JP2002112381A - 音源位置推定装置および音源位置推定方法 - Google Patents

音源位置推定装置および音源位置推定方法

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JP2002112381A JP2000303870A JP2000303870A JP2002112381A JP 2002112381 A JP2002112381 A JP 2002112381A JP 2000303870 A JP2000303870 A JP 2000303870A JP 2000303870 A JP2000303870 A JP 2000303870A JP 2002112381 A JP2002112381 A JP 2002112381A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のマイクロフォンが必要であった。 【解決手段】 音源から発せられた音波の音圧を検出す
る音圧検出手段と、この音圧検出手段の入力部に設けら
れて所定方向からの音波に含まれる所定の第一の周波数
の音圧を変化させる音圧変化手段と、音圧検出手段にて
検出された音圧を均し、均した音圧から第一の周波数の
音圧変化の影響度合いを求め、この影響度合いと音圧変
化手段の位置関係から音源の位置を推定する音源位置推
定手段とから構成した。上記構成により、音圧検出手段
を複数用いる必要なく音源の位置を推定することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音源位置推定装置
および音源位置推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の音源位置推定装置
は、音圧検出手段として複数のマイクロフォンを備える
とともに、これらのマイクロフォンに対応して設けられ
て音圧信号から周波数帯域を分割する帯域フィルタ回路
と、分割された音圧信号から音源の位置を推定する演算
回路とを備えている。この音源位置推定装置は、人間の
話声等の音源からの音波による音圧を複数箇所に配置さ
れたマイクロフォンで検出し、帯域フィルタ回路でそれ
ぞれ音圧信号から周波数帯域を分割し、演算回路で音波
の位相差や音圧差を求めるとともに所定の演算を行って
音源の位置を推定している。また、特開2000−44
95号公報に開示されたものでは、複数のマイクロフォ
ンを自由に配置して音源の位置を推定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の音源位
置推定装置においては、以下のような課題があった。す
なわち、両者とも複数のマイクロフォンが必要であっ
た。そのため、音波の位相差や音圧差を求めるためにマ
イクロフォンどうしの間隔を大きくとる必要があった
り、高度な演算装置を備える必要があったりした。本発
明は、上記課題にかんがみてなされたもので、マイクロ
フォンのような音圧検出手段を複数用いる必要なく音源
の位置を推定することが可能な音源位置推定装置および
音源位置推定方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、音源から発せられた音波
の音圧を検出する音圧検出手段と、この音圧検出手段の
入力部に設けられて所定方向からの音波に含まれる所定
の第一の周波数の音圧を変化させる音圧変化手段と、上
記音圧検出手段にて検出された音圧を均し、均した音圧
から上記第一の周波数の音圧変化の影響度合いを求め、
この影響度合いと上記音圧変化手段の位置関係から上記
音源の位置を推定する音源位置推定手段とを具備する構
成としてある。
【0005】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、音圧検出手段は、音源から発せられた音
波の音圧を検出する。その際、音圧検出手段の入力部に
設けられた音圧変化手段は、所定方向からの音波に含ま
れる所定の第一の周波数の音圧を変化させる。すると、
音源位置推定手段は、音圧検出手段にて検出された音圧
を均し、均した音圧から上記第一の周波数の音圧変化の
影響度合いを求め、この影響度合いと上記音圧変化手段
の位置関係から上記音源の位置を推定する。
【0006】ここで、音源から発せられる音波の周波数
分布は変動していることが多いが、音圧を均すと一定の
周波数分布となることが多い。例えば、音源が人間の話
声である場合、細かく変動する周波数分布となってい
る。しかし、音圧を均すと、変動する周波数分布は均さ
れ、一定の分布となる。なお、成人の話声では、性別に
関わらず400Hz近傍でピークを有する周波数分布と
なることが知られている。すなわち、一定の周波数分布
となる均した音圧を用いると、音圧変化手段によるこの
周波数分布の変化を検出することができるので、第一の
周波数の音圧変化の影響度合いを求めることが可能であ
る。すなわち、上記構成にて音源の位置を推定すること
ができる。したがって、音圧検出手段を複数用いる必要
なく音源の位置を推定することが可能となる。
【0007】ここで、音圧検出手段は、音源から発せら
れて音圧変化手段にて変化させられた音波の音圧を検出
することができればよい。その構成の一例として、請求
項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の音源位置推
定装置において、上記音圧検出手段は、マイクロフォン
である構成としてある。すなわち、音圧検出手段にマイ
クロフォンを用いても同様の効果が得られるので、簡易
な構成で音源の位置を推定することが可能となる。ここ
で、マイクロフォンには、静電容量の変化を電圧として
検出するコンデンサマイクロフォンやエレクトレッロマ
イクロフォン、圧電効果を利用するセラミックマイクロ
フォン、電磁誘導を利用するダイナミックマイクロフォ
ン等、様々なものを利用することができる。むろん、音
圧検出手段にマイクロフォンを用いるのは一例に過ぎ
ず、マイクロフォンを用いずに音圧を検出する機構を組
み立てて音圧検出手段としてもよい。
【0008】音源位置推定手段は、音圧検出手段にて検
出された音圧を均し、均した音圧から第一の周波数の音
圧変化の影響度合いを求め、この影響度合いと音圧変化
手段の位置関係から音源の位置を推定することができれ
ばよい。その構成の一例として、請求項3にかかる発明
は、上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の音
源位置推定装置において、上記音源位置推定手段は、上
記音圧検出手段にて検出された音圧から上記第一の周波
数を含む周波数帯域の音圧信号を所定時間取得するとと
もに均す処理を行って第一の音圧均し量を求め、同音圧
から別途音圧信号を同所定時間取得するとともに均す処
理を行って第二の音圧均し量を求める音圧均し手段と、
上記第一の音圧均し量と上記第二の音圧均し量との割合
を上記影響度合いとして、上記音源の位置が上記所定方
向かどうかを推定する推定手段とを具備する構成として
ある。
【0009】上記のように構成した請求項3にかかる発
明においては、音圧均し手段は、音圧検出手段にて検出
された音圧から第一の周波数を含む周波数帯域の音圧信
号を所定時間取得するとともに均す処理を行って第一の
音圧均し量を求める。また、同音圧から別途音圧信号を
同所定時間取得するとともに均す処理を行って第二の音
圧均し量を求める。すると、推定手段は、第一の音圧均
し量と第二の音圧均し量との割合を上記影響度合いとし
て、音源の位置が上記所定方向かどうかを推定する。
【0010】すなわち、音圧変化手段が第一の周波数の
音圧を変化させる所定方向に音源がある場合、第一の音
圧均し量は第一の周波数を含む周波数帯域の音圧を均し
たものであるので音圧変化手段による音圧変化の影響が
大きい。ここで、音圧変化が第一の音圧均し量よりも小
さくなるように第二の音圧均し量を求めると、第一の音
圧均し量と第二の音圧均し量との割合から求まる音圧変
化の影響度合いは、音圧変化手段による音圧変化の影響
を大きく受けたものとなる。一方、音源が同所定方向で
はない場合、第一の音圧均し量は音圧変化手段による音
圧変化の影響が小さい。すると、第一の音圧均し量と第
二の音圧均し量との割合から求まる音圧変化の影響度合
いも、音圧変化手段による音圧変化の影響の小さいもの
となる。そこで、影響度合いが音圧変化手段による音圧
変化の影響を大きく受けている場合、音源の位置は上記
所定方向と推定することができる。一方、影響度合いが
音圧変化手段による音圧変化の影響の小さいものである
場合、音源の位置は上記所定方向ではないと推定するこ
とができる。したがって、音源の位置を推定することが
可能である。
【0011】ここで、第二の音圧均し量は、全周波数の
音圧を均したものであってもよいし、一部の周波数帯域
の音圧を均したものであってもよい。一部の周波数帯域
の音圧を均して第二の音圧均し量とする構成の一例とし
て、請求項4にかかる発明は、上記請求項3に記載の音
源位置推定装置において、上記音圧均し手段は、上記音
圧検出手段にて検出された音圧から上記第一の周波数と
は異なる第二の周波数を含む周波数帯域の音圧信号を上
記所定時間取得するとともに均す処理を行って上記第二
の音圧均し量を求める構成としてある。上記のように構
成した請求項4にかかる発明においては、第二の音圧均
し量は、音波の音圧を変化させる第一の周波数とは異な
る第二の周波数を含む周波数帯域の音圧を均したもので
