JP2002127032A - インパクト回転工具 - Google Patents

インパクト回転工具

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JP2002127032A
JP2002127032A JP2000326479A JP2000326479A JP2002127032A JP 2002127032 A JP2002127032 A JP 2002127032A JP 2000326479 A JP2000326479 A JP 2000326479A JP 2000326479 A JP2000326479 A JP 2000326479A JP 2002127032 A JP2002127032 A JP 2002127032A
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rotary tool
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difference
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Withdrawn
Application number
JP2000326479A
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English (en)
Inventor
Masayuki Amano
昌幸 天野
稔 ▲吉▼田
Minoru Yoshida
Toshihiro Hosokawa
智弘 細川
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度の悪い検出手段を用いたり、操作者の任
意の速度指令があっても、打撃の発生を正確に推定で
き、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工具
を提供する。 【解決手段】 モータの回転速度に反比例する幅を持つ
パルスを発生する回転角検出手段たる周波数ジェネレー
タ6と、そのパルスの幅を複数個足した第1の総パルス
幅を求める一方、前記複数個に整数倍して得られた個数
分だけ、前記パルスの幅を足した第2の総パルス幅を求
め、それら第1と第2の総パルス幅の差である速度変動
量を求めると共に、その速度変動量を、任意の個数分だ
け移動する数の相違により2つ求め、それら速度変動量
の差によって速度変動量を求めて、その速度変動量
が、任意に定められる閾値を越えたときに、打撃の発生
を推定する打撃推定部11とを設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルトやナット等
の締付作業及び、弛緩作業に用いるインパクトレンチや
インパクトドライバ等のインパクト回転工具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インパクト回転工具は、モータの回転を
ハンマの打撃に変換し、その強い衝撃力で締付作業や弛
緩作業を行う工具であり、減速機のみを用いた回転工具
に比べて、高いトルクが得られ作業性が向上することか
ら、建築現場や組立工場等で幅広く使用されている。と
ころが、このインパクト回転工具は、その高トルク特性
のために締め過ぎが生じて、対象物を破損せしめること
がある一方、作業者がかかる事態を恐れて緩めに締めて
しまうと、締付トルクが不足して、対象物を所望の通り
に固定できなかったりする問題点が生じていた。
【0003】そのため、インパクト回転工具にあって
は、適度な締付を行うために、その締付トルクを推定す
る必要があり、本願の発明者らは、特願平11-166024号
公報において、モータの回転速度と、打撃間のモータの
回転量から締付トルクを推定する方法を提案している。
この方法は、一打撃毎の運動エネルギーの収支から導き
出したものであり、締付で消費されたエネルギーと、ハ
ンマの打撃により出力軸に設けたアンビルに与えられた
エネルギーとが略等しいという関係から、締付トルクを
推定する方法である。
【0004】より具体的には、図10に示すように、イ
ンパクト回転工具の出力軸の回転角θと締付トルクT
は、T=τ(θ)の非線形関数で表され、当該非線形関
数τを、回転角θで積分した値が、締付で消費されたエ
ネルギーとなる一方、当該出力軸の回転速度ωの2乗の
値から、アンビルの慣性モーメントJaを乗じて求めた
値の半分の値が、ハンマの打撃によりアンビルに与えら
れたエネルギーとなるので、かかる2つのエネルギーを
等価と置くことで、推定締付トルクを求めることができ
るのである。
【0005】例えば、図10において、ハンマによる打
撃が、夫々回転角θ1、θ2…、θnで発生したとする
と、(1)式に示すように、非線形関数τを区間[θn
θn+1]で積分して求められるエネルギーEnを、打撃間
回転角φn(=θn+1−θn)で除した値が、区間[θn
θn+1]における平均トルクTnaとなる。
【数1】
【0006】一方、(2)式に示すように、打撃発生時
点θnにおける回転速度ωnの2乗の値から、アンビルの
慣性モーメントJaを乗じて求めた値の半分の値が、打
撃発生時点θnで発生したハンマの打撃によりアンビル
に与えられたエネルギーEniとなる。
【数2】
【0007】ここで、エネルギーEnとエネルギーEni
は等価であるから、(1)式に(2)式を代入して整理
し、平均トルクTnaを推定締付トルクTnhと呼ぶことに
すると、(3)式に示すようになり、この推定締付トル
クTnhを、設定トルクT*以上になったときに、モータ
の駆動を停止させることにより、対象物が破損したり、
締付トルクTが不足することなく、最適な締付トルクT
を発生させるインパクト回転工具を提供することができ
るのである。
【数3】
【0008】ところが、従来のインパクト回転工具にあ
っては、打撃をマイクによって検出していたため、モー
タや減速機の振動音によって打撃を誤検出して、過度の
締付トルクTによる対象物の破損を来したり、軟質材料
に締付するような場合には打撃音が小さく、締付不足を
生じたりするという問題点があった。
【0009】すなわち、図10よりも明らかなように、
打撃発生時点θ2で打撃が検出できなかった場合には、
打撃間回転角φnが、θ3−θ2ではなく、θ3−θ1とな
って大きな値となり、推定締付トルクTnhの大きさは、
打撃間回転角φnの大きさに反比例するから、推定締付
トルクTnhの値は小さくなって、締付不足を生じること
となる。一方、振動音等によって打撃を誤検出した場合
には、実際には生じていない打撃を推定したことになる
ので、打撃間回転角φnが小さな値となり、それに伴っ
て、推定締付トルクTnhの値は大きくなって、対象物の
破損を来すことになるのである。
【0010】このように、打撃の検出には高い信頼性が
要求されることとなるので、本願の発明者らは、打撃に
よる速度変化を検出して、打撃判定を行う方法を提案し
ている。この方法は、モータに備えられた周波数ジェネ
レータから出力される、出力軸の回転速度に比例した周
波数信号を、パルス状にしてマイコンのカウンタに入力
し、前後のパルス幅の差分が閾値を超えた場合に、打撃
が発生したと推定するものであり、打撃を略正確に推定
できるので、略最適な締付トルクTを発生させるインパ
クト回転工具を提供することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような1回差分をとる方法にあっては、打撃の推定精度
を向上させるためには、微妙な速度変化も検出できる高
価な高速カウンタが必要である。その一方で、推定精度
がやや低くなっても、廉価なインパクト回転工具を提供
すべく、精度の悪い磁気式エンコーダを使用すると、速
度制御のためのPWMからのノイズによって、パルス幅
が不規則に変化して打撃の発生を誤って推定するという
