JP2002121436A - 静止画大判ディスプレイ用インク及び静止画大判ディスプレイ - Google Patents

静止画大判ディスプレイ用インク及び静止画大判ディスプレイ

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JP2002121436A
JP2002121436A JP2000313012A JP2000313012A JP2002121436A JP 2002121436 A JP2002121436 A JP 2002121436A JP 2000313012 A JP2000313012 A JP 2000313012A JP 2000313012 A JP2000313012 A JP 2000313012A JP 2002121436 A JP2002121436 A JP 2002121436A
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pigment
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JP2000313012A
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Yoshinori Tomita
佳紀 富田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方式によっても何の問題
もなく使用でき、且つ記録媒体への染着を防止し、消去
剥離性を改善する静止画大判ディスプレイ用インクの提
供。 【解決手段】 ベルト状記録媒体にインクジェットによ
り記録する静止画大判ディスプレイ用インクにおいて、
インク全量に対して、イエロー色、マゼンタ色、シアン
色、及び黒色のうちの少なくとも一色の顔料を1〜10
重量%、顔料分散用樹脂を0.1〜20重量%、コロイ
ダルシリカを2〜20重量%、ポリマーエマルジョンを
0.001〜0.1重量%、グリコール類を0〜10重
量%、及びアルコール類を0〜10重量%を少なくとも
含むことを特徴とする静止画大判ディスプレイ用インク
及び静止画大判ディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静止画大判ディス
プレイ用インクに関し、更に詳しくはインクジェット記
録手段により書き込み可能な媒体に記録された画像を消
去し得る手段を有する静止画大判ディスプレイにおいて
有用なインク及び静止画大判ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、画像表示装置の中には、コンピ
ュータ等の表示装置であるCRTや液晶ディスプレイに
代表されるような、主として動画を表示するための装置
がある。一方、同じ画像表示装置の中にも、大画面の静
止画を、ポスターや掲示板のように表示・消去を繰り返
すための静止画像表示装置がある。このような繰り返し
表示可能な表示装置としては、例えば、駅構内の行き先
や情報を表示するインフォメーションボード等が挙げら
れる。また、類似した装置としては、会議や打ち合わせ
等で用いられる電子黒板が挙げられる。
【0003】近年、紙の消費量の増大や画像表示のため
の消費電力の増大が、省資源化や環境破壊の点から問題
となっている。これらの問題を解決するために、電力消
費量が少なく、紙の消費量を激減させる、上記のような
静止画像表示装置の開発が望まれている。
【0004】静止画像表示装置として、従来の動画表示
装置であるCRTや液晶ディスプレイを応用すること
は、装置が大型化すると装置価格が高くなるという問題
点がある。また、これらの装置は、静止画を長時間表示
している間にも表示状態を維持するために電力を使用す
ることから、電力消費の点からも問題が多い。
【0005】最近、プラズマディスプレイパネル(PD
P)等に代表される、大型で、且つ低消費電力型表示装
置も多く開発乃至製品化されているが、いまだに高価
で、しかもCRTと同様に、主として動画表示を考えた
表示装置であるため、静止画像を長時間表示する目的に
は適していない。
【0006】静止画像表示を同一媒体に繰り返し記録・
消去を行うことに適している表示装置としては、コンピ
ュータ等から画像信号に対応した静電潜像記録を、磁気
トナーにより特殊媒体上に現像し、表示を行うインフォ
メーションボードが製品化されている。この装置は、特
殊媒体上の静電像を除去すれば、特殊媒体上に付着現像
された画像は除去されて、新しい画像を繰り返し記録・
表示することが可能である。このインフォメーションボ
ードの唯一の問題点は、磁気トナーを用いるためカラー
化が困難であることである。
【0007】一方、その使用方法や目的が上記の表示装
置とは異なるが、手書きの静止画(文字等)を表示し、
表示された内容をスキャナーにより読み取り、ハードコ
ピーを取った後に記録された静止画を消去できる装置と