ある。すなわち、第二の音圧均し量は、第一の周波数の
音圧変化の影響が少ない。したがって、より確実に音圧
変化の影響度合いを求めて音源の位置を推定することが
できる。
【0012】また、第一の音圧均し量と第二の音圧均し
量を求める構成の一例として、請求項5にかかる発明
は、上記請求項3または請求項4のいずれかに記載の音
源位置推定装置において、上記音圧均し手段は、上記第
一の周波数を含む周波数帯域の音圧信号を所定時間取得
するとともに加算して上記第一の音圧均し量を求め、上
記第二の周波数を含む周波数帯域の音圧信号を同所定時
間取得するとともに加算して上記第二の音圧均し量を求
める構成としてある。
【0013】上記のように構成した請求項5にかかる発
明においては、第一の音圧均し量と第二の音圧均し量は
それぞれ第一、第二の周波数を含む周波数帯域の音圧信
号を所定時間取得するとともに加算して求められる。す
なわち、簡易な構成で第一、第二の音圧均し量を求めて
音源の位置を推定することができる。むろん、第一、第
二の音圧均し量を加算して求めるのは一例に過ぎない。
例えば、音圧信号を所定時間取得するとともに平均して
第一、第二の音圧均し量としてもよく、様々な構成が可
能である。
【0014】さらに、音圧信号を加算して第一、第二の
音圧均し量求める音圧均し手段の構成の一例として、請
求項6にかかる発明は、上記請求項5に記載の音源位置
推定装置において、上記音圧均し手段は、上記音圧検出
手段にて検出された音圧をデジタルの音圧データに変換
するデジタル変換手段と、上記音圧データから上記第一
の周波数を含む周波数帯域のデータと上記第二の周波数
を含む周波数帯域のデータとを所定時間、定期的に取得
し、得られるそれぞれの時系列データを加算して上記第
一および第二の音圧均し量を求める加算手段とを具備す
る構成としてある。
【0015】上記のように構成した請求項6にかかる発
明においては、デジタル変換手段は、音圧検出手段にて
検出された音圧を所定の周波数帯域毎にデジタルの音圧
データに変換する。すると、加算手段は、音圧データか
ら第一の周波数を含む周波数帯域のデータと第二の周波
数を含む周波数帯域のデータとを所定時間、定期的に取
得し、得られるそれぞれの時系列データを加算して第
一、第二の音圧均し量を求める。
【0016】したがって、求められた第一、第二の音圧
均し量を用いて、推定手段は音源の位置が上記所定方向
かどうかを推定することが可能である。むろん、音圧均
し手段をデジタル変換手段と加算手段とで構成するのは
一例に過ぎない。例えば、アナログの音圧信号を周波数
帯域別に一定時間加算する加算回路や、同じくアナログ
の音圧信号を周波数帯域別に平均する平均化回路を用い
てもよく、その構成は様々可能である。
【0017】ところで、第二の周波数の音圧を変化させ
る構成としてもよく、その一例として、請求項7にかか
る発明は、上記請求項3〜請求項6のいずれかに記載の
音源位置推定装置において、上記音圧変化手段とは別の
所定方向からの音波に含まれる上記第二の周波数の音圧
を変化させる第二音圧変化手段が設けられている構成と
してある。
【0018】上記のように構成した請求項7にかかる発
明においては、第二音圧変化手段は、音圧変化手段とは
別の所定方向からの音波に含まれる第二の周波数の音圧
を変化させる。すなわち、第二音圧変化手段が第二の周
波数の音圧を変化させる別の所定方向に音源がある場
合、第一の音圧均し量は第一の周波数を含む周波数帯域
の音圧を均したものであるので音圧変化の影響は小さ
い。一方、第二の音圧均し量は音圧変化の影響が大き
い。すると、音圧変化の影響度合いである第一の音圧均
し量と第二の音圧均し量との割合から求まる音圧変化の
影響度合いは、第一の音圧均し量の影響をより小さくす
る方向に変わる。したがって、より確実に音源の位置を
推定することができる。
【0019】また、音圧変化手段と第二音圧変化手段の
一例として、請求項8にかかる発明は、上記請求項7に
記載の音源位置推定装置において、上記音圧変化手段
は、上記所定方向からの上記第一の周波数の音波を共振
させる第一の共鳴体を備え、上記第二音圧変化手段は、
上記別の所定方向からの上記第二の周波数を共振させる
第二の共鳴体を備える構成としてある。上記のように構
成した請求項8にかかる発明においては、第一の共鳴体
は上記所定方向からの音波に含まれる第一の周波数の成
分を共振させて増幅させ、第二の共鳴体は上記別の所定
方向からの音波に含まれる第二の周波数の成分を共振さ
せて増幅させる。すなわち、音圧変化手段と第二音圧変
化手段とを簡易に構成することができる。
【0020】さらに、第一、第二の共鳴体の構成の一例
として、請求項9にかかる発明は、上記請求項8に記載
の音源位置推定装置において、上記第一の共鳴体と上記
第二の共鳴体とは、異なる長さの共鳴管で形成されてい
る構成としてある。上記のように構成した請求項9にか
かる発明においては、共鳴管は、長さに応じて異なる共
振周波数を有する。すなわち、第一、第二の周波数を共
振周波数とするように共鳴管の長さを設定すると、第
一、第二の周波数を共振させることができる。したがっ
て、第一、第二の共鳴体を簡易に構成することができ
る。
【0021】例えば、両端開口の共鳴管である場合、共
鳴管の長さをL、音速をcとすると、共振周波数の基本
周波数はc/2Lで与えられる。したがって、第一、第
二の周波数がこの共振周波数の基本周波数となるように
共鳴管の長さLを設定すればよい。むろん、共鳴体に共
鳴管を用いるのは一例に過ぎない。例えば、振動可能な
円形膜等を用いてもよく、様々なものが適用可能であ
る。
【0022】また、上述のように共鳴現象を利用する別
の一例として、請求項10にかかる発明は、上記請求項
7に記載の音源位置推定装置において、上記音圧変化手
段は、上記音波を反射させるとともに、上記音圧検出手
段の入力部との間で上記所定方向からの上記第一の周波
数の音波を共振させる位置とされた第一の反射体を備
え、上記第二音圧変化手段は、上記音波を反射させると
ともに、上記入力部との間で上記別の所定方向からの上
記第二の周波数の音波を共振させる位置とされた第二の
反射体を備える構成としてある。
【0023】上記のように構成した請求項10にかかる
発明においては、第一の反射体は上記所定方向からの音
波に含まれる第一の周波数の成分を音圧検出手段の入力
部との間で共振させて増幅させ、第二の共鳴体は上記別
の所定方向からの音波に含まれる第二の周波数の成分を
音圧検出手段の入力部との間で共振させて増幅させる。
すなわち、この場合でも音圧変化手段と第二音圧変化手
段が構成される。
【0024】上述の共鳴体や反射体を利用すると、上記
所定方向からの第一の周波数の音波と上記別の所定方向
からの第二の周波数の音波とが共振により増幅されるの
で、音源が上記所定方向にある場合は第一の音圧均し量
が大きくなり、音源が上記別の所定方向にある場合は第
二の音圧均し量が大きくなる。この関係を利用して音源
の位置を推定する一例として、請求項11にかかる発明
は、上記請求項8〜請求項10のいずれかに記載の音源
位置推定装置において、上記推定手段は、上記第二の音
圧均し量に対する上記第一の音圧均し量の割合が所定割
合よりも大きいときに上記所定方向を音源の位置と推定
し、上記第一の音圧均し量に対する上記第二の音圧均し
量の割合が別の所定割合よりも大きいときに上記別の所
定方向を音源の位置と推定する構成としてある。
【0025】上記のように構成した請求項11にかかる
発明においては、上記所定方向に音源がある場合、第一
の音圧均し量は大きくなる方向に変化し、第二の音圧均
し量はほとんど変化しない。そこで、第二の音圧均し量
に対する第一の音圧均し量の割合は大きくなる。したが
って、この割合が所定割合よりも大きいときは上記所定
方向が音源の位置と推定される。一方、上記別の所定方
向に音源がある場合、第二の音圧均し量は大きくなる方
向に変化し、第一の音圧均し量はほとんど変化しない。
そこで、第一の音圧均し量に対する第二の音圧均し量の
割合は大きくなる。したがって、この割合が所定割合よ
りも大きいときは上記別の所定方向が音源の位置と推定
される。すなわち、上述の作用により音源の位置を推定
することが可能である。
【0026】また、第一、第二の周波数以外の周波数を
含む周波数帯域の音圧を音源位置の推定に利用してもよ
く、その構成の一例として、請求項12にかかる発明
は、上記請求項8〜請求項10のいずれかに記載の音源
位置推定装置において、上記音圧均し手段は、上記音圧
検出手段にて検出された音圧から上記第一および第二の
周波数とは異なる第三の周波数を含む周波数帯域の音圧
データを上記所定時間取得するとともに均す処理を行っ
て第三の音圧均し量を求め、上記推定手段は、上記第三
の音圧均し量に対する上記第一の音圧均し量の割合が所
定割合よりも大きいときに上記所定方向を音源の位置と
推定し、上記第三の音圧均し量に対する上記第二の音圧
均し量の割合が別の所定割合よりも大きいときに上記別
の所定方向を音源の位置と推定する構成としてある。
【0027】上記のように構成した請求項12にかかる
発明においては、上記所定方向または別の所定方向に音
源がある場合、第三の音圧均し量はほとんど変化しな
い。そこで、第三の音圧均し量に対する第一または第二
の音圧均し量の割合は大きくなる。したがって、この割
合が所定割合よりも大きいときは上記所定方向または別
の所定方向が音源の位置と推定される。
【0028】上述の音圧変化手段を構成する共鳴体や反
