JP2002133780A - 情報信号記録方法、情報信号記録装置及び記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は隣接トラックの管理データ信号記録領
域間でのピットとランドの形状が一致するため、相関性
が高まり、トラッキング制御が安定に行われず、また、
アドレス情報や環境情報のスペクトラムの低域成分が抑
制されない。 【解決手段】 情報反転制御手段６は、管理データ信号
Ｓ５を極性設定手段５により設定された極性で、かつ、
トラック毎に反転する。ユーザデータＳ３はスクランブ
ル手段１においてスクランブルされた後、加算器７に供
給され、ここでセクタアドレス信号Ｓ１、情報反転制御
手段６からの管理データ信号Ｓ５’と時系列的に合成さ
れ、セクタ構成の記録信号Ｓ４が生成される。記録信号
Ｓ４は光ディスク上に断続するピットの列の螺旋状又は
同心円状のトラックを形成してセクタ単位で記録され
る。光ディスク上の隣接するトラックが管理データ信号
の記録領域ではトラック毎に極性が反転しているため、
隣接トラック間の相互干渉が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は情報信号記録方法、
情報信号記録装置及び記録媒体に係り、特にセクタアド
レスを有する複数のセクタに分割されている光学式記録
媒体上の情報トラックに、２値のディジタル信号列から
なる情報信号を記録する情報信号記録方法、情報信号記
録装置及び記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、円盤状の光学式記録媒体（すな
わち、光ディスク）は、ディスク上のトラックにピッ
ト、ランドと呼ばれる凹凸形状の形成により、ディジタ
ル信号が記録されており、ピット及びランドからの反射
光が光学ヘッド内の光検出器で受光されて電気信号に変
換され、ディスクの記録信号が読み出される。

【０００３】フォーカシングは、光ディスクの面振れに
対して、ピックアップの光学系の対物レンズを追従させ
るためのものであり、方式としては非点収差法等があ
る。また、トラッキングは、光ディスクの偏心に対し
て、光ビームスポットを光ディスク上のトラックに追従
させるためのものであり、その方式としては３ビーム
法、プッシュプル方式、ヘテロダイン方式等がある。こ
れらのフォーカシング、トラッキングは、２分割又は４
分割された光検出器のそれぞれの分割受光部（センサ）
の出力信号を演算してフォーカシング制御信号、トラッ
キング制御信号を得て、これによりサーボ制御すること
により行われる。

【０００４】ピックアップから出射されたレーザビーム
は、ピット部からの反射光とランド部からの反射光とで
位相差が生じ、これによる干渉効果によりピット部とラ
ンド部で光検出器に入射する反射光量に差が生じること
により再生信号が得られる。記録されているデータは、
ディジタル変調が施された信号がピット、ランドのパタ
ーンを形成して記録されている。記録されているデータ
は、ピット、ランドでの光量変化による再生信号を２値
化し、ディジタル復調されてデータが再生される。

【０００５】ところで、信号の記録方式には、ディスク
の角速度が一定な定角速度方式（ＣＡＶ：Constant Ang
ular Velocity）と、線速度が一定な定線速度方式（Ｃ
ＬＶ：Constant Linear Velocity）などが知られてい
る。ＣＡＶ方式は、各トラックに含まれるセクタ数が等
しく、全トラックに関してディスクの中心からの放射線
上にセクタの先頭が完全に一致する構造になっている。
一方、ＣＬＶ方式は、線速度が一定のため、全トラック
のセクタの先頭が一致することはないが、一部の隣接ト
ラックに関してディスクの中心からの放射線上セクタの
先頭が一致する場合がある。

【０００６】このような状況においては、同一内容の情
報、例えば画像情報や音楽情報が記録される場合でいえ
ば、曲間、チャプタ間の無音部、無画像区間などを大量
に記録する時に、隣接トラックに同一の形状や配置の記
録信号が出現しないようにするために、一般的にはスク
ランブル操作が講じられている。

【０００７】ここで、上記のセクタは、図５に示すよう
に、セクタを識別するための情報としてのアドレスを含
めたアドレス情報（セクタアドレス信号）Ｓ１と、光デ
ィスクに情報信号を記録したり再生したりするために必
要な情報や不正コピーを防止するための情報などを含む
管理情報（管理データ信号）Ｓ５と、音楽情報や画像情
報などの記録再生情報信号の内容を示すユーザ情報（ユ
ーザデータ）Ｓ３とからなる。

【０００８】従来の情報信号記録方法及び記録装置で
は、上記のセクタは、図６（Ａ）に示す構成でスクラン
ブル操作が講じられる。すなわち、図６（Ａ）におい
て、セクタアドレス信号Ｓ１はスクランブル手段１のＭ
系列発生器２へ供給されることにより、Ｍ系列発生器２
の初期値をセットし、そのＭ系列発生器２からスクラン
ブル信号Ｓ２を発生させる。周知のように、Ｍ系列発生
器２からスクランブル信号Ｓ２として発生されるＭ系列
符号は、Ｍ系列発生器２がｘ段シフトレジスタと排他的
論理和回路を用いて構成されている場合は、０と１がラ
ンダムに出現するが、図６（Ｂ）に模式的に示すように
２^x−１の周期を持つ巡回符号である。

