JP2002105917A - 路面標示材及びその積層(巻回)体 - Google Patents

路面標示材及びその積層(巻回)体

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JP2002105917A
JP2002105917A JP2000278206A JP2000278206A JP2002105917A JP 2002105917 A JP2002105917 A JP 2002105917A JP 2000278206 A JP2000278206 A JP 2000278206A JP 2000278206 A JP2000278206 A JP 2000278206A JP 2002105917 A JP2002105917 A JP 2002105917A
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Hitoshi Oba
仁史 大場
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3M Innovative Properties Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その複数をシート状に積層した場合、又は長
尺ものをロール状に巻回した場合であっても、剥離紙を
介することなしに、互いに隣接する路面標示材を容易に
剥離し得る路面標示材及びその積層(巻回)体を提供す
る。 【解決手段】 ベース層1と、このベース層1の裏面に
配設された接合層2とを備え、路面又は路面上に配置さ
れた被着体表面に、前記接合層2の外面(接合面)を対
向させた状態で接合される路面標示材10であって、前
記接合層2中に、複数の無機質ビーズ3を、前記接合層
2の外面(接合面)からその一部を突出した状態で埋設
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、路面標示材に関
する。さらに詳しくは、その複数をシート状に積層した
場合、又は長尺ものをロール状に巻回した場合であって
も、剥離紙を介することなしに、互いに隣接する路面標
示材を容易に剥離し得る路面標示材及びその積層(巻
回)体に関する。
【0002】
【従来の技術】 路面標示は、道路交通に関する規制又
は指示を表示する標示であり、例えば、道路鋲、ペイン
ト、石、プラスチックシート等を路面に配置して形成し
た文字、図形、記号等の視覚情報から構成される。この
ような路面標示を形成するために使用される路面標示材
のうち、プラスチックシート等を用いたものは、通常、
ベース層と、そのベース層の裏面に配設された接着剤を
含有する接合層とを備えている。このような路面標示材
は、例えば、特許第2813380号公報、特許第30
45324号公報等に開示されているように、路面に直
接、又は路面上に配置されたセラミックセメントやトラ
フィックペイント等を含んでなる被着体の表面に、前記
接合層を介して接着又は接合されるものであるが、路面
等の形状に対する適応性が高いことに加え、可搬性や施
工の簡便性に優れるため広く用いられている。
【0003】 しかし、このような路面標示材には、そ
れをロール状に巻回したり、複数のシートを積み重ねた
りして、積層(巻回)体として保管する場合、保管中
に、互いに隣接する路面標示材が、互いの接合面とベー
ス層との間で密着することがあるため、剥離紙やライナ
ーと呼ばれる保護シートで接合面を保護する必要がある
という問題があった。このような隣接するシート間の密
着は、例えば、巻回体からの巻き出しを困難にしたり、
積層体から一枚一枚を剥離して貼付ける場合の作業性を
低下させていた。
【0004】 さらに、保護シートを備えた路面標示材
は、路面への接合作業(貼付け作業)において、その都
度、保護シートを除去する操作が必要であり、路面標示
材の路面への施工の作業効率を向上させるために、接合
作業を専用の接合装置等を用いて自動化する場合、保護
シートを自動除去するための特別の手段が必要となり、
接合装置全体の機構が複雑かつ大掛かりなものにならざ
るを得なかった。
【0005】 一方、路面用ではなく、道路標識用とし
てのマーキングシートやマーキングテープが広く用いら
