JP2002107846A - 画像補正システムおよび方法 - Google Patents

画像補正システムおよび方法

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JP2002107846A
JP2002107846A JP2000299679A JP2000299679A JP2002107846A JP 2002107846 A JP2002107846 A JP 2002107846A JP 2000299679 A JP2000299679 A JP 2000299679A JP 2000299679 A JP2000299679 A JP 2000299679A JP 2002107846 A JP2002107846 A JP 2002107846A
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Masami Kojima
正見 小嶋
Kenichi Wada
謙一 和田
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント濃度にムラのない、所望の画像を出
力できる出力装置およびその方法を提供することであ
る。 【解決手段】 各々が光を照射して感光材料を露光させ
る複数の画素、複数の画素の点灯を制御する制御部、お
よび複数の画素の各々の光量を測定する光センサを備
え、複数の画素で感光材料を露光した結果得られたプリ
ントを出力する出力装置と、出力装置から出力されたプ
リントの濃度を読み取るスキャナとを備え、制御部は、
光センサの測定結果に基づいて複数の画素の各々の光量
を補正し、スキャナに読み取られたプリントの濃度に基
づいて複数の画素の各々の光量を補正してプリントの画
像のムラを補正する、画像補正システム等を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷された画像の
画質補正に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印画紙等の感光材料を感光させ、
感光材料に画像を形成してプリント出力を行う出力装置
が知られている。このような出力装置には、感光材料を
感光させるためにライン型光源を用いるものがある。ラ
イン型光源は、複数の画素がライン状に配列され、その
画素の各々を点灯させることができる光源である。複数
の画素の各々は独立して点灯され、かつ独立してその光
量が調節可能なので、所望の位置に所望の濃さで感光材
料を感光させ、画像を形成できる。
【0003】ライン型光源を有する出力装置で所望の画
像濃度(プリント濃度)を得るためには、どの画素も必
要とされる光量で点灯しなければならない。したがっ
て、画素が必要な光量で点灯されていない場合には所望
のプリント濃度が得られない。このような場合には、光
量を補正しそれによりプリントの濃度を補正する必要が
ある。画素の光量の補正は、画素各々の光量を測光セン
サにより測定(測光)し、必要な光量が得られるような
補正値を計算することにより行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、測光による濃
度補正では、画像全体のプリント濃度ムラを十分除去す
ることができない。その理由は、測光センサと印画紙の
感度差、測光センサによる画素測光範囲と印画紙の受光
範囲の差、および画素内の光量分布や隣接の画素から廻
り込んでくる漏れ光等の影響により、画素の光量を均一
にできないからである。そして、画素内の光量分布およ
び漏れ光の光量は非均一であることから、画像全体のプ
リント濃度ムラを補正することは困難であった。
【0005】本発明の目的は、プリント濃度にムラのな
い、所望の画像を出力できる出力装置およびその方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による画像補正シ
ステムは、各々が光を照射して感光材料を露光させる複
数の画素、前記複数の画素の点灯を制御する制御部、お
よび前記複数の画素の各々の光量を測定する光センサを
備え、前記複数の画素で前記感光材料を露光した結果得
られたプリントを出力する出力装置と、出力装置から出
力された前記プリントの濃度を読み取るスキャナとを備
え、前記制御部は、光センサの測定結果に基づいて前記
複数の画素の各々の光量を補正し、前記スキャナに読み
取られたプリントの濃度に基づいて前記複数の画素の各
々の光量を補正して前記プリントの画像のムラを補正す
る、画像補正システムであり、これにより上記目的が達
成される。
【0007】制御部は、前記複数の画素の各々の光量に
基づいて第1の補正値を算出し、算出した前記第1の補
正値に基づいて前記感光材料を露光させ、スキャナは、
露光して出力された前記プリントの濃度を読み取り、前
記制御部は、前記スキャナによって読み取られた前記プ
リントの濃度に基づいてさらに第2の補正値を算出し、
算出した前記第2の補正値に基づいて前記複数の画素の
各々の光量を補正してもよい。
【0008】前記出力装置は、前記第1の補正値と、前
記第2の補正値とを格納する格納部をさらに備えていて
もよい。
【0009】前記光センサは、前記第2の補正値に基づ
く前記複数の画素の各々の光量をさらに測定し、測定結
果に基づいて前記第1の補正値を更新してもよい。
【0010】前記複数の画素は、ライン型光源に接続さ
れた光シャッターにより構成されてもよい。
【0011】前記光シャッターは、PLZTシャッター
であってもよい。
【0012】前記プリントには、前記画像を構成する複
数のドットの各々と、各ドットを露光した前記複数の画
素の各々とを同定するための基準となるマーカ、および
複数の濃度を有する画像が印刷されており、前記制御部
は、スキャナによる前記マーカの読み取り結果に基づい
て、前記複数のドットの各々と、前記複数の画素の各々
とを同定し、スキャナによる前記プリントに印刷された
複数の濃度の読み取り結果に基づいて、前記第2の補正
値を算出してもよい。
【0013】前記スキャナが前記画像を読み取る解像度
は、前記光シャッターの解像度よりも高く、前記制御部
は、スキャナにより読み取った画像の解像度を、光シャ
ッターの出力解像度に密度変換してもよい。
【0014】前記マーカは複数存在し、前記制御部は、
複数の前記マーカ間の距離に基づいて前記密度変換を行
ってもよい。
【0015】複数の前記マーカの各々は、前記マーカの
近隣に存在する所定数のドットの光量ムラに対して、十
