JP2002110077A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線装置

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JP2002110077A
JP2002110077A JP2000294235A JP2000294235A JP2002110077A JP 2002110077 A JP2002110077 A JP 2002110077A JP 2000294235 A JP2000294235 A JP 2000294235A JP 2000294235 A JP2000294235 A JP 2000294235A JP 2002110077 A JP2002110077 A JP 2002110077A
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Mitsuaki Osaki
大崎光明
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料画像を観察中に、試料ステージの移動機構
を用いて試料の位置を所定の距離だけ移動させた後、再
びもとの位置に戻しても、観察画像が観察視野内で位置
ずれを起こさないような荷電粒子線装置を提供する。 【解決手段】試料ステージ移動機構の機械的な誤差を電
気視野移動コイルで電気的に補正することによって、試
料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホル
ダーのたわみなどの影響による試料位置の再現性のばら
つきを相殺させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型電子顕微鏡
などの荷電粒子線装置に関し、特に、試料ステージを所
定の距離だけ移動させた後、再びもとの位置に戻した場
合などに生じる観察画像の位置ずれを自動的に補正する
ことのできる荷電粒子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、荷電粒子線装置の試料ステージに
結合された試料位置制御装置は、コンピューターによっ
て制御されるようになり、試料の観察条件(座標、傾斜
角、軌跡、観察画像など)を記憶できるようになってき
ている。試料ホルダーには、試料をX軸、Y軸の2方向
に傾斜するものや、試料を加熱または冷却するもの、複
数の試料が試料ホルダー上に並んだ多試料ホルダーと呼
ばれるものなど、様々な種類がある。試料をX、Y方向
に移動する試料ステージでは、位置座標の検出は、X方
向とY方向の2つの位置センサーで行ない、試料の可動
範囲は、位置センサーの検出した値(電圧値)や検出し
た座標からの相対距離で制限している。
【0003】また、試料の観察位置を試料ステージの座
標値として記憶させておき、必要に応じて、試料の観察
位置を荷電粒子線装置の観察視野内に再現設定させる機
能を持たせた試料ステージも、既に開発されている。こ
れには、試料ステージの移動機構を利用して再現設定さ
せる方法と、電気視野移動機構を利用して再現設定させ
る方法とがある。
【0004】前者は、荷電粒子線装置における任意の観
察位置(X、Y)を記憶するソフトウェアを用意してお
き、現在の観察位置(X'、Y')を観察中に座標位置
(X、Y)を選択すると、現在の観察位置(X'、Y')
と記憶させてある座標位置(X、Y)との間の差分(X
−X'、Y−Y')だけ、試料ステージの移動機構が駆動
して、試料の観察位置を自動的に座標(X、Y)の位置
に移動させるものである。また、後者は、電気視野移動
コイル(偏向器の一種)に適切な量の電流を流し、荷電
粒子線を電磁気的に偏向させることによって、試料の観
察位置を移動・再現させるものである。
【0005】現在では、こうした方法により、試料の観
察位置の再現精度は、100nmのオーダーに達しよう
としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子顕微鏡
などの荷電粒子線装置においては、一度観察した試料位
置を再び観察しようとする場合、試料ステージなどの試
料移動機構に連結した、例えばポテンショメーターなど
の位置センサーの電圧値から換算した位置表示値を予め
コンピューターに記憶させておき、再び観察しようとす
る場合には、ポテンショメーターなどの位置センサーの
電圧値から得られる位置表示値が、コンピューターに記
憶させた位置表示値に一致するまで、試料ステージなど
の試料移動機構のモーターを駆動させていた。
【0007】しかしながら、荷電粒子線装置は、一般に
観察倍率が高いため、試料ステージの機械的な遊び(ガ
タ)などの影響による試料位置再現性の低下を避けるこ
とができず、特に、高倍率で試料像を観察している場合
などには、試料ステージの位置センサーの精度だけに頼
って、機械的に試料の観察位置を再現させることは極め
てむづかしいという問題があった。
【0008】また、多くの荷電粒子線装置では、試料が
試料ステージに直接載置されるわけではなく、所定の試