して、いわゆる電子黒板装置がある。この装置は、紙の
消費量の低減や消費電力の点から有益な装置である。し
かし、このような電子黒板装置は、コンピュータ等に接
続され静止画を記録し表示するものでなく、また、書き
込まれた画像を自動的に消去することができる製品は現
在のところない。
【0008】画像消去機能付き電子黒板装置の開発は、
従来から行われており、例えば、特開昭61−9071
号公報や特開平5−597号公報、特開平5−1456
4号公報、特開平5−160940号公報、特開平5−
162494号公報、特開平6−32095号公報、特
開平6−48091号公報、特開平6−87295号公
報、特開平6−245008号公報に示されるような提
案がされている。
【0009】上記に例示できる先行技術によれば、従来
の電子黒板の媒体上に電子黒板用筆記具により手書きさ
れた文字や画像を、クリーニング用ファーブラシやゴム
ブレード等の、複写機で用いられる電子写真感光体クリ
ーニング装置に類似する方法により、払拭消去すること
ができる装置を提案している。しかし、画像書き込み方
法に関しては従来のごとく筆記用具で手書きで行うのみ
であった。
【0010】静止画像の記録表示装置に望まれる条件
は、電子黒板装置のように会議室にスタンドアロンとし
て存在するだけの装置ではなく、ネットワークの中の表
示装置としての機能を有しており、遠隔地からの情報を
順次に表示することができること、また、複数の場所に
表示できることが望まれている。
【0011】従来の静止画像表示装置にあっては、外部
の画像入力装置からの情報に基づいた書き込み及び消去
を行うことができる装置は、磁気記録方式のインフォメ
ーションボードのみであった。しかし、このボードは磁
気トナーを用いているため画像のカラー化が困難である
ため、カラー画像が表示でき、更に高画質な画像を記録
表示することができる静止画像表示装置が望まれてい
た。
【0012】そこで、カラー画像が表示できる静止画像
表示装置として、電子黒板装置と類似の記録媒体にイン
クジェット記録装置を搭載し、記録媒体上に画像書き込
みを行った後、表示を行い、様々な消去方法にて表示画
像を消去できる画像記録表示装置が開発されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電子黒
板装置と類似の記録媒体にインクジェット記録を行った
場合、従来のインクジェット記録用インクにて記録する
ことが不可能であった。一般に、電子黒板用に用いられ
る記録媒体は、乳白色のベースフィルム上にフッ素化合
物系やアクリル化合物系のフィルム等を貼りあわせた、
或いは表面コートしたシートを用いている。すなわち、
このようなシートに水性インクを使用した黒板用ペンで
画像を書き込むと、インク中の水分が蒸発した後に、剥
離剤及び顔料を含む樹脂膜が残るようになっている。
【0014】従って、これらの記録画像は、布、フェル
ト、スポンジ等の消去具で容易に払拭消去することがで
きる構成となっている。また、記録した画像を消去しや
すいように、記録媒体表面の表面張力は小さく設定され
ている。従って、このような従来の電子黒板用記録媒体
に対してインクジェット記録用インクで記録を行うと、
記録媒体上でインクが弾かれてしまい画像記録が行えな
いという問題点があった。また、記録媒体の表面張力を
従来のものより大きくしていくと、今度はブレード等の
消去装置では、十分に画像を消去できないという問題が
生じていた。
【0015】従来、インクジェット記録に用いるカラー
染料やカラー顔料は、非浸透性記録媒体に対しては、記
録媒体に吸着・反応して、染着が経時的に強くなり消去
しにくくなるという問題点があった。また、ホワイトボ
ード用マーカーペンに使われている顔料においても同様
に染着が認められるので、マーカーペン用インクには界
面活性剤を添加して、消去性を改善することが通常行わ
れている。マーカーペン用インクと比較して、インクジ
ェット記録用インクは制約が多いので、そのまま転用す
ることはできない。
【0016】すなわち、インクジェット記録方式におい
ては、ピエゾ圧電素子やヒーター素子によるインク滴形
成や、ノズル表面におけるメニスカス形成に影響するの
で、使用できる界面活性剤の種類や量が限定されてい
る。よって、本発明は、インクジェット記録方式によっ
ても何の問題もなく使用でき、且つ記録媒体への染着を
防止し、消去剥離性を改善したの静止画大判ディスプレ
イ用インクの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。すなわち、本発明は、ベルト状
記録媒体にインクジェットにより記録する静止画大判デ
ィスプレイ用インクにおいて、インク全量に対して、イ
エロー色、マゼンタ色、シアン色、及び黒色のうちの少
なくとも一色の顔料を1〜10重量%、顔料分散用樹脂
を0.1〜20重量%、コロイダルシリカを2〜20重
量%、ポリマーエマルジョンを0.001〜0.1重量
