JP2002106304A - 浮動スプーリーカップ衝突邪魔板 - Google Patents

浮動スプーリーカップ衝突邪魔板

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JP2002106304A JP2001180941A JP2001180941A JP2002106304A JP 2002106304 A JP2002106304 A JP 2002106304A JP 2001180941 A JP2001180941 A JP 2001180941A JP 2001180941 A JP2001180941 A JP 2001180941A JP 2002106304 A JP2002106304 A JP 2002106304A
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ジュド・ドッジ・トレスラー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転中の熱的移動差に対処するためにスプー
リーと支持カップの改良形状を有するタービンノズル。 【解決手段】 タービンノズル静翼用の衝突邪魔板に多
孔スリーブが含まれ、衝突空気を通して排出する。キャ
ップがスリーブの上端を閉ざしそして入口孔を有する。
スプーリーカップがその底端にフランジを備え、このフ
ランジは、空気を通す入口孔の周囲にキャップ上に配置
される。保持体がキャップに固定されてカップフランジ
を同フランジ上で緩く捕捉してカップフランジの限られ
た横方向滑動を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は一般的にはガスタービンエンジ
ンに関し、特に、同エンジン内のタービンノズルに関す
る。
【0002】ガスタービンエンジンでは、空気が圧縮機
内で圧縮されそして燃焼器内で燃料と混ぜられかつ点火
されて高温燃焼ガスを発生し、燃焼ガスは下流方向に幾
つかのタービン段を通流する。高圧タービンが圧縮機に
動力を与え、そして代表的なターボファン航空機エンジ
ンの場合、低圧タービンがファンに動力を与えて飛行中
の航空機を推進する。
【0003】タービン段には複数の中空静翼を有する静
止タービンノズルが含まれ、静翼は外側および内側バン
ド間に半径方向に延在する。静翼は翼形の形状を有し、
静翼の下流に配置された対応タービン動翼間に燃焼ガス
を導く。動翼はロータディスクの周囲に装着され、ロー
タディスクは運転中回転して作用中の圧縮機またはファ
ンに動力を与えてそれを回転させる。
【0004】タービンノズル静翼は、運転中、翼面上を
流れる高温燃焼ガスによって加熱されるので、圧縮機か
ら抽出された冷却空気が静翼内に導かれて静翼を冷却す
る。静翼冷却は極めて複雑であり、そして様々な冷却形
状を開示している多くの特許が存在する。
【0005】ノズル静翼は通例内部に衝突邪魔板を備
え、冷却空気が衝突邪魔板を通って静翼の内面に衝突し
て静翼の内部冷却をなす。また、静翼は通例、翼壁を貫
通するフィルム冷却孔を有し、これらの冷却孔は使用済
み冷却空気を静翼の外面上に膜状に排出して高温燃焼ガ
スに対する追加的な保護をなす。
【0006】タービンノズルは通例その外側バンドにお
いて周囲環状ケーシングに支持される。圧縮機から抽出
された冷却空気は対応流路によりケーシングを通って個
々の静翼内に導かれる。タービンノズルは高温燃焼ガス
に直接さらされるので、冷却空気を通す周囲ケーシング
の温度より高い温度に加熱される。タービンノズルと周
囲ケーシングとの熱膨縮差に対処しなければ、運転中、
容認し得えないほど大きな熱応力を防ぐことができず、
このような熱応力はノズルの有効寿命に悪影響を与え
る。
【0007】従って、代表的なタービンノズルは複数の
弧状ノズルセグメントとして形成され、2つ以上の静翼
が、対応する外側および内側バンドセグメントと一体に
形成され、各ノズルセグメントは通例一体の鋳物として
形成される。ノズルセグメントは周囲ケーシングに固定
され、そして隣合うバンドセグメント間に適当なシール
を有する。タービンノズルのセグメント化はノズルの周
方向連続性を遮断し、そしてノズルと周囲ケーシング間
の拘束されない熱的移動差が発生し得る。
【0008】米国内で長年にわたって商用に供されてき
た第2段タービンノズルの一例では、多孔衝突リングが