分大きな濃度差を有していてもよい。
【0016】前記制御部は、前記複数のドットの各々に
関する光量の測定値と、前記測定値の平均値との比に基
づいて前記第2の補正値を算出してもよい。
【0017】前記プリントには、さらに相異なる複数の
色を用いた画像が印刷されており、前記制御部は、前記
光量の測定値と前記複数の色に対応する目標値とに基づ
いて、色バランスの補正を行ってもよい。
【0018】制御部は、算出した前記第2の補正値に基
づいて前記複数の画素の各々の光量を補正した後に、マ
ーカを含まないマーカ無しプリントをさらに出力し、ス
キャナは、出力された前記マーカ無しプリントの濃度を
読み取り、前記制御部は、前記スキャナによって読み取
られた前記マーカ無しプリントの濃度に基づいてさらに
第3の補正値を算出し、算出した前記第3の補正値に基
づいて前記複数の画素の各々の光量をさらに補正しても
よい。
【0019】光センサは、前記複数の画素の各々の光量
を所定数の階調だけ測定し、出力装置により露光して出
力された前記プリントは、1階調で露光されていてもよ
い。
【0020】本発明による画像補正方法は、各々が光を
照射して感光材料を露光させる複数の画素、および前記
複数の画素の各々の光量を測定する光センサを備えた出
力装置おいて行われる画像補正方法であって、光センサ
の測定結果に基づいて前記複数の画素の各々の光量を補
正するステップと、前記複数の画素の補正後の光量によ
り前記感光材料を露光し、プリントを出力するステップ
と、出力された前記プリントの濃度をスキャナにより読
み取るステップとスキャナにより読み取られたプリント
の濃度に基づいて前記複数の画素の各々の光量を補正
し、前記プリントの画像のムラを補正するステップとか
らなる画像補正方法であり、これにより上記目的が達成
される。
【0021】光センサの測定結果に基づいて補正する前
記ステップは、前記複数の画素の各々の光量に基づいて
第1の補正値を算出するステップと、算出した前記第1
の補正値に基づいて前記複数の画素の各々の光量を補正
するステップとからなり、プリントの濃度に基づいて補
正する前記ステップは、スキャナにより読み取られた前
記プリントの濃度に基づいてさらに第2の補正値を算出
するステップと、算出した前記第2の補正値に基づいて
前記複数の画素の各々の光量を補正するステップとから
なっていてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の実施の形態1および2を説明する。
【0023】(実施の形態1)実施の形態1は、測光に
よりライン型光源の複数の画素個々の光量を補正し、そ
の後さらにスキャナ読み取りの結果を利用して複数の画
素個々の光量を補正する。これにより、ライン型光源の
複数の画素は、測光のみによる補正と比較してより均一
な光量で点灯されるので、プリント全体の濃度ムラが大
幅に低減される。なお以下では、測光による画素光量の
補正を「測光補正」と、スキャナ読み取りによる画素光
量の補正を「スキャナ補正」という。測光補正およびス
キャナ補正の具体的な内容は、図5〜7を参照して後述
する。
【0024】図1は、本発明による画像補正システム1
90を示す。画像補正システム190は、画像出力装置
100から出力されたプリントの濃度、色等の画像の画
質を補正する。
【0025】以下ではまず画像補正システム190の構
成を説明し、その後画像補正システム190の動作を説
明する。画像補正システム190は、印画紙等の感光材
料に画像を印刷してプリント出力する画像出力装置10
0と、画像出力装置100から出力されたプリントの色
彩、濃度等を読み取るスキャナ150とを有する。画像
出力装置100とスキャナ150とは通信ケーブル16
0で接続されている。画像出力装置100は、画像の補
正後は、例えば単体でコインベンダー式の印刷装置、プ
リンタ等として印刷動作を行う。画像出力装置100に
おける画像の補正は通常の動作とは異なるので、画像出
力装置100の作業者はメンテナンス用に前扉104を
手前に開いて通信ケーブル160により画像出力装置1
00とスキャナ150とを接続する。印刷されたプリン
トは、排出口102から排出される。一方スキャナ15
0は、例えば、下から原稿(プリント)に光を照射しな
がら読み取りヘッドを移動させ、プリントを読み取るフ
ラットベッドスキャナ等の、周知のスキャナである。
【0026】図2は、画像補正システム190の画像出
力装置100の内部の構成を示す。画像出力装置100
は、所望の画像を印画紙に露光して出力するプリンタで
ある。画像出力装置100は、ペーパーマガジン210
に収納された印画紙212と、印画紙212を露光する
露光部220と、印画紙212を現像する現像部230
と、印画紙212を乾燥する乾燥部240と、印画紙2
12をプリントとして出力する出力トレイ250とを含
む。これらの構成要素は、印画紙の搬送路214の始
端、終端および搬送路214に沿って途中に配置されて
いる。搬送路214とは、複数のローラにより形成され
た、印画紙212の搬送経路である。画像出力装置10
0はさらに、スキャナ150から受け取ったデータを処
理し、印画紙への画像の印刷する等、画像出力装置10
0のすべての動作を制御する制御部260と、後述のル
ックアップテーブル(LUT)を格納する、書き換え可
能なフラッシュROM等のメモリ262とを含む。
【0027】このような画像出力装置100がプリント
を出力するまでの処理を簡単に説明する。まず画像出力
装置100の制御部260は、印画紙212を搬送路2
14に沿って引き出し、必要な長さにカットする。制御
部260は、カットした印画紙212をプリント用に信
号処理された画像データに基づいて露光部220で露光
させる。制御部260は、露光した印画紙をさらに搬送
し、現像部460において現像処理、定着処理および安
定化処理を施す。その後、乾燥部470で乾燥する。制
御部260は、現像し、乾燥した印画紙を、プリントと
して出力トレイ250に出力する。出力トレイ250
は、排出口102(図1)と内部で接続されており、プ
リントは排出口102(図1)から出力される。なお露
光部220、現像部460および乾燥部470は、印刷
機構とも言及される。
【0028】続いて、画像の画質を決定する露光部22
0の具体的な構成を説明する。図3は、露光部220の
構成を示す。露光部220は印画紙212(図2)に光
を照射する装置であり、光を照射する位置および光量を
調整することにより印画紙212(図3)上に所望の画
像を形成する。本発明では、プリント濃度にムラのない
