JP2002098565A - 流量測定装置 - Google Patents

流量測定装置

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JP2002098565A
JP2002098565A JP2000292054A JP2000292054A JP2002098565A JP 2002098565 A JP2002098565 A JP 2002098565A JP 2000292054 A JP2000292054 A JP 2000292054A JP 2000292054 A JP2000292054 A JP 2000292054A JP 2002098565 A JP2002098565 A JP 2002098565A
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JP2000292054A
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English (en)
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Toshihiko Matsuda
利彦 松田
Takashi Ebara
高志 江原
Yasuhiko Ezaki
泰彦 江▲崎▼
Kazushi Kasahara
一志 笠原
Masashi Yamaguchi
雅司 山口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、広い測定範囲をもち、高い測定精
度を有する流量測定装置を低コストで提供することを目
的とする。 【解決手段】 本発明の流量測定装置は、測定管1内に
設置され流体にカルマン渦3を発生させる渦発生体2
と、カルマン渦3が磁界内を通過する時に生じる磁界変
化によって発生する誘導起電力の変化を検出する一対の
起電力測定用電極4a,4bと、磁界を発生するための
磁界発生装置7a,7bと、誘電起電力を検出して流体
の流量を算出する検出回路5を備える流量測定装置であ
って、測定管1の管路断面が、磁界と直交する一対の直
線部分と、該一対の直線部分間を連絡する一対の弧状部
分を備えたトラック形状に形成され、一対の弧状部分が
磁界に直交する方向に関して対称に形成されるととも
に、二弧間幅Dが直線間幅dより大きく形成されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定管内を流れる
気体や液体(流体)の流量を測定する流量測定装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、測定管内を流れる流体の流量を測
定する流量測定装置としてカルマン渦流量測定装置が知
られている。このカルマン渦流量測定装置は、例えば特
開昭60−40914号公報に記載されているように、
流動する流動する流体中にカルマン渦を発生させ、この
カルマン渦の発生周波数(以下、周波数)をカウント
し、この周波数から流量を算出するものである。これは
カルマン渦の周波数が流量に比例するという現象を利用
したものである。このためカルマン渦流量測定装置で
は、発生するカルマン渦の周波数をカウントしなければ
ならないが、従来は特開昭60−40914号公報に記
載されているように、超音波や振動等を用いて周波数を
検知している。カルマン渦が流下するとき、これに向け
て入射された超音波や振動等が周波数や位相に変化を生
じさせることを利用したものである。
【0003】しかしながら、超音波や振動等の変化を検
知するためには、管路自体の大きさはそれほどでもない
のに、大型で複雑、且つ高価な検知装置が必要になると
いう問題を有していた。しかも、これだけ高価な検知装
置を装備しても、流量の精度は一次的にはカルマン渦の
発生メカニズムに依存しており、温度やその他の外乱に
よってカルマン渦の発生に影響がでると、直ちに測定精
度が悪化するものであった。
【0004】そこで、この課題を解決するために、例え
