JP2002136088A - 多極直流機 - Google Patents

多極直流機

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JP2002136088A
JP2002136088A JP2000329313A JP2000329313A JP2002136088A JP 2002136088 A JP2002136088 A JP 2002136088A JP 2000329313 A JP2000329313 A JP 2000329313A JP 2000329313 A JP2000329313 A JP 2000329313A JP 2002136088 A JP2002136088 A JP 2002136088A
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JP
Japan
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coil
rotor
pole
winding
commutator
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Application number
JP2000329313A
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English (en)
Inventor
Katsuji Hoshi
勝治 星
Kiyoshi Yamamuro
清 山室
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Star Engineering Co Ltd
Original Assignee
Star Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア付き回転子を用いた多極直流機に於ける
ブラシ機構の部品点数及び組み立て工数を減じて、小形
軽量化を可能とする多極直流機の提供。 【解決手段】 磁極数(2p)が4以上の複数磁極を備
えた固定子を有する多極直流機に於いて、磁極数の整数
倍のコイル溝に巻回されたコイルの各磁極の極性ごとに
相対的に等しい電磁作用を受ける回転子コイル相互を直
列接続したコイル組として構成し、これらのコイル組の
巻き始め端及び巻き終わり端を磁気的対称位置に配置さ
れた相対的に隣接する整流子片にそれぞれ接続し、更に
巻き始め端の接続された整流子片と磁気的対称位置にあ
る整流子片とをわたり接続して構成した回転子と、整流
子片に接触する一対のブラシ機構であって、その取付け
角度が360°/2p又は(360°/2p)×奇数倍
に設定したブラシ機構とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア(鉄心)付き
回転子を用いた小形直流機に関し、特に磁極数(2p)
が4以上の多極直流モータ又は多極直流発電機である多
極直流機に関する。
【0002】
【従来の技術】直流機の代表的回転子巻線方式には、重
ね巻と波巻とがある。図5は、磁極数2p=4、コイル
溝数16の重ね巻に於けるブラシ、回転子磁極歯・コイ
ル及び整流子、固定子磁極の関係を示す典型的重ね巻き
の展開図である。ここでは、長方形で表わされた回転子
磁極歯1、2、3…16の各々3個分を取り囲む亀甲状
に図示された16組の環状コイルC1、C2、C3…C
16を部分的に重ね合わせるように配設している。太い
実線で表わした第1の環状コイルC1の巻き始めcsは
第1の整流子片1に接続され、その巻き終わりceは、
細い実線で表わした第2の環状コイルC2の巻き始めc
sと共に隣接する第2の整流子片2に接続される。第2
の環状コイルC2の巻き終わりceは、破線で表わされ
た第3の環状コイルC3の巻き始めcsと共に第3の整
流子片3に接続される。第4の環状コイルC4以下順次
同様に接続されて従来技術の重ね巻きが構成される。
【0003】このように接続される重ね巻きは並列巻で
あり、極対数(p)、図5ではN1、S1及びN2、S
2の極対数p=2に等しい並列回路数を有することから
比較的低電圧に於いて大きな電流を許容するため、大き
な出力が得られる特徴がある。しかし、重ね巻きの並列
回路数は極対数(=p)に等しいことから、特性向上の
ために磁極数を増すと、図3に示すように、極対数に等
しいブラシ機構、即ち、この場合は、2対のブラシ機構
+B1、−B1、+B2、−B2を設け、これらを並列
にして電流の授受を行う必要がある。
【0004】図6は、図5に示した重ね巻きにおけるブ
ラシ、整流子片、コイルの相対関係を示したもので、亀
