JP2002102983A - 軽合金の表面改質方法 - Google Patents
軽合金の表面改質方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 応力腐食割れに強い軽合金を製造できる。
【解決手段】 軽合金の結晶粒子の長軸方向と略直交す
る表面10、20に高速回転するプローブ7を押し当て
て表面部11の金属組織を改質することを特徴とする軽
合金の表面改質方法。
る表面10、20に高速回転するプローブ7を押し当て
て表面部11の金属組織を改質することを特徴とする軽
合金の表面改質方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽合金の表面改質方
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽合金の問題点として応力腐食割れがあ
る。腐食環境下で応力がかかる製品に使用する場合、品
質上の問題となる。特に、アルミニウム合金の中で20
00番系(Al−Cu(−Mg))や7000番系(A
l−Zn−Mg(−Cu))の材料は、強度は高いが応
力腐食割れ感受性が高い問題がある。
る。腐食環境下で応力がかかる製品に使用する場合、品
質上の問題となる。特に、アルミニウム合金の中で20
00番系(Al−Cu(−Mg))や7000番系(A
l−Zn−Mg(−Cu))の材料は、強度は高いが応
力腐食割れ感受性が高い問題がある。
【0003】応力腐食割れ感受性は材料の製造過程によ
り形成されるメタルフローの方向で大きく異なる。例え
ば、押出材の場合、メタルフローの方向に平行なLongi
tudinal方向(以後、L方向と称する。)やメタルフロ
ーの方向に直交する幅方向であるLong Transverse方向
(以後、LT方向と称する。)よりもメタルフローの方
向に直交する厚さ方向であるShort Transverse方向(以
後、ST方向と称する。)が応力腐食割れ感受性が高
い。また鍛造品ではバリ抜き部の剪断面がST方向に相
当する。
り形成されるメタルフローの方向で大きく異なる。例え
ば、押出材の場合、メタルフローの方向に平行なLongi
tudinal方向(以後、L方向と称する。)やメタルフロ
ーの方向に直交する幅方向であるLong Transverse方向
(以後、LT方向と称する。)よりもメタルフローの方
向に直交する厚さ方向であるShort Transverse方向(以
後、ST方向と称する。)が応力腐食割れ感受性が高
い。また鍛造品ではバリ抜き部の剪断面がST方向に相
当する。
【0004】応力腐食割れに対する対策として、Cr、
Zr等の遷移金属元素の添加、T7やT73の過時効熱
処理の採用、T77の復元・再時効熱処理の採用が挙げ
られる。
Zr等の遷移金属元素の添加、T7やT73の過時効熱
処理の採用、T77の復元・再時効熱処理の採用が挙げ
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Cr、
Zr等の遷移金属元素の添加は、遷移金属元素は高価で
あり、かつ遷移金属元素の添加のみでは実使用に耐えう
るレベルにはなくT73やT77などの熱処理を組み合
わせる必要があるので、コストアップする問題点があっ
た。
Zr等の遷移金属元素の添加は、遷移金属元素は高価で
あり、かつ遷移金属元素の添加のみでは実使用に耐えう
るレベルにはなくT73やT77などの熱処理を組み合
わせる必要があるので、コストアップする問題点があっ
た。
【0006】T7やT73の過時効熱処理の採用は、合
金がもつ強度より10〜15%の強度低下が避けられな
い問題点があった。
金がもつ強度より10〜15%の強度低下が避けられな
い問題点があった。
【0007】T77の復元・再時効熱処理の採用は、粒
界と粒内の電位差を抑えるために結晶粒界と粒内に同様
な析出物を作る複雑な熱処理が必要で、工程が長くコス
トアップする問題点があった。
界と粒内の電位差を抑えるために結晶粒界と粒内に同様
な析出物を作る複雑な熱処理が必要で、工程が長くコス
トアップする問題点があった。
【0008】本発明は上記課題を解決したもので、応力
腐食割れに強い軽合金を製造できる軽合金の表面改質方
法を提供する。
腐食割れに強い軽合金を製造できる軽合金の表面改質方
法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、軽合金の結
