JP2002116711A - 空間情報提示装置 - Google Patents

空間情報提示装置

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JP2002116711A
JP2002116711A JP2000305935A JP2000305935A JP2002116711A JP 2002116711 A JP2002116711 A JP 2002116711A JP 2000305935 A JP2000305935 A JP 2000305935A JP 2000305935 A JP2000305935 A JP 2000305935A JP 2002116711 A JP2002116711 A JP 2002116711A
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JP
Japan
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light
spatial information
liquid crystal
crystal panel
path
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JP2000305935A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Kamei
克之 亀井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景景観の遠近に関わらずしかも広範囲の観
察位置に対応して、背景景観上の特定点が明示された像
を提示する。 【解決手段】 光源1、この光源から発する光の経路を
設定する経路設定手段2、前記光源から発する光を反射
すると共に背景景観を構成する光を透過して光源からの
光を背景景観に合成するハーフミラー4、背景景観上の
特定点を指定する特定点指定手段30、および前記光源
と前記経路設定手段とを制御し、前記光源から発する光
の前記ハーフミラー反射後の経路が、前記特定点からの
光の前記ハーフミラー透過後の経路に一致するように、
前記光源から発する光の発光位置と経路とを制御する制
御手段3を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背景景観上の特定
点が光点による指標で明示された像または特定点のみが
明示された像を提示する空間情報提示装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置として、例えば特開
平11−167355号公報に記載された図40に示す
ものがあった。図40において、101は凹面ハーフミ
ラー、102はスクリーン、103はプロジェクタ、1
11はガラス窓である。凹面ハーフミラー101は外部
から入力される景色を構成する第一の光線を透過すると
ともに、スクリーン102に表示された画像を構成する
第二の光線を反射する。
【0003】このように構成されたものにおいて、スク
リーン102に表示された画像を構成する第二の光線
は、凹面ハーフミラー101によりほぼ平行光線に変換
されて、外部から入力される景色を構成する第一の光線
とともに展望者の眼球に到達する。このとき、外部の景
色、すなわち十分遠方(例えば、20m以上の遠方)に
ある物体から展望者の眼球に届く光線は、平行光線と見
なせる光線であるため、第一および第二の光線は、とも
に平行光線として展望者の眼球に到達する。したがっ
て、第二の光線により構成される画像は、第一の光線に
より構成される外部の景色と同様に遠方に存在するよう
に展望者に錯視されるとともに、展望者の立つ位置によ
って表示される画像と景色との位置関係が変化せず、景
色の中の所望の位置に画像をほぼ固定することができ
る。この結果、外部の景色と合成される画像との距離的
な違和感および展望者の立つ位置による不整合を生じさ
せずに、外部の景色を眺めながら同時にその景色に関す
る種々の画像を表示することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の空間情報提示装
置は以上のように構成され、凹面ハーフミラーを用いな
ければならないため、展望者の立つことができる領域が
限られたものであった。また、外部の景色が遠方にある
場合に限られると言う問題点があった。
【0005】本発明は、上記のような従来のものの問題
点を解決するためになされたものであり、背景景観の遠
近に関わらずしかも広範囲の観察位置に対応して、背景
景観上の特定点が明示された像を提示することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
る空間情報提示装置は、光源、この光源から発する光の
経路を設定する経路設定手段、前記光源から発する光を
反射すると共に背景景観を構成する光を透過して前記光
源からの光を背景景観に合成するハーフミラー、背景景
観上の特定点を指定する特定点指定手段、および前記光
源と前記経路設定手段とを制御し、前記光源から発する
光の前記ハーフミラー反射後の経路が、前記特定点から
の光の前記ハーフミラー透過後の経路に一致するよう
に、前記光源から発する光の発光位置と経路とを制御す
る制御手段を備えたものである。
【0007】本発明の第2の構成に係る空間情報提示装
置は、経路設定手段は光の透過および不透過を制御する
液晶パネル装置により構成され、制御手段は光源から発
する光の経路が所望の経路となるように、液晶パネル装
置における前記所望の経路と交差する位置のみが光を透
過するように前記液晶パネル装置を制御するものであ
る。
【0008】本発明の第3の構成に係る空間情報提示装
置は、光源は複数の発光素子を平面上に並べて構成され
たものであり、制御手段は発光させる発光素子の位置と
それに対応した経路とを順次変更していくようにしたも
のである。
【0009】本発明の第4の構成に係る空間情報提示装
置は、制御手段は、光源の複数の発光位置を発光させる
とともに液晶パネル装置の前記各発光位置に対応した複
数の透過位置を透過させ、かつ前記発光位置と前記透過
位置とを順次変更していくように制御するものである。
【0010】本発明の第5の構成に係る空間情報提示装
置は、光源の複数の発光位置または液晶パネル装置の複
数の透過位置は、縦または横方向に一定以上の間隔で発
光または透過させる1次元パターンを組み合わせて得る
2次元パターンにより定めるものである。
【0011】本発明の第6の構成に係る空間情報提示装
置は、光源は複数のレーザダイオードを平面上に並べて
構成されたものであり、経路設定手段は前記レーザダイ
オードから発して前記経路設定手段に入射したレーザ光
の出射方向が所望の方向となるような回折格子パターン
を描くように構成されたものである。
【0012】本発明の第7の構成に係る空間情報提示装
置は、光源は2次元の画像表示装置で構成され、制御手
段は発光位置のみ輝度が高い画像を生成し、前記画像表
示装置により前記画像を表示するように構成したもので
ある。
【0013】本発明の第8の構成に係る空間情報提示装
置は、制御手段は、光源から発する光の発光領域の大き
さに応じて、経路設定手段によって設定される光の経路
の横断面積を変化させるように制御するものである。
【0014】本発明の第9の構成に係る空間情報提示装
置は、特定点指定手段が複数の特定点を指定した場合、
制御手段は、光源から発する光に対してそれぞれの特定
点に対応する複数の経路を設定するように経路設定手段
を制御するものである。
【0015】本発明の第10の構成に係る空間情報提示
装置は、ハーフミラーは光源、経路設定手段または背景
景観の内の少なくとも1つに対する角度を可変に構成さ
れており、前記ハーフミラーの角度を検知する角度検知
手段を備えたものである。
【0016】本発明の第11の構成に係る空間情報提示
装置は、ハーフミラーの代わりに窓ガラスを用いたもの
である。
【0017】本発明の第12の構成に係る空間情報提示
装置は、背景景観から観察位置に至る光の経路を設定す
る経路設定手段、背景景観上の特定点を指定する特定点
指定手段、および、前記光の経路を前記特定点から発す
る光の経路に限定するように前記経路設定手段を制御す
る制御手段を備えたものである。
【0018】本発明の第13の構成に係る空間情報提示
装置は、経路設定手段は、背景景観から観察位置に至る
光の経路に順に配置され光の透過および不透過を制御す
る第一と第二の液晶パネル装置により構成されるもので
ある。
【0019】本発明の第14の構成に係る空間情報提示
装置は、制御手段は、特定点から発する光の経路のひと
つと交差する第一と第二の液晶パネル装置上の位置のみ
が共に光を透過するように第一と第二の液晶パネル装置
を制御するものである。
【0020】本発明の第15の構成に係る空間情報提示
装置は、第一と第二の液晶パネル装置の透過位置は、特
定点から複数の経路に別れて発する光の前記経路を順次
透過するように変更していくものである。
【0021】本発明の第16の構成に係る空間情報提示
装置は、制御手段は、第一と第二の液晶パネル装置が少
なくとも2箇所において光を透過し、特定点から複数の
経路に別れて発する光の内の少なくとも2つの経路の光
を透過するように、かつ前記光を透過する経路を順次変
更していくように第一と第二の液晶パネル装置を制御す
るものである。
【0022】本発明の第17の構成に係る空間情報提示
装置は、第一または第二の液晶パネル装置の透過位置
は、縦または横方向に一定以上の間隔で透過させる1次
元パターンを組み合わせて得る2次元パターンにより定
めるものである。
【0023】本発明の第18の構成に係る空間情報提示
装置は、第二の液晶パネル装置の透過位置を定める透過
パターンは、第一の液晶パネル装置の透過位置を定める
透過パターンを拡大したものである。
【0024】本発明の第19の構成に係る空間情報提示
装置は、第一と第二の液晶パネル装置の少なくとも一方
においては、透過位置以外においても前記透過位置の光
透過率よりも小さい所定の光透過率を有するように構成
したものである。
【0025】本発明の第20の構成に係る空間情報提示
装置は、光の透過および不透過を制御して背景景観から
観察位置に至る光の経路を設定する経路設定手段、背景
景観から前記経路設定手段に至る光の経路に配置され、
背景景観から前記経路設定手段に入射する光の透過およ
び拡散を制御する調光手段、背景景観上の特定点を指定
する特定点指定手段、並びに前記経路設定手段が前記特
定点から発する光のみを透過し、かつ前記調光手段が前
記経路設定手段に入射する光を拡散する第一の状態と、
前記経路設定手段がすべての光を透過し、かつ前記調光
手段が前記経路設定手段に入射する光を透過する第二の
状態との2つの状態を交互に切り替えるように前記経路
設定手段および前記調光手段を制御する制御手段を備え
たものである。
【0026】本発明の第21の構成に係る空間情報提示
装置は、光の透過および不透過を制御する液晶パネル装
置、背景景観から前記液晶パネル装置に至る光の経路に
配置され、背景景観から前記液晶パネル装置に入射する
光の透過および拡散を制御する調光手段、背景景観上の
特定点を指定する特定点指定手段、並びに前記特定点か
ら発する光の経路の1つと交差する前記調光手段上およ
び前記液晶パネル装置上の位置をそれぞれ拡散状態およ
び透過状態とし、かつ前記調光手段上および前記液晶パ
ネル装置上の残りの位置をそれぞれ透過状態および不透
過状態とし、前記特定点から発する光の経路を順次変更
していくように前記調光手段および前記液晶パネル装置
を制御する制御手段を備えたものである。
【0027】本発明の第22の構成に係る空間情報提示
装置は、調光手段を照らす照明手段を備えたものであ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1による空間情報提示装置の全体的な構成を示
す図である。図において、1は光源であり、例えば発光
ダイオードなどの発光素子を複数個平面上に並べて構成
されている。2は光源1から発する光の経路を設定する