問題点があった。また、出力軸の回転速度は、操作者の
任意の速度指令に伴って変化するので、その速度変化に
よっても、打撃を誤って推定する場合があるという問題
点があった。
【0012】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであり、その目的とするところは、精度の悪い検出
手段を用いたり、操作者の任意の速度指令があっても、
打撃の発生を正確に推定でき、最適な締付トルクを発生
させるインパクト回転工具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にあ
っては、モータの回転速度に反比例する幅を持つパルス
を発生する回転角検出手段と、前記パルスの幅を複数個
足した第1の総パルス幅を求める一方、前記複数個に整
数倍して得られた個数分だけ、前記パルスの幅を足した
第2の総パルス幅を求め、それら第1と第2の総パルス
幅の差である変位変動量を求めると共に、その変位変動
量を、任意の個数分だけ移動する数の相違により2つ求
め、それら変位変動量の差によって速度変動量を求め
て、その速度変動量が、任意に定められる閾値を越えた
ときに、打撃の発生を推定する打撃推定部とを設けたこ
とを特徴とするものである。
【0014】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載のインパクト回転工具に対し、前記総パルス幅に、
任意の補正係数を乗じて得た値を、前記閾値とする閾値
補正部を設けたことを特徴とするものである。
【0015】請求項3記載の発明にあっては、モータの
回転速度に反比例する幅を持つパルスを発生する回転角
検出手段と、前記パルスの幅を複数個移動平均した平均
パルス幅を、移動する数の相違により2つ求め、それら
平均パルス幅の差である変位変動量を求めると共に、そ
の変位変動量を、任意の個数分だけ移動する数の相違に
より2つ求め、それら変位変動量の差によって速度変動
量を求めて、その速度変動量が、任意に定められる閾値
を越えたときに、打撃の発生を推定する打撃推定部とを
設けたことを特徴とするものである。
【0016】請求項4記載の発明にあっては、請求項3
記載のインパクト回転工具に対し、前記平均パルス幅
に、任意の補正係数を乗じて得た値を、前記閾値とする
閾値補正部を設けたことを特徴とするものである。
【0017】請求項5記載の発明にあっては、請求項1
乃至4何れか記載のインパクト回転工具に対し、前記打
撃推定部は、大小の閾値で構成される一定の閾値幅を超
える速度変動量が発生したときに、打撃の発生を推定す
ることを特徴とするものである。
【0018】請求項6記載の発明にあっては、請求項1
乃至請求項5何れか記載のインパクト回転工具に対し、
打撃の発生を推定したときの角度と、前回打撃の発生を
推定したときの角度との差である打撃間回転角が、前々
回以前に発生した打撃間角度の平均である過去の打撃間
回転角と、任意に定められる一定角度との和からなる角
度と比べて、大きな値を示したときは、前記打撃間回転
角の半分の値を、真の打撃間回転角とみなす打撃補正部
を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、第1
の実施形態に係るインパクト回転工具について、当該工
具のブロック図を示す図1及び、その動作を示すフロー
チャートである図2に基づいて詳細に説明する。まず始
めに、当該工具の構成であるが、図1の右方に示すよう
に、駆動手段たるモータ1と、モータ1の回転を所定の
減速比で減速する伝達機構たる減速機2と、モータ1の
回転が減速機2を介して伝達されるハンマ3と、ハンマ
3によって打撃されるアンビル4と、その打撃によって
回転力が衝撃的に印加される出力軸5とを備えている。
【0020】尚、ハンマ3の打撃は、ハンマ3とアンビ
ル4間に所定値以上の力が加わり、アンビル4に対して
ハンマ3が一定以上回動したときに発生するようになっ
ている。また、当該工具は、モータ1に備えられ、モー
タ1の回転数に比例した周波数信号を発生する、回転角
検出手段としての周波数ジェネレータ6と、周波数ジェ
ネレータ6が発生した周波数信号を波形整形し、出力軸
5の回転角に応じたパルス数のパルス信号を出力する波
形整形回路7と、最適な締付トルクを発生させるインパ
クトドライバ制御部8とを備えている。
【0021】1チップマイコン等からなるインパクトド
ライバ制御部8は、波形整形回路7と接続され、当該回
路7から入力されるパルス信号がLowからHighへ
と変化するか、HighからLowへと変化したときに
割り込みを発生させて、その変化をカウントするカウン
タ9と、(4)式に示すように、前後2つのカウンタ値
の差から求められるパルス幅w[k]を、K個足した総パ
ルス幅wsaから、割り込み間隔にKを乗じて得た値を除
すことにより、出力軸5の回転速度を算出する速度検出
部10と、カウンタ9の複数のカウント間隔(パルス
幅)より速度変動を捉えることによって、打撃を推定す
る打撃推定部11とを備えている。
【数4】
【0022】より具体的には、(5)式に示すように、
Kに任意の整数ゲインGを乗じて得たL個足した他の総
パルス幅wsbを求め、(6)式に示すように、wsaをG
倍した得た値から、wsbを減じて求めた総パルス幅の差
を変位変動量x[k]とし、(7)式に示すように、その
変位変動量x[k]から、M個移動した値を減じて求めた
変位変動量の差である速度変動量y[k]は、一種のディ
ジタルフィルタの役目を果たして、速度制御のためのP
WM等からのノイズや、操作者の任意の速度指令の影響
を回避することができるので、外乱の影響を受けること
なく、正確な速度変動を捉えることが出来るのである。
尚、(7)式に示すMは、例えば、モータが一回転する
ことによって発生する総パルス数、つまり一回転前の値
を得られるように決められる。
【数5】
【数6】
【数7】
【0023】すなわち、従来のインパクト回転工具にあ
っては、1回差分を取る(前後のパルス幅の差を求め
る)ことによって速度変動を捉えていたため、図3
(a)に示すように、波形がLow(High)になる
ときにノイズが重畳されると、パルス幅に変動を来すこ
ととなって、正しい速度変動を捉えることが出来ない。
然るに、本実施形態にあっては、たとえ上記のようなノ
イズが重畳されても、図3(b)に示すように、次のパ
ルス幅を計測するときにノイズ分が相殺されるため、P
WMに起因するノイズや、精度の悪い検出手段を用いる
ことによるノイズ等が印加したり、操作者の任意の速度
指令があっても、正しい速度変動を捉えられることとな
り、打撃の発生を略正確に推定することができる。
【0024】また、インパクトドライバ制御部8は、打
撃推定部11が打撃の発生を推定することにより割り込
みがかかり、カウンタ9のカウント値より打撃推定部1
1が前回打撃の発生を推定してから、次に打撃の発生を
推定するまでの間の、出力軸の回転角を算出する打撃間
回転角算出部12と、アンビル4が打撃された時点で速
度検出部10が検出した出力軸5の回転速度と、打撃間
回転角算出部12で算出される打撃間回転角とから、上
記の(3)式に基づいて締付トルクTを推定するトルク
推定部13とを備えると共に、可変抵抗器等によって設
定される設定トルクT*を入力するためのA/D変換部
14と、駆動信号を出力するI/O部15とを備えてい
る。
【0025】ここで、上述の設定トルクT*は、A/D
変換部14を介してトルク推定部13へ入力され、当該
推定部13では、推定締付トルクTnhが設定トルクT*
以上となったときに、I/O部15を介してモータ制御
部16へ、モータ1を停止させる旨の駆動停止指令を出
力するようになっている。また、モータ制御部16は、
操作部(図示せず)から入力される速度指令(トリガ)
*に応じて、例えば、PWM制御によりモータ1を回
転させると共に、トルク推定部13から出力される駆動