ノズル外側バンドを囲んで同バンドの衝突冷却に役立
つ。この設計では個々のノズル静翼内に向かう別の流路
が複数の入口管によって設けられ、これらの管は通常ス
プーリーと呼ばれ、衝突リングと幾つかの対応衝突邪魔
板との間に半径方向に延在する。
【0009】各衝突邪魔板は一体の内側スプーリー容器
またはカップを含み、このカップは邪魔板の頂部に固定
された管の形態をなし、スプーリーの一端を受入れる。
スプーリーの他端は、衝突リングを貫通するように固定
された対応外側スプーリーカップ内に受入れられる。
【0010】各対の外側および内側スプーリーカップは
一般に互いに半径方向に整合して両カップ間に対応スプ
ーリーを受入れ、それぞれのスプーリーは両側のカップ
を連結して、衝突リングの衝突孔を通る空気流とは無関
係に、冷却空気を個々の静翼内に導くように連通作用を
なす。
【0011】定形状スプーリー設計の特別な問題は、ス
プーリーの外端を支持する衝突リングと、対応内側スプ
ーリーカップが延在するノズルセグメントとの熱膨縮差
である。
【0012】内側および外側スプーリーカップの周方向
位置は、ノズル構成部の組立て中の初期低温位置から、
高温でのエンジン運転中の高温位置へと必然的に変わ
る。
【0013】従って、外側および内側スプーリーカップ
間の熱的移動差に対処するために、従来、比較的大きな
環状バンドを個々のスプーリーの両端の周囲に設けてい
る。スプーリーバンドはそれぞれのスプーリーカップ内
で摩擦密封をなし、そして動かなくなったりスプーリー
変形を起こしたりすることなく、個々のスプーリーの限
られた量の傾斜を可能にする。
【0014】このように、外側および内側スプーリーカ
ップは最初に、スプーリーをカップ内に挿入した状態
で、低温組立て中半径方向に整合することができる。ま
た、タービンの運転温度で、各対の外側および内側スプ
ーリーカップ間の移動差が、個々のスプーリーの密封バ
ンドを支えとする傾斜によって許容される。
【0015】スプーリーバンドは個々のスプーリーの外
面から半径方向外方に突出しているので、個々のスプー
リーの対応内径は本来比較的小さい。各静翼は、運転中
の効果的な冷却のために所定量の冷却空気の通流を必要
とするので、スプーリーの内径はその空気流要件に適合
するように決定されなければならない。これに対応して
スプーリーバンドの比較的大きな直径が必要になり、従
ってスプーリーの全体的な寸法が増加し、それだけエン
ジン重量が増加する。エンジン重量の増加はエンジンの
総合効率を減らすので、航空機エンジンの主要設計要目
である。
【0016】各ノズルセグメントにおける隣合う静翼
は、一体バンドセグメントによって一緒に固定されるの
で、隣接ノズルセグメントにおける隣合う静翼とは異な
る膨縮をなす。隣合うノズルセグメントは隣合うバンド
によって一体に結合されず、その代わりに支持ケーシン
グによって一緒に結合される。スプーリーカップ対間の
熱的移動差は、各ノズル静翼に対して内側スプーリーカ
ップの異なる位置を設定することによって別様に対処す
ることができる。これは望ましくない。なぜなら、それ
はノズルセグメントの均等性を減らしそして部品の比較
的多くの在庫数量の必要性を高めるからである。
【0017】従って、運転中の熱的移動差に対処するた
めにスプーリーと支持カップの改良形状を有するタービ
ンノズルを設けることが望まれる。
【0018】
【発明の概要】タービンノズル静翼用の衝突邪魔板に多
孔スリーブが含まれ、衝突空気を通して排出する。キャ
ップがスリーブの上端を閉ざしそして入口孔を有する。
スプーリーカップがその底端にフランジを備え、このフ
ランジは、空気を通す入口孔の周囲でキャップ上に配置
される。保持体がキャップに固定されてカップフランジ
をキャップ上で緩く捕捉してカップフランジの限られた
横方向滑動を可能にする。
【0019】
【発明の詳述】本発明は、他の目的と利点とともに、添
付図面と関連する好適実施例の以下の詳述からさらに明
らかとなろう。
【0020】図1にはターボファン航空機ガスタービン
エンジンの第2段タービンノズルの一例10を示す。ノ
ズル10は長手方向または軸方向中心線12に関して軸
対称形でありそして環状ケーシング14を含み、このケ
ーシングに複数のノズルセグメント16が任意の従来態
様で装着される。
【0021】タービンノズルのすぐ上流に1列の高圧タ