【０００９】ユーザデータＳ３は、このスクランブル信
号Ｓ２と加算器３において、対応するビット同士で２を
法とする加算（排他的論理和演算）されることにより、
スクランブルが施され、実際に記録媒体（光ディスク）
へ記録する記録信号Ｓ４として出力される

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来は
アドレス情報や各種の管理情報は、光ディスク再生時に
いち早く再生しなければならない情報として、スクラン
ブル操作を省略して直ぐに情報判別ができるようにして
いる。ＤＶＤ（Digital Versatile Disk）においてもア
ドレス情報、コピープロテクトなどの管理情報、ユーザ
情報からセクタが構成されるが、ユーザ情報に対しての
みスクランブル操作が講じられる。

【００１１】また、現在の光ディスクの動向では、益々
記録容量の高密度化が図られており、隣接するアドレス
情報や環境情報は同一内容の情報であるため、同一内容
の情報がディスクの中心からの放射線上に一致している
場所に記録される個所も増えることになる。更に、前述
したように、ＣＡＶ方式により信号を記録した場合、同
一内容の情報が、ディスクの中心からの放射線上に一致
している頻度は多くなる。

【００１２】このような時、隣接トラック間でのピット
とランドの形状が一致するため、相関性が高まり、トラ
ッキング誤差信号の振幅が低下して信号対雑音比（Ｓ／
Ｎ）が低下し、トラッキング制御が安定に行われないと
いう問題が生じる。

【００１３】更に、信号変調の点では、アドレス情報や
環境情報にスクランブルを講じないため、スクランブル
と変調による信号スペクトラムの低域成分抑制に対して
は寄与しないという問題もある。

【００１４】そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされ
たものであり、管理情報及びアドレス情報の極性をトラ
ック毎に反転させることにより、隣接トラック間での相
関性を減少し得る情報信号記録方法、情報信号記録装置
及び記録媒体を提供することを目的とする。

【００１５】また、本発明の他の目的は、信号スペクト
ラムの低域成分の抑制効果を向上し得る情報信号記録方
法、情報信号記録装置及び記録媒体を提供することにあ
る。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の情報信号記録方法は、セクタアドレス及び
管理データ信号と、２値のディジタル信号列とされた情
報信号である、スクランブルされたユーザデータとから
なるセクタ単位で螺旋状又は同心円状のトラックに信号
記録を行う情報信号記録方法において、管理データ信号
又は管理データ信号とセクタアドレスを、１トラック周
期置きに極性を反転する第１のステップと、第１のステ
ップでトラック毎に極性が反転した信号に、極性が反転
されていない少なくともスクランブルされたユーザデー
タを時系列的に合成してセクタ単位の信号を記録信号と
して生成して出力する第２のステップと、第２のステッ
プで生成された記録信号を記録媒体にトラックを形成し
て記録する第３のステップとを含むことを特徴とする。

【００１７】また、上記の目的を達成するため、本発明
の情報信号記録装置は、２値のディジタル信号列とされ
た情報信号であるユーザデータをセクタ毎にスクランブ
ルするスクランブル手段と、セクタのアドレスを示すセ
クタアドレス信号に基づき、記録しようとするユーザデ
ータのトラック位置を判別するトラック位置判別手段
と、ユーザデータ及びセクタアドレス信号と共にセクタ
を構成する管理データ信号を、トラック位置判別手段に
より判別されたトラック位置に応じてトラック周期で極
性を反転する極性反転手段と、スクランブル手段から出
力されたユーザデータと、セクタアドレス信号と、極性
反転手段によりトラック毎に極性が反転した管理データ
信号とを時系列的に合成してセクタ単位の記録信号を生
成して出力する加算器と、加算器で生成された記録信号
を記録媒体にトラックを形成して記録する記録手段とを
有する構成としたものである。ここで、上記の極性反転
手段で反転する信号は、管理データ信号とセクタアドレ
ス信号との時系列的合成信号でもよい。

【００１８】上記の本発明記録方法及び記録装置では、
セクタ単位で複数のセクタが時系列的に合成されて記録
されている記録媒体上の各トラックのうち、隣接トラッ
クの管理データ信号記録領域、あるいは管理データ信号
及びセクタアドレス信号記録領域はトラック毎に極性が
反転しているので、隣接トラック間での相関性を除去で
きる。

