JP2002106717A - メタルシリンダヘッドガスケット - Google Patents
メタルシリンダヘッドガスケットInfo
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- JP2002106717A JP2002106717A JP2000303384A JP2000303384A JP2002106717A JP 2002106717 A JP2002106717 A JP 2002106717A JP 2000303384 A JP2000303384 A JP 2000303384A JP 2000303384 A JP2000303384 A JP 2000303384A JP 2002106717 A JP2002106717 A JP 2002106717A
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- metal
- head gasket
- beads
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 反りを防止して取り扱い性の良好な、しかも
優れたシール性及び耐久性を有する構造を実現する。 【解決手段】 複数のボア孔2の周囲にそれぞれ第一ビ
ード5aを形成する。各第一ビード5aをその内側に囲
い込む状態で、外周寄り部分に第二ビード6aを、全周
に亙って形成する。この第二ビード6aの形成方向と上
記第一ビード5aの形成方向とを、メタルシリンダヘッ
ドガスケット1aを構成する金属薄板の表裏方向に関し
て互いに逆にする。この構成により、上記課題を解決す
る。
優れたシール性及び耐久性を有する構造を実現する。 【解決手段】 複数のボア孔2の周囲にそれぞれ第一ビ
ード5aを形成する。各第一ビード5aをその内側に囲
い込む状態で、外周寄り部分に第二ビード6aを、全周
に亙って形成する。この第二ビード6aの形成方向と上
記第一ビード5aの形成方向とを、メタルシリンダヘッ
ドガスケット1aを構成する金属薄板の表裏方向に関し
て互いに逆にする。この構成により、上記課題を解決す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るメタルシリンダヘ
ッドガスケットは、自動車用エンジンのシリンダブロッ
クの端面とシリンダヘッドの端面との間に挟持し、両面
間の気密及び液密を保持するのに利用する。
ッドガスケットは、自動車用エンジンのシリンダブロッ
クの端面とシリンダヘッドの端面との間に挟持し、両面
間の気密及び液密を保持するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンを構成するシリンダヘ
ッドの端面(一般的には下面)とシリンダブロックの端
面(一般的には上面)との間にはシリンダヘッドガスケ
ットを挟持して、シリンダ内で発生する高圧の燃焼ガ
ス、或はシリンダブロックとシリンダヘッドとの間を流
通する冷却水や潤滑油が外部に漏洩するのを防止してい
る。この様なシリンダヘッドガスケットとして、優れた
耐熱性を有するメタルシリンダヘッドガスケットが広く
使用されている。図1は、この様なメタルシリンダヘッ
ドガスケットの1例を示している。
ッドの端面(一般的には下面)とシリンダブロックの端
面(一般的には上面)との間にはシリンダヘッドガスケ
ットを挟持して、シリンダ内で発生する高圧の燃焼ガ
ス、或はシリンダブロックとシリンダヘッドとの間を流
通する冷却水や潤滑油が外部に漏洩するのを防止してい
る。この様なシリンダヘッドガスケットとして、優れた
耐熱性を有するメタルシリンダヘッドガスケットが広く
使用されている。図1は、この様なメタルシリンダヘッ
ドガスケットの1例を示している。
【0003】このメタルシリンダヘッドガスケット1
は、例えば亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板等の1枚の
金属薄板により、或いは複数枚の金属薄板を積層する事
により、構成している。この金属薄板には、シリンダ頂
部の開口形状に合わせた円形のボア孔2、2、冷却水や
潤滑油を通す為の透孔3、3、及び、シリンダヘッドを
シリンダブロックに固定する為のボルトを挿通する通孔
4、4を穿設している。
は、例えば亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板等の1枚の
金属薄板により、或いは複数枚の金属薄板を積層する事
により、構成している。この金属薄板には、シリンダ頂
部の開口形状に合わせた円形のボア孔2、2、冷却水や
潤滑油を通す為の透孔3、3、及び、シリンダヘッドを
シリンダブロックに固定する為のボルトを挿通する通孔
4、4を穿設している。
【0004】更に、上記金属薄板の複数個所には、当該
部分の見かけ厚さを大きくする方向に塑性変形する事に
より形成したビード(突条)を設けて、当該部分のシー
ル性を向上させている。先ず、上記各ボア孔2、2の周
囲には第一ビード5、5を、これら各ボア孔2、2の周
囲を囲む状態で、これら各ボア孔2、2毎に互いに独立
して設けている。尚、必要に応じて、隣り合うボア孔
2、2に設けるビード5、5の円周方向の一部で隣り合
うボア孔2、2同士の間に存在する部分を合流させ、こ
の間に存在する部分に一本の共通ビードを形成する場合
もある。上記各第一ビード5、5として一般的には、図
4にその断面形状を示す様に、通常山形ビードと呼ばれ
る、断面形状が部分円弧状で、比較的剛性が高いビード