ば特開平5−172598号公報に開示されたように、
磁界を用いてカルマン渦の周波数を検知することが提案
されている。そこでこのような流量測定装置について説
明する。図5は従来の流量測定装置の構成を示す断面
図、図6は従来の流量測定装置の管路形状を示す断面図
である。
【0005】図5、6に示すように、1は導電性を有す
る流体を流す測定管、2は測定管1内に設けられた渦発
生体である。3は渦発生体2によって発生するカルマン
渦、4a,4bは起電力測定用電極である。流れの中に
置かれた渦発生体の下流側には、渦発生体2の代表寸法
に比例した周波数で、交互に回転方向が反転する一対の
カルマン渦列が生成される。起電力測定用電極4bは渦
発生体2の下流側に設けられるが、起電力測定用電極4
aは起電力測定用電極4bの対極として起電力測定用電
極4bの上流側、そして同時に渦発生体2より下流に設
けられる。ただ、図2に記載された起電力測定用電極4
aは渦発生体2と一体となっている。5は起電力測定用
電極4a、4bと電気的に接続され、起電力測定用電極
4a、4b間の電圧を検出して測定管1内を流れる流体
の流量を算出するために検出回路、7a,7bは測定管
1の周囲に設けられた磁界発生装置であって、測定管1
を挟んで2つの磁石をそれぞれS極とN極を対向させて
配置したものである。そして、磁界発生装置7a,7b
はN極からS極に向かう磁界の向きが渦発生体2の軸心
方向と起電力測定用電極4a,4bに垂直になるように
設けられている。
【0006】この従来の流量測定装置によれば、渦発生
体2によって生成されたカルマン渦が流れに乗って流下
していくと、流れの流速に渦の速度分だけの変化が生
じ、これによって磁界発生装置7a,7bが加えた磁界
に磁束変化が生じる。これを検出回路5で検出すれば、
電圧変化の回数がカルマン渦に比例し、検出回路5で検
出される電圧変化の回数をカウントすることにより流量
が算出できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の流量測定装置では、レイノルズ数Re=U
L/υ(U:断面平均流速、L:代表長さで、円管の場
合は直径A、υ:動粘性係数)が5000を下回るよう
な低速流れにおいては、カルマン渦に伴う磁界変化で生
じる起電力E=BLU(B:磁束密度、U:断面平均流
速、L:代表長さで、円管の場合は直径A)が小さいた
め、流れや磁界にそれぞれ外乱が加わると測定する磁界
とノイズとの判別が困難となり、正確な流量を算出する
ことが難しくなるものであった。
【0008】そのうえ、レイノルズ数が3000を下回
る層流から乱流に遷移する領域では測定管1の流路壁面
抵抗の影響により、管路内の測定流体の流速分布が変化
するためカルマン渦の発生は不安定であり、カルマン渦
の発生周波数と流量の比例関係が安定していないため、
測定精度、再現性が低くなり、正確な流量を算出するこ
とが難しくなるものであった。
【0009】また、流体の導電率が変化すると起電力測
定用電極4a,4b間に発生する起電力に変化を生じ、
正確な流量を算出することが難しくなるものであった。
そして、低導電率の流体は、もともと誘導起電力が低く
信号レベルが低いため、正確な流量検知が困難なもので
あった。
【0010】このように、従来の流量測定装置において
は、測定条件がさまざまに変化した場合にその変化を検
出してそれぞれ対応することが必要であるが、測定条件
の変化すべてに対応するのが難しく、また、ノイズ対策
を行うためフィルター回路を組込んだり、高磁力の磁石
を使用したりすると、装置全体の構造が複雑になった
り、高コストになるという二次的な問題も生じるもので
あった。
【0011】また、カルマン渦による磁界変化で生じる
起電力がE=BLU、そのときの流れのレイノルズ数が
Re=UL/υであるから、この起電力Eとレイノルズ
数Reを増加させるために、磁界発生装置によって発生
する磁束密度B、断面平均速度U=V/S(V:体積流
量、S:測定管の流路断面積で、円管の場合はπA2
4)とを増加させるように測定管1の管径Aを小さくす
