JP2002112648A - 樹木の根鉢保持装置 - Google Patents

樹木の根鉢保持装置

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JP2002112648A
JP2002112648A JP2000306470A JP2000306470A JP2002112648A JP 2002112648 A JP2002112648 A JP 2002112648A JP 2000306470 A JP2000306470 A JP 2000306470A JP 2000306470 A JP2000306470 A JP 2000306470A JP 2002112648 A JP2002112648 A JP 2002112648A
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Japan
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root
fitting
base
fittings
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JP2000306470A
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English (en)
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Shigeru Kobayashi
茂 小林
Takao Kidokoro
高雄 木所
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Wako Sangyo KK
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Wako Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤に根鉢を安定した姿勢で保持する組立作
業性の良い根鉢保持装置の提供。 【解決手段】 地盤1に放射状に配置される複数のベー
ス金具11で台座部10を構成する。台座部10に載置
された根鉢5の側面から上面に沿ってベルト金具21を
設置して、ベルト金具21の上端部を根鉢5の上面に向
けて折曲してワイヤー22で緊締して拘束部20を構成
する。放射状の複数のベース金具11にベルト金具21
の下端部がワンタッチで脱着可能に連結される。ベルト
金具21が上下方向に連結された第1,第2ベルト金具
31,32で構成され、ベース金具11に連結された第
1ベルト金具31の上部に第2ベルト金具32の下部が
高さ調整可能に連結され、第2ベルト金具32の上端部
が根鉢5の上面に折曲されてワイヤー22で緊締され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公園や街路の地
盤、ビルの屋上の人工地盤等に樹木の根鉢を樹木が倒れ
ないように安定させて保持する根鉢保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公園等の地盤に植樹する場合、土壌に掘
削した植樹穴内で樹木の根鉢をアンカーやワイヤー等を
使用した根鉢保持装置で保持して樹木が倒れないように
している。このような根鉢保持装置は、土壌の植樹穴の
底にアンカー等で固定されて樹木の根鉢が載置される台
座部と、台座部に連結されて台座部上の根鉢の側面から
上面へと延在して根鉢を台座部に拘束するワイヤーやベ
ルト等の締付部材を備えた拘束部に大別される。台座部
は、地盤の植樹穴の底面に帯板鋼板や鋼管等の複数本の
直線状ベース部材を正方形や正五角形等の枠状に連結し
て設置し、この枠状ベース部材の複数箇所を植樹穴の底
面に打ち込んだアンカーで固定した構造が通常で、枠状
のベース部材上に根鉢が載置される。拘束部は、台座部