甲形で示される環状コイルC1、C2、C3…C16、
方形で示される整流子片1、2、3…16、斜線入りの
方形で示される2組のブラシ+B1、+B2及び−B
1、−B2から構成される。このようなブラシ機構を極
対数に応じた組数必要とすることから、極対数が多いほ
どブラシ機構の構造が複雑となって小形化の障害とな
り、資材・組立て工数の増大からコスト低減の阻害要因
となっていた。
【0005】これに対して波巻では、ある整流子片から
出たコイル導体の反対側端部は次々に隣接するコイル導
体に接続され、N1、S1極下のコイルがN2、S2極
下のコイルに順次波状に接続されて回転子を周回し、先
の整流子片を通りすぎた隣接整流子片まで戻るようなコ
イル構成となる。波巻は直列巻であるため、比較的高電
圧での使用に適する直流機が得られる特徴があり、更
に、磁極数の如何にかかわらず並列回路数aが常に2で
あるため、電流の授受を行うブラシ機構が簡単になる特
徴がある。
【0006】なお、比較的大きな容量で価格低減の要求
もさほど厳しくない直流機にあっては、扁平コアレス直
流機も使用されるが、波形接続の採用が容易であるた
め、少ないブラシ装置で対応することが出来る。
【0007】しかし、各種車両、例えば、自動車の窓ガ
ラスやドアミラー等を駆動するために搭載される小型直
流機にあっては、バッテリーのような低電圧電源で駆動
されるものが多いことから、多磁極で重ね巻接続の回転
子を使用することにより特性を改善しつつ小形化、コス
ト低減の要求に応え得るコア付き直流機が多く採用され
る傾向にある。しかし、この種の重ね巻を採用した多磁
極直流機では、前述のように、ブラシ対数が多くなるこ
とから、機械的に複雑となり小形化や、コスト削減の要
請に対応できない大きな欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の問題点を解消し、コア(鉄心)付き回転子
を用いた多極直流機に於けるブラシ機構の部品点数及び
組み立て工数を減じ、小形軽量化が可能となる多極直流
機を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、磁極数
(2p)が4以上の複数磁極を備えた固定子を有する多
極直流機に於いて、磁極数の整数倍のコイル溝に巻回さ
れたコイルを有する回転子であって、前記各磁極の極性
ごとに相対的に等しい電磁作用を受ける複数の回転子コ
イル相互の巻き終わり端及び巻き始め端を直列接続した
コイル組として構成し、これらの各コイル組の巻き始め
端及び巻き終わり端を相互に磁気的対称位置に配置され
た相対的に隣接する整流子片にそれぞれ接続し、更に前
記各コイル組の巻き始め端の接続された整流子片とこれ
に磁気的対称位置に配置された整流子片とを相互にわた
り接続することによって構成された回転子と、前記整流
子片に接触する一対のブラシ機構とを備えた多極直流機
である。
【0010】本発明の2は、本発明の1の多極直流機に
於いて、前記ブラシ機構の取付け角度が、360°/2
p又は(360°/2p)×奇数倍に設定された一対の
ブラシからなる多極直流機である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、磁極数(2p)が4以
上の複数磁極を備えた固定子を有する多極直流機に於い
て、磁極数の整数倍のコイル溝に巻回されたコイルを有
する回転子であって、前記各磁極の極性ごとに相対的に
等しい電磁作用を受ける複数の回転子コイル相互の巻き
終わり端及び巻き始め端を直列接続したコイル組として
構成し、これらの各コイル組の巻き始め端及び巻き終わ
り端を相互に磁気的対称位置に配置された相対的に隣接
する整流子片にそれぞれ接続し、更に前記各コイル組の
巻き始め端の接続された整流子片とこれに磁気的対称位
置に配置された整流子片とを相互にわたり接続すること
によって形成された回転子と、前記整流子片に接触する
一対のブラシ機構であって、その取付け角度が、360
°/2p又は(360°/2p)×奇数倍に設定された
一対のブラシからなるブラシ機構とを備えた多極直流機
である。
【0012】前記多極直流機は、本発明の適用対象であ
り、既述のように、4よりも多い磁極数(2p)を備え
た直流発電機又は直流モータ(電動機)である。特に、
界磁極として継鉄を兼ねたケーシング内面に所望形状及
び所要数の永久磁石を固着させ、円筒ケーシング底面及
び/又はエンドブラケットに配設された軸受によって回
転子(ロータ)を支承するような小形多極直流機である
場合に有利に適用可能である。なお界磁極がコイル及び
鉄心からなる電磁石によって形成される直流機であって
も適用可能である。