【００１９】また、上記の目的を達成するため、本発明
の情報信号記録方法は、セクタアドレス及び管理データ
信号と、２値のディジタル信号列とされた情報信号であ
る、スクランブルされたユーザデータとからなるセクタ
単位で螺旋状又は同心円状のトラックに信号記録を行う
情報信号記録方法において、管理データ信号又は管理デ
ータ信号とセクタアドレスの極性を反転したときの第１
のＤＳＶと、管理データ信号又は管理データ信号とセク
タアドレスの極性を反転しないときの第２のＤＳＶとを
それぞれ計算する第１のステップと、第１のステップに
より計算された第１及び第２のＤＳＶを比較し、絶対値
が小さい方のＤＳＶに対応した管理データ信号又は管理
データ信号とセクタアドレスを選択する第２のステップ
と、第２のステップで選択されて取り出された信号に少
なくともユーザデータを時系列的に合成してセクタ単位
の信号を記録信号として生成して出力する第３のステッ
プと、第３のステップで生成された記録信号を記録媒体
にトラックを形成して記録する第４のステップとを含む
ことを特徴とする。

【００２０】また、上記の目的を達成すため、本発明の
情報信号記録装置は、２値のディジタル信号列とされた
情報信号であるユーザデータをセクタ毎にスクランブル
するスクランブル手段と、ユーザデータ及びセクタのア
ドレスを示すセクタアドレス信号と共にセクタを構成す
る管理データ信号の極性を反転する極性反転手段と、極
性反転手段に入力される管理データ信号と管理データ信
号入力以前の記録信号のＤＳＶを所定期間毎に計算する
第１の計算手段と、極性反転手段から出力された管理デ
ータ信号と管理データ信号入力以前の記録信号のＤＳＶ
を所定期間毎に計算する第２の計算手段と、極性反転手
段に入力される管理データ信号と極性反転手段から出力
される管理データ信号と第１及び第２の計算手段により
それぞれ計算されたＤＳＶとを入力として受け、第１及
び第２の計算手段によりそれぞれ計算されたＤＳＶの値
を比較し、絶対値が小さい方のＤＳＶに対応する管理デ
ータ信号を選択する信号選択手段と、スクランブル手段
から出力されたユーザデータと、セクタアドレス信号
と、信号選択手段により選択された管理データ信号とを
時系列的に合成してセクタ単位の記録信号を生成して出
力する加算器と、加算器で生成された記録信号を記録媒
体にトラックを形成して記録する記録手段とを有する構
成としたものである。ここで、上記の極性反転手段で極
性を反転する信号は、管理データ信号とセクタアドレス
信号との時系列的合成信号としてもよい。

【００２１】上記の本発明の情報信号記録方法及び記録
装置では、管理データ信号又は管理データ信号とセクタ
アドレスの極性を反転したときの第１のＤＳＶと、管理
データ信号又は管理データ信号とセクタアドレスの極性
を反転しないときの第２のＤＳＶとを比較し、絶対値が
小さい方のＤＳＶに対応した管理データ信号又は管理デ
ータ信号とセクタアドレスを選択してユーザデータと共
に記録するようにしたため、変調信号スペクトラムの低
域成分を減少することができると共に、隣接トラック間
の管理データ信号記録領域、又は管理データ信号及びセ
クタアドレスの時系列的合成信号記録領域では記録信号
のトラック毎に極性が反転している場合があるので相関
性を低減できる。

【００２２】また、上記の目的を達成するため、本発明
の記録媒体は、セクタアドレス及び管理データ信号と、
２値のディジタル信号列とされた情報信号である、スク
ランブルされたユーザデータとからなるセクタ単位で螺
旋状又は同心円状のトラックに信号記録が行われた記録
媒体において、管理データ信号又は管理データ信号とセ
クタアドレスの極性が、１トラック周期置きに反転して
トラックを形成して記録されていることを特徴とする。
この発明では、隣接トラック間での相関性を除去でき
る。

【００２３】また、上記の目的を達成するため、本発明
の記録媒体は、セクタアドレス及び管理データ信号と、
２値のディジタル信号列とされた情報信号である、スク
ランブルされたユーザデータとからなるセクタ単位で螺
旋状又は同心円状のトラックに信号記録が行われた記録
媒体において、管理データ信号又は管理データ信号とセ
クタアドレスの極性を反転したときの第１のＤＳＶと、
管理データ信号又は管理データ信号とセクタアドレスの
極性を反転しないときの第２のＤＳＶのうち、絶対値が
小さい方のＤＳＶに対応した管理データ信号又は管理デ
ータ信号とセクタアドレスに、少なくともユーザデータ
を時系列的に合成して生成された時系列的合成信号が、
セクタ単位で前記トラックを形成して記録されているこ
とを特徴とする。

【００２４】この発明では、トラッキングへの悪影響を
低減できると共に、隣接トラック間の管理データ信号記
録領域、又は管理データ信号及びセクタアドレスの時系
列的合成信号記録領域では記録信号のトラック毎に極性
が反転している場合があるので相関性を低減できる。

