JP2002125686A - 新規な(r)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素 - Google Patents

新規な(r)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケトン、アルコール、特に光学活性ビシナル
ジオールの製造に有用な新規(R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素を製造する。 【解決手段】 ピキア・アンガスタが高活性で、立体選
択性の高い、新規な(R)−2,3−ブタンジオール脱
水素酵素を生産することを見いだした。また、この
(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素をコードす
るDNA鎖をクローニングし、その塩基配列を明らかに
し、異種微生物を用いた該グリセロール脱水素酵素の発
現を行った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド依存性の新規な(R)−2,3−
ブタンジオール脱水素酵素に関する。また本発明は、該
酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチド、該酵素
の製造方法、該酵素を用いたアルコール、特に(2R,
3R)−2,3−ブタンジオールを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】(R)−2,3−ブタンジオール脱水素
酵素は、微生物によるグルコースを原料とした(2R,
3R)−2,3−ブタンジオールの発酵生産において、
また、微生物における2,3−ブタンジオール代謝にお
いて重要な役割を有する酵素である。またこの酵素反応
によって生成する(2R,3R)−2,3−ブタンジオ
ールは、液晶、医薬品などの合成原料として有用な化合
物である。
【0003】なお、(R)−2,3−ブタンジオール脱
水素酵素とは、2,3−ブタンジオールの(R)配置の
水酸基を選択的に酸化する活性を有する脱水素酵素であ
り、(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとともに
メソ−2,3−ブタンジオールの(R)配置の水酸基も
酸化する活性を有する。
【0004】従来、2,3−ブタンジオール脱水素活性
を有する酵素に関しては、2,3−ブタンジオールの生
合成、代謝に関する研究によって、たとえば以下のよう
な微生物において(2R,3R)−2,3−ブタンジオ
ールに対する脱水素酵素活性が報告されている(Arch. M
icrobiol. 116, 197-203 ,1978、J. Ferment. Technol.
61, 467-471 ,1983、J. Ferment. Technol. 62, 551-5
59 ,1984)。しかし、いずれも無細胞抽出液を用いた活
性測定のみであり、様々な酵素が混在しているために、
2,3−ブタンジオール脱水素酵素の立体選択性、比活
性などの諸性質は明らかにされていない。アエロモナス
・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila) バチルス・セレウス(Bacillus cereus IAM 1072)、バ
チルス・コアグランス(Bacillus coagulans ATCC 803
8)、ミクロコッカス・リソデイクティカス(Micrococc
us lysodeikticus IAM 1056)、ミクロコッカス・ルテ
ウス(Micrococcus luteus IAM 1097)、ミクロコッカ
ス・ローゼウス(Micrococcus roseus IAM 1295)、シ
ュードモナス・サッカロフィラ(Pseudomonas saccharo
phila IAM 1504)、サルシナ・ルテア(Sarcina lutea
IAM 1099)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphy
lococcus aureus)
【0005】高度に精製され、諸性質が明らかにされた
酵素としては、以下に示すような酵素で2,3−ブタン
ジオール脱水素酵素活性を有することが示されている。
しかし、DL体に対する活性のみでその立体選択性は報
告されていない。また、ピキア・オフナエンシスを除
き、2,3−ブタンジオール脱水素酵素活性は、グリセ
ロール脱水素酵素活性と同レベルかそれ以下の活性しか
有せず、その比活性は一般に低い。アクロモバクター・
リキダム(Achromobacter liquidum KY 3047)由来のグ
リセロール脱水素酵素(特公昭 58-40467)、バチルス
・エスピー(Bacillus sp. G-1)由来のグリセロール脱
水素酵素(特公平 03-72272)、バチルス・ステアロサ
ーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来の
グリセロール脱水素酵素(Biochim. Biophys. Acta 99
4, 270-279 (1989))、シトロバクター・フロインディ
ー(Citrobacter freundii DSM 30040)由来のグリセロ
ール脱水素酵素(J. Bacteriol. 177, 4392-4401 (199
5))、エルビニア・アロイデア(Erwinia aroideae IFO
3830)由来のグリセロール脱水素酵素(Chem. Pharm.
Bull. 26, 716-721 (1978))、ジオトリカム・キャンデ
ィダム(Geotrichum candidum IFO 4597)由来のグリセ
ロール脱水素酵素(特公平 01-27715)、ピキア・オフ
ナエンシス(Pichia ofunaensis AKU 4328)由来のジヒ
ドロキシアセトン還元酵素(J. Biosci. Bioeng. 88, 1
48-152 (1999))、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Sch
izosaccharomyces pombe)由来のグリセロール脱水素酵
素(J. Gen. Microbiol. 131, 1581-1588 (1985))、
【0006】高度に精製され、かつ、2,3−ブタンジ
オールの(2R,3R)体に対する高い選択性が明らか
にされている酵素としては、イシャリヒア・コリ(Esch
erichia coli W-1485)の生産するグリセロール脱水素
酵素(J. Biol. Chem. 259, 2124-2129 (1984))が公知
である。この酵素は、(2R,3R)−2,3−ブタン
ジオールに対するVmaxが28.0U/mg−蛋白質であり、
ラセミ体に対するVmaxが21.2U/mg−蛋白質であるこ
とから(2R,3R)体に対する立体選択性が示唆され
る。ここで、酵素1Uは、(2R,3R)−2,3−ブ
タンジオールを基質として1分間に1μmolの酸化型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、NAD
と省略する)を還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド(以下、NADHと省略する)へ還元する酵素活
性である。また、サッカロマイセス・セレビジエ(Sacc
haromyces cerevisiae)由来の(R)−2,3−ブタン
ジオール脱水素酵素(Arch. Microbiol. 154, 267-273
(1990))は、2,3−ブタンジオンから(2R,3R)
−2,3−ブタンジオールを生産することが報告されて
いるが、DL−2,3−ブタンジオールに対する脱水素
酵素活性は20.3U/mg−蛋白質程度であり、いずれも
比活性は低い。
【0007】更に、シュードモナス・プチダ(Pseudomo
nas putida)より2,3−ブタンジオール代謝に関与す
る2,3−ブタンジオール脱水素酵素をコードする遺伝
子がクローニングされ、大腸菌で発現されている(FEMS
Microbiol. Lett. 124 (2),141-150 (1994))が、その
立体選択性は報告されていない。また、シュードモナス
・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)のゲノム解
析の結果、シュードモナス・プチダ由来の2,3−ブタ
ンジオール脱水素酵素遺伝子に高いホモロジーを有する
遺伝子が同定されているが、実際に、この遺伝子を発現
させ、その酵素活性、立体選択性などは確認されていな
い。
【0008】(2R,3R)−2,3−ブタンジオール
などの光学活性アルコールの生産に有用な、立体選択性
が高く、比活性の高い(R)−2,3−ブタンジオール
脱水素酵素の探索、特に、該酵素を容易に大量生産を可
能にするため、該酵素をコードする遺伝子の単離、該酵
素を発現可能な形質転換体の調製は、産業上重要な課題
となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、NAD
補酵素として利用しうる(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素の提供を課題とする。また本発明は、2,
3−ブタンジオンを基質とする光学活性(2R,3R)
−2,3−ブタンジオールの酵素的な製造工程に利用し
た場合に、光学的純度の高い生成物を収率良く与えるこ
とができる(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素
を提供することも課題としている。
【0010】更に本発明は、目的とする性状を備えた
(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素をコードす
るDNAを単離し、組換え体として得ることを課題とす
る。加えて、新規な(R)−2,3−ブタンジオール脱
水素酵素による光学活性(2R,3R)−2,3−ブタ
ンジオールの酵素的な製造方法の提供をも課題とするも
のである。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、ピキア・
アンガスタ(旧名称:ハンゼヌラ・ポリモルファ)にお
けるグリセロール代謝に関与する酵素群に関する研究を
進めてきた(Agri. Biol. Chem. 51, 2401-2407 (1987)
)。本菌株においては、グリセロール代謝経路として
リン酸化経路と酸化経路の2種類が存在し、pH6.0
でNADHとジヒドロキシアセトンを基質とした還元反
応を触媒するグリセロール脱水素酵素I(GDH−I)
とpH9.0でNADとグリセロールを基質として酸
化反応を触媒するグリセロール脱水素酵素II(GDH
−II)を併せ持つことが明らかになっている。
【0012】これら2種類の酵素のうち、GDH−Iを
電気泳動的に単一のバンドまで精製し、その諸性質を明
らかにした結果、GDH−Iが2,3−ブタンジオール
の(R)配置の水酸基に対して高い活性と高い選択性を
併せ持つ、新規な(R)−2,3−ブタンジオール脱水
素酵素であることが明らかとなった。
【0013】更に、本酵素をコードするDNAを単離
し、本酵素を高発現する組換え菌を造成し、本発明を完
成した。すなわち本発明は、以下の(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素、この酵素をコードするDN
A、この酵素の製造方法、および用途に関する。 〔1〕次の(1)から(3)に示す理化学的性質を有す
る(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素。 (1)作用 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを補酵素とし
て、(2R,3R)−2,3−ブタンジオールに作用
し、(R)−アセトインを生成する。還元型ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチドを補酵素として、2,3−
ブタンジオンを還元し、(2R,3R)−2,3−ブタ
ンジオールを生成する。 (2)基質特異性 酸化反応の補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌク
レオチドを利用する。還元反応の補酵素として還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用する。ま
た、2,3−ブタンジオールの(R)配置の水酸基を優
先的に酸化する。 (3)比活性 精製酵素の蛋白質1mg当たり100U以上の(R)−
2,3−ブタンジオール脱水素酵素活性を有する。 〔2〕更に付加的に、次の(4)、(5)に示す理化学
的性質を有する〔1〕に記載の(R)−2,3−ブタン
ジオール脱水素酵素。 (4)至適pH グリセロール酸化反応の至適pHが10。 (5)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動によるサブユニットの分子量が36,000、ゲル
濾過による分子量が76,000。 〔3〕ピキア属に属する微生物によって産生される
〔1〕に記載の(R)−2,3−ブタンジオール脱水素
酵素。 〔4〕ピキア属に属する微生物が、ピキア・アンガスタ
である〔3〕に記載の(R)−2,3−ブタンジオール