を使用している。
部分の見かけ厚さを大きくする方向に塑性変形する事に
より形成したビード(突条)を設けて、当該部分のシー
ル性を向上させている。先ず、上記各ボア孔2、2の周
囲には第一ビード5、5を、これら各ボア孔2、2の周
囲を囲む状態で、これら各ボア孔2、2毎に互いに独立
して設けている。尚、必要に応じて、隣り合うボア孔
2、2に設けるビード5、5の円周方向の一部で隣り合
うボア孔2、2同士の間に存在する部分を合流させ、こ
の間に存在する部分に一本の共通ビードを形成する場合
もある。上記各第一ビード5、5として一般的には、図
4にその断面形状を示す様に、通常山形ビードと呼ばれ
る、断面形状が部分円弧状で、比較的剛性が高いビード
を使用している。
【0005】又、上記金属薄板の外周縁寄り部分には第
二ビード6を、上記各第一ビード5、5をその内側に囲
い込む状態で、上記金属薄板の全周に亙って設けてい
る。上記第二ビード6として一般的には、図4にその断
面形状を示す様に、通常ダイヤフラムビードと呼ばれ
る、内側平坦部7と外側平坦部8とを傾斜部9により連
続させた、比較的剛性が低いビードを使用している。
又、従来の場合には、図4に示す様に、上記各第一ビー
ド5、5と上記第二ビード6とを、上記金属薄板の基準
面(この金属薄板の元々の面)に対し、この金属薄板の
厚さ方向に関して同方向に形成していた。更に、上記各
透孔3、3及び上記各通孔4、4の周囲には、第三ビー
ド10、10を形成して、これら各孔3、4の周囲の液
密保持を図っている。これら各第三ビード10、10と
しては、上記山形ビード或はダイヤフラムビードを使用
する。
二ビード6を、上記各第一ビード5、5をその内側に囲
い込む状態で、上記金属薄板の全周に亙って設けてい
る。上記第二ビード6として一般的には、図4にその断
面形状を示す様に、通常ダイヤフラムビードと呼ばれ
る、内側平坦部7と外側平坦部8とを傾斜部9により連
続させた、比較的剛性が低いビードを使用している。
又、従来の場合には、図4に示す様に、上記各第一ビー
ド5、5と上記第二ビード6とを、上記金属薄板の基準
面(この金属薄板の元々の面)に対し、この金属薄板の
厚さ方向に関して同方向に形成していた。更に、上記各
透孔3、3及び上記各通孔4、4の周囲には、第三ビー
ド10、10を形成して、これら各孔3、4の周囲の液
密保持を図っている。これら各第三ビード10、10と
しては、上記山形ビード或はダイヤフラムビードを使用
する。
【0006】上述の様に構成するメタルシリンダヘッド
ガスケット1は、上記シリンダヘッドの端面とシリンダ
ブロックの端面との間に挟持した状態で使用される。即
ち、上記シリンダヘッドガスケット1を、シリンダブロ
ックの端面とシリンダヘッドの端面との間に挟み、通孔
4、4に挿通したボルトを緊締する事により、シリンダ
ヘッドをシリンダブロックに対して固定する。これによ
り、上記メタルシリンダヘッドガスケット1が、上記シ
リンダブロックの端面とシリンダヘッドの端面との間で
圧縮され、この両端面間の気密、液密を保持する。特
に、上記第一〜第三各ビード5、6、10が、それぞれ
の厚さ寸法を小さくする方向に弾性的に圧縮されて、こ
れら各ビード5、6、10部分の面圧を高くし、当該部
分のシール性を十分に確保する。
ガスケット1は、上記シリンダヘッドの端面とシリンダ
ブロックの端面との間に挟持した状態で使用される。即
ち、上記シリンダヘッドガスケット1を、シリンダブロ
ックの端面とシリンダヘッドの端面との間に挟み、通孔
4、4に挿通したボルトを緊締する事により、シリンダ
ヘッドをシリンダブロックに対して固定する。これによ
り、上記メタルシリンダヘッドガスケット1が、上記シ
リンダブロックの端面とシリンダヘッドの端面との間で
圧縮され、この両端面間の気密、液密を保持する。特
に、上記第一〜第三各ビード5、6、10が、それぞれ
の厚さ寸法を小さくする方向に弾性的に圧縮されて、こ
れら各ビード5、6、10部分の面圧を高くし、当該部
分のシール性を十分に確保する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した様なメタルシ
リンダヘッドガスケット1の場合、第一、第二両ビード
5、6を、金属薄板の厚さ方向に関して同方向に形成し
ている事に伴って、次のの様な問題を生じた。 メタルシリンダヘッドガスケット全体が面方向に反
り、搬送時に嵩張るだけでなく、エンジンへの組み付け
性が悪化する。 各ビード部分の面圧が不適切になり易く、シール性
が不足したりメタルシリンダヘッドガスケットの耐久性
が不十分となる可能性がある。 以下、これらの問題が生じる理由に就いて説明す
る。
リンダヘッドガスケット1の場合、第一、第二両ビード
5、6を、金属薄板の厚さ方向に関して同方向に形成し
ている事に伴って、次のの様な問題を生じた。 メタルシリンダヘッドガスケット全体が面方向に反
り、搬送時に嵩張るだけでなく、エンジンへの組み付け
性が悪化する。 各ビード部分の面圧が不適切になり易く、シール性
が不足したりメタルシリンダヘッドガスケットの耐久性
が不十分となる可能性がある。 以下、これらの問題が生じる理由に就いて説明す
る。
【0008】先ず上記の問題は、上記第一、第二両ビ
ード5、6の形成に伴って金属薄板に生じる残留応力に
より生じる。即ち、これら両ビード5、6を形成するの
に伴って上記金属薄板の内部に残留応力が生じ、この残
留応力がこの金属薄板を面方向に反らせる作用をする。
従来のメタルシリンダヘッドガスケットの場合には、上
記第一ビード5、5の形成に伴って発生する残留応力が