停止指令に応じて、モータ1の回転を停止させるように
なっている。
【0026】次に、本実施形態のインパクト回転工具の
動作であるが、図2に示すように、カウンタ9で割り込
みが発生すること、すなわち、パルスの立ち上がり若し
くは立下りが発生すると(ステップS1)、上述したよ
うに、アンビル4に対してハンマ3が一定以上回動した
ときに打撃が発生するので、打撃推定部11は、カウン
タ値nが最小の打撃間回転角φminに相当するカウンタ
値nminよりも大きいかどうか判断し(ステップS
2)、カウンタ値nの方が大きければ、打撃が発生して
いる可能性が高いので、上記の(7)式に基づいて速度
変動量yを計算させ(ステップS3)、その速度変動量
yが任意に設定される閾値Thよりも大きいかどうか判
断する(ステップS4)。
【0027】その結果、速度変動量yが閾値Thよりも
大きければ、打撃が発生したと推定して、打撃間回転角
算出部12に対して割り込みをかけ、打撃間回転角算出
部12では、カウンタ9のカウント値より、打撃間回転
角φnを求めて保存し、カウンタ9のカウントをクリア
させ(ステップS5a)、保存した打撃間回転角φn
トルク推定部13へ出力する。トルク推定部13では、
速度検出部10から出力された打撃発生時点θnにおけ
る回転速度ωnと、打撃間回転角算出部12から出力さ
れた打撃間回転角φnとから、上記の(3)式に基づい
て、推定締付トルクTnhを算出し(ステップS6)、割
り込み処理を終了する(ステップS7)。
【0028】一方、ステップS2において、カウンタ値
nの方が小さい場合は、打撃が発生していないので、カ
ウント値を1つ増加させて(ステップS5b)、割り込
み処理を終了するようになっている(ステップS7)。
尚、ステップS6において、推定された締付トルクT
が、設定トルクT*よりも大きい場合には、上述したよ
うに、モータ1の回転を停止させる一方、設定トルクT
*よりも小さい場合には、図2に示す動作を繰り返すこ
ととなる。
【0029】このように、本実施形態のインパクト回転
工具にあっては、従来のように、1回差分によって速度
変動を捉えているのではなく、総パルス幅の差によっ
て、速度変動を捉えているので、精度の悪い検出手段を
用いても、ノイズ耐性があると共に、操作者の任意の速
度指令に影響されずに、正しい速度変動を捉えることが
でき、それに伴って、打撃の発生を略正確に推定できる
ので、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工
具を提供することができる。
【0030】[第2の実施の形態]ところが、パルス幅
は出力軸の回転速度に反比例するので、高速時と低速時
とでは、打撃判定のためのパルス幅変化量が異なり、固
定の閾値では、打撃の発生を推定できるモータの速度域
が狭くなるという問題点があった。そこで、本願の発明
者らは、総パルス幅Wsから閾値Thを変更することに
より、かかる問題点を解決したインパクト回転工具を提
案している。
【0031】具体的には、図4に示すように、カウンタ
9と打撃推定部11との間に、総パルス幅Ws(回転速
度)から、その速度域に適した閾値Thを求める閾値補
正部17を設け、図2のステップS3の前に、図5に示
す、閾値補正の処理を行うようにする。すなわち、図5
に示すように、(4)式に基づいて総パルス幅wsaを求
め(ステップF1)、その総パルス幅wsaに任意の補正
係数aを乗じて求めた値を閾値Thとする(ステップF
2)。そして、その閾値Thが、任意に設定される最小
の閾値Thmin以上ならば(ステップF3)、補正を終
了する一方、最小の閾値Thmin以下の場合は、最小の
閾値Thminを閾値Thとして設定し(ステップF
4)、補正を終了するようにしている。
【0032】このようにすることで、回転速度が高いと
きは、総パルス幅wsaは小さくなるので、閾値Thも小
さく設定できる一方、回転速度が低いときは、総パルス
幅w saは大きくなるので、閾値Thも大きく設定するこ
とができる。すなわち、回転速度に反比例して、閾値の
大きさを設定することができるので、打撃の発生を推定
できる速度域を大きく確保したインパクト回転工具を提
供することができる。尚、その他の構成及び動作につい
ては、第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略
することとする。
【0033】[第3の実施の形態]上述の実施形態にお
けるインパクト回転工具にあっては、総パルス幅の差に
よって速度変動を捉え、当該総パルス幅によって閾値の
補正を行って、打撃の推定を行うことで、打撃の発生を
推定できる速度域を大きく確保し、最適な締付トルクを
発生させるインパクト回転工具を提供することができた
が、本願の発明者らは、同様の効果を発揮できる別の実
施形態として、パルス幅の移動平均を用いたインパクト
回転工具も提案している。以下、図1及び図4に基づ
き、本実施形態の特徴となる部分について説明すること
とする。
【0034】本実施形態の速度検出部10は、(8)に
示すように、パルス幅w[k]をK個移動平均して求めた
平均パルス幅waaの逆数より、出力軸5の平均回転速度
を算出する。
【数8】
【0035】また、打撃推定部11は、(9)式に示す
ように、Kに任意の整数ゲインGを乗じて得たL個移動
平均して求めた平均パルス幅wabを求め、(10)式に
示すように、waaからwabを減じて求めた平均パルス幅
の差を変位変動量x[k]とし、上記した(7)式に基づ
き、その変位変動量x[k]から、M個移動した値を減じ
て求めた変位変動量の差である速度変動量y[k]を求め
ている。かかる速度変動量y[k]は、第1の実施形態と
同様に、一種のディジタルフィルタの役目を果たして、
速度制御のためのPWM等からのノイズや、操作者の任
意の速度指令の影響を回避することができるので、その
ような外乱の影響を受けることなく、正確な速度変動を
捉えることが出来る。
【数9】
【数10】
【0036】そして、本実施形態の閾値補正部17は、
図5に示す、ステップF1において、総パルス幅waa
はなく、(8)式に基づいて平均パルス幅waaを求め、
ステップF2において、その平均パルス幅waa(平均回
転速度)に任意の補正係数aを乗じて求めた値を閾値T
hとするようにしている。このようにすることで、第2
の実施形態と同様に、回転速度に反比例して、閾値の大
きさを設定することができるので、打撃の発生を推定で
きる速度域を大きく確保したインパクト回転工具を提供
することができる。尚、その他の構成及び動作について
は、第1又は第2の実施形態と同様であるので、ここで
は省略することとする。
【0037】[第4の実施の形態]本願の発明者らは、
上述の実施形態において、打撃の発生を略正確に推定で
き、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工具
を提供することができたが、図6のに示すように、速
度変動量yが閾値Thを超えて打撃の発生を推定して、
加速に転じた後すぐに、に示すように、閾値Thを超
えた場合には、衝撃力が十分でないにも係らず、打撃の
発生を推定する場合があるという問題点があった。そこ
で、本願の発明者らは、図6に示すように、加速側にも
閾値−Thを設けて、に示すように、速度変動量yが
その閾値−Thを超えると共に、閾値Thを超えた場
合、つまり一定の加速が生じた場合に打撃の推定を行う
ようにした。
【0038】具体的には、図7に示すように、図2に示
す第1の実施形態のフローに対し、ステップS1とステ
ップS2との処理間に、flagが1かどうかの判断を
行うステップS1aを加え、ステップS5bとステップ
S7のとの処理間に、速度変動量yが閾値−Th以下で
あるかの判断を行うステップS6aと、速度変動量yが
閾値−Th以下であった場合に、flagを1とする処
理を行うステップS6bを加えたことを特徴とするもの
である。
