JP3317439B2 - 情報信号記録方法及び情報信号記録装置 - Google Patents

情報信号記録方法及び情報信号記録装置

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JP3317439B2
JP3317439B2 JP00375099A JP375099A JP3317439B2 JP 3317439 B2 JP3317439 B2 JP 3317439B2 JP 00375099 A JP00375099 A JP 00375099A JP 375099 A JP375099 A JP 375099A JP 3317439 B2 JP3317439 B2 JP 3317439B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周回状の情報トラ
ックを有する情報記録媒体への情報信号記録方法及び情
報信号記録装置に関し、特にスクランブル信号によるス
クランブル方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンパクトディスク(CD)等
の光ディスクは、ディスクのトラック上にピット、ラン
ドと呼ばれる凹凸形状の形成によりディジタル信号が記
録されており、前記ピット、ランドからの反射光が光学
ヘッド内の4分割光検出器で受光されて電気信号に変換
され、信号が読み出される。
【0003】フォーカシングはディスクの面振れに対し
て、ピックアップの光学系の対物レンズを追従させるた
めのものであり、方式としては非点収差法等がある。ま
た、トラッキングはディスクの偏心に対して、ピックア
ップをトラックに追従させるためのものであり、その方
式としては3ビーム法、プッシュプル方式、ヘテロダイ
ン方式等がある。フォーカシング、トラッキングは、2
分割、または4分割された光検出器のそれぞれの分割セ
ンサの出力信号を演算してフォーカシング制御信号、ト
ラッキング制御信号を得て、これによりサーボ制御する
ことにより行なわれる。
【0004】ピックアップから出たレーザビームはピッ
ト部からの反射光とランド部からの反射光とで位相差が
生じ、これによる干渉効果によりピット部とランド部で
光検出器に入射する反射光量に差が生じることにより再
生信号が得られる。記録されているデータはCDにおい
てはEFMと呼ばれるディジタル変調が施された信号が
ピット、ランドのパターンを形成して記録されている。
記録されているデータはピット、ランドでの光量変化に
よる再生信号を2値化し、ディジタル復調されてデータ
が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、信号の記録
方式には、ディスクの角速度が一定な定角速度方式CA
V(Constant Anglar Velocit
y)と、線速度が一定な定線速度方式CLV(Cons
tant Linear Velocity)が知られ
ており、CAV方式は各トラックに含まれるセクタ数が
等しく、全トラックに関してディスクの中心からの放射
線上にセクタの先頭が完全に一致する構造になってい
る。
【0006】また、CLV方式は線速度が一定のため、
全トラックのセクタの先頭が一致することはないが、一
部の隣接トラックに関してディスクの中心からの放射線
上にセクタの先頭が一致する場合がある。このような状
況においては、同一内容の情報、例えば画像情報や音楽
情報が記録される場合で言えば、曲間、チャプタ間の無
音部、無画像区間などを大量に記録する時に、隣接トラ
ックに同一の形状や配置の記録信号が出現しないように
するために、一般的にはスクランブル操作が講じられて
いる。
【0007】このスクランブルは情報のセクタの先頭を
同期させるための同期信号が、データ中に疑似同期信号
として発生しないようにするため及びEFM変調のDS
V制御性を向上させる目的で行なうものであり、情報信
号とM系列との排他的論理和によってスクランブル信号
が発生される。そして、スクランブルに用いられるM系
列は、2x −1個の0または1で表現される巡回符号で
ある。例えば、CD−ROMで採用されている既知のス
クランブル手段には215−1=32767周期のM系
列が用いられており、各セクタ毎に同一の初期値を用い
て行なわれている。
【0008】ここで図6(A)及び図6(B)に基づい
て従来の情報信号記録方法を説明すると、セクタアドレ
ス信号S1は、スクランブル手段10のM系列発生部1
