JP2002102177A - 肌状態測定装置 - Google Patents

肌状態測定装置

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JP2002102177A
JP2002102177A JP2000299671A JP2000299671A JP2002102177A JP 2002102177 A JP2002102177 A JP 2002102177A JP 2000299671 A JP2000299671 A JP 2000299671A JP 2000299671 A JP2000299671 A JP 2000299671A JP 2002102177 A JP2002102177 A JP 2002102177A
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sebum
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JP2000299671A
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Tomoharu Honma
智春 本間
Tsukasa Osanai
宰 小山内
Noriko Inoue
紀子 井上
Haruhito Kazama
治仁 風間
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被験者が自己の肌状態を肌状態の測定結果に
基づいて正確に把握し、また、美容アドバイザーが、よ
り適切な美容アドバイスを行えるようにする。 【解決手段】 肌状態測定装置1が、肌の水分量、皮脂
量、弾力性、色調、血行状態又はメラニン色素沈着状態
を測定する測定プローブ2、3、問診、観察又は肌の触
診の結果を入力する入力手段(キーボード4)、測定プ
ローブ2、3からの測定信号又は問診、観察もしくは触
診の入力結果に基づいて肌状態の評価指数を算出する演
算手段5、肌の拡大画像を撮像するデジタルマイクロカ
メラ6、及び肌状態の評価指数と拡大画像を表示するデ
ィスプレイ7を備え、肌状態の評価指数として、(i)肌
の潤い、(ii)肌のはり、(iii)肌の明るさ、(iv)皮脂状
態のそれぞれに影響する因子を算出し、これらをグラフ
に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肌の水分量、皮脂
量、弾力性、色調、血行状態又はメラニン色素沈着状態
を測定し、これらの測定結果と問診、観察又は触診の結
果に基いて肌状態の評価指数を算出し、それを被験者に
わかりやすく表示する肌状態測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚の水分量、皮脂量、弾力性、
色調、血行状態又は色素沈着状態等の測定データに基づ
いて肌状態を客観的に評価するために、種々の測定装置
が開発されている。
【0003】また、一つの測定装置で複数種の測定デー
タを得、肌状態の総合的な評価を行えるようにしたもの
も開発されている(特開平7−47056号公報、花王
社製、ビューティーコンピュータ等)。この肌状態測定
装置によれば、皮膚の水分量等の個々の測定項目の結果
が数値、表又はグラフで表わされ、あるいは複数種の測
定項目の結果が多角形表示等にまとめられて表示され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般人
にとって、複数種の肌状態の測定結果が数値、グラフ等
で表わされても、それを実際の肌状態と関連づけて認識
することは困難である。そのため、店頭等で美容アドバ
イザーが被験者に、肌状態の測定結果に基づいて美容ア
ドバイスを行っても、美容アドバイスが被験者に十分に
理解されない場合がある。
【0005】これに対し、本発明は、被験者が自己の肌
状態を、水分量をはじめとする複数種の肌状態の測定結
果に基づいて正確に把握できるようにし、美容アドバイ
