JP2002104824A - BaSrTiO3系酸化物の製造方法 - Google Patents

BaSrTiO3系酸化物の製造方法

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JP2002104824A
JP2002104824A JP2000292753A JP2000292753A JP2002104824A JP 2002104824 A JP2002104824 A JP 2002104824A JP 2000292753 A JP2000292753 A JP 2000292753A JP 2000292753 A JP2000292753 A JP 2000292753A JP 2002104824 A JP2002104824 A JP 2002104824A
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oxide
basrtio
manufacturing
phase transition
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JP2000292753A
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Takehiko Hirata
武彦 平田
Katsunori Akiyama
勝徳 秋山
Ichiro Nagano
一郎 永野
Masahito Shida
雅人 志田
Yuichiro Murakami
勇一郎 村上
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン等の熱機関の熱遮蔽膜に使用す
る高線膨張係数と低熱伝導率とを備える膜材料及びその
製造方法に関する。 【解決手段】 本発明のBaSrTiO3系酸化物は、Srの配合
量をBaとSrとの総量に対して原子分率で0.3を越え
0.5未満配合する。さらに、本発明のBaSrTiO3系酸化
物は、Tiの配合量を、BaろZrとTiとの総量に対して原子
分率で0.5配合する。また、本発明のBaSrTiO3系酸化
物の製造方法においては、Srの配合量を、BaとSrとの総
量に対して原子分率で0.3を越え0.5未満配合する
ことによって達成される。さらに、本発明のBaSrTiO3
酸化物の製造方法においては、Tiの配合量を、BaとZrと
Tiとの総量に対して原子分率で0.5配合することによ
って達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン等の
熱機関の熱遮蔽膜に使用できる高線膨張係数と低熱伝導
率とを備える膜材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】BaTiO3をはじめとするプロブスカイト型
酸化物は、高線膨張係数と低熱伝導率とを兼ね備えるの
で、熱機関の熱遮蔽膜材料として適用が有望である。こ
のプロブスカイト型酸化物を熱遮蔽膜材料として実際の
熱機関に使用する場合は、体積の膨張と収縮との原因と
なるこの酸化物の相転移を抑制する必要がある。この相
転移を抑制するためには、この酸化物に金属酸化物を転
化する方法が有効であり、従来よりZrO2等の蛍石型
の酸化物を添加することが検討されてきている。しかし
ながら、このような従来の方法では、低温において生じ
る相転移を消失するだけであって、1000℃を越えた
高温度域で生じる相転移を消失することができず、この
高温度側の相転移の出現に起因する体積膨張が認められ
ていた。さらに、この酸化物を熱機関の熱遮蔽膜として
使用する場合は、下地金属材料と同程度の12×10-6
/℃以上の線膨張係数と、熱機関に実際に使用している
材料と同程度の4W/(m・K)以下の室温熱伝導率と
を必要とするが、従来の製造方法ではこれらの線膨張係
数と室温熱伝導率との値を達成した酸化物を得ることが
できなかった。
【0003】特開平9−52768号公報には、耐熱及
び耐摩耗性が要求される機械部品等に使用される炭化珪
素質焼結体およびその製造方法が記載される。さらに、
特開平9−291354号公報には、特にボイラのバー
ナ高温部品、ガスタービン動翼・静翼に適用されるZrO2
系セラミック層からなる熱遮蔽コーティングが記載され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
鑑みて成されたものであり、室温から熱遮蔽膜が実際に
使用される温度である1400℃程度まで相転移を生じ
ることなく、且つ熱機関に実際に使用している材料と同
程度の大きさの線膨張係数と低い熱伝導率を兼ね備えた
プロブスカイト型酸化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のように従来の方法
では、プロブスカイト型酸化物にZrO2等の蛍石型の
酸化物を添加することにより、プロブスカイト型酸化物
の低温度で出現する相転移を消失させる方法が検討され
てきたが、高温度で出現する相転移を消失させることは
できなかった。
【0006】本発明者は、アルカリ土類金属の酸化物の
1種であるSrOを適正量配合することにより、プロブ
スカイト型酸化物の低温度域で出現する相転移のみなら
ず、高温度域で出現する相転移も抑制できるとことを見
いだした。本発明は、上記考察に基づきなされたもので
ある。すなわち、本発明のBaSrTiO3系酸化物は、Srの配
合量を、BaとSrとの総量に対して原子分率で0.3を越
え0.5未満配合したことを特徴とする。
【0007】また、本発明のBaSrTiO3系酸化物の製造方
法は、Srの配合量を、BaとSrとの総量に対して原子分率
で0.3を越え0.5未満配合することによって達成さ
れる。
【0008】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明のBaSrTiO3系酸
化物を製造するために、BaCO3粉末は平均粒径が1.0
μmである粉末を用い、TiO2粉末は平均粒径が0.2μ
mである粉末を用い、且つSrCO3粉末は平均粒径が1.