所望の画像を出力するために、露光部220から照射さ
れる光量を補正する。この詳しい手順は後述する。
【0029】露光部220は、光を照射する光源302
と、透過した光を青、緑、赤色の光にするBGRフィル
タ304と、低損失で光を伝送する光ファイバ等の光導
波路306と、光シャッター308とを有する。光源3
02から出射した光は、光導波路306によりライン状
の光となって光シャッター308に導かれる。そのた
め、光源302と光導波路306とは、いわゆるライン
型光源を構成する。ライン型光源は、複数の画素(素
子)がライン状に配列されている光シャッター308に
導かれる。光シャッター308は、画素のオン動作で光
源302から照射された光を透過させ、画素のオフ動作
で遮断する。なお本明細書では、画素が光を透過して光
を照射することを画素の「点灯」という。露光部220
の光シャッター308が例えばPLZTシャッターであ
る場合、制御部260(図2)は、所定の露光条件、す
なわち所望の画像を表示するための露光条件をドット毎
に分解して露光制御信号に変換し、この露光制御信号を
各ドットに対応する複数のPLZT素子の各々に供給す
る。光シャッター308の画素がオンされて透過した光
は、印画紙212(図2)、電子写真用感光体等の感光
材料310に照射され、それにより感光材料を感光させ
ることができる。
【0030】露光部220にはさらに、光センサ312
が付帯して設けられている。光センサ312は主走査方
向Xに沿って移動し、複数の画素の各々の光量を測定す
る。ここでは、光センサ312が複数の画素の各々の光
量を測定することを「測光する」という。
【0031】次に図4を参照して、画像補正システム1
90(図1)の動作を説明する。図4は、画像補正シス
テム190の概略的な動作手順を示す。画像補正システ
ム190は、画像出力装置100が製品として市場に出
荷される前と後とで、それぞれ画像出力装置100から
出力されたプリント画像の補正を行う。本実施の形態に
おけるプリント画像の補正処理(後述する測光補正処理
およびスキャナ補正処理)は制御部260(図2)によ
り行われる。なお制御部260(図2)を含む画像出力
装置100(図1)とスキャナ150(図1)とは別体
であるので、スキャナ補正時は、制御部260(図2)
は通信ケーブル160(図1)を介してスキャナ150
(図2)からスキャナ読み取りデータを受け取り、その
データに基づいて補正を行う。
【0032】まず画像出力装置100の出荷前におい
て、画像補正システム190(図1)は、画像出力装置
100内の測光補正を行う(ステップS402)。測光
補正の具体的な手順は、図5および6を参照して後述す
る。測光補正後、画像出力装置100(図1)は一度プ
リントを印刷する。作業者は測光補正の結果に基づいて
印刷されたプリントに基づいてスキャナ補正を行う(ス
テップS404)。スキャナ補正の具体的な手順は、図
7を参照して後述する。測光補正とスキャナ補正とが終
了した後は、測光補正およびスキャナ補正に基づくルッ
クアップテーブル(LUT)が作成されていることか
ら、このLUTを出荷時のLUTとして設定する(ステ
ップS406)。ここで、「LUT」とは、画素を点灯
させ感光材料310(図3)を感光させた場合の表示可
能な階調値と、各階調値を実現するために必要なパルス
幅との対応を示す表(グラフ)である(例えば、図6の
(a)の(イ)または(ロ))。各画素は、パルスが印
加されている間だけオンして光を透過するので、印加さ
れるパルス幅が大きいほど印画紙212(図2)はより
感光し、階調はより濃くなる。LUTのより詳しい説明
は、図6を参照して後述する。設定されたLUTは、書
き換え可能なフラッシュROM等のメモリ262(図
2)に格納される。設定が終了すると、画像出力装置1
00(図1)は、製品として出荷される(ステップS4
08)。
【0033】出荷が行われたあと年月が経過すると、画
像出力装置100(図1)の出力特性は経時変化する。
したがって画素の光量を補正し、所望の光量で点灯させ
る必要が生じる。本発明では、出荷後の画素光量の補正
は、測光補正とする。スキャナ補正を利用することも可
能であるが、出荷前に一旦スキャナによる光学補正を行
っていること、およびスキャナ150(図3)の光シャ
ッター308(図3)の特性は経時的変化が少ないこと
から、測光補正のみで画像のプリント濃度ムラ等は十分
除去可能である。以上のような理由から、出荷後の測光
補正が必要か否かを判断する(ステップS410)。測
光補正が必要な例は、一定数以上の画素の光量が所定の
許容範囲を超えた場合である。測光補正が必要であれば
(ステップS410の「はい」)、出荷後の測光補正を
行う(ステップS412)。測光補正が終了すると、そ
の結果と出荷前のスキャナ補正の結果とに基づいて、新
たなLUTを作成し(ステップS414)、処理を終了
する。作成された新たなLUTはメモリ262(図2)
に格納される。画素の点灯には新たなLUTが利用され
るので、より均一かつ安定した光量で感光材料を感光さ
せることができる。一方、測光補正が不要であれば(ス
テップS410の「いいえ」)、測光補正処理は行われ
ず処理は終了する。
【0034】次に図5を参照して、出荷前の測光補正の
より詳しい処理手順を説明する。この処理手順は、図4
のステップS402に対応する。図5は、出荷前の測光
補正の手順を示す。まず、制御部260(図2)は露光
部220(図2)を制御してリニアLUTにより各画素
を点灯させ(ステップS502)、各画素の光量を測定
し(ステップS504)、各画素の光量に基づいて補正
値を算出する(ステップS506)。以下、より詳しく
説明する。図6はLUTを示す。まずリニアLUTは、
図6の(a)において直線(イ)で表される。表示可能
な階調が1024段階で、階調0のときのパルス幅を
0、階調1023のときのパルス幅を1(図6の
(b))とすると、リニアLUTでは、その間の階調と
パルス幅の関係は直線により表される。例えば、中央の
階調値511を表示させたいときには、0.5のパルス
幅を与えればよい(図6の(c))。このような画一的
なLUTを利用するのは、この段階ではまだ適切なLU
Tが得られていないからである。
【0035】各画素の光量をそれぞれ測定するために、
リニアLUTに基づいて各画素を点灯させる。各画素の
点灯をパルス幅を0から1まで1/(全階調数)ごとに
徐々に変化させて行うことで、1階調毎に測光してもよ
いし、所定数のパルス幅(例えば、0、0.1、0.
