JP2002101758A - 作物の栽培方法と栽培容器 - Google Patents

作物の栽培方法と栽培容器

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JP2002101758A
JP2002101758A JP2000252021A JP2000252021A JP2002101758A JP 2002101758 A JP2002101758 A JP 2002101758A JP 2000252021 A JP2000252021 A JP 2000252021A JP 2000252021 A JP2000252021 A JP 2000252021A JP 2002101758 A JP2002101758 A JP 2002101758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖度が高い作物を、作業効率良く、低廉にム
ラ無く安定して、収量良く収穫すること。 【解決手段】 (1)地力の無い培地を雨水及び大地か
ら遮断し、(2)作物を発芽又は定植させ、(3)発芽
又は定植後に水と窒素肥料を断ち、(4)作物が萎れ始
めたら慣行(清耕法)の1/10〜1/100の小量の
水及び肥料を与え、(5)(3)と(4)の作業を繰り
返して地表面付近に吸水力と吸肥力の強い断食根を生成
させて糖度の高い作物を収穫する作物の栽培方法におい
て、地力の無い培地を作物の根圏の深さを約10cm以
内に制限する栽培容器に収容して作物を栽培する。栽培
容器は地力の無い培地を収容する為の非通根性、非通気
性及び非透水性の高さ約10cm以下の袋であり、上表
面の定植孔と、側面上部の通気孔と、側面下端部の排水
孔とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は植物、特に農作物
の栽培方法と栽培容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 本発明者は先に特公平3─4170号
に記載されているように、地力の無い培地に作物を発芽
又は定植させた後、水と窒素肥料を断ち、作物が萎れ始
めたら慣行(清耕法)の約1/10〜1/100以下の
小量の水と窒素肥料を施え、水と窒素肥料の断絶と施与
を繰り返して地表面付近に吸水力と吸肥力の強い断食根
を生成させて糖度の高い作物を栽培する方法を発明した
(図7参照)。同方法に依れば糖度が高い作物を収穫で
きる。然し、培地として大地を用いる為大地の成分の影
響を受けるので、個々の作物の成長の度合いが相違して
ムラがあり、コンピューターによる灌水と施肥の計画的
な制御が難しく、作業効率が低下し、品質が不安定でム
ラがあった。施与した水と肥料が作物に完全には吸収さ
れないで地下や外部に流出するので、環境汚染の惧れも
あった。培地が大地であって取り換えできない為、連作
障害が生ずる危険もあった。作物は上部の葉の部分で光
合成を行なうが、内部の葉の部分では殆んど光合成を行
なわないので、栽培空間に無駄な空間が生じ、栽培空間
中に占める無効容積の割合が大きくなり、日照と通気が
不充分であり、密植による増収は図れず、品質が不安定
でムラがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の特公平
3─4170号の栽培方法の欠点を改善して、さらに優
れた栽培方法を提供することを目的とする。また本発明
は、糖度が高い作物を、作業効率良く、ムラ無く安定し
て収量良く低廉な栽培費用で提供することを目的とす
る。また本発明は、コンピューターにより水と肥料を制
御して施与するにあたり、水と肥料をさらに無駄なく有
効に利用することを目的とする。また本発明は、作物を
矮性化し、日照と通風を良好とし、生殖成長させ、省力
化し、無効容積を無くし、栽培空間を有効に利用するこ
とを目的とする。また本発明は、環境に及ぼす悪影響の
少ない栽培方法と栽培容器を提供することを目的とす
る。また本発明は、連作障害の無い栽培方法と栽培容器
を提供することを目的とする。また本発明は、作業効率
が良く簡便で費用が低廉な栽培容器を提供することを目
的とする。これ等の目的は、本発明により達成される。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明の作物の栽培方法は、
(1)地力の無い培地を雨水及び大地から遮断し、
(2)作物を発芽又は定植させ、(3)発芽又は定植後
に水と窒素肥料を絶ち、(4)作物が萎れ始めたら慣行
(清耕法)の1/10〜1/100以下の小量の水及び
肥料を与え、(5)(3)と(4)の作業を繰り返して
地表面付近に吸水力と吸肥力の強い断食根を生成させて
糖度の高い作物を収穫する作物の栽培方法において、地
力の無い培地を作物の根圏の深さを約10cm以内に制
