JP2002102223A - 超音波断層画像における面座標検出方法ならびにシステムおよび同方法がプログラムされ記録された記録媒体 - Google Patents

超音波断層画像における面座標検出方法ならびにシステムおよび同方法がプログラムされ記録された記録媒体

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JP2002102223A
JP2002102223A JP2000304141A JP2000304141A JP2002102223A JP 2002102223 A JP2002102223 A JP 2002102223A JP 2000304141 A JP2000304141 A JP 2000304141A JP 2000304141 A JP2000304141 A JP 2000304141A JP 2002102223 A JP2002102223 A JP 2002102223A
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ultrasonic tomographic
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English (en)
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Iwaki Akiyama
いわき 秋山
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MITANI SANGYO KK
Mitani Sangyo Co Ltd
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MITANI SANGYO KK
Mitani Sangyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波断層画像に現れるテクスチャの変化に
着目してセンサレスでトラッキングを行なう。 【解決手段】 超音波断層画像に現れるテクスチャの変
化を用いて画像の3次元的な位置を特定するもので、超
音波プローブの移動前後における2つの超音波断層画像
の相関関数のピーク値から、断層画像面における移動ベ
クトルを測定し、また、相関関数のピーク値から断層画
像に垂直な方向への移動距離を測定する。更に、移動前
後の超音波診断画像のうち、どちらか一方の画像から小
さい領域を複数切り出して、その領域と他方の画像との
相関関数のピーク位置とピーク値から断層画像の回転角
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、生体内部を
3次元映像化する超音波診断装置に用いて好適な、超音
波断層画像における面座標検出方法ならびにシステムお
よび同方法がプログラムされ記録された記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、医療の分野におけるコンピュータ
技術の進歩には目覚しいものがある。特に、臨床診断の
分野において、超音波診断による生体内部の3次元映像
を用いた超音波診断装置は広く普及している。超音波診
断装置は、プローブから発せられた超音波が生体内組織
の境界面で反射や屈折を起こし、その超音波の強弱を受
信することによって、リアルタイムに断層画像を表示す
る装置である。X線を用いずに検査することができ、患
者の被曝がないため、医学の分野において幅広く用いら
れるようになった。
【0003】超音波により生体内部を3次元的に観察す
るのに、従来、画像取得の方法によって以下に列挙する
3つの方法があった。 (1)2次元アレイプローブによってビームを電子的に
2次元走査する。 (2)1次元アレイプローブを機械的に1次元走査して
断層画像を複数取得する。 (3)1次元アレイプローブをマニュアルで任意に走査
し、プローブにセンサを取り付けてプローブの位置をト
ラッキングする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した(1)に示す
方法において、必要とされる高密度2次元アレイは未だ
開発階段にあり、総振動子数で1000個が現状での限
界と言われている。しかしながら、1000素子のアレ
イでは、従来の断層映像として比較した場合、分解能が
著しく劣化しており、実用には至っていない。また、
(2)に示す方法は、許容される画質で高速に3次元映
像が得られるが、機械走査のためにプローブが大きく、
従って操作性が悪い。また、未だ価格が高い等の欠点も
ある。
【0005】一方、(3)に示す方法は、現用の超音波
診断装置にトラッキングセンサを取り付けるだけで走査
はマニュアルで行ない、実時間性は犠牲になるが、最も
高画質で目的とする画像が得られるといった利点を持
つ。医師が通常の検査と同じような方式でプローブを任
意に動かし、患部を走査して画像を取得することによっ
て3次元映像化を実現できればその有用性は高く評価で