【００２５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図１は本発明になる情報信号記
録装置の第１の実施の形態のブロック図を示す。同図
中、図６（Ａ）と同一構成部分には同一符号を付してあ
る。この実施の形態では、セクタの構成は図５に示した
ように、アドレス情報（セクタアドレス信号）Ｓ１と、
管理情報（管理データ信号）Ｓ５と、ユーザ情報（ユー
ザデータ）Ｓ３とからなるものとする。ユーザデータＳ
３は、２値のディジタル信号列とされた情報信号であ
る。

【００２６】図１において、信号を記録する場合、情報
信号記録装置にはセクタアドレス信号Ｓ１、管理データ
信号Ｓ５、ユーザデータＳ３の順で入力される。まず、
セクタアドレス信号Ｓ１は、トラック位置判別手段４に
入力され、ここで半径位置情報や１トラック中のセクタ
数情報から記録しようとしているトラックの位置を判別
する。そのトラック位置判別結果は、極性設定手段５に
より極性が所定の極性に設定される。情報反転制御手段
６は、極性設定手段５により１トラック置きに、管理デ
ータ信号Ｓ５の極性を、極性設定手段５により極性が設
定されない時の極性と異なる極性に制御する。従って、
管理データ信号Ｓ５は、トラック毎に極性が反転する。

【００２７】セクタアドレス信号Ｓ１は、スクランブル
手段１にも入力され、ユーザデータＳ３をスクランブル
するためのスクランブル信号Ｓ２が生成される。ユーザ
データＳ３はスクランブル手段１において、上記のスク
ランブル信号Ｓ２と対応するビット同士で排他的論理和
演算されてスクランブルされた後、加算器７に供給さ
れ、ここでセクタアドレス信号Ｓ１、トラック毎に極性
が反転する情報反転制御手段６からの管理データ信号Ｓ
５’と時系列的に合成され、図５のセクタ構成の記録信
号Ｓ４が生成される。

【００２８】記録信号Ｓ４は図示しない公知の記録手段
により、光ディスク上に断続するピットの列の螺旋状又
は同心円状のトラックを形成して記録される。これによ
り、光ディスク上の管理データ信号Ｓ５’の記録領域で
はトラック毎に極性が反転している第１の実施の形態の
記録媒体が得られる。この記録媒体では隣接するトラッ
クが管理データ信号Ｓ５’の記録領域ではトラック毎に
極性が反転しているため、隣接トラック間の相互干渉が
除去される。

【００２９】なお、本実施の形態における記録媒体は、
ＣＡＶ方式及びＣＬＶ方式のいずれでもよい。ＣＡＶ方
式の場合は隣接トラックの管理データ信号記録領域が完
全に隣接するので最も有効であるが、ＣＬＶ方式の場合
でも一部の隣接トラックでは、管理データ信号記録領域
は一部が隣接するので、本実施の形態は有効である（後
述する各実施の形態でもＣＡＶ方式及びＣＬＶ方式のい
ずれでもよい。）。

【００３０】次に、本発明の第２の実施の形態について
説明する。図２は本発明になる情報信号記録装置の第２
の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図１と同一
構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。こ
の実施の形態では、セクタの構成は図５に示したよう
に、アドレス情報（セクタアドレス信号）Ｓ１と、管理
情報（管理データ信号）Ｓ５と、ユーザ情報（ユーザデ
ータ）Ｓ３とからなるものとする。

【００３１】図２において、セクタアドレス信号Ｓ１
は、スクランブル手段１に入力されてスクランブル信号
に変換された後ユーザデータＳ３をスクランブルし、ま
た、トラック位置判別手段４に入力されて記録しようと
しているトラックの位置を判別し、更に、加算器８に供
給されて管理データ信号Ｓ５と時系列的に合成される。

【００３２】加算器８から出力されたセクタアドレス信
号Ｓ１及び管理データ信号Ｓ５は、情報反転制御手段６
に供給され、ここで極性設定手段５により１トラック置
きに極性が反転された後、加算器７に供給され、スクラ
ンブル手段１からのスクランブルされたユーザデータＳ
３と時系列的に合成されて図５に示したセクタ構成の記
録信号Ｓ４’とされる。

【００３３】この記録信号Ｓ４’は図示しない公知の記
録手段により、光ディスク上に断続するピットの列の螺
旋状又は同心円状のトラックを形成して記録される。こ
れにより、光ディスク上の隣接するトラックの管理デー
タ信号Ｓ５及びセクタアドレス信号Ｓ１の記録領域では
トラック毎に極性が反転している第２の実施の形態の記
録媒体が得られる。

【００３４】この実施の形態では、隣接するトラックの
管理データ信号Ｓ５及びセクタアドレス信号Ｓ１の記録
領域ではトラック毎に極性が反転しているため、隣接ト
ラック間の相互干渉が除去される。セクタアドレス信号
Ｓ１は、連続したセクタに対して１ずつ加算されている
ため、隣接したトラックではセクタアドレス信号Ｓ１の
より上位バイトは一致することになり、トラック毎に反
転することは隣接トラック間の相互干渉を減少すること
になり、有効である。