ることが考えられるが、管径Aを小さくしていくと管壁
からの影響により、渦発生と発生周波数の比例関係がく
ずれ正確な流量を算出することができなくなる。しか
も、管壁からの影響により、流れや磁界にそれぞれ外乱
が加わり、正確な流量を算出することがさらに難しくな
るため、実際にはφ6mm程度までしか小さくすること
ができなかった。
【0012】そこで、このような従来の問題を解決する
ために本発明は、広い測定範囲をもち、高い測定精度を
有する流量測定装置を低コストで提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために本発明の流量測定装置は、測定管の管路断面
が、磁界と直交する一対の直線部分と、該一対の直線部
分間を連絡する一対の弧状部分を備えたトラック形状に
形成され、一対の弧状部分が磁界に直交する方向に関し
て対称に形成されるとともに、一対の弧状部分の二弧間
幅Dが一対の直線部分の直線間幅dより大きく形成され
ていることを特徴とする。
【0014】これにより、広い測定範囲をもち、高い測
定精度を有する流量測定装置を低コストの流量測定装置
を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、導電性をもつ流体が流れる測定管内に設置され、流
体にカルマン渦を発生させる渦発生体と、渦発生体より
下流側に設けられ、カルマン渦が磁界内を通過するとき
生じる磁界変化によって発生する誘導起電力の変化を検
出する一対の起電力測定用電極と、磁界を発生するため
の磁界発生装置と、一対の起電力測定用電極と電気的に
接続され、誘電起電力を検出して流体の流量を算出する
検出回路を備える流量測定装置であって、測定管の管路
断面が、磁界と直交する一対の直線部分と、該一対の直
線部分間を連絡する一対の弧状部分を備えたトラック形
状に形成され、一対の弧状部分が磁界に直交する方向に
関して対称に形成されるとともに、一対の弧状部分の二
弧間幅Dが一対の直線部分の直線間幅dより大きく形成
されていることを特徴とする流量測定装置であるから、
渦発生体の軸心と直交する方向の寸法を小さくせずに磁
界発生装置間距離を縮めることができ、渦の発生を妨げ
ずに測定管路の断面積が小さくなるから、磁界強度Bと
レイノルズ数Reを増加できる。これにより、渦によっ
て発生する起電力が高くなるとともに、安定した渦の発
生が低流量から行えるため、広い測定範囲において、高
い測定精度で流量を測定できる。また、渦発生体の軸心
に直交する方向に位置する辺が弧状部分であるから、測
定流体は円滑に流れ、測定を妨げるような二次的な渦を
発生しないため、高い測定精度で流量を測定できる。
【0016】本発明の請求項2に記載の発明は、一対の
弧状部分がそれぞれ半円形状であることを特徴とする請
求項1記載の流量測定装置であるから、測定管の管路形
状の作製が容易であり、低価格化が行なえるとともに、
管路の直線部分と滑らかに連絡されるため、測定を妨げ
るような二次的な渦を発生しにくく、広い測定範囲にお
いて、高い測定精度で流量を測定できる。
【0017】本発明の請求項3に記載の発明は、流れに
乱れを起こす乱れ誘発手段が前記渦発生体の上流側に設
けられたことを特徴とする請求項1または2記載の流量
測定装置であるから、乱流が発生しやすくなるため、層
流から乱流に遷移するRe数を低くでき、広い測定範囲
において流量を測定することが可能になる。
【0018】本発明の請求項4に記載の発明は、乱れ誘
発手段が、渦発生体の上流側に設けられた二弧間幅D以
上の直径を有する円筒管路であることを特徴とする請求
項3記載の流量測定装置であるから、管路形状変化とい
う簡単な方法で、層流から乱流に遷移するレイノルズ数
を低くすることができるため、低コスト化が可能とな
る。
【0019】本発明の請求項5に記載の発明は、流体の
速度分布を定常化するため、円筒管路と渦発生体間に渦
発生体の下流側の形状と同一形状の混合距離部を具備し
たことを特徴とする請求項4記載の流量測定装置である
から、渦発生体を通過する流れを十分に発達した乱流に
