JP2002135705A - 画像情報再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク等の記録情報を倍速再生すると
き、動きを示す物に軌跡が残るようにして動画像が滑ら
かに見える表示を行うことができる画像情報再生装置を
提供する。 【解決手段】 画像データを記憶したメモリ１から再生
倍率数に等しいフレーム数の画像データを読み出して作
業バッファ２に記憶した後、この作業バッファ２から前
記各フレームに対応する画像データを順次取り出してデ
ータ処理した結果を１フレーム分の画面データとして出
力する画像情報再生装置であって、前記作業バッファ２
から各フレームの画像データを取り出すとき、それぞれ
の画像データを構成する画素の各色成分の輝度を所要の
割合で異ならせ、さらにこれら輝度の割合が異なる各フ
レームの画像データを合成して、この合成画像データを
前記１フレーム分の画面データとして出力させる制御手
段５を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等に記
録された情報を倍速再生させる画像情報再生装置に係
り、特に、高速再生時の動画像が滑らかで自然に見える
表示を実現し得る画像情報再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】原画像を分割して作られる符号化単位で
あるブロックから画像を生成してモニタ等の画面に表示
するとき、動画像が可能な限り自然で滑らかに見えるよ
うにするために各種の提案がなされている。例えば、ブ
ロック歪みを低減して滑らかな復号画像を得ることを目
的とする領域拡大を用いた画像の反復変換符号化装置及
び復号装置が知られている（特開平８−７０４５５号公
報参照）。このものは、符号化の単位である隣接したブ
ロック同志の間をお互いに重なり合うように生成させる
手段として、オーバーラップブロック生成回路を備えて
いる。このオーバーラップブロック生成回路を設ける
と、再生処理（復号化）時にブロックを周辺の画像を含
むように拡大してお互いに重なり合うようにし、さらに
複数のブロックが重なり合った領域については重みづけ
加算を行うので、ブロック歪みがなく滑らかな復号画像
を得ることができるというものである。

【０００３】ところで、この種の装置を含み、ＪＰＥＧ
圧縮データを高速再生する装置においては、通常速度に
対する倍速再生（再生倍率数）をｎとした場合、これに
対応するｎフレームに１フレームの割合で画像データを
抜き出し再生していた。例えば、２倍速再生の場合、隣
接したブロックの画像データが順次抜き出され、再生倍
率数ｎにおいては数ブロックで１つといった割合で取り
出される。すると、再生された画像データと次に再生さ
れた画像データとの連続性が失われ、再生画像がコマ送
り表示状態となるために、動画像が不自然で滑らかに見
えなくなるという問題が生じていた。

【０００４】そこで、このような不具合を解消すること
を目的としたＪＰＥＧ圧縮データ高速再生装置が提案さ
れている（特開平９−１３０７９６公報参照）。この装
置は、再生倍率数の連続するフレームの画面データ群の
それぞれから、他のフレームと重複しない部分の画面デ
ータを抜き出して合成することにより、１フレーム分の
画面データを再構成する制御部と、この制御部によって
再構成された画面データの復号を行う復号器とを備えて
いる。そして、２倍速再生等を行う場合、制御部が記憶
装置から１フレーム分の画面データを作業バッファに転
送した後、この作業バッファ側より復号器バッファに対
してデータを転送させる。

【０００５】このとき、作業バッファ内の画面データの
一部（部分画面データ）を、走査線位置が他のフレーム
についての部分画面データの走査線位置と重複しないよ
うに転送する。このようにすると、従来であれば全く表
示されていなかった画面データからも部分画面データを
取り出し、かつこの部分画面データの集合として１フレ
ーム分の画面データを再構成し、さらに再構成後の画面
データに基づく再生出力を行える。これにより、圧縮前
の画像を再生するときに、ＪＰＥＧ圧縮データ中の「場
面」が短時間であっても欠落することなく、滑らかな動
きの高速再生を実現できるというものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ＪＰＥＧ圧縮データ高速再生装置は、倍速再生時に記憶
装置から１フレーム分の画面データを作業バッファに転
送した後、他のフレームと重複しない部分の画面データ
を抜き出して合成するため、短時間の「場面」を欠落さ
せないような表示は可能であるが、動きを示す物に軌跡
が残るような表示はできず、やはり動画像が不自然に見
えるという欠点があった。