上記金属薄板を反らせる方向と、上記第二ビード6の形
成に伴って発生する残留応力がこの金属薄板を反らせる
方向とが互いに一致する。この為、上記第一、第二両ビ
ード5、6を形成したメタルシリンダヘッドガスケット
の反りが大きくなり、上記の様な問題を生じる。
ード5、6の形成に伴って金属薄板に生じる残留応力に
より生じる。即ち、これら両ビード5、6を形成するの
に伴って上記金属薄板の内部に残留応力が生じ、この残
留応力がこの金属薄板を面方向に反らせる作用をする。
従来のメタルシリンダヘッドガスケットの場合には、上
記第一ビード5、5の形成に伴って発生する残留応力が
上記金属薄板を反らせる方向と、上記第二ビード6の形
成に伴って発生する残留応力がこの金属薄板を反らせる
方向とが互いに一致する。この為、上記第一、第二両ビ
ード5、6を形成したメタルシリンダヘッドガスケット
の反りが大きくなり、上記の様な問題を生じる。
【0009】又、上記の問題は、第一ビード5、5の
内外両周縁部のうち、外周縁側、即ち第二ビード6側の
周縁部の面圧が高くなり過ぎる事により生じる。この点
に就いて、図5により説明する。図4に示す様な断面形
状を有するメタルシリンダヘッドガスケット1を、図5
に示す様にシリンダブロック11の端面11aとシリン
ダヘッド12の端面12aとの間で挟持すると、これら
両面11a、12aと上記メタルシリンダヘッド1の表
裏両面とは、図5のイ〜ホの5個所で、弾性的に当接す
る。このうち、第一ビード5に関しては、この第一ビー
ド5の内外両周縁部に対応するイ、ハ部分の2個所でシ
リンダブロック11の端面11a(又はシリンダヘッド
12の端面12a)に当接し、上記第一ビード5の径方
向中間の頂部に対応するロ部分の1個所でシリンダヘッ
ド12の端面12a(又はシリンダブロック11の端面
11a)に当接する。又、上記第二ビード6に関して
は、内側平坦部7と傾斜部9との連続部に対応するニ部
分でシリンダブロック11の端面11a(又はシリンダ
ヘッド12の端面12a)に当接し、外側平坦部8と傾
斜部9との連続部に相当するホ部分でシリンダヘッド1
2の端面12a(又はシリンダブロック11の端面11
a)に当接する。
内外両周縁部のうち、外周縁側、即ち第二ビード6側の
周縁部の面圧が高くなり過ぎる事により生じる。この点
に就いて、図5により説明する。図4に示す様な断面形
状を有するメタルシリンダヘッドガスケット1を、図5
に示す様にシリンダブロック11の端面11aとシリン
ダヘッド12の端面12aとの間で挟持すると、これら
両面11a、12aと上記メタルシリンダヘッド1の表
裏両面とは、図5のイ〜ホの5個所で、弾性的に当接す
る。このうち、第一ビード5に関しては、この第一ビー
ド5の内外両周縁部に対応するイ、ハ部分の2個所でシ
リンダブロック11の端面11a(又はシリンダヘッド
12の端面12a)に当接し、上記第一ビード5の径方
向中間の頂部に対応するロ部分の1個所でシリンダヘッ
ド12の端面12a(又はシリンダブロック11の端面
11a)に当接する。又、上記第二ビード6に関して
は、内側平坦部7と傾斜部9との連続部に対応するニ部
分でシリンダブロック11の端面11a(又はシリンダ
ヘッド12の端面12a)に当接し、外側平坦部8と傾
斜部9との連続部に相当するホ部分でシリンダヘッド1
2の端面12a(又はシリンダブロック11の端面11
a)に当接する。
【0010】このうち、上記第一ビード5の外周縁部に
対応する、上記ハ部分の当接圧が他の部分に比べて高く
なる事が、本発明者の行なった実験により明らかになっ
ている。この様に各弾性当接部イ〜ホのうちの一部の弾
性当接部ハの当接圧が他の部分に比べて大きくなると、
このハ部分で前記金属薄板に局部的な応力集中が生じ、
このハ部分でこの金属薄板に亀裂等の損傷が発生し易く
なる。又、このハ部分の当接圧が過剰に高くなる分、こ
のハ部分以外で上記シリンダブロック11の端面11a
(又はシリンダヘッド12の端面12a)に当接する、
イ、ニの2点に於ける当接圧が低くなってしまう。この
結果、流体の漏れ方向に関して弾性当接部を互いに直列
に複数個所設ける事によるラビリンス効果が低減し、上
記第一、第二両ビード5、6によるシール性がその分悪
化する。
対応する、上記ハ部分の当接圧が他の部分に比べて高く
なる事が、本発明者の行なった実験により明らかになっ
ている。この様に各弾性当接部イ〜ホのうちの一部の弾
性当接部ハの当接圧が他の部分に比べて大きくなると、
このハ部分で前記金属薄板に局部的な応力集中が生じ、
このハ部分でこの金属薄板に亀裂等の損傷が発生し易く
なる。又、このハ部分の当接圧が過剰に高くなる分、こ
のハ部分以外で上記シリンダブロック11の端面11a
(又はシリンダヘッド12の端面12a)に当接する、
イ、ニの2点に於ける当接圧が低くなってしまう。この
結果、流体の漏れ方向に関して弾性当接部を互いに直列
に複数個所設ける事によるラビリンス効果が低減し、上
記第一、第二両ビード5、6によるシール性がその分悪
化する。
【0011】ビード形成に伴う、メタルシリンダヘッド
ガスケットの反りを防止する為の技術として従来から、
特開平10−132079号公報、実開平4−9535
8号公報、同4−107575号公報、同4−1119
60号公報、同7−35855号公報に記載されたもの
が知られている。このうちの特開平10−132079
号公報及び実開平4−95358号公報に記載された技
術は、メタルシリンダヘッドの一部で使用時にシリンダ
ブロックの端面とシリンダヘッドの端面との間で圧縮さ
