JP2002127854A - 車載警報装置 - Google Patents
車載警報装置Info
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- JP2002127854A JP2002127854A JP2000329446A JP2000329446A JP2002127854A JP 2002127854 A JP2002127854 A JP 2002127854A JP 2000329446 A JP2000329446 A JP 2000329446A JP 2000329446 A JP2000329446 A JP 2000329446A JP 2002127854 A JP2002127854 A JP 2002127854A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 4つのスピーカによって音像定位制御を行う
と制御スポットが狭く、運転者の頭部位置が変化する
と、仮想音源の定位感が変化してしまう。 【解決手段】 再生制御部32は、注意対象を検出した
検出システム10の種類やその方向などの検出結果と、
乗員検知装置20で検知された乗員配置とに応じて、音
源記憶部31から該当する音ファイルを読み出す。読み
出した音ファイルより2チャンネルの音響信号を再生
し、障害物の存在方向に応じて規定される2つのスピー
カでそれぞれの音響信号を再生し、所定方向に音像を定
位させる。
と制御スポットが狭く、運転者の頭部位置が変化する
と、仮想音源の定位感が変化してしまう。 【解決手段】 再生制御部32は、注意対象を検出した
検出システム10の種類やその方向などの検出結果と、
乗員検知装置20で検知された乗員配置とに応じて、音
源記憶部31から該当する音ファイルを読み出す。読み
出した音ファイルより2チャンネルの音響信号を再生
し、障害物の存在方向に応じて規定される2つのスピー
カでそれぞれの音響信号を再生し、所定方向に音像を定
位させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、警報対象や案内対
象の存在方向に所定の音像を定位させることにより、運
転者に注意を促す車載警報装置に関する。
象の存在方向に所定の音像を定位させることにより、運
転者に注意を促す車載警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の周辺に存在する人や障害物などを
検知して、その存在方向に所定の音像を定位させること
により、運転者に注意を促す車載警報装置が提案されて
いる。特開平5−58219号には、音響制御回路によ
って、車載した各スピーカに出力する音響データの読み
出しタイミングを制御することで、この各スピーカから
の再生音によって作られる音像を、障害物の存在方向に
定位させる車載警報装置が開示されている。
検知して、その存在方向に所定の音像を定位させること
により、運転者に注意を促す車載警報装置が提案されて
いる。特開平5−58219号には、音響制御回路によ
って、車載した各スピーカに出力する音響データの読み
出しタイミングを制御することで、この各スピーカから
の再生音によって作られる音像を、障害物の存在方向に
定位させる車載警報装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで開示された車載
警報装置は、車載した4つのスピーカを用いて音像の定
位を行っており、このように4つのスピーカを用いて所
定の方向に音像を定位させるように音像定位制御を実施
すると、定位の方向性は好適に制御できるが、その反
面、その制御スポットが狭くなってしまう傾向がある。
このため、運転者の頭部の位置が変動した場合には、そ
の変動に応じて、運転者に知覚される音像が変化しやす
いという欠点があった。
警報装置は、車載した4つのスピーカを用いて音像の定
位を行っており、このように4つのスピーカを用いて所
定の方向に音像を定位させるように音像定位制御を実施
すると、定位の方向性は好適に制御できるが、その反
面、その制御スポットが狭くなってしまう傾向がある。
このため、運転者の頭部の位置が変動した場合には、そ
の変動に応じて、運転者に知覚される音像が変化しやす
いという欠点があった。
【0004】本発明は、このような課題を解決すべくな
されたものであり、その目的は、運転者の頭部位置が変
化した場合にも、ほぼ一定した音像として知覚させるこ
とができる車載警報装置を提供することにある。
されたものであり、その目的は、運転者の頭部位置が変
化した場合にも、ほぼ一定した音像として知覚させるこ
とができる車載警報装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1にかか
る車載警報装置は、車載されたスピーカによって所定の
方向に音像を定位させる車載警報装置であって、運転者
の注意を促すべき注意対象の存在方向を検知する対象検
知手段と、音像を定位させる2チャンネルの音響信号
を、対象検知手段の検知結果から得られる注意対象の存
在方向に対応して生成すると共に、注意対象の存在方向
に音像を定位させるスピーカとして、車載された3つ以
上のスピーカから2つのスピーカを選択し、2チャンネ
ルの音響信号のうちの相異なるチャンネルの音響信号
を、選択した各スピーカに対してそれぞれ出力する音響
再生手段とを備えて構成する。
る車載警報装置は、車載されたスピーカによって所定の
方向に音像を定位させる車載警報装置であって、運転者
の注意を促すべき注意対象の存在方向を検知する対象検
知手段と、音像を定位させる2チャンネルの音響信号
を、対象検知手段の検知結果から得られる注意対象の存
在方向に対応して生成すると共に、注意対象の存在方向
に音像を定位させるスピーカとして、車載された3つ以
上のスピーカから2つのスピーカを選択し、2チャンネ
ルの音響信号のうちの相異なるチャンネルの音響信号
を、選択した各スピーカに対してそれぞれ出力する音響
再生手段とを備えて構成する。
【0006】鋭意研究の結果、車載された3つ以上のス
ピーカから2つのスピーカを選択的に用い、選択した2
つのスピーカからの再生音によって、比較的広い制御ス
ポット内で、所定の方向に好適に音像を作り出せること
を見出した。そこで、音響再生手段では、2つのスピー
カによって音像を定位させるための2チャンネルの音響
信号を、対象検知手段で検知された注意対象の存在方向