0μmである粉末を用いた。本発明のBaSrTiO3系酸化物
を製造するにおいて、BaCO3粉末とSrCO3粉末とを、Baと
Srとの総量に対してSrの配合量が、原子分率で0.3、
0.4及び0.5となるよう秤量し、さらに、それらの
秤量した粉末(BaCO3粉末とSrCO3粉末)とTiO2粉末と
を、BaとSrとTiとの総量に対してTiの配合量が、原子分
率で0.5となるよう秤量した。秤量したこれらの粉末
を、有機溶媒のブチルアルコール中で混合機を用いて1
20時間混合した。得られた混合物を、80℃の真空乾
燥機を用いて乾燥した。乾燥されたこの混合粉末を、1
00kgf/cm2の圧力のもとで1軸成形を行った
後、1000kgf/cm2の圧力のもとで冷間静水圧
加圧成形を施して、成形体を得た。この成形体を、大気
雰囲気中で1050℃の温度で4時間仮焼結したのち、
大気雰囲気中で1400℃の温度で1時間焼結した。
【0009】比較例の従来の方法によるBaTiZrO3系酸化
物を製造するために、BaCO3粉末は平均粒径が1.0μ
mである粉末を用い、TiO2粉末は平均粒径が0.2μm
である粉末を用い、且つZrO2粉末は平均粒径が0.2μ
mである粉末を用いた。従来技術のBaTiZrO3系酸化物を
製造するにおいて、TiO2粉末とZrO2粉末とを、TiとZrと
の総量に対してZrの配合量が、原子分率で0.25とな
るよう秤量し、且つそれらの秤量した粉末(TiO2粉末と
ZrO2粉末)とBaCO3粉末を、BaとZrとTiとの総量に対し
てBaの配合量が、原子分率で0.5となるよう秤量し
た。秤量したこれらの粉末を、有機溶媒のブチルアルコ
ール中で混合機を用いて120時間混合した。得られた
混合物を、80℃の真空乾燥機を用いて乾燥した。乾燥
されたこの混合粉末を、100kgf/cm2の圧力の
もとで1軸成形を行った後、1000kgf/cm2
圧力のもとで冷間静水圧加圧成形を施して、成形体を得
た。この成形体を、大気雰囲気中で1050℃の温度で
4時間仮焼結したのち、大気雰囲気中で1400℃の温
度で1時間焼結した。
【0010】熱遮蔽膜に用いられる本発明にしたがう方
法で焼結したBaSrTiO3系酸化物と、従来の方法で焼結し
たBaTiZrO3系酸化物との線膨張量の温度依存性を図1に
示し、さらに、本発明の酸化物と従来の酸化物との10
00℃における平均線膨張係数を表1に示す。 表1 本発明にしたがう方法で焼結したBaSrTiO3系酸化
物と、従来の方法で焼結したBaTiZrO3系酸化物との10
00℃における線膨張量と室温熱伝導率を示す。
【0011】 試験片組成 1000℃の線膨張率 室温熱伝導率 (×10-6/℃) (W/(K・m)) 本 Ba0.7Sr0.3TiO3 11.80 3.59 発 Ba0.6Sr0.4TiO3 12.60 3.77 明 Ba0.5Sr0.5TiO3 12.66 3.96 従 来 BaTi0.75Zr0.25O3 11.22 2.06 図1に示すように、本発明によるBaSrTiO3系酸化物の焼
結体の製造方法では、Srの配合量が、BaとSrとの総量に
対する原子分率で0.5であるBaSrTiO3焼結体(△印の
曲線)では、1300℃付近に相転移に起因する収縮が
認められる。また、Srの配合量が、BaとSrとの総量に対
する原子分率で0.3であるBaSrTiO3焼結体(○印の曲
線)では、1300℃付近に相転移は認められないもの
の、表1に示すように、1000℃における線膨張係数
が、11.8×10-6/℃となり、所望とする下地金属
の線膨張係数12×10-6/℃以下となる。これに対し
て、Srの配合量が、BaとSrとの総量に対する原子分率で
0.4であるBaSrTiO3焼結体(□印の曲線)では、図1
に示すように、1300℃付近に相転移は認められず、
且つ表1に示すように、1000℃における線膨張係数
も12.6×10-6/℃となり、さらに室温熱伝導率も
3.77W/(K・m)の値となり、実際に使用してい
る材料の4W/(m・K)以下とすることができた。
【0012】これに対して、従来の方法で焼結したBaTi
ZrO3系酸化物では、図1に示すように、1300℃付近
に相転移を示す収縮挙動が認められ、また表1に示すよ
うに、1000℃における線膨張係数も11.2×10
-6/℃と低い値を示した。また、本発明によるBaSrTiO3
焼結体は、金属酸化物の種類及びその配合量を適正化す
ることににより、相転移が抑制され且つ線膨張係数を大
きくすることができた。
【0013】
【発明の効果】上記に説明したことから明らかなよう
に、本発明によれば、1400℃程度まで相転移が存在
しなく、且つ大きな線膨張係数と低熱伝導率を兼ね備え
た熱遮蔽膜素材として好適なプロブスカイト型酸化物を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のBaSrTiO3系酸化物と、従来技術による
BaTiZrO3系酸化物との膨張量の温度依存性を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 一郎 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 志田 雅人 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 村上 勇一郎 神奈川県横浜市中区錦町12番地 菱日エン ジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA05 AA06 AA11 BA21 GA09 GA11 4G047 CA07 CB04 CC03 CD03 CD08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Srの配合量を、BaとSrとの総量に対して
    原子分率で0.3を越え0.5未満配合したことを特徴
    とするBaSrTiO3系酸化物。
  2. 【請求項2】 BaSrTiO3系酸化物の製造方法において
    は、Srの配合量を、BaとSrとの総量に対して原子分率で
    0.3を越え0.5未満配合したことを特徴とするBaSr
    TiO3系酸化物の製造方法。
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