晶粒子の長軸方向と略直交する表面に高速回転するプロ
ーブを押し当てて表面部の金属組織を改質することを特
徴とする軽合金の表面改質方法である。
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、軽合金の結
晶粒子の長軸方向と略直交する表面に高速回転するプロ
ーブを押し当てて表面部の金属組織を改質することを特
徴とする軽合金の表面改質方法である。
【0010】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
のようである。
【0011】すなわち、高速回転するプローブを押し当
てることにより、結晶粒子の長軸方向が表面と直交しな
くなるので、表面と平行な断面の結晶粒子の粒界密度が
減少し、応力腐食割れに強い軽合金が得られる。
てることにより、結晶粒子の長軸方向が表面と直交しな
くなるので、表面と平行な断面の結晶粒子の粒界密度が
減少し、応力腐食割れに強い軽合金が得られる。
【0012】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記軽金属が2000番系ま
たは7000番系のアルミニウム合金であることを特徴
とする請求項1記載の軽合金の表面改質方法である。
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記軽金属が2000番系ま
たは7000番系のアルミニウム合金であることを特徴
とする請求項1記載の軽合金の表面改質方法である。
【0013】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
のようである。
【0014】すなわち、2000番系または7000番
系のアルミニウム合金は強度が高いが応力腐食割れに弱
いが、高速回転するプローブを押し当てて改質すること
により強度が同じか向上でき、かつ応力腐食割れに強く
できるので、高強度で応力腐食割れに強いアルミニウム
合金ができる。
系のアルミニウム合金は強度が高いが応力腐食割れに弱
いが、高速回転するプローブを押し当てて改質すること
により強度が同じか向上でき、かつ応力腐食割れに強く
できるので、高強度で応力腐食割れに強いアルミニウム
合金ができる。
【0015】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記表面が、鍛造品のバリ抜
き部表面または展伸材のプレス剪断面または押出材の押
出方向と略直交する面であることを特徴とする請求項1
記載の軽合金の表面改質方法である。
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記表面が、鍛造品のバリ抜
き部表面または展伸材のプレス剪断面または押出材の押
出方向と略直交する面であることを特徴とする請求項1
記載の軽合金の表面改質方法である。
【0016】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
のようである。
【0017】すなわち、鍛造品のバリ抜き部表面または
展伸材のプレス剪断面または押出材の押出方向と略直交
する面の表面付近では、結晶粒子の長軸方向が表面と略
直交しており、この部分が応力腐食割れに弱いが、高速
回転するプローブを押し当てて改質することにより応力
腐食割れに弱い部分が強くなるので、軽合金の鍛造品、
展伸材、押出材を腐食環境下で応力のかかる製品に利用
できる。
展伸材のプレス剪断面または押出材の押出方向と略直交
する面の表面付近では、結晶粒子の長軸方向が表面と略
直交しており、この部分が応力腐食割れに弱いが、高速
回転するプローブを押し当てて改質することにより応力
腐食割れに弱い部分が強くなるので、軽合金の鍛造品、
展伸材、押出材を腐食環境下で応力のかかる製品に利用
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図9はL方向に平行かつST方向
に平行な断面の金属組織を示した模式図である。結晶粒
子21は、バリ抜きあるいは展伸あるいは押し出しのメ
タルフローによりアスペクト比の大きい長柱状粒子とな
っている。この結晶粒子21の長軸方向はほぼ表面20
と直交している。このためST方向には粒界の密度が大
きく、かつメタルフロー時に生ずる繊維状組織によって
応力腐食割れ感受性が高くなっている。本発明者は、こ
