JP2002105636A - プラズマ発光モニターで制御されたスパッタ方法 - Google Patents

プラズマ発光モニターで制御されたスパッタ方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性スパッタ装置では、金属ターゲット表
面が反応ガスと反応して制御が難しい。その成膜制御の
ためプラズマ発光モニターが利用され、プラズマ状態と
ターゲットの表面反射状態とを監視している。しかしな
がら、ターゲット表面にノジュール(黒色の突起物)が
あるとターゲット表面の反射率が低下してプラズマ発光
モニターが誤動作する。 【解決手段】 上記ターゲット表面のノジュールを除去
する工程を有することで誤動作を回避する。具体的に
は、物理化学的にArガスのみでスパッタ除去するか、
機械的に研磨して除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ発光モニ
ターで制御されたスパッタ方法に関するものであり、特
に光沢のある金属ターゲットを用いて透明導電膜を成膜
する反応性スパッタ方法に好適に適用できるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】USP4,356,073号公報やUS
P4,422,916号公報に見られる円筒状の回転タ
ーゲットを用いたDCマグネトロン反応性スパッタ装置
においては、ターゲット材料の利用効率が従来の平板タ
ーゲットに比べて、約2.5〜3倍程度であると言われ
ている(機能材料 1991年3月号 Vol.11N
o.3 P35〜41「透明導電膜用ターゲット材
料」)。
【0003】これはターゲット材料が節約できること、
ターゲット交換に伴う生産停止時間が減少することを意
味する。従って、上記回転ターゲットを用いた反応性ス
パッタ装置は大量生産に適している。
【0004】しかしながらこの反応性スパッタでは、成
膜条件、特にガスの流量の適正範囲が極めて狭く、成膜
の制御が極端に難しいという欠点があった。
【0005】上記欠点を改善した例として、プラズマ発
光モニターを用いた反応性スパッタ装置が知られている
(S.Schiller,U.Heisig,Chr.
Korndofer,J.Stumpfel,V.Ki
rchhoff“Progress in the A
pplication of the PlasmaE
mission Monitor in Web Co
atig”(Proceedings of the
nd International Conferen
ce on Vacuum Web Coating,
Fort Lauderdale,Florida,U
SA,Oct.1988))。
【0006】このプラズマ発光モニターは、プラズマ発
光をコリメーターで集光し分光器を介して光電子倍増管
(フォトマルチプライヤー)で光電変換した電気信号に
よりプラズマ状態を監視する装置である。プラズマ発光
モニターの光電子倍増管の感度をある値に設定し、プラ
ズマの発光強度が一定となるよう反応性ガスの導入流量
を調節する機能を持っている。例えばITO膜を作るに
は、Inのプラズマ発光強度(波長=451.1nm)
が一定となるように、反応性ガス(O2)の導入流量を
調整して均質な膜を形成する。
【0007】また、プラズマの発光強度が一定になるよ
うにArガスの導入流量を調整する方法も提案されてい
る(特開昭61−176010号公報)。
【0008】いずれにしても、プラズマ発光モニターの
導入で反応性スパッタ装置の制御は飛躍的に向上した。
【0009】さらに、長時間スパッタしていると合金タ
ーゲット表面での黒色突起物(ノジュール)の発生が問
題になっている。ターゲット・メーカーではこの対策と
して粉末冶金法やボンディング技術について改良がなさ
れている。特に、ターゲットの密度を高くして、ターゲ
ット表面のノジュールの発生を抑えている(前述の機能
材料 1991年3月号「透明導電膜用ターゲット材
料」参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マ発光モニターで制御されたスパッタ装置の上記従来例
において、高密度のIn−Sn合金ターゲットを用いて
も長時間に渡って透明導電膜ITOを成膜すると、安定
して成膜する機能、即ち再現性が損なわれるという問題
が生じていた。
【0011】本発明の目的は、特にIn−Sn合金のよ
うな光沢のあるターゲットで長時間に渡ってスパッタを
実施しても、均一で均質な透明導電膜が基板に安定的に
製造できるスパッタ方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記円筒状
