JP2002102875A - 水質浄化装置と方法 - Google Patents

水質浄化装置と方法

Info

Publication number
JP2002102875A
JP2002102875A JP2000300292A JP2000300292A JP2002102875A JP 2002102875 A JP2002102875 A JP 2002102875A JP 2000300292 A JP2000300292 A JP 2000300292A JP 2000300292 A JP2000300292 A JP 2000300292A JP 2002102875 A JP2002102875 A JP 2002102875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water purification
treated
raw water
purification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000300292A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsumasa Murakami
光正 村上
Tadaaki Mizoguchi
忠昭 溝口
Yosuke Kajiyama
陽介 梶山
Kazunori Sato
一教 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP2000300292A priority Critical patent/JP2002102875A/ja
Publication of JP2002102875A publication Critical patent/JP2002102875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触ろ材に成長する微生物膜が目詰まりを起
こしにくく、水質浄化作用が低下しにくい生物ろ床式水
質浄化方法及び装置を提供すること。 【解決手段】 浄化流路内部空間を2以上のゾーンB1
〜B6に仕切る仕切部材P12〜P56を配置するとと
もに、処理原水流入部TI1及び浄化水排出部TO6の
位置及び仕切部材P12〜P56の配置位置が2段階ま
たはそれ以上に切り替えて処理原水の供給ゾーンB1〜
B6を変更することによって生物膜担体の再生を図るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活排水に代表さ
れる有機汚濁物質(ここではCODとBODを区別せず
にCODということがある。)を含有する排水を接触ろ
材上に微生物膜が成長する生物ろ床と有機汚濁物質を含
む処理原水とを接触させることにより処理原水を浄化す
る生物ろ床式水質浄化装置と方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】地方都市において、かって山林や農地とし
て利用されていた土地が宅地に転用され、そこからの排
水(生活排水)が公共水域に流入すると、排水中の有機
汚濁物質は溶存酸素の消失を招いて在来生物の生息を阻
害し、これが流入する湖沼の入口付近では当該有機汚濁
物質の嫌気性分解が生じて悪臭が発生する。また湖沼内
では窒素、リン分のために富栄養化が進行し、アオコの
発生に見られるような景観の悪化、それに伴う悪臭の発
生、魚類等生態系への影響等が現れ、またこれを水源と
する場合には飲用水が異臭を放つなど生活への影響が無
視できない状態となる。このように人間活動の結果が人
間の生活環境に影響を及ぼす結果となっている。
【0003】生活排水に起因する公共水域の汚濁は、公
共下水道の普及や各家庭での浄化槽の設置によって軽減
される。しかし、単独浄化槽では台所や風呂の排水が未
処理のまま排出され、また合併浄化槽でも有機汚濁物質
を完全に分解除去した後に排出するわけではないので、
流域に住宅が増えればそれに対応して河川や湖沼の水質
汚濁は進行することになる。
【0004】河川や湖沼の水質浄化対策には以下のよう
に様々なものが提案されている。 ・曝気(エアレーション、バブリング、噴水) ・マイクロバブル発生 ・オゾン注入 ・超音波(キャビテーション)の付与 ・活性炭の設置 ・木炭や竹炭の設置 ・強制水流循環 ・ヨシなどの植栽
【0005】これらの方法は、全ての水域や汚染状況に
対して万能というわけではない。汚染域の規模、汚染の
程度、エネルギーコスト、運用性やメンテナンス性を考
慮すると、一長一短であるのが実情といえる。また、生
活排水を浄化処理するに当たっては生態系への影響が小
さく、また運転経費を低減できるという点で微生物処理
法に期待が集まっている。
【0006】その中で生物ろ床法式水質浄化法が比較的
有利な水質浄化法として知られている。生物ろ床法式水
質浄化法はプラスチック成形物や人工芝、れき、繊維接
触ろ材、ひも接触ろ材などの単位体積あたりの接触面積
が大きい生物膜担体を河川、水路あるいはバイパス水路
等の流路に設置し、好気的な条件のもとに接触ろ材上に
生成した微生物膜の働きにより、有機物等により汚濁し
た水質を浄化するものである。
【0007】生物ろ床には、各種微生物が生息する生物
膜が生成し、場合によってはイトミミズ等が繁殖する。
この生物ろ床は、繊維状で、かつそれを複雑に織り上げ
たような見かけの表面積の多い物質が適切であり、適用
される汚染水域にとって水質を浄化するのにふさわしい
微生物が繁殖する点に特徴がある。また生物ろ床を用い
る水質浄化法は前記したオゾン注入法や超音波法に比べ
ると穏やかな手法であり、自然界の自己浄化機能を促進
させて活用するものであって環境への負担が小さく、さ
らに運用時のエネルギーコストが小さい。さらに生物ろ
床法は汚染度や環境が変わってもその偏差分を吸収でき
るというメリットがある。
【0008】図21には、従来の生物ろ床法式水質浄化
装置の例を示す。汚水などの処理原水を流入部104よ
り浄化装置内の複数に区画し、繊維状の接触ろ材103
をそれぞれ配置した各処理槽105に順番に導入し、必
要に応じて各処理槽105の接触ろ材103の下方に設
けられた散気管106より空気を吹き込み曝気を行う。
各処理槽105の水面近傍より吊り下げられた接触ろ材
103上に生長した微生物膜により有機物等の汚濁物質
が分解され、浄化された処理水が排出部107より装置
外へ導出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】生物ろ床法式水質浄化
方法は、好気的な条件において操作する必要があり、消
費される量に見合った量の酸素が連続的に被処理液中に
供給されなければならない。一方、微生物膜を接触ろ材
に定着させ、汚濁物質と微生物膜とを十分に接触させて
浄化させるためには、被処理水の有機汚濁物質の濃度に
も依存するが、例えば、通常の生活排水で想定される有
機汚濁物質濃度(BOD50ppm程度)のとき、処理
水の浄化装置内における滞留時間が3〜8時間程度とな
るように考慮することが望ましい。
【0010】微生物膜は、有機汚濁物質を分解しつつ成
長し、他の懸濁物質(SS)等を吸着して取り込むの
で、微生物膜量の増加速度は当該微生物膜の存在する水
質(BODまたはCODを指標として表される有機汚濁
物質の濃度、SS濃度等)に依存する。このため、例え
ばBOD100ppm程度の極端に負荷の高い条件で
は、微生物膜の活性は高いが、吸着する物質の量も多い
ため、急速に微生物膜量が増加し、短時間に接触ろ材が
目詰まりを起こした状態となりやすい。一方、例えばB
OD20ppm程度の低負荷条件では微生物膜の活性は
低く、長時間経過しても微生物膜量の増加は少ない。処
理水の水質は、処理原水の流入部から下流側になるに従
い浄化され、有機汚濁物質の濃度(BODまたはCO
D)及びSS濃度が減少していく。
【0011】以上のことから、通常の生活排水で想定さ
れるBOD50ppm程度の負荷であるような処理原水
を浄化処理する場合、浄化処理開始直後は、処理原水の
流入部104に近いほど微生物膜の成長が早く、一方、
処理水の排出部107近傍においては、接触ろ材103
上にできる微生物膜量は少ない。このため上記した従来
技術の生物ろ床法式水質浄化装置では、処理原水の流入
部104に近い部位では、時間の経過とともに成長した
微生物膜とこれに取り込まれた懸濁物質とにより接触ろ
材103に徐々に目詰まりを生じるようになる。
【0012】接触ろ材103の目詰まりが進行するにつ
れ、接触ろ材103に酸素が十分に行き渡らないため、
微生物膜の活性が下がり、水質浄化作用が低下してく
る。
【0013】一方、排出部107近傍の接触ろ材103
は、浄化処理の開始直後、微生物膜が発達しておらず、