2、…、0.9、1)を与えることで所定数の階調で測
光し、その後全階調の光量を近似してもよい。
【0036】リニアLUTに基づいて画素を点灯させる
ので、点灯すべき本来の強度は理論上容易に得ることが
できる。そこで、理論上得られた光量と測光により得ら
れた光量とを比較すれば、画素に印加するパルス幅を補
正値として画素毎に算出できる。図6の(a)を参照し
て説明すると、リニアLUT(イ)によれば、階調51
1で表示させたい場合のパルス幅は理論上は0.5であ
る。しかし、実際の計測により階調511を与えるパル
ス幅がαとなっていた場合には、パルス幅を0.5から
αに変更する。したがって(d)に示すように、パルス
幅が0.5の時と比べて(α/0.5)倍長いパルス幅
を印加することになる。このように各画素の光量に基づ
いて、各階調を与えるパルス幅を補正値として算出する
(図5のステップS506)。算出した補正値は、図6
の(a)において直線(ロ)で表される測光補正LUT
の作成に利用される。
【0037】再び図5を参照して、得られた測光補正L
UTに基づいて各画素を点灯し(ステップS510)、
その光量を測定することにより(ステップS512)、
各画素のそれぞれについて所望の光量で点灯されている
か否かの検査を行う。この検査は、各画素の光量が許容
範囲内にあるか否かの検査である(ステップS51
4)。許容範囲は、例えば、本来必要な光量の2〜3パ
ーセント以内である。その結果、各画素の光量が許容範
囲の範囲内にない場合には、その測定した各画素の光量
に基づいて、さらに補正値を算出する(再びステップS
506に戻る)。以後は、上記説明と同じである。一
方、各画素の光量が許容範囲の範囲内にある場合には、
処理は終了する。このようにして測光補正LUTを各画
素毎に求めることにより、すべての画素が個々に補正さ
れた光量で点灯される。このようにして得られた測光補
正LUTは、さしあたって画像出力装置100(図1)
が画像プリントを出力する際のLUTとして採用され
る。
【0038】次に、図7は、(出荷前の)スキャナ補正
の処理手順を示す。この処理手順は、図4のステップS
404に対応する。図5は、スキャナ補正の手順を示
す。まずスキャナ補正とは、スキャナ150(図1、
3)を利用して測光補正LUTに基づいて出力されたプ
リントの濃度を読み取り、その濃度が均一になるように
するための画素光量の補正である。測光補正のみでは、
各画素はそれ自体必要とされる光量で点灯されるが、画
素内の光量分布の非均一性および隣接画素からの漏れ光
等の影響により、得たい画質としては、部分的または全
体的に明るい場合や暗い場合がある。すなわち、画像全
体のプリント濃度ムラを十分除去できない場合がある。
スキャナ補正によれば、画素内光量分布の非均一性漏れ
光等その画素の点灯以外の要因をも考慮した画素の点灯
が可能になる。
【0039】まず初めは、測光補正の結果得られた測光
補正LUTにより各画素装置を点灯し、プリントを行う
(ステップS702)。プリントの内容は、例えば、単
一または複数階調の画像、または実施の形態2で説明す
るようなスキャナ補正用画像(図10)である。プリン
ト後、スキャナ150(図1、3)によりそのプリント
のプリント濃度を読み取る(ステップS704)。読み
取られたプリント濃度は、通信ケーブル160(図2)
を介して画像出力装置100(図3)の制御部260
(図3)に送信される。制御部260(図3)はプリン
ト濃度に基づいて各画素の補正値を算出する(ステップ
S706)。この補正値とは、上述の測光補正LUTで
説明したと同様の、パルス幅と階調の対応関係を補正し
た値である。単一階調の画像をスキャナで読み取った場
合には、その階調で均一に点灯されるように各画素のパ
ルス幅を調整する。このとき、プリント画像を構成する
各ドットとそのドットに対応する光シャッタ308(図
3)の画素の位置が同定(特定)され、画素毎のパルス
幅の調整が可能になる。なお、単一階調の画像を利用し
てスキャナ補正する場合には、ある1つの階調のみなら
ず、さらに別の階調の画像を読み取り、その階調での補
正値を求めることが好ましい。2以上の階調で補正値を
求めると様々な階調が忠実に再現できることになり、画
像ムラの補正がより正確に実現できるからである。
【0040】続いて、得られた補正値に基づいてスキャ
ナ補正LUTを作成する(ステップS708)。得られ
たスキャナ補正LUTが適切であるか否かを検査するた
めに、そのスキャナ補正LUTに基づいて各画素を点灯
し、プリントを行う(ステップS710)。
【0041】そのプリントのプリント濃度はスキャナ1
50(図3)により読み取られ(ステップS712)、
画像ムラが規定値以内か否かを判断する(ステップS7
14)。画像ムラは、例えば濃度ムラであるが、画像出
力装置100(図1)がカラー画像を出力する場合に
は、色ムラ等も含まれる。濃度ムラである場合は、規定
値は例えば必要な濃度の2〜3パーセント以内であれば
よい。画像ムラが規定値以内にない場合には、その測定
した濃度に基づいて、再び補正値を算出し(再びステッ
プS706に戻る)、適切な光量で各画素を点灯させ、
全体として画像ムラがなくなるようにする。一方、濃度
が許容範囲の範囲内にある場合には、処理は終了する。
なお、以下の説明で言及される「規定値」という語も、
上記と同様、必要な濃度の2〜3パーセント以内と解す
ればよい。
【0042】このように、本発明は、測光補正LUTだ
けでなくスキャナ補正LUTをも規定して各画素の光量
を調整するので、画像ムラのないプリントを得ることが
できる。換言すれば、本発明は、測光による画素単位の
光量の補正により画像ムラの高周波成分を除去し、画素
単位の測光補正では除去できない画像ムラの低周波成分
を、スキャナによる画素単位の光量の補正により除去す
る。これにより、画像ムラが一様に除去されたプリント
を得ることができる。このようにして得られたスキャナ
LUTは、測光補正LUTをさらに補正したものであ
り、画像出力装置100(図1)の製品出荷時のLUT
として設定される。製品出荷後は、画像出力装置100
(図1)は通常の印刷動作を行う。
【0043】続いて、出荷後に測光補正を行う場合を説
明する。この処理手順は、図4のステップS412に対
応する。図8は、出荷後の測光補正の手順を示す。出荷
後の測光補正は、上述のように、出荷後、画像出力装置
100(図1)の出力特性が経時変化することから適宜
行われる補正である。図8の各ステップは、原則として
