JP3636171B2 - 情報信号記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周回状の情報トラックを有する情報信号記録媒体に、スクランブル信号を用いて情報信号を記録する情報信号記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンパクトディスク(CD)等の光ディスクは、ディスクのトラック上にピット、ランドと呼ばれる凹凸形状の形成によりディジタル信号が記録されており、前記ピット、ランドからの反射光が光学ヘッド内の4分割光検出器で受光されて電気信号に変換され、信号が読み出される。
【0003】
フォーカシングはディスクの面振れに対して、ピックアップの光学系の対物レンズを追従させるためのものであり、方式としては非点収差法等がある。
また、トラッキングはディスクの偏心に対して、ピックアップをトラックに追従させるためのものであり、その方式としては3ビーム法、プッシュプル方式、ヘテロダイン方式等がある。
フォーカシング、トラッキングは、2分割、または4分割された光検出器のそれぞれの分割センサの出力信号を演算してフォーカシング制御信号、トラッキング制御信号を得て、これによりサーボ制御することにより行なわれる。
【0004】
ピックアップから出たレーザビームはピット部からの反射光とランド部からの反射光とで位相差が生じ、これによる干渉効果によりピット部とランド部で光検出器に入射する反射光量に差が生じることにより再生信号が得られる。記録されているデータはCDにおいてはEFMと呼ばれるディジタル変調が施された信号がピット、ランドのパターンを形成して記録されている。記録されているデータはピット、ランドでの光量変化による再生信号を2値化し、ディジタル復調されてデータが再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、信号の記録方式には、ディスクの角速度が一定な定角速度方式CAV(Constant Anglar Velocity)と、線速度が一定な定線速度方式CLV(Constant Linear Velocity)が知られており、CAV方式は各トラックに含まれるセクタ数が等しく、全トラックに関してディスクの中心からの放射線上にセクタの先頭が完全に一致する構造になっている。
【0006】
また、CLV方式は線速度が一定のため、全トラックのセクタの先頭が一致することはないが、一部の隣接トラックに関してディスクの中心からの放射線上にセクタの先頭が一致する場合がある。
このような状況においては、同一内容の情報、例えば画像情報や音楽情報が記録される場合で言えば、曲間、チャプタ間の無音部、無画像区間などを大量に記録する時に、隣接トラックに同一の形状や配置の記録信号が出現しないようにするために、一般的にはスクランブル操作が講じられている。
【0007】
このスクランブルは情報のセクタの先頭を同期させるための同期信号が、データ中に疑似同期信号として発生しないようにするため及びEFM変調のDSV制御性を向上させる目的で行なうものであり、情報信号とM系列との排他的論理和によってスクランブル信号が発生される。そして、スクランブルに用いられるM系列は、2x −1個の0または1で表現される巡回符号である。
例えば、CD−ROMで採用されている既知のスクランブル手段には215−1=32767周期のM系列が用いられており、各セクタ毎に同一の初期値を用いて行なわれている。
【0008】
ここで図6(A)及び図6(B)に基づいて従来の情報信号記録方法を説明すると、セクタアドレス信号S1は、スクランブル手段10のM系列発生部11へ入力されることによりスクランブル信号S10が発生し、このスクランブル信号S10により情報信号S3には加算部12によりスクランブルが施され、実際に記録媒体へ記録する記録信号S4が出力される。
この時のM系列は、2x −1個の0または1で表される巡回符号である(図6(B)参照)。
【0009】
現在の光ディスクの動向では、記録容量の高密度化が図られているが、しかしながら従来のスクランブル手段を用いて前記のような同一内容の情報がディスクの中心からの放射線上にセクタの先頭が一致している場所に記録されると、隣接トラック間でのピットとランドの形状が一致するため、相関性が高まりトラッキング誤差信号の振幅が低下して信号対雑音比(S/N)が低下し、トラッキング制御が安定に行なわれないという問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目的はスクランブル信号の一部を重複して用いることにより隣接トラック間での相関性を除去することができる情報信号記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点が、1トラック内に複数のセクタ数が含まれるにも係わらず短い周期のM系列スクランブル信号を用いてスクランブル処理を行なっていることに起因して発生している、という知見を得ることによりなされたものである。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するために、