%、グリコール類を0〜10重量%、及びアルコール類
を0〜10重量%を少なくとも含むことを特徴とする静
止画大判ディスプレイ用インク(以下、単に「本発明の
インク」と記載する。)及び静止画大判ディスプレイを
提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に好ましい実の施形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。本発明のインクは、イエ
ロー色、マゼンタ色、シアン色、及び黒色のうちの少な
くとも一色の顔料、顔料分散用樹脂、コロイダルシリ
カ、及びポリマーエマルジョンを少なくとも含み、通
常、これらはグリコール類を0〜10重量%、及びアル
コール類を0〜10重量%を少なくとも含む液媒体に分
散させて使用される。
【0019】インクの記録媒体に対する染着を防止する
には、色材(顔料等)と、記録媒体とが直接接触しない
ことが重要であり、界面活性剤のように両者間に介在し
て存在するような物質をインク中に添加すればよい。本
発明に用いるコロイダルシリカは、顔料を内包し、物理
的に顔料と記録媒体との接触を阻止する効果がある。本
発明で使用するコロイダルシリカは、主に水を主成分と
する液体中にコロイド状に分散された、珪酸、又は珪酸
化合物(珪酸塩、珪酸エステルを含む。)から生じる無
定形シリカ粒子である。
【0020】コロイダルシリカの粒径は、インク中にお
ける分散安定性及び記録媒体に対する定着性・剥離性の
点から最適値がある。コロイダルシリカの粒径が大きく
なると、沈降しやすくなり分散安定性は一般に悪くなる
が、一方、粒径が小さすぎると、コロイダルシリカ同士
の凝集が起こり分散安定性が悪くなる。また、粒径が小
さすぎると記録媒体と顔料との隙間を充填する効果が大
きくなってインクの定着性が向上するが、剥離性が悪く
なる。
【0021】更には、コロイダルシリカが顔料を適切に
内包するためには、両者の比が重要であり、最適な範囲
が存在する。また、同じ理由によってコロイダルシリカ
の物性も最適な範囲がある。
【0022】本発明に用いるコロイダルシリカの平均粒
径は、好ましくは20〜200nmの範囲であり、記録
媒体からの剥離性の面からは、特に50〜100nmの
範囲であることが好ましい。また、後述する本発明に用
いる顔料は、一次粒子の平均粒径が20〜100nmの
範囲であることが好ましく、黒色以外のカラー顔料の場
合には、特に50〜100nmの範囲であることが好ま
しい。すなわち、顔料一次粒子とコロイダルシリカは、
同程度の粒径であることが好ましい。
【0023】更に、コロイダルシリカが顔料を内包する
ためには両者の比が重要である。顔料は、コロイダルシ
リカによってある程度隠蔽されることから、インク組成
物全量に対して、1〜10重量%、特に好ましくは5〜
8重量%が必要である。コロイダルシリカの添加量は、
純分換算でインク組成物全量に対して2〜20重量%、
インクの記録媒体からの剥離性の面からは、特に好まし
くは5〜15重量%である。また、コロイダルシリカの
添加量は顔料の添加量より多いことが好ましい。また、
コロイダルシリカ内部はSi−O−Si結合で、表面は
−SiOH基(シラノール基)からなり、シラノール基
の密度及び密度比により親疎水性のバランスが異なる
が、この密度比は粒径に依存する。
【0024】本発明のインクは、イエロー色、マゼンタ
色、シアン色、及び黒色のうちの少なくとも一色の顔料
を含む。黒色インクに使用される顔料であるカーボンブ
ラックとしては、ファーネス法、チャネル法等で製造さ
れたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜4
0μm、BET法による比表面積が50〜300m2
g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発
分が0.5〜10重量%、pH値が2〜9程度の物性を
有するものが好ましい。
【0025】例えば、No.2300、No.900、
MCF88、No.33、No.40、No.45、N
o.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、
三菱化学製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL
400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGULL(以
上、キャボット製)、Color Black FW1、COLOR Black
FW18、Color Black S170、Color Black S150、
Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等の市
販品を使用することができる。また、本発明のために新
たに試作されたものでもよい。
【0026】イエロー色の顔料としては、例えば、C.I.
Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigm
ent Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigmen
t Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられ
る。マゼンタ色の顔料としては、例えば、C.I.Pigment
Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、
C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48
(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment R
ed 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。
【0027】シアン色の顔料としては、例えば、C.I.Pi
gment Blue 1、C.I.Pigment Blue2、C.I.Pigment Blu
e 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue
16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.
Vat Blue 6等が挙げられる。また、本発明のために新
たに製造されたものでも使用可能である。更に、これら
以外にも、マイクロカプセル化顔料も用いることができ
る。
【0028】本発明で用いる顔料分散用樹脂は、水溶性
樹脂であればどんなものでも使用可能である。樹脂の重
量平均分子量は1,000〜30,000の範囲が好ま
しく、更に、3,000〜15,000の範囲がより好
ましい。水溶性樹脂としては具体的には、例えば、スチ
レン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフ
タレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の
脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、アクリル酸誘
導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イ
タコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体から選
ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共
重合体、グラフト共重合体、或いはランダム共重合体、
又はこれらの塩等が挙げられる。これらの樹脂は、塩基
を溶解させた水溶液に可溶であるアルカリ可溶型樹脂で
ある。
【0029】更に、親水性単量体のホモポリマー、又は
それらの塩でもよい。また、ポリビニルアルコール、カ
ルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン酸ホル
ムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂も使用することが可
能である。これらの中でも、アルカリ可溶型樹脂を用い
た方が、分散液の低粘度化が可能で、顔料の分散も容易
であるという利点がある。更に、pH6以下で凝集を開
始する樹脂が、印字濃度の向上には特に好ましい。
【0030】尚、前記水溶性樹脂は、インク全量に対し
て0.1〜20重量%の範囲で含有されることが好まし
く、0.5〜15重量%の範囲で含有されることがより
好ましい。尚、上記の水溶性樹脂は、顔料インクにおい
ては十分分散した状態にあるので、染料インクに添加し
た場合より粘性が低く、顔料インクであってもインクジ
ェット方式で吐出可能である。
【0031】本発明のインクには、定着性を確保するた
めにポリマーエマルジョンを添加する。ポリマーエマル
ジョンの骨格となるポリマーの原料モノマーは、酢酸ビ
ニルモノマー、又は(メタ)アクリル酸系モノマーであ
る。例えば、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタク
リル酸の炭素数1〜30のアルキルエステルまたはシク
ロアルキルエステル;アクリル酸トリメトキシブチル、
メタクリル酸トリメトキシブチル、アクリル酸メトキシ
エチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エト
キシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアル
キルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2
〜8のヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。
【0032】一般には上記モノマーを適当な組成比で共
重合させて用いることが多い。また、上記モノマーを重
合した複数のポリマーを、混合して用いることもある。
また、上記1種以上のモノマーに、アニオン性モノマ
ー、ノニオン性モノマー、カチオン性モノマー等を共重
合すると、このコポリマーが乳化剤として機能する結
果、インク中の顔料の分散安定性が向上し、界面活性剤
や水溶性ポリマー等の添加濃度を下げることができ、イ
ンクジェット吐出特性や記録媒体への定着性が上がる等
の効果があり好ましい。
【0033】アニオン性モノマーとしては、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、スチレンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。ノニオ
ン性モノマーとしては、例えば、スチレン系モノマー、
アクリロニトリル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル類、(メ
タ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
【0034】カチオン性モノマーとしては、例えば、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、ビニルイミダゾール、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルサクシミド
等、又はこれらの4級化物が挙げられる。
【0035】更には、例えば、ジビニル化合物、多価ア
クリレート化合物、ジエン系化合物、ジヒドロジシクロ
ペンタジエニル基含有(メタ)アクリル酸エステル、エ
ポキシ基含有エチレン性不飽和化合物等の架橋性モノマ