きる。しかしながら、プローブの位置をトラッキングす
るためのセンサシステムが超音波診断装置の他に必要と
なる。例えば、VRシステム等で用いられている交流磁
界による3次元位置トラッキングセンサが多く用いられ
ている。このようなセンサシステムを取り付けること
は、操作性、価格、利便性等を大きく損なう。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、超音波断層像に現れる斑紋状のスペックルパター
ン等のテクスチャに着目し、プローブの変位を計測して
このプローブの変位に対するスペックルパターンの変化
が統計的には常に同様な傾向を示し、観察している組織
内部の状態に依存しないことを利用することにより、超
音波断層画像に現れるスペックルパターン等テクスチャ
の変化を用いて超音波断層画像の3次元的な位置を特定
する、超音波断層画像における面座標検出方法ならびに
システムおよび同方法がプログラムされ記録された記録
媒体を提供することを目的とする。
【0007】パルスエコー法による超音波診断像には、
スペックルと呼ばれる斑紋状のパターンが現れ、本発明
において生体内部の運動を定量的に測定するには、この
スペックルパターンの様子や変化に着目する必要があ
る。生体内部の組織は、散乱体が不規則に多数集まった
ものとして考えら、パスルエコー法によって得られる受
信波形は、各散乱体から戻ってくる反射波が干渉したも
のである。このような受信波は、トランスジューサを横
に走査しながら画面上に表示して超音波断層像を得る
と、斑紋状のノイズのようなものが見られる。これがス
ペックルパターンである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1に記載の発明は、超音波プローブを走査
することにより物体内部を3次元映像化するための超音
波断層画像における面座標検出方法であって、前記超音
波断層画像に現れるテクスチャの変化を用い、前記超音
波断層画像の3次元的な位置を特定することを特徴とす
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波断層画像における面座標検出方法において、前
記超音波プローブの移動前後における少なくとも2つの
前記超音波断層画像の相関関数のピーク位置から前記超
音波断層画像の面における移動ベクトルを求めることを
特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波断層画像における面座標検出方法において、前
記前記超音波プローブの移動前後における少なくとも2
つの前記超音波断層画像の相関関数のピーク値から前記
超音波断層画像に垂直な方向への移動距離を求めること
を特徴とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の超音波断層画像における面座標検出方法にお
いて、前記移動前後の超音波断層画像のうち、どちらか
一方の画像から小さい領域を複数切り出し、当該領域と
前記他方の領域における超音波断層画像との相関関数の
ピーク位置とピーク値から前記断層画像の回転角を求め
ることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、超音波プローブ
を走査することにより物体内部を3次元映像化するため
の超音波断層画像における面座標検出システムであっ
て、前記超音波プローブを介して物体を走査することに
よって前記物体内部における超音波断層画像を取り込む
超音波診断装置と、前記超音波診断装置から取り込まれ
た超音波断層画像に現れるテクスチャの変化を用い、前
記超音波断層画像の3次元的な位置を特定する演算制御
装置を備えたことを特徴とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の超音波断層画像における面座標検出システムにおい
て、前記演算制御装置は、前記超音波プローブの移動前
後における少なくとも2つの前記超音波断層画像の相関
関数のピーク位置から前記断層画像の面における移動ベ
クトルを求める第1の演算手段を備えたことを特徴とす
る。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項5に記載
の超音波断層画像における面座標検出システムにおい
て、前記演算制御装置は、更に、前記超音波プローブの
移動前後における少なくとも2つの前記超音波断層画像
の相関関数のピーク値から前記断層画像に垂直な方向へ
の移動距離を求める第2の演算手段を備えたことを特徴
とする。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項5に記載
の超音波断層画像における面座標検出システムにおい
て、前記演算制御装置は、更に、前記移動前後の超音波
断層画像のうち、どちらか一方の画像から小さい領域を
複数切り出し、当該領域と前記他方の領域における超音
波断層画像との相関関数のピーク位置とピーク値から前
