JP2002121289A - 着色微粒子、着色樹脂エマルジョン及びインクジェット印刷用インク - Google Patents

着色微粒子、着色樹脂エマルジョン及びインクジェット印刷用インク

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JP2002121289A
JP2002121289A JP2000314014A JP2000314014A JP2002121289A JP 2002121289 A JP2002121289 A JP 2002121289A JP 2000314014 A JP2000314014 A JP 2000314014A JP 2000314014 A JP2000314014 A JP 2000314014A JP 2002121289 A JP2002121289 A JP 2002121289A
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resin
colored
fine particles
core particles
carbon atoms
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JP2000314014A
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English (en)
Inventor
Juichi Fukaya
重一 深谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、金属酸化物からなるシェル層を設
けることにより着色微粒子の耐光性を向上させた、着色
微粒子の製造方法、着色樹脂エマルジョン及びインクジ
ェット印刷用インクを提供することにある。 【解決手段】 樹脂及び着色料からなるコア粒子の分散
液に金属成分を添加し、超音波を照射する事によりコア
粒子表面に金属酸化物からなるシェル層を形成すること
を特徴とする着色微粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色料を含み、か
つ、耐光性に優れた着色微粒子の製造方法、着色微粒
子、着色樹脂エマルジョン及びインクジェット印刷用イ
ンクに関する。
【0002】
【従来の技術】着色微粒子や着色微粒子が分散したエマ
ルジョンは、種々の筆記具用インク、印刷用インク、イ
ンクジェット記録用インク、塗料、カラーフィルタ等の
用途に用いられている。得られる印刷物等は鮮明な色彩
を長期にわたって維持することを必要とされるため、着
色微粒子は、高濃度に染料等の着色料を含有し、耐光性
の高いものであることが必要とされている。
【0003】従来から知られている着色微粒子等の製造
方法の一種として、例えば、塩化ビニル単独、又は、塩
化ビニルと共重合可能な単量体と塩化ビニルとの乳化重
合、又は、懸濁重合を用いて重合体微粒子を製造し、こ
れに染料及び染色助剤を用いて染色を行うことにより着
色微粒子を製造する方法が知られている。しかしながら
このような方法では、高濃度に染料を含有し、耐光性の
高い着色微粒子を製造することは難しかった。
【0004】また、特公昭52−29336号公報に
は、ブトキシメチルアクリルアミド等を含む不飽和単量
体の1種又は2種以上と、塩化ビニル、スチレン等を含
む不飽和単量体の1種又は2種以上との共重合を行う
際、上記不飽和単量体に染料を溶解又は分散させた後、
上記不飽和単量体の共重合を行い、その内部が染料で着
色された着色微粒子を製造する方法が開示されている。
しかし、この方法で得られた着色微粒子は、充分な耐光
性を有するものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑み、
金属酸化物からなるシェル層を設けることにより着色微
粒子の耐光性を向上させた、着色微粒子の製造方法、着
色樹脂エマルジョン及びインクジェット印刷用インクを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の着色微粒子の製
造方法は、樹脂及び着色料からなるコア粒子の分散液に
金属成分を添加し、超音波を照射する事によりコア粒子
表面に金属酸化物からなるシェル層を形成するものであ
る。
【0007】本発明の着色微粒子は、樹脂及び着色料か
らなるコア粒子の分散液に金属成分を添加し、超音波を
照射する事によりコア粒子表面に金属酸化物からなるシ
ェル層を形成することにより得られたものである。以下
に本発明を詳述する。
【0008】本発明の着色微粒子は、コア粒子とシェル
層とからなる。上記コア粒子は、樹脂及び着色料からな
る。上記樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化成樹脂等
を用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、A
