JP2002134976A - 電磁波遮蔽材 - Google Patents

電磁波遮蔽材

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JP2002134976A
JP2002134976A JP2000328278A JP2000328278A JP2002134976A JP 2002134976 A JP2002134976 A JP 2002134976A JP 2000328278 A JP2000328278 A JP 2000328278A JP 2000328278 A JP2000328278 A JP 2000328278A JP 2002134976 A JP2002134976 A JP 2002134976A
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electromagnetic wave
wave shielding
rib
shielding material
metal foil
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JP2000328278A
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Yasutoshi Oshima
康利 大嶋
Takeshi Narita
健 成田
Yasuhiro Yamauchi
康弘 山内
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の軽量化と低コスト化に寄与しう
る、優れた加工性と電磁波遮蔽特性を備えた電磁波遮蔽
材を提供する。 【解決手段】 本発明の電磁波遮蔽材1は、金属箔を加
圧成型してなる電磁波遮蔽材において、前記金属箔の平
坦面の一部(平坦部2a)が前記金属箔の断面方向に突
出されて形成されたリブ2、4Aと、通気孔3と、縁巻
加工された外周端1aとを備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の軽量化
とコスト低減に寄与し得る電磁波遮蔽材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在様々な機器で使用されている電子回
路から発生する電磁波は、他の電子機器、あるいは電子
回路自身の誤動作を引き起こす危険性がある。また、明
らかではないが、電磁波が人体へ好ましくない影響を及
ぼす可能性も近年頻繁に指摘されており、電磁波を遮蔽
する対策を講じておくことが好ましいのは言うまでもな
い。このような電磁波による電子機器の誤動作あるいは
人体への影響を防ぐために、電子回路は電磁波を極力抑
えて設計されるが、それだけでは不十分なためにこの電
磁波を遮蔽することができる材料、例えば厚さ1mm程
度の金属板を電子機器の周りを取り囲んで配設すること
が一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先の金
属板によって電磁波遮蔽材を形成する手法では、現在の
電子機器が備える複雑な形状を有する筐体を形成するこ
とは困難であるために、現在の電子機器においてはプラ
スチック成形体からなる筐体にこの金属板を用いた電磁
波遮蔽材が内蔵されている。したがってこの電磁波遮蔽
材を内蔵する電子機器の大型化と重量増加が避けられな
かった。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、電子機器の軽量化と低コスト化に
寄与しうる、優れた加工性と電磁波遮蔽特性を備えた電
磁波遮蔽材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、金属箔からなる電磁波遮蔽材であって、前記金属
箔の断面方向に突出されて形成された第1のリブと、通
気孔と、縁巻加工された外周端とを備えることを特徴と
する。電磁波遮蔽材の材料として、薄く延伸された金属
箔を採用することにより、この電磁波遮蔽材を搭載する
電子機器の軽量化を実現することができるとともに、電
磁波遮蔽材に使用される原材料を減らし、コストの低減
を図ることができる。また、金属箔の厚さ方向に突出さ
れて形成されたリブにより電磁波遮蔽材として十分な強