脱水素酵素。 〔5〕下記(a)から(d)のいずれかに記載のポリヌ
クレオチド。 (a)配列番号:1に記載された塩基配列を含むポリヌ
クレオチド。 (b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白
質をコードするポリヌクレオチド。 (c)配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1
若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/
または付加したアミノ酸配列からなり、配列番号:2に
記載のアミノ酸配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋
白質をコードするポリヌクレオチド。 (d)配列番号:1に記載された塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ
ヌクレオチドであって、配列番号:2に記載のアミノ酸
配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードす
るポリヌクレオチド。 〔6〕配列番号:1に記載の塩基配列と70%以上の相
同性を有する塩基配列を含む、〔5〕に記載のポリヌク
レオチド。 〔7〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列と70%以上
の相同性を有するアミノ酸配列をコードする、〔5〕に
記載のポリヌクレオチド。 〔8〕〔5〕に記載のポリヌクレオチドによってコード
される蛋白質。
〔9〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有する
〔8〕に記載のタンパク質。 〔10〕〔5〕に記載されたポリヌクレオチドを含むベ
クター。 〔11〕〔5〕に記載されたポリヌクレオチド、または
〔10〕に記載のベクターを保持する形質転換体。 〔12〕〔11〕に記載の形質転換体を培養し、発現産
物を回収する工程を含む、
〔9〕に記載の蛋白質の製造
方法。 〔13〕ピキア属に属し、〔1〕に記載の酵素、または
〔8〕に記載のタンパク質を産生する微生物を培養する
工程を含む、〔1〕に記載の酵素、または〔8〕に記載
のタンパク質の製造方法。 〔14〕ピキア属に属する微生物が、ピキア・アンガス
タ(Pichia angusta)である〔13〕に記載の製造方
法。 〔15〕〔1〕に記載の(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素、〔8〕に記載のタンパク質、それらを産
生する微生物、およびそれらの処理物からなる群から選
択されるいずれかの酵素活性物質を、還元型ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチドの存在下でケトンに作用さ
せ、生成するアルコールを回収する工程を含むアルコー
ルの製造方法。 〔16〕微生物が、〔11〕に記載の形質転換体である
〔15〕に記載のアルコールの製造方法。 〔17〕ケトンが、2,3−ブタンジオンであり、アル
コールが(2R,3R)−2,3−ブタンジオールであ
る〔15〕に記載のアルコールの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素は、補酵素としてNADを利
用しうること、2,3−ブタンジオールの(R)配置の
水酸基を優先的に酸化すること、また、NADHを補酵
素として2,3−ブタンジオンを還元し、(2R,3
R)−2,3−ブタンジオールを生成することによって
特徴付けられる。
【0015】本発明において、(R)−2,3−ブタン
ジオール脱水素酵素活性は、(2R,3R)−2,3−
ブタンジオール及びグリセロールに対する酸化活性で表
され、次のようにして確認することができる。
【0016】(2R,3R)−2,3−ブタンジオール
に対する酸化活性測定法:100mM リン酸カリウム緩衝
液(pH8.0)、2.5mM NADH、50mM(2
R,3R)−2,3−ブタンジオール及び酵素を合む反
応液中30℃で反応させ、NADHの増加にともなう34
0nmの吸光度の増加を測定する。1Uは、1分間に1μm
olのNADHの増加を触媒する酵素量とする。また、タ
ンパク質の定量は、バイオラッド製タンパク質アッセイ
キットを用いた色素結合法により行う。
【0017】グリセロールに対する酸化活性測定法:1
00mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)、2.5m
M NADH、100mMグリセロール及び酵素を合む反応
液中30℃で反応させ、NADHの増加にともなう340
nmの吸光度の増加を測定する。1Uは、1分間に1μmo
lのNADHの増加を触媒する酵素量とする。
【0018】上記のような理化学的性状を持つ(R)−
2,3−ブタンジオール脱水素酵素は、たとえばピキア
属酵母の培養物より精製することができる。ピキア属酵
母としては、ピキア・アンガスタ(Pichia angusta)が
特に本発明による(R)−2,3−ブタンジオール脱水
素酵素の産生能に優れる。本発明の(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素を得るために利用することがで
きるピキア・アンガスタは、たとえば、ATCC 26012とし
てAmerian Type Culture Collection より入手すること
ができる。
【0019】上記微生物は、YPD(1%酵母エキス、
1%ペプトン、2%グルコースを含むpH6.0の培
地)培地等の真菌の培養に用いられる一般的な培地で培
養することができる。本発明の(R)−2,3−ブタン
ジオール脱水素酵素を生産するには、YPD培地のグル
コースをメタノールもしくはグリセロールに変えた培地
や、メタノール1g、塩化アンモニウム0.5g、リン
酸2水素1カリ0.1g、リン酸1水素2カリ0.1
g、硫酸マグネシウム7水和物0.05g、塩化鉄(II
I) 6水和物3.0mg、塩化カルシウム2水和物1.0m
g、塩化マンガン4水和物1.0mg、硫酸亜鉛7水和物
1.0mg、チアミン塩酸塩200mg、ビオチン2mg(培
養液100mLあたり)を含むpH7.0の培地(以下、
培地Aと略す)でも培養可能であり、培地Aにおけるメ
タノールの代わりにグリセロールを利用することもでき
る。
【0020】これらの培地を用いて培養した後、対数増
殖期の菌体を回収することで、高い酵素活性を有する菌
体とすることができる。また、培養においては、通気条
件を少し抑制した条件において、酵素含量の高い菌体を
調製することができる。
【0021】得られた菌体を、2-メルカプトエタノール
(2-mercaptoethanol)等の還元剤や、フェニルメタンス
ルホニルフルオリド(phenylmethansulfonyl fluoride;P
MFS)やエチレンジアミン4酢酸(以下、EDTAと略
す)、ペプスタチン、ロイペプチン、ホスホラミドンの
ようなプロテアーゼ阻害剤を加えた緩衝液中でガラスビ
ーズとの物理的な衝撃やミニラボ、フレンチプレスなど
の高圧を利用するなどして破砕し、無細胞抽出液を得
る。無細胞抽出液から、蛋白質の溶解度による分画(ア
セトンやジメチルスルホキシドなどの有機溶媒による沈
澱や硫安などによる塩析など)や、陽イオン交換、陰イ
オン交換、ゲルろ過、疎水性クロマトグラフィーや、キ
レート、色素、抗体などを用いたアフィニティークロマ
トグラフィーなどを適宜組み合わせることにより本発明
の酵素を精製する事ができる。例えば、無細胞抽出液を
ブルー−セファロース、フェニル−セファロース、Reso
urce Q(いずれもファルマシア製)などのカラムクロマ
トグラフィーを組み合わせることにより、電気泳動的に
ほぼ単一バンドにまで精製することができる。
【0022】ピキア・アンガスタに由来する本発明の
(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素は以下の
(1)−(3)の理化学的性質を有する蛋白質である。 (1)NADを補酵素として、(2R,3R)−2,
3−ブタンジオールに作用し、(R)−アセトインを生
成する。NADHを補酵素として、2,3−ブタンジオ
ンを還元し、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール
を生成する。 (2)酸化反応の補酵素としてNADを、また還元反
応の補酵素としてNADHを利用する。また、2,3−
ブタンジオールの(R)配置の水酸基を優先的に酸化す
る。 (3)精製酵素の蛋白質1mg当たり100U以上の
(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素活性を有す
る。
【0023】本発明の酵素は、更に付加的に、以下の
(4)−(5)の理化学的性質を有するタンパク質であ
る。 (4)至適pH グリセロール酸化反応の至適pHが10。 (5)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動
(以下SDS-PAGEと省略する)によるサブユニットの分子
量が36,000、ゲル濾過による分子量が76,00
0。
【0024】更に本発明の酵素は、以下の性状(6)−
(9)によって特徴付けることができる。 (6)安定pH範囲 pH6−9.5の範囲で比較的安定である。 (7)作用適温の範囲 至適温度は30℃である。 (8)温度安定性 30℃まで比較的安定である。 (9)阻害 SH試薬であるパラクロロ水銀安息香酸(PCMB:p-chloro
mercuribenzoic acid)、o-フェナンスロリン (o-phena
nthrolin) , 2,2’−ビピリジル(2,2'-bipyridy
l)、塩化銅、塩化水銀、塩化鉄 (III) により阻害され
るが、EDTAでは阻害されない。
【0025】ピキア・アンガスタに由来する(R)−
2,3−ブタンジオール脱水素酵素は、補酵素として酸
化反応におけるNADP、あるいは還元反応における
NADPHを実質的に利用することができない。しか
し、NADPやNADPの利用性に関わらず、前記物
理学化学的性状(1)−(3)、望ましくは(1)−
(6)、あるいは更に望ましくは(1)−(9)を備え
た酵素は、本発明に含まれる。
【0026】本発明は、(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドおよびその
ホモログに関する。本発明において、ポリヌクレオチド
は、DNAやRNA等の天然のポリヌクレオチドに加え、人工
的なヌクレオチド誘導体を含む人工的な分子であること
もできる。また本発明のポリヌクレオチドは、DNA-RNA
のキメラ分子であることもできる。本発明の(R)−
2,3−ブタンジオール脱水素酵素をコードするポリヌ
クレオチドは、たとえば配列番号:1に示す塩基配列を
含む。配列番号:1に示す塩基配列は、配列番号:2に
示すアミノ酸配列を含むタンパク質をコードしており、
このアミノ酸配列を含むタンパク質は、本発明による
(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素の好ましい
態様を構成する。
【0027】本発明の(R)−2,3−ブタンジオール
脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドのホモログと
は、配列番号:2に記載のアミノ酸配列に1もしくは複
数のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加さ
れたアミノ酸配列を含み、かつ、前記理化学的性質
(1)−(3)を有するタンパク質をコードするポリヌ
クレオチドを含む。当業者であれば、配列番号:1記載
のポリヌクレオチドに部位特異的変異導入法(Nucleic
Acid Res. 10,pp.6487 (1982) , Methods in Enzymol.1
00,pp.448 (1983), Molecular Cloning 2ndEdt., Cold
Spring Harbor Laboratory Press (1989) , PCR A Prac
tical Approach IRL Press pp.200 (1991)などを用い
て、適宜置換、欠失、挿入、および/または付加変異を
導入することによりポリヌクレオチドのホモログを得る
ことが可能である。
【0028】また、本発明におけるポリヌクレオチドの
ホモログは、配列番号:1に示される塩基配列からなる
ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリ
ダイズできるポリヌクレオチドであって、かつ、前記理
化学的性質(1)−(3)を有するタンパク質をコード
するポリヌクレオチドも含む。ストリンジェントな条件
でハイブリダイズできるポリヌクレオチドとは、配列番
号:1に記載中の任意の少なくとも20個、好ましくは
少なくとも30個、たとえば40、60または100個
の連続した配列を一つまたは複数選択したDNAをプロ
ーブDNAとし、たとえばECL direct nucleic acid la
beling and detection system (Amersham Pharmaica Bi
otech社製)を用いて、マニュアルに記載の条件(wash:
42℃、0.5x SSCを含むprimary wash buffer)において、