水質浄化作用が小さい。時間の経過に従い、上流側の接
触ろ材103の水質浄化作用が目詰まりによって低下し
てくると、下流側の汚濁物質の濃度が上昇してくるの
で、排出部107近傍の接触ろ材103上の微生物膜
は、徐々に発達し始め、水質浄化作用が向上してくる。
しかし、更に時間が経過すると、上流側と同様、次第に
目詰まりし始めるので再び水質浄化作用は低下するよう
になる。
【0014】このため、従来の生物ろ床法式水質浄化装
置では、時間の経過に従い、汚濁物質が十分に浄化され
ないまま処理水が、装置外へ排出される可能性があっ
た。
【0015】また、図22に示すような従来の生物ろ床
を備えた水質浄化装置において、処理原水(汚染水)の
流入路110に生物ろ床容器111が設けられているの
で、生物ろ床容器111の入口112から流入する処理
原水113は生物ろ床容器111の出口114から出て
公共水域116に放出される。
【0016】このとき流入路110近傍に生物ろ床容器
111があるため、この容器111に負担が加わり、一
方処理水の出口114近くの生物ろ床容器111近傍は
有効に活用されない、すなわち装置全域が均等に機能し
ないという問題があった。
【0017】図22に示す水浄化装置を用いた場合の生
物ろ床の生物膜の付着量分布を図23に示すが、処理原
水の流入路110近傍の生物ろ床容器111内にのみ生
物膜が多量に生成し、圧力損失が増大し、処理原水の流
入が滞り、浄化処理能力が低下するという問題があっ
た。また、処理原水の容器入口112が過大な生物膜で
閉塞気味になると、そこに大量のヘドロがたまり、生物
ろ床装置として機能しなくなるという問題があった。
【0018】本発明の課題は、生物ろ床に成長する微生
物膜が目詰まりを起こしにくく、水質浄化作用が低下し
にくい生物ろ床式水質浄化方法及び装置を提供すること
にある。また、本発明の課題は、生物ろ床と液の接触効
率を高め、また生物ろ床表面に付着堆積する汚泥量を低
減させた生物ろ床式水質浄化方法及び装置を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成により解決される。 (1)処理原水流入部と浄化水排出部と、前記処理原水
流入部と浄化水排出部の間に生物膜担体を有する生物ろ
床と空気供給部を有する水質浄化流路を備えた水質浄化
装置において、水質浄化流路を環状に形成し、該環状浄
化流路に前記処理原水流入部を接続し、該処理原水流入
部から供給された処理原水が環状浄化流路内を一巡した
後に水質浄化装置から排出されるように前記浄化水排出
部を接続し、さらに処理原水が一巡する環状浄化流路内
部空間を2以上に仕切る仕切部材を配置し、前記処理原
水流入部及び浄化水排出部の配置位置を変更可能にする
と共に仕切部材の配置位置が2段階またはそれ以上に切
り替え可能に設けられていることを特徴とした水質浄化
装置。
【0020】(2)生物膜担体を有する生物ろ床と空気
供給部とを備えた水質浄化流路で生物膜担体に処理原水
を接触させて浄化する水質浄化方法において、水質浄化
流路を環状に形成し、該水質浄化流路における前記処理
原水の流入位置を逐次変更し、さらに該処理原水の流入
位置の変更に合わせて浄化水の排出位置を変更して、水
質浄化流路内を流れる液の経路を変えることを特徴とす
る水質浄化方法。
【0021】本発明の水質浄化装置において、環状浄化
流路は仕切部材で複数ゾーンに区画され、該仕切部材は
液が仕切部材を越えて隣接するゾーン内を順次流れるよ
うに配置され、かつ、隣接する各ゾーンでは処理原水の
流れ方向が順次逆向きになるように配置されることが望
ましく、各ゾーンには、生物ろ床と空気供給部とを配置
することができる。
【0022】また、処理原水流入部と浄化水排出部の位
置変更と環状浄化流路内の各ゾーンの仕切部材の配置変
更による液流れ方向の切替えは、COD除去率、生物ろ
床上における汚泥の付着状態の観察結果又は液中溶存酸
素濃度の測定等に基づいて決定した時間間隔で手動また
は自動で行うことができる。
【0023】また、環状浄化流路内の生物膜担体を有す
る生物ろ床を可動式にして、COD除去率、生物ろ床上
における汚泥の付着状態の観察結果又は液中溶存酸素濃
度の測定等に基づいて適宜の位置に処理原水流入部と浄
化水排出部の位置を変更配置することができる。
【0024】さらに、上記水質浄化装置の液後流部に該
浄化装置から排出される浄化水中に含有される懸濁状固
体粒子を除去する装置を設置してもよい。
【0025】
【作用】生物ろ床法による汚濁水の浄化は、その表面に
生物膜を保持した生物膜担体(以後「接触ろ材」という
ことがある)の間を処理原水(被処理液)を移動させる
ことによって行われるが、液中に所定量の溶存酸素を確
保し、かつ生物ろ材全体が液とよく接触する構造でなけ
ればならない。
【0026】すなわち、特別の対策を講じない限り、供
給された被処理液は接触ろ材全体とは接触せず、浄化装
置内の上面あるいは装置内の特定流路に沿って移動(偏
流)し、装置効率は著しく小さなものとなる。これを避
ける上で、本発明のように水質浄化装置を少なくとも2
区画以上に多段のゾーンに分割し、各ゾーンを順次流れ
る被処理液の流れを例えば隣接するゾーンでは上下Uタ
ーン式などのように強制的に変える方法が極めて有効と
なる。
【0027】すなわち、被処理液の流れを、例えば上記
上下Uターン式に強制的に変えることにより、被処理液
は実質的に各ゾーンの上部から底部まで、あるいは底部
から上部まで貫流し、表層だけを流下するということは
ない。浄化装置の各ゾーン内にエアレーション操作を行
うことによって各ゾーン内の被処理液は混合され、これ
によっても接触ろ材と被処理液の接触効率が向上する。
これに対し、垂直面内を蛇行させることによって流路長
を長くした場合には偏流が発生し、上下Uターン式に比
べると効率的ではない。
【0028】また、浄化装置内を多段に分割し、全体と
しての被処理液の流れを、例えば下降流から上昇流に変
更させると、この部分では懸濁物質が沈降分離されると
いう利点も得られる。
【0029】浄化装置を多段に分割し、被処理液を各ゾ
ーンに順次移動させ、その直前までの液を供給するゾー
ン内の多量の汚泥が付着した接触ろ材を液流れの下流側
に位置を変更することにより、下流側に位置が変更した
接触ろ材は実質的には被処理液中の有機汚濁物質の分解
には関与せず、ここでは代わりに付着した汚泥の分解が
進行する。
【0030】すなわち、各ゾーンを環状に配置した場合
には被処理液の供給ゾーンを変更することによって接触
ろ材の再生を図ることができる。接触ろ材に付着した汚
泥は、当該ろ材に振動、回転、揺動を与えるか、あるい
は空気量を増大させて付着した汚泥を剥離し、底部に堆
積させた後にこれを吸引除去することによっても処理で
きるが、接触ろ材に汚泥が付着した状態で微生物を分解
させ、汚泥付着量が減少した後に接触ろ材に必要に応じ
て水噴霧、振動、回転、揺動を与えるか、あるいは空気
量を増大するなどの汚泥剥離処理を行った方が効果が確
実で、かつ系外に抜き出す汚泥量が低減するため好まし
いものである。
【0031】また、本発明の処理原水(被処理液)を受
け入れる開口部と、該開口部から分岐するダクトと、該
各分岐ダクトから導入した処理原水を浄化処理する生物
ろ床を内部に配置した容器と、該容器には前記分岐した
各ダクトにそれぞれ接続可能な複数の入口と前記入口の
接続に応じて切替え可能な浄化処理した処理水を排出す
るための複数の出口とを備えた水質浄化装置を用いて、
生物ろ床容器の入口と出口を切り換えれば、容器内全域
の生物ろ床の機能を均等に発揮できるようになる。
【0032】生物ろ床容器で生成する生物膜量が生物ろ
床容器内でかなり均等になるため、汚染水等の処理原水
の入口部の圧力損失が低下し、処理原水が流入し易くな
って処理能力が上昇する。
【0033】また、汚染負荷の変動に応じて、前記生物
ろ床容器の入口側と出口側を切り換えることも有効であ
る。例えば、朝と夕刻の時間帯には、比較的に生物膜の
付着量の多い部分に、汚染水を流入させるように切り換
えれば、多く生棲するバクテリアが高い汚染度を低減す
るのに好都合である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の基本原理は生物ろ床法水質浄化装
置を多分割し、処理原水(被処理液)が各区画内を全体
として下降流と上昇流を繰り返しながら移動するなど流
れ方向を変えるとともに、被処理液の供給ゾーンを順次
移動することによって供給ゾーンに存在して多量の汚泥
が付着した接触ろ材の再生を図ることである。
【0035】前記水質浄化装置の分割数によって本発明
が制限を受けるものではないが、ここでは隣接した直方
体状の6区画または10区画から構成された水質浄化装
