JP2002113465A - 膜分離方法 - Google Patents

膜分離方法

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JP2002113465A
JP2002113465A JP2000307781A JP2000307781A JP2002113465A JP 2002113465 A JP2002113465 A JP 2002113465A JP 2000307781 A JP2000307781 A JP 2000307781A JP 2000307781 A JP2000307781 A JP 2000307781A JP 2002113465 A JP2002113465 A JP 2002113465A
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membrane
solution
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membrane separation
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JP2000307781A
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Atsuo Kumano
淳夫 熊野
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カン水や海水からの塩分除去やミネラル調
整、食品分野での塩分除去やミネラル調整などを低圧操
作で効率よく可能とするナノろ過膜を用いた膜分離方法
を提供する。 【解決手段】 一価イオンと二価イオンの除去性能差が
大きいナノろ過膜を用い、かつ、二次側に一次側より二
価イオンである硬度成分濃度が高く、一価イオン濃度が
低い二次側溶液を流すことにより、浸透圧差を小さく抑
え、低圧で硬度成分を保持しながら一価イオンを選択的
に二次側に移動させる膜分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一価イオンと二価
イオンの混合溶液からナノろ過膜を用いて、一価イオン
と二価イオンの濃度バランスを調整する膜分離方法に関
する。これにより得られた膜分離方法で、カン水や海水
からの塩分除去やミネラル調整、食品分野での塩分除去
やミネラル調整などが可能となる。特に、海水を成分と
する溶液から、塩分である一価イオンを除去して、有用
なミネラルである二価イオン濃度を増加させることが低
圧操作で効率よく可能となる。
【0002】
【従来の技術】従来のナノろ過膜モジュールを用いた一
価イオンと二価イオンの分離方法は、一次側に原水を供
給、加圧することにより、一価イオンと二価イオンの分
離性能差を利用して二次側から透過する一価イオンが低
濃度の透過水を得る方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな膜分離方法では、原水の塩濃度が高い場合、一次側
と二次側の浸透圧差が大きくなり、それを上回る供給圧
力を膜にかける必要があるため、加圧ポンプの動力が大
きくなる。また、ナノろ過膜の使用限界圧力を超える場
合はそのナノろ過膜が使用できなくなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、一価イオンと二価イオンの除去
性能差が大きいナノろ過膜を用い、かつ、二次側に一次
側より二価イオンである硬度成分濃度が高く、一価イオ
ン濃度が低い二次側溶液を流すことにより、浸透圧差を
小さく抑え、硬度成分を保持しながら一価イオンを選択
的に二次側に移動させることが高い圧力をかけずに可能
となることを見いだし本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記のものである。 ナノろ過膜モジュールの一次側に供給する一次側溶液
より硬度成分濃度が高く、一価イオン濃度が低い二次側
溶液を該ナノろ過膜モジュールの二次側に通過させ、一
次側から二次側に一価イオンを選択的に移動させること
により一次側溶液から一価イオン濃度を低減させること
を特徴とする膜分離方法。 ナノろ過膜モジュールの塩化ナトリウムの除去率が2
0%以下でかつ、塩化カルシウムの除去率より20ポイ
ント以上小さい上記に記載の膜分離方法。 ナノろ過膜モジュールが中空糸型の両端開口型膜モジ
ュールである上記またはに記載の膜分離方法。 中空糸膜が複合中空糸膜である上記に記載の膜分離