AS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、イソブチレン-無水
マレイン酸共重合樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、エチ
レン−塩ビ共重合体、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル
樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、酢酸ビニル樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセ
タール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレー
ト、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリパラ
メチルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリプロピレン、ポリメチレンペンテン、メタク
リル樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテル-ポリエステル
エラストマ、ポリエーテル-ポリアミドエラストマなど
が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、DFK樹
脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リイミド、ポリウレタン、メラニン樹脂、ユリア樹脂、
ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げ
られる。更にメチルセルロース、エチルセルロース、ア
セテートプラスチック、酢酸セルロース等の天然高分子
を挙げられる。
【0009】中でも、下記一般式(I)で表される単量
体を少なくとも30重量%重合してなる樹脂が好まし
い。
【0010】
【化3】
【0011】上記一般式(I)で表される単量体(以
下、重合性単量体(I)という)において、R1は、水
素原子又はメチル基を表す。従って、上記重合性単量体
(I)はアクリル酸アミド誘導体又はメタクリル酸アミ
ド誘導体である。上記重合性単量体(I)において、R
2は、炭素数3〜6のアルキル基を表す。R2としては、
例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0012】上記樹脂における重合性単量体(I)の含
有量が30重量%未満では、着色料を高濃度で溶解する
ことが困難になる場合がある。上記樹脂は、重合性単量
体(I)単独からなるものであってもよいし、他の重合
性単量体との混合物であってもよい。
【0013】上記他の重合性単量体としては、重合性単
量体(I)と共重合可能なものであり、かつ、上記着色
料を溶解させることができるものあれば特に限定され
ず、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、スチレン、メタクリルアミド等の1分子中に
1個の重合性不飽和結合を有する重合性単量体;エチレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリットテトラアクリレート、ア
リルメタクリレート、ビニルメタクリレート、グリセロ
ールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリル
イソシアヌレート等の1分子中に2個以上の重合性不飽
和結合を有する重合性単量体等が挙げられる。これらの
なかでは、広範囲の着色料に対して溶解性に優れている
ことから、グリシジルメタクリレートが好ましい。上記
他の重合性単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0014】上記他の重合性単量体の配合量は、全樹脂
中の70重量%以下が好ましい。上記他の重合性単量体
が1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する重合性単
量体の場合には、30重量%以下がより好ましい。上記
他の重合性単量体が1分子中に2個以上の重合性不飽和
結合を有する重合性単量体の場合には、0.1〜10重
量%がより好ましい。上記1分子中に2個以上の重合性
不飽和結合を有する重合性単量体が0.1重量%未満で
あると、重合速度が加速し、着色微粒子内の着色料を固
定する効果があまり期待できず、10重量%を超えると
着色料の溶解度が低下し、着色微粒子の凝集、着色料の
析出等が起こり易くなる恐れがあるため、上記範囲がよ
り好ましい。更に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0015】上記着色料としては特に限定されないが、