1へ入力されることによりスクランブル信号S10が発
生し、このスクランブル信号S10により情報信号S3
には加算部12によりスクランブルが施され、実際に記
録媒体へ記録する記録信号S4が出力される。この時の
M系列は、2x −1個の0または1で表される巡回符号
である(図6(B)参照)。
【0009】現在の光ディスクの動向では、記録容量の
高密度化が図られているが、しかしながら従来のスクラ
ンブル手段を用いて前記のような同一内容の情報がディ
スクの中心からの放射線上にセクタの先頭が一致してい
る場所に記録されると、隣接トラック間でのピットとラ
ンドの形状が一致するため、相関性が高まりトラッキン
グ誤差信号の振幅が低下して信号対雑音比(S/N)が
低下し、トラッキング制御が安定に行なわれないという
問題があった。
【0010】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的はスクランブル信号の周期を長くしたり、スクランブ
ル信号の一部を重複して用いることにより隣接トラック
間での相関性を除去することができる情報信号記録方式
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点
が、1トラック内に複数のセクタ数が含まれるにも係わ
らず短い周期のM系列スクランブル信号を用いてスクラ
ンブル処理を行なっていることに起因して発生してい
る、という知見を得ることによりなされたものである。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するために、
周回状の情報トラックを有する情報記録媒体へ2値のデ
ィジタル信号列からなる情報信号を記録する際に前記情
報信号をスクランブル信号によりスクランブルさせる情
報信号記録方法において、前記スクランブル信号が一巡
する周期を、最も大きい記録容量の前記情報トラックに
含まれる情報量以上の長さに設定するように構成したも
のである。
【0013】そして、本発明は、上記問題点を解決する
ために、周回状の情報トラックを有する情報記録媒体へ
2値のディジタル信号列からなる情報信号を記録する際
に前記情報信号をスクランブル信号によりスクランブル
させる情報信号記録方法において、前記スクランブル信
号の開始点を所定幅ずらしながら用いるように構成した
ものである。
【0014】本発明によれば、情報記録媒体への情報信
号の記録以前に、同一内容の情報が隣接トラックに現れ
ないように記録信号がスクランブル手段によって発生さ
れる。このスクランブル手段は、ディスク上にある情報
トラックで最も多くのセクタを含むトラックの情報量以
上の長さに設定された巡回周期のスクランブル信号を発
生する。このスクランブル信号の適用の結果、トラッキ
ング制御の安定性が確保できるので、隣接トラック間の
距離を狭め、高記録密度のディスクを実現することがで
きる。
【0015】さらに、本発明によれば、情報信号の記録
時にスクランブル信号の開始点を所定幅ずらしながら用
いる。これにより、上記の場合と比較してスクランブル
信号の周期を短くして、しかもトラッキング制御の安定
性を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る情報信号記録
方法及び情報信号記録装置の一実施の形態を添付図面に
基づいて詳述する。図1は本発明を実施するための記録
信号発生装置のスクランブル手段を示す構成図である。
【0017】図1(A)に示すようにこのスクランブル
手段1はアドレス信号S1に基づいて、予め記憶された
初期値を発生する例えばROMよりなる初期値記憶部2
と、この記憶部2からの出力に基づいてM系列のスクラ
ンブル信号S2を発生するM系列発生部3と、ディジタ
ル信号列からなる情報信号S3に対して上記スクランブ
ル信号S2を加えることによってスクランブル操作を行
ない、記録信号S4を形成する加算部4とにより形成さ
れている。この時、図1(B)に示すように1つのM系
列の初期値から次のM系列の初期値まで所定の長さDw
だけずらされている。また、上記初期値記憶部2では、
当然のこととしてアドレス信号S1のアドレス値に基づ
いて初期値が読み出される。
【0018】図2は本発明によるスクランブル手順とM
系列の関係を示す図であり、図2(A)に示すようにデ
ィスクの如き情報記録媒体5の記録領域に例えばTn番
目のトラックとT(n+1)番目のトラックが同心円状
或いは螺旋状に記録される。図示例にあってはCLV方