記断層画像の回転角を求める第3の演算手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0016】請求項9に記載の発明は、超音波プローブ
を走査することにより物体内部を3次元映像化するため
の超音波断層画像における面座標検出システムに用いら
れる面座標検出プログラムが記録される記録媒体であっ
て、前記面座標検出プログラムは、前記超音波断層画像
を時系列に取得する第1のステップと、前記取得したk
番目の画像A(k)と、k+1番目の画像A(k+1)
について任意の領域を設定して切り出し、相互相関を計
算することによってピークを探索する第2のステップ
と、前記切り出された領域を前記ピーク座標に基づく移
動ベクトルだけ変位させ、新たに領域を設定する第3の
ステップと、前記変更された領域の画像をそれぞれB
(k)、B(k+1)として次式で示される相関係数γ
を計算する第4のステップと、
【数3】 あらかじめ求めてあるy方向(xはアレイ方向、yは断
層画像に対して垂直な方向、zは、超音波の進行方向と
する)への変位と相関係数γの関係からyを推定する第
5のステップと、 前記B(k)とB(k+1)の画像
について前記演算式で表される相関係数γを計算する第
6のステップと、前記第3のステップ以降の処理を任意
回数繰り返し超音波断層画像のトラッキングを行なう第
7のステップとから成ることを特徴とする記録媒体であ
る。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の記録媒体において、前記取得した超音波断層画像を
任意領域に分割し、それぞれの分割画像の移動量に基づ
き、次式の二次方程式を計算することによって回転角
θ、ψ、φを推定するステップが更にプログラムされ記
録されたことを特徴とする。
【数4】
【0018】このことにより、時系列で取得した画像の
相互相関のピーク座標からx−z平面での移動ベクトル
を相関関数γの減少からy方向への移動量を推定するも
ので、結果として3次元移動ベクトルを推定できる。ま
た、回転角も考慮することによって、超音波1次元アレ
イプローブをマニュアル走査することにより3次元映像
化するセンサレスの断層面座標検出システムを提供する
ことができ、回転角も考慮することでトラッキングセン
サを持つ超音波診断装置と略同等の精度が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の超音波断層画像
における面座標検出方法を実現するシステムおよび実験
システム構成を示すブロック図である。図1において、
1は、超音波診断装置である。2はパーソナルコンピュ
ータであり、超音波診断装置1のビデオ出力からバス接
続されたキャプチャボードを介して画像を取り込み、プ
ログラムに従って演算を行なう。3は、プローブであ
る。また、プローブ近傍に水槽を示したが、これは、実
験システムにのみ付加されるものであり、システムを構
成するときには必要ない。
【0020】パーソナルコンピュータ2は、超音波診断
装置1を介して取り込まれた超音波断層画像に現れるス
ペックル等テクスチャの変化を用い、超音波断層画像の
3次元的な位置を特定する演算制御装置を備えている。
演算制御装置は内蔵の面座標検出プログラムによって制
御され、プローブ3の移動前後における2つの超音波断
層画像の相関関数のピーク位置から断層画像の面におけ
る移動ベクトルを求める第1の演算手段と、プローブ3
の移動前後における2つの超音波断層画像の相関関数の
ピーク値から断層画像に垂直な方向への移動距離を求め
る第2の演算手段と、移動前後の超音波断層画像のう
ち、どちらか一方の画像から小さい領域を複数切り出
し、当該領域と他方の領域における超音波断層画像との
相関関数のピーク位置とピーク値から断層画像の回転角
を求める第3の演算手段を備えている。
【0021】ここでは、生体組織模擬ファントムとし
て、グラファイト粉末を拡散させた寒天水溶液をゲル化
して作成したファントムを用いてスペックルについての
相関関数を計算するものとする。そこで、プローブ3を
図示せぬ3軸ステージに固定し、プローブ3を、アレイ
方向、レンジ方向、スライス方向にそれぞれ0.05m
m、0.1mm、0.1mmずつ移動させながら、超音
波診断装置1により超音波断層像を取得し、パーソナル
コンピュータ2が内蔵する演算制御装置によって後述す
る相関係数γ他を計算するものとする。ここで、アレイ
方向とは、超音波断層像の映像面に対して平行な方向
x、レンジ方向とは超音波の照射方向y、スライス方向
とは超音波断層像の映像に対して垂直な方向zを示すも
のとする。
【0022】本発明は、上述したように、超音波断層像
に現れる斑紋状のスペックルパターンに着目し、超音波
プローブの変位を計測して超音波プローブの変位に対す
るスペックルパターンの変化が統計的には常に同様な傾
向を示し、観察している組織内部の状態に依存しないこ
とを利用するものである。すなわち、映像化している断
層画像の面内での変位については、スペックルは大きく
相関を保ったまま移動し、断層面に垂直な方向について