料ホルダーを介して、試料ステージに載置される。その
ため、例えば、超高圧電子顕微鏡用の試料ホルダーを使
用する場合などには、試料ホルダーの長さが一般の電子
顕微鏡用の試料ホルダーよりも長いことが影響して、試
料を移動させるたびに試料ホルダーにたわみを生じ、試
料の観察位置を再現させることを一層むづかしくすると
いう問題があった。
【0009】また、試料移動機構を用いずに、電気視野
移動コイルのみを用いる方法では、再現設定可能な移動
距離に限界があった。
【0010】本発明の目的は、上述した点に鑑み、試料
画像を観察中に、試料ステージの移動機構を用いて試料
の観察位置を所定の距離だけ移動させた後、再びもとの
観察位置に戻しても、観察画像が観察視野内で位置ずれ
を起こさないような荷電粒子線装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかる荷電粒子線装置は、試料を所定の距
離だけ移動できる試料ステージと、試料ステージの移動
量と、試料ステージを所定の距離だけ移動させたときに
発生する試料ステージの位置ずれ量との関係を、予め格
納・記憶する第1の記憶手段と、試料ステージ上の試料
に対して荷電粒子線を照射することにより試料画像を観
察することを可能にする荷電粒子光学系と、荷電粒子線
を偏向させ、観察中の試料画像の視野を移動させる偏向
器と、偏向器への偏向信号値と視野の移動量との関係を
予め格納・記憶する第2の記憶手段と、試料ステージの
移動量と、第1の記憶手段に格納・記憶されている関係
とから、試料ステージを所定の距離だけ移動させたとき
に発生する試料ステージの位置ずれ量の値を算出する手
段と、算出された試料ステージの位置ずれ量の値と、第
2の記憶手段に格納・記憶されている関係とから、試料
ステージの位置ずれ量に起因する視野のずれを補正する
ために偏向器へ供給すべき偏向信号値を決定する手段と
を備え、試料ステージの移動量に応じて決定された偏向
信号値に基づく偏向信号を偏向器に供給するようにした
ことを特徴としている。
【0012】また、試料を所定の距離だけ移動できる試
料ステージと、試料ステージ上の試料に対して荷電粒子
線を照射することにより試料画像を観察することを可能
にする荷電粒子光学系と、荷電粒子線を偏向させ、観察
中の試料画像の視野を移動させる偏向器と、試料ステー
ジの移動量と、試料ステージを所定の距離だけ移動させ
たときに発生する試料ステージの位置ずれ量を補正する
ために偏向器へ供給すべき偏向信号値との関係を、予め
格納・記憶する記憶手段と、該記憶手段に格納・記憶さ
れた関係と試料ステージの移動量とに基づいて、偏向器
へ供給すべき偏向信号値を決定する手段とを備え、試料
ステージの移動量に応じて決定された偏向信号値に基づ
く偏向信号を偏向器に供給するようにしたことを特徴と
している。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1は、本発明にかかる荷電粒
子線装置の一実施例として、透過型電子顕微鏡の構成を
示したものである。図中1は、電子銃である。電子銃1
から放出された電子線2は、照射レンズ3によって集束
され、試料ホルダー4上の試料5に照射される。このと
きの照射位置は、試料ホルダー4の位置を制御する試料
ステージ6によって制御されている。
【0014】試料5を透過した電子線2は、対物レンズ
7や結像レンズ8によって拡大され、蛍光板9上で試料
画像となる。この試料画像は、蛍光板9の下に置かれた
TVカメラ10により撮像されて、コンピューター11
に取り込まれる。なお、対物レンズ7と結像レンズ8の
間には、試料像の位置を調節するための電気視野移動コ
イル12が設けられており、このコイル12に流される
電流量は、電流供給装置13を介して、コンピューター
11により制御されている。
【0015】また、蛍光板9上の試料画像を移動させ
て、観察したい箇所を観察視野の中心に持ってこさせる
ために、試料5と試料ホルダー4を載置している試料ス
テージ6には、パルスモーターなどの試料移動機構14
とポテンショメーターなどの位置センサー15が接続さ
れ、試料移動機構14はドライバー16を介して、ま
た、位置センサー15は図示しないA/D変換器を介し
て、それぞれコンピューター11と接続されている。
【0016】このような構成において、本発明は、試料
ステージ移動機構に固有の機械的な遊び(ガタ)などの
影響によって低下しがちな観察視野の設定再現性を、試
料ステージの試料移動機構と電気視野移動コイルとを併
用することによって高めるものである。本発明は、図2
に示すように、次のようなステップで実行される。
【0017】まず、最初のステップとして、本発明を実
施するための準備の1つである、試料の移動距離と、試
料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホル
ダーのたわみなどの総量との関係の定式化を行なう。そ
のために、まず、透過型電子顕微鏡の倍率を高倍率に設
定する。そして、観察したい試料位置を最初に試料ステ