ザーによる美容アドバイスが十分に理解され、積極的に
実行されるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するためには、単に肌状態の測定結果をグラフ
等に表示するのではなく、その測定結果と問診、観察あ
るいは触診の結果から肌の細胞の活動状態の指標とな
る、肌の制御機能に関する因子、肌の正常な状態の
維持機能に関する因子、肌の活性化に関する因子を算
出し、一方、被験者が美しい肌を実感する際の肌の評価
軸を、潤い、はり、明るさ、皮脂状態の4種に分け、4
種の肌の状態のそれぞれと前述の因子とを関連づけてグ
ラフ等で表示することが有効であることを見出した。
【0007】即ち、本発明は、肌の水分量、皮脂量、弾
力性、色調、血行状態又はメラニン色素沈着状態を測定
する測定プローブ、問診、観察又は肌の触診の結果を入
力する入力手段、測定プローブからの測定信号又は問
診、観察もしくは触診の入力結果に基づいて肌状態の評
価指数を算出する演算手段、肌の拡大画像を撮像するデ
ジタルマイクロカメラ、及び前記評価指数及び拡大画像
を表示するディスプレイを備えた肌状態測定装置であっ
て、肌状態の評価指数として、(i)肌の潤いに影響する
因子であって、セラミド産生量、表面セラミド存在量、
ケラチンの状態度、及び表面水分量から選択される少な
くとも3つの因子、(ii)肌のはりに影響する因子であっ
て、表面水分量、内因性肌弾力、外因性肌弾力、及び肌
のUVダメージレベルから選択される少なくとも3つの
因子、(iii)肌の明るさに影響する因子であって、肌の
UVダメージレベル、メラニン存在量、血色度、及び肌
の代謝活度から選択される少なくとも3つの因子、(iv)
皮脂状態に影響する因子であって、額部の皮脂量、頬部
の皮脂量、額部の皮脂過剰度、頬部の皮脂過剰度から選
択される少なくとも2つの因子が算出され、これらの因
子を含むグラフを表示可能である肌状態測定装置を提供
する。
【0008】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の肌状態測定装置
の一つの態様のシステム構成図である。
【0009】この肌状態測定装置1は、皮膚の水分量、
皮脂量及び弾力性を測定する第1の測定プローブ2、皮
膚の色調、血行状態及びメラニン色素沈着状態を測定す
る第2の測定プローブ3、被験者からの問診又は被験者
の肌の観察もしくは触診の結果を入力する入力手段とし
てのキーボード4、測定プローブ2、3からの測定信号
又は問診、観察もしくは触診の入力結果に基づいて被験
者の肌状態の評価指数を算出する演算手段5、演算手段
5とUSB端子により接続されたデジタルマイクロカメ
ラ6、ディスプレイ7からなっている。演算手段5は、
ハードとしては、パーソナルコンピュータを用いて構成
することができ、必要に応じてプリンタ、ペン入力タイ
プの端末器等が接続される。また、この肌状態測定装置
1においては、演算手段5を通信回線によってホストコ
ンピュータ8と接続し、ネットワーク化してもよい。
【0010】ここで、第1の測定プローブ2としては、
例えば、(A)皮膚に接触させた電極間の電気伝導度を測
定することにより皮膚の水分含量を求めるための電極
と、(B)皮膚から転写させた皮脂の赤外線吸収スペクト
ルにより皮脂量を測定するための皮膚サンプリング板
と、(C)振動子に設けた接触子の皮膚への接触時と非接
触時との周波数変化から皮膚の弾力性を求めるための接
触子、振動子、振動検出素子からなるプローブを設け
る。このプローブは、例えば、特願平11−22597
0号明細書に記載されているように、弾力性測定用の接
触子が、プローブの一端の中心部に配され、水分含量測
定用の複数の電極が、弾力性測定用の接触子を中心とし
てプローブ端面に同心円状に設けられ、皮脂サンプリン
グ板が、プローブ端面において、水分測定用の電極間に
設けられた形態を有する。
【0011】また、第2の測定プローブ3としては、特
開平10−127585号公報に記載の原理に従うも