式の記録方式を示しており、各トラックのセクタはディ
スクの中心点Oからの放射線Lを始点としている。図2
(B)はこの時の隣接トラックに記録される情報を直線
状に書き替えた図を示し、図2(C)はこの時の記録信
号の配置を示す。
【0019】ここで本発明のスクランブル手段で用いる
M系列の次数と初期値の決定方法を記述するに際し、記
録方式はCLV方式を例にとって説明し、記録されるデ
ィスクに関する定数は以下のように与えておく。 Smin :最内周に含まれるセクタ数 Smax :最外周に含まれるセクタ数 Dw :1つのM系列の初期値から次のM系列の初期値
までのずらし幅(単位:セクタ)(0<Dw ),但し、
このDwは可変である。 Cycle:M系列の巡回周期(2x −1)で表現できる最
大セクタ数 Bsect:1セクタに含まれる情報のバイト数
【0020】<実施例1>図3は本発明の内容について
説明するための図であり、最外周のトラックと最外周に
隣接するトラックにスクランブル手順を経て記録される
情報の位置関係を示している。図3(A)中のM系列の
図は、スクランブル信号の巡回周期が、最外周に記録さ
れる情報量以上の長さのものを最外周に記録される情報
と1:1で対応するようなものを示している。
【0021】図3(B)に示す記録信号の配置は、図2
に示すように実際はディスクの中心点Oからの同心円状
または螺旋状に記録信号が配置しているものを、図2の
ディスクの中心点Oからの放射線Lを始点として隣接ト
ラックに記録される情報を直線状に書き替えた図であ
る。M系列の性質上、たとえ同一の情報を多量に記録す
る場合でも、最外周に記録される情報量の長さの範囲に
は異なった記録信号が発生されるので、最内周から最外
周までの全てのトラックで、隣接トラックのディスクの
中心点Oからの放射線L上には異なった信号が記録され
ることになるのである。
【0022】以上のことから、用いるべきM系列の次数
の条件は、数式1のようになる。 Smax ≦Cycle・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) ここで、Cycleはセクタ単位で表現すると、数式2のよ
うになる。 Cycle=(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・・(2) 従って、求めるM系列の次数xは、数式3、数式4、数
式5により求めることができる。
【0023】 Smax ≦(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・・(3) 2x ≧8・Bsect・Smax +1 ・・・・・・・・・・・・・・(4) x ≧log2 (8・Bsect・Smax +1)・・・・・・・・・(5) 従って、情報信号S3を、上記数式(5)により求めた
次数により規定されるM系列の巡回周期(2x −1)の
スクランブル信号S2でスクランブル操作することによ
り、安定したトラッキングを行なうことができる記録信
号S4を得ることができる。
【0024】例えば、CD−ROMでは、1セクタに含
まれる情報量は2352バイトであり、最外周に含まれ
るセクタ数は約22セクタであるので、数式5を用いて
次数xを計算すると、19次以上のM系列を用いれば、
最内周から最外周までの全てのトラックで、隣接トラッ
クのディスクの中心点からの放射線上には異なった信号
が記録されることになるのである。このように、スクラ
ンブル信号S2が一巡する周期を、最も記録容量の大き
なトラック、すなわち最外周トラックの情報量以上の長
さに設定したので、隣接トラック間での相関性を完全に
排除することができる。従って、記録媒体の高密度化の
ためにトラックピッチを狭めても安定したトラッキング
制御を行なうことが可能となる。
【0025】<実施例2>図4は、最内周のトラックと
最内周に隣接するトラックにスクランブル手順を経て記
録される情報の位置関係を示している。
【0026】図4(A)中のM系列の図では、この場
合、スクランブル信号の巡回周期が、少なくとも2セク
タに含まれる情報ビット数よりも大きい巡回周期のもの
であると仮定する。図4(A)中のM系列の図のように
それぞれのセクタに、前のセクタで用いた初期値からず
らし幅Dw だけずらした初期値を用いてスクランブル操
作を行なうことにする。図4(B)中に示す記録信号の
配置は、図2に示すように実際にはディスクの中心点O
から同心円状または螺旋状の配置であるものを、図2の