の枠状ベース部材に端部を繋留した鋼線のワイヤーや鋼
製ベルトを根鉢の側面から上面に覆い掛けるようにした
ものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記根鉢保持装置のよ
うに地盤の植樹穴の底に複数本のベース部材を正方形や
正五角形等の枠状に連結して敷設した台座部は、複数本
のベース部材の連結箇所が4箇所や5箇所等と多くな
り、台座部の組立工数が多くなって現場での組立作業性
が悪い。また、樹木の根鉢は略円柱状で、その上面の中
央部に樹木が位置して下面の中央部に樹木の荷重が集中
的に加わる場合が多く、このような根鉢を正方形や正五
角形等の枠状ベース部材に載置すると根鉢の下面周辺部
がベース部材で保持されるが根鉢の下面中央部が保持さ
れず、根鉢の最も樹木の荷重が掛かっている下面中央部
が沈降変形して、根鉢を安定させて保持することが難し
くなることがある。
【0004】また、上記根鉢保持装置の台座部に端部を
繋留したワイヤーやベルトを根鉢に覆い掛けて締め付け
た拘束部は全体の構造が簡単であるが、ワイヤーやベル
トを台座部のベース部材に繋留する作業が面倒で、現場
での組立作業性が悪い。さらに、根鉢に締め付けたワイ
ヤーやベルトが緩んで根鉢の保持力が低下することがあ
って、拘束部で根鉢を安定して保持させるためには現場
作業員に高度の熟練度を要した。
【0005】本発明の目的とするところは、現場での組
立作業性を良くした、また、現場作業員に高度の熟練度
を要することなく根鉢を安定して保持できるようにした
根鉢保持装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、根鉢が載置される台座部と、この台座部から
根鉢の側面と上面に沿って延在して根鉢を台座部に拘束
する拘束部を備えた根鉢保持装置において、上記台座部
が根鉢の底面の略中央から同底面に沿って同底面外へと
放射状に延在する複数のベース金具を備えたことを特徴
とする。
【0007】ここで、台座部を構成する複数のベース金
具は帯板状の鋼板や細長い鋼管類が適切であり、この複
数のベース金具を放射状に連結して地盤の植樹穴の底や
人工地盤上に敷設してアンカー(杭)等で固定される。
複数のベース金具を放射状に連結することで、放射状配
列の中央1点だけで複数のベース金具が一度に1本の連
結ボルト等で連結される。複数のベース金具の長さが同
一の場合は、この複数本のベース金具が同一側の片端部
同士が連結されて放射状に配列される、或いは、同一長
さの直線状ベース金具の中央部同士が連結されて、各ベ
ース金具の両端部が放射状に配列される。
【0008】また、本発明は、上記拘束部が、上記台座
部の複数の各ベース金具に脱着可能に連結されて台座部
に載置された根鉢の側面に沿って上方に延在する第1ベ
ルト金具と、この第1ベルト金具の上部に取付高さ位置
変更可能及び脱着可能に連結されて根鉢の上面側へと延
在して第1金具とで根鉢を根鉢の側面から拘束する第2
ベルト金具とを備えたことを特徴とする。
【0009】ここでの第1ベルト金具は第2ベルト金具
を台座部側に連結するための連結金具と、第2ベルト金
具の高さ位置を調整する高さ調整金具を兼用する。第1
ベルト金具で第2ベルト金具の高さ位置を複数段階に変
更可能とすることで、高さの異なる複数種類の根鉢の安
定した拘束が容易となる。第1ベルト金具に第2ベルト
金具を高さ位置変更可能に連結する構造は、両ベルト金
具間に互いに凹凸嵌合する凹凸係合手段を形成して、両
ベルト金具を任意の相対位置でネジ止め等するようにし
た構造が、両ベルト金具の連結作業性を簡便にする上で
有効である。
【0010】また、本発明は、上記拘束部が、上記台座
部の複数の各ベース金具に脱着可能に連結されて台座部
に載置された根鉢の側面に沿って上方に延在する帯板状
のベルト金具を備え、このベース金具に部分的に形成さ
れた長穴状の貫通穴にベルト金具の平板状下端部を挿通
して横に所望角度回転させることで貫通穴の長さ方向と