度を確保することができる。また、通気孔を備えている
ため電磁波を遮蔽するとともに電子機器からの熱を効率
良く排出することができる。
【0006】次に、係る電磁波遮蔽材においては、前記
通気孔の周縁には、前記金属箔の断面方向に突出された
切り起こし部が形成されていることが好ましい。このよ
うな通気孔を電磁波遮蔽材に設けることにより、該電磁
波遮蔽材の内側の電子回路からの熱を効率的に外部に放
出することができる。
【0007】次に、係る電磁波遮蔽材においては、前記
金属箔に形成された第1のリブの平坦部に、単一または
複数の第2のリブが形成されていることが好ましい。ま
た、第1のリブの突出されている方向と、当該第1のリ
ブの平坦部に形成されている第2のリブの突出されてい
る方向は、互いに逆向きであることが好ましい。このよ
うな構成によれば、電磁波遮蔽材に複数のリブを形成す
ることにより電磁波遮蔽材の表面積を拡大して放熱効果
を高めることができる。また、第1のリブとその内側に
形成された第2のリブの突出されている方向を互いに逆
向きにすることで、電磁波遮蔽材の厚さ方向の幅を最小
限に抑えることができる。
【0008】次に、係る電磁波遮蔽材においては、前記
通気孔が、前記第1のリブと当該第1のリブの内側に形
成されている第2のリブとのうち、最も内側に形成され
たリブの平坦部にのみ形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、電磁波遮蔽材の強度
を確保しながら、放熱効果を高めることができる。
【0009】次に、係る電磁波遮蔽材においては、前記
通気孔の周縁の切り起こし部の突出方向と、該通気孔が
形成されているリブの突出方向が、互いに逆向きである
ことが好ましい。このような構成とすることにより、電
磁波遮蔽材の断面方向の幅を小さくして電子機器の小型
化に寄与するとともに、電磁波遮蔽材の強度と、放熱特
性を向上させることができる。
【0010】次に、係る電磁波遮蔽材においては、前記
通気孔の周縁の切り起こし部の突出長さは、前記リブの
突出高さよりも小さくしておくことが好ましい。このよ
うな構成とすることで、切り起こし部の先端が厚さ方向
に突出して電磁波遮蔽材の厚さを最小限に抑えることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明するが、本発明は以下の実施の形態に限
定されるものではない。図1は、本発明の一実施の形態
である電磁波遮蔽材の部分平面図であり、 図1に示す
電磁波遮蔽材1は、金属箔を加圧成形することによっ
て、金属箔の厚さ方向に突出された平坦部2aを有する
リブ2と、このリブ2の平坦部2aに形成された複数の
通気孔3と、平坦部4aを有する第1のリブ4Aと、こ
のリブ4Aの内側に形成された平坦部4bを有する第2
のリブ4Bとを備える構成である。また、図2は、図1
に示す電磁波遮蔽材1のA−A線に沿う部分断面図であ
る。この図に示すように電磁波遮蔽材1の外端部1aに
は縁巻加工が施されており、前記リブ2とその平坦部2
aに形成された通気孔3の切り起こし部3aは、電磁波
遮蔽材1の厚さ方向において互いに逆向きに突出されて
いる。また、前記第1のリブ4Aと、この第1のリブ4
Aの内側に形成された第2のリブ4Bとは、電磁波遮蔽
材1の断面方向において互いに逆向きに突出されてい
る。
【0012】金属箔に用いる材料としては、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金からなる金属箔を用いること
が好ましい。この材料を具体的に挙げるならば、特に限
定されるものではないが、JIS3000系などのアル
ミニウム合金を用いることが好ましい。電磁波遮蔽材を
金属箔によって構成することにより電磁波遮蔽材を軽量
化することができる効果に加えて、材料として比重が小
さく安価なアルミニウムを用いることにより電磁波遮蔽
材1を備える電子機器の軽量化、低コスト化が可能であ
るからである。上記に加えて、アルミニウムあるいはア
ルミニウム合金は熱伝導率も大きいため、電子回路から
発生する熱を効率的に外部に排出することができ、電子
回路の誤動作を防止する事ができる。
【0013】電磁波遮蔽材1を構成する金属箔の厚さは
50μm〜200μmの範囲であることが好ましい。金
属箔が50μmより薄い場合には、十分な強度、電磁波