出荷前の測光補正手順(図5)の各ステップと同じであ
るのでその説明は省略する。ただし留意すべきは、ステ
ップS802において各画素を点灯するLUTが、リニ
アLUTではなく現在のLUTであることである。「現
在のLUT」とは、出荷後初めての測光補正であれば出
荷時のLUT、2回目の測光補正であれば1回目の補正
により得られ、そのときに設定されているLUT等であ
る。以上のように、出荷後適宜LUTを更新することに
より、経時変化による画質の劣化が少ないプリントを得
ることができる。
【0044】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1で説明したスキャナ補正に適用可能な、マーカ
を利用したスキャナ補正を説明する。以下ではまずマー
カについて説明する。マーカを利用したスキャナ補正の
詳しい内容は、図9、図11および図12を参照して後
述する。
【0045】マーカとは、スキャナで画像を読み取った
際の画像を構成する各ドットと、各ドットを露光した光
シャッター308(図3)の各画素とを同定する(対応
付ける)ために、基準として用いられるマークである。
図10は、スキャナ補正用のマーカ付き画像を示す。マ
ーカ付き画像は、平行な2本のマーカMと、複数の濃度
差を有する画像とから構成されている。複数の濃度差を
有する画像は、濃度の大きいグレーと濃度の小さいグレ
ー、および3つの基準色(イエロー、マゼンタ、および
シアン)の5種類である。このように複数の濃度(階
調)のグレーおよび複数色の補正用画像を利用すること
により、濃度の大きいグレーまたは濃度の小さいグレー
の測定のみによる補正、またはそれらを組み合わた補正
のように、様々な組み合わせによる補正を行うことがで
きるので、1回のスキャナ読み取りで濃度ムラの補正お
よび色バランスの補正を実現できる。ただし以下では、
補正後の画像ムラの有無を確認するために、2回および
3回のスキャナ読み取りを行う場合も説明する。
【0046】スキャナ補正用画像では、グレーの濃度は
ID(Image Density)0.3〜1.0、イエロー、マ
ゼンタおよびシアンの濃度は、ID0.3〜1.5が好
ましい。この範囲の値であればスキャナは濃度差、およ
び色彩を十分検出できるからである。この説明からも明
らかなように、スキャナ補正は階調のみの補正だけでな
く、色彩の補正をも含む。なお、本発明では2本のマー
カMを利用してスキャナ補正を行う例を説明するが、こ
のマーカMは1本でも、3本以上でもよい。またマーカ
を利用すると、読み取りエラーを検出することもでき
る。例えば、2本のマーカMのそれぞれの測定結果を比
較することにより、スキャナにより読み取られるマーカ
付き画像がスキャナ上で傾いている場合に、作業者は読
み取り時のプリント原稿の傾きを検出し、修正すること
ができる。これに代えてスキャナ150(図2)に適当
な機構を設けて画像補正システム190が自動でその傾
きを修正してもよい。
【0047】続いてマーカMを利用したスキャナ補正を
説明する。本実施の形態におけるスキャナ補正も、実施
の形態1と同様、スキャナ150(図2)からマーカ付
き画像(図10)の読み取りデータを受け取った制御部
260(図2)により行われる。マーカMを利用したス
キャナ補正のうち、図9は、マーカM(図10)の補正
を行わないスキャナ補正手順を示す。マーカM(図1
0)は、上述したドットと画素とを同定する基準として
利用されると同時に、他のドットと同様にその色彩およ
び濃度の補正を利用するのに用いられる。図9における
スキャナ補正では、マーカM(図10)には、人間の眼
の識別能力が低いイエロー(または青色光(B光))が
付されていることが好ましい(人間の眼はイエローに関
する微妙な濃度の差を見分けることができない)。ま
た、マーカ付き画像(図10)中におけるこのマーカM
部分の濃度差は、マーカM近隣(例えば、隣接)の画素
の光量ムラよりも十分大きいことが好ましい。このよう
な濃度にすることで、制御部260(図2)は所定以上
の濃度差のある部分がマーカMであると判断できるから
である。
【0048】スキャナ補正処理において、制御部260
(図2)はまず測光補正LUTにより各画素を点灯し、
マーカ付き画像のプリントを行う(ステップS90
2)。「測光補正LUT」は図7で言及した測光補正L
UTと同じである。スキャナ150(図1)は、プリン
トされたマーカ付き画像のプリントを読み取る(ステッ
プS904)。プリントの読み取りは、プリント濃度の
読み取りを意味する。図9に示す処理はカラー印刷画像
(図10)を対象としており、カラー印刷は、標準的な
YMCの各色を用いて行われている。一方スキャナは、
青(B)、緑(G)、赤(R)の各色毎にプリント濃度
を測定することが多い。
【0049】プリントの読み取り解像度は、光シャッタ
ー308(図3)の出力解像度(すなわち光シャッター
308(図3)の画素の数)と同等またはそれ以上なの
で、読み取った画像の解像度を最終的な出力解像度まで
減少させる必要がある。出力解像度とは、光シャッター
308(図3)の画素がプリントに露光できる細かさで
ある。このような解像度の変換は、画素の密度を変換す
ることに相当するから、画素の密度変換と呼ばれる。密
度変換は制御部260(図2)が行う(ステップS90
6)。密度変換は、光シャッター308(図3)の画素
の数と、スキャナ150(図1)が読み取りに利用した
画素の数との比を考慮して行ってもよいし、平行な2本
のマーカM(図10)を利用してもよい。
【0050】平行な2本のマーカM(図10)を利用し
た密度変換を説明する。画像出力装置100(図2)の
制御部260(図2)は、2本のマーカM(図10)を
印刷した際のマーカM(図10)の間の画素数P(マー
カ間の光シャッター308(図3)の画素数)を把握し
ている。一方制御部260(図2)は、スキャナ150
(図2)により読み取られたマーカM(図10)の間の
画素数Sも把握できる。よって読み取った画像の画素密
度をP/S倍にすれば、光シャッター308(図3)の
画素数と同じ画素密度に変換できる。これにより、画素
数Sは画素数Pに変換される。この処理は、読み取り画
像の画素を単にS/P個おきに選択することによって実
現される。なお、光シャッター308(図3)の画素サ
イズおよびスキャナ150(図2)の画素サイズは固定
値であることから、画素数PおよびSは、それぞれ実際
のマーカM間の距離を利用して求めてもよい。また、マ
ーカMが3本以上存在しても同様である。