顔料、染料、金属超微粒子等が挙げられ、中でも油溶性
染料が好ましく、20℃の有機溶媒に対する溶解度が1
重量%以上であるものがより好ましい。上記有機溶媒と
しては特に限定されず、例えば、炭化水素、ハロゲン化
炭化水素、ケトン、エステル、アルコール、アミド等が
挙げられる。上記油溶性染料としては、20℃の上記有
機溶媒に対する溶解度が1重量%以上であり、20℃の
水に対する溶解度が1重量%以下であり、かつ、100
℃の水に対する溶解度が10重量%以下のものがより好
ましい。
【0016】上記の20℃の有機溶媒に対する溶解度が
1重量%以上であり、20℃の水に対する溶解度が1重
量%以下であり、かつ、100℃の水に対する溶解度が
10重量%以下である油溶性染料としては、例えば、ア
ゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染
料、トリフェニルメタン系染料、アゾ金属錯体染料等が
挙げられ、カラーインデックス番号でいうとsolve
nt blue44、45、59、104;solve
nt red24、68、89、124;solven
t yellow13、14、33、79、93;va
t blue1、6;vat yellow6等が挙げら
れる。
【0017】上記の20℃の有機溶媒に対する溶解度が
1重量%以上であり、20℃の水に対する溶解度が1重
量%以下であり、かつ、100℃の水に対する溶解度が
10重量%以下である油溶性染料としては、アニオン性
染料とカチオン性単量体とを反応させることにより得ら
れる塩、アニオン性染料とカチオン性染料とを反応させ
ることにより得られる塩も挙げられる。上記カチオン性
単量体としては、アニオン性染料と反応し塩を生成する
ものであれば特に限定されないが、重合性単量体(I)
との相溶性が高いことから、下記一般式(II);
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R3は、水素原子又はメチル基を
表し、R4、R5、R6は、同一又は異なって、炭素数1
〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル基又は炭
素数4〜8のシクロアルキル基を表し、Xは、ハロゲン
原子を表し、R4、R5、R6で表される基に含まれる炭
素数の合計が8以上である)で表されるカチオン性単量
体が好ましい。
【0020】上記一般式(II)で表されるカチオン性
単量体において、R3は、水素原子又はメチル基を表
す。従って、一般式(II)で表されるカチオン性単量
体は、アクリル酸アミド誘導体又はメタクリル酸アミド
誘導体である。R4、R5、R6は、同一又は異なって、
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアラルキル
基又は炭素数4〜8のシクロアルキル基を表す。R4
5、R6としては、例えば、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、ベンジル基、シクロヘキ
シル基等が挙げられる。
【0021】上記R4、R5、R6で表される基に含まれ
る炭素数の合計は8以上であり、上記R4、R5、R6
組み合わせとしては、例えば、R4としてはメチル基、
5としてはメチル基又はベンジル基、R6としてはエチ
ル基、エチル基又はベンジル基等が挙げられる。
【0022】上記R4、R5、R6で表される基に含まれ
る炭素数の合計が8未満では、カチオン性単量体は、親
水性が強く、上記アニオン性染料との反応により疎水性
の塩を生成することが難しい。上記一般式(II)で表
されるカチオン性単量体は、疎水性が比較的強く、上記
アニオン性染料との反応により塩を析出させることがで
きる。
【0023】更には、上記一般式(II)で表されるカ
チオン性単量体と樹脂とを共重合させることにより、生
成する重合体に上記油溶性染料を固定させ、油溶性染料
の脱離を抑制することができる。上記油溶性染料の配合
量は、樹脂100重量部に対して、1〜50重量部が好
ましい。配合量が50重量部を超えると一般式(II)
で表されるカチオン性単量体と樹脂との混合物の濃度が
高くなりすぎて、添加しにくくなるだけではなく、重合
時に油溶性染料が分離する場合があるため、上記範囲が
好ましい。より好ましくは5〜30重量部である。
【0024】上記アニオン性染料とカチオン性単量体と
を反応させることにより得られる塩を油溶性染料として
用いる場合には、油溶性染料を溶解させる樹脂として、
重合性単量体(I)を90重量%以上含有する樹脂を用
いるのがより好ましい。
【0025】上記コア粒子は、上記単量体及び着色料
を、重合開始剤及び乳化剤の存在下に分散させたのち、
乳化重合を行うことにより得ることができる。