ービン動翼18が配置されており、最初に高温燃焼ガス
20を受け、燃焼ガスからエネルギーが抽出されて動翼
支持タービンロータを駆動する。第2段ノズル10のす
ぐ下流に1列の第2段タービン動翼22が配置され、追
加エネルギーを燃焼ガスから抽出して第2段動翼支持ロ
ータを駆動する。
【0022】図2は複数の周方向に隣合うノズルセグメ
ント16の2つを示し、両セグメントは、それらが装着
される図1のケーシング14から隔離されている。各セ
グメント16は半径方向外側および内側バンド24、2
6を含み、両バンドは弧状セグメントの形態のもので、
1対の中空翼形静翼28と一体に結合され、各セグメン
トは通例一体鋳物として形成される。2つ以上の静翼を
各ノズルセグメントに形成することができ、これらの静
翼は両バンド間に半径方向に延在し、そして周方向に相
隔たって燃焼ガスを軸方向に通す。
【0023】図1と図2に示したノズル静翼28はそれ
ぞれ衝突邪魔板30を含み、この邪魔板は横方向浮動内
側スプーリーカップ32を有し、このカップは、例えば
短い筒形管の形態のもので、邪魔板30から半径方向外
方に延在する。
【0024】多孔衝突リング34が、半径方向に支持ケ
ーシング14と外側バンド24との間に、締結具によっ
てノズルセグメントの外側バンドに従来のように装着さ
れて2つの同心空気流プレナムを画成する。
【0025】衝突リング34には複数の周方向に相隔た
る外側スプーリーカップ36が含まれ、半径方向外方に
延在しそして内側カップ32の対応するものと概して半
径方向に整合される。
【0026】複数のスプーリー38、例えば、薄肉板金
管の形態のものが、整合した内側および外側カップ3
2、36の対応対を貫通するように配置されて対応流路
ブリッジを形成し、冷却空気40を通して対応衝突邪魔
板内に導き、こうしてそれぞれのノズル静翼の内部冷却
をなす。冷却空気40は従来のようにエンジンの圧縮機
(図示せず)から抽出され、そしてケーシング14に形
成された入口を通る。
【0027】図1に示した衝突リング34は多数の小さ
な衝突孔を有し、これらの衝突孔により冷却空気40の
一部分が衝突リングを通流し、一つの冷却回路において
ノズル外側バンド24の半径方向外面の衝突冷却をな
す。
【0028】第2冷却回路がそれぞれのスプーリー38
を通るように画成され、冷却空気40の残部を対応衝突
邪魔板内に直接導入する。
【0029】衝突邪魔板はまた、その壁を貫通する多数
の小さな衝突孔を有し、これらの衝突孔は静翼の内面の
衝突冷却に役立ち、使用済みの静翼衝突空気は通例、静
翼を貫通している従来の膜冷却孔を経て静翼から排出さ
れる。使用済み外側バンド冷却空気は通例、従来のよう
に外側バンドの複数の開口を経てあるいは外側バンドの
支持用装着フランジを経て周囲プレナムから排出され
る。
【0030】図3は、衝突邪魔板30の一例の半径方向
外端に取付けた浮動内側スプーリーカップ32の一実施
例をさらに詳細に示す。各衝突邪魔板には多孔スリーブ
42が含まれ、それを貫通する多数の小さな衝突孔を有
し、これらの衝突孔により冷却空気がスリーブの内側か
ら排出され、邪魔板が挿入された対応静翼の内面に衝突
する。スリーブ42は通例薄い板金部材であり、その半
径方向内端が従来のように適当に閉ざされており、スリ
ーブはまた薄肉板金キャップ44を有し、このキャップ
はスリーブの外端または上端を閉ざすものである。キャ
ップ44は、それを貫通している大きな入口孔46を除
けば、中実または無孔であり、入口孔46は冷却空気を
邪魔板内に導く。
【0031】内側スプーリーカップ32には一体の取付
けフランジ48が含まれ、カップの円形底端から半径方
向外方に延在し、カップ32は入口孔46の周囲でキャ
ップ44上に直接接触している。
【0032】保持体50がキャップ44に固定されてカ
ップフランジ48をキャップ上で緩く捕捉し保持してカ
ップフランジの限られた横方向滑動または浮動を可能に
する。
【0033】キャップ44は好ましくはさらに、入口孔
46を囲む平坦な円形座52を含み、そしてカップフラ
ンジ48は平らで前記平坦座と当接してそれとともに接
触密封をなす。
【0034】図3に示した好適実施例では、保持体50
は好ましくは環状または円形であり、内側カップ32か
ら半径方向または横方向に隔てられてそれとの間に公称
側間隙Aを画成し、保持体50内の内側カップの限られ
た横方向滑動を可能にする。