れている。このような道路標識用マーキングシート等
は、ベース層と、接着剤を含有する接着層とを備えてい
る。
【0006】 このようなマーキングシート等の接着シ
ートにおいて、接着シートを被着面に沿って容易に平行
移動や位置調整ができるようにするため、その接着層表
面の一部分を覆い、かつ部分的に接着層から突出するよ
うにして、ガラスビーズやガラスバブル等の無機質粒子
を埋設することが開示されている(特許第303169
6号公報等)。このような接着シートは、接着シートを
被着体に向けて加圧(圧着)する前は、タックを持たな
い無機質粒子集団が接着面に突起を形成し、被着体表面
(被着面)と接着層との部分接触を保持し、圧着後は、
粒子が接着層に押し込まれて突起が消失し、感圧接着剤
が被着面に接着し、接着シートが被着体へ接着されると
いう優れた機能を有するものである。
【0007】 しかし、このような接着シートが接着さ
れる被着体は、通常、接着剤よりも相対的に硬い固体状
の被着面を有するものであるため、保管中、粒子に圧力
が加わると、粒子は容易に接着層に押し込まれて前記突
起が消失してしまうことがあった。このような不都合を
防止するため、前記突起を受け入れ可能な陥没部を有す
るライナーによって接着面を保護しておく必要があっ
た。従って、前述の路面表示材の場合と同様に、保護シ
ート(ライナー)を介さない状態で、接着シートをロー
ル状に巻回したり、裁断して複数のシートを積み重ねて
積層(巻回)体として保管することは、通常、困難であ
る。また、このような接着シートは、ベース層や接着層
の厚さが比較的薄いため、その上面を車両が繰り返し通
過する状況下では、タイヤとの接触摩耗により、早く摩
滅してしまうことになる。さらに、接着層の接着剤の流
動性が比較的高いため、車両が繰り返し通過する状況下
では、接着位置のズレが生じやすいことになる。これら
の理由から、上記の接着シートをそのまま路面標示材に
転用することはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、前記問題
を解決するためになされたものであって、その複数をシ
ート状に積層した場合や長尺ものをロール状に巻回した
場合であっても、剥離紙を介することなしに、互いに隣
接する路面標示材を容易に剥離し得、貼付作業効率の向
上を図ることができる路面標示材及びその積層(巻回)
体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するた
め、本発明によって、下記路面標示材及びその積層(巻
回)体が提供される。
【0010】[1]ベース層と、このベース層の裏面に
配設された接合層とを備え、路面又は路面上に配置され
た被着体表面に、前記接合層の外面(接合面)を対向さ
せた状態で接合される路面標示材であって、前記接合層
中に、複数の無機質ビーズが、前記接合層の外面(接合
面)からその一部を突出した状態で埋設されてなること
を特徴とする路面標示材。
【0011】[2]溶融又は軟化した前記路面又は路面
上に配置された被着体表面に前記接合層の外面を対向さ
せた状態で押圧され、前記無機質ビーズの前記接合層の
外面から突出した部分が、前記路面又は路面上に配置さ
れた被着体表面に埋設されることにより、前記路面又は
路面上に配置された被着体表面に接合される前記[1]
に記載の路面標示材。
【0012】[3]前記無機質ビーズの平均粒径が、前
記接合層の厚さより大である前記[2]に記載の路面標
示材。
【0013】[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記
載の路面標示材を、シート状に積層、又はロール状に巻
回してなり、互いに隣接する路面標示材のそれぞれの接
触が、一方の前記ベース層表面と他方の前記無機質ビー
ズの突出部分とによるものである路面標示材の積層(巻
回)体。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の路面標示材及び
その積層(巻回)体の実施の形態を図面を参照しつつ具
体的に説明する。
【0015】 図1に示すように、本発明の路面標示材
10は、ベース層1と、このベース層1の裏面に配設さ
れた接合層2とを備え、路面又は路面上に配置された被
着体表面に、接合層の外面(接合面)を対向させた状態