の組織を改質して応力腐食割れに強い組織にする方法を
発明した。
に平行な断面の金属組織を示した模式図である。結晶粒
子21は、バリ抜きあるいは展伸あるいは押し出しのメ
タルフローによりアスペクト比の大きい長柱状粒子とな
っている。この結晶粒子21の長軸方向はほぼ表面20
と直交している。このためST方向には粒界の密度が大
きく、かつメタルフロー時に生ずる繊維状組織によって
応力腐食割れ感受性が高くなっている。本発明者は、こ
の組織を改質して応力腐食割れに強い組織にする方法を
発明した。
【0019】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1、2)Znが6wt%、Mgが3wt%、C
uが0.5、Crが0.25wt%、Mnが0.25w
t%含み、残部Alからなる7000系のアルミニウム
合金の溶湯を用い、 約760℃で型温約180〜25
0℃のJIS舟型に注湯、凝固させ、鋳造粗形材を製作
した。この鋳造粗形材を400℃、圧下率30%で熱間
鍛造してしてアルミニウム鍛造品を製作した。
uが0.5、Crが0.25wt%、Mnが0.25w
t%含み、残部Alからなる7000系のアルミニウム
合金の溶湯を用い、 約760℃で型温約180〜25
0℃のJIS舟型に注湯、凝固させ、鋳造粗形材を製作
した。この鋳造粗形材を400℃、圧下率30%で熱間
鍛造してしてアルミニウム鍛造品を製作した。
【0020】図1は実施例に用いたアルミニウム鍛造品
の正面図であり、図2はそのAA断面図である。1が鍛
造品本体であり、2がバリ抜き部である。図3はこのア
ルミニウム鍛造品から製作したテストピースの正面図で
あり、図4はそのBB断面図である。鍛造品本体1を加
工して直方体状の製品部3を製作するとともに、バリ抜
き部2の長手方向の一方のみが製品部3からの高さ0.
5mmの凸部4になるように加工してテストピース5を
製作した。
の正面図であり、図2はそのAA断面図である。1が鍛
造品本体であり、2がバリ抜き部である。図3はこのア
ルミニウム鍛造品から製作したテストピースの正面図で
あり、図4はそのBB断面図である。鍛造品本体1を加
工して直方体状の製品部3を製作するとともに、バリ抜
き部2の長手方向の一方のみが製品部3からの高さ0.
5mmの凸部4になるように加工してテストピース5を
製作した。
【0021】図5は改質用のプローブ7の側面図であ
る。プローブ7の基部8は径15mmの円柱状であり、
基部8の一方の端部には直径5mmの半球状の先端部6
が設けられている。このプローブ7を実験装置として用
いた立てフライス盤に取り付け、テストピース5の凸部
4に先端部6を押し当てて、プローブ7を1600rp
mで高速回転させながら、凸部4の長手方向の一方端か
ら他方端に向かってD方向に1m/minで移動させて
表面改質した。このとき先端部6はテストピース5の凸
部4に嵌入した状態である。
る。プローブ7の基部8は径15mmの円柱状であり、
基部8の一方の端部には直径5mmの半球状の先端部6
が設けられている。このプローブ7を実験装置として用
いた立てフライス盤に取り付け、テストピース5の凸部
4に先端部6を押し当てて、プローブ7を1600rp
mで高速回転させながら、凸部4の長手方向の一方端か
ら他方端に向かってD方向に1m/minで移動させて
表面改質した。このとき先端部6はテストピース5の凸
部4に嵌入した状態である。
【0022】この後、T6の熱処理をした。図6は表面
改質処理後のテストピースのBB断面図である。16
は、凸部4の部分にプローブ7を押し当てて高速回転さ
せてたことによる摩擦攪拌により改質された改質部であ
る。
改質処理後のテストピースのBB断面図である。16
は、凸部4の部分にプローブ7を押し当てて高速回転さ
せてたことによる摩擦攪拌により改質された改質部であ
る。
【0023】評価は引張強度試験、応力腐食割れ試験で
行った。引張強度試験は、テストピース5から引張試験
片を製作し、JIS Z2241(金属材料引張試験方
法)に準じて行い、0.2%耐力と引張強度を測定し
た。
行った。引張強度試験は、テストピース5から引張試験
片を製作し、JIS Z2241(金属材料引張試験方
法)に準じて行い、0.2%耐力と引張強度を測定し
た。
【0024】応力腐食割れ試験は、表面改質処理後のテ
ストピース5より図7に示した応力腐食割れ試験片8を
製作して行った。応力腐食割れ試験片8の幅は12mm