に応じて生成する。また、検知された注意対象の存在方
向に、音像を好適に定位させるスピーカとして、車載さ
れた3つ以上のスピーカから2つのスピーカを選択し
て、該当するスピーカに対し、対応するチャンネルの音
響信号をそれぞれ出力する。
ピーカから2つのスピーカを選択的に用い、選択した2
つのスピーカからの再生音によって、比較的広い制御ス
ポット内で、所定の方向に好適に音像を作り出せること
を見出した。そこで、音響再生手段では、2つのスピー
カによって音像を定位させるための2チャンネルの音響
信号を、対象検知手段で検知された注意対象の存在方向
に応じて生成する。また、検知された注意対象の存在方
向に、音像を好適に定位させるスピーカとして、車載さ
れた3つ以上のスピーカから2つのスピーカを選択し
て、該当するスピーカに対し、対応するチャンネルの音
響信号をそれぞれ出力する。
【0007】請求項2にかかる車載警報装置は、請求項
1における車載警報装置が、車室内の乗員配置を検知す
る乗員検知手段をさらに備えており、音響再生手段は、
乗員検知手段の検知結果をもと、乗員配置に応じて変化
する車室内の音響伝達特性に応じた2チャンネルの音響
信号をに再生する。
1における車載警報装置が、車室内の乗員配置を検知す
る乗員検知手段をさらに備えており、音響再生手段は、
乗員検知手段の検知結果をもと、乗員配置に応じて変化
する車室内の音響伝達特性に応じた2チャンネルの音響
信号をに再生する。
【0008】各スピーカと運転者との間の音響伝達特性
は、乗員人数や車室内の着座位置等に応じて変化する。
そこで、音響再生手段は、乗員検知手段の検知結果をも
とに車室内の音響伝達特性を把握し、設定した音響伝達
特性に応じた2チャンネルの音響信号を再生する。
は、乗員人数や車室内の着座位置等に応じて変化する。
そこで、音響再生手段は、乗員検知手段の検知結果をも
とに車室内の音響伝達特性を把握し、設定した音響伝達
特性に応じた2チャンネルの音響信号を再生する。
【0009】請求項3にかかる車載警報装置は、請求項
2における車載警報装置において、音響再生手段は、注
意対象の各存在方向と車室内の音響伝達特性とに対応し
た、2チャンネルの音響データを予め記憶した記憶手段
と、対象検知手段及び乗員検知手段の検知結果に応じ
て、記憶手段に記憶された2チャンネルの音響データ
を、読み出し、2チャンネルの音響信号として再生する
再生手段とを備えて構成する。
2における車載警報装置において、音響再生手段は、注
意対象の各存在方向と車室内の音響伝達特性とに対応し
た、2チャンネルの音響データを予め記憶した記憶手段
と、対象検知手段及び乗員検知手段の検知結果に応じ
て、記憶手段に記憶された2チャンネルの音響データ
を、読み出し、2チャンネルの音響信号として再生する
再生手段とを備えて構成する。
【0010】記憶手段には、注意対象の各存在方向と車
室内の音響伝達特性とに対応した、2チャンネルの音響
データを予め記憶させておく。再生手段は、対象検知手
段及び乗員検知手段の検知結果をもとに、注意対象の各
存在方向と車室内の音響伝達特性とに応じた音響データ
を記憶手段から読み出して再生する。
室内の音響伝達特性とに対応した、2チャンネルの音響
データを予め記憶させておく。再生手段は、対象検知手
段及び乗員検知手段の検知結果をもとに、注意対象の各
存在方向と車室内の音響伝達特性とに応じた音響データ
を記憶手段から読み出して再生する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき、
添付図面を参照して説明する。
添付図面を参照して説明する。
【0012】図1に、実施形態にかかる車載警報装置の
全体的な構成を示す。この車載警報装置は、警報対象や
案内対象の存在方向を検知する各種の検知システム1
0、所定の方向に音像を定位させるための音響信号を再
生する音響再生装置30、車載された4つのスピーカF
L、FR、RL、RRなどを備えて構成する。
全体的な構成を示す。この車載警報装置は、警報対象や
案内対象の存在方向を検知する各種の検知システム1
0、所定の方向に音像を定位させるための音響信号を再
生する音響再生装置30、車載された4つのスピーカF
L、FR、RL、RRなどを備えて構成する。
【0013】検知システム10は、運転者に注意を促す
べき注意対象を検知するシステムであり、ここではコー
ナーセンサーシステム11、車線逸脱検知システム1
2、歩行者検知システム13などによって構成されてい
る。
べき注意対象を検知するシステムであり、ここではコー
ナーセンサーシステム11、車線逸脱検知システム1
2、歩行者検知システム13などによって構成されてい
る。
【0014】コーナーセンサーシステム11は、車両の
前後端の四隅に障害物センサを設けており、各障害物セ
ンサから超音波を発信してその反射波を検出すること
で、各障害物の位置や障害物までの距離を検出するシス
テムである。このコーナーセンサーシステム11は、主
に、駐車時の曲進や後退、或いは狭い道でのすれ違い等
の場合に、車両の一部が壁や柱などに接近した状況を検
知する場合に利用される。
前後端の四隅に障害物センサを設けており、各障害物セ
ンサから超音波を発信してその反射波を検出すること
で、各障害物の位置や障害物までの距離を検出するシス
テムである。このコーナーセンサーシステム11は、主
に、駐車時の曲進や後退、或いは狭い道でのすれ違い等
の場合に、車両の一部が壁や柱などに接近した状況を検
知する場合に利用される。
【0015】車線逸脱検知システム12は、車載カメラ
によって前方の路面を撮像し、撮像された画像データを
解析して車両に対する車線の位置を検知するシステムで
ある。
によって前方の路面を撮像し、撮像された画像データを
解析して車両に対する車線の位置を検知するシステムで
ある。
【0016】検知システム10としては、このような車
載システム以外にも、車外に設けられた検知システムも
想定しており、その一例として、歩行者検知システム1
3を例示している。このシステムは、例えば交差点など
に設けられており、横断する歩行者等を検知してその検
出結果を、交差点付近の所定範囲内に位置する車両に対
して発信するシステムであり、車載受信器によって、そ
の検知結果を得るものである。
載システム以外にも、車外に設けられた検知システムも
想定しており、その一例として、歩行者検知システム1
3を例示している。このシステムは、例えば交差点など