周回状の情報トラックを有する情報信号記録媒体へ複数のセクタに分割された2値のディジタル信号列からなる情報信号を記録する際に前記情報信号をM系列の巡回コードの一部分を使用したスクランブル信号により各セクタごとにスクランブルさせる情報信号記録方法において、
前記各セクタごとにスクランブルさせるための複数の前記M系列のスクランブル信号を、前記M系列の巡回コード上において一部が重複するようにし、かつ、初期値を前記M系列の巡回コード上において予め設定した値ずつずらした前記複数のM系列のスクランブル信号として生成し、
前記スクランブル操作を前記情報信号に前記M系列のスクランブル信号を加えることによって行う、
ようにしたものである。
本発明によれば、各セクタごとの記録信号に対するスクランブル操作において、一部が重複しているスクランブル信号を用いることにより、情報信号記録媒体への情報信号の記録以前に、同一内容の情報が隣接トラックに現れないようにしている。これによって、トラッキング制御の安定性が確保できるので、隣接トラック間の距離を狭め、高記録密度のディスクを実現することができる。さらに、本発明では、一部が重複しているスクランブル信号を用いているので、スクランブル信号の周期をある程度短くしても、トラッキング制御の安定性を確保できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る情報信号記録方法の一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明を実施するための記録信号発生装置のスクランブル手段を示す構成図である。
【0014】
図1(A)に示すようにこのスクランブル手段1はアドレス信号S1に基づいて、予め記憶された初期値を発生する例えばROMよりなる初期値記憶部2と、この記憶部2からの出力に基づいてM系列のスクランブル信号S2を発生するM系列発生部3と、ディジタル信号列からなる情報信号S3に対して上記スクランブル信号S2を加えることによってスクランブル操作を行ない、記録信号S4を形成する加算部4とにより形成されている。この時、図1(B)に示すように1つのM系列の初期値から次のM系列の初期値まで所定の長さDw だけずらされている。又、上記初期値記憶部2では、当然のこととしてアドレス信号S1のアドレス値に基づいて初期値が読み出される。
【0015】
図2は本発明によるスクランブル手順とM系列の関係を示す図であり、図2(A)に示すようにディスクの如き情報記録媒体5の記録領域に例えばTn番目のトラックとT(n+1)番目のトラックが同心円状或いは螺旋状に記録される。図示例にあってはCLV方式の記録方式を示しており、各トラックのセクタはディスクの中心点Oからの放射線Lを始点としている。図2(B)はこの時の隣接トラックに記録される情報を直線状に書き替えた図を示し、図2(C)はこの時の記録信号の配置を示す。
【0016】
ここで本発明のスクランブル手段で用いるM系列の次数と初期値の決定方法を記述するに際し、記録方式はCLV方式を例にとって説明し、記録されるディスクに関する定数は以下のように与えておく。
Smin :最内周に含まれるセクタ数
Smax :最外周に含まれるセクタ数
Dw :一つのM系列の初期値から次のM系列の初期値までのずらし幅(単位:セクタ)(0<Dw ),但し、このDwは可変である。
Cycle:M系列の巡回周期(2x −1)で表現できる最大セクタ数
Bsect:1セクタに含まれる情報のバイト数
【0017】
<実施例1>
図3は実施例1に関する、最外周のトラックと最外周に隣接するトラックにスクランブル手順を経て記録される情報の位置関係を示している。
図3(A)中のM系列の図は、スクランブル信号の巡回周期が、最外周に記録される情報量以上の長さのものを最外周に記録される情報と1:1で対応するようなものを示している。
【0018】
図3(B)に示す記録信号の配置は、図2に示すように実際はディスクの中心点Oからの同心円状または螺旋状に記録信号が配置しているものを、図2のディスクの中心点Oからの放射線Lを始点として隣接トラックに記録される情報を直線状に書き替えた図である。
M系列の性質上、たとえ同一の情報を多量に記録する場合でも、最外周に記録される情報量の長さの範囲には異なった記録信号が発生されるので、最内周から最外周までの全てのトラックで、隣接トラックのディスクの中心点Oからの放射線L上には異なった信号が記録されることになるのである。
【0019】