で接合される路面標示材であって、接合層2中に、複数
の無機質ビーズ3が、接合層2の外面(接合面)からそ
の一部を突出した状態で埋設されてなることを特徴とす
る。
【0016】 また、本発明の路面標示材の積層(巻
回)体は、後程さらに具体的に説明する路面標示材を、
シート状に積層、又はロール状に巻回してなり、互いに
隣接する路面標示材のそれぞれが、一方の前記ベース層
表面と他方の前記無機質ビーズの突出部分とにおいて接
触するように構成されたものである。ここで、積層(巻
回)方法については特に制限はなく、汎用の方法を用い
ることができる。
【0017】 以下、本発明の路面標示材を構成要素ご
とにさらに具体的に説明する。
【0018】1.ベース層 本発明に用いられるベース層は、耐久性及び耐摩耗性に
優れたものであれば特に制限はないが、例えば、可撓性
を有する材料、具体的には、アクリロニトリル−ブタジ
エン重合体、ネオプレン(登録商標)、ポリアクリレー
ト、天然ゴム及びスチレン−ブタジエン重合体からなる
群から選ばれる少なくとも1種を含有する未加硫ゴムを
含んでなる材料が好ましい。このような未加硫ゴムは、
路面から路面標示材を剥がすような外力に抵抗し、ま
た、車両や歩行者等の通過による圧力を吸収し、路面に
貼り付けた路面標示材の耐久性を高めることができる。
また、図1に示すように、耐摩耗性を向上させるため
に、その外表面にセラミックスやガラス等の硬質の耐摩
耗性粒子4を埋設した表層を形成したものであってもよ
い。
【0019】 また、耐摩耗性粒子を結着させるため熱
可塑性又は熱硬化性のバインダーを用いてもよい。この
ようなバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニルベースの熱
可塑性樹脂等を挙げることができる。
【0020】 さらに、ベース層中に、顔料等の着色材
を含有させ、路面に貼り付けた時の視認性を高めたもの
であってもよい。
【0021】 このようなベース層の具体例としては、
例えば、特許第3045324号公報に開示されている
ものを挙げることができる。
【0022】 なお、ベース層の厚さは、表層を設けな
い場合、通常、300〜3,000μm、好ましくは、
500〜2,000μmである。また、表層の厚さは、
通常、100〜800μm、好ましくは、200〜60
0μmである。
【0023】2.接合層 本発明に用いられる接合層は、ベース層に接合された固
定面と、路面又は路面上に配置された被着体表面(被着
面)に接合される接合面(外面)とを有している。ま
た、接合面(外面)には、接合面からその一部を突出し
た状態で埋設された、後述する複数の無機質ビーズを含
んでいる。本発明の路面標示材が被着面に接合される
時、複数の無機質ビーズは、被着面にも埋設されるよう
にして接合される。すなわち、接合面が、溶融又は軟化
した路面又は路面上に配置された被着面に接合層の外面
を対向させた状態で押圧されることにより、複数の無機
質ビーズが被着面に埋設され、本発明の路面標示材は路
面又は被着面に接合される。
【0024】 本発明に用いられる接合層としては、溶
融又は軟化時及び硬化時の路面又は被着面との接合性に
優れたものであれば特に制限はないが、例えば、樹脂を
含有するものを好適例として挙げることができる。具体
的には、ゴム系接着剤、架橋硬質ゴム等のゴム材料が好
ましい。このようなゴム材料は、バインダー機能に優れ
ているので、路面標示材の保管中又は使用中に、無機質
ビーズ、中でも、ガラスビーズが接合層から脱落するの
を好適に防止することができる。このようなゴム材料と
しては、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ア
クリルゴム、スチレン系共重合体ゴム(SBS等)、ウ
レタン等を挙げることができる。また、接着剤のタイプ
(型)としては、感圧型、感熱型、溶剤活性型、硬化型
等のいずれであってもよい。好適な具体例としては、特
許第2813380号公報に開示されているポリブタジ
エンゴム系感圧接着剤、米国3M社製 商品名:PM7
701等を挙げることができる。
【0025】 本発明に用いられる接合層が比較的硬質
の場合、無機質ビーズの粒径が接合層の厚さより小さい
場合であっても、無機質ビーズを部分的に接合面から突