ーや、アジリジン系架橋剤、ブロック型や自己乳化型の
イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金
属系架橋剤等の架橋剤を共重合させてもよい。また、必
要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、防腐剤、着色剤等
が添加されてもよい。
【0036】上記ポリマーエマルジョンを調製するに際
しては、乳化剤が用いられてもよい。乳化剤は、特に限
定されるものではない。例えば、ドデシルベンゼンスル
ホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルスルホン酸塩類等のアニオン系
乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン
系乳化剤等が挙げられる。
【0037】また、粘着付与樹脂を添加してもよい。例
えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、重
合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、ロジンエステ
ル、重合ロジンエステル、水添ロジンエステル、不均化
ロジンエステル、ロジン変成フェノール樹脂等のロジン
系粘着付与樹脂、テルぺン樹脂、水添テルペン樹脂、フ
ェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン
フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂
環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン樹脂、ス
チレン系樹脂等が挙げられる。
【0038】モノマーを重合してポリマーエマルジョン
を製造する方法は、特に限定されるものではない。例え
ば、溶液重合法、紫外線(UV)重合法、乳化重合法、
懸濁重合法等が挙げられる。上記重合に際して用いられ
る重合開始剤は、特に限定されるものではない。例え
ば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩;アゾビスシアノバレリン酸等の水溶性アゾ化合物;
過酸化水素等と還元剤を併用したレドックス系重合開始
剤が挙げられる。上記重合開始剤の添加量は、モノマー
に対して、0.01〜1重量%程度である。これらのポ
リマーエマルジョンの重量平均分子量は数万〜数十万の
範囲にあるものが適度な粘着性を持って好ましい。
【0039】また、ポリマーエマルジョンに含まれるポ
リマーのガラス転移点が低いものは粘着性を有し、記録
媒体に対する定着性が良好である。そのため、ポリマー
エマルジョンに含まれるポリマーを走査型示差熱分析装
置で測定したガラス転移温度が0℃以下であるものが好
ましい。
【0040】すなわち、水溶性樹脂のみをインクに添加
した場合には粘性が上がり吐出不能となるので、インク
ジェット用インクへの添加量は微量に留まる。これに比
べてポリマーエマルジョンは、高濃度添加しても粘性が
低いインクが得られるので、インクジェットによる吐出
が可能である。また、ポリマーエマルジョンは、印字直
後に上記した記録媒体の疎水性表面に相互作用し吸着し
やすい。この吸着力は極めて弱いが、ポリマーエマルジ
ョンのガラス転移温度が0℃以下程度の範囲である場合
には、通常の使用条件下では、記録媒体表面への粘着力
が働き、インクの溶媒が乾燥する以前に画像が流動する
のを防止する効果がある。更には、溶媒の蒸発に伴い、
ポリマーエマルジョン粒子同士が接触し皮膜化すること
によりインクの定着性が増す。この皮膜化は、インクの
剥離性にも寄与する。
【0041】市販されているポリマーエマルジョンのう
ち、ガラス転移温度が0℃以下の例としては、例えば、
三菱レイヨン製NX148(−49℃)、NX149
(−45℃)、綜研化学製SKダインAN49B(−4
8℃)、SKダインE03H(−69℃)、SKダイン
RE330(−78℃)、帝国化学産業製テイサンレジ
ンA3611(−32℃)、テイサンレジンNFA36
9TB(−35℃)、テイサンレジンNFA37ON
(−32℃)等を用いることもできる。尚、括弧内はガ
ラス転移温度である。これらのポリマーエマルジョンの
添加量は、ポリマー純分にして組成物全量に対して0.
001〜0.1重量%、好ましくは0.005〜0.0
5重量%の範囲である。上記したポリマーエマルジョン
は、顔料の分散剤として機能するが、更に界面活性剤を
分散剤として用いることが好ましい。
【0042】本発明のインクの必須成分は以上である
が、通常は以上の成分を液媒体に溶解乃至分散して用い
られる。本発明のインクを非水系とする場合、用いる非
水系溶媒は、例えば、炭化水素類(液体パラフィン
等)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール等)、フェノール類、ピロリ
ドン類、エステル系溶媒等が挙げられる。
【0043】また、非水系インクとする場合でもあまり
速乾性が高いと吐出前にインク濃度が上昇し、ノズル詰
まり等の問題が生じる。やや速乾性を抑えた非水系溶媒
としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、
トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピ
レングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノアルキルエーテル等のアルキレングリコ
ールのアルキルエーテル又はこれらのアセテート、2−
ピロリドン、N−メチルピロリドン及びそれらの混合物
等を挙げることができる。
【0044】但し、最も好ましい液媒体は、水及び水溶
性有機溶剤からなる水溶性液媒体である。水と混合して
使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルコール類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、
メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケ
トン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のポ
リオール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又は
エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アル
キルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