置の場合を例に本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0036】代表的な水質浄化システムの構成を図1に
示す。処理原水である生活排水は沈砂池1に導かれ、ご
み及び粗大粒子を除去した後に生物ろ床法水質浄化装置
2に導かれるが、本実施の形態は水質浄化装置2の構成
及びその運転方法に特徴がある。
【0037】図2(a)のステップ1に示した水質浄化
装置(平面図)はゾーンZ1〜Z6に分割され、各ゾー
ンZ1〜Z6には接触ろ材B1〜B6及び散気装置A1
〜A6が取り付けられている。
【0038】図3は本実施の形態の理解を容易にするた
めに、図2(a)に示すステップ1(平面図)のゾーン
配列を直列式として水質浄化装置の側面図(図3
(a))と平面図(図3(b))で表したものであり、
液の供給管と排出管の取付け、液流れ方向等は図2
(a)のステップ1と図3は全く同一の構成である。管
路TI1から処理原水が流入し、全体として下降流とな
ってゾーンZ1内を移動し、ゾーンZ1とZ2間の仕切
板P12の下方を経由し、ゾーンZ2内を上昇する。被
処理液はゾーンZ2とZ3間の仕切板P23を乗り越え
る形でゾーンZ3内に流入し、ゾーンZ3内を降下す
る。以後、ゾーンZ4内を上昇、ゾーンZ5内を下降、
ゾーンZ6内を上昇し、ゾーンZ6に取り付けられた管
路TO6から浄化水となって系外へ流出する。
【0039】このように、ゾーンZ1とZ2、ゾーンZ
3とZ4、ゾーンZ5とZ6の間の各仕切板P12、P
34、P56は上部が水面上に、下部は装置底部との間
に間隙部を有して取り付けられ、一方、ゾーンZ2とZ
3、ゾーンZ4とZ5の間の各仕切板P23とP45の
上部は、これを越えて液が移動できる位置に下部は底面
に密着した状態にある。ゾーンZ6とZ1の間の仕切板
P61は両ゾーンZ6、Z1間の液の移動を防止できる
ように、下部が底部と密着しているだけでなく、上部が
水面上に位置するように取り付けられる。
【0040】各ゾーン内に流入する被処理液の浄化を続
けると液流入部に当たるゾーンZ1で汚濁物が他のゾー
ンに優先して除去される。この汚濁物はCO2とH2O
に分解されるだけでなく、微生物膜に吸着したり、ある
いは菌体として取り込まれ、その分解残留物としての汚
泥に変化するなど、濃度低下の様式は複雑である。
【0041】このようにして汚濁物質が除去されるが、
接触ろ材B1の表面に汚濁物が付着すると、接触ろ材B
1の有効表面積が低下し、また難分解性汚濁物質が蓄積
されるために、このゾーンZ1においては液の流通抵抗
が増大するだけでなく、浄化機能が次第に低下する。こ
の状態でゾーンZ1に液を供給して浄化処理を続ける
と、浄化の主体がゾーンZ2などの液後流側に移行し、
次にはゾーンZ3、Z4、‥‥‥で浄化が進行するよう
になる。このことは、上流側から次第に接触ろ材B1、
B2、‥‥の浄化機能が失われることを意味するもので
あり、やがては装置全体として所期の浄化性能が得られ
ない事態に陥る。本発明はこの汚泥の付着堆積に起因す
るろ床の浄化機能の低下を回避するものである。
【0042】図2(a)に示すステップ1に示した構成
図の様式に従って浄化処理を行い、ゾーンZ1の浄化機
能が低下した場合、本実施の形態では図2(b)のステ
ップ2に示すような構成に変化させる。すなわち、ゾー
ンZ2とZ3の間の仕切板P23の上面を液面上に上昇
させてゾーンZ2からZ3への液の流入を遮断するとと
もに、ゾーンZ6とZ1の間の仕切板P61の上面を低
下させ、その上を越えて液がゾーンZ6からZ1へ流入
できるように変化させる。この場合、被処理原水は管路
TI3からゾーンZ3に供給され、順次ゾーンZ4、Z
5、Z6、Z1及びZ2内を移動してゾーンZ2の上部
に取り付けた管路TO2から浄化水となって系外へ流出
する。
【0043】図2(b)のステップ2に示した構成に従
って水質浄化を継続すると水質浄化は主としてゾーンZ
3中で進行し、次第にゾーンZ3の接触ろ材B3に汚泥
が付着堆積する。液中の有機汚濁物質濃度はゾーンZ
3、Z4、Z5、Z6、Z1、Z2の順に低下し、処理
液量を調整すればゾーンZ1及びZ2には微生物によっ
て分解可能な汚濁物質が事実上流入せず、むしろ接触ろ
材B1及びB2上に付着堆積した汚泥の分解が進行する
状態を実現することができる。すなわち、処理原水中の
有機汚濁物質の分解及び汚泥を形成しての液中からの消
失(=水質浄化)が主としてゾーンZ3において起こる
のに対し、汚濁物質の流入量が少ないゾーンZ1及びZ
2では接触ろ材B1及びB2の表面の汚泥の分解、した
がって接触ろ材B1及びB2のクリーニング・再生が起
こる。
【0044】図2(b)のステップ2に示した構成図の
様式に従って浄化処理を行い、ゾーンZ3の浄化機能が
低下した場合、本実施の形態では図2(c)のステップ
3に示すような構成に変化させる。すなわち、ゾーンZ
4とZ5の間の仕切板P45の上面を液面上に上昇させ
てゾーンZ4からZ5への液の流入を遮断するととも
に、ゾーンZ2とZ3の間の仕切板P23の上面を降下
させ、その上を越えて液がゾーンZ2からZ3へ流入す
るように変化させる。この場合、被処理原水は管路TI
5からゾーンZ5に供給され、順次ゾーンZ6、Z1、
Z2、Z3及びZ4内を移動してゾーンZ4の上部に取
り付けた管路TO4から浄化水となって系外へ流出す
る。図2(c)のステップ3の構成の場合には処理原水
の浄化は主としてゾーンZ5において起こり、汚濁物質
の流入量が少ないゾーンZ3及びZ4では接触ろ材B3
及びB4のクリーニング・再生が起こる。この場合、ゾ
ーンZ1及びZ2のろ材B1及びB2上の汚泥量は前段
のクリーニング操作によって低減しており、高い浄化活
性を示す。
【0045】図2(c)のステップ3に示した構成図の
様式に従って浄化処理を行い、ゾーンZ5の浄化機能が
低下した場合、再び図2(a)のステップ1に示すよう
な構成に従って浄化処理を行う。ただし、液供給ゾーン
の変更時点で、ゾーンZ5及びZ6の接触ろ材B5及び
B6には多量の汚泥が付着しており、汚濁物質がゾーン
Z1及びZ2で除去される間にゾーンZ5及びZ6では
クリーニング・再生が進行する。
【0046】このように水質浄化装置を分割して処理原
水の供給ゾーンを順次変更し、同時に汚泥付着量が多い
接触ろ材をクリーニング処理することによって長期間に
わたって高い浄化性能を維持するとともに、系外に抜き
出す汚泥量を著しく低減することができる。
【0047】なお、このように被処理原水の供給点(管
路TI1)に対して後流側のゾーン(図2(b)のステ
ップ2ではゾーンZ1、Z2、図2(c)のステップ3
ではゾーンZ3、Z4)は汚泥の付着量が低減し、また
付着力も低下するため、ゾーン内におけるエアレーショ
ン及びそれに起因する液乱れによっても接触ろ材上の汚
泥は比較的容易にろ材から剥離する。当該接触ろ材に振
動、回転、揺動を与えるか、あるいは接触ろ材設置部へ
所定量の空気を供給して液の乱れを大きくするなどの操
作を行うことによって残留する汚泥の剥離・除去を促進
することもできる。
【0048】本発明の方法と異なり、被処理原水の供給
ゾーンを固定した状態で汚泥が付着した接触ろ材に水噴
霧、振動、回転、揺動を与えるか、あるいは接触ろ材設
置部へ所定量の空気を供給して液の乱れを大きくするこ
とによって付着した汚泥をある程度除去することもでき
るが、設備が複雑になるだけでなく系外に取り出す汚泥
量が本実施の形態である汚泥の微生物分解による。いわ
ゆる「その場クリーニング」操作を行う場合に比べて著
しく多いものとなる。
【0049】上記の方法によって接触ろ材のクリーニン
グ操作を行った場合、接触ろ材上の汚泥は微生物の分解
を受けると同時にその一部は接触ろ材から剥離し、液中
に浮遊懸濁することもある。各区画のエアレーションポ
イント(散気装置取付位置)より上部では気泡によって
液が乱され、粒子は液の流れに乗って浮遊するのに対
し、エアレーションポイント以下のゾーンは実質的に液
の対流は起こらない。したがって、図4に示すような構
成にすると、ゾーンZmとZnの間の仕切板Pmnの下
端レベルLPと散気装置レベルLAの間のうちゾーンZ
mLでは粒子は理想的には速度ug+usで降下し、ゾ
ーンZnLではus−ugで上昇(マイナスの場合には
沈降)する。ここに、ugは粒子の自然沈降速度、us
は液の平均流速である。
【0050】処理液量(液の平均流速)とゾーンZm、
Znの断面積を適正化することによって、各ゾーンZ
m、Znの下部において接触ろ材Bm、Bnから剥離し
た汚泥粒子を沈降分離することができる。このような特
性は装置を上下Uターン液移動方式にすることによって
効率的に達成できるものである。
【0051】浄化水排出管を取り付けた最後流ゾーンに