遮蔽性能が得られないためであり、200μmより厚い
場合には、強度、電磁波遮蔽性能とも十分ではあるもの
の、コスト増加、重量増加の問題とともに加圧成型が困
難になるためである。
【0014】図2に示すように、電磁波遮蔽材1の外端
部1aには縁巻加工が施されている。これは刃状になっ
ている金属箔の外端部を内側に巻き込んで加工すること
により、手指を傷つける危険を防止することと、このよ
うな縁巻加工を施すことにより、電磁波遮蔽材1の強度
を増す効果を得ることができるためである。また、図2
には1回の縁巻加工を施した例を示したが、2回以上の
縁巻きを施しても良い。この縁巻きの回数を多くすると
強度を増すことができるが、工程が煩雑化するので目的
とする強度により縁巻加工の回数を選択することが好ま
しい。
【0015】図1に示す電磁波遮蔽材1は、図1および
図2に示すように金属箔が厚さ方向に突出されて形成さ
れた平坦部2aを有するリブ2、平坦部4aを有する第
1のリブ4A、第1のリブ4Aの内側に形成された平坦
部4bを有する第2のリブ4Bを備えている。これらの
リブ2、4A、4Bは、金型を用いて金属箔を加圧成型
する際に同時に形成することができる。このようなリブ
2、4A、4Bを形成して電磁波遮蔽材1を構成するこ
とによって、電磁波遮蔽材1の強度を向上させことがで
きるとともに、表面積が拡大するので放熱効果を向上さ
せることができる。
【0016】上記リブ2、4A、4Bの電磁波遮蔽材1
の厚さ方向への突出高さは、2mm〜10mmとするこ
とが好ましい。この突出高さが2mmより低い場合に
は、電磁波遮蔽材1として十分な機械強度が得られない
ためであり、10mmより高い場合には、電磁波遮蔽材
1の厚さ方向への幅が大きくなるために、電磁波遮蔽材
1を内蔵する電子機器内部の空間を有効に利用すること
が困難になるためである。
【0017】図1および図2に示すように金属箔に形成
された第1のリブ4Aの内側に平坦部4bを有する第2
のリブ4Bを形成することができる。このような構成と
することで、電磁波遮蔽材1の機械強度を向上させると
ともに、表面積を拡大して放熱特性を向上させることが
できる。この第2のリブ4Bは、電磁波遮蔽材1の厚さ
方向において、第1のリブ4Aが突出されている方向と
同じ方向に突出させて設けてもよく、逆方向に突出させ
て設けてもよい。すなわち、この第2のリブ4Bの突出
方向は、電磁波遮蔽材1の形状がこの電磁波遮蔽材1が
取り付けられる電子機器の形状に合うように決定すれば
よく、例えば電子機器の一部分のみが外側へ大きく突出
するような構造である場合には、その突出長さに合うよ
うに、同一方向に突出されたリブを多段に形成すればよ
い。
【0018】尚、上記では第1のリブ4Aの内側に第2
のリブ4Bを形成した例について説明したが、第1のリ
ブ4Aの内側に複数の第2のリブ4Bを形成してもよ
く、第2のリブ4Bの内側にさらに単一または複数の第
3のリブを形成してもよい。このような構成とする場合
にも、電磁波遮蔽材1の厚さ方向の幅を小さく抑えるた
めには、第2のリブ4Bの突出方向と、第2のリブ4B
の内側に形成される第3のリブの突出方向を逆向きにす
ればよく、電磁波遮蔽材1の断面方向に大きく突出した
形状とする必要があるならば、これらのリブを同方向に
突出させて形成すればよい。
【0019】電磁波遮蔽材1に形成された通気孔3は、
図1に示すように均一な分布を持って設けられているこ
とが好ましい。具体的には図1に示す孔径5と孔間隔6
によって設定され、孔径5が、2mm〜10mmの範囲
であり、孔間隔6は、2mm〜10mmの範囲であるこ
とが好ましい。このような範囲に通気孔3の孔径5およ
び孔間隔6を設定することにより、電磁波遮蔽性能を保
持してかつ放熱特性に優れた電磁波遮蔽材とすることが
できるからである。
【0020】図1には、通気孔3の形状として円形のも
のが示されているが、電磁波を遮蔽するように通気孔の
面積と間隔を設定することが可能であれば円形に限定さ
れるものではなく、例えば三角形あるいは四角形であっ
てもよい。通気孔3の形状を三角形とする場合には、こ
の三角形の面積は3mm2〜80mm2であることが好ま
しく、孔間隔は2mm〜10mmであることが好まし
い。通気孔3を構成する三角形の面積が、3mm2より
小さい場合、または孔間隔が10mmより大きい場合に