【００３５】次に、本発明の第３の実施の形態について
説明する。図３は本発明になる情報信号記録装置の第３
の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図１と同一
構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。こ
の実施の形態も、セクタの構成は図５に示したように、
アドレス情報（セクタアドレス信号）Ｓ１と、管理情報
（管理データ信号）Ｓ５と、ユーザ情報（ユーザデー
タ）Ｓ３とからなるものとする。

【００３６】図３において、管理データ信号Ｓ５は情報
反転手段１２に供給される一方、極性が反転しない場合
のＤＳＶ（Digital Sum Value）を計算するために第１
のＤＳＶ計算手段９及び信号選択手段１１にそれぞれ供
給される。管理データ信号Ｓ５は情報反転手段１２によ
り極性が反転されて管理データ信号Ｓ５’とされた後、
第２のＤＳＶ計算手段１０及び信号選択手段１１にそれ
ぞれ供給される。

【００３７】ここで、ＤＳＶ計算手段９及び１０の動作
を簡単に説明するに、ＤＳＶ計算手段９及び１０は加算
器７から出力される記録信号Ｓ４”が共通に入力され、
その記録信号Ｓ４”が入力されてから管理データ信号Ｓ
５、Ｓ５’が入力され終った時点までのＤＳＶが計算さ
れる。すなわち、ＤＳＶ計算手段９は管理データ信号Ｓ
５が入力される直前までの記録信号Ｓ４”のＤＳＶに、
入力される管理データ信号Ｓ５のＤＳＶを加えて計算
し、ＤＳＶ計算手段１０は管理データ信号Ｓ５が入力さ
れる直前までの記録信号Ｓ４”のＤＳＶに、情報反転手
段１２からの極性反転管理データ信号Ｓ５’のＤＳＶを
加えて計算するので、両者の間には極性反転されていな
い管理データ信号Ｓ５のＤＳＶと極性反転されている管
理データ信号Ｓ５’のＤＳＶの差が生じる。

【００３８】このＤＳＶの値は、周知のように、変調波
信号の直流成分を評価する一つの指標であって、波形の
ハイレベルを＋１、ローレベルを−１としたときの合計
値である。このＤＳＶの値は小さい方が信号の直流成分
が少なく、サーボなどへの悪影響が小さく望ましいこと
が知られている。

【００３９】次に、管理データ信号Ｓ５、Ｓ５’が入力
されると、前述したようにＤＳＶ計算手段９は管理デー
タ信号Ｓ５が入力される直前までの記録信号Ｓ４”のＤ
ＳＶに、入力される管理データ信号Ｓ５のＤＳＶを加え
て計算し、ＤＳＶ計算手段１０は管理データ信号Ｓ５が
入力される直前までの記録信号Ｓ４”のＤＳＶに、情報
反転手段１２からの極性反転管理データ信号Ｓ５’のＤ
ＳＶを加えて計算し、その計算結果をＤＳＶデータ信号
Ｓ６、Ｓ６’として信号選択手段１１に出力する。信号
選択手段１１は、ＤＳＶ計算手段９及び１０からのＤＳ
Ｖデータ信号Ｓ６及びＳ６’を比較して、ＤＳＶの絶対
値がより小さい方の管理データ信号Ｓ５又はＳ５’を選
択出力する。

【００４０】セクタアドレス信号Ｓ１は、スクランブル
手段１に入力されてスクランブル信号に変換された後ユ
ーザデータＳ３をスクランブルする。スクランブルされ
たユーザデータＳ３は加算器７に供給され、ここでセク
タアドレス信号Ｓ１と信号選択手段１１で選択された管
理データ信号Ｓ５又はＳ５’と時系列的に合成されて図
５のセクタ構成の記録信号Ｓ４"が生成される。

【００４１】記録信号Ｓ４”は図示しない公知の記録手
段により、光ディスク上に断続するピットの列の螺旋状
又は同心円状のトラックを形成して記録される。これに
より、光ディスク上の隣接するトラックが管理データ信
号の記録領域では、管理データ信号の極性を反転させる
とＤＳＶの絶対値が小さい場合はトラック毎に極性が反
転している第３の実施の形態の記録媒体が得られる。こ
の記録媒体では隣接するトラックが管理データ信号の記
録領域では管理データ信号の極性を反転させるとＤＳＶ
の絶対値が大きいときには極性が反転していないので、
第１及び第２の実施の形態に比べて隣接トラック間での
相関性を除去する能力は落ちるが、ＤＳＶが小さい方の
管理データ信号を記録するようにしているので、記録信
号スペクトラムの低域成分を抑制して、サーボなどへの
悪影響を極力抑えることができる効果が得られる。