【0039】以下、図1及び図7に基づき、処理に沿っ
て説明する。カウンタの割り込みが発生すると(ステッ
プS1)、打撃推定部11は、flagが1かどうかの
判断を行い(ステップS1a)、flagが1であれ
ば、アンビル4に対してハンマ3が一定以上回動したと
きに打撃が発生するので、カウンタ値nが最小の打撃間
回転角φnminに相当するカウンタ値nminよりも大きい
かどうか判断し(ステップS2)、カウンタ値nの方が
大きければ、打撃が発生している可能性が高いので、上
記の(7)式に基づいて速度変動量yを計算させ(ステ
ップS3)、その速度変動量yが任意に設定される閾値
Thよりも大きいかどうか判断する(ステップS4)。
【0040】その結果、速度変動量yが閾値Thよりも
大きければ、打撃が発生したと推定して、打撃間回転角
算出部12では、カウンタ9のカウント値より、打撃間
回転角φnを求めて保存し、カウンタ9のカウントをク
リアさせ(ステップS5a)、保存した打撃間回転角φ
nをトルク推定部13へ出力する。トルク推定部13で
は、速度検出部10から出力された打撃発生時点θn
おける回転速度ωnと、打撃間回転角算出部12から出
力された打撃間回転角φnとから、上記の(3)式に基
づいて、推定締付トルクTnhを算出し(ステップS
6)、割り込み処理を終了する(ステップS7)。
【0041】一方、ステップS1aにおいて、flag
が1でない場合には、十分な打撃を加えられないと共
に、ステップS2において、カウンタ値nの方が小さい
場合は、打撃が発生していないので、カウント値を1つ
増加させて(ステップS5b)、速度変動量yが閾値−
Th以下であるかの判断を行い(ステップS6a)、速
度変動量yが閾値−Th以下であった場合には、fla
gを1とする処理を行った後(ステップS6b)、割り
込み処理を終了するようになっている(ステップS
7)。尚、ステップS6bにおいて、速度変動量yが閾
値−Th以下でない場合には、十分な打撃を発生させる
ことができないとして、割り込み処理を終了するように
なっている(ステップS7)。
【0042】このように、大小の閾値で構成される一定
の閾値幅を超える、速度変動量yが発生したときに、打
撃の発生を推定するので、十分な打撃を発生させること
ができるインパクト回転工具を提供することができるの
である。尚、負の閾値の値は、生の閾値と同値とするこ
となく、別の値としても良いし、第2の実施形態で述べ
た閾値の補正を行っても良い。この場合、図7のステッ
プS3の前に、図5に示す、閾値補正の処理を行うよう
にする。また、その他の構成及び動作については、第1
の実施形態と同様であるので、ここでは省略することと
する。
【0043】[第5の実施の形態]本願の発明者らは、
上述の実施形態において、打撃の発生を正確に推定で
き、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工具
を提供することができたが、第1の実施形態で述べた軽
微なノイズではなく、ノイズが多発した場合にあって
は、打撃を推定し損ねる恐れがないとは言えない。そこ
で、本願の発明者らは、かかる問題点に鑑みて、過去の
打撃間回転角から打撃の推定漏れ防止し、打撃補正を行
うインパクト回転工具を提案している。
【0044】具体的には、図8に示すように、打撃間回
転角算出部12とトルク推定部13との間に、打撃補正
部18を設けたものであり、かかる打撃補正部18は、
図2、図7のステップS6の処理前に、図9に示すよう
に、打撃間回転角算出部12から得られた打撃間回転角
φnが、通常2回分程度の平均値である過去の打撃間回
転角の平均値φoldと、打撃間回転角φmin近傍に任意に
定められるφ0との和以上の、前の打撃回転角度に比べ
て非常に大きな打撃が発生した時は(ステップL1)、
前の打撃を推定し損ねたとして、打撃間回転角φnの半
分の値の打撃が2回発生したとみなし(ステップL
2)、トルク推定部13は、そのように補正した打撃間
回転角φnで締付トルクTの推定を行うようにしてい
る。
【0045】このようにすることで、ノイズが多発した
場合等のように、打撃を推定し損ねる状況が生じたとし
ても、打撃の推定漏れを生じることなく、最適な締付ト
ルクを発生させるインパクト回転工具を提供することが
できるのである。尚、その他の構成及び動作について
は、第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略す
ることとする。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1又は請求項3記
載の発明にあっては、精度の悪い検出手段を用いること
等によって、ノイズが加わっても、本発明における打撃
推定部は、一種のディジタルフィルタの役目を果たし
て、当該ノイズや、操作者の速度指令の影響を回避する
ことができるので、当該検出部で求められる速度変動値
は、そのような外乱の影響を受けることがない。これに
より、正確な速度変動を捉えることができ、それに伴っ
て、打撃の推定を正確に行うことができるので、最適な
締付トルクを発生させる、廉価なインパクト回転工具を
提供することができるという効果を奏する。
【0047】請求項2又は請求項4記載の発明にあって
は、回転速度に反比例して、閾値の大きさを設定するこ
とができるので、打撃の発生を推定できる速度域を大き
く確保したインパクト回転工具を提供することができる
という効果を奏する。
【0048】請求項5記載の発明にあっては、大小の閾
値で構成される一定の閾値幅を超える、速度変動量が発
生したときに、打撃の発生を推定するので、十分な打撃
を発生させることができるインパクト回転工具を提供す
ることができるという効果を奏する。
【0049】請求項6記載の発明にあっては、ノイズが
多発した場合等のように、打撃を推定し損ねる状況が生
じたとしても、打撃の推定漏れを生じることなく、最適
な締付トルクを発生させるインパクト回転工具を提供す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるインパクト回転工具を
示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるインパクト回転工具の
動作を示すフローチャートである。
【図3】(a)は従来の速度変動を捉える方法を示し、
(b)は第1の実施形態に係る速度変動を捉える方法を
示す図である。
【図4】第2の実施形態におけるインパクト回転工具を
示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態における閾値補正の動作を示す
フローチャートである。
【図6】インパクト回転工具における速度変動量yの推
移の一例を示す図である。
【図7】第4の実施形態におけるインパクト回転工具の
動作を示すフローチャートである。
【図8】第5の実施形態におけるインパクト回転工具を
示すブロック図である。
【図9】第5の実施形態における打撃補正の動作を示す
フローチャートである。
【図10】インパクト回転工具の出力軸の回転角θと、
締付トルクTの関係を表したT=τ(θ)の非線形関数
を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ 6 周波数ジェネレータ(回転角検出手段) 7 波形整形回路(回転角検出手段) 9 カウンタ(回転角検出手段) 11 打撃推定部 17 閾値補正部 18 打撃補正部 a 補正係数 x 変位変動量 y 速度変動量
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月23日(2001.3.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インパクト回転工具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルトやナット等