れない部分に反り防止用のビードを、シール用のビード
とは逆方向に形成するものである。この様な従来技術の
場合には、小型エンジン用のメタルシリンダヘッドガス
ケットの様に、面積が小さい場合には上記反り防止用の
ビードを設けるスペースを確保する事が難しい場合があ
る。又、この様な反り防止用のビードを設けられる場合
でも、必ずしも十分な反り防止効果を得られない場合が
多い。
ガスケットの反りを防止する為の技術として従来から、
特開平10−132079号公報、実開平4−9535
8号公報、同4−107575号公報、同4−1119
60号公報、同7−35855号公報に記載されたもの
が知られている。このうちの特開平10−132079
号公報及び実開平4−95358号公報に記載された技
術は、メタルシリンダヘッドの一部で使用時にシリンダ
ブロックの端面とシリンダヘッドの端面との間で圧縮さ
れない部分に反り防止用のビードを、シール用のビード
とは逆方向に形成するものである。この様な従来技術の
場合には、小型エンジン用のメタルシリンダヘッドガス
ケットの様に、面積が小さい場合には上記反り防止用の
ビードを設けるスペースを確保する事が難しい場合があ
る。又、この様な反り防止用のビードを設けられる場合
でも、必ずしも十分な反り防止効果を得られない場合が
多い。
【0012】又、上記実開平4−107575号公報に
記載された技術は、金属薄板の一部に点状の突起を、こ
の金属薄板の厚さ方向に関して突条と逆方向に形成し
て、この金属薄板の反りを防止するものである。この様
な従来技術の場合には、逆方向の突条を形成する場合に
比べて設計の自由度はあるが、突条の当接圧を適正にす
る為には、上記突起の形成位置を工夫する必要があり、
必ずしも十分な効果を得られない事が考えられる。
記載された技術は、金属薄板の一部に点状の突起を、こ
の金属薄板の厚さ方向に関して突条と逆方向に形成し
て、この金属薄板の反りを防止するものである。この様
な従来技術の場合には、逆方向の突条を形成する場合に
比べて設計の自由度はあるが、突条の当接圧を適正にす
る為には、上記突起の形成位置を工夫する必要があり、
必ずしも十分な効果を得られない事が考えられる。
【0013】又、前記実開平4−111960号公報に
記載された技術は、金属薄板の一部に小スリットや小透
孔を形成して、突条形成に伴ってこの金属薄板に生じる
残留応力を低減し、反りを抑えるものである。この様な
従来技術の場合には、反りを防止できる代わりに、上記
金属薄板の剛性が低下し、この金属薄板により構成した
メタルシリンダヘッドガスケットの取り扱い性が低下す
るだけでなく、必要な強度が不足する可能性もある。
記載された技術は、金属薄板の一部に小スリットや小透
孔を形成して、突条形成に伴ってこの金属薄板に生じる
残留応力を低減し、反りを抑えるものである。この様な
従来技術の場合には、反りを防止できる代わりに、上記
金属薄板の剛性が低下し、この金属薄板により構成した
メタルシリンダヘッドガスケットの取り扱い性が低下す
るだけでなく、必要な強度が不足する可能性もある。
【0014】又、前記実開平7−35855号公報に
は、排気マニホールドの継手部のシール等に使用するメ
タルガスケットを構成する金属薄板の一部に互いに並列
に設けられた複数の透孔の周囲にそれぞれ形成する突条
の向きを、上記金属薄板の厚さ方向に関して互いに逆に
する技術が記載されている。この様な従来技術を、図1
に示した様なメタルシリンダヘッドガスケット1に適用
すると、各ボア孔2、2の周囲に形成する第一ビード
5、5の向きを、金属薄板の厚さ方向に関して互いに逆
とした構造となる。この様な構造によれば、メタルシリ
ンダヘッドガスケット1全体としての反りを抑えられる
が、次の様な問題がある。即ち、近年の小型化、軽量化
を図ったエンジンの場合、シリンダ孔同士の間隔が狭
く、これに伴って上記メタルシリンダヘッドガスケット
1の一部で隣り合うボア孔2、2同士の間部分の幅が狭
い為、この間部分に、方向が異なる第一ビード5、5を
2本設ける事が難しい場合がある。尚、ボア孔2、2同
士の間隔が狭くても、各ボア孔2、2の周囲の第一ビー
ド5、5を表裏方向に関して同方向に突出させてるので
あれば、これら各第一ビード5、5同士をボア孔2、2
同士の間で合流させて一本の共通のビードを形成する事
が可能であるが、各第一ビードを互いに逆方向に突出さ
せている場合には、この様な共通ビードを形成する事は
できない。
は、排気マニホールドの継手部のシール等に使用するメ
タルガスケットを構成する金属薄板の一部に互いに並列
に設けられた複数の透孔の周囲にそれぞれ形成する突条
の向きを、上記金属薄板の厚さ方向に関して互いに逆に
する技術が記載されている。この様な従来技術を、図1
に示した様なメタルシリンダヘッドガスケット1に適用
すると、各ボア孔2、2の周囲に形成する第一ビード
5、5の向きを、金属薄板の厚さ方向に関して互いに逆
とした構造となる。この様な構造によれば、メタルシリ
ンダヘッドガスケット1全体としての反りを抑えられる
が、次の様な問題がある。即ち、近年の小型化、軽量化
を図ったエンジンの場合、シリンダ孔同士の間隔が狭
く、これに伴って上記メタルシリンダヘッドガスケット
1の一部で隣り合うボア孔2、2同士の間部分の幅が狭
い為、この間部分に、方向が異なる第一ビード5、5を
2本設ける事が難しい場合がある。尚、ボア孔2、2同
士の間隔が狭くても、各ボア孔2、2の周囲の第一ビー
ド5、5を表裏方向に関して同方向に突出させてるので
あれば、これら各第一ビード5、5同士をボア孔2、2