ディスクの中心点Oからの放射線Lを始点として隣接ト
ラックに記録される情報を直線状に書き替えた図であ
る。
【0027】ここで問題となるのは、最内周に記録され
る最初のセクタの信号であるセクタ1と、隣接する(最
内周+1)番目のトラックで上記セクタ1と同じ位置に
あるセクタの信号(セクタ(n+1)、セクタ(n+
2))との相関性である。図4(B)において、問題と
なる部分に上記セクタで用いたスクランブル信号を含む
スクランブル信号を用いた場合、記録される情報が同一
のものであれば、上記セクタ1と等しい信号を含んで記
録することになる。
【0028】従って、最内周にSmin に相当するセクタ
分の情報を記録することができるディスクの場合、セク
タ(Smin +1)のスクランブル手順を行なう時にセク
タ1で用いたM系列の部分から1セクタに用いられるM
系列の符号以上ずらしたM系列の初期値を用いてスクラ
ンブル操作を行なえば良いのである。上記した内容につ
いて、式で表すと数式6に示すように表される。 Smin ・Dw ≧1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
【0029】次に、ディスクの最外周のトラックについ
て考える。本来は、最外周と(最外周−1)のトラック
について考えるのであるが、ここでは(最外周+1)ト
ラックが存在しているものと仮定して考える。隣接トラ
ックで等しいスクランブルパターンを発生させないとい
う考え方は全く同じであるので、ここでは定数の与え方
を示す。
【0030】最外周に含まれる情報ビットによってM系
列の次数が決定された場合、(最外周+1)には最外周
で用いられたスクランブルパターンと全く等しく記録さ
れることになるので、最外周に含まれるセクタ数に、最
外周の最初に用いられたM系列の一部分が用いられなく
なるまでのセクタ数(1/Dw )を加えたセクタ数で一
周する周期以上のM系列を選択すれば良いことになる。
従って、数式7に示す条件を満たせば良いことになる。 (Smax +1/Dw )・Dw ≦Cycle・・・・・・・・・・・・・(7)
【0031】上の数式6、7より以下の数式8を得るこ
とができる。 1/Smin ≦Dw ≦(Cycle−1)/Smax ・・・・・・・・・・(8) ここで、Smin とSmax は記録すべきディスクによって
決定することができる。従って、式中に示したCycleを
セクタ単位で表現しなおすと数式9のようになる。 Cycle=(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・・(9)
【0032】従って、上記数式8の左辺と右辺より、M
系列の次数xは、以下に示す数式10、11、12によ
り求めることができる。 1/Smin ≦[(2x −1)/(8・Bsect)−1]/Smax ・・(10) 2x ≧8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1・・・・・(11) x≧log2 [8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1]・・(12) これにより、M系列の次数xを決定することができる。
上記数式7の左辺と右辺は共に定数となり、ずれ幅Dw
も決定することができる。
【0033】例えば、CD−ROMでは、1セクタに含
まれる情報量は2352バイトであり、最外周及び最内
周に含まれるセクタ数はそれぞれ約22セクタ、9セク
タであるので、数式12を用いて次数xを計算すると、
16次以上のM系列を用いれば良いことが判明する。こ
れにより、最内周から最外周までの全てのトラックで、
隣接トラックのディスクの中心点Oからの放射線L上に
は異なった信号が記録されることになるのである。ま
た、前記実施例1の結果と比較すると、隣接トラック間
の相関性を取り除く作用には、実施例1では19次のM
系列を必要とするが、実施例2では、16次のM系列を
用いて同様の作用が得られるのである。
【0034】このように、スクランブル信号の一部を重
複して用いることにより実施例1と同様に隣接トラック
間での相関性を完全に排除することができ、トラックピ
ッチを狭めても安定したトラッキング制御を行なうこと
ができる。
【0035】<実施例3>次に、実施例2の変形例につ
いて説明する。図5は上記実施例とは異なったスクラン
ブル手順を行なった場合の最内周側及び最外周側トラッ
クに記録されている情報の位置関係を示す図である。図
