JP2002115160A - バッキング材用湿式不織布 - Google Patents

バッキング材用湿式不織布

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JP2002115160A
JP2002115160A JP2000306588A JP2000306588A JP2002115160A JP 2002115160 A JP2002115160 A JP 2002115160A JP 2000306588 A JP2000306588 A JP 2000306588A JP 2000306588 A JP2000306588 A JP 2000306588A JP 2002115160 A JP2002115160 A JP 2002115160A
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fibers
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Yoshiyuki Tadokoro
義幸 田所
Yasuyuki Senda
泰之 千田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリアー性と追従性に優れたバッキング材用
湿式不織布の提供。 【解決手段】 短繊維の長さが20mm以下であり、短
繊維の長さ(L)と短繊維の単糸の直径(D)の比L/
Dが500〜2000の短繊維から構成され、引張強度
のタテ/ヨコ比が1.0〜2.0で、且つ下記式(1)
で計算される繊維間距離が25μm以下であるバッキン
グ材用湿式不織布。(式中、Dは短繊維の単糸の平均直
径[μm]、ρは単糸を構成する高分子重合体の密度
[g/cm3]、dは不織布の密度[g/cm3]、πは
円周率を表す。) 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装材に
使用する複合成形体のバッキング材用不織布に関するも
のである。さらに詳しくは、曲面や凹凸面を有する複合
成形体を一体成形する際に好適なバッキング材用湿式不
織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のドアや天井、ピラー等
の内装材には、成形基材の表面に布地等の表皮材を接着
した物が使われて来た。これらの内装材は、布や編み物
などの裏面にホットメルト接着シートを積層したものを
表皮材とし、この表皮材を射出成形金型の固定型に配置
し、しかる後、可動型を移動して型閉めし、ホットメル
ト接着シート側から溶融状態の基材樹脂を圧入し、一体
成形する方法で製造されている。
【0003】しかし、上記のような内装材は弾性に乏し
いため、触感が硬く、高級感に乏しい物であった。その
改良手段として、表皮材と成形基材との間にクッション
効果がある発泡層を設けてソフトな触感を実現する試み
が為されているが、一体成型時に溶融状態の基材樹脂が
発泡層内に浸透し、クッション効果を低下させ、ソフト
な触感の実現を妨げるという不具合が有った。
【0004】この不具合を改善するために種々の検討が
行われてきた。例えば、特開昭60−212342号公
報に開示されている内装材は、基材樹脂の融点より高い
融点を持つバッキング材を採用することにより、溶融状
態の基材樹脂のバリアー効果を出そうとしているが、一
体成形方法との対応において最適に設計された構成が開
示されているものではない。
【0005】また、特開2000−108233号公報
に開示されている内装材のバリア材(バッキング材)
は、湿式不織布によってバリアー効果を出そうとしてい
る。しかし、曲率の大きな曲面や深い凹凸を有する複合
成形体を一体成形する場合には、シワが発生したり、ま
た溶融基材樹脂の圧入部において、バリアー性が不充分
であり、結果として、その部分においてソフトな触感の
実現が不充分であるなどの問題点があり、やはり、一体
成形方法との対応において最適な不織布構成を開示して
いるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車用内