限する栽培容器に収容して作物を栽培することを特徴と
する栽培方法である。本発明で「地力の無い」とは、特
公平4─4170号に記したと同様に、EC(土壌塩類
濃度の指標となる電気伝導度(単位ムオー=Ω−1 、現
在の単位はジーメンス=S/cmで示す)で表わされる
土壌塩類濃度が600mS/cmより小、通常10〜5
00mS/cmであることを意味する。本発明はまた、
地力の無い培地を収容する為の非通根性、非通気性及び
非透水性の高さ約10cm以下の袋状であり、上表面の
定植孔と、側面上部の通気孔と、側面下端部の排水孔と
を有することを特徴とする作物の栽培容器である。袋の
「高さ」とは培地収容時の袋の高さを指す。袋は柔軟で
可撓性の物質から製されていて、通常は折り畳めるの
で、貯蔵時の高さは僅小である。
【0005】作物の根圏を深さ約10cm以内に制限す
ることは、栽培容器に収容する培地の深さを約10cm
以内に制限することにより、容易に達成される。一方、
根圏が浅すぎると培地が少なくなるので栽培が難しく、
この面から深さは制限される。作物によっても異なる
が、培地は表面から底部迄の深さが少なくとも約4c
m、通常、約5cm以上である。本発明では、作物の直
根を生成させないで、作物の根圏を深さ10cm以内に
制限して、断食根群を集中して層状に分布させる。栽培
容器は播種容器又は育苗容器として使用しても良いが、
別個に播種した容器又は育苗した容器を栽培容器の定植
孔の内部の培地中に設置するか、定植孔の上に載置する
と好都合である(図5参照)。このようにすると、播種
及び育苗を別個に効率的に行ない、確実に発芽し略々均
一に成長した良好な苗のみが対照となるので、コンピュ
ーターによる計画的な灌水と施肥の管理が可能になり、
作業効率と収量が良くなり、安定してムラが無い品質の
作物を低廉に提供できる。
【0006】栽培容器の定植孔の部分は栽培時には切り
取って使用する。栽培容器は鉢、ポット、トレイ、プラ
ンター、ベッド又は袋等で良いが、作物の栽培にあたっ
て約10cm以内の培地の深さを確保できるものを用い
る。栽培容器を雨水及び大地から遮断すると、大地の地
下水の影響を遮断し、大地から放出されるエチレンガス
及び一酸化炭素等の植物の生育に有害なガスを遮断し、
灌水と施肥を容易に且つ正確に制御できるので好都合で
ある。大地は場所に依っては水質が不適当なことがある
が、このような大地の影響を受けない。
【0007】培地は土の礫、火山礫及び人工の礫から成
る群から選択した礫を用いると好適である。礫はφ約2
〜5mmの粒度の礫が好適である。これはこの粒度の礫
が、通気性と透水性が最適で、毛細管現象により培地の
下部から表面近辺まで水を吸い上げるのに最適な為であ
る。土の礫又は人工の礫は容易に分解して作物に好まれ
る微量要素を放出し、作物に吸収させるので、作物の味
が良くなり、好ましい。礫は殺菌して用いることができ
る。土の礫は通常の土の礫、例えば山土、畑土、田土等
の礫である。人工の礫は焼き土と焼結土をも包含する。
これ等の礫は選別、殺菌及び微量要素の混入が容易であ
る。赤土の焼成礫は好ましい礫の例である。約700〜
1000℃で焼いた赤土は分解し易く、好ましい。約1
000℃以上で焼くと、分解し難く、好ましくない。ク
ロボク又はロームの焼成礫も使用できる。火山礫は生成
後日時が経過して分解し易くなっているものであれば使
用できる。その他、ボラ、コラ、ボタ、ズリ等を礫とし
て使用できる。火山灰は微量要素を吸収し難い直根が出
易く、Nを多く吸収して味が不味くなるので、土の礫と
人工の礫ほどは好ましくない。砂や岩の礫は分解し難い
ので、微量要素の供給が少なく、作物の味が劣り、作物
の味を良くする為には多量の高価な微量要素を必要とす
る。礫は火力で焼いたり、大量の水で洗ったり、ハウス
内で乾燥させることにより、容易に地力の無いものとす
ることができる。培地は使用後、洗浄、篩別、加熱殺菌
した後、再利用することができるので、環境に及ぼす悪
影響が少ない。培地は腐葉土及び/又はミネラルを有す
ることができる。腐葉土は窒素成分を殆んど有せず、容
易にボロボロに崩れて粒径約2〜5mmの粉末となる。
ミネラルはいおう、カルシウム、マグネシウム、鉄等の
公知のものである。カルシウムは例えば石灰石、牡蠣
殻、甲殻類の殻等の粒子を使用できる。粒径は例えば約
2〜5mmとすることができる。再利用にあたって、栽
培により培地が若干減少していることがあるので、必要
ならば新規な培地を補充する。補充は約3〜7%、通常
約5%程度である。
【0008】作物は栄養成長するときと生殖成長すると
きがある。栄養成長のときは作物の味が悪く、生殖成長
のときは味が良い。柚子は50年以上栽培すると生殖成
長が中心となって最高の味となり、オリーブは100年
以上栽培すると生殖成長が中心となって最高の味とな
る。肥料だけでは栄養成長になり、生殖成長し難い。ト