【0026】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、油溶性又は水溶性の有機アゾ化合物、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、有機過
酸化物、無機過酸化物と亜硫酸塩等の還元剤を組み合わ
せたレドックス組成物等が挙げられる。これらのなかで
は、有機アゾ化合物が好ましく、半減期10時間で分解
温度が40〜80℃である有機アゾ化合物がより好まし
い。
【0027】上記水溶性の有機アゾ化合物としては、カ
チオン性のものと、アニオン性のものとが挙げられる。
どちらの有機アゾ化合物を用いるかは特に限定されず、
後述する乳化剤に対応させて、最適なものを用いればよ
い。
【0028】上記着色料として、アゾ系染料の金属錯
体、及び/又は、アニオン性染料とカチオン性単量体と
を反応させることにより得られる塩を用いる場合には、
重合開始剤として油溶性の有機アゾ化合物を用いるのが
好ましい。
【0029】上記乳化剤としては特に限定されず、例え
ば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非
イオン性界面活性剤を用いることができる。これらのな
かでは、カチオン性界面活性剤は分散性が強くなく、非
イオン性界面活性剤は得られるエマルジョンの粒子径が
大きくなる傾向があるので、アニオン性界面活性剤が好
ましい。上記乳化剤としてアニオン性界面活性剤を用い
る場合には、重合開始剤としては、乳化剤との相互作用
が少ないことからアニオン性有機アゾ化合物を用いるの
が好ましい。
【0030】上記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウ
ム等のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルスルホン酸アンモニウム等のアルキルスル
ホン酸塩等が挙げられる。これらのなかでは、重合性不
飽和結合を有するリン酸エステルが、エマルジョン粒子
に固定されるため、塗膜の物性に悪影響を与えないとい
う利点を有することからアルキルスルホン酸塩が好まし
い。
【0031】上記乳化重合の反応条件は、使用する単量
体、着色料、重合開始剤、及び、乳化剤の種類に応じて
設定すればよく、例えば、重合性単量体(I)を含有す
る単量体組成物、乳化剤、及び、脱イオン水をフラスコ
に仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、温度を反応温度
まで昇温し、次に重合開始剤の溶液をフラスコ内に注入
し、着色料を含む溶液を1〜2時間かけて滴下し、更
に、同温度で3〜4時間攪拌した後、室温まで冷却する
方法等を用いて乳化重合を行うことにより、コア粒子を
得ることができる。
【0032】上記重合開始剤の配合量は、樹脂100重
量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。より好ま
しくは、0.2〜5重量部である。上記乳化剤の濃度は
特に限定されないが、0.5〜10重量%が好ましい。
また、乳化剤の配合量は特に限定されないが、乳化剤水
溶液に対する着色料組成物の重量比で1/5〜1/1が
好ましい。上記反応温度は特に限定されないが、通常、
10〜100℃が好ましい。より好ましくは、40〜8
0℃である。
【0033】上記シェル層は、着色微粒子の耐光性を向
上させる為にコア粒子の表面に被覆される。被覆方法と
しては、コア粒子の分散液に金属成分を添加し、超音波
を照射する事によりコア粒子の表面に金属酸化物からな
るシェル層が形成される。上記金属酸化物としては、特
に限定されないが、紫外線吸収能の高さから、酸化チタ
ン、酸化セリウム、酸化亜鉛が特に好ましい。上記金属
酸化物は、これら1種類で形成されていても良いし、複
数の酸化物により形成されていても良い。
【0034】上記のようにして乳化重合することによっ
て得られたコア粒子の分散液に、金属成分を添加して溶
解させ、金属水酸化物溶液、アンモニア溶液などのアル
カリを添加した後、超音波を照射する。分散液に添加さ
れる金属成分としては、チタン、セリウム、亜鉛等の金
属元素を含む金属塩、金属錯体または有機金属錯体等が
挙げられる。超音波を照射することにより、溶液中の金
属イオンは金属酸化物に還元され、コア粒子表面に吸着
する。この方法によって、コア粒子に均質で厚みの均一
な金属酸化物シェル層を形成することが出来る。
【0035】得ようとする着色微粒子のシェル層が、樹
脂に金属酸化物を含有させたものである場合の製造方法
としては、コア粒子分散液に金属成分を添加する際に、
シェル層を形成する樹脂のモノマーを一緒に添加し、重
合を行って金属イオンを含有する樹脂のシェル層を形成
してから、アルカリを添加し、超音波を照射する方法が
挙げられる。上記モノマーの添加方法としては、あらか
じめ金属成分とモノマーを混合した溶液を調整し添加し
てもよい。また、金属成分とモノマーを混合した溶液