である。改質部16は、試験片8の凹部に対向する面に
試験片8の幅前面にわたって存在している。
ストピース5より図7に示した応力腐食割れ試験片8を
製作して行った。応力腐食割れ試験片8の幅は12mm
である。改質部16は、試験片8の凹部に対向する面に
試験片8の幅前面にわたって存在している。
【0025】この応力腐食割れ試験片8の貫通孔8aに
樹脂製の絶縁プレート8bをボルト8cとナット8dに
より改質部16の表面に250MPaの応力が負荷され
るようにした。この状態で90℃の試験溶液中に浸漬し
て、破断するまでの時間(割れ時間)を測定した。試験
溶液の成分は、36g/lCrO3−30g/lK2C
r2O3−3g/lNaClである。この応力腐食試験
は、JIS H8711(アルミニウム合金材料応力腐
食割れ試験方法)に規定されている3.5%塩化ナトリ
ウム水溶液連続浸漬による通常の加速試験の約700倍
の加速試験である。
樹脂製の絶縁プレート8bをボルト8cとナット8dに
より改質部16の表面に250MPaの応力が負荷され
るようにした。この状態で90℃の試験溶液中に浸漬し
て、破断するまでの時間(割れ時間)を測定した。試験
溶液の成分は、36g/lCrO3−30g/lK2C
r2O3−3g/lNaClである。この応力腐食試験
は、JIS H8711(アルミニウム合金材料応力腐
食割れ試験方法)に規定されている3.5%塩化ナトリ
ウム水溶液連続浸漬による通常の加速試験の約700倍
の加速試験である。
【0026】なお、実施例1、2とあるのは、同じ実施
例を2回実施したことを意味する。以後も同様である。
例を2回実施したことを意味する。以後も同様である。
【0027】(実施例3、4)粗形材として、Znが4
wt%、Mgが2wt%、Cuが0.5、Crが0.2
5wt%、Mnが0.25wt%含み、残部Alからな
る7000系のアルミニウム合金を使用した以外は、実
施例1や2と同様してテストピースを製作し、改質処理
し、評価した。
wt%、Mgが2wt%、Cuが0.5、Crが0.2
5wt%、Mnが0.25wt%含み、残部Alからな
る7000系のアルミニウム合金を使用した以外は、実
施例1や2と同様してテストピースを製作し、改質処理
し、評価した。
【0028】(比較例1、2)実施例1、2と同じ成分
の粗形材を使用したが、改質処理をしていない。このテ
ストピースを使用して、実施例1、2と同様の評価をし
た。
の粗形材を使用したが、改質処理をしていない。このテ
ストピースを使用して、実施例1、2と同様の評価をし
た。
【0029】(比較例3、4)実施例3、4と同じ成分
の粗形材を使用したが、改質処理をしていない。このテ
ストピースを使用して、実施例3、4と同様の評価をし
た。 (評価結果)表1に実施例1〜4および比較例1〜4の
評価結果を示した。実施例1、2と比較例1、2は改質
処理の有無以外は同じである。改質処理なしの比較例
1、2の割れ時間は20〜30minであるが、改質処
理ありの実施例1、2では500minでも割れが生じ
なかった。
の粗形材を使用したが、改質処理をしていない。このテ
ストピースを使用して、実施例3、4と同様の評価をし
た。 (評価結果)表1に実施例1〜4および比較例1〜4の
評価結果を示した。実施例1、2と比較例1、2は改質
処理の有無以外は同じである。改質処理なしの比較例
1、2の割れ時間は20〜30minであるが、改質処
理ありの実施例1、2では500minでも割れが生じ
なかった。
【0030】また、実施例3、4と比較例3、4は改質
処理の有無以外は同じである。改質処理なしの比較例
3、4の割れ時間は60〜90minであるが、改質処
理ありの実施例3、4では500minでも割れが生じ
なかった。
処理の有無以外は同じである。改質処理なしの比較例
3、4の割れ時間は60〜90minであるが、改質処
理ありの実施例3、4では500minでも割れが生じ
なかった。
【0031】
【表1】 図8は改質後のL方向に平行かつST方向に平行な断面
の金属組織を示した模式図である。表面10付近の改質
部11は結晶粒子14の長軸方向が表面10とほぼ平行
になり、かつ微細化している。これは高速回転するプロ
ーブを表面に押しつけて改質する摩擦攪拌法の力と摩擦
熱によって結晶粒子が塑性流動したためである。
の金属組織を示した模式図である。表面10付近の改質
部11は結晶粒子14の長軸方向が表面10とほぼ平行
になり、かつ微細化している。これは高速回転するプロ