同士の間で合流させて一本の共通のビードを形成する事
が可能であるが、各第一ビードを互いに逆方向に突出さ
せている場合には、この様な共通ビードを形成する事は
できない。
【0015】更に、特開平8−270796号公報に
は、排気マニホールドの継手部等に組み付けるメタルガ
スケットのシール性を向上させる為、排気等の流体を通
過させる為の透孔の周囲に1対のビードを、上記メタル
ガスケットを構成する金属薄板の厚さ方向に関して互い
に逆方向に形成する技術が記載されている。この様な従
来技術によれば、シール性向上の他、反り防止の効果も
得られるが、上述した実開平7−35855号公報に記
載された従来技術以上に、メタルシリンダヘッドガスケ
ットに適用する事は難しい。即ち、各ボア孔の周囲にビ
ードを二重に設けると、隣り合うボア孔同士の間部分に
4本のビードを設ける事になるが、一般的な自動車用エ
ンジンのメタルシリンダヘッドガスケットの場合には、
上記間部分に4本のビードを配設する事は非常に難し
い。本発明は、以上の様な事情に鑑みて、取り扱い性が
良好で、しかも十分なシール性及び耐久性を有するメタ
ルシリンダヘッドガスケットを実現すべく発明したもの
である。
は、排気マニホールドの継手部等に組み付けるメタルガ
スケットのシール性を向上させる為、排気等の流体を通
過させる為の透孔の周囲に1対のビードを、上記メタル
ガスケットを構成する金属薄板の厚さ方向に関して互い
に逆方向に形成する技術が記載されている。この様な従
来技術によれば、シール性向上の他、反り防止の効果も
得られるが、上述した実開平7−35855号公報に記
載された従来技術以上に、メタルシリンダヘッドガスケ
ットに適用する事は難しい。即ち、各ボア孔の周囲にビ
ードを二重に設けると、隣り合うボア孔同士の間部分に
4本のビードを設ける事になるが、一般的な自動車用エ
ンジンのメタルシリンダヘッドガスケットの場合には、
上記間部分に4本のビードを配設する事は非常に難し
い。本発明は、以上の様な事情に鑑みて、取り扱い性が
良好で、しかも十分なシール性及び耐久性を有するメタ
ルシリンダヘッドガスケットを実現すべく発明したもの
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のメタルシリンダ
ヘッドガスケットは、例えば前述した様な従来から知ら
れているメタルシリンダヘッドガスケットと同様に、金
属薄板により構成され、シリンダブロックの端面に開口
したシリンダ孔に整合する複数のボア孔と、冷却水又は
潤滑油を流通させる為の透孔と、各ボア孔の周囲部分に
それぞれ複数ずつ形成されたボルト挿通用の通孔と、上
記金属薄板を当該部分の見かけ厚さを大きくする方向に
塑性変形する事により形成され、上記各ボア孔の周囲を
囲む状態で設けられた第一ビードと、上記金属薄板を当
該部分の見かけ厚さを大きくする方向に塑性変形する事
により形成され、上記第一ビードをその内側に位置させ
る状態で、上記金属薄板の全周に亙って設けられた第二
ビードとを備える。そして、上記各通孔に挿通したボル
トの緊締によりシリンダブロックの端面とシリンダヘッ
ドの端面との間で強く挟持された状態で使用される。特
に、本発明のメタルシリンダヘッドガスケットに於いて
は、上記各第一ビードと上記第二ビードとを、上記金属
薄板の厚さ方向に関して互いに逆方向に形成している。
ヘッドガスケットは、例えば前述した様な従来から知ら
れているメタルシリンダヘッドガスケットと同様に、金
属薄板により構成され、シリンダブロックの端面に開口
したシリンダ孔に整合する複数のボア孔と、冷却水又は
潤滑油を流通させる為の透孔と、各ボア孔の周囲部分に
それぞれ複数ずつ形成されたボルト挿通用の通孔と、上
記金属薄板を当該部分の見かけ厚さを大きくする方向に
塑性変形する事により形成され、上記各ボア孔の周囲を
囲む状態で設けられた第一ビードと、上記金属薄板を当
該部分の見かけ厚さを大きくする方向に塑性変形する事
により形成され、上記第一ビードをその内側に位置させ
る状態で、上記金属薄板の全周に亙って設けられた第二
ビードとを備える。そして、上記各通孔に挿通したボル
トの緊締によりシリンダブロックの端面とシリンダヘッ
ドの端面との間で強く挟持された状態で使用される。特
に、本発明のメタルシリンダヘッドガスケットに於いて
は、上記各第一ビードと上記第二ビードとを、上記金属
薄板の厚さ方向に関して互いに逆方向に形成している。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明によれば、取り扱い
性が良好で、しかも十分なシール性及び耐久性を有する
メタルシリンダヘッドガスケットを得られる。先ず、各
第一ビードと第二ビードとを、金属薄板の厚さ方向に関
して互いに逆方向に形成している為、これら各ビードの
形成に伴って上記金属薄板に生じる残留応力の向きが互
いに逆になり、この金属薄板が反る事がなくなる。この
結果、ほぼ平坦で取り扱い性が良好なメタルシリンダヘ
ッドガスケットを得られる。又、第一、第二両ビードを
シリンダブロックの端面とシリンダヘッドの端面との間
で強く挟持した場合に、上記両ビードとこれら両端面と
の当接圧を、一部の当接個所に過度に集中させる事な
く、各当接個所に望ましい状態に配分させる事ができ
る。この結果、ラビリンス効果を高めて優れたシール性
を発揮できる様にすると共に、上記金属薄板の一部に局
部的な応力集中に基づく亀裂等の損傷が発生するのを防
止して、メタルシリンダヘッドガスケットの耐久性向上
を図れる。
性が良好で、しかも十分なシール性及び耐久性を有する