【0035】保持体50はまた好ましくは、その周囲に
ある一体の軸方向延在フランジ54を含み、このフラン
ジはキャップ44に、例えば、ろう付けまたは溶接によ
って固定されて保持体50をそれから離隔し、カップフ
ランジ48を受入れそして捕捉する環状スロット56を
画成する。
【0036】保持体フランジ54はカップフランジ48
から横方向または半径方向に隔てられてそれとの間に公
称端間隙Bを画成し、内側カップ32とその装着フラン
ジ48の限られた横方向滑動を可能にする。両半径方向
間隙A、Bは好ましくは相等しく、従って内側カップ3
2は保持体50の限られた境界内で横方向に自由に浮動
または滑動し得る。このように浮動する内側カップ32
は、図1と図2に示した対応外側カップ36と改良され
た半径方向整合をなし、これによりノズル構成部の初期
組立てと、運転中のノズルの性能とが改善される。
【0037】さらに詳述すると、タービンノズルは、前
述のようにそして図2に示すように、複数のノズルセグ
メント16として形成されており、従って外側および内
側バンドの周方向連続性が断ち切られている。この実施
例では、外側バンドは一緒に固定されそして従来のよう
にケーシング14に支持されている。タービンノズルの
作用中、高温燃焼ガス20がノズルセグメントを周囲の
衝突リング34とケーシング14より高い作用温度に加
熱する。衝突リング34とケーシング14はそれらに導
かれる抽出空気40によって冷却される。
【0038】衝突リング34は完全に環状でありそして
運転中比較的低温であり、またノズルセグメントは運転
中比較的高温であるから、これらの構成部は加熱された
時熱膨張差を生じそして冷却された時収縮差を生じる。
【0039】従って、邪魔板入口孔46と対応外側スプ
ーリーカップ36との半径方向整合は、ノズル構成部の
熱膨縮中、周方向に変わる。
【0040】浮動スプーリーカップ32は保持体50内
で横方向位置が調整可能であり、従って、対応する内側
および外側カップ32、36は互いに正確に半径方向に
整合可能であり、ノズル構成部の熱的移動差によるスプ
ーリーの望ましくない傾斜または上ぞりを起こすことな
く、対応スプーリー38を支承する。
【0041】図2に示すように、個別ノズルセグメント
16の2つの静翼は同セグメントに固定されるが、隣合
うノズルセグメントの隣合う静翼は、セグメント間の軸
方向分割線によって互いに分離されている。これに対応
して、衝突リング34は一体部材である。従って、外側
カップ36は、対応内側カップ32との熱的移動差にか
かわらず内側カップ32と整合しなければならない。
【0042】図2に示した外側カップ36は、低温時
に、または組立て中の室温で、中心から中心までの公称
周方向ピッチCを有し得る。衝突リング34が運転中に
加熱されると、衝突リングの周が膨張するので、外側カ
ップ36は比較的大きなピッチDを有する。
【0043】これに対応して、ノズル静翼28と邪魔板
入口孔46は、組立て中の室温で低温周方向ピッチEを
有する。また、高温での運転中、入口孔46はノズルセ
グメントの熱膨張により比較的大きな周方向ピッチFを
有する。
【0044】外側スプーリーカップ36と邪魔板入口孔
46のそれぞれのピッチは、組立て中の低温時、あるい
は運転中の高温時のいずれかでは合致し得るが、低温時
と高温時の両方で合致することはない。
【0045】従って、保持体50は好ましくは次のよう
に、すなわち、内側スプーリーカップ32の横移動を可
能にする側間隙A、Bを画成して、低温での組立て中
と、ノズルセグメントの最高作用温度で、内側および外
側スプーリーカップの対応対を半径方向に整合して、衝
突リング34とノズルセグメント16との熱膨張差に対
処するように直径が定められる。
【0046】浮動スプーリーカップ32の特別な利点
は、低温組立て中に、それぞれのスプーリー38を対応
する内側および外側カップ間に組付けることを可能に
し、しかもノズルの高温作用時に、内側カップが保持体
内で横方向に滑って各カップ対の半径方向整合を維持し
てそれぞれのスプーリー38の傾斜を制限または防止し
得るということである。また、浮動内側カップ32は、
ピッチの変化にかかわらずそれぞれの入口孔46による
冷却空気流路を維持する。
【0047】前述の浮動スプーリー設計の特別な利点
は、定設計の異なる位置のスプーリーを無くして個々の
ノズルセグメントの共通性を維持し、これにより、ノズ