することができ、広い測定範囲において高い精度で流量
を測定することができる。
【0020】本発明の請求項6に記載の発明は、乱れ誘
発手段が、渦発生体の上流側の測定管内に設けられた一
様な凹凸であることを特徴とする請求項3〜5いずれか
記載の流量測定装置であるから、層流から乱流に遷移す
るRe数を低くするとともに一定とすることができるた
め、広い測定範囲において高い精度で流量を測定するこ
とが可能になる。
【0021】本発明の請求項7に記載の発明は、一様な
凹凸がコイルばねであることを特徴とする請求項6記載
の流量測定装置であるから、凹凸を構成する部材として
コイルばねを用いることで測定管を複雑化することな
く、層流から乱流に遷移するレイノルズ数を低くすると
ともに一定とすることができ、低コストで広い測定範囲
において高い精度の流量測定が可能になる。
【0022】本発明の請求項8に記載の発明は、乱れ誘
発手段と渦発生体間の管路に整流装置が設けられたこと
を特徴とする請求項3〜7いずれか記載の流量測定装置
であるから、測定管路内の乱流の速度分布を定常化する
ために通常必要とされる混合距離を短くすることができ
るため、小型化ができる。
【0023】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1における流量測定装置について、図1〜2を用いて
説明する。なお、従来の流量測定装置と同一の部材には
同一の符号を付しており、重複した説明は省略する。図
1は本発明の実施の形態1における流量測定装置の構成
を示す断面図である。図2(A)は本発明の実施の形態
1における流量測定装置の入水部の管路形状を示す断面
図、図2(B)は本発明の実施の形態1における流量測
定装置の管路形状を示す断面図である。
【0024】図1に示すように、1aは測定管入水部、
1bは測定管路、2は流体中に設けられてカルマン渦を
発生する渦発生体、3は渦発生体2の代表寸法に比例し
た周波数で交互に回転方向が反転して生成されるカルマ
ン渦、4a,4bは起電力測定用電極、5は誘導起電力
を検出して流量を算出するとともに、反転回路でノイズ
成分の信号を反転させて相殺できる検出回路、6a,6
bは基準電位測定用電極、7a、7bは互いに異極にな
るように配置された磁界発生装置である。磁界発生装置
7a、7bは本実施の形態1においてはS極とN極を対
向させた永久磁石である。8は、渦発生体2の上流側に
配置された流れに乱れを起こす乱れ誘発手段、9は磁界
発生装置7a,7bの漏れ磁束を少なくするための金属
ヨークである。
【0025】測定管路1bにおける測定する流体の流速
が、レイノルズ数Re=5000を下回るような低速流
れでは、発生するカルマン渦に伴う磁界変化で誘導され
る起電力E=BLU(B:磁束密度、U:断面平均流
速、L:代表長さで、円管の場合は直径A)が小さいた
め、流れや磁界にそれぞれ外乱が加わると測定する磁界
とノイズとの判別が困難となり、正確な流量を算出する
ことが難しくなる。とくにレイノルズ数が3000を下
回る層流から乱流に遷移する領域では測定管路1bの流
路壁面抵抗の影響により、管路内の測定流体の流速分布
が変化するためカルマン渦の発生が不安定であり、しか
も、カルマン渦の発生周波数と流量の比例関係が安定し
ていないため、測定精度、再現性が低くなり、正確な流
量を算出することが難しい。そこで、このようなレイノ
ルズ数Re領域において測定できるようにするため、図
2(A)に示すように渦発生体2の上流の測定管入水部
1aに乱れ誘発手段8を設け、安定して乱れを発生させ
るようにしている。これにより、レイノルズ数Reが増
加し、正確な流量を算出できるようになる。さらに、本
実施の形態1では乱れ誘発手段8として、コイルばねを
配置し、均一な凹凸を形成するようにしているから、乱
れを安定して発生するほか、低コストである。また、乱
れ誘発手段8と渦発生体2の管路に、長さLの測定管路
1bと同一形状の混合距離部を設ければ、測定する流体
は十分に発達した乱流流れになる。