対しては接触ろ材及び散気装置を設置しないか、あるい
は散気装置位置を上昇させることによって粒子の沈降分
離特性を向上させることができるが、本実施の形態は各
ゾーンに対する接触ろ材及び散気装置の取付を一様とし
た場合に所期の効果を発現するものであり、特定ゾーン
のみを変化させることは好ましくない。
【0052】なお、必要に応じて生物ろ床法水質浄化装
置の後段に専用の粒子捕集分離器を設置することもでき
る。粒子捕集分離器としては重力沈降槽の他、固体を存
在させた分離器を使用することができる。接触ろ材とし
て使用するバルキーな物質を充填あるいは水面近くに取
り付け、これを通して浄化水を流すことによって浮遊す
る固体粒子を極めて効率よく捕集除去することができ
る。
【0053】本実施の形態は上記のように生物ろ床法浄
化装置の構造及び運転方法に特徴を有するものであり、
表面に生物膜が発達する限り、各種接触ろ材を使用する
ことができ、その形状としては板、粒、棒、礫、紐、ハ
ニカム、円筒、芝、各種形状成形体等を選択することが
できる。空隙率が大きく、処理液との接触効率がよいと
いう点では紐状ろ材が優れた特性を示す。生物ろ床内の
液滞留時間は処理すべき排水の性状、浄化度、ろ床構
造、水温等によって異なるが通常1〜数時間が必要であ
る。
【0054】なお、図1における沈砂池1に対してもエ
アレーションを行い、また接触ろ材を設置してこの部分
において汚濁有機物の一部を分解することもできる。ま
た、本実施の形態によって有機汚濁物質含有排水の浄化
を継続すると各区画の底部、特に接触ろ材のクリーニン
グ・再生部に汚泥が堆積するため、図4の汚泥排出管D
TOからこれを適宜排出する。この操作により、接触ろ
材上の汚泥を低レベルに抑えた状態で長期間にわたって
高い浄化性能を維持することができる。
【0055】本実施の形態は被処理液の供給ゾーンを順
次変更することに一つの特徴を持つが、この供給ゾーン
の変更は供給ゾーンの浄化性能が所定値以下に低下した
時点で行い、その判定は標準的には被処理液供給ゾーン
におけるCOD測定結果による。
【0056】しかし、接触ろ材への汚泥の付着状態を目
視観察することによっても容易に判定することができ
る。最初バルキーな状態にあった接触ろ材の空隙部が汚
泥によって閉塞して棒状を呈した時点で被処理液の供給
ゾーンを変更することが簡便で実用的な操作方法となる
が、浄化装置内の液中溶存酸素濃度を測定し、その値か
ら被処理液の供給ゾーン変更時期を決定することができ
る。被処理液供給ゾーン内に設置した接触ろ材に汚泥が
多量に付着した場合、このゾーンでは実質的に有機汚濁
物質の浄化がほとんど進行しないにも係わらず液中溶存
酸素は1ppm以下に低下する。したがって、液中の溶
存酸素を連続的又は所定間隔で測定し、所定値以下の値
を示した時点で被処理液の供給ゾーンを変更することに
なるが、その基準となる溶存酸素は0.5〜2ppm程
度である。
【0057】なお、溶存酸素の測定は被処理液が供給さ
れるゾーンを対象に行うことを基本とするが、本実施の
形態は上下Uターン式の装置構造を基本とし、2つのゾ
ーンを単位として被処理液の供給ゾーンを順次変更する
ため、ゾーンZiに被処理液を供給する場合、ゾーンZ
(i+1)の浄化性能がある程度低下した時点で被処理
液の供給ゾーンをZ(i+2)に変更する、すなわち溶
存酸素の測定を被処理液の供給ゾーンの下流側隣接ゾー
ンZ(i+1)を対象に行うこともできる。
【0058】上記のように、COD、汚泥の付着状態又
は液中溶存酸素濃度の測定又は観察結果に基づいて被処
理液の供給ゾーンを変更することができるが、これらの
測定又は観察結果に基づいて適切な供給ゾーン変更時間
間隔を決定し、その時間間隔で供給ゾーンの変更を自動
的に行うようにすることもできる。
【0059】次に本発明の効果を具体的結果によって説
明する。参考例1主として単独浄化槽を設置した約10
0戸の住宅群からの生活排水が流入する縦5m、横5
m、深さ1.5mの沈砂池及びその下流側に設けられた
縦3.2m、横3.2m、深さ1.5mの曝気池の水の
COD(測定例)は降雨の影響を受けない場合にはそれ
ぞれ30〜40及び18〜27ppmであった。
【0060】実施例1 直径4.5cmの化学繊維製紐状接触ろ材を参考例1に
記載した曝気池の水中に7日間浸漬した後、曝気池水中
で軽く揺り動かして大部分の泥状物質を除去した。この
ようにして調製し、表面に生物膜を保持した接触ろ材を
図3に示したような浄化処理部の全体サイズが縦9c
m、横54cm、深さ100cm(いずれも有効長)
で、全体が6区画(ゾーンZ1〜Z6)に分割された上
下Uターン式生物ろ床法水質浄化実験装置の各ゾーン
(いずれも縦9cm、横9cm、深さ100cm)内に
上記ろ材(長さ各1m)を懸垂した。
【0061】各ゾーン間の仕切板P12、P23、‥‥
‥、P56は図2(a)のステップ1に記載したのと同
様に配置され、タイプA:その上部が水面上にあり、一
方、下部が底面まで到達していない、あるいはタイプ
B:上部が水面下にあり、下部が底面まで到達する構造
である。
【0062】各ゾーンZ1〜Z6には水面下約1mの位
置に気泡発生部が存在する散気装置A1〜A6を取り付
けた。ゾーンZ1に参考例1に記載の温度22.5℃、
COD25.0ppmの曝気池内の生活排水(処理原
水)を流量200mL/minで供給し、ゾーンZ6か
ら溢流させた。各ゾーンZ1〜Z6には空気を約1L/
minで供給(エアレーション)し続け、溶存酸素濃度
を3〜6ppmに維持した。10日後に各ゾーンZ1〜
Z6から採取した試料水のCODはZ1で15.0、Z
2で14.3、Z3で13.2、Z4で13.1、Z5
で13.0、Z6で13.0であり、ゾーンZ3(ゾー
ンZ3流出までの滞留時間:2h)において浄化はほぼ
完了することが分かった。ゾーンZ6流出液のBODは
1.5ppmであり、またこうして得られた浄化水は室
温で長時間放置しても悪臭を発生することはなかった。
浄化水の透視度は1m以上であった。この場合、ゾーン
Z1の接触ろ材B1上には多量の、またゾーンZ2の接
触ろ材B2には少量の汚泥が付着していたが、ゾーンZ
3〜Z6の接触ろ材B3〜B6への汚泥付着量は目視観
察上極めて少量であった。
【0063】比較例1 実施例1の浄化試験を継続したところ、15日後にはゾ
ーンZ1の接触ろ材B1上に極めて多量の汚泥が付着
し、各ゾーンZ1〜Z6のCODはZ1で20.0、Z
2で19.8、Z3で19.5、Z4で19.2、Z5
で19.0、Z6で18.8ppmであった。この時点
における流入水のCODは23.8ppmであり、実施
例1における測定値に比較して浄化性能が著しく低下し
たことを示した。浄化反応は汚泥が多量に付着したゾー
ンZ1で進行し難いだけでなく、これ以外のゾーンZ2
〜Z6においても浄化速度は極めて小さいことが分かっ
た。これは、当初浄化反応が専らゾーンZ1において進
行し、その後流部に当たるゾーンZ2〜Z6には汚濁物
質が流入しないために生物膜の発達が不完全であったこ
とに起因すると考えられる。
【0064】実施例2 比較例1の浄化試験終了後に、ゾーンZ1〜Z6にあっ
た接触ろ材B1〜B6をそれぞれゾーンZ5、Z6、Z
1、Z2、Z3及びZ4に移し入れ、以後実施例1と同
様にゾーンZ1に処理原水を供給し、またゾーンZ1〜
Z6にエアレーションを行った。これは図2のステップ
1からステップ2への給液パターンの変更に相当する。
【0065】この操作によって一時的に流出液のCOD
及び固体懸濁物質濃度が上昇したが、12時間後におけ
る各ゾーンZ1〜Z6のCODはZ1で18.5、Z2
で16.5、Z3で14.3、Z4で13.5、Z5で
13.2、Z6で13.1ppmであり、装置全体の浄
化機能は完全に回復した。また、ゾーンZ5に移し入れ
た接触ろ材B5上の汚泥は3〜4日でほぼ完全に除去さ
れた。すなわち、接触ろ材B5上の汚泥は、事実上汚濁
物質が流入しないか、あるいはこれが極めて少ないゾー
ンZ5においてエアレーションを行うことによって分解
除去できることが明らかになった。
【0066】実施例3 実施例2の浄化試験を7日間継続した後に、ゾーンZ1
〜Z6にあった接触ろ材B1〜B6をそれぞれゾーンZ
5、Z6、Z1、Z2、Z3及びZ4に移し入れ、以後
実施例1と同様にゾーンZ1に参考例1に記載したCO
D38.5ppmの沈砂池内の生活排水(処理原水)を
流量150mL/minで供給し、またゾーンZ1〜Z
6にエアレーションを行った。これはろ材配置的には図
2(b)のステップ2から図2(c)のステップ3への
給液パターンの変更に相当する。
【0067】この場合も一時的に流出液のCOD及び固
体懸濁物質濃度が上昇したが、1日後における各ゾーン
Z1〜Z6のCODはZ1で25.5、Z2で19.