の、例えば、(a)皮膚に所定の波長領域の光を入射させ
る投光手段と、(b)投光手段から皮膚に入射した光の内
部散乱光を受光する受光手段とからなるプローブを設け
る。このプローブとしては、例えば、特願平11−25
0845号明細書に記載されているように、受光手段で
受光された光の波長又は光量に関する測色信号を測定プ
ローブ外の受光手段にコードレスで送信する送信手段、
及び内部電源を有し、さらに必要に応じて、投光手段及
び受光手段を囲む外筒の、皮膚との接触端面側の縁辺の
厚さを、外乱光を遮蔽するのに十分な厚さ5〜15mm
としたものを使用することができる。
【0012】デジタルマイクロカメラ6としては、US
B対応で、例えば、白色LEDを光源とし、20倍〜1
50倍の拡大画像を撮れるものを使用する。
【0013】一方、キーボード4又は他の端末機から入
力される問診結果に係る事項としては、乾燥意識指数、
こじわ又ははりの意識指数、シミ又はソバカスの意識指
数、UV環境の意識指数、くすみ又はくまの意識指数、
皮膚のトラブル指数等をあげることができ、観察もしく
は触診結果に係る事項としては、皮脂のトラブル指数、
かさつきの触診指数、肌弾力の触診指数等をあげること
ができる。
【0014】ここで、乾燥意識指数とは、本人(被験
者)のかさつき度合の意識により求められる数値、こじ
わ又ははりの意識指数とは、本人の弾力度合の意識によ
り求められる数値、シミ又はソバカスの意識指数とは、
本人のシミやソバカスの度合の意識により求められる数
値、UV環境の意識指数とは、本人の紫外線に対する暴
露履歴の意識により求められる数値、くすみ又はくまの
意識指数とは、本人のくすみやくまの度合の意識により
求められる数値、皮膚のトラブル指数とは、本人の過去
の皮膚トラブル履歴の意識により求められる数値をい
う。
【0015】また、皮脂のトラブル指数とは、第三者
(美容アドバイザー等)の目視によるニキビの度合によ
り求められる数値、かさつきの触診指数とは、第三者の
触診によるかさつきの度合により求められる数値、肌弾
力の触診指数とは、第三者の触診による肌弾力の度合に
より求められる数値をいう。
【0016】演算手段5は、上述の第1の測定プローブ
2及び第2の測定プローブ3からの測定信号、問診、観
察もしくは触診の入力結果に基づいて肌状態の評価指数
を算出する。本発明においては、この評価指数の算出に
あたり、肌の細胞の活動状態の指標となる複数の因子を
想定する。そして、これらの因子が、被験者が美しい肌
を実感する際の評価軸である、(i)肌の潤い、(ii)肌の
はり、(iii)肌の明るさ、(iv)皮脂状態のいずれに主と
して影響を及ぼす因子であるかを踏まえ、測定プローブ
による測定と、問診、観察又は触診の結果とに基づく肌
状態の評価結果を被験者に示す際には、(i)肌の潤い、
(ii)肌のはり、(iii)肌の明るさ、(iv)皮脂状態に影響
を及ぼす因子の中から被験者の肌状態を的確に評価する
ために必要な因子の評価指数を表示する。
【0017】より具体的には、本発明が、肌の細胞の活
動状態の指標とする因子は、肌を構成する種々の細胞
とその周りの環境(種々の細胞伝達物質、酵素、タンパ
ク、脂質等の生体成分)との相互作用が外的要因によっ
て過剰に高まることに対する制御機能に関する因子(制
御因子)、肌を構成する種々の細胞とその周りの環境
との正常な相互作用の維持に関する因子(維持因子)、
外的要因によって低下した、肌を構成する種々の細胞
とその周りの環境との相互作用の活性化に関する因子
(活性化因子)の3種に大別される。
【0018】このうち、の制御因子としては、外因性
肌弾力(OE)、メラニン存在量(ME)、ケラチンの
状態度(KA)、額部の皮脂過剰度(FE)、頬部の皮
脂過剰度(CE)をあげることができる。
【0019】ここで、外因性肌弾力(OE)とは、紫外
線の影響で過剰に産生されるエラスターゼによって変性
する真皮のエラスチンの状態に関するもので、エラスチ
ンの変性を抑える細胞の機能の指標となる。外因性肌弾
力(OE)は、第1の測定プローブ2の測定値から得ら