直交する幅方向にベルト金具下端部を交差させ、この下
端部の両側辺に形成した切欠きをベース金具の貫通穴幅
方向周縁部に係合させてベース金具にベルト金具を連結
することを特徴とする。
【0011】この場合のベルト金具は、台座部のベース
金具にワンタッチで連結する構造を特徴とするもので、
このベルト金具の平板状下端部をベース金具の貫通穴に
挿通して横に回転させるだけで両金具がワンタッチで連
結される。かかるベルト金具は上記した第1ベルト金具
であってもよい。
【0012】また、本発明は、上記複数の各ベルト金具
の上端部を上記台座部に載置された根鉢の上面周辺部に
向けて折曲し、この複数の各ベルト金具の折曲上端部を
ワイヤーで根鉢上面の略中央に向けて緊締したことを特
徴とする。
【0013】この場合のベルト金具は根鉢の側面に沿っ
て上向きに設置されると根鉢の上面から少し突出する長
さのものが使用され、この突出する複数のベルト金具の
上端部を根鉢の上面に向けて折曲して、複数のベルト金
具の折曲先端部にワイヤーを引っ掛け、ワイヤーて各折
曲先端部を根鉢上面の中央に向けて緊締すると、ベルト
金具が根鉢の側面と上面周辺部を安定した強度で拘束す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の各種形態を
図1乃至図14に基づき説明する。
【0015】図1に示される根鉢保持装置は、地盤1の
植樹穴2の底面3に樹木4の根鉢5を保持するもので、
底面3に固定される台座部10と、台座部10に載置さ
れた根鉢5を台座部10に拘束する拘束部20で構成さ
れる。台座部10は複数のベース金具11と、複数のベ
ース金具11を放射状に連結する連結具12と、複数の
ベース金具11を植樹穴2の底面3に固定する複数のア
ンカー13を有する。拘束部20は台座部10の複数の
ベース金具11に連結される複数のベルト金具21と、
複数のベルト金具21の上端部を根鉢5の上面で連結し
て締め付けるワイヤー22を有する。図1のベルト金具
21は、第1ベルト金具31と第2ベルト金具32の2
枚を連結した構造が示されるが、図13と図14で後述
する1枚ものであってもよい。
【0016】台座部10のベース金具11は、例えば略
円柱状の根鉢5の半径より長い帯板状の鋼板製品で、図
2及び図3に示すように内側の端部11aが平板状であ
り、この端部11aを除く両側辺に補強用リブ11dが
一体に形成される。ベース金具11にはベース金具長さ
方向に次の連結穴14,貫通穴15,アンカー挿通穴1
6が板厚方向に貫通させて形成される。連結穴14は、
ベース金具11の平板状の端部11aの1箇所、或い
は、複数箇所(図3では2箇所)にベース金具長さ方向
に定ピッチで離隔させて形成される。この複数の連結穴
14のいずれか1つに1本の連結具12の例えばボルト
が挿通されて複数枚のベース金具11が放射状に連結さ
れる。貫通穴15は、ベース金具11の略中央部11b
の1箇所、或いは、複数箇所(図3では3箇所)にベー
ス金具長さ方向に定ピッチで離隔させて形成され、複数
の貫通穴15のいずれか1つにベルト金具21の第1ベ
ルト金具31が挿通されて連結される。貫通穴15はベ
ース金具11の長さ方向に長い長穴形状で、図3では略
楕円形状が示されるが、長方形の長穴であってもよい。
アンカー挿通穴16は、ベース金具11の外側の端部1
1cの1箇所、或いは、複数箇所(図3では2箇所)に
離隔させて形成され、この2箇所のいずれか一方に1本
のアンカー13が挿通される。アンカー13は例えば横
断面V形の鋼板杭で、このアンカー13に対応させてア
ンカー挿通穴16がV形に形成される。
【0017】図1の台座部10は、同一形状寸法のベー
ス金具11の複数枚を放射状に連結して構成される。例
えば図4(A)に示すように同一寸法形状のベース金具
11の4枚を用意して、4枚の各ベース金具11の平板
状内側端部11aを上下に重ね、各内側端部11aの連
結穴14に1本の連結具12のボルトを挿通し、このボ
ルトとナット17で4枚のベース金具内側端部11aを