射体は第一、第二の周波数の音波を共振させて増幅させ
たが、同音圧変化手段は第一、第二の周波数の音波の音
圧を減少させてもよい。その構成の一例として、請求項
13にかかる発明は、上記請求項7に記載の音源位置推
定装置において、上記音圧変化手段は、上記所定方向か
らの上記第一の周波数の音波を吸収する第一の吸音材を
備え、上記第二音圧変化手段は、上記別の所定方向から
の上記第二の周波数の音波を吸収する第二の吸音材を備
える構成としてある。上記のように構成した請求項13
にかかる発明においては、第一の吸音材は上記所定方向
からの音波に含まれる第一の周波数の成分を吸収して減
少させ、第二の吸音材は上記別の所定方向からの音波に
含まれる第二の周波数の成分を吸収して減少させる。す
なわち、この場合でも音圧変化手段と第二音圧変化手段
が構成される。
【0029】また、上述の関係を利用して音源の位置を
推定する一例として、請求項14にかかる発明は、上記
請求項13に記載の音源位置推定装置において、上記推
定手段は、上記第二の音圧均し量に対する上記第一の音
圧均し量の割合が所定割合よりも小さいときに上記所定
方向を音源の位置と推定し、上記第一の音圧均し量に対
する上記第二の音圧均し量の割合が別の所定割合よりも
小さいときに上記別の所定方向を音源の位置と推定する
構成としてある。
【0030】上記のように構成した請求項14にかかる
発明においては、上記所定方向に音源がある場合、第一
の音圧均し量は大きくなる方向に変化し、第二の音圧均
し量はほとんど変化しない。そこで、第二の音圧均し量
に対する第一の音圧均し量の割合は小さくなる。したが
って、この割合が所定割合よりも小さいときは上記所定
方向が音源の位置と推定される。一方、上記別の所定方
向に音源がある場合、第二の音圧均し量は小さくなる方
向に変化し、第一の音圧均し量はほとんど変化しない。
そこで、第一の音圧均し量に対する第二の音圧均し量の
割合は小さくなる。したがって、この割合が所定割合よ
りも小さいときは上記別の所定方向が音源の位置と推定
される。むろん、音圧変化手段に吸音材を用いる場合で
も、上述の第三の音圧均し量を利用して音源の位置を推
定することができることはいうまでもない。
【0031】ところで、音圧を均す際、音圧の変化を求
めるように均すことも可能である。その一例として、請
求項15にかかる発明は、上記請求項1または請求項2
のいずれかに記載の音源位置推定装置において、上記音
源位置推定手段は、上記音圧検出手段にて検出された音
圧から上記第一の周波数を含む周波数帯域の音圧信号を
取得するとともに均しながら時間当たりの変化量である
第一の音圧変化量を求め、同音圧から別途音圧信号を取
得するとともに均しながら時間当たりの変化量である第
二の音圧変化量を求める音圧変化量演算手段と、上記第
一の音圧変化量と上記第二の音圧変化量との割合を上記
影響度合いとして、上記音源の位置が上記所定方向かど
うかを推定する推定手段とを具備する構成としてある。
【0032】上記のように構成した請求項15にかかる
発明においては、音圧変化量演算手段は、音圧検出手段
にて検出された音圧から第一の周波数を含む周波数帯域
の音圧信号を取得するとともに均しながら時間当たりの
変化量である第一の音圧変化量を求める。また、同音圧
から別途音圧信号を取得するとともに均しながら時間当
たりの変化量である第二の音圧変化量を求める。する
と、推定手段は、第一の音圧変化量と第二の音圧変化量
との割合を上記影響度合いとして、上記音源の位置が上
記所定方向かどうかを推定する。
【0033】すなわち、上記所定方向に音源がある場
合、第一の音圧変化量は第一の周波数を含む周波数帯域
の音圧の変化量であるので音圧変化手段による音圧変化
の影響が大きい。ここで、音圧変化が第一の音圧変化量
よりも小さくなるように第二の音圧変化量を求めると、
第一の音圧変化量と第二の音圧変化量との割合から求ま
る音圧変化の影響度合いは音圧変化手段による音圧変化
の影響を大きく受けている。一方、音源が同所定方向で
はない場合、第一の音圧変化量は音圧変化手段による音
圧変化の影響が小さいので、第一の音圧変化量と第二の
音圧変化量との割合から求まる音圧変化の影響度合いも
音圧変化手段による音圧変化の影響の小さいものとな
る。そこで、影響度合いが音圧変化手段による音圧変化
の影響を大きく受けているとき音源の位置は上記所定方
向と推定することができ、影響度合いが音圧変化手段に
よる音圧変化の影響の小さいものであるとき音源の位置
は上記所定方向ではないと推定することができる。した
がって、音圧の変化量を用いても音源の位置を推定する
ことが可能である。
【0034】なお、第二の音圧変化量は、全周波数の音
圧から求められてもよいし、請求項4、請求項5に記載
の第二の音圧均し量のように一部の周波数帯域の音圧か
ら求められてもよい。また、音圧変化手段には、請求項
8〜10、請求項13に記載の共鳴体、反射体、吸音材
を利用することができる。さらに、音圧変化量演算手段
の構成の一例として、請求項16にかかる発明は、上記
請求項15に記載の音源位置推定装置において、上記音
圧変化量演算手段は、上記音圧検出手段にて検出された
音圧を所定の周波数帯域毎にデジタルの音圧データに変
換するデジタル変換手段と、上記音圧データから上記第
一の周波数を含む周波数帯域のデータと上記第二の周波
数を含む周波数帯域のデータとを取得し、得られたそれ
ぞれの時系列データから近似式を作成して上記第一およ
び第二の音圧変化量を求める変化量算出手段とを具備す
る構成としてある。
【0035】上記のように構成した請求項16にかかる
発明においては、変化量算出手段は、第一の周波数を含
む周波数帯域の音圧の時系列データと第一の周波数とは
異なる第二の周波数を含む周波数帯域の音圧の時系列デ
ータとを取得し、近似式を作成する。そして、近似式か
ら第一、第二の音圧変化量を求める。したがって、求め
られた第一、第二の音圧変化量を用いて、推定手段は音
源の位置が上記所定方向かどうかを推定することが可能
である。ここで、得られた時系列データから近似式を作
成するのは様々可能である。例えば、時間に対する音圧
データを最小自乗法により近似の一次式を作成してもよ
いし、二次以上の回帰処理を行って二次以上の近似式を
作成してもよい。すると、近似式の傾き成分から音圧の
変化量を算出することが可能である。
【0036】このように音源の位置を推定する際の手法
は、必ずしも実体のある装置に限られる必要もなく、そ
の一例として、請求項17にかかる発明は、音源から発
せられた音波の音圧を検出する音圧検出手段と、この音
圧検出手段の入力部に設けられて所定方向からの音波に
含まれる所定の第一の周波数の音圧を変化させる音圧変
化手段とを備え、上記音圧検出手段にて検出された音圧
を均し、均した音圧から上記第一の周波数の音圧変化の
影響度合いを求め、この影響度合いと上記音圧変化手段
の位置関係から上記音源の位置を推定する構成としてあ
る。すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その
方法としても有効であり、請求項2〜請求項16に記載
された装置構成を当該方法に対応させることが可能であ
ることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、音圧検出
手段を複数用いる必要なく音源の位置を推定することが
可能な音源位置推定装置を提供することができる。ま
た、請求項2にかかる発明によれば、音圧検出手段にマ
イクロフォンを用いても同様の効果が得られるので、簡
易な構成で音源の位置を推定することが可能となる。さ
らに、請求項3にかかる発明によれば、音源位置推定手
段の一例を提供することができる。さらに、請求項4に
かかる発明によれば、より確実に音源の位置を推定する
ことが可能となる。
【0038】さらに、請求項5にかかる発明によれば、
簡易な構成で第一、第二の音圧均し量を求めて音源の位
置を推定することが可能となる。さらに、請求項6にか
かる発明によれば、音圧均し手段の一例を提供すること
ができる。さらに、請求項7にかかる発明によれば、よ
り確実に音源の位置を推定することが可能となる。
【0039】さらに、請求項8にかかる発明によれば、
簡易な構成で上記所定方向からの第一の周波数の音波と
上記別の所定方向からの第二の周波数の音波とを共振に
より増幅させることにより音源の位置を推定することが
可能となる。さらに、請求項9にかかる発明によれば、
第一、第二の共鳴体の簡易な構成例を提供することがで
きる。さらに、請求項10にかかる発明によれば、上記
所定方向からの第一の周波数の音波と上記別の所定方向
からの第二の周波数の音波とを共振により増幅させる別
の具体例を提供することができる。
【0040】さらに、請求項11、請求項12にかかる
発明によれば、音圧変化手段に共鳴体や反射体を利用し
たときの推定手段の具体例を提供することができる。さ
らに、請求項13にかかる発明によれば、上記所定方向
からの第一の周波数の音波と上記別の所定方向からの第
二の周波数の音波とを減少させることにより音源の位置
を推定することが可能となる。さらに、請求項14にか
かる発明によれば、音圧変化手段に吸音材を利用したと
きの推定手段の具体例を提供することができる。
【0041】さらに、請求項15にかかる発明によれ
ば、音圧の変化量を用いて音源の位置を推定することが
可能となる。さらに、請求項16にかかる発明によれ
ば、音圧変化量演算手段の一例を提供することができ