方法。 複合中空糸膜の分離活性層が主として架橋ポリアミド
からなる上記に記載の膜分離方法。 一次側の溶液が海水または海水を希釈した溶液である
上記ないしのいずれかに記載の膜分離方法。 一次側溶液と二次側溶液の浸透圧差が0.5MPa以
下である上記ないしのいずれかに記載の膜分離方
法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、ナノろ過膜と
は、限外ろ過膜と逆浸透膜との間に位置づけられる分画
特性を有する領域の膜を意味する。具体的には、原水中
の一価イオンの除去性能に比べ、二価イオンの除去性能
が特に高いものである。特に、pH8における、塩化ナ
トリウムの除去率が20%以下で、塩化カルシウムの除
去率が40%以上であることが好ましい。また、硬度成
分とは、カルシウムやマグネシウムを意味する。
【0007】本発明において、塩化ナトリウムや塩化カ
ルシウムの除去率は、供給液濃度0.05重量%、供給
圧力0.3MPa、温度25゜C 、回収率が15%、p
H8の条件で測定した場合の除去率であり、下記(1)
式で定義される。
【数1】 ここで、塩とは、塩化ナトリウムまたは塩化カルシウム
を意味する。
【0008】本発明において、膜モジュールの一次側と
は供給液が流れる側であり、二次側とは透過側であり、
二価イオン濃度が高い二次側溶液を流す側である。膜の
形状は平膜、中空糸膜など特に限定されないが、膜モジ
ュール当たりの膜面積を大きくできる中空糸膜が好まし
い。中空糸膜とは選択透過性を有する中空糸状の分離膜
であり、外圧型、内圧型いずれでもかまわない。有効膜
面積が大きくなる外圧型が好ましい。中空糸膜の場合に
その配置方法としては平行配置、交差配置、などがあ
り、両端開口型にして、二次側に二次側溶液を流す透析
型とすることができる構造となる。一次側が中空糸の内
側であっても外側であっても構わない。
【0009】また、膜の形態としては、いわゆる非対称
膜、複合膜など特に限定されないが、性能の点から複合
膜が好ましく、複合中空糸膜が特に好ましい。複合中空
糸膜とは、多孔質中空糸支持膜の外表面及び/または内
表面に多孔質中空糸支持膜とは異なる素材からなる分離
活性層を設けたものである。外表面、内表面いずれの表
面に分離活性層を設けたものでもかまわないが、有効膜
面積が大きくなる外表面に設けたものが好ましい。
【0010】膜の素材は特に限定されない。例えば、複
合膜の場合、支持層としてポリスルホン系樹脂が好まし
く、分離活性層はポリアミド系重合体が好ましい。ポリ
アミド系重合体は多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン
化物の界面重縮合反応により得られた架橋ポリアミド重
合体が特に好ましく、架橋ポリピペラジンアミド、全芳
香族架橋ポリアミドなどがあげられ、架橋ポリピペラジ
ンアミドが好適である。
【0011】本発明において、海水とは、表層海水、深
層海水など海水であれば特に限定されない。また、希釈
水の希釈倍率も、10倍、100倍など、用途、使用目
的により適宜に設定され、特に限定されない。
【0012】本発明において、一次側、二次側の浸透圧
差小さい方が、一次側にかける圧力が小さくなり好まし
く、0.5MPa以下が好ましい。海水の場合、一価イ
オンであるナトリウムの濃度が高く、二価イオンである
カルシウムの濃度が低いため、二次側に流す二次側溶液
はナトリウムなどの一価イオンの濃度を小さくし、カル
シウム濃度を高くすることにより浸透圧を調整すること
が好ましい。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものでは
ない。
【0014】実施例1 ポリスルホン20重量部、トリエチレングリコ- ル4重
量部、N,N- ジメチルアセトアミド(DMAc)7
5.5重量部、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.5重量部からなる製膜原液を、チュ−ブインオリフ
ィス型紡糸ノズルを用いて外周部から、DMAc30重
量部、水70重量部からなる芯液を内周部から、それぞ
れ同時に押し出し、6cmの空気中を走行した後、DM
Ac5重量部、水95重量部からなる凝固液中に15m
/minの速度で引き取り、水洗工程を経て、中空糸型
多孔質支持体(外径350μm/内径200μm)を得
た。該多孔質支持体を、ピペラジン2重量部、トリエチ