5、Z3で15.3、Z4で13.9、Z5で13.
5、Z6で13.3ppmであり、曝気処理なしの生活
排水を本実施の形態になる上下Uターン式生物ろ床法水
質浄化装置に供給した場合にも最終的には予め曝気処理
した生活排水を供給した場合と同一性状の浄化水が得ら
れることが示された。
【0068】この場合、接触ろ材B1〜B6の配置を3
日毎に変化させて浄化試験を継続したところ、流入水の
CODは降雨の影響を受け、15〜40ppmで変化し
たが、浄化水のCODは終始12ppm以下の値を示
し、また、2か月間運転後に装置底部に堆積した汚泥は
10cm程度であり、この間における汚泥の抜出しは不
要であった。
【0069】本発明は被処理液の供給点を順次変更しな
がら水質浄化装置を運転する方法に関するもので、その
主目的は被処理液の供給点付近に置かれて多量の汚泥が
付着した接触ろ材B1〜B6を浄化装置内の下流側に移
し替えることによって再生することである。この目的は
装置を多分割し、環状に配置された各ゾーンZ1〜Z6
内を方向変化、特に上下Uターンを繰り返しながら液を
流下させることによって最も効果的に達成することがで
きる。しかし、効果の程度を問わなければ液の流れを
正、逆二方向に切り替える方式を採用することもでき
る。すなわち、浄化装置をゾーンZ1、Z2、‥‥‥、
Znに分割し、被処理液をゾーンZ1に供給してZnか
ら排出するか、あるいは逆にゾーンZnに供給してZ1
から排出するかを繰り返すパターンで装置を運転するこ
ともできる。
【0070】ただし、この方式によれば液の流れ方向を
変更した直後にはそれまで液排出部にあり、接触ろ材B
1〜B6上に生物膜が不完全な状態で生成・付着したゾ
ーンZ1〜Z6に被処理液が供給されるために浄化反応
はせいぜい装置の中央部でのみ進行することになる。こ
れを繰り返した場合、装置中央部は完全に汚泥が除去さ
れ再生される段階がないために不活性化・閉塞が起こる
危険性が高い。また、液の流れが逆転すると、それまで
液流入部にあり、したがって浄化処理が不完全な液が排
出されることになる。これらの現象は、分割したゾーン
Z1〜Z6を環状に配置し、各ゾーンを平均的に浄化
(汚泥付着)と再生(汚泥剥離)に使用する場合よりも
浄化効率を低下させる原因になる。
【0071】上記実施の形態は隣接した直方体状区画か
ら構成された水質浄化装置を例に本発明の方法を詳しく
説明したが、直方体状区画が必ずしも隣接して存在する
必要はなく、所定の距離をもって存在し、各区画が管又
は堰によって連結された状態にあってもよい。また、各
区画の形状は直方体に限定されるものではなく、円柱、
三角柱、扇型柱等いずれの形態であってもよい。
【0072】図5は、本発明の第3の実施の形態になる
生物ろ床式水質浄化装置を示す。この生物ろ床式水質浄
化装置も接触ろ材上に微生物膜が成長する生物ろ床と、
この生物ろ床を設置して処理水を流通させるための流路
とを備え、前記流路に処理原水を流入させるための流入
部の位置が可変である。同様に、処理水を排出するため
の排出部の位置が可変であり、可動式の仕切り部材を設
け、この仕切り部材の位置と前記流入部と前記排出部と
の位置をそれぞれ逐次変化させることによって前記処理
水の流通する経路が可変である。
【0073】本実施の形態においてもCOD、SSが比
較的高い原水が生物ろ床に流入し続けると、生物ろ床の
前流部では接触ろ材(図10に示す繊維接触ろ材23)
に生息する微生物は増殖し、接触ろ材に多量の生物膜や
SSが付着し、後流部では付着量は少なくなる傾向があ
る。そこで処理原水の流入箇所をろ床の後流部にシフト
し、前流部を生物ろ床の出口にすることによって、後流
部では有機物濃度は微生物分解によって前流部より低下
するので、やがて有機物の欠乏のため微生物の増殖が停
止し、微生物数は減衰する。これによって、目詰まりし
た接触ろ材を元の構造に改善できる。
【0074】図6に、このときの接触ろ材への生物膜付
着量の増殖の様子をモデル的に示す。▽印の時に、処理
原水の流入箇所をシフトし、生物膜付着量がピークに達
した接触ろ材が生物ろ床最後流部に来るようにすると、
接触ろ材への生物膜付着量は▽印以降減少し、目詰まり
は改善できた。また、本発明は目詰まりを改善する方式
なので、常にろ床には適正な生物膜が形成され、有機物
の接触が効率的に行われ、生物膜の活性を促進する。こ
のように本実施の形態による水質浄化を行えば、生活排
水中の大部分の有機物を分解し、河川等に清浄な水とし
て排出できる。
【0075】図5に示す本実施の形態の生物ろ床法水質
浄化装置は主に循環水路になった生物ろ床本体11、水
路を仕切るための仕切り板12、またそれを固定するガ
イド13、生物ろ床に分岐した汚水分配管14からな
る。
【0076】図8に本実施の形態による浄化パターンを
示す。図8(a)のパターンに示した構成図の様式に従
って浄化処理を行い、区画B1のろ材に汚泥が大量に付
着し、浄化性能が低下した場合、本実施の形態では図8
(b)のパターンに示すような構成に仕切り板12の位
置を変更する。この場合、処理原水の供給位置は区画B
1からB2に変更され、処理原水は順次B2、B3、・
・・、B10、B1内を移動して区画B1の排出バルブ
16から浄化水となって系外へ放出する。
【0077】以下に、本装置を用いた生物ろ床式水質浄
化方法の例を述べる。なお、生物ろ床の馴養(生物膜固
着)は繊維接触ろ材23を生活排水路の汚水中に数日間
吊るして行った。数日後、生物膜が付着した繊維接触ろ
材23を引き上げ、生物ろ床法水質浄化装置に設置し、
生活排水の浄化試験を行った。
【0078】溶存酸素(DO)は4〜6ppm程度に調
整した。本実施の形態では区画B1の処理原水(汚水)
分配管14の流入切替バルブ15を開くと、流入管24
から導入された被処理原水は区画B1、B2、B3・・
・B9を浄化されながら流下し、ろ床最後流部である区
画B10の排水バルブ16から排出する。滞留時間が3
時間となるように送液ポンプ(図示せず)で流量調整し
た。生活排水などの汚水を長期間連続的に浄化すると、
ろ床の目詰まりが発生し、図7に示すようにCOD除去
率は連続運転開始から6日を過ぎた頃から徐々に低下
し、12日後には35%まで低下した。そこで生物ろ床
法水質浄化装置の区画B1とB10間にある仕切り板1
2を区画B1とB2間のガイド13に挿入し、さらに区
画B1の処理原水(汚水)分配管14の流入切替バルブ
15を閉じ、区画B2の汚水分配管14の流入切替バル
ブ15を開き、汚水は区画B2、B3、B4・・・B
9、B10に順に流下させ、区画B1の排水バルブ16
から浄化水として排出した。さらに区画B2でも繊維接
触ろ材23上に大量の生物膜が付着し、分解能が低下し
た場合、上記した場合と同様にして汚水流入箇所を区画
B3、B4、B5・・・と後流部に逐次シフトさせ、目
詰まりが最もひどくなった元の最前流部をろ床の出口に
した。
【0079】本実施の形態で水路幅50cm、水深10
0cm、生物ろ床容積2m3とした。COD除去率は最
後流部から排出する処理水のCOD/原水COD比であ
る。なお、生活排水などに関しては地域ごとに負荷、流
量は異なるので、滞留時間は特に限定するものではない
が、処理時間は3〜4時間とするのが好ましい。
【0080】本実施の形態において目詰まりした繊維接
触ろ材23は適正な生物膜量に改善され、COD除去率
も所定値まで回復した。なお、COD除去率は生物ろ床
の運転条件や水質によって左右されるためにCOD除去
率の目標値は一概に決定できないが、目標とするCOD
除去率を下回った時点で処理原水の流入箇所を適宜シフ
トすればよい。
【0081】さらに、処理原水(汚水)流入箇所は1区
画ずつ後流部にシフトしたが、繊維接触ろ材23の目詰
まりが次の区画にも生じている場合は、これに限らず2
区画以上スキップしてもよい。
【0082】なお、実質的に処理水の流入部と流出部に
対する生物ろ床の位置が相対的に可変であれば、図9の
生物ろ床法水質浄化装置の平面図に示すように汚水流入
部と流出部は固定して生物ろ床を区画毎に逐次移動させ
るようにしてもよい。このとき使用する生物ろ床は例え
ば、図10のように生物ろ床式水質浄化装置は主に繊維
接触ろ材23を備えたユニット式生物ろ床17とそれを
吊下げたコンベア26からなるものでユニット式生物ろ
床17自体を移動させる。処理原水(汚水)は図9に示
す流入管24を経由し、ユニット式生物ろ床本体17の
区画B1に入り、区画B10まで流下し、浄化水として
排水バルブ25より排出される。液前流部の繊維状接触
ろ材23に目詰まりが発生すると、区画B1〜B10間
の仕切り板12を取り外し、図9に示す区画B1、B
2、・・・B10を順次流れる液流路を形成し、コンベ
ア26を左回り(図中矢印方向)に移動させ、区画B1
の繊維接触ろ材23を区画B10に移動した。コンベア
26は必要に応じて回転できる。
【0083】また、必ずしも繊維接触ろ材23の目詰ま
りが発生するまでユニット式生物ろ床本体17を移動し
ないでおくのではなく、繊維接触ろ材23が目詰まりす
る前に一定期間の間、1区画ごとにユニット式生物ろ床
17を移動させてもよい。それによって、ろ床負荷は低
減され、安定した浄化水を排出できる。
【0084】上述した第3の実施形態において、処理原
水(汚水)の流通する経路または生物ろ床を構成する接
触ろ材23の処理原水(汚水)の流入部を最上流とし、
処理原水の流れに対する接触ろ材23の位置を処理原水
の溶存酸素濃度に注目して変化させることもできる。
【0085】図11は、本発明の第4の実施形態を示
す。図11に示す装置で、上述した図5に示す実施の形
態と共通する構成、作用については説明を省略する。図
11に示す生物ろ床式浄化装置は主に循環水路になった
生物ろ床本体11、水路を仕切るための仕切り板12、
またそれを固定するガイド13、ろ床に分岐した汚水分
配管14からなり、さらにろ床の汚水の溶存酸素を測定