る。さらに、請求項17にかかる発明によれば、マイク
ロフォンにような音圧検出手段を複数用いる必要なく音
源の位置を推定することが可能な音源位置推定方法を提
供することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の第一の実施形態
にかかる音源位置推定装置の概略構成を示している。な
お、本実施形態は、人間の話声が発せられた位置を推定
するものである。同図において、本発明にいう音圧検出
手段であるマイクロフォン10には、静電容量の変化を
電圧として検出するエレクトレッロマイクロフォンを使
用している。マイクロフォン10の内部には、図1の上
側を前側、下側を後側とした場合に、前面に設けられた
入力部11の内側に薄膜状の振動板12が備えられてい
る。そして、音圧により振動板12が振動するときに生
じる静電容量の変化を電圧(音圧信号)として外部に出
力するようになっている。
【0043】マイクロフォン10から出力された音圧信
号は、本発明にいうデジタル変換手段であるA/Dコン
バータ21を内蔵するマイコン20に入力される。マイ
コン20は、CPU22やROM23やRAM24やタ
イマ25も内蔵しており、ROM23に記憶されている
所定のプログラムにしたがってA/Dコンバータ21に
入力された音圧信号をデジタルの音圧データとして取り
込み、音源の位置を推定する処理を行う。より具体的に
は、図2と図3に示すフローチャートにしたがって、A
/Dコンバータ21からの音圧データをFFT(Fas
t Fourier Transform)演算を用い
て一定の周波数帯域別にデータに変換するFFT処理
や、変換されたデータを所定時間、定期的に取得し、得
られたそれぞれの時系列データを加算することにより均
して後述する音圧均し量を求める加算処理や、この音圧
均し量から音源の位置を推定する推定処理を行う。な
お、図2と図3のフローは後で詳述する。また、位置推
定の結果を外部の表示回路30に出力する処理も行って
いる。表示回路30は、液晶パネルを備え、マイコン2
0からの指令を受けて、「左」、「右」、「その他」の
表示を行うことができるようになっている。
【0044】なお、音圧均し量は、周波数帯域別の音圧
を均したものであればよい。そこで、マイクロフォン1
0の出力からバンドパスフィルタ等の帯域フィルタ回路
により周波数帯域別の音圧信号を作りだし、この音圧信
号を平均化回路に入力して周波数帯域別に均された音圧
を作成したうえで、A/Dコンバータ21を介して周波
数帯域別の音圧均し量を取得してもよい。この場合、マ
イコン20が行うFFT処理や加算処理は不要となる。
【0045】マイクロフォン10の入力部11の前方左
側には、両端の開口部を所定の左前から右後方向に向け
た本発明にいう第一の共鳴体である共鳴管41が略水平
に設けられている。また、入力部11の前方右側には、
両端の開口部を所定の右前から左後方向に向けた本発明
にいう第二の共鳴体である共鳴管42が略水平に設けら
れている。空気中の音波は進行方向に疎密な状態となっ
た縦波であるので、共鳴管41,42は開口部方向から
の特定の周波数の音波を共振させる。共鳴管41,42
は両端開口であるので、共鳴管の長さをL(m)、音速
をc(m/s)とすると、共振周波数の基本周波数はc
/2L(Hz)となる。なお、基本周波数c/2Lの整
数倍も共振周波数となるが、音波の共振度合いは基本周
波数よりも小さくなる。
【0046】共鳴管41は、17.0cm(0.170
m)の長さとされている。室温の場合、音速は約340
m/sであるので、共鳴管41の共振周波数の基本周波
数は、ほぼ、340/(2*0.170)=1000
(Hz)となる。そして、共鳴管41は両端の開口部を
左前から右後方向に向けているので、左前方からの周波
数約1000Hzの音波を主に共振させて増幅させる。
一方、共鳴管42の長さは10.0cmとされ、共振周
波数の基本周波数は、ほぼ、340/(2*0.10
0)=1700(Hz)となる。そして、共鳴管42は
両端の開口部を右前から左後方向に向けているので、右
前方からの周波数約1700Hzの音波を主に共振させ
て増幅させる。すなわち、マイクロフォン10の入力部
11に設けられて左前方からの第一の周波数である周波
数約1000Hzの音波を共振させる共鳴管41は本発
明にいう音圧変化手段を構成し、同入力部11に設けら
れて右前方からの第二の周波数である周波数約1700
Hzの音波を共振させる共鳴管42は本発明にいう第二
音圧変化手段を構成している。
【0047】ところで、人間の話声の周波数分布は、図
4に示すように、細かく変動している。しかし、音圧を
均すと、図5に示すように、音圧全体の大小はあるもの
の変動する周波数分布は均され、一定形状となる。成人
の話声の場合、周波数分布は性別に関わらず400Hz
近傍でピークを有している。ここで、音源からの音波の
うち特定の周波数の成分を共振させて増幅させると、周
波数分布はその特定の周波数でピークを有する。例え
ば、音源が左前方にある場合、共鳴管41は周波数約1
000Hzの音波を共振させて増幅させるので、図6に
示すように、周波数約1000Hzのみにピークが生じ
た周波数分布となる。一方、音源が右前方にある場合、
今度は共鳴管42が周波数約1700Hzの音波を共振
させて増幅させるので、図7に示すように、周波数約1
700Hzのみにピークが生じた周波数分布となる。な
お、音源が正面や背面にある場合、厳密には若干の回折
現象が起こるものの共鳴管41,42にほとんど共振は
生じないので、図5に示した周波数分布となる。
【0048】そこで、周波数約1000Hzを含む周波
数帯域の音圧を均して本発明にいう第一の音圧均し量を
求め、周波数約1700Hzを含む周波数帯域の音圧を
均して本発明にいう第二の音圧均し量を求め、音圧全体
の大小に影響されないように第一の音圧均し量と第二の
音圧均し量との割合を算出すると、周波数約1000H
zの音圧変化の影響度合いと周波数約1700Hzの音
圧変化の影響度合いを知ることができる。
【0049】例えば、周波数約1000Hzの音圧変化
の影響度合いI1を、第二の音圧均し量に対する第一の
音圧均し量の割合、すなわち、式I1=(第一の音圧均
し量)/(第二の音圧均し量)で求められる値とする。
音源がマイクロフォン10に対し左前方にある場合、周
波数分布のピークは周波数約1000Hzのみなので、
第一の音圧均し量は共鳴管41,42がない場合と比較
して大きくなっている。ここで、共鳴管41,42がな
い場合の音源からの音圧(単位:10のマイナス4乗P
a)が図8の最上欄に示す値となっている場合、第一の
音圧均し量は、5から15に増加している。一方、第二
の音圧均し量は共鳴管41,42がない場合とほぼ同じ
である。すると、影響度合いI1は、共鳴管41,42
がない場合と比較して大きくなる。図8の例では、共鳴
管41,42がない場合、影響度合いI1は5/3=
1.67となり、共鳴管41,42がある場合、図9に
示すように影響度合いI1は15/3=5となる。
【0050】音源がマイクロフォン10に対し右前方に
ある場合、周波数分布のピークは周波数約1700Hz
のみなので、第一の音圧均し量は共鳴管41,42がな
い場合とほぼ同じである。一方、第二の音圧均し量は共
鳴管41,42がない場合と比較して大きくなってい
る。この場合、影響度合いI1は、共鳴管41,42が
ない場合と比較して小さくなる。図8の例では、共鳴管
41,42がない場合の影響度合い1.67に対し、共
鳴管41,42がある場合、影響度合いI1は5/9=
0.56となる。音源がマイクロフォン10に対し正面
や背面にある場合、周波数約1000Hzや約1700
Hzにピークが生じないので、第一、第二の音圧均し量
は共鳴管41,42がない場合とほぼ同じである。この
場合は、影響度合いI1は、共鳴管41,42がない場
合の1.67とほぼ同じである。
【0051】すなわち、影響度合いI1が大きくなるほ
ど、音源は左前方にある可能性が大きくなる。したがっ
て、影響度合いI1が所定割合よりも大きくなるとき
(または所定割合以上となるとき)、音源位置は「左前
方」であると推定するようにすればよい。例えば、所定
割合を2.5とすると、影響度合いI1=5となる音源
が左前方にあるときのみ音源位置は「左前方」であると
推定される。なお、音源の音の強さが異なったり、音源
の位置が異なったりすると、周波数分布が図5〜図7の
形状のまま音圧は変化する。例えば、図8の状態を基準
として音源の音の強さが100倍となると、音圧はその
1/2乗の10倍となるので、周波数帯域別の音圧は図
10に示す値となる。すなわち、各周波数帯域の音圧が
すべて10倍となっている。したがって、第一の音圧均
し量に対する第二の音圧均し量の割合である影響度合い
I1は図8の場合と全く同じ値となる。
【0052】また、周波数約1700Hzの音圧変化の
影響度合いI2を、第一の音圧均し量に対する第二の音
圧均し量の割合、すなわち、式I2=(第二の音圧均し
量)/(第一の音圧均し量)で求められる値とする。音
源がマイクロフォン10に対し右前方にある場合、第二
の音圧均し量は共鳴管41,42がない場合と比較して
大きくなっている一方で、第一の音圧均し量は共鳴管4
1,42がない場合とほぼ同じである。すると、影響度
合いI2は、共鳴管41,42がない場合と比較して大
きくなる(図8の例では、共鳴管41,42がない場合
I2=0.6、共鳴管41,42がある場合I2=1.