【００４２】次に、本発明の第４の実施の形態について
説明する。図４は本発明になる情報信号記録装置の第４
の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図３と同一
構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。こ
の実施の形態も、セクタの構成は図５に示したように、
アドレス情報（セクタアドレス信号）Ｓ１と、管理情報
（管理データ信号）Ｓ５と、ユーザ情報（ユーザデー
タ）Ｓ３とからなるものとする。

【００４３】図４において、管理データ信号Ｓ５とセク
タアドレス信号Ｓ１とは加算器８において時系列的に合
成された後、ＤＳＶ計算手段９及び信号選択手段１１に
それぞれ供給される一方、情報反転手段１２に供給され
て極性が反転されてからＤＳＶ計算手段１０及び信号選
択手段１１にそれぞれ供給される。

【００４４】信号選択手段１１は、第３の実施の形態と
同様に、ＤＳＶ計算手段９により計算されたＤＳＶを示
すＤＳＶデータ信号Ｓ６と、ＤＳＶ計算手段１０により
計算されたＤＳＶを示すＤＳＶデータ信号Ｓ６’を比較
し、ＤＳＶの絶対値が小さい方に対応した管理データ信
号及びセクタアドレス信号の合成信号を選択して加算器
７へ出力する。

【００４５】すなわち、信号選択手段１１は、ＤＳＶデ
ータ信号Ｓ６の方がＳ６’よりもＤＳＶの絶対値が小さ
ければ、加算器８から出力された管理データ信号Ｓ５と
セクタアドレス信号Ｓ１の時系列合成信号で極性反転さ
れていない信号を選択し、ＤＳＶデータ信号Ｓ６’の方
がＳ６よりもＤＳＶの絶対値が小さければ、情報反転手
段１２から出力された管理データ信号Ｓ５とセクタアド
レス信号Ｓ１の時系列合成信号で、かつ、極性反転され
ている信号を選択する。加算器７は信号選択手段１１に
より選択された時系列合成信号と、スクランブル手段１
によりスクランブルされたユーザデータとを時系列的に
合成して記録信号Ｓ４'''を生成する。

【００４６】記録信号Ｓ４'''は図示しない公知の記録
手段により、光ディスク上に断続するピットの列の螺旋
状又は同心円状のトラックを形成して記録される。これ
により、光ディスク上の隣接するトラックが管理データ
信号及びセクタアドレス信号の記録領域では、管理デー
タ信号及びセクタアドレス信号の時系列合成信号の極性
を反転させると、ＤＳＶの絶対値が小さい場合は、トラ
ック毎に極性が反転している第４の実施の形態の記録媒
体が得られる。

【００４７】この記録媒体では隣接するトラックが管理
データ信号及びセクタアドレス信号の記録領域では、管
理データ信号及びセクタアドレス信号の時系列合成信号
の極性を反転させると、ＤＳＶの絶対値が大きいときに
はトラック毎に管理データ信号及びセクタアドレス信号
の時系列合成信号の極性が反転していないので、第１及
び第２の実施の形態に比べて隣接トラック間での相関性
を除去する能力は落ちるが、ＤＳＶが小さい方の管理デ
ータ信号及びセクタアドレス信号を記録するようにして
おり、また第３の実施の形態に比べてセクタアドレス信
号についても管理データ信号と同様の処理を行っている
ので、第３の実施の形態に比べてより一層、記録信号ス
ペクトラムの低域成分を抑制して、サーボなどへの悪影
響を極力抑えることができる効果が得られる。

【００４８】なお、本発明は上記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば、記録媒体は磁気記録媒体
等、光学式記録媒体以外の記録媒体にも本発明を適用す
ることができる。

【００４９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セクタ単位で複数のセクタが時系列的に合成されて記録
されている記録媒体上の各トラックのうち、隣接トラッ
クの管理データ信号記録領域、あるいは管理データ信号
及びセクタアドレス信号記録領域は極性が反転すること
により、隣接トラック間での相関性を除去するようにし
たため、記録媒体の高密度化のためにトラックピッチを
狭めても安定したトラッキング制御を行うことができ
る。特に、記録媒体がＣＡＶ方式ディスクの場合は、全
トラックに関してディスクの中心からの放射線上にセク
タの先頭が完全に一致する構造になっており、セクタア
ドレス信号記録領域及び管理データ信号記録領域は隣接
トラックで一致するので、特に有効である。

【００５０】また、本発明によれば、管理データ信号又
は管理データ信号とセクタアドレスの極性を反転したと
きの第１のＤＳＶと、管理データ信号又は管理データ信
号とセクタアドレスの極性を反転しないときの第２のＤ
ＳＶとを比較し、絶対値が小さい方のＤＳＶに対応した
管理データ信号又は管理データ信号とセクタアドレスを
選択してユーザデータと共に記録することにより、変調
信号スペクトラムの低域成分を減少することができるた
め、サーボなどへの悪影響を低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態のブロック図であ
る。