れる弾力性推定値の関数と、肌弾力の触診指数の関数
と、シミ又はソバカスの意識指数の関数と、UV環境の
意識指数の関数との積である、f(弾力性推定値)*f
(肌弾力の触診指数)*f(シミ又はソバカスの意識指
数)*f(UV環境の意識指数)として得ることができ
る。
【0020】メラニン存在量(ME)は、紫外線の影響
による表皮細胞でのエンドセリンの産生を抑制し、過剰
なメラニンの生成を防ぐという機能の指標である。メラ
ニン存在量(ME)は、第2の測定プローブ3から求め
られるメラニン色素沈着量の推定値の関数f(メラニン
色素沈着量の推定値)として得ることができる。
【0021】ケラチンの状態度(KA)は、乾燥による
角質細胞内のケラチン線維の凝集を抑制し、保水機能を
向上させ、肌に柔軟性と透明性を付与する機能の指標で
ある。ケラチンの状態度(KA)は、第1の測定プロー
ブ2から得られる、角質層深部の水分量の推定値(W
B)と角質層表層部の水分量の推定値(WS)との差の
関数f(WB−WS)として得ることができる。
【0022】額部の皮脂過剰度(FE)、頬部の皮脂過
剰度(CE)は、それぞれ額部又は頬部において、皮脂
分泌細胞の働きを抑制し、過剰な皮脂分泌を抑制する機
能の指標である。額部の皮脂過剰度(FE)、頬部の皮
脂過剰度(CE)は、それぞれ第1の測定プローブ2か
ら得られる額部又は頬部の皮脂の測定量の関数と皮脂の
トラブル指数の関数の積である、f(額部の皮脂測定
量)*f(皮脂のトラブル指数)、f(頬部の皮脂測定
量)*f(皮脂のトラブル指数)として得ることができ
る。
【0023】一方、の維持因子としては、額部の皮脂
量(FO)、頬部の皮脂量(CO)、UVダメージレベ
ル(UD)、表面水分量(SW)、表面セラミド存在量
(SC)をあげることができる。
【0024】ここで、額部の皮脂量(FO)、頬部の皮
脂量(CO)とは、それぞれ額部又は頬部の皮脂膜機能
の指標である。これらは、第1の測定プローブ2から得
られる皮脂量の測定値の関数、f(額部の皮脂測定
量)、f(頬部の皮脂測定量)として得られる。
【0025】UVダメージレベル(UD)は、UVに晒
されやすい部位としての頬の肌色とUVが当たり難い部
位としての顎の肌色との差の関数と、UV環境の意識指
数の関数と、シミ又はソバカスの意識指数の関数との
積、f(CC(頬の肌色指数)−CJ(顎の肌色指
数))*f(UV環境の意識指数)*f(シミ又はソバ
カスの意識指数)として得ることができる。
【0026】表面水分量(SW)は、測定時のありのま
まの水分状態について、潤いが保てているか否かの指標
であり、第1の測定プローブ2により得られる角質層表
層部の水分量の推定値WSの関数f(WS)として得ら
れる。
【0027】表面セラミド存在量(SC)は、角質層の
細胞間のセラミド量の推定値であり、第1のプローブ2
により得られる角質層表層部の水分量の推定値の関数
と、乾燥意識指数の関数と、かさつきの触診指数の関数
との積、f(WS)*f(乾燥意識指数)*f(かさつ
きの触診指数)として得ることができる。
【0028】またの活性化因子としては、セラミド産
生量(PC)、肌の代謝活度(MA)、血色度(H
E)、内因性肌弾力(IE)をあげることができる。
【0029】ここで、セラミド産生量(PC)とは、肌
自身が作っているセラミド量の推定値であり、保湿・バ
リア機能の指標である。セラミド産生量(PC)は、第
1のプローブ2から得られる角質層深部の水分量の推定
値(WB)の関数と肌の代謝活度(MA)の関数の積、
f(WB)*f(MA)として得ることができる。
【0030】肌の代謝活度(MA)は、毛細血管の血液
の循環を高め、血液を通して栄養等の物質交換を促進
し、細胞の代謝を活性化する機能の指標であり、第2の
プローブ3により得られる酸化ヘモグロビンの推定値と
還元ヘモグロビンの推定値との比の関数と、くすみ又は
くまの意識指数の関数との積、f(酸化ヘモグロビンの
推定値/還元ヘモグロビンの推定値)*f(くすみ又は
くまの意識指数)として得ることができる。