が挙げられる。
【0045】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。アル
コール類としてはエチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコールが好ましい。グリコー
ル類は0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%で使用
され、アルコール類を0〜10重量%、好ましくは0〜
5重量%で使用される。上記の水溶性有機溶剤のインク
中の含有量は、一般的にはインク全重量の3〜50重量
%の範囲が好ましく、3〜40重量%の範囲がより好ま
しい。又、使用される水の含有量としては、インク全重
量の10〜90重量%が好ましく、30〜80重量%の
範囲がより好ましい。
【0046】特に、上記したような顔料が含有されてい
るインクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性
に調整されていることが好ましい。こうすれば、顔料分
散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、
長期保存性に一層優れたインクとすることができるので
好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に
使われている種々の部材の腐食の原因となる場合がある
ので、pHは7〜10の範囲とするのが望ましい。
【0047】この際に使用されるpH調整剤としては、
例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無
機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記した
ような顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体
中に分散又は溶解される。上記顔料が含有されたインク
において、好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤
の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する
一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用
するのが好ましい。
【0048】上記のような顔料が含有されたインクは、
上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つイ
ンクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適
宜に添加することができる。
【0049】界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アル
コール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩
類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活
性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン
ソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性
剤があり、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使
用することができる。その使用量は、インク全量に対し
て0.01〜5重量%が好ましい。この際、インクの表
面張力が35dyne/cm以上となるように界面活性
剤を添加する量を決定することが好ましい。なぜなら、
インクの表面張力がこれより小さい値を示すと、インク
ジェット記録方式においてノズル先端の濡れによる印字
よれ(インク滴の着弾点のズレ)等、好ましくない事態
を引き起こす場合があるためである。
【0050】本発明のインクの作成方法を例示すると、
以下の通りである。すなわち、水溶性樹脂と蒸留水を7
0℃程度に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この
際、溶解させる樹脂の濃度が低いと完全に溶解しないこ
とがあるため、樹脂を溶解する際は高濃度溶液を予め作
成しておき、希釈して所望の樹脂溶液を作成してもよ
い。この溶液に、顔料及び脂肪族一価アルコール(エタ
ノール等)を添加し、プレミキシングを行った後、顔料
の分散処理を行う。
【0051】分散処理に用いられる分散機としては、一
般に使用される分散機なら、いかなるものでもよい。例
えば、セラミックスボールや鋼球を用いたボールミル、
ロールミル、ガラスビーズやセラミックスビーズを用い
たサンドミル等が挙げられる。これらの中でも、高速型
のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サン
ドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレン
ミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(何れも
商品名)等が挙げられる。サンドミルに用いるビーズと
しては、1mm〜1.5mmのガラスビーズ、セラミッ
クスビーズ、ジルコニウムビーズ等が用いられる。
【0052】更に、分散処理を行った顔料分散液につい
て、遠心分離処理(12,000RPM、15〜20分
間程度)を行い、粗大粒子を除去して、顔料の粒径が1
00〜200nm程度の分散液にする。尚、分散機とし
ては、この他にパールミル(アシザワ製、吐出速度:1
00ml/分)を用いてもよい。
【0053】分散液中の顔料と水溶性樹脂の総量は、重
量基準で好ましくは5〜30重量%以上、より好ましく
は10〜30重量%以下である。その理由として、分散
液中に一定濃度以上の顔料と水溶性樹脂が存在しない
と、分散を効率的に行い最適な分散状態を得ることがで
きないからである。所望の粒度分布を有する顔料分散液
を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを
小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、ま
た、処理時間を長くする、吐出速度を遅くする、粉砕後
フィルターや遠心分離機等で分級する等の手法が用いら
れる。又はそれらの手法の組合わせが挙げられる。次
に、この分散液にコロイダルシリカ、ポリマーエマルジ
ョン、水溶性有機溶剤及びイオン交換水等を混合攪拌し
て本発明のインクとする。