5(A)に示すM系列の図では、スクランブル信号の開
始点からDwだけずれた点を次のスクランブル信号の開
始点としている。この場合、スクランブル信号の巡回周
期が、少なくとも2セクタに含まれる情報ビット数より
も大きい巡回周期のものであると仮定し、1つのスクラ
ンブルパターンの次に与えるスクランブルパターンに1
−Dw の範囲だけ、同一のパターンを含ませるように初
期値を与えている。図5(B)と図5(C)に示す記録
信号の配置は、図2に示すように実際にはディスクの中
心点Oからの同心円状または螺旋状の配置であるもの
を、図2のディスクの中心点Oからの放射線Lを始点と
して隣接トラックに記録される情報を直線状に書き替え
た図である。
【0036】まず、ディスクの最内周トラックについて
考える。考え方としては実施例2と同じく、問題となる
のは最内周に記録される最初のセクタの信号であるセク
タ1の記録される領域とその隣接トラックのディスクの
中心点Oからの放射線Lを上記セクタ1の最初と最後に
引いた領域内に関する場所である。図5(B)ではセク
タ(n+1)以降に上記セクタ1で用いられたスクラン
ブル信号の初期値から1セクタに含まれる情報量以上ず
れた距離を持つスクランブル信号の初期値を用いてスク
ランブル手順を行なえば良いのである。ここで、1つの
スクランブル信号を繰り返し連続して用いる回数をMlo
opとすると、数式13に示すように表される。 (Smin /Mloop)・Dw ≧1・・・・・・・・・・・・・・・(13)
【0037】次に、ディスクの最外周のトラックについ
て考える。本来は、最外周と(最外周−1)のトラック
について考えるのであるが、ここでは(最外周+1)ト
ラックが存在しているものと仮定して考える。隣接トラ
ックで等しいスクランブルパターンを発生させないとい
う考え方は全く同じであるので、ここでは定数の与え方
を示す。
【0038】最外周に含まれる情報ビットによってM系
列の次数が決定された場合、(最外周+1)には最外周
で用いられたスクランブル信号と全く等しく記録される
ことになるので、(最外周+1)トラックで最外周の最
初と同じ放射線上に位置するセクタに用いられたスクラ
ンブル信号が最外周の最初に用いられたスクランブル信
号のBsect以上手前のスクランブル信号を用いれば良い
のであり、次の数式14が与えられる。 [(Smax /Mloop)+1/Dw ]・Dw ≦Cycle・・・・・・(14)
【0039】上記数式13、14より下記の数式15を
求めることができる。 Mloop/Smin ≦Dw ≦(Cycle−1)・Mloop/Smax ・・・(15) ここで、Smin とSmax は記録すべきディスクによって
決定することができる。従って、式中に示したCycleを
セクタ単位で下記に示す数式16のように表すことがで
きる。 Cycle=(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・(16)
【0040】上記数式15の左辺と右辺より、M系列の
次数xは、以下に示す数式17、18、19により求め
ることができる。 Mloop/Smin ≦[(2x −1)/(8・Bsect)−1]・Mloop/Smax ・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(17) 2x ≧8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1・・・・(18) x≧log2 [8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1]・・(19) 数式19は実施例2の数式12と全く同じ式となり、こ
れと同じ結果が得られることがわかる。
【0041】従って、実施例1の第1の発明方法の結果
と比較すると、隣接トラック間の相関性を取り除く作用
には、実施例1の方法を用いれば19次のM系列を必要
とするが、実施例3の方法を用いれば、実施例2の結果
と同様、16次のM系列を用いて同様の作用が得られ
る。さらには、1つのスクランブル信号を繰り返して用
いることにより、図1中の初期値記憶部2に記録してお
く初期値の数を実施例2の場合よりも少なくするという
作用も得られる。尚、上記実施例にあってはCLV方式
により記録する場合について説明したが、これに限らず
CAV方式により記録する場合にも適用し得るのは勿論