8)。
【0053】音源がマイクロフォン10に対し左前方に
ある場合、第二の音圧均し量は共鳴管41,42がない
場合とほぼ同じである一方で、第一の音圧均し量は共鳴
管41,42がない場合と比較して大きくなっている。
この場合、影響度合いI2は、共鳴管41,42がない
場合と比較して小さくなる(図8の例では、共鳴管4
1,42がない場合の影響度合い0.6に対し、共鳴管
41,42がある場合I2=0.2)。音源がマイクロ
フォン10に対し正面や背面にある場合、第一、第二の
音圧均し量は共鳴管41,42がない場合とほぼ同じで
あるので、影響度合いI2は、共鳴管41,42がない
場合とほぼ同じである。
【0054】すなわち、影響度合いI2が大きくなるほ
ど、音源は右前方にある可能性が大きくなる。したがっ
て、影響度合いI2が上記所定割合とは別の所定割合よ
りも大きくなるとき(または別の所定割合以上となると
き)、音源位置は「右前方」であると推定するようにす
ればよい。例えば、この別の所定割合を1.0とする
と、影響度合いI2=1.8となる音源が右前方にある
ときのみ音源位置は「左前方」であると推定される。
【0055】なお、影響度合いI1,I2が共鳴管4
1,42のない場合とほぼ同じとき、上述の考えでは
「左前方」や「右前方」と推定されない。したがって、
影響度合いI1が所定割合よりも大きくなく、かつ、影
響度合いI2が別の所定割合よりも大きくないとき、音
源位置は「その他」であると推定するようにすればよ
い。
【0056】以下、上述の考えに基づいて、入力部11
に共鳴管41,42が設けられたマイクロフォン10に
て検出された音圧から音源の位置を推定するマイコン2
0の処理を図2と図3で示したフローチャートに基づい
て説明する。図2において、マイクロフォン10から入
力される音圧信号は、所定時間、定期的にデジタルの音
圧データとして読み込む構成となっている。まず、タイ
マ25の時刻設定や周波数帯域別に音圧データを加算す
る変数の初期化等の初期設定を行い(ステップS10
5)、音圧データを読み込む定期の時間となったかどう
かを判断する(ステップS110)。なお、ステップS
110の代わりに、マイコン20のタイマ割り込み機能
を利用してタイマ割り込み時にステップS115以下の
処理を行う構成としてもよい。読み込み時間でなけれ
ば、読み込み時間となるまでステップS110の処理を
繰り返し行う。
【0057】読み込み時間となると、A/Dコンバータ
21からデジタルの音圧データを読み込んでいく(ステ
ップS115)。読み込む音圧データは全周波数帯域の
データであるので、この音圧データにFFT処理を行っ
て、共鳴管41の共振周波数の基本周波数を含む周波数
帯域の音圧データと共鳴管42の共振周波数の基本周波
数を含む周波数帯域の音圧データとを取得する(ステッ
プS120)。例えば、FFT処理の際にそれぞれの基
本周波数のプラスマイナス50Hzの周波数帯域の音圧
データを取得する場合には、950〜1050Hzの周
波数帯域と1650〜1750Hzの周波数帯域とのデ
ータを取得する。なお、温度が上がるにつれ音速は大き
くなり、共鳴管41の共振周波数も大きくなる。そこ
で、予めマイコン20のA/Dコンバータ21に温度セ
ンサを接続しておき、この温度センサからデジタルの温
度データを読み込んで取得する音圧データの周波数帯域
を補正する構成としてもよい。
【0058】取得した音圧データは、周波数帯域別に加
算する(ステップS125)。上述の例では、950〜
1050Hzの周波数帯域用の変数と1650〜175
0Hzの周波数帯域用の変数とにそれぞれ取得した音圧
データを加算することになる。そして、所定時間が経過
したかどうかを判断する(ステップS130)。所定時
間が経過していない場合は、再びステップS110〜S
130の処理を行う。
【0059】所定時間が経過した場合は、周波数帯域別
に音圧データが所定時間、定期的に取得され、得られる
時系列データが加算されたことになる。そこで、周波数
帯域別に加算された音圧データを音圧均し量とする(ス
テップS135)。上述の例では、950〜1050H
zの周波数帯域用の変数に記憶された音圧データを第一
の音圧均し量とし、1650〜1750Hzの周波数帯
域用の変数に記憶された音圧データを第二の音圧均し量
とする。なお、第一、第二の音圧均し量は、それぞれの
周波数帯域の音圧データを均したものであればよいの
で、周波数帯域別に加算された音圧データをそれぞれ加
算回数で除して平均値としたうえで第一、第二の音圧均
し量としてもよい。
【0060】このように、音圧データから第一の周波数
を含む周波数帯域のデータと第二の周波数を含む周波数
帯域のデータとを所定時間、定期的に取得し、得られる
それぞれの時系列データを加算して第一、第二の音圧均
し量を求めるステップS105〜S135の処理は、本
発明にいう加算手段を構成している。また、第一の周波
数を含む周波数帯域の音圧信号を所定時間取得するとと
もに加算して第一の音圧均し量を求め、第二の周波数を
含む周波数帯域の音圧信号を同所定時間取得するととも
に加算して第二の音圧均し量を求めるという意味で、本
発明にいう音圧均し手段が構成されている。
【0061】第一、第二の音圧均し量が求まると、これ
らの第一、第二の音圧均し量に基づいて音源の位置を推
定する処理を行い(ステップS140)、本フローを終
了する。この推定処理の概略を、図3のフローチャート
に示している。同図において、まず、上述した影響度合
いI1を、式I1=(第一の音圧均し量)/(第二の音
圧均し量)から求める(ステップS205)。そして、
影響度合いI1が所定割合よりも大きいかどうかを判断
する(ステップS210)。上述のように所定割合を
2.5とすると、音源が左前方にある場合、図9で示し
たように影響度合いI1は5であるので、条件が成立す
る。この場合、音源位置を「左前方」と推定し(ステッ
プS215)、表示回路30に「左」を表示させ(ステ
ップS240)、本フローを終了する。
【0062】一方、音源が右前方や正面にある場合、影
響度合いI1はそれぞれ0.56、1.67であるの
で、ステップS210の条件は成立せず、ステップS2
20に進んで、影響度合いI2を、式I2=(第二の音
圧均し量)/(第一の音圧均し量)から求める。そし
て、影響度合いI2が上記別の所定割合よりも大きいか
どうかを判断する(ステップS225)。上述のように
別の所定割合を1.0とすると、音源が右前方にある場
合、図9で示したように影響度合いI2は1.8である
ので、条件が成立する。この場合、音源位置を「右前
方」と推定し(ステップS230)、表示回路30に
「右」を表示させ(ステップS240)、本フローを終
了する。
【0063】音源が正面または背面にある場合、影響度
合いI2は0.6であるので、ステップS225でも条
件が成立しない。この場合、音源位置を「その他」を推
定し(ステップS235)、表示回路30に「その他」
を表示させ(ステップS240)、本フローを終了す
る。実際には、音源が共鳴管41,42の開口部方向か
ら少しずれていたり、正面から左や右に少しずれていた
りすることがある。その場合、影響度合いI1,I2は
図9に示した値とはならず、それらの間の数値となる。
すると、「左前方」や「右前方」と推定する音源位置の
範囲は、図11に示すように、共鳴管41,42の開口
部方向から拡がりをもった範囲となる。すなわち、図3
のフローは、第一の音圧均し量と第二の音圧均し量との
割合を影響度合いとして、音源の位置が所定方向かどう
かを推定する本発明にいう推定手段を構成している。
【0064】上述のように、図2と図3のフローにて、
人間の話声が発せられた位置を推定することができる。
したがって、従来のようにマイクロフォン10を複数用
いる必要なく、音源の位置を推定することが可能であ
る。そして、マイクロフォン10にて検出された音圧を
均し、均した音圧から第一の周波数の音圧変化の影響度
合いを求め、この影響度合いと共鳴管41,42の位置
関係から音源の位置を推定するマイコン20の行う処理
は、本発明にいう音源位置推定手段を構成している。な
お、上述の実施形態では、人間の話声が発せられた位置
を推定しているが、音圧を均したときに一定の周波数分
布を示す音源であれば、音源の位置を推定することが可
能である。
【0065】ところで、図3のフローでは、影響度合い
としてI1とI2の二種類の変数を設けたが、影響度合
いI2は影響度合いI1の逆数であるので、影響度合い
I2を求めず、影響度合いI1のみを使用する構成とし
てもよい。むろん、影響度合いI2のみを使用する構成
とすることも可能である。また、影響度合いI1,I2