連結する。連結された4枚のベース金具11を地盤1の
植樹穴2の底面3にほぼ十文字状に拡げた形態で敷設す
る。この後、4枚の各ベース金具11の外側端部11c
のアンカー挿通穴16にアンカー13を挿通し、アンカ
ー13を植樹穴2の底面3に打ち込むことで、各ベース
金具11を底面3に固定して強度的に安定させた台座部
10を構築する。
【0018】なお、アンカー13の形状例を図5に示す
と、同図のアンカー13は横V形断面の鋼板で、上端部
に切り起こしのストッパー18を有し、このストッパー
18がベース金具11の外側端部11cの上面に当接す
るところまでアンカー13が底面3に打ち込まれる。ま
た、植樹穴2の底面3にベース金具11を固定する手段
は上記アンカー13に限らず、ベース金具11を跨ぐ図
示しない門形アンカーや、人工地盤の平坦面に棒状のベ
ース部材を真上から押圧して保持する平板状保持板(フ
ラップ)であってもよい。さらに、植樹穴2は最終的に
土壌で埋められて台座部10が土壌に埋設されることか
ら、根鉢4が小形サイズでその保持力に大きなものが必
要としない場合は、アンカー類を使用せずに複数のベー
ス金具11を放射状に連結した状態で植樹穴2の底面3
に敷設するだけにしてもよい。また、台座部10は同一
寸法の4枚のベース金具11を十文字状に連結して構成
したものに限らず、例えば図4(B)に示すように同一
寸法の3枚のベース金具11を約120°の間隔で放射
状に連結して構成したものであってもよい。さらに、台
座部10は、図11及び図12で後述する形態のもので
あってもよい。
【0019】地盤1の植樹穴2に敷設された放射状の各
ベース金具11の上に根鉢5が載置される。このとき根
鉢5の側面から各ベース金具11の略中央部11bに形
成された3つの貫通穴15のいずれか1つが露呈するよ
うにベース金具11の全長や貫通穴15の形成位置が決
められる。このようにすることで各ベース金具11にベ
ルト金具21の第1ベルト金具31を根鉢5の側面に沿
わせて連結することが可能となる。放射状の各ベース金
具11に載置された根鉢5は略円柱状で、これの略円形
の下面の中央部に複数枚の放射状ベース金具11の連結
部分が位置する。したがって、樹木4の荷重が最も掛か
る根鉢下面中央部が放射状ベース金具11の最も強度大
の連結部分で保持されて、根鉢保持後の根鉢下面中央部
の沈降変形が防止され、台座部10の根鉢保持力が長期
に亘り安定する。
【0020】放射状のベース金具11に根鉢5を載置し
た後、根鉢5に拘束部20が組み付けられる。拘束部2
0の1つのベルト金具21を構成する2枚の第1ベルト
金具31と第2ベルト金具32の具体例を図6と図7に
示す。図6に示される第1ベルト金具31は縦長平板状
の鋼板で、下端部31aの両側辺の同一高さに左右一対
の切欠き33を有する。この左右一対の切欠き33を下
端部31aの両側辺に上下2段に形成して、いずれか一
段の左右一対の切欠き33をベース金具11の貫通穴1
5に係止させるようにして、第1ベルト金具31がベー
ス金具11に脱着可能に連結される。この連結の動作要
領が図8(A)、(B)に示される。
【0021】図8(A)に示すように、ベース金具11
の長穴形状の貫通穴15に第1ベルト金具31の平板状
下端部31aがベース金具11の長さ方向と平行な方向
で挿通した後、図8(B)に示すように第1ベルト金具
31を横に約90°回転させると、下端部31aの上下
2段のいずれか一段の左右一対の切欠き33が貫通穴1
5の幅方向両側部に係合されて、ベース金具11上に第
1ベルト金具31がほぼ直交する姿勢でワンタッチ式に
連結される。このようなワンタッチ連結で、台座部10
上での拘束部20の組付作業や解体作業が短時間で簡便
に行われる。また、長尺なベース金具11の長さ方向に
貫通穴15を複数個形成して、そのいずれか1つに第1
ベルト金具31を選択して連結することで、台座部10
に載置される根鉢5の直径サイズの変更に容易に対応さ
せることができる。