する溶存酸素計27、またそれをモニタする溶存酸素モ
ニタリング装置30を備えた構成とする。
【0086】図5に示す実施の形態では、COD除去率
を指標に汚水流入箇所をシフトさせたが、ろ床に溶存酸
素計27を設置して、これをモニタしながら溶存酸素量
(DO)を指標として汚水の流入箇所をシフトさせる。
図12に流下距離に対する溶存酸素量を示した。●印は
所期の浄化性能を発揮している状態A(図7、6日後)
における溶存酸素量を示し、×印は所期の浄化性能が得
られない状態B(図7、12日後)における溶存酸素量
を示す。
【0087】浄化長期運転してろ材に多量に汚泥が付着
した場合、溶存酸素量(DO)は図12に×印で示すよ
うに前流部で欠乏する傾向になる。図11に示す実施の
形態においても前記図5、図9に示す第3の実施の形態
と同様に各区画ごとに散気管22を設置し、溶存酸素濃
度が4〜6ppm程度になるように一定の流量で送気し
ているが、ろ床の溶存酸素濃度が0〜2ppmになると
実質的に生物ろ床となる繊維状接触ろ材23の表面及び
内部は1ppm以下の嫌気性状態になる。
【0088】したがって、本実施の形態では溶存酸素計
27を1m間隔で設置し、さらに毎日のDO分布(図1
2)を更新できるようにDOモニタリング装置30を設
置した。運転開始から12日目で図12の溶存酸素量
(×印:状態B)に示すようにろ床前流部の溶存酸素は
2ppm以下になった。この流下距離に対するDO分布
は適宜DOモニタリング装置30によって監視され、溶
存酸素2ppm以下になった区画が生じると、その区画
を液後流部になるように前記第3の実施の形態と同様の
操作を実施すればよい。
【0089】図11に示す実施の形態によって迅速にろ
床環境を整えることができ、液後流部になった目詰まり
したろ床は、自然に目詰まりを解消する。したがって、
従来法における問題点である目詰まりしたろ材があれ
ば、ろ床から引き上げて洗浄するかまたは新品ろ材に交
換するなどの手間がなくなり、作業時間が節約できる。
【0090】また、本実施の形態のDOモニタリング法
は図5に示す実施の形態のCODモニタ法と比べ、処理
水(汚水)流入箇所変更時期をその場で即座に決定でき
る。図5に示す実施の形態では水をサンプリングし、さ
らにCOD分析をする手間があるが、本実施の形態では
オンラインでろ床環境(DO)をモニタし、ろ床の性能
を維持管理できる。
【0091】なお、図5、図9、図11に示す装置を用
いる場合にはCODやDO等の水質を指標にしている
が、ろ材を目視観察すると明らかに多量に生物膜が過剰
に付着したろ材だと判断できる場合もあるので、これを
基準に位置を変えてもよい。
【0092】図13及び図14は、本発明の第5の実施
の形態の水環境浄化装置の平面図であり、水環境浄化装
置に導入する処理水の流路の切り換えを行った状態を、
上方からの視図として模式的に描いたものである。
【0093】まず、図13について説明する。生活排水
流入路41において装置の入口に、生活排水42を受け
入れる入口部43を開口する。この入口部43は入口分
岐ダクトA44と入口分岐ダクトB45とに分岐する。
図13では、切換ゲート46によって、入口分岐ダクト
B45は閉止してあるので、生活排水42は、左側の入
口分岐ダクトA44へ入り、生物ろ床容器47の左側の
入口から容器47の内部に入り、右側の放流口A49を
閉じているので生物ろ床48(繊維状接触ろ材23等か
らなる)の群立する処理系を左から右へと流通し、開放
されている放流口B50から、公共水域52へ放流51
される。ここで生物ろ床は、繊維を編み上げて懸垂した
ものであって、多種類・大量の細菌など微少生物の棲家
になっている。
【0094】図14は、図13に示す装置で入口分岐部
ダクト切換ゲート46と放流口を切り換えた例である。
分岐部の切換ゲート46は、入口分岐ダクトA44を閉
止しているので、生活排水42は入口分岐ダクトB45
へ流入する。生物ろ床容器47では放流口B50を閉止
しているので、生活排水は生物ろ床容器47内を右から
左へ流通し、開放している放流口A49から公共水域5
2へ放流51される。
【0095】以上のようなゲート46の切り換えは、日
・週・月あるいは水質次第では季節単位で実施すること
が可能である。例えば一日のうち、朝と夜に汚染の負荷
が集中する傾向があるので切り換えればよい。また一週
間の場合は、平日の5日間と週末の2日間は、生活者が
家庭で過ごすトータル時間がほぼ同じであるので、月曜
と金曜に切り換えるようにする。一方季節に応じて切り
換えるケースでは、夏期が特に生活排水中の有機物が腐
敗して汚染の進行も速いので、夏期の真ん中、例えば8
月1日で切り換えを行うこともできる。
【0096】図15は生物ろ床容器47において、2つ
の放出口A49及びB50の設置位置側の正面図であ
る。また、図16は生活排水42が流入する箇所におい
て、入口分岐ダクト44、45における切換ゲート46
の作動機構を示す斜視図である。この図16では、切換
ゲート46が入口分岐ダクトA44を開き、入口分岐ダ
クトB45を閉じている。切換ゲート46は制御用モー
タ53により行うが、これにはタイマ55からの信号を
元に制御装置54から駆動の指令を出す。切換ゲート4
6の開閉制御は図17に示すようにレバー57を手動操
作することで行っても良い。
【0097】図18は、切換ゲート46の切り換えによ
り生じる生物ろ床容器47の長手方向に対して生物膜付
着量のパターンを模式的に描いたものである。本発明に
おいては、入口分岐ダクト44、45と放流口49、5
0を切り換える操作を行うために、図22、図23に示
す従来技術に比べて生物膜の付着量はより均等であっ
て、ろ床容器47内の生物膜が有効に活用されているこ
とが分かる。
【0098】図19は、本発明になる生物ろ床容器47
による処理済み水のBOD(生物的酸素要求量)を、先
行技術(図22)によって処理した水のBOD*と比較
したものである。縦軸のBOD値は、先行技術(図2
2)における処理を行ったあとのBOD*値で割ること
で無次元化している。本発明になる手法によれば、BO
D/BOD*=0.66であり、先行技術よりもBOD
値がさらにその2/3まで下がる効果のあることが認め
られた。
【0099】図20は本発明になる生物ろ床容器47を
通過した水のSS(水中懸濁粒子濃度)を、先行技術
(図22)におけるそれと比較したものである。縦軸に
おけるSSは、先行技術(図22)で処理した水におけ
る水中懸濁粒子濃度SS*で割ることで無次元化した。
本発明になる手法の場合は、SS/SS*=0.72で
あって、先行法によるレベルよりもさらに30%近く洗
浄レベルを高める効果のあることが分かる。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば接触ろ材と被処理液の接
触が効率的に行われるために、装置がコンパクトになる
だけでなく、接触ろ材を系外に取出したり、あるいは強
制的な水洗など特別な操作を行うことなしに、長期間に
わたって汚水の浄化性能を持続することができる。汚泥
の抜出し量が著しく少ないのも本発明の方法が持つ大き
な特徴である。処理原水を上下Uターン式などの方法で
流れ方向を変えることにより、固体懸濁物質の自然沈降
・分離を助長することもできる。
【0101】また、本発明の水質浄化装置は完全に繊維
接触ろ材間を目詰まりさせないために、ろ材内部の生物
膜の活性は高度に維持される。また、多量のSSや生物
膜が付着し過ぎて元の繊維構造に戻したい場合には、処
理原水流入箇所をろ床後流部にシフトし、元の処理原水
流入部のろ材に付着したSSや生物膜などは容易に除去
され、元に戻すことができるので、特に、多量のSS、
BOD、CODを有する排水を浄化処理するのに適し、
生活排水、食堂排水、農村集落排水、食品工場等の排水
の浄化に多大の効果がある。
【0102】本発明を実施することによる効果は、生物
ろ床容器(装置)内における多数のろ床に対して、偏り
がなく均等に性能を発揮させることで、水環境改善の効
果を高められることである。さらに、この効果によって
装置をコンパクトにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の生活系排水に対する浄化システムの
代表的フローを示した図である。
【図2】 図1のシステムの中心となる一実施の形態の
水質浄化装置内部の構成をモデル的に示した平面図であ
る。
【図3】 図2の水質浄化装置内部の側面図(図3
(a))と平面図(図3(b))である。
【図4】 図2の水質浄化装置の底部における液及び粒
子の流れを示した図である。
【図5】 図1のシステムの中心となる一実施の形態の
水質浄化装置の平面図である。
【図6】 図5の水質浄化装置の生物ろ床上の生物膜付
着量の経日変化を示す図。
【図7】 図5の水質浄化装置を用いた場合のCODの
経日変化を示す図である。
【図8】 図5の水質浄化装置の生物ろ床内部を示す図
である。
【図9】 図1のシステムの中心となる一実施の形態の
水質浄化装置の平面図である。
【図10】 図9の水質浄化装置のユニット式生物ろ床
を示す鳥瞰図である。
【図11】 図1のシステムの中心となる一実施の形態
の水質浄化装置の平面図である。
【図12】 図11の水浄化装置による流下距離とDO
の関係を示す図である。
【図13】 図1のシステムの中心となる一実施の形態
の水質浄化装置の平面図である。
【図14】 図13の水質浄化装置の他の使用形態を示
す平面図である。
【図15】 図13の水質浄化装置の側面図である。
【図16】 図13の水質浄化装置の可動部の構成を示
す斜視図である。
【図17】 図13の水質浄化装置の可動部の構成を示
す斜視図である。
【図18】 図13の水質浄化装置の特性を示す図であ
る。
【図19】 図13の水質浄化装置の性能を示す図であ
る。
【図20】 図13の水質浄化装置の性能を示す図であ
る。
【図21】 従来の流下式生物ろ床浄化装置の斜視図で