経路設定手段に対応する液晶パネル装置、3は光源1と
経路設定手段2とを制御して発光位置と光の経路とを制
御する制御手段に対応する制御装置、4はハーフミラ
ー、5は背景景観、6は背景景観5内の特定点、7は特
定点6から発する光の経路、8はハーフミラー4での反
射後、経路7と合致する光源1からの光の経路、9は観
察者の視点位置、30は背景景観5上の特定点6を指定
する特定点指定手段に対応する特定点指定装置である。
なお、制御装置3は例えばパーソナルコンピュータやワ
ークステーションを用い、ソフトウェアにより動作させ
るように構成しており、汎用のコンピュータを用いて容
易に構成することができる。また、特定点指定装置30
は例えば、コンピュータに接続したマウスやキーボード
を用い、特定点6の座標値を入力、あるいは特定点6を
識別する名称や番号を入力しソフトウェアによって座標
値に変換するように構成しており、制御装置3を構成す
るコンピュータと接続して構成することもできる。
【0029】光源1の発光素子が並べられている面と平
行に経路設定手段である液晶パネル装置2を配置し、光
源1および液晶パネル装置2の動作を制御手段である制
御装置3によって制御する。光源1の発光素子から発し
液晶パネル装置2を透過した光はハーフミラー4により
鏡面反射され、観察者にはハーフミラー4を透過して見
える背景景観5上に上記光が重なった像が提示される。
観察者は、特定点指定手段である特定点指定装置30に
て認知したい背景景観5をなす空間上(背景景観上)の
特定点6を指定する。このとき、制御装置3は光源1と
液晶パネル装置2とを制御して、光源1から発する光の
ハーフミラー4反射後の経路が、特定点6からの光のハ
ーフミラー4透過後の経路に一致するように、光源1か
ら発する光の発光位置と経路8とを制御し、光源1から
の光が任意の観察者の視点位置に達するようにする。
【0030】次に、図2〜図5を用いて本実施の形態1
による空間情報提示装置の動作をさらに詳細に説明す
る。図2〜図5において、10は特定点6に重ねて視認
される光点による指標(光点指標)、11は特定点6か
らの光のハーフミラー4上の交点、12は光源1の発光
位置、13は光源1からの光の液晶パネル装置2の透過
位置、14は光源1を構成する発光素子であり、平面上
に複数個並べられている。15は特定点6のハーフミラ
ー4に関する面対称点を示す。
【0031】制御装置3は発光素子14を順次切り替え
て発光させ、発光素子14から発する光のハーフミラー
4反射後の経路が、特定点6からの光のハーフミラー4
透過後の各経路に一致するように、液晶パネル装置2を
制御する。このときの座標系は、例えば図2に示すよう
に設定する。ハーフミラー4上に原点Oを、鉛直方向に
z軸を、水平面上にxy平面をとる。光源1を発光素子
14の並べられた面が水平となるように水平に配置し、
四角形の光源1の1つの角部にある発光素子14aをz
軸上(x=y=0)に配置し、光源1の背景景観5に向
けてy軸方向、横方向がx軸方向、鉛直上方にz軸方向
となるようにする。光源1はz=za、液晶パネル装置
2はz=zbの水平面に置かれる。また、ハーフミラー
4は、zx平面に対してθだけ傾いている面であるとす
る。この、za、zb、およびθはあらかじめ計測して
おく。
【0032】本実施の形態の目的は、平面ハーフミラー
4を用いて、観察領域内における観察者の任意の視点位
置9に対して、図3に示すような背景景観5内の特定点
6に発光素子14から発せられた光点指標10を重ねた
像を提示することである。そのため、図4に示すよう
に、x方向にN個、y方向にM個並べた発光素子14を
順次切り替えて点灯し、さらに、図5に示すように、各
発光位置12a,12bを発した光が、ハーフミラー4
上、各交点11a,11bで反射し、特定点6から発し
て各交点11a,11bを経る光の各経路7a,7b上
に乗るように、各経路8a,8bの各透過位置13a,
13bを液晶パネル装置2で調整する。この結果、観察
領域内における観察者の任意の視点位置9aや9bに対
して、図3に示すような背景景観5内の特定点6に発光
素子14から発せられた光点指標10を重ねた像を提示
することができる。
【0033】図6に実施の形態1による空間情報提示装
置の動作を説明するフローチャートを示す。ステップS
T1では、特定点指定装置30により、背景景観5上の
特定点6を指定する。これは、例えば、キーボードやマ
ウスといった入力デバイスを用いることによって、その
座標値(xo,yo,zo)を直接入力したり、あるい
は、名称などを入力し、これをあらかじめ記憶していた
座標値に変換して指定してもよい。また、あらかじめ入
力しておいた複数の特定点の内の1つを指定してもよ
い。ステップST2では、制御装置3において、光源1
の発光位置12のx座標値に係わる変数iを0に初期化
する。ステップST3では、同様にy座標値に係わる変
数jを0にする。ステップST4では、発光位置12を
発した光が、ハーフミラー4上の交点11で反射後、特
定点6からの光の経路7に一致するための透過位置13
を求める。
【0034】経路8は発光位置12(iΔw,−jΔ
h,za)から発する。ここで、Δw=W/N,Δh=
H/M、また、W、Hはそれぞれ光源のx方向、y方向
の大きさである。ハーフミラー4による反射は、
【0035】
【数1】
【0036】の変換で表される。経路8がハーフミラー
4の交点11での反射後、特定点6から交点11を透過
する光の経路7に一致するようにする。そのためには、
特定点6のハーフミラー4に関する面対称の点15を求
め、この点15と発光位置12を結ぶ直線上に経路8を
とればよい。点15の座標を(xp,yp,zp)とす
れば、
【0037】
【数2】
【0038】である。従って、経路8の方向ベクトル
は、(iΔw−xp,−jΔh−yp,za−zp)と
なる。経路8は、媒介変数をkとして、
【0039】
【数3】
【0040】と表現され、この直線に対してz=zbと
することで、透過位置13が、次式Aのように求まる。
【0041】
【数4】
【0042】ステップST5では、図4に示すように、
光源1における所定の発光位置12(所定の発光素子1
4)を発光させ、さらに液晶パネル装置2により経路8
を設定する。すなわち、所定の発光位置12に対し、ス
テップST4で得た透過位置13のみ光を通すように液
晶パネル装置2を駆動させる。これにより、光源1の所
定の発光位置12から発した光は液晶パネル装置2をそ
の透過位置13のみ透過し、これにより指定された経路
8にて放射されることになる。
【0043】ステップST6では、jに1加える。ステ
ップST7では、jがM未満かどうかを判断し、そうで
あればステップST4に戻り、そうでなければステップ
ST8に進む。ステップST8では、iに1加える。ス
テップST9では、iがN未満かどうかを判断し、そう
であればステップST3に戻り、そうでなければ、ステ
ップ10に進む。ステップST10では終了かどうかす
なわち装置動作を止める指示がなされたかどうかの判定
を行い、終了であれば終了し、終了でなければステップ
ST11に進む。ステップST11では、特定点6を変
更する指示がなされたかどうかを判定し、なされていれ
ばステップST1に戻り、そうでなければステップST
2に戻る。また、あらかじめ複数の特定点を入力した場
合、ステップST11では次の特定点に変更すべく、ス
テップST1に戻り、特定点指定装置30により次の特
定点を順次繰り返し指定して処理を進めるように構成し
てもよい。
【0044】観察者の視点位置9に指標10が提示され
る時間は、上記ステップST5が起動され、次に再びス
テップST5に至るまでの時間である。この時間が短か
すぎて観察者が光点指標10を認知できない場合には、
ステップST5内で時間調整し、観察者が指標10を認
知できる程度に提示時間を長くしてもよい。また、提示
時間には液晶パネル装置2の駆動時間も含まれるため、
これ以上でなければならず、例えば、駆動時間が50μ
秒であれば100μ秒となるように調整する。
【0045】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、順次、発光位置12を切り替えており、図5に示す
ように、各発光位置12a,12bに対応して透過位置
13a,13bを制御し、各発光位置12a,12bに
対応して異なる視点位置9a,9bから背景景観5上の
特定点6が光点による指標6で明示された像を観察する
ことができるように構成している。したがって、背景景
観5上の特定点6から発する拡散光を順次模していくこ
とができ、観察者の視点位置9によらず、また人数によ
らず背景景観5上の特定点9が光点による指標10で明
示された像を観察することができ、背景景観5上の特定
点6の特定が容易に行えるようになる。さらに、制御装
置3により、光源1から発する光のハーフミラー4反射
後の経路が、特定点6からの光のハーフミラー4透過後
の経路に一致するように制御しているので、近景から遠
景まで広範囲の背景景観5内の特定点6に対応すること
ができる。また、平面のハーフミラー4を用いているの
で従来のように凹面ハーフミラーを用いるのに比べて観
察位置の範囲が広くしかも光学系が単純なものになり、
しかも観察位置(視点位置)9および提示可能な背景景
観5中の特定点6の範囲は、ハーフミラー4および光源
1、液晶パネル装置2を例えばx軸方向に並べることに
より、容易に広げることができる。
【0046】なお、液晶パネル装置2とハーフミラー4
間に反射鏡やレンズを配置してもよく、これにより、ハ
ーフミラー4に対して光源1および液晶パネル装置2の
配置位置をその場の状況に合ったように変更することが
可能となる。
【0047】実施の形態2.図7は本発明の実施の形態
2による空間情報提示装置の全体的な構成およびその動
作を説明する図である。実施の形態1においては、光源
1の発光素子14として発光ダイオードのような指向性
を持たない拡散光を出す素子を用いた場合について説明
したが、光源1はレーザ光のような直進するコヒーレン
トな光を出すものであってもよい。図7において、16
はレーザダイオードであり、本実施の形態では光源1は
複数のレーザダイオード16を平面上に並べて構成され
たものである。また、例えば液晶パネル2などの経路設
定手段はレーザダイオード16から発して経路設定手段
に入射したレーザ光の出射方向が所望の方向となるよう
な回折格子パターンを描くように構成されたものであ
る。
【0048】(i,j)で表される発光位置12を発
し、透過位置13に達した光が、特定点6を提示するた
めの液晶パネル装置2上での方向ベクトルは、実施の形
態1と同様に(iΔw−xp,−jΔh−yp,zb−
zp)により得られる。そこで、光源1の面上にz軸方
向の光を放射するように複数のレーザダイオード16を
配置し、液晶パネル装置2上において各レーザダイオー
ド16から発するレーザ光がそれぞれの透過位置(例え
ば図7の13a,13b)に合致した方向ベクトルをも
つように回折格子パターンを描画する。
【0049】この場合、透過位置(例えば図7の13a
や13b)を透過する光の方向は他のレーザダイオード
14の発光状態にかかわらず、一意に定まり、各レーザ
ダイオード16から発するレーザ光の経路(例えば図7
の8aや8b)はそれぞれ独立に設定できる。このた
め、図7に示すように、複数のレーザダイオード16を
同時に点灯させることができる。したがって、例えば全
てのレーザダイオード16を同時に発光させ、液晶パネ
ル装置2は、点光源が対称点(図2や図4に符号15で
示した)にあるがごとくに見せるための、ホログラムの
干渉パターンを描くようにすることにより、時分割する
ことなく連続的に、しかも同時に任意の複数の観察者
(例えば図7の視点位置9aや9b)に対して背景景観
5上に光点指標10を重ねて提示することができる。ま
た、複数のレーザダイオード16を同時に発光させて背
景景観5上に複数の光点からなる例えば文字や図形など
のパターンを重ねて提示したりすることもできる。
【0050】また、光源1として1個のレーザダイオー
ド16を用い、レンズを用いてこのレーザダイオード1
6から発するレーザ光の幅を広げ、コヒーレントな平行