を別の式から算出する構成としてもよい。図12は、第
二の実施形態にかかる音源位置推定装置が行う推定処理
の概略をフローチャートにより示している。なお、本実
施形態では、第一、第二の音圧均し量の他に、400H
zを中心周波数とする350〜450Hzの周波数帯域
の音圧データを所定時間、定期的に加算した第三の音圧
均し量を用いている。すなわち、図8の例で示したよう
に、第三の音圧均し量は共鳴管41,42による音圧変
化の影響を受けない値となる。そこで、第三の音圧均し
量を影響度合いI1,I2の算出に利用している。
【0066】図12において、影響度合いI1を、式I
1=(第一の音圧均し量)/(第三の音圧均し量)から
求める(ステップS305)。そして、影響度合いI1
が所定割合よりも大きいかどうかを判断する(ステップ
S310)。ここで、図8の例に示した音圧均し量か
ら、影響度合いI1は図13に示す値となる。音源が左
前方にあるとき、影響度合いI1は、15/6=2.5
となる。音源が右前方や正面にあるとき、影響度合いI
1は、5/6=0.83となる。そこで、本実施形態で
は所定割合を1.5と設定している。音源が左前方にあ
る場合、図13に示すように影響度合いI1は2.5で
あるので、条件が成立する。この場合、音源位置を「左
前方」と推定し(ステップS315)、表示回路30に
「左」を表示させ(ステップS340)、本フローを終
了する。
【0067】ステップS310で条件不成立の場合、影
響度合いI2を、式I2=(第二の音圧均し量)/(第
三の音圧均し量)から求める(ステップS320)。そ
して、影響度合いI2が別の所定割合よりも大きいかど
うかを判断する(ステップS325)。ここで、音源が
右前方にあるとき、影響度合いI2は9/6=1.5と
なり、音源が左前方や正面にあるとき、影響度合いI2
は3/6=0.5となる。そこで、別の所定割合を1.
0と設定している。音源が右前方にある場合、図13に
示すように影響度合いI2は1.5であるので、条件が
成立する。この場合、音源位置を「右前方」と推定し
(ステップS330)、表示回路30に「右」を表示さ
せ(ステップS340)、本フローを終了する。
【0068】ステップS325で条件不成立の場合、音
源位置を「その他」を推定し(ステップS335)、表
示回路30に「その他」を表示させ(ステップS34
0)、本フローを終了する。このように、図12のフロ
ーによっても、人間の話声が発せられた位置を推定する
ことが可能である。
【0069】なお、上述の第一、第二の実施形態では、
二種類の共鳴管41,42を用いて音源の位置が「左前
方」であるか「右前方」であるか「その他」であるかを
推定しているが、共鳴管の数を増やせば音源の位置をよ
りきめ細やかに推定することができる。一方、共鳴管を
一つしか用いなくても、音源の位置が「開口部方向」で
あるか「その他」であるかを推定することが可能であ
る。
【0070】例えば、共鳴管42を用いずに共鳴管41
のみを使用する場合、第二の音圧均し量を1650〜1
750Hzの周波数帯域の音圧データから求めてもよい
し、これ以外の周波数帯域の音圧データから求めてもよ
い。また、全周波数帯域の音圧データから求めてもよ
い。この場合、第二の音圧均し量には周波数1000H
zの音圧変化の影響を受けることになるが、第一の音圧
均し量と比べて同音圧変化の影響は少ない。そこで、影
響度合いI1を、式I1=(第一の音圧均し量)/(第
二の音圧均し量)から算出することができ、音源の位置
を推定することができる。なお、音源の位置を上述のよ
うに左前方か右前方かそれ以外かの二次元的な位置とし
て大雑把に推定するのも一例にすぎない。例えば、共鳴
管の一つの開口部方向を後方向とすると、後方向にある
音源を後方向を推定することができるので、360度す
べての方向の音源の位置を推定することが可能である。
また、共鳴管の一つの開口部方向を上方向や下方向とす
れば、上方向や下方向にある音源の位置を推定すること
ができるので、上下方向も含めて三次元的に音源の位置
を大雑把に推定することが可能である。以下の実施形態
においても同様のことが言えるが、第一、第二の実施形
態と同じく音源の位置が左前方か右前方かそれ以外かを
推定する装置を例に挙げて説明している。
【0071】ところで、共鳴管41,42を用いなくて
も音源の位置を推定することは可能である。例えば、共
鳴管41,42の代わりに、共振周波数を有する弦、
棒、円形膜、円盤等を使用することが可能である。この
他、マイクロフォンの入力部との間で共振現象を引き起
こす部材を設けてもよい。図14は、そのような部材を
用いた第三の実施形態にかかる音源位置推定装置の概略
構成を示している。同図において、マイクロフォン11
0には、電磁誘導を利用するダイナミックマイクロフォ
ンを使用している。マイクロフォン110の前面は、水
平断面において半円状の曲面とされた入力部111とな
っている。この入力部111の内側に、入力部111の
形状に合わせて曲面とされた振動板112が設けられて
いる。そして、音圧により振動板12が振動するときに
生じる起電力を電圧(音圧信号)としてマイコン120
に出力するようになっている。
【0072】マイクロフォン110の入力部111の左
側には、入力部111からの距離が8.5cmとなるよ
うに曲面形状とされた本発明にいう第一の反射体である
反射板141が設けられている。また、入力部111の
右側には、入力部111からの距離が5.0cmとなる
ように曲面形状とされた本発明にいう第二の反射体であ
る反射板142が設けられている。ここで、反射板14
1,142は金属製であり、音波を効率よく反射させ
る。なお、左前方からの音波が反射板142で反射して
入力部111に入射したり右前方からの音波が反射板1
41で反射して入力部111に入射したりしないよう
に、入力部111の正面に、左右を仕切るように前後方
向に配置された遮蔽板143も設けられている。
【0073】ここで、左前方からの音波が入力部111
に入射する際、音波の一部は反射して反射板141に向
かって進む。そして、この音波は反射板141で反射し
て入力部111に向かって進む。すなわち、一部の音波
は、反射板141と入力部111との間で繰り返し反射
させられ、共振させられる。反射板141と入力部11
1との間の距離は8.5cmであるので、共振周波数の
基本周波数は、ほぼ、340/(2*0.085)=2
000(Hz)となる。一方、右前方からの音波が入力
部111に入射する際、音波の一部は反射して反射板1
42に向かって進む。上述と同様の作用で、一部の音波
は、反射板141と入力部111との間で繰り返し反射
させられ、共振させられる。反射板142と入力部11
1との間の距離は5.0cmであるので、共振周波数の
基本周波数は、ほぼ、340/(2*0.050)=3
400(Hz)となる。すると、音源が左前方にある場
合、周波数約2000Hzのみにピークが生じた周波数
分布となる。一方、音源が右前方にある場合、周波数約
3400Hzのみにピークが生じた周波数分布となる。
したがって、図2と図3のフローを利用して音源の位置
を推定することが可能である。
【0074】さらに、特定の周波数の音波を共振させて
増幅させなくても、音源の位置を推定することは可能で
ある。図15は、第四の実施形態にかかる音源位置推定
装置の概略構成を示している。同図において、マイクロ
フォン210は、図1と同様のエレクトレッロマイクロ
フォンを使用している。マイクロフォン210の入力部
211の前方左側には、本発明にいう第一の吸音材24
1が略水平に設けられている。また、入力部211の前
方右側には、本発明にいう第二の吸音材242が略水平
に設けられている。なお、第一の吸音材241は、所定
方向からの音波のうち周波数約1000Hzの成分を中
心として選択的に吸収するように空隙を形成された多孔
質樹脂である。一方、第二の吸音材242は、別の所定
方向からの音波のうち周波数約1700Hzの成分を中
心として選択的に吸収するように空隙を形成された多孔
質樹脂である。
【0075】ここで、音波が左前方から来ると、周波数
約1000Hzを中心とした成分が第一の吸音材241
にて吸収される。すなわち、図16に示すように、左前
方からの音波は周波数約1000Hzを中心とした成分
が少なくなって入力部211に入射する。一方、音波が
右前方から来ると、周波数約1700Hzを中心とした
成分が第二の吸音材242にて吸収される。すなわち、
右前方からの音波は周波数約1700Hzを中心とした
成分が少なくなって入力部211に入射する。
【0076】そこで、周波数約1000Hzを含む周波
数帯域の音圧を均して第一の音圧均し量を求め、周波数