ージ移動機構によって観察視野の中心に移動させ、この
ときの試料ステージの座標値(X0、Y0)を記録する。
【0018】次に、試料ステージ移動機構によって試料
をX方向とY方向にそれぞれ1μmずつ移動させて、意
図的に視野をずらした後、最初に観察した試料位置を観
察視野の中心に再び持ってきて、観察視野を再現させ、
このときの位置センサーの座標値(X1、Y1)を記録す
る。このときの位置センサーの座標値(X1、Y1)は、
試料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホ
ルダーのたわみなどの存在のため、もとの値(X0
0)には戻らない。これにより、X方向とY方向にそ
れぞれ1μmずつ移動させた場合に発生する、試料ステ
ージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホルダーの
たわみなどの総量に由来する位置ずれ量(X 1−X0、Y
1−Y0)が測定される。
【0019】次に、試料ステージ移動機構によって試料
をX方向とY方向にそれぞれ2μmずつ移動させて、意
図的に視野をずらした後、最初に観察した試料位置を観
察視野の中心に再び持ってきて、観察視野を再現させ、
このときの位置センサーの座標値(X2、Y2)を記録す
る。このときの位置センサーの座標値(X2、Y2)は、
試料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホ
ルダーのたわみなどの存在のため、もとの値(X0
0)には戻らない。これにより、X方向とY方向にそ
れぞれ2μmずつ移動させた場合に発生する、試料ステ
ージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホルダーの
たわみなどの総量に由来する位置ずれ量(X 2−X0、Y
2−Y0)が測定される。
【0020】同様の方法で、試料ステージ移動機構によ
って試料を動かす距離を次第に大きくしながら記録を繰
り返し、最終的に、1mm程度まで試料を移動させた
後、最初に観察した試料位置を観察視野の中心に再び持
ってきて、このときの位置センサーの座標値(Xn
n)を記録する。このときの位置センサーの座標値
(Xn、Yn)は、試料ステージ移動機構の機械的な遊び
(ガタ)や試料ホルダーのたわみなどの存在のため、も
との値(X0、Y0)には戻らない。これにより、試料を
X方向とY方向にそれぞれ1mmずつ移動させた場合に
発生する、試料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガ
タ)や試料ホルダーのたわみなどの総量に由来する位置
ずれ量(Xn−X0、Yn−Y0)が測定される。
【0021】こうして最終的に得られる、試料の移動距
離と、試料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や
試料ホルダーのたわみなどの総量に由来する位置ずれ量
との関係は、図3(a)に示すような弓なり状の曲線で
表わされる。このときの位置ずれ量の最大値は、約10
μmである。なお、同様の測定は、XY座標系の正の方
向のみならず、負の方向に対しても行なわれる。
【0022】最後に、図3(a)に示されるような、試
料の移動距離と、試料ステージ移動機構の機械的な遊び
(ガタ)や試料ホルダーのたわみなどの総量に由来する
位置ずれ量との関係を、数学的な相関関係式(第1の関
係式)にまとめ、透過型電子顕微鏡のコンピューターに
記憶させる。ここまでのステップが、試料の移動距離
と、試料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試
料ホルダーのたわみなどの総量に由来する位置ずれ量と
の関係を定式化する段階である。
【0023】次に、2番目のステップとして、本発明を
実施するためのもう1つの準備である、電気視野移動コ
イルに流される電流量と、観察視野の移動量との関係の
定式化を行なう。そのために、まず、透過型電子顕微鏡
の倍率を高倍率に設定する。そして、電気視野移動コイ
ルを流れる電流値をほぼゼロに設定した後、観察したい
試料位置を、試料ステージ移動機構によって、観察視野
の中心に移動させる。
【0024】次に、試料ステージ移動機構によって試料
をX方向とY方向にそれぞれ0.5μmずつ移動させた
後、電気視野移動コイルに電流を流して、観察視野を試
料の移動前の位置に戻し、このときの電流値を記録す
る。これにより、観察視野がX方向とY方向にそれぞれ
0.5μmずつずれた場合に、そのずれの補正に必要な
電気視野移動コイルの電流値が測定される。
【0025】次に、試料ステージ移動機構によって試料
をX方向とY方向にそれぞれ1μmずつ移動させた後、
電気視野移動コイルに電流を流して、観察視野を試料の
移動前の位置に戻し、このときの電流値を記録する。こ
れにより、観察視野がX方向とY方向にそれぞれ1μm
ずつずれた場合に、そのずれの補正に必要な電気視野移
動コイルの電流値が測定される。
【0026】同様の方法で、試料ステージ移動機構によ