に設けられており、横断する歩行者等を検知してその検
出結果を、交差点付近の所定範囲内に位置する車両に対
して発信するシステムであり、車載受信器によって、そ
の検知結果を得るものである。
【0017】さらに、車室内の音響伝達特性は乗員人数
や車室内の着座位置等に応じて変化するため、このよう
な車両周辺の障害物等を検知する検知システム10以外
にも、乗員人数や車室内の着座位置を検知する乗員検知
装置20を備えている。乗員検知装置20は、各シート
の着座面に多数の感圧センサを配設しており、各感圧セ
ンサからの検出結果をもとに、車室内のどの位置に乗員
が着座しているかを把握することができ、さらに感圧面
の大きさやその圧力(重さ)などから、乗員の大凡の体
格も把握することができる。
や車室内の着座位置等に応じて変化するため、このよう
な車両周辺の障害物等を検知する検知システム10以外
にも、乗員人数や車室内の着座位置を検知する乗員検知
装置20を備えている。乗員検知装置20は、各シート
の着座面に多数の感圧センサを配設しており、各感圧セ
ンサからの検出結果をもとに、車室内のどの位置に乗員
が着座しているかを把握することができ、さらに感圧面
の大きさやその圧力(重さ)などから、乗員の大凡の体
格も把握することができる。
【0018】このような各種の検出システム10及び乗
員検知装置20の検出結果は、音響再生装置30に与え
られる。
員検知装置20の検出結果は、音響再生装置30に与え
られる。
【0019】音響再生装置30は、音源記憶部31、再
生制御部32、チャンネルセレクタ33などによって構
成されている。
生制御部32、チャンネルセレクタ33などによって構
成されている。
【0020】音源記憶部31は、音像を定位させるため
の2チャンネルの音響データが記憶された音ファイル
を、音の種類や定位方向などに応じて備えている。個々
の音ファイルに記憶された2チャンネルの音響データ
は、各検知システムに対応して設定されており、例え
ば、コーナーセンサーシステム11では「ピー、ピー」
という断続的な警告音を設定し、障害物との距離が近く
なるに連れて警告音の発音間隔が短く、かつ、音量が大
きくなるような音響データが、障害物との距離とその方
向とに応じた各音ファイルに記憶されている。また、車
線逸脱検知システム12に対応して、微細な凹凸を設け
た車線上をタイヤが走行した際に発生される「ガー」と
いう音が設定しており、歩行者検知システム13に対応
して、ここでは子どものはしゃぎ声を設定している。い
ずれの音ファイルも、コーナーセンサーシステム11の
場合と同様に、それぞれの音の種類や、障害物等との距
離及びその方向に応じて異なる音響データ毎に、1つの
音ファイルが構成されている。
の2チャンネルの音響データが記憶された音ファイル
を、音の種類や定位方向などに応じて備えている。個々
の音ファイルに記憶された2チャンネルの音響データ
は、各検知システムに対応して設定されており、例え
ば、コーナーセンサーシステム11では「ピー、ピー」
という断続的な警告音を設定し、障害物との距離が近く
なるに連れて警告音の発音間隔が短く、かつ、音量が大
きくなるような音響データが、障害物との距離とその方
向とに応じた各音ファイルに記憶されている。また、車
線逸脱検知システム12に対応して、微細な凹凸を設け
た車線上をタイヤが走行した際に発生される「ガー」と
いう音が設定しており、歩行者検知システム13に対応
して、ここでは子どものはしゃぎ声を設定している。い
ずれの音ファイルも、コーナーセンサーシステム11の
場合と同様に、それぞれの音の種類や、障害物等との距
離及びその方向に応じて異なる音響データ毎に、1つの
音ファイルが構成されている。
【0021】さらに、前述したように、車室内における
各スピーカFL、FR、RL、RRと運転者との間の音
響伝達特性は、乗員人数や車室内の着座位置等に応じて
変化するため、各音ファイルは、これらに応じて変化す
る各種の音響伝達特性に応じて備えられている。
各スピーカFL、FR、RL、RRと運転者との間の音
響伝達特性は、乗員人数や車室内の着座位置等に応じて
変化するため、各音ファイルは、これらに応じて変化す
る各種の音響伝達特性に応じて備えられている。
【0022】ここで、各音ファイルに記憶された個々の
音響データについて説明する。まず、音像技術の原理を
概略的に説明すると、受聴者の左右耳元と、音源の所定
位置との間の音響特性は、音源位置を順に変えつつ、受
聴者(或いはダミーヘッド)の左右耳元に配したマイク
ロフォンによって測定することで、この間の音響伝達関
数を導き出すことができる。また、この音響伝達関数
は、音源の方向、距離などに応じて規定されるいわゆる
頭部伝達関数(HRTF:Head Related Transfer Func
tions)のモデルによって導き出すことも可能である。
音響データについて説明する。まず、音像技術の原理を
概略的に説明すると、受聴者の左右耳元と、音源の所定
位置との間の音響特性は、音源位置を順に変えつつ、受
聴者(或いはダミーヘッド)の左右耳元に配したマイク
ロフォンによって測定することで、この間の音響伝達関
数を導き出すことができる。また、この音響伝達関数
は、音源の方向、距離などに応じて規定されるいわゆる
頭部伝達関数(HRTF:Head Related Transfer Func
tions)のモデルによって導き出すことも可能である。
【0023】求められた頭部伝達関数HRTFを次のよ
うに利用する。図2に示すように、特定の仮想音源位置
Pと受聴者の右耳との間の頭部伝達関数をHRとし、こ
の仮想音源位置Pと受聴者の左耳との間の頭部伝達関数
をHLとする。所定の音源信号をそれぞれ伝達関数HR、
HLのフィルタに入力し、その出力信号を、それぞれ対
応するヘッドフォンの左右のスピーカで再生すると、ヘ
ッドフォンを介して聞いているにも関わらず、仮想音源
位置Pから音が発せられた音のように受聴者に知覚させ
ることができる。
うに利用する。図2に示すように、特定の仮想音源位置
Pと受聴者の右耳との間の頭部伝達関数をHRとし、こ
の仮想音源位置Pと受聴者の左耳との間の頭部伝達関数
をHLとする。所定の音源信号をそれぞれ伝達関数HR、
HLのフィルタに入力し、その出力信号を、それぞれ対
応するヘッドフォンの左右のスピーカで再生すると、ヘ
ッドフォンを介して聞いているにも関わらず、仮想音源
位置Pから音が発せられた音のように受聴者に知覚させ
ることができる。