【0013】前記回転子コイルは、極性毎に相対的に等
しい電磁作用を受ける磁気的相対位置にある複数のそれ
がそれぞれ相互に巻き始めと巻き終わりとで接続し、全
体として直列に接続されたコイル組を構成する。
【0014】上記各コイル組自体の巻き始め端及び巻き
終わり端は、既述のように、相互に磁気的対称位置に配
置された相対的隣接整流子片にそれぞれ接続する。例え
ば、各コイル組の巻き終わり端は、巻き始め端を接続し
た整流子片と、極性の異なる電磁作用を受ける部位を挟
んで対称位置(対応する位置)に配置された整流子片に
隣接する整流子片に接続するものである。
【0015】また各整流子片相互は、前記各コイル組の
巻き始め端の接続された整流子片とこれに磁気的対称位
置に配置された整流子片とを相互にわたり接続する。即
ち、前記各コイル組の巻き始め端の接続された整流子片
と、極性の異なる電磁作用を受ける部位を挟んで対称位
置(即ち、対応する位置)に配置された整流子片に接続
するものである。
【0016】しかして前記回転子は、極性ごとに相対的
に等しい電磁作用を受ける、磁気的相対位置にある回転
子コイル相互が直列に接続されたコイル組となってお
り、これらのコイル組の巻き始め端及び巻き終わり端
は、相互に磁気的対称位置に配置された相対的隣接整流
子片にそれぞれ接続され、全体としては、コイル組を単
位とする重ね巻コイルとして形成される。そして、回転
子コイル組を単位として重ね巻きを形成するために必要
な整流子片相互がそれぞれわたり接続される訳である。
【0017】以上のように、直列接続された複数の回転
子コイルはコイル組を構成し、各コイル組の巻き始め端
及び巻き終わり端は以上のように各整流子片に接続さ
れ、各コイル組を単位として重ね巻きを構成して電磁作
用を発揮する。他方、前記の関係にある整流子片相互が
それぞれわたり接続され、それ故、1対のブラシ機構に
よるブラシと各整流子片との接触によって電流の授受が
行なわれる。
【0018】本発明の多極直流機では、回転子コイルは
複数のコイルが直列接続されたコイル組として電磁作用
を発揮する。この間、ブラシを介しての電流の授受は、
「第1のブラシ→第1の整流子片→複数磁極のそれぞれ
との間で電磁作用を受けるコイル組(直列に接続された
複数の回転子コイル)の巻き始めから巻き終わり→第2
の整流子片(直接又はわたり接続を介して)→第2のブ
ラシ」のように、またはこの逆方向によって直接行なわ
れる。したがって全体としてはコイル組を単位とする重
ね巻きを採用しているにもかかわらず、常に第1のブラ
シ及び第2のブラシからなる1対のブラシ機構によって
電流の授受が行なわれ、多極直流機の小形化、コスト低
減等が可能となる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を
開示する。図1(a)は、磁極数2p=4、コイル溝数1
6、ブラシ対数1の多極直流機の回転子コイル部に於け
る一実施例を示す展開図である。図に於ける配置は、大
別すれば、上からわたり接続部A、整流子片群C、コイ
ル及びコア(鉄心)の回転子主要部Rであり、最下部に
は固定子磁極群Mを図示し、回転部分との対応位置が付
記してある。
【0020】上記回転子主要部Rには、コアの磁極歯1
〜16の各3個を取り囲む亀甲状コイルとして表示され
る16個の回転子コイルC11、C12、C13…C1
6がある。ここでは説明の都合上、回転子コイルC1
1、C12、C13…C16のうち2組のみを太い実線
又は細い実線で表わし、その他については煩雑さを避け
るために破線で表わすものとする。また、最下段に記載
された固定子磁極Mの磁極N1、S1及びN2、S2と
の関係はある瞬間に於ける相対関係を表わしたものであ
る。
【0021】前記コアの磁極歯1、2、3を囲み、第1
の磁極N1の電磁作用を受ける第1の回転子コイルC1
1の巻き始め部分csは、整流子片1に接続される。通
常の重ね巻きであれば整流子片2に接続されるはずの上
記第1の回転子コイルC11の巻き終わり端ceは、該
第1の回転子コイルC11と第2の磁極N2上の磁気的
相対位置の関係にある第2の回転子コイルC21の巻き
始め端csに接続され、該第1の回転子コイルC11と
該第2の回転子コイルC21との直列接続からなるコイ
ル組が構成される。そしてこのコイル組に於ける第2の
回転子コイルC21の巻き終わり端ceは、第2の磁極
N2の影響下にあり、前記整流子片1と相対的に隣接す
る位置に配置されている整流子片10に接続される。
【0022】即ち、第2の回転子コイルC21の巻き終
わり端ceは、前記整流子片1と磁気的対称位置(対応
する位置)にある整流子片9に隣接する整流子片10に
接続される。