出するように埋設し、保持することができる。一方、接
合層が感圧接着剤等のような比較的軟質な材料を含む場
合、路面標示材の保管中又は使用中に、無機質ビーズが
接合層内に押し込まれて突出部分が消滅しないようにす
るためには、無機質ビーズの平均粒径を接合層の厚さよ
り大とすることが好ましい。なお、接着層の厚さは、通
常、70〜300μm、好ましくは、80〜200μm
である。
【0026】 また、無機質ビーズの接合面から突出す
る部分の高さは、通常、40〜700μm、好ましく
は、60〜650μm、さらに好ましくは、100〜6
00μmである。ビーズの突出部分の高さが40μm未
満であると、接合層が感圧接着剤等の比較的軟質な樹脂
を含む場合、路面標示材を重ねて積層(巻回)体として
保管した時に、その樹脂が無機質ビーズ層の表面に流出
し、隣接する路面標示材間に強固な密着が生じ、剥離す
るのが困難になることがある。反対に、700μmを超
えると、ビーズの粒径にもよるが、無機質ビーズが脱落
しやすくなる。
【0027】 また、無機質ビーズは、接合層の接合面
のほぼ全面を被覆するように接合層に埋設することが好
ましい。ほぼ全面を被覆することで、積層(巻回)体と
して保管した場合、感圧接着剤等の流動性が比較的高い
樹脂が無機質ビーズ層表面に流出すること、延いては、
隣接する路面標示材間の強固な密着の発生を有効に防止
することができる。
【0028】 本発明に用いられる接合層は、例えば、
ゴム材料等の樹脂と溶剤とを含有する塗布液を塗布、乾
燥することによって形成することができる。具体的に
は、塗布液を、ベース層の裏面に塗布、乾燥して接合層
を固定することを挙げることができる。塗布手段として
は、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、
バーコーター等の公知の手段を用いることができる。ベ
ース層に代えて剥離面を有する製造工程で用いる基材
(工程基材)上に塗布、乾燥して、工程基材付き接合層
を形成し、その接合層とベース層とを圧着し、接合層を
ベース層裏面に転写し、固定してもよい。通常、乾燥温
度は、60〜180℃、乾燥時間は数十秒から数分であ
る。
【0029】 接合層に無機質ビーズの層を埋設、配置
する方法としては、例えば、工程基材の表面や、トレ
ー、パン等の底浅容器の底に、実質的に単層状に配列し
た複数の無機質ビーズからなるビーズ層前駆体を形成
し、このビーズ層前駆体と、前記のようにしてベース層
の裏面に固定した接合面とを圧接し、無機質ビーズを接
合層に転写し、部分的に埋設させることを挙げることが
できる。この場合、接合層の樹脂として、そのままの状
態で十分な流動性を有する感圧接着剤を用いることが、
接合面をビーズ層前駆体に圧接するだけで無機質ビーズ
の接合層への転写、埋設を容易に行うことができること
から好ましい。また、接合層の樹脂がそのままでは十分
な流動性を持たない場合であっても、加熱又は溶剤の適
用により軟化させ、流動性を高めてから、無機質ビーズ
の接合層への転写、埋設を行うことができる。
【0030】 工程基材上にビーズ層前駆体を形成する
場合、工程基材の表面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂
層を配置しておくことが好ましい。すなわち、この熱可
塑性樹脂層の表面に、前記と同様に埋設した複数の無機
質ビーズからなるビーズ層前駆体を形成しておき、この
熱可塑性樹脂層表面のビーズ層前駆体と、接合面とを圧
接する方法を用いてもよい。この場合、加熱した工程基
材の熱可塑性樹脂層表面に無機質ビーズを散布し、部分
的に熱可塑性樹脂層に埋設させ、刷毛等で余分なビーズ
を除去することにより、実質的に単層状に配置された無
機質ビーズからなるビーズ層前駆体を容易に形成するこ
とができる。また、熱可塑性樹脂層に埋設したビーズ
は、ビーズ層前駆体を形成した工程基材を搬送する時に
脱落することを有効に防止することができる。従って、
製造場所とは別の場所で形成したビーズ層前駆体を保管
し、必要な時に接合層への転写、埋設を行う製造場所へ
搬送して使用することもできる。また、工程基材上のビ
ーズ層前駆体の上に、接合層を形成するための塗布液を
塗布、乾燥してビーズ層付き接合層を形成することもで
きる。