【0054】上記したインク作成方法以外にも、水溶性
樹脂の代わりに界面活性剤で顔料を分散させることもで
きる。また、顔料分散液にポリマーエマルジョンを混合
するのではなく、顔料分散液に原料モノマーを混合攪拌
して重合し、顔料インクとすることもできる。同様に、
コロイダルシリカも顔料分散液、ポリマーエマルジョン
と同時に混合してもよい。
【0055】本発明のインクは、静止画大判ディスプレ
イに用いられるのに最適な組成である。静止画大判ディ
スプレイとしては、インクジェット記録手段を搭載した
電子黒板が代表的であるので、まずフルカラー電子黒板
の構成を図1に示した。
【0056】図1に示すフルカラー電子黒板は、ベルト
状の記録媒体、記録媒体走査手段、インクジェットへッ
ド、インクジェットヘッド走査手段、インクカートリッ
ジ、インク供給手段を具備している。電子黒板の記録媒
体はベルト(エンドレス或いは両端に巻き取り機構のあ
るもの。)状で、記録面は白色が好ましく、ポリエチレ
ンテレフタレート等のプラスチックに白色顔料が混合し
てあるものや、表面にアクリルハードコート、フッ素コ
ート、シリコーンコート等が施してあるもの、裏面にい
ろいろな目的の層を積層してあるもの等を用いることが
できる。本発明のインクは、このような記録表面に対し
て弾かれることなく記録でき、また、消去手段によって
確実に消去することができる。
【0057】エンドレスベルト状の記録媒体は、少なく
とも2本のローラーにより記録媒体にテンションをか
け、且つローラーを回転することにより記録媒体を一定
方向に走査する。エンドレスベルトとするには、通常シ
ームレス加工が必要でありコストが高くなるので、両端
に巻き取り機構を設けてもよい。この場合は、両端の2
本のローラーにより記録媒体にテンションをかけ、且つ
ローラーを回転してベルトを巻き取りながら記録媒体を
走査する。この場合には、ベルトが巻き切った時はロー
ラーを反転して初期状態に戻せばよい。
【0058】インクジェットヘッドの配置位置は、上記
した記録媒体の走査方向に対して電子黒板の表示部前の
非表示部で、且つメンテナンスが容易な部位が好まし
い。後述するように、このインクジェットヘッドはキャ
リッジにより記録媒体の走査方向と直交、すなわち、記
録媒体の幅方向に走査される。図2は、図1に示した電
子黒板を横長のタイプとした場合である。
【0059】本発明のインクは、インクジェット記録方
式で静止画大判ディスプレイに用いられる。インクジェ
ット記録装置としては、記録へッドの室内のインクに記
録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーに
より液滴を発生させインクを記録媒体に対して飛翔させ
る方式の装置が挙げられる。その主要部であるへッド構
成例を図3に示す。ヘッド13は、インクを通す溝14
を有するガラス、セラミックス、又はプラスチック板等
と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド14(図では薄膜
へッドが示されているが、これに限定されるものではな
い。)とを接着して得られる。
【0060】発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成
される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17
−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱
層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなって
いる。インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで
来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成してい
る。
【0061】電極17−1及び17−2に電気信号が加
わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発
熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、そ
の圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となってベルト状
記録媒体25に向かって飛翔する。尚、図3(a)はイ
ンク流路に沿ったへッド13の断面図であり、図3
(b)は図3(a)のA−B線での接断面である。図4
には、図3に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外
観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガ
ラス板27と、図3に説明したものと同様な発熱へッド
28を接着して作られている。尚、図5はマルチヘッド
を4色のインクカートリッジと接続した構成図である。
【0062】図6は、へッドにインク供給チューブを介
して供給されるインクを収容したインクカートリッジ4
5の一例を示す図である。ここで40は、供給用インク
を収納したインク袋であり、その先端には、ゴム製の栓
42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿
入することにより、インク袋40中のインクをへッドに
供給可能にできる。44は、排インクを受容するインク
吸収体である。
【0063】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きへッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図7に示すようなそれら
が一体になったものも好適に用いられる。
【0064】図7において、70はインクジェットカー
トリッジであって、この中にはインクを含浸させたイン
ク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のイ
ンクが複数のオリフィスを有するへッド部71からイン
ク滴として吐出される構成になっている。72は、カー
トリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口であ
る。以上の如きインク吸収体に本発明のインクが収納さ
れた装置が本発明の静止画大判ディスプレイである。
【0065】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に具体的に説明する。尚、以下の記載で、「部」、
「%」とあるものは特に断らない限り重量基準である。 <電子黒板用カラーインクの調整> <ブラックインク> 上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させた。この溶液に新たに試作され