の締付作業及び、弛緩作業に用いるインパクトレンチや
インパクトドライバ等のインパクト回転工具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インパクト回転工具は、モータの回転を
ハンマの打撃に変換し、その強い衝撃力で締付作業や弛
緩作業を行う工具であり、減速機のみを用いた回転工具
に比べて、高いトルクが得られ作業性が向上することか
ら、建築現場や組立工場等で幅広く使用されている。と
ころが、このインパクト回転工具は、その高トルク特性
のために締め過ぎが生じて、対象物を破損せしめること
がある一方、作業者がかかる事態を恐れて緩めに締めて
しまうと、締付トルクが不足して、対象物を所望の通り
に固定できなかったりする問題点が生じていた。
【0003】そのため、インパクト回転工具にあって
は、適度な締付を行うために、その締付トルクを推定す
る必要があり、本願の発明者らは、特願平11-166024号
公報において、モータの回転速度と、打撃間のモータの
回転量から締付トルクを推定する方法を提案している。
この方法は、一打撃毎の運動エネルギーの収支から導き
出したものであり、締付で消費されたエネルギーと、ハ
ンマの打撃により出力軸に設けたアンビルに与えられた
エネルギーとが略等しいという関係から、締付トルクを
推定する方法である。
【0004】より具体的には、図10に示すように、イ
ンパクト回転工具の出力軸の回転角θと締付トルクT
は、T=τ(θ)の非線形関数で表され、当該非線形関
数τを、回転角θで積分した値が、締付で消費されたエ
ネルギーとなる一方、当該出力軸の回転速度ωの2乗の
値から、アンビルの慣性モーメントJaを乗じて求めた
値の半分の値が、ハンマの打撃によりアンビルに与えら
れたエネルギーとなるので、かかる2つのエネルギーを
等価と置くことで、推定締付トルクを求めることができ
るのである。
【0005】例えば、図10において、ハンマによる打
撃が、夫々回転角θ1、θ2…、θnで発生したとする
と、(1)式に示すように、非線形関数τを区間[θn
θn+1]で積分して求められるエネルギーEnを、打撃間
回転角φn(=θn+1−θn)で除した値が、区間[θn
θn+1]における平均トルクTnaとなる。
【数1】
【0006】一方、(2)式に示すように、打撃発生時
点θnにおける回転速度ωnの2乗の値から、アンビルの
慣性モーメントJaを乗じて求めた値の半分の値が、打
撃発生時点θnで発生したハンマの打撃によりアンビル
に与えられたエネルギーEniとなる。
【数2】
【0007】ここで、エネルギーEnとエネルギーEni
は等価であるから、(1)式に(2)式を代入して整理
し、平均トルクTnaを推定締付トルクTnhと呼ぶことに
すると、(3)式に示すようになり、この推定締付トル
クTnhを、設定トルクT*以上になったときに、モータ
の駆動を停止させることにより、対象物が破損したり、
締付トルクTが不足することなく、最適な締付トルクT
を発生させるインパクト回転工具を提供することができ
るのである。
【数3】
【0008】ところが、従来のインパクト回転工具にあ
っては、打撃をマイクによって検出していたため、モー
タや減速機の振動音によって打撃を誤検出して、過度の
締付トルクTによる対象物の破損を来したり、軟質材料
に締付するような場合には打撃音が小さく、締付不足を
生じたりするという問題点があった。
【0009】すなわち、図10よりも明らかなように、
打撃発生時点θ2で打撃が検出できなかった場合には、
打撃間回転角φnが、θ3−θ2ではなく、θ3−θ1とな
って大きな値となり、推定締付トルクTnhの大きさは、
打撃間回転角φnの大きさに反比例するから、推定締付
トルクTnhの値は小さくなって、締付不足を生じること
となる。一方、振動音等によって打撃を誤検出した場合
には、実際には生じていない打撃を推定したことになる
ので、打撃間回転角φnが小さな値となり、それに伴っ
て、推定締付トルクTnhの値は大きくなって、対象物の
破損を来すことになるのである。
【0010】このように、打撃の検出には高い信頼性が
要求されることとなるので、本願の発明者らは、打撃に
よる速度変化を検出して、打撃判定を行う方法を提案し
ている。この方法は、モータに備えられた周波数ジェネ
レータから出力される、出力軸の回転速度に比例した周
波数信号を、パルス状にしてマイコンのカウンタに入力
し、前後のパルス幅の差分が閾値を超えた場合に、打撃
が発生したと推定するものであり、打撃を略正確に推定
できるので、略最適な締付トルクTを発生させるインパ
クト回転工具を提供することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような1回差分をとる方法にあっては、打撃の推定精度
を向上させるためには、微妙な速度変化も検出できる高
価な高速カウンタが必要である。その一方で、推定精度
がやや低くなっても、廉価なインパクト回転工具を提供
すべく、精度の悪い磁気式エンコーダを使用すると、速
度制御のためのPWMからのノイズによって、パルス幅
が不規則に変化して打撃の発生を誤って推定するという
問題点があった。また、出力軸の回転速度は、操作者の
任意の速度指令に伴って変化するので、その速度変化に
よっても、打撃を誤って推定する場合があるという問題
点があった。
【0012】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであり、その目的とするところは、精度の悪い検出
手段を用いたり、操作者の任意の速度指令があっても、
打撃の発生を正確に推定でき、最適な締付トルクを発生
させるインパクト回転工具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にあ
っては、モータの回転速度に反比例する幅を持つパルス
を発生する回転角検出手段と、前記パルスの幅を複数個
足した第1の総パルス幅を求める一方、前記複数個に整
数倍して得られた個数分だけ、前記パルスの幅を足した
第2の総パルス幅を求め、それら第1と第2の総パルス
幅の差である速度変動量を求めると共に、その速度変動
量を、任意の個数分だけ移動する数の相違により2つ求
め、それら速度変動量の差によって加速度変動量を求め
て、その加速度変動量が、任意に定められる閾値を越え
たときに、打撃の発生を推定する打撃推定部とを設けた
ことを特徴とするものである。
【0014】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載のインパクト回転工具に対し、前記総パルス幅に、
任意の補正係数を乗じて得た値を、前記閾値とする閾値
補正部を設けたことを特徴とするものである。
【0015】請求項3記載の発明にあっては、モータの
回転速度に反比例する幅を持つパルスを発生する回転角
検出手段と、前記パルスの幅を複数個移動平均した平均
パルス幅を、移動する数の相違により2つ求め、それら
平均パルス幅の差である速度変動量を求めると共に、そ
の速度変動量を、任意の個数分だけ移動する数の相違に
より2つ求め、それら速度変動量の差によって加速度変
動量を求めて、その加速度変動量が、任意に定められる
閾値を越えたときに、打撃の発生を推定する打撃推定部
とを設けたことを特徴とするものである。
【0016】請求項4記載の発明にあっては、請求項3
記載のインパクト回転工具に対し、前記平均パルス幅
に、任意の補正係数を乗じて得た値を、前記閾値とする
閾値補正部を設けたことを特徴とするものである。
【0017】請求項5記載の発明にあっては、請求項1
乃至4何れか記載のインパクト回転工具に対し、前記打
撃推定部は、大小の閾値で構成される一定の閾値幅を超
える加速度変動量が発生したときに、打撃の発生を推定
することを特徴とするものである。
【0018】請求項6記載の発明にあっては、請求項1