【0023】以下、巻き始めcsが整流子片2に接続さ
れている回転子コイルC12は、磁極歯2、3、4を取
り囲み、その磁気的相対位置である第2の磁極N2の影
響下の磁極歯10、11、12を取り囲む回転子コイル
C22と直列接続され、構成されたコイル組の巻き終わ
り端ceは、第2の磁極N2の影響下にあり、前記整流
子片2と相対的に隣接する整流子片11に接続される。
即ち、第2の回転子コイルC22の巻き終わり端ce
は、前記整流子片2と磁気的対称位置(対応する位置)
にある整流子片10に隣接する整流子片11に接続され
る。
【0024】このように、磁気的対称位置とは、固定子
磁極N1、S1及びN2、S2との関連において、対向
する同極性磁極により回転子巻き線に対して等しい電磁
作用を及ぼす位置をいう。
【0025】このような接続を行うために、整流子片群
Cとコイル及びコアの回転子主要部Rとの間には、右半
部回転子コイル群の巻き終わり端ceと左半部回転子コ
イル群の巻き始め端csとをそれぞれ接続するための配
線が各回転子コイル毎に必要となる。しかし煩雑さを避
けるため、太い実線ならびに細い実線で示した2つのコ
イル組についてのみ示しておき、その他については省略
した。
【0026】そして、整流子片群Cのうち、1対の磁極
N1、S1に対応する分の整流子片1〜8と他の1対の
磁極N2、S2に対応する分の整流子片9〜16との間
は、図1(a)中の上部に記したようなわたり接続によっ
て対応する整流片1−整流子片9、整流子片2−整流子
片10、整流子片3−整流子片11…がそれぞれ接続さ
れている。その結果2つの並列回路を形成することがで
き、例えば、磁極N1の中央に位置する第1のブラシB
1と磁極S1の中央に位置する第2のブラシB2とによ
って電流の授受が行なわれる。なお、磁極N1、S1の
位置に代えて他方の磁極N2、S2に対応せしめてブラ
シを配置しても同様に電流の授受を行うことが出来るの
は云うまでもない。
【0027】図1(b)は、図1(a)に示した亀甲形で表わ
した回転子コイルC11、C12、C13…C28、数
字を囲んだ方形で示した整流子片1、2、3…16及び
斜線を施した第1及び第2のブラシB1、B2の相対関
係を示したものである。
【0028】第1のブラシB1と接触する整流子片1と
整流子片10との間には回転子コイルC11とC21と
を直列接続したコイル組が接続されている。整流子片1
0に対して太い実線で示したようにわたり接続されてい
る整流子片2と整流子片11との間には回転子コイルC
12とC22とを直列接続したコイル組が接続されてい
る。そして整流子片11と整流子片3との間はわたり接
続されており、以下同様にコイル組と整流子片及びわた
り接続された整流子片・コイル組が順次接続され、整流
子片5が対向する第2のブラシB2と接触する。同図中
の下側の配列も同様であり、1対のブラシである第1の
ブラシB1と第2のブラシB2との間に4つのコイル組
からなる極対数nに相当する並列回路が形成される。し
たがって4以上の磁極数を有する多極直流機に於いて、
1対のブラシである第1のブラシB1と第2のブラシB
2により電流の授受が行なわれる。
【0029】図1に示した実施例では、極数(2p)
4、コイル数8/2p、全コイル数18の回転子につい
て開示したが、単なる実施例として取り上げたに過ぎな
いものである。したがって、極対数(p)は、上記の2
よりも多い3、4、5であっても良い。更に、磁極数
(2p)あたりのコイル数は、通例に従って、2、3、
4、5、6、7、8(実施例)、9、10等とすること
ができることは云うまでもない。
【0030】図2は、永久磁石による界磁極を有する小
形直流機の構成例を示す上半部断面図である。これは本
発明を適用することのできる小型直流機の一例を示した
ものである。固定子アセンブリ1は、有底円筒状のハウ
ジング2と、ハウジング2の内周に複数極対数固着させ
た永久磁石3と、ハウジング2の底面中心部に配設固定
された軸受4とから構成される。
【0031】エンドブラケットアセンブリ5は、有底円
筒状の上記ハウジング2の開放部を閉鎖するような構造
になっている。上記エンドブラケットアセンブリ5に
は、その円板状のエンドブラケット6の内面側に、絶縁
物7を介して複数のブラシ8及びブラシ加圧用スプリン
グ9が配設されている。またエンドブラケット6の中心
部には前記ハウジング2の底面中心部に固定された軸受
4と対向する軸受10が配設固定されている。なお11
はブラシ8への電流の授受を行う接続端子である。
【0032】回転子アセンブリ12は、前記固定子磁極
である永久磁石3との間に磁気回路を形成する積層コア
(鉄心)13と、積層コア13の中心部を貫通して固着