【0026】ところで、渦発生体2の形状は本実施の形
態1においては三角柱としているが、カルマン渦列を発
生させる形状であればどのような形状であってもかまわ
ない。そして、本実施の形態1の渦発生体2は、三角柱
の一側面が流れに垂直に当たるように向けて測定管路1
bに取り付けられている。
【0027】図2(B)に示すように、本実施の形態1
の測定管路1b構成は、渦発生体2によるカルマン渦の
発生を妨げることなく磁界発生装置7a,7b間の距離
dgを短くできるように、その断面形状が、磁界発生装
置7a,7bが発生する磁界に直交する一対の直線部分
と、この一対の直線部分間を連絡する一対の弧状部分を
備えたトラック形状となるように形成されている。この
弧状部分は凹部側を互いに対向させ、また磁界と直交す
る方向に関して対称となるように形成されている。ここ
で、磁界と直交する方向に関して対称というのは、一対
の直線部分の中間にこの2つの直線部分と平行な線を想
定したとき、この直線に関して対称なことを意味する。
本実施の形態1では磁界方向に関しても弧状部分は対称
である。そして、測定管1の断面形状は、カルマン渦の
発生を妨げないで距離dgを短くできるように、一対の
弧状部分間の距離(以下、二弧間幅)Dが、一対の直線
部分間の距離(以下、直線間幅)dより大きく形成され
ている。二弧間幅Dがトラック形状の長軸長さで、直線
間幅dがトラック形状の短軸長さとなる。
【0028】一対の弧状部分は、それぞれ直線間幅dを
直径とする半円形状で構成するのが望ましい。その理由
は、管路の作製が容易となるし、低価格化が行えるから
であり、接線方向が管路の直線部分と滑らかに連絡され
るため、測定を妨げるような二次的な渦を発生しにく
く、広い測定範囲において、高い測定精度で流量を測定
できるからである。
【0029】また、二弧間幅Dは小さければ小さいほど
流速が上がってレイノルズ数が上がり、測定が容易にな
ると考えられるが、小さすぎると管壁からの影響を受け
カルマン渦3の発生がさまたげるから、渦発生体2の幅
Wと二弧間幅DはW/D=0.2〜0.4が望ましい。
本実施の形態1の測定管路1bの場合、流量検知範囲を
1L/min〜10L/minに設定するために、直線
間幅d=3.8mm、弧状部分の直径d=φ3.8m
m、二弧間幅D=6.8mmとしたが、この条件では幅
2mm、高さ3mmの断面二等辺三角形の三角柱で構成
される渦発生体2を設けるのがもっとも効果的であっ
た。
【0030】起電力測定用電極4a,4bは、渦発生体
2の下流側に渦発生体2の軸心方向が流れと直交するよ
うに2本並べて平行に取り付けられる。このとき、起電
力測定用電極4aを通る流線を描くと、同時に必ず起電
力測定用電極4bも通る流線となる。この起電力測定用
電極4a,4bを測定管1の両側面から挟むように、磁
界発生装置7a,7bを構成する永久磁石のN極とS極
が対向して両側に設けられている。この磁界発生装置7
a,7bは測定管1内の磁束密度を高める必要があるた
め、磁石間距離dgをできるだけ近づけ、金属ヨーク9
を用いて漏れ磁束を減らすようにする必要がある。磁界
発生装置7a,7bには流量検知範囲を1L/min〜
10L/minに設定した時、本実施の形態1における
測定管路1bの形状は直線間幅d=3.8mm、弧状部
分の直径=φ3.8mm、二弧間幅D=6.8mmであ
れば、フェライト磁石を用いることができるが、更に高
精度で測定できるようにするには磁束密度が非常に高く
温度特性に優れるネオジム(Nd)、サマリウム(S
m),セリウム(Ce)系などの希土類永久磁石を用い
ることが望ましい。
【0031】基準電位測定用電極6a,6bは起電力測
定用電極4a,4bの上流側と下流側のそれぞれの電位
を測定し、この上流側位置と下流側位置の電位差を測定
できるものである。基準電位測定用電極6a,6bは起
電力測定用電極4a,4bと4本並んで平行に設けられ
る。このとき、基準電位測定用電極6a,6bを通って
描かれる流線は、必ず起電力測定用電極4a,4bを通
るようになる。従って4つの電極は完全に1つの流れの