光線とし、これを液晶パネル装置2の全面に照射するよ
うに構成してもよい。このとき、液晶パネル装置2は、
点光源が対称点(図2や図4に符号15で示した)にあ
るがごとくに見せるための、ホログラムの干渉パターン
を描くようにする。このように構成することにより、1
個のレーザダイオード16のみで光源1を構成すること
ができる。
【0051】実施の形態3.図8は本発明の実施の形態
3による空間情報提示装置の全体的な構成を示す図であ
る。本実施の形態では実施の形態1や2で用いたハーフ
ミラー4の代わりに、窓ガラスを利用している。一般の
窓ガラスにおいても光を透過するとともに鏡面反射する
ため、ハーフミラー4と同様の効果を得ることができ
る。図8において、17は窓ガラス、18は壁、19は
床である。
【0052】窓ガラス17は床19に対して垂直に設置
されているとし、建物の上層階から地上の背景景観5を
観察する場合を考える。このとき特定点6は下方に視認
される。したがって、光源1から発する光の窓ガラス1
7反射後の経路が、特定点6からの光の窓ガラス17透
過後の経路に一致するようにするために、光源1からの
光を斜め上方に向けて照射することになる。このとき、
窓ガラス17は床19に対して垂直に設置されており、
光源1から窓ガラス17に至る光の経路8の水平方向か
らの傾きは緩やかであるので、光源1の発光面および液
晶パネル装置2のパネル面を図8に示すように床19に
対して垂直に置いた方が有利である。そこで、光源1の
発光面をxy平面に、z軸を背景景観5側にとり、zx
平面に対する窓ガラス17の傾きθ=90°とする。な
お、図8では記入していないが、x軸は原点Oから紙面
手前に向かう直線である。方向ベクトルは(iΔw−x
p,−jΔh−yp,za−zp)となり、透過位置1
3は、
【0053】
【数5】
【0054】のようになる。ただし、この場合、座標系
を変更しているため、特定点6の座標値は上記実施の形
態1および2のものとは異なる。そこで、これを(x
q,yq,zq)と記述した。
【0055】このように構成することにより、ハーフミ
ラーを新たに設けなくても、通常の建物の窓ガラス17
を用いて実施の形態1で図3で示したのと同様に背景景
観5中の特定点6を光点指標10で提示することが可能
になり、装置を意識することなく背景景観5上の特定点
6が光点による指標10で明示された像を観察すること
ができる。また、光源1および液晶パネル装置2も窓ガ
ラス17の近傍に収めることも可能であり、場所を大き
く占拠することはない。
【0056】なお、窓ガラス17はハーフミラーによっ
て構成されたものであってもよく、この場合には、昼間
であっても、特定点6を示す光点指標10をより鮮明に
表示することができるようになる。
【0057】また、図9に示すように、窓ガラス17を
壁18に対して傾けて配置してもよく、この場合には、
視点位置9の下方のみならず水平方向あるいは上方の特
定点6をも光点指標10で提示することができるように
なる。
【0058】なお、図8において、光源1および液晶パ
ネル装置2を視点位置9より上方に配置することによっ
ても視点位置9の上方の特徴点6を光点指標10で提示
することができる。
【0059】実施の形態4.図10は本発明の実施の形
態4による空間情報提示装置の全体的な構成を示す図で
ある。図10において、20はCRT(Cathode
−Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ
などの2次元の画像表示装置である。本実施の形態では
光源は2次元の画像表示装置20で構成され、制御手段
3は発光位置12のみ輝度が高い画像を生成し、2次元
の画像表示装置20により表示する。なお、この場合、
観察者の視点位置9に指標が提示される時間は画像表示
装置20のフレームレートで制約され、例えば120H
zの場合は、8.3m秒となる。
【0060】本実施の形態によれば、一般に普及してい
る2次元の画像表示装置20を用いて光源を構成するこ
とが可能になる。
【0061】実施の形態5.図11は本発明の実施の形
態5による空間情報提示装置の要部の構成およびその動
作を説明する図である。実施の形態1においては、発光
位置12(iΔw,−jΔh,za)および式Aで示さ
れる透過位置13が共に十分に小さいものである場合に
ついて説明した。ここでは、ΔwとΔhがある程度の大
きさをもつものである場合について説明する。図11に
おいて、31は発光素子の領域すなわち発光領域、32
は透過領域すなわち液晶パネル装置2における発光素子
から発する光の経路8と交差する位置の領域であり、こ
の透過領域32の大きさを制御することにより発光素子
から発する光の経路8の横断面積を変化させる。発光位
置は、iΔw−Δw/2≦x≦iΔw+Δw/2、jΔ
h−Δh/2≦y≦jΔh+Δh/2の領域31とな
る。このとき、点15(xp,yp,zp)から上記発
光領域31内の任意の点を通過する経路について、その
透過位置は、
【0062】
【数6】
【0063】の領域32内となる。図6のフローチャー
トのステップST4においてこの透過領域32を求め、
ステップST5において、この透過領域32を光が透過
するように制御装置3が液晶パネル装置2を制御する。
【0064】この場合、点15から発光領域31に至る
経路をもつ光は、すべて透過領域32から観察者の視点
位置9に至ることになる。したがって、発光領域31が
光源1上に、隙間無く設定されている場合、点15から
発する光の経路8群は密に連続して再現することが可能
で、観察者の視点位置9により、光点である指標10が
観察されないということはなくなる。
【0065】実施の形態6.図12は本発明の実施の形
態6による空間情報提示装置の全体的な構成およびその
動作を説明する図である。上記各実施の形態において
は、特定点6を1つだけ指定するように構成した。本実
施の形態においては、複数の特定点を指定するように構
成する。図12において、33は2つめの特定点、34
は2つめの特定点33のハーフミラー4に関する面対称
点、35は2つめの透過位置である。また、2つめの特
定点33に係る経路7、経路8、交点11をそれぞれ7
c、8c,11cで表す。
【0066】次に図6をもとに主に実施の形態1と異な
る点について説明する。ステップST1では、特定点指
定装置30により、特定点を複数、例えば2個指定す
る。1個めの特定点6の座標値を(xo,yo,z
o)、2個めの特定点33の座標値を(x’o,y’
o,z’o)とする。それぞれの対称点15、34を同
様に求め、それぞれ、(xp,yp,zp)、(x’
p,y’p,z’p)とする。発光位置12が(iΔ
w,−jΔh,za)であるとき、ステップST4にお
いては、特定点6と33のそれぞれについて、対応する
透過位置13、35を式Aにより求め、2つの経路8、
8cの光が透過するように、液晶パネル装置2上のそれ
ぞれの透過位置13、35を制御する。
【0067】なお、上記実施の形態では2つの特定点6
と33を指定した場合について説明したが、特定点は2
つに限るものではないのは言うまでもない。
【0068】この構成により、一度に複数の特定点に対
応した光点指標を提示することができる。
【0069】実施の形態7.図13および図14は本発
明の実施の形態7による空間情報提示装置の要部の構成
およびその動作を説明する図、図15〜図17は本発明
の実施の形態7による空間情報提示装置の動作を説明す
る図、図18は本発明の実施の形態7による空間情報提
示装置の動作を説明するフローチャート、図19は本発
明の実施の形態7による空間情報提示装置の全体的な構
成を示す図である。実施の形態1においては、発光位置
12が1カ所のみである場合について説明した。本実施
の形態においては、単一の特定点6に対して、複数の発
光位置と各発光位置に対応した透過位置を指定し、複数
の観察位置で同時に観察者が光点指標を観察することが
できるように構成する。
【0070】図13〜図17および図19において、9
aは第一の観察者の視点位置、9bは第二の観察者の視
点位置、9cは第三の観察者の視点位置である。12a
は第一の発光位置、12bは第一の発光位置12aとx
方向またはy方向に隣接する第二の発光位置であり、図
13ではx方向に隣接する場合、図14ではy方向に隣
接する場合をそれぞれ示している。13aは第一の発光
位置12aに対応した透過位置、13bは第二の発光位
置12bに対応した透過位置、37は第一の発光位置1
2aから発し、この発光位置12aに対応した所定の透
過位置13a以外の透過位置13bを透過する光であ
る。40は光源のx方向またはy方向の1次元発光パタ
ーンであり、図15ではx方向の1次元発光パターンを
示している。41は1次元発光パターン40からなる光
源1の発光パターン、42は光源1の発光パターン41
に対する液晶パネル装置2の透過位置パターンである。
【0071】発光位置12a(または12b)を発し、
対応する透過位置13a(または13b)を透過する光
8は観察者の視点位置9a、9bに至り、対応しない透
過位置13b(または13a)を透過する光37は、観
察者には至らないように、各発光位置12a、12bと
透過位置13a、13bとのパターンを制御する。
【0072】まず、図13にて説明する。ハーフミラー
4の水平方向すなわちx方向の幅、および液晶パネル装
置2の幅はともに光源1のそれと同一として説明する。
x方向については、発光位置12a(iΔw,−jΔ
h,za)から発する光が対応する透過位置13aでは
なく、隣の発光位置12b(i’Δw,−jΔh,z
a)に対する透過位置13bを透過したとしても、その
光37がハーフミラー4に当たらなければよい。すなわ
ち、ハーフミラー4との交点11を持たなければよい。
ハーフミラー4は傾いており、y=0のとき、ハーフミ
ラー4に当たらないための光37の傾きの条件が厳しく
なる。そこで、y=0で条件を定める。光37のx軸と
のなす角αは、
【0073】
【数7】
【0074】となる。αの大きさが図13に示すφより
小さくなるようにするには、
【0075】
【数8】
【0076】となる。ただし、ここではtanφ=−z
b/Wである。これを整理して、
【0077】
【数9】
【0078】を得る。これを常に満足するには発光位置
の間隔(素子数)Δi=|i’−i|について、
【0079】
【数10】
【0080】のようにすればよい。ここで、0≦i’≦
N−1である。第二項は、xp≧(N−1)Δw/2の
ときi’=0で、xp<(N−1)Δw/2のときi’
=N−1で最大になるから、
【0081】
【数11】
【0082】を得る。なお、結果が整数とならない場合
は、整数に切り上げる。同様に、y方向についても、図
14にて説明する。ここでも、ハーフミラー4のy方向
の範囲、液晶パネル装置2のy方向の幅はともに光源1
のそれと同一として説明する。発光位置12a(iΔ
w,−jΔh,za)から発する光が対応する通過位置
13aではなく、隣の発光位置12b(iΔw,−j’
Δh,za)に対する通過位置13bを通過したとして
も、その光37はハーフミラー4に当たらなければよ
い。すなわち、ハーフミラー4との交点11を持たなけ
ればよい。ハーフミラー4は傾いているため、y正方向
に向かうとき、ハーフミラー4に当たらないための光3
7の傾きの条件が厳しくなる。すなわち、図14にて、
ψ<ψ’である。そこで、ψを用いて条件を定める。発
光位置の間隔(素子数)Δjを
【0083】
【数12】
【0084】のように得る。ただし、ここではtanψ
=−zb/Hである。これらΔiとΔjのどちらか一方
を常に満たすように発光位置を配置する。例えば図15
に示すように、横方向すなわちx方向にΔi×Δjごと
に発光位置12を配置した1次元発光パターン40を作
り、図16に示すように、これを順次Δiシフトさせて
2次元の発光パターン41とする。図17に示すよう
に、この2次元の発光パターン41を順次、x方向にシ
フトさせて動作させればよい。シフトの際、新たに現れ
る部分については、Δi×Δjごとに発光位置が配置さ
れるようにする。
【0085】次に、図18のフローチャートをもとに、