装材に用いる複合成形体の製造において、一体成型時に
溶融状態の基材樹脂のバリアー性が高く、曲面や凹凸面
への追従性に優れたバッキング材用湿式不織布を提供す
る事を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、本発明をなすに至
った。即ち、本発明は、湿式法により成る不織布であっ
て、該不織布を構成する短繊維の長さが20mm以下で
あり、短繊維の長さ(L)と短繊維の単糸の直径(D)
の比L/Dが500〜2000である短繊維が相互に交
絡し、該不織布の引張強度のタテ/ヨコ比が1.0〜
2.0で、且つ下記式(1)で計算される繊維間距離が
25μm以下であるバッキング材用湿式不織布である。
【0008】
【数2】
【0009】(式中、Dは短繊維の単糸の平均直径[μ
m]、ρは単糸を構成する高分子重合体の密度[g/c
3]、dは不織布の密度[g/cm3]、πは円周率を
表す。) 以下、本発明について詳細に説明する本発明のバッキン
グ材用湿式不織布は、特定の形態を有する短繊維から構
成され、且つ、該不織布の引張強度のタテ/ヨコ比と繊
維間距離が特定された範囲内である。
【0010】本発明で用いる短繊維の長さは20mm以
下であり、好ましくは1mm以上、20mm以下、より
好ましくは3mm以上、15mm以下である。短繊維の
長さが20mmを越えるような比較的長い場合は、抄造
法によって得られる抄造シートの目付の均一性が低下
し、不織布の斑となって部分的にバリアー性を低下させ
る。
【0011】また、短繊維の長さ(L)と短繊維の単糸
の直径(D)の比L/Dは500〜2000の範囲内で
あり、好ましくは700〜1500である。短繊維の単
糸のL/Dは、短繊維相互の三次元交絡のし易さと重要
な関係が有り、L/Dが500未満である場合、及び2
000を越える場合は、目的とする不織布が得られな
い。また、短繊維の長さが20mm以下であってもL/
Dが2000を越える場合は、抄造法によって得られる
抄造シートの目付の均一性が低下し、不織布の斑となっ
て部分的にバリアー性を低下させる。
【0012】本発明のバッキング材用湿式不織布は、上
記のような特定の形状を有する短繊維から構成されてい
ること、及び、該湿式不織布の引張強度のタテ/ヨコ比
が1.0〜2.0の範囲内であり、且つ、繊維間距離が
25μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましく
は12μm以下である。引張強度のタテ/ヨコ比は、該
不織布を構成する短繊維の単糸の配向と密接に関係して
おり、タテ/ヨコ比が大きい場合は単糸のタテ配向が強
く、小さい場合はヨコ配向が強いことを示す。タテ/ヨ
コ比が1.0〜2.0の場合は、単糸の配向がランダム
に近い事を示し、内装材の一体成型時には優れた追従性
を発揮する。引張強度のタテ/ヨコ比が2.0を越える
場合は、バッキング材が射出成形金型の形状に追従し難
く、歪みによりシワや浮きが発生したり、バッキング材
そのものが破損し、溶融状態の基材樹脂のバリアー性を
損ねるという不具合が生じる。
【0013】また、不織布を構成する短繊維の単糸の繊
維間距離が25μmを越える場合は、溶融状態の基材樹
脂のバリアー性が不充分になり、一体成型時に溶融状態
の基材樹脂がバッキング材を貫通、発泡層へ浸透し、結
果としてソフトな触感を損なう。更に繊維間距離が大き
すぎる場合は、外観まで損ねるという不具合が生じる。
【0014】本発明の不織布のタテとヨコの破断伸度
は、追従性の点から25%以上である事が好ましく、さ
らに好ましくは30%以上であり、40%以上が最も好
ましい。また、該不織布の通気度は35ml/cm2
秒以下が好ましく、より好ましくは30ml/cm2
秒以下である。通気度はバリアー性の目安となり、通気
度が小さい程バリアー性が高い傾向を示す。通気度が3
5ml/cm2/秒を越える場合は、一体成型時におい
て溶融状態の基材樹脂のバリアー性が不充分となる傾向
がある。
【0015】不織布の目付は、20〜250g/m2
範囲内が好ましく、より好ましくは40〜200g/m
2であり、さらに好ましくは100〜200g/m2であ