メタルシリンダヘッドガスケットを得られる。先ず、各
第一ビードと第二ビードとを、金属薄板の厚さ方向に関
して互いに逆方向に形成している為、これら各ビードの
形成に伴って上記金属薄板に生じる残留応力の向きが互
いに逆になり、この金属薄板が反る事がなくなる。この
結果、ほぼ平坦で取り扱い性が良好なメタルシリンダヘ
ッドガスケットを得られる。又、第一、第二両ビードを
シリンダブロックの端面とシリンダヘッドの端面との間
で強く挟持した場合に、上記両ビードとこれら両端面と
の当接圧を、一部の当接個所に過度に集中させる事な
く、各当接個所に望ましい状態に配分させる事ができ
る。この結果、ラビリンス効果を高めて優れたシール性
を発揮できる様にすると共に、上記金属薄板の一部に局
部的な応力集中に基づく亀裂等の損傷が発生するのを防
止して、メタルシリンダヘッドガスケットの耐久性向上
を図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の1例を示している。尚、本発明の特徴は、各ボア孔
2、2の周囲に形成する第一ビード5a、5aの形成方
向と、メタルシリンダヘッドガスケット1aの外周寄り
部分に全周に亙って形成する第二ビード6の形成方向と
を、このメタルヘッドガスケット1aを構成する金属薄
板の厚さ方向に関して互いに逆にした点にある。このメ
タルシリンダヘッドガスケット1a全体の構成及び作用
等、その他の構成及び作用は前述した通りであるから、
重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の
特徴部分を中心に説明する。
の1例を示している。尚、本発明の特徴は、各ボア孔
2、2の周囲に形成する第一ビード5a、5aの形成方
向と、メタルシリンダヘッドガスケット1aの外周寄り
部分に全周に亙って形成する第二ビード6の形成方向と
を、このメタルヘッドガスケット1aを構成する金属薄
板の厚さ方向に関して互いに逆にした点にある。このメ
タルシリンダヘッドガスケット1a全体の構成及び作用
等、その他の構成及び作用は前述した通りであるから、
重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の
特徴部分を中心に説明する。
【0019】上記各ボア孔2、2の周囲には第一ビード
5a、5aを、これら各ボア孔2、2の周囲を囲む状態
で、これら各ボア孔2、2毎に互いに独立して設けてい
る。本例の場合には上記各第一ビード5a、5aとし
て、図2にその断面形状を示す様に、通常山形ビードと
呼ばれる、断面形状が部分円弧状で、比較的剛性が高い
ビードを使用している。
5a、5aを、これら各ボア孔2、2の周囲を囲む状態
で、これら各ボア孔2、2毎に互いに独立して設けてい
る。本例の場合には上記各第一ビード5a、5aとし
て、図2にその断面形状を示す様に、通常山形ビードと
呼ばれる、断面形状が部分円弧状で、比較的剛性が高い
ビードを使用している。
【0020】又、上記金属薄板の外周縁寄り部分には第
二ビード6aを、上記各第一ビード5a、5aをその内
側に囲い込む状態で、上記金属薄板の全周に亙って設け
ている。本例の場合には、上記第二ビード6aとして、
図2にその断面形状を示す様に、通常ダイヤフラムビー
ドと呼ばれる、内側平坦部7aと外側平坦部8aとを傾
斜部9aにより連続させた、比較的剛性が低いビードを
使用している。
二ビード6aを、上記各第一ビード5a、5aをその内
側に囲い込む状態で、上記金属薄板の全周に亙って設け
ている。本例の場合には、上記第二ビード6aとして、
図2にその断面形状を示す様に、通常ダイヤフラムビー
ドと呼ばれる、内側平坦部7aと外側平坦部8aとを傾
斜部9aにより連続させた、比較的剛性が低いビードを
使用している。
【0021】特に、本発明のメタルシリンダヘッドガス
ケット1aに於いては、上記各第一ビード5a、5aと
上記第二ビード6aとを、上記金属薄板の厚さ方向(図
1の表裏方向、図2〜3の上下方向)に関して互いに逆
方向に形成している。即ち、上記内側平坦部7aを基準
とした場合に、上記第一ビード5a、5aと上記傾斜部
9a及び外側平坦部8aとが、上記金属板の厚さ方向に
関して互いに逆方向に存在する様にしている。
ケット1aに於いては、上記各第一ビード5a、5aと
上記第二ビード6aとを、上記金属薄板の厚さ方向(図
1の表裏方向、図2〜3の上下方向)に関して互いに逆
方向に形成している。即ち、上記内側平坦部7aを基準
とした場合に、上記第一ビード5a、5aと上記傾斜部
9a及び外側平坦部8aとが、上記金属板の厚さ方向に
関して互いに逆方向に存在する様にしている。
【0022】上述の様に構成する本発明によれば、取り
扱い性が良好で、しかも十分なシール性及び耐久性を有
するメタルシリンダヘッドガスケット1aを得られる。
先ず、上記各第一ビード5a、5aと第二ビード6aと
を、上記金属薄板の厚さ方向に関して互いに逆方向に形
成している為、これら各ビード5a、6aの形成に伴っ
て上記金属薄板に生じる残留応力の向きが互いに逆にな
り、この金属薄板が反る事がなくなる。この結果、ほぼ
平坦で取り扱い性が良好なメタルシリンダヘッドガスケ
ット1aを得られる。
扱い性が良好で、しかも十分なシール性及び耐久性を有
するメタルシリンダヘッドガスケット1aを得られる。
先ず、上記各第一ビード5a、5aと第二ビード6aと
を、上記金属薄板の厚さ方向に関して互いに逆方向に形
成している為、これら各ビード5a、6aの形成に伴っ
て上記金属薄板に生じる残留応力の向きが互いに逆にな