実施の形態1で図5のフローチャートをもとに説明した
のと異なる点について主に説明する。ステップST21
では、特定点6の位置から、制御装置3において上述の
発光間隔ΔiおよびΔjを計算する。ステップST22
においては、ステップST21の計算結果から発光パタ
ーン41はΔi×Δj種類となるので、これら各発光パ
ターン41に対する液晶パネル装置2の透過位置パター
ン42をあらかじめ求めて記憶しておく。この透過位置
パターン42は、発光パターン41上の各発光位置12
に対する透過位置13を求めて、それらを統合すること
で得る。なお、この透過位置パターン42は、式Aよ
り、発光パターン41を(xp,yp)を基準に(zb
・zp)/(za・zp)倍拡大したものとなる。ステ
ップST23では、図19に示すように、光源1を発光
パターン41で発光させ、さらに液晶パネル装置2によ
り対応する透過位置パターン42を表示して複数の経路
8を設定する。ステップST24では、発光パターン4
1をx方向に1素子シフトさせ更新する。
【0086】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、複数の観察位置(図19の9a、9bなど)で同時
に光点指標を観察することができるので、一度に1つの
観察位置でしか光点指標を観察できない場合に比べて観
察者が一度光点指標を観察してから次に観察できるまで
の時間間隔を(Δi×Δj)/(N×M)に短縮できる
結果、安定して光点指標を認知することができ、特定点
6の認知が容易なものとなる。また、光源1の複数の発
光位置12は、縦または横方向に一定以上の間隔で発光
させる1次元パターン40を組み合わせて得る2次元パ
ターン41により定めて順次シフトさせるので、発光パ
ターンの形成が単純で容易となる。
【0087】なお、上記実施の形態7においては、複数
の発光位置12の2次元パターン41を定めて順次シフ
トさせ、各2次元パターン41に対応した液晶パネル装
置2における複数の透過位置13の2次元パターン42
を求めたが、逆に、透過位置13の2次元パターン42
を先に定めて順次シフトさせ、それに対応する発光位置
12の2次元パターン41求めて発光させるように構成
してもよい。
【0088】この場合も、複数の観察位置で同時に光点
指標を観察することができるので、一度に1つの観察位
置でしか光点指標を観察できない場合に比べて観察者が
一度光点指標を観察してから次に観察できるまでの時間
間隔を短縮できる結果、安定して光点指標を認知するこ
とができ、特定点6の認知が容易なものとなる。また、
液晶パネル装置2の複数の透過位置13は、縦または横
方向に一定以上の間隔で透過させる1次元パターンを組
み合わせて得る2次元パターンにより定めて順次シフト
させることにより、透過パターンの形成が単純で容易と
なる。
【0089】実施の形態8.図20は本発明の実施の形
態8による空間情報提示装置の全体的な構成を示す図で
ある。上記各実施の形態においては、ハーフミラー4の
角度は固定としたが、特定点6の位置に対応して角度を
変えるように構成してもよい。図20において、43は
ハーフミラーの角度を検知する角度検知手段に対応する
角度センサである。
【0090】背景景観5上の特定点6を観察する場合、
その対称点15(例えば図2に示す)のy座標が光源1
および液晶パネル装置2のy座標の範囲から外れるほ
ど、光点指標を重ねて観察可能な視点位置9が限られ
る。例えばzx平面に対するハーフミラー4の傾き角θ
(図2に示す)を大きくすれば、高い位置にありz値の
大きい特定点6についてその対称点15を適切なy座標
の範囲に入れることができ、逆に、小さくすれば、低い
位置にありz値の小さい特定点6についてその対称点1
5を適切なy座標の範囲に入れることができる。
【0091】そこで、本実施の形態ではハーフミラー4
の角度を光源1、液晶パネル装置2および背景景観5の
内の少なくとも1つに対して可変とするとともに角度セ
ンサ43を設けた。特定点入力装置30により特定点6
が入力されると、制御装置3は、角度センサ43によっ
て検出されたハーフミラー4の角度に対応して、光源1
から発する光のハーフミラー4反射後の経路が、6特定
点からの光のハーフミラー4透過後の経路に一致するよ
うに、光源1から発する光の発光位置と経路とを制御す
る。
【0092】したがって、観察者は特定点6を入力し、
その特定点6に対応する光点指標が観察しやすい位置に
ハーフミラー4を動かすことにより、様々な位置にある
特定点6を認知することができる。なお、光源1、液晶
パネル装置2および背景景観5の配置関係が固定されて
いる場合には、ハーフミラー4はこれらの全てに対して
角度が変わることになる。
【0093】なお、上記各実施の形態では、経路設定手
段として液晶パネル装置2を用いた場合について説明し
たが、これに限るものではなく、例えばテキサスインス
ツルメンツ社(Texas Instruments Incorporated)製の
デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirro
r Device:登録商標)を用いてもよく、上記各実施の形
態と同様の効果が得られる。液晶パネル装置2が光の透
過および不透過を制御するのに対し、デジタルマイクロ
ミラーデバイスは光の目的方向への反射および非反射を
制御する。この反射および非反射を、液晶パネル装置2
の透過および不透過に置き替えて用いることにより、経
路8を設定する。デジタルマイクロミラーデバイスと光
源1との具体的な配置については、例えば、デジタルマ
イクロミラーデバイスが液晶パネル装置2と同様にxy
平面に平行に置かれ、デジタルマイクロミラーデバイス
を構成する反射鏡の傾き角度がx軸方向まわりに例えば
10度と−10度であり、例えばその傾きが10度のと
きハーフミラー4に向けて反射する構成とすれば、光源
1は、デジタルマイクロミラーデバイスの斜め上方で、
発光面をデジタルマイクロミラーデバイスに向けて、x
軸方向まわりにxz平面に対して20度傾いた方向に配
置する。
【0094】実施の形態9.図21は本発明の実施の形
態9による空間情報提示装置の全体的な構成を示す図で
ある。図21において、50と51は背景景観5から観
察位置(視点位置9)に至る光の経路に配置され光の透
過および不透過を制御するそれぞれ第一と第二の液晶パ
ネル装置であり、これらにより背景景観5から観察位置
(視点位置9)に至る光の経路を設定する経路設定手段
を構成している。第一の液晶パネル装置50が背景景観
5の側に配置され、第二の液晶パネル装置51が観察者
の側に配置されている。本実施の形態では、経路設定手
段である第一と第二の液晶パネル装置50と51を互い
に平行に配置し、おのおのの動作を制御手段である制御
装置3によって制御する。観察者は、特定点指定手段で
ある特定点指定装置30にて認知したい背景景観5をな
す空間上(背景景観上)の特定点6を指定する。このと
き、制御装置3は背景景観5から第一および第二の液晶
パネル装置50および51へ入射する光のうち、特定点
6を発する光のみが透過するように、第一および第二の
液晶パネル装置50、51を制御する。すなわち制御装
置3は、特定点6から発する光の経路7のひとつと交差
する第一と第二の液晶パネル装置50、51上の位置の
みが共に光を透過するように第一と第二の液晶パネル装
置50、51を制御し、上記光の経路7を順次変更して
いく。
【0095】図22と図23は本実施の形態による空間
情報提示装置の動作を説明する図であり、図24は本実
施の形態による空間情報提示装置の動作を説明するフロ
ーチャートである。図22と図23において、52は第
一および第二の液晶パネル装置50、51により透過さ
れず不可視となる領域、53は特定点6からの光が第一
および第二の液晶パネル装置50、51を透過して見え
る特定点像、54は特定点6からの光の経路7が第一の
液晶パネル装置50と交差する位置(透過位置)、55
は特定点6からの光の経路7が第二の液晶パネル装置5
1と交差する位置(透過位置)である。
【0096】制御装置3は、特定点6から発する光の経
路7のひとつと交差する第一と第二の液晶パネル装置5
0、51上の位置を共に光が透過し、他の位置を光が透
過しないように第一と第二の液晶パネル装置50、51
を制御する。さらに、観察者の視点位置9の変化に対応
するため、想定される経路7を網羅するように透過位置
54および55を順次更新していく。このときの座標系
は、例えば図23に示すように設定する。第一の液晶パ
ネル装置50のパネル面上に原点Oとxy平面をとり、
z軸を背景景観5方向にとる。第二の液晶パネル装置5
1は、z=z2の面に配置される。z2の値はあらかじ
め計測しておく。
【0097】本実施の形態の目的は、観察者の任意の視
点位置9に対して、図22に示すように特定点6のみを
観察する特定点像53を提示することである。そのた
め、図23に示すように、第一の液晶パネル装置50の
パネル面をx方向にN個、y方向にM個に分割し、特定
点6からそれぞれの分割小領域である透過位置54に達
する経路7の光のみを透過するように、第二の液晶パネ
ル装置51の透過位置55を制御する。図23におい
て、ΔwおよびΔhは分割小領域である透過位置54の
x方向およびy方向の大きさであり、それぞれΔw=W
/NおよびΔh=H/Mで表わされる。また、Wおよび
Hはそれぞれ第一の液晶パネル装置50のx方向および
y方向の大きさである。特徴点6の座標を(xo,y
o,zo)とする。
【0098】次に、本実施の形態による情報提示装置の
動作を図24のフローチャートにより説明する。ステッ
プST51では、特定点指定装置30により、背景景観
5上の特定点6を指定する。これは、例えば、キーボー
ドやマウスといった入力デバイスを用いることによっ
て、その座標値(xo,yo,zo)を直接入力して指
定してもよいし、あるいは、名称などを入力し、これを
あらかじめ記憶していた座標値に変換して指定してもよ
い。ステップST52では、制御装置3において、第一
の液晶パネル50の透過位置54のx座標値に係わる変
数iを0に初期化する。ステップST53では、同様に
y座標値に係わる変数jを0にする。ステップST54
では、特定点6を発し透過位置54を経る光の経路7
の、第二の液晶パネル51との交差位置を求め、これを
透過位置55とする。
【0099】経路7は特定点6(xo,yo,zo)か
ら透過位置54(iΔw,jΔh,0)に至る直線であ
る。経路7の方向ベクトルは、(iΔw−xo,jΔh
−yo,−zo)となる。媒介変数をkとして、
【0100】
【数13】
【0101】と表現され、この直線に対してz=z2と
することで、透過位置55が、次式Bのように求まる。
【0102】
【数14】
【0103】ステップST55では、第一の液晶パネル
装置50において透過位置54のみ光を透過し、他の位
置では不透過となるように制御し、第二の液晶パネル装
置51において透過位置55のみ光を透過し、他の位置
では不透過となるように制御する。これにより、特定点
6を発し、経路7をとる光のみが第一および第二の液晶
パネル装置50、51を透過することになる。ステップ
ST56では、jに1加える。ステップST57では、
jがM未満かどうかを判断し、そうであればステップS
T54に戻り、そうでなければステップST58に進
む。ステップST58では、iに1加える。ステップS
T59では、iがN未満かどうかを判断し、そうであれ
ばステップST53に戻り、そうでなければ、ステップ
60に進む。ステップST60では終了かどうかすなわ
ち装置動作を止める指示がなされたかどうかの判定を行
い、ステップST61では、特定点6を変更する指示が
なされたかどうかを判定し、なされていればステップS
T51に戻り、そうでなければステップST52に戻
る。
【0104】観察者の視点位置9において透過される特
定点像53が提示される時間は、上記ステップST55
が起動され、次に再びステップST55に至るまでの時
間である。この時間が短かすぎて観察者が光点指標10
を認知できない場合には、ステップST55内で時間調
整し、観察者が特定点像53を認知できる程度に提示時