の回転ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ装
置に関し、In−Sn合金ターゲットを用いてプラズマ
発光モニターで制御された反応性スパッタ法について鋭
意検討した。
【0013】その結果、高密度のIn−Sn合金ターゲ
ットを用いても、長時間に渡って透明導電膜ITOを成
膜すると、やはりターゲット表面にノジュール(黒色突
起物)が発生しており、このノジュールが発生し表面が
黒化した部分の反射率は低下するため、プラズマ発光の
うち「ターゲット表面で反射してコリメーターに入射す
る発光強度」の実効値が低下し、プラズマ発光モニター
の信号出力が低下していることが分かった。つまり、プ
ラズマ発光モニターはプラズマ発光強度の監視だけでな
く同時にターゲットの表面反射状態も監視しており、タ
ーゲット表面にノジュールが発生すると、プラズマ発光
モニターはプラズマの発光強度が低下したと認識し、誤
動作することが判明した。
【0014】本発明は、本発明者による上記知見に基づ
き成されたものであり、プラズマ発光モニターで制御さ
れたスパッタ方法において、ターゲット表面のノジュー
ル(黒色突起物)を除去する工程を有することを特徴と
する。
【0015】また、本発明は、ノジュールを除去する工
程として、反応性ガスを導入せずスパッタガスのみでタ
ーゲット表面をスパッタする工程、または/及び、ター
ゲット表面を機械的に研磨する工程を有することを特徴
とする。
【0016】また、本発明のスパッタ方法は、透明導電
膜の成膜方法であることを特徴とする。
【0017】本発明によれば、ターゲット表面のノジュ
ールを除去することにより、元の金属光沢が表われ、プ
ラズマ発光がターゲット表面で反射してプラズマ発光モ
ニターのコリメーターに入射する発光強度の実効値が元
に戻るため、プラズマ発光モニターの誤動作を回避させ
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を説明
する。
【0019】なお、以下の説明は反応性スパッタ法につ
いてのものであるが、ターゲットに光沢があり、プラズ
マ発光モニターで制御されるスパッタ法ならば、その方
式は限定されるものではない。
【0020】本発明のスパッタ方法における最大の特徴
は、ターゲット表面の黒化したノジュールを除去し、プ
ラズマ発光モニターの誤動作を回避させる点にある。
【0021】本発明において、ターゲット表面のノジュ
ール(黒色突起物)を除去する第1の方法としては、反
応性ガスを導入せずスパッタガスのみでターゲット表面
をスパッタする方法が挙げられる。
【0022】ノジュール(黒色突起物)は、反応性ガス
(例えばO2)がある場合にターゲット表面に飛躍的に
発生するため、反応性ガスを導入しない状況でスパッタ
ガス(例えばArガス)のみでスパッタすることによ
り、ターゲット表面のノジュールを効果的に除去するこ
とができる。
【0023】この場合、ノジュール除去工程のタイミン
グは、例えば長尺基板に成膜を行う際には、ロール単位
で成膜前にノジュール除去工程を入れても良いし、1ロ
ールの成膜をいくつかに分割して成膜途中にノジュール
除去工程を入れても良い。その場合の判断基準は、ノジ
ュールの発生頻度や必要とされるプラズマ発光モニター
の精度等により適宜選択される。
【0024】本発明において、ターゲット表面のノジュ
ール(黒色突起物)を除去する第2の方法としては、タ
ーゲット表面を機械的に研磨する方法が挙げられる。こ
の場合、例えば所定の成膜が完了して基板を大気に取出
すときにターゲットの表面を機械的に研磨することがで
きる。
【0025】ターゲット表面を機械的に研磨する方法と
しては、円筒状ターゲットを所定の回転速度で回転さ
せ、ノジュールを小型回転研磨機、サンドペーパー、ス
クレーパー等の研磨手段を用いて除去する方法が好まし
い。これにより、ターゲット表面を全体的に均一に研磨
して、金属光沢を取り戻すことができる。
【0026】上記研磨方法を例えばIn−Sn合金ター
ゲットに実施すると、In−Sn合金が柔らかく粘りが
あるため、研磨手段が目詰まりを起す場合がある。この
ような場合、研磨手段の使用面積を大きくしてターゲッ
ト表面が一様に研磨されるようにするのが好ましい。ま
た、プラズマ発光モニターのコリメーターが狙っている
位置とそれ以外の位置でターゲットの研磨状況に大きな
差異があると、膜厚ムラとなる可能性があるので、研磨
状況と膜厚ムラとの関係を予め確認しておく必要があ
る。従って、その研磨状況を写真などで記録し、作業を
管理する目安とすることが望ましい。
【0027】本発明においては、ノジュール除去工程と