は、界面活性剤を添加して乳化した状態としてもよい。
上記のようにして得られたシェル層中の金属酸化物の粒
子は10nm以下のものを作製することができる。
【0036】照射する超音波の周波数としては15kH
z〜1THzであれば特に限定しないが、好ましくは1
5kHz〜1MHzであり、より好ましくは15kHz
〜600Hzである。
【0037】金属酸化物を形成しやすくするために、超
音波を照射する際の溶液中にガスを溶存させることが好
ましい。上記ガスとしては、空気、窒素、酸素、二酸化
炭素、一酸化炭素、水素、He、Ne、Ar、Kr、Xeが好まし
い。
【0038】上記着色微粒子が水系溶媒に分散されてな
る着色樹脂エマルジョンを得ることができる。上記着色
樹脂エマルジョンもまた本発明の1つである。
【0039】本発明の着色微粒子は、平均粒径が200
nm以下であることが好ましい。平均粒径が200nm
を超えると着色樹脂エマルジョン中で着色微粒子が沈殿
したり、印刷後に白濁する等の問題が生じる。好ましく
は10〜100nmである。
【0040】本発明の着色樹脂エマルジョンには、保湿
剤を加えることによりインクジェット印刷用インクを得
ることができる。本発明の着色樹脂エマルジョン及び保
湿剤からなるインクジェット印刷用インクもまた本発明
の1つである。上記保湿剤としては、例えば、グリセリ
ン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチ
レングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリ
コールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
【0041】(作用)本発明は、金属酸化物からなるシ
ェル層を有することにより耐光性が向上した着色微粒子
を得ることを特徴としており、該金属酸化物からなるシ
ェル層の形成方法として超音波を利用している。これ
は、コア粒子の分散液に超音波照射する事により発生す
る超音波キャビテーション現象が関係していると推測さ
れる。特に高出力超音波が誘起するキャビテーション現
象は特殊反応場を誘起すると考えられる。疎密波である
超音波をコア粒子の分散液に照射すると、微小な気泡
(キャビティ)が生成する。疎と密の連続的な圧力波を
受けているキャピティは伸縮を繰り返し、最終的に激し
く崩壊する。この崩壊の際にキャビティ内部は極めて高
温(数千度)・高圧(数百〜千気圧)の状態となる。こ
の著しい温度・圧力上昇は崩壊の際に断熱圧縮過程を経
由することで説明される。本発明は、このキャビティ内
部の特殊反応場を利用してコア粒子表面に金属酸化物か
らなるシェル層を形成するというものである。
【0042】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0043】[実施例1]ドデシル硫酸ナトリウム2重
量部、反応性界面活性剤(第一工業製薬(株)社製、ニ
ューフロンティアS510)4重量部、脱イオン水19
4重量部、及び、n−ブトキシメチルアクリルアミド1
0重量部をフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しなが
ら、液温を50℃に上げた。次に、油溶性アゾ系重合開
始剤(和光純薬社製、V−70)0.5重量部を含むエ
タノール溶液10重量部をフラスコ内に注入し、すぐ
に、下記組成の着色料溶液を2時間かけて滴下した。 [着色料溶液の組成;n−ブトキシメチルアクリルアミ
ド 89重量部、エチレングリコールジメタクリレート
1重量部、オラゾールレッドG(チバガイギー社製、
赤色アゾ染料の金属錯体) 20重量部] その後、同温度で3時間攪拌した後室温に冷却し、樹脂
及び着色料からなるコア粒子の分散液を得た。得られた
コア粒子の分散液に、酢酸亜鉛を32重量部を溶解し、
0.1NのNH 3水溶液を25重量部滴下し、200k
Hzの超音波を20分間照射して、コア粒子表面に酸化
亜鉛のシェル層を形成させ、着色微粒子が分散されてな
る着色樹脂エマルジョンを得た。こうして得られた着色
樹脂エマルジョンを、孔径1μmのフィルターでろ過し
た後、レーザ光散乱式粒径分布測定器(大塚電子社製)
を用いて粒子径を測定したところ、平均粒子径は85n
mであった。 <耐光性の測定>得られた着色樹脂エマルジョンをスピ
ンコーターにて1.2mmのガラス基板上に1μmの厚
さに流延し、750Wの高圧水銀ランプを50cmの距
離から10時間照射して、色の変化を色差(ΔE)で評
価した。結果は7.1であった。
【0044】[実施例2]酢酸亜鉛の代わりにセリウム
アセチルアセトナート30重量部とし、0.1NのNH
3水溶液の滴下部数を23重量部としたこと以外は実施
例1と同様にして、コア粒子表面に酸化セリウムのシェ
ル層を有する着色微粒子が分散されてなる着色樹脂エマ