約1700Hzを含む周波数帯域の音圧を均して第二の
音圧均し量を求めると、周波数約1000Hzの音圧変
化の影響度合いI1と周波数約1700Hzの音圧変化
の影響度合いI2を知ることができる。その際、影響度
合いI1,I2は第一の実施形態とは逆の傾向を示す。
すなわち、音源が左前方にある場合は影響度合いI1は
小さい値となり、音源が右前方にある場合には影響度合
いI2が小さい値となる。この場合の推定処理は、図3
に示したフローのうち、ステップS210、S225を
修正することにより行うことができる。ステップS21
0では所定割合よりも小さいかどうかを判断すればよ
く、ステップS225では別の所定割合よりも小さいか
どうかを判断すればよい。すると、音源の位置を推定す
ることが可能である。
【0077】ところで、マイクロフォン10にて検出し
た音圧を均す際、音圧の変化を求めるように均してもよ
い。音源位置推定装置を図1のように構成すると、周波
数約1000Hzの成分の音波は、音源が左前方にある
ときのみ共鳴管41にて共振させられて増幅させられ
る。音波が発せられてから周波数約1000Hzの音圧
の立ち上がりをみた場合、このときの音圧の変化は、均
されると、図17に示すように音源が左前方にあるとき
には右前方や正面にあるときと比べて大きくなってい
る。また、周波数約1700Hzの成分の音波は、音源
が右前方にあるときのみ共鳴管42にて共振させられて
増幅させられるので、均された周波数約1700Hzの
音圧の変化は、音源が右前方にあるときには左前方や正
面にあるときと比べて大きくなっている。そこで、音圧
の均された変化を検出すれば、音源の位置を推定するこ
とが可能である。
【0078】図18は、第五の実施形態にかかる音源位
置推定装置が行う処理の概略をフローチャートにより示
している。なお、概略構成は図1と同様である。また、
本フローは、周波数帯域別の音圧の時系列データから時
間に対する音圧データの近似式から音圧の変化を求める
ようにしている。図18において、まず、タイマ25の
時刻設定や周波数帯域別に音圧データを取得する変数の
初期化等の初期設定を行い(ステップS405)、音圧
データを読み込む定期の時間となったかどうかを判断す
る(ステップS410)。読み込み時間でなければ、読
み込み時間となるまでステップS110の処理を繰り返
し行う。読み込み時間となると、本発明にいうデジタル
変換手段であるA/Dコンバータ21からデジタルの音
圧データを読み込んでいき(ステップS415)、この
音圧データにFFT処理を行って、共鳴管41の共振周
波数の基本周波数約1000Hzを含む周波数帯域95
0〜1050Hzの音圧データと共鳴管42の共振周波
数の基本周波数約1700Hzを含む周波数帯域165
0〜1750Hzの音圧データとを取得する(ステップ
S420)。
【0079】そして、近似式を求めるために必要な所定
データ数取得したかどうかを判断する(ステップS42
5)。所定データ数を取得していなければ、再びステッ
プS410〜S425の処理を行う。所定データ数を取
得した場合は、周波数帯域別に近似式を求める(ステッ
プS430)。本実施形態では、最小自乗法により、時
間の一次式を求めている。この一次式の時間項の係数は
傾き成分であるので、この係数を周波数帯域別の第一、
第二の音圧変化量とする(ステップS435)。すなわ
ち、デジタルの音圧データから第一、第二の周波数を含
む周波数帯域のデータを取得し、得られたそれぞれの時
系列データから近似式を作成して第一、第二の音圧変化
量を求めるステップS405〜S435の処理は、本発
明にいう変化量算出手段を構成している。また、A/D
コンバータ21にてマイクロフォン10からの音圧信号
をデジタルの音圧データに変換しするとともにステップ
S405〜S435の処理を行うマイコン20は、本発
明にいう音圧変化量演算手段を構成している。
【0080】そして、第一、第二の音圧変化量に基づい
て音源の位置を推定する処理を行う(ステップS44
0)。音源位置を推定した後は、終了条件が成立してい
なければ、さらにステップS410〜S440の処理を
行い、音圧の時系列データを蓄積して音源位置の推定処
理を継続する(ステップS445)。終了条件が成立し
た場合は、本フローを終了する。ここで、終了条件は、
所定時間経過したかどうかの条件であってもよいし、装
置に取り付けられた終了ボタンが押されたがどうかの条
件であってもよい。
【0081】ステップS440の推定処理は、図3に示
したフローのうち、ステップS205、S220を修正
することにより行うことができる。ステップS205で
は影響度合いI1を式I1=(第一の音圧変化量)/
(第二の音圧変化量)から求めればよく、ステップS2
20では影響度合いI2を式I2=(第二の音圧変化
量)/(第一の音圧変化量)から求めればよい。また、
所定割合、別の所定割合は、実施場所に応じて適宜決定
すればよい。すると、音源が左前方にある場合に影響度
合いI1は大きい値となり、音源が右前方にある場合に
影響度合いI2が大きい値となる。すなわち、この推定
処理は、本発明にいう別の意味での推定手段を構成して
いる。このように、周波数帯域別に均された音圧変化を
用いて音源の位置を推定することが可能である。
【0082】以上説明したように、本実施形態の音源位
置推定装置は、マイクロフォンにて検出された音圧を均
し、均した音圧から共鳴管等の音圧変化手段による特定
の周波数の音圧変化の影響度合いを求め、この影響度合
いと同音圧変化手段の位置関係から音源の位置を推定す
る。したがって、マイクロフォンのような音圧検出手段
を複数用いる必要なく音源の位置を推定することが可能
な音源位置推定装置および音源位置推定方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる音源位置推定
装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】第一の実施形態にかかる音源位置推定装置が行
う処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】第一、第二の音圧均し量に基づいて音源の位置
を推定する処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】人間の話声の周波数分布の変化を示す図であ
る。
【図5】音圧を均したときの人間の話声の周波数分布を
示す図である。
【図6】音源が左前方にある場合に音圧を均したときの
人間の話声の周波数分布を示す図である。
【図7】音源が右前方にある場合に音圧を均したときの
人間の話声の周波数分布を示す図である。
【図8】音源の位置に対する周波数帯域別の音圧の関係
の例を示す表形式の図である。
【図9】音源の位置に対する影響度合いの関係を示す表
形式の図である。
【図10】音源の位置に対する周波数帯域別の音圧の関
係の別の例を示す表形式の図である。
【図11】音源位置の範囲を示す模式図である。
【図12】第二の実施形態にかかる音源位置推定装置が
行う推定処理の概略を示すフローチャートである。
【図13】音源の位置に対する影響度合いの関係を示す
表形式の図である。
【図14】第三の実施形態にかかる音源位置推定装置の
概略構成を示す構成図である。
【図15】第四の実施形態にかかる音源位置推定装置の
概略構成を示す構成図である。
【図16】音源が左前方にある場合に音圧を均したとき
の人間の話声の周波数分布を示す図である。
【図17】音波が発せられてからの立ち上がりを均した
ときの音圧の時間変化を示す図である。
【図18】第五の実施形態にかかる音源位置推定装置が
行う処理の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…マイクロフォン 11…入力部 12…振動板 20…マイコン 21…A/Dコンバータ 22…CPU 23…ROM 24…RAM 25…タイマ 30…表示回路 41,42…共鳴管 110…マイクロフォン 111…入力部 112…振動板 120…マイコン 141,142…反射板 143…遮蔽板 210…マイクロフォン 211…入力部 241,242…吸音材

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源から発せられた音波の音圧を検出す
    る音圧検出手段と、 この音圧検出手段の入力部に設けられて所定方向からの
    音波に含まれる所定の第一の周波数の音圧を変化させる
    音圧変化手段と、 上記音圧検出手段にて検出された音圧を均し、均した音
    圧から上記第一の周波数の音圧変化の影響度合いを求
    め、この影響度合いと上記音圧変化手段の位置関係から