は放熱機能に劣るものとなってしまい、孔の面積が80
mm2より大きい場合、または孔間隔が2mmより小さ
い場合には、電磁波を十分に遮蔽することができなくな
ってしまうからである。尚、通気孔3の形状が四角形あ
るいはそれ以外の形状であっても、孔の面積と間隔を適
切に設定することにより、上記通気孔3の形状が三角形
である場合と同様に適用することが可能である。
【0021】通気孔3は、その形状が円形以外の形状で
あっても、図2に示すように、電磁波遮蔽材1の厚さ方
向に突出されて通気孔3の周縁に形成された切り起こし
部3aを備える構造とすることが好ましい。図3(a)
は上記切り起こし部3aを備える通気孔3を拡大して示
した部分断面図であり、図3(b)は、打ち抜き加工に
よって形成された、切り起こし部を備えていない通気孔
3bの拡大部分断面図である。図3に示すように、打抜
き加工によって形成された通気孔3bと比較して切り起
こし部3aを備える通気孔3は、この切り起こし部3a
の分だけ電磁波遮蔽材1の表面積が大きくなるため、放
熱効果を高めることができる。また、打ち抜き加工によ
り通気孔を形成すると、成形装置内に通気孔を打ち抜い
た金属片が残ってしまい、加圧成形工程における成形不
良や成形装置の動作不良の原因となるが、切り起こし部
3aを設けることにより通気孔3を形成した際の金属片
の発生がなくなるため、このような問題の発生を防止し
て作業効率を上げることができる。
【0022】上記に加えて、この切り起こし部3aは電
磁波遮蔽材1において、空気の流路を形成して煙突効果
を発揮するため、電子機器からの熱により温度が上昇し
た電磁波遮蔽材1の内側の空気を効率的に外部に放出す
ることができる。また、図3(a)に示すように、この
切り起こし部3aが形成されていることにより、通気孔
3に斜め方向から入射する電磁波20のうち、ある程度
以上の入射角をもって入射する電磁波を、この切り起こ
し部3aによって遮蔽することができるので、図3
(b)に示す切り起こし部3aを備えていない通気孔3
bと比較して電磁波遮蔽性能が向上する。そのため図1
に示す通気孔3の孔径6を大きくして放熱特性を向上さ
せた場合であっても、本発明の電磁波遮蔽材1は、電磁
波を十分に遮蔽することが可能である。
【0023】また、上記の切り起こし部3aは、上記の
リブ2、4A、4Bや通気孔3と同様に金属箔を加圧成
型する際に同時に形成することができる。以下にこの切
り起こし部3aを有する通気孔3の形成方法を、図4
(a)〜図4(f)を参照して説明する。図4(a)〜
図4(f)は、円形の通気孔3の形成過程を模式的に示
す図であり、図4(a)、図4(c)、図4(e)がそ
れぞれ、通気孔3の内部を3分割、4分割、5分割して
形成する場合の加工前の状態を示す平面図であり、図4
(b)、図4(d)、図4(f)がそれぞれ、図4
(a)、図4(c)、図4(e)に対応する加工後の状
態を示す構成図である。図4(a)及び図4(b)を参
照してさらに詳細に説明する。図4(a)から図4
(b)への形状の変化に示されるように、周縁に切り起
こし部3aを備える通気孔3はその中心から放射状に金
属箔が分割されるように金属箔の一面側から押し出し加
工することにより形成することができる。すなわち、図
4(a)に示す通気孔3の中心に相当する位置3cか
ら、金属箔を放射状に3分割して金属箔の一面側から押
し出して成形を行うことにより、図4(b)に示す切り
起こし部3aが形成され、同時に円形の通気孔3が形成
される。同様に、図4(c)、図4(d)に示す4分割
して通気孔3を形成する場合、あるいは図4(e)、図
4(f)に示す5分割して通気孔3を形成する場合にお
いても、上記と同様に、通気孔3の中心に相当する位置
3cから金属箔が放射状に分割されるように金属箔の一
面側から押し出し加工することにより、周縁に切り起こ
し部3aを備える通気孔3を形成することができる。
【0024】上記の通気孔3の形成方法は、具体的には
電磁波遮蔽材1の加圧成型に用いる金型に、金属箔の一
面側から押し出し加工して通気孔を形成することができ
るような部位を設けることにより実施することができ
る。このような構成の金型を用いて電磁波遮蔽材1の成
型を行うならば、電磁波遮蔽材1の加圧成型工程におい
て、同時に通気孔3を形成することができるので、通気