る。20g/m2未満ではバリアー性不足や形態保持性
が低下する傾向があり、結果として溶融状態の基材樹脂
の貫通やシワ発生などの不具合が生じる場合がある。2
50g/m2を越える場合にも、シワや凹凸が発生する
可能性がある。
【0016】本発明の湿式不織布は、2枚以上を積層し
て使用することができる。2枚以上重ねて使用する場合
は、合計した目付が20〜250g/m2の範囲内であ
ることが好ましく、より好ましくは40〜200g/m
2であり、さらに好ましくは100〜200g/m2であ
る。また、通気度が、好ましくは35ml/cm2/秒
以下、より好ましくは30ml/cm2/秒以下になる
様に不織布を組み合わせて使用することが好ましい。
【0017】本発明のバッキング材用湿式不織布を構成
する短繊維の単糸の断面形状は、円形であっても非円形
の種々の異形断面であっても良い。単糸が円形断面の場
合は、直接的にその直径を測定した値を短繊維の単糸の
直径とする。また、単糸が異形断面の場合は、質量法に
よりその繊度(デシテックス)を測定し、この繊度(デ
シテックス)を用いて、単糸が円形と仮定した場合、下
記式(2)で得られる平均直径を短繊維の単糸の直径と
する。
【0018】
【数3】
【0019】(式中、D1は単糸の直径[μm]、ρは
単糸を構成する高分子重合体の密度[g/cm3]、d1
は単糸の繊度[デシテックス]、πは円周率を表す。) 本発明のバッキング材用湿式不織布を構成する短繊維と
しては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレ
フィン繊維、ポリアクリル繊維などの合成繊維、レーヨ
ン、銅アンモニアレーヨン等の再生繊維、木材パルプ、
綿などの天然繊維などを用いることが出来るが、これら
に限定されるものではなく、短繊維の長さが20mm以
下であり、短繊維の長さ(L)と短繊維の単糸の直径
(D)の比L/Dが500〜2000を満たす特定の形
状の短繊維であれば任意に用いることが出来る。
【0020】さらに、上記のような特定の形状を有する
短繊維であれば、抄造シートとした後の高速流体流処理
や機械処理、或いは化学処理などによって分割し、極細
化(単糸繊度が小さくなる)される繊維も何ら問題無く
用いることが出来る。これら極細化(単糸繊度が小さく
なる)される繊維を用いることは、繊維間距離と通気度
をより小さくすることが出来るので好ましい。
【0021】また、上記の1種又は2種以上を混合して
用いることも出来る。2種以上の短繊維が不織布を構成
する場合は、それぞれの短繊維を構成する高分子重合体
の密度から、高分子重合体の平均密度を計算し、この平
均密度を用いて繊維間距離を計算する。短繊維の単糸の
繊度は3.3デシテックス以下であることが好ましく、
より好ましくは2.2デシテックス以下、更に好ましく
は1.1デシテックス以下、最も好ましくは0.6デシ
テックス以下である。単糸の繊度が3.3デシテックス
を越える場合は、本発明の要件である繊維間距離25μ
m以下が得られ難い傾向がある。単糸の繊度が3.3デ
シテックスを越える場合でも、不織布を加圧ロール間を
通す事などで、不織布厚みを小さくして繊維間距離を小
さくする事は可能であるが、小さくした厚みが回復する
ことなく固定されるためには、ロールを加熱するなどの
必要が有り、結果として、風合いが硬くなり、一体成型
時に成形金型の形状への追従性が低下するなどの不具合
が生じる場合がある。また、製造工程が複雑になり、コ
ストアップするなどの傾向がある。短繊維が熱可塑性重
合体より成る場合は、基材樹脂の融点より高い融点を有
する重合体の短繊維を用いることが好ましい。
【0022】本発明のバッキング材用湿式不織布は、下
記の製造方法(湿式法)によって得られる。短繊維の長
さが20mm以下であり、短繊維の長さ(L)と短繊維
の単糸の直径(D)の比L/Dが500〜2000を満
たす特定の形状の短繊維を0.1〜3%濃度になるよう
水に分散し、スラリーを調合する。この際、少量の分散
剤を加える事が好ましい。このスラリーを、長網型、丸
網型などの抄造機で抄造シートを作成する。この際、例