である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報信号
記録方法及び情報信号記録装置によれば、次のように優
れた作用効果を発揮することができる。本発明によれ
ば、隣接トラック間での相関性を完全に除去することが
できたので、情報記録媒体の高密度化のためにトラック
ピッチを狭めても安定したトラッキング制御を行なうこ
とができる。また、M系列の次数を低減化することもで
き、その分スクランブル手段の簡素化も行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのスクランブル手段を示
すブロック図である。
【図2】本発明のスクランブル手順におけるM系列の関
係を示した図である。
【図3】本発明における最外周とその次におけるスクラ
ンブルパターンを線形的に示した図である。
【図4】本発明における最内周とその次におけるスクラ
ンブルパターンを線形的に示した図である。
【図5】実施例2の変形例における最内周と最外周のそ
れぞれに隣接するトラックにおけるスクランブルパター
ンを線形的に示した図である。
【図6】従来のスクランブル手段を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…スクランブル手段、2…初期値記憶部(初期値発生
手段)、3…M系列発生部(スクランブル信号発生手
段)、4…加算部(スクランブル&記録手段)、5…情
報記録媒体、L…放射線、O…中心点、S1…セクタア
ドレス信号、S2…スクランブル信号、S3…情報信
号、S4…記録信号。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セクタアドレスを有する複数のセクタに分
    割されている周回状の情報トラックを有する情報信号記
    録媒体に2値のデジタル信号列からなる情報信号を記録
    する際に、前記情報信号を1つの巡回符号から得られる
    スクランブル信号によりセクタごとにスクランブルして
    記録する情報信号記録方法であって、 所定数のセクタからなる第1の連続セクタのセクタアド
    レスに基づいて第1の初期値を得、この第1の初期値に
    基づいて第1のスクランブル信号を発生し、 前記第1の連続セクタにおける各セクタに記録する前記
    情報信号を、前記第1のスクランブル信号でスクランブ
    ルして記録し、 前記第1の連続セクタに続く所定数のセクタからなる第
    2の連続セクタのセクタアドレスに基づいて第2の初期
    値を得、この第2の初期値に基づいて第2のスクランブ
    ル信号を発生し、 前記第2の連続セクタにおける各セクタに記録する前記
    情報信号を、前記第2のスクランブル信号でスクランブ
    ルして記録すると共に、 前記第1のスクランブル信号の開始点から所定幅ずれた
    点を前記第2のスクランブル信号の開始点とすることを
    特徴とする情報信号記録方法。
  2. 【請求項2】セクタアドレスを有する複数のセクタに分
    割されている周回状の情報トラックを有する情報信号記
    録媒体に2値のデジタル信号列からなる情報信号を記録
    する際に、前記情報信号を1つの巡回符号から得られる
    スクランブル信号によりセクタごとにスクランブルさせ
    て記録する情報信号記録装置であって、 所定数のセクタからなる第1の連続セクタのセクタアド
    レスに基づいて第1の初期値を発生し、前記第1の連続
    セクタに続く所定数のセクタからなる第2の連続セクタ
    のセクタアドレスに基づいて第2の初期値を発生する初
    期値発生手段と、 前記第1の初期値に基づいて第1のスクランブル信号を
    発生し、前記第2の初期値に基づいて第2のスクランブ
    ル信号を発生するスクランブル信号発生手段と、 前記第1の連続セクタにおける各セクタに記録する前記
    情報信号を前記第1のスクランブル信号によりスクラン
    ブルして記録し、前記第2の連続セクタにおける各セク
    タに記録する前記情報信号を前記第2のスクランブル信
    号によりスクランブルして記録するスクランブル&記録
    手段とを備え、 前記第1のスクランブル信号の開始点から所定幅ずれた
    点を前記第2のスクランブル信号の開始点とすることを
    特徴とする情報信号記録装置。
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