【0024】また、音像を定位させるため所定位置に設
けた2つのスピーカ(ラウドスピーカ)L、Rから、受
聴者の左右耳元に向かう音響特性を示す音響伝達関数を
同様に測定し、その音響伝達関数をC11,C12,C
21、C22とする(図2参照)。ここで、音響伝達関
数C11はスピーカRと受聴者の右耳との間の音響伝達
関数、音響伝達関数C12はスピーカRと受聴者の左耳
との間の音響伝達関数、音響伝達関数C21はスピーカ
Lと受聴者の右耳との間の音響伝達関数、音響伝達関数
C22はスピーカLと受聴者の左耳との間の音響伝達関
数を、それぞれ示す。この音響伝達関数C11,C1
2,C21、C22の逆関数であるT11,T12,T
21、T22を用いることで、スピーカL、Rと、受聴
者の耳との間の空間による影響を排除することができ
る。、このような、音像を定位すべき方向に応じて設定
される頭部伝達関数HR、HLと、再生するスピーカの配
設位置に応じて設定される逆関数T11,T12,T2
1、T22とを用い、所定の音源に対して信号処理を施
すことで、所定位置に設けた2つのスピーカからの再生
音によって、仮想音源位置Pを自在に制御することがで
きる。
けた2つのスピーカ(ラウドスピーカ)L、Rから、受
聴者の左右耳元に向かう音響特性を示す音響伝達関数を
同様に測定し、その音響伝達関数をC11,C12,C
21、C22とする(図2参照)。ここで、音響伝達関
数C11はスピーカRと受聴者の右耳との間の音響伝達
関数、音響伝達関数C12はスピーカRと受聴者の左耳
との間の音響伝達関数、音響伝達関数C21はスピーカ
Lと受聴者の右耳との間の音響伝達関数、音響伝達関数
C22はスピーカLと受聴者の左耳との間の音響伝達関
数を、それぞれ示す。この音響伝達関数C11,C1
2,C21、C22の逆関数であるT11,T12,T
21、T22を用いることで、スピーカL、Rと、受聴
者の耳との間の空間による影響を排除することができ
る。、このような、音像を定位すべき方向に応じて設定
される頭部伝達関数HR、HLと、再生するスピーカの配
設位置に応じて設定される逆関数T11,T12,T2
1、T22とを用い、所定の音源に対して信号処理を施
すことで、所定位置に設けた2つのスピーカからの再生
音によって、仮想音源位置Pを自在に制御することがで
きる。
【0025】この関係を図3のブロック図に示す。この
ブロック図では、所定位置に設けた2つのスピーカL、
Rを用いて、所定の仮想音源位置Pに音像を定位させる
べく、音源信号Vに対して施すべき信号処理を示してい
る。参照番号61〜66は、図中に示した各種の伝達関
数HR、HL及び前述した逆関数T11,T12,T2
1、T22で示される音響伝達特性を有するフィルタを
それぞれ示しており、これらのフィルタ61〜66によ
って、音源信号Vを処理する信号処理装置60を構成し
ている。
ブロック図では、所定位置に設けた2つのスピーカL、
Rを用いて、所定の仮想音源位置Pに音像を定位させる
べく、音源信号Vに対して施すべき信号処理を示してい
る。参照番号61〜66は、図中に示した各種の伝達関
数HR、HL及び前述した逆関数T11,T12,T2
1、T22で示される音響伝達特性を有するフィルタを
それぞれ示しており、これらのフィルタ61〜66によ
って、音源信号Vを処理する信号処理装置60を構成し
ている。
【0026】この信号処理装置60では、音源信号Vに
対して次のような処理が施される。フィルタ61、63
を介して得られる音源信号Vと、フィルタ62、64を
介して得られる音響信号Vとの和が演算され、この演算
結果が一方のスピーカRに供給すべき音響信号WRとし
て生成される。また、フィルタ61、65を介して得ら
れる音源信号Vと、フィルタ62、66を介して得られ
る音響信号Vとの和が演算され、この演算結果が他方の
スピーカLに供給すべき音響信号WLとして生成され
る。この音源信号Vの演算は下式で示すことができる。
なお、下記式中、「*」は畳み込み演算を表す。
対して次のような処理が施される。フィルタ61、63
を介して得られる音源信号Vと、フィルタ62、64を
介して得られる音響信号Vとの和が演算され、この演算
結果が一方のスピーカRに供給すべき音響信号WRとし
て生成される。また、フィルタ61、65を介して得ら
れる音源信号Vと、フィルタ62、66を介して得られ
る音響信号Vとの和が演算され、この演算結果が他方の
スピーカLに供給すべき音響信号WLとして生成され
る。この音源信号Vの演算は下式で示すことができる。
なお、下記式中、「*」は畳み込み演算を表す。
【0027】 WR=T11*HR*V+T12*HL*V WL=T21*HR*V+T22*HL*V 上式より、1つの音源に関する音源位置に対応して、音
響信号WRと音響信号WLとで構成される2チャンネル
の音響データが規定され、1つの音ファイルは、このよ
うに規定された2チャンネルの音響データによって構成
されている。さらに、各音源位置における音ファイルを
作成する際には、音の種類、車室内の乗員配置、車両と
障害物等との間の距離等に応じ、各フィルタ61〜66
の音響伝達特性や音量等を変更した各条件下で、音源信
号Vの信号処理を行うため、同一の音源位置における音
ファイルは、音の種類、車室内の乗員配置等に応じて複
数種が存在することになる。
響信号WRと音響信号WLとで構成される2チャンネル
の音響データが規定され、1つの音ファイルは、このよ
うに規定された2チャンネルの音響データによって構成
されている。さらに、各音源位置における音ファイルを
作成する際には、音の種類、車室内の乗員配置、車両と
障害物等との間の距離等に応じ、各フィルタ61〜66
の音響伝達特性や音量等を変更した各条件下で、音源信
号Vの信号処理を行うため、同一の音源位置における音
ファイルは、音の種類、車室内の乗員配置等に応じて複
数種が存在することになる。
【0028】図3に示す実施形態では、各音源位置等に
応じて規定される2チャンネルの音響データ(音響信号
WRと音響信号WL)を、録音装置67において音響デ
ータとして録音し、個々の音ファイルを作成する手法を
採用しており、このようにして作成した各音ファイルが
音源記憶部31に保存されている。
応じて規定される2チャンネルの音響データ(音響信号
WRと音響信号WL)を、録音装置67において音響デ
ータとして録音し、個々の音ファイルを作成する手法を
採用しており、このようにして作成した各音ファイルが