以上のことから、用いるべきM系列の次数の条件は、数式1のようになる。
Smax ≦Cycle・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、Cycleはセクタ単位で表現すると、数式2のようになる。
Cycle=(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・・(2)
従って、求めるM系列の次数xは、数式3、数式4、数式5により求めることができる。
【0020】
Smax ≦(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・・(3)
2x ≧8・Bsect・Smax +1 ・・・・・・・・・・・・・・(4)
x ≧log2 (8・Bsect・Smax +1)・・・・・・・・・(5)
従って、情報信号S3を、上記数式(5)により求めた次数により規定されるM系列の巡回周期(2x −1)のスクランブル信号S2でスクランブル操作することにより、安定したトラッキングを行なうことができる記録信号S4を得ることができる。
【0021】
例えば、CD−ROMでは、1セクタに含まれる情報量は2352バイトであり、最外周に含まれるセクタ数は約22セクタであるので、数式5を用いて次数xを計算すると、19次以上のM系列を用いれば、最内周から最外周までの全てのトラックで、隣接トラックのディスクの中心点からの放射線上には異なった信号が記録されることになるのである。
このように、スクランブル信号S2が一巡する周期を、最も記録容量の大きなトラック、すなわち最外周トラックの情報量以上の長さに設定したので、隣接トラック間での相関性を完全に排除することができる。
従って、記録媒体の高密度化のためにトラックピッチを狭めても安定したトラッキング制御を行なうことが可能となる。
【0022】
<実施例2>
図4は実施例2に関する、最内周のトラックと最内周に隣接するトラックにスクランブル手順を経て記録される情報の位置関係を示している。
【0023】
図4(A)中のM系列の図では、この場合、スクランブル信号の巡回周期が、少なくとも2セクタに含まれる情報ビット数よりも大きい巡回周期のものであると仮定する。
図4(A)中のM系列の図のようにそれぞれのセクタに、前のセクタで用いた初期値からずらし幅Dw だけずらした初期値を用いてスクランブル操作を行なうことにする。
図4(B)中に示す記録信号の配置は、図2に示すように実際にはディスクの中心点Oから同心円状または螺旋状の配置であるものを、図2のディスクの中心点Oからの放射線Lを始点として隣接トラックに記録される情報を直線状に書き替えた図である。
【0024】
ここで問題となるのは、最内周に記録される最初のセクタの信号であるセクタ1と、隣接する(最内周+1)番目のトラックで上記セクタ1と同じ位置にあるセクタの信号(セクタ(n+1)、セクタ(n+2))との相関性である。
図4(B)において、問題となる部分に上記セクタで用いたスクランブル信号を含むスクランブル信号を用いた場合、記録される情報が同一のものであれば、上記セクタ1と等しい信号を含んで記録することになる。
【0025】
従って、最内周にSmin に相当するセクタ分の情報を記録することができるディスクの場合、セクタ(Smin +1)のスクランブル手順を行なう時にセクタ1で用いたM系列の部分から1セクタに用いられるM系列の符号以上ずらしたM系列の初期値を用いてスクランブル操作を行なえば良いのである。
上記した内容について、式で表すと数式6に示すように表される。
Smin ・Dw ≧1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
【0026】
次に、ディスクの最外周のトラックについて考える。
本来は、最外周と(最外周−1)のトラックについて考えるのであるが、ここでは(最外周+1)トラックが存在しているものと仮定して考える。
隣接トラックで等しいスクランブルパターンを発生させないという考え方は全く同じであるので、ここでは定数の与え方を示す。
【0027】
最外周に含まれる情報ビットによってM系列の次数が決定された場合、(最外周+1)には最外周で用いられたスクランブルパターンと全く等しく記録されることになるので、最外周に含まれるセクタ数に、最外周の最初に用いられたM系列の一部分が用いられなくなるまでのセクタ数(1/Dw )を加えたセクタ数で一周する周期以上のM系列を選択すれば良いことになる。従って、数式7に示す条件を満たせば良いことになる。
(Smax +1/Dw )・Dw ≦Cycle・・・・・・・・・・・・・(7)
【0028】
上の数式6、7より以下の数式8を得ることができる。
1/Smin ≦Dw ≦(Cycle−1)/Smax ・・・・・・・・・・(8)