乃至請求項5何れか記載のインパクト回転工具に対し、
打撃の発生を推定したときの角度と、前回打撃の発生を
推定したときの角度との差である打撃間回転角が、前々
回以前に発生した打撃間角度の平均である過去の打撃間
回転角と、任意に定められる一定角度との和からなる角
度と比べて、大きな値を示したときは、前記打撃間回転
角の半分の値を、真の打撃間回転角とみなす打撃補正部
を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、第1
の実施形態に係るインパクト回転工具について、当該工
具のブロック図を示す図1及び、その動作を示すフロー
チャートである図2に基づいて詳細に説明する。まず始
めに、当該工具の構成であるが、図1の右方に示すよう
に、駆動手段たるモータ1と、モータ1の回転を所定の
減速比で減速する伝達機構たる減速機2と、モータ1の
回転が減速機2を介して伝達されるハンマ3と、ハンマ
3によって打撃されるアンビル4と、その打撃によって
回転力が衝撃的に印加される出力軸5とを備えている。
【0020】尚、ハンマ3の打撃は、ハンマ3とアンビ
ル4間に所定値以上の力が加わり、アンビル4に対して
ハンマ3が一定以上回動したときに発生するようになっ
ている。また、当該工具は、モータ1に備えられ、モー
タ1の回転数に比例した周波数信号を発生する、回転角
検出手段としての周波数ジェネレータ6と、周波数ジェ
ネレータ6が発生した周波数信号を波形整形し、出力軸
5の回転角に応じたパルス数のパルス信号を出力する波
形整形回路7と、最適な締付トルクを発生させるインパ
クトドライバ制御部8とを備えている。
【0021】1チップマイコン等からなるインパクトド
ライバ制御部8は、波形整形回路7と接続され、当該回
路7から入力されるパルス信号がLowからHighへ
と変化するか、HighからLowへと変化したときに
割り込みを発生させて、その変化をカウントするカウン
タ9と、(4)式に示すように、前後2つのカウンタ値
の差から求められるパルス幅w[k]を、K個足した総パ
ルス幅wsaの逆数より、出力軸5の回転速度を算出する
速度検出部10と、カウンタ9の複数のカウント間隔
(パルス幅)より速度変動を捉えることによって、打撃
を推定する打撃推定部11とを備えている。
【数4】
【0022】より具体的には、(5)式に示すように、
Kに任意の整数ゲインGを乗じて得たL個足した他の総
パルス幅wsbを求め、(6)式に示すように、wsaをG
倍した得た値から、wsbを減じて求めた総パルス幅の差
を速度変動量x[k]とし、(7)式に示すように、その
速度変動量x[k]から、M個移動した値を減じて求めた
速度変動量の差である加速度変動量y[k]は、一種のデ
ィジタルフィルタの役目を果たして、速度制御のための
PWM等からのノイズや、操作者の任意の速度指令の影
響を回避することができるので、外乱の影響を受けるこ
となく、正確な速度変動を捉えることが出来るのであ
る。尚、(7)式に示すMは、例えば、モータが一回転
することによって発生する総パルス数、つまり一回転前
の値を得られるように決められる。
【数5】
【数6】
【数7】
【0023】すなわち、従来のインパクト回転工具にあ
っては、1回差分を取る(前後のパルス幅の差を求め
る)ことによって速度変動を捉えていたため、図3
(a)に示すように、波形がLow(High)になる
ときにノイズが重畳されると、パルス幅に変動を来すこ
ととなって、正しい速度変動を捉えることが出来ない。
然るに、本実施形態にあっては、たとえ上記のようなノ
イズが重畳されても、図3(b)に示すように、次のパ
ルス幅を計測するときにノイズ分が相殺されるため、P
WMに起因するノイズや、精度の悪い検出手段を用いる
ことによるノイズ等が印加したり、操作者の任意の速度
指令があっても、正しい速度変動を捉えられることとな
り、打撃の発生を略正確に推定することができる。
【0024】また、インパクトドライバ制御部8は、打
撃推定部11が打撃の発生を推定することにより割り込
みがかかり、カウンタ9のカウント値より打撃推定部1
1が前回打撃の発生を推定してから、次に打撃の発生を
推定するまでの間の、出力軸の回転角を算出する打撃間
回転角算出部12と、アンビル4が打撃された時点で速
度検出部10が検出した出力軸5の回転速度と、打撃間
回転角算出部12で算出される打撃間回転角とから、上
記の(3)式に基づいて締付トルクTを推定するトルク
推定部13とを備えると共に、可変抵抗器等によって設
定される設定トルクT*を入力するためのA/D変換部
14と、駆動信号を出力するI/O部15とを備えてい
る。
【0025】ここで、上述の設定トルクT*は、A/D
変換部14を介してトルク推定部13へ入力され、当該
推定部13では、推定締付トルクTnhが設定トルクT*
以上となったときに、I/O部15を介してモータ制御
部16へ、モータ1を停止させる旨の駆動停止指令を出
力するようになっている。また、モータ制御部16は、
操作部(図示せず)から入力される速度指令(トリガ)
*に応じて、例えば、PWM制御によりモータ1を回
転させると共に、トルク推定部13から出力される駆動
停止指令に応じて、モータ1の回転を停止させるように
なっている。
【0026】次に、本実施形態のインパクト回転工具の
動作であるが、図2に示すように、カウンタ9で割り込
みが発生すること、すなわち、パルスの立ち上がり若し
くは立下りが発生すると(ステップS1)、上述したよ
うに、アンビル4に対してハンマ3が一定以上回動した
ときに打撃が発生するので、打撃推定部11は、カウン
タ値nが最小の打撃間回転角φminに相当するカウンタ
値nminよりも大きいかどうか判断し(ステップS
2)、カウンタ値nの方が大きければ、打撃が発生して
いる可能性が高いので、上記の(7)式に基づいて加速
度変動量yを計算させ(ステップS3)、その加速度変
動量yが任意に設定される閾値Thよりも大きいかどう
か判断する(ステップS4)。
【0027】その結果、加速度変動量yが閾値Thより
も大きければ、打撃が発生したと推定して、打撃間回転
角算出部12に対して割り込みをかけ、打撃間回転角算
出部12では、カウンタ9のカウント値より、打撃間回
転角φnを求めて保存し、カウンタ9のカウントをクリ
アさせ(ステップS5a)、保存した打撃間回転角φ n
をトルク推定部13へ出力する。トルク推定部13で
は、速度検出部10から出力された打撃発生時点θn
おける回転速度ωnと、打撃間回転角算出部12から出
力された打撃間回転角φnとから、上記の(3)式に基
づいて、推定締付トルクTnhを算出し(ステップS
6)、割り込み処理を終了する(ステップS7)。
【0028】一方、ステップS2において、カウンタ値
nの方が小さい場合は、打撃が発生していないので、カ
ウント値を1つ増加させて(ステップS5b)、割り込
み処理を終了するようになっている(ステップS7)。
尚、ステップS6において、推定された締付トルクT
が、設定トルクT*よりも大きい場合には、上述したよ
うに、モータ1の回転を停止させる一方、設定トルクT
*よりも小さい場合には、図2に示す動作を繰り返すこ
ととなる。
【0029】このように、本実施形態のインパクト回転
工具にあっては、従来のように、1回差分によって速度
変動を捉えているのではなく、総パルス幅の差によっ
て、速度変動を捉えているので、精度の悪い検出手段を
用いても、ノイズ耐性があると共に、操作者の任意の速
度指令に影響されずに、正しい速度変動を捉えることが
でき、それに伴って、打撃の発生を略正確に推定できる
ので、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工
具を提供することができる。
【0030】[第2の実施の形態]ところが、パルス幅
は出力軸の回転速度に反比例するので、高速時と低速時
とでは、打撃判定のためのパルス幅変化量が異なり、固
定の閾値では、打撃の発生を推定できるモータの速度域