上流、下流の位置関係を有するようになる。また、本実
施の形態1では乱れ誘発手段として導電性材料でできた
コイルばね8を用い、基準電位測定用電極6aに接触さ
せているので、乱れ発生のほかに基準電位測定用電極と
しての能力が向上する。そして、コイルばねのピッチの
少なくとも一部を基準電位測定用電極6aの直径より短
くしておけば、そのピッチ間に基準電位測定用電極6a
を挿入し、ばねの密着力により、安定且つ強固に接触さ
せることができる。また、コイルばね8に密着ばねを用
いれば、同じばね長さでも接水面積を稼ぐことができ効
率的である。また、ばねの密着力によって基準電位測定
用電極6a、コイルばね8が変形しないように、基準電
位測定用電極6a、コイルばね8の材質および線径を同
一にしておくことが望ましい。
【0032】続いて、このような構成を有する本実施の
形態における流量測定装置の動作について説明する。測
定管入水部1aに入水した測定水がコイルばね8により
流れを乱され、乱れ誘発手段8と渦発生体2間に配置さ
れた長さLの混合距離部によって十分に発達した乱流流
れになって、渦発生体2を通過する。これによって渦発
生体2が流速に比例したカルマン渦3列を安定して発生
させる。カルマン渦3列が起電力測定用電極4a,4b
で囲まれた部分を通る磁束を横切るとき、磁界変化が発
生し、起電力測定用電極4a,4bに規則的に誘導起電
力がパルス状に発生する。そして、基準電位測定用電極
6a,6bでこの付近の電位差を測定するから、この付
近の測定条件(カルマン渦以外の直流成分や外乱ノイズ
成分)を反映した起電力測定用電極4a,4b間の基準
電位差を測定することができ、この基準電位差信号を起
電力信号と検出回路5内で相殺することで、容易にノイ
ズ成分やカルマン渦列以外の信号を消去できる。
【0033】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2における流量測定装置について、図3、4を用いて
説明する。なお、従来の流量測定装置、実施の形態1と
同一の部材には同一の符号を付しており、重複した説明
は省略する。図3は本発明の実施の形態2における流量
測定装置の構成を示す断面図である。図4(A)は本発
明の実施の形態2における流量測定装置の第1の整流装
置の構成図、図4(B)は本発明の実施の形態2におけ
る流量測定装置の第2の整流装置の構成図、図4(C)
は本発明の実施の形態2における流量測定装置の第3の
整流装置の構成図である。
【0034】図3に示すように、1aは測定管入水部、
1bは測定管路、2は流体中に設けられてカルマン渦を
発生する渦発生体、3はカルマン渦、4a,4bは起電
力測定用電極、5は検出回路、6a,6bは基準電位測
定用電極、7a、7bは磁界発生装置、8は乱れ誘発手
段、9は金属ヨークである。10は渦発生体2の上流側
に配置された測定流体流れの乱れを誘発する手段8によ
り発生した乱流を整流し、十分発達した乱流にするため
の整流装置である。測定管路1bの構成、乱れ誘発手段
8の構成等は実施の形態1と同様である。本実施の形態
2の流量測定装置は、実施の形態1で用いた混合距離L
だけでなく、さらに整流装置10を設けたものである。
【0035】図4に示すように、整流装置としては図4
(A)のような細い管を束ねた管状式整流板10a、図
4(B)のような多孔質の板を数枚重ねた多孔板式整流
板10b、図4(C)のような雪の結晶形整流板10c
が一般に用いられるが、星型、十字型でも整流作用を有
するものであれば形状はどのようなものでもよい。実施
の形態1で説明したように、管路内の流れの状態が時間
的に変化しない十分に発達した乱流になるには、非常に
長い混合距離Lが必要となる。とくに管路が曲ったり途
中で管路形状が変化するような場合には二次流れ、回転
流などが生じ、その影響を無くすまで更に長い距離が必
要である。この混合距離Lとしては、L=5〜10D程
度の距離が必要であるから、本実施の形態2のように流
量検知範囲を1L/min〜10L/minに設定する
ため直線間幅d=3.8mm、弧状部分の直径d=φ
