された複合分離膜の製造に適してい
る。上記フィルム表面の凹凸加工の方法はとくに限定し
ないが、たとえばエンボス加工またはサンドブラスト加
工により施すことができる。
【0009】凹凸の程度は、フィルム表面の中心線平均
粗さが0.05〜1.0μm、より好ましくは0.1〜
0.35μmの範囲にあることが好ましい。表面粗さが
0.05μm未満では、界面張力が大きくなった場合の
膜面の擦れ傷発生防止効果が小さくなりすぎ、1.0μ
mを超えると、フィルム自体への凹凸の付与が困難にな
るか、あるいは厚すぎるフィルムが必要になる。厚すぎ
るフィルムでは、フィルム自体の剛性が高くなりすぎ、
フィルムフロー法の適用が難しくなる。
【0010】本発明に係る方法では、フィルム表面に凹
凸が付与されることにより、フィルムと被塗布膜との間
に存在する水溶液のフィルム表面側での界面張力が分散
されて、局部的に界面張力のバランスが大きく崩れるこ
とが防止される。したがって、偶発的に水溶液の供給量
が変動した場合にも、局部的に不均一な界面張力が発生
することはなくなり、その部位でフィルムが走行中の被
塗布膜の表面に部分的に接触したり異常近接することが
防止され、帯状の擦れ傷あるいは擦れ傷状の塗布むらの
発生が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施形
態および実施例について説明する。図1は、本発明の一
実施態様に係る複合膜の製造方法を実施するための、複
合膜の製造装置における水溶液の塗布装置部を示してい
る。水溶液の塗布装置1には、供給されてくる被塗布膜
2を搬送するための駆動ロール3と、ドクター部材4
と、ドクター部材4との隙間を規制するプレート5と、
搬送される被塗布膜2を裏面側から支持する複数の支持
バー6と、次工程に送られる被塗布膜2のレベルを決め
るプレート7とが設けられている。ドクター部材4の下
面側にフィルム8が設けられ、フィルム8は、その部分
でドクター部材4に固定されているとともに、下流側に
延在されて下流側の他端は自由端とされている。走行さ
れる被塗布膜2と、走行されないフィルム8との間に、
上流側の位置、つまりドクター部材4の直上流側の位置
から、被塗布膜2の表面に吸着する物質を含む水溶液9
が供給され、被塗布膜2とフィルム8の間に展延されて
被塗布膜2の表面に均一に塗布される。なお、本実施態
様ではフィルム8の下流端を自由端としたが、たとえば
支持バー等により固定し、上流側のドクター部材4によ
る固定端との間で、フィルム8を全域にわって被塗布膜
2との隙間が均一になるように張設しておくことも可能
である。
【0012】上記フィルム8として、その被塗布膜2側
表面に凹凸加工10を施したフィルム8が用いられる。
凹凸加工10は、前述したようにエンボス加工やサンド
ブラスト加工により付与される。
【0013】塗布される水溶液は、被塗布膜2の表面に
吸着される物質を含むものからなり、吸着物質として
は、たとえば多官能アミンなどの有機物が挙げられる。
被塗布膜2としては、用途に応じた複合膜を形成できる
ものであればとくに限定されない。たとえば複合分離膜
を製造する場合には、ポリエステルなどの不織布やポリ
エステルタフタなどのシート状物の一面に、前工程でた
とえば、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどから
なる多孔質支持体層を形成したものを例示できる。
【0014】
【実施例】実施例1 図1に示したような塗布装置1を用いて、ポリエチレン
からなる多孔質支持体層が形成された被塗布膜の表面上
にアミン水溶液を塗布して吸着せしめ、複合分離膜を製
造した。多孔質支持体層は、ポリエステル繊維からなる
タフタ(縦糸、横糸ともに150デニールのマルチフィ
ラメント糸、織密度縦90本/インチ、横67本/イン
チ、厚さ160μm)上に、ポリスルホンを15重量%
含むジメチルホルムアミド溶液を20℃で200μmの
厚みにキャストし、直ちに純水中に浸漬して5分間放置
することによって得た。フィルム8としては、エンボス
加工により凹凸を全面に施したポリエステルフィルム
(厚さ:50μm、中心線平均粗さ:0.27μm、凹
凸ピッチ:20山/mm)のものを用いた。また、アミ
ン水溶液としてはm−フェニレンジアミンを2重量%含
む水溶液を用い、この水溶液を、フィルム8と被塗布膜
2との間に100g/m2 になるように介在させ、フィ
ルム8を一定方向に引っ張りながら塗布した。その後膜
表面の余分な水溶液を取り除き、溶媒をn−デカンとし
たトリクロロトリフルオロエタンの溶液(濃度0.1重
量%)を膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静
置した後、膜を垂直にして風をかけて膜表面の過剰溶液
を除去し逆浸透膜を得た。次に、得られた逆浸透膜から
7cm2 のサンプルをフィルムを引っ張った方向に対し
て垂直な方向に3点(両端部および中央部)切り出し、
1500ppm食塩水を原水とし、圧力1.5MPaで
性能評価を行った。その3点間の脱塩率の性能を測定