【図２】本発明の第２の実施の形態のブロック図であ
る。

【図３】本発明の第３の実施の形態のブロック図であ
る。

【図４】本発明の第４の実施の形態のブロック図であ
る。

【図５】記録信号のセクタ構造の一例を示す図である。

【図６】スクランブル手段の一例の説明図である。

【符号の説明】

１ スクランブル手段 ４ トラック位置判別手段 ５ 極性設定手段 ６ 情報反転制御手段 ７、８ 加算器 ９、１０ ＤＳＶ計算手段 １１ 信号選択手段 １２ 情報反転手段 Ｓ１ セクタアドレス信号 Ｓ２ スクランブル信号 Ｓ３ ユーザデータ Ｓ４、Ｓ４’、Ｓ４”、Ｓ４''' 記録信号 Ｓ５、Ｓ５’ 管理データ信号 Ｓ６、Ｓ６’ ＤＳＶデータ信号

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5D044 BC03 CC04 DE03 DE12 DE43 DE44 DE49 EF03 EF05 GK11 GK17 GL18 GL21 5D090 AA01 BB02 CC01 CC14 DD03 DD05 FF02 FF09 FF45 GG02 GG32 GG33 HH03

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セクタアドレス及び管理データ信号と、
   ２値のディジタル信号列とされた情報信号である、スク
   ランブルされたユーザデータとからなるセクタ単位で螺
   旋状又は同心円状のトラックに信号記録を行う情報信号
   記録方法において、 前記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セク
   タアドレスを、１トラック周期置きに極性を反転する第
   １のステップと、 前記第１のステップでトラック毎に極性が反転した信号
   に、極性が反転されていない少なくともスクランブルさ
   れた前記ユーザデータを時系列的に合成して前記セクタ
   単位の信号を記録信号として生成して出力する第２のス
   テップと、 前記第２のステップで生成された前記記録信号を記録媒
   体に前記トラックを形成して記録する第３のステップと
   を含むことを特徴とする情報信号記録方法。
2. 【請求項２】 セクタアドレス及び管理データ信号と、
   ２値のディジタル信号列とされた情報信号である、スク
   ランブルされたユーザデータとからなるセクタ単位で螺
   旋状又は同心円状のトラックに信号記録を行う情報信号
   記録方法において、 前記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セク
   タアドレスの極性を反転したときの第１のＤＳＶと、前
   記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セクタ
   アドレスの極性を反転しないときの第２のＤＳＶとをそ
   れぞれ計算する第１のステップと、 前記第１のステップにより計算された前記第１及び第２
   のＤＳＶを比較し、絶対値が小さい方のＤＳＶに対応し
   た前記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セ
   クタアドレスを選択する第２のステップと、 前記第２のステップで選択されて取り出された信号に少
   なくとも前記ユーザデータを時系列的に合成して前記セ
   クタ単位の信号を記録信号として生成して出力する第３
   のステップと、 前記第３のステップで生成された前記記録信号を記録媒
   体に前記トラックを形成して記録する第４のステップと
   を含むことを特徴とする情報信号記録方法。
3. 【請求項３】 ２値のディジタル信号列とされた情報信
   号であるユーザデータをセクタ毎にスクランブルするス
   クランブル手段と、 前記セクタのアドレスを示すセクタアドレス信号に基づ
   き、記録しようとする前記ユーザデータのトラック位置
   を判別するトラック位置判別手段と、 前記ユーザデータ及び前記セクタアドレス信号と共に前
   記セクタを構成する管理データ信号を、前記トラック位
   置判別手段により判別されたトラック位置に応じてトラ
   ック周期で極性を反転する極性反転手段と、 前記スクランブル手段から出力された前記ユーザデータ
   と、前記セクタアドレス信号と、前記極性反転手段によ
   りトラック毎に極性が反転した前記管理データ信号とを
   時系列的に合成して前記セクタ単位の記録信号を生成し
   て出力する加算器と、 前記加算器で生成された前記記録信号を記録媒体に前記
   トラックを形成して記録する記録手段とを有することを
   特徴とする情報信号記録装置。
4. 【請求項４】 ２値のディジタル信号列とされた情報信
   号であるユーザデータをセクタ毎にスクランブルするス
   クランブル手段と、 前記セクタのアドレスを示すセクタアドレス信号に基づ
   き、記録しようとする前記ユーザデータのトラック位置
   を判別するトラック位置判別手段と、 前記ユーザデータ及び前記セクタアドレス信号と共に前
   記セクタを構成する管理データ信号と前記セクタアドレ
   スとをセクタ単位で時系列的に合成する第１の加算器