音源記憶部31に保存されている。
【0029】この音響再生装置30で実施する音像定位
制御は、音像を定位させるべき方向(注意対象の存在方
向)に応じて、車載された4つのスピーカから2つのス
ピーカを選択して使用し、2つのスピーカからの再生音
によって、所定位置に音像を定位させることを特徴とし
ている。このため、検知システム10によって注意対象
が検知された方向に応じて、好適に音像を定位させ得る
スピーカとして、2つのスピーカが予め規定されてい
る。これを図4に示す。乗車した運転者の位置を中心と
し、その周囲を領域A〜領域Fの6つの領域に区画して
おり、いずれかの領域内に障害物等が検知された場合に
は、該当する領域に標記された2つのスピーカが選択さ
れる。例えば、車両前方の領域A内に障害物等が検知さ
れた場合には、右前のスピーカFRと左前のスピーカF
Lとが選択される。なお、運転者の真正面を基準位置と
して右周り(時計周り)の角度で示すと、領域Aの角度
範囲は315°〜45°程度、領域Bの角度範囲は45
°〜90°程度、領域Cの角度範囲は90°〜135°
程度、領域Dの角度範囲は135°〜225°程度、領
域Eの角度範囲は225°〜270°程度、領域Fの角
度範囲は270°〜315°程度である。
制御は、音像を定位させるべき方向(注意対象の存在方
向)に応じて、車載された4つのスピーカから2つのス
ピーカを選択して使用し、2つのスピーカからの再生音
によって、所定位置に音像を定位させることを特徴とし
ている。このため、検知システム10によって注意対象
が検知された方向に応じて、好適に音像を定位させ得る
スピーカとして、2つのスピーカが予め規定されてい
る。これを図4に示す。乗車した運転者の位置を中心と
し、その周囲を領域A〜領域Fの6つの領域に区画して
おり、いずれかの領域内に障害物等が検知された場合に
は、該当する領域に標記された2つのスピーカが選択さ
れる。例えば、車両前方の領域A内に障害物等が検知さ
れた場合には、右前のスピーカFRと左前のスピーカF
Lとが選択される。なお、運転者の真正面を基準位置と
して右周り(時計周り)の角度で示すと、領域Aの角度
範囲は315°〜45°程度、領域Bの角度範囲は45
°〜90°程度、領域Cの角度範囲は90°〜135°
程度、領域Dの角度範囲は135°〜225°程度、領
域Eの角度範囲は225°〜270°程度、領域Fの角
度範囲は270°〜315°程度である。
【0030】このように障害物等の注意対象が検知され
た領域に応じて、使用する2つのスピーカが規定されて
いるため、音源記憶部31の各音ファイルでは、該当す
るスピーカの配設位置に応じた音響伝達特性に基づいて
それぞれの音響データが作成されている。
た領域に応じて、使用する2つのスピーカが規定されて
いるため、音源記憶部31の各音ファイルでは、該当す
るスピーカの配設位置に応じた音響伝達特性に基づいて
それぞれの音響データが作成されている。
【0031】図1に戻り、音響再生装置30における再
生制御部32は、障害物等が検知された検出システム1
0の種類、障害物等の注意対象までの距離、方向などの
検出結果と、乗員検知装置20で検知された乗員配置と
に応じて、音源記憶部31から該当する音ファイルを読
み出す。そして、読み出した音ファイルに記憶された音
響データをもとに音響信号を再生し、2チャンネル(W
R、WL)の音響信号として出力する。
生制御部32は、障害物等が検知された検出システム1
0の種類、障害物等の注意対象までの距離、方向などの
検出結果と、乗員検知装置20で検知された乗員配置と
に応じて、音源記憶部31から該当する音ファイルを読
み出す。そして、読み出した音ファイルに記憶された音
響データをもとに音響信号を再生し、2チャンネル(W
R、WL)の音響信号として出力する。
【0032】先の図4に示したように、車載されたスピ
ーカFL、FR、RL、RRのうち、注意対象の存在位
置に応じて2つのスピーカが選択的に用いられる。そこ
でチャンネルセレクタ33は、検知システム10の検知
結果をもとに、再生制御部32から出力される2チャン
ネルの音響信号WR、WLの出力先を切り換え、選択さ
れたスピーカに対して音響信号をそれぞれ供給する。具
体的には、再生制御部32から出力される一方の音響信
号WRを、右前のスピーカFRと右後のスピーカRRの
いずれかに出力先を切り換え、他方の音響信号WLを、
左前のスピーカFLと左後のスピーカRLのいずれかに
出力先を切り換える。
ーカFL、FR、RL、RRのうち、注意対象の存在位
置に応じて2つのスピーカが選択的に用いられる。そこ
でチャンネルセレクタ33は、検知システム10の検知
結果をもとに、再生制御部32から出力される2チャン
ネルの音響信号WR、WLの出力先を切り換え、選択さ
れたスピーカに対して音響信号をそれぞれ供給する。具
体的には、再生制御部32から出力される一方の音響信
号WRを、右前のスピーカFRと右後のスピーカRRの
いずれかに出力先を切り換え、他方の音響信号WLを、
左前のスピーカFLと左後のスピーカRLのいずれかに
出力先を切り換える。
【0033】チャンネルセレクタ33からの出力信号
は、ミキサー50において、ラジオ、MD、CDなどで
構成されるオーディオヘッドユニット40からの出力信
号に重畳して、各スピーカFL、FR、RL、RRに供
給される。なお、ミキサー50では、オーディオヘッド
ユニット40からの出力信号を遮断し、或いは音量を抑
制して、音響信号WR、WLと重畳させても良い。
は、ミキサー50において、ラジオ、MD、CDなどで
構成されるオーディオヘッドユニット40からの出力信
号に重畳して、各スピーカFL、FR、RL、RRに供
給される。なお、ミキサー50では、オーディオヘッド
ユニット40からの出力信号を遮断し、或いは音量を抑
制して、音響信号WR、WLと重畳させても良い。
【0034】従来から知られている4スピーカによる音
像定位システムでは、受聴者となる運転者の右耳に対し
て大きな影響を与えるスピーカが、車室内右側の前後に
2つ存在し、また運転者の左耳に対して大きな影響を与
えるスピーカが、車室内左側の前後に2つ存在し、合計
4つのスピーカから同時に音を出力して音像を定位させ
るため、音像定位制御における制御スポットが狭くなっ
てしまう。
像定位システムでは、受聴者となる運転者の右耳に対し
て大きな影響を与えるスピーカが、車室内右側の前後に
2つ存在し、また運転者の左耳に対して大きな影響を与