ハイブリダイズするポリヌクレオチドを指す。
【0029】さらに、本発明におけるポリヌクレオチド
のホモログは、配列番号:2に示されるアミノ酸配列と
少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%または9
0%、より好ましくは95%以上のホモロジーを有するタ
ンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。タンパ
ク質のホモロジー検索は、たとえばSWISS-PROT, PIRな
どの蛋白質のアミノ酸配列に関するデータベースや DDB
J、EMBL、あるいはGene-BankなどのDNA配列に関する
データベース、DNA配列を元にした予想酸配列に関す
るデータベースなどを対象に、BLAST, FASTAなどのプロ
グラムを利用して、例えば、インターネット通じて行う
ことができる。
【0030】配列番号:2に記載のアミノ酸配列を用い
てSWISS-PLOTを対象にBLASTプログラムを用いてホモロ
ジー検索を行った結果、既知のタンパク質の中でもっと
も高いホモロジーを示したのは、サッカロマイセス・セ
レビジアエ(Saccharomycescerevisiae)のYAG0であっ
た。YAG0は、ゲノム解析の結果から推測された、仮想ア
ルコール脱水素酵素様蛋白質(HYPOTHETICAL ZINC-TYPE
ALCOHOL DEHYDROGENASE-LIKE PROTEIN)で、その蛋白
質としての存在、機能、理化学的性質などは全く不明で
ある。このYAG0に対するホモロジーはIdentityで46
%、Positiveで62%であった。本発明の70%以上の
ホモロジーとは、例えば、BLASTプログラムを用いたPos
itiveの相同性の値を表す。
【0031】本発明は、配列番号:2に記載のアミノ酸
配列からなるタンパク質に関する。本発明はまた、配列
番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質のホ
モログを含む。本発明の(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素のホモログとは、配列番号:2に記載のア
ミノ酸配列に1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、
挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、
配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
と機能的に同等なタンパク質を意味する。本発明におい
て、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパ
ク質と機能的に同等とは、当該タンパク質が前記(1)
−(3)に示した物理化学的性状を有することを意味す
る。当業者であれば、配列番号:1記載のDNAに部位
特異的変異導入法(Nucleic Acid Res. 10,pp.6487 (19
82) , Methods in Enzymol.100,pp.448 (1983), Molecu
lar Cloning 2ndEdt., Cold Spring Harbor Laboratory
Press (1989) , PCR A Practical Approach IRL Press
pp.200 (1991) )などを用いて、適宜置換、欠失、挿
入、および/または付加変異を導入することにより
(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素のホモログ
をコードするポリヌクレオチドを得ることができる。そ
の(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素のホモロ
グをコードするポリヌクレオチドを宿主に導入して発現
させることにより、配列番号:2に記載の(R)−2,
3−ブタンジオール脱水素酵素のホモログを得ることが
可能である。
【0032】さらに、本発明の(R)−2,3−ブタン
ジオール脱水素酵素のホモログとは、配列番号:2に示
されるアミノ酸配列と少なくとも70%、好ましくは少
なくとも80%または90%、より好ましくは95%以上
のホモロジーを有するタンパク質をいう。タンパク質の
ホモロジー検索は、たとえばSWISS-PROT, PIRなどの蛋
白質のアミノ酸配列に関するデータベースやDDBJ、EMB
L、あるいはGene-BankなどのDNA配列に関するデータ
ベース、DNA配列を元にした予想アミノ酸配列に関す
るデータベースなどを対象に、BLAST、FASTAなどのプロ
グラムを利用して、例えば、インターネット通じて行う
ことができる。
【0033】本発明の(R)−2,3−ブタンジオール
脱水素酵素をコードするポリヌクレオチドは、たとえ
ば、以下のような方法によって単離することができる。
【0034】配列番号:1に記載の塩基配列を元にPC
R用のプライマーを設計し、酵素生産株の染色体DNA
もしくは、cDNAライブラリーを鋳型としてPCRを
行うことにより本発明のDNAを得ることができる。
【0035】さらに、得られたDNA断片をプローブと
して、酵素生産株の染色体DNAの制限酵素消化物をフ
ァージ、プラスミドなどに導入し、大腸菌を形質転換し
て得られたライブラリーやcDNAライブラリーを利用
して、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイ
ブリダイゼーションなどにより、本発明のポリヌクレオ
チドを得ることができる。
【0036】また、PCRにより得られたDNA断片の
塩基配列を解析し、得られた配列から、既知のDNAの
外側に伸長させるためのPCRプライマーを設計し、酵
素生産株の染色体DNAを適当な制限酵素で消化後、自
己環化反応によりDNAを鋳型として逆PCRを行うこ
とにより(Genetics 120, 621-623 (1988))、また、R
ACE法(Rapid Amplification of cDNA End、「PC
R実験マニュアル」p25-33, HBJ出版局)などにより
本発明のポリヌクレオチドを得ることも可能である。
【0037】なお本発明のポリヌクレオチドには、以上
のような方法によってクローニングされたゲノムDN
A、あるいはcDNAの他、合成によって得られたDN
Aが含まれる。このようにして単離された、本発明によ
る(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素をコード
するポリヌクレオチドを公知の発現ベクターに挿入する
ことにより、(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵
素発現ベクターが提供される。また、この発現ベクター
で形質転換した形質転換体を培養することにより、本発
明の(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素を組み
換え体から得ることができる。
【0038】本発明においてNADを電子受容体とす
る(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素を発現さ
せるために、形質転換の対象となる微生物は、NAD
を電子受容体とする(R)−2,3−ブタンジオール脱
水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドを含む組換えベクターにより形質転換され、
NADを電子受容体とする(R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素活性を発現することができる生物であ
れば特に制限はない。利用可能な微生物としては、たと
えば以下のような微生物を示すことができる。
【0039】エシェリヒア(Escherichia)属 バチルス(Bacillus)属 シュードモナス(Pseudomonas)属 セラチア(Serratia)属 ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属 コリネバクテリイウム(Corynebacterium)属 ストレプトコッカス(Streptococcus)属 ラクトバチルス(Lactobacillus)属など宿主ベクター系
の開発されている細菌 ロドコッカス(Rhodococcus)属 ストレプトマイセス(Streptomyces)属など宿主ベクター
系の開発されている放線菌 サッカロマイセス(Saccharomyces)属 クライベロマイセス(Kluyveromyces)属 シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属 チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属 ヤロウイア(Yarrowia)属 トリコスポロン(Trichosporon)属 ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属 ピキア(Pichia)属 キャンディダ(Candida)属などの宿主ベクター系の開発
されている酵母 ノイロスポラ(Neurospora)属 アスペルギルス(Aspergillus)属 セファロスポリウム(Cephalosporium)属 トリコデルマ(Trichoderma)属などの宿主ベクター系の
開発されているカビ
【0040】形質転換体の作製のための手順および宿主
に適合した組み換えベクターの構築は、分子生物学、生
物工学、遺伝子工学の分野において慣用されている技術
に準じて行うことができる(例えば、Sambrookら、モレ
キュラー・クローニング、Cold Spring Harbor Laborat
ories)。微生物中などにおいて、本発明のNADHを電
子供与体とする(R)−2,3−ブタンジオール脱水素
酵素遺伝子を発現させるためには、まず微生物中におい
て安定に存在するプラスミドベクターやファージベクタ
ー中にこのDNAを導入し、その遺伝情報を転写・翻訳
させる必要がある。そのためには、転写・翻訳を制御す
るユニットにあたるプロモーターを本発明のDNA鎖の
5'-側上流に、より好ましくはターミネーターを3'-側下
流に、それぞれ組み込めばよい。このプロモーター、タ
ーミネーターとしては、宿主として利用する微生物中に
おいて機能することが知られているプロモーター、ター
ミネーターを用いる必要がある。これら各種微生物にお
いて利用可能なベクター、プロモーター、ターミネータ
−などに関して「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立
出版」、特に酵母に関しては、Adv. Biochem. Eng. 43,
75-102 (1990)、Yeast 8, 423-488 (1992)、などに詳
細に記述されている。
【0041】例えばエシェリヒア属、特に大腸菌エシェ
リヒア・コリ(Escherichia coli)においては、プラスミ
ドベクターとして、pBR、pUC系プラスミドを利用でき、
lac(β−ガラクトシダーゼ)、trp(トリプトファンオペ
ロン)、tac、 trc (lac、trpの融合)、λファージ P
L、PRなどに由来するプロモーターなどが利用でき
る。また、ターミネーターとしては、trpA由来、ファー
ジ由来、rrnBリボソーマルRNA由来のターミネーター
などを用いることができる。これらの中で、市販のpS
E420(Invitrogen製)のマルチクローニングサイト
を一部改変したベクターpSE420D(特開2000-189
170に記載)が好適に利用できる。
【0042】バチルス属においては、ベクターとしてpU
B110系プラスミド、pC194系プラスミドなどが利用可能
であり、染色体にインテグレートすることもできる。ま
た、プロモーター、ターミネーターとしてapr(アルカリ
プロテアーゼ)、npr(中性プロテアーゼ)、amy(α−アミ
ラーゼ)などが利用できる。
【0043】シュードモナス属においては、シュードモ
ナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・
セパシア(Pseudomonas cepacia)などで宿主ベクター系
が開発されている。トルエン化合物の分解に関与するプ
ラスミドTOLプラスミドを基本にした広宿主域ベクター
(RSF1010などに由来する自律的複製に必要な遺伝子を含
む)pKT240などが利用可能であり、プロモーター、ター
ミネーターとして、リパーゼ(特開平5-284973)遺伝子
などが利用できる。
【0044】ブレビバクテリウム属特に、ブレビバクテ
リウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactof
ermentum)においては、pAJ43(Gene 39, 281 (1985))な
どのプラスミドベクターが利用可能である。プロモータ
ー、ターミネーターとしては、大腸菌で使用されている
プロモーター、ターミネーターがそのまま利用可能であ
る。
【0045】コリネバクテリウム属、特にコリネバクテ
リウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に
おいては、pCS11(特開昭57-183799)、pCB101(Mol. Gen.