3.8mm、二弧間幅D=6.8mmとした場合、L=
34〜68mm程度の混合距離が必要である。しかし、
実験によれば、本実施の形態2では整流装置10を用い
ることにより、整流のための混合距離はL=1D(=
6.8mm)程度と短くなった。
【0036】続いて、このような構成を有する本実施の
形態2における流量測定装置の動作について説明する。
測定管入水部1aに導入された流体がコイルばね8によ
り流れを乱され、乱流となり、さらに整流装置10によ
り整流され、混合距離Lにより速度分布が時間的に安定
な十分発達した乱流となり渦発生体2を通過する。渦発
生体2が流速に比例したカルマン渦3を安定して発生す
る。カルマン渦列が起電力測定用電極4a,4bで囲ま
れた部分を通る磁束を横切るとき、磁界変化が発生し、
起電力測定用電極4a,4bに規則的に誘導起電力がパ
ルス状に発生する。そして、基準電位測定用電極6a,
6bでこの付近の電位差を測定するから、この付近の測
定条件を反映した起電力測定用電極4a,4b間の基準
電位差を測定することができ、この基準電位差信号を起
電力信号と検出回路5内で相殺することで、容易にノイ
ズ成分やカルマン渦列以外の信号を消去できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記
載の流量測定装置は、直線部分と弧状部分を備えたトラ
ック形状であるから、渦発生体の軸に直交方向の寸法を
小さくせずに磁界発生装置間距離を縮めることができ、
渦の発生を妨げずに測定管路の断面積を小さくすること
ができ、磁界強度Bとレイノルズ数Reを増加できる。
従って、渦の発生によって発生する起電力が高くなると
ともに、安定した渦の発生が低流量(体積)から行えるた
め、広い測定範囲において、高い測定精度で流量を測定
できる。また、渦発生体の軸心と直交する方向に弧状部
分が設けられているから、流体は円滑に流れ、測定を妨
げるような二次的な渦を発生しないため、高い測定精度
で流量を測定できる。
【0038】請求項2に記載の流量測定装置は、弧状部
分が半円形状であるから、測定管の管路形状の作製が容
易であり、低価格化が行なえるとともに、管路の前記直
線部分と滑らかにつながっているため、測定を妨げるよ
うな二次的な渦を発生しにくく、広い測定範囲におい
て、高い測定精度で流量を測定できる。
【0039】請求項3に記載の流量測定装置は、乱れ誘
発手段が設けられているから、層流から乱流に遷移する
Re数を低くでき、広い測定範囲において流量を測定す
ることが可能になる。
【0040】請求項4に記載の流量測定装置は、乱れ誘
発手段が渦発生体の上流側に設けられた二弧間幅D以上
の直径を有する円筒管路であるから、管路形状変化とい
う簡単な方法で、層流から乱流に遷移するレイノルズ数
を低くすることができるため、低コスト化が可能とな
る。
【0041】請求項5に記載の流量測定装置は、円筒管
路と渦発生体間に混合距離部が設けられているから、渦
発生体を通過する流れを十分に発達した乱流流れするこ
とができ、広い測定範囲において高い精度で流量を測定
することができる。
【0042】請求項6に記載の流量測定装置は、渦発生
体上流部の管路内に一様な凹凸を設けているから、層流
から乱流に遷移するRe数を低くするとともに一定とす
ることができるため、広い測定範囲において高い精度で
流量を測定することが可能になる。
【0043】請求項7に記載の流量測定装置は、一様な
凹凸としてコイルばねを用いているから、測定管路を複
雑化することなく、層流から乱流に遷移するレイノルズ
数を低くするとともに一定とすることができ、低コスト
で広い測定範囲において高い精度の流量測定が可能にな
る。
【0044】請求項8に記載の流量測定装置は、乱れ誘
発手段と渦発生体間に整流装置が設けられているから、
測定管路内の乱流の速度分布を定常化するために通常必
要とされる混合距離を短くすることができるため、小型
化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における流量測定装置の