【0031】3.無機質ビーズ 本発明に用いられる無機質ビーズは、上述のように、接
合層の接合面からその一部を突出した状態で埋設されて
なるものであるが、有機物ビーズと異なり、路面標示材
を積層(巻回)体として保管した時に、表面タックがほ
とんど無く、また、比較的硬質で圧力に対して変形しに
くいため、互いに隣接する路面標示材が密着するのを有
効に防止することができる。
【0032】 本発明に用いられる無機質ビーズの材質
としては特に制限はないが、例えば、ガラス、無機酸化
物等を挙げることができる。無機酸化物ビーズとして
は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアからな
る群から選ばれる少なくとも1種を含有するものが好ま
しい。具体的には、ガラスビーズ(東芝パロティーニ
(株)製 商品名:GB731A)、アルミナビーズ
(昭和電工(株)製 商品名:CB A40)等を挙げ
ることができる。
【0033】 無機質ビーズの粒径(平均粒径)は、好
ましくは、150〜1,000μm、さらに好ましく
は、200〜800μmである。無機質ビーズの粒径が
150μm未満であると、積層(巻回)体として保管し
た場合に、互いに隣接する路面標示材間の密着を有効に
防止することができないことがあり、また、路面へ接合
した際の投錨効果が低下することがある。反対に、1,
000μmを超えると、路面標示材全体の厚さが大とな
り、積層(巻回)体とした場合に、嵩張って保管しにく
いことがある。なお、ビーズの粒径は、通常、光学顕微
鏡を用いた画像処理装置を用いて測定することができ
る。
【0034】4.路面又は被着体への接合 本発明の路面標示材は、路面又は路面上に配置された被
着体表面に、接合層の接合面を対向させた状態で接合さ
れる。
【0035】 ここで、被着面としては、路面上に固定
的に配置されたセラミックセメントやトラフィックペイ
ント等を含んでなるものを挙げることができる。
【0036】 本発明の路面標示材を被着体に接合する
には、被着体を溶融又は軟化した状態にすることが好ま
しい。例えば、溶融型のトラフィックペイントからなる
被着体の場合、トラフィックペイントを溶融塗布し、冷
却固化する前に、路面標示材を被着体表面に配置し、接
合層の接合面と被着体表面とを対向させた状態で圧接し
て接合層の無機質ビーズの層を被着体に埋設させた後、
被着体(トラフィックペイント)を冷却固化させること
を挙げることができる。また、すでに固化した被着体の
上に路面標示材を被着面に接合する場合、被着体を加熱
又は溶剤の適用により軟化させた後、接合層の接合面と
被着面とを対向させた状態で路面標示材を被着面に向け
て圧接し、被着体を固化(冷却又は乾燥)させてもよ
い。
【0037】 また、路面標示材を路面に直接接合する
場合も同様に、路面を構成する材料、例えば、アスファ
ルトが固化する前、又は加熱して軟化させた状態で、か
つ接合層の接合面と被着面とを対向させた状態で路面標
示材を被着面に圧接し、路面構成材料を固化してもよ
い。
【0038】 この場合、無機質ビーズの平均粒径を、
接合層の厚さより大とすることが、必要な無機質ビーズ
の突出部分を確保する上で好ましい。
【0039】
【実施例】 以下本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によっていかな
る制限を受けるものではない。
【0040】実施例1 特許第3045324号公報の開示に従って、本実施例
で用いるベース層を作製した。最初に、表層を形成する
ための塗料を、次のようにして作製した。第1のポリカ
プロラクトントリオール(ユニオンカーバイド社製 商
品名:トーン0301 分子量303)100質量部
と、第2のポリカプロラクトントリオール(ユニオンカ
ーバイド社製 商品名:トーン0310 分子量96
6)10質量部と、二酸化チタン(白色顔料)65質量
部とをサンドミルを用いて混合、分散した。次に、この
分散物に、イソシアネート架橋剤(U.S.バイエル社
のモーベイ化学部門製 商品名:デスモジュールN−7
5 不揮発分は75%)275質量部とを混合し、表層
形成用塗料を得た。
【0041】 一方、別途、カレンダー処理した、厚さ
890μmのアクリロニトリル−ブタジエンゴムシート