たカーボンブラック(MCF88、三菱化学製)10
部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレ
ミキシングを行なった後、下記の条件で分散処理を行っ
た。
【0066】 ・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製) ・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ(1mm径) ・粉砕メディアの充填率:50体積% ・粉砕時間:3時間 更に遠心分離処理(12,000RPM、20分間)を
行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0067】上記成分を混合し、pHをモノエタノール
アミンで8〜10になるように調整し、更には、界面活
性剤として (n+m=20、p=5、k=20、分子量約2500
の化合物の50%メタノール溶液)で表面張力を調整し
ブラックインクとした。尚、インク中に顔料は5%、コ
ロイダルシリカは6%(スノーテックスOLの無水珪酸
含有量20〜21%)である。
【0068】(イエローインク)上記ブラックインクの
処方において、顔料のカーボンブラックをC.I.PigmentY
ellow 13とし、コイロダルシリカを15部とした以外
は同様にしてイエローインクとした。 (マゼンタインク)上記ブラックインクの処方におい
て、顔料のカーボンブラックをC.I.PigmentRed 7と
し、コイロダルシリカを15部とした以外は同様にして
マゼンタインクとした。 (シアンインク)上記ブラックインクの処方において、
顔料のカーボンブラックをC.I.PigmentBlue 22とし、
コイロダルシリカを15部とした以外は同様にしてシア
ンインクとした。
【0069】上記のインクセットを、図1に示す静止画
大判ディスプレイ(電子黒板)において使用した。所定
の文字(印字率5%)を記録媒体に印字し、1時間経過
後、消去手段にて消去したところ、印字前とほぼ同様程
度に文字を消去することができた。一方、上記インクセ
ットとはコロイダルシリカを用いない以外は全く同じ組
成のインクセットを用いて同様の試験をしたところ、記
録媒体上に明らかに文字の消え残りが残った。
【0070】
【発明の効果】本発明の効果は、静止画大判ディスプレ
イに使用されるインクを提供したことにある。本発明の
インクは、インクジェット記録方式によっても静止画大
判ディスプレイに対して何の問題もなく使用でき、且つ
記録媒体への染着を防止し、消去剥離性を改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクの使用対象である電子黒板の一
例を示す図。
【図2】本発明のインクの使用対象である電子黒板の一
例を示す図。
【図3】インクジェット記録装置のヘッドの一実施態様
を示す縦断面図。
【図4】図3のへッドを多数並べたマルチヘッドを示す
外観図。
【図5】マルチヘッドを4色のインクカートリッジと接
続した構成図。
【図6】インクカートリッジの一例を示す断面図。
【図7】ヘッドとインクカートリッジが一体になった記
録装置を示す斜視図。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1、17−2:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス 23:メニスカス 24:記録小滴 25:記録媒体 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 70:インクジェットカートリジ 71:ヘッド部 72:大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA24 FB01 FC01 2H086 BA01 BA52 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 AB02 AD02 AD03 AD06 AD08 AD09 AD10 AD13 AD14 AD17 AE02 BA04 BA21 BC07 BC08 BC09 BC10 BC11 BC13 BC14 BC15 BE01 BE12 BE22 CA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA29 GA24 GA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト状記録媒体にインクジェットによ
    り記録する静止画大判ディスプレイ用インクにおいて、
    インク全量に対して、イエロー色、マゼンタ色、シアン
    色、及び黒色のうちの少なくとも一色の顔料を1〜10
    重量%、顔料分散用樹脂を0.1〜20重量%、コロイ
    ダルシリカを2〜20重量%、ポリマーエマルジョンを
    0.001〜0.1重量%、グリコール類を0〜10重
    量%、及びアルコール類を0〜10重量%を少なくとも
    含むことを特徴とする静止画大判ディスプレイ用イン
    ク。
  2. 【請求項2】 コロイダルシリカの平均粒径が、20〜
    200nmの範囲である請求項1に記載の静止画大判デ
    ィスプレイ用インク。
  3. 【請求項3】 各色インクにおいて、コロイダルシリカ
    の量が、顔料の量より多い請求項1に記載の静止画大判
    ディスプレイ用インク。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載のインクを使用する
    部材を有することを特徴とする静止画大判ディスプレ
    イ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256201A (ja) * 2000-12-27 2002-09-11 Dainippon Ink & Chem Inc 水性顔料分散液及びその製造方法
JP2011062998A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Fujifilm Corp 画像形成方法及びインク組成物
JP2012072361A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2013010959A (ja) * 2000-12-27 2013-01-17 Dic Corp 水性顔料分散液及びその製造方法

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