孔3を形成するための工程を別に設ける必要がなく、製
造コストを下げることができる。通気孔3の内部の分割
数(すなわち切り起こし部3aの本数)は、多すぎると
通気孔3を形成するための金型の形状が複雑になりコス
トの増加を招くため、3分割〜8分割程度とすることが
好ましい。尚、上記切り起こし部3aはその先端部が鋭
く尖った形状であると、手指を傷つける等の危険がある
ので、加圧成形後に先端部を丸める処理を行うか、もし
くは電磁波遮蔽材1を成形するための金型を、切り起こ
し部3aの先端部を丸めることができる形状としておく
ことが好ましい。
【0025】本実施の形態の電磁波遮蔽材1において
は、図2に示すように、前記リブ2の突出されている方
向と、通気孔3の切り起こし部3aの突出されている方
向が、電磁波遮蔽材1の断面方向において互いに逆向き
とされている。このような構造とするならば、リブ2の
突出高さと通気孔3の切り起こし部の突出高さを相殺さ
せて電磁波遮蔽材1の厚さ方向の幅を小さくすることが
できるので、この電磁波遮蔽材1が内蔵される電子機器
の外形寸法を小さくすることが可能である。ただし、例
えば電磁波遮蔽材1を内蔵する電子機器の形状等により
電子機器への取り付けに不具合を生じる場合には、必ず
しもリブ2と切り起こし部3aの突出方向を逆向きにす
る必要はなく、同一の方向に突出された構成としてもよ
い。このような構成とした電磁波遮蔽材の部分断面構造
の一例を図5に示す。図5に示す電磁波遮蔽材10は、
図1に示す電磁波遮蔽材1と同様に、電磁波遮蔽材10
の断面方向に突出されて形成されたリブ12と、このリ
ブ12の平坦部12aに形成された複数の孔13と、縁
巻き加工された外端部10aを備える構成であり、前記
孔13は、リブ12と同一の方向に突出して形成された
切り起こし部13aを備えている。図5に示す電磁波遮
蔽材10においては、切り起こし部13aの突出方向
と、リブ12の突出方向とを同一の方向としているの
で、例えば電磁波遮蔽材10が取り付けられる電子機器
の一部に凹なる部分(凹部)がある場合には、この凹部
に合わせてリブ12が内側(電子機器側)に突出される
ように形成することにより、より効率的に電子機器内部
の空間を利用することができる。尚、図5に示すように
リブ12の突出方向と孔13の切り起こし部13aの突
出方向とを互いに逆向きとしても電磁波遮蔽材10の放
熱特性、電磁波遮蔽性能には何ら影響しない。ただし、
電磁波遮蔽材10を電子機器に取り付けた状態におい
て、前記切り起こし部13aが外面側に露出していると
手指等を傷つけるおそれがあるので、切り起こし部13
aは、内側(電子機器側)に向かって突出されているこ
とが好ましい。
【0026】ところで、図2に示す通気孔3がその周縁
に形成された切り起こし部3aを備える構造とするなら
ば、電磁波遮蔽材1の放熱特性を向上させるとともに、
電子機器の発熱により熱せられた内部の空気を効率よく
外部に放出することができるが、例えば携帯電話や携帯
情報端末のように筐体と内部の電子回路との間にほとん
ど空間がないような携帯電子機器に本発明の電磁波遮蔽
材を搭載する場合には、必ずしも上記の切り起こし部3
aを設ける必要はなく、図3(b)に示す切り起こし部
3aを備えない通気孔3bを打ち抜き加工によって形成
するか、あるいは、切り起こし部3aの突出高さを小さ
く形成すればよい。このような構成とした場合であって
も、図1に示す通気孔3の孔径6及び孔間隔7を適切に
設定することにより十分な電磁波遮蔽性能と放熱性能を
備える電磁波遮蔽材とすることができる。
【0027】図1に示すように、電磁波遮蔽材1には電
子機器に固定されるための取付穴8が設けられている。
この取付穴8も、上記の通気孔3と同様に電磁波遮蔽材
1を加圧成型する工程で同時に形成することができる。
取付穴8は、その形状が円形であると電子機器への搭載
後において輸送などの振動によって取付穴の周辺の金属
箔が破損するおそれがあるため、図1に示すように楕円
状、あるいは長穴状としておくことが好ましい。取付穴
8をこれらの形状とすることにより少なくとも一方向に
は自由度を与えられるので、取付穴8の位置での電磁波
遮蔽材1の破壊を防止して、電磁波遮蔽材1の信頼性を
高めることができる。
【0028】(電磁波遮蔽材の適用例)図6は、本発明
の電磁波遮蔽材をCRTモニタに搭載した例を示す斜視