を、ベース層として用意した。このベース層の表面に、
前記のようにして得た表層形成用塗料を塗布した。この
塗布物を150℃の温度で3分間硬化処理した後、シラ
ンカップリング材で表面処理されたガラスビーズ(粒
径:600μm、屈折率:1.5)と、同様の表面処理
をされたアルミナ粒子(粒度:30号)との耐摩耗性粒
子混合物を塗布面の上に散布した。その後、163℃の
温度で2分間硬化処理を引き続き行い、硬化を完了させ
た。これにより、本実施例で用いるベース層(表層付
き)を得た。なお、表層の乾燥厚さは、耐摩耗性粒子を
除いた部分で約460μmであった。
【0042】 前記のようにして得たベース層の裏面
に、ポリブタジエンゴムの感圧接着剤(前記米国3M社
製 商品名:PM7701)を含有する塗料を塗布、乾
燥し、厚さ120μmの接合層を形成した。この接合層
外面と、トレーの底に密に敷き詰めた平均粒径が600
μmの複数のガラスビーズからなる層(ビーズ層前駆
体)とを圧接した。これにより、接合層外面のほぼ全面
を被覆するように実質的に単層状に配置され、部分的に
接合層外面(接合面)から突出するように接合層に埋設
された無機質ビーズ層を接合面に形成し、本実施例の路
面標示材を得た。なお、無機質ビーズが接合面から突出
する部分の高さは、480μmであった。
【0043】 本実施例の路面標示材を、幅6cm、長
さ20cmに裁断し、加圧保管試験用サンプルを作成し
た。このサンプルを5枚平積みにして積層体として、1
40Nの荷重を加えて室温で放置した。24時間放置後
に荷重を解放し、重ねたサンプルを1枚ずつ手で剥がし
た。その結果、サンプル間に密着は生じておらず、剥が
す力もほとんど不要であった。
【0044】 一方、本実施例の路面標示材を用い、次
のようにして接着力(接合強度)の評価を行った。ま
ず、JIS K 5665に定める、第3種2号の溶融
型トラフィックペイントをアルミ板に塗布した後、冷
却、固化させた被着体を用意した。次に、この被着体を
150℃オーブンで30分間加熱し、トラフィックペイ
ントが軟化したところで、トラフィックペイント面に本
実施例の路面標示材(幅6cm×長さ20cm)を圧接
して接合し、貼り付けた。トラフィックペイントが冷
却、固化した後、路面標示材を手で剥がす試みをし、ト
ラフィックペイントへの接着状況を確認した。その結
果、路面標示材を剥がすことができず、十分な接合強度
を保持していることがわかった。
【0045】実施例2 平均粒径が210μmのガラスビーズを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして路面標示材を作製した。な
お、無機質ビーズが接合面から突出する部分の高さは、
90μmであった。
【0046】 実施例1と同様して加圧保管試験及び接
着力評価を行った。その結果、まず、加圧保管試験で
は、サンプル間に密着が生じていたが、軽い力で剥がす
ことができた。また、接着力評価では、路面標示材を剥
がすことができず、十分な接合強度を保持していること
がわかった。
【0047】実施例3 平均粒径が160μmのガラスビーズを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして路面標示材を作製した。な
お、無機質ビーズが接合面から突出する部分の高さは、
40μmであった。
【0048】 実施例1と同様して加圧保管試験及び接
着力評価を行った。その結果、まず、加圧保管試験で
は、サンプル間に密着が生じ、剥がすには比較的大きな
力が必要であったが、手で剥離可能であった。また、接
着力評価では、路面標示材を剥がすことができず、十分
な接合強度を保持していることがわかった。
【0049】比較例1 平均粒径が95μmのガラスビーズを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして路面標示材を作製した。な
お、無機質ビーズが接合面から突出する高さはほとんど
ゼロであった。
【0050】 実施例1と同様して評価を行った。加圧
保管試験の結果では、サンプル間に強固な密着が生じ、
手で剥がすのは非常に困難であった。一方、接着力評価
では、路面標示材を剥がすことができず、十分な接合強
度を保持していることがわかった。