【０００７】本発明は、上記課題に鑑みて創案されたも
ので、光ディスク等の記録情報を倍速再生するとき、動
きを示す物に軌跡が残るようにして動画像が滑らかに見
える表示を行うことができる画像情報再生装置を提供す
ることを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうち請求項１に記載の発明は、画像データ
を記憶したメモリから再生倍率数に等しいフレーム数の
画像データを読み出して作業バッファに記憶した後、こ
の作業バッファから前記各フレームに対応する画像デー
タを順次取り出してデータ処理した結果を１フレーム分
の画面データとして出力する画像情報再生装置であっ
て、前記作業バッファから各フレームの画像データを取
り出すとき、それぞれの画像データを構成する画素の各
色成分の輝度を所要の割合で異ならせ、さらにこれら輝
度の割合が異なる各フレームの画像データを合成して、
この合成画像データを前記１フレーム分の画面データと
して出力させる制御手段を、備えたことを特徴としてい
る。また、請求項２に記載の発明は、前記制御手段が、
前記作業バッファから取り出す全フレームの画像データ
の輝度を最大値とした範囲内で、前記各色成分の輝度が
前記画像データの取り出し順に漸次高くなる割合となる
よう制御することを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図示例を参照しながら説明する。図１は、本発明に
係る画像情報再生装置の電気的構成を示すブロック線図
である。この画像情報再生装置は、ＤＶＤ（Digital Vi
deo Disc）等の光ディスクに記録された画像データを再
生するもので、所定方式で圧縮後、解凍された画像デー
タを記憶するメモリ１と、このメモリ１から読み出した
画像データを処理して画像を再生するための作業バッフ
ァ２、復号器バッファ３、復号器４および制御部５を備
えて構成されている。

【００１０】作業バッファ２は、メモリ１から読み出さ
れる複数フレームに対応した画像データを一時的に保持
する。復号器バッファ３は、作業バッファ２から取り出
される画像データで画面表示用の画面データを再構成す
るための記憶領域である。復号器４は、復号器バッファ
３内で再構成された画面データの復号（再生）処理を行
うものである。制御部５は、マイクロコンピュータやプ
ロセッサが用いられ、前記作業バッファ２から複数フレ
ームの画像データを取り出すとき、それぞれの画像デー
タを構成する画素の各色成分の輝度が所要の割合で異な
るように重みづけを行い、これらの画像データを合成し
た後、この合成画像データを１フレーム分の画面データ
として復号器バッファ３より復号器側に出力させる構成
となっている。

【００１１】次に、上記画像情報再生装置の再生動作に
ついて、図を参照しつつ説明する。この画像情報再生装
置は、再生動作を指令するリモコンの入力操作によっ
て、再生倍率数ｎでの高速再生が可能であり、ユーザー
がリモコンで所望の倍速再生を入力すると、この倍速指
令信号に基づき制御部５が動作を開始する。ユーザー
が、例えば、４倍速の再生操作を行うと、制御部５はこ
れに応じて一連の読み取り動作を実行させた後、その画
像データを順次メモリ１に記憶させる。そして、このメ
モリ１から再生倍率数ｎ＝４に等しいフレーム数４に対
応する画像データを読み出して作業バッファ２に記憶さ
せる。

【００１２】つぎに、制御部５は、これら４フレームの
各画像データを構成する画素の各色成分（基準は、カラ
ーの３原色Ｒ，Ｇ，Ｂであるが、その他の色成分も含
む）の輝度が所要の割合で異なるように重みづけの演算
処理を行った後、これら４フレーム分の画像データを加
算処理（平均化）する。制御部５が、この重みづけ処理
を行うときは、画面上で動きを示す物が軌跡を残す表示
となるように、全フレームの画像データの輝度を最大値
とした範囲内で、各色成分の輝度が前記画像データの取
り出し順に漸次高くなる割合にし、これらの合成画像を
生成させる。

【００１３】但し、この合成画像を生成するために、本
例では、下式（１）に基づいて演算処理を行う。 ここで、“Ｍｉｘ”は合成画像、“ N”は再生倍速数、
“ i”はフレーム番号である。“ｌｕｍｉ”（ルミナン
ス）は、フレーム i番目の輝度であり、演算処理時に注
目される画素（ピクセル）の輝度を示している。各色成
分Ｒ，Ｇ，Ｂの輝度は、各フレームの画像データ毎に異
なり、それぞれの数値データで演算処理が実行されるこ
とになる。