   と、 前記第１の加算器から出力された合成信号の極性を、前
   記トラック位置判別手段により判別されたトラック位置
   に応じてトラック周期で反転する極性反転手段と、 前記スクランブル手段から出力された前記ユーザデータ
   と、前記極性反転手段によりトラック毎に極性が反転し
   た前記管理データ信号及び前記セクタアドレスとを時系
   列的に合成して前記セクタ単位の記録信号を生成して出
   力する第２の加算器と、 前記第２の加算器で生成された前記記録信号を記録媒体
   に前記トラックを形成して記録する記録手段とを有する
   ことを特徴とする情報信号記録装置。
5. 【請求項５】 ２値のディジタル信号列とされた情報信
   号であるユーザデータをセクタ毎にスクランブルするス
   クランブル手段と、 前記ユーザデータ及び前記セクタのアドレスを示すセク
   タアドレス信号と共に前記セクタを構成する管理データ
   信号の極性を反転する極性反転手段と、 前記極性反転手段に入力される前記管理データ信号と管
   理データ信号入力以前の記録信号のＤＳＶを所定期間毎
   に計算する第１の計算手段と、 前記極性反転手段から出力された前記管理データ信号と
   管理データ信号入力以前の記録信号のＤＳＶを前記所定
   期間毎に計算する第２の計算手段と、 前記極性反転手段に入力される前記管理データ信号と前
   記極性反転手段から出力される前記管理データ信号と前
   記第１及び第２の計算手段によりそれぞれ計算されたＤ
   ＳＶとを入力として受け、前記第１及び第２の計算手段
   によりそれぞれ計算されたＤＳＶの値を比較し、絶対値
   が小さい方のＤＳＶに対応する前記管理データ信号を選
   択する信号選択手段と、 前記スクランブル手段から出力された前記ユーザデータ
   と、前記セクタアドレス信号と、前記信号選択手段によ
   り選択された前記管理データ信号とを時系列的に合成し
   て前記セクタ単位の記録信号を生成して出力する加算器
   と、 前記加算器で生成された前記記録信号を記録媒体に前記
   トラックを形成して記録する記録手段とを有することを
   特徴とする情報信号記録装置。
6. 【請求項６】 ２値のディジタル信号列とされた情報信
   号であるユーザデータをセクタ毎にスクランブルするス
   クランブル手段と、 前記セクタのアドレスを示すセクタアドレス信号及び前
   記ユーザデータと共に前記セクタを構成する管理データ
   信号を、前記セクタアドレス信号に時系列的に合成する
   第１の加算器と、 前記第１の加算器から出力された第１の合成信号の極性
   を反転する極性反転手段と、 前記第１の加算器から出力される第１の合成信号と合成
   信号入力以前の記録信号のＤＳＶを所定期間毎に計算す
   る第１の計算手段と、 前記極性反転手段から出力される第２の合成信号のＤＳ
   Ｖを前記所定期間毎に計算する第２の計算手段と、 前記第１の加算器から出力される第１の合成信号と、前
   記極性反転手段から出力される第２の合成信号と前記第
   １及び第２の計算手段によりそれぞれ計算されたＤＳＶ
   とを入力として受け、前記第１及び第２の計算手段によ
   りそれぞれ計算されたＤＳＶの値を比較し、絶対値が小
   さい方のＤＳＶに対応する前記第１又は第２の合成信号
   を選択する信号選択手段と、 前記スクランブル手段から出力された前記ユーザデータ
   と、前記信号選択手段により選択された前記第１又は第
   ２の合成信号とを時系列的に合成して前記セクタ単位の
   記録信号を生成して出力する第２の加算器と、 前記第２の加算器で生成された前記記録信号を記録媒体
   に前記トラックを形成して記録する記録手段とを有する
   ことを特徴とする情報信号記録装置。
7. 【請求項７】 セクタアドレス及び管理データ信号と、
   ２値のディジタル信号列とされた情報信号である、スク
   ランブルされたユーザデータとからなるセクタ単位で螺
   旋状又は同心円状のトラックに信号記録が行われた記録
   媒体において、 前記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セク
   タアドレスの極性が、１トラック周期置きに反転して前
   記トラックを形成して記録されていることを特徴とする
   記録媒体。
8. 【請求項８】 セクタアドレス及び管理データ信号
   と、２値のディジタル信号列とされた情報信号である、
   スクランブルされたユーザデータとからなるセクタ単位
   で螺旋状又は同心円状のトラックに信号記録が行われた
   記録媒体において、 前記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セク
   タアドレスの極性を反転したときの第１のＤＳＶと、前
   記管理データ信号又は前記管理データ信号と前記セクタ
   アドレスの極性を反転しないときの第２のＤＳＶのう
   ち、絶対値が小さい方のＤＳＶに対応した前記管理デー
   タ信号又は前記管理データ信号と前記セクタアドレス
   に、少なくとも前記ユーザデータを時系列的に合成して
   生成された時系列的合成信号が、前記セクタ単位で前記
   トラックを形成して記録されていることを特徴とする記
   録媒体。