ルに要する相異なる部品の数を減らすことを包含する。
また、浮動スプーリーは、内側および外側スプーリーカ
ップの各対間の比較的大きな位置公差の必要を無くす
る。このような公差は、さもなければ定形状内側スプー
リー設計に必要とされるものである。
【0048】図3に示すように、各スプーリー38は好
ましくは薄肉板金管で、頂部と底部の外部環状ボスまた
はバンド58を含み、両環状バンドは、図1に示すよう
に内側および外側スプーリーカップの対応内面と摩擦的
に当接または係合するように外径が定められている。こ
のように、各スプーリーの両バンド58はそこでの効果
的な空気密封をなし、従って、スプーリーを通って衝突
邪魔板に入る圧縮冷却空気はスプーリーとカップ間の漏
れをほとんど起こさない。
【0049】従って、スプーリーバンド58は外側およ
び内側スプーリーカップ内で内部空気密封をなす。ま
た、平らなカップフランジ48は対応平坦座52上で効
果的な空気密封をなして空気漏れを減らすか無くする。
【0050】浮動スプーリーカップ32の他の利点は、
図3に示したスプーリーバンド58の高さGを、本明細
書の発明の背景の部分で述べた定形状スプーリーカップ
とともに用いる従来のスプーリーと比べて最小にし得る
ことである。定形状スプーリーカップ間の熱的移動差に
よる両カップ間の固有の半径方向不整合により、従来寸
法のスプーリーバンドは、スプーリーがスプーリーバン
ドを支えとして十分な程度傾斜して熱的移動差に対処し
得るように、比較的高くなければならない。
【0051】これらの大きなスプーリーバンドは必然的
にそれに対応する小さなスプーリー内径を必要とする。
所与のスプーリーには特定流量の冷却空気を通さなけれ
ばならないので、スプーリーの内径は所要流量によって
制御され、従ってスプーリーバンドはそれに対応する大
きな直径をもたなければならない。従って、支持用の定
形状スプーリーカップの直径と寸法が増加し、タービン
ノズルに望ましくない重量が加わることになる。
【0052】しかし、浮動内側スプーリーカップ32を
利用することにより、スプーリー38の傾斜または上ぞ
りはかなり減少するか皆無になり、従って、スプーリー
バンド58は最小高さGをもつように寸法を定めること
ができるので、主としてそこでの所望空気密封だけをな
し、衝突リング34とノズルセグメントとの熱膨張差に
よるスプーリーカップ内のスプーリーの傾斜を生じな
い。
【0053】スプーリーバンドの高さGを減らすことが
できるので、スプーリーの内径をそれだけ増すことがで
きる。このように、スプーリーを通る所与の冷却空気流
量に対して、所要内径を定めることができ、それに応じ
てスプーリーバンド58の外径を従来の設計におけるバ
ンドより小さくすることができ、その結果、スプーリー
が比較的小さくなるばかりでなく、それに応じて内側お
よび外側スプーリーカップ32、36も小さくなる。例
えば、浮動スプーリーカップを浮動しないスプーリーカ
ップの代わりに用いると、スプーリーバンド58の高さ
を約5ミルから約2ミルまで減らすことができる。
【0054】従って、浮動スプーリーカップをそれぞれ
の衝突邪魔板に簡単に設けることにより、ノズルセグメ
ントと衝突リング34との熱膨縮差に対処することがで
き、効果的に密封された独立流路を維持して圧縮冷却空
気を衝突リングを通して幾つかの静翼内のそれぞれの衝
突邪魔板内に導入することができる。各浮動スプーリー
は共通または同等設計を有し、それに応じて各ノズルセ
グメントも同等設計を有してタービンノズルにおける異
なる部品の数を減らすことができる。
【0055】浮動スプーリーカップは、例えば、スタン
ピングされた板金で容易に形成することができ、そして
衝突邪魔板の対応キャップ44に容易に組付けることが
できので、製造費は低廉である。
【0056】以上、本発明の好適実施例と考えられるも
のを説明したが、それらの様々な改変が本発明の範囲内
で可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による軸対称形第2段タービ
ンノズルの軸方向断面図である。
【図2】図1に示したタービンノズルの一部分の分解図
である。
【図3】本発明の一実施例による浮動スプーリーカップ
を有する図1と図2のノズル静翼内に装着した衝突邪魔
板の一例の部分分解拡大図である。
【符号の説明】