【００１４】すなわち、この制御部５は、上記（１）式
における再生倍速数“ N”に４を、フレーム番号“ i”
に１〜４までの数字を、“ｌｕｍｉ”にＲ，Ｇ，Ｂの各
色成分の輝度データをそれぞれ代入しつつ演算する。こ
れによって、図２の模式図に示す如くフレームＦ１が輝
度１／１５のフレームＦ１１に、フレームＦ２が輝度２
／１５のフレームＦ１２に、フレームＦ３が輝度４／１
５のフレームＦ１３に、フレームＦ４が輝度８／１５の
フレームＦ１４となる。そして、これら４フレームＦ１
１〜Ｆ１４分のデータが加算されることにより、フレー
ムＦで示すような合計輝度１の合成画像データが得られ
る。なお、この合計輝度１は、作業バッファ２からの取
り出し時の輝度に等しいものである。

【００１５】制御部５は、この合成画像データを１フレ
ームＦの画面データとして復号器バッファ３より復号器
４側に出力させる。これにより、モニタの画面には、４
フレームＦ１１〜Ｆ１４分が重ね合わされた状態に表示
され、動画像が自然で滑らかに見える。例えば、ボール
の飛んでいる場面の画像データがメモリ１に記憶された
とき、従来のように１フレーム分のみが作業バッファ２
に読み出されると、図３（ａ）に示す如く画面６にはボ
ール７が実線の状態で表示される。

【００１６】一方、本例のように４フレーム分を作業バ
ッファ２に読み出し、その画像データに重みづけして合
成処理した場合、図３（ｂ）〜（ｅ）の各画面６に鎖線
で示されるように、ボール７が連続的な表示状態とな
る。この結果、動画像に欠落部分が生じないから、図３
（ｅ）に示す画面６で明らかな如くボール７の飛跡が若
干残るような表示となる。よって、ユーザーには、残像
により動画像が自然で滑らかに見えるものである。な
お、上記実施の形態においては、４倍速再生について説
明したが、２倍速あるいは５倍速や６倍速といった高速
再生の場合も、上式（１）に基づいて演算処理を行うこ
とにより、滑らかで自然な動画像の再生を実現できる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項１に記載の発明は、作業バッファから再生倍率数に等
しいフレーム数の画像データを取り出すとき、それぞれ
の画像データにおける画素の各色成分の輝度を所要の割
合で異ならせたうえ、各フレームの画像データを合成
し、１フレーム分の画面データとして出力させるから、
従来のように欠落部分が生じることなく、動きを示す物
が画面上で軌跡の残るように表示され、動画像が滑らか
に見える高速再生を実現できる効果がある。また、請求
項２に記載の発明は、作業バッファから取り出す全フレ
ームの画像データの輝度を最大値とした範囲内で、各色
成分の輝度が画像データの取り出し順に漸次高くなる割
合とするため、再生倍率数を高くした再生でも動きを示
す物が自然に見える利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る画像情報再生装置の電気的構成を
示すブロック線図である。

【図２】制御部による画像データの処理過程を説明する
ための模式図である。

【図３】動画像が画面に表示される状態を説明するため
の例示図である。

【符号の説明】

１ メモリ ２ 作業バッファ ５ 制御手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像データを記憶したメモリから再生倍
   率数に等しいフレーム数の画像データを読み出して作業
   バッファに記憶した後、この作業バッファから前記各フ
   レームに対応する画像データを順次取り出してデータ処
   理した結果を１フレーム分の画面データとして出力する
   画像情報再生装置であって、 前記作業バッファから各フレームの画像データを取り出
   すとき、それぞれの画像データを構成する画素の各色成
   分の輝度を所要の割合で異ならせ、さらにこれら輝度の
   割合が異なる各フレームの画像データを合成して、この
   合成画像データを前記１フレーム分の画面データとして
   出力させる制御手段を、備えたことを特徴とする画像情
   報再生装置。
2. 【請求項２】 前記制御手段が、前記作業バッファから
   取り出す全フレームの画像データの輝度を最大値とした
   範囲内で、前記各色成分の輝度が前記画像データの取り
   出し順に漸次高くなる割合となるよう制御することを特
   徴とする請求項１に記載の画像情報再生装置。