マト、胡瓜、茄子、ピーマン等の果菜は栄養成長と生殖
成長を同時にする。Nは主として栄養成長を行ない、P
とKは生殖成長を行なう。光を当てると生殖成長が主と
なり、光が少ないと栄養成長が主となる。水が多いと栄
養成長が主となり、乾燥すると生殖成長が長くなる。味
が美味しい為には生殖成長が好ましく、微量要素の吸収
が好ましい。作物は微量要素を選択吸収する。作物は表
層の葉の部分で光合成を行ない、内部の葉の部分では殆
んど光合成を行なわないので、上部の葉の部分を増やせ
ば、光合成が効率的に行なわれるが、本発明は全ての葉
が光合成を行なうように働くので、栽培空間に無駄が無
くなり、栽培空間中に占める無効容積の割合が小さくな
り、光合成が効率的に行なわれる。通常、野菜は1月も
鉢植え栽培すると根巻きを生ずるが、本発明は根圏を制
限するので、1年以上の長期間栽培しても根巻きを生じ
ない。本発明では栽培容器の上部を定植孔部分以外は、
フィルムで被覆(マルチ)することができる。肥料は液
肥を使用し、大型の置き肥も施用できる。必要ならば、
ペーストタイプの肥料も施用できる。堆厩肥は用いな
い。本発明に適する作物は、根圏の範囲を制限する必要
上から、果菜が好適であり、特に茄子、胡瓜、トマト、
ピーマンが好適である。
【0009】栽培容器は栽培作物に応じた最低限の栽培
容積を有する。果菜の場合、最低限の栽培容積は約2l
であり、上限は取り換え、持ち運び等の見地から約12
lである。通常、栽培容積は約2〜8lである。栽培容
器は集水路又は集水管を具える不透水性のシート、樋形
のベッド、コンクリート床等の上に載置して使用する
と、灌水と施肥の再利用が容易となるので、栽培費用が
低廉となり好都合である。栽培容器とパイプ等の輸送装
置から流出する作物に利用されなかった灌水と液肥は、
濾過と加熱殺菌を行なった後、養液組成に変動を与えな
い比率で再利用して、栽培費用を低廉とすることができ
る。
【0010】栽培容器が袋であると、大地の影響を排除
して、灌水と施肥を容易に且つ正確に制御できる上、取
扱、運搬、培地の取換、殺菌及び補充が容易となるの
で、作業効率が向上し、栽培費用が低廉となるので好都
合である。袋としては種々の形式の袋を用いることが可
能であり、例えば、ガセットタイプ等の枕型、ウインナ
ソーセージ型を用いることができる。袋は白色でスリッ
プ防止剤、紫外線防止剤及び/又は帯電防止剤を有する
ことが好ましい。白色であると太陽光を反射して培地が
過度に温度上昇せず、実際に26℃以上にはならない。
スリップ防止剤、紫外線防止剤及び帯電防止剤は、各々
別個の成分であっても良いが、同一の成分であっても良
い。スリップ防止剤を有すると、培地を収容する栽培容
器をパレットの上に数段積み重ねて輸送するときに、栽
培容器同士が荷崩れしない。紫外線防止剤を有すると、
栽培容器が1年以上太陽光に曝されても、紫外線による
劣化を防止できる。帯電防止剤を有すると、栽培容器製
造中のプラスチックフィルム同士の付着を防止でき、栽
培中のゴミの付着を防止でき、栽培容器の端部開けが容
易であるので培地を自動充填できる。また、充填後の栽
培容器を数段積み重ねて輸送するときに、栽培容器同士
の付着を防止できる。袋には作物の播種、育苗及び成育
用の定植孔を設ける。定植孔は作物の根圏の深さを制御
し、これに伴って作物の成長範囲を制限するので、定植
孔も小さく径約9cm以下に制限し、通常径約5〜7c
mとする。袋の定植孔に相当する部分は、白色である必
要はなく、作物の播種、育苗及び生育にあたって切り取
るので、色抜きとし、スリップ防止剤、紫外線防止剤及
び帯電防止剤を省略できる。
【0011】培地を収容時の栽培容器の寸法は、例えば
次の通りである。 幅:10〜30cm 長さ:10〜120cm 高さ:40〜10cm 通気・排水孔(小孔):径約2mm 各組の間隔は定植孔の間隔に合わせる。 定植孔の大きさ:φ50〜90mm、通常70mm 充填時容量:2〜12l、通常2〜8l 定植孔の間隔:慣行の作物の1/2にできる。 中心から中心迄 10〜25cm 通常 20〜21cm
【0012】
【作用】本発明に依れば、栽培容器を浅く薄いものとし
て断食栽培を繰り返すので、断食根が容易に迅速に成長
する。直根を生長させないので、直根が栽培容器を突き
破らない。大地と栽培容器を隔離することにより、大地
からの土壌深部生息性病原菌の培地への侵入と、作物へ
の感染が防止される。また、大地の地下水の影響を受け
ない。さらに、培地の温度制御を容易にし、寒冷期にお
いても根の成長と活動を停止させない。確実に発芽し略
々均一に成長した良好な苗のみを対象に栽培できるの
で、コンピューターによる計画的な灌水と施肥の管理が
可能になり、作業効率と収量が良くなり、栽培費用が低
廉になり、品質が良くなり、安定してムラが無くなる。
作物の根圏を深さ10cm以内に制限すると、培地上の
作物の高さも根圏に応じて小さく制限されるので、作物