10 第2段タービンノズル 14 環状ケーシング 16 タービンノズルセグメント 24 外側バンド 26 内側バンド 28 中空静翼 30 衝突邪魔板 32 内側スプーリーカップ 34 多孔衝突リング 36 外側スプーリーカップ 38 スプーリー 42 多孔スリーブ 44 キャップ 46 入口孔 48 カップフランジ 50 保持体 52 平坦座 54 保持体フランジ 56 環状スロット 58 スプーリーバンド
フロントページの続き (72)発明者 ジュド・ドッジ・トレスラー アメリカ合衆国、オハイオ州、メイソン、 ハミングバード・ドライブ、6094番 (72)発明者 アラン・ライオネル・ウェブ アメリカ合衆国、オハイオ州、ハミルト ン、ヒューズ・グレン・コート、6462番 Fターム(参考) 3G002 GA08 GA11 GA17 GA19 GB01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衝突空気40を通して排出する多孔スリ
    ーブ42と、前記スリーブの上端を閉ざしそして貫通入
    口孔46を有するキャップ44と、底端から半径方向外
    方に延在する一体フランジ48を含み、前記入口孔の周
    囲に前記キャップ44上に配置されて空気を前記スリー
    ブ内に導くスプーリーカップ32と、前記キャップに固
    定されて前記カップフランジ48をキャップ上で緩く捕
    捉して前記カップフランジの限られた横方向滑動を可能
    にする保持体50とからなるタービン静翼衝突邪魔板3
    0。
  2. 【請求項2】 前記キャップ44はさらに、前記入口孔
    46を囲む平坦座52を含み、そして前記カップフラン
    ジ48は平らで前記平坦座と当接してそれとともに接触
    密封をなす、請求項1記載の邪魔板。
  3. 【請求項3】 前記保持体50は環状であり前記カップ
    32から横方向に隔てられて前記カップの前記の限られ
    た横方向滑動を可能にする、請求項2記載の邪魔板。
  4. 【請求項4】 前記保持体50はその周囲にある一体フ
    ランジ54を含み、このフランジは前記キャップに固定
    されて前記保持体をそれから離隔し、前記カップフラン
    ジ48を受入れる環状スロット56を画成する、請求項
    3記載の邪魔板。
  5. 【請求項5】 前記保持体フランジ54は前記カップフ
    ランジ48から横方向に隔てられて前記カップとそのフ
    ランジの前記の限られた横方向滑動を可能にする、請求
    項4記載の邪魔板。
  6. 【請求項6】 バンド間に延在する1対の中空静翼28
    と一体に結合された外側および内側バンド24、26を
    含み、各静翼がその中に懸架された前記衝突邪魔板30
    の対応する一つを含み、前記衝突邪魔板の前記スプーリ
    ーカップ32が前記外側バンド24から外方に延在して
    内側スプーリーカップとなっているようなタービンノズ
    ルセグメント16と、前記内側スプーリーカップ32そ
    れぞれと半径方向に整合した複数の周方向に相隔たる外
    側スプーリーカップ36を含む多孔衝突リング34と、
    前記の整合した内側および外側スプーリーカップ32、
    36の対応対を半径方向に連結して前記空気を通すそれ
    ぞれのスプーリー38と組み合わせた請求項3記載の邪
    魔板。
  7. 【請求項7】 互いに周方向に隣接する複数の前記ノズ
    ルセグメント16をさらに含み、それらの前記静翼28
    はそれぞれ前記衝突邪魔板30の対応する一つを含み、
    前記衝突邪魔板30は、前記内側および外側スプーリー
    カップ32、36の対応対を連結している前記スプーリ
    ー38の対応するものによって前記衝突リング34と連
    通状に連結されている、請求項6記載の組合せ。
  8. 【請求項8】 前記保持体50は、前記内側スプーリー
    カップ32の横移動を可能にして組立て中と前記ノズル
    セグメントの最高作用温度で前記内側および外側スプー
    リーカップ32、36の対応対を半径方向に整合して前
    記衝突リング34と前記ノズルセグメント16との熱膨
    張差に対処するように直径が定められている、請求項7
    記載の組合せ。
  9. 【請求項9】 各スプーリー38は頂部と底部の外部環