が狭くなるという問題点があった。そこで、本願の発明
者らは、総パルス幅Wsから閾値Thを変更することに
より、かかる問題点を解決したインパクト回転工具を提
案している。
【0031】具体的には、図4に示すように、カウンタ
9と打撃推定部11との間に、総パルス幅Ws(回転速
度)から、その速度域に適した閾値Thを求める閾値補
正部17を設け、図2のステップS3の前に、図5に示
す、閾値補正の処理を行うようにする。すなわち、図5
に示すように、(4)式に基づいて総パルス幅wsaを求
め(ステップF1)、その総パルス幅wsaに任意の補正
係数aを乗じて求めた値を閾値Thとする(ステップF
2)。そして、その閾値Thが、任意に設定される最小
の閾値Thmin以上ならば(ステップF3)、補正を終
了する一方、最小の閾値Thmin以下の場合は、最小の
閾値Thminを閾値Thとして設定し(ステップF
4)、補正を終了するようにしている。
【0032】このようにすることで、回転速度が高いと
きは、総パルス幅wsaは小さくなるので、閾値Thも小
さく設定できる一方、回転速度が低いときは、総パルス
幅w saは大きくなるので、閾値Thも大きく設定するこ
とができる。すなわち、回転速度に反比例して、閾値の
大きさを設定することができるので、打撃の発生を推定
できる速度域を大きく確保したインパクト回転工具を提
供することができる。尚、その他の構成及び動作につい
ては、第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略
することとする。
【0033】[第3の実施の形態]上述の実施形態にお
けるインパクト回転工具にあっては、総パルス幅の差に
よって速度変動を捉え、当該総パルス幅によって閾値の
補正を行って、打撃の推定を行うことで、打撃の発生を
推定できる速度域を大きく確保し、最適な締付トルクを
発生させるインパクト回転工具を提供することができた
が、本願の発明者らは、同様の効果を発揮できる別の実
施形態として、パルス幅の移動平均を用いたインパクト
回転工具も提案している。以下、図1及び図4に基づ
き、本実施形態の特徴となる部分について説明すること
とする。
【0034】本実施形態の速度検出部10は、(8)に
示すように、パルス幅w[k]をK個移動平均して求めた
平均パルス幅waaの逆数より、出力軸5の平均回転速度
を算出する。
【数8】
【0035】また、打撃推定部11は、(9)式に示す
ように、Kに任意の整数ゲインGを乗じて得たL個移動
平均して求めた平均パルス幅wabを求め、(10)式に
示すように、waaからwabを減じて求めた平均パルス幅
の差を速度変動量x[k]とし、上記した(7)式に基づ
き、その速度変動量x[k]から、M個移動した値を減じ
て求めた速度変動量の差である加速度変動量y[k]を求
めている。かかる加速度変動量y[k]は、第1の実施形
態と同様に、一種のディジタルフィルタの役目を果たし
て、速度制御のためのPWM等からのノイズや、操作者
の任意の速度指令の影響を回避することができるので、
そのような外乱の影響を受けることなく、正確な速度変
動を捉えることが出来る。
【数9】
【数10】
【0036】そして、本実施形態の閾値補正部17は、
図5に示す、ステップF1において、総パルス幅waa
はなく、(8)式に基づいて平均パルス幅waaを求め、
ステップF2において、その平均パルス幅waa(平均回
転速度)に任意の補正係数aを乗じて求めた値を閾値T
hとするようにしている。このようにすることで、第2
の実施形態と同様に、回転速度に反比例して、閾値の大
きさを設定することができるので、打撃の発生を推定で
きる速度域を大きく確保したインパクト回転工具を提供
することができる。尚、その他の構成及び動作について
は、第1又は第2の実施形態と同様であるので、ここで
は省略することとする。
【0037】[第4の実施の形態]本願の発明者らは、
上述の実施形態において、打撃の発生を略正確に推定で
き、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工具
を提供することができたが、図6のに示すように、加
速度変動量yが閾値Thを超えて打撃の発生を推定し
て、加速に転じた後すぐに、に示すように、閾値Th
を超えた場合には、衝撃力が十分でないにも係らず、打
撃の発生を推定する場合があるという問題点があった。
そこで、本願の発明者らは、図6に示すように、加速側
にも閾値−Thを設けて、に示すように、加速度変動
量yがその閾値−Thを超えると共に、閾値Thを超え
た場合、つまり一定の加速が生じた場合に打撃の推定を
行うようにした。
【0038】具体的には、図7に示すように、図2に示
す第1の実施形態のフローに対し、ステップS1とステ
ップS2との処理間に、flagが1かどうかの判断を
行うステップS1aを加え、ステップS5bとステップ
S7のとの処理間に、加速度変動量yが閾値−Th以下
であるかの判断を行うステップS6aと、加速度変動量
yが閾値−Th以下であった場合に、flagを1とす
る処理を行うステップS6bを加えたことを特徴とする
ものである。
【0039】以下、図1及び図7に基づき、処理に沿っ
て説明する。カウンタの割り込みが発生すると(ステッ
プS1)、打撃推定部11は、flagが1かどうかの
判断を行い(ステップS1a)、flagが1であれ
ば、アンビル4に対してハンマ3が一定以上回動したと
きに打撃が発生するので、カウンタ値nが最小の打撃間
回転角φnminに相当するカウンタ値nminよりも大きい
かどうか判断し(ステップS2)、カウンタ値nの方が
大きければ、打撃が発生している可能性が高いので、上
記の(7)式に基づいて加速度変動量yを計算させ(ス
テップS3)、その加速度変動量yが任意に設定される
閾値Thよりも大きいかどうか判断する(ステップS
4)。
【0040】その結果、加速度変動量yが閾値Thより
も大きければ、打撃が発生したと推定して、打撃間回転
角算出部12では、カウンタ9のカウント値より、打撃
間回転角φnを求めて保存し、カウンタ9のカウントを
クリアさせ(ステップS5a)、保存した打撃間回転角
φnをトルク推定部13へ出力する。トルク推定部13
では、速度検出部10から出力された打撃発生時点θn
における回転速度ωnと、打撃間回転角算出部12から
出力された打撃間回転角φnとから、上記の(3)式に
基づいて、推定締付トルクTnhを算出し(ステップS
6)、割り込み処理を終了する(ステップS7)。
【0041】一方、ステップS1aにおいて、flag
が1でない場合には、十分な打撃を加えられないと共
に、ステップS2において、カウンタ値nの方が小さい
場合は、打撃が発生していないので、カウント値を1つ
増加させて(ステップS5b)、加速度変動量yが閾値
−Th以下であるかの判断を行い(ステップS6a)、
加速度変動量yが閾値−Th以下であった場合には、f
lagを1とする処理を行った後(ステップS6b)、
割り込み処理を終了するようになっている(ステップS
7)。尚、ステップS6bにおいて、加速度変動量yが
閾値−Th以下でない場合には、十分な打撃を発生させ
ることができないとして、割り込み処理を終了するよう
になっている(ステップS7)。
【0042】このように、大小の閾値で構成される一定
の閾値幅を超える、加速度変動量yが発生したときに、
打撃の発生を推定するので、十分な打撃を発生させるこ
とができるインパクト回転工具を提供することができる
のである。尚、負の閾値の値は、生の閾値と同値とする
ことなく、別の値としても良いし、第2の実施形態で述
べた閾値の補正を行っても良い。この場合、図7のステ
ップS3の前に、図5に示す、閾値補正の処理を行うよ
うにする。また、その他の構成及び動作については、第
1の実施形態と同様であるので、ここでは省略すること
とする。
【0043】[第5の実施の形態]本願の発明者らは、