図である。本例の電磁波遮蔽材30は、厚さ150μm
のアルミニウム箔を加圧成形して作製した電磁波遮蔽材
30を構成する部品31、32を所定の位置で折り曲げ
て組み立て、CRTモニタ34にねじ止めして組み付け
た構成である。また電磁波遮蔽材30には、リブ35等
が設けられており、このリブ35上には、複数の通気孔
36が設けられている。通気孔36は、図示されていな
いが、その周縁に電磁波遮蔽材30の内側に突出されて
形成された切り起こし部を有する構造となっており、表
面積を拡大して効率よくCRTモニタ34が放出する熱
を外部に排出することができるようになっている。この
切り起こし部が内側に突出されて形成されているのは、
その先端部により手指等を傷つけないようにするためで
ある。
【0029】このような構成の電磁波遮蔽材30は、厚
さ150μmの薄いアルミニウム箔により構成されてい
るので、従来の金属板による構成と比較して、大幅な軽
量化を実現している。図3に示すようにCRTモニタ3
4に取り付けられた電磁波遮蔽材30は電磁波を十分に
遮蔽するとともに、電磁波遮蔽材30のリブ35内に設
けられた複数の通気孔36により電磁波遮蔽材30内の
電子回路の熱を効率よく放出することができる。
【0030】上記の適用例では、CRTモニタ34内部
の電子部品を取り囲むように取り付けた例を示したが、
CRTモニタ34の筐体の内面に電磁波遮蔽材30を張
り付けた構成とすることもできる。一般にプラスチック
成形体からなる電子機器の筐体の内側は、筐体の強度を
増すための補強部などが設けられているために複雑な形
状である場合が多いが、本発明の電磁波遮蔽材1は、材
料に金属箔を用いているために良好な加工性を備えてい
るので、電子機器の筐体の内面側などのように複雑な形
状であってもその形状に合わせて加工して使用すること
が可能である。
【0031】また、本発明の電磁波遮蔽材の適用範囲は
CRTモニタに限定されるものではなく、電磁波を遮蔽
する用途であれば適用可能である。例えば、携帯電話や
携帯情報端末等の電子機器に内蔵される電磁波遮蔽材と
して用いることもできる。その場合も、金属箔を利用す
ることによる軽量化や、加工が容易な点を利用して複雑
な形状を形成できることなど、上記に挙げた効果を得ら
れることはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
電磁波遮蔽材は、金属箔に第1のリブを形成するととも
に通気孔を設けた構成とすることで、金属箔を用いるこ
とによる良好な加工性と軽量化を実現し、通気孔を設け
ることによる放熱効果を得ることができる。また、本発
明の電磁波遮蔽材の外端部には縁巻加工が施されている
ので、電磁波遮蔽材として十分な強度を備えている。
【0033】次に、前記通気孔の周縁に、前記金属箔の
厚さ方向に突出された切り起こし部を形成することで、
電磁波遮蔽材の電磁波遮蔽性能と放熱特性とを向上させ
ることができる。
【0034】次に、前記第1のリブの平坦部にさらに大
きさの異なる(複数の)第2のリブを形成することで、
電磁波遮蔽材の表面積を拡大して放熱効果を高めること
ができる。
【0035】また、上記の電磁波遮蔽材において、第1
のリブの突出方向とこの第1のリブの平坦部に形成され
た第2のリブの突出方向を互いに逆向きとすることで、
電磁波遮蔽材の断面方向の幅を小さくすることができる
ので、電子機器内部の空間を効率的に利用することがで
きる。
【0036】次に、上記の電磁波遮蔽材において、第1
のリブと、この第1のリブの平坦部に形成された第2の
リブのうち、最も内側に形成されたリブ(すなわち、そ
の平坦部に別のリブが形成されていないリブ)の平坦部
にのみ、前記通気孔が形成されている構成とすることで
強度を向上させるとともに、電磁波遮蔽性能と、放熱特
性を向上させることができる。
【0037】次に、上記の電磁波遮蔽材において、前記
リブの平坦部に形成された通気孔の周縁の切り起こし部
の突出方向と、この通気孔が形成されているリブの突出
方向とを互いに逆向きにすることで、切り起こし部の突
出長さと、リブの突出高さを相殺させて、電磁波遮蔽材
の厚さ方向の幅を小さくし、電子機器内部の空間を効率
的に活用することができる。
【0038】次に、上記の電磁波遮蔽材において、前記
リブの平坦部に形成された孔の切り起こし部の突出長さ