【0031】血色度(HE)は、血行に由来する肌色の
評価指数であり、第2のプローブ3により得られるヘモ
グロビン量の推定値の関数f(ヘモグロビン量の推定
値)である。
【0032】内因性肌弾力(IE)とは、真皮のコラー
ゲンをつなぎ止めるインテグリン量の増加機能に関する
指標であり、第1のプローブ2で得られる弾力性推定値
の関数と、肌の代謝活度指数(MA)の関数と、こじわ
又ははりの意識指数の関数と、肌弾力の触診指数の積、
f(弾力性推定値)*f(MA)*f(こじわ又ははり
の意識指数)*f(肌弾力の触診指数)として得ること
ができる。
【0033】本発明において、測定プローブによる肌の
測定結果と、問診、観察又は触診の結果とに基づく肌状
態の評価結果を被験者に示す場合には、上述の各因子の
中から、(i)肌の潤いに影響する因子として、セラミド
産生量(PC)、表面セラミド存在量(SC)、ケラチ
ンの状態度(KA)、及び表面水分量(SW)から選択
される少なくとも3つの因子、(ii)肌のはりに影響する
因子として、表面水分量(SW)、内因性肌弾力(I
E)、外因性肌弾力(OE)、及び肌のUVダメージレ
ベル(UD)から選択される少なくとも3つの因子、(i
ii)肌の明るさに影響する因子として、肌のUVダメー
ジレベル(UD)、メラニン存在量(ME)、血色度
(HE)、及び肌の代謝活度(MA)から選択される少
なくとも3つの因子、(iv)皮脂状態に影響する因子とし
て、額部の皮脂量(FO)、頬部の皮脂量(CO)、額
部の皮脂過剰度(FE)、頬部の皮脂過剰度(CE)か
ら選択される少なくとも2つの因子を使用し、かつ、こ
れらの因子ごとの評価をグラフに表してディスプレイ7
に表示する。グラフの表示形式としては、表示すべき因
子を、(i)肌の潤いに影響する因子、(ii)肌のはりに影
響する因子、(iii)肌の明るさに影響する因子、(iv)皮
脂状態に影響する因子のいずれに属するか、又は制御
因子、維持因子、活性化因子、のいずれに属するか
に応じてグループ分けし、同一のグループに属する因子
を近接して配置し、ディスプレイ上で連続した一つの領
域によって一つのグループを表示できるようにすること
が好ましい。例えば、レーダーグラフ上の隣接する照射
軸を同一のグループに属する因子に割り当てたグラフ、
及び一つの領域内に同一のグループに属する因子の棒グ
ラフを併置したグラフをあげることができる。さらに、
上記2種類のグループ分けのそれぞれに従った2種類の
グラフを適宜切り換えて表示できるようにすることがよ
り好ましい。図1及び図2は、このようなディスプレイ
表示の例である。
【0034】図1において、中央の12角形のレーダー
グラフ中、縦線、横線、又は斜線で塗りつぶしてある部
分は、被験者の評価結果を示しており、その外側の破線
は、比較のために被験者と同年代の平均的な評価結果を
示したものである。なお、被験者と同年代の平均的な評
価結果に代えて、同一被験者の過去の評価結果を比較の
ために示してもよい。また同図において、「皮脂量」及
び「皮脂過剰度」は、それぞれ額と頬についての値の平
均値を示している。
【0035】横線の塗りつぶしに係る因子は、肌の細胞
の活動状態の指標のうちの制御因子に属するもので、
図中左上の横棒グラフは、この被験者の制御因子の活
動状態について、改善の必要性がやや高いことを示して
いる。斜線の塗りつぶしに係る因子は、維持因子に属
するもので、図中左下の横棒グラフは、この被験者の
維持因子の活動状態について、改善の必要性が高いこと
を示している。縦線の塗りつぶしに係る因子は、活性
化因子に属するもので、図中右上の横棒グラフは、この
被験者の活性化因子の活動状態について改善の必要性
がやや高いことを示している。なお、横棒グラフは、改
善の必要性の高低に代えて、同年代の平均との比較を示
す形式等とすることもできる。
【0036】また、図2は、(i)肌の潤いに影響する因
子、(ii)肌のはりに影響する因子、(iii)肌の明るさに
影響する因子、(iv)皮脂状態に影響する因子ごとに、上