ーブを表面に押しつけて改質する摩擦攪拌法の力と摩擦
熱によって結晶粒子が塑性流動したためである。
【0032】表面10から離れた非改質部12は、改質
の影響を受けないので改質前と同じような粒子径で、結
晶粒子の長軸方向が表面10とほぼ直交している。改質
部11と非改質部12の中間には中間部13が存在し、
結晶粒子は長柱状をしていない。
の影響を受けないので改質前と同じような粒子径で、結
晶粒子の長軸方向が表面10とほぼ直交している。改質
部11と非改質部12の中間には中間部13が存在し、
結晶粒子は長柱状をしていない。
【0033】改質部11の組織が微細化され機械的強度
が向上したこと、結晶粒子の長軸方向が平面とほぼ平行
でありST方向の粒界の密度が小さくなっているので、
応力腐食割れしにくくなったものである。
が向上したこと、結晶粒子の長軸方向が平面とほぼ平行
でありST方向の粒界の密度が小さくなっているので、
応力腐食割れしにくくなったものである。
【0034】なお、実施例では7000番系のアルミニ
ウム合金で示したが、特に限定されず、高速回転するプ
ローブで表面を改質できれば、2000番系をはじめ他
のアルミニウム合金でも、あるいはマグネシウムなど他
の軽合金でも適用できる。アルミニウム合金は自動車等
の軽量材料として多く採用されているので、社会的価値
が高い。強度が高いが応力腐食割れ感受性が高い200
0番系と7000番系のアルミニウム合金に本発明の表
面改質方法を適用すれば、強度を犠牲にすることなく応
力腐食割れ感受性を低くできるので、高強度で、かつ応
力腐食割れに強いアルミニウム合金ができる。これは今
後の自動車等の構造材料として重要である。
ウム合金で示したが、特に限定されず、高速回転するプ
ローブで表面を改質できれば、2000番系をはじめ他
のアルミニウム合金でも、あるいはマグネシウムなど他
の軽合金でも適用できる。アルミニウム合金は自動車等
の軽量材料として多く採用されているので、社会的価値
が高い。強度が高いが応力腐食割れ感受性が高い200
0番系と7000番系のアルミニウム合金に本発明の表
面改質方法を適用すれば、強度を犠牲にすることなく応
力腐食割れ感受性を低くできるので、高強度で、かつ応
力腐食割れに強いアルミニウム合金ができる。これは今
後の自動車等の構造材料として重要である。
【0035】また、実施例は鍛造品で示したが、特に限
定されず、展伸材や押出材など結晶粒子の長軸方向が略
直交している表面を有する軽合金なら、本発明の改質方
法を適用して応力腐食割れに強い軽合金とすることがで
きる。しかし鍛造品ではバリ抜き剪断面を改質すれば実
質的にST方向はなくなり有利である。展伸材や押出材
では製品形状により応力緩和できない部位などに有効で
あり、多方面に利用でき社会的に有用である。
定されず、展伸材や押出材など結晶粒子の長軸方向が略
直交している表面を有する軽合金なら、本発明の改質方
法を適用して応力腐食割れに強い軽合金とすることがで
きる。しかし鍛造品ではバリ抜き剪断面を改質すれば実
質的にST方向はなくなり有利である。展伸材や押出材
では製品形状により応力緩和できない部位などに有効で
あり、多方面に利用でき社会的に有用である。
【0036】なお、本発明の表面改質方法は、自動車用
の構造材料、特にシャシ関係部材など腐食環境下で使用
される部品やエンジンルーム内の部品に有用である。ま
たその他の輸送機器に用いられる腐食環境下で使用され
る部位にも有用である。
の構造材料、特にシャシ関係部材など腐食環境下で使用
される部品やエンジンルーム内の部品に有用である。ま
たその他の輸送機器に用いられる腐食環境下で使用され
る部位にも有用である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明は、軽合金の結晶
粒子の長軸方向と略直交する表面に高速回転するプロー
ブを押し当てて表面部の金属組織を改質することを特徴
とする軽合金の表面改質方法であるので、応力腐食割れ
に強い軽合金を製造できる。
粒子の長軸方向と略直交する表面に高速回転するプロー
ブを押し当てて表面部の金属組織を改質することを特徴
とする軽合金の表面改質方法であるので、応力腐食割れ
に強い軽合金を製造できる。
【図1】実施例に用いたアルミニウム鍛造品の正面図
【図2】実施例に用いたアルミニウム鍛造品のAA断面
図
図
【図3】アルミニウム鍛造品から製作したテストピース
の正面図