って試料を動かす距離を次第に大きくしながら記録を繰
り返し、最終的に、10μm程度まで試料を動かした
後、電気視野移動コイルに電流を流して、観察視野を試
料の移動前の位置に戻し、このときの電流値を記録す
る。これにより、観察視野がX方向とY方向にそれぞれ
10μm程度ずれた場合に、そのずれの補正に必要な電
気視野移動コイルの電流値が測定される。試料ステージ
の位置ずれ量の最大値は、前述したように10μm程度
なので、試料ステージの位置ずれ量と電気視野移動コイ
ルの電流値の関係は、予め10μm程度まで測定してお
けば、実用に耐えるデータとなる。
【0027】こうして最終的に得られる、試料の移動距
離と、電気視野移動コイルに流される電流量との関係
は、図3(b)に示すようなほぼ直線の関係、すなわち
正比例の関係で表わされる。なお、同様の測定は、XY
座標系の正の方向のみならず、負の方向に対しても行な
われる。
【0028】最後に、図3(b)に示されるような、電
気的な視野の移動距離と、電気視野移動コイルに流され
る電流量との関係を、数学的な相関関係式(第2の関係
式)にまとめ、透過型電子顕微鏡のコンピューターに記
憶させる。ここまでのステップが、電気的視野移動量
と、電気視野移動コイルに流される電流量との関係を定
式化する段階である。
【0029】このようにして求めた第1の関係式と第2
の関係式において、第1の関係式の位置ずれ量と第2の
関係式の電気的視野移動量をお互いに一致させることに
よって、図3(c)に示されるような、試料ステージ移
動機構の移動量と、そのときに生じる位置ずれ量を補正
するための電流量との関係が求められる。
【0030】なお、上記実施例では、試料ステージ移動
機構の移動距離と位置ずれ量との関係と、電気的視野移
動量と電気視野移動コイルに流す電流との関係を、それ
ぞれ独立に求めたが、試料ステージ移動機構で試料を所
定量だけ移動したときに生じる位置ずれ量を補正するよ
うな電気視野移動コイルの電流量を直接調べて、記憶手
段に格納・記憶させても良い。また、上記実施例では、
X軸とY軸を連動させてデータの取得を行なったが、X
軸とY軸をそれぞれ独立に調べても良いことは言うまで
もない。
【0031】なお、このような2つのステップで構成さ
れる準備作業は、実際に本発明が実施される前に、すべ
て完了させておく必要がある。
【0032】さて、準備作業が完了した後、本発明は、
次のようにして実施される。まず、試料を試料ステージ
上に載せて、透過型電子顕微鏡で試料画像の観察を行な
う。このとき、観察を行ないながら、後でもう一度戻っ
て再び観察したい場所の座標値(X、Y)を、コンピュ
ーターに登録・記憶させておく。この座標値は、複数の
箇所を並行して登録・記憶させることができ、記憶させ
た結果は、一覧表として表示させることができるように
なっている。
【0033】所定の観察を行なった後、もう一度観察を
繰り返したい箇所がある場合は、記憶させておいた一覧
表を表示させ、もう一度観察したい箇所の座標値(X、
Y)を選択する。すると、現在の座標値(X'、Y')と
の差分である(X'−X、Y'−Y)だけ、試料ステージ
移動機構が自動的に駆動して、試料位置が座標(X、
Y)に移動する。しかし、試料ステージや試料ホルダー
には、機械的な遊び(ガタ)やたわみが存在するので、
観察したい場所を、位置ずれを生じることなく正確に観
察視野内に再現設定させることは困難である。そこで、
このときの試料ステージの機械的な遊び(ガタ)や試料
ホルダーのたわみに起因する試料位置再現性のずれ量
を、差分(X'−X、Y'−Y)の値と第1の関係式とに
基づいて、コンピューターによって自動的に算出させ
る。そして、算出された位置ずれ量と第2の関係式とか
ら、この位置ずれ量を補正するのに必要な、電気視野移
動コイルに流すべき電流量を、コンピューターによって
自動的に決定させる。そして、その電流量を、試料ステ
ージの移動完了後に、電気視野移動コイルに加算(また
は減算)させるようにする。その結果、試料ステージの
機械的な遊び(ガタ)や試料ホルダーのたわみなどに起
因する試料位置再現性の機械的なずれ量は、電気視野移
動コイルに電流を流すという電気的な方法によって自動
的に補正され、試料の観察したい箇所が、透過型電子顕
微鏡の観察視野の中心に自動的に表示されるようにな
る。
【0034】尚、本実施例では、試料ステージの移動量
と、試料ステージを所定の距離だけ移動させたときに発
生する試料ステージの位置ずれ量との関係を測定するた
めの方法として、試料を所定の距離だけ移動させた後、
再びもとの位置に戻すことにより、位置ずれ量を求める
方法を採用したが、本発明は、必ずしもこの方法に限定
されるものではない。
【0035】例えば、試料ステージ上に所定の間隔の格
子を設けておき、格子の目を数えることによって、試料
ステージの移動量と、試料ステージを所定の距離だけ移
動させたときに発生する試料ステージの位置ずれ量との
関係を測定しても良い。また、予め、電気視野移動コイ
ルを流れる電流量と、透過型電子顕微鏡の観察視野の移
動距離との関係が分かっている場合は、試料ステージを