【0022】また、ベース金具11に連結された第1ベ
ルト金具31に第2ベルト金具32は高さ調整可能に、
かつ、脱着可能に連結される。図6に示すように第1ベ
ルト金具31は、その上端部31bの裏面側に第2ベル
ト金具32の高さを複数段階で決める凹凸係合手段の例
えば左右一対のエンボス形状の位置決め突起34と、こ
の一対の位置決め突起34の中央に第2ベルト金具32
を任意の高さ位置で脱着可能に固定するための止め穴3
5を有する。他方の第2ベルト金具32は、図7に示す
ような縦長帯板状の鋼板で、これの下端部32aの左右
両側部に上下複数段に亘って高さ調整用の凹凸係合手段
である位置決め穴37が形成され、この左右の位置決め
穴37の中間位置に縦長のスリット37が形成される。
【0023】図9(A)に示すように、第2ベルト金具
32の下端部32aの任意の一段に在る左右一対の位置
決め穴37に第1ベルト金具31の上端部31bに在る
左右一対の位置決め突起34を嵌合させて、第1ベルト
金具31に対する第2ベルト金具32の高さ位置が変更
可能に決められる。このように第1ベルト金具31に第
2ベルト金具32を取付高さ位置を調整して接合させる
と、止め穴35とスリット37に例えば1本の取付ネジ
41を挿通して蝶ナット42で締め付けることで両ベル
ト金具31,32を固定する。第1ベルト金具31に第
2ベルト金具32を連結した状態で両ベルト金具31,
32が根鉢5の側面に沿って真上に延びて、図9(B)
に示すように第2ベルト金具32の上端部32bが根鉢
5の上面より上に所望長さで突出するようにしてある。
このように第2ベルト金具32の上端部32bが根鉢5
より所望長さで突出するように、第1ベルト金具31に
第2ベルト金具32が取付高さ位置を調整して連結され
る。
【0024】また、第2ベルト金具32は上端部32b
の表面側にワイヤー係止手段38を有する。ワイヤー係
止手段38は、例えば図7(A)、(B)に示すような
第2ベルト金具32の平板状上端部32bの中央部を表
面側にアーチ形に打ち出し成形した突起部で、この突起
部内に1本のワイヤー22が挿通される。図9(B)に
示すように根鉢5の側面に沿って第1ベルト金具31と
第2ベルト金具32が設置されると、図9(C)に示す
ように第2ベルト金具32の上端部32bが根鉢5の上
面周辺部に向けてほぼ90°で折曲される。
【0025】根鉢5の側面に沿ってほぼ90°間隔で配
置された4枚の第2ベルト金具32の上端部32bを順
に折曲した後、図10に示すように各折曲上端部32b
のワイヤー係止手段38に1本のワイヤー22を順に挿
通して、ワイヤー22の両端部をワイヤー緊締部材23
で互いに反対方向に引っ張って固定する。ワイヤー緊締
部材23はグリップルやターンバックル等で、これでワ
イヤー22の両端部を互いに反対方向に引っ張ると、ワ
イヤー22は図10の実線の略円形の状態から図10鎖
線で示すように略矩形に緊締されて、4枚の第2ベルト
金具32の折曲上端部32bを根鉢5の上面中央部に向
けて引っ張り、上下の両ベルト金具31,32を根鉢5
の側面と上面周辺部に堅固かつ安定した姿勢で押圧し
て、根鉢5を堅固に拘束する。このような根鉢5上での
ワイヤー22の緊締作業は、ワイヤー緊締部材23に構
造簡単で安価なグリップルを使用すれば、グリップルに
ワイヤー22の両端部を挿通して反対方向に引っ張るだ
けの簡単な作業で能率良く行える。
【0026】なお、第2ベルト金具32の上端部32b
を根鉢5の上面から突出させず、この上端部32bを内
方に折曲させることなく根鉢5の側面上部にワイヤー2
2で締め付けることも可能であるが、この場合は根鉢5
の上面側に別の拘束部材を必要とする場合があって得策
ではない。第2ベルト金具32の上端部32bを折曲し
て根鉢5の上面を拘束するようにすれば上述の別の拘束
部材が省略でき、さらに、第2ベルト金具32の平板状
の上端部32bを約90°に折曲して根鉢5の側面と上
面のコーナである肩部に押し当てるようにすれば、この