【0051】次に制御部260は画素の位置を同定する
処理を行う(ステップS908)。これは、画像を読み
取った際のスキャナ150(図2)の各画素と、光シャ
ッター308(図3)の各画素とを同定する(対応付け
る)ための処理であり、上記の密度変換と同様、マーカ
M(図10)を利用して行うことができる。すなわち、
スキャナ150(図1)による読み取り画像および出力
されたプリントにおいて、まず濃度差等に基づいてマー
カM(図10)を特定する。次に、例えば、マーカMか
ら距離Lだけ離れた位置の画素に関してスキャナ150
(図2)の画素と光シャッター308(図3)の画素を
同定する。別の手法として、密度変換後で画素数が一致
していることから、マーカMからN画素離れたスキャナ
150(図2)の画素と光シャッター308(図3)の
画素とが対応するとして同定してもよい。なお、必要で
あれば、画像の輪郭線をも基準として同定してもよい。
【0052】続いて制御部260(図2)は、プリント
に基づいて各画素の濃度補正値を算出する(ステップS
910)。この補正値は、プリントの濃度を本来意図し
た濃度にするよう、光シャッター308(図3)へ印加
されるパルス幅を補正する値である。ステップS904
で説明したように、マーカ付き画像はスキャナ150
(図2)により既に読み取られているためプリントの濃
度は既に得られている。そこで図7のステップS706
(図7)で説明したと同様に、BGRの各色毎に所定の
目標値を定め、意図した濃度になるようそのパルス幅を
補正する。目標値の濃度よりも高いか低いかに応じて、
パルス幅は短くまたは長くなるよう補正される。より具
体的な例で説明すると、所定の濃度の青色(B)を目標
値として利用した場合、まず各ドットの位置での読み取
り光量(濃度)を累積してその平均値を計算し、その平
均値と各ドットの読み取り光量(濃度)との比(各ドッ
トの読み取り光量/平均値)を求める。その比が1より
大きければ濃度が高く、小さければ濃度が低いと判断で
きる。よって、この比に基づいて、パルス幅は短くまた
は長くなるよう補正すればよい。
【0053】次に制御部260(図2)は、プリントに
基づいて色バランスの補正値を算出する(ステップS9
12)。色バランスの補正は、基準色であるBGRの各
色に目標値を設定し、読み取られた色がその目標値の色
を実現するように色バランスを補正することである。マ
ーカ付き画像(図10)の印刷により、制御部260
(図2)は、印刷されるべきYMC各色の値を把握して
いる。したがって、例えばカラーホイール等を利用し
て、そのYMC各色の値がBGRで読み取られた場合の
BGRの各値(目標値)も容易に得ることができる。色
バランスの補正は、スキャナによる実際の計測値と、B
GR各色の目標値とを比較し、計測値が目標値になるよ
うに光シャッター308(図3)へ印加されるパルス幅
を調整すればよい。この調整は、図6の(d)を参照し
て説明したと同様の処理により行われる。
【0054】ステップS910の濃度補正時には、濃度
だけでなくBGR各色の目標値を実現するように色バラ
ンスを補正してもよい。これにより、色バランスを補正
するステップS912は上述の濃度補正と実質的に同一
のステップにより実現できる。なお図9に示される処理
手順では、マーカM(図10)は濃度補正と色バランス
補正の対象とされない。マーカに付されたイエロー(ま
たは青色光(B光))は人間の眼で識別する際には識別
能力が低いため、特に補正しなくとも実用的な範囲では
問題ないからである。
【0055】以上のようにして、プリントに基づいて各
画素の濃度補正値と色バランス補正値が求まると、制御
部260(図2)はスキャナ補正LUTを作成する(ス
テップS914)。このスキャナ補正LUTも、光シャ
ッター308(図3)の各画素について作成される。
【0056】ステップS708で得られたスキャナ補正
LUTは十分精度のよいLUTである。したがって、1
回のスキャナ補正でも実用的な補正ができる。しかし、
補正後の確認を行うことは有効である。したがって、次
は、画像が均一な濃度で印刷されるか否か、換言すれば
求めたスキャナ補正LUTで画像のムラが除去できたか
否かの確認処理を行う。まず、求めたスキャナ補正LU
Tにより各画素を点灯し、マーカ付き画像のプリントを
行う(ステップS916)。その後、スキャナによりプ
リント濃度を読み取り(ステップS918)、画像ムラ
が所定の規定値以内か否かが判断される(ステップS9
20)。その結果、規定値を超えている場合には再びス
テップS910からの濃度補正、色バランス補正等を行
う。規定値以内であれば、処理は終了する。
【0057】続いて図11は、マーカM(図10)部分
の補正を行うスキャナ補正手順を示す。この処理が図9
に示すスキャナ補正手順と相違するのは、マーカM(図
10)部分の補正処理を行うか行わないかのみ、すなわ
ち図11のステップS1113を実行するかしないかの
みである。したがって、ステップS1113のみを説明
し、他のステップの説明は必要な場合を除いて省略す
る。マーカM(図10)部分の補正を行う行うとして理
由は、より忠実に画像の濃淡および色バランスを再現す
るためには、マーカM(図10)部分の濃度および色バ
ランスを補正することが好ましいからである。そこで、
ステップS1110で濃度補正値およびステップS11
12で色バランスの補正値を求めた後に、マーカM(図
10)部分の補正処理を行う。
【0058】マーカM(図10)部の補正処理(ステッ
プS1113)では、マーカ付き画像の2種類のグレー
領域が利用される。具体的には、マーカM(図10)部
分の濃度値は制御部260(図2)が把握しているの
で、その濃度値(目標値)と、スキャナによる計測値と
に基づいて、計測値が目標値になるように光シャッター
308(図3)へ印加されるパルス幅を調整すればよ
い。目標値の濃度よりも高いか低いかに応じて、パルス
幅は短くまたは長くなるよう補正される。補正は、図6
の(d)を参照して説明したと同様の処理により行われ
る。この処理ではさらに色バランスの補正をおこなって
もよい。色バランスの補正処理はステップS912で説
明したと全く同様の処理である。なお、この例の場合で
はマーカM(図10)に付される色は特にイエローに限
られない。マーカM(図10)の濃度補正および/また
は色バランスの補正を行うからである。ただし、マーカ
M(図10)であるとの識別ができなければならないの
で、濃度差は、マーカM(図10)に近接(例えば、隣
接)した画素の光量ムラよりも大きいことが好ましい。