構成を示す断面図
【図2】(A)本発明の実施の形態1における流量測定
装置の入水部の管路形状を示す断面図 (B)本発明の実施の形態1における流量測定装置の管
路形状を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態2における流量測定装置の
構成を示す断面図
【図4】(A)本発明の実施の形態2における流量測定
装置の第1の整流装置の構成図 (B)本発明の実施の形態2における流量測定装置の第
2の整流装置の構成図 (C)本発明の実施の形態2における流量測定装置の第
3の整流装置の構成図
【図5】従来の流量測定装置の構成を示す断面図
【図6】従来の流量測定装置の管路形状を示す断面図
【符号の説明】
1 測定管 1a 測定管入水部 1b 測定管路 2 渦発生体 3 カルマン渦 4a,4b 起電力測定用電極 5 検出回路 6a,6b 基準電位測定用電極 7a,7b 磁界発生装置 8 コイルばね 9 金属ヨーク 10 整流装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江▲崎▼ 泰彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 笠原 一志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 雅司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F031 AB09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性をもつ流体が流れる測定管内に設置
    され、前記流体にカルマン渦を発生させる渦発生体と、 前記渦発生体より下流側に設けられ、前記カルマン渦が
    磁界内を通過するとき生じる磁界変化によって発生する
    誘導起電力の変化を検出する一対の起電力測定用電極
    と、 前記磁界を発生するための磁界発生装置と、 前記一対の起電力測定用電極と電気的に接続され、前記
    誘電起電力を検出して前記流体の流量を算出する検出回
    路を備える流量測定装置であって、 前記測定管の管路断面が、前記磁界と直交する一対の直
    線部分と、該一対の直線部分間を連絡する一対の弧状部
    分を備えたトラック形状に形成され、 前記一対の弧状部分が前記磁界に直交する方向に関して
    対称に形成されるとともに、前記一対の弧状部分の二弧
    間幅Dが前記一対の直線部分の直線間幅dより大きく形
    成されていることを特徴とする流量測定装置。
  2. 【請求項2】前記一対の弧状部分がそれぞれ半円形状で
    あることを特徴とする請求項1記載の流量測定装置。
  3. 【請求項3】前記流れに乱れを起こす乱れ誘発手段が前
    記渦発生体の上流側に設けられたことを特徴とする請求
    項1または2記載の流量測定装置。
  4. 【請求項4】前記乱れ誘発手段が、前記渦発生体の上流
    側に設けられた前記二弧間幅D以上の直径を有する円筒
    管路であることを特徴とする請求項3記載の流量測定装
    置。
  5. 【請求項5】前記流体の速度分布を定常化するため、前
    記円筒管路と前記渦発生体間に前記渦発生体の下流側の
    形状と同一形状の混合距離部を具備したことを特徴とす
    る請求項4記載の流量測定装置。
  6. 【請求項6】前記乱れ誘発手段が、前記渦発生体の上流
    側の測定管内に設けられた一様な凹凸であることを特徴
    とする請求項3〜5いずれか記載の流量測定装置。
  7. 【請求項7】前記一様な凹凸がコイルばねであることを
    特徴とする請求項6記載の流量測定装置。
  8. 【請求項8】前記乱れ誘発手段と渦発生体間の管路に整
    流装置が設けられたことを特徴とする請求項3〜7いず
    れか記載の流量測定装置。
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