上端部32bが根鉢5の肩部を保護する肩パットとして
使用できて、根鉢5の肩部の損傷が防止される。また、
根鉢5の高さの変更に対応させて第1ベルト金具31に
対する第2ベルト金具32の取付高さ位置を変更させる
ことで、根鉢5の高さが変わっても常に第2ベルト金具
32の上端部32bを根鉢5の上面から突出させて根鉢
5の上面に向けて折曲することができる。
【0027】次に、別の実施の形態を図11及び図12
と、図13及び図14に基づき説明する。なお、上記の
実施の形態と同一又は相当部分には同一符号を付してい
る。
【0028】図11は台座部10を、2枚のベース金具
11’を略十文字状に連結して構成している。2枚の各
ベース金具11’は、図12に示すような長尺な鋼板
で、中央部に連結穴14を有し、両端部に貫通穴15と
アンカー挿通穴16を有する。つまり、1枚のベース金
具11’は、図2に示す1枚のベース金具11の2枚を
一体化したものに相当する。このベース金具11’の2
枚を用意して中央部同士を連結具12で連結すれば十文
字状の台座部10が構成される。
【0029】また、図12のベース金具11’の1枚と
図2のベース金具11の複数枚を放射状に連結するよう
にしてもよい。
【0030】図13は拘束部20のベルト金具21を1
枚板で構成している。つまり、図2の第1ベルト金具3
1と第2ベルト金具32に分けることなく1枚の長尺な
鋼板のベルト金具21だけで根鉢5の側面と上面周辺部
を拘束する。このベルト金具21は図14に示すように
下端部21aの両側辺に切欠き33を有し、上端部にワ
イヤー係止手段38を有して、図2の第1ベルト金具3
1と同様にベース金具11に連結され、第2ベルト金具
32と同様にワイヤー22で根鉢5に緊締される。ま
た、図14に示されるベルト金具21は、上端部21b
の近辺に窓穴39を形成して、この窓穴39の箇所から
折曲するようにして、上端部21bが弱い力で簡単に折
曲できるようにしている。このような窓穴39は、図2
の第2ベルト金具32にも形成して、その上端部32b
の折曲作業を簡便ならしめることが望ましい。また、図
14のベルト金具21のワイヤー係止手段38をワイヤ
ー22が先端から挿通されるアーチ形の突起部とした
が、略L形に切り起こした切り起こし片形状の突起にし
て、このL形突起の先端開口からワイヤー22の周面の
任意の一部が圧入されて係止されるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、台座部が複数のベース
金具を放射状に連結した構成のため、放射状ベース金具
に載置された根鉢の下面中央部が放射状ベース金具の最
も強度の高い連結中央部上に位置して、根鉢の樹木の最
も荷重が掛かる下面中央部が安定した強度で保持される
ようになって、根鉢全体の保持強度が高く安定し、特に
大形樹木の根鉢保持に有効な根鉢保持装置が提供でき
る。また、複数のベース金具を放射状に連結するため、
連結箇所を最小数の1箇所に設定することができて、組
立作業性の良い根鉢保持装置が提供できる。
【0032】また、拘束部のベルト金具を台座部のベー
ス金具に連結される第1ベルト金具と、この第1ベルト
金具に高さ調整可能に連結される第2ベルト金具で構成
することで、根鉢の高さ変更に容易に対応できる汎用性
の良い根鉢保持装置が提供できる。さらに、根鉢の高さ
が変わっても第2ベルト金具の上端部を根鉢の上面から
突出させて根鉢上面へと折曲して根鉢を拘束することが
容易にできて、根鉢の拘束力に優れた拘束部を有する根
鉢保持装置が提供できる。
【0033】また、台座部のベース金具に形成した貫通
穴に拘束部のベルト金具の下端部を挿通して横に回転さ
せることで両金具をワンタッチ式に連結するようにする
ことで、拘束部の組立作業性が向上し、特に、地盤の植
樹穴のような狭い部所における台座部と拘束部の組立作
業性が一段と良好になる。
【0034】さらに、根鉢の上面に折曲させた複数のベ
ルト金具の上端部をワイヤーで根鉢上面の中央に向けて