された回転軸14と、積層コア13の両側表面に配設さ
れた絶縁層15と、積層コア13に形成された図示され
ていないコイル溝に巻き回された回転子コイル16と、
回転軸14を包囲するように固着された整流子片17と
から構成されている。
【0033】このように構成された多極直流機にあって
は、積層コア13、磁極を形成する永久磁石3、ハウジ
ング2のような経路の磁気回路を形成する。したがって
接続端子11から直流電圧を加えれば回転子アセンブリ
12はトルクを発生して回転し、機械的動力が得られ
る。なお直流機は可逆的に作用するため、回転軸14か
ら機械的動力を加えれば、接続端子11からは脈動する
直流電流が得られる。
【0034】図2に示した以上の鉄心形直流機のモデル
は、ハウジング2の外経が100mm、長さが約50mm程
度のやや扁平な小形モータである。なお、回転子コイル
は、従来技術で示した図5のような重ね巻きが多く採用
されていた。また、図3はこのような形状の鉄心形直流
モータにおける従来の重ね巻きを採用した場合の基本的
なエンドブラケットアセンブリの構成例を示す正面図で
ある。
【0035】図3に示すように、従来の重ね巻きでは、
磁極対数に等しいブラシ対を必要とする。即ち、図5及
び図6に示した重ね巻きを採用した場合は、2組のブラ
シ8(+B1、−B1及び+B2、−B2)を必要とす
る。したがって円板状のエンドブラケット内面側の絶縁
物7には、複数のブラシ8(+B1、−B1及び+B
2、−B2)が、それぞれ電気角の等しくなる位置に配
設され、それぞれの先端は整流子17に接触するように
構成される。そしてこれら複数のブラシ8の+相互、−
相互がそれぞれ1点鎖線に示すように接続され、それぞ
れが正負の接続端子11に接続されるようになってい
る。このような構成においては、極対数に相当するブラ
シ対数が必要となるため、ブラシ個数に比例する資材増
加、組立て工数増加、同極ブラシ相互を接続するための
資材・工数の増加等も不可避であり、構造の複雑化を招
き、コスト低減の要請に反していた。
【0036】図4は、図1に示した実施例の回転子巻き
線に適するエンドブラケットの例で、図3に示した従来
のエンドブラケットの上半部に相当するものである。正
極のブラシ8(+B)及び負極のブラシ8(−B)から
なる1対のブラシ8が配設され、それぞれの先端は整流
子17に接触している。したがって、図3に示した従来
例に比して、第2のブラシ対8(+B2及び−B2)が
不要となり、その結果、エンドブラケットアセンブリ7
の構造が簡単となり、資材費、組立て工数それぞれの低
減が可能となる。なおこの場合のブラシ8の取付けにあ
たっては、その取付け角度が、360°/2p、または
(360°/2p)×奇数倍に設定された一対のブラシ
から構成されるものとする。
【0037】この実施例の回転子は、回転子コア、整流
子、コイルの構造等については従来の回転子と同じもの
が使用でき、単に製造過程に於いて結線を変更すれば良
い。したがってコアの抜き型やコイルの巻き線装置等は
従来の設備をそのまま利用することができる。特にコイ
ル端の接続は、コイル2個を直列に接続してコイル組と
してその巻き始め端及び巻き終わり端を整流子片に接続
するものであり、工数的にも殆ど変わらない。整流子片
相互にはわたり接続が必要となるが、実際の工程では、
巻き端接続の際にごく短小な接続導体を同時に接続する
ことにより実現でき、格別の工数増加を招くこともな
い。
【0038】なおこの実施例に於いては、界磁極として
永久磁石を使用しているが、固定子鉄心に界磁コイルを
巻き回した電磁石式界磁であっても同様に適用すること
ができる。また、図2、図3及び図4に示した構造では
自動車類の各部に搭載された機器類を駆動する直流電動
機を念頭においているが、OA機器類、産業用機械等の
分野に於いても適用可能である。更に一般にモータへの
適用を考慮しているが、特殊な用途にあっては、発電機
としての利用も差し支えない。
【0039】
【発明の効果】本発明の多極直流機によれば、回転子コ
イルの接続を変更して、直列コイル組を構成し、更に同
電位整流子相互をわたり接続する構成により、重ね巻き
に於けるブラシ対数が1組で足りることになる。その結
果、直流機の宿命とも言えるブラシ‐整流子部分の構造
が簡潔となり、これに伴ってブラシ材、ばね類、ブラシ
保持筒、ブラシ間接続導体等の資材費が節減でき、組立
て工数も低減できる。
【0040】また直流機に於ける主な故障原因は、ブラ
シ‐整流子間の異常接触、火花発生、整流不良等のよう
にブラシ‐整流子間で発生するものが多く、ブラシ数を
低減することによってこのような故障原因を減らすこと
ができ、整流子寿命を伸長させることになる。したがっ