の変位は大きく相関を失っていく。従って、超音波プロ
ーブの移動前後における超音波断層画像の相関関数を計
算し、相関ピーク位置のいずれをもって断層面内の変位
ベクトルとし、相関ピーク値から断層面に垂直な方向へ
の変位を推定することができる。なお、相関ピーク値と
移動量との関係はあらかじめ測定してテーブルを作って
おくことになる。
【0023】超音波プローブをマニュアル走査して生体
の3次元画像データを取得する際には、超音波プローブ
をy方向へ移動させることが支配的であると考えられ
る。そこで、y方向への超音波プローブを移動させたと
きのスペックルパターンの変化を調べることとした。ス
ペックルパターンを定量的に扱うための統計量として、
相関関数がひとつの指標となる。そこでy方向へプロー
ブを移動させながら断層画像を取得して、それらの画像
の相互関数を求めておけば、その最大値からプローブの
移動距離を推定できることになる。スペックルの相関値
は、散乱体の分布には依存せずにビームの点広がり関数
によって決まるためである。
【0024】任意に走査して得られた超音波断層画像
は、y方向への移動だけでなく、x−z方向への移動も
含まれる。また、超音波断層画像を形成する平面は、並
行移動ではなく、回転も伴う。従って、これらの補正が
必要となる。y方向への移動による相関ピークの減少
は、x−z方向への移動による減少に比べて大きいこと
が予想される。なぜなら、x−z平面内での移動につい
ては、注目する組織は、映像面からはずれてしまうた
め、相関は急激に減少することになる。つまり、x−z
方向への移動についての相関ピークの減少はほぼ無視で
きると考えられる。
【0025】上述したことを念頭に、スペックルの変化
に注目して超音波断層画像のトラッキングを以下の手順
で行なうこととした。トラッキングの手順を図2にフロ
ーチャートで示してある。ここに示す手順は、パーソナ
ルコンピュータ2に面座標検出プログラムとしてプログ
ラムされ記録されているものとする。なお、当該プログ
ラムが記録される媒体は、半導体メモリ、磁気メモリ、
光メモリ等種類を問わない。また、インターネット等の
通信媒体を介してダウンロードして得ることも考えられ
る。
【0026】以下、図2に示すフローチャートを参照し
ながら図1に示す本発明実施形態の動作について詳細に
説明する。まず、マニュアルでプローブ3により対象を
走査しながら超音波診断装置1から超音波断層画像を時
系列に取得する(ステップS21)。このときの時間間
隔は十分短いものとする。
【0027】次に、ステップS21で取得したk番目の
画像A(k)と、k+1番目の画像A(k+1)につい
て、注目する任意の画像領域を設定して切り出し、相互
相関を計算することによってピーク値を探索する(ステ
ップS22)。このピーク座標は、x−z平面内での移
動を表すので、先に切り出した領域の画像を移動ベクト
ル相当だけ変位させ、新たに注目すべき領域を設定す
る。そして、変更された領域の画像をそれぞれB
(k)、B(k+1)とし、次式で示される相関係数γ
を計算する(ステップS23)。
【数5】 但し、E{}は、期待値を表す。
【0028】次に、あらかじめ求めてあるy方向への変
位と相関関数γとの関係から、ステップS23で計算し
た相関関数γからyを推定する(ステップS24)。そ
して、B(k)とB(k+1)の画像について先の演算
式で表される相関係数γを計算する(ステップS2
3)。なお、ステップS22以降の処理は、断層画像に
注目領域が設定される毎、任意回数(ここでは3回)繰
り返され、このことにより、超音波断層画像のトラッキ
ングが行なわれる(ステップS25)。
【0029】図3に、超音波診断装置1により取得され
た断層画像の一例(a)と、設定した3つの注目領域の
画像(b)が示されている。ここで、断層画像の画素数
は、640画素×480画素、注目画像の画素数は、5
0画素×50画素である。図3(b)のように設定した
3つの注目画像において、中央の画像について相関係数
γを計算した結果が図4にグラフ表示されている。
【0030】図4は、移動距離と相関関数γとの関係を
示すために、横軸に移動距離を、縦軸に相関係数γをプ
ロットしたグラフである。図4からわかるように、y方
向への移動に関し、x−z方向への移動に比べて相関関
数γの減少するスピードはかなり速いことがわかる。つ
まり、相関関数γの減少は、ほぼy方向への移動による
ものと近似できる。このことは、相関関数γを用いて移
動距離を3次元ベクトルとして推定できる可能性を示唆
している。
【0031】次に、プローブ3をマニュアルでy方向に
走査しながら一連の超音波断層画像を取得して、各超音
波断層画像の移動ベクトルを推定する。約6フレーム/
秒で時系列に取得した超音波診断画像から50画素×5
0画素の注目画像を設定し、50画素×50画素の相関
関数γを計算し、移動距離を推定した結果を図5ならび
に図6に示す。図5に示すグラフは、相関係数γが0.
8以下になったときに、参照する超音波診断画像を変え
る方式であり、図6に示すグラフは、相関関数γが0.