Genet. 196, 175 (1984)などのプラスミドベクターが
利用可能である。
【0046】ストレプトコッカス(Streptococcus)属に
おいては、pHV1301(FEMS Microbiol.Lett. 26, 239 (19
85)、pGK1(Appl. Environ. Microbiol. 50, 94 (198
5))などがプラスミドベクターとして利用可能である。
【0047】ラクトバチルス(Lactobacillus)属におい
ては、ストレプトコッカス属用に開発されたpAMβ1(J.
Bacteriol. 137, 614 (1979))などが利用可能であ
り、プロモーターとして大腸菌で利用されているものが
利用可能である。
【0048】ロドコッカス(Rhodococcus)属において
は、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodoch
rous)から単離されたプラスミドベクターが使用可能で
ある (J.Gen. Microbiol. 138,1003 (1992) )。
【0049】ストレプトマイセス(Streptomyces)属にお
いては、HopwoodらのGenetic Manipulation of Strepto
myces: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Labo
ratories (1985)に記載の方法に従って、プラスミドを
構築することができる。特に、ストレプトマイセス・リ
ビダンス(Streptomyces lividans)においては、pIJ486
(Mol. Gen. Genet. 203, 468-478, 1986)、pKC1064(Gen
e 103,97-99 (1991) )、pUWL-KS (Gene 165,149-150 (1
995) )が使用できる。また、ストレプトマイセス・バー
ジニア(Streptomyces virginiae)においても、同様のプ
ラスミドを使用することができる(Actinomycetol. 11,
46-53 (1997) )。
【0050】サッカロマイセス(Saccharomyces)属、特
にサッカロマイセス・セレビジアエ(Saccharomyces cer
evisiae)においては、YRp系、YEp系、YCp系、YIp系プラ
スミドが利用可能であり、染色体内に多コピー存在する
リボソームDNAとの相同組み換えを利用したインテグ
レーションベクター(EP 537456など)は、多コピーで
遺伝子を導入でき、かつ安定に遺伝子を保持できるため
極めて有用である。また、ADH(アルコール脱水素酵
素)、GAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵
素)、PHO(酸性フォスファターゼ)、GAL(β−ガラクトシ
ダーゼ)、PGK(ホスホグリセレートキナーゼ)、ENO(エノ
ラーゼ)などのプロモーター、ターミネーターが利用可
能である。
【0051】クライベロマイセス属、特にクライベロマ
イセス・ラクティス(Kluyveromyceslactis)において
は、サッカロマイセス・セレビジアエ由来2μm系プラス
ミド、pKD1系プラスミド(J. Bacteriol. 145, 382-390
(1981))、キラー活性に関与するpGKl1由来プラスミ
ド、クライベロマイセス属における自律増殖遺伝子KARS
系プラスミド、リボソームDNAなどとの相同組み換え
により染色体中にインテグレート可能なベクタープラス
ミド(EP 537456など)などが利用可能である。また、A
DH、PGKなどに由来するプロモーター、ターミネーター
が利用可能である。
【0052】シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyc
es)属においては、シゾサッカロマイセス・ポンベ由来
のARS (自律複製に関与する遺伝子)及びサッカロマイセ
ス・セレビジアエ由来の栄養要求性を相補する選択マー
カーを含むプラスミドベクターが利用可能である(Mol.
Cell. Biol. 6, 80 (1986))。また、シゾサッカロマ
イセス・ポンベ由来のADHプロモーターなどが利用でき
る(EMBO J. 6, 729 (1987))。特に、pAUR224は、宝酒
造から市販されており容易に利用できる。
【0053】チゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyc
es)においては、チゴサッカロマイセス・ロウキシ(Zygo
saccharomyces rouxii)由来のpSB3(Nucleic Acids Re
s. 13, 4267 (1985))などに由来するプラスミドベクタ
ーが利用可能であり、サッカロマイセス・セレビジアエ
由来 PHO5 プロモーターや、チゴサッカロマイセス・ロ
ウキシ由来 GAP-Zr(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱
水素酵素)のプロモーター(Agri. Biol. Chem. 54, 252
1 (1990))などが利用可能である。
【0054】ピキア(Pichia)属においては、ピキア・ア
ンガスタ(旧名:ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula
polymorpha))において宿主ベクター系が開発されてい
る。ベクターとしては、ピキア・アンガスタ由来自律複
製に関与する遺伝子(HARS1、HARS2)も利用可能である
が、比較的不安定であるため、染色体への多コピーイン
テグレーションが有効である(Yeast 7, 431-443 (199
1))。また、メタノールなどで誘導されるAOX(アルコ
ールオキシダーゼ)、FDH(ギ酸脱水素酵素)のプロモータ
ーなどが利用可能である。また、ピキア・パストリス(P
ichia pastoris)などにピキア由来自律複製に関与する
遺伝子 (PARS1、 PARS2)などを利用した宿主ベクター系
が開発されており(Mol. Cell. Biol. 5, 3376 (198
5))、高濃度培養とメタノールで誘導可能なAOXなど強
いプロモーターが利用できる(Nucleic Acids Res. 15,
3859 (1987))。
【0055】キャンディダ(Candida)属においては、キ
ャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa)、キャンデ
ィダ・アルビカンス(Candida albicans)、キャンディダ
・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・
ウチルス(Candida utilis)などにおいて宿主ベクター系
が開発されている。キャンディダ・マルトーサにおいて
はキャンディダ・マルトーサ由来ARSがクローニング
され(Agri. Biol. Chem. 51, 51, 1587 (1987))、こ
れを利用したベクターが開発されている。また、キャン
ディダ・ウチルスにおいては、染色体インテグレートタ
イプのベクターは強力なプロモーターが開発されている
(特開平 08-173170)。
【0056】アスペルギルス(Aspergillus)属において
は、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 、
アスペルギルス・オリジー (Aspergillus oryzae) など
がカビの中で最もよく研究されており、プラスミドや染
色体へのインテグレーションが利用可能であり、菌体外
プロテアーゼやアミラーゼ由来のプロモーターが利用可
能である(Trends in Biotechnology 7, 283-287 (198
9))。
【0057】トリコデルマ(Trichoderma)属において
は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)を利
用したホストベクター系が開発され、菌体外セルラーゼ
遺伝子由来プロモーターなどが利用できる(Biotechnol
ogy 7, 596-603 (1989))。
【0058】また、微生物以外でも、植物、動物におい
て様々な宿主・ベクター系が開発されており、特に蚕を
用いた昆虫(Nature 315, 592-594 (1985))や菜種、ト
ウモロコシ、ジャガイモなどの植物中に大量に異種タン
パク質を発現させる系が開発されており、好適に利用で
きる。
【0059】本発明において使用する(R)−2,3−
ブタンジオール脱水素酵素生産能を有する微生物は、N
AD依存性(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵
素生産能を有するピキア属に属するすべての菌株、突然
変異株、変種、遺伝子操作技術の利用により作成された
本発明の酵素生産能を獲得した形質転換株を含む。
【0060】本発明は、前記(R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素のケトンの還元によるアルコール、特
に(R)−2,3−ブタンジオールの製造用途に関す
る。酵素分子、その処理物、酵素分子を含む培養物、あ
るいは酵素を生成する微生物等の形質転換体が生きた状
態で反応溶液と接触させることにより、目的とする酵素
反応を行わせることができる。なお、酵素と反応溶液の
接触形態はこれらの具体例に限定されるものではない。
反応溶液は、基質や酵素反応に必要な補酵素であるNA
DHを酵素活性の発現に望ましい環境を与える適当な溶
媒に溶解したものである。本発明における(R)−2,
3−ブタンジオール脱水素酵素を含む微生物の処理物に
は、具体的には界面活性剤やトルエンなどの有機溶媒処
理によって細胞膜の透過性を変化させた微生物、あるい
はガラスビーズや酵素処理によって菌体を破砕した無細
胞抽出液やそれを部分精製したものなどが含まれる。
【0061】本発明によるアルコールの製造方法におけ
るケトンとしては、隣接するジケトンを有する2,3−
ブタンジオンや2,3−ペンタンジオンが好適に用いら
れる。
【0062】本発明は、前記(R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素によるアルコールの酸化反応によるケ
トンの製造用途に関する。酵素分子、その処理物、酵素