り、この金属薄板が反る事がなくなる。この結果、ほぼ
平坦で取り扱い性が良好なメタルシリンダヘッドガスケ
ット1aを得られる。
【0023】又、図3に示す様に、上記メタルシリンダ
ヘッドガスケット1aをシリンダブロック11の端面1
1aとシリンダヘッド12の端面12aとの間で強く挟
持するのに伴って、第一、第二両ビード5a、6aに生
じる変形状態は、上記両端面11a、12aに沿った無
理のない変形状態となる。この様な変形に伴って上記メ
タルシリンダヘッドガスケット1aは、上記両端面11
a、12aと図3のイ´〜ホ´の5個所で弾性的に当接
する。この為、上記両ビード5a、6aとエンジン側の
両端面11a、12aとの当接圧は、イ´〜ホ´の何れ
か特定の個所に過度に集中する事なく、各々の当接個所
に望ましい状態に配分される。
ヘッドガスケット1aをシリンダブロック11の端面1
1aとシリンダヘッド12の端面12aとの間で強く挟
持するのに伴って、第一、第二両ビード5a、6aに生
じる変形状態は、上記両端面11a、12aに沿った無
理のない変形状態となる。この様な変形に伴って上記メ
タルシリンダヘッドガスケット1aは、上記両端面11
a、12aと図3のイ´〜ホ´の5個所で弾性的に当接
する。この為、上記両ビード5a、6aとエンジン側の
両端面11a、12aとの当接圧は、イ´〜ホ´の何れ
か特定の個所に過度に集中する事なく、各々の当接個所
に望ましい状態に配分される。
【0024】このうち、第一ビード5aに関しては、こ
の第一ビード5aの内外両周縁部に対応するイ´、ハ´
部分の2個所でシリンダブロック11の端面11a(又
はシリンダヘッド12の端面12a)に当接し、上記第
一ビード5aの径方向中間の頂部に対応するロ´部分の
1個所でシリンダヘッド12の端面12a(又はシリン
ダブロック11の端面11a)に当接する。又、上記第
二ビード6aに関しては、内側平坦部7aと傾斜部9a
との連続部に対応するニ´部分でシリンダヘッド12の
端面12a(又はシリンダブロック11の端面11a)
に当接し、外側平坦部8aと傾斜部9aとの連続部に相
当するホ´部分でシリンダブロック11の端面11a
(又はシリンダヘッド12の端面12a)に当接する。
の第一ビード5aの内外両周縁部に対応するイ´、ハ´
部分の2個所でシリンダブロック11の端面11a(又
はシリンダヘッド12の端面12a)に当接し、上記第
一ビード5aの径方向中間の頂部に対応するロ´部分の
1個所でシリンダヘッド12の端面12a(又はシリン
ダブロック11の端面11a)に当接する。又、上記第
二ビード6aに関しては、内側平坦部7aと傾斜部9a
との連続部に対応するニ´部分でシリンダヘッド12の
端面12a(又はシリンダブロック11の端面11a)
に当接し、外側平坦部8aと傾斜部9aとの連続部に相
当するホ´部分でシリンダブロック11の端面11a
(又はシリンダヘッド12の端面12a)に当接する。
【0025】本発明のメタルシリンダヘッドガスケット
1aを上記両端面11a、12a同士の間で挟持した状
態を示す図3と、前述した従来のメタルシリンダヘッド
ガスケット1を上記両面同士の間で挟持した状態を示す
図5とを比較すれば明らかな通り、本発明のメタルシリ
ンダヘッドガスケット1aの場合には、イ´〜ホ´の各
部分が無理のない変形状態となる。この為、これら各部
分に於ける当接圧が望ましい状態に配分され、各部分に
十分な面圧を生じさせる事ができ、ラビリンス効果を高
めて優れたシール性を発揮できる様にすると共に、前記
金属薄板の一部に局部的な応力集中に基づく亀裂等の損
傷が発生するのを防止して、メタルシリンダヘッドガス
ケット1aの耐久性向上を図れる。
1aを上記両端面11a、12a同士の間で挟持した状
態を示す図3と、前述した従来のメタルシリンダヘッド
ガスケット1を上記両面同士の間で挟持した状態を示す
図5とを比較すれば明らかな通り、本発明のメタルシリ
ンダヘッドガスケット1aの場合には、イ´〜ホ´の各
部分が無理のない変形状態となる。この為、これら各部
分に於ける当接圧が望ましい状態に配分され、各部分に
十分な面圧を生じさせる事ができ、ラビリンス効果を高
めて優れたシール性を発揮できる様にすると共に、前記
金属薄板の一部に局部的な応力集中に基づく亀裂等の損
傷が発生するのを防止して、メタルシリンダヘッドガス
ケット1aの耐久性向上を図れる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた様に構成し作用
する為、取り扱い性が良好で、しかも優れたシール性及
び耐久性を有するメタルシリンダヘッドガスケットを実
現できる。
する為、取り扱い性が良好で、しかも優れたシール性及
び耐久性を有するメタルシリンダヘッドガスケットを実
現できる。
【図1】本発明の対象となるメタルシリンダヘッドガス
ケットの1例を示す平面図。
ケットの1例を示す平面図。
【図2】本発明の実施の形態の1例を示す、図1の略A
−A断面図。
−A断面図。
【図3】図2に示した部分をシリンダブロックとシリン
ダヘッドとの端面同士の間で挟持した状態を示す略断面
図。
ダヘッドとの端面同士の間で挟持した状態を示す略断面
図。
【図4】従来構造の1例を示す、図2と同様の図。
【図5】同じく図3と同様の図。
1、1a メタルシリンダヘッドガスケット 2 ボア孔 3 透孔 4 通孔 5、5a 第一ビード 6、6a 第二ビード 7、7a 内側平坦部 8、8a 外側平坦部 9、9a 傾斜部 10 第三ビード 11 シリンダブロック 11a 端面 12 シリンダヘッド 12a 端面