ここで、Smin とSmax は記録すべきディスクによって決定することができる。従って、式中に示したCycleをセクタ単位で表現しなおすと数式9のようになる。
Cycle=(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・・(9)
【0029】
従って、上記数式8の左辺と右辺より、M系列の次数xは、以下に示す数式10、11、12により求めることができる。
1/Smin ≦[(2x −1)/(8・Bsect)−1]/Smax ・・(10)
2x ≧8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1・・・・・(11)
x≧log2 [8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1]・・(12)
これにより、M系列の次数xを決定することができる。
上記数式7の左辺と右辺は共に定数となり、ずれ幅Dw も決定することができる。
【0030】
例えば、CD−ROMでは、1セクタに含まれる情報量は2352バイトであり、最外周及び最内周に含まれるセクタ数はそれぞれ約22セクタ、9セクタであるので、数式12を用いて次数xを計算すると、16次以上のM系列を用いればよいことが判明する。これにより、最内周から最外周までの全てのトラックで、隣接トラックのディスクの中心点Oからの放射線L上には異なった信号が記録されることになるのである。
また、前記実施例1の結果と比較すると、隣接トラック間の相関性を取り除く作用には、実施例1で表した方法を用いれば19次のM系列を必要とするが、実施例2で表した方法を用いれば、16次のM系列を用いて同様の作用が得られるのである。
【0031】
このように、スクランブル信号の一部を重複して用いることにより実施例1と同様に隣接トラック間での相関性を完全に排除することができ、トラックピッチを狭めても安定したトラッキング制御を行なうことができる。
【0032】
<実施例3>
次に、実施例2の変形例である実施例3について説明する。図5は上記実施例とは異なったスクランブル手順を行なった場合の最内周側及び最外周側トラックに記録されている情報の位置関係を示す図である。
図5(A)に示すM系列の図では、この場合、スクランブル信号の巡回周期が、少なくとも2セクタに含まれる情報ビット数よりも大きい巡回周期のものであると仮定し、一つのスクランブルパターンの次に与えるスクランブルパターンに1−Dw の範囲だけ、同一のパターンを含ませるように初期値を与えている。
図5(B)と図5(C)に示す記録信号の配置は、図2に示すように実際にはディスクの中心点Oからの同心円状または螺旋状の配置であるものを、図2のディスクの中心点Oからの放射線Lを始点として隣接トラックに記録される情報を直線状に書き替えた図である。
【0033】
まず、ディスクの最内周トラックについて考える。
考え方としては実施例2と同じく、問題となるのは最内周に記録される最初のセクタの信号であるセクタ1の記録される領域とその隣接トラックのディスクの中心点Oからの放射線Lを上記セクタ1の最初と最後に引いた領域内に関する場所である。
図5(B)ではセクタ(n+1)以降に上記セクタ1で用いられたスクランブル信号の初期値から1セクタに含まれる情報量以上ずれた距離を持つスクランブル信号の初期値を用いてスクランブル手順を行なえば良いのである。
ここで、一つのスクランブル信号を繰り返し連続して用いる回数をMloopとすると、数式13に示すように表される。
(Smin /Mloop)・Dw ≧1・・・・・・・・・・・・・・・(13)
【0034】
次に、ディスクの最外周のトラックについて考える。
本来は、最外周と(最外周−1)のトラックについて考えるのであるが、ここでは(最外周+1)トラックが存在しているものと仮定して考える。
隣接トラックで等しいスクランブルパターンを発生させないという考え方は全く同じであるので、ここでは定数の与え方を示す。
【0035】
最外周に含まれる情報ビットによってM系列の次数が決定された場合、(最外周+1)には最外周で用いられたスクランブル信号と全く等しく記録されることになるので、(最外周+1)トラックで最外周の最初と同じ放射線上に位置するセクタに用いられたスクランブル信号が最外周の最初に用いられたスクランブル信号のBsect以上手前のスクランブル信号を用いれば良いのであり、次の数式14が与えられる。
[(Smax /Mloop)+1/Dw ]・Dw ≦Cycle・・・・・・(14)
【0036】
上記数式13、14より下記の数式15を求めることができる。
Mloop/Smin ≦Dw ≦(Cycle−1)・Mloop/Smax ・・・(15)