分子を含む培養物、あるいは酵素を生成する微生物等の
形質転換体が生きた状態で反応溶液と接触させることに
より、目的とする酵素反応を行わせることができる。な
お、酵素と反応溶液の接触形態はこれらの具体例に限定
されるものではない。反応溶液は、基質や酵素反応に必
要な補酵素であるNADを酵素活性の発現に望ましい
環境を与える適当な溶媒に溶解したものである。本発明
における(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素を
含む微生物の処理物には、具体的には界面活性剤やトル
エンなどの有機溶媒処理によって細胞膜の透過性を変化
させた微生物、あるいはガラスビーズや酵素処理によっ
て菌体を破砕した無細胞抽出液やそれを部分精製したも
のなどが含まれる。
【0063】本発明によるケトンの製造方法におけるア
ルコールとしては、(2R,3R)−2,3−ブタンジ
オール、メソ−2,3−ブタンジオールが挙げられ、そ
れぞれ、(R)−アセトイン、(S)−アセトインを合
成することができる。
【0064】上記還元反応に付随してNADHから生成
するNADの、NADHへの再生は、微生物の持つN
AD還元能(解糖系、メチロトローフのC1化合物資
化経路など)を用いて行うことができる。これらNAD
還元能は、反応系にグルコースやエタノール、ギ酸な
どを添加することにより増強することが可能である。ま
た、NADからNADHを生成する能力を有する微生
物やその処理物、酵素を反応系に添加することによって
も行うことができる。たとえば、グルコース脱水素酵
素、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アミノ酸
脱水素酵素、有機酸脱水素酵素(リンゴ酸脱水素酵素な
ど)などを含む微生物、その処理物、ならびに部分精製
もしくは精製酵素を用いてNADHの再生を行うことが
できる。これらのNADH再生に必要な反応を構成する
成分は、本発明によるアルコールの製造のための反応系
に添加する、固定化したものを添加する、あるいはNA
DHの交換が可能な膜を介して接触させることができ
る。
【0065】また、本発明のDNAを含む組み換えベク
ターで形質転換した微生物の生菌体を前記アルコールの
製造方法に利用する場合には、NADH再生のための付
加的な反応系を不要とできる場合がある。すなわち、N
ADH再生活性の高い微生物を用いることにより、形質
転換体を用いた還元反応において、NADH再生用の酵
素を添加することなく効率的な反応が行える。さらに、
NADH再生に利用可能なグルコース脱水素酵素、ギ酸
脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アミノ酸脱水素酵
素、有機酸脱水素酵素(リンゴ酸脱水素酵素など)など
の遺伝子を、本発明のNADH依存性(R)−2,3−
ブタンジオール脱水素酵素をコードするDNAと同時に
宿主に導入することによって、より効率的なNADH再
生酵素とNAD依存性(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素の発現、還元反応を行うことも可能であ
る。これらの2つもしくはそれ以上の遺伝子の宿主への
導入には、不和合性を避けるために複製起源のことなる
複数のベクターに別々に遺伝子を導入した組み換えベク
ターにより宿主を形質転換する方法や、単一のベクター
に両遺伝子を導入する方法、一方、もしくは、両方の遺
伝子を染色体中に導入する方法などを利用することがで
きる。
【0066】単一のベクター中に複数の遺伝子を導入す
る場合には、プロモーター、ターミネーターなど発現制
御に関わる領域をそれぞれの遺伝子に連結する方法やラ
クトースオペロンのような複数のシストロンを含むオペ
ロンとして発現させることも可能である。
【0067】本発明の酵素を用いた還元反応は、水中も
しくは水に溶解しにくい有機溶媒、たとえば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n−ヘキサ
ンなどの有機溶媒中、もしくは、水性媒体との2相系に
より行うことができる。本発明の反応は、固定化酵素、
膜リアクターなどを利用して行うことも可能である。
【0068】本発明の反応は、反応温度4−60℃、好
ましくは15−30℃、pH3−11、好ましくはpH
6−9.5、基質濃度0.01−90%、好ましくは
0.1−30%で行うことができる。反応系には必要に
応じて補酵素NADもしくはNADHが0.001mM
−100mM、好ましくは、0.01−10mM添加でき
る。また、基質は反応開始時に一括して添加することも
可能であるが、反応液中の基質濃度が高くなりすぎない
ように連続的、もしくは非連続的に添加することが望ま
しい。
【0069】NADHの再生のために、たとえば、グル
コース脱水素酵素を利用する場合のグルコース、ギ酸脱
水素酵素を利用する場合のギ酸、アルコール脱水素酵素
を利用する場合のエタノールもしくはイソプロパノール
などが反応系に添加される。これらの化合物は、基質ケ
トンに対してモル比で0.1−20、好ましくは1−5
倍過剰に添加することができる。一方、グルコース脱水
素酵素、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素など
の、NADH再生用の酵素は、本発明のNADH依存性
カルボニル脱水素酵素に比較して酵素活性で0.1−1
00倍、好ましくは0.5−20倍程度添加することが
できる。
【0070】本発明のケトンの還元により生成するアル
コールの精製は、菌体、タンパク質の遠心分離、膜処理
などによる分離、溶媒抽出、蒸留などを適当に組み合わ
せることにより行うことができる。たとえば、(2R,
3R)−2,3−ブタンジオールでは、微生物菌体を含
む反応液を遠心分離し、微生物菌体をのぞいた後、限外
濾過によりタンパク質を除去し、その濾液に酢酸エチル
などの溶媒を添加して(2R,3R)−2,3−ブタン
ジオールを溶媒層に抽出する。これを相分離後、蒸留す
ることにより純度の高い(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素を精製することができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 [実施例1](R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵
素の精製 ピキア・アンガスタ ATCC 26012株を7Lのグリセロー
ルをC源とした培地A中で、28℃、40時間培養し、
遠心分離により湿菌体を調製した。得られた湿菌体約1
00gを50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)、
1mM 2−メルカプトエタノール−130mLに澱懸し、
ビードビーター(Biospec社製)により破砕後、遠心分
離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この
無細胞抽出液を緩衝液A(50mMリン酸カリウム緩衝液
(pH8.0)及び1mM 2−メルカプトエタノール)
で平衡化したブルーセファロース6B(2.2cm x
20cm)に添加し、緩衝液Aで洗浄した後、0から1
M 塩化ナトリウムの濃度勾配により溶出した。溶出した
グリセロール脱水素酵素活性を示す画分を回収した。
【0072】濃縮した酵素液を緩衝液Aに対して透析し
た後、40%硫安飽和緩衝液Aで平衡化したフェニル−
セファロース(1.0 cm × 10 cm)に添加した。同
緩衝液でカラムを洗浄した後、40%から0%硫安飽和
の勾配溶出を行った。溶出したグリセロール脱水素酵素
活性画分を回収し、限外濾過により濃縮した。濃縮酵素
液を20mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)及び
1mM 2−メルカプトエタノールからなる緩衝液で平衡
化したリソースQカラム(Resource Q HR 5/5)に添加
し、同緩衝液で洗浄した後、0から1 M 塩化ナトリウ
ムの濃度勾配溶出を行った。活性画分を濃縮し、SDS
−PAGEにより解析した結果、ほぼ単一バンドであっ
た(図1)。精製酵素の比活性は約218U/mg(グリセ
ロール脱水素酵素活性;(2R,3R)−2,3−ブタ
ンジオール脱水素酵素活性で1350U/mg相当)であっ
た。精製の要約を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】[実施例2](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の分子量測定 実施例1で得られた酵素のサブユニットの分子量をSD
S−PAGEにより求めた結果、3.6万であった。ま
た、スーパーデックスG200のゲルろ過カラムを用い
て分子量を測定したところ、約7.6万であった。
【0075】[実施例3](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の至適pH McIIvaine緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、グリシン−水
酸化ナトリウム緩衝液を用いてpHを変化させて、実施例
1で得られた酵素のグリセロール脱水素酵素活性を調
べ、最大活性を100とした相対活性で表し、図2に示
した。反応の至適pHは10であった。
【0076】[実施例4](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の作用至適温度 実施例1で得られた酵素を標準反応条件のうち温度だけ
を変化させてグリセロール脱水素酵素活性を測定し、最
大活性を100とした相対活性で表し、図3に示した。
至適温度は30℃であった。
【0077】[実施例5](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素のpH安定性 実施例1で得られた酵素を、McIIvaine緩衝液、トリス
−塩酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液pH
2−12中で、30℃、10分間インキュベートし、残
存活性を測定した。結果は、未処理の活性を100とし
た残存活性で表し、図4に示した。本発明による(R)
−2,3−ブタンジオール脱水素酵素は、pH6−9.