述の因子を棒グラフにして表示したものである。図中、
中央の部の数値36、45、60、85は、それぞれ
(i)〜(iv)に属する因子の評価指数の合計を反映する値
であり、4種の(i)〜(iv)についての良好さの程度を表
している。
【0037】図1、図2のようなグラフがディスプレイ
に表示されることにより、被験者は自己の肌状態を正確
に、かつ視覚的に容易に把握することが可能となる。ま
た、このようなグラフに基づき、美容アドバイザーは、
被験者の肌の細胞の活動状態が、制御因子、維持因
子、活性化因子、のいずれにおいて健常であるか、あ
るいは劣っているかを直ちに把握できるので、肌の細胞
の活動状態に即した美容アドバイスを的確に行うことが
でき、その美容アドバイスを被験者に容易に理解させる
ことができる。
【0038】また、本発明の装置はデジタルマイクロカ
メラ6を備えているので、上述のグラフによる肌状態の
評価結果と、被験者の肌の拡大画像とをディスプレイ7
に同時にあるいは適宜切り換えて表示することができ
る。さらに、被験者の肌の拡大画像だけでなく、肌のき
めの整い方の程度、落屑の有無、こじわの有無、色むら
の有無、毛穴の状態等の肌事象の比較観察のために撮っ
ておいた対照画像を、被験者肌の拡大画像と同時にある
いは適宜切り換えて表示することができる。
【0039】より具体的には、図2のように、肌の潤い
の良好さの程度が低い被験者場合、肌の潤いを反映する
肌事象として、肌のきめの整い方の程度、落屑の有無、
又はこじわの有無の比較観察に適する参照画像を適切な
条件で表示することが好ましく、そのため、例えば図3
のように、被験者の肌の拡大画像10、よいきめの参照
画像11、悪いきめの参照画像12を同時に表示する。
好ましくは、図2の画面から図3の画面へは、一回の入
力操作で移行する。同様に、肌のはりを反映する肌事象
として、肌のきめの整い方の程度又はこじわの有無の比
較観察に適する参照画像の表示画面に移行でき、肌の明
るさを反映する肌事象として、色むらの有無、毛穴の状
態の比較観察に適する参照画像の表示画面に移行でき、
肌の皮脂状態を反映する肌事象として、毛穴の状態の比
較観察に適する参照画像の表示画面に移行することがで
きる。このような参照画像の表示により、被験者は、自
己の肌状態を一層正確に把握することができる。
【0040】図4の肌状態測定装置1において、演算手
段5は、上述の肌状態の評価指数の算出機能、グラフ表
示機能等の他に、店頭用のサーバーマシンとしての機能
も備えている。また、この演算手段5は、個々の被験者
の肌状態の測定結果や肌画像等をホストコンピュータ8
に送り、記憶させ、さらにホストコンピュータ8から多
数の被験者の肌状態の測定結果の統計的解析結果や肌画
像データ等を抽出することが可能となっている。したが
って、例えば、肌の(i)潤い、(ii)はり、(iii)明るさ、
(iv)皮脂状態に影響する任意の肌状態の評価指数を、当
該被験者の同年代の平均値等と対比することが可能とな
っている。
【0041】以上、図4の肌状態測定装置1に基づいて
本発明を説明したが、この他に本発明は種々の態様をと
ることができる。例えば、被験者の肌の評価結果の表示
形式については、前述の肌状態の評価指数としての因子
が、表示内容のわかりやすいグラフを用いて表わされて
いる限り特に制限はない。
【0042】また、本発明の装置は、肌の水分量、皮脂
量、弾力性、色調、血行状態又はメラニン色素沈着状態
を測定する測定プローブを備えるが、個々の測定項目の
測定原理や測定方法等についても特に制限はない。した
がって、例えば、皮膚の水分量は、公知の電気伝導度法
(コンダクタンス法、キャパシタンス法)、PAS法
(光音響分光法)、TDR法(時間領域反射法)、赤外
分光法(近赤外分光法)等により測定することができ
る。より具体的には特開平1−126535号公報、特
開平7−47056号公報、特公平4−45778号公
報等に記載の方法によることができ、測定条件(例え
ば、電気伝導度測定における電極間距離)を制御するこ