Claims (1)
- 【請求項1】 金属薄板により構成され、シリンダブロ
ックの端面に開口したシリンダ孔に整合する複数のボア
孔と、冷却水又は潤滑油を流通させる為の透孔と、各ボ
ア孔の周囲部分にそれぞれ複数ずつ形成されたボルト挿
通用の通孔と、上記金属薄板を当該部分の見かけ厚さを
大きくする方向に塑性変形する事により形成され、上記
各ボア孔の周囲を囲む状態で設けられた第一ビードと、
上記金属薄板を当該部分の見かけ厚さを大きくする方向
に塑性変形する事により形成され、上記第一ビードをそ
の内側に位置させる状態で、上記金属薄板の全周に亙っ
て設けられた第二ビードとを備え、上記各通孔に挿通し
たボルトの緊締によりシリンダブロックの端面とシリン
ダヘッドの端面との間で強く挟持された状態で使用され
るメタルシリンダヘッドガスケットに於いて、上記各第
一ビードと上記第二ビードとを、上記金属薄板の厚さ方
向に関して互いに逆方向に形成した事を特徴とするメタ
ルシリンダヘッドガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303384A JP2002106717A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | メタルシリンダヘッドガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303384A JP2002106717A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | メタルシリンダヘッドガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002106717A true JP2002106717A (ja) | 2002-04-10 |
Family
ID=18784591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000303384A Pending JP2002106717A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | メタルシリンダヘッドガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002106717A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013038975A1 (ja) * | 2011-09-13 | 2013-03-21 | Nok株式会社 | 金属ガスケットによるシール構造 |
JP2015140887A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | Nok株式会社 | ガスケットによる密封構造 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09292028A (ja) * | 1996-04-26 | 1997-11-11 | Nippon Reinz Co Ltd | 金属ガスケット |
-
2000
- 2000-10-03 JP JP2000303384A patent/JP2002106717A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09292028A (ja) * | 1996-04-26 | 1997-11-11 | Nippon Reinz Co Ltd | 金属ガスケット |
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WO2013038975A1 (ja) * | 2011-09-13 | 2013-03-21 | Nok株式会社 | 金属ガスケットによるシール構造 |
JP2013061002A (ja) * | 2011-09-13 | 2013-04-04 | Nok Corp | 金属ガスケットによるシール構造 |
CN103797286A (zh) * | 2011-09-13 | 2014-05-14 | Nok株式会社 | 利用金属衬垫的密封构造 |
EP2757290A4 (en) * | 2011-09-13 | 2015-06-03 | Nok Corp | SEAL STRUCTURE WITH METAL SEAL |
CN103797286B (zh) * | 2011-09-13 | 2015-12-09 | Nok株式会社 | 利用金属衬垫的密封构造 |
KR101605471B1 (ko) * | 2011-09-13 | 2016-03-22 | 엔오케이 가부시키가이샤 | 금속 개스킷에 의한 시일 구조 |
US9347561B2 (en) | 2011-09-13 | 2016-05-24 | Nok Corporation | Seal structure using metal gasket |
JP2015140887A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | Nok株式会社 | ガスケットによる密封構造 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100325 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100713 |