5において比較的安定であった。
【0078】[実施例6](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の温度安定性 実施例1で得られた酵素をpH7.5で10分間放置し
た後、グリセロール脱水素酵素活性を測定した。結果
は、未処理の活性を100とした残存活性で表し、図5
に示した。本発明による(R)−2,3−ブタンジオー
ル脱水素酵素は、30℃まで比較的安定であった。
【0079】[実施例7](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の基質特異性 実施例1で得られた酵素を種々試薬500mMと反応さ
せ、その脱水素活性を測定した。結果は、NADを補
酵素としたグリセロール脱水素活性を100とした相対
活性で表し、表2に示した。
【0080】
【表2】 ND: 検出されず
【0081】[実施例8](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の立体選択性 実施例1で得られた酵素を1,2−プロパンジオール、
2,3−ブタンジオールの両異性体500mMに対して反
応させ、グリセロールに対する活性を100とした相対
活性で表し、表3に示した。
【0082】
【表3】
【0083】[実施例9](R)−2,3−ブタンジオ
ール脱水素酵素の試薬に対する挙動 種々の試薬中で30℃、10分間処理した後、グリセロール
脱水素酵素活性を測定し、試薬を含まない条件で30℃、
10分間処理した後の残存活性を100とした残存活性で
表し、表4に示した。本発明による(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素は、パラクロロ水銀安息香酸
(PCMB)、o-フェナンスロリン、2,2’−ジピリジル、
塩化銅、塩化水銀、塩化鉄 (III) によって顕著に阻害
され、エチレンジアミン4酢酸 (EDTA) では阻害されな
かった。
【0084】
【表4】 DTNB: 5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)
【0085】[実施例10](R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素の部分アミノ酸配列 実施例1で得られた酵素を用いて、プロテインシーケン
サーによりN末端アミノ酸配列を解析したが、N末アミ
ノ酸はブロックされていることが示唆された。次に、V
8プロテアーゼ(シグマ社製)を用いて精製酵素を部分
消化し、SDS-PAGEにより分離後、PVDFメンブレンにブロ
ッティングした。ブロッティングされたペプチド断片を
プロテインシーケンサー(アプライド・バイオシステム
製)によりアミノ酸配列を解析した結果、3種類のアミ
ノ酸配列が得られた。ペプチドA、ペプチドB、ペプチ
ドCのアミノ酸配列をそれぞれ配列番号:3、配列番
号:4、および配列番号:5に示した。
【0086】配列番号:3:ペプチドA Lys-Pro-Gly-Asp-Arg-Val-Ala-Val-Glu-Ala 配列番号:4:ペプチドB Ala-Thr-Ser-His-Cys-Ser-Asp-Arg-Ser-Arg-Tyr-Lys-As
p-Thr-Val-Ala-Gln-Asp-Leu-Gly-Leu 配列番号:5:ペプチドC Phe-His-Ala-Ala-Phe-Asp
【0087】[実施例11]ピキア・アンガスタからの
染色体DNAの調製 ピキア・アンガスタ ATCC 26012株よりCryerらの方法
(Meth. Cell Biol. 12,39-44 (1975))により、染色体
DNAを精製した。
【0088】[実施例12](R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素遺伝子のコア領域のPCRによるクロ
ーニング ペプチドAに対応するセンスプライマーA及びペプチド
Cに対応したアンチセンスプライマーCを合成した。そ
れぞれの塩基配列を配列番号:6(プライマーA)、7
(プライマーC)に示した。
【0089】プライマーA(配列番号:6) AARCCNGGNGAYMGNGTNGC プライマーC(配列番号:7) TCRTCRAANGCNGCRTGRAA
【0090】[実施例13]PCR条件 ピキア・アンガスタ由来染色体DNA200ng、ExTaq
1.25U、ExTaq用緩衝液 (宝酒造製)を含む3
0μLの下層反応液を80℃5分、4℃1分処理した後、プラ
イマーA及びBを各20pmol、dNTP20nmol、Ex
Taq用緩衝液を含む20μLの上層反応液をAmpliWaxP
CR Gem 50 (宝酒造製)に添加し、94℃、1分間熱処
理し、更に94℃1分、56℃1分、72℃2分のサイ
クルを計35回行った。
【0091】[実施例14](R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素遺伝子のコア領域のPCR断片のサブ
クローニング 実施例13で得られたDNA断片を1%低融点アガロー
スを用いて電気泳動して精製した。精製したDNA断片
をベクターpT7Blue-2T(宝酒造製)と、TakaraLigation
Kitを用いてライゲーションし、大腸菌JM109株を形質
転換し、アンピシリン(50μg/mL)を含むLB培地
(1%バクト−トリプトン、0.5%バクト−酵母エキ
ス、1%塩化ナトリウム、以下、LB培地と略す)プレー
ト上で生育させた。目的とするプラスミドを有する形質
転換株よりプラスミドを精製し、挿入DNAの塩基配列
を解析した。DNA塩基配列の解析には、BigDye Termi
nator Cycle Sequencing ready Reaction Kit (アプラ
イドバイオシステムズ製)を用いてPCRを行い、PRISM
310 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ
製)により行った。決定されたコア領域の塩基配列をそ
れぞれ配列番号:8として示した。
【0092】[実施例15](R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素遺伝子のコア領域の周辺DNAのサブ
クローニング ピキア・アンガスタの染色体DNAを制限酵素ApoI, Ps
tI, XhoIでそれぞれ消化し、T4リガーゼを用いて16℃で
終夜セルフ・ライゲーション反応により、各断片を環化
させた。次にプライマーPODR-C5U(配列番号:9)、PO
DR-C3D(配列番号:10)を各50pmol、dNTP10nmo
l、セルフ・ライゲーションさせたDNA50ng、Ex-Ta
q用緩衝液(宝酒造製)、Ex-Taq1.5U(宝酒造製)を
含む50μLの反応液を用い、変性(94℃、30
秒)、アニール(55℃、30秒)、伸長(72℃、6
分40秒)を30サイクル、GeneAmp PCR System 2400
(パーキンエルマー製)を用いて行った。PCR反応液の
一部をアガロースゲル電気泳動により解析した結果、Ap
oI, PstI, XhoIで消化した鋳型DNAに対応して、約7
60bp、6000bp、3500bpのDNA断片が検出で
きた。
【0093】PODR-C5U(配列番号:9) TTGGCATGCGATCTGTCGGAGCAATG PODR-C3D(配列番号:10) TGAGCATGCAAATGCTGTTCTCAAGGC
【0094】PCRで増幅されたそれぞれのDNA断片
は、フェノール/クロロホルム抽出後、エタノール沈殿
として回収後、SphIによる制限酵素消化後、アガロース
ゲル電気泳動を行い、目的とするバンド(PstI、XhoIで
消化したDNAを鋳型として得られたPCR増幅断片中
に、SphI切断部位が存在したために、PCR断片は2つ
に分かれた。それらのうちの、大きなDNA断片を精製
した)を切り出し、Sephaglas(ファルマシア製)によ
り精製、回収した。
【0095】得られたそれぞれのDNA断片をSphIで制
限酵素消化したpUC18(宝酒造製)とTakara Ligation K
it Ver.2を用いて、ライゲーションし、大腸菌JM109株
を形質転換した。形質転換株をアンピシリン(50μg/
mL)、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクト
ピラノシド(50μg/mL)、イソプロピルチオ-β-D-ガ
ラクトピラノシド(以下、IPTGと呼ぶ)(20μg/mL)
を含むLB培地プレート上で生育させ、いくつかの白色
のコロニーをアンピシリンを含む液体LB培地で培養
し、Flexi-Prep (ファルマシア製) によりプラスミドを
精製した。得られたプラスミドを、PCRの鋳型とした
DNAの調製に用いた制限酵素ApoI, PstI, XhoIに対応
して、それぞれpPAD-Apo, pPAD-Pst, pPAD-Xhoとした。
【0096】精製したプラスミドから挿入DNAの塩基
配列を解析した。DNA塩基配列の解析には、Dye Term
inator Cycle Sequencing FS ready Reaction Kit (パ
ーキンエルマー製)を用いてPCRを行い、DNAシー
ケンサー373A(パーキンエルマー製)により行った。
【0097】pPAD-Apo, pPAD-Pst, pPAD-Xho内の挿入D
NA断片の解析した塩基配列を、コア領域の5’−上流
側(5U)、3’−下流側(3D)に分け、それぞれAp
o-5U(配列番号:11)、Apo-3D(配列番号:12)、
Pst-5U(配列番号:13)として示した。また、これら
のDNA断片の位置を制限酵素マップとして図6に示し
た。
【0098】PCR増幅断片内にSphI切断部位が存在し
たために、コア配列上流のApoIからSphI部位の間の断片
がクローン化できなかったために、新たにプライマー P
ODR-SPH(配列番号:14)を合成し、プライマーPODR-
C5Uと共に、ピキア・アンガスタより精製した染色体D
NAを鋳型としてPCRを行い、得られたPCR産物を
精製後、PstI消化し、PstI, SmaIで2重消化したpUC18と
ライゲーションを行い、プラスミドpPAD-Sphを得た。こ
のpPAD-Sph内の挿入断片部分の塩基配列を解析し、得ら
れた配列をSph-5Uとして配列番号:15に示した。
【0099】Pst-5U, Sph-5U, Apo-5U, Apo-3Dの各塩基
配列を図6のマップに基づき合成し、オープンリーディ
ングフレーム(ORF)検索により(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素遺伝子の配列を決定した。決定
したDNA配列は配列番号:1に、コードするタンパク
質の配列は配列番号:2に示す。これらの合成、ORF
検索は、Genetyx-ATSQ/WIN、およびGenetyx-WIN(とも
にソフトウェア開発株式会社製)ソフトの上で行った。
【0100】[実施例16](R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素遺伝子のクローニング (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素の構造遺伝
子の塩基配列を元に発現ベクター構築用のプライマーPA
D-ATG1(配列番号:16)、PAD-TAA1(配列番号:1
7)を合成した。プライマーを各50pmol、dNTP10nm
ol、ピキア・アンガスタ由来染色体DNA50ng、Pfu-
DNA polymerase用緩衝液 (STRATAGENE製)、Pfu-DNA pol
ymerase2U (STRATAGENE製)を含む50μLの反応液を
用い、変性(95℃、30秒)、アニール(50℃、1
分)、伸長(75℃、5分)を30サイクル、GeneAmp
PCR System 2400 (パーキンエルマー製)を用いて行っ
た。
【0101】PAD-ATG1(配列番号:16) TGCTCATGAAAGGTTTACTTTATTACGGTA PAD-TAA1(配列番号:17) CAGTCTAGATTAGGAAACCTCGTTCGGC
【0102】PCR反応液の一部をアガロースゲル電気
泳動により解析した結果、特異的なバンドが検出でき
た。得られたDNA断片を、フェノール/クロロホルム
抽出後、エタノール沈殿として回収した。DNA断片を
制限酵素BspHI、XbaIで二重消化し、アガロースゲル電
気泳動を行い、目的とするバンドの部分を切り出し、Se
phaglas (ファルマシア製) により精製した。得られた
DNA断片を、NcoI、XbaIで二重消化したpSE420D(Inv
itrogen製のプラスミドベクターpSE420のマルチクロー
ニングサイトを改変したプラスミド、特開2000-18917
0)とTakara Ligation Kitを用いて、ライゲーション
し、大腸菌HB101株を形質転換した。形質転換株をアン
ピシリン(50μg/mL)を含むLB培地プレート上で生
育させ、いくつかのコロニーよりプラスミドを精製し、
挿入断片の塩基配列を解析した。目的とする(R)−
2,3−ブタンジオール脱水素酵素遺伝子を持つプラス
ミドをpSE-PAD1とした。
【0103】[実施例17]組換え(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素の大腸菌による生産 (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素遺伝子の発
現プラスミドpSE-PAD1で形質転換された大腸菌HB101株
をアンピシリンを含む液体LB培地で終夜30℃培養
し、0.1mM IPTG(イソプロピルチオガラクトピラノシ