間を長くしてもよい。また、提示時間には第一の液晶パ
ネル装置50と第二の液晶パネル装置51の駆動時間も
含まれるため、これ以上でなければならず、例えば、駆
動時間が50μ秒であれば100μ秒となるように調整
する。
【0105】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、第一の液晶パネル装置50の透過位置54を順次切
り替えており、各透過位置54に対応して第二の液晶パ
ネル装置51の透過位置55を制御し、各透過位置54
に対応して異なる視点位置9から背景景観5上の指定し
た特定点6のみが明示された像を観察することができる
ように構成している。したがって、背景景観5上の特定
点6から発する拡散光を順次提示していくことができ、
観察者の視点位置9によらず、また人数によらず背景景
観5上の特定点6のみが明示された像(特定点像53)
を観察することができ、背景景観5上の特定点6を容易
に認知できるようになる。さらに、近景から遠景まで広
範囲の背景景観5内の特定点6に対応することができ
る。また、2つの液晶パネル装置50、51を平行に配
置して用いることにより経路設定手段を薄く構成するこ
とができ、光学系も単純なものとなる。また、特定点6
から発する光の経路のひとつと交差する第一と第二の液
晶パネル装置50、51上の位置54、55のみが共に
光を透過するように第一と第二の液晶パネル装置50、
51を制御することにより、特定点6から発する光の経
路を容易に定めることができるようになる。
【0106】実施の形態10.実施の形態9において
は、透過位置54および55がともに十分に小さいもの
である場合について説明した。ここでは、透過位置54
が所定の領域を有する場合、すなわち具体的には、透過
位置54が隣接する複数の分割小領域で構成される場合
について説明する。透過位置54は、iΔw≦x≦(i
+K)Δw、jΔh≦y≦(j+L)Δhの領域(透過
領域)をもつ。K,Lは正の整数で、例えば4というよ
うに設定する。このとき、特定点6(xo,yo,z
o)から透過位置54内の任意の点を透過する経路につ
いて、その第二の液晶パネル装置51の透過位置55
は、
【0107】
【数15】
【0108】の領域内となる。この領域を含む分割小領
域を透過領域55とする。図24のフローチャートのス
テップST54においてこの透過位置55の領域を求
め、ステップST55において、この透過位置55の領
域を光が通過するように制御装置3が第二の液晶パネル
装置51を制御する。
【0109】この場合、特定点6から透過位置(透過領
域)54に至る経路7をもつ光は、すべて透過位置(透
過領域)55を経て観察者の視点位置9に至ることにな
る。したがって、透過位置(透過領域)54が第一の液
晶パネル装置50上、すきまなく設定されている場合、
特定点6から発する光の経路群は密に連続して再現する
ことが可能で、観察者の視点位置9により、特定点像5
3が観察されないということはなくなる。また、透過位
置(透過領域)54および透過位置(透過領域)55
を、それぞれの大きさの1/K、あるいは1/Lずつ徐
々に移動するように構成できるため、連続かつ安定して
特定点像53を観察できるようになる。
【0110】実施の形態11.図25は本発明の実施の
形態11による空間情報提示装置の要部の構成およびそ
の動作を説明する図、図26は本発明の実施の形態11
による空間情報提示装置の動作を説明する図、図27は
発明の実施の形態11による空間情報提示装置の動作を
説明するフローチャート、図28は本発明の実施の形態
11による空間情報提示装置の全体的な構成示す図であ
る。上記実施の形態9および10においては、第一およ
び第二の液晶パネル装置50および51の透過位置54
および55はそれぞれ1カ所のみである場合について説
明した。本実施の形態においては、単一の特定点6に対
し、複数の透過位置54と各透過位置54に対応した透
過位置55を指定し、複数の観察位置で同時に観察者が
特定点像を観察することができるように構成する。
【0111】図25、図26および図28において、3
6は有効領域、54aは第一の液晶パネル装置50上の
第一の透過位置、54bは透過位置54にx方向または
y方向に隣接する第一の液晶パネル装置50上の第二の
透過位置であり、図25ではx方向に隣接する場合を示
している。55aは第一の透過位置54aに対応する第
二の液晶パネル装置51上の第一の透過位置、55bは
第二の透過位置54bに対応する第二の液晶パネル装置
51上の第二の透過位置である。56は第一の透過位置
54aを透過し、これに対応する所定の第一の透過位置
55a以外の第二の透過位置55bを透過する光の経路
であり、この経路56は有効領域36には至らない。5
9は第一の液晶パネル装置50のx方向またはy方向の
1次元透過パターンであり、図26ではx方向の1次元
透過パターンを示している。60は1次元透過パターン
59からなる第一の液晶パネル装置50の透過パター
ン、61は第一の液晶パネル装置50の透過パターン6
0に対する第二の液晶パネル装置51の透過パターンで
ある。
【0112】透過位置54a(または54b)を通過
し、対応する透過位置55a(または55b)を通過す
る特定点6からの光は有効領域36内を通過し、対応し
ない透過位置55b(または55a)を通過する光は、
有効領域36外に出るように、透過位置のパターンを制
御する。なお、有効領域36は、例えば以下のように定
める。光56について、x軸とのなす角がφ以下、また
は、y軸とのなす角がψ以下になるように、第一の液晶
パネル装置50の透過パターン60および第二の液晶パ
ネル装置51の透過パターン61を制御する。このと
き、有効領域36は、第二の液晶パネル装置51からx
軸とのなす角がφ以下、または、y軸とのなす角がψ以
下である光56が到達しない領域となる。図25にx方
向について有効領域36を図示する。本実施の形態にお
いては、図13、14に示した実施の形態12と異な
り、ハーフミラーを用いていないので、φとψを適宜、
例えば、両者とも45度と定める。
【0113】x軸方向については、透過位置54a(i
Δw,jΔh,0)を通過する光が対応する透過位置5
5aではなく、隣の透過位置54b(i’Δw,jΔ
h,0)に対する透過位置55bを透過する場合、その
x軸とのなす角αは、
【0114】
【数16】
【0115】となる。実施の形態7において説明したの
と同様に、αがφより小さくなるための、第一の液晶パ
ネル装置50上の透過位置の間隔(小領域数)Δi
【0116】
【数17】
【0117】を得る。
【0118】同様に、y方向についても、透過位置の間
隔Δjを
【0119】
【数18】
【0120】のように得る。これらΔiとΔjのどちら
か一方を常に満たすように発光位置を配置する。例えば
図26に示すように、x方向にΔi×Δj間隔ごとに透
過位置54を配置した1次元透過パターン59を作り、
これを順次Δiシフトさせて2次元の透過パターン60
とする。この2次元の透過パターン60を順次、x方向
にシフトさせて動作させればよい。
【0121】次に、図27のフローチャートをもとに、
実施の形態9で図24のフローチャートをもとに説明し
たのと異なる点について主に説明する。ステップST7
1では、特定点6の位置から、制御装置3において上述
の透過間隔ΔiおよびΔjを計算し、透過パターン60
を求める。ステップST72においては、透過パターン
61を求める。この透過パターン61は、透過パターン
60上の各透過位置54に対する透過位置55を統合し
たものである。透過位置55は、実施の形態9で述べた
式Bより、透過位置54を(xo,yo)を基準に(z
o−z2)/zo倍拡大した位置となる。したがって、
透過パターン61は、透過パターン60を(xo,y
o)を基準に(zo−z2)/zo倍拡大して得られ
る。ステップST73では、図28に示すように、第一
の液晶パネル装置50に透過パターン60を表示し、さ
らに第二の液晶パネル装置51に透過パターン61を表
示する。ステップST74では、透過パターン60をx
方向に1小領域分(Δw)シフトさせ更新する。
【0122】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、複数の観察位置(図28の9a、9bなど)で同時
に特定点像を観察することができるので、一度に1つの
観察位置でしか特定点像を観察できない場合に比べて観
察者が一度特定点像を観察してから次に観察できるまで
の時間間隔を(Δi×Δj)/(N×M)に短縮できる
結果、安定して特定点像を認知することができ、特定点
6の認知が容易なものとなる。また、第一の液晶パネル
装置50の複数の透過位置54は、縦または横方向に一
定以上の間隔で透過させる1次元パターン59を組み合
わせて得る2次元パターン60により定めて順次シフト
させるので、透過パターンの形成が単純で容易となる。
【0123】なお、上記実施の形態11においては、第
一の液晶パネル装置50の2次元透過パターン60を定
め、それに対応する第二の液晶パネル装置51の2次元
透過パターン61を求めたが、逆に、第二の液晶パネル
装置51の2次元透過パターン61を先に定めて、それ
に対応する第一の液晶パネル装置50の透過パターン6
0を求めるように構成してもよい。
【0124】この場合も、複数の観察位置で同時に特定
点像を観察することができるので、一度に1つの観察位
置でしか特定点像を観察できない場合に比べて観察者が
一度特定点像を観察してから次に観察できるまでの時間
間隔を短縮できる結果、安定して特定点像を認知するこ
とができ、特定点6の認知が容易なものとなる。また、
第二の液晶パネル装置51の複数の透過位置55は、縦
または横方向に一定以上の間隔で透過させる1次元パタ
ーンを組み合わせて得る2次元パターンにより定めて順
次シフトさせることにより、透過パターン61の形成が
単純で容易となる。
【0125】実施の形態12.図29は本発明の実施の
形態12による空間情報提示装置の動作を説明する図で
ある。本実施の形態の全体的な構成は、図21で示した
実施の形態9の場合と同様である。上記実施の形態9〜
11においては、第一および第二の液晶パネル装置5
0、51において、透過位置54、55以外の領域は光
を透過しないように構成した場合について説明したが、
本実施の形態においては、透過位置54、55以外の領
域においても、これらの透過位置54、55の光透過率
よりも小さい所定の透過率で光を透過するように構成す
る。第一および第二の液晶パネル装置50、51の透過
位置54、55の光透過率をT、それ以外の領域の光透
過率をt、ただしT>t、とする。視点位置9において
特定点像53が観察されている場合、特定点像53の透
過率はT×T、それ以外の領域ではt×tとなる。(光
透過率の一例としては、例えばtを透過位置54、55
の光透過率Tの70%とした場合、特定点像53以外の
領域では0.7×0.7で特定点像53の約50%の明
るさになる)
【0126】このように構成することにより、透過点像
53以外の領域においても背景景観5の像を暗く提示す
ることができ、特定点6以外の背景景観5も観察するこ
とができるようになり、その中で特定点6が明るく強調
された像を観察することができるので、背景景観5中で
の特定点6の位置が認知しやすくなる。
【0127】なお、上記実施の形態では第一と第二の液
晶パネル装置50、51の両方について、透過位置5
4、55以外の領域においても、これらの透過位置5
4、55の光透過率よりも小さい所定の透過率で光を透
過するように構成した場合について説明したが、必ずし
も両方の液晶パネル装置50、51でなくてもよく、少
なくとも一方の液晶パネル装置50または51につい
て、透過位置54、55以外の領域においても、これら
の透過位置54、55の光透過率よりも小さい所定の透
過率で光を透過するように構成すればよい。
【0128】実施の形態13.図30は本発明の実施の
形態13による空間情報提示装置の全体的な構成を示す
図、図31〜図33は本発明の実施の形態13による空
間情報提示装置の動作を説明する図、図34は本発明の
実施の形態13による空間情報提示装置の動作を説明す