が占める空間も小さく、作物の矮性化が実現する。例え
ば、慣行では作物の根圏を20cm、高さを20cmと
して栽培していたものを、根圏を10cm、高さを10
cmとして栽培すれば、8000cm3の栽培空間を1
000cm3 と1/8に小さくし、作物の節間長さを1
/2とし、栄養成長を少なくし、無効容積に対する有効
容積の割合を大きくし、日照、通気を良好とし、ムラが
無く安定して高い糖度の作物を作業効率良く収穫でき
る。作物は密植できて、理論上は最大約6倍もの多収穫
になる。植物の光合成に対する有効容積と無効容積との
関係を図8に例示する。植物Bの大きさは植物Aの大き
さの1/2(容積では1/8)であるが、Aと略々同じ
有効容積を有する。斜線部分のみの比較ではAの有効容
積が大きく表わされているが、日照の当たらない日陰部
分が大きくなるから、隣接する植物の日射側にも影を作
るので、無効容積ができる。Bは高さもAの1/2で、
間隔を狭くして密植しても無効容積が生じない。同じ面
積に従来の植え方Aでは9本植えられるのに対し、本発
明の植え方Bでは4倍の36本植えられる(図8参
照)。また、有効容積が大きい植え方Bの1本から従来
の植え方Aの約1.5倍の収量が得られるから、最大約
6倍の収穫ができる。Bの1本の樹冠の直径がAの1本
の樹冠の直径の50%であり、Bの1本の樹冠部分の占
める培地上の面積=Aの1本の樹冠部分の占める培地上
の面積×25%である(図9参照)。植え方Aより植え
方Bの植物の頭上空間が広いので、採光が良い他に風の
通りが良く、温度と湿度が調節し易い(図10参照)。
隣接する植物によって生ずる日陰(無効容積)を最小に
する為には、Bの株間距離bはAの株間距離aの1/2
で良い。従って、培地面積は1/4で済む。農業では実
際の栽培が理論通りに行かず、理論と実際が逆になり、
品質が低下又は収穫が減少することが屡々あるが、本発
明は実地に栽培したところ、予想以上に高い糖度の作物
を多量に収穫でき、品質にムラが無く安定している。パ
イプの節間が短くなるのでパイプの長さが短くなり、パ
イプのロスが少ない(図11参照)。高品質多収穫を達
成しながら、日照、通気が良好となり、作業効率が高ま
り、作業が省力化し、栽培費用が低廉になる。肥料とし
て粉末肥料や堆厩肥を用いないで液肥を使用するので、
必要な肥料成分を確実に迅速に施与でき、施与の自動制
御化が実現する。栽培容器は上部に定植孔を有し、側面
上部に通気孔、側面下端部に排水孔を有するほか、培地
も粗目の土の礫又は人工の礫又は火山礫を使用するの
で、通気性と透水性が良い。栽培容器と培地の保管、移
動が簡単なので、入れ替え作業と植え換え作業を短時間
に簡便に効率良く低廉に行なえる。栽培容器の培地が浅
いので、培地の下部に落ちた水と肥料も毛細管現象で培
地の表面付近に上昇するので、単なる断食栽培よりも一
段と有効に水と肥料を利用できる。糖度が高い作物を高
い収量で収穫しながら、灌水量と施肥量を最小量とする
ので、栽培費用が低廉となる。作物の根圏を制限するの
で、灌水と肥料の制御を迅速に簡便に行なえるようにな
り、作業効率を高め、作業を省力化できる。コンピュー
ターによる点滴式灌水システムを導入できることによ
り、灌水量と施肥量を常時適量均一に保つことが容易に
なる。断食根が栽培容器に充満しても、根巻きを起こさ
ない。慣行栽培の野菜は成長が早いので、通常約1ケ月
もすると、根巻きを起こす。根群が大量で一定だから、
大規模栽培でも栽培とコンピューター処理が制御し易
く、高糖度の作物を生産し易い。栽培容器はプラスチッ
クスの薄いフィルムを使用できるので、安価であり、加
工、縫製、接着が容易になので、工業的に安価に大量生
産できる。育苗容器として通気性、透水性及び通根性が
有る容器を用いると、栽培容器の定植孔上に直接載置し
たり、埋め込むことができるので、大規模栽培での定植
作業の労力を節減できる。ハウスよりも小型で効率の高
い育苗容器で、又はハウス内の限定された小さな苗畑
で、効率的に栽培して育苗期間を縮減できるので、ハウ
スを有効に利用することができる。定植孔に育苗鉢から
土ごと抜いた苗を定植するか、定植孔の上に苗を育苗鉢
ごと載置するか、又は栽培しながら育苗することによ
り、定植孔に順次に作物を定植できるので、同一又は別
種の作物を引き続いて栽培(時間差栽培)できる。栽培
容器がマルチの働きをして、外部の光、温度等の影響を
受けることが少なく、栽培容器内の水分の蒸発によりハ
ウス内の温度を高めることが少ない。根張りの範囲が栽
培容器によって制限されるので、栽培容器の寸法を変え
るだけで根域と栽培の変更と制御が容易となる。栽培容
器の容積と培地の量を必要最小限に制限するので、灌水
量と施肥量が最小になる。栽培容器を1〜2年で容易に
交換できるから、連作障害がない。栽培容器の下部に水
が溜まらず、根腐れが無いので、過湿、過乾燥の状態が
無くなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例についてさらに詳細に
説明する。
【0014】
【実施例1】本発明の栽培方法をトマトについて、次の
ようにして実施した。幅14cm、充填時高さ10c
m、長さ60cm、定植孔直径70mmで、側面上部に
通気孔(φ2mm)6ケと、側面下端部の排水孔(φ2
mm)6ケとを有するナイロンとポリビニールをラミネ
ートした袋に、赤土を焼成した粒度2〜5mmの礫約8
lを充填した栽培容器に、育苗ポットで育成したマルト
マト苗を定植した。栽培容器は上表面端部にも通気孔
(φ2mm)6ケを有し、底面端部にも排水孔(φ2m
m)6ケを有した(図6参照)。定植した苗は長さ50
m、幅20mのハウス内で育成栽培した。栽培区Bは栽
培面積10a、栽培株数2400本(16列2条植×7
5本)、畝間距離0.6m、畝幅0.6m、株間距離
0.3mであった(図11の栽培区B参照)。栽培は冬
作一作とし、期間は平成10年10月15日〜11年6
月末で、場所は浜松市都田町であった。対照例として、
特公平3─4170号の方法により粘土質土壌の地力を
ハウストンネル栽培によりEC値で10mS/cmとし
た培地で、トマトを栽培した。苗は栽培区Bと同じ発育
状態のマルトマト苗を用い、長さ50m、幅20mのハ
ウス内で育成栽培した。栽培区Aは栽培面積10a、栽
培株数1440本(15列2条植×48本)、畝間距離
0.6m、畝幅0.7m、株間距離0.5mであった
(図11の対照区A参照)。栽培期間と場所は栽培区B
と同じであった。実施例1において定植できる株数を、
本発明区と対照区とを比較して例示した平面図が図12
であり、無効容積と有効容積との関係を例示する線図的
説明図が図13であり、節間距離、樹冠の大きさ、樹高
及び無効容積を対照区と比較して例示する線図的説明図
が図14である。図12〜14において、株間距離a=
0.5mであり、株間距離b=0.3mである。図14
において、節間距離(トマトの場合、果房と次の果房と
の距離)が短くなったので、茎の高さが低くなり、日照
を受け易く、頭上が広いので風の通りも良くなり、樹冠
も小さくなった。従って、同じ空間容積(面積×高さ)
の温室内では、株数を多く定植できるから増収につなが
った。同一面積に植えられる株数が1.6倍強になっ
た。一株当りの収量は対照区と同等であるが、高糖度の
収量の割合が増え、対照区と比較して約3倍であった。
単位面積当りの収量は約1.7倍強であった。 栽培株数は本発明区Bが2,400本、対照区Aが1,
440本なので、一株当りの施肥量は本発明区Bが対照
区Aの60%である。 作業日程(平成10年10月開始) 第1作 播種 同年10月15日 鉢上げ 11月 1日 定植 11月24日 開花日 12月20日 収穫開始 翌年 3月10日 収穫終了 6月末(合計80日間) 収量 本発明=11.5トン 対照区=7.2トン 本発明区 2,400本×6段×平均4果×0.20kg=7,200kg 対照区 1,440本×5段×平均4果×0.25kg=11,520kg 糖度別収量(10a当り) 糖度 本発明 対照区 9度以上 3 トン 0.2 トン 7〜9度 4 1 6〜7度 2 3 5〜6度 2 2 4〜5度 0.5 1 4度以下 − − 前述のデータから明らかなように、本発明は一株当りの
灌水量と施肥量を略々60%の小量としながら、収穫量
が遙かに多く、糖度別収量も格段に優れていた。
【0015】
【実施例2】実施例1と同様にして、宮崎県でファース
トトマト(年1作)を、図6に記したと同じ構造の育苗
ポットで育成した苗を栽培容器に定植して栽培した。対
照区では現在最も普及している栽培法であるロックウー
ル法によりトマトを栽培した。本発明と対照試験では、
定植時に同じ発育状態のトマトを用いた。作付け面積は
各10アール、培地には粒度2〜5mmの火山礫を使用
した。播種は平成10年8月7日、鉢上げは同年8月2
0日、栽培容器に定植は同年9月4日、収穫開始は同年
12月10日、収穫終了は平成11年6月末であった。
なお、一般の露地栽培及び雨除けハウス栽培では通年の
比較試験ができないので、栽培はプラスチックハウス内
で行なった。 灌水量 本発明 対照区 (1日1株当り) 150cc 1,500cc 施肥量 本発明 対照区 (年間10a当りkg) N 10 93 P 5 48 K 10 186 収穫量は本発明が10トン、対照区が糖度が規格外のも
のを含めても7トンであった。 前述のデータから明らかなように、本発明は灌水量と施
肥量を略々1/10の少量としながら、収穫量が遙かに
多く、糖度別収量も格段に優れていた。
【0016】
【実施例3】実施例1と同様にして、千歳市でマルトト
マト(年3作)を栽培した。図4に記したと同じ構造の
育苗ポットで育成した苗を栽培容器に定植して栽培し
た。対照区のものはロックウール法により栽培した。本