ある。
【図22】 従来技術の水質浄化装置を示す図である。
【図23】 図22の水質浄化装置における特性を示す
ものである。
【符号の説明】
1 沈砂池 2 水質浄化装置 3 エアレーション設備 Z1〜Z6、Zm、Zn 水質浄化槽区画ゾーン P12〜P61、Pmn 仕切板 B1〜B6、Bm、Bn 接触ろ材 A1〜A6、Am、An 散気装置 TI1、TI3、TI5 処理原水流入管 TO2、TO4、TO6 浄化水排出管 DTO 汚泥排出管 LA 散気装置レベル LP 仕切板下端レベル ZmL、ZnL 散気装置〜仕切板下端中間レベルゾー
ン Zmn 仕切板下端レベル下方ゾーン 11 生物ろ床本体 12 仕切り板 13 ガイド(仕切り板固定)14 汚水分配管 15 流入水切替バルブ 16 排水バルブ 17 ユニット式生物ろ床 22 散気装置 23 繊維接触ろ材 24 流入管 25 排出管 26 コンベア 27 溶存酸素計 30 DOモニタリング
装置 41 生活排水流入路 42 生活排水 43 入口部 44 入口分岐ダクトA 45 入口分岐ダクトB 46 切換ゲート 47 生物ろ床容器 48 生物ろ床 49 放流口A 50 放流口B 51 放流 52 公共水域 53 切換ゲート 54 制御装置 55 タイマ 57 手動レバー
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 4D003 AA01 AB02 BA01 CA03 DA07 DA11 DA19 DA29 DA30 EA17 EA18 EA30 FA01 FA03 FA07

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理原水流入部と浄化水排出部と、前記
    処理原水流入部と浄化水排出部の間に生物膜担体を有す
    る生物ろ床と空気供給部を有する水質浄化流路を備えた
    水質浄化装置において、 水質浄化流路を環状に形成し、該環状浄化流路に前記処
    理原水流入部を接続し、該処理原水流入部から供給され
    た処理原水が環状浄化流路内を一巡した後に水質浄化装
    置から排出されるように前記浄化水排出部を接続し、さ
    らに処理原水が一巡する環状浄化流路内部空間を2以上
    に仕切る仕切部材を配置し、前記処理原水流入部及び浄
    化水排出部の配置位置を変更可能にすると共に仕切部材
    の配置位置が2段階またはそれ以上に切り替え可能に設
    けられていることを特徴とした水質浄化装置。
  2. 【請求項2】 処理原水流入部は液最上流部から順次環
    状浄化流路内の液流下方向に変更可能に設け、該処理原
    水流入部の変更に合わせて浄化水排出部の位置を変更可
    能にしたことを特徴とする請求項1記載の水質浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 環状浄化流路は仕切部材で複数ゾーンに
    区画され、該仕切部材は液が仕切部材を越えて隣接する
    ゾーン内を順次流れるように配置され、かつ、隣接する
    各ゾーンでは処理原水の流れ方向が順次逆向きになるよ
    うに配置され、各ゾーンには、生物ろ床と空気供給部と
    を配置したことを特徴とする請求項1記載の水質浄化装
    置。
  4. 【請求項4】 処理原水流入部と浄化水排出部の配置位
    置変更と環状浄化流路内の各ゾーンの仕切部材の配置変
    更による液流れ方向の切替えを、COD除去率、生物ろ
    床上における汚泥の付着状態の観察結果又は液中溶存酸
    素濃度の測定に基づいて決定した時間間隔で自動的に行
    う自動化装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    水質浄化装置。
  5. 【請求項5】 処理原水流入部から処理原水を供給し、
    浄化水排出部から浄化水を排出する運用と、前記浄化水
    排出部から処理原水を供給し、処理原水流入部から浄化
    水を排出する運用に切り替え可能な構成からなることを
    特徴とした請求項1記載の水質浄化装置。
  6. 【請求項6】 生物膜担体を有する生物ろ床を可動式に
    したことを特徴とする請求項1記載の水質浄化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の水質浄化装置の液後流部
    に該浄化装置から排出される浄化水中に含有される懸濁
    状固体粒子を除去する装置を設置することを特徴とする
    水質浄化装置。
  8. 【請求項8】 処理原水を受け入れる開口部と、該開口
    部から分岐するダクトと、該各分岐ダクトから導入した
    処理原水を浄化処理する生物ろ床を内部に配置した容器
    と、該容器には前記分岐した各ダクトにそれぞれ接続可
    能な複数の入口と前記入口の接続に応じて切替え可能な
    浄化処理した処理水を排出するための複数の出口とを備
    えたことを特徴とする水質浄化装置。
  9. 【請求項9】 ダクトの分岐部に切換用ゲート弁を設
    け、また容器の各出口に開閉弁を設け、容器内における
    処理原水の滞留時間を長くする入口と出口の組み合わせ
    で、前記各開閉弁の開閉制御を行う制御装置を設けたこ
    とを特徴とする請求項8記載の水質浄化装置。
  10. 【請求項10】 各開閉弁の開閉制御を行う制御装置
    は、制御装置内に設けられたタイマーからの信号に基づ
    いて、日・週・月あるいは季節、朝と夕、週末と
    月〜金、夏期と冬期の少なくともいずれかに応じて開
    閉弁を作動させることを特徴とする請求項8記載の水質
    浄化装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の水質浄化装置の液後流
    部に該浄化装置から排出される浄化水中に含有される懸
    濁状固体粒子を除去する装置を設置したことを特徴とす
    る水質浄化装置。
  12. 【請求項12】 各開閉弁を、手動で操作することを特
    徴とする請求項8記載の水質浄化装置。
  13. 【請求項13】 生物膜担体を有する生物ろ床と空気供
    給部とを備えた水質浄化流路で生物膜担体に処理原水を
    接触させて浄化する水質浄化方法において、 水質浄化流路を環状に形成し、該水質浄化流路における
    前記処理原水の流入位置を逐次変更し、さらに該処理原
    水の流入位置の変更に合わせて浄化水の排出位置を変更
    して、水質浄化流路内を流れる液の経路を変えることを
    特徴とする水質浄化方法。
  14. 【請求項14】 COD除去率、生物ろ床上における汚
    泥の付着状態の観察結果又は液中溶存酸素濃度に応じ
    て、前記生物ろ床が設置される水質浄化流路における前
    記処理原水の流入位置と浄化水の排出位置とを逐次変化
    させることを特徴とする請求項13記載の水質浄化方
    法。
  15. 【請求項15】 前記生物ろ床が設置される水質浄化流
    路の複数箇所における処理原水の溶存酸素濃度を計測
    し、溶存酸素濃度が所定の値より低下した箇所付近から
    処理水が排出されるように処理原水の流入位置と浄化水
    の排出位置とを逐次変化させることを特徴とする請求項
    13記載の水質浄化方法。
  16. 【請求項16】 前記生物ろ床が可動式のものであっ
    て、水質浄化流路における処理原水の流入位置と浄化水
    の排出位置を固定したままで、COD除去率、生物ろ床
    上における汚泥の付着状態の観察結果又は液中溶存酸素
    濃度に応じて、生物ろ床の位置を逐次移動させることを
    特徴とする請求項13記載の水質浄化方法。
  17. 【請求項17】 水質浄化流路内を複数のゾーンに分
    け、処理原水を隣接するゾーンに順次流し、かつ隣接す
    る各ゾーンでは処理原水の流れ方向が順次逆向きになる
    ように液の流れ方向を変更しながら運転することを特徴
    とする請求項13記載の水質浄化方法。
JP2000300292A 2000-09-29 2000-09-29 水質浄化装置と方法 Pending JP2002102875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000300292A JP2002102875A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 水質浄化装置と方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000300292A JP2002102875A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 水質浄化装置と方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002102875A true JP2002102875A (ja) 2002-04-09

Family

ID=18781995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000300292A Pending JP2002102875A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 水質浄化装置と方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002102875A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006136752A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 National Agriculture & Bio-Oriented Research Organization 懸濁物を伴う無機態窒素・リン含有水の処理方法