とで、角質層の任意の深さにおける水分量を測定でき
る。
【0043】皮膚の皮脂量の測定法は、転写透過法、転
写赤外CH基検出法、転写画像解析法等により測定する
ことができ、より具体的には、特開平5−60686号
公報等に記載の方法によることができる。
【0044】皮膚の弾力性は、例えば、皮膚との接触に
よる圧電振動子の振動周波数変化を利用して測定するこ
とができ、より具体的には、特開平8−29312号公
報、特開平5−322731号公報に記載の方法による
ことができる。
【0045】色調は、色差計、LED法、分光反射測定
法等により測定することができる。
【0046】血行状態やメラニン色素沈着状態は、特定
波長の光を皮膚内部に投光し、その内部散乱光を解析す
る方法(特開平10−127585号公報)等によるこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の肌状態測定装置によれば、被験
者が自己の肌状態を、水分量をはじめとする複数種の肌
状態の測定結果に基づいて正確に把握することが可能と
なり、また、美容アドバイザーは、化粧品の推奨等の美
容アドバイスをより適切に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の肌状態測定装置による測定結果の表
示画面の一例である。
【図2】 本発明の肌状態測定装置による測定結果の表
示画面の一例である。
【図3】 本発明の肌状態測定装置における、被験者の
拡大画像と参照画像の同時表示画面の一例である。
【図4】 本発明の肌状態測定装置のシステム構成図で
ある。
【符号の説明】
1 肌状態測定装置 2 第1のプローブ 3 第2のプローブ 4 キーボード 5 演算手段 6 デジタルマイクロカメラ 7 ディスプレイ 8 ホストコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (72)発明者 井上 紀子 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 風間 治仁 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肌の水分量、皮脂量、弾力性、色調、血
    行状態又はメラニン色素沈着状態を測定する測定プロー
    ブ、問診、観察又は肌の触診の結果を入力する入力手
    段、測定プローブからの測定信号又は問診、観察もしく
    は触診の入力結果に基づいて肌状態の評価指数を算出す
    る演算手段、肌の拡大画像を撮像するデジタルマイクロ
    カメラ、及び前記評価指数及び拡大画像を表示するディ
    スプレイを備えた肌状態測定装置であって、肌状態の評
    価指数として、(i)肌の潤いに影響する因子であって、
    セラミド産生量、表面セラミド存在量、ケラチンの状態
    度、及び表面水分量から選択される少なくとも3つの因
    子、(ii)肌のはりに影響する因子であって、表面水分
    量、内因性肌弾力、外因性肌弾力、及び肌のUVダメー
    ジレベルから選択される少なくとも3つの因子、(iii)
    肌の明るさに影響する因子であって、肌のUVダメージ
    レベル、メラニン存在量、血色度、及び肌の代謝活度か
    ら選択される少なくとも3つの因子、(iv)皮脂状態に影
    響する因子であって、額部の皮脂量、頬部の皮脂量、額
    部の皮脂過剰度、頬部の皮脂過剰度から選択される少な
    くとも2つの因子が算出され、これらの因子を含むグラ
    フを表示可能である肌状態測定装置。
  2. 【請求項2】 前記肌の拡大画像と、肌のきめ、落屑、
    こじわ、色むら、及び毛穴状態から選択される肌事象の
    観察に適合するように選択された対照画像とをディスプ
    レイ上に同時に表示することができる請求項1記載の肌
    状態測定装置。
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