レンジアミン1重量部、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.07重量部からなるアミン水溶液中に1分
間接触させ、該多孔質支持体を引き上げた後、余分なア
ミン水溶液を液切りし、トリメシン酸クロリド1重量部
を含むヘキサン溶液、フッ素系溶媒(フロリナ−ト F
C−70、住友3M社製)、1 重量部酢酸水溶液に順次
接触させることで、該多孔質支持体の外表面にポリアミ
ド薄膜を形成させた複合中空糸膜を得た。
【0015】これらの複合中空糸膜約4,600本をほ
ぼ円筒状の束に配置して、ケースに装着して、乾燥後、
両端を樹脂で固化し、両端部を切断し中空糸膜を開口さ
せた。このナノろ過膜モジュールの膜面有効長は約22
cmであり、有効膜面積は約1m2 であった。
【0016】このナノろ過膜モジュールに温度25℃、
pH8にて塩化ナトリウムの500g/m3 水溶液を膜
モジュールの供給水口に操作圧力0.3MPaで供給し
て脱塩を行い、10分後の塩濃度を測定した。この場合
の回収率は15%であり、除去率は6%であった。
【0017】同様にして、このナノろ過膜モジュールに
温度25℃、pH8にて塩化カルシウムの500g/m
3 水溶液を膜モジュールの供給水口に操作圧力0.3M
Paで供給して脱塩を行い、10分後の塩濃度を測定し
た。この場合の回収率は15%であり、除去率は43%
であった。
【0018】実海水を砂ろ過で処理した後、このナノろ
過膜モジュールの供給水口に0.2L/分で供給し、中
空糸膜の一次側に流した。中空部側となる二次側には、
塩化カルシウム0.41重量%と塩化マグネシウム0.
5重量%の混合水溶液を0.5L/分で流した。海水の
硬度成分濃度はカルシウム、マグネシウムの総和の濃度
として、1、650mg/Lであり、二次側溶液のカル
シウムイオン濃度は1,480mg/L、マグネシウム
イオン濃度は1、270mg/Lであり、総和として、
2、750mg/Lであった。また、同じく、一次側溶
液である海水のなかのナトリウム、塩素、などの一価イ
オン濃度の総和は約30、000mg/Lで、二次側溶
液の一価イオンである塩素イオン濃度は6、390mg
/Lであった。膜モジュールを通過した後の一次側溶液
処理水の一価イオン濃度は約26,700mg/Lとな
り、一価イオン濃度の低減が可能となった。なお、硬度
成分濃度は減少していなかった。
【0019】
【発明の効果】硬度成分を保持しながら一価イオンを選
択的に二次側に移動させ、原水のミネラル成分の調整が
高い圧力をかけずに可能となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナノろ過膜モジュールの一次側に供給す
    る一次側溶液より硬度成分濃度が高く、一価イオン濃度
    が低い二次側溶液を該ナノろ過膜モジュールの二次側に
    通過させ、一次側から二次側に一価イオンを選択的に移
    動させることにより一次側溶液から一価イオン濃度を低
    減させることを特徴とする膜分離方法。
  2. 【請求項2】 ナノろ過膜モジュールの塩化ナトリウム
    の除去率が20%以下でかつ、塩化カルシウムの除去率
    より20ポイント以上小さい請求項1に記載の膜分離方
    法。
  3. 【請求項3】 ナノろ過膜モジュールが中空糸型の両端
    開口型膜モジュールである請求項1または2に記載の膜
    分離方法。
  4. 【請求項4】 中空糸膜が複合中空糸膜である請求項3
    に記載の膜分離方法。
  5. 【請求項5】 複合中空糸膜の分離活性層が主として架
    橋ポリアミドからなる請求項4に記載の膜分離方法。
  6. 【請求項6】 一次側の溶液が海水または海水を希釈し
    た溶液である請求項1ないし5のいずれかに記載の膜分
    離方法。
  7. 【請求項7】 一次側溶液と二次側溶液の浸透圧差が
    0.5MPa以下である請求項1ないし6のいずれかに
    記載の膜分離方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107998900A (zh) * 2017-07-21 2018-05-08 义乌赛蓝膜科技有限公司 一种具有单多价选择分离功能的阴离子交换膜的制备方法
JP2018520874A (ja) * 2015-07-24 2018-08-02 ラブ・トゥ・マーケット・インコーポレイテッド 溶質含有水溶液を高濃度に濃縮するための浸透圧を用いない逆浸透圧法

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