を、この孔が形成されているリブの突出高さよりも小さ
くすることで、前記切り起こし部の先端が、リブの高さ
を超えて突出しないようにすることができるので、電磁
波遮蔽材の電子機器への取り付けが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る電磁波遮蔽材の部分平
面図である。
【図2】 図2は、図1に示すA−A線に沿う部分断面
図である。
【図3】 図3(a)は、切り起こし部を備える孔の拡
大断面図であり、図3(b)は、打ち抜き加工によって
形成された孔の拡大断面図である。
【図4】 図4(a)〜図4(f)は、本発明に係る電
磁波遮蔽材の孔の形成過程を示す構成図である。
【図5】 図5は、本発明に係る電磁波遮蔽材の部分断
面図の他の例を示す図である。
【図6】 図3は、本発明に係る電磁波遮蔽材のCRT
モニタへの適用の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電磁波遮蔽材 1a 外周端 2、4A リブ 2a、4a 平坦部 3 通気孔 3a 切り起こし部 5 孔径 6 孔間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 康弘 大阪府大阪市北区天満橋1−8−30 株式 会社エムエーパッケージング大阪営業所内 Fターム(参考) 5E321 BB02 BB44 GG05 GH03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔からなる電磁波遮蔽材であって、
    前記金属箔の厚さ方向に突出されて形成された第1のリ
    ブと、通気孔と、縁巻加工された外周端とを備えること
    を特徴とする電磁波遮蔽材。
  2. 【請求項2】 前記金属箔が、アルミニウムまたはアル
    ミニウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載
    の電磁波遮蔽材。
  3. 【請求項3】 前記通気孔の開口部の周縁に、前記金属
    箔の厚さ方向に突出された切り起こし部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に
    記載の電磁波遮蔽材。
  4. 【請求項4】 前記第1のリブに平坦部が形成され、該
    平坦部に、単一または複数の第2のリブが形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の電磁波遮蔽材。
  5. 【請求項5】 前記第1のリブの突出されている方向
    と、該リブの平坦部に形成されている第2のリブの突出
    されている方向が、互いに逆向きであることを特徴とす
    る請求項4に記載の電磁波遮蔽材。
  6. 【請求項6】 前記通気孔が、前記第1のリブと、当該
    第1のリブの内側に形成されている第2のリブのうち、
    最も内側に形成されたリブの平坦部にのみ形成されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の電磁波遮蔽材。
  7. 【請求項7】 前記通気孔の周縁の切り起こし部の突出
    方向と、当該通気孔が形成されているリブの平坦部の突
    出方向が、互いに逆向きであることを特徴とする請求項
    6に記載の電磁波遮蔽材。
  8. 【請求項8】 前記通気孔の周縁の切り起こし部の突出
    長さが、当該通気孔が形成されているリブの突出高さよ
    りも小さいことを特徴とする請求項6に記載の電磁波遮
    蔽材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008004943A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Internatl Business Mach Corp <Ibm> サーバ電磁遮へいを改善するための装置
JP2013042138A (ja) * 2011-08-16 2013-02-28 Ls Industrial Systems Co Ltd 放熱板

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