以上、マーカM(図10)部分の補正を行うスキャナ補
正手順を説明した。
【0059】続いて図12は、マーカ付きプリントおよ
びマーカ無しプリントによるスキャナ補正処理手順を示
す。このスキャナ補正処理手順は、より忠実な画像を出
力できるよう補正するために計3回のスキャナ読み込み
を行う。1回目の読み込みと2回目の読み込みはスキャ
ナ補正LUTを作成するための読み込みである。1回目
はマーカ付き画像を利用してスキャナ補正LUTを作成
する。2回目は、1回目のスキャナ補正LUTに基づく
マーカ無し画像を利用して、さらなるスキャナ補正LU
Tを作成する。マーカ無し画像を利用することによりマ
ーカの存在による画質の影響を排除できる。3回目の読
み込みは、作成されたスキャナ補正LUTによる補正が
適切か否かを判断するための読み込みである。
【0060】以下、図12のスキャナ補正処理手順を説
明する。まず、1回目のスキャナ読み込みに関連する処
理(ステップS1202〜1214)は、図9において
スキャナ補正LUTを作成するまでの処理(ステップS
902〜914)と全く同じである。すなわち、現在の
測光補正LUTにより画素を点灯してマーカ付き画像
(図10)のプリントを行い、そのプリントを読み込む
(ステップS1202、1204)。密度変換、画素位
置の同定(ステップS1206、1208)の後は、画
素毎の濃度補正値と色バランスの補正値を算出する(ス
テップS1210、1212)。その結果を受けてスキ
ャナ補正LUTを作成する(ステップS1214)この
例では、図9の処理と同じ処理を行うとしたのでマーカ
M(図10)部分の補正は行っていない。しかし図11
で説明したようにマーカM(図10)部分の補正を行う
としてもよい。いずれの場合もマーカM(図10)部分
の色および濃度差は、既に説明したとおりの条件が適用
できる。
【0061】続く処理は、マーカ無しプリントによりス
キャナ補正LUTを作成したか否かの判断である(ステ
ップS1215)。この判断処理により、マーカ付き画
像を利用した1回目の読み込みである場合(「いいえ」
の場合)には2回目の処理に移行し、マーカ無し画像を
利用した2回目の読み込みである場合(「はい」の場
合)には、画像ムラの有無を確認する3回目の処理に移
行できる。まずマーカ付き画像を利用した1回目の読み
込みである場合(「いいえ」の場合)には、直前に求め
たスキャナ補正LUTに基づいてマーカ無し画像のプリ
ントを行う(ステップS1217)。これは、直前に求
めたスキャナ補正LUTがマーカの存在による影響を受
け、マーカおよびその周辺部の画素光量を適切に補正で
きない場合があることを考慮したものである。一方、マ
ーカ無し画像を利用した2回目の読み込みである場合
(ステップS1215の「はい」の場合)には、作成さ
れたスキャナ補正LUTによる補正が適切か否かを判断
する。すなわち、マーカ無し画像を利用して作成された
スキャナ補正LUTにより各画素を点灯してプリントを
行い(ステップS1216)、3回目のスキャナ読み取
りを行う(ステップS1218)。その結果、規定値を
超えている場合には再びマーカ付き画像のプリントを行
い、ステップS1204からの処理を繰り返す。一方、
規定値以内であれば、処理は終了する。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、測光による画素単位の
光量の補正により画像ムラの高周波成分を除去し、画素
単位の測光補正では除去できない画像ムラの低周波成分
を、スキャナによる画素単位の光量の補正により除去す
る。これにより、画像ムラが一様に除去されたプリント
を得ることができる。
【0063】また、本発明は、スキャナ補正による補正
値に基づいて点灯された複数の画素の各々の光量をさら
に測定し、測定結果に基づいて先の測光補正値を変更す
るので、経時変化による画質の劣化が少ないプリントを
得ることができる。
【0064】スキャナ補正で利用される画像のマーカ
は、マーカの近隣に存在する所定数のドットの光量ムラ
に対して、十分大きな濃度差を有する。このような濃度
にすることで、所定以上の濃度差のある部分がマーカM
であると判断できる。
【0065】マーカを利用したスキャナ補正後に、さら
にマーカのない画像でスキャナ補正することにより、マ
ーカの存在による画質の影響を排除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像補正システムを示す図であ
る。
【図2】 画像補正システムの画像出力装置の内部構成
を示す図である。
【図3】 露光部の構成を示す図である。
【図4】 画像補正システムの概略的な動作手順を示す
フローチャートである。
【図5】 出荷前の測光補正の手順を示す図である。
【図6】 LUTを示す図である。
【図7】 (出荷前の)スキャナ補正の処理手順を示す
フローチャートである。
【図8】 出荷後の測光補正の手順を示すフローチャー
トである。
【図9】 マーカMの補正を行わないスキャナ補正手順
を示すフローチャートである。
【図10】 スキャナ補正用のマーカ付き画像を示す。
【図11】 マーカM部分の補正を行うスキャナ補正手
順を示すフローチャートである。
【図12】 マーカ付きプリントおよびマーカ無しプリ
ントによるスキャナ補正処理手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
100 画像出力装置 150 スキャナ 160 通信ケーブル 260 制御部 220 露光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/23 103 B41J 3/21 V Fターム(参考) 2C162 AE12 AE23 AE28 AE47 AF13 AF20 AF23 AF61 AF83 AF84 FA09 2H106 AA44 AA49 BA49 2H110 AA01 AB09 AC01 AC16 BA17 BA18 CB21 CB56 CC11 CD18 5C051 AA02 CA08 CA11 DA03 DB02 DB09 DB25 DB26 DB29 DB31 DE03 EA01 FA01 5C074 AA09 BB05 DD08 DD16 DD24 DD27 EE02 EE11 FF15 GG19

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が光を照射して感光材料を露光させ
    る複数の画素、前記複数の画素の照射を制御する制御