て多極直流機の信頼性向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施例の多極直流機に於ける回転子コ
イル及び整流子の接続状態を示す展開図。(b)は回転子
コイル及び整流子のそれぞれの相対関係を示したダイヤ
グラム。
【図2】本発明の多極直流機を適用することができるコ
ア付き小形直流機の構造を示す断面図。
【図3】図2に示した多極直流機に使用することのでき
る従来のエンドブラケットアセンブリの裏面構成を示す
正面図。
【図4】図2に示した多極直流機に使用することのでき
る本発明の実施例のエンドブラケットアセンブリの裏面
構成を示す正面図。
【図5】従来例の多極直流機の回転子コイル及び整流子
の接続状態を示す展開図。
【図6】図5に示した従来例の多極直流機の回転子コイ
ル及び整流子のそれぞれの相対関係を示したダイヤグラ
ム。
【符号の説明】
1 固定子アセンブリ 2 ハウジング 3 永久磁石 4 軸受 5 エンドブラケットアセンブリ 6 エンドブラケット 7 絶縁物 8 ブラシ 9 スプリング 10 軸受 11 接続端子 12 回転子アセンブリ 13 積層コア 14 回転軸 15 絶縁層 16 回転子コイル 17 整流子 C11、C12、C13…C28 回転子コイル C1、C2、C3…C16 回転子コイル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月16日(2000.11.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】なおこの実施例に於いては、界磁極として
永久磁石を使用しているが、固定子鉄心に界磁コイルを
巻き回した電磁石式界磁であっても同様に適用すること
ができる。また、図2及び図4に示した構造では自動車
類の各部に搭載された機器類を駆動する直流電動機を念
頭においているが、OA機器類、産業用機械等の分野に
於いても適用可能である。更に一般にモータへの適用を
考慮しているが、特殊な用途にあっては、発電機として
の利用も差し支えない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 13/00 H02K 13/00 R 13/04 13/04 23/00 23/00 A Fターム(参考) 5H002 AA07 5H603 AA09 BB01 BB04 BB12 CA02 CA05 CB02 CB03 CB04 CC17 CD05 CE01 5H604 BB01 BB03 BB07 CC02 CC05 CC13 QB14 5H613 AA01 BB04 BB14 GA03 GA09 5H623 AA10 BB07 GG11 GG23 HH02 HH04 JJ03 LL13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極数(2p)が4以上の複数磁極を備
    えた固定子を有する多極直流機に於いて、磁極数の整数
    倍のコイル溝に巻回されたコイルを有する回転子であっ
    て、前記各磁極の極性ごとに相対的に等しい電磁作用を
    受ける複数の回転子コイル相互の巻き終わり端及び巻き
    始め端を直列接続したコイル組として構成し、これらの
    各コイル組の巻き始め端及び巻き終わり端を相互に磁気
    的対称位置に配置された相対的に隣接する整流子片にそ
    れぞれ接続し、更に前記各コイル組の巻き始め端の接続
    された整流子片とこれに磁気的対称位置に配置された整
    流子片とを相互にわたり接続することによって構成され
    た回転子と、前記整流子片に接触する一対のブラシ機構
    とを備えた多極直流機。
  2. 【請求項2】 前記ブラシ機構の取付け角度が、360
    °/2p又は(360°/2p)×奇数倍に設定された
    一対のブラシからなる請求項1の多極直流機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101288240B1 (ko) * 2011-06-21 2013-07-26 주식회사비.엠.씨 모터 및 이의 제조방법
JP2016213982A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 アスモ株式会社 電機子、直流モータ、及び、電機子の製造方法
CN112405604A (zh) * 2019-08-21 2021-02-26 精工爱普生株式会社 压电驱动装置及机器人

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