上述の実施形態において、打撃の発生を正確に推定で
き、最適な締付トルクを発生させるインパクト回転工具
を提供することができたが、第1の実施形態で述べた軽
微なノイズではなく、ノイズが多発した場合にあって
は、打撃を推定し損ねる恐れがないとは言えない。そこ
で、本願の発明者らは、かかる問題点に鑑みて、過去の
打撃間回転角から打撃の推定漏れ防止し、打撃補正を行
うインパクト回転工具を提案している。
【0044】具体的には、図8に示すように、打撃間回
転角算出部12とトルク推定部13との間に、打撃補正
部18を設けたものであり、かかる打撃補正部18は、
図2、図7のステップS6の処理前に、図9に示すよう
に、打撃間回転角算出部12から得られた打撃間回転角
φnが、通常2回分程度の平均値である過去の打撃間回
転角の平均値φoldと、打撃間回転角φmin近傍に任意に
定められるφ0との和以上の、前の打撃回転角度に比べ
て非常に大きな打撃が発生した時は(ステップL1)、
前の打撃を推定し損ねたとして、打撃間回転角φnの半
分の値の打撃が2回発生したとみなし(ステップL
2)、トルク推定部13は、そのように補正した打撃間
回転角φnで締付トルクTの推定を行うようにしてい
る。
【0045】このようにすることで、ノイズが多発した
場合等のように、打撃を推定し損ねる状況が生じたとし
ても、打撃の推定漏れを生じることなく、最適な締付ト
ルクを発生させるインパクト回転工具を提供することが
できるのである。尚、その他の構成及び動作について
は、第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略す
ることとする。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1又は請求項3記
載の発明にあっては、精度の悪い検出手段を用いること
等によって、ノイズが加わっても、本発明における打撃
推定部は、一種のディジタルフィルタの役目を果たし
て、当該ノイズや、操作者の速度指令の影響を回避する
ことができるので、当該検出部で求められる速度変動値
は、そのような外乱の影響を受けることがない。これに
より、正確な速度変動を捉えることができ、それに伴っ
て、打撃の推定を正確に行うことができるので、最適な
締付トルクを発生させる、廉価なインパクト回転工具を
提供することができるという効果を奏する。
【0047】請求項2又は請求項4記載の発明にあって
は、回転速度に反比例して、閾値の大きさを設定するこ
とができるので、打撃の発生を推定できる速度域を大き
く確保したインパクト回転工具を提供することができる
という効果を奏する。
【0048】請求項5記載の発明にあっては、大小の閾
値で構成される一定の閾値幅を超える、加速度変動量が
発生したときに、打撃の発生を推定するので、十分な打
撃を発生させることができるインパクト回転工具を提供
することができるという効果を奏する。
【0049】請求項6記載の発明にあっては、ノイズが
多発した場合等のように、打撃を推定し損ねる状況が生
じたとしても、打撃の推定漏れを生じることなく、最適
な締付トルクを発生させるインパクト回転工具を提供す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるインパクト回転工具を
示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるインパクト回転工具の
動作を示すフローチャートである。
【図3】(a)は従来の速度変動を捉える方法を示し、
(b)は第1の実施形態に係る速度変動を捉える方法を
示す図である。
【図4】第2の実施形態におけるインパクト回転工具を
示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態における閾値補正の動作を示す
フローチャートである。
【図6】インパクト回転工具における加速度変動量yの
推移の一例を示す図である。
【図7】第4の実施形態におけるインパクト回転工具の
動作を示すフローチャートである。
【図8】第5の実施形態におけるインパクト回転工具を
示すブロック図である。
【図9】第5の実施形態における打撃補正の動作を示す
フローチャートである。
【図10】インパクト回転工具の出力軸の回転角θと、
締付トルクTの関係を表したT=τ(θ)の非線形関数
を示す図である。
【符号の説明】 1 モータ 6 周波数ジェネレータ(回転角検出手段) 7 波形整形回路(回転角検出手段) 9 カウンタ(回転角検出手段) 11 打撃推定部 17 閾値補正部 18 打撃補正部 a 補正係数 x 速度変動量 y 加速度変動量
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 智弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3C038 AA01 AA04 BC04 CA07 CB02 EA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの回転速度に反比例する幅を持つ
    パルスを発生する回転角検出手段と、前記パルスの幅を
    複数個足した第1の総パルス幅を求める一方、前記複数
    個に整数倍して得られた個数分だけ、前記パルスの幅を
    足した第2の総パルス幅を求め、それら第1と第2の総
    パルス幅の差である変位変動量を求めると共に、その変
    位変動量を、任意の個数分だけ移動する数の相違により
    2つ求め、それら変位変動量の差によって速度変動量を
    求めて、その速度変動量が、任意に定められる閾値を越
    えたときに、打撃の発生を推定する打撃推定部とを設け
    たことを特徴とするインパクト回転工具。
  2. 【請求項2】 前記総パルス幅に、任意の補正係数を乗
    じて得た値を、前記閾値とする閾値補正部を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のインパクト回転工具。
  3. 【請求項3】 モータの回転速度に反比例する幅を持つ
    パルスを発生する回転角検出手段と、前記パルスの幅を
    複数個移動平均した平均パルス幅を、移動する数の相違
    により2つ求め、それら平均パルス幅の差である変位変
    動量を求めると共に、その変位変動量を、任意の個数分
    だけ移動する数の相違により2つ求め、それら変位変動
    量の差によって速度変動量を求めて、その速度変動量
    が、任意に定められる閾値を越えたときに、打撃の発生
    を推定する打撃推定部とを設けたことを特徴とするイン
    パクト回転工具。
  4. 【請求項4】 前記平均パルス幅に、任意の補正係数を
    乗じて得た値を、前記閾値とする閾値補正部を設けたこ
    とを特徴とする請求項3記載のインパクト回転工具。
  5. 【請求項5】 前記打撃推定部は、大小の閾値で構成さ
    れる一定の閾値幅を超える速度変動量が発生したとき
    に、打撃の発生を推定することを特徴とする請求項1乃
    至請求項4何れか記載のインパクト回転工具。
  6. 【請求項6】 打撃の発生を推定したときの角度と、前
    回打撃の発生を推定したときの角度との差である打撃間
    回転角が、前々回以前に発生した打撃間角度の平均であ
    る過去の打撃間回転角と、任意に定められる一定角度と
    の和からなる角度と比べて、大きな値を示したときは、
    前記打撃間回転角の半分の値を、真の打撃間回転角とみ
    なす打撃補正部を設けたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項5何れか記載のインパクト回転工具。
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