    状バンド58を含み、両バンドは前記内側および外側ス
    プーリーカップ32、36の内面と摩擦接触してそこで
    の密封をなす、請求項6記載の組合せ。
  10. 【請求項10】 前記スプーリーバンド58は前記スプ
    ーリーからの高さが最小であり主としてそこでの前記密
    封だけをなし、前記衝突リング34と前記ノズルセグメ
    ント16との熱膨張差による前記スプーリーカップ内の
    前記スプーリーの傾斜を発生させない、請求項9記載の
    組合せ。
  11. 【請求項11】 環状ケーシング14と、前記ケーシン
    グ14に装着された複数の周方向に隣合うノズルセグメ
    ント16とを備え、各セグメントは外側および内側バン
    ド24、26を含み、両バンドはその間に延在する1対
    の中空静翼28と一体に結合されており、各ノズル静翼
    28は衝突邪魔板30を含み、この邪魔板はそれから外
    方に延在する横方向浮動内側スプーリーカップ32を有
    し、また、前記内側スプーリーカップ32それぞれと半
    径方向に整合した複数の周方向に相隔たる外側スプーリ
    ーカップ36を含む多孔衝突リング34と、前記の整合
    した内側および外側スプーリーカップの対応対を半径方
    向に連結して冷却空気を通すそれぞれのスプーリー38
    とを備えているタービンノズル10。
  12. 【請求項12】 各衝突邪魔板30はさらに、衝突空気
    40を通して排出する多孔スリーブ42と、前記スリー
    ブの上端を閉ざし貫通入口孔46を有するキャップ44
    とを備え、前記内側スプーリーカップ32は、その底端
    から半径方向外方に延在する一体フランジ48を含み、
    前記入口孔の周囲で前記キャップ44上に配置されて空
    気を前記スリーブ内に導き、また、各衝突邪魔板30は
    保持体50を備え、この保持体は前記キャップに固定さ
    れて前記カップフランジ48をキャップ上で緩く捕捉し
    て前記カップフランジの限られた横方向滑動を可能にす
    る、請求項11記載のノズル。
  13. 【請求項13】 各キャップ44はさらに、前記入口孔
    46を囲む平坦座52を含み、そして前記カップフラン
    ジ48は平らで前記平坦座と当接してそれとともに接触
    密封をなす、請求項12記載のノズル。
  14. 【請求項14】 各保持体50は環状であり前記カップ
    32から横方向に隔てられて前記カップの前記の限られ
    た横方向滑動を可能にする、請求項13記載のノズル。
  15. 【請求項15】 各保持体50はその周囲にある一体フ
    ランジ54を含み、このフランジは前記キャップに固定
    されて前記保持体をそれから離隔し、前記カップフラン
    ジ48を受入れる環状スロット56を画成する、請求項
    14記載のノズル。
  16. 【請求項16】 各保持体フランジ54は前記カップフ
    ランジ48から横方向に隔てられて前記カップとそのフ
    ランジの前記の限られた横方向滑動を可能にする、請求
    項15記載のノズル。
  17. 【請求項17】 前記保持体50は、前記内側スプーリ
    ーカップ32の横移動を可能にして組立て中と前記ノズ
    ルセグメントの最高作用温度で前記内側および外側スプ
    ーリーカップ32、36の対応対を半径方向に整合して
    前記衝突リング34と前記ノズルセグメント16との熱
    膨張差に対処するように直径が定められている、請求項
    16記載のノズル。
  18. 【請求項18】 各スプーリー38は頂部と底部の外部
    環状バンド58を含み、両バンドは前記内側および外側
    スプーリーカップ32、36の内面と摩擦接触してそこ
    での密封をなす、請求項17記載のノズル。
  19. 【請求項19】 前記スプーリーバンド58は前記スプ
    ーリーからの高さが最小であり主としてそこでの前記密
    封だけをなし、前記衝突リング34と前記ノズルセグメ
    ント16との熱膨張差による前記スプーリーカップ内の
    前記スプーリーの傾斜を発生させない、請求項18記載
    のノズル。
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