引っ張って緊締することで、根鉢の側面と上面の拘束が
堅固に、かつ、安定して行われる。また、根鉢の最終的
な拘束作業が、1本のワイヤーを手作業で締め付けるだ
けの簡単で迅速な作業で行われるので、根鉢保持作業性
の良い根鉢保持装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す根鉢保持装置の斜視
図。
【図2】図1の根鉢保持装置の要部の分解斜視図。
【図3】(A)は図2におけるベース金具の平面図、
(B)は(A)のT1−T1線断面図。
【図4】(A)は根鉢保持装置における台座部の平面
図、(B)は他の形態の台座部の平面図。
【図5】(A)は根鉢保持装置におけるアンカーの斜視
図、(B)は(A)のT2−T2線断面図。
【図6】(A)は根鉢保持装置における拘束部のベルト
金具の斜視図、(B)は(A)のT3−T3線断面図。
【図7】(A)は他のベルト金具の斜視図、(B)は
(A)のT4−T4線断面図、(C)は(A)のT5−T5
線断面図。
【図8】(A)は根鉢保持装置におけるベース金具とベ
ルト金具の連結前の部分斜視図、(B)は連結後の部分
斜視図。
【図9】(A)はベルト金具の組付時の側面図、(B)
は組付後の側面図、(C)は折曲時の側面図。
【図10】根鉢の拘束時の平面図。
【図11】台座部の他の実施の形態を示す平面図。
【図12】図11の台座部を構成する1枚のベース金具
の平面図。
【図13】他の実施の形態を示す根鉢保持装置の斜視
図。
【図14】図13の根鉢保持装置におけるベルト金具の
斜視図。
【符号の説明】
1 地盤 4 樹木 5 根鉢 10 台座部 11 ベース金具 11’ ベース金具 12 連結具 15 貫通穴 20 拘束部 21 ベルト金具 22 ワイヤー 31 第1ベルト金具 32 第2ベルト金具 33 切欠き

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 根鉢が載置される台座部と、この台座部
    から根鉢の側面と上面に沿って延在して根鉢を台座部に
    拘束する拘束部を備えた根鉢保持装置において、上記台
    座部が根鉢の底面の略中央から同底面に沿って同底面外
    へと放射状に延在する複数のベース金具を備えたことを
    特徴とする樹木の根鉢保持装置。
  2. 【請求項2】 上記拘束部が、上記台座部の複数の各ベ
    ース金具に脱着可能に連結されて台座部に載置された根
    鉢の側面に沿って上方に延在する第1ベルト金具と、こ
    の第1ベルト金具に取付高さ位置変更可能及び脱着可能
    に連結されて根鉢の上面側へと延在して第1金具とで根
    鉢を根鉢の側面から拘束する第2ベルト金具とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の樹木の根鉢保持装置。
  3. 【請求項3】 上記拘束部が、上記台座部の複数の各ベ
    ース金具に脱着可能に連結されて台座部に載置された根
    鉢の側面に沿って上方に延在する帯板状のベルト金具を
    備え、このベース金具に部分的に形成された長穴状の貫
    通穴にベルト金具の平板状下端部を挿通して横に所望角
    度回転させることで貫通穴の長さ方向と直交する幅方向
    にベルト金具下端部を交差させ、この下端部の両側辺に
    形成した切欠きをベース金具の貫通穴幅方向周縁部に係
    合させてベース金具にベルト金具を連結することを特徴
    とする請求項1記載の樹木の根鉢保持装置。
  4. 【請求項4】 上記複数の各ベルト金具の上端部を上記
    台座部に載置された根鉢の上面周辺部に向けて折曲し、
    この複数の各ベルト金具の折曲上端部をワイヤーで根鉢
    上面の略中央に向けて緊締したことを特徴とする請求項
    3記載の樹木の根鉢保持装置。
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