7以下になったときに、参照する超音波断層画像を変え
た場合を示している。図5、図6共、横軸にフレーム
数、縦軸に移動距離が目盛られており、20フレームを
取得する時間は約3秒とする。
【0032】比較のために、交流磁界センサをプローブ
に取り付けて測定した移動量も示してある。このセンサ
は、VR用として開発されたもので、測定誠意度は公称
0.1mmである。図中、マーカ+が磁界センサによる
測定値、マーカ×、○、*は、図3(b)に示すように
設定したそれぞれの注目領域画像についての結果を示
す。これらの結果で求めた距離は、累積での移動距離で
あるため、単調増加になっている。また、フレーム数が
増大すると誤差も増大しているのは、誤差が累積してい
るためである。
【0033】図5および図6ともにマーカ+とマーカ×
は、10フレームまでは比較的一致していることがわか
る。10フレーム以降は磁界センサによる測定値とのず
れが生じているが、これはプローブが回転移動を伴った
ためと考えられる。磁界センサは、プローブに取り付け
られており、ここでは座標データのみプロットしてあ
り、回転角度は考慮していない。このように、測定デー
タは、回転角度を考慮していない範囲で一致しており、
スペックルから移動距離を測定できることを示してい
る。
【0034】以下に回転角度の求め方について説明す
る。ここでは、プローブ移動前における値用音波断層画
像の横方向をx軸、縦方向をy軸とする。z軸は画像に
垂直な方向である。図7に示すように、移動前の画像に
任意の1点p1を指定し、その座標を(x1,y1,0)
とする。次に、p1と同じy座標を持つp2(x2,y1
0)、そして、p1と同じx座標を持つp3(x1,y3
0)を定める。また、上述した相関係数γにより求めた
3つの点の移動ベクトルをそれぞれ、d1=(α1
β1,x1)、d2=(α2,β2,x2)、d 3=(α3,β
3,x3)とする。
【0035】次に、p1を原点としてp2へ向かうベクト
ルv1=(x2−x2,0,0)と、p1を原点としてp3
へ向かうベクトルv2=(0,y3−y1,0)が、移動
後の画像に同様なベクトルv1=(x1,y1,z1),v
2=(x2,y2,z2)への座標変換を考える。
【0036】ここで、(x1,y1,z1)=(x2−x1
+α2−α1,β2−β1,x2−x1)、(x2,y2
2)=(α3−α1,y3−y1+β3−β1,x3−x1
である。上述した座標変換をx軸の周りに角度θだけ回
転させ、y軸の周りに角度ψだけ回転させ、z軸の周り
に角度φだけ回転させることによって実現するものと
し、この場合、回転角θ、ψ、φは、以下の連立方程式
を解くことにより求めることができる。
【数6】
【0037】以上説明のように、本発明は、超音波断層
画像に現れるテクスチャの変化を用いて画像の3次元的
な位置を特定するもので、超音波プローブの移動前後に
おける2つの超音波断層画像の相関関数のピーク値か
ら、断層画像面における移動ベクトルを測定し、また、
相関関数のピーク値から断層画像に垂直な方向への移動
距離を測定する。更に、移動前後の超音波診断画像のう
ち、どちらか一方の画像から小さい領域を複数切り出し
て、その領域と他方の画像との相関関数のピーク位置と
ピーク値から断層画像の回転角を測定するものであり、
このことにより、センサレスの超音波断層画像における
面座標検出システムを提供することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明のように本発明によれば、超音
波断層像に現れる斑紋状のスペックルパターン等のテク
スチャに着目し、プローブの変位を計測してこのプロー
ブの変位に対するスペックルパターンの変化が統計的に
は常に同様な傾向を示し、観察している組織内部の状態
に依存しないことを利用することにより、超音波断層画
像に現れるスペックルパターン等テクスチャの変化を用
いて超音波断層画像の3次元的な位置を特定することが
できる。このことにより、時系列で取得した画像の相互
相関のピーク座標からx−z平面での移動ベクトルを、
相関関数γの減少からy方向への移動量を推定するもの
で、結果として3次元移動ベクトルを推定できる。従っ
て、センサレスで計測が可能となり、また、回転角も考
慮することにより、交流磁界センサを持つシステムとほ
ぼ同じ性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波断層画像における面座標検出方
法を実現するシステムおよび実験システム構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の超音波断層画像における面座標検出シ
ステムによる、センサレスでトラッキングを行なう手順
をフローチャートで示した図である。
【図3】本発明において用いられるスペックルパターン
の一例を示す断層画像写真である。
【図4】本発明実施形態の動作を説明するために引用し
た図であり、移動距離と相関関数γとの関係を示したグ
ラフである。
【図5】本発明実施形態の動作を説明するために引用し
た図であり、相関係数γが0.8以下の場合の移動距離
とフレーム数との関係を示したグラフである。
【図6】本発明実施形態の動作を説明するために引用し
た図であり、相関係数γが0.7以下の場合の移動距離
とフレーム数との関係を示したグラフである。
【図7】 本発明実施形態による回転角度を求める際の
動作を説明するために引用した図である。
【符号の説明】