【0051】比較例2 平均粒径が70μmのガラスビーズを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして路面標示材を作製した。な
お、無機質ビーズが接合面から突出する高さはほとんど
ゼロであった。
【0052】 実施例1と同様にして評価を行った。加
圧保管試験の結果では、サンプル間に強固な密着が生
じ、手で剥がすのは非常に困難であった。一方、接着力
評価では、路面標示材を剥がすことができず、十分な接
合強度を保持していることがわかった。
【0053】比較例3 ガラスビーズの層を接合面に形成しなかったこと以外
は、実施例1と同様にして路面標示材を作製した。
【0054】 実施例1と同様にして評価を行った。加
圧保管試験の結果では、サンプル間に強固な密着が生
じ、手で剥がすのは非常に困難であった。一方、接着力
評価では、路面標示材を剥がすことができず、十分な接
合強度を保持していることがわかった。
【0055】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によっ
て、剥離紙を介することなしに、その複数をシート状に
積層した場合、又は長尺ものをロール状に巻回した場合
であっても、互いに隣接する路面標示材を容易に剥離し
得る路面標示材及びその積層(巻回)体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の路面標示材の一の実施の形態を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…ベース層、2…接合層、3…無機質ビーズ、4…耐
摩耗性粒子、10…路面標示材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D064 AA01 AA22 CA02 CA03 CA09 DA06 EA03 EB26 JA01 4F100 AA00B AA17 AA20 AA21 AA21H AG00 AK27 AK27J AK28 AK28G AK28J AL01 AN02 AN02G AT00A BA02 CA13 DE04B GB90 JK06 JL11B JL14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース層と、このベース層の裏面に配設
    された接合層とを備え、路面又は路面上に配置された被
    着体表面に、前記接合層の外面(接合面)を対向させた
    状態で接合される路面標示材であって、 前記接合層中に、複数の無機質ビーズが、前記接合層の
    外面(接合面)からその一部を突出した状態で埋設され
    てなることを特徴とする路面標示材。
  2. 【請求項2】 溶融又は軟化した前記路面又は路面上に
    配置された被着体表面に前記接合層の外面を対向させた
    状態で押圧され、前記無機質ビーズの前記接合層の外面
    から突出した部分が、前記路面又は路面上に配置された
    被着体表面に埋設されることにより、前記路面又は路面
    上に配置された被着体表面に接合される請求項1に記載
    の路面標示材。
  3. 【請求項3】 前記無機質ビーズの平均粒径が、前記接
    合層の厚さより大である請求項2に記載の路面標示材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の路面標
    示材を、シート状に積層、又はロール状に巻回してな
    り、互いに隣接する路面標示材のそれぞれの接触が、一
    方の前記ベース層表面と他方の前記無機質ビーズの突出
    部分とによるものである路面標示材の積層(巻回)体。
JP2000278206A 2000-09-13 2000-09-13 路面標示材及びその積層(巻回)体 Withdrawn JP2002105917A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063938A (ja) * 2006-08-18 2008-03-21 Mondo Spa 床張り材などのカバー材に図形記号を描くための方法及びこれに関連するカバー材

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