えるスピーカが、車室内左側の前後に2つ存在し、合計
4つのスピーカから同時に音を出力して音像を定位させ
るため、音像定位制御における制御スポットが狭くなっ
てしまう。
【0035】これに対し、本実施形態で示した車載警報
装置では、基本的には次のような制御手法を採用する。
すなわち、運転者を通り運転者の前後方向に沿った縦軸
と、運転者の左右の耳位置を通る横軸とを基準として、
図7に示すように4つの領域1、2、3、4を想定し、
各領域1〜4にスピーカFL、FR、RL、RRをそれ
ぞれ配設する。そして、運転者の右耳に対して大きな影
響を与えるスピーカとして、運転者の右耳位置より前方
に位置する領域1に配設されたスピーカFRと、右耳位
置より後方に位置する領域2に配設されたスピーカRR
とから、定位位置に応じた好適な1つのスピーカを選択
する。また、運転者の左耳に対して大きな影響を与える
スピーカとして、運転者の左耳位置より前方に位置する
領域4に配設されたスピーカFLと、左耳位置より後方
に位置する領域3に配設されたスピーカRLとから、定
位位置に応じた好適な1つのスピーカを選択する。そし
て、これら右側と左側でそれぞれ選択された2つのスピ
ーカによって音像を定位させる。
装置では、基本的には次のような制御手法を採用する。
すなわち、運転者を通り運転者の前後方向に沿った縦軸
と、運転者の左右の耳位置を通る横軸とを基準として、
図7に示すように4つの領域1、2、3、4を想定し、
各領域1〜4にスピーカFL、FR、RL、RRをそれ
ぞれ配設する。そして、運転者の右耳に対して大きな影
響を与えるスピーカとして、運転者の右耳位置より前方
に位置する領域1に配設されたスピーカFRと、右耳位
置より後方に位置する領域2に配設されたスピーカRR
とから、定位位置に応じた好適な1つのスピーカを選択
する。また、運転者の左耳に対して大きな影響を与える
スピーカとして、運転者の左耳位置より前方に位置する
領域4に配設されたスピーカFLと、左耳位置より後方
に位置する領域3に配設されたスピーカRLとから、定
位位置に応じた好適な1つのスピーカを選択する。そし
て、これら右側と左側でそれぞれ選択された2つのスピ
ーカによって音像を定位させる。
【0036】このように左右の2つのスピーカによって
音像を定位させることにより、4つのスピーカから同時
に出力する音像定位システムに比べて制御スポットが広
がり、運転者の頭部位置(左右の耳位置)が変動した場
合にも、その影響を受け難く、仮想音源の定位感を向上
させることができる。
音像を定位させることにより、4つのスピーカから同時
に出力する音像定位システムに比べて制御スポットが広
がり、運転者の頭部位置(左右の耳位置)が変動した場
合にも、その影響を受け難く、仮想音源の定位感を向上
させることができる。
【0037】このように車室内に4つのスピーカを配設
した場合に限定するものではなく、5つ以上のスピーカ
が搭載されている場合にも、同様に実施することができ
る。この場合、図7で示した4つのスピーカFL、F
R、RL、RR以外となる、5番目以降のスピーカは、
前述した領域1〜4のいずれかに配設されることになる
ため、実質的に同様の音像定位制御となり、この場合、
音響再生装置30側において、選択され得るスピーカの
配設位置に応じた音ファイルを作成しておけばよい。
した場合に限定するものではなく、5つ以上のスピーカ
が搭載されている場合にも、同様に実施することができ
る。この場合、図7で示した4つのスピーカFL、F
R、RL、RR以外となる、5番目以降のスピーカは、
前述した領域1〜4のいずれかに配設されることになる
ため、実質的に同様の音像定位制御となり、この場合、
音響再生装置30側において、選択され得るスピーカの
配設位置に応じた音ファイルを作成しておけばよい。
【0038】さらに、このように車室内に4つ以上のス
ピーカを配設する場合以外にも、図6に一例を示すよう
に、車室内に3つのスピーカFL、FR、Rが搭載され
ている場合にも適用可能である。この場合、前述した4
つの領域1〜4にそれぞれスピーカが配設された場合に
おける音像定位制御が、簡易的に実施される。例えば、
乗車した運転者の位置を中心とし、その周囲を領域K、
L、Mの3つの領域に区画し、いずれかの領域内に障害
物等が検知された場合には、該当する領域に標記された
2つのスピーカを選択する。この場合、音響再生装置3
0側でも、このスピーカFL、FR、Rの配置に応じた
音ファイルを作成して音源記憶部31に保存しておく。
一例として、車両の左側方の領域M内に障害物等が検知
された場合には、左前のスピーカFLと後方のスピーカ
Rとを選択すると共に、音源記憶部31から該当する音
ファイルを読み出し、スピーカFL、Rによって音響信
号を再生する。
ピーカを配設する場合以外にも、図6に一例を示すよう
に、車室内に3つのスピーカFL、FR、Rが搭載され
ている場合にも適用可能である。この場合、前述した4
つの領域1〜4にそれぞれスピーカが配設された場合に
おける音像定位制御が、簡易的に実施される。例えば、
乗車した運転者の位置を中心とし、その周囲を領域K、
L、Mの3つの領域に区画し、いずれかの領域内に障害
物等が検知された場合には、該当する領域に標記された
2つのスピーカを選択する。この場合、音響再生装置3
0側でも、このスピーカFL、FR、Rの配置に応じた
音ファイルを作成して音源記憶部31に保存しておく。
一例として、車両の左側方の領域M内に障害物等が検知
された場合には、左前のスピーカFLと後方のスピーカ
Rとを選択すると共に、音源記憶部31から該当する音
ファイルを読み出し、スピーカFL、Rによって音響信
号を再生する。
【0039】前述した実施形態では、車載されたスピー
カFL、FR、RL、RRのうち、注意対象の存在位置
に応じて2つのスピーカを選択する例を、図4のマップ
で例示したが、この例に限定するものではない。例え
ば、図5に従って音像定位に用いるスピーカを選択して
も良い。図5では、乗車した運転者の位置を中心とし、
その周囲を領域G〜領域Jの4つの領域に区画してお
り、いずれかの領域内に障害物等が検知された場合に
は、該当する領域に標記された2つのスピーカが選択さ
れる。各領域の角度範囲は、運転者の真正面を基準位置
として右周り(時計周り)の角度で示すと、領域Gは、
運転者の真正面を含む315°〜45°程度、領域Hは
45°〜135°程度、領域Iは135°〜225°程
度、領域Jは225°〜315°程度である。