発明と対照区では、定植時には同じ発育状態のトマトを
用いた。作付け面積は各10アール、培地には粒度2〜
5mmの火山礫を使用した。なお、一般の露地栽培及び
雨除けハウス栽培では通年の比較栽培試験ができないの
で、ガラスハウス内で比較栽培試験を行なった。 第1作 第2作 第3作 播種 平成10年12月14日 11年2月04日 11年5月30日 鉢上げ 11年 1月 7日 11年2月28日 11年6月23日 定植 11年 1月24日 11年3月18日 11年7月10日 収穫開始 11年 4月24日 11年7月18日 11年9月18日 収穫終了 11年 6月28日 11年9月30日 11年12月10日 灌水量 本発明 対照区 (1日1株当り) 150cc 1,500cc 施肥量 本発明 対照区 (年間10a当りkg) N 10kg 93kg P 5 48 K 10 186 収穫量は本発明が21トン、対照区が糖度5度以下の規
格外のものを含めても14トンであった。 前述のデータから明らかなように、本発明は灌水量と施
肥量を略々1/10の小量としながら、収穫量が遙かに
多く、糖度別収量も格段に優れていた。
【0017】
【実施例4】実施例1と同様にして、千歳市でミディト
マト(年1作)を、図6に記したと同じ構造の育苗ポッ
トで育成した苗を栽培容器に定植して栽培した。対照試
験のものは現在最も普及しているトマトの栽培法である
ロックウール法により栽培した。本発明と対照区では、
定植時には同じ発育状態のトマトを用いた。作付け面積
は各10アール、培地には粒度2〜5mmの火山礫を使
用した。なお、一般の露地栽培及び雨除けハウス栽培で
は通年の比較試験ができないので、ガラスハウス内で栽
培した。播種は平成10年8月7日、鉢上げは同年8月
20日、栽培容器への定植は同年9月4日、収穫開始は
同年12月10日、収穫終了は平成11年6月末であっ
た。 灌水量 本発明 対照区 (1日1株当り) 150cc 1,500cc 施肥量 本発明 対照区 (年間10a当りkg) N 10kg 110kg P 6 58 K 12 223 収穫量は本発明が23トン、対照区が23トンであった
が、対照区は糖度が規格外のものが多量に含まれてい
た。 前述のデータから明らかなように、本発明は灌水量と施
肥量を略々1/10の少量としながら、収穫量が多く、
糖度別収量も格段に優れていた。
【0018】
【実施例5】山土25重量部と田土25重量部をヘドロ
状に混合し、日干煉瓦状に形成し乾燥後粉砕したゴロ土
を粒径2〜5mmに篩別したもの50重量部と、粒径2
〜5mmのボラ20重量部と、腐葉土(窒素成分は殆ん
ど無く、混合時に容易にボロボロに崩れて粒径約2〜5
mmの粉末となる)30重量部と、ミネラルとして粒径
2〜5mmの牡蠣殻粉末2重量部とを混合して培地とし
た。実施例1と同様な材質で光劣化防止剤を含有する長
さ65cm、幅25cm、高さ4〜7cmの容量約10
〜12lの袋に、前述の培地8〜10kgを装入し封止
して、培地を有する栽培容器とした。
【0019】
【発明の効果】かくて本発明に依れば、灌水量と施肥量
が適宜且つ最小となるので、糖度が6〜18と著しく高
い作物をムラ無く安定して多量に収穫でき、栽培費用を
低減できる。断食根が容易に迅速に成長するので、作物
の成長が早い。大地と栽培容器を隔離するので、地下水
の影響を受ず、大地からの土壌深部生息性病原菌の培地
への侵入と、作物への感染を防止することができる。ま
た、培地の温度制御を容易にし、寒冷期においても根の
成長と活動を停止させない。確実に発芽し略々均一に成
長した良好な苗のみを対照に栽培できるので、コンピュ
ーターによる計画的な灌水と施肥の管理が可能になり、
作業効率と収量が良くなり、作物が低廉になり、品質が
良くなり、安定してムラが無くなる。作物の根圏の深さ
を10cm以内に制限するので、栄養成長が少なくな
り、生殖成長が多くなり、培地上の作物の高さも根圏に
応じて小さく制限されるので、作物を矮性化し、栽培空
間中に占める無効容積の割合を小さくし、栽培空間を小
さくし、日照、通気を良好とし、高い糖度の作物を効率
良く、ムラ無く安定して多量に収穫し、同時に省力化で
きる。作物は密植できて、栽培間隔を1/2とすれば、
理論上は最大約6倍の多収穫が可能になる。パイプの長
さを短縮し、パイプのロスを減少できる。高品質多収穫
を達成しながら、日照、通気が良好となり、作業効率が
高まり、作業が省力化し、栽培費用が低廉になる。肥料
として液肥を使用するので、必要な肥料成分を確実に迅
速に施与でき、施与を自動制御化することができる。栽
培容器は上部に定植孔を有し、側面上部に通気孔、側面
下部に排水孔を有するほか、培地も最適な粒度の礫を使
用するので、通気性と透水性が良い。栽培容器と培地の
保管、移動が簡単なので、入れ替え作業と植え換え作業
を短時間に効率良く簡便に低廉に行なえる。糖度が高い