して、前記第1の方法と第2の方法を併用することが好
ましい。その理由は、前記第1の方法のみではプラズマ
によるエロージョン(侵食)が大きい位置が必ずしもノ
ジュール密度が高いとは言えないためである。
【0028】また、ノジュール除去工程を行うの頻度
は、投入する電力、合金ターゲットの密度、ターゲット
のスパッタ時の表面温度等でノジュールの発生状況が複
雑に変化するので、実験的に決めることが望ましい。ま
た、ターゲットを交換した場合には、成膜を行う前にノ
ジュール除去工程を行うことが好ましい。
【0029】尚、上記ターゲット表面以外にも、例えば
コリメーター内部やその内部に設置された光学部品等の
汚れで同様な発光強度信号の低下が認められる。この場
合もプラズマ発光モニターの精密な制御を行う上で定期
的にクリーニングや部品交換することが望ましい。しか
し、市販のプラズマ発光モニターでは光学部品付近から
Arガスを吹出すなどの光学部品の防着対策が実施され
ている。したがって、上記ノジュールに比べてはるかに
小さい影響である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0031】(実施例1)本実施例は、Roll to
Rollスパッタ装置により長尺基板上にITO膜を
成膜する際、適宜のタイミングでスパッタガスのみでタ
ーゲット表面をスパッタしてノジュールを除去した実施
例である。
【0032】最初にノジュール除去の手順を、図1の工
程図を用いて説明する。
【0033】図1の右側において、「長尺基板のセッ
ト」→「真空室の排気」→「ノジュール除去」→「IT
O成膜」→のループに沿って矢印の順に工程が進む。こ
こで、「ノジュール除去」をロール単位でやっても良い
し(図1中のの矢印の順)、1ロールの成膜をいくつ
かに分割して成膜途中に「ノジュール除去」を入れても
良い(図1中のの矢印の順)。
【0034】図1の左側に表記された工程はターゲット
を交換した場合にのみ実施される。この工程の中にある
「Arスパッタ」とは、基本的に本実施例の「ノジュー
ル除去」工程と同一である。この図1の左側に表記され
た工程は、本発明の目的とする再現性の良さを得るため
の手段として実施することが望ましい。その理由は、タ
ーゲット表面の光沢が同一なほど、プラズマ発光モニタ
ーの信号を信頼して精密な制御が可能となるためであ
る。つまり、ターゲット交換直後の1回目の成膜前か
ら、いわゆる「Arスパッタ(ノジュール除去)」工程
を入れることにより、成膜直前に必ず「ノジュール除
去」工程が入るため、ターゲット表面の光沢が同一な状
態で成膜することができるからである。
【0035】次に、本実施例で用いたRoll to
Rollスパッタ装置について説明する。
【0036】図2は本実施例における円筒型の回転ター
ゲットを用いた反応性スパッタ装置の断面図である。真
空室204は、基板送り出し室213、成膜室214、
基板巻取り室215で構成され、それぞれ不図示の真空
ポンプで排気できる。長尺基板201は基板送り出しロ
ール202に巻かれ、アイドラー216を介して、不図
示の搬送手段によって左から右の方向に搬送され、ステ
アリング機構217により基板巻取りロール203に整
列して巻取られる。
【0037】カソード電極206は円筒状で、その周囲
にターゲット205がボンディングされている。カソー
ド電極206の内部には、マグネット207と不図示の
冷却手段が設けられている。直流電源208は真空室2
04がアノードとなるように接続され、カソード電極2
06と真空室204との間に電力が印加される。
【0038】ヒーター210、211はシースヒーター
を用いた。ヒーター210はカソード電極206より少
し基板送り出しロール202方向に配置し、ヒータ21
1はカソード電極206の真上に配置した。そして、ヒ
ーター210はヒーター211よりも電気容量の大きい
ものを取り付けた。特にヒーター211の直下では、長
尺基板201には上からヒータの熱、下からプラズマの
熱が流入する。そこで長尺基板201の裏面(図2の上
側の面)の温度を熱電対の接触で測定する。そして、こ
の温度が一定となるようにヒーター210、211の電
力を制御する。
【0039】また、膜厚計209は光学干渉式膜厚計を
用いた。
【0040】上記のように構成された装置の運転は、自
動でも手動でも良いが、いずれの場合でも安全のための
インターロック機構を取り付けることが好ましい。
【0041】上記の装置は次の手順で運転される。
【0042】先ず、長尺基板201が巻き取られた基板
送り出しロール202を基板送り出し室213にセット
する。そして長尺基板201を基板送り出し室213、
成膜室214、基板巻き取り室215の順に引き回し、