カFL、FR、RL、RRのうち、注意対象の存在位置
に応じて2つのスピーカを選択する例を、図4のマップ
で例示したが、この例に限定するものではない。例え
ば、図5に従って音像定位に用いるスピーカを選択して
も良い。図5では、乗車した運転者の位置を中心とし、
その周囲を領域G〜領域Jの4つの領域に区画してお
り、いずれかの領域内に障害物等が検知された場合に
は、該当する領域に標記された2つのスピーカが選択さ
れる。各領域の角度範囲は、運転者の真正面を基準位置
として右周り(時計周り)の角度で示すと、領域Gは、
運転者の真正面を含む315°〜45°程度、領域Hは
45°〜135°程度、領域Iは135°〜225°程
度、領域Jは225°〜315°程度である。
【0040】また、車両の形状によっては、領域Hにス
ピーカFR+スピーカRRとを対応させ、領域Jにスピ
ーカFL+スピーカRLとを対応させる方が音像を定位
し易い場合もあるため、その車両における定位度合いに
応じてスピーカをの組み合わせを変更することにより、
より好適な音像定位制御を実施することができる。
ピーカFR+スピーカRRとを対応させ、領域Jにスピ
ーカFL+スピーカRLとを対応させる方が音像を定位
し易い場合もあるため、その車両における定位度合いに
応じてスピーカをの組み合わせを変更することにより、
より好適な音像定位制御を実施することができる。
【0041】以上説明した実施形態では、音像を定位さ
せる方向などに応じた音響データを予め録音して、音源
記憶部31に備える構成を例示しており、これにより、
車載する演算装置の負担を軽減することができるが、こ
の例に限定するものではない。例えば、図3に示した信
号処理装置60によって、注意対象の方向と、再生に使
用するスピーカの位置とに応じて、各フィルタ61〜6
6の音響伝達特性を設定し、該当する音源信号Vに対し
てリアルタイムで信号処理を施して、2チャンネルの音
響信号を出力する構成とすることもできる。
せる方向などに応じた音響データを予め録音して、音源
記憶部31に備える構成を例示しており、これにより、
車載する演算装置の負担を軽減することができるが、こ
の例に限定するものではない。例えば、図3に示した信
号処理装置60によって、注意対象の方向と、再生に使
用するスピーカの位置とに応じて、各フィルタ61〜6
6の音響伝達特性を設定し、該当する音源信号Vに対し
てリアルタイムで信号処理を施して、2チャンネルの音
響信号を出力する構成とすることもできる。
【0042】また、乗員に変化があると車室内の音響伝
達特性が変化するが、車両に標準で搭載されるスピーカ
は、通常、ドアー内側やラッゲージトレーなどに装着さ
れる場合が多く、この乗員変化による影響を受け易い。
したがって、乗員検知装置20によって乗員変化を検知
することで、運転者以外の乗員の有無や着座位置等を考
慮した音響伝達特性を把握することができるため、乗員
に変化があった場合にも、常に適切な音像定位制御を実
施することができる。
達特性が変化するが、車両に標準で搭載されるスピーカ
は、通常、ドアー内側やラッゲージトレーなどに装着さ
れる場合が多く、この乗員変化による影響を受け易い。
したがって、乗員検知装置20によって乗員変化を検知
することで、運転者以外の乗員の有無や着座位置等を考
慮した音響伝達特性を把握することができるため、乗員
に変化があった場合にも、常に適切な音像定位制御を実
施することができる。
【0043】さらに、運転者の注意を促すべき注意対象
を検知する機構としても、この他にも、車載したナビゲ
ーション装置や路車間通信等を用い、これらから得られ
た道路形態や設置位置等の地理的情報、或いは交通情報
等の案内に際し、その案内対象を注意対象として、前述
した音像定位制御を実施することも可能である。
を検知する機構としても、この他にも、車載したナビゲ
ーション装置や路車間通信等を用い、これらから得られ
た道路形態や設置位置等の地理的情報、或いは交通情報
等の案内に際し、その案内対象を注意対象として、前述
した音像定位制御を実施することも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
車載警報装置によれば、注意対象の存在方向に対応し
て、音像を定位させる2チャンネルの音響信号を生成
し、かつ、車載された3つ以上のスピーカから2つのス
ピーカを選択し、各スピーカに対して対応するチャンネ
ルの音響信号をそれぞれ出力する音響再生手段を備える
構成を採用した。これにより、音像を定位させる制御ス
ポットが広がり、運転者の頭部位置(左右の耳位置)が
変化した場合にも、その影響を受け難く、仮想音源の定
位感を向上させることができる。
車載警報装置によれば、注意対象の存在方向に対応し
て、音像を定位させる2チャンネルの音響信号を生成
し、かつ、車載された3つ以上のスピーカから2つのス
ピーカを選択し、各スピーカに対して対応するチャンネ
ルの音響信号をそれぞれ出力する音響再生手段を備える
構成を採用した。これにより、音像を定位させる制御ス
ポットが広がり、運転者の頭部位置(左右の耳位置)が
変化した場合にも、その影響を受け難く、仮想音源の定
位感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかる車載警報装置の全体的な構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図2】仮想音源位置と受聴者との間の音響伝達関数
と、スピーカと受聴者との間における音響伝達関数の逆
特性を有する音響伝達関数を示す、説明図である。
と、スピーカと受聴者との間における音響伝達関数の逆
特性を有する音響伝達関数を示す、説明図である。
【図3】音源信号Vを処理する信号処理装置の構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図4】注意対象が検知された方向と、音像定位制御に
用いられるスピーカとの関係を示す説明図である。
用いられるスピーカとの関係を示す説明図である。
【図5】図4の他の実施形態を示し、注意対象が検知さ
れた方向と、音像定位制御に用いられるスピーカとの関
係を示す説明図である。
れた方向と、音像定位制御に用いられるスピーカとの関
係を示す説明図である。
【図6】車両に3つのスピーカが搭載された場合におけ
る、注意対象が検知された方向と、音像定位制御に用い
られるスピーカとの関係を示す説明図である。