作物を高い収量で収穫しながら、灌水量と施肥量を最小
量とするので、栽培費用が低廉となる。栽培容器の培地
が浅いので、培地の下部に落ちた灌水と肥料も毛細管現
象で培地の表面付近に上昇するので、単なる断食栽培よ
りも一段と有効に水と肥料を利用できる。作物の根圏を
制限するので、灌水と施肥の制御を計画的に迅速に簡便
に行なえるようになり、作業効率を高め、作業を省力化
できる。コンピューターによる点滴式灌水システムを導
入することにより、灌水量を容易に適量且つ均一に保つ
ことができる。断食根が栽培容器に充満しても、根巻き
を起こさない。根群が大量で一定なので、大規模栽培で
も栽培し易く、コンピューター処理が容易であり、高糖
度の作物を効率良くムラ無く安定して大量生産できる。
栽培容器が安価であり、加工、縫製、接着が容易に可能
なので、工業的に低廉に大量生産できる。通気性、透水
性及び通根性が有る育苗容器を用いると、大規模栽培で
の定植作業の労力と時間を節減でき、効率的に栽培で
き、栽培費用を低減できる。ハウスよりも小型で効率の
高い育苗容器で栽培して育苗期間を縮減できるので、又
はハウス内の一部の狭い育苗畑で効率的に育苗できるの
で、ハウスを有効に利用することができる。同一又は別
種の作物を引き続いて時間差栽培できる。栽培容器がマ
ルチの働きをするので、外部の光、温度等の影響を受け
ることが少なく、栽培容器内の水分の蒸発が少なくな
り、水分の蒸発によるハウス内の温度の上昇が少なくな
る。根張りの範囲が栽培容器によって制限されるので、
栽培容器の寸法を変えるだけで根圏と栽培の変更と制御
を容易に実施できる。栽培容器の容積と培地の量を必要
最小限に制限できるので、灌水量と施肥量を最小にする
ことができる。栽培容器を1〜2年で容易に交換できる
から、連作障害がない。栽培容器の下部に水が溜まら
ず、根腐れが無いので、過湿、過乾燥の状態が無くな
る。
【0020】以上本発明を特定の例及び数値につき説明
したが、本発明はこれ等の例及び数値にのみ限定される
ものではなく、本発明の広範な精神と視野を逸脱するこ
となく種々の変更と修整を為し得ること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る栽培容器の一例を示す平面図
【図2】図1のA−A線上の横断面図
【図3】図1のB−B線上の横断面図
【図4】定植孔の直径と育苗鉢との関係の一例を示す上
面図
【図5】栽培容器の定植孔と育苗鉢との関係の一例を示
す斜視図
【図6】本発明に用いる育苗容器の一例を示す二重容器
の横断面図
【図7】植物の有効容積と無効容積を従来の植え方と比
較して説明する図
【図8】本発明による作物の密植状態を示す説明図
【図9】樹冠部分の占める培地上の面積が従来のものよ
りも遙かに小さいことを示す説明図
【図10】本発明による植物の頭上空間が広く、採光と
風の通りが良く、温度と湿度が調節し易いことを示す図
【図11】本発明による栽培パターンの一例を示す模式
的平面図
【図12】定植できる株数を本発明と対照区とを比較し
て例示する平面図
【図13】無効容積と有効容積との関係を例示する線図
的説明図
【図14】本発明の栽培法による節間距離、樹冠の大き
さ、樹高及び無効容積を対照区と比較して例示する線図
的説明図である。
【符号の説明】
1:栽培容器 7:植物苗 2:定植孔 8:断食根 3:育苗鉢 9:培地 4:通気孔 10:直根 5:排水孔 11:外部容器 12:空気層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月6日(2001.2.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】 本発明者は先に特公平3−4170号
に記載されているように、地力の無い培地に作物を発芽
又は定植させた後、水と窒素肥料を断ち、作物が萎れ始
めたら慣行(清耕法)の約1/10〜1/100の小量
の水と窒素肥料を与え、水と窒素肥料の断絶と施与を繰
り返して地表面付近に吸水力と吸肥力の強い断食根を生
成させて糖度の高い作物を栽培する方法を発明した(図
7参照)。同方法に依れば糖度が高い作物を収穫でき
る。然し、培地として大地を用いる為大地の成分の影響
を受けるので、個々の作物の成長の度合いが相違してム
ラがあり、コンピューターによる灌水と施肥の計画的な
制御が難しく、作業効率が低下し、品質が不安定でムラ
があった。施与した水と肥料が作物に完全には吸収され
ないで地下や外部に流出するので、環境汚染の惧れもあ
った。培地が大地であって取り換えできない為、連作障
害が生ずる危険もあった。作物は上部の葉の部分で光合
成を行うが、内部の葉の部分では殆んど光合成を行わな
いので、栽培空間に無駄な空間が生じ、栽培空間中に占
める無効容積の割合が大きくなり、日照と通気が不充分
であり、密植による増収は図れず、品質が不安定でムラ