基板巻き取りロール203に固定し、2〜3回、回転さ
せる。そして不図示の張力発生機構により長尺基板20
1にテンションをかける。
【0043】また、長尺基板201を導電性の基板とし
て電気的に絶縁する場合、テンションをかけた直後に絶
縁状態の確認をする。
【0044】次に、不図示の真空ポンプで成膜室214
を真空度10-3Pa台になるまで排気する。そしてAr
ガスを導入し、真空度を0.3Paとする。
【0045】さらにヒーター210、211に通電し、
2つのヒーター直下の前記長尺基板201の裏面温度が
それぞれ215℃、200℃となるよう、ヒーター21
0、211の出力を制御する。ヒーター210、211
の通電から1時間経過した後、DC電源208よりカソ
ード電極206に1.8kWの電力を印加する。
【0046】そしてAr放電の生起を確認できたらO2
ガスを導入し、この長尺基板201を搬送速度1.5m
/分で搬送する。さらにプラズマ発光モニター218の
光電子倍増管の感度を調整する。プラズマ発光モニター
としては、ARDENNEANLAGEN TECHN
IK社製のPEM04を使用した。
【0047】光電子倍増管の感度調整の方法は、Arガ
スのみで放電させ、プラズマ発光強度(Intensi
ty)が900となるように光電子倍増管のゲインを調
整した。
【0048】その調整後に再度O2ガスを導入し、成膜
を開始する。搬送により成膜部分が膜厚計209上部に
到達したら、膜厚計の表示が60nmになるようにプラ
ズマ発光強度の目標値を調整する。必要に応じてこの調
整を行い透明導電膜を製造する。所望の長さの長尺基板
201の成膜が終了したら、O2ガス、Arガス、DC
電源208、ヒーター210、ヒーター211を全て停
止させる。さらに長尺基板201の搬送を停止し、1時
間自然冷却した後、真空室204を大気圧に戻して、製
品を取り出す。
【0049】次に、図2の装置を用い、成膜室214に
反応性ガス(O2ガス)を導入せずスパッタガス(Ar
ガス)のみでターゲット205をスパッタしてノジュー
ル除去を行った場合と、このノジュール除去を行わない
場合の光電子倍増管の感度を測定し、本発明による効果
を確認した。
【0050】具体的には、同一のプラズマ発光となるよ
うArガスのみで1.8kWのDC電力を印加した場合
の光電子倍増管の感度の不安定性で比較したところ(デ
ータ数=20)、ノジュールを除去しない場合には光電
子倍増管の感度=490V±112Vであったのに対
し、ノジュールを除去した場合には光電子倍増管の感度
=440V±11Vとなり、本実施例によるノジュール
除去工程を行うことによりロット間の不安定性が約1/
10となった。
【0051】次に、図2の装置において長尺基板201
としてステンレス鋼板を用い、その上にアモルファスシ
リコン太陽電池(nip構造)を作成し、その最上層は
透明導電膜としてITOを形成した。
【0052】このITO膜のシート抵抗の不安定性を比
較したところ(データ数=20)、ノジュールを除去し
ない場合にはシート抵抗=130〜290Ω/□(変動
幅160Ω)であったのに対し、ノジュールを除去した
場合にはシート抵抗=90〜140Ω/□(変動幅50
Ω)となり、本実施例によるノジュール除去工程を行う
ことによりシート抵抗に関してもロット間の不安定性が
改善された。
【0053】また、本実施例の場合、大気に戻すことな
く、真空状態でノジュールの除去を行うことができるの
で、生産性が高い。
【0054】(実施例2)本実施例は、図2の装置によ
り所定のITO膜の成膜が完了して長尺基板を大気に取
出すときにターゲットの表面を機械的に研磨してノジュ
ールを除去した実施例である。
【0055】本実施例では、図1と異なるタイミングで
ノジュール除去を行う。具体的には、「ITO成膜」工
程と「長尺基板のセット」工程の間のタイミングで「大
気中においてターゲットの表面を機械的に研磨」してノ
ジュールを除去する。そして、ターゲット表面にノジュ
ールはなくなっているので、「真空室の排気」工程直後
の「ノジュール除去」工程は省略する。
【0056】ここで、ターゲットを所定の回転速度で回
転させ、小型回転研磨機を用いてターゲット表面を全体
的に均一に研磨することによりノジュールの除去を行っ
た。なお、プラズマ発光モニターのコリメーター212
が狙っている位置とそれ以外の位置でターゲットの研磨
状況に大きな差異があると、膜厚ムラとなる可能性があ
るので研磨状況と膜厚ムラとの関係を予め確認しておい
た。
【0057】その結果、本実施例によるノジュール除去
工程を行うことにより、ロット間の不安定性を実施例1
と同程度に小さく抑えることができた。