ルジョンを得た。実施例1と同様にして粒子径を測定し
たところ、平均粒子径は92nmであった。実施例1と
同様にして耐光性を測定したところ、7.9であった。
【0045】[比較例1]実施例1と同様にしてコア粒
子の分散液を得た。コア粒子の分散液を1μmの厚さに
ガラス板に流延して粒子径を測定したところ、平均粒子
径は81nmであった。実施例1と同様にして耐光性を
測定したところ、19.5であった。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られる着色
微粒子は、上述のように金属酸化物からなるシェル層を
有しているので、耐光性が高く、得られる着色樹脂エマ
ルジョン、インクジェット印刷用インクも耐光性の高い
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 67/08 C09D 11/00 C09D 11/00 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA53 BA55 BA56 BA59 BA60 4F070 AA36 AC13 AC14 AC15 AE03 AE04 AE23 DA31 DB04 DC02 DC13 4J002 AA011 BG121 BG131 DE097 DE107 DE137 EE056 EQ016 EU026 FD096 FD207 GH01 HA07 4J039 AB02 AD01 AD04 AD05 AD06 AD07 AD08 AD09 AD11 AD15 AD19 AE01 AE02 AE03 AE04 AE05 AE06 AE07 AE08 AE13 BA13 BC33 BC36 BE02 CA06 EA35 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂及び着色料からなるコア粒子の分散
    液に金属成分を添加し、超音波を照射する事によりコア
    粒子表面に金属酸化物からなるシェル層を形成すること
    を特徴とする着色微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂及び着色料からなるコア粒子の分散
    液に金属成分を添加し、超音波を照射する事によりコア
    粒子表面に金属酸化物からなるシェル層を形成すること
    によって得られる着色微粒子。
  3. 【請求項3】 上記樹脂が、下記一般式(I); 【化1】 (式中、R1 は、水素原子又はメチル基を表し、R2
    は、炭素数3〜6のアルキル基を表す)で表される単量
    体を少なくとも30重量%重合してなるものであること
    を特徴とする請求項2記載の着色微粒子。
  4. 【請求項4】 上記着色料は、アニオン性染料と、下記
    一般式(II); 【化2】 (式中、R3 は、水素原子又はメチル基を表し、R4
    5 、R6 は、同一又は異なって、炭素数1〜8のアル
    キル基、炭素数1〜8のアラルキル基又は炭素数4〜8
    のシクロアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表
    し、R4 、R5 、R 6 で表される基に含まれる炭素数の
    合計が8以上である)で表されるカチオン性単量体とを
    反応させることにより得られる塩であることを特徴とす
    る請求項2〜3記載の着色微粒子。
  5. 【請求項5】 平均粒径が200nm以下であることを
    特徴とする請求項2〜4記載の着色微粒子。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5記載の着色微粒子が水系溶
    媒に分散されてなることを特徴とする着色樹脂エマルジ
    ョン。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の着色樹脂エマルジョン及
    び保湿剤からなることを特徴とするインクジェット印刷
    用インク。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105086511A (zh) * 2015-08-18 2015-11-25 西安工程大学 直接绿/ZnO核壳结构纳米复合材料的制备方法
CN105086512A (zh) * 2015-08-18 2015-11-25 西安工程大学 直接铜蓝/ZnO核壳结构纳米复合材料的制备方法
CN105111782A (zh) * 2015-08-18 2015-12-02 西安工程大学 分散红/ZnO核壳结构纳米复合材料的制备方法
CN105111783A (zh) * 2015-08-18 2015-12-02 西安工程大学 直接紫/ZnO核壳结构纳米复合材料的制备方法

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