えば長網型抄造機では、抄造シートの短繊維のタテ/ヨ
コ配向比が1に近づく様、スラリーの吹き出し速度と長
網速度(抄造速度)をコントロールする事が好ましい。
【0023】次いで、得られた抄造シートを、高速流体
流処理にて短繊維を相互に三次元交絡させる。ここで言
う流体とは、液体もしくは気体であるが、取り扱い易
さ、コスト、衝突エネルギーの大きさなどの点から、水
が最も好ましい。水を用いる場合、水圧は、用いる繊維
の種類、抄造シートの目付量、処理速度によって異なる
が、充分に交絡させるには1〜15MPaに設定するの
が好ましい。さらに好ましくは2〜10MPaである。
水流を噴出するノズルの径は、0.05〜0.5mmが
好ましい。ノズルの孔の間隔は0.2〜10mmに成る
よう配置する事が好ましい。
【0024】交絡を効果的に行い、繊維間距離を小さく
するには、抄造シートに噴き当てられた水を除去するこ
とも重要である。方法としては、抄造シートの下に目の
細かい金網などの支持体を置き、その下から吸引脱水す
るのが良い。水流の軌跡形状は、抄造シートの進行方向
に対し、平行な直線状であっても良いし、ノズルを取り
付けたヘッダーを回転運動させたり、或いはシートの進
行方向に対して直角に往復運動させることによって得ら
れる曲線状であっても良い。なかでも、ヘッダーの回転
運動や往復運動によって得られる曲線状軌跡の方が、ノ
ズル1錘当たりのシートに対する水の噴射面積が大きく
なり、繊維間距離を小さくするには効果的である。同時
に、抄造シートが有する優れた均一性を損なうことな
く、水流軌跡が見えにくいという点からも曲線状軌跡の
方が好ましい。
【0025】水流を抄造シートに当てる順序は、表裏交
互に当てる方法でも良いし、片面だけに当てる方法でも
良いが、繊維間距離を小さくし、且つ表裏共に均一な表
面を得ようとする場合は、表裏交互に当てるのが良い。
水圧を段階的に変化させるのも、繊維間距離を小さくす
ると同時に水流軌跡を見え難くし、フラットで均一な表
面を得るためには有効である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
さらに説明する。なお、測定方法、評価方法等は下記の
通りである。 (1)目付 JIS−L−1096に準じて測定した。
【0027】(2)厚み 試験片の4ヶ所を、一定の測定面積(直径10mmの円
面積)で一定の圧力(5kPa)がかかる厚み計(ピー
コック社製:モデルH)にて測定し、その平均値を厚み
とする。 (3)密度 目付と厚みから算出した。
【0028】(4)引張強度のタテ/ヨコ強度比 JIS−L−1096のストリップ法に準じ、タテ(抄
造シートの進行方向)、ヨコ(抄造シートの幅方向)そ
れぞれの引張強度を測定し、タテの引張強度をヨコの引
張強度で除して算出した。 (5)破断伸度 JIS−L−1096のストリップ法に準じ、タテ、ヨ
コを測定した。
【0029】(6)繊維間距離 前記式(1)によって算出した。 (7)通気度 JIS−L−1096A法(フラジール型試験機使用)
に準じて測定した。 (8)目付斑 目視にて判定した。目付斑が認められない場合を○、目
付斑が明らかに認められる場合を×、その中間を△で表
す。
【0030】(9)一体成形性評価 発泡層として厚さ3.5mm、密度0.05g/m2
軟質ウレタンフォームを、基材樹脂としてポリプロピレ
ン(融点165℃)を用い、一体成形して、その外観
を、射出成形金型の形状への追従性の観点と溶融基材樹
脂のバリアー性の観点から、目視と触感によって判定し
た。
【0031】追従性については、○は外観上、シワや凹
凸の発生が認められない場合、△はシワや凹凸の発生が
微かに認められる場合、×はシワや凹凸の発生が明らか
に認められる場合を表す。また、バリアー性について
は、○は溶融基材樹脂の圧入部が他の部分と較べて、外
観変化、触感共に変化が無く、クッション性が良好な場
合、△は触感では溶融基材樹脂の圧入部が他の部分と較
べて硬いが、外観上の差が認められない場合、×は溶融
基材樹脂の圧入部が他の部分と較べて明らかに硬く、外
観上の差も認められる場合を表す。
【0032】〔実施例1〕長さ10mm、単糸繊度0.