【0058】また、実施例1と同様にITO膜を成膜し
たところ、本実施例によるノジュール除去工程を行うこ
とにより、シート抵抗に関しても実施例1と同程度にロ
ット間の不安定性が改善された。
【0059】(実施例3)本実施例は、実施例1と実施
例2とを複合したものであり、「ノジュール除去」工程
として「反応性ガスを導入せずスパッタガスのみでター
ゲット表面をスパッタする」方法(スパッタ方式)と
「機械的に研磨する」方法(研磨方式)とを有するスパ
ッタ方法である。
【0060】このスパッタ方法は状況に合わせて適宜2
つの「ノジュール除去」工程を選択できるのでさまざま
な状況に適応可能である。
【0061】例えば、ターゲットの材質としてInSn
合金を使用する場合、ノジュール除去に関しては、スパ
ッタ方式より研磨方式の方が効果的である。従ってスパ
ッタ方式でノジュール除去が不十分と判断されたとき、
真空室を大気に戻して長尺基板を取り外し、スパッタ方
式の不足部分を研磨方式で仕上げする。
【0062】ノジュール除去が十分かどうかの判断は次
の2つの手段が好ましい。つまり (1)図2の成膜室214に覗き窓を設けてノジュール
の状態を目視確認するか、(2)プラズマ発光モニター
の発光強度信号の減少を記録して、その減少が許容値を
逸脱するかどうか、これ以外の検知手段でも、金属ター
ゲットの光沢状態を検知できるものであれば代替でき
る。
【0063】また、スパッタ方式は真空加熱状態、研磨
方式は大気状態で使用するのが一般的である。従って、
大気状態から真空加熱状態へ変更する場合の準備時間を
考慮して、工程及びタイミングを決める。
【0064】さらに、ターゲットの材質によりスパッタ
方式・研磨方式のいずれが効果的か予め実験的に比較し
ておくことが好ましい。
【0065】さらにまた、ターゲットの表面状態に応じ
てスパッタ方式・研磨方式を使う頻度、組合せ方法、作
業時間等を適宜勘案すればよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ターゲット表面のノジュールを除去することでプラズマ
発光モニターへの入射光量の減少を抑制し、そのため透
明導電膜のシート抵抗を一定に保つことが可能となり、
その結果、より長時間に渡る成膜時間でも太陽電池の変
換効率をほぼ一定に保つことができる。
【0067】さらに成膜の制御が困難と言われている反
応性スパッタ装置のプラズマ発光モニタを活用する手段
が提供されたため、その特徴である高い成膜速度、ター
ゲット材料の節約、ターゲット交換に伴う生産停止時間
の減少等の生産性の良さを活用することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるノジュール除去の手順を説明す
るための工程図である。
【図2】本発明の実施例で用いたRoll to Ro
llスパッタ装置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
201 長尺基板 202 基板送り出しロール 203 基板巻取りロール 204 真空室 205 ターゲット 206 カソード電極 209 膜厚計 210,211 ヒーター 212 コリメーター 213 基板送り出し室 214 成膜室 215 基板巻取り室 218 プラズマ発光モニター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ発光モニターで制御されたスパ
    ッタ方法において、ターゲット表面のノジュール(黒色
    突起物)を除去する工程を有することを特徴とするスパ
    ッタ方法。
  2. 【請求項2】 前記ノジュールを除去する工程が、反応
    性ガスを導入せずスパッタガスのみでターゲット表面を
    スパッタする工程を有することを特徴とする請求項1に
    記載のスパッタ方法。
  3. 【請求項3】 前記ノジュールを除去する工程が、ター
    ゲット表面を機械的に研磨する工程を有することを特徴
    とする請求項1に記載のスパッタ方法。
  4. 【請求項4】 前記ノジュールを除去する工程が、反応
    性ガスを導入せずスパッタガスのみでターゲット表面を
    スパッタする工程と、ターゲット表面を機械的に研磨す
    る工程とを有することを特徴とする請求項1に記載のス
    パッタ方法。
  5. 【請求項5】 前記スパッタ方法は透明導電膜の成膜方
    法であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載のスパッタ方法。
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