るフローチャートである。図30〜図33において、6
2は調光手段であり、例えばNCAP(Nematic Curvil
inear Aligned Phase)フィルム素材による瞬間調光シ
ートが用いられ、背景景観5から第一の液晶パネル装置
50に至る光の経路7に配置され、背景景観5から第一
の液晶パネル装置50に入射する光の透過および拡散を
制御する。上記のような瞬間調光シートは、それにかけ
る電圧を制御することにより、光をそのまま透過する透
過状態と拡散する拡散状態とに切り替えることができ
る。63は特定点6上に描かれる光点指標、64は観察
者の視点位置9から第一および第二の液晶パネル装置5
0、51越しに見える視野である。
【0129】本実施の形態では、制御手段3は、第一お
よび第二の液晶パネル装置50、51が特定点6から発
する光のみを透過し、かつ調光手段62が第一の液晶パ
ネル装置50に入射する光を拡散する第一の状態と、第
一および第二の液晶パネル装置50、51がすべての光
を透過し、かつ調光手段62が第一の液晶パネル装置5
0に入射する光を透過する第二の状態との2つの状態を
交互に切り替えるように、第一、第二の液晶パネル装置
50、51および調光手段62を制御する。すなわち、
図31に示すように、観察者に特定点6を提示する段階
(第1の状態)においては、調光手段62を拡散状態に
することにより、背景景観5から入射した光が拡散され
た白色光が、経路7上、透過位置54から透過位置55
を経て観察者の視点位置9に達する。また、図32に示
すように、観察者に背景景観5を提示する段階(第2の
状態)においては、調光手段62を透過状態にし、第一
および第二の液晶パネル装置50、51も全面透過する
ように制御する。このとき、観察者の視点位置9には、
背景景観5から入射した光がそのまま達し、観察者には
背景景観5が提示される。以上の2つのフェーズ(状
態)を繰り返すことにより、図33に示すように、背景
景観5の特定点6上に白色の光点指標63が描かれた像
を提示することができる。
【0130】次に、図34のフローチャートをもとに、
実施の形態9で図24のフローチャートをもとに説明し
たのと異なる点について主に説明する。ステップST8
0では、制御装置3は、調光手段である瞬間調光シート
62にかける電圧を制御し、瞬間調光シート62が光を
拡散するようにする。ステップST81では、制御装置
3は、第一の液晶パネル装置50および第二の液晶パネ
ル装置51において全面で光を透過するように制御す
る。これとともに、瞬間調光シート62にかける電圧を
制御し、瞬間調光シート62が光を透過するようにす
る。
【0131】観察者に提示される背景景観5と光点指標
63とのコントラストは、上記ステップST80とステ
ップST81間相互に至る所要時間による。観察者が光
点指標63を認知しやすいように所要時間を調整しても
よい。これらの所用時間には双方とも第一と第二の液晶
パネル装置50と51、および瞬間調光シート62の駆
動時間も含まれるため、これらの駆動時間以上でなけれ
ばならず、例えば、瞬間調光シート62の駆動時間がこ
れらのうち最大で10m秒であれば20m秒となるよう
に調整する。
【0132】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、第二の状態においては背景景観5がそのまま観察で
き、第一の状態においては調光手段62において拡散さ
れた白色光が特定点6上に光点指標63として観察さ
れ、これらの状態を切り替えることにより、背景景観5
の中に特定点6が白色の光点指標63により明示された
像を観察することができる。したがって、背景景観5中
での特定点6の位置が認知しやすくなる。
【0133】実施の形態14.図35は本発明の実施の
形態14による空間情報提示装置の全体的な構成を示す
図である。図において、65は照明手段である照明装置
であり、主として瞬間調光シート62を照らす。本実施
の形態では、実施の形態13で説明した空間情報提示装
置において、照明装置65を設け、瞬間調光シート62
に白色光を照射して瞬間調光シート62が拡散する光量
を増すように構成している。なお、白色光は、例えば瞬
間調光シート62が拡散状態の間のみ照射するようにす
るが、瞬間調光シート62が透過状態において、白色光
が視点位置9に直接至らないように照明装置65を配置
すれば、白色光を常時照射するようにしてもよい。
【0134】本実施の形態によれば、夕刻や夜間におい
ても、観察者に明るい光点指標63を提示することがで
き、背景景観5中に特定点6を示す光点指標63をより
明確に提示することができる。
【0135】なお、白色光の代わりに赤や青などの有色
光を照射して光点指標63に色をつけるように構成して
もよい。この場合にも、有色光は、瞬間調光シート62
が拡散状態の間のみ照射するようにするが、瞬間調光シ
ート62が透過状態において、有色光が視点位置9に直
接至らないように照明装置65を配置すれば、有色光を
常時照射するようにしてもよい。この構成によれば、背
景景観5の色の分布に左右されない色や、背景景観5と
区別しやすい色の光点指標63を提示することができ、
背景景観5中に特定点6を示す光点指標63をより明確
に提示することができる。
【0136】実施の形態15.図36は本発明の実施の
形態15による空間情報提示装置の全体的な構成を示す
図、図37および図38は本発明の実施の形態15によ
る空間情報提示装置の動作を説明する図、図39は本発
明の実施の形態15による空間情報提示装置の動作を説
明するフローチャートである。図36〜図38におい
て、67は光の透過および不透過を制御する液晶パネル
装置、66は背景景観5から液晶パネル装置67に至る
光の経路に配置され、背景景観5から液晶パネル装置6
7に入射する光の透過および拡散を制御する調光手段に
相当する拡散型液晶パネル装置である。拡散型液晶パネ
ル装置66は、光の透過および拡散のパターンを描き、
液晶パネル装置67は、光の透過および不透過のパター
ンを描く。68は観察者の視点位置9から拡散型液晶パ
ネル装置66および液晶パネル装置67越しに見える視
野、69は拡散型液晶パネル装置66の拡散位置、70
は液晶パネル装置67の透過位置、71は背景景観5上
の特定点6とは異なる点、72は視点位置9から点71
を見る視線である。
【0137】本実施の形態では、制御装置3は、特定点
6から発する光の経路の1つと交差する拡散型液晶パネ
ル装置66上および液晶パネル装置67上の位置をそれ
ぞれ拡散状態(拡散位置69)および透過状態(透過位
置70)とし、特定点6から発する光の経路を順次変更
していくように拡散型液晶パネル装置66および液晶パ
ネル装置67を制御する
【0138】図37に示すように、経路7上に拡散位置
69と透過位置70を設定すれば、拡散位置69におい
ては、背景景観5から入射した光が拡散された白色光
が、経路7上、透過位置70を経て観察者の視点位置9
に達する。経路7以外の視点位置9からの視野68で
は、液晶パネル装置67が不透過であるため、光が達し
ない。次に、拡散位置69および透過位置70をずらせ
て経路7を視点位置9に対して移動させると、背景景観
5内の点71を発する光が視点位置9に達する。このよ
うに、順次経路7を移動させる(すなわち液晶パネル装
置67を通って観察者側に届く光の経路を順次変更す
る)ことにより、背景景観5の特定点6上に白色の光点
指標63が描かれた像を提示することができる。
【0139】次に、図39のフローチャートをもとに、
実施の形態9で図24のフローチャートをもとに説明し
たのと異なる点について主に説明する。本実施の形態と
実施の形態9とでは、拡散型液晶パネル装置66の拡散
位置69が第一の液晶パネル装置50の透過位置54
に、液晶パネル装置67の透過位置70が第二の液晶パ
ネル装置51の透過位置55に、それぞれ相当する。ス
テップST90では、実施の形態9の透過位置55に対
応する透過位置70を決定する。ステップST91で
は、拡散型液晶パネル装置66の拡散位置69のみが光
を拡散するように、また、液晶パネル装置70の透過位
置77のみが光を透過するように、制御装置3により制
御する。
【0140】この構成によれば、観察者に背景景観5
と、その特定点6上に描かれた白色の光点指標63を提
示することができ、背景景観5中での特定点6の位置が
認知しやすくなる。
【0141】なお、本実施の形態においても、実施の形
態14と同様に調光手段である拡散型液晶パネル装置6
6を照らす照明手段を設けてもよく、実施の形態14の
場合と同様の効果が得られる。なお、このとき照明手段
による光は連続的に照射する。
【0142】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の構成によ
れば、光源、この光源から発する光の経路を設定する経
路設定手段、前記光源から発する光を反射すると共に背
景景観を構成する光を透過して前記光源からの光を背景
景観に合成するハーフミラー、背景景観上の特定点を指
定する特定点指定手段、および前記光源と前記経路設定
手段とを制御し、前記光源から発する光の前記ハーフミ
ラー反射後の経路が、前記特定点からの光の前記ハーフ
ミラー透過後の経路に一致するように、前記光源から発
する光の発光位置と経路とを制御する制御手段を備えた
ので、背景景観の遠近に関わらずしかも広範囲の観察位
置に対応して、背景景観上の特定点が光点による指標で
明示された像を提示することができる。
【0143】本発明の第2の構成によれば、経路設定手
段は光の透過および不透過を制御する液晶パネル装置に
より構成され、制御手段は光源から発する光の経路が所
望の経路となるように、液晶パネル装置における前記所
望の経路と交差する位置のみが光を透過するように前記
液晶パネル装置を制御するので、容易に光の経路を定め
ることができる。
【0144】本発明の第3の構成によれば、光源は複数
の発光素子を平面上に並べて構成されたものであり、制
御手段は発光させる発光素子の位置とそれに対応した経
路とを順次変更していくようにしたので、背景景観上の
特定点から発する拡散光を順次模していくことができ、
観察者の視点位置によらず、また人数によらず背景景観
上の特定点が光点による指標で明示された像を観察する
ことができる。
【0145】本発明の第4の構成によれば、制御手段
は、光源の複数の発光位置を発光させるとともに液晶パ
ネル装置の前記各発光位置に対応した複数の透過位置を
透過させ、かつ前記発光位置と前記透過位置とを順次変
更していくように制御するので、複数の観察位置で同時
に光点指標を観察することができる結果、一度に1つの
観察位置でしか光点指標を観察できない場合に比べて観
察者が一度光点指標を観察してから次に観察できるまで
の時間間隔を短縮でき、安定して光点指標を認知するこ
とができるようになる。
【0146】本発明の第5の構成によれば、光源の複数
の発光位置または液晶パネル装置の複数の透過位置は、
縦または横方向に一定以上の間隔で発光または透過させ
る1次元パターンを組み合わせて得る2次元パターンに
より定めるので、発光パターンまたは透過パターンの形
成が単純で容易となる。
【0147】本発明の第6の構成によれば、光源は複数
のレーザダイオードを平面上に並べて構成されたもので
あり、経路設定手段は前記レーザダイオードから発して
前記経路設定手段に入射したレーザ光の出射方向が所望
の方向となるような回折格子パターンを描くように構成
されたものであるので、レーザ光は直進するコヒーレン
トな光であり、各レーザダイオードから発するレーザ光
の経路はそれぞれ独立に設定できる結果、複数のレーザ
ダイオードを同時に発光させることができる。従って、
全てのレーザダイオードを同時に発光させて時分割する
ことなく連続的にしかも同時に任意の複数の観察者に背
景景観上に光点指標を提示したり、複数のレーザダイオ
ードを同時に発光させて背景景観上に複数の光点からな
る例えば文字や図形などのパターンを提示したりするこ
とができる。
【0148】本発明の第7の構成によれば、光源は2次
元の画像表示装置で構成され、制御手段は発光位置のみ
輝度が高い画像を生成し、前記画像表示装置により前記