所定の距離だけ移動させた後、電気視野移動コイルに電
流を流して試料画像を再びもとの位置に戻し、そのとき
流れている電流値を正確に測定することによって、試料
ステージの移動量と、試料ステージを所定の距離だけ移
動させたときに発生する試料ステージの位置ずれ量との
関係を測定しても良い。
【0036】また、本発明は、透過型電子顕微鏡に限定
されるものではない。透過型電子顕微鏡以外の荷電粒子
線装置にも応用できるものであることは言うまでもな
い。
【0037】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の荷電粒子線
装置によれば、試料ステージ移動機構の機械的な誤差を
電気視野移動コイルで電気的に補正することによって、
試料ステージ移動機構の機械的な遊び(ガタ)や試料ホ
ルダーのたわみなどの影響による試料位置の再現性のば
らつきを相殺させるようにしたので、試料ステージをい
ったん移動させた後であっても、もう一度繰り返して観
察したい箇所を指定すれば、その観察位置を正確に、観
察視野の中心に自動的に設定させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる荷電粒子線装置の一実施例を示
す図である。
【図2】本発明を実施するための方法を示す流れ図であ
る。
【図3】試料の移動距離、試料の位置ずれ量、および、
試料の位置ずれ量を補正するために電気視野移動コイル
に流す電流量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1・・・電子銃、2・・・電子線、3・・・照射レンズ、4・・・試
料ホルダー、5・・・試料、6・・・試料ステージ、7・・・対
物レンズ、8・・・結像レンズ、9・・・蛍光板、10・・・T
Vカメラ、11・・・コンピューター、12・・・電気視野移
動コイル、13・・・電流供給装置、14・・・試料移動機
構、15・・・位置センサー、16・・・ドライバー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を所定の距離だけ移動できる試料ステ
    ージと、試料ステージの移動量と、試料ステージを所定
    の距離だけ移動させたときに発生する試料ステージの位
    置ずれ量との関係を、予め格納・記憶する第1の記憶手
    段と、試料ステージ上の試料に対して荷電粒子線を照射
    することにより試料画像を観察することを可能にする荷
    電粒子光学系と、荷電粒子線を偏向させ、観察中の試料
    画像の視野を移動させる偏向器と、偏向器への偏向信号
    値と視野の移動量との関係を予め格納・記憶する第2の
    記憶手段と、試料ステージの移動量と、第1の記憶手段
    に格納・記憶されている関係とから、試料ステージを所
    定の距離だけ移動させたときに発生する試料ステージの
    位置ずれ量の値を算出する手段と、算出された試料ステ
    ージの位置ずれ量の値と、第2の記憶手段に格納・記憶
    されている関係とから、試料ステージの位置ずれ量に起
    因する視野のずれを補正するために偏向器へ供給すべき
    偏向信号値を決定する手段とを備え、試料ステージの移
    動量に応じて決定された偏向信号値に基づく偏向信号を
    偏向器に供給するようにしたことを特徴とする荷電粒子
    線装置。
  2. 【請求項2】試料を所定の距離だけ移動できる試料ステ
    ージと、試料ステージ上の試料に対して荷電粒子線を照
    射することにより試料画像を観察することを可能にする
    荷電粒子光学系と、荷電粒子線を偏向させ、観察中の試
    料画像の視野を移動させる偏向器と、試料ステージの移
    動量と、試料ステージを所定の距離だけ移動させたとき
    に発生する試料ステージの位置ずれ量を補正するために
    偏向器へ供給すべき偏向信号値との関係を、予め格納・
    記憶する記憶手段と、該記憶手段に格納・記憶された関
    係と試料ステージの移動量とに基づいて、偏向器へ供給
    すべき偏向信号値を決定する手段とを備え、試料ステー
    ジの移動量に応じて決定された偏向信号値に基づく偏向
    信号を偏向器に供給するようにしたことを特徴とする荷
    電粒子線装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004342401A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Jeol Ltd 透過電子顕微鏡における試料交換装置

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JP2004342401A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Jeol Ltd 透過電子顕微鏡における試料交換装置

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