し、さらに、これを4回繰り返した。その結果、脱塩率
は99.46%〜99.53%の範囲であった。
【0015】実施例2 水溶液の量を200g/m2 にした以外は実施例1と同
条件で行った結果、脱塩性能は99.48%〜99.5
3%であった。
【0016】比較例1 フィルム8として、エンボス加工を施していないポリエ
ステルフィルム(厚さ:50μm、中心線平均粗さ:
0.02μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして
逆浸透膜を得て、性能評価を行った。その結果、脱塩率
の性能分布は99.34%〜99.52%であった。
【0017】比較例2 フィルム8と被塗布膜2との間に介在させた水溶液の量
を200g/m2 とした以外は比較例1と同様に逆浸透
膜を得て、性能評価を行った。その結果、脱塩率の性能
分布は99.42%〜99.51%であった。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、フィルムに凹凸がない
場合、フィルムと被塗布膜との間に介在させる水溶液の
量を多くしないと塗布むら、擦れ傷により得られた膜の
脱塩性能が低くなるが、凹凸加工をしたフィルムを用い
ると、水溶液量を少なくしても塗布むら、擦れ傷の発生
を防ぐことができ、膜の脱塩性能を高くすることができ
る。また、膜面内における脱塩性能のばらつきも小さく
なる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合膜の
製造方法によれば、フィルムフロー法を適用した複合膜
の製造において、フィルムに凹凸加工を施すことによ
り、吸着物質を含む水溶液の塗布を均一に行いつつ、よ
り少ない製膜溶液でも擦れ傷や塗布むらの発生を防止す
ることができる。したがって、複合分離膜等としての脱
塩性能の低下を防ぐことができ、生産性も高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る複合膜の製造方法を
実施するための塗布装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 塗布装置 2 被塗布膜 3 駆動ロール 4 ドクター部材 5 プレート 6 支持バー 7 プレート 8 フィルム 9 水溶液 10 凹凸加工
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 MA03 MA06 MA09 MA10 MB06 MC22 MC48 MC78X NA46 NA49 NA61 NA64 4D075 AC52 AC72 AC80 DA04 DA25 DB20 DB36 DB48 EA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する被塗布膜上にフィルムを配置
    し、被塗布膜とフィルムとの間に、被塗布膜の表面に吸
    着される物質を含む水溶液を供給して被塗布膜の表面に
    塗布するに際し、前記フィルムに、被塗布膜側表面に凹
    凸加工を施したフィルムを用いることを特徴とする、複
    合膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記被塗布膜の表面に多孔質支持体が形
    成されている、請求項1の複合膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記凹凸加工が、エンボス加工またはサ
    ンドブラスト加工により施されている、請求項1または
    2の複合膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの方法により製
    造された、膜面に擦れ傷あるいは擦れ傷状の塗布むらの
    ない複合膜。
  5. 【請求項5】 分離膜である、請求項4の複合膜。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8518310B2 (en) 2006-10-10 2013-08-27 Nitto Denko Corporation Process for producing a dried composite semipermeable membrane
US8851297B2 (en) 2006-10-10 2014-10-07 Nitto Denko Corporation Composite semipermeable membrane and process for producing the same

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US8518310B2 (en) 2006-10-10 2013-08-27 Nitto Denko Corporation Process for producing a dried composite semipermeable membrane
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