ド)を加え、さらに4時間培養を行った。菌体を遠心分
離により集菌後、0.02% 2−メルカプトエタノール
を含む100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に
懸濁し、密閉式超音波破砕装置UCD−200TM(コ
スモバイオ製)を用いて4分間処理することで、菌体を
破砕した。菌体破砕液を遠心分離し、その上清を菌体抽
出液中として回収した。
【0104】[実施例18]組換え(R)−2,3−ブ
タンジオール脱水素酵素の基質特異性 実施例17で調製した組換え(R)−2,3−ブタンジ
オール脱水素酵素を用いて種々の基質に対する活性を測
定し、プラスミドを含有しない状態で実施例17と同様
に調製した無細胞抽出液の活性と比較した、酸化反応の
結果を表5に、還元反応の結果を表6に示した。
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
【発明の効果】光学活性アルコールなどの生産に有用な
NAD依存性の(R)−2,3−ブタンジオール脱水
素酵素ならびにそれをコードするDNAが提供された。
本酵素を利用することにより、光学純度の高い(2R,
3R)−2,3−ブタンジオールの効率的な生産方法が
提供された。本発明の(R)−2,3−ブタンジオール
脱水素酵素は、NADPよりも安定なNAD依存性
であることから、より容易に工業的な製造工程に応用す
ることができる。本発明による光学純度の高い(2R,
3R)−2,3−ブタンジオールの製造方法は、液晶や
医薬品原料等の製造方法として有用である。
【0108】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> DAICEL Chemical Industries LTD. <120> Novel (R)-2,3-butanediol dehydrogenase <130> D1-A0009 <140> <141> <160> 17 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 1143 <212> DNA <213> Pichia angusta <400> 1 atgaaaggtt tactttatta cggtacaaac gatattcgct actccgaaac ggttcctgaa 60 ccggagatca agaatcccaa cgatgtcaag atcaaagtca gctattgtgg aatctgtggc 120 acggacttga aagaattcac atattctgga ggtcctgttt ttttccctaa acaaggcacc 180 aaggacaaga tttcgggata cgaacttcct ctctgtcctg gacatgaatt tagcggaacg 240 gtggtcgagg ttggctctgg tgtcacaagt gtgaaacctg gtgacagagt cgcagttgaa 300 gctacgtcgc attgctccga cagatcgcgc tacaaggaca cggtcgccca agaccttggg 360 ctctgtatgg cctgccagag cggatctccg aactgctgtg cgtcgctgag cttctgcggt 420 ttgggtggtg ccagcggcgg ttttgccgag tacgtcgttt acggtgagga ccacatggtc 480 aagctgccag actcgattcc cgacgatatt ggagcactgg ttgagcctat ttctgttgcc 540 tggcatgctg ttgaacgcgc tagattccag cctggtcaga cggccctggt tcttggagga 600 ggtcctatcg gccttgccac cattcttgct ctgcaaggcc atcatgcggg caaaattgtg 660 tgttccgagc cggccttgat cagaagacag tttgcaaagg aactgggcgc tgaagtgttc 720 gatccttcta catgtgacga cgcaaatgct gttctcaagg ctatggtgcc ggagaacgag 780 ggattccatg cagccttcga ctgctctggt gttcctcaga cattcaccac ctcaattgtc 840 gccacgggac cttctggaat cgccgtcaat gtggccgttt ggggagacca cccaattgga 900 ttcatgccaa tgtctctgac ttaccaggag aaatacgcta ccggctccat gtgctacacc 960 gtcaaggact tccaggaagt tgtcaaggcc ttggaagatg gtctcatatc tttggacaaa 1020 gcgcgcaaga tgattacagg caaagtccac ctaaaggacg gagtcgagaa gggctttaaa 1080 cagctgatcg agcacaagga gaacaatgtc aagatcctgg tgacgccgaa cgaggtttcc 1140 taa 1143 <210> 2 <211> 380 <212> PRT <213> Pichia angusta <400> 2 Met Lys Gly Leu Leu Tyr Tyr Gly Thr Asn Asp Ile Arg Tyr Ser Glu 1 5 10 15 Thr Val Pro Glu Pro Glu Ile Lys Asn Pro Asn Asp Val Lys Ile Lys 20 25 30 Val Ser Tyr Cys Gly Ile Cys Gly Thr Asp Leu Lys Glu Phe Thr Tyr 35 40 45 Ser Gly Gly Pro Val Phe Phe Pro Lys Gln Gly Thr Lys Asp Lys Ile 50 55 60 Ser Gly Tyr Glu Leu Pro Leu Cys Pro Gly His Glu Phe Ser Gly Thr 65 70 75 80 Val Val Glu Val Gly Ser Gly Val Thr Ser Val Lys Pro Gly Asp Arg 85 90 95 Val Ala Val Glu Ala Thr Ser His Cys Ser Asp Arg Ser Arg Tyr Lys 100 105 110 Asp Thr Val Ala Gln Asp Leu Gly Leu Cys Met Ala Cys Gln Ser Gly 115 120 125 Ser Pro Asn Cys Cys Ala Ser Leu Ser Phe Cys Gly Leu Gly Gly Ala 130 135 140 Ser Gly Gly Phe Ala Glu Tyr Val Val Tyr Gly Glu Asp His Met Val 145 150 155 160 Lys Leu Pro Asp Ser Ile Pro Asp Asp Ile Gly Ala Leu Val Glu Pro 165 170 175 Ile Ser Val Ala Trp His Ala Val Glu Arg Ala Arg Phe Gln Pro Gly 180 185 190 Gln Thr Ala Leu Val Leu Gly Gly Gly Pro Ile Gly Leu Ala Thr Ile 195 200 205 Leu Ala Leu Gln Gly His His Ala Gly Lys Ile Val Cys Ser Glu Pro 210 215 220 Ala Leu Ile Arg Arg Gln Phe Ala Lys Glu Leu Gly Ala Glu Val Phe 225 230 235 240 Asp Pro Ser Thr Cys Asp Asp Ala Asn Ala Val Leu Lys Ala Met Val 245 250 255 Pro Glu Asn Glu Gly Phe His Ala Ala Phe Asp Cys Ser Gly Val Pro 260 265 270 Gln Thr Phe Thr Thr Ser Ile Val Ala Thr Gly Pro Ser Gly Ile Ala 275 280 285 Val Asn Val Ala Val Trp Gly Asp His Pro Ile Gly Phe Met Pro Met 290 295 300 Ser Leu Thr Tyr Gln Glu Lys Tyr Ala Thr Gly Ser Met Cys Tyr Thr 305 310 315 320 Val Lys Asp Phe Gln Glu Val Val Lys Ala Leu Glu Asp Gly Leu Ile 325 330 335 Ser Leu Asp Lys Ala Arg Lys Met Ile Thr Gly Lys Val His Leu Lys 340 345 350 Asp Gly Val Glu Lys Gly Phe Lys Gln Leu Ile Glu His Lys Glu Asn 355 360 365 Asn Val Lys Ile Leu Val Thr Pro Asn Glu Val Ser 370 375 380 <210> 3 <211> 10 <212> PRT <213> Pichia angusta <400> 3 Lys Pro Gly Asp Arg Val Ala Val Glu Ala 1 5 10 <210> 4 <211> 21 <212> PRT <213> Pichia angusta <400> 4 Ala Thr Ser His Cys Ser Asp Arg Ser Arg Tyr Lys Asp Thr Val Ala 1 5 10 15 Gln Asp Leu Gly Leu 20 <210> 5 <211> 6 <212> PRT <213> Pichia angusta <400> 5 Phe His Ala Ala Phe Asp 1 5 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 6 aarccnggng aymgngtngc 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 7 tcrtcraang cngcrtgraa 20 <210> 8 <211> 530 <212> DNA <213> Pichia angusta <400> 8 aagccgggtg atcgtgtcgc agttgaagct acgtcgcatt gctccgacag atcgcgctac 60 aaggacacgg tcgcccaaga ccttgggctc tgtatggcct gccagagcgg atctccgaac 120 tgctgtgcgt cgctgagctt ctgcggtttg ggtggtgcca gcggcggttt tgccgagtac 180 gtcgtttacg gtgaggacca catggtcaag ctgccagact cgattcccga cgatattgga 240 gcactggttg agcctatttc tgttgcctgg catgctgttg aacgcgctag attccagcct 300 ggtcagacgg ccctggttct tggaggaggt cctatcggcc ttgccaccat tcttgctctg 360 caaggccatc atgcgggcaa aattgtgtgt tccgagccgg ccttgatcag aagacagttt 420 gcaaaggaac tgggcgctga agtgttcgat ccttctacat gtgacgacgc aaatgctgtt 480 ctcaaggcta tggtgccgga gaacgaggga ttccacgccg ccttcgatga 530 <210> 9 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 9 ttggcatgcg atctgtcgga gcaatg 26 <210> 10 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 10 tgagcatgca aatgctgttc tcaaggc 27 <210> 11 <211> 107 <212> DNA <213> Pichia angusta <400> 11 gaatttagcg gaacggtggt cgaggttggc tctggtgtca caagtgtgaa acctggtgac 60 agagtcgcag ttgaagctac gtcgcattgc tccgacagat cgcatgc 107 <210> 12 <211> 706 <212> DNA <213> Pichia angusta <400> 12 gcatgcaaat gctgttctca aggctatggt gccggagaac gagggattcc atgcagcctt 60 cgactgctct ggtgttcctc agacattcac cacctcaatt gtcgccacgg gaccttctgg 120 aatcgccgtc aatgtggccg tttggggaga ccacccaatt ggattcatgc caatgtctct 180 gacttaccag gagaaatacg ctaccggctc catgtgctac accgtcaagg acttccagga 240 agttgtcaag gccttggaag atggtctcat