JP2009195850A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Soen Co Ltd 水質浄化ユニットおよび水質浄化システム

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS526810B2 (ja) * 1972-04-24 1977-02-25
JPS5445958A (en) * 1977-09-17 1979-04-11 Mitsubishi Electric Corp Rotary disc type biological treatment apparatus
JPS5454449A (en) * 1977-10-08 1979-04-28 Ebara Infilco Co Ltd Biological treatment
JPS54128162A (en) * 1978-03-20 1979-10-04 Roberts Filter Mfg Biological treatment device
JPS54160058A (en) * 1978-06-07 1979-12-18 Hitachi Chem Co Ltd Catalytic oxidation treatment method
JPS5667591A (en) * 1979-11-06 1981-06-06 Tadashi Niimi Sewage purification method dependent upon contact aeration tank
JPS60193589A (ja) * 1984-03-16 1985-10-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 上下迂流式接触酸化装置
JPS60202796A (ja) * 1984-03-23 1985-10-14 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 上下迂流式接触酸化装置
JPS60179394U (ja) * 1984-05-11 1985-11-28 三菱樹脂株式会社 接触酸化槽
JPS63130199U (ja) * 1987-02-17 1988-08-25
JPH0652999U (ja) * 1992-12-24 1994-07-19 協伸工業株式会社 濾過浄化装置を有する人工河川
JPH07232187A (ja) * 1994-02-21 1995-09-05 Hitachi Ltd 水処理システムの監視及び制御方法
JPH0839091A (ja) * 1994-07-31 1996-02-13 Mamoru Kashiwatani 有機性排水の浄化方法と同方法に使用される微生物反応装置
JPH09253674A (ja) * 1996-03-27 1997-09-30 Shin Meiwa Ind Co Ltd 河川の水質浄化方法及び水質浄化装置
JPH11221586A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Japan Organo Co Ltd 有機性排水処理装置
JPH11281165A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Gastar Corp 浴槽水のろ過装置

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS526810B2 (ja) * 1972-04-24 1977-02-25
JPS5445958A (en) * 1977-09-17 1979-04-11 Mitsubishi Electric Corp Rotary disc type biological treatment apparatus
JPS5454449A (en) * 1977-10-08 1979-04-28 Ebara Infilco Co Ltd Biological treatment
JPS54128162A (en) * 1978-03-20 1979-10-04 Roberts Filter Mfg Biological treatment device
JPS54160058A (en) * 1978-06-07 1979-12-18 Hitachi Chem Co Ltd Catalytic oxidation treatment method
JPS5667591A (en) * 1979-11-06 1981-06-06 Tadashi Niimi Sewage purification method dependent upon contact aeration tank
JPS60193589A (ja) * 1984-03-16 1985-10-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 上下迂流式接触酸化装置
JPS60202796A (ja) * 1984-03-23 1985-10-14 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 上下迂流式接触酸化装置
JPS60179394U (ja) * 1984-05-11 1985-11-28 三菱樹脂株式会社 接触酸化槽
JPS63130199U (ja) * 1987-02-17 1988-08-25
JPH0652999U (ja) * 1992-12-24 1994-07-19 協伸工業株式会社 濾過浄化装置を有する人工河川
JPH07232187A (ja) * 1994-02-21 1995-09-05 Hitachi Ltd 水処理システムの監視及び制御方法
JPH0839091A (ja) * 1994-07-31 1996-02-13 Mamoru Kashiwatani 有機性排水の浄化方法と同方法に使用される微生物反応装置
JPH09253674A (ja) * 1996-03-27 1997-09-30 Shin Meiwa Ind Co Ltd 河川の水質浄化方法及び水質浄化装置
JPH11221586A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Japan Organo Co Ltd 有機性排水処理装置
JPH11281165A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Gastar Corp 浴槽水のろ過装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006136752A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 National Agriculture & Bio-Oriented Research Organization 懸濁物を伴う無機態窒素・リン含有水の処理方法
JP2009195850A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Soen Co Ltd 水質浄化ユニットおよび水質浄化システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100741019B1 (ko) 습지와 접촉산화여과설비를 병합한 습지병합형 수처리장치및 이를 이용한 수처리방법
US6423216B1 (en) Biological oxidation filter system
JP6030003B2 (ja) 汚水処理装置および汚水処理方法
CN101287682A (zh) 在各个阶段包括特殊处理的saf系统和方法
JP5160340B2 (ja) 水浄化システム及び水浄化方法
CN207943934U (zh) 一种防淤塞悬浮型生态滞留净化湿地污水处理系统
CN106517524A (zh) 一种微曝气折流湿地滤池处理城镇污水的装置和方法
KR100409108B1 (ko) 물리적 정수기법을 이용한 인공연못
KR101198117B1 (ko) 하천수 및 비점오염 정화장치
JP2002102875A (ja) 水質浄化装置と方法
KR100534567B1 (ko) 하천 수질 정화 시스템 및 정화 방법
JP2004276011A (ja) 浮島型水質浄化処理装置
JP2611148B2 (ja) 2系統並列式酸化処理施設
JPH11197685A (ja) 膜分離活性汚泥処理方法
KR100381901B1 (ko) 접촉산화방법을 이용한 오염심화 하천수 및 하수, 오수처리시설의 방류수 처리시스템
SU947081A1 (ru) Установка дл очистки воды
JP3439576B2 (ja) 河川の浄化方法及び浄化装置
CN109354335A (zh) 城镇生活污水处理的优化组合工艺
JP2002316181A (ja) 浄水システム
RU2260568C1 (ru) Очистная установка для сточных вод коттеджей
KR200361783Y1 (ko) 암면을 이용한 하천 수질 정화장치
JP3087366U (ja) 家畜尿及び畜舎廃水浄化装置
KR100392893B1 (ko) 하천 수질 정화 장치
KR100488471B1 (ko) 하수 및 오폐수 3차처리시스템의 역세척장치
JPH11104676A (ja) 湖沼等の浄化設備及び富栄養水の浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100609