6デシテックス(L/D=1430)のポリエチレンテ
レフタレート短繊維を、水中に分散させて1%濃度のス
ラリーとした。このスラリーを傾斜長網抄造機で抄造
し、目付184g/m2の抄造シートを得た。
【0033】この抄造シートを80メッシュの金網に載
せ、ノズル径0.15mm、ノズル間ピッチ5mm、列
数5列のノズルを装着したヘッダーを140rpmで円
運動させながら、水圧6MPaで噴射水を抄造シートに
衝突させることにより、短繊維を交絡させた。この処理
を表裏共各3回繰り返した。引き続き、水圧を3MPa
に設定し表裏各1回処理した。その後、乾燥して不織布
を得た。得られた不織布の物性と一体成形性を表1に示
した。
【0034】この不織布をバッキング材として用いたと
ころ、追従性、バリアー性共に優れた性能を持つもので
あった。 〔実施例2〕長さ15mm、単糸繊度1.7デシテック
ス(L/D=1090)のナイロン66短繊維を用い、
実施例1と同様にして目付195g/m2の抄造シート
を得た。
【0035】この抄造シートから、噴射水の水圧を変え
たこと以外は実施例1と同様にして不織布を得た。尚、
噴射水の水圧は5MPaで表裏各3回処理後、3MPa
で表裏各1回処理した。得られた不織布の物性と一体成
形性を表1に示した。この不織布をバッキング材として
用いたところ、追従性、バリアー性共に優れた性能を持
つものであった。
【0036】〔実施例3〕長さ5mm、単糸繊度0.1
7デシテックス(L/D=1250)のポリエチレンテ
レフタレート短繊維を用い、実施例2と同様にして目付
120g/m2の抄造シートを得、さらに実施例2と同
様にして不織布を得た。得られた不織布の物性と一体成
形性を表1に示した。
【0037】この不織布をバッキング材として用いたと
ころ、追従性、バリアー性共に優れた性能を持つもので
あった。 〔比較例1〕長さ20mm、単糸繊度0.6デシテック
ス(L/D=2860)のポリエチレンテレフタレート
短繊維を用い、実施例1と同様にして目付187g/m
2の抄造シートを得、さらに実施例1と同様にして不織
布を得た。得られた不織布の物性と一体成形性を表1に
示した。
【0038】この不織布をバッキング材として用いたと
ころ、目付斑が大きいため、部分的にバリアー性が劣
り、バッキング材として適さないものであった。 〔比較例2〕長さ20mm、単糸繊度4.4デシテック
ス(L/D=1000)のポリエチレンテレフタレート
短繊維を用い、実施例2と同様にして目付200g/m
2の抄造シートを得、さらに実施例2と同様にして不織
布を得た。得られた不織布の物性と一体成形性を表1に
示した。
【0039】この不織布は、繊維間距離が本発明の範囲
から逸脱するものであった。この不織布をバッキング材
として用いたとところ、溶融基材樹脂のバリアー性不充
分であり、バッキング材として適さないものであった。 〔比較例3〕スパンボンド法によって得られた、平均単
糸繊度1.9デシテックスの長繊維のナイロン6不織布
の物性と一体成形性を表1に示した。
【0040】この不織布は、引張強度のタテ/ヨコ比が
大きく、本発明の範囲から逸脱するものであった。この
不織布をバッキング材として用いたところ、シワが発生
し、バッキング材として適さないものであった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のバッキング材用湿式不織布は、
溶融状態の基材樹脂のバリアー性と、射出成形金型の形
状への追従性に優れた性能を有しており、自動車の内装
材として使用する複合成形体のバッキング材として好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L047 AA21 AB02 BA04 BA21 CB01 CB10 CC09 4L055 AF33 BE20 CD01 EA07 EA16 FA22 GA39

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式法により成る不織布であって、該不
    織布を構成する短繊維の長さが20mm以下であり、短
    繊維の長さ(L)と短繊維の単糸の直径(D)の比L/
    Dが500〜2000である短繊維が相互に交絡し、該
    不織布の引張強度のタテ/ヨコ比が1.0〜2.0で、
    且つ下記式(1)で計算される繊維間距離が25μm以
    下であるバッキング材用湿式不織布。 【数1】 (式中、Dは短繊維の単糸の平均直径[μm]、ρは単
    糸を構成する高分子重合体の密度[g/cm3]、dは
    不織布の密度[g/cm3]、πは円周率を表す。)
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