画像を表示するように構成したので、一般に普及してい
る2次元の画像表示装置を用いて光源を構成することが
できる。
【0149】本発明の第8の構成によれば、制御手段
は、光源から発する光の発光領域の大きさに応じて、経
路設定手段によって設定される光の経路の横断面積を変
化させるように制御するので、発光領域にある全ての光
をハーフミラーで反射させることも可能で、光点指標を
観察できない位置をなくすことが可能となる。
【0150】本発明の第9の構成によれば、特定点指定
手段が複数の特定点を指定した場合、制御手段は、光源
から発する光に対してそれぞれの特定点に対応する複数
の経路を設定するように経路設定手段を制御するので、
一度に複数の特定点に対応した光点指標を提示すること
ができる。
【0151】本発明の第10の構成によれば、ハーフミ
ラーは光源、経路設定手段または背景景観の内の少なく
とも1つに対する角度を可変に構成されており、前記ハ
ーフミラーの角度を検知する角度検知手段を備えたの
で、角度検知手段により検知されたハーフミラーの角度
に対応して光源から発する光の発光位置と経路とを制御
することにより、観察者は特定点の位置に応じてハーフ
ミラーの角度を変え、特定点が認知しやすくなるように
調整することが可能となる。
【0152】本発明の第11の構成によれば、ハーフミ
ラーの代わりに窓ガラスを用いたので、特に観察者が屋
内から屋外の背景景観を窓ガラスを通して観察する場合
に、ハーフミラーを新たに設けなくてもよく、装置を意
識することなく背景景観上の特定点が光点による指標で
明示された像を観察することができる。
【0153】本発明の第12の構成によれば、背景景観
から観察位置に至る光の経路を設定する経路設定手段、
背景景観上の特定点を指定する特定点指定手段、およ
び、前記光の経路を前記特定点から発する光の経路に限
定するように前記経路設定手段を制御する制御手段を備
えたので、観察者は背景景観上の指定した特定点のみが
明示された像を観察することができ、特定点を容易に認
知できるようになる。さらに、近景から遠景まで広範囲
の背景景観内の特定点に対応することができるようにな
る。
【0154】本発明の第13の構成によれば、経路設定
手段は、背景景観から観察位置に至る光の経路に順に配
置され光の透過および不透過を制御する第一と第二の液
晶パネル装置により構成されるので、2つの液晶パネル
装置を平行に配置することにり、経路設定手段を薄く構
成することができ、光学系も単純なものとなる。
【0155】本発明の第14の構成によれば、制御手段
は、特定点から発する光の経路のひとつと交差する第一
と第二の液晶パネル装置上の位置のみが共に光を透過す
るように第一と第二の液晶パネル装置を制御するので、
特定点から発する光の経路を容易に定めることができ
る。
【0156】本発明の第15の構成によれば、第一と第
二の液晶パネル装置の透過位置は、特定点から複数の経
路に別れて発する光の前記経路を順次透過するように変
更していくので、特定点から発する拡散光を順次透過し
ていくことにより、観察者の視点位置によらず、また人
数によらず背景景観上の特定点が明示された像を観察す
ることができる。
【0157】本発明の第16の構成によれば、制御手段
は、第一と第二の液晶パネル装置が少なくとも2箇所に
おいて光を透過し、特定点から複数の経路に別れて発す
る光の内の少なくとも2つの経路の光を透過するよう
に、かつ前記光を透過する経路を順次変更していくよう
に第一と第二の液晶パネル装置を制御するので、複数の
観察位置で同時に特定点が明示された像を観察すること
ができる結果、一度に1つの観察位置でしか観察できな
い場合に比べて観察者が一度特定点が明示された像を観
察してから次に観察できるまでの時間間隔を短縮でき、
安定して特定点が明示された像を認知することができる
ようになる。
【0158】本発明の第17の構成によれば、第一また
は第二の液晶パネル装置の透過位置は、縦または横方向
に一定以上の間隔で透過させる1次元パターンを組み合
わせて得る2次元パターンにより定めるので、透過パタ
ーンの形成が単純で容易となる。
【0159】本発明の第18の構成によれば、第二の液
晶パネル装置の透過位置を定める透過パターンは、第一
の液晶パネル装置の透過位置を定める透過パターンを拡
大したものであるので、第一の液晶パネル装置の透過パ
ターンから、第二の液晶パネル装置の透過パターンを容
易に得ることができるようになる。
【0160】本発明の第19の構成によれば、第一と第
二の液晶パネル装置の少なくとも一方においては、透過
位置以外においても前記透過位置の光透過率よりも小さ
い所定の光透過率を有するように構成したので、特定点
以外の背景景観も観察することができるようになり、背
景景観5中での特定点6の位置が認知しやすくなる。
【0161】本発明の第20の構成によれば、光の透過
および不透過を制御して背景景観から観察位置に至る光
の経路を設定する経路設定手段、背景景観から前記経路
設定手段に至る光の経路に配置され、背景景観から前記
経路設定手段に入射する光の透過および拡散を制御する
調光手段、背景景観上の特定点を指定する特定点指定手
段、並びに前記経路設定手段が前記特定点から発する光
のみを透過し、かつ前記調光手段が前記経路設定手段に
入射する光を拡散する第一の状態と、前記経路設定手段
がすべての光を透過し、かつ前記調光手段が前記経路設
定手段に入射する光を透過する第二の状態との2つの状
態を交互に切り替えるように前記経路設定手段および前
記調光手段を制御する制御手段を備えたので、第二の状
態においては背景景観がそのまま観察でき、第一の状態
においては調光手段において拡散された光が特定点上に
観察され、これらの状態を切り替えることにより、背景
景観の中に特定点が光点指標により明示された像を観察
することができる。したがって、背景景観中での特定点
の位置が認知しやすくなる。
【0162】本発明の第21の構成によれば、光の透過
および不透過を制御する液晶パネル装置、背景景観から
前記液晶パネル装置に至る光の経路に配置され、背景景
観から前記液晶パネル装置に入射する光の透過および拡
散を制御する調光手段、背景景観上の特定点を指定する
特定点指定手段、並びに前記特定点から発する光の経路
の1つと交差する前記調光手段上および前記液晶パネル
装置上の位置をそれぞれ拡散状態および透過状態とし、
かつ前記調光手段上および前記液晶パネル装置上の残り
の位置をそれぞれ透過状態および不透過状態とし、前記
特定点から発する光の経路を順次変更していくように前
記調光手段および前記液晶パネル装置を制御する制御手
段を備えたので、背景景観の中に特定点が光点指標によ
り明示された像を観察することができ、背景景観中での
特定点の位置が認知しやすくなる。
【0163】本発明の第22の構成によれば、調光手段
を照らす照明手段を備えたので、調光手段が入射する光
を拡散する状態においては、その光量を増すこと、ある
いは色をつけることができ、背景景観中に特定点を示す
光点指標をより明確に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による空間情報提示装
置の全体的な構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による空間情報提示装
置の動作を説明する図である。
【図3】 本発明の実施の形態1による空間情報提示装
置の動作を説明する図である。
【図4】 本発明の実施の形態1による空間情報提示装
置の動作を説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態1による空間情報提示装
置の動作を説明する図である。
【図6】 本発明の実施の形態1による空間情報提示装
置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態2による空間情報提示装
置の全体的な構成およびその動作を説明する図である。
【図8】 本発明の実施の形態3による空間情報提示装
置の全体的な構成の一例を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態3による空間情報提示装
置の全体的な構成の別の例を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態4による空間情報提示
装置の全体的な構成を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態5による空間情報提示
装置の要部の構成およびその動作を説明する図である。
【図12】 本発明の実施の形態6による空間情報提示
装置の全体的な構成およびその動作を説明する図であ
る。
【図13】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の要部の構成およびその動作を説明する図である。
【図14】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の要部の構成およびその動作を説明する図である。
【図15】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の動作を説明する図である。
【図16】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の動作を説明する図である。
【図17】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の動作を説明する図である。
【図18】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の動作を説明するフローチャートである。
【図19】 本発明の実施の形態7による空間情報提示
装置の全体的な構成示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態8による空間情報提示
装置の全体的な構成を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態9による空間情報提示
装置の全体的な構成を示す図である。
【図22】 本発明の実施の形態9による空間情報提示
装置の動作を説明する図である。
【図23】 本発明の実施の形態9による空間情報提示
装置の動作を説明する図である。
【図24】 本発明の実施の形態9による空間情報提示
装置の動作を説明するフローチャートである。
【図25】 本発明の実施の形態11による空間情報提
示装置の要部の構成およびその動作を説明する図であ
る。
【図26】 本発明の実施の形態11による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図27】 本発明の実施の形態11による空間情報提
示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図28】 本発明の実施の形態11による空間情報提
示装置の全体的な構成示す図である。
【図29】 本発明の実施の形態12による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図30】 本発明の実施の形態13による空間情報提
示装置の全体的な構成を示す図である。
【図31】 本発明の実施の形態13による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図32】 本発明の実施の形態13による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図33】 本発明の実施の形態13による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図34】 本発明の実施の形態13による空間情報提
示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図35】 本発明の実施の形態14による空間情報提
示装置の全体的な構成を示す図である。
【図36】 本発明の実施の形態15による空間情報提