    上記音源の位置を推定する音源位置推定手段とを具備す
    ることを特徴とする音源位置推定装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の音源位置推定装置
    において、 上記音圧検出手段は、マイクロフォンであることを特徴
    とする音源位置推定装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の音源位置推定装置において、 上記音源位置推定手段は、 上記音圧検出手段にて検出された音圧から上記第一の周
    波数を含む周波数帯域の音圧信号を所定時間取得すると
    ともに均す処理を行って第一の音圧均し量を求め、同音
    圧から別途音圧信号を同所定時間取得するとともに均す
    処理を行って第二の音圧均し量を求める音圧均し手段
    と、 上記第一の音圧均し量と上記第二の音圧均し量との割合
    を上記影響度合いとして、上記音源の位置が上記所定方
    向かどうかを推定する推定手段とを具備することを特徴
    とする音源位置推定装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載の音源位置推定装置
    において、 上記音圧均し手段は、上記音圧検出手段にて検出された
    音圧から上記第一の周波数とは異なる第二の周波数を含
    む周波数帯域の音圧信号を上記所定時間取得するととも
    に均す処理を行って上記第二の音圧均し量を求めること
    を特徴とする音源位置推定装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項3または請求項4のいずれか
    に記載の音源位置推定装置において、 上記音圧均し手段は、上記第一の周波数を含む周波数帯
    域の音圧信号を所定時間取得するとともに加算して上記
    第一の音圧均し量を求め、上記第二の周波数を含む周波
    数帯域の音圧信号を同所定時間取得するとともに加算し
    て上記第二の音圧均し量を求めることを特徴とする音源
    位置推定装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項5に記載の音源位置推定装置
    において、 上記音圧均し手段は、 上記音圧検出手段にて検出された音圧をデジタルの音圧
    データに変換するデジタル変換手段と、 上記音圧データから上記第一の周波数を含む周波数帯域
    のデータと上記第二の周波数を含む周波数帯域のデータ
    とを所定時間、定期的に取得し、得られるそれぞれの時
    系列データを加算して上記第一および第二の音圧均し量
    を求める加算手段とを具備することを特徴とする音源位
    置推定装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項3〜請求項6のいずれかに記
    載の音源位置推定装置において、 上記音圧変化手段とは別の所定方向からの音波に含まれ
    る上記第二の周波数の音圧を変化させる第二音圧変化手
    段が設けられていることを特徴とする音源位置推定装
    置。
  8. 【請求項8】 上記請求項7に記載の音源位置推定装置
    において、 上記音圧変化手段は、上記所定方向からの上記第一の周
    波数の音波を共振させる第一の共鳴体を備え、 上記第二音圧変化手段は、上記別の所定方向からの上記
    第二の周波数を共振させる第二の共鳴体を備えることを
    特徴とする音源位置推定装置。
  9. 【請求項9】 上記請求項8に記載の音源位置推定装置
    において、 上記第一の共鳴体と上記第二の共鳴体とは、異なる長さ
    の共鳴管で形成されていることを特徴とする音源位置推
    定装置。
  10. 【請求項10】 上記請求項7に記載の音源位置推定装
    置において、 上記音圧変化手段は、上記音波を反射させるとともに、
    上記音圧検出手段の入力部との間で上記所定方向からの
    上記第一の周波数の音波を共振させる位置とされた第一
    の反射体を備え、 上記第二音圧変化手段は、上記音波を反射させるととも
    に、上記入力部との間で上記別の所定方向からの上記第
    二の周波数の音波を共振させる位置とされた第二の反射
    体を備えることを特徴とする音源位置推定装置。
  11. 【請求項11】 上記請求項8〜請求項10のいずれか
    に記載の音源位置推定装置において、 上記推定手段は、上記第二の音圧均し量に対する上記第
    一の音圧均し量の割合が所定割合よりも大きいときに上
    記所定方向を音源の位置と推定し、上記第一の音圧均し
    量に対する上記第二の音圧均し量の割合が別の所定割合
    よりも大きいときに上記別の所定方向を音源の位置と推
    定することを特徴とする音源位置推定装置。
  12. 【請求項12】 上記請求項8〜請求項10のいずれか
    に記載の音源位置推定装置において、 上記音圧均し手段は、上記音圧検出手段にて検出された
    音圧から上記第一および第二の周波数とは異なる第三の
    周波数を含む周波数帯域の音圧データを上記所定時間取
    得するとともに均す処理を行って第三の音圧均し量を求
    め、 上記推定手段は、上記第三の音圧均し量に対する上記第
    一の音圧均し量の割合が所定割合よりも大きいときに上
    記所定方向を音源の位置と推定し、上記第三の音圧均し
    量に対する上記第二の音圧均し量の割合が別の所定割合
    よりも大きいときに上記別の所定方向を音源の位置と推
    定することを特徴とする音源位置推定装置。
  13. 【請求項13】 上記請求項7に記載の音源位置推定装
    置において、 上記音圧変化手段は、上記所定方向からの上記第一の周
    波数の音波を吸収する第一の吸音材を備え、 上記第二音圧変化手段は、上記別の所定方向からの上記
    第二の周波数の音波を吸収する第二の吸音材を備えるこ
    とを特徴とする音源位置推定装置。
  14. 【請求項14】 上記請求項13に記載の音源位置推定
    装置において、 上記推定手段は、上記第二の音圧均し量に対する上記第
    一の音圧均し量の割合が所定割合よりも小さいときに上
    記所定方向を音源の位置と推定し、上記第一の音圧均し
    量に対する上記第二の音圧均し量の割合が別の所定割合
    よりも小さいときに上記別の所定方向を音源の位置と推
    定することを特徴とする音源位置推定装置。
  15. 【請求項15】 上記請求項1または請求項2のいずれ
    かに記載の音源位置推定装置において、 上記音源位置推定手段は、 上記音圧検出手段にて検出された音圧から上記第一の周
    波数を含む周波数帯域の音圧信号を取得するとともに均
    しながら時間当たりの変化量である第一の音圧変化量を
    求め、同音圧から別途音圧信号を取得するとともに均し
    ながら時間当たりの変化量である第二の音圧変化量を求
    める音圧変化量演算手段と、 上記第一の音圧変化量と上記第二の音圧変化量との割合
    を上記影響度合いとして、上記音源の位置が上記所定方
    向かどうかを推定する推定手段とを具備することを特徴
    とする音源位置推定装置。
  16. 【請求項16】 上記請求項15に記載の音源位置推定
    装置において、 上記音圧変化量演算手段は、 上記音圧検出手段にて検出された音圧を所定の周波数帯
    域毎にデジタルの音圧データに変換するデジタル変換手
    段と、 上記音圧データから上記第一の周波数を含む周波数帯域
    のデータと上記第二の周波数を含む周波数帯域のデータ
    とを取得し、得られたそれぞれの時系列データから近似
    式を作成して上記第一および第二の音圧変化量を求める
    変化量算出手段とを具備することを特徴とする音源位置
    推定装置。
  17. 【請求項17】 音源から発せられた音波の音圧を検出
    する音圧検出手段と、この音圧検出手段の入力部に設け
    られて所定方向からの音波に含まれる所定の第一の周波
    数の音圧を変化させる音圧変化手段とを備え、上記音圧
    検出手段にて検出された音圧を均し、均した音圧から上
    記第一の周波数の音圧変化の影響度合いを求め、この影
    響度合いと上記音圧変化手段の位置関係から上記音源の
    位置を推定することを特徴とする音源位置推定方法。
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