atctttggac aaagcgcgca agatgattac 300 aggcaaagtc cacctaaagg acggagtcga gaagggcttt aaacagctga tcgagcacaa 360 ggagaacaat gtcaagatcc tggtgacgcc gaacgaggtt tcctaactaa taatatacat 420 acatcataca tatgtatgtc ctagagccaa gacttgcgca ttaggaaaaa tagctggtag 480 tttgcattat ggtggccggc ctcccaggaa attaatctat gatttacata tggactcgat 540 tacgtaacag gtgctgagca tttaataatt acctactatt ttctaaatta gtaaattgta 600 tgtttcttga gcaggaggag atactagagc aatttcaaaa catctccaat tgccaaatcc 660 ctgtgtccga acagattgca ttgctagagt ctgtgaactg gaattt 706 <210> 13 <211> 620 <212> DNA <213> Pichia angusta <400> 13 tgacattcca caccaacttc tgccgccacc actgcaatcc tgtaggcgaa caggacgatg 60 caggactatt tctctatttt ttcccatcgt gcaccctgaa ccaatacggg ggaggcatgg 120 gaattttccg cgctaatcca gtcaacggta acaagaccag gatggagttt gaatatttct 180 ttgacggcag cgatgaggag ttcgaggcct acttcaagtt tgccagacag gtcgcactcg 240 aggatatttg gctgtgtgag gcggcccaac agaaccttat aagtggggtg taccaacagg 300 gcttgctgca tcctaaaaaa gaagtcgggg tggtttacta ccagtcgctg gttcgtgaaa 360 gaataatggc ttagctccga gatgtggagg cagtctggtc agactgtgcg gcaattaaat 420 aagacgcgga tgtactgcac cagagtgaat aaaggaattc caattcgata gcaaatattg 480 ctgtaataat gagtgaccag atttattacc gaacctagcc agcccggggt tttttacaca 540 ataggaaaaa aaggactcga ttattcgatg ctgctgcaaa tcacgccaga cataataagt 600 cacccgttta ctccgcatgc 620 <210> 14 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 14 tgcctgcagc gccagacata ataagtcacc 30 <210> 15 <211> 523 <212> DNA <213> Pichia angusta <400> 15 ctgcagcgcc agacataata agtcacccgt ttactccgca tgcactcccc cactgatcat 60 gattaatggt tctggacggc taaatcattg atcactgcgt cccggacctc gtaccgacgt 120 ggaaattagc cggcactcgg ttgtgagaga ttatcctata taaaccacaa aatcctatct 180 cccttttgcc aatgaaaggt ttactttatt acggtacaaa cgatattcgc tactccgaaa 240 cggttcctga accggagatc aagaatccca acgatgtcaa gatcaaagtc agctattgtg 300 gaatctgtgg cacggacttg aaagaattca catattctgg aggtcctgtt tttttcccta 360 aacaaggcac caaggacaag atttcgggat acgaacttcc tctctgtcct ggacatgaat 420 ttagcggaac ggtggtcgag gttggctctg gtgtcacaag tgtgaaacct ggtgacagag 480 tcgcagttga agctacgtcg cattgctccg acagatcgca tgc 523 <210> 16 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 16 tgctcatgaa aggtttactt tattacggta 30 <210> 17 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 17 cagtctagat taggaaacct cgttcggc 28
【図面の簡単な説明】
【図1】 グリセロール脱水素酵素活性を示す画分を濃
縮し、SDS−PAGEにより解析を行った結果を示す
写真である。
【図2】 (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素
の至適pHの測定結果を示した図である。、最大活性を1
00とした相対活性で表した。
【図3】 (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素
の作用至適温度の測定結果を示す図である。最大活性を
100とした相対活性で表した。
【図4】 (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素
のpH安定性の測定結果を示す図である。未処理の活性
を100とした残存活性で表した。
【図5】 (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素
の温度安定性を測定した結果を示す図である。未処理の
活性を100とした残存活性で表した。
【図6】 (R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素
遺伝子周辺の制限酵素地図を表わした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/04 C12R 1:84) C12P 7/18 (C12N 9/04 Z //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:84) C12R 1:84) (C12P 7/18 (C12N 9/04 C12R 1:84) C12R 1:84) C12N 15/00 ZNAA (C12P 7/18 5/00 A C12R 1:84) C12R 1:84) Fターム(参考) 4B024 AA01 AA03 BA08 CA04 DA06 DA12 EA04 GA11 HA01 HA03 4B050 CC01 DD04 FF11E FF14E LL01 LL05 4B064 AC05 CA02 CA06 CA19 CA21 CC24 DA01 DA16 4B065 AA26X AA77Y AB01 BA02 CA05 CA28 CA44

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の(1)から(3)に示す理化学的性質
    を有する(R)−2,3−ブタンジオール脱水素酵素。 (1)作用 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを補酵素とし
    て、(2R,3R)−2,3−ブタンジオールに作用
    し、(R)−アセトインを生成する。還元型ニコチンア
    ミドアデニンジヌクレオチドを補酵素として、2,3−
    ブタンジオンを還元し、(2R,3R)−2,3−ブタ
    ンジオールを生成する。 (2)基質特異性 酸化反応の補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌク
    レオチドを利用する。還元反応の補酵素として還元型ニ
    コチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用する。ま
    た、2,3−ブタンジオールの(R)配置の水酸基を優
    先的に酸化する。 (3)比活性 精製酵素の蛋白質1mg当たり100U以上の(R)−
    2,3−ブタンジオール脱水素酵素活性を有する。
  2. 【請求項2】更に付加的に、次の(4)、(5)に示す
    理化学的性質を有する請求項1に記載の(R)−2,3
    −ブタンジオール脱水素酵素。 (4)至適pH グリセロール酸化反応の至適pHが10。 (5)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
    泳動によるサブユニットの分子量が36,000、ゲル
    濾過による分子量が76,000。
  3. 【請求項3】ピキア属に属する微生物によって産生され
    る請求項1に記載の(R)−2,3−ブタンジオール脱
    水素酵素。
  4. 【請求項4】ピキア属に属する微生物が、ピキア・アン
    ガスタである請求項3に記載の(R)−2,3−ブタン
    ジオール脱水素酵素。
  5. 【請求項5】下記(a)から(d)のいずれかに記載の
    ポリヌクレオチド。 (a)配列番号:1に記載された塩基配列を含むポリヌ
    クレオチド。 (b)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白
    質をコードするポリヌクレオチド。 (c)配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1
    若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/
    または付加したアミノ酸配列からなり、配列番号:2に
    記載のアミノ酸配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋
    白質をコードするポリヌクレオチド。 (d)配列番号:1に記載された塩基配列からなるDNA
    とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ
    ヌクレオチドであって、配列番号:2に記載のアミノ酸
    配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードす
    るポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】配列番号:1に記載の塩基配列と70%以
    上の相同性を有する塩基配列を含む、請求項5に記載の
    ポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】配列番号:2に記載のアミノ酸配列と70
    %以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードする、請
    求項5に記載のポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】請求項5に記載のポリヌクレオチドによっ
    てコードされる蛋白質。
  9. 【請求項9】配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有す
    る請求項8に記載のタンパク質。
  10. 【請求項10】請求項5に記載されたポリヌクレオチド
    を含むベクター。
  11. 【請求項11】請求項5に記載されたポリヌクレオチ
    ド、または請求項10に記載のベクターを保持する形質
    転換体。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の形質転換体を培養
    し、発現産物を回収する工程を含む、請求項9に記載の
    蛋白質の製造方法。
  13. 【請求項13】ピキア属に属し、請求項1に記載の酵
    素、または請求項8に記載のタンパク質を産生する微生
    物を培養する工程を含む、請求項1に記載の酵素、また
    は請求項8に記載のタンパク質の製造方法。
  14. 【請求項14】ピキア属に属する微生物が、ピキア・ア
    ンガスタ(Pichia angusta)である請求項13に記載の
    製造方法。
  15. 【請求項15】請求項1に記載の(R)−2,3−ブタ
    ンジオール脱水素酵素、請求項8に記載のタンパク質、
    それらを産生する微生物、およびそれらの処理物からな
    る群から選択されるいずれかの酵素活性物質を、還元型
    ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの存在下でケト
    ンに作用させ、生成するアルコールを回収する工程を含
    むアルコールの製造方法。
  16. 【請求項16】微生物が、請求項11に記載の形質転換
    体である請求項15に記載のアルコールの製造方法。
  17. 【請求項17】ケトンが、2,3−ブタンジオンであ
    り、アルコールが(2R,3R)−2,3−ブタンジオ
    ールである請求項15に記載のアルコールの製造方法。
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