示装置の全体的な構成を示す図である。
【図37】 本発明の実施の形態15による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図38】 本発明の実施の形態15による空間情報提
示装置の動作を説明する図である。
【図39】 本発明の実施の形態15による空間情報提
示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図40】 従来の空間情報提示装置の光学系の構成を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 光源、2,67 液晶パネル装置、3 制御装置、
4 ハーフミラー、5背景景観、6,33 特定点、
7,7a,7b,7c 特定点からの光の経路、8,8
a,8b,8c 光源1からの光の経路、9,9a,9
b 視点位置、10 光点指標、11,11a,11
b,11c 特定点からの光のハーフミラー上の交点、
12,12a,12b 光源の発光位置、13,13
a,13b,35 液晶パネル装置の光の透過位置、1
4 発光素子、15,34 は特定点のハーフミラーに
関する面対称点、16 レーザダイオード、17 窓ガ
ラス、18 壁、19 床、20 2次元の画像表示装
置、30 特定点指定装置、31 発光領域、32 透
過領域、36 有効領域、40 1次元発光パターン、
41 光源の発光パターン、42 透過位置パターン、
43 角度センサ、50第一の液晶パネル装置、51
第二の液晶パネル装置、53 特定点像、54,54
a,54b,55、55a,55b,70 透過位置、
59 第一の液晶パネル装置の1次元透過パターン、6
0 第一の液晶パネル装置の透過パターン、61 第二
の液晶パネル装置の透過パターン、62 調光手段、6
3 光点指標、64,68 視野、65 照明装置、6
6 拡散型液晶パネル装置、69拡散位置、101 凹
面ハーフミラー、102 スクリーン、103 プロジ
ェクタ、111 ガラス窓。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源、この光源から発する光の経路を設
    定する経路設定手段、前記光源から発する光を反射する
    と共に背景景観を構成する光を透過して前記光源からの
    光を背景景観に合成するハーフミラー、背景景観上の特
    定点を指定する特定点指定手段、および前記光源と前記
    経路設定手段とを制御し、前記光源から発する光の前記
    ハーフミラー反射後の経路が、前記特定点からの光の前
    記ハーフミラー透過後の経路に一致するように、前記光
    源から発する光の発光位置と経路とを制御する制御手段
    を備えたことを特徴とする空間情報提示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空間情報提示装置にお
    いて、経路設定手段は光の透過および不透過を制御する
    液晶パネル装置により構成され、制御手段は光源から発
    する光の経路が所望の経路となるように、液晶パネル装
    置における前記所望の経路と交差する位置のみが光を透
    過するように前記液晶パネル装置を制御することを特徴
    とする空間情報提示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の空間情報提示
    装置において、光源は複数の発光素子を平面上に並べて
    構成されたものであり、制御手段は発光させる発光素子
    の位置とそれに対応した経路とを順次変更していくよう
    にしたことを特徴とする空間情報提示装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の空間情報提示
    装置において、制御手段は、光源の複数の発光位置を発
    光させるとともに液晶パネル装置の前記各発光位置に対
    応した複数の透過位置を透過させ、かつ前記発光位置と
    前記透過位置とを順次変更していくように制御すること
    を特徴とする空間情報提示装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の空間情報提示装置にお
    いて、光源の複数の発光位置または液晶パネル装置の複
    数の透過位置は、縦または横方向に一定以上の間隔で発
    光または透過させる1次元パターンを組み合わせて得る
    2次元パターンにより定めることを特徴とする空間情報
    提示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の空間情報提示
    装置において、光源は複数のレーザダイオードを平面上
    に並べて構成されたものであり、経路設定手段は前記レ
    ーザダイオードから発して前記経路設定手段に入射した
    レーザ光の出射方向が所望の方向となるような回折格子
    パターンを描くように構成されたものであることを特徴
    とする空間情報提示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載の空間情報提示
    装置において、光源は2次元の画像表示装置で構成さ
    れ、制御手段は発光位置のみ輝度が高い画像を生成し、
    前記画像表示装置により前記画像を表示するように構成
    したことを特徴とする空間情報提示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の空間情報提示
    装置において、制御手段は、光源から発する光の発光領
    域の大きさに応じて、経路設定手段によって設定される
    光の経路の横断面積を変化させるように制御することを
    特徴とする空間情報提示装置。
  9. 【請求項9】 請求項1または2に記載の空間情報提示
    装置において、特定点指定手段が複数の特定点を指定し
    た場合、制御手段は、光源から発する光に対してそれぞ
    れの特定点に対応する複数の経路を設定するように経路
    設定手段を制御することを特徴とする空間情報提示装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1または2に記載の空間情報提
    示装置において、ハーフミラーは光源、経路設定手段ま
    たは背景景観の内の少なくとも1つに対する角度を可変
    に構成されており、前記ハーフミラーの角度を検知する
    角度検知手段を備えたことを特徴とする空間情報提示装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1または2に記載の空間情報提
    示装置において、ハーフミラーの代わりに窓ガラスを用
    いたことを特徴とする空間情報提示装置。
  12. 【請求項12】 背景景観から観察位置に至る光の経路
    を設定する経路設定手段、背景景観上の特定点を指定す
    る特定点指定手段、および、前記光の経路を前記特定点
    から発する光の経路に限定するように前記経路設定手段
    を制御する制御手段を備えたことを特徴とする空間情報
    提示装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の空間情報提示装置
    において、経路設定手段は、背景景観から観察位置に至
    る光の経路に順に配置され光の透過および不透過を制御
    する第一と第二の液晶パネル装置により構成されること
    を特徴とする空間情報提示装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の空間情報提示装置
    において、制御手段は、特定点から発する光の経路のひ
    とつと交差する第一と第二の液晶パネル装置上の位置の
    みが共に光を透過するように第一と第二の液晶パネル装
    置を制御することを特徴とする空間情報提示装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の空間情報提示装置
    において、第一と第二の液晶パネル装置の透過位置は、
    特定点から複数の経路に別れて発する光の前記経路を順
    次透過するように変更していくことを特徴とする空間情
    報提示装置。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の空間情報提示装置
    において、制御手段は、第一と第二の液晶パネル装置が
    少なくとも2箇所において光を透過し、特定点から複数
    の経路に別れて発する光の内の少なくとも2つの経路の
    光を透過するように、かつ前記光を透過する経路を順次
    変更していくように第一と第二の液晶パネル装置を制御
    することを特徴とする空間情報提示装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の空間情報提示装置
    において、第一または第二の液晶パネル装置の透過位置
    は、縦または横方向に一定以上の間隔で透過させる1次
    元パターンを組み合わせて得る2次元パターンにより定
    めることを特徴とする空間情報提示装置。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の空間情報提示装置
    において、第二の液晶パネル装置の透過位置を定める透
    過パターンは、第一の液晶パネル装置の透過位置を定め
    る透過パターンを拡大したものであることを特徴とする
    空間情報提示装置。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載の空間情報提示装置
    において、第一と第二の液晶パネル装置の少なくとも一
    方においては、透過位置以外においても前記透過位置の
    光透過率よりも小さい所定の光透過率を有するように構
    成したことを特徴とする空間情報提示装置。
  20. 【請求項20】 光の透過および不透過を制御して背景
    景観から観察位置に至る光の経路を設定する経路設定手
    段、背景景観から前記経路設定手段に至る光の経路に配
    置され、背景景観から前記経路設定手段に入射する光の
    透過および拡散を制御する調光手段、背景景観上の特定
    点を指定する特定点指定手段、並びに前記経路設定手段
    が前記特定点から発する光のみを透過し、かつ前記調光
    手段が前記経路設定手段に入射する光を拡散する第一の
    状態と、前記経路設定手段がすべての光を透過し、かつ
    前記調光手段が前記経路設定手段に入射する光を透過す
    る第二の状態との2つの状態を交互に切り替えるように
    前記経路設定手段および前記調光手段を制御する制御手
    段を備えたことを特徴とする空間情報提示装置。
  21. 【請求項21】 光の透過および不透過を制御する液晶
    パネル装置、背景景観から前記液晶パネル装置に至る光
    の経路に配置され、背景景観から前記液晶パネル装置に
    入射する光の透過および拡散を制御する調光手段、背景
    景観上の特定点を指定する特定点指定手段、並びに前記
    特定点から発する光の経路の1つと交差する前記調光手
    段上および前記液晶パネル装置上の位置をそれぞれ拡散
    状態および透過状態とし、かつ前記調光手段上および前
    記液晶パネル装置上の残りの位置をそれぞれ透過状態お
    よび不透過状態とし、前記特定点から発する光の経路を
    順次変更していくように前記調光手段および前記液晶パ
    ネル装置を制御する制御手段を備えたことを特徴とする
    空間情報提示装置。
  22. 【請求項22】 請求項20または21に記載の空間情
    報提示装置において、調光手段を照らす照明手段を備え
    たことを特徴とする空間情報提示装置。
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