ここで、Smin とSmax は記録すべきディスクによって決定することができる。従って、式中に示したCycleをセクタ単位で下記に示す数式16のように表すことができる。
Cycle=(2x −1)/(8・Bsect)・・・・・・・・・・・(16)
【0037】
上記数式15の左辺と右辺より、M系列の次数xは、以下に示す数式17、18、19により求めることができる。
Mloop/Smin ≦[( 2x −1)/(8・ Bsect) −1] ・Mloop/Smax ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(17)
2x ≧8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1・・・・(18)
x≧log2 [8・Bsect・(1+Smax /Smin )+1]・・(19)
数式19は実施例2の数式12と全く同じ式となり、これと同じ結果が得られることがわかる。
【0038】
従って、実施例1の方法の結果と比較すると、隣接トラック間の相関性を取り除く作用には、実施例1の方法を用いれば19次のM系列を必要とするが、実施例3の方法を用いれば、実施例2の結果と同様、16次のM系列を用いて同様の作用が得られる。
更には、一つのスクランブル信号を繰り返して用いることにより、図1中の初期値記憶部2に記録しておく初期値の数を実施例2の場合よりも少なくするという作用も得られる。
尚、上記実施例にあってはCLV方式により記録する場合について説明したが、これに限らずCAV方式により記録する場合にも適用し得るのは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の情報信号記録方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
スクランブル信号の一部を重複して用いることにより、隣接トラック間での相関性を完全に除去することができる。従って、情報信号記録媒体の高密度化のためにトラックピッチを狭めても安定したトラッキング制御を行うことができる。さらには、スクランブル信号の周期をある程度短縮化することもでき、その分スクランブル操作の簡素化も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのスクランブル手段を示すブロック図である。
【図2】本発明のスクランブル手順におけるM系列の関係を示した図である。
【図3】実施例1における最外周とその次におけるスクランブルパターンを線形的に示した図である。
【図4】実施例2における最内周とその次におけるスクランブルパターンを線形的に示した図である。
【図5】実施例3における最内周と最外周のそれぞれに隣接するトラックにおけるスクランブルパターンを線形的に示した図である。
【図6】従来のスクランブル手段を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…スクランブル手段、2…初期値記憶部、3…M系列発生部、4…加算部、5…情報記録媒体、L…放射線、O…中心点、S1…セクタアドレス信号、S2…スクランブル信号、S3…情報信号、S4…記録信号。
Claims (2)
- 周回状の情報トラックを有する情報信号記録媒体へ複数のセクタに分割された2値のディジタル信号列からなる情報信号を記録する際に前記情報信号をM系列の巡回コードの一部分を使用したスクランブル信号により各セクタごとにスクランブルさせる情報信号記録方法において、
前記各セクタごとにスクランブルさせるための複数の前記M系列のスクランブル信号を、前記M系列の巡回コード上において一部が重複するようにし、かつ、初期値を前記M系列の巡回コード上において予め設定した値ずつずらした前記複数のM系列のスクランブル信号として生成し、
前記スクランブル操作を前記情報信号に前記M系列のスクランブル信号を加えることによって行う、
ことを特徴とする情報信号記録方法。 - 周回状の情報トラックを有する情報信号記録媒体へ複数のセクタに分割された2値のディジタル信号列からなる情報信号を記録する際に前記情報信号を16次のM系列の巡回コードの一部分を使用したスクランブル信号により各セクタごとにスクランブルさせる情報信号記録方法において、
前記各セクタごとにスクランブルさせるための複数の前記16次のM系列のスクランブル信号を、前記16次のM系列の巡回コード上において一部が重複するようにし、かつ、初期値を前記16次のM系列の巡回コード上において予め設定した値ずつずらした前記複数の16次のM系列のスクランブル信号として生成し、
前記スクランブル操作を前記情報信号に前記16次のM系列のスクランブル信号を加えることによって行う、
ことを特徴とする情報信号記録方法。
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