の正面図
【図4】アルミニウム鍛造品から製作したテストピース
のBB断面図
のBB断面図
【図5】改質用のプローブの側面図
【図6】表面改質処理後のテストピースのBB断面図
【図7】応力腐食割れ試験片の正面図
【図8】改質後のL方向に平行かつST方向に平行な断
面の金属組織を示した模式図
面の金属組織を示した模式図
【図9】L方向に平行かつST方向に平行な断面の金属
組織を示した模式図
組織を示した模式図
1…鍛造品本体 2…バリ抜き部 11、12、16…改質部(表面部) 7…プローブ 10、20…表面 21…結晶粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 640 C22F 1/00 640A 685 685Z 1/053 1/053
Claims (3)
- 【請求項1】 軽合金の結晶粒子の長軸方向と略直交す
る表面に高速回転するプローブを押し当てて表面部の金
属組織を改質することを特徴とする軽合金の表面改質方
法。 - 【請求項2】 前記軽金属が2000番系または700
0番系のアルミニウム合金であることを特徴とする請求
項1記載の軽合金の表面改質方法。 - 【請求項3】 前記表面が、鍛造品のバリ抜き部表面ま
たは展伸材のプレス剪断面または押出材の押出方向と略
直交する面であることを特徴とする請求項1記載の軽合
金の表面改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000297692A JP2002102983A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 軽合金の表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000297692A JP2002102983A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 軽合金の表面改質方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002102983A true JP2002102983A (ja) | 2002-04-09 |
Family
ID=18779775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000297692A Pending JP2002102983A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 軽合金の表面改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002102983A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008246501A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 溶接構造物及びその応力腐食割れ進展性の改善方法 |
CN104250696A (zh) * | 2013-06-25 | 2014-12-31 | 株式会社神户制钢所 | 焊接结构构件用铝合金锻造材及其制造方法 |
JP2015030410A (ja) * | 2013-08-05 | 2015-02-16 | 株式会社日立製作所 | 鉄道車両用台車枠の製造方法 |
CN104946934A (zh) * | 2014-03-27 | 2015-09-30 | 株式会社神户制钢所 | 焊接结构部件用铝合金锻造材及其制造方法 |
-
2000
- 2000-09-28 JP JP2000297692A patent/JP2002102983A/ja active Pending
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JP2008246501A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 溶接構造物及びその応力腐食割れ進展性の改善方法 |
CN104250696A (zh) * | 2013-06-25 | 2014-12-31 | 株式会社神户制钢所 | 焊接结构构件用铝合金锻造材及其制造方法 |
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