1 超音波診断装置 2 パーソナルコンピュータ 3 プローブ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波プローブを走査することにより物
    体内部を3次元映像化するための超音波断層画像におけ
    る面座標検出方法であって、 前記超音波断層画像に現れるテクスチャの変化を用い、
    前記超音波断層画像の3次元的な位置を特定することを
    特徴とする超音波断層画像における面座標検出方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波プローブの移動前後における
    少なくとも2つの前記超音波断層画像の相関関数のピー
    ク位置から前記超音波断層画像の面における移動ベクト
    ルを求めることを特徴とする請求項1に記載の超音波断
    層画像における面座標検出方法。
  3. 【請求項3】 前記超音波プローブの移動前後における
    少なくとも2つの前記超音波断層画像の相関関数のピー
    ク値から前記超音波断層画像に垂直な方向への移動距離
    を求めることを特徴とする請求項1に記載の超音波断層
    画像における面座標検出方法。
  4. 【請求項4】 前記移動前後の超音波断層画像のうち、
    どちらか一方の超音波画像から小さい領域を複数切り出
    し、当該領域と前記他方の領域における超音波断層画像
    との相関関数のピーク位置とピーク値から前記超音波断
    層画像の回転角を求めることを特徴とする請求項2また
    は3に記載の超音波断層画像における面座標検出方法。
  5. 【請求項5】 超音波プローブを走査することにより物
    体内部を3次元映像化するための超音波断層画像におけ
    る面座標検出システムであって、 前記超音波プローブを介して物体を走査することによっ
    て前記物体内部における超音波断層画像を取り込む超音
    波診断装置と、 前記超音波診断装置から取り込まれた超音波断層画像に
    現れるテクスチャの変化を用い、前記超音波断層画像の
    3次元的な位置を特定する演算制御装置を備えたことを
    特徴とする超音波断層画像における面座標検出システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記演算制御装置は、 前記超音波プローブの移動前後における少なくとも2つ
    の前記超音波断層画像の相関関数のピーク位置から前記
    断層画像の面における移動ベクトルを求める第1の演算
    手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の超音波
    断層画像における面座標検出システム。
  7. 【請求項7】 前記演算制御装置は、 更に、前記超音波プローブの移動前後における少なくと
    も2つの前記超音波断層画像の相関関数のピーク値から
    前記断層画像に垂直な方向への移動距離を求める第2の
    演算手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の超
    音波断層画像における面座標検出システム。
  8. 【請求項8】 前記演算制御装置は、 更に、前記移動前後の超音波断層画像のうち、どちらか
    一方の画像から小さい領域を複数切り出し、当該領域と
    前記他方の領域における超音波断層画像との相関関数の
    ピーク位置とピーク値から前記断層画像の回転角を求め
    る第3の演算手段を備えたことを特徴とする請求項5に
    記載の超音波断層画像における面座標検出システム。
  9. 【請求項9】 超音波プローブを走査することにより物
    体内部を3次元映像化するための超音波断層画像におけ
    る面座標検出システムに用いられる面座標検出プログラ
    ムが記録される記録媒体であって、 前記面座標検出プログラムは、 前記超音波断層画像を時系列に取得する第1のステップ
    と、 前記取得したk番目の画像A(k)と、k+1番目の画
    像A(k+1)について任意の領域を設定して切り出
    し、相互相関を計算することによってピークを探索する
    第2のステップと、 前記切り出された領域を前記ピーク座標に基づく移動ベ
    クトルだけ変位させ、新たに領域を設定する第3のステ
    ップと、 前記変更された領域の画像をそれぞれB(k)、B(k
    +1)として次式で示される相関係数γを計算する第4
    のステップと、 【数1】 あらかじめ求めてあるy方向(xはアレイ方向、yは断
    層画像に対して垂直な方向、zは、超音波の進行方向と
    する)への変位と相関係数γの関係からyを推定する第
    5のステップと、 前記B(k)とB(k+1)の画像について(1)式で
    表される相関係数γを計算する第6のステップと、 前記第3のステップ以降の処理を任意回数繰り返し超音
    波断層画像のトラッキングを行なう第7のステップとか
    ら成り、前記各ステップをコンピュータに実行させる前
    記面座標検出プログラムを記録した記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記取得した超音波断層画像を任意領
    域に分割し、それぞれの分割画像の移動量に基づき、次
    の二次方程式を計算することによって回転角θ、ψ、φ
    を推定するステップが更にプログラムされ記録された記
    録媒体。 【数2】
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