    部、および前記複数の画素の各々の光量を測定する光セ
    ンサを備え、前記複数の画素で前記感光材料を露光した
    結果得られたプリントを出力する出力装置と、 出力装置から出力された前記プリントの濃度を読み取る
    スキャナとを備え、前記制御部は、光センサの測定結果
    に基づいて前記複数の画素の各々の光量を補正し、前記
    スキャナに読み取られたプリントの濃度に基づいて前記
    複数の画素の各々の光量を補正して前記プリントの画像
    のムラを補正する、画像補正システム。
  2. 【請求項2】 制御部は、前記複数の画素の各々の光量
    に基づいて第1の補正値を算出し、算出した前記第1の
    補正値に基づいて前記感光材料を露光させ、 スキャナは、露光して出力された前記プリントの濃度を
    読み取り、 前記制御部は、前記スキャナによって読み取られた前記
    プリントの濃度に基づいてさらに第2の補正値を算出
    し、算出した前記第2の補正値に基づいて前記複数の画
    素の各々の光量を補正する、請求項1に記載の画像補正
    システム。
  3. 【請求項3】 前記出力装置は、前記第1の補正値と、
    前記第2の補正値とを格納する格納部をさらに備えた、
    請求項2に記載の画像補正システム。
  4. 【請求項4】 前記光センサは、前記第2の補正値に基
    づく前記複数の画素の各々の光量をさらに測定し、測定
    結果に基づいて前記第1の補正値を更新する、請求項3
    に記載の画像補正システム。
  5. 【請求項5】 前記複数の画素は、ライン型光源に接続
    された光シャッターにより構成される、請求項1〜4に
    記載の画像補正システム。
  6. 【請求項6】 前記光シャッターは、PLZTシャッタ
    ーである、請求項5に記載の画像補正システム。
  7. 【請求項7】 前記プリントには、前記画像を構成する
    複数のドットの各々と、各ドットを露光した前記複数の
    画素の各々とを同定するための基準となるマーカ、およ
    び複数の濃度を有する画像が印刷されており、 前記制御部は、スキャナによる前記マーカの読み取り結
    果に基づいて、前記複数のドットの各々と、前記複数の
    画素の各々とを同定し、スキャナによる前記プリントに
    印刷された複数の濃度の読み取り結果に基づいて、前記
    第2の補正値を算出する、請求項2に記載の画像補正シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記マーカは、人間の目の識別能力が低
    い色が付されている、請求項7に記載の画像補正システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記スキャナが前記画像を読み取る解像
    度は、前記光シャッターの解像度よりも高く、 前記制御部は、スキャナにより読み取った画像の解像度
    を、光シャッターの出力解像度に密度変換する、請求項
    7に記載の画像補正システム。
  10. 【請求項10】 前記マーカは複数存在し、 前記制御部は、複数の前記マーカ間の距離に基づいて前
    記密度変換を行う、請求項9に記載の画像補正システ
    ム。
  11. 【請求項11】 複数の前記マーカの各々は、前記マー
    カの近隣に存在する所定数のドットの光量ムラに対し
    て、十分大きな濃度差を有する、請求項9または10に
    記載の画像補正システム。
  12. 【請求項12】 前記制御部は、前記複数のドットの各
    々に関する光量の測定値と、前記測定値の平均値との比
    に基づいて前記第2の補正値を算出する、請求項7に記
    載の画像補正システム。
  13. 【請求項13】 前記プリントには、さらに相異なる複
    数の色を用いた画像が印刷されており、 前記制御部は、前記光量の測定値と前記複数の色に対応
    する目標値とに基づいて、色バランスの補正を行う、請
    求項12に記載の画像補正システム。
  14. 【請求項14】 制御部は、算出した前記第2の補正値
    に基づいて前記複数の画素の各々の光量を補正した後
    に、マーカを含まないマーカ無しプリントをさらに出力
    し、 スキャナは、出力された前記マーカ無しプリントの濃度
    を読み取り、 前記制御部は、前記スキャナによって読み取られた前記
    マーカ無しプリントの濃度に基づいてさらに第3の補正
    値を算出し、算出した前記第3の補正値に基づいて前記
    複数の画素の各々の光量をさらに補正する、請求項7に
    記載の画像補正システム。
  15. 【請求項15】 光センサは、前記複数の画素の各々の
    光量を所定数の階調だけ測定し、 出力装置により露光して出力された前記プリントは、1
    階調で露光されている、請求項2に記載の画像補正シス
    テム。
  16. 【請求項16】 各々が光を照射して感光材料を露光さ
    せる複数の画素、および前記複数の画素の各々の光量を
    測定する光センサを備えた出力装置おいて行われる画像
    補正方法であって、 光センサの測定結果に基づいて前記複数の画素の各々の
    光量を補正するステップと、 前記複数の画素の補正後の光量により前記感光材料を露
    光し、プリントを出力するステップと、 出力された前記プリントの濃度をスキャナにより読み取
    るステップとスキャナにより読み取られたプリントの濃
    度に基づいて前記複数の画素の各々の光量を補正し、前
    記プリントの画像のムラを補正するステップとからなる
    画像補正方法。
  17. 【請求項17】 光センサの測定結果に基づいて補正す
    る前記ステップは、 前記複数の画素の各々の光量に基づいて第1の補正値を
    算出するステップと、 算出した前記第1の補正値に基づいて前記複数の画素の
    各々の光量を補正するステップとからなり、 プリントの濃度に基づいて補正する前記ステップは、 スキャナにより読み取られた前記プリントの濃度に基づ
    いてさらに第2の補正値を算出するステップと、 算出した前記第2の補正値に基づいて前記複数の画素の
    各々の光量を補正するステップとからなる、請求項16
    に記載の画像補正方法。
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