る、注意対象が検知された方向と、音像定位制御に用い
られるスピーカとの関係を示す説明図である。
【図7】運転者の位置を基準としたスピーカの配設領域
を示す説明図である。
を示す説明図である。
FL、FR、RL、RR、R…スピーカ 10…検知システム、11…コーナーセンサシステム 12…車線逸脱検知システム、13…歩行者検知システ
ム 20…乗員検知装置、30…音響再生装置、31…音源
記憶部 32…再生制御部、33…チャンネルセレクタ 40…オーディオヘッドユニット、50…ミキサー 60…信号処理装置、61〜66…フィルタ、67…録
音装置
ム 20…乗員検知装置、30…音響再生装置、31…音源
記憶部 32…再生制御部、33…チャンネルセレクタ 40…オーディオヘッドユニット、50…ミキサー 60…信号処理装置、61〜66…フィルタ、67…録
音装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 21/00 624 B60R 21/00 624F 628 628B 628C G10K 15/04 302 G10K 15/04 302F H04R 5/02 H04R 5/02 F H04S 1/00 H04S 1/00 K // G08G 1/16 G08G 1/16 C (72)発明者 半場 道男 兵庫県神戸市須磨区白川台6−4−44 尾 崎ビル3階 株式会社リデック内 Fターム(参考) 5D011 AA12 AA14 5D062 AA65 5D108 CA03 CA07 CA11 CA30 5H180 AA01 CC04 CC11 LL07
Claims (3)
- 【請求項1】 車載されたスピーカによって所定の方向
に音像を定位させる車載警報装置であって、 運転者の注意を促すべき注意対象の存在方向を検知する
対象検知手段と、 音像を定位させる2チャンネルの音響信号を、前記対象
検知手段の検知結果から得られる前記注意対象の存在方
向に対応して生成すると共に、前記注意対象の存在方向
に音像を定位させるスピーカとして、車載された3つ以
上のスピーカから2つのスピーカを選択し、前記2チャ
ンネルの音響信号のうちの相異なるチャンネルの音響信
号を、選択した各スピーカに対してそれぞれ出力する音
響再生手段とを備える車載警報装置。 - 【請求項2】 車室内の乗員配置を検知する乗員検知手
段をさらに備えており、 前記音響再生手段は、前記乗員検知手段の検知結果をも
とに、乗員配置に応じて変化する車室内の音響伝達特性
に応じた前記2チャンネルの音響信号を再生する請求項
1記載の車載警報装置。 - 【請求項3】 前記音響再生手段は、 前記注意対象の各存在方向と車室内の音響伝達特性とに
対応した、2チャンネルの音響データを予め記憶した記
憶手段と、 前記対象検知手段及び乗員検知手段の検知結果に応じ
て、前記記憶手段に記憶された前記2チャンネルの音響
データを読み出し、前記2チャンネルの音響信号として
再生する再生手段とを備える請求項2記載の車載警報装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000329446A JP2002127854A (ja) | 2000-10-27 | 2000-10-27 | 車載警報装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000329446A JP2002127854A (ja) | 2000-10-27 | 2000-10-27 | 車載警報装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002127854A true JP2002127854A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18806112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000329446A Pending JP2002127854A (ja) | 2000-10-27 | 2000-10-27 | 車載警報装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002127854A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006005868A (ja) * | 2004-06-21 | 2006-01-05 | Denso Corp | 車両用報知音出力装置及びプログラム |
JP2007006117A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Pioneer Electronic Corp | 報知制御装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、移動支援装置 |
WO2010013806A1 (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-04 | 本田技研工業株式会社 | 車両用情報報知装置 |
JP2010261886A (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Mitsubishi Electric Corp | 音声誘導装置 |
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JP2017147702A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | 学校法人 中央大学 | 音場制御装置、音場制御システム及び音場制御方法 |
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WO2022145286A1 (ja) * | 2021-01-04 | 2022-07-07 | ソニーグループ株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、移動装置、及び、情報処理システム |
-
2000
- 2000-10-27 JP JP2000329446A patent/JP2002127854A/ja active Pending
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