があった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決する手段】 本発明の作物の栽培方法は、
(1)地力の無い培地を雨水及び大地から遮断し、
(2)作物を発芽又は定植させ、(3)発芽又は定植後
に水と窒素肥料を断ち、(4)作物が萎れ始めたら慣行
(清耕法)の1/10〜1/100の小量の水及び肥料
を与え、(5)(3)と(4)の作業を繰り返して地表
面付近に吸水力と吸肥力の強い断食根を生成させて糖度
の高い作物を収穫する作物の栽培方法において、地力の
無い培地を作物の根圏の深さを約10cm以内に制限す
る栽培容器に収容して作物を栽培することを特徴とする
栽培方法である。本発明で「地力の無い」とは、特公平
3─4170号に記したと同様に、EC(土壌塩類濃度
の指標となる電気伝導度(単位ムオー=1/Ω 、現在
の単位はジーメンス=S/cmで示す)で表わされる土
壌塩類濃度が600mS/cmより小、通常10〜50
0mS/cmであることを意味する。本発明はまた、地
力の無い培地を収容する為の非通根性、非通気性及び非
透水性の高さ約10cm以下の袋状であり、上表面の定
植孔と、側面上部の通気孔と、側面下端部の排水孔とを
有することを特徴とする作物の栽培容器である。袋の
「高さ」とは培地収容時の袋の高さを指す。袋は柔軟で
可撓性の物質から製されていて、通常は折り畳めるの
で、貯蔵時の高さは僅小である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)地力の無い培地を雨水及び大地から
    遮断し、(2)作物を発芽又は定植させ、(3)発芽又
    は定植後に水と窒素肥料を絶ち、(4)作物が萎れ始め
    たら慣行(清耕法)の1/10〜1/100以下の小量
    の水及び肥料を与え、(5)(3)と(4)の作業を繰
    り返して地表面付近に吸水力と吸肥力の強い断食根を生
    成させて糖度の高い作物を収穫する作物の栽培方法にお
    いて、地力の無い培地を作物の根圏の深さを10cm以
    内に制限する栽培容器に収容して作物を栽培することを
    特徴とする作物の栽培方法。
  2. 【請求項2】培地として土の礫、火山礫及び人工の礫か
    ら成る群から選択した粒度2〜5mmの礫を用いる請求
    項1の栽培方法。
  3. 【請求項3】培地が腐葉土及び/又はミネラルを有する
    請求項1又は2の栽培方法。
  4. 【請求項4】人工の礫がクロボク、ローム又は赤土の焼
    成礫、ボタ及びズリから成る群から選択したものである
    請求項2又は3の栽培方法。
  5. 【請求項5】栽培容器とは別個に播種した容器又は育苗
    した容器を栽培容器の定植孔の内部の培地中に設置し、
    又は定植孔の上に載置して栽培する請求項1、23又は
    4の栽培方法。
  6. 【請求項6】栽培容器とは別個に育苗した容器を栽培容
    器の定植孔の内部の培地中に設置し、又は定植孔の上に
    載置して栽培する請求項5の栽培方法。
  7. 【請求項7】地力の無い培地を収容する為の非通根性、
    非通気性及び非透水性の高さ10cm以下の袋状であ
    り、上表面の定植孔と、側面上部の通気孔と、側面下端
    部の排水孔とを有することを特徴とする作物の栽培容
    器。
  8. 【請求項8】白色でスリップ防止剤、紫外線防止剤及び
    /又は帯電防止剤を有する請求項7の栽培容器。
  9. 【請求項9】培地として粒度2〜5mmの土の礫、火山
    礫及び/又は人工の礫を収容して成る請求項7又は8の
    栽培容器。
  10. 【請求項10】培地が腐葉土及び/又はミネラルを有す
    る請求項7、8又は9の栽培容器。
  11. 【請求項11】人工の礫がクロボク、ローム又は赤土の
    焼成礫、ボタ及びズリから成る群から選択したものであ
    る請求項9の栽培容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108156922A (zh) * 2018-01-12 2018-06-15 中国农业科学院农田灌溉研究所 一种作物加气灌溉适宜性鉴定方法及鉴定系统
CN113079858A (zh) * 2021-03-29 2021-07-09 锡林郭勒盟乌拉盖河矿业有限公司 一种用于矿山边坡生态修复的绿化种植设备

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CN113079858B (zh) * 2021-03-29 2023-11-21 锡林郭勒盟乌拉盖河矿